魔法少女 全てはあなた次第【安価】
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440: ◆m3eT9sbstgM1[saga]
2023/07/11(火) 13:30:55.27 ID:5FGXWC9QO
「――なにを泣いている?」
冬が呆れた、といわんばかりに言うが、あなたの目から涙が止まらない。
「……この子を俺は、何も考えずに作ってしまったことが申し訳ないのに、この子は、生きてるんだなって、それがどうしようもなく――」
あなたの言葉は続かない。
冬が少しだけ振り向いて、あなたの唇を己の唇で重ねて言葉を飲み込んでしまったからだ。
この間、性交の最後に交わした、激しい、舌を絡ませ、唾液を交換する激しい口づけではない。唇を重ねる、子供のようなキス。
それでも、否、この口づけの方が、あなたはずっと心臓が高まり、そして、冬が愛おしかった。
「お前は、この子ができたことに後悔しているか?」
「最初は――……けど、こうして触れてみて、俺がそれを言っちゃダメだと思う」
冬は微笑む。最初にあったときのような激しい笑みでも、性的な刺激で蕩けた笑みでも、あなたをデートに誘う異性的な魅力が溢れるような笑みでもなく、あなたを、そして、腹の子を慈しむ、母の、母になる微笑みだった。
「そうだな、それを言っちゃいけないことだ。私は、最初この子と死のうとも思ったが、この子はな、一生懸命動いて、心臓を動かしている。それがどうしようもなく、愛おしい。私はこのさき、苦難に満ちているが、この子のためなら、なんでもできると思えてくるんだ」
冬は自身の、子供が宿った腹を撫でる。
それが、どうしようもなく、これ以上尊い光景に思えた。
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