[咲-Saki-][安価]京太郎「マッサージ屋-KYO-、開店です!」咲「」[R18?]
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762: ◆1jhB/ltcIM[saga]
2022/01/10(月) 14:53:41.09 ID:JvLAk9P30
真屋由暉子は瑞原はやりの次の牌のお姉さんに就任している。

『ある意味いろいろきつい』とか言われていたキャピキャピアイドル調のはやりとは異なり、天然で素直な部分と時折見せる厨二病を患ってはいないかと心配される独特のセンスでファン層は広い。

どちらかというと守ってあげたい系のアイドルといえばいいだろうか。
だからか、意図せずしてはやり以上にクリーンなイメージがついていた。

はやりが男を作ったといえば一部のファンは発狂するもその大多数が『やっとか、いい加減落ち着けよ』と思い、由暉子が男を作ったと聞けば『そんな男は許しません!』と大多数がなぜか親目線で怒りだす。
年齢的な部分もあるが、それ以上に当人の持つ雰囲気が大きい。

そんな由暉子だが、アイドルである前に一人の人間、女である。
そして半ば流される感じで打倒牌のお姉さんを掲げてきたせいですでに目標を失いつつあった。

「神は私に運命を与えました」

聖書をなんとなくかっこいい、などというセンスでキリスト教をにわかに信仰しているのかしていないのか微妙な由暉子だが、この時ばかりは真剣に神に感謝した。

お相手の女関係の最悪さを思えばその感謝している神は邪神のたぐいになるのだが、一目惚れで一切の情報を持たない由暉子に悟れという方が無茶。

「交際を前提に結婚してください!」

頭を下げ、身長に比べてアンバランスに大きな胸が揺れる。

「いや、逆逆」

突飛な行動をしだす人間への耐性があり、最近は美女や有名人との関係も深くなったため咄嗟に突っ込みで返す京太郎。
一般人ならばあの牌のお姉さん、あの真屋由暉子、となりあわあわと慌てながら承諾するだろうに、迷いなく放たれるカウンター。

それに、ちょっとずれたところのある由暉子は『か、かっこいい』となぜかなった。
思えば牌のお姉さんに就任してから、みんなの自分への扱いが変わったのは強く感じていた。
だから逆に、ぞんざいともいえる態度で自分に接してくれる相手というのは新鮮味があって興味が引かれた。

「あ、味見だけでも!」

なおも食い下がるよく分からない芸能人に、いっそ幻滅させた方が早いかと思って腰を引き付け、目を見開いているところに唇を奪って、強引に舌を絡めとって唾液ごと啜る。

くちゅくちゅちゅぷちゅぷ、水音が響き由暉子の頬に手を当てて貪るように深いキスを交わす。
びっくりして突き飛ばすこともできなかった由暉子。舌同士が絡められ吸われ、時折歯で甘く噛まれるという初体験に頭がぼうっとする。

「これで満足しました?」

「も、もう一回。緊張してよく分からなかったので」

ふわっとした感覚に押されて咄嗟に催促してしまい、言い訳を付け足す。

「牌のお姉さんがそれでいいんですか?」

初対面の男に唇を許して怒らないのは、芸能人以上に女としてもどうかと思うと、正論を振りかざす。
だがその正論は多数の女を狂わせている男であり今唇を奪った男が言っていいものではないし、由暉子は最近その肩書が重くなってきていた。

「私は、真屋由暉子です。牌のお姉さんとかより」

自分を見て欲しいという思い。自分を見てくれればいいという感情。
思えば、中学時代パシられているのを頼りにされていると感じたり、高校時代は『打倒牌のお姉さん』の元に着せ替え人形になっていたりと、由暉子には自分に都合のよく考える癖がある。

由暉子が今、自分の在り方に疑問を持っているのは傍で明確に自分を必要としてくれる仲のいいと思える相手がいないせい。
肩書をみられているようで、それが高校時代のちゃんと自分を見てくれた経験とのギャップに苦しんでいた。
だから惚れた男に本当の、素の自分を見てもらいたいと思う。

由暉子の考えはまだ理解の範疇のものではあった。ただし、求める相手に京太郎を選ぶというのは、ただの都合のいい女になる道でしかない。



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