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御坂「練習するわよ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:45:41.53 ID:xLNcRDr80
いきなりですが謝罪します。
スレタイ詐欺です。
ごめんなさい。

どうも、はじめまして>>1と申します。

来るべき長編SS。
それを書くことを目指して練習しよう、というのがこのスレの趣旨です。

よってこのスレでは>>1が気まぐれに短編SSを落としていくことになります。
更新なんて不定期です。

それでも温かく見守ってくれる方がいるなら、張り切っちゃいます。

あ、そうそう。
大事なことを忘れてました。

>>1は上琴患者です。
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:48:40.42 ID:xLNcRDr80
「へぇ……アンタって意外と片付け上手?」

「ちゃんと整理整頓しとかないと、どんな不幸があるか分からないからな」

上条さんも黙って不幸を迎え入れてるわけではないんですよ?と軽口。
私は今、彼の部屋に来ている。
時間にすれば午後4時といったところか。
彼の家に置いてあったデジタルな時計で確認する。
黒い背景に緑の蛍光で16:03と表示されていた。
放課後、いつもの公園にいると彼に宿題を見てくれと頼まれたからだ。
夏休み最後の日には、中学生なんかにとぼやいていた筈だが、よほどのことなのだろう。
背に腹は代えられぬということか。
そんな事情があるにせよ、彼が私を頼ってくれることは嬉しい。

「というわけで、早速頼みますよ」

「任せなさい。この美琴センセーにかかればすぐ終わるわ」

彼が部屋の真ん中に位置するガラスのローテーブルにプリントを広げる。
流石に、私が解くわけではない。
確かにその方が早く済むだろうが、彼はまた同じような状況に陥るだろう。
根本的な解決策は、やはり彼の学力を上げねばならない。
まぁ、課題を出されるたびに部屋に呼ばれるのなら……なんて悪魔が囁いていたが。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:49:44.96 ID:xLNcRDr80

「…………それで、この式を当てはめると」

「ちょっと待て御坂。……この式はどこからでてきたんだ?」

「公式よ。それぐらい覚えときなさいよ」

「いや、でもなんか式の形が違うぞ?間違えてるんじゃないのか?」

「これを移項して、両辺の逆数を取ればでてくるでしょ?」

「おおっ!でてきた!」

テーブルの1辺を使って勉強会。
対面や側面からでは教えにくいと感じたからだ。
勉強に関して、彼も彼なりに頑張っているようだ。
教えられたことをそのまま享受するのではなく、何故か?という疑問を一つ一つ潰している。
一問を解く時間は当然増えるが、教えがいがあると言うものだ。

「じゃあ、この問題やってみさない?」

「よし、今の上条さんは一味違いますことよ…!」

妙にテンションの高い彼であるが、問題が解けるようになって嬉しいのだろう。
彼のペンはスラスラと動く。
動くが……1行目から間違っている。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:51:05.74 ID:xLNcRDr80
「……あれ?」

案の定と言うか、必然というか彼のペンが止まる。
止まらなかったらそれはそれで問題だ。
問題を見ながらフリーズする彼に、彼の努力を否定する。

「アンタ、頑張っているところ悪いけど1行目から間違ってるわよ」

「へ?………………悪い、どこが間違っているのかわからねぇ」

「だから、ここが間違ってるのよ。正しくはこうよ」

彼のペンを奪い取って、彼の目の前に置かれた紙に書く。
5秒ほどで式を書き終えた後、彼にペンを返す。

「ほら、もう一回」

「あ、ああ…………」

彼はどこか落ち着かない様子で、問題に集中できていない。
私がプリントに目を落としている間、ペンは空を彷徨うだけだった。

「………………やりなさいよ」

ジト目で彼を見る。
彼は私を目を合わせようともしない。
そんな態度に少しだけムッとする。

「で、できればですけど……」

「なによ」

「もう少し……離れていただけると上条さんの精神衛生面がすごく助かるのですが……」

そこで初めて自分が彼とどれだけ接近していたかを知る。
肩と肩が触れ合う距離。
その状態から身を乗り出してプリントを見るものだから、私の頭はちょうど彼の胸元にある。

「―――――ッ!!?」

瞬間、バッと距離をとる。
赤くなった顔を隠すように反対側を向く。

「………………………………………………」

「………………………………………………」

気まずい、沈黙の空気が漂う。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:52:52.29 ID:xLNcRDr80
ずいぶん時間がたった、ような気がする。
時計を見ると集中できないから、意図的に見ないようにしていた。

「ふぅー。やっと終わったー!」

「お疲れさん。よく頑張ったわよ」

「御坂ー。本当ありがとなー」

彼からの感謝の言葉に頬を緩ませる。
照れてしまい、目線をはずす。
外した先には時計があり、その画面にはデジタル表示で来たときと変わらず16:03と……。
ん?16時?あれー?嫌な予感がするよー?

「ね、ねぇ……アンタ」

「ん?なんだ?」

「あの時計って……時間表示が……その……止まってたり……?」

「あ、ほんとだ」

電池切れてたのかなーなんて彼が時計を確認しに行く。
その間に私は携帯で今の時間を確認する。
…………21:40
アウトだ。
それはもう盛大に。
何がって?メールの受信BOXを見れば分かる。
そこにはきっと、後輩の首の痛みを訴えるメールで埋め尽くされているだろう。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:54:34.64 ID:xLNcRDr80
そんな事を考えていると、

ぐぅ〜〜〜

場違いな音が響く。

「……腹、減ってるのか?」

響かせた当の私はもはや恥ずかしさで消え入りたいような表情。
意中の彼の前で腹の音を鳴らすなんて……。
彼も携帯で今の時間を知る。

「うわっ、もうこんな時間かよ。そりゃ腹も減るわな……」

意識的なのか無意識的なのか、彼のフォローが飛んでくる。

「というか、お前門限は大丈夫なのか?」

「……大丈夫じゃない……かも」

「…………すまん。御坂」

「いや、いいって。私の不注意なんだから」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:55:19.43 ID:xLNcRDr80

それでもな……と頭を書く彼に向かって、私は一つ提案をする。
それは先ほどからの懸念事項だった。

「……夕飯」

「なんだって?」

「こんな時間じゃ、寮に帰ってもご飯ないから。……なんか作ってよ」

所謂、おねだり。
私は別にハラペコキャラクターではないが、流石に頭を使ったあとに飯抜きはつらい。
手ごろな店で済ませても良いが、なんかそんな気分じゃない。
彼がいるのだ。
彼の手料理で満たされたい。

「そうか、わかった。じゃあ今から作るからちょっと待ってろ」

彼は急いで台所へと向かう。
私はその間にテーブルの上を片付けておく。
こんな些細なことにでも、彼との共同作業を意識してしまう。
もう、本格的に彼の虜なのだろう。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:56:11.00 ID:xLNcRDr80
「ほら、できたぞ。お嬢様の口に合うかは分からないけど」

そういって彼は料理をテーブルに置いて座る。
私は向かい側に置かれた皿を、隣へと持っていき、テーブルの1辺だけを使う。
彼は少し驚いたようだが、さしも気には留めていないようだ。
料理は無難に炒飯。
簡単なものなら短い時間でサッと作れる。
美味しそうな匂いが漂ってくる。
そうそう、食べる前にはちゃんとやっておかなきゃね?

「手を合わせて」

「お?そうだな」

「それじゃ……」

「「いただきます」」

私は用意されたスプーンで一口食べる。
彼は私の反応を伺うためか、こちらをじっと見ている。
もぐもぐと咀嚼し、のどの奥に送る。
……おいしい。

「おいしいわよ」

「そうか、よかった」
「口に合わなかったら本気でどうしようと思ってたんだよ」

「アンタが私のために作ってくれたのよ?おいしくないわけ、ないじゃない」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:57:03.94 ID:xLNcRDr80
二人でどんどん食べ進める。
それなりの量はあったと思うが、10分ほどで食べ終わる。
隣の彼はさらに短く、8分ほどで食べ終わっていた。

「ご馳走様!」

「お粗末さま。腹はふくれたか?」

「おかげさまで」

といって腹をさする。
あれ?私、いまとんでもないことをしたんじゃ?
自分の失敗に気付いて隣の彼を見る。
なにか、見てはいけないものを見た。
そんな表情だった。

「あ、ちょ、へ、変な想像しないでよ!!」

「し、してねぇよ!!……たぶん」

「たぶんって何よ!?」

さっきまでのいい雰囲気はどこへ行ったのだろう。
きっと、そんなものは私たちには縁がないのかもしれない。
しかし……思い返してもひどいミスだと思う……。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:57:47.76 ID:xLNcRDr80
「ぅ〜〜……」

「そ、そんなに気にすることか……?」

「ううぅ〜〜〜…………」

彼は唸る私から逃げるように食器を持って台所へと移動する。
やり場のない、もやもやとした感じだけが残る。


ジャー
カチャカチャ

「ふぁぁ……」

彼が食器を洗う音がする。
それがなんだか心地よくて、いけないと分かっていて。
満腹感と安心感に囲まれながら。

「ん……とうまぁ……」

門限なんて、もういいや。
私は意識を手放すことにした。
いつかこの光景が日常になることを願って。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 21:02:14.92 ID:xLNcRDr80
以上です。

所詮、>>1の文才と文量なんてこんなもんです。

1回の投下で9レス分なんて、妄想力の不足ですね。
もうちょっといくかな?なんて甘い幻想はぶち壊されました。

こんな感じに短編を書いていきたいと思います。

練習なので、感想を頂けたら嬉しいです。
褒めてもらえればもっと嬉しいです。

ではこの辺りで。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 21:06:36.65 ID:vDAzYVri0
乙乙
短編集とは楽しみだ
上琴病患者として応援してる
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 21:09:59.97 ID:t1VozgqxP
習作スレとは新しいな
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 21:30:17.57 ID:o10o9olAO
おつ!

俺の上琴分補給のためにどんどん妄想を垂れ流してくれ。

きたいしてる!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 21:49:23.22 ID:K41fvAGAO
やめて 俺のブックマークの空きスペースは ゼロよ!?
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 21:51:47.38 ID:aNjvpwAIO
騙しやがったなこの野郎と思いきや良い上琴だった
今後に期待するぜ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 22:11:25.33 ID:OZk/M6vIO
続きマダー?
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 22:12:37.53 ID:6aSsB60k0
これはあれか?お題を上げたら>>1が気に入ったお題で時間軸とか、色々無視して上琴あまーーーいを書いてくれるスレですか?
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:23:45.97 ID:x5JPzF930
いずれくる上琴長編楽しみ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:45:17.02 ID:/4kSDjl0o
タイトル詐欺かよ…チッとか思ってすみませんでした!
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:09:40.08 ID:LtvjFs7To
これは期待?
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 17:21:49.52 ID:qd372NgO0
>>21
冥土返しの真似をするのはやめてほしいんだけどね?
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:37:00.40 ID:69oL3ILK0
読んでくださった方、ありがとうございます。
やはり感想が付けられていたり、期待されていたりすると嬉しいですね。
想像以上の嬉しさです。

>>18さん
練習になりますし、それもいいかもしれませんね。
いつかスラスラとかけるようになり、
スレの皆様と一緒に上琴作品を作り上げていきたいものです。

さて、実は>>1に書き忘れていたことなのですが、
このスレではちょっとえっちぃ上琴なんかも書いたりします。
だってそのためのスレですし。

いや、本当は当たり障りのない上琴を書きたいのですが、
どうも作中で二人が暴走してしまって……なんてことがしばしば。

今回はR-15?自信はありません。
苦手な方はスルーしてくだされば。
えっちぃ描写に期待するのは地雷です。

では、投下します。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 21:37:20.55 ID:vkbVUxmAO
期待してもいいのかね?
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:37:57.99 ID:69oL3ILK0
「………………んっ………………朝…………?」

カーテンで閉じられた窓からわずかに差し込む日光。
外をわずかに行きかう車の音。
それは一日の始まり、つまるところ朝の知らせ。

「…………んー…………あと……5分…………」

心地よいまどろみから抜け出すことは難しい。
その原因は私の隣にいる。

「……………………………………うぅん……」

何か寝言らしきことを言いながら眠る彼だ。
もしここが、お嬢様学校の寮にある十分な広さを持ったベッドだったなら。
もし身近に、柔らかい綿の感触と自分の熱を持ったクマの人形がいたなら。
こんなに起きることを惜しまないだろう。

「………………えへへ……」

しかし現実は、どこにでもある普通の学生寮の一室。
一人が寝ることを想定して作られた、最低限の広さを持ったベッド。
自分とは違う、まったく別の熱源を持った人肌。
布切れ一枚に邪魔されることもなく、肌と肌を寄せ合う。
一人分の寝具を分け合いながら朝を迎える。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:38:38.82 ID:69oL3ILK0

「……………………んん…………みことぉ…………」

彼が寝言で私の名前を呼ぶ。
私の夢を見てくれているのだろうか?
いずれにせよ、無意識下で名前を呼ばれることに幸福感を得る。

「なぁに?とうまぁ?」

嬉しくなって。
彼にも分けてあげたくて。
私は狭いベッドの中でより密着する。

「みことぉ………………どこだぁ……………………」

「ここよぉ……とうまぁ」

モゾモゾと寝返りを打つ彼の手を握り、私の背中へと誘導する。
すると彼はピタリと動きを止め、そこにある感触を確かめるかのように抱きしめてきた。
先ほどまで怪訝な表情をしていた彼が、安らいだ顔になる。
つられて私も頬を緩める。
ちょうど向かい合って抱きしめあうような形で、彼の唇に触れるだけのキスをして。

「おやすみぃ………………」

再び眠りに落ちる。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:39:25.54 ID:69oL3ILK0
しばらくして、また目覚める。
先ほどよりも太陽の位置が高いのが分かる。
街もにぎわい始め、道路からは子供の笑い声も聞こえる。
今日は土曜日なので普通の学生は休みのはずだが、小さい子供は元気だと思う。
先ほど起きた時はまだ6時ごろだった気がするが、現在は8時ごろだろう。

「……朝食作らなきゃ…………」

身体を起こそうと思ったが、何かに拘束されているようで動けなかった。
見れば、彼の腕ががっちりと私を抱きしめて離れないようになっていた。
ぎゅっと抱きしめてもらえるのも、それはまた後でしてもらおう。
とりあえず彼の腕を取り、外そうとした。

「きゃっ!」

しかし彼の腕は、外そうとする私の手を振り払い、私の身体をまさぐり始めた。
起きているのか?と思ったが、そうではない。
彼はちゃんと寝ている。
それは生体電気から読み取っているので間違いない。
ならこれは?
これは彼の本能なのだろうか?

