631: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/08/02(土) 15:11:15.16 ID:+Ybg0vvp0
王にのみ許された宿舎の一人部屋にベルゼブブは寝ていた。彼はまるで死んでいるように微動だにせず眠り、毎朝寸分狂わない時間に起きる。それでいて敵意には敏感でその場合はすぐに反応するように訓練されていた。
ベルゼブブ「……」
ベルゼブブ「…朝か…………それに、この香りは」
ベルゼブブの鼻腔をくすぐるのは食欲をそそる朝食の匂い。剣術部主将にして生徒会長副会長、そして自分の幼馴染であるウルシが勝手に部屋に上がっているのだと勘づいた。
ベルゼブブ「まったく。無断で王の間に…しかし余も未熟。敵意には敏感でもウルシの心地よい気配には覚醒せぬか」
自嘲しベッドから降りると寝室を出たベルゼブブ。王として寝起きの姿など他の者に見せられないがウルシには別。
ベルゼブブ「ウルシ。気持ちはありがたいが貴様自分の時間を大切にしろ。余に他流試合でその実力を見せてくれるのではないのか」
ウルシ「ベルくんおはようございます。へっ。あっしのことなら心配は御無用。心身ともに充実してます。それにあっしにとってベルくんと一緒に過ごす時間も大切なんでさ」
ベルゼブブ「ふ」
ウルシの言葉はベルゼブブにも心地よい。彼に良い顔をする者は沢山いるが、その多くがやはり肩書きありき。幼い頃から一緒にいたウルシにはそういった煩わしい思惑を感じずにすむ。
朝食をとり、着替えをすませたベルゼブブに矢絣柄の風呂敷に包まれた弁当箱が差し出された。
ウルシ「ベルくん最近栄養が偏ってるって書記の子から聞きました。今日はこれを食べてくだせえ、拒否権はありませんぜ」
ベルゼブブ「くく。お節介なやつよ。良いだろうありがたく受け取ろう」
毒を疑わないベルゼブブ。それだけの信頼を得ているウルシとの関係性に、その光景を俯瞰して見ていたタマモとアルカネットが危機感を持った。
アルカネット「あかん。幼馴染…強力かも知れへん」
タマモ「かませ犬というのも今や昔のようですねぇ」
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