過去ログ - 少し昔話をしたくなった【消しゴムをくれた女子を・・・】
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93:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:46:21.89 ID:ECwp5XSe0
それを見て俺は何かを思い出した・・・
そうだ・・・あれは、厨房の頃だ・・・
太鼓を見に行く時に、サトミの案内で間違えて急行電車に乗った時・・・
サトミは今と同じに身を固くして、電車のシートに座っていた・・・

以下略



94:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:47:25.44 ID:ECwp5XSe0
そう思った時に「福田さーん、中へどうぞー」そう看護婦さんに言われた。
サトミは立ち上がると俺に微笑んだ。
サトミ「・・・じゃあ・・・行って来るね・・・」
緊張した顔はあの頃のままだった・・・

以下略



95:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:48:51.41 ID:ECwp5XSe0
俺が捨てたカズミには子供がいる。
カズミは俺と別れて正解だったな・・・
ちゃんと子供の誕生を喜んでくれる旦那と一緒になれて・・・

所がサトミは・・・胸が張り裂けそうだった。
以下略



96:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:49:38.90 ID:ECwp5XSe0
顔を上げて時計を見るとサトミが診察室に消えてから30分位経過している。
遅いな・・・と思っていると診察室のドアが開き看護婦が顔を出す。
そして俺の顔を見て、「あ、ご主人さんも、お入り下さい」そう告げる。
え・・・?俺も?
看護婦は「どうぞ」と言いながら診察室のドアを開けていたので入らざるを得なかった。
以下略



97:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:50:48.88 ID:ECwp5XSe0
サトミはお腹を出してそこに看護婦さんが機械を当てている。
右手には医者が座っていて俺が入ると振り返り「あ、ご主人さん・・・どうぞ、お掛け下さい」そう笑った。
俺は首を動かして黙礼した。医者は優しそうな、お爺ちゃん先生だった。

俺が医者の前に座るなり医者が言う。
以下略



98:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:55:21.82 ID:ECwp5XSe0
とにかく医者には「・・・そうですか」と一言だけ言って下を向いた。
医者はしばらく俺を見つめた後にチラリとサトミを見たのが分かった。
ちゃんと結婚しているのに妻の妊娠を喜ばない夫を医者はどう見ただろう?
このロクデナシ、そう思ったんだろうか?
・・・だが、そうじゃ無かった。
以下略



99:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:57:46.90 ID:ECwp5XSe0
俺はそれにも「そうですか・・・」としか答えない。
その時、サトミはどんな顔をしていたんだろう?
俺はサトミを見る事が出来なかった。
医者はボールペンをカチカチと鳴らした後に俺を見て言った。
医者「あ、ご主人、これを見て下さい」
以下略



100:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:59:05.19 ID:ECwp5XSe0
医者のボールペンの先を見る。
時折、チカチカと瞬いている黒い点の様な物が見えた。
医者「これが、胎児です。分かりますか?」
いや、よく分かんね。
医者「たまに、白くチカチカしてますよね・・・」
以下略



101:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:03:51.20 ID:ECwp5XSe0
「心臓が・・・動いてるんです・・・!」

ドクン・・・!
その言葉に俺の胸が鼓動する。

以下略



102:福田 ◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:05:01.46 ID:ECwp5XSe0
医者「アナタ方二人が生み出した・・・生命です・・・!」


ドクン・・・!
俺と・・・サトミの・・・子供・・・
以下略



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