過去ログ - 少し昔話をしたくなった【消しゴムをくれた女子を・・・】
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97
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福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:50:48.88 ID:ECwp5XSe0
サトミはお腹を出してそこに看護婦さんが機械を当てている。
右手には医者が座っていて俺が入ると振り返り「あ、ご主人さん・・・どうぞ、お掛け下さい」そう笑った。
俺は首を動かして黙礼した。医者は優しそうな、お爺ちゃん先生だった。
俺が医者の前に座るなり医者が言う。
以下略
98
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:55:21.82 ID:ECwp5XSe0
とにかく医者には「・・・そうですか」と一言だけ言って下を向いた。
医者はしばらく俺を見つめた後にチラリとサトミを見たのが分かった。
ちゃんと結婚しているのに妻の妊娠を喜ばない夫を医者はどう見ただろう?
このロクデナシ、そう思ったんだろうか?
・・・だが、そうじゃ無かった。
以下略
99
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:57:46.90 ID:ECwp5XSe0
俺はそれにも「そうですか・・・」としか答えない。
その時、サトミはどんな顔をしていたんだろう?
俺はサトミを見る事が出来なかった。
医者はボールペンをカチカチと鳴らした後に俺を見て言った。
医者「あ、ご主人、これを見て下さい」
以下略
100
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 11:59:05.19 ID:ECwp5XSe0
医者のボールペンの先を見る。
時折、チカチカと瞬いている黒い点の様な物が見えた。
医者「これが、胎児です。分かりますか?」
いや、よく分かんね。
医者「たまに、白くチカチカしてますよね・・・」
以下略
101
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:03:51.20 ID:ECwp5XSe0
「心臓が・・・動いてるんです・・・!」
ドクン・・・!
その言葉に俺の胸が鼓動する。
以下略
102
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:05:01.46 ID:ECwp5XSe0
医者「アナタ方二人が生み出した・・・生命です・・・!」
ドクン・・・!
俺と・・・サトミの・・・子供・・・
以下略
103
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:05:50.97 ID:ECwp5XSe0
俺の胸の奥底から何かが込み上げ、それは喉の奥を鳴らし、そのまま体を震わせた・・・
それは『感動』だった。
陳腐で在り来りな気持ちだ。
以下略
104
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:06:42.54 ID:ECwp5XSe0
ただ一つ、俺に生まれた感情があった。
それは・・・
『抱きしめてやりたい』
以下略
105
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:08:02.00 ID:ECwp5XSe0
こんな小さなボールペンの先位の大きさなのに・・・この子は生きてるんだ・・・
俺達の子供が生きてる・・・!
俺の手が震える。殺したく無い。この必死に生きている小さな生命を・・・ちゃんと抱きしめてやりたい・・・!
鼻水を流し俺は思った。
以下略
106
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:09:38.02 ID:ECwp5XSe0
サトミ「私達が中学で、出会って・・・何度も再会したのは・・・」
俺はサトミを見る。サトミは柔らかく笑った・・・
サトミ「この子が・・・私達を・・・引き寄せたのかな・・・?」
以下略
107
:
福田
◆RzEettbBGE
2012/06/20(水) 12:10:50.00 ID:ECwp5XSe0
そうか・・・君が、俺とサトミを・・・俺は震える手でモニターに触れた。
サトミ「で・・・もう、この世界で・・・待ってるのかもね・・・」
え・・・?俺は振り返りサトミを見る。
少し恥ずかしそうに笑い・・・
以下略
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