632: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/01/18(土) 19:21:06.93 ID:6oojVr5aO
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魔物領に戻ったメフィストは高地から魔物達が人間領に突き進む様子を見つめている魔王軍幹部、セピアの元に戻った。身に纏う漆黒のローブとコントラストな銀髪ロングが風に靡き、その表情は険しかった。
メフィスト「偵察してきたよセピアさん!アップル王国の奴らひどいものだよ、勇者三人が先に魔族領に攻めこもうとしていたくせに、被害者面してたよ」
セピア「勝手なものです。人など、それは分かってましたよ」
メフィスト「魔王様もひどいよね、強力な魔族をもっとくれてもいいのに」
セピア「口を慎んでください。魔王様には感謝しております。安寧の地を与えてくださり…あれほどの魔物達を派遣してくださったのですから」
セピア「せめてあの王国だけでも崩壊させ、恩に報いたいものです。私は明日を捨ててこの闘いに臨みます」
セピアは褐色肌のダークエルフである。その肌ゆえに迫害され、エルフの里を追われたのが900年以上前、人目を避け生活していた彼女の元には同じようなつまはじき者、凶暴・凶悪が是となる魔物世界の中でも大人しいために迫害された魔物達が集まってきていた。彼女達ははぐれ者同士家族となり慎ましく生活を送っていたのだ。
メフィスト「そしてセピアさんが王となって、迷いの森深くに国を作ったんだよね、なのに魔物領にもかかわらず密猟する冒険者が後をたたなくて。はあーっ人間って醜い!」
セピア「最早殺された私の家族は数えきれません。ただ静かに暮らす。それすらも許してくれないのならば闘うしかない。人間の命で家族の魂を弔うのみ」
メフィスト「ふーーーん。でもさ、あの大挙してる魔物達の命はいいんだ。理性薄いとはいえセピアさんのご立派な聖戦のための捨てゴマになるんですけど、けけ。可哀想じゃない?」
セピア「……………全てが終わったら私の命で慰めますよ。いや、その必要もないか。復讐というエゴに身を堕とした以上、あの魔物達の命は私の胸三寸次第。『せいぜい暴れて人と共に死ね』です。所詮はあの魔物達も私の家族を殺してるのですから。知性が無い分、人より優先順位が低いだけ」
メフィスト「あはははぁ〜っそうこなくちゃ!お、国王軍とぶつかるよ」
お互いの領地の境目で魔物の大群と国王軍が衝突する。数では遥かに多い魔物達だが、戦闘力、知性、作戦等は遥かに国王軍が有利。下級の魔物達が次々と吹き飛ばされていく。
メフィスト「あーーどんどん命が消えていく。悲しいな〜。あの調子だと負けるよセピアさん」
セピア「中級の魔物が盛り返すでしょう。メアもいます。それに」
セピアが年季のはいった弓を引く。魔力の塊がつがえられ、放たれたそれは矢の雨となって戦場に降り注いだ。
セピア「この私が援護に回ります」
メフィスト「すごい範囲攻撃だ〜!しかも、国王軍にだけ降り注いでる。これがエルフの矢かぁ」
エルフは弓矢の名手が多い。1000年生きたセピアにとって、1km離れた的に当てることは寝起きでも容易いことだった。
メフィスト「くく、いい眺めだよね」
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