「ひゃ…………んっ…………ちょ、やめっ……あん!」

彼の手は動きをやめない。
そればかりか、指の動きまでついてきて、私の柔肌を弄びだした。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:39:58.06 ID:69oL3ILK0
「んっ…………くぅっ…………!」

乱暴だけど優しくて、少し痛いけどそれ以上に気持ちよくて。
このまま流されてもいいかなんて思ってしまう。
でも、流石に…………ね?
手を強く握って彼の動きを止める。
すると、動けなくなったことに違和感がしたのか、彼が目を覚ました。

「………………ん?…………みこと…………?」

「おはよう、とうま」

彼が眠そうな目でこちらを見つめる。
私は朝の挨拶をし、ベッドから出ようとする。

「……どこ行くんだ…………?」

「朝食の準備をするのよ。だから、この手をどけて頂戴?」

「ん、わるい……」

そういって一揉み。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:40:35.10 ID:69oL3ILK0
「あっ…………悪いって、分かってないじゃないの!」

「怒鳴るなよ……。悪かったから」

「そう思ってるなら放しなさいよっ……!?」

突然、その先端を指で押しつぶされてしまい体がピクンと反応を示す。
気をよくした彼は微笑みながら耳元で囁く。

「そう言うなよ……。美琴だって感じてるじゃないか?」

「それは……っ……当麻が…………こ、こんな……」

意識してされる愛撫と、そうでない愛撫には天と地ほどの差がある。
それは技巧的で、私の弱いところを確実に突いてくる。
徐々に高められていく快感に私は必死で抗う。

「だいたい……昨日あれだけっ……したんだからっ……ッ!」

昨日、彼にあれだけ愛されてお互い疲れて眠ってしまった。
それは深夜まで続いていたので実質な睡眠時間はいつもより短い。
疲労も抜けきっていないのが分かる。

「美琴さん?男の子はね、皆オオカミなんですよ?」

彼はそういって遠慮することなく愛撫を続ける。

「それに、美琴のためならいくらでも頑張れるからな」

「ばかぁ!…………そんなこと、今言うの……?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:41:10.09 ID:69oL3ILK0

身体の上を這いずり回る手はいつしか下へと進路を変えていた。
お腹を通り、へそを通り、そして……。
私の一番大事なところへそれが届く。

「あふっ……!……やぁっ……んっ…………」

さわりと軽く撫でられただけでも強烈な悦楽。
一際大きく身体を揺らしてしまう。
逃れようと、彼の腕の中で身体を縮こまらせる。

「だいたい、こんなにしときながら説得力がないですよ?」

1本、器用に動くそれは私のナカへと侵入する。
突然のことにキュっと引き締まり、それ以上の行為は認めないとするが、たやすく突破される。

「あっ!あっ……あっ……あん……やっ!やめっ……」

私を蹂躙するそれは水音を響かせながら踊り狂う。
それに合わせて私は甘美な嬌声で歌う。

「や!やめっ!んっ……はぁ……あっ……っ……!」

本当は違う。
歌わされているのだ。
彼によって無理やり。
彼の愛を肌と肌で受け取り、心にジワっと広がる。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:42:01.81 ID:69oL3ILK0
「そろそろ、我慢しないほうがいいんじゃないですかー?美琴姫ー」

彼が何を言っているのか頭に入らない。
目の前がチカチカする。
気持ちいい。
昇らせて欲しい。
他でもない、彼の手で…………。

「美琴たーん、聞こえてますかー?」

加速度は常に変化し、その揺さぶりに翻弄される。
布団の中であるにもかかわらず、下半身には気化熱のひやっとした冷たさがある。

「……そこぉ…………そこっ……きもち……いいのぉ…………!」

最早自分が何を言っているのかも分からない。
ただ暴力的な電気信号だけが脳に送られる。
身体は震えっぱなしだ。
ピクピクと反応する様は彼にどう映っているのだろうか。

「やーっと素直な美琴たんになったなー。それじゃ、ご褒美をあげないとな」

彼は顔を、私の首元に近づけてきて。
はぁーっと吐息を吹きかけた後、

ペロリ

首筋を舐めた。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:43:13.56 ID:69oL3ILK0
私を堕とすのにはそれだけで十分だった。
水気を帯びた、彼の柔らかい舌に私はもうダメだ。
たった一舐めされただけで首から脳に指令が送られる。

「――ああっ!!んっ!!やだっ!!イっちゃ――――!!」

二つの過激な刺激に限界が来ていた私は、その新しい刺激にあっさりと崩壊させる。
目の前が真っ白になって、表現できないナニカが全身を駆け巡って。

ビクン!ビクン!

一際大きく震える。
彼の腕の中で止めようのない、大きな痙攣が起こる。
彼の二の腕に顔を埋めて、必死に声を噛み殺す

「ン―――!!ンンッ――!!…………――ふあああぁぁっっ!!!」

そんな私を彼は抱きとめて離さない。
こんなときでも、彼はちゃんと抱きしめてくれる。
ぎゅっと抱きしめてくれる。
だから、…………安心してっ……。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:43:51.27 ID:69oL3ILK0

「…………はぁ…………はぁ…………」

「気持ちよかったか?美琴」

「………………………………うん…………」

「なら良かった。…………それじゃあ」

頂上から帰ってきた私に、彼が迫ってくる。
太腿にあたるソレは、起きたばかりのときと比べ、熱を持っている。
一際熱く、自己主張する。

「……ん……でも…………朝食…………」

「何言ってんだ、目の前にあるじゃないか」

「……えっ?」

「こんなにも美味しそうで、可愛らしくて、もう我慢できません!」

「……もう、…………ばか」

私は、朝食と昼飯が一緒になっちゃうかな?なんて考えながら、この愛しい朝を迎え入れた。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 21:46:48.36 ID:69oL3ILK0
直接ナニとか言ってないのでR-15?
本番もいかず、寸止めです。
ごめんなさい。

ある程度の情事って自分の頭の中が覗かれているようで
なんか恥ずかしいですね。

今回も9レス分。
長編かける人ってやっぱりすごい。

では、この辺りで。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 22:06:01.63 ID:sOe4kG0AO
乙乙!

す、寸止めだと… これは脳内補完するしかないな

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 22:09:55.60 ID:x8Yxx4q90
乙。
こういう地の文って、言い回しって言うか、ネタ帳みたいなのがあるの?毎回新たに考えてんの?
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 00:13:30.44 ID:kXNljktVo
乙!
寸止めときたか…しかし美琴がエロかわいい……ふぅ。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 00:13:55.16 ID:NQTxhcgDO
乙!!
普通にうまいと思うんだが…
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 00:14:36.88 ID:NQTxhcgDO
乙!!
普通にうまいと思うんだが…
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 01:15:43.51 ID:YCC14Oj+0
乙ー! 美琴かわええのう
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 01:58:28.34 ID:q2BjgUjAO
いいね!いいね!
乙です!乙です!
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 03:08:22.67 ID:iMZ2+Ospo
乙〜
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 04:23:57.90 ID:6qTAZHxDO
これはいい上琴分補給スレですね
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 13:40:48.81 ID:C8tcJdESO
なんだただの練習詐欺か……

超期待
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 14:22:35.50 ID:YtsvNMh80
練習なんですか?実践じゃないですか!?
くそぉ〜グッジョブだ!
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 18:59:50.85 ID:91K2I1hk0
くっそー騙された。つまらないスレだと思って開いたのに・・・超俺得スレだったよ。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:04:04.03 ID:QmX4cSYB0
皆様こんばんは、>>1です。

スレを立てたときは、1週間に1作品投下できればいいかな?
とか思ってたんですが。
やはり、人の言葉には力が宿ってますね。

>>36さん。
なにも考えてませんし、ネタ帳もありません。
ただ同じような表現が重ならないようには意識しています。
おかげで作品の後半部は抽象的で大変なことになってます。
単に>>1の語彙力の問題なんですけどね。
精進します。

昨日といい、今日といい。
自分の書きたいことと全く違う展開になる……。
本当、この二人には手を焼かされます。

全年齢OKの健全作品ですよ。
投下します。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:05:27.07 ID:QmX4cSYB0
「やっと終わったわー……」

ふぅ……やれやれと言った面持ちで荷物を片す。
常盤台の授業は難しいといっても、予習復習を怠らなければそれほどでもない。
優秀な教師も沢山いて、分からない所はいつでも質問できる。
徹底的に管理された時間割。
無駄のない、洗練された指導。
勉強好きの人なら喜びそうだが、それでも私にとっては退屈なことに変わりが無い。
本日最後の、息の詰まる90分を終え開放感に浸る。
本当なら背伸びでもして気持ちよくしたいのだが……。

「それでは御坂様、また明日」

「あ、うん。また明日ね」

「あの、御坂様。先ほどの授業で分からなかったところがあるのですが……」

「そう?じゃあ、こっちにいらっしゃい?」

「は、はいっ!」

「あ、あの、わたくしも!」

「抜け駆けはずるいですわ!わたくしもお願いしますわ!」

「あ〜〜……皆まとめて教えるから、集まってね」

「「「はい!」」」

彼女たちの憧れを壊すのも気が引ける。
学園都市の超能力者、常盤台のエースの看板を背負わされている私。
周りは私を中心として話が進む。
それは輪状に形成される。
中心からの距離はどの場所でも等しく、円周が中心と重なることは無い。
分かってはいるけども、やはり寂しい。
今ではもう慣れてしまったが、この学校に私をさらけ出せる場所はなかった。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:06:19.69 ID:QmX4cSYB0
あの後、挨拶をしに来る後輩一人ひとりの相手をして校舎を後にした。
別れ際に誰もが私を"御坂様"と呼ぶ。
普段は"さん"を付けて学友を呼ぶ人も、私にだけは……。
結局授業から開放されても、本当に開放されることはないのだ。

ゲコゲコ ゲコゲコ

鞄の中から、カエルの鳴き声がする。
見なくたって分かる。
金曜日、放課後。
彼はいつもこの時間に電話を掛けてくる。
用件はいつも同じ。

ピッ

『今日、来れるか?』

お泊りの誘い。
最近では寮監に目を付けられているが、無視している。
庭の草むしりや、広い寮内の清掃には慣れた。
むしろ、1時間ちょっとの罰則で、彼と一晩を過ごせるのなら安いものだ。
……朝帰りの疲れた身体には堪えるんだけども。
そんな彼の誘いに私はいつもの言葉で返事、

「今日は無理だわ、用事があるのよ。また今度ね」

――しなかった。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:07:05.37 ID:QmX4cSYB0

『そうか、残念だな』

「寂しい?」

『ぶっちゃけ寂しい』

「ふふ。今度一杯してあげるからね?」

『分かった。楽しみにしとく』
『それじゃ、元気にしてろよ?』

「当麻も、入院なんてしないでね」

ピッと短い音を鳴らし、会話を打ち切る。
彼の、本当に残念そうな声が耳に残る。

ツー ツー

特定の周波が断続的に再生され、通話の終了を表す。
私は携帯を耳に当てたまま、しばらく余韻に浸る。
20回ほど繰り返されたときにようやく折りたたみ、鞄に戻す。

「それじゃあ、用事を済ませますか!」

誰に言うわけでもなく、そう宣言して歩き出す。
行き先は、彼のよく行くスーパーマーケット。
その食品売り場。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:07:54.61 ID:QmX4cSYB0
目的地にたどり着いた私は、携帯で時間を確認する。
…………16:50
いい時間だ。
あと10分でタイムセールが始まる。
今日は魚の切り身がメイン。
その他、大根や人参、豆腐なども安くなる。
売り場を歩いて、特徴的なツンツン頭を探す。
1分後、入り口から入ってきた彼の姿を捉える。

「…………いた」

放課後も学生服で鞄を持ちながらうろつく彼。
一緒だね、なんて共通点を見つけて喜ぶ。
だが駆け寄ったりはしない。
それではなんのために、彼の誘いを断ったか分からない。
彼に見つからないように食品売り場から離れて時間をつぶす。

「えへへ……当麻、頑張ってね」

彼を瞳に映しながら、エールを送る。
私だって会えなかったら寂しいし、会えたら嬉しい。
その気持ちはいつだって素直だ。
早く彼を喜ばせてあげたいな。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:09:02.59 ID:QmX4cSYB0
ほどなくして、タイムセールをアピールする拡声器を使った声が聞こえる。
学生たちが群がるように、各の目的物をカゴに入れる。
遠くから眺めている私にも熱気が伝わってきそうだ。
その中に彼の姿を探してしまうが、見つからない。
さっきまで視界に捉えてたのに……と思うが致し方ない。
今日はいつもと違って、隣にいないのだから。

『え――ただいまをもって――完売とさせて頂きます――』

各売り場から完売を知らせるアナウンスが流れる。
開始から終了までは時間にして5分ほど。
彼はちゃんと買えたのだろうか?

「……っと、いけない。早くでなきゃ」

考えるのは後でしよう。
完売となったことで人垣は薄くなり、視界が開ける。
留まったのなら、ここにいるのがバレてしまう。
スーパーを後にし、少し離れたところでから出入り口を伺う。

「きたきた」

両手一杯に荷物を持った彼が、自動ドアをくぐり抜ける。
薄暗い街の中で店内の明かりが逆光となり、顔はよく見えない。
戦利品を引っ提げ、スタスタと歩く彼をストーキングする。
このまま真っ直ぐ家に帰るらしい。
当たり前か。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:10:36.14 ID:QmX4cSYB0

彼から20メートルほどの距離をとって通いなれた道を歩く。
隣に彼がいなくて、すこしだけ寂しい道中だ。
他愛も無い話をしたり、夕飯の内容を考えたり、夜食の打ち合わせをしたり。
とにもかくにも彼とお喋りしたい。
…………………我慢よ、私。
そう言い聞かせる。

「なんか、後姿ってのもいいわね」

彼ならなんだっていいのに、今更かと思うようなことを呟く。
暮れかけていた日は沈み、街灯が照らす道を歩き続ける。

「それにしても」

彼の持つ袋に目を凝らす。
いつも二人で買って帰る分量と大差が無い。
当然、疑問が生まれる。

「当麻って意外と大食いなのかな?」

そりゃ、男子高校生なんだし食欲も旺盛なんだけど。
いつも私が作っている量じゃ足りてなかったのかな?
で、でもしっかり運動するくらいだし?
考えれば考えるほど、思考の泥沼から抜け出せなくなる。
その中で一抹の不安が浮かぶ。

「もしかして、今日誰かと会うつもりなの……?」

私に会えないから、その溜まったものを別の女に処理してもらおうと言うのか。
彼に限ってそんなことは無いと思う。
いや、思いたい。
自信はある。
あるが……それでもやっぱり、真っ向から否定なんて出来ない。
なまじ彼の激しさを知ってるから。
あれだけの愛を私以外に向けてなんか欲しくない。
たとえその程度に及ばなくても、他の女なんかと絡んで欲しくない。
彼は…………私のだから…………。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:12:01.52 ID:QmX4cSYB0

学生寮についた彼は、エレベーターを使う。
この寮ではエレベーターは一つしかないので私は階段を使って7階まであがる。
狭い密室の幸福な時間と違って、寒くて無機質。
私は1段飛ばしの早足で駆け上がる。
脳裏よぎる不安も私の足を加速させる要因となった。

カンカンカン

革靴が足音を立てる。
彼がそれを聞いてしまっても興醒めなので、6階からは忍び足で上る。
7階に着いたとき、彼はちょうど部屋の鍵を開けているところだった。
エレベーターの中では早く感じたのに、こうしてみると意外と遅いんだなと新たな発見をする。

「ひとまずは、安心ね」

もし、彼が鍵を開ける動作もないまま部屋に入っていたら。
おかえりなんて言葉が聞こえてきたら。
私はどうしていたか分からない。

「ここにいれば、真相が分かるわね」

しばらくして、何も無かったら予定通りにしよう。
なんてことを呟いたとき

ゲコゲコ ゲコゲコ

カエルが鳴き始めた。
なんだろうと思い、画面を見る。
そこには愛しい彼の名前が表示されていた。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:13:03.04 ID:QmX4cSYB0

「どうしたの?何か用?」

『いや、用があるのはそっちじゃないのか?』

「何のこと?」

『外じゃ寒いだろ。鍵あいてるから入ってこいよ』

合鍵もってるだろうけどな、と彼が付け足す。
あまりの事に処理が追いつかない。
働け、私の頭。

「な、なんで当麻が知ってるの?」

彼からの答えは、少し前に聞いたそれと同じ。
単調な音が繰り返された。

「なんなのよ……もう」

パタリと閉じたカエルに一瞥し、とりあえず彼の言うとおりにすることにした。
彼の部屋の前まで移動して、ドアノブに手をかける。
それは簡単に回り、私を部屋へと案内する。

「おじゃましまーす……」

そう言いながら恐る恐る玄関に立つ。
すると彼は目の前にいて、一言。

「おかえり、美琴」

そして私が靴を脱ぎ終えたのを確認すると、彼は鍵を閉めた。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/22(火) 20:16:31.18 ID:QmX4cSYB0
以上です。

ああ、ついに張っちゃったよ伏線。
巧くできてるかな?どうかな?

