【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい10
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104: ◆gEU9La026k[saga]
2021/09/30(木) 00:02:36.26 ID:uxNmh7O00
「……リーチェ」

「は、はい?」



「……すまない」



「え……? あっ……」


そんな時に。
不意に、短い謝罪と共に抱きしめられたともなれば。
妖精姫の思考が停止してしまうのも、無理はない。


「ジーク……さん……?」

「俺は……」


微かに、ジークの声が奮える。
しかしそれを感じさせまいと、触れすぎない範囲でリーチェに回した腕に力を込める。


(リーチェ、やはり……)


姫らしく振る舞う彼女は頼もしいと、ジークはそう思えた。
それでも、時折その裏に見え隠れする感情は……自分と同じもの。
他者には見せないようにと、自らを抑圧する行動。
そもそも自分が助け出せていれば。
立ち直り、今度は一丸となって今まさに向かっているとはいえ……
自分でも気がついていないのか、小さく震えるリーチェの姿を見てしまえば、止めることはできなかった。


「……ジークさんのせいでは、ありません……」

「……」


自分が救われたように、彼女の苦しみを少しでも請け負えたら。
そう思い抱きしめてしまったが、逆に心配をかけてしまったようだ
思うようにはいかないようだが、それでもジークは腕の力を抜くことはなかった。


(……生きている)


腕の中に感じる温もりと柔らかさ。
リーチェの生の証。


――自分が目を離したばかりに、危うく奪われかけた生命


「リーチェ……」

「あ……」


同じ過ちを繰り返した。
娘だけでなく、その母親さえもがあの時と同じかそれ以上の絶望を味わわせようとしてしまっている。
今度こそ……そう思うのは、この妖精姫を護りきれなかった苦過ぎる記憶のせいもあるのかもしれない。



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