神父服「………」

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1 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:09:28.51 ID:V4Y8U2DO
神父服「……あの、すみません」

男「ばくばくもぐもぐ」

神父服「すいません、きいてください」

男「ぶちっもぐもぐむぐもぐ…げほっぐほっっ」

神父服「…………」
2 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:15:16.49 ID:V4Y8U2DO
男「ちょ、げほごほぐほっ…しぬっ、がほぐほ」

神父服「水どうぞ」

男「ごほっ…お、ありがとー。ごくごくごくごくごくごく」

神父服「………(長い…)」
男「ぶっはー死ぬかと思っt、……」

神父服「………」

男「………誰?」

神父服「こんばんは」
3 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:19:55.47 ID:V4Y8U2DO
男「あ、こんばんは」

神父服「すみませんお食事中に……その、気になってしまったので」

男「? ああ、これ?」

神父服「そうそれ」

男「ただの食べ物だけど」
神父服「私には人間にしか見えませんが」

男「そうそれ」

神父服「………」

4 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:22:30.13 ID:V4Y8U2DO
男「もしかして食べたい?どうぞ?」

神父服「肉類は食べられないので丁重にお断りします」

男「さいですか」

神父服「ええ」

5 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:25:32.60 ID:V4Y8U2DO
神父服「貴方は狼男かなにかですか?」

男「……なにかに人間が含まれるならそのなにかです」

神父服「さいですか」

男「さいです」

6 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:29:00.65 ID:V4Y8U2DO
神父服「人間なんですか」

男「まぁ一応そうです。皆はヒトクイって呼びますが」

神父服「まんまですね」

ヒトクイ「アリクイやユメクイみたいで気に入っています」

神父服「まぁ似たようなものですからね」
7 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:32:42.73 ID:V4Y8U2DO
男「あ」

神父服「?」

―――ざああああぁぁぁ

男「……雨だ」

神父服「雨ですね、それも強い」

男「どうしよう」

神父服「教会に行きましょう、すぐそこですから」
8 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:35:32.75 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「食べ物どうしよう」

神父服「蟻に食べてもらいましょう」

ヒトクイ「多くありません?」

神父服「鳥とか埋葬虫も手伝いますよ」

ヒトクイ「なら大丈夫ですね」
9 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:41:41.83 ID:V4Y8U2DO
------教会-------------
神父服「何もありませんがどうぞ」

ヒトクイ「おじゃまします」

神父服「タオルどうぞ、あと着替えも」

ヒトクイ「ありが、………着物?」

神父服「それしかありませんでした、すみません」

ヒトクイ「着れればいいと思うよ!(なぜ教会に着物が?)」


10 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:46:18.81 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「そういえば神父さん」

神父服「………」

ヒトクイ「? し!ん!ぷ!さん!!」

神父服「っ!……あ、私ですか?すみません私神父ではないもので気づきませんでした」

ヒトクイ「えっ」

11 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:49:45.03 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「神父さんじゃない?」

神父服「はい、この服は借り物です。こちらの方に借りました」

ヒトクイ「……へんじがない、ただのしかばねのようだ」

神父「屍ですからね」

12 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 04:55:32.58 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「じゃあこの教会」

神父服「廃墟ですかね?」
ヒトクイ「神父さん、じゃなかった。えーっとアンタはいつから」

神父服「つい最近ここにたどり着きました。あまり壊れていないので少しの間お借りしようと」

ヒトクイ「すごいアウトドア派」
13 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:00:13.16 ID:V4Y8U2DO
神父服「アウトドア派なんかじゃないですよ超インドアですよ」

ヒトクイ「いや屍から衣類剥ぐなんて勇者ですよ、俺には無理です」

神父服「貴方の方がアウトドアですよ」

ヒトクイ「ええーどこがぁー」

神父服「生肉食べるじゃないですかアウトドア通り越してターザンですよ」

ヒトクイ「服はちゃんと着ている」

神父服「ターザンだって着ていますよ」
14 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:05:09.64 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「あれは着ていると言えない巻いているだと思うの」

神父服「ターザンはもういいです。ところで、」

ヒトクイ「?」

神父服「あの人はどうしたんですか」

ヒトクイ「?……ああ!たべものさんですか!!」

神父服「そうそれ。……パン人間を思い出しました」

ヒトクイ「……俺も自分で言ってから思った」
15 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:08:42.06 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「もちろん狩りましたよ、果実とかじゃないし」

神父服「……そうですか」

ヒトクイ「神父的にNGでしたか」

神父服「ですから神父ではありません」

ヒトクイ「そうだった」

16 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:12:44.11 ID:V4Y8U2DO
神父服「……はないのですか?」