この作品については続編を用意する予定です。
予定だし、まだ書いてないし。
そもそも二人がどうなるのか分かりませんが。

今回は8レス分
9レス分を基準とすると、ちょっとだけ短いですね。
続編に期待させちゃいます。

では、この辺りで。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:47:17.87 ID:QlEtRCtHo
4コマ漫画的な感じでよろしいんじゃないでしょうか。

これ大好き
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:56:41.09 ID:locQLqR2o
短いのもいいよな
上条さん気付いてて尾行放置とかニヤニヤする
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 21:00:28.28 ID:YtsvNMh80
書いていただけるだけ何より
グッジョブだにゃーb
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 21:23:53.70 ID:q2BjgUjAO
???
なんで上条さんは美琴に気付いてたの?
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 21:25:10.72 ID:pJAxW9oAO
乙。
この8レスで十分癒されました。

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 22:38:20.05 ID:Pm1OURTAO
>>56

続きも全年齢OK?
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 23:46:39.05 ID:E42/jHsAO
ポニーテールがどうのこうの
続き楽しみにしてまーす
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 01:02:44.11 ID:yXLG/T2AO
あげ
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:11:43.36 ID:rnd2wp7AO
>>64
不用意にageちゃ駄目なのよ。
作者が作品を更新する際に、が一般的
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:25:34.85 ID:qnnY7EE00
乙です! なんかみなぎってきた 
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 02:57:37.51 ID:bP/jHy2Qo
乙〜
こういう風景見てるだけで心が癒される
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 10:25:46.54 ID:yXLG/T2AO
>>65
おk
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:09:49.18 ID:hWEXnn3k0
こんな時間にこんばんは。

ageとかsageとか気にして無かったですね。
基本はsage進行で行こうと思います。

短編とは別に、1行程度の小ネタも作ろうと思っています。
ポニテ美琴とか可愛らしく纏まればなーなんて考えたり。

前回の続きですが。
全年齢を予定していたのですが気がつけば……ですね。

R-15
では、投下します。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:12:27.01 ID:hWEXnn3k0
「なんで知ってたの?」

部屋に上がり、私は当然の疑問を投げかける。

「お前の後ろにいたからな」

後ろ?前じゃなくて?

「よく分からないわ」

「電話を掛けたとき、お前の後ろにいたって言ってんだよ」

なるほど。
理解した。
つまり私はストーキングされていたのか。

「驚かそうと思ったんだが、何故だか断られちまってな」
「でも用事があるなんて言っておきながら、いつものスーパーに行くじゃねぇか」

「たまたま入用だったのかもしれないわよ?」

「お嬢様がタイムセールなんて利用するかよ」

「友達の家に泊まるとか考えなかったの?」

「美琴が友達に安物の食材を持っていく姿なんて想像できないな」

冷静に考えるとそうかな。
後ろを付けられた時点で私の考えは筒抜けだったのかもれない。

「じゃあ普段その安物を食べてる当麻はどうなの?」

「その代わり、食べてる物があるじゃねぇか」

「セクハラよ?」

「何を今更」

そういって触れるだけのキスをする。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:13:19.17 ID:hWEXnn3k0

「んんっ――――」

二人で料理を食べ終えた後、私は大きく伸びる。
結局、あの食材は彼と私の二人分。
彼には敵わないな。

「それで、なんで用事があるなんて言ったんだ?」

「当麻と一緒よ」
「驚かせたかったのよ」

ふぅん、と彼が納得する。
一緒の日に一緒の事を考える。
それも相手の事を考えながら。
なんだか私たちって、

「似たもの同士だな、俺たち」

本当、そう思う。

「ところで、今日は期待して良いのか?」

「食後の運動にはまだ早いわよ?」

「分かってる。美琴、こっちにおいで」

ベッドを背もたれにする彼に手招きされて、私は正面に座る。
彼は右手を伸ばし、私の頭を撫でる。
私は彼が撫でやすいように頭を差し出す。

「えへへ」

「あーもう。やっぱり可愛いなー美琴たんは」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:13:59.90 ID:hWEXnn3k0

「なぁ、美琴」

「なぁに?当麻」

「重い」

「重くない」

失礼なことを言う。
しかし私はそれを気にしたりはしない。
床の垂直抗力は二人分の質量と重力加速度の乗算。

「なぁ、美琴」

「なぁに?当麻」

「テレビが見えない」

「知らない」

邪魔だと言う。
しかし私はそれを聞き流す。
光の進路は私に遮られ、彼には茶色のスクリーン。

「なぁ、美琴」

「なぁに?当麻」

「楽しいか?」

「楽しいわよ」

ならいいんだと彼が言う。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:14:32.14 ID:hWEXnn3k0

彼の家で、彼を椅子にして、テレビを見る。
そこはどんな高級ホテルよりも止まりたい場所で。
それはどんな高級ソファーよりも座りたい場所で。
胡坐を掻いた彼の足の隙間は、私の臀部がすっぽり収まり。
ベッドにもたれる彼の胴部は、私の背中がピッタリとくっ付き。
若干の高低差のある彼の喋り声は、タイムラグをほとんど発生させない。
この場所を占有できるのは彼女の特権。

「なぁ、美琴」

「なぁに?当麻」

「遊びたい」

「遊んでよ」

そして私を占有の出来るのは彼氏の特権。

「な〜ぁ〜み〜こ〜と〜」

「な〜ぁ〜に〜と〜う〜ま〜」

彼に揺らされながら返事をする。
気合の無い、間延びした声を晒しながら彼と一緒に揺れる。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:15:11.31 ID:hWEXnn3k0

私のお腹にがっちりとまわされた手が、私に彼の動きをトレースさせる。
若干の位相差を伴いながら、私の軸は大きくぶれる。
まるでメトロノームみたいだと思う。

「み〜こ〜と〜ぉ〜」

「と〜う〜ま〜ぁ〜」

その触れ幅は増していく。
名前を呼ぶだけの会話が繰り返され、そこに愛しさを感じる。
抵抗もなにもしないのが、彼への信頼の証。
ここには常盤台の超電磁砲なんていない。
いるのは素直になった14歳の少女。

「きゃっ」

復元力を無くした単振動が、私の視界をZ軸を回転軸として左に90度回転させる。
彼の左腕を横腹で押しつぶすような体勢で、彼の次の行動をじっと待つ。
このままだと制服が皺になってしまうが、まぁいいかと考える。
その間、部屋の音はテレビから流れてくるCMの音だけだった。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:15:55.54 ID:hWEXnn3k0

5分ぐらい経ったか。
CMは終わり、ニュース番組が再開されている。
キャスターの人が最新の話題に対してコメントをしている。
その間、彼からのアクションはなかった。
始めは少しさびしいなと感じた。

「んっ……」

今は切なくて耐え切れなくて、時々身体をもじもじと動かす。
しかし、それでも彼は動かない。
私は右手で彼の右腕を持ち上げ、私から引き離す。
自由に能力が使えるようになった私は、その場から動かずにテレビの電源を切る。
部屋の中が静けさで満たされたのを確認すると、彼の右腕を元に位置に戻した。

「どうした?美琴」

「………………………………」

耳元で囁く彼の質問には答えない。
焦らされて耐えられなくなった、なんて言わされたくない。

「………………………………」

「………………………………」

私がボールを持ったまま離さないから、言葉のキャッチボールはそこで終わった。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:16:29.43 ID:hWEXnn3k0
「あっ…………」

彼が右腕でぎゅっと抱きしめてくれた。
無言だったけれど、私の気持ちが伝わって純粋に嬉しかった。
だけどこれじゃ足りない。
もっと。
もっとだ。

「ねぇ…………?」

それだけで十分だった。
抱きしめられる腕の力が増す。
彼は私の言わんとすることを正確に読み取ってくれる。

「…………………………」

彼の力はどんどん増していく。
最早それは締め付け。
彼の熱を背中で受け止めて。
私の身体は自分の意思では動けない。

「くぅ……………………」

息が搾り出される。
痛くて、優しい抱擁。
このままだと、私は壊れるだろう。
彼によって壊されてしまうだろう。
それもいいかもしれない。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:17:05.97 ID:hWEXnn3k0

「んっ!……………………はぁ……はぁ……はぁ……」

彼は一際きつく締め上げた後、それは解かれる。
圧迫感がなくなり、何故だか悲しくなる。
そんなときに、彼の右手が私の目の前に差し出される。

「あむっ……ん……ちゅる……む……っ……んっ」

私は即座にその手を口に含む。
すべての指が入るわけでもなく、彼の人差し指と中指の第二関節まで口にする。
迎え入れた2本の指を舌で歓迎する。
丁寧に、丁寧に、舐め残しがないように。
1本ごとに指の腹を舌でツツーっと撫で上げ、その度に深くくわえ込む。
爪の間だって綺麗にしてあげる。
舌で転がされるそれは引き抜かれるたびに彼の指を冷やしてゆく。

「じゅる…………はぁ……んむっ……ちゅる…………」

唾液を吸い上げる音も、口を開かれるたびに零れる声も。
すべて私が出した淫らな音。
彼の指が美味しい訳ではない。
ただ舐めていたい。
それだけだ。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:18:18.08 ID:hWEXnn3k0

だから彼が手をどこかへ持っていこうと、私の口から離しても。
私は彼の右手を両手で掴み、再び私へと導く。

ちゅぱちゅぱ

静寂だったはずの部屋が音を取り戻す。
私の口元はすでに唾液でべとべとだ。
彼の指だってべどべどだ。
下敷きになっていた彼の左腕が、私の身体を駆け上がる。
腹部、胸部、首元、口。
その手の終点は私の目元。
私はその視界を彼の手によって遮られる。

「んくっ……ちゃぷ…………っ……じゅる……はぁ……」

真っ暗な世界で、ただ彼の指だけを味わう。
これは私だけだから。
こんなことができるのは、私だけだから。
独占欲を隠すことが出来ない。
目隠しをされて、指を舐めて。
それで興奮する私は変態なのだろうか?

「美琴」

名前を呼ばれる。
足を絡められ、私の身体はうつ伏せになる。
彼はその上に圧し掛かり、耳元で熱い吐息を吹きかけてくる。
隣にベッドがあるのに。
床だと汚れちゃうね。
汚れたら、二人で掃除しようね。
私は温かみを感じる暗闇の中で、女の悦びに理性を失くした。

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 01:21:24.67 ID:hWEXnn3k0
以上です。

今気付いたんですが、伏線があったのかどうかも分からないですね。
ひどい有様です。

全年齢のイチャイチャを書きたいのに。
手を繋ぐだけで発情する二人が止まりません。

では、この辺で。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:03:46.11 ID:4Yz0jiibo
>>79
おつおつ

16才なんて隙あらば、いたそうとする年齢だろww
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:07:57.02 ID:m9SelUWAO
乙。

盛った二人は誰にも止めらない…
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:08:09.80 ID:5C2njhoeo
上条さんまだ15歳だぜ(作中では
うん エロいことしか考えてない年だよねつまりはいいぞもっとやr
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:45:28.20 ID:bKZxujcVo
GJだ!
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 20:54:12.29 ID:HDWD1ya00
乙です。
俺が中学生とか高校生の時は、こんな幸せな感じじゃ無かったような気がするんだが・・・
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 21:37:18.45 ID:c16UwWkSO
相変わらずの練習詐欺
上条さん爆発しろ!
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 21:59:44.62 ID:yYoURC5d0
このスレはオアシス
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 23:08:48.44 ID:82cbR7990
上条さんソフトに扱えよ
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:10:52.27 ID:/8EKa+bT0
皆様、読んでくださってありがとうございます。

R-12
投下します。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:11:55.66 ID:/8EKa+bT0
「と、言うわけで今日はソフトに扱ってみようと思います」

「はい?いきなり何言ってんの?」

「いやね、最近上条さんの下条さんはずっと暴走してると感じたんですよ」

「実際そのとおりね」

「結構美琴に変態的なプレイもしたり」

「あ、あれは私も楽しんでるからいいのよ。気にしなくても……」

「だから今日は美琴たんをソフトに扱います!」

「扱うって何だ!私はモノ扱いか!」

何の電波にやられたのか。
彼はいきなりそんな事を言い出した。
確かに、最近は本能にまかせっきりと言うか野生的って言うか。
ベッドが壊れるんじゃないかと心配したのがこの前のこと。

「第一、当麻がそんな事を言っても説得力がないわね」

「ほう。それは何故ですかな、姫」

「寝込みを襲って嫌がる私に無理やりしたのは誰だっけな?」

「…………ワタクシにございます」

「この前、料理にパソコン部品を混ぜたのは?」

「……………………………………」

「正直に手を上げなさい」

「ワタクシニゴザイマス…………」

彼が恐る恐る手を上げる。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:12:27.16 ID:/8EKa+bT0
うとうとしてた私をタオルで縛り上げて致したときもあった。
私が目を離した隙に、どこから手に入れたのかも分からない怪しいクスリを混入したときもあった。
そんな彼が、ソフトに扱う?
できるわけないでしょ。

「それに、ついこの間も床を掃除したばっかじゃない」

「それはあの時の雰囲気と言いますか流れと言いますか……」

「隣にベッドがあったのに?」

「…………申し開き御座いません」

「頭が高い」

「ははーっ」

彼が私の足元で伏せる。

「それじゃあ、この美琴様が当麻がどれだけソフトに扱ってくれるか採点してあげようじゃない」

自分でもちょっと高圧的すぎると思うセリフを吐く。
やっぱり普段が普段であるために、優しくというのは気になってしまう。
ふと、彼が少し顔を上げてじっと見ていた。

「どうしたの?」

今の言葉に呆れられたのか?
そうだとしたらちゃんと言い直そう。
優しくしてねって。
彼から発せられた回答は、

「いや、この角度だと短パンの隙間からパンツがごふっ!?」

とりあえず背中を足蹴にしておいた。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:12:58.74 ID:/8EKa+bT0

