過去ログ - 【泣いたり笑ったり】能力者スレ【できなくさせてやる】
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
[sage]
2014/01/06(月) 23:08:49.18 ID:XasJHqwZo
>>13
む……!?
「おっと……」
【当然ながら、彼の存在と接近に二人はいち早く勘付く。しかし、その認識を上回る速度】
【このような場所で、自分たちのような者たちに真正面から仕掛けてくることからも、その足音を殺した俊足からも】
【表れたのが、確かな実力の持ち主であることは、容易に察せられた】
【呟かれたその言葉と共に、風を切る鋭い音。飛び来る銀の刃。ダガーナイフ】
ぬ、ぐっ……!!
「あ、はああああああぁぁぁ……!!!」
【見た目通り、動きは鈍いらしい大男の足に、ナイフが突き刺さる。低い呻き】
【一方の少女は、自らそれを受けた。青い肌に新たな傷が刻まれる】
【その口から漏れ出るのは、苦鳴ではなく嬌声だった。整った顔を快楽に歪めるその姿、異形なのは見た目に留まらないらしい】
ぐ……いきなりご挨拶じゃあないか……!!
「く、ふうううぅぅぅぅぅ……!!! いいよ、ゾクゾクするぅ……!!!」
【完全に己の官能に浸っている少女を置き去りに、大男がその姿を単眼の内に捉える】
【明滅する電灯が示したその姿は、自分たちのそれとはまた違った異質を秘めていた】
【蛍光グリーンに輝く瞳、空間すら歪めるノイズを従えた左腕、鋭い気配】
【大男の単眼に、敵意の色が宿る。と、次の瞬間には、青年はすでに行動に移っていた】
(…………!!? なんだ、あの能力は……? 肉体の再構成……? それに、あのノイズ……)
問答無用、というわけかね……!!
「う、ふふふぅ……!!! 命知らずで好きだよ、君……!!!」
【表情を痛みに歪めながら、大男が足からダガーナイフを引き抜いた。と、彼には見えるだろうか。作業服の上からでもわかるほどの動き】
【傷口周辺の肉が蠢いて傷を覆い、出血を防いでいる。常人には不可能な動き。この大男も異能の持ち主だ】
【一方の少女も、大男に続いてダガーナイフを引き抜く。こちらは、足から流れ出る鮮血は止まらない。一応、色は赤だ】
【と、この少女の傷口にも変化が現れた。血の流れが停止したかと思うと、傷口が押し広げられるように膨らんだのだ】
【まるで、内部から何かが這い出ようとしているかのように】
【しかし、その動きが何かをする前に、ノイズと狂気の気配とをその内に秘めた青年の方が先に動いた】
【手にした厚い刃のナイフが、力強い踏み込みと共に振るわれる――!! 銀が一閃、闇と共に青い肌を切り裂く。飛び散る鮮血が闇を彩る】
「あぐ、はああああああ……!!! ……ん、んn? なん、dだこrれ、はh、ぁa……?」
【そこに、彼の能力が発動する。今までに感じた事のない違和感。肉体への伝達が上手くいかないような感覚】
【それ以上に、己の求める苦痛をうまく感じられない状態となり、困惑した少女はふらふらとバランスを崩す】
……私の手下から、離れてもらおう
【そこへ、大男の声が割り込んだ。いつの間にか作業服の袖が捲り上げられ、太い両腕が露出していた】
【と、その右腕が奇怪に蠢き、ボゴボゴッ、と耳障りな音を立てて膨れ上がり始めた】
【右腕はそのまま膨らんでいき、それに伴って青年の方へと右腕が伸びていく、いや、これはもはや腕の姿ではない。巨大な肉の塊だ】
【攻撃直後の隙を突かれれば、向かってくる肉塊と化した右腕に、腹部を殴打されることだろう】
【しかし、腕の伸びる速度はさほどでもない。冷静に対処すれば、回避も反撃も可能のはずだ】
……今までに会ったことはない、と思うが……どこかで見たような気もするな……
恐らく、情報収集の際に、何かの映像で……
それで、お前は何者だね? 名前くらい教えてくれてもいいだろう?
【攻撃の成否にかかわらず、大男の問いかけも飛ぶ。一つ目が細まり、青年へと無遠慮な視線が注がれる】
【彼の姿を見た時の既視感の正体を求めて、記憶の底を探っているらしいが、答えには辿りついていないようだ】
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