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1 :>>1 [saga]:2011/03/04(金) 22:42:56.26 ID:zdjIhP3b0
この物語は「とある魔術の禁書目録」及び「とある科学の超電磁砲」の二次創作SSです。
原作崩壊・時系列無視・厨二等含む駄文でございますが、宜しくお願いします。


以下、大まかな設定。

・メインは天草式十字凄教の……香焼、五和、浦上、そして稀に神裂。

・基本ほのぼの。キャラの性格は本編より丸い。   (例)ステイルが14歳相応。神裂が18歳相応。

・ラブラブ、シリアス、エロエロは未定。

・大きく二分して、「学園都市編」と「英国編」。

・組織設定や社会背景等はやたらリアル思考……だけど駄文。

・アンケートやリクエスト、偶に安価の御協力お願いします。


矛盾点や歪んだ点が多々出てくると思いますが、『魔術師(及び魔女)の仕業かっ!』と流して下さい。
では素人の駄文ですが、何卒、宜しくお願いします。 m(_ _)m
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ジェットストロング川口死んだ? @ 2024/11/29(金) 20:10:43.56 ID:Uzz5QwxwO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732878643/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/29(金) 07:17:52.15 ID:CgrUZwFQo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732832271/

アクロバティック山田がやられただと? @ 2024/11/28(木) 22:15:17.90 ID:FjMVzFikO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732799717/

また一つ永遠が増えた @ 2024/11/28(木) 20:55:15.25 ID:oKx134ORo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1732794914/

うーきちです @ 2024/11/28(木) 17:08:05.26 ID:OafRn6EzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732781285/

ヨードチンキ @ 2024/11/27(水) 18:53:17.09 ID:FrIReSKwO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732701197/

アボガド @ 2024/11/27(水) 12:14:07.06 ID:51MOIuxwo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732677246/

■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/27(水) 07:19:05.59 ID:3HQuhmxmo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732659544/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 22:46:43.21 ID:rdj/OlvAO
香焼SSって最近見なかったな
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 23:42:16.47 ID:9udFVLZbo
よっしゃ来た!
本編の方は休みなの?
4 :>>1 [saga]:2011/03/04(金) 23:50:48.14 ID:zdjIhP3b0
今日は主な説明と今後の展開についてのアンケート・リクエストを取ります。

>>3
……本編? 何の事かワカラナイヨッ!
ってのは嘘で、そっちは書き溜め中。因みにこっちは、設定似てるけどアッチと無関係って事で。
5 :>>1 [saga]:2011/03/05(土) 00:23:41.58 ID:aCI9TYL10
<勝手な設定>

・天草式の若手数名は偽戸籍(ダミーID)で学園都市の学校・生徒の中へ紛れ込んでいる。所謂、潜入任務である。
 コレは英国清教の命であり、また、アレイスター(あちら)側の意向。
 表向き――無論、一般的には裏である――英国側としては学園都市の動向を探るスパイ。
 しかし裏向きには――若手には悪いが――……アレイスター監視下の人質でもあった。

・神裂は、土御門からの呼び出し、禁書目録の『監視』という名のお世話(加え、上条当麻に会いに)、教徒の活動視察で学園都市に来る。
 ステイルも神裂と類似行動。ただしかなり暇人。何故か香焼と仲良し(本人は否定)。



<主な登場人物>

・香焼……主に狂言回し的存在でメインキャラ。出番が一番多いと思うよ。アニメでは『法の書』編に少し出ただけ……残念。
      中学1年。得物(武器)は短刀や鋼糸(ワイヤー)、稀に都市の武器。ショタキャラ。
      呼称は……香焼、コウちゃん等。

      天草式十字凄教の一教徒で特に役職は無し。潜入任務での所属学校は「とある学園都市理事・役員養成学校中等部」。
      性格は真面目で苦労人。強くはないが、弱くもない見た目は普通の少年。因みに『カミやん病:Lv.1〜4』。
      学徒(若衆)の中でも一番難しい学校と一番良いマンションを割り振られた。その為、馬鹿姉共の溜まり場に……
      冷静だけど熱くなる時は『カミやん病発作』の如く説教するかも。(以下追々付け足していきます)


・五和……自称、香焼の姉その一(実は、姉その二)。一番キャラ崩壊が酷い人。ごめんなさい。『上条さんLOVE!』は相変わらず。
      高校2年。得物は海軍用船上槍(フリウリスピア)や鋼糸、稀に都市の武器。おっぱい。
      呼称は……五和、姉ちゃん、お姉、大精霊さん。

      天草式十字凄教の一教徒で若衆筆頭。潜入任務での所属学校は「『学舎の園』内のとある御嬢様高校(常盤台では無い)」。
      性格は二面性で他人には控えめで奥手……だが親しい者にはかなりフランク(ウザい)。教徒の中で最も潜在実力がある。
      何故か浦上と一緒に『姉』と称して香焼のマンションに入り浸る。ブラコンでは無いが余計な御節介やき。
      真面目な時はとっても頼りになる。(以下追々付け足していきます)


・浦上……自称、香焼の姉その三。一番キャラ付け難しい人。原作設定ほぼ皆無。実はアニメ版で香焼より出番多い。やったね!
      中学3年。得物はドレスソード(フェンシングのエペ)や鋼糸、稀に都市の武器。ポニテのサイハイ娘。
      呼称は……浦上、ウラ、お姉ちゃん。

      天草式十字凄教の一教徒で特に役職は無し。潜入任務での所属学校は「『学舎の園』内のとある御嬢様中学(常盤台では無い)」。
      性格は御転婆、しかし偶に黒い。強くはないが弱くもない、実力は香焼とドッコイの姉分。姉弟の中で一番の策士。
      五和と共に『姉』と称して香焼のマンションに入り浸る。周りが熱くなっている時に冷静になれるキレ者。
      意外と一番お姉ちゃんかもしれない。(以下追々付け足していきます)


・神裂火織……自称、香焼の姉その一。4人の中では一番出番が少ない人。ごめんねーちん! 『上条当麻・・・///』は、そのまま。
        18歳。得物は七天七刀や鋼糸。おっぱい聖人。魔法名「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」。
        呼称は……神裂、女教皇(プリエステス)様、姉さま、カオリ姉さん、堕天使さん。

        天草式十字凄教の女教皇。所属学校は無いが、禁書目録の『監視』や上条当麻への『礼』の為、よく学園都市に足を運ぶ。
        性格はかなり義理堅く、生真面目。だけどうっかりさんで何処か抜けている。とても強い。でも姉妹喧嘩はガラスハート。
        学園都市へ来る際、香焼のアパートに顔を出す。年の近い香焼、五和、浦上には『一、姉』として接して貰いたい願望有り。
        年相応が目立つかもしれない。因みに固法美偉、麦野沈利は年が近いので何故か仲良し。(以下追々付け足していきます)



<その他>

・上条さん、一方通行さん、美琴さん、浜面さん、白井さん等(ヒーローズ)……出番少ないです。だけど、リクエストがあれば考えます。

・実は、あわきんがそこまでショタコンじゃない。一通さんがセロリじゃない。
 麦野が原作に比べてかなり優しい。木山テンテーと芳川さんが同じ通信制大学の教育学部所属。
 テレスティーナが那由他と、ぎこちないが和解済み。垣根は……考え中。黒妻さんも……考え中。

・某所で書いたSSを再編したりもします。御了承を。


とりあえず、一旦、此処まで。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 00:25:56.66 ID:ALaZmWcDO
マジで別個にしたのかよww

とりあえず期待!
7 :>>1 [saga]:2011/03/05(土) 00:36:55.57 ID:aCI9TYL10
明日からスタート予定です。とりあえず質問アンケ。そしてリクエスト。



@香焼の一人称……『オレ』or『僕』、どっちがいい?

A出して欲しいキャラは?



協力よろしくですっ!


あと簡単に小話だけ投下させてもらって、今日は終わります。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 01:22:02.88 ID:GT5n5iMAO
>>1
乙。こっちには絹旗は出ないんかね。

一人称は使い分けを希望。
ステイルと教会組(ステアン)も頼むぜ。何だかんだで天草の年少イジられ役が香焼なら、教会組はステイルだと思うんだ。
9 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 [saga]:2011/03/05(土) 01:35:44.37 ID:aCI9TYL10
 ―――とある日、PM06:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



空が藍色に染まった頃。自分――天草式十字凄教の学生信徒……香焼は、無人バスの中にいた。


バスアナウンス『次は第1学区学生住宅街一丁目、学生住宅街一丁目ー。御降りのお客様は―――』


ボタンを押す。


香焼「はぁ……疲れたー」ハァ・・・


学園都市の未来を担う理事候補生の養成学校で、朝8時から夕方6時まで缶詰状態。
自分が通う学校は、この街で珍しい文系メインの私立学校だ。

無論、理事になりたいが為に通っている訳ではない。『潜入任務』という名目である。
ただし折角、学費を英国清教から負担して貰っているのだからダラダラと過ごすのは勿体無い。
得られる知識は得ておこう。きっと自分の将来に役立つ。

それが自分の決め事だった。


香焼「でも、やっぱ理事校レベル高いっすね。放課後自習強制なんて……デフォで能力開発免除は助かるっすけど……ん?」チラッ


玄関前に都市製のバイク(新型ビッグスクーター)が置いてある事に気付く。
此処の住民であんな単車に乗っている人間はいない筈だ。第一、登録ステッカーを貼って無い。


香焼「……まさかっ!!?」ダッ!


急いでエレベーターに跳び乗り、7階のボタンを押す。そして一番奥の部屋へとダッシュ。


香焼「……やっぱり、鍵開いてる……という事は」ゲッ・・・


嫌な予感全開。静かにドアを開けてみた。靴が二人分ある。
そして中から喧しい声が……


五和「―――……そしたらノモ(野母崎)さんがさぁ! 立場忘れて『建宮。腹を割って話そう!』って!」ニャハハッ!

浦上「あはは! 建宮さん、今度は何しでかしたのさー!」ケラケラ!

香焼「」

五和「マジ爆笑だよねー。って……あ、コウちゃん。おかえりー」

浦上「おかえりー」

香焼「……お前ら」ジトー・・・


テレビを付けたまま談話。人の家の菓子とジュースを勝手に物色。おまけにボロボロ食べカスを落としたまま。

同じ天草式の学生信徒――五和と浦上が、『我物顔』で『堂々』と自分の部屋に居た。
しかも女子とは思えない恰好で寝転んでいる。

男子(香焼)が居るというのに、制服を脱ぎっ放し。Yシャツの第3ボタンまでオープン。
スカートの中など気にせず胡坐掻いて座っている五和。捲れるのを気にせずソファーに寝そべる浦上。


香焼「勝手に来るなって言ってるだろ!」ギロッ!

五和「そんなに怒んないでよ。怖いコウちゃんなんて、姉ちゃん嫌いだぞー」キャー

浦上「まぁまぁ。私達の仲でしょ。ね!」ニコッ


駄目だ。言葉が通じない。
10 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 [saga]:2011/03/05(土) 02:06:41.52 ID:aCI9TYL10
やっと家に帰ったというのに頭が痛くなる。
溜息をつきながら自分の荷物を自室に片付けに行った後、二人の制服をハンガーに掛けてやった。


五和「コウちゃんやっさしー! 私達の教育の賜物だね!」b"!

香焼「五月蠅い。というかお前らどうやって入ったんだよ」ジトー・・・

浦上「決まってるじゃん。五和のピッキングだよ」サラッ・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?


五和「此処のマンション、電子ロックも付いた二重鍵だったから大変なのよ。香焼、もっと簡素にしなさいって」サラッ・・・

浦上「流石長崎のジ○=バレ●タイ●! お姉、恰好良い!」ヨッ!

五和「あはは。褒めるでない。何も出ないぞー」ワッハッハッ!


人それを、不法侵入という。


五和・浦上「「誰だオマエは!」」ビシッ!

香焼「喧しい。今から警察に電話するから黙ってろ」PiPiPi・・・

浦上「ちょ、身内から恥出ちゃうのよ! いいの?!」アタフタ・・・

香焼「まことに遺憾っす……残念だ」ハァ・・・

五和「……同志を売るつもりなの!! 姉ちゃん、そんな風に育てた覚えないとよ!」メッ!


自分も育てられた覚えは有りません。


香焼「そうだ。警察より上条さんに電話した方がいいかも」ア・・・

五和「すんませんでしたああぁっ!!」ズサァッ!!


見事なまでの土下座。浦上が見惚れて拍手をする程。
ヤレヤレと頭を掻き、とりあえず恰好を正すよう指摘した。それから散らかした部屋を片付けさせる。

数分後・・・・・完璧ではないが、ある程度部屋が元の形に戻った。


五和「んもー……コウちゃん、サディストなんだからー」ハァ

香焼「五月蠅い。対馬さんより優しいだろ」

浦上「あー……まぁね」ハハッ・・・


天草怖い人ランキング第1位……対馬姐さん。この二人も普段から頭が上がらない。
因みに優しい人ランキング第1位は諫早だ。

さておき、時計を見る。


香焼「もう7時なるっすよ。寮に帰らなくて良いんすか?」

浦上「アタシの寮、規則緩いもん。ルームメイトにも『弟の家行ってくる』って連絡したし」ヘーン

五和「私はアパート住みです!」ドヤッ!

香焼「ああ言えば、こう言う……」ハァ・・・


誰か助けて下さい。男の人がいいです。女性じゃ無理だコレ。
11 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 [saga]:2011/03/05(土) 02:44:07.57 ID:aCI9TYL10
余談だが、この街で天草式の移動手段は大きく分けて二つある。

一つは一般人と同様の移動。至って普通に歩道を歩いたり、公共機関を乗り継ぎする。
もう一つは魔術的移動。魔術的といえば大袈裟かもしれないが、ビルの屋上や地下道等、普通の人間がいない所を駆ける。

今回、二人は前者(バイク)で来たようだ。


香焼「……兎に角、遅くなり過ぎない内に帰れよ」テクテク・・・

五和「まぁまぁ。夕飯作ってあげるからさ。ね!」ニコッ

香焼「む……」ピタッ・・・

浦上「よっし! お姉の飯だ!」ヤッター!


満面の笑みを浮かべる馬鹿1号。腹立たしいが……大目に見てやる。

確かに、五和の料理は上手い。
食べたモノの十中八九がプロ級と言えるだろう。偶に変な創作料理をしなければだが。


浦上「じゃあアタシはお風呂淹れてくるねー」パタパタ

五和「任せたー。コウちゃん、冷蔵庫の中勝手に使うよー」ガチャッ

香焼「うん……ん?」アレ?


ちょっと待った。


香焼「……浦上」マテ・・・

浦上「はいはい」クルッ

香焼「何故、風呂を沸かす?」

浦上「何故って……シャワーでいいの?」ヘ?


そういう問題では無い。


香焼「……泊る気?」タラー・・・

浦上「さっきそう言ったじゃん」サラッ

香焼「言って無いっす」ジトー・・・

浦上「えー? お姉ぇ、言ったよねぇ」チラッ

五和「ルームメイトに『弟の家行ってくる』って伝えたんでしょー」カチカチッ・・・


それは『遊びに行ってくる』という意味じゃなかったのか?


浦上「だって明日土曜だし、問題ナッシングじゃない?」b"!

香焼「自分は土曜も学校だっつの」ハァ・・・

五和「うわぁ……ゆとり無いね……」アハハ・・・


理事校嘗めんな。殆ど自分の時間作れないんだぞ……だから家でくらい、一人で休ませてくれ。


五和「何でそんな学校選んだのよー。コウちゃんお馬鹿だねぇ」ハハハ

浦上「学園都市なのよ? 遊べる所選びなさいって。柵川中とか候補あったじゃない」

香焼「ッ!! テメェら……誰の所為で自分が理事校行くハメになったと思ってんだ道化姉妹がっ!!」ガアアァッ!

五和・浦上「「あるぇー?」」ポカーン・・・(・3・)??(・3・)ゞ


自分が理事校へ行く事になった由縁はコイツらの所為なのだが……それはまた別の機会にお話しよう。
12 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 [saga]:2011/03/05(土) 03:15:09.98 ID:aCI9TYL10
香焼「兎に角、泊るのは駄目!」

五和「えー……ご飯作っちゃってるよー」ブーブー・・・

浦上「良いじゃん別にー。邪魔する訳でもないし」

香焼「前泊めた時、お前ら朝まで騒いでたろ」ジトー・・・

五和・浦上「「……ヒューヒュー」」3〜♪


その時も無理矢理この家に泊った。
居間に布団を敷いて、缶チューハイ山ほど空けて……次の日の夕方まで寝てた。
二日酔いの世話をするのは自分だ、勘弁してくれ。この呑んだ暮れ未成年共。


浦上「ま、まぁ今回お酒無いし……静かに『モンバス(※)』してますヨ」アハハ・・・

五和「そ、そうね」アハハ・・・

香焼「……マジで騒いだら教皇代理と対馬さんに言うからな」ギロッ・・・


苦笑しながら首を縦に振る。

※モンバスとは……『モンスターバスター・ポータブル5G』の略称である。
学園都市の老若男女問わず、大人気のゲームソフト。自分が好きな『能力』を選んで、架空のモンスターを討伐していく狩りゲーだ。
通信で対戦・共同プレイが可能な為、一種のコミュニケーションツールとして活用される事も屡(しばしば)。

因みにこの馬鹿二人、最近では女教皇様まで巻き込んで狩りをしているらしい。阿呆共。
さておき、台所を見遣ると五和が既に献立を決めていた。


五和「えっと……豚の冷しゃぶサラダと、ナメコのお味噌汁でいいかなぁ」

浦上「もう一品!」オネガーイ!


図々しくも風呂場から叫ぶ馬鹿2号。


五和「うーん……コウちゃん、他に何か材料ある?」

香焼「野菜室に色々無い?」

五和「ん……ホウレンソウ……白和えに……ジャガイモは簡単にジャガバタか……」


よくパッと思いつく。料理の才能だけは認めてやってもいいだろう。。


五和「……OK。とりあえず準備するわ。ウラー。お風呂終わったら布団準備しといてー」

浦上「あいよー」


無駄に洗練された無駄なコンビネーション。


五和「コウちゃんも宿題あるんならやっちゃっていいよ。出来たら呼ぶから」

香焼「あ、うん……」


真面目にしてれば清楚な少女なのに……勿体無い奴。
まぁ上条さん(好きな人)の前ではちゃんと猫被ってるし、本人的には問題無いのかな、と苦笑した。
13 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 [saga]:2011/03/05(土) 03:45:37.16 ID:aCI9TYL10
 ―――とある日、PM07:45、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



香焼・浦上「「ごちそうさまでした」」ペコッ

五和「はい、お粗末さま」ペコッ


先程とは一転して、黙々と夕食を終える。大体20分くらいで食事を終えただろう。

天草式にとっては食事も鍛錬の一つである為、盛大に騒ぎながら飯を喰らう事など滅多にない。
ただしコレでも簡略化している方である。
この家では成るべく『オフ』の生活を送る。この3人(加え1名)で勝手にそう決めていた。


五和「さ、てと……食器洗っちゃお。ドッチかお風呂先入っちゃって」

香焼「自分は最後で良いっすよ。レポート終えてから入るから」

浦上「……」ジトー・・・


何やら変な目で自分を見てくる浦上。何事だ。


浦上「まさか……アタシ達の残り湯を……」ハッ!?

香焼「殴っていい?」ニコッ

五和「だ、駄目だよコウちゃん……いくら思春期真っ盛りとはいえ、姉ちゃん達をそういう対象に見ちゃ……」ドキッ!

香焼「歯ぁ食い縛れお前ら」ニコッ・・・


いつも順番なんて気にしてないだろうが。
この被害妄想モードに入った馬鹿二人に、どんな攻撃的な言葉を向けても、暴走は収まらない。


浦上「も、もしかして……私達が入っている途中に、侵入してきたりして……」キャー!

五和「た、確かに、昔は一緒にお風呂入って上げてたけど……もう、コウちゃん……良い年だし……」キャー!

香焼「何年前の話だ馬鹿女郎」ハァ・・・

浦上「『五和……ごめん。もう抑えられないっす!』ってな感じでえええぇー! きゃああぁー!」"レ(>∀<)ノシ”ベシベシッ!

五和「だ、駄目っ!! 私には心に決めた人がいるの! それに……間違ってるわ!! 姉と弟なのよ!!」(っ>ω≪)J|”キャー!

香焼「……勝手に言ってろ」テクテク・・・


トランス状態の二人を無視し、自室へ戻ろうと―――


 ピンポーン・・・・・


―――した瞬間、チャイムが鳴った。馬鹿二人が喧し過ぎて苦情が来たか?


香焼「はい、ドチラさまで?」ガチャッ・・・


居間にあるインターフォンモニターは使わない。後ろに失礼な身内が映ってしまう。
直接玄関に向かって、チェーンだけ掛けてあるドアを開いた。そこに居たのは……


神裂「こんばんわ」ニコッ


……一番偉いお姉さんだった。
14 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 [saga]:2011/03/05(土) 04:15:42.83 ID:aCI9TYL10
香焼「ぷ、女教皇様!?」ドキッ!

神裂「近くまで寄ったものですから、何をしているかと」


長い髪をポニーテールに括り、左右非対称のジーンズとデニムジャケットを着た奇抜な恰好。
更に腰にウエスタンベルト。そこに長刀(七天七刀)を携えて現れたのは、我らが天草式の女教皇様だ。
今日は、まるで似合わないスーパーのエコバックを持ち歩いてらっしゃる。


香焼「えっと……」タラー・・・

神裂「何か都合が悪かったですか?」フム?

香焼「い、いえ……ただ一報頂ければ、もう少し片付けておけたんすけど」アハハ・・・

神裂「ふふっ。そんなに気を使わなくても良いですよ」ニコッ


眩しい笑み。
気を使う使わないの問題じゃ無くて、部屋の中に『爆弾』が居るから入れたくないのだが。

ところがどっこい、まさかの発言をなさった。


神裂「五和から連絡を受けまして、是非遊びに来いと」

香焼「」

神裂「香焼、上がってもいいですか?」

香焼「」コクコク・・・


唖然と頷く。
女教皇様は『お邪魔します』と何処ぞの馬鹿共とは違い、丁寧に挨拶して部屋に上がられた。
荷物を受け取ろうとした際、女教皇様が『そうだ』と口を開いた。


神裂「香焼、夕食は済ませましたか?」キョロッ・・・

香焼「え……あ、はい」テクテク・・・

神裂「そう、丁度良かった……はい、御土産です」ゴソゴソ・・・


エコバックの中からゴトリと……メロンが飛び出してきた。
何故に、バックの中に直メロン?


神裂「貰い物です。土御門から渡されました」

香焼「そ、そうなんすか……」

神裂「3人で分けて下さい……ん? 五和と浦上は居間で何をやっているのですか?」キョトン・・・

香焼「い"っ……」ギクッ・・・


居間で身体をくねらせている阿呆二人(トランス状態)に気付いてしまったらしい……非常に拙い。
女教皇様は何の疑いも無く、二人に近づいて行った。


神裂「二人とも、何を―――」


浦上「『五和……いつも堂々とこんな恰好で……ホントは誘ってたんだろ、この大精霊さんめっ!』ってかぁオイ!」キャー!

五和「ち、違うの! この恰好は魔術的な意味合いで、その……駄目っ! 私達血は繋がって無くても家族なのよ!!」キャー!


神裂「―――」ボトッ・・・


手に持った長刀を落とした。そりゃ落としたくもなる……
15 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 :2011/03/05(土) 04:49:19.40 ID:aCI9TYL10
五和「あ、いや! そんな強引に……って、あれれ?」タラー・・・

浦上「『ホントはこうされたかったんだろ……なぁ』……ん?」タラー・・・

神裂「……こんばんわ」ゴゴゴゴ・・・


フリーズ姉妹。


五和「こ、ここ、これは、これは……か、カオリ御姉様……ご機嫌麗しゅう」アハハハ・・・

浦上「お、お早いお着きで……お荷物、御持ち、おいたしましょうか」ハハッ・・・

神裂「……正座」ジロッ・・・

五和・浦上「「ごめんなさいいぃっ!!」」ウギャアアッ!


ざまぁ見ろ。

それから暫く二人は女教皇様にしぼられていた。説教モードの女教皇様はかなり面倒臭い。
誰かが止めないと話をやめないのである。

時計の針が9時に近づいた所で、流石に止めに入る事にした。


神裂「―――……総じて悪乗りが過ぎます。香焼の歳を考えなさい。まだ中学1年なのですよ? 情操的にも――」

五和・浦上「「」」チーン・・・

香焼「あのー……女教皇様」コホンッ

神裂「――……はい。何でしょう?」チラッ

香焼「二人も懲りてますし、もう9時です。そろそろ」ン・・・

神裂「もうそんな時間でしたか……つい長くなってしまいましたね」フム・・・

五和・浦上((香焼ありがとおおぉっ!!))イエッスッ!


半ベソ笑顔の二人。良い薬だ。
最後にと女教皇様が謝罪を促し、お馬鹿騒動は終了。まったく疲れる話だ。


五和「ふぃ……足痺れた……」クラッ・・・

浦上「もう布団敷いて良い?」ハァ・・・

香焼「女教皇様がメロン持ってきてくれたっすよ。食べてから布団敷け」ホラッ

五和「女教皇様のベリーメロン?」ジー・・・


オマエは、何を言っているのだ。


神裂「五和……もう少し、お話が必要ですか?」┣¨┣¨┣¨┣¨・・・

五和「あ、あははは。じょ、ジョークですよ。いっつぁじょーく」タラー・・・

浦上「ほ、ほら。今切ってきますから、皆で食べましょう!」アハハ・・・

五和「か、カオリ姉様も食べますよねー。座って座って」ニコニコ・・・

神裂「むぅ……では、頂きましょう」フム・・・///


何故か軽く頬を染める女教皇様。この人は何故か『姉』扱いされると喜ぶ。存外単純な人だ。
馬鹿二人も調子に乗るから早く何とかしてほしい。
16 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 :2011/03/05(土) 05:15:00.95 ID:aCI9TYL10
一寸後、4人でテーブルを囲み談笑しながらメロンを食べていた。
折角女教皇様が居るので、今は噛む回数などは気にしない。

このまま平和な一時が過ぎ去れば良い……しかし、その考えは完熟メロンより甘かった。


浦上「そういえば、カオリ姉さんも泊るの?」

神裂「え?」キョトンッ

香焼「ゲホゲホッ!! おま……何だって?」タラー・・・

五和「そうだね。またモンバス大会しましょうよ」ニコッ


貴様ら、こっちの都合もお構い無しに……


神裂「うーん……明日の予定は……午前中は無いですね。大丈夫ですよ」ニコッ

五和・浦上「「やっほーぅ!!」」ワーイ!

香焼「ちょ、待てぃ……自分、明日学校って言ったろ」アタフタ・・・

五和「だから大人しくモンバス大会って言ったじゃん」ブーブー!


絶対無理だ。
3人一緒に泊る時は必ず宅呑み会場と化す。女教皇様も自制が外れるから厄介。


香焼「ハァ……絶対騒がない事。酒飲まない事」ジトー・・・

神裂「大丈夫、私がさせません!」キリッ!


貴女が毎度毎度、一番言い包められてるんでしょうが。


浦上「心配しなくてもいいよ。それに……ちゃんと朝起こしてあげるから。3人で」ニヤッ・・・

香焼「……勘弁してくれ」ハァ・・・


以前、『コウちゃーん……気持ち悪いよぉ……うっぷ』という具合に起こされた事が有る。最悪の目覚めをありがとう。
さておき、泊ると言い出したら何を言っても無駄なので次の行動に移る事にした。


香焼「じゃあ、女教皇様。先にお風呂どうぞっす」

神裂「え」キョトン・・・

浦上「香焼……アンタ」ジトー・・・

香焼「まだ、言うか?」ギロッ・・・

浦上「……うぃ」サーセン・・・


女教皇を指し置いて、一、教徒が風呂に入ることなどできない。それだけの話だ。
そう。それだけの話なのに……


3姉妹『……』ジトー・・・


何故か座った目で見詰められた。
17 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 :2011/03/05(土) 05:51:12.46 ID:aCI9TYL10
神裂「香焼……確かに教徒としては正しい判断です。しかし……」ジトー・・・

五和「あのねぇ、コウちゃん。この家の中では身分無しって約束でしょ!」ジトー・・・


何時、誰が、何処でそんな決まり事を作ったのだ。
お前らが勝手に作ったルールだろう。しかも此処は自分の家だ。そんなもの適用されない。


浦上「加えてカオリ姉さんの事、いつまで経っても『姉さん』って呼ばないしさ」ジトー・・・


自分はお前ら二人も姉と呼んだ覚えは無いぞ。


五和「もしかして……コウちゃん……まさか……」ハッ!

香焼「何すか……」

五和「御姉様の事……嫌いなの?」

香焼「はぁ?!」

神裂「え……そうなの……ですか」シュン・・・

香焼「ちょ、ま、ぷ、女教皇様!!?」ドキッ!


マジで落ち込んでる偉い人。
嫌いな訳無かろう。自分達の教皇を嫌う教徒が何処に居る。


浦上「また教徒とか立場とか……『神裂火織』は如何なのって聞いてんの!」ジロッ

香焼「な……おま……」アタフタ・・・

神裂「……」... (´;ω;`)ショボーン

香焼「ぐぅ……」タラー・・・


どうしてこうなった……


五和「コウちゃん……姉ちゃんは目上に対する偏見を持つよう育てた覚えはありませんよっ!」メッ!

香焼「違ぇよ! じゃなくて、その……女教皇様?」ダラダラ・・・

神裂「私の事……嫌いですか?」・・・ (´っω;`)ショボーン


卑怯です。助けて幻想殺し。


香焼「あの、えっと、だから……嫌いな訳無いですよ。こう、親身になって相談に乗ってくれたり、真剣に説教してくれたり……」アワワ・・・

五和・浦上「「……」」ニヤニヤ・・・

香焼「よく『一、姉として』って仰ってますけど……ホント、最近では身近な感覚が……って、え?」キョトン・・・

五和・浦上「「……」」プッ・・・

神裂「ふふふっ……冗談ですよ。すいません香焼。だけど私の事を『姉』と呼んでくれれば尚嬉しいです」クスッ

香焼「む、無理、です……」カアアァ・・・///


畜生。どうやらまんまと一杯喰わされた。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 05:55:26.52 ID:OdzEl2fAO
>>7
乙乙
@香焼の一人称……『オレ』or『僕』、どっちがいい?

オレ

A出して欲しいキャラは?

天草といったらのよなさん、英国といったらアニェーゼをお願いしちまいますね
19 :第1話――香焼「お前ら出てけぇっ!!」 :2011/03/05(土) 05:55:38.82 ID:aCI9TYL10
コイツら絶対姉と呼んでやるものか! 心の中でそう誓った!
その直後―――


五和「くっ……私の弟がこんなにツンデレなわけがない」2828・・・

浦上「ぷっ……お姉ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」2828・・・


―――図に乗る馬鹿共。コイツら……






香焼「お前ら出てけぇっ!!」ガアアァッ///






3姉妹『テレ隠しだ……真っ赤っか』ニヤニヤ・・・


結局、夜遅くまで馬鹿(申し訳無いが女教皇様含む)共にからかわれ、次の日遅刻した。

……建宮さんにお願いして、アイツら入室禁止にしてもらおう。
20 :>>1 :2011/03/05(土) 06:01:37.44 ID:aCI9TYL10
はい、一話終了。引き続きアンケとリクエスト御協力お願いします。


@香焼の一人称……『オレ』or『僕』、どっちがいい?

A削板の年齢って、中学生くらいじゃ変?

B出して欲しいキャラは?

C何かやって欲しい設定・シュチュエーション等々、リクエスト募集します。


それでは感想質問意見罵倒等々もよろしくお願いします。以上! ではまた次回ー! ノシ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/05(土) 08:35:55.40 ID:C44/B3MAO
先輩の人か
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 09:39:43.83 ID:LY5eoBVDO
五和のくだけっぷりにワロタ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 14:49:07.03 ID:ALaZmWcDO
乙!

>>20
@僕っ子
A任せる。高校生にも見えるし、中学生にも見える。
BC好きにやれー。でも絹旗、結標の絡みはみたい!

まぁ似て非なるモノとしてみるが‥‥エロは?(チラッ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 15:40:15.80 ID:rtC2DWij0
期待過ぎて生きるのがつらいです>>1乙です


>>20
@あえて俺といきたいところだが僕でb
A変に感じるけどそのギャップがいいんじゃないかと!
Bアイテムメンバーとの絡みとか新鮮な気がするので期待
25 :>>1 [saga]:2011/03/05(土) 23:31:54.03 ID:aCI9TYL10
こんばんわ。今日も小話投下……の前にレス返信。


>>8
一人称の使い分けは恰好良いね! ステイルくんには色々、頑張って貰うよ(ニヤッ・・・

>>21
はて・・・誰かなw?

>>22
キャラ崩壊注意!

>>23
絹旗は今回出しちゃいます。あわきん未定。あと私、エロっちぃのは書いた事無いから……

>>24
みんな僕っ子好きだね。でも香焼を僕っ子にすると……理樹にゃんになっちゃうイメージがw


ついでに、今回の登場キャラ設定!


<主な登場人物A>

・絹旗最愛……準レギュラー的ポジションかも。そのうち『カミやん病』患者の被害者になる……かもしれない。アニメはまだ出てない。
        超学生(中学1年)。能力は「窒素装甲(オフェンスアーマー)」の大能力者(レベル4)。「暗闇の五月計画」の被験者。
        呼称は……絹旗、きぬはた、最愛、もあい。

        学園都市暗部『アイテム』所属。学校は「霧ヶ丘女学院中等部・特別学級」。中学校には名前を置いているだけ。
        「置き去り(チャイルドエラー)」出身。性格は人見知りだが、仲良くなると面倒見が良くなる。
        アイテムの中では比較的常識人だが、B級映画等、人には理解されにくいモノが好きという不思議な感性を持っている。
        仕事中はキャリア顔負けの冷静さ。しかし日常生活では基本アイテム以外の人間には懐かない。
        ただし年下や動物など、純粋で慾の少ないモノに対しては幾らか心を開く。(以下追々付け足していきます)
         

という訳で、今回はモアイちゃんの出番です。よろしくっ!
26 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 00:10:17.74 ID:w1T0pmTu0
 ―――とある日、PM07:30、学園都市第7学区、とあるイカレ自動販売機在中の公園・・・・・



雨が降っていた。

秋の小雨は異様に冷たく、体力をガリガリ削って来る。
自分―――香焼は、平日のこんな時間、人気の無いこの公園へと足を運んでいた。
何故こんな馬鹿げた行動をしているかというと、理由は単純。仕事……というより『お使い』である。


香焼「態々雨の中、第7学区まで走らせるとか……何考えてるんすか」ハァ・・・


この日も夕方遅くまで学校に缶詰。グダグダと雨の中、家に帰る。
部屋の鍵を開け早くシャワーを浴びようと荷物をソファに置いた―――刹那、ふとこの置手紙の存在に気付いた。

内容は、タイプ字で……『この袋を第7学区の○○公園まで持って行け。時間は今日の20時だ。確実に持って行け、コウちゃん』と書いてある。
自分は即行で馬鹿1号に電話した。


<回想>


 ――Prrrrr・・・・・


五和『はいはい。どうしたのー?』Pi!

香焼「おい、何だこの袋」

五和『なっ!!? ……何の事カナ?』タラー・・・

香焼「……ざけんな」イラッ・・・


オマエ以外に『コウちゃん』と呼ぶ阿呆はいない。


五和『ミスったあああぁっ!!』ガーン・・・

香焼「喧しい。いいからこの袋、何なのか教えろ」ハァ

五和『くっそぉ……折角態々プリンターまで使ったのに……』グゥ・・・


詰めが甘いぞ、馬鹿女郎。


五和『えっと、それね……建宮さんからの頼まれモノ』

香焼「教皇代理からの?」

五和『うん。ICカードとか雑貨とか、色んなモノ入ってると思うんだけど……それ渡しといて』

香焼「渡す? 誰に?」

五和『……』タラー・・・


口籠る五和。


五和『……ステイルさん』ボソッ

香焼「は? ステイルに?」ヘ?

五和『うん。渡しといて』


何か腑に落ちない……どうして、自分が?
27 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 00:30:55.95 ID:w1T0pmTu0
香焼「オマエが頼まれたんじゃないんすか?」ジトー・・・

五和『うっ……だってぇ……』タラー・・・


人に仕事押し付けやがって。


五和『私……あの人、苦手なんだもん』

香焼「……は?」ポカーン・・・

五和『コウちゃん、ステイルさんと仲良いでしょ。お願い!』パンッ!


苦手って……それだけの理由で仕事を放棄したのか?


五和『……お願い』ボソッ・・・

香焼「……ったく」


物は自分の目の前にある。今更取りに来て渡せと言っても、二度手間だ。しょうがない。


香焼「今週の潜入レポートの作成、手伝えよ」ギロッ

五和『えぇ……』ヤダー・・・

香焼「じゃあ無視する。教皇代理に怒られろ」フンッ

五和『わ、分かったよぅ! ……ケチ』ボソッ・・・


何か言ったか?


五和『な、何でも無い! じゃあ宜しく!』Pi!

香焼「おい! ……切りやがった」ハァ・・・


現在の時刻は6時半くらい。確か第7学区方面行きのバスは、今日はもう来ない筈。
仕方ない……散歩がてら走って届けるか。


 <回想終了>


―――……という理由で今に至る。


香焼「しかし……ちょっと早く着き過ぎちゃったっすかね」ハァ・・・


途中から折り畳み傘を開き歩いたのだが、まだ7時半だ。
何処かのコンビニにでも寄って時間を潰せば良かった……そう考え、一度公園を突っ切ろうとした時だった。


香焼「……女の子?」ジー・・・


ポツンと光る自動販売機の下に、人がしゃがんでいる。
傘もささず、何だか不気味だったが……よくよく見る。すると自販機の下を覗き込んでいる事に気付いた。
多分、お金を落としたのだろう。

無視は出来ない。


香焼「救いの手を……ってね」テクテク・・・


どんなに小さくても、人助け。誰に褒められる訳ではないが、己を褒めてやれる。
そういう『教え』だ。
28 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 01:09:49.08 ID:w1T0pmTu0
香焼「君」テクテク・・・

??「っ!!」ビクッ!


女の子の方に歩み寄る。自分より少し小さいくらいの少女だ。


香焼「どうしたの?」

??「あ、えっと……その……」アタフタ・・・

香焼「……もしかしてお金落としたとか?」

??「え、あ……はい。財布ごと」コクッ・・・


器用な落とし方をするものだ。
自分はちょっと退いてと少女を促し、傘を畳んで柄の部分を使い、財布を引っ張り出してやった。


香焼「はい、どうぞ」ニコッ

??「あ、ありがと……」コクッ


しかしこんな小さな子が、夜中雨の中一人とは感心できない。


香焼「君、一人? もしかして迷子? だったら風紀委員(ジャッジメント)の詰め所まで案内するけど」

??「……そんなに子供じゃありません」ムッ・・・

香焼「あはは。そっか。そうだね」


小学生高学年くらいであろう少女は、可愛らしく頬を膨らませた。
『そこ退いて下さい』と睨まれ『武蔵野ホットミルク(缶)』と書かれたジュースを購入。それ、美味しいのだろうか。
そして自分を見向きもせず、トコトコと歩き出す。例の一つもなく帰るとは……悲しいモノだ。


香焼「……ん?」チラッ


と、思いきやゴソゴソと茂みの方に入って行った。


香焼「ちょ……何処行くんすか?」アタフタ・・・

??「……」テクテク・・・


無言で突き進む少女。まさかホームレス少女という訳ではあるまい。
どうにか止めなければと後を追うと、一寸先で止まった。丁度大きな木陰となる場所。雨は当たっていない。

そこには……


ぬこ「みー」

香焼「……猫?」キョトン・・・

??「……」スッ・・・


ダンボールに入った泥んこ子猫がいた。ダンボールには、どうも御丁寧に『育てて下さい』と書いてある。
そんな事をするくらいならペットを飼うなと、憤りを感じる典型的な例である。

さておき、少女は先程買ったホットミルクを飲ませようと猫の前にしゃがみ込んだ。
淹れる器など無い。ダンボールの内側、布の無い部分にチロチロとジュースを垂らした。


??「……飲みました」ナデナデ

ぬこ「みゃー」


ペロペロと水溜りになったミルクを舐める子猫。
しかし、実際の猫に牛乳を飲ませたら腹を下す。如何したものか……やはり告げるべきだろう。
29 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 01:28:03.92 ID:w1T0pmTu0
香焼「……猫に牛乳飲ませちゃいけないっすよ」

??「え……そうなんですか?」キョトン・・・

香焼「お腹壊しちゃうからね」


『そうなんだ……』と表情を翳らせる少女。困ったもんだ。


??「どうすればいいんですか?」チラッ

香焼「やっぱりちゃんとした餌だろうけど……」


その前に大事な事を聞かねば。


香焼「君、その猫飼うの?」

??「え」ビクッ・・・

香焼「飼うなら色々教えるけど……飼わないなら、申し訳無いけど……」

??「……放っておけと」

香焼「うん……」コクッ・・・


残酷だが、そうするしかあるまい。
運良く生き延びれば、清掃業者が保健所に報告してくれるかもしれないし、誰かが飼うかもしれない。

少女は悲しそうに、無言で猫を撫で続けた。


??「……お前、死んじゃうって」シュン・・・

ぬこ「み?」キョトン・・・

??「ははは……言っても分からないですよね……」ナデナデ・・・

香焼「……」ジー・・・


何だか虚しくなってきた。ふと、少女が呟く。


??「アナタは飼えない?」ジー・・・

香焼「え? うーん……」


ペット禁止のマンションではないが……ペットを飼おうだなんて考えた事無い。
しかし、この少女の悲しげな顔を見ると首を横に振れなかった。


香焼「……飼い主が見つかるまでなら、置いてあげられる」ハァ・・・

??「ほ、本当ですか!?」パアァ!

香焼「あくまで、飼い手が見つかるまでっすけどね」ポリポリ・・・

??「あ、ありがとうございます! 良かったな、オマエ!」ニコッ!

ぬこ「にゃー」グシグシ


まったく、ただでさえ面倒な雌猫がでいりしてるというのに、また増えてしまった……対価(メリット)はこの子の笑顔と、猫の寿命延長。
我ながら馬鹿な御人好しだと思う。
30 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 01:52:26.75 ID:w1T0pmTu0
 ―――とある日、PM07:45、学園都市第7学区、とあるイカレ自動販売機在中の公園・・・・・



それから猫をダンボールから取り出し、さっきの自動販売機前まで戻った。
泥だらけのままでは可哀想なので、ステイルに渡す雑貨の中から勝手にタオルを取り出し、身体を拭いてあげた。
ついでにあんパンも取り出し、餡の無い部分だけを子猫に与える。
ポロポロ溢しながらではあるが、一生懸命食べていた。碌に何も口にしていなかったのだろう。

少女は無言で猫を凝視していた。


香焼「とりあえず、座る?」

??「……」コクッ


濡れたベンチを二人分座れるようタオルで拭き、チョコンと腰を下ろす。
そして先程から猫が気になってしょうがない少女に、そっと渡した。


??「……にゃー」

ぬこ「にゃー」

香焼「……ぷっ」クスッ

??「あ……べ、別に良いじゃないですか!」カアアァ・・・///

香焼「駄目とは言ってないっすよ。でも、そんなに好きなら飼えば良いのに」

??「私は……世話になってる立場なので、猫飼いたいだなんて、言ないんです」シュン・・・

香焼「……そっか」


人それぞれ事情はある。深くは聞かない。
とりあえず傘を少女と猫に被せ、簡単な質問をした。


香焼「そういえば、どうしてこんな時間に公園に? 最終下校時間は過ぎてるけど」

??「学校行ってませんから、そんなの関係有りません。映画見に行った帰りに、この公園突っ切ろうとしたらこの子の鳴き声が聞こえました」

香焼「えっと……」


ツッコムべきか、ただ頷くべきか。


香焼「君、家出娘なの?」

??「家出娘って……この学園都市で親と暮らしてる人間こそ、そんなにいないでしょう」

香焼「まぁ、そうだけどさ……何て言うか……」ポリポリ・・・

??「超成績優秀生なんです。私、大能力者(レベル4)ですから学校なんか行く必要ありません」エヘンッ

香焼「へぇ、大能力者かぁ。凄いなぁ」ヘー・・・

??「……信じてないですね」ジトー・・・


小学生の大能力者なんて、そうそういないだろう。しかも学校行ってないのに高位の能力者だなんて、信じられる訳が無い。
31 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 02:19:26.21 ID:w1T0pmTu0
自分の棒声に腹立ったのか、語気を上げて少女が喰いついてきた。


??「っていうか、小学生相手にそんな超嘗めた口聞かれたくないんですけど」ジトー・・・

香焼「……」カチンッ・・・


コイツは、言ってはならない事を……
自分の中で『身長』と『信心の自由』を馬鹿にされるのは、最も嫌いな事だった。


香焼「あのね……残念ながら自分は中学生っす」フンッ

??「はいはい。そーですねー」ヘー

香焼「君こそ、小学生なのに夜遅くまで出歩いて身内に迷惑掛けるっすよ」ジトー・・・

??「なっ!! ぐぬぬ……私は超学生です……」ギロッ・・・

香焼「何だよ超学生って」ハイ?

??「間違えました。中学生なんです! 学校には通ってませんけど……でも中学生です!」


意地を張る自称中学生女子。
此処は年上の貫録を見せるしかないなと、財布から生徒手帳を取り出し、少女に見せ付けた。


??「あ、ホントに中学生なんですか。しかも『▲▲▲学院』って……理事養成(エリートキャリア)校」キョトン・・・

香焼「フンだ。自慢したい訳じゃ無かったすけど、そういう事っす」

??「ぐぬぬ……じゃあ私も」ゴソゴソ・・・


先程拾ってやった財布をバリバリ開き、学生証らしきICチップ付きカードを見せてくる少女。


??「ほら!」ドヤッ!

香焼「えっと……」ジー・・・


 ――『霧ヶ丘女学院中等部:一学年特別学級……絹旗最愛』――


香焼「霧ヶ丘……特殊能力(レアスキル)なんだ」

絹旗「えっへん! そうです、超凄いんです!」ニコッ!


霧ヶ丘女学院。名門の御嬢様校だ。
常盤台に並ぶ名門で『奇妙・異常・再現するのが難しい』イレギュラー的な能力者の開発のエキスパート校である。

ただし、潜入任務として都市内に入り込んでいる天草学徒からすればあまり良い評判はない。
後援(バック)にある霧ヶ丘付属研究所は『宜しくない研究』を多々行っているからだ。


香焼「成程、大能力者ってのも嘘じゃ無かったんすね」キョトン・・・

絹旗「そう言ったでしょう。驚いたか、香焼とやら!」フフーン!

香焼「ま、まぁね……」アハハ・・・

ぬこ「なー」スリスリ


ニヤニヤと天狗になって、猫を撫で続けているいる絹旗少女。
……何だか、ローマ正教所属の虐めっ娘シスターに似ているなと考えてしまった。
32 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 03:01:07.27 ID:w1T0pmTu0
ふと公園中央の時計を見る。もう少しで8時だ。
この子は何時まで此処に居るのだろうか。


香焼「君、帰りはどうするの?」

絹旗「迎えが来ますよ。もう少しで来ます」

香焼「そっか。良かった」

絹旗「そういえば――は、なんでこの公園に?」


・・・・・


香焼「……え?」キョトン・・・

絹旗「だから――は何故この公園に居るんですかって」


そこで自分が呼ばれている事に気付く。
名前で呼ばれるのは大分久しぶりだ。一瞬マジで分からなかった。


香焼「自分は待ち合わせっすよ。8時くらいに……友人(?)が来るっす」

絹旗「あはは。こんな時間に待ち合わせなんて、大概不良ですね。――は」クスッ

香焼「君も人の事言えないだろう……あと、出来れば苗字で呼んで欲しいっす」


恥ずかしながら、自分が呼ばれている事に気付けない。


絹旗「どうしてです? あ、もしかして『見知らぬ女に名前を名前を呼ばれるにゃ早過ぎるぜ、ベイベ』とか思ってます?」

香焼「何だそれ……いや、名前で呼ばれ慣れてないんすよ。ハッと気付けない」

絹旗「へ? ……超変なの。ねー」

ぬこ「なー」


我ながら変だと思う……が、仕方あるまい。
きっと魔女の仕業だろう。次元が歪んでそうさせているんだ。うん、そうに違いない。


絹旗「分かりました。香焼(こうしょう)ですね。じゃあ私も『君』じゃなくて名前で呼んで下さいよ」

香焼「コウショウじゃなくて『コウヤギ』って読むんすよ。まぁ難しいけどね」


九州出身であれば話は別だが、初見の人間には分からないだろう。


絹旗「九州ですか。えっと……確か日本の下の方ですよね」ウーン・・・

香焼「南って言おうよ」アハハ・・・

絹旗「う、五月蠅いですね……社会弱いんですよ……」グゥ・・・

香焼「あはは。さっき君、成績優秀性って言ってたじゃないか」クスッ

絹旗「別に何かに超特化してれば問題ありませんよ。理数が出来ればこの街で生きていけます。社会なんて将来役に立ちません!」フンッ!


なにその霧ヶ丘的(超偏屈)思考。てか生きて行くだけなら社会『が』必要だろうに。


絹旗「それよりまた『君』呼ばわりですか? 名前覚えてます?」ジトー・・・

香焼「あ、ごめんごめん。えっと……」


確か……絹旗最愛。きぬはた……さいあい?
33 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 03:35:16.19 ID:w1T0pmTu0
香焼「絹旗……」ボソッ・・・

絹旗「はい」コクッ・・・


そこで言葉を止めた。

待て待て『さいあい』なんて名前有り得るのか?
いや、無くは無いかもしれないがストレート過ぎる。きっともうちょっと名前っぽい名前だろう。

もあい、もちか、もえ、もなる、もまな、さいえ、さいな……候補はこれくらい。更に絞れば『もえ』か『さいな』だと予想。


香焼「……もえ?」チラッ

絹旗「はい? 萌え?」キョトン・・・


違うらしい。じゃあ……


香焼「さいな」

絹旗「へ? 香焼、さっきから何言ってるんですか?」


悉く外れらしい。ということは……


香焼「じゃあ絹旗……さいえ?」フム・・・

絹旗「……」ポカーン・・・

香焼「もちか、かな?」ウーン・・・

絹旗「……ああ、名前ですか」ポンッ

香焼「もなる、か?」エット・・・

絹旗「サイアイ、です」サラッ


何か言ってるが、正解じゃないらしい……何だろう?


香焼「絹旗……最愛(もあい)?」チラッ・・・

絹旗「サイアイちゃんですっ!!」ガアアァッ!

香焼「え」キョトン・・・

絹旗「キ・ヌ・ハ・タ・サ・イ・ア・イぃっ!! 最も愛するで『サイアイ』ちゃんっ!! モアイとか言うなっ!!」ギロッ!!

ぬこ「なぅ!」シャー!

香焼「ご、ごめんなさい」タラー・・・


耳元で怒鳴られた。どうやらストレートで正解だったらしい。残念。


絹旗「さっきから何言ってるかと思ったら、名前当てしてたんですね」ハァ・・・

香焼「あはは……素直に聞けば良かったね。ごめんごめん」

絹旗「もう……でもモアイ以外で呼ばれたのは初めてですね。よくパッと出てきます」

香焼「まぁ文系人間だから、ね」クスッ

絹旗「成程。私とは逆のタイプって事ですか」クスッ

香焼「そうかもね……でも良い名前だと思うよ。最愛」ニコッ

絹旗「っ!! あ、ありがと……」ポッ・・・///


照れてしまった。存外、この子も名前で呼ばれ慣れてないタイプなのかもしれない。
34 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 04:45:32.42 ID:w1T0pmTu0
 ―――とある日、PM08:00、学園都市第7学区、とあるイカレ自動販売機在中の公園・・・・・



それから暫く、二人で話をした。
といっても、彼女が一方的に話をしてきたので自分は聞き役に回るだけ。
それでも楽しそうに話すこの子を見ているだけで、何故か嬉しかった。


絹旗「―――……そしたら皆して私の事『小学生だろ』って。超失礼しちゃいますよ!」プンスカ!

香焼「ははは。それは同意する」クスッ


お互い見た目が幼い故に、同じ苦労をしているらしい。
さておき、話を聞く限りだと、この子にも友人と呼べる人達がいるようだ。


絹旗「ううん。その人達は……仕事仲間、かな」ボソッ

香焼「……仕事仲間?」エ?

絹旗「あ、いや、何でもありません! えっと仲の良い『バイト』仲間って感じなんですよ」アハハ・・・

香焼「自分と同い年なのにバイトしてるんすか。偉いっすね」

絹旗「そうなの、かな……私……」ハハ・・・


何処となく、悲しい笑顔。

余談だが、バイトではないにしろ自分(潜入学徒)にはある程度の給金が入っている。
任務として都市に入っている以上、必要経費と学費、それから余暇を有意義に過ごせる分の額は振り込まれていた。
ただし自分の場合は学校が忙しくて遊ぶ暇が無い為、かなりの貯蓄が溜まっている。

自分で言うのも何だが……灰色の青春とやらかもしれない。畜生め。


香焼「……学校の友達は?」

絹旗「……学校は、一定の研究レポートを提出すれば問題無く卒業できますから……友達なんて、いませんよ」

ぬこ「にゃー」スリスリ・・・

絹旗「ふふっ……オマエは友達かな?」クスッ・・・

香焼「……」


自分は馬鹿だ……何が灰色の青春だ。この子は真っ黒そうじゃないか。


絹旗「……良いんですよ、別に。生きているだけでも幸せなんです」

香焼「そんな事……」

絹旗「あはは……ついでに不幸自慢しちゃうと、私、『置き去り』出身なんです」


置き去り(チャイルドエラー)……学園都市における社会現象の一つだ。所謂、親による子供の『捨子』行為。
原則、入学した生徒が都市内に住居を持つ事となる学園都市の制度を利用し、入学費のみ払って子供を寮に入れ、その後に行方を眩ます行為。
親による養育拒否のケースもあれば、親が死亡・蒸発してしまうケースもある。

ただ学園都市には置き去りにされた子供を保護する制度が存在するが、それを逆手に取り非人道的実験を行う研究チームも存在するという。


絹旗「親の顔なんて知りません。施設も碌なとこじゃなかったから、友達なんて……」フフフ・・・

香焼「……ごめん」シュン・・・

絹旗「どうして謝るんですか? 私の不幸自慢って言ったでしょう」クスッ

ぬこ「なー」

絹旗「……この子と同じなんですよね。貴方がこの子を一時的に助けてくれたように、私も都市に助けられた」


最愛は『そんなもんですよ、世の中は』と猫を撫で続けた。

言葉が……出なかった。
35 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 05:11:40.22 ID:w1T0pmTu0
それから暫く無言が続いた。
ふと最愛が自分の携帯を取り出し、画面を見る。どうやらメールが入っていたようだ。


絹旗「あー……そろそろ行きますね。迎え来てたみたいです」スッ

香焼「あ、うん」スッ


笑顔で子猫と傘を自分に渡す。何処か寂しそうだった。


香焼「傘、持ってっていいよ。濡れるっす」

絹旗「濡れませんよ。私の能力です」クルクルッ


そういえば……始め見た時も濡れてなかったかも。
その場で一回転してみせる最愛。確かに衣服の表面上で水が弾いているようだった。
特殊能力者らしいし、きっと大気操作系か水力使いの能力なのだと思う。


絹旗「そんなとこです……ま、今日はありがとうございました。その子の事、超よろしくお願いしますね」スタッ・・・

ぬこ「みー」

香焼「最愛……」

絹旗「……バイバイ」ニコッ・・・


手を振り、公園の出口へ駆けていく『独り』の少女。これで、良いのかな……


香焼「良くない……よね」ハァ・・・


同情では無い。
ただ、己を救われないと勘違いしている子を捨て置く様な『教え』を、自分は受けた覚えはない。


香焼「最愛っ!」オーイ!

絹旗「……え」ピタッ

香焼「……また、会える?」ニコッ

絹旗「へ?」キョトン・・・

香焼「また会ってくれるかなって」

絹旗「な……っ」///


目を丸くし、口をあんぐり開け硬直する最愛。そんなに驚く事だったのだろうか。
36 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 05:28:34.86 ID:w1T0pmTu0
自分は立ち止まる最愛の下まで歩み寄り、話を続けた。


香焼「今度会う時まで、子猫(コイツ)預かってて上げるからさ。またお話、してくれるかな」

絹旗「……いいの?」チラッ・・・

香焼「うん、大丈夫っすよ。任せて」ニカッ

絹旗「で、でも……何だか超申し訳無いです……」モジモジ・・・

香焼「……じゃあ、自分が最愛と話をしたいから、そのついでにこの子も連れていく。これでいいでしょ?」ニコッ

絹旗「あ……う、うん……わ、分かりました! そ、そこまで言うなら、仕方ないですね! また会いましょう!」ニコッ・・・///

香焼「うん」クスッ

ぬこ「にゃんっ」パタパタ!


そして自分達は連絡先を交換した。
それから『またね』と再会の約束をし……今度こそホントの笑顔で、お別れをした。


香焼「……良い子、なんだけどね」クスッ・・・

ぬこ「なぁ」スリスリ・・・


彼女が見えなくなって一寸後、自分は子猫を抱えてベンチへ戻った。


香焼「置き去り、か……しかも学校に行ってないなんて。何して過ごしてるんだろう……」ムゥ・・・


これも学園都市の悩みの一つ。理事校の『都市政経』の授業で習った事を思い出す。
深くは追求しなかったが、もしかして過去に非人道的な扱いを受けていたのかもしれない。
世の中には金欲しさで、支援金を横領する為だけに、施設を建てる輩もいるからなぁ……嫌な社会だ。

色々物思いに耽りながらベンチに戻る。
そこで、とても重要な事を気付いた。『気付かされて』しまった。


香焼「あ」ピタッ・・・


ベンチに……大男が座っていた。傘もささず、曇天を仰いで煙草を吹かしている。


ステイル「……」フゥ・・・


完璧、忘れてた。
37 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 05:59:19.67 ID:w1T0pmTu0
ステイル「ハァ……びしょ濡れだ」ガサッ・・・

香焼「うっ……」タラー・・・


自分がベンチに置きっ放しにしていた袋を持ち上げてみせる不良神父。


ステイル「君はお使いも碌に出来ないのかな? 香焼くん」ジトー・・・

香焼「ぐぅ……ごめん」ペコッ

ステイル「まったく……ICは無事だったから良かったモノの、差し入れは殆ど死んでる」ガサゴソッ

香焼「……申し訳無いっす」フカブカー・・・

ぬこ「にゃー」


傍から見れば、ガラの悪い兄(あん)ちゃんが小さい子を虐めている様に見えるかもしれないが、これでも一つ違いだ。
英国清教の中で数少ない年の近い同性の人間である。

コーヒー奢れと睨まれたので、素直に応じ、ブラックコーヒーと自分の分のカフェオレを購入した。


香焼「はい、どうぞ」スッ

ステイル「ん……喫うかい?」スッ・・・


煙草を指し出してくる阿呆。


香焼「未成年っす」ジトー・・・

ステイル「知ってる。一本どうだ?」ホレ

香焼「……いらない」ハァ・・・


自分は長い時間を掛けて自殺する気なんかサラサラ無いのだ。


ステイル「肺癌で死ねたら本望だよ……それより……飼うのかい?」チラッ

香焼「え? あ、えっと……預かるだけ」ナデナデ

ぬこ「みゃぅ」

ステイル「……御人好し」フゥ・・・

香焼「お褒めに預かり光栄で」アハハ・・・

ステイル「しかしまぁ……君も隅に置けない奴だね」ニヤッ・・・

香焼「はい?」

ステイル「さっきの娘だよ」ニヤニヤ


見てたのか。意地の悪い奴め……
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 06:05:03.63 ID:jH3Rm9YAO
五和がウラーとか言うとジェロニモごっこしてるみたいでちょっと笑える
39 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 06:29:22.17 ID:w1T0pmTu0
香焼「この出刃亀野郎……いつから見てたんだよ」ジトー・・・

ステイル「二人で仲良さそうにベンチでお話なさっている所からでございますよ、坊ちゃん」ニヤニヤ・・・

香焼「ぐぬぬ……」

ステイル「まったく、使いも忘れて……ICが壊れてたら如何するんだい?」

香焼「……だから悪かったろって」

ステイル「まぁあと煙草一箱分で許してやるよ」


足元見やがって……


香焼「ハァ……それでそのカード何なんすか?」

ステイル「とある書類データだよ。君が深入りする必要はない」

香焼「はいはい。そうでございますね、主教補佐殿」


片や傘下宗派の一教徒、片や大本の頭補佐……我ながら変な組み合わせだと思う。


ステイル「しかし、香焼。もう少し言葉を選んだ方が良いぞ」クスッ

香焼「え?」キョトン・・・

ステイル「『可愛い』だとか『また会ってくれる?』だとか『またお話したい』とか……君は女衒師(ホスト)かい?」ククク・・・

香焼「う、五月蠅いなぁ」フンッ・・・

ステイル「ははは。まるで『あの男』のようだな」ニヤニヤ


あの男とは、幻想殺し――上条当麻の事だろう。褒めてるんだか、貶してるんだか。


ステイル「まぁ仕事に差し支えない程度で遊べよ。女遊びが理由で任務失敗しましただなんて、知人として恥ずかしいからな」ハハハ!

香焼「女遊びとか言うなっつの……友達だよ。普通のね」

ステイル「友達、ねぇ……」ジジジ・・・フゥ

ぬこ「なー」


お前と同じな、とは言わない。
コイツはどっちかというと『悪友』といった感じだし、『友』と言った瞬間、照れ隠しで煙草を飛ばしてくるやもしれない。


ステイル「勝手にするといい。ま、荷物は受け取ったし今日はもう帰るよ」スタッ

香焼「うん。自分も帰るっす」コクッ


立ち上がって出口に向かう。歩きがてら、ふと、ステイルが呟いた。
40 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 06:41:25.41 ID:w1T0pmTu0
ステイル「そういえば、如何して君がお使いだったんだ?」チラッ

香焼「え?」キョトン・・・

ステイル「神裂から誰かが来るとは言われてたけど、態々第1学区の君が来るとは思わなかったよ」


自分は正直に理由を話した。すると……


ステイル「五和が?」

香焼「うん。押し付けられた」ハァ・・・

ステイル「……可笑しな話だ。彼女は第7学区だというに」フゥ・・・

香焼「まぁそうなんだけど……ちょっとね」アハハ・・・


本人を目の前に、苦手だと教える事は出来ない。


ステイル「ふぅん……本人はノウノウと上条当麻の家に居るのにな」

香焼「」ピタッ・・・

ステイル「……ん?」


……ナンダッテ?


ステイル「だから、五和は上条当麻の家に居るぞ。今頃、夕食を終え茶でも啜ってるんじゃないか?」

香焼「」プルプル・・・

ステイル「どうした? 知らなかったのか?」

香焼「あの……馬鹿女郎……」ギギギギ・・・

ステイル「……ま、まぁドンマイだ」タラー・・・


今度顔見せたら色んな意味でボコボコにしてやる……心の中でそう誓う。


ぬこ「ぬぉー」スリスリ・・・

香焼「ぐぬぬ……ちくしょー!」ウワーン!


こうして雨の日の、不思議なお使いは幕を閉じた……―――
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 06:49:51.20 ID:MF1ad+4Wo
汚いな流石五和汚いwww
42 :第2話――香焼「絹旗……最愛(もあい)?」  絹旗「サイアイちゃんですっ!!」 [saga]:2011/03/06(日) 06:53:46.58 ID:w1T0pmTu0
 <おまけ>

―――とある日、PM08:15、学園都市第7学区、とある大通り、とある車内・・・・・



絹旗「ふんふふ、ふんふふ、ふんふーふ〜♪」ニコニコッ

浜面「どうした? 何だか楽しそうだな」チラッ

絹旗「え? そ、そうですか?」

浜面「まぁな。良い事でもあったのか?」

絹旗「そうですね……そうなのかもしれません」クスッ

浜面「ふーん。面白い映画でも見つけたとか」

絹旗「へへへ。超内緒ですよー」ニコッ

浜面「そう言われると気になるなぁ」ハハハ

絹旗「ふふっ。そうですねぇ……じゃあ少しだけ」

浜面「お!」

絹旗「……『友達』……かな」クスッ

浜面「へ? と、友達?! オマエにか!!?」キョトン・・・

絹旗「超失礼な奴ですね……麦野達に言うんじゃありませんよ」ジロッ・・・

浜面「あいよ、内緒な。しっかし……人見知りのオマエがねぇ」アハハ

絹旗「五月蠅いですね……へへっ」ニコッ

浜面(……ま、いいか)クスッ



……早く、メール来ないかな。
43 :>>1 [saga]:2011/03/06(日) 07:01:21.01 ID:w1T0pmTu0
はい。という訳で今日は終わりです。五和ファンの皆さん、ホントごめんなさいね。
書くペース遅くて申し訳無い。あと投稿時間遅いのも問題か……次は色々もうちょっと早くする。

それじゃアンケート!


@次、または今後出して欲しいキャラは?

A同じくシュチュエーションは?

B時系列かなり崩れるけど、レッサー出していい?

F削板は中学生にしてもいい?


以上! ご協力お願いします!
それでは感想質問意見罵倒リクエスト等々もよろしくお願いします。ではまた次回ー! ノシ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 07:26:46.87 ID:vUmWZ6SDO
>>1乙! モアイちゃんは相変わらず超可愛いです‥‥おっ持ち帰りぃーっ!


@アニェーゼ、あわきん、また絹旗!
A五和か浦上、ねーちん主体の何か!
BC任せるよーん


ちなみに、五和達が主役回って有るのかな? ともかく次回も楽しみにしてるぜー!
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 02:03:04.79 ID:v+rWM4F9o
乙!
絹旗はカミやん病のドツボにハマればイイと思う訳よ。

@アニーとアンは必須だと思うの
A長姉こと女教皇と二人でお出かけ
Bカムヒアレッサー
Cソギーはお任せ
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 03:38:56.47 ID:tgLuLZNAO
乙でーす
五和はもう少し自重しなさいw

@アニェとアンジェレネをぜひとも
A香焼くん上条さんと出会うの巻
Bレッサー来いっ!!
Cいいんじゃないかな
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 00:30:27.84 ID:z1nGMO5AO
ハァハァ……まさか…ハァハァ…こんな良スレを見落としていたとは…ハァハァ…ハァハァ……とんだ不覚だったわ…


というわけで乙

@A美琴やら妹達やら打ち止めやら番外個体やらと猫を抱えているときに遭遇したりとか、
打ち止めの場合はお互いにお姉さん・お兄さんぶってみたりとか、
お兄さんぶる相手は小萌てんてーもいいよね
ほかにも飼い始めたねことスファンクスがじゃれ始めたとこにインさんが来たりとか、
一方さんや浜面と、身の回りの女性の扱いづらさについて意気投合したりとか、
佐天さんあたりに弟扱いされて、また一人苦手な「姉」が増えたりとか


……すまない、ついつい興奮しすぎて夢が広がりんぐwwwwwwだったわ
まさか学園都市ショタSSにこんな可能性があったなんて……ハァハァ…


BC
>>1のやりやすい形でいいと思う。

べ、別に香焼キュン以外に興味がないわけじゃないんだからねっ
48 :>>1 :2011/03/08(火) 22:11:34.19 ID:M8wvRWn20
こんばんわ! 今日も小話です。先にレス返し。


>>44
五和達がメインってどんなのがいい? ちなみに最愛ちゃんは皆の妹です。

>>45
カミやん病被害者にはあるかもしれないけど、コンセプトは友情です。

>>46
アニーとアンは人気だね。香焼とカミやんの組み合わせって新鮮かも……上条×香焼?

>>47
ミサカーズは絵になるね。佐天さんは近いうち出す予定だよ。ちなみにアナタはアワキン・スカイウォーカーさま?


はい。さておき今日はまた天草4姉弟の話です。


<主な登場人物B>

・上条当麻……おなじみ主人公さん。だけどこのSSでの出番は薄い。カミやん病スプラッシャー。
        とある高校1年。無能力者(レベル0)だが異能の力なら何でも打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)」持ち。
        呼称は……上条、とーま、アンタ、幻想殺し、英雄さん、等々。因みに『二度目の死亡』前設定。

        不幸人。一概に如何『不幸』とは言えないが、不幸らしい。詳しくはググれ!
        記憶を無くしているが、上手く誤魔化して生活中。それについては、あまり支障は見られない様子。
        この作品では香焼にフラグを譲っている少女達もチラホラ。例としてアニェーゼ、レッサーなど。
        喧嘩は結構強い。でも人海戦は基本逃げる。(以下追々付け足していきます)


でも上条さん出番無し! ごめんね! では投下!
49 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 22:14:03.35 ID:M8wvRWn20
 ―――とある休日、AM11:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



何も無い日。

学校も休みだし、仕事もオフ。
学校からの週末課題と天草本部宛ての週間報告書も昨日の内に書きあげ、丸二日暇を作った。
今日はドブ日――所謂、家に籠ってグダグダする日にしようと決めていたというのに……


五和「……」ズサー・・・


何故か此処に土下座をしている女がいる。


五和「……コウちゃん、ごめんなさい」ズサー・・・

香焼「……」


無視。


五和「コウちゃん……ごめ―――」

香焼「喧しい」ギロッ

五和「―――ん、な……さい……」シュン・・・


断固無視。


浦上「ハァ。香焼ー、もう許してあげなよー」ズズズズ・・・

神裂「そうですね。大分懲りてるようですし」モキュモキュ・・・

ぬこ「なー」ゴロゴロ


そして当たり前の様に居る女達。呑気な子猫。


五和「こーちゃーん……ごべんだざぁい・・・・・」グズッ・・・

浦上「ああ、もうベソかいちゃったぁ」アチャー・・・

神裂「流石にやり過ぎですね」ムゥ


いや、やり過ぎも何も、自分は何もしてないっつーの。


五和「だっで無視ずるんだもん……」ウルル・・・

浦上「だってよ」チラッ

神裂「だそうです」チラッ

ぬこ「なぅ」スリスリ


コイツらウゼぇ……厄介な事に女教皇様まで便乗してるから、尚、面倒臭ぇ。

因みに、今自分が五和に腹を立ててる理由は3日前(第2話)の件についてである。
まったくと毒づき、拾った猫を撫でながら五和の方を向いた。
50 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 22:39:50.11 ID:M8wvRWn20
香焼「あのなぁ。そりゃ一概に駄目とは言えないっすよ? でももっと早く連絡出来ただろう」ハァ・・・

五和「だって……急だったんだもん」グズッ

香焼「ステイルが苦手なのはしょうがない。だけどそれとは関係無く……」チラッ


女教皇様の方を一視。


香焼「……自分が雨の中お使い行ってる最中、ノウノウと遊んでた五和(オマエ)が気に喰わないんだ」ジトー・・・

五和「それは、その……」モジモジ・・・

神裂「……」ジー・・・

浦上「ありゃりゃ」タラー・・・


浦上の乾いた笑いだけが部屋に響く。
五和はバツが悪そうに、女教皇様を気にし、言い訳がましく呟いた。


五和「この前まで……私の優先権だったんだもん……」ボソッ・・・

香焼「……はぁ!?」ポカーン・・・

神裂「……」ズズズズ・・・


まるで知らんぷりの女教皇様。というか『優先権』って何だ?


浦上「あれ? 香焼知らないっけ?」

香焼「いや、何すかそれ」

五和「……ウラ」ギロッ・・・

浦上「……言っちゃダメ?」

五和「……」ダメダメ・・・


何やら目で訴える五和。
自分に知られたくない事なのか、ただ無言で頭を垂れていた。しかし……


神裂「別に良いのでは?」ズズズ・・・

五和「ぷ、女教……カオリ姉様。それは……」グゥ・・・

神裂「この子は他人にベラベラ言う様な男子ではないでしょう」

五和「……だけど」チラッ


様子がおかしい。


浦上「えっとね、香焼。今から言う事、建宮さん達には内緒だよ」シー

香焼「え、あ、うん」コクッ・・・

浦上「お姉、いいね?」チラッ

五和「……コウちゃん。言ったら絶交だかんね」ジトー・・・


それでオマエと縁を切れるなら言ってやっても良いんだが……まぁ仕方ない。空気を読もう。
51 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 22:43:39.15 ID:M8wvRWn20
浦上「あのね……五和とカオリ姉様の間で不文律の約束、要は暗黙の了解(ルール)があるんだよ」

香焼「は?」ポカーン・・・

浦上「女性陣は全員詳細知ってるんだけどね。つまり……上条さん」ボソッ

香焼「……ああ、成程」コクコクッ

神裂・五和「「……」」モクモク・・・


確かにというか……この家で、この二人が集まる際に言ってはいけない言葉(タブー)があった。

 ――上条当麻――

誰がどう見ても二人は彼に好意を寄せている訳で、下手に彼の話題を出せば折角仲良くしていたメンツが崩壊しかねない。
勿論、仕事で上条当麻……もとい『幻想殺し』を出さねばならぬ事は有るが、極力控えめにしている。

ぶっちゃけ二人が喧嘩になると、自分と浦上に色々皺寄せが回って来るので勘弁して欲しかった。


香焼「でも、暗黙の了解って?」

浦上「……五分で済ませる」チラッ・・・ボソッ

香焼「へ?」ポカーン・・・


『何が』と言おうとした瞬間――二人が立ち上がった。


五和「……ちょっと教皇代理から電話が入っていたので外に出ます」スタッ・・・

神裂「私も、ステイルから連絡が入っていたのでベランダに……」スタッ・・・


そそくさと消える二人。
不文律とはいえ、誰かの言葉でそれを聞いてしまったら均衡が崩れかねないと判断したのだろう。

……女って怖いな。


浦上「じゃあ……まず優先権についてね。基本、お姉は学徒潜入で都市に居るでしょ」

香焼「うん。何してるのか分かんないっすけどね」

浦上「あはは……いや、ああ見えて忙しいのよ。五和も」

ぬこ「ぬぉ〜」ペタン


信じられない。学業どころかキチンと仕事しているのかも怪しいのに。


浦上「続きだけどカオリ姉さんは基本、英国じゃん」

香焼「……つまり、こっちに足運んだ時は優先権が生じると?」

浦上「大まかに言えばそうだね。細かく言えば任務じゃない限り週3以上禁止とか、一日12時間以上禁止とか有るんだけど」

香焼「面倒臭いっすね」ハァ


そういえば女教皇様が都市に来たのは昨日の事だ。五和が言ってた『この前まで』とはその事だったのだろう。

さておき『ここから重要点!』と人差し指を立て、グイッと近づく浦上。
念を入れたいのは分かるが、猫を潰すな。肩に顎乗せてグリグリすんな。


浦上「……してはいけない事があります」ジー・・・
52 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 22:48:08.61 ID:M8wvRWn20
嫌な予感がした。言わせてはいけない!


香焼「予想付いたから言わなくて良いっす。てか身内のそういう話聞きたくな――」タラー・・・

浦上「その一、一緒にお[にゃーん]」

香焼「――言うな馬鹿女郎っ!!」ガアアァッ!!


『折角教えてあげるっつってんのにー』とグゥたれる浦上。あの二人というより、上条さんが不憫で仕方が無い気がした。
しかし少々気になる点が有る。思い切ってそれを聞いてみた。


香焼「えっとさ。言い辛いんだけど……上条さんが……」ウーン・・・

浦上「うん。何?」フム?

香焼「その……上条さん特有のっていうか……えっと……」モジモジ・・・

浦上「……」ジー・・・

香焼「……アレが、ああいう風に……うん」モジモジ・・・


・・・・・・・・


浦上「ておぉゐぃっ!! 女々しいのよこのショタボーイっ!! はっきり[禁則事項です]とか[らめぇぇっ!]とか[ピーーー]とか言いなさいよっ!!」ガシッ!

香焼「そ、そんな事思ってないっす!! 自分はまだ中1だぞっ!!」ウワアァッ///

浦上「嘘付け、小5ショタっ!! 今度部屋の中の衣類全部女性物に換えといてやるかんなー!!」ウッヒッヒッ!!

香焼「おま、マジでブッ飛ばすぞっ!!」ダラダラ・・・

ぬこ「にゃっ!?」ビクッ!?


ただでさえ低身長と童顔を気にしているのだ。女装なんか強要された日には首を吊るかもしれない。

話を戻すが、要は上条さん特有の『病気』が働いて、不文律の約束以上の事になったら如何するのかという事だ。
うっかり〜〜〜とか、ばったり×××とか。


浦上「ああ、そういう事。それは自己申告。私や他の女性陣を通してね」

香焼「成程。それで『仕方為し』って事にするんすね」

浦上「うん。あの人の『旗立て』は日常だからね……私もされてるし」アハハ・・・


そういえばコイツ、上条さんに押し倒されてるんだっけ。影で五和がグチグチ言ってたのは内緒。


浦上「んでもって、最重要は……Hな事とかじゃないよ」

香焼「だからそういう事言うなよ変態。誰も期待してないっすから」

浦上「そう? 『上琴』と『上条目録』に次いで需要あると思うけど」


オマエは何を言ってるんだ。


浦上「まぁまぁ。当分私が○ッドプール役だから」アハハ

香焼「デップ……何?」ハァ?

浦上「第4の壁をブチ壊せるんですヨ。当分は私の仕事ダネ」ニャハハ!

ぬこ「みー?」キョトン?


ツッコむ事に疲れたのでスルーします。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 22:49:26.28 ID:lGXybMKDO
キテター!

うwwらwwかwwみww
54 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 22:56:42.58 ID:M8wvRWn20
兎に角、これ以上脱線してはいけない。もう少しで二人が戻って来る。


香焼「それで? 最重要は?」

浦上「……もし、どちらかが告白された場合」

香焼「……・・・・・・・・・・・へぁっ?!」ドキッ!!?

浦上「だから『もし』だってば。上条さん倍率(レート)高いから難しいけど、それでもあの二人のドチラかを選んだ場合」

香焼「……うん」コクッ

浦上「潔く身を引き、祝福する事」


何とも……気まずい約束だ。
祝福するといっても、絶対に遺恨が残ってしまうと思うのだが……それは恋愛経験の少ない自分の想像だけなのだろうか。


浦上「とりあえず以上。これを『上条例』と呼ぶ……どう?」ドヤッ!

香焼「いや『上手い事言ったでしょ!』みたいな顔すんな。ウザい」ハァ・・・

浦上「まぁ因みにだけど、他の上条さんの毒牙に掛った人達ともこの『上条例』の一部は適用されるみたい」

香焼「……へぇ」フーン


他にも細かい点があったが、『上条例』を纏めると……


@女教皇が学園都市に居る際は、優先権を其方に。それ以外は若衆頭・五和に。

A週3日、一日12時間以上の合瀬は無し。ただし仕事で護衛任務等、特殊な場合は除く。

B周囲から『番(つがい)』と認められるまで、貞淑にすべし。(※他の者にも、ほぼ適用)

C他の男に余所見した場合、『上条例』の一切を放棄すると見做す。よって今後、上条当麻には好意を持って近寄らない。(※)

D『カミやん病』の『うっかり』にあった場合は、自己申告する。これを受けた者は必ず片一方に報告する事。

E仮に上条当麻本人から『番』になって欲しいと告白された場合は、他方もこれを認め、応援する事。(※)

F上記を守れぬ者は、厳しい罰則を科す。


……らしい。罰則(ペナルティ)って何さ?


浦上「罰は罰よ。それより何でそんな法律みたいにすんの? 香焼堅物ねぇ……不文律って言ったのに」ハァ・・・

香焼「うっさい。心読むな」ギロッ

ぬこ「みー」ペチペチ!


それから暫くして、何事も無かったかのように、二人が戻ってきた。ジャスト5分。


神裂・五和「「……」」テクテク・・・スッ


気まずいです。助けて教皇代理。
55 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 23:00:46.33 ID:M8wvRWn20
 ―――とある休日、PM00:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



さておき……自分が危惧していたような事態にはならなかった。

今日は五和と女教皇様、二人のプロ級料理人が居たので、とても美味しい昼食が取れた。
調理の際は二人は仲良く台所に立っていた……ただ、内心如何いう心境だったのやら。

まぁ部外者である自分が首を突っ込んでも、事をややこしくするだけなので、発言は控える。
とりあえず、今は浦上が食器洗い。二人が茶を啜り、自分が子猫を如何に映り良くムービーに撮らえるか奮闘している。


五和「ねぇ、コウちゃん。何時の間に猫飼ったの?」オイデオイデ♪

香焼「雨の日」ギロッ

五和「うっ……」タラー・・・

神裂「……して、何故飼うに至ったのですか? ただ拾っただけでは無いでしょう」ズズズズ・・・

浦上「そうですよネ。香焼の性格からいって、捨て猫拾う様なタイプじゃない筈だけど」

ぬこ「にゃー」ゴロゴロ・・・ピタッ

香焼「んー……どうでもだろー……ちょ、五和。映るなよ」●REC


絶対に『あの日』の事は教えない。面倒臭い事になるどころか、一波乱起こってしまう様な気がした。

猫がノソノソと女教皇様の方に歩いて行く。長いポニーテールが気になったようだ。ペチペチと猫パンチを繰り返す。
困って苦笑している女教皇様と無邪気な子猫……絵になるが、女教皇様が入ってしまっては『あの子』に送れない。


ぬこ「なー」ペチペチ

神裂「あはは……ちなみに、名前は?」フム?

香焼「最愛っす」●REC

五和「サイアイ?」キョトン?

香焼「え!? あ、いや、違う、何でも無い」アハハ・・・

天草姉妹『へ?』ポカーン・・・


危ない危ない……猫の名前を聞いただけだ。


香焼「えっと、コイツに名前は無いっすよ」

五和「どうして? まだ付けてないの? なら私が付ける!!」キラキラ!

香焼「やめろオイ。名前付けない理由あるんだか――」ギロッ

五和「黒い子猫だから『クロ』……じゃつまんないかぁ。『香焼2世』とか!」ヨシヨシッ

香焼「―――……ら……馬鹿じゃないの?」ハァ・・・

神裂「秋口の雨の中拾ってきたので『秋雨』……『秋水』も良さそうですね。黒のイメージを取るなら『鉄(クロガネ)』とか」フム・・・

香焼「女教皇様っ!!?」エ!?


アンタまで乗るんかい……
56 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 23:06:57.09 ID:M8wvRWn20
浦上「ヒョードル、ゲイツ、アインシュタイン、テヅカ、シューマッハ、ヒトラー、オードリー、ジャッキー、ユウサク、アリストテレス」

香焼「……」... (゚Д゚)ハァ?

浦上「アクタガワ、イルファン、ガッツ、コバーン、ファーブル、ホクサイ、メンデルスゾーン、マイルス、ドルジ、レノン」ビシビシッ!!


たまに浦上が言ってる事、分かんない。


浦上「ちくしょー……コア過ぎたかぁ。このネタ通じないのね……」ハァ・・・

五和「黒いニャース」ニャー

香焼「金出さないし喋らないし形容詞付いてるしオマエ馬鹿だし」

五和「……コウちゃん、ホント私の事嫌いなんだね」ハァ・・・

神裂「闇霞」オイデオイデ

香焼「や……何すかそれ?」ハァ?

神裂「黒い模造刀の名前です。まんま黒刀でも良いですよ!」(`・ω・´)キリッ!

香焼「……」タラー・・・

五和「カオリ姉様、厨二ネームしか付けられないんですか?」

神裂「厨……貴女よりマシだと思いますけど」

ぬこ「みゃー」コクッ


かろうじて、だが。
というか女教皇様……『モンバス』のやり過ぎです。控えて下さい。それ武器の名前でしょ。


浦上「むー……じゃあどうすんのサ?」

香焼「だから付けないって言ってるだろ。今、コイツの飼い主探ししてるんすよ」

五和「飼う気無いのに、拾ってきたの? らしくないね」

神裂「動物の生死に無闇やたらと介入するのでしたら、あまり褒められた事ではありませんね」フム・・・

香焼「……色々あるんすよ」ムスッ・・・

浦上「そこんとこ詳しく!」ニコッ


絶対言わない。


五和「……私達の秘密知ったのに」ボソッ

香焼「……」タラー・・・

神裂「身内で信用できる貴方にだから知られても良いと思ったものの……無碍に辱めを受けた気分ですね」ボソボソッ

香焼「……ぐっ」ダラダラ・・・


こんな時ばかり弱みを糧に団結しやがって。


浦上「まぁまぁ。全部じゃなくてもいいから、掻い摘んでネ」

香焼「……」ハァ・・・


という訳で最愛の名前は出さず、『友達』に頼まれてという経緯で事を話した。
57 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 23:17:24.81 ID:M8wvRWn20
自称姉達は自分の話を黙って聞き、一寸考えた後、各々口を開いた。


五和「成程ねぇ。その子は自分の家で飼えないから、預かって欲しいと」

香焼「そんな感じっす。でも此処で飼う気は無いっすよ。あくまで飼いたいって人がいたら譲るっす」

浦上「出なかったら?」

香焼「探せば猫飼いたいって人、絶対居るだろ。出来れば探すの協力して欲しいっすね」

五和「まぁ探すけど……最悪、出なかったら飼う?」


それは考えて無かった。

自分は海外にも足を運ぶ人間だし、四六時中ペットの面倒を見る事は出来ない。
故に飼う事は出来ないだろうと踏んでいたが、もし本当に現れなかった場合は……如何しよう。
今更飼い主が出ませんでした。だからもう一回捨てるね、などとは言えないし、最愛に申し訳も立たない。


香焼「……とりあえず、飼い主なってくれる人を探す。それまでは此処で世話するよ」

五和「飼っちゃっても良い気はするけどなぁ……」


悩み所だが……今はその気は無い。
ふと、女教皇様がらしいことを仰った。


神裂「貴方も子供じゃない。好きにするといいでしょう。しかし無責任な対応や筋が通らない真似は許しません」

香焼「はい……分かってます。肝に銘じるっす」ペコッ

ぬこ「みぃ」ポニポニッ


凛々しい顔で告げる女教皇様。ポツリと出る一言は、改めて『教皇』なのだと実感できる点だ。
……猫にポニテを殴られてなきゃ、完璧なのだが。


五和「しっかし、友達ねー。コウちゃん此処に友達連れて来ないからなぁ」

浦上「あはは。私達の所為だよねー」

五和「あはは。ねー」


分かってる辺りが、マジ腹立つ。
マトモなのは女教皇様だけか……と甘い考えを持った自分が愚かだった。



神裂「それで、香焼。その友人というのは先日知り合ったという『女の子』の事ですか?」サラッ・・・



香焼「」



五和・浦上「「ッッ!!?」」‘m( ゚д゚ ))ミ_ シ(( ゚д゚ )m" ...ガタッ!!




もちふけオマエら。諏訪テロ。
58 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/08(火) 23:20:25.91 ID:M8wvRWn20
香焼「ぷ、ぷぷ、女教皇様……じ、自分……どっかで……それ、い、言いましたっけ?」ギギギギ・・・

神裂「え? いえ、ステイルから聞かされました」ウンウンッ

香焼「ぁんの不良似非神父外郎おおおおおぉっ!!!」ウワアアアアァッ!!


『クククク・・・』と微笑む悪魔神父が目に浮かんだ。今度英国帰ったら、アイツの部屋にガソリン撒いてやる。
そして、目を輝かせ自分に詰め寄る馬鹿二名。


五和「コウちゃん……ねぇ、コウちゃん?」ニコニコッ!

浦上「何? お姉ちゃん達に隠し事? 良くないなぁ……知りたいなぁ」ニコニコッ!

香焼「……」タラー・・・


近い。色々近い。色々危ない。
責任取って助けて下さい、女教皇様。


神裂「ま、まぁまぁ。踏み入ってはいけない個人の部分もありますから」アハハ・・・

五和「カオリ姉さん! 詳しく知りたくないの!?」ギロッ

神裂「それは―――」

浦上「もしかしたら将来香焼の彼女……つまり若い教徒を産む母になる娘かもしれませぶあ痛ぁっ!!?」ゴチンッ!


割と本気でゲンコツした。


神裂「―――……しかし」ムゥ・・・

五和「……単に、香焼と仲良くしている友達とやらを知りたいと思いませんか?」ニコッ

神裂「……それは、まぁ」コクッ


あっさり騙されるし……駄目だこの教皇。簡単に折れ過ぎ。


五和「って事でさぁ! 教えなさい!」グイッ!

香焼「……教えるも何も、自分も彼女の事そんなに知らないんすよ」

浦上「痛てて……ホントに? 歳とか容姿くらいは説明出来るでしょ」

香焼「同い年だけど自分より幼く見えるっす……先に言っとくけど写真無いぞ」ギロッ

五和「ちぇっ……ツマんないのー」


ようやく飽きてくれた。
悪いがこれ以上、彼女のプライベートをベラベラ話したくない。『置き去り』だの『不登校児』だの、他人が話して良い事ではなかろうて。
59 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 00:03:50.76 ID:QUx0plQw0
香焼「ていうか……お前らこそ友人関係とか如何なんすか?」

3姉妹『え?』


学園都市内で、という意味だ。
仮にも学生してるんだから、天草以外の友達の一人や二人いてもおかしくないだろう。

……自分は学校が学校なので、少ないけど。


五和「んー、私は少ないかなぁ……割り当てが御嬢様校だったし」

浦上「そうなの?」

五和「プライド高い娘多いじゃん。ウマが合わなくてさぁ……ルチアとかフロリス、ランシスの方が仲良いかも」


そういえば五和って英国じゃ彼女達と仲良くしてるなぁ。


神裂「浦上は?」

浦上「私は結構友人作ってますよ。潜入任務の基本は交友関係だって、教皇代理から教わったんで」

香焼「へぇ。意外だなぁ」

浦上「仕方ないでしょう……私のメインターゲットは第3位と第5位ですヨ?」トホホ・・・


第3位と第5位……超能力者(レベル5)の事だ。
一番歳が近く、同じ学び舎の園の中等部ということで、可能であれば監視・接触出来る様任されている。


浦上「超電磁砲は何とかなるんだけどね……未だに心理掌握の尻尾も掴めないんデス」ハァ・・・

五和「私も見つけられないなぁ、あの人……ホントに常盤台に居るの?」

香焼「資料ではそうなってるっすよ」


何だかんだで苦労してるのか、コイツらも。


五和「カオリ姉様は……いないですよね」アハハ・・・

浦上「普段こっち居ないもんね」

神裂「いますよ」サラッ

3姉弟『……え』ポカーン・・・


意外や意外。


神裂「失礼ですね。私だって友人の一人や二人いますよ」ムゥ・・・

ぬこ「みー」ウンショウンショ!


心外だ、としかめっ面の女教皇様。子猫が肩に攀じ登ってるのもお構い無し。
60 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 00:25:04.06 ID:QUx0plQw0
浦上「失礼ですが、上条さんと土御門さんは抜きですよ?」

神裂「無論です。他にも居ますよ」


そう言って携帯を弄り出す女教皇様。
そして『ほら』と画面を見せてきた……珍しい。プリクラだ。隣に同い年くらいの女性が二人写ってる。

眼鏡を掛けた清楚そうな女性と、対称的に派手そうでファッションセンス溢れる女性。ドチラも美人さんだ。


五和「……皆20代後半で〔にゃーん〕があ痛あぁっ!!」ゴスッ!

神裂「……二人とも、私と貴女と変わらない年代です」ギロッ

浦上「みんなおっぱいボーンっ!! でも一番はカオリ姉〔にゃーん〕んぎゃあああぁっ!!」ゴトッ!

神裂「貴女達は……」プルプル・・・///

香焼「……」///

ぬこ「にゃぅ!」ガリッ!


自分が居る前でそういう話をしないで欲しい……仮にも男子だ。
しかし女教皇様、器用に五和と浦上の面を猫に引っ掻かせる。えげつない。


神裂「ったく……成り行きではありますが、友人になった方々です」フンッ

浦上「うぐぐぅ……というと?」イテテ・・・

神裂「道に迷ってたら、助けられました」

香焼「へ? それだけで?」

神裂「……2、3回ほど」タラー・・・

五和「痛いなぁ、痕残るよぅ……ホントは何回?」チラッ

神裂「……云十回」ボソッ

香焼・浦上「「……恥ずかしい」」ハァ・・・


この人は意地張って自分一人で何とかしようとするからなぁ……連絡してくれれば良いものの。
さておき、どうやら一人は風紀委員(ジャッジメント)らしい。『迷子』の女教皇様を幾度とガイドしてくれたとか。

多分、その風紀委員さんが『どうせまた迷子なるよね』と気を使って、女教皇様と連絡先を交換するに至ったのだろう。
そして何時の間にか交友関係に……といったところか。


神裂「こ、香焼!? 何時の間に読心魔術をっ!!?」ドキッ!?

五和・浦上「「香焼パネぇ!!」」ワー!


いや容易に予想できますから……あと馬鹿二人ウザい。


香焼「……それで、もう一人は?」

神裂「え、あ、はい。大通りで捕まりました」サラッ

3姉弟『は?』ポカーン・・・

神裂「だから、捕まったんです」


……意味が分からない。
61 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 00:56:34.66 ID:QUx0plQw0
香焼「えっと……大通りで、何してて捕まったんすか?」タラー・・・

神裂「道に迷……もとい、土御門に頼まれたお使い先で」


また迷子か……教皇代理に、女教皇様へGPS携帯持たせるよう進言しとこう。


五和「それで、お使い先というのは?」

神裂「くっ……あの馬鹿道化師が、また意味の分からない服を注文してたんです。しかも老舗の有名服屋の特注で」グヌヌ・・・

浦上「あー……堕天使さん?」

神裂「そう、堕天使さ……浦上?」ギロッ

浦上「あはは、予想ですヨ。予想……で、自分で取りに行かされたと?」

神裂「……謀られたんです」ウグゥ・・・


土御門も女教皇様にコスプレさせるの好きだなぁ。
そして何故か『私も新しいの準備しなきゃ!』と意気込んでる馬鹿1号。自重しなさい。


香焼「つまり、大通りの老舗ブランド店で捕まったと?」

神裂「そういう事です」

浦上「へぇ……でも何で捕まったの?」

神裂「何でも……私の服装が気に入らなかったそうです。仕方ないでしょう、魔術的な意味合いなのですから」ハァ・・・

3姉弟『……』ジー・・・

神裂「……何ですか」ジトー・・・


別名、ただエロいだけ左右非対称ファッション。


五和「まぁファッション五月蠅い人に捕まった訳だ。『そんなコスプレ着るんじゃなくてマトモな服装しなさい!』って」

神裂「……トゲを感じますが、大体合ってます」ムゥ

浦上「普通の恰好すればモデル顔負けだからねー。カオリ姉さんも、お姉も」ジー・・・

五和「わ、私はちゃんと気にしてるわよ。術式も服買うたびに工夫してるし」


態々面倒臭い事をする。男はそんなに拘らないからなぁ。
これを言うと『駄目男』と馬鹿姉妹に怒られるが、無視無視。


神裂「兎角……その店で無理矢理脱がされて……」ハァ・・・

五和・浦上「「む、剥かれたっ!!?」」‘m( ゚д゚ ))ミ_ シ(( ゚д゚ )m" ...ガタッ!!

香焼「違ぇよ馬鹿女郎!!」カアアァ・・・///

神裂「……着せ替え人形にされました」

五和・浦上「「……なーんだ」」ハァ・・・


何を期待してたんだ阿呆共。女同士だっての……
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 01:09:47.70 ID:YJJqrnTAO
眼鏡の方はわかったが…
もう一人はだれだ?むぎのん?
63 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 01:25:33.26 ID:QUx0plQw0
五和「何って……コウちゃん。何想像したの?」エ?

香焼「え」

浦上「私、キャバとかガールズバーで働いてみないかってスカウトされたのかと思った」チラッ

五和「私はモデルしてみないかって……違うの?」チラッ

香焼「……」タラー・・・

五和「ねぇねぇコウちゃーん……何考えちゃったのー?」ニヤニヤ・・・

浦上「女同士って、なぁに?」ニヤニヤ・・・

ぬこ「にゃーん」トコトコ


コイツら……助けて女教皇様。


神裂「こ、香焼。その、健全な男子だというのは分かりますが、まだ中学1年なんですし、些か早いかと……」モジモジ・・・

香焼「」

五和・浦上「「むふふふ」」(・∀・)(・∀・)ニヤニヤ・・・

香焼「ぐっ……畜生、自分の負けっす。だから話を戻してくれ! 頼む!」ウウゥ・・・///

五和「うぃのう、うぃのう♪」ウフフ・・・

神裂「こほんっ……と、兎に角! 着替えを強要されただけです!」

浦上「ふむふむ。成程成程。だからカオリ姉さん、最近私服着る機会多いんですネ」ヘェ

五和「その人、ファッション雑誌の関係者とかですか?」

神裂「『新作流行の相談に乗る程度』って言ってました。たまにコラムを任されるらしいですけど」


風紀委員とファッション関係者か……中々凄いお友達がいるらしい。
五和と浦上が『いいなぁ』と目を輝かせていた。


神裂「という感じで、色々ありましたが友達に。歳も近いのでお茶等御一緒したりします」

浦上「へぇ。意外です」

五和「でも……うーん」ポリポリ・・・

神裂「如何しました?」

五和「……こっちの茶髪の人、どっかで見た様な」ウーム・・・


頭を悩ます五和。多分そのファッション誌か何かで見たんだろうて。
64 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 01:39:51.80 ID:QUx0plQw0
これで女教皇様の話は終わり……そう思った刹那、ふと五和が質問した。


五和「名前聞けば、思い出すかもしれない……その人のお名前は?」

神裂「え? この人は麦野沈利さん。此方は固法美偉さんです」


麦野……沈利……


浦上「……香焼」タラー・・・

香焼「うん……多分……」タラー・・・


第4位――原子崩し、だ。資料で見た気がする。
確か担当は五和。


五和「そうだ! そう、超能力者!!」ピカリンッ!!

麦野「あー……そういえばそんな事言ってましたね」フムフム

香焼「『そんな事』って……」アハハ・・・


確かに『聖人』と『超能力者』どっちが凄いと聞かれたら……何とも言えない。どっちもどっちだろう。


麦野「うん。彼女のレーザーを見せてもらいましたけど天使の小光線くらいはありましたよ」ウンウン

3姉弟『』チーン・・・

ぬこ「なぅ」グシグシ・・・


次元が違い過ぎます。


浦上「……お姉。担当頑張れ」ボソッ

香焼「……骨くらいは拾ってやるっす」ボソッ

五和「や、ちょ……担当カオリ姉様でいいじゃん」ダラダラ・・・

神裂「あはは。大丈夫ですよ。とてもフランクで優しい人ですから」フフッ

五和「そ、そうなんですか?」ホッ

神裂「多少男勝りなとこも有りますが、いつも温厚な人ですよ……まぁ能力使用時はバイオレンスでしたが」

香焼・浦上「「ドンマイ」」ポンッ・・・

五和「……不幸だ」ハァ・・・


普段温厚だが、『キレる』と口悪くなるといったところか。
女教皇様みたいな人かもしれない……と思った所で何故か本人に睨まれた。

貴女こそ読心能力持ってるんじゃないですか……
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 01:48:14.83 ID:AuCfxniDO
神裂が麦野になってる
66 :>>65・・・トンデモ無いミスをww :2011/03/09(水) 02:16:09.37 ID:QUx0plQw0
 ―――とある休日、PM02:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・



何やかんやでグダグダ時間が過ぎ、自称姉達は『モンバス』大会を開きだした。
自分は今後、子猫を如何しようか悩んでいる。

誰か猫飼いたいって人いないかな。探せば必ず出ると思うんだけど。


香焼「そういえば……禁書目録、猫飼ってたっすよね」ボソッ


呟いてみる。瞬間、浦上が凄い勢いで睨んできた。拙ったか……


神裂「スフィンクスですか? ……あ、浦上。そこトラップ」カチャカチャ

香焼「え、あ、はい……もう一匹飼ってくれたりしないっすかね」ハァ・・・

五和「うーん。禁書目録っていうか、上条さんに負担掛ける事になるからね……あ、ウラ。今そっちに雑魚集団行った」カチャカチャ


存外、気にしないみたいだ。


香焼「そっか……どうする、オマエ?」グシグシ

ぬこ「みー」ペチペチ

浦上「どうするって、ちゃんと責任取らなきゃ……ってうわああぁっ!! 死ぬ死ぬ!! 助けて!!」カチャカチャ!

神裂「自分で何とかして下さい」タンッ

五和「今、大型種狩ってるから無理」タタタッ


浦上がピンチらしい。まったく女教皇様まで夢中になっちゃって。


五和「ていうかコウちゃん。何でその娘、猫飼えないの? ……あ、ジュース無くなりそう」ヤベェ・・・

香焼「学園都市で猫飼えるアパートの方が稀っすよ。それに居候みたいな感じだから無理だそうっす」

浦上「そうなんだ。でも禁書目録は居候でペット飼ってるよ? ぐぬぬ……何とかなった」ホッ・・・

香焼「……アレは悪い例っす」

神裂「確かにあの学生寮はペット禁止の筈でしたからね……む? もう少しですね」ヨシッ・・・

五和「了解!」ウッシ!

浦上「ちょっとぅ。少しは削らせてよー」ムキー!


話を聞くか、画面に集中するか、どっちかにしなさい。
67 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 02:46:19.81 ID:QUx0plQw0
ふと、五和が尋ねてきた。


五和「ねぇ、コウちゃん。一つ聞いていい?」

香焼「何すか?」

五和「その女の子に猫ちゃん、頼まれただけ?」

香焼「それは……」


というか、多分見つけもしなかった。


浦上「って事は、猫見る為に……此処来たりするの!?」ウキウキ!

香焼「いや絶対連れて来ない」キッパリ

五和「えー。つまんなーい……あ! ラスト一撃!」カチャッ!

浦上「あ、こら!」タンッ!

神裂「遅いっ!」タタンッ!

五和・浦上「「あー!!」」ギャー!


女教皇様が討ち取ったようだ。抜け目ないな。悔しがる馬鹿二人。ざまぁ見やがれ。

『もう一狩り!』と喧しい女性陣を捨て置き、猫と共に自室に籠ろう。
……と立ちあがった瞬間、馬鹿一人がトンデモないことを放った。



浦上「で、香焼……二人は何処までイったの?」チラッ


香焼「」


神裂・五和「「っ?!」」ガタッ!!



ちょ、オマ……何言ってやがんだ?


五和「こここ、こ、コウちゃん!?」

神裂「こ、香焼!? そ、そんな……まさか、中学1年で……」


過剰反応するな馬鹿。口に出さないが、女教皇様。貴女も馬鹿3号決定です。


香焼「あのね……この前、会ったばかりっすよ」ハァ・・・

五和「あ、会ったばかりなのに!!?」グイッ!

浦上「最近のガキんちょは増せてるねぇ」フムフム・・・

神裂「だ、駄目ですよ!! 教皇として、一、姉として! そんな不貞を許す訳にはいきません!!」カアアァ・・・///

香焼「対馬さーんっ!! 建宮さーんっ!! 助けてー!!」ウワーン!


残念ながら苦笑する二人の顔が浮かんだ。
68 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 03:09:20.62 ID:QUx0plQw0
浦上「あはは。まぁそこまでの甲斐性無いのは分かってるから大丈夫だヨ」ケラケラ

香焼「おま、え……」プルプル・・・

五和「ほ、ホント!? ホントに?! コウちゃん、ちゃんと童t〔にゃーん!〕ったぁああっ!! 噛まれたあああぁっ!!」ギャー!

神裂「こ、こほんっ……そうですね。そのような節操無しに育てた覚えはありませんからね」フム・・・


育てられた覚えも無いですよ。


浦上「ははは。おもろー」ニヤニヤ・・・

香焼「……オマエ、マジ覚えてろよ」ギロッ

神裂「こ、香焼。結婚するまで待て、とは今の御時世言いませんが……キチンとお付き合いしている人がいますくらいの報告は」モジモジ・・・

香焼「女教皇様。戻ってきて下さい」ハァ・・・

浦上「ふむふむ……でも何処で如何なってるか分からないからねぇ。『実はっ!』って事も無くは無いですヨ」ニコッ

香焼「……じゃあオマエは如何なんだよ」ギロッ

浦上「わ、私? えっと……」アハハ・・・


何故か苦笑する浦上。


五和「ああ、ウラは彼氏にいたもんね」ボソッ

神裂・香焼「「……・・・・・・・・・・・・え?!」」ギョッ!?

浦上「い、五和っ……ええっと……あ、あはは……」ポリポリ・・・///

香焼「知らなかった……」

神裂「う、浦上?」キョトン・・・

浦上「で、でも昔の話ですって! 今は学徒潜入で、遠距離続いて別れましたけど」アハハ・・・


地元で、という訳か。
他人事だが……遠距離恋愛なるものは相当覚悟がなければ続かないという。オルソラさんが熱弁してた。昔何かあったのかな?


神裂「ひ、一言教えて貰いたかったですね。少しは任務等考慮したのに……姉として」

浦上「姉(それ)押しますネ……いや、良いんですよ。未練は無いですし、私もアッチも互いに新しい気持ちで生活してますから」ニコッ

香焼「意外と、踏ん切り良いっすね」ヘェ・・・

浦上「恋の一つや二つでクヨクヨするな! 対馬さんと牛深さんが叫んでましたヨ」ハハハ


同期で勝ち組、野母崎(ノモ)さんだけ。説得力が……うん。
69 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 03:21:02.23 ID:QUx0plQw0
神裂「因みに……その……浦上は、何処まで?」ポッ・・・///

香焼「女教皇様!!?」エ!?


何聞いてんだ馬鹿3号……いや敬意を表して馬鹿V3さま。
浦上は苦笑して誤魔化すのみ。代わりに五和が口を開いた。


五和「いや、ウラ教えてくれないんですよー。対馬さん達上の女性陣は知ってるみたいなのにー」ジトー・・・

神裂「と、ということは!!?」グイッ!

浦上「い、いや、別にそこまでは……」アハハ・・・


というか馬鹿V3さま。興奮し過ぎです。このムッツリスケベめ。


浦上「じゃあそうですネ……」チラッ

3姉弟『ん?』

浦上「……皆が何処までイったか教えてくれたら、教えますヨ」ニコッ

神裂・五和「「っ?!」」ギョッ・・・


何処までって、自分はお話するまでと言っただろう。


浦上「じゃあ香焼は少し教えてあげる」ニコッ

香焼「え、いいの?」ポカーン・・・

神裂・五和「「えぇっ!!?」」

浦上「うん。ちょっとコッチおいで」スタッ・・・


浦上の後を追ってベランダに。
さてと、と浦上は表情を変え……まったく関係無い事を口走った。


浦上「よしよし……これであの二人から聴きだせる」ニヤッ

香焼「……へ?」ポカーン・・・

浦上「香焼、上手く演技してね。多少オーバーでいいからサ」ポンッ

香焼「え、ちょ……」アゼーン・・・


教えてくれないの?


浦上「え? あの程度で教える訳無いじゃん。嘘よ、うーそー」アハハ


……騙された。
70 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 03:35:31.03 ID:QUx0plQw0
浦上「それより……あの二人から何処までイけてるか聞き出すの手伝って」ニコッ

香焼「え、だって……皆知ってるんじゃないんすか?」キョトン・・・

浦上「お馬鹿ねぇ。不文律なんだから黙ってればばれない事もあるでしょう」ニヤッ


この策士め……腹黒い。土御門くらい腹黒いぞ。


浦上「じゃあ大袈裟なリアクションしてね。まずベランダで驚愕の一声。中に入ったら茫然の表情。OK?」

香焼「……何か、ムカつくけど」ハァ・・・


仕方ない。自分もあの二人が実際何処まで上条さんに近づいたかは気になる。
意を決し、一声……『ええぇっ!!』と演技。部屋の中から『ガタッ!!』という音がした。

これはもう釣れるな。


浦上「うふふ。上出来よ」クスッ

香焼「何だかなぁ……」ポリポリ・・・


腑に落ちない。
じゃあ戻ろっかと再び浦上の後を追う。その時だった。


浦上「ああ、そうそう。御褒美がてらに教えてあげる」ニコッ

香焼「え」

浦上「相手は私と同い年(中三)の男の子だよ。『何も無い』訳、無いじゃん。キスくらい迫られるわよねー」ニコッ

香焼「……」ヒュー・・・

浦上「それ以上は……内緒! さ! 行こっか」ニコニコッ!


一瞬だが、浦上が女教皇様以上に大人に見えた。

中に戻ると、馬鹿二人がモジモジしていた。まぁ気になるわな。自分も『内緒』が気になって仕方が無い。


浦上「うふふ」ニコニコッ


ただ微笑み、台所へ向かう浦上。上手いな。自分が不在の場を作る気だ。
予想通り、女教皇様と五和が詰め寄ってきた。


五和「こ、コウちゃん……」グイッ・・・

神裂「ど、如何でした……」グイッ・・・

香焼「え、えっと……」タラー・・・


演技、演技ねぇ……
71 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 03:46:40.41 ID:QUx0plQw0
香焼「とりあえず……吃驚っす……」アハハ・・・

神裂・五和「「……」」チラッ


麦茶を飲む浦上の方を見遣る思春期女子高生。
自分はこれ以上聞かれたら拙いなと感じ、猫の方に逃げた。

それを見計らったかの様に戻って来る浦上。


浦上「さってと。狩りの続きでも!」

五和「う……ウラ」ボソッ

浦上「んー? 何ー?」ニコッ

五和「……教えるから、教えて」ボソボソッ

神裂「くっ……い、五和……」タラー・・・


先に喰いついたのは五和。女教皇様が葛藤なさってる。
浦上は笑顔を崩さず……内心してやったりと思ってるに違いないが、大きく頷いた。


浦上「うん、いいよー」ニコッ

五和「じゃあ、ベランダに」コソッ・・・

浦上「……」ジー・・・

五和「……え?」


立たれたら自分が聞けないのだが……と思いきや、何故か動く気配の浦上。


浦上「駄目」ニコッ

五和「え」

浦上「教えるよ。でもさぁ……」


女教皇様を一視、そして……


浦上「バレちゃ拙い事でも……有るのかナ?」ニヤッ・・・

ぬこ「なぁ」コロコロ・・・

神裂・五和「「ぐっ……」」タラー・・・


凄ぇ……コイツ、えげつねぇ。
72 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 04:03:30.94 ID:QUx0plQw0
浦上は自分の方を向いて、一瞬口端を釣りあげた。敵に回さなくて良かったと心底思う。
一方、五和と女教皇様は何度か目合わせしていた。

そして……


神裂「い、良いでしょう」コクッ


今度は先に女教皇様が動いた。五和が軽く舌打ちし、後から頷く。


浦上「じゃあ女教皇様、先にどうぞ」ニコッ

神裂「え、えっと……では……」モジモジ・・・


さて、何が飛び出すのか期待。


神裂「か、上条当麻の家に……し、私服で……お邪魔しました」カアアァ・・・///

3姉弟『……』ポカーン・・・

神裂「ど、どうですか?」ポリポリ・・・///


どうって……


浦上「えっと……私服デートくらいって当たり前じゃないですか?」

神裂「なぁっ!!? で、デートなんて……そんな……こ、コンビニまでを散歩した程度で……」カアアァ・・・///


まだ彼の家の外に出た事が無いらしい。まぁ家の中だけってのも逆に凄いけど。
さておき、今度は五和が余裕の笑みを浮かべ浦上に告げた。


五和「私は、その……ジュースをか、間接キ、キス……された!」カアアァ・・・///

神裂「な、にっ!!?」ドキッ!!?


それだけ? ……と言いたかったが、女教皇様的に大分インパクトがあったようだ。
しかし浦上は動じない。


浦上「それって上条さんのうっかりでしょ? 私は普通に回し飲みくらいはしたけど」

神裂・五和「「っ!!?」」ガタッ!!

香焼「浦上……二人の具合に応じて、それに返す訳っすね」ハァ

浦上「うん。そですヨ」ニコニコ


となると、二人は結構踏みこまなきゃいけないと思うのだが……その前に、何処まで近づいてるかも問題だろう。
謂わば二人の出し惜しみ無しのブッチャけトークと化す訳だ。

喧嘩にならなきゃいいが、それなりに期待。
73 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 04:20:33.68 ID:QUx0plQw0
浦上「それから? もう終わり?」ニヤッ・・・

神裂・五和「「くっ」」チラッ・・・


さて、どう出るか。


神裂「か、上条当麻の……し、下着を!! あ、洗いました!!」カアアァ・・・///

浦上「へぇ……姉さんにしては大胆ですネ。でも……五和もそのくらいしてるんじゃないの?」ニコッ

五和「そ、そうね。任務で泊った時に……い、一緒に私の衣類も……洗ったかな!」コホンッ///

神裂「に、任務でしょう。仕方無いですね」フンッ・・・


貴様らの衣類を普段洗わされてる自分は如何なんだ?


五和「か、上条さんの目を盗んで……ベットに……」///

浦上「おっ!! 夜這ったか!?」オ!?

神裂「っ!!?」ギロッ!

五和「で、出来ないよ! そんなの! ……べ、ベットに……ゴロンって……しちゃった。シーツをギュって」///

神裂「な、なんて破廉恥な!?」カアアァ・・・///

浦上・香焼「「……」」ポカーン・・・


何、この……乙女回路全開の二人。レベルが小学生だ。


浦上「えっとさぁ……ハグくらいはするよね」アハハ

神裂・五和「「出来る訳無いでしょう!!」」カアアァ・・・///


絶対浦上から聞きたい事聞き出せないなと悟った。


浦上「ほ、他には? うっかりは無しだよ」

神裂「ひ、膝枕を……」///

香焼「気絶したからとか?」

神裂「うっ……」グゥ・・・

五和「と、トイレに……」///

浦上「鍵が壊れてて間違ったとか?」

五和「なっ……」クゥ・・・


何かこう自分からモーション掛けた事は無いのだろうか。
74 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 04:49:02.79 ID:QUx0plQw0
浦上「せめて腕組むとか耳掻きとか、肩揉みしたとかは?」

神裂「そ、そういえば……禁書目録の携帯カメラで……ち、近寄って撮影を」///

五和「甘いです。この前……ぷ、プリクラ……と、撮っちゃいました!」///

神裂「な……」ガーン・・・

香焼「へぇ。外に連れ出せたんすね……禁書目録抜きで」

五和「むっ……りでした」ハァ・・・


そりゃそうだ。一応彼女も、どういったレベルかは別として上条当麻に好意を持つ者。
二人の横暴は許さないだろう。


浦上「じゃあさぁ……もう一番凄いって思える事、暴露して下さい。勿論禁書目録抜きで。それに応じて考えますから」ニコッ

神裂・五和「「……」」ピタッ・・・


空気が張り詰める。暫く無言が続いたが、突然……――



神裂「上条当麻の……と、隣に座らせてもらって……か、肩に頭を乗せました!!」カアアァ・・・///

五和「上条さんの……ほ、頬を摘まんで……あ、頭撫でてもらっちゃいました!!」カアアァ・・・///



―――同時に告白した……うん。頑張った。


浦上「うん……まぁ……」アハハ

神裂(頭を……撫でられただと……)チラッ・・・ゴゴゴゴ

五和(密着して……座っただと……)チラッ・・・ドドドド


何やら嫌な予感がする。


浦上「でもさぁ……それじゃあ他の子に取られても文句無いですネ」ボソッ

神裂・五和「「っ!!」」ドキッ!!?

香焼「オマ!!?」ギョッ!

浦上「いや別に選ぶのは上条さんだけどサ……レッサーくらいとは言わないけど、もっと強引でも良いんじゃない?」


アイツは例外だ。誰にでもああしてくるから仕方ない。
自分もよくからかわれる。アニェーゼが止めてくれるので助かるが、ストッパーがいなければ暴走の限りは続くだろう。
75 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 05:11:31.25 ID:QUx0plQw0
さておき、上条さん。


浦上「えっとね……私は腕組むくらいの強引はしたよ」

五和「そ、そうなんだ」ヘェ・・・

浦上「まぁライバルいなかったからだけどサ。付き合う前も音楽プレイヤー一つのイヤホンで聞いたりした」

神裂「な、成程」メモメモ・・・


何時の間にか勉強会になってるし。


浦上「あと怒られるかもしれないけど……付き合う前でも、少しくらいエッチな話ならしたよ」

五和・神裂「「は、破廉恥だっ!!」」カアアァ・・・///

浦上「頭ごなしにそう言うのも勝手だけど、相手は思春期の男の子だヨ? こういう話も出来る子なんだなって思われた方がリードするっしょ」

五和・神裂「「……ふむ」」コクッ・・・


確かに、まったくエッチぃ話も出来ない相手は堅苦しいかもしれない。
そういう知識が殆ど無いなら兎も角、多少フランクな方が取っ付きやすい。

ただ、女教皇様の場合は……知ってるのか? 五和は自分の事以外は変態親父だけど。


神裂「わ、私だって……少しは出来ますよ!」フンッ・・・///

香焼「まぁ年相応興味津津ムッツリだってのは分かってま……ぁいや、何でも有りません」

五和「私は、うん……オリアナ姉御から色々聞いてるもん!」フンヌッ!!


あの人は『純粋なお付き合い』をする上で、害となる情報しか齎さないぞ?


神裂「わ、私も先の二人から色々聞かされてます!」ムンッ!

浦上「へぇ……え? 二人?」キョトン・・・

香焼「意外っすね。風紀委員さんも?」ヘェ

神裂「彼女はお付き合いしている殿方がいるそうです。予想以上に……その……大人な話も……はい」コクッ・・・///

浦上「へぇ……第4位さんじゃないんですね」

神裂「彼女は口だk……じゃなくて知識豊富ですから、参考にはなります」ウン・・・


成程。第4位は態度だけで、ウブなんだ。秘密情報ゲット。
76 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 05:45:20.60 ID:QUx0plQw0
兎角、これ以上は危ないと判断した自分と浦上は話を切る事にした。


浦上「じゃあ私の秘密を少し。キスはしました」

神裂・五和「「おぉ……」」スゲェ・・・

浦上「後は内緒。二人がそれ相応の情報を持ってきたら教えます。香焼もだよ」ニコッ

香焼「自分は関係無いだろ……」ハァ・・・


まったく……さて、自分はとりあえずそろそろステイルの所にでも足を運びに……―――


浦上「でも、多分香焼の方が先に恋人作るんじゃない?」サラッ

香焼「……はぁ?」ポカーン・・・


―――……意味不明。何を言ってるんだ、オマエは。
ツッコんだら負けなので、無視しようと決めた瞬間……五和も乗ってきやがった。


五和「まずその子でしょ? それから……アニェーゼ。アンジェレネ。レッサー。サーシャ……」

香焼「何言ってんの?」ポカーン・・・

浦上「Dr.ツッチーの『カミやん・シンドローム』テストで、香焼引っ掛ったもんねー」

香焼「それオマエら勝手に騒いでるだけだろ……こっちの立場になってみろ。馬鹿にされてるだけだから」ッタク・・・


アニーもアンも、レッサーも、サーシャも仲は良いけど特別な感情なんか持ち合わせない。同年代なだけだ。


神裂「そういえば……男性陣でアニェーゼとアンジェレネを略称で呼ぶのは貴方くらいですね」フム・・・

香焼「それは、まぁ……歳近いからで」ムゥ

五和「それだけじゃなくて男女問わず横暴なアニェーゼとレッサーに絡むのコウちゃんだけじゃない?」ジー・・・

香焼「いや、皆勝手に苦手意識持ってるだけだからで別に普通の娘っすよ」

浦上「人見知りのアンジェレネと寡黙なサーシャも、仕事以外であそこまで仲良く出来るのも香焼だけじゃん」ニコッ

香焼「いや、だからさぁ……」ハァ・・・


アニーとレッサーは年相応に元気娘。アンとサーシャは此方から話しかけてあげれば普通の女子。
それだけの話だろう。人が誰かと仲良くするだけで、大袈裟なのだ。


五和「いや……マイノリティに挑戦する辺りがフラグ立ってんのよ。まぁこっちとしては楽しいん―――」ニヤニヤ・・・

浦上「まだまだ増えるんだろうねぇ……しかし! 私達は香焼新たな可能性(フラグ)を探るので―――」ニヤニヤ・・・

神裂「あ、天草は一応、一夫一妻です。し、しかし、如何してもというのであれば、特例を考えて―――」コホンッ・・・


まだ言う……馬鹿1号、馬鹿2号、馬鹿V3。いい加減に……


香焼「こ、の……今日は帰らないからなっ!! 勝手にしろ!!」ガシッ!

ぬこ「にゃっ!?」ジタバタッ!

3姉妹『あ』ポカーン・・・


……出てってやる。絶対帰らない。そう決めて子猫を抱えて走り出した―――
77 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 06:04:42.67 ID:QUx0plQw0
 <おまけっ!>


ステイル「――……で、此処に来たと?」フゥ・・・

香焼「……」ムスッ・・・

ぬこ「にゃー」トコトコ・・・

ステイル「馬鹿だな……あのアパートは君の家だろう? 普通逆じゃないのか? 追い出すなり、何なり」ハァ

香焼「……泊めて」グズッ・・・

ステイル「構わないが、僕はずっと此処(上条宅の向いのアパート屋上)だぞ? 土御門の家にでも泊めて貰ったらどうだ?」

香焼「……いいから泊めて」グズッ・・・ウルウル・・・

ぬこ「みー」スリスリ・・・

ステイル「……」ウッ・・・

香焼「お願い」クイッ・・・

ステイル「ぐっ……寝袋は一つしか無いんだぞ。考えて物を言え!」ジジジ・・・フゥ

香焼「一緒で良いもん」グズッ・・・

ステイル「な、オマ……た、煙草臭いから嫌だとか言うだろ!」グッ・・・

香焼「言わないから……泊めてよぅ……」ウルウル・・・

ステイル「ば……馬鹿言うな! 男同士で気持ち悪い……誰かの家に泊れ!」フンッ

香焼「……ステイルぅ」ウルウル・・・

ステイル「……だ、駄目だ」コホンッ

香焼「もう……いいっす」スタッ・・・テクテク・・・

ステイル「こ、香焼?」チラッ

香焼「迷惑掛けた。ごめん……行くよ」スッ・・・

ぬこ「……なぅ」トコトコ・・・


 ――ぴゅー・・・・・


ステイル「女々しい奴……」ハァ・・・

ステイル「……行ったか。神裂に説教メールだな。教皇のくせに大人げ無い奴め」チラッ

ステイル「きちんと……寝床確保しろよ」ボソッ
78 :第3話――浦上「それで……二人は何処までイったの?」  香焼「ちょ、オマっ!!?」 :2011/03/09(水) 06:22:02.29 ID:QUx0plQw0
 <おまけっ!!>


浦上「あーあ。行っちゃった」アチャー・・・

神裂「少し言い過ぎましたね……」ハァ

五和「いや、戻って来るっしょ」ウンウン

神裂「だと、いいのですが……」フム・・・

浦上「いやぁ、今頃新しいフラグでも立ててるんじゃないんですかネ」フヒヒ!

五和「案外ステイルさんとかー」アハハ!

神裂「あはは。まぁステイルとも仲が良いですからね」ハハハ

浦上「もしかしてぇ……一緒の布団に二人で……とか!?」ニヤッ!

神裂・五和「「きゃー!!」」///




 <おまけっ!!?>


初春「編集長っ!! 新作は『不良イケメン神父×迷える男の娘』にしましょう!!」ガタッ!!

冷蔵庫『ふむ……よっしゃー!! 運営様からOKが出た! 明日までにシナリオ上げろ! 受け攻め交換パターンもだ!』ウウィイイイン・・・

初春「了解です! あと今週までに15pまで、ベタ・トーン作業やっちゃうんで出来ればアシ回して下さい!」グッ!

冷蔵庫『あいよ! 探してみるぜ!』ブオオオォン・・・


白井「うい……は……る?」エ・・・

佐天「何か、お花が蠢いてるよ……」ゲ・・・

固法「いい加減冷蔵庫交換しようかしら」ハァ・・・

御坂「……意外と冷静ですね」アハハ・・・
79 :>>1 :2011/03/09(水) 06:30:00.27 ID:QUx0plQw0
はい、終了。また朝方まで掛った……次回こそ普通の時間に投稿する!

さておき、次回はアンケートの結果で決まります。


@小萌・あわきんペアに拾われる。

A黄泉川・打ち止めペアに拾われる。

Bその他。


どうかご協力お願いします。


それでは感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントお願いします。それじゃあ、また次回! ノシ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 06:47:12.87 ID:MVkU/sZFo
乙!
ふぅ、長かったぜ。これでようやく寝られるw

アンケートは
Bむぎのん&りこりんペアに拾われる
で。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 07:07:33.51 ID:qEb+wLwDO
乙! 初春通常運行だなww


@あわきんがアップを始めた様です!


ところで‥‥ステイル×香焼を書いても良いのよ?
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 07:21:08.08 ID:7OmVGZxAO
乙!今回も面白い。
アンケートは2がいいです。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 07:29:56.53 ID:wwtuLPiDO
乙!続き楽しみです!!
アンケートは2で
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 08:17:42.75 ID:lcmVSTdao
Bアイテムの5人組に拾われる(フレンダ・絹旗・麦野・滝壺・浜面)

絹旗とコンタクトとれるしむぎのんともコンタクトとれるので
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 08:42:24.88 ID:AKbQTmlDO
乙〜
リトバスネタに笑った。
アンケートは@で
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 08:48:21.22 ID:AuCfxniDO
@でお願いします
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 09:02:46.44 ID:OaMOZO+AO
@

そろそろある意味本格的にピンチな場面を見てみたいwwwwww
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 09:18:32.59 ID:e0ovt1WIO
@で!

寧ろ通行止めに拾われろ
89 :88 [sage]:2011/03/09(水) 09:19:34.68 ID:e0ovt1WIO
@じゃ無くてAだぁあ!
間違えた上に連レスすまん
半年ROMってくる
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 10:08:11.89 ID:uFueiV9AO
乙です
初春も帝凍庫くんも通常運営で何よりwww

アンケは@で
あと地味に>>1の書いたステイルと小萌先生の絡みとか見てみたいかも
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 10:42:05.06 ID:YJJqrnTAO
@かA…だと…!?
両方で
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 12:04:07.89 ID:4MTuu1SAO
ねーちんはナルにゃん好き、まで読んだ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 13:47:02.90 ID:O3gQb5NAO
アイテムに拾われるのもいいけど、小萌先生とステイルの話をしてほしいから@で!
94 :>>1 :2011/03/09(水) 21:15:04.87 ID:QUx0plQw0
こんばんわ! 今日は昨日の続きです……アンケの結果は@となりました。アイテム、打ち止め期待してた人はごめんね!

まずレス返信!

>>80
滝壺にゃんと香焼くんの絡みってほのぼのしそうだね。むぎのんは……魔女の所為で悪いイメージしか……

>>81
BLなんて書いた事ないんだもの……

>>84
絹旗はまた出すからちょっと待っててね!

>>85
香焼理樹にゃん、ステイルが謙吾役って超ピッタリ来るんだよね。

>>87
今日はピンチ来ますよー! 色んな意味で(笑)

>>88
一通さんと如何からませよう……別世界では兄貴が中間入ったからいいけど。

>>90
初春ファンの方々ごめんなさい! 小萌先生とステイルは、いいよね。ステイルはチビっ娘と上手く混ざる。

>>92
というか、ねーちんのイメージがナルガクルガだww

>>93
今回ステイルはちょこっとしか出ないかも。ごめんね。


んでもって<主な登場人物C>

・結標淡希……多分、一番香焼との絡みを期待されてる人。だけど此処では『ショタコン』とはちょっと違う路線。カミやん病抗体無し。
        霧ヶ丘女学院高等部2年特別学級。能力は「座標移動(ムーブポイント)」の大能力者。ただし「単体ジャンプ」は危険。
        呼称は……結標、結標ちゃん、淡希、あわきん、あわき。

        学園都市暗部『グループ』所属。変態集団のショタコン枠。高校には絹旗と同様、名前を置いているだけ。月詠家居候。
        元学生運動(テロリスト)のリーダーで、それなりにカリスマはある。ただしガラスのメンタルハート。アドリブ利かない。
        窓のないビルの内部に運ぶ『案内人』を務めている。アレイスター的に便利屋その5くらいのポジション。
        性格は姉御肌。年下の面倒は上が見るべきだと謳い、グループでもリーダーを主張する。でも実は海原(エツァリ)の方が上。
        守銭奴。ひっきー。友達少ない。運動しない……無意識で一方通行とイチャイチャしてる等、あまり健康的では無い様子。
        香焼くんは如何なる事やら……(以下追々付け足していきます)


・月詠小萌……学園都市の七不思議である「完全幼女宣言」その人。その見た目とは対に、教師の鑑。とある高校1年7組(上条クラス)担任。
        専攻は発火能力。他にも社会心理学・環境心理学・行動心理学・交通心理学・等の心理学の専門家でもある。
        呼称は……小萌先生、小萌、月詠先生、月詠さん、合法ロリ、山盛り灰皿(ホワイトスモーカー)など。

        色者ぞろいの上条に近い人物の中で比較的一般人な人。だが「大人の目」で上条を一番気に掛けてくれてる人でもある。
        幼女(似非)のくせに大酒豪で愛煙者。住んでる家はオンボロだが特注車を持ち、頻繁に焼肉パーティーを開き、
        煙草の高い学園都市でヘビースモーカーで有る点貧乏では無い模様。結標が払ってる手間賃を足せば、かなりのお金持ちかも。
        性格は総合して大人。時間に精確。真剣に不良少年少女に向き合い、自分の家を借宿として提供する。だけど結構お茶目。
        実は……神道月詠神社の「ツクヨミノミコト」の陰(女性)の部、巫女役としてその身に神を―――嘘です。
        香焼よりステイルとの関わりの方が気になる……(以下追々付け足していきます)


という訳で、同日の物語! 投下します!
95 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 21:18:13.97 ID:QUx0plQw0
 ―――とある休日、PM05:45、学園都市第7学区、とある商店街・・・・・



さっき(第3話)のあらすじ。自分こと、香焼は意地悪な自称姉達に虐められ家出しました。


ぬこ「にゃー」ペチペチ・・・

香焼「……オマエまで連れ出しちゃってごめんな」ナデナデ・・・


冷え込んできた秋の夕暮れ。自分と子猫は商店街付近をウロウロしていた。
突発的に飛び出してきた為、携帯も財布も家に忘れてしまった。こんな事ならステイルに少々借りれば良かったかもしれない。

だが……今更ステイルの所へも、自分の家にも戻る事は出来ない。
今日は帰らない、と叫んだ以上此処で折れたらきっと笑われてしまうだろう。


香焼「アイツら……自分ん家帰ってないかなぁ。そしたら戻れるのに」ハァ・・・

ぬこ「みー」スリスリ・・・

香焼「せめてオマエのご飯くらいは用意しないとな」ニコッ・・・


自分の我が儘で連れてきてしまった。申し訳無い限りだ。

しかし……これから如何しよう。
他の潜入学徒の家には五和達が根回ししてるだろうし、土御門や上条さんにもあまり迷惑掛けたくない。
だがこのままウロウロしていては風紀委員か警備員に補導されかねないし……仕方ない。


香焼「公園の林か路地裏で一晩過ごそ」ハァ・・・


そこならばれない。治安も危険だが、自分は並の不良に負ける程軟弱ではない。
そう考え、トボトボ足を進めた……―――
96 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 21:20:19.57 ID:QUx0plQw0
 ―――とある休日、PM05:55、学園都市第7学区、とある商店街、スーパーとたけけ・・・・・


 ウィーン・・・アリガトッザイヤシター・・・・・


月詠「ふんふふ、ふんふふ、ふんふーふ〜ん♪」ニコニコ!

結標「小萌……特売だからって買い過ぎじゃないの? 流石に特級焼き肉セットは多いわよ……」ハァ・・・

月詠「余ったら冷凍しておけば良いんですよ。多分、賞味期限が危なくなったらシスターちゃんが処理しに来てくれるのです」ビシッ

結標「インデックスに任せたら冷蔵庫空になるわ。まったく……秋沙も秋沙よ。こんな時に来ないなんて……」ムゥ・・・

月詠「仕方ないですよー。姫神ちゃんはクラスメイトのお誕生日会ですからね」ニコッ

結標「小学生かっての……ハァ」テクテク・・・

月詠「あらあら。数少ないお友達が来てくれなくて残念ですか?」ニヤッ

結標「べ、別にそんな事思ってないもん」ムッ!

月詠「だったらちゃんと学校に行ってお友達を作る事です。友人関係は利害関係では無い立派な――」

結標「あーはいはい。お説教はまた今度受けるから」テクテク・・・

月詠「―――……んもー」プンスカッ!

結標「ごめんごめん。わたしー、こもえがー、だいすきー」ボウヨミー

月詠「心が全く籠って無い……今までで一番難しい娘なのですよ、結標ちゃんは……」ハァ・・・

結標「ゆるしてー」ニコニコ

月詠「ハァ……ん!」ピキリーンッ!!

結標「しっかし、お酒も沢山ね。冷蔵庫にまだ有ったでしょう。私呑めないのに……って、如何したの?」ヘ?

月詠「……家出気質(プレッシャー)を感じました」キョロキョロ・・・

結標「ぷ、ぷれっしゃー?」ポカーン・・・

月詠「……こっちですね!」スタスタスタ!

結標「ちょ、ちょっと! ……もう!!」ハァ・・・
97 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 21:24:15.69 ID:QUx0plQw0
 ―――とある休日、PM06:00、学園都市第7学区、とある通り・・・・・




香焼「此処の路地でいいっか」

ぬこ「みー」


適当な路地を見つけた。スキルアウトが居なそうなビル裏。


香焼「……お腹空いた」クゥー

ぬこ「……なぅ」

香焼「任務だと思えば一食くらいは大丈夫だけど……携帯食とタオルケットくらい欲しいな」

ぬこ「にゃん」

香焼「オマエは僕の服の中でダイジョブだね」ハハハ・・・


久しぶりに『僕』という一人称を使った。更に幼く見えるから普段は使わない様にしている。

さておき、子猫の寝床だが自分の服の中で大丈夫だろう。パーカー裏に隠してる暗器(ナイフ)を外せば問題無い。
兎角、業務用の大きなダストボックスの横に座り込み、猫を抱えて……目を瞑った。

……虚しい。


香焼「……馬鹿姉」グズッ・・・

ぬこ「にゃー」


純粋に仲良くしている友人達を変な目で見やがって……許さないからな。
ペロペロと舐めてくる猫の温もりだけが、唯一の救いだった。


香焼「……ごめんな」ナデナデ

ぬこ「みぅ」ペロペロ


お腹が鳴る。猫も物欲しそうな目で自分を見上げてくる。
いっそ隣のダストボックスでも漁ってみようか……そう考えた時だった。


??「もしもし」

香焼「……え」キョトン

??「そこで何をしてるのですか?」


小学校低学年くらいの子供が声を掛けてきた。


香焼「何って……」タラー・・・

??「まだ小さいのに……家出ですか?」ジー・・・

香焼「ち、小さいって……人の事言えないだろ」ジトー・・・

??「失礼ですね。私はこう見えても学校の先生ですよ!」プンスカ!


嘘付け。どう見ても自分より年下だろう。最愛より幼いぞ。
98 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 21:26:33.77 ID:QUx0plQw0
??「兎に角、小学生が居て良い場所じゃありません。如何してこんな場所に居るかお話聞かせて下さい」ニコッ

香焼「しょ……中学生っすよ!」ギロッ

ぬこ「なぅ」トコトコ

??「それは失礼しました。あ、猫ちゃんです」ペコッ


一転、飛び出した猫の方に近づきニッコリと撫で始める自称教師な少女。
ヤレヤレと溜息を吐きながら無言でそのやりとりを見詰めていた刹那……少女の背後からまた人が現れた。


??「小萌。勝手にノコノコ行かないでよ。袋持ってんの私なのよ?」

??「あ、ごめんなさい」

??「ったく……何? また家出少年見つけたの? それともその猫に釣られた?」ジー・・・

ぬこ「みー」キョロッ


女教皇様に負けないくらい露出が多い、大人びた感じの女性。歳は五和と同じくらいだろうか。


??「……ペット感覚じゃないんだからヒョイヒョイ拾わないでよね」ジトー・・・

??「むぅ。そんな事思ってませんよ」ムッ

??「アンタも……」ジー・・・


自分の方を睨んでくる年上の女性。


??「……こんなとこいないで、大人しく家に帰りなさい。スキルアウトが少ない所とはいえ、ガキが居て良い場所じゃないわ」フンッ

香焼「……やだ」ボソッ

??「生意気ね。折角の忠告を……痛い目見なきゃ分かんない?」スッ・・・

香焼「っ」ギョッ・・・


腰の辺りに手を伸ばす女性。何やら拙い予感。


??「結標ちゃん!」ギロッ!

??「……」ピタッ・・・

??「……任せて下さい」ジー・・・

??「……ふんっ」


どうぞご勝手に、と後ろに下がる。
何故か猫もその後を付けて行った。ビニール袋の中身に釣られたのだろうか。


??「とりあえずこんな場所じゃなんです。私の家に来ませんか?」ニコッ

香焼「え」キョトン・・・

??「生憎、特売でお肉を買い過ぎちゃって困ってるのですよー。減らすのを手伝って欲しいのです」

香焼「お、お肉?」クゥー・・・「……あ」///

??「ふふふ。さ、行きましょう。帰りがてらお話聞かせて下さい」ニコニコ


無邪気な笑み。多分、害は無い人だ。
という訳で……空腹の誘惑に負けた。猫もさっきの女性に付いていってしまったし、止むを得なくお邪魔する事にした。
99 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 21:42:17.97 ID:QUx0plQw0
 ―――とある休日、PM06:10、学園都市第7学区、とある通り・・・・・



家に着くまでの間、小さな少女……もとい先生から自己紹介を受けた。

名前は月詠小萌さん。本当に高校教師をやってるらしい。
それからもう一人は結標淡希さん。月詠さん家の居候さんだとか。

自分も簡単に自己紹介し、歩を進めた。


月詠「―――……成程。お姉さん達と喧嘩をしちゃったんですか」

香焼「喧嘩っていうか……アッチが一方的に悪いんすよ。人の友達変な目で見て」ムゥ・・・

月詠「あはは……先生の教え子にも、本人の意志とは別によくフラグが立っちゃう子がいますけどねー」ハハハ


フラグとか如何とか、皆して良く分からない事を言う。


結標「ま、要は身内の痴話から逃げ出してきたんでしょ? 貴方の家なのに」チラッ

香焼「……はい」シュン・・・

月詠「結標ちゃん。言い方ってものがあるのです」メッ!

結標「はいはい。悪ぅござんした」テクテク・・・

ぬこ「みー」スリスリ


物事をはっきり言う人。だけど猫を肩に乗せてるので、今一貫禄が出てない。


月詠「ごめんなさい。結標ちゃん、ホントは良い子なんですよ」ハァ

香焼「い、いえ。別に気にしてませんから」アハハ・・・

月詠「それより、財布も携帯も忘れて出てくるなんて困りましたね……お家に連絡を――」

香焼「嫌です」キッパリ!

月詠「―――……」ムゥ・・・


アッチから謝って来ない限り、連絡なんてするものか。


結標「でも今のままじゃ如何やっても連絡取れないんじゃないの? それじゃ謝罪も聞けないじゃない」

香焼「……でも、今日は絶対許さないって決めたっす」グッ・・・

月詠「香焼ちゃん……」ジー・・・

ぬこ「なー」ペチペチ・・・

結標「……ふふっ。そういう意固地な男の子は嫌いじゃないわ」ニコッ

香焼「え」キョトン・・・


そう言って、結標さんは立ち止まり……告げた。
100 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 21:59:32.04 ID:QUx0plQw0
結標「泊めてあげてもいいよ?」ニコッ

香焼・月詠「「……」」ポカーン・・・


いや、アンタの家じゃないでしょ……


月詠「ごめんなさい。結標ちゃん、謙虚って言葉を知らないんです」ハァ

香焼「え、あ、その……」アハハ・・・

結標「失礼ね。で? 如何するの? 飯食ったら出てく?」ジー・・・

香焼「……えっと」チラッ


家主さんが良しと言ってないし、それに赤の他人の女性の家に泊るなんて気が引ける。


月詠「私は構いませんよ。教師としてまだ小学7年生の子を外に放っぽり出す方がいけない事ですからね」ニコッ

香焼「小学7……でも」チラッ

結標「私が『良い』って言ってるの。子供はお言葉に甘えなさい」フンッ

ぬこ「にゃん」ペロッ

結標「子猫(この子)も外で寝かせる? まぁ畜生だから平気っちゃ平気でしょうけど」

香焼「……」ウーン・・・


些か急過ぎる。
自分が頭を悩ませている最中、月詠さんが微笑み告げた。


月詠「香焼ちゃん。では一晩私の家で考えましょう。泊るとかじゃなくて、そのお姉さん達の愚痴を聞かせてくれるだけでも良いんです」ニコッ

香焼「……むぅ」ポリポリ・・・

月詠「怒らないで下さいね? 貴方も……頭を冷やす時間が必要です。自分が一番分かっているのでは?」チラッ

香焼「……」ハァ


確かに、自分も……多少大人げ無かったかもしれない。一番年下だが。
しかし女性二人の部屋にお邪魔するのは……                   ※五和・浦上は女性としてカウントしてません。


結標「今時珍しい堅気な少年だって事は分かった。それとも……実は襲っちゃおーなんて考えてる悪い子?」ニヤッ

香焼「ま、まさか!!」カアアァ・・・///

結標「ふふっ。じゃあ決定ね」ニコッ

ぬこ「みゃー」コロコロ


悩んだ末、結局丸め込まれてしまった。
101 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 22:23:42.14 ID:QUx0plQw0
《その頃……一方、香焼宅》


五和「こ、コウちゃんが何処にも居ないよーぅ!!」アワワワ・・・

浦上「五和落ち着いて。こういう時は素数を数えるの」ポンッ

五和「わ、分かった……1、2、4、8、16、32、64……」フゥ・・・

神裂「それは二の乗数です……浦上、他の潜入学徒から連絡は?」タラー・・・

浦上「ありません。土御門さんも、上条さんも見てないそうですヨ」ハァ・・・

五和「ステイルさんが見かけたのが最後です! ど、如何しよう……誰かに捕まってたら……」ギャー!

神裂「それは無いでしょう。あの子も魔術師の一人です……もしかしたら警備員に保護されてる可能性も」フム・・・

浦上「……もしかして今頃、グレてスキルアウトの仲間入りとかしてたら」アハハ・・・

神裂・五和「「っ!!?」」ドキッ・・・

浦上「(んな事する訳無いでしょww)……もしくは思い詰めて……ビルの屋上から身を……」ワー!

神裂「し、至急捜索班を準備しなさい!!」アワワワ・・・

五和「土御門さんに街の監視モニタージャック許可を取ります!」ドタバタ!

浦上「あはは……(……いやぁ。大袈裟ですネ)」アハハ・・・




《その頃……もう一方、香焼達付近のビル屋上》


ステイル「まったく世話の焼ける奴だ……ん?」ジー・・・

ステイル「いた……誰かと一緒だな……アレは『案内人』と……『あの人』か!?」エ?!

ステイル「何故、香焼が一緒に……ふむ」ポリポリ・・・

ステイル「これは神裂達よりも、土御門に連絡した方が無難だな」カチッ・・・フゥ

ステイル「……派手な行動は慎めよ、香焼」ジジジジ・・・




《その頃……まったく関係無いバイキング店》


 ガヤガヤガヤ・・・・


デルタフォース『喰い放題だー!!』ワーイ!

吹寄「黙れ!! 貴様らが主役じゃないぞ!!」コラー!

誕生日の子「あはは。まぁまぁ」ポリポリ・・・

姫神「おめでとう……小萌先生も来れば良かったのに」ムゥ

禁書「代わりに私が来たんだよ!!」バクバク!

姫神「がめついわね。まぁ淡希を放っておけないのも分かるけど……ん? 土御門くん。携帯鳴ってるわ」チラッ

土御門「とりあえず乾杯してから見るから大丈夫だぜぃ!! ほれ! 吹寄!! 音頭取るにゃー!」ワー!

姫神「……もぅ」ハァ・・・
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 22:29:35.21 ID:qEb+wLwDO
やったー! 二日連続だー!


サブタイトルって、褒めてあげてm‥‥おや? 誰か来たようだ。
103 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 23:18:03.38 ID:QUx0plQw0
 ―――とある休日、PM06:30、学園都市第7学区、とあるアパート(月詠家)・・・・・



それから歩いて数分後……


月詠「此処です」テクテク・・・

香焼「……」タラー・・・

ぬこ「なぅ」ジー・・・


大分年季の入ったオンボロ荘だ。
固まっていた自分の背中を、結標さんに押され歩を進めた。

通路に洗濯機と物干し竿。トイレは……良かった。共同じゃないみたいだ。


結標「金有るくせにこんな家住んでんのよ」ハァ

月詠「結標ちゃん。贅沢は敵ですよ! それに守銭奴具合なら結標ちゃんの方が上なのです!」ムゥ

結標「あー、そーですねー」ボーヨミー


ムキーと唸る月詠さん。よくこの二人が共同生活出来てるなと内心苦笑した。
兎角、月詠さんの後を追い部屋に入―――


香焼「……」ウワッ・・・

ぬこ「……にゃ」ピタッ・・・


煙草臭い。


結標「すぐ慣れるわよ。ほら上がった上がった」ウイッ

香焼「は、はい……お邪魔します」テクテク・・・

月詠「はい。いらっしゃいです」ニコッ


何とも、男っぽい部屋だった。山盛り灰皿、ゴミ袋いっぱいの酒缶。


香焼「結標さん……煙草喫うんすね」チラッ

結標「私は酒も煙草も嫌いよ。全部小萌」テクテク・・・

香焼「」


何たるギャップ……改めてあの合法ロリ教師は大人なのだと認識した。
104 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/09(水) 23:47:12.15 ID:QUx0plQw0
一寸後……円卓にホットプレートとお肉、野菜、それから月詠さんのビールを準備し焼き肉が始まった。
因みに、子猫にはツナ缶と麦飯を混ぜた猫まんまを食べさせた。


月詠「さて、では……」パンッ

香焼・結標「「いただきます」」ペコッ


瞬間、月詠さんが肉の塊をブチ込んだ。


結標「小萌! ばらけさせろっていつも言ってるでしょ!」アーア・・・

月詠「お腹に入れば皆同じですよ」ゴクゴク・・・プハー!

結標「それじゃ火が通らないのよ。まったく……ほら、香焼くんも手伝って」イソイソ

香焼「え、あ、はい」イソイソ・・・


ドチラが保護者か分からない。
それから結標さんの手伝いを続けながら夕飯を続けた。結標さんは意外に几帳面で面倒見が良いらしい。
口調などはガサツかもしれないが、所々細かい所にも目が行く人だ。


月詠「もぐもぐ……時に香焼ちゃん」ビシッ

結標「箸で人指さない。行儀悪い……はい。コレ焼けた」ヒョイッ

香焼「(今、箸使ってないのに……皿の上にある?!) え、あ、ど、どうも……何すか?」キョトン・・・

月詠「学生証が無いので確認できなかったんですけど、学校はドチラに?」モグモグ

結標「小萌、食べるか話すかどっちかにする。あと野菜食べなさい」ヒョイッ

月詠「どうも♪」ニコッ


結標さん、母親みたいだな。


香焼「自分は、えっと……『▲▲▲学院中等部』っす」ボソッ

月詠・結標「「……」」ピタッ・・・

ぬこ「まぅ」クチャクチャ・・・


まぁ最初は皆驚く。


月詠「ほ、本当ですか!? 理事校!!?」ジー・・・

香焼「ええ、一応」アハハ・・・

結標「やだ、小萌。今までで一番トンデモ無い子拾ってきたわよ!?」ヘェ・・・

香焼「い、いや、別に普通の学生っすよ。学園都市内なのに能力開発無い点、他の学校より劣ってるっていう人もいますし」タラー・・・

結標「言い方悪いけど、頭の中弄られる側じゃ無くて……弄る方針決める側の勉強してんだから、十分エリートよ」モグモグ


毒のある言い方だが、それも一理ある。
今の発言に月詠さんは苦い顔をしていたが、それでも理事校という点は驚くに値した様だ。
105 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 00:12:16.09 ID:aUjZRigj0
香焼「……エリートとかそういう風に言われるのは好きじゃないっす」ムゥ

結標「そう? 変わった子ね。まぁその環境で家出しちゃうんだからかなり変わってるんでしょうけど」ヒョイッ

月詠「結標ちゃんだって御嬢様校なのに家出してるでしょう」ハァ・・・

香焼「御嬢様校?」

結標「……そうでもないわよ」フンッ

月詠「霧ヶ丘ですよ。しかも大能力者さんなのです!」エヘン!

結標「ちょ、小萌!」ンモー・・・


自分の事の様に自慢する月詠さん。
霧ヶ丘で大能力者って……何だか最愛に似てるな。きっと珍しい能力なんだろう。


結標「ふんっ……別に学校で教わる事なんか無いわよ。霧ヶ丘(あの学校)は仲良しこよしなんてのは一切無いんだから」ッタク・・・

月詠「もう……まだ意地張るんですか」ハァ・・・


何やら険悪な雰囲気。


香焼「え、えっと、月詠さんはドチラの学校に御勤めなんすか?」アハハ・・・

月詠「私ですか? ○○高校ですよー」ニコッ

香焼「え……○○って」

月詠「知っていますか? そんなに有名な高校じゃない筈ですけど」

香焼「一応……」アハハ・・・


上条さん達の学校か。


結標「ん? ……知り合い居るとか?」ジー・・・

香焼「少々、はい」コクッ

月詠「おお! 誰誰! 誰ですか!? 先生は生徒の顔名前、全員記憶してますよー!」ニコニコ!


言っていいものか……まぁ無害そうだから大丈夫か。


香焼「えっと、上条当麻さんと土御門元春さんっす」ポリポリ・・・

結標「っ……」ピタッ・・・

月詠「あらあら! 上条ちゃん達とお知り合いでしたかー! 二人とも先生の担任クラスの子ですよー!」パアァッ!!

香焼「え、あ、そうなんだ」アハハ・・・


存外、世界は狭いモノなのだと考えさせられた。
106 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 00:34:22.95 ID:aUjZRigj0
結標「……しかし、何処にでも出てくるわね。幻想殺し(イマジンブレイカー)は」ハァ

月詠「結標ちゃん。ちゃんと名前で呼んで上げなきゃ駄目ですよ」ンモー

香焼「っ」ピタッ・・・


何故、その呼称を……


結標「え? 駄目なの? (やっぱり……この反応……)」キョトン・・・

香焼「いや……駄目というか……」ジー・・・

結標「アイツ、自分でベラベラ言ってるけど。ね?」チラッ

月詠「そうですねー。無能力者なのに……『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)殺し』みたいな厨二ネーム自分に付けちゃって」ハァ・・・

結標「『俺の右手は異能の力なら何でも打ち消せるんだよ』だっけ? 絶対アレ希少能力よね。羨ましい」ウンウン

香焼「」

月詠「でも、少しは先生の能力開発の成果も実って……あれ? 香焼ちゃん?」


あの人は……少し自分の重要性を危惧した方が良い。


月詠「それにシスターちゃんも此処によく遊びに来ますよ」ニコニコ

香焼「い、禁書目録が?」ポカーン・・・

結標「知ってるのね。ホント、食い散らかすだけ喰い散らかして……秋沙と揃った時なんて大変よ」ハァ・・・

香焼「吸血ごr(ディープブr)……姫神、秋沙さんも?!」キョトン・・・


確か、今や吸血殺し(ディープブラッド)の異名は完璧タブーだ。危ない危ない。


月詠「姫神ちゃんも知ってるのですか! 理事校の学生さんに知ってもらえてるなんて……先生、有名人の恩師みたいですー!」キラキラ・・・

香焼「お、大袈裟っすよ。あははは……」タラー・・・

結標「……」ジー・・・

ぬこ「……にゃう」ペロペロ・・・


……この人は意外と、大物なのかもしれない。

それから暫時、楽しく食事が出来た。
月詠さんはビールを軽く5本空けてもデキ上がらないトンデモ少女。結標さんは始めの頃にくらべ、大分優しく対応してくれるようになった。
何とも……居心地が良い。新鮮である。あの馬鹿姉妹にも見習って欲しい程だ。
107 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 00:48:24.53 ID:aUjZRigj0
それから一寸後、食事終了。


香焼・結標「「ごちそうさまでした」」ペコッ

ぬこ「ぬぉー」ペコッ

月詠「はい。お粗末さまでした♪」ニコッ


お世話になっている手前、せめて食器洗いくらいはさせて貰わねばなるまい。
そう思って、プレートを持とうとした瞬間……


香焼「……あれ?」ポカーン・・・


プレートが消えていた。
それどころか次々とテーブルの上のモノが消えていく。何が起きてるのだ……


結標「……私の能力よ」ボソッ

香焼「え、あ……凄いっす……瞬間移動ってヤツっすか?」ポカーン・・・

結標「まぁそんなとこね。でも詳細は……な・い・しょ♪」ニコッ


狐に頬を抓まれた様だ。テーブルの上のモノが全て台所にある。
兎角、食器洗いくらいはしないと……


月詠「いいですよ。香焼ちゃん、お客様なのですから」ニコッ

香焼「いえ。世話になりっ放しで申し訳が立たないっす。せめてお手伝いくらいは」コクッ

月詠「そうですか。じゃあ水に浸けとくだけでいいです。そろそろ急がないといけないので」ウンウン


急ぐって何を? というかこの部屋時計無いし。


結標「何って、この家お風呂無いでしょ。銭湯行くのよ。銭湯」ヨイショ

香焼「あ……成程」コクッ

月詠「香焼ちゃんのお風呂セットは……既存のモノで大丈夫ですか? 必要でしたらお金貸すのですよ」

香焼「置いてある石鹸とかで大丈夫っす」コクッ

結標「パンツは?」サラッ

香焼「ぱん……え、えっと……」アハハ・・・///

月詠「結標ちゃん……デリカシー無いですね」ハァ

結標「だって私達の貸す訳にいかないでしょ? まぁそのままでも良いってんなら勝手だけど」

ぬこ「みー……」グシグシ・・・


……お言葉に甘えて、お金を借りよう。
108 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 01:13:16.00 ID:aUjZRigj0
 ―――とある休日、PM06:45、学園都市第7学区、とある銭湯・・・・・



ずっと一緒に居た子猫と暫しの別れを告げ、銭湯に出発した。
途中コンビニに寄り、結標さんから借りたお金で下着を購入。
月詠さんが『む、結標ちゃんがお金を貸した……だと……』と何故か驚いていた。そんなに珍しい事なのだろうか。


結標「お釣りは取っておきなさい」サラッ

香焼「え、でも、万札っすよ」ポリポリ・・・

月詠「む、結標ちゃん……明日病院に行きましょう。先生の知り合いに名医がいるのです!」アワワワ・・・

結標「失礼ね。バラで受け取るの面倒だから、後で諭吉ごと返せば良いって言ってるのよ。やるなんて言って無いわ」マッタク・・・

月詠「よ、良かった……いつもの結標ちゃんです」ホッ・・・


次の瞬間、脳天直下でチョップを喰らう月詠さん。まぁ自業自得だろう。
というか結標さんの『諭吉』って表現、生々しいな。


月詠「痛た……とりあえず、私達が最後くらいの筈なのでゆっくりどうぞです」ニコッ

結標「多分40分後くらいに玄関居るわ。合わせる気が有るならそのくらいに出てきなさい」テクテク・・・

香焼「了解っす」コクッ


そう言って、二人は先に女湯へ入って行った。
自分も男湯の方へ歩を進み、番頭さんに『大人料金』で支払った後、更衣室へ向かった。

しかし……都会の銭湯は結構高いようだ。
地元に居た頃は保護者が五十円(子供料金だからか)くらい払って入れてたような気がしたが、此処は三百円した。
後で聞いたがこれでも良心価格らしい。地方との差を感じられる瞬間だ。

さておき、自分は銭湯や温泉といった所で碌な思い出が無い。
理由は簡単。あの馬鹿姉達と悪乗りした大人(主に建宮さん)の所為である。
無理矢理、女湯入れさせられたり、覗きに行かされたりと……振り返るだけで涙が出る。

最近では、アンの裸を見てしまった時が大変だった。
悲鳴を聞いて駆け付けたアニーが圧底ブーツで股間蹴るし、サーシャがノコギリ股間に当ててきたし、レッサーが襲ってきたり……


香焼「ハァ……不幸だ」タラー・・・


誰かさんの口癖が伝染ってしまった。
まぁ今日はそんな事無いだろう。そう思って更衣室で着替え始めた。


香焼「ん?」チラッ


一人だけ、風呂に誰か居る様だ。特に気にする事でもないか。今身体流してるし、もう上がるのだろう。
109 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 01:28:38.91 ID:aUjZRigj0
ガララと戸を開け、中に入る。
入っていた人が上がるようで、丁度入れ違いに―――


香焼「っ」ビクッ・・・


―――建宮さん並の身体つき……


??「ん? 最後じゃなかったか」テクテク・・・


―――傷だらけ。大きな刺青……


香焼「……」トコトコ・・・

??「……」チラッ

香焼「っ」ペコッ・・・


この学園都市にも本格ヤクザ商売の人間は居るんだと、チラ見してしまった。
そそくさと逃げる様に湯の方へ向かった。


??「……おい、坊主」ボソッ

香焼「っ!!? は、はい!! (こ、声掛けられたぁっ!!?)」ビクッ!?


今の自分はまるで術式が練れない。何かされたら、あの体躯相手に太刀打ちできる訳無い。


??「……タオル、浴槽ん中入れんなよ」ニコッ

香焼「え……あ、はい。すいません……」ペコッ・・・


注意だけだった。かなりホッとする。
それからその人はさっさと着替えを終え、瓶牛乳二本片手に出て行った。
ヤクザ商売の人かと思ったが、服装がライダースだったので、喧嘩屋タイプか暴走族タイプのスキルアウトの方なのだと思う。


香焼「……怖かった」ハァ・・・


銭湯なんだから入れ墨厳禁にして欲しいものだ。心臓に悪過ぎる。
兎に角一安心し、ドップリ湯に浸かった。

たまに入る大浴場、しかも独り占めは気もち良いものだった。
110 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 01:47:53.07 ID:aUjZRigj0
 ―――とある休日、PM07:25、学園都市第7学区、とある銭湯・・・・・



きっかり40分後、自分は玄関口にいた。
湯冷めしない内に帰りたいものだ、と考える前に二人が出てきた。

結標さん髪下してる。さっきより大人びた感じだ。


結標「お待たせ。行きましょ」ニコッ

香焼「はい」コクッ


帰り際に瓶牛乳を渡される。
『奢りよ』と微笑まれたが『身長伸ばせよ』の暗喩にしか思えず、複雑な心境だった。


月詠「ところで香焼ちゃん」テクテク・・・

香焼「何すか?」ゴクゴクッ

月詠「お風呂の中で吃驚したでしょう」ニヤッ

香焼「ごほっげほっ!! ……え」タラー・・・

結標「あはは! まぁアレ見たら吃驚するわよねー」ケラケラ!


……知ってるの?


月詠「はい。女湯(此方)に知り合いの風紀委員さんがいたので、もしかしてー……と思ったら案の定でしたね」クスクス・・・

香焼「……まぁ、ええ。ヤクザ屋さんかと」ハァ・・・

結標「ふひひっ! ヤクザだってー! 強ち間違ってないわねぇ」アハハ!


風紀委員に、ヤクザ? 如何いう組み合わせだ……


結標「まぁあの夫婦は偶に閉館ギリギリで来るからね。旦那の身体の所為だけど」

月詠「夫婦って……大体合ってますけど」ハハハ・・・

結標「香焼くん。あの男の人には極力関わらない方がいいわ……危ない人だから」ニヤッ・・・


やっぱり、スキルアウトか何かなのだろうか。


月詠「結標ちゃん。嘘教えちゃいけませんよ。彼、今はカタギなんですからね」ムゥ

香焼「え……し、シノギの方だったんすか?」タラー・・・

結標「まぁそんじょそこらの生半可な能力者よりは強いわよ。風紀委員のエースとどっこいくらいじゃない?」

月詠「黄泉川先生に勝てる人が居たら、警備員の殆どが制圧されちゃった様なものですよ?」

結標「そうじゃない? 加え第7学区(此処ら)一帯を仕切ってるスキルアウトチームのリーダーの兄貴分って噂。おっかないわー」キャー


そういえば、そのスキルアウトチームのリーダーとは伊賀統領の御子息だろう。五和が調べ上げていたっけ。
111 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 02:05:20.75 ID:aUjZRigj0
結標「ま、今やあの女の私兵みたいなものだけどね」アハハ

月詠「あの女って彼女、結標ちゃんと同い年くらいですよ。あと私兵って……普通に就職活動頑張ってる男性ですよ」

結標「中卒で雇ってくれる場所、学園都市に有るのかしらね? しかも無能力者ときてる」アハハ!

