【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】
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4: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2022/03/14(月) 22:33:47.82 ID:1xywqUmco
陽乃は自らを犠牲にし続ける痛みを知っていて

奪われる苦しみと悲しみを知っていて

成り代わることの意味を知っている。

だからこそ、陽乃がそれを他人に望まないと歌野は分かっている。

それでもなお踏み込んでいく人を見限ることはせず、

踏み留まらせようとすることも、歌野は分かっている。

けれど……そうしなければ得られないものを得るために

陽乃は自分をさらに傷つけていくことも、歌野は分かっている。

歌野「強くなければ久遠さんを救えない、でもそのためには久遠さんが望まないことをしないといけない」

歌野は、そう言って唇を噛んだ。

陽乃へと向けていた目線が下がり、躊躇いの色が滲む。

歌野の思いと、それを否とする陽乃の思い。

どちらも否定出来ないひなたは心配そうに歌野を見守る。

そして、短い沈黙を歌野が破る。

歌野「……久遠さんが、ちゃんと協力してくれるならせずに済むかもしれないけれど」


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