608: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/01/17(金) 00:09:57.96 ID:Bu95+zV3O
☆☆☆☆☆☆
ジェン「…………っ……」
ジェン「……ガフ…」
決着は一瞬だった。拳がジェンの腹を貫き、私の胸の中で事切れた。馬鹿な弟弟子の後始末はなんとか出来たが、虚しさが募るばかり。
ミルカ「ふーー…」
貴族もひどく安心した様子で馬車から下りる。少年がこっちに駆け寄ってくるけど、い、今裸だから来るな!教育に悪い!
「マントしかないが、取り敢えず羽織ってくれ」
ジェンの亡骸を寝かせ、剣士がくれたマントを羽織る。剣士も横たわっていたパーティメンバーの射手の亡骸を抱いていた。
「その男は……こいつの仇だが、あなたとは同郷らしいな」
ミルカ「そう。悪いんだけどさ、墓を作ってやりたいんだけどいい?流石に故郷には運べないし、メチャクチャ悪いことしてたから、ここに簡単なやつ位しか作ってやれないけど」
「良いさ、こいつは俺が故郷に連れて帰る」
そして、私の姿を気遣い伏し目がちな貴族が感謝をしてきた。貴族なのに律儀だなと思ったが、少年は私の足にしがみつき泣き出してしまった。
「ぼ、僕は震えて何も出来ず……っ…」
ミルカ「何も出来るわけ無いじゃない。隠れてて正解よ。ほら。は、はなれて(まだ身体が敏感なんだから…)」
それから少しすると、スカウトが援軍の冒険者が10人ほどを連れてやってくる。野盗の亡骸を見て、全ては終わったことを理解し、私の代わりに貴族の帰り道を護衛してもらうことになった。私はジェンの墓を作るために少しここに残るつもりだ。
ミルカ「すみませんね」
「いや、君の進言を聞き、船で帰るべきだった。餅は餅屋だったよこちらこそすまなかった。ほら、行くぞ」
「は、はい。ミルカさん、冒険者さんありがとうございました!」
ミルカ「冒険者さんって……そうか、剣士。あんたも逆戻りして射手の墓作りか」
「いや、その男の墓作り手伝おう。野盗も…埋めるくらいはしてやりたい」
ミルカ「はーーーー…………お人好しね」
「あ、あんたがバトルマスターのミルカか…俺も手伝うぜ。パーティメンバーだしな」
スカウトも残るらしい。基本冒険者なんて気のいい奴らなんだ。ジェンがどう歪み、挫折していったかはわからないけど、こんなことになるならあの里を抜けた日、私も一緒に行ってやるべきだったな。
☆☆☆☆☆☆☆
1002Res/835.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20