232: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/09/16(火) 02:54:50.24 ID:x2IHU8jnO
☆☆
そのままミルカは屋敷に案内された。あんな話をされた後にどんな顔して少年と会えば良いのか妙な気まずさがあった。それに結局何故呼ばれたのかも分からない。
ミルカ「相変わらず広いわ」
ソシエ「こちらにどうぞ。旦那様がお待ちです」
広い廊下を案内され着いていく、ソシエが扉を開くと主である貴族と息子の少年が待機していた。
「良く来てくれた」
「ミルカさん、会えて嬉しいです」
ミルカ「どーも。私なんで呼ばれたんですか?」
勇者パーティのミルカも貴族と同等の権利を有している。軽い物言いを気にする間柄ではなかった。そしてミルカは、確かに少年が以前と比べてしっかりした体格になっていることに気付いた。
「ははは。君の漢方薬が息子の体調を改善させたようでな。本当に感謝している」
「ミルカさん、僕たくさん食べられるようにもなったんです。僕を弟子にしてくださいっ」
「その話は後にしなさい」
ミルカは少年のサラサラの髪の毛を撫でた。頭を撫でられるような歳では無いが、尊敬するお姉さんにされることは全てが是。少年は顔を赤らめされるがままだった。
ソシエ(くふ〜〜おぼっちゃま尊えぇ。流石はミルカ様やりますね)
ミルカ「やる気のある子は今度出来上がる道場で沢山しごいてあげるわ。んで、どういったご用件?」
「ソシエ、あれを」
貴族が指示を出すと、ソシエがいつの間にか持っていた年季の入った小箱を開く。中には漢剣が入っていた。しかも刀身に破邪の力の象徴、北斗七星が意匠されている。これはミルカの出身国に伝わる七星剣。
ミルカ「七星剣じゃない。私の故国の霊剣がこの国まで伝わってるなんて珍しいわね」
「破邪の力が宿ると言われている七星剣は私のお守りだった。しかし、キミたちは魔王軍と闘っている。ならば、折角の霊剣キミが使うべきだ。先日の西エリアの惨状を見てそう確信したよ。持っていってくれ」
バトルマスターは格闘職だが、武芸百般に精通する。ソシエが差し出す剣をミルカは受け取った。貴族がここまで言うのだ。受け取ることが礼儀だと理解していた。
ミルカ「わざわざありがとうございます。へー。確かに大した力を感じるわ」
鞘に漢剣を納めたミルカが一礼する。そして良かったら息子と戯れてやってほしいとお願いされた。少年は期待の眼差しを向けている。
ミルカ「(別にこの子は嫌いじゃないし、剣の礼も兼ねて)いいですよ」
1002Res/1010.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20