月詠「……無能力者は、落ちこぼれじゃ無いんです。偏見は怒りますよ」ギロッ

結標「あは、は……わ、悪かったわよ。そんなんで怒らないでって」ハハハ・・・


この街は学歴社会ではない。能力主義だ。それは一種の選民思考。
子供達は入学当初から、そう教育されている。

それを悪と呼べるかどうかは一概に言いきれないが……しかし、自分は月詠さんの意見に賛成だ。
きっと能力とか、魔術とか、そういったものではない大事なモノが有ると思う。そう信じたい。


結標「……甘ちゃんね」フフッ

香焼「……悪かったっすね」ムッ

結標「ううん。別に悪くないわよ。貴方みたいな考えの人間が居なきゃ、世界は回らないもの」ニコッ

月詠「バランス、ですか?」フム

結標「そうね。どちらか一方よりの世界なんておかしいし、何よりつまらないわ」テクテク・・・


では、貴女はドチラなのだ……とは聞けなかった。


月詠「あの子も……良い方ですよ」ボソッ

香焼「え」キョトン・・・

月詠「良い方に、変わって来てます……今は間違えない様、見守るだけです」ニコッ・・・

香焼「……」チラッ・・・


この人は、本当に教師なのだ。こんな担任が欲しかったかも、本気でそう思えた。


結標「何してんのー。早く行くわよー」クルッ

月詠「はいはい。あ、帰りにお酒買わなきゃいけませんねー」ニコッ

結標「まだ呑むんかい……私も何か買ってこー。香焼くんも買う?」ニコッ

香焼「……ちゃんとした猫の餌、買って帰ります」クスッ


面白い人達(コンビ)だ。
112 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 02:53:11.92 ID:aUjZRigj0
 ―――とある休日、PM09:30、学園都市第7学区、とあるアパート(月詠家)・・・・・



それから家に戻ってグダグダと、時には真面目に話をした。
可笑しく、切なく、優しく、丁寧に返してくれる二人。

あの姉達も少しは見習ってくれたら良いのに……


結標「……それは香焼くんが邪険にしてるだけよ。だからそう見えちゃうんじゃない?」

香焼「……」

結標「人間、嫌って思っちゃうと全部悪く見えるものよ。感情ってそう出来てるモノよ」

香焼「……そう、なんすかね」

結標「ええ。意外と単純に」ニコッ


ハーフパンツにタンクトップ姿の結標さんは、悟ったような話口調で自分に告げた。


結標「……小萌、寝ちゃった」フフッ

香焼「え、あ……」チラッ

月詠「すぅ……くぅ……」zzz・・・

ぬこ「みゅぅ……」zzz・・・


熟睡、横たわる一人と一匹。因みに、月詠さんは可愛らしいパジャマにお着替え済みだ。
結標さんは静かに布団を敷き、月詠さんをそっと寝かせた。ついでに猫も隣に寝かせる。


結標「私は別として、小萌は根っからの善人よ。色々言われたと思うけど、真面目に受け止めなさい」フフッ

香焼「はい……結標さんも、良い人っすよ」コクッ

結標「ふふふ、ありがと。香焼くんは……良い人『過ぎる』わね」クスッ

香焼「……そんな事、無いっす」

結標「損する程に、良い人よ。甘いったるい程にね」


違う。買い被り過ぎだ。自分はそんな善人じゃ無い。


結標「……ま、いいわ。私達も寝ましょ」


自分は玄関に近い所、結標さんは月詠さんの隣に布団を敷く。
電気を消して『おやすみなさい』と一言、そしてパーカーを脱いで床に付いた。


香焼「……」ボー・・・


居心地が良い場所。でも……


香焼「多分……此処に居ちゃいけないんだと思う」


此処は『居るべき人』の場所。自分の場所じゃ無い。

……明日帰ってからキチンと話をしよう。誰が悪いとかじゃなく、腹を割って、言いたい事をぶつける。それだけだ。
113 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 03:35:38.02 ID:aUjZRigj0
疲れた。目を瞑って……ゆっくりと……―――


香焼「っ!?」ビクッ・・・


―――そう考えた刹那だった。身体に掛る重み。目線を胴体に向ける。そこには……


結標「……しー」スッ・・・

香焼「む、結標、さん……っ!?」ドキッ・・・


ゆっくりと、自分の身体を這うように、顔を近づけてくる。


結標「小萌が起きちゃう……」スッ・・・ピタッ

香焼「な、何を……」ドキッ・・・

結標「……何だと思う?」ニコッ・・・


面妖な笑み。


結標「驚かないで……私、貴方の事……気になるの」ペタッ・・・

香焼「結……標……さん……」ドキドキ・・・

結標「軽い女だと思わないで……誰でもって訳じゃないから……」ニコッ・・・

香焼「いや、ちょ……何で……」ゴクッ・・・

結標「香焼くん……貴方は優し過ぎる……そう言ったでしょう」ペタッ・・・


只管身体に触れてくる結標さん。


結標「甘い男に……甘えたくなる女だっているわ。その甘さ……優しさに酔い痴れたくなる」クスッ

香焼「だ、だからって……貴女も、自分も……全然互いの事知らないのに……」グッ・・・

結標「だから今から……『知り合い』ましょう……そういう事よ」ニコッ

香焼「そ、んな……自分は、まだ、そういうの……っ!!」ビクッ!?

結標「ふふふ。『そういうの』って、なぁに? おマセさん」グィッ・・・


徐ろに服の中に手を入れてきた。これは……拙い。こんな事されたら、思考が……


結標「緊張してるの? こんなに勃(な)ってるのに? 変態さんね」スッ・・・

香焼「おかしいっすよ、結標さん……好き合ってる訳じゃ……無いのに……っ」スッ・・・

結標「淡希って、呼んで……好きじゃ無くても人は抱けるのよ……こう見えても私初めてなの……お相子よ」ニコッ・・・

香焼「なら、尚更……」ギロッ

結標「もう、黙って……ん……」グッ・・・


ズボンの中を弄(まさぐ)る結標さん。声を出すか、突き飛ばすしかないのか……そう考えた瞬間―――
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 03:39:55.78 ID:5Nr6Z+zDO
!!? パンツ下ろしたぞっ!
115 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 04:09:55.87 ID:aUjZRigj0
香焼「っ?!」ギョッ!?


―――握られた。


結標「ふふっ……立派なモノね」クスッ・・・

香焼「結標……さん……」ビクッ・・・


―――ナイフを。


香焼(抜かった!!)シュッ!

結標「動くなッ」シャキッ!!

香焼「ぐっ……」ピタッ・・・


ズボンの中のガーターベルトから主戦用のナイフを奪われた。
そして自分の喉首にそれを押し付ける結標さん。


香焼「どう、して……」グッ・・・

結標「上着にダガーナイフ22本、煙玉3個、コンバットサバイバル1本。ズボン内にダガー16本、レイピアナイフ2本……他諸々」ギロッ

香焼「くっ……」

結標「幻想殺し、土御門、姫神に過剰反応……『こっち』側にいて、疑わない訳ないじゃない」ニヤッ・・・


という事は……


結標「そうね。同業者か如何かは知らないけど……『似た人間(裏っ側)』よ。甘ちゃん坊や」グッ・・・

香焼「な……ま、待って下さい。自分はそんな――」

結標「小萌に聞かせられない。外出るわよ」クイッ・・・

香焼「―――事、を……―――」


瞬間、天井が……―――……月夜の空に変わった。


香焼「―――っ……瞬間、移動(テレポート)か!!?」ドンッ!!


背中から地面に落ちる。肺から嫌な息が漏れた。
落とされたのは玄関側の庭の様で、月詠さんの部屋からゆっくり、結標さんが出てくる姿が見えた。

自分を見下しながら歩み寄って来る彼女。手には消音器(サイレンサー)付きの拳銃に……懐中電灯の様なモノ。


香焼「……拙い、な」ゴクッ・・・


逃げる気は無い……というか、今出来得る術式で逃げ切れない。
説得するしかないと腹を決め、服装を正し、結標さんが近づくのを待った。
116 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/10(木) 04:42:51.82 ID:aUjZRigj0
結標「……逃げないのね」カツカツ・・・

香焼「結標さん、話を聞いて下さい!」

結標「動かないで。穏便に済ませたいのはお互い様でしょ?」カチャッ・・・


相当頭に来てるらしい。此方からの主張は全部切られるだろう。質問等、順を追って説明しながら説得せねば納得しまい。
ゆっくりと近づいてきた結標さんは自分に膝立ち、両手を頭の後ろに置くよう指示。そして……『尋問』を開始した。


結標「所属、目的、仲間の数を言いなさい」グイッ

香焼「……」グッ・・・

結標「……此処で死ぬ?」スチャッ・・・

香焼「その前に、教えて下さい……」

結標「私の質問が先よ……答えろ!」ドンッ!

香焼「ぐっ!!」ドサッ!


押し倒され、馬乗りされた。銃口は突き付けられたままである。
質問に答えてしまってはいけない。何とか自分のペースに持って来ないと……

学園都市の『暗部』に触れてしまった場合、まずは土御門に指示を仰ぐ。鉄則だ。


香焼「つ、土御門を、知ってるんすね?」ゲホッ・・・

結標「あの道化師が如何かした? 関係無いでしょ?」ギロッ・・・

香焼「か、彼は……貴女の味方っすか? それとも……」


賭けだった。此処で『ノー』と言われれば……鋼糸(ワイヤー)で自分の首を掻っ切る。


結標「……どっちでもないわ。利害が一致したら仲間かもしれないし、逸ぐそうなら敵よ」

香焼「な、なら……彼に連絡を取って欲し―――ッッ!!」ビクッ!!


手の甲に鋭い痛み。


結標「自分のダガーで切られるのは痛い?」ニコッ・・・

香焼「む、結標さん……お願いっす……話を聞い―――ぁッ!!」グッ・・・

結標「ふふっ……利口なのね。大声上げたら鉛玉が飛んでくるって分かってるんだ」スチャッ・・・


完全優位の笑み。もはや嗜虐心と言っても過言ではない表情を浮かべ、自分を足蹴にする。


結標「あのね……貴方みたいな人が好きなのは嘘じゃ無いわ。でもね……運が悪かったの」グッ・・・

香焼「ッ……ゲホッゴホッ……やめ、て」グゥ・・・

結標「家出、というのは嘘じゃないわね? でも『仲間割れ』って言い方が正しいかしら? どっちにしろ……」スッ・・・


月と結標さんの頭が被さる。そして――


結標「香焼くん……貴方は私の数少ない『日常』に踏み込んだ『異形(イレギュラー)』……普通の子なら歓迎したけど……残念だわ」ギロッ


――歪んだ心を暴露した。
117 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 05:03:33.02 ID:aUjZRigj0
結標「小萌はね……小萌だけが、今の私の『日常』なの」フッ・・・

香焼「そ、んな……」

結標「そこに『異形』は要らない……例え一時の同僚(土御門)であっても、必要無い」ギロッ

香焼「か、彼は月詠さんの生徒で! ――ッッ!!」ザッ・・・

結標「『裏』のアイツは必要無いって事よっ……幻想殺しも『上条当麻』であるなら構わない」


この人の中心は自分では無く……月詠さん(あの人)なのか。


結標「いいえ。私が中心よ……ただ中心は二つ有る。『私(裏)』と『小萌(表)』……分かる?」

香焼「……っ」

結標「小萌が浮浪児拾ってくるのは構わない……でも貴方みたいな『危険な子』は駄目なの!」ギロッ・・・

香焼「違う……自分は、本当に……ただ普通に家出を」グッ・・・

結標「例えそうでも……もう遅いわ。知ってしまったもの」カチャッ・・・


顔を近づかせてくる結標さん。


結標「貴方に残された術は二つ。一つは全てを吐き、二度と此処に現れない事。もう一つは……」スッ・・・


態々ご丁寧に、自分の短刀を首筋に当てる。


結標「死、よ」グイッ・・・

香焼「っ」ゴクッ・・・


軽く血が流れた。この人は本当に『人を殺せる』人だ。
天草にはいない……本気のステイルやアニェーゼと同じ眼をしている。


結標「さぁ……答えなさい!」ググッ・・・

香焼「っ」ハァ・・・ハァ・・・

結標「第一、仲間の下から逃げてきたんでしょ? だったら簡単じゃない……それで生き残る。ね?」ニコッ・・・

香焼「そ……」ハァ・・・ハァ・・・

結標「好きなのは嘘じゃ無いって言ったでしょ。出来れば殺したくないわ……答えなさい。具合によっては専属の間諜にしてあげてもいい」ニコッ


甘言。短刀を持つ手とは別に、他方で頬を撫でる。一瞬だが先の『情事紛い』が思い出された……


結標「そうね……もしかしたら、『良い事』の続き、有るかもよ? ……答えなさい」グイッ・・・ニコッ


ナイフと情事。自分は……―――
118 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 05:33:23.73 ID:aUjZRigj0
香焼「ははは……素敵なお誘いっすね……本当っすか?」フゥ・・・

結標「……ええ。まぁ処女を上げるに値するかは別だけど二、三番目のペットとしてなら――」



―――お断りだ。糞売女(No,Bitch!!!)―――



結標「――ッ!!?」クッ!!


コイツは近づき過ぎた。この(0)距離なら能力云々関係無い。咄嗟に手首を掴み、ナイフを叩き落とす。
慌てた結標は急いで拳銃を掴み、もう躊躇わず引鉄を握ろうとする。


香焼「やらせるものかよっ」シュッ!

結標「っ……ワイヤー!?」グイッ・・・


手首に鋼糸を巻き付け、目標を逸らす。
放たれた火花(マズルフラッシュ)で一瞬自分の動きが止まったが、銃弾は顔面を逸れ地面に突き刺さった様だ。
そこで勢いを止めず、鋼糸を引っ張り結標の身体を地面へ薙ぐ。
結標も拙いと察し、銃を滑らせワイヤーが掛って無い逆の手に持ち替えた。そして……


香焼「っ!!」グイッ!!

結標「っ!!」カチャッ!!


状況は……逆転。自分が馬乗りに。
しかし相手は銃を腹部に立て、自分は短刀を胸部に突き立てる形で止まった。これでは、均衡。


香焼「仲間は、売れない……お願いします。大人しく帰りますから……此処は引いて下さい」ハァ・・・ハァ・・・

結標「……引鉄を、引くわ」ギロッ・・・

香焼「自分は刺しません。でも自分が死んだら……自分の意志とは関係無しに、体重で貴女の心臓にナイフが刺さります」グッ・・・

結標「……自分の意志では殺しはしないつもり? ホント……トんだ、甘ちゃんね」フゥ・・・ニコッ


自分も、この人は嫌いじゃ無い。傷つけたくない。


香焼「自分達が、死んだら……一番悲しむの……誰っすか?」ギュッ・・・

結標「……」ジー・・・

香焼「月詠さん、でしょ? 結標さん……やめようよ……」ポロポロ・・・

結標「……香焼くん」グッ・・・


武器を、捨てる。無抵抗。


結標「っ……甘過ぎるわ。何で武器捨てるのよ……何で泣くのよ……」カチャッ・・・

香焼「死にたくないし……殺したく、ないっす……お願い……」ポロポロ・・・

結標「……貴方は……裏(こっち)に居るべき人間じゃ無いっ!! 優し過ぎるわっ!!」ガチャッ!!


多分、平常心を失った自棄のベクトル違い。自分は無気力に、結標さんは……武器を振うしかなくなった。

銃声。

銃弾が自分の腹へと―――
119 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 05:53:47.21 ID:aUjZRigj0
―――……突き刺さ、らない。何時までも、痛みが走らない。

ふと下を見ると、驚愕した表情の結標さん。手には……銃が無い?


香焼「……え」キョトン・・・


刹那―――身体が浮き……地面に叩き付けられた。今日二度目の衝撃。折角食べた焼き肉が飛び出そうになる。
やったのは、結標さんじゃない模様。となると、第三者。


??「いやぁ……ホント、困ったもんですね」ハァ・・・


誰かに組伏せられている状態で、顔を上げる。
玄関の方から自分より二、三程年上そうな男性が歩み寄ってきた。


??「結標淡希……大人げ無さ過ぎです。冷静さを欠いては事は上手く運べませんよ」ニコッ・・・

結標「海原……ぐっ!?」ドサッ!

香焼「結標さん!!」ギロッ!


彼女も何者かに抑えられた様だ。事態が見えない。如何なってる……
『海原』と呼ばれた男性は此方に歩み寄り、屈託の無い笑顔を崩さず話し始めた。


海原「君も……裏の人間に有るまじき行為ですね。香焼――。まぁ結果的に貴方の冷静さで一大事は避けられましたが」ニコニコ・・・

香焼「っ……何故、自分の名前を……」ギロッ・・・


暫時無言。その後『離せ』と一言。自分から重みが消えた。
武器一切を没収され、その場に立たされる。結標さんも同じ状況の様だ。


結標「海原……アンタっ!!」ギロッ!!

海原「おっと、怒られるのは筋違いです。罰せられるべきは貴女であって、僕ではありません」フゥ

香焼「え、と……」チラッ・・・

海原「香焼さん。キチンと順を追って説明するのでご安心を……まぁ先に纏めを言ってしまえば、土御門の指示です」ニコッ


それを聞いて安堵する。良かった……何とかなったようだ。
ただ、結標さんはまだ不服なご様子。仕方あるまい……私怨とはいえ、殺し合いを止められてしまったのだから。
120 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 06:08:58.07 ID:aUjZRigj0
海原という男は、ボソボソ無線越しに命令を出し、その後また自分達の方へ向き直った。
自分達の背後に居た人物……女性二人も少し離れた所に移動する。


結標「……何時から妹達(シスターズ)はアンタの私兵になったのよ」ギロッ

海原「なぁに。暇だと言うので雇ったまでです。費用は土御門経由……香焼さんの『お姉さん達』払いですから」ニコッ

香焼「え……」ポカーン・・・

海原「順を追って話すと言ったでしょう。まずは……―――」


つまり、こうだ……

@自分が出てった後、馬鹿姉共が大捜索。

Aステイルが自分発見。しかし月詠さんと結標さんが一緒なのを見て、土御門に指示を仰ぐ。

B土御門、私用により動けず。海原にお願いする。

C海原及びサポーター、自分達を監視。

D問題勃発。

E結標さんの自棄が度を越したので、介入。

……という事らしい。


海原「―――……以上です。香焼さん。お姉さんやマグヌスさん、土御門に感謝して下さいね」ニコッ

香焼「……はい。態々お手数お掛けしたっす。申し訳ありません」ペコッ・・・


さて、と結標さんの方へ向き直る海原さん。
面倒臭そうに携帯を取り出し、結標さんに渡した。


結標「……何よ」ジトー・・・

海原「出て下さい。これは『強制』です」ジー・・・

結標「……」スッ・・・


息を飲み、携帯を耳に当てる。


結標「……誰?」ボソッ・・・


『誰……じゃねぇよ、大馬鹿女郎っ!!! 何仕出かしてんだこのタコっ!!』ガアアァッ!!


結標「ッッ!!?」キーン・・・


声で分かった……土御門だ。
121 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 06:33:49.62 ID:aUjZRigj0
結標「ちょ、ちょっと待ってよ……何でアンタに怒られなきゃいけない訳?」タラー・・・

土御門『黙れ阿呆!! 香焼を殺しかけた? 素性も知らないくせに? バッカじゃねぇのか!!』ガミガミ!!

結標「うっ……」ダラダラ・・・

土御門『別にソイツの貞操を喰らうくらいなら大目に見れたが、殺生沙汰は「戦争問題」になんだよ! 駄阿呆!!』ガーガー!!

結標「こ、戦争問題ぃっ!!?」ドキッ!!?


口を丸くし、無言になる結標さん。


土御門『テメェが詳しく知る必要は無ぇがなぁ……ソイツはテメェが良く案内するスカシノッポの不良神父のダチで……』イライラ・・・

結標「……」ゴクッ・・・

土御門『更に超能力者級のバケモノ(聖人)がトップを務める組織の一組員だっ!! しかもそこの大本は「国」だぞボケナスッ!!』ダァッ!!

結標「げっ……」チーン・・・

土御門『加えて、そのバケモンの弟分だ!! 聞いてんだろ本人から糞っタレがっ!!』シッツ!!

結標「」


完全に固まった。


土御門『ったく……人が楽しく宴会やってる最中に騒がせやがって……』ギリリ・・・

結標「……ごめんなさい」シュン・・・

土御門『カミやんと姫神にばれた時は「俺(私)が探しに行く!」とか言って大変だったんだぞ? マジ勘弁してくれよ……』ハァ・・

結標「……すいませんでした」シュン・・・

土御門『兎に角、テメェの処遇は後だ……先に香焼に変われ』ピリピリ・・・

結標「……はい」トボトボ・・・


打って変わって泣きだしそうな顔で携帯を渡してくる結標さん。こってり絞られた様だ。
多分、自分も怒られるだろう……


香焼「……変わりました。香焼っす」スッ・・・

土御門『三つ……激怒と謝罪と忠告だ』ボソッ

香焼「はい……」

土御門『まず一つ目だが……一介の教徒が出しゃばった真似すんなボケカス。俺(都市内最終指揮系統)まで迷惑掛けんじゃねぇダアホ』ギリッ

香焼「っ……すいません」シュン・・・

土御門『しかも神裂達との痴話喧嘩たぁフザケやがって……当事者全員減法じゃボケ。覚悟しとけ』ハァ


此処まで柄の悪い口調の土御門は初めてだ。相当怒らせてしまった。
122 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 06:50:44.30 ID:aUjZRigj0
土御門『まぁ後は神裂達とキチンと話付けろ。ステイルには感謝しとけよ? 見つけて無かったら大変な事だったからな』ッタク・・・

香焼「はい。分かってます……」

土御門『じゃあ二つ目だが――』


コホンっと咳払い。そして……


土御門『――本っっっ当にっ! 申し訳無いっ!! そこの変態痴女が迷惑を働いたっ!!』ニャー!!

香焼「え、ええぇっ!!?」キョトンッ!?


一転、口調がいつもの通りになる土御門。


土御門『いや、マジですまないですたい。ただのショタコンだと甘く見てたら、狂ったショタコンだったみたいだぜぃ』ハァ・・・

香焼「しょ、しょたこ……な、何すか?!」ヘァ?

土御門『ふむふむ……そうだなぁ。じゃあ詫びとして、都市に居る間はソイツの事好きにして良いにゃー』フヒヒ!

香焼「な、何言ってんすか!?」ポカーン・・・

土御門『だーかーらー! 不貞と無礼の御詫びに香焼ちゃんの従者にでもしちゃって良いぜよ? 何なら堕天使セット着せてもOK!』ククッ・・・

香焼「」


駄目だ。『いつもの土御門』だ。話にならない。


土御門『ま、お好みのプレイ云々はさておき……自分のケツは自分で拭かせる。勝手にするといいにゃ』ハハハ

香焼「……分かりました」コクッ

土御門『うしっ……じゃあ三つ目だがな、最重要』


息を飲む。


土御門『……天草抜けるか?』ボソッ

香焼「っ」ドキッ・・・

土御門『いや別に潜入学徒程度なら如何でも良いと放っておいたがよぉ……オマエ、いつか死ぬぞ?』

香焼「……」ゴクッ・・・

土御門『ステイルやソイツらにも言われてると思うんだが、甘い。弱いくせに甘い』


淡々とした声……自分が一番分かってる。


土御門『これもオマエの勝手だがな……何言っても聞かねぇんだろうから最後に……割り切れ。じゃないと、死ぬ』

香焼「……忠言、どうも」ギリッ・・・

土御門『ん……じゃあ結標に戻せ』


言われなくても……分かってるっての……遣る瀬無い気持ちのまま、携帯を結標さんに渡した。
123 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 07:05:50.82 ID:aUjZRigj0
 ―――とある休日、PM10:00、学園都市第7学区、とあるアパート(月詠家)・・・・・



結標さんは土御門との電話を、まだ続けていた。
土御門の一言一句に顔色をコロコロ変え、結果的にグロッキーになっている。


海原「しかし……面白い人ですね、貴方も」ニコッ

香焼「え、あ……何とも」アハハ・・・

海原「あの状況下、ワイヤーだけで乗り切るとは中々」クスッ

香焼「言っちゃ悪いっすけど……結標さん、驕ってましたから」ポリポリ・・・


負けたり、逆転される者の大半は優位から来る『驕り』だ。


香焼「でも……貴方は、一体?」

海原「んー……そうですね。今は彼女達の同僚ですが」チラッ・・・

香焼「結標さん『達』?」ジー・・・

海原「此方も事情があるので詳しくは教えられません。ですが……昔の所属なら教えましょう」ニコッ

香焼「昔?」エ?


意外な言葉を耳にした。


海原「……翼ある者の帰還」ニヤッ

香焼「っ!!? じゃ、じゃあ……」ギョッ・・・

海原「ええ……『貴方達寄り(魔術師)』です」ニヤッ・・・


この街に、そんな人間が居たとは……


海原「土御門には内緒ですよ。ばらした事ばれたら、怒られちゃいますから」フフッ

香焼「え、あ、はい……」コクッ

海原「ははは。僕も貴方みたいな人間は嫌いじゃ無い……『彼』に似てるからかな?」クスッ


誰の事か分からないが、気に入られてしまった。ちょっと不気味。


香焼「えっと……二、三疑問を聞いて良いっすか?」

海原「ええ。僕の事以外と、答えられる範囲であれば」ニコッ


結標さんの電話がまだ終わりそうに無いので、質問を開始した。
124 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 07:45:37.58 ID:aUjZRigj0
香焼「まず……この人達はお仲間っすか? その、どう見ても……」チラッ・・・

海原「……超電磁砲。御坂美琴さんだと?」クスッ

香焼「はい」コクッ・・・


先程から気になっていた女性達。その容姿は超能力者第3位、御坂美琴その人だった。


海原「……量産型能力者計画(レディオノイズけいかく)、妹達(シスターズ)という単語に聞き覚えは?」

香焼「え、えっと……少々。確か絶対能力進化計画(レベル6シフト)の……」チラッ


報告書で読んだ覚えがある。
簡単に言えば絶対能力進化計画とは、その名の通り絶対能力者を作る為の非人道的計画。対象は第1位、一方通行(アクセラレータ)。
その実験動物として宛がわれたのが第3位、超電磁砲(レールガン)のクローン……欠陥電気(レディオノイズ)。

ただしこの計画は『とある人物』によって阻止された。


海原「ええ、大体合ってます。流石隠密性に長けた天草式十字凄教ですね。情報収集力も素晴らしい」ニコッ

香焼「……それで、何故海原さんと共に?」

海原「暇だったのですよ。まぁ後は……貴方達を止める為に、中途半端な人間では無理ですからね。彼女達くらい強くないと」フフッ・・・


妹達の欠陥電気は、確か異〜強能力者(レベル2〜3)程度だった筈だが。


海原「能力強度(レベル)は、でしょう? 現に貴方を抑えた彼女は体術のスペシャリストだ」スッ・・・


ドライバーグローブを付けた少女。


海原「珍しく都市に来ていたので協力を仰ぎました……5's(ファイズ)!」

御坂5's「先程は御無礼を、とミサカは謝罪します。検体番号(シリアルナンバー)は15555号です、とミサカは簡単に自己紹介します」ペコッ

香焼「ど、どうも……」コクッ

御坂5's「貴方は筋が良いのに勿体無い……兎に角今は身体を作る事でしょう、とミサカは冷静に貴方の武道プランを述べてみます」

海原「彼女は妹達の中では珍しく肉体派専門なんです」


珍しくって……クローンなのに一人ひとり違うのか?


御坂5's「クローン故(ゆえ)ですよ――」

香焼「え」

御坂5's「――僅かな誤差であっても自己唯一(アイデンティティ)を探そうと努力するのですと……ミサカはしみじみ説明します」フフッ


アイデンティティか……何やら難しい話だな。
125 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 08:17:22.03 ID:aUjZRigj0
海原「それから結標(彼女)を抑えてたのは……そこの御坂丸」スッ


都市製のライフルを肩に掛け、頭を下げてくるミサカ……丸さん?


御坂丸「ど、どうも。検体番号10039号です、とミサカはたどたどしくに自己紹介します」ペコッ

香焼「ど、ども」ペコッ

御坂丸「え、えっと、その……ええぃ! ショタレンジャー共、黙れ!! とミサカはMNW内と現実がゴッチャで……あわわ!」フギュゥ・・・

香焼「……」タラー・・・

海原「あはは。彼女達は個体間独自のネットワーク持っているんです。多分、貴方の事が話題になってるんですよ」フフッ

御坂5's「はははは……そうですね、とミサカは身内(ミサカ)の恥を嘆きます」ハァ・・・


不思議な人達だ。こうして見てみると同じ顔でも違く思えてきた。


香焼「え、えっとじゃあもう一つ、質問なんですが……」

海原「はい」コクッ・・・

香焼「……自分が撃たれそうになった時、何が起こったんすか?」

海原「ああ……それですか」クスッ


結標さんも唖然していた。確かに銃声はしたのだが……撃たれてない。何故だ?


海原「えっとですね。あの時は僕と、もう一人が射撃の準備をしていました」

香焼「しゃ、射撃!?」ドキッ・・・

海原「はい……最悪、銃を狙えない角度なら僕が彼女を撃ってたんですがね……『アッチ』が丁度良いポジションに居て良かった」フフッ

香焼「アッチって……」エ?

海原「……スネーク、戻ってきて良いですよ」Pi!


二件ぐらい先のアパートの屋上に向き、無線越しに呟く海原さん。
一寸後……ライフルを持って、他の二人とは違いバンダナを巻いたミサカさんが歩いてきた。


海原「今日5'sと御坂丸を呼んで貰えたのは彼女の御蔭です……スネーク」ニコッ

御坂蛇「検体番号17600号……とミサカは簡潔に自己紹介を終えます」ペコッ

香焼「ど、うも……」タラー・・・

御坂丸「プ、17600号(プロスネーク)……もう少し愛想良く出来ないのですか? とミサカはぶっきら棒な貴女(ミサカ)に呆れてみます」ハァ

御坂蛇「……」ギロッ・・・

御坂丸「ご、ごめんなさい……とミサカは謝罪します……い、10032(妹)! ヘタレとか言うな!」ムキー!


成程十人十色といった訳か。
126 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 08:36:45.51 ID:aUjZRigj0
兎角、感謝せねば。


香焼「えっと、17……」ウーン・・・

御坂5's「17600。長かったら『スネーク』でも可です、とミサカは寡黙な彼女の代わりに説明します」

香焼「す、スネークさん。ありがとうございました」

御坂蛇「師匠(その人)に頼まれたのでこなしたまでです。報酬もキチンと頂くので悪しからず、とミサカは要点だけを告げます」サラッ

香焼「あ、あはは……」タラー・・・

海原「まったく……スネーク。お金はいつも通り口座に振り込んでおきますから安心を」

御坂蛇「トンだ……茶番でしたねとミサカは最後にそこのガキに呆れながら、去ります」テクテク・・・

香焼「なっ!?」ギリッ

海原「ま、待って! ……すいません。あの子はいつもああなんです。許してやってください」ハァ・・・


茶番と言われて、良い気はしない。


御坂5's「17600号の師匠(スネーク・マスター)……ミサカ達もそろそろ、とミサカは事の終わりを判断したので」ペコッ

御坂丸「か、勝手に安価すんなし。アドレスなんて聞けるか馬鹿共!! え、えっと……ミサカも、とミサカは走って帰りまーす!!」ウワー!

海原「ええ。御苦労さま」ニコッ


こうして三人の妹達は消えて行った。さて……こっちはっと。


結標「」


蒼い顔の結標さんがいた。


海原「ククク……これはまぁ」フフッ

結標「」スッ・・・

海原「電話ですね。はいはい――ええ、それは――ふふふ! 貴方も意地が悪い――はい。分かりました――では後日」Pi!

香焼「あの……土御門は何て?」チラッ

結標「」フルフル・・・

海原「先程、香焼さんが聞いた通りですよ」ニヤニヤ・・・


と、いうと……


結標「ご……ご、ご……ごしゅ……ご……」プルプル・・・

海原「ほらほら。ちゃんと言わなきゃ大変な『問題』になりますよ?」クスクス・・・


嫌な予感が……
127 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 09:12:15.66 ID:aUjZRigj0
結標「ご……ごしゅじ、ん……さま」ウルウル・・・

香焼「……・・・・・・・・・・・・はぁ?!」ポカーン・・・


意味不明。海原さんだけがニヤニヤしてる。


結標「ご、ごご……ごめんなさい。香焼く……ご主人、さま……不躾な、わ、わたくしめに……お、お、お仕置きを……くだ、下さい」グズッ・・・

香焼「」

海原「ぷっ……妹達も残すべきでしたね。こりゃ傑作だ」ククク・・・

結標「海原、さん……今日は、迷惑を掛けて悪かったですねぇ……マジ、帰りやがって下さい。この……出刃亀野郎、様……」グヌヌ・・・

海原「ふふふ。ええ、二人っきりのお仕置き現場に他者は不要ですからね」ププッ・・・


つまり……え?


海原「ショタコン、ショタに喰われるとはこの事……良かったですね。結標さん」プフー!

結標「ショタコンじゃないって、言ってるで、ございましょ……この、ストーカー様……マジ……覚えてなさい……でございますよ」ギロロ・・・

海原「はいはい。と、いう事で……香焼さん。その貴方専属従者『あわきん』を宜しくお願いしますね。では!」シュンッ・・・

香焼「はい? ちょ、ちょっと!!?」キョトン・・・


土御門の戯言……マジだったんだ。というか、今二人きりにされると……


結標「……」ウルウル・・・


今にも泣きだしそうな結標さん。如何しよう。


香焼「え、えっと……その……」タラー・・・

結標「……うぇ」グズッ・・・

香焼「な、泣かないで! 結標さん、悪くないっすから!! 自分も、この通り元気だし!」アハハ・・・

結標「……」ウルウル・・・

香焼「も、勿論従者とか何とか意味分かんない事もしなくて良いっすからね。そう! 事故っすよ! 事故!」アタフタ・・・


何とか収ま―――


結標「うわあああぁんっ!! こんな年下に同情されるなんてぇっ!! 私の馬鹿ああぁっ!!」ビエエエエェンッ!!


―――らないっ!!
128 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 09:27:56.20 ID:aUjZRigj0
何とかしないと。


香焼「む、結標さん!! 落ち着いてよ……大声上げたら近所迷惑だよ」シー!

結標「ウワアアァンッ!! またドジったよーぅっ!! 完璧ぶってやった結果がコレよっ!! 普通にアホじゃないっ!!」ウガアアァッ!!

香焼「こ、今度はキレた……じゃなくて、静かにっ」アタフタ・・・

結標「何よ……笑えば良いでしょ!! 惨めでしょ! 憐れでしょ! 無様でしょ!」ウワーン!


面倒臭ぇ……先の冷静な結標さんは何処に行ったのだ。これじゃ五和の暴走した時レベルだぞ。


香焼「わ、笑わないから。結標さんは月詠さん為に動いたんだよね。だったら笑えないし、怒れないよ」ニコッ

結標「うぅ……ホント?」グズッ・・・

香焼「ホント、ホント」アハハ・・・

結標「でも……私、香焼くんにいっぱい酷い事しちゃったわ……」ウルウル・・・

香焼「だ、大丈夫。慣れてるっすから……ただ命懸けたり、貞操懸けたりするような真似はしちゃダメっすよ」ジー・・・

結標「ごめん……なさい」シュン・・・


調子狂うなぁ。


香焼「と、とりあえず、部屋に戻るっす。寒いでしょ。自分靴履いて無いし……結標さんも……その……」フイッ・・・///

結標「え……あ」カアアァ・・・///


服が破れたりと、さっき以上に際どい恰好になっている。


香焼「兎に角、落ち着きましょう……それから話、ね」ニコッ

結標「うん……」シュン・・・

香焼「えっと……さっきの口調に戻れないっすか? 落ち込んでる結標さん、苦手っす」タラー・・・

結標「そ……そう。わ、分かったわ……」アハハ・・・


無理矢理カリスマを繕おうとするヘタレ結標さん。
それから二人で部屋に戻り月詠さんを起こさない様(あの騒ぎで起きないのは凄い)、着替え、再び外に出た……―――《後半に続く》――
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 09:31:00.94 ID:+rvNPetDO
深夜から書き続けてるのか!?
130 :>>1 [saga]:2011/03/10(木) 09:31:09.82 ID:aUjZRigj0
すんません……もう無理。一旦寝る。続き夜。

感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントお願いします。それじゃあ、また夜。お休み……ノシ"
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 09:48:53.27 ID:5Nr6Z+zDO
起きたらまだ書いてたww 乙!

アンジェレネの裸目撃も気になるが、まさかの‥‥あわきんニャンニャンルートなのかっ!?
夜に期待!
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 10:05:06.79 ID:UHqfQU6DO
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
あわきんかと思ったらS音さm……いや、なんでもない
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 14:29:09.99 ID:+nZ+yM8v0
やっと追いついた
とりあえず>>1


リクエストだけどルチアかフロリス出してくれたらそれだけで十分です
いやホント
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 16:24:15.55 ID:CxUpPY9AO
>>1
とりあえず何をどうしたらアンジェレネの裸なんか見れるのかな香焼ェ……

リクは普通に学生生活を送っている香焼くんを見てみたい
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 17:19:50.72 ID:8FocE1QDO


こう×あわふたー(食べられたルート)がいつか書かれると信じて……
136 :>>1 [saga]:2011/03/10(木) 22:15:29.25 ID:aUjZRigj0
こんばんわ! 第4話続きです。


>>131
それが理由が無くてもフラグが立つ。それがカミやん病の恐ろしい所。

>>132
あわきんははるるんです。妹さんじゃありませんよ。ちゃんと謝ったら、褒めてあげてもいいよ?

>>133
次回の英国編で出すよー。ベイロープ、フロリス、レッサーのポジションは決まってるんだけど……ランシスって何歳くらい?

>>134
香焼の学校生活って理事校設定の? 多分地味ぃだから……どっかで柵川中に組み込もうかと思ってます。

>>135
え、エロいのなんて書いた事無いんだからねっ!! 恥ずかしいっ!!


……はい。続き投下。
137 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 23:13:52.29 ID:aUjZRigj0
 ――《前半の続き》――とある休日、PM10:30、学園都市第7学区、とある公園(月詠家付近)・・・・・



空気が澄んだ夜だった。
極端な都市開発が進んでいる街で、この学園都市だけが唯一綺麗な空気を保てている。

今、自分――香焼は諸事情により、一晩宿を借りる事になった月詠さん家の居候さん――結標さんと二人きりで公園に居た。
戦闘、というか『事故』が有ったので一旦着替えた為、自分はいつもの私服を、結標さんは小さめのYシャツを無理矢理来て外に出ている。

……正直、結標さんの恰好は際どい。

だが、口には出さないでおく。一人ベンチに座って翳りを付けている彼女に、下手な事は言えないだろう。
とりあえず近くの自販機で買ったカフェオレを渡し、隣にお邪魔した。


結標「……ありがとう」ズーン・・・

香焼「うん……」ポリポリ・・・


気まずい。


香焼「えっと……」ウーン・・・

結標「……」シュン・・・

香焼「つ、土御門はああ言ってたけど、事故っすから……気にしないで、ってのは無理だと思うけど……」タラー・・・

結標「……いいのよ。私が馬鹿だったの」ハァ・・・


超ネガティブ思考モード。


香焼「しょ、職業病っすよね。まずは疑ってかかる。間違っては無いっすよ」アハハ・・・

結標「でも……早とちりで暴走しちゃった」グズッ・・・

香焼「うっ……」マズイ・・・

結標「しかも、土御門と海原にばれて……香焼くんに酷い事して……皆に迷惑掛けて」ウルウル・・・


また泣きそうだ。もうこっちが泣きたいよ。


香焼「じ……自分が、悪いんすよ。元々家出なんかしなきゃこうならなかった」ハハッ・・・

結標「それは……」チラッ

香焼「全部自分の所為っす……結標さんは悪くない」ニコッ・・・


そうだ。この人は悪くない。
ただ己の日常(月詠小萌)を守ろうとしただけだ。歪んだ形かもしれないが、それも愛故。


結標「……」グシグシ・・・


目尻を拭い、やっと凛々しい顔に戻る結標さん……良かった。崩れたこの人は苦手だ。
138 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/10(木) 23:34:03.22 ID:aUjZRigj0
温かいカフェオレを見詰めながら結標さんは呟いた。


結標「……ホント、優しいのね」フフッ・・・


キャップを開け、二三啜る。


結標「信じられないわ……こんな人が『同業者』に居るなんて」

香焼「同業かどうかは分かんないっすけどね……」ハハハ・・・

結標「でも『表』じゃないんでしょ」チラッ

香焼「まぁ……そうかもしれないっす」


互いに詳細は聞けない。知ってしまえば『制裁』が待っている。


結標「あのさ……本当に、私と小萌の事知らなかった?」

香焼「はい……もしかしたら資料にあったかもしれませんが、失礼っすけど、パッとは出てきませんでした」

結標「じゃあ……『案内人』って言葉に聞き覚えは?」


案内人。窓のないビルへの唯一の通行手段。


結標「……知ってんじゃん」ハハハ・・・

香焼「それが結標さん?」

結標「さぁ……私の口から『Yes』とは言えない。でも、お友達の愛煙家神父さんに聞いたら分かるんじゃないかな」フフッ

香焼「……自分が勝手に調べて、知ってしまった」チラッ

結標「ええ。利口な子は好きよ」ニコッ


ペースが戻ってきたようだ。


結標「ただ……お友達を穢す訳じゃないんだけどね。土御門とかあの神父と香焼くんが友達ってのは、意外かな」

香焼「土御門は友達っていうより完璧、上司っすよ。ステイルも上司っちゃ上司なんすけど……自分と一番歳近いから」アハハ・・・

結標「そうなんだー……って、ええええぇっ!!?」ハァ!?

香焼「む、結標さん。声、声大きい」アワワ・・・


まぁ驚くのも無理無いが。


結標「こ、香焼くん……実は年上なの!? 中1って嘘!?」ポカーン・・・


そっちじゃない。あっちが見た目より下なのだ。


結標「え、あ、成程……それも吃驚ね」ヘェ・・・


自分と一つしか変わらない2mオーバーの愛煙者不良神父。どっちが年相応と言われれば……間違いなく自分だろう。
139 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 00:15:22.12 ID:HwyG+qya0
それから暫く、適当な話を続けた。
普段の結標さん……月詠先生、禁書目録、姫神さんの事。土御門、海原さん、何故か第1位の事。

仕事の話は聞いていないが、この人は何処かで踏み外さなければ、存外普通の女子高生だったと思う。


結標「普通かぁ。私が女子高生やってるのなんて考えられないわ」ハハハ

香焼「霧ヶ丘には?」

結標「さっき言ったでしょ。あそこは生徒を観察対象にしか思って無い。生徒同士も慣れ合う気は無いの」

香焼「そんなのって……学校じゃない気がするっす」

結標「ええ。誰も学校だなんて思ってないわよ。でも学園都市にはそんな『学校もどき』山ほど在るわ」


研究者(大人)のエゴと片付けてしまえばそれまでだが、認めたくない。


結標「……」ジー・・・

香焼「……どうしたんすか?」エ?


複雑そうな目で自分を見詰めてくる結標さん。


結標「……やっぱり、学園都市の人間じゃないのね。香焼くんは」クスッ・・・

香焼「え」

結標「この街で理由を求めちゃいけないのよ。子供達(モルモット)は……如何に大人(研究者)を満足させるか。それだけよ」

香焼「そんなの……」

結標「ええ……嫌よね。だから私は動いたの」グッ・・・


ペットボトルを握りしめる。


結標「学生運動(テロ)なんて馬鹿な真似して……」

香焼「結標、さん……」


望むままに人を傷付けることすらできる強大な能力。その力に怯えていた。
それでも自分が力を得る必要性が何かあったのだろうと我慢していた。
しかし……量産能力者(クローン)である妹達たちの結果を知って、人以外にも能力が宿る可能性がありうることを知る。


結標「何で、能力なんて有るのか……何で、自分じゃなきゃいけなかったのか……考えたって無駄なのにね」


足掻いた。足掻きたかった。足掻くという行為で、正当化するしかなかった。


結標「あげく、昔以上に人を傷つけ……自虐して……今のザマよ」フフッ・・・


都市を裏切り、『制裁』の末……暗部に堕ちた。
140 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 00:40:49.39 ID:HwyG+qya0
香焼「……」ジー・・・

結標「……ははは、理事校出身とはいえ、中1には難しかったかな」ポリポリ・・・

香焼「いえ……」


この人は凄い。

『従順で在れ』と教育される学園都市で、自我を持った。剰(あまつさえ)、先頭に立ち戦った。
ただ手段が悪かっただけだ。テロリズムでは跳ね返されるだけ。


結標「先導……まぁ別に私がリーダーじゃなくても良かったのよ。ただ周りに器がいなかったからやっただけ」アハハ・・・

香焼「そうかな。今の話だと結標さん、カリスマ溢れてたっすよ」ニコッ

結標「あ、ありがと……でも他の所、運動組織からも誘いは受けてたのよ」

香焼「へぇ……運動組織って色々有るんすね」

結標「ただ、スポンサーってかパトロンが付くかどうかも難しいからね。私はケネディの科学結社とコンタクト取れたけど」

香焼「……アメリカが?」


学園都市を目のカタキにしている大国の一つ。合衆国(アンクル・サム)。


結標「違う違う。合衆国がバックだったら、今でもテロ続けてるわよ……金だけあるチンケな組織よ」

香焼(その組織の後ろに、合衆国が居ても変じゃないけど……)

結標「互いに『残骸(レムナント)』が欲しかった……残骸って知ってる?」


『0728事件』で粉砕された『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の残骸の中にあった中枢部品。
『0728事件』の詳細は特秘事項で下っ端の自分には知らされてないが、『魔術』による攻撃で衛星が破壊されたと記憶している。


香焼「樹形図の設計者の残骸は誰もが欲したっすからね」

結標「そ。私が掴んだ。組織が金を出すと言った。協力関係……簡単でしょ」ニコッ

香焼「……」コクッ


ただし、それこそ組織に踊らされている様に思えた。


結標「分かってるわよ。アッチも私達(能力者)を知識を持った『道具』にしか思ってない連中だもの」

香焼「じゃあ、何で……」

結標「学園都市(今まで)を取るか。見知らぬ輩(別の可能性)を取るか……可能性に縋っただけよ」


まるで弱い心に浸け居る宗教理論だ。この人は手を出してしまった。


結標「……そうね。弱いもん、私」フフフ・・・

香焼「結標さん……」


隣に座るのは、か細い一人の少女だった。
141 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 01:04:09.19 ID:HwyG+qya0
結標「ハァ……あー! やめたやめた!」グググ!!


背伸びする少女。


結標「あー……駄目ね。ネガティブ症治らないわ……」ハァ・・・

香焼「ははは……」

結標「こんなんだからガラスメンタルとか馬鹿にされるんだけどね……ま、『不幸』の考え方次第よ」ニコッ・・・

香焼「そうっすね。知り合いに『不幸』のスペシャリストがいるっす」クスッ

結標「私もソイツ知ってるわ」フフッ


不幸を『誇り』に変える人……それを『英雄』と呼ぶ人もいる。


結標「考え方一つで見方は変わる。さっき言ったでしょ? 嫌だと思えば邪険にしか見えないって」チラッ

香焼「……はい」コクッ

結標「香焼くんは……どうしたい?」ニコッ


自分は……


香焼「前向きで、生(行)きたいっす」

結標「うん。よろしい。お姉さんみたいになっちゃダメだぞ」クスッ

香焼「そんな事、ないっすよ」ポリポリ・・・

結標「ふふふ。お世辞がお上手ね」ニコッ・・・


ただ、敢えて言うならば。


香焼「誰かの所為じゃなく……何かの所為じゃなく……それらの『為』に。救われない者に、救いの手を」ボソッ・・・


姉の……女教皇様の教え。


結標「良いお姉さんじゃない。でも宗教みたいね」クスッ

香焼「あはは……何とも」タラー・・・

結標「何だかんだ言って仲良いみたいね。従順、とまではいかないけど慕ってるのは分かるわ」

香焼「慕ってるのは認めるっすけど……」ポリポリ・・・


それじゃ無理矢理みたいだ。


香焼「自分の意志っすよ。それこそ誰に言われるでもない、何かに縋るでもない」

結標「ふーん」ジー・・・


流されてじゃない。自分の決定。
142 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 01:18:36.78 ID:HwyG+qya0
科学とか、魔術とか、能力とか、術式とか……関係無い。


香焼「丸裸の自分に嘘をついてないか。それだけっすよ」ニコッ・・・

結標「……」

香焼「今自分が問題を起こしたのは組織にいるからだけど、それを嘆いてないっす」

結標「大人ね……子供のくせに割り切り過ぎよ」クスッ

香焼「ガキだから単純なんすよ。さっきの問題も不幸で終わらせたくない」


それじゃ魔術や能力の所為にして逃げてるだけになる。


香焼「だから……全部、自分の所為なんす。でもそれは未練じゃない」

結標「……」

香焼「組織の年長者が言ってたんすけどね……未練と後悔の違い知ってますか?」

結標「……先と後?」


諫早さんが言っていた。
未練はやらずに人(モノ)の所為にする事。後悔はやって自分の糧にする事だって。


香焼「やらずに人(何か)の所為にするのは、卑怯っす。やって、失敗して……成長する」

結標「……失敗して、成長か」

香焼「さっき言ってた結標さんの能力云々話も同じっすよ」


簡単な事だ。


香焼「能力の所為じゃない。自分の所為で失敗した。それを認めれば……伸びるんじゃないっすか?」ニコッ

結標「っ」グッ・・・


俯かれた……生意気過ぎたか。


結標「……ええ。生意気よ」ボソッ・・・

香焼「あはは……すいません」タラー・・・


結標さんは暫く無言だった。が、ふいに顔を上げ……微笑んだ。
143 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 01:37:45.00 ID:HwyG+qya0
結標「同じ事を……香焼くんと同い年の娘に言われたわ」ハハハ・・・

香焼「え」

結標「同じ移動能力者なんだけどさ……『不幸を能力の所為にして逃げてますの!』とか一丁前に、ね」フフッ

香焼「そう、なんだ」

結標「更に言うに事欠いて『その腐った根性叩き直して差し上げますの!』って……最近の中学生は凄いわ」クスクス・・・


凄ぇ女子だな。きっとゴッツい娘に違いない。


結標「……この街には貴方達みたいな子が必要なのよ、きっと」

香焼「大袈裟な」

結標「香焼くん……さっき言ったわね。『裏』の人間に思えないって」

香焼「……」ピタッ・・・

結標「『表』で活躍すべきよ。それこそ理事になるとか、この街の方針を決めるとか」


考えた事、無い。


結標「正直ね……香焼くんの『裏』としての顔は誰も連いてこない。残酷だけどね」


それは分かってる。自分は上に立とうだなんて思ってない。


結標「でも……『表』なら連いていこうと思うわ。貴方みたいな人に、この街を変えて欲しいって」

香焼「そ、そんな! 自分は部外者っすよ!!」アタフタ・・・

結標「勿論、もしよ。でも惹かれる力……香焼くんがさっき言ってくれた『カリスマ』ってのは人それぞれよ。貴方は『表』気質」

香焼「買い被り過ぎっすよ……自分は器じゃないっす」

結標「それは今から育てていくものよ。まぁ『道』を決めるのは香焼くんだけどね」


そういって微笑む結標さん。そんなに期待されてもなぁ……


結標「私も大概ネガティブだけど貴方もね……いや違うなぁ。香焼くんは謙虚過ぎるのね」フム・・・

香焼「まぁ横暴よりはマシっすよ」アハハ・・・

結標「もうちょっと強引っていうか強気だったら完璧なのになぁ……でもその甘さが美徳なんでしょ」フフッ

香焼「また甘いって……別に自分は甘くないし、優しくもないっすよ」ムスー・・・

結標「はいはい。しょげないしょげない。褒めてるのよ」ナデナデ

香焼「っ……も、もぅ」///


やっぱり年上なんだな、この人は。こういう時に余裕が持てる人には憧れる。
144 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 01:52:02.67 ID:HwyG+qya0
 ――とある休日、PM11:00、学園都市第7学区、とあるアパート(月詠家)・・・・・



それから暫くしてから部屋に戻った。
月詠さんも子猫もぐっすり寝ている。結標さんが月詠さんの布団を直し、静かに告げた。


結標「じゃあ、今度こそ」チラッ

香焼「はい……お休みなさい」ニコッ


布団に潜る。


香焼「……」スッ・・・


今日は色々あった。


香焼「……」フゥ・・・


馬鹿姉達に猫がばれて……最愛の事がばれて……友達馬鹿にされて……


香焼「……」ムゥ・・・


家出して……結標さん達にあって……『事故』があって……


香焼「……」ハァ・・・


やっと、床に着いた。疲れたよ……


香焼「……」ピクッ・・・


疲れて、疲れ過ぎて……寝れない?


香焼(どうしよう……)タラー・・・


このままじゃ夜ふかしコースだ。他人の家で明日お寝坊なんて恥ずかしいぞ。


香焼(そうだ、猫!)チラッ


最近は子猫と一緒に寝ていた。近くに居れば寝れるかも……


ぬこ「にゅぅ……みゅぅ……」zzz・・・

月詠「くぅ……きゅぅ……」zzz・・・


駄目だ。ピッタリくっ付いて寝てる……困ったぞ。
145 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 02:17:09.29 ID:HwyG+qya0
こうなったら朝まで起きてようか……そう考えた刹那―――


結標「……香焼くん」ボソッ


―――小さな声。結標さんもまだ起きてるみたいだ。


結標「起きてる?」ボソッ

香焼「……はい」ボソッ

結標「そっか……もしかして、寝れない?」ボソッ

香焼「……はい」ボソッ


結標さんも同じか。ちょっと前までアレだけハイになって動いていたのだ。
そう簡単には落ち着く訳が無い。


香焼「このままじゃ朝寝坊しそうっす」アハハ・・・

結標「私はいつも寝坊だけどね」フフッ・・・

香焼「あはは……職業病っすね」クスッ・・・


『裏』の仕事は夜中が基本だ。身体が夜は起きてるようにセットされてしまう。
天草に入りたての頃は、自分もペースを直すのに苦労した。


結標「ねぇ……香焼くん」ボソッ・・・

香焼「何すか?」ボソッ・・・


成程。人と会話をしてると眠たくなったりもする。その方法か。


結標「……そっち行って良い?」ボソッ


……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?


結標「だから……その、そっちの布団行って良い?」ボソボソッ・・・

香焼「え、は……え?」タラー・・・


貴女は何を言ってるんですか?


結標「……駄目?」ボソッ

香焼「いや、その……」タラー・・・


だって……




冷蔵庫『@「いいよ」 A「僕が行くよ」 B「来るだけでいいの?」 C「ご主人様に提案とは生意気な従者め。お仕置きだ」かな?』フム・・・




勝手に決めんな馬鹿家電。Dの『駄目』に決まってんだろ。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 02:19:02.47 ID:1r72YxhDO
Aだろjk!
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 02:20:29.94 ID:rCRRnzSAO
A!
148 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 03:25:24.14 ID:HwyG+qya0
香焼「おま、何勝手なこ『僕が行くよ……淡希さん』ちょ、ざけんなっ!!」ギロッ!!

結標「え、あ……そんな……」ポッ・・・///


結標さん、すぐにそこの冷蔵庫交換した方がいいです。


冷蔵庫『ひゅ〜ひゅ〜』ブウォオオオォン・・・・・


てか月詠さん起きちゃうっつの!


結標「……来て、くれるの?」モジモジ・・・///

香焼「ちょ、その……」ダラダラ・・・


何だこれ……さっきとはまた違う感じのピンチ。


月詠「んん……」モゾッ・・・

香焼「っ!! ほ、ほら。音立てちゃうと月詠さん起きちゃうからね……無理っすよ」ボソッ

結標「……音立てなきゃいいの?」ジー・・・///

香焼「え、いや、そういう問題でもな―――」


瞬間、自分の身体は元居た布団には無く……


香焼「―――いっす……よ。って……・・・・・・・・・・・あれ?」ギョッ!?

結標「……いらっしゃい」ニコッ・・・///

香焼「」


……結標さんの布団の上に移動(テレポート)されていた。


香焼「む、結標、さん?」ギギギ・・・

結標「てへっ☆」ペロッ♪


勘弁して下さい。


結標「安心して……別にさっきみたいな事する気はないもの」ニコッ・・・///

香焼「い、いや、これでも十分拙いっすよ……」ダラダラ・・・

結標「分かってる……」スッ・・・///


ゆっくりと、布団を掛けられた。現在向かい合わせ……大変だ! 心臓が足りない!
149 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 03:54:42.16 ID:HwyG+qya0
結標「……寒く、ない?」ジー・・・///

香焼「だ、大丈夫っすけど……やっぱ大丈夫じゃないっすっ」ドキドキ・・・

結標「ふふっ。可愛い」クスッ・・・///


寧ろ暑いです。クラクラします。


結標「なら脱いじゃえばいいじゃない。ナイフまみれの服のままじゃキツいでしょ?」ニヤッ・・・///

香焼「な、なな、な、何を!? そ、そういう問題じゃないっすよっ」カアアァ・・・///

結標「ふふふ。冗談よ……でもお姉さん達と寝るって考えれば大丈夫じゃない?」クスッ・・・///


死んでもアイツらとは同衾しません。


結標「一番上のお姉さんでも?」


女教皇様と寝たら死にます。各方面から叩かれた後、審問で処刑されます。


結標「もう……意地っ張りね」フフッ・・・///

香焼「意地っ張りとかじゃなくて……」アワワ・・・///


そうだ!


香焼「め、命令っす! ご主人命令!」ギロッ!

結標「え?」ポカーン・・・

香焼「も、元の場所に戻しなさい。そして大人しく寝る事!」ムゥ!

結標「……」ジー・・・


土御門からの馬鹿提案が役に立つ時が来た。
さぁ大人しく言う事を……



 ――ぎゅっ・・・・・



……・・・・・・・・・・・え。


結標「私の……我儘よ」ギュッ・・・///

香焼「ッッッ!!?」ドキッ!!


これは、ヤバぁい。
150 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 04:12:11.26 ID:HwyG+qya0
目の前に、胸。


香焼「む、むむ、む、結標さんっ」カアアァ・・・///

結標「……変な事しないから」グッ・・・///


十分変な事です!


結標「……香焼くんが硬派な人だって、分かってる」ニコッ・・・///

香焼「そ、そ、それなら」アタフタ・・・///

結標「私だって……淫売じゃないわよ。さっき言ったのは本当。誰でもって訳じゃない」ギュッ・・・///

香焼「む、結標……さん……」ダラダラ・・・

結標「それとも……H、したい?」クスッ・・・///

香焼「っ!?」ドッキンッ!!


拙い!! 後ろ向かなきゃ!!


香焼「し、したくないっ」グルッ!

結標「あらら……そっぽ向かれちゃった。残念」フフッ・・・


お察し下さい。


結標「我慢強い男の子は好きよ……ふふっ、私も簡単に貞操上げようだなんて考えてないわよ。心配しないで」ニコッ・・・///

香焼「……」ゴクッ・・・///

結標「自分の誇りと、私を傷つけまいって考えてるんでしょ?」ギュッ・・・///

香焼「……それは」

結標「優しいわよ、貴方は……残念過ぎる程に」ナデナデ・・・///

香焼「っ……違うっす」シュン・・・

結標「香焼くんが甘くなかったら、香焼くんじゃないか……そしたら多分、こうしてあげないわね」フフッ・・・///

香焼「結標さん……」

結標「名前で呼んでいいわ……さっきも呼んでくれたでしょ?」ニコッ・・・///


あれはあの馬鹿家電の声です。


結標「じゃあお姉ちゃんでもいいわよ?」クスッ・・・///

香焼「それは……っ」グッ・・・


何故か……あの三人の顔が浮かんでしまった。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 04:12:42.59 ID:rCRRnzSAO
盛り上がってまいりましたww
(いろんな意味で)
152 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 04:37:43.73 ID:HwyG+qya0
結標「……嘘よ。それは貴方のお姉さん達のものだもんね」クスッ・・・///

香焼「……」ムゥ・・・

結標「仲良くなさい。折角家族がいるんだもの……羨ましいわ。私も香焼くんみたいな弟が欲しかった」ニコッ・・・///

香焼「……生意気な弟っすよ」クスッ・・・///

結標「どんとこい」ギュッ・・・///


それでも、貴方の弟にはなれない。だけど……


香焼「……淡希、さん」ボソッ・・・///

結標「っ……何?」ニコッ・・・

香焼「また……遊びに来ていいっすか?」

結標「ええ。いつでもいらっしゃい」ナデナデ・・・///


この人には惹かれるものがある。女教皇様とは違うカリスマ。年上の包容力とでもいうのだろう。


結標「土御門に言われてって訳じゃなく……何かあったら助けてあげる。多少の我が儘も聞いてあげるわ」フフッ・・・///

香焼「ははっ。迷惑掛けるつもりはないっすよ」クスッ・・・///

結標「ホント、出来た子ね。遠慮しなくていいのに……あ、でもエッチぃのは駄目よ?」ニヤッ・・・///

香焼「し、しないっすよ!」カアアァ・・・///

結標「ふふふ。かわいいかわいい。もしかして彼女いるの?」ナデナデ・・・

香焼「い、いません! まだ中1っすっ」モゥ・・・///

結標「そう? 付き合う子は付き合ってるけど……じゃあ好きな子は?」クスッ・・・

香焼「い、いないよっ」ウワーン!

結標「あらあら……どうかしら? 淡希お姉さんに教えてみなさいな」ニヤニヤ・・・

香焼「ほ、ホントっすよーっ」カアアァ・・・///


それから暫くからかわれ……何時の間にか、淡希さんは自分を抱いたまま寝入ってしまった。
時計が無いので時間が分からないが、一時間したかしないかくらいだと思う。


香焼「やっと……寝たんだ」ハァ・・・

結標「くぅ……すぅ……」ギュッ・・・


背中に胸が当たる。吐息が頬に掛る。衣擦れ音が生々しく響く……余計眠れない。
信じてくれたのに、こんな感情を持つなんて……自分は最低だ。


結標「むぅ……こ、もえ……」スヤスヤ・・・

香焼「……小萌、か」フフッ・・・


淡希さんの中の平和の象徴。いつの日か、この人の全てが、平和になって欲しい。
そう願って、自分も……目を瞑り……―――
153 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 04:54:22.94 ID:HwyG+qya0
 ――とある休日(翌日)、AM08:00、学園都市第7学区、とあるアパート(月詠家)・・・・・



トントントンという包丁刻みの一定音。

カーテンからの木漏れ日。

子猫が畳の上を闊歩する爪音。


香焼「……ん」グッ・・・


朝だ。時間が分からないが、意外な爽快感。思いの外グッスリ寝れたのだろう。


月詠「ん? おはようございます。香焼ちゃん」ニコッ

ぬこ「にゃー」トコトコ

香焼「あ、はい。おはようございます」ペコッ


アレだけ呑んで寝たのに、カラッと元気な月詠さん。あの人の身体は一体どうなってるのだろう。


月詠「ふふふ。酒は飲めども呑まれるな、ですよ」クスッ

香焼「ははは……」ポリポリ・・・

月詠「それで……お姉さん達と向き合う決心は付きましたか?」

香焼「……はい。ご迷惑をおかけしました」ペコッ

ぬこ「なぅ」ゴロゴロ


思えば下らない理由。互いに大人げ無かっただけ。


月詠「そう。なら大丈夫ですね。後で電話を貸します。帰る前に連絡するんですよ?」

香焼「はい。何から何まで……」

月詠「いえいえ。問題児の『問題』解決は私の自己満足でもありますから」ニコッ

香焼「そんなそんな……月詠さんくらい子供の事考えている大人もいませんよ」

月詠「ふふっ。お上手ですね……さてと」パンパンッ


台所(ガスコンロ)の火を止め、満面の笑みで……宣告した。


月詠「さくやは おたのし みでした か?」ニッコリ・・・

ぬこ「なー」ジー・・・


……・・・・・・・・・・・あ。
154 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 05:11:20.36 ID:HwyG+qya0
月詠「……追求しませんが、そろそろお隣の『半裸』のお姉さんを起こしてあげて下さい」ニコニコ・・・


忘れてた……って、半裸?



 ―――むにゅっ・・・・・



むにゅって……え?


結標「ぁ……んっ……」キュッ・・・

香焼「」

月詠「……柔らかいですよね。結標ちゃんの胸って」ジトー・・・


事故です!! てか、何でYシャツの前ボタン全開なの?! しかも自分の胴体に抱き着いてるし!?


結標「ん……すぅ……むにゃ……」ポリポリ・・・

香焼「……」タラー・・・


生温かい様な、怒っている様な、冷めている様な、複雑な視線を向ける月詠さん。


香焼「こ、こここ、こ、こ、コレは!! その、違くて!! え、えっと!!」アタフタ・・・

月詠「……とりあえず、起こしてあげて下さいね」ニコッ

香焼「え、あ、は、はい! あ、淡希さん! 起きて下さい! 朝です!!」トントン

結標「むぅ……んぁ……」クゥ・・・

香焼「淡希さーんっ!!」ユサユサ!


中々起きてくれない。


月詠「人が酔って寝てるからって……やって良い事と悪い事が有りますよね? 彼氏いない歴[禁則事項です]年の私に対する嫌味でしょうか」ブツブツ・・・

ぬこ「みぃ」グシグシ

香焼「あ、淡希さんっ!! 早く起きて説明を!!」アワワワ・・・

月詠「お目覚めのチューでもすれば起きるんじゃないでしょうか? ねー」ブツブツ・・・

ぬこ「なー」スリスリ

香焼「馬鹿な事言わないで下さい! てかマジ起きてー!」ギャー!


それから月詠さんのパーティー用クラッカー目覚ましが炸裂されるまで結標さんは眠りっ放しだった。
155 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 05:30:31.61 ID:HwyG+qya0
結標「んが……何時?」ボー・・・

香焼「な、何時じゃないっすよ! とりあえず朝っす! 起きて淡希さん!」カアアァ・・・///

月詠「『淡希さん』ですってー。昨日までは苗字までだったのに……ねー」グチグチ・・・

ぬこ「なー」コロコロ・・・


早く弁解手伝って下さい。居心地最悪です。


結標「……」キョロ・・・キョロ・・・

月詠「……結標ちゃん。おはようございます」ニコッ!

結標「……」キョロッ・・・タラー・・・

香焼「あ、淡希さん……おはよう」アハハ・・・


当たりを数度見回した後……自分の顔に視点が止まった。


結標「……」ジー・・・

香焼「淡希、さん?」タラー・・・

結標「っ……お、おはよぅ……」カアアァ・・・///


一瞬にして真っ赤になり、布団で顔を隠す淡希さん。何その反応!?


月詠「結標ちゃん? ……さくやは おたのし みでした か?」ニコッ!!

結標「っ!! う、うん……」コクッ・・・///

香焼「淡希さあああぁんっ!!」ウワアアアァッ!!

月詠「……決定ですね」ジトー・・・

ぬこ「なぅ」ジトー・・・


何か物凄い勘違いなさってる人がいる! 違うから! この人寝ぼけてるだけだから!


月詠「香焼ちゃん。男の子は責任を持たなければいけないのですよ? それが例えワンナイトラブであっても!」ビシッ!

香焼「違うっすよ!! 過ち冒してないよ!! ちゃんと理由あって!」アタフタ!

月詠「じゃあ……そのシーツの『血』は何ですか?」ジトー・・・

香焼「え……」ダラダラ・・・


血……ホントだ……って! これ昨日自分が斬られた時に出た血固まっただけじゃん!!


結標「あ、え……もしかして……やっちゃった系?」テヘッ♪

香焼「」

結標「ふ、不束者ですが! 宜しくお願いします!!」カアアァ・・・///


後でステイルから煙草を貰おう。きっと美味しいんだろうな……現実逃避の煙の味って。
156 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 05:50:23.22 ID:HwyG+qya0
数分後……ちゃんと説明をし、月詠さんを納得させた。
血の説明は外に出た際に切ってしまった部位を放置したままだったという事で誤魔化せた。


月詠「まったく……夜中コンビニ行く程度は構いませんが、はしゃいで怪我するなんてやっぱり小学7年生さんですよ。香焼ちゃん」プンスカ!

香焼「あはは……すいません」ペコッ

月詠「そして結標ちゃん! 小さいとはいえ香焼ちゃんも男の子なんです! 能力使ってまで抱き枕にしちゃ駄目なのですよ!」ンモー!

結標「ごめんごめん」アハハ

ぬこ「にゃん」スリスリ


さておき、現在朝御飯の最中。わかめの味噌汁、納豆、玉子焼き、グリーンサラダ、ご飯のメニューである。
子猫には昨夜買った猫缶を与えていた。


香焼「そういえば……淡希さん」モグモグ・・・

結標「んー?」ズズズズ・・・

香焼「いつもは月詠さん抱いて寝てるの?」ゴクン

結標「ぶっ!! ごほっごほっ!!」ドキッ!


昨日の寝言が気になった。


結標「そ、そんな訳無――」

月詠「ふふふ。そうですねー。偶にギュって抱き着いて来るのですよー。結標ちゃんは寂しがり屋の兎さんなんです」ニコッ

結標「――いで……小萌ぇっ!!」カアアァ・・・///

香焼「あははは」ニコッ

ぬこ「んなー」ペロペロ


淡希さんは何かに抱き着いてないと寝れないタイプらしい。


結標「ち、違うのよ。独り身の小萌が寂しそうだなぁって私が同情してあげてるだけなんだから!」ムキー!

月詠「はいはい。結標ちゃんは優しい子ですねー」クスッ

結標「ぐぬぬぬっ……小萌ぇ、覚えてなさい……」ギロリ・・・


やはり何だかんだで大人(月詠さん)の方が上手の様だ。それにしても仲が良い。


ぬこ「みー」トコトコ・・・スリスリ

香焼「……ふふふ」ナデナデ


二人は素敵な家族だ。
157 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 06:04:30.84 ID:HwyG+qya0
 ――とある休日(翌日)、AM10:00、学園都市第7学区、とあるアパート(月詠家)・・・・・



食事が終わり、今度こそ片付けを手伝った。
それから掃除を手伝い、出来得る限りの洗濯も手伝い、一晩の礼には足りないだろうが月詠さんへの感謝を自分なりの行動で表した。


月詠「態々良いんですよ。私の自己満足って言ったでしょうに」

香焼「あはは……すいません」

月詠「香焼ちゃんが良い子だって事は嫌という程分かりました。後は……自分の問題を解決するだけですよ?」ニコッ

香焼「……はい」コクッ


一通り終わったので、一息つこうとお茶を入れた時……



 ――ピンポーン・・・・・



……インターホンが鳴った。


結標「こんな早くに誰かしら?」

月詠「回覧板だと思いますよ。はーい。今開けますよー」トコトコ


玄関に小走りする月詠さん。


月詠「はいはい。ドチラ様でしょ……」ガチャッ


ドアを少し開いた所で、止まった。そして……


月詠「あ……ぅ……」ペタンッ・・・


その場に尻もちを付いた。その表情は……恐怖。


結標「っ!! 小萌っ!!」タッ!!

香焼「月詠さんっ!!」スタッ!


自分と淡希さんが玄関に跳ぶ。そこに居た人物は……
158 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 06:20:42.87 ID:HwyG+qya0
結標「朝っぱらからカチコミとは良い度胸ね!!」スチャッ!!

香焼「っ!! ま、待って! 淡希さん!!」グイッ!

結標「香焼くん!?」ピタッ・・・


……その人は、敵じゃない。


神裂「……そう。貴女の家でしたか」スッ・・・

月詠「あ……な、にが……」オドオド・・・

香焼「女教(プリエ)……カオリ姉さん」ペコッ・・・

月詠「姉さ……香焼ちゃんの、お姉さんって……」キョトン・・・

結標「……」ギロッ・・・

神裂「……名を告げるのは初めてでしたね。神裂火織と申します」ペコッ・・・


深々とお辞儀をする女教皇様。


神裂「愚弟が、御迷惑をお掛けしました」

月詠「え、あ……いえ……」ポカーン・・・


女教皇様の事を知っているのか、月詠さんは複雑な表情のままだった。


結標「……アンタ」ギロッ

神裂「……何か」チラッ

結標「とりあえず上がりなさい。茶でも出すわ……いいわね、小萌」チラッ

月詠「あ、え、はい……どうぞ」スッ・・・


淡希さんの手を借り、立ちあがり居間へ戻る月詠さん。
女教皇様は軽く頭を下げ、その後を追った。


神裂「……香焼」チラッ

香焼「はい」

神裂「とりあえず、話は後で……五和と浦上も共に」コクッ


それだけ告げ表情を崩さぬまま、月詠さんが座る円卓の向かいへ正座。
自分と淡希さんも、遅れて少し離れた所に座った。
159 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 06:39:47.30 ID:HwyG+qya0
切り出したのは女教皇様。


神裂「貴女には迷惑を掛けてばかりで……なんと謝罪すればよいものか」

月詠「い、いえ。何というか……吃驚で」

神裂「聞けば禁書目録も未だにお世話になっている様で、それも含めて改めてお礼させてもらいます」

月詠「そんなそんな!」


確かに今回の件で女教皇様にも汚点はあったが、頭を下げさせるなんて……教徒失格だ。


神裂「前回(0728事件)の件は私の口からは何とも言えませんが……今回の件は全て私の責任です」

香焼「っ! それは――」

結標「香焼くん。黙ってなさい」スッ・・・

香焼「――っ……」グッ・・・

神裂「その子を追い詰め家出させたのは、我々姉三名が莫迦だった故。その子に責はありません」

香焼「カオリ姉さん……」

月詠「……神裂さん」

神裂「はい」

月詠「言いたい事は分かりました。ただ一言言わせてもらえれば……」


近くに居た猫を撫でながら……


月詠「何処にでもある……普通の姉弟喧嘩なのでしょう?」ニコッ

ぬこ「にゃー」スリスリ


……聖人に向かって、聖母の様な笑みで告げた。


神裂「……それは」

月詠「見た所、貴女もお若い様です。多分、歳の近い結標ちゃん以上に苦労している人なのでしょう」

結標「……歳の、近い?」エ?

月詠「結標ちゃん。香焼ちゃんが『一番上の姉は結標さんと一つ違いっす』って言ってたじゃないですか」

結標「そういえば……そんな気も」ジー・・・


比べれば確かに淡希さんが大分幼く見えるだろう。五和と比べても淡希さんは若く見える。
160 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 07:01:55.58 ID:HwyG+qya0
月詠さんは更に続けた。


月詠「『家族』という概念が希薄であるこの学園都市で、どんな形であっても『家族』であれる貴女達は恵まれているのですよ」

神裂「……ええ」

月詠「折角の姉弟です。仲良くするのは勿論、多いに喧嘩しても良いと思います」

香焼「月詠さん……」

月詠「その際、人に迷惑を掛てはいけないとは言いません。家出しちゃえば必ず誰かに迷惑は掛りますから。家出捜索の警備員とかね」

香焼「……すいません」

月詠「今回は私でしたが……良いんです。大人にいっぱい迷惑掛けて下さい」


それを寛容するのが大人の役目ですから、と自分ら『三人』に向けた。


月詠「香焼ちゃん」

香焼「はい」

月詠「神裂さん……いえ、神裂ちゃんをキチンと『弟』として、支えてあげてくださいね」

香焼「お、弟としてっすか?」ポリポリ・・・

神裂「神裂、ちゃん……ですか」ポリポリ・・・

月詠「働いてるのか如何か分かりませんが……若いのに苦労してる相が出ちゃってます。神裂ちゃんに一番必要なのは『日常』ですよ」


それは……納得できる。


月詠「先生の話は此処までですよ……さて、後は当人達の問題ですから」

ぬこ「なー」


笑顔でお茶を一啜り。

それから暫くして、女教皇様と月詠さんは雑談を始めた。自分と淡希さんは庭先で待っている事にした。


結標「綺麗な人ね。女性から見ても恰好良いし」

香焼「……はい」

結標「仲直り、できそう?」

香焼「……どうかな」


4人揃ってから、如何なるか。正直、他二人と顔を合わせるのが心配だった。
161 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 :2011/03/11(金) 07:26:52.23 ID:HwyG+qya0
数分後……女教皇様と月詠さんが玄関から出てきた。


結標「……終わったの?」

月詠「はい。見た目以上にユニークなお姉さんですよ。神裂ちゃんは」

神裂「だからその神裂『ちゃん』というのを止めて頂きたいのですが……」

結標「言っても無駄よ。小萌は未成年誰でもちゃん付けだから」


苦笑。


神裂「それでは失礼します。香焼、忘れ物は無いですか?」チラッ

香焼「え、あ……はい」コクッ

神裂「ではお礼を……近くの公園に二人がいます。そこに向かいましょう」


些か急だが、ダラダラ残るより良いだろう。


香焼「月詠さん。淡希さん。昨日今日とご迷惑をおかけしました」ペコッ

月詠「いえいえ。楽しかったですよ。また来てくださいね」

香焼「是非。お土産持ってくるっす」

月詠「ふふっ。期待しちゃいましょう」クスッ


淡希さんは……何も言わない。


結標「……私も少し、貴方のお姉さんと話が有るわ」

神裂「……」

月詠「……では、私はこれで。香焼ちゃん、他の二人ともちゃんとお話するんですよ。いいですね」ニコッ

香焼「はい。ありがとうございました」


そう言い残して、月詠さんは部屋に戻って行った。此方は……


神裂・結標「「……」」

香焼「……えっと」タラー・・・

神裂「……歩きがてら、話しましょう」チラッ

結標「……そうね」チラッ


何やら険悪な雰囲気。間違いが起こらない事を祈る。
162 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 07:44:46.53 ID:HwyG+qya0
 ――とある休日(翌日)、AM10:40、学園都市第7学区、とある道路・・・・・



歩きだしてすぐ、女教皇様が口を開いた。


神裂「どうやら一番貴女に迷惑を掛けたようですね。申し訳ございません」カツカツ・・・

結標「謝罪される謂われはないわ……終始土御門から聞いてるんでしょ?」カツカツ・・・

神裂「……」

結標「その子を殺しかけたわ」チラッ

香焼「っ!! 淡希さん!!」ギョッ!


態々言わなくても良い事を。


結標「私の早とちり。しかも私怨……姉として、『上司』として私を如何する?」

香焼「ぷ、女教皇様! 違います! それは事故で!」

神裂「……この子がこう言っています」サラッ

結標「部下任せ?」フンッ

神裂「いえ……『本人』任せ、そして『弟』任せです。月詠さんが言っていたでしょう。『喧嘩は当人同士』と」

結標「……アンタ、苦手だわ」ハァ・・・


鉾は降ろされたようだ。


神裂「それに元を辿れば私達の所為。我々が莫迦をしなければ、その事態にはならなかった」

結標「……」

神裂「貴女は被害者であって加害者では無い。土御門からの罰則も全て私が責を負います」

結標「や、やめてよそういうのは! ……調子狂うわねぇ」ッタク・・・

ぬこ「なー」


その人は達観してるから、何を言っても無駄だと思う。


結標「まったく……姉弟して同じような事言うのね。貴方達」

神裂「ふむ。そうなのですか?」チラッ

香焼「あはは……まぁ」ポリポリ・・・


そういう教えだ。仕方あるまい。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 08:00:41.63 ID:rCRRnzSAO
よかったよかった
164 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 08:07:08.53 ID:HwyG+qya0
結標「じゃあ失礼ついでに言わせてもらうけど……私は昨日の『私怨』については謝らないわ」

神裂「……」

結標「香焼くんには言ったけど、私の『日常』を守る為に動いただけ。勿論、早とちりは私の所為だけど……貴女には謝らない」

神裂「香焼本人に謝罪をしたのでしょう? だったら私に謝られても仕方ありません」

結標「そう。ならいいわ」

神裂「……香焼」チラッ

香焼「え、あ、はい」

神裂「貴方はその件を如何考えているのですか?」

香焼「え……如何って」


事故だが……そういう応えは望んでいないだろう。
それならば、今の自分の、純粋な気持ち。


香焼「最初は、怒りました……命も貞操も軽く見過ぎな行いだと」

神裂「……」

結標「そう……よね」


でも……


香焼「例え、あそこで死んでいても……未練は無いっす。やるだけの事はやった」

結標「そんな……っ」

香焼「あはは。でも結果、何だかんだでこうして生きてる。それで良いじゃないすか」ニコッ

結標「香焼くん……」

神裂「……ふふっ」


ポジティブに、自分の行いを恥じず。


香焼「それに……月詠さんに……淡希さんに会えた。それが一番っすね」ニコッ

ぬこ「にゃー」スリスリ


一期一会に感謝を、だ。


香焼「感謝はしても、謝罪はしない。そうあれかし(AMEN)……そんな考えっすよ」ハハッ

神裂「……だそうです」ニコッ

結標「……うん。ありがとう」ニコッ・・・///


淡希さんは笑顔をくれた。
それから少し先で踵を翻し、自分に連絡先のメモを渡して去って行った。きっとまた会うだろう。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 08:13:22.56 ID:rCRRnzSAO
何故か HELLSINGを思い出したしまった俺は 重度のヒラコー好き
166 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 08:25:57.78 ID:HwyG+qya0
 ――とある休日(翌日)、AM10:55、学園都市第7学区、とある公園・・・・・



神裂「……素敵な人でしたね」ニコッ

香焼「はい。二人とも」ニコッ


未だ昨日の話はしない。4人集まってからと決めている。


神裂「二つ……いいですか」

香焼「はい」コクッ

神裂「叱咤と、疑問ドチラから?」

香焼「……叱咤で」


子猫が自分の肩の上から女教皇様のポニーテールをパンチする。


神裂「先程、貴方は彼女に自分の命を軽く見過ぎと叱りましたね」

香焼「……はい」

神裂「分かっているようですので……後は言いません」


身の程を知れ、という意味だろう。当然だ。人の事を言える立場では無い。


神裂「次に疑問ですが……彼女は、貴方から見て『救いの手』が必要な者でしたか?」

香焼「……はい」


淡希さんも……最愛と同じ。
『裏』に染まり切ってる分、彼女の方が深い。          ※(この時点で香焼は絹旗が『アイテム』だと知らない)


神裂「そうですか……では須らく」

香焼「分かってるっす。途中で投げ出したりはしません」


自分に何が出来るか分からないが……手を伸ばしたかった。


神裂「では強くなりなさい。最低土御門より強くなければ、この街の『暗部(闇)』に太刀打ちできませんよ」

香焼「頑張るっす」


自分が弱いのは十に承知だ。今の自分の総合的な力は、多分アンとどっこい。まだまだだ。
167 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 08:45:23.12 ID:HwyG+qya0
一寸後、公園に着いた。自分が最愛と出会ったイカレ自販機が置いてある公園。
人気は無い。態々人払いの結界を敷いたようだ。


神裂「……此方に」テクテク・・・


歩を進める。その先に……二つの影。


五和「……」

浦上「……おはよ」


二人の前に歩み寄る。


香焼「……こんにちは、だろ。もう昼だ」

浦上「あはは。そですネ」

五和「……」

ぬこ「みー」スタッ・・・トコトコ


無言の五和。


神裂「……五和」

五和「……さい」

香焼「え」

五和「ごめんなさい……」グズッ・・・


コイツ最近いつも涙ぐんでるな。


五和「ごめ、う……うわあああああぁんっ!! ゴウぢゃあああああぁんっ!! ごめんだざああああぁいっ!!」ガシッ!

香焼「うわっ!! ちょ、い、五和!?」ワトト・・・

浦上「あーあ……お姉、先に謝っちゃった」ハァ

神裂「三人でと言ったでしょうに……仕方ありませんね」フフッ


抱き着いて泣き叫ぶ五和の後ろから、二人が頭を下げた。


神裂「教皇という立場、そして一姉として、礼節に事欠ける振る舞いをしてしまいました。申し訳ございません」フカブカー

浦上「ああ、えっと……悪ふざけが過ぎました。ごめんネ、香焼……ほら、お姉も!」ペコッ

五和「ううううぅ。ごめ、んなさい……許して、コウちゃん……嫌わないで……」ウルウル・・・


まったく……馬鹿みたいだ。


香焼「……自分こそ、心配掛けてごめんなさい」ペコッ


お相子さ。
168 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 09:12:53.86 ID:HwyG+qya0
五和を落ち着かせるのに時間が掛り、まともな話が出来たのは十数分後だった。


浦上「……それで、香焼。お泊まり楽しかった?」ニヤッ

神裂「浦上! 貴女はまだ!」ギロッ

香焼「良いっすよ、女教皇様」ニコッ・・・

神裂「む……しかし」ムゥ・・・

香焼「楽しかったよ。色々勉強できた」コクッ


そう。色々知れた。


香焼「この街は、自分達が思っている以上に……複雑みたいっすね」

浦上「あらら。何だか大人になっちゃったみたいで。てか、お姉。鼻、鼻」ハーイ・・・

五和「ぐすっ……危険な目にあったんでしょ? 怪我してない?」チーン!

香焼「大丈夫っすよ。一応勝負には勝ったっすから」ポリポリ・・・

神裂「勝ったって……殺されかけたのでしょう?」エ・・・


嘘はついてない。形勢逆転した(馬乗りになった)時点で、自分の中の戦いには勝っていた。


香焼「死合は、自分が勝手に武器を捨てて放棄したっすけど……あの時、戦いの意味は無かったっすから」アハハ・・・

神裂「……武器を、捨てた?」ハァ?!

浦上「香焼……自殺願望?」キョトン・・・

五和「やっぱりピンチだったんだ……私の所為で……」シュン・・・

香焼「だから誰の所為でも無いって言ったろ……意味の無い戦いだったから、放棄した。それだけっすよ」


そこにあったのは、自分と彼女の『命』を剥き出しにした戦いだけ。それをただ天瓶に掛けただけだ。


香焼「武器を離さなければ……如何あっても淡希さんを殺してしまってた」

浦上「馬鹿ね……優し過ぎるわよ、香焼」

香焼「五月蠅いなぁ。兎に角、結果的に淡希さんと仲良くなれた。それでいいじゃないっすか」ニコッ

神裂「楽観的な……そう理由が理由だと、怒るに怒れませんよ」ハァ・・・


誰も悪くない。為る様になっただけだ。
169 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 09:34:50.69 ID:HwyG+qya0
浦上「ま、大能力者の空間移動能力者……だっけ? その人追い詰めた点は、自慢できるカナ」クスッ

香焼「いや、淡希さんも本気じゃなかったし。本気出されてたら多分……」


……淡希さんのペットコースだった。


神裂「は? ペット、ですか?」ポカーン・・・

五和「殺されてたんじゃなくて?」キョトン・・・

香焼「い、いや、何でも無いっす!」アハハ・・・

浦上「香焼……またフラグ立ててきやがったわね」ボソッ

ぬこ「にゃーん」フシフシ


また馬鹿にされたんじゃ堪ったもんじゃない。


神裂「……まぁ深くは追求しません。貴女達も駄目ですよ」チラッ

五和「分かってます」コクッ

浦上「……」コクッ


学習したようだ。喧嘩の火種は作らない。


浦上「うんしょ! それじゃあ皆さん、結界解いていいですか?」チラッ

神裂「いいでしょう。長時間結界を張るとアレイスターにグチグチ言われますからね」

五和「それじゃあこの後4人でお昼でも行きますか」

浦上「そだね……カオリ姉さん、その恰好で?」

神裂「いつもの事でしょう」


もう周りの目線も慣れたものらしい。流石、聖人だ。レベルが違う。


五和「何処行きたい? コウちゃんの好きなとこで良いよ」ニコッ

香焼「五和が優し過ぎて怖い……」

五和「私はいつも優しいよ」ニコニコッ

浦上「馴れ馴れしいのもいつも通りだよネ……って、アレま?」ドキッ!?

神裂「どうしました?」

浦上「……結界が勝手に壊れちゃった」アララ・・・

香焼「術式ミスっただけじゃないんすか?」

浦上「うーん……五和と張ったから問題無いと思うんだけど……」ポリポリ・・・


となると、考えられるは二つ。一つは魔術師によるハッキング。もう一つは……
170 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 09:54:44.06 ID:HwyG+qya0
上条「あれ? 何か変だと思ったら……神裂達だったのか」テクテク

神裂・五和「「か、上条当麻(さん)!!?」」ドキンッ!!


誰かさんが結界に触れたか、だ。


上条「公園に違和感あるなーって触っちゃったんだけど……拙かったか?」

神裂「い、いえ。今出る所だったので」アハハ・・・

五和「か、上条さんは何故此処に?」ドキドキ・・・

上条「ああ。午後から補講でさぁ。休みなのに補講って……不幸だよなぁ」トホホ・・・


どんだけ成績悪いんだ、この人。


上条「ん? ……香焼」チラッ

香焼「え、あ、はい」

上条「何だか大変だったみたいだな。大丈夫だったか?」

香焼「あはは。御心配お掛けしたようで」ポリポリ・・・


そういえば、この人と姫神さんにばれたんだっけ。


上条「まったく、仲良くしろよ。喧嘩程度なら仲裁頼まれてやっても良いからな」ニコッ

浦上「そですネ。上条さんが仲裁なら一発で収まりますヨ」チラッ

神裂・五和「「……あはは」」タラー・・・

ぬこ「なぅ」コロコロ


今度から絶対頼もう。我が家の平和の使者、上条当麻。


上条「あはは。平和の使者か。面白いな、それ……おっと、そろそろ急ぐわ」

香焼「はい。土御門と姫神さんにもよろしくお伝えください」ペコッ

上条「おう。あと……別に俺(男)んとこ頼ってくれても良いんだからな。インデックス居るけど、アイツは気にしないからさ」ボソッ

香焼「え、あ、あはは……そうっすね。今度はお邪魔するっす」クスッ・・・


こっそり耳打ちしてくれる上条さん。同じ苦労を知ってる人だ。


上条「それじゃ、またな!」バイバイ!

神裂・五和「「ま、また近い内に!」」ウンウン!

上条「おう。いつもインデックスが楽しみにしてるよ。んじゃ!」タッタッタッ・・・


颯爽と駆けて行く普通の高校生。あの人こそ、本当に優しい人だろう。
171 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 10:12:12.56 ID:HwyG+qya0
浦上「香焼のカミやんレベルが上昇しました」コソッ

ぬこ「みー」フリフリ


そして相変わらず意味不明な浦上。


香焼「じゃあ行こう。近場のファミレスで良いっすよ」

浦上「お! いいね! 先導して頂戴な。文(もん)無しさん」ニヤッ

香焼「うっ……」

五和「ははは。いいよいいよ。今日ぐらい奢るから」ニコッ


申し訳無い。


浦上「じゃあ最近ドリンクバーの使い方覚えたらしいカオリ姉さんと一緒にファミレス行ってみよー」ニヤニヤ

神裂「ちょ、何でそれを!」ドキッ!

五和「姉さん、この前酔った時自分で言ってましたよ」クスッ

神裂「ぬ、抜かった……」カアアァ・・・///

ぬこ「にゃん!」


そういえば、子猫(コイツ)がいた。どうしよう。


浦上「あー、ダイジョブダイジョブ」ニコッ

香焼「え?」

浦上「おいでおいでー」チチチ・・・

ぬこ「んなー」トコトコ


浦上は猫を掴むと……少し大きめな自分のバックの中に入れた。


香焼「ちょ!?」ドキッ!

浦上「よしよし。顔出して良いよー」チョンチョン

ぬこ「にゃぅ」ヒョコッ


……オマエは蛇使いか?


五和「ウラの変な特技だよね。猫とか犬とか扱い上手いの」

浦上「あはは。教会の裏が野良畜生の溜まり場だったからネ。まぁこれで大人しくさせてれば、ばれないヨ」ニコッ

神裂「浦上の旧教会ですか。懐かしいですね」フフッ・・・


身体はでかくなっても心は子供のままか。そうありたいけど、そうも言ってられないからなぁ。
なんて、昔話に華を咲かせつつ、自分達は公園から一番近いファミレスにのんびりと向かった……―――
172 :第4話――結標「泊めてあげてもいいよ?」  香焼・月詠「「……」」 [saga]:2011/03/11(金) 10:23:02.18 ID:HwyG+qya0
 <おまけっ!>


 ガチャッ・・・・・


月詠「おかえりなさい」ニコッ

結標「うん、ただいま」

月詠「お姉さん達と仲直り出来そうでしたか?」

結標「大丈夫よ。似た姉弟だもの。すぐ仲直りするわ」

月詠「そうですか。それは良かったです」ニコッ

結標「……」

月詠「……寂しいんですか?」

結標「べ、別に……いや、そうね。台風一過ってヤツかも」フンッ

月詠「あらら。珍しく素直です」クスッ

結標「……何だか調子狂いっ放しだわ」ハァ・・・

月詠「ふふふ。楽しそうですけどね」

結標「……小萌」ボソッ

月詠「はい」

結標「……いつも、ありがと」ボソッ・・・///

月詠「え」

結標「……何でも無い! 昼寝する!」ゴロンッ!

月詠「……ふふふ。じゃあ先生も一緒しちゃいまーす!」コロンッ!

結標「ちょ、く、くっ付かないでよ!」///

月詠「えへへ。良い子良い子」ギュッ

結標「も、もぅ……仕方ないんだから」///

月詠「そうですよー。仕方無いんですよー」ニコニコ・・・











冷蔵庫『おーわーりーじょーうっ!』ビシッ!
173 :>>1 [saga]:2011/03/11(金) 10:29:13.80 ID:HwyG+qya0
はい終了。またオールしちゃったぜぃ。休みだからって調子乗った……死ぬる。
てかPC重くて一々固まる。投稿遅くなるのよな。すんません。


次回は英国編ですが、一つ質問。
新たなる光のランシスって何歳くらいかな。フロリスくらい? レッサーくらい?


それでは感想質問意見罵倒提案、特に『リクエスト』、等コメントお願いします。
それじゃあ、また。お休み……ノシ"
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 10:46:09.95 ID:1r72YxhDO
乙‥‥いや、お疲れ様。そしてお休み!

色々感想あるが、ショタコンとはまた別ベクトルのあわきんが見れて良かった。甘ちゃん香焼も良いね。

ランシスって、いつもくすぐったくて笑ってる娘だよね? 二人の間くらいだと思うけど。
リクエストは‥‥いっぱいありすぎるので、他の人に任せるにゃー。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 12:15:04.17 ID:qyshcpqDO
>>1もあわきんとお昼寝か

上条宅行くようになったら、かみやん病悪化する気が……
しかし、某所のアフターでヒロイン候補は同年代と思い込んでたが、年上もありか……
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 14:54:57.63 ID:mZDVhbiAO
ファミレスに拠るみたいだけど猫の連れ込みは出来る
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 15:03:22.89 ID:gem9zk79o
ちょっ地震来たwwwwwwwwww
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 00:52:49.50 ID:QeyF0V7DO
落ち着いたから

>>1やおまいら無事か?
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 23:46:04.07 ID:Ch34AqKAO
>>1の安否が気になる
180 :>>1 [saga]:2011/03/14(月) 02:43:37.74 ID:LUxjde8DO
こんばんは。携帯からすいません。
SSスレで報告するのも何すが、生きてます。水電気ガスも徐々に復活してるっすよ。


ただ近場の原発が暴走むぎのん状態なので、書く書かない言ってられる場合じゃないっす!

雨・雪降り出したら絶対に身体に当てないこと。
政府は中途半端な発表してるけど、こっちの専門家達は十分危険と警告してる。


当分投稿は無理かと思うけど‥‥いつかまた近い内に続きが書ける様、生き残るっす。




お前らも死ぬな。
あと、最後まで倫理的に行動してくれ。




以上、宮城仙台。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 04:52:18.89 ID:yNn/4A5DO
>>1!!よく生きてた!

無事再開される事を祈ってる!
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 05:41:12.76 ID:XW36I9LB0
そういえば、ランシスが魔翌力使うたびくすぐったい理由→エンゼルフォールの際『ガブリエルの中に入っていたから』という考察があったな・・・・・・
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 12:56:43.28 ID:jxwoPgiO0
生きてたか
とにかく良かった

まだ油断できないから十分気をつけてくれ
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 16:18:11.59 ID:WzP2ntfpo
生きてて良かった
報告ありがとう

早く再開できるようになることを祈ります
185 :>>1 :2011/03/28(月) 19:46:15.76 ID:w4Xj2QWF0
こんばんは! やっと落ち着いた……だけど、まだ新約買えてないのょ(´;ω;`)

レス返信!
>>174
あわきんは坊やに好かれるお姉さんなのよ。カリスマってヤツでっさぁ!

>>175
カミやん病の相乗効果……むふふ! ところで某所ってナンノコトデスカァ?

>>176
にゃんこファミレスなんてあるのか!? 気になるぜー!

>>182
そんな考察があったのか……でも何でくすぐったいのん? まぁどちらにしろ主キャラで出せないかも。さーせん!

>>177-184
まさか寝て直後に襲われるとは。しかも住処ってばらしたオレって……wwww
でもお前らのレス嬉しかったよ! これからも頑張るぜ!



<主な登場人物D>

・ステイル=マグヌス……香焼と一番歳の近い必要悪の教会(ネセサリウス)男メンバー。準レギュラー。カミやん病はLv.3くらい。
      14歳、年齢でいえば中学2年くらい。しかし所謂天才故、学校になど通ってる訳が無い。身長2m超えのヘビースモーカー。
      呼称は……ステイル、不良神父、マグヌス神父、等々。

      必要悪の教会所属の魔術師。役職的には主教補佐。魔法名は『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』。
      合理・禁書目録主義、ツンデレ。必要悪の教会では立場実力ともにトップクラスなのだが……誰かさんの所為で性格は丸くなった。
      英国と都市を行き来している為、香焼とは頻繁に顔を合わせる。彼を煙草仲間にしようと試みる一面も。傍から見ればラブラブ?
      香焼曰く『友達』だが、本人は『仕事仲間』と中々のツンデレっぷりを発揮してる。(以下追々付け足していきます)


・アニェーゼ=サンクティス……同じく準レギュラー的ポジション。そのうち『カミやん病』患者の被害者になる……誰かと似てるね!
      年齢は12歳で香焼と同学年程度。彼女も天才故、学校に通う必要無し。間違った敬語少女。普段Sだが、だからこそ打たれ弱い。
      呼称は……アニェーゼ、アニー、シスター・アニェーゼ、アニェーゼちゃん、アグネス、見栄っ張りチビ、等々。

      ローマ正教のシスターだが必要悪の教会預かりの身。リーダーを務めるアニェーゼ部隊は一応健在。『蓮の杖』を武器とする。
      性格は御転婆で我儘横暴、微エロ。必要悪の教会内での実力はそれなりに位置するが、立場は外様という事で下っ端。
      英国に来てからは前ほど『汚れ仕事』を押し付けられはしないが、英国人が手を付けたくない仕事を回されている様である。
      このSSではアンジェレネ、サーシャ、レッサーと組んで馬鹿騒ぎする事が多い。

      余談だが『どっかの世界』で香焼と[らめぇぇっ!]ってうわなにをするやめ[禁則事項です]……(以下追々付け足)


・アンジェレネ……準レギュラーかも。ポジション的には香焼と同じくツッコミ系。男性免疫が少ないが、香焼は別。男の娘と思ってる?
      年齢はアニェーゼの1つ下。アニェーゼと同様、ローマで義務教育程度は難なく叩き込まれてきた。立場は元々下っ端。
      呼称は……アンジェレネ、シスター・アンジェレネ、アン、わんジェレネ、等々。

      経緯の殆どはアニェーゼと同じ。『十二使徒マタイの伝承』を基にした硬貨袋を触媒とする魔術を使用。ファンネ○ミサイ○!
      性格は柔和だが人見知り、以外と俗っぽく偶に黒い。強くはないが弱くもない、実力は香焼くらい? 度胸はあるようだ。 
      数少ない常識人だが場に流される事も多々。アニェーゼにべったりだが彼女が本当に拙い事を仕出かそうとするとストッパーに。
      他人の気持ちに敏感故、空気を読める良い娘。なので朴念仁の香焼にイラッとする時もある。(以下追々付け足)


・サーシャ=クロイツェフ……準レギュラー? 4人娘の中で一番キャラ付けが難しい。さーせん。この子もカミやん病患者の被害者かも。
      13歳。ステイルらと同じで義務教育はすっ飛ばしている。立ち位置が繊細過ぎて本人も身の振り方に困っている。
      呼称は……サーシャ、シスター・サーシャ、クロイツェフ、真・堕天使エロシスター、等々。

      ロシア成教『殲滅白書(Annihilatus)』所属メンバーの戦闘修道女。必要悪の教会には上司(変態)の命令で足を運ぶ。
      性格は生真面目で寡黙、意外とお茶目。秘めたる力と立場が尤も釣り合わないが、香焼の『友人論』からすれば関係無ぇ状態。
      数多の拷問具を携帯していて、最近のお気に入りは香焼に買って貰った都市製のプラズマカッター。 ( 韭)ノ====))
      アニェーゼやレッサーとつるんで以降、大分朗らかになってきた。だけど上司が相変わらずで……(以下追々付け足)



・レッサー……準レギュラーっぽい。時系列的に出てくるとややこしくなるがネセサリウス・チビッ娘同盟には必要! 御了承下さい。
      年齢は13歳。義務教育は多分放棄したタイプ。立場は嘱託魔術師という感じ。だがステイル並にイギリス愛国者。
      呼称は……レッサー、レッサーちゃん、小悪魔系痴少女、変態、等々。

      魔術結社予備軍『新たなる光』所属メンバー。『鋼の手袋』を武器とし、特殊な霊装を常備している。尻尾は飾りじゃないよ。
      性格は横暴で大雑把、エロい。同年代ではアニェーゼと同程度の強さ。立ち位置はあくまで嘱託。他の嘱託はオリアナ等。 
      リーダーであるベイロープの目を盗んではアニェーゼ達と屯してる。御蔭でルチアとベイロープは胃薬常備らしい。
      香焼に対して上条当麻と「同じ匂い」がすると言って勝手にターゲットとしている。彼を脱がせたり着せたり、色々……フヒヒ!
      しかし、香焼に色目を使う度『何故か』他三人がキレる……何でだろうね!(以下追々付け足していきます)


それじゃあ久しぶりに投下! どーん!っ
186 :第5話――アニェーゼ・アンジェレネ・サーシャ・レッサー『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 19:53:17.04 ID:w4Xj2QWF0
 ―――とある日、AM11:00、英国、ランベス宮、女子寮・・・・・



午前の職務を粗方片付けた主教補佐次席……神裂火織は昼食までの間、寮の方へ戻る事にした。

基本的には都市ではなく英国、必要悪の教会内に居る事の多い彼女。
天草内では『女教皇』、必要悪の教会内では『主教補佐次席』と割と忙しい身。
時には仕事(主に主教の我が儘を聞く係)で英国に。本職(天草の『老人』共を黙らせる)故九州某所に。そして『様々な理由』で学園都市に。


神裂「せめて身体がもう一つ欲しい……」ハァ・・・


聖人とはいえ、歳にして18。厳しい生活だった。

さておき、今回英国に戻ってきた理由は二つ。
一つは主教様への定期報告。もう一つは例の馬鹿上司の『我儘病』が発動した為、戻らされた。

『数日英国より離れる故に、留守番を頼み設けるかしら?』って……せめて何処行くか告げてから消えろあのBBA。定期報告も出来ないわ。

ちなみに勿論『主教補佐(ステイル)』も一緒に英国に。それから五和達天草学徒も連れ帰っている。建宮が用有りとか何とか。


オルソラ「あらあら。St(サンタ).神裂、溜息でございますか? お疲れでしたらハーブティーでも如何でございましょう?」ニコッ

神裂「オルソラ……ええ。頂きます」コクッ


もはや寮長的存在のオルソラ=アクィナス。朗らかな彼女はマイペースな所を抜けば、纏め役としてピッタリだろう。
ローマの御方だが到仕方ない。他の輩は問題児過ぎる。
まぁ年齢不詳の彼女は実質、シェリー=クロムウェルと同い年くらいと噂があるので寮長には妥当かと――


オルソラ「……お待たせ、いたしました」ニコニコニコニコニコニコ・・・


――笑顔が、怖い……ごめんなさい。二度とそんな事考えません。


オルソラ「しかし最大主教はドチラへ向かわれたのでございましょう。何か重要且つ特秘な会議にでも……」ウーン・・・

シェリー「存外、アメリカ西海岸で日光浴とかだったりしてな」ハハハ

ルチア「仮にも巨大宗派の一、主教ですよ? そんな訳……無いとは言えませんね」ハァ・・・


確かに……もしバッキンガム宮で騎士団長殿が騒いでいたら、女王陛下と共に消えてそうな可能性は否めない。
ロシア成教の某機関トップも一緒だったら、完璧バカンスだ。


オリアナ「良いわねぇ。お姉さんもカリフォルニア辺りで焼いて来ようかしら」ウフフ

オルソラ「まぁまぁ! それはそれは素敵な提案でございますね。皆さんで慰安旅行と洒落込みましょう」ニコッ

神裂「そんな余裕有る訳無いでしょう……」ハァ・・・


金も、時間も無い。いや金は一同使ってないから溜まっているか。


ベイロープ「行くならオーストラリアの方が良いわ。アメリカ汚いもの」フフッ

ルチア「そういう問題じゃない。というか嘱託組、今日は呼ばれて無いでしょう? 何故居るのですか?」ジトー・・・

ランシス「何故って……何でかな?」ポカーン

フロリス「ルチアっちぃ。用が無くちゃ来ちゃダメなの?」ツンツン

ルチア「用が無ければ来れる場所じゃないでしょう、ランベス宮内部は。あと太腿突くなアバズ女郎。貴様もだ、浦上!」ギロッ!

浦上・フロリス「「きゃー(棒読み)」」ナデナデ

五和「し、シスター・ルチア。落ち着いて」ドゥドゥ・・・


まったく相変わらず姦しい所だ。女子寮だから当然っちゃ当然だが。
187 :第5話――アニェーゼ・アンジェレネ・サーシャ・レッサー『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 19:55:14.87 ID:w4Xj2QWF0
兎角、昼食まで小腹を詰めながら雑談等をして時間を潰した。浦上は相変わらずだが、五和の猫被りがいつも以上に冴えてる。
こんな時間が貴重だと感じられるようになったのも『彼』の御蔭だろう……感謝してもしきれない。

いつまでも平穏が続けば良い。人間とはそう願ってしまう―――



 ドッゴオオォーンッ!!



―――が、大抵そんな事を考えるタイプには平穏が訪れてくれないものだ。


神裂「何事ですか!?」バッ!

シェリー「隣の聖堂からだな……必要悪の教会メンバーのみ入れる礼拝堂だぞ?」ジー・・・

オリアナ「音だけで特に被害は見えないけど……襲撃?」フム

ルチア「何を呑気な! 誰か調査に向かっているのですか?!」キッ!


私が――と七天七刀に手を掛けた瞬間……固定電話が鳴った。ランプが光っているのを見るに、ホットライン。
オルソラが能天気に対応を始めた。


オルソラ「はいはい。此方女子寮でございますよ。ドチラ様で――」

シルビア『シルビアよ! まったくあの馬鹿ガキ共が!!』ギャーギャー!

オルソラ「あらまぁ、St.シルビア。ごきげんよう。今日は洗濯物が良く乾きそうでございま――」

シルビア『誰かオルソラと代われー!! 話通じないっ!!』ギャー!


怒声が漏れてくる。やれやれとシェリーが重たい腰を上げた。


シェリー「あいよ。如何した? カチコミか?」

シルビア『違う! ガキんちょ共よ!』ハァハァ・・・

シェリー「……ガキ?」ハ?


ガキというと……


シルビア『チビ共! カルテッ娘! それから天草のコォヤギ坊やとステイル……あ! 見つけた悪ガキ共! 切るわよ!』プツン・・・

シェリー「……だそうだ」チラッ


数名は苦笑。そして三名程……


五和・ルチア・ベイロープ「「「……」」」スタッ・・・


ゆっくり立ち上がり、武器を手にした。
188 :第5話――アニェーゼ・アンジェレネ・サーシャ・レッサー『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 19:58:29.92 ID:w4Xj2QWF0
オルソラ「皆さま、加減を忘れずに」ニコッ・・・

フロリス「リーダー。『角』必要?」ハァ・・・

浦上「……お姉、程々にね。どうせ香焼が原因だけど『元凶』じゃない筈だから」ハァ・・・

ランシス「うん。多分香焼くんとステイルさん、アンジェは暴れてないよ。サーシャは微妙だけど」アハハ・・・

オリアナ「まぁ主にいつもの『御転婆娘コンビ』でしょうね」クスッ


周りの言葉を聞いているのか流しているのか……三人は無言で扉に向かう。そして……


ルチア「あんの糞ガキいいいぃっ!! また隊長とアンジェレネ誑かしやがってぇ!!」ダッ!!

五和「コウちゃーん! 今助けるわッ!! あの虐めっ娘共おおおぉっ!!」ダッ!!

ベイロープ「レッサー……一掃すれば問題無しね。まとめてお仕置き」シャキンッ!!


二名程シスコン、ブラコン。一人は危険思考。最大限の高速術式を行使して、駆けて行った。


神裂「……私も行きますか」ハァ・・・


彼女達だけでは余計大変な事態になりかねない。というか聖堂が壊れる。
それにステイルとサーシャが一緒というのも拙い。二人がキレたら私以外止めれないだろう。


オルソラ「では私も御一緒いたしましょう。なるべく穏便に……でございましょう」ニコッ・・・


笑顔が怖い人が一緒に来てくれるらしい。こんな時は助かる。


シェリー「とりあえず早めに終わらせろよー。昼飯前だ」ヨイショッ

オリアナ「そうね。さっさと済ませて頂戴な」スッ・・・


一部の者からすれば、もう慣れた風。残った者にこの場と昼食の確保を頼み、我々も聖堂に向かった。




 ―――とある日、PM00:00、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、とある聖堂・大廊下・・・・・




走る、隠れる、止まれない。

本来食堂に集合し、食前の祈を囁いていなければいけないこの時間に如何して自分は逃げなければいけない?
簡単な話だ……捕まったら何をされるか分かったもんじゃない。


アニェーゼ「こらああぁっ!! 待ちやがれってんですっ!! わんこーやぎ! そいつ寄越せー!」ズゴゴゴ!

香焼「嫌だあああぁっ!!」タッタッタッタッ!!

サーシャ「第三の警告です……さっさとブツを渡したら如何です? 無論、私にですが」ジトー・・・

レッサー「自分から追い詰められる選択をするなんて相当なMですねっ!! 良いでしょう、お望みとあらば調教ですっ!!」ニヤリ!


魔術やら打撃やらで自分を追撃してくるアニェーゼ、アンジェレネ、サーシャ、レッサー。別名、必要悪の教会カルテッ娘(カルテッコ)達。
誰一人として本属の必要悪の教会メンバー(英国清教徒)ではないが、教会内で仲の良い4人故に誰かがそう呼びだした。

さておき彼女達は現在、自分とステイルが持っている『あるモノ』を奪い取ろうとしている。
シルビアさんがこの騒動の原因を自分の所為だと騒いでるが……ふざけるな。元はと言えば彼女達の所為だ。
189 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:10:10.28 ID:w4Xj2QWF0
香焼「渡したら渡したで喧嘩するだろお前ら! うわっ! 危なっ!!」ウワーン!

アンジェレネ「コォヤギくーん……たいちょー……もう走るの疲れましたぁ」タタタタタ・・・

ステイル「ハァハァ……僕も、疲れた……というか……ゼェゼェ……何故、僕まで巻き込まれなきゃならんのだ」ハァ・・・ハァ・・・

香焼「おま、友達見捨てるのか!?」フコウダー!!


そう言いながら一緒に追ってくるアンジェレネさん。しかも疲れたとは口だけ、ステイルとは違い余裕の表情。
そして6人の中で一番死にそうな表情をしている体躯の少年、ステイルさん14歳。煙草止めろっつぅの。


ステイル「ゼェ……もう、いい……コイツを、渡す……」グダグダ・・・

香焼「渡したら禁書目録に煙草の本数増やした上、もっと危ない煙草に変えたって告げ口してやる」ギロッ!

ステイル「そんな事、してみろ……ハァハァ……消し炭すら、残さず……ゼェゼェ……」ヘトヘト・・・

香焼「月詠さんにも同じ事言ってやる!」ギロッ!

ステイル「マジで……ひぃ……ふぅ……止め……ハァ……」ワトト・・・

アンジェレネ「マグヌスさーん。これ以上喋ったら死んじゃいますよー。走るの集中して下さーい」タタタタ・・・


これだからヘビースモカーは……


アニェーゼ「良しっ! 似非神父から狙いましょう!! 既にダウン寸前です!」スチャッ!

サーシャ・レッサー「「了解っ!」」スチャッ!

アンジェレネ「三人ともエグいねー」ニコニコ!


各々武器(蓮の杖、硬貨袋、バールの様なモノ、鋼の手袋カスタム)を構える。
拙い。ステイルは死に体だ。


香焼「っ! ステイル! 火ぃ貸して!」スッ・・・

ステイル「何、を……」ハァハァ・・・

香焼「いいからっ! あと耳塞げ!」チラッ!


億劫そうに革カバーの高級そうなライターを放って来るステイル。
自分はそれを受け取り……『あるモノ』に着火。そして―――



 カァッ!! キイイイイィーン・・・・・



カルテッ娘『うわぁっ!』ビクッ!!


―――後ろに放り、4人の動きを止めた。


香焼「ステイルこっち!」グイッ!

ステイル「うぐっ……オマ、さっき……何投げた……」ジトー・・・

香焼「都市製の乱聴弾と閃光弾を混ぜた特注弾。いいから隠れるぞ!」ダッ!

ステイル「……ったく」フコウダ・・・


最愛から貰った悪戯ボールが役立った。一応失聴や失明はしないとの事。
その場で悶えている4人を後目に近くの男子トイレへ逃げ込んだ。後で謝るから、今は隠れよう。

しかし、如何してこんな事態になったかと言うと……―――
190 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:13:23.41 ID:w4Xj2QWF0
                     <回想>


 ―――とある日、AM10:50、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



天草学徒にとって英国の居る時間と都市に居る時間は、年間にして丁度半々くらいと調整されていた。
そんな訳で、此方に居る連中とも仲が良かったりする。友達の数でいえば英国の方が多いだろう。


ステイル「ん? 香焼か……早いな。昼食までまだ一時間はあるだろう」テクテク・・・


そんな交友関係の中、コイツとだけはアッチもコッチも一緒になる機会が多い。


香焼「頼まれモノっすよ。お使いの品寄越せってね」ハァ

ステイル「まったく、態々あの喧しいチビ共のパシリなどしてやる義理もなかろうに。アッチでもコッチでも使いっ端とは」フンッ

香焼「お使いと言え、お使いと。てかステイルも早いっすね」

ステイル「ああ。ローラが紙切れ一枚で消えただけだからな。今に始まった事では無い」

香焼「あはは……大変だね」

ステイル「神裂には言ってないが、女王陛下も消えてる。しかも余計な事に全権を『あの方』に任せるとは……何考えてんだあのババア」ハァ・・・

香焼「女王陛下をババア呼ばわりって……」タラー・・・

ステイル「皆言ってる事だろう。気にするな」


最大主教も最大主教(問題人)だが、主教補佐も主教補佐(冷酷)だ。苦労するのは女教皇様だけだろう。


ステイル「それよりコーヒーが欲しい。香焼」スッ・・・チラッ

香焼「はいはい、補佐殿……って、此処禁煙だぞ」ジトー・・・

ステイル「ローラがいないから僕が法(ルール)さ」ニヤッ


悪い笑み。絶対碌な死に方しないぞ。


香焼「やれやれ……あ、じゃあコイツ見てて」スッ

ステイル「ん? コイツは……」ジー・・・

ぬこ「みー」ニュッ

ステイル「……都市から連れてきたのか?」ムゥ・・・


仕方なかろう。誰も預けられる都合がつかなかったのだ。
最愛は元々無理だし、月詠さん家は二人ともお出かけ中。他の学徒は一緒に帰ってきてるし、上条さん土御門に頼むのは忍びない。

という訳で、女教皇様のプライベート機にコイツの同乗をお願いしたのだ。


ステイル「飼ってもいないくせに、よくもまぁ……色々面倒だろう」フム・・・

ぬこ「にゃー」ヨジヨジ・・・

香焼「飼い主が見つかるまでっすよ。てかステイル懐かれてるね」クスッ

ステイル「……よせ。柄じゃない」ハァ


肩に登ろうとする子猫を持ち上げ、テーブルに降ろす2m超。
自分は二人分のコーヒーを入れた後、どっかり座るステイルの下へ戻った。
191 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:19:42.12 ID:w4Xj2QWF0
それから暫く、子猫とステイルのほのぼのやりとりにニヤニヤしながら、人を待った。


ステイル「ふぅ……お? コイツ、煙草を嫌わないのか」モクモク・・・

ぬこ「なー」ペチペチ

香焼「猫パンチしてるって。多分、嫌がってんすよ」ハハハ

ステイル「いや、これはコイツなりの好意表現だな。現に煙を掻き集める様に、こう」クイクイッ

香焼「煙を掃ってるんだろ」クスッ

ステイル「なら普段一緒に居るオマエが煙草を喫えば事の真意が分かるぞ。ほら」スッ・・・


また愛煙布教活動が始まった。勘弁してくれ。


ステイル「モノは試しだ。一本だけ、火を付けて咥えるだけで良い。吸わなくて良いから、な」ニヤッ・・・

香焼「やだ」ウヘェ・・・

ステイル「じゃあ命令。僕が法だぞ? 喫え」ニヤニヤ・・・

ぬこ「みー」ジー・・・

ステイル「ほら、コイツも喫ってみろって言ってるぞ?」


絶対言ってない。何というパワハラ。


香焼「人事部にパワハラ被害提出してやるぞ」ジトー・・・

ステイル「アイツらはガキの遊び程度にしか捉えないよ。ほら早く咥え―――



               ゴチンッ!!



        ―――ろっぐ、つぅッッッッ〜〜〜〜ッ!!?」ガンッ!!

ぬこ「にゃんっ!!?」ビクッ!! スタタタタ・・・


突如、頭蓋を踵落としされるパワハラ上司。ざまぁ見ろ。
だがついでに、子猫が驚いて逃げてしまった。


ステイル「……誰だ、オイ」ギロッ・・・

アニェーゼ「誰だ、じゃねぇです。人の使い魔もといペットを悪道に引き摺りこむな、この不良神父」ジトー・・・


待ち人が来た。
助かったが……誰が使い魔だ。色々危ないからそういう事言わないの。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 20:22:58.22 ID:+fONqZQDO
おおぉ‥‥>>1、復活ッッ!!
>>1、復活ッッ!!
>>1、復活ッッ!!
193 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:31:08.69 ID:w4Xj2QWF0
先頭に立つアニェーゼの後ろから3名、同じくらいの身長の少女達が連いてくる。


アンジェレネ「ま、マグヌス神父。此処は禁煙ですよ? コォヤギくんも止めなきゃ駄目です」メッ!

ステイル「……あ?」チラッ

アンジェレネ「はぅ……」スッ・・・


アンジェレネ、怯え過ぎ。ステイルは睨んだ訳じゃない。振り向いただけだ……人相が悪いのは仕方ない。

因みにこのメンツで集まる時は皆フランクに呼びあっている。
アンが自分をくん付けで読んだり、アニーやレッサー、サーシャをちゃん付けで読んだりするのがその例だ。


アニェーゼ「アンを虐めんな、この[ピーーー]野郎! 金○、ブっ潰しますよ!?」アアァン!?

ステイル「ハァ? ……上等だ。格の違いを教えてやろう、この[ピーーー]チビ……灰すら残さず消してやる」ギロッ・・・

香焼「ふ、二人とも。落ち着いて……アンも大丈夫でしょ?」

アンジェレネ「う、うん。アニェーゼちゃん、私は大丈夫ですから」

ステイル・アニェーゼ「「……ふんっ」」チッ・・・


犬猿の仲。どうして仲良くできないかなぁ。


サーシャ「第一の考察ですが、同族嫌悪というヤツでしょう。確かワシリーサが言っていた『ツンドラ』ですね」フムフム


ツンデレね。君の祖国の北側じゃないよ。


アニェーゼ「サーシャ……コイツと一緒にしないで下さい。もっと愉快な痴女衣装に改造してやりますよ」ジトー・・・

ステイル「おい、赤色(ロシア人)。いくら客人とはいえ言葉を選べ。死体になって永久凍土に帰りたくは無いだろう?」ジトー・・・

サーシャ「第一の訂正ですが……罵倒使い(スラング)も一級品(同レベル)です」ハァ・・・

ステイル・アニェーゼ「「一緒にすんな!!」」ガアアァッ!!


どっちもどっちだ。サーシャが正しい。


レッサー「にしし! こういうのって日本語で何て言うんでしたっけ? えっと……う●こち●カス?」クスクス・・・

香焼「目糞鼻糞。レッサー、ワザと間違えたろ?」ジトー・・・

レッサー「失敬失敬。しかーし……男同士で『吸え』だの『咥えろ』だの『先っぽだけ』だの、何おっ始めるつもりだったんですか?」kwsk!


頭が緩い奴も一緒の様だ。誰も『先っぽ』だなんて一言も言ってない。
それからアンとサーシャ。無言で赤面しないの。


アニェーゼ「まったく、相変わらず不貞の極みですね。レッサー」ハァ・・・

レッサー「そう? じゃあ不貞ついでに……」ゴソゴソ・・・ガシッ!

一同『っ!!?』ビクッ!?

香焼「ちょ、レッサー! レッサーさん!? 何してんの!? 何で自分のベルト掴むの!?」ジタバタ!

レッサー「コウヤギにゃんの[ピーーー]を私が[らめぇぇっ!]してあげようかなぁとかぁ痛あああぁっ!!」ゴギンッ!!


流石のアニェーゼも直接的な表現はアウトらしい。赤面しながら綺麗なローキックを叩き込んだ。
194 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:39:15.81 ID:w4Xj2QWF0
床で悶えるレッサーを捨て置き、一同、席に着く。


アニェーゼ「ああ、もぅ……コーヤギ。私もコーヒー! 砂糖ミルクいっぱいの!」ドカッ!

ステイル「図々しい奴。自分でやれ」フンッ!

アニェーゼ「アンタに言ってねぇです。コーヤギ、早く」チラッ

香焼「はいはい……アンとサーシャは?」

アンジェレネ「私は手伝います。サーシャちゃん、ココアで良い?」

サーシャ「第一の回答ですが、肯定です。お願いします」ペコッ

ステイル「まったく女の尻に敷かれる奴だ……香焼、僕もおかわり。チビガキと違ってブラック濃いめで」フンッ

アニェーゼ「チッ……調子乗んなっつってんです、枯渇不能野郎」ガタッ・・・

ステイル「あ? 僕の聞き間違いかな……コーヒーと厚底ブーツで見栄張る幼女(ロリータ)さん」スゥ・・・


いい加減にしろ……『怖い大人』呼ぶぞ?


アニェーゼ「それは……」ウッ・・・

ステイル「勘弁してくれ……」タラー・・・


分かれば宜しい。


香焼「レッサーは、サイダーだっけ?」チラッ

レッサー「痛たぁ……酒あれば酒。厨房の奥に料理長が隠してるラム酒がある筈です」ポリポリ・・・

アンジェレネ「うん、駄目です。お水持ってくるね」ニコッ

レッサー「……サイダーお願いします」ハァ・・・


やれやれ、やっと落ち着いた。とりあえず飲み物を持ってきてから渡す物を渡そう。



 ―――とある日、AM11:10、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



自分とアンが飲み物を持ってテーブルに戻ると、アニーとステイルはまだ睨み合っていた。
最早いつもの風とサーシャ、レッサーは苦笑。とりあえず全員に飲み物が行き渡り一息ついた所で、都市から買ってきた土産を取り出した。


アニェーゼ「おお! そうでした! ちゃんと買ってきましたか?」ジー・・・

レッサー「忘れてたらオシオキですからねぇ……個人的にはそっちもアリですよ?」ニシシ!

香焼「忘れてないよ……えっと、まず全員分の……」ゴソゴソ・・・


ダンボールいっぱいの菓子類。都市、というより日本でしか手に入らない菓子・ジュースだ。
英国の菓子等はハッキリ言って……雑。味の濃さだけで誤魔化している節が否めない。


ステイル「……日本の駄菓子? あと都市製の飲料か」ジー・・・


故に、コッチの人間からしてみれば日本の菓子類はかなりの嗜好品となる。4人は挙(こぞ)ってダンボールの中身に目を輝かせた。


サーシャ「……チューイングガム。風船ガム。チューブガム」パアァ!

レッサー「いやぁ、これだけあれば二週間は腹持ちしますねぇ……ご褒美は何が良いですか? [らめぇぇっ!]? [禁則事項です]?」ニコッ

香焼「い、いらないよ……」アハハ・・・


アニーがまた睨んでるぞ。
195 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:45:49.05 ID:w4Xj2QWF0
香焼「次は……アニーとアンの分だね」スッ・・・


リュックから数冊の本を取り出す。


アニェーゼ「待ってました! 新作4つですね!」ワクワク!

アンジェレネ「カナミンの新刊も溜まってたもんね!」ワクワク!

香焼「スピンオフ版も買ってきたっすよ」

アニー・アン「「わぁい!」」キャッホー!


二人が手にしたのは『超機動少女カナミン』という学園都市発の人気漫画だ。世界中で愛読者がいるベストセラー本。
今は第三期に突入し『カナミン:ディファレンシャル』という名前だ。

もともと浦上が買っていたモノを教会内の数名に読ませたら、瞬く間に人気になったのである。


レッサー「二人読み終わったら、次貸して下さいねー」ヨヤクー!

ステイル「君達は子供か……」ハァ

アニェーゼ「ふんっ。大人ぶってコレの良さが分からない枯れた14歳になるくらいなら、子供で結構ですよ」ケッ

アンジェレネ「読んでみれば面白さが分かりますよ。今度貸してあげましょうか?」ニコッ

香焼「……本気で言ってるの?」タラー・・・

アンジェレネ「ええ」ニコニコ!

ステイル「……遠慮しとくよ」タラー・・・


アンはたまに恐いもの知らずのトンデモ発言をする。てかステイルがカナミン読んでる姿を想像したら……


レッサー「きゃははは! す、ステイルがか、カナミンだって!! イヒヒヒっ!」ケラケラ!

サーシャ「カナミン……衣装……やめろワシリーサ……」ガタガタ・・・


こうなる。そして何故か怯えるサーシャ。


香焼「ま、まぁステイルは都市行くし読もうと思えば何時でも読めるしね」アハハ・・・

ステイル「読まん」フンッ

アンジェレネ「あらら、残念」フフッ

アニェーゼ「後になって読みたいっつっても絶対ぇ貸さねぇですよ」フーン!

ステイル「読まないって言ってんだろタコ頭」カチッ・・・フゥ

香焼「まぁまぁ……あとステイル」ジトー・・・

ステイル「……ん」チラッ


女の子の前でも平然と煙草に火を付けるのは如何かと。


レッサー「ま、放っておきましょう。肺癌で死ぬのが関の山です」ベー!

ステイル「神がニコチンとタールの世界に召してくれると仰るなら本望だよ」ワッカッカ・・・


そんな神様、封神されてしまえ。
196 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 20:52:21.90 ID:w4Xj2QWF0
香焼「まったく……それじゃあレッサーの分」スッ・・・

レッサー「はいはい!」グイッ!


都市製のリップに香水、ネイルカラー。女子中高生に人気の品だ。


アニェーゼ「レッサー……化粧なんて見栄張って如何すんですか?」ハァ

レッサー「化粧じゃありませんー。リップですー。まったく、少しは御洒落を気にしないと女捨ててるって思われますよ?」

アンジェレネ「でも、私達くらいだと香水とかまだ早いんじゃないかな?」

レッサー「甘い甘い。そういう考えでいると、将来ルチアとか神裂みたいに枯れるんです」

サーシャ「第一の質問ですが、修道女なら別にそれでも――」

レッサー「私シスターじゃないですよーん。それに……ホントに良いんですか? 20前に女して捨てて……ねぇ、サーシャにゃん」ジー・・・

サーシャ「――……むぅ」ウーン・・・


随分失礼な事を言うが多分、オリアナさんの入れ知恵だろう。一部の人間からしてみれば美のカリスマ的存在。
ふと、アンが自分とステイルに尋ねてきた。


アンジェレネ「うーん。男の子ってやっぱり身嗜み気にする?」チラッ

香焼「えっと、人それぞれじゃない? リップくらいなら年相応だけど、若いのに化粧までしてるとね……」アハハ・・・

ステイル「確かに……都市の女学生は正直、匂いキツいよ。アレじゃ御洒落になってないだろうに」

アニェーゼ「んなモンで男釣れると思ってる阿呆は将来売女(ビッチ)確定ですね」ハハッ

香焼「そういう訳じゃないっすけど……ステイルだって香水掛けたり髪染めたり、入れ墨(タトゥ)してるくらいだしさ」ハハハ


瞬時、4人が固まった。自分はしまったと思い、ステイルをチラ見する……


ステイル「……ボケナス」ハァ・・・


……天を仰いでらっしゃった。


サーシャ「第二の質問です。マグヌス……それは地毛では無かったのですか?」ジー・・・

ステイル「答える義務は無い」フンッ

アンジェレネ「え、えっと、魔術的な意味合いなんですよ。きっと」アハハ・・・

アニェーゼ「いやいや、違いますね。きっとイメチェンしたんですよ。地味ぃな黒髪眼鏡だったのがある事をきっかけにデビューとか」ウヘェ

ステイル「勝手な想像をするな!」チッ・・・

レッサー「香水は煙草の臭い消しかと思ってましたが……御洒落とは。もしかしてバーコードとかピアスも御洒落? センス無ぁ!」キャハハ!

ステイル「……燃やすぞ小悪魔」ギロッ・・・

香焼「す、ステイル落ち着いて! 皆もからかわないっす」アワワ・・・


自分が蒔いた種だ。フォローせねばなるまい。


香焼「つ、次。サーシャの!」アタフタ!

アニェーゼ「無理矢理切り替えやがりましたね」ジー・・・

香焼「うっさい! ほら、コレ!」ドンッ!

サーシャ「確認します……1,2,3……丁度7ケースですね。ありがとう」コクッ

アンジェレネ「ええっと……サーシャちゃん。コレ、何?」ポカーン・・・


何やら重々しいケース。自分とサーシャ以外の面々は目を丸くして、それを見詰めた。
197 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:04:20.14 ID:w4Xj2QWF0
サーシャは『第一の説明を……』と外套の裏から『何か』を取り出し、銃を構える様な仕草を見せた。
手に持つ『何か』の形状は、マジックハンドの様な取っ手に二枚の平たい電子器具が重なり付いたモノ。


レッサー「うーんと……はい?」タラー・・・

サーシャ「武器(工具)です」キリッ!

ステイル「随分とデカいな……何の工具だ、それは?」ジー・・・

香焼「都市製の資材切断器だよ。業務用のホームセンターに売ってるっす」


つい先日、自分が買って来てやったモノだ。
都市のカタログだか雑誌を見てコレの存在を知ったらしく、見つけるや否や、普段隠れている目を輝かせて喰い付いてきた。
彼女がこんなに興奮する姿を見たのは初めてだったので、相当興味があるのだと思い、買ってきてあげた所存でございます。


アニェーゼ「資材切断? 何か恰好良いですね! 如何やって使うんですか?」キラキラ・・・

香焼「此処で使ったら危な――」



     ザシュンッ!!



香焼「――いぃいいぃっ!!?」ギョッ!!

ステイル「……な」スパッ!

アニー・アン・レッサー『え』ビクッ!!



     ズガンッ!!



香焼「」タラー・・・・

サーシャ「第二の回答ですが……今の通りです」フフッ・・・キリッ!

香焼「……さ、サーシャ、さん?」ダラダラダラ・・・


注意を促す前に、即行実行しやがった拘束着修道女さん。
二枚の器具の間からプラズマの刃が飛び出す。ステイルの咥えていた煙草がスッパリ切れ、その先にあったテーブルが真っ二つになった。


アニェーゼ・レッサー「「す……凄ぇっ!!」」キラキラ!

サーシャ「第一の解説ですが、オリジナルに術式を組み込んでいるので威力は倍増。科学と魔術のハイブリッド工具(武器)です」ニヤッ・・・

ステイル「こ、の……キチガイ女っ!! 鼻が?(も)げる所だったぞ!!」ウガアアァッ!!

サーシャ「大丈夫です。今や数メートル単位なら外しません」キリッ!

アンジェレネ「あはは……そういう問題じゃないかな」タラー・・・


人に向けて撃ってはいけません。危険です。良い子は絶対に真似しない事。


サーシャ「第二の解説ですが、コーヤギーの買ってきた『コレ』はカッターの刃です」ガチャンッ!


ライフルの弾層を交換する様に、カッターのマガジンを入れ替える拷問具の専門家。あと人の名前をロシアンっぽく呼ばないでくれ。
カッターの『刃』と言うが理論が『科学』故、彼女達に説明しても分からないと思う。正直自分もプラズマという事以外、よく分かってない。

何にしろ恍惚状態のサーシャと、触らせろ撃たせろと騒ぐ御転婆コンビには受けが良かったようだ。
ただしかし……注意せねばなるまい。


香焼「サーシャ……次、危ない真似したら没収だからね」ジトー・・・

サーシャ「あ……すいません。コーヤギー」コクッ


自分の否を素直に認めるサーシャ。悪いと思ったらハッキリと謝る。この子の美徳だろう。
198 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:11:37.35 ID:w4Xj2QWF0
ステイル「今すぐ取り上げろ。十分危険だろ。しかも科学の工具を使うなんて、ロシアの人間は如何してこう……」ッタク・・・

サーシャ「……マグヌス。第一の意見ですが、祖国は関係ありません」ジトー・・・


ステイルも大概、選民思想が強いタイプだ。自分も彼のそういう所は苦手である。


ステイル「兎に角、君の魔術というか戦闘というか……スマートじゃないよ。もっと分別ある……」グチグチ・・・

アニェーゼ「五月蠅ぇ野郎です。火炎馬鹿一筋に言われたくねぇですよね」ケッ

ステイル「……何だと?」ギロッ・・・


またこの二人は……


香焼「ステイル。アニー」ジトー・・・

ステイル・アニー「「……チッ」」フンッ

香焼「まったく……これやるから機嫌直せ」スッ


こっそり、ステイルに某所で購入した禁制煙草をくれてやる。


ステイル「お。これは……まぁ、許してやろう」フフフ・・・


コイツの扱い方も慣れてきた。
4人に冷ややかな目をされたが、仕方あるまい。ステイルを黙らせる最も効果的な手段なのだ。

それから各々、手にした品を読んだり開いたり嗅いだりしていた。
一寸後……ふとレッサーが、サーシャの工具をマジマジ見詰めだし、グチグチ言いだした。


レッサー「サーシャのそれ、高いでしょう? 良いなぁ……ハッ! まさか差別ですか!?」ブーブー!

サーシャ「第三の回答ですが、私は彼に対しそれ相応の費用は出しています。文句をつけられる謂れは有りませんよ」キッパリ!


別に良いと言うのに、大分上乗せしてお使い費用を振り込んでくるサーシャ。
自分に物騒な物を買わせているという自覚は有るのだろう。義理堅いやら何なんやら。


香焼「レッサーだって偶に高い動物マフラー頼むだろ? それに比べたらマガジンは安いもんっすよ」ハハハ

レッサー「ぐぅ……」タラー・・・

アニェーゼ「でもなぁ……分かってたら私だってもっと高級な物を」ムッ

香焼「アニェーゼだって男の自分が買い辛い厚底サンダル頼むし。店員に『え? 何この子?』みたいな目されるんすよね」ハァ・・・

アニェーゼ「……悪ぅござんした」ポリポリ・・・


でも馬鹿二人(五和・浦上)のお使いと比べたら、彼女達はまだ可愛いモノだ。
アイツらは値段もそうだが量も大量、男が買い辛い物を平気で頼んでくる。しかも代金未払い。


香焼「まぁ自分が日本から運んでくれる程度のモノなら買ってくるっすよ」ニコッ


その程度しか出来ないからね。
199 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:14:07.93 ID:w4Xj2QWF0
サーシャ「いえいえ、感謝します」ペコッ

アニェーゼ「流石忠犬わんこーやぎですね」フム!

アンジェレネ「アニェーゼちゃん、それ感謝じゃないですよ」アハハ

レッサー「評価鰻登りですよん。誰かさんと違ってねー」チラッ

ステイル「……僕は主教補佐だ。お使い何て柄じゃないだろう」フンッ

アニェーゼ「うわぁ。立場を主張する男って最っ低ですよねぇ」ジトー・・・

ステイル「何とでも言え。亡命人」ケッ

アニェーゼ「むきーっ!! 何だとぅ!!」キーッ!!

アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん……」アワワ・・・


暫くこんな感じで、最近よく有る光景が続いた。



 ―――とある日、AM11:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



今日の昼食係の関係者が厨房で忙しなく動き出した頃、自分達は各々好き勝手やっていた。

アニーとアンは仲良く漫画を読み、サーシャは工具でカッターを調律。
レッサーはネイルアートを試み始め、ステイルは相変わらず煙草に耽っている。
自分は戻ってきた猫を抱えながら、携帯を弄っていた。

一寸後、アニーが漫画を放棄し自分の下へ寄って来る。


アニェーゼ「……何してるんですか?」ジー・・・

香焼「んー……携帯で漫画見てた」カチカチ

アニェーゼ「携帯で?」ホエ?


画面を見せてやる。更にボタンを押してコマ送り。


アニェーゼ「おお! 凄ぇですねぇ。都市製のセルフォンは何でも出来るんですか!」キラキラ!

香焼「いやいや、今の携帯の機能なら大抵付いてるよ」アハハ

アニェーゼ「むぅ……誰でも新しいヤツ持ってる訳じゃねぇんですって」ブーブー


そういえばアニェーゼとアンジェレネは古いタイプしか持っていなかった。
多分、ルチアさんが御堅い所為だろう。電話とメール以外の機能は付いていない奴だった気がする。しかも仕事以外持ち歩いていない。


アニェーゼ「良いですねぇ……これさえあれば漫画買う必要無ぇんですよねぇ」ジー・・・

香焼「いやいや、一応買うんすよ。それに普通の紙媒体の方が読みやすいしね」

アニェーゼ「ふーん……ねぇ。携帯貸して下さい」

香焼「え……無理」エー・・・

アニェーゼ「ちょっとで良いですから」ネ!


オマエは無い物強請りする小学生か。というか、同時並行でメールもしていたから本当に貸せないぞ。
200 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:19:25.16 ID:w4Xj2QWF0
アニェーゼ「……何か疚(やま)しいモンでも有んですか?」ジトー・・・

香焼「いや、そういう訳じゃないっすけど……」ウーン・・・

レッサー「如何したんですかー? イチャイチャ騒いじゃってぇあ痛っ!」ポカッ!


喧しいのが突っ込んできた。しかも開口一発アニェーゼに蹴られてるし。


アニェーゼ「コーヤギが疾しいモンあるからってつって、携帯貸してくれねぇんですよ」ムゥ

レッサー「え!? エロムービー?! ハメどぃ痛いって!! アグヌス、叩き過ぎ!!」イタタ・・・

アニェーゼ「アンタは言葉選べ色ボケ!! あとイタリア語発音すんなっ!」ギロッ///

レッサー「んもぅ……アニェーゼは言葉粗暴な割に初心(アンヨ)ですからねぇ」フフフ・・・

アニェーゼ「う、五月蠅いウルサイうるさーい!」ムキーッ///

ぬこ「にゃっ!?」ビクッ! バッ!


何気に危ない叫びを上げる茹でダコさん。
御蔭でまた子猫が逃げた。ただ今度は見える範囲、ステイルの目の前にだ。
因みにアニーの言葉の悪さは育ちの所為だと聞く。罵倒の中に淫語を使うが、実の所、本人はエッチぃ本の表紙を見るだけで真っ赤っかだ。


レッサー「さておき、コウヤギ。フォルダの中がマジでエロエロいっぱいだったらドン引きなんですけど……大丈夫?」ジトー・・・

アニェーゼ「んなもん有ったらリアルにブっ殺しますからね」ギロッ・・・

香焼「無いから……」ハァ・・・


最愛の同僚さんじゃあるまいに、そんな馬鹿な事は無い。


アニェーゼ「じゃあ貸して下さい」ン!

香焼「もぅ……少しだ――」



 Prr・・・Prr・・・



アニー・レッサー「「……」」ピクッ・・・

香焼「――け、だ……やっぱ駄目」ピタッ


メールが来た。


アニェーゼ「……おい」ジー・・・

レッサー「怪しい……」ジー・・・

香焼「仕方ないだろ。携帯ってメインは連絡手段なんだし」タラー・・・

レッサー「誰からですか?」ジー・・・


宛先は……淡希さん。


香焼「……都市の任務関係者」サラッ・・・

アニェーゼ「……ホントに?」ジー・・・

香焼「ほ、本当っすよ。何で疑うのさ」ウッ・・・

レッサー「別にぃ……でも関係者なら見せても大丈夫ですよねぇ」ニヤッ・・・

香焼「いやいや、外部漏洩とか怒られるから」ポリポリ・・・


そう言っとけば黙ざるを得まい。
201 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:22:04.95 ID:w4Xj2QWF0
因みに本文は……



【DATE】XX/XX 20:32 
【FROM】淡希さん
【sub】RE4:
------------------------
英国居るんだ!
良いなぁ……私も海外行っ
てみたい♪

香焼くん、連れてって!
なんちゃって(ハート)×3 ← 絵文字



絶対見せらんねぇ……女の子って如何してハート多用したがるんすか?


アニェーゼ「つぅか……そんなに大事な任務をコーヤギみたいな下っ端が受け持ってる訳無ぇです」ジー・・・

レッサー「確かに……」チラッ・・・

香焼「し、失礼な。自分だって都市内では色んな活動を任さ――」



 Prr・・・Prr・・・



香焼「――れ、て……」ピタッ・・・

アニー・レッサー「「……じー」」グイッ・・・


今度は……最愛だ。


香焼「と……特秘事項かぁ……ヤバいっすねぇ……」ダラダラ・・・

アニェーゼ「……やっぱり」ジー・・・

レッサー「怪しい……」ジー・・・

香焼「特秘だって! ホント!」ダラダラ・・・


嘘ではない。
『携帯は他人に見せるもんじゃないぞ……人間関係が……』って野母崎さんがシミジミ言ってた。
多分奥さんに見られた経験だろう……じゃなくて、本当に他人に見せて良いモノではない。

因みに最愛のメールは……



【DATE】XX/XX 20:34 
【FROM】最愛
【sub】RE4:
------------------------
そうなんだ(キャー)!
(ネコ)も海外旅行なんて(超)
羨ましいです♪


御土産(超)期待しちゃって
いいんですよね(キラキラ)×2

あ、でも英国土産って何で
しょう? 紅茶とか(カップ)?

紅茶の味とか(超)分かんな
いですってー(笑)



絵文字多っ……コレはコレで拙い。てか最愛(超)のデコ文字使い過ぎ。
202 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:30:00.52 ID:w4Xj2QWF0
アニェーゼ「ねぇ……どんな特秘ですか? 触りだけで良いです。教えて下さい」ジー・・・

香焼「都市内で……これ以上は[禁則事項です]っす。マジで」ウンウン・・・

レッサー「まさかショタキャラを使った痴女を誘う美人局的な任務じゃ……アニェーゼ、冗談ですって。怖いから蹴る準備しないで」アハハ・・・

香焼「そんな任務有って堪るか……兎に角、駄目。ほら、もうすぐ昼飯だから荷物片付けとくっす。ルチアさん達に見つかったら大変だろ?」

アニー・レッサー「「……」」ジトー・・・


個人の自由とはいえ、規律正しいルチアさんや真面目なベイロープさんに見つかると色々厄介だ。
だが、この二人は引かない。そして……


アニェーゼ「……ステイル!」チラッ


頭に乗せた猫をアンとサーシャに取られそうになっているステイルの方を向いた。てか器用だな。でも何故子猫を渡さないんだ?


ステイル「なん、だっ!? くっ!!」クイッ!

アンジェレネ「ねこさーん! おいでー!」エイッ!

サーシャ「第一の要望です。その猫を貸して下さい」エイッ

ステイル「ぐぬっ!! ひっつくな貴様ら!!」ワトト!

ぬこ「なー」グシグシ


椅子に座った状態のステイルの頭上の猫に、手を伸ばしても届かないアンとサーシャ。子猫も器用に曲芸乗りしている。


アニェーゼ「コーヤギが今、何か特秘任務受け持ってやがりますか?」

ステイル「はぁ? そんなもの……聞いた覚えが、無いね……どわぁっ!!」ガタッ!

アン・サーシャ「「にゃー!」」ワシワシ!

香焼「」チーン・・・

レッサー「……と、主教補佐殿が申しているのですがー」ジトー・・・


あの不良神父め……


香焼「す、ステイルにも教えられない内密な」アタフタ・・・

アニェーゼ「じゃあ審問が必要ですねぇ……もしかしたら離反行為かもしれません……」フフフ・・・

レッサー「ありゃりゃ。それは拙い……さぁ、身の潔白を証明する為にも……ハリー! ハリー! ハリー!」ニシシシ・・・


詰め寄る二人。これはピンチだ。この御転婆コンビに『力(魔術)』で捩じ押されたら、堪ったものではない。
こうなったら……


香焼「……あー!! ルチアさんが男の人と仲睦まじく腕を組んで歩いてるー!」ビシッ!!

カルテッ娘『何ぃ!!?』クルッ!!


同時に自分が指差した扉の方を向く4人。そこには……


建宮「いや、だから……オマエは阿呆か? 何度言ったら分かるのよな。一回女教皇様含め、ガキ共にガツンと言わないと」テクテク・・・

牛深「何でそう意固地になんの、斎字。オマエは昔から変な所で融通利かねぇな……女教皇様怒られてる姿をガキ共が見たら拙いべ?」テクテク・・・

野母崎「まぁまぁ。そう言わずにもうちょっと穏便に話そう、二人とも。やっぱ諫早にも相談すべきだって」テクテク・・・


……おなじみ、天草青年(オヤジ)トリオ。
203 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:34:15.16 ID:w4Xj2QWF0
アンジェレネ「……シスター……ルチア?」ポカーン・・・

アニェーゼ「いや……違ぇし!! 天草のムサい野郎共だし!!」ガアアァッ!!

レッサー「まぁあのルチアが今から皆が集まる食堂で男と同伴してる訳無いですよね……」アハハ・・・

サーシャ「第二の感想ですが……少しでも期待した自分が馬鹿でした」ハァ・・・

ぬこ「……なぅ」ペロペロ


当たり前だ。彼女が男と二人きりで居たら教会内全ての人間がフリーズする。

てな事はさておき……逃げるが勝ちっ!!


レッサー「……あぁっ!!?」ギロッ!!

アニェーゼ「逃げやがりましたねっ!!」ギロッ!!

香焼「きゅ、急用を思い出しただけだから!! 気にしないで!!」タッタッタッタッ!!

アニー・レッサー「「待てやぁゴルァアーッ!!」」ドドドド!!


扉の方へダッシュ!!


ステイル「お、おい香焼っ!! 一人で逃げる気かっ!!」テメェッ!!?

香焼「自分で如何にかしろっ!!」ワルイッ!!


猫争奪戦に巻き込まれるステイルを横目に走り抜ける自分。
アンとサーシャに顔を掴まれ危うく子猫を奪われそうになる赤毛ノッポは『糞(ダム)ッ!』と悪態をつき……


ステイル「く、の……ふんっ!!」ブンッ!!

アン・サーシャ「「うわっ!!?」」ドンッ

ぬこ「んにゃっ」ガシッ!!


外套を勢い良く脱ぎ捨て、自分の後を追ってきた。勿論、頭に猫を乗せたまま。


アニー・レッサー「「携帯寄越せー!!」」ドドドド!

アン・サーシャ「「ねこー!!」」ババババ!


無論、彼女らも追って来る。


香焼「やばっ!!」ゲッ!!

ステイル「クッソ(ジーザス)!! どうしろってんだ!!」チッ!!

香焼「オマエは子猫渡せば済む話っすよ!!」タタタタタ!

ステイル「コイツがっ!! しがみ付いてっ!! 離れないんだっ!!」タッタッタッタッ!!

ぬこ「みー」ブンブン


どうやらこの猫は長い髪の人間に懐きやすいらしい。
都市でも五和より女教皇様や浦上に懐いてたからなぁ……って、そんな事考えてる場合じゃない!
204 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:39:35.24 ID:w4Xj2QWF0
兎に角、食堂をメチャクチャにしない為にも外に逃げねば!


建宮「―――って、ノモ。アンタねぇ……ん? 香焼?」ポカーン・・・

牛深「ステイルも一緒か? 仲良いなぁお前ら」ハハハ

野母崎「何だ何だ、女の子に追っ掛けられてるなんて羨ましいシュチュだこと」ケケケ


扉の前の上司三人。しかし今は構ってられない。


香焼「すいません!! 退いてー!!」タタタタタ!

建宮「ぬをっ!!?」クイッ

野母崎「ったく……危ねぇなぁ」ムゥ・・・

ステイル「……貴様ら。そこ危険だぞ」ボソッ・・・

牛深「はぁ? 何故にさ?」キョトン・・・


自分が小走り、ステイルは大股で駆け抜けた後……―――



    『んぎゃああぁっ!!』ドゴーンッ!!



―――……扉の方から悲鳴が聞こえた。あーめん。


カルテッ娘『待てえぇっ!!』ドドドドド!


4人とも、手に物騒なモノを持っていらっしゃるよ。


香焼・ステイル「「待てるかあああぁっ!!」」ギャアアァッ!!

ぬこ「にゃーん」ニコニコ


捕まったら色んな意味で大変な事になる『大惨事聖堂内鬼ごっこ』が幕を開けた……―――



       <回想終了>



 ―――とある日、PM00:10、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、とある聖堂・何処かの男子トイレ・・・・・



香焼・ステイル「「ハァハァ……ふぅ」」グデェ・・・

ぬこ「なー」ペチペチ


何処ら辺かは分からないが、とりあえず男子トイレに入り込めた。
此処なら居場所がばれたとしても、アニーとアンは恥ずかしがって入ってこれまい。


ステイル「アイツら……ゼェ……[ピーーー]気で、来てたぞ……ゼェゼェ」グダッ・・・

香焼「いや、多分もう……ヒィ……本来の目的、忘れてるよ……4人とも……」フゥ・・・


謂わば狩り。携帯とか子猫はもう如何でも良い。
自分ら二人を取っちめれば、彼女達の気は済むといった所だろう。
205 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:43:22.75 ID:w4Xj2QWF0
香焼「ふー……女教皇様か対馬さん辺りが気付いてくれれば……きっと助けに」

ステイル「無駄だな……多分」カチッ・・・フゥ

香焼「え?」チラッ

ステイル「神裂、対馬が出てきた所でカオスが増すだけだ……ゲホゲホッ! オルソラか……もしくは『あのお方』が出てくるしか」ジジジ・・・


こんな時でも煙草を止めない14歳は、冷静にこの場を分析した。
確かにあの二人が、カルテっ娘に[禁則事項です]とか言われたら……間違いなくブチ切れる。


ステイル「畜生(ファッキン)! 頼りにならない大人ばかりだよ、オイ!」ゲホゲホッ!

香焼「違うっす……子供が賢過ぎるだけなんすよ……」フゥ・・・


学園都市もそうだが、必要悪の教会も主要なメンバーの年齢層が低い。成人は数えるほどしかいないと思う。


ステイル「それに……あの4人に加え、シルビア侍女長まで『狩り』側に回るとは……」クッ・・・

香焼「もしかしたらルチアさんとベイロープさん、フロリスさん……馬鹿一号二号(五和・浦上)も『狩り』に出てるかも」ハァ・・・

ステイル「まったく……これだから女共は……」ジジジ・・・


頼りになりそうな男性陣(天草青年トリオ)は、さっき初見殺しで墜とされてた。
もう頼れそうな大人……そして男性は、もう……



 ―――頼れる大人が、男がいないのかい?



香焼・ステイル「「っ!!?」」ビクッ!!


大の個室が一つ……ゆっくり開き……



 ―――それは違うな……君達自身も男だろう? そして何れ大人になる……諦めるな!



水が流れる音をバックに、爽やかな笑顔で……ベルトを締めながら……


香焼・ステイル「「な……騎士団長(ナイトリーダー)!!」」パアアァッ!!

騎士団長「Yes,I’m!」ビシッ!!

ぬこ「にゃー」ジー


頼れそうなオーラを醸し出した男性が歩み寄って来た。


騎士団長「やれやれ。何やら騒がしいかと思えば……君達が中心か」フゥ

香焼「な、騎士団長さん。如何して聖堂内に!?」

騎士団長「君は……天草の香焼少年だったな。St.神裂にバb……女王陛下の安否確認を頼まれてね。案の定、何時の間にか消えていたよ」

ステイル「やはりローラと何処かに遊びに行ったな……」ハァ・・・

騎士団長「多分そうだろう。故に今後の方針を相談しに、侍女長と此処へ来た訳だが……何ともな」ムゥ


手を洗いながら顔を顰める団長殿。ダッサい筈なのだが、窮地に現れたというだけで一挙一動が恰好良く見える。
206 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:47:32.01 ID:w4Xj2QWF0
騎士団長「姫様方を連れて来なくて正解だったよ。もっとも、私の眼に入る範囲に居るのは第二第三王女様だけだけどね」Ahaha!

香焼「え……(第二第三だけって……嫌な予感)」タラー・・・

騎士団長「とりあえず主教補佐。煙草を消したまえ。それから話を聞こう。聖堂内は禁煙だ」チラッ

ステイル「チッ……香焼、説明しろ」ジュッ・・・

香焼「え、あ、はい……えっと……―――」カクカクシカジカ・・・


少年説明中……


騎士団長「―――……成程」フムフム・・・

香焼「すいません……自分達がだらしないばかりに……」シュン・・・

騎士団長「いや、人のプライバシーにズカズカ踏み込むのは褒められない事。結果的に被害が広まったが、その場の判断としては仕方あるまい」

香焼「り、団長さん……」キラキラ・・・

ステイル「……それで、如何するんだ」ジー・・・


ダンディに顎を撫で、一寸考える騎士団長さん。


騎士団長「ふむ……簡単な話だ。私が彼女達に説得……いや、説教すればいい」コクッ

香焼・ステイル「「せ、説教?!」」ハァ!?

騎士団長「先にも言ったが人には『領域(プライバシー)』というものがある。それは許可が出ない限り相互不干渉であるべきだ」

香焼「ほ、え?」ポカーン・・・

騎士団長「小娘達はそれが分かってないと見える……安心しろ、仕置き程度だ。傷などは付けん」ニコッ

香焼「お、おぉ……」カッケェ・・・

ステイル「……それが通じる相手だとでも?」ハァ・・・


確かに……彼女達は基本、人の話を聞かない。


騎士団長「なぁに、誠意を持ってすれば熱意で返してくれるさ……私に任せなさい」キリッ!

香焼「は、はい! す、ステイル、助かりそうっすよ!」ヤッター!

ステイル「……僕には嫌な予感しかしないよ」ハァ・・・


いやいや、彼は頼れる大人の筈だ。オーラが出てる。


ステイル「オーラだけじゃないければ良いがな」タラー・・・

騎士団長「主教補佐……いや、ステイル少年。少しは大人を頼ってみるんだ!」

香焼「そうっすよ! 団長さんなら言い聞かせてくれるっす!」ワクワク!

ステイル「楽観視し過ぎだと……ん?」チラッ


ステイルが風気口の方を見遣った。そこには……硬貨袋?


騎士団長「……アレは?」ジー・・・

香焼「……アンの硬貨袋(使徒)! ヤバい!」ドキッ!

ステイル「多分、索敵術式に組み替えてあるな……時期此処へ来るだろう」チッ


刹那、騎士団長が帯刀していたレイピアで袋を切り裂いた。硬貨が十数枚チリンチリンと床に落ちる。
207 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:54:42.00 ID:w4Xj2QWF0
騎士団長「成程な。頭がキレる子供達の様だ……説教のし甲斐がある」コクッ

ステイル「……そのレイピアだけで行けるのか?」ジー・・・

騎士団長「無論。私を誰だと思っている?」ニヤッ・・・


威風堂々。宣言した。


騎士団長「騎士団の長だぞ? 嘗めて貰っては困るな」キリッ!

香焼「か、恰好良い……」キラキラ・・・

ステイル「……あっそ」ポリポリ・・・


そして騎士団長は自分に視線を移し、ニコリと告げた。


騎士団長「香焼少年」ニコッ

香焼「え、あ、はい!」ドキッ!

騎士団長「君の話はMs.神裂から聴いているよ」ニコッ

香焼「え、そ、そうなんすか。光栄っす。(ん? さっき『St』って言ってたっすよね?)」ン?


公私の切り替えか。『女教皇様』は聖人や主教補佐次席、女教皇として呼ばれる際は『St(セント)』を冠せられる。
それは聖人、現人神、教皇として崇められたり敬われたりする時だ。
逆に『神裂火織』として扱われる際は『Ms(ミス)』を頭に付けられる。もしくは『さん』や呼び捨てだ。
騎士団長殿は公私共に女教皇様と仲が良いと聞く。多分、普段から使い分けているのだろう。

でも、何故今切り替えたんだ?


騎士団長「彼女は君やMs.五和、Ms.浦上の事を話す時……いつも楽しそうだよ」フフッ

香焼「も、勿体無い限りで……」アハハ・・・

騎士団長「謙遜する事は無い。謂わば弟分の様なモノなのだろう? 彼女のリフレッシュになっているという意味でも素晴らしい事だ」ニコッ


嬉しい事だが……何か話がおかしい。


騎士団長「大丈夫。任せておきなさい。君を無事、Ms.神裂の下へ帰してみせるよ」キリッ

香焼「……へ?」ポカーン・・・

ステイル「僕は最初から彼の意図を分かってたけどね」ハァ・・・

ぬこ「なー」ペタン・・・


つまり……はい?


騎士団長「今度! 私と、お姉さんと一緒にお茶でも如何かな! 君がいてくれれば場の雰囲気が凝り固まらずに済む!」ニコッ!

香焼「」チーン・・・

ステイル「多分、裏や下心は無いよ。彼、純粋にそういう事、悪気無く考えるから」フゥ・・・


少しの間、恰好良いと考えた自分が愚かだった。
208 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 21:58:56.02 ID:w4Xj2QWF0
騎士団長は満面の笑みでドアノブに手を掛け、最後にこう告げる。


騎士団長「それでは約束だ! 香焼少年! いや、兄弟(ブラザー)香―――



              ちゅどーんっ!!



        ―――やぎぃやゃああああああああああぁっ!!」ボーンッ!!

香焼・ステイル「「……」」タラー・・・



扉を開けようとした瞬間、爆風と共に壁に打ち付けられる騎士団長。せめて最後まで言わせてあげて下さい。
さておき、アニー達が来てしまったのかと思いきや……



五和「誰がブラザーだ、この両刀野郎っ!! カオリ姉様もコウちゃんもくれてやらんばいっ!! アホンダラぁっ!!」ドーン・・・



馬鹿一号だった。



香焼「な……何してんだよ馬鹿女郎おおおぉっ!!」ギャー!!

五和「あ、コウちゃん見っけ」ニコッ!

香焼「『ニコッ!』じゃねぇよ! おま、誰フッ飛ばしたか分かってんのか?!」アワワ・・・

五和「誰って……あらら。騎士団長殿でしたかー……スイマセンデシタ」ウフフ・・・


今更申し訳なさそうに手に口を当て、御淑やかに謝罪を入れる馬鹿一号。此処男子トイレだぞ? 普通に入ってくんな。


騎士団長「ま、まさか……Ms.五和に……吹き飛ばされるとは……」グヌヌ・・・

五和「『私の弟』を守ってくれようとしてらっしゃったのですね? まぁ何て勇敢な! でもごめんなさい。私の手違いで……(猫被り)」アアァ

騎士団長「き、気にするな……この程度……」ムムム・・・

五和「おっと、槍が滑ったぁ★」エイッ♪

騎士団長「おうぶっ!!」ゴンッ!!


如何にも態と臭く、されど猫を被りながら槍の柄で騎士団長の腹部を突く五和さん。


五和「きゃああ! 騎士団長殿ー! 『私の御姉様』と『私の弟』に、よくも近づいてくれた騎士団長殿ー! (猫被り)」ワーワー

騎士団長「さ、流石Ms.神裂の妹分だけあって……良い腕だ……将来が待ち遠しい……」グッハァッ!

香焼「騎士団長ああぁ!! ちょっと! 五和!! 何でまだ槍に体重乗せてんの?! 手ぇ離せボケ!!」アタフタ・・・

五和「わぁ! いけない! 騎士団長殿ー! 死なないでー! (猫被り)」ウワーン

騎士団長「ふふふ……Ms.神裂の妹弟達に見守られて逝く、か……ウィリアム……悪くない人生だったよ……」ガクッ・・・

香焼「騎士団長ああああぁっ!!」ギャアアアァッ!!

ぬこ「にゃーん……」ペシペシッ!


一人の漢が……子猫に叩かれながら、便所で散った……
209 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 22:01:43.72 ID:w4Xj2QWF0
ステイル「いや、そう簡単にくたばる奴じゃないからね」ハァ・・・

五和「ふぅ。討伐完了っと♪ まったく……誰が人の姉弟くれてやるかバーカっ!!」ベー!

香焼「おま……もしコレがばれたら……」アワワワワ・・・

五和「大丈夫! 誰も見てないよ! ……ね。二人とも」ニコッ・・・

香焼・ステイル「「……」」ダラダラ・・・


逆らったら、狩られる。


五和「さぁてと……とりあえず一番乗りで良かったわ。コウちゃん、助けに来たわよ!」ニコッ!

香焼「助けにって……他の連中撒いてきたんすか?」ヘ・・・

五和「アニェーゼとシルビアさん。レッサーとベイロープ。ルチアとサーシャが各々戦(バト)ってるよ」グッ!

香焼「……こそこそ一人逃げてきたんすね」ハァ・・・

五和「ふふふ。乱戦での隠密行動は天草の十八番よ! まぁルチア辺りに見つかったらコウちゃん去勢されそうな感じだったからね」

香焼「」

五和「一先ず安全な所へ避難を」

ステイル「おい」ボソッ

五和「……何です?」ポカーン・・・


ステイルは律義に騎士団長の身体を壁に腰掛けさせ、煙草を加えながら告げた。


ステイル「一人……足りないぞ?」カチッ・・・フゥ

香焼・五和「「……あ」」ピタッ


自分らを発見した筈のアンがまだ姿を現さない。一体何処に……



『―――東D3−左奥の男子トイレですっ!!』ピーガー!



ステイル「アンジェレネの声!? 館内スピーカーだとっ!!?」ゲェッ!!?

五和「ヤバッ! やられた!!」タラー・・・

香焼「此処は袋小路っす!! 兎に角、逃げないと!!」スタッ!!

ぬこ「みゃーんっ!!」スタタ!


先に跳び出した子猫に続き、男子トイレから飛び出す自分達。そこへ……


アニェーゼ「見つけたああぁっ!! この馬鹿犬うぅっ!! ご主人様に逆らうなんて如何いうつもりでいやがりますかあぁっ!!」ガアアァッ!!

サーシャ「目標補足……斬れ味最少、打撃Lv.4に……後頭部を目処に動きを止めます。あとアニェーゼ。色々アウトですよ」ガチャンッ・・・

レッサー「あはははは! もう何でも良いです! 如何にでもなれー!」ピョンピョンピョンッ!


カルテっ娘が来た。武器の準備を見るに……間に合わない。こうなったら子猫だけでも逃がす覚悟で―――
210 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 22:07:55.57 ID:w4Xj2QWF0
五和「ステイルさん……いえ、主教補佐」ボソッ

ステイル「……何だ」チラッ

五和「命令(オーダー)を……此処を死守する使命を下さい」グッ

香焼「五和っ!?」エッ!?


―――海軍用船上槍(フリウリスピア)を構え、自分らの前に立つ五和。


ステイル「……本気か?」ジー・・・

五和「勿論」コクッ・・・


迫り来る小さい脅威。ステイルは静かに頷き、宣告した。


ステイル「主教補佐命令だ……此処を任せる……良いな? 天草式十字凄教若衆筆頭、五和」フゥ・・・

香焼「ステイルっ!!?」ハッ!!?

五和「……了解です」ニコッ

香焼「い、五和っ!?」ドキッ・・・

五和「ステイル主教補佐。コウちゃんを……いえ、香焼をお願いします」チラッ

ステイル「任された」コクッ

香焼「な、何で!? 意味分かんないっすよ!!」アタフタ・・・

五和「香焼……行きなさい。若衆筆頭の私が命じます……大丈夫。また貴方の部屋で4人揃って遊びましょう」ニコッ・・・


何この……何!? 理解が追いつかない!!


