【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい10
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◆gEU9La026k
[saga]
2021/10/25(月) 22:57:49.29 ID:R54Tjzk+0
――
「はぁ……」
イアンの身体の奥底から深く息が吐き出される。
誰にも見られることなく自室まで戻れたことは、奇跡かもしれない。
あんな状態を家主に見られれば、きっと泣き叫ばれたことだろう。
借りた道具を急いで戻し、置手紙を残した程度で去ってしまったことは明日にでも謝ろうと心に決める。
だが悲しいかな。最も見られたくなかった人には、この醜態を目撃されてしまっている。
「イアン様、あまり無理をなさらないで……?」
まさしく慈愛の聖女と言っていいであろう態度で、目の前のシスターは微笑みを浮かべた。
しかしその顔は朱に染まっており、相変わらずそそり立つそこに視線が向いているのもわかる。
国と姫を護りきれなかったことも恥ずべきことと認識しているが……
これはそれとは違った意味で恥ずべきことだと、項垂れずにはいられない。
(私は、なんと愚かなのだ……)
鉄国騎士団の長。王からも姫からも信の厚い、誇りある立場。
ひたすらに忠義を貫き、堅物と言われようが実直に騎士であり続けた。
部下達には畏れられ、親友とは互いを高め合い真面目に生きてきた。
内に秘めた願望も口にすることなく、尽くしてきた。
飛竜の閃雷に焼かれ、死を覚悟したその瞬間も。
(ミナの前で、このような……!)
だと言うのに。
ここにきて、自分を死の淵より救いだしてくれた聖女を前にして。
抑えきれない程の劣情を催し、それを真正面から見られてしまっているというこの状況。
ましてや事故で彼女の身体に触れてしまったからなどではなく……
ほんの数瞬だけ、成り行きで彼女の裸体を想像してしまっただけでこれなのだ。
いっそここで自刃できたならば、どれほど楽か。
「……ミナ、私は大丈夫だ。すまなかった……」
「……」
絞り出した声に、覇気はない。
そんな様子を察してなのか、当のミナは困惑しつつも動く様子はない。
その頬は、変わらず染まったままだ。
まさか、本当に大丈夫になるまでこの状況のままなのか。
そう考えたイアンは、さらに項垂れる。
地獄の責め苦のようなこの時間。
聖女に己が醜態を見せ続けるという拷問。
強き肉体と精神を身上とするが、今回ばかりは折れてしまいそうだ。
「イアン様……」
そう項垂れたままだったからこそ。
イアンは、聖女のその表情を見ていなかった。
そこに浮かんでいたのは……
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