「で、なんでそんなに離れてるの?」

「近くに行ったら襲っちまうからな」

「なんで両手を後ろにしてるの?」

「決まってるだろ。お手つきしちまうからだ」

「それじゃあ私を避けてるだけじゃない」

はぁ…………。
ちょっとでも期待した私が馬鹿だったのかな。
ベッドに腰掛ながら考える。
彼は部屋の隅っこで後ろ手にして座っている。

「ねぇ」

「なんだ」

「キスぐらいならいいわよ」

なにが良いんだろうか。
自分でもよく分からない。

「しない」

「しなさいよ」

聞き分けの無い。
ソフトに扱うって、これは違うんじゃないかと思案する。
どちらかと言うと焦らしプレイだよね。
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:14:00.07 ID:/8EKa+bT0
「当麻からはキスしないんだよね」

「言っとくが美琴からも駄目だぞ」

「なんでよ」

「暴走する自信がある」

立ち上がって彼の元へ行く。
彼の忠告なんて知らない。
無視してキスをしようとしたら、彼に両肩を抑えられる。

「離してよ。できないじゃない」

「駄目だって言ったぞ」

「唇にしなきゃいいんでしょ」

「そういう問題じゃない」

「分かったわよ。じゃあ抱きしめる」

「それも駄目だ」

否定の連続。
彼の気分次第で求められ、彼の気分次第で拒絶される。
不公平だと思う。
私は両手を伸ばし、彼の顔を触る。
こうやって触れられるのに。
手の届く距離にいるのに。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:15:46.11 ID:/8EKa+bT0

「ねぇ……」

「どうした?」

「"優しくする"ってね……彼女のことを考えてあげることだと思うのよ」

「そうだな」

「"優しくする"ってね……彼女の欲しいものをあげることだと思うのよ」

「そうかもしれないな」

「この状況で、当麻は私に優しくしてるって言える?」

「言えないな」

「どうすればいいと思う?」

「してほしいのか?」

「さっきから言ってるじゃない」

緩んだ彼の手を払いのけて。
再び彼の顔に手を添えて。
唇と唇を重ね合わせる。
顔を突き出し、前のめりになった私の身体は彼に預ける。
目の前の彼はゆっくりと私を組み敷く。

「なぁ、美琴」

ほどなくして口が自由になった彼が言う。

「これも襲った内にはいるのか?」

「はいるわよ」

「まだキスしかしてないぞ。これじゃ冤罪じゃねーか」

「なら今から襲えばいいのよ。当麻の気の済むまで喘いであげる」

「この淫乱娘め」

目を閉じる前に映した彼の顔は、少し嬉しそうで。
私は放出している電磁波の反射が、どんどん早くなるのを感じ取った。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:16:21.49 ID:/8EKa+bT0

「なんか……ごめん。結局激しくしちゃったな……」

「何言ってるのよ。当麻はちゃんと"優しく"してくれたわよ」

「そうなのか?」

「私が言ってるんだから、間違いないわよ」

「あれで優しくって……美琴って実は虐められて悦ぶ変態さんなのか?」

「当麻がそうしたのよ。当麻のせいよ」

「なんというか…………光栄です」

「褒めてない」

ベッドの中で会話をする。
狭いベッドの中で私は上でも下でもなく、横にいる。

「それじゃあ、シャワー浴びるか」

「そうね」

「先に浴びてこいよ」

彼に促されてベッドから這い出る。
べとべとに汚れた私の身体にひんやりとした感覚が付きまとう。
足を床につけ、身体を持ち上げたとき。

「あれ…………?」

ぐらりと目の前が揺れ、平衡感覚を失う。
頭痛がして、視界がフェードアウトする。
どこに立ってるんだっけ?
お風呂場どこだっけ?
あれ……?知ってるはず……なのに?
おか……しい…………な…………。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:16:52.94 ID:/8EKa+bT0








―――――ドサッ







私は他人が聞いている様な感覚で、

自分が倒れた音を聞いた。



96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/25(金) 19:18:27.96 ID:/8EKa+bT0
以上です。
続きは書き次第、投稿します。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 21:20:28.92 ID:SmyWZPzAO
この>>1は焦らしも練習するのか…
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 22:07:21.40 ID:xva1aLWo0
焦らしの練習ww
我々は訓練されているのだな…
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 22:10:17.13 ID:Bi+iHD760
ソ フ トか?
美琴寛大すぎて惚れる
もっと愛撫してやれよ上条さん
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/25(金) 23:28:35.90 ID:LrXJtwOAO
( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 01:23:51.47 ID:ju8H5bqb0
ここはオアシスか…
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 01:28:48.37 ID:zQ7AsO7SO
>>1が優しくない……
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 02:41:53.87 ID:R6QukpXSO
>>1め…焦らしプレイとはやってくれる

取り敢えず寝込みを襲った件とパソコン部品の件をですね
kwskですね
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 02:59:57.29 ID:BsXk2cvjo
同じくその2つについて詳しくだね…
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 04:21:57.59 ID:iuMad3FAO
続きマダー?
>>1 の寸止め焦らし放置プレイに耐えなければ…!

でも、くやしい…感じ(ry!
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/26(土) 16:14:54.38 ID:JNAgz/bAO
待ちきれない!
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 18:09:34.30 ID:iuMad3FAO
>>106
sageを入れるように
108 :sage :2011/02/27(日) 15:41:06.82 ID:70Wy5DZAO
>>1マダー?
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 17:43:29.53 ID:4l78cEZAO
誰か教えてあげて…もう疲れたよ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 18:11:11.65 ID:cbeC1tfSO
わざとだろ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 20:04:06.92 ID:IrGszYwD0
ハルダナー
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 21:56:04.86 ID:BT5jmZ600
続き。
R-12 投下します。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 21:57:02.77 ID:BT5jmZ600





美琴―――――――



誰かが私の名前を呼んでいる。
どこかで聞いたことのある声だ。



美琴―――――――



誰だったっけなぁ。
それより、今私は何してるんだ?
確か彼の部屋にいて、布団から出て。



美琴―――――――



そうだ。
これは彼の声だ。
彼が私の名前を呼んでいるんだ。



114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 21:57:50.58 ID:BT5jmZ600

「美琴っ!」

私は目を開ける。
すると、なによりも先に彼の顔が目に入った。

「俺が分かるか?……美琴」

「…………当麻?」

「これは何本に見える?」

「…………1本」

「此処がどこだか分かるか?」

「…………当麻の部屋」

彼の出す質問に淡々と答える。
視界に映る彼の顔は、とても不安そうで。
とりあえず彼を安心させたかった。

「……大丈夫よ。ちょっと立ち眩みしただけだから……」

「本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫。大丈夫だから、安心して?」

身体の下に、固い感触がある。
無造作に投げ出された四肢から、床に敷かれたカーペットのゴワゴワとした繊維を感じる。
そこでようやく、私は自分が倒れていることに気がつく。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 21:58:27.86 ID:BT5jmZ600

……腰が痛い。
筋肉痛のそれではなく、打撲の痛み。
もしかしたら内出血し青い痣ができているかもしれない。

「突然倒れて……心配したぞ」

「ごめんね」

「頭とか打ってないか?手首とか痛めてないか?」

彼に言われて、私は自身をチェックする。
手首を動かしてみるが特に痛いようなことはない。
指も突き指の類はないようだ。
頭も触ってみる。
出血はもとより、たんこぶが出来ている様子もない。

「うん。異常なし」

「そうか……。………………よかった……」

ようやく、彼が安心したそぶりを見せる。
ため息を吐いて、目を閉じて。
そんな彼の姿を見て私は謝る。

「ごめんね、当麻」


「なんで謝るんだよ」

「心配させちゃって」

「なんで美琴が謝るんだよ」

「私が、急に倒れちゃったりしちゃったから……」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 21:59:48.66 ID:BT5jmZ600

「美琴のせいじゃねぇよ!」

彼は突然、大声を出す。
普段聞かない彼の怒鳴り声にビクっとする。

「美琴の……美琴のせいなんかじゃない」

暗い面持ちで、彼は呟く様に言う。

「俺のせいだ……」

悔いているのか、責めているのか。
あるいはその両方か。
私は彼にそんな表情をして欲しくない。
病院で彼が私にそう言ったように。
私だって彼には笑っていて欲しい。

「とりあえず、シャワー借りるね」

「……俺も一緒に浴びる」

「何?お風呂場でも盛るの?」

「また倒れたりしないか、心配なんだ」

少々、過保護すぎではないのかと思う。
いきなり倒れて驚かせたと思うけど、ここまでなのか。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:00:48.05 ID:BT5jmZ600

普通の男子寮では、通常一人が住むことしか想定していない。
それは浴室においても同じことであり、二人で一緒に入ると少し窮屈だ。

「…………………………」

私がシャワーを浴びているとき、彼は無言だった。
いつになく、しおらしい彼を見て。
私は元気付けるために提案をする。

「…………ねぇ?」
「身体、洗ってくれない?」

タオルと、ボディソープを溶かしたお湯を張った洗面器を彼に差し出す。
一瞬だけ躊躇した彼だったが、それを受け取って私の背中を洗い始める。
ゆっくりと、丁寧にタオルで擦る。
背中越しだが彼が私を大切にしてくれていることを実感する。

ごしごし ごしごし

表情は見えない。
それでも雰囲気でなんとなく分かる。
沈んだ気持ちが滲み出て、この狭い密室に充満している。
背中だけじゃ、不満か?

「後ろはもういいから、前をお願いね」

そう言って私は、彼と向き合う。
見せ付けるように晒した裸体。
彼は特に反応することもなしに、淡々とタオルを滑らす。
言われるがままに。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:01:26.44 ID:BT5jmZ600

「美琴。……手」

「手?」

「手だして。洗うから」

「あ、うん。お願い」

手を彼に向けて伸ばす。
彼はまるでガラス細工を拭くかのように、丁寧に洗う。
指の先も。
指の間も。
手の甲も。
手のひらも。
手首だって隈なく洗う。
それが少しくすぐったくて。

「んっ…………」

少し声が漏れる。
彼は気にせず、タオルを私に向けて進める。
前腕も
肘も。
上腕も。
肩も。
腋だって洗う。

「あん…………くひぃ……くくっ……」

腋を丁寧に洗うものだから。
我慢するんだけど身体はピクピク反応してしまう。
くすぐったくて、くすぐったくて。

「あはは……んふっ、や……やめ……」

そんなことを言いながら身体をもじらせる。
すると彼はピタリと動きを止め、こちらを見てくる。

「いや……だったか?」

「え?あ、ううん。大丈夫よ。続けて……?」

「…………そうか」

そういって、また洗い始める。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:02:24.80 ID:BT5jmZ600

両手を洗い終えた後は、胴体部だ。
私は顔を上げ、顎の下を洗ってもらう。
従順に喉を撫でられる姿はまるで猫のようだ。
鎖骨のあたりも丁寧に磨く。
そして、その下も……。
タオルは滑り落ちていく。

「…………洗うぞ」

「……うん」

つい先ほどの交わりで付けられたキスマークが変形する。
いつか母のようにと願う私の悩みは、彼の手の中に納まっている。
すっぽりと彼の手に包まれてしまう大きさに始めはその悩みを深いものにしたが。
彼はありのままの私が好きだといってくれた。
私の欠点を、彼に認められた。
素直に嬉しかった。
それ以来、私は彼の前で胸を隠すようなことはしなくなった。

「…………ねぇ」

「…………なんだ」

「なんでもない」

気持ちが高揚した私は、彼に用もなく話しかける。
受け答えのときも、彼は手を休めない。
タオル越しに、彼の手の形を感じる。
指がどこにあるのかも分かる。
洗剤によって艶かしく光る、私の胸は彼にはどんな風に見えているのだろう。
タオルは滑り落ちていく。
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:04:24.60 ID:BT5jmZ600

「下はどうする?」

「当麻が洗って……?」

「わかった」

足は閉じたままだ。

「足、開いてくれ」

「当麻に開いて欲しい」

「自分で開けるだろ」

「当麻に開いて欲しいの」

私のわがままを聞いてもらう。
彼は黙って私の膝に手を置く。
私がそれを見つめていると、

「痣がある……」

彼が私の腰を見ながら言う。
ちょうど膝の辺りを見たときに視界に入ったのだろうか。

「ああ、さっき倒れたときにね。すぐ治るわよ」

私が説明をする。
彼はその痣を見たまま動かない。
いや、身体は動いていないが。
その表情はまるで苦虫を潰したかのように。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:05:12.44 ID:BT5jmZ600

彼が私の膝から手を離す。

「美琴。自分で洗えるだろ?」

彼は私の大腿にタオルを置く。
何故、彼が急にそんなことを言い出したのかが分からない。

「当麻に洗って欲しいの」

"当麻に"の部分を強調して言う。
彼にもそれは伝わっているはずだ。
はずなのだが。

「悪い。美琴」
「先に出とくから、自分で洗っといてくれ」

そう言うと彼はさっさと風呂場から出てしまった。
残された私は突然の彼の変化についていけず、呆然とする。
しばらくたって、

「なんなのよ……」

愚痴をこぼしながら、自分で洗い始める。
タオルはもう滑り落ちない。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:07:05.95 ID:BT5jmZ600

脱衣所で私は、自分の服に着替える。
毎週のように泊まるので私用の服が用意されている。
普段はクローゼットに仕舞われているが、この時だけ自身の役割を果たす。

「どうしたのかしら」

調子が狂う。
私の予定では、彼はサービスに乗っかり……であったのだが。
少なくとも今、一人で着替えていることはないだろう。
お互いの身体を拭きあって、甘い言葉を囁きながら。
本当に、調子が狂う。
とりあえず一人でいるのは嫌だった。

「さっさと着替えて、ベッドにもどりましょ」

私は自分に言い聞かせるように、これからの行動予定を口にする。
淀みない動作で衣服を着用し、脱衣所を抜け出す。
彼はすでにベッドに入っていた。

「おじゃまします」

そういって、狭いベッドに入り込む。
私が寝れるようにスペースは空けられているのだが。
彼は壁側を向いており、こちらを見ようとはしない。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:07:39.90 ID:BT5jmZ600

「当麻。今日は機嫌が悪いの?」

――――無反応。

「当麻。どこか具合が悪かったりする?」

――――無反応。

「当麻。私が寒がってるよ?」

――――無反応。

「当麻。ぎゅーってしてくれないの?」

――――無反応。

「ねぇ当麻。……本当にどうしたのよ」

彼に無視され、泣きそうになる。
いつもの彼なら私の我儘だって文句一つ言わずに聞いてくれた。
なんで。
どうして。
彼は私に冷たくするのだろうか。

「当麻…………」

彼のお腹に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。
その日の夜は背中が寒い、最低な夜だった。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:08:13.76 ID:BT5jmZ600
以上です。
もう少し続きます。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:09:27.60 ID:9n6swb1o0
うォォォォォオい!!!???
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:10:37.90 ID:SuQHO9G+o
>>1の焦らしプレイが上手すぎて辛い
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:21:43.57 ID:4l78cEZAO
俺達は >>1に調教されつつある…

