【安価コンマ】帝国に追い狩られる姫と騎士・幾度繰り返してもお守りします
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85: ◆ra.jqt4ROA[saga]
2026/01/11(日) 19:58:16.95 ID:J+jPZAtq0
「なめんじゃ、ねぇ…!!」

ドルマが膂力と体格差任せに剣の圧力を強め出す。

実際細身ながら騎士団でも上位に入る力で押せば、平団員以下の筋力しかない貴女はいずれ押し切られる。

流石は『迅雷のドルマ』。貴女相手に剣速勝負を挑む愚を侵さず封殺する腹積もりだ。

「だ!ハッ!」

鍔迫り合いのまま刃を滑らせ、最高速に達したドルマの一閃が貴女を狙う。

「っがああああああああ!!?」

次の瞬間、貴女ではなくドルマの悲鳴と血飛沫が吹き上がる。

彼の右手が宙を舞った。

「そんな手が、わたしに通じると思ったか?」

『迅雷のドルマ』程度で『剣聖』たる貴女に勝てるはずがない。

彼の繰り出した必殺の一撃は、貴女の得意とするパリングによって完璧に受け流され、返しの一閃が炸裂したのだ。

当然ドルマとて貴女の得意な剣術を熟知していた。それでも速度勝負を挑むより勝算が高いと望みを賭け挑み…結果はこの通りだ。

「死ね」

「クソが!」

喉笛目掛け貴女は最速の突きを繰り出した。

「!」

だが手応えがないまま空を切る。

「……逃げたか」

予め転移の術式を用意していたのだろう。先ほどの一太刀で仕留め切れなかったのも、ドルマの正確な状況判断能力あればこそ。

完璧な布陣を用意しながら撤退の策も用意していた……。惜しい。ヤツが家柄に自惚れ他者を見下す輩でなければ、さぞ素晴らしい騎士として共に戦えただろうに。

なんにせよ貴女は最悪の未来を回避することができたらしい。




「姫様」

「シャルフィリア…!その血は」

「問題ありません。ただの返り血です。この先に潜んでいた伏兵を始末しました。

急ぎましょう姫。このままでは遠からず挟み撃ちにされてしまいます」

「…はい。分かりました」

貴女に手を貸され、ミルクが立ち上がる。

それなりに体力は回復できたようだ。ミルクを怯えさせぬよう、極力断末魔の悲鳴を出さぬよう立ち回ったのが上手く働いた。


貴女たちは伏兵を警戒しながらも迅速に進んだが、結果として抜け道でそれ以上接敵する機会はなかった。

どうやらドルマは寝返った後の地位を保持する武勲の為、己が配下以外にここの存在を明かしていなかったようだ。

(ヤツの醜い功名心に救われたな…)

そのまま貴女たちは抜け道の出口へ辿り着き、国境付近の深い夜の森へと逃げ込んだ。


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