ハーレム勇者のTSもの5【安価コンマ】
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705: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/10/29(水) 10:35:37.29 ID:Md6wx9tNO


ベルゼブブ「なんだこれは」
 

ベルゼブブは人間領と魔物領の境界線に立ち絶句していた。現在でも2つの境界はきっちり区別され、そこから片や晴天、片や暗雲に空模様が分けられている。あまりにも不自然だが、これは神の意思によって定められているのだ。そして当時は強力な結界が移動すらも遮っており、ベルゼブブは陽の光が降り注ぐ緑豊かな大地に足を踏み入れることはできなかった。


ベルゼブブ「…」


ビビビビ…


蝿の王は結界に手をかざしながら神に愛された大地を見つめる。魔族への拒絶反応でバチバチ結界が唸り、掌を蝕んでいたが気にも止めていなかった。それほど魔物領の荒れた荒野を見続けた彼にとって人間領は眩しい。結界から僅かに伝わる陽の光は心まで照らす清々しさがあった。


ベルゼブブ「陽の光とは…恵みの象徴か」


かつてエリュシオンという楽園の伝説を聞いたことがあるが、ここがそうではないのか。魔物領ではあり得ない瑞々しい果実がベルゼブブの僅か10m先で実っている。



ベルゼブブ「…」


理不尽を恨む心が僅かに生まれるが、王であるベルゼブブはこの程度の嫉妬心に呑まれたりはしない。むしろ、目標が生まれた歓喜のほうが大きかった。魔物領に陽の光をもたらし、無意味な奪い合いに終止符を打つ。焦げた掌を意に介さず、踵を返しカオスと異臭にまみれた魔物領に彼は帰っていった。


☆☆


「うぼぁ〜〜っ!!?」


ベルゼブブ「すまんな。眠れ」



ベルゼブブはまず腐った枝を切り離す事から始めた。暴力が支配する地とはいえ、度が過ぎた殺戮を繰り返す悪魔は捨て置くわけにはいかない。しかし元々ノールールな魔物領に勝手な秩序を持ち込もうとしている異物は自分の方。大義を振りかざすつもりはなかった。ただ暴力のルールに従い殺すのみ。


たった今。最近になり生まれた集落を蹂躙しようとしていた悪魔を粉砕したベルゼブブは、非力な悪魔が震えながらこちらを見ていることに気付いていた。彼くらいなれば潜在能力は瞬時に計れる。強い仲間を求める蝿の王のお眼鏡にかなったのは、自警団を纏め上げていた鎧をまとった戦士。


リオン「……礼を……言おう」


ベルゼブブ「気にするな、というより、お前のような強者がいるならば余計な世話だったな」





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