【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい10
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101: ◆gEU9La026k[saga]
2021/09/29(水) 23:27:55.86 ID:b3rKJTDq0
――


「……」


女王カタリナの救出。
それは紛れも無く急務であり、クリスが馬を急かすのも当然のことと言える。
勿論彼も、ただ愚直に突撃をするわけではない。
安全に、かつ最短距離を選んでの進軍。
運ばれる樽の中の者達のことを考え、そのぎりぎりの線を選んでいく。


「きゃ……!」

「っと……!」


しかし、どうしても揺れる時は揺れる。
ましてや樽の中になど、普通の人間は入ることはしない。
外の様子もろくにわからず、急な揺れがくれば体勢を崩してしまうのも仕方がない。


「す、すみませんジークさん……」

「いや、構わない……」


樽のうちの一つ、ジークとリーチェが入る樽の中もそれは同じこと。
狭い密室で、姫が出自もわからない男に抱きつくような格好になってしまっても仕方がない。


「すぐに、離れますから……」


慌てて身を離すリーチェ。
暗い樽の中では表情を窺い知ることはできないが、きっと頬は染まっていることだろう。


(ジークさん……)


既に身内……傭兵団には半ば暴露されてしまっているが、この妖精の姫は一介の傭兵に想いを寄せている。
幾度も救われ、辛い想いをした後も彼の傍にいれば不思議と安心ができた。
身体の疼きを自覚してからは、その肌にも触れたくなった。


(私は……)


姫とはいえ、直系ではない。
稀有な普通の人間と変わらない体躯を持つ、迫害されたはぐれ妖精。
それが女王カタリナと本当の姫であるリュノの優しさに保護され……その才を認められて姫となったのだ。
ならば……
この地位を捨て去ることも、できるのではないか。
一時の感情の昂ぶりから、彼女はその言葉を口にし……返ってきたのは、想い人からの冷静な拒絶だった。



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