【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【6頁目】
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108: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/12/15(水) 22:55:47.75 ID:YcVnjQqNo
陽乃「守る……? 誰が、誰を……」
陽乃は滴る血を拭うのを止めて、震える膝を手で抑え込む。
視界が半分ほど赤い。
口の中は血の味に満ちていて、呼吸するだけでも喉が痛むように感じる。
九尾の力で隠していても、
極限にまで来てしまうと、隠しきれないのかもしれない。
けれど、ここまで来たのだ。
陽乃「そもそも……貴女達が、遅いから……っ」
若葉「無理に話すな……なんだ。なんでそんなっ」
一見、襲撃を受けてどうにか切り抜けてきたと言った様子の陽乃を案じながら、
近付いてくるバーテックスを切り伏せる若葉の困惑をよそに、
歯を食いしばって、力を込めていく。
陽乃「一手だけ、手を貸してあげる」
陽乃はそう言って
ため込んだ力を足元へと叩き付けて、辺り一帯へと拡散させる。
身を蝕み、神を穢し、死に至らしめる災厄の力。
通常個体の白い体がだんだんと黒く穢れて行ったかと思えば、炭のように砕けて消えていく。
その余波は若葉にも多少害を及ぼしているのか、苦しそうな表情を浮かべていたが、
陽乃はそんなものを見ている余裕もなく、その場で膝をついてしまう。
若葉「っ……久遠さ――」
陽乃「良いからッ! げほっ……っ……良いから……貴女は貴女のなすべきことをしなさい……」
助けようとする若葉に怒鳴って、陽乃は倒しきれなかったバーテックスを倒すように促す。
辺り一帯にいたバーテックスのほとんどは消え、残ったバーテックスもダメージが蓄積していて、チャンスは今しかない。
若葉「っ……絶対にそこから動かないでくれ!」
そう言い残して、速攻を仕掛けるべく残存戦力へと突っ込んでいく若葉の背中を、陽乃はほとんど見えない視界にとらえ、
そして、ふらりと、倒れる。
陽乃「……死にそう……」
陽乃はそこで、気を失ってしまった。
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