ステイル「……すまない」グッ・・・

五和「いえいえ。滅相も……さぁ! レッツパァーリィーの時間ねっ!!」クルッ・・・グッ!


五和若衆筆頭はその場に止まり、此方を向かず……―――



五和「私、此処で生き残れたら……上条さんに……――」ニコッ・・・



――……死亡フラグをおっ建て、パァーリィーしに行きやがった。

さよなら、五和。
211 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 :2011/03/28(月) 22:12:51.65 ID:w4Xj2QWF0
 ―――とある日、PM00:45、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、とある聖堂・何処かの廊下・・・・・



10秒経たずに聞こえた五和の断末魔をバックに、自分とステイルは兎に角走った。
トイレである程度息を整えれたので、また数十分は逃げる事が出来るだろう。
何時の間にか子猫もステイルの頭の上に戻っている。


ステイル「此処は見覚えがある。この先に中庭へ抜けれるドアがあった筈だ!」タッタッタッタッ!!

香焼「聖堂内から出ないと被害が広がる一方っす。一先ずそこへ……ん?」タタタタタ!

ステイル「……チッ。先回りされていたか」ギリッ・・・


先見。目の前の通路に車輪を持った修道女がいた。


ステイル「話が通じる相手じゃないな」ハァ・・・

香焼「……分からない。でも試してみないと! 五和みたいに穏便に済ませる気があるなら!」グッ・・・


自分は大声で叫んだ。


香焼「ルチアさんっ!! 退いて下さい!! 自分達はこの騒動を納めたいんす!」キッ

ルチア「……」ユラッ・・・

香焼「とりあえず堂内から出て被害を抑え――」

ステイル「莫迦者っ!! 横に跳べ!!」ドンッ!!

香焼「――うわぁっ!!」ゴロッ!


自分がステイルに押し飛ばされた瞬間……車輪が爆ぜた。


ルチア「チッ……外したか」ギリッ・・・

香焼「る、ルチアさん……」アワワ・・・

ルチア「私はね、Mr.コゥヤギ……異教の猿とか異文化の野蛮民族とか、そういう風に人を貶さない様、極力努力はしてきました」カツカツ・・・


大股で……早足で近づいて来るミニスカシスター。
自分は痛んだ身体に鞭打ち、必死で中庭の方へ逃げたが、あと少しという所で……捕まった。


ルチア「でもね……それでも……やはり貴方は赦せません……」ギロッ・・・ガシッ!

香焼「あ……そん、な……」ガクブル・・・

ルチア「こんな、女々しい男に……シスター・アニェーゼとシスター・アンジェレネが懐く理由が分からない……如何して……」グイッ・・・

ステイル「ほぼ私怨だな……」タラー・・・

ぬこ「んなぅ」ジー・・・


自分の胸倉を掴み、床に押し付けるアニーとアンの姉貴分。
212 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:17:06.32 ID:w4Xj2QWF0
香焼「ルチアさん……自分はただ、偏見を持って人と接したくないだけで……ぐぅっ!!」ドンッ!!

ルチア「喧しい……黙れ。喋るな。虫唾が走る」ゴンゴンゴンッ!!

香焼「止めて、下さ……ゲホッ!」ドンドンドンッ!

ルチア「そうね……貴方がもし、『僧』じゃなくて『尼』だったら……私は寛容になれたかもしれない」バンッ!

香焼「お、おかしいですよ……ルチアさん……」ゴホゲホッ!

ステイル「香焼っ! くっ……後ろからも来ている……自力で中庭へ逃げろ! 此処は抑える! 数分しか持たないぞ!」ギリッ!

ルチア「アニェーゼ達が来たようですね……さっさと片付けましょう」ニヤッ・・・


黒い笑み……目が座ってらっしゃる。光が無い。


ルチア「こんな状態でも……武器を抜かないのね。フェミニストなんだか、ただの腑抜けなんだか」スッ・・・

香焼「この騒動は……ただの、喧嘩程度っす……武器を使ったり、人を傷つけたりするのは……おかし、ぐっ!!」シュッ!

ルチア「……此処までされても?」ピタッ・・・


ナイフを自分の頬に突き付ける狂尼。


香焼「じょ、冗談……っすよね……」タラー・・・

ルチア「……そうね。冗談なら幸せでしょうね」ズズズズ・・・

香焼「っ!!?」ビクッ!!


自分の服を破いていく。


ルチア「主が仰ってる……貴方は『貴女』に変わるべきだと……」ピタッ・・・

香焼「ちょっ!!? 誰か男の人呼んでええぇっ!!」ギャアアァッ!!

ルチア「人の妹分の貞操奪って孕ませやがってぇ……死ねぇこの汚らわしい豚野郎おおおおおぉっ!!」グイッ!!

香焼「ちょっ!!? 何それ!? 身に覚えが無いいいいいぃっ!!?」ウワァアアァッ!

ルチア「並行世界でさようならあぁあぁっ!!」ブンッ!!


ナイフを振り上げる○チガイシスター。五和が言っていた事は本気だったらしい。
拙い……リアルに切られる! 男の娘なんて勘弁だ!

ルチアさんの目と口が異様に開かれ『AaaaaaaaaaMmmEeeeeeeeNnn!!!』という奇声が放たれた瞬間―――


サーシャ「ターゲット……ロックオン!」

ルチア「チィッ!!」ドンッ!!

香焼「うわぁっ!!」ゴロゴロゴロ・・・


――ザシュンッ・・・・・と目の前をプラズマの(微妙にテレズマも混じった)刃が奔った。


サーシャ「第三の感想ですが……悪趣味極まりないですね。狂ってますよ、車輪の女」スゥ・・・

ルチア「……シスター・サーシャ。何のつもりですか?」ジトー・・・

サーシャ「第三の回答兼質問ですが……そっくりそのまま言葉を返します。貴女は何をするつもりでしたか?」カツカツカツ・・・

香焼「さ、サーシャ……」ホッ・・・


助かったのやら、更なるピンチなのやら。
213 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:21:46.02 ID:w4Xj2QWF0
ルチア「私は天の意志を代行しようとしたまでです……あと、先の回答では応えになってませんよ。露公が」ギロッ・・・

サーシャ「……では再度、第三の回答です。私達は彼にそこまでの危害を加えるつもりはありませんでした。貴女はやり過ぎです」ギロッ・・・

香焼「え? 今の斬撃殺しに掛ってたっすよね? 違うの?」タラー・・・

ルチア「嘗めた口を……やはり先程の戦闘で足の2,3は折っておくべきでしたね」スタッ・・・


車輪を片手にサーシャの方へ歩み出すルチアさん。自分に『貴様は後回しだ』と目配せし、頭巾を脱いでナイフを捨てた。
てか、ステイルと猫大丈夫なのか?


サーシャ「第四の回答ですが、アニェーゼとレッサーと戦闘中です。ニコチンが切れてヒーヒー言ってますよ」ボソッ


あの不良神父……煙草切れで倒れたら同情出来ないぞ。


ルチア「さて……最後に言い残す事は? 男みたいな名前(クロイツェフ)」カツカツ・・・

サーシャ「っ……訂正を求めます」ギロッ・・・

ルチア「あら、珍しい。貴女も自分の事で怒るのですね……Mr.アレクサンドラ」ニヤッ・・・

サーシャ「……もういい。死ね。キチガイ狂信者」タッ・・・

香焼「ちょ、二人とも! いい加減に拙いっす――」

ルチア「くくく……あはははははははっ!! あの世でスターリンに宜しく伝えといてっ!!」ダッ!

サーシャ「術式展開……風、水、土より構成……」ググググ・・・


生肌で分かる程のサーシャの万象蒐集術式のマナ。そしてルチアさんの狂気染みた毀れる程のオド。
直感で分かる……聖堂が壊れるだろう、と。何とかせねば……


香焼「ふ、二人ともっ! と、止まれええええぇっ!!」ダッ!

ルチア「邪魔だああああぁっ!!」ブンッ!!

サーシャ「退いてっ……下さいっ!!」ガンッ!!

香焼「がぁ……ゲフッ!!」ゴロンゴロンッ!!


魔術じゃなくて、物理的にブッ飛ばされる自分……さっきから転がってばかりだな。じゃなくて、このままじゃ―――


ステイル「ッ〜〜〜〜〜〜ッッッ!! 香焼、何寝転がってるっ!! 早く逃げろぉっ!!」ダッダッダッダッ!! シューットッ!!

サーシャ・ルチア「「っ!!?」」ピタッ!

香焼「え……ゲブゥッ!!」ゴホゴホッ! ガハァッ・・・

ぬこ「にゃんっ!!」ブラブラ


―――緊迫した二人の目の前をステイルが駆け抜けた。ついでに自分を中庭の方へ蹴飛ばす。


香焼「な、にを……ぐっ!」ヒューン・・・ドンッ!

ステイル「『二番目』に怖い大人が来たっ!!」ダッ!!


体勢を立て直し、やっとの思いで中庭へ。それから聖堂内を見遣ると……


アニー・レッサー「「うぎゃああああぁっ!! ごめんなさいごめんなさいごめんなさーいっ!!」」ダダダダダダッ!!


此方に向かって走って来る御転婆コンビ。その後ろから……


オルソラ「うふふふふ……」ドドドド・・・


満面の笑みを振り撒く、オッカナイお姉さんが歩いていた。
その真横には、両脇に五和とベイロープさんを担いぎ疲れ切った顔の女教皇様がいる。
214 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:25:14.67 ID:w4Xj2QWF0
アニェーゼ「サーシャ! 今はルチアに構ってる場合じゃねぇです!! 来やがれっ!!」ダダダダッ!

サーシャ「第五の回答ですが……シスター・ルチアは私の尊厳を貶しました。そう簡単に彼女を許す訳には――」

レッサー「んなプライド、豚の飯にでもしといてください! 命有っての賜物です!!」グイッ!

サーシャ「うわっ!! あーれー……」ヒュンッ!!


レッサーが器用に尻尾を使い、サーシャを巻き込んで此方へ逃げてきた。


ルチア「チッ……逃げたか……ん?」ピクッ・・・

オルソラ「あらあら……シスター・ルチア?」ゴゴゴゴ・・・

ルチア「し、シスター・オルソラ……」ビクッ・・・

オルソラ「貴女と五和さん、ベイロープさんだけでは不安だったので出張ってみたのございますが……案の定でございますね」ニコッ・・・


そこで漸くルチアさんは己の危機に気付く。


ルチア「い、いえ、こ、これはですね……聞き分けの無い子供たちへの大人な対応(躾け)でして……決して私怨という訳では……」ガクブル・・・

オルソラ「誰もそこまで聞いてはございませんよ? それに『聞き分けのない子供』へ対し『躾け』が必要でございましたら……」ニコニコ・・・

ルチア「い、や……ひぃっ!!」ズサッ!!

オルソラ「私(年輩)から見て、貴女(後輩)も……『聞き分けの無い子供』でございますね」スッ・・・


刹那……『コキャッ!』という短い愉快な音がしたと共に、ルチアさんが崩れ落ちた。
そして女教皇様がルチアさん(当分再起不能)を肩に乗せ、再び二人の進軍が始まった。

必要悪の教会名物、二神の進軍(ツイン・レギオン)。度が過ぎた悪い事をすると、彼女達が出てくる。


アニェーゼ「る、ルチアが……狩られた……」アワワ・・・

レッサー「『角』をしている状態のベイロープでも……容易くなんて……」アタフタ・・・

ぬこ「にゃー!」バッ!


最早自分達を追い駆けていた事など忘れて、怯えながら話しかけてくる御転婆コンビ。驚いて子猫も何処かに逃げた。
正直、非戦闘員であるオルソラさんが如何やって『狩り』をしているかは甚だ疑問だが、これだけは分かる。

あの笑顔を直視したら、生き残れない。


香焼「……あ」ピタッ

ステイル「如何した……逃げ切れる手でも見つけたか?」ゴクッ・・・

香焼「いや、違くて……アンジェレネは?」キョロッ

サーシャ「第六の回答ですが、放送室に居た筈です」チラッ

アニェーゼ「っ!! ヤベぇです……まだシルビアが聖堂内に残っています!! このままじゃアンジェレネがっ!!」バッ!!

香焼「アニー! 駄目だ!」グイッ!

アニェーゼ「っ!! 離してっ!! 私はアンを助けなくちゃならねぇんです!!」バッ!

レッサー「今、オルソラの横を抜けるのは不可能ですよ!! 無駄死にです!!」グイッ!

アニェーゼ「で、でも……アンがまだ中に……うぅ……」ドサッ・・・


自分に寄り掛り、そのまま泣き崩れた。相手がシルビアさんなら、多分大丈夫だと思う。
確かに案では勝てない相手だが、普段から厳しいが大らかな人だ。ちょっとやそっとじゃブチ切れまい。

ただ……スイッチ入ってしまうと『簡易三角木馬』の刑が……
215 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:41:21.77 ID:w4Xj2QWF0
レッサー「いやぁ今日のシルビア姉御、備品壊されまくりで対『魔人(旦那)』くらいブチ切れてましたね」アハハ・・・

アニェーゼ「三角木……いやああああぁっ!! アンジェレネえぇっ!!」ウワアアアァンッ!!


三角木馬の乗せられるくらいなら、静かに意識を刈り取られた方がマシだ。
それならば数名で救出に行った方がまだ分は有る……なら!


香焼「……皆、此処は自分が囮に――」

ステイル「チッ……香焼、黙ってろ……」スタッ・・・テクテク・・・

香焼「――な……ステイルッ!!?」ギョッ!


ゆっくり立ち上がり、煙草を加えながらオルソラさんと女教皇様の方へ向かう最年長(14歳)。


サーシャ「マグヌス……第一の憶測ですが、今の貴方ではあの二人とまともに――」

ステイル「五月蠅いな。君達との茶番は疲れたんだよ……言っておくが『僕の勝手』だ。君達の手伝いじゃない」カチッ・・・フゥ

サーシャ「――……」ジー・・・

ステイル「ったく……勘違いするなよ―――世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ(MTWOTFFTOIIGOIIOF)」ブツブツ・・・


詠唱を始める炎の魔術師。


香焼「ステイル! 馬鹿な真似は止めるっす! スタミナ切れのオマエじゃ二人相手に」

ステイル「黙ってろと、言った――それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり(IIBOLAIIAOE)」ブツブツ・・・

香焼「っ……」グッ・・・

ステイル「僕が『自分勝手』に、行動すると決めたんだ……じゃあ如何しなければいけないか、分かるな?」ジジジ・・・


一分一秒でも惜しい。


アニェーゼ「……ステイル」ジー・・・

ステイル「貴様らも、さっさと『自分勝手』に行動しろ……僕は今すぐにでも『行動』したいんだ」フゥ・・・

レッサー「……ふふっ。中々のツンデレっぷりですねぇ。まぁ無駄にはしませんよ。任せて下さい」クスッ・・・キリッ!

ステイル「それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり(IIMHAIIBOD)――君はいつも、一言も二言も多いな」ハァ・・・

香焼「っ……アンジェレネを助ける……行こう!」グッ


その一声で、全員が立つ。


オルソラ「あら? ……まぁまぁ、神裂。ご覧になって?」クスッ・・・

神裂「やれやれ……何処からあの元気が来るのやら。若さ故、ですかね。(ステイルまで……良い事ですけどね)」ハァ・・・フフッ

オルソラ「元気? いいえ……不屈とか闘志といった類でございましょう」ニコッ


ステイルが前に進む後ろで、自分らが武器を構えた。そして、自分が考えた作戦を小声で述べる。


アニェーゼ「トンデモ無ぇ作戦ですね……」ハハハ・・・

レッサー「野郎二人の負担が大きいですが……まぁ恰好付けるチャンスって事で譲ってやりましょう」ニヤッ・・・

サーシャ「……危険は承知。しかし私達の内一人でもいいから、あの横を抜けれればアンジェレネを救出できるでしょう」コクッ・・・

香焼「ステイルは散々暴れる。自分は二人の意表を突く……オーバー!」スッ!

ステイル「やれやれ……自分勝手と言ったのにな」フフッ・・・


アチラも女教皇様が三人を下ろし、七天七刀を握る。オルソラさんはただただ……微笑むだけ。
216 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:44:34.14 ID:w4Xj2QWF0
ステイル「その名は炎、その役は剣(IINFIIMS)……顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ(ICRMMBGP)……」スッ・・・

神裂「まったく……本来は褒めてあげるべきなのでしょうね。貴方にも友達が作れた、と」クスッ

ステイル「……余計な老婆心か? 生憎、僕はまだまだ『若い』らしいんでね―――」ニヤッ・・・

神裂「……可愛げの無い14歳だ事―――」ハァ・・・キッ!


そして、一寸後……


ステイル「―――っ、走れ(Go move)ッ!!」スッ!

香焼「了っ!!」ダッ!


オルソラ「あらあら……私は如何動いたら良いのでございましょうね。とりあえず前に出ないでおきますよ」クスッ・・・

神裂「―――七……」スッ・・・


一斉に動いた。作戦は単純且つ、大胆に!


神裂「せ……っ!? なっ!!?」ビタッ!

香焼「てぇやっ!!」シュッ!!


・まず自分が女教皇様に強襲。多分突然の考え得ない事態に8割以上の確率で女教皇様の動きは止まる。


ステイル「つ……ふッ!!」ブワッ!!

オルソラ「まぁ……詠唱していらしたので『魔女狩りの王(イノケンティウス)』さんかと思っていたのでございますが……」アララ・・・


・次に煙幕兼蜃気楼でアニー・サーシャ・レッサーの分身を作る。


アニェーゼ「私が……突っ込む!」ダッ!

サーシャ「……右回して、飛び込みます」ダッ!

レッサー「上を行けー! ってね!」タンッ!


・本命は三方から聖堂内を目指す。これで誰か一人でもオルソラさんの脇を抜けれれば……―――



神裂「中々考えましたね……でも、相手が悪いかった」ニコッ

香焼「え……あ」グイッ・・・



―――七閃―――



香焼「く、はッ……」ダンッ!

レッサー「うっそぉっ!!? ひゃんっ!!」バシッ!

ステイル「煙幕(スモーク)が、消え……がぁッ!!」ドサッ!

サーシャ「っ! これは……ぐぅッ!!」ビシッ!

アニェーゼ「みんな!? いやっ!!」ボンッ!


全員が弾かれて、地に伏せられた。オカシイ……女教皇様の手は封じた筈。如何して……


神裂「香焼……謀反の覚悟有り気で私に挑んだのは見事です。しかし……まだまだ弱い」ニコッ

香焼「ぐぅ……な……」タラー・・・
217 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:46:45.91 ID:w4Xj2QWF0
神裂「あの程度で私の一糸弾くのみの動作を止められると思ったら……大間違いですよ? 精進なさい」

ステイル「馬鹿野郎……抱き着くなり噛み付くなりしてでも止めてみせろよ」グッ・・・

香焼「で、出来るか阿呆……」ハァ・・・


要は自分の自惚れが招いた失敗だった。


レッサー「ヘタレ香焼にゃん! こんな事なら私が特攻んどきゃ良かったです!」ウガー!

神裂「魔力無しの純粋な力なら香焼かステイルの方が強いでしょう。それに貴女達三人とステイルでは誰も私の意表は付けませんよ」フフッ

サーシャ「……ならば魔力で押し通せば!」グイッ・・・

ステイル「そう……まだまだ。せめて魔力を集中させれば!」グググ・・・

オルソラ「連戦だった貴女達と、一度も魔力を使ってない聖人(神裂)……色んな面で結果が見えているのでございますよ」ニコッ

アニェーゼ「くそぅ……アンジェレネ」アアァ・・・


如何足掻いても絶望。


オルソラ「さて……では……誰からオシオキを所望でございましょうか……」ニコニコ・・・


一歩また一歩と……終わりが近づく。
ああ、如何して携帯電話と猫の奪い合いからこんな事態になったのだろうか……


アニェーゼ「ま、待って……アンジェレネの安否を!」ガクブル・・・

神裂「アンジェレネなら……放送室でシルビアに『保護』されている筈ですよ」

レッサー「……あぅ」アー・・・


間に合わなかったか……


サーシャ「だ、第四の質問です……何故、戦闘魔術師では無いシスター・オルソラが……狩りを……ひぅ!」ビクッ!

オルソラ「狩り? 可笑しな事を言うのでございますね。私はあくまでランベス宮内の風紀を守る為に動いているに過ぎないのでございます」

サーシャ「応えになってません……如何やって、戦闘修道女達を……」ガタガタ・・・

オルソラ「……内緒で、ございます」ニヤッ・・・


黒い笑み。
ああ、五和。残念ながらもうすぐオマエの近くに逝く事になりそうだ……畜生め。


オルソラ「それでは皆さん……オヤスミナサイ……」グッ・・・


何も出来ないまま、終わってしまう……―――



 ―――とある日、PM01:20、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、とある聖堂・中庭・・・・・



―――一瞬が長い。何も、おきない。誰も、倒れない。


香焼「……」チラッ・・・


こっそり目を開いてみる。すると、目の前に居たオルソラさんが、何時の間にか女教皇様の隣に戻っている。
そして何故か彼女の真下に……シルビアさんが横たわっている。


香焼「な……」ピタッ・・・


そして、そこに居るべき筈の無い……大人が一人。隣には涙目のアン。
218 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:50:13.98 ID:w4Xj2QWF0
神裂「やれやれ……本当に……」ハァ・・・

オルソラ「貴女様に出張られたら、私共も動けないのでございますよ」クスッ・・・


他の4人も目を開く。唖然の表情。


アンジェレネ「ふ、ふえええぇん……みんなぁ……」グズグズ・・・

アニェーゼ「あ、アンジェレネ……って……え……」ポカーン・・・

ステイル「……まさか、な」アハハ・・・


一番、怖い大人……


リメエア「……まったく。この聖堂は一応税金で建てられているのだけど……貴女達、分かってる?」ハァ・・・


第一王女。


レッサー「うわぁ……引き籠り姫が出てきました……」ポカーン・・・

アニェーゼ「シルビアを、やりやがったんですか……あの姫が……」エ・・・

サーシャ「……第五の質問ですが……何故、第一王女が?」キョトン・・・


誰もが思う疑問。


リメエア「そりゃ私だって好き好んで、こんな危険な宮殿に来たくないわよ」ッタク・・・

香焼「で、では……何故……」

リメエア「御母様が自分の居ない間の全権を私に任されました……OK?」


そういえば、ステイルが食堂でそんな事を言っていた気もする。
というかあの女王、なんで第二第三じゃなくて第一(この方)を選んだんだ?


リメエア「順番よ。前回消えた時はヴィリアンに任せたし、その前はキャーリサ。その前は私……簡単でしょ」フフッ

ステイル「そんなガキ染みた順番っ子ルール……毎度毎度だが馬鹿げてるよ」ハァ・・・


確かにそうだが、この人で良かったかもしれない。
第二王女だったらもっと暴力的に混乱増しだっただろうし、第三王女はそもそも解決出来ない。


リメエア「かもね……ま、収集つかないから助けてくれって。態々この子が緊急回線(ホットライン)繋いできたのよ」ナデナデ

アンジェレネ「う、うん……迷惑掛けてごめんなさい……」シュン・・・

リメエア「……いいのよ。大人に面倒掛けてこそ子供なんだから」ニコッ


第一王女が、笑ってる?!


神裂「……裏表の無い純粋な子供とか動物に対しては寛容ですからね、姫様は」

リメエア「そうね……でも魔術師という人間は嫌いよ? あと政治家と貴族王族皇族と騎士と侍女。それから社会人――」


つまり人間不信だ。


リメエア「――そういう事ね。さて……」チラッ


周囲を見渡し、だるそうに告げた。
219 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:52:04.31 ID:w4Xj2QWF0
リメエア「空き部屋を一つ貸しなさい。子供達をそこに……それから神裂、貴女は今回の被害箇所と修復に必要な費用を纏めて持ってきなさい」

神裂「え゛っ……」ゲッ・・・

リメエア「良いわね? それから此処いらに寝てる馬鹿共を叩き起こしなさい……じゃあ宜しく」ニコッ・・・テクテク

神裂「……オルソラ」チラッ

オルソラ「では私は空き部屋の確保でございますね。神裂は他全てを」ニコッ・・・テクテク

神裂「……不幸だ」ハァ・・・


トボトボと消えていく女教皇様。背中が煤けて見えた。女子寮に籠ってる連中に手伝わせれば良いのに……


リメエア「さて……今回の騒動の中心は?」チラッ


その場に残った全員と第一王女が向き合った。


香焼「……自分っす」スッ・・・

リメエア「そう……」ジー・・・

アンジェレネ「で、でも! コォヤギくんは悪くないんです! 私達が勝手に騒いで」バッ!

リメエア「お嬢ちゃん……アンジェレネと言ったわね。確かにそうかもしれないけど……それでは責任者に為り得ないわ」

アニェーゼ「そ、そんな……」シュン・・・


流石にカルテッ娘全員、反省してくれ様だ。それだけで十分である。


ステイル「姫……責任が有るとしたら自分でしょう。この場で最年長及び最高権威者です」スッ

リメエア「そうね。監督不行が生じるとしたら貴方でしょう……でも」チラッ

香焼「……彼は巻き込まれただけっす。立場としては被害者っすよ」コクッ

リメエア「って、中心が言ってる」クスッ

ステイル「……阿呆が」チッ・・・


今回、本当にステイルは巻き込まれただけだ。というか自分が巻き込んでしまった。


リメエア「とりあえず詳しい話を聞くわ……大人は私以外入れない。良いでしょう?」ニコッ

レッサー「……まぁ。ベイロープ達に聞かれると後々嫌な思いをしますからね」ムゥ

アニェーゼ「下らねぇ原因ですから、あまり人に聞かせるのも恥ずかしいですし……」ポリポリ・・・

サーシャ「感謝します。ワシリーサにばれた日には……何を言われるか……」ハァ・・・

リメエア「ふふふ。大丈夫、口外しないわ……私も大人は大っ嫌いだしね」クスッ

アンジェレネ「姫様も大人なのに?」キョトン・・・

香焼「あ、アンジェレネ……」タラー・・・

リメエア「ええ。だから私は私(大人)も嫌いよ……兎に角、一度中に入りましょう。今、さっきのシスターが部屋を空けてくるわ」ニコッ


人間不信というより、人間の『汚い所』に敏感過ぎる人なのだろう。
220 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 22:54:20.24 ID:w4Xj2QWF0
リメエア「まずは、そうね……温かい飲み物でも欲しいわね。好きな物頼みなさいな」テクテク


所々溢れだす気品は、やはり姫様なのだと感じさせられた……―――




 ―――とある日、PM02:00、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、とある聖堂・とある空き部屋・・・・・




自分達が通された部屋は割と広めのサロンだった。よく主教と女王陛下が入って居るらしい場所。

緊張した雰囲気の中、窓辺で煙草を吹かしているステイルだけが如何でも良い風だった。
卓上に置かれたコーヒーとココア、ホットチョコレートを各々啜り、姫様の言葉を待った。


リメエア「それで……誰が説明してくれるのかしら?」コトッ・・・

カルテッ娘『……』タラー・・・


そりゃまぁ彼女達は説明し辛いだろう。特に御転婆コンビは尚更だ。


香焼「えっと……携帯と、猫を……」ポリポリ・・・

リメエア「じゃあ坊や、説明して」チラッ・・・


結局自分が説明した。
何処まで言って良いものか分からなかったが……片眼鏡の奥底からの眼力に全てを見透かされる気がしたので、嘘は付けなかった。
ただし、ある程度付け足さないとカルテッ娘に全責任を押し付ける羽目になってしまうので、説明を工夫する。


リメエア「――……良かった。破壊活動をしたかった訳じゃないのね」ジー・・・

香焼「……まぁ、はい」コクッ

リメエア「テロとか襲撃、クーデターならキャーリサに押し付けてたけど……そういう事なら話は簡単よ」スッ・・・


纏めりゃそれで終いである。リメエア姫は溜息をついた後、一同を見渡して苦笑した。


リメエア「子供の喧嘩」フフッ

アニェーゼ「え」キョトン・・・

リメエア「良いわね。昔はキャーリサ、ヴィリアンとも喧嘩したっけ」クスクス・・・


遠い目で、懐かしそうに笑う。


アンジェレネ「姫様同士で、喧嘩したんですか?」

リメエア「ええ。ジャンケンみたい(三竦み)だったわ」

レッサー「ジャンケン?」

リメエア「私は口でキャーリサ負かすけど、ヴィリアンに泣かれると弱い。キャーリサはヴィリアン泣いても虐める……こんな感じ」

ステイル「今もそんな感じだろう?」フゥ・・・

香焼「す、ステイル……」バカ・・・

リメエア「そうね……でも今じゃ『子供』の喧嘩で済まないもの。私達姉妹は『大人』になってしまったから」ボー・・・


もし姫様三姉妹が喧嘩になれば、トンデモ無い事態になるだろう。


リメエア「私の事はさておき……話を戻しましょう。アニェーゼとレッサー、だったかしら?」チラッ

アニー・レッサー「「は、はいっ!!」」ビシッ!


カチカチに固まる二人。
221 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:00:12.02 ID:w4Xj2QWF0
リメエア「貴女達は日記を書いたりする?」

アニェーゼ「日記というか、業務日誌みてぇなモンは書かされます」

レッサー「私も、報告書は偶に」

リメエア「相変わらず子供に仕事させるのね、清教派は……じゃあ此処に居る皆にも内緒の『自分だけの宝箱』みたいなモノは?」

アニェーゼ「それは……」

レッサー「宝箱って訳じゃないですけど……」

リメエア「それっぽいモノで良いわ。兎角、有るのね?」クスッ


秘密の一つや二つくらい、誰にでもあるだろう。


リメエア「その人に知られたくない『秘密』を、無理矢理『見せろ!』って言われたら如何かしら?」ジー・・・

アニェーゼ「ブッ飛ばします」サラッ

レッサー「在られも無い姿に変えてやります」サラッ

リメエア「物騒ね。でも嫌な気持ちになるのは確かでしょ」


二人が頷く。ついでにアンとサーシャまで頷く。


リメエア「貴女達はそれをしたの。そして、そこの坊やは嫌な思いをした」

アニェーゼ「でも……嘘までついて隠しやがるんですよ……コーヤギのヤツ」モジモジ・・・

リメエア「それが坊やの防衛手段だった。貴女は暴力を振うって言ったけど、彼は言葉を武器に選んだ」

レッサー「まぁコウヤギは弱っちぃってのも有りますけどね」ハハハ

リメエア「分からないわよ? 私は魔術とか武術とかは詳しくないけど……『男』なんでしょ、彼」チラッ


無論だが、何が言いたいのか分からない。


リメエア「何だかんだ言っても『本気で怒った』男の子は……怖いのよ?」フフフ

アンジェレネ「コォヤギくんが……」チラッ

サーシャ「……怒る?」チラッ

香焼「いやいや……今は怒ってないよ。さっきは少し怒ってたけど」ポリポリ・・・


少なからず携帯の中身を覗かれそうになった時は、腹立っていた。


リメエア「……アニェーゼ、レッサー」

アニー・レッサー「「はい」」

リメエア「貴女達は、まだ坊やの携帯を奪って中を見たい?」

アニー・レッサー「「……」」

リメエア「力づくで、強盗の様に、嫌がる彼のプライバシーを侵害したとするわ。その後、貴女達の対応が如何あれ……」スッ・・・


コーヒーカップの渕をなぞりながら……


リメエア「彼が、貴女達に絶交を申し込み、口も聞かなくなったら……如何?」チラッ・・・

アニー・レッサー「「っ!!?」」ギョッ・・・

リメエア「……人のプライバシーに土足で上がり込むっていうのは、それだけの覚悟(対価)が必要よ」


冷ややかに、大人な言葉を告げる。
普段の二人なら『五月蠅ぇ! バーカ!』と説教を一蹴してそうだが、姫様の言葉回しと落ち着いた気品の所為か、大分丸くなっていた。
222 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:02:22.62 ID:w4Xj2QWF0
暫時、無言が続いたが……意を決したように、アニェーゼが口を開いた。


アニェーゼ「こ、コーヤギ……その……悪かったです。すみませんでした」ペコッ・・・

香焼「え、あ、うん……」タラー・・・

アニェーゼ「絶交は、ヤです……許して下さい」モジモジ・・・

香焼「え、えっと……大丈夫っすよ。でも、もう勝手に携帯覗こうとしないって約束出来るっすか?」ニコッ

アニェーゼ「はい……ありがと」ペコッ・・・///


元々、絶交なんてする気は無かったけど……此処まで丸いアニェーゼは珍しい。何かあったのか?


アンジェレネ「……朴念仁」イラッ・・・

ステイル「今に始まった事じゃないよ」フゥ・・・


何か言われた。意味が分からないよ。


リメエア「ふふっ、よくできました。さて……其方は?」チラッ

レッサー「うっ……わ、分かりましたよ」ポリポリ・・・


尤も謝罪慣れしてなそうな少女が向き合ってくる。


レッサー「あー、こほんっ……すみませんでした。もうしません」ペコッ・・・

香焼「うん、分かった。約束っすよ?」ニコッ

レッサー「わ、私はデレませんよ。アニェーゼと一緒にして貰っては困ります! コウヤギに縁を切られるのは困るんです! それだけ!」フンッ!

香焼「は?」ポカーン・・・

アニェーゼ「お、ま……レッサー……」ギロッ・・・///

リメエア「……ふふふ」アマズッペェ・・・


とりあえず、コッチの要件は済んだ。次は『猫』関係。


リメエア「子猫ねぇ……今その猫は何処に?」

香焼「そういえば中庭で逸れちゃったっすよ」

リメエア「そう」

サーシャ「第二の考察ですが、放っておいても戻って来るのでは?」

アンジェレネ「さっきも何も言わずにマグヌス神父の頭に乗ってましたしね」チラッ


一同、窓際で紫煙を上げる若年寄を見遣る。


ステイル「……いや、僕が召喚した訳じゃないし。そんな期待されても」タラー・・・

アニェーゼ「ドア開けとけば入って来るんじゃねぇですか?」

香焼「そうだね。そこら辺で鳴いてるかも」


そういうとリメリア姫は立ち上がり、ドアの方へ向かった。
223 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:05:12.24 ID:w4Xj2QWF0
リメエア「じゃあ……ん?」ピタッ

レッサー「姫さん如何したの?」

リメエア「……下がって」スッ・・・

アンジェレネ「何、を……えっ?!」ビクッ!!


何処からともなく取り出した年季の入ったニ丁のワルサー。それで――



 ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!!



――扉を、ブチ抜いた。


一同『……』ポカーン・・・

リメエア「これで……大丈夫ね」ガチャッ・・・


ポッカリ口を開けた自分達を後目に、ゆっくりドアを開けた。それから一言……


リメエア「盗み聞きするなって、言ったでしょう?」ジトー・・・

香焼「え……」チラッ・・・


扉の前に一人の男性と二人の女性。


神裂「か、確認無しに鉛玉ブっ放すとか、如何いう神経してんですか……」ダラダラ・・・

オルソラ「大分バイオレンスでございますね」アハハ・・・

騎士団長「もうやだ……この姫……」ベヨネッタァ・・・


咄嗟に銃弾を避けた女教皇様と騎士団長は、妙な格好で冷や汗をダラダラ掻いていた。オルソラさんは上手い具合に騎士団長の陰に入っている。
やれやれとリメエア姫は冷静に、マガジンの残弾を確認して、三人に告げた。


リメエア「何の用?」ガチャッ・・・

神裂「いや、貴女が修理個所と費用纏めて来いって言ったんでしょうに……」ハァ・・・

リメエア「そうだったわね。でもソッチ二人は?」フム・・・

騎士団長「いや、アンタ来るなら来るって一言教えて下さいよ。何の為の騎士ですか、私は」ッタク・・・

リメエア「私、騎士団頼った事無いけど。邪魔だから消えて。5つ数えるわ」ワーン・・・ツー・・・

騎士団長「そういう訳にもいかないんです! 立場ってもんが有るんですよ、アンタも私もね! せめて騎士の一人くらい警護に――」


 ダンッ・・・・・


騎士団長「――つけ……て…………アンタ今3つで撃ったっしょ?! ねぇ!? 4と5は!?」タラー・・・

リメエア「聞こえなかった? 帰れ。自分の身の安全は他人に任せないわ」ガチャンッ・・・フッ

一同『……』アゼーン・・・


この姫は何者なんだろう。普通に銃ブっ放してるよ。
魔術師の巣窟で近代的な武器持ち歩いてるの、この人とサーシャくらいだろう。
224 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:08:43.01 ID:w4Xj2QWF0
騎士団長「もう、ヤダ……アンタといい、第二王女といい……何でバイオレンスなの……」ウウゥ・・・

オルソラ「確実に母上の血でございましょうね」フフフ・・・

リメエア「一緒にしないで貰えるかしら。私の方が冷静よ……それで、貴女は?」チラッ

オルソラ「ええ。私は……この子を」スッ・・・


何かを手に抱えている。ステイルの外套と……


リメエア「……成程」クスッ

ぬこ「なー」ジー・・・

アンジェレネ「あ! ネコさん!」パアァッ!!

オルソラ「中庭でニャーニャー鳴いていたのでございます。主を探していたのでございましょうね」ニコッ


言うや否や、子猫を床に降ろし自分らの方へ差し向けた。
黒い子猫は駆け足で自分の下に近づき、一声上げた後、ステイルの頭の上に駆け上った。


オルソラ「ふふふ。私は以上でございますよ」ペコッ

リメエア「そう、ありがとう。ついでにそこの堅物も連れてってあげて」

オルソラ「畏まりました。さぁ、騎士団長殿。帰るのでございますよ」グイッ・・・

騎士団長「ちょ、シスター・オルソラ!? 待て! 誰も警護に一人も付けないと、ばれた時喧しい連中がっ!!」ズルズル・・・

オルソラ「姫は十分強い御方でございますよ。それに『彼ら』もございます……あまりシツコイと、神裂に有る事無い事を……」ジー・・・

騎士団長「な……勘弁してくれ……」フコーダー・・・


オルソラさん、パネぇっす。


神裂「まったく……姫、コレがリストです。では私もこれでお暇します」ペコッ

リメエア「ありがとう。じゃあ……」

神裂「ああ、そうそう。二つ程」ピタッ

リメエア「……何かしら」

神裂「まず、お帰りの際は一言掛けて下さい。騎士団長殿の苦労も少しはお考えを」クルッ

リメエア「……善処しますわ」

神裂「もう一つは……」チラッ


自分らの方を見て、呟いた。


神裂「その子達はまだ幼い。責任を負うのであれば、私が負いましょう」

リメエア「……大人ね。貴女も若いのに」フフッ

神裂「何というか、大人というより『姉』なだけですよ。その子達の」フッ・・・

リメエア「……そういうのは、嫌いじゃないわ。安心して。私も二人の姉よ。子供達を悪い様にはしないわ」クスッ

神裂「……香焼達を宜しくお願いします」テクテク・・・


恐れ多い言葉だ。今の言葉を聞かれたら、また建宮さん達に呆れられそうである。


リメエア「良いお姉さんじゃない」フフッ

香焼「……はい」コクッ


自慢の……姉だ。
225 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:11:32.58 ID:w4Xj2QWF0
レッサー「アレですよ。香焼は初恋の人で間違いなく『女教皇様(カオリ姉さん)』って答えるタイプです」ニシシ!

香焼「な、ち、違うっすよぉ!!」カアアァ・・・///

サーシャ「第一の観測ですが、図星ですね」クスッ

ステイル「図星だろ」ククク・・・


余計な御世話だっつぅの。


アニェーゼ「……」ムッ・・・

アンジェレネ「ふふふ……アニェーゼちゃん、大丈夫だよ。神裂は上条当麻に夢中ですから」ニコッ

アニェーゼ「べ、別に何も言ってねぇですよ!!」ガアアァ///

リメエア「(面白いわね、この子達)……さて、じゃあ話を戻そうかしら」スッ・・・


そういえば『猫』の話だった。
今子猫はステイルの頭の上で首を回している。ステイルも慣れたモノで、椅子に寄り掛りながらも子猫を落とさない。


リメエア「要はその子猫を無理矢理奪おうとしたのね?」ジー・・・

アンジェレネ「……はい」コクッ

リメエア「でも、奪えなかった」

サーシャ「第二の説明ですが、マグヌスがちっとも貸してくれませんでした」ジトー・・・

ステイル「別にガキ染みた意地悪した覚えは無いよ。コイツが君らを嫌がっただけだろう」フンッ

アン・サーシャ「「むぅ……」」ハァ・・・


確かに、子猫がステイルの頭を離れようとしなかった。故に二人が無理矢理降ろそうと必死になっていたのである。


リメエア「個体差はあるけど、猫は『無理矢理』ってのが嫌いな生き物よ」

アンジェレネ「でも、黙ってても来ません」ムゥ

リメエア「お気に入りの場所があるものね。貴女達だってあるでしょう?」

サーシャ「しかし……第一の疑問ですが、何故ステイルに? 無理矢理では無いとはいえ、煙草の臭いや香水だってキツいでしょう」チラッ

ステイル「さぁね。僕の知った所じゃないが、煙とか匂いが気に入ったんじゃないか?」ハァ

リメエア「……坊や、この猫が懐くタイプってどんな人?」チラッ


どんなって……いつも一緒に居る自分を除くと女教皇様、浦上、淡希さん。


香焼「特に共通点は見当たらないっすけど……」フム・・・

リメエア「じゃあ猫じゃらしとかボールとか、好きなオモチャは?」

香焼「……オモチャっていうか、人の『髪』で遊んでるっすよ」ア・・・


ポニテやサイドポニー、ツインテをペチペチ猫パンチしている。


リメエア「それかしら。全員、頭巾を外してみなさいな」チラッ


言われた通り、修道帽をしている3人は脱いでみる。すると……


ぬこ「……なぅ」チラッ・・・スタッ

香焼「お」

ぬこ「……」トコトコ・・・


ステイルの頭から降り、テーブルの上を歩き出す。そしてアニーやアン、サーシャの長い髪に興味を示し、猫パンチを始めた。
226 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:13:44.05 ID:w4Xj2QWF0
アンジェレネ「わぁ! やっと来てくれた!」パアァ!

アニェーゼ「動けねぇです……可愛いから良いけど」ハハハ・・・

サーシャ「猫……にゃんこ……ふふふ」ニコッ

ぬこ「んにゃ」ペシペシッ

リメエア「長い髪が好きなのね。変な猫」クスッ


そういう事か。


レッサー「うーん……でも私には近づいてこなかったですよ」ブーブー

香焼「レッサーはいっつも騒いでるから近づいてこなかったんすよ。大人しくしてれば寄って来るさ」

レッサー「でも、浦上は懐かれてるんでしょう?」


アイツは昔から動物の扱いが得意だから、何とも言えない。


リメエア「ふふっ。子猫に好かれたければ御淑やかにするのね。あとその動物マフラーを外すとか」クスッ

レッサー「姫さん、それは私のアイデンティティを壊しかねませんよぅ」ハァ・・・


苦笑。


リメエア「とりあえず、全て解決……と言いたいところだけど」チラッ

香焼「……はい」コクッ


姫はリストを見詰めた後、自分らの顔を見直した。


リメエア「……大分暴れたのね、貴方達」ハァ

アニェーゼ「うっ……申し訳無ぇです」シュン・・・

リメエア「此処に居る貴方達だけじゃないけど……結構な金額よ」フフッ・・・

レッサー「ど、どれくらいですか?」ゴクッ・・・

リメエア「数十単位」サラッ

アンジェレネ「え? それなら……」コクッ


貯蓄してる皆の年金で何とか……


リメエア「嘗めてるわね。此処は文化財よ? 億の単位に決まってるじゃない」

香焼・カルテッ娘『』チーン・・・

ステイル「……僕でも、払えないな」ハァ・・・


……ならない額だった。


リメエア「魔女(スチュワート)に全部押し付けても良いんだけど、お門違いだし……私情がばれるわね」

ステイル「それは……困るな」タラー・・・

リメエア「神裂やシルビア……それから関係者全員も同じ理由ね。ただ、それでいいならば押し付けて2,3年間タダ働きさせる?」

香焼「そ、そんな……」

リメエア「仕方ないじゃない。坊やの一生掛けても払えない額だもの」


確かに自分は凡人だ。頑張って稼いでも数十億には及ばないだろう。ステイルは別として、他の皆も然り。
227 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:17:41.42 ID:w4Xj2QWF0
ステイル「……僕の名義なら借金数百単位まで借りれる。それではいけませんか?」

サーシャ「同じく、第一の提案で……ワシリーサに頭を下げれば借りれます。この際、プライド云々は言いません」

香焼「す、ステイル?! サーシャ?!」ギョッ・・・

アニェーゼ「そんな勝手な事しねぇでください! 私達皆でカンパでしょう!?」ギロッ!

アンジェレネ「そ、そうですよ! そんな負債押し付ける事になったら……如何していいか……」アタフタ・・・

レッサー「むぅ……何か手は……」ハァ・・・

リメエア「……」ジー・・・


身の程を知る、とはこういった時の事を言うのだろう。自分はなんて……小さいんだ。


リメエア「そろそろキツい事言うけど……ねぇ」ボソッ

香焼「……はい」

リメエア「分かったかしら。これが『人様に迷惑をかける』という事よ」キッパリ

アニェーゼ「それは……分かってます、けど……」

リメエア「確かに、貴方達は人より先に社会に出ているかもしれない。色んな意味でね。でも……本当に理解はしてなかったでしょう」

サーシャ「……理解、してない?」


ゆっくり立ち上がり、テーブルに歩み寄って来る姫。


リメエア「いくら一丁前に戦えても、いくら人一倍仕事が出来ても……こんな事を起こすようじゃまだまだ『子供』だわ」ジー・・・

一同『……』シュン・・・

リメエア「そして、大人へ頼る方法を知らない。そして自分が子供だという自覚すらない」チラッ

サーシャ「……」ムッ・・・

リメエア「僕の名義で数百まで借りれる? 相当危険な金融なんでしょうね。見目大人とはいえ、未成年にお金を貸すくらいだから」

ステイル「……戸籍など偽れる」

リメエア「お莫迦。主教補佐という肩書を外して、数百億貸してくれる訳無いでしょう」


正論だ。


リメエア「御高説や喧嘩口調は大人以上。だからって『大人』じゃないのよ? 分かってる?」

アニェーゼ「……分かった所で、如何しようもねぇです」ギリッ・・・

リメエア「そうよ。でも……学んだでしょう? 子供の喧嘩とはいえ、度が過ぎれば痛い目見るの」

アンジェレネ「……ふぇ」ウルウル・・・

レッサー「むぅ……大人だって、御高説並べてるだけじゃないですか。要は説教したいだけでしょう」ジトー・・・

リメエア「……そういう風に反抗出来る方が子供っぽいわ。私はそっちの方が好きよ」クスッ・・・


泣きそうなアンの頭を優しく撫でながら、リメエア姫は続けた。


リメエア「私の嫌いなモノ。大きく分けて二つ……大人と年相応では無い子供」

香焼「え……」

リメエア「子供の純粋な我儘なら結構。喧嘩だって寛容に見れる。最後にごめんなさいで仲直り出来ればね」ニコッ

アニェーゼ「……大人だから、ですか?」ジー・・・

リメエア「そうね。大人はごめんなさいで済まないもの……そして、そこで何かを壊したら保護者(大人)が面倒をみる」


しかし、自分達にはそんな保護者たる大人が居ない。
228 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:19:55.06 ID:w4Xj2QWF0
リメエア「社会の仕組みが、壊れてきたのよ……まぁそんな難しい事は貴方達に言わないわ」

レッサー「意味は分かりますよ。でも姫さんは所詮、子供の知った被りって言うんでしょう?」

リメエア「分かってるじゃない。20も生きてない子供が社会の変化云々を語れる訳無いものね」


いくら大人びていても、自分等は10代前半。失礼だが、この方の半分も生きていないのだ。


リメエア「貴方達は子供として、叱ってくれる大人が居なかった」

アニェーゼ「まぁ……仕事のミスは『駒』として叱られてましたからね」

リメエア「それを当然と受け止める貴方達。それの正否は問わないけど……せめてこのメンツが集まった時くらい、子供でいなさいな」ニコッ


それは自分も望んでいる事だ。彼女達は謂わば『灰色の青春』を過ごしている。
武器を持ち、戦場に立ち、人を傷つける……子供のする事では無い。
無論、信念有り気だろう。止めろとは言えないが……年相応で居て欲しいと願う時も有る。


リメエア「人って少しずつ何が正しいか、何をしてはいけないかを勉強して……大人になるものでしょう?」

香焼「……そうっすね」コクッ

リメエア「何れ嫌でも大人になるの……我儘が許される内は、子供でいなさいな。じゃないと碌な大人にならないわ」ニコッ・・・


私の嫌いな大人みたいにね、と微笑み……子猫を抱えた。


リメエア「貴方も、例外じゃないわよ。主教補佐。いえ……マグヌス坊や」クスッ

ステイル「……」フンッ・・・


この姫はステイルを『子供』として叱れる数少ない人かもしれない。


リメエア「さて……じゃあ終わりよ」ニコッ

香焼「え……まだ修理費の話が……」

リメエア「聞いてなかった? 子供のケツ持ちは保護者、大人がするものだって」

レッサー「ベイロープはそんなに金持ってないですよ……」

アンジェレネ「シスター・ルチアも……倹約家ですが、お金持ちじゃないです……」

サーシャ「やはり……ワシリーサに頭を下げて……」


違う違うと苦笑する姫君。


リメエア「子供の悪戯で済む範囲の額じゃないんでしょう? それに彼女達も私から見ればまだまだ子供よ」フフッ

ステイル「……ならローラや殲滅白書の部隊長に?」

リメエア「あの荒んだ大人達に貴方達のケツ持ちをさせたくは無いわ。これ以上、子供が歪んでいくのを見たく無いものね」フンッ・・・

香焼「では……何を?」


子猫を自分の肩に乗せながら、姫は―――
229 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:22:23.21 ID:w4Xj2QWF0
 ―――翌日、PM01:00、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、とある聖堂・食堂・・・・・




騒動から数日後、自分達はいつもどうりの生活を送っていた。それはそれは信じられない程に。

食堂に残っている人間は数名。後片付けをする者、清掃する者、そして自分の様に一服付いてる者。
周囲からは多少の生活音と工事の音。それから……


ステイル「……ハァ」フゥ・・・

ぬこ「みー」ゴロゴロ


禁煙の食堂で煙草を喫う馬鹿の溜息。


香焼「オマエなぁ……喫うな、とは言わないからせめて自分の部屋に行けよ」ハァ・・・

ステイル「……移動するのが、面倒臭い」ジジジ・・・

香焼「まったく……不良神父め」ツンツン

ぬこ「なぅ」ペチペチ


煙草について言っても聞かないのは、多分一生モノだろう。
自分が呆れ返り、煙を掻き集める癖がついてしまった子猫を愛煙者から引き離すと同時に、扉の方から4人、歩み寄ってきた。


ステイル「……喧しいのが来た」チラッ

アニェーゼ「小五月蠅いアンタに言われたくねぇですよ」フンッ


相変わらずの罵倒。


レッサー「コウヤギっちも、好き好んでこんな悪ガキと付き合う必要無いのにねー」クヒヒ!

ステイル「君の痴女っぷりよりは優良児だよ」ッタク・・・

アンジェレネ「もう……少しは仲良く出来ないのかなぁ」ハァ・・・

サーシャ「第一の感想ですが、顔合わせる度罵り合いですね。飽きませんか?」フフッ


困ったものだ。


アニェーゼ「……しかし、驚きましたね」チラッ

香焼「ん? ああ……まぁね」ハハッ・・・


未だ修理されていない食堂の扉を見遣る。


レッサー「借り一、ですか。オッカナイ借りですよ」フフフ・・・

アンジェレネ「レッサーちゃん。そういう考え方、また怒られちゃいますよ」

サーシャ「アンジェレネに同意します。ただ……いつか恩返しはしたいものです」

香焼「そうだね……自分達が大人になってからでも」コクッ

アニェーゼ「いやしかし、金銭感覚が違うっつってもキャッシュでポンとは……流石王族」ハハハ・・・


今回の件、女教皇様や主教の手を煩わせる事無く全てが片付いた。リメエア姫が修理費を支払って下さったのだ。
何の関係も無い自分らに如何してそこまでしてくれるのかと聞くと……

『今私は、この国で最高権威の大人。そして貴方達はこの国の子供……それじゃ駄目かしら?』

……との事。寛容なんだか、成金なんだか。
230 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:26:40.59 ID:w4Xj2QWF0
アンジェレネ「噂では極度の引き籠り姫って聞いてたけど、強ちそうじゃないのかも」ニコッ

レッサー「潔癖症ってのは本当でしたけどね。まぁ冷酷、ってのは違いました」

ステイル「あの姫はエゴの無い世界の理想論者なんだよ……今回はその御蔭で救われたけどね」


将来この国を担うかもしれない子供達への先行投資と言ったところか。
ステイルとレッサー以外英国人じゃないのだけれど、細かい事は気にしない。


アニェーゼ「ガキ扱いされんのは嫌いですが……ああいう風な大人が居るなら、悪くねぇですよ。子供のままでも」

サーシャ「同意します。ワシリーサとは別の意味で子供として見てくれる人は貴重です」

レッサー「サーシャの上司は変態の代名詞ですからねぇ」キヒヒ!

アンジェレネ「レッサーちゃん……人をそんな風に言っちゃメッだよ」ジー・・・

ステイル「五月蠅いなぁ……余所でやれ、余所で。落ち着いて煙草も喫えやしない」ハァ・・・

カルテッ娘『此処で喫うのが間違い!!』ガアァッ!

ステイル「……おぅふ」タラー・・・

ぬこ「なーぅ」クシクシ!


せめて子供らしく……自分は好きな言葉だ。
年相応に猫に絡んだり、トランプ遊びに興じたり……悪くないよね。


アニェーゼ「コーヤギ! アンタも早くコッチ来やがれってんです!」オーイ!

レッサー「ヒヒヒ! ボロ負けさせたげますよ。脱衣ポーカー最高!」ニシシ!

アンジェレネ「や、ヤダよー。そんなの……お菓子を賭けるとかにしよう」アワワ・・・

サーシャ「再度アンジェレネに同意します。第一の提案ですが……レッサー。貴女だけ脱衣ルールにしましょう」ジトー・・・

レッサー「な、そ、そりゃ無いですよー! ならせめて野郎共も同条件です!」ギロッ!

ステイル「僕をカウントするな……って、アンジェレネ! カードを寄越すな!」ダアアァッ!!

アンジェレネ「ふふふ。6人で、ですよー」ニコッ


とりあえず携帯で、猫と5人が入った写真を一枚。


アニェーゼ「あー! 何勝手に撮ってやがるんですか!」ムキャー!

サーシャ「第一の苦情です。被写体に許可無しでの撮影は褒められたモノではありませんよ」ジトー・・・

レッサー「盗撮プレイなんて、案外スケベェですねぇ……オシオキが必要ですか?」ムフフ・・・

アンジェレネ「まぁまぁ。今度はちゃんと皆入って撮ろうよ!」ニコッ

ステイル「……その皆ってのは僕もカウントされてるのかい?」ハァ・・・

アニェーゼ「くどい! 男なら腹括りやがれってんです!」ニヤッ・・・


馬鹿みたいに遊べるのも今の内。タイマーをセットして全員で……


香焼「はい、ポーズ!」ニコッ

カルテッ娘『いえーい!』ニカッ!

ステイル「勘弁してくれ……」ハァ・・・

ぬこ「にゃんっ」ペカー!


『子供』記念を撮影した。願わくば、少しでも長く、馬鹿出来ます様に……―――
231 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:32:13.31 ID:w4Xj2QWF0
       <おまけっ!>



リメエア「……ふふっ」クスッ

ヴィリアン「あれ? 姉様、何笑ってるの?」テクテク

キャーリサ「王室サロンに居ること事態珍しーのに、笑ってるなんてもっと珍しーな」ゲェ・・・

リメエア「んー……ちょっと若いって良いなぁって、感傷に浸ってたのよ」フフッ

ヴィリアン「え? 若い?」キョトン・・・

キャーリサ「あはは! 姉上も流石に歳を気にする様になってき……冗談です御姉様、銃口向けないで」タラー・・・

リメエア「まったく……貴女達も昔はコレくらい可愛げがあったのにね」ハァ・・・

キャーリサ「私は今でも可愛いわよ?」ニコッ

ヴィリアン「……え? 可愛い?」ハァ?

キャーリサ「てぇゐっ!」ビシッ!!

ヴィリアン「あ痛っ!! ね、姉様、別に馬鹿にした訳じゃないわ! ただ可愛いって表現が……き、綺麗の方が合うって意味よ!」アタフタ・・・

キャーリサ「ふむ……まぁ許してやろー」フンッ

リメエア「姉妹仲良いんだか、悪いんだか」チラッ

キャーリサ「あら。仲良し姉妹よ? 私達」ニコッ

リメエア「……そうね。そう有りたいわね」クスッ

ヴィリアン「それより、姉様。その携帯で見てるモノ、見せて欲しいなー」チラッ

リメエア「だーめ。携帯を覗くって行為は時として戦争になりかねないのよ?」フフッ

キャーリサ「英雄さんなら普通に見せてくれるけど」ニヤッ・・・

ヴィリアン「無理矢理、だけどね」ハハハ

リメエア「兎に角、プライバシーは大事。そゆ事」ニコッ

キャーリサ「姉上のプライバシーは強固過ぎるし。せめてヴィリアンくらい分かりやすきゃーなー」ハハハ!

ヴィリアン「……え」キョトン・・・

リメエア「確かに……お忍びデートは変装したくらいじゃ誤魔化せないのよ? ヴィリアン」ニヤッ・・・

ヴィリアン「なぁっ!!? ち、違います! で、デートじゃなくて、アレはその……偶々レストランで御一緒しただけで……」カアアァ・・・///

キャーリサ「会員制のレストランでディナー一緒になったのが偶々ねぇ? アイツは手作りとかの方が喜びそうだけど?」ヒヒヒ!

リメエア「しかも態々人気の少ない場所を選ぶなんて……一般人は騙せても、身内からバレバレー」クスッ

ヴィリアン「な、も、もうっ!! 知らないっ!!」ウガアァッ///

リメエア「ふふっ。ごめんごめん。ヴィリアン、少しだけ見せてあげるから許して」ニコッ

キャーリサ「ちょ、ずりーし! 私にも見せてよ!」ワーワー!

リメエア「まったく……変な所で子供よね。二人とも」クスクスッ


 ―――バタンッ!


3姉妹『……あ』チラッ・・・
232 :第5話――カルテッ娘『待てーっ!!』  香焼・ステイル「「ふっざけんなぁっ!!」」 [saga]:2011/03/28(月) 23:33:29.94 ID:w4Xj2QWF0
エリザード「はぁい! おっ母様のお帰りよ〜ん!」ヤッホー!

キャーリサ「……喧しいのが帰ってきた」ハァ

リメエア「何処行ってたのよ……人に厄介事押し付けて」ジトー・・・

エリザード「一応国内に居た。本当本当」ニコニコ

ヴィリアン「母様、何処ぞの国の領事とかは無しよ」ハァ

エリザード「違う違う。マジ国内だってば。ぐれーとぶりてん及び北あいるらんどー」ウンウン・・・

リメエア「如何でも良いけど、毎度毎度私達に責任押し付けて逃げるの止めて欲しい」ハァ

キャーリサ・ヴィリアン「「同じく」」コクリッ

エリザード「冷たい子供達め。母親だぞ! 女王様だぞ! 偉いんだぞ!」ウガー!

リメエア「はいはい……お母様は何時までも子供みたいで羨ましいわ」フフッ

エリザード「永遠の17歳だからな! って……リメエア。何か朗らかね? どったの? 彼氏でも出来た?」ワァオ・・・

ヴィリアン「さっきからこの調子なのよ。私達もおかしいなって思ってます」ジー・・・

キャーリサ「まぁ姉上なら隠し子の一人や二人、ひょっこり現れても不思議じゃないよね」ハハッ!

リメエア「そうね……可愛い『子供』、かな」クスクス・・・

3人『へぇ……ええぇっ!!?』ハァッ!?














ロイヤル冷蔵庫「終わるのさっ!!」ドーンッ!!
233 :>>1 [saga]:2011/03/28(月) 23:38:39.79 ID:w4Xj2QWF0
はい終了。溜りに溜まってた分、暇あれば投稿するよー。
しかし……早く新約が読みたいですねぇ! 此処でネタばれ禁止だよ!!

次は引き続き英国編にするか、また都市編に戻るか……それとも天草編をやるか、迷ってるよーん。

それでは感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントお願いします。それじゃあ、また次回! ノシ
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 01:18:36.36 ID:zqel42ODO
超乙です!
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/29(火) 02:55:33.39 ID:E4jbHdMa0
乙です。

都市編で吹寄&青ピと出会って欲しい。
上条さんクラスメートコンプリートだ!
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 07:48:02.05 ID:JxZeztxDO
おっつー!
何ていうか、いつもどうりで安心したww

次は最愛ちゃん超再希望! 加えてそろそろ、はまづらとたきつぼ夫婦が超見たいよ!
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/29(火) 08:37:46.72 ID:Dfd/yNHYo
乙でした

最愛とかあわきんのことは結局バレなかったてことかな?
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 13:41:06.11 ID:c1f1YqLIO
乙でした!
こいつらは本当に小さい頃から魔術やら戦いやらに関わってきた奴らばかりだから
こう年相応に騒いでると嬉しくなるよな。
次は都市編で笹川中学二人のケー番を是非ゲットしてほしい
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/29(火) 19:21:59.86 ID:VZl23d+AO
乙です

ソギーの出番はまだですかい?
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/29(火) 23:55:14.09 ID:r18qmbDd0

>>182の考察だけど、簡単に説明すると

・ガブリエルを体内に入れてたサーシャは魔術に触れるたび謎の震えに襲われる
→大天使の身体の中に入ってたから、全身が震えてくすぐったいんじゃね?

という内容だったはず
241 :>>1 [saga]:2011/04/04(月) 23:54:48.30 ID:px3cmqt50
こんばんわ! お久しぶりです。誰が何と言おうとお久しぶりです。


レス返信。
>>235
委員長コンビは考えた事無かったなぁ。吹寄のお姉さん気取りは想像できるけど、青ピって……(苦笑)

>>236
絹旗とどんな展開キボンヌ? 浜面滝壺交えてのとの絡み?

>>237
携帯からはばれてません。でもステイルがあの後、うっかりばらしました。それは後日談で。

>>238
初春佐天コンビで出すか、超電磁砲組で出すか……迷ってます。

>>239
そろそろ出したい。削板を如何絡ませるかリクエストあります?

>>240
ああ、成程。>>182でランシスの設定って書いてたからビックリしたw


今日は某所の再編集短編です。色々アレですが、ツッコミ禁止!



<主な登場人物E>

・建宮斎字……言わずと知れた天草の現場指揮官。名前だけの登場回数ならレギュラークラスの話題人。『なのよな』さん。
      年齢不詳。だけど神裂の小さい頃を知っている故、実はアラサーかもしれない。野母崎と牛深と一緒でいる事が多い。
      呼称は……教皇代理、建宮さん、クワガタ、スパイク=スピーゲル、大泉、馬鹿筆頭、等々。

      天草式十字凄教教皇代理。得物は180pを越える巨大な剣(フランベルジェ)。剣技だけでなく全ての戦闘技術が天才的。
      性格は見た目とは裏腹に実直。ふざける時はヘラヘラだが、真面目になると神裂もノーと言えなくなるくらいキレ者。
      天草の実戦(現場)と方針(老人達)の繋ぎも任されている為、実はかなりの苦労人。でもそれは表に出さない大人な人。
      香焼に対しては五和と浦上の問題児を押し付けてしまっているので、多少申し訳無いと思っている。
      とりあえず天草内を俯瞰出来る人。しつこい様だが『大人』代表。(以下追々付け足していきます)


では投下! どーぞ!
242 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/04(月) 23:58:20.53 ID:px3cmqt50
 ―――とある日、PM05:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・




珍しく居残り補習が無い平日。何でも先生方が臨時職員会議が入ったとか。
代わりにレポートとして『都市と宗教の必要性・不必要性』というテーマが出された。
面倒臭さ半分、自分に御誂え向けの課題だと余裕モード半分で帰りのバスに乗った。

窓から外を見ると一般学生達がワヤワヤと遊び歩いているのが見える。


香焼「……学生、かぁ」ハァ


自分の学校は放課後『遊び歩く』という行為自体が考えられない。
別に禁止されている訳では無いのだが、謂わばガリ勉校故、遊ぶくらいなら参考書の一つでも読み終えようという輩ばかりなのだ。

無論、自分はその様な純粋デスクマンではないので放課後遊べる時は遊ぶのだが……まず同級生と遊ぼうと思った事は無い。
彼らを遊びに誘っても『それ何てジョーク?』という顔をされるのが分かってるし、仮に誘えたとしても何処で遊べばいいのか考えつかない。
故にクラス内での同級生との会話はあくまで事務的なもの。暇潰しは読書か携帯弄り、教皇代理への潜入報告書きくらいになってしまう。


香焼「……普通の学校」ジー・・・


一応、都市に学徒潜入の任務で入る前は地元で普通の学校に在学していた。何処にでもある生徒数が少ない小・中学校。
天草の任務で欠席も多かったが、それでも今よりは賑やかで楽しかった。


香焼「皆元気かな……」ボソッ


妙に虚しい。ホームシックという奴かもしれない。
さておき、数分バスに揺られたところでマンションに着く。


香焼「……今日は無いな」ムゥ・・・


都市製の新型ビックスクーターが無い。五和と浦上は来てないのだろう。


香焼「……飯、自分で作んなきゃ」ポリポリ・・・


少しでもちょっと寂しいと考えてしまった自分が怨めしかった。
ブレザーのネクタイを緩め、エレベーターの7階ボタンを押す。
都市製のエレベーターは静かで早いなぁ、と如何でも良い事を考え、開いたドアを降り一番奥の部屋へ。


香焼「……あれ?」キョトン・・・


鍵が開いてる。やはり来てたのか?
243 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/04(月) 23:59:54.37 ID:px3cmqt50
香焼「……ただいま」ガチャッ・・・


ブーツが1組。これは……


香焼「……え」ピタッ・・・


女教皇様!?

いや、まさかあの女教皇様が馬鹿1号(五和)みたいな泥棒の真似事する訳が無い。
第一此処の鍵は馬鹿1号がピッキングで開けてるだけであって、普通は開けられないのだ。

兎にも角にも急いで居間に向かい確認を取る。


香焼「……いないっすね」ポカーン・・・

ぬこ「にゃーん」テクテク・・・

香焼「あ、うん。ただいま」ナデナデ


ヤツらが居ればテーブルの上が菓子塗れ、床に制服が脱ぎっ放しになっている筈。
そうなっていないという事は二人は来てないのだろう。
変な勘繰りをしてしまったなとソファに学生鞄を置こうとした瞬間……あるモノに気付いた。

服。

左右非対称にカットされたオーダーメイドのジーンズにジャケット。


香焼「……」タラー・・・


まさか……と冷や汗を掻いた刹那―――



 ガチャッ・・・・・



―――居間の扉が開いた。恐る恐る振り向くと、そこには……


神裂「……」ピタッ・・・


バスタオルを肩に掛け、パンツ1枚の……女教皇様。てか灰色のレディーストランクスって……


香焼「……」チーン・・・

神裂「……」ダラダラ・・・


暫し、無言。


香焼「……あ、の」ギギギ・・・

神裂「えっと……」ギギギ・・・


何も言わずガチャリと居間から出て行く女教皇様。
244 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:01:52.75 ID:9JvsjrAn0
神裂「こ、こここ、こ、ここ、こ、香焼っ。は、早かったですねっ」カアアァ・・・///

香焼「ほ、補習が! 無かったんすよっ」カアアァ・・・///

神裂「そ、そうですかっ! と、とりあえず……服、此方に渡して貰えますか!?」アタフタ・・・///

香焼「りょ、了解っす!!」ワタワタ・・・///

ぬこ「なぅ」ジー・・・


シャワーの音が聞こえなかったが、バスルームに居たのか。
互いに真っ赤になりながら、扉越しに服を受け渡しする。そして自分はそそくさとベランダに逃げ、女教皇様が着替え終わるのを待った。

一寸後……


神裂「こほんっ……失礼しました。中に戻ってきて構いませんよ」ン・・・///

香焼「う、え、はい」コクッ・・・///


いそいそと室内に戻る。髪を下ろしたままの女教皇様が座布団の上に正座なさっていた。
自分は無言で台所へ向かい飲み物を出す準備をする。とりあえずこの雰囲気をブチ壊したい。
緑茶を二つお盆に乗せ、女教皇様にお出しした。


神裂「き、気を使って貰わなくても良いのですよ」コホンッ

香焼「い、いえ……その、自分が喉乾いたので女教皇様にもと」アハハ・・・

神裂「そうですか、なら頂きましょう……うん」コクコク


しかし互いに湯呑を持たない。リアルに気拙い……これが土御門のいう『義姉妹ドッキリ現象』か。
といっても馬鹿1号2号じゃドッキリした事はない。真面目なV3、じゃなくって女教皇様だから故だろう。

さておき……何か話さねば。


香焼「そ、そういえば、何故自分の家に? あと鍵は閉まっていた筈っすけど」ポリポリ・・・

神裂「あ、ええ……来る時は五和と一緒でした」コクッ

香焼「五和と? 自分の家に来るなんて聞いて無いっすよ?」ヘ?

神裂「待ち合わせは別の場所だったのですがお茶でも飲もうと言う事で、此処に……」


相変わらず人ん家を我が家と勘違いしている馬鹿だ。


神裂「私も注意したのですが……『香焼(此処)は自分の家だと思って下さいね』と満面の笑みで訴えられたので……すいません」ペコッ

香焼「……いえ、女教皇様なら仕方ありません」ハァ


アイツが全て悪い。
とりあえず奴が鍵を開けて、女教皇様置き去りにしてどっか消えたという訳か。


神裂「浦上を迎えに行くと言って降りて行きましたよ」

香焼「また来んのか……」ハァ・・・


多分バイクで此方に向かっている最中だろう。


香焼「えっと、じゃあ、その……何故……お風呂に?」

神裂「その、道に迷……じゃなくて少々散歩をしていた際、能力制御が不完全な水力使いの小学生に水を掛けられてしまいまして」アハハ・・・

香焼「……」ジトー・・・

神裂「な、何ですか、その目は」コホンッ


また道に迷ったのか……今度携帯買い替えに行きましょう。迷子捜査機能付きの。
245 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:05:08.78 ID:9JvsjrAn0
神裂「と、兎に角此処でお風呂もどうぞと言われました。五和の言葉に乗ったのです!」ムゥ・・・///

香焼「ええ、まぁそーですか」ハァ・・・


テメェの家貸してやれよと溜息をつかざるを得ない。


香焼「アイツん家(アパート)も結構立派な筈なんすけどね」マッタク・・・

神裂「そういえば招待された事無いですね」フム

香焼「自分も一度しか入った事無いっすよ」


第7学区の『学舎の園』内にあるアパートだ。
潜入任務で入った時のセーフハウス代わりに使った記憶が有る。


香焼「意外に普通のアパートっすよ。汚く散らかってる訳でも無く、閑散としている訳でも無く」

神裂「ふむ。しかし『集まるなら断然コウちゃんの家が良い!』と言っていましたよ。浦上や他の教徒も皆」

香焼「……それはまぁ若衆の中では一番高いっすからね。アパートじゃなくマンションだし」ポリポリ・・・


3LDKベランダ付き、更には最新電気機器完備。防寒防熱防音、更には防弾まで。
正直、庶民の自分が一人暮らしするには勿体無いレベルである。

ただし此処に住むには条件があった。
理事会直属の付属中学『▲▲▲学院』。所謂、統括理事・官僚養成校の生徒でなければ部屋を購入出来ないのである。
つまり『理事の卵』故に格安でこのマンションを買えた訳であり、一般の学生では購入できないのだ。


香焼「勿論、購入費は天草本部と英国持ちっすよ。格安って言っても自分じゃ到底換える値段じゃないっす」


つまり、天草式や必要悪の教会のメンバーがこの部屋を使っても文句は言えないのだ。
……ただし家主は自分。あの馬鹿共ではない。そこん所重要。


神裂「えっと……そこまで目を通していませんでしたが、此処は幾らで?」

香焼「本来なら女教皇様の年収くらい。ただし割安で五和の年収5年分、浦上と自分の年収4年分っす」

神裂「……よく老人達が首を縦に振りましたね」タラー・・・


確かにデスク組というのは現場が無駄出費を出すのを嫌う傾向がある。しかし、此処の場合訳有りだった。
246 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:07:59.15 ID:9JvsjrAn0
香焼「逆を言えば学生の入学条件の一つに、理事指定のマンションまたはアパートってのがあるんすよ」

神裂「むぅ……寮は?」

香焼「理事関係者の御子息しか預けられないっす。何か不平等っすよね」ハァ


金を持っている理事関係者の息子達が安い寮に入れて、一般から伸し上がってきた連中を高い宿に押し込める。
誰がどう見ても身内贔屓の汚いやり口だ。


神裂「それでは……勉学や成績の方も贔屓は有るのですか?」

香焼「いえ。そっちは実力主義っす。中には親の七光りみたいな奴もいるっすけど……実力有る者はちゃんと認められるっすよ」

神裂「貴方自身は如何です? 勉強について行けてますか?」

香焼「慣れるまでは大変だったっすけど、今はそれなりに。自分の為にも頑張って学べるものは学ぶつもりっすよ」


ただ周りの学徒に比べて自分一人がかなりの経費を払って貰っているのが、申し訳無い気がする。


神裂「必要経費、ね。私は天草経理部の決めた予決算に最終印を押すだけでしたから何とも」ウーン・・・

香焼「そこの上層部事情は自分よりも女教皇様の方が詳しいのでは?」ジー・・・

神裂「まぁ……一人は理事学校に近い者が欲しかったですからね」コクッ・・・


分からんでも無いが……まさか自分がなるとは思わなかった。


神裂「本来は五和と浦上を押してたのですけどね……彼女らの言い分もありましたから」ポリポリ・・・

香焼「……」ピクッ・・・


言い分?


神裂「確かに女性である二人に理事校は色々と問題が有るかと思いま――」

香焼「まだ、そんな事言ってんすか?」ジトー・・・

神裂「――……はい?」ポカーン・・・


御人好しというか、素直すぎるというか……この方は将来詐欺に引っ掛るタイプだろう。


香焼「……今だから言えるっすけど女教皇様、あの二人に甘過ぎっす」ジトー・・・

神裂「そ、そうでしょうか……別段、他の教徒と変わりなく接しているつもりなのですが」ウーン・・・


そういう問題では無い。言葉を変えればあの二人に『騙され過ぎ』なのだ。
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 00:13:10.37 ID:rwKVfcDDO
裸ねーちん×制服こーやぎの義姉弟禁断愛と聞いて!
248 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:14:20.20 ID:9JvsjrAn0
自分は意を決して、あの二人の過去の暴挙を話す事にした。


香焼「あれは学徒の潜入先振り分けの時っす。先程仰った通り、女教皇様はあの二人を理事校に推してたっすよね」

神裂「ええ。最初は中学生になったばかりの香焼ではキツいかなと思いまして」

香焼「その時、アイツら最もらしい事言って逃げたの覚えてるっすか?」

神裂「逃げ……え?」


まぁ、このお方は基本御人好しだから気付かないのも無理は無い。自分はあの時の事を振り返り、詳細を教えた……―――



  <回想>



建宮「―――……という訳で、潜入任務だ。遊びで学生やらせるんじゃないのよ。いいか?」キッ

天草若手陣『はい』

建宮「あと、間違っても能力開発カリキュラム受けるなよ。身体検査(システムスキャン)もだ!」

対馬「じゃあ、女教皇様から振り分け先を発表して頂きます……女教皇様、どうぞ」

神裂「はい。ではまず……―――」


割と締まった雰囲気で始まった振り分け。数名の若手がダミーIDを配布され、都市の学生となる。
自分は最初、第7学区の柵川(さくがわ)中学という所に振り分けられ、土御門の近くにアパートを借りる筈だった。


神裂「―――……では最後に、五和と浦上」

五和「……はい。 (お願い! 上条さんと同じ高校!)」ドキッ

浦上「はい。 (無理だって……人選、女教皇様もやってんだよ? 建宮さん応援してるからって、ねぇ)」ハァ・・・

神裂「貴女達には、第1学区の『▲▲▲』学院へ潜入ってもらいます」

五和・浦上「「……はい?」」ポカーン・・・


二人とも固まっていた。無理も無い……能力開発関係抜きで言えば都市の中でも、最高級に難しい学校だ。


建宮「オマエら、栄転なのよな」ニシシ!

五和「ちょ……ぐっ。 (謀りましたね、建宮さん!)」グヌヌ・・・

浦上「え、ええっと…… (そりゃ無いってばぁ……)」ウウゥン・・・


確かに、栄転だ。一番ハードルの高い所に廻されるのだから。

勉強は辛いといえ、理事養成学校に居れば普段のコネクションには困らないし、『色々』と知る(アクセス)権利も増えてくる。
加え、何より女性であれば、理事坊ちゃん等の御曹司達と玉の輿を狙えたりする学校でもある。

しかし、二人は不服だった。


五和(第7学区ですらないとは……上条さん……)

浦上(ちょ、折角の学園都市なのに勉強と御偉いさん方との接見に拘束?! 冗談止めてよ!)

神裂「二人とも?」ハテ・・・


この時、二人と付き合いの長い自分には分かった。コイツら悪い事考えてる、と。
249 :>>247・・・落ち着け。服を着ろ。 [saga]:2011/04/05(火) 00:18:13.43 ID:9JvsjrAn0
案の定その勘は当たってしまった。
しかも自分に火の子が振り掛かってしまうとは……流石に予想外だ。


五和「ぐっ……ぷ、女教皇様! (チッ……ウラ。やるよ!)」チラッ

浦上「教皇代理も、お話があります! (OK、お姉! 把握した!)」チラッ

神裂「はい。何でしょう」

建宮「……言ってみ。 (ほぅ……如何逃げるか、御手並み拝見なのよな)」ククク・・・

五和「私達が理事養成学校に選出された事、非常に嬉しく思うと共に、とても名誉有る事だと受け止めます」キリッ

浦上「選んで下さった方々には心から感謝します。実家の家族にも自慢できる程でしょう」ニコッ

神裂「いえ。貴女達にはそれをやってのける力があると考え、選ばせて貰いました。自信を持って下さい」ニコッ

建宮「……ふむふむ」ニヤッ


ああコイツら、心にも無い事を言ってるな。
  

五和「しかし……残念ながら、不安があります」シュン・・・

神裂「不安、ですか? ええ、まぁ最初はそうでしょう。でも貴女達だけではないのですよ」

浦上「いえ、並の不安なら乗り越えられたでしょう……しかし此度のケースは解決出来ないのです」

神裂「と言うと?」フム?


すると、この馬鹿共はトンデモ無い事を宣うた。


五和・浦上「「性別です」」キッパリ!

神裂「……はぇ?」ポカーン・・・

建宮「如何いう事だ。(芸術的『屁理屈』なら助け舟を出してやるのよな)」フフッ・・・

五和「はい。では僭越ながら……『▲▲▲』学院といえば、理事養成学校」コホン

浦上「理事養成学校といえば、官僚予備軍更には次代の学園都市統括理事会を育てる学校です」


まぁ、子供でも分かる話だ。


五和「無論、私達はそこでやっていける程の自信はありますし、付いていける様努力もするつもりです」

浦上「ですが……どうしても、越えられない事があるのです……」シュン・・・

神裂「それが、性別ですか?」

五和「はい。聞いた話によると、彼(か)の学校は教師・生徒・事務員……殆どの在校人員のが男性との事」

浦上「女性は二割居るかどうか、だそうです」

神裂「ふむ……確かに心細いかもしれませんが、性差別をするような学校でもないでしょう」

建宮「男女参画平等自由(ジェンダーフリー)は学園都市の売りの一つよな」


実際に都市のトップ7――所謂、超能力者(レベル5)――の中に、女性は3人もいる。
努力すれば誰でも報われる……というのは大袈裟だが、立ち廻り次第では上に登れるのが学園都市だろう。
250 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:20:50.32 ID:9JvsjrAn0
五和「はい。世界的にも女性キャリア進出の盛んな街だというのは分かっています……ですが……」シュン・・・

神裂「どうしました?」

浦上「正直、不安も宛ら……怖いのです」

神裂「怖い?」

五和「……あの学校、まず女性は嘗められるそうです」

建宮「うん。まぁ……エリート坊ちゃんが集まってる学校だからな。教師も何故か男根主義が多いのよ」


確かに官僚・政経学校なんて何処もそういうもんだ。何故か古今東西問わず、女性のエリート進出を嫌がる輩が多い。
悪習とも言うべきか、政治と力比べの場に女が出てくるなと仰る馬鹿(男)が殆どだ。

ただ、それでも負けじと頑張る女性が増えてきているのは、これまた事実。
現に学園都市では超能力者の例もあるし、理事でも親船最中理事――女性政治家――等活躍している人間はいなくもない。


神裂「うーん……それは、まぁ……」ムムム・・・

浦上「(おっし! もう一押しよ、姉者!) ……ええ。勿論、そんな逆境にも負けず頑張るつもりではいます」

五和「(畳み掛けるわよ! 妹者!) 親船理事は尊敬に当たる女性で、土御門も頼っていると聞きますしね。目標にしたいです」

浦上・五和「「でも……」」ウルウル・・・

神裂「ど、な、え……どうしました!?」アワワワ・・・


しかしコイツら役者だなぁと思う。ふと教皇代理、対馬さん達大人組の顔を見るが多分自分と同じ顔をしていた。総じて苦笑。
女教皇様は慌てているが……仕方ない。何だかんだで自分らと同年代(18歳)なんだもの。


五和・浦上「「……セクハラが」」ボソッ

神裂「っ……」ハッ・・・


大多数男性。しかも『政治』関係の学校……有るっちゃ、有る。権力馬鹿の横暴が。
女教皇様は非常に悩んでおられた。自身『教皇』という身ではありながらも、殻を外せば花盛りの少女。
二人の不安(※演技です)は理解できる。

ただ……冷静に考えれば、コイツら二人が坊ちゃんエリート及び変態教師共にセクハラ敢行を許す訳が無いと分かる筈なのだが。
女教皇様は甘くて、優しい方だった。

次第、二人は決定打を放つ。


五和「いえ……ごめんなさい。我儘が過ぎましたね。女教皇様……」ウウゥ・・・

浦上「いいんです……私達が礎(いしずえ)になれば、天草の為にも、英国の為にもなります」ウウゥ・・・

神裂「……貴女達」

五和「大丈夫です。きっと上手くやってみせます……御命令とあらば……っ……ぇっく……」ゴシゴシ・・・

浦上「私達の……犠牲(働き)……っ……ううぅ……無駄に、しないで……」ゴシゴシ・・・

神裂「っ……」グッ・・・

五和「彼を……っ……ぇぅ……上条さんを、お願いします……ね…… (フフフ、決まったな)」グシグシ・・・ニコッ・・・


うわっ。エグッ……女教皇様胸押さえてるよ。
251 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:24:59.22 ID:9JvsjrAn0
浦上「っ! 女教皇様……お願い。やっぱり、五和を別の学校に……私は如何なってもいいから! フェアじゃないです!」ガッ!

五和「駄目よ浦上……いいの。貴女一人を置いてはいけない……大丈夫、女教皇様は素晴らしい方だもの……っ……きっと、彼を……」ウルウル・・・

浦和「ッ……五和姉さん! 穢れるのは私だけで十分。想い人がいる貴女は……駄目だよ…… (はーい。更に駄目押し!)」ギュッ・・・

五和「ああ、浦上……堕ちるなら、黄泉まで一緒よ。 (さぁ、変更しろ! 上条さんの学校に!)」ギュッ・・・

浦上「あ、あああぁ……姉さんッ…… (私は学舎の園辺りがいいなぁ……何でも揃ってるし!)」ポロポロ・・・

神裂「あ……っ」ウルッ・・・


はい、私は心の中で盛大な拍手を送りました。どっかの劇団入れよ、オマエら。
結局、それで以て、女教皇様は折れた訳で……
  

神裂「っ……建宮……ちょっと」テクテク・・・

建宮「あー、はい…… (最後ちょっと臭かったが……まぁ及第点よな。変えてやろう)」チラッ


女教皇様と教皇代理(トップツー)は早足で物陰へ移動して行った。
女教皇様が一人の乙女となってしまった以上、最早権限は教皇代理に移されたといっても過言じゃないだろう。
因みに後から教皇代理に聞いたが、女教皇様ボロ泣きだったらしい。馬鹿の所為で……可哀そうに。

その間、例の馬鹿二人はというと……


五和「ふぅ……まずまずよね」ニコッ

浦上「イエ〜イ♪ いやぁ堪んないですヨ。折角の学生なのにサァ」ウフフ


ルンルンとハイタッチなんかしてやがる。呆れてモノも言えない。
ただし大人組兼女性陣を代表して対馬さんが二人に近寄り、説教開始。ざまぁ。


対馬「ったく……女教皇様(あの人)の性格知ってるでしょ? 堅物相手に、どうしてそういう事するかなぁ」ンモー

五和「あはは……すいません」ペコッ

浦上「でも対馬さんだって行きたくないでしょ? もし理事秘書で任務入れって言われたら如何します?」

対馬「私は行くけど」サラッ

五和・浦上「「うわぁ……」」ジトー・・・


ポカッと良い音、ゲンコツ2発。


対馬「ホント、いい加減しなさいっての……まぁ若いアンタらの気持ちは分かる。黙っといてやるけど、次は無いわよ」ギロッ

五和「痛ぅ……はい」

浦上「酷いナァもう……」


数分後、凛々しい顔をしたトップツーが戻ってきて、結論を述べた。
何時の間にか、また演技モードに入ってる馬鹿共。互いの手を握りながら泣き真似までしてる。いい加減、オーバーだっつの。


建宮「二人とも、配属校変更だ……女教皇様お願いします。 (感謝しろよ)」チラッ

五和・浦上「「え…… (イィヨッシャアアアァっ!!)」」フッ・・・


アイツらの心の声が聞こえる。女教皇様が可哀想でならない。


神裂「まず五和、浦上……すいませんでしたッ」ペコッ! フカブカー・・・


……あちゃー。
252 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:28:42.95 ID:9JvsjrAn0
馬鹿二人も流石に不味いと思ったらしく、顔を曇らせていた。


建宮「(まったく……この人の美徳であり、欠点なのよな……) ……女教皇様。配属校を」サッ

神裂「ええ、そうですね……二人には第7学区の『学舎の園』に入って貰います」ニコッ・・・

浦上「ほ、本当ですか!? (うっひゃー……何か悪いナァ)」パアァ・・・

五和「別名、『お嬢様の街』…… (まぁ文句は言えないかぁ。ベストじゃないけど、ベターだね)」フゥ・・・

神裂「観察対象としては極めて重要なポイントです。学校名は追って連絡します。何分、急遽の事でしたから……すいません」ペコッ

五和・浦上「「いえいえ」」フルフル


女教皇様、ホントもう謝んなくていいから。終いにソイツら図に乗ります。
さておき、世の中良い事がある人もいれば悪い事が振り掛かって来る人もいる訳で……地獄がやって来た。


建宮「ああ、そうそう……それで申し訳無いんだが『▲▲▲』学院は如何しても押さえておきたいポイントなのよな」

神裂「しかし、二人……他の女性達も振り分ける事は出来ません」

建宮「そこで、だ……」チラッ


まさか……今、自分と、目が合ったか?


建宮「ほれ。コッチ、来い」クイクイ・・・

香焼「……」キョロキョロ・・・

五和「香焼ー。後ろ誰もいないよー」シレット

浦上「手招きしてるの香焼だってば」シレット


……嘘だろ。


神裂「香焼」

香焼「はいぃっ!!?」ドキッ・・・

神裂「話し合いの結果、貴方に『▲▲▲』学院へ行って貰いたいという事になりました」トンッ


耳が痒い。幻聴が聞こえる。


神裂「学力的に貴方があの二人の次に高いという点と、今までの活躍を評価させてもらいました」

建宮「高校生より、中学入り立ての方が連中らに怪しまれないという点も有る。適任なのよね香焼」ニカッ

香焼「ッッッ……〜〜〜 (おかしいっすよ建宮さあああぁぁんっ!!)」チラッ!!


ダハハ悪い、といった顔のクワガタ。


神裂「厳しいのは分かりますが、何卒、お願いできないでしょうか?」

建宮「勿論バックアップはしっかりするし、給金休与も増やすのよね」ニヤッ

香焼「ぐっ……」ギリリ・・・


暫時、精一杯何か良い言い訳は無いか考えたが……畜生。浮かばない。
253 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:32:05.34 ID:9JvsjrAn0
それどころか究極過虐馬鹿二人がコールド点叩きこんできやがった!


五和「あ、香焼なら安心して跡釜任せられます!」キリッ

浦上「彼、努力家ですし負けん気の強い子ですカラ」ニコッ

香焼「ッ?!?!?! (ザッケンナアアアアァッ!! 誰の所為だと思ってやがんだ、オイっ!)」ギロッ?!

神裂「香焼、どうかお願いできませんか?」ペコッ、フカブカァ・・・

香焼「うっ……」タラー・・・

建宮「……香焼《※下の名前》。男だろ? ……これ以上言わせるな、命令だ。 (悪ぃな)」キッ


あぁ、非情かな……もう何も言えない。自分はただ『イエス』と頭を項垂れるしかなかった。


浦上「キャリアが増えるよ!!」ニコッ!  ゜☆。.:*:・ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ。.:*:・”★'  五和「やったねこうちゃん!」ニコッ!


香焼「」ビキビキビキビキッ・・・・#・ω・)……チョット…コッチコイ、テメェラ。


五和・浦上「「真顔怖っ……」」ウッ・・・


グイッと首根っこ取っ捕まえて連行。


五和「いやぁ!! 暴力はんたーいっ!!」キャー

浦上「弟にー犯されちゃうよーっ!!」キャー

香焼「イッペンマジ黙れオイ」テクテク・・・グイッ・・・グイッ・・・

五和・浦上「「ぐえっ!!」」ギュッ・・・


この後、女教皇様に見つからないよう馬鹿姉二人をウォータールー駅下水溝(地下鉄)まで引き摺り、そこで我を忘れて盛大に喧嘩しました。
騒ぎを聞き付けて止めに来てくれたステイル、カルトッ娘達にはマジで感謝してます。はい。



<回想終了>



香焼「以上っす」ハァ・・・

神裂「」チーン・・・

ぬこ「みー」ペチペチ


フリーズする女教皇様のウェーブの掛ったロングヘアをパンチする子猫。やめたげなさい。
254 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:34:07.15 ID:9JvsjrAn0
 ―――とある日、PM06:10、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・




学徒潜入振り分けの事実を話し、自分は温くなった緑茶で一息ついた。
まったく思い出しただけでも髪が白くなりそうな話だ。

一方、女教皇様は・・・・・・


神裂「・・・・・・香焼」プルプル・・・


昔流行ったCMのチワワみたいに震えていた。


神裂「もう、何と言っていいか・・・・・・ごめんなさい!!」ガバァッ!

香焼「えええぇっ!? い、いや、振り分けに関してはもう大丈夫っすよ。大分前の事っすから」アタフタ・・・

神裂「今更変えてあげることも出来ません・・・・・・こんな愚かな教皇を許してください」ウルウル・・・

香焼「え、えっと、許すも何も女教皇様の所為じゃないっすから・・・・・・」アハハ・・・


困った。このお姉さん、度し難い堅物だ。


香焼「さ、さっきも言いましたが、あの学校に入ったお陰で実際自分の力は付いてるっす」

神裂「・・・・・・」ウルウル・・・

香焼「俗ながら給金と休与の数も増やして頂いています。その件に関してはもう文句ありませんから」ニコッ

神裂「・・・・・・そう言って貰えると、助かります」ペコリ・・・

香焼「ええっと、だから頭を・・・・・・」ウウゥン・・・


誰かに見られたら、面子が立たない。


香焼「ああ、えっと……」ポリポリ・・・

神裂「……」ズーン・・・


何か話題を!


香焼「た、建宮さんがそこの所は上手く調整してくれています。対馬さんや諫早さんも学徒が不自由ない様してくれていますし」アハハ・・・

神裂「……私は任せっきりですね……駄目駄目です」シュン・・・

香焼「い、いえ! 女教皇様有りきの天草っす! そんなに落ち込まないで!」アタフタ・・・

神裂「思えばローラの提案で若衆を学園都市に潜入させたのも、後先考えずのプラン……私の思案では無い……」ハァ・・・


しつこい様だが再確認すると……
天草の若手数名は偽戸籍(ダミーID)で学園都市の学校・生徒の中へ紛れ込んでいる。
コレは英国清教の命であり、また、アレイスター(あちら)側の意向でもあった。

表向き――無論、一般的には裏である――英国側としては学園都市の動向を探るスパイ。
しかし、裏向きには――若手(彼ら)には悪いと思っている――……アレイスター監視下に人質を置くという意もある。
勘の良い数名(自分や五和、浦上)なんかはその思惑に気付いているが、敢えてその策に乗っているのである。


神裂「代わってあげたいのは山々なのですが……」ムゥ・・・


女教皇様の女子高生服姿……想像できない。
じゃなくて『神裂火織』の立場上、その様な下仕事は任せられないだろう。
255 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:39:37.23 ID:9JvsjrAn0
香焼「潜入任務といっても、普通の学生生活の合間に写真や手描きでの旗取り・嘗帳作成(地図更新)がメインっす」

神裂「……ふむ、天草の十八番ですね」コクッ・・・


何とかネガティブモードから抜け出してきた。

因みに他は天草独自の移動ルートを地下や屋上に建てたり、自分達以外の魔術結社が潜入してないか捜査する事など。
偶に御遣いで要人と接触したり用心棒を任されたりもするが、基本は極普通の学生を演じる事がメインである。
その中で五和は若衆筆頭として纏め役の責務を担っている。しかし奴の忙しそうな場面を見た事が無い。


神裂「他の学徒達の様子は如何いった感じでしょう? 報告書だけでは何とも現状把握が出来ませんので」

香焼「他の連中っすか? えっと……」


大分ややこしい話だが、天草若手陣には大きく分けて二つの任務がある。
一つは先程から述べている学徒潜入任務。もう一つは天草本隊が行う全体任務だ。優先度は勿論、後者。
ただし、全体任務が無い時は一般学生――のフリをして――極力都市に居なくてはならない。


香焼「全員の詳細を知ってる訳じゃないっすけど……要領良くやってるみたいっすね」アハハ・・・

神裂「そう。なら良かった」ホッ

ぬこ「みゃぅ」コロコロ


……と言葉を濁したが、要は体の良いズルだ。
天草本隊や土御門、更には英国本国による『何かしら』の働き掛けで出席日数と点数操作を行ってもらえる。
賢い(狡い)若手なんかは学業そっちのけで『別の事』してたりするらしい。浦上なんかが良い例だ。

無論とんでもなく悪い事じゃないけど・・・・・・言った瞬間、女教皇様泣くと思う。


神裂「可能であれば……若い衆には暗い青春時代を送って貰いたくないですからね……」

香焼「……」ジー・・・


貴女にも……とは言えない。自分がそれを言うには矮小過ぎる。だがしかし。


香焼「……貴女も」ボソッ・・・

神裂「ん」

香焼「この家に居る内は……女教皇様じゃなく、家族(カオリ姉さん)っすよ」ニコッ・・・

神裂「……そうですね。ありがとう」ニコッ・・・


それは児戯にも等しい『おままごと』かもしれない。
だけど、それでも……自分にはこの人に対し『この程度』の日常提供しか出来ないのだ……―――
256 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:44:23.28 ID:9JvsjrAn0
 ―――とある日、PM06:20、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・




それから暫く二人きりで談笑していた。茶を啜ったり、話せる範囲で最近の出来事を話したり、愚痴を聞いたり。

まるで本当の姉弟の様だった。


神裂「―――……しかし、時が経つのは早いものですね。ちょっと前まで五和達の後を追いて回る赤子だったのに」クスッ

香焼「そ、そんな頃、覚えてないっすよ」ムゥ・・・///

神裂「まぁ私もあの頃は先代と修行ばかりでしたからね……」タラー・・・

香焼「先代って……」

神裂「ああ、私の前の教皇です」


この方の前の教皇様……見た記憶が無い。


神裂「ふふふ、香焼の産婆役をして頂いた方ですよ」クスッ

香焼「そ、そうなんすか!?」ヘェ!

神裂「多分、私達若い衆の殆どはあの方の手で産湯に浸けられてます」

ぬこ「にゃー」ペタペタ


何者なんだ。先代の天草教皇。


神裂「うーん、優しいっちゃ優しいのですが……色々……」ハァ・・・

香焼「色々?」

神裂「発想が狂ってるんです。私は巫女じゃねぇ! って言ったのに……神降ろしの修行させられたり……」タラー・・・

香焼「神降ろしって、神道の交霊術(ネクロマンス)っすか?」

神裂「読んで字の如く『神』を身に『降ろす』術です……禁術に決まっているでしょうに。無理矢理修行させやがって……」プルプル・・・


信じられない。天使を降ろすだけでも禁忌なのに、その上の神を降ろすなんて……アカシックコードに触れるんじゃないのか。


神裂「それは基督教圏のルールです。日本ならではのルールで収めようとしました」

香焼「日本の……それで結果は?」

神裂「……無残で」ハァ・・・


逆に『神』に身体のコントロールを奪われそうになって、悲惨な目にあったらしい。


神裂「聖人としての力をコントロール出来ていなかったのは確かですが、それを神降ろしでカバーしようって発想が阿呆なんですよ」モー・・・

香焼「あはは……因みにドチラの神様を降ろそうとしたんすか?」

神裂「建御雷之命(タケミカズチノミコト)です」


成程。天津の武神か。


香焼「十束剣……御せれば天使クラスどころかギリシャの神々とも対等に戦えるっすね」アハハ

神裂「御伽噺に聞こえるかもしれませんが、実際試して散々だったのです。二度とやりませんって」ハァ・・・


まぁ天草式は神道の流れも汲んでるとはいえ、純粋なモノではない。確かに無謀だったのだろう。
257 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:46:35.96 ID:9JvsjrAn0
神裂「……まぁこの話をしっかり覚えているのは諫早くらいでしょう」

香焼「へぇ。諫早さんかぁ」


現場組では最年長。本来は天草本部のデスクに居てもおかしくないのだが……代理補佐として残っている。


神裂「今は丸くなっていますが、昔はおっかなかったのですよ」フフッ

香焼「想像つかないっすね。いつも柔和っすけど」

神裂「とりあえず建宮、牛深、野母崎、対馬は頭が上がらない筈です。かなり絞られてましたから」クスッ


そういえば諫早に対してデカい顔をしている4人を見た事が無い。
年功の差も有るかもしれないが、建宮さんが一教徒に対して図々しくしてないのはあの人だけだ。


神裂「任務中となれば別ですが、普段は教育係だった諫早の印象が残っているのでしょう」

香焼「へぇ……今度本人に聞いてみるっす」

神裂「きっと苦笑しながら答えてくれますよ」クスッ

ぬこ「なー」テクテク・・・


自分達もこういう風に歳を重ねて行くのかもしれない。それが素敵な思い出になればいいのだが……


神裂「きっと大丈夫ですよ。根拠はありませんが……そんな気はします」ニコッ

香焼「はい……」クスッ


一人の英雄の御蔭、かな。


神裂「む、むぅ……それを言われると……」ポリポリ・・・

香焼「ふふっ、照れなくてもいいっすよ。こればかりは姉さんや五和に限った話じゃないっすからね」ニヤッ

神裂「な、生意気です」ジトー・・・

香焼「へへへ。別に上条さんの事聞きたい訳じゃないっすよー」クスクス

神裂「……えいっ」ピンッ!

香焼「あ痛っ」コツンッ

ぬこ「にゃー」ペチペチ


軽く赤面する乙女様に小突かれてしまった。


神裂「わ、私の事などはいいのです。香焼こそ、如何なのですか」ムゥ・・・

香焼「それは聞かない約束っすよー……」ポリポリ・・・

神裂「以前は馬鹿にしたから怒ったのでしょう。その点については申し訳ないと反省していますが……これは純粋な興味ですよ」コクッ

香焼「純粋なって……」ハァ

神裂「思い人、いえ気になる女子でもいいです。いないのですか? お姉さんに話してみなさい」ニコッ


片肘をついて楽しそうに微笑む姉上様。
258 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:49:17.48 ID:9JvsjrAn0
神裂「五和と浦上は居ませんから茶化される心配もありませんよ。それとも私も茶化すと?」ジー・・・


そんな事は……無いとは言い切れないけど、まぁ少しくらい話に乗ってやろう。


香焼「自分はまだ中学一年っすよ。恋愛なんて早いんじゃないかなぁと」アハハ・・・

神裂「そう? 一般の男子なら気になる女子の一人や二人いるのではないのでは?」クスッ

香焼「気になる、かぁ……」ウーン・・・


そう言われても、思い浮かばない。


神裂「アニェーゼ達は如何なのですか? 英国でいつも一緒に居るでしょう」

香焼「彼女達は友達って感じが強いっすね。第一、自分の事男として見てないでしょう」ハハハ・・・


アンは唯一の男友達である自分に懐いてくれているという感じで、それでもまだぎこちなく勘繰り探りで接してきている。
サーシャは姉上様と同類で義理堅い故に、自分以外にもだが未だに一線引いて接してきているのが分かる。
アニーとレッサーに至っては自分の事をオモチャ扱いだ。

恋愛とかそういう関係にはならないだろう。


神裂「……」ジトー・・・

香焼「……え」キョトン・・・

神裂「それ、本気で言ってますか?」ジトー・・・

香焼「え、えっと……何故?」タラー・・・

神裂「……浮かばれませんね、あの子達も」ハァ

香焼「はい?」ポカーン・・・


呆れ顔で溜息をつく姉上様。どうしてだ?


神裂「……私が教えては意味が有りません。自分で考えなさい」ジトー・・・

香焼「え、あ、まぁ……はい」キョトーン・・・

神裂「やれやれ……土御門のいう『病気』も強ち嘘ではないのかもしれませんね」ハァ

香焼「むぅ……貴女までそれ言いますか?」ジトー・・・


『カミやん病』……Dr.ツッチーが提唱した謎の病。治療法はまだ見つかっていない。
というかこの病気自体胡散臭い。


神裂「まぁいいです。では都市の方では如何ですか?」

香焼「学園都市っすか? うーん……」ポリポリ・・・

神裂「最近友人が出来たとかステイルが言っていたでしょう。あと結標さんも……友人? かどうかはアレですが」

香焼「淡希さんはお姉さんって感じっすね。カオリ姉さんに似た感じっす」コクッ


自分を可愛がってくれるところも何処か抜けているところも、この姉上に似ている。


神裂「そうですか。彼女が……では公園で会ったという友人は? そういえば名前を知りませんね」

香焼「えっと……」


五和と浦上いないから教えてもいいか。
259 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:53:49.58 ID:9JvsjrAn0
神裂「その子とは?」

香焼「うーん……偶に猫(コイツ)連れてって会うくらいっすよ」ナデナデ

ぬこ「みー」クシクシ


実際自分は最愛の詳細を知らない。
分かっているのは霧ヶ丘女学院出身で自分と同い年。希少能力(レアスキル)持ちの大能力者(レベル4)。
学校には行っておらず何か『仕事』とやらをしていて、親がいない『置き去り(チャイルドエラー)』の少女……という事くらいだ。

勿論詮索する気は無いが……多少は気になっている。


香焼「……うん。気になるっていったら最愛の素性くらいっすかね」コクッ

神裂「書庫(バンク)から調べられないのですか?」

香焼「あんまり褒められた行動じゃないっすよ。本人の口から聞くまでは詮索しないっす」

神裂「成程……(優し過ぎるというか、甘過ぎるというか)」

香焼「でも、話をする限りでは普通の女の子っすよ。ただ周りの環境が不安定なだけかもしれないっす」


会う回数を重ねるごとに大分砕けて話を出来るようになってきた。
先日、英国から帰って来て『ウォーカークッキー』のアソートと○ーターラビットの缶に入った紅茶を渡した際……

『わぁお! 超ぶりとんっ!! これで私も超いんぐらんど・レディですね!!』

……と馬鹿みたいにはしゃいでいた。ブリテンなのかイングランドなのか、流石社会に弱い子だ。素直にイギリスと使えば良いのに。


神裂「ふふっ、可愛い娘じゃないですか。英国淑女とは洒落ていますね」クスッ

香焼「そうっすね。面白い女の子っす」クスッ

神裂「しかし……そのような子であれば、貴方の他に友人がいてもおかしくないでしょうに」

香焼「それは……」ムゥ・・・


最愛は……独りだ。
『家族』の様な仲間はいるらしいのだが、その仲間達から一旦離れると独りぼっちになる。

それは多分、淡希さんも同じだ。
海原さんや土御門は最早『同業者』程度の仲。月詠さん以外に支えが居ない。


香焼「……この街は、存外複雑っすね」シュン・・・

神裂「香焼……」


自分に出来る事は、彼女達と友人でいる事くらいだ。


香焼「姉さん……女教皇様の教えを反故する訳ではないっすけど、その救いの手すらも自分の『驕り』な気もするっす」

神裂「……そんな事はありませんよ」

香焼「……」ピクッ


一転、凛々しい表情。


神裂「少なくとも貴方がそう悩んだ末、手を差し伸べているのであればそれは善行です。己の信念を貫けば良い」コクッ

香焼「でも……独善かもしれないっす」

神裂「それは他人が判断する事。偽善やら独善やらの言葉に怯えて行動出来なくなっては元も子もないでしょう」ニコッ

香焼「……そうっすね」クスッ・・・


逃げ口上、か。
260 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 00:57:42.11 ID:9JvsjrAn0
流石、一、教皇様。
本来の意味での説教という奴だろう。言葉が心に響いた。


香焼「やれるだけ……やってみるっす」ニコッ

神裂「ええ。頑張りなさい」ポンッ

香焼「ちょ、ぷ、女教皇様っ!?」ドキッ・・・///


何故か嬉しそうに自分の頭に手を乗せてくる姉上殿。恥ずかしい事この上ない。


神裂「ふふふ。良い子良い子」ニコニコッ

香焼「こ、子供扱いしないで下さいっ」アワワワ・・・///

神裂「まだまだ子供ですよ。せめて私を押し倒せるくらいにならないとね」クスクスッ        ※第5話参照。

香焼「あ、あれは、その……ごめんなさい」ムゥ・・・

神裂「ぷっ。じゃああの時の罰です。暫く叱咤の意を込めて頭を撫でます」ナデナデ

香焼「ば、馬鹿にしないで下さいって!」カアアァ・・・///

神裂「ははは。良いではないか良いではないか」ニコニコッ

ぬこ「みゃー」トコトコ


如何してこの人は変な所でお茶目なんだ……五和と浦上の悪い部分が遷ったのかもしれない。
さておき、そろそろ夕飯時だ。馬鹿共も来るかもしれない。


香焼「あ、そ、そろそろ夕飯準備するっす! 姉さんも食べて行くっすか?」ワトト・・・

神裂「ええ。あ、私が作りますよ。座っていて下さい」スタッ

香焼「そんな悪いっすよ」ポリポリ・・・

神裂「いいから、遠慮しないで。冷蔵庫のモノ勝手に使いますね」ガチャッ・・・


自分を無理矢理座らせ、台所へ向かう姉上様。
何故か常備してある女性用のエプロンを着け、冷蔵庫を漁り出した。


香焼「……あの馬鹿二人も、あのくらい御淑やかだったら良いのにな」ナデナデ

ぬこ「……なー」グシグシ・・・トコトコ


無理な話か。とりあえず座りっ放しも申し訳無いので、夕飯の準備を手伝う事にした。
子猫がやけにウロウロしだしたのが気になるが……まぁ偶にある事だ。放っておこう―――
261 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 01:00:35.50 ID:9JvsjrAn0
 ―――とある日、PM06:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)、ベランダ・・・・・




五和「……」ジー・・・

浦上「……お姉ぇ。寒いから入ろうヨ」ハァ・・・

五和「シャラプッ!」シッ!


ベランダに不審な影二つ。


五和「ぐぬぬぅ……コウちゃんめぇ。私達には向けない眩しいデレ顔こぼしまくりとは!」ンギギ!

浦上「いやぁ、普段が普段だからネ。仕方ないっしょ」アハハ

五和「ウラっ! アンタ悔しくないの!」ギロッ!

浦上「いや別に。てかお姉こそ、香焼に何求めてんのサ」ジー・・・

五和「ぐっ……求めてるって、そりゃまぁ……『僕、大きくなったら姉ちゃんの御嫁さんになってあげるね!』ってな昔のノリを」キラキラ・・・

浦上「それ『上条約違反』だヨネ。カオリ姉さまに言っていいカナ?」ジトー・・・        ※第3話参照。

五和「うわああっ! じょ、ジョークよ! ジョーク!」アタフタ・・・

浦上「やれやれ……」ハァ・・・


浦上を連れて戻ってきた五和は、何やら二人でキャッキャウフフムッキュンムッキュンしている姉弟が気に喰わないらしい。



五和「だってコウちゃん、カオリ姉さまに無抵抗で頭撫でられてるんだよ! 私がやったら手刀入れるくせに!」ムキー!

浦上「私は頭撫でる程度だったら出来るヨ。お姉はハグまで強要するからいけないんダヨ」ニコッ

五和「んにゃああぁ! ジェラスィイイイイイィッ!」ンガー!

浦上「その大胆さを上条さんに向ければ一歩リード出来るのに」ハァ

五和「出来る訳無いじゃないっ!! 恥ずかしさでベランダからダイブするわよ!」カアアァ・・・///


何だその差は。


浦上「まぁ香焼を男性扱いしてないのは分かる。でもねぇ……お姉のペットって訳じゃないんだし、もう少し接し方変えれば良いんダヨ」ピンッ

五和「というと?」フム?

浦上「誘惑するって訳じゃないけど、此方が妙に女性っぽくしてみるとか」

五和「ふむふむ……それからそれから」メモメモ

浦上「偶に冷たく当たってみたり、コロッとデレてみたり」

五和「ほむほむ……始めアニェーゼ、中サーシャ&アンジェレネ……最後は?」メモメモ・・・

浦上「レッサー(喰っちゃえ)」ニコッ

五和「わっほぉい……って、出来るかああああぁっ!!」ウガアアァッ!!


大概失礼な例えをする馬鹿1号2号。
262 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 01:03:30.15 ID:9JvsjrAn0
浦上「あ、料理始めた」ピタッ

五和「姉さまの裸エプロン……だと……」マジマジ・・・

浦上「いや、あり得ないでしょ……」タラー・・・

五和「でも見てみ。あの左側面部……生足と脇腹マジえっちぃ。あと右肩パネェっす!」ジー・・・ハァハァ

浦上「お姉……発想がオヤジ臭い」ジトー・・・

五和「あ! コウちゃんが手伝いに行った!! 姉さまの絹の様な肌にホイホイされたな!?」ギョッ!

浦上「本人聞いてなくて良かっネ。打ん殴られてますヨ」アハハ


因みに彼此15分くらいはベランダにいる。


五和「くっそぅ……明日が休みだったら、お泊まりで姉さまをモフモフしてるのにぃ……」ンギギ・・・

浦上「その言い方だと今香焼が姉さんモフモフしてるみたいだから止めようネ」タラー・・・

五和「『わっ! 躓いちゃったっす!』……『も、もう。香焼、何処に突っ込んでるんですか!』……『あわわ! ごめんなさい!』」ボソボソ

浦上「はいはい。黄色い救急車呼ぼうカ? ったく……てかそろそろマジで寒いヨゥ」ブルッ・・・

五和「ふむむ……しかし、如何入る? もう一回ベランダから下降りてエレベーターで玄関行く?」

浦上「えー。鋼糸(ワイヤー)で降りるのヤダよー……階段で登るのもヤー」ハァ・・・

五和「……じゃあ如何するのよー」ジトー・・・

浦上「んもー……仕方ないナァ」ヨット・・・


浦上は小さく『ニャゥ』と呟く。すると部屋の中に居た子猫が窓の方へトコトコ向かってきた。


五和「おお! 凄ぇ!」ビックリ!

浦上「まぁ見てなさいヨ……ホレホレ」プラプラ

ぬこ『なー』コツ・・・コツ・・・


サイドポニーを揺らす度、反応する子猫。そのまま内鍵の方へ移動する。


浦上「ほら、ジャンプっ」ポンッ

ぬこ『んにゃっ』カチッ!

浦上「よしっ! 成功ダネ!」ニコッ

五和「相変わらず動物の扱いは惚れぼれするわね……何かの術式じゃないんでしょ、それ」ホェー

浦上「にしし。内緒ナリー」ブイッ
263 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 01:04:49.80 ID:9JvsjrAn0
さて、ではこっそり侵入を―――



 ガララ・・・・・



五和・浦上「「……あ」」ピタッ・・・

香焼「……」ジー・・・

五和「え、えっと……」タラー・・・

浦上「……香焼くーん。こんばんわー」アハハ・・・

香焼「……」ジトー・・・

ぬこ「にゃーん」クルッ・・・テクテク



 ピシャッ!!



―――出来なかった。


神裂『香焼、何かあったのですか?』キョトン・・・

香焼『いえ、野良猫が2匹ベランダに紛れ込んでただけっすよ』ニコッ

神裂『ふむ。そうですか……あ、味噌を掬って下さい』

香焼『了解っす』ニコッ・・・


何事も無かったように料理に戻る弟様。


五和「うわーん! コウちゃん入れてよー!!」ドンドンドンッ!

浦上「はぁ……諦めて玄関から入るしかないっか」トボトボ・・・


神裂『ん? 何やらまだ騒がしい様ですが』ハテ?


五和「っ!! カオリお姉さまあああぁっ!! 此処開けてええぇっ!!」ドンドンドンドンッ!!


香焼『……さっきの野良猫がまだ居るみたいっすね。放っておきましょう。キリが無い』ニコッ・・・

神裂『むぅ……』ポリポリ・・・


やけに黒い香焼。これが日頃の恨みというヤツか。
264 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 01:07:20.64 ID:9JvsjrAn0
香焼『あ、魚そろそろっすね。あと五和と浦上の分、自分達で食べちゃいましょう……折角の鮎だけど』

神裂『え? 二人は来ないのですか?』キョトン・・・

香焼『はい! さっきメールが入ってました!』ニヤリッ・・・

神裂『そうですか……残念ですね。高価な鮎だったのに……』フム・・・

香焼『猫(ソイツ)にも分けてやりましょうか』ニコッ・・・

ぬこ『にゃーんっ』フリフリ


浦上「なん……だと……香焼っ!! それは流石に私も許さないゾーっ!!」ウガアアァッ!!

五和「し、仕方ないっ!! ウラ、急いで玄関向かうよ!」バッ!!


ベランダダイブっ!


浦上「あ、お姉っ!! 鋼糸忘れてる!!」アー・・・

五和「んぎゃあああああぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・ァゥ.」ガサガサガサ・・・スタッ・・・

浦上「おおぉ! ジャッキーみたい! 木の枝で逆上がり!!」8888!


因みに衝撃吸収術式と根性で耐えました。


浦上「じゃあ私は安全に鋼糸でっと……―――」


 ガララララ・・・・・


浦上「―――ほえっ!?」ビクッ!?

神裂「……浦上?」キョトン・・・

浦上「あ、あはははは。カオリ姉さん、こんばんわ……」タラー・・・

神裂「……何故ベランダに?」ジー・・・

浦上「えっと……エレベーターの点検作業と被ったみたいで……階段で来るより鋼糸使えば修行になるかと」アハハ・・・

神裂「ふむ……可笑しな娘ですね。して、今日は来れないのでは無かったのですか?」

浦上「アルェ? 変だなぁ……私はそんな連絡した覚えなかったんですけどー」ジトー・・・

神裂「え?」ポカーン・・・

香焼「チッ……五和だけっすよ。(携帯調べられたら負けだ……浦上の方が上手っすね)」ニコッ・・・


キレ者、建宮斎字の策士を濃く学んだ少女……浦上。
265 :第6話――神裂「偽善や独善で行動しないのは逃げ口上です」 [saga]:2011/04/05(火) 01:11:52.42 ID:9JvsjrAn0
神裂「そうなのですか」ジー・・・

浦上「ハイ、そうなのですヨ。お邪魔しまーすっ」スタスタ・・・

神裂「今度からキチンと玄関から入りなさいね」モゥ

浦上「ハイハイ! ……香焼っち。覚えてなさいヨ」ジトー・・・

香焼「日頃の仕返しっすよー……って、五和は?」ボソッ

浦上「お姉なら今来る……ほら来た」ピキリーンッ!!

神裂「ん?」チラッ



 ピンポーン・・・・・ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンッ!!



香焼「五月蠅えええぇっ!! 一回で通じるわ馬鹿女郎!!」ドタドタドタドタ! ガチャッ!


扉を開けるとそこには……●クシミラン大尉よろしく、野戦服の様な恰好の五和が佇んでいた。


五和「……」ズーン・・・

香焼「って……何で葉っぱまみれなのさ」ジトー・・・

五和「バカ……知らないっ!」フンッ!

香焼「え」ビクッ

神裂「おや、五和。お帰り。来れない筈では?」

五和「……う、うわあああぁんっ!! 姉さままで虐めるよおおおぉっ!!」ビエエエェンッ!!

神裂「ええぇっ!!?」アタフタ・・・


マンションの渡り廊下で泣き喚く大馬鹿女郎。


香焼「な、泣くなよ! とりあえず入れ! あとシャワー浴びろ!」アタフタ!

浦上「あーあ……この状態のお姉面倒臭いゾー」アハハ

五和「わあああぁん! コウちゃんのS(ショタ)っこ! 姉さまのおっぱいせいじーん!!」ビエー!!


それは悪口なのだろうか?
結局、五和の機嫌回復の為に気を使わされてしまった香焼と神裂であったとさ。


ぬこ「にゃーん、なう」オワリ!


何気ない、そんな日常の一コマ……―――
266 :突然ですが以下、>>1にかわりまして○キネの嫌がらせをお送りします! [saga]:2011/04/05(火) 01:16:38.44 ID:9JvsjrAn0
  <おまけっ!>      ―――???日、??時??分、場所不明・・・・・


(しゃらららららぁう〜〜〜っわ〜〜〜っ♪)



「ぷ、女教皇様……な、何のつもりっすか……」ドンッ・・・

『私くらい押し倒せないと……大人扱いしないと言いましたよね』クスッ・・・

「そ、それは力でという意味で……こういう意味では……おかしいっすよ!」ウ・・・

『じゃあ……逃げれば良いのでは? 力で逃げてみなさい』グイッ・・・

「くっ……だ、駄目っすよぅ……」ムゥ・・・



(えくすたしぃ〜〜〜ぃ〜〜〜♪)



『逃げないなら……こんな事しちゃいますから……あと「姉さん」と呼びなさい。貴方はいつも……他人行儀に』スッ・・・ギュッ

「ひぅっ!? ちゃ、待、う、嘘ですよね……女教皇様?!」ドキッ!?

『嘘ねぇ……頬でも抓ってみますか? それから「姉さん」は如何しました? 分からないようなら……此処を抓りましょう』キュッ・・・

「ッッ〜〜〜……や、め……れす……ぷり、ぇす……姉さ、ん……許、ひ……っっ、ぃ!」ピクッ・・・

『ふふふっ、良く言えました……女子の様な反応ですね……可愛いですよ、香焼……御褒美です』ナデナデ・・・フニッ・・・

「あ、ぅ……ッ〜〜〜〜ヤダ、よぅ……らめ、て……」ビクッ・・・ギュッ・・・



(↑えくすたしぃ〜・・・↓えくすたしぃ〜♪)



「おかし……上条、さんが……いるっす、ひぁっ!!」ピクンッ!!

『……お願い……今だけは……ねぇ』スゥ・・・

「ちょ……ッ……ぁ……」グググ・・・ズズッ

『ッッ……ふぅ……如何ですか? 感想は?』ニコッ・・・

「あ……ぁぁ……ゃ……〜〜〜ッッ」ギュッ・・・グジュッ・・・



(しゃ〜〜〜ら〜ら〜っえ〜〜〜くすたしぃ〜〜♪)







五和「……はっ!」パチッ!




 チュン・・・・チュン・・・・・




五和「……私の夢かよおおおぉっ!!」ンギャアアァ///








冷蔵庫『終われーぃ! 終われーぃ!』フヒヒwwサーセンwwww
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/04/05(火) 01:22:10.13 ID:LgphsmjP0
乙 今回もおもしろかった
268 :>>1 [saga]:2011/04/05(火) 01:41:49.10 ID:9JvsjrAn0
はい。終わった……お粗末。私事だけどやっと新約手に入れたよー。明日朝一で読むぞー!
さて、次回についてアンケート取ります。


@最愛とほのぼの。+(希望の誰か)

A英国でステイルの部屋荒し! (主にアニェーゼ&レッサー暴走)

B初春・佐天・春上の柵川中メンバー。もしかしたら木山てんてー。

Fスーパーカミカゼデンジャラスボンバークラッシュサイクロンジェットスーパーネオドリームスーパーすごいパーンチ。(要は削板)

◎その他、希望をどうぞ。


他にもネタ提供求みます! 今の所他には……
・あわきんと合同任務(任務内容未定) ・打ち止めによる兄属性開花(既存) ・垣根襲来!(カオス警報)
・まさかのショチトル(ネタのみ) ・上条美琴にからまれる(ネタのみ) ・ねーちんとお買い物(ネタのみ)
・青ピと吹寄(ネタのみ) ・理事繋がりで婚后嬢(ネタのみ) ・一方さんに怯える香焼(ネタのみ)       ……等々。


書きたいのは山々なんだが、時間が……

とりあえず今日はこんな所で! 感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントよろしく! それじゃあ、また次回! ノシ
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/05(火) 02:10:55.35 ID:0ClaPGTAO
乙!

香焼と柵川メンバーの絡みが見てみたいなぁ
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 02:39:07.63 ID:rwKVfcDDO
えくすたし〜〜ぃ〜√乙!

アンケ、@+Fってのは無理なの?

あと提案っていうか大分リトバスネタやっちゃってるんだし、バトルランキングスタイルで喧嘩しちゃえば?
それなら前みたいに物騒なことならないと思うしね。
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/05(火) 02:46:11.49 ID:jD7GmjPn0
乙!
アニェーゼアフターは前に読んだから、他のルートも
個人的にはアンジェレネとの初々しいほのぼの夫婦アフターが見たいです
エロを入れるかはお任せしますので
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/05(火) 10:37:44.22 ID:w81SO8ez0
ぜひAで!!!!

ステイル好きの私にとってここの>>1が書くステイルは大好物です。
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/05(火) 11:04:12.73 ID:39+TurTAO
@+麦野かな
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 12:10:10.81 ID:ls+aIQbIO
乙!
アンケは@+セイヴェルン姉妹とか
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/05(火) 13:40:10.45 ID:IEsvbi3ko
もうちょっと英国側が見たいからAで
あとはもっとフラグを立てて欲しい
でも香焼ってどっちかと言うとショタだから麦のんとか大人っぽいと弟属性で別のフラグが立つようなwwwwwwww
超電磁砲のメンバーだったらフラグ立つかも
あえて香焼目線から外して神裂と麦のんと固法さんの絡みを神裂目線で見たいなあと思ってみたり
276 :>>1 [sage]:2011/04/05(火) 19:28:34.51 ID:9JvsjrAn0
こんばんわ! 新約読んだぜぃ。何か……色々被った気がする、マスクとか。
此処じゃないけど、ごめんなさい。

レス返信!
>>269
多分、今回出すよー!

>>270
その手があったか! しかしこのSSだと恭介役がいないのよね……削板は出すよ!

>>271
それは私の親戚が書いてるSSの方ですよね。伝えておきます(笑)

>>272
ステイル丸過ぎってか、カミやん病末期症状だね。イメージ的には一週目の謙吾(オイw

>>273-274
アイテムは別枠で出す予定。あとセイヴェルン妹はまだ出せないかな。
しかし……海鳥ちゃんといいフレメアちゃんといい、良い少女キャラだ。個人的にフレメアは那由他・打ち止めと絡ませたい!

>>275
今回は最愛ルートで。ステイルルートは次回必ずやります。ねーちん編は書きやすいんだが……五和・浦上を誰と絡ませるかで悩んでます。



<主な登場人物F>

・削板軍覇……お馴染、愛すべきF(バカ)。じゃなくて学園都市超能力者(トップ7)のbV。世界最大の『原石』。
       このSSでの年齢は14歳。つまり香焼、ステイルと同じくらい。頭は弱いが情に熱い人。公式チート月○花。
       呼称は・・・削板、軍覇、ナンバー7、F、 ソギー、すごパ、脳筋野郎、等。

       兎に角、迂闊に接触できないクレ○ジーダ○ヤモンド。超能力者だが自分の能力を理解しておらず、周りも理解できない。
       性格は何かに付けて「根性」を引き合いに出す熱血野郎。愛と根性のヲトコ。シリアスをギャグか熱血モノにする天才(災)。
       実力的に、攻撃性はすごパこと『すごいパーンチ』で8割方何でもありでブッ飛ばす。防御性も美琴の攻撃程度なら我慢できる。
       だがしかし、暗部や学園都市の裏側については知っている故、昔『色々』あったのかもしれない。それは『某所』で書きます。
       正直何処に住んでいるかは不明。研究所かもしれないし、四六時中高い所でピッ○ロ立ちしてるかもしれない。
       このSSでは香焼・絹旗と絡む事によってトンデモ無い方向性に……(以下追々付け足)


・初春飾利……風紀委員(ジャッジメント)第一七七支部所属の中学生。白井黒子の相棒と言った方がメジャーかもしれない。
       第7学区立柵川中学に在席する中学1年。非戦闘要員である為、基本的にバックアップに徹する娘。
       呼称は・・・初春、初春さん、お花の人、守護神(ゴールキーパー)、黒春、売れっ子薄い本作家、等。

       頭の花、スカートを捲られる、風紀委員というアイデンティティが強い普通の少女。
       所持する能力はレベル1の『定温保存(サーマルハンド)』。能力自体は大した事が無い。ただし本人の演算能力は天才級。
       『守護神』と呼ばれる超一流のハッカーで半ば伝説と化している。その実力は電子系の第一人者御坂美琴を唸らせるほど。
       本人は自身の重要性に気付いてないが、都市の機能を奪うとしたらまず彼女の様な『頭脳』が狙われるだろう。
       同部署、白井と固法は出来るだけ彼女の情報を外に漏らそうとはしていない……(以下追々付け足)


・佐天涙子……初春の同級生。超電磁砲組のムードメイカー。ある意味メンバーの中で一番の精神的超人かもしれない。
       第7学区立柵川中学に在席する中学1年。同年代の女子の中では『能力』抜きでの身体能力はトップクラス。
       呼称は・・・佐天さん。(ニックネーム募集)

       挨拶代わりに初春のスカートを捲るセクハラ女子中学生。趣味は都市伝説や噂話を追求する事。基本的に誰とでも仲良くなれる。
       無能力者(レベル0)の『空力使い』。『ある事件』まで能力コンプレックスだったが、御坂達の御蔭で克服できた。
       逆に超能力者たる御坂も、彼女の御蔭で無能力者を馬鹿にする様な発言を控え出す。
       余談だがこのSSで『友情』という点では香焼の性格に一番近い娘かもしれない……(以下追々付け足)


・春上衿衣……初春の同級生。超電磁砲組の新メンバー、だと思う。春上さんマジ香菜ちゃん。『置き去り』出身。
       第7学区立柵川中学に在席する中学1年。一見ただのホワホワ少女だが……絹旗レベルの暗い過去持ち。
       呼称は・・・春上さん、衿衣ちゃん。(ニックネーム募集)
       
       語尾に「〜なの」を付ける癒し系おっとり娘。殆どの人が覚えていないと思うが『絶対能力者(レベル6)』に成り掛けた少女。
       能力は受信のみ可能なレベル2相当の『精神感応』だが、特定条件下ではそれを超える数値の能力を発揮する。       
       枝先絆理と交信する際のみ特別強力になり、場合によってはレベル4相当まで強度が跳ね上がる。
       『ある事件』までは頻繁に『乱雑開放・RSPK症候群(ポルターガイスト)』を起こしていたが、今は滅多に起こさない。
       初春同様、彼女も色々と狙われ易い状況下に置かれているが、はたして……(以下追々付け足)



ポルターガイストについて詳しく知りたい方がいれば、その内それを扱った題材で何か書きます。それではどうぞ!
277 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 19:58:23.01 ID:9JvsjrAn0
 ―――とある休日、PM01:00、学園都市第7学区、とあるプライベートホテル、VIPルーム・・・・・




絹旗「―――……よしっ! 超準備OKです!」グッ!


見目普通の女の子が可愛らしいポシェットにお出かけグッズを準備し、意気込んだ。
それを不思議な目で見守る年上の兄姉分達。


フレンダ「ちょっと……最近絹旗のヤツ、変じゃない?」ボソッ

麦野「んー……そぉー」カキカキカキ・・・


携帯を弄りながら小声でちっこい同僚――絹旗最愛の変化に疑問を持つ、フレンダ=セイヴェルン。
それを如何でも良いといった感じで流す上司(リーダー)――麦野沈利。


フレンダ「だっていつもの様に下らない映画見に行く訳じゃないんだよね」ボソッ

浜面「友人、とやらに会いに行くんだろ。ほら麦野、この資料で良いのか?」テクテクテク・・・

麦野「うぃ。てんきゅー」スッ


現在麦野は『とある任務』のデータ収集中。出来る女はデスクもバリバリよ、と云わんばかりに手を動かしていた。
一方、彼女に必要資料を渡している雑用くん――浜面仕上はフレンダの問いに対して、何でも無い様にサラッと返答した。
それを聞いてフレンダは更に驚く。


フレンダ「と、友達?! あの子に!?」キョトン・・・

浜面「まぁ……よく分かんねぇけどそんな感じなんじゃね」コクッ

麦野「6−Bより7−Kで……別に任務に支障出なきゃ何やっても良いわよ。友達だろうが恋人だろうが」カキカキ・・・

フレンダ「おぅふ……麦野っち……私達、絹旗に先越された訳ねぇむぎゅううぅっ!!」グイッ!!

麦野「喧しい口は溶接してやろうかしら」ニコッ・・・

フレンダ「そ、そーりー……ジョークよ、ジョーク……」ムギュムギュ・・・


年齢的に彼氏がいてもおかしくない年上女性2人。最年少の絹旗に先を越されるのは……何となく癪ではあった。


滝壺「むぎの、フレンダ。きぬはたの事茶化しちゃ駄目だよ」メッ!

麦野「あーはいはい。リア充さん」ケッ

フレンダ「結局……羨ましい限りな訳よ。そこのスカポンタンは」ジトー・・・

浜面「な、何だよ……」タラー・・・


ピョコピョコと歩み寄ってきたおっとりした少女――滝壺理后と浜面が良い仲だということは他の同僚全員が気付いている。


浜面「……か、関係無いだろ。今は絹旗(アイツ)の話してんだからさ」フンッ

絹旗「誰が、誰の話してるんですか?」ジトー・・・

浜面「い、ぁ、な、何でもないぞー」アハハ・・・


そりゃこれだけ大きな声で内緒話をしていたら嫌がおうにも気付いてしまう。
278 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 :2011/04/05(火) 20:24:26.39 ID:9JvsjrAn0
絹旗「まったく……どうせまたバカ面が超阿呆な噂してたんでしょう? 分かってますっての」ジトー・・・

浜面「俺じゃねぇよ。コイツらだ、こいつら」クイッ

フレンダ「ちょ、私にふる訳?!」ゲッ・・・

絹旗「……もぅ。言いたい事があるなら堂々とどうぞ」ハァ


そんな事言われても……


麦野「ウチのマスコットこと絹旗ちゃんが何処ぞの馬の骨に[らめぇぇっ!]されてるなんて悔しいなぁ、って言ってたわ」ボソッ・・・カキカキ・・・

絹旗「ハアァっ!!?」カアアァ・・・///

フレンダ「い、言ってないよ! そんな頭の中エロスの権化なのは浜面だけで十分って訳!」アタフタ!

浜面「ざけんなっ! 人に責任押し付けんなよ!」ガアアァッ!!

フレンダ「結局、アンタが最初に押し付けた訳なのよ!」ガアアァッ!!


下らない口喧嘩が始まってしまった。


絹旗「べ、別にその……アイツはそういう相手じゃなくって……と、友達ですから……」ゴニョゴニョ・・・

滝壺「やれやれ……ほら、きぬはた。そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ。一々構わなくていいから」ポンッ

絹旗「あ……そ、そうですね」プクー・・・

滝壺「あの二人にはちゃんと説教しとくから、ね。楽しんでおいで」ニコッ


優しい姉分が絹旗の背中を押す。しかし同様に……


麦野「緊急招集(エマージェンシー)かかったら直ぐ帰ってきなさいよ。『仕事(アイテム)』優先だかんねー」カキカキカキ・・・

絹旗「……超分かってますよ」ムッ・・・

麦野「よろしい。流石可愛いエース暗殺者(ヒットマン)……まぁ仕事が入んなきゃ一泊でもハネムーンでも行ってきなぼふっ!!」ブヘッ

絹旗「〜〜〜〜ッッ!! そういうんじゃないって超言ってるでしょう!! 変態麦野! 見栄っ張り淑女!」カアアァ・・・///


厳しく釘を打つ姉分……というより職場――『アイテム』の上司。
多少おふざけが過ぎるので、上司であろうがクッションを投げられたりもする。


滝壺「こらっ。だから反応しないの。きぬはたは大人なんでしょ?」メッ

絹旗「むぅ……そうですね。超大人な私が超寛容な対応をしてやらなきゃいけませんねっ」フンッ

麦野「むはは、こりゃ傑作ね。じゃあ公私のケジメはつけるのよー」カキカキ・・・ピラッ

絹旗「分かってますよ。私は超大人ですから」ムンッ!


無い胸を張る超大人こと中学一年生。ホラホラと滝壺に連れられ玄関へ向かった。


絹旗「じゃあ……超いってきまーす!」ガチャッ!

滝壺「うん、いってらっしゃーい」バイバーイ

絹旗「遅くなる時は浜面にアッシーお願いするかもです!」タタタタッ!

滝壺「分かったー。気をつけてねー」ニコッ


可愛い殺し屋さんは『友人』が待つ公園に向かって走り出した。
279 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 20:55:45.65 ID:9JvsjrAn0
絹旗が去った後、年長者4人はヤレヤレと一服することにした。


フレンダ「しっかし、あの子がねぇ……友達かぁ」フム・・・

浜面「そんなにおかしいか?」

フレンダ「おかしいっていうか、何ていうか」ポリポリ・・・


浜面が知る限り、絹旗という少女は人懐っこい生意気な、偶に面倒見が良いガキんちょというイメージがある。
確かに誰かに依存するタイプではあるが、友人の一人や二人いてもおかしくないだろう。


麦野「まぁアンタは途中から入ってきたからそういう風に思えんのよ」カキカキ・・・

浜面「そういう風にって」

麦野「あの子、すんごぉ〜〜〜〜〜〜く人見知りよ」フゥ・・・

浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」ポカーン・・・

フレンダ「結局、アンタは『普段』の絹旗をよく観察してない訳。絹旗単体じゃなく、絹旗の『全体』って訳なのだよ」コクコクッ

滝壺「うーん、そうかもしれない。きぬはた最初は猫みたいだったもん……はい、むぎの。コーヒー。」スッ・・・

麦野「そゆ事。さんきゅっ」ニコッ


今も猫っぽい気はするが、如何いう事だろう。


フレンダ「んー……じゃあまず私達(アイテム)と接する絹旗がいる訳よね。結局、それがベースって訳」ビシッ

浜面「うん。まぁそれが俺らが良く知る絹旗だよな」コクッ

麦野「ちなみに『仕事モード』は抜きよ。あの子のアレはそういう風に『教育』されてきた故だから。根っ子がそうなのよ」

浜面「……根っ子が、仕事? それって……『殺し』って事か?」ゲッ・・・

滝壺「きぬはたは……それで生計を立てていく様、教育されちゃってるから……」シュン・・・


また一つ、浜面が知らない絹旗。


麦野「……浜面。頼むから『絹旗をまっとうな女子に――』なんて事考えないでちょーだいよ」チラッ

浜面「それは……オマエの私権か? それともアイテムリーダーとしての警告か?」ジー

麦野「どっちも。リーダーとしては言わずもがな。個人としては……ん」チラッ


胸を抑え、表情を翳らせる滝壺を見遣る。


浜面「……滝壺?」エ?

フレンダ「結局……この御人好しはお馬鹿にも絹旗を『良い子』ちゃんにしようって試した訳」ハァ

浜面「麦野にゃ遠慮せず言わせてもらうが……悪い事か?」ジトー・・・

麦野「ええ。最大級の禁忌(タブー)ね」サラッ・・・


冷酷。


浜面「オマエ……っ!」ギロッ!

滝壺「はまづら、違うの! 私が……悪かったの」シュン・・・


何故か残酷なリーダー殿を庇う優しい少女。何故だ……
280 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 21:24:33.64 ID:9JvsjrAn0
フレンダ「ねぇ浜面……乱雑開放(ポルターガイスト)って知ってる?」

浜面「ぽるたぁ? えっと……騒霊ってヤツか?」キョトン・・・

麦野「駄阿呆。反復性偶発性念力(Recurrent Spontaneous PsychoKinesis)……別名、乱雑開放よ」

浜面「……悪かったな。所詮俺は中学も碌に行ってねぇ不良くんですよ」ケッ


ポルターガイスト。
トラウマやストレスにより、心理的に不安定となった子供が引き起こすとされる超常現象。
学園都市では既に原理が解明されており、具体的には能力者が一時的に自律を失い、自らの能力を無自覚に暴走させる状態及び現象を指す。

通常は同時多発を起こすようなものではないが、AIM拡散力場に干渉があった場合はその限りではない。
そうした状況下では暴走した能力は互いに融合し合い、ポルターガイストを引き起こす。
さらにそのポルターガイスト現象が規模を拡大すると、体感的には地震と見分けが付かない状況に発展する。

因みに、個々の現象は様々だ。


浜面「ああ! 確か八月の頭の方にデカいのが起きた奴か!」コクコクッ

麦野「そう、それ。簡単にいえば情緒不安定になった能力者が『心の最終防壁』を破られると暴走すんのよ」

浜面「ふーん……で? それが絹旗に如何関係有んだよ」

フレンダ「……此処まで言われて、気付かない訳?」ジトー・・・


此処までって……まさか、絹旗が?


フレンダ「That's all right(その通り)」コクッ

麦野「んで、ブチ破ったのが……そいつ」フンッ

浜面「……え」キョトン・・・

滝壺「……」シュン・・・


ただ、絹旗を『真っ当』にしようとしただけで。


麦野「能力者ってのは『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』が確立してる程、高位の強度(レベル)になる。この程度は分かるわね?」

浜面「まぁ、うん」

麦野「本来、大能力者(レベル4)のあの子はそう簡単に精神ヤられる訳無いのよ? でも……ホント、馬鹿ね」ハァ・・・

滝壺「……ごめんなさい」シュン・・・

フレンダ「うん……まぁもう昔の事な訳だけどさ。結局、気を付けてりゃ二度と起こらないって」アハハ・・・


滝壺は善意で絹旗の心に触れようとした。だがそれが……琴線を弾く結果となったらしい。


浜面「……因みに、その時はアイツ如何なったんだ?」

麦野「最初は空気中の窒素膨張させる程度だったけど……危うく窒素(N2)爆弾なるとこだったわ」ボソッ

浜面「ッ!!?」ギョッ!!?


フィクションではよく耳にする原子爆弾を上回る威力の大量破壊兵器。
学園都市の技術で開発可能のレベルには達しているらしいが、国際条約上、実用化は禁止されている。
281 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 21:43:26.60 ID:9JvsjrAn0
麦野「んで、私が力で捻じ込んでる間、滝壺があの子のAIM弄くって収めた感じかな」ハァ・・・

滝壺「……体晶使わなかったら、皆死んでた」シュン・・・


自分の知らない、そんな過去。


麦野「そん時、そこの逃げ足だけは速いズル女は一目散に消えたしさ」ジトー・・・

フレンダ「い、いやぁ……結局あの場に私居ても無意味って訳じゃん?」アハハハハ・・・

浜面「……」ムゥ・・・

麦野「……と、いう訳なのさ浜面くん。あの子の『壁』をノックすらしないでね。無理矢理作った大能力者の欠点(心)は脆いのよ」ジー・・・

浜面「『自分だけの現実』が脆いと、乱雑開放起こすのか?」

麦野「原因は様々よ。そこんとこはAIMの専門家たる滝壺ちゃんに聞いてーな」チラッ

滝壺「……」シュン・・・


これ以上、滝壺の前でこの話は出来なかった。


浜面「……じゃあ話戻すけど、『仕事』抜きのアイツって何だよ。人見知りって」ポリポリ・・・

フレンダ「ああ、そんな話だったわね。ま、普段の絹旗って訳よ」コクッ

浜面「普段って……何だ?」ヘ?

フレンダ「えっと、さっき言った様に私達と居る『普段』。結局これが一つ目」


それはいつも通りの絹旗という事だろう。


フレンダ「それから、私達以外と接する絹旗。これ、アンタ知らないでしょ?」

浜面「アイテム以外と? 映画とかか?」

麦野「それはあの子の独り遊び(ソリティア)でしょ。違くて『対人関係』よ」

浜面「……確かに見た事無いな」フム・・・


基本、アイテム以外とは行動しない少女だ。依存するタイプなのは知っているが……そこまで引き籠りなのか?


滝壺「引き籠りじゃないよ。でもきぬはた、極力知らない人とは話さないかも」

浜面「俺との初対面は話したぞ?」

麦野「アンタは仮にも身内(アイテム)になるって分かり切ってた輩だったでしょ。初めてアイテム出来た時、あの子借りてきた猫状態よ」

フレンダ「あはは。私と麦野に懐くまでかーなーりー時間掛った訳よー」ハハハ

滝壺「私も、優しくおいでおいでしなきゃ絶対きてくれなかった」フフッ


……信じられない。あの御転婆が?
282 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 22:13:38.37 ID:9JvsjrAn0
麦野「そうね……じゃあお馬鹿な浜面ちゃんでも分かりやすい様、例を上げると―――」


麦野女史の分かりやすい『絹旗対人関係講座』が始まった……



 ―――とある休日、PM01:40、学園都市第7学区、とある公園・・・・・



麦野『と、まぁこういう舞台を設定するわ』ビシッ!

浜面『いや、これリアルタイムだろ……』タラー・・・

麦野『因みに、私達は此処にある自販機目線ね』コクッ

フレンダ『……あ、絹旗来た訳よ!』チラッ!


公園の東口から絹旗が小走りでやってきた。
Yシャツ、淡茶の長袖Vネックカーディガン、60デニールの黒タイツ、御洒落制服風チェック柄ミニスカ、茶色のローファーという恰好。


フレンダ『っていう設定ね』ニコッ

浜面『随分細けぇよ……一々服まで凝るなっつの』

麦野『私のコーディネイトにイチャモン付けるの? そりゃ折檻よ……浜面』ジトー・・・

浜面『はぁ!? これ設定だか舞台だか知らねぇけど架空なんだろ!?』

麦野『しゃーらっぷ! 人には譲れないモンってのが有んのよ……』ギロッ!

滝壺『二人とも、五月蠅い……ほら、接触するよ』ジー・・・


絹旗が向かうは自販機付近のベンチ。そこには一人の少年と一匹の子猫が座っていた。
白いロングTシャツ、紺のベスト、ダークグリーンのカーゴパンツ、茶色のブーツといった恰好。


麦野『出たな、イレギュラー。服のセンスは……まぁまぁね』ジトー・・・

浜面『はい? いれぎゅらー?』ポカーン・・・

フレンダ『あの少年は「例外」な訳。まぁ見てなさい。アイテムと同じ様な接し方する筈だから』チラッ・・・


意味が分からない。とりあえず見守る事にする。


絹旗「お、お待たせしました!」テクテク・・・

香焼「ううん。自分も今来たばかりっすよ」ニコッ

ぬこ「にゃー」ピョコッ

絹旗「あ、ふふふ。おいでー」ギュッ・・・

ぬこ「んなぅ」スリスリ

香焼「すっかり懐いちゃったね」クスッ

絹旗「えへへ。そ、そうかなぁ」ニコッ


あれアイテムと対応違うだろ……何故か口から砂糖が出そうだった。甘酸っぺぇ。
283 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 22:37:36.41 ID:9JvsjrAn0
麦野『……浜面、塩辛ちょーだい』ウッヘェ・・・

浜面『おま……これ、幻想だか空想なんだろ?』ジトー・・・


我慢して、絹旗講座を見続ける。


香焼「最愛、今日は仕事だかバイトは休みなの?」

絹旗「え、ええ。暫く休みの予定です。緊急が入らなければ、ですけどね」ナデナデ

ぬこ「みー」ジー・・・

絹旗「ん? 如何しました? 自販機なんか見て」キョトン・・・

香焼「喉乾いたんすかね? 自分が買ってくるよ。最愛何が良い?」スタッ

絹旗「えっと、じゃあ……『抹茶inムサシノ牛乳』でお願いします」コクッ

香焼「抹茶・オ・レ……じゃないの? 何それ?」タラー・・・

絹旗「超美味しいんですよ『inムサシノ牛乳』。香焼も飲んでみれば」ニコッ

香焼「そ、そうなんだ……(普通のオ・レと違うのかな? ムサシノ牛乳神話でも信じてるタイプとか?)」アハハ・・・テクテク


因みに『ムサシノ牛乳神話』とは、ムサシノ牛乳を多飲する事でナイスバディになれるという都市伝説である。詳細は不明。


フレンダ『ちょwww最愛だってwwww名前で呼んでる訳よwwww』ダハハハ!

麦野『っべーわwwwしかも小さい事気にしてんのバレバレだわwww』ケラケラ!

浜面『草付けんな! てか猫に気付かれてんじゃねぇのか、これ!?』アタフタ・・・

滝壺『この講座は4人の幻想または空想です。あ、彼こっち来たよ』チラッ・・・


少年は千円札を入れて、ボタンを押そうとした。しかし……


香焼「あれ?」タラー・・・


どうやらお札を飲まれたらしい。


麦野・フレンダ『『ダハハハハッハハハハハッハハッ!! ダッセェっ!!』』ゲラゲラゲラゲラッ!!

浜面『……これ俺らの所為じゃねぇよな』タラー・・・

滝壺『違うよ、はまづら。此処の自販機はそういう仕組みなの。強いて言うなら馬鹿ネットワークの所為』ウンウン・・・


何だそれ……とは敢えて突っ込まないでおく。
さておき、困った香焼少年。その姿を見て不思議に思った絹旗も猫を抱えて自販機に近づいてきた。


絹旗「どうしました?」ハテ?

香焼「うーん、お札飲まれちゃったっすね」ポリポリ・・・

絹旗「へ? むぅ……えいっ!」ガンッ!!

香焼「ちょ、最愛っ?!」ハァ!?


―――ぎゃーっ!!×4


香焼・絹旗「「は?」」ポカーン・・・


気の所為です。
兎角、絹旗が蹴っても云とも寸とも言わない―――ぎゃーっ!! とは言ったが―――自販機。二人は困ってしまった。
284 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 22:56:39.16 ID:9JvsjrAn0
絹旗「チッ……じゃあ、もう一発!」クッ!

香焼「だ、駄目っすよ! これ以上やったら故障警告鳴っちゃうっす!」アワワ・・・

絹旗「あ……むぅ」ポリポリ・・・

ぬこ「みゃー」ジー・・・


確かに、と引き下がる絹旗。


フレンダ『いつもならお構い無しにもう一発入れるのにね』

麦野『あんまりバイオレンスな姿、彼に見せたくないんじゃない?』


それならば、と香焼は小銭を投入する。しかし今度は……チャリンとストレートに落ちてきた。
もう一度、と試すが……虚しく響くチャリン音。


絹旗「……やっぱり打っ叩きましょう」スッ・・・

香焼「ま、待ってって! 風紀委員や警備員に怒られるっすよ?」

絹旗「でも超損ですよ? 良いんですか?」

香焼「……まぁツキが無かったって割り切るさ。戻ろう、最愛」アハハ・・・

絹旗「……ハァ」クスッ・・・


とんだ、御人好し。絹旗は苦笑するしかなかった。


麦野『あー……私、一番苦手なタイプのガキかも』ジトー・・・

滝壺『そうかな? 良い子だと思うよ』ニコッ

フレンダ『だってよ。浜面っち』ニシシ!

浜面『……まぁ余計な厄介事作らないって点では賢いな』ムゥ・・・


口には出さないが……こんな日陰に暮らしていると、陽だまりみたいに温い人間に依りたくなるのも理解できなくはない。
二人が諦めて踵を翻した時―――


???「お困りですか……」テクテク・・・


―――滝壺とフレンダくらいの少女が現れた。


フレンダ『げぇっ!! ちょ、麦野、ヤバくない!!?』タラー・・・

麦野『落ち着けっつの……大丈夫だ。ありゃ本物(オリジナル)じゃない』フンッ


常盤台中学の制服、ゴーグル、ネックレス。


御坂妹「と、ミサカは小さなカップルさんに尋ねてみます」ピタッ


妹達(シスターズ)個体番号(シリアルナンバー)10032号―――通称、御坂妹が二人に近づいてきた。
285 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 23:16:34.47 ID:9JvsjrAn0
麦野『浜面、よく見ときなさい。今から本当に講座始めるわよ』クイッ

浜面『え、あ、うん』コクッ

麦野『まぁコイツもちょっとイレギュラーではあるけど……これが普通、絹旗が他人と接する対応@よ』ジー・・・


御坂妹の問いに、香焼は頭を掻きながら素直に答えた。


香焼「えっと恥ずかしながら……お札飲まれちゃったんすよ」ポリポリ

御坂妹「むっ。またこの自販機ですか……とミサカは呆れを通り越して苦笑してみます」ハハハ・・・

香焼「またって、よく有るんすか?」エ?

御坂妹「はい。しょっちゅうです、とミサカは最早都市伝説クラスに胡散臭い自販機の説明をします」コクッ


不思議な喋り方をする人だ……と思いつつ、何処かで見た事あるかもと頭を捻った。


御坂妹「……ところで、貴女は何故少年の後ろに隠れているのですか? とミサカは純粋に質問してみます」

香焼「え」チラッ

絹旗「……」チラッ・・・

香焼「さ、最愛?」タラー・・・

絹旗「……」ジー・・・

ぬこ「……なぅ」ジー・・・


香焼の背中にべったりくっ付き、ジッと地面を向いている絹旗。
時折覗く様に御坂妹を見遣るが目が合った瞬間、再び俯く。


浜面『……え』キョトン・・・

フレンダ『結局これが絹旗って訳よ。今は少年がいるから逃げないけど、普段なら無言で立ち去る訳』ウンウン

麦野『昔、あの子に自分の小学校行って来いって命令したんだけど……「不可能」だったわ。他人と話せないのよ』


意外だ。


御坂妹「……とりあえずお札を取り戻したいのですね? とミサカは簡潔に問います」

香焼「え、あ、はい。でも……」

御坂妹「えいっ」ビリビリ!

香焼「わっ」ドキッ

絹旗・ぬこ「「にゃっ!!」」ビクッ!


―――アbbbbbbbbbbbbッ!!×4


香焼・絹旗・御坂妹「「「ッ!!?」」」ギョッ!?


色々ツッコみ所はあるが……ウィーン、とお札が戻ってきた。
286 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/05(火) 23:38:46.34 ID:9JvsjrAn0
御坂妹「え、えっと……とりあえず、はい。とミサカは戻ってきた千円札を少年にお返しします」スッ・・・

香焼「ど、どうも」コクッ

御坂妹「此処はマネーカードの方が確実にジュースを購入できますよ、とミサカは豆知識を披露してみます」

香焼「マネーカード……自分持ってないっすね」ポリポリ・・・

御坂妹「生憎、私も持ってないのです。とミサカは申し訳無さげに頬を掻いてみます」ポリポリ・・・


現金が使えない自販機など撤去してしまえと怒りたかった。
お札が戻ってきただけでも儲けもんか、と目の前の女性に感謝して戻ろうとした瞬間……


絹旗「……これ」スッ・・・

香焼「え」キョトン・・・

御坂妹「……そのマネーカードなら使える筈ですよ。とミサカは貴方達に説明します」コクッ


隠れながら、カードをそっと出す絹旗。香焼はそれを受け取り、タッチパネルにかざした。
ボタンのランプが光る。どうやら今度は購入出来る様だ。


香焼「えっと……ライチティーと抹茶inムサシノ牛乳……あと猫(ソイツ)の水だね」ポチッ

ぬこ「みゃぅ」コクッ


三本の飲み物を購入。


香焼「あ、そうだ。最愛、後でお金払うからこの人にも奢っていい?」チラッ

絹旗「……」コクッ

香焼「あはは。話そうよ……えっと、どうぞ選んでください」コクッ

御坂妹「……いいのですか? 大した事はしてませんよ、とミサカはチビッ子達に対して謙遜してみます」ジー・・・

香焼「チビッ子って……貴女も自分らと同じくらいじゃないんすか?」ジトー・・・

御坂妹「……0歳」ボソッ

香焼「え」ハイ?

御坂妹「いえ、何でもありません。ではお言葉に甘えて……ミサカはヤシの実サイダー0カロリーを頂きます」ポチッ


どうやらカロリーを気にするお年頃らしい……は、さておき御坂妹はマネーカードを最愛へ差し渡した。


御坂妹「どうもありがとうございます。とミサカは微笑んで可愛いレディにカードをお返しします」ニコッ

絹旗「っ……どもです」スッ・・・

香焼「……」アハハ・・・


この子は此処までシャイなのか、と香焼は苦笑せざるを得なかった。
287 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/06(水) 00:45:02.05 ID:CBarEwko0
麦野『あー……痺れたわ……』ピリピリ・・・

滝壺『ぷへー』ムハッ・・・

浜面『ちょ……空想マジ怖いんですけど』ハァ・・・

フレンダ『うぃ……とりあえず、アレが絹旗の対人その@。極力人と絡まない』プスプス・・・


まるで野生の犬猫の様だ。懐かない限りずっと警戒態勢か。


絹旗「……香焼、戻る」ボソッ・・・

香焼「え、あ、うん、分かった……えっと、ありがとうございました」ペコッ

御坂妹「いえいえ。例には及びませんよ、とミサカはクールに人差し指を立てます……猫さんチチチ」クイックイッ

ぬこ「……みぃ」プイッ

御坂妹「ふむ……やはりミサカが欠陥電気(レディオノイズ)である以上、動物とは慣れ親しめないのですね……ミサカしょんぼり」ムゥ・・・


御坂妹の手を嫌がる子猫。ついでに絹旗まで引っ込む。


香焼「あはは……最愛ってば、失礼だよ。(やっぱ海原さんと一緒に居た『妹達』さんかな?)」ポリポリ・・・

御坂妹「仕方ありませんね。まぁ今回『噂』の貴方を一目見る事が出来て……ぁ」ヤベッ・・・

香焼「え、あ、やっぱり……『妹』さん?」クスッ

御坂妹「ぐっ……ええ。正しくは御坂丸や5's(ファイズ)、蛇(スネーク)達の姉かもしれません、とミサカはカオスな説明をします」コクッ


※第4話参照。


御坂妹「とりあえず機会があればまたいずれ。其方のお嬢さんも、ね……ミサカはクールに去ります」クルッ・・・スタスタ・・・

香焼「何だかなぁ」ポリポリ・・・

絹旗「……知ってるんですか?」チラッ

香焼「うーん……知ってるっちゃ知ってる。知らないっちゃ知らない」タラー・・・

絹旗「……超変なの」ジー・・・

ぬこ「なー」ペチペチ


御坂妹が消え去った後、香焼と絹旗もベンチへ戻った。
戻るや否や絹旗は一転、先の様に明るく子猫と戯れ始めた。


浜面『……アレ、本当に絹旗か?』ジトー・・・

滝壺『信号的に確かだよ。空想だけどね』コクンッ

麦野『まぁ逆に私達が近くに居過ぎて分かんないのよ。あの坊やも特例』

フレンダ『あくまで空想って思っておきなさいな。結局もしかしたら空想幻想妄想で済むかもしれない訳だしね』フフッ・・・


なら良いが、と浜面は女衆達と絹旗講座を続けた。
288 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/06(水) 01:06:39.88 ID:CBarEwko0
 ―――とある休日、PM02:10、学園都市第7学区、とある公園・・・・・



暫くの間、香焼は子猫と絹旗が睦まじく遊ぶ姿を眺めていた。
今の絹旗と先の絹旗……どうして此処まで違うのか不思議である。というか、では何故自分には憶さないのだろう。
英国の知り合いにも人見知りの娘はいるが、此処までのギャップは無い。


香焼「……やっぱり学校行ってるか行ってないかって、大きいのかな」ムゥ・・・


集団生活に身を置いて居れば、嫌が応にも他者と付き合わねばなるまい。
この子はその環境下に居ない故、こうなっているのかもしれない。そう憶測した。


絹旗「香焼、如何しました?」テクテク・・・

香焼「え、いや……何でも無いよ」ニコッ

絹旗「むぅ……つまらない、ですか?」チラッ・・・

香焼「ううん、そんな事無いっす。猫(ソイツ)と最愛の追い駆けっこ見てるだけで微笑ましいよ」クスッ

絹旗「ほぇ? 超変なの」フフッ

ぬこ「なーん」プラプラ・・・


せめて自分くらいは、この子の味方でいてやらねば……女教皇様が言っていた偽善でもいい。
この子を独りにしたくない。


香焼「あ、そうだ。これ……はい」スッ

絹旗「ん? ……猫缶ですか? それとボール?」キョトン・・・

香焼「どっちもソイツが好きなモノっすよ」ニコッ

ぬこ「にゃー」フリフリ!

絹旗「おぉ! じゃあボール遊びが上手く出来たら超御褒美で猫缶上げましょう!」ニコッ!


それ行くぞ! と意気揚々、子猫と駆け出す絹旗。やはり普通に見れば年相応、寧ろそれより幼く見えた。


浜面『まぁ普段が荒んでるからな……こういう普通の遊びが楽しくて仕方ないんだろ』ジー・・・

フレンダ『日本最大級の大学に入った学生達が、今まで遊んでこなかった分大学入って子供染みたエアガンごっこしてたって聞くけど……』

麦野『同じ理屈かもね。能力開発と仕事で忙しくて普通の遊びした事無い……でもこの学園都市じゃそんのガキ云千と居るわよ』

滝壺『何にしろ……楽しそうだね、きぬはた』ニコッ


自分達の知らない少女の顔。微笑ましくもあり、悲しくもあった。
289 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/06(水) 01:34:26.33 ID:CBarEwko0
それから一寸後……絹旗と子猫が戻ってきた。


香焼「上手くボール追い駆けた?」

絹旗「ええ! 流石私が見つけただけあって超天才猫です! 小さい身体で玉転がししながら持って帰ってきましたよ!」ニカッ

ぬこ「にゃー」コロコロ

香焼「ふふふ。良かったね」クスッ


では、と猫缶(にゃんコイ:キングサイズ)の蓋を開け適当な紙の上にある程度出し、子猫の前に置いてやった。
すると『飯だー!』と云わんばかりに喰い付いてきた。


絹旗「あーあ。超引っ繰り返しちゃって……地面に超ボロボロ落ちちゃってますよ」アララ・・・

香焼「まぁ食べれなくはないよ。食べ切れるかどうかは別だけどね」フフッ

絹旗「ですね。ちっこいから超残すかもしれません」クスッ


しかしこの猫の胃袋は侮れない。五和が作った大盛り猫まんまを二杯平らげるレベルだ。
縮尺は違うが、某暴食シスタークラスかもしれない。


絹旗「……私達も負けずに超いっぱい食べて、超デッカくなってやりましょう!」フンッ!

香焼「私『達』って、自分もかい……自虐っすか」アハハ・・・


自覚はしていても認めたくは無い事実である。同年代の中でも自分(私)は小さいからなぁ……と溜息をついた。


麦野『いや、絹旗が成長したらしたで諸方面からクレームが……』

滝壺『……むぎの。それ以上はいけない』


大人の事情だ。
さておき、香焼に動きがあった。どうやら御手洗いに行くようだ。絹旗はどうぞと頷き、子猫と二人きり(一人と一匹)になる。


フレンダ『どっちかっていうと「2匹」だと思う訳よ。絹旗にゃんこ』クスクスッ

浜面『んな事ぁ如何でもいいが……アイツ一人っきりで大丈夫なのか?』

麦野『人が来ない限りはね……来ると、最悪パニクるわ』


それは大袈裟だろ、と浜面は苦笑する。しかし……3人は真顔。


浜面『……マジで?』タラー・・・

滝壺『多分……きぬはた、転校したての○む○む状態になる』コクッ

浜面『ほむほ……は?』ポカーン・・・

フレンダ『そうね。終始戸惑ってるか、表情変えず無言決め込むか……結局相手に対応しない訳』

麦野『対応「出来ない」のよ……ま、とりあえず周囲に人はいないから大丈夫よ。多分ね』ウンウン・・・


意味が分からないが、絹旗的に超ピンチってのは想像できた。
290 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/06(水) 02:00:58.62 ID:CBarEwko0
滝壺『それでは暫くの間……「きぬはたと猫劇場」をご覧下さい』ドーゾ

浜面『え、誰に言ってるの? 滝壺さん?』ポカーン・・・


香焼が消えてから絹旗はというと……


絹旗「……」ジー・・・

ぬこ「にゃぅ」ムシャムシャ・・・

絹旗「美味しいですかー?」ツンツン

ぬこ「なー」コクコクッ

絹旗「ふふふ、そーなのかー。水も飲んで下さいよー」ニコッ

ぬこ「みゃー」モグモグ・・・

絹旗「あはは。オマエは超気楽で良いですねー。私もオマエみたいな生活超したいですよー」ナデナデ

ぬこ「みぃ?」キョトン・・・

絹旗「分かんないっか。そうですよねー」クスッ・・・


独り言に本音を溢す。無論、子猫に言葉は通じない。
自分は何言ってんだか、と内心呆れつつ猫を撫で続けると……ふとベンチの下に何かがいる事に気付いた。


絹旗「……あ、また猫」チラッ

にゃんこ「んごー」ジー・・・

絹旗「オマエも腹減ってるんですか?」クスッ

にゃんこ「がぅ」ジー・・・

絹旗「ご飯はいっぱいあるし……喧嘩しないなら一緒に食べて良いですよ」オイデオイデ

ぬこ「みー」コクコクッ

にゃんこ「……んなーん」テクテク・・・


一匹猫が増えた。今度は少々太ったブチ猫だ。


にゃんこ「まぅ」ハフハフ・・・

絹旗「……えへへ。超猫マスター最愛ちゃんですね」ニコッ

ぬこ「にゃーん」ムシャムシャ・・・

絹旗「もう少し餌を出しましょうか……このくらいっと」ポトポトッ


すると……今度は2匹の細い白ネコが現れた。首が傷付いてるのと、尻尾が奇形しているのを見るに虐待されて捨てられたのだろう。


キャッツ「「ミィ」」トコトコ・・・

絹旗「むぅ……超酷い飼い主に飼われてたんですね。私が見つけたらブッ殺してやりますよ」プンスカッ!

