298: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/05/10(土) 20:03:10.37 ID:KBu9WUquO
リラ「お嬢ちゃんの親父さんは大幹部のゼノン。龍人族が滅んだのはその力を恐れた人間達の陰謀。へー本当かよそれ」
一定の距離を保ち、ルナはリラに自らの出自を明かした。あの汽車に乗っている人間は間違いなく皆殺しにされるという断言は父親の恐ろしさを物語っていた。
リラ「ま、私も腑に落ちないことはねぇな」
セピアの国での密猟行為。父リキルの死の原因など、人間も綺麗な存在ではないことをリラは知っている。
リラ「……」
ルナ「強大な力を持っていた私達一族が傲慢ではなかったとは言いませんが……500年の間恨むだけの理由がお父様にはあるんです」
リラ「カーロンのじいさんもなんか龍人族のことは言い淀んでた気がするんだよな。ふーーーー」
リラ「ゼノンか。私のとーちゃんが死に際に教えてくれたやつだな。やベーのがいるって」
ルナ「あなたのお父様……?」
リラの父親のリキルも大幹部。人間に強さを恐れられ死んだ過去というのは龍人族と重なるものがある。しかし、だからといって魂を利用されて良いわけはない。リラはリキルを看取った際、空飛ぶ目玉から優しい声を父にかけたオルフィアに欺瞞を感じていた。
リラ(人間だろうと魔族だろうと、クソはクソってことだな。オルソンのやつは…………どっちで考えるべきなんだろうな。つっても私がやることなんて変わらないんだけどな)
リラ「お嬢ちゃんはなんで私に声をかけたんだ」
ルナ「私は…………半分人間。な、仲良くしたい。龍人も人間も、魔族じゃない……でも、お父様は強すぎる」
人間に対して容赦なく手を下すゼノンの姿がルナにはトラウマになっている。母親について聞いたときつまらない本を読むような表情で、自分が物心つく前に殺したと言われ、自分とは別の生き物くなのだと理解した。彼女に流れる人間の血が恐怖に震えるが、それと同時に自分を大切に思っていることも感じられた。怨讐と狂気でゼノンの精神は常軌を逸している。
ルナ「私はあの汽車に乗っている、こ、これから殺される人達の事を可哀想だなって……眺めてた。あなたはこ、幸運。追いかけるなんてことはせず、身を隠すべきです」
リラ「かかか。危険をおかしてそんな優しいことを言いに来てくれたのか。ありがとな」
リラがルナに近づく。ビクつくルナだが、リラはあまりに無防備。それが相手の警戒を解くのに有効だと野生の知恵で理解していた。そのままモフモフの青髪の頭を撫でる。
モフリモフリという心地よい手触り。そしてルナは、感じたことのない母性と力強さを感じる。この人間は昨日父に皆殺しにされた里の人々とは違う。
リラ「一方的に殺されるなんて思わない方がいいぜ。お嬢ちゃんが心配するべきなのは親父のほうかもしれねえ」
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