44: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/02/06(木) 17:33:17.43 ID:8DYm+P5mO
ある日の早朝。レンは屋敷の庭で木刀を振る稽古を行っていた。冬が近く肌寒いとはいえ日課は欠かさない。
レン「ふーっふーっふーっ」
レン「寒……今日はこれくらいにしておくか」
レンが木刀を片付け屋敷に戻ろうとしたとき、黒い影が背後に忍び寄る。
イシュテナ「背後から声をかけるご無礼をお許しくださいレーン様」
レン「む?あ、隣国のスパイの…イシュテナ?さん」
イシュテナ「はい、ご無沙汰しております」
亜麻色のストレートロングも黒頭巾の中に隠した彼女は、アップル王国の隣国、かつてブガッティが支配していた娼館コンフェスに潜入した際に知り合った王家直属の間諜である。ついこの間、3勇者がお忍びでコンフェスに遊びに行った際にも少し話をし、隣国の勇者が行方不明だと伝えられた。
レン「そんな格好してアップル王国の王都まで、どうしたの?諜報活動?」
イシュテナ「いえ……どうか、聞いていただきたいお話がございます」
レン「それじゃあ中に…」
イシュテナ「いえ、レーン様と二人で……」
只事ではない様子にレンは人気のない森へ入っていった。
☆☆☆
レン「ええ〜。隣国の勇者がアップル王国で見つかった」
イシュテナ「はい、私の同僚からの確かな情報です」
いわゆる「草」と呼ばれるその国で生活しながら情報を流すスパイ。それがアップル王国にも紛れていたのだ。
レン「まあアップル王国も色んな国に放ってるだろうし、別に勇者は王国所属じゃないから良いんだけどさ。それなら良かったじゃん」
イシュテナ「……それが、見つかった場所というのが問題でして」
イシュテナ「その草が言うには…地下闘技場に勇者様がいたと」
レン「地下闘技場!」
地下闘技場とはその名の通り人の目から隠れ地下で行われる、非合法の闘いがエンタメとして提供される場所である。貴族や大物商人が元締めとなっている場合が多く、客はスリルや興奮を。出場者は借金返済のためや金儲けがしたいもの、単純に暴力を振るいたい者などが多く、国の希望と評される勇者が関与して良いような場所ではない。
レン「噂には聞いてたけど本当にあるんだねそんなの」
イシュテナ「まさか我が国の希望が……何故ゆえに賭け試合などと」
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