116:名無しNIPPER[saga]
2022/02/04(金) 21:05:07.89 ID:87EqkCvlO
「なんだ、これ……」
つい、そんな言葉が口から出た。
部屋の中にはダンボールが四つも詰まれていた。
この中身は、全部薄い、俗に言うコピー本だ。
「あ、せんぱーい! たすけてくださーい!」
部屋に上がるなり、ふわふわの、レースとかがあしらわれた高そうな服を着た女――天宮梨沙が涙目で俺を見る。
天宮梨沙――故郷からの腐れ縁その二。
幼少からの付き合いのあるアリーとは違い、こいつとは中学の時からだけど。
地元で天宮一族といえば、知らない者がいない果物の事業で豪邸と、名声をほしいままにし、地元の議員連続排出することになった家。
こいつの父親も、地元で議員やってる。
つまり、良いところのお嬢様だ。
ただ、こいつは三女の末っ子。そして、大分甘やかされて育ち、こんな時でも緊張感のないぽわぽわとした雰囲気が証明している。
そんな女が俺に涙目で泣きつく。
地元に知られたら俺どころか、俺の家族は明日から村八分の光景だが、そんなことに気を遣っても事態は好転しないと知っている。
「落ち着け、どうした? このダンボールが元凶か?」
その問いかけに頷く。
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