【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】
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355: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2022/05/15(日) 16:58:58.51 ID:KaqAwNsVo
バーテックスの数は確実に減っている。
減っているのに、まだ、終わりが見えない。
視界が赤く揺らいで半分ほど欠け、平衡感覚ももはやない。
普通なら、ここは逃げるべき場面だ。
命が大事なら、自分のことだけを考えているなら
わき目もふらずに、一心不乱に駆けだすべきだ。
助けを求めて、叫んで、死に物狂いに。
若葉や球子、友奈、それに千景もいる。
直接助けには来られなくても、バーテックスをせん滅してくれるかもしれない。
陽乃「――っざっけないでよッ!」
気配を感じ、
見えない右側の死角から迫ってきていたバーテックスをわしづかみにして、地面へと叩き付ける。
陽乃「逃げる? 私が? 嫌よ……そんなこと絶対にありえない……誰かに頼るだなんて、絶対ッ!」
それは、あってはならないのだ。
逃げたから、すべて失った。母親以外の全てを。
力を使い果たしていた。体が弱り切っていた。
だから何だったんだ――それで逃げたからたった一つ、手に握った命だけしか残らなかったのに。
父親まで、自分と母の代わりに命を落としたのに。
陽乃「私の命は私にしか守らせない……誰にだって守らせてやる気はないわ……守らせるくらいなら、私は死んだってかまわないッ!」
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