【安価・コンマ】Cランク神獣「Sランクまでよじ登る」(その3)
1- 20
191: ◆lFOXrxX/4g[saga]
2021/12/27(月) 12:53:38.35 ID:dZ7wNPAV0


場所を変え別の部屋にて、キュウビとフェニは2人きりになっていた。

キュウビ『.........なぜわらわは、お主をラピスとウォルフと同行させたと思う?』

フェニ『......不測の事態があった時に、2人を守るためですわ』

キュウビ『そう......では、なぜ、ウォルフは怪我をした』

フェニ『わたくしが倒し損ねた電気ネズミがラピスを襲おうとし、それを守るためにウォルフが身を挺したからですわ』

キュウビ『......倒し損ねた?』

フェニ『......完全に油断していましたの。熱気だけでは倒せず、発火し灼熱で炙ってもなお動き、自身が熱源となっているため危機にもすぐには駆けつけられませんでしたわ......』

キュウビ『......熱気だけでは倒せず......つまり、最初、お主は手加減をしておったのじゃな』

フェニ『.........ええ。思った以上に相手の耐久が高く、木が容易く発火する温度の中でも機敏に動いておりましたわ。鉄が溶ける温度でようやくダメージを受けましたの』

キュウビ『......次からは、最初から鉄を溶かす温度で殺すのじゃ』

フェニ『......でも、それでは肉をも灰にしてしまい食料が採れませんわ。普通の生物は木が燃える温度で動けなくなりますわよ』

キュウビ『奴は動けた! そうじゃろう!? 小さなネズミが、火をものともせず、ラピスに襲い掛かり、ウォルフが怪我をした! 次に出会う生物が火に強くないと言い切れるか!? その油断でだれか命を落としたら!? どうする!?』

フェニ『......っ......』

キュウビ『ああ、守らなくては、守らなくては。わらわが、守らなくては。そうじゃ、ウォルフも、皆も、ここから出なければよい。食べ物は強いわらわ達が持ってくればよい。皆ずっとここにいればよい。ずっと、わらわが、守って......』

フェニ『キュウビ、それは......!』

キュウビ『もう二度と誰も傷つけさせん、もう二度と痛い思いをさせてたまるかぁあああああっ!!! わらわが、わらわが......守るんじゃあああぁあぁあぁあああぁあぁぁぁぁっ!!!』

フェニ『キュウビっ!』

バシィンッ!

キュウビが神通力で建物を揺るがし始めた時、フェニはその頬を翼で打った。

キュウビ『っ.........! お、おぬし、何を......』

キュウビが抗議しようと顔を上げると、フェニの目からは涙が溢れていた。

フェニ『わたくしが......わたくしが、言えた事ではないのは分かっています。守れなかったわたくしが言えた事では......しかし......それは、ダメですわよ、キュウビ』

キュウビ『......なぜじゃ。わらわ達は、ウォルフ達を守る義務があるじゃろう......?』

フェニ『......はっきり言えば、そんなものはありませんわ』

キュウビ『フェニ、お主っ!』

フェニ『だって、彼らはわたくしの子でも、キュウビの子でもありませぬもの。一緒にいるだけ。忘れないでくださいまし。いつか、彼らは群れを離れて自立するのですわよ』

キュウビ『ぐっ.........!』

フェニ『......キュウビはご自身でおっしゃっていたではありませんか。わたくしたちがするべきは、独り立ちするまで彼らを育てる事。決して、縛り付けて拘束して、植物のように育てる事ではありませんわ......』

キュウビ『......う、うむ.........』

フェニ『......ですが、もちろん守るとなれば全力で守りますわよ。ウォルフが怪我をしたのは、わたくしが油断をしたのが一番の原因ですわ......だから、もし次に動物と出会った際には灰燼と化してさしあげますわ』

キュウビ『......頼もしいのぉ......すまぬ、わらわが暴走しておったようじゃ。......そう、じゃの。守るためとはいえ、行動を制限してしまえば成長は阻害されてしまうじゃろうなぁ......そうしたら何かあった時に対応できず、容易く死んでしまうじゃろうなぁ.........ウォルフ、キノ、ラピス、ミア、フェニ、ミドカ、クーラー、ピッカ、グラコ、チキ.........あ、ああ.........手離したく、ない、のぉ............ぐすっ、ひぐっ.........!』

フェニ『......まだまだ別れは先ですわ。......貴方はそれまで母親として、子供達を支えてくださいまし』

キュウビ『ぅうぅ、フェニぃぃ......っ!』

フェニ『あら、あら......キュウビ......赤ちゃんみたいですわね......よし、よし......』

キュウビはフェニの胸に顔をうずめてしばらく号泣した。
フェニは翼でその頭を撫でながら、胸に覚悟を決めた。

フェニ(.........わたくしも、強くならなくては......次こそは、絶対に守れるように)




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
412Res/496.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice