過去ログ - 少し昔話をしたくなった【消しゴムをくれた女子を・・・】
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89:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:42:09.42 ID:ECwp5XSe0
-2010年12月3日-

目を覚ますと、良い匂いが俺の鼻をくすぐる。味噌汁の匂いだ。
起き上がるとそこは自宅のベッドの上だった。俺はシャツとパンツ姿で寝ている。
ボクサーパンツの股間部分が盛り上がってる。
以下略



90:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:43:02.29 ID:ECwp5XSe0
俺が竜也を見ていると「おはよー!」と元気な声が聞こえた。
サトミがキッチンで朝ご飯を作っている。
俺「おはよー・・・」
そう言って俺はサトミの顔を避ける様に下を向いた。
サトミ「朝ご飯、食べられる?吐き気とかはしない?」
以下略



91:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:43:56.19 ID:ECwp5XSe0
俺「・・・ゴメン・・・」
サトミ「ううん・・・さ、お味噌汁入れるから、座って」
サトミに促され俺はテーブルに座る。
サトミ「ご飯食べたらさ、行こうか」
俺「え・・・?」
以下略



92:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:45:09.33 ID:ECwp5XSe0
産婦人科は最寄駅のすぐ側にあった。小さい個人院。
俺達はまだ寝ていた竜也を一人残してテクテクと歩いて病院に向かった。

土曜日の朝一番だからか、待合室に居るのは既にお腹の大きい妊婦さん一人だけだった。
サトミは家を出る時から、ずっと黙っていた。
以下略



93:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:46:21.89 ID:ECwp5XSe0
それを見て俺は何かを思い出した・・・
そうだ・・・あれは、厨房の頃だ・・・
太鼓を見に行く時に、サトミの案内で間違えて急行電車に乗った時・・・
サトミは今と同じに身を固くして、電車のシートに座っていた・・・

以下略



94:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:47:25.44 ID:ECwp5XSe0
そう思った時に「福田さーん、中へどうぞー」そう看護婦さんに言われた。
サトミは立ち上がると俺に微笑んだ。
サトミ「・・・じゃあ・・・行って来るね・・・」
緊張した顔はあの頃のままだった・・・

以下略



95:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:48:51.41 ID:ECwp5XSe0
俺が捨てたカズミには子供がいる。
カズミは俺と別れて正解だったな・・・
ちゃんと子供の誕生を喜んでくれる旦那と一緒になれて・・・

所がサトミは・・・胸が張り裂けそうだった。
以下略



96:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:49:38.90 ID:ECwp5XSe0
顔を上げて時計を見るとサトミが診察室に消えてから30分位経過している。
遅いな・・・と思っていると診察室のドアが開き看護婦が顔を出す。
そして俺の顔を見て、「あ、ご主人さんも、お入り下さい」そう告げる。
え・・・?俺も?
看護婦は「どうぞ」と言いながら診察室のドアを開けていたので入らざるを得なかった。
以下略



97:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:50:48.88 ID:ECwp5XSe0
サトミはお腹を出してそこに看護婦さんが機械を当てている。
右手には医者が座っていて俺が入ると振り返り「あ、ご主人さん・・・どうぞ、お掛け下さい」そう笑った。
俺は首を動かして黙礼した。医者は優しそうな、お爺ちゃん先生だった。

俺が医者の前に座るなり医者が言う。
以下略



98:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:55:21.82 ID:ECwp5XSe0
とにかく医者には「・・・そうですか」と一言だけ言って下を向いた。
医者はしばらく俺を見つめた後にチラリとサトミを見たのが分かった。
ちゃんと結婚しているのに妻の妊娠を喜ばない夫を医者はどう見ただろう?
このロクデナシ、そう思ったんだろうか?
・・・だが、そうじゃ無かった。
以下略



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