115: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/02/11(火) 01:46:30.77 ID:b58Uf9AT0
帽子を深く被り、ルノはワゴンを押す。通りすがりの係員に会釈をしてやり過ごしながら、スパーキング・レディの控え室の前に立った。
ルノ(この中にエメラ様がいる)
控えめなノックをすると返事が帰ってきた。ルノは係員を装いながら入室する。勇者パーティのスカウトらしく、肝が座っていた。
ルノ「スパーキング・レディ様。失礼いたします(大分豪華。流石は王者の部屋だなぁ。でもやりやすいかも)」
エメラ「何か用ですか」
ルノ「支援者様より前祝いのお飲み物が届いております」
エメラ「分かりました。置いておいてください、私は試合に臨みますので」
ルノ「承知致しました、お持ちいたしますので」
ルノはお辞儀から顔をあげ、スパーキング・レディの様子を伺う。グローブを着けている彼女はルノに一瞥もくれない。
ルノ(……盗聴魔法発動)
ルノの指先に魔力で作られたサイコロほどの大きさの盗聴機が生み出された。形もサイコロに偽装されている。それをテーブルの上のケータリングされた菓子の皿の下に紛れ込ませる。
ルノ(これで何か分かればいいけど)
エメラ「まだなにかあるのですか?」
ルノ「いえ、失礼しました。では私はこれで」
ルノはエメラに直接聴こうとも考えた。魔法で操られている様子が無いならば、相手は民衆の希望である勇者。何か理由があってこんなことをしているなら、勇者パーティの応援は嬉しいはず。ミルカならば躊躇い無く乗り込み場合によっては戦闘開始だったかもしれない。しかし一流スカウトで戦闘力に乏しいルノは敏感に嫌な空気を感じていた。
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