ぬこ「……にゃー」スッ・・・

絹旗「お、超偉いぞ。流石猫リーダー! この子達にも分けてあげましょう!」ニコッ

キャッツ「「ミャーン」」ペコッ・・・ムシャムシャ・・・

絹旗「ふふふ。超お行儀正しい猫さんですね……オマエ達は私と同じです。仲間ですよー」ニコッ・・・


捨て猫達に『置き去り』の少女は『同情』できた。言葉にした事は無いが、基本的に……大人は嫌いだ。
子供を捨て、挙句に道具として使う。だから大人になりたくないとは言わないが自分は絶対にそうなるものかと誓っている。

理想の大人像……歪んだ少女の中にある良心の一つだった。
291 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/06(水) 02:18:55.51 ID:CBarEwko0
数分後……


香焼「」アゼーン・・・


トイレから戻ると、ベンチの周りが猫帝国と化していた。
王様はよく知る黒い子猫。王女様は一人の少女。


絹旗「あ、香焼。おかえり」ニコッ

猫s『にゃーん』ゾロゾロ・・・

香焼「……えっと」タラー・・・


1,2,3,4……13匹。


香焼「最愛さん……何、これ?」ジトー・・・

絹旗「猫の軍隊です。にゃーにゃー」キリッ!

猫s『にゃーにゃー』キリッ!


無駄に統率の取れた無駄な軍隊の無駄な掛け声である。何この浦上レベルの猫指揮者(キャッツブレイン)。
チラリと猫達の中心を見ると……猫缶が全てブチ撒けてあった。成程、これじゃあ野良達が集まってしまう訳だ。


香焼「最愛……自分、こんなに預かれないっすよ」ハァ・・・

絹旗「分かってます。見てて下さい!」チラッ・・・


途端『ニャー!』と高い声で叫ぶ絹旗。すると……


 バッ!!


……黒猫以外の猫達が散った。


香焼「」チーン・・・

絹旗「それで……今度は……にゃーんっ」クイックイッ!

ぬこ「にゃーんっ」フリフリ・・・


撫で声と共に……今さっき散った猫達がゾロゾロと戻ってきた。


絹旗「……ね!」ニコッ

猫s『にゃんっ』ビシッ

香焼「あはは……もぅ笑うしかないよ」アハハ・・・


苦笑しか出ない。


浜面『……アレも絹旗の能力か?』タラー・・・

麦野・フレンダ『『いやいや……』』タラー・・・

滝壺『きぬはたは動物とか小さい子供とか「慾」が無い生き物には普通に接するよ。もしかしたら普通以上かも』ニコッ


これが絹旗が『他人と接する対応A』らしい。純粋な生き物には寛容だとか。
292 :第7話――絹旗「超いってきまーす!」 滝壺「気をつけてねー」 [saga]:2011/04/06(水) 03:03:15.11 ID:CBarEwko0
香焼は暫く猫の中心で楽しそうに遊ぶ絹旗を眺めていた。
一匹、いつもの黒猫だけが自分の膝上に登ってきて『君も混ざりなよ!』てな感じで摺り寄ってきたが、絹旗の邪魔をしちゃ悪いなと遠慮した。


絹旗「にゃーにゃー」ナデナデ

香焼「……最愛、そんなに猫好きなの?」クスッ

絹旗「うーん……どうでしょう。私だって今日初めてこれだけの猫達と戯れましたから」フフッ

香焼「ふーん。そうは見えないっすけどね」

絹旗「……きっと共感ってヤツですよ」ニコッ・・・

猫s『にゃー』ゴロゴロ


共感、か。


香焼「もしかして人間より猫が好きとか?」ハハッ

絹旗「あはは。そうかもしれませんね! 私は猫に生まれたかったのかもしれません。にゃー」ナデナデ

香焼「ぷっ。猫娘最愛って事?」

絹旗「そりゃ妖怪でしょう。猫さんですよ、猫さん」ニャー

香焼「ははっ。こりゃ失敬。そういえば自分のあn……じゃなくて近所のオバさんの言葉だけど、猫に好かれる人はペースメーカーなんだって」

絹旗「へぇ。そうなんですかね?」ハテ?

香焼「あとは『待ち、受け』の姿勢が取れる人。大人しい人。がめつくない人……それから『純真』な人とも言ってたかな」

絹旗「……」ピタッ・・・


一瞬、絹旗の表情が翳った。


絹旗「……半分、正解ですね」ニコッ・・・

香焼「半分?」キョトン・・・

絹旗「『待ち・受け』ってのは、まさに私の『自分だけの現実』ですから。大人しいとかがめつくないってのも……さっきの通りです」クスッ


そう自虐されると……反応し辛いのだが。


絹旗「『純真』ってのは……程遠いかな」ボソッ

香焼「え」

絹旗「……私達くらいの歳より上で純真とか純粋なんてありえませんよ。聖人君主ってヤツはそうそういないんです」ニコッ・・・

香焼「ああ、うん……まぁそうだね」コクッ


含みのある言い方だが、深くは探らないでおこう。自分らはそこまでの仲ではない。
因みに数名程『聖人』を知ってるが……確かに彼女は純粋かもしれない。呆れるほどに。


麦野『いえ……絹旗は純粋よ』ジー・・・

浜面『へぇ。珍しく良い事言うじゃねぇ―――』

麦野『無論「殺人」に対してはね。あの子は何の疑問も持たず殺人を遂行できるわ。仕事と割り切れば、ね』ジー・・・

浜面『―――……期待した俺が馬鹿だったよ』ハァ・・・


それが可愛い殺人鬼。窒素装甲だ。

とりあえず今は少女相応の彼女を遠目で眺める――3人曰く『空想』内で―――事しかできない。
無力な今の自分にはそれしか……できないだろう。浜面は遣る瀬無い思いで、親しい年下の同僚を見守り続けた……
293 :>>1 [saga]:2011/04/06(水) 03:11:19.35 ID:CBarEwko0
はい。今日は此処まで。久しぶりに書き溜めしないで書いたから時間掛ったよ……
因みに、絹旗の設定については所々勝手な付け加えもしてるので信じ込まないで下さいね。
あと麦野は冷酷な訳ではありません。冷静なんです。クーデター前でコレだから優しい方ですよ。

次回は今回の後編を投下する予定です。削板&柵川トリオ出現! その次こそ英国編で『ステイルの部屋』をお送りします!

それから香焼の『ぬこ』の名前募集(笑)。

では例の如く感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントよろしく! それじゃあ、また次回! ノシ
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 03:44:04.95 ID:GQgj+nBDO
乙。絹旗ちゃんマジにゃんこ!

しかし>>1はマイナーっていうか細かいシリアス設定付けるね。ポルターガイストとか忘れてたよ。
しかも有り得ないとも言い切れないラインだから困る‥‥良い意味で。

猫の名前は「モアイ」でどうだい? ww
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 03:45:04.65 ID:ZtqHKLwV0
乙ー。
リクエストなんですが小萌、あわきん、香焼、ステイルで小萌宅にお泊まり希望!

そして小萌の抱き枕にされて不覚にもおっきしちゃうステイルさんじゅうよんさいの展開で
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/06(水) 09:15:18.25 ID:obeMfbMk0
>小萌の抱き枕にされて
いや物理的に無理じゃね
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/06(水) 09:23:18.72 ID:4yEaqfcUo
リクエストでアイテムルートとか神裂編を希望
あとあえての香焼が上条さんと会うとか五和と神裂が上条さんを取りあったりとか
猫の名前は勿論モアイだなwwwwwwww
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/06(水) 23:04:03.85 ID:os8D9GZAO
乙です

ところで>>1は他にも何か書いてるんですか?

差し支えなければ教えてくださいm(__)m
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 02:02:38.35 ID:e1AhXSQc0
乙!
俺もモアイに一票
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/04/07(木) 02:44:07.93 ID:7XZyobcM0
オスなら光輝(こうき)を入れます メスの場合はモアイで〜
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/07(木) 18:14:36.39 ID:fik8Utedo
猫の名前ならシュレディンガー…フフフ
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/07(木) 23:36:55.67 ID:p/V61z2AO
乙でーす
猫の名前はメスならモアイ
オスならステイル二号で
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 20:24:28.59 ID:Fbx7/be/0
雄ならコーヤギ
雌ならモアイ

乙なら>>1
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 22:16:40.88 ID:8MaeFufz0
マーライオンかモアイで
あと>>1乙!
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/10(日) 10:50:27.95 ID:iejTZEpAO
猫なのに犬がいるなら猫なのに山羊がいたって不思議じゃない!

ということで雄なら山羊
306 :>>1 [saga]:2011/04/12(火) 21:33:42.93 ID:cMmEngUn0
こんばんわ。おひさしぶりです!
『あらすじ』を描いた絵をプリンターでスキャンしようとしたらキャノンMP460が壊れました……また無駄出費が……


レス返信!
>>294>>297>>299>>300->>305
いや、絹旗がN2爆弾と化したら笑えませんよね。上条さんしか止められないよ。

因みに『最愛』と書いて『モアイ』ですかw? オスだったら……ステイル? こーやぎ? 山羊って何だw?
まーらいおんはアリだなwww シュレディンガーは……准尉でw


>>295->>296
あわきんが無言でステイルの眉間にライフル弾ブチ込みそうだから、絡ませる程度にしときましょう。
あと、世の中には「APTX4869」という薬が有ってだなぁ……

>>297
多分、この香焼の性格上……『新約』前の麦野とは相容れませんよ? それでもOK?
五和とねーちん+カミやんは色んなとこで書かれてるんじゃないかな? でもねーちん単体の小話は有りですね!

>>298
SSは禁書が初めてですね。投稿でひぐらし、とらハ、なのはは書いてたけど……それは残って無いですw
東方はまだ残ってるかもしれませんよ。ただ投稿名が訳有りでして、晒せません。ごめん!


順番が逆になってしまいましたが……<主な登場人物G>

・麦野沈利……学園都市超能力者(トップ7)のbS。原子崩し(メルトダウナー)。学園都市暗部『アイテム』のチームリーダー。
       このSSでの年齢は17歳。しかし神裂と同学年。同じく固法美偉も同学年。三人揃ってお色気担当……ごめんなs(ry
       呼称は・・・麦野、むぎの、沈利、むぎのん、ターミねえちゃん、第4位、原子崩し、爆発しない原子爆弾、等。

       才色兼備容姿端麗の御嬢様超能力者(レベル5)。誇り高き天才少女だが、性格に難有り。ただ此処のSSでは幾分丸い。
       金銭感覚に無頓着で、服装化粧等もかなり金を掛けている様だが鮭弁好きという庶民的な一面も。自己中心を超し自己上位的。
       彼女のプライドの高さは異常なレベルで、失敗・撤退・裏切りは絶対に許さない。キレるとF口調に変わる。
       実力的に、御坂(超電磁砲)と同等以上と自称しているが『リミッター』を解除すればの話である。MSでいうとゲーH。
       因みに『クーデター』前の設定なのでハイパー化はしてない。それでも最強クラスであることには変わりない。
       主にねーちん達と絡む機会や、絹旗を見守る(ちょっかい掛ける)側になるかも……(以下追々付け足)


・フレンダ=セイヴェルン……『アイテム』のメンバー。金髪碧眼。多分カナダかフランス系じゃないかなと。姉属性。
       此処では高校1年。能力を主体にせず、トラップと爆発物の扱いを得意とする。身体能力と格闘技術はかなり高い。
       呼称は・・・フレンダ、フレンダさん、チキンハート、ぺちゃぱい、等。

       「結局〜」、「〜訳」と独特な口調で話をする少女。アイテムの中ではムードメーカー的存在。缶詰フェチ。
       所持する能力は不明だが能力抜きにしても爆弾、トラップ等の策を講じて敵を翻弄出来る裏方のスペシャリスト。
       性格はひょうきんで楽天家。ミスを犯しても『ま、良いっか』で済むと思っている為、後々命取りに……ならないで欲しかった。
       基本自己本位だが、友人仲間を気遣う一面も見せたり。だが生命倫理に関しては残忍で、麦野の次に歪んだ性格かもしれない。
       絹旗、滝壺は彼女の保身に走る性格を何とかしてあげようと考えているのだが、果たして……(以下追々付け足)


・滝壺理后……『アイテム』のメンバー。いつもどこからか信号を受信してぼーっとしている天然系または無表情癒し系の少女。隠れ巨乳。
       此処ではフレンダと同じ、高校1年。能力はレベル4『能力追跡(AIMストーカー)』。人の苗字を平仮名で呼ぶ。
       呼称は・・・滝壺、滝壺さん。(ニックネーム募集中)

       肩の辺りで切りそろえられた黒髪に、ピンクのジャージという姿が基本スタイル。アイテム内では特定能力者の捜索を担当。
       ボーッとしている時はたいてい他人のAIM拡散力場に身を委ねている模様。この時点では浜面と『良い感じ』程度。
       狂人揃いのアイテムの中では異端な程に優しいほんわか少女。しかし、やる時は無理し過ぎる程にやる勇気を持っている。
       『能力体結晶(体晶)』という、簡単にいえば薬型幻想御手(レベルアッパー)を用い自身の能力を酷使している。
       余談だが、実は木原那由他を知っている……(以下追々付け足)


・浜面仕上……『アイテム』のメンバー(下っ端)。元第7学区最大勢力武装無能力者集団(スキルアウト)のリーダーだった。
       此処では高校2年。己の能力が何なのか分からない内に学校をドロップアウトした無能力者。しかしそこまで馬鹿ではない。
       呼称は・・・浜面、はまづら、仕上、浜面氏、不良(チンピラ)、バニー(好き)、馬鹿面、第三の主人公、等。
       
       アイテムの天才アッシーくん。『運転』に掛けては右に出る者はいない程の無免許マン。鍵開けも得意。滝壺と『良い感じ』。
       嘗てスキルアウトのリーダーを押し付けられていた……と勘違いしていた。それなりに人望はある模様。       
       『とある高校生』に喧嘩で負けて以降、半ば腐っていた根性を一に戻す。今は仲間の為に命を張る勇気がある程までに成長した。
       だが麦野(リーダー)のやり方や、絹旗の過去、フレンダの半端さ、滝壺の無謀さ等に色々考える所がある。
       このSSでは香焼と絡めば間違いなく『カミやん』病の相乗効果が望まれるのだが、如何なる事やら……(以下追々付け足)


今回こそ前回紹介したメンバーを出します! ではどうぞ!
307 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:35:29.41 ID:cMmEngUn0
滝壺『前回のあらすじ……きぬはたにゃんにゃん』ペコペコニャーン

フレンダ『滝壺、それだけ聞くと結局エロい訳よ』アハハ

麦野『正しくは絹旗と少年が[にゃんにゃん♪]ダゾっ☆』キラリッ!

浜面『オマエら……ハァ。絹旗対人関係講座二回目です』タラー・・・



自販機の中のKさん『もしかしたら「某SS」の>>472でそんなアフタールートが見れるかもよ!』ウィイイイィ・・・



麦野『な、出張ってくんじゃ無ぇ! コッチじゃ出番やらねっつの糞垣n― 浜面『だあああぁっ!! 兎に角、スタート!!』 ―ちょ!?』




 ―――とある休日、PM02:40、学園都市第7学区、とある公園・・・・・




飽きもせずによく可愛がれるなぁと、香焼少年は苦笑した。自分を中心に猫の輪を形成させている絹旗少女。
最早完璧に猫の王女と化していた。何とも律義に一匹一匹と遊んでいる。


絹旗「オマエはさっきから食べてばかりですね。きっと前世は超相撲取りです」クスッ

猫?「ぬぉ〜」モキュモキュ・・・


一番重そうな猫を撫でる最愛。
てか、ソイツ自分らよりデカくね? とか突っ込まないが……何の疑問も持たないのだろうか。

さておき、そろそろ人間の自分達も小腹が空いた頃合い。コンビニで何か買って来ようかと考えた。その時―――



??「わぁ! 猫さんがいっぱいなの」パタパタ!

絹旗「っ!!?」ビクッ!!



―――此方にフラフラ寄ってくる少女。多分自分達と同じくらいだろう。
因みに最愛は一瞬吃驚し眼を見開き硬直したが……少女を無視する事に決めたらしく、直ぐに猫との戯れを続行した。

一方、少女はと言うと呑気に一言『こんにちわ』と告げ、輪の外から猫軍団を微笑んで見詰めている。


??「これ、全部貴女の猫さんなの?」ニコッ

絹旗「……」ジー・・・

??「んー?」キョトン・・・

絹旗「……」チラッ・・・


無言で自分を見る最愛。そんな『超何とかして下さい!』みたいな目でチラ見しないで下さい。


香焼「えっと、ごめんね。その子、別に君の事嫌いだから無視してるって訳じゃないっすよ」ポリポリ・・・

??「ふぇ?」キョトン・・・

香焼「あと、ソイツら全部野良猫っす」アハハ・・・

??「へー! でもこの子の周りに集まっているの! 如何してなの!?」キラキラ・・・

香焼「それは、まぁ……」チラッ・・・

絹旗「……」ジトー・・・


『超余計な事言わないで下さい!』の目。お願いだから目で会話するの止めて下さい。
それにしてもやたらと目を輝かせる少女だ。おっとりした言葉使いの割には喰い付いて来る。
308 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:39:13.78 ID:cMmEngUn0
滝壺『むっ!』ジー・・・

浜面『如何したんだ?』

滝壺『……きぬはた使い(マスター)のレベル2、観測』フム・・・

浜面『……は?』タラー・・・

フレンダ『確かソイツを通して他人と会話をしようとする程度、だったっけ?』

麦野『アイテム必須技能よ』

浜面『え……俺もそのスキル持ってんのか?』タラー・・・


アイテムは全員絹旗使いレベル4以上です。そんな事は放っておいて……


??「ねぇ、にゃんこ姫さん。お名前は?」

絹旗「っ!!」チラッ・・・

香焼「自分で話そうよ……絹旗最愛っす」アハハ・・・

春上「絹旗、サイアイ? じゃあ貴方は?」チラッ

香焼「香焼っすよ」ニコッ

春上「うん、よろしくなの。えっと……絹旗さん。それとも最愛ちゃん?」

絹旗「……どっちでも」ボソッ

春上「じゃあ最愛ちゃんなの! 私は春上衿衣ってお名前なの。よろしくね」ニコッ

絹旗「……はい」コクッ


珍しく返事をした。どうやら最愛の眼鏡に適ったらしい。暫くやりとりを見守っててあげよう。


麦野『ありゃ対応Aね』ジー・・・

浜面『あの女の子が猫と同じだってか?』

フレンダ『まぁ純粋そうではあるけど……結局、人間だわさ。赤ん坊みたいって訳よ』

滝壺『むむっ!』ジー・・・

浜面『今度は何だ? またレベルが上がったとかか?』

滝壺『違うよ……あの女の子の信号の「色」……私に似てるかも』ジロジロ・・・

浜面『へ?』ポカーン・・・

麦野『ふーん……強度(レベル)は別として、AIM拡散力場に直接関与する希少能力(レアスキル)って感じかしら』ジー・・・


浜面にはサッパリだが、滝壺と麦野はジロジロと興味深そうに少女を見詰めていた。


春上「ふふふ。猫さん可愛いの。最愛ちゃん、この子達全員とお友達なの」ニコニコッ

絹旗「……」コクッ

春上「じゃあ……この子の名前はなぁに?」ニコッ

絹旗「え……」キョトン・・・


一匹の白ネコを撫でる春上少女は、猫の女王様に尋ねた。


春上「ほぇ? 付けてないの?」

絹旗「はい……」コクンッ・・・

春上「じゃあ付けてあげるの」ニコッ

絹旗「ぇ、と……」チラッ
309 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:41:57.88 ID:cMmEngUn0
再び自分に助けを求めてくる最愛。まぁ頑張って会話を続けた様だし、手伝ってやるか。


香焼「最愛。名前付けてあげなよ。ソイツらは野良だから黒猫(コイツ)と違って遠慮する事無いよ」コクッ

絹旗「……分かりました」コクッ


とは言うものの、そろそろ自分の膝上に乗っているコイツにも名前を付けてやっても良いんじゃないかなとは薄々思っている。
だがとりあえず、コイツは最後だ。


春上「じゃあ……このお目々が赤くてボーっとしてる白ネコさん」スッ

絹旗「うさぎ」サラッ

香焼「ダウト」ビシッ

絹旗「え……」キョトン・・・


え、じゃない。


香焼「あの、さぁ」ポリポリ・・・

絹旗「別に、良いじゃないですか。超遠慮するなって言ったの香焼ですよ」ジトー・・・

香焼「……じゃあ、いいっすよ」ハァ・・・

春上「じゃあ次は、その焦げ茶色の子猫さんなの」ピッ

絹旗「こぐま」サラッ

香焼「やっぱ駄目」ビシッ


何故、猫に別の動物名を付けるんだ。おかしいだろ? もしかして最愛、ネーミングセンス無いのか?


絹旗「……だって」ハァ・・・

春上「あはは。それじゃあこの白黒ぶち猫さん」ナデナデ

香焼・絹旗「「ぱんだ」」サラッ

春上「え?」キョトン・・・

絹旗「……えっ!?」ビクッ!!

春上「香焼さん、凄いの! 読心能力者(サイコメトラー)なの?!」オー!

絹旗「え!? そうだったんですか?! 無能力者(レベル0)ってのは超嘘ですなの?!」ポカーン・・・


いや、誰でも読めたよ……あと語尾感染ってるから。ですなのって何さ。


香焼「ハァ……そこのトラ柄は『とら』。ツリ目は『きつね』。茶色の毛むくじゃらは『らいおん』。黒くて大きいのは『ひょう』……違う?」

絹旗「な、何と……超正解、です……」ギョッ!?


いや、超単純過ぎるんです。


浜面『……アイツ、あんなアホの娘だっけ?』タラー・・・

フレンダ『さ、さぁ……』タラー・・・

麦野『お馬鹿では無い筈だけど……単にセンス無いだけじゃないの? 映画の例も有るし』タラー・・・

滝壺『ふふふふふ。きぬはた可愛いよきぬはた』ニコニコッ


しかし、如何したものか。
310 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:44:07.34 ID:cMmEngUn0
香焼「うーん……もう少し猫っぽい名前にしてあげようよ。ネコ科だからライオンとかトラってのも駄目っす」アハハ・・・

春上「ふふっ。じゃあこの上下半身で色が違う猫さんなの」

絹旗「まーらいおん」サラッ

香焼「もしかしてワザとふざけているのかな?」タラー・・・

絹旗「むっ。超真面目です!」ジトー・・・


最愛にはあのライオンの国(シンガーポール)の象徴がネコ科に見えるらしい。最早何を言っても無駄かもしれないな……
半ば諦めかけて妥協しようとした時、ふわふわした少女が最愛を諭し始めた。


春上「最愛ちゃん。猫さんは猫さんなの」フフッ

絹旗「え?」ポカーン・・・

春上「他の動物さんの名前にしちゃうと、猫さんが他の動物さんと一緒に居る時に困ってしまうの」クスッ

絹旗「ふむふむ……成程。分かりました」コクッ

香焼「あ、そういう説明で良いの……」タラー・・・


まるで子供の理屈だが其方の方が効果的らしい。
どうやら納得した最愛は、頭を捻って『では如何しましょう……』と悩み始めた。


麦野『うーん……やっぱり、うん』コクッ

フレンダ『どったの、リーダー』チラッ

麦野『滝壺と被る。おっとり、マイペース、幼児思考……つまり絹旗的には絡み易い』ビシッ

滝壺『えへへ』ニコッ

浜面『喜ぶ所か? 幼児思考ではないだろ? 滝壺は』ハァ

滝壺『……ばぶぅ』パクッ・・・チラッ

浜面『ぶっ!!?』ドッキンコッ!

麦野『うわぁ……何想像したのよ、この弩スケベっ』ジトー・・・

フレンダ『結局、空想だろうが妄想だろうが浜面は変態って訳ねー』ジトー・・・

浜面『ち、違う。だって想像してみろ! 滝壺が上目遣いで指を咥え、甘えた声で『ばぶぅ』と呟く姿を見たら誰だってそ(ry』ナガナガ・・・

麦野『その言い訳が既にマジキモなんですけど』ジトー・・・

フレンダ『距離を置かせて頂きます……って、あ、誰か来たわよ』フイッ

浜面『……俺って、一体』ズーン・・・

滝壺『大丈夫、私はそんなはまづらを応援する努力はしてみる』ニコッ・・・

浜面『』チーン・・・


どうやら現時点で応援はされていないようだ。頑張れ浜面。そんな茶番はさておき……

絹旗を傍からニコニコ見守る春上さん。その名を呼びながら『おーい!』と此方に駆けてくる少女二人。
311 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:47:59.69 ID:cMmEngUn0
春上「あ、初春さん。佐天さん」キョトン・・・

絹旗「ッッ!!?」ビクッ!!

佐天「あ、じゃない! 急に居なくならないでよー」ハァ・・・

初春「もぅ、心配したんですよ?」ハァ・・・

春上「ごめんなさいなの」エヘヘ・・・


友達みたいだ。多分、春上さんを探していたのだろう。


初春「まったく……って、何で猫まみれなんですか?」タラー・・・

佐天「すんごいメルヘン空間だね……ん? 此方は?」ジー・・・

春上「香焼さんなの」ニコッ

佐天「香焼ちゃんかぁ。こんにちは! 貴女が猫の主さんかな?」ニコッ

香焼「あははは……え」ポリポリ・・・ン?

春上「違うの。猫のお姫さまは……あれ?」キョトン・・・


いつの間にか最愛が消えてた。


春上「香焼さん。最愛ちゃんは何処なの?」キョロキョロ・・・

香焼「え……」キョロキョロッ・・・


多分、人が増え過ぎて隠れたんだと思う。
何が起こったのかまるで理解していない3人を余所に、自分は立ち上がって最愛を探そうとした。その時……


ぬこ「にゃん」ジー・・・

香焼「……何」チラッ


黒猫がベンチの裏を見詰めていた。


香焼「……」ン?


そこに……


         _ _    _..  -‐-  .._
        / /  . ::´: :: :: :: :: :: :: ::`丶、
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    ( ( ,.: :: :: :: :: :: :: :: :: :. イ「 : }: 、:`ヽ,:: :: i
        {:: :: :: :: :: :: :: ::、/  i i: : |i,_:\: :‘, :: |
       . :: :: :: :: ::_/i:l`ー‐ヘ!: : 廴Vい、:}.:: |
          、.:: :: :: :{.i::|'ー==ミ \i===ヘ | :トミ_ }
           ∨:: :: ::i|:`T´/|/l/iハハi|: |::_,,ノ
         }:/⌒弋: :i、         人厂         ううぅ……
           /ハ.   ヽ|{三.テテヲ不}:j/`
        {:{  》.__/く}∠∠∠} ´ノ′
         丿:T´:: :\___. -r 、__}
        {:: ::|、:: r‐‐、_{:_:ノ⌒}
         ) ::|::>`ー‐…‐ 、‐' 、
        {//   .     }  }
          ({ {{  /    .ノ´ .ノ′




……チンマイのが隠れてた。
312 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:50:59.65 ID:cMmEngUn0
麦野『あー……始まった』ハァ・・・

浜面『あれは対応@か?』

麦野『一応@だけど、ちょっと違う』

フレンダ『例えば、転校生が質問攻めにあうじゃない。結局、絹旗はああいうのに対応出来ない訳』

浜面『え。隠れんの?』タラー・・・

麦野『しかも質問攻めにあう前にね。最悪、遠くに逃げるし……だからアレはまだ良い方よ』

滝壺『そうだね。きぬはた、仕事だったらクールに無視するんだけど……あのままじゃお友達できないよ』メガホムジョウタイ・・・

浜面『……ん』ポリポリ・・・


日常生活を送る上で支障有り、か。


香焼「最愛。大丈夫っすよ」タラー・・・

絹旗「……」フルフル・・・

初春「どうしたんですか?」ポカーン・・・

香焼「……ちょっとね」アハハ・・・

春上「最愛ちゃん。隠れちゃったの」ジー・・・

佐天・初春「「はい?」」キョトン・・・


そりゃ把握できないだろう。自分は最愛に呼びかけ続け、春上さんは二人に説明をしてくれた。


佐天「なるへそ。此処の野良猫軍団はその娘さんのだったのね」フムフム・・・

初春「極度のあがり症でしょうか?」アハハ・・・

香焼「えっと……そんな感じかもしれないっす」ポリポリ・・・

春上「……最愛ちゃん、大丈夫なの。二人は私のお友達なの」ニコッ

絹旗「……」チラッ・・・ッ


目が合えば俯く。困ったものだ。猫達も心配そうに最愛を見遣っている。


香焼「最愛」ハァ・・・

絹旗「……」フルフル・・・

香焼「誰も意地悪しないよ。出ておいで」ニコッ

絹旗「……」チラッ・・・クイックイッ

香焼「ん? ……ああ、はいはい」アハハ・・・


何が言いたいか分かった。とりあえず自分は立ち上がる。
要は『壁』になってくれという訳で、さっきの『妹さん』の時と同じ対応をするようだ。


佐天「あらら、こんにちは」ニコッ

絹旗「……」ジー・・・

香焼「最愛、挨拶してくれたんだよ。返してあげなきゃ」チラッ

絹旗「……こんにちは」ボソッ

佐天「うん。こんにちは。お名前は?」クスッ

絹旗「……絹旗、最愛です」コクッ・・・

佐天「さいあい……お名前、如何書くのかな?」ニコッ


最愛は恥ずかしそうに、コソッと地面に漢字を書いた。
313 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:54:59.81 ID:cMmEngUn0
佐天「ふむふむ『最愛』ちゃんね。可愛い名前だー! 私は佐天涙子。んでこっちのお花畑は初春だよ」ニコッ

初春「おは……初春飾利です。こんにちは」ニコッ

絹旗「……こんにちは」コクッ


最早シャイな幼稚園児レベルだな。というか自分は保護者なのか?
あと先程から佐天さんとやらは自分達を年下(小学生)だと勘違いしてるっぽい。まるで保母さんレベルの対応。


初春「あれ? 姉妹じゃないんですか?」ポカーン・・・

香焼「いや、苗字違うっすよ。(しまい?)」タラー・・・

佐天「ありゃりゃ。私も妹さんかと思ってた。髪の色とか同じだし」


その理屈だと黒髪の人間は皆兄弟になるよ。


初春「ほら、義姉妹(きょうだい)とかどうです? 懐いてますし」ニコッ

香焼「何故提案? おかしいっすよ」タラー・・・

佐天「いやぁ初春の頭ん中は常にハワイだから、仕方ないよ」アハハ


義兄妹フェチはシスコン道化師だけで結構です。


フレンダ『……絹旗に「仕上お兄ちゃん」って言われたら如何する訳?』ニシシ

浜面『寒気がするので帰りますっつって逃げる』サラッ

フレンダ『ふーん……じゃあ』チラッ

滝壺『……仕上お兄ちゃん』ボソッ

浜面『』

麦野『うわぁ固まった気持ち悪い……キモいじゃなくて気持ち悪い。新たな変態属性に目覚めやがった』タラー・・・


さておき……


春上「ね? 大丈夫なの」ニコッ

絹旗「……」コクッ


そろそろ落ち着いた様なので、ベンチの裏から表へ移動させた。
おっかなびっくりだったが、猫達がぞろぞろ最愛の周りに登ってきたので幾分緊張が解れたようだ。


初春「わぁ。ホントに猫のお姫さまですね」クスッ

春上「今みんなにお名前付けてたところなの。ね、最愛ちゃん」ニコッ

絹旗「……は、ぃ」コクッ


そういえばそうだった。


佐天「名前かぁ。どれが決まったの?」

香焼「まだ一匹も決まってないんすよ」アハハ・・・

佐天「ありゃま。何故にだい?」

香焼「うーん……色々と、ね」タラー・・・

絹旗「……香焼の注文が超多いんですよ」ボソッ


あーうん。それでいいや。
314 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 21:57:51.11 ID:cMmEngUn0
初春「猫の名前っていったらタマとかシロとか、そんな感じでしょうかね」

香焼「ほら、最愛。これが普通っすよ」コクッ

絹旗「……超普通過ぎます」ジー・・・

佐天「あはは。確かに折角名前つけるんだったら可愛かったり恰好良かったりした方が良いもんね」クスッ

絹旗「はい」コクンッ


じゃあまた別の動物の名前をつける気だろうか。


春上「じゃあお友達の名前を付けるの」ニコッ

香焼・絹旗「「友達?」」キョトン・・・

春上「猫さん達は最愛ちゃんのお友達なの。だから普通に呼んであげられるお友達の名前にすればいいの」コクッ

初春「要は人と同じ名前で良いって事ですね」フムフム

佐天「例えば最愛ちゃんと仲良しさんの名前を付けてあげればもっと愛着が沸くんじゃないかな?」ニコッ

絹旗「……仲良し、ですか?」ムゥ・・・


失礼だが……最愛、13人も友達いるのかな。


麦野『……てか、あの子友達いないわよね』タラー・・・

浜面『現時点であの坊主くらいだろ』ハァ


頭を捻る最愛。そして一寸後……


絹旗「……『りこ』」ボソッ

香焼・柵川トリオ『え?』キョトン・・・

絹旗「この超ボーっとした白猫です」ジー・・・

春上「うん。可愛い名前だと思うの。りこちゃん」ニコッ

絹旗「ちょこまか動くツリ目は『ふれんだ』。高飛車そうなシャム猫は『しずり』。ふてぶてしい茶色の毛むくじゃらは『しあげ』」ピッ

佐天「おお。存外決まるもんだね」アハハ


最愛の数少ない……というより、きっと狭く深い交友関係の中の大切な人達だろう。


滝壺『きぬはた……』クスッ・・・

フレンダ『ちょこまか……』

麦野『高飛車……』

浜面『ふてぶてしい……って、まぁいいけどよ。アイツ、後無いんじゃね?』


浜面の予想は当たる。


絹旗「……うーん」ハァ

香焼「どうしたの?」

絹旗「……もういません」ボソッ

香焼「え」

絹旗「……香焼も名前つけてくださいよ」ジー・・・


そうきたか。
315 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:01:45.21 ID:cMmEngUn0
香焼「えっと……春上さん達付ける?」アハハ

春上「駄目。最愛ちゃんは香焼さんを指名したの。付けてあげなきゃいけないの」メッ

香焼「あー……」ポリポリ・・・

絹旗「早く付けて下さい。超サクサク付けて下さい」コクッ

香焼「残りの9匹(黒い子猫抜いて8匹)全部付けろと?」タラー・・・

絹旗「当たり前です」サラッ

香焼「……」ハァ・・・


ふてぶてしいのは君の方だよ。


滝壺『むむむむっ! レベル3……だと……』ジー・・・

浜面『フレンダ。解説宜しく』チラッ

フレンダ『絹旗使いレベル3は、結局奥手な絹旗に物事を頼まれる程度な訳よ』

浜面『おーけー、把握した……ん?』


それは『使い』じゃなくて『使われる』方だ。


香焼「じゃあ、白い奇形の双子は『あにー』と『あん』。トラ柄は『さーしゃ』、焦げ茶が『れっさー』、デカ黒が『すている』」

初春「全部外人さんですか?」

香焼「自分も友達繋がりで付けたっす。あとはブチと上下別色と……猫? か如何か分からない巨大猫だね」ハァ


というかこの『ぬぉ〜』と鳴く猫に名前を付けてはいけない気がする。


佐天「へぇ。友達って香焼ちゃん、日本人でしょ? 実はグローバルな人なのかい?」キョトン・・・

香焼「うーん……説明し辛いっす」ポリポリ・・・


留学していたという事にしておこう。


初春「おお! 何か恰好良いですね! 帰国子女ですか!」キラキラ・・・

佐天「まーた初春の御嬢様願望が始まった。でも凄いのは確かだね。香焼ちゃん、実は常盤台とかいう?」アハハ

香焼「あはは。常盤台って女子校じゃないっすか。自分は入れないっすよ」アハハ

柵川トリオ『……え』ピタッ・・・

香焼「え」ヘァ?

絹旗「ん? ……如何したんですか?」フム?


何、それ……怖い。


佐天「……お、女の子じゃないの?」タラー・・・

春上「びっくりなの……」キョトン・・・

絹旗「え!? こ、香焼……女子だったんですかっ!!?」ビックリ!

初春「え、いや、男の娘でしょう? 常識的に考えて」ジー・・・


ヤダ、何……え?
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 22:04:10.32 ID:s41fPWfDO
え‥‥初春の言う通りでしょ?
317 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:06:39.37 ID:cMmEngUn0
麦野・フレンダ・浜面『ダぁっハっハっハっハっハっハっハっ!!』ゲラゲラゲラゲラッ!!

滝壺『笑っちゃ、駄目……ププッ……だよ……クスッ』プルプル・・・

浜面『た、確かに……予め男だって分からなきゃ女に見えなくもないな!』アハハ!

フレンダ『は、腹痛い……ヤバい。ツボった……訳よ!』イヒヒヒヒッ!!

麦野『しかも絹旗のヤツ、今の言葉真に受けてるし!』アヒャヒャヒャッ!


……ああ、成程。だから佐天さんは自分の事『ちゃん』付けしてたのか。
自分は無言で財布の中から学生証を取り出して、3人に見せた。


柵川トリオ『……あ』ピタッ

香焼「これで分かったっすね。あと自分も最愛も中学生っすよ」ハァ・・・

絹旗「はい。私は超中学生です」コクッ


超中学生って言葉は無いですよ、最愛さん。
とりあえず3人を納得させた……と思ったら様子が変だ。


初春「や、やっぱり御嬢様じゃないですかっ!! しかも『▲▲▲』学院って理事校ですよ!!」ギョッ!!

佐天「うわぁ……っべー。レアよ。この子レアよ。学舎の園の外に出る御嬢様達よりレアよ!」ジー!!

春上「凄いの! 理事校の生徒が外を歩いてるの! きっと……捕まえたら高く売れる筈なの」グヘヘ・・・

絹旗「おー。香焼の学生証初めて見ました。嘘じゃ無かったんですね、超官僚予備軍の話は」ヘー


そっちかぁ……そっちに喰い付いたかぁ……


香焼「いや……制服見てよ」ハァ・・・

4人『ん? ……あ』ピタッ

香焼「じゃあ『自分』じゃなくて『オレ』とか『僕』って話した方が良いかな? あと最愛、何で一緒になってるの?」マッタク・・・

佐天「あ、あははは……ごめんごめん」ポリポリ・・・

春上「ずっと女の子だと思ってたの。ごめんなさい」ペコッ

初春「いや、世の中には『俺っ娘』や『僕っ娘』というジャンルも……あ、はい。ごめんなさい」タラー・・・


いや、まぁ偶に間違えられるけど……毎度の事ながらショックだ。


絹旗「大丈夫です。初めて会った時、正直香焼の性別判断を超微妙に間違いそうでしたから」サラッ

香焼「何が大丈夫なのかな? それは自分も最愛が最初男の子だと思ったっていうレベルだよ?」ジトー・・・

絹旗「むっ! 私は一度も間違えられた事なんかありませんよ!」プクー!


いや、短パン穿いてた時はどっちとも取れたよ。
318 :>>316・・・屋上。 [saga]:2011/04/12(火) 22:09:46.07 ID:cMmEngUn0
フレンダ『ふむふむ。確かにそう言われてみると絹旗が中性的に見えてくる訳よ』ジー・・・

滝壺『それはまだ幼いからだよ。もう少しすれば女性っぽくなってくると思うけど』クスッ

麦野『まぁまだ初潮も来てねぇガキんちょだしね。見分け付かねぇわな』アハハ

浜面『……おまえ』ハァ・・・


実際麦野は絹旗の第二次性徴云々は知りません。滝壺さんだけ知ってるらしいです。(?)


佐天「まぁまぁ。じゃあ最愛ちゃんは香焼くんの同級生か何かかな?」ニコッ

絹旗「……違います」フルフル・・・チラッ

香焼「最愛は……言っていいの? 自分で言う?」チラッ

絹旗「……私は霧ヶ丘です」ボソッ

初春「へぇ! って事は坊ちゃん御嬢様コンビですね!」キラキラ・・・

春上「初春さん、それはおかしいの……」アハハ・・・


初春さんは少し人と感性が違うっぽい。
さておき、最愛が自分の裾を引っ張っている事に気付いた。多分これ以上『自身』の話をされたくないのだろう。
確かに……あまり大きな声で話せる様な生活を送っていないらしいしね。


香焼「……そういえば3人は如何いう関係なんすか?」ニコッ

佐天「ん? 私達は同級生だよ。近くの学区立中学校」

初春「柵川中です。知ってますか?」

香焼「うん。今の学校じゃなかったら多分、そこ通ってたからね」クスッ

初春「何と!?」ビックリ!

春上「もしかしたら同級生だったかもしれないの」ニコッ


もしかしたら、か……あの馬鹿1号2号がやらかしてなきゃね。  ※第5話参照。


香焼「じゃあ今日は休みだから遊び歩いてたとか?」

初春「遊び歩……あ!」ドキッ!


いきなり腕時計を見る初春さん。


初春「二人とも!! もう3時ですよ!!?」ギョッ!!

佐天「げっ!! ヤバっ!!」タラー・・・

香焼「どうしたの?」

佐天「あーえっと、人と待ち合わせしてたの……走って間に合うかなぁ」ハァ

初春「春上さん! 枝先さんに連絡を!」アタフタ・・・

春上「もうしてあるの。あと木山先生がこっちに迎えに来てくれるそうなの」ニコッ

佐天「このフワフワっ娘は遅れた原因のくせにちゃっかりと……」ハァ・・・


呑気に猫を撫でるおっとり少女に呆れる友人二人。
319 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:11:44.84 ID:cMmEngUn0
佐天「あわわ……ごめん、二人とも! もう少しお話したかったんだけど、用事があるの」ポリポリ・・・

香焼「え、う、うん。大丈夫っすよ」アハハ・・・

初春「春上さん。そろそろ行きますよ! 木山先生待たせてしまいます」ヤレヤレ

春上「うーん……名残惜しいけど、仕方ないの」ムゥ


立ち上がる春上さん。


春上「最愛ちゃん」

絹旗「はい」ピクッ

春上「また猫さんと遊ばせて欲しいの。良ーい?」ニコッ

絹旗「え、あ、えっと……その……どぉぞ」コクッ・・・

春上「ふふふ。約束なの」フフッ

佐天「香焼くんも機会があればまた何処かでねー」ニコッ

香焼「うん。また」ニコッ


そして三人は手を振り、駆けて行った。


香焼「……行っちゃったね」クスッ

絹旗「何か超疲れました」ハァ・・・

香焼「良かったじゃないか。友達増えたろ?」ニコッ

絹旗「うーん……そうなんですかね」ムゥ・・・


少なくとも彼女達はそう思ってくれている筈だ。


香焼「さぁ。残り2匹の名前考えちゃおう」ポンッ

絹旗「……この大きいのは?」ピシッ

猫(?!)「ぬぉ〜……」ジー・・・


だからソイツに名前を付けちゃいけない。


絹旗「じゃあ、この後から入ってきた三毛は?」スッ

香焼「14匹目? って……」エ・・・

絹旗「どうしました?」ポカーン・・・

香焼「……多分近くに飼い主がいる筈っすから、離しといてあげよう」アハハ・・・

絹旗「ふむ……超仕方ないですね」ナデナデ


首輪が付いてるオスの三毛の子猫……その猫にも名前は付けちゃいけない。


スフィンクス「みー」フシフシ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 22:14:01.81 ID:dfgLqxRWo
ドwルwジw

そして佐天さんミサワ読んでるww
321 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:14:25.04 ID:cMmEngUn0
 ―――とある休日、PM03:15、学園都市第7学区、とある公園・・・・・




残りの2匹は1匹ずつ名付ける事にした。
自分が付けたのは白黒のぶち猫で、『長老』。最愛は上下別色の方で……『まーらいおん』。結局そうなるのか。


絹旗「だってさっきの三毛猫、スフィンクスって名前だったんでしょう。だったら良い筈です!」フンッ!

香焼「ふーん……マーライオンって何だか分かってる?」

絹旗「馬鹿にしないで下さい! 上がライオン、下が魚の怪獣です!」エッヘン・・・

香焼「怪獣って……じゃあ何処に有るの?」

絹旗「……はい?」エ・・・

香焼「だからマーライオンは何処の国に有るか知ってる?」ジー・・・

絹旗「ちょ、超知ってますよ! あ、あれです! 下の方!」アタフタ・・・


流石、超理系少女。地理が弱い。


香焼「じゃあスフィンクスは?」

絹旗「ちょ、超熱い方!」アタフタ・・・

香焼「……最愛。今度一緒に社会の勉強しようか。割と本気で」ハァ・・・


これじゃあ大人になってから恥を掻く。


浜面『マーライオン……マレーシアだっけ?』

麦野『浜面……マジで言ってんの』エ・・・

フレンダ『じゃあスフィンクスは?』

浜面『……ピラミッド地方』ポリポリ・・・

麦野『おま……コメントに困るんだけど』タラー・・・

滝壺『はまづら……後できぬはたと一緒に小学5年の社会、勉強しようね』ブワァ・・・

浜面『べ、別に知らなくたって生きてけんだよっ!!』ガアアァッ!!


こういう風に恥を掻きます。


香焼「マーライオンはシンガポール、下の方じゃなくて南側。スフィンクスはエジプトでアフリカ北部っす」タラー・・・

絹旗「むぅ……流石超グローバル人間ですね」

香焼「小4、5レベルっすよ……」

絹旗「だって社会なんて専攻してないですもん」

香焼「いや、義務教育でしょ」ハァ・・・

絹旗「が、学園都市は超特例地区なんです! だからいいの!!」フシャーッ!!


同時に猫達も『シャーッ!』と唸った。まったくもぅ……


香焼「……じゃあ専攻って何やってたんすか?」ジトー・・・

絹旗「え」ドキッ

香焼「超特例なんだろ?」

絹旗「ええっと……言っても超意味不明だと思いますよ?」

香焼「大体のカリキュラムは把握してるっすよ」フフフ・・・
322 :>>320・・・お前斉藤っす。 [saga]:2011/04/12(火) 22:20:43.13 ID:cMmEngUn0
伊達に理事校へ通ってない。最愛は『では……』と一呼吸置き、一気に告げた。


絹旗「運動量・熱量・光・電気量等あらゆるベクトル(向き)の観測及び干渉。並びに大気中の窒素(N2)操作の有効利用 ―以下略― です」サラッ

香焼「……」タラー・・・

絹旗「……ふふふ」ドヤァ!

香焼「な、習ってないっすねぇ。あはは……来年にでも習うのかなぁ……」ダラダラ・・・

絹旗「霧ヶ丘『付属』は内部関係者でも知らない研究が超沢山あるんですよーだ。例え理事校でも習わないんじゃないんですかねぇ」フフフ・・・


まぁ……人には向き不向きがあるという事だ。


浜面『……麦野とかもっと難しい名前なのか?』タラー・・・

麦野『名前忘れた。長過ぎんのよ、専攻名……小論文かっての。原子崩し(メルトダウナー)で良いのよ。炉心融解者で』ハァ

滝壺『私も正式名称長くて所々しか覚えてないよ』

フレンダ『まぁ……希少能力者になればなる程、結局肩書きが面倒臭くなる訳よね』ハハハ


それが『科学』の街、学園都市。


香焼「と、とりあえず……万物力量干渉系能力って事? それとも大気操作系?」

絹旗「超秘密ですよ。にゃー」クスッ

猫s『にゃー』ジー・・・

香焼「気になるなぁ……」ポリポリ・・・

絹旗「じゃあ香焼の専攻は?」

香焼「それこそ言っても分かんないっすよ?」

絹旗「そんなの分かってます。でも私が言ったんだから教えて下さいよ」ジー・・・


やれやれ、子供だなぁと内心苦笑。


香焼「都市における宗教・科学信仰。並びそこから派生する『結社(新興、古参に限らず)』について……分かんないよね」アハハ・・・

絹旗「……科学信仰なんてもの有るんですか?」ポカーン・・・

香焼「うーんと、科学結社って聞いた事ある?」

絹旗「一応……『AI(人工知能)崇拝連合』とか『機械神(Deus ex machina)教』ですよね」コクッ

香焼「有名どころだとそうだね。とりあえず『信仰』の形は自由っすからそれが『科学』であっても良いんすよ」

絹旗「へぇ……じゃあ猫達は私を超慕ってますから私が神さまですか」クスッ

香焼「あはは。確かにね」フフッ

猫s『ふにゃー』ペコペコ


そこに結社としての方針が生まれなければ成り立たないのだが、細かい事は説明しても無駄だと思うので止めておく。
323 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:24:57.81 ID:cMmEngUn0
浜面『アイツら本当に中坊か? 俺にはサッパリだ』タラー・・・

滝壺『片や希少な大能力者。片や都市随一の政治学校だからね』

麦野『アンタが昔所属してた武装無能力者集団だって同じよ。「方針」に参同出来たから入ったんでしょ?』

浜面『まぁな。そういう事なのか?』

フレンダ『信仰って言葉は変だけど、結局似た様なモノって訳よ』


要は目的と手段が『現実思考(科学)』であるか『非現実(宗教)』であるかの違いだ。
尤もスキルアウトは無能力者による『運動』に近い為、異なると謂えば異なる。


麦野『私の友達に宗教の専門家が居るけど……傍から見ればこの「都市」自体が一種の科学信仰なんだってさ』

浜面『ハァ? 俺は科学信仰なんかした事無ぇぞ』

フレンダ『でも結局はこの街に居座っている訳でしょ? それってつまりは科学に縋ってる訳じゃない』

滝壺『それに「能力開発(カリキュラム)」に同意しなきゃ学園都市には入れないよ、はまづら。特例が無い限りはね』

浜面『……んー』ポリポリ・・・


『超能力』という力(科学)に魅力を感じ入学した者達。確かに見方によっては『崇拝』なのかもしれない。
今は如何あれ、浜面仕上という人間も能力に憧れていた頃があった筈なのだ。

さておき、少年少女は猫達に囲まれながら別の話題に移っていた。


香焼「……ねぇ、最愛」チラッ

絹旗「ん、如何したんですか?」キョトン・・・

香焼「えっとさ……答えたくなかったら良いんすけど……」ポリポリ・・・

絹旗「え? な、何でしょう。もったいぶらないで下さいよ」ドキッ!

ぬこ「みゃー」トコトコ・・・


能力の専攻について聞けたついでに、普段の事も聞いてみようかと考えた。
一方、絹旗は妙にドギマギ。


フレンダ『おぉ……何か始まる訳?』ウキウキ!

浜面『いや、ただの質問じゃね?』

滝壺『うふふ。きぬはた超ドキドキ中だね』ニコニコ!

麦野『何でもいいけど、あの子ベラベラ言い過ぎんじゃないわよ……』ハァ


大した事を聞くつもりは無い。『普段』を聞きたいのだ。


香焼「最愛、いつも何して過ごしてるの?」

絹旗「え? いつも、何って……うーん」ポリポリ・・・


学校に行っていないのは知っている。内容は分からないが『仕事』とやらをしているのも知っている。
しかしその他の間、この娘は何をしているのだろう。


絹旗「仕事して……ファミレスで屯して……偶にゲーセン行って……仕事して……映画見て……」ムゥ・・・

香焼「それから?」

絹旗「仕事して……映画見て……ご飯食べて……仕事して……仕事して……寝ます」コクンッ・・・

香焼「……」タラー・・・


仕事、仕事って……
324 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:27:17.02 ID:cMmEngUn0
麦野『あの馬鹿!』アチャー・・・

フレンダ『あんな記憶探り探りの言い方したら、結局突っ込まれるに決まってる訳よ』ハァ・・・


そこまで言われると、聞かざるを得ない。
自分は思い切って、猫達と一緒に頭を捻る最愛に尋ねてみる事にした。


香焼「……最愛。仕事って―――」



不良「うっはっ! 猫まみれっぽ!」テクテク・・・

DQN「オメェの猫可愛がりキメェって……あ?」ポカーン・・・

チャラ「お子様カップルが一丁前にデートかよ……ケッ」ジトー・・・



香焼「―――……」チラッ


何だか面倒臭い輩が近づいてきた。また最愛が隠れてしま……わない。
今度は何故か猫を撫で続けていた。よく見ると、男達にばれない様こっそり猫達を逃がしている。

しかし……白い赤目――確か『りこ』――が先頭を歩いてきた不良に首根っこを捕まえられた。


不良「あー、いいわ。やっぱ猫癒されんわ」グイッ・・・

りこ「……みぃ」ジタバタ

絹旗「あ……」ピクッ

DQN「テメェそう言う割には持ち方雑じゃね」アハハ

不良「いや、猫っつったら首鷲掴みじゃねぇの?」ハェ?

チャラ「止めとけって。そこのガキ怖がってんじゃ……あ?」ン?


怖がってなどいない。自分も最愛も、どちらかというと……怒っている。


チャラ「……何?」ジトー・・・

香焼「……猫が嫌がってるっす。離して貰えませんか?」

DQN「貰えませんかー? だっつぞ?」チラッ

不良「へ? この猫テメェのなの?」ジー・・・

香焼「違います……だけど、嫌がってるのは分かります」ジー・・・

不良「やっぱ野良じゃねぇかよ……ハッ」グイッ!

りこ「……みゃぅ」ジタバタ・・・

絹旗「っ!!」キッ!!

DQN「うっはっ! 睨まれてんぞー」アハハ!

不良「あはは。嬢ちゃん、凄むのは良いけどよぉ相手見てガンくれろよ? お兄さん達まだ優しいけど……怒ると怖いぞー」ケラケラ


子供だと思って自分達を馬鹿にする3人組。
何となくだが、最愛が『仕出かしそう』な雰囲気を醸し出しているのが分かる。それはアニェーゼがキレている時の『威圧』に似ていた。
325 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:29:21.29 ID:cMmEngUn0
それをさせるのは……拙い。こういう輩は此方が臆さず出娑婆らずの対応を見せれば勝手に帰るものだ。


香焼「……最愛、怒らないで」ボソッ

絹旗「言われなくとも……超分かってます」ボソッ

チャラ「ったく、オメェらガキ相手に大人げ無ぇなぁ……行こうぜ」フンッ

DQN「あーはいはい。俺らはガキですよー」ケッ・・・


良かった。帰ってくれそうだ。


浜面『あの絹旗の対応は如何なんだ?』チラッ

麦野『まだ対応@よ。人と絡まない状態。怒ってるけどまだ無視を続けられる』ジー・・・

滝壺『きぬはたはそんなに沸点低くないからね。ただ超えちゃうと……』ウーン・・・

浜面『超えると?』

フレンダ『……結局、アンタもよく知る絹旗が出てくる訳』ジー・・・


自分と最愛が一安心した矢先……まだ一人が残って『りこ』を離さずにいた。


不良「コイツ持ってくわ」テクテク・・・

香焼「な……」ギョッ!!

チャラ「汚ぇ野良猫をよく飼う気になるな」ハァ・・・

不良「俺ぁ動物飼った事ぁ無ぇよ。飽きたらどっかに置けばいいじゃん」ハハハ

DQN「ははは、エグっ! そりゃテメェの勝手だが一緒に歩くなよー。離れて歩け」ウッヘー

不良「おまっ……可愛いだろ、うりゃっ」グッ

チャラ「近づけんな、バッチぃ」シッシッ!

りこ「みーみー」イヤイヤ!

絹旗「りこ!」ギロッ・・・

不良「あーうん。リコちゃんねー。じゃ行こうかリコにゃん」テクテク・・・

香焼(コイツら……)キッ・・・


流石に口を出そうと―――した刹那。


しあげ「ンニャっ!!」バッ!!

絹旗「あ、しあげっ!」ビクッ

不良「ん……うをっ!!」ドキッ!!

しあげ「がうっ!」カプッ!!

不良「痛ぅっ!!」バッ!!

りこ「みゃんっ……」パッ・・・タタタタ・・・

DQN「ダハハっ!! 噛まれてやんのー!」ケラケラ!


茶色い毛むくじゃらの『しあげ』が、『りこ』を連れ去ろうとした不良の腕に飛び付いた。
何とか『りこ』は不良から脱出し、最愛の下へ帰って来る。
326 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:32:30.33 ID:cMmEngUn0
不良「コイ、ツ……いくら俺が猫好きっつってもよぉ……」ギロッ・・・

しあげ「フシャーッ……」ジー・・・

チャラ「あーあー……知らね」ハハッ!

不良「……ふんっ!」バシッ!

しあげ「ニャッ……ッ」ボンッ!!

香焼「発火能力者!?」ギョッ!!

絹旗「しあげー!!」アア!!


炎の点った平手で叩かれる『しあげ』。勢い良く地面に叩き付けられた。


麦野『……ヤバいわね』タラー・・・

フレンダ『うん……滝壺』タラー・・・

滝壺『了解』カチカチ・・・

浜面『……てかこの設定(空想)、悪意を感じるぞ』ハァ・・・


続けて不良が『しあげ』を蹴り付けようとした瞬間、最愛が告げた。


絹旗「おい……止めろ」ギロッ・・・

不良「……あん?」ピタッ

絹旗「止めろって言ってるんです……しずり、すている……しあげを引っ張って退いて下さい」ニャゥ・・・

しずり・すている「「……」」コクッ・・・トコトコ


立ち上がる最愛。不良は『何だ糞餓鬼』と標的を最愛に変更した。
そして二人が睨み合いをし始めた間に、『しずり』と『すている』が『しあげ』を回収した。


絹旗「……帰って下さい」ギロッ・・・

不良「……口には気を点けましょーねぇ。お兄さん達オッカナイよって言ったよなぁ」ア?

チャラ「オイ、いい加減にしとけよ。風紀委員に見つかったら面倒だぞ」トンッ

香焼「っ……自分も、そう思うっす。お願いします」チラッ

絹旗「……」グッ・・・


アチラにも常識人は居るようだ。このまま引いて貰いたい。


不良「……そこのガキがまだ睨んでんだがよぉ。腹収まんねぇってなぁ」ギロッ・・・

DQN「だからガキ相手にマジなんなって……嬢ちゃん、一言謝ればこの馬鹿帰ってくれるってさ」ハァ

絹旗「超嫌です」キッパリ

不良「……さっきの猫ごと燃やしてやっか」パキッ・・・

絹旗「ッ―――」ギリッ


瞬間―――殺気。


香焼「ッ!!?」ピキリーンッ!!


一般人には分からないだろう……皮膚の中に凍傷しそうなくらい冷たい鉄を押し付けられた感覚。
英国・天草の任務で『死地』に足を運ぶ際に味わう、禍々しい悪寒。
327 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 22:35:36.18 ID:cMmEngUn0
そしてその発生源は……自分の隣に居る少女。


浜面『おい、あれヤバいんじゃねぇのか』タラー・・・

フレンダ『滝壺っ!』

滝壺『送った! あとはあの男の子に頑張ってもらうしかないよ』ウーン・・・

麦野『……あれが絹旗の対応Bよ』ハァ

浜面『Bって……アレ、仕事中のアイツだろ』エ・・・

麦野『自分の敵に成り得るのであれば、日常でもああなるわ。無論手加減はするけど……』


手加減はすれど、命の保証は無い。絹旗最愛という少女に『武術』の心得は無いのだ。

    殴る。蹴る。ぶつける。攻撃を受け付けない。

単純且つ豪快。それが窒素装甲……『攻性』鎧(オフェンスアーマー)なのだ。


麦野『フレンダくらいとは言わないけど、齧る程度「喧嘩」の仕方覚えて貰いたいわね……』

浜面『殺人と喧嘩が混同してるのか? でも俺に殴りかかって来る時、そんなには』

滝壺『きぬはた、はまづらに対して本気で怒った事無いから。今のきぬはたは……結構、プッツン気味』

フレンダ『何にしろ例え怪我で済んでも、風紀委員や警備員に見つかれば結局厄介な訳よ』


暗部(アイテム)として、正直つまらぬ厄介事を作りたくない。故に……釘を刺した。


 Prrr・・・・Prrr・・・・・


絹旗「―――ッ……」ピタッ・・・


最愛の携帯が鳴った。


絹旗「……チッ」グッ・・・


途端、殺気が弱まる。自分は内心安堵したが……不良にとっては些細な事。御構い無しに声を荒げた。


絹旗「あの人はまた隠れて追跡(スニーキング)を……」カチカチ・・・

不良「何携帯なんか気にしてんだ糞餓鬼ぁっ!!」ボッ!!

絹旗「超雑魚のくせに勢がって……滝壺さんからメール来て無かったら打ん殴ってましたよ」ギロッ・・・

不良「んだとゴラァっ!!」ギロッ!

香焼「っ……本当に通報しますよ。帰って下さい」スタッ

DQN「あーあ。知らね……俺ら関係無ぇぞー。先行ってて良いかー」ハァ・・・

不良「上等だボケナスがっ!! 全治2ヶ月大火傷は覚悟しろっ!!」ボワァッ!!

チャラ「げぇっ!! 俺らまで巻き込まれるっつの!!」タラー・・・


冷静になった最愛とは裏腹、馬鹿にされたと勘違いしたらしいオツムの弱い不良さんはプッツン状態に。
只今演算中なのか凡そ1m程の火球を構成している。大体、異・強能力者(レベル2,3)だろう。


絹旗「……香焼。私の後ろに」チラッ

香焼「……最愛こそ、下がって」スッ

絹旗「無能力者のくせに恰好付けなくていいですから」ボソッ

香焼「女の子を盾にするよう、教育されて無いんすよ」ボソッ


鋼糸(ワイヤー)を握り、術式を錬った。直ぐに耐熱防壁を展開できる。この程度の炎……ステイルに比べたら、カス同然だ。
328 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:06:39.58 ID:cMmEngUn0
絹旗「因みに……攻撃受けた後だったら、超正当防衛ですよね」ニヤッ・・・

香焼「物騒な事言わないでよ……何とか説得するから、猫達守ってて」ハァ

不良「ゴチャゴチャ五月蠅ぇんだよぉ……小学生共がああぁっ!!」ブンッ!!


放たれた火球。見事自分らに着弾した。


不良「ハッハァーっ!! チェストゥッ!!」ボワアアァッ!!

チャラ「ちょ、オマ……拙いぞ」タラー・・・

DQN「おいおい……一緒に居たからって俺らまでネンショー(少年院)行きとかマジ勘弁だぜ」ダラダラ・・・


立ち込める黒煙。漂う焦臭。


チャラ「さっさと逃げるぞ!! これ即行風紀委員駆け付けるって!」アタフタ・・・

不良「ふんっ! ガキのくせに調子乗っからこうなんだ……二度と面出すなよ」チッ・・・


普通で有れば、確かに全治2ヶ月はくだらないだろう……『普通』で有れば。


DQN「うわぁ………………ぇ」ピクッ

不良「如何した。面かるぞー。それともオマエ殿してくれんの?」ハハハ

DQN「……おい」タラー・・・

チャラ「はぁ……ぃいッ?!」ギョッ・・・


目を凝らす。そこには……


絹旗「……何からツッコめばいいか分かりませんね」ケホケホ・・・

香焼「自分も……色々ツッコみたいっすよ」コホンッ・・・

猫s『にゃーぅ……』クチュンッ! クシュンッ!


まるで変わり無い光景が残っていた。二人はおろか、猫、そしてベンチまで無事である。


不良「な……ぇ……」タラー・・・

絹旗「粋がるのは超勝手ですが、見た目で相手の強度(レベル)判断してたら生き残れませんよ? 超チンピラさん」ジトー・・・

不良「い……おま、え……ら……」ダラダラ・・・

香焼「最愛、売り言葉には買い言葉しか返って来ないっすよ……風紀委員には能力の暴発って事で説明しとくっす。帰って下さい」チラッ

DQN「……お、おい。マジで行くぞ」グイッ・・・

チャラ「折角、こう言ってんだからよ……相手悪かったって」ハハハ・・・


そうしてくれ。


不良「こ、の……嘗めんなああああぁっ!! オレぁ大能力者(レベル4)様だぞぉっ!!」ガアアァッ!!

DQN「何で見栄張ってんだっ?! 素直に異能力って認めろバカ!」ヤベッ・・・

チャラ「あーもぅ……何でこんな単純阿呆とつるんでんだ俺はよぉ……」ハァ・・・


お察しします。
329 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:20:26.89 ID:cMmEngUn0
絹旗「……如何します?」チラッ

香焼「大人しくしてれば誰かが風紀委員か警備員が呼んでくれるっすよ」コクッ

絹旗「……」ウーン・・・

香焼「兎に角、猫達をベンチの下に隠しといて」チラッ

猫s『なぅ』ジー・・・

絹旗「……了解です」コクッ


それよりも、と絹旗には気になる事があった。先程の火球は自分の装甲に触れてない。
つまり……香焼が『何か』をした。もしかして無能力者というのは嘘なのだろうか。


麦野『滝壺』チラッ

滝壺『何だか、彼の信号の「色」……変……』ジー・・・

フレンダ『……如何いう訳?』

滝壺『……気持ち悪い』ジー・・・

浜面『はぁ?』キョトン・・・

麦野『……』フンッ・・・


それは彼らが知り得ない『力』。


香焼(あー……ばれたら始末書どころじゃ済まないっすねぇ)ハァ・・・


展開した術式は『結界』の一種。自分を中心に半径3m以内に鋼糸でドーム状の『壁』を作った。
網(隙間)となる部分には『魔力』を通してある為、今の火球程度であれば余裕で無傷。
ただし多少の空気は通す故、少々煙と熱は入ってしまう。

尤も、ステイルクラスの火炎であれば守って3秒……それが今の自分の実力である。


香焼(五和や建宮さんならもっと大きく硬い壁作れるんだろうけど……要修行って事っすね)スッ・・・


とりあえず一度『壁』をしまった。
因みに鋼糸は天草の基礎中の基礎武具なので常に携帯している。今使った鋼糸は3番。番号が大きくなる程重く硬い。小さければ、鋭く軽い。

さておき……不良が自棄になった訳で。


不良「ダアアアァッ!! 通れえええぃっ!!」ダダダダダダダッ!!

絹旗「あー馬鹿みたいに超ぶっ放して来てますけど……」ジー・・・

香焼「あはは……困ったね」タラー・・・


香焼は再度即座に『結界』を展開した。火球は虚しく霧散していくばかり。
ただ絹旗的に見れば何が起こっているのか分からない故、不思議で仕方が無い。


絹旗「……超嘘つき」ジトー・・・

香焼「ええっと……」アハハ・・・

絹旗「無能力ってのは嘘だったんですね」ジトー・・・

香焼「うーん……本当なんだけど……アレっす。『CD(キャパシティダウン)』とか『攪乱の羽(チャフシード)』だと思ってて」タラー・・・


キャパシティダウンも攪乱の羽も、簡単に謂えばAIM拡散力場に干渉する『ジャマー』だ。


絹旗「……だったら私の能力も消える筈ですけど」ジトー・・・

香焼「じゃあ……『マジック』だよ」ポリポリ・・・

絹旗「……手品(マジック)?」ハァ・・・
330 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:23:24.92 ID:cMmEngUn0
無論、種と仕掛け『しか』ない魔術(マジック)である。詳細を説明する気はサラサラ無い。


絹旗「……後で説明して下さい」ジトー・・・

香焼「最愛の能力教えてくれたら自分も教えるっすよ」クスッ

絹旗「……むぅ」ポリポリ・・・


お互いに隠し事の多い人間。


不良「こ、のぅ……ぜぇ……糞ったれがぁ……」ゼェゼェ・・・

DQN「お、おい……もう気ぃ済んだろ」ポンッ・・・

不良「ハァハァ……っせえぇ!! 百辺殺してやる!! もぅ泣いて土下座しても許さねぇ!!」ガアアアァ!!

絹旗「……だそうです」ハァ・・・

香焼「困ったね」ハハハ・・・

不良「ん、の……余裕ブっ扱きやがってよぉっ!!」ダダダダダダッ!!

絹旗「ねぇ香焼。そろそろ超攻撃しちゃ駄目ですか? やられっ放しは超好みじゃないんですけど」チラッ

香焼「駄目」ピシャッ

絹旗「……優しいんだか、甘いんだか」ハァ・・・

香焼「良く言われるっす」タラー・・・


それが香焼の性格だ。


麦野『あの坊や……如何思う?』ジー・・・

浜面『はい?』

フレンダ『攻撃手段無いから徹底防戦』

滝壺『不良さん達を傷つけたくないから防戦一方』

浜面『ああ、そういう……面倒事避ける為じゃねぇのか? いざって時少しでも手ぇ出しちまうと風紀委員五月蠅ぇからさ』

麦野『ふーん……』ジー・・・

滝壺『むぎのは?』

麦野『……教えない』フフッ

フレンダ・滝壺・浜面『『『え?』』』ポカーン・・・


分かってしまった気がするので、教えたくなかった。
あの少年はこの短時間で絹旗の性格を読んだ。多分、先程発した『殺気』で判断したのだろう。

最愛に攻撃させたら、最愛が『傷付く』。身体がとかでは無く、精神(ココロ)が荒む。

そんな甘っちょろい考えで……殺人鬼を守ろうとするなんて。


麦野(ホント、苦手なタイプだわ)クスクス・・・


自分の『とある友人』にも似た理念。
それは優しく甘ったる過ぎて……自分の様な『日蔭者』には猛毒。ずっと酔い痴れたくなるのだ。その温かさに。


麦野『……とりあえず誰か匿名で風紀委員呼んでやりなさい。あのチンピラしつこ過ぎんわ』ハァ・・・

滝壺『そうだね……って……ッッ!!?』ギョッ!!

フレンダ『どったの?』キョトン・・・

滝壺『何か、東南東から「面倒臭い」信号が……来てるよ』ダラダラ・・・

麦野・フレンダ・浜面『『『はぁ?』』』ポカーン・・・
331 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:26:05.29 ID:cMmEngUn0
再び少年少女達の方を見遣る。


DQN「お、おい……俺ら逃げようぜ。そろそろ風紀委員来ちまうぞ」ダラダラ・・・

チャラ「いや、コイツ置いてったら結局同じだって。ガキ共が俺らまでっつったら終わりだぞ」タラー・・・

香焼「あ、大丈夫っす。彼だけって言っときますから」ニコッ

DQN・チャラ「「サンキュッ!!」」b”!

不良「テメェら逃げたら燃やすかんなっ!!」ギロッ・・・

DQN「なぁっ!? ざけんなよっ!! ダチ燃やすって気ぃ狂ってんじゃねぇのか!?」ハァ!?

不良「テメェらこそダチ置いて逃げるとか薄情モンだろぉがよぉっ!!」ガアアァッ!!

絹旗「あーあー……超仲間割れですね」ヤレヤレ・・・


ギャーギャー騒ぎ出すチンピラ3人。この間に猫達連れて逃げても良いのでは?
そう考えた時……喧しい声が響いた。



??「待てーぃっ!!」ビシッ!!



白ラン。鉢巻き。旭Tシャツ。


麦野『げぇっ!!』

フレンダ『嘘ぉっ!!』

浜面『おいおい……』

滝壺『あはは……信号受信。本人だね』


シマ○トイズム溢れる服装&雰囲気の少年。


??「幼き者達に鉾を向け、友の声を受け入れぬか。自己判断が出来ぬまでに自棄を起した愚か者……人、それを『小物』という」テクテク・・・

一同『……』タラー・・・

??「……『小物』と、いう!」ダンッ!


……ああ、多分、次言ってやらないと話が進まないのか。


香焼「……これ自分言って上げても大丈夫っすか?」チラッ

絹旗「ええ、多分……そのバージョンはそのバージョンであると思いますから」タラー・・・


では……


香焼「だ、誰っすか。貴方はー」ボウヨミー

DQN「いや、どう見たって第7ぃぶべらぁっ!!」ボーンッ!!

チャラ「ドっくーんっ!!」ギャー!


あーあ……口挟むから。あと『ドっくん』っていうんだ、あの吹っ飛んだ人。
332 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:28:18.83 ID:cMmEngUn0
削板「学園都市、超能力者第7位(ナンバーセブン)! 魂の叫びを受け取る、愛と根性のヲトコ……削板軍覇、見参ッッ!!」ドーンッ!!


第7位さんのバックで特撮みたいな爆発が上がった。


絹旗「……誰ですか、間違ってあの超F(バカ)呼んだのは」ハァ・・・

不良・チャラ「「だ……第7位っ!!?」」ギャーッ!!

削板「うむ」ムンッ!

絹旗「『うむ』じゃないですよ……あー、麦野に電話するべきでしょうか」ハァ・・・

香焼「……え? 助けじゃないんすか?」タラー・・・

絹旗「アレが助けに見えるんだったら腕利きの眼科医を紹介します」ジトー・・・


そこまで言うか……


削板「因みにお腹が空いてるのでさっさと終わらせましょう。今日は朝から空きっ腹なのだ」グー・・・

絹旗「超如何でも良い情報ですね」ジトー・・・

チャラ「ちょ、待、な、何で此処に……」タラー・・・

削板「あのビルの屋上から……派手な爆発が見えたから跳んできた」アッチアッチ


割と近場――それでも200mは離れている――のビル天辺を指差す第7位。


削板「まぁんな事はさておき……貴様、自分より年下虐めて楽しいか?」ギロッ・・・

不良「なっ……五月蠅ぇな。アイツらは俺より強度上だぜ?」アン?

削板「……だからなんだ?」フンッ・・・

不良「別に弱い者虐めにならねぇだろうがよぉ……口出すんじゃねぇよっ!! 他人がぁっ!!」ギロッ・・・

削板「そうか……なら……」スッ・・・

絹旗「ッッ!!? 香焼、超伏せてくださいっ!!」バッ!!

香焼「え、あ、うわっ!!」ドンッ!!


最愛に押し倒された。


削板「口が駄目なら『手』を出すまでだっ!!」ゴゥッ!!

不良「ちょ―――」



 すごいパーンチ。



不良「―――ぶぼがぁ!!」


すんごくダサい掛け声とは裏腹、勢い良く吹き飛ばされていくチンピラさん。
因みに『結界』が一発で破られたのには驚いた。
333 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:31:46.78 ID:cMmEngUn0
絹旗「ダサいのは確かですけど……絶対相手しちゃ超超々ー駄目ですよ……」ゴクッ・・・

香焼「うん……分かったから、その……」エット・・・

絹旗「……え?」キョトン・・・


現在、最愛が自分に乗っかている形でして……


麦野『絹旗あああぁっ!! そのままヤっちまえええぁっ!!』ヒャッホーイッ!!

フレンダ『あー、完璧先越された……結局、絹旗は大人の階段登っちゃう訳ね』キミハマダ・・・シンデレラサー・・・

浜面『……お前らさぁ』ジトー・・・

滝壺『きぬはた、女は度胸だぞー』オー!

浜面『滝壺さんっ?!』ハイッ!?


瞬時に真っ赤になり、少年から離れる少女。


絹旗「ごご、ごお、ごごごぉ、ごごご、ご、ごめんなさいぃっ!!」カアアァ・・・///

香焼「あ、うん……まぁ助けてくれたんすよね。ありがと」アハハ・・・

絹旗「あ、ぅ……」キュゥ・・・///


何か気拙い……じゃなくて、とりあえず今は不良さん達の方だ。


削板「自分より強度が高いから後輩を虐めて良いだぁ? ……じゃあ強度が低くても年上なら殴って良いんだな?」ギロッ・・・

チャラ「い、いや、その理屈はおかしい」ダラダラ・・・

削板「じゃあアイツが言った理屈もおかしいよな? 分かったら二人を抱えてとっとと消えろ」ギロッ・・・

チャラ「ひぃっ!!」バッ!


伸びている二人を抱えて消え去ったチャラ男さん。とりあえず一難は去ったようだ。


削板「……大丈夫か?」チラッ

香焼「え、あ、うん……ありがとうございます」ペコッ

削板「うん。なら良いんだ」ニカッ

絹旗「……」ジー・・・

削板「ん? 俺の顔に何か付いてるか?」ン?


微妙な眼で第7位を見詰める最愛。


麦野『んだよぉ、がっかりだわ……ツマンネ』ハァ・・・

浜面『何期待してんだよ……てか、絹旗のあの対応は?』ジー・・・

フレンダ『多分、ありゃ特例な訳でして……』ウーン・・・

滝壺『一応、私達全員、彼は知ってるからね』アハハ・・・

麦野『絹旗も如何対応していいか分からないんでしょ。下手に隠れると喰い付く様な輩だし』ハァ


直接会った事は無いが、資料を見せられた事がある。
何のつもりかは知らないが、アイテムが叩こうとしていた粛清対象の人身売買組織をヤツが一人で潰していたのだ。
監視カメラにしっかりとその『戦闘データ』が残っていた為、回収させて貰っている。
334 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:34:18.40 ID:cMmEngUn0
削板「……あれ?」ジー・・・

香焼「な、何すか?」タラー・・・

削板「……オマエ、偶に屋上の上とか走ってないか? 主に夜」ジー・・・

香焼「っ!!?」ドキッ!


何で……


削板「……あとオマエも」チラッ

絹旗「え」ビクッ!

削板「偶に……路地裏いるよな? あと廃棄施設とか」ジー・・・

絹旗「っ!!?」ギョッ!!


……知っている?

香焼は任務の関係上、天草式のみが知り得るルートを行動している。
絹旗は任務の関係上、路地裏や諸所の施設で制圧行動を行っている。


香焼「き……気の所為じゃないっすか? 何で自分がそんな事する必要あるんだか」アハハ・・・

絹旗「そ、そうですね。私も路地裏なんか超怖くて歩けませんよ」アハハ・・・

削板「むぅ。そうか。ならいい」コクンッ


単純な人で助かった。


フレンダ『ヒヤヒヤするわね』タラー・・・

滝壺『流石、常に高い所に居る人だね』アハハ・・・

浜面『いや、それだけじゃ分からんだろ。普通』

麦野『アレに常識は通用しないわ……謂わば削板軍覇っていう存在が未元物質(ダークマター)よ』ジー・・・


まさに世界最高の『原石』。


削板「そういえば、お前ら何で攻撃されてたんだ?」グー・・・

香焼「え、あ、うーん……猫っすかね?」アハハ・・・

削板「猫? にゃんこ?」グー・・・


ベンチの下を見る。


削板「おお、猫とベンチと私ってヤツだな!」グー・・・

香焼「……最愛、如何いう意味?」チラッ

絹旗「私に聞かないで下さいよ……」タラー・・・

削板「よし、猫共! もう大丈夫だぞ! 出て来い!」グー・・・


大声で呼び掛ける第7位。しかし猫は出て来ない。
335 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:35:50.11 ID:cMmEngUn0
削板「……ん?」グー・・・

香焼「それじゃ出て来ないっすよ。最愛」チラッ・・・

絹旗「……」ジトー・・・

香焼「どうしたの?」

絹旗「……オマエ、猫を如何する気ですか?」

削板「はい?」グー・・・

絹旗「……」ジトー・・・

香焼「最愛?」ポカーン・・・


もしかして、さっきと同じく虐めると思ってるのか。


削板「いや、流石の俺でも猫は食べません」グー・・・

香焼「それは当り前っすよ……えっと、別に虐めたりなんかしないっすよね」チラッ

削板「そりゃそうだ。俺は学園都市に新ムツジロウさんパークを作ろうと考えた事がある程だぞ」グー・・・

香焼「それきっと直ぐに経営難になるっすよ……最愛、もう猫達出しても大丈夫だよ」ニコッ

絹旗「……香焼が言うなら」ウーン・・・


最愛はしゃがんで猫達を手招きした。


猫s『にゃーん』トコトコ・・・

削板「おお! ハルメンの何たら隊みたいだな」グー・・・

香焼「ハーメルンっすよ」タラー・・・

絹旗「……」スッ・・・ナデナデ・・・

しあげ「……ナー」トボトボ・・・

絹旗「しあげ……ごめんな」ナデナデ・・・

りこ「みぃ」ペロペロ・・・

絹旗「りこ。オマエもだね」ナデナデ・・・


守れなかった事に責任を感じているのか、最愛は2匹を撫でてやった。
その非が有るとすれば、自分(香焼)の所為だろうに。


削板「ふむ……猫を守ろうとしたのか」グー・・・

香焼「……自分の所為で一匹傷付いたっす」ジー・・・

削板「オマエは守ってただろ? 何か『すごいバリア』みたいなので」グー・・・

香焼「それを張る前にっすよ」ハァ・・・

ぬこ「にゃん」トコトコ・・・スタッ


いつもの子猫が自分の肩にしがみ付いてきた。
336 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:39:32.32 ID:cMmEngUn0
絹旗「……香焼。しあげは大丈夫でしょうか」チラッ

香焼「ちょっと見せて……毛が焼けちゃったね。火傷は……思ったより酷くないから、冷やしてあげれば大丈夫っすよ」ニコッ

しあげ「ンナー」プルプルッ

絹旗「ふぅ……超良かったですね」ホッ・・・

りこ「みぅ」コクッ


安堵の表情を溢す最愛。とりあえず落ちついた様だし、ハンカチを濡らしたら一息つこう……―――





 ―――とある休日、PM03:45、学園都市第7学区、とある公園・・・・・





―――結局、警備員が駆け付けたのは自分が『しあげ』の治療をしている最中だった。


鉄装「はぁ……また削板くんなのね」ポリポリ・・・

削板「よっ! 眼鏡の姉ちゃん。じゃんじゃん警備員は一緒じゃ無いのか?」グー・・・

鉄装「黄泉川先輩は非番です……で、今回は何を如何したの?」タラー・・・

削板「メラをバーンってフッ飛ばした」グー・・・


意味が分からない。困った警備員は自分に尋ねてきた。


香焼「えっと……発火能力者が能力を暴発させたました。自分達に火の手が回りそうな所を彼が助けてくれたっす」コクッ

鉄装「……成程ね」カキカキ・・・


事件の報告書を書き綴る警備員。


絹旗「……香焼?」キョトン・・・

削板「おい……」グー・・・チラッ

香焼「黙ってて」ボソッ

鉄装「……それで、その発火能力者は?」

香焼「病院行ってみるって、友達に抱えられて帰りましたよ」コクッ

鉄装「そう……傷害沙汰じゃないのね。誰も怪我無くて良かった」ニコッ

絹旗「……しあげが火傷しましたよ」ジトー・・・

鉄装「え?」

香焼「あーえっと、猫っす。軽傷なんで自分達で何とかしますよ」アハハ・・・

鉄装「あ、うん……とりあえず事情は分かりました。何かあった時は直ぐに通報して下さい」ペコッ

香焼「はい。御手数お掛けしました」ペコッ

鉄装「あー、削板くん。あんまり乱暴な事しちゃ駄目よ? 先輩大分御冠だからね」チラッ・・・

削板「おう! じゃんじゃんに次は負けねぇって言っといてくれよな!」グー・・・

鉄装「まるで分かってない……ハァ」テクテク・・・


何故か項垂れながら消えていく警備員。というか、第7位と顔見知りなのか?
337 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:42:47.36 ID:cMmEngUn0
削板「あの姉ちゃんには世話になってるからな! 特に飯の面で!」グー・・・

香焼「そ、そうなんすか……」アハハ・・・


取り調べ中のカツ丼が浮かんでしまった。
さておき、簡易だが『しあげ』に掛けていた回復術式が終了した。


香焼「……そろそろ大丈夫っすね」ニコッ

しあげ「ニャン」コクッ・・・トコトコ

削板「らいおんヘア! 元気になったのか」グー・・・

香焼「最愛とセンスが一緒だ」アハハ・・・


高位の能力者ってそういうものなのだろうか。
『しあげ』をゆっくり地面に置き、他の猫達の下に帰してやる。


香焼「よしっ。元通りっす」ニコッ

絹旗「……香焼」ジー・・・

香焼「ん?」チラッ

絹旗「何で嘘付いたんですか?」ジー・・・

香焼「え、いや別に……」

削板「そういえば俺も気になってた。何故正直に言わない?」グー・・・


特に意味は無いのだが。


絹旗「……意味も無くアイツら許したんですか?」ジトー・・・

香焼「えっと、さ……あの人達を通報しても誰も得しないっすよ」コクッ

絹旗「……しあげが火傷したんですよ?」ナデナデ・・・

しあげ「ニャゥ」グシグシ・・・

香焼「それを言われるとアレっすけど……」ポリポリ・・・


如何したものか。


香焼「……第7位さんが十分に制裁してくれたっす。これ以上彼らを叩くのは可哀想っすよ」

絹旗「むぅ……」ジー・・・

香焼「それに素直に詳細を話しちゃうと多分、第7位さんが叱られてたっす」チラッ

削板「まぁ……だな。いつもの様に怒られてたと思う」グー・・・


詳しい能力名は知らないが、あの『力』だ。人を助ける為振ったといえど何かしらの罰則は科せられるだろう。


香焼「極力『何も無かった』で済むんなら、それに越した事はないっすよ」ニコッ

絹旗・削板「「……」」キョトン・・・

香焼「……駄目、かな?」ポリポリ・・・

絹旗「……超御人好し」ハァ・・・

削板「あはは。けど助かったっちゃ助かったさ」グー・・・


面倒事を増やしたく無かったというのもあるが、全ては済んだ事。
元々自分達は『余裕』だったのだから寛容であるべきだ。彼らも反省しただろうし、第7位さんもお咎め無し。

万事OKだ。
338 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:45:24.60 ID:cMmEngUn0
絹旗「ハァ……まぁ大目に見ましょう」クスッ

香焼「ありがと」ニコッ

削板「ははは! オマエ、面白いな! 小学生のくせに良い根性だ! 嬢ちゃんもな!」グー・・・

香焼「むっ……自分は中学生っすよ。第7位さん」ジトー・・・

絹旗「右に同じく、です」ジトー・・・

削板「そりゃ失敬失敬。それじゃあついでだが、第7位じゃなくて名前で呼べ。ちゃんと削板軍覇って名が有る」グー・・・

香焼「あ、うん……削板さん」

削板「……いや『さん』付け止めてくれ」ゾッ・・・

香焼「え?」

削板「鳥肌立った。ほら」ゾゾゾ・・・


本当だ。


香焼「いつも何て呼ばれてるんですか?」アハハ・・・

削板「第7位か呼び捨てだ。さん、くん、ちゃん付けされると……悪寒がする。オマエらは先公かよってな……」ゾゾゾ・・・

絹旗「……典型的な馬鹿ですね。学校行ってないタイプでしょう」ジトー・・・


それは貴女もでしょう、最愛さん。


削板「五月蠅ぇ。兎に角、呼び捨てにしろ」ウヘェ・・・

香焼「でも年上に対して……」ウーン・・・

削板「同じ中坊なんだろ? じゃあ良いってば」グー・・・

香焼・絹旗「「……え」」ポカーン・・・

削板「まぁそういうキャラなら仕方ねぇけど……ん?」


中、学生?


浜面『……マジかよ』タラー・・・

フレンダ『麦野?』チラッ

麦野『いや、私も知らないから』タラー・・・

滝壺『※あくまで二次設定です。真に受けないで下さい』ペコッ


五和くらいの歳かと思った。


削板「まぁ歳は気にすんな。兎に角名前で呼べ。俺も名前で呼んでやる。そいやオマエらの名前知らねぇや」グー・・・

香焼「……香焼っす」ペコッ

絹旗「……」ジトー・・・

削板「そっちは?」グー・・・

香焼「絹旗っす。絹旗最愛」サラッ

絹旗「ちょ、勝手に教えないで下さい!」ギロッ・・・

香焼「え、このくらい良いでしょ」タラー・・・

削板「モアイとコーヤだな! 覚えた!」グー・・・

香焼・絹旗「「違ぇよ!!」」ガアアァッ!!


どうやったらそう間違えるんだ。
339 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:47:13.47 ID:cMmEngUn0
削板「冗談だって! えっと……最愛って珍しいな」グー・・・

絹旗「軍覇の方が超珍しいでしょうに」ハァ・・・

削板「まぁ多分此の世に俺しかいないからな。あと香焼、苗字じゃなくて名前は?」グー・・・

香焼「名前は……理由が有って教えられないっす。すいません」ペコッ

削板「はぁ?」ポカーン・・・


※お察し下さい。


削板「そ、そうか……仕方ない」タラー・・・

絹旗「超ばーか。超謝れ超ばーか。デリカシーない超ばーか」ベー!

削板「何でオマエに謝らなきゃいけないんだよバカ。バカって言う方がバカなんだぞ、バカ」グー・・・

香焼「二人とも……」ハァ・・・


今時幼稚園児でもしないやりとり。


香焼「……そういえば、最愛。平気なの?」チラッ

絹旗「え?」

香焼「その人……第7位さんの事」

削板「軍覇」キリッ

香焼「……削板の事」ハァ・・・


普通に話してるけど。


絹旗「……無視すると超面倒臭そうなので適当にあしらってるだけです」ジトー・・・

香焼「あはは、成程」タラー・・・

削板「ふむ。要は懐かれてしまったという訳だな」グー・・・

絹旗「世界が崩壊しても超絶対懐きませんから」サラッ

削板「ははははは! 照れるな照れるな!」グー・・・ギュルルル・・・


凄いポジティブだ。あと腹の虫の音が途轍もなくデカく鳴ってきてますよ。


削板「やっと突っ込みを入れてくれたか……オマエ良いヤツだな。香焼」グルル・・ギュゴー・・・

香焼「ええっと……どうも」ポリポリ・・・

削板「ついでに……」ジー・・・

香焼「……」タラー・・・


何が言いたいのか分かった。
340 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:49:49.46 ID:cMmEngUn0
香焼「……最愛。食べ物持ってる?」チラッ

絹旗「有っても上げません」キッパリ

削板「オマエにゃ期待してねぇよ。でもくれるなら貰ってやっても良い」フンッ

絹旗「超図々しい……猫の餌でも食べてて下さい」ジトー・・・

削板「お! いいのか!」キラキラ・・・

香焼「だ、駄目だよ! お腹壊すって!」アタフタ・・・

削板「俺は廃棄のハンバーガーでも腹壊さないぞ?」ギュルルル・・・ゴグブ・・・

絹旗「……やっぱ駄目です。猫達の餌を超根性馬鹿に分けたくありません」ジトー・・・


そういう問題じゃない……というか微妙に似てる二人だ。何処かずれてるからだろう。
とりあえず、肩掛けリュックの中を探ってみる。

飴1袋。携帯食代わりのお菓子数個。


香焼「じゃあ……これ」スッ・・・

絹旗「態々上げなくていいのに」ハァ・・・

削板「何だ、これは?」ジー・・・

香焼「ゆべし。カステラボーロ。甘納豆。それから……」

絹旗「また超コアなお菓子ばっかですね」ジー・・・


因みに全部高カロリーです。水が欲しくなります。


削板「……良いのか?」キョトン・・・

香焼「良いっすよ。さっきのお礼っす」ニコッ

削板「じゃあ……ん」モグモグ・・・

香焼「最愛もどうぞ」スッ・・・

絹旗「じゃあカステラボールを……」モキュモキュ・・・

ぬこ「なー」テクテク・・・

絹旗「こら! オマエは猫缶があるだろ」メッ!

猫s『にゃー』トコトコ・・・

絹旗「あーあ……香焼、如何しましょう」ハァ


とりあえず興味本位で近づいてきただけだと思う。また猫缶を出してあげれば大丈夫だ。


削板「詳しいんだな。あともう一個貰っていい?」モグモグ・・・ヒョイッ

絹旗「聞く前から貰ってるじゃないですか」ジトー・・・

香焼「別に大丈夫だよ……知り合いに動物の扱いに詳しい人がいるからね」アハハ・・・

削板「へぇ……もう一個」ヒョイッ

絹旗「喰い過ぎです、根性馬鹿!」フシャーッ!

削板「それは褒め言葉だ」ヘッヘーン!


『根性』が付けば、馬鹿でも阿呆でも良いらしい。
341 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:52:33.91 ID:cMmEngUn0
香焼「あはは、とりあえず此処に有る分は全部食べて良いっすよ。家にまだ沢山あるから」ポリポリ・・・

削板「ほら」ドヤァ・・・

絹旗「ぐ、ぬぬ……」クソォ・・・

香焼「最愛も食べて良いから、怒らないの」ハハハ・・・

絹旗「むぅ……香焼に免じて許してやりましょう」フンッ

削板「おう。香焼に免じて許されてやろう」ハハハ!


その理屈はおかしい。


浜面『第7位ってあんなヤツなのか?』ジー・・・

麦野『知らない。謎過ぎるわよ……悪乗りした垣根よりちょっとマシなレベルってとこじゃない?』


その垣根基準が分かりません。


削板「ところで……水が欲しいな」モグモグ・・・

香焼「自分ので良ければ」スッ・・・

絹旗「……自分で買えば良いでしょう。自販機そこに有るんですから」ジトー・・・

削板「俺は節約家なんだ。財布は持ち歩かん」サラッ

絹旗「それは節約じゃなくて超ドケチなだけです。超能力者なら超金持ちでしょう」ハァ・・・

削板「ライチティーじゃなくてライムティーが良かった」ゴクゴク・・・

絹旗「人の話聞け!!」フニャーッ!!

香焼「さ、最愛……」ドゥドゥ・・・


普通に会話出来てはいるが、ある意味相性的には最愛の天敵なのかもしれない。


削板「ふむ……どうもどうも。ところで、オマエらはアレか?」ジー・・・

香焼「ん?」

削板「アベックというヤツか?」ジー・・・

絹旗「あべっく?」キョトン・・・


アベック(avec)……フランス語で『〜と一緒に』。英語で謂う「with」に相当。日本では『カップル・恋人』的な意味合いで用いられた『死語』。


香焼「アベックって……違うよ。友達っす」アハハ・・・

削板「そうなのか。最愛が香焼にベッタリだったから付き合ってるのかと思ったぞ」アハハ

絹旗「にゃ、にゃに、な、なな、な、なにをっ!!」カアアァ・・・///

削板「あはははは。初々しいなー」フヒヒ!

香焼「削板、あんまりからかわないでよ」クスッ

削板「だははは! 悪い悪い」フフフ・・・


最愛のイライラゲージが高まっている気がした。
342 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:55:52.78 ID:cMmEngUn0
香焼「そういえばその白ラン……見た事無いんだけど、何処の学校なんすか?」

削板「……学、校?」ポカーン・・・

香焼「……え」タラー・・・

削板「……あは、ははは! ひ、秘密だ!」アハハハ・・・

絹旗「超特注でしょう。あとソイツ多分学校行ってませんよ」サラッ・・・

香焼「え」ピクッ

削板「ちょ、おま、馬鹿! て、適当な事言うな!」アタフタ・・・

絹旗「超図星でしょう? だって超能力者で学校行ってるヤツなんか超稀ですもん」ジー・・・


そうなんだ。じゃあこの人は普段何をしているのだろう。


麦野『誰も分かんないわよね。アイツの動向なんか』ジー・・・

フレンダ『滝壺。アイツいつも何してるかストーキングした事無い訳?』

滝壺『……頻繁に高い所居るのは知ってる。それだけ』ウーン・・・

浜面『まぁ俺もスキルアウト時代から名前は知ってたな。デカい抗争や喧嘩に首突っ込む「火消し屋」みたいな感じだったが』


ただし彼の『普段』についてはまったく耳にしない。


削板「そ、それはアレだ! 街の平和を守る為、日々パトロールを!」フ、フンッ!

絹旗「風紀委員でもないのに?」ジトー・・・

削板「ち、小さい事は気にするな! 余計チンマくなるぞ!」ダアアァッ!!

絹旗「」カチンッ・・・


あ……ヤバい。


絹旗「……何処からも預かって貰えないので超プー太郎生活のくせに。アパートすら貸して貰えないんじゃないですか?」ジトー・・・

削板「な!? お、ま、ぇ……それ、は……」シュン・・・

絹旗「要はする事無いから『俺カッケー!』で高い所に登ってるだけの超馬鹿でしょう」サラッ

香焼「こ、こらっ! 最愛!」アタフタ・・・

削板「……」ズーン・・・

香焼「そ、削板!?」ギョッ!!


急にテンション駄々下がりの根性さん。


削板「いや、うん。分かってる……でもそれ俺の所為じゃなくね? だって好きで詳細不明の能力持った訳じゃないんだしさ……」ボソボソ・・・

絹旗「あーあ」アハハ

香焼「あーあ、じゃないよ! どうすんのさ、これ!」アワワ・・・

削板「最低限の生活は出来るよ? でも……ホントは学校行ってみたいって気も有るし……大人も少しは理解して欲しいんだよ……」ズーン・・・

絹旗「超ネガティブですね。さっきの超熱血根性は何処にいったんでしょうか!」アハハハハ!

香焼「さ、最愛。言い過ぎだよ」ハァ

絹旗「む……そうでしょうか」ポリポリ・・・


猫達に同情されながら体育座りしている超能力者。ふと、座った目で最愛を見遣った。
343 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/12(火) 23:57:53.40 ID:cMmEngUn0
削板「……」チラッ

絹旗「……何ですか?」

削板「オマエ、友達いないだろ」ジトー・・・

絹旗「」チーン・・・

香焼「ちょっ!!?」ギョッ!!


削板さん、それはタブーです。


フレンダ『喧嘩になるぞー……如何する訳よ、リーダー』チラッ

麦野『……知らね』タラー・・・

浜面『ちょ、知らないで済むのか!? 超能力者だぞ!!』アタフタ・・・

滝壺『はまづら、シリアスがギャグで済む超能力者だから大丈夫だよ』コクッ

浜面『そういう問題!?』

麦野『面倒臭ぇ……まぁ最悪ヤバかったら私行くから』ハァ・・・


一方、最愛さんは……


絹旗「……」ズーン・・・

香焼「……さ、最愛?」ダラダラ・・・

絹旗「……いいもん。友達なんていらないもん」ウルウル・・・


ネガティブってた。


削板「ほら見ろ……テメェだって超ネガいじゃねぇか」ボソボソ・・・

絹旗「……友達いないのはオマエもでしょう」ボソボソ・・・

削板「……まぁ……うん」ズーン・・・


喧嘩にならないだけマシだが……困った。


香焼「さ、最愛。自分は友達っすよ」アタフタ・・・

絹旗「……」チラッ

香焼「猫達もいるだろう。落ち込まないで」ホラ!

絹旗「……」ポッ・・・///

猫s『みゃーみゃー』テクテク・・・

絹旗「……うん」コクッ///


こっちは何とか大丈夫。
344 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:00:14.25 ID:qWNsBrfo0
削板「……」ジー・・・

香焼「……」ウ・・・

削板「じー……」ジー・・・

香焼「口で言った……」タラー・・・

削板「……俺はぼっちかぁ」ジー・・・

香焼「う、えっと……」ダラダラ・・・

削板「いいさ……俺は一人で戦い続ける孤高の戦士……」ハァ・・・

絹旗「超酷い中二病ですね。ああ、中二か」サラッ

削板「……」ズーン・・・

香焼「最愛さん! 追い打ち掛けないの!!」ンモー・・・


よくよく考えてみると、彼も最愛と同じなのか。今自身で『孤高』と口にしたが、強ち冗談では無いのかもしれない。
最愛同様、削板の事もよく知らないが……『手』を差し伸べるのは同じ事だろう。


香焼「……削板も、友達っすよ」ポリポリ・・・

削板「……」ピクッ

絹旗「……えー」ジトー・・・

削板「……マジ?」キョトン・・・

絹旗「香焼……本気で言ってるんですか?」ゲェ・・・

香焼「駄目?」

絹旗「駄目っていうか……」ウーン・・・


友達になるのに理由は要らない、それが自分の信条だ。英国の友人達には馬鹿にされるが……そこだけは曲げたくない。


絹旗「……何処で何やってるか分かんない男ですよ?」

香焼「自分は最愛が何処で何をやってるか知らないっすよ。最愛も自分が何処で何やってるか知らないだろう」

絹旗「ん……まぁ……」ポリポリ・・・

香焼「友達が友達の皆まで知ってる必要なんてないんすよ。隠し事、知らない事を許容できないから友人じゃないってのはおかしいっす」

絹旗「……そう、ですね。ごめんなさい」ペコッ


逆に『裏顔』を知っても……ステイルや淡希さんが『殺し』を敢行できる人間だと分かっていても、自分は友人を辞めない。


香焼「……って事っすよ、削板」ニコッ

削板「……お、おぅ」ポリポリ・・・


恥ずかしそうに頬を掻く超能力者。


削板「あ、ありがとな……」コホンッ

香焼「ううん。よろしく、削板」ニコッ

削板「……軍覇でいい。名前で呼べ」ムゥ・・・

香焼「分かった。軍覇」クスッ


余計赤くなった。そんなに恥ずかしいのだろうか。
345 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:03:13.33 ID:qWNsBrfo0
絹旗「おお。超能力者が超照れてます」クスクス・・・

削板「う、五月蠅ぇな……面と向かって友人なんて言われた事無ぇんだよ」ムゥ・・・


・・・・・。


削板「な、何だよ……」ウ・・・

香焼・絹旗「「……」」ニヤニヤ・・・

削板「む、無言でニヤニヤすんなっ!!」ガアアァッ///

絹旗「いやぁ……これが超能力者第7位って思うと、ねぇ」ニヤニヤ

削板「てめ……最愛だって香焼に友達って言われて赤くなってただろぉがっ!!」ジトー・・・

絹旗「なっ!! そ、それは香焼がシラフで超臭いセリフ吐くから熱くなっただけです!!」カアアァ・・・///

削板「じゃあ俺も同じだ!!」フンッ


あーうん。自分の所為ですよー。


滝壺『きぬはた……友達増えて良かったね』ニコッ

フレンダ『え、結局アイツも友達扱いな訳?』タラー・・・

麦野『滝壺にとっては友達の友達だから友達理論なんじゃない?』アハハ・・・

浜面『しかしあの坊主……』ウーン・・・


いつかのウニ頭みたいな雰囲気だな、と思ってしまった。
結局その後……猫に絡んだり、最愛と軍覇が楽しそうに喧嘩しそうになったり、それを止めたりで日が暮れていった……―――





 ―――とある休日、PM05:50、学園都市第7学区、とある公園・・・・・





―――風紀委員と警備員が下校指導を始めた時間帯。他の学生達が我が家へ帰って行く中、自分達も解散する事にした。
最愛が猫達に雑木林の方へ戻る様指示を出す。いつもの黒猫だけが此処に残った。


削板「そいつは?」

香焼「飼い主探し中なんすよ。そうだ、軍覇飼える?」

絹旗「超宿無し男にその子を任せられません」キッパリ

削板「うぐぐ……言い返せない」ハァ・・・

香焼「あはは……」タラー・・・


やれやれ。


絹旗「あ、そうだ。香焼、猫缶を置いて行っても良いですか?」

香焼「え、うん……」


本当は、宜しくない。

ソイツらはあくまで『野良』だ。放し飼いされているならまだしも、野生の動物に餌を与えるのは本来褒められた行為ではない。
加え懸念も有る。もし環境整備(保健所)員がコイツらを見つけた際に、殺処分する可能性だってあるのだ。
しかしその事実を、最愛には告げれないでいる。それを知ったら彼女は……
346 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:05:27.80 ID:qWNsBrfo0
削板「ふむ……俺はそろそろ行く。この時間になると俺の助けを必要とする者共が増えるからな!」ハハハ!

絹旗「精々警備員に迷惑掛けない様にするんですね」ハハッ

削板「喧しい。それじゃあ……おっと」ピタッ

香焼「どうしたの?」


ポケットをごそごそ探る軍覇。取り出したのは……旧世代型の携帯。


削板「香焼。連絡先教えろ」ホレッ

香焼「え」

削板「携帯持ってないのか?」ン?


いや、予想外というか何というか。


絹旗「交換したくないそうです」キッパリ

削板「……マジ?」ズーン・・・

香焼「いやいやいや! さ、最愛……」タラー・・・

絹旗「ジョークですよ。超ジョーク」ハハハ

香焼「もぅ……IC使えないんすね。赤外線で良いかな」スッ・・・

削板「おお。有るぞ!」Pi!


まさかの超能力者の電話番号、アドレスをゲットしてしまった。


削板「ふふふふふ……良かったな、香焼。何かあった時は俺を呼べる」ニカッ

絹旗「寧ろ削板が香焼を頼りそうですけどね。宿無し飯無しだから超助けてくれーって」クスクス・・・

削板「最愛……オマエとはいつかケリをつけてやる」ギロッ・・・

絹旗「むっ。超望む所です! ボッコボコのけちょんけちょんにしてやりますよ!」ジトー・・・

香焼「ふ、二人とも……喧嘩しないの」ハァ・・・


軍覇の所為か、バチバチと目に見える火花が散っている。
最愛が普通に話せるのは助かるが、血の気の多い友人が増えてしまったようだ。


削板「まったくよぉ……香焼に免じて許してやる」ケッ!

絹旗「ふんっ。それは超こっちのセリフですよ」チッ!

香焼「はぁ……」ポリポリ・・・

削板「とりあえず、またな香焼! ……ついでに最愛も」タッ!

香焼「うん。またね」バイバーイ

絹旗「人様に迷惑掛けるんじゃないですよー」バーイ


脅威の跳躍力で颯爽と消え去る軍覇。流石超能力者だ。
それからヒョウキンな相手とはいえ第7位に啖呵を切る最愛の度胸も凄い。
347 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:07:38.56 ID:qWNsBrfo0
絹旗「……超喧しいヤツです」フゥ・・・

香焼「そう? 言う割には最愛も楽しそうだったけど」クスッ

絹旗「誰があんなのを……はっ!」ギョッ!!

香焼「どうしたの?」

絹旗「まさかアイツ……香焼に……『根性アフター』なんて私が許しませんよ!」アッー!!


突如意味不明な事を口走る最愛。大丈夫だろうか……頭。


浜面『おい、誰の所為だ。麦野か?』チラッ

麦野『知らん。フレンダじゃね?』チラッ

フレンダ『オチは結局滝壺って訳ね』チラッ

滝壺『……ふふふ』ニヤッ


自重して下さい滝壺さん。あの子はまだピュアに戻れるんです。さておき……


麦野『とりあえず、絹旗対人講座は終わりよ』フゥ・・・

浜面『そういや、そんな設定だったな』ア・・・

滝壺『あくまで空想です。うん、空想』シレット・・・


結局、3つ。

@極力相手と絡まない。野生動物の様に常に警戒状態。
A動物や赤ん坊の様な『慾』の無い純粋な生き物に対しては心を開く。
B敵とあらば、日常であっても『仕事』に近い冷酷状態。

但し例外もチラホラ。あの少年や第7位の様に……


麦野『さてさーてぇ……ではこれから夜の公園で絹旗と坊やがムフフフフを……』ニヤッ・・・

フレンダ『録画録画!』●REC

浜面『……おい、空想だろ?』タラー・・・

滝壺『覗き見は無粋なので、此処で切りまーす』ポチッ

麦野・フレンダ『『あーちょっ! 待っ|||||||||・・・・・..  プツンッ


講座終了。


香焼「それじゃあ、自分達もそろそろ帰ろうか……最愛今日は迎え来るの?」

絹旗「いえ、歩いて帰りますよ」

香焼「そっか……」


歩いて帰る……帰る……ふと、疑問。


   何処に?


別に彼女の家を知りたいのではない。彼女の『在り処』が気になる。少年は、少々カマを掛けてみる事にした。
348 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:10:32.83 ID:qWNsBrfo0
香焼「……最愛の家は近いんすか?」

絹旗「え? な、何で?」ドキッ・・・

香焼「いや、何となく気になってさ」ポリポリ・・・

絹旗「れ、レディの住所を聞くなんて超変態さんですよ」ジトー・・・///

香焼「あはは。レディねぇ」クスッ

絹旗「む、むぅ……超失礼なヤツですね」ムスゥ・・・

香焼「ごめんごめん」アハハ・・・


自分の方からネタを溢す。


香焼「……自分の家はアッチなんすよ」チラッ

絹旗「え」キョトン・・・

香焼「第1学区。学校在る方。前にも言ったろ? 学校(理事会)指定の部屋だって」ニコッ

絹旗「な、え……そんな事教えられても……」タジタジ・・・///

香焼「友達だからね。このくらい教えても良いかなって」フフッ


何故真っ赤になっているのかは知らないが、話の種は撒いた。


絹旗「むぅ……私は……色々ですよ」ハァ

香焼「色々?」ピクッ

絹旗「一応アパートは有るんですけど、基本的にリーダ……えっと姉分の所に厄介なっています」コクッ


前に言っていた親しい人々の下か。


香焼「そうなんだ。お金持ちのお姉さんだっけ?」

絹旗「ええ。超金持ち過ぎて金銭感覚狂ってます。第3学区でプライベートプール貸し切る程ですよ」ハァ

香焼「へ、へぇ……」タラー・・・


それは凄い。女教皇様級の金持ちだ。


香焼「じゃあそこに帰るんすか」ヘェ・・・

絹旗「今日は第7学区内の都市立ホテルです。あの『窓のないビル』に超近いとこ」スッ・・・

香焼「……やっぱり随分リッチなんすね」アハハ・・・

絹旗「まぁ超贅沢させて貰ってる身分なので言い難いんですけど……もうちょっと普通の宿で良いですよね」アハハ・・・


都市立ホテルといえば、自分のマンションと同じレベルの高性能ルーム。
理事会議や何かしらの定例会で集まった要人しか泊まれない。ステイルや女教皇様もよくあそこを借宿としている。


香焼「そ、そっか……羨ましいね」タラー・・・

絹旗「香焼だって良い家住んでるって言ってませんでした? 理事会の予算で建てられたマンションだか」

香焼「あーうん……馬鹿共が居座んなければ完璧」ボソッ・・・

絹旗「え?」キョトン・・・

香焼「い、いや、何でも無いっす」アハハ・・・


出来れば五和と浦上の話はしたくない。
349 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:12:37.08 ID:qWNsBrfo0
香焼「うん、とりあえず分かったっす」ニコッ

絹旗「ん? 変なの……」ポカーン・・・

香焼「あはは、そうだね。変な事聞いてごめん」ポリポリ・・・


もう少し、深入りしよう。


香焼「……はぁ。帰ったらレポートかぁ。面倒臭いよ」ハハハ・・・

絹旗「うわぁ。超考えたくないですね、政治学校のレポート課題とか」ウヘェ・・・

香焼「最愛だって提出する課題は有るんでしょ? やらなくていいんすか?」チラッ

絹旗「今月分は済ませてありますよ。レポートっていうより……んー、ちょっとややこしいヤツなんですけどね」アハハ・・・

香焼「ややこしい? 霧ヶ丘特有の?」ジー・・・

絹旗「まぁそんな感じです。報告『書』っていうよりも『実績』が研究所に行くので」コクッ

香焼「へぇ……能力開発って様々だからね。ペーパーじゃなくても良いんだ」

絹旗「この最愛ちゃんは超エリートなので『仕事』をこなせばレポート代わりの単位になるんですよー!」エッヘンッ!


仕事……単位。まさか……自分と似た境遇?


香焼(……考え過ぎか)ウーン・・・

絹旗「香焼? 如何しました、難しい顔して?」ジー・・・

香焼「え、あ、いや。ちょっとね……」ポリポリ・・・

絹旗「……本当に?」

香焼「え?」

絹旗「さっきからそんな感じですよ」ジー・・・


いけない……遠回しに探っている事が勘付かれてしまう。


香焼「ははは。大丈夫っす。ちょっとお腹空いちゃってさ」ポリポリ・・・

絹旗「あはは。なーんだ」クスッ

香焼「帰ったらご飯作らないとなぁ……最愛は……自炊なんかしないか」ハハハ

絹旗「な、で、出来ますよ! 超料理人なんですから!」アタフタ・・・

香焼「ふふっ。じゃあ今度何か作って持ってきてね」クスッ

絹旗「ちょ、超余裕ですよ!?」タラー・・・


何故に疑問形なのだ。さておき兎角、最後の演技。


香焼「今日は……帰って仕事?」ボソッ

絹旗「いえ、無いですよ。超緊急が入らなければ」

香焼「へぇ。じゃあ帰って何するの?」

絹旗「……やっぱり超変態さんですか?」ジトー・・・///

香焼「あ、えっと、教えたくないなら良いんすよ」ポリポリ・・・

絹旗「……パソコン弄って、ゲームして、映画見て寝ます」ボソッ

香焼「駄目人間?」ジトー・・・

絹旗「やる事無いから仕方ないでしょう。仕事無いと暇なんです!」ンモー・・・


また『仕事』……突っ込むべきか、止まるべきか。自分が悩んでいる隙に最愛が口を挟んできた。
350 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:14:55.51 ID:qWNsBrfo0
絹旗「それより、私も質問良いですか?」チラッ

香焼「え、うん。何?」キョトン・・・

絹旗「……何で、無能力者って超嘘ついたんですか?」ジトー・・・

香焼「……」ピクッ・・・

絹旗「いえ、もしかしたら無能力者なのかもしれませんが、それでも『無能』では無いでしょう」ジー・・・

香焼「えっと……言う必要無かったと思って」ポリポリ・・・


実際、魔術や能力なんていう『力』は無闇に見せびらかしたり行使したりするものではない。


絹旗「……手品(マジック)でしたっけ? さっきの」

香焼「うん……『マジック』っすよ」コクッ


尤も『魔術(マジック)』だが、絶対に教えられない。


絹旗「もう一回見たいです」サラッ

香焼「……それは興味?」

絹旗「いけませんか?」

香焼「……じゃあ自分が最愛の能力見せてって言ったら見せてくれる?」

絹旗「……」ムゥ・・・


そういう事だ。


絹旗「……いいよ」ボソッ

香焼「………………………………………………………………は?」ポカーン・・・

絹旗「見せます」ジー・・・


予想外。


香焼「え、えっと……無闇やたらに能力を……」アタフタ・・・

絹旗「香焼」サラッ

香焼「……はい」

絹旗「さっきから言おうか超迷ってたんですが……はっきり言わせて貰います」ジー・・・

香焼「な、何?」ピクッ・・・

絹旗「やる事の割には超理屈っぽい」キリッ・・・

香焼「……」


最愛の言い分。
香焼の行動――自分や異端者である削板に対し常人と同じ様に接してくれる付き合い方。赤の他人に対する優しさ甘さ――は好ましいと思える。
しかしその逆、口にすることや表情はいつも回りくどくはっきりしない。言い方を変えれば屁理屈がましいのだ。
351 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:20:14.67 ID:qWNsBrfo0
絹旗「正直に超嬉しいんですよ。私なんかと仲良くしてくれるのは」ニコッ・・・

香焼「最愛……」

絹旗「でもね……偶に詮索やら遠回しな言い方やらされると……超ショックなんです」


上っ面なだけな気がして、本当は信用信頼されてないんだなぁ……そう思ってしまう。
要は腹を割って話をしてくれていないのだ。全て顔色を伺うかのように探り探り。

もしこれが普通の人間同士であれば、好きな子に対してあれこれ聞きたいという捉え方も出来ただろう。
だが二人は……『普通』ではなかった。


絹旗「私は素直に香焼の『マジック』ってのが気になったから聞いたんです。只、純粋に」

香焼「……」ムゥ・・・

絹旗「それを『だったら君は見せれるの?』なんて勘繰りで返されると……ショックなんですよ」ハァ・・・

香焼「……ごめん」シュン・・・


気になるのであれば香焼も素直に聞いて欲しい。勘繰りでは無く要望で『教えて』と言って欲しいのだ。


絹旗「もういいです。私も子供みたいに詮索し過ぎました」スタッ・・・

香焼「最愛……その、ね――」


絹旗「香焼……私を殴ってみてください」ボソッ


香焼「――え」


いきなり何を言う。


絹旗「何なら蹴っても良いですし石をぶつけても良い。銃で撃っても良いし、刃物で刺しても良い」ジー・・・

香焼「ば、馬鹿な事言わないでよ!」ギョッ・・・

絹旗「私の能力を見せるって言ったでしょう? 超平気ですから遠慮無くどうぞ」サラッ

香焼「……口で説明するんじゃ駄目なの? 態々暴力的な事は」タラー・・・

絹旗「言っても分からないでしょう? それに能力は見せるけど能力名・詳細まで教える気は超無いですから」ジー・・・


どうせ香焼は『マジック』とやらを隠しに隠すのだ。絹旗からすればかなりの譲渡。


香焼「さ、最愛を殴るくらいなら知らないで良いよ!」フイッ・・・

絹旗「っ……じゃあ私が殴りますよ」グッ・・・

香焼「っ!!」ドキッ!

絹旗「私の能力は攻撃だろうが防御だろうが同じ『性質』です。甲冑(アーマー)みたいなものですから応用は効きます」ジー・・・


『籠手』で殴るという意味だ。
その『性質』については話せない。だが、これだけは教えておく。


絹旗「その気になれば、簡単に人だって殺せるんです。その気に『ならなくても』自動的にRPG-7程度なら防げるんです」ギリッ・・・

香焼「……わ、分かった」コクッ

絹旗「じゃあ私を――」


香焼「殴って」ジー・・・


絹旗「―――……」イラッ・・・


その優しさが……腹立たしい。
352 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:25:45.41 ID:qWNsBrfo0
絹旗「まさか香焼が超マゾだとは思いませんでしたよ」グッ・・・

香焼「最愛に手を上げるくらいならマゾだろうが変態だろうが何でもいいよ」


今の一言で吹っ切れた。もう遠慮しない。


絹旗「ッ……さっきの超マジックの硬さと形状は?」イライラ・・・ジトー・・・

香焼「え?」ポカーン・・・

絹旗「硬さと形状です。バリアタイプですか? それとも壁? 念動力? ピンポイントなAIMジャマー?」

香焼「な、何で」タラー・・・

絹旗「言ったでしょう? 殺せるって……超絶対にマジック使って下さいよ。じゃないと最悪……死にますから」ボソッ


鬱憤晴らしも兼ね、無理矢理にでも引き出させる。


香焼「ちょ、ちょっと待ってよ!」アタフタ・・・

絹旗「命乞いですか? 私は何言われてもやりますよ? 尤も超手加減はしますからさっきのマジックを出せば怪我はしない筈です」ジトー・・・

香焼「おかしいっす! どうしてそこまで……」ゴクッ・・・

絹旗「……自分でも分かりません」クスッ・・・


普通なら見せない。もしこの事実が麦野にばれたら間違いなく折檻だ。しかしそれでも……信じたかった。自分を友達と言ってくれる、彼を。
それは不器用な少女の精一杯の行動。可愛い殺人鬼の歪んだ友情確認。

絹旗は無言で踵を翻し、数歩前に進む。そして今一度香焼の方に振り返り、静かに告げた。


絹旗「2割3割で行きます」ボソッ・・・

香焼「最愛っ!」ギリッ!

絹旗「大体さっきチンピラが出した火球と同じくらいの距離から打ん殴ります。早めにマジック出して下さいね」ザッ・・・

香焼「っ……」グッ・・・

絹旗「もし、その後反撃する余裕があるならどうぞ。私に攻撃が効かないっていうのも証明出来る筈ですから」グググ・・・

ぬこ「みー」スッ・・・

絹旗「……その子を守る為にも、マジック出して下さい」ギロッ・・・

香焼「……馬鹿だよ、最愛」ゴクリ・・・


言われなくても分かっている。何故こんな超荒っぽい手段でしか友情を確かめられないのか……絹旗は心中嘆いた。
353 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:34:48.22 ID:qWNsBrfo0
絹旗「じゃあ……行きますっ――」タッ!


香焼に向かって駆けた。距離にして凡そ17mからのスタート。
走り恰好は普通の少女。


香焼(……本気か?)タラー・・・


香焼はまだ戸惑う。躊躇う。
距離残り9m程。少女は右拳を握り緊め適当に引き手を取った。


香焼(まるで型が無い、けど……)グッ・・・


残り7m。未だ鋼糸を展開しない。
少女はタンッと地面を蹴り、幅跳びとも高跳びとも取れる要領で宙に浮く。
まるで喧嘩素人の子供が力任せに飛び掛かって打ん殴ろうとするが如くだ。


絹旗「―――ッ!! いい加減、マジック……出してますよねっ!!?」グンッ――

ぬこ「にゃっ!!」ビクッ!

香焼「っ!!」ドキッ!!


いつの間にか残り4m。既に拳は香焼へ向けて我武者羅に振われている。
香焼は腹を決め結界を展開。強度は弱めに設定。絹旗が結界を殴っても手を傷めない様にと……甘い考え故だ。

本当に、甘い。


絹旗「―――ふッッ―――」――ブォンッ!!


拳から約2m程の球状で窒素グローブを形成。その先っぽに『何か』が触れた感触。しかし……




  ガギッ―――




絹旗「っ!!」ギョッ!!

香焼(ぇ……やばっ!!?)


嫌な音がした。何かが軋む音。




   ―――バキンッ!!




結界がいとも容易く『ぐわん』と凹み……弾かれた。
354 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:40:07.40 ID:qWNsBrfo0
香焼「ぐっ……ガ、ぁっ……」ドンッ!!

絹旗「ッ……こ、ゃぎ……」ア・・・

ぬこ「みゃっ!!」ピョンッ・・・


ボールの様に吹っ飛ぶ一人と一匹。猫は器用に着地。香焼は……


香焼「ぃ……づッ……」ゴロゴロ・・・ドサッ・・・


10m近く吹っ飛んで、ブロックタイルの上に倒れた。


絹旗「ぁ……う、そ……」タラー・・・


自分が加減を間違った? それとも香焼の方にミスが?
兎にも角にもこれは超拙いと、急いで香焼の方へ駆け寄った。


絹旗「こ、香焼っ!!」バッ!!

香焼「……痛ぃ」グデン・・・


頭を抱えて様子を見る……血は出てない。何処か折れてたり捻ってたりもしていない様だ。


絹旗「大丈夫、ですか……」アタフタ・・・

香焼「ぁははは……ホントに、強いんすね……」イヅヅ・・・

絹旗「良かった……話せますね」ホッ・・・

香焼「うん……でも、全身痛いや。(アニーの『蓮の杖(座標攻撃)』直撃並にキツい……)」アハハ・・・

絹旗「……ごめんなさい」シュン・・・


涙目で謝る絹旗。しかし謝る必要は無いよと香焼は首を振った。


香焼「自分が、加減ミスったんす。最愛の言葉を信じなかったから……自業自得っすね」ゴホゴホッ・・・

絹旗「……でも」ウルウル・・・

香焼「大丈夫。怪我してないみたいだしさ」ニコッ・・・

絹旗「ごめっ……っ……なさ、ぃ……」ポロポロ・・・

香焼「泣かないで……謝るのは自分っす。ごめん」スッ・・・

絹旗「馬鹿……違います、ょ……ううぅ……」ポロポロ・・・

ぬこ「……なー」テクテク・・・


香焼からしてみれば嘗めてかかった。驕った。甘かった。
絹旗からしてみれば調子に乗った。冷静さを欠いた。我儘過ぎた。

大粒の涙を溢す絹旗の頬に手を当てる。泣かせてしまった……傷つけまいと思ったのに、傷心させてしまった。
ドチラの所為ではない。互いに浅はかだった。疑ってしまった。信じ切れなかったのだ。


香焼「最愛……」ボソッ・・・

絹旗「っ……はぃ」ポロポロ・・・

香焼「……えい」プニッ

絹旗「ひ、ぁっ!?」ドキッ!!


泣き止まない絹旗の頬を優しく抓む。
355 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:44:10.10 ID:qWNsBrfo0
香焼「ふふっ……マジック」ニコッ・・・

絹旗「え」グスンッ・・・

香焼「防御、出来なかったでしょ?」クスッ・・・

絹旗「……超馬鹿っ」グズッ・・・クスッ・・・

香焼「うん……笑ってる最愛の方が好きだよ」ニコッ

絹旗「な、ぅ……っ!!」カアアァ・・・///


この甘ちゃんは、こんな時にまで……


香焼「……もう立てるから大丈夫だよ」グッ・・・

絹旗「す、少し安静にしてないと……」アタフタ・・・

香焼「さっきの音で人が来たら、この恰好じゃ怪しまれるだろ? ……せめてベンチ座ろう」フゥ・・・

絹旗「分かりました……肩貸します」ヨイショッ・・・


二人は再びベンチへ戻った。





 ―――とある休日、PM06:15、学園都市第7学区、とある公園・・・・・





暫時無言。如何切り出して良いか分からない。


香焼・絹旗「「……」」


『ごめんなさい』以外の言葉が浮かばない。かといって、謝れば互いに苦しくなる一方だ。
香焼は絹旗の『腹を割って』という言葉を思い出す。こうなったら思い切って……


絹旗「……あのね」ボソッ・・・

香焼「ん」ピクッ


口火を切ったのは絹旗だった。


絹旗「如何しても……能力の詳細と『仕事』については、教えられないんです」シュン・・・

香焼「あ、うん……」

絹旗「他の事だったら極力教えます」ペコッ


自分の遠回しな遣り取りから察しがついたのだろう。
絹旗は申し訳なさそうな顔をする。しかしプライベートに付け入ろうとした香焼が悪いのだ。

では、と香焼も同じ対応。


香焼「自分も『マジック』についての詳細は教えられないんす」

絹旗「うん……もう十分です」コクッ


本当は学園都市に潜入している異端者だという隠し事も有るが、これこそばらせない。
これが知れたら多分……二度とこの街の敷居は跨げなくなる。
356 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 00:53:50.73 ID:qWNsBrfo0
絹旗「見せる分には問題無いんですよ。というか自動(オート)で発動する能力なので、仕方ないというか」ポリポリ・・・

香焼「さっきのヤツ?」

絹旗「はい……今度は殴れなんて言いませんから、掌押して見て下さい」スッ・・・

香焼「……」スッ・・・


手を合わせる様に……


香焼「……ん?」ピタッ・・・

絹旗「分かりましたか?」

香焼「……変な感覚」グニグニ・・・


絹旗の掌に触れられない。何か布の様な、水の様な、風の様な……目には見えない奇妙な感触のモノに触っている感覚。


絹旗「今は意識して能力を出してるので甲冑に触れられるんです。勿論……解除も出来ます」パッ

香焼「わっ」ピタッ


掌が合わさる。


香焼・絹旗「「あ……」」パッ!


分かり切ってた事だが、恥ずかしい。


絹旗「ご、ごめんなさいっ」カアアァ・・・///

香焼「う、ううん。気にしないよ」カアアァ・・・///

ぬこ「にゃーん」フシフシ

絹旗「え、えっと……とりあえずこの『甲冑』みたいなのを自在に操れるんです」モジモジ・・・///

香焼「へ、へぇ。便利っすね」アハハ・・・///

絹旗「はい……それから非常時……思い掛けない事故や攻撃なんかも自動で対応してくれます」


それが学園都市超能力者第1位―――・一方通行(アクセラレータ)の演算パターンを参考にした能力……窒素装甲である。
標準(デフォルト)状態で突如の反射は出来ないが、防御は可能だ。対戦車グレネードでも耐えられる。

さておき……彼女は此処まで見せてくれた。香焼は心中で己の頬を叩き、腹を決める。


香焼「自分のマジックは……色々応用が効くんだ」スッ・・・


都市の人間に説明しても理解し得ない力。
香焼は魔力を錬り、ステイルに教えて貰った簡易ルーン魔術を行使してみせた。まずは分かり易い『着火』。
能力者の強度でいえば低能力(レベル1)程度。精々不良神父の煙草に火を点けるくらいの役にしかたたない。


絹旗「え、見せてくれるんですか……っ!!? 火!?」ビクッ!


絹旗から見れば掌から火が出た様に見えるだけ。発火能力者(パイロキネシスト)であれば良く目にする光景だ。
しかしそれだけでは終わらない。次に小石を拾い『浮遊』の魔術を掛けてみせた。これは魔術の初歩の初歩。


絹旗「さ、念動力(サイコキネシス)!?」ポカーン・・・


二つ目の能力。この街から出た事の無い絹旗からしてみれば有り得ない『現実』。
そして最後に、空き缶を放り……2番鋼糸を用いて切断。謂わば『七閃もどき』だ。


絹旗「え、風力切断(エアカッター)……」キョトン・・・


全てが意味不明。多重能力者(デュアルスキル)は理論上不可能である筈なのに、今香焼は目の前でそれに似た様な事を遣って退けた。
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:58:42.83 ID:J2Gl+WmDO
>>356
こういう初々しいというか甘酸っぱい若い子のやり取り見てると、おいちゃん‥‥フヒヒ! ってなるよ。
358 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:02:00.68 ID:qWNsBrfo0
驚愕。開いた口が塞がらない。
香焼はそんな絹旗の顔に苦笑し、静かに鋼糸を袖口に仕舞った。


香焼「……他にも色々有るんだけど簡単なのはこれくらいかな。(後は自分の身体に掛ける『強化』タイプだしね)」ハハハ・・・

絹旗「……………………………………………………」ポカーン・・・

香焼「最愛……大丈夫?」ポリポリ・・・

絹旗「……ぇ、あ……はい」カクカク・・・


確かに驚くのは仕方が無い。自分だって初めて魔術を見た時は目を丸くしたものだ。
絹旗の場合は初めてに加え、都市の常識から外れたその現象を目の当たりにした。そりゃド肝を抜かすに決まってる。


絹旗「でゅ、でゅあ、多重(デュアル)……能力……」アタフタ・・・

香焼「あはは。違う違う」クスクス

絹旗「じゃ、じゃあ一体……」タラー・・・

香焼「だから『マジック』だって。まだまだ下手っぴだけどさ」ニコッ


無論、種も仕掛けも『有る』手品。

才能の無い人間が、それでも才能ある人間と対等になる為の技術……それが魔術だ。
特に天草式の魔術は応用次第で様々な事が出来る。
尤も香焼程度の実力じゃ出来る事も限られてくるのだが、そこは他の点でカバー。


香焼「自分の友人や先輩、師匠の様な人達はもっともっと凄いっす」ポリポリ・・・

絹旗「……し、信じられない」

香焼「まぁ最愛が能力開発で努力したように、マジックの努力をした……とはちょっと違うかな。自分、才能無いからね」アハハ

絹旗「う、ううん! 超凄いです! 超奇術です!!」キラキラ・・・


無理矢理開発された人殺しの道具でしかない大能力とは違い、香焼はこんなにも魅力溢れる技能を持っている。絹旗は素直に憧れた。


絹旗「私にも何か出来ないんですか!? マジックってヤツ!!」キラキラ・・・

香焼「え……無理」キッパリ

絹旗「ちょ、超はっきり言いますね……」ガクッ

香焼「申し訳無いんだけど教えてって言われても教えられない。脅されても、殺されても、教える事は出来ないっす」コクッ

絹旗「そ、そこまで言われると……超気になります」タラー・・・

香焼「ごめんね。最愛にマジックの才能が無い訳じゃないんすよ。努力すれば誰でも出来る様にはなるんだ」

絹旗「なら……」

香焼「えっと……これを覚える為『だけ』に今の能力を捨てて、更に死ぬ覚悟が有るんなら教えられるよ」

絹旗「そ、それは……」ウーン・・・

香焼「……最愛には素敵な能力が有るんだ。捨てる必要は無いんすよ」ニコッ


これだけはハッキリ言っておかなければならない。道化を演じてでも警告せねばならない。
能力者に魔術は使えないのだ。『猛毒』故に、使えば最悪襤褸(ジャンク)になる。
359 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:09:52.92 ID:qWNsBrfo0
絹旗「でも、そのマジックを売り物にしたらテレビなんかでも超引っ張りダコですよ!」

香焼「見せモノじゃないっすよ……言ったろ? 無闇やたらに己の力を見せてはいけないって」

絹旗「……うん」コクッ

香焼「『いざ』って時だけなんだ。能力だろうがマジックだろうが」

絹旗「私はいつだって自動(オート)ですよ」

香焼「……屁理屈だ」コツンッ

絹旗「てへっ」クスッ


それは誰かを守る時。それは己の信念を貫く時。それは誰かに救いの手を差し伸べる時。


香焼「とりあえず以上っすよ」ニコッ

絹旗「ありがと……やっぱり、香焼は優しいですね」クスッ

香焼「そんな事無いよ……買い被り過ぎ」ポリポリ・・・


誰もが言う。優し過ぎる、甘過ぎると。しかし……それ以上に残酷だと自負している。


香焼「優しいって言われるの……嫌なんだ」

絹旗「え? 超良い事じゃないですか」キョトン・・・

香焼「英国の友人の言葉なんだけど……」



            ―――君は、人殺しと仲良しごっこしてるだけだ―――


             ―――同じ立場に立つ勇気も無いのだろう?―――


        ―――その優しさは両刃ナイフだよ……己も、共も巻き込んで殺す―――


 ―――戦場でもし僕に、アニェーゼに、サーシャに、レッサーに、甘えが出て致命傷となったら……―――


               ―――その時は……君の所為だね―――


 ―――君は『英雄』なんかじゃないぞ? 勘違いするなよ……『あの男』にすらなれなれやしないさ―――


            ―――ディック・グレイソン気取りの香焼くん―――



香焼「『誰にでも、どんなヤツにでも甘過ぎて、コッチまで甘くなるから危険』だって……」グッ・・・


言葉を誤魔化した。殺しだなんて伝えられない。
360 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:17:10.81 ID:qWNsBrfo0
残酷な者に対して『誘惑(残酷)』……それが優しさ甘さ。一度味を知れば止められなくなる『麻薬(温もり)』。


絹旗「ふーん……そんなヤツと何で友達なんですか? 超酷いヤツでしょう」ムゥ・・・

香焼「人間って色んな『部分』を持ってるでしょ。ソイツはそういう冷酷な部分も有れば、それ以上に頼りになる部分も有るんすよ」ニコッ・・・

絹旗「……」ピクッ


そう信じている。だからこそ友達なのだ。


香焼「人を見た目で判断しちゃいけない様に……内面だけで、判断しようとしちゃいけないんじゃないかなぁって」ボソッ・・・

絹旗「……そんな理屈、聞いた事ありません」ジー・・・

香焼「例えば……例えばだけどね……」ギリッ・・・


『実は○○』『昔は●●』という言葉。あたかもこれだけが全ての様に人を判断するのは間違いだ。『普段』『日常』と合わせての人だろう。
国・身分・思想が違おうが、前科者だろうが、汚れ仕事をしてようが――例え本人が『断ろうが』――それでもステイル達は友達だ。


絹旗「……」グッ・・・

香焼「……最愛は自分の事理屈っぽいって言ったけど、そこだけは理屈じゃないんだ」


友情だけは、理屈じゃない。


絹旗「成程……英国の友人さんの気持ちが分かりました」

香焼「え」キョトン・・・

絹旗「……優しさで人を殺せる者がいるとしたら、香焼みたいな人間でしょうね」ニコッ・・・

香焼「如何いう……意味」ピクッ

絹旗「超まんまですよ」サラッ


そして絹旗は告げる。


絹旗「ねぇ、もし……私が……殺し屋だったら如何します?」ニコッ


思考が止まった。


香焼「………………………………………………………………な、ぇ?」

絹旗「私が殺し屋でも、さっきと同じ事言えますか?」ニコッ

香焼「っ……」

絹旗「……薬の売人でも同じ事言えますか?」

香焼「さ、最愛?」

絹旗「マッドサイエンティストでも同じ事言えますか?」

香焼「や、め……ろ」

絹旗「娼婦でも――」

香焼「止めろよっ!!」ガッ!!

絹旗「――っ」ビクッ・・・


咄嗟に腕を掴んでしまった……正確には、目に見えない装甲を掴んだ。いきなりの事で自動的に展開されたのだろう。
361 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:20:33.88 ID:qWNsBrfo0
香焼「……止めてよ」ボソッ・・・

絹旗「……ごめん。冗談が過ぎました」


少女は後悔した。


絹旗「あ……あはは、超必死になっちゃって! 軽いジョークですよ。超シリアスな顔してたので冗談を」ハハハ・・・

香焼「冗談でも……言って良い事悪い事……あるよ」グッ・・・

絹旗「……すいません」シュン・・・

香焼「……もう、言わないで」


再び、無言。

絹旗は分かってしまった。英国の友人とやらの話しの通り、この少年は残酷なのだ。
温もりなんて生易しいモノではない。悪党にとって超『猛毒』でしかない。
もしかして自分が日の下に居るのではと錯覚してしまう程、危うい存在なのだ。

香焼は抱かないと決めた筈の疑念が確固となってしまった。少女の嘘がそれを強固とさせたのだ。
殺人、犯罪、狂気、淫行……普通の少女が口にする言葉ではない。
もしかして自分と同じ、いやそれ以上の深い闇を孕む程、危うい事をしているのではないか。


ぬこ「なーぅ」トコトコ・・・


香焼がすべきは追求。絹旗がすべきは回避……如何にかしなければいけない。


香焼・絹旗「「あの」」ピタッ


被った。


香焼「……どうぞ」タラー・・・

絹旗「……どうぞどうぞ」タラー・・・


気拙い。


香焼「じゃあ自分から……いつか、教えてくれる?」

絹旗「……超無理」クスッ・・・

香焼「まだ何をとは言ってないっすよ」タラー・・・

絹旗「『仕事』の事でしょう? 顔に超書いてあります」

香焼「……」ムゥ・・・


そんな日が来るとは、到底思えない。


絹旗「じゃあ私ですね……次、いつ会えますか?」ニコッ

香焼「え」キョトン・・・


まるで予想外の質問。何か重い話が来ると身構えていたのに。


絹旗「予定、開けられないの?」ジー・・・

香焼「え、いや……大丈夫だよ。追々でいい? メールで連絡する」ニコッ

絹旗「うん、分かりました」チラッ


そして時計を気にする素振り。時刻は6時半を回ろうとしていた。
362 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:23:15.97 ID:qWNsBrfo0
互いに心理戦だった。
此処であからさまに香焼を拒絶する様な態度を取ったら、必ず喰らい付いて来る。殴っても蹴っても離してくれないだろう。
だったらいっそ次また会えるという安心感を持たせればいい。一時ではあるが、その手は緩む筈だ。

無論深層には……また会いたいという純粋な気持ちもある。


絹旗(超感謝してるんです。超楽しいし、超待ち遠しい)


出来る事ならずっと一緒に居たい。だがその想いが強くなる程……猛毒が沁みてくる。
彼が私を『地獄の底から引き釣り上げてくれる英雄』であったらどれだけ嬉しい事か……そう『幻想』を抱いてしまう。

 しかし不可能だ。

依り処であり、枷である暗部(アイテム)。
もし香焼がその事を知ったら間違いなく首を突っ込んでくるだろう。そしたら……一番恐れている事が起こる。


絹旗(香焼が……麦野に殺されてしまいます)グッ・・・


それだけは、避けなければいけない。


絹旗「名残惜しいですが……帰りましょう。もう暗くなってきました。これ以上は補導されちゃいます」ニコッ・・・

香焼「うん……そうだね」コクッ

ぬこ「みゃー」ヒョイッ


猫が定位置――香焼の肩の上――に登る。


香焼「今日は何か……しつこくごめんね」ポリポリ・・・

絹旗「いえ。私の方こそ超ガキ過ぎました」クスッ・・・

香焼「あ。次会う時、料理楽しみにしてるっすよ」ニヤッ・・・

ぬこ「にゃー」ジー・・・

絹旗「うっ……ちょ、超任せといて下さい。きっと舌が超惚ける料理を作ってきますよ」エヘン・・・


惚けてしまっては困るのだが。


絹旗「さ、些細な間違いです!」ムゥ!

香焼「あはは。はいはい」クスッ

絹旗「もぅ……ハァ」クスクス


やはり……毒だ。もっと依って、寄って、酔っていたくなる。
363 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:25:56.44 ID:qWNsBrfo0
絹旗「じゃあ……またね」ニコッ・・・

香焼「うん。また」ニコッ

ぬこ「にゃー」フリフリ

絹旗「ふふっ。オマエもまたな」ポンッ

ぬこ「なー」ペロッ


手を振り、別れる。


香焼「……逃げられちゃった」クスッ・・・

ぬこ「みー」ペチペチ

香焼「なぁ。如何したらいいと思う?」ポンッ

ぬこ「にゃ?」チラッ

香焼「オマエも分かんないか」ハハハ・・・


絹旗最愛。
人見知りだけど本当は明るく元気な少女。猫が好きで、名前を間違えられ易くて、純粋で、あどけなくて、健気な少女。


香焼「……最愛、か」

ぬこ「にゃーぃ」ジー・・・

香焼「にゃーあぃ……名前、それにする?」クスッ・・・

ぬこ「みぅ」フルフル・・・

香焼「嫌か……じゃあ『もあい』は如何?」フフッ

ぬこ「みゃーぃ」スリスリ・・・

香焼「……え」タラー・・・

ぬこ「みゃーぃ」スリスリ

香焼「……もあい?」マジ?

ぬこ「みゃーぃ」コクコクッ

香焼「……流石に最愛にも聞いてから決めよう」ダラダラ・・・


だけど寂しがりやで独りぼっちの少女。その身に似合わぬ強大な能力を持った少女。
これから如何接すればいい。彼女に対する疑念は、自分の心に深く刺さり過ぎた。


香焼「こういう時こそ……女教皇様に相談かな」ハハハ・・・


結局、他力本願。自分はつくづく救えない甘ちゃんだ。
進む足は重く、気持ちに靄々を抱えたまま……帰宅する。


香焼「救いの手が必要なのは……どっちだか」ハァ・・・


『手』が必要なのは彼女。
救いようの無い馬鹿は自分……自分の事なんかどうでも良い。今は彼女が必要とする救いが何なのかを考えるしかない。
彼女がいつも笑っていられるような、そんな『救いの手』を見つけたいのだ……―――
364 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 [saga]:2011/04/13(水) 01:27:57.62 ID:qWNsBrfo0
 <おまけっ!>



香焼「また鍵開いてるし……ただいまー」ガチャッ



 ガヤガヤ・・・



香焼「五和と浦上め……ん?」チラッ

ぬこ「……みゃ」ジー・・・

香焼「この靴……まさか!?」ギョッ!!



 タタタタ・・・



削板「いやぁ香焼の姉ちゃんの飯上手過ぎだなっ!!」ガツガツ!

五和「そんなそんな。上手ですね、削板くんは」オホホ

浦上「しっかし香焼の知り合いに超能力者がいるなんて驚きデスよー」アハハ

削板「いえいえ……マブダチだよ! あとくん付け止めて下さい」キリッ!


香焼「」チーン・・・


五和「あ、コウちゃ……香焼。おかえりなさい」ニコッ

削板「おぅ! 邪魔してるぞ!」ニカッ!

香焼「……何、してんの?」ダラダラ・・・

削板「飯だ」ホレ!

香焼「いや、じゃなくて……何でいるの?」タラー・・・

浦上「香焼。友達にその言い方は無いんじゃナイの?」ジトー・・・

削板「まぁまぁ。確かに俺が香焼ん家にいるのは変だよな」ウンウン・・・

香焼「じゃあ、何で?」タラー・・・

削板「昼間の菓子の礼にな! 適当に菓子買って来たんだ。家探すの苦労したぞ?」ホラッ!

五和「ふ、フジレーゼのアイスケーキ……シュークリーム……」キラキラ・・・

浦上「く、黒松堂の御団子詰め合わせ……あんみつ……並んでも買えない限定品をこんな夜中に!!」キラキラ・・・

削板「昔助けてやったヤツがパティシエらしくてな。友達にやりたいって言ったら即座に用意してくれた」モグモグ・・・

香焼「態々……この根性馬鹿は」ハァ・・・

五和「こら、香焼。失礼ですよ」メッ!

香焼「オマエはさっさと化けの皮剥がせ馬鹿1号」ギロッ・・・

浦上「削板くん。香焼の事よろしくネー。まだまだひよっ子で弱虫なんだけどサー」ニヤッ・・・

削板「おう、任せとけ! あと香焼の姉ちゃん、おかわり良いか? それからくん付け止めて下さい、ホント」ゴックンッ

五和「はいはい。たーくさん食べて下さいねー」ニコニコ


香焼「……最愛の読みが、当たった」フコウダ・・・

ぬこ「なぅ」テクテク・・・
365 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 :2011/04/13(水) 01:34:16.79 ID:qWNsBrfo0
 <おまけっ!!>




絹旗「……ただいま」ガチャッ・・・

滝壺「きぬはた、おかえり」ニコッ

浜面「お、おぅ……」タラー・・・

麦野「お、おかえり」タラー・・・

フレンダ「ご、ご飯は食べてきた?」タラー・・・

絹旗「……いりません」テクテク・・・



 バタンッ・・・・・



麦野「……あちゃー」ハァ

フレンダ「振られたか……結局、青春の甘酸っぱい思い出って訳なのよ」ハァ

浜面「どうしてそうなるだよ……それより本当に俺らの行動ばれてないんだよな」ジトー・・・

フレンダ「だからあくまで空想だって。現実と一緒にしないの!」ジトー・・・

麦野「うーん……」ポリポリ・・・

浜面「何だ?」チラッ

麦野「……滝壺にゃん。アフターケアよろしくー」ボソッ・・・

滝壺「うん……OK、リーダー」テクテク・・・



 バタンッ・・・・・



浜面「あふたーけあ?」ポカーン・・・

麦野「……予想が当たったわね」ハァ・・・

フレンダ「麦野、何か予想してたっけ?」ヘ?

麦野「『陽溜まり』って言ったでしょ。日向ぼっこし過ぎて……『毒素(メラミン)』大量ーって感じよ。あの娘」ッタク・・・

フレンダ「絹旗まだ若いから、結局日焼けしても大丈夫な訳じゃない?」クスクス・・・

浜面「麦野と違ってか?」プフー!

フレンダ「ちょ……プフッ……そんな事……」プルプル・・・

麦野「……二人とも、屋上」ニコッ・・・┣¨┣¨┣¨┣¨・・・

浜面・フレンダ「「」」チーン・・・
366 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 :2011/04/13(水) 01:51:26.88 ID:qWNsBrfo0
絹旗「……ハァ」ムキュー・・・ドサッ

滝壺「……きぬはた」コンコン

絹旗「っ! って滝壺さんですか……如何したんですか?」チラッ

滝壺「ふふっ、むぎのだと思ったかな? 着替えもしないまま寝ちゃ駄目だよ。折角むぎのが買ってくれた洋服なんだから」ニコッ

絹旗「……んー」ゴロン・・・

滝壺「ねぇ、きぬはた。何かあったの? 彼と」テクテク・・・

絹旗「……分かりません」ムスー・・・

滝壺「そう。喧嘩しちゃったかな」スッ・・・ナデナデ

絹旗「ん……違いますよ。ただ……」ムニュゥ・・・

滝壺「ただ?」

絹旗「……もう、近づいちゃ駄目かなぁって」ハァ・・・

滝壺「如何して? 嫌いになっちゃったの?」ポンポン・・・

絹旗「違います……でも……住む世界が、超違い過ぎるというか……」ウゥ・・・

滝壺「でも、また会いたいんでしょ?」ニコッ

絹旗「それは……」コクン・・・

滝壺「じゃあ遠慮する事ないんだよ。きぬはたがしたい様にすれば良い。私は応援するよ」ナデナデ

絹旗「むぅ……だけど、香焼の為に――」


滝壺「人の所為にする?」ジー・・・


絹旗「――っ……」シュン・・・

滝壺「暗部だから表の人間とは仲良くしちゃいけないなんて理屈は……荒んだ考えだよ。きぬはたにそうなって欲しくない」ポンポン・・・

絹旗「……でも……超辛いんですよ」グスッ・・・

滝壺「人の心だもん。悩んだら辛いし苦しいんだよ……だけど、それを超えれば嬉しい事がたーくさん待ってる」ギュッ・・・

絹旗「……本当に?」グッ・・・

滝壺「私はきぬはたに嘘付いた事無いよ」フフッ

絹旗「……滝壺さん」ポロポロ・・・

滝壺「きぬはた、私にお話してごらん」ニコッ・・・

絹旗「うぅ……」ポロポロ・・・コクッ・・・



麦野「……ったく。遣る瀬無ぇ」チッ・・・


浜面・フレンダ「「」」ボーン・・・
367 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 :2011/04/13(水) 02:08:20.84 ID:qWNsBrfo0
 ―――一寸後・・・・・



滝壺「そっか……探られそうになったんだ」ナデナデ

絹旗「……はい」グズッ・・・

滝壺「それは大変だったね……」

絹旗「私、逃げちゃいました……次、会う時……如何したら良いでしょう」

滝壺「うーん……私は教えても良いと思うよ」ニコッ

絹旗「……は、ぃ?」ポカーン・・・

滝壺「だから教えても良いんじゃないかな?」

絹旗「だ、だって私の仕事知ったら止めさせようとするヤツですよ! もしそんな事になったら……麦野に……」ゴニョゴニョ・・・

滝壺「きぬはた。今日、能力見せたんでしょ?」

絹旗「え、あ、ま、まぁ……名前と詳細は伏せましたけど、軽く実演くらいは」

滝壺「同じだよ。仕事の詳細は教える必要なんてないもん」

絹旗「ど、如何いう事です?」タラー・・・

滝壺「例えば……私達アイテムは『殺し』の中でも『粛清』専門でしょ? それを『更生』だったり『仕分け』って言葉にしちゃえば良い」

絹旗「……それで通じますか?」ウーン・・・

滝壺「最悪、私やむぎのの所に連れておいで。上司である……私は上司じゃないけど、年輩の仕事仲間が説明すれば分かってくれるよ」ニコッ

絹旗「麦野に……香焼へ嘘をついてくれるよう頼むんですか?」タラー・・・

滝壺「うん。アイテムの皆にね。きぬはたの職場はこんなに良い所だよって分かって貰えれば、彼も安心するよ」

絹旗「……麦野はしてくれるでしょうか」

滝壺「きぬはたはむぎのを怖がり過ぎだよ。あんなにお茶目で可愛いのに」クスクス・・・

絹旗(滝壺さんだけですよ……超怖いもの知らず)ダラダラ・・・



麦野「……ケッ」フンッ・・・///
368 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 :2011/04/13(水) 02:33:18.99 ID:qWNsBrfo0
滝壺「もしきぬはたが頼み辛いなら私が言っておく」

絹旗「え、えっと……もう少し考えさせて下さい」ポリポリ・・・

滝壺「うん、分かった」ニコッ



 Prrr・・・Prrr・・・



滝壺「ん?」

絹旗「あ……香焼からメールです」ビクッ・・・

滝壺「見ないの?」

絹旗「……」カパッ・・・カチッ



【DATE】XX/XX 20:04 
【FROM】こーやぎ
【sub】こんばんは
------------------------
今日はお疲れさま。
やっぱり家に軍覇が来たよ
……(汗) ← 絵文字

さっきは最愛の気持ち考え
ないで自分勝手に色々質問
してごめんね。
でも能力見せて貰えたのは
嬉しかったよ。ありがと。

最愛の能力は何かを守れる
強い力だと思ったっす。羨
ましいよ(笑顔)

次会える日は明日になった
ら分かるから、また連絡す
るね。料理楽しみにしてる
よ(ニヤケ笑い)


ps.子猫の名前……モアイ
で良い?



絹旗「っ……超馬鹿ですよ……私も香焼も、ほんとバカ」クスッ

滝壺「ふふふ。羨ましいってよ」クスクスッ

絹旗「人殺しの、能力なのに……っ……あの、滝壺さん」グッ・・・

滝壺「ん?」ニコッ

絹旗「お願いがあります……―――
369 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 :2011/04/13(水) 02:55:07.75 ID:qWNsBrfo0
  バタンッ・・・・・



滝壺「きぬはた、明日の朝シャワー浴びるから今日はもう寝るって」ガチャッ・・・

麦野「そ」グデェ・・・

滝壺「はまづらとフレンダは?」キョロッ・・・

麦野「文字通り干してる」ハァ

滝壺「え?」キョトン・・・


浜面「いや、干すってベランダから人間吊るすって意味じゃねぇからよおおぉ!!」ギャアアアァッ!!

フレンダ「いやぁあぁぁああぁっ!! 何で逆さ吊りな訳よぉっ!! スカートがあああぁっ!!」キャアアアァッ!!


麦野「……それより」テクテク・・・

滝壺「あ、コーヒー私が淹れるよ」

麦野「良いから座ってなさい……で、あの子の毒抜けは如何?」カチャカチャ・・・チラッ

滝壺「その言い方好きじゃないかも」ジトー・・・

麦野「じゃあ何でも良いから、仕事に支障無さそう?」フンッ

滝壺「多分大丈夫。処方箋は出したよ……薬を貰うかどうかはきぬはた次第だけど」コクッ

麦野「そう……ん」テクテク・・・スッ

滝壺「ありがとむぎのん」ニコッ

麦野「しかしねぇ……やっぱ予想通りかぁ」ゴクッ・・・

滝壺「きぬはた……自分で惚れてるか如何かも気付いてないっぽいね」クスッ

麦野「……マジ?」ピタッ

滝壺「友情を知らないきぬはたが、恋愛を先に持って来れると思う?」

麦野「ふーん……今は兎に角、折角出来た『お友達』を離したくないって事か」

滝壺「そんな感じ。駄目?」

麦野「いんや、別に良いんじゃない? 恋だったら面倒だけど、友情程度なら無理に壊さなくても」

滝壺「ふふっ……やっぱりむぎのは優しいよ」ニコッ

麦野「気持ち悪ぃ事言わないでよ……良いのよ。あの子がアイテム辞めたいって言わない限りはね。何したって良いの」フゥ
370 :第8話――絹旗「私が……殺し屋だったら如何します?」 香焼「っ……」 :2011/04/13(水) 03:10:35.01 ID:qWNsBrfo0
滝壺「私もそう思う。ただ問題は……彼の方っぽい」

麦野「気付いてるって? だったら手を打つしかないけど」

滝壺「調べようとしている前段程度だよ」

麦野「じゃあ馬鹿な事仕出かす前に釘打ちゃぁ――」

滝壺「だから私に良い考えが有るの。きぬはたも彼も、ハッピーな纏め方」ニコッ

麦野「――……芝居を打てって?」

滝壺「聞いてたんだ」フフッ

麦野「……」ハァ・・・

滝壺「よろしくね。演出家(リーダー)」クスッ

麦野「じゃあオマエが脚本家(シナリオ)だぞ」ジトー・・・

滝壺「らじゃー」b"





絹旗「すぅ……くぅ……」スヤスヤ・・・



【DATE】XX/XX 20:21 
【To】こーやぎ
【sub】こんばんわ(猫)
------------------------
私の方こそごめんなさい。

それから……ありがとう。
次会える日、超楽しみにし
てますよ(笑顔)(♪)

料理、頑張って作ってきま
すね(V)(ハート)



ps.超根性馬鹿に何かされ
たら言って下さい。ブッ飛
ばしてあげます(笑顔)(怒)

あとモアイって何ですか?
まさか『最愛』じゃないで
すよね(笑顔)(ピキピキ)



絹旗「くぅ……ばか……こ、ゃ……」フフッ・・・スゥ・・・









冷蔵庫『さよならいおんハートCANNON CRACKER remix...』ドントハレ。
371 :>>1 :2011/04/13(水) 03:23:06.55 ID:qWNsBrfo0
はい。お疲れさまでした。
如何しても絹旗話だと麦野がネックになりますね……設定がWWV(ロシア編)後なら楽なんだけど。


アンケートというか質問。

@これからの絹旗話について……喧嘩というか殺し合い欲しい? どんな展開希望?

A地の文を如何するか迷ってます。有っても無くても駄文に変わりは無いですが、全部会話の方が良い? それとも今のままで良い?

B例の如くリクエストはありますか?

……以上。


次は英国編だね。ステイル災難話だよー。
カルテッ娘の他に誰出そうかなぁ……リメエア様出したし、キャーリサ姫ヴィリアン姫もアリかなぁ。


とりあえず今日はこんな所で! 感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントよろしく! それじゃあ、また次回! ノシ
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 08:25:49.07 ID:+lheq66j0
乙!
殺し合いというか、殺し愛が見たいです Aについては今のままでいいと思います
リクエストはアンジェレネ×ステイルアフターとか……駄目ですか?
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 18:51:09.08 ID:NB30q5QR0

絹旗の話は…ほのぼのでもフレ/ンダでも何でも
Aは今のままでいいと
リクエストは…ウィリヴィリか魔神?×北欧侍女とか

…いや別にどっちもやるというのも全然構わんというかやれください
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 21:42:10.32 ID:J2Gl+WmDO
@殺し愛は素敵だけど絹旗の一方的になるからなぁ。敢えてあわきん介入とか
A使い分けてはどうだい?

リクエストというか質問です。このSSのエロボーダーは何処まで? とらぶる級? えくすたしぃ級?
まさか‥‥まったく無いの!?
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 23:43:51.20 ID:+lheq66j0
>>374
本編のアニェーゼアフターはエロエロだったぜ
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 08:32:20.42 ID:PLu3ucnDO
>>375
この>>1はヤる時はヤる
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 13:33:39.02 ID:6cu7rGdIO
@もう少しお互い踏み込んでから(天草、アイテムメンバー紹介後など)殺し合いがいいかなあ
A今でも十分読みやすいから>>1の書きやすいほうでいいと思う
Bリドヴィア、オリアナ姉さんのコンビ結構好きだから出せたら出してほしいっす
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/15(金) 01:47:51.32 ID:v5AYnI9Wo
@アイテムとかの暗部関係が見たい
A>>1の好きな方で良いと思うよ
B麦のんと固法先輩とねーちんのねーちん目線が見てみたい
おまけでもいいから出して欲しい
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/15(金) 02:09:09.97 ID:3fu0BQdAO
乙です!

@マジ喧嘩はもうあっちのスレでお腹いっぱいなので可愛い喧嘩なら見てみたい
A>>1の地の文は好きだからこのままでいいですよ
Bリクエストというよりは疑問なんですがイギリス組が削板に会ったらどんな反応するのかが気になる
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 08:19:41.31 ID:6G5OyDHX0
@絹旗と任務上でバッタリ、「つたなき恋愛」→「殺し愛」に
Aこのままで良いと思います
Bサーシャアフター純愛物で!!
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 01:00:12.43 ID:zsXxhyqH0
@は絹旗との恋愛がもっと見たいです、殺し愛でもいいので
A今のままで大丈夫だと思いますよ?少なくとも僕は
Bカルテッ娘の誰かとのアフター物!純愛からエロエロまでドーンと来いやーー!!
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 02:39:23.14 ID:BaV7qGmDO
>>375 >>376
おい、どういう事だ?

>>1のエロって何ぞ!? kwsk!!
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 08:40:45.13 ID:zsXxhyqH0
>>382
「先輩、おはようございます」の>>665からアニェーゼアフター(中〜終盤からエロあり)
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/16(土) 23:37:40.46 ID:WYUGGIRUo
>>383
ははっ君は何を言ってるんだいそれは違う作者じゃないかなちょっと裏に行こうか
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 23:00:54.09 ID:CcausYu10
>>384
同一人物
>>4とか>>241とか読め
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/17(日) 23:04:28.04 ID:0uifaJubo
いやお前言葉の裏くらいいやなんでもない
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 23:16:48.02 ID:X7lKfARDO
そろそろ来てくれ…
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 08:37:19.12 ID:BJ49d15DO
>>385
それは、コナン=バーーーローーやクワトロ=シャア並の根も葉もない都市伝説だぜ?
389 :>>1 :2011/04/18(月) 21:42:51.95 ID:KWemHfpt0
こんばんは。今日は特別編をお送りしますよー。
別所のSSがまったくインスピ進まないので久しぶりに安価SSでもしようかと(苦笑)


レス返信!
《絹旗ストーリーの今後について》
『殺し愛』って素敵ですよね。でも真の『殺し愛』は某月の姫と没落貴族みたいに命を粗末に出来ないと成立しないと思いますよ。
まぁ私の妄想幻想の中ではいくらでも窒素装甲破る方法はあるんですけどね。あくまで妄想。
ほのぼの展開は長続きするといずれマンネリになるんですよ。エロ入るとまた別ですが……その話は[禁則事項です]。

《リクエストについて》
アンジェレネとステイルの話、需要あるみたいっすね。必ず書きましょう。
魔神と侍女長は公式夫妻(?)だけど、第三王女と傭兵崩れって実際如何なんだろう。絶対アックア手ぇ出せないよねww
オリアナ姉さんは出す。でもリドヴィアは神裂くらいしか会えないでしょう。あまくさ的に難しいかも。
三人淑女の話はやるよー。私は麦のん少女化計画推進派です。
削板とイギリス組かぁ……原石って時点で魔術師に嫌われそうだけどね。ただ軍覇っちは原石とか理解してないからただのギャグかww
諸々アフターものについては検討中。このSSは全年齢対象・・・・・・かも。需要次第で考えます。

《地の文について》
使い分けしましょうか。それで行きましょう。

>>382以降の流れについて》
>>388が上手い事言ってくれましたね。宮▽志保と灰原△、グラ○ムとMr.ブ●ドーは別人でしょ?
もしくは水戸黄門の脚本家がいっぱいいるみたいな感じ。そういう事。

《その他》
私の親戚がね・・・『新約読んじまったからクーデター前書き辛い』とか嘆いてました。如何したら良いものですかね。
此方としてはいっそ超兄貴と牛乳さん結婚させてアフター設定固めれば良いんじゃね? とか思っちゃったり。
そうすればこっちで香焼高校編とか題して好き勝手出来るのに。


はい。というわけで久々に安価SSやります。ただし時間制限付で。スタート!
390 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/18(月) 21:59:44.63 ID:KWemHfpt0
 ―――とある日、時刻不明、場所不明、とある野外・・・・・




建宮「こんばんは。『あまくさどうでしょう』の時間です。司会は私、建宮斎字でお送りします」ペコッ


牛深「・・・・・・建宮、何やってんの?」ジー・・・

野母崎「え、マイク持ってる。何故に?」ジー・・・


建宮「・・・・・・今日は安価――所謂アンカーなのよな――で話を進めたいと思います。多分、小話区切り区切りかな」


牛深「あ、五和カメラ回してるし。何してんの?」

野母崎「ん? 浦上がカンペ出してるぞ?」

牛深「えっと・・・・・・『先日、賭けポーカーで負け金[ピーーー]円まで貯まったので罰ゲームで支払い』だって」プフー!

野母崎「うわぁ、建宮だっせぇ・・・・・・」クスクス・・・


建宮「チッ・・・・・・まず初めに香焼が――― >>392・・・誰と、何処で会うか ――安価お願いします」ペコッ


牛深「またあのフラグボーイか・・・・・・」ハァ

野母崎「いや『カミやん病』患者だからしゃーねぇよ」ポンッ
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 22:01:32.43 ID:nIqZdo1p0
サーシャと、協会で
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/18(月) 22:02:08.66 ID:wKKwVT4zo
美琴黒子と喫茶店
393 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/18(月) 22:16:57.31 ID:KWemHfpt0
建宮「はい。決定。じゃあどうぞ!」


カンペ『〜〜〜〜〜』パッ


建宮「くっ・・・・・・お、おみまいするぞー!」ドーン!


牛深・野母崎「「ぎゃはははっははっ!! 大泉だああぁっ!!」」ケラケラケラ!