悔しい…でも舞ってる
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:47:40.97 ID:0DWj/4Lgo
俺達も焦らされの練習をしろってことか
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:54:11.95 ID:B+LbJAvuo
焦らしプレイ乙
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:59:19.71 ID:OaqFFiV8o
もう待ちきれません/////
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 12:29:23.10 ID:A4lt42fr0
乙ー
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 21:58:34.49 ID:cj5VskcE0
住人を調教する>>1だと…
このスタイルは…新しいな
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 18:03:31.51 ID:dfaLnX0v0
>>1…もっとぉ…
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 18:54:57.47 ID:mLpozsVr0
どうした?はやくしたまえ(
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 19:02:12.76 ID:zKDgu8i5o
このスレって>>1がSSの練習するスレじゃなく俺らが「待て」と「お預け」の練習するスレだったんだな
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/02(水) 10:02:38.19 ID:ybMKsJFAO
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/02(水) 15:18:43.32 ID:ybMKsJFAO
まだか
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:38:43.00 ID:l22pbCWv0
投下します。
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:39:22.45 ID:l22pbCWv0








――――あれから1週間が過ぎた。







140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:39:59.71 ID:l22pbCWv0

あの後、朝食を頂いてすぐに帰らされた。
当然私は反対したが、彼がどうしてもと言うので仕方なく帰った。
理由は聞かされなかった。
思えばあの時に無理にでも聞いておくべきだった。
そしたら、今こんな思いをしなくてすんだかもしれないのに……。

「……………………………………」

携帯を片手に、公園のベンチに一人腰掛ける私。
それだけなら、気品溢れる制服を除けば普通の女子中学生に見えるだろう。
問題なのは先ほどから指一つ動かしていないことと、視線が画面に集中していることだろう。
来ない。
来ない。
来ない。
彼からの連絡が来ない。

「…………………………はぁ」

ため息一つ。
目を閉じて、考えに耽る。
彼とそういう仲になってから、お誘いが来なかった時は無かった。
まだそれほど月日は経ってはいないが、付き合い始めたばかりでもない。
うっかり、彼が忘れている選択肢もあったであろうが。
それには少しタイミングが良すぎる。

「どうなってるのよ…………」

目を開き、指を動かし始める。
数回ボタンを押した後、画面には発信中と表示されていた。
私はそれを耳に当て、待った。
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:40:39.15 ID:l22pbCWv0

『…………なんだ?』

いつもと違う、無愛想な彼の声。
半ば電話に出ないことも脳裏によぎっていたため、結果は最低ではないだろう。
もっとも、最低に近い解答ではあったが。

「今から行くわよ」

『…………食材、一人分しかないぞ』

「途中で何か買っていくわ」

『泊まりは無しだ』

「なんでよ」

『いいから。言うこと聞いてくれ』

「理由を聞かせてよ」

『…………………………後でな』

「今言いなさいよ!…………って切れてる」

ため息二つ目。
私は携帯を鞄の中に放り込み、立ち上がる。

「さて……どうしたものかしらね」

とりあえずは食材の買出しだ。
そこに思い至り、私は足を動かす。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:41:06.32 ID:l22pbCWv0

「あれー?見つからないなー」

その行き先はいつものスーパーではなく、学生寮。
同室の後輩は風紀委員の仕事なのだろう。
私が部屋に入ったときは、電気がついていなかった。

「あ、あった」

お目当ての物を見つけ、私は寮から退散する。
この時に限っては、この部屋は私の家では無くなる。
だから"行って来ます"も言わない。
今日は戻ってくる気がないから。

「ちょっと時間かかっちゃったなぁ」

寮のすぐ外で呟く。
日は暮れかかっていた。
この後の買出しのことも考えると彼の部屋に着く頃には辺りは真っ暗だろうな。
泊まらせない、なんて言われてる私にとっては都合が良い。

「待ってなさいよ」

挑戦状を叩きつける。
此処にはいない、彼に向けて。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:41:43.82 ID:l22pbCWv0

彼の部屋の前に到着した私は、ドアを勢いよく開ける。

「ただいま」

「おかえり、美琴」

「あれ?」

「……?どうかしたか?」

「ううん。なんでもない」

彼の意外な返答に面を食らう。
あの電話の感じからは想像できない、いつもの彼がいた。
彼に促されて、私は部屋の中に入る。

「いつものスーパーじゃなかったのか?」

「あ、うん。ちょっと奮発してきた」

「俺の分まで……」

彼が私の持っている袋に注目してから、他愛の無い会話が始まる。
ちょっと奮発したと言っても、取り立てて高級というわけではない。
本当はもっと美味しい食材で彼との食事を楽しみたいのだが。
そんなことをすれば、彼は引け目を感じ私は売る気のない恩を渡すことになってしまう。
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:42:09.17 ID:l22pbCWv0

「どうする?早速なんだが作り始めるか?」

「うん。そうする……と言いたい所なんだけどね」

台所へ行き、冷蔵庫の中に買ってきた食材を詰める。
豚肉、大根、人参、ジャガイモ……と手際よく収納する。
今日の献立は豚汁にするつもりだ。
冷蔵庫に色が増えたことを確認しながら、扉を閉める。
そして私はそのまま玄関へと進む。

「美琴?どこか行くのか?」

「その逆よ」

彼が問いかけてくる。
私は玄関の扉に施錠し、チェーンを繋いでから答える。

「どこにも行かないのよ」

その一言は彼を怪訝な表情にする。

「今日、私を泊まらせたくなかったら理由を言いなさい」

腰を下ろし、彼にも座るように促す。
彼はそれに応え、座る。
テーブルを挟んで。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:43:02.40 ID:l22pbCWv0

「言いなさい」

「…………………………」

「言わないと今日は帰らないわよ」

「言ったら帰るのか……?」

「理由次第ね」

彼は押し黙る。
それほど言い難い事なのか。

「…………………………」

「…………………………」

沈黙。
互いに何も話さない。

「…………………………」

「…………………………」

沈黙。
お互いの視線はぶつかり続ける。

「………………ねぇ」

先に耐えられなくなったのは私。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:43:35.43 ID:l22pbCWv0

「お願い。…………話してよ……」

泣きそうになりながら。

「……………………………………」

「……………………………………」

沈黙。
私は下を向き、涙を必死に堪える。
目線はぶつからない。

「俺は……………………」

ポツリポツリと彼が話し始める。

「俺は……美琴に嘘をついていた」
「偽りの自分で、お前と接していた」
「美琴が知らなければ、多分そのまま……ずっと」

集中して聞き入る。
一言も漏らすまいと。

「美琴の気持ちが向けられていても、俺なんかに向けられてはずないって何度も美琴を傷付けた」
「それでも、結局美琴は諦めたりしなかった」
「そのおかげで俺たちは今ここにいられる」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:44:06.41 ID:l22pbCWv0

分かってる。
彼は私の命を救ったし、私は彼を偽りの姿から解き放った。
それは彼にしか出来なかったし、私にしか出来なかった。

「俺にとって美琴は何より大切な人なんだ」
「命を懸けてでも、一生守り続けたいと思えた人なんだ」
「俺は…………それを見失ってた…………」

見失っていた?
どういう意味だろうか。
彼の言葉が紡がれるのを待つ。

「最初は……ただ、美琴に尽くしたくて、尽くして欲しくて」
「美琴が気持ちよくなってくれることが嬉しくて……」
「だから俺も嬉しくて……」

それは純粋。
相手を第一に考えた、相手のための交わり。

「だけど……!」
「だけど最近、俺は俺のことしか考えてなくて!」
「美琴をモノだとかなんとか調子に乗って!!」

いつしか、彼の声はかすれていた。
小さかった声は、悲痛な叫びになっていた。

「その結果が!!!」

一際大きな叫びが部屋中に響き、沈黙を戻す。

「…………美琴を…………傷付けた」

肩を震わせ、声を震わせ。
彼がその心のうちを明かす。
服の袖で目元を拭い、続ける。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:44:37.58 ID:l22pbCWv0

「美琴が倒れて、俺は目の前が真っ暗になった」
「なにが起きたのか分からなかった」
「何も考えることが出来なかった」

あの時の、私が倒れたときのこと。
いつも以上の欲望を向けられて、私が壊れかけたとき。

「だけど、誰がそうさせたのかは分かっていた」
「怖かった……美琴がいなくなるんじゃないのかって」
「それが俺のせいだと認識して、もっと怖くなった……」

何も飾られていない、素直な心情がむき出しになる。
そこには羞恥や体裁といった概念は存在しない。

「美琴に救い出されたこの手で!この舌で!この身体で!」
「他の誰でもない最愛の人を壊しかけた!」
「……俺は、そんな愚か者なんだ……」

自分自身を激しく糾弾する。
吐き出すように、責め立てるように。

「そして、今このときでさえ」
「美琴を感じたいと思っちまってる」
「もう自分じゃどうにも我慢できないんだ」

だから……と間をおいてから、言う。

「泊まらないでくれ……」
「帰ってくれ…………」
「俺に……身体を許さないでくれ……」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:45:24.13 ID:l22pbCWv0

彼は言い終えると、私の反応を待った。
きっと彼はこの1週間、悩み続けてきたのだろう。
苛まされてきたのであろう。
痛いほどに響いた。
でも。

「あのね」
「私が言ったこと、覚えてる?」

それはいつか彼に向けて放った言葉。
私たちが付き合うきっかけとなった言葉。
殻に引き篭もってしまった彼を、救い出した言葉。

「私は、当麻の食事も運動も着替えも下の世話も」
「なんだって尽くしてあげたい」
「求められるものは全て与えたい」

一呼吸置き、あの時と同じ様に言う。

「それが、私の愛だから」

ポケットに入れておいた小瓶を取り出し、テーブルの上に置く。
突然持ち出された小道具に、彼は戸惑いを見せる。
なぜなら、それは彼も使ったことのある小瓶だったから。
中身はパソコン部品。

「当麻がどう思ってくれてるのかは知らない」
「でも私は当麻に求められたい」
「だから、今日は夕飯にこれを入れる」

卑怯だと思う。
あらかじめこんなものまで用意して。
彼の言い分はなにもかも無視している。

「それが私の答え」
「当麻は私を壊せばいい」
「嫌だって言うのなら、私が、私を壊させる」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:46:18.35 ID:l22pbCWv0

私たちの前には食事が並べられている。
とうぜん、その料理には隠し味が入れられている。
彼の目の前で二人の皿に混入させた。
だからそれは疑いようも無い事実。

「ご馳走様」

箸の進まない彼を見据えながら、私は食べ終わる。
後には引かないという私の意志。

「…………………………」

動かない彼を見限って帰り支度をする。
自分が使った食器を軽く水洗いし、置いておく。
私は彼の思いを無碍にしたい訳ではない。
それが彼の意思ならば、私はそれを尊重したい。
今じゃなくても、私たちにはまだまだ時間があるのだから。
これからゆっくり話し合っていけば良い。

「じゃあね、当麻。今日はゴメンね」
「おやすみなさい」

台所の鍋には手を付けていない。
あくまで皿に盛り付けただけ。
中身を捨て、もう一度料理をよそえば彼の空腹は癒されるだろう。

「美琴」

彼に急に呼び止められる。
私は靴を履きながら返事をする。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:46:52.79 ID:l22pbCWv0

「なに?当麻」

「……おかわり」

「えっ?」

慌てて戻る。
彼の前の皿は、空だった。

「おかわり、頼む」

「当麻…………」

差し出されたお椀にご飯を盛る。
その後で空になった皿持って台所へと行き、鍋から豚汁をすくう。

「はい」

「ありがとう」

彼は箸を進め、どんどん食べる。
あっという間に、再び空になった。

「ごちそうさま」

私はその様子を呆然と見守っていた。
彼が食器を台所へ運んでいく様を見送った後、何が起きたのかを認識した。
水道から水が流れる音がし始めてから、私は台所へと向かった。
すると私が話しかけるよりも早く、彼が口を開いた。

「いいんだな?」

「当麻……ありがとう」

洗い物を終えて、彼が私と向き合う。

「俺は何度も美琴を傷付けた」
「でも、もう一度たりとも美琴に不快な思いをさせない」
「約束する」

「……馬鹿当麻」
「嬉しすぎて死んじゃいそうよ」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:47:34.47 ID:l22pbCWv0

火照った身体を重ねあった後、ベッドに並ぶ。
彼は宣言通り私を労わるような、そんな情事だった。

「美琴、大丈夫か?」

いまだに息を荒げる私に、彼が心配そうに言う。
優しくしてくれるのはいいけど、あんなにイかせたら意味が無いじゃない。
今までに無い丁寧な愛撫にも時間をかけて。
ゆっくりじっくり、私の手を握りながらシタことにしても。
あれだけ長い時間も快感を与えられて、おかしくなりそうだった。
時々、身体がピクピクと動く。

「はぁ……はぁ……」

「ど、どっか痛かったり……むぐっ」

「んっ…………」

彼のよく喋る口を黙らす。
こういうときに欲しいのは心配ではなく愛情。
そのまま彼の身体に這い登る。

「美琴……?」

身体の起伏が埋まるくらい。
紙切れ1枚も入り込めないほど、きつく抱きしめる。
そして彼の耳元で囁く。

「当麻……とっても気持ちよかったよ」
「だから今度は私が…………ね?」

息を吹きかけ、彼の耳を甘噛みする。
恋人たちの夜は長い。
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 20:52:24.48 ID:l22pbCWv0
以上です。
濃厚な夜の描写はカットされました。
無理やりな時と、PC部品の時に書くかもしれません。

次回は1レスぐらいの小ネタを何個か投下したいと思います。
皆さんからの案も募集してます。

では。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 20:56:03.21 ID:dvJsDyPN0
ふぅ…よかったぜい…
上条さんパソコン部品は…
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 22:03:49.51 ID:ljv/dqPAO
乙乙。
すごくいい練習だったぜぃ!




手を繋ぐだけでドキドキしているようなうぶな二人も見てみたいような

できたらでいいのでよろしく!
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 23:15:22.26 ID:JtaJV53L0

原作に近い雰囲気の上琴も好きだけど
こういうのも好きなんだぜ!

リクエストかぁ…美琴が別の男と仲良くしてて嫉妬する上条さんとか見たいな
気が向いたらでええよ
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 23:59:17.27 ID:fXvxE9+r0
乙です。
目の前でパソコン部品投入とは……。


リクエストは、超電磁砲のアニメつながりでもいいだろうか?

アニメ超電磁砲13話で少女趣味の水着を着た美琴の映像が街中に流れるシーンがあったんだが、
その映像を偶然上条が見つけてしまう話を希望。

13話は上条が記憶破壊される前の話みたいだから、
2人がどういう反応するか見てみたいなあ。

158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 00:15:57.64 ID:5ujc36bAO
このレベルで長編書かれると俺が嬉死する可能性がある
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 00:39:49.10 ID:g3cGioGfo
乙!
二人とも互いのことちゃんと考えてるなあ…

もうそろそろ時期じゃなくなるがスケート行く二人とか見てみたい
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 02:43:45.73 ID:5u6KFk9mo
これは乙!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 02:49:37.87 ID:dBH5i73zo

今度はリクエストの練習か

旅掛襲来とか
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 11:10:52.71 ID:qZmW/Smb0
 乙! 
この夫婦は万年続いても不思議に思えないぜ!!
上条さんも思いつめすぎだろww
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 14:01:42.86 ID:GVgdGq3A0
二人っきりで旅行ネタ希望
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/04(金) 16:31:18.67 ID:w4gXiAyAO
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/04(金) 21:38:54.21 ID:NmiHnAw60
とりあえず書けた分だけでも。
>>155より、初心な二人
>>156より、嫉妬する上条
投下します。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 21:39:55.58 ID:+3fAoVZ6o
やっほーい
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/04(金) 21:41:10.06 ID:NmiHnAw60
―初心な二人―

「あああアンタねぇ!」
「は、初めてのデートだってのに!か、彼女を20分待たすってどういう考えしてんのよっ!」

「落ち着け御坂!まだ約束の10分前だ!」

彼にたしなめられて気付く。
そうよね、まだ10分前よね!

