安価コンマ】帝国に追い狩られる姫と騎士・幾度繰り返してもお守りします3
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549: ◆ra.jqt4ROA[saga]
2026/09/22(火) 13:25:27.20 ID:FwiEXldP0
夕日が沈み、分厚い雲の隙間から除く月明かりが、岩礁地帯を仄かに照らす。

「……………」

ギルクド公国方面へ向かう、大きな帝国の船を見つめているのは、骨と皮しか残らぬほど痩せこけ、目は落ち窪み、皮膚には深い皺が刻まれた老人…他ならぬ前皇帝レオニクス。

そこに何かが近づいて来る。人でも竜でもない。合成魔獣となった貴女が翼を広げ着地する。

「レオニクス前皇帝だな」

「…………」

レオニクスはゆっくりと貴女へ向き直る。

「邪魔は、させぬ」

「こちらの台詞だ」

目配せすると深くお辞儀したソルカが巻き添えを受けぬよう足早に遠くへ移動する。


「お前は今や皇帝ですらない。なぜそうも姫様に固執する。なぜ聖王国を滅ぼした。なぜ国を捨ててでも予言者とやらの言葉に従う。答えろ!」

「……………ディザストリアの名前の由来を知っているか」

「…?」

「幼き頃、祖父の残した古い書物に記されていた伝説の魔物だ。4000年程昔、世界を我が物にせんと人類に戦いを挑んだ悪しき魔物の王の名だ。

その怪物の悪行や強さを知れば知る程、畏怖し、絶大な力に惹かれたものだ」

「何の話をしている。質問に答えろ」

ギョロリとレオニクスの瞳が貴女を射抜く。

「ワシが戦場を離れる少し前、予言者と名乗る者が現れた。その者は水晶を通しワシに未来を見せた。ワシの古傷が開き戦えなくなる姿をだ。

当然信じず無礼なモノを見せるなと斬り捨ててやった。だがその未来は的中し、戦う事の出来ぬ体となった。

闘争が遠ざかり見る見るやつれていくワシの前に、斬り殺したはずの予言者が再び現れた。ワシはそやつが人ではない、魔物であることを悟った」

「予言者も、魔物…!?」

「ヤツは幾多の未来をワシに見せた。回避できる飢饉、和議を結ぶべき対象…何度か訪れるはずだった帝国滅亡を危機を回避できたのは、紛れもなくヤツの力よ。

そしてワシは見た。聖王国の王女二人に滅ぼされる帝国の未来を」

「!」

時の女神の祝福を受け力に覚醒した姉と妹の王女は時空を支配する力を持っていた。

姉は望む未来を引き寄せる力。妹は望まぬ過去を改変する力。その二つが合わさった時、何者も逆らう事の出来ぬ超常の力が発揮され、

大陸を支配するのに邪魔な帝国も、公国も、共和国も…全てが滅ぼされる。そんな未来を」

「馬鹿な!姫様方がそのような暴挙に及ぶはずがない!予言者のペテンだ!」

「その軍勢の先頭には剣聖…お前もいた。お前は既に知っているだろう。王女の持つ女神の力を、覚醒した王女の力の片鱗を」

「…!」

「ワシは、ただ守りたかった。愛する民と帝国を…この世界を。欲望のまま女神の力を行使する悪鬼どもから」

「ふざけるなッ!!!」


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