165: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/09/11(木) 03:44:19.93 ID:N55DiVa00
☆☆
ウルシ「これで最後っ」
ズアアア……
ウルシが巨大な黄金像を暗黒空間に放り投げる。数分の作業で宝物庫はすっからかんとなった。タマモが上機嫌で水晶に話しかける。
タマモ「マモン様全て放り込みました。いつも通りなら10分の1位は空間にのまれて消えるでしょうが、大体は転移できるはずどすえ」
『ぎゃははぁいいだろう!んじゃタマモテメーはさっさと帰ってこい!褒美をくれてやる』
タマモ「いや〜嬉しいわ。魔王城ってじめじめしてて居心地最悪なんです。勇者様は、さっき言っていた通り好きに暴れて命を散らすんですよね?」
ウルシ「ええ」
タマモ「ほほほ人間は生き急ぐのがお好きだこと。自由にしたらええどす。この数ヶ月悪くなかったですが、これで会うことは無さそうですね」
もう用はないとばかりに宝物庫から出るタマモ。彼女はこのまま魔王軍を嘲笑い、戦線離脱する。ウルシはその背中を見つめてついていく。迷宮のように入り組んでいる石壁の通路を最短で抜けるにはタマモに頼るしかない。
ウルシ「…………」
瞬間ウルシは悪寒を覚えた。まだ魔王軍の援軍が来る気配はない。その理由を探る。
ズズズズ
ウルシが眼を見開く。タマモの足元の石畳からわき出てくるのは真っ黒な無数の腕。足首を掴み動きを封じ、更に全身を封じた。
ずぁあああっ
ウルシ「狐さんなんだそいつぁ!」
タマモ「なっ!?……ぐ……あ゛……!?」
ががががっ
その拘束力は散々魔王軍を揶揄し軽んじた報いを受けさせようと怒り狂っているようだった。タマモの身体が床に沈んでいく。悠久の時を生きてきた九尾の狐ですら悲鳴を上げたくなる怖気が全身を包む。
ぐぐぐぐぐ
ウルシ「ちっ!」
ウルシが急いで手を伸ばす。タマモも、すがるような視線と共にその手を掴もうとするが無意味だった。オニマルクニツナと水晶玉を残して消失。
ゴトンっ!
僅かな静寂が通路を包んだ。ウルシは愛刀に手を添えて警戒する。
ウルシ「なんです………どこのどいつの…どんな魔法」
『……チッ』
ウルシは水晶を見る。そこには今の一部始終を見ていたマモンが不快を示す表情を浮かべていた。水晶を拾い上げる。
『タマモは元々俺様がルシファーに送り込んだ部下だ。恐らく魔王軍に入るように言われたんだろうよ。そして今のはルシファーに対する裏切り者を自動で処分する呪いの手。行き先はコキュートス』
ウルシ「コキュートス…?」
そして響く足音。今度は魔物の気配だ。間違いなくバンダースナッチの死体を見た魔王軍が援軍を寄越したのだろう。急いでウルシは水晶とオニマルクニツナを握り走り出した。
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