 *****************************




 ―――とある日、PM03:30、学園都市第7学区、とある喫茶店・・・・・




香焼「・・・・・・あれ?」ガチャッ

店員「いらっしゃいませ。お一人ですか?」

香焼「え、あ、いや・・・・・・何で自分、こんな所に?」ポカーン・・・

店員「はい?」

香焼「い、いえ・・・・・・おかしいなぁ。居間出ただけなんだけど」ポリポリ・・・

店員「あのー、お客様?」

香焼「あ、そ、その・・・・・・ひ、一人っす」ペコッ

店員「畏まりました。此方へどうぞ」テクテク・・・

香焼「はい・・・・・・うーん、何でだ?」ポリポリ・・・


 カランカランッ・・・・・


店員「ご注文が決まり次第声をお掛け下さい。ではごゆっくりどうぞ」ペコッ

香焼「あれぇ・・・・・・うーん、何でさ?」ポリポリ・・・



 *****************************



牛深「浦上、アレどうやったの?」

カンペ『次元の魔女の所為です』カキカキ・・・

野母崎「・・・・・・なら仕方ないな」タラー・・・
394 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/18(月) 22:38:45.87 ID:KWemHfpt0
香焼「何か随分女の子多いなぁ。とりあえず注文しよう・・・・・・すいません」

店員「はい、ただいま」テクテク・・・

香焼「マフィンセット・・・・・・カフェモカで」

店員「・・・・・・え?」ポカーン・・・

香焼「は、い?」エ?

店員「あ、あはは、すいません。畏まりました」ペコッ・・・


 カランカランッ・・・・・


店員「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

白井「二名カップル席人目の付かない所でぶべしっ!!」ゴチンッ!

御坂「・・・・・・二人です」ニコッ

店員「か、畏まりました。では・・・・・・此方のお席へどうぞ」ニコッ・・・


 テクテク・・・・・


香焼「・・・・・・ん?」チラッ


店員「ごゆっくりどうぞ」ニコッ

白井「んもー、お姉さまは恥かしがりやさんですの」スッ・・・

御坂「アンタが気持ち悪い事言うからでしょ、まったく・・・・・・ん?」チラッ


香焼「・・・・・・(何か隣の人と目ぇ合っちゃった)」ペコッ

御坂「・・・・・・ども」ペコッ

白井「ほぇ? 知り合いですの?」

御坂「目ぇ合っただけよ。他のお客さんも居るんだから喧しくしないのよ」

白井「んまぁ心外な。私は常盤台の淑女オブ淑女ですのよ! お姉さまの様な御転婆ガールとは一味違いますわ」ムキー!

御坂「はいはい、そーですねー・・・・・・いいからさっさと頼みましょう」

白井「まったくぅ・・・・・・すいませーん」

店員「はい、ただいま」テクテク・・・

御坂「ケーキバイキングってまだ大丈夫ですよね?」

店員「はい。此方のメニューに説明が・・・・・・――」


香焼(ケーキバイキングやってたのか・・・・・・だから空き席が少ないんだ。てか普通のメニュー頼むって場違いだったね)キョロキョロ・・・


店員「――以上になっております」

御坂「・・・・・・あれ? ゲコ太ぬいぐるみは・・・・・・え?」

店員「あー・・・・・・其方は3つセット3名様になってるんですよ」

御坂「」ガーン・・・

白井「まーたガキ臭いお人形もの目当てにこの人は・・・・・・」ジトー・・・

御坂「黒子! 初春さんと佐天さん呼ぶのよ! 今すぐ!」ガー!

白井「二人は学校の用事ですの。故に春上さんも無理」ビシッ!

御坂「じゃあ固法先輩! 無理なら婚后さんや湾内さん、泡浮さん!」ガアアァッ!!

白井「先輩は詰め所。阿呆の婚后は都市外。湾内さん、泡浮さんは部活ですの」ハァ

御坂「んもー! 駄目じゃない!」ンキー!
395 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/18(月) 22:49:53.61 ID:KWemHfpt0
店員「お、お客様。お静かにお願いします」タラー・・・

白井「こういう時に交友関係の少ない人間は損しますのね」ボソッ・・・


香焼「変なの・・・・・・あれ? そういえば、財布持ってきて無いぞ」タラー・・・


白井「お姉さま。どうしてもと言うのであれば手が無い訳でも無いですのよ」ピッ!

御坂「ほ、ホント!」キラキラ・・・

白井「お金に糸目を付けないのであれば・・・・・・単独客を狙えば良いだけの事」ニヤッ

御坂「ほぇ?」

白井「代金は此方が何割か負担。それで大プランの3人セットを注文します」

御坂「で、でもそれって迷惑なんじゃ・・・・・・」

白井「だからあくまで『お金』『迷惑』を投げ売っての行動です。それでもゲコ太人形が欲しければ・・・・・・ですの」

店員「あのー・・・・・・」

白井「・・・・・・まぁ色々考えるのは面倒臭いので大人しくペアセットにしま――」


御坂「まだ注文してない単独者さーん! お金いくらか出すので一緒にむぐぅっ!!」ガシッ!!


白井「――お、ね、何してんですのおおおぉっ!! 騒音罪でしょっ引きますよぉっ!!?」グワシッ!!

店員「え、えっと・・・・・・ペアセットで宜しいですか?」タラー・・・

御坂「あーあぅ・・・・・・ゲコ太ぬいぐるみぃ・・・・・・」ウルウル・・・

白井「泣いてるお顔もチャーミングですけど、残念ながら此処は我慢して貰いますの」ポンポンッ


香焼「(チャンスか・・・・・・)あ、あの・・・・・・」ボソッ

御坂・白井・店員「「「え」」」キョトン・・・
396 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/18(月) 23:03:25.56 ID:KWemHfpt0
香焼「バイキング、ご一緒してもいいっすか?」アハハ・・・

御坂「ほ、本当に!!?」キラキラ・・・

香焼「え、えっと・・・・・・さっきの注文はどうなってます?」チラッ

店員「モカは直ぐに持ってこれますが、申し訳ありません。マフィンの方はまだ手を付けてませんでした。この状況なので」タラー・・・

香焼「あ、えっとじゃあキャンセルで。この人達と一緒のセットでお願いします。大丈夫っすか?」

店員「ええ。元々マフィンもメニューにあるので同じですし・・・・・・宜しいですか?」チラッ

御坂「是非に!!」ウンウン!

店員「ふふっ。畏まりました」ペコッ・・・


御坂「あ、貴女! ありがとう!」フカブカー!

香焼「あはは、えっと此方こそ図々しくスイマセン・・・・・・其方のお嬢さんも何かスイマセン」ペコッ

白井「いえいえ。お姉さまの我が侭にお付き合い頂いた様で、此方こそ感謝しますわ」ニコッ


店員「お待たせいたしました。あちらのカウンターからお好きなケーキを7点どうぞ」ニコッ

御坂「あ、あの! ゲコ太は!?」

店員「ふふふ、お会計の際にお渡ししますよ」クスッ

白井「お姉さま、とりあえず数量限定バイキングですしさっさと行きましょう。其方の・・・・・・えっと」チラッ

香焼「香焼」

白井「ええ、香焼さん。折角ですし貴女も一緒に行きましょう」ニコッ

香焼「あはは・・・・・・(いつお金の話をしよう)」タラー・・・



 *****************************



牛深「わぁお。直ぐフラグだぜ・・・・・・ジェラスィイイイイィッ!!」ムキー!

野母崎「建宮ー。この後どうすんのー?」


建宮「えーっと・・・・・・もうちょい待たれぃ」ジー・・・
397 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/18(月) 23:23:27.48 ID:KWemHfpt0
 ―――とある日、PM03:45、学園都市第7学区、とある喫茶店・・・・・



 ガヤガヤガヤ・・・・・



白井「折角のバイキングですのに7個限定と言われて腹に溜るのかと懸念しましたが・・・・・・一個一個が大きいですのね」ヘー

御坂「だから・・・ムシャ・・・言ったじゃない。無制限プランは多すぎ・・・モグモグ・・・だよーって」モキュモキュ!

白井「食べながら話さないでくださいまし」ハァ・・・

香焼(・・・・・・食べれない。食べたらお金が)ウッ・・・

御坂「ん? 香焼さん、如何したの?」モグモグゴックン

香焼「え、あ、いや、ちょっと多いかなぁって」アハハ・・・

白井「ほら、お姉さまが無理言うから」ジトー・・・

御坂「んー・・・・・・だったら私が食べてあげるよ。その分お金も出すしさ」ニコッ

香焼「え、あ、あはは・・・・・・ありがとうございます。(全部食べてもらえないかなぁ)」ポリポリ・・・

白井「ところで・・・・・・香焼さんは私服ですけど、ドチラの学校ですの?」

香焼「え、あ・・・・・・(財布無い)」タラー・・・

御坂「んー、そういえば近くに私服学校無いよね」キョトン・・・

白井「というか『園』には私服学校なんて存在しませんの。近場のアパートから立ち寄ったとかですか?」

香焼「アパート? 近場? ・・・・・・『園』?」ポカーン・・・

御坂「・・・・・・貴女、大丈夫? もしかしてマジもんの電波さん?」ジー・・・

香焼「え、えっと・・・・・・すいません。此処のお店の名前って何でしたっけ?」アハハ・・・

白井「『モゥサ・ドレィ』、学舎の園に最近オープンした喫茶店ですの・・・・・・存じ上げないまま入店を?」

香焼「うーん・・・・・・その・・・・・・」モジモジ・・・

御坂「まぁまぁ興味本位で店に寄りたくもなるわよね。『園』のお店お洒落だしさ」ニコッ

香焼「あはは、え、ええ・・・・・・え? (園・・・・・・学舎の園!!?)」ギョッ!!



 *****************************



牛深・野母崎「「ばれたら殺されるwwwwwwwwwwww」」プフー!


建宮「男ってばれてないみたいよなー。はいはい安価ね・・・――  >>399・・・この後どうやって逃げるか ――・・・はい」ドーゾ!
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 23:25:42.18 ID:KTnDT/8DO
@女の子で通す!
A男の娘で通す!
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/18(月) 23:28:07.46 ID:W7dATt6AO
誰か知り合いに連絡をする
400 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 00:00:57.57 ID:LZ99Y+k80
香焼(そ、そうだ! 五和か浦上が園に居る筈!)

御坂「どったの?」

香焼「ま、待ち合わせで新しい店って言われてたんす! 今連絡してみますね」タラー・・・

白井(・・・・・・怪しい)ジー・・・


 *****************************


 Prrrr・・・Prrrr・・・・・


野母崎「おい、五和。鳴ってるぞ」

五和「チッ・・・・・・はいはい。どーしたの?」

香焼『い、五和! 助けて欲しいんだ!』アタフタ・・・

五和「あー、いいけど・・・・・・今ウラと郊外居るんだよねー。急ぎの用事?」ニヤニヤ・・・

香焼『ええぇっ!!』ダラダラ・・・

牛深「うっわぁ。退路絶ったよ。エグッ」フヒヒ!

香焼『じゃ、じゃあ誰でも良いから女衆の教徒今から言う場所に!』

五和「・・・・・・今日他の女子教徒みんな任務だよー」フフフ・・・

香焼『』チーン・・・

カンペ『友達に電話しろ、って言え』

五和「あー、ほら。都市の知り合いに電話すれば良いじゃん。それじゃ駄目なの?」

香焼『そ、それでも・・・・・・良いけど・・・・・・』

五和「・・・・・・あ、忙しいから切るね。じゃあまた!」Pi!


建宮「はい、アイツの友達ってチビ少女か露出女子高生しかいないのよな」アハハ



 *****************************



香焼「・・・・・・切られた」ガーン・・・

白井「香焼さん?」ジトー・・・

香焼「も、もう一回電話してみるっす。別の友達も此処で待ち合わせ予定なので!」アタフタ・・・

御坂「急がなくて良いよ。平日の私服が珍しいだけで、休日だったら私服の娘いるっちゃいるしさ」

香焼「い、一応、もう一回だけ・・・・・・」タラー・・・

香焼(最愛は・・・・・・この人沙汰の中普通じゃ居られない。だったら・・・・・・淡希さん!)Pi!



 Prrrr・・・Prrrr・・・・・ガチャッ



香焼「も、もしもし! あ、淡希さん」パアアァッ!

結標『・・・・・・うぃ。誰?』ゴソッ・・・

香焼「ちょっと、助けて欲しいんすけど・・・・・・何かテンション低いっすね」タラー・・・

結標『寝てた・・・・・・って、香焼くん!?』ガサッ!

香焼「あ、えっと・・・・・・もしかして仕事前後でした?」

結標『平日はいつも昼間寝てるのよ・・・・・・で、如何したの?』

香焼「え、えっと・・・・・・カクカクシカジカ・・・・・・っす」
401 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 00:23:18.23 ID:LZ99Y+k80
結標『意味が分からない。でもとりあえずその店向かえば良いのね!』バサバサ!

香焼「む、無理しなくていいっすよ。アレなら他当たる――」

結標『直ぐ行く! 待ってなさい!』Pi! ツー・・・ツー・・・

香焼「――・・・・・・大丈夫かなぁ」ポリポリ・・・


白井「香焼さん。連絡つきましたの?」

香焼「え、ええ。寝てたみたいなので遅れるそうっす」アハハ・・・

御坂「この時間まで寝てるってどんだけよ」アハハ

香焼「け、研究とか忙しいみたいで昼夜逆転してるとか・・・・・・あはは」タラー・・・



 ―――とある日、PM04:00、学園都市第7学区『学舎の園』、喫茶店『モゥサ・ドレィ』・・・・・



御坂「ふー、食ったぁ! 満足満足。これでゲコ太も貰えるんだから最高よね」ニカッ

白井「もぅ。もっと女性らしくしてくださいまし」ハァ

香焼(やべぇ・・・・・・二人もう出るっすよ)ダラダラ・・・

御坂「香焼さん、まったく食べなかったけどいいの? 何か私達で貰っちゃって悪いなぁ」ポリポリ・・・

香焼「い、いえいえ。元々待ち合わせだったので」ハハハ・・・

白井「・・・・・・時に、香焼さん。少々お尋ねしても宜しいですか?」チラッ

香焼「は、はい」

白井「学生証、見せて頂けません?」ジトー・・・

香焼「え”っ!!?」ギクッ!

御坂「黒子、いったい如何したのよ」ジトー・・・

白井「私の邪推で終われば結構ですが、挙動不審な点、少し気になりまして。勿論任意です。が、拒まれると余計怪しく思えますよ」ニコッ

香焼「そ、そんな警察みたいなことを・・・・・・」アハハ・・・

御坂「ああ、黒子は風紀委員だからね。見た目はただの変態少女だけど」

白井「お姉さま、変態は余計ですの・・・・・・で、如何です?」チラッ

香焼(下手に誤魔化さず、財布が無いって言えば挙動不審の原因も晴れるだろう)エット・・・

御坂「香焼さん、何かあるんなら素直に話しておきなよ。悪い事じゃないなら問題無いんだし」

香焼「その・・・・・・実は、財布を忘れたんすよ」シュン・・・

御坂・白井「「へ?」」ポカーン・・・

香焼「だけど、その・・・・・・中々言い出せなくて・・・・・・だから学生証も忘れたんす」ポリポリ・・・

御坂「ぷっ・・・・・・あはははは。なーるほど。そりゃ忍びないわね」クスッ

白井「まったく、そういう事であれば先に言ってくださいまし。危うく貴女一人置いて出て行く所でしたの」ハァ・・・

御坂「いいよ。貸すからさ。何なら私達しか食べてないんだから奢ってもいいしね」ニコッ

香焼「そ、それは申し訳ないっすよ」アタフタ!

御坂「大丈夫。貴女の分くらい払って上げれる余裕はあるからさ。困った時はお互い様でしょ」ニコッ

香焼「面目無いっす」ペコッ・・・

白井「じゃあ私は飲み物代を。お姉さまはケーキ代全てですわね」ニヤッ

御坂「ちょ、そこはワリカンでしょ!」ンモー・・・

香焼(良かった・・・・・・良い人達みたいっすね)ホッ・・・
402 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 00:36:32.78 ID:LZ99Y+k80
白井「では、行きましょう。どうせ待ち人ってのも困って出た嘘なのでしょう?」クスッ

香焼「え、えっと・・・・・・そっちは何というか・・・・・・本当になっちゃうっていうか」タラー・・・

御坂「はい?」キョトン・・・


 カランカランッ・・・・・


店員「いらっしゃいませ。何名様ですか?」


香焼「あ!」チラッ

御坂・白井「「・・・・・・え」」チラッ


結標「ゼェゼェ・・・・・・待ち人、居るから・・・・・・フゥ・・・・・・」キョロキョロ・・・


香焼「あの人っすよ」ニコッ

御坂「・・・・・・香焼。アレって、もしかして」ジトー・・・

白井「結標、淡希ですの?」ジトー・・・

香焼「え? 知り合いっすか?」キョトン・・・

御坂・白井「「・・・・・・」」チラッ

香焼「へ?」ポカーン・・・


御坂「ちょ、ちょっと待ってね! ・・・・・・ねぇ黒子。この子本当に怪しいんじゃない?」ボソボソ・・・

白井「しかし、一応彼女は更正課程を受け、保護観察教諭と暮らしていると聞きますし」ウーン・・・


香焼「来た。淡希さーん!」オーイ!

御坂・白井「「っ!!」」ビクッ

結標「っ!! 香焼くん、本当に居るし・・・・・・此処、学舎の園よね」タラー・・・テクテク・・・

香焼「淡希さん、すいません。お手数お掛けします」ペコッ

結標「ううん、いいのよ・・・・・・其方は?」チラッ

香焼「二人は、財布忘れた自分にお金を貸してくれた人達っす」ニコッ

結標「・・・・・・へぇ」ジー・・・

御坂「・・・・・・何よ」ジー・・・

香焼「・・・・・・え? ホントに知り合いだったの?」キョトン・・・

白井「お久しぶりです、結標淡希」チラッ

結標「ええ、お久しぶりね。白井さん」ニコッ

香焼「」ポカーン・・・



*****************************



牛深「アイツまた修羅場ってんの?」プフー!

建宮「そういう星の下に生まれてんのよね」ハハハ
403 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 01:01:11.92 ID:LZ99Y+k80
御坂「・・・・・・まともになったそうね。疑わしいけど」ジトー・・・

結標「あら、心外ね。私は昔から真面目っ子よ」ニコッ

御坂「チッ・・・・・・この子、アンタの何なのよ? 悪い事に使う舎弟か何か?」

白井「お姉さま・・・・・・場所を考えてくださいまし。それに彼女(香焼)が無関係でしたら、事ですの」ボソッ

香焼「あ、あの・・・・・・自分、やっぱり拙い事しました?」タラー・・・

結標「・・・・・・いえ。貴方は何もしてないわ。安心して」ポンッ

白井「お姉さま、彼女は『白』ですの・・・・・・失礼しました。意外な顔馴染みと再会したもので驚いてしまっただけですのよ」ニコッ

香焼「そ、そうっすか」

結標「ふふっ。白井さん、貴女のそういう空気を読める所、嫌いじゃないわ」ニコッ

白井「褒めても何も出ませんのよ・・・・・・私達はそろそろお暇します。残るのであればごゆっくり」チラッ

御坂「・・・・・・」ジー・・・

結標「何かしら? まだ何かある? それとも私の顔に何か付いてた?」クスッ

香焼「淡希さんの制服姿が珍しいんじゃないっすか?」ボソッ

結標「そ、それは言わないで・・・・・・私も久しぶりに着て恥かしいんだから」カアアァ・・・///

香焼(普段の格好の方が恥かしいような・・・・・・)アハハ・・・

白井「お姉さま、行きますわよ」チラッ

結標「・・・・・・ああ、そういえばこの子の分の代金立て替えててくれたそうね。私が払うから良いわよ。いくら?」ニコッ

御坂「そうやって・・・・・・仮面を・・・・・・」ギリッ・・・

白井「お姉さま・・・・・・今、彼女は一般人です。馬鹿な真似はお止め下さい」クイッ

結標「貴女は、前科者に触れられない潔癖症なの? 大した人格者ね、超電磁砲(レールガン)」ニコッ

香焼「れ、超電磁砲!!?」ギョッ!!

御坂「・・・・・・喧嘩なら、買うわよ」ギロッ・・・

結標「冗談・・・・・・貴女が売ってるんじゃなくって?」フフフ・・・

白井「お姉さま! 結標淡希! いい加減にしてくださいませ! ・・・・・・周りはカタギだけですの。巻き込む気ですか?」ジロッ

結標「まぁさか。私はこの子を連れて帰れればそれで良いの」ニコッ

御坂「チッ・・・・・・」ギロッ

香焼「(これは、一言言わねば・・・・・・)あ、あの・・・・・・御坂さん」ボソッ

御坂「・・・・・・ん」チラッ

香焼「じ、自分の所為で、何だか気拙くなってみたいで・・・・・・ごめんなさい」シュン・・・

御坂「え、あ、い、いや・・・・・・違うわよ。その女が」ポリポリ・・・

香焼「淡希さんは良い人っす。貴女との間で何があったかは分かりませんが・・・・・・お願い。喧嘩は止めてください」ペコッ

御坂「え、えっと・・・・・・ハァ」ポリポリ・・・

結標「ふふふ、ありがと」ナデナデ・・・

香焼「ま、またそうやって子ども扱いする」ムゥ・・・///

白井(・・・・・・香焼さん、私と同じ――百合――匂いがする)ジー・・・



*****************************



牛深「まだ男だってばれてないの?」

野母崎「うーん・・・・・・まぁ朱に交わればそうにしか見えないって奴なんじゃね」

建宮「てか男の娘って百合扱いなのか?」タラー・・・
404 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 01:22:13.29 ID:LZ99Y+k80
 ―――とある日、PM04:10、学園都市第7学区『学舎の園』、喫茶店『モゥサ・ドレィ』店前・・・・・




店員「ありがとうございましたー」


  カランカランッ・・・・・


白井「それでは私共はこれで」ペコッ

結標「ええ。何れまた」ニコッ

香焼「お二人とも。ありがとうございました」フカブカー・・・

御坂「良いわよ。さっきも言ったでしょ。私達が困ってたら助けてくれればそれでいいから」ニコッ

結標「あら、第3位が困る事なんて有るのかしらね?」クスッ

御坂「・・・・・・アンタはいつかボッコボコにしてやる」ジトー・・・

結標「ええ、機会があればね」ニヤッ・・・

香焼「あ、淡希さん。物騒な事しないで下さいよ」ハァ・・・

白井「・・・・・・ところで、結標淡希。一つ宜しいですか?」チラッ

結標「ええ、何か?」

白井「彼女・・・・・・香焼さんとは如何いった関係で」ジトー・・・

香焼「は? 彼女?」ポカーン・・・

結標「それは、興味?」ニコッ

白井「無粋と感じたら謝りましょう」コクッ

御坂「は・・・・・・えっ!? アンタも『そっち』よりの人間なの!?」ギョッ!!?

白井「お姉さま、その言い方は園内ではしない方がいいですわよ・・・・・・多少、いますからね」ジトー・・・

結標「ふふふ。白井さんは相変わらず御坂さんと[らめぇぇっ!]なの?」クスッ

白井「はい」キッパリ!

御坂「嘘言うなボケぃっ!!」ゴンッ!

香焼「え、あのー・・・・・・何の話をしてるんすか?」タラー・・・

結標「香焼くん、合わせなさい」ボソッ

香焼「へ」ポカーン・・・

結標「・・・・・・そうね、この娘と私は『そういう仲』かも」ギュッ

香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は? え!!?」カアアァ・・・///

御坂「わ、わぁお・・・・・・」ポッ・・・///

白井「お姉ぇさまああぁっ!! 私達も見せ付けて差し上げまぁbbbbbbbbbbbbb・・・」ビリビリッ!!

結標「ふふふ。と、言う訳なのよ。じゃあね」ニコッ

香焼「ちょ、あ、淡希さんっ!! 何してるんすか!! 離して下さーい」ウワアアァッ///

結標「園の中ではお姉さまって呼びなさーい。ふふふ、役得役得♪」ニコニコッ


御坂「おー・・・・・・ホンマもんのレズカップルって始めて見たわ」ヘー・・・///

白井「」ワタクシハー・・・

御坂「アンタ、カップルじゃないでしょ。ほら置いてくわよ」ジトー・・・テクテク・・・

白井「」フコーダー・・・
405 :第☆話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 01:45:19.46 ID:LZ99Y+k80
*****************************



建宮「はい、第一回目はこれで終りです。グダグダすいませんねー」

建宮「本筋が仕上がらなければコレの続きします」


カンペ『安価―― >>408・・・結標さんに連れて行かれた場所とは?』


建宮「これはもしかすると空間移動(テレポート)で、という意味かもしれませんねー」


牛深「ラブホとかだったら如何すんの? R−18?」

カンペ『R−18Gは有っても、セクシャルなR−18は期待しないで』


建宮「だそうです。まぁ空間移動は事故が多いですからねぇ・・・・・・何処に飛ばされるか」フヒヒ!

建宮「はい。という訳で、次回からはもうちょっと短編をポンポン放れる様にしたいですね」

建宮「設定に関係無く『これとこれの絡み!』とかも有りですよー。なるべく安価も増やしたいのよな」


カンペ『もはや「あまくさっ!」関係無くてもリクエスト消化させるかも』


建宮「ええ、そういう事です」ソレ、ミリョク!

建宮「それでは例の如く感想質問罵倒意見罵倒提案リクエスト罵倒罵倒等々、よろしく! ではさいなら」ノシ


五和「―――はい、OK! これで返済額2割ですよー」ニシシ!

建宮「おま・・・・・・マジ勘弁だわ」

五和「いやいや、一応WEBに乗せるんで・・・・・・監督とプロデューサーも付いてますしー」アハハ!


浦上「プロデューサー。終わりましたー」

P「ん・・・・・・もっとテンポと安価増やせ。あとニーズ的にはラブラブ展開欲しいぞ。健全とエロのぎりっぎり行け」クイッ

野母崎「・・・・・・誰、そいつ」タラー・・・

浦上「プロデューサーさん。通称、カキPですヨ」ハハハ

P「下らなく面白い事やるっ言われて出張です。ディレクター・・・・・・通称、春Dは向こうでコンテ描いてます」フフフ

牛深「女教皇様にばれない様にな」タラー・・・


D「あーぃよー。てなところで一旦切りますっ!! 終わりー!」ザバー!
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/19(火) 02:21:43.71 ID:45XJ+0Be0
おつおつ

例の自販機がある公園
そんでもってデルタフォース+αと遭遇
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/19(火) 02:28:51.38 ID:r2Rf8UZDO
乙だけど、確かにもっとポンポン欲しいな。もしかしてわざわざ限界行まで書いてるの?

リクは垣n、ゲフンゲフン!、カキPが言う通りギリギリのエロが見たい。カミやん的ラッキースケベを!

出来れば‥‥カルテッ娘を!
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/19(火) 02:39:16.04 ID:eHBXDlw00
アミューズメント施設が集合している第六学区。
デルタフォース&吹寄&姫神+風斬&禁書と遭遇
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/19(火) 02:39:59.65 ID:3HsVix/DO
1乙


安価なら留守の小萌宅であわきんが堕天使エロメイドを着て、香焼にご奉仕

それを土御門が盗撮(ウォッチング)
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/19(火) 02:59:46.76 ID:7Zzdc86O0
接戦だな
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/19(火) 12:11:46.70 ID:VjFcbWkAO
乙。アンジェと小萌先生で板挟みのステイルが見たいww

建宮さん、新シリーズが始まった事ですし学園都市から高知までカブでどうですか?ww
412 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 21:30:10.78 ID:N1q5+iAM0
 ―――とある日、時刻不明、場所不明、とある野外・・・・・




建宮「こんばんは。『あまくさどうでしょう』二日目です。司会は引き続き私、建宮斎字でお送りします」ペコッ

建宮「えー、まずレス返信を先に・・・・・・」


>>406 >>408
おめでとう。カミやん周辺+レジャーランド決定です。

>>407
確かに限界まで書いてました。申し訳ない。今日からポンポンいくよう努力します。
ラッキースケベは、あるかもねww

>>409
結標「諭吉10枚以上でコスプレ考えてもいいよ」 一方通行「・・・・・・守銭奴め」

>>410
安価は絶対ですからねー。私程度の駄文でも必死になりますww

>>411
ステイルくん14歳人気ですね!


建宮「うぃ。カブについてですが・・・・・・ローライダートラックで島原辺りまで走ってみたいですね」


牛深「そんで『此処をキャンプ地とする!』って言って変なコテージ泊まるんだろ」ヒヒヒ!

野母崎「おい、ウシ。あんまり言うと俺らまで巻き込まれる」ポンッ


建宮「チッ・・・・・・そんでは続きです。どーぞ!」b!
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/19(火) 21:32:39.16 ID:LBhetYHGo
舞ってた
414 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 21:46:54.04 ID:N1q5+iAM0
 ―――とある二日目、AM09:30、学園都市第7学区、????・・・・・


 ちゅんっ・・・ちゅんっ・・・・・



香焼「―――・・・・・・んぁ」ゴソ・・・

香焼「・・・・・・あれ? 此処何処っすか」ムニャムニャ・・・


 トントントンッ・・・コトコト・・・・・


香焼「へ?」チラッ・・・


結標「ふんふふ、ふんふふ、ふんふんふ〜♪」グツグツ・・・


香焼「・・・・・・淡希、さん?」ハイ?

結標「あら、起きたの? おはよう。今お味噌汁出来るけど直ぐ食べれるかしら」ニコッ

香焼「え、あ、は、はい・・・・・・はいぃ?!」バサッ!!

結標「ふふふ、如何したの?」ニコッ

香焼「いや、如何したのって・・・・・・此処、月詠さんのお家っすか?」キョロキョロ・・・

結標「ええ。何で?」

香焼「何で・・・・・・何で!?」アタフタ・・・

結標「あら、忘れたの? 昨日の事」ニコッ

香焼「き、昨日? えっと、うーん・・・・・・何故か学舎の園にある喫茶店に居て・・・・・・淡希さんが迎えに来て・・・・・・」アレ?

結標「その後よ」クスッ・・・

香焼「・・・・・・記憶に無い」タラー・・・

結標「えー。うそー」クスクス・・・

香焼「あ、あの・・・・・・あの後、自分達如何したんすか?」タラー・・・

結標「あれれー、覚えてないのー?」ニヤニヤ・・・

香焼「・・・・・・」コクッ・・・

結標「あんなに激しかったのにー」ニヤニヤ・・・

香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ?」ポカーン・・・

結標「あーでも、どっちかっていうと可愛い感じだったわね。ホント、女の子みたいだったわ」フフフ・・・

香焼「」チーン・・・
415 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 22:40:20.71 ID:N1q5+iAM0
香焼「・・・・・・あ、の・・・・・・まさか」ガクガクブルブル・・・

結標「うふふ、これからも宜しくね・・・・・・ア・ナ・タ♪」ニコッ

香焼「」



*****************************


絹旗「・・・・・・」バキッ!!

麦野・フレンダ・浜面『っ!!?』ビクッ・・・

滝壺「き、きぬはた!? 如何したの?!」ギョッ・・・

絹旗「・・・・・・いえ。何か超ムカムカしただけです」ギリリ・・・


*****************************


アニェーゼ「・・・・・・」ガンッ!!

女子寮s『っ!!?』ビクッ・・・

ルチア「し、シスター・アニェーゼ!? 何かありましたか?!」オドオド・・・

アニェーゼ「・・・・・・いえ。何かマジでイラついただけです」ガンッガンッ・・・


*****************************



香焼「」スッ・・・

結標「あはは。冗談よ。本当は・・・・・・へ?」ニコッ

香焼「・・・・・・」グッ・・・

結標「なっ!!? ちょ、ナイフお腹に当てて何してるの!?」ギョッ・・・


香焼「先立つ不幸をお許し下さい」グググ・・・


結標「ぎゃああぁっ!! 何してんのおぉっ!! 早まらないでえぇっ!!」バッ!!

香焼「はーなーしーてーっ!! 責任とってこのちっぽけな命でえええぁっ!!」ググググッ!!

結標「話聞きなさい、お馬鹿っ!! 冗談だからあぁっ!!」ギャーギャー!!



*****************************



建宮「例の如く『次元の魔女』の所為で時間が吹っ飛んだだけなのよな。勘違いなさらぬよーに」ククク・・・
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/19(火) 22:48:47.35 ID:r2Rf8UZDO
侑子さんのいたずらなら仕方ないww
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/19(火) 22:52:26.89 ID:LBhetYHGo
対価は香焼の恥ずかしい姿ですね分かりますwwww
418 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 23:25:14.67 ID:N1q5+iAM0
結標「―――・・・・・・という訳です。あーゆーOK?」ハァハァ・・・

香焼「・・・・・・冗談キツいっすよ」ハァ・・・

結標「いや、貞操云々程度で今の時代ハラキリしようとするほうが如何かしてるわよ」ゼェ・・・

香焼「すいません・・・・・・でも、本当にあの後眠っちゃったんすか?」キョトン・・・

結標「ええ、ビックリよ。学舎の園出た瞬間にパッタリ倒れたんだもの・・・・・・あ、布団たたんで。卓袱台出すから」

香焼「はい・・・・・・倒れた?」エ?

結標「貧血か何かかと思ったわ。でもスヤスヤ寝息立ててるんですもの。運ぶの大変だったわ」クスッ

香焼「もしかして、負ぶって貰ったとか?」ポリポリ・・・

結標「ううん。数十mおきに座標移動でヒョイヒョイと」スッ

香焼「・・・・・・何でも有りだな、学園都市」ハァ

結標「馬鹿な超能力者曰く『この学園都市では常識に捉われちゃいけねぇんだよ!!』だそうよ・・・・・・あ、テーブルこれで拭いて」ヒュッ

香焼「あ、はい・・・・・・うーん、難しいっすね」ポリポリ・・・

結標「難しく考えすぎよ。とりあえず朝食にしましょ」スッ・・・

香焼「・・・・・・あれ?」キョトン・・・

結標「ん?」

香焼「・・・・・・何で、月詠さんの家に運ばれたんすか?」ホェ?

結標「うっ・・・・・・ほ、ほら! 貴方の家、第1学区でしょ! 此処の方が近いかなぁって」アハハ・・・

香焼「・・・・・・月詠さんは?」

結標「こ、小萌は理由を話したら二つ返事で了承してくれたわよ。今日は休みだけど社会学会議だって」タラー・・・

香焼「そうっすか。何か申し訳ないなぁ」ポリポリ・・・

結標(ホントは昨日の飲み会から帰ってきてないんだけどねー)フフフ・・・

香焼「・・・・・・あと、淡希さん。お料理出来たんすね」ヘー

結標「あ、当たり前だの智徳よ! 貧腕シェフあわきんって呼ばれるほどなんだから! インデックスが箸を止める程よ!」アッハッハッハ!

香焼「『敏腕』じゃないんだ・・・・・・って、え?」タラー・・・

結標「はい、どうぞ」スッ・・・コトッ

香焼「あ、あははは・・・・・・」ダラダラ・・・


・献立・・・麦飯っぽい白米。味噌汁っぽいワカメスープ。玉子焼きっぽい緑色の何か。魚っぽい肉。


香焼「・・・・・・ははっ」ヒクッ・・・

結標「どうぞ、召し上がれ♪」ニッコリ!

香焼「・・・・・・い、いただきます」ガタガタガタガタ・・・
419 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/19(火) 23:47:26.26 ID:N1q5+iAM0
 ―――とある二日目、AM10:00、学園都市第7学区、月詠宅・・・・・




香焼「モキュモキュ・・・・・・食べれる・・・・・・」ゴックン・・・

結標「美味しい?」ニコッ

香焼「え、あ、はい・・・・・・ありがとうございマズっ」モニュモニュ・・・ゴリッ

結標「ふふふ、良かった。早起きした甲斐あったわね」ニコニコ

香焼「何だ今の硬いの・・・・・・あ、淡希さんは朝ご飯食べたんすか? 先に食べちゃったとか」タラー・・・

結標「私、普段この時間帯寝てるからお腹に入らないの。コーヒーだけ飲んだわね」

香焼「そ、そうなんだ・・・・・・(作って貰って申し訳ないけど、自分もそれが良かった)」アハハ・・・

結標「香焼くんの為だけに作ってみましたー! えへへ♪」ニンマリ・・・

香焼「あはは・・・・・・嬉しいっす。ありがと」ニコッ

結標「ふふっ。褒められたー」ニコニコ!



*****************************


絹旗「・・・・・・」ギギギ・・・ゴギャンッ!!

フレンダ・滝壺・浜面『っ!!?』ビクッ・・・

結標「ちょ、ちょっと・・・・・・さっきから備品壊し過ぎだってば」タラー・・・

絹旗「すいませン・・・・・・いやァ、リアルに超ォイライラしてンですよォ・・・・・・」ゴリリ・・・

麦野(うわぁ、マジギレしてる・・・・・・)ダラダラ・・・


*****************************


アニェーゼ「・・・・・・」ボォンッ!!

女子寮s『っ!!?』ビクッ・・・

サーシャ「あ、アニェーゼっ?! 第一の嘆願ですが、いきなり杖振らないでっ!!」ギョッ・・・

アニェーゼ「すいません・・・・・・かなりなぁ、虫の居所が悪くてよぉ・・・・・・」スッ・・・ブォンッ!!

レッサー「うわぁ、っべー・・・・・・『素』のアニェーゼっちが出てきてるわぁ」タラー・・・


*****************************



香焼「ご馳走様でした・・・・・・(食ったぁ・・・・・・形容し難い味だった)」コクッ

結標「お粗末さまでした。置いといて良いわよ。全部移動させる(運ぶ)から」ニコッ

香焼「あ、はい・・・・・・すいません。何から何までご迷惑を」ペコッ

結標「んーん、いいのいいの。昨晩は良い思いさせてもらったから」クスッ

香焼「え?」キョトン・・・

結標「あ、いや、何でもない何でもない」アハハハ・・・

香焼「はぁ」ポリポリ・・・

結標(言えない・・・・・・私サイズの小萌パジャマ着せたとか、パンツYシャツさせたとか、サイハイ穿かせたとか、言えない)タラー・・・
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 00:02:42.34 ID:sD3WNjeF0
絹旗とアニェーゼがマジ切れしてるwwww
421 :>>419・・・※修正一箇所・『結標』→『麦野』 [saga]:2011/04/20(水) 00:48:13.73 ID:ZZlvuAM50
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垣n…P「―――了解だ・・・・・・AD、会議で委託販売が決定した」コクッ

カンペ『司会へ。「男の娘ーやぎ・・・・・・未熟な果実」、近日発売の宣伝を』スッ・・・


建宮「ちょ、待・・・・・・浦上。女教皇様に殺されるぞ?」タラー・・・



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結標「ところで香焼くん、今日暇?」

香焼「え? うーん・・・・・・夜まで予定は無い、筈っす」コクッ

結標「じゃあお出かけしない?」ニコッ

香焼「ドチラへ?」ポカーン・・・

結標「此処って場所は決めてないけど・・・・・・いいじゃない。デートだもん」クスッ

香焼「で、だ、Date!?」What!?

結標「ふふふ。相変わらず良い反応ね。冗談だって、普通にお出かけよ」クスクス・・・

香焼「・・・・・・もぅ」カアアァ・・・///

結標「珍しく土御門がまともな物くれてね。第6学区のレジャー施設チケットなんだけど・・・・・・これ」スッ

香焼「・・・・・・屋内プール?」

結標「今年の夏オープンしたばかりの全国展開レジャー施設だって。折角だから一緒に行かない?」ニコッ

香焼「ええっと、全天候型屋内ウォーターレジャーランド・・・・・・『わ○わ○ざぶーんin学園都市』」ポリポリ・・・

結標「チケットはいっぱいあるから気にしないで。此処のオーナーがウチ(グループ)のお得意出資者の一人らしいわ」

香焼「何か、タダで悪いっすよ」ポリポリ・・・

結標「そう思うんならお姉さんとのお出かけ付き合いなさい。私はそれで満足よ?」ニコッ

香焼「うーん・・・・・・でも水着とかは?」

結標「レンタルもあるし、販売店もある。お金なら貸すから好きにしなさい。(学校指定のスクールパンツとか似合いそうね・・・・・・)」ジー・・・

香焼「(この人も普段は煮詰まった生活送ってるんすよね・・・・・・羽休めになるなら・・・・・・)それじゃあ、はい」コクッ

結標「よーし! じゃあレッツごー!」オー!

香焼「あはは。片付けしてからっすよー」クスッ
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 00:58:08.13 ID:FEwKgYWIO
>>419アイテムになぜか結標さん混じってますよー
423 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 01:03:01.40 ID:ZZlvuAM50
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絹旗「・・・・・・」パキッ・・・・パチッ・・・

フレンダ「・・・・・・何か臭くない? あと空気重い、リアルに」ウッ・・・

滝壺「赤い、靄・・・・・・酸化窒素・・・・・・き、きぬはた!! 乱雑開放起こしてない!?」ダラダラ・・・

絹旗「・・・・・・」パスッ・・・バジッ・・・バジジ・・・

浜面「うをっ!!? 息が、苦しく・・・・・・なって・・・・・・」グヌヌ・・・

麦野「ちょ!? 落ち着きなさい!! 滝壺! 急いで絹旗の能力奪う(ジャック)しなさい!!」アタフタ・・・

滝壺「わ、分かった!」ワタワタ・・・

浜面「だああぁっ!! フレンダ一人で逃げやがったぁっ!!」ギャー!!

麦野「あんの、ボケカス売女ぃっ!!! 後で引ん剥いて白血病にしたるっ!!」ガアアァッ!!

絹旗「マジ・・・・・・超殺しですねェ・・・・・・皆々、超鏖ですよォ・・・・・・」ズズズズズ・・・

滝壺「だ、駄目だよきぬはた! 戻ってきて!! 死んじゃうよ!」ウググ・・・

絹旗「・・・・・・私が死ンでも、替りがいますから」シュウウゥ・・・ジュッ・・・

浜面「ち、N2爆弾に成り掛けてるぞぉっ!!? た、助けて英雄おおおぉっ!!」ウギャー!!




冷蔵庫『散り急ぐ〜あっざやかなー姿ああああああぁでぇっ!!』ワターシーニ・・・


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アニェーゼ「ボソボソ・・・・・・ボソボソ・・・・・・エオルー・スーヌ・フィル・・・・・・」ゴゾッ・・・

神裂「あ、アニェーゼ? 少しは落ち着きましたか?」オドオド・・・

アニェーゼ「ヤルンサクサ・オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド・・・・・・ベオーズス・ユル・・・・・・」ボソボソ・・・

シェリー「おい・・・・・・何かコイツ、やべぇ詠唱してるぞ」ギョッ・・・

アニェーゼ「スヴュエル・カノ・オシェラ・・・・・・ジェラ・イサ・・・・・・」スッ・・・ブォンッ!!

オルソラ「あらあらまぁまぁ。これはこれは珍しい詠唱でございますね。ヴェルサイユ宮の地下図書館のΩ級禁書室、『始祖の祈祷書』の一文」

オリアナ「・・・・・・何それ? お姉さん、地下図書館忍び込んだことあるけど『Ω級』なんて単語知らないわよ」タラー・・・

オルソラ「異世界の魔導書でございますよ。世界を塗り替えられるほどの力があるとのことでございます」ニコッ

アニェーゼ「ウンジュー・ハガル・・・・・・」スッ・・・

オルソラ「あと三単語で『爆発(X-プロージョン)』でございますね。困りました」ウーン・・・

シェリー「神裂いいいいぃっ!! 止めろおおおおぉっ!!」ギャーギャー!!

神裂「ど、どうやってぇ!?」アタフタ・・・


アンジェレネ「あの朴念仁くん・・・・・・また何処かで女性誑かしてるのかな・・・・・・かなぁ?」ニコッ・・・ゴゴゴゴ・・・

サーシャ・レッサー((こっちも沸々キレてらっしゃる!!))ガタガタ・・・



洗濯機『ISay yes ずっとぉ〜君の側ーにいーるーよー!!』ドンナキボーヲモー・・・
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 01:07:08.32 ID:WfQWGsxDO
>>422
>>421の名前欄。


そういえば日野ちゃまは浜面だったな。
これで香焼の脳内Cvたみーに固まりそうだ(笑)
425 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 01:30:03.44 ID:ZZlvuAM50
 ―――とある二日目、AM11:30、学園都市第6学区、全天候型屋内ウォーターレジャーランド『●く●くざぶーんin学園都市』・・・・・



 ブロロロロロォ・・・・・


香焼「バス代まで・・・・・・此方はちゃんとお返しします」ペコッ

結標「いいのいいの。お姉さんを頼りなさい」ニコッ

香焼「でも、本当に自分で良かったんすか? 月詠さんとか他に行きたい人いたんじゃ」ウーン・・・

結標「ううん、気にしないで。小萌は仕事忙しいし・・・・・・あの阿呆は私より黄泉川家選びやがったし・・・・・・」ボソッ・・・

香焼「へ?」ポカーン・・・

結標「な、何でもない! おお、意外と大きい! 学園都市にこれだけのモン建てるなんて、あの王様気取り出資者何者なのかしら」ヘェ

香焼「でも、わくわく▲ぶーん・・・・・・名前のセンスが無いっす・・・・・・」タラー・・・

結標「ま、楽しければ良いのよ。行きましょ!」ニコッ

香焼「わっとと。急に手ぇ引っ張らないで下さい」トタトタ・・・

結標「ごめんごめん。いそげー!」オー!



 一寸後、男子着衣室・・・・・・



香焼「よっぽど此処に来たかったのかな、淡希さん・・・・・・えっと海パンどれにしよう・・・・・・」ウーン・・・


???「コレは良くフィットするにゃー」スッ


香焼「あ、どうも・・・・・・でもこれ学校指定の競泳用じゃ・・・・・・って、え?」チラッ・・・

土御門「はぁい! ショタぼーい!!」ニカー!!

香焼「」



*****************************



野母崎「おいおい。一番面白いヤツが来たぞー」ニシシ!

牛深「Dr.ツッチーさん! 香焼を如何料理してくれるのかね!」フヒヒ!

建宮「因みに上条当麻、姫神秋沙、その他クラスメイトもいるのよな」


五和「ウラっ!! 私も行ってくる!!」ガタッ!!

カンペ『絶対駄目。今日は裏方徹底』ビシッ!!

五和「だってえええぇ上条さんの水着姿あああぁ見たいのおおぉ」ヤダヤダ!

カンペ『女教皇様に抜け駆けしたと告示します』スッ

五和「ぐっ・・・・・・うぬぬぅ・・・・・・」ジタバタ!
426 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 02:11:58.66 ID:ZZlvuAM50
 ―――AM11:55、『●く●くざぶーんin学園都市』プール前大ホール・・・・・・



結標「香焼くん、遅いなぁ・・・・・・ってまだ5分しか待ってないか」ハハハ


姫神「あれ?」キョトン・・・

吹寄「どうしたの?」トンッ・・・

姫神「・・・・・・ちょっと。知り合い見つけたの。挨拶してくる」コクッ

吹寄「あ、うん。分かった。皆と先行ってるよ」ペタペタ・・・


結標「それにして、この水着・・・・・・ちょっと派手かしら」エヘヘ♪

姫神「・・・・・・へいへいそこの美人な姉ちゃーん。オイルの塗り合いっこしよーぜー」ニヤニヤ・・・

結標「チッ。お断り、ょ・・・・・・ってうをっ!? 秋沙!!」ギョッ!?

姫神「やっほー。夜行性人間の貴女が意外な場所に居るわね。あと因みに普段の格好の方が痴女だから安心しなさい」ニコッ

結標「ぐっ、生意気な・・・・・・てか何で此処居るのよ」ジトー・・・

姫神「私がクラスメイトとレジャー施設来てたらおかしい?」

結標「へぇ・・・・・・いいえ、健全でございますよ。私めが異端ですよねー」ベー

姫神「やれやれ。卑屈にならないでよ・・・・・・まさか一人で来たの?」ジー・・・

結標「その哀れみの目止めなさい・・・・・・違うわよ。友達とよ」フンッ

姫神「・・・・・・男か」ボソッ

結標「なああぁっ!!?」カアアァ・・・///

姫神「おぅふ。まさかのビンゴね。これは小萌先生に報告をせねば」フフフ・・・

結標「わー! わー! 違う! 男の子だけど友達なのー!! そういう仲じゃないのー!!」アタフタ・・・///

姫神「必死ね。クールビューティーが台無しよ? まぁ貴女の可愛い一面を見れて満足だけど」ウフフ


上条「ん? 姫神、まだプール行ってなかったのか」テクテク・・・


姫神「上条くん」チラッ

上条「あれ? 結標さん? 珍しい人が居るな」アハハ

結標「幻想殺し・・・・・・あ、秋沙のクラスメイトか」フム・・・

姫神「そゆこと。20人くらいで来た」コクッ

結標「それはそれは楽しい青春時代をお過ごしで・・・・・・てか幻想殺し。インデックスは如何したのよ? まさか留守番させてんの?」ジトー・・・

上条「まさか。帰った後がおっそろしくて内緒で来たりも出来ませんよ、上条さんは」

姫神「アッチよ」スッ・・・

結標「え?」チラッ


禁書「ひょうかひょうか! 次ボート借りようよ! それで迷路プールってとこ行こ!」ワヤワヤ!

風斬「い、インデックス。そんなに急がないで」アワワ・・・


結標「・・・・・・ツッコミは無粋ね」ハァ・・・
427 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 02:31:57.33 ID:ZZlvuAM50
結標「インデックスの代金はアンタ持ち? 此処出店も多いから今月死ぬんじゃないの?」フフッ

上条「あはは・・・・・・まぁチケット代はタダだったし、何とかなるよ」ポリポリ

結標「え? タダ?」ポカーン・・・

姫神「私達全員。タダ」コクッ

結標「に、20人も!?」ギョッ!

上条「ああ。土御門がチケット余るほど持ってきたんだよ。だから行けるメンバー全員で・・・・・・って、あれ?」

結標「つ、つつ、つつっ、つ、土御門が、い、居るの?!」ゲェッ!!

上条・姫神「「勿論」」コクッ・・・

結標「」ざわ・・・ざわ・・・


香焼「遅くなっちゃったよ・・・・・・あ、淡希さん。ごめんなさい。遅れました」テクテク・・・


結標「」サァー・・・

香焼「あれ?」ポカーン・・・

結標「・・・・・・あ、う、い、いえぉ。全然待ってないデスよ」ギコカコ・・・

香焼「え」タラー・・・

上条「おう。香焼」ヨッ!

香焼「あれ? 上条さん。吸血殺しも」ペコッ

姫神「・・・・・・このパーカーっ娘。誰?」チラッ

上条「えっと、ステイルのマブダチ」アハハ

姫神「ああ。彼の・・・・・・ガールフレンド?」ジー・・・

上条・結標「「ブふっ!!」」プルプル・・・

香焼「・・・・・・淡希さんまで笑うんすか」ムスー・・・

結標「い、いえ・・・・・・もうテンプレと化してて・・・・・・ヤバい」クスクス・・・



*****************************



アニェーゼ「あぁんの不良神父何処行ったあああぁっ!! 連れて来ーいぃっ!!」ウガアアアァッ!!

ルチア「あ、アニー! いい加減落ち着きなさい! マグヌス神父は今日本でしょう」ドゥドゥ・・・

ベイロープ「如何したのよ。犬猿の仲は周知だけど、そこまで嫌悪してた?」タラー・・・

アニェーゼ「人の嫁取りやがってええええぇっ!!」キシャーッ!!

女子寮s『・・・・・・は?』ポカーン・・・
428 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 03:07:46.07 ID:ZZlvuAM50
姫神「香焼さんとやら。神父さんの彼女だろうがお友達だろうが何でも良いけど。その『呼び方(ディープブラッド)』は止めて」ジー・・・

香焼「分かりました、姫神さん・・・・・・あと自分はステイルの普通のダチで―――」


土御門「あわきんお姉さまの『プティ・スール』ですのよー、ってか!」ニャハハハ!


香焼「―――」ボーン・・・

結標「ぷ、ぎっ・・・・・・黙れ変態シスコン大統領っ!!」ギロッ!

土御門「やぁやぁえぶりばでぃ。遅れて申し訳ないぜぃ・・・・・・おりょ!? これはこれは結標先輩、こんちわー」ククク・・・

上条「なぁ、ぷてぃすーるって何だ?」チラッ

姫神「私も。知らない」ポカーン・・・

香焼「分かんないっす」キョトン・・・


青ピ「『プティ・スール』ってのは『プティットスール』の略称なんよ。俗っぽく言うと、百合レズの妹側」ペタペタ・・・ニコッ


香焼「」チーン・・・

上条「え、えっと・・・・・・そろそろ可哀相になってきた」タラー・・・

青ピ「何や屯時間長いなぁと思たんで来てみたんですけど・・・・・・偉く美人さん二人増えてますねぇ。あ、勿論姫神ちゃんも美人ですよ」ニコッ

土御門「お! せんぱーい、美人だって! きゃーきゃー! 写メ撮らせてー!」ニャハハ!

結標「殺す!」スッ!

香焼「あ、淡希さん! 場所考えて! 物騒な事しないでよ」アタフタ・・・

結標「止めないで、香焼くん・・・・・・コイツにゃ一度痛い目見せないと分からないみたいなの。死ぬほど痛いのをね」ギロッ・・・

土御門「おーこわいこわい。助けてカミやーん!」ニヤニヤ・・・

上条「お、オマエが呷ってんじゃねぇかよ!」タラー・・・

青ピ「何なんコレ? 土御門くんの元カノとか? 所謂修羅場ですのん?!」アリャリャ・・・

結標「っ」ブチッ・・・

香焼「淡希さんっ! 駄目っす!」スッ・・・

結標「・・・・・・離して」ギロッ・・・

香焼「っ」グッ・・・

姫神「淡希。止めなさい」チラッ・・・

結標「止め――」


姫神「止めなさい」


結標「――な、ぃ・・・・・・チッ」フンッ・・・

土御門「やーいやーい豆腐メンタルー! すぐキレるから湯豆腐メンタルだにゃあああぃ痛たたたたたたっ!!」ギュウウゥッ!!

吹寄「喧しい!! よりにもよって3人がかりで女子を虐めるとは何事だ!!」ワキバラグウウッ!

上条「ふ、吹寄! 誤解だ! 土御門の単独犯だって!!」アタフタ・・・

香焼「また・・・・・・女性にカウントされた」ハァ・・・

姫神「どんまい」ポンポンッ
429 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 04:41:26.36 ID:ZZlvuAM50
 ―――PM00:15、『●く●くざぶーんin学園都市』プール前大ホール・・・・・・




上条「―――という訳だ。OK?」ソゲブカット!

吹寄「成る程。把握した」コクッ

土御門「」チーン・・・

吹寄「ふむ。兎角、ウチの馬鹿が粗相を働いたようです。申し訳ない」ペコッ

結標「あ、いや。熱くなってしまった私にも非はあるの。貴女が謝る事ではないわ。(胸デカっ!?)」ニコッ

姫神「彼女は今。小萌先生の家に居候しているわ。だから土御門くんと知り合いだったの」チラッ

吹寄「そうだったのか・・・・・・其方のお嬢さんも?」ジー・・・

香焼「だから・・・・・・」ハァ

吹寄「ん?」

青ピ「それはアレですの。結標さんと『姉妹(スール)』的な関係とかなんとか」ニコッ

吹寄「そ、そうか・・・・・・深くは聞かないでおこう」コホンッ

香焼「ねぇ、上条さん。この人もボケの人なの? 自分はツッコむべきっすか?」ジー・・・

上条「あー、まぁ偶にボケだぞ。ツッコむっていうか一度順を追って説明しないと姫神も吹寄も・・・・・・コイツ(青ピ)は分かってふざけてるか」

香焼「・・・・・・」ハァ・・・

土御門「・・・・・・おーい。青い髪のバリトンボイス兄やん。ちょっと耳貸すにゃー」ボソボソ・・・

青ピ「ん?」

土御門「結標のB・W・H、教えて」ニヤッ・・・

青ピ「んー・・・・・・身長163cm。体重49Kg・・・・・・上から83、61、81・・・・・くらいかなぁ。とりあえずボインちゃんは絶対かと」ウーン・・・

土御門「あわきん合ってるー?」ニヤッ・・・

結標「い、言うか馬鹿!!」カアアァッ・・・///

土御門「ふひひ! 大体合ってるっぽいぜよ。じゃあコッチの『三人』は?」ニヤッ

吹寄「ぼ、ボケナスがあぁっ!!」ギロッ///

青ピ「姫神ちゃんは、162cmの50kg・・・・・・83、62、82かと・・・・・・着やせするタイプだってのは前々から知っとりましたけどねー」

土御門「ひめー」ニヤッ・・・

姫神「・・・・・・絶対教えない」///

青ピ「吹寄にゃんは・・・・・・164cm。54Kgの・・・・・・95、63、84っぽ。あれ? 前より身長伸びてない?」キョトン・・・

吹寄「ああ、引き伸ばし健康器具というのを買って・・・・・・じゃない! 目分量で人の身体を数値化するな!!」カアアアァッ///

香焼(95って・・・・・・女教皇様クラスの巨乳っすね)アハハ・・・

結標「・・・・・・」ムッ・・・

姫神(わぁ。淡希怒ってる。香焼さん。浮気しちゃ駄目だよ。ちゃんと妹しなきゃ)ジー・・・

青ピ「んで、その子が・・・・・・身長1殺すcm、体重43kg。上から・・・・・・71、60、71。筋肉質やねー」ニヤッ・・・

香焼「わー! 身長言わないでええっ!! お願いだからああぁっ!!」キャーキャー!!

上条(女扱いされたことは如何でも良いんだ)アハハ・・・
430 :>>429訂正。 :2011/04/20(水) 04:43:48.56 ID:ZZlvuAM50
 ―――PM00:15、『●く●くざぶーんin学園都市』プール前大ホール・・・・・・




上条「―――という訳だ。OK?」ソゲブカット!

吹寄「成る程。把握した」コクッ

土御門「」チーン・・・

吹寄「ふむ。兎角、ウチの馬鹿が粗相を働いたようです。申し訳ない」ペコッ

結標「あ、いや。熱くなってしまった私にも非はあるの。貴女が謝る事ではないわ。(胸デカっ!?)」ニコッ

姫神「彼女は今。小萌先生の家に居候しているわ。だから土御門くんと知り合いだったの」チラッ

吹寄「そうだったのか・・・・・・其方のお嬢さんも?」ジー・・・

香焼「だから・・・・・・」ハァ

吹寄「ん?」

青ピ「それはアレですの。結標さんと『姉妹(スール)』的な関係とかなんとか」ニコッ

吹寄「そ、そうか・・・・・・深くは聞かないでおこう」コホンッ

香焼「ねぇ、上条さん。この人もボケの人なの? 自分はツッコむべきっすか?」ジー・・・

上条「あー、まぁ偶にボケだぞ。ツッコむっていうか一度順を追って説明しないと姫神も吹寄も・・・・・・コイツ(青ピ)は分かってふざけてるか」

香焼「・・・・・・」ハァ・・・

土御門「・・・・・・おーい。青い髪のバリトンボイス兄やん。ちょっと耳貸すにゃー」ボソボソ・・・

青ピ「ん?」

土御門「結標のB・W・H、教えて」ニヤッ・・・

青ピ「んー・・・・・・身長163cm。体重49Kg・・・・・・上から83、61、81・・・・・くらいかなぁ。とりあえずボインちゃんは絶対かと」ウーン・・・

土御門「あわきん合ってるー?」ニヤッ・・・

結標「い、言うか馬鹿!!」カアアァッ・・・///

土御門「ふひひ! 大体合ってるっぽいぜよ。じゃあコッチの『三人』は?」ニヤッ

吹寄「ぼ、ボケナスがあぁっ!!」ギロッ///

青ピ「姫神ちゃんは、162cmの50kg・・・・・・83、62、82かと・・・・・・着やせするタイプだってのは前々から知っとりましたけどねー」

土御門「ひめー」ニヤッ・・・

姫神「・・・・・・絶対教えない」///

青ピ「吹寄にゃんは・・・・・・164cm。54Kgの・・・・・・95、63、84っぽ。あれ? 前より身長伸びてない?」キョトン・・・

吹寄「ああ、引き伸ばし健康器具というのを買って・・・・・・じゃない! 目分量で人の身体を数値化するな!!」カアアアァッ///

香焼(95って・・・・・・女教皇様クラスの巨乳っすね)アハハ・・・

結標「・・・・・・」ムッ・・・

姫神(わぁ。淡希怒ってる。香焼さん。浮気しちゃ駄目だよ。ちゃんと妹しなきゃ)ジー・・・

青ピ「んで、その子が・・・・・・身長1[ピーーー]cm、体重43kg。上から・・・・・・71、60、71。筋肉質やねー」ニヤッ・・・

香焼「わー! 身長言わないでええっ!! お願いだからああぁっ!!」キャーキャー!!

上条(女扱いされたことは如何でも良いんだ)アハハ・・・
431 :第◎話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/20(水) 04:50:41.81 ID:ZZlvuAM50
建宮「すいまへん。>>1が一度寝るそうです・・・・・・今日は起きたら直ぐ再開するかもとの事」

建宮「因みに安価―― >>434・・・香焼とあわきん。プールでの次なるハプニングとは? ――です」

建宮「今日も短いですが、この辺で」ノシ!
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/20(水) 07:01:26.44 ID:xfF1ZY/AO
1乙

@超電磁砲4人娘
A番外通行止め
Bエツショチ兄妹
Cグループ的な問題でA+B
Dアイテム

の、どれかと遭遇かなー
香焼君、今のところA以外は誰かしら面識有るわけだし。
個人的には@が良いね
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 07:50:07.11 ID:23MLoh4IO
超電磁砲4人or黄泉川一家との遭遇
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/20(水) 08:16:30.68 ID:zfGYhIsAO
↑のやつで
あと>>1の書く姫神かわいい
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/20(水) 14:04:41.81 ID:WfQWGsxDO
>>434
> 姫神かわいい
同意。


あと本妻最愛とMrs.アニェーゼのその後が気になる。
二人とも爆発したのww?
436 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/20(水) 19:21:28.81 ID:ZZlvuAM50
 ―――とある日、時刻不明、場所不明、とある野外・・・・・




建宮「こんばんは。『あまくさどうでしょう』続きです。司会は引き続き私。毎度おなじみレス返信から入りましょう」ペコッ


>>416->>417
全て必然です。そこんとこよろしく。

>>424
まぁとりあえず女性声ですよ。変声期が来てないのか、それともスルーされたのかww

>>432->>434
今新キャラ出すとややこしいので超電磁砲組で。因みに春上さんも追加します。

>>420 >>435
キレてないですよ。イライラしてるだけです(苦笑) 本妻とワイフがあの二人なら、あわきんは愛人? それとも[ピーーー]?


建宮「はい、以上。今回はビリビリーズ登場ですね。あと安価増やしたい」

カンペ『香焼のウッカリすけべぇも!』スッ・・・

建宮「・・・・・・君たちは頭がどうかしてるんじゃないの?」ハァ・・・

五和「上条さんの水着姿・・・・・・」ズーン・・・

建宮「めんどくせー女。はい、じゃあ続きどうぞ!」ニコッ
437 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/20(水) 19:38:39.47 ID:ZZlvuAM50
 ―――PM01:00、『●く●くざぶーんin学園都市』砂浜風プール・・・・・・



 ざぶーん・・・ざばーん・・・・・



香焼「―――男だって説明するのに10分以上費やしたのに・・・・・・理解してもらえてないっぽい」ハァ

結標「まぁまぁ、気落とさないの。折角のプールよ? 楽しまなきゃ」ニコッ

香焼「・・・・・・そうっすね。すいません」ニコッ

結標「ところで・・・・・・何でパーカー着てるの?」ジー・・・

香焼「え? えっと、駄目っすか?」

結標「駄目じゃないけど、泳ぐ時如何するの?」

香焼「そん時は脱ぎますけど」コクッ・・・

結標「・・・・・・じー」

香焼「・・・・・・な、何すか?」タラー・・・

結標「ちょっと失礼」スッ・・・ワシャワシャ!

香焼「なっ!? ど、何処触ってるんすか!! って服の中に手ぇ入れないで!!」キャー!

結標「ん・・・・・・あ、やっぱり有った」ニギッ

香焼「ちょ!!?」ゲェッ!!


土御門「カミやんカミやん。あっちのビーチの方見てくれにゃー」ニヤッ・・・

上条「ん? 香焼と結標さ・・・・・・なっ!!?」カアアァ///

青ピ「ふふふ・・・・・お盛んやねぇ。公衆の面前で弄り(まさぐり)プレイ! 僕ぁ堪らんですよ」フヒヒ!

姫神「淡希。大胆ね。年下好きは知ってたけど。同姓にまで手を出すなんて」ポッ・・・///

吹寄「いや、お前ら止めて来なさいよ」タラー・・・


禁書「ひょうかひょうか! あの上から飛び降り出来るってよ!」パタパタ!

風斬「い、インデックス。少し休もうよ」アハハ・・・
438 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 20:04:39.02 ID:ZZlvuAM50
*****************************


建宮「実際はナイフ携帯してただけなのであしからず。変な妄想したら負けなのよな」

牛深「てか、アイツ施設内警備員に見つかったらヤバくないか?」

野母崎「そこは上手く隠してんじゃないのか? 魔力の幕とかで透視能力対策とか」

建宮「因みに鋼糸(ワイヤー)なんかも隠してるのよね」


*****************************


結標「・・・・・・職業病か何か知らないけど、プール内まで物騒な物持ち歩かなくても良いんじゃない?」スッ・・・

香焼「あ、あはは。すいません・・・・・・無いと落ち着かなくて」ポリポリ・・・

結標「そういう時は工夫するのよ。例えば・・・・・・これ」スッ

香焼「銀の円錐のネックレス?」

結標「小さいけど光力強い防水レーザーポインタよ。これなら『もしも』の時、応急処理できるわ」ニコッ

香焼「へぇ・・・・・・何か忍者かスパイみたいっすね」

結標「まぁね。凄腕エージェントの淡希さまだからー」フフッ

香焼「ははは。何か格好良いっす」クスッ

結標「ありがと。そんじゃあ、貴方の事は私が守ってあげるって事で・・・・・・脱いじゃえ! 泳ぐわよ!」ガオー!

香焼「ちょ、あ、淡希さん!! 無理やり脱がせないでぇ!!」キャアアァッ!!

結標「ええぃ! 女々しいヤツめぇ。良いではないかー良いではないかー」アッハッハッハッ!

香焼「じ、自分で脱ぐっす! や、あ、だ、止めてぇっ!!」ウギャアアァッ!!


上条・姫神「「お、おおぉ!」」ゴクリ・・・///

青ピ「何や二人ともガン見ですやん。お友達助けたり止めたりせないけないのと違います?」ヒッヒッヒッ

吹寄「・・・・・・姫神さん。戻ってきて」ハァ・・・

土御門「――何でオマエはこういう時に限って義妹のとこ言ってんだ! あん?! ショチトルの学校の相談? 知るかシスコン野郎!!」


禁書「おおぉ・・・・・・思ってたより、高いんだよ。跳べるかなぁ」ジー・・・

風斬「や、止めておこうよ。怪我したら大変だよ・・・・・・って、身体乗り出さないで! 落ちちゃうから!」アワワワ・・・
439 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 20:40:13.81 ID:ZZlvuAM50
結標「まったく、手間掛かるんだから」ハァ

香焼「じ、自分で脱ぐって言ったのに・・・・・・」ヘナヘナ・・・

結標「しかも中にサーフシャツ着てるし・・・・・・そんなに私に裸を見せたくないのかあぁっ!!」ガアアァッ!!

香焼「何言ってんだこの人!!?」カアアァッ///

結標「んもー・・・・・・私は結構大胆な水着選んでみたのにぃ」ハァ・・・

香焼「え・・・・・・」ジー・・・

結標「・・・・・・あ」タラー・・・


・今日のあわきん・・・赤基調のワイヤーホルタービキニ、薄ピンクのラメ入りパレオ。


香焼「い、あ、そ、そうっすね・・・・・・綺麗っす」アハハ・・・///

結標「う、ぁ、ありがと。じ、じっくり見られると・・・・・・恥かしいわ」ポッ・・・///

香焼「ええっと・・・・・・荷物預けて、泳ぎましょうか」ポリポリ・・・

結標「そ、そうね! 泳ぎましょう! あっちの流れるプールっての行ってみましょ!」グイッ///

香焼「わととっ! 手引っ張って走らないで!」アタフタ!


青ピ「あ、消えた」ジー・・・

姫神「あの実行力・・・・・・やるわね。淡希。見直したわ」グッ!

土御門「チッ! 追わねばっそぅいぶぅぅ!!」バシャンッ!!

吹寄「貴様は話をややこしくするからあの二人に関わるな、土御門!!」ブンッ!!

上条「あはは・・・・・・って、あれ? インデックスと風斬何処行った?」キョロキョロ・・・

姫神「ん? ・・・・・・多分。アレ」スッ・・・

上条「へ?」チラッ・・・


禁書「ああああ〜ああ〜〜〜〜っ!!」ピョンッ!!

風斬「ちょっ!!? 跳んじゃった!? しかもそれジャングルで出す声だよインデックスっ!!」アワワワ!


上条「い、インデックスさああああぁんっ!!? 何やってらっしゃるのおおおおおおぉっ!!?」ギャアアアァッ!!

姫神「あのままだと腹からベシャっとコースね。南無三」ジー・・・



 ジャッボーン・・・・・―――
440 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 21:24:27.80 ID:ZZlvuAM50
 ―――PM01:00、『●く●くざぶーんin学園都市』流れてる気がするプール・・・・・・



結標「何か迷路的なところを流れるみたいね」

香焼「そのまま入っていいのかな?」キョロキョロ

結標「んー、多分。ボートとか借りれるんじゃない?」チラッ

香焼「係の人を見つけて聞いてみるっす」コクッ


 ぷかぷかぷか・・・・


香焼「あの人かな? すいませーん」

係員「はい、どうしました?」

香焼「あの迷路プールみたいなところ、ボート貸してもらえるんすか?」

係員「はい。此方にあるもので宜しければお貸ししますよ」ニコッ

香焼「あ、どうも」ペコッ

結標「んー・・・・・・バナナボート。イルカボート。ワニボート。サメボート」ジー・・・

香焼「あ、淡希さん。普通のボートにしようよ」タラー・・・

結標「えー。つまんなーい」ブー

係員「ボートじゃなくて大きめの浮き輪などでも楽しんでいただけますよ」

香焼「浮き輪っすか?」

結標「(香焼くん、小柄だから二人で輪っかの中に・・・・・・)じゃあ、それ―――」


白井「浮き輪貸して下さいませ! 成るべく二人きり密着できるヤツを!!」グイッ!!


結標「―――ぬをっ!!?」ギョッ!?

香焼「あれ? 白井さん」キョトン・・・

白井「ん? ・・・・・・あらあら。これはこれは姉妹カップルさん。昨日ぶりですの」ニコッ

香焼「あ、はい」ペコッ

御坂「く、黒子・・・・・・施設内で空間移動使わないでよ」ハァハァ・・・

初春「欲望の為にはルールすら関係ないがモットーですよね、白井さん」フフッ

結標「・・・・・・あら。お友達と来たわけね」チラッ

御坂「うげっ!? 結標淡希!!」ジロッ・・・

佐天「御坂さん、お友達ですか? って・・・・・・香焼くんじゃん」アラ

香焼「え? 佐天さんに初春さん、春上さん」キョトン・・・

春上「お久しぶりなの、香焼さん」ニコッ

結標「・・・・・・知り合い?」チラッ

香焼「え、あ、はい。ちょっと前に」コクッ


初春「・・・・・・もしもし、プロデューサー。カオスってきたので編集点お願いします」ボソッ

佐天「初春、何してんの?」タラー・・・
441 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/20(水) 22:18:45.52 ID:ZZlvuAM50
 ざぶーん・・・・・



香焼「―――と、いう訳っす。淡希さん」

結標「ふーん・・・・・・猫ねぇ」ジー・・・


佐天「―――と、いう事があったんですよ。御坂さん、白井さん」

御坂「え・・・・・・」タラー・・・

白井「お、男・・・・・・でしたの?」タラー・・・

初春「いいえ。男の娘です」キリッ

香焼「初春さん、相変わらず意味不明なこと口走るんすね」ハァ・・・

佐天「まぁまぁ。えっと、其方のお姉さん・・・・・結標さんでしたっけ?」チラッ

結標「ええ。結標淡希よ。よろしくね」ニコッ

春上「とっても大人びた人なの。格好良いの」キラキラ・・・

結標「ふふっ。ありがと。私も貴女みたいな柔和な子は好きよ・・・・・・其方の元気な子もね」クスッ

佐天「ど、ども」アハハ///

春上「あ、あぅ・・・・・・」ポッ・・・///

香焼(・・・・・・意外と淡希さんも二面性っすよね)アハハ・・・

御坂「黒子ー! 佐天さんと春上さんが結標淡希の毒牙に掛かりそうだわ!」アワワワ・・・

白井「お姉さま、さっきから大袈裟ですの」ハァ・・・

結標「いいわよ別に。馴れ合う気は無いものねぇ、御坂さん」ニコッ・・・

御坂「チッ・・・・・・場所考えなさいよ? 水辺で私に勝てると思ってんのかしら?」ア?

結標「いくらでもやりようあるわよ? 『どんな手』でも使っていいならねぇ」フフフ・・・

白井「まったく・・・・・・二人とも。いい加減にしてくださいまし。風紀委員として処理をしたくは無いですの」ジトー・・・

香焼「結標さん・・・・・・」ジー・・・

結標「・・・・・・分かってる。口開かなければ良いんでしょ? 心配掛け無いわ」ナデナデ・・・

香焼「ちょ、や、止めて下さいよ」カアアァ・・・///


初春「お〜ぅ・・・・・・禁断の姉弟ラブの予感・・・・・・」●REC

春上「初春さん・・・・・・お花毟るっていいの?」ジトー・・・
442 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 00:10:09.76 ID:fTvWK/u30
白井「お姉さまも、そんなに癪に障るのでしたら相手にしなければいいのです。大人気ない」ハァ・・・

御坂「分かったわよ・・・・・・ふんっ」チッ

佐天「ま、まあまあ。とりあえず貸しボート借りちゃいましょうよ」

初春「そうですね。春上さん、どんなボート乗ってみたいですか?」

春上「えっと・・・・・・あの大きな亀さんボートに乗ってみたいの!」ニコッ

佐天「おー、あれなら5人くらい乗れるね」ニコッ

白井「チッ・・・・・・で、でもぉ折角ですのでもう1艘くらいお借りしませんか?」ニコニコ

御坂「何でよ、別に一隻で良いじゃん」

初春「だったらあの一人用のアヒルおまる浮き輪なんか如何ですか? 白井さん一人で浮かんでたら面白いですよ?」ニヤッ・・・

白井「・・・・・・うぃ」コクッ・・・


結標「私達もさっさと借りちゃいましょう」ニコッ

香焼「はい・・・・・・あ、ボート譲っちゃったら余り無いっすね」アハハ

結標「(ヨッシャァー! 大浮き輪か動物ボートぉ!!) しょ、しょうがないわね。二人乗りにしましょう」ニコニコ



*****************************



建宮「はい、安価――― >>444・・・どんなボートで、どんなハプニング? ―――よろしく!」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 00:15:05.53 ID:0bLKzFde0
↓+ポロリ
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/04/21(木) 00:22:36.78 ID:McgJtpOAO
ポロリ
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/04/21(木) 00:24:19.16 ID:1CCwbYsh0
イルカボート
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/21(木) 00:25:20.06 ID:rZfMUuwj0
どっちがポロリとは書いてない
つまり……
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/21(木) 00:25:27.01 ID:aloWr+FA0
香焼が
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/21(木) 00:25:34.84 ID:8UYmjqPc0
香焼くんがポロリか…
449 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 00:45:14.90 ID:fTvWK/u30
春上「香焼さん。私達先に行ってるの。また後でなの」ニコッ

香焼「うん、グルーっと回ってるからそのうち会うかもね」コクッ

佐天「そしたらオールでちょっかい出しちゃうぞー」フフフ・・・

香焼「あはは。ほどほどに」クスッ


結標「香焼くーん。借りてきたわよ」ペタペタ・・・

香焼「あ、どう・・・・・・も・・・・・・」ポカーン・・・

結標「どうしたの?」

香焼「い、や・・・・・・そのボートこそ如何したんすか?」タラー・・・

結標「ポ(2 1)」サラッ

香焼「いや、そういう問題じゃない」ジー・・・

結標「じゃじゃ○かピッ[殺]の方が良かった?」

香焼「違いますよっ! うらおもて山猫だろうが、ふんボルトペンギンだろうが、カジリアッチ3世だろうがツッコみますからね!」ダアアァッ!!

結標「随分コアな設定知ってるのね」

香焼「お黙る! 第一それどうやって乗るんすか!?」

結標「首の所。もしくは浮くから掴まりながら」

香焼「マジで返されちゃったよ・・・・・・」ハァ

結標「いいから行きましょう。プカプカ浮ければ何でも良いのよ! ・・・・・・あと多少密着できれば」ボソッ

香焼「はい?」エ?

結標「なーんでもないなんでもない!! さぁ、れっつぱぁりー!」

香焼「・・・・・・不安だ」ハァ・・・


 ざぶーん・・・・・


上条「なぁ、土御門。何処居るか分かんないけど、香焼大丈夫だろうか?」

土御門「ん?」

上条「結標さん、何かこう・・・・・・ギラギラしてただろ? 天草式の教徒とはいえ、疲れてないかな」

土御門「ダイジョブダイジョブ。疲れはするだろうけど無事だにゃー。要は結標の女郎に香焼にゃんが喰われないか如何か心配なんだろ?」

上条「ま、まぁな」ポリポリ・・・

土御門「あの女にそんな甲斐性無いぜよ」アハハハ

上条「・・・・・・へ?」

姫神「淡希。普段はクールだけど。結構チキン。ガラスハート&乙女メンタルも良いとこよ」フフフ・・・

禁書「」ギャクヲイエバアワキハアアミエテヤサシイッテコトナンダヨ!

風斬「インデックス・・・・・・気絶してまで会話に参加しなくていいからね・・・・・・」ハァ・・・
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 00:49:08.35 ID:WdoDhDQDO
絶望した! トンデモない角度へ逃げた>>1に絶望した!
お詫びに佐天さんと春上さんのハプニングを要求する!
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/21(木) 00:57:37.04 ID:8UYmjqPc0
はしゃいでるインデックスが可愛かったのに、気絶してまった…
452 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 01:06:29.58 ID:fTvWK/u30
 ―――PM01:20、『●く●くざぶーんin学園都市』流れてる気がするプール・・・・・・



 ぷかぷかっぷーん・・・ぷか・・・・・すぃー・・・・・



香焼「・・・・・・」ドキドキドキドキ・・・・

結標「わー、結構スピードあるのね」オー・・・

香焼「あ、の・・・・・・あ、ああ、あ、淡希、さんっ」ドキドキドキ・・・・

結標「ん?」

香焼「こ、この姿勢・・・・・・何とかならないっすか?」ドキドキドキドキ・・・・

結標「何で?」

香焼「そ、その・・・・・・密着し、過ぎで・・・・・・如何して自分の背中に、べったりくっついて・・・・・・あの・・・・・・」カアアァ・・・///

結標「んー? 聞こえなーい」ニヤニヤ・・・

香焼「む・・・・・・む、ねが・・・・・・当たって・・・・・・てか、あの・・・・・・抱き付かないでって、いう・・・・・・」モジモジ・・・///

結標「(抱きついてんのよ・・・・・・)ごめんなさい。ちょっと安定しないから、落ち着くまでこのままでいいかしら?」ニコッ・・・///

香焼「え、えっと・・・・・・じ、自分ボート押して漕いでもいいっすよ!」アタフタ・・・///

結標「・・・・・・うわぁ。ゆれたよー。こわいよう」ギュゥ・・・

香焼「ひゃんっ!!」カアアァ・・・///

結標(ふふふふふ・・・・・・可愛い)クスクス・・・


 一方・・・・・・


白井「お姉さまあ〜ん! ゆれますのー! すんご〜くゆれますのぉ!」ギュッ!

御坂「ちょ、狭いんだから抱き付かないでよ馬鹿!!」ウワアアァ!

佐天「相変わらず通常営業ですね、白井さん」アハハ・・・

春上「ははは・・・・・・あ、香焼さん追いついたみたいなの」チラッ

初春「・・・・・・如何してぽろり・カジリアッチ3世の上に乗ってるんでしょう?」ジー・・・

佐天「は? ぽろりかじり・・・・・・何?」ポカーン・・・

御坂「っ!! (来たわね・・・・・・事故は起きるものよ? 結標淡希)」フフフフ・・・スッ・・・

白井「おねえさまぁぁあ痛あああぁっ!! オールで打ん殴る事無いでしょう!!」アダダダ!
453 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 01:46:42.42 ID:fTvWK/u30
香焼「あ、淡希さん! じ、自分ボート押しますから!」アタフタ・・・///

結標「わーゆれるー(棒読み)」プニッ

香焼(顔近いぃ! サイドポニー当たってます! 胸当たってますよおおぉっ!!)ンニャアアァッ!!


佐天「おーい、香焼くーん!」ノシ

香焼「あ、さ、佐天さんっ!!」

結標「(チッ・・・・・・)・・・・・・落ち着いてきたわね。ありがと、香焼くん」ニコッ

香焼「え、あ、ど、如何致しまして」アハハ・・・///

初春「アッチのボート異様に揺れてませんか? 形おかしい所為もあるんでしょうけど・・・・・・って、御坂さん?」ジー・・・エ?


御坂「おっと手が在らぬ方向に大きく振りかぶってオールが滑ってしまったあああぁっ!!」ソォイッ!!


春上「え!? あ、危ないの!!」ワァッ!!?

白井「お姉さま!!? 振り回さないで!!」ギャアアアァッ!!

結標「っ!!? (こんの基地外電撃女あああぁっ!!)」ビクッ!!?

佐天「こ、香焼くん! 危ない!!」

香焼「え、ちょ、うわああぁっ!!」グラッ・・・

結標「こ、の・・・・・・馬鹿な真似してんじゃないわよ! 第3位!!」ガシッ!!

初春「あのスピードのオールを掴みました」タラー・・・

御坂「チッっ!! 離しなさい、よっ!!」ダバダバ・・・

結標「離したらアンタまた殴りかかるでしょ!」ギロッ!

春上「御坂さん、とても危険なの。今すぐ止めるの!」アタフタ

御坂「コイツが離したら・・・・・・止めるわよ!!」グイッ!

結標「貴女が離せば・・・・・・済む話でしょ!」グイッ!

香焼「ちょ、止め、ってわぁあっ!!?」ボシャンッ!!

佐天「こ、香焼くんっ!!」ギョッ!

結標「ちょ、ヤバっ!?」ビクッ!!

御坂「あ」ヤベー・・・

佐天「っ・・・・・・御坂さん! 退いて! 香焼くん、このオールに手を伸ばして!」ドンッ!!

御坂「ちょ、え、うわぁっ!!」ボシャンッ!!

白井「お、お姉さままで落ちた!!」アタフタ・・・

香焼「ぐっ・・・・・・っ」パシッ!

春上「佐天さん。ナイスキャッチなの!」ホッ・・・

白井「お、お姉さまがまだ・・・・・・って、あれ?」ジー・・・


結標「・・・・・・オール、離していい?」ジトー・・・

御坂「・・・・・・すいませんでした。引き上げてください、結標先輩」ムスー・・・
454 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 01:59:50.15 ID:fTvWK/u30
*****************************


牛深「おお! 第3位と香焼のポジションが入れ替わった!」

野母崎「あの●ロリボート気拙いだろうな」ハハハ


P「・・・・・・ドキがムネムネしない。もっと過剰なのが欲しいとディレクターに伝えろ」

カンペ『Dが白井に構って、香焼・佐天・春上の構図を作れ!』スッ

建宮「おま・・・・・・知らねぇぞ」タラー・・・


*****************************



白井「お、お姉さまが結標淡希と二人きりっ!? 羨まし、ゲフンゲフンッ! 拙いですの!」ギョッ!!

初春「白井さん、少し落ち着いて・・・・・・二人とも能力行使はしない筈ですから」ポンポンッ

香焼「げほっげほっ・・・・・・ふぅ」ペタン・・・

春上「香焼さん。大丈夫なの?」スッ・・・

香焼「うん・・・・・・ありがとう」フゥ・・・

佐天「もう。あの二人、年長さんなのに大人げないんだから」ハァ・・・

香焼「佐天さん、助かったっす。恩に着るよ」ホッ

佐天「いやいや。いいのいいの」ポリポリ・・・///


御坂「・・・・・・」ズーン・・・

結標「・・・・・・」ジトー・・・

御坂「・・・・・・何か?」

結標「べっつにぃ・・・・・・」ジトー・・・

御坂「何か言いなさいよ・・・・・・」フンッ

結標「いいわよ。あの子達に迷惑掛けたくないもの」ハァ・・・

御坂「・・・・・・そうね」ハァ・・・
455 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 02:17:01.13 ID:fTvWK/u30
 すぃ〜・・・・・


春上「そういえば、今日は最愛ちゃん一緒じゃないの?」

香焼「別にいつも最愛と一緒にいる訳じゃないっすよ」

佐天「そう? 私的に二人はセットだったんだけど」ニヤッ

香焼「そ、そんなそんな! 最愛にも家族っていうか仲間がいるみたいっすから」

佐天「へぇ。仲間、かぁ」

春上「でもそうしたらお仲間さんも一緒に誘ってあげれば良かったと思うの」

香焼「うーん・・・・・・最愛の性格的に、レジャー施設は如何だろう」

佐天「確かに人見知りだけど・・・・・・そこまで?」

香焼「・・・・・・多分、プールには行かないでずっと端っこに居るかもしれないっす」

春上「むぅ・・・・・・そこは香焼さんが引っ張ってあげなきゃ駄目なの」メッ!

香焼「え?」

春上「いつまでも一人ぼっちじゃ可哀相なの。誰かが手を伸ばしてあげないと最愛ちゃん、ずっと座り込んでるの」

香焼「・・・・・・そうだね。次は誘ってみるよ」ニコッ・・・

春上「うん。私達もご一緒するの」ニコッ

佐天「そうだね。知り合いが多ければ最愛ちゃんも少し気が楽でしょ」ウンウン!

香焼(・・・・・・やっぱり、この人達は友達だと思ってくれてるみたいっすよ。最愛)クスッ



*****************************


絹旗「・・・・・・ふふふ」ニパー!

麦野・フレンダ「「っ!!?」」ビクッ・・・

浜面「なんか今日は一転して機嫌がいいな」コワイ・・・

滝壺「きぬはた、何か良い事あったの?」ニコッ

絹旗「んー・・・・・・何か超良い気分なんですよねー」ニコニコ!
456 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 02:57:15.64 ID:fTvWK/u30
佐天「そういえば気になってたんだけど、何でサーフシャツ着てるの?」ジー・・・

香焼「え、う、うーん・・・・・・変?」タラー・・・

春上「変じゃないけど珍しいの。香焼さんはサーファーさんなの?」

香焼「サーファーではないかな・・・・・・ボード乗れるけど」ポリポリ・・・

佐天「おお、凄い! 後でサーフボード借りて乗って見せてよ!」キラキラ・・・

香焼「あはは・・・・・・時間あったらね。(上手く誤魔化せた)」タラー・・・

春上「それで、サーファーさんじゃないなら何でシャツなの?」

香焼「(まだ喰い付くか・・・・・・)色々あるんすよ」アハハ・・・


初春「やっぱり実は女子で胸を隠したいとか・・・・・・」ボソッ


香焼「はいっ!!?」ギョッ!?

佐天・春上「「ええぇっ!!」」カアアァ・・・///

香焼「じ、自分は男っすよ!」ンモー・・・

初春「じゃあ・・・・・・『見せて』ください」ニヤッ・・・

佐天「う、初春!! 何言ってんの!?」///

春上「遂に頭の中までお花畑になっちゃたの」///

初春「えー? 男なら胸捲くっても大丈夫じゃないですか? 二人は『何』をお考えで?」ニヤニヤ・・・

佐天・春上「「なっ!」」カアアァ・・・///

白井「初春も人が悪い・・・・・・まぁはっきり言って香焼さんくらいの子がサーフシャツ着てるのは不自然ですわね」ジー・・・

香焼「う、うん・・・・・・」タラー・・・

初春「ほらほら。見せて下さい。男の子でしょう?」フフフ・・・

香焼「・・・・・・見せなきゃ、駄目っすか」ウルウル・・・

佐天(うわっ・・・・・・マジで女の子に見えてきた)ブッ・・・

春上(やっぱり最愛ちゃんと似てる・・・・・・可愛いの)フフフ・・・


結標「・・・・・・あっちいいなー」ハァ

御坂「みーとぅー」ハァ
457 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 03:47:23.33 ID:fTvWK/u30
*****************************


野母崎「何でアイツあんな必死になってんの? 黙って脱ぎゃいいのに」ジー・・・

建宮「多分、アイツ身体に鋼糸(ワイヤー)巻き着けてるのよね。隠したいんじゃねぇの? 細い鋼糸なら捲っても見えないのにねぇ」

牛深「馬鹿だ・・・・・・アイツ頭良いのにやること馬鹿だ」ハァ


*****************************



初春「さぁさぁ見せなさい」フフフ・・・

香焼「うっ・・・・・・さ、佐天さん。春上さん。止めてよ、初春さんの事」チラッ

佐天「あー、えっと、ほら。言っても聞かないのよ。ちょぴっと服捲くってやれば気が済むって」アハハ・・・ニヤッ

春上「う、うん。きっとそうなの」コクコク・・・グヘヘ

香焼「・・・・・・白井さん。風紀委員なんでしょ? 助けて下さい」ジー・・・

白井「初春も風紀委員ですの・・・・・・それよりもお姉さま! 早くお戻りになってくださいまし!」ホネェザバァー!

香焼「ぐぅ・・・・・・そ、そういえば3人とも自分の学生証見たでしょ! なら分かってる筈じゃん!」アタフタ・・・

初春「チッ・・・・・・少しだけです。ちょっとだけで良いから、捲ってみましょうか。先っぽだけですよ」フフフ・・・

香焼「ちょ、え、先っぽって何!?」ギョッ!?

初春「(・・・・・・了解。撮影入ります!)春上さん、佐天さん。少しだけ捲ってあげてください」ニコッ・・・ククク

佐天・春上「「なっ!?」」カアアァ///

初春「少しだけですよ。チラッと見えれば男子だって事分かるでしょう?」ニヤニヤ・・・

香焼「(これ以上は危険な気がする!) うわぁ、また落ちそ――」


 うねうねうね・・・ガシッ!!


香焼「――う、ぎゃあああぁっ!! 何かの蔦に捉まれたああぁっ!!」ガシッ!

初春「さぁ、どうぞ」ウネウネ・・・

佐天「・・・・・・えっと」タラー・・・///

春上「いいの、かな?」ゴクッ・・・///

香焼「ちょ、ふ、二人とも!?」ギョッ!!

佐天「ご、ごめんね。少しだけ、捲るだけだから」スッ・・・

香焼「さ、佐天さん!? 何でシャツに手ぇかけてるの!?」ジタバタ!

春上「す、すぐ止めるの。ちょっと見たら戻すの」スゥ・・・

香焼「春上さんまで!? ま、や、おかしいよ!?」ウワアアァン!


結標「っ!!? 何か香焼くんが『えくすたしぃ〜』しそうな予感!!」ギョッ!!

御坂「アンタは何を言っているんだ?」ポカーン・・・
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 09:54:33.19 ID:3Y1Rc9vDO
>>1ィィィィィィィィ

ここで落ちるとかどーゆー事だぁぁぁぁぁぁぁ
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 13:14:30.36 ID:WdoDhDQDO
>>1
起きろー。起きないとHなの描かせるぞー(苦笑)
460 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 21:52:16.01 ID:fTvWK/u30
 ―――とある日、時刻不明、場所不明、とある野外・・・・・




建宮「こんばんは。昨晩は明け方>>1が寝落ったので、続きです」ペコッ

建宮「今日は香焼の『ポロリ(?)』からですね・・・・・・誰得なのよな?」

建宮「ではどーぅぞ!」b"
461 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 22:16:19.18 ID:fTvWK/u30
 ―――PM01:40、『●く●くざぶーんin学園都市』流れてる気がするプール・・・・・・


 すぃ〜・・・・・


佐天・春上「「・・・・・・」」スッ・・・///

香焼「ちょ、マジ、やめっ! 分かった! 自分で脱ぐから服捲ろうとしないで!!」キャー!

初春「二人ともー。騙されちゃいけませんよ。離した瞬間逃げる気ですからねー」ニヤニヤ・・・ウネウネ・・・

香焼「う、初春さん!? 何か髪飾りがビOランテ第一形態みたいになってるんすけど!? つ、蔦がホールドしてくるんすけど!?」ギャー!!

白井「偶にあることですの・・・・・・それよりお姉さまぁあっ!!」ギャーズ!

香焼「止めてよ! 誰か初春さんの暴走止めてよ!!」ウワアアアァッ!!

佐天「香焼くん・・・・・・そんなに(上半身)見せるの、嫌?」ドキドキ・・・///

香焼「さ、佐天さん!?」

春上「大丈夫、私も・・・・・・男の人(の上半)裸見るの、始めてなの」ドキドキ・・・///

香焼「春上さんまで!? ちょ、おかしいっすよ!! 誰か男の人呼んでーっ!!」ウギャー!

佐天「少しだけ、捲るね」スッ・・・ピラッ・・・

香焼「ひぅっ!!?(ヤバい! 鋼糸が見つかる!!)」ドキッ///

佐天「・・・・・・おー。すごーい」ジー・・・///

春上「(腹筋が)カチカチなの・・・・・・香焼さん。意外と立派なの」ニコッ・・・///

香焼「この娘達何言ってんの!? 白井さーん!! 助けてー!!」キャー!!

白井「お姉さまあああぁっ!! 早くお戻りになってくださあああぁいっ!!」ギャー!

香焼「アウトオブ眼中!!?」

初春「はーい。じゃあ春上さん、もう少し上まで捲って見ましょうねー」●REC・・・ウネウネ・・・

香焼「録画されてる!? それ何処から出したの!?」カアアァ・・・///

春上「ご、ごめんなさいなの・・・・・・見たらすぐ戻すの」グイッ・・・///

香焼「ひ・・・・・・ぁっ!!」ギリッ・・・///

初春「良いですよー。3人とも可愛いですよー・・・・・・もう少しでさくらんぼさん(※男子の乳首です)見えますよー」ウネウネ・・・ニヤニヤ・・・

香焼「い、いやああああぁっ!!」ギャアアァッ!!


結標「何と羨まs、ゲフンゲフンッ!、香焼くんのピンチ!!」ワーワー!

御坂「・・・・・・いや、男の上半身なんて施設内いたるところで見れるでしょ」ハァ・・・
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/21(木) 22:19:52.37 ID:3++H27rP0
ゴクリ…
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/21(木) 22:26:18.04 ID:zYB/FCWZo
ペロッ…
464 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 22:35:28.49 ID:fTvWK/u30
    すぃ〜・・・・・


初春「もう少しですよ! 春上さん! ゆっく〜り、片方ずつ・・・・・・捲ってあげましょうねー」ウフフフ・・・

春上「う、うん・・・・・・こうなの・・・・・・」スウ・・・///


 ぴちゃんっ・・・・・


香焼「ッッ〜〜〜・・・・・・っ」カアアアァ・・・///

佐天「ッ・・・・・・や、やっぱり男の子だね・・・・・・」アハハ・・・///

春上「そ、そうだと思うの・・・・・・」モジモジ・・・///

香焼(もぅ・・・・・・お婿にいけない・・・・・・)クタァ・・・///


結標「ごるぁあああああぁっ!! 私抜きでえくすたしぃ〜してるんじゃないわよおおぉっ!!」キャーキャー!

御坂「あ、開き直った」ジトー・・・


香焼「・・・・・・・も、ぅ・・・・・・良いでしょ」グッ・・・///

佐天「あう、うん! そ、そうだね!! ごめんごめん!」アハハ・・・///

初春「まだですよ! さぁ佐天さん! ・・・・・・触ってみましょうか」ニヤッ・・・ウネウネ・・・

香焼・佐天・春上「「「っ!!?」」」ギョッ・・・///

香焼「お、男って分かったでしょ!?」

初春「ただのペタン娘かもしれませんよねぇ・・・・・・まぁ流石に下を映す訳にはいきませんから、上の続行で」ニヤニヤ・・・ウネウネ・・・

春上「で、でも、もう一周して迷路プールゴールしちゃうの・・・・・・これ以上無理なの」アタフタ・・・///

佐天「そ、そうだよ。誰かに見られたら大変でしょ」カアアァ・・・///

初春「・・・・・・そうですか。じゃあ・・・・・・私が」フフフ・・・ウネウネ・・・

香焼「っ!!? つ、蔦が伸びた!!?」ギャッ!

初春「お二人がヤらないなら香焼さんが『ドキッ☆迷宮で触手(蔦)に絡まれた男の娘!!』状態になっちゃいますよー」ウネウネ・・・ピタッ・・・

佐天・春上「「っ!!(ちょっと見てみたい!)」」ドキドキッ///

香焼「い、嫌アアアアァッ!! 淡希さあああぁんっ!! 御坂さあああぁんっ!! 助けてえええぇっ!!」ダアアアァッ!!


御坂「無理ー。追いつけないよー」アハハ

結標「う、初春さん! そのテープ後で焼きまわして!!(いい加減にしないと怒るわよ!)」ウフフ・・・///


香焼「本音と建前逆だああぁっ!! 淡希さんの裏切りモノーっ!!」ウワアアァンッ!!
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 22:38:43.79 ID:WdoDhDQDO
馬鹿じゃねぇの? 香焼って男なんだろ? そんなモン‥‥‥フゥ…






初春D垣根P、一万買います。
466 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 23:00:20.70 ID:fTvWK/u30
*****************************


野母崎「・・・・・・何、あのビOランテ・・・・・・イヤラシイんだけど」ジー・・・

牛深「あれ? おかしいな・・・・・・香焼の性別が分からなくなってきたぞ」タラー・・・

五和「コウちゃん可愛いよぅ・・・・・・後でアニェーゼ達にも焼いてあげよ」ニヤニヤ・・・

ウラAD『委託販売協議中・・・・・・』


建宮「やりすぎじゃね・・・・・・そろそろ対馬と諫早(ジジイ)呼んで止めて貰おうかな」ハァ・・・


*****************************



結標「ちょっと! 急いで漕ぎなさいよ!!」ジャバジャバ!

御坂「何で私まで手伝わされてんのよ!」ハァハァ

結標「後で良い事教えたるから今は漕げ!!」ジャババババッ!!


白井「あ! お姉さまああぁっ!! わたくしの下へ急いでくれているのですね!!」キラキラ・・・

初春「白井さん、勘違い乙です・・・・・・さぁて、如何しましょうかねぇ」フフフ・・・ウネウネ・・・

香焼「や、だ・・・・・・佐天、さん。春上さん・・・・・・助けて・・・・・・」ウルウル・・・///

佐天「う、初春、やりすぎだよ・・・・・・ゴクッ・・・・・・」ジー・・・///

春上「こ、香焼さん泣きそうなの。程々にするの・・・・・・グヘヘ・・・・・・」ジー・・・///

初春「あらあら。二人も乗り気ですね・・・・・・」ウネウネ・・・スゥ・・・

香焼「・・・・・・もぅ、駄目だ」クテェ・・・

初春「反抗する気も無くなっちゃいましたね・・・・・・じゃあ遠慮なく・・・・・・」グイグイッ・・・

香焼「・・・・・・ッッ!!? 服の中になんか入ってきたっすっ!!?」ビクッ!!?

佐天・春上「「っ!!」」マジマジ・・・///

初春「さぁ・・・・・・下に行くのと、さくらんぼさんタッチされるの・・・・・・どっちが良いですか?」ニヤニヤ・・・ウニェウニェ・・・クネクネ!

香焼「ど、どっちもヤだよぅ・・・・・・」カアアアァ・・・///

初春「香焼さんに聞いてませんよ。佐天さんと春上さんに聞いてるんですから」ニヤッ・・・ヒタッ・・・ピタッ・・・

佐天・春上「「・・・・・・」」ドキドキ・・・///

香焼「」

初春「でもぉ・・・・・・どうしても止めて欲しいというのであれば・・・・・・」フフフ・・・グネグネ!

香焼「っ!」

初春「カメラに向かってピースしてください! ダブルピースですよー!」ニヤッ・・・

香焼「なっ!!?」カアアァ・・・///


白井「触手陵辱+強要+涙目+微笑+ダブルピース・・・・・・流石初春。レベル高いですの」
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/21(木) 23:15:51.28 ID:4KDTWCUBo
・・・ふぅ
まったく初春も落ち着けよな
468 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 23:29:37.89 ID:fTvWK/u30
香焼「・・・・・・やだ」ウルウル・・・///

初春「じゃあ上下両方ブち込みましょう」ニヤッ・・・ウネウネウネ・・・

香焼・佐天・春上「「「っ!!?」」

初春「さぁ・・・・・・如何します?」フフフ・・・クネクネクネ・・・

香焼「・・・・・・ぴ、ピースすれば、離してくれるの?」ウルウル・・・///

初春「ええ」ニコッ・・・ニュルニュル・・・

香焼「・・・・・・」プルプル・・・///

佐天「う、初春。ホントに止めたげなよ・・・・・・もう迷路出口見えるし」タラー・・・///

初春「だそうですよ? 早くしないと赤の他人に見られちゃいますねぇ」ウフフ・・・ニュルン・・・

春上「ど、ドSなの・・・・・・」ゴクッ・・・///

香焼「・・・・・・」スゥッ・・・///

初春「ふふふふ・・・・・・さぁ自分で『ピース☆』って言ってください」ウネウネ・・・●REC

香焼「うぅ・・・・・・ぴ、ぴぃ・・・・・・・」カアアァ・・・///

初春「聞こえませんねぇ・・・・・・もっとハッキリどうぞ」ニヤッ・・・●REC

香焼「ぴ・・・・・・ぴー―――」


白井「お姉さま! もう少しで届きますの!!」カモオオオォンッ!!


香焼「―――・・・・・・ぇ」

初春「・・・・・・チッ」チラッ・・・


結標「香焼くううううんっ!! 今混z・・・・・・助けるわよおおおぉっ!!」アワキンジャーンプッ!!

御坂「ちょ、揺らさないでよっ!!」グラグラ!

香焼「あ・・・・・・淡希さんっ」パアアアァ!!

佐天「そ、その勢いで着地したら!」ゲッ!!?

春上「ボートが引っ繰り返っちゃうの!」キャー!

結標「え・・・・・・ちょっ!?」ボスンッ!!

亀ボートs『なっ!!?』グラッ!!


  ぼっちゃーんっ!!


亀ボートs『あばばばばばばっ!!』バシャバシャバシャ!!

御坂「・・・・・・馬鹿ばっかね」ハァ・・・



禁書「ひょうか! とうま! 何か流れてくるんだよ!」ビシッ!!

御坂「・・・・・・え?」チラッ・・・

上条・風斬「「え・・・・・・は?」」タラー・・・
469 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/21(木) 23:44:34.77 ID:fTvWK/u30
 ―――PM02:00、『●く●くざぶーんin学園都市』、砂浜風プール・海っぽいの家・・・・・・



 ちりんちりんっ・・・・・



上条「・・・・・・お前ら馬鹿だろ」ハァ・・・

御坂「な、わ、私は関係無いわよ!!」

初春「あぁ・・・・・・カメラのカード生きてるかなぁ」ハァ・・・

白井「初春は少しも反省してませんのね」タラー・・・

上条「まったく・・・・・・」チラッ


香焼「・・・・・・」ガシッ・・・


禁書「ねぇねぇひょうか。如何してこうやぎはずっととうまに抱きついてるの?」キョトン・・・

風斬「う、うーん・・・・・・色々あるんじゃないかな」アハハ・・・

結標「こ、香焼くん・・・・・・その・・・・・・こっちおいで」ニコッ・・・タラー・・・

香焼「・・・・・・嫌っす」ガシッ・・・ギュッ・・・

結標「」

佐天「ご、ごめんなさい。悪ふざけが過ぎたよね」アハハ・・・タラー・・・

春上「きっと如何かしてたの。許してほしいの」ペコッ・・・タラー・・・

香焼「・・・・・・知らない」フイッ・・・

佐天・春上「「」」

上条「こ、香焼。皆反省してるから、な」ポンポンッ・・・

香焼「・・・・・・」ギュウ・・・

御坂「こ、香焼さん・・・・・・その男から離れたら如何かなぁ? 動けなくて困ってるわよー?」イラッ・・・

香焼「・・・・・・元はと言えば、御坂さんの所為っす」ギュッ・・・ジトー・・・

御坂「こ、の・・・・・・糞ガキ・・・・・・」イラッ・・・ビリッ・・・

上条「お、落ち着け! こんな場所で能力使うな! 俺は大丈夫だからさ」タラー・・・

香焼「・・・・・・」ギュウゥ・・・


初春「上条×香焼・・・・・・爽やか系お兄ちゃん×童顔ショタ! これはアリ!」キラキラ!

白井「お姉さまっ!! わたくし達も負けずに合たぃばばばばばばっばばっ!!」アbbbbbbbbbbb!!
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 23:50:24.53 ID:V+O0NY3IO
男に嫉妬する御坂さん
471 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 00:09:18.75 ID:08cNv4YQ0
*****************************


五和「あああああぁっ!!? コウちゃん、上条さんに抱きついて羨ましいいいいいいいぃっ!!」ウワアアアアァッ!!

建宮「誰か対馬呼んで来てー。この馬鹿差し出してー」ハァ・・・


*****************************



上条「・・・・・・香焼。俺にしがみ付いてたって何も起こらないぞ」ポンポンッ

香焼「・・・・・・」ムッ・・・

上条「話聞く限りではお前にも非は有ったさ。こんな場所なんだし上脱いで無いほうが怪しまれるよ」

香焼「・・・・・・でも」ムスー・・・

上条「まぁ・・・・・・天草式が色々仕込み隠してるってのは聞いてるが、此処は安全だ。心配すんなって。少しは羽伸ばせよ」ニコッ

香焼「上条さん・・・・・・」

上条「何かあったら土御門が処理してくれるさ。結標さんだっているし、御坂や白井だっている。頼もしい人達ばっかだろ」

香焼「・・・・・・」コクッ・・・

上条「ま、俺は当てになんないけどさ、俺だって味方だよ。前にも言ったろ、頼ってくれって」ナデナデ

香焼「・・・・・・はい」ニコッ・・・

上条「よっし。じゃあ・・・・・・女の子達にはキチンと謝らせる。お前も皆を許して万事解決。だな!」ニカッ!


白井「・・・・・・何であの二人(男同士)、リアルにイチャイチャしてるんですの? いや、マジで」ジー・・・

結標「ちょっと幻想殺し! 香焼くんから離れなさい!!」ガアアァッ!!

御坂「同意!! 糞ガキ、いい加減ベタベタしすぎよ! 男同士でしょ!!」ガアアァッ!!

初春「良いですか? あれがBLの中でも入門編、所謂『朗らかな交流』というヤツで」アーダコーダ・・・

佐天・春上「「お、おぅ」」コクコクッ・・・///


禁書「B・Lってなぁに?」ポカーン・・・

風斬「え!? え、えっと・・・・・・大英図書館(British Library)、かな・・・・・・」モジモジ・・・///

禁書「え? あの二人で大図書館? 如何いう意味?」キョトン・・・

風斬「う、うーん・・・・・・インデックスにはちょっと難しい科学のお話だよ」タラー・・・

禁書「へ?」


土御門「そうそう。風斬の言うとおり・・・・・・男同士の複雑な化学融合式なんだぜぃ」ニヤニヤ・・・


禁書「ほぇ? 化学融合式?」

風斬「土御門くん! いきなり出てきて変な事教えないで!」カアアァ・・・///
472 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 00:25:12.17 ID:08cNv4YQ0
  ざぶーん・・・・・



女性s『すいませんでした』ペコッ・・・

香焼「・・・・・・もうしないで下さい」

御坂「何で私まで・・・・・・」ブツブツ・・・

上条「うん。じゃあ後は仲良くやってくれ。上条さんは迷路プールに行って来るからな」ニコッ

御坂「え」チラッ・・・

禁書「そうなんだよ! ゴーヤボートに乗る前だったんだよ! とうま、ひょうか。早く行こう!」ワタワタ!

風斬「わ、あ、危ないから引っ張らないの」ワタワタ・・・

香焼「上条さん、もう行っちゃうんすか? ・・・・・・自分一人置いて」ジー・・・

上条「いや、お前結標さんと来たんだろ?」

結標「そ、そうよ。香焼くん、こんな男のケツ追っかけちゃ駄目」ウンウン!

上条「・・・・・・今は女性より男性と一緒に居たいっす」ジトー・・・

結標「」キラワレタ・・・

上条「そ、そう言うなって。結標さんもちゃんと反省してるからさ」ポリポリ

禁書「とうまー! 早くー!」オーイ!

上条「あーはいはい・・・・・・悪いな、香焼。今度いつでもウチ来ていいからよ」ペコッ

香焼・御坂「「・・・・・・」」ウー・・・


白井「お姉さまが羨望の眼で類人猿を見てらっしゃる・・・・・・ジェラスィイイイイイイィッ!!」キイイイィッ!!

初春「白井さんはいつも通りですね」ニコッ

佐天「・・・・・・香焼くん、まだ怒ってるよね」ハァ・・・

春上「多分、そうなの」シュン・・・

結標「・・・・・・香焼くんに、嫌われた」ガーン・・・


土御門「結標マジ豆腐メンタル」フヒヒ!

姫神「心配だから見に来たけど。やっぱり。淡希駄目駄目ね」ハァ・・・
473 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 00:38:33.82 ID:08cNv4YQ0
 ―――PM02:30、『●く●くざぶーんin学園都市』、地中海みたいなプールが一望できるレストラン・・・・・・




香焼「・・・・・・」

結標「こ、香焼くん・・・・・・あの・・・・・・」

香焼「・・・・・・何か」

結標「・・・・・・何でもない」ハァ・・・

佐天「わ、わぁ! 地中海風レストランなのにメニューが海の家風B級グルメだー」アハハ・・・

春上「す、好きなの選んでいいの! 私達の奢りなのー」ニコッ・・・

香焼「・・・・・・お腹空いてないよ」グー・・・

佐天「そ、そう・・・・・・(めっちゃ腹鳴ってるじゃん)」タラー・・・

春上「なら、仕方ないの。(でも真顔で返事してるの・・・・・・怖いの)」ウッ・・・


土御門「あっちゃー。香焼ボーイ怒髪天だぜよ」ニャハハ

姫神「ノリで付いて来ちゃったけど。私達気付かれてないのね」クウキ・・・

青ピ「面白そうなので釣られました」ニヤッ

吹寄「コイツらの保護者です・・・・・・そういえば3人ほど減ってない?」チラッ

土御門「ビリビリ中学生はカミやん追っかけてって、デスノ中学生はそのビリビリ追い駆けてったにゃー」フヒヒ!

吹寄「あれ? お花の子は?」

土御門「アレは知らん。差し詰め『P』と次の安価考えてるところばい」ニシシ!

吹寄「・・・・・・意味が分からん」ハァ



初春「カキP・・・・・・メモカは無事でした。次の計画指示を。オーバー」Pi!
474 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 00:52:56.85 ID:08cNv4YQ0
香焼「・・・・・・」


佐天「・・・・・・どうしよう」シュン・・・

結標「どうしようって・・・・・・どうも出来ないっぽいわね」ハァ・・・

春上「いっそ結標さんがさっきの迷路の上でやってたみたいに抱きついてあげれば、機嫌が直るかもしれないの」チラッ

結標「は、春上さん・・・・・・天使みたいな顔して言う事、ドギツいわよ」タラー・・・

佐天「仕方ない。適当に注文して買い並べよう。もしかしたら勝手に摘んでくれるかもしれないし」

春上「うん・・・・・・」コクッ

結標「だといいけど・・・・・・私、お手洗い行って来るわ。ちょっと香焼くんの事お願いね」スッ・・・

佐天「分かりました。何か買ってて大丈夫ですか?」

結標「お願い。お金は出すわ」コクッ・・・テクテク・・・


土御門「お! チャンス!」ニヤッ・・・

青ピ「なんや良(悪)い顔してますねぇ、土御門くん」フフフ・・・

土御門「ちょーいと席外すぜぃ」スッ・・・

姫神「・・・・・・程々に」ニヤッ

吹寄「ちょ、姫神さんまで悪乗りしないでよ」タラー・・・

姫神「大丈夫。いざとなったら。魔法の杖(スタンロッド)で殴るから」ニコッ

吹寄「・・・・・・不安だ」タラー・・・


結標「はぁ・・・・・・」

土御門「は〜い! 姉ちゃん暗い顔して如何したのん? 誘った男には断られ、無理やり連れて来た男には怒られみたいな顔だぜぃ!」ニヤニヤ

結標「何でアンタ、前半知ってんのよ・・・・・・ウザいから消えて」ハァ・・・

土御門「まぁまぁ。話聞けって・・・・・・手を貸すぜぃ、結標」フフフ

結標「碌な話じゃないでしょ。絶対嫌」フンッ

土御門「あっそ。折角香焼が元気戻しそうな話有るのになぁ・・・・・・仕方ないな」

結標「・・・・・・」ピクッ・・・

土御門「別にオマエじゃなくてあの中学生二人でも良いか。なーんか、香焼に好意寄せてる感じだしー」ククク・・・

結標「・・・・・・聞くだけ聞いてやる」ギロッ・・・

土御門「ひひひ。大丈夫、金なんか取らないぜぃ。あのな・・・・・・―――」ニヤニヤ・・・
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/22(金) 00:58:45.17 ID:xnv/NdfEo
支援
476 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 01:16:38.11 ID:08cNv4YQ0
  ざぶーん・・・・・



土御門「―――と、いう訳だ」ニヤッ・・・

結標「はぁっ!!?」カアアアァッ///

土御門「如何だ? やるか?」フフフ・・・

結標「で、出来る訳ないでしょ!! 場所考えなさいよ!!」///

土御門「いや、オマエならやれるさ。普段の格好考えろ。アッチと大して変わらない露出だぜぃ?」

結標「で、でも・・・・・・それで機嫌直すか如何かなんて分からないじゃない」

土御門「いや、直る。絶対直る・・・・・・それは香焼の『姉達(神裂、五和)』が通ってきた道だ。アイツはそれを見て育ってきてる」ウン・・・

結標「意味分かんないわよ。どんな理屈なの、それ!」

土御門「落ち着け。それに、香焼は『とある病』に罹っていてな・・・・・・その格好は効果覿面なんだ」

結標「・・・・・・何それ」キョトン・・・

土御門「それに考えてみろ。オマエは香焼に『借り』が有るんじゃないのか? 『義理』と言っても良い。忘れたとは言わせんぞ」ジー・・・

結標「うっ・・・・・・」

土御門「自分を殺しかけた相手にアイツは如何した? 本来何でも言う事聞いてやらねばならない立場をお前に寛容だっただろう?」

結標「・・・・・・」

土御門「女を見せろよ、結標淡希・・・・・・貸し借りの関係が嫌だというアイツの理念も分かるが、少しは還元してやれ。アイツがパンクするぞ?」

結標「でも・・・・・・香焼くんが・・・・・・」

土御門「あーもぅ、グダグダと・・・・・・自称リーダーが聞いて呆れるぜぃ。分かった。姫神にも同じ格好をさせる。それなら良いな」キリッ

結標「あ、秋沙が!? し、してくれる訳無いでしょ!!」

土御門「いや、彼女は友人の為に一肌脱ぐと言ってたぞ・・・・・・良かったな。良い友達を持って」ニコッ・・・

結標「・・・・・・」

土御門「・・・・・・これが衣装だ。着替えて来い」ポンッ・・・

結標「・・・・・・」コクッ・・・テクテク・・・



土御門「・・・・・・プッ・・・・・・ククククッ・・・・・・馬鹿だろ、アイツっ!!」プフー!

姫神「そうね。でも貴方の根性の方が問題だと思うわ。道化師さん・・・・・・きっと良い詐欺師になれる」ジトー・・・

土御門「違うぜ姫神っち。詐欺師じゃなくて占い師だぞぉ、『土御門』さんはー」ヒヒヒ!

姫神「ピエロは認めるのね・・・・・・ところで・・・・・・・」ギロッ・・・

土御門「安価取っちまえばコッチのモン! 姫神にゃんもコスプレだにゃあばばばバババッババッバババッバッ!!」bbbbbbbbbbbbbbbb!!



*****************************



ウラAD『安価急げ!!』スッ!

カキP「水着の上から着るコスだぞ! 上手く出してもらえよ!」ニカッ!


建宮「知らねぇぞ・・・・・・安価――― >>479・・・結標と姫神に来て貰いたいコスプレ ―――だそうです」ダラダラ・・・
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/22(金) 01:25:39.04 ID:3woQ2sZl0
じゃじゃ丸とピッコロだろ
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/22(金) 01:26:13.20 ID:jhqhuKtDO
あわきんは…オーバーニー+ガーター&ピッチリエプロン!
ひめにゃんは…あみあみタイツ+ロンググローブ&メイドエプロン!
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/22(金) 01:28:02.48 ID:+cik9YdIO
あわきんは、ミニスカニーソの女子高生スタイル。
姫神さんはネタ画像のアメリカ人がやってるダーンボールガンダムでいいや
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/22(金) 01:29:35.41 ID:WM+F/QaJ0
足下がぐちょぐちょになるな…
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/22(金) 01:31:14.51 ID:+cik9YdIO
>>479
これね
http://beebee2see.appspot.com/i/azuY7KftAww.jpg
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/22(金) 01:40:34.80 ID:semeRdVG0
>>479
どんなコンビだよwww
共通性がまったく感じられない
483 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 01:53:36.24 ID:08cNv4YQ0
 ―――PM02:50、『●く●くざぶーんin学園都市』、地中海みたいなプールが一望できるレストラン・・・・・・



  ざわざわ・・・・ざわざわ・・・・・



女性客『・・・・・・ヒソヒソ・・・・・・ねぇあれって・・・・・・何?』ジー・・・

男性客『イヤ・・・・・・ダンボールの下・・・・・・実は全裸じゃね?』マジマジ・・・


吹寄「あ。やっと来、た・・・・・・姫神、さん・・・・・・」エ・・・

青ピ「な、なんか超前衛的な・・・・・・プッ・・・・・・格好、やね・・・・・・ブフッ!!」プルプル・・・・

土御門「ぎゃはははっはははははははっ!! ひ、姫神っ!! 一気に注目の的だぜぃっ!!」ゲラゲラゲラゲラ!!

姫神「・・・・・・死にたい」カアアアァ///


春上「・・・・・・何か凄い格好の人が来たの」ジー・・・

佐天「素肌の部分しか見えないから、逆にイヤラシイっちゃイヤラシイね。男性客の殆ど変な妄想してるし」タラー・・・

香焼(土御門に何かされたんすね)ハァ・・・



  ざわざわ・・・・・



佐天「ん? また何か騒がし、い・・・・・・ょ・・・・・・」ピタッ・・・

春上「今度は何の出現・・・・・・な、の・・・・・・」ピタッ・・・

香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」タラー・・・


結標「お、お待たせ・・・・・・」カアアァ・・・///


香焼・佐天・春上「「「」」」チーン・・・


青ピ「ちょ、あ、アレ、結標さんやないの!?」ギョッ!!

吹寄「な、何て格好してるのよあの人はっ!!?」ハァッ///

土御門「うひゃひゃひゃひゃひゃっ! は、はら・・・・・・・痛い・・・・・・」ヒヒヒヒ!

姫神「・・・・・・死にたい」ズーン・・・///
484 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 02:24:20.35 ID:08cNv4YQ0
佐天「む、結標、さん・・・・・・何を、してらっしゃるのでしょうか・・・・・・」ダラダラ・・・///

結標「・・・・・・っ」カアアアァ・・・///

春上「わ、Yシャツが素肌に張り付いて・・・・・・下、水着なのに、えっちなの」マジマジ///

佐天「ミニスカ喰い込んでる・・・・・・ニーソーもベチャベチャ・・・・・・何かあったんですか? マジで」オゥフ・・・///

結標「・・・・・・何も、言わないで」カアアアァ・・・///

香焼「・・・・・・淡希さん」ジー・・・

結標「ひっ!! あ、あんまり・・・・・・ジロジロ見ないで・・・・・・」カアアァ・・・///

香焼「・・・・・・あの、さ」ポリポリ・・・

結標「っ」シュッ///

佐天「あ、春上さんの後ろに隠れた」タラー・・・

春上「最愛ちゃんみたいになっちゃったの・・・・・・え、えっと・・・・・・よしよし。怖くない怖くない」ニコッ・・・ナデナデ

結標「止めて・・・・・・天使みたいな笑顔で優しくしないで」ウウゥ・・・///

春上「じゃあ・・・・・・ぐへへ。へい、あわきん姉ちゃん。とってもエッチィ格好なの。ナデナデしてあげるの」ウッヘッヘッ!

佐天「春上さん、キャラ壊れてるよ・・・・・・初春め。また春上さんに意味不明なこと教えやがったな」ダラダラ・・・


土御門「結標! 早く『私に香焼くんの(手前にある)真っ赤っかな太い棒(キングフランクフルト)食べさせて』って言え!!」バンバンッ!!

青ピ「凄いですよー! 店内の視線が結標さまと姫神さまに集まってますよぅ!!」wktk!

姫神「えいっ! やっ! うぅ・・・・・・無念なり。間接が動かないから魔法の杖が持てないわ・・・・・・」ジトー・・・///

土御門「姫にゃんは少し五月蝿いからお口塞いでおこうねー」グイッ!!

姫神「んぐっ!!? ふぁ、ふぁみふふふぉっ!? (何するのっ!?)」グイグイッ!! ピクンッ!!

吹寄「土御門!! 動けないのを良い事に、姫神さん(の口)に硬くて大きい棒(超ビックアメリカンドック)無理やり捻じ込むな!!」コラッ!

姫神「んぐぐぅっ!! んぐ・・・・・・んっ!! んんんんっ!! んっ! んっ!! んんぅ!!」ジタバタッ! ゲホッゲホッ! ビクッビクッ!!

青ピ「吹寄大先生、何で隠語で話すん? あと・・・・・・姫さま、めっさエロいで」タラー・・・///


香焼「淡希さん・・・・・・えっと・・・・・・」ウーン・・・

結標「・・・・・・な、何」モジモジ・・・///

香焼「・・・・・・土御門に騙されませんでしたか?」

結標「え」ピタッ・・・

香焼「何言われたか分かんないっすけど、アイツ、ウチの姉も騙してそういう格好させましたよ」タラー・・・

結標「」


初春「・・・・・・良い画ですっ!! GJ!!」●REC
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/22(金) 02:41:10.80 ID:xnv/NdfEo
支援
486 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 02:45:33.08 ID:08cNv4YQ0
 ―――数分後・・・・・




土御門だったもの「」




結標「次やったら錘抱させえて排水口にブチ込んでやるわよっ!!」カアアアァ///

姫神「百辺・・・・・・死んでみる?」ニコッ・・・ゴゴゴゴ・・・

青ピ「そ、それくらいにしとこ。な」アハハ・・・

香焼「あはは・・・・・・淡希さん、ドンマイっす」タラー・・・

結標「・・・・・・もぅ」ヌギヌギ・・・

春上「あわきん。もう脱いじゃうの?」エー・・・

結標「あわきん言うな・・・・・・脱ぐに決まってるでしょ。恥ずかしいったらありゃしない」ハァ・・・

佐天「でも・・・・・・周りの目が」チラッ・・・

結標「え?」キョロッ・・・


男A「ちょ、此処で脱ぐぞ!? あの女子高生!!」ジー!!

女B「マジで?! 痴女ってヤツかしら」ウワァ・・・

男C「携帯何処だっけ・・・・・・有った! 録画録画っと!」●REC

女D「最近の若い子って大胆ね・・・・・・何処の学校かしら」ジトー・・・

土御門っぽい何か「ゲホッゲホッ・・・・・・ざまぁ、みやがれ・・・・・・」ニヤッ・・・


結標「っ!!!」カアアアァ・・・///

春上「あわきん。駄目なの」ハァ

結標「な、何コレ!? 止めてよ・・・・・・あと、あわきん言うな」モジモジ・・・///

佐天「そうですね・・・・・・周りの目がヤバいです」チラッ


吹寄「・・・・・・姫神さんも拙いわね」タラー・・・

青ピ「まぁアレやね。グラビア写真の水着部分に黒トーン張っ付けると一気にエロくなる理論やもんね、姫のは」マジマジ・・・

姫神「ぬ。脱ごうと思ってたのに・・・・・・そ。そんな目で・・・・・・」カアアアァ・・・///


男E「お! こっちは全裸かもしれねぇぞ!」ジー・・・

女F「こらっ! マー君。見ちゃいけません! 下から覗こうとしないの!」メッ!

男G「早くあのチャバムアーマー剥がれねぇかなぁ・・・・・・コクピット見たいぜ!」ムラムラ!

女H「あの娘、可愛いわね・・・・・・大和撫子ってヤツかしら? 御淑やかな顔してるのに、存外淫靡なのね」アラアラ・・・

土御門らしい何か「ガッハゲボッ・・・・・・やったね姫にゃん・・・・・・人気が増えたよ・・・・・・危ない方向で」フフフ・・・


結標・姫神((うごけない・・・・・・))ガクガク・・・///
487 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 03:00:45.95 ID:08cNv4YQ0
香焼「ハァ・・・・・・」スッ・・・

佐天「香焼くん」エ?

香焼「・・・・・・淡希さん。行きますよ」ガシッ

結標「え」ビクッ

香焼「二人とも、すぐ戻ってくるから此処よろしくね」チラッ

佐天「あ、うん。分かった」キョトン・・・

春上「香焼さん。ドサクサに紛れてあわきんに変な事しちゃ駄目だよ・・・・・・なの」ジー・・・

香焼「しないから」ハァ・・・


青ピ「ん? 香焼ちゃんと結標さんが立った」チラッ

吹寄「こっち来るみたいよ」タラー・・・

香焼「・・・・・・姫神さんも行きますよ」スッ

姫神「え」キョトン・・・

香焼「更衣室。一人だけ此処に残りますか?」チラッ・・・

姫神「・・・・・・分かった」コクッ・・・


客s『移動した!?』マジマジ・・・

結標「い、急ごう。香焼くん」カアアァ・・・///

姫神「上条くんやインデックスに。見られたくないわ」カアアアァ・・・///

香焼「分かってるっす」サクサク・・・テクテク・・・

土御門「両手に花・・・・・・いや両手に痴女とは羨ましいぜぃ。香焼ボーイ!」ニシシ!

香焼「・・・・・・土御門」チラッ

土御門「物陰でお姉さん二人と[らめぇぇっ!]プレイを・・・・・・にゃあい?」エ?

香焼「今日の事、関係者各位に伝えるっす。特に・・・・・・女教皇様とシルビアさん、オルソラさん、リメエア様あたりに」ジトー・・・テクテク・・・

土御門「ちょ!!? その連中は冗談抜きで止めろっ!!」ギャアアアァッ!!


初春「P。追いますか?」ガガガ・・・

カキP『尺的にカットしよう。次のシーンに移れ』オーバー!
488 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 03:24:22.10 ID:08cNv4YQ0
 ―――PM03:20、『●く●くざぶーんin学園都市』、地中海みたいなプールが一望できるレストラン・・・・・・



 ざぶーん・・・・・



結標「まったく・・・・・・散々だったわ」ハァ・・・

佐天「そ、そうですね」タラー・・・

香焼「あの人は言葉で他人を騙す天才っすから・・・・・・仕方ないっすよ」アハハ・・・

春上「あわきんは素直で良い人なの。騙す人が悪者なの」ムンッ!

結標「分かってたんだけどなぁ・・・・・・あと、あわきん(ry」ハァ・・・

春上「・・・・・・それより、香焼さん。元気になって良かったの」ニコッ

香焼「え?」

春上「えっと、私達の所為だけど・・・・・・ずっと暗い顔してたから心配だったの。嫌われちゃったかなぁって」シュン・・・

香焼「あ、その・・・・・・ごめん。大人げなかったよ」ポリポリ・・・

佐天「い、いやいや。身から出た錆だしさ・・・・・・反省してるよ」ペコッ

香焼「ううん・・・・・・もうそこまで怒ってないから。3人とも心配しないで」ニコッ

結標「香焼くん・・・・・・」ニコッ・・・

春上「良かったね、あわきん」ニコッ

結標「だから・・・・・・ねぇ。何でこの娘さっきから私の事変な名前で呼ぶの?」タラー・・・

佐天「き、気に入られたんじゃないですかね」アハハ・・・

春上「駄目なの? あわきん」ジー・・・ウルウル・・・

結標「うっ・・・・・・だからその顔と目を止めなさい」タラー・・・

春上「分かったの。あわきん。香焼さんも・・・・・・香焼くんって呼ぶの。仲良しなの」ニコッ

香焼「あはは。ありがと・・・・・・あわきん、か」クスッ

結標「こ、香焼くんまで止めてよ!」カアアアァ・・・///


吹寄「悪いムードは去ったみたいね」フフッ

青ピ「・・・・・・こっちは問題やけどね」ハハハ・・・

姫神「もぐもぐ・・・・・・ヤキソバ追加で。からしマヨネーズたっぷりお願い」ドカッ!

土御門「げふっ・・・・・・姫にゃん。重いぜよ・・・・・・」グヘェ・・・

青ピ「土御門くんを椅子代わりにするなんて羨まs、けしからんよ姫さん。変なエクスタシー覚えますよ」ジー・・・

姫神「大丈夫。肉体再生なんて能力持ってる時点で元からマゾ・・・・・・えいっ」グリグリ!

土御門「ぐぅ・・・・・・精神的サドはこういう陵辱シンドイぜぃ・・・・・・」ガッハァ・・・

吹寄「止めなさい! 女の子が無作為に男を足蹴にするの止めなさい!」コラッ!
489 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 03:46:12.29 ID:08cNv4YQ0
香焼「そういえば淡希さん。何時まで此処の施設に居ますか?」

結標「香焼くんが時間許す限りって思ってたけど、何時まで良いの?」

香焼「此処の閉館時間は?」

結標「最終下校時刻過ぎ、9時くらいまでやってるわ。如何する?」

香焼「うーん・・・・・・佐天さん達は何時に?」

佐天「私達は御坂さん達の寮則あるから5時前には出るよ」

香焼「じゃあ、自分達もそのくらいに出ましょうか」

結標「了解」ニコッ

春上「・・・・・・そういえば、初春さん達が見当たらないの」キョロキョロ・・・

佐天「御坂さんと白井さんはさておき、初春は変だね・・・・・・何処消えたのかな」

春上「そろそろ探しに行くの。あわきん達は如何する?」

結標「だから、あわ(ry ・・・・・・私は少しゆっくりしたいわ」

香焼「自分も少し落ち着いてから動きたいな」

春上「分かったの」

佐天「あ、じゃあ携帯の番号教えて貰える? また連絡したいから」ニコッ

香焼「あー・・・・・・今自分持ってないんすよ」ポリポリ・・・

春上「それじゃ、あわきん」チラッ

結標「だか(ry 悪用しちゃ駄目よ」Pi!

春上「うん。寂しくなったら連絡するの」ニコッ

結標「コイツめ」コツンッ

春上「えへへ」アイタッ

結標「偶になら連絡しなさい。あとまぁ悪い男に捉まりそうになったら、ね」ニコッ

春上「はーい」ニコニコッ

佐天「そん時は結標姉御を頼らせてもらいやすぜー! 何ちって」クスッ

結標「あらあら。貴女まで変な呼び方し始めちゃった。せめてお姉さまって呼んで。姉御はイヤよ」フフフ

佐天「ふふっ、りょーかいです。そんじゃ仲間探しに行きますか! 二人とも、また後で!」テクテク

春上「あわきーん。香焼くん虐めちゃ駄目なのー」ノシ

結標「だ(ry ヤレヤレ・・・・・・騒がしい娘達ね」フフッ・・・


香焼「・・・・・・ふふっ」ジー・・・

結標「ん、何かしら?」キョトン・・・

香焼「良いお姉さんだなぁって」クスッ

結標「私は元から良いお姉さんよ?」ニコッ

香焼「はいはい」フフフ

結標「わー。意地悪ー」クスクス


土御門「・・・・・・この映像をカルテッ娘に見せてやりたいぜぃ」ジトー・・・
490 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 04:14:51.11 ID:08cNv4YQ0
結標「そういえば、施設内まだあんまり回って無いわね」

香焼「色々忙しかったっすからね」アハハ・・・

結標「パンフ持ってる?」

香焼「はい・・・・・・どうぞ」スッ・・・

結標「うーん、多い・・・・・・何かゆったり出来るとこないかしら」

香焼「ゆったり、ゆったり・・・・・・スパみたいな温水プールも有るっすよ」ピッ

結標「いいわね。少し温まりたいかも」フフッ

香焼「じゃあそこ行ってみるっすか?」

結標「そうね。じゃあ立ちましょうか」スッ


青ピ「ん? 移動するみたいやね」チラッ

吹寄「どれ。我々も上条達取っ捕まえて皆と合流するか」ヨイショ

姫神「了解。土御門くん。行くよ」ゲシッ

土御門「姫にゃん、まだ怒ってるのん?」タラー・・・

姫神「そう簡単に許すとお思いで?」ジトー・・・

土御門「ま、まぁまぁ。結果的に香焼の機嫌が戻ったんだぜぃ。オーライオーライ」ニャハハ・・・

姫神「私がコスプレというか。意味不明な格好する必要。無かったわよね・・・・・・」ゴゴゴゴ・・・

土御門「・・・・・・こ、今度カミやんと二人きりにさせたげるから許して」タラー・・・



 一方・・・・・



上条「ちょ、インデックスさん!? 御坂さんっ!? このボート一人用なんですけど!!?」グラグラ・・・

御坂「根性見せなさいよ! 男でしょう! 支えてみせなさい!」ギャーギャー!

禁書「短髪が降りればいいんだよ! 私は小柄だから平気なんだよ! ていうか何で此処いるの!!」ギャーギャー!

御坂「なぁにぃおぅ・・・・・・順番的に私の番だったの! コイツがペアだけど『仕方なく』詰めてあげてるのよ!」ギロッ・・・

禁書「じゃあ降りればいいじゃん! ひょうかととうまと私でガ●ラボート乗る筈だったんだよ!!」ガーガー!

上条「だあああぁっ!! うるせぇ!! 揺らすなあああぁああああああっ!!?」グランッ!!

禁書・御坂「「げっ!!?」」ヤバッ!!?


 ボチャンッ!!


白井「お姉さまアアアアぁっ!!?」ウギャアアアァッ!!

風斬「・・・・・・あはは」タラー・・・
491 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 04:45:47.53 ID:08cNv4YQ0
 ―――PM03:45、『●く●くざぶーんin学園都市』、ロトルア天然スパ風プラネタリウムプール・・・・・・



 しゃわしゃわ・・・ざー・・・・・



結標「・・・・・・静かで綺麗なプールね」ヘェ

香焼「ロトルアを真似てるんすね・・・・・・凄いや」オー・・・

結標「ろとるあ?」

香焼「ニュージーランドの地熱地帯が有名な街っす。本物は分からないっすけど、こんな感じらしいっすね」

結標(ニュージーランドって、島よね・・・・・・アフリカの方かしら)ウーン・・・

香焼「如何しました?」

結標「ん、いや何でも・・・・・・人少ないから露天風のスパ入りましょ」ニコッ

香焼「そうっすね」テクテク・・・



*****************************


アニェーゼ「ルチア! 近いうちにオーストラリアかニュージーランドに行く任務無いですか!!」バッ!

ルチア「ありませんね。如何したんです? 一体?」キョトン・・・

アニェーゼ「くっそぅ(ダム)・・・・・・何か妙にスパ入りてぇ気分なんですよ・・・・・・混浴」ボソッ

ルチア「なっ・・・・・・また、あの糞ガキ(ファッキンモンキー)ですか・・・・・・」ギリリ・・・

アンジェレネ「隊長! 近い内に日本で任務ならありますよ。しかも天草と合同です。更に温泉帯らしいです。混浴もあるって」フフッ

アニェーゼ「っ!! そ、そうですか・・・・・・合同なら仕方ねぇですね・・・・・・混浴以外の風呂が『事故』で壊れてたら更に仕方ねぇですよ」フフフ

ルチア「ぐぬぬ・・・・・・うがああああぁっ!! あのチンチロリン、絶対に去勢してやるうううぅっ!!」エエエエエェイィメエエエェンンッ!!


女子寮s(ルチアがプッツンしてる・・・・・・またコウヤギか・・・・・・)ハァ・・・



*****************************



絹旗「・・・・・・にゅーじーらんどって、温かい所ですよね」ネーネー

フレンダ「アンタはいきなり何を聞くの?」ポカーン・・・

浜面「島ってくらいだからマレーシアとかの方じゃね?」

麦野「お馬鹿な浜面くんにしては珍しくニアね」

絹旗「んー・・・・・・スパって何ですか?」キョトン・・・

フレンダ「色んな意味が有るけど、結局メジャーなのは温泉だったりエステトリートメントみたいな訳よ。美容健康療養云々」

絹旗「へぇ・・・・・・良いなぁ」

滝壺「きぬはたきぬはた・・・・・・二人きりなら、小ぢんまりしたお風呂の方が良いよ。水着着ないし、洗いっこ出来るし」ボソッ・・・ニコッ・・・

絹旗「な、なななな、な、なぁっ!!?」カアアアァ///

麦野・フレンダ・浜面「「「ん?」」」ポカーン・・・
492 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 [saga]:2011/04/22(金) 05:03:05.88 ID:08cNv4YQ0
 ぴちゃん・・・・・



結標「うぃー・・・・・・気持ちいわ」フゥ・・・

香焼「親父臭いっすよ」アハハ

結標「温泉入ったら嘆息くらい出るわよ。いつも銭湯で小萌と二人でシンクロ嘆息してるわ」フフッ

香焼「月詠さんまで・・・・・・まぁ此処スパっすけどね」

結標「そうね・・・・・・うん」ボー・・・

香焼「・・・・・・結標さん」

結標「ん?」

香焼「今日、楽しかったっすか?」チラッ

結標「そうね・・・・・・色々有って、疲れたけど・・・・・・楽しかったわ」クスッ

香焼「・・・・・・良かった」フフッ

結標「香焼くんは・・・・・・散々かぁ」アハハ・・・

香焼「そうっすね。正直、スタミナ残ってないっす」ハハハ・・・

結標「・・・・・・連れ回してごめんなさい」ポンッ

香焼「ううん・・・・・・いいんすよ。結標さんが楽しいなら、自分も楽しいっす」ニコッ

結標「・・・・・・相変わらず、甘ちゃんね。人の事ばっか・・・・・・それが貴方なんでしょうけどね」ナデナデ

香焼「や、止めてくださいよ」モゥ・・・///

結標「誰も見てないわよー」ニコニコッ

香焼「む、むぅ・・・・・・」///

結標「そういえば・・・・・・さっきの格好如何だった?」フフッ

香焼「・・・・・・はい?」

結標「せ・い・ふ・く」ボソッ

香焼「な・・・・・・え、えっと・・・・・・」カアアァ・・・///

結標「お姉さん達とどっちが素敵だった?」ウフフ・・・

香焼「・・・・・・」ポリポリ・・・///

結標「はっきり言っても良いわよ。土御門居ないし」ニヤッ

香焼「・・・・・・じゃあ」コホンッ・・・///

結標「うんうん」クスッ

香焼「全部エロいっす。ただエロいだけ」サラッ

結標「」
493 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 05:24:12.56 ID:08cNv4YQ0
香焼「土御門が選んだ衣装に綺麗も何も無いっすよ? 着た者を変態にさせるだけっすから」ウンウン・・・

結標「・・・・・・そ、そうね。私が馬鹿だったわ」ハァ・・・///

香焼「今後気をつけて下さい。一度ターゲットにされると永遠に押し付けしてくるんで」ハァ

結標「わ、分かった・・・・・・(意外とシビアね、香焼くん)」タラー・・・



 ぴちゃーん・・・・・



香焼「・・・・・・でも」ボソッ

結標「ん」

香焼「水着姿は・・・・・・綺麗っすよ」ニコッ

結標「な、あ、そぅ・・・・・・あ、ありがと・・・・・・(素面で臭いセリフ言うんじゃないわよ、馬鹿!)」ポッ・・・///

香焼「ふふふ・・・・・・色々有ったけど温水浸かれて・・・・・・落ち着いたっす」フフッ

結標「そうね・・・・・・私もよ」クスッ

香焼(あ、そうだ・・・・・・忘れてたけど、家帰ったら今日何が起きたのか調べないと)ハッ!

結標「・・・・・・香焼くん」ナデナデ・・・

香焼「な、だ、だから頭を撫でるのは・・・・・・」ムゥ・・・///

結標「おいで」グイッ

香焼「おわっ!?」バシャッ

結標「よいしょっ」ギュッ

香焼「ちょ、待、な、何でしがみ付くんすか!?」カアアァ・・・///

結標「誰もいないわよー。それに・・・・・・泊まりに来た時、一緒に寝た仲じゃない」ニヤッ・・・

香焼「そ、それは、その・・・・・・淡希さんが無理やり・・・・・・抱き枕代わりにしたんでしょ!」カアアァ///

結標「えー? あわきわっかんなーい」フフフ

香焼「だあああぁっ!! 分かった! 分かりましたから、離してくださーい!」ウワアアァンッ!!

結標「んもー・・・・・じゃあこっち向きなら良いでしょ」クルッ・・・ギュッ

香焼「ど、どっちも同じっすよぅ」モー///

結標「勃っちゃっても分からないでしょ。安心なさい」フッフッフッ・・・

香焼「な、何言ってんだこの人!?」///////

結標「だってこの前、香焼くんの[ピーーー]触ったじゃない」ニコッ

香焼「ッッ!! あ、あれは・・・・・・淡希さん・・・・・・その、思い出すの、止めませんか」//////

結標「うっ・・・・・・そ、そうね。私も恥ずかしくなってきたわ」//////
494 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 05:41:22.32 ID:08cNv4YQ0
結標「こほんっ・・・・・・でも、うん・・・・・・抱き心地が良いのは確かよ」コクッ

香焼「嬉しいんだか何なんだか・・・・・・」ハァ・・・

結標「あら、喜んでくれないの?」フフッ

香焼「どうせ『小萌とサイズ近いから抱き易いの』とか思ってるんでしょ?」ジトー・・・

結標「うっ・・・・・・そ、そんな事無いわよー」アッハッハッ・・・

香焼(絶対図星だ)ジトー・・・

結標「ほ、ほら。前にも言ったでしょ。小萌と香焼くんが近いのは・・・・・・身長もだけど、それだけじゃなくて・・・・・・」ギュッ・・・

香焼「・・・・・・」

結標「変な言い方だけど『陽溜り』なのよ・・・・・・その成分を摂取するってのはおかしいかもしれないけど、そんなイメージかな」

香焼「・・・・・・自分は、そんなんじゃ無いっすよ」

結標「勿論何かしらの『裏』に属しているのは知ってる。だけど、それでも・・・・・・暖かいのよ」ニコッ・・・

香焼「淡希さん・・・・・・」

結標「私は貴方からその『陽溜り分』を補給してるの。本人には言えないけど、小萌からもね」

香焼「・・・・・・自分が、救いになってますか?」ボソッ・・・

結標「・・・・・・ええ。救われてる」ポンッ・・・

香焼「良かった・・・・・・なら自分も救われてるっすよ」ニコッ・・・

結標「・・・・・・貴方も、辛いことが有るなら何でも言いなさい。私は味方だからね」ギュウ・・・

香焼「ありがとぅ・・・・・・淡希、さん・・・・・・」クスッ・・・



 ぽちゃーん・・・・・



結標「・・・・・・香焼くん?」チラッ

香焼「・・・・・・スゥ・・・・・・クゥ・・・・・・」スヤスヤ・・・

結標「・・・・・・寝ちゃった」フフッ


姫神「・・・・・・何とも度し難い女ね。貴女は」ハァ・・・


結標「ちょ、いきなりヌルリと現れないでよ!?」ビクッ!!

姫神「安心しなさい。私だけだから」テクテク・・・ピチャッ・・・

結標「もぅ・・・・・・」ハァ・・・

姫神「隣。失礼」スッ・・・

結標「あいよぅ」
495 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 06:02:17.10 ID:08cNv4YQ0
香焼「ムゥ・・・・・・スゥ・・・・・・」クゥ・・・クゥ・・・



結標「相当疲れたみたいね・・・・・・殆ど私の所為だけど」アハハ・・・

姫神「自覚はあるのね。その方が性質悪いわよ」ジトー・・・

結標「悪かったわね・・・・・・性悪ですよーだ」フンッ

姫神「今に始まった事じゃないでしょ。それより・・・・・・」チラッ

結標「ん?」

姫神「・・・・・・寝姿だけ見れば。完璧に女子ね。男の子には見えないわ」フフフ・・・

結標「あんまり言ってやらないの。本人、かなり気にしてるんだから」

姫神「そう。でも・・・・・・男の子って思っちゃうと『あわきんの胸の中で寝てるぜ。わっほぃ☆』って感じでイヤラシイわ」ジー・・・

結標「アンタ偶に毒々しい事言うわよね・・・・・・いいのよ。まだ子供でしょう?」クスッ

姫神「ふむふむ。まだ貴女の中では恋愛対象では無い訳ね。ショタコンのくせに」

結標「喧しい。ショタコンちゃうわ・・・・・・私の周りに集まってるのが年下の男の子が多いのよ。幸か不幸かね」クスッ・・・

姫神「何それ。そういうフィロモン? それとも血?」

結標「知らないわよ。カリスマってヤツ? 要は中二病患ったガキ共が丁度私みたいな馬鹿女の理想に賛同し易いって事かもね」ハッ・・・

姫神「あはは。変なカリスマ。でも人を惹き付ける魅力があるってのは良い事よ・・・・・・少なくとも。吸血鬼が集まるよりはマシね」ボソッ・・・

結標「は?」ポカーン・・・

姫神「・・・・・・冗談よ。気にしないで」フフッ・・・

結標「・・・・・・ホント、良く分かんない女よ。アンタって」

姫神「謎多き女って。素敵でしょ? 無論。貴女もね」ニコッ

結標「ばーか」クスクス・・・

姫神「馬鹿で結構。馬鹿じゃないと小萌先生に拾ってもらえなかったもの」クスッ

結標「あはは。そうかもね」ニヤッ
496 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 06:35:47.92 ID:08cNv4YQ0
姫神「それにしてもその子・・・・・・裏の人間の割には。それっぽくないわね」

結標「・・・・・・え」キョトン・・・

姫神「上条くんに似てるかもしれないけど。それともまた違うわ」フム・・・

結標「ちょ、え・・・・・・えぇっ!?」ビクッ・・・

姫神「何よ?」

結標「あ、秋沙・・・・・・アンタ、な、何で・・・・・・この子が・・・・・・『裏』って・・・・・・」ギョッ・・・

姫神「その子私の事。『吸血殺し(ディープブラッド)』って呼んだでしょ。覚えてないの?」ジトー・・・

結標「そ、そういえば・・・・・・」タラー・・・

姫神「そしてその能力名を知ってるのも一部の人間だけ。因みに貴女にも教えた覚えわないんだけどね。その様子だと知ってるんでしょ?」

結標「い、いやぁ・・・・・・如何だかねぇ」ポリポリ・・・

姫神「嘘が下手ね。土御門くんとあれだけ親密な仲なら考え得るは二つ。恋人。もしくは『裏』側・・・・・・異例として上条当麻」

結標「っ・・・・・・アンタは・・・・・・」

姫神「私は昔お世話になっただけ。ただそれだけよ。言うならば『表』に救い上げてもらったの・・・・・・まぁ私のつまらない話はいいわ」

結標「・・・・・・」ジトー・・・

姫神「邪険にしないで。私は普通の女子高生で。貴女の数少ない友人のつもりよ・・・・・・個人的には貴女が彼と如何知り合ったのか気になる」

結標「うっ・・・・・・色々、あったのよ・・・・・・土御門絡みで。(ホントは私が只管悪いんだけどね)」タラー・・・

姫神「まぁたあの道化師か・・・・・・困ったものね」ハァ・・・

結標「あはは・・・・・・そ、それより、秋沙。アンタ、この子の事どれくらい知ってる?」

姫神「聞いて如何するの?」

結標「いや、その・・・・・・」

姫神「聞きたければ本人か土御門から聞きなさい。私から聞き出そうとするのは筋違いよ」

結標「・・・・・・うぃ」

姫神「でも多分。その子の性格なら『なら淡希さんは秘密喋ってくれる?』って聞くんじゃない? きっとイタチゴッコね」フフッ・・・

結標「・・・・・・別に深くまで知ろうって訳じゃないもの。少し気になる程度よ・・・・・・貴女と同じくらいね」

姫神「あら嬉しい。気に掛けてくれるのね」クスッ

結標「ったく・・・・・・調子狂うわ」ハァ・・・
497 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 06:59:19.40 ID:08cNv4YQ0
結標「まぁ・・・・・・さっき言ってた『裏っぽくない』ってのは同意だわ」

姫神「私の知ってるその子の同僚さんは。もっと危ない感じだったもの」

結標「香焼くんの組織がどんな所かは知らないけど、如何なのかしらね。組織がそういう方針なのか、この子がそうなのか」

姫神「・・・・・・どうかしらね。(宗教人だもの。方針も性格も『そう』なるに決まってるわ)」

結標「でも、ね。さっき・・・・・・悲しい事言ってたわ」

姫神「ん?」

結標「『自分が救いに為れたのなら、それで自分も救われます』だって」ハァ・・・

姫神「・・・・・・そう」

結標「・・・・・・きっとこの子、死んじゃうわよ」

姫神「かもね」

結標「・・・・・・馬鹿な子」ナデナデ・・・

姫神「・・・・・・その子は。貴女のカリスマ(笑)とやらに誑かされた訳じゃないのね」

結標「・・・・・・」コクッ・・・

姫神「寧ろ淡希が惹かれた訳かぁ。そりゃ大変ね」ククク・・・

結標「小萌に近いものを感じたのよ・・・・・・それだけ」

姫神「つまり・・・・・・前にぼやいてた。無愛想でドSな彼と。ダダ甘で優しいこの子とで悩んでいると」

結標「ち、違うわよ馬鹿!! あんなヤツ超々如何でも良いし!! 寧ろ消えろって感じよ!!」ガアアァッ!!

姫神「はいはい。そーですねー」ニヤニヤ・・・

結標「腹っ立つわぁ・・・・・・兎に角、放っておけないのよ。失礼かもしれないけど、姉ごっこでも良いから大事にしてあげたい訳。香焼くんは」

姫神「ふーん。良いんじゃない? ただ2,3年後になっても同じ言葉吐ける?」ニヤッ・・・

結標「この子の成長次第ね・・・・・・色々考えるわよ。色々」ナデナデ・・・ギュッ

姫神「そう。好きになさい。(母性か。慈愛か。恋愛か)」ニコッ


香焼「・・・・・・クゥ・・・・・・ムゥ・・・・・・」ムニャムニャ・・・


姫神「隙だらけ。危ない子・・・・・・」フフフ・・・

結標「とりあえず・・・・・・今は少しでも休ませたいの・・・・・・お休みなさい、少しだけでも―――」
498 :第□話――五和「あまくさっ!」 浦上「どうでしょうっ!」 :2011/04/22(金) 07:08:20.44 ID:08cNv4YQ0
 ―――とある日、時刻不明、場所不明、とある野外・・・・・




建宮「はい。『あまくさどうでしょう@二日目』。如何でしたでしょうか?」ペコッ

建宮「何だかんだで長引いてしまいましたね。安価もあまり取れませんでした。すいません」

建宮「次回は『英国編』に戻りたいのですが、未定です。『@三日目』をするやもしれません」

建宮「それでは例の如く感想質問罵倒意見罵倒提案リクエスト罵倒罵倒等々、よろしく!」

建宮「では・・・・・・さよーならー!」ノシ






カキP「せ〜かいじゅうをぼ〜くらのー。なみ〜だーでうめつーくして〜♪」イキテェーイキータインダー!
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/22(金) 07:35:53.10 ID:jhqhuKtDO
朝まで乙! 姫神にゃんって扱い次第じゃ化けるんだね。良い「あわきん&あいさー」だったぜぃ!
あと春上さんマジ香菜ちゃん。

そろそろツンデレ(アニェーゼ)分が見たいなー。
あとそろそろガチエロ分も欲しいッ! ‥‥って親戚さんにお伝えくださいww
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/22(金) 12:16:51.91 ID:HMX97pSAO
乙乙

最近暗部周りなSSが多いので、
上条さん及びその周辺+美琴及びその周辺
は、逆に新鮮だったー。

しかし、ここの上条さんは香焼くん視点なので、頼れるお兄さんにしか見えないwww
そりゃ、上条さんに逃げるわなwww
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/22(金) 13:13:08.50 ID:jsavXbEn0


でもなんか姫神が作者さんのリメエアと混ざってるような……
502 :>>1 :2011/04/22(金) 22:38:26.09 ID:IkvrmbfU0
こんばんわ。まだまだ寒い日が続いてる気がします。


レス返信!

>>499
姫神の設定ってよくよく考えるとかーなーり、ダークですよね。本編でもいつか『吸血鬼編』有るのかな?
あ、エロの件は伝えておきましょうww

>>500
『暗部』って響きは格好良いですからね。ただキャラの本質を考えるとほのぼのって実は如何かと・・・・・・とか考えちゃいます。
カミやんは年下の男の子と接する機会が無いですからね。個人的に香焼の憧れのお兄さん的設定みたいにしていきたいです。

>>501
姫神は『攻め』は強いけど『受け』は弱い。リメエア姫は人間不信を除けばほぼ完璧、ってなイメージです。
まぁ第一王女に関しては殆どオリキャラ化してますけどねーww


本日は第9話、『英国編』のお話です。
なるべく地の文抜きで頑張ってみたいと思います。ではどうぞ!
503 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/22(金) 23:41:13.97 ID:IkvrmbfU0
 ―――とある日、PM01:00、英国、ランベス宮、女子寮・・・・・




寮の女子が共同で使う応接間(サロン)。簡易キッチンや洗濯機、本棚、コンポ等様々なものが置いてある。
基本的に個室を割り当てられては居るものの、何故か此処へ集まってしまう傾向にある。

この日も、幾名かの女子が屯していた。


レッサー「ふむふむ・・・・・・A来い。A来い・・・・・・」ムムム・・・

アニェーゼ「馬鹿女郎。声に出ちまってますよ」フヒヒ!

サーシャ「お・・・・・・第二の提案ですが、今回の賭け(ベット)は倍にしませんか?」ニヤッ・・・

アンジェレネ「わわわ。だ、駄目ですよぅ・・・・・・さっきと同じで、ね!」タラー・・・

アニェーゼ「成る程。サーシャは強手札。アンジェレネは雑魚手札ですね」ククク・・・


メインテーブルに4人。必要悪の協会(ネセサリウス)名物『カルテッ娘』。
大音量で流行のCDを回し、お菓子を散らかし、修道服をだらしなく着崩しながら・・・・・・トランプ遊びの真っ最中だ。


レッサー「うわぁ・・・・・・ヤッバぃ・・・・・・降りるの無しですか?」ウゥ・・・

サーシャ「第三の回答ですが『No』です。さぁドンドン賭けなさい!」ニヤニヤ・・・

レッサー「ちぇっ・・・・・・2(ユーロ)按排で」ゴソゴソ・・・ポトッ

アニェーゼ「んじゃ始めましょうか・・・・・・ハートの3、誰です?」チラッ

アンジェレネ「私です。じゃあ・・・・・・革命は(Revolution)で」ポンッ

アニー・サーシャ・レッサー『なぁっ!!?』ギョッ!!?

サーシャ「な、え、あ、アンジェレネ・・・・・・そ、それは・・・・・・」ダラダラ・・・

アニェーゼ「アン! 雑魚手札じゃなかったんですか!?」ギャアアァッ!!

アンジェレネ「うん。雑魚だよー。この後も雑魚ばっかりだよ」ニコッ・・・

レッサー「わっほぅいっ!! アンジェっち! 愛してますよぅっ!!」パアアァッ!!

アニェーゼ・サーシャ「「」」チーン・・・


今彼女達は『President & Asshole』、所謂『革命』をやっている。ルールは日本人がよく知るとおり。
今回適用されているのはローカルルールは・・・・・・オーメン、宗教革命、階級革命、8切り、激縛り、完縛り、11バックだ。

因みに掛け金は上限5ユーロ。もしくは相応の菓子類でもOKである。
504 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 00:08:40.92 ID:LzOOXQUS0
 ―――数分後・・・・・・



アンジェレネ「えへへ。いっちばーん」ヤッター!

レッサー「ひゃっほー! ほら払いなさい、愚民共!」キヒヒ!

サーシャ「ぐぬぬ・・・・・・ガムがぁ・・・・・・」ズーン・・・

アニェーゼ「だあああぁっ!! 次は余裕勝ちしてやりますからねっ!! サーシャ早くカード配りやがれってんです」ムッキー!


 一方・・・


シェリー「・・・・・・うっせぇ」ハァ・・・カキカキ・・・

オルソラ「まぁまぁ。此処は皆の場でございますし。子供達の娯楽にも寛容になるべきでございましょう」フフフ

シェリー「まったく、書き物やってるこっちの身にもなれってんだ」ムスゥ・・・

オリアナ「貴女が此処で作業してる方がおかしいのよ。自室でやれば良いんじゃないかしらん?」クスッ

シェリー「コピー機とスキャナー、此処にしか無ぇの。実費で買えりゃあそうしてるわよ」ハァ・・・

オルソラ「講師している大学に必要経費で買わせれば解決でございましょう?」ニヤッ・・・

オリアナ「恐ろしい事言うわね・・・・・・まぁでも、そろそろやっかましいお姉さんが来ちゃうかなぁ」タラー・・・

シェリー「多分、ええ」フフフ


 ドタタタタ・・・・・


シェリー「お。噂をすれば何とやらってねぇ」フフッ


  バタンッ!!


カルテッ娘『・・・・・・ん』ピタッ

ルチア「五月蝿いっ!! 音楽や笑い声、ドタドタ音・・・・・・外まで響いてますよ!!」ドンッ!

アニェーゼ「ルチアの方がうっせぇです。もう少し静かに喋りやがれってんですよ」ジトー・・・

レッサー「そーだそーだ。小皺が増えますよー」ニシシ!

ルチア「・・・・・・黙れ。泣いたり笑ったり出来ない顔にするぞ?」バンッ・・・

レッサー「お、う、うぃ・・・・・・」タラー・・・

アンジェレネ「そ、そのシスター・ルチア・・・・・・今はフリーの時間ですし、私達が何をやっても問題無いんじゃないかなぁって・・・・・・」モジモジ

ルチア「マナーがあるでしょう? 此処は寮です。自分勝手に過ごされては困ります!」ギロッ・・・

アンジェレネ「うぅっ・・・・・・ご、ごめんなさい・・・・・・」タラー・・・


シェリー「おうおう、おっかねぇ」ヒュー!

オリアナ「ふふふ。良いお姉さんじゃない。躾役には適任よ」クスッ

オルソラ「やれやれ・・・・・・」ハァ
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 00:24:12.19 ID:00ECsH3v0
あれ、サーシャはミーシャと違って、ガムあまり好きじゃなかったような……

まあそれはそれとしてカルテッ娘が相変わらず可愛いなあ
506 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 00:44:37.44 ID:LzOOXQUS0
サーシャ「失礼ながら第一の意見ですが、私とレッサーは部外者です」サラッ

レッサー「うぃうぃ」ブーブー

アニェーゼ「うわっ! 汚ぇです! 二人だけ逃げる気ですか!」ギャー!

ルチア「お黙る! 郷に入りては従え。それが出来ないなら追い出すまでです!」

サーシャ「むぅ・・・・・・」

ルチア「それに・・・・・・この菓子の山は何ですか! 先ほど昼食を取ったばかりでしょう! おかわり出来る分のパンはあった筈ですよ」ビシッ

アニェーゼ「甘いもんが喰いたかったんです。菓子の一つや二つでみみっちいんですよ、ルチア。私達の金で買ったもんですよ?」ハァ

ルチア「口答えしない! それから・・・・・・賭け事、していましたね?」ギロッ・・・

カルテッ娘『げっ』ドキッ・・・

ルチア「テーブルの上のユーロ札は一体何ですか?」

アンジェレネ「そ、それはアレです! お布施に使おうかと・・・・・・」ダラダラ・・・

ルチア「ほーぅ・・・・・・なら私が預かっても問題有りませんね?」スッ

レッサー「ちょ、待ってくださいよ! そりゃないですって!」アタフタ!

サーシャ「だ、第一の訂正です! 今のはアンジェレネが言葉を間違えただけですから!」アワワワ・・・

ルチア「・・・・・・では賭け事をしていたと認めるのですね?」ギロッ

カルテッ娘『は、はい・・・・・・』コクッ・・・

ルチア「ハァ・・・・・・あのですね。主に仕える身分の貴女達が我欲塗れの生活をして如何するのです?」ジトー・・・

サーシャ「第一の回答ですが、えっと、リフレッシュの様なもので」タラー・・・

ルチア「リフレッシュに金銭の行き渡しがあるものですか! 貴女達は如何してそう・・・・・・―――」アーダコーダ!

カルテッ娘『・・・・・・ハァ』グデェ・・・


オリアナ「関係無い説教コースが始まっちゃったわね」アララ・・・

シェリー「長くなるぞー・・・・・・今度はアイツの説教BGMで書き物やらにゃならんのかい」ハァ・・・

オルソラ「ああなると、シスター・ルチアは停まらないのでございますよ」アハハ・・・

オリアナ「誰か五和とフロリス呼んで来なさいよ。あの子達ならルチアちゃん止めれるでしょ?」チラッ

シェリー「めんどー。オルソラ、パス」フイッ・・・

オルソラ「彼女達も首を突っ込んでくれないのでは・・・・・・」タラー・・・


ルチア「―――・・・・・・それから、其方で座っている先輩方もです!」ギロッ・・・

シェリー「うわぁ。とばっちり来た・・・・・・」ヤベッ・・・

オリアナ「お姉さん用事を思い出したからこれでぅわっ!!」ガシッ!!

