560: ◆DmmDEGkMa3fh[saga]
2026/05/11(月) 15:40:38.72 ID:T86xc4oM0
ヤギュウ「ところで勇者エメラどの、その腰の刀はオニマルクニツナでは」
エメラ「はい。魔王軍との闘いで、ウルシさんが取り戻したものを託されました。国の宝だと」
ヤギュウ「勇者ウルシ。彼女は無事であろうか」
足を止めて振り返る老剣士。真実を伝えるわけにもいかず、行方不明ということでその場を誤魔化した。
ヤギュウ「左様ですか。む?」
エメラの背後のウルシを見つめるヤギュウ。着物風冒険者衣装から伸びた褐色のムチムチな脚が一瞬直感を否定するが、熟練の戦士が身に纏う佇まいを見間違えはしない。
ヤギュウ「勇者どのの御供…まさにウルシどのでは?」
ウルシ「ん…」
仕方無しに面を外すウルシ。赤黒色の肌に角は、一見すると魔族だった。
ウルシ「ヤギュウさんすんません。あっしのこの姿、人々は受け入れられねえでしょう。どうか黙っててくだせえ」
エメラ「ふふふ。そんなことは無いと思いますが。補足しておきますと彼女は右足を失うまで魔王と闘った我々の仲間ですから御安心を」
ヤギュウ「なんと。妖怪と化した肉体のため、身を隠さんとするばかりか国宝まで納めに来るとは……まさに我が国の勇者」
身が震える老剣士。確かに重心の雰囲気から右足は義足だろう。そして涼やかな勇者としての魂を感じる。ウルシの発言を受け入れ、
その情報は胸に秘めることを約束した。
☆☆
畳張りの謁見の大広間に案内された2人。そこには熊の魔物の敷物が敷かれていた。既に将軍は座っている。
「よくぞ参られたなぁ!」
将軍は40代半ばの若々しい偉丈夫だった。2人はつつがなく平伏し、まずはオニマルクニツナを献上する。
「おお〜!オニマルクニツナ。魔王軍の刺客に奪われた我が国の宝ではないか。大義であったわ!」
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