【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい10
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◆gEU9La026k
[saga]
2021/10/25(月) 23:00:55.64 ID:R54Tjzk+0
「!?」
突然のことに、ミナの頭は真っ白になる。
しかしそれもすぐに落ち着いていく。
自分は空を飛んだのではなく、イアンに抱き抱えられているのだと理解が遅れて追いついた。
まるで、あの日と同じように。
予想外の出来事、そして恥ずかしさからミナの口はまだまともな言葉も喋られないまま。
そんな状態のまま運ばれた先は……寝台であった。
乱雑に放られるのではなく、壊れ物を扱うかのようにそこに横たえられる。
「あっ……イアン、様……?」
「……ミナ、すまない」
先程と同じやり取り。
しかし少し場所が変わっただけで、ミナが想像する顛末もまた変化していく。
恐ろしいものを咥える、未知の恐怖はもう感じない。
今感じるこの感情は……ミナもよく知るもの。
それは……いつの頃からか、望んでしまっていたもの。
「私は……私はもう、我慢ができそうにない……」
「……私も、です……」
だから、騎士の詫びるような言葉に抱いた感情は――歓喜。
迷える者の懺悔を聞くように……シスターはその言葉を許す。
自分も、同じ気持ちで……あなたは何も悪くないのだと。
「……」
「……」
そこで言葉は途切れた。
代わりに二人の顔が近づいていく。
顔が熱いことなど、今更だ。それを相手に知られてしまうことも。
ぎしりと寝台が軋む。
傍から見れば幼い少女の上から大男が覆い被さっている事案の構図。
それも今や当人達は気にも留めない。
騎士は聖女を見下ろす。
その澄んだ瞳は潤んでいたが、拒むことなく男を見つめていた。
聖女は騎士を見上げる。
国の為に尽くしてきた真面目な男の瞳には、今は一人の女しか映されていない。
――二人の初めての口付けは、音も鳴らない静かなものだった。
――それでも、その線を越えた喜びは……何よりも大きい。
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