オルソラ「逃がさないのでございますよ」ニコッ・・・
507 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 01:14:23.56 ID:LzOOXQUS0
ルチア「あのですねぇ・・・・・・大人である貴女達が何故、彼女達を叱らないのです! 賭け事までしていたんですよ!」

シェリー「あーうん、そーだねー」ボケー・・・

オリアナ「私は永遠の15歳だしぃ。難しい事分かんなーい♪」ウフフ

シェリー「いや、流石にそれは痛ぇわよ。痴女(ストリッパー)魔術師」ジトー・・・

ルチア「話を聞きなさい! 大の大人が何事ですか!」

オルソラ「まぁまぁ、シスター。少し落ち着いて欲しいのでございますよ。ハーブティーでも如何でございますか?」ニコッ

ルチア「・・・・・・シスター・オルソラ。貴女は常識人だと思っていましたよ」ジトー・・・

シェリー「いや、コイツ結構常識無いわよ、ぅわぁ怖い笑顔・・・・・・」タラー・・・

オルソラ「・・・・・・子供達に寛容に。勿論、後片付けを怠ったり過度なギャンブルをするようであれば注意するつもりでございました」コクッ

ルチア「子供とはいえ修道女でしょう? 更にウチの隊長なんかは立場のある人です。規律ある生活をして頂かなければ下に示しが」

オルソラ「それは間違いでございましょう。隊長の前に、子供です。歪んだ大人にならぬよう伸び伸び育てなければ―――」

ルチア「それこそ間違いでしょう。彼女達は未来を担う修道女です。今の内から規則正しい行いを心がけて―――」

シェリー・オリアナ((お前らは何処の教育ママだっつの・・・・・・))タラー・・・


アニェーゼ「・・・・・・今のうちに面駆りましょう」チラッ

サーシャ「第一の疑問ですが、何処へ?」ボソッ

アンジェレネ「食道なんて如何ですか? 今の時間帯は騒いでも問題無いですし」コクッ

レッサー「了解っ! んじゃ・・・・・・ゆっくり・・・・・・」コソコソ・・・


ルチア「―――つまり、欲から離れた生活を心掛けねば真の教えをば」

シェリー「おーい。ルチア嬢」

ルチア「何ですか!?」ギロッ

シェリー「ん」クイッ

ルチア「はい? ・・・・・・あ」ピタッ・・・


ランシス「あ。テーブル空いてて良かった」ヨイショッ

浦上「丁度良いデスね。今日は麻雀セット持ってきたよーん!」ホラッ!

ランシス「んー、私ルール分かんないよ?」ジャラジャラ・・・

フロリス「私は齧る程度ね。ベイロープがPCでやってるの見たくらいかな」フムフム・・・

五和「点計算は難しいですから、今日はドンジャラ形式で役を教えますよ」ニコッ

浦上「まぁ刺激が無いとつまらないから・・・・・・慣れたら少し、これ(金)賭けましょ」ニヤリ・・・


ルチア「」チーン・・・

オリアナ「・・・・・・お姉さんも混ーぜーて♪」テクテク・・・

オルソラ「あらあら。では私もご一緒に」テクテク・・・

シェリー「なぁルチア嬢。賭けましょ。ああ見えてランシス辺りがビギナーズラックで勝つと思うわ」ニヤッ・・・

ルチア「・・・・・・」プルプルプル・・・



 お前ら一回寮から出て行けえええええええぇっ!!



アニェーゼ「あっちゃー。ルチアブチ切れ状態ですね。暫く放置しときましょ」テクテク・・・
508 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/23(土) 01:59:41.30 ID:LzOOXQUS0
 ―――とある日、PM02:10、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



 パタパタ・・・



香焼「うーん・・・・・・頭痛いっす・・・・・・」グデェ・・・

ステイル「何だ? 風邪でもひいたのか?」カチッ・・・カチッ・・・

香焼「分かんないっす・・・・・・何か最近記憶が曖昧で・・・・・・」ハァ・・・

ステイル「白昼夢か? もしかしてアルツハイマーかもしれないな」ハハハ!

香焼「分かんない。ホント、病院行ってみようかなぁ」スッ・・・ボッ!

ステイル「ん。サンキュ・・・・・・病院に行く前に呪術系の専門魔術師に診察してもらえよ。『黒』なら大事だ」ジジジ・・・フゥ・・・

香焼「え? 自分、何か魔術に罹ってるの?」ビクッ・・・

ステイル「可能性として有り得なくも無いだろう。こんな仕事をしてるんだ」プカプカ・・・

香焼「・・・・・・そっかぁ」クテェ・・・

ステイル「逆に科学側の能力による干渉の場合は何とも出来ないけどね・・・・・・そっちは冥土帰しにお願いすれば問題無いだろう」

香焼「あの先生に頼る事になるのかなぁ」

ステイル「彼は天才だからね。科学側の人間で最も頼れるんじゃないかな」フゥ・・・

香焼「上条さんは?」

ステイル「・・・・・・足手まといだよ。あんなヤツ」ケッ

香焼「つんで・・・・・・そーなのかー」ニヤニヤ・・・

ステイル「その顔を止めろ・・・・・・」タラー・・・



レッサー「やっぱりあんま人いませんでしたね。逃げてきて正解です」フフフ

サーシャ「第二の意見ですが、戦術的撤退ですよ。美学なんです。びーがーくー」ニヤッ

アニェーゼ「美学だろうが田楽だろうが何でも良いですよ・・・・・・って、あ」ジー・・・

アンジェレネ「コォヤギくんとステイルさんだ」ピタッ・・・


香焼「ん? アニー達」

ステイル「喧しいのが来たか・・・・・・」ハァ・・・

アニェーゼ「うぃっす。相変わらずだらしねぇデコボコ野郎共ですね」ニコッ

香焼「悪かったね。君も負けず劣らず自堕落みたいだ、アニェーゼ」ニコッ

アニェーゼ「そりゃそうです。ルールなんて糞喰らえですから」ハハハ

アンジェレネ「アニェーゼちゃん、また怒られるよ・・・・・・あとステイルさん、また食堂で煙草喫ってるんですね」ジトー・・・

ステイル「これから僕が居る半径3m以内は喫煙所という法が出来たんだよ。知らなかったかい?」ニヤッ

アンジェレネ「ほぇ?!」ビックリ!

サーシャ「第一の呆然ですが・・・・・・マグヌス。純粋なアンジェレネを騙さないで下さい」ジトー・・・

アンジェレネ「う、嘘?」キョトン・・・

ステイル「いやいや。そのうちローラに判子を押させるさ。今は仮執行中」プカプカ・・・

アニェーゼ「んな法は破棄ですよ。即効破棄。逆にステイルの煙草禁止法作って貰いましょうよ」ハハハ

ステイル「クソチビ。君は僕を殺す気か?」ギロッ

アニェーゼ「あら? 肺ガンで勝手に死ぬ所を救おうとしているその救世主に向かってその口ですか? デクの棒」ギロッ

香焼「二人とも・・・・・・」ハァ・・・
509 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 02:21:51.92 ID:LzOOXQUS0
レッサー「ま、いつもの事ですよー。しっかし野郎二人は今日もラブラブですねぇ」ポンポンッ!

香焼「ラブラブって・・・・・・」タラー・・・

ステイル「黙ってろ小熊猫。意味が分からない」ジトー・・・

レッサー「そんな事言ってぇ、実は[らめぇぇっ!]とかしちゃってるんでしょう? お・ふ・た・り・さん!」ニシシ!

香焼「馬鹿言うな!」カアアァ///

ステイル「阿呆らし」ハァ・・・

レッサー「こういう素っ気無いステイルっちなんかが実は本気なんですよねぇ」フヒヒ!

ステイル「・・・・・・焼くぞ?」


アニェーゼ「・・・・・・」イライラ・・・

アンジェレネ(アニーちゃん、イライラしてる)ウフフ・・・

サーシャ(第一の疑問ですが、ステイルに嫉妬するって如何なんでしょう?)タラー・・・


アニェーゼ「ふんっ!! レッサー! 野郎共は良いから続きしますよ!」ドカッ!

レッサー「へいへい。ボスがお冠みたいですねぇ」トコトコ・・・

香焼「何してたの?」

アンジェレネ「大富豪だよ。お菓子と上限5ユーロまで賭けられるの」ニコッ

ステイル「態々食堂に来なくても寮で出来るだろう」

サーシャ「第二の回答ですが『喧しい!』とルチアに追い払われました」

香焼「あはは・・・・・・仕方ないね」

ステイル「・・・・・・此処でだって『喧しい』と追い払う人が居るかもしれないだろう」フンッ

レッサー「何処に? 見渡す限りでは居ませんよー」

ステイル「此処(僕)」フゥ・・・

アニェーゼ「食堂はテメェのモンじゃねぇですよ。それにステイルが怒ったって怖くねぇですしー」ハッ!

ステイル「そうか・・・・・・ではまず始めに根性ヤキというモノを教えてやろう、チビ(ロリータ)」ギロッ

アニェーゼ「ほぉ・・・・・・上等です。最近覚えた厚底ローリングソバットを見せる時が来ましたね」ギロッ

アンジェレネ「二人とも、いい加減にしないとオルソラさん呼ぶよ!」メッ!

ステイル・アニェーゼ「「・・・・・・ぅ」」タラー・・・

アンジェレネ「まったく・・・・・・それより二人も一緒に如何かな?」ニコッ

香焼「え? うーん・・・・・・」チラッ

ステイル「掛け金(ベット)を40ユーロまで上げるなら混ざろう」ニヤニヤ・・・

レッサー「お? 珍しく乗り気ですねぇ! そういう思い切りは嫌いじゃないですよーん」フフフ・・・

アンジェレネ「そ、そんな大金駄目だよ!」アワワ・・・

サーシャ「第三の意見ですが、マグヌス。一応遊びの範疇です。賭けは多少の延長に過ぎませんので」

ステイル「それは残念だ」フフフ


香焼(ステイル、カード遊びのイカサマ天才だからなぁ)アハハ・・・
510 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 03:00:58.33 ID:LzOOXQUS0
 ―――とある日、PM02:30、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



 にゃーん・・・・・



ステイル「・・・・・・なんだかんだで五月蝿くなったな」ハァ・・・

香焼「んー・・・・・そうかなぁ」ナデナデ

もあい「なーぅ」スリスリ

ステイル「また連れて来たのか?」フゥ・・・

香焼「今回はもあいが勝手にバックの中に潜り込んでたんすよ。何処でそんな芸覚えたんだか」ハァ・・・

ステイル「どうせ五和か浦上あたりが仕込んだんだろ・・・・・・って、モアイ?」ハ?

香焼「名前っす」ナデナデ

ステイル「そのネーミングセンスは如何かと思うよ」タラー・・・

香焼「別に良いだろ。な」ポンッ

もあい「にゃあい」グシグシ・・・

ステイル「あっそ・・・・・・ハァ」チラッ



アニェーゼ「ほぃ、11バック激縛りっ!!」ポンッ!!

レッサー「ぎゃああぁっ!! く、くそぅ・・・・・・パスです」グヌヌ・・・

サーシャ「では・・・・・・10」ポンッ

アンジェレネ「ジョーカー切りますね」ニコッ!

アニー・サーシャ・レッサー「「「げっ!!?」」」ギョッ!!


キャーリサ「ちょ、私の前で切るとかありえねーし!」ウガアアァッ!!


アンジェレネ「ふふふ。ごめんなさい・・・・・・じゃあオーメン(6のトリプル)出しますね」ニコニコッ

キャーリサ「うわああああぁっ!! 革命封じられたあああぁっ!!」ガーン!!

アニェーゼ「ほぅほぅ・・・・・・姫は4カード持ってるみてぇですねぇ」ニヤッ・・・

サーシャ「第三の推測ですが、今まで出たカードから考えて中途半端な数のセットでしょう」ニヤニヤ・・・

キャーリサ「こ、こら! 口に出すんじゃねーし!」ニャー!



ステイル「ところでさっきから革命ばかり狙っている馬鹿王女は何故居るんだ?」ジトー・・・

香焼「さ、さぁ」アハハ・・・
511 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 03:43:14.79 ID:LzOOXQUS0
キャーリサ「ちぇっ。また大貧民だし・・・・・・ねぇ拘束っ娘。場所変わってよー。ほわほわ娘の後ろだと直ぐ切られるしー」ブーブー!

サーシャ「第三の回答ですが、丁重にお断りします」サラッ

キャーリサ「むぐぐ・・・・・・ポケットマネーが飛んでいく・・・・・・」ハァ・・・

アンジェレネ「え、えっと・・・・・・姫様。駄菓子一個あげますから元気出してください」ニコッ

キャーリサ「むきー! 大富豪に憐れまれたし! くっそー!」ウニャァ!

アニェーゼ「んじゃ私が貰いますね・・・・・・あ、ジャゴリコの新作キムチ味だ! ラッキー!」スッ

キャーリサ「やらねーし! 私が貰ったんだもん!」パシッ! モグモグ・・・「あ、意外と美味しーわ」ゴックン

レッサー「姫さん、アンタは子供っすか」ハハハ・・・

キャーリサ「うんうん。オマエみたいに良い娘が富豪なら世界は平和なのになぁ」ポンポンッ

アンジェレネ「そ、そんな事無いですよ」///

サーシャ「確かに・・・・・・第一の思案ですが、アンジェレネの様な人間が貴族院に居れば色々支持が集まりますよね」コクッ

アニェーゼ「まぁ叩かれますけどね。この子みたいな日和見主義者は」クスッ

キャーリサ「いーんだよ。理想論者はとことん象徴(アイドル)じゃなきゃなんねーんだしさ。周りが守りゃいいのよ」ウンウン

レッサー「おやおや。喧嘩っ早い第二王女さまからその様なお言葉が飛び出すとはねぇ」ヒッヒッヒッ

キャーリサ「ばーろー。仮にも国を纏める仕事に着いてるのよ? 帝王学・カリスマ如何こうは一通り知ってるってーの」ニヤッ

アンジェレネ「おお。姫様格好良いです!」キラキラ・・・

キャーリサ「んふふ。もっと言ってもっと言って」ニヤニヤ・・・


ステイル「・・・・・・馬鹿なんだか冴えてるんだか」ハァ

香焼「よく分かんないけど、あのお方は意外と子供好きなんすね」フフッ

ステイル「まぁ独り身で子がいないからな。あの歳で」ボソッ

香焼「聞かれたら殺されるっすよ」タラー・・・


キャーリサ「さぁさぁ! 次のゲームに移りましょ!」ヨシッ!

レッサー「うーん・・・・・・姫さん。戻らなくて大丈夫なんですか?」ジー・・・

キャーリサ「ん? いいのいいの」アハハ

サーシャ「第五の質問ですが、騎士団長殿やSt.シルビアに見つかると拙いのでは?」

アニェーゼ「私達まで巻き添え説教なんてゴメンですからね」ジトー・・・

キャーリサ「・・・・・・知らねーし。アイツらが出てけってーから出てきたんだし?」フンッ

アンジェレネ「何かあったんですか?」キョトン・・・

キャーリサ「・・・・・・ちょっとね」ハァ・・・
512 :>>1 :2011/04/23(土) 04:41:21.04 ID:LzOOXQUS0
すんません、一度寝ます。
あと9話終了後如何するか・・・・・・ねーちん、むぎのん、このりん話で良い?
リクエスト募集っす。

んじゃまた。ノシ
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/23(土) 11:43:24.72 ID:cbGhyABAO
リクエストー

・五和+美琴+インデックス で何かお話を一つ
・吹寄に上条さんベタ褒め話をしてドン引かれる香焼くん
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/23(土) 12:09:59.71 ID:vvmwt+0AO
乙です

コォヤギくんとアンジェレネメインの話をぜひ!
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 17:19:51.39 ID:CbbfFxrDO
とりあえずレッサーとサーシャのデレが見てみたい。
アニェーゼは常にデレてくれww
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/23(土) 17:21:33.72 ID:66st+ygL0
絹旗とのいちゃらぶが超見たいです
517 :>>1 :2011/04/23(土) 18:01:59.59 ID:ta9I3new0
こんちゃ。グダグダ続き書くぜー。

レス返信。
>>513・・・ねーちんじゃなくて五和を選んだ辺りにセンスを感じる。あとウチの香焼くんは上条さんにお熱なので、立場あ焼くならありえるよww

>>514・・・アニェーゼ抜きの香焼アンジェレネってどんなんだろう?

>>515・・・サーシャはクーデレだけど、レッサーのデレは何デレって言うんでしょうね。因みにいつもデレてるアニェーゼはアニェーゼじゃねぇww

>>516・・・親戚の『If.絹旗アフター』みたいなの? それともただ只管イチャイチャしてるの? もしくは甘酸っぱーいヤツ?


うぃ。書き溜してないからいつものようにダラダラ投下ー。
518 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 18:35:54.95 ID:ta9I3new0
 ―――とある日、PM02:35、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



キャーリサ「何ていうかさぁ・・・・・・私が自分の部屋で何しよーが勝手だろ?」ハァ・・・

アニェーゼ「まぁそうですね。ましてや姫ですし」コクッ

キャーリサ「そうそう。んで部屋を如何使おうが私の自由だと思うのよ」グデェ・・・

レッサー「何か訳有りみたいですねぇ。何か有ったんですか?」

キャーリサ「ハァ・・・・・・さっきね―――」


  《回想》


 ムーブムーブッ!! ゴーゴーゴー! ダババババババッ・・・・・


キャーリサ「だあぁ・・・・・・NPC(ノンプレイヤーキャラ)の動きとれーし! ヴィリアンにでも手伝わせっかなぁ」カチャカチャ・・・


 コンコンッ・・・


キャーリサ「ん? うぇーい。勝手にどーぞー」モグモグ・・・

侍女「エマリナです、失礼します・・・・・・あの、キャーリサ様」ガチャッ・・・

キャーリサ「んー? 何?」チラッ

侍女「お楽しみの最中申し上げ難いのですが、外までゲームの音が漏れてますよ」タラー・・・

キャーリサ「まぁ都市のミニシアターセットでFPSやってるからね。凄ーでしょ! 超立体感!」ドヤッ!

侍女「は、はぁ・・・・・」コクッ・・・

キャーリサ「そうだ! エマリーとかいったな。お前ゲーム出来ねーか?」

侍女「え、ええっと・・・・・・申し訳ありません。子供の頃ゲームボーイくらいしかした事が無いので、その様なハイテクなモノはちょっと」ペコッ

キャーリサ「なーんだ。ツマンネ・・・・・・じゃあヴィリアン見っけて引っ張ってきてくんねーか?」ニコッ

侍女「ヴィリアン様は本日、トンディラン議員の立食会でして・・・・・・あ、珍しくリメエア姫なら宮殿内でお見かけしましたよ」

キャーリサ「あー・・・・・・姉上はダメだ。上手すぎてゲームにならねーよ」タラー・・・


  バンッ!!


キャーリサ・侍女「「え」」ビクッ

エリザード「話は聞かせてもらった! 此処は私が助っ人として参加をぉあ痛たたたたたっ!!?」グヘッ!

騎士団長「ややこしくなるからアンタは混ざるなっての!!」グイッ!!

エリザード「ぐっ・・・・・・きゃ、キャーリサちゃーん。偶にはお母様ともゲームしたいよねー」ニコニコ!

キャーリサ「丁重にお断りだ。母上ゲームなんかする歳じゃねーだろ?」ジトー・・・

エリザード「嘗めるな小娘! 私は『モンバス』プレイ時間、英国bPだぞ!」ハハハ!

キャーリサ「・・・・・・騎士団長。連れてけ」ハァ・・・
519 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 19:20:56.93 ID:ta9I3new0
エリザード「ギャーギャーギャー!」ジタバタ・・・



キャーリサ「さんきゅー」モグモグ・・・

騎士団長「ったく・・・・・・それより、エマリナ。仕事を忘れたか?」ジトー・・・

侍女「あ、いえ、その・・・・・・すいません」シュン・・・

騎士団長「まぁこの人相手だから仕方ないっちゃ仕方ないが・・・・・・やはり侍女長(シルビア)が休みだとストッパーに困るな」ハァ

キャーリサ「へ? シルビア今日休みなの!? やっほおおぅい!!」ガタッ!!

騎士団長「喧しいです。あのですねぇ・・・・・・まず最初に、周りの迷惑考えなさいお馬鹿姫」ジロッ・・・

キャーリサ「何だよ・・・・・・私が私の部屋で何やろーが勝手だろ?」ジトー・・・

騎士団長「お黙る。あのねぇはっきり言います。宮殿内に銃撃音と爆音が響き渡ってるんですよ? 気が気じゃねぇっつの」ハァ

キャーリサ「良いじゃん。軽いBGMだって。な!」アハハ

侍女「う、うーん・・・・・・」タラー・・・

騎士団長「冷戦下キューバのゲリラ戦BGMで平然としてられんのはアンタと女王くらいだよ!」ッタク・・・

キャーリサ「え? 姉上も普通にしてなかった?」

騎士団長「あの方は警戒心が一周して常にワルサー剥き出しに宮殿内闊歩してましたよ・・・・・・マジ怖いし、あのベ●ネッタ」ハァ

侍女「キャーリサ様。せめてイヤホンを着ける等、工夫を」

キャーリサ「それだと私の鼓膜がブチ破れるだろ?」

騎士団長「音量下げるって考えは浮かばないのですか? 馬鹿なの? ・・・・・・それから」ジー・・・

キャーリサ「まだ何かあんの?」ア?

騎士団長「侍女長からの伝言・・・・・・『女王陛下および姫様方の部屋の掃除を』との事です」

キャーリサ「いらね」サラッ

騎士団長「喧しい。黙って言う事聞け。この部屋の散状、自分の両目で見てみなさい」ホラ!



 ごだごだぁ・・・・・



キャーリサ「・・・・・・さ、さっき部屋でトルネードが起こってね! あ、でも自分で片付けするから大丈夫!」アハハハ・・・

騎士団長「信用なりません。アンタあの女王に次いでだらしないですし」ジトー・・・

キャーリサ「ぐぅ・・・・・・で、でもほら! プライベートのモノとか有るしさぁ。彼氏のモノが見つかっちゃったりするとヤベーしね」フフフ

騎士団長「プレミアリーグ懇親会で知り合った元彼(某選手)に『もう付いていけません』って振られて数年、男いないでしょ?」ジトー・・・

侍女「え」タラー・・・

キャーリサ「んでんな事オマエが知ってんのよ!! 言った覚えないわよ!!」

騎士団長「女王が飲みの席でベラベラ言ってました。『いやぁキャーリサに泣き付かれたのは十数年ぶりだったわ』とか」サラッ

キャーリサ「ババァ何処だ!! 舌引っこ抜いてやるぅ!!」ガアアァ///
520 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 21:29:13.60 ID:ta9I3new0
騎士団長「んな事ぁさておき・・・・・・部屋の片付け、させてもらいますよ」ジトー・・・

キャーリサ「・・・・・・ヤダもん。宝箱とか残ってるから見せたくないもん」

騎士団長「何急に乙女返りしてんですか? 気持ち悪い・・・・・・エマリナ。準備してた侍女全員連れてきなさい」チラッ

侍女「え、し、しかし・・・・・・」

騎士団長「この方は放っといて良いから。無理やり引き釣り出すから」サラッ

キャーリサ「この、鬼! 悪魔! 不良騎士!」ガー!

騎士団長「何とでも言ってください、[ピーーー]」ボソッ・・・

侍女「っ!!? ひ、姫さま○○の[ピーーー]選手とお付き合いされてたんですか!?」ギョッ!!

キャーリサ「何でテメェは言うんだよおおぉっ!! 無頓着! そんなんだから『一生良い友人で居ましょうね』って神裂に言われんだ!」ワーン!

騎士団長「ッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・侍女のみなさーん! 入ってきていいですよー!」オーイ!

キャーリサ「畜生(ダム)! 自棄になりたいのはこっちの方だし! こうなったら爆音でベトコン制圧ミッションやってやるからな!」ポチッ!



 ズバババババッ!! ダンッダンッダンッ!! Oh,shit!!!! ドガアアアァンッ!! バダダダダダダッ!! Nooooooooh!!!! Help!! Come'on!!!



侍女「きゃああぁっ!!」グッ・・・

騎士団長「五月蝿ええええええぇっ!! 宮殿内フォンニャット村にすんなっ!! 大馬鹿姫があああぁっ!!」ギャアアァ!!

キャーリサ「あはははははっ!! 逃げる奴はヘタレ給仕と金○無し騎士だ! 逃げない奴はイカレ給仕と戦闘狂騎士だっ!!」カチャカチャッ!!

騎士団長「ああああぁ、もう! 誰でもいいから止められる人連れてきてえええぇぃ!!」イヤアアアァッ!!

エリザード「お! 楽しそうだな! 次2コン貸せよ!」アハハ!

騎士団長「こっち来んな!」ワー!

キャーリサ「あはははははっ!! 次の任務はチェコで殲滅戦を―――」



 ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!!



一同『っ!!?』ギョッ!!?

キャーリサ「ぎゃああああぁっ!! PS5があああぁっ!!」ダラダラダラ・・・・


リメエア「・・・・・・喧しい」ギロッ・・・ガチャッ


キャーリサ「う・・・・・・お、おぅ・・・・・・」タラー・・・

騎士団長「り、リメエアさま・・・・・・」タラー・・・

リメエア「・・・・・・この子は連れ出すから、掃除よろしく」テクテク・・・ガシッ!

キャーリサ「ぐえっ」ズルズル・・・

侍女「は、はい」ペコッ・・・

エリザード「あはは。私に貸さないからこうなるぅううぇっ!?」ガクッ!

リメエア「お母様も行きますよ」ガシッ! グイグイ・・・

エリザード・キャーリサ「「つ、掴むどこ変えで」」ズルズル・・・


騎士団長「・・・・・・宜しくな」タラー・・・

侍女「か、畏まりました」タラー・・・
521 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 21:57:02.06 ID:ta9I3new0
  《回想終了》



キャーリサ「―――・・・・・・てな感じ」ハァ

カルテッ娘『』チーン・・・


ステイル「思いっきり自業自得だな」ハッ

もあい「なー」コクッ

香焼「あははは・・・・・・」タラー・・・


キャーリサ「片付けくらい自分で出来るってーのによぉ。明日やるつもりだったのよ?」ハァ・・・

レッサー「姫さん、そのセリフ毎日言う女でしょう?」ジトー・・・

キャーリサ「い、いや・・・・・・偶にしか言わない」タラー・・・

サーシャ「第一の推測ですが、偶にしか掃除しようという気にならないから偶にしか言わないのでしょう?」

アニェーゼ「そして毎回先延ばし・・・・・・片付けられない女ってヤツですね?」ジー・・・

キャーリサ「ぐ、軍事シュミレーションの掃討戦や残党狩り成績はピカ1だし!」

アニェーゼ「物騒ですね・・・・・・でも自分の部屋のネズミやGの掃討は出来ないんでしょ?」

キャーリサ「ふ、不可能ね」ウ・・・

アンジェレネ「ま、まぁまぁ。アメっこ上げるので落ち着いて下さい」ハイッ

キャーリサ「あんがと・・・・・・しゅわしゅわして美味いな」コロコロ・・・

レッサー「ま、これを機に要らない物とか捨てちゃえば良いんです。王家の物ならオークションに出せばかなり金入るんじゃないですか」ニヤッ

キャーリサ「そんなはした金要らねーし。それに必要無い物なんて無いもん」フンッ

サーシャ「第一の感想ですが、姫君。本当に片付けられない女なのですね」タラー・・・

キャーリサ「・・・・・・違うもん。全部思い出だもん」ムスー・・・

アンジェレネ「あー、それなら仕方ないですね」コクッ

レッサー「アンジェっちは将来片付けられない+メンヘラー決定ですねぇ」ヒヒヒ!

アンジェレネ「わ、私片付け出来るよ! あと、めんへらって何?」ポカーン・・・

キャーリサ「・・・・・・おい、動物マフラー娘。後で屋上」ギロッ

レッサー「い、いやぁ語弊でした! きゃ、キャーリサ姫さまは一つの恋愛を大事にされる方でございますのですのよ!」ダラダラ・・・

キャーリサ「・・・・・・まぁ許してやろう」フンッ///


ステイル「なぁ。メンヘラって何だ?」チラッ

香焼「精神カウンセラー(メンタルヘルス・マネジケア)を受けている人。あとは諸所の恋愛病の女性を蔑む俗称っす」アハハ・・・

ステイル「へぇ・・・・・・神裂とか五和もか」ハハッ

香焼「怒られるっすよ。(悪いけど、オマエもだからな?)」タラー・・・
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 22:10:31.31 ID:00ECsH3v0
インデックスの事かwwww

あと、そのアメはグレープ?サイダー?それともピーチ?
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/23(土) 23:28:01.93 ID:2sin3alAO
ステイルwwwwあの娘の為に生きて死ぬww重いっすよwwwwいや好きだけどね、セリフも考え方も。

ステイルはアンジェにメンヘられるといい
524 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 23:33:24.53 ID:ta9I3new0
アニェーゼ「ところでぇ・・・・・・姫様、どの選手と付き合ってたんですか?」ニヤリ・・・

キャーリサ「え”っ」ギクッ・・・

レッサー「今でも現役の人ですか!? それとも辞めてモデルとかやってる人!!?」グイグイ!

キャーリサ「な、なんでガキんちょに教えなければいけねーのよ!」カアアァ・・・///

サーシャ「第一の持論ですが・・・・・・子供であると同時に女性です。興味アリアリですよ」ニコニコッ

アンジェレネ「凄いなぁ。スポーツ選手とお姫様のカップルなんて夢みたいです!」パアアァ!

アニェーゼ「それでぇ、どの人だったんですかぁ? プレミアリーグって事は・・・・・・うーん」アレコレ・・・

キャーリサ「お、教えねーよ! 絶対教えねーし!」ウガアアァッ///

サーシャ「では第二の提案ですが・・・・・・次の勝負で秘密の情報を賭けるというのは如何でしょう」ニヤッ

キャーリサ「私だけ不利じゃねーか! それにお前達の秘密なんか知っても面白くねーわ!」

アンジェレネ「そうだよ・・・・・・プライバシー云々で危ない事するなって、リメエアさまに怒られたでしょ」タラー・・・

レッサー「そりゃそうですけど・・・・・・アンジェっち。何か知られちゃ拙い事でも?」フフフ

アンジェレネ「な、無いよ!」モゥ・・・

アニェーゼ「まぁ言われてみればそうですね。あのワルサーの銃口は二度と見たくねぇですから、止めときましょう」ハハハ・・・

キャーリサ「あー・・・・・・姉上の自前カスタムワルサーかぁ。ありゃ『選定の剣』や『神雷の槌』より怖ーからなぁ」タラー・・・


香焼「そうなの?」エ・・・

ステイル「知るか・・・・・・あ、ただ噂で『MI:6(イギリス情報局秘密情報部)』の現『12番目(012)』ってのがあったな」アハハ

香焼「え? 『012(Sequence)』って『007』みたいな意味の?」タラー・・・

ステイル「あくまで噂だよ。ジェームズ・ボンドだってフィクションだろ? それと同じさ」ハハッ

香焼「・・・・・・おっかないね」クスッ

もあい「にゃぅ」グシグシ
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 23:36:44.87 ID:CbbfFxrDO
カミやん病患者はメンヘラじゃないけど、その周りがメンヘるんだべ? (苦笑)

でもステイルとアウレオルスは別途でメンヘラーww
526 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/23(土) 23:58:06.40 ID:ta9I3new0
 ―――とある日、PM02:45、英国、イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』内、食堂・・・・・



 にゃーん・・・・・



香焼「あぅ・・・・・・やっぱ頭痛いかも」グデェ・・・

ステイル「やれやれ。神裂か建宮に伝えて今日は寝たら如何だ?」フゥ・・・

香焼「うーん・・・・・・何か最近寝るのが怖いんすよ」ハァ

ステイル「何だ。ホームシックでしたというオチか?」フフッ

香焼「茶化さないでよ。記憶が途切れ途切れって言ったろ」ダラァ・・・

ステイル「・・・・・・やはり大事を取って呪術師に見てもらえ」チラッ

香焼「その人何処に居るんすか?」

ステイル「あー・・・・・・何処だったかな。確か最近引っ越したという葉書が届いたんだが」ポリポリ・・・

香焼「引越し? 必要悪の協会所属じゃないの?」

ステイル「いや、フリーだ。呪術だけならローラと同レベルだよ」サラッ

香焼「へぇ・・・・・・てか、最大主教様クラスって化けモンっすね」タラー・・・

ステイル「ただしあのレベルになると人格的に変人しかいないよ。とりあえず住所教えるから僕の部屋に来てくれ」スタッ・・・

香焼「え」

ステイル「如何した?」ン?

香焼「い、いや何でもない・・・・・・行こう。(ステイルの、部屋?)」ビクッ・・・



サーシャ「―――・・・・・・では、K(キング)を」ポンッ

キャーリサ「よっしゃ! 2! んで・・・・・・Q(クイーン)の革命! 上り!!」ヤッホー!

アニェーゼ「・・・・・・姫さま。ジョーカー入ってやがりますよ」プププ・・・

サーシャ「第4の判断ですが・・・・・・チョンボですね」ニヤッ

キャーリサ「あわわ! ま、待った! お願い! 一回戻して!!」ギャー!

レッサー「どうしましょうねぇ・・・・・・むふふ!」ニヤニヤ・・・

アンジェレネ「如何するにゃー」ナデナデ・・・

もあい「みゃー」フシフシ
527 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 00:19:23.87 ID:AmW0Ua2X0
アニェーゼ「・・・・・・ん?」チラッ

アンジェレネ「アニェーゼちゃん、如何したの?」

アニェーゼ「香焼達は?」キョロキョロ・・・

レッサー「さぁ。煙草でも買いに行ったんじゃないですか?」

サーシャ「第2の疑問です。コーヤギーは買い物の際にも子猫を放置して出て行きませんよ?」

アンジェレネ「うーん・・・・・・如何かしたのかなぁ?」

キャーリサ「大小野郎共ならさっき食堂から出てったわ」シャッシャッ・・・

アニェーゼ「え」

キャーリサ「それより次の勝負は如何する? そろそろ別のゲームにしましょ!」フフフ・・・

アンジェレネ「ええっと・・・・・・」


神裂「姫。こんな所にいましたか・・・・・・トランプ遊びなどに興じてからに」テクテク・・・


キャーリサ「うげぇ。神裂」タラー・・・

神裂「騎士団長殿が探していましたよ。早くお戻りになってください」

キャーリサ「むぅ・・・・・・アイツが追い出したんだし」ムスー・・・

神裂「子供ですか・・・・・・とりあえず女王陛下と一緒に判子押し作業を手伝って貰います。主教室までご足労を」ハァ

キャーリサ「えー・・・・・・姉上にお願いしてよー」ブーブー!

神裂「リメエアさまはヴィリアンさまの分までこなして帰られました。あとはキャーリサさまだけです」ヤレヤレ・・・

キャーリサ「あのメガ姉ぇめ・・・・・・私の分もやれっちゅーに」グヌヌ・・・

アンジェレネ「あの、神裂」

神裂「ん? はい、何か」

キャーリサ「お! 私とまだまだ遊びたいと懇願してくれるのか!」

アンジェレネ「香焼くんとステイルさん、知りませんか?」

キャーリサ「違うんかい・・・・・・」ハァ

神裂「あの二人ならステイルの部屋に行くとか言ってましたよ・・・・・・こら、もあい。頭に乗っからないの」ワトト・・・メッ

もあい「なーぅ」ペシペシ!

カルテっ娘『ステイルの部屋?』キョトン・・・
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 00:46:31.32 ID:WQXjxds90
その場で教えればいいのに、部屋に連れ込むから誤解されるだろ……と思ったが、もしかして術を掛けてる(かもしれない)魔術師に聞かれることを警戒してるのか?
529 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 01:00:56.87 ID:AmW0Ua2X0
神裂「ええ。何かを教えてもらうとか何とか」コクッ

サーシャ「何かを・・・・・・」

アニェーゼ「教えてもらう、だと・・・・・・」

キャーリサ「ねぇねぇ。一体どーしたんだ? お姉ちゃんにも教えてみ」ネーネー

神裂「あとは香焼が休みを取りたいと言ってましたね。調子が悪いようで」ウン

レッサー「ステイルの個室・・・・・・教えてもらう・・・・・・調子が悪い・・・・・・医者・・・・・・はっ!! まさか!!?」ドキッ!!

アニェーゼ「な、何ですか!!?」

レッサー「アイツら、野郎同士で・・・・・・お医者さん[らめぇぇっ!]を!?」ワー!

サーシャ「レッサー・・・・・・阿呆ですね」ハァ

アンジェレネ「香焼くん、大丈夫かな?」ムゥ・・・

もあい「んなぅ」スタッ・・・

キャーリサ「アレじゃね。動物マフラー娘の言うとーりだったりして」ハハハ

神裂「貴女まで馬鹿な事言わないで下さい」ハァ・・・

キャーリサ「まぁ聞け・・・・・・双方にその気が無くても、状況等々によってそういう『一線』が消え去る時があるのよ」ウンウン

サーシャ「第3の質問ですが、それは姫君の持論で?」

キャーリサ「うっせーし! いいから聞け! 兎に角・・・・・・男同士だろーが女同士だろうが、吊橋効果ってのは有るんだよ」ビシッ!

アニェーゼ「つ、吊橋効果、ですか?」

神裂「人が生理的に興奮している時に、自分が恋愛していると勘違いするというモノですね。馬鹿馬鹿しい・・・・・・」

レッサー「ほら、言ったじゃないですか」フンッ

キャーリサ「だから今頃・・・・・・『何だか身体が熱いよ・・・・・・』『服を脱げ。診断だ』的な事を」ニヤッ

カルテッ娘『ッッ!!?』ドキッ///

キャーリサ「いつの間にか全てを脱ぎ捨て、二人は禁断の『アダムとアダム』[らめぇぇっ!]をぉうい痛ああぁっ!!」ゴチンッ!!

神裂「子供達の前で何言い出すんですか! 貴女は仮にも十字教徒でしょう!!」ガアアァッ!!

キャーリサ「ちょ、ちょっと冗談言っただけだし」イテテ・・・

神裂「まったく・・・・・・貴女達もルチアが血眼になって探していましたよ。早く戻った方が・・・・・・って、え?」


アニェーゼ「か、神裂!! ステイルの部屋は何処ですか!!? 教えてください!!」アワワワ・・・

サーシャ「第1の疑念です・・・・・・このままではコーヤギーの[ピーーー]がっ!!」アタフタ・・・

レッサー「ちょ、リアルゲイとか冗談キツいですよぉ・・・・・・薄い本の中だけにしてください」アバババ・・・

アンジェレネ「エッチぃのはまだ早いよ! ましてや同性愛なんて・・・・・・ステイルさん! 貴方も神父でしょう! 冒涜です!」アウアウ・・・


神裂「」チーン・・・

キャーリサ「・・・・・・あはは」タラー・・・

もあい「みー」トコットコッ
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 01:10:34.72 ID:WQXjxds90
あーあやっぱり……というかサーシャが一番あせってるようなwwww
531 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 01:27:35.86 ID:AmW0Ua2X0
神裂「あ、貴女達。今のは姫様の冗談ですから真に受けないでください」タラー・・・

アニェーゼ「神裂! 100%無いって言えますか?!」ギロッ!

神裂「・・・・・・はぁ?」ポカーン・・・

レッサー「よくよく考えてください・・・・・・あの二人はいつもベタベタ。加えてステイルっちの方は女っ気が無い」ビシッ!

サーシャ「第1の捕捉ですが、マグヌスはああ見えて持てます。しかし一向に女性の誘いを断り続けてる・・・・・・分かりますよね?」ジー・・・

神裂「ま、まぁ・・・・・・しかしそれは・・・・・・」

アンジェレネ「神裂・・・・・・此処は二人のお姉さん分である貴女が道を正さないと、取り返しのつかない事になっちゃいますよ!」

神裂「いやいや、大袈裟な」タラー・・・

アニェーゼ「あー、もう良いから! さっさとステイルの部屋の場所教えろってんです!」ダー!

神裂「ステイルの部屋・・・・・・私も知りませんよ」ハァ

カルテッ娘『は!?』

神裂「あの子、用事がある時はいつも自分から来ますし・・・・・・公に知ってるのはローラくらいでしょう」

アンジェレネ「そ、そんなぁ・・・・・・」

サーシャ「では第1の代案ですが、最大主教殿に面会を希望します!」

神裂「そんな簡単に応じれる訳ないでしょう。あの人は気分屋で自分勝手ですが暇人ではないのですよ?」ハァ

レッサー「あーもう! このままコウヤギとステイルが目覚めちゃうまで指を咥えて待ってろって言うんですか!!」イヤー!

神裂「だから・・・・・・いい加減にしないと怒りますよ?」ジトー・・・

アニェーゼ「・・・・・・あ」チラッ

キャーリサ「どったの?」ン?

アニェーゼ「・・・・・・猫!」ビシッ!

アン・サーシャ・レッサー「「「え・・・・・・あ!」」」コクッ


もあい「にゃーん」トコトコ・・・


アニェーゼ「追いますよ!」スタッ

サーシャ「成る程・・・・・・第5の推測ですが・・・・・・後をつければ自ずとコーヤギーの所に着く訳ですね」コクッ

アンジェレネ「そこがステイルさんの部屋! 間違いない!」コクッ

レッサー「やれやれ・・・・・・コウヤギちゃーん・・・・・・今度こそ本気で女の味を覚えてもらわねばいけにゃいみたいだねぇ」テクテクテク・・・

アンジェレネ「レッサーちゃん。処女のくせにそのキャラ・・・・・・いい加減止めよ?」ニコッ・・・ゴゴゴゴ・・・

レッサー「お、おぅふ・・・・・・」ペコッ・・・

アニェーゼ「無駄口叩かない。良いから急ぎますよ!」スタスタ・・・


神裂「・・・・・・」チラッ・・・ジトー・・・

キャーリサ「こ、こっち見んなし」タラー・・・
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/24(日) 01:46:04.76 ID:6VykLypAO
アンはステイルくん呼びの方が好きだなぁ
533 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 01:56:49.14 ID:AmW0Ua2X0

  わーわーわー・・・・・


キャーリサ「えーと・・・・・・じゃあ私もチビッ娘達の保護者代表として一緒にいぐぅへっ!!」グイッ!!

神裂「貴女はローラのとこに行きますよ」ッタク・・・

キャーリサ「えー・・・・・・魔女のとことか怖ーし」ブーブー

神裂「怖いもの知らずの貴女が何を言いますか・・・・・・」ハァ・・・

キャーリサ「怖いモノならいっぱいある! キレた姉上、虫歯、小3,4の時の先公、それから笑顔の父上!!」ブルブル・・・

神裂「国王陛下を引き合いに出さないで下さい。リアクションに困ります」ハァ・・・

キャーリサ「いや、父上の笑顔マジ怖ーわよ!? あの母上が4時間黙りっ放しなんだから!」アワワワ・・・

神裂「そーですか・・・・・・それより、子供達に訳の分からない事教え込まないで下さい」ジトー・・・

キャーリサ「いや、訳は分かるだろ」ウン

神裂「屁理屈を。ステイルも香焼も敬虔な教徒です・・・・・・若年にして多少枯れているのは認めざるを得ないですが、馬鹿な事はしませんよ」

キャーリサ「むぅ・・・・・・でも杖ブーツっ子の言うとおり、100%無いは無いんじゃ・・・・・・」

神裂「120%、ありえません」キッパリ・・・

キャーリサ「・・・・・・」ピタッ・・・

神裂「香焼は、そろそろ恋愛というものを真面目に考え始めてきてますし・・・・・・ステイルは・・・・・・」

キャーリサ「何だ。主教補佐殿は『訳有り』か?」フム・・・

神裂「・・・・・・あの子の根本はいつも『一人の少女』の下に在ります。それは揺るぎません」

キャーリサ「あー・・・・・・そゆ事」フーン・・・

神裂「恋愛を捨て生甲斐に代えたモノの・・・・・・それが枷となってしまっていますが、兎角、彼女しか見ていない彼が同性愛など論外です」

キャーリサ「ふーん、男の子だねぇ。未練がましいってか」トンッ・・・トンッ・・・

神裂「究極の一途は病気。確かに香焼にはステイルのそれを治す術があるのではと期待していますが、その様な歪んだ方法ではありませんよ」

キャーリサ「へぇ・・・・・・友達(ダチ公)って事か」ニヤッ・・・

神裂「ええ。そして・・・・・・彼女達にも期待しています。其方はどの様な形であれ、ね」フフッ

キャーリサ「成る程ねぇ。臭いけど、嫌いじゃないわ。そういうの・・・・・・ただ後者は怪しいけどな」クスッ・・・

神裂「さぁ・・・・・・とりあえず、姫様は今すべき事をしてください。その後であればまたトランプに混ざらても宜しいですから」ニコッ

キャーリサ「あいあい。お勤めしろってねー」スタッ・・・テクテク・・・

神裂「騎士団長殿には聖堂で反省していたとでも伝えてあげますから」フフッ

キャーリサ「・・・・・・止めろ。柄じゃねーわ」タラー・・・

神裂「あらあら」フフフ・・・
534 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 03:59:35.01 ID:AmW0Ua2X0
 ―――とある日、PM02:45、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・


 ガチャッ・・・・・


ステイル「入っていいぞ」ン・・・

香焼「う、うん」テクテク・・・

ステイル「適当に座れ。今調べてやる」カツカツ・・・


正直、無機質で地下阿片窟の様な・・・・・・魔法使いの巣と間違えるくらい灰の暗い煙部屋を想像していた。


香焼「そ、ソファ、座って宜しいでございますか!?」カクカク・・・

ステイル「何処でも良いよ・・・・・・喋りがオルソラみたいになってるぞ?」ム?

香焼「い、いや、あはははは・・・・・・」ガチガチ・・・


やけに広い・・・・・・小さな体育館くらいある。あと確かに無機質ではあるが明るい。オフィス蛍光の様な照明類だ。
床はタダのコンクリではなくモノクロの・・・・・・多分、大理石。その上にキチンとカーペットが敷いてある。
壁は本棚と魔術的な道具が多いが、所々窓が顔を覗かせていて外が見えるようになっている。
高級ホテルにありそうなダブルサイズのベット。簡易キッチンと洗面台。几帳面な彼の性格を現す様に整頓されていた。

それから・・・・・・


香焼「・・・・・・この部屋では煙草喫わないの?」クンクンッ・・・

ステイル「は? 喫うに決まっているだろ。奥のガラスケースにプレミア物の葉巻煙草並べてるのが見えないか?」ホレ

香焼「わ。何かいっぱい有って凄い・・・・・・でもヤニ臭くないよ」

ステイル「換気してるし、香(ブース)も焚く。それから吸煙換気エアコンも取り付けたからな」ン・・・


天井を見遣る。ロフトの様な場所に大きな機械が置いてある。あれの事だろう。


香焼「ほぇ・・・・・・」ポカーン・・・

ステイル「何か飲んで待ってろ。コーヒーで良いか? それとも紅茶?」スタスタ

香焼「あ、うん。紅茶で・・・・・・ステイル」チラッ

ステイル「今度は何だ?」

香焼「あれ・・・・・・」ピッ・・・

ステイル「ん? ああ、アレな」ハハハ


埃を被った、都市製の家電。
103インチのテレビ。新作ゲーム機。テレビに接続できるPCハード。何故か銃・・・・・・そして電子煙草。


ステイル「最新型だからと渡されても、僕はテレビ見ないしPCもそんなに使わないよ」ハァ

香焼「勿体無ぇ」ジトー・・・

ステイル「使ってるのは吸煙機とコンポ、掃除機・・・・・・キッチンの冷蔵庫、風呂場と全自動洗濯機くらいだ」

香焼「ホントだ・・・・・・最近、都市のCMでやってるCDコンポ。でっけぇ」ジー・・・

ステイル「これは重宝してるよ。この部屋は防音完璧だから大音量でも音漏れしない」

香焼「・・・・・・あ、新型のミュージックプレイヤーに曲の取り入れ可能な機器なんだ」ヘー

ステイル「覚えるまでが数日も掛かったが、今では数分と経たず終わらせるよ」クスッ


そういえばステイル、意外と音楽聞くんだっけ。
535 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 04:20:11.98 ID:AmW0Ua2X0
香焼「PCのダウンロード販売覚えると色々楽っすよ」

ステイル「それじゃあその内教えてくれ・・・・・・ほら、紅茶」カチャッ・・・

香焼「さんきゅ」


所々ガラス細工の様なモノが彫ってあるテーブルに紅茶とコーヒーが並ぶ。


ステイル「それじゃあ葉書、葉書っと・・・・・・」カチャッ・・・

香焼「・・・・・・」ソワソワ・・・


流石主教補佐の部屋。正直、気が気じゃない。
自分も都市では良い家に住ませて貰っているが、改めて格の差を思い知った。これが豪邸(部屋)なのだ、と。


香焼「・・・・・・と、トイレ借りて良い?」スタッ

ステイル「ああ、そこのドア・・・・・・そうだ。ユニットじゃないから間違えるなよ」サラッ

香焼「え?」テクテク・・・ピタッ

ステイル「入ってそのまま直進すればトイレだ。右はバスルームオンリーだから気をつけろよ」

香焼「うん、分かった」コクッ


扉を開く。すぐ手前に曇ガラスのスライドドアがある。コレが風呂場。


香焼「・・・・・・今はトイレだ」テクテク・・・


直進。扉・・・・・・中は、普通のトイレだ。安心した。


香焼「でも間取り広いね・・・・・・落ち着かない」ハハハ・・・


用を足し、部屋に戻る・・・・・・前に。


香焼「・・・・・・少しだけ」ソーット・・・


風呂場を見る。


香焼「・・・・・・広っ!!?」エッ!!?


公園の噴水程のバスタブに最新式オール電化システム。ジェットやバブル装置も付いてそうだがとりあえず・・・・・・羨ましい。
536 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/24(日) 04:44:49.13 ID:AmW0Ua2X0

 ガチャッ・・・・・


香焼「いや・・・・・・主教補佐は違うっすね」アハハ・・・ポリポリ

ステイル「風呂場を見たのか? まあ殆どシャワーで済ませてるさ。アレは掃除が面倒だろう」

香焼「そうだけど・・・・・・良いなぁ」ハァ

ステイル「香焼の部屋だって立派だろう・・・・・・そういえば、葉書。見つけたぞ」ホラ

香焼「あ、うん。ありがと。住所分かった?」

ステイル「あー・・・・・・エジプトだ」ハハハ・・・

香焼「・・・・・・はい?」ポカーン・・・

ステイル「忘れてたよ。学会の方で呼ばれてるそうだ・・・・・・ロンドンから出るなと言った筈なのに、馬鹿者め」ハァ・・・


エジプト・・・・・・多分、魔術院か錬金術院だ。あの国には古来からレベルの高い魔道学院が設置してある。
そこから呼ばれたとなると、相当な腕利きだったのだろう。


香焼「うーん、でも困ったっすね」ポリポリ・・・

ステイル「時間が付けばローラに頼んでやっても良いが・・・・・・アレも、何だかんだで忙しいからな」ムゥ・・・

香焼「他に呪術師は居ないんすか?」

ステイル「・・・・・・後は魔術結社に所属するゴロツキばかりだ。当てにならん」

香焼「そっか。まぁ仕方ないね。都市の病院行ってみて結果分かってからまたお願いするよ」コクッ

ステイル「申し訳ないな・・・・・・ん?」チラッ・・・


本棚を見るステイル。立ち上がってそこから一冊取り、パラパラと頁を捲る。


ステイル「簡易検査・・・・・・これか」フム・・・

香焼「何かあったんすか?」

ステイル「・・・・・・専門じゃないけど、陰性か陽性かくらいなら調べられるかもしれない」コクッ

香焼「え?」キョトン・・・

ステイル「件の呪術師の本があった・・・・・・試してみるか?」チラッ・・・

香焼「んー・・・・・・」


ステイル程の魔術師なら信頼に至るだろう。


香焼「じゃあお願いするよ」ニコッ

ステイル「任された。じゃあ工房に移るか」カチッ・・・フゥ・・・

香焼「工房? ・・・・・・ステイルの魔術工房。見せていいの?」キョトン・・・

ステイル「荒らすなら入れないよ。とりあえず付いて来い」ククク・・・カツカツ・・・フゥ・・・

香焼「そ、そんな事しないよ・・・・・・よろしく頼んだ」コクッ・・・テクテク・・・
537 :>>1 :2011/04/24(日) 04:47:41.26 ID:AmW0Ua2X0
今日は此処まで。次回も続きね。

んじゃ例の如く、質問意見等々お願いします。じゃあお休み! ノシ
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/24(日) 10:35:32.61 ID:WQXjxds90
乙!
そろそろ本気でサーシャアフターが読みたいですと
作者様にお伝えください
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 13:43:18.32 ID:RlJA42pDO
やっぱキャーリサは男勝りで根は優しい素直だな。
あとステイルくんマジぼんぼんww誰か玉の輿狙えww
540 :>>1 :2011/04/24(日) 21:19:52.99 ID:c7amqqrK0
こんばんわ。東北はサクラが綺麗ですよ・・・・・・如何でも良いか。
では、続き投下です! どぞ!
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/24(日) 21:25:33.60 ID:4hQaEd8so
来い!
542 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/24(日) 21:43:46.39 ID:c7amqqrK0
 ―――とある日、PM02:50、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、とある大廊下・・・・・



 にゃーん・・・・・



アンジェレネ「猫さん・・・・・・頑張って」テクテク・・・

レッサー「うーん、本当にコウヤギの場所目指しているんですかねぇ」ポリポリ・・・

サーシャ「第1の思案ですが、手掛かりが無い以上この子を頼る以外手はありませんよ」チラッ・・・

レッサー「・・・・・・しかし」ムゥ・・・

アニェーゼ「グダグダ五月蝿ぇですよ。信用出来ねぇってんならテメェ一人で探してみやがれってんです」フンッ・・・

サーシャ「第1に同意します」コクッ・・・

レッサー「わ、分かりましたよぅ・・・・・・」ハァ・・・

もあい「・・・・・・なぅ」ピタッ

アンジェレネ「猫さん?」ジー・・・

もあい「にゃー・・・・・・」トコトコ・・・

レッサー「階段見上げて鳴いてますよ?」ン?

アニェーゼ「こっちは・・・・・・鐘楼への狭道。成る程、盲点です」フム・・・

サーシャ「如何しますか?」チラッ

アニェーゼ「行くしかねぇでしょう。迷ってる間にも首吊り効果だかが早まってあの二人が・・・・・・」キャー!

サーシャ「第1の訂正ですが、吊橋効果です。自殺してはいけませんよ」ハァ

レッサー「わーい。お馬鹿丸出しですねー」フフフ

アニェーゼ「や、喧しいです! さっさと上行きますよ! アンジェレネ、一応『使徒』を起こして魔力反応調べてもらえますか」

アンジェレネ「分かった・・・・・・ブツブツブツ・・・・・・OKです」ポワワァ・・・

もあい「みゃー」スタスタッ・・・トコトコ・・・

サーシャ「む! 猫さんが進みました!」ビシッ

アニェーゼ「私達も急ぎましょう。色々時間がヤベェです」コクン・・・
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 22:07:38.47 ID:WQXjxds90
あの硬貨袋にそんな使い方が……初めて知った
544 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/24(日) 22:31:23.68 ID:c7amqqrK0
 ―――とある日、PM02:55、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・




ステイル「無暗に壁やモノに触ろうとするなよ? 危ないモノもある」カツカツ・・・

香焼「う、うん・・・・・・ルーン文字の魔術書やアクセサリー。それに『黄金』系旧派の魔道書や術式印・・・・・・これ本物?」ジー・・・

ステイル「さぁな。研究中のものだから此処で解析している。多分、偽モノだろう。バードウェ・・・・・・協力者に解読師事を仰いでいる」

香焼「へぇ・・・・・・じゃあこの『剣』は?」キョトン・・・

ステイル「それは間違っても触れるな・・・・・・燃えるよ?」ニコッ・・・

香焼「え”・・・・・・」ギョッ・・・

ステイル「レプリカのレプリカとはいえ『破滅の枝(レーヴァテイン)』だ。扱いも分からず使えば体内から発火だ」ククッ・・・

香焼「・・・・・・」タラー・・・

ステイル「まぁ今此処に在る物は『触れなければ』特に支障は無いモノだけだ。本当に危険なのは『床の下』にある・・・・・・そんなに怯えるなよ」

香焼「りょ、了解」コクン・・・

ステイル「あ、そうそう。間違って『床の取っ手』を見つけても触るな。僕まで危険だ」ジー・・・

香焼「大丈夫っすよ・・・・・・自分が闇雲に好奇心のまま動くタイプに見える?」

ステイル「・・・・・・まぁ君なら問題無いか。とりあえず、机の前の木の椅子に座っててくれ」チラッ・・・

香焼「はいはい」テクテク・・・


ステイル「さ、て・・・・・・必要なモノは・・・・・・アレコレソレドレ・・・・・・」ゴソゴソ・・・

香焼(何か御伽噺の魔法使いみたいだ・・・・・・いや、魔術師ならこれが普通なのか)キョロキョロ・・・

ステイル「ルーンは、危険・・・・・・サバト系も、防止・・・・・・ギリシア神術系、錬金術系、旧新約基調術系はOKっと・・・・・・」モクモク・・・

香焼(凄いなぁ・・・・・・自分の工房って言ったら・・・・・・『刃物部屋』くらいだからなぁ)ボー・・・

ステイル「魔方陣はいらないんだな? じゃあ・・・・・・面倒な。刺青(タトゥー)を書く? ああ、練炭墨で良いのか」ジー・・・

香焼(やっぱステイルは天才なんすよねぇ。自分の1つ年上なんて信じられないや)ハァ・・・

ステイル「・・・・・・よしっ! じゃあ、ローズマリーとコンフリの葉とヒソップの蜜で茶を・・・・・・ん? 香焼」ポンッ

香焼「ひあっ!? な、何!?」ドキッ

ステイル「顔が呆けていたぞ。また頭痛がしたか?」ジー・・・

香焼「う、ううん。違うよ・・・・・・ちょっと部屋のモノに見入っててさ」アハハ・・・

ステイル「そうか。まぁ見入るのは良いが『魅入る』なよ? 魔術関係の『モノ』に魅入る魔術師は大抵自滅する定めだ」フフッ

香焼「気をつけるっすよ」クスッ・・・

ステイル「それじゃあ、そこのカップの『茶』を飲んだら麻のシートの上にうつ伏せになれ。あ、上は脱げよ」カチッ・・・フゥ・・・

香焼「え?」

ステイル「聞いてなかったのか? 彫りモノ・・・・・・まぁ墨でなぞるだけだが、刺青を書く。検査キットが身体に浮かぶ様だ」ジジジ・・・

香焼「あ、うん。分かった」ヌギヌギ・・・

ステイル「じゃあ・・・・・・検査、始めるよ」スッ・・・―――
545 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/24(日) 22:59:05.45 ID:c7amqqrK0
 ―――とある日、PM03:00、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、鐘楼階段・・・・・



サーシャ「第6の質問です・・・・・・此処は普段、誰か出入りしている場所なのですか?」キョロキョロ・・・

アニェーゼ「分かりません。私達も元々は此処(英国)の人間ではありませんから・・・・・・特に第零聖堂の勝手なんてましてやです」コクン・・・

レッサー「魔術で定刻の鐘は鳴らすってのは聞いた事ありますけど・・・・・・人が出入りするか如何かは・・・・・・」ウーン・・・

もあい「・・・・・・にゃ」ピタッ

アニェーゼ「っ!! アンジェレネ!」チラッ・・・

アンジェレネ「魔力反応は、無い・・・・・・でもおかしいよ」ン?

サーシャ「何がです?」フム・・・

アンジェレネ「まったく無いの・・・・・・この聖堂自体、何処でも微量な魔力はあるんだけど・・・・・・数点、まるで0なの」コクッ・・・

レッサー「対策的術式ですか・・・・・・アダになっている様ですねぇ、主教代行殿ぉ」フフフ・・・

もあい「なぅ」トコトコ・・・

アンジェレネ「ね、猫さんが窓に!?」ジー・・・

もあい「みゃーん」カリカリ・・・

アニェーゼ「む・・・・・・私が窓を開けます。サーシャ、侵入者罠に備えてバックアップを」チラッ

サーシャ「・・・・・・了解」スチャッ・・・

アニェーゼ「アンジェレネは引き続きサーチを。レッサーは突入出来る準備をして下さい」チラッ

アンジェレネ「は、はい!」コクッ・・・

レッサー「にゃはは。流石一個中隊隊長殿。指示慣れしてますねぇ」ニヤリ・・・

アニェーゼ「減らず口は後で野郎共にでもぶつけやがって下さい・・・・・・カウント5で」スッ・・・


 4・・・・


レッサー「何が出ますかねぇ・・・・・・リアルゲイだけは勘弁ですよ」グッ・・・


 3・・・・


サーシャ「第2の疑念ですが、あのマグヌスが此処まで自室への接近を許すでしょうか?」フム・・・ガチャンッ!


 2・・・・


アンジェレネ「何かに必死になってて気付かないとか・・・・・・はっ!!」カアアアァ・・・///

サーシャ・レッサー「「ま、まさか!!?」」キャアアァ///

アニェーゼ「五月蝿ぇです!! カウント、1っ!! 行きますよ!!」グイッ・・・


 ―――0ッ!!


もあい「にゃー!」ダッ!!
546 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/24(日) 23:28:37.57 ID:c7amqqrK0
 ―――とある日、PM02:55、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・


 メラメラ・・・・・


ステイル「・・・・・・肩甲骨に天使と悪魔。尾骶骨に獅子の尾。肘から肋に架けて簸れを」スッ・・・スッ・・・

香焼「っ・・・・・・す、ステイル。結構くすぐったいかも」モジモジ・・・

ステイル「黙ってろ・・・・・・む? 宝石が必要なのか・・・・・・大量に有るのは、オパールだが・・・・・・良し。使えるな」ポトッ・・・ポト・・・

香焼「ひっ!! 冷たい!!」ビクッ!!

ステイル「動くな・・・・・・あともう少しで終わる」

香焼「う、うん・・・・・・」モジモジ・・・

ステイル「後は対象者の『血』数滴と、黄金鷲の羽根ペン、浄化の魔術で・・・・・・浄化?」キョトン・・・

香焼「如何したんすか?」エ・・・

ステイル「・・・・・・浄化のルーンで代用しよう」フム

香焼「え!? ちょ、さっきルーン系統は危険って言ってなかったっすか?!」タラー・・・

ステイル「・・・・・・言ってない。大丈夫だよ、無問題」ニコニコッ

香焼「す、ステイルさん! 自分を実験台にしてないよねっ!!? これ検査だよね!!?」ギョッ!!

ステイル「もちろんだともー(棒)」フフフ・・・

香焼「・・・・・・」ダラダラ・・・

ステイル「こほんっ・・・・・・まぁ大丈夫だ。天使の想像の様な厄介なものではない。苦手だが『水』の魔術も心得はあるさ」コクッ

香焼「信じるっすよぅ・・・・・・」ハァ・・・

ステイル「心配なら舌を噛み切る準備でもしておけ。何なら介錯してやってもいい」ククク・・・

香焼「冗談キツいから」ヤレヤレ・・・

ステイル「まぁ無碍にはしないよ。兎に角、大人しく寝ててくれ・・・・・・続けるよ」スッ・・・カキカキ・・・

香焼「んっ!!? ちょッ・・・・・・ひっ!!? ま、れ、や・・・・・・ぎっ!!?」ビクッ!!

ステイル「筆奔終わるまで我慢しろ」カキカキ・・・

香焼「んんっ!! マジ・・・・・・ひ、やっ!!!」プルプル・・・

ステイル「後は白と、山吹色・・・・・・煉獄、大罪の文字りなのか・・・・・・アイツえぐい術式考え付くな」カキカキカキ・・・スッ・・・

香焼「ッゥッ・・・・・・〜〜〜ッ!!」ムキュー・・・ビクンッ!!

ステイル「・・・・・・さて、後は血と『水』だけだな」サッ・・・シュッ・・・ピタッ

香焼「んっッ・・・・・・ふぅ・・・・・・」クタクタ・・・

ステイル「注射器・・・・・・じゃなくてナイフで良いか。香焼、少し指先切るぞ」チラッ

香焼「あ、ぅ・・・・・・任せる・・・・・・」グデェ・・・

ステイル「それじゃあ・・・・・・ん? ナイフは新品にしとくか。使い回しは危険だな。台所に行って来る。動くなよ」テクテク・・・

香焼「うぃ〜・・・・・・」グダァ・・・
547 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/24(日) 23:49:29.77 ID:c7amqqrK0
 ガチャッ・・・・・


ステイル「ナイフ、ナイフっと・・・・・・ん?」ピタッ・・・「誰だ?」カツカツ・・・ポチッ・・・


 ウィン・・・・・


レッサー『いやぁ、存外呆気無いですねぇ。考え過ぎだったんじゃないですか?』アハハ

アニェーゼ『まだ分かんねぇです。この扉を開けたらイノケンさんが「うぼわぁっ!!」って感じで出てくるかもしれませんよ』ジー・・・

サーシャ『そうですね。相手はあの天才マグヌスです・・・・・・抜かってはいけませんよ』コクッ・・・

アンジェレネ『・・・・・・ねぇねぇ。これって、何かな?』ビシッ

アニー・サーシャ・レッサー『『『え?』』』チラッ・・・

もあい『にゃー』カリカリ・・・


 ブツッ・・・


ステイル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で、居る?」ダラダラ・・・



 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  



サーシャ「・・・・・・第5の回答ですが、如何見てもカメラですね。というか、インターホン」タラー・・・

レッサー「魔術的っつーより科学ですよね。てか一般家庭かっての」タラー・・・

アニェーゼ「い、いや、まだ・・・・・・これ自体が罠である可能性も!」ダラダラ・・・


 ピンポーン・・・・・


アニー・サーシャ・レッサー「「「えっ!!?」」」ドキッ!!

アンジェレネ「ステイルさーん。居ますかー? コォヤギくんも一緒かなぁ?」ピンポンピンポン!

アニェーゼ「あ・・・・・・アン!! 何してやがりますかあああぁっ!!?」ギャァッ!!

アンジェレネ「いや、普通にお話を」キョトン・・・

サーシャ「第7の推測ですが、彼が素直に出る訳が・・・・・・」


ステイル『・・・・・・何だ』ガガガ・・・


レッサー「・・・・・・素直に出ましたね」アハハ・・・

サーシャ「」チーン・・・
548 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/25(月) 00:23:46.05 ID:r45AbikP0
アンジェレネ「香焼くん、居ますか?」ニコッ

ステイル『・・・・・・だったら何なんだ?』ガガガ・・・

アニェーゼ「用事有るんですよ。コーヤギ隠してんのは知れてんです! さっさと此処開けやがれ、この[ピーーー]野郎!」ギロッ・・・

ステイル『そうかい・・・・・・じゃあな』ガガガ・・・

レッサー「わああぁっ!! ま、待ってください。主教補佐さーんっ!! 今のはアニェーゼの言葉の綾ですよー!!」ワーワー!

アニェーゼ「別に間違っちゃいなむぐぅ!!?」フガフガ!!

サーシャ「アニェーゼ。今は黙って下さい」ガシッ!

ステイル『・・・・・・香焼はいないぞ。今日は早退して天草のアパートに戻ったみたいだ』ガガガ・・・

アンジェレネ「ねぇ・・・・・・本当?」ニコッ・・・

ステイル『ああ・・・・・・』ガガガ・・・

アンジェレネ「ステイルさん? 潔白なら部屋を見せてくださいよ」ニコニコ・・・

ステイル『し、しつこいよ、君・・・・・・人の部屋にズカズカ入り込むよう教育されてるのか?』ガガ、ガ・・・

アンジェレネ「場合によっては強行でも構わないと、刑法にありますから」ニコッ・・・


レッサー「うわぁ・・・・・・アンジェレネ怖ー」タラー・・・

サーシャ「第2の感想ですが、アクィナスに通じる笑顔ですね・・・・・・」ダラダラ・・・

アニェーゼ「アンを怒らせっとマジで怖ぇですからね・・・・・・今その一歩手前です」タラー・・・


アンジェレネ「ねぇ・・・・・・」ニコニコニコ・・・

ステイル『・・・・・・』ガガガガ・・・

もあい「なぅ」カリカリ・・・

一同『・・・・・・』シーン・・・


 カリカリ・・・


アンジェレネ「・・・・・・」スッ・・・ガシッ

アニェーゼ「あ、アンジェレネ?」キョトン・・・

アンジェレネ「ねぇ・・・・・・開けて?」ガチャガチャガチャ・・・

ステイル『そ、そんなにドアを押し引きしても開かな――』

アンジェレネ「開けてよ」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ・・・・・

一同『っ!!?』ギョッ!!?

アンジェレネ「コォヤギくん、居るよね? 猫さんが教えてくれてるもん・・・・・・ねぇ」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ・・・・・

ステイル『―――い、居ないよ。止めろ、アンジェレネ・・・・・・いい加減に』ガガガ・・・


アンジェレネ「嘘だッッッ!!!」ガンッ!!


アニー・サーシャ・レッサー「「「ひっ!!」」」ビクッ!!

ステイル『なっ!!?』ガガッ・・・

もあい「にゃっ!!?」
549 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/25(月) 00:43:44.66 ID:r45AbikP0
アンジェレネ「如何して嘘つくのかな? 何か疚しい事でもあるんですか?」ピンポーン・・・

ステイル『い、いや・・・・・本当に・・・・・・』ガッガガッ・・・

アンジェレネ「あのね、人間は嘘つくけど・・・・・・動物は嘘をつかないんだよ? ましてや忠賢い動物は尚更ね」ピンポーン・・・ピンポンピンポン・・・

もあい「・・・・・・にゃう」フシフシ・・・

ステイル『ぐっ・・・・・・じ、実は取り込み中で』ガ・・・ガガ・・・

アンジェレネ「それは、何?」ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン・・・・・

ステイル『時間が掛かる事だ・・・・・・それより、アンジェレネ。チャイムを鳴らすの止めてくれ!』ガガ・・・ガ・・・

アニェーゼ「けっ! だからそれは私達が居るとヤバい事なんですかって聞いてんですっ?!」ギロッ・・・

ステイル『だから、そういう問題じゃ・・・・・・』ガガガガー・・・

サーシャ「マグヌス。第1の警告です・・・・・・素直に白状しなさい。でなければ突破します」ガチャンッ・・・

ステイル『ま、待て!! それは困る!!』ガガッガガッ・・・

レッサー「ええぃ、はっきりしないヤツです! 踏み込みましょう!!」ガキッ・・・

アンジェレネ「ねぇ・・・・・・ステイルさん。皆、本気ですよ? 如何します? このまま玄関滅茶苦茶にされたいの?」ニコッ・・・

ステイル『わ、分かった・・・・・・開ける。ただし、大人しくしてくれよ』ガガガ・・・ピッ

アニェーゼ「ええ・・・・・・テメェが潔白なら、そうしましょう」ニヤッ・・・

ステイル『まったく新築部屋だってのに・・・・・・とんだ災難だ・・・・・・』ブツッ・・・


レッサー「良しっ!」ニシシ!

アンジェレネ「ふふっ。ちょろいですね」フッフッフッ・・・

サーシャ「・・・・・・アンジェレネが黒い」タラー・・・

アニェーゼ「それより、良いですか? アイツが何を言っても、入ったらまず大声で香焼の名を呼ぶんです」チラッ

アン・サーシャ・レッサー「「「了解」」」ビシッ

アニェーゼ「反応が無ければ、荒らしてでも探す。反応があれば一目散に其方へ・・・・・・OK?」チラッ

もあい「にゃー」カリカリ・・・

レッサー「ん・・・・・・私はコイツ追ってみますね」ニヤッ・・・

アニェーゼ「成る程・・・・・・任せましょう」コクッ・・・

アンジェレネ「あ。足音だ・・・・・・来るよ!」ゴクッ・・・



 ガチャッ・・・・・
550 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/25(月) 00:53:52.68 ID:r45AbikP0
 ―――とある日、PM03:15、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、ステイル=マグヌスの工房・・・・・




香焼「ステイル遅いっすね。何してんだろ・・・・・・もしかして一人で一服か?」ハァ・・・


 がやがや・・・・・


香焼「ん? 何か五月蝿くなったっすね?」キョトン・・・


 ・・・・・・ヤギー・・・・・・


香焼「・・・・・・ん」チラッ


 こーや・・・・・・コォヤギ・・・・・・ん・・・・・・


香焼「え? な、何?!」ドキッ・・・


 かりかりかり・・・・・


香焼「なっ!!?」ビクッ!


????『此処なんですね! 良し・・・・・・開きます!! みんなー!!』ガチャッ・・・ギギギ・・・

???『なーぅ』カリカリ・・・


香焼「ステイ・・・・・・も、もあい?」エ・・・


 スタッ・・・・・


香焼「・・・・・・は?」キョトン・・・

もあい「にゃんっ」トコトコ・・・

レッサー「見つけま、し・・・・・・た・・・・・・」ピタッ・・・

香焼「レッサー?」ポカーン・・・

レッサー「・・・・・・ぁ」ガクッ・・・

香焼「え?」ポカーン・・・・・・

レッサー「・・・・・・手遅れ、ですか」ペタン・・・

香焼「い、意味が分からないよ」タラー・・・

もあい「みゃー」ジー・・・
551 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/25(月) 01:24:21.55 ID:r45AbikP0
ステイル「お、お前ら! そっちに行くな!!」ガアアァッ!!

アニェーゼ「黙りやがれってんです! レッサー! 今そこに・・・・・・え・・・・・・」ピタッ・・・

サーシャ「ぐぬぬ・・・・・・マグヌス。第3の警告ですが、直ちにそこを退いて下さ、い・・・・・・な・・・・・・」ピタッ・・・

アンジェレネ「男なら腹を決めなきゃダメでしょ! 早く・・・・・・行く・・・・・・の・・・・・・」ピタッ・・・


 にゃーん・・・・・


香焼「皆? ・・・・・・え?」キョトン・・・

ステイル「ったく・・・・・・面倒な・・・・・・」ハァ・・・


アニェーゼ「そ、そんな・・・・・・」ダラダラ・・・

レッサー「・・・・・・手遅れみたいです。見て下さい、あの様を」アアァ・・・

サーシャ「アレは・・・・・・第8の推測ですが・・・・・・黒魔術の生け贄刻印でしょう・・・・・・もしくは旧支配者召喚の為の生け贄」フニャン・・・

アンジェレネ「す、ステイルさん・・・・・・いくら天才魔術師を称するからって・・・・・・友達を犠牲糧にしちゃ・・・・・・おかしいよ」ウウゥ・・・


香焼「・・・・・・ステイル。何コレ?」タラー・・・

ステイル「僕にも分からん。ただ・・・・・・厄介かもしれないね」ダラダラ・・・

香焼「・・・・・・」ポカーン・・・

ステイル「あー、えっと・・・・・・まず話を聞いてくれ。こうなったらキチンと話すから」ダラダラ・・・

アニェーゼ「黙れ外道!!」ギロッ!!

アンジェレネ「見損なったよ、ステイルさん・・・・・・私、貴方の事嫌いじゃなかったのに・・・・・・」ウルウル・・・

レッサー「そんな姿のコウヤギを見るくらいなら、まだリアルゲイの方がマシでした・・・・・・」ガッデム・・・

サーシャ「第7の、判断です・・・・・・マグヌス。貴方をスペインの十字教異端審問院に告訴します」ギロッ・・・

ステイル「・・・・・・ハァ」タラー・・・

もあい「みー」スタッ・・・

香焼「えっと・・・・・・如何してこうなった?」ポカーン・・・

アニェーゼ「コーヤギ・・・・・・無事なんですか? 苦しかったり痛かったりしませんか?」ジー・・・

香焼「は? え、えっと、最近頭痛ってか頭がハッキリしなかったけど・・・・・・何で?」

サーシャ「ま、マグヌス!? 長期間掛けてコーヤギーに刻印を!? 彼が無愛想な貴方でも仲良く接してくれるのを逆手に!?」ギョッ・・・

アニェーゼ「この・・・・・・下衆が」ギリリ・・・

ステイル「・・・・・・今、僕が何を言っても嘘だと言うだろ?」ハァ・・・

アンジェレネ「ど、どうしたら良いの? こ、コゥヤギくんはまだ無事みたいだけど・・・・・・下手に動かしたら、マズいんじゃ・・・・・・」アタフタ・・・

レッサー「か、カンザキか最大主教を呼ぶべきです! 私達じゃ対処出来ません!」グッ・・・

サーシャ「第1の観念です・・・・・・此処は、マグヌスに逆らわないでおきましょう。香焼の身が第一です」ムゥ・・・

香焼「・・・・・・ステイル、説明よろしく」ポカーン???

ステイル「ヤレヤレだ・・・・・・―――」ハァ・・・
552 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/25(月) 01:42:42.95 ID:r45AbikP0
 ―――数分後・・・・・



香焼「ぷっ・・・・・・あははははははっ!!」ケラケラケラ!

ステイル「阿呆らしいのは分かってるから笑うな・・・・・・術式が崩れる」ハァ・・・

香焼「ごめんごめん・・・・・・ふふっ」クスクス・・・

アニェーゼ「コーヤギが・・・・・・壊れた・・・・・・」ガーン・・・

香焼「壊れてないよ、アニー」フフッ・・・

カルテッ娘『え』キョトン・・・

香焼「あー、確かに怪しい術式だから疑っちゃうよね・・・・・・えっと自分が説明すれば良いのかな?」チラッ

ステイル「そうしてくれ。今彼女達の中で、僕は暗黒魔術の使い手らしいからな」クスッ・・・

レッサー「な、何なんですかぁ?」タラー・・・

香焼「あのね・・・・・・―――」アーダコーダ・・・



 にゃーん・・・・・



香焼「―――・・・・・・という訳っすよ」クスッ

カルテッ娘『』チーン・・・

ステイル「だから取り込み中だと言うに・・・・・・馬鹿者共め。人の工房までズカズカと」ジトー・・・

サーシャ「うっ・・・・・・し、しかし! 第3の疑念ですが、まだがマグヌスに洗脳されている可能性も!」アタフタ・・・

香焼「サーシャ」ジー・・・

サーシャ「な、何です」タラー・・・

香焼「自分は正気っすよ。ステイルを信頼してるからお願いしたんだ・・・・・・それ以上は怒るからね」ジトー・・・

サーシャ「うっ・・・・・・す、すいません」シュン・・・

アンジェレネ「・・・・・・でも、それならステイルさん。隠す必要無かったですよ?」ジー・・・

ステイル「まず他の魔術師を自分の工房に易々入れる訳が無かろう。それから・・・・・・」チラッ

香焼「ん?」

ステイル「・・・・・・今、邪魔されたら危険だった。只の検査が本当に黒魔術になってしまいかねない」ハァ

アニェーゼ「素直に話せば邪魔なんてしませんよ!」ニャガー!

レッサー「寧ろ手伝ってたくらいですからね!!」ウガー!

ステイル「貴様ら二人が特に心配だったんだ! ふざけて墨で落書きしたりオパールたらふくブっ掛けたりしそうだろ!」ギロッ・・・

アニー・レッサー「「なっ!!?」」ハ!?

香焼・アン・サーシャ「「「確かに」」」コクッ

アニー・レッサー「「・・・・・・おぅふ」」タラー・・・

もあい「にゃぅ」グシグシ

ステイル「日頃の態度だ」フンッ
553 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/25(月) 02:10:24.73 ID:r45AbikP0
ステイル「兎に角だ・・・・・・君達、皆リビングへ出てろ。紅茶やコーヒーはクッキーはセルフだ」ハァ・・・

カルテッ娘『え』キョトン・・・

香焼「珍しく太っ腹だね」アハハ

ステイル「この部屋を荒されるよりマシだ・・・・・・早く出ろ。アニェーゼ、猫も連れてけ」ギロッ・・・

もあい「なー」トコトコ・・・

アニェーゼ「わ、分かりましたよぅ」ムゥ・・・

ステイル「・・・・・・あ、そうだ。サーシャ。君だけ残れ」チラッ

香焼・カルテッ娘『は?』ポカーン・・・

サーシャ「だ、第7の質問ですが・・・・・・何故ですか?」ポカーン・・・

ステイル「術式の〆(ラスト)に『水』の魔翌力が欲しい。手伝ってくれ」カチッ・・・フゥ・・・

サーシャ「・・・・・・了承しました」コクッ

香焼「何か悪いね、サーシャ。宜しく」ニコッ

サーシャ「い、いえ・・・・・・言い訳がましいですが、先ほど失礼したお詫びですよ」クスッ///


アニェーゼ「・・・・・・私も、『水』、使えますよ?」ムスー・・・

ステイル「君は確かに五大元素全てを使えるが専門家(スペシャリスト)じゃない。サーシャの方が無難だ」ジー・・・フゥ

アニェーゼ「チッ・・・・・・分かりましたよ! 大人しくアッチで待ってます!」ケッ!

もあい「にゃっ!」ピョンッ!

アンジェレネ(わぁ・・・・・・機嫌悪そう)アハハ・・・

レッサー(分かりやすい嫉妬ですねぇ。まぁ本人にはばれてないみたいですから良いですが)クスクス・・・

ステイル「さぁ、君達も行け・・・・・・それからアンジェレネ」チラッ

アンジェレネ「何?」チラッ

ステイル「・・・・・・二人が暴走しない様、頼んだ」コクッ

アンジェレネ「え・・・・・・ふふっ。任されました」ニコッ

レッサー「ぐっ! ステイルちゃーん・・・・・・ホント、失礼なヤツですね!」プンスカッ!

アンジェレネ「ほらほら。紅茶淹れて上げるから、行こ」テクテク・・・

レッサー「・・・・・・サーシャァァー! ドサクサに紛れてコウヤギ愛撫しちゃダメですよぅ痛っ!!」ゴンッ!!

アンジェレネ「馬鹿な事言わないの」メッ!

サーシャ「し、しません!」カアアァ・・・///


ステイル「ハァ・・・・・・やっと続きが出来る」ッタク・・・フゥ・・・

香焼「ゴメンね、面倒かけちゃって」アハハ・・・

ステイル「そう思うなら今度第7学区の地下にある『はまきや』でレアものでも買って来い」ヤレヤレ・・・ジジジ・・・

サーシャ「第1の注意ですが、コーヤギーに煙草を買わせるのは犯罪です。貴方の不良行為に巻き込まないで下さい」ジトー・・・

ステイル「はいはい。それじゃあ・・・・・・〆の手順を説明する。それが終わったら、すぐ始めるぞ」ケシケシッ・・・コクッ

香焼・サーシャ「「うん(了解です)」」コクン・・・
554 :>>1 :2011/04/25(月) 02:17:39.10 ID:r45AbikP0
今日は此処までです。もう少しだけ第H話続きます。
意外とってかやっぱりサーシャの口調大変ですね。『第○の〜〜』って書留しながら書かなきゃなんねぇ(苦笑)


さて、このステイルの部屋で香焼・カルテッ娘達にどんな事をしてもらいたいかリクエスト取ります!
何でも良いよ。[らめぇぇっ!]的なのはちょっと考え物だけど。


では感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントお願いします。特にリクエストじゃんじゃん欲しいじゃん!
それじゃあ、また次回! ノシ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/25(月) 02:22:34.30 ID:MRJp9ngho
乙でした〜
リクエストで五和目線の日常や神裂目線の日常が見たいです
あとステイルと子萌先生の絡みが見てみたい
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/25(月) 02:30:35.57 ID:MRJp9ngho
ゴメン
文章ちゃんと読んでなかった…
リクエストの追加でアニェーゼ達がリビングに行く際にステイルの部屋のさっき香焼に説明をしてた危険な壁や物にいたずらをする
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/25(月) 02:36:19.37 ID:/c0XjzHAO
乙ですよ!
部屋に入ったとなっちゃあガサ入れは必須でしょう

>>514
香焼の鈍感っぷりをなんとかしようとアンジェレネが奮闘する的な感じですかね?
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/25(月) 02:37:40.68 ID:G6N2ZmV10
おつおつ

香焼君がステイルの自慢話してる所みてみたいかな
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/25(月) 02:51:26.81 ID:yAjssKsG0
おっつー

秘密基地だからまず菓子とか携帯ゲーム機とか持ち込んで貰わないと!
あと、橋の下にあるエロ本もな!

リクエストは>>513で書いてるが、追加で
・インデックス、打ち止め、フレメアに振り回されて休日を潰される香焼くん
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/25(月) 05:07:35.39 ID:zr/ncGcAO
アンジェレネだけがステイルの何か秘密を知ってしまうのはどうだろう
その秘密をどう使うかは任せる
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/25(月) 06:39:08.10 ID:8zxx+r2W0
インデックス関連の思い出の品が見つかり、ステイルが過去が少し過去を語る。
アンジェレネには慰められ、残りからの評価が上がる。

微妙にシリアスっぽくかな
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 08:27:34.99 ID:LtIzzr6DO
そりゃまぁカルテッ娘侵略の準備を!
あとは「お風呂」に……入りたいっすよねぇ(2828w
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 08:38:18.36 ID:snDzQBRDO
>>1乙〜


[らめぇ〜]なのはよくわからないけど
カルテッ娘(の主にイタズラ娘)がステイルの魔術的所有物に手を出す
それがたまたま媚薬効果なものだったとかなんとかで
男女比2:4な乱[らめぇ〜]になるかならないかは>>1次第だけど
ピンクな空気になってしまったり〜のなんかヤり〜の


564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/25(月) 23:51:33.72 ID:O326w3Axo
ツイスターゲームだろjk
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 08:23:24.98 ID:YVbv6q8DO
>>564
……!?
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 20:51:05.12 ID:97QUhzTs0
>>564
お前天才か

サーシャの服って絶対食い込むと思うんだが、>>1どう思う?と、作者さんに聞いておいて下さい
567 :>>1 :2011/04/27(水) 20:25:58.79 ID:c5rfxpWU0
こんばんわ、続きを書こう!


レス返信!
>>556 >>557
まぁ危険区域のいたずらは常套手段でしょうねww どのレベルをやるかは・・・うふふ。
あと、アンジェレネに香焼のカミやん病を如何にかできるのかは面白そうですね。対上条属性(笑)の女子生徒の例を考えると・・・(笑々)

>>558
そうですね。香焼はステイルや上条さんの事、好きですからねぇ。(2828w

>>559
個人的な秘密基地の思い出としては、作っている最中野球の練習開始時間を忘れて干された事かなww
リクについてですが、ウチでは禁書さんはチビ枠よりも香焼と同じ年齢枠ですよ。なので多分そこに入るのは……那由他かな。

>>560->>561
アレですね。香焼が言ってた『メンヘラ少年ステイルくん』ですねww えっと……親戚が一度、ステイル×禁書っぽいものを書いてます。
『おやすみ、先輩』ってヤツです。それ見てみてね。自分も多分、書いたらあの程度だよ。(苦笑)

>>562
ふむふむ……来たぜ。ぬるりと……カミやん病特有ラッキースケベお風呂ネタが!

>>563
ヤり過ぎですww ……余談ですが私も親戚も、ポリシーとして不純愛は苦手です。
伏線として強姦や輪姦、殺し愛、浮気愛は入れますが……歪んだ愛はちょっとね。3人以上は、うん。ごめん。

>>564->>566
誰か絵描いて。個人的に見たいww まぁ需要があるので……文章でおこしましょうか。


以上。んじゃ続き如何ぞ!
568 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/27(水) 20:56:13.78 ID:c5rfxpWU0
 ―――とある日、PM04:00、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼私室・・・・・




アニェーゼ「……」イライラ・・・

もあい「なーぅ」プラプラ・・・

レッサー(アニェーゼ、まだ機嫌悪いですね……)チラッ・・・

アンジェレネ(除け者にされたと思ってるんだよ。コォヤギくんの事だから尚更、ねぇ)ポリポリ・・・


 ガチャッ・・・・・


アニー・アン・レッサー「「「っ」」」パッ!


サーシャ「……終わりました」テクテク・・・

ステイル「大人しくしてたかい? 何も壊してないだろうな」ジロッ

アンジェレネ「こっちは大丈夫。問題無いよ」コクッ

アニェーゼ「それより、コーヤギは?!」ガタッ

ステイル「今来る。待ってろ」チラッ


 カツカツ・・・ガチャリ・・・・・


レッサー「あ、来まし……た……うをっ?」ギョッ!

香焼「……ただいま」グデグデ・・・

アンジェレネ「こ、コォヤギ、くん……」ビクッ・・・

アニェーゼ「た、刺青(タトゥー)入ったままなんですか」タラー・・・

ステイル「洗えば落ちる。彫りモノでは無いからね」カチッ・・・フゥ・・・

香焼「でも、何だか身体痛いよ……」ハァ・・・

もあい「にゃー」トコトコ・・・ヨジヨジ・・・

香焼「もあい……上裸だから爪立てて登らないで」イテテ・・・

レッサー「んで、結果は如何だったんですか?」チロッ

ステイル「……呪いに掛った形跡は有ったが、今現在は陰性だ。頭がハッキリしないのはその副作用かもしれないな」ジジジ・・・フゥ・・・

サーシャ「第2の補足ですが、私達には関知できないレベルの『何か』が働いていると見た方がいいでしょう……とりあえず今は無事です」コクッ

アニェーゼ「……そうですか」フム・・・
569 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 21:21:23.68 ID:c5rfxpWU0
レッサー「それにしても、コウヤギ。今の今まで術掛けられてるって気付かなかったんですかぃ?」ジー・・・

香焼「分からないよ。いつそんな事する魔術師に会ったかも気がつかなかったし」ハァ・・・

もあい「にゃん」コクコクッ

ステイル「気付かないだけで、都市の中にも魔術師は云十人は居る。まんまとしてやられた君がマヌケだったのさ」フンッ

香焼「……ごめん」シュン・・・

アニェーゼ「……ステイル。言葉選びやがれってんです。言い方ってもんが有んでしょう?」ギロッ・・・

ステイル「なら『仕方ないね』で済ませれば良いのか? 甘ったれるなよ? そんなんじゃ……死ぬさ」ジジジジ・・・

アニェーゼ「っ」ギリッ・・・

香焼「……うん。分かってる。自分の落ち度っすよ」コクッ

サーシャ「第1の解析ですが……今回の呪いは攻撃性ではありません。その点は不幸中の幸いでしょう」チラッ

レッサー「ま、間違って壊死魔術みたいなのを喰らってたら御釈迦でしたからねぇ……気を付けて下さいよ、ホント」ハァ

香焼「うん。心配掛けてごめん」ペコッ

もあい「んなー」ペチペチ

アニェーゼ「……」ジー・・・

アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん。兎に角無事だったんだから、喜ぼうよ。ね」ニコッ

アニェーゼ「えぇ……ハァ」ドサッ・・・

ステイル「ふんっ……ところで香焼」チラッ

香焼「ん?」

ステイル「いつまでその恰好でいるつもりだ?」ジトー・・・

香焼「は?」ポカーン・・・

サーシャ「第1の忠告ですが……先程マグヌスが洗い流せると言ったでしょう」ハァ

香焼「あ、そっか」コクンッ

ステイル「さっさと入って来い。タオル類は適当に使え。機器の使い方は基本都市製のモノだ」アーダコーダ・・・

香焼「うん、了解。じゃあお風呂借ります」クルッ

もあい「……にゃっ」ピョンッ!

レッサー「あ、にゃんこ逃げた……そうだ! コウヤギ!」バッ!

香焼「今度は何す―――」



  カシャッ・・・・・



香焼「―――か、ぇ?!」ビクッ!?

一同『っ!?』ビクッ!
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 21:35:10.83 ID:dfTMYwtE0
レッサー、また余計な火種を…………面白くなりそうだwwww
571 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 21:41:42.23 ID:c5rfxpWU0
レッサー「いやぁ、ステイルっち。デジカメを拝借しちゃいましたー」ニシシ!

ステイル「……阿呆」ハァ・・・

香焼「な、何撮ってるのさ!?」ジトー・・・

レッサー「折角コウヤギがオモロい恰好してますからねぇ……アンラ・マンユみたいな」アハハ

サーシャ「第9の質問ですが、何故拝火教の絶対悪なのですか? アレは爬虫類の恰好でしょう?」ハテ?

アンジェレネ「サーシャちゃん。ツッコむ所そこじゃないよ」アハハ・・・

レッサー「何となくですよ、何となく」ニャハハ

香焼「はぁ……とりあえず行ってくるっす」テクテク・・・


 ガチャッ・・・・・


レッサー「……さて一同。後でこの写真上げますね」ニヤッ・・・

アニー・アン・サーシャ「「「なっ!!?」」」ドキッ!

ステイル「……馬鹿だな」ハァ・・・

もあい「なぅ」ヨジヨジ・・・

アニェーゼ「い、要りませんよ! そんなもの!」フンッ!

レッサー「あっそ。じゃあアンジェっちとサーシャにゃんと主教補佐殿にだけ上げようか」ニヤニヤ・・・

ステイル「僕をカウントするな、阿呆」テクテク・・・ドサッ

サーシャ「……頂きましょう。ワシリーサへの土産になります」フフフ・・・

アンジェレネ「うーん……私はコォヤギくんが良いよって言ったら貰おうかな」ニコッ

アニェーゼ「ぐぬっ……」ウギギ・・・

レッサー「……あるぇ? アニー隊長、ホントに要らないんですかぁ?」グイグイ・・・

アニェーゼ「べ、別に……その……」ウッ・・・

レッサー「アンジェレネ、サーシャ! よく見て下さい。何かこう、恰好良いですよねぇ。下手なコスプレよりずっと良いです」ニヤニヤ・・・

アン・サーシャ「「そうですねー……チラリ」」チラッ

アニェーゼ「……ま、まぁ。如何してもって言うなら……貰ってやっても良いかなぁなんて」ゴニョゴニョ・・・

レッサー「ふひひ! 毎度ありー」ニコッ!

ステイル「おいレッサー。それ僕のカメラだぞ?」ジトー・・・

レッサー「分かってますよー。お借りしただけですって。あ、ノートPCも借りますよー」ルンルンル〜♪

サーシャ「第1の実況ですが……既に器用に取り込みをしていますね。呆れるほど早く」ハハハ・・・

もあい「みー」フシフシ
572 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 22:01:39.00 ID:c5rfxpWU0

 一寸後・・・・・


レッサー「はいプリントアウト完了でーす!」ドーンッ!!

アニー・アン・サーシャ「「「おおぉ」」」キラキラ・・・

ステイル「何故君はそんなに機械に精通してるんだい」ハァ

レッサー「今の時代小学生でもPC検定3級は持ってますよ。んじゃ配りますねー」ハイハイ・・・

サーシャ「……何だか、心成しか加工してある様に見えますが」ジー・・・

レッサー「フレーム付けたり光源補正程度なら誰でも出来ますよ」コクコクッ

アンジェレネ「へぇ……レッサーちゃん、デキる女だねっ!」キラキラ!

レッサー「いやだなぁ褒めても何も出ませんよぅ」ニヤニヤ・・・

アニェーゼ(……すかいぷ、ってのが有れば何処で誰とでもお話出来るんですよね。覚えましょうか)フムム・・・

レッサー「それにしても、ステイルっち」ジー・・・

ステイル「今度は何だ?」ハァ

レッサー「Dドラに何も入ってませんよ? ツマんないです」ヤレヤレ・・・

ステイル「ずっと埃被らせてたPCに馬鹿な期待するなよ」コッチガヤレヤレダ・・・

アニェーゼ「そういえば、立派な機械いっぱい持ってやがるのにどれも埃被ってますね」キョロキョロ・・・

ステイル「悪かったな。アナログ人間なんだよ。冷蔵庫、洗濯機、台所、掃除道具、風呂。便利であるべきなのはコレくらいだろ」

アンジェレネ「んー……ねぇ、ステイルさん。少し弄ってみても良い? 勿論、壊す様な事はしないから」チラッ

ステイル「勝手にしてくれ」ハァ・・・ゴロンッ

もあい「みゃー」トコトコ・・・モフンッ



 わいやわいや・・・・・



ステイル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・…………………………いやいやいや。というか何故君達がまだ此処に残ってるんだ!?」バタッ!

カルテッ娘『へ?』ポカーン・・・

もあい「にゃん」ビクッ!
573 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 22:26:42.64 ID:c5rfxpWU0
アニェーゼ「何故って……紅茶やクッキーは自由だって言ったじゃないですか」キョトン・・・

ステイル「それは待ってる間だろう? もう用事は済んだんだ。さっさと帰れ」ジトー・・・

サーシャ「むっ。第10の質問ですが、ではコーヤギーは特例なのですか?」ムゥ・・・

ステイル「アイツもシャワーを終えたら帰す。長いさせる必要はないからな」フンッ

レッサー「なーんか……ムカつきますねぇ」ジトー・・・

アンジェレネ「ま、まぁまぁ……とりあえずもう少ししたら帰るので、ちょっとだけ。ね」ニコッ

もあい「みゃーん」クルクル・・・

ステイル「ったく、如何して君達はこう珍しいものに惹かれるのか……―――」


 Prr! Prr!


カルテッ娘『え』キョトン・・・

ステイル「チッ……風呂のインターホンだ……如何使うんだったか」アタフタ・・・

レッサー「此処の赤いボタンで選択。下の大きいので決定ですよ……ほいっ」ポチッ!

ステイル「……何で知ってる?」タラー・・・


香焼『あー、ステイル? 間違ってバスタブにお湯出始めちゃったんだけど……これ止まらないの?』ガガガ・・・

ステイル「ハァ……仕方ない。そのままにしておけ。後で処理する」マッタク・・・

レッサー「あー、カメラもうちょい下映せます?」ニヤニヤ・・・

香焼『れ、レッサー!? 変な事言わないでよ!!』モゥ///

レッサー「えっと此処のレバーで調整をしでででででででででぇっ!!? た、叩かないで下さい!!」アダダ!

アニェーゼ「いい加減にしやがっれってんです! 変態女!!」カアアァ・・・///

香焼『あはは。アニェーゼ、さんきゅー』プツンッ・・・

レッサー「痛ー……はたきの柄で殴る事ぁ無いじゃないですか」ブーブー!

サーシャ「自業自得ですね」アハハ

アンジェレネ「それより……さっきのお風呂。かなり大きかったね」チラッ

ステイル「うっ……」マズイ・・・

レッサー「見た目噴水くらいありましたもんねぇ……ステイル殿ー」ニヤリ・・・

ステイル「さ、さぁな。滅多に入らないから覚えてないよ」タラー・・・

アニェーゼ「さーて、と。まだ煙草臭くないステイルの上着探しましょうか。私達にとってはワンピース代わりになりますからね」サクサク・・・

ステイル「ふざけるなっ」ハァ・・・

もあい「……なー」コロコロ・・・
574 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 22:51:29.92 ID:c5rfxpWU0
 ―――とある日、PM04:20、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼私室、バスルーム・・・・・



 ジャアアアアアァ・・・・・


香焼「あー……臭いは消えたけど、まだ墨跡取れないや」ゴシゴシ・・・


 コンコンッ・・・・・


香焼「ん? はい」チラッ

レッサー「はぁわぃゆぅ?」ガチャッ・・・

香焼「」

レッサー「あ、気にしなくて良いですよ。お風呂見に来ただけなのでうをおおぅいっ!!?」グンッ!!

アニェーゼ「ああああ、ああ、ああ、あ、あ、アンタって人は!! だ、男性が風呂場入ってるでしょう!!」カアアァ///

レッサー「あぁ、首がオカシイ……もぅ御堅い人間ですねぇ。そのくらい分かってますよ」ハァ・・・

アニェーゼ「仮にもクリスチャンでしょう! 不貞の極みです! 少しは女性らしく恥じらいなさいよ!」マッカッカアアァ///

レッサー「イギリスの十字教は不倫から始まったっていう格言もありますしー……あ、うん。杖出さないで、ごめんごめん」アタフタ・・・

アンジェレネ「レッサーちゃん。危ないからそういう事言うの止めようねー」ジトー・・・

サーシャ「第3の提案ですが、中に居るコーヤギーに調べて貰えば良いでしょう。何故レッサーが態々入るのですか」ジー・・・///

レッサー「いやぁスンマセン。んじゃコウヤギっち」チラッ

香焼「」

レッサー「あれ? 固まってる」ホェ?

アニェーゼ「こ、香焼!? 大丈夫ですか?!」ドキッ・・・




 キャアアアアアアアアァッ!!




ステイル「ヤレヤレ、黄色い悲鳴だな。誰よりも甲高い……風呂場で裸を見られたか? まったく……男のくせに」ハァ・・・




 ステイルううううぅっ!! コイツら連れてってえええええぇっ!!




ステイル「っせぇ!!」アベヒロシ風ゥッ!!

もあい「んなー」ハァ・・・
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 22:55:05.13 ID:uh5WYEODO
黄色い悲鳴だな。ソプラノの甲高い声だ。幼い肢体でも見られたのか?



だが、男だ。
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/27(水) 23:13:31.34 ID:zW639xV+o
こんな可愛い子が女の子のはずがない
577 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 23:18:25.73 ID:c5rfxpWU0
 ―――とある日、PM04:30、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼私室、バスルーム・・・・・




香焼「……しくしく」ゴロンッ・・・

もあい「にゃー」ペチペチ・・・

ステイル「何してるんだ、君は……人のベッドの上で大の字うつ伏せなって啜り泣かないでくれ」ジトー・・・

香焼「女の子怖いよぅ……」ウウゥ・・・

ステイル「知るかアホ」カチッ・・・フゥ・・・



 Prr! Prr!



ステイル「……えー」タラー・・・

香焼「……如何したのさ」ウルウル・・・

ステイル「アイツら、マジで勝手に風呂入ってるのか?」ダラダラ・・・

香焼「だからさっき言ったじゃん……てか出ないの? 通話に」チラッ

ステイル「……カメラモード切って、通話に出てくれ」ホレ

香焼「えー……」タラー・・・

ステイル「言わせて貰うが、今日オパール何粒使ったと思う?」ニコッ

香焼「うん。僕出る!」ダラダラダラダラ・・・



 Pi!



香焼「はい。どうしたの?」


レッサー『アンジェレネ! 実は隠れ巨乳ですか!!?』ガガガガ!

アンジェレネ『ば、馬鹿な事言わないでよー!! 私達皆Aカップ以下でしょぅ!!』ガガガガッ!!


香焼・ステイル「「」」

もあい「……なぅ」ハァ・・・
578 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/27(水) 23:46:57.97 ID:c5rfxpWU0
アンジェレネ『そ、そんな事言ったらサーシャちゃんだって着痩せしてたじゃん!』ジロッ

サーシャ『だ、第1の言い分ですが、わ、私の場合は馬鹿上司の所為で窮屈な思いをしてるだけです!!』カアアァ///

レッサー『しっかし、それなりの膨らみかけがある分二人は良いでしょう。隊長さんなんて……ハァ』ガッカリ・・・

アニェーゼ『あ、ンタ……ねぇ……』プルプルプルプル・・・///

サーシャ『それから第2の解析ですが、レッサー! 私達の中では貴女が一番大きいでしょう!!』ギロリ・・・///

レッサー『比例で考えたらアンジェっちですよ! 私最近身長増えてるのに……胸に来ないんですってば!!』ウガアアァッ!!

アニェーゼ『るっせぇレッサー!! フォン入ってるだろぉがあああぁっ!!』ガアアアァ///

レッサー『へ? ……あ』キョトン・・・


香焼(相手したくねぇ……)ダラダラ・・・

ステイル(何でコイツら来たんだ……悪魔だ。きっと悪魔の仕業なんだ)ダラダラ・・・

レッサー『あはは、スイマセン。お恥ずかしい所をお聞かせしましたねぇ』ニャハハ!

香焼「……で? 何か御用で?」ハァ・・・

レッサー『あのですね、ヘアブラシ、出来るだけ大きいヤツ無いですか?』

香焼「ステイル、有る?」チラッ

ステイル「ヘアブラシねぇ……僕ので良いなら」スッ

レッサー『まぁ文句は言いませんよ。ちゃんと洗って返しますから。あ、勿論洗うと言ってもアs』

アニェーゼ『言わせるかボケええええぇっ!! 兎に角! 全員長髪なので厄介なんです! ブラシとドライヤー風呂前に置いといて!』Pi!


香焼「……だって」チラッ

ステイル「君が持って行け」ヤダ!

香焼「ステイルが行ってよ」ヤダ!

香焼・ステイル「「……」」ジー・・・


もあい「にゃん」スタッ!


香焼「……最初はグー!」バッ!!

ステイル「なっ!!?」ギョッ!!?

香焼「ジャンケン、ポンッ!!」バッ!!



冷蔵庫『安価――― >>580・・・負けたのどっち!』ドーン!
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/27(水) 23:50:11.15 ID:fwhD/TBS0
香焼くん以外に誰がいる
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/27(水) 23:51:05.67 ID:uXlFu0aAO
香焼に決まってる
581 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/28(木) 00:15:41.08 ID:+xLhQydT0
香焼「ほいっ!」  ※パー!

ステイル「ふんっ」 ※中指・人差し指・親指立て!


 にゃーん・・・・・


香焼「お、ま……それ反則だろ!!」ギョッ!!?

ステイル「米英ではこれチョキだから」サラッ・・・

香焼「嘘付け!! 絶対反則だろ!!」ガアアァッ!!

ステイル「CIA直属の特殊部隊員が使った伝説の手だ」ヘーン!

香焼「オマエそれ核ブチ込まれるぞ!!」キイイイィッ!!


 Prr! Prr!


ステイル「読んでるぞ。いいからさっさと行け! また騒がれる!」ハァ・・・

香焼「マジ……これでオパールの代金チャラにしろよ」タラー・・・

もあい「にゃー」テクテク・・・ヨジヨジ

ステイル「猫も一緒に行くってさ。ほら、ドライヤーとブラシだ」ククク・・・

香焼「こ、の……ハァ」トボトボ・・・
582 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/28(木) 00:25:16.83 ID:+xLhQydT0
香焼「……何かもう、嫌な予感しかしないもん。ドアから変なオーラ出てるし」ジー・・・


 ゴゴゴゴゴ・・・・・


香焼「……ハァ」スッ・・・


 ガチャッ・・・・・


香焼「そーっと……此処に置いておけば良いかな」スッ・・・

もあい「にゃっ」トンッ!

香焼「あ、こら! それで遊ぶな!」メッ!


 ガチャッ・・・・・


香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」ギギギギ・・・


アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」バッタリ・・・



 にゃーん・・・・・



香焼「え、あ、の……アンジェレネ、さん……何故、其方(トイレ)から出てくるのでせうか……」ダラダラダラダラ・・・

アンジェレネ「あ、わわ……そ、の……おしっこに、行きたく、なって……ちょこっと……出て……」カアアアァ・・・///

香焼「……」ギギギギ・・・

アンジェレネ「ひゃ、ぁ……」////////////////////////////////

香焼「ま、待―――」



 キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!!



香焼「」ダラダラダラダラ・・・
583 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/28(木) 00:40:27.73 ID:+xLhQydT0
香焼「―――じ、事故! み、見てない!!」アタフタ///



ガチャッ!!



香焼「なっ!!?」ビクッ!!?


アニェーゼ「アンジェレネ!! 何かありまし、た……か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぇ」バッ!!

香焼「」チーン・・・

アンジェレネ「あ、アニェーゼ、ちゃん……」ペタン・・・///

アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」チラッ・・・

香焼「……アニェーゼさん……話、聞いてくれますか?」ダラダラダラダラ・・・

アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見ました?」ジー・・・

香焼「……ずっと目ぇ閉じてました」グッ

アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私とアンの生えてるのも、見てないんですね?」ジー・・・

香焼「え? どっちの生えてな―――」



アニェーゼ「見てんじゃねぇか!! 変態野郎おおおおおおおぉっ!!」////////////////////////////////////////////////////

アンジェレネ「いやああああああああああああああああぁっ!!」///////////////////////////////////////////////////////



香焼「―――ちょ!? アニー今の謀ったろ!!?」カアアアァ///

アニェーゼ「るっせぇ!!! テメェだって生えてなかったじゃねえかよおおおおおおぉっ!!!」ガアアアアァ///

香焼「オマ、自分だってさっきちゃっかり人の裸見てたんだな!!!」ギャアアアアァッ///

アンジェレネ「もぅ良いからコォヤギくん! 早くアッチ行ってよおぉ!!」////////

アニェーゼ「この発情駄犬っ!! 変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態変態、超へんたああああいっ!!」バンッ!!

香焼「だから、押すな馬鹿!!」アワワワ///

もあい「にゃっ!?」ビクッ!

香焼「も、もあい危ないって!!」グラッ!!

アニェーゼ「死ねえええええええええええええええぇっ!!」ドンッ!!

アンジェレネ「あ!!」ギョッ!!

香焼「そ、そっち押すとっ……あ……ッッ」ゴロンッ!!



 ドサッ・・・バシャッ・・・・・
584 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/28(木) 01:02:25.33 ID:+xLhQydT0
香焼「痛て……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」チラッ・・・



レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ピタッ・・・

サーシャ「こ、コーヤギー!!?」ドキッ///

香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ダラダラダラダラ・・・

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ジー・・・

香焼(れ、レッサー、無言……)ダラダラダラダラ・・・


アニェーゼ「こ、こらっ!! 何でお風呂入るんですかっ!!」///

香焼「あ、アニーが蹴ったんだろ!!」タラー・・・

アンジェレネ「あ……れ、レッサーちゃん?」タラー・・・


レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・・

香焼(無言で立ち上がったあああっ!!?)ダラダラダラダラ・・・

アニェーゼ(や、ヤバイ!! レッサーの性格からしてコーヤギが[らめぇぇっ!]されちまいますっ!!)バッ!!

サーシャ「あわわ! こ、コーヤギー! 猫さんが私の頭の上にぃ!!」アタフタ///

香焼「え、えっと……」タラー・・・



 にゃーん・・・・・



レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」イソイソ・・・チャポンッ・・・

一同『え?』キョトン・・・

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キュッ///

一同『……』ポカーン・・・

レッサー「こ、コウヤギ……み、見ないで、ください……」カアアアァ//////////////////////////////////////////////////////////////

香焼「」チーン・・・


アニェーゼ(同じ『S』だから分かる……レッサー普段私よりSぶってるから『いざっ!』って時に、きっとマジで打たれ弱ぇんです)タラー・・・
585 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/28(木) 01:23:09.47 ID:+xLhQydT0
アンジェレネ「と、兎に角! コォヤギくん早く出てって!!」///

香焼「わ、分かってる!!」タタタタ・・・

サーシャ「こ、コーヤギー! 猫さんを!!」///

香焼「う、うん!」アタフタ・・・

レッサー「こっち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来ないで下さい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ブクブクブクブク・・・///

香焼「さ、サーシャ! もあいをこっち投げて!!」アワワワ・・・

サーシャ「だ、第1の危惧ですが、そ、その……投げたら丸見えになってしまいますっ」カアアアァ///

香焼「じゃ、じゃあ洗ってあげて!」///

サーシャ「む、無理ですよぉ……」///

アニェーゼ「さっさと動け変態発情わんこーやぎ!!」ガンッ///

香焼「は、発情してない!! てかその恰好で押さないでよ!!」カアアアァ///

アニェーゼ「コッチ見んな!! ルチアに言いつけますよ!!」ギロッ///

香焼「ま、マジで去勢されるから許してよおおおぉっ!!」イヤアアアァ///

レッサー「こっち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・見ないで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キュッ・・・///

香焼「何処に目をやればいいのさっ!?」ワアアアァンッ!!

もあい「にゃっ!?」グラッ・・・ポチャンッ

サーシャ「あっ!? ね、猫さん!! 落ちた!!?」アタフタ・・・///

アンジェレネ「もういい! 私が猫さん出しておくからコォヤギくん早く行って!!」スタスタ///

香焼「そ、その方が良い! だからアニェーゼ離せ!!」アワワワ・・・

アニェーゼ「今離したら裸見られちゃうじゃねぇですかっ!! 絶対ぇ嫌です!!」カアアァ///

香焼「さっき自分の事ちょこっと見たんだろ! お相子だ!! 極力見ないから出させろ!!」ダアアアァッ!!

アンジェレネ「アニェーゼちゃんも少しガマンしなさい! コォヤギくん出てけば解決するから!」ンモー!!

もあい「にゃっ! みゃっ!」ガシッ!!

サーシャ「ひぃっ!!? 何処触って!!」ザバッ・・・・ア・・・



 にゃーん・・・・・にゃっ!



香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アニェーゼ離せええええぇっ!! 眼前にモロアウトがあああぁっ!!」カアアァ///

サーシャ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第4の警告です。あと2秒以上私の全裸を見たら水槍術式で風穴開けます」プルプル///

香焼「ふ……不幸だあああああぁっ!!!」ギャアアアァッ!!
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/28(木) 01:42:36.51 ID:1Jp7k5xC0
オイオイ、レッサーちゃン可愛いじゃねェか
587 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/28(木) 01:54:36.40 ID:+xLhQydT0
 ―――とある日、PM05:00、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・




ステイル「やっぱり行かなくて正解だったな」ハハハハ・・・ゴシゴシ

もあい「みゃんっ」ゴシゴシ・・・


アニェーゼ「マッッッジで、如何責任取らせてやりましょうか……」ギリリ・・・///

アンジェレネ「動かないで、髪編めないから……とりあえずルチアさんには黙っておこうよ、可哀想だから」ハァ・・・///

サーシャ「この恥辱……第4の提案です……もうコーヤギーをワシリーサに渡しましょう。如何料理されるか見物です」グヌヌ・・・///

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ボー・・・///

アンジェレネ「レッサーちゃん……大丈夫?」タラー・・・

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぇ」ポー///

アニェーゼ「私もサーシャも大概Sですけど、此処まで極端な両刃メンタルは初めてですね」ジトー・・・

サーシャ「アニェーゼ。第10の意見ですが、人を勝手にサドマゾで判断しないでください」ハァ・・・

アンジェレネ「と、とりあえず、もう大丈夫だからね。冷たいもの飲んで落ち着こ」ポンッ・・・

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ」コクッ///

サーシャ「ハァ……第11の質問ですが、当のコーヤギーは何処へ?」キョロッ・・・

アンジェレネ「そういえば居ないね。追い出してからどっか見てないけど」ウーン・・・

アニェーゼ「……まさか逃げやがったんじゃ!!?」ギロッ!!


ステイル「逃げてないから安心しろ」ボソッ


カルテッ娘『え』キョトン・・・

ステイル「玄関ら辺で『同士』に慰めてもらってるさ」ハハハ

アニェーゼ「同士……」ヘ?

サーシャ「何の、です?」ム?

ステイル「同じ境遇の阿呆にだよ」ククク・・・
588 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/28(木) 02:19:06.63 ID:+xLhQydT0

 にゃーん・・・・・



香焼「―――……だからね、言ったんす……不慮の事故だって。なのに……アイツら……」ウルウル・・・

上条『あー、うん。分かる……そうなっちまったもんは仕方無ぇもんな……俺もこの前さ―――』グチグチ・・・



 トウマー!! ナンジダトオモッテルノー! ウルサインダヨー!! ニャー! 



アンジェレネ「………………成程。納得しました」ジー・・・

アニェーゼ「あのアンラッキーマンの事慕ったりするから変なのが感染るんです!」ケッ!!

サーシャ「第5の推測ですが……もしや謎の呪術は『幻想殺し』と関わりがあるのでは!?」ジトー・・・

アンジェレネ「それでコォヤギくんが変な風に?」エッ!?

アニェーゼ「いや、だったら逆でしょう。あの男は呪いとか魔術とかとは真逆の人間です」ウーン・・・

レッサー「裸、見られました・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・パパにも、見られた事無いのに」ウルウル・・・///

サーシャ「れ、レッサー。第4の懇願ですが……そろそろ元に戻って」タラー・・・



 ソトデッテッテヨー! ヨナカダケドカミツクゾー! ミー!



香焼「―――……うん。ええ……如何したら良いか……やっぱり潔く切腹してケジメを……」ウウウゥ・・・

カルテッ娘『っ!!?』ギョッ!!


上条『い、いや、それは全然潔くねぇぞ……誰も納得しないさ、自刃なんてのは』ハァ・・・

香焼「じゃあ、如何すれば……」ハァ・・・

上条『素直に謝れって。許してくれなくても謝れ。そういう状況で男に出来るのはそれだけだ』デンワゴシニ・・・キリッ!

香焼「素直に……」

上条『確かに俺らのは事故かもしれない。だけどやっぱり……男が悪いんだよ。ただ責任取れる程、俺は立派じゃない』ハハハ・・・

香焼「そ、そんな事!」

上条『いいや、そうなんだ……だから謝る。金や物、自身の能力(チカラ)責任は取れない。そんな財産染みたモノ無いからな』

    『……だけど本気で悪いって思ってるなら、気持ちで示せる。熱意を持って謝るんだ……それが上条さんが出した悟りですよ』アハハ・・・

香焼「……分かりました」コクッ・・・

上条『まぁまた何かあったら連絡してくれ。ただし……時差考えてくれよ』フワアアァ・・・

香焼「はい。夜分遅くすいませんでした」ペコッ・・・Pi!


カルテッ娘『……』ジー・・・
589 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 :2011/04/28(木) 02:38:46.42 ID:+xLhQydT0

 にゃーん・・・ガチャッ・・・・・


香焼「……」テクテク・・・

ステイル「……プラス9時間の時差か。アチラは2時過ぎだぞ」ククク・・・

香焼「……うん」テクテク・・・

ステイル「……ヤレヤレ。工房へ行ってくるよ」クスッ・・・


カルテッ娘『……』ジー・・・

香焼「……皆」ボソッ・・・

アニェーゼ「何か?」チラッ・・・

香焼「態とでは無いんす。でも……見てしまったものは事実……」グッ・・・

サーシャ「……で?」ジー・・・


香焼「……」スッ・・・ペコッ・・・


カルテッ娘『ッッ!!?』ギョッ!!

アンジェレネ「こ、これは!!?」ドキッ!!

レッサー「じゃ、ジャパニーズ・DOGEZAスタイル!!!」ビクッ!!

香焼「ごめん……」フカブカー・・・

アニェーゼ(ど、如何しましょう……DOEGZAは日本人の自殺一歩手前の最終誠意と、浦上が言っていました)タラー・・・

サーシャ(こ、コーヤギー。私達の裸の為にそこまでの決意を……)ウッ・・・

香焼「ごめんなさい」ペコリー・・・

アンジェレネ「……コォヤギくん」ジー・・・

香焼「……」フカブカー・・・

アンジェレネ「顔見て、話そ。そんな死にそうな顔で謝られても嬉しくないよ」ニコッ

アニェーゼ「……そうですね。面戻してくださいよ」ハァ・・・クスッ

香焼「……」スッ・・・

サーシャ「まぁ……私達も見てしまったと言えば見てしまいました……手打ちで済ませましょう」コクッ・・・

レッサー「……」モジモジ・・・

香焼「レッサー……」シュン・・・

レッサー「……私も……控えます」ボソボソ・・・

一同『え』キョトン・・・

レッサー「旦那様以外には、全裸見せる気は無いんです……だから私もセクハラ減らしますから……もう見ちゃ駄目ですよ」///

香焼「う、うん……ごめんね」ニコッ・・・

レッサー「次見たら……せ、責任取らせますからね! 覚えておいて下さい!!」カアアァ///

アニェーゼ「……」イラッ・・・

サーシャ(レッサーが……デレた!?)ギョッ!!

アンジェレネ(あと、アニェーゼちゃんはいつも通り嫉妬してるね)アハハ・・・


もあい「にゃーん」クルクル・・・
590 :>>1 :2011/04/28(木) 02:41:43.61 ID:+xLhQydT0
すいません。今日は此処で終了! お風呂回で盛り上がり過ぎたww
そしてまさかの『レッサーやっちまったキャラ崩壊』だぜぃ!! わふー!!

……すいませんっした。

次回はリクエスト通りいたずらやらツイスターやらベット占領やりますね。
それでは例の如く色々コメよろしく! んじゃまたねー! ノシ☆
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/28(木) 02:46:51.09 ID:kmIm+zIAO
レッサー可愛い
アニェーゼ可愛い
アンジェレネ可愛い
サーシャ可愛い

何が言いたいかというと>>1乙!

しかし香焼のラッキースケベは本家を越えてるなwww
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 03:06:05.64 ID:jkfsFxMDO
乙! まさかのレッサーにやられました。こりゃアフタールート入ったねww

>>591
総じて同意。本家よりハードなのは香焼自身もセクハラされてるからか?!
つまり香焼まで可愛いと来てるという事‥‥卑怯っ‥‥圧倒的卑怯っ!!
これで女装なんかされた日には、もう‥‥
ステイルも早く二週目の馬鹿ステイルなっちまえ!
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/28(木) 04:01:27.02 ID:X5B0kQTH0
もとはと言えばアンジェレネがトイレ行ってたのに持ってこいと言ったレッサー達や
一糸纏わずトイレに行ったアンジェレネにも非はあるはずなのに
言い訳せずに誠意を尽くして謝るとは上やん以上のお人好しっぷり。

いじらしいじゃないか可愛いじゃないか後ろから抱きしめてナデナデしたいぞ
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 08:39:51.76 ID:cym4lSzDO
何このレッサー……可愛いじゃないか……///



いや、俺には佐天さんが俺には佐天さんが俺には佐天さんが俺には(ry
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/28(木) 10:10:20.64 ID:BBwkEoNAO
あれ?
上条さんってラッキースケベで素直に謝った事あったっけ?

何かいつも「不幸だー!」で、済ませてる様な気が…


あぁ、それで噛まれたりビンタされたり(適度なビリビリ付き)カバンを投げつけられたりでかいコンパスを投げつけられたりしてるから悟ったのねwww
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/28(木) 16:44:21.01 ID:jDXp1UwX0
この流れッ…!次はステイルか
14歳相応の反応を見せかけたら面白いというかいやなんでもない
597 :>>1 :2011/04/28(木) 21:42:07.46 ID:+xLhQydT0
こんばんわ! 続きだじぇ!


レス返信!
>>591‐594
紳士がいっぱい居るのぅww

>>595
上条さんは『アンラッキー★フラグ教(要はカミやん病患者の会)』教祖さま。

>>596
ステイルさん14歳? いいえ、ステイルくん14歳です。


さーて、今日で終わるかな・・・・・余談だけど、サーシャの『第〜の●●』ってヤツ減らすけど、寛大な心で見てね!
では投下!
598 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/28(木) 22:10:04.61 ID:+xLhQydT0
 ―――とある日、PM05:30、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 にゃーん・・・・・てんやわんや!



ステイル「……で」ハァ・・・

一同『ん?』キョトン・・・

ステイル「何故君達はまだ此処に居るんだ?」ジトー・・・

レッサー「何故って……駄目ですか?」キョトン・・・

ステイル「駄目も何も、香焼が来たら帰ると言ったろう」

香焼「え、そうなの?」ポカーン・・・

アニェーゼ「いえ、ステイルの虚言です」サラッ

ステイル「表に出ろチビ。焼き尽くしてやる」ジー・・・

アニェーゼ「ハッ! 上等ッ!! 決着つけてやりますよ!」ジトー・・・

アンジェレネ「止めてくださいってば! 二人とも」ンモー・・・

ステイル「……アンジェレネ。君は真面目な人間だと思っていたのだが、僕の思い違いの様だな」ジトー・・・

アンジェレネ「え、えぇ!?」ドキッ

サーシャ「マグヌス。第2の注意ですが、アンジェレネは意外といたずら好きですよ。多少硬いかもしれませんが真面目ではn」

アンジェレネ「わーわー! そこじゃないでしょ! ステイルさんが言いたいのは!」アタフタ!

ステイル「ったく、調子が狂う……香焼。君が出てけば小娘共もついていくだろ」チラッ

レッサー「小娘とは失礼ですね。自分だってまだ13,4くらいのくせにー」ブーブー!

ステイル「喧しい。というかレッサー、アニェーゼ。ベットの上から降りろ!」ギロッ!

アニー・レッサー「「やだー」」ジタバタ!

ステイル「……」ピクピク・・・

サーシャ「やれやれ……第13の質問ですが、如何してそこまで私達を帰したがるのですか?」ジトー・・・

ステイル「如何もこうも有るか。暇じゃないんだぞ?」フンッ

アニェーゼ「暇じゃなかったら何でコーヤギの呪術検査なんてしやがったんですかー」ジー・・・

ステイル「ぐっ……それは……」グヌヌ・・・

レッサー「コウヤギがOKで私達が駄目だなんて……男尊女卑? それとも女性とまともにお話出来ない坊やって事ですかねぇ」フフフ

ステイル「き、さま……」ギリリ・・・

アンジェレネ「ふ、二人とも……ステイルさん。そんな事無いのは分かってますから、如何して駄目なのか教えて下さい」チラッ

ステイル「……」チッ・・・

サーシャ「第11の意見ですが、私達4人に斜に構えてるのでしたらその必要はありませんよ」コクッ

ステイル「……ふんっ」クルッ・・・

アニェーゼ「けっ……はっきりしねぇヤツですね」ヘーンダ・・・


香焼「……」ジー・・・
599 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/28(木) 22:56:20.15 ID:+xLhQydT0
ステイル「……じゃあ、逆に聞こうか」チラッ

一同『え』

ステイル「君達は何故此処に留まってる?」ジー・・・

アニェーゼ「それは……別に……」ウーン・・・

サーシャ「第14の質問ですが、その問いに何の意味が」

ステイル「質問に質問で返すな。答えろ」ジトー・・・

サーシャ「む……」タラー・・・

レッサー「……何でそんなに私達の事追い出したいんですか? 独り遊びでもおっ始めるおつもりで?」ジトー・・・

ステイル「君も大概馬鹿だな……なら答えてやろう。居心地が悪い。これが全てだ」ギロッ・・・

カルテッ娘『……』

もあい「……なぅ」トコトコ・・・

香焼「……ステイル。その言い方は無いでしょ」ジトー・・・

ステイル「君まで腑抜けるな……いや、君が腑抜けているのは元からだな」フンッ

アニェーゼ「おい、捻くれ者。ホントにいい加減にしやがれってんです」ギロッ・・・

レッサー「折角人が仲良く寛ごうとしてるっていうのに、それは」

ステイル「誰が、頼んだ? 誰が群れたいなんて言った?」チッ・・・

レッサー「……そーですか」フンッ・・・

アンジェレネ「ステイルさん……如何してそんな意地悪するの……私達の事、そんなに嫌いですか?」シュン・・・

ステイル「チッ……そういう問題ではないと言ってるだろ。ただ……」グッ・・・

アンジェレネ「ただ……何?」

ステイル「……っ」テクテク・・・

香焼「ステイル?」

ステイル「もういい。勝手にしろ」フンッ・・・バタンッ!

レッサー「……工房に引き籠りやがりました」ベー!

アンジェレネ「ステイルさん……」シュン・・・

サーシャ「第3の疑問ですが……彼は、何故あそこまで意固地に」ジー・・・

アニェーゼ「ただ恥ずかしいとか、気に喰わねぇってレベルじゃねぇですね」ジー・・・

香焼「……」ハァ

アニェーゼ「コーヤギは、如何思います?」チラッ

香焼「……考えれば、すぐ分かるっすよ」ポリポリ・・・

カルテッ娘『……え』キョトン・・・

もあい「にゃぅ」フシフシ・・・
600 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/28(木) 23:25:20.28 ID:+xLhQydT0
香焼「ホントは凄く優しいヤツだよ。ステイルは」チラッ・・・

レッサー「え"っ」タラー・・・

香焼「ステイルだって自分らと同じ年代……ホントなら、仲良くしてやっても良いとかくらいは考えてる筈」コクン・・・

サーシャ「では如何して」ジー・・・

香焼「二つ……一つは仕事とか立場、役職」ポリポリ・・・

アンジェレネ「でも……日常っていうか普段は、ボーっとしてるだけだよ。ステイルさん」

香焼「でも……アニェーゼなら立場。サーシャなら仕事ってとこで分かるんじゃない?」

アニェーゼ「……駒と仲良くしたくねぇって事ですか?」ギリッ・・・

香焼「そうじゃない。そうじゃないんだけど……近い」ハァ

レッサー「意味不ですよ?」ポカーン・・・

香焼「情を沸かせたくないんすよ……女教皇様が言っていた。いつか命令一つで殺さなきゃいけないかもしれないんだ。自分達の事」

カルテッ娘『っ!?』ギョッ・・・

香焼「勿論、そんな事は有り得ないとは思うけど……『最悪』は有り得る……」コクッ

サーシャ「第7の推測ですが……裏切り、最大主教からの命令、殿(しんがり)、敵として……様々なケースでという事ですね?」

アンジェレネ「そ、そんな!?」

アニェーゼ「……っ」ギリッ・・・

香焼「アニェーゼなら、分かるでしょ? 自身はそんな事しないって思っても、戦術戦略論を考えればね」

アニェーゼ「……えぇ」フンッ・・・

香焼「だからなるべく単独行動を好む。立場は主教補佐だけど自身の判断で自分達(部下)を死地に遣りたくないから」

アニェーゼ「……甘ったれた、事を」グッ・・・

サーシャ「そして、第1の憶測ですが仕事とは……独りで汚れを引き受ける身だからですか?」

香焼「そういう事……ホントそういう考え、馬鹿野郎だけどね」ハァ

レッサー「悪いですが、その理屈で言ったら……コウヤギを除き……『汚れ』仕事ですよ」フンッ・・・

香焼「……」

アンジェレネ「コォヤギくん……それとこれとは別だから。その事であんまり考え込まないでね」ムゥ・・・

香焼「……うん」

アニェーゼ「その事に関して色々言いたい事はありますが……先に二つ目ってのを聞かせて下さい」


香焼「そだね……二つ目は―――       ―――……」ボソッ・・・


カルテッ娘『……』ピタッ・・・

香焼「ステイルはもう、仲良くなった人間と、別れたくないんだって……女教皇様がそう教えてくれたっす」

カルテッ娘『……』シュン・・・
601 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 00:17:22.27 ID:Xzf7MViX0
アンジェレネ「それは……でも、何処かで踏ん切り付けないと、一生そのままじゃ……」ムゥ・・・

アニェーゼ「……あんのボケナスカポンタン……んな弱ぇ野郎でしたか?」チラッ

香焼「事の真意は分かんないっすよ。本人の口から聞いた訳ではないからね」

レッサー「『独りの俺、カッケー&カワイソー』ですか……男のメンヘラとか、呆れますね」フンッ

サーシャ「レッサー……確かに、分かり易いですが……言葉を選んで上げましょう」タラー・・・

アンジェレネ「そんなに辛いなら……」ボソ・・・

香焼「それでも、アイツは今の『位置(ネセサリウス、主教補佐、魔術師エージェント)』に居るんだ……決意なんだろ」

レッサー「確かに……『彼女』の為に融通の利く『位置』に居ますからね。報われるか報われないかは別ですが」ハァ

アニェーゼ「……チッ」ドカッ!

アンジェレネ(やっぱり……アニェーゼちゃんとは対極だね。コォヤギくんとも対極だけど)

サーシャ(アニェーゼは仲間の為に独り善がりを辞めましたからね……コーヤギーは『位置』という枠を関係無く踏み込んできますから)

レッサー「……ハァ。んで? 如何すんですかー?」チラッ

香焼「如何って……」

レッサー「こういう時、ウチらの率先判断するのはコウヤギか隊長さんでしょ?」チラッ・・・

アニェーゼ「……」

サーシャ「人任せで申し訳ありませんが……第1の同意です。二人の判断にお任せしたいと思います」ペコッ

香焼「……全員、納得いってないんだよね」ジー・・・

レッサー「まぁこのまま帰ったら後味悪過ぎですからね」ハハハ・・・

サーシャ「帰るにしても、せめて一言二言話してからでないと……」コクンッ

アニェーゼ「アンは?」チラッ・・・

アンジェレネ「私は……もっと、仲良く出来たら良いなって……」モジモジ・・・

香焼「……そうだね」ニコッ・・・

アンジェレネ「あの子の事……ううん。『昔のあの子』の事が忘れられないのは仕方ないよ……」ジー・・・

レッサー「『昔の』ですか……確かに『今の彼女』は『昔の彼女』ではないですからね」

アンジェレネ「うん。でも……だからって、私達は代わりとか同情者とかじゃないって事を分かって貰いたい、かな」シュン・・・

サーシャ「……コーヤギーは?」チラッ・・・

香焼「自分は変わらないよ。ステイルは……友達っす。アイツが何者で、何を言おうがね」ニコッ

カルテッ娘『……ふふっ』クスッ

アニェーゼ「そんじゃ、決まりですね」ニカッ・・・スタッ

アンジェレネ「あれ? アニェーゼちゃんは?」キョトン・・・

アニェーゼ「そんなの決まってるでしょ……今からアイツと『お話』してやりますよ! 腹割れっつっても無駄なので、一方的に!」ニヤッ・・・

もあい「みー!」フシャー!
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 00:22:14.57 ID:MSgjIPnP0
アンがいちいち可愛すぎる……
やっぱり見たいなあ、アンジェレネ×ステイル
603 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 00:49:58.73 ID:Xzf7MViX0
 ―――とある日、PM06:00、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、ステイル=マグヌスの工房・・・・・



 もくもく・・・・・



ステイル「……」フゥ・・・


誰が悪い訳でも無い。彼女達でも、自分でも、ましてや今の境遇でも。


ステイル「……」チラッ・・・


一枚の写真―――そこには笑顔の少女と苦笑した自分、そして神裂が写っている。


ステイル「誰の為に、か」ジジジ・・・


彼女の為? 英国の為? 自分の為?


ステイル「最早……何もないのかもね」ハハハ・・・


彼女の隣には別の人物が居る。既に自分は不要な存在。だが、誓ったのだ。


ステイル「独りでも、構わないさ」クスッ・・・


もとより、元に戻っただけ。何の言葉か忘れたが彼女が……最後に残った道標、というヤツだろうか。


ステイル「それでも、いいよ」フゥ・・・


情など要らない。冷酷なまでに彼女の為だけに。


ステイル「だから……邪魔なんだよ、君達は……」


特に、彼だ……如何して……彼や神裂や『ヤツ』は、自分と『普通』の関係であろうとする。
いっそ思い切って、彼らを―――




 バアアアァンッ!!




ステイル「っ!!?」バッ!!
604 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 01:06:23.62 ID:Xzf7MViX0
 ―――主教補佐執務室兼自室・・・・・



    ガチャッ!!



ステイル「貴様ら何をし、た……ん……」バッ・・・


レッサー「あ、やっと出てきました」チラッ

サーシャ「第5の予測ですが、外れましたね。私はもう少し後かと思いましたよ」フフッ・・・

ステイル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは、何だ?」キョトン・・・

アニェーゼ「何だって、見て分かりませんか? もし分かんないなら煙草の喫い過ぎで脳に酸素行ってねぇんじゃねぇですか?」ハハハ

ステイル「そういう問題じゃない……僕の外套に何してるんだ!!」ギロッ!!

アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん。やっぱり別の布地にした方が良かったって」タラー・・・

香焼「アンジェレネ、そういう問題でもないから」アハハ・・・

ステイル「っ……何故、外套に絵を描いてる。何かの旗のつもりか?」ギリッ・・・

アニェーゼ「なーんだ。分かってるじゃねぇですか」ハハッ

サーシャ「第4の説明ですが、デザインは皆で考えましたよ。猫さん……もあいと十字架と各々の特徴です」ニコッ

レッサー「まぁ描いたのは私ですけどねー。ちょっとデフォルメチックにし過ぎたかな?」ヒヒヒ!

ステイル「そういう話をしてるんじゃない! 何故! 如何して! こんな馬鹿な真似をしたかと聞いているんだ!!」ダンッ!!

アニェーゼ「ああ……一度しか言いません。耳の穴かっぽじって、よーく聞きやがれってんです……香焼!」スウウゥ・・・

香焼「え、あ、うん……此処を……」アハハ



カルテッ娘『秘密基地にしますっ!!』イェエエエイッ!!



ステイル「なっ!? こ、の……」プルプル・・・

アニェーゼ「ふぃ……何か?」ニヤッ・・・

ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」ガアアアァッ!!

もあい「にゃんっ!?」ビクッ!
605 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 01:27:53.53 ID:Xzf7MViX0
ステイル「もう良い……出て行け! これ以上の滞在は許さない! 部屋から出ろ!!」ギロッ!!

アニェーゼ「ヤーダ」ベー

ステイル「燃やすぞ糞ガキ!!」バンッ!!

アニェーゼ「……ええ。やれるもんならやってみてくださいよ、ステイル=マグヌスちゃん」ジロリ・・・

ステイル「っ」ギリリ・・・

サーシャ「第1の総意ですが、私達は退きませんよ」ジー・・・

レッサー「何言われたって、脅されたって出ていったりしませーんだ」フンッ

ステイル「……おい。香焼」ギロッ・・・

香焼「……まず、彼女達と向き合えよ」ギロッ・・・

ステイル「貴様……」テクテク・・・

アンジェレネ「す、ステイルさん!!」バッ!!

ステイル「チッ……」ギロッ・・・

アンジェレネ「うっ……っ! ひ、退きませんから!」グッ!

ステイル「……」グイッ・・・

アンジェレネ「ひ、ぅっ……」ビクビク・・・

香焼「ステイル! 止めろよ……」ジー・・・

アニェーゼ「ッ……なぁ。テメェいつまで腐ってやがる気だよ、オイ」グイッ・・・

ステイル「っ?!」ギョッ!?

香焼「アニェーゼ……(ヤバい。『素』のアニーだ)」タラー・・・

アニェーゼ「『名前』出したくねぇけどよぉ……あぁ? ざけんなって、マジで。テメェ視野狭過ぎんだボケが」テクテク・・・

ステイル「何だと?」ギリリ・・・

アニェーゼ「一緒の括りにすんなっつってんだよッ!! アイツはアイツ! アタシ達ぁアタシ達だろぉが!!」ガシッ!!

ステイル「ッ」グラッ・・・

香焼「アニェーゼ……ストップだ」ポンッ・・・

アニェーゼ「チッ……テメェで、判断しやがって下さい。私達は受け入れますよ」フンッ・・・パッ・・・

ステイル「……」トサッ・・・

サーシャ「ねぇ……マグヌス。私も、貴方も……コーヤギーには申し訳ないですが、彼以外は同じ様な境遇です」

レッサー「まぁ、不幸自慢する訳じゃないですが……確かにそーですね」アハハ・・・

ステイル「……」チラッ・・・

香焼「あはは……普通でごめん」ポリポリ・・・

もあい「にゃー」ペシペシ!
606 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 01:53:34.47 ID:Xzf7MViX0
サーシャ「貴方の場合は『彼女』を失った……その気持ちを微塵まで理解するのは不可能ですが、似た様な辛さなら皆、覚えがあるのです」

ステイル「知らない。そんなもの……」スッ・・・

レッサー「自分の辛さとは比べ物にならねぇぜ、ですか? バッカじゃね?」ギロッ・・・

ステイル「貴、様……」ダンッ!!

アニェーゼ「……甘ったれんな。目の前で親殺されたのと、女に忘れられたの……ドッチがキツいと思います?」ジトー・・・

ステイル「っ……」ピタッ・・・

香焼「アニー……」

アニェーゼ「……知らない内に孤児院にブチ込まれ、戦闘用修道女として教育され、革命結社に為らざるを得なかった」ボソッ・・・

一同『……』

アニェーゼ「それでも……傷の嘗め合いじゃなく、普通のダチとして接しようって考えてくれる超甘ちゃんがいるんですよ」チラッ

ステイル「……」チラッ

香焼「えと……」ポリポリ・・・

アンジェレネ「あの、ね……多分、難しく考え過ぎだよ」モジモジ・・・

レッサー「そうですね、御堅いのは分かり切ってますけど」フンッ

サーシャ「レッサー。お黙る」ペシッ

アンジェレネ「……友達になりたい。ただそれだけなの……それが、怖い?」チラッ・・・

ステイル「……」ジー・・・

香焼「……ステイル。僕達は、消えないよ」ニコッ

ステイル「この……阿呆が」グッ・・・

カルテッ娘(今、香焼が僕って言った……)エ・・・

もあい「みゃーぅ」ヨジヨジ・・・

アニェーゼ「ん……まぁアンの言った通りです。仕方ねぇですから、私も折れてやりましょう」フンッ

サーシャ「……存外、此方も素直じゃないですね」ハァ

レッサー「アニェーゼからツン抜いたら別人ですよ」アハハ

アニェーゼ「喧しい! 兎に角、アンタも仲間になれっつってんですよ!」ガアアァ!

アンジェレネ「言い方がキツいってば、アニェーゼちゃん」アハハ・・・

もあい「なぅ」プラプラ・・・
607 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 02:26:57.59 ID:Xzf7MViX0
ステイル「……僕は」グッ・・・

香焼「ステイル……姫さまから言われた事、忘れた?」

ステイル「……」ピタッ・・・


 ――マグヌス坊や――


ステイル「……だから、何だ」ジトー・・・

香焼「自分には未来が無いなんて思わないでよ。止まって、後ろばっか向いてたら……そこで終わりっすよ」コクッ・・・

ステイル「……別に、いいよ」ムスッ・・・

香焼「ッ……ステイル。僕はもう『二度と』喧嘩したくないんだよ?」ギロッ・・・

カルテッ娘『っ!!?』ギョッ・・・

ステイル「……」ジー・・・

レッサー(コウヤギ、ステイルと喧嘩した事あるんですか?)チラッ・・・

アンジェレネ(し、知らないよ……)タラー・・・

サーシャ(第4の疑問ですが……マグヌスと喧嘩して、コーヤギーが無事で済む訳ありませんって)ジー・・・

アニェーゼ(……さぁ、どうだか)ムゥ・・・

もあい「……にゃ」ジー・・・

香焼「別に宣言しろって言ってる訳じゃないんだ……分かるでしょ」ニコッ・・・

ステイル「……」ハァ・・・スタッ・・・

アニェーゼ「ん?」ジー・・・

ステイル「……好きにしろ」ボソッ・・・

サーシャ「え」キョトン・・・

ステイル「勝手にしろ……ただし、暴れ過ぎるな」ハァ・・・テクテク・・・

アンジェレネ「……ステイルさん」ニコッ・・・

レッサー「ふふふ、分かってますよー。片付けはしますし、何なら研究の手伝いだってしちゃいますからー」ニシシ!

ステイル「余計な御世話だ……とりあえず、保護者共に叱られる前には帰れよ。とばっちりは御免だ」ッタク・・・

カルテッ娘『はーい!』ヤッホーゥイ!!

香焼「……ふふっ」クスクスッ

もあい「んなーぅ」フシフシ!


ステイル(やれやれ……度し難いな、僕も。ガキになれ、か)クスッ・・・
608 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 02:48:52.48 ID:Xzf7MViX0
 ―――とある日、PM06:20、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・




レッサー「じゃあ、秘密基地設立記念にパァーっと!」ワーイ!

ステイル「ハァ……まず君達、時間を考えろよ?」ジトー・・・

アニェーゼ「え? あ……」ヤベッ・・・

アンジェレネ「あぅ……ルチアさん、きっと鬼みたいな顔で怒ってるよぅ」ガタガタ・・・

香焼「あはは……如何する? 一旦帰る?」

サーシャ「第3の確認ですが私とレッサーとコーヤギーは大丈夫にしても、寮のアニェーゼ、アンジェレネは拙いですよね」ジー・・・

アンジェレネ「あーぁ。折角話が纏まったのになぁ……」ハァ・・・

アニェーゼ「仕方無ぇですよ……ま、これからいつでも来れますしね!」ヒヒヒ!

ステイル「一応、僕の部屋なんだぞ? それを忘れるな」ジトー・・・

レッサー「分かってますよー、オーナー殿」ウィウィ

もあい「にゃん」ニャーニャー

香焼「……ねぇ。ルチアさんが納得すればいいの?」チラッ

アニェーゼ「え?」キョトン・・・

アンジェレネ「ええっと、後は一応……シスター・オルソラかな。神裂もちょっと厳しいかも」コクッ

香焼「分かった」スッ・・・カチカチ・・・

サーシャ「コーヤギー? 何を……電話?」ジー・・・

香焼「ちょっと待ってて……―――」



 にゃーん・・・・・



香焼「―――……はい、ええ。すいません。お願いするっす」ペコッ・・・Pi!

レッサー「誰に掛けてたんですか?」キョトーン・・・

香焼「ふふふ。内緒だよ……とりあえず、9時半くらいまではOKだってさ」ニコッ

アニー・アン「「えっ!!?」」パアアァッ!!

ステイル「香焼……ホントに何したんだ?」タラー・・・

香焼「だから……なーいしょ♪」クスッ










冷蔵庫『ツヅク!!』イッタン9ワ、シュウリョー!!
609 :第9話――カルテッ娘『秘密基地っ!』 ステイル「僕の部屋だっつってんだろぉ馬鹿ガキ共!!」 [saga]:2011/04/29(金) 03:11:43.95 ID:Xzf7MViX0
  <おまけっ!>




神裂「―――……そうですか。では其方は任せました……お願いしますね」Pi!

オルソラ「あの子達、遅くなるのでございますね」フフッ

神裂「ええ。一応門限を伸ばしただけですが、大丈夫でしょう」フフッ


ルチア「……」ムスー・・・


神裂「ルチア……」チラッ・・・

ルチア「……知りません」フンッ・・・

オルソラ「あらあら……」ウーン・・・

神裂「あの子達の御蔭で、ステイルが揺れ始めてます……私の所為にしてくれて構いません」ペコッ

ルチア「……」ハァ・・・

神裂「むぅ……」チラッ・・・

オルソラ「ええ……」チラッ・・・


五和「(了解です!)……シスター・ルチア。こっちで少しコレ、付き合って下さい」ニコッ

浦上「(偶にはこういう役回りもOKでっさー!)ヴィンテージだヨー! 蔵出しだヨー!」ニコニコッ

フロリス「あ、良いですね。食後のフルーツワインも出しましょう!(貸し一だな、レッサー)」フフッ

ランシス「さんせー! グラス持ってくるね!(多分、神裂への貸しになるんじゃないかな?)」パタパタ・・・


ルチア「……もぅ」クスッ・・・

オルソラ「貴女も、少しは羽を休めるべきなのでございますよ」ポンッ・・・

ルチア「まったく……私一人悪者にされるのも、良い迷惑です……明日は二日酔い覚悟で呑ませて貰いますよ」ハァ・・・ニコッ・・・

神裂「ええ。どうぞ、楽しんで来て下さい」クスッ











女子寮冷蔵庫『おわるー!』ノシ
610 :>>1 [saga]:2011/04/29(金) 03:17:08.85 ID:Xzf7MViX0
お疲れ様でした。すいません、まさかのシリアス回にしてしまうとは……不覚です。
次は続きでギャグ回にしたい!(願望)


因みに今更ですが注意事項。あくまで『キャラ崩壊』と『妄想設定』含む作品ですのであしからず。


では感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、お願いします。それじゃまた次回! ノシ
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/29(金) 03:27:04.28 ID:6ZBnoJPvo
くそっ!くそっ!
まさかこのスレで目から汗が出てくることがあるなんてっ…
くそっ!くそっ!くそっ!

せっかく提案したツイスターゲームが採用されなくて号泣だぜ…
べ、べつにシリアス回にやられたわけじゃないだからねっ
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 07:25:18.81 ID:LG0ttZZDO
>>1乙!
とりあえず、こうレッサーアフターと同時間軸なアンステアフターを……


>>611

>>567
564-566
誰か絵描いて。個人的に見たいwwww まぁ需要があるので……文章でおこしましょうか。

って書いてあるじゃまいか
俺達もツイスター用意して待ってようぜ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 11:23:44.31 ID:3TxYTzSDO
最後に残った道標とな? 確かに報われないのはほむほむと一緒だな。
て事はほむほむもメンヘ(ry


>>611
次は続きでギャグ回って書いてるから、ツイスターもいたずらもやるんじゃね?
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/29(金) 13:36:07.36 ID:XM2AXlQAO
>>1乙っすよ

ステアンも気になるけど自分はやっぱり純粋に香焼×アンジェレネを見てみたいんだぜ


そういえば前に香焼とアンジェレネが絡んでたSSがあったけど……何だったっけ?
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/29(金) 20:15:56.36 ID:RKrE3hUv0
今イギリスでウィリアム……ウィ、リ、ア、ム、王子の結婚式が行われています
…後はわかるな?

ヒント:第三王女と傭兵崩れ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/04/29(金) 20:43:00.25 ID:MSgjIPnP0
>>614
幸せそうな二人を見て、ようやく自分の中の気持ちに気づくステイルか
切ないじゃねえか
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/29(金) 23:44:50.67 ID:GSf+WDCKo
ステアンのギシアンが見たい
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/30(土) 17:51:27.40 ID:wWZyAoRDO
香焼ばっかりいい目みてステイルが不憫だからねーちんシェリーオリアナオルソラが入ってる女子寮の風呂にぶち込んでやろうぜ
619 :>>1 [saga]:2011/05/01(日) 14:53:14.77 ID:/dMb/uJE0
こんにちわ。久しぶりに昼間の投下!


レス返信!
>>611
ステイルくんは何処かで吹っ切れなきゃ、一生腐ったままで終わるのよな……多少の幸せくらい有っても良いじゃないか。
ツイスター今日書こうかと思ってたけど、もう要らない?

>>612
親戚の話だけど……実は香焼×アンジェレネ・アフターは書き終えてて、レッサー・アフター思案中だったりw
え? ツイスター絵描いてくれるの!? 期待!!

>>613
ほむほむはメンヘラじゃありません。時空を超えた重度の一途です。

>>614
あれ? 香焼×アンジェレネ投下したっけ?

>>615-616
誠におめでたい話ですよね。世界的な慶事って元気が出ますよ。
しかし……今のステイルに恋愛の幸せを見せつけたら、多分、鬱る一方でしょう。メンヘラくんなんでw

>>617
おまえは 何を言っ ているん だ?

>>618
いや、ローラの入浴中にも御構い無しで入り込む人ですから……

ステイル「神裂! 仕事だ!」ガララ!    神裂「場所考えろド変態野郎おおぉっ!!」ガンッ!!

……は普通に想像できますねw


んじゃ、続きのステイル部屋話投下! もしかしたら安価取るかもしれないからよろしくね!
620 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 香焼「……あはは」 [saga]:2011/05/01(日) 15:14:06.62 ID:/dMb/uJE0
   <前回のあらすじ!>


冷蔵庫『ステイルくん14さいが少しだけ優しくなったよ』





 ―――とある日、PM06:45、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



アニェーゼ「良し! じゃあまず何をしましょうか……折角おもろそーなもん沢山ありますからねぇ」ニシシ!

ステイル「……頼むから、程々にしてくれよ」ハァ・・・

レッサー「はい! たいちょー!」ビシッ!

アニェーゼ「何ですか、レッサーくん」ドーゾ!

レッサー「お腹が空きました!!」グー・・・

アンジェレネ「あはは。そうだね……私もお腹空いちゃった」グー・・・

サーシャ「第1(※)の同意です。夕飯を忘れていました」グー・・・        ※リセットします!

アニェーゼ「そういえば忙しくて色々忘れてましたね……振り返って考えると帰ってからルチアの説教が怖ぇですよ」ハァ・・・

香焼「あはは……ステイル。冷蔵庫に食品入ってる?」チラッ

ステイル「必要最低限のものだけだ。後はパスタとパンと缶詰くらいだな」

香焼「それだけあれば十分かな……因みに、料理出来る人は?」チラッ

アニェーゼ「食べる専門です」キリッ!

レッサー「同じく!」キリッ!

サーシャ「第1の謝罪です。申し訳ありませんが、料理は苦手でして……」ペコッ・・・

アンジェレネ「ごめんなさい。私も、無理かな」ペコッ

香焼「ステイルは?」

ステイル「パスタ程度なら作れる。普段手の込んだ料理は作らないからな」

香焼「了解……じゃあステイル人数分パスタ茹でといて。自分は冷蔵庫のもので献立考えるから」テクテク・・・

アニェーゼ「え? コーヤギ、料理出来るんですか?」ポカーン・・・

香焼「あはは。一応一人暮らしだし、五和や女教皇様に教わってるからね」ガチャッ・・・

アンジェレネ「おー! 凄い!」キラキラ・・・

レッサー「コウヤギが専業主夫ですか……悪くないですねぇ」フフフ・・・

サーシャ「第1の感想ですが……男子が料理出来るというのに、私達は……」ウィウィ・・・

もあい「にゃー」ペシペシ!

ステイル「せめて食器出しと後片付けくらいは手伝えよ……香焼、猫(コイツ)の飯は?」

香焼「缶詰でなんとかするから、誰か遊んどいてー」ウーン・・・
621 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 香焼「……あはは」 [saga]:2011/05/01(日) 15:34:47.97 ID:/dMb/uJE0

 にゃーん・・・・・



香焼「パスタとパンは人数分ある……野菜はトマトジュースと適当に何種類か。缶詰は豆とミートソースとシーフード、クリーム……」

ステイル「普段は食堂や外で済ませてる。贅沢言わないでくれよ」グツグツ・・・

香焼「ううん、大丈夫っす。急だったから仕方ないよ」アハハ

ステイル「……食堂が開いてれば少々分けて貰えるんだが、もう片付け最中だろうしな。料理長の機嫌を損ねたくない」

香焼「そだね……あ、そうだ。皆、何か食べれないもの有るっけ?」チラッ


レッサー「無いですよー。雑食ですから何でも喰えます」ニコッ

アニェーゼ「肉が喰いてぇですね」フフフ

サーシャ「アニェーゼ。コーヤギーは食べられないものを聞いたんですよ」ハァ・・・

アンジェレネ「えっと……ピーマンと人参と……色々野菜が、無理です」ボソボソ・・・

レッサー「典型的な子供ですねぇ……」ジトー・・・

アニェーゼ「アンは甘いもの好き、辛・酸・苦嫌いなお子様舌ですからしゃーねぇですよ」アハハ

アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん! 余計な事言わないでよ!」アワワ・・・


ステイル「……だそうだ。十字教徒が大々的に肉が喰いたいと普通言うか?」ハァ

香焼「ま、まぁ良いんじゃない。とりあえずミートソースでもOKみたいだし……五和にメールして献立聞いてみるよ」カチカチ・・・

ステイル「珍しいな。彼女を頼るなんて」フム

香焼「料理の腕は確かだからね……それ以外は問題多いけど」アハハ・・・


もあい「なぅ」コクコク・・・

アンジェレネ「うーん……いいのかなぁ」チラッ

サーシャ「如何しました?」ン?

アンジェレネ「私達何もしないで、トランプしてるだけだよ」ムゥ・・・

レッサー「ま、適材適所って事ですよぅ。もあいも任されてますしね」ナデナデ

アニェーゼ「私達の菓子類少し提供してやればギブ&テイクになりますよ……はい、ページワン」ポイッ
622 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 16:10:29.45 ID:/dMb/uJE0
 ―――とある日、PM07:15、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・




香焼「―――……はい。おまたせ」カチャッ・・・



パン。ミルク。クリームソースのパスタサラダ。シーフードと豆のトマトスープ。



一同『おぉ……』ビックリ・・・

アニェーゼ「よく、あれだけの材料で作れましたね」ジー・・・

香焼「元々加工済みのミートソースとクリーム缶が有ったからね」アハハ

レッサー「流石コウヤギっち。カンザキにお料理教わってるだけありますねぇ」キラキラ・・・

サーシャ「アンジェレネ。第1の質問ですが、野菜パスタですよ? 大丈夫ですか?」ジー・・・

アンジェレネ「た、多分……大丈夫だと思うよ」ウーン・・・

香焼「駄目そうなら普通のパスタも有るから、さ。その時は言ってね」ニコッ

アンジェレネ「ありがと……そうする」アハハ・・・

アニェーゼ「アンジェレネ。また御残しするつもりですか? ルチアに怒られちまいますよー」ニヤニヤ・・・

アンジェレネ「た、食べてみるもん!」ムゥ・・・

レッサー「あはは。ま、野菜臭い料理は無いですからダイジョブでしょ」ニシシ!

香焼「工夫はしたからね。それじゃ……」

もあい「にゃー」ヨジヨジ・・・

香焼「あ、そっか。オマエの飯だね……ステイル。適当なお皿借りるよ」スタッ

ステイル「ご自由に」フイッ

香焼「帰ったら猫缶やるから今はシーフード猫まんま食べてて頂戴なーっと」ナデナデ

もあい「みゃう」コクッ

アニェーゼ「コーヤギ。早くー」ハラヘッター!

香焼「はいはい。それじゃあ各々どうぞ。(って言わないと宗派違うから食前の祈、時間差出るからね)」ニコッ
623 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 18:22:57.89 ID:/dMb/uJE0

 かちゃかちゃ・・・もぐもぐ・・・・・



アニェーゼ「んぐ……上手ぇ」モキュモキュ・・・

レッサー「十分イケますね。GJですよ、コウヤギ」ハムハム・・・

サーシャ「アンジェレネ、大丈夫ですか?」ゴックン・・・

アンジェレネ「うん。普通に美味しいよ」ニコッ

香焼「要は味を消してあげれば良いんだよ。だから塩分は多くなるけどクリームソースをドレッシング代わりにすれば良いんだ」ニコッ

アニェーゼ「へぇ。考えましたね」ゴクゴク・・・

ステイル「ふむ……ローラの創作料理よりは、全然……」モグモグ・・・

サーシャ「第1の疑問ですが、あの最大主教殿も料理を嗜むのですか?」エ?

ステイル「偶にな……ただ普通の料理は作らない。インスピレーションだけで料理する馬鹿者だ、アイツは」ハァ・・・

香焼「まぁ料理って最初は全部インスピだしね。成功すれば万々歳だよ」クスッ

アンジェレネ「レッサーちゃんとサーシャちゃんは普段ご飯如何してるの?」チラッ

サーシャ「第1の回答ですが、私はロシアでも大抵は食堂です。偶にワシリーサが夕飯を作りますが……食べようと思えません?」

アニェーゼ「何で?」

サーシャ「……雑、です」ハァ・・・

ステイル「何処も御偉いさんは同じ様なものだな」ハハハ・・・

レッサー「私はベイロープかフロリスが飯作れますから問題無しですよ。あとは外食ですかねぇ」フムフム・・・

香焼「ランシスはレッサーと同じ食う専なの?」

レッサー「手伝い程度はしますよ。ただ……あのドジっ娘は基本座らせとかないと、大失敗するので……」グヘェ・・・

アンジェレネ「あはは……」タラー・・・

香焼「人には得手不得手有るから仕方ないよ」クスッ

ステイル「そうだな……香焼。職に困ったら執事として雇ってやる。君なら給仕でも働けるだろう」サラッ・・・

カルテッ娘『なっ!?』ギョッ!!

香焼「ふふっ。そだね。もし困ったらお願いするよ」クスクス・・・

アニェーゼ「だ、駄目です! コイツの執事にするくらいなら私が雇ってやんよってんです!!」ガタッ!!

香焼「え」タラー・・・

アンジェレネ「駄目だよ、アニェーゼちゃん……折角だから部隊付けで雇っちゃおうよ」ニコッ

サーシャ「聞き捨てなりませんね。それなら倍払って私が雇いましょう」ジー・・・

レッサー「何だとー! コウヤギは嫁に出しません! パパ許しませんからね!」ガー!

香焼「」オマエラ・・・


もあい「なぅ!(香焼はモアイの嫁です!)」ペチペチ!
624 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 18:41:55.88 ID:/dMb/uJE0
ステイル「やれやれ、人の言葉に便乗しようだなんて野蛮な連中だ」フンッ

アニェーゼ「けっ。ムサい野郎の付添給仕やらせるよかぁ華やかな淑女のお世話の方が良いに決まってますよ!」フンッ!

レッサー「淑女(笑)」フヒヒ!

サーシャ「第1の提案ですが、コーヤギー。本格的にシルビアの下で修行をしてみれば執事長くらいに成長するのでは?」ビシッ!

アンジェレネ「ふむふむ……でもそれだと宮仕えになっちゃうんじゃないかなぁ」ウーン・・・

香焼「え、えっと……自分は一応所属あるんすけどねぇ」アハハ・・・

ステイル「なら神裂に言って君をレンタルしよう」ニヤッ・・・

カルテッ娘『うんうん』コクコクッ

香焼「お前ら……とりあえず飯食え」ハァ・・・

もあい「にゃう」ヨジヨジ!



 一寸後・・・・・



一同『ごちそうさまでした』ペコッ

香焼「お粗末さまでした」ニコッ

ステイル「さて……君達。待ちに待った後片付けの出番だぞ」ホレ

アニェーゼ「言われなくても分かってますよ」ヘッ!

アンジェレネ「アニェーゼちゃん、好戦的にならないの」メッ!

サーシャ「では、二人とも。少し休んでいて下さい。洗ってしまいます」

レッサー「……って思ってましたけど、ステイル。食器洗い機使って良いんですよね?」チラッ

ステイル「使い方分かるならどうぞ。専用洗剤は流しの下だ」コクッ

アンジェレネ「食器洗い機も有るの!?」キラキラ・・・

サーシャ「ハイテク且つブルジョアですね、マグヌス」ジー・・・

ステイル「アレイスターが……都市側から賄賂のつもりか送って来るんだよ。必要無いと言うに……」フンッ

レッサー「まぁ清教の主教補佐殿ですからねぇ。媚売っといて損は無いでしょう」ニヤッ・・・

ステイル「アレイスター自身はそんなタマでは無いがな……さっさと終わらせろ。あとコーヒーくれ」スッ・・・カチッ

アニェーゼ「図々しいヤツですね。しかも私達いるのに煙草喫やがりますか」ジトー・・・

ステイル「僕の、部屋だからね」ククク・・・フゥ・・・

香焼「せめて換気扇回そうね」ハァ・・・ポチッ
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 18:46:12.15 ID:LMPvW2ODO
>>624
香焼くん、私の執事にならないかしら?
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 18:48:04.88 ID:GTAc5Jip0
>>625ショタコンは元の居場所へ引き返しやがれェ!!
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 18:57:20.56 ID:g8ZuFua00
もあいの言う「モアイ」はどっちの意味なんだろうか……

俺はむしろサーシャちゃんにメイドに来てほしい
628 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 19:01:09.14 ID:/dMb/uJE0

 ジャー・・・カチャカチャ・・・



アンジェレネ「わぁあ……食器洗い楽ちんだね!」パアアァ!

レッサー「ワンクリックで乾燥まで出来るタイプですね。羨ましい」ジー・・・

アニェーゼ「これ寮に持って帰りましょう。皆大喜びですよ」ニシシ!

サーシャ「ふむ・・・・・またカタログで注文しましょう。幾らでしょうか?」マジマジ・・・

レッサー「出た。通販マニアなサーシャっち」アハハ

サーシャ「むむっ。レッサー、通販は馬鹿に出来ませんよ! 色々便利なのです!」ジー・・・

アニェーゼ「はいはい……あ、コーヒー淹ったみたいですね」チラッ

アンジェレネ「うん。持って行くよ」トコトコ・・・

レッサー「溢しちゃらめぇですよ! 色々ハップンですからね」クスッ

アンジェレネ「わ、分かってるよ!」モゥ・・・


 にゃーん・・・・・


香焼「―――……だから、もう少し携帯の機能覚えなってば。新しい機種なんだし」ホラ・・・カチカチ・・・

ステイル「―――……むぅ。ゴダゴダでどうも覚えきれん」ハァ・・・

アンジェレネ「お待たせ。コーヒー持ってきたよ」テクテク・・・

香焼「あ、うん。ありがと」ニコッ

アンジェレネ「お砂糖とミルク、何処にあるのか分からなかったんだけど。何処かな?」チラッ

ステイル「ブラックしか飲まないからね……スティックシュガーは無いけど普通の砂糖なら有るだろ? あとミルクも冷蔵庫に有る」チラッ

アンジェレネ「そっか。コォヤギくん、如何する?」

香焼「ミルクだけ貰うよ……冷蔵庫から持ってくるのもなんだし、自分で行くね」ニコッ

アンジェレネ「うん、分かった」コクッ

もあい「みゃー」フリフリ・・・
629 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 19:16:30.29 ID:/dMb/uJE0
レッサー「あとは食器戻すだけですねー」ヨイショット・・・

香焼「おっと……誰か冷蔵庫から牛乳取ってもらえる?」テクテク・・・

アニェーゼ「あいよー……あれ?」チラッ

サーシャ「如何しました?」

アニェーゼ「……コーヤギ。あの不良神父とアン一緒にしやがりましたね」ジトー・・・

香焼「え?」キョトン・・・

アニェーゼ「駄目じゃねぇですか! アンジェレネが脅されてしまいますよ!」ワトト!

