ゲス勇者「ほぅほぅ」聖女「よろしくお願いします」
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131:名無しNIPPER[saga]
2026/03/14(土) 22:23:07.24 ID:w0lSwtJHO


勇者「うーん、困ったねー…」ウーム

聖女「そうですね、いかがしましょう」ハァ

勇者(俺たちは今までにない困難に遭遇していた。

俺たちの前に紙切れが二枚ある。



ーーーこの場所で使える全財産だった。

いや、金はある。
今も金貨、銀貨、銅貨は大量にあるし、それこそ小さい屋敷が買えるくらいの小金持ちだ。

ーー今まで過ごしてきた王国での貨幣であり、ここでは使えない、という注釈さえなければ。


窓の外を見る。


どこまでも続く砂丘と、吹き荒れる砂嵐。
窓の外に植えてある防風林の椰子の木が激しく揺れていた。

ここは砂漠地帯のオアシスを拠点とした都市国家。
当然、他国である王国の支配が及ばない場所だ。

そのオアシスの宿屋で、俺たちは砂嵐が止むのを待っている。

ただし、この場所で使える通貨で泊まれるのはあと1日、しかも、砂嵐が奇跡的に止んでも、砂漠を踏破して王国に帰るまでの食料や水などを調達するには、到底足りない。

なぜ、こうなったかといえば、魔王軍の四天王、いや、今は三天王かーーその一体が砂漠地帯にある古代迷宮の秘宝を奪おうとしている、と情報が入った。
その秘宝は死者をアンデッドやゾンビといった生前から戦力が落ちた状態ではなく、完全な状態で復活させることができる秘宝だという。

ただ、場所が厄介だった。
その古代迷宮の所有権を主張する都市国家は、今よりずっと昔、今の王国ではないが、当時あった国が砂漠地帯に侵攻、古代迷宮を荒らし周り、都市国家にも狼藉を働き、国主や国体が変わっても、砂漠地帯の都市国家は王国を信用していない。迂闊に王国軍を派遣すると最悪人類同士で戦うことになる、デリケートな場所だった。

だからこそ、俺たち二人に命が下り、俺たちは内密に砂漠を踏破、バレないように古代迷宮に侵入、三天王自体は取り逃したが秘宝は守れたーーただ、その秘宝と呼ばれたものに、もうそんな力がないガラクタ、ただの宝石で、徒労もいいところだったが。

あとは帰るだけになったが、それが問題だった。

その古代迷宮は、どうやら都市国家の住民ーー砂漠の民ではない者や、砂漠地帯固有ではない魔物の侵入を感知すると、砂嵐が一ヶ月の間、吹き荒れる防御機能の呪いがかかっていたらしい。そうやって外部の者を閉じ込めて、財宝を持ち逃げされる前に砂漠の民が奪い返す、よくできたシステムだ。自分が閉じ込められる側でなければ、素直に感心していた。

改めて窓の外を見る。ごうごうと吹き荒れる暴風に砂が舞い、外に出れば砂に肌が削り取られるだろう。無理に砂嵐を踏破するのは無謀もいいところだ。

一応、王国から出発前に都市国家の紙幣は支給されていたが、すぐに帰ってくるように、都市国家にバレないように長居するな、とのことで、よくて、二週間分の金だった。

俺たちどころか、王国は国交がなかったから、部外者を砂嵐で閉じこめるシステムを知らない、無知からくる油断だった。

よって、今は二週間目にして、残金がつきかけていた。


聖女ちゃんの認識阻害で過ごそうかとも思ったが、兎が空き部屋にいたら驚くし、水や食べ物を盗んだら殺されるだろう、そもそも、砂漠に兎はいても別種だ。最悪食われる。
それに聖女ちゃんに犯罪を行わせることは俺が許せない。

この辺りは魔物を狩っても奨励金は出ない、それ以前に砂嵐で外に出たら遭難する。

安直に金を稼ぐ方法として、装備や道具を売り払って金にすることだが、ここは文化自体が全く違うから、一発で部外者だとバレる。この二週間、住民から部外者だとバレていないのは、部屋から一切出てないだけだ。
ただでさえ、住民たちは余所者が入り込んだ、砂嵐を呼び込んだ、と殺気立ってる。
どうするか聖女ちゃんと知恵を絞っていたが、何も思いつかなかった)ハァ

<<コンコン

聖女「あら、どなたかいらっしゃいましたね」

勇者「足元見られて追い出されないか、まぁ、最悪、逃げる準備はしておこうか、俺が出るよ」スタスタ

<<ガチャ

???「どうもこんにちは、お二人さん」ニコニコ

勇者「…どちら様で?」

勇者(この二週間こもっていたから、当然、はじめて会う男だ。砂漠の民らしく、褐色の肌にターバンを頭に巻き、砂漠の民の民族衣装を着ている中年の男、戦闘力はなく、簡単に倒せる、ただ、男からは並々ならぬ雰囲気を感じた)

???「いい話がありますよ、お二人を助けられるお話です、ね? 王国の勇者様と聖女様?」ニヤニヤ




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