過去ログ - 厨二能力授けるからそれ使って闘え
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986:【重層剛筋】[sage saga]
2016/01/05(火) 22:48:01.79 ID:QPeMpc+W0
>>082

少年の意見や動揺を男たちは汲み取る余裕はない。
女の方はささやかな冗句が通じなかった事に眉を持ち上げる。
まあ年齢の差かなどと相手が知ったら起こりそうな事を考えつつ口を開く。

「コイツも寝ちゃったし、もう文句はないでしょ?」

そんな訳はない、気絶しているだけだ。誰の目にも明らかな戯言を平然とのたまう女。
無論それを知る男らは直ぐに放心から戻り、口々に抗議の声を上げ始める。
その文句が届くより先に、女は気絶した男の脚へ無雑作に手を伸ばし――――そしてぽいと"投げた”。

見上げた人々の頭上に一瞬影が差す。人一人分の、それも其れなりに体格の良い男性。
それが、まるで子供の駄々の如き、片手の一振りでおもちゃのように舞い上がった。
どこかで悲鳴が上がる。ゆうに2、3mは飛んだだろうか、その投擲物はずしんと地響きを立て、彼の仲間へと帰っていった。

「駅まで送るわ、一応ね」

虫のように一塊で潰れた男たち、それを尻目にぼそりと呟いたのは後ろの少女へである。
すっかり怯えて女の背にぴったりとくっついていた彼女の手を握り、不意に歩き出す女。
歩き出したのは少年のいる方。背後の怒声など無いかのごとく、我が物顔で歩く姿に、関わりを避けたい人垣がさっと道を開けた。

「ほら、アンタも」

通り過ぎざま、そんな声が相手に落とされるだろう。
序でに左手が少年の外套の襟首へぐいと伸びる。もし捕まれば大の大人を投げる膂力で、ハンドバッグよろしく担ぎ上げられることになるが――


/いえ、お気になさらず


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