香焼「え、い、いや……そりゃないって」タラー・・・

サーシャ「第2の同意です。オーバーですよ、アニェーゼ」ジー・・・

アニェーゼ「む、むぅ……」タラー・・・

レッサー「まぁ正直ステイルと二人きりになりたくないのは分かりますが……アニェーゼは犬猿過ぎますね」アハハ

香焼「そうかな。普通にステイル優しいけど」ウーン・・・

アニェーゼ「コーヤギに嫌われる人間の方が珍しいんですよ」ジトー・・・



 にゃーん・・・・・



ステイル「ふぅ……ん?」ジジジ・・・チラッ

アンジェレネ「……」ジー・・・

ステイル「……」タラー・・・モクモク・・・

アンジェレネ「……」ジー・・・

ステイル「……な、何かな?」タラー・・・

アンジェレネ「……煙草」チラッ

ステイル「え」

アンジェレネ「……そんなに美味しいの?」ジトー・・・

ステイル「え、あ、ま、まぁ……うん」コクッ・・・

アンジェレネ「……そうですか」ジー・・・

ステイル「……(何、これ?)」ダラダラ・・・


サーシャ「第2の疑問ですが……なぁにあれ?」タラー・・・

香焼「さ、さぁ」タラー・・・
630 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 19:31:18.78 ID:/dMb/uJE0
ステイル「……え、えっと」モクモク・・・

アンジェレネ「……」ジー・・・

ステイル「……」ジジジ・・・

アンジェレネ「……ステイルくん。煙草美味しい?」ジー・・・

ステイル「ッ!?」ゲホッゲホッ!!

一同(す、ステイル『くん』?!)ギョッ・・・

アンジェレネ「ねぇ……ステイルくん」ジトー・・・

ステイル「う……」タバコケシケシ・・・

アンジェレネ「……ふふっ」ニコッ!

ステイル「な……」ダラダラ・・・


レッサー「わぁ……無言のプレッシャーに負けて煙草消しましたね」ジー・・・

アニェーゼ「やりますねぇ、アンジェレネ」ビシッ!


ステイル「……あ、アンジェレネ」チラッ

アンジェレネ「なぁに?」ニコッ

ステイル「少し離れてて欲しいかなぁって……」タラー・・・

アンジェレネ「良いけど……私が離れたら煙草喫う気かな?」ニコッ

ステイル「……」ギクッ・・・

アンジェレネ「……別に、喫っちゃ駄目とは言ってないよ」ニコニコッ

ステイル「そ、そうかい……」スッ・・・カチッ・・・チラッ

アンジェレネ「ねぇ……ステイルくん……」ジー・・・

ステイル「……」ピタッ・・・タラー・・・


サーシャ「あれは喫えませんね」ジー・・・

香焼「あはははは……ドンマイ、ステイル……」タラー・・・

もあい「にゃーん」フリフリ・・・
631 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 19:55:09.83 ID:/dMb/uJE0
ステイル「……あのー」タラー・・・

アンジェレネ「そういえば……冷蔵庫にワイン以外のお酒も有ったよね?」ジー・・・

ステイル「な」ビクッ・・・

アンジェレネ「十字教だからワインは目を瞑るけど……他は未成年なのに如何やって買ったのかな? ねぇ……ステイルくん」ジー・・・

ステイル「ぐっ……す、少し用事を思い出した。工房に行ってくる」スタッ・・・テクテク・・・

アンジェレネ「あ」


レッサー「逃げましたね」ジトー・・・

アニェーゼ「ふむふむ。なるほど、あの野郎無言で詰めよれば煙草止めるんですね」コクッ

サーシャ「第1の推測ですが、アニェーゼでは無理でしょう」サラッ

レッサー「我慢勝負とか一番苦手でしょう?」チラッ・・・

アニェーゼ「……別にそんなことねぇですよーだ」フンッ

香焼「まぁまぁ……って、アン?」チラッ


アンジェレネ「……」トコトコ・・・

もあい「にゃー」トコトコ・・・


アニェーゼ「あ! あの子は馬鹿ですか! 何で追いかけるの!」ゲッ!!

サーシャ「猫と同レベルですね」アハハ・・・

香焼「……てか、工房って……嫌な予感しかしないっす」タラー・・・

アニェーゼ「兎に角追いましょう。さっきの部屋です!」コソコソ・・・

サーシャ「了解です!」コソコソ・・・

レッサー「……あの部屋に、ですか……ちゃっかり魔道具盗んでもばれなさそうですよね」フヒヒ!

香焼「……不安だなぁ」ハァ・・・



 ガチャッ・・・・・
632 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 20:21:09.44 ID:/dMb/uJE0
 ―――とある日、PM07:40、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、ステイル=マグヌスの工房・・・・・




ステイル「やれやれ……ん?」チラッ

アンジェレネ「……」ジー・・・

もあい「なーぅ」トコトコ・・・

ステイル「……あ、アンジェレネ。此処は工房なんだが」タラー・・・

アンジェレネ「知ってるよ」ジー・・・

ステイル「……無闇に魔術師の工房へ入るなと、教わらなかったかい?」ジー・・・

アンジェレネ「教わったけど何もしなければ危険じゃないですよね」ジー・・・

ステイル「そ、そうだが……僕が悪い魔術師かもしれないぞ?」スッ・・・カチッ・・・

アンジェレネ「ステイルくん……誤魔化して煙草喫おうとしてるね」ジー・・・

ステイル「ぐっ……」ピタッ・・・

アンジェレネ「それに……悪い魔術師じゃないんでしょ?」ジー・・・

ステイル「わ、分からないだろ? もしかして『第6魔法』の研究をしてるかも」

アンジェレネ「ステイルくんは天才かもしれないけど禁忌(魔法)に手を出す程、危険な人間じゃないよね」ジー・・・

ステイル「……疲れる」ハァ・・・


アニェーゼ「ステイルが『第6法』使えたらそれこそ世界の終わりですよ」ジトー・・・

香焼「う、うーん……ステイルなら良い事に使うと思うけどなぁ」

レッサー「何にしろ、そんな事考えた時点で封印指定です、処刑塔にブチ込まれますよ」ジトー・・・

サーシャ「ところで第3の疑問です。さっきから気になっていたのですが……」キョロキョロ・・・

香焼「ん?」

サーシャ「この部屋……本当にマグヌスの工房ですか?」ウーン・・・

アニェーゼ「へ?」ポカーン・・・

レッサー「如何いう事です?」キョトン・・・

サーシャ「第2の回答ですが、『色』が、マグヌスのモノだけでは無い」ジー・・・

香焼・アニー・レッサー「「「はぃ?」」」ポカーン・・・
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 20:38:48.95 ID:g8ZuFua00
>禁忌に手を出す程、危険な人間じゃないよね

香焼の件は!?
634 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/01(日) 20:46:02.01 ID:/dMb/uJE0
ステイル「……ところで、そっちの連中はこそこそ何をしているんだ?」ジトー・・・

アニェーゼ「げっ!!?」ドキッ

レッサー「ばれてーら!?」ドキッ

香焼「え、えっと……あはは」ポリポリ・・・

サーシャ「すいません……ノリで、つい」タラー・・・

ステイル「まったく……君達は『工房』を何だと思ってるんだ」ハァ・・・

アニェーゼ「むぅ……神父のくせに魔術工房持ってる方が異端なんですよ」ジー・・・

ステイル「魔術師が神父をやるから『必要悪』なんだろ? 考えればすぐ分かる」ハァ・・・

レッサー「私は宗教人じゃないですけど、工房持ってませんよー」ジトー・・・

ステイル「君の勝手なんか知らない。だが『魔術師』である以上、工房もしくはその類があってもおかしくないんだ」カチッ・・・フゥ・・・

アニェーゼ「ふんっ! んなもん作れんのは金持ち連中だけですよ」ケッ・・・

アンジェレネ「……ステイルくん、ドサクサ紛れて煙草喫うんだ」ジー・・・

ステイル「ゲホッゲホッ!! ……あ、アンジェレネ。頼むから、見逃してくれ」タラー・・・

アンジェレネ「……」ジー・・・

香焼「あはは。ステイル、今は諦めなよ。9時半くらいまでの辛抱でしょ」クスッ

ステイル「むぅ……」ハァ・・・ケシケシ・・・

サーシャ「……それより、マグヌス。第1の質問です」チラッ

ステイル「何だい?」ハァ・・・

サーシャ「この工房……貴方だけのモノですか?」ジー・・・

ステイル「……そうだが」ピタッ

サーシャ「……」ムゥ・・・

レッサー「サーシャっち。さっきから如何したんですか?」

サーシャ「ふむ……ん?」キョロキョロ・・・ピタッ

ステイル「……お、おい」タラー・・・

サーシャ「失礼……アンジェレネ。足元に紐というか縄がありますね」ジー・・・

アンジェレネ「え、あ、うん」チラッ

ステイル「ちょっ!?」ドキッ!!

アニェーゼ「引っ張ってみましょうか」テクテク・・・グイッ!

ステイル「ばk―――」



 ゴゴゴゴ・・・・・



ステイル「―――」チーン・・・

香焼「ゆ、床が開いた」ビクッ・・・

カルテッ娘『おおぉ!!?』ギョッ!!

もあい「にゃーぅ」トコトコ・・・スタッ!
635 :>>1 [saga]:2011/05/01(日) 20:50:19.62 ID:/dMb/uJE0
すいません! 用事が有るので打ち止めです!

>>633
アレに関しては逆です。『禁忌(呪術)』に罹ってる可能性が有ったので検査を、という形でした。


一応、魔法・魔術に関しては禁書だけではなく型月やなのは等も参考にしているので矛盾点は生じてしまいます。御了承を!

短いですが今日は此処まで。ステイルの部屋で何して欲しいか書いてね! ツイスターはするよん!

んじゃまたねー! ノシ”
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 20:57:32.01 ID:g8ZuFua00
乙!もしかして>>544で言ってた『触ってはいけない床の取っ手』なのか……?

>>635
いえ、ステイルではなくてアンジェレネの方です
「香焼(を見た時>>551でステイルを思いっきり疑ってた)件は!?」という意味で
判りにくくてすいません
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 23:33:05.71 ID:LMPvW2ODO
乙!

とりあえず香焼くんには執事服よりもメイド服を着てもらいたい。
そして私の専属‥‥カモーンっ!!
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/05/02(月) 02:53:00.03 ID:lkvu8pRKo

ステイル以外の物があるってことはインデックスがいたときの思い出の品か
それとも前説明してた触っちゃいけない物か?
639 :>>1 [saga]:2011/05/02(月) 20:33:26.97 ID:LeGZe/DZ0
こんばんわ! 続きです!


レス返信!
>>636・・・いえいえ。私の読解力と文章力不足です。一応、ステイルに対しての疑念は晴れてる、ってのでいいかな?

>>637・・・>>626と、同僚さんが言っておりますよ。ただ香焼のメイド服はアリだ!

>>638・・・その件に関しては、今日書きます。お楽しみに。


って事で投下!
640 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 20:55:34.19 ID:LeGZe/DZ0

 ゴーン・・・・・


香焼「……床が、開いたっすよ」タラー・・・

アニェーゼ「……え、えっと」ジー・・・

ステイル「馬鹿者!! 覗くな!」ギロッ!!

アニェーゼ「うっ……」ダラダラ・・・

サーシャ「第2の質問ですが、マグヌス……この下には何が?」ジー・・・

ステイル「……君らが知る必要はない」フンッ・・・

レッサー「よっぽど重要なモノか見られちゃ拙いモノでもあるんですねっ!」キラキラ・・・

アンジェレネ「れ、レッサーちゃん……」タラー・・・

ステイル「ハァ……兎に角だ。これだけは本当に見せられない。そこの『魔剣(レーヴァテイン)』以上にヤバいモノがある」ギロッ・・・

アニェーゼ「え!? その剣、レヴァンテインだったんですか!? スィンモラの火炎棒!?」ギョッ!?

香焼「レプリカらしいけど……危険だってのは確からしいね」コクッ

サーシャ「ふむ……流石、清教屈指の魔術師の工房という訳ですか」キョロキョロ・・・

ステイル「だから工房なんてのは人に見せれたものではないと……ちょ、レッサー! それに触るな!」ギョッ!?

レッサー「へ? ただの宝石じゃないんですか?」ピタッ・・・

ステイル「ルーンが刻んであるだろう。君の様な霊装付きの人間が無闇に触ったら何が起こるか分からないぞ」ダラダラ・・・

アンジェレネ「YR……ユル、だっけ?」ジー・・・

香焼「エイワズ。『死』と『再生』のルーン……だった様な」チラッ

レッサー「げっ!?」ビクッ・・・

ステイル「……危険だと言ったろう。頼むから阿呆な真似は止めてくれよ」ハァ・・・

アニェーゼ「んー……じゃあこの下は、もっとガイキチなモンが納めてあるって事ですか?」ジー・・・

ステイル「そう言った。頼むから帰ってくれ……」ヤレヤレ・・・

香焼「皆、ステイルの言うとおりにしよ―――」



もあい「にゃー」トコトコ・・・ピョンピョンッ!



香焼「―――ぅ……って、もあいいいいぃっ!!?」ギョッ!?

ステイル「なっ!?」ダラダラ・・・

アンジェレネ「あー……降りてっちゃった」タラー・・・
641 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 21:20:00.65 ID:LeGZe/DZ0
香焼「す、すすす、す、ステイル!! ど、どうしよう!?」アタフタ・・・

ステイル「ちょ、待、ぇ……えー……」タラー・・・

レッサー「まぁ畜生に忠告しても無駄って訳ですね」アハハ

香焼「レッサー! 笑い事じゃないよ!!」ワタワタ!

サーシャ「マグヌス……第4の疑問ですが、何故こんなにあっさり開く仕組みにしておいたのです? らしくない……」ジトー・・・

ステイル「今更それを言われても……というかこの工房、更に此処からは僕以外の人間が入り込む事など想定してないんだよ」ハァ・・・

香焼「何にしろもあいを追わないと……ステイル」チラッ

ステイル「くっ……僕一人で行ってくる。君達は大人しく部屋に戻って―――」


アニェーゼ「よしっ! モアイ救出作戦、開始します! 皆気を付けろー!」ビシッ!!

アン・サーシャ・レッサー「「「おー!!」」」ビシッ!!


ステイル「―――く、き、待、駄目駄目駄目っ!! 絶対入るな!」ギョッ!?

アニェーゼ「極力魔力は使っちゃ駄目らしいんで、オフって下さい! レッサーとサーシャで2先頭、私とアンでバックアップです!」テクテク!

アンジェレネ「隊長。下は真っ暗です。何か明かりが必要ですよ」ジー・・・

ステイル「だから、人の話を聞k」

サーシャ「ふふふ。問題ありません……私の武器(○ラズマカッター)にはライトが付いています!」ガチャンッ・・・ピカッ!

レッサー「おお! 明るい! これなら十分行けますね!」ジー・・・

ステイル「いい加減にs」

アニェーゼ「それじゃあ乗り込めー!」ダッ!

アン・サーシャ・レッサー「「「了解!」」」バッ!

ステイル「行くなっ! ぐっ……」バッ・・・スカッ・・・



 わんやわんや・・・・・



香焼「……行っちゃった」タラー・・・

ステイル「あんのチビガキ共ぉ……」プルプル・・・

香焼「……大丈夫かなぁ」ソー・・・

ステイル「糞(ファッキン)!! 心配なのは彼女らの身じゃない!!」タラー・・・

香焼「え」

ステイル「中に有る『モノ』を見られるのが拙いんだよボケナスがっ!!」スタスタ・・・スッ

香焼「それって……ステイルが恥ずかしいモノ、だったり?」アハハ・・・

ステイル「それで済むならまだマシだ……色々アウトなんだよ! この……行くぞ!」ギリリ・・・テクテク・・・

香焼「え、良いの?」タラー・・・

ステイル「アイツらは僕より君の言う事を聞く! さっさとしろ! 止めるぞ!」カツカツ・・・

香焼「……あはは」テクテク・・・
642 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 21:58:40.34 ID:LeGZe/DZ0
 ―――とある日、PM07:50、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、ステイル=マグヌスの工房下、???・・・・・



 カツーン・・・カツーン・・・・・



サーシャ「……階段はまだ続く様ですね」ジー・・・

レッサー「てかアニェーゼ。ブーツの音超喧しいんですけど」チラッ

アニェーゼ「うっさい。さっさと進みやがれってんです……モアイを見つけてついでに、秘密の部屋の謎も解き明かしてyゲフンゲフンッ!!」コホンッ!

アンジェレネ「ステイルさん、本気で怒るよ? 程々に……ん?」ピタッ・・・

アニェーゼ「如何しました?」エ?

アンジェレネ「……静かに」シー・・・


 にゃー・・・・・


サーシャ「これは……モアイの声です。無事な様ですね」チラッ

アニェーゼ「ふむ、近い……目的地はもう直ぐの様です。気を抜かないで行きましょう」ビシッ

アン・サーシャ・レッサー「「「アイマム!」」」コクッ



 カツカツカツ・・・・・



ステイル「ったく……ふぅ」カチッ・・・ジジジ・・・

香焼「全然見えないね……」ジー・・・

ステイル「眼に強化魔術(スコープ)使っても問題無いぞ。発火で照らしても構わない」カツカツ・・・

香焼「え」

ステイル「階段事態にセキュリティや魔術的効果は施されていない。下に着いてからが厄介なんだ」ハァ・・・

香焼「そ、そうなんだ……一体何が有るの?」チラッ

ステイル「……先に言っておく……下で見た『モノ』は口外するな。良いな?」ギロッ・・・

香焼「う、うん……(そんなに拙いモノなのか? カーテナの量産型とか……まさかね)」ポリポリ・・・
643 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 22:14:28.77 ID:LeGZe/DZ0
もあい「なーぅ」テクテク・・・


サーシャ「むっ! 目標補足です」ジー・・・

アニェーゼ「広間……という程広い場所ではないようですね」キョロキョロ・・・

レッサー「サーシャ。少し辺りを照らして下さい」チラッ

サーシャ「了解です……」スッ・・・


 からーん・・・・・


アンジェレネ「……特に、何もないような」ウーン・・・

レッサー「何か宝石とか黄金とか、金目のモノは無いですかねぇ」グヘヘ!

サーシャ「第1の茫然です……レッサー。禁慾に眩む人間は破滅するだけですよ」ハァ

アニェーゼ「むぅ……とりあえず第一目的はモアイの保護です。捕まえましょう」スタスタ・・・

もあい「みー」テクテク・・・チラッ

アンジェレネ「モアイちゃーん、こっちおいでー」チチチ

もあい「みゃー」ジー・・・



 カツカツ・・・・・



香焼「ん? 下が見えたよ」ジー・・・

ステイル「そろそろ魔術を抑えておけ……それからアイツらの事説得しろよ」ジトー・・・

香焼「素直に聞いてくれるっすかね」アハハ・・・

ステイル「元はと言えばオマエの監督不行だ。飼い主なら目を離さず管理しておけっての」ハァ・・・

香焼「もあいは自分のペットじゃないっすよ」

ステイル「まだそんな事を言う……如何見ても『君の猫』だよ」マッタク・・・

香焼「むぅ……」ポリポリ・・・

ステイル「兎に角、頼んだぞ」スタッ・・・テクテク・・・

香焼「はいはい、りょーかい」テクテク・・・
644 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 22:45:40.26 ID:LeGZe/DZ0
アンジェレネ「おいでおいでー」イイコイイコ

もあい「にゃー」テクテク・・・


ステイル「……おい」ズンッ


アニェーゼ「あ、ステイル。結局来やがったんですか?」ジー・・・

ステイル「結局も何もあるか。本来なら君達4人は処刑塔送りでもおかしくない事をしてるんだぞ?」ハァ・・・

アニェーゼ「な、そ、そんなに拙いんですか? この殺風景の部屋が……」

ステイル「……そうか。殺風景」ボソッ・・・

サーシャ「え?」ピタッ・・・

アニェーゼ「ところで、この部屋電気通ってないんですか? サーシャのライトでしか辺り見えませんよ」キョロキョロ・・・

ステイル「暗くて結構だ……アンジェレネ。さっさと猫を抱えてくれ。戻るぞ」チラッ

アンジェレネ「え、あ、うん……モアイちゃん、行きましょ」スッ・・・

もあい「……みゃん」ピタッ・・・ヨジヨジ・・・

ステイル「よし……じゃあ大人しく帰るぞ」クルッ・・・

アニェーゼ「えー……」ジトー・・・

ステイル「えー、じゃない馬鹿者。此処ばっかりは引っ張ってでも上に」

香焼「……あれ?」キョトン・・・

サーシャ「何か?」チラッ・・・

香焼「……レッサー、何処?」キョロキョロ・・・

アンジェレネ「そういえば……あれ?」キョトン・・・

ステイル「ッ!!? あ、の……馬鹿女郎!!」ガアアァッ!!

アニェーゼ「あのお馬鹿……好奇心で先走りやがりましたね」ハァ・・・

香焼「レッサー! すぐにこっち戻ってきて! 危ないよー!」オーイ!

ステイル「何か仕出かしたら本気でタダじゃおかないからなっ!!」グヌヌ・・・


レッサー「おーヤバいヤバい……なーにかないっかなー」ジー・・・
645 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 23:08:13.67 ID:LeGZe/DZ0
香焼「おーい、レッサー。戻ってこーい」オーイ

アンジェレネ「レッサーちゃーん。危ないよー」オーイ

もあい「なー」フリフリ・・・

ステイル「チッ……アイツまさか天井張り付いて移動してるんじゃなかろうな」ジー・・・

香焼「ま、まさか……」タラー・・・

アンジェレネ「でもレッサーちゃん、偶に壁とか天井這ってるの見た事あるかも」タラー・・・

サーシャ「第1の比喩ですが……宛ら〔G〕ですね……」ダラダラ・・・

アニェーゼ「んなモンより知恵ある分、性質悪ぃですけどね。アイツは」ハァ・・・


レッサー「えーっと……目ぼしいモノはーっと……てかやっぱり、暗いからはっきり見えないです」ウーン・・・カサカサ・・・


アニェーゼ「……サーシャ」ボソッ・・・

サーシャ「……」ピクッ・・・

アニェーゼ「光……もっと明るく出来ませんか? 部屋を照らすくらいに……」ボソボソ・・・

サーシャ「成程……暫し御待ちを……良し! フレーム交換OK」ガチャンッ・・・カチャカチャ・・・

アニェーゼ「GJです……では少々待ってて下さい。私が合図したら照らして」チラッ・・・

サーシャ「了解です」コクッ・・・


ステイル「ったく……喧しいのを勘付かれたら『ヤツ』が来てしまうぞ……」ハァ・・・

アニェーゼ「おい、ステイル」

ステイル「何だ、この面倒な時に……」イライラ・・・

アニェーゼ「レッサー見つけて引っ張りだせば良いんですよね」ジー・・・

ステイル「ああそうだ。逸早くな!」イライラ・・・

アニェーゼ「分かりました……任せて下さい」ニヤッ・・・

ステイル「は?」

アニェーゼ「サーシャ! GO!!」ニカッ!!

サーシャ「Всё ништяк!!(了解!!)」ガチャンッ!!

ステイル「な―――」



 ピカーッ!!



ステイル「―――げっ!!?」ギョッ!!

香焼・アン「「わっ!?」」ビクッ!?

もあい「にゃっ!!」バッ!!

アニー・サーシャ「「ふふふ……」」ニヤリ・・・
646 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/02(月) 23:56:50.29 ID:LeGZe/DZ0
レッサー「うっきゃああああぁっ!! 目がぁ!! 目があああぁっ!!」ジタバタ!


香焼「あ」

アンジェレネ「居た」

サーシャ「ふふふふ……見つけましたよ。マグヌス、任務完了です」ニコッ

アニェーゼ「あー、その代わり部屋の中全部照らされちゃいましたねー(棒)」ニコッ

ステイル「」


レッサー「うぐぐ……ひっでぇ事しますねぇ……」プルプル・・・

香焼「レッサー。いたずらも大概にしてこっちに……って、ん?」ジー・・・

アニェーゼ「ふむ……よく見ると随分近代的な部屋ですね。拷問部屋みたいなのを想像してましたが」キョロキョロ・・・

サーシャ「第3の同意で……おや?」ピクッ・・・

アンジェレネ「……あれ? 何か……変だよ」ジー・・・

もあい「なぅ」キョロキョロ・・・

香焼「……ねぇ。ステイル。自分達が立ってるのって……『どっち』?」タラー・・・

ステイル「ハァ……『床』と答えれば良いのか?」ポリポリ・・・

アニェーゼ「でも、これって……『天井』じゃねぇんですか?」ジー・・・

サーシャ「第1の解説ですが、私達が立っている軸上に照明の様なもの。頭上の方に……ドアが……ほぇ?」ポカーン・・・

ステイル「だから電気を点けるなと言ったんだ……あんまり考えると頭がおかしくなるぞ」チッ・・・

アンジェレネ「す、ステイルさん……何が如何なってるの? あとあの変な照明は何? 布被せてるのは何で?」アタフタ・・・

ステイル「知る必要は無い……これ以上、この部屋に居座るな。ホントに危険なんだよ、此処は」タラー・・・

レッサー「むきゅー……目がチカチカしますよぅ」クラクラ・・・

香焼「レッサー、下危ないよ! そのまま来たら照明踏んじゃうって」アー・・・

ステイル「っ!!? 止まれ!!」ギョッ!!

レッサー「ほぁい?」ムギュッ・・・バッ・・・

一同『あ』

ステイル「い”っ!!?」ダッ!!

香焼「す、ステイル!?」ビクッ・・・

レッサー「うわぁっと!!?」ズルッ・・・


 ふぁさぁ・・・・・


もあい「……にゃーん」ジー・・・
647 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 00:19:51.02 ID:ZNpb8Jqx0
香焼「あ……布が……」ジー・・・

アニェーゼ「見るな変態!」ベシッ!!

香焼「痛っ! そ、そっちじゃなくて! ほらアレ!!」ビシッ・・・

サーシャ「アレは照明ではなく……台座と……」ジー・・・

アンジェレネ「……剣?」ポカーン・・・


レッサー「痛たたぁ……んもぅ! この部屋イヤです!!」ワーン!

ステイル「貴様というヤツは……」プルプル・・・ギロッ!!

レッサー「わ、ちょ、ぼ、暴力反対でーすっ!! 女性に手を上げる男は……って、ん?」チラッ・・・


 にゃーん・・・・・


レッサー「ぱ……ぱ、ぱぱぱ、ぱ、パンツ見ましたねぇっ!!?」カアアァ・・・///

ステイル「喧しいわボケぇ!! んな芋ガキの下着見たって如何って事ない!!」ガアアァ!!

レッサー「な、ひ、げ、外道!! 変態!! 最低!! 不能野郎!!」ガアアァ///

ステイル「ピーピーギャーギャーと……黙ってそっち行ってろ!!」ガシッ・・・ポイッ!!

レッサー「うひゃあああぁっ!!」ブンッ!!


 ドスンッ!!


アニェーゼ「ん。お帰り」チラッ・・・

レッサー「うぅ……穢されちゃいました……あんな不良神父に……」ウルウル・・・

サーシャ「あーうん。よしよし(棒)」ナデナデ

香焼「あはは……それより……」ジー・・・

レッサー「それよりって何ですか!! 私のおパンツが見られたんですよ!! セクハラです! セクシャルハラスメントです!!」ウワーン!!

アンジェレネ「レッサーちゃん、少し黙ってようねー」ポンポンッ

レッサー「ぐぅ……皆の馬鹿ぁ……」ペタン・・・

サーシャ「第2の推測ですが……あの台座と『剣』は、本で見た事がありますよ」ジー・・・

アニェーゼ「ええ……子供なら一度は絵本で読んだ事あるでしょうね……」フム・・・

アンジェレネ「でも『アレ』はカーテナとは違って『国剣(カーテナ)』と違って御伽噺(フィクション)のモノじゃ……」タラー・・・

香焼「いや、カーテナは円卓の騎士・トリスタンが持っていたという伝承も有るっす……それを考えれば『アレ』も……」ジー・・・

アニェーゼ「右席の後方(アックア)の野郎の剣(アスカロン)の件もありますし……もしかして……」ジー・・・

サーシャ「第3の推測です。その理屈でいくとアレは儀礼剣、もしくは霊装剣である可能性も……」ジー・・・


レッサー「遠回しに言わないでハッキリ『選王の剣(エクスカリバー)』って言っちゃえばいいじゃないですか」ブーブー・・・


一同『……』シーン・・・
648 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 00:39:39.75 ID:ZNpb8Jqx0
香焼「い、いや……流石にねぇ……」タラー・・・

アンジェレネ「レッサーちゃん……アレは架空の剣で、実際は」ウーン・・・

レッサー「んなもん分かってますよ。でも上で見た破滅の杖(レーヴァテイン)やフルンティング、アスカロンの例もあるでしょう」サラッ・・・

アニェーゼ「……まぁ、バチカンの聖遺物も実在したりしなかったりするものありますからね」ジー・・・

サーシャ「マグヌス……第3の質問です。それは王の剣(エクスカリバー)なのですか?」ジー・・・

ステイル「……」シーン・・・

サーシャ「無論、口外はしません。すれば先の言葉通り処刑塔送りというのは待逃れないでしょうからね」コクンッ・・・

ステイル「……」チラッ・・・

アニェーゼ「い、言いませんよ。言って得する事なんてねぇじゃねぇですか。ね?」チラッ・・・

アンジェレネ「も、勿論です!」アタフタ・・・

レッサー「えー、どうしよっかなー」ニヤッ・・・

香焼「レッサー!」ジトー・・・

レッサー「散々私の事馬鹿にしましたしー。もし本物じゃなくても近いモノを主教補佐様が保管してるって情報をゴシップ誌に売ればー」ベー!

香焼「っ……レッサー……ちょっとふざけるの止めようね」ギュッ!

レッサー「いぃっ……ひぃやああああぁっ!! し、尻尾!! らめ、やめてええぇっ!! 尻尾はや、ら、め……てぇ……」フニャン・・・///

アニー・アン・サーシャ「「「っ!!?」」」ギョッ!?

香焼「……レッサー」ニコッ・・・ゴゴゴゴ・・・ギュッ!!

レッサー「ぃわ、ない……おねが……コウヤギひゃま……ひっ!! んんんっ!!」ビクッ・・・キュウゥ・・・///

香焼「うん、OK……ステイル。皆、黙ってるっすよ。安心して」ニコッ

レッサー「ん……ぁ、い……」ポー・・・コクンッ・・・///

ステイル「お、おぅ……(何か今香焼が怖かったぞ……)」タラー・・・

アニー・アン・サーシャ(((い、今の……誰?!)))タラー・・・

もあい「にゃぅ……」ガクブル・・・
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 00:44:26.64 ID:s2e1gvtDO
レッサー良い声でナきますにゃあwwフヒヒwwww

まさか香焼‥‥ゲス条さん化するのか!?
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/03(火) 00:54:02.18 ID:tAq83Vet0
レッサー良い声でナきますにゃあ……
香焼に「様」付けとか風呂での反応とか、最近レッサー株が急上昇してる
やばい、レッサーアフターが凄く楽しみだ
651 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 01:13:04.48 ID:ZNpb8Jqx0
 ―――とある日、PM08:15、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、ステイル=マグヌスの工房下、???・・・・・



 にゃーん・・・・・



ステイル「ハァ……まぁ、大体の予想であってるよ。だから詳細は言わない」ポリポリ・・・

アニェーゼ「へぇ……武器として使えるかどうかは分からねぇですが、礼装・概念武器ではあるって事ですね」ホー・・・

アンジェレネ「でも、何でステイルさんがそれ保管してるの? 借りに偽物(レプリカ)だとしても、変だよね」ジー・・・

ステイル「あくまで保管・管理を任されているだけだ。勿論、僕のじゃない」スッ・・・

サーシャ「第4の質問です。では、それはまさか……」フム・・・

ステイル「……ああ、そうだ」コクッ・・・

レッサー「……ほぇ? 女王(ババア)の?」ペタン・・・

ステイル「違う」ジー・・・

香焼「王配陛下のモノっすよ、多分」ポンッ

レッサー「ひゃんっ!! さ、触らないで……え、あ、こほんっ! あ、あのジジイ(公爵)の剣ですか」ヘェ・・・///

アニェーゼ「……でも王婿である公爵がそれを持つのは変ですよねっ。『王』じゃないのにっ」イライラ・・・グイッ!

香焼・レッサー「「うわっ」」ビクッ・・・

アンジェレネ「あはは……(アニェーゼちゃん、結構怒ってるねー)」タラー・・・

ステイル「だから此処で……人の目につかない所で保管しているんだ。もう良いだろ?」

サーシャ「では最後に……それの礼装概念というか、霊装効果に興味が有るのですが……」ジー・・・

ステイル「君が知って如何する。剣を引っ張って英国王と宣言してみるか? もっとも選定は効果の一つに過ぎないけどね」ハハッ

アニェーゼ「え!? それ抜ければ英国王なれるんですか!?」キラキラ・・・

ステイル「あはは! 無理だよ……まぁ壊さないと約束するなら試させてやってもいいぞ。壊したら全員で処刑塔行きだがな」クスクス・・・

香焼「す、ステイル!?」ギョッ・・・

ステイル「冗談だよ。さぁ上に行k」


アニェーゼ「王様ゲームだぁ!!」ワーイ!

アン・サーシャ・レッサー「「「いえーい!」」」ヤッホー!


ステイル「」チーン・・・

もあい「……にゃう」ペチペチ!

香焼「今のはカバー出来ないなぁ……馬鹿ステイル」ハァ・・・
652 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 01:31:38.81 ID:ZNpb8Jqx0
>>649-650・・・冷蔵庫『紳士が居るのぅ! 因みに「ゲス条さん化」は、カミやん病の弊害です!』



*      *      *      *      *      *      *      *      *



@アニェーゼの場合。


アニェーゼ「いっちばーんっ!! ふんっ……ぐぬぬぬっ!!」クギュウウウゥッ!!

レッサー「おー。本当に簡単には抜けないみたいですね」ホェ・・・

アニェーゼ「このっ!! くのっ!! んぎぎぎ……糞(ダム)っ!!」ガンッ!!

ステイル「なっ!!?」ギョッ!!?

香焼「アニー!! 蹴っちゃ駄目だろ!! 壊れたら如何すんのさ!!」ガシッ!!

アニェーゼ「え、あ……あはは……」タラー・・・///

アンジェレネ「でも、ビクともしないね……(今わざと怒られたね、アニェーゼちゃん)」ハァ・・・

サーシャ「第5の質問です。抜く際に魔力を使うのは禁止で?」チラッ・・・

ステイル「使おうが使わまいが君達には抜けない筈だよ。早く諦めるんだな」ハァ・・・



Aアンジェレネの場合。


アニェーゼ「いや、アンが抜けたら私面目立ちませんよ」タラー・・・

サーシャ「いや、分かりませんよ」フフフ・・・

アンジェレネ「行きますっ……えいっ!!」グッ!!

香焼「やっぱり云とも寸ともいわないね」アハハ

アンジェレネ「むうううぅにゃああぁっ!!」プクウゥ!

レッサー「もう無理でしょ。顔真っ赤ですよ、アンジェっち」アハハ

アンジェレネ「みゅう……無理だよぅ。これステイルくん、抜けるの?」ハゥ・・・

ステイル「くん付けしないでくれ……僕は抜けないかな」クスッ

アニェーゼ「ステイル『は』? 『抜けない』?」ジトー・・・

ステイル「持った事はある。だが抜けない。そういう事だ」フッ・・・
653 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 01:48:45.04 ID:ZNpb8Jqx0
Bサーシャの場合。


サーシャ「……」ジー・・・

香焼「どうしたの?」キョトン・・・

サーシャ「……武具(工具)を使うのも禁止でしょうか?」チラッ・・・

ステイル「止めてくれ。物理的な殴打で欠けたりしたらアウトだぞ?」タラー・・・

サーシャ「ふむ……では……っ」スッ!

レッサー「え?」ポカーン・・・

アンジェレネ「な、何してるの?」キョトン・・・

サーシャ「第、3の、回答です! 引いてダメなら……押したり捻ったり!!」グイッ! グイッ!!

ステイル「ちょっ!!?」ゲッ!?

香焼「さ、サーシャ! それ拙いっぽい! ストップ!!」アタフタ・・・

サーシャ「むっ……残念です」ハァ




Cレッサーの場合。


レッサー「物理的にはアウト。となると……魔力でしょうね」ニヤッ・・・

香焼「レッサー。攻撃的な魔術は駄目っすよ」ジトー・・・

レッサー「わ、分かってますよ! だから尻尾は止めて下さいって!」アタフタ・・・

アニェーゼ「あ。尻尾太腿に巻き付けやがりました」ジー・・・

レッサー「それじゃあ魔力を流して……」パシッ

アンジェレネ「レッサーちゃん。実はさっき私試してたよ」アハハ・・・

サーシャ「右に同じく私もです」コクンッ・・・

レッサー「ありゃりゃ……それじゃあ如何すれば良いんですか! 私お手上げですよ!」アワワ・・・

アニェーゼ「引くだけ引いてみたら如何です?」ホレホレ

レッサー「うーん……そぉいっ!!」グッ!!

ステイル「無意味だな」アハハ・・・

レッサー「畜生ぉ……こうなりゃ『手袋』で攻撃をっ!!」ガアアァッ!!

アンジェレネ「……お馬鹿さん」ハァ・・・

香焼「……」スッ・・・



 ―――ひぃヤあああああああぁんっ!!
654 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 02:37:10.68 ID:ZNpb8Jqx0
D香焼の場合。


レッサーっぽい危ない娘「」ビクンビクンッ・・・


香焼「え? 自分もやるの!?」エー・・・

アニェーゼ「モノは試しです。もしかして男しか抜けねぇとかいう仕組みかもしれませんしね」コクッ

香焼「いや、ほら、アーサー王は女性だったっていう説もあるし」

サーシャ「第2の意見ですが、そんなトンドモ仮説を信じるのは日本人くらいですよ」ハァ・・・

アンジェレネ「とりあえずチャレンジだけしてみましょう」ニコッ

香焼「うーん……」ジー・・・

ステイル「さっさとしろ。終わったら引き上げるぞ」スッ・・・パクッ・・・カチッ

アンジェレネ「……ステイルくん」チラッ・・・

ステイル「うっ……ひ、暇だと口が寂しくてな……」タラー・・・

香焼(陛下の指紋認証、鍵、暗証番号……その類だろうなぁ。という事は本人かステイルしか抜き方を知らない……)マジマジ・・・

もあい「なぅ」キョロキョロ・・・

香焼「(あと問題は台座の方か……ん?)……ステイル。この台座って、まさか」タラー・・・

ステイル「ん? ああ、気付いたか」ククク・・・

アニェーゼ「如何したんですか?」ポカーン・・・

香焼「……都市製の金庫に似てるよ」ジトー・・・

アンジェレネ「え!?」ギョッ・・・

サーシャ「成程……道理で……」ハァ・・・

香焼「という事はハナから抜けない仕組みなんすね」チラッ・・・

アニェーゼ「テメェ騙しやがりましたね!!」ギロッ・・・

ステイル「騙しては無いんだがな……そうだな、その台座は人の意志・覚悟を汲む」クスッ

一同『え?』ポカーン・・・

ステイル「『選定の剣』は伊達じゃないってこそさ」フフフ・・・

サーシャ「意味が分かりません……心を読むとでも言うのですか?」ポカーン・・・

アンジェレネ「台座に心があるの!? 機械っていうか、金庫なのに!?」ホェ!?

香焼「……読心能力(サイコメトリック)の実用化……ある一定の心にしか反応しない『AI(人工知能)鍵』か」ボソボソ・・・

カルテッ娘『はい?』キョトン・・・

ステイル「そうゆう事だ。まあその『鍵(心)』の内容を教える訳にはいかないけどね」フフフ

アニェーゼ「え、AI……す、ステイル。アンタ、んな訳分かんねぇモノ肯定した上取り入れやがったんですか!?」ギョッ・・・

ステイル「僕は別にアンチ科学じゃないからね。好きでも無いけど。便利なら利用する、それだけさ」ハハッ

香焼「……」ジー・・・
655 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 03:24:49.81 ID:ZNpb8Jqx0
香焼(試しに……一回だけ……)スッ・・・

ステイル「お? やるか?」ククク・・・

香焼「因みにコレは原点レプリカ(カリバーン)? それとも派生レプリカ(エクスカリバー)?」チラッ・・・

ステイル「ほぅ……原点だ」ニヤッ・・・

香焼(じゃあ……純粋に、この国の恒久平和を……――)スッ・・・


 にゃーん・・・・・


香焼「――……アレ?」ポカーン・・・

サーシャ「まるで変わりませんけど」ジー・・・

ステイル「一体何を考えたんだい?」ジトー・・・

香焼「え、えっと……国の平和とか、皆の安全とか……そんな感じかなぁって」アハハ・・・

アニェーゼ「筋金入りの阿呆人好しですね」ハァ・・・

ステイル「……まったく……多少の野心がなければ抜けないよ」ジトー・・・

香焼「や、野心?」エ・・・



E解答。


ステイル「まぁタネ明かしをすれば方法は二つ。一つは物理的な鍵。もう一つは精神的な鍵」サラッ

アンジェレネ「物理的なっていうのは、言葉通り鍵錠とかカードキー、暗証番号とかって事?」チラッ・・・

ステイル「ああ。これは指紋認証だ。開けられるのは二人。一人は陛下で……もう一人は知らなくいい」ハァ・・・

香焼「ステイルじゃないんすか?」

ステイル「こんな厄介なもの、持ち歩きたいとは思えないからね……それに正直荷が重いさ」アハハ・・・

サーシャ「第6の質問です。それでは『精神的』というのは如何いったもので?」ジー・・・

ステイル「さっき言った通りさ。意志・覚悟……内容は教えられないさ。まぁ香焼はチラッと勘付いた様だけど」クスッ

アニェーゼ「そうなんですか?」エ・・・

香焼「え、えっと……アーサー王、アルトリウスが剣を抜いた時の心持っていうのかな」

アンジェレネ「王様に……だから平和とかって事なんだ」アー・・・

ステイル「ただしそれだけでは駄目だ。野心も必要、具体略案も考慮済み、方針・過程・結果・事後の目入れ……全て有り気だ」フフフ

アニェーゼ「うわぁ……到底無理ですね。頭痛くなります」ウヘェ・・・

ステイル「それだけの気持ちがなければ『王』になどなれないんだよ……謂わば集団のトップに立つ者の理想者が抜く剣さ」ニヤッ・・・

サーシャ「武器というよりは、それこそ『選定』なのですね。ふむふむ、面白いです」ヘェ・・・

アンジェレネ「でも凄いのはAI(人工知能)さんだよねー。人の心を見抜くなんて考えられないよ」ホエェ・・・

香焼「都市の能力具現実用は、外の人間からしてみれば魔法もいいところだからね」アハハ
656 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/03(火) 03:56:21.13 ID:ZNpb8Jqx0
ステイル「ほら。兎に角これで終わりだ。さっさと戻るぞ」ファサッ・・・

アニェーゼ「うーん……まぁそれなりに楽しめたから良いでしょう」ムンッ

香焼「だからって外でベラベラ話しちゃ駄目だよ」メッ!

アニェーゼ「わ、分かってますよ……」ブー・・・

サーシャ「ほら、レッサー。帰りますよ。いつまで寝てるつもりですか」ツンツン・・・

レッサー「……抱っこして」グデェ・・・

アンジェレネ「ありゃりゃ、腑抜けてる……もう一度コォヤギくんに喝入れて貰おうか」ニヤッ・・・

レッサー「あ、歩けますから! し、尻尾はもう駄目!!」アタフタ!!

香焼「もう弄らないから、ほら帰るよ」ニコッ

アニェーゼ「……」イライラ・・・

サーシャ「あはは……それにしても、マグヌス。第5の疑問ですが、元帥(王配)殿は何故あの『剣』を?」ジー・・・

ステイル「……色々あるんだよ。あのお方はこの国で一番重荷を背負っておられる」ジー・・・

レッサー「珍しいですね、ステイルが真面目にそういう事言うのは」ヘェ・・・

ステイル「我が国の陸海空軍元帥なんだ。アメリカやロシアとの軍事関係に頭を悩ませながら日々過ごされている……僕には出来ないね」

香焼「あ、そっか。軍部の面で一番偉い人だもんね。現場は別だけど最高責任者として色々しなきゃいけないんだ」コクッ・・・

アニェーゼ「加えてあの嫁(エリザード)にあの娘達(王女3人)。頭痛薬と胃薬必須でしょうね」ニシシ!

ステイル「かもね。今は米露の大統領相手より内部……議員・政治家共の方が面倒の様だからヴィリアン姫がよく手伝いをしていると聞くよ」

アンジェレネ「ヴィリアン様なら安心ですねー」ニコッ

レッサー「純粋な国民からすると不安で仕方ないんですけどね。あの日和姫」ハァ・・・

ステイル「……兎角、終わりだ。戻るぞ」テクテク・・・

もあい「なぅ!」ヨジヨジ・・・

アニェーゼ「しゃーねぇですね。大人しく従いますか」テクテク・・・

アン・サーシャ・レッサー「「「はーい」」」テクテク・・・


香焼「……そういえば」ピタッ・・・

ステイル「何だ。まだ何か有るのか?」ジトー・・・

香焼「あの扉……何だったの?」ボソッ・・・

ステイル「……あそこだけは駄目だ。絶対見せられん」ボソッ・・・

アニェーゼ「野郎共ー。置いてきますよー」テクテク・・・

香焼「あ、うん。急ぐからー……まぁいいっか」テクテク・・・

ステイル「……やれやれ」ハァ・・・





 ――ギイイィ・・・・・
657 :>>1 [saga]:2011/05/03(火) 04:01:50.02 ID:ZNpb8Jqx0
はい。すいません。今日は此処で終わり。

※注意! 
あくまでSSです。エクスカリバー&カリバーン並び元帥陛下(女王エリザードの旦那)については真に受けないで下さい!


次回こそギャグを書こう。ツイスター書きたい! 安価したい! 少しくらいならエッチィのを入れてもいいさ!(オイw

んじゃまた次回! ノシ”
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 13:28:08.45 ID:v1HovYaeo
乙!

型月過ぎて、型月厨の俺大歓喜
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 15:47:43.57 ID:tAq83Vet0
乙!

レッサー株が上がりすぎてアフターが超読みたい
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 15:59:03.27 ID:s2e1gvtDO
アーサー王物語はアヤフヤだからにー。さておき、キャーリサのパパンがどんなんか気になった。

あとゲス条さん化って事はいずれ、ゲス焼くんも出るのか! wwktk!
そんでレッサーちゃんが‥‥グヘヘ。
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/03(火) 17:19:12.40 ID:R2Ti7TzAO
乙でぇす

なるほどレッサーアフター後はサーシャアフター、結標アフター、春上アフターに佐天アフターですね!


あ、前に言っていたSSは香焼が主人公でフロリスがツンデレなやつでした
更新が無いのか続きが無いのが残念でしたけど
662 :>>1 [saga]:2011/05/05(木) 22:22:44.93 ID:AW5FUobv0
こんばんわ。続きです。


レス返信!
>>658・・・とりあえず魔法とか魔術モノの教科書ですよね。あとCLAMP系とアメコミが主な参考書。

>>659・・・レッサー・アフターねぇ。尻尾を×××で、フヒヒ!

>>660・・・カリバーンについては話は広げませんよ。パパンの出演予定も今は無し。ゲス焼くんは……見たい?

>>661・・・その香焼×フロリスものがどんなのか気になる! HTML化してる? それともどっかの投稿?


はい。では寝落ちしない限り、投下しましょう!
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/05(木) 22:25:49.74 ID:+92Ll73k0
キタ!!
664 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/05(木) 22:56:40.70 ID:AW5FUobv0
 ―――とある日、PM08:35、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・


 
 てんやわんや・・・・・



アニェーゼ「―――いやぁ、流石主教補佐の部屋。秘密がいっぱいですねぇ」ニヤリ・・・

レッサー「探せばもっと色々出てくるんじゃないですか?」ニシシ!

ステイル「頼むから、外でベラベラ喋るんじゃないぞ。首が飛ぶ程度じゃ済まないからな」ハァ・・・

サーシャ「勿論です。第1の危惧ですが、我々の身にも危険が及びますからね。自分の首は絞めませんよ」コクンッ

アニェーゼ「とりあえず一息つこうよ。ステイルさん、冷蔵庫開けて良い?」チラッ

ステイル「好きにしてくれ。ホットだろうがコールドだろうが、御勝手に」フゥ・・・

アニェーゼ「んじゃ好きなモン飲ませて貰いますよー! アンジェレネ! ワインカモーン!」ニカッ!

ステイル「ばっ!?」ギョッ!?

レッサー「小さい事言わないで下さいよー、主教補佐殿ぉ。金持ちっしょ?」ニヤリ・・・

サーシャ「第1の示唆ですが、美味しいモノは皆で共有すべきかと……ねぇ?」フフフ・・・

ステイル「ぐっ……この、小悪魔共め……」ハァ・・・

カルテッ娘『わーい!』ヤンヤ!ヤンヤ!

もあい「にゃーん」フルフル・・・

香焼「良いの?」チラッ・・・

ステイル「……貰い物なら呑まれても仕方ないさ。君も呑むか?」ッタク・・・

香焼「え、えっと……赤ワインだよね」チラッ・・・

ステイル「未成年の僕らは、それ以外基本御法度だろう。基督教的に」ジトー・・・

香焼「う、うーん……一杯だけね。(五和と浦上の所為で焼酎・日本酒・チューハイばっかだからなぁ)」タラー・・・

ステイル「ところで、彼女らは酒強いのか?」

香焼「え? ……知らないよ」タラー・・・

ステイル「おいおい。酔い潰れてお泊まりとか無しだぞ……ルチアに殺されかねない」ダラダラ・・・

香焼「その場合、イの一番に自分がターゲットっすね」ダラダラ・・・


アニェーゼ「ステイルー。このバーバリー開けて良ーい?」オーイ!

アンジェレネ「アニェーゼちゃん、それジンだから強いよー。こっちのレッドエールにしよ!」スッ

レッサー「だったらペールエールの方が……あ! スコッチウィスキーの新物あるじゃないですか!」キラキラ・・・

サーシャ「おぉ! 奥のラムも捨て難いですが、それにします! 早く開けましょう!」ワクワク・・・


ステイル「誰一人としてワイン選ばない……勘弁してくれ」タラー・・・

ステイル「流石、未成年の飲酒大国イギリスだね」アハハ・・・
665 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/05(木) 23:26:26.00 ID:AW5FUobv0
 一寸後・・・・・



ステイル「―――はい、これ」ドンッ・・・

レッサー「……ふつーの赤ワインですね」ジー・・・

サーシャ「ええ……極普通。値段は高くもないし低くもない普通。造年日も古くもなく新しくもない普通の赤ワインです」ジー・・・

アニェーゼ「なぁにこれぇ?」ポカーン・・・

ステイル「嫌なら呑むな」ジトー・・・

レッサー「ちょ、だって、さっきまでブランド物の酒でお祭り騒ぎ展開だってだしょう!?」

ステイル「あれは僕の酒じゃない。勝手に手を付けて貰っては困る」ハァ・・・

サーシャ「むぅ……第7の質問ですが、誰の酒ですか?」ジー・・・

ステイル「それこそ教える必要は無い。ただそれに手を出すと厄介な事になるぞ」フンッ

アニェーゼ「んな曖昧な答えで納得出来る程私達は」

アンジェレネ「アニェーゼちゃん、贅沢言わないの……ワインを分けて貰えるだけでも有難いですよ」ニコッ

香焼「そうだよ。仮にも人の家(部屋)なんだから我儘言っちゃ駄目っす」メッ!

アニェーゼ「む、むぅ……仕方ねぇですね」ハァ・・・

レッサー「やれやれ。んじゃとりあえずこの一本で我慢してやりますか」

ステイル「まったく、何様だよ」ハァ・・・

もあい「にゃーん」トコトコ・・・


サーシャ「第1の報告です。全員分、グラスに注ぎました」チラッ

アニェーゼ「あいよっ。んじゃ乾杯の音頭は……ステイル! どーぞ!」ニヤリ・・・

ステイル「馬鹿言わないでくれ」ハァ・・・

アンジェレネ「ステイルさん、ホストなんだから一言だけ。ね?」ニコッ

レッサー「そーそー。女衒(ホスト)には向かないけど、家主(ホスト)ですから」ドヤッ!

アニェーゼ「そのギャグはドン引きですよ、レッサー」ジトー・・・

香焼「……ステイル案外ホスト向きだと思うけどなぁ」アハハ・・・

ステイル「よっぽど君の方が向いてるよ……」ジトー・・・

サーシャ「良いからさっさと乾杯と言いなさい。残り時間は一時間切ってるんです」モゥ・・・

ステイル「あー、はいはい……では杯を……」スッ・・・

一同『……』スッ・・・

ステイル「主に、母に、祖国に、隣人に―――」

アニェーゼ「うわぁ、何か神父みてぇです」クスッ

ステイル「悪かったな、神父なんだよ―――……そして、仲間に―――」



 かんぱーいっ!



もあい「みゃー」フシフシ!
666 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/05(木) 23:52:36.52 ID:AW5FUobv0

 にゃーん・・・・・


レッサー「……ん?」ゴクッ・・・

サーシャ「第1の感想ですが……珍しい味です。値段の割には意外と……」ムゥ・・・

ステイル「知り合いの商会で作っている庶民向けのワインだ。呑み易さを重視しているからな」フフッ

アンジェレネ「うん。赤ワインなのに独特の臭みが少ないよ。フルーティーかも」ニコッ

アニェーゼ「ステラ・バード・シスターズ……聞いた事無い酒造会社です」ヘェ・・・

香焼「あー……(ステイルと仲良いバードウェイさんとこの表名義会社かぁ)」アハハ・・・

レッサー「とりあえず時間いっぱいまで呑んでやりましょう! アンジェレネ、隠しお菓子出しちゃいなさい!」ニヤリ・・・

アンジェレネ「え、あ、う、うん……仕方ないね」クスッ・・・


 ガヤガヤ・・・


ステイル「やれやれ……ホント、疲れた」ハァ・・・

香焼「ステイル、良いの? これパトリシアが君にってくれたヤツじゃ」チラッ・・・

ステイル「ん? まぁ構わないよ。色んな人の感想を聞かせた方が彼女も嬉しいだろう」

香焼「なら良いけど……ねぇ」ボソッ・・・

ステイル「まだ何かあるのか? 詮索屋」

香焼「酷い言い様だなぁ……冷蔵庫の他のお酒って、ホントはステイルの?」クスッ

ステイル「……本当に僕のじゃないんだ」タラー・・・

香焼「え?」

ステイル「……知らなくて良いよ」ハァ・・・

香焼「……」ウーン・・・

もあい「なぅ」ペロペロ・・・

香焼「じゃあもう一個だけ、教えて」

ステイル「あーはいはい。言える範囲だぞ」ゴクッ・・・

香焼「さっきの……下の部屋での件なんだけどさ」ジー・・・

ステイル「……ん」ピタッ・・・
667 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 00:19:02.01 ID:LLMakiR90
香焼「ステイル、下の部屋に行く時、散々魔力の仕様は控える様にって言ってたでしょ」

ステイル「それが如何かしたか?」

香焼「それから暴れたりしない様にもって、注意してた」

ステイル「だから何だ?」

香焼「……あの部屋にトラップか何かあるモノだと思ってたんだ」

ステイル「ああ、そういう事か」フム

香焼「でも実際何も無かった。天井と床が……何ていうか平衡感覚が変になるだけで、他には何も無い」

ステイル「うん、まぁそう見えるだろうな」

香焼「じゃあ如何して危険な真似は控える様指示したの? あの部屋を隠す為のブラフ?」

ステイル「相変わらず君は変な所に頭が回るな。やはり探偵にでもなるべきではないか?」クスッ

香焼「誤魔化さないでよー」ハァ

ステイル「ふふっ……まぁブラフってのもあった。だが本来の理由は違う所にある」

香焼「違う? ……あ」ピタッ・・・

ステイル「気付いたか?」

香焼「……扉」ボソッ・・・

ステイル「ああ……まぁ君はベラベラ言い触らす人間じゃないから教えても大丈夫だろう」スッ・・・

香焼「え、いいの?」カチッ・・・

ステイル「ん、サンキュ……ふぅ」ジジジ・・・モクモク・・・

もあい「にゃう」ジー・・・

ステイル「……あの部屋は―――」


アンジェレネ「……」ジー・・・


ステイル「―――……ちょっと、待った」タラー・・・

香焼「え、あ、アン……」ヤベッ・・・

アンジェレネ「……ステイル『くん』。コォヤギくんも、如何して火を」ジトー・・・

香焼・ステイル「「……」」タラー・・・

アンジェレネ「……私がさっき言った事、忘れましたか?」ジトー・・・

ステイル「い、いや、その……癖でね」アハハ・・・

香焼「じ、自分も、癖で」アハハ・・・

アンジェレネ「ふーん……癖で煙草を咥えて、癖で煙草に火を点けるんだ……」ジトー・・・

香焼・ステイル「「……」」ダラダラ・・・

もあい「……なぅ」イソイソ・・・
668 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 00:51:02.54 ID:LLMakiR90
レッサー「あんれぇ? 何々ー? またアンジェっちプンスカモードですかぁ?」トコトコ・・・

アンジェレネ「……」ジー・・・

サーシャ「第4の推測ですが、またマグヌスの煙草の所為でアンジェレネがご機嫌斜めなのでしょう」ハァ・・・

ステイル「だーかーらー、僕の勝手だと言うに……」ッタク・・・

アニェーゼ「あーそうですね。主流煙はアンタの勝手でしょう。でも副流煙はそういう訳にもいきませんねぇ」フンッ

ステイル「ぐっ……それを気にするなら僕の近くに寄らなければ良かろう。キッチンに居れば煙は行かない」チラッ・・・

アンジェレネ「そういう問題じゃないの。身体に良い悪いじゃなくて、法があるでしょ!」メッ!

ステイル「……なぁ香焼。彼女は既に酔ってるのか?」ボソッ・・・

香焼「え? ど、如何だろう……もしかしたらそれもあるかもね」アハハ・・・

アンジェレネ「酔ってません! まだ一杯も呑み終えてないんだからねっ」ムゥッ!

香焼「あ、え、うん……」チラッ・・・

アニェーゼ「……まだそこまでじゃ無ぇですよ。アンはデロデロに酔うと抱き着いてきますから」ハハハ

サーシャ「第1の補足ですが、私達の中で一番弱いのはアンジェレネという事は確かですけどね」アハハ

アンジェレネ「もう! 私は真面目に言ってるんですよ! 聞いてるの? ステイルくん!」キッ!

ステイル「あー、うん。悪かった。これ喫い終わったら君達帰るまで暫く控えるから」ハァ・・・

アンジェレネ「分かってなーい!」ンモー!

ステイル「ハァ……」ヤレヤレ・・・

レッサー「あはは。しっかし、ステイルはアンジェレネに甘いですねぇ」ニヤニヤ・・・

ステイル「あん?」ジー・・・

サーシャ「確かに」コクッ

アンジェレネ「こんなに意地悪なのに?」ジトー・・・

香焼「ううん。丁寧に対応してくれるだけ優しいよ」クスッ

ステイル「ちょ、おま」タラー・・・

アニェーゼ「私やレッサーが注意した所で知らんぷり。最悪喧嘩ですもんねー」ジー・・・

香焼「自分が止めると逆に煙草喫わせようとしてくるしね」アハハ・・・

アンジェレネ「うーん……でも、ステイルさん。誰が何言っても煙草止めないんでしょ? だったら同じだよ」ジトー・・・

ステイル「だから・・・・・」ポリポリ・・・

レッサー「『僕が煙草を辞めるのは死ぬ間際だよ』でしょ?」ニヤリ・・・

ステイル「……そういう事だ」ジジジ・・・

アンジェレネ「むぐぐ……じゃあ代わりにコレ!」ハイッ!

香焼「ラムネ……チョコシガレットじゃん」ジー・・・

アンジェレネ「コレ咥えてて下さい!」フンッ!

ステイル「……ニコチンが無いと死んでしまうんだよ」ハァ・・・

サーシャ「典型的な中毒者ですね、私達とそう変わりない年齢だというに」ハァ・・・

もあい「なー」ジー・・・
669 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 01:29:10.17 ID:LLMakiR90
ステイル「とりあえず……我慢すれば良いんだろ。ほら、消した」ジュッ・・・

アンジェレネ「……OKですよー」ニコッ

香焼(多分、月詠さんとか禁書目録と同じタイプなんだろうなー)アハハ・・・

ステイル「まったく……香焼。適当に肴でも作ってくれないか。口が寂しくて仕方が無い」ハァ・・・

香焼「あ、うん……でもそんなに食材無かったと思うよ」タラー・・・

レッサー「だったらチョコラムネで良いじゃないですか。折角アンジェレネがくれたんですしねぇ」ニコッ

ステイル「間違えてラムネに火を点けかねんから、遠慮しとくよ」ゴクゴク・・・

アンジェレネ「……ステイルくん、また煙草?」ジトー・・・

ステイル「香焼の作る安いツマミで我慢すると言っているんだよ」コトッ

アニェーゼ「ところで……アンジェレネ」チラッ・・・

アンジェレネ「うん」コクッ

アニェーゼ「さっきから気になってたんですが……ステイル『くん』って、何?」チラッ・・・

香焼・ステイル・サーシャ・レッサー『ぶっ!』ギョッ・・・

アンジェレネ「え? 何って……ステイルさんの事だけど」コクッ

サーシャ「マグヌスの事って……いやいや、そういう問題じゃ無くて」フキフキ・・・

香焼「何故『くん』付けかって事でしょ」チラッ・・・

アンジェレネ「何故って言われても……特に考えは無かったかなぁ。そんなに変?」ウーン・・・

アニェーゼ「いや、変ではないんですが……コイツがガキ扱いされてんのは如何も違和感が」タラー・・・

レッサー「まぁ英語で言えば『Stiyl(ステイル)』一択なんですけどねー」アハハ

サーシャ「レッサー……メタい事を言わないで下さい」タラー・・・

ステイル「確かに僕も背中が痒かった……さん付けしろとは言わないが、だったら呼び捨てにしてくれないかな」チラッ・・・

アンジェレネ「……それは、申し訳無いですよ。実際ステイルさん、年上だし、お偉いさんだし」ムゥ・・・

アニェーゼ「アン。此処ではそんな立場関係無しですよ。不良神父に敬意表して神父(ファザー)付けるくらい意味不です」フンッ

ステイル「君の場合は少し失礼が過ぎるよ」ッタク・・・

香焼「とりあえず、統一したら? 別に何て呼んでもステイル怒らないし」ニコッ

アニェーゼ「不良ボンクラ危険神父」サラッ

サーシャ「狂才ニコチン中毒魔術師」サラッ

レッサー「メンヘラ孤独狼少年(笑)」サラッ

ステイル「よし。貴様らそこに直れ。修正してやる」ギロッ・・・

アニー・サーシャ・レッサー「「「きゃー! たーすーけーてー!」」」ニヤニヤ・・・

香焼「え、えっと、くん付けでもさん付けでも、呼び捨てでも良いって事だからね」アハハ・・・

アンジェレネ「う、うん。分かった……じゃあ『くん』にするね」ニコッ

アニー・サーシャ・レッサー「「「やめてー。ステイルくーん!」」」フフフ・・・

ステイル「全員アフロにしてやろう。ほら並べ!」ボッ!

もあい「んにゃっ!?」ギョッ!?
670 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 01:53:01.42 ID:LLMakiR90
 ―――とある日、PM09:00、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 ごちゃごちゃ・・・・・



香焼「……ツマミ出来たけど、何でもうボトル5本も開いてるの?」タラー・・・

ステイル「コイツら、一人一本開けたよ……誰の酒だと思ってるんだか……」ハァ・・・

香焼「いや、ステイルも一本開けたんでしょ? ペース早過ぎない?」ジトー・・・

ステイル「僕は慣れてるからな、とあるボケナスの所為で……」

香焼「……多分、4人ともかなり酔ってるんじゃ」チラッ・・・


アニェーゼ「ん……あれ? もう空だ……ステイルー。次のボトルー寄越せー」グデェ・・・

サーシャ「うふふふふ……くすくすくす……」グデェ・・・

アンジェレネ「うにゅ〜」グデェ・・・ギュッ・・・

レッサー「ありゃりゃ……困りましたねぇ。アンジェレネのハグワイフになった覚えはないですよー」アハハ


香焼「一番変わってるのはサーシャだね……絡むのは危険だ」ダラダラ・・・

ステイル「ベットは貸すが介抱はしないよ。君が責任を持ってくれ」チラッ・・・

香焼「殺生な」エー・・・

ステイル「仕方ないだろう。君はそこのデカいソファで寝ろ……僕はこのソファか。明日は首が痛くなるな」チッ・・・

香焼「はぁ……ルチアさんとベイロープさんへの言い訳考えなきゃなぁ。素直に謝って許してくれるかな」ハァ・・・

もあい「みゃー」ネムネム・・・


アニェーゼ「おい、ステイル。酒だっつってんだろ?」ジトー・・・

ステイル「……え」タラー・・・

アニェーゼ「酒」サラッ

ステイル「……アニェーゼ、此処まで好戦的だったか?」チラッ・・・

香焼「えっと、酔って『素』が出てるんすよ。気にしないであげて……アニェーゼ、僕が持ってくから座っててね」ニコッ

アニェーゼ「おぅ。早くしろ」ニカッ

ステイル(路地裏育ち、か……ローマの連中は矯正しきれなかった訳だな)タラー・・・
671 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 02:28:08.96 ID:LLMakiR90
香焼「はい。あとおツマミ入れようね。それからペース落とさないと明日に残るよ」トクトクトクトク・・・

アニェーゼ「分かってるっつの……てかコーヤギぃ。呑んでっか?」ゴニョッ・・・

香焼「はいはい。頂いてるよー」コトッ

アニェーゼ「嘘つけ。全っ然呑んでねぇだろ? あ? 遠慮してんのか?」ジトー・・・

香焼「してないしてない。自分も楽しく呑ませて貰ってるよ……はい、ツマミも入れてねー」スッ・・・

アニェーゼ「ん……上手ぇな」モグモグ・・・

香焼「ありがと」ニコッ


ステイル(香焼、酔っ払いの扱い上手いな)ジー・・・


香焼「皆も呑んでばかりじゃなくて食べてねー」スッ・・・

サーシャ「むぅ……届かない……コーヤギー。そのトマトクラッカー取ってほしーです。あーん」アー・・・

香焼「はいはい。あーん」スッ・・・

サーシャ「ん……おいひぃ」モキュモキュ・・・ニコッ

アニェーゼ「……コーヤギ。私にも」ジトー・・・

香焼「アニー、目の前にあるでしょ」チラッ・・・

アニェーゼ「あーたーしーにーもー!」ウガー!

香焼「分かった分かった。はい、どーぞ」スッ・・・

アニェーゼ「あーん……んふっ」モキュモキュ・・・ニヘラァ

サーシャ「私ももー一枚しょもーしまーす」ニコニコッ

香焼「あー、うん。順番ねー」ポンポン・・・


ステイル(アレは潜入任務で女衒窟に行かせても通用するレベルだな)アハハ・・・


 ツンツン・・・・・


ステイル「ん? ……何だ?」チラッ・・・

レッサー「……呑んでます?」ニコッ・・・

ステイル「それなりにな……君はそんなに酔ってない様だが」ジー・・・

レッサー「酒は主にフロリスに付き合わされますからね。アイツはこっち潰れてても呑ませてきますし」ハハハ・・・

ステイル「犯罪だろ、それ」タラー・・・

レッサー「まぁ偶にですよ。それより……これ任せました」ニヤリ・・・

ステイル「え? なっ!?」ギョッ!?

アンジェレネ「えへへぇ……むぎゅぅ」ガシッ!

ステイル「な、にを……何だコレは?」チラッ!

レッサー「アンジェレネですよ」ニシッ!

ステイル「そういう答えではなく……いや、変だろ!?」ジトー・・・

レッサー「いやぁホントにねぇ。一回抱き着くと中々放してくんないんですよー。あはは」クスッ

ステイル「だからって僕に……この……」ハァ・・・
672 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 03:02:15.35 ID:LLMakiR90
アンジェレネ「えへへ。大きいねー、ステイルくん」ギュッ・・・

ステイル「君が小さいんだよ。とりあえずもう呑むのは止めるんだ」ハァ・・・

アンジェレネ「えーもっとイケるよー」ムゥ・・・

レッサー「うわぁ。会話だけ聞くとモロアウトですねぇ」ニヤニヤ・・・

ステイル「喧しい。とりあえずベットに運ぶから手伝え、レッサー」チラッ

レッサー「おぉ。ステイルっち、泥酔少女をベットに運んで如何す……ごめんごめん。冗談だからカードしまって」タラー・・・

ステイル「ったく……アンジェレネとサーシャは下のベットだな。君とアニェーゼはロフトの方に寝てくれ」スッ・・・

アンジェレネ「ほわっ!?」ビクッ・・・

レッサー「わぉ! 御姫様抱っことぁ大胆ですねぇ」ニヤニヤ・・・

ステイル「仕方なかろう。今アンジェレネは歩けない程酔ってる」テクテク・・・

レッサー「存外力有るんですねぇ。もやし魔術師だと思ってましたよ」ニシシ!

ステイル「勝手な想像どうも。とりあえず布団を掛けてやってくれ」テクテク・・・

レッサー「あいよっ」スッ・・・

アンジェレネ「うー……ごめんねー」ギュッ・・・

ステイル「気にしてないから腕を胴から放してくれないか?」タラー・・・

アンジェレネ「うーん……どうしよっかなぁ―――」ニコニコッ

レッサー「ヒューッ!」ニヤリ・・・


アニェーゼ「……コーヤギ。私も抱っこー」グデェ・・・

香焼「うーん、流石に無理かなー」アハハ・・・

サーシャ「無理じゃないです。だから私は負んぶでお願いします」グデェ・・・

香焼「無理言わないでよ」タラー・・・ハァ


アンジェレネ「―――えっとねぇ……じゃあ煙草、辞める?」ニコッ・・・

ステイル「辞めない。けど放すんだ」ハァ

アンジェレネ「全然話聞く耳無しなんですね……もぅ」プクー!

ステイル「聞いてる聞いてる。だから今日はもう寝ろ。明日に響くぞ」ハァ・・・

レッサー「そうですね。ベロベロのままルチアの前に出るのは流石に危険ですよ、アンジェレネ」コクッ

アンジェレネ「そっかぁ……じゃあ、ステイルくん。煙草、本数減らすとこから始める。約束して」スッ・・・ピタッ

ステイル「むっ……」ピタッ・・・

レッサー「わぁ……アンジェレネの人差し指がステイルの唇に! 何か幼いのに艶妖ですね、アンジェっち! そして私解説乙!」オー!

ステイル「五月蠅ぃ……ああ、考慮するさ」ナデ・・・

アンジェレネ「ホント?」ジー・・・

ステイル「ああ……だから今日は―――」



 ガチャッ・・・・・



ステイル「―――もうおやす、み……な……っ」チラッ・・・

一同『……え』キョトン・・・





ローラ「ステイルー。お酒を取りに参った、の……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぉ、よ?」ピタッ・・・
673 :>>1 [saga]:2011/05/06(金) 03:02:56.36 ID:LLMakiR90
すんません。一度寝る寝る寝るよ。
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/06(金) 06:11:03.97 ID:9bpmoODSO
オツカレー
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 07:21:51.50 ID:PVfqAZIDO
乙ですの
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/06(金) 08:04:50.24 ID:aGpnPbkK0
乙!コレは良いアン×ステ
後もしかしてステイル、パトリシアにもフラグ建ててる?
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/06(金) 14:19:43.77 ID:Ic242aIro
ローラ来た!これで勝つる!
やっぱりローラにもフラグを立てていたりけるのね
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 14:41:06.03 ID:fNP8e7ADO
最大主教さまが来たか‥‥一体何が始まるんです?
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/06(金) 18:42:13.56 ID:lPBz8u//0
>>677
ステイルだと小萌てんてーと被るような気が
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/06(金) 20:37:15.59 ID:IwY/IK/AO
>>662
香焼の学園都市トラベルでググればでるはず

それはともかく>>1
681 :>>1 [saga]:2011/05/06(金) 21:50:00.67 ID:LLMakiR90
こんばんわ。続きを、の前に……少し近況報告。

親戚がね、とある短編小説に応募して……第一審査通ったんだ。官能小説なんだけど(苦笑)
間違って入賞したら如何すれば良いんだろう……


んじゃレス返信!
>>676・・・パトリシアには元々フラグ立ててるからね。新約二巻でバードウェイ姉妹で出ないかなぁ。

>>677・・・ローラはどっちかっていうとステイル的に、五和と香焼の関係w

>>678・・・大惨事清教口喧嘩ですw

>>679・・・しかし小萌先生は公式カミやんヒロイン組なのだよ。因みに此処で一番の小萌ラブはあわきんです!

>>680・・・SS-INDEXにあるヤツですね。再開しないかなぁ。


それじゃあ投下!
682 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 22:12:09.08 ID:LLMakiR90

冷蔵庫『前回のあらすじ……飲み会部屋と化したステイルの部屋に一番偉い人が来たよ』




 ―――とある日、PM09:10、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・




ローラ「……」ピタッ・・・

ステイル「……」ピタッ・・・

一同『……』ピタッ・・・


 にゃーん・・・・・


ローラ「す、ステイル……あ、貴方……」ワナワナ・・・

ステイル「あー……あのだな、ローラ……とりあえず、僕から説明を」ダラダラ・・・

ローラ「女子(おなご)をベットに押し倒して今まさに交わおうとしているその瞬間を私に見られて尚言い訳を続けぶべらぁっ!!」ゴンッ!!

ステイル「頼む、黙れ。そして早く出て行け」ハァ・・・

ローラ「痛だだぁ……恥ずべきとはいえ、何も目覚ましを投げつける事は無きことよ……」ハァ・・・


アニェーゼ「……何で主教が居やがんだ?」キョトン・・・

香焼「さ、さぁ……」タラー・・・


ステイル「ハァ……レッサー。アンジェレネを頼む」チラッ・・・

レッサー「う、うぃ」コクッ

アンジェレネ「ふぉわぁ〜」パッ・・・

ローラ「む……およ?」キョロキョロ・・・

香焼「ぃ……こ、こんばんは」ペコッ

アニー・サーシャ「「……」」ジー・・・

ローラ「……ステイルちゃん」チラッ・・・

ステイル「何?」テクテク・・・

ローラ「今北産業」ンー・・・

ステイル「香焼……そこの少年の呪術検査。女子共押し掛け。飲み会。以上だ」サラッ

ローラ「おk。把握したり」コクッ

レッサー「一行で済んでますよ」アハハ・・・
683 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 22:30:20.83 ID:LLMakiR90
アニェーゼ「んぁ? もしかして冷蔵庫の酒類って主教のヤツだったのか?」ジー・・・

香焼「あ、アニェーゼ。口調を……」タラー・・・

ステイル「……そうだ。だから開けるなと言ったろ」ハァ・・・

アニェーゼ「ふーん……おい、主教。酒分けろ」ニコニコッ

ローラ「……この糞生意気なジャリん娘は誰にあられるか?」タラー・・・

ステイル「アニェーゼ・サンクティスだ。ローマのシスター・アニェーゼ中隊の隊長」ハァ・・・

ローラ「ああ、女子寮の……え? こんなF口調を宣ていたにけりか?」タラー・・・

香焼「す、すいません。少し酔ってて乱暴な口調になっちゃってるんすよ」ペコッ・・・

ローラ「へぇ……そっちのは殲滅白書のシスターにあられるわね」チラッ・・・

サーシャ「……お邪魔してます」フフフ・・・

ローラ「この子も何で常に笑いけるの?」タラー・・・

香焼「すいません。酔ってます」ペコッ

ローラ「そ、そう……」ウーン・・・

ステイル「さっさと欲しいモノ取って出て行け。苦情は明日聞く」ヤレヤレ・・・

ローラ「冷たいわ……お姉さん寂しい。いつもはあーんなに甘えん坊やなりけるのに……」モジモジ・・・ニヤリ・・・

一同『っ!!?』バッ!?

香焼「ステ、イル……」エ・・・

レッサー「ま、まさか……そういう危ない関係を……」タラー・・・

ステイル「てめぇマジ燃やすぞ!!!」ガアアァッ!!

ローラ「てへっ★」ペロッ♪



 にゃーん・・・・・



ローラ「―――成程成程。大体理解しにけりよ」ウンウン・・・

香焼「すいません。元はといえば自分の所為なんす」ペコッ

ローラ「ふふふっ。その程度で熱くなる程、私は器量の狭い女にあられないのよ」ニコッ

ステイル「ったく……分かったろ。じゃあ早く出てけ」ハァ・・・

ローラ「うーん、如何しよっかなぁ」ニコニコッ

ステイル「……」イライラ・・・

香焼・レッサー((ステイルが軽くキレてる))タラー・・・
684 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 22:49:38.21 ID:LLMakiR90
アニェーゼ「……主教」ボソッ・・・

ローラ「ん? 呼んだかしら?」チラッ・・・

アニェーゼ「うぃ……掛け付け三杯だ」トクトクトク・・・

ステイル「な、あ、アニェーゼ!?」ギョッ・・・

香焼「だ、駄目っすよ! 主教様は自分のお酒取りに来ただけなんだから」アタフタ・・・

アニェーゼ「うっせぇ。呑めねぇってぇのか? 郷に入りては郷に従うのが礼なんれすよぉ」ウィ・・・

レッサー「うわぁ。完璧酔ってますね、アニェーゼ」タラー・・・

ローラ「ふふっ。日本とローマの古語にありけりね。良いわよ、三杯くらいなら」ニコッ

香焼「え」ギョッ・・・

ステイル「ハァ……彼女は神裂より酒豪だぞ」タラー・・・

香焼「うわぁ……それはヤバい」ダラダラ・・・

アニェーゼ「あはは! やっぱオモロい主教れすね! ローマの堅物共とは大違いれす!」ニャハハ!

ローラ「んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷはぁっ!! あら、呑み易い。ステイル、これ後で分けたもうて」ニコッ

ステイル「勝手にしろ……じゃなくて、ガキに流されんな! はよ帰れ!」ギロッ・・・

ローラ「むぅ……つまらぬ男」ジトー・・・

アニェーゼ「そーらそーら! 私達と同年代のくせに年寄りぶりやがってぇ!」ブーブー!

ステイル「頭痛がする……香焼。アニェーゼも寝かせてやれ。もうピークだ」ハァ・・・

アニェーゼ「私は酔ってねぇれす! ねぇ、主教!!」バンッ!

ローラ「うふふ。貴女の言うとおりね」クスッ

サーシャ「うふふ、うふふふふ……」ニコニコッ

レッサー「あー、サーシャももうアウトですね」アハハ・・・

香焼「えっと、如何しよう」タラー・・・

ステイル「ハァ……とりあえず僕がサーシャを運ぶ。君らはアニェーゼが暴走しない様見ていてくれ」テクテク・・・

もあい「みゃーぅ」トコトコ・・・ヨジヨジ・・・

ローラ「をぅ!? 猫が来たのよ!?」ビクッ!

香焼「あ、す、すいません! もあい! こっち来い!」アタフタ・・・

アニェーゼ「あはは! 主教のハーパンがずり落ちそうれす! がんばれー! もあーぃ!」ニャハハ!

香焼「あ、アニェーゼ?!」ギョッ・・・

ローラ「いやーん! 男子(おのこ)は見ないで〜! 私はお色気キャラじゃなき……にしもあらずなのよんっ♪」キャー!(棒)

レッサー「……こんなんが主教って」タラー・・・

サーシャ「ふふふ……ウチの隊長(ワシリーサ)も、こんなものです……うふふふふ……」ニコニコッ

ステイル「喧しい! 黙ってろテメェら!!」ガアアァッ!!
685 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 23:35:44.62 ID:LLMakiR90
ローラ「まったく、人が折角盛り上げてるというに貴方という枯れ若人は……」ハァ・・・

ステイル「うっせぇ……サーシャ。掴まれ、ベットに行くぞ」スッ・・・

サーシャ「うふふ……ふふふふ……」ギュゥ・・・

ステイル「何故そんなにキツく掴まるんだ……歩き辛いっての」ハァ・・・

アニェーゼ「にゃにをっ!!? ステイル!! アンタ、サーシャに何する気れすかっ!!」ギャオー!

ローラ「キャー!! 枯れてる且つ青臭いと思っていたステイル坊やがいつの間にか一度に二人の女子と情交を行うまでに成長を!!」ワッフル!!

サーシャ「あーれー……ふふふ……」クスクス・・・

ステイル「香焼、そいつら黙らせとけ」ハァ・・・

香焼「……」アハハ・・・



 にゃーん・・・・・



ステイル「……如何して、こうなった」タラー・・・

アン・サーシャ「「みゅぅ……くぅ……」」ガシッ・・・スヤスヤ・・・

レッサー「わぁお。これからステイルっちを『2m級抱き枕』と呼んであげましょう」ニヤリ・・・

ステイル「勘弁してくれ」ハァ・・・


アニェーゼ「ステイルの野郎ぉ……二人に手ぇ出したらブッ殺してやっからなぁ……」ジトー・・・

香焼「ステイルは酔った勢いで失敗する様なヤツじゃないよ」アハハ・・・

ローラ「ところで、坊や……香焼といったかしら? 全然呑むに足りてなきように見えるのだけれども」ジー・・・

香焼「え、あ、いや、結構呑んでるっすよ。顔に出ないだけっす」アハハ・・・

レッサー「そういえば何だかんだ下働きばっかで全然呑んでないですね。流石、レベル5主夫です」ニシシ!

ローラ「ふふふ。中々気の利く子の様ね……ほら。お姉さんが注いであげるから」ニコッ

香焼「え、あ、その……何というか……」アタフタ・・・

ローラ「恐縮とか考えにけるタイプなのね? ふふふっ、ステイルと違うて年相応。可愛らしい坊や」フフッ

香焼「え、えっと……じゃあ一杯だけ」タラー・・・

アニェーゼ「……」イライラ・・・

レッサー(実は主教、ショタコン?! あとアニェーゼは誰相手でも嫉妬するんですね……)アハハ・・・


ステイル「……ローラ。ふざけて『魅了(チャーム)』の魔術掛けたら神裂に斬られるからな」ジトー・・・


香焼・アニー・レッサー「「「えっ!?」」」ピタッ・・・

ローラ「え”!? あ、い、いやぁ、そんな馬鹿な真似私がする訳無きことなりにけるよ!」アハハハ・・・

ステイル「動揺し過ぎて何語か分からん……する気だったか、アホンダラ」ハァ・・・

ローラ「そ、そんな、知り合いの騎士じゃあるまいに……」ダラダラ・・・

もあい「なー」ジトー・・・
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 23:38:32.96 ID:fNP8e7ADO
主教さん‥‥その騎士ってグリリバ声のイケメン騎士ですかww?
687 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/06(金) 23:55:16.29 ID:LLMakiR90
 ―――とある日、PM09:30、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・




ステイル「ハァ……やっと寝たよ」ツカレター・・・

レッサー「いやぁステイルっちマジおとんですね」アハハ

アニー・ローラ「「マジおとんっ!!」」ケラケラ!!

ステイル「うっせぇ。んな事より……アニェーゼ、レッサー」チラッ・・・

アニェーゼ「あん?」ジトー・・・

ステイル「9時半だぞ」ジー・・・

アニェーゼ「あ……忘れった」ヤベェ・・・

レッサー「私は明日依頼無いですし、ベイロープに連絡入れれば問題無しですが……アニェーゼとアンジェレネは拙いですね」チラッ・・・

アニェーゼ「あー……コーヤギ。如何しよう」チラッ・・・

香焼「人任せな……」タラー・・・

アニェーゼ「助けてよぅ、ヤギえもーん」ウリウリ・・・

香焼「腹グリすんな……とりあえず、女教皇様に連絡してみるっす。悪いけど事情は話すよ」ジトー・・・

アニェーゼ「そこは上手に誤魔化しやがって……ね? お願い」ウルウル・・・

香焼「……ハァ。やるだけやるっす」テクテク・・・

アニェーゼ「やっほぅ! 流石わんコーヤギ! 後で褒美を上げます♪」ニコニコッ

ステイル(女に甘い……苦労するな)ハァ・・・

レッサー(流石、カミやん病亜種)フフフ・・・

ローラ「……ふふふ」ジー・・・



 Prrr・・・Prrr・・・・・



香焼「……あ、もしもし。女教皇様、何度もすいません」Pi!

神裂『いえ、大丈夫で―― 神裂ぃ、誰の電話れすかぁ? ――しました?』ガヤガヤ・・・

香焼「……え?」キョトン・・・

神裂『すいません、寮の方で少し―― 神裂ー、お酒が止まっているのでございますよ。ささ、どうぞ ――……あ、ちょ!』ガヤガヤ・・・

香焼「……掛け直した方が良いっすか?」タラー・・・

神裂『そ―― え? コウちゃん?! おーい、コウちゃーん! 五和だよー! ――喧しい!! あ、えっと、此方から掛け直します!』Pi!



 ツー・・・ツー・・・・・



香焼「……」タラー・・・

ステイル「如何した?」ン?

香焼「……あっちもドンチャン騒ぎみたいだ」アハハ・・・

もあい「にゃー」グデェ・・・
688 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 00:25:25.33 ID:jrYZrgPs0
アニェーゼ「そういえば、しゅきょー」ツンツン・・・

ローラ「何かしら? 赤毛のお嬢さん」ニコッ

アニェーゼ「何で私服っていうか、ハーパンにランニングの恰好なんですかー?」ジー・・・

ローラ「何でって、私が普通の衣服を纏いてはいけないのかしら?」

アニェーゼ「いんや、そういう訳じゃねぇですけど……随分スタイリッシュだなぁって」ジロジロ・・・

ローラ「そんなに視姦されても困りまくりけるのよん」イヤーン!

レッサー「視姦って……あとその髪の留め方凄いですね。如何なってるんですか、その構造」ジー・・・

ローラ「うふふ。内緒♪」クスッ

香焼「そういえば……主教様、ステイルの工房から出てきた様な……」ウーン・・・

アニェーゼ「……そいやぁ、そうですね」チラッ・・・

ステイル「……」タラー・・・

レッサー「ステイルっちー。何かあるんですかー?」ニヤニヤ・・・

ローラ「ふふふ。実は夜な夜なステイルが私の寝床へ夜伽を……あ、ごめんなさい。だからカードしまって」アワワワ・・・

ステイル「ったく……思い出せばすぐ分かるだろう」ハァ・・・

香焼・アニー・レッサー「「「え……」」」ポカーン・・・

もあい「にゃん」ジー・・・

ローラ「……そうね。国家機密の部屋にまで立ち入りける少年少女達にありけるものね」ジー・・・

香焼「え……あっ……」ピタッ・・・

ローラ「……」チラッ・・・

ステイル「……その件については全て僕の責任だ。彼らに罪はない」フンッ・・・

アニェーゼ「え……その、何が……」エット・・・

レッサー「す、ステイルさーん……何が如何……」タラー・・・

香焼「……あの部屋の……天井の扉」ボソッ・・・

ローラ「ふふふ。賢さは時に寿命を縮める事とならんのよ……坊や?」スッ・・・

香焼「ッ!!?」ゾッ・・・

レッサー「うわぉ、頬撫でるだけでエッチぃ……えくすたし〜展開ですか!?」ドキドキ・・・

アニェーゼ「こ、こらっ!! 何しやがんですか!?」キッ・・・

ステイル「ローラっ!!」ギロッ・・・

ローラ「あらん? 私は貴方の尻拭いをしてあげようとしているだけなのだけど……」チラッ・・・

ステイル「よせ……やるなら僕がやる。特にそいつは『その手』の魔術を掛けるのは危険なんだ」

ローラ「……あっそ。まぁ口止めされているのであれば、問題あらぬるのだけれどね」ジー・・・

香焼・アニー・レッサー「「「……」」」タラー・・・
689 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 01:19:32.25 ID:jrYZrgPs0
アニェーゼ「す、ステイル……っ!?」チラッ・・・

ステイル「……」タラー・・・

香焼「……さっきの部屋の、天井に付いてたドア……アレが、主教様の知る『何処か』に繋がっていたって事っすね」チラッ・・・

ローラ「ええ。正解。アレは私の工房のドア」ニコッ・・・

レッサー「じゃあ、あの剣のもう一人の持ち主って、やっぱり……」タラー・・・

ローラ「ええ……私になりけるわよ」フフッ・・・

ステイル「君達……それ以上、ローラと話をするな。危険だぞ」テクテク・・・

香焼・アニー・レッサー「「「……」」」ピタッ・・・

ローラ「ふふふ……良いではないの。どうせ知りたもうてしまった事……ただし口外すれば……分かりたもうて?」ニヤリ・・・

香焼・アニー・レッサー「「「っ」」」コクコク・・・

ステイル「ハァ……ホント、魔女だね」カチッ・・・フゥ・・・

ローラ「ええ、褒め言葉にありけるのよ」クスクス・・・

香焼「え、えっと……す、ステイルがあの部屋で魔力を使わないよう忠告してきたのは……主教様にばれない様にする為なの」チラッ・・・

ステイル「まぁそれが殆どだ……あの部屋で魔術が使用されれば一発でローラに探知される」チッ・・・

ローラ「ええ。あとは……『剣』が術者を飲み込まない為にあられるのよ」フフッ

レッサー「な、何ですか、それ?」タラー・・・

ローラ「私が使えば『EX(エクスカリバー)』。元帥閣下が用いれば『無印(カリバーン)』……OK?」ボソッ・・・

香焼・アニー・レッサー「「「……へ?」」」ポカーン・・・

ステイル「マーリン気取りだよ。選択されし者以外が魔女の剣に触れるという事は……どんな禁忌に侵されてもおかしくないという事だ」フンッ

香焼「えっ!? そ、それじゃあ……」タラー・・・

ローラ「ふふっ……貴方達のうち、数名はあの剣に魔力を通した……」ニヤリ・・・

香焼・アニー・レッサー「「「っ」」」ゾォ・・・

ローラ「本来であれば私と『契約』させて酷使させても構わぬのだけれど……ねぇ? 主教補佐ぁ」チラッ・・・

ステイル「……だから全て僕の不備だと言っただろう。それにアレがあからさまになる様な真似は貴様も望まない筈だ」ジー・・・フゥ・・・

ローラ「ええ。そうね……『あからさま』には」ニヤリ・・・

アニェーゼ「しゅ、主教・・・・・」タラー・・・

ローラ「……こんなのは如何かしら? 今此処で私と魔術回路を無理矢理繋げ、秘密裏に操るなんてのは」ニタリ・・・

レッサー「ちょ、じょ、冗談、ですよね……あはは……」ダラダラ・・・

ローラ「若い肉体ってのは良いモノなりけるのよ……何なら科学側(アレイスター)に身柄を譲って……『狭間』にしてしまうとか」フフフ・・・

ステイル「……また異端審問に掛けられたいか?」ジトー・・・

ローラ「とある政治家が言っていたわ。偉人は捕まって何ぼのモノだと……ねぇ?」ニコニコ・・・

香焼「っ……しゅ、主教様。自分達の軽はずみな行動が愚かだったのは反省します。如何か、慈悲を」ペコッ・・・

レッサー「す、すいませんでした! あ、アニェーゼも!」ホラッ!

アニェーゼ「お、おう……すんません。ステイルに無理言って下降りたのは私の責任です……ごめん」ペコッ・・・

ローラ「……」チラッ・・・

ステイル「チッ……申し訳ございません。後ほど始末書と罰金を支払います。彼らは私の手違いで行動してしまっただけですので」ペコッ・・・

ローラ「……」フーン・・・
690 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 01:42:29.51 ID:jrYZrgPs0

 にゃーん・・・・・


ローラ「……ぷっ」クスッ

一同『……』チラッ・・・

ローラ「く、あははははははははっ!! ふふふふふふっ……大丈夫よ! 心配せぬように!」ケラケラケラ!

香焼・アニー・レッサー「「「……」」」ホッ・・・

ステイル「……ったく」タラー・・・

ローラ「あー、腹痛い……まったくぅ。私がそのような鬼畜に見えて?」ニコッ

香焼「え、えっと……いえ……」アハハ・・・

ステイル「鬼畜以外の何者でもないだろう」ハァ・・・

アニェーゼ「す、ステイル!?」ギョッ・・・

ステイル「ソイツの今までの行いを考えてみろ……まさに魔女の所業だろう」ッタク・・・

ローラ「んもぅ、一々小さい男にあられるのね」ブーブー!

ステイル「科学側に『魔術師の検体』譲る様な人間が真人間な訳なかろうに」ジトー・・・

レッサー「……じゃ、じゃあ……私達、もしかしてもしかしてたら……マジで」ダラダラ・・・

ローラ「うふふ。『もしかしてたら』ねぇ……」ニヤリ・・・

アニェーゼ「おっかねぇなぁ、オイ……」ダラダラ・・・

ローラ「まぁでもぉ、貴方達にそんな目をさせたまいければ神裂やステイル、『化け物(ワシリーサ)』を敵に回すかもしれぬのよね」ニコッ

ステイル「君があの剣を使えば三人纏めて軽々倒せるだろ」ハァ・・・

ローラ「私が『王の剣』を使う時は最後の最期。それにアレは『対人』武器では無きにて、そうそう使用はできないわ」クスッ

香焼「……自分らがいけない事をしたのは本当っす。ステイルだけに処罰というのはんぐっ!?」ピタッ・・・

ローラ「お黙る……ああ、そういえば……そう。貴方達がねぇ……」クスクス・・・

アニェーゼ「な、何ですか」タラー・・・

ローラ「いえいえ。ただね、もう一人敵に回しとうない人間を思い出したのよ」クスクス・・・

ステイル「ローラ……まさか『あの御方』から何か聞いていたのか?」

ローラ「『面白い子供達が居た』ってだけね……午前中私の部屋で書類仕事をこなして帰りたもうたけど」フフフ・・・

香焼・アニー・レッサー(((誰だ?)))ポカーン・・・

もあい「なーぅ」フシフシ・・・
691 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 02:07:19.64 ID:jrYZrgPs0
 ―――とある日、PM09:50、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 Prrr・・・Prrr・・・・・



香焼「あ、女教皇様……」ピタッ・・・

アニェーゼ「そういえば忘れてましたね」ヤベッ・・・

香焼「ちょっと出てくるっす」スタッ・・・

ローラ「……香焼少年」チラッ・・・

香焼「え、あ、はい」コクッ

ローラ「貴方の話が終わったら、私に替わって貰いたいのだけど」ニコッ

香焼「わ、分かりました」コクッ

ステイル「……何を考えてる?」ジトー・・・

ローラ「別にぃ。特には、ね」クスクス・・・


 にゃーん・・・・・


香焼「……もしもし」Pi!

神裂『香焼、先程はスイマセン。ルチアが暴れてて』ハァ・・・

香焼「え”っ……それって、アニーとアンが帰って来ない所為っすか」タラー・・・

神裂『いえ、ちょっとお酒の量がね……アホ身内(五和)が呑ませ過ぎました』ッタク・・・

香焼「あ、あはは……(今回は感謝してやろう)」ダラダラ・・・

神裂『それで、何用でしたか? アニェーゼ達の事で?』

香焼「はい……すいません。此方もワインを空けてしまって」ハァ・・・

神裂『……そうですか。分は守って下さいね。十字教徒とはいえ、未成年なのですから』

香焼「分かってます……が、それで……アンとサーシャが寝ちゃって」タラー・・・

神裂『ステイルの部屋で寝てしまったと……ステイルは?』

香焼「ベットを貸してくれました。自分とアイツはソファで寝ます」

神裂『そう……彼が良いと言ったのなら、私からは特に何も。貴方と彼なら間違いは無いでしょうしね』

香焼「そう言って貰えると助かるっす。明日、ルチアさんには謝るので」

神裂『ルチアに関しては心配しないでください。此方で説得しますから……』

香焼「ありがとうございます……女教皇様、これからまだ呑むんすか?」

神裂『これからオルソラとシェリー、アリアナ、ベイロープ相手に二次会ですよ……オリアナの相手したくねぇ』ハァ・・・

香焼「あはは……(上条さんの事、聞かれるんだろうなー)」タラー・・・
692 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 02:32:57.09 ID:jrYZrgPs0
神裂『とりあえず、そろそろお酒は止めなさい。明日に閊えては困りますよ』

香焼「了解っす。あ、えっと、それから……」

神裂『はい、何か?』

香焼「……主教様が、電話替わりたいって」タラー・・・

神裂『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は? ローラ?』ポカーン・・・

香焼「成り行きで、ステイルの部屋に一緒っす」ハァ・・・

神裂『よく分かりませんが……構いませんよ』

香焼「すいません。今替わります」テクテク・・・


ステイル「……ん? 戻ったか」チラッ・・・

香焼「主教様、どうぞ」スッ・・・

ローラ「はいはい……それじゃあちょっと……」テクテク・・・


アニェーゼ「……今日の事、神裂に話すんでしょうか」サー・・・

ステイル「いや、あの『剣』は神裂にも知られてないシークレットだ。ベラベラ話せる内容じゃ無い」チラッ・・・

レッサー「だと良いんですがねぇ」ハァ・・・

香焼「……とりあえず、そろそろ寝ろだってさ。酒気抜いてから普段通り寮入れって」コクッ

アニェーゼ「えー、もうちょっと呑めますよ? 主教の所為で酔醒めしちゃいましたし」チラッ・・・

香焼「これ以上はステイルにも失礼っす。二人ともロフトで寝るんだし、ベロベロにならないウチに上に上がった方が良いよ」

アニェーゼ「……うーん」ハァ・・・

レッサー「アニェーゼ。場所は覚えましたし、またいつでも来れるんですから今日は休みましょう」チラッ・・・

ステイル「今指示に従っておけば明日ルチアにドヤられる謂れは減るぞ」

アニェーゼ「ハァ……仕方ねぇですね」ガタッ・・・

香焼「ところでステイル……上に客人用の布団ってあるの?」チラッ・・・

ステイル「工房に予備の布団がしまってある。今運ぶよ」スタッ

香焼「自分も手伝うっすよ」

ステイル「君らは片付けをしておいてくれ。あとローラに寝巻き貸してくれるか如何か聞いてみる」テクテク・・・

香焼「へ?」ポカーン・・・

ステイル「君は男だから構わないが、彼女らは女性だろう。修道服のまま寝かせるのも何だ」チラッ

アニェーゼ「変な所で紳士ですね。何ならステイルのYシャツでも良いのに」クスッ

ステイル「ふざけろ。サイズが違い過ぎる」

レッサー「彼シャツみたいで素敵じゃないですか。ま、駄目って時は最悪下着で寝ますよ」ニヤニヤ・・・

香焼「レッサー……はしたないから止めなさい」ハァ・・・
693 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 03:17:27.24 ID:jrYZrgPs0

 にゃーん・・・・・


香焼「さて、と……あとは明日の朝片付けよう」

アニェーゼ「うぃ……ふぁああぁ……」ムニャムニャ・・・

レッサー「流石に眠くなってきましたね」ウツラウツラ・・・


 ガチャッ・・・・・


ステイル「待たせた。香焼、上に運ぶの手伝ってくれ」

香焼「了解。えっと……自分が上に登って鋼糸(ワイヤー)で引き上げれば早いかな」テクテク・・・

ステイル「間違って布団切り裂くなよ」

香焼「あはは。大丈夫だって」スッ・・・


アニェーゼ「ロフト、ですか……レッサー、ロフトで寝た事あります?」

レッサー「二段ベットの上か、キャンピングカーの上部で寝た事ならありますよ」

アニェーゼ「……落ちない?」タラー・・・

レッサー「……高所恐怖症?」ジトー・・・

アニェーゼ「い、いや、そういうんじゃなくて、何つーか……ねぇ」ハァ・・・

レッサー「よく分かんないですねぇ……あ、終わったみたい」チラッ・・・


香焼「OKっすよ」コクッ

ステイル「あとはローラが戻ってきたら着換えの件を聞いてやる。少し待ってろ」

レッサー「うぃうぃ……ん? ……ふふふ」ニヤリ・・・

アニェーゼ「レッサー?」キョトン・・・

レッサー「……コウヤギっち。そこ居て」ニコッ

香焼「え? 何で?」キョトン・・・

レッサー「足も手も使わずにロフトへ……そぉいっ!!」ピョンッ!!

アニェーゼ「うわっ!? 尻尾を取っ手に……って、オイ!?」ギョッ・・・

レッサー「そのままダーイブっ!!」ムギュゥッ!!

香焼「うわっ!!?」モフッ!!

アニェーゼ「こ、こらー!! レッサー! バカな真似すんじゃねぇですよー!!」キーッ!!

レッサー「えへへぇ……さっきはよくも尻尾ニギニギしてくれましたねぇ……お返ししてやりますよ、コウヤギ」ニヤリ・・・ガシッ!!

香焼「うぎゃああぁっ!! ステイルー!!」ジタバタ!!

ステイル「ったく……物だけ壊すなよー」ハァ

香焼「薄情者ー!!」ウワーンッ!!
694 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 03:46:45.88 ID:jrYZrgPs0
レッサー「うふふふふ……如何してやりましょうか」ウリウリ・・・

香焼「な、ま、また尻尾握るぞ!」ジロッ!

レッサー「おっと、じゃあ手を縛ってやりましょう」キュルルッ!

香焼「し、尻尾使うなよ!!」ジタバタ!!

レッサー「へっへーんだ! 元々霊装ですからねぇ。魔力さえ通せば私のモノですよーだ」ニシシ!

香焼「ぐっ……馬鹿な真似はやめろって!」アタフタ・・・

レッサー「えー、如何しよっかなぁ?」ニヤリ・・・

香焼「如何もこうも無いっす! ホンキで怒るよ!!」ギロッ・・・

レッサー「ふーん……じゃあ……」ピタッ・・・ツツツツツ・・・

香焼「ひぅっ!!?」ビクッ!!

レッサー「ふふふふ……お腹なぞっただけなのに、可愛い反応しますねぇ。じゃあ此処(※腋です)触ったら……」ニヤニヤ・・・チョンッ

香焼「ぃあっ! ぇ……ちょ、マジ、止めてよ……」ピクンッ!!

レッサー「ふふっ……ふふふふふ……」ゾクゾク・・・///

香焼「ちょ、何エキゾチックなってんのさっ!? す、ステイルー!! 助けてー!!」ギャー!


ステイル「少し静かにしろ。二人程寝てるんだ」ジジジ・・・フゥ・・・


香焼「呑気に煙草喫いやがってぇ……ひゃんっ!!」ビクッ!!

レッサー「ふふっ……ぐへへへへぇ。じゃあそろそろ下の方にもー」スッ・・・

香焼「っ!?」ギョッ・・・


アニェーゼ「コーヤギ! 尻尾に自分の魔力流しやがってください!!」ドタバタッ!!


香焼「え、あ、うんっ!」グッ・・・

レッサー「え、ちょ、待・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひぁあっ!!?」ビクビクッ!!

香焼「うをっ?!」ギョッ!?

レッサー「や、ら、らめええええぇっ!! こ、や、コヤギ、やめへぇええええええっ!!」ビクンッ!!


香焼「え、な、あ、アニェーゼさあああぁんっ!!? これ大丈夫なのぉ?!」ダラダラ・・・


アニェーゼ「うぃ、やっと上に登れました……レッサー! さっさと放しなさい!! じゃねぇと私の魔力もブチ込みますよ!!」ギロッ!!

レッサー「ひゃめ、わ、わらったから止めてええぇっ!!」クゥンンンンンンンンッ///

香焼「お、おぅふ……あ、解けた」ピタッ・・・

レッサー「ひ、ぁ……少しチビった……」ポー・・・///

アニェーゼ「ったく……目を離すとすぐ変態行動に走るんですから……コーヤギ。次からは今みてぇにしてやれば問題無しですよ」フンッ

香焼「りょ、了解」タラー・・・
695 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 04:04:30.25 ID:jrYZrgPs0
レッサー「ぐぬぬ……二人とも、覚えてなさい。いずれ私が凌辱してやりますからねっ!!」ギロッ・・・

アニェーゼ「はいはい。とりあえず、便所行ってきなさい。隣で寝てるヤツがお漏らししたとか笑えねぇですよ」ハァ・・・

レッサー「キーッ!! 畜生ぉ……待ってなさい!! 直ぐ戻ってきますからね!!」スタッ!!

ステイル「こらっ! 上から飛び降りるな!」ギロッ・・・

レッサー「おしっこ! 文句あっか!」ジロッ・・・パタパタ・・・

ステイル「ハァ……少しは女性らしくしてくれ」ヤレヤレ・・・


アニェーゼ「ったく……疲れますよ」ハァ・・・

香焼「あはは……助かったよ」ニコッ・・・

アニェーゼ「どういたしまして……ただ、チャック全開且つベルト外した状態で満面の笑み向けねぇで下さい。変態」///

香焼「あ、あはは……ごめん」イソイソ・・・///

アニェーゼ「ハァ……ねぇ」ボソッ・・・

香焼「ん?」チラッ・・・

アニェーゼ「ルチア……怒ってますかね」

香焼「多分、ね」

アニェーゼ「そっか……」

香焼「ただ、お酒抜いて普段通りに顔合わせれば幾分問題無いんじゃないかな。厳しいけど同じくらいアニー達に優しいでしょ?」ニコッ

アニェーゼ「……そうですね」クスッ

香焼「自分も一緒に怒られてやるからさ。自分が居れば矛先、変わるだろ?」フフッ・・・

アニェーゼ「……馬鹿」ハァ・・・

香焼「バカで結構だよ」ニコッ

アニェーゼ「……弱ぇくせに出娑婆っちゃって」ムギュッ・・・

香焼「あはは。抓んないでよ」クスクス・・・

アニェーゼ「一体何処から来てるんですかね、コーヤギの甘ちゃん成分は」ツンツン・・・

香焼「酷いなぁ……一応、自分だって魔術師なんだぞ」ムッ!

アニェーゼ「……そうですね。『仕事内容』は違えど、魔術師ですね」ジー・・・

香焼「アニー……そういう話、止めよう」シュン・・・

アニェーゼ「……すいません。酔ってておかしくなったみてぇです」コクッ・・・


ステイル「ふぅ……」ジジジ・・・モクモク・・・
696 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 04:30:01.79 ID:jrYZrgPs0
香焼「なるべく楽しい話しようよ。仕事じゃないんだしね」ニコッ・・・

アニェーゼ「はい」ニコッ・・・


レッサー「……」ピョコッ・・・ジー・・・


香焼「ん? おかえり」ニコッ

レッサー「……どーぞ、私にお構いなくわっふるわっふるっちゃって下さい」ニヤニヤ・・・

アニェーゼ「なっ!!? ば、馬鹿言うのも大概にしやがれってんですっ!!」カアアァ///

レッサー「あるぇ? 私はワッフルって言っただけですよぅ? アニェーゼたいちょー、何想像したんですかー」ニヤニヤ・・・

アニェーゼ「〜〜〜〜ッッ!! ね、寝る!!」ガバッ///

レッサー「ふひひ! ねぇねぇ、たいちょーさーん! うりうり!」モゾモゾ!

アニェーゼ「ちょ、布団入ってくんなっ!! や、な、ひゃんっ!! 何処触ってやがんだ痴女っ娘!!」キャー!!

レッサー「何処って……ホラホラ、自分の口で言ってごらーん。男の子の前で言ってごらーん☆」 ※脇腹です。

アニェーゼ「ちょ、こ、コーヤギ! 見てないで助けやがれ!!」カアアァ///

香焼「う、うん……レッサー。また尻尾握るよ」コホンッ・・・///

レッサー「コウヤギっち。一つ、教えてあげましょう」チラッ・・・

香焼「え」

レッサー「私の尻尾……実は性感帯です。つまり先程からコウヤギが私にしてきた事は……」ジトー・・・

香焼「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えええええぇっ!!?」カアアァ///

レッサー「……私、男の人からあんな風にメチャクチャにされたの……初めてでした」ポッ///

香焼「ご、ごごご、ごご、ご、ご、ごめんなさい!! え、えっと……ごめんなさいっ!!」アタフタ///

レッサー「責任……取って下さいね」フフッ・・・///

香焼「」チーン・・・

アニェーゼ「嘘付くなボケナス。擽ってぇだけだろ……コーヤギも真に受けねぇでください!」ギロッ・・・

香焼「え……嘘?」ポカーン・・・


ステイル「主武装の尻尾を性感帯とリンクさせる訳ないだろう。脊髄か尾骶骨辺りに決まってる」モクモク・・・フゥ・・・


レッサー「チッ……もう少しで私のペットに出来たのに、余計な事を」ハァ・・・

アニェーゼ「ふふーんだ。コーヤギは私のわんこなんです。くれてやりませんよーだ」ベー!

香焼「……オマエら」ハァ・・・

レッサー「こうなったら二人纏めて喰ってやんよー!! レッサー×香焼×アニェーゼ丼じゃああぁっ!!」ガオオオォッ!!

アニェーゼ「うわっ死ね!! 変態っ!! 寄るなっ!!」カアアァ///

香焼「布団被せんな!! うわ、ちょ……アーッ!!」ギャアアァッ!!


 にゃーん・・・・・


ステイル「まったく、埃立てるなっつの」ハァ・・・

アン・サーシャ「「むぅ……すやすや……」」zzz...
697 :>>1 [saga]:2011/05/07(土) 04:34:42.18 ID:jrYZrgPs0
うい。寝ます。次でこの話は終わらせるかな。


因みに1000レスまで書いた方が良い?
キリ良いから一回HTML化申請しようかなとも考えたんだけど、如何だろう。

それとも、神裂(+むぎのん、このりん)話やった後、此処での〆話やるべきかな?
多分、そうなると絹旗シリアス回かもしれないけど……


御意見お待ちします。
では例の如く※ントよろしく! ではまた! ノシ”
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/05/07(土) 08:06:22.63 ID:wqDJYd5do
ふぅ…



どこまでも突っ走ればいいと思うよ
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 11:32:44.75 ID:OqaH546DO
>>1が満足するまで書いてください
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 12:39:21.52 ID:+BLQ98UDO
任せるぜー。このりんの新約非処女無双マダー?ww


絹旗シリアスって仕事ばれて、殺し愛?
‥‥あれ、デジャヴュが。
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/07(土) 13:55:02.21 ID:afy/AvXd0
乙!何もかも振り切って突っ走れば良いと思う
早く読みたいレッサーアフター

殺し愛……アニェーゼアフターのときみたいに香焼が○○するのは確定なのか……!?
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 15:09:07.94 ID:vxn219gio
乙!
そろそろ香焼君が固有結界とか使えそうな気がしてきたな……型月的に

703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/05/07(土) 18:16:55.59 ID:pxosJDqAO
アンジェレネが可愛いすぎる…
ステイルとのカップルもいいけど香焼君もね!


アンジェレネが誰か男の人に贈り物しなきゃいけなくて、男の意見欲しいから香焼と二人で買い物=疑似デートする展開とか期待!
素で彼氏っぽい言動する香焼に照れるアン・・・

他もついてきそうだけど、公務なりはぐれるなりやりようはry
704 :>>1 [saga]:2011/05/07(土) 22:51:04.56 ID:jrYZrgPs0
こんばんは。今日は寝ないで頑張る。


レス返信!
>>698-699
スピード超過取られるまでガンガル。

>>700-701
親戚の話ですね(苦笑)。被爆はしないかな。絹旗を暴走させれば別だけど……あと、このりん中古とか言うな! 兄貴が屋上で待ってます!

>>702
そういえば香焼くんってナイフ使いでしたね。短刀も使えれば干将莫邪みたいにも……いや、彼はあくまで普通の魔術少年ですよ。

>>703
親戚がアンジェレネ・アフター準備してるんだけどね……ドロドロ愛なんだよ。構わない?


んじゃ続き投下!
705 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 23:05:31.48 ID:jrYZrgPs0
 ―――とある日、PM10:30、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 にゃーん・・・・・



香焼「……」トボトボ・・・

ステイル「御帰り……ぷっ……随分お楽しみだったようで」ククク・・・

香焼「笑ってんじゃねぇ。助けろっつの薄情者」ハァ・・・

ステイル「ははっ。君は女難の専門家じゃないか、これくらい頑張れよ」プフーッ!

香焼「ハァ……ったく、不幸だー」ドサッ・・・


アニー・レッサー「「すぅ……くぅ……」」zzz...

アン・サーシャ「「むぅ……きゅー……」」zzz...


ステイル「ところで……大丈夫なのか?」チラッ・・・

香焼「え? あ、頭痛? うん……今は特に問題無いよ」コクッ

ステイル「そうか。なら良いんだ」スッ・・・カチッ・・・

香焼「……ねぇ。迷惑だった?」ジー・・・

ステイル「何についてかは判断し兼ねるが……まぁ疲れたよ、全部ね」クスッ・・・フゥ・・・

もあい「……なぅ」ウツラウツラ・・・

ステイル「……僕はシャワーを浴びてくる。君は如何する?」スタッ・・・

香焼「自分は明日朝お借りするよ」コクッ

ステイル「了解だ……じゃあそこらのタオルケット、勝手に使って寝てくれ」テクテク・・・

香焼「あいよ」コクッ



 ガチャッ・・・・・
706 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/07(土) 23:29:39.52 ID:jrYZrgPs0
 ―――一寸前、PM10:00、ステイル宅、廊下・・・・・




ローラ「もしもし。神裂にあられるか?」

神裂『あ、マジでローラだ……』キョトン・・・

ローラ「嘘だと思いけりか? 失礼な女子(おなご)なのね」ハァ・・・

神裂『い、いえ、ちょっと、信じがたい話だったもので』タラー・・・

ローラ「まぁ傘下宗派一介教徒の携帯から主教、私が電話を掛けたる事に疑問を覚えぬ輩はいないものね」クスクス・・・

神裂『ええ。それで、何用ですか?』

ローラ「アレは……アレらは貴女の差し金?」ボソッ・・・

神裂『……話の意図が掴めませんね』

ローラ「誤魔化しけるの? ではあの坊やにステイルの前で直接聞きたもうて宜しいのかしら」

神裂『っ……貴女という人は、ホントに……意地が悪い』ハァ・・・

ローラ「唯、主教補佐という立場の男が下っ端組員やら嘱託、外部遣使魔術師と連んでいるのが不思議だった故に、気になりたもうてね」ニコッ・・・

神裂『皆、ステイル(あの子)と同年代の子供達です。そう考えれば不思議ではないのでは?』

ローラ「ふーん……」

神裂『別段、私の差し金という訳ではありませんよ。勿論、ステイル自身が彼らを進んで招いた訳でもありません』

ローラ「あの子供達、ねぇ」

神裂『ええ。特に香焼は……率先して彼を友人と称してますから』ニコッ

ローラ「……」ジー・・・

神裂『ローラ……いけない事ですか?』

ローラ「……主教としては、好ましからぬ事態よ」

神裂『では、あの子の「一、姉」としては如何です』

ローラ「一……姉?」

神裂『あの子に家族の様な者が居るとしたら、私か貴女だけでしょう』

ローラ「……」

神裂『私は、好ましい事だと思いますよ』

ローラ「ポジティブね」

神裂『いえ、普通です。貴女の様に数千先まで深読みしない凡人の考えですよ』クスッ

ローラ「……ふんっ。戯事を」クスッ・・・
707 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 01:00:58.66 ID:sRC5w9ls0
神裂『兎に角、あの子達の交友関係には我々は口出ししない方針で行きたいのですよ』

ローラ「……私は公私混同するようであれば、容赦無く介入させてもらいけるのよ」

神裂『その判断は慎重にお願いします。これ以上、ステイルを歪ませるのは善しと言えませんからね』

ローラ「歪み、ねぇ」フーン・・・

神裂『貴女は丸くなったと鼻で笑うかもしれませんが、それは良い事なのですよ。常識的にはね』クスッ

ローラ「……ステイルと神裂が丸くなりしは今に始まった事ではないわ。『あの男』が清教はたまた『魔術』に首を突っ込んでからそうなった」

神裂『……感謝してはいけませんか?』

ローラ「知らぬ。アレイスター、フィアンマ達がほくそ笑む結果にならぬのであれば如何でも良い事」

神裂『英国主義ですか……チェスプレイヤー思考では下が連いてこなくなりますよ』

ローラ「元より、覚悟の上ね。まぁ私自身、駒(アークビショップ)あれかしこ」フフッ

神裂『言葉遊びをしてるのでは無いですよ』ハァ・・・

ローラ「つれない女子……言わせて貰いたるけど、私は『禁書目録』のシステムについては反省しかねり事よ」フフ・・・

神裂『っ……ええ。貴女はそういう人です。分かっています』ボソッ・・・

ローラ「それに、聞けばローマの戦闘修道女部隊長は『刻限のロザリオ』を。殲滅白書のシスターは『神の力』の片鱗を……ね?」ニヤッ・・・

神裂『彼女ら手を出したら、謀反を起こす者らが出るでしょう』ギリッ・・・

ローラ「……冗談よ、今は」クスクス・・・

神裂『ハァ……勘弁して下さい』ッタク・・・

ローラ「しかし、ね……あの少年は……如何も神裂の『色』が濃過ぎると思いけるの」スッ・・・

神裂『は? えっと……一応、私の宗派の教徒ですからね』コクッ・・・

ローラ「それはそうありけるのだけど、そういう意味では無かれなの」

神裂『何が?』

ローラ「分からない。けど、危ない」

神裂『……ステイルと同じ様な事を言いますね。私は寧ろ善かれと思いますよ。彼の気質は』

ローラ「はっきり言わせてもらいたれば……此処(必要悪の教会)の人間にあるまじきタイプよ」

神裂『っ……それを言ったら、私もなのでは?』

ローラ「貴女は存在が『兵器』でしょ? 刃を抜かなくとも、居るだけで脅威となりけり者よ」

神裂『ズバッと言いますね、この女郎』ジトー・・・

ローラ「でも、少年は力無し。魔力も無し……変な言葉なるけど、『必要善』という感じなの」

神裂『だから、捨てろと? ……御断りです』キッパリ

ローラ「誰もそこまで言うておらぬのよ。頭でっかち。話は最後まで耳を傾けたもうてちょーだい」クスッ
708 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 01:24:29.25 ID:sRC5w9ls0
そもそも魔術は『穢れたモノ』と見なされている。
その渦中にいて魔術を習得しているこの部署―――必要悪の教会(ネセサリウス)は、異端中の異端たる『汚れを一手に引き受ける』機関だ。


ローラ「……故に『必要悪』と呼ばれたるの。お分かり?」

神裂『承知の上です。その上で、彼は魔術師であり、傘下宗派の天草式の一員です』

ローラ「そういう括りでは無き事なの。まぁ宜しかれ……また後ほど、お話しましょう」フフッ・・・

神裂『ローラ、彼に何か仕出かしたら承知しませんよ』グッ・・・

ローラ「安心するべきよ。悪い様にはせぬからね」フフフ・・・Pi!

神裂『待ちなさい。ローラ! 話はまd―――』


 ツー・・・ツー・・・・・


ローラ「……さて、戻りべし頃ね」テクテク・・・



    ガチャッ・・・・・



 ―――PM10:30、主教補佐執務室兼自室・・・・・



香焼「とりあえず、メールチェックしたら寝ようかな……って、あれ?」チラッ・・・

ローラ「……話は終わりたりよ」ニコッ

香焼「どうも……ステイルはシャワー浴びにいったっす」ペコッ

ローラ「そう……ねぇ」ジー・・・

香焼「はい、何か」コクッ・・・

ローラ「少しキツい質問をしても良きて?」ニコッ・・・

香焼「は、はぁ……」タラー・・・

ローラ「では……貴方にとっての『必要悪』とは、何と考えたる?」ジー・・・

香焼「え……」

ローラ「難しく考えたる事は無くてよ。主教としての興味だから」ニコッ・・・

香焼「ね、必要悪っすか……うーん……」

ローラ「なら、そのスタンスに対しての善し悪しの意見でも宜しべかれね」フフフ・・・

香焼「えっと……ネセサリウスって、ハンムラビの『タリオ法』理論っすよね」

ローラ「ええ。『目には目を、歯には歯を』……魔術師には魔術師を。犯罪者には犯罪者を、そうあれかしね」クスクス・・・

香焼「……」ジー・・・
709 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 02:01:33.14 ID:sRC5w9ls0
香焼「……善し悪しは付けれないけど、不毛だなって思います」コクッ・・・

ローラ「へぇ……何故?」

香焼「宗教戦争が終わらない理由と同じ、じゃ駄目っすか?」

ローラ「ほぉ。存外、賢しい少年であるのね。流石神裂の教えを後より受けし子供、というべきかしら」クスクス・・・

香焼「憎しみの連鎖ってよく言いますが、何処かで断ち切るには別の手段が必要なんじゃないかなぁって……理想論っすけどね」アハハ・・・

ローラ「ええ。幻想ね。絶対、その因果は切れぬモノよ」ニコッ

香焼「あはは、ハッキリ言われちゃった……そうなんすよね。だから皆、苦しむっす」ハァ・・・

ローラ「少年……何時の世も悪しき者は出ずるもの……確かにタリオ法でいけば、貴方の言うとおり不毛は続く」コクッ・・・

香焼「はい……」

ローラ「例えば……ある者(A)が人(B)を殺した。その身内(B')が犯人(A)を殺した……この流れだと、次は?」

香焼「犯人の仲間(A')が出てくるんすか? 不毛論だと、それからずっとイタチごっこ」

ローラ「正解。ただし、何処かで均衡が破れる……そのケースは如何ありけるかしら?」

香焼「AもしくはB、ドチラかのグループで圧倒的な力を持つ者が現れた場合。もしくは……第三者(C、D〜)の介入」

ローラ「またまた正解。利口な子は好めるものよ? 詮索癖さえなければね」フフッ

香焼「ど、どうも……それで?」

ローラ「前者は物事の優劣を決定せしめる時ね。後者はそれを憚れる時よ」

香焼「はい」コクッ・・・

ローラ「歴史上で戦争・紛争が興こる。それは此の世の理……理解できて?」

香焼「……」ジー・・・

ローラ「認めたくないと。潔癖症たるのかしら? ま、続けるわね……そこに後者の第三者は入るは許されまじき事」

香焼「……」ジー・・・

ローラ「戦争や紛争は世を次の段階へシフトさせし必然事項。それに歯止めを掛けし輩は異端中の異端」

香焼「……」

ローラ「本来であれば喧嘩の後の仲直り、もしくは合併吸収と進化出来得る事柄を止める……それは禁忌」

香焼「・・・」

ローラ「言い換えれば、武器・金銭・話合の場に『魔術』や『超能力』は不要。第三者でしかない」

香焼「・・・」

ローラ「それに対するタリオ法……『目には目を』ごときが『必要悪』なるのよ」

香焼「・・・」

ローラ「……理解してない訳が無いわよね」ニコッ・・・

香焼「……でも……それじゃあ」

ローラ「神裂の教えは此の世の摂理に反してる? いいえ、そうでは無かれよ。魔術を使わねば問題無しに」フフッ

香焼「……魔術師である必要が無い、と?」

ローラ「あら? そこまで飛鑰しせめるの? 基盤が同じくあられるなら、魔術師だろうが能力者だろうがよかれし事ね」

香焼「自分は……貴女が意図する事を、掴めないっす」シュン・・・

ローラ「ふふふ……嘘吐き。分かり給うて」クスクス・・・
710 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 02:46:36.60 ID:sRC5w9ls0
香焼「……自分に、如何しろと?」

ローラ「今の話を聞きて『必要悪』に対する考えは?」

香焼「……」

ローラ「無回答は0点。良いのかしら?」

香焼「だって……」

ローラ「じゃあ、そうね……ステイルは『国と禁書目録の為』と言って喜んで『悪』に染まりし男よ」

香焼「……っ」グッ・・・

ローラ「殲滅白書のシスターも同じく『国(新政府)と成教の為』といって『悪』になれる」

香焼「や、め……」

ローラ「ローマの亡命修道女達も、元は『市国と正教の為』なら『悪』として。魔術結社の嘱託魔術師も『国と思想の為』ならと……ね?」ニヤッ

香焼「……」

ローラ「少年……では、貴方は?」グイッ・・・

香焼「っ」

ローラ「『正義』の反対はまた別の『正義』。『悪』の反対はまた別の『悪』……その他は『異端(幻想)』」

香焼「……あ、アックアさんやオッレルスさんみたいな人間だって……います」

ローラ「人間? ……アレらは最早概念たる存在よ。何故あの様な自分勝手な輩に賛同する者が居るのか不思議で仕方なき事よ」

香焼「人は……その信念に慕って、連いていきます……違いますか?」

ローラ「……やはり、子供か」ハァ・・・

香焼「ニ択論の世界なんて悲し過ぎるっすよ……この力(魔術)は、困ってる誰かを助ける力。それじゃ……駄目っすか」チラッ

ローラ「……いと、甘いわ」ジー・・・

香焼「よく言われます……それでも今は『正義の味方(ディック・グレイソン)』を諦めません。ハッピーエンド以外は、欲しくないっす」

ローラ「っ……正義の、味方……ふふっ……」ボー・・・

香焼「自分はただ、友達を大事にして、救いを求めている人に手を差し伸べられたら良いなって……そこに善悪は必要無いっすよ」ニコッ・・・

ローラ「……」スッ・・・

香焼「え……っ!? な、何を!?」ドキッ・・・

ローラ「……」ポワワァ・・・

香焼「ひ、光……」ギョッ・・・

ローラ「……貴方は……―――」スッ・・・

香焼「っ!?」ビクッ・・・




 ピタッ・・・・・




ステイル「そこまでだ。主教」ガシッ・・・


香焼「っ……す、ステイル……」ホッ・・・

ローラ「―――……」チッ・・・
711 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 03:15:12.35 ID:sRC5w9ls0
ローラ「いきなり上半身裸で淑女の背後に現れ給うのは、如何がなものかと思えし事よ?」チラッ・・・

ステイル「喧しい。何をしようとしていたかは聞かないでおいてやる……だが、馬鹿な真似をするつもりなら容赦しないぞ」ギロッ・・・

ローラ「……ふふっ。別に、唯の普遍たる問答なりてよ」クスッ

ステイル「……」チラッ・・・

香焼「え、あ、うん……自分は何もされてないっすよ」コクッ・・・

ステイル「君という人間は魔女まで庇うか。つくづく……ハァ」テクテク・・・

ローラ「あらら。嫌われたかしら」フフフ・・・

ステイル「貴女に好意を抱いた事は無いよ」フンッ・・・

ローラ「あら、残念ね」クスッ・・・

香焼「あ、あの……」タラー・・・

ローラ「少年。今のはお姉さんとの秘め事にしけるのよ」ニコッ♪

香焼「……あはは」ダラダラ・・・

ステイル「何がお姉さんだ、ババぶおっ……鳩尾……」グハッ・・・

香焼「す、ステイルっ!?」ギョッ・・・

ローラ「……ふふふ」ゴゴゴゴ・・・・

ステイル「てめ、マジ……覚えてろ……」ヨロヨロ・・・

ローラ「いやよ。忘れてあげる」ニコッ・・・

ステイル「腐れ魔女め……」ドサッ・・・ハァ・・・

ローラ「……時に、少年」チラッ・・・

香焼「は、はい」コクッ・・・

ローラ「確かに、先のは私の意地が悪過ぎたわね。何か願い事を申してみなさい。可能なのであれば叶え給うてあげる」ニコッ

香焼「え、い、いや、そんな……別に気にして無いっすよ。自分こそ、身の程を知らず申し訳ないっす」ペコッ

ローラ「ホント、謙虚たるのか若さなるのか……変な少年ね」クスッ

香焼「ど、どうも」アハハ・・・

ステイル「……そうだ、香焼。折角だから呪術について調べて貰え」ハァ・・・

香焼「え?」

ステイル「さっき言ったろ。『真面目』に魔術師としては超一流の魔女だ……僕の検査は砂程度に過ぎないが、彼女なら完璧に調べられる」

香焼「えっと……でも、主教様の手を煩わせる事じゃ」タラー・・・

ローラ「あら。呪術検査? その程度造作もなき事よ」フフッ

ステイル「な。とっととしてもらえ」コクッ

香焼「……じゃ、じゃあ……お願いします」コクッ・・・

ローラ「はいはい。じゃあ、ステイル。今から言う物を集め給うてちょーだいな」ニコニコッ

ステイル「アイマム」スタッ・・・
712 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 03:44:08.07 ID:sRC5w9ls0
 ―――とある日、PM10:55、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・




ローラ「―――一通り準備できたっと……それじゃさっきステイルが調べし結果のカルテを頂戴な」スッ・・・

香焼「あの……工房じゃなくてもいいんすか?」

ローラ「ステイルの工房は検査に不向きな場所。あそこは『攻勢』の探求が主たるものね」

ステイル「まぁ破滅の杖の影響が大きいからな……ただ僕はあそこが慣れてるんでね」

ローラ「私は場所を選ばずとも出来るから……ふむふむ……アトラスの書物を用いた、と……これ錬金術の応用なりしよ?」チラッ・・・

ステイル「仕方ないだろう、他の手を知らないんだ」

ローラ「壊す事メインの貴方の術式じゃそれが手一杯なるのね……ま、次第点かしら」クスッ

香焼「……自分は如何すれば良いんすか?」チラッ・・・

ローラ「とりあえず手っ取り早いのは私とパスを繋げる事になりけるけど……少年が良ければ構わなしよ」ニヤッ・・・

ステイル「止めろ……神裂に殺されるぞ」タラー・・・

香焼「……えっと、何を?」タラー・・・

ステイル「……」ハァ・・・

ローラ「お姉さんと……体液交換、ね♪」ニコッ

香焼「なっ!!?」カアアアァ///

ステイル「だから止めろっつってんだろ歳考えろ痴女魔女老女!!」ギロッ・・・

ローラ「まだ言いけるかED糞餓鬼……」ギロッ・・・

香焼「あ、あの! 別の方法でお願いします!!」アタフタ・・・///

ローラ「あら、貞操観念が確固としてるタイプでありけるのね。今時珍しい事」オホホ

ステイル「……貴女も仮に清教の主教でしょう。弁えろっつの」ハァ・・・

ローラ「私は主教であり、魔術師たるのよ。貞操如何こうで躊躇いし事はあらぬのよ」フフフ・・・

香焼「あはは……(本来魔術師って、こういうのが当たり前なんだろうなぁ)」タラー・・・///

ローラ「で、少年は折角の逆玉の輿&膨大な魔力量&童貞卒業のチャンスを逃した訳なるのだけど……他の手は魔術回路ダイブかしら」ウーン・・・

ステイル「存外、ソイツは童貞ではないかもしれないぞ。周りは女ばかりだからな」ジー・・・

ローラ「え”っ!? 最近の若い子って凄ぇ……まだ中学生くらいたるのよね?」ヘェ・・・ジロジロ・・・

香焼「ど、童貞っすよっ!! ステイルだって周り女性ばっかじゃないっすか!!」カアアァ///

ローラ「あー……ステイルは枯れてるから、まず無き事よ」ウンウン・・・

ステイル「枯れてないが反論しない」ウンウン・・・

香焼「……」ハァ・・・
713 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 04:12:56.53 ID:sRC5w9ls0
ローラ「とりあえず、私が少年の回路を覗いて良きて? それとも先の様に刻印を彫って陰性陽性検査を行う?」チラッ・・・

香焼「よく分からないっすから、お任せしたいんすけど……」

ステイル「ドチラも不安だが回路検査の方が良いだろう。今度の刻印は本当に刺青(タトゥ)を彫るぞ」

香焼「目立たないなら我慢しますよ」

ローラ「残念。全身に彫りし刻印なるのよ……口内から『至るとこ』まで、ね。まぁ一瞬で終わりけるけど」ニヤッ・・・

香焼「っ……回路を調べて貰って良いっすか」タラー・・・

ローラ「りょーかーい」ニコッ♪

ステイル「そうしておけ。そっちもそっちで『洗脳』があるから怖いんだがな」チラッ・・・

香焼「え……」タラー・・・

ローラ「しないしない。主教補佐と補佐次席を敵には回したくなきもの」フフッ

香焼「……信じますよ」ペコッ・・・

ローラ「はいはい。じゃあ上半身は脱ぎ給うてねー」ニコニコッ



もあい「すぅ……みゅぅ……」コクコクッ・・・



ローラ「―――……さて……それじゃあ失礼。全ての魔力はカットし給うて。逆にオンと言ったら流し給うて頂戴な」ペタッ・・・ツツツ・・・

香焼「はい……んっ……」グッ・・・

ステイル「麻酔は使わないのか?」

ローラ「他者の魔力を介入させると面倒なるのよ……私と、少年の『色』以外があれば陽性なるのよ」ジュッ・・・

ステイル「そうか……じゃあ外してるよ。終わったら呼んでくれ……くれぐれも変な真似はしない様に」テクテク・・・

ローラ「はいはい。りょーかいなりー」ポワワァ・・・

香焼「……っ……」グッ・・・

ローラ「へぇ。未開発の回路っぽいのね……貴方自身故なのか、天草式故なのか……」グジュッ・・・

香焼「自分達の術式は……ぁ……独特っすから、ね……っ」ギュッ・・・

ローラ「でも神裂の回路は……まぁアレは聖人なりけるから別ものたるのね……それより、如何?」チラッ・・・

香焼「よく、分かんないっす……っ……んっ……」グッ・・・

ローラ「お姉さんに未開発の隅々(※魔術回路です)を弄られて、緊張せしめり?」ニヤッ・・・

香焼「言い方っ……ぁぅ……自重して、欲しいっす……っ」ピクッ・・・///

ローラ「ふふふふ……あ、オンにし給うて」ピタッ・・・

香焼「はい……」スッ・・・

ローラ「……ん? 痛くなきて?」ススス・・・

香焼「……はい、さっきよりは」コクッ・・・

ローラ「じゃあ眠たくは?」チラッ・・・

香焼「別に……」ウーン・・・

ローラ「……」ジー・・・
714 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 04:50:52.59 ID:sRC5w9ls0
ローラ「うーん……もしかしたらやっぱり科学・医学側の問題かもしれないわ。魔術呪術っぽくはあらぬのよ」

香焼「そうなんすか……じゃあアッチで病院に行ってみるっす」コクッ・・・

ローラ「そうね。冥土帰しに話を通す旨伝えておいてあげるから」ニコッ

香焼「有難いっす」ペコッ・・・

ローラ「ふふっ。素直に御礼が言える子は好ける者よ……じゃあ……私が御呪を掛け給うわね」ピタッ・・・

香焼「……え」キョトン・・・

ローラ「心配せぬとも大丈夫。対魔……は少年自身が魔術使えなくなるから止めといて……」ツツツ・・・

香焼「しゅ、主教様?!」ドキッ・・・

ローラ「太陽の御子の加護は大き過ぎるし……湖の乙女の加護なら如何かしら」ニコッ・・・ピタッ・・・

香焼「ら、ランスロット卿の……そ、そんな大それたモノ恐れ多いっすよ!」ブンブンッ!!

ローラ「あらら、本当に謙虚なるのね……じゃあその謙虚さを称し……えいっ★」グッ!!

香焼「っ!!? ぁ……ッッッ……ぃ……」ハァハァ・・・

ローラ「矢避けの加護なるものよ。マーリン程ではないけれども、都市で流れ弾や逸れ魔術師の強襲には当たらずね」ニコッ・・・

香焼「ど、も……ぅ……」グデェ・・・

ローラ「あ、間違って幻想殺しに触れたらダメになりけるので、気を点ける様に」ビシッ

香焼「りょ、か……っ……」バタッ・・・

ローラ「……ん? あれ? 少年? おーい……へ?」ポカーン・・・

香焼「……」

ローラ「……え? ちょ、ステイルー!」バッ!

ステイル「ん? ……如何した」テクテク・・・

ローラ「少年が……」チラッ・・・

ステイル「……ローラ。何した」ジトー・・・

ローラ「べ、別に大した事はしてなしよ。一つ『加護』を組んだだけで……」アタフタ・・・

ステイル「……」ジー・・・

香焼「……」スゥ・・・スゥ・・・

ステイル「呪い……体質か? ローラ。今彼を調べられるか?」チラッ・・・

ローラ「え? 夜這って良いの? 童貞の『初精』喰って良いなら喜んでt」ドキドキ・・・

ステイル「神裂に殺されたいか? 魔術の為に無理矢理彼の貞操を奪ったとなれば、ヤツは抜刀するぞ?」ジトー・・・

ローラ「……じょ、冗談です」タラー・・・

ステイル「真面目に……今、呪いが発動していないかどうか検査してくれ。呆けた方法では無くだぞ」ギロッ・・・

ローラ「た、体液交換だって立派な魔術なりけるのに……あーはいはい。分かりましたよー」ブーブー・・・


香焼「すぅ……くぅ……―――」スヤスヤ・・・――
715 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 05:21:20.45 ID:sRC5w9ls0
 ―――とある次日、AM08:30、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 チュン・・・チュンチュン・・・・・



香焼「―――……んんっ……あれ? 寝ちゃってた」モソッ・・・キョロッ・・・

ステイル「……」スゥ・・・クゥ・・・

香焼「……何時だろう……もう8時過ぎてるのか……拙いなぁ」チラッ・・・ハァ・・・



 ガチャッ・・・・・



香焼「ん?」チラッ・・・

アンジェレネ「……あ。おはよう」テクテク・・・

香焼「うん、おはよ……他の皆は?」キョロ・・・

アンジェレネ「まだ寝てるけど……って、コォヤギくん」フイッ・・・

香焼「へ?」ポカーン・・・

アンジェレネ「……いつも上脱いで寝てるの?」ボソッ・・・

香焼「は? ……あれ?!」ギョッ・・・

アンジェレネ「ソファで隠れてるから見えないけど……まさか全裸じゃないよね」ジトー・・・

香焼「……」ダラダラ・・・

アンジェレネ「……せめてさ、女の子居る時くらい服着ておこうよ」ハァ・・・

香焼「ち、違……あ! き、昨日主教様が!!」アタフタ・・・

アンジェレネ「……最っ低です」ジトー・・・

香焼「ちょ、マジ違……呪術検査してもらったんすよ!!」アタフタ・・・

アンジェレネ「……ふーん。とりあえず、アニェーゼちゃん達には内緒にしといてあげるから……服着たら?」ジトー・・・

香焼「ぐっ……アンが冷たい……リアルに勘違いされてる……」ハァ・・・


もあい「……ふにゃぁ」シャアアァ・・・フシフシ・・・
716 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 05:46:34.53 ID:sRC5w9ls0
 ―――一寸後・・・・・



アニェーゼ「ふぁあぁ……うぃ。朝っぽ」ノソリ・・・

レッサー「んぁ……アニェーゼぇ……朝一で尻尾踏まないでぇ……」グデェ・・・

サーシャ「んっ……髪が……」ボサボサ・・・

アンジェレネ「おはよう、皆」ニコッ

アニェーゼ「ん、おはよ……何時ですか?」トローン・・・

アンジェレネ「朝の食堂閉まった時間帯だよ」アハハ・・・

レッサー「……まぁじで」ウヘェ・・・

サーシャ「第1の推測ですが……また有りモノで済ませるしかないようですね」ハァ・・・

レッサー「家主は……まだオネムですか」ジー・・・

ステイル「……」zzz...

アニェーゼ「あれ? ……わんこは?」キョロキョロ・・・

アンジェレネ「……シャワー浴びてるよ」チラッ・・・

サーシャ「第1の要望ですが、私も浴びたいです……シャキッとしたい……髪もカオスってるので……」モサモサ・・・

レッサー「今此処に居る全員髪のボリュームぱねぇですからね。ステイル含め」アハハ・・・

アニェーゼ「……とりあえずトイレ行く人行ってから、木偶の坊、起こしましょう」スタッ・・・トボトボ・・・

レッサー「あいよー」グデグデ・・・

サーシャ「コーヤギー……早くシャワー出て下さーい……」モゾモゾ・・・

アンジェレネ「私は朝食考えておくよ……ステイルくん、勝手に台所探すねー」テクテク・・・

ステイル「……」zzz...

もあい「なぅ」グー・・・
717 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 06:09:49.33 ID:sRC5w9ls0

 ガチャッ・・・・・


香焼「ん……おはよう、皆」テクテク・・・

アニェーゼ「おはよ。レディより先に朝シャンとは頂けねぇですね」ジー・・・

香焼「あはは。ごめんごめん……」テクテク・・・

アンジェレネ「皆行ってきなよ。私、コォヤギくんの前入ってきたから」チラッ・・・

レッサー「はい……あの風呂場、シャワー何口付いてますっけ?」

香焼「二つ付いてたよ」

アニェーゼ「じゃあジャンケンで―――」


 にゃーん・・・・・


アニェーゼ「―――……うぃ」ハァ・・・

サーシャ「第1の結果ですが、こういうのは大抵言いだしっぺが負けるものですよね」アハハ・・・

レッサー「んじゃお先にー」テクテク・・・

アニェーゼ「ぐぬぬ……私が一番髪セット掛るのにぃ」フンッ!

アンジェレネ「あはは。仕方ないですね……とりあえず先に朝食準備しよ。パンとシリアルあったからさ」テクテク・・・

香焼「あ、自分がやるよ。アンはs」

アンジェレネ「私がやるからコォヤギくん、ステイルくんの事起こして」サラッ・・・

香焼「……う、うん。(まだ疑ってるの?)」タラー・・・

アニェーゼ「起きろよデカブツ」ゴンッ!!

香焼「あ、アニェーゼ!!?」ギョッ・・・

ステイル「……」ノソ・・・

アニェーゼ「……もう一発」グググッ・・・

香焼「す、ストップ! 普通に起こしてあげて下さい!! 杖で殴るとか如何かしてるよ!?」アタフタ・・・

アニェーゼ「んもー、面倒ぃですねぇ……おーきーろー」ユサユサ・・・

ステイル「……あ?」ボー・・・

香焼「ステイル。朝っすよ。もう8時半」コクッ・・・

ステイル「……ん……夕方まで寝る」モゾモゾ・・・

香焼「こ、コイツ……五和みたいな事を……」タラー・・・

アニェーゼ「やっぱ杖で打っ叩いて起こしましょう、そうしましょう」グイッ・・・

香焼「駄目!! 普通に起こせば大丈夫だから!!」アワワワ・・・

もあい「みゃー」トコトコ・・・ペチペチ!
718 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 06:40:17.15 ID:sRC5w9ls0
ステイル「……ふぁあ……眠ぃ」ボサボサ・・・

アニェーゼ「アンタも大概髪ヤベェですよね」アハハ

ステイル「……シャワー行ってくる」ノソッ・・・

香焼「今、サーシャとレッサーが入ってるからちょっと待ってて」

アニェーゼ「因みに次私ですからね!」ムンッ!

ステイル「……じゃあ寝る」モゾモゾ・・・

香焼「うわぁ……典型的な朝駄目な人だ……」タラー・・・

アニェーゼ「水ブっ掛けてやりましょうよ」ニヤッ・・・

香焼「だから如何してそう物騒な考えを……今カフェオレ作るっすから、待ってて」テクテク・・・


アンジェレネ「……」フイッ・・・

香焼「……アンジェレネ。牛乳準備しておいて貰えるかな」チラッ・・・

アンジェレネ「……」ゴトッ・・・

香焼「……カップも出しておいて貰えると、嬉しいな。出来れば人数分」チラッ・・・

アンジェレネ「……」コトッ・・・コトッ・・・

香焼(……めっさ怒ってらっしゃる)ハァ・・・

もあい「にゃう」テクテク・・・

香焼「……アン。自分の言葉、信じてくれないの?」ジー・・・

アンジェレネ「……不潔」フンッ・・・

香焼「だから……如何すれば信じてくれるのさ」ハァ・・・

アンジェレネ「知らない!」プイッ!

香焼「……困ったな」ポリポリ・・・

アニェーゼ「ったく、ステイルの野郎また寝ちまったんですよ……って、如何しました?」キョトン・・・

アンジェレネ「……」ジトー・・・

香焼「え、えっと……勘違い、かな……」タラー・・・

アニェーゼ「ほぇ?」ポカーン・・・



 にゃーん・・・・・



アニェーゼ「……昨日最後に何してたか記憶無ぇって訳ですか? 全裸だったのに」ジー・・・

香焼「うーん、主教様に呪術検査して貰って御呪だか加護だか受けて……それっきりっす」コクッ・・・

アニェーゼ「ふーん……」チラッ・・・

アンジェレネ「……」ジトー・・・
719 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 06:59:23.15 ID:sRC5w9ls0
アニェーゼ「まぁステイルに聞けば分かる話じゃねぇんですか? 最後まで見てたんでしょ?」フム・・・

アンジェレネ「……」テクテク・・・

香焼「ちょ、アン?!」ギョッ・・・

アニェーゼ「思い立ったら即行動……偶にアグレッシブになりますね、あの子」ハハハ・・・

香焼「何でそんなに楽天的なんだよ……」ハァ・・・


アンジェレネ「……ステイルくん」トントン・・・

ステイル「……」zzz...

アンジェレネ「……えいっ」ポイッ

香焼・アニー「「た、煙草捨てた!?」」エ・・・

ステイル「君は何をしてるんだ……殺す気か?」バサッ・・・

香焼「起きたよ……睡眠慾より喫煙慾なのか……」タラー・・・

アニェーゼ「末期ですね。ガン超えて肺が突然変異してんじゃねぇですか?」タラー・・・

アンジェレネ「ステイルくん……昨夜、コォヤギくん。何してた?」ジー・・・

ステイル「……何って……ローラに絡まれて……うん、色々」ボー・・・

アンジェレネ「……」ギロッ・・・

香焼「まだ言葉途中っすよ!」アタフタ・・・

ステイル「……魔術回路調べて貰ってたり、加護かけらて眠ったり、貞操奪われそうになったら……色々」ボソボソ・・・

香焼「あ、の、低血圧野郎ぉ……アバウトにヤベェ事を」タラー・・・

アニェーゼ「……コーヤギ。詳しく話しなさい。場合によってはルチアじゃねぇですけど、去勢します」ギロッ・・・

香焼「……」タラー・・・



 にゃーん・・・・・



香焼「―――……以上。あとは信じて貰えなきゃ言い訳も何も無いっす」ハァ・・・

ステイル「概ね合ってる……まぁ呪術については、知らなくて良い。香焼本人にも教えないから」ボー・・・

アニェーゼ「あんの年増魔女めぇ……人のペットを誑かすような真似をしくさりたがってぇ……」グヌヌ・・・

アンジェレネ「……ごめん。疑っちゃった」シュン・・・

香焼「ま、まぁ酒の席だったし……裸で寝てたってのもあるからね。仕方ないよ」アハハ・・・

ステイル「まぁ君の貞操は守ってやった。感謝しろ……とりあえずコーヒーだ。カフェインとニコチンが無いと動けん」グデェ・・・

アニェーゼ「駄目子供め」ハァ・・・

もあい「なーう」ペチペチッ
720 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 07:30:21.97 ID:sRC5w9ls0
 ―――とある次日、AM09:00、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 ガチャッ・・・・・



アニェーゼ「ふぃ……お借りしました。ステイルどーぞ」テクテク・・・

ステイル「ん。先に朝食食べたぞ」スタッ・・・テクテク・・・

アニェーゼ「別に構いませんよ」コクッ・・・

アンジェレネ「はい、アニェーゼちゃんの分。シリアルでも良いよね」スッ・・・

レッサー「アニェーゼは喰えないモノ無いですよ」ハハハ

アニェーゼ「ええ。喰えってんなら虫やネズミだって喰ってやりますよ」アハハ

サーシャ「……そういうダーティーなジョークは、朝食時にするものではありませんよ」タラー・・・

アニェーゼ「あはは。ごめんごめん」ポリポリ・・・

アンジェレネ「飲み物はミルクで良い? 野菜ジュースもあるけど」

アニェーゼ「どっちでも……ところでアン」ジー・・・

アンジェレネ「何?」

アニェーゼ「髪、一人で編んだんですか?」

アンジェレネ「え、う、ううん」アハハ・・・

レッサー「そういえば私達が飯食う前にそうなってましたね」キョトン・・・

香焼「自分が編んだんだよ」クスッ

アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

香焼「偶に浦上の髪とか弄るから、直ぐ出来……あれ? 駄目だった?」タラー・・・

サーシャ「第1の意見です。良い悪いじゃなく美容師でもないのに平然と女性の髪を弄れる貴方はやはりコーヤギーなのだなぁ、ね」ハハハ・・・

レッサー「……香焼。後でアニェーゼの髪を編んで上げた方が良いですよ」ボソッ・・・

香焼「……はい? 何で?」ポカーン・・・

レッサー「良いから黙って編んだげなさい」ボソボソ・・・チラッ・・・


アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(^ω^ #)イライラ・・・


サーシャ「……同意です。梳かすだけでもしてあげるべきでしょう」タラー・・・

香焼「は、はぁ……」キョトン・・・

アンジェレネ「ふふふ。ラッキーっと」クスッ♪
721 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/08(日) 08:06:53.70 ID:sRC5w9ls0

 にゃーん・・・・・



レッサー「それで、今日は如何します?」チラッ・・・

アニェーゼ「うーん……ルチアんとこ行かねぇと拙いですよねぇ」ハァ・・・

アンジェレネ「う、うん……そう思います」コクッ・・・

サーシャ「第1の私事ですが、寮に寄った後一度ホテルへ戻ります。今週末、モスクワへ戻らねばならないので書類整備を」コクッ・・・

レッサー「じゃあ私はアジトに戻りますかねぇ。運良ければオリアナ姐御の車に隠れて帰れますし」フフッ

アニェーゼ「コーヤギは?」チラッ・・・

香焼「とりあえず自分も女子寮前まで行くっすよ。女教皇様に御礼言わないと」

アンジェレネ「でも……多分、シスター・ルチアに捕まりますよ?」タラー・・・

香焼「そん時はそん時っすよ……別に悪い事してないでしょ、自分達」クスッ

サーシャ「……ポジティブですね。あの堅物相手に」フフフ・・・

レッサー「ま、最悪ブスリと刺されますね。上手く誤魔化して下さいよ」アハハ・・・

香焼「そんな、人を鬼みたいに……」

アニェーゼ「キレたアイツは鬼なんてもんじゃねぇですよ……まぁとりあえず、今は飯食っちまいましょう」

アンジェレネ「そうだね。考えるのは後にしよ……あ、そうだ。ステイルくん客人用のハブラシ持ってるかな?」

レッサー「あー……確かに寮戻る前に歯磨きしたいですよね」アハハ・・・

サーシャ「ふふふ。私は常にシャンプー・リンス・ボディソープ・歯磨きセットは外套裏に備えてあります」ニヤッ・・・

アニェーゼ「サーシャ……前々から思ってたんですけど、そのマントの裏の質量保存おかしいですよね?」タラー・・・

アンジェレネ「武器とか日用品とか色々……その中如何なってるの?」ジー・・・

サーシャ「ははは。禁則事項です」クスクス・・・

レッサー「んじゃ私が探索を―――」ゴソゴソ・・・

サーシャ「ちょ、れ、レッサー!! そこマントじゃな――」キャー!!

アニー・アン「「あははは!」」ケラケラ

ステイル「ふぅ……何だ。朝食時からハイテンションなのか、君らは―――」ハァ・・・クスッ・・・


香焼「……ふふっ」クスッ

もあい「なぅ」ン?

香焼「多分……必要悪とか、魔術師とか、救いとか、正義の味方とか、関係無いっすよね」ニコッ・・・

もあい「にゃー」フシフシ

香焼「簡単な事だもん……唯、友達ってだけっすよ。主教様」フフフ








冷蔵庫『フィニッシュッ!!』オワレ!
722 :>>1 [saga]:2011/05/08(日) 08:08:00.48 ID:sRC5w9ls0
すいません。おまけは夜やるので……一回寝ます。

おやすみー・・・
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 10:03:33.79 ID:cv2MxZIDO
乙でした

楽しみに待ってます
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 11:59:00.81 ID:lYEgv7SDO
乙!

必要悪の話を聞いて、アザゼルさんの天使話とかソレスタルビーイング思い出した。
あ、それから‥‥主教さま超良いキャラしてますなぁ。
香焼くんの『初精』‥‥グヘヘww
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 20:03:29.37 ID:mr5A+7hDO
>>1乙!
このローラさんだったら体液交換したい……


>>724
小萌せんせー!こっちです!こっちで結標が少年に手を出そうとしてます!
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/09(月) 00:30:59.28 ID:c7pE81md0
乙!

アンジェアフターがドロドロだと…………!?
一体何があった
727 :>>1 [saga]:2011/05/09(月) 01:36:53.72 ID:iWmHiCfR0
夜分遅くにこんばんわ。今日はおまけだけです。


レス返信!
>>724
必要悪は必要か、悩みますよね。OOのCBとかフルメタのミスリルとかWのゼクスは場を掻き回すだけって意見もありますし。
ただそれって英雄に対する僻みな気もします。結局、ローラとアックア、オッレルスじゃカリスマのベクトルが違うんでしょう。
あと、『初精』は魔術師にとっては重要な魔力源という私の解釈です……だからあわきんには関係無いよ!(笑)

>>725
貴方は私の鞘だったのですね……って言われたいね!   ……え? 違う?(笑)
結標さんは実際チキンだと思います。だから直前でヘタレるよ。って、海原さんと土御門さんが言ってた!

>>726
あー……アニェーゼアフターは夫婦間がメインだったので、今回はエロをメインにしようとしたら、大変な事になった。
言ってしまえばしまえば『ゲス焼』くんです(苦笑)


はい。んではおまけです。どーぞ!
728 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 02:12:03.54 ID:iWmHiCfR0
                 <おまけっ!>



 ―――とある日、時刻不明、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 にゃーん・・・・・



レッサー「―――しっかし、埃被った最新電化製品がいっぱいですね」ガチャガチャ・・・

アンジェレネ「これ、何だろう? ただの箱?」ポカーン・・・

サーシャ「第1の予想ですが、新世代型ゲーム機か何かではないでしょうか」ジー・・・

香焼「ステイルはゲーム、カードとかのアナログな物しか出来ないのにね」アハハ・・・

ステイル「……君達は何をしてるんだ」ジトー・・・

アニェーゼ「何って、掃除です」ゴチャゴチャ・・・キリッ!

ステイル「如何見ても荒してるだけだろ」ハァ・・・

アンジェレネ「……ん? このビニールマットみたいなのは何?」ポカーン・・・

レッサー「えっと……『3DTwister』……3D?」キョトン・・・

香焼「ああ、それちょっと前に都市で発売されたパーティーゲームっすよ」コクッ

サーシャ「ふむふむ。第1の質問ですが、もしかしてツイスターとはあのツイスターゲームの事ですか?」

香焼「うん。ただ3Dだから絶対何処がでツむんだけどね」アハハ・・・

ステイル「そんなモノを寄越すアレイスターの気がしれないんだ……僕を何だと思ってる。仮にもエージェントだぞ?」ハァ・・・

アニェーゼ「ただのガキとしか見られてねぇんじゃないんですか?」ニシシ!

アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん……えっと、ステイルくん。試しにこれ開いてみて良い?」チラッ

ステイル「キチンと片付けするなら構わないよ。というかそれ持ちかえっても結構だ」コクッ・・・

レッサー「よーしっ! んじゃやってみましょー! コウヤギ。使い方教えて下さいなー」ニコニコッ

香焼「あ、うん。確か―――」


@ルールは普通通り、ルーレットを回して指示が出た場所に四肢を置く。
Aただし面は6つあり、数の増減は可能。立方体2m×3(※1m50pまで縮小可能)の電光ポインタ。


香焼「―――だよ。前にトレーニングがてらに試したけどシンドイね」アハハ

サーシャ「第1の疑問です。これって……対面に左右の足を置く指示が出たら如何するのですか?」

香焼「開脚。偶に片手逆立ちもあった」アハハ・・・

アニェーゼ「んなモン出来んのはコーヤギと尻尾使ったレッサーくらいですよ」ジトー・・・

ステイル「香焼は何気に通常身体能力は高いからな」ジー・・・

香焼「まぁそれくらいしか取り柄無いんだけどね」ハァ・・・

アンジェレネ「と、とりあえず2面くらいで遊んでみませんか! 慣れてきたら増やせば良いんだし」パタパタ!

サーシャ「そうですね……ただ……第1の不安が」チラッ・・・

香焼・ステイル「「……ん?」」ハ?

アニェーゼ「察しやがれってんです、朴念仁共……良し! ズボンっぽいモノ持って集合です!」ズバッ!!

アン・サーシャ・レッサー「「「おー!」」」ビシッ!

もあい「にゃーん」フシフシ!
729 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 02:39:18.32 ID:iWmHiCfR0
  ―――一寸後・・・・・



アニェーゼ「準備できました!」バーン!

レッサー「負けた人はお菓子10€分賭けましょう!」フンヌッ!

香焼「えっと……サーシャ、外套羽織ってないだけでいつもと同じじゃん」チラッ・・・

サーシャ「……仕方ないでしょう。ショーパンとセットでこの霊装なんですから」ハァ・・・

ステイル「誰か貸してやれなかったのか?」

アニェーゼ「サーシャ、パンツ貸すだけでも全部脱がなきゃいけない服なんで面倒なんですよ」

サーシャ「……来世は上司に恵まれたい」グヌヌ・・・

香焼「あと、レッサー。君は何故スパッツ穿いただけ?」ジー・・・

レッサー「ホントはスカートのままでも良かったんですけどねぇ、誰かさんが怒るんで穿くだけ穿いてやりましたよ」チラッ

アニェーゼ「だから無闇にパンツ見せようとすんな! 仮にも女でしょう!」ギロッ・・・

レッサー「あー、はいはい。ドSのくせにエロ耐性低い女はこれだから」ハァ・・・

アンジェレネ「レッサーちゃんも実は豆腐メンタルだけどね」ニコッ・・・

レッサー「ぐっ……アンジェっち。ゲームで泣かせてやりますからね」タラー・・・

アニェーゼ「因みに暇人を審判として連れてきてやりましたよ」ホラッ!

香焼・ステイル「「……」」ハ?


キャーリサ「面白い事が始まると聞いてホイホイ来ちゃったし!」ニヤリ!


ステイル「……シルビアか騎士団長の電話番号は何処だっけかな」エット・・・

キャーリサ「ちょ、大丈夫だって! 本当に暇だったし!」アタフタ!

香焼「子供達の遊びに釣られる王女様って、一体……」タラー・・・

サーシャ「第1の提案ですが、兎に角始めましょう」チラッ

アニェーゼ「6人ですから3,3で分けますか」コクッ

ステイル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は? 6?」エ?

アンジェレネ「勿論ステイルくんもだよ」ニコッ

ステイル「いや……物理的にこんがらがるぞ。僕の身長じゃ。不可能だろう」タラー・・・

キャーリサ「じゃあ私がy」

香焼「ステイル。これの持ち主はオマエなんだし、混ざるだけ混ざれって」ニコッ

ステイル「い、いや、遠慮s――」

アニェーゼ「ふんっ。臆しましたか。まぁアンより身体堅そうですし、所詮木偶の坊には無理ですよね」ニヤッ・・・

ステイル「――……一戦だけ、相手してやる」フンッ・・・

一同(単純だなぁ)アハハ・・・

もあい「なぁ」ペチペチ!


キャーリサ「……私、審判だけ?」ショボーン・・・
730 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 02:44:41.30 ID:iWmHiCfR0
アニェーゼ「じゃあ最初の3人は……とりあえずコーヤギとレッサーは強いんで別個にしましょう」

サーシャ「第1の確認ですが、アニェーゼ。裸足ですからね? ヒール無しですよ」

レッサー「んじゃ、分かり易い様に野郎二人も別にしましょう。2班作り易いです」

アンジェレネ「じゃあステイルくんとレッサーちゃんは一緒で、私達の中からもう一人だね」


キャーリサ「じゃあ、安価」ドーン!


>>732・・・アニェーゼ・アンジェレネ・サーシャの中から一人!
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 02:46:40.60 ID:1q7M/GMDO
アンで!
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/05/09(月) 02:48:19.11 ID:l48L/u64o
サーシャで!
733 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 03:34:28.88 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「じゃあ拘束具っ娘ね」

サーシャ「その呼び方は止めてください」ジトー・・・

アニェーゼ「じゃあ最初は2面でやりますよ」

香焼「下の面は『床』。横は『壁』って呼ぶっす。スタート時点は四肢の位置はフリーでOKだよ。色の数は2〜6色まで選べるからね」

レッサー「初めは3色にしましょう……んじゃ私達の班が先行で。順番は如何します?」

ステイル「随分余裕ぶってるが……尻尾は使うなよ。審判、これの仕様は反則にしてくれ」チラッ

レッサー「え”っ!?」ギョッ!

キャーリサ「りょーかい。んじゃスパッツ→拘束具→主教補佐の順で行こーか」ニコッ

アンジェレネ「ふふふ。頑張ってねー」ニコッ


 にゃーん・・・・・


キャーリサ「じゃあルーレットを回すわ……とぅ!」クルクルクル・・・・

ステイル・サーシャ・レッサー「「「……」」」ゴクッ・・・


 レ――床・右足・青――


レッサー「ほぃ」ピタッ

キャーリサ「ドンドン行こー。次!」クルクルクル・・・


 サ――壁・右手・黄――


サーシャ「はい」ポンッ

キャーリサ「んじゃ、次ね」クルクルクル・・・


 ス――壁・左足・赤――


ステイル「壁に足か……下からだな」ピタッ

アニェーゼ「まぁ最初は位置取りですよね」ジー・・・

香焼「……次で最悪ステイル落ちるっすね」ジー・・・

アンジェレネ「え?」キョトン・・・

キャーリサ「それじゃー2順目!」クルクルクル・・・


 レ――壁・右手・赤――


レッサー「まだ余裕ですね」ポンッ

キャーリサ「拘束具娘はまだ手が足が余ってるし大丈夫そうね」クルクルクル・・・


 サ――床・右手・青――


サーシャ「ツキがあるようです」フフフ

キャーリサ「まだまだ自由っと……えいっ」クルクルクル・・・


 ス――床・右手・黄――


ステイル「床に手? ……こうか?」ポンッ

アニェーゼ「うわ、いきなり無理な体勢になりましたよ」ギョッ・・・

香焼「これが怖いんだよね」アハハ・・・
734 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 03:54:54.49 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「つぎー」クルクルクル・・・


 レ――壁・左足・赤――


レッサー「え……こう、ですね」ペタッ・・・

ステイル「おい、押すな」ウオッ!?