ヒトクイ「? ごめんもういっかい」

神父服「罪悪感はないのですか」

ヒトクイ「え?」

神父服「人間の肉を食べて生きるという事に、罪悪を感じないのですか?」

ヒトクイ「……」

17 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:33:56.86 ID:V4Y8U2DO
神父服「……気を悪くしたらすみません。でも、教えていただきたいのです」

ヒトクイ「……神父さんは肉を食べるとき何を考える?」

神父服「? すみません肉は食べられないので」

ヒトクイ「じゃあ野菜でも可」
18 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:39:31.52 ID:V4Y8U2DO
神父服「大地の恵みに感謝します」

ヒトクイ「うん。それだよ」

神父服「……感謝?」

ヒトクイ「そう。俺は感謝して食べてるよ。そりゃ罪悪感はちょっぴりあるけど、どんなに頑張っても俺は他のは食べられないから。吐き出しちゃうんだ」

神父服「……」

ヒトクイ「身体がね、拒否しちゃうんだよ。人肉以外を」

19 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:46:21.68 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「罪悪感よりも感謝のが勝ってるんですよ。生まれつきだから仕方ない仕方ない」

神父服「………」

ヒトクイ「くよくよ考えても仕方ない仕方ない。それでも生きていたいんだから」

神父服「…すごい」

ヒトクイ「そう?」

神父服「はい」
20 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:48:22.03 ID:V4Y8U2DO
神父服「ものすごいポジティブ思考ですね、私には無理です」

ヒトクイ「それって誉めてるんですよね?」

神父服「多分」

ヒトクイ「やったぁ」
21 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:51:27.56 ID:V4Y8U2DO
神父服「……もう真っ暗ですね」

ヒトクイ「そうですね」

神父服「寝ましょうか。奥にベッドがありましたよ」

ヒトクイ「そうですね」
22 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:54:42.37 ID:V4Y8U2DO
神父服「では貴方はこちら、私は向こうの部屋のベッドに寝ます」

ヒトクイ「はいはい」

神父服「それではおやすみなさい」

ヒトクイ「また明日ー」


神父服「……さよなら」
23 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 05:58:11.16 ID:V4Y8U2DO
------翌日------------

ヒトクイ「ん、ふあぁ……っと」

ヒトクイ「羽が生えたパプリカに襲われる夢を見た」

ヒトクイ「なんかいいことありそうだ」

ヒトクイ「……神父さんはまだ寝ているのか?」
24 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 06:02:41.27 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「突撃☆隣の寝起きドッキリ!」

ヒトクイ「神父さーんあさですよー起きてくださーい」
ゆさゆさゆさ

神父服「………」

ヒトクイ「あ、神父さんじゃないんだった。えーっと神父っぽいひとー朝だぞー」
ゆさゆさゆさゆさ
ヒトクイ「…………しんぷっぽいひと?」

ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさ


ヒトクイ「…………」
25 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 06:06:00.79 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「……………………神父さん?」
ゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさゆさ

ヒトクイ「………」
ぴとっ

ヒトクイ「……、……、………、…………………へんじがない、ただのしかばねのようだ」
26 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 06:14:26.34 ID:V4Y8U2DO
ヒトクイ「………え、…神父さん、なんで?」


 俺はびっくりしました。
神父さんがなんと死んでしまったからです。
どうしようかと辺りを見回していると、床に紙が落ちていました。
紙には、以下のように書かれていました。
「すみません、突然の事で驚いていると思います。でも、どうか聞いてください。
私は生まれつき病を患っていて、長くはありませんでした。だから両親の元を去りました。
仕方がない、とは私には思えなかったのです。
生まれつきもう死ぬしかできず何もできない私は重荷でしかないのです。
私は誰かの役に立ちたかった、なのにそれは生まれつき出来ないことだったのです。

27 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 06:22:35.79 ID:V4Y8U2DO
弱虫だと笑うでしょうか、愚かだと罵るでしょうか。
どちらでもないのでしょうね。

こんな私でも、貴方の役にはたちそうで嬉しいです。
だから薬はわざと飲みません。飲んでも意味がないし、なんだか不味くなりそうですから。

最後に。
どうか私を食べてください。
28 :以下、名無しに変わりましてゴミがお送りします [sage]:2009/09/28(月) 06:25:00.33 ID:V4Y8U2DO
他には何も出来そうにないけれど、貴方の血にはなれそうです。

ありがとう、さようなら」


俺は紙を読んで投げ捨てました。
ちょうどお腹が空いていたので、目の前のたべものを食べ始めました。
ごりごりもぐもぐぶちっがりがりばきっもぐもぐもぐ。
鮮度が落ちていたのかもしれません、歯応えがすごかったです。かたい。


あと、少しだけ塩の味がしました。




おしまい
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