「お、落ち着いたか?……ほら御坂」

彼が右手を出してくる。

「何よ?この手は?」

「何よってお前……」

照れたようにしながら、私とは目を合わせない彼。
チラチラと私を伺いつつ、答える。

「で、デートなんだし……その、手を、つないだりー……みたいな」

「ふぇっ!?」

「あああ、御坂が嫌だって言うのならいいけど……」

「嫌じゃない!」

引っ込めそうになった彼の右手を両手で捕まえる。
捕まえたのはいいが、どうしよう。
思わず彼の方を見る。
すると真っ赤な顔をした彼と目が合う。

「〜〜〜〜っ!!」

視線を下に逸らすと、繋いだ手が視界に入る。
私は、私でない体温に意識を集中させてしまう。
結局私たちが動き出したのはそれから10分後だった。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/04(金) 21:42:01.29 ID:NmiHnAw60
//蛇足

―デート前日な二人―

「夢じゃないわよね……」

私は携帯の画面を見ながら何度も確認する。
確かに書いてある。
"明日10:00に公園で"って。

「夢じゃない……」

今日告白したことも。
それが成功したことも。
そのままデートの約束まで取り付けたことも。
全部、夢じゃない。

「うわーっ!どうしよどうしよ!明日何着ていこうーっ!」

体中に漲る嬉しさを抑えきれなくて、声に出てしまう。
それは行動にも表れてしまう。
ベッドの上でゴロゴロと転がり、枕をぎゅーっと抱きしめている様は、
私を知る人が見たら気が触れたのかと思うだろうか。

//

「実感が沸かねぇ……」

俺は携帯の送信履歴を何度も確認する。
確かに送ってある。
明日のデートの誘い。

「両思い……だったのかよ」

今日告白されたことも。
それにOKしたことも。
そのままデートの約束まで取り付けられたことも。
全て自分のいつか描いた想像通り。

「あーもう!なんですかこの幸せ気分は!?」

にやにやと変形する顔を隠そうともせずに。
妙な高揚感に身を任せ考えが口から漏れ出す。
頭をわしゃわしゃーっと掻き毟りながら足をバタバタさせる。
じっとなんて、していられない。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/04(金) 21:42:57.48 ID:NmiHnAw60
―嫉妬する上条―

「あれは…………御坂か?」

放課後、いつもの公園、見慣れた茶髪に見慣れた制服。
…………そして、初めて見る男の姿。
ベンチに座り、談笑している。

「なんだ、アイツにもちゃんと男がいるじゃねぇか」

だったら俺に突っ掛かって来ねぇで、男の世話してろよ。
少し離れた位置で呟く。
呟いてから、なぜか自分が不機嫌なことに気付く。

「…………話が終わるまで待つか」

用事なんて無い。
ただ、このまま帰るのも癪だった。
当ても無く公園をブラブラする。

「待って、なにするんだよ……」

本当は分かってる。
自分はアイツにあの男のことを聞くのだろう。
さっきのは彼氏かって。
聞いてどうする?
肯定されたら?
自分はそれを応援するのか?

「帰るか……」

このまま留まっても、思考が変に傾くだけだろう。
もう帰って寝たほうがスッキリするかもしれない。
いや、スッキリしたい。
考えたくない。
ベンチを、二人の前をわざと横切る。
いつもそこにいるのは俺だ。
お前じゃない、という気持ちをこめて。

「あ、ちょ、アンタ!」

呼び止められるが無視する。
お前はそこで男といちゃついてればいいだろ。
俺にかまうなよ。

「ま、待ちなさいよ!ねぇ!」

いつもならここでビリビリっと電撃が飛んでくるはずだ。
右手がつい動きそうになる。
しかし実際は飛んでこない。
ああ、そうか。
彼氏の目の前で電撃なんて飛ばさないよな、普通。
ほんの僅かな違いにもネガティブな思考が生ま――

「待てって言ってるでしょうがこらーっ!」

「ごふっ!」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/04(金) 21:44:05.74 ID:NmiHnAw60

突然の衝撃に、肺から空気が漏れ出す。
そのまま、べちゃっと地面に押し倒される。

「あ、それでは御坂さん。よろしく頼みましたよ」

「分かりましたー」

押し倒しておきながら、会話をされる。
何故かそれはとても不快だった。

「ちっ……どけよ、御坂」

乱暴に振り払い、鞄を持って帰ろうとする。

「彼氏との話は終わったのか?」

「はぁ?彼氏?」

不機嫌そうな自分の声とは違い、アイツはまるで何言ってるのと言わんばかりの声で応えた。

「アンタが何を誤解したのか知らないけど、さっきの人は風紀委員の人で、黒子の先輩よ」
「最近の始末書の数で、ちょっと注意をしてくれないかって頼まれてたのよ」

風紀委員。
白井の先輩。
頼みごと。
……なんだ、そうだったのか。

「ははは……」

「何笑ってんのよ、気持ち悪いわね」

「いや、珍しくビリビリして来ないなーって思ったら風紀委員がいたのか」

「そういうことね、今はいないからビリビリしてあげてもいいんだけど?」

「うわっ、ちょ、帯電するな!」

ああ、よかった。
俺の勘違いか。

………………何が"よかった"んだろう?
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/04(金) 21:45:06.93 ID:NmiHnAw60
以上です。
順番に消化していく予定です。

では。
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 23:08:10.64 ID:KCMYsFRxo
乙!
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 23:11:43.97 ID:9iHcve2l0
うほほ〜いっ
>>1乙!

初心な二人はニヤニヤしたぜ
嫉妬する上条さんはこれをきっかけに変化していく予感
ベンチの前をわざと横切るところ最高だった
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 00:10:47.63 ID:cWQ/9L8AO
超乙!
リクエストに応えてくれてありがとう!!

初心でニヤニヤできて最高でした〜!嫉妬もいい…
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 00:59:05.40 ID:gtvT5uLIo
乙乙!
くっそ二人とも可愛いなwwww 2828とまんねえ
ベンチの前わざわざ横切るとか嫉妬条さん可愛いよ嫉妬条さん
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 03:22:41.08 ID:n4yLg3iY0
イイねェイイねェ最っ高だねェ!
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 14:20:47.62 ID:A7ouPY220
このスレからは大家の匂いがするぜェ…
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 18:10:38.44 ID:p7ocfNbAO
この>>1できる…
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 17:46:31.21 ID:ydfhIRbQ0
いいスレだぜい…
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/06(日) 22:58:03.27 ID:fLNMw8lAO
おk
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 23:26:32.32 ID:+WNHG1Pb0
いやー乙でした!!
嫉妬する上条さんかわいいw
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 18:52:21.43 ID:Jjo91mhk0
稀にみる完成されたカミコトだぜ…

焦らされたり[田島「チ○コ破裂するっ!」]しちゃう美琴みたい
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/07(月) 21:05:09.93 ID:B7YLenz7o
この板ってたまに色文字になってピーとか、
>>182
みたいになってるレスがあるじゃん
これってなんなの?
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/07(月) 21:14:16.26 ID:Jjo91mhk0
オナニー規制された…
>>183
メール欄にsagaっていれないと自動で規制される
あとsageっていれてさげてね
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/07(月) 21:21:01.97 ID:pgJiZ/do0
>>157より、少女趣味の水着を着た美琴
>>159より、スケートに来た二人
投下します。
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/07(月) 21:22:55.76 ID:pgJiZ/do0
//少女趣味の水着を着た美琴

『そーれ!やっちゃうぞー!』

一瞬、補修の疲れで頭がやられたのかと思った。
少女趣味の水着を着た顔なじみが、ビルのスクリーンに映し出されている。
え?アイツってこんなキャラだっけ?
とりあえず、この場に必要な言葉は考えずとも自然と口からこぼれ出ていた。

「…………なにやってんだビリビリ……」

//

「はぁ〜……分かっちゃいるんですけどねぇ……」

分かってる。
だが理解できない。
それでは分かってないと一緒のことなのか?
理解できていたとしても結果は一緒だろう。
これは頭の出来の問題ではない。

「土曜日も日曜日も補修だと、流石の上条さんもへこたれますよ……」

授業の内容が理解できないわけではない。
クラスではデルタフォースの一角として馬鹿と認識されているが。
では何故補修など受けているのか。
鞄を左手に持ち替え、空いた自分の右手をじっと見つめる。

「………………不幸だ」

夕暮れに染まった歩道で、一人呟いた言葉はそのまま街の風に流されて、

「な〜にが不幸なのよアンタは」

どこぞのビリビリ中学生の耳に入ったようだ。
…………不幸だ。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/07(月) 21:24:20.99 ID:pgJiZ/do0

「こんな時間まで鞄かついで、補修でも受けてたの?」

「痛いところを突きやがって……」
「そういうお前こそ、こんな時間に何やってんだよ」

「決まってるじゃない、アンタに勝負を挑みにきたのよ」

「勝負勝負ってお前なぁ……」

口を開けば勝負か。
俺はどこで選択肢をミスったのか。
女の子に電撃を飛ばされ続けるフラグなんてどこで立てたんだろう。

「当然、受けるわよね?」

昨日の水着姿ではしゃいでた少女は見る影もなく消え去ったようだ。
年相応に遊んでりゃいいのに。
そういや、コイツの水着姿なんて見たのは初めてだったなぁ。

「……なによ、じろじろ見て」

「いや、なんで水着着てたんだろうなって」

「み、水着!?あ、アンタどこから見てたのよ!?」

「どこからって、街のスクリーンに映ってるのをちらっと見ただけだ」

あれだけ大袈裟に見せといて、どこからも何もないだろう。
とりあえず、見たままを説明する。

「フリフリの少女趣味の水着着てはしゃいでたじゃねぇか」

「な゛な゛……」

「鼻歌歌いながら水遊びして……別人かと思ったぞ」

「ぁ……ぅ……ぁ……」

途中で肩がプルプル震えていることに気付く。
顔も真っ赤にして、何かを呟いているようだ。

「ん?どうした?」

「……ぉぉおおおお覚えてなさいよアンタあああぁぁぁぁ」

「は?ちょ?なんですかーっ!?」

いきなり叫んだと思ったら、次の瞬間にはもういなくなってた。
なんだ?知り合いに見られて恥ずかしかったのか?
俺は結構似合ってたと思ったんだがなぁ……。
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/07(月) 21:25:01.09 ID:pgJiZ/do0
//スケートに来た二人

「ほら、美琴」
「いつまでもそうしてっと、滑る時間なくなるぞ」

「う〜……」

「スケート場にいるのに、滑らないままなんておかしいだろ?」

「うう〜……」

計算外だった。
まさかそんな罠があるだなんて……。
確かに言ってることは分かるよ?
それが必要だってことも。
でもでも……そんなことしたら……。

「"手袋を着用しないと滑られません"って書いてあるだろ?」

「読めるわよ!それぐらい!」

「だったらこの手を離してくれませんかね美琴センセー」

「イヤよ!絶対離さないもん!」

二人でスケート場にデートしに来たまでは良かった。
そのためにチケットも用意していた。
好きな人と手を繋いだまま滑るなんて、素敵じゃない?
なのに……。

「……美琴」

「何よって……んっ」

突然彼にキスをされる。
こんな誰が見ているのかも分からない、公共の場所で。

「このスケート場でもな」

離れていった彼が言う。

「手袋はしろって書いてあるけど、マスクをしろなんて書いてないんだぜ?」

「え?それって……」

「さっ、行こうぜ美琴」

「……うん!」

全く、こういうことには頭が回るんだから。
予定とは違っちゃったけど、これなら別にいいかな?
なんてね。
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/07(月) 21:30:38.13 ID:pgJiZ/do0
以上です。
短くてすみません。

では。
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 21:33:39.11 ID:Ta6ChfrH0
乙!
おいニヤニヤが止まんねえぞどうしてくれる
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 22:24:19.51 ID:B7YLenz7o
>>184
また下げ忘れちまった
すまん
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 22:40:24.65 ID:IyI78N+po
おい係員大至急マスクしろって決まりを


作らなくて良いや
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 22:54:01.69 ID:4yQ1JA7o0
ここが天国か…
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 22:59:03.47 ID:U0X77MjAO
パンツを穿けなんて書いてないんだぜ(キリッ
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 23:05:18.37 ID:9M0nXYZDO
×補修
〇補習
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/03/08(火) 01:28:23.49 ID:LKync8Nd0
>>194
くそwwwwwwwwww
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 16:42:16.10 ID:AIjIODvAO
>>194
ガムを返せwwwwww
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 23:47:50.96 ID:hGfkn9EQo
ここに来ると和む〜。( ̄▽ ̄)
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 21:27:46.46 ID:k7uyFm6AO
次は明日あたりかな?
ツンツンしながらも甘えまくる美琴センセーが見たいです。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 23:30:05.28 ID:Eq4TUznPo
ならば俺は初めての彼女で舞い上がり照れ隠し故にツンデレと化した上条さんを
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 09:07:55.70 ID:tnoKv3wIO
胸のことで悩む美琴が周りの人たちに相談する展開プリーズ
あとヒーロー達の熱いおっぱい談議なんかもお願いしたい
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/10(木) 11:05:36.80 ID:5k45j+bAO
期待
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 13:27:24.28 ID:JE+39tSAO
>>202
期待してるのは良いが、sageろ
期待してスレを開いたの俺だけじゃないからなorz
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 14:33:07.83 ID:B28IYFwk0
orz
205 :157 [sage]:2011/03/10(木) 16:35:48.79 ID:ag92M8AJ0
おお!俺のリクエストが書かれてる!乙です。

あの水着似合ってると思ったんだ、上条さんw
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 22:00:06.45 ID:FitaTK9G0
グッジョォォォォォォォォォブッ!
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 04:15:25.62 ID:gUlA5fSDO
パソコン部品を夕飯に入れるってどういうこと?

