868: ◆M0wTTx2gAU[saga]
2025/11/10(月) 22:17:32.08 ID:Z0dil7CE0
「ぐぎゃああああああ!!」
ソロモン72柱の幹部、ダンタリオンが縦に両断される。死神ウルシの握るオニマルクニツナの凶刃が血飛沫を振り撒いた。
ウルシ「ふーーーーー」
街1つ分ほどの広さと天まで昇る高さを誇る魔王城。ウルシはタマモを救出するためこの世とは別の空間、コキュートスに入り込んでいたため僅かに時間軸がずれ、二週間ほど不在の状態だった。魔王軍の兵隊達はどこかで死んだのかもしれないと期待したが、そんなことはなく元気に幹部への襲撃を再開してきた。
両断された骸に祈ると、刀を拭って納めたウルシの背後には狐の妖怪タマモ。
タマモ「ほほほ。不意打ちとはいえ並の幹部じゃ相手にありませんね。かなわんわ〜流石はマモン様のお力を一部拝借した人でなしですね」
ウルシ「どうも狐さん、あんたさんはマモンの旦那の元には戻らないんですか」
タマモ「ウチはもう二度とあんな闇の手には捕まりません。勇者様が死んだ時にオニマルクニツナを回収する好機をうかがってるんどすえ、早く死んでくれないでしょうか」
ウルシ「ふ……魔王軍に奪われるくらいならそれでもいいですが……つれないじゃねえですか、あんなに…」
ウルシがタマモの前で薬指と中指をクイクイ動かす。
ウルシ「淫らに鳴いた姿を見せてくれた仲だってのに」
タマモ「ムカつきますね〜〜生まれたてのガキが。ほほほ。ま、確かに最近の暴れっぷりを見ているとその時は近そうですね。なぜそんな死に急ぐんです」
コキュートスを抜けてからのウルシは襲撃の頻度が上がっていた。すべては自らの勝手な契約で迷惑をかけてしまっている勇者達への僅かでも罪滅ぼしのため。命続く限り魔王軍を間引く、存在そのものが一本の魔剣と化していた。
タマモ「つもりは生きて返るつもりはないと」
ウルシ「くく…………帰る場所なんてありはしないでさ」
ウルシが契約したということは勇者達に伝わり、今頃自分は裏切り者扱いをされているだろう。むしろ後腐れがないと思った。ジャポ国の家族同然の動物達、愛しのレッドドラゴン達が心配だが、無事を祈るばかり。
ウルシ「さ、次行きますぜ狐さん」
ウルシの背中を眺めながら、タマモは背筋に寒いものを感じた。ウルシという雨垂れは確かに魔王軍という巨石を穿ちつつある。
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