レッサー「すいませんねー」ニシシ!

キャーリサ「……今のどーすんの?」チラッ

香焼「このゲーム、相手の身体を支えに使わないとすぐ転ぶっすよ」アハハ・・・

アンジェレネ「何か製作者の悪意が見え見えだね」タラー・・・

キャーリサ「とりあえず、続きー」クルクルクル・・・


 サ――壁・右足・青――


サーシャ「壁……え、遠い」タラー・・・

レッサー「ほれほれー。どうしたー」ニヤニヤ・・・

サーシャ「ぐっ……むっ!」ペタッ!

ステイル「っ!!?」ギョッ!?

キャーリサ「うほっ……今度これ騎士団長と神裂にやらせてみよー」ニシシ! クルクルクル・・・


 ス――床・左手・黄――


ステイル「なっ……支えが右足だけとは……」ポンッ

サーシャ「わっ!? ま、マグヌス! 気を点けて下さい!」ハラハラ・・・

ステイル「す、すまん」タラー・・・

アンジェレネ「……これ、物理的に4順目でアウトの人出るよね」ジトー・・・

香焼「あと壁に三肢以上いった時点で終わるよ」アハハ・・・

アニェーゼ「つーか、ステイルがデケぇから大分幅取ってますね」ジー・・・

キャーリサ「その分武器になるけどねー……んじゃほいっ」クルクルクル・・・


 レ――床・右手・青――


レッサー「あ、ラッキー……失礼失礼っと」ポンッ

ステイル「ちょ、ぼ、僕の上に乗るなっ!?」ギョッ!

レッサー「だって楽なんですもーん」ニシシ!

サーシャ「成程。胴体を他人の身体に預けるのはアリなんですね」ムゥ・・・


部外者(色々危ない……)タラー・・・
735 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 04:16:06.00 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「次!」クルクルクル・・・


 サ――床・左手・赤――


サーシャ「赤……えいっ」ポンッ

レッサー「ちょ、ケツが頭に当たりますって!」オワッ!?

ステイル「いっ!? 待……っ!!」ダアアァッ!!

キャーリサ「あー、ステイル坊や役得だねぇ」ニヤニヤ・・・

サーシャ「ま、マグヌス……で、出来れば顔を背けて下さい……」カアアァ///

ステイル「わ、悪い……」ダラダラ・・・

香焼「……男女間でやるようなゲームじゃなかったね」ダラダラ・・・

キャーリサ「しかーし! 私が審判である限り止めねーし!」クルクルクル・・・


 ス――壁・右手・黄――


ステイル「壁……っ!!? ぎ、ギブアップ!!」ヌヲッ!?

キャーリサ「認めませーん。崩れたら終わりでーす」ニヤニヤ・・・

レッサー「ちょ、これ、マジヤバいですって……ステイル! 真下のヤツにしてください!」グラグラ・・・

サーシャ「なっ!? う、上のヤツです! 下は……だ、だめ……」マッカッカァ///

ステイル「ぐっ……上のがまだセーフだっ」ポンッ

レッサー「んぎゃぁっ!? せ、背中が曲がる!!」イデデデッ!!

キャーリサ「KENZENコースを取ったか……しかし、そろそろだねぇ」クルクルクル・・・


 レ――壁・右足・赤――


香焼「……終わったね」アハハ・・・

レッサー「い、いえ……まだです! まだ終わりません! ステイル! 持ちこたえて下さいよ!」フンッ!!

ステイル「おっ!?」ガクッ!!

サーシャ「きゃっ!?」ドンッ!!

レッサー「此処だ!!」ペタッ!!

アンジェレネ「す、凄い……新体操見たい」オー・・・

香焼「ロンダートしたね……ステイルは持ちこたえたから逆に楽な体勢なったよ」コクッ

キャーリサ「ひひひっ!! んじゃ次ー」クルクルクル・・・


 サ――床・右足・青――


サーシャ「……ま、マグヌス。一瞬……目を瞑ってて下さい」ダラダラ・・・///

ステイル「言われなくても自分のターン以外は瞑ってるよ」ハァ・・・
736 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 04:31:21.44 ID:iWmHiCfR0

 にゃーん・・・・・



サーシャ「んっ!」ムニュッ・・・///

ステイル「変な声出すな!!」タラー・・・///

キャーリサ「あはは! 今の見た?」ギャハハハ!

アンジェレネ「……次、私達だよね」ダラダラ・・・

アニェーゼ「コーヤギ……変な事したらブっ殺しますからね」ギロッ・・・

香焼「……努力するよ」タラー・・・

キャーリサ「はい、んじゃ死ねっ!!」クルクルクル・・・


 ス――壁・左足・赤――


ステイル「お、同じ場所で良いか?!」チラッ

キャーリサ「審判的に駄目ー!」ニヤニヤ・・・

ステイル「ぐっ……レッサー、頭を下げろ」グイッ・・・

レッサー「え……ま、あ、足絡めないで下さいって!?」ギョッ!!

ステイル「そこにしなければ、サーシャが危ないっつの!」ガアァッ!!

アニェーゼ「ええ、色んな意味でね」アハハ・・・

キャーリサ「んじゃ……早送り!」ドーン!!



 にゃーん・・・・・



香焼「如何して……此処まで耐えてる……」タラー・・・


レッサー「ひゃっ!? ど、ドッチが尻尾触ってるんですか!! 止めて下さいっ!!」カアアァ///

サーシャ「あぅっ!! そ、それ私の胸です!! レッサー、尻尾退かしなさいっ!!」カアアァ///

ステイル「何も見てない何も触ってない何も聞こえない何も感じない……」ブツブツブツブツ・・・


キャーリサ「色々見せられない状況じゃねーの!? ふひひ!!」ケラケラケラ!

アンジェレネ「……アニェーゼちゃん。今の内に逃げませんか?」ダラダラ・・・

アニェーゼ「そ、そうですね……」ソォット・・・

キャーリサ「はい、ホールド!」ガシッ!!

アニー・アン「「いやああぁっ!!」」カアアァッ!!

香焼「……代わりに7順目、回します」クルクルクル・・・


 レ――床・左足・黄――


レッサー「マジでですか……勝ちを取るか……羞恥心を取るか……」ダラダラ・・・
737 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 04:49:06.28 ID:iWmHiCfR0
サーシャ「れ、レッサー……身体捻らないで下さいよ……」ダラダラ・・・

レッサー「……す、ステイルに尻触られるくらいなら……サーシャに胸押しつけますっ!!」トウッ!!

キャーリサ「お! 行った!!」キラキラ・・・


 バシッ!!


ステイル「な、にっ!?」ウワッ!?

レッサー「や、し、尻尾がステイルの首にぃ!?」ギョッ!?

ステイル「ひ、引っ張んな!!」グイッ!!


 もにゅんっ!!


サーシャ「はぅんっ!!」ビクッ///

ステイル「げっ!!?」ドキッ///

レッサー「……今のは自己でしょ? 意図して尻尾使ったんじゃないですからね」タラー・・・

キャーリサ「審判的にオモローなのでセーフ」フヒヒ!

アニー・アン「「……」」ドキドキ・・・///

サーシャ「も、もぅ……無理……」プルプル・・・///

ステイル「ま、そ、その体勢で崩れるなよっ!!?」ギョッ!?

レッサー「……にやり」トンッ・・・

ステイル「き、貴様ぁっ!!?」グラッ・・・

レッサー「あらら、失礼ー」ニシシ!


 ぷにゅんっ!!


サーシャ「い、ぁんっ!!」ドサッ!!

ステイル「ぎっ……さ、サーシャ……倒れたなら早く抜け出せ……」ダラダラ・・・

サーシャ「……ううぅ。マグヌス……いや、レッサー。後で責任取らせますからね」カアアァ///

レッサー「いやぁしかたないですよー(棒)」アハハ!

キャーリサ「やりおるのー、やりおるのー! んじゃステイルボーイの番!」クルクルクル・・・


 ス――壁・右足・黄――


ステイル「両足が壁……だと……」ギョッ!?

レッサー「ほれほれー。早くしろー」ニヤニヤ・・・

ステイル「チッ……ふんっ……あ、無理だこれ」グラッ・・・

レッサー「ちょ、ドサクサに紛れて尻尾巻き込むなぁっ!!」グラッ・・・


 ドサッ・・・・・


香焼「あ、相打ちだ」ポカーン・・・

キャーリサ「うーん……まぁ小悪魔ガールの尻がステイル坊やの顔に乗ってるから坊やの負けでいいや」ケラケラケラ!!

もあい「にゃーん」ペチペチ!


レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・御嫁にいけない」カアアァ///

ステイル「」チーン・・・
738 :>>1 [saga]:2011/05/09(月) 04:51:32.96 ID:iWmHiCfR0
短いですが、此処で終わりです。
続きの『香焼・アニー・アン』戦と『決勝』はまた今度!

これが終わったらねーちん話ね!

んじゃまたねー! 意見質問等々よろ! ノシ
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/09(月) 08:22:59.33 ID:c7pE81md0
乙!
サーシャ可愛い夜サーシャ いちいち反応がやばすぎる
そしてステイル、お前はもげろ
ついでにどこ触ったのかくわs(ry
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 09:05:31.45 ID:PhW7WM/DO
>>1
お客さまの中に同人作家の方はみえませんかー!
誰かこれを薄い本にして出して(イノケンティウス
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 12:41:41.61 ID:1q7M/GMDO
よしよし、段々ステイルが馬鹿になってきたぞww
早く都市組とカルテッ娘、合流イベント来ないかなー!

次はメインヒロインの香焼くんかぁ‥‥胸熱っ!
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/09(月) 18:52:18.48 ID:UZYt5usk0

騎士団長と神裂は柔軟性を鍛える訓練とか言えばやってくれると思うの
騎士団長は紳士だから体に触れないように滅茶苦茶踏ん張ると思うの

>>741
えっ
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 20:59:21.81 ID:1q7M/GMDO
>>742
‥‥え? 違うの?
744 :>>1 :2011/05/09(月) 21:11:34.07 ID:iWmHiCfR0
こんぱんだ。おまけの続き。


レス返信!
>>739・・・何言ってんだ! ステイルさんは攻略ヒロインだぞ!(謎)  因みに触ったのは[禁則事項です]よ。やったね!

>>740・・・じゃあ僕アシスタントで参加しますね。アナログ塗り張りなら手伝えます! (オイw

>>741・・・イベントは考えてるんだけど、親戚の方が進まないとそれに手ぇ出せません。あとオマエは何を言っているんだ?

>>742・・・五和「後ろからブスリといきますが構いませんか?」ゴゴゴゴ・・・・


んじゃ投下!
745 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 21:44:25.59 ID:iWmHiCfR0
―――とある日、時刻不明、英国、清教第零聖堂区『必要悪の教会』内、主教補佐執務室兼自室・・・・・



 にゃーん・・・・・



キャーリサ「はい、じゃー次の組ー」ニヤニヤ・・・

アニェーゼ「いやー! 放せー!! 馬鹿姫女郎ー!!」ジタバタ!

アンジェレネ「……」チラッ


ステイル「」

レッサー「……もうヤダ。帰りたい」ブルブル・・・///

サーシャ「負けた事が、唯一の救いです……レッサー。次頑張れ」ハァ///


香焼「……う、うん。これは都市でももう個人で柔軟練習とかに使う以外用途無いっすからね」タラー・・・

レッサー「……三人とも。私達だけに恥掻かせて逃げるつまりですか?」ギロッ・・・///

アニェーゼ「アンタらの恥見たから逃げたくなってんですよ!」グワァッ!!

キャーリサ「ったく、仕方ねーなー……優勝者に新型携帯くれてやる!(※ヴィリアンの)」

アニー・アン・レッサー「「「マジで?!」」」ピタッ!

ステイル・サーシャ「「……もう如何でもいい」」ハァ・・・

香焼「自分持ってるっすよ」ハァ・・・

キャーリサ「じゃあ坊やにはそれ相応のモンあげる。だから続けろー」ニヤニヤ・・・

香焼「……不幸だ」ハァ・・・


 にゃーん・・・・・


キャーリサ「じゃ、二回戦始めるわよー!」ニヤニヤ・・・

アニェーゼ(出来るだけアンに接触して……)ブツブツ・・・

アンジェレネ(……アニェーゼちゃんをコォヤギくんに接触させれば勝てる!)グッ・・・

香焼(トレーニングだと思って避けながら頑張ろう)ハァ・・・


サーシャ「第1の憶測ですが、コーヤギーが有利過ぎるでしょう」ジー・・・

レッサー「てか野郎は羞恥心捨てれば勝ちでしょ」チラッ

ステイル「……こっち見んな。僕には無理だ」タラー・・・

もあい「にゃーう」ペチペチ!
746 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 22:13:35.48 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「じゃあ順番……生意気っ娘→良い子→坊やの順ね」チラッ

アニェーゼ「そのアンに対するえこ贔屓は何なんですか?」ジトー・・・

キャーリサ「うっせー。始めるぞー」クルクルクル・・・


 アニ――壁・左足・赤――


アニェーゼ「いきなり壁足……はぁ」ペタッ

キャーリサ「最初はどんどん行こー」クルクルクル・・・


 アン――床・左手・黄――


アンジェレネ「はい」ポンッ

キャーリサ「次ー」クルクルクル・・・


 香――床・左足・赤――


香焼「問題は次からかぁ」ペタッ

キャーリサ「あいよー」クルクルクル・・・


 アニ――壁・右足・青――


アニェーゼ「……はぁっ?!」ギョッ!?

サーシャ「第1の助言ですが、横になって両足を壁に付ければ良いのではないでしょうか」コクッ

アニェーゼ「ったく……よいしょ」ペタッ

キャーリサ「あはは、初っ端から凄ー恰好ね。んじゃ次ー」クルクルクル・・・


 アン――壁・左手・赤――


アンジェレネ「ラッキー♪」ポンッ

アニェーゼ「ぐぬぬ……」ジトー・・・

キャーリサ「ほいほいっ」クルクルクル・・・


 香――床・右手・黄――


香焼「まだまだ簡単かな」ニコッ


ステイル「さっきの例だと此処らからこんがらがるね」ジー・・・

レッサー「精々アニェーゼが足掻く様を見ましょうか」フヒヒ!

サーシャ「第1の予想ですが正直、あの二人は身体堅そうですからね」ジー・・・
747 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 22:42:21.41 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「んじゃ3順目ー」クルクルクル・・・


 アニ――床・左足・黄――


アニェーゼ「ちょ、この体勢から足移すんですか?!」ゲッ!?

香焼「右足軸にしながら身体捻って、近場の黄色に左置けば大丈夫だよ」

アニェーゼ「ぐぅ。敵に塩を送られてしまいました……よっと!」ペタッ

ステイル「手が疲れそうな格好だな。足も釣りそうだ……」ジー・・・

サーシャ「第1の補足ですが、短い足を精一杯伸ばしてますからねー」ププッ!

アニェーゼ「うっせぇ! アンタも私と大して変わんねぇタッパでしょう!」グヌヌ!

キャーリサ「はいはい、続けるぞー」クルクルクル・・・


 アン――壁・右手・青――


アンジェレネ「あはは。楽チンでごめんね」クスッ

キャーリサ「OKOK。運が向いてるのよん」ニコッ

アニェーゼ「おい、暴れん坊姫! アンの時だけ態と簡単なとこ止めてるんじゃねぇでしょうね!」ギロッ・・・

キャーリサ「んな訳ねーし。疑うなら別の人に回させるわよ」フフッ・・・クルクルクル・・・


 香――床・右足・青――


香焼「普通の一面ツイスターだね……じゃあ、こういう手を使うよ」グイッ・・・

アニー・アン「「えっ?!」」ギョッ!?

サーシャ「床の斜め端対角を開脚で奪った」オォ・・・

レッサー「こりゃ上手いですねぇ……二人は如何するんでしょうか?」ニヤニヤ・・・

キャーリサ「ふふふ……面白ー!」クルクルクル・・・


 アニ――壁・左手・黄――


アニェーゼ「むっ……ふんっ!」ポンッ

サーシャ「やっぱりキツそうですね。身体堅いようです」アハハ

キャーリサ「それは多分、アンちゃんもでしょーね。次ー」クルクルクル・・・


 アン――壁・右足・青――


アンジェレネ「……何か危ないなぁ」ドキッ・・・ペタッ

キャーリサ「そろそろだねぇ」クルクルクル・・・


 香――壁・左手・青――


香焼「ギリギリ……届いたっ」グッ!

レッサー「うわぁ……これコウヤギ詰みじゃないですか? 四肢伸びきってますよ」タラー・・・

ステイル「逆を言えば二人の邪魔をしてる事になる。が、次でドチラかが倒れるとは思えないけどね」ジー・・・

サーシャ「第1の同意です……しかし……」チラッ・・・


アニー・アン((ど、如何しよう……触っちゃう))ドキドキ・・・


サーシャ「……まだ、分かりませんね」ニヤニヤ・・・
748 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 23:01:55.29 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「ほれ、止めねーよ」クルクルクル・・・


 アニ――床・右手・赤――


アニェーゼ「……っ!!?」ドキッ!?

レッサー「ふひひ! コウヤギっちに急接近ですよ!」フフフ!

アンジェレネ(良し! 色んな意味でチャンス!)ニヤニヤ・・・

アニェーゼ「え、えっと……駄目だ。コーヤギの腋の下潜らないと」タラー・・・

サーシャ「アニェーゼー、早くー」ニヤニヤ・・・

アニェーゼ「う、五月蠅ぇですっ!! ……こ、コーヤギ。失礼しますよ」グイッ・・・

香焼「お、おわっ?!」グラッ・・・

キャーリサ「ヒヒヒ! 良いねー良いねー! んじゃアンちゃん!」クルクルクル・・・


 アン――床・左手・黄――


アンジェレネ「二人がくっ付いてて、置き場が……アニェーゼちゃんの顔下かコォヤギくんの股下……」ジー・・・

レッサー「まーたした。まーたした」ニヤニヤ・・・

アンジェレネ「む、無理だって……アニェーゼちゃん、ごめんね」ポンッ

アニェーゼ「まだ平気ですよ」コクッ

キャーリサ「ふふふふ。さーて、お次は絶体絶命の坊やだね!」クルクルクル・・・


 香――床・右足・赤――


香焼「……さて、如何しよう」チラッ・・・

サーシャ「第2の推測ですが、アニェーゼ落とせますね」ニヤリ・・・

レッサー「いや、無理をすれば同時に二人落とせますよ」クスクス・・・

香焼「じゃあ……此処だ」ペタッ

アニェーゼ「わぁあっ! こっち寄せるな!!」アタフタ///

香焼「ふふっ。勝負だからね」ニコッ

アニェーゼ「……む、胸に触ったらマジ殺しますからねっ」ボソッ・・・///

香焼「え?」ポカーン・・・

アンジェレネ(ふふふふ……朴念仁のコォヤギくんと近づくチャンスだよ! アニェーゼちゃん!)ワクワク!
749 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 23:24:09.60 ID:iWmHiCfR0
キャーリサ「じゃーそろそろ早送り!」キンクリッ!!


 にゃーん・・・・・


ステイル「……改めて思うが、香焼柔らかいな」タラー・・・

サーシャ「というか片手一本で床に立ってる彼は何者ですか?」タラー・・・


香焼「……あはは」タラー・・・

アンジェレネ「如何して私とアニェーゼちゃんが絡まっちゃってるのー!?」ウワァ!!

アニェーゼ「あ、アンジェレネ! 動かないで!!」グラグラ・・・


キャーリサ「なーんか、次で決まりそうだねぇ」クルクルクル・・・


 アニ――壁・左足・青――


アニェーゼ「う、動けない……」ウーン・・・

アンジェレネ「……香焼くんの顔の横に置けば、楽だよ。てか、他だと崩れますよね」ニヤッ・・・

アニェーゼ「顔の……ッ!!?」カアアァ///

香焼「はい?」キョトン・・・

アニェーゼ「ぐっそぅ……おらぁっ!!」ドンッ!!

香焼「うわっ!? あ、危ないよ!! って……アニェーゼさん……」ダラダラ・・・

アニェーゼ「目ぇ瞑ってろ変態!!」カアアァ///

サーシャ「……ふふふふ。美味しい展開ですねぇ」ニヤニヤ・・・

ステイル「香焼……頑張れ」タラー・・・

キャーリサ「んじゃ次ねー」クルクルクル・・・


 アン――壁・右手・黄――


アンジェレネ「ふふふ……えいっ」ポンッ

アニェーゼ「おわぁっ!!? あ、アン!! って、コーヤギ退けろぉっ!!」カアアァ///

香焼「顔背けてるから我慢してよぉ!!」カアアァ///

アンジェレネ「ふふふ……頑張れー」ニヤニヤ・・・

キャーリサ「やりおるのぅやりおるのぅ……じゃあほらっ」クルクルクル・・・


 香――右手・床・赤――


香焼「壁だったら終わりだったよ……えっと……っ!!」ドキッ!!

アニェーゼ「選ぶなっ!! 周り見んな!! 私が指示しますからそこに手ぇ置けっ!!」カアアァ///

香焼「は、はいいいぃっ!!」ドキドキドキドキッ///

レッサー「あー、もう少しアニェーゼの事視姦すれば良かったのにー」グヘヘ・・・

アニェーゼ「レッサー、後でマジ殺してやんよっ!! コーヤギ! アンの左膝下!」チラッ・・・

アンジェレネ「あ、アニェーゼちゃん!! そこは駄――」

香焼「此処かっ」スッ・・・フニッ

アンジェレネ「ひうっ!!」ムニュッ///

香焼「なっ!?」ドキッ!!

サーシャ「際どいっ!! コーヤギーの手がアンジェレネの臀部に触れてます!!」オオォ!!
750 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 23:38:53.72 ID:iWmHiCfR0
アニェーゼ「ふふふ。お返しですよ、アンジェレネぃ」ニヤニヤ・・・

キャーリサ「いっやっほぃ! 盛り上がってきたー!」クルクルクル・・・


 アニ――壁・左手・黄――


アニェーゼ「壁……ふふっ。とうっ!」エイッ!

香焼「ちょっ!?」ボンッ!

アンジェレネ「んんっ!!」ピクッ///

香焼「ご、ごめんっ!!」カアアァ///

アンジェレネ「こ、コォヤギくん……肘立てないでぇ……」カアアァ///

アニェーゼ「にしし!」ニコッ・・・

ステイル「最早あの二人、香焼を武器にしてるな」ダラダラ・・・

キャーリサ「チャンスだろー!」クルクルクル・・・


 アン――床・右足・黄――


アンジェレネ「むぅ……コォヤギくん、ごめんっ」スッ・・・トンッ!

香焼「うわっ!?」グラッ・・・

アニェーゼ「ひゃんっ!! あ、頭放しなさいよ!!」カアアァ///

香焼「だ、だってアンがっ!!」アタフタ///

キャーリサ「腹に頭突っ込んでるしっ!! 倍プッシュじゃー!」クルクルクル・・・


 香――床・左足・赤――


香焼「し、下見えないよっ!!」カアアァ///

アニェーゼ「目ぇ開けんなボケぇ!!」マッカッカァ///

香焼「じゃ、じゃあまた指示して!」プルプル///

アニェーゼ「え、えっと……足降ろして……右側に……んで、手前を――」ウーン///

アンジェレネ「そっから奥に! そこ降ろして!」バッ!

アニェーゼ「――ちょ、アン?!」ギョッ!?

香焼「え」ペタッ・・・グイッ・・・



 にゃーん・・・・・



レッサー「あれ入ってますよね」ニヤニヤ・・・

サーシャ「ええ、入ってますね」ニヤニヤ・・・

キャーリサ「ぎゃははははっ!!」ジタバタッ!!


アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プルプルプルプル・・・///
751 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/09(月) 23:55:34.32 ID:iWmHiCfR0
香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、アニー」ダラダラ・・・///

アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・喋んな」ボソッ///

香焼「……」タラー・・・///

アンジェレネ(素直になりなよ、アニェーゼちゃーん)ニヤニヤ・・・

キャーリサ「ふふふ。さぁこれ以上『入る』のかなぁ?」クルクルクル・・・

香焼・アニー「「何も『入って』ないっ!!」」カアアァ///


 アニ――床・右手・青――


レッサー「ひゃっほぅ! 抱き付けアニェーゼ!!」ニカッ!!

アニェーゼ「…………………………………………………」スッ・・・

香焼「あ、アニェーゼっ!?」ドキッ!!

サーシャ「お、おおぉっ!!」ドキドキ・・・


 ぶんっ!!


アニェーゼ「こっちですよっ!!」ポンッ!

アンジェレネ「ええぇっ!? あ、わ、ちょ……ひゃんっ!!」グラッ・・・

ステイル「成程。アンジェレネを潰しに逃げたか」タラー・・・


 ドサッ!!


アンジェレネ「あわわわっ!?」ゴロンッ!!

香焼・アニー「「げっ!?」」ギョッ!?


 ドンッ!!


香焼・アニー・アン「「「うわぁっ!!」」」ドサリッ・・・


サーシャ「や、やったっ!!」ジー・・・

レッサー「こ、コウヤギっち……アニェーゼの事押し倒しましたよっ!!」ヒャッホーゥイッ!!


香焼「痛て……ご、ごめん、アニー―――」


 もにゅんっ・・・・・


香焼「―――もにゅん、て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ダラダラ・・・

アニェーゼ「んっ〜〜〜……ッッ!!?」ビクッ・・・ギロッ/////////////////

香焼「ご、め……―――」バッ・・・


 ぷにゅん・・・・・


香焼「―――……」チラッ・・・

アンジェレネ「あ、ぅうっ〜〜〜っっ!!」ビクンッ///////////////////////

香焼「」///////////////////////////////////


アニェーゼ「し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死ねええええええぇっ!!」カアアァ///////////////////////////////////

香焼「ふ・・・・・・・・・ふこおおおおおぉだあああああああああぁっ!!」ギャアアアァッ!!
752 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/10(火) 00:13:11.94 ID:pi4vW/3L0

 にゃーん・・・・・



香焼らしき何か「」チーン・・・


アニェーゼ「この万年発情駄犬っ!! 変態っ変態っ変態っ!! 大っへんったああああああああぁいぃっ!!」ゲシゲシッ///

サーシャ「あ、アニェーゼ。そのくらいで……」タラー・・・

アンジェレネ「む、胸……揉まれちゃったよぅ……」ウルウル・・・///

レッサー「ぎゃははははっははっはははっはっ!! さ、流石カミやん病患者!! 本人に近づいてますねっ!!」ケラケラケラッ!!

キャーリサ「ひ、ひぃ……は、腹痛い・・・・・」ピクピク・・・

ステイル「……ところで審判。今のジャッジは?」タラー・・・

キャーリサ「そんなの坊やの一人勝ちに決まってんじゃん!」フヒー・・・

ステイル「……ドンマイ。次も頑張れ」ハハハ・・・

もあい「みゃー」フシフシ・・・

サーシャ「……レッサー、余裕そうですが貴女も残ってるんですよ。第2の質問ですが、大丈夫ですか?」チラッ・・・

レッサー「」ア・・・

アニェーゼ「ふんっ!! 精々この発情犬に盛られると良いんですよっ!!」ギロッ・・・

アンジェレネ「ふふふ……レッサーちゃん。こっちおいでー」ナカーマ・・・

レッサー「あ、わわわわわわわわわ……」ガクブル・・・

サーシャ「私は助かりましたね」ホッ・・・

キャーリサ「ステイル坊やの股間に顔面ダイブしたけどねー」ニヤニヤ・・・

ステイル・サーシャ「「思い出させるなっ!!」」カアアァ///

キャーリサ「あはは! まぁとりあえず、坊やが復活したら決勝戦しよーか」コクンッ

レッサー「こ、コウヤギ再起不能でしょ! わ、私の優勝って事で!」アタフタ・・・

アンジェレネ「レッサーちゃん?」ニコッ・・・ガシッ!!

アニェーゼ「敵前逃亡は許しませんよ。絶対に許さねぇです……んで、如何すんですか。面増やします?」チラッ・・・

キャーリサ「んー……3面でやって、状況見て徐々に増やしてこーか」ニコッ

レッサー「……神様ぁ。助けて下さいよぅ」グデェ・・・


香焼っぽい何か「」ボーン・・・
753 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/10(火) 00:31:21.05 ID:pi4vW/3L0

 一寸後・・・・・



キャーリサ「んじゃ始めるぞー。ルール確認ね」チラッ・・・

サーシャ「第1の説明ですが、スタートの面はA(下)・B・C(※ABCは皆2辺で接している)。状況で徐々に増やすかもしれません」コクッ

レッサー「……極力逃げ切れば勝ちますね」フム・・・

サーシャ「第2の補足です。今回は魔術使用ありにするので、尻尾を使ったり壁に張り付いたりしても良いですよ」チラッ・・・

香焼「了解っす……レッサー、先攻後攻好きな方で良いよ」

レッサー「余裕ですね……じゃあ先攻で」ジー・・・

キャーリサ「じゃあ早速始めるぞー。最初はポンポン行くわ」クルクルクル・・・



@レ――A・右手・赤――

 香――C・左手・黄――


Aレ――C・右足・黄――

 香――B・右手・黄――


Bレ――A・左手・赤――

 香――C・左足・青――



レッサー「ほぃ」ポンッ

香焼「えぃ」ペタッ


アニェーゼ「二人とも軽々行きますね」タラー・・・

サーシャ「第1の解説ですが双方身体柔らかいですからね。ドチラかがしかけなければ終わらないでしょう」

アンジェレネ「……姫様」ボソッ

キャーリサ「ん?」チラッ・・・

アンジェレネ「提案なんですが……」ゴニョゴニョゴニョ・・・

キャーリサ「……成程。確かにそーね。もし均衡状態だったらそーしましょ」ニヤリ・・・

ステイル「アンジェレネ。どんな悪事を思いついたんだ?」タラー・・・

アンジェレネ「ふふふー。内緒ー♪」ニヤニヤ・・・

もあい「なー」ヨジヨジ・・・
754 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/10(火) 00:51:19.34 ID:pi4vW/3L0
キャーリサ「とりあえず続けるぞー」クルクルクル・・・


Cレ――B・左足・青――

 香――C・右足・赤――


香焼「術式展開するよー」グッ・・・ペタッ

アンジェレネ「うわぁ……蜘蛛みたい」オォ・・・

キャーリサ「こりゃ暫く決着つかねーな……早送り!」バイツァダスト!



 にゃーん・・・・・



サーシャ「……むむっ!?」ジー・・・

アンジェレネ「これは……」オォ・・・


・レッサー・・・右手(C赤)、左手(A黄)、右足(A黄)、左足(A青)。

・香焼・・・右手(B青)、左手(C青)、右足(A赤)、左足(C赤)。


アニェーゼ「何かコーヤギがレッサーを壁際に押し付けてる恰好ですね……」ジトー・・・

ステイル「だがまぁ、余裕だな」フム・・・

アンジェレネ(でも……曇ガラスメンタルのレッサーちゃん。徐々に来てるよ)ニヤニヤ・・・

キャーリサ「ほれほれー」クルクルクル・・・


Gレ――B・右手・青――


レッサー「……ん」ドキドキ・・・


 香――A・左手・黄――


香焼「じゃあ、さっきレッサーが離れた所に……はい」ポンッ

レッサー(ち、近い……)ドキドキ・・・///

香焼「……ん? 如何したの?」キョトン・・・

レッサー「な、何でもありませんよーっ!」アハハハ・・・///

香焼「へ?」ポカーン・・・


キャーリサ「くうううぅっ!! これはこれで良ーなぁっ!!」ビシッ!!

アニェーゼ「……」イラッ・・・

ステイル・アン・サーシャ(((結局、通常嫉妬営業だ)))チラッ・・・タラー・・・
755 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 [saga]:2011/05/10(火) 01:10:22.92 ID:pi4vW/3L0
キャーリサ「んじゃほら」クルクルクル・・・


Hレ――A・左足・黄――


レッサー「股下すいません……ふっ」ペタッ・・・

キャーリサ「次!」クルクルクル・・・


 香――A・右手・青――


香焼「A多いなぁ……ん? ちょっと覆被さるけど、ごめんね」ポンッ

レッサー「っ」ドキッ!!

キャーリサ「……ふふふ」クルクルクル・・・


Iレ――A・右手・赤――


レッサー「ま、またA?! ……ちょ、マジで」ドキドキ・・・ポンッ・・・

香焼「ひ、姫さま?!」チラッ・・・

キャーリサ「止めませーん!」クルクルクル・・・


 香――A・左足・黄――


香焼「ぜ、全部A(床)っすか!?」ギョッ!?

アンジェレネ「コォヤギくん。早く置きなよ」ニヤリ・・・

香焼「う、うん……ごめんねっ」ポンッ///

レッサー「ッッ!?」ドキドキ・・・///


サーシャ「レッサー仰向けのまま床着いたから、尻尾で立ってますよ……」オォ・・・

ステイル「……アンジェレネ。もしかして……さっき」チラッ・・・

アンジェレネ「ふふふ・・・」ニコッ・・・


キャーリサ「はーい。それじゃあBC面撤去ねー」ニヤリ・・・

香焼・レッサー「「えっ!!?」」ドキッ!!

アニェーゼ「ハァっ!!?」ギロッ!?

キャーリサ「だって二人ともスイスイで決着つかなそーだしー」サラッ・・・

レッサー「だ、だったら増やしてくれればいいじゃないですかっ!!」アタフタ・・・

キャーリサ「増やしても持久戦だろ? だったら手っ取り早くコッチ(1面)にするわよ」ニコッ・・・

香焼「でも、この恰好からスタートって……」タラー・・・

レッサー「そうですよっ!! 誰が如何見ても危ないでしょ!! このSSはエロいの無しですからっ!!」ダラダラ・・・

キャーリサ「……じゃあ、こーするだけだし」ニヤリ・・・



 **********************************************************
756 :>>1にかわりましてカキネがお送りします :2011/05/10(火) 01:27:32.94 ID:pi4vW/3L0
ステイル「……は?」ポカーン・・・

サーシャ「一体何が……」キョトン・・・

アニェーゼ「……あっ!?」ギョッ!?

レッサー「あ、アニェーゼ?」

アニェーゼ「……名前覧が……変わってる」ダラダラ・・・

一同『はあ……えっ?!』チラッ・・・ギョッ!?


キャーリサ「あははははははははっ!! これでKENZENはオサラバよっ!! 坊や! 押し倒せー!!」ニヤリ・・・

カキP・ハルD『『押し倒せー! ブッ倒せー! 揉み砕けー! [らめぇぇっ!]ー! [禁則事項です]ー!』』ニヤニヤ・・・


レッサー「い……いやあああぁっ!! コウヤギに犯されるぅっ!!」カアアアァ////////////////////////////////////

香焼「んな事するかっ!! アニェーゼ!! あの冷蔵庫と保温器壊してきて!!」ギロッ・・・

アニェーゼ「合点です!!」ダッ!

ステイル「ちょ、待、僕の家のだぞっ!!?」ギョッ!?

レッサー「この暴れん坊姫に弁償させますから!!」イヤアアァッ!!

キャーリサ「畜生っ!! 今のウチにルーレット回すっきゃないわね!」クルクルクル・・・


Jレ――左手・青――


レッサー「い、いやですっ!! 動かしません!!」カアアァ///

アンジェレネ「……レッサーちゃん。少し下にズラすだけで済むよ」ボソッ

レッサー「え? あ、此処……って、何指示してんですか!?」ポンッ・・・ドキッ!!

キャーリサ「次!」クルクルクル・・・


 香――右足・黄――


香焼「さ、サーシャ! 姫さま止めてよ!!」チラッ!

サーシャ「えー。個人的に面白いので続行希望なんですが」ウーン・・・

香焼「もうカタログ持ってきてあげないよ!!」ギロッ・・・

キャーリサ「都市のカタログなら毎週私のところに送られてくるわね」ニヤリ・・・

サーシャ「……」ウーン・・・

香焼「サーシャさーん!!」ウワーンッ!!
757 :>>1にかわりましてカキネがお送りします :2011/05/10(火) 01:42:48.71 ID:pi4vW/3L0
アニェーゼ「このっ!! って、うわっ!? 何か冷蔵庫から此の世のモノとは思えない物質が出てきましたぁっ!!」ギャアアァッ!!

ステイル「ほ、保温器からも植物の蔦が伸びてきた、だと……」ギョッ!?


キャーリサ「ほらっ! 坊や、早くしなさいっ!!」オウオウ!

香焼「チッ……レッサー、次で倒れて」ボソッ

レッサー「え」ドキドキ・・・

香焼「自分の番で倒れちゃうとさっきのアニェーゼみたいになっちゃうよ……」チラッ・・・

レッサー「え、あ……(コウヤギに……押し倒される……)」ドキドキ・・・///

香焼「とりあえずゲームが終われば姫は納得する……とりあえず今は右足移動させるから、動かないで。背中か足の間、どっちに置く?」スッ・・・

レッサー「んっ……せ、背中の方に、お願いします……」ドキドキ・・・///

香焼「分かった……」ペタッ・・・

レッサー「ッッ!!」ビクッ///

香焼「ご、ごめんっ!! 何処か触っちゃった?!」ギョッ///

レッサー「い、いえ。尻尾にちょっとだけ……大丈夫……次で倒れますから」ニコッ・・・///


アンジェレネ「レッサーちゃん、可愛いよおぉっ!!」ハァハァ・・・

キャーリサ「ありゃぁ、優しい言葉だけで『達する』タイプの女だねぇ」フヒヒ!

サーシャ「第2の同意です……それにしても、しおらしいレッサーは貴重ですねぇ」ニヤニヤ・・・

ステイル「確かに珍しいな……香焼は相変わらずの様だが」ハハハ・・・


アニェーゼ「ちょ、こっち手伝ってくださああああああぁっ!? つ、蔦に絡まれたあああぁっ!!」ギャー!!

カキP『ディレクター。ポイズン・アイビー級でいく? それともビオランテ級?』ニヤニヤ・・・

ハワイD『プロデューサー。ゲッターガイア級で行きます!!』ニカッ!!

アニェーゼ「蔦触手で虚無るのは嫌あああああぁっ!! 誰か助けてえええぇっ!!」ウギャアアアァッ!!
758 :>>1にかわりましてカキネがお送りします :2011/05/10(火) 02:01:19.88 ID:pi4vW/3L0
キャーリサ「んじゃ押せ押せドンドン!」クルクルクル・・・


Kレ――左足・赤――


香焼「よし……伸ばすフリして、尻尾から倒れるんだ」チラッ・・・

レッサー「……」ジー・・・///

香焼「・・・・・レッサー?」エ・・・


 スッ・・・ペタッ・・・・・


香焼「……はい?」タラー・・・

レッサー「……続けましょう」モジモジ・・・///

香焼「」チーン・・・


アンジェレネ「レッサーちゃんがその気になった!!」ヤッホーイ!!

サーシャ「これはR−18の予感!!」キラキラ・・・

キャーリサ「ニヒヒヒ! 良いぜぃ!」クルクルクル・・・


 香――左手・青――


香焼「……何処に手をやれば良いんだ」ダラダラ・・・

ステイル「詰んだな」タラー・・・

サーシャ「第2の助言ですが、レッサーの身体に強く接触すれば問題無く続行できますよ」ニヤニヤ・・・

香焼「……」ダラダラ・・・

アンジェレネ「如何頑張っても顔がレッサーちゃんの体幹(胴体)に触れるけどねー」ニヤニヤ・・・

香焼「……」スッ・・・

キャーリサ「サレンダー(※他の色を触り自爆)は無ーわよ。探り当ててでも青に置きなさい」フフフ・・・

香焼「お、鬼! 悪魔ぁ!!」ダアアアァッ!!

キャーリサ「何とでも言えー! 因みに跳ねて逃げたらおちんちん刎ねるぞー!」ニヤニヤ・・・

香焼「る、ルチアさんみたいな事言わないで下さいよっ!!」ダラダラ・・・

レッサー「……コウヤギ」ボソッ///

香焼「な……何すか?」チラッ・・・ギギギギ・・・

レッサー「……良いですよ。触れても良いですし……押し倒れても良いですから。好きにして下さい」ニコッ・・・///

香焼「れ、レッサー……」ゴクッ・・・


キャーリサ「くぅううううぅっ!! 何この初めてを受け入れる初々しいカップルの初夜的会話はぁっ!!」ワッフルワッフル!!

アン・サーシャ「「どきどき……」」ゴクリ・・・

ステイル「オマエら……」タラー・・・
759 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 :2011/05/10(火) 02:14:06.02 ID:pi4vW/3L0

 にゃーん・・・・・



香焼・レッサー「「……」」ドキドキ・・・///


サーシャ「見詰め合ったまま動きませんね」ドキドキ・・・

ステイル「いっそ横にぶっ飛んだ方が早くないか?」ジー・・・

アンジェレネ「もう! ステイルくんはロマンが無いです!」プンスカ!

キャーリサ「……ん?! 動くみたいよ!」チラッ・・・


香焼「……レッサー。これ以上は不毛だよ……ごめん。倒れるね」ペコッ・・・///

レッサー「はい……お任せします」コクッ・・・///

香焼「尻尾は如何する?」ボソッ

レッサー「倒れると同時に力を切ります……だから、その……ゆっくり、優しくお願いしますね」ドキドキ・・・///

香焼「うん……分かってる」コクッ///

レッサー「色んな人に見られてますから……派手にしないで……あと、出来れば顔も見て欲しくないです」///

香焼「だ、大丈夫だから……何か勘違いしてるけど、倒れるだけだからね」ダラダラ・・・


アン・サーシャ「「おぅふ……」」モジモジ・・・///

キャーリサ「変な妄想して興奮すんなよぅ。少女達ぃ」ニヤニヤ・・・

ステイル「アンタがさせたんでしょうが」ハァ・・・


香焼「じゃあ、倒れるよ……1,2の……」フッ・・・

レッサー「ッ」ギュッ・・・///





 ドゴオオオオオォンッ!!





一同『っ!!?』ギョッ!?




アニェーゼ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」メラメラメラメラ・・・

カキP・ハワイD『『』』チーン・・・
760 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 :2011/05/10(火) 02:30:05.62 ID:pi4vW/3L0
サーシャ「あ、アニェーゼ……」ギョッ!?

アニェーゼ「……」ユラッ・・・テクテク・・・

キャーリサ「ちょ、な……え? 名前覧元に戻ってるし!?」ギョッ!?

アニェーゼ「……私は、五大元素全部と元の第五使えるんだよ。今のはそれんちょっとした応用」テクテク・・・

アンジェレネ「ヤバい……マジギレしてる」ダラダラ・・・


香焼「……レッサー。大丈夫?」チラッ・・・

レッサー「……ん」コクン・・・ポー///

香焼「ごめん、直ぐ退けるから」バッ!

レッサー「……勃ってましたね」ボソッ///

香焼「ッ!!? ご、ごめん……内緒にして……」カアアァ///

レッサー「分かってますよ……ふふっ……二人だけの秘密です」ニコッ・・・///


アニェーゼ「……おい。コーヤギ、レッサー」ギロッ・・・

香焼「え……あ、アニェーゼ!?」ギョッ!?

アニェーゼ「……まぁアンタはしゃーねぇな。元凶は……姫さんよぉ」ギロッ・・・

キャーリサ「な、何よ! ひ、姫だぞ! エアラインだぞ!!」アタフタ・・・

ステイル「偉いんだぞ、な。動転し過ぎだ」ハァ・・・

アニェーゼ「……さっき、電話しといたから」サラッ・・・

キャーリサ「な、何を言ってん―――」



 ガチャッ・・・・・



一同『え』チラッ・・・


リメエア「……」┣¨┣¨┣¨┣¨ド・・・・・

キャーリサ「あ、姉上ぇっ!!?」ギョッ!?

リメエア「オシオキ確定……射撃場よ」ガシッ!!

キャーリサ「い、いやあああああぁっ!! 助けてえええええぇっ!! ワルサーの的はヤダあああああぁっ!!」ジタバタッ!! ズルズルズル・・・



 バタンッ・・・・・



もあい「なーぅ」フシフシ・・・

一同『……』ダラダラ・・・
761 :第10話――カルテッ娘『レッツパアァリイィッ!!』 ステイル「だから……僕の部屋だと……」 :2011/05/10(火) 02:54:30.04 ID:pi4vW/3L0
 一寸後・・・・・



レッサー「……ごめんなさい」ウウウゥ・・・

アニェーゼ「……」ジトー・・・

香焼「あ、アニー……許してよー……自分らやらされてただけじゃん」ハァ・・・

アニェーゼ「黙りなさい、駄犬。私の時に散々言ったのにまだ懲りてないとは……レッサー! 逃げようとすんなっ!!」ギロッ・・・

レッサー「わーんっ!!」ピギャー!


サーシャ「第3の解説ですが、コーヤギーが椅子に。レッサーが首輪付けられアニェーゼの給仕をさせられてます」タラー・・・

ステイル「言葉通り女の尻に敷かれるとは……つくづく残念な男だな、香焼」タラー・・・

アンジェレネ「暫く癇癪続くからあんまり関わらない方が良いよ……もう少ししたら、コォヤギくんにデレて収まる筈だから」アハハ・・・

もあい「にゃん」テクテク・・・


香焼「アニー……疲れたよぅ」ハァ・・・

アニェーゼ「ご主人様と言いなさいって言ったでしょ! それに私、軽いんですから疲れる訳無ぇですよ!」ガーガー!

レッサー「アニェーゼぇ……もう帰らせてってばぁ……今日は疲れたんだって、マジで」ウワーン!

アニェーゼ「五月蠅いウルサイうるさーいっ!! アンタね! 発情犬に押し倒されて満更でも無い顔してたでしょ!」ギロッ!

レッサー「そ、それは……」ダラダラ・・・

アニェーゼ「どうせそれオカズに早く部屋帰って独り[らめぇぇっ!]してぇんでしょっ!! この淫乱雌猫っ!!」キッ!!

レッサー「そ、そんな事しませんよっ!! 馬鹿じゃないですかっ!!」カアアァ///

アニェーゼ「嘘仰い!! こっちの万年発情犬も同じ事考えてるに決まってます!! 不潔! 変態! ド助平!」ベシベシッ!!

香焼「あ痛っ!! し、しないって! だからもう許してよ! ……皆も何か言ってよ!」ギロッ・・・


ステイル・アン・サーシャ「「「知らなーい」」」フイッ


香焼「薄情者ー!!」ギャー!

アニェーゼ「五月蠅い! ご主人様って言え駄犬! いい加減にしないと股間に第五元素練り込んでぶつけますよ!!」ベシッ!

香焼「ひんっ!!」イタッ!!

レッサー「……自分だって胸揉まれて気持ち良さそうな顔してた癖に!!」ギロッ!

アニェーゼ「なぁっ?! し、してねぇですってば!! 何いってるのでございますですか!?」カアアァ///


アンジェレネ「あ、仕返し始まった」ニヤニヤ・・・

サーシャ「そのままコーヤギー混ぜてキャットファイトでしょうね」ニヤリ・・・

ステイル「……一服してこよー」クルッ・・・テクテク・・・

アンジェレネ「あ、ステイルくん! 煙草喫わない約束でしょ!」メッ!!

ステイル「した覚えないんだけど」タラー・・・

サーシャ「でしょ!」メッ!

ステイル「君まで真似るなよ」ハァ・・・


アニー・レッサー「「ぎゃーぎゃーぎゃー!!」」ボコスカボコスカ!

香焼「うわああああぁんっ!! 助けて上条さああぁんっ!!」ビエエエェンッ!!

もあい「にゃーん」ノシノシ



冷蔵庫『終わ、れ……』ガクッ・・・
762 :>>1 :2011/05/10(火) 03:05:06.67 ID:pi4vW/3L0
はい、やっと10話終わりです。何か長引いたね。まぁ普段英国編少ないから仕方ないか。

余談ですがアニメの星橋観てたら、上条さんを兄と慕う香焼くんが書きたくなったww
まぁ次回はねーちん話なんですけどね。


・アンケート!
@ねーちん、むぎのん、このりん以外に都市で混ざって貰いたい淑女同盟(なるべく2,3年の女子高生)はいる? 必要無しなら無しで!

A3人に何してもらいたいか(例・・・ずっとファミレスでガールズトーク&モンハン会、等)。


よろしくね! では感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントもお願いします。
それじゃあ、また次回! ノシ
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 03:49:11.72 ID:7vmfVd7DO
甘酸っぱいエロ乙! しおらしいレッサーたん‥‥ハァハァ!


@上条さんより年上の女子高生って、あわきんか柳迫さんか雲川か五和かな‥‥中の人的に柳迫さんww
Aあえてのねーちんメイド喫茶初体験で!
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/10(火) 04:05:24.12 ID:6CPYNWEN0
>>1超乙!初々しいレッサーが可愛すぎて寝るのが辛い
それとこのSSでステ×サーもいいなあ、とか思い始めた

@雲川先輩で(最近「めだかボックス」の安心院なじみさんと被る……)
A香焼(及びステイル)の周りの少女たちについて3人で分析
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 07:42:22.65 ID:CGjsbt6DO
乙〜


1、あわきん本命、ダークホース ミサワ(確か外見JKくらいだっけ?もとい今時間軸どこだっけ?アレ駄目かも)

2、ファミレスにいる時にまさかの兄貴、上条、(ここでのムギのんの相手わからんが決まってたらソイツも)出現
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 12:10:04.48 ID:i5w9Wn9IO
乙!この男二人は確実に第二の上やんと化けつつあるなw
兄と呼ばれて何かに目覚める上条さんも見てみたいかもw

@姫神と吹寄は1年だからダメで滝壺もJKだけど1年か2年か微妙なとこだな…
やっぱ雲川先輩、あわきん、五和あたりが無難かね
A五和先生の『気になる男を堕とすためのお料理教室〜』ドン!
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 20:03:11.43 ID:0ZTnzCDDO
乙乙

ここはあわきんだろ
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/14(土) 10:53:55.71 ID:9niKXxas0
親戚の方が『アンジェレネ・あふたー』を予告したそうです
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/14(土) 11:42:39.92 ID:9eSsApvd0
親戚の方が書いてるss教えてください
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/14(土) 22:42:11.39 ID:ERAe+qzDO
どこで読めますか?
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/15(日) 12:38:06.99 ID:85z+YKmF0
まだ予告段階だから文章化はされてないはず
固法「――……風紀委員です。先輩」で出るはず
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/15(日) 12:40:00.97 ID:85z+YKmF0
あ、誤解無いように言っておくと、書いてるのは>>1の親戚
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 00:54:20.28 ID:tKfeD0kDO
>>771
タイトルにwktkせざるをえない
774 :>>1 [saga]:2011/06/10(金) 00:27:27.26 ID:3kI4kzqx0
こんばんわ。お久しぶりです。
ちょっと色々あって御無沙汰してました。うん、ホントダヨ。修行ってか旅出てた。ロアナプラとかゴッサム辺りまで。

そういえば超能力者第5位さんが公開されましたね。心理掌握(メンタルアウト)さん。
食蜂操祈(しょくほうみさき)さんでしたっけ。グレンラガンのニアみたいなお目々でキュート。でもボインちゃん!
早く公式チート能力っぽいの発揮して欲しいなぁ!

さておき、明日明後日から再開するので今日はレス返信!



>>763
S娘を屈服させる優男っつーか少年って良くない?(フフフ・・・ あとねーちんはメイドになる側でしょ?w
柳迫さんの出演は自然なんだけど……皆さん、碧美さん覚えてるん?

>>764
個人的にステイルは禁書しか見えて無いイメージ。でも『友達』ってなると別ですよ。そうなるとアンかサーシャかなぁ。
まさかのめだかキャラが来たか。でもねぇ……雲川さんは今ちょっと表出てもらうと困るんすよ、さーせん。

>>765
別にミサワさん出しても良いんだけど、クーデター前のむぎのんと一緒になるのは拙いかなぁ。あわきんは有りだけど、むぎのんと同席かぁw
黒妻さんや上条さん、土御門や一通さんとか登場させんのも有りっちゃありですね。

>>766
上条×香焼? 誰か描いて、もとい書いて。攻守逆もアリです。
五和のお料理教室ってか、多分ねーちんの方が料理上手そうじゃね? まぁ五和が3人の中に参加ってのもアリなんだけどさ。

>>767
結標「神裂(お姉)さんに香焼くん同伴なら参加する」キリッ!

>>768->>773
義弟且つ親友曰く、「地震の時にデータ飛んでたwww\(^o^)/www」だそうです。
だから一から書き直しってか、ドロドロものを多少明るめで修正構想してるそうですよ。



はい。とりあえず次回はねーちん主体で話進めますね。場合によっては久々に安価取るかも。

その間、香焼には何させてようかなぁ。
超電磁砲組+モアイと御出掛けとか、ステイルとデート、カミやんとデートとか……良い案ある?

まぁそんなところで、次回まで御待ちを。適当にリクエストとか要望とか質問意見罵倒書いといて下さい。んじゃ! ノシ”
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/06/10(金) 01:27:08.51 ID:iFQ0EW/No
>>774
おかえり〜
待ってたぜ
じゃあリクエストの方で
浜面とか一方さんとか出して欲しい
香焼との絡みがみたい
あと固法先輩も出して欲しい
投下期待してるぞ
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 02:54:36.53 ID:Ir0Hs0fDO
絹旗分が超欲しいです! 超電磁砲組は佐天さん春上さんならおk。


あと質問なんだが、この『あまくさっ!』終わったらどうするん?
『あまくさっ!!』とかになるのん? それともまさか‥‥終わらないよね?
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/06/10(金) 21:44:16.49 ID:/MaVufGu0
最近ねーちん分不足だったから期待してます
がんばってください
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 22:53:01.80 ID:Dcj4jlmIO
上やんとのデートを尾行する超電磁砲組+モアイ+あわきん、そこから一方組、浜面組との交流という流れはどうでっしゃろ
779 :>>1 [saga]:2011/06/13(月) 00:05:03.50 ID:T8/3k4Ec0
こんばんわ! 少しばかし投下します。

寝落ちたらごめんねーw
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/13(月) 00:13:23.65 ID:DUKjRM7SO
キタキタキタァァァァ!!!!
781 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 00:30:19.29 ID:T8/3k4Ec0
 ―――とある休日、AM10:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・





五和「何か凄い久しぶりな気がしますねぇ、おい」ジトー・・・

浦上「お姉ぇ! それ以上はいけない!!」アワワ・・・


相変わらず暇人な馬鹿同僚二人が意味も無く我が家に上がり込んでいる。
いや意味無くって訳ではないのだが、それはそれで性質が悪い。

さも当たり前かの様に任務の書類やら学校の課題をこなしていやがる。

我が家でするな。自分の家でやれ阿呆姉妹。


五和「えー、だってぇ広い部屋で延び延びぃと書類仕事はしたいもんでしょー?」(・3・)プェ~

香焼「だってもノビノビもあるか。自分にはプライベートの一つも保障されて無いのか?」ジトー・・・

五和「プライベートって……コウちゃん、家に一人でいて何すんのよ?」ジー・・・


何という訳じゃないが、静かに過ごしたいのだ。察しろ。


浦上「お姉ぇ……その質問は年頃の男子にはタブーですヨ」コクコクッ・・・ニヤッ・・・

香焼「……手前引っ叩くぞ?」ギロッ・・・

五和「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そ、そうね。コウちゃんも男の子だもんね」アハハ・・・///

香焼「オイ、浦上責任取れよ?」ハァ・・・


エロ話は好きだが、そこまでの知識は無い馬鹿一号。逆に色々知ってるが表に出さない馬鹿二号。


浦上「えー、私別に変な事言ってませんヨ。五和が被害妄想してんですってば……香焼と一緒にね」ニヤッ・・・

五和「だ、だって、コウちゃんだって、その、一人……にゃんにゃんを……」ポリポリ・・・///

浦上「……お姉。一人にゃんにゃんって、なぁにぃ?」ニヤニヤ・・・

五和「えっ!? ひ、一人にゃんにゃんは、その……自分のオットセイさんを……わっふるわっふるって……」チラッ・・・

香焼「……知るかアホ」クルッ・・・


付き合ってられない。もあいの餌でも補充してこよう。


浦上「ウヘヘ。この変態姉者めっ! 私は友達の一人でも呼ぶんじゃないかって事を言おうとしたんですけどー!」ニヤニヤ・・・

五和「は、謀ったな! ウラっ!」アタフタ・・・

浦上「まぁでも香焼友達いないしー……いや、女友達ならいるのかな?」フフフ・・・

五和「女、友達がい……ハッ!!? こ、コウちゃん!! 姉ちゃんはそんな淫らな関係は許しぎぎゃあああああァッ!!」ガリッ!!

もあい「にゃー」ガリガリ・・・


黙ってろ。変態女。
782 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 01:09:24.74 ID:T8/3k4Ec0
んなアホ共はさておき……


香焼「……さっきから洗面場から出て来ない」

浦上「どうせ見られるんだからさっさと覚悟して出てくればいいのにネー」


引き籠ったアマテラス宜しく、一向に出て来ない御人。


五和「ふむふむ……姉さまー! 出て来ーい!」ドンドンドン!

もあい「なー!」カリカリ・・・


空気の読めない馬鹿女。もあいも便乗しない。


神裂「……嫌です」ボソッ・・・

浦上「嫌ですって……それじゃあ何で此処(香焼ん家)来たんですか?」

神裂「……しょうがないじゃないですか」ムスー・・・

香焼「女教皇様、扉越しに喋らなくても」ハァ・・・

五和「コウちゃん! 女教皇様呼ばわり禁止って言ってるでしょ!」


今はそんな事如何でもいいだろ。


神裂「……だって私の私服、此処に置かせて貰ってますし」ムゥ・・・

浦上「やったね香焼。御姉様に物置代わりにされてるよ!」ニコッ!

神裂「そ、そういう訳では無いですよ! こ、香焼、勘違いしないで下さい!!」アワワワ・・・

香焼「……まぁ別に良いっすけどね」アハハ・・・


天草本部の金で借りてる家だし、文句は付けられません。


五和「姉さま! 貴女の所為でコウちゃんが落ち込んじゃったんですよ! 顔見て謝って!!」

神裂「む、むぅ……」

香焼「誰もそんな事頼んで無いだろ莫迦垂れ」グイッ!

五和「ぐえぇっ!」ジタバタ!


兎に角、放っておいてあげなさい。
783 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 02:05:35.45 ID:T8/3k4Ec0
五和「だって私今日まだ姉様の私服見てないんだもーん!!」ギャーギャー!

神裂「み、見なくて良いですから」タラー・・・

浦上「あ、私ちょこっとだけ見たヨ」

もあい「にゃん」コクッ


無論、自分も見てる。


五和「わーたーしーだーけー、のーけーもーのー!!」ギャーギャー!


喧しい。貴様が大人しくしてれば女教皇様は自ずと顔を出す。


五和「ぶー……姉様、私の事嫌いなんですね」ハァ・・・

神裂「そ、そういう訳じゃないですよ! た、ただその……あまり……えっと……」

香焼「やっぱそうだってよ」サラッ・・・

五和「うわああああぁんっ!! 姉様に嫌われたあああぁっ!!」ビエー!!

神裂「ち、違くて、これは、あの……単に恥ずかしくてですね」アワワワ・・・


別に恥ずかしくも無かろう。普段の左右非対称ファッションの方がかーなーりー恥ずかしいと思うのだが。
というか今から街中で赤の他人たちに嫌という程見られるというに。


浦上「やれやれ……姉さーん、五和を押さえときます。それなら出て来れるでしょ?」

五和「What’s?!」

神裂「……携帯で写真撮らない?」ボソッ・・・

浦上「勿論ですヨ」ニコニコ・・・

神裂「……他の教徒、必要悪の教会の同僚達に言わない?」ボソッ・・・

香焼「別に言っても誰も笑わないっすよ……じゃなくて、言わないっす」コクコクッ・・・

神裂「……抱き着かない?」

五和「保証し兼ねますむぎゅぅ!!?」グイッ!!

浦上「ダイジョーブですヨー」アハハ・・・

もあい「なー」フシフシ・・・


そしてようやく天岩戸、もとい洗面場から女教皇様が出てきた。
784 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 02:49:37.21 ID:T8/3k4Ec0
五和「お、おおぉ……夏服だ……」キラキラ・・・

神裂「そ、そんなにジロジロ見ないで下さい……」ウゥ・・・///


チェック柄のミニスカ、半袖のYシャツ、桃色のネクタイ、黒のサマーベスト。


浦上「うん。フツーに女子高生ですネ」ニシシ!

神裂「女子高生って……でも、ミニスカートなんて……」タラー・・・///


じゃあ何故買ったし。


神裂「麦野さんが勝手に注文したんですよ。次はこれ着て来いって……」ハァ・・・

五和「第4位さんGJ!! 全然アリですよ! 絶対誰もが振り返りますから!」ビシッ!!

浦上「そうやって普段から若々しい恰好してれば年相応に見えるのになぁ」ジー・・・

神裂「……どうせ老け顔ですよーだ」ハァ・・・

香焼「浦上、余計な事を……大丈夫っすよ。ちゃんと自分達と同じ十代に見えるっす」ニコッ

五和「コウちゃんは童顔過ぎるけどね」ジー・・・


うっせぇ、気にしてんだ。言うんじゃない。


浦上「さーて、そんじゃ髪は如何しましょーかネ」ニシシ!

神裂「えっ!? い、いつもの様に上で結んでおけば」アタフタ・・・

五和「駄目! ウラ、ムースとブラシは!?」チラッ

浦上「なら髪質活かして毛先ウェーブにしよ!」スッ・・・

五和「おk! 把握した……さぁ姉さま! 動かないで!! ついでに化粧もしましょうねー」ニヤニヤ・・・

神裂「い、いやああああぁっ!!」ギャー!!

香焼「……洗面場でやってよ」ハァ・・・


何故男の部屋で暴れるかなぁ。このスタイリストもどき共は……

とりあえずバスが来る時間まで馬鹿一号二号、そして女教皇様(三号)の追い駆けっこをジト目で眺め続ける事にした。
まったく……何で自分がファミレスまで案内しなければならないのだ。


もあい「みー」ジトー・・・

香焼「分かってるよ……」マッタク・・・


極度の方向音痴、か。困ったもんだ。
785 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 03:09:14.85 ID:T8/3k4Ec0
 ―――とある休日、AM11:00、学園都市第7学区、とあるマンション(『アイテム』の隠れ家の一つ)・・・・・





何やらリーダーが上機嫌で服を選んでる。大抵こういう日は碌な事が無いと、仲間達は思った。


浜面「なぁ麦野。近いんだから態々車出さなくても良いだろ?」ジー・・・

麦野「疲れるから嫌」キッパリ・・・

浜面「ったく、ガソリン勿体無ぇな……」

麦野「アンタの金じゃないでしょ。文句言わないの」サラッ・・・


いや、任務じゃない送迎は『上』からの金も降りないだろう。
そう突っ込んでやりたかったが態々機嫌を悪くしそうな琴線に触れる事も無い。黙っておこう。


フレンダ「んで結局、リーダーは何であんなにオメカシってる訳?」

滝壺「同年代のお友達と遊びに行くそうだよ」コクンッ

フレンダ「……麦野に友達いんの?」エ・・・

麦野「フレンダにゃん……聞こえてんぞ?」チラッ・・・

フレンダ「あわわ……え、えっとほら! 麦野程の人物と『対等』な友人ってのは結局、どんな人かなぁって思った訳でして」アタフタ・・・

麦野「……ふんっ」


確かにフレンダの言い訳にも一理ある。
只でさえ超能力者(レベル5)、そして麦野沈利という高飛車な個人と『友達』関係にある人物とはどんな者か気になるものだ。


麦野「悪いけど、私は此処(アイテム)でプライベートの探り合いを許した覚えは無いわよ?」

浜面「……手前ぇはオレらの色々探ってるくせに」ボソッ・・・

麦野「そりゃ管理職なんだから当然でしょ。でもアンタらは私や他のメンバーの色々は知る必要無いの。アンダースタン?」フンッ・・・

フレンダ「いいもん。麦野の下着のローテーションくらいなら知ってるもん」キリッ!

滝壺「むぎのんの基礎体温表なら知ってるもん」キリッ!

麦野「……せめてもう少しマシな事知ってて頂戴。怒り辛いってか、恐怖感じるんだけど」


男である浜面仕上も同意した。


浜面「ところで……チビ助は?」


最年少組員、絹旗最愛の姿が見えない。
786 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 03:45:59.82 ID:T8/3k4Ec0
滝壺「きぬはたならいつもの公園だよ」

浜面「あー……例の野良猫集団か」


最近は猫を戯れるのがブームらしいアウトドア系ヒッキーもとい超人見知り少女。


麦野「私送った帰りにでもあの子拾って帰りなさい。あ、部屋入れる前に洗濯させてね。毎回猫の毛塗れになって帰ってくるから」

浜面「あいよ」コクッ

フレンダ「ところでムギノン。今日仕事の予定は結局ない訳?」

麦野「むぎのん言うな……今日は緊急が入らない限り無しよ。各自勝手になさい」

フレンダ・滝壺「「わーい」」ヤホーイ!


無論、浜面はアッシーくんなので自由は無い。


浜面「ハァ……まぁ諦めてっけどさ。とりあえず、固法さんに迷惑掛けないでくれよ」

麦野「失礼なヤツね。大丈夫よ、安心なさい」ベー!


麦野の友人の一人は浜面の知人である。
詳細をいえば兄貴分の嫁……じゃなく恋人。しかも風紀委員ときてる。

まるで麦野とは正反対の委員長系お姉さんキャラなのだが……何故こんなホステス崩れ系性悪女と友人になったのやら。


麦野「……怒るわよ? あと、何だかんだ言って美偉だって元ヤンでしょ」ケッ!

浜面「元ヤン言うな。元スキルアウトだっつの」ハァ・・・

麦野「似たようなもんよ……さてと、準備できた!」パンッ・・・


デニムのホットパンツ、白い肩出しシャツ……ヘソ見えてますけど。


麦野「見せてんのよ。ファッションを極めるなら熱い寒いは我慢しろってF原何とかっていう女優が言ってたわ。名言ね」

浜面「俺にゃ分からんね……まぁいいや。さっさと送ってさっさと戻ってこよ」

麦野「言っとくけど……この部屋で滝壺とにゃんにゃんしてたらブっ殺すからね?」ニコッ・・・


そんな恐ろしい事できませんし、しません。

兎角12時前に間に合う様、麦野沈利はとあるオープンカフェへ向かった。
787 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 04:19:36.04 ID:T8/3k4Ec0
 ―――とある休日、AM11:15、学園都市第7学区、風紀委員第177支部・・・・・





白井黒子は『いつも』の様に始末書と格闘していた。
もはや反省文10枚程度であれば彼女にとっては序の口である。モノの数十分で仕上げる事が出来るだろう。

無論、手抜きの方法を覚えたにすぎないのだが。


固法「適当書かない」ポイッ

白井「だうっ!!」アー!!


傍から見ても見慣れた風景。
例の如く溜り場と化したこの支部に集まる少女達はいつもの光景に苦笑した。


固法「何が『最も迅速かつ効果的』よ……危うく犯人死ぬとこだったじゃない」ハァ・・・

初春「白井さん、やるんだったら嘘も徹底しないと」アハハ・・・

固法「そこ、助長しないの」ッタク・・・

御坂「あはは。しっかし休みだっていうのに頑張るわね。今回は何したの?」クスッ

初春「犯人逮捕の為に無人操作のタクシーを」

御坂「あーもういいや。相変わらずハチャメチャね」クスッ・・・

白井「……お姉さまにだけは言われたくありませんわ」ムスー・・・


この先輩にして、この後輩ありだ。


御坂「そういえば今日は佐天さんと春上さん来ないの?」

初春「二人は公園ですよ。ちょっと前に知り合った娘と猫の餌やりしてる筈です」

白井「ああ、例の……野良猫相手にモノ好きですわね」

初春「あはは……ところで、先輩」チラッ・・・

固法「ん?」


時計を見る。


固法「あ、そろそろか」コクッ

御坂「先輩も用事ですか?」

固法「ええ、ちょっとね……友達と約束が」ニコッ

白井「柳迫さんですの? それとも……ウヒヒ。旦那様でごぶべぎゃっ!!」ゴシュッ!!

固法「……別の友達よ」ニコッ・・・グリッ・・・

御坂・初春「「……」」タラー・・・


テレポートより早ーい……オッカナイです。
788 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 04:37:19.59 ID:T8/3k4Ec0
初春「あ、もしかして……あのモデル二人ですか?」ニヤッ・・・

御坂「も、モデル?! 先輩モデルの友達いるんですか!?」ホエー・・・

固法「いやいや。確かに二人ともモデルみたいだけど、普通の友達よ」クスッ・・・


しかしそう言えるのは第二者故。第三者からすれば……


白井「片や超能力者ですの……普通の友達と言えますの?」ブヘェ・・・

固法「白井さん、それ偏見よ。御坂さんだってこうしている限り普通の女の子でしょ?」メッ

御坂「あはは……って、え? 超能力者……」タラー・・・


そういえば、この先輩が懇意にしている超能力者がいると聞いた事があるが……


御坂「うげっ……麦野沈利……」タラー・・・

初春「恰好良いですよね……今月の能力開発関係の雑誌のもコラムと写真載ってましたよ! 御坂さんと違う華麗さ!」キラキラ・・・

固法「ふふふ、流石よねー」

御坂「……」ジー・・・


暗部の人間……とは言えない。今この場で『暗部』を口にするのは禁忌だ。
暗部に触れた人間として御坂美琴は内心毒づいた。


固法「御坂さん。前に聞いたけど麦野さんの事、苦手な様ね。でも……」

御坂「……別に私からは何も。ただ昔『喧嘩』しただけの間柄ですから」フンッ・・・

固法「もぅ……仲良くしなきゃ駄目よ」ハァ・・・

御坂「アッチがその気なら考えます。兎に角、麦野……さんは苦手なんで」


何やら並々ならぬ因縁を感じ、三人はそれ以上その話をする事は止めた。


初春「……とりあえず、先輩。もう上がって貰っても結構ですよ。残りの仕事も少ないですし、引き継ぎはやっておきます」

固法「うーん、それじゃあお願いしようかしら……あ、白井さんは始末書私のPCのアドに送っておく様に」

白井「ついでにウィルスも送ってやろうか……」ボソッ・・・

固法「そんな事したら寮長さんに言いつけるから」ニコッ

白井「誠心誠意心を込めて反省文を書かせて頂きます!!」ビシッ!!


この街で一番怖い人に告げ口されたらたまったモノではない。
PCと睨めっこを始めた白井黒子を後目にしつつ、固法美偉は支部を出た。
789 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/13(月) 04:59:19.99 ID:T8/3k4Ec0
 ―――とある休日、AM11:30、学園都市第7学区、とある大通り・・・・・





一人の少女が『珍しい』制服姿で歩いていた。
名前は結標淡希。霧が丘女学院の二年生である。


結標「……外、ヤだなぁ」トボトボ・・・


基本何も無ければ家(月詠宅)で寝続けてる新性ニート(?)の彼女が何故街中に出ているのかというと……


結標「何よ登校日って……私出席する必要無いでしょーが」ハァ・・・


高位の能力者、加え『暗部』となれば出席日数を気にする必要はない。
だがしかし……流石にまったく一日も出席しない訳にはいかないのだ。

必要最低限のレポートは提出し、進路調査標等を担任へ『手渡し』しなければならない。
そんなものメール提出で良かろうに……正直、担任の顔など忘れています。


結標「あー……ダルい。太陽眩しい。休みたい。助けて小萌……」グデェ・・・


知り合いが見たら『駄目だコイツ、早く何とかしないと』と突っ込みたくなる台詞である。
ところがどっこい、その頼りの『小萌』氏が彼女のケツを引っ叩いて外に追いやったのだから仕方あるまい。


月詠『結標ちゃん、今日は溜めてたレポートを出しに行く日でしょ! 郵送は許しませんからね! 偶には昼から外に出なさい!』メッ!


御丁寧な事にお弁当まで持たせてくれました。畜生、涙が出る。


結標「学校の本質はお友達を作る事ですよー……とか、無いわー……生徒モルモットにする霧が丘よ?」


相変わらずの根性論。熱血教師程苦手な類はない。よく自分はあのチビ教師の下で居候出来てるなと苦笑した。
とりあえずレポートを職員用ポストに突っ込んでさっさと逃げよう。

その後、暇だから『グループ』の仮眠室でグダグダするか……数少ない友人の甘ちゃん坊やとでも遊ぼうか。


結標「……はぁ。とりあえず日の下歩くの疲れるわ……タクシー拾おうかな。あ、少し休むのもアリかも」ダラダラ・・・


別に登校時間は指定されていない。今日中に提出出来れば良いのだ。
近くのお店で一休みしよう。そんな甘い考えを持って、近場のカフェに寄ったのが間違いだった……―――
790 :>>1 [saga]:2011/06/13(月) 05:03:31.27 ID:T8/3k4Ec0
はい。序章は此処まで。
とりあえずあわきん登場決定ですね……しかし詳細はまだ考えてません。まぁ題名通り『お家訪問』はあると思うけど、その他は未定!

一応何して欲しいかもう少しリク取るけど、安価にするかもです。

まぁまた適当にリクエストとか要望とか質問意見罵倒書いといて下さい。んじゃ! ノシ”
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/13(月) 13:08:31.62 ID:qaV19VkAO
>>1久しぶり
そして乙!

これは確実に恋バナになるな
神裂は上条さん、固法さんは黒妻、あわきんは香焼くんの話になり
一人だけ特定の人がおらず平常を装いつつ、内心パニクってる麦野さんが見られる訳ですね
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/13(月) 17:27:34.74 ID:u5JgIoqDO
ゆるふわガールズトークを期待!!
‥‥しちゃダメ?ww
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/13(月) 20:38:14.80 ID:uqHen5xq0
>>1乙!!

>>791、あわきんは一方通行さんだろ
794 :>>1 [saga]:2011/06/14(火) 23:31:15.29 ID:PSm2Wgzu0
こんばんわ。少々投下。

・恋バナになったらむぎのんが見栄張るでしょうねw ゆるふわは……頭ゆるふわかもww
あとあわきんも『特定』はいませんよ。恋愛云々は無関心というか、何と言うか、他人の色恋沙汰は好きそうだけどね。
てかそういう話、嫌いな人いないでしょ?(苦笑

んじゃどうぞ!
795 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/14(火) 23:54:47.17 ID:PSm2Wgzu0
 ―――とある休日、AM11:40、学園都市第7学区、オープンカフェ『サン・エール』・・・(結標side)・・・





人気の少ない小洒落た喫茶店を見つける。知る人ぞ知る穴場といった感じのカフェだ。
丁度良い事にパラソル付きの外机が設置してある。
中に入ればエアコンが効いてそうだが、折角真昼間っから外に出たのだ。風通しの良い所で弁当を開こう。

そんな少女染みた考えに内心苦笑しつつ、店内で適当に飲み物を注文し店よりの人目に着かない外机に腰掛けた。


結標「秋沙は……クラスメイトと、か」チェッ・・・


自分で謂うのも虚しいが、数少ない友人からのメールに溜息をつく。
別に小萌の言うとおり騒がしい環境に身を置きたいという願望は無いが、少しくらいなら……と腑抜けた考えを持ってしまう日和った私。
同僚の胡っ散臭い連中が聞いたら腹を抱えて拍手するだろう。糞っ垂れ共め。


結標「……ま、今更だけどね」ハハハ・・・


ある意味『暗部』とは素晴らしい言葉だと思う。それで全てを誤魔化せる……言い訳に出来るのだから。


結標「……頂きます」カパッ・・・


何とも女の子チックな小じんまりした中身。
『結標ちゃんがお友達とおかず交換した時に女子力を自慢できるようにですよ!』と無い胸を張って豪語された。

はい、月詠先生……友達なんかいません。


結標「……」モグモグ・・・


美味しい。


結標「……」チラッ・・・


大通りの方を見遣る。一応休日だけあってか、街は賑やかだ。
遊び歩く学生達、仲睦まじいカップル、意気揚々と買い占めた荷物を背負う残念な大人、休日関係無しに走り回る宅配業者……

私の様な人間はやはり外に出るべきではないのかなぁと考えさせられてしまう。


結標「あー……馬鹿馬鹿しい」モグモグ・・・


まるで悲劇のヒロイン思考。泥水を啜ってしか生きられないと決めつけてしまっている痛い女。
まったく……誰か私を打っ叩いてくれ。
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 23:57:30.51 ID:40FnKRpDO
定時キター!!
が、あわきん……(';ω;`)...
797 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 00:16:47.98 ID:FCY2LIJV0
??「あれ?」


黄昏ながら腕まくりなんかしてる最中、背後から見知った声がした。


結標「……牛乳(うしちち)女」チラッ・・・

固法「会って早々それは無いでしょ」モゥ・・・


私と同い年くらいの風紀委員の眼鏡っ子。牛乳カップルの女の方が現れた。


固法「奇遇ね」

結標「そうね、普段は銭湯でしか会わないものね。旦那と一緒に」ニヤッ・・・

固法「旦那じゃないですー。そんな事言ったら貴女こそ、月詠先生と一緒じゃないのは珍しいわ」

結標「……けっ」

固法「マトモな制服姿見るのも希少かも」クスッ・・・


喧しい。饒舌な女は同性に嫌われるぞ。


固法「まったくノリが悪いわね」ムゥ・・・

結標「イーだ。どっか行け」フンッ・・・

固法「やれやれ……」テクテク・・・


店内に消えてく眼鏡っ子。
アイツは苦手だ。嫌いという訳ではないが、何処か見透かされてる様な気がする。
それに風紀委員という点で暗部と真逆……ではないが90度くらい違う位置に属す輩。風紀委員が嫌という事でもない。
ただ苦手なのだ。

アイツは白井黒子と近い匂いがする。


結標「……でも、少しは構っても良いのに」チェッ・・・


とかボヤいてみる。


結標「……私って、こんなに寂しい女だったかしら」ハァ・・・


独りが怖いとか女々しい事言う様なおセンチ女、か。


固法「……じゃあお邪魔するわね」クスッ

結標「ん……っ!! にょぎょわぁっ!!?」ビクッ!!

固法「あはは、何その素っ頓狂な声。結標さんも可愛い所あるのね」ケラケラケラ!

結標「っ〜〜〜ッ!!」カアアァ・・・///


ああ……畜生。やっぱり誰か私を殴れ。
798 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 00:36:00.09 ID:FCY2LIJV0
何故か私と同じテーブルに飲み物を置く牛乳女。
無言でニコニコと顔を覗いてきやがる。何だっていうんだ。

私は必死に目の前の眼鏡を無視する。隣の椅子に足をブン投げたり、頬杖ついたり、上着を肩掛けしたり……


固法「……ふふっ」クスッ・・・


睨めっこなら無条件で手前の負けだぞ。失礼な奴め。


結標「アンタねぇ……何か言いなさいよ!」ガー!

固法「黙ってろって言ったのは貴女よ?」ニコッ

結標「じゃあ無駄にニコニコしてんじゃないわよ。人の顔見て失礼な女ね……」

固法「注文が多いわ。もっとスマートにいきましょうよ」クスクス・・・

結標「じゃあ真顔で黙っていなさい。それで良いでしょ」フンッ

固法「そう……」キリッ・・・


マジで真顔になりやがった。


固法「……」ジー・・・

結標「うっ……」タラー・・・

固法「……」ジー・・・


この女郎……


結標「あーもう! 分かった! 私の負けよ!」ダアアァッ!!

固法「あら、根勝ちね」ニコッ!

結標「どーでもいいから……ったく、調子狂うわ」ハァ・・・

固法「良いじゃない。普段通りじゃ無い方が可愛いわよ」


いつもの調子が可愛くないってか?


固法「ひきこもり。深夜徘徊。女王様気質。ノーメイク。外歩く時は半裸かジャージ。それから……」

結標「半裸言うなし……あーもう良いわよ。そーですね。可愛げの無い駄目駄目女でござんすよ」ケッ・・・

固法「ネガティブになるから駄目なのよ。ポジティブでね」ニコッ


……私って、他の人からもこんな風に思われてるのかしら。
799 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 00:55:35.54 ID:FCY2LIJV0
とりあえず弁当を口の中に掻き込み、間を持たせる。


固法「んー……勿体無い気がするのよね、結標さん」

結標「何がよ」モグモグ・・・ゴクンッ

固法「さっき上げた点全部」


それ、どうしようもないじゃない。


固法「だから如何してかなぁって、思ったのよ」

結標「……私の勝手でしょ」フンッ

固法「何で普段外歩かないの? あ、深夜徘徊は抜きね」

結標「眠いから」サラッ

固法「……銭湯で言ってたけど、学校行ってないんだっけ」

結標「だったら?」

固法「行ったら?」ニコッ


そんな聖母みたいな顔で率直に言われてもねぇ……色々あるのよ。


固法「……ま、そこんとこの詳細は月詠先生に任せるとして」

結標「大概図太いわね、アンタ」ジトー・・・

固法「友達は? クラスメイトじゃなくても『バイト』してるんでしょ? そこで友達出来るんじゃない?」

結標「糞野郎共ばっかよ。慣れ合う気は無いし」

固法「……ふーん」ジー・・・


あー……何その『友達いませんっていうより、作り方知りませんってタイプね』的な目は。喧嘩売ってんの?


固法「結標さん……被害妄想激しいのは鬱病の手前よ? 抗鬱剤(ヤクブツ)なんかに手出しちゃダメだからね」メッ!

結標「良し、表出ろ」ガタッ・・・

固法「此処、表よ?」ニコッ

結標「ああ言えば、こう……ハァ。もう良いや」ッタク・・・

固法「ふふふ、ごめんごめん。もっとポジティブな話しましょ。苦手なのは分かるけど、明るい話しとけば少しでも変わるものよ」

結標「ホント、癪に障る言い方すんのね……」ハァ・・・


とか言いつつ内心楽しい。
あー最悪。やっぱ私、構ってちゃんなのかなぁ……とか苦笑しつつ牛乳女の話に乗った。
800 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 01:49:35.95 ID:FCY2LIJV0
 ―――とある休日、AM11:55、学園都市第7学区、オープンカフェ『サン・エール』・・・(神裂side)・・・





バスを乗り継ぎ香焼に案内され目的の近くまで来た。
一人で行ける気がしたのだが三人に口を揃え『三時間遅刻して良いなら一人で行って下さい』と言われたので、仕方なく案内をお願いした。


香焼「此処の通りを真っ直ぐ行って、広場に出たら公園跨いで下さい。そしたらカフェに着くっすよ」

神裂「ありがとうございます。香焼はこれから何処へ?」

香焼「自分は別の公園に。友人が待ってるので」


約束事があるのに態々申し訳無い。後で御土産でも買って行ってやろう。


香焼「それは嬉しいっすけど……帰り道、迷わないで下さいね」ハァ・・・

神裂「大丈夫です。帰りは迷っても誰も迷惑しません」キリッ

香焼「迷う事前提かい……またタクシー使われたら困るんすよ。この前も経理部にグチグチ言われたじゃないっすか」ジトー・・・


広いとはいえ、交通の便がしっかりしている学園都市でタクシー拾うとは何事かと経理の連中にネチっこく言われてしまった。
まったく器の小さい輩です。


香焼「器とか何とかじゃないっす。第一私事でタクシーキップ切って……教皇代理心底溜息ついてましたよ?」

神裂「……今度タクシー使う時は、私のポケットマネーで帰りますよ。これなら文句言われないでしょ」ブーブー・・・

香焼「女教皇様、変な所で意地っ張りなんだから……あ、最悪屋上ルート伝って戻ってくるのも禁止っすよ」メッ!

神裂「……五和や浦上は遅刻しそうな時使ってると言ってましたよ」ムゥ・・・

香焼「アイツらの真似しない。女教皇様が私用で使ったら他の教徒に示しが付かないっすよ」ハァ・・・


屋上ルートとは、潜入している天草式の若衆達が『任務』で用いる移動ルートの事である。
他には地下ルート、裏路地ルートがあり……皆、偶に私用で使ってしまうとかなんとか。

しかしこの子は真面目くん。こういうルールをしっかり守るタイプだ。美徳でもあり、損する点でもあろう。


神裂「堅い事を……あー、うん。分かってます。キチンとバス乗り継いで帰りますってば」コクコクッ

香焼「心配っす……携帯に自分の家のGPS信号、記憶させてますよね?」ウーン・・・

神裂「大丈夫。迷ったら『地図あぷり』を開いて……『現在地をメールで送る』を押す。OKですよ」ニコッ


最近覚えた携帯の機能だ。これで電波の届く範囲であれば何処に居ても迷子にならない(?)らしい。


香焼「『迷子』にはなってるんすよ……兎に角、遅くなる時はメールして下さい。最悪車手配させますから」ハァ・・・


あ……良い事思い付いた。今度五和に車を買ってあげよう。それで専属アッシーに。


香焼「……女教皇様?」ギロッ・・・


ごめんなさい、冗談です。
801 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 02:10:42.89 ID:FCY2LIJV0
香焼「ハァ……まぁ、良い事なのかな」クスッ・・・

神裂「え」

香焼「失礼ながら……俗(人間)っぽいって事っすよ」ニコッ


俗、か……聖人としては失格かもしれないな。
だけども、少し、嬉しい。


神裂「香焼はこんなお姉さん、嫌いですか?」クスッ

香焼「え、あ、いや、その……何とも」アハハ・・・///

神裂「……ふふっ」ナデナデ・・・

香焼「わっ!? ぷ、女教皇様! 止めて下さいって」アタフタ・・・///


その呼び方(女教皇様)止めたら、止めてやろう。


香焼「ぐ、ぬぬ……もう行きます!」///

神裂「あらら、怒ってしまいました」クスクスッ

香焼「もぅ……お願いっすから帰りの際は一報入れて下さいね」ハァ・・・テクテク・・・


トコトコ遠のいて行く末弟。小動物みたいだ。リス耳とか似合いそう。
そんな莫迦な考えはさておき……カフェへ急ごう。もう約束の時刻(12時)になってしまう。


??「へーい。そこのダイナマイトバディなJK〜」


突如、道路の方から声が。慌てて振り向くとそこには……


麦野「やっほー♪」ニコッ

神裂「麦野さん、こんにちは」コクッ

麦野「今日は迷わず来れたのね。偉い偉い」クスクス・・・

神裂「ま、まぁ弟に案内して貰ったので」アハハ・・・

麦野「あらら、弟くん? 見たかったわー……写真でしか見た事無いからねぇ」フフッ


そんな陽気な感じで車から降りてきた友人――麦野さん。


浜面「……麦野。この人、ホントにオマエのダチなのか? 完璧清楚系でオマエと真逆じゃ」ジー・・・

麦野「はぁまづらーにゃん」ニコッ・・・

浜面「う……」タラー・・・


ドライバーの男性を笑顔で威圧する素敵な女性。まったく……昼間っから仰々しい事。
802 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 02:43:15.50 ID:FCY2LIJV0
神裂「もぅ……はじめまして。麦野さんの同僚さんですね。お話は常々伺っていますよ」ニコッ

浜面「お、え、は、はいっ! ご、御光栄な事でありますでございます! は、浜面仕上というものですます!」アワワ・・・

麦野「……きめぇ」ジトー・・・

神裂「ふふふ、男らしい面構えじゃないですか。麦野さん、良いお仲間を御持ちですね」クスッ

麦野「……良かったわね、浜面。アンタみたいな無能でもおべっか言ってくれる人は居るみたいよ」ハンッ


やれやれ、相変わらず口の悪い人だ。


麦野「いいから行きましょう。多分、美偉もう待ってるわ」クルッ

神裂「そうですね。それでは浜面さん」コクッ・・・

浜面「あはは、ども」ニコニコッ

麦野「……今鼻の下伸ばしてた事、滝壺に言うから」ニコッ・・・

浜面「な、伸ばしてねぇっ!! 適当言うな!」アワワ・・・

麦野「はいはい必死必死。迎え宜しくねー」テクテク・・・


華麗に歩を進める麦野さん。何故か顔が引きつってる浜面さんを後目に、私も麦野さんに続いた。
しかしまぁ、誰もが振り向く美人さんである。


麦野「いやいや、皆貴女見てるんでしょ」ニヤニヤ・・・

神裂「え、いや、それは無いですよ」アハハ

麦野「言われた通りコスプ……げふんげふんっ! 制服系ファッション着てきちゃってぇ。何着ても似合うなんて憎いわよ」コノコノッ!

神裂「そ、そんな事……」///

麦野「しかも今日は髪止めてないしー……黒髪ウェーブロング大和撫子JKとは、美味しいですなぁ」ニシシ!

神裂「髪は、その、妹達が勝手にですね」アタフタ・・・///

麦野「あら、センスは悪くないわよ。制服系なら基本何でも合うし、ナチュラルウェーブ掛るんだったらそれはそれでアリだから」クスッ


流石コーディネーター麦野さん。服に関しては理解できないけど、言う事に『凄み』がある。


麦野「あの公園の先ね。サクサク行きましょ」ニコッ


彼女のこの強引さというかカリスマというか、見習う点は多そうだ。
ただし……所々『匂う』黒いモノを除いては、だが。
803 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 03:07:08.39 ID:FCY2LIJV0
数分歩いた所に件の喫茶店が見えた。
成程、感じの良い店である。イメージ的にはシティ(ロンドン)郊外のカフェといった所か。


麦野「美偉、外に居るってメール来てたけど……」ウーン・・・

神裂「……あの店際の二人では?」

麦野「え、二人……ん……」ジー・・・


確かに固法さんだ。多分、私達より先に知り合いにでも会ったのだろう。
私が席に向かって歩き出すと同時に、アチラも気付いた様で此方に手を振ってきた。


固法「あ、来た来た」ノシノシ”

神裂「すいません、遅れました」ニコッ

結標「……ん?」チラッ・・・


固法さんの隣に居たのは確か、月詠さんとこの結標さん。
以前香焼が御世話になった女性だ。                      (※第4話:結標「泊めてあげてもいいよ?」参照)


固法「あ、えっと、此方私の友人の―――」

結標「……こんにちは。元気そうね」ニコッ

神裂「ええ。貴女も」ニコッ

固法「―――ありゃ、知り合いだったの」

神裂「はい。弟が色々と御世話になったので」

結標「実際迷惑掛けただけなんだけどね。彼、元気?」クスッ

神裂「いつも通りですよ」フフッ

結標「相変わらず堅くて、甘ちゃんって事ね」クスクスッ


大体合ってます。


固法「じゃあ此方は―――」


刹那、嫌な感じ……残念ながらも『良く知る』嫌な感じがした。


麦野・結標「「……」」ジー・・・

固法「―――……あらら」チラッ・・・


二人の無言の威圧に対し本能的に、太腿の鋼糸(ワイヤー)に手が伸びていた。
804 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 03:20:22.98 ID:FCY2LIJV0
そして、呟くように二人は告げた。


麦野「結標、淡希」フーン・・・

結標「そういう貴女は……麦野沈利、ね」ヘェ・・・

固法「……二人も知り合いだったの?」ポカーン・・・

麦野「知り合いっていうか、彼女『有名人』だから……能力的にね」クスクス・・・

結標「同じ理由よ。超能力者様々だもの。彼女の方が……『有名人』じゃない」ニコッ・・・

固法「あー、成程。確かにね」フフッ・・・


言葉に含みが感ぜらるる。今にも一触即発な空気。
知らずは固法さん(一般人)のみだけ。


結標「……アンタの友達ってコイツらの事だったのね」チラッ・・・

固法「ええ。意外かな?」クスッ

結標「意外過ぎ……出会いのきっかけが気になるわよ。『普通』じゃ出会わない二人じゃない」ジー・・・

神裂・麦野「「……」」ギクッ・・・

固法「そうかなぁ。それを言ったら貴女もだと思うけど」ニコッ


言葉が出なくなる結標さん。悪いが今の私と麦野さんはプライベートである。
莫迦な真似は止めて頂きたい。貴女も同位だろう。


結標「……そうね。それじゃ、私は帰るわ。お邪魔でしょ」スッ・・・

固法「別にそんな事無いけど。二人が良ければ一緒に如何?」ニコッ

神裂・麦野・結標「「「えっ」」」ドキッ・・・


如何って……


神裂「私は別に構いませんよ」アハハ・・・

麦野「……」チラッ・・・

結標「……」チラッ・・・

固法「ん?」ニコニコッ

麦野・結標「「……」」タラー・・・


聖人の私が言うとジョークみたいだが……ああ、聖母の笑み。空気を読んでくれ。
何だろう、変な汗が出てきた。
805 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 03:36:57.22 ID:FCY2LIJV0
それから暫く、無言が続いたが……麦野さんと結標さんが高速で私に目配せしてきた。
固法さんの相手をしてくれという意だろう。

私は引き攣った笑顔で頷き、固法さんに御手洗いの場所を尋ね、無理矢理案内させた。


麦野「……ハァ」グデェ・・・

結標「ったく……あの平凡牛乳眼鏡リア充女め。これ何のドッキリよ」グデェ・・・

麦野「んで?」チラッ・・・

結標「帰れってんなら帰るわよ。あくまでプライベートなんでしょ?」ハッ

麦野「……今帰したら、私悪者みたいに思われるじゃない」ジトー・・・

結標「……良いじゃん、悪者なんだし」

麦野「カチンと来るわね……美偉の前では普通の女子高生よ」ケッ

結標「私もあの眼鏡の前ではタダの御近所さんみたいなもんよ」フンッ


※きっと外ではこんな会話が行われているのだろう。


麦野「……今は荒っぽいの、勘弁よ」

結標「考える事は同じって訳ね……じゃあアイツが来たら私から断って帰るわ」

麦野「何かそれも今私が圧力掛けたみたいな感じじゃない」ブー・・・

結標「案外面倒臭い女ね……私と一緒に居るの嫌なんでしょ。そんぐらい覚悟しなさいよ」

麦野「別に嫌だなんて言ってねぇけど。アンタが私の事怖がってるんでしょ?」

結標「はぁ? そっくりそのまま返すわ」

麦野「はっ! 抜かせ……豆腐メンタルで有名なショタコンテレポーターさん」ニコッ・・・

結標「……有る事無い事、あの眼鏡に言ってから帰ろ」ニコッ・・・

麦野「ぐっ……オーライ。喧嘩は良くないわね。プライベートだもの」ゴゴゴゴ・・・

結標「ええ、プライベートよね」ドドドド・・・


※外ではきっと(ry


固法「神裂さーん、先戻ってるよー」

神裂「あ、えっと、私も直ぐ行くからちょっと待って!」アワワ・・・


羊さんが狼二人の中に、一人で戻らないで下さい。
806 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/15(水) 03:53:21.29 ID:FCY2LIJV0
そんでもって結局……


固法「それで麦野さん。『勿論』良いわよね?」ニコッ

麦野「にゃ……(コイツ満面の笑みで『含み』無くそういう事言いやがった)……あはは……」コクッ・・・

結標「ははは……(ヘタレ超能力者)」ハァ・・・


……シノギの人間は真っ当なカタギの人間に弱いものですね。


固法「それじゃあ麦野さん、神裂さん。飲み物注文しちゃお。私と結標さんも空だからもう一杯頼むわ」ニコッ

神裂「そうですね……」チラッ・・・

麦野・結標「「……」」アハハ・・・

固法「……大丈夫?」ジー・・・

結標「え、あ、うん。超平気」タハハ・・・

麦野「えっと、コーヒーで良い? 私と彼女(結標)で注文してくるから待ってて……来なさい」グイッ・・・

結標「……」コクンッ・・・


サクサク店内に消える二人。


固法「仲良いのね」クスッ


この人は……まぁこれが『正常』な思考だろう。だが実は……


麦野「とりあえず、休戦よ。戦った覚えないけど……コーヒー4つ!」ボソボソ・・・ニコッ!

結標「そうね。戦うつもりないけど、『仕事』抜きって意味でね……あ、私の氷抜いて下さーい!」ボソボソ・・・ニコッ!

麦野「何そのチョイス馬鹿じゃないの?!」エ・・・

結標「うっさいわね! 実量増えんのよ」フンッ・・・

麦野「……貧乏くっさ。金持ってんでしょ」ウワー・・・

結標「倹約家なのっ。黙ってて」チッ・・・

麦野「それタダ守銭奴ってかケチなだけだっつーの……あ、大丈夫です。自分たちで運びますから!」ジトー・・・ニコッ!

結標「私からしてみれば普通。氷で割る方が異常……砂糖とミルク、こっちのトレーにお願いします!」ジトー・・・ニコッ!


……いや。案外仲良くなれるやもしれないな。
807 :>>1 [saga]:2011/06/15(水) 03:58:19.29 ID:FCY2LIJV0
はい、此処まで。次回こそは普通の時間に投稿したいなぁ……無理かなぁw

さぁて、むぎのんとあわきんは敵じゃないけど微妙な関係だから如何しようかねぇ。
とりあえず固法さんに諸所ばれない様オズオズと話をする二人を書いていきましょう。

ちなみに各個の人称ってか呼称は今の通りで良い? 呼び捨てとか、さん付けの方が良いとかあります?


それでは今回も適当にリクエストとか要望とか質問意見罵倒書いといて下さい。んじゃ! ノシ”
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 21:07:58.75 ID:4NJmYuuDO
乙!

あわきん・むぎのんって新しいな。
呼称はそねままで良いと思うにゃ。
809 :>>1 [saga]:2011/06/16(木) 21:58:38.94 ID:MFf4HI790
こんばんは。ボチボチ投下していきやす。
もしかしたら安価取るかもしれないから協力よろしくねー!
810 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/16(木) 22:58:18.15 ID:MFf4HI790
 ―――とある休日、PM00:15、学園都市第7学区、オープンカフェ『サン・エール』・・・(神裂side)・・・





正直、何とも言えない空気だった。勿論原因は麦野さん結標さんの顔色である。


麦野・結標「「……」」ジー・・・

固法「えっと……」タラー・・・


流石に二人の関係を知らない(尤も私も詳しくは知らないが)固法さんも、不穏な臭いを感じて入る様だ。


固法「……その、神裂ひゃん!」チラッ!

神裂「うぇっ?!」ドキッ!

固法「ま、また先週まで海外行ってたんでしょ?」アハハ・・・

神裂「え、ええ。そうですね……仕事というかバイトというか……色々あるので」アハハ・・・


必死に場を保とうとするあまり、二人して素っ頓狂な声を上げてしまった。


固法「ええっと……良いなぁ。この街に居ると外(国)なんて滅多に行けないもの」チラッ・・・

神裂「そうですね。此処は割と閉鎖的ですから……」チラッ・・・

麦野・結標「「……」」チューチュー・・・

固法「こ、今回はドチラに?」タラー・・・

神裂「デンマークです。エスビェアルという西部の方に行ってきました」

固法「へぇ、デンマークかぁ……エスビェアルって街の名前?」

神裂「ええ。ルーン文字……あー、何て言うか……まじないで使う文字で有名な石碑などがありますね」

固法「相変わらず凄い事してるわね……えっと、二人はルーン文字って知ってる?」ニコッ・・・


二人に応答を試みる健気な固法女子。


麦野「さぁ」サラッ・・・

結標「まじないなんてしないもの」サラッ・・・

固法「そ、そっか……」


残念暖簾に腕押し……お労しや。あーめん。
811 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/16(木) 23:18:09.66 ID:MFf4HI790
もっと二人が喰いつきそうな話題を出さないと……


固法「……あ、そういえば神裂さん。今日は迷わず来れたのね」ニコッ・・・

神裂「ええ、はい。直ぐそこで麦野さんに会いましたし……その前は弟分に案内して貰ったので」コクッ

固法「例の可愛らしい弟くんね。見てみたいかも」フフッ

結標「……」ピクッ・・・


あ、反応した。


麦野「……おー、食指が動いたー」ボソボソ・・・

結標「な、にぉ……」ンギギ・・・

固法「え?」ポカーン・・・

麦野「んー、何でもなーい」ニヤニヤ・・・

結標「こ、ぬぉ……」ピキピキ・・・


お願いですから喧嘩しないで下さい。


神裂「そ、そういえば香焼が今度、結標さんに御礼がしたいと言ってましたよ」ニコッ

結標「っ!! そ、そう……別に礼をされる様な事してないけど」チラッ・・・

神裂「いえいえ。海外に行く際、猫(もあい)を偶に預かってくれてるそうで」ニコッ

結標「そ、そのくらいなら朝飯前よ! ま、まぁどうしても御礼がって言うなら、聞いてやらない事もないけど……」ボソボソ・・・ニヨニヨ・・・

固法「あら結標さん、優しいのね」フフフ!

結標「こ、困ってたから助けてあげただけ。それだけよ。他意は無い!」フンッ・・・ニヨッ・・・


何故か頬が緩んでらっしゃる。香焼も罪作りな子ですね……


麦野「やっぱショタコンの噂は本当なのね」クスクス・・・

結標「だ、誰がショタコンじゃー!」ガー!

固法「……へ?」タラー・・・

麦野「あー、私の職場に彼女の噂が入ってさぁ……ふふふ! いやぁ、これがおかしくって」アハハ!

結標「あー! あー! あー! 聞くなー! タダの風評よー!! 私は違いますー!!」ギャー!


……ショタコンって何ですか?


麦野「えっとね、まずショタって言うのは……」ニヤニヤ・・・

結標「ぶわあああああぁっ!! この全身レーザー女!! 口にマチ針テレポートさせるわよ!!」ギャー!!

麦野「んもー、野蛮ねぇ」ニヒヒ・・・

結標「ぐぬぬぅ……この女郎ぉ……」ピクピクッ・・・


結局、後で五和と浦上に聞いて驚愕しました。
812 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 00:08:57.58 ID:n6SRcHCP0
結標「ったく……ところで」チラッ・・・

固法「ん?」

結標「色々気になるんだけど……何でアンタ、この人とコレと知り合ったの?」

麦野「コレ言うな、アホ」ベー!


まぁ確かに普通じゃ知り合わないだろう。


固法「えっとねぇ、神裂さんの迷子から始まったかなぁ」アハハ

結標「迷子って……それだけ?」ポカーン・・・

麦野「この子の迷子一回二回だけじゃないもの」ハハハ

神裂「むっ! その言い方だと私が常に道に迷っている様な」

麦野「違うの?」


……いえ、その通りでございます。


固法「あははは。ま、それで何度も道案内している内に麦野さんも巻き添えになって……今に至るって感じよ」クスクス・・・

結標「……アンタは? 普通表、出て来ないじゃない」ボソボソ・・・

麦野「あー……一見で、この子マネキン(モデル)に使ったの」サラッ・・・

結標「……はぁ?」ポカーン・・・

神裂「……正直トラウマです」ガタガタ・・・


土御門に街中で放置され、適当にウロウロしていたら麦野さんに捉まった。
そして無理矢理服を脱がされ……私が今まで着た事無い様な『可愛い』服を押し付けられた。


麦野「いや、火織の普段の恰好の方がトラウマ覚えるわよ。あんなコスプレ衣装、私だったら着れない」タラー・・・

神裂「だ、だからアレは宗教上の理由で仕方なく……」

麦野「んなモン知らないわよ。兎角、ありゃファッションへの冒涜だってば」ジトー・・・

固法「む、麦野さん……そこまで言わなくても」アハハ・・・

麦野「じゃあ美偉アレ着れる?」

固法「うん、それは無理」ニコッ・・・


……それ以上、私の心を抉る様な言葉をぶつけないで下さい。
813 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 00:36:52.39 ID:n6SRcHCP0
結標「ふーん……それなりに普通の友達やってるんだ」ヘェ・・・

麦野「まーね。それよりアンタこそ、何処で美偉と知り合ったのよ」

結標「近所ってか銭湯」サラッ・・・

麦野「せ、戦闘!?」ハァッ!!?


麦野さん、スパの方です。バトルじゃないですよ。


結標「この戦闘狂(バトルジャンキー)め……この牛乳女と良く銭湯で会うのよ」

麦野「意味分からない。詳細ぷりーず」アゼーン・・・

固法「えっと、私お風呂というか銭湯好きだから。彼女もよく銭湯に来るし」

麦野「美偉は分かる。だけどこのチンチクリンは?」ポカーン・・・

結標「チンチク……チッ、風呂ボロいってか壊れてるってか無いのよ」ボソッ・・・

麦野「……え」ポカーン・・・


そういえば月詠さん宅には風呂場らしきものが見当たらなかったな。


固法「……月詠先生の事言って良いの?」チラッ・・・

結標「言わないでおいて……兎に角、私の家の風呂に問題あって銭湯通いなのよ。おーらい?」

麦野「へー……そんでもって自分と美偉の胸囲の格差社会に嘆く訳か」ククク・・・

固法「……変態」ジトー・・・

結標「ふんっ! こんなに有ったって無駄でしょ! 動くの邪魔!」ケッ!


同意します。


麦野「火織ぃ……アンタが言うと嫌味にしか聞こえねぇんですけどー」ジトー・・・

神裂「む、麦野さんだって小さい訳ではないでしょう」アタフタ・・・///

麦野「身長差あるとはいえ、バスト85の私と15も差ぁ有るって如何いう事よ!!」キシャー!!

結標「ブッッ……ひゃ、100もあんの……」ダラダラ・・・

神裂「きゅ、99です!! 誇張しないで下さい!!」カアアァッ///

固法「ふ、二人とも……真昼間っから大声で馬鹿な事言わないの!」ンモゥ・・・///


瞬間、我に戻る……チラホラ通過する通行人の目が痛かった。
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 00:38:38.55 ID:CrIsZ4kDO
むぎのん先生! あわきんのスリーサイズ教えてください!
815 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 01:37:55.21 ID:n6SRcHCP0
固法「まったく……麦野さんらしいっちゃらしいけど」アハハ・・・

麦野「如何いう意味よー……私と同じ身長で5pもでっかい美偉ちゃーん」ジトー・・・

結標「……アンタ、90もあったの」ダラダラ・・・

固法「そ、そんなに有りません!」カアアァ///

結標「……てか、アンタら全員胸有り過ぎ」タラー・・・


いやいや、女性は胸部が全てではありませんよ。寧ろ邪魔なだけ。


結標「あ、ホントだ。この人に言われると腹立つ」イラッ・・・

麦野「ほらね」ククク・・・

神裂「そ、そんな……結標さんとて、意外と有るのでは?」ムゥ・・・

結標「チッ……アンタら程無いわよ」ケッ・・・

固法「うーん、普段サラシ巻いてるから分からなかったけど……意外と有るんじゃない?」


三人して結標さんの胸を凝視。


結標「やっぱ変態よ、アンタら」ジトー・・・

麦野「ふんっ。この程度で変態扱いされてたら美偉のノロケトーク聞けないわよ」ニシシ・・・

固法「ちょ、べ、別にノロケなんか!」アタフタ・・・

麦野「因みにアンタは……162p,82・53・73……くらいね。体重は……あー結構ガリガリでしょ。肋見えるタイプね」ジー・・・

結標「ぐっ……スリムって言いなさいよ! しかもそこまでガリガリちゃうわ!」ンギギ・・・

固法「確かに銭湯では痩せてるなーって思ったかも」アハハ・・・

結標「搾ってるの! 別に良いでしょ」フンッ!


大体合ってるらしい。                    ※あくまで4人共、色々検証した妄そ……予想です。


麦野「いやぁ……でも正直、男性受け悪いらしいわよ? ぽっちゃり以上に」

結標「……別に男の目なんか気にしないわよ」フンッ・・・

固法「ねぇ結標さん、ちゃんとご飯食べてる? 守銭奴だからって食費ケチってない?」ジー・・・

麦野「あー、やっぱアンタ守銭奴なんだ……でも食費削るのは如何かと思うわよ?」ジー・・・

結標「こ、の……アンタら勝手な想像すなぁっ!!」ウガアアァッ!!


苦笑。
だが……知らず知らずのうちに、不穏な空気は消え去っていた。
816 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 02:38:53.63 ID:n6SRcHCP0
 ―――とある休日、PM00:40、学園都市第7学区、オープンカフェ『サン・エール』・・・(神裂side)・・・





それから適当に軽食を腹に詰め込み、この後の話となった。


固法「いつもなら此処でモンバス大会なんだけど……」

結標「え!」ピクッ!

麦野「その様子だとアンタもモンバスするんだ」ヘェ・・・

結標「ま、まぁ嗜む程度にね」アハハ・・・


後でデータを見せてもらったところ獲得カードをフルコンプ、それからプレイ時間が異常でした。


固法「とりあえず今流行ってるジェラート屋さん行ってみない?」

神裂「ジェラート、ですか。構いませんが此処からの距離はどのくらいで?」

固法「近くの大広間によく移動車で販売に来てるんだって。今日休日だし来てるんじゃないかな」ニコッ

麦野「ふーん……ドケチは如何すんの?」チラッ・・・

結標「ケチ言うな。倹約家だっつの……此処まで来たら一応行くわよ」フンッ・・・

固法「決まりね。それじゃあ移動がてら次の場所も考えましょう」


言われるがままに頷き、一斉に立ち上がった。
何ともフランク。だが私にとっては新鮮……まるで自分が女子高生になったかのような気分だ。


神裂「あははは……女子高生かぁ……神裂火織、高校三年生です!」ニコニコ・・・アハハ・・・

麦野「火織、アンタ何言ってんの?」ポカーン・・・

神裂「あ……」ピクッ・・・

固法「え、えっと……そうね。神裂さん、18だものね……」ジー・・・

結標「え!? アンタ18だったの!? ……香焼くんの13歳より信じられない」ヘェ・・・

神裂「〜〜〜ッ」カアアァ///


……いっそ殺して。
817 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 03:05:24.72 ID:n6SRcHCP0
さておき数分後、目的の大広間……デパート近くの小ホールの様な場所に着く。
小学生から大学生まで、休みを満喫しにきた様々な学生たちが屯している。

その最中、目的のジェラート販売店の行列を発見する。どうやら固法さんの言うとおり大人気らしい。


麦野「あー、並ぶっぽいわね」アチャー・・・

固法「でもまだ10分15分くらいで済みそうかな……私並ぶから何処かに座ってて」ニコッ

神裂「それでは私も御一緒しましょう。一人では何です」

麦野・結標「「……あ」」エ・・・


しまった……


固法「うーん、じゃあお言葉に甘える。それじゃあ二人は何が良い?」

麦野「えっと……やっぱ私も行くよ。まだ決まんないし、あとパシらせるみたいで悪いしさぁ」アハハ・・・

結標「だ、だったら私も行くわ。右に同じくで」アハハ・・・

固法「良いわよ、そんな気にしなくたって。誰か一人手伝って貰えれば」

麦野「じゃあ私行く。火織、コイツと待ってなさい」チラッ・・・

神裂「そうです、か……では、はい。そうします、すいません」アハハ・・・


何とか麦野さん結標さんの二人きりは免れた。
私は宇治金時ジェラート、結標さんは濃厚マンゴージェラートをお願いし、適当な席で待つ事とした。


結標「ったく……マジ怖いわよ。アイツと二人きりとか身ぃ持たないって」ハァ・・・

神裂「あはは、スイマセン……しかし、そこまで苦手意識する必要も無いのでは?」

結標「……プライベートとはいえ『暗部』よ? アンタだって、よく分かんない『同業者』と一緒に居たくないでしょ?」フンッ・・・


まぁ確かに、スペイン星教の異端審問官が私服で隣に座ってたら落ち着けないだろう。


結標「おまけに超能力者(レベル5)よ? 知ってるでしょうけど、アイツの能力は破壊特化。冗談じゃないわ」ハァ・・・

神裂「しかし、こんな真昼間っから馬鹿な真似はしないでしょうに」

結標「……沸点低いのよ、アイツ。その筋では有名な話だわ」


だからといって大袈裟な……
818 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 03:39:09.39 ID:n6SRcHCP0
結標「まぁアンタや固法美偉はアレとプライベートでは懇意の様だからこれ以上は言わない」

神裂「聞いたら後悔する、と?」

結標「アンタが香焼くんと似た神経してんなら、捨て置きは出来ない『惨状』よ。アイツの行い」


そこまで荒んでいるのか。


結標「私も人の事言えた義理じゃないけどさ……アレは特化し過ぎよ。自我の無いキリングマシーンの方がまだマシじゃないかな」

神裂「……」

結標「……この話は今は終わり。興味があるなら別の機会に話してあげるわ。若しくは土御門からでも聞きなさい」

神裂「いえ……聞くとしたら、本人から直接聞きます」

結標「……呆れた。やっぱ香焼くんのボスなのね」ハァ・・・


ボスではないのですが、まぁいいでしょう。

それよりも……嫌な匂いがする。多分気の所為では無い。
周りに5,6人、いや遠方から此方を覗いている気配もある。これは一体……


結標「どったの?」

神裂「嫌な、プレッシャーです……誰かが見ています」ボソッ・・・

結標「アンタのダイナマイトバディを?」

神裂「そ、その目は我慢します……じゃなくて……」チラッ・・・チラッ・・・

結標「……あぁ」ポリポリ・・・


身に覚えが有るのだろうか。


結標「二つ。一つは私とあの移動砲台女が接触してる事に不信感を持った馬鹿上層部じゃないかしら」

神裂「アレイスターの手の者?」ム・・・

結標「理事長さんかどうかは分からないけど、『案内人』である私がアイツと協力して馬鹿な事企ててるんじゃないかとか危惧ってんでしょ」

神裂「そんな……確証も無いのにプライベートの監視を?」

結標「プライベート、ねぇ……んなモノこの街には無いわよ。特に暗部ってか公僕はね」スッ・・・


そう言って首裏の『何か』を摩る結標さん。何とも、度し難いですね……アレイスター。
819 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 04:16:52.33 ID:n6SRcHCP0
結標「勘違いしないでよ、聖母さん……アンタが気にする事じゃないわ。この街のシステムだもの。それで私達も色々保障されているのだし」

神裂「……では、もう一つの目は?」

結標「ちょっと前にね……此処ら一帯でテロがあったの。テロっつっても児戯に等しいスキルアウトの反攻作戦みたいなのね」


武装無能力者集団(スキルアウト)。


結標「んで、その迎撃掃討担当の任務、受け持ったの」プラプラ・・・

神裂「……では、貴女は常に」

結標「そーね。ま、そいつらが私見つけて馬鹿な事考えてるんじゃない? きっと私一人になるの待ってんのよ」ハハハ

神裂「大丈夫なのですか?」

結標「多分ね。何事も無ければだけど」ニコッ・・・


それじゃあ、彼女を一人には出来ない。


結標「あらら、どーも。お優しい事で」フフッ

神裂「……」

結標「……あのさぁ」ハァ・・・

神裂「え、あ、何か」

結標「話した私も悪いんだけどね……その目、止めて」ッタク・・・

神裂「目? ……私の、ですか?」

結標「ええ。アンタは慈愛の眼で私見てんのかもしんないけどさ……私からすれば、そりゃ娼婦の境遇を憐れむ目よ」ジトー・・・

神裂「そんな事は……」

結標「ハァ……この稼業しててさ、性根がしっかりしてる輩からビッチ扱いされんのは慣れてるけどね」


悲しそうに笑う少女。私と歳一つ二つしか違わないというに。


結標「私からすりゃアンタの聖母染みた目の方が異常よ。よく『コッチ側』でその目続けてられるわね」ハハハ・・・


その『コッチ』とか『アッチ』という括りが、嫌いなだけだ。
必要悪も悪だからといって、性根まで腐る必要はないのである。そこを履き違えるつもりはさらさら無い。
820 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 04:45:29.20 ID:n6SRcHCP0
結標「兎に角、遠くの輩は何もしてこないし、近くのギラついた連中も私に容易く手ぇ出す勇気無いから安心して」

神裂「楽観的な……」

結標「なぁに、所詮無能力者だし。能力者に勝てる訳――」ハハハ


私や香焼かて、無能力者ですよ。


結標「―――……」ピタッ・・・


やはりこの街の能力格差というか、実力主義・強度本位制は社会問題だろう。
詳しくは知らないが、多分道徳教育からして歪みが生じていると見える。


結標「……私には分からないわ。そういう小難しい話はしない様、決めたの」

神裂「それでも良いでしょう。ただし、あまり能力云々で他人を判断しない方が良い」

結標「そうね……気をつける」


土御門の受け売りだが『AIMジャマー展開下でチカラを振える輩こそ、真の恐怖対象だ』を思い出した。
能力や権力を投げ出して0になった時、如何に御力を発揮できるか。多分この街の住人の社会に出てからの課題だろう。


結標「とりあえず、この話はやめましょ。折角の『プライベート』なんだしね」クスクス・・・

神裂「……そうですね。もうちょっと明るい話にしましょうか」ニコッ

結標「それじゃあそうね……逆ナンでもしてきなさい」ニヤッ・・・

神裂「ぎゃくなん、ですか?」

結標「女性から男性をナンパする事よ、知らない? ……この街の女子は普通にするのよ?」ニヤニヤ・・・


そんな破廉恥な……五和や浦上達もしているというのか?


結標「試しにやってみなさい。ほらほら、さっきの威勢でれっつごぉふっ!!」バシッ!!

麦野「……その子に嘘教えんな。真に受けるっつの」ジトー・・・

結標「痛っぅ……冗談だったのにぃ」ギロッ・・・

麦野「黙ってジェラート喰ってろ痴女が」ケッ・・・

固法「二人とも……神裂さん、馬鹿な真似しなくていいからね。あとちゃんと心に決めた人がいますって断るのよ?」メッ!

神裂「そ、それは、えっと……うぃ……」カアアァ///

麦野・結標「「……ふひひ」」ニヤニヤ・・・

神裂「コイツら……」グヌヌ・・・


まぁ……今は宇治金時ジェラート(練乳マシマシトッピング)に免じて許してやろう。
821 :>>1 [saga]:2011/06/17(金) 04:46:59.12 ID:n6SRcHCP0
あー、全く進まない畜生……すいません、寝ます。
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/17(金) 06:48:20.97 ID:zWrJMH9y0
ねーちんかわいい!
ねーちんかっこいい!
投下GJ!
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 13:57:33.64 ID:CrIsZ4kDO
乙!
あれ? いつの間にオレのねーちん見詰める眼差しばれたんた?
824 :>>1 [saga]:2011/06/17(金) 22:22:45.91 ID:wdhWp8w/0
こんばんわ。続きっす。シャキシャキ行こう!
825 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 22:40:16.80 ID:wdhWp8w/0
 ―――とある休日、PM01:00、学園都市第7学区、とある大広間・・・(神裂side)・・・






神裂「ふむ……甘い」ペロペロ


宇治金時味のジェラート。
練乳がちょっと余計な気もするが、やはり日本の甘味は他国に比べて丁寧だな、としみじみ感じる。


固法「英国のお菓子、美味しくないんだっけ?」

神裂「美味しくないというか、雑なんです。とりあえず砂糖大量に使っとけば良いやという発想が多いので」

麦野「でもパティシエの作る菓子とか、真面目な郷土菓子はそうでもないっしょ?」

神裂「勿論そうですが、こういった露店で売っている菓子は……正直、食べたくない」


確実に胃凭れする。
甘味好きなアニェーゼやアンジェレネでさえ、露天モノは控えている程だ。


結標「……ところで、アンタら」チラッ

固法・麦野「「ん?」」

結標「それ、何味よ?」ジー・・・


確かに気になる。麦野さんのジェラートは黒いし、固法さんのは極端に……白い?


麦野「ブルーベリー柘榴黒蜜味」

固法「ホットミルク味」

結標「……ツッコまないわよ」ハァ・・・


ツッコミを入れたら負けらしい。私も黙っておこう。

さておき……先程気になっていた『目』が、何故か減っていた。
遠方の目はそのままだが、近隣の目は薄れている。人数が増えた所為か、それとも別の『何か』があったのだろうか。


神裂(……これも、突っ込んだら負けか)フム・・・


そうだ、今はプライベート。胡散臭い事はなるべく考えないようにしたいのだ。
826 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/17(金) 23:47:25.14 ID:wdhWp8w/0
数分後、4人皆完食。


麦野「さぁて、どーすんの?」

固法「そうね……何処か行きたい場所ある?」

神裂「私は勝手が分からないのでいつも通りお任せを」コクッ・・・

麦野「……火織ー。偶には『○○行ってみたいです』とか『○○が欲しい!』とか無いの?」


と、言われても普段娯楽からかけ離れた生活を送っている故、如何したら良いか……


結標「何の趣味も無いの? 興味とかでも」

神裂「うーん……では……」ポリポリ・・・

固法・麦野「「うんうん」」

神裂「日本刀……鎧も良いですね……あ、染物も興味は……」

固法・麦野・結標「「「……」」」タラー・・・

神裂「探すのは大変ですが陶器も……そうだ! 華やお茶に」

麦野「ストップ」ビシッ!!


……頬を突かないで下さい。


麦野「……ジジィババァか、と」ハァ・・・

神裂「」チーン・・・

固法「え、えっと、歴史好きっていうか純和風というか……そういう類が良いのかな?」

結標「んな施設とかイベント、今街でやってたかしら?」

固法「うーん、探せば有るかもしれないけど……如何だろぅ」アハハ・・・

麦野「だああぁっ!! こうなったら火織がカルチャーショック受けそうな店に連れてってやる!」


何だそりゃ?


麦野「待ってなさい、今すぐ調べるから!」カチカチカチ・・・

結標「ちょっと……あんまり変な場所連れてかないでよ。一応風紀委員様居るんだし」ブーブー!

麦野「逆に考えなさい。美偉が居れば多少の免罪符になるのよ」フンッ

固法「なりません。現行犯でトッ捕まえます」メッ!


あーだこーだ、と次の場所で議論になる。下らないけど、楽しい時間。
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/18(土) 00:28:26.12 ID:S4n/qixZ0
洗濯機売り場とかどうだろうか
828 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/18(土) 01:45:30.63 ID:RHZK3aaw0
そんでもって結局……


麦野「折角だし冬服を……」ウンタラカンタラ・・・

結標「いや、ホームセンターで街の技術を……」アーダコーダ・・・

固法「普通にゲーセンとかで……」カクカクシカジガ・・・


決まらない。


神裂「えっと……全部入ってる様な場所は無いのでしょうか?」アハハ・・・

固法「あ、そ、そうね……地下街とかでも良いかも」

麦野「駄目よ。アソコは庶民モノしかないもの!」

結標「ふんっ、ブルジョアめ。普通これ至高。何でもかんでも高けりゃ良いって訳じゃないわ」ケッ!

麦野「アンタはケチなだけでしょ! 火織金持ちなんだから良いのよ」フンッ!

固法「あー、こらこら。じゃあ色々周ってみれば良いでしょ。喧嘩しないの」


始めっからそうすれば良かったですね。
そんな事を考え苦笑していた刹那……はたまた不穏な匂い。


神裂「……ん」ピクッ・・・


しかし、先とは違い殺気立ってない。これはドチラかというと、莫迦の匂いだ。


麦野「ぁ……チッ。んどくせー」チラッ・・・

固法「え……」チラッ・・・

結標「馬鹿丸出しがゾロゾロ来たってか」ハァ・・・

神裂「……これは?」


7,8人の男性が近づいて来る。


麦野「火織、相手しちゃダメだかんね……美偉、行くわよ。アンタも律義に対応しちゃダメ」スッ・・・

固法「分かってる」コクッ・・・

神裂「えっと……」ポカーン・・・

結標「未だに把握できてない訳ね……要はナンパよ。盛った猿共が寄って来たの」フンッ

麦野「見た目はチャラついてない普通の大学生っぽいけど……そういう手合いは女なら誰でも良いってタイプの連中ね。カスよカス」

固法「あはは……とりあえず、行こ」ニコッ・・・


言われるがままに立ち上がる。今は固法さん達に従って歩く事にしよう。
829 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/18(土) 02:01:46.71 ID:RHZK3aaw0
だがしかし……


神裂「あのー……彼ら、連いてきてませんか?」クイッ・・・

麦野「性質悪ぃなぁ、オイ……」ケッ・・・

固法「やっぱり丁重に対応した方が」ウーン・・・

結標「無駄よ。馬鹿だから話しかけられた瞬間、『あ、その気有るんだ!』とか超解釈するって。ああいう阿呆は」


よく知っているな。


結標「……アンタ、ナンパあった事ないの?」

神裂「え、あ、えっと……」ウーン・・・

麦野「無駄よ。その子、ナンパをナンパと思わないタイプだから」

神裂「うーん……要は食事やお茶に誘われたり、とかでしょうか?」

結標「なんだ。分かってんじゃない」


成程。騎士団長殿は私をナンパしているのか。


麦野「まぁナンパする男の頭の中は殆ど『この女、股開いてくんねぇかなぁ』って考えで占められてっけどね」ククク・・・

神裂「は……ええぇ!!?」ギョッ・・・///

固法「む、麦野さん……ええっとね、神裂さん。勘違いしちゃいけないわよ。純粋に一目惚れで声掛けましたってのもあるからさ」アハハ・・・

結標「今時そんな度胸有る男いないわよ。大抵は数撃って『当てよう』でしょ?」イヒヒ・・・

固法「神裂さんに変な知識与えないの!」モゥ!!


まぁその……参考程度にはさせて頂きます。


固法「まったく……兎に角、三人共、頭に来たからって手出しちゃダメよ」チラッ・・・

神裂「分かってますよ。荒々しい真似をするつもりは毛頭ありませんから」

麦野・結標「「……レッツパァリィー」」ニヤッ・・・

固法「パーティー禁止!」ギロッ!

麦野・結標「「えー」」ブーブー


一般人相手に何するつもりなんだ、この人達は。
830 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/18(土) 02:32:46.54 ID:RHZK3aaw0
さておき、気付いたら地下街の方まで来ていた。
残念ながら男性集団も一定の距離でついて来ている。如何したものか。


結標「ねぇ……アンタ脅しで一発デッカいのブっ放せばアイツら帰るんじゃないの?」チラッ・・・

麦野「嫌よ。それじゃあ正当防衛にならないじゃない。ヤるなら後出し。これ喧嘩の常識」

固法「そこ、物騒な事言わない……とりあえず何処か御店にでも入れば帰るかもしれないし」

麦野「それこそ袋小路よ。何かと訳付けて迫って来るわ」ジトー・・・

固法「んー……じゃあやっぱり風紀委員の腕章見せて帰って貰おうかしら」

結標「持ってきてんの? ならさっさと付けなさいよ。腕章(虫除け)」

固法「虫除け言わないで……って、アレ?」ゴソゴソ・・・


……忘れたのか。


固法「……支部に置きっ放し」タラー・・・

結標「つかえないわー」ハァ・・・

神裂「まぁまぁ……」アハハ・・・

麦野「んな事言ってる間に……一人来たわよ」ボソッ・・・


厄介な事に代表らしい爽やかな青年が近づいてきた。


青年A「あのー、少し良いですか?」ニコッ

結標(うわぁ、海原みたいでキモい……)ゾゾゾ・・・

麦野「火織は喋っちゃダメよ……はい、何でしょうか?」ニコッ

神裂・結標((うわぁ、別人になった……))タラー・・・


大英博物館の受付嬢の様な満面の笑み。これは凄い。


青年A「俺、都市医大の1年なんだけど。あ、後ろの連中も同級生とか先輩ね」ニコニコッ

麦野「そうですか。それで何か御用でしょうか? ちょっと急いでいるのですが」フフフ

結標(あからさまに学力アピール……カス中のカスだ。だけどこの肩書きで釣られる女もいるのよねぇ)ジトー・・・

神裂(そういうモノなのですか?)

結標(アンタはきっと分かんないわよ。今までずっと一番『偉い席』座ってたんでしょ?)


香焼から聞いたのだろうか……まぁ天草については言及してないので良しとしよう。


青年A「あれ? 見たところ暇そうだったんだけど、忙しかったの?」

麦野「ええ、今から友人『男性』と待ち合わせで……ね」ニコッ

固法「はい、貴方ぐらいの御年の理事会立大の先輩と。ごめんなさいね」ニコッ

青年A「……あ、そっか」アハハ・・・

結標(牛乳女もやるわね。アイツらより高いレベルの『人形』作るとは)ヘェ・・・


よく分からないが高度な駆け引きとやらが展開されているらしい。
そういえば偶に建宮や牛深があの手の話し方を宮殿の給仕係の娘にしているのを見た事があるが……気の所為か?
831 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/18(土) 03:11:04.88 ID:RHZK3aaw0
それから麦野さんが二言三言何かを告げ、青年はトボトボと踵を翻し、元の集団の中へ戻って行った。
流石というか何というか……団長殿相手に毎度手こずっている私も見習いたいものだ。


麦野「ああいうのはまるで興味が無い、って態度見せれば良いのよ。所詮赤の他人何だし」

神裂「ふむ……他人で無い場合は如何すれば良いのでしょう?」

麦野「何? 知り合いでもいるの?」

神裂「あ、いえ、英国の方で何度もアプローチを掛けてくる方がいるので……あはは」ポリポリ・・・

結標「それアンタにマジ惚れなんじゃないの?」ハハハ


如何なのやら……噂ではキャーリサ様と、とか耳にした事もあるのだが実際は知りません。


固法「ふふっ、神裂さんの場合はキチンと心に決めた人がいますって言えば良いのよ」ニコッ

神裂「そ、それは、その……えっと……」カアアァ///

麦野「相変わらず奥手なのねぇ」ニシシ!

結標「え! 何、誰々? 知ってる人なの?」キャー!


急に女子力全開の雰囲気になった。道の真ん中で勘弁してくれ。
そんなこんなでキャッキャウフフしてる最中……今度は先の集団全員が此方に向かってきた。


麦野「うわぁ……数で来やがった。丸め込むつもりかよ」ゲェ・・・

結標「面倒ね。風紀委員、何とか出来ないの? あの人数なら同僚か警備員呼べるんじゃない?」チラッ・・・

固法「うーん、こんな下らない事で呼びたくないし……それに勝手にしろって言って真に受けてくれないわよ」

神裂「ふむ。では固法さんの彼氏さんとやらに助けを請うてみては?」

固法「ダメ」キッパリ!


何故即答?


固法「……仕事中だもん」タラー・・・

麦野「ホントはアイツらに手ぇ出されるのが怖いのよねー」ニヤッ・・・

結標「あはは。駒場利徳亡き後、今現在最強の喧嘩屋(無能力者)だもんねー」ニヤッ・・・

固法「大袈裟よ……最強でも無いし、喧嘩屋でもないから……兎に角先輩呼ぶのはダメ」モゥ・・・

麦野「ちぇっ。呼べば即解決なのに」フフッ


確かフリーターの彼氏さんだったな。
麦野さん曰く『蜘蛛男と蝙蝠男を足して二で割った様な元不良』らしい。よく分からん。


青年B「あのー、何度もごめんね?」ニコッ


今度は先の男とは雰囲気が違う……女衒師(ホスト)風な青年が話しかけてきた。
832 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/18(土) 03:49:17.82 ID:RHZK3aaw0
麦野「……まだ何か?」

青年B「ざっくり聞いちゃうけど、その友達と何時くらいまで遊んでる?」

麦野「はい?」

青年B「だからね、君ら何時くらいから暇になるのかなぁって」ニコッ・・・


今度は随分と強引な人だ。


麦野「……特に決まって無いですけど、各々下校時刻までには帰路に着きますよ」

青年B「あ、そっから暇なのね? じゃあ丁度良いじゃん。そっから遊ぼうよ」

固法「……すいません、寮生なので門限が」

青年C「大丈夫だって。寮の友達に誤魔化しといてもらいなよ」ニコッ


周りの男子も口を出すようになってきた。何だか怖い……


麦野・結標「「……」」ニコニコ・・・


……この二人が。


麦野「言っときますけど、その子風紀委員ですよ?」ニコッ・・・

青年B「え、マジで……」タラー・・・

青年A「……証拠は?」

固法「え……と、支部に問い合わせて貰えれば……」タラー・・・

青年B「……ふーん」ニコッ


信じてない様だ。


青年B「えっとさ、ぶっちゃけ僕らの事面倒とかウザいって思ってるかもしれないけど」

結標「あら、分かってるじゃない?」ニコッ・・・

神裂「む、結標さん……」タラー・・・

青年B「あはは、正直で可愛いじゃんか。あのね……オレらも訳有ってさぁ、女の子集めないと拙いんだよ」ポリポリ・・・

麦野「……何ですか、それ。私達に関係あるんでしょうか?」

青年C「まぁまぁ、話だけでも聞いてよ」ニコッ


彼ら……こういうやりとりに手慣れてるといった類か。
833 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/18(土) 05:06:04.04 ID:RHZK3aaw0
それから暫く彼らの熱弁、という名のナンパ節を聞かされる羽目となった。
勿論何を言ってたかなんてこれっぽっちも頭に残ってはいない。


結標(……好い加減、相手すんの止めない?)ハァ・・・

麦野(同感よ……適当にあしらって下降りましょうか)スッ・・・


麦野さんが私と固法さんの背中を軽く押し、一言告げた。


麦野「時間なので」ニコッ・・・

結標「……アンタら、行くわよ」テクテク・・・

神裂「え、あ、はぁ……」コクッ・・・

青年A「ちょ、話くらい最後まで聞いてよ」スッ・・・


此方に向かって手を伸ばす青年。後ろに居た固法さんの腕を掴んだ。


固法「しつこいです。他を当たって下さいね……あ、それも迷惑か」ハァ・・・

青年B「じゃあさ、連絡先だけでも」

麦野「……嫌だ、って言ってるのが分からないかしら?」ギロッ・・・


あ、ヤバい。


青年C「君……あんま大人の男の人にそういう口聞いちゃいけないよ?」ニコッ・・・

麦野「恐喝? ……美偉、これって現行犯じゃないの?」

固法「出来るけど、穏便にすませましょう」アハハ・・・

青年B「まだ風紀委員ごっこしてるのかな? あ、じゃあアレだ。仕方ないけど、僕の連絡先教えちゃおう」スッ・・・


徐に携帯電話を取り出し、赤外線云々言ってる。誰も望んでないというのが分からないのか。


結標「放っておきなさい……行くわよ」グイッ・・・

固法「ええ」テクテク・・・

青年A「あれー、連絡先はー?」

麦野「アンタらもこれ以上しつこいと警備員を……って、オイ」ジトー・・・


何とも御丁寧に……地下道の前に壁を作ってらっしゃる。まったく呆れる手前だ。
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/18(土) 09:27:09.30 ID:h911BNi90
寝落ちか?
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 10:38:06.57 ID:33O2iSTDO
>>834
寝落ちかな……

はたまた、ナンパ野郎共への攻撃に巻き込まれたか……
>>1、無茶しやがって……
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 11:03:54.99 ID:9A9aTxpDO
………終わったな、このナンパ共
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 13:05:32.07 ID:c+py3uhDO
寝落ちということは‥‥次回は安価祭だにゃ!
838 :>>1 [saga]:2011/06/19(日) 22:07:34.55 ID:CC4ZJLaU0
・・・・・('・ω|| チラッ・・・




・・・・・('|| ゴソゴソ・・・




・・・・・(';ω;|| つミ【投下!】
839 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/19(日) 22:24:08.78 ID:CC4ZJLaU0
 ―――とある休日、PM01:40、学園都市第7学区、地下街入り口付近・・・(神裂side)・・・






前回のあらすじ。
ナンパ集団に絡まれて麦野さんと結標さん、ブチ切れ寸前。私と固法さん、冷や汗。


固法「……神裂さん、意外と冷静なのね」アハハ・・・

神裂「いやぁ、何と言いますか……こういうのもこの街ならではの体験で面白そうかなぁと」アハハ

固法「神経図太いわ」ハァ・・・


未だに危機的状況が続いている。まぁ危険なのは主に彼らの方なのだが……我々が万に一つでも負ける事は無いだろう。


青年B「ねねね、連絡先教えてくれるだけで良いんだって。簡単っしょ?」ニコッ

麦野「……クドい」イライラ・・・

結標「……ねぇもうブっ飛ばしちゃダメ?」チラッ・・・

固法「風紀委員(私)が居る前でよくそんな事言えるわね」ッタク・・・

結標「だってー」ブーブー・・・

固法「結標さん、貴女仮にも保護観察の身よ。忘れたのかしら? そんなに月詠先生泣かせたい?」ジー・・・

結標「うっ……わ、分かったわよ」ハァ・・・


そういえば結標さん、宜しくない過去(前科)持ちだと香焼が呟いてた。


麦野「私はんなモン関係無ぇから、おk?」ニヤッ・・・

固法「麦野さん、貴女は能力使っただけで身元ばれるでしょ……有名人さん」ジトー・・・

麦野「……えっと」チラッ・・・

固法「……」ジー・・・シュン・・・

麦野「あー、もう! そんな目すんな! じゃあ如何しろってのよ! 美偉がコイツら蹴散らしてくれるのね!?」ガーガー!

固法「兎に角暴力はダメです」メッ!


右に同じだ。
争いから何も生まれないなんて綺麗事は言わないが、下らない争いからは厄介事が生まれるモノです。

さておき……此方が内輪で揉めている最中、彼らの数名が不穏な事を口走り出した。
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 22:26:26.19 ID:6PAbePFDO
寝落ちが起キター!! C!
841 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/19(日) 22:54:57.73 ID:CC4ZJLaU0
青年D「……さっさと……っちまった方が良くね?」ボソボソ・・・

青年E「だよな……も遠回りに……どうせ売っちま……な」ボソボソ・・・

青年F「てか諦めても……もっと簡単な女(商品)を……」ボソボソ・・・


……ふむ。軟弱者の類かと思っていたが、鬼畜の化生だったか。


神裂「……皆さん」チラッ・・・

固法「え?」

神裂「行きましょう。あーだこーだ、考えるのは無駄です」クルッ・・・

麦野「ちょ、火織?!」ドキッ・・・


壁になっている青年達に向かって歩き出す。


青年D「あ、ちょ、まだ話は……ッ!!?」グイッ・・・

一同『っ!!?』ギョッ・・・

神裂「……退け」ボソッ・・・

青年DEF「「「ぃ……」」」タラー・・・


内緒話をする時は本人らが居ない所でしろ、下郎。
このまま張り倒してやってもいいが……彼女達の手前、成るべく穏便に済ませたい。


青年A「え、待、連絡先だけでも……」タラー・・・

結標「……お姉さんに続きくとしましょうか?」ニコッ・・・

麦野「そーね。美偉、行きましょ」クスッ・・・

固法「あ、えっと、うん……」タラー・・・

青年B「……チッ」


三人も私の後に続いてきた。これで漸く……


青年A「せ、先輩……どうします? 上玉逃がしちゃいますよ?」タラー・・・

青年B「……あんまり男、嘗めんなよ?」ギロッ・・・

青年C「でも場所悪いからなぁ……」

青年B「G……オマエ、精神感化の能力だったろ? ちょっと……」ボソボソ・・・

青年G「……うっす」コクッ・・・


やれやれ。面倒な輩。


麦野・結標「「ッ……正当防衛クルー!!」」ヤッター!!

固法「や、止めなさい!!」モー!


……こっちも面倒です。
842 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/19(日) 23:39:46.81 ID:CC4ZJLaU0
そして、青年の一人が此方に歩み寄り、狂気万全二人の琴線に触れようとした……刹那。


??「止まりなさい!」ガッ!


凛々しい女性の声。一同制止する。


??「失礼……知り合いが絡まれていたモノですから介入させて頂きました」

青年A「へ……ちょ、人多っ!?」ギョッ!!


不思議な恰好をした女性を筆頭に強面の男女達がぞろぞろと此方に向ってくる。


結標「げっ、ヤバっ……」タラー・・・

麦野「何よ、アンタの知り合い?」チラッ・・・

結標「……悪い意味で知り合い。てか私が恨みの対象」ボソッ・・・

神裂「はい?」エ・・・

結標「さっき言ったでしょ……此処ら一帯を取り締まってる最大勢力よ」


という事は……


固法「あはは、郭ちゃん」タラー・・・

郭「姉貴さん、こんな連中相手に何やってるんですか? 風紀委員なんだからちゃっちゃと片付けて下さいよ」

固法「えっと、腕章忘れちゃって」ポリポリ・・・

郭「呆れた……そういう時は私達や兄貴さんに連絡して下さいよ」モゥ・・・


武装無能力者集団(スキルアウト)。見た所、武装とよばれる類の危なっかしいモノは持ってない様に思えるが。
というか……スキルアウトは反社会的行動を行う集団なのでは?


郭「さておき……貴方方?」ニコッ・・・

青年B「あ? 何だテメェ?」ギロッ・・・

郭「申し訳ありませんが御同行を願えますか? 少しお聞きしたい事がありますので」ジトー・・・

青年A「……風紀委員か何かでしょうか? 別に僕達は彼女達をお茶に誘っていただけですよ?」サラッ・・・

郭「いえいえ、まぁその件に関してもなのですが……話は『裏』で詳しく、ね」チラッ・・・

スキルアウツ『……』コクッ・・・ゾロゾロ・・・


青年達一人に対し3人掛りで捉え込むスキルアウトさん方。
統率の取れた動きだ。あの少女、良い指揮官なのだろう。


麦野「何訳分かんない事考えてんのよ……あーあー、獲物取られたー」ブーブー!

結標「消化不良よー」ブーブー!


……戦闘狂は碌な死に方しませんって。性格直しなさい。
843 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 00:59:28.58 ID:kbkY0yaz0
青年C「オイ……何のつもりだ? 意味分からねぇぞ?」

青年D「なぁコレ風紀委員呼んでも良いんじゃね……別に俺ら悪い事してた訳じゃねぇし」

郭「喧しい……連れて行きなさい」ギロッ・・・

スキルアウツ『はい』コクッ・・・


二人が両脇を固め、一人が背後から……『鋭いモノ』を押し当ててる様だ。


郭「動かないで下さいよ。私達も公道で野暮な事はしたくないですからね」ニコッ・・・

麦野「ふーん……一応、頭は回るのね」ジー・・・

青年A「ふ、ふざけないで下さい! 警備員か風紀委員を呼びますよ!」

郭「……呼ばれて困るのは、貴方方では?」

青年s『っ!!?』ドキッ・・・


……やはりタダの大学生ではないのか。


郭「半蔵様の領地(縄張り)で人攫いなどアコギな真似を……我々が警備員から疑われてしまったでは無いですか」ジトー・・・ボソッ・・・

青年B「な……そ、れ……」

固法「え、郭ちゃん? 何て言ったの?」キョトン・・・

郭「あ」ヤベッ・・・


仕方ない……不穏な話だが、空気を読んであげよう。


神裂「固法さーん……少し耳を」スッ・・・

固法「へ??」ポカーン・・・

結標「耳覆って……うわー。汚いモノ見せない気だー。まぁ正義の風紀委員さんだものね」ハハハ

麦野「仕方ないでしょ……美偉はコッチ側の話聞かせられないの」チラッ・・・

郭「あはは……感謝します」ポリポリ・・・


いえいえ、どうぞ続けて。


郭「では……加えて『狩り』への加担者という疑いがあるのでね、色々『お話』聞かせて頂きましょう……行け」ニコッ・・・

青年C「こ、こんな非合法行為! 風紀委員や警備員でもないのに馬鹿な事を!!」ギロッ・・・

郭「……非合法?」


瞬間、少女は大笑い。


郭「手前ら相手に合法非合法などあるか……私達はスキルアウト(シノギ)だぞ? 黙って歩け。でなければ今此処で血を見るぞ?」ガシッ・・・

青年s『っ』ゾッ・・・


成程。スキルアウトとはヤクザなのか。
844 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 01:15:43.80 ID:kbkY0yaz0
結標「いやいや、チンピラよ」タラー・・・

麦野「または消耗品ね」ニコッ・・・


此の二人はまたそういう事を……

暫くして、青年達とスキルアウトさん達は路地裏の方へ歩いていった。
残ったのは数名の若いスキルアウトさんと指揮を取っていた少女。


固法「神裂さーん! 離してよー」ムゥ・・・

神裂「あ、はい。失礼を」アハハ・・・

固法「まったく……郭ちゃん、ちょっと来なさい」ジー・・・

郭「え、あ、はははは……何ですかー」タラー・・・

固法「さっきのは一体何ですか? 荒っぽい事するんじゃないでしょうね?」ジトー・・・

郭「ええっと……」ポリポリ・・・チラッ・・・


いや、此方に助けを求められても……


麦野「……私の姐さんに良くも馬鹿な真似をしてくれたな、こん畜生! ってな感じだったわ」ニコッ・・・

郭「うぇっ!? う、うーん……まぁそんな感じです」アハハ・・・

固法「ダメでしょ。そんなに私ひ弱じゃないんだから、あんな数の暴力みたいな事しなくていいの」メッ!

郭「し、しかしですね……半蔵様の縄張り(シマ)で姐さんが傷モノにでもなったら、私達全員兄貴さんに鏖にされますから」タラー・・・


皆殺しって、物騒ですね……


麦野「まぁ黒妻くんなら、美偉に怪我させたヤツら全員、老若男女人畜関係無く血祭りに上げるわね」ニコッ

結標「ありえるわ」ニコッ

固法「そんな事有り得ません! 兎に角、あの人達の事キチンと解放するのよ? じゃなきゃしょっ引くからね」ハァ・・・

郭「あはは……分かりましたよぅ」ポリポリ・・・


指揮官の少女をタジタジにさせる固法さん。シノギ相手に……貴女は何者ですか?


固法「えっと、うーん……彼女も私のお友達なの」アハハ・・・

郭「友達って……こほんっ。改めまして、先程はありがとうございました。私、こういうものです」ニコッ


名刺を渡された。この歳で名刺って、この子も一体?
845 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 01:36:40.08 ID:kbkY0yaz0
神裂「……えっと『第7学区非公式自警団:(以下略)――』ですか?」

郭「ええ。私は代表秘書の郭という者です。以後、お見知りおきを」ニコッ


今時珍しい『本格』ヤクザの肩書き風だ。
成程、スキルアウトという名目を『自警団』という言葉で上手に誤魔化している。お見事だ。


麦野「美偉とは……まぁどうせ黒妻くん繋がりってか」ハハハ

郭「ええ。兄貴さんは我が代表の兄弟分でもあるので、懇意にさせて貰っているのですよ」ニコッ

結標「やっぱあのワカメ怖いわ。アンタ、風紀委員なのに極妻って訳なのね」ニヤッ・・・

固法「ま、まだ妻とか違うし! あと極道でもありません!」アタフタ・・・///


ワカメは否定しないらしい。


郭「何を言いますか! 兄貴さんには何れ無能力者(弱者)の象徴(代表)としてこの街のトップに立って貰わねばいけません!」ニカッ!

結標「何か危ない事言いだしたわよ。コイツ、革命家さん?」

麦野「てか美偉ならまだしも馬鹿(中卒)の黒妻くんじゃトップ無理でしょ?」

神裂「え、えっと……人間頑張れば多少の無理は可能ですよ。革命は民の意志ですし……頑張れ?」


正直、何の話をしているのか分かりません。


固法「適当言わないの! 先輩はフツーに就職してフツーに暮らすんです!」モー!

結標「……普通は無理ね」サラッ・・・

麦野「普通は無いわ」キッパリ・・・

郭「兄貴さんに普通など有り得ません」ビシッ!

神裂「普通は無いのですか?」ポカーン・・・

固法「……ハァ」グデェ・・・


とりあえず、固法さんが黒妻さんとラブラブ(?)だという事は分かった。


固法「どうしてそうなるのょ……」ッタク・・・///

麦野「火織、案外都合の良い頭してんのね」アハハ

結標「超解釈ね。まぁ間違ってはなさそうだけど」アハハ

郭「後ニ三年もすれば第1子が生まれるでしょう。待ち遠しいですね」ハハハ

固法「〜〜〜っっ! もう知らない!」プイッ!!


あーあー、先行っちゃった。追い駆けないと。
846 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 02:12:56.16 ID:kbkY0yaz0
顔を真っ赤にし、無言で先へと進む固法さん。
私達がその後を追おうとした刹那……


郭「……御待ちを」


重々しい声で郭さんに声を掛けられた。


郭「……結標、淡希」ジー・・・

結標「……」フンッ・・・

麦野「……長くなるならコイツだけ置いてくけど」チラッ・・・

神裂「む、麦野さん、そういう訳には……」タラー・・・

結標「……遺恨云々ならまた今度にしてくれる? 喧嘩なら買うから」サラッ・・・


態々そんな誘い買い言葉を投げなくても……


郭「いえ……駒場の兄さんについて、復讐など考えるなと代表から言われているので」

結標「じゃあ何よ?」

郭「貴女方はシノでしょう……信じても宜しいのですか? 超能力者さん」

麦野「はぁ?」ジトー・・・

結標「あらら……『有名人』は辛いわね。どっちの意味でも」ニシシ!

麦野「うっせぇ。雑誌のは超能力者特集とかで勝手に書かれてんのよ。んなモン全部糞餓鬼(超電磁砲)に回しとけっつの」ケッ!

結標「あはは。学園都市(能力開発)の偶像看板・崇拝対象(アイドル)って事かしらー」クスクス・・・

郭「……」チラッ・・・


私を見上げる少女。


神裂「私達は……『白』とか『黒』とか、そういう関係ではありませんから。無論、害からは守りますしご安心ください」ニコッ


純粋な、友情だ。


麦野・結標「「うわぁ、臭っ!」」///

神裂「え、ええぇっ!!?」ギョッ・・・

麦野「コッチが恥ずかしくなるっつの……止めて。マジ素面でそういうの勘弁」カアアァ///

結標「流石、香焼くんのお姉さん……超甘ー。ダダ甘ー」タラー・・・///


私はあの子ほど甘くは有りません!
847 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 02:29:18.94 ID:kbkY0yaz0
郭「……ふふっ。りょーかいです。信じましょう」ニコッ

麦野「別にアンタに信じて貰う必要なんか無いわよ」フンッ

結標「何それ、ツンデレってやつ?」ニヤッ・・・

麦野「黙ってろ、その腹立つ童顔ブッ飛ばすわよ?」ジトー・・・

結標「おー怖い怖い」ニシシ!


まったく、この二人はぶれないですね。


郭「こほんっ……引き留めてしまってすいませんでした。どうぞ、姐さんを宜しく。では」ニコッ・・・スタスタスタ・・・


路地裏の方へ消えて行く郭さん。先の連中と『話』をしに行ったのだろう。


神裂「しかし……愛されてますね、固法さんは」クスッ

麦野・結標「「は?」」ポカーン・・・


裏とか表とか関係無く、好かれる。いや、寧ろ彼女と共にいる時間は……裏など無くなる。


麦野「……さぁね」テクテク・・・

神裂「少なくとも仕事だったり立場だったり、面倒事を忘れられます」ニコッ・・・

麦野「……それがプライベートでしょ。良いからさっさと追い駆けるわよ。きっとヘソ曲げてるわ」ッタク・・・


どうも麦野さんは素直になれない様だ。まぁそこが可愛いのだが。


結標「分かってたけど、やっぱアンタも変なヤツね」クスッ

神裂「変、ですか?」ムゥ・・・

結標「持論だけど……日蔭者は光源に寄って行きたいのよ」

神裂「それは……自らを二度と日陰から出られないと決め込んで」

結標「甘ちゃんに同じ事言われたわ……で、まぁあの女は丁度良いのよ。光源としてはね」ニコッ・・・

神裂「……如何いう意味で?」

結標「毒が無い」サラッ・・・


毒?
848 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 02:56:48.78 ID:kbkY0yaz0
結標「知らない? 強過ぎる光や日向は、日蔭者には『毒』なのよ」

神裂「……」

結標「アンタ、中庸そうだから分かんないか。そこのレーザー女は真っ黒だから分かるんじゃないかな?」クスッ

麦野「……うっせぇ」


私が、中庸か。


結標「あの女は求めたりしない。ただ自然体でアンタらと付き合いたいだけ」

神裂「それは当り前では?」

結標「その当たり前がソイツみたいなのには難しいのよ。まぁ他人事に言うけど、私もね」

麦野「けっ……美偉は裏の顔を知らないから丁度良いのよ。知ったら話は別でしょ」

結標「でもアイツ、暗部の存在は知ってるわ。仮にも元スキルアウトだものね」

麦野「下請け? でも黒妻くんは上からの下請け断ってきたって言ってたわよ」

結標「断るって事は、それを注文した連中が居るってことでしょ……黒妻綿流がそれについて教えてないとでも?」

麦野「……さぁ」


スキルアウトは暗部の下請け。そういえば建宮のレポートにそんな事書いてあったっけ。


結標「とりあえず、固法美偉は裏を知ってるけど私達自身が裏だとは知らない……あ、ソッチは裏か如何かは微妙ね」

神裂「……私は裏とか表とか、そんな莫迦げた比喩対象であるつもりはありませんから」

結標「潔癖症ね。ま、兎角あの女はアンタらが勝手に惚れてるだけだから丁度良いのよ。深い詮索されてないみたいだし」

麦野「普通なんでしょ。ただちょっと珍しいタイプの普通なの。それだけ。はい、この話終わり! さっさと見つけるわよ!」ッタク・・・

結標「やれやれ……プライベートは完璧割り切ってる訳か。野暮ったい話は禁止と」フフッ

麦野「分かってんなら口を閉じろ。出来ねぇならそのお喋りなお口、溶接してやっか?」

結標「わー、勘弁」クスクス・・・

神裂「やれやれ、もっと女性らしく御淑やかにできないのですか? 貴女達はさっきからずっと―――」



結標「あ、そうそう……香焼くんは『毒』持ち。私達をダメにする。愚想を見るわ、あの子と居るとね」ボソッ・・・



神裂「―――ッ!!」ギロッ・・・

結標「……さーってと。ビーム女郎。牛乳女に電話掛けちゃいなさいよ。泣きベソ掻いてるわよー」アハハ

麦野「分かってるっつの……多分自棄呑みしてるわ、牛乳を」ハハハ

結標「そんじゃ目指すはコンビニかスーパーね」クスクス・・・

神裂「……」ジー・・・

麦野「ちょっと火織。手分けして探すわよー」オーイ!

神裂「……はい」テクテク・・・


結標さん……ステイルと同じ事を言わないで欲しい。あの子はあの子なりの正義がある。
それに、表へ戻る事を『愚想』と呼んでいる限り貴女は永遠に香焼の『救い』の対象となる。嫌が応にも……逃げられませんよ―――
849 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 02:59:11.19 ID:kbkY0yaz0
はい、一応今日は此処まで。次回から安価する。(多分)

今日は『おまけっ!』を少々添えて終わりにします。
850 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 03:21:58.75 ID:kbkY0yaz0
  <おまけっ!>

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ……一方その頃、とある公園(イカれ自販機在中)……






香焼「くしゅんっ」ブルッ・・・

佐天「あれ? どったの? 寒い?」チラッ・・・

香焼「うーん、分かんないけど……(誰か噂でもしてるのかな?)」ポリポリ・・・

春上「佐天さーん、香焼くーん。見てほしいの。最愛ちゃん凄いの!」オーイ!

佐天「はいはい、何々?」ニコッ


絹旗「……にゃー!」ビシッ!

猫s『うにゃーん!』ガシッ・・・


香焼「……何、それ?」タラー・・・

絹旗「超猫装甲(にゃんこアーマー)」ビシッ!

佐天「猫が体中にしがみ付いてる……何か着ぐるみ着てるみたい」アハハ

香焼「緑にしたらギ●ースーツ……いや、何でもいいや」アハハ・・・

春上「最愛ちゃん、完璧なの! ぬこぬこし過ぎて誰も攻撃できないの!」b"!

絹旗「ぬこぬこ……それは最強なんですか?!」オオ!

佐天「ふふっ。まぁ確かに猫さん達を盾に取られちゃ攻撃しづらいね」クスッ

絹旗「むぅ……じゃあダメです。この子達を盾には出来ません」ナデナデ・・・

猫s『にゃーん』グシグシ・・・

香焼「じゃあ何の為の装甲なのさ」ジー・・・

春上「メルヘンなの!」ニコッ

絹旗「うむ。超メルヘンなんです!」ニコッ

香焼「あーはいはい。(頭)メルヘンだねー」ハハハ・・・

もあい「なー」コクンッ
851 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 03:53:39.93 ID:kbkY0yaz0
春上「何だか思ったよりもウケが悪かったの……最愛ちゃん! 今度はもっとインパクトを出すの!」ニヤリ・・・

絹旗「インパクトですか。何か恰好良いですね!」wktk!

香焼「いや、十分衝撃的だったっすよ」アハハ・・・

絹旗「それじゃあ次は超衝撃的なのをお見せします! 待ってて下さい!」スタスタ・・・

春上「最愛ちゃん、私も一緒に考えるの! きっと香焼くんをギャフンと言わせてあげるの!」フンヌッ!


佐天「あはは、行っちゃった」クスッ

香焼「やれやれ……まぁ二人が楽しそうだから良いんだけどさ」クスッ

佐天「最愛ちゃん、なんか幼児退行してない? 春上さんに感化され過ぎちゃったかな」クスッ

香焼「うーん……幼児退行っていうか、多分、小さい頃にああいう子供遊びしてこなかったんだと思う」

佐天「……だから今、ああいう遊びが楽しくてたまらないの?」

香焼「それもだけど、春上さんや佐天さんが仲良くしてくれてるのも大きいよ。純粋に楽しんでるから、子供っぽくなってる」ニコッ

佐天「それを言ったら香焼くんの御蔭じゃないかな?」

香焼「あはは。いやいや、最愛は自分だけだと変に大人ぶろうとするから。『私は超レディなんです!』だってよ」クスッ

佐天「……ニブチン」ボソッ・・・

香焼「へ?」キョトン・・・

佐天「何でも無い! ただそのままだと一生良い『お兄さん』役で終わるぞー」ピンッ!

香焼「はい?」イタッ・・・

佐天「自分で考えなさい。お姉さんは癪だから何も教えませーん」フフッ

香焼「むぅ……お姉さんって、同い年っすよ」ジトー・・・

佐天「私と身長差10p近くあるけどー」ニシシ! ポンポンッ!

香焼「ぐぅ……馬鹿にして……まだ男女の成長期の差っす! 直ぐに追い越すってば」グヌヌ・・・

佐天「ハハハ! 良かろう良かろう。香焼くんが私の身長を追い越した時は何でも言う事聞いて上げます」アッハッハッ!

香焼「佐天さん、保健体育苦手っすか? その台詞……3,4年後でも忘れないでよ……」フフフ・・・

佐天「え?」ポカーン・・・


絹旗「香焼ー。涙子ー。出来ましたー!」オーイ!

佐天「あ、はいはい。何、を……え?」タラー・・・

春上「あわわぁ……歩き辛いの」グラグラ・・・

猫s『うにゃー』グラグラ・・・

絹旗「超猫装甲Mk−2です。兜(もあい)と尻尾(またたび)を増やしました!」ドヤッ!!

香焼「……根本的に何も変わってないし、春上さんに装着させた理由も分からないよ」タラー・・・

絹旗「超々インパクトです!」ニコッ!

佐天「最早インパクトしかないね」アハハ・・・
852 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 04:20:06.55 ID:kbkY0yaz0

 にゃーん・・・・・



絹旗「よーし、オマエ達。今日は奮発してモンポチですよ!」カパッ・・・

猫s『みゃー!』ワシャワシャ!


春上「缶詰いっぱいなの……最愛ちゃん、アレ買ってきたの?」

香焼「……自分が買ったっす。最愛に一人で買い物させるの不安だから」アハハ・・・

佐天「あー、極度の人見知りだっけ? 人混みもパニくるの?」

香焼「必要最低限の買い物は出来るみたいだけど……基本通販みたいだから」

春上「でも映画が好きだって聞いたの。一人で行けるの?」

香焼「映画ってか、B級以下の……何でも無い。基本レンタルダウンロード。どうしてもシネマで観たい時は同僚連れて行くって」

佐天「成程ー。極力ひきこもりな生活を……ってダメじゃん!」ビシッ!

香焼「だからこうして偶に外連れ出してんすよ」クスッ

春上「うん。きちんとお日様の光を浴びなきゃダメなの。日向ぼっこは大事なの!」ニコッ

香焼「お日様……日向……うん、そうだよね」ピクッ・・・ニコッ・・・

絹旗「……香焼」テクテク・・・

香焼「あ、うん、何? 如何したの?」ニコッ

絹旗「まーらいおんがモンポチ食べようとしないんです。如何したんでしょうか……」ムゥ・・・

香焼「あー、多分缶詰タイプが苦手なんじゃないかな? いつものフレークタイプは持ってきてる?」

絹旗「一応」コクッ・・・

香焼「そっち出してあげなよ。あと水も新しいの汲んできてあげようよ」ニコッ

絹旗「はい、そうします」ニコッ

もあい「なーぅ」モグモグ・・・

佐天「……ふふっ」クスッ
853 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 04:42:03.35 ID:kbkY0yaz0
猫s『にゃーん』モグモグ・・・

香焼「あーほら、あんまり散らかさないようにしないと」

絹旗「香焼。超奮発してミネラルウォーターを!」

香焼「水まで奮発しないでいいから!」タラー・・・


佐天「……兄妹、かな?」クスッ

春上「でも多分、そう言ったら最愛ちゃん怒っちゃうの」クスッ

佐天「まぁどっちも『そういう事』疎そうだからなぁ」フフフ・・・

春上「……佐天さんは?」ニヤッ・・・

佐天「え?」ドキッ・・・

春上「ふふふ。何でも無ーいの♪」クスクス・・・

佐天「もぅ……まだまだ子供だよ」フフッ

春上「直ぐに大人になっちゃうものなの……あ、初春さん。もう直ぐコッチ来るそうなの」PPP!

佐天「白井さん、あの量の書類もう直ぐ終わるんだ」アハハ・・・


絹旗「佐天涙子ー。初春も来るんですか?」

佐天「何故フルネーム……うん。もう直ぐ来るって」

春上「佐天涙子さん。そういえば、私達のお弁当買ってなかったの。初春さんに頼むの?」

佐天「春上さんまで……初春にパシらせるのは悪いし、如何しようか。食べに行くか買いに行っても良いけど」

香焼「佐天涙子さん。じゃあ一回此処離れてコンビニでも行こうか」

佐天「こ、香焼くん!?」ヘッ!?

香焼「あはは、ごめんごめん。それじゃ、最愛。餌そのままにしといて良いから一旦コンビニ行こう」

絹旗「……えー」ジトー・・・

香焼「最愛もご飯食べてないでしょ」

絹旗「……食べなくても超平気です」クー・・・

香焼「テンプレありがとう。それじゃあ昼食行こうか」ニコッ

佐天・春上「「はーい」」ニコッ

絹旗「……うぃ」ムゥ・・・ナデナデ・・・

もあい「なぉ」ペロペロ・・・

香焼「もあいも置いてきなさい」ハハハ・・・

絹旗「……もあいが一緒に来るって超叫んでます」ギュッ・・・

香焼「あー、うん。分かった分かった。でもお店の中には入れられないっすよ」

絹旗・もあい「「あーぅ……」」コクコク・・・
854 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 04:43:08.21 ID:kbkY0yaz0
はい、特に意味の無い『猫絹旗劇場』終わり。
それじゃあまた次回! ノシ”
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 10:41:52.18 ID:yixvfiGDO
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/20(月) 10:48:35.59 ID:pzlXH+HG0
モンポチがオチ●ポに見えた俺は窒素