媚薬かなんかの例え?
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 04:21:02.56 ID:GbNO8SBNo
うn
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 04:29:21.04 ID:tMIDk0B/o
http://www.e-nls.com/page_packing.php
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/12(土) 22:03:02.37 ID:vnhWiUxAO
>>1は無事か?
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 06:55:44.29 ID:7p1ifInf0
無事でいてくれよ……?
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 13:12:16.40 ID:Kfy3iXcAO
>>1さん無事でいて下さい!
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/13(日) 16:55:19.67 ID:zJfOWsIH0
>>1です。
少し家を空けていました。
12日の時点で戻ったのですが、疲れもあり寝てしまいました。
明日まではゆっくり過ごします。

ご心配お掛けしました。
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 17:01:47.22 ID:ssuy2ejIO
無事でよかった!
あまり無理はするなよ〜
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 18:54:23.37 ID:Kfy3iXcAO
ご無事で良かったです!
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 21:42:23.55 ID:BLSQHWJAO
無事で何より。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 17:04:47.17 ID:NgR8wgVw0
ひゃっほぉおぉぉおおおおおお
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 01:33:30.61 ID:vRHWUGhV0
ふにゃぁぁぁぁぁぁ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/20(日) 23:59:27.51 ID:mrCzAI1AO
大丈夫ですか?
こっそり待っています
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/21(月) 00:33:55.65 ID:3Q2DcmGZ0
ぼちぼち再開します。
とりあえず季節遅れですが書きたかった節分の話を一つだけ。
R-12 投下します。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/21(月) 00:34:45.75 ID:3Q2DcmGZ0
//節分

「ねぇ、当麻って今16歳だよね」

「そうだけど、どうかしたのか?」

二人っきりの部屋で、仲良くコタツに入りながら唐突に質問される。
俺が応えると、なにやら楽しそうな様子で、持ってきた袋を漁りだす
しばらくして取り出されたものは、

「じゃーん!」

「……豆?」

「そ、豆よ」

あー……そういや今日は節分だったなー……。
すっかり忘れてた。

「なんだ、今から豆撒きでもするのか?」

「うん、まぁ撒いてもいいんだけど、寮だとね」
「豆が残ってると苦情が来るかもしれないよ?」

おおう、俺の住宅事情が彼女に把握されている。

「掃除すればいいだけじゃねぇのか」

「私はコタツから出たくないわよ」

そう言って彼女は寄り添ってくる。
甘えモード全開の彼女の頭を撫でてやる。

「怠け者ですなーこの猫ちゃんは」

「んー」

嬉しそうに目を細める彼女を見やって、本当に猫のようだと思う。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/21(月) 00:35:59.25 ID:3Q2DcmGZ0
「あれ、撒かないのに何で豆があるんだ」

「当麻知らないの?」
「節分の日には自分の年の数だけ豆を食べるのよ」

「へー……美琴は物知りだなー」

「流石に、常識よ」

若干呆れ顔になりつつある彼女は、袋を丁寧に破り、豆を一粒ずつ取り出す。
ちょうど16粒を取り出した所で、一粒をひょいと摘まみ口に持っていく。

「ん、結構うまいな」

ポリポリと豆を咀嚼しながら、その以外な美味しさに感心する。
わざわざ彼女が用意したものなのだから、結構な高級品であってもおかしくはないのだが。

「あー!食べたー!」

そんな感想を抱いていると横から非難じみた悲鳴が上がった。
あれ、16粒って俺のために取り出したんじゃないの?
なにか勘違いしちゃった?

「あー悪い、何かいけなかったか……?」

「食べたー……」

理由も言わずに項垂れる彼女に、自分が何か重大な失敗を犯したのではないかと心配になる。
考えろ、彼女がこの状況で項垂れる理由を。
美琴がしょんぼりする理由、検索開始。
検索結果――約1件(0.03秒)
もしかして:"あーんしたかった"

「もしかして、食べさせあいしたかったのか?」

「………………………………うん」

「そうか、ほら美琴、あーん」

「あむっ」

豆を摘まみ差し出すと指ごと咥えられる。
彼女の口内の温度を指で感じ取りつつも、豆を残し抜き取る。
すると彼女はそのまま顔を近づけて、唇を合わせる。

「んんっ――」

豆がお互いの唇を通して、外気に触れることなく送られてくる。
若干のぬめりを舌で味わいつつも、すぐに噛み砕いて食道に送る。
その後すぐに、豆とは違う暖かくて柔らかい美琴を味わう。
たっぷり1分くっ付いた後、唾液の橋がお互いの唇を結ぶ。

「あと、14粒なんだからね……」

顔を紅潮させる彼女を見て、最初に一粒食べたのは失敗だったなと改めて実感した。
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/21(月) 00:38:28.84 ID:3Q2DcmGZ0
以上です。
未消化のリクエスト分も全て書いてみたいですね。
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 00:47:00.46 ID:WZcwg2cLo
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/03/21(月) 00:52:29.75 ID:8vDWz7GC0
やっと>>1がきた
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/21(月) 00:56:08.38 ID:ZvUFNWVY0
28282828
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/21(月) 02:22:00.15 ID:srj4c98fo
これで勝つる
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 02:59:36.65 ID:86VABXBKo
これで明日も生きていける
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/21(月) 04:13:09.80 ID:mEOoiv2c0
あれ?豆の数が足りてないよ?
美琴にはいくら食べても無くならない豆が3つあるじゃないか!!

上半身に2つ、下はn
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 07:16:24.09 ID:yOlvJ6guo
エロのリクエストは有ですか?
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 11:44:14.16 ID:HKgevq/50
期待
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/21(月) 15:13:08.87 ID:0RMIYIXAO
乙です。
待っていました(^O^)ニヤニヤしてしまう
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:57:29.41 ID:kwrF3bnq0
短いですが、旅掛さん襲来の話を投下します。
あんまりイチャイチャしてませんが、容赦してください。
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/24(木) 00:00:23.14 ID:MpbfDiev0
//旅掛襲来

窓からの日差しが赤く染め上げられた時分。
自室でいつものように、彼と過ごしているとチャイムが鳴った。
彼の方を見ると、首を横に振っている。
心の当たりのない来訪なのだろう。

「ちょっと待ってな」

隣に座っていた彼が立ち上がり、私の頭を撫でる。
私は顔を上げ、彼に目で伝える。
出来れば早く追い払ってもらいたい。
彼と自分だけの時間をあまり邪魔されたくはない、と。
メッセージを受け取った彼は、

「分かったから、そんな寂しそうな顔するなよ」

そう言い残し、玄関へと向かった。
残された私は彼のベッドに置かれた、ゲコ太のぬいぐるみを抱きしめて恋しさを紛らわさせた。
待たされるのは好きじゃない。
だって彼が私の好意に気付いてくれるまで、あれだけ待たされたんだから。

ぎゅ――

ぬいぐるみを抱く腕に力が入る。
こうすると、彼の匂いをより一層堪能できるから。

「彼氏の家にまでぬいぐるみを置くなんて、流石は美琴ちゃんだよなぁ」

唐突に聞こえた、懐かしい声。
私は驚いて、ぬいぐるみを顔から外し部屋を見る。
そこにはバツの悪そうな顔をした彼と、対照的に満面の笑みを浮かべた私の父親の姿があった。
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/24(木) 00:01:10.16 ID:MpbfDiev0

「父親が来るなんて、なんで言わなかったんだよ」

「私だって知らなかったわよ!」

目の前のテーブルにはお茶が注がれたコップが用意され、囲む3人は正座。
ヒソヒソ声で彼と密談するがあまりにも突然のことで、彼も私も心の余裕がないのが分かる。
すっと父親が手を伸ばし、コップを取る動作にも二人そろってビクリとする。
一気に飲み干し、コップを元に戻す動作にもなんらかの意味があるのではないかと勘ぐってしまう。
自分の一人娘が、男とこんな時間に一緒にいたのだ。
何故父親がこの部屋の場所を知っていたのか分からない。
もしかしたら虫がついていると言う噂を聞きつけてやって来たのかもしれない。
何を言われるのかは分からないが、十中八九、心境は穏やかではないだろう。

「さて……」

またしても、二人そろってビクリを身体を震わし、背筋を伸ばす。
説教の一つでも来るか?
そう身構えたが、発せられたのは叱咤でも世間話でも無かった。

「娘の元気な姿も見れたことだし、帰るとするか」

呆気に取られ、見つめることしか出来ない私であったが、部屋のドアが閉まる音を聞いて我に返る。

「あ、ちょ、待ってよ!」

追いかけて私も外に出る。
父親はエレベーターが来るのを待っていた。

「聞かないの……?」

「何を聞くんだ?」

「その……彼のこととか……」

「聞いてどうするんだ?」

「怒ったり、してないの?」

父親は、わざとらしくため息をついてから言った。

「お互いにキスマークを付け合っちゃって、それじゃ親の入り込む余地なんて無いんじゃないの?美琴ちゃん」

私は顔を真っ赤にし、ババっとキスマークのある首元を隠す。
父親はそんな私を見て笑いながら、

「まだ孫は早いからね?」

と言い残し、来たエレベーターに乗っていってしまった。
追撃を喰らい、立ち尽くす私にいつの間にか追いかけてきた彼が問いかける。
私は彼の方を向き、結果だけを報告する。
それを聞いた彼もまた、顔を真っ赤にし首元を隠すのだった。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/24(木) 00:03:52.16 ID:MpbfDiev0
以上です。
外堀は埋まりました。
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/24(木) 00:06:01.34 ID:4ZTRT+CDo
萌え転がった
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 00:48:12.83 ID:OpBul0N1o
下手にいちゃいちゃするよりヤバイかもしれん・・・
でもストレートないちゃいちゃも大好き
色んな萌えシチュが見れてしあわせ・・・
乙でした!
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:55:46.66 ID:goQoLFlvo
うっはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 02:24:01.21 ID:wJOkppJAo
これはGJ!
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/24(木) 02:31:25.77 ID:JdlVpTnr0
素晴らしいな…
こういうの好きだわ
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/24(木) 06:41:25.26 ID:LsQlNTWAO
たまりません…!
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 11:18:13.53 ID:b07OJbmSO

旅掛△

あと、こんなんもいいな
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/24(木) 19:58:12.55 ID:zAMrn4aQ0
乙!こういうの大好きだ。にやにやが止まらない
これで明日も生きてける
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/25(金) 00:49:49.27 ID:cRbi3aLv0
イイねェイイねェ最っ高だねェ!
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/28(月) 04:00:05.55 ID:5u9sJfNc0
ふ…ふにゃー
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/28(月) 04:30:54.54 ID:J7efJxnI0
PC部品のネタがわからないんだけど
なんかそういう作用があるの?
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/03/28(月) 04:37:06.10 ID:xtaj6EoKo
http://to-a.ru/huV1bk
こう言うこと
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 17:19:00.93 ID:6Y42jEXqo
>>248
吹いたww
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:22:23.07 ID:Cw3RbEsN0
投下したいが、最近書いたものがない。
しかたがないので書き溜めてた長編の最初の部分を投下してみる。
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:25:17.70 ID:Cw3RbEsN0
「はぁ……生きてたんなら連絡ぐらいしなさいよ」

自分の口から出てくるのは尖った言葉ばかり。
学習しないなぁ……私。
彼がいなくなってから、あれだけ反省したのにね。
そんな彼が生きていると言う情報を手に入れたときは、本当に号泣したのに。

「携帯が壊れてたんだよ。仕方ないだろ」

予想通りの言い訳にこれ以上責め立てる気も起きない。
あのストラップの千切れ方を見れば、携帯がどうなったかなんて一目瞭然だ。
それでなくても、海に落ちて無事だとは思えないし。

「………………心配したんだから」

「ん?なにか言ったか?御坂」

言いたいことがボソボソとしか喋れない自分に少し自己嫌悪する。

「なんでもない」
「それより、アンタの言ってた"やらなきゃいけないこと"ってのは終わったの?」

「ああ、終わったよ」

「結局それってなんだったの?」

「ただの人助けだよ。それ以上でも以下でもねぇ」

あの空に浮かんだ島に、この馬鹿以外にも逃げ遅れたの人でもいたのだろうか?
そんな疑問を浮かべる私は、第三次世界大戦が一体何のために行われたのかさえ知らない。
ただ彼の窮地を知り、気がつけば自分から巻き込まれに行っていた。
学園都市に帰ってきた私は、彼を失った悲しみから抜け出すことができないでいた、
大戦の真相を知ろうとする考えさえなかった。
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:27:47.79 ID:Cw3RbEsN0

「これから、世界はどうなってくの?」

「さぁな。平和になればいいんだけどな」

「アンタはこれからどうするの?」

「いつも通りだよ」
「いつも通り、これからも学校に行って、遊んで、寝て。それだけだ」

「ふ〜ん。また厄介事に巻き込まれるんじゃないの?」

「…………そうかもな」

達観したような彼の態度に腹が立つ。
そうでなくても、久々に見た実物の彼を前に、私の心は不安定だというのに。
少し、痛いところをついてやろうか。

「ところでさ」

「ああ?」

「アンタ、長い間学校をお休みしてたみたいだけど……勉強はついていけるの?」

「ぅ!」

「補習が溜まってるんじゃない?」

「ぅぅ……!」

「補習だけだといいけどね。課題もどっさり!……だったりして」

「ぅぅぅ…………!」
「……余計なこと思い出させるんじゃねーよ御坂……」

私の一言毎にへこんでいく彼の姿を見るのは痛快だ。
思い出したということは、すでに課題を出された後なのか。
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:29:17.53 ID:Cw3RbEsN0

しかし、このままだと彼は本当に留年するかもしれない。
助け舟を出してやろう。
乗ってくるかは知らないが。

「勉強、見てあげてもいいんだけど――」

「本当か!助かる!」

「えっ……!」

あまりの即答に私がびっくりする。
どうせ彼のことだし、プライドがとか何とか言って渋ると思ってたのに。
………………本当にやばいのかもしれない。

「実はもう課題がどっさりとだされてるんだ。期限が1週間だからどうしようと思ってたところなんだよ!」

「あ……そ、そう?」

ほら、こんなにあるんだよ!と言って鞄の中身を見せられた私は、そのあまりの課題の多さに驚愕する。
彼がいつもの学生鞄ではなく、まるで旅行に行くかのような大きな鞄を持っていたのはこれのせいか、と理解する。
これを1週間で?内容は簡単なんでしょうけど、私でも投げ出したいくらいの量ね。

「そうと決まれば早速、お願いしますよ美琴センセー!」

「え、あ、ちょ……どこに行くのよ?」

手を握られ、連れて行かれそうになる。
彼に触れられただけでも顔から蒸気がでそうなのに、引っ張られるなんて耐えられそうにない。
なんにせよ、"彼の勉強を見てあげて好感度アップ作戦"は順調なようだ。

「どこって、俺の家に決まってるだろ」

「ふぇ!?」

この展開は予想外だけど。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 02:31:06.69 ID:3xRu3ZHdo
wwktk
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:32:43.19 ID:Cw3RbEsN0
その1週間後。

「おはよー。無事に課題地獄は終わったかな?」

たまたま通学路で会った彼に挨拶をする。
別に以前、彼にあった通学路とその時間帯を意識して通ってるわけではない。
………………本当よ?

