860: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/08/19(火) 06:22:21.18 ID:aP5vgsbYO
ゴゴォン…と響く音がタマモの耳に届く。これはニケナにより物理的にも魔力的にも現在居るフロアが外界から隔絶される仕掛けが作動された音だ。最早タマモはウルシを見つけようと逃れる術はない。死が決定したようなものだが、その顔に絶望は無かった。
タマモ「…」
複雑な廊下を突き進むタマモ。心の拠り所は自らの所持している呪いの匕首無明。暗黒空間を生み出し、瞬間移動が可能。
タマモ(大雑把な設定しかできませんし確率で体もっていかれますが贅沢はいってられません。それにしてもどこに居るんやろ勇者は!)
足袋を履き、滑るような移動方で完全に気配と物音を消しているタマモ。とにもかくにも目の前の扉に突入した。
たーんっ
タマモ「む」
空間の常識が通じない闇魔法が渦巻く魔王城のためそこまでの驚きはないが、タマモが入った先は竹林。空には魔物領特有の暗雲が立ち込め、雑草と竹が生い茂っていた。
僅かな獣道をタマモは進む。どこか故国のアラシヤマという地区を思い出す情景ではあるがなんのためにこんなものを魔王城内に用意したのかという不気味さもある。
すすす
タマモ「……む」
竹林を抜ければ祠が姿を表す。祠とはジャポ国やその隣国、ミルカ出身の里がある国等で見られる神仏を祀るための小さな社殿。魔王軍での神とは即ち魔王ルシファーや大幹部の事だ。
タマモ「ほほほしょーもない」
そのまま道なりに進んでいけば広場に出る。そしてタマモはこの部屋に入った時から強者の気配を感じていた。
タマモ「……」
40mほど離れた位置に確認したのは、獅子の特徴を有した頭部を持つ、大柄で筋骨隆々の戦士。真っ赤な敷物の上に正座し微動だにしていない。彼もまた幹部の一人であるレオンだ。
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