「おお、御坂か。サンキューな」
「おかげでようやく終わったよ。上条さんにはこれから平凡で素晴らしい学校生活が待っていることですよ」

うれしそうな彼を見て私もうれしくなる。
役に立てたかな?なんて乙女な感情が心を占める。

「そっか。うん、よかったわね」

「御坂にはこの1週間お世話になりっぱなしだからな」
「何かお礼でもしなきゃ、俺の気がすまねぇよ」

「いいわよ。お礼なんて」

彼と1週間毎日いられたことが私のご褒美なのだから。
それも彼の家で二人っきり。

でも流石にそんなことを臆面もなく言えるはずがない。
言えたらこんな苦労をしなくてもすむはずだ。

「いやいや、だから俺の気がすまねぇんだってば」
「何かお礼させてくれよ」

う〜ん。彼も義理堅いところがあるからなぁ。
かといって、私はもう十分に対価を得たし……どうしよう。

「この愛玩奴隷上条当麻に何なりとお申し付けください!」

「ちょ、街中で何を言い出すんだアンタは!」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:37:00.32 ID:Cw3RbEsN0
…………あ!
そうか、それがあったか。
いつかの従順な彼の姿勢は私の記憶を刺激した。

「それよ!」

「へっ?」

「思い出したわ。アンタ、携帯壊れたままでしょ」

「え?あ、ああ。そうだけど……」

それがどうかしたのかとでも言いたげな彼に向かって、二度目のお願いをする。

「携帯買いに行くわよ!」

「いや、それがどうしてお礼につながるんだよ!」

「アンタが携帯を壊したからペア契約が無効になってんのよ」
「だから、アンタの携帯を買うついでにもう一回ペア契約すんの」

「ああ、なるほど。あのカエルのストラップか」

どうやらコイツの頭の中ではペア契約=カエルのストラップであるらしい。
その式は間違っているぞと教えたいが、焦ることはない。
だって、まだまだ時間はあるのだから。

「でもお礼がそんなのでいいのか?もっと別の…」

「つべこべ言わないの。私はそれがいいの!」

「分かった。御坂がそう言うなら」

お前ってさ、本当あのカエルが好きなんだなとか言われるが、そうじゃないのよ馬鹿。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:38:33.05 ID:Cw3RbEsN0

あの日見つけた、千切れたストラップは私の机の上に今も置かれている。
彼が私の前からいなくなった日から、それを眺めて哀傷を癒すのが日課だった。
でも引き千切られたようなバンド部分を見るたびに、私の心は泣き出すのだ。
それを止めるには、彼にストラップをつけてもらうしかないと感じていた。
ちゃんと、繋がっていると確認したかった。

「どうかしたか、御坂?急に黙り込んで?」

「ふぇ!?あぅ…………」
「……ぁ……なんでもない!なんでもない!大丈夫よ!!」

「おお、そうか?悩み事とかあったら、一人で抱え込むなよ?」

一人感傷にふけっている時に、急に彼に話しかけれて不意を衝かれてしまう。
心配そうに覗き込んできた彼の目を直視してしまい、余計に混乱する。
なんでも……あるんだけどね。

気がつけば自分の学校と彼の学校との分岐点だ。
できればもっと話していたいのだが、仕方ない。

「じゃあ、今日の午後4時、あの公園でいいか?」

「うん、じゃあね」

それでも、今日の私は気持ちのよい朝を迎えられたものだ。
彼に会えたし、お喋りできた。
そして放課後には、一緒にペア契約しに行く約束まで取り付けて。
……緩みっぱなしの顔を、学校に着くまでに何とかしなきゃね。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/03/30(水) 02:41:57.10 ID:Cw3RbEsN0
こんな感じに続きます。
300レス以内に収まってしまうSSを長編と呼んでいいのかは知りませんが……。
リクエストの分もなるべく早く書くつもりです。

では。
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/30(水) 02:45:46.27 ID:GMUZIXkxo
おつおつ
美琴が健気可愛い…
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/30(水) 02:49:40.59 ID:Qs7hzVqT0
長編も楽しみだ
>>1おつ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 04:00:02.19 ID:KqQ/HJ72o
乙!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/03/30(水) 07:54:04.98 ID:/JJDRGDd0
乙!こりゃ楽しみだ
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 17:32:38.16 ID:8Pyf+K8DO
乙!!
リクエストも長編もどっちも期待してます
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 19:01:25.35 ID:b0Zp1S8SO
乙です!
これからも超期待してます
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/31(木) 01:11:15.43 ID:9dlEFqO30
俺のwkwkが止まらないぜ!
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 16:09:52.63 ID:E3DK5+VSO
ほっこりした
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/07(木) 06:35:25.99 ID:+pxtDH0Y0
まだかなまだかな
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/07(木) 23:55:53.17 ID:uf4FDsqAO
上琴補給したい(^o^)/
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/08(金) 03:04:54.29 ID:31t7RLR10
オイラのエネルギーが切れちまったんだが
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:08:36.75 ID:zWHyVY+L0
どうも書き溜める予定を先延ばしにしてしまう……。
話の流れは一通り考えたけれども、文章にする前に満たされてしまう。
妄想だけで上琴分が補給ができるようになってしまったのかも知れない。

>>257の続き置いときます
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:10:55.15 ID:zWHyVY+L0
時間は同日午後3時40分。
約束の時間には少し早いが、我慢できなかった。
結局、緩んだ顔を直せずクラス中から何事かと言ったような目で見られた。
それほど幸せそうな顔をしていたのか自分は。
恥ずかしさから顔を両手で覆って悶絶する。
そしてこれから起こる素敵なイベントについ妄想を膨らましてしまう。
自分でもやりすぎかな?と思うような妄想を駆りたててはイヤンイヤンと顔を振る。

「……なにしてんだ、お前」

「〜〜〜ッ!!?」

なんてタイミングで現れるんだコイツは!
見られた?見られたよね?

「周りを見てみろよ、みんな見てるぞ」

言われて周りを見渡すと、公園にいた子供達や自分たちのように学校帰りの学生数人と目が合った。
目が合う、というのはつまりこっちを見ていたと言うことであって――。

「き、気づいてたんなら!もっと早く止めなさいよ!」

「いや、だってなんか、話しかけづらかったし……」

赤面しながら叫ぶ私に対して、彼は冷静だった。
話しかけづらいって……。
なにか?私はコイツに観察されていたと言うのか?

「それよりほら、時間はちょっと早いがいいだろ?」
「ペア契約しに行こうぜ」

「え?あ、うん」

そこで手を差し出さないことに少し不満を覚えたが、まぁいいか。
彼にはこれからじっくりと分からせてやるんだからね。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:12:22.46 ID:zWHyVY+L0

「まぁ……予想はしてましたけど」

「恥ずかしがらなくてもいいじゃない。2回目でしょ?」

私達は今、ペア契約のための写真撮影を行っている。
罰ゲームのときのように、ツーショット写真だ。

「ほら、もっと密着しなさいよ」

「え?あ、ああ……」

罰ゲームのときと違うのは、私の携帯で撮影していることか。
画面を見ながら、もっと近づくように彼に言う。
それを聞いてぎこちないながらも接近してくる彼にドキドキする。

パシャリ

「う〜ん。アンタ、顔が引きつっているわね」

パシャリ

「ちょっと離れすぎかなぁ?」

パシャリ

「アングルが……」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:13:58.76 ID:zWHyVY+L0

パシャリ
パシャリ
パシャリ


「だぁー!なんでそんなに撮るんだよ!?」
「一枚撮れば十分だろ!?」

彼の言うとおり、本当は一枚取れれば十分だ。
けれどもこんな機会、少なくとも近いうちには訪れないだろう。
今のうちに彼との写真を増やしたかった。

「なーんか、納得のいくようなのが撮れないのよねぇー」

「あーもー何が足りないと仰せりますかこのお嬢様は!」

「あ、そうだ。アンタ、私の腰に手を回しなさいよ」
「私もアンタに抱きつくから」

「なにさらりと大胆発言しちゃってくれますかこの子!?」

「えいっ」

「ああっ!?ちゃっかり抱きつかないで!」

「いいじゃない、アンタも早く抱きしめなさいよ」

「ワタクシの発言はスルーでございますか!?」

パシャリ
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:15:11.93 ID:zWHyVY+L0

「ついでに、もう一枚」

パシャリ

「うん。いいのが撮れたかな」

「………………上条さんはなんか疲れましたことよ」

写真に写っているのは満面の笑みで彼に抱きついている私。
慌てながらもしっかりと抱きしめてくれた彼のぎこちなく、赤くなった顔。
私はその場で壁紙にした。
ゲコ太とピョン子には申し訳ないけど、私はこの写真が一番の宝物かな。
もちろん新たにもらったゲコ太ストラップは新しく買った彼の携帯にくくりつけておいた。
私の携帯にも二代目ピョン子を取り付けた。
先代には、先代のゲコ太のところで仲良くしてもらおう。
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:17:04.90 ID:zWHyVY+L0

「はぁ〜。疲れた。このまま帰って寝たい……」

「いいの?今日は特売日じゃないの?」

「あ!そ、そうだった」
「……ってあれ?なんで御坂が知ってんの?」

「お嬢様だって、特売日ぐらい知ってるわよ」

完全な嘘だが。
彼のよく口にする特売日ってなんだろーと思い、調べたから知っていることで、普通のお嬢様は特売日はおろかスーパーの存在さえ知らないのではないかと思う。
調べた理由?
彼の気を引きたいからでしょうが。

「今日は卵がお一人様1パック限定で50円」
「破格よね」

「上条さんにとっての命綱ですよ、特売は」

「お一人様限定……ってことは、私も行けば2パック買えるのかな?」

「いいんですか!」

計算どおり、"特売日を利用した買い物デート作戦"の方も順調だ。
折角の彼との時間を、特売なんて理由で終わらせてなるものか。
逆に利用してあげるまでよ。
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:19:21.35 ID:zWHyVY+L0
「は〜。ほんと、御坂には世話になりっぱなしだなぁ」

並んで歩く帰り道。
隣にいる彼がそんなことを言う。
彼の右手には私と彼の学生鞄。
私の左手には卵やら野菜やらの入った買い物袋。
持つと言って彼から奪い取ったものだ。
自分の鞄よりかは少し重いが、彼と並んで買い物袋を持つ構図に満足する。
片手を開けている意味に気付けというのは、すこし酷だろうか。

「いいのよ。私が好きでやっていることなんだし」

「世話焼きスキルが高いよな、御坂は」

「……アンタなりのお世辞として受け取るわ」

また、分岐点が現れる。
常盤台の寮へ帰るなら、そろそろ別れないと門限に間に合わない。
それは彼も分かっていることだ。

「御坂、今日はありがとな」

見透かしたように彼が言う。

「なに言ってるの?」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:20:59.15 ID:zWHyVY+L0

「だから、ありがとうって感謝の気持ちをだな……」

「なんでここでお別れってことになってんのよ」

私は門限など知ったことではない。
それよりも、このまま彼の家でどんな料理を振舞うかということに思考を置いていた。

「このままアンタの家行くわよ」

「はぁ?お前こそ何言ってやがんだ?」

彼のこの反応も予想済みだ。
この1週間、彼の家で勉強を見てたとはいえ、それは放課後の比較的早い時間帯。
今のように日も暮れかかり、寮の門限が近づいているときではなかった。

「いいから、荷物渡せよ」

「いやよ。いいじゃない、今日ぐらい」

「よくねぇよ。ほら寄越せ」

伸ばしてきた彼の手を避ける。
彼はこれにむっとしたようで、顔をしかめながら再び取ろうとする。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:21:49.01 ID:zWHyVY+L0

「ほれ、とってみなさい」

それを軽くあしらう私。
いつもとは立場が逆で、彼を簡単に手玉に取れることが楽しい。
いや、こうやってじゃれ合うことがもう楽しい。

「ああ、もう!いい加減にしてくれよ」

「へへーん」

鞄を二つとも置いて、両手でむきになって取ろうとする彼の手を上手く避ける。
伸びてきた右手を軽くかわし、逆側からきた左手を避けようとして……。

むにゅ

「ひゃぅ!?」

彼の左手が私の胸を掴む。
視線を落とすと、確かに掴まれている。
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:23:02.98 ID:zWHyVY+L0

「……………………え〜っと」

場が凍りついた。
私の頭からから、火花が飛び散る。
顔が赤くなっていくのが分かる。

「……………………ぃ……」
「い、いつまで掴んでんのよ!この変態!!」

「うわわ!こ、これは決してわざとではなく!ああ、すみませんでしたー!」

バチバチと帯電した私を見て、彼は慌てて距離をとりつつ謝る。
そのとき、ちゃっかりと私の手から袋を奪い取る。
逃げる気なのだろう、分かりやすい。
そんな彼に向けて、私は電撃を放つ。
掴まれた感触は今も残っている。

「ちょ、ちょっと待て!悪かったから、俺が悪かったから!」

「お、乙女の胸揉んどいて、言うことはそれだけか!このクソ馬鹿ーっ!!」

鞄を拾い上げ、逃走した彼に続けざまに電撃を放つ。
右手で打ち消しながら逃げる彼を見て、私も自分の鞄を拾って追いかける。
なつかしい、追いかけっこの始まりだった。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 02:31:37.16 ID:J7o7GMB4o
えへ
えへへへへ
えへへへへへへへへへへへへへっへへへへへへへっへへっっへっっっっっh
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/09(土) 02:35:26.62 ID:zWHyVY+L0
上条さんに口内炎が出来たせいで深いキスを断られ拗ねちゃう美琴さんとか

風邪引いたかもと思いつつも無理して美琴さんとデートに行こうとするが結局バレて看病されちゃう上条さんとか

部屋の掃除に来たのはいいがベッドが心地よすぎてそのまま寝ちゃう美琴さんとか

美琴さんがスフィンクスに夢中になってほったらかしにされた上条さんがツンツンしたりとか

妄想のストックはあるんだけどな……
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 02:42:28.75 ID:J7o7GMB4o
妄想はそりゃ俺もいくらでもあるさ(´・ω・`)

だが今はこのネタを頑張ってくださいwwwwwwww
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 02:44:26.59 ID:1Q7uOLReo
乙!
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/09(土) 04:58:42.88 ID:6GU49i+Eo
>>280が的確に俺の心情を表していてつらい
285 : ◆jPpg5.obl6 [sage]:2011/04/09(土) 17:32:05.87 ID:igQDmicAO
乙です!
よいもえアクシデントでした(^o^)/きゅーん
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 22:14:22.64 ID:/U3Jb7NPo

今回は2828ものでしたね

妄想を文章化するのって大変だよね


287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 22:31:14.24 ID:J7o7GMB4o
>>284
おまえとはいい酒が飲めそうだな(´・ω・`)

てかこのスレにいるやつ全員とはいい酒が飲めそうだ
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/10(日) 01:27:26.98 ID:UQzxI5Y20
エネルギー充電完了
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2011/04/10(日) 23:39:15.22 ID:8eCoq+dE0
書けなくなってきたのでHTML依頼だしてきます。
これまで付き合っていただき、ありがとうございました。
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 23:45:11.85 ID:X44uxENTo
ぇ?
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/04/11(月) 02:03:10.41 ID:j9o3OeqQo
なんだと…
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 02:52:24.52 ID:uunSrcHso
ちょっとなに言ってるかわからないです
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 08:55:09.78 ID:m5LZvZOIO
まあもともと短編SSの練習スレだったし無理に続ける必要はないわな…残念だ

ただ長編の続きはいつか書いてくれると信じて待ってる
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/11(月) 16:02:14.21 ID:e9HYZsUi0
日本語でおk
おつかれ
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 23:05:16.29 ID:OZGO3u0AO
たくさんの上琴もえをありがとうございました(;_;)

来るべき長編まってます!ガチ
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2011/04/12(火) 02:18:18.34 ID:B2cT7LhAO
いや釣りでしょ
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/12(火) 17:10:04.97 ID:+qaNJjIK0
この手の釣りは今までもいろんなとこであっただろ
みなさん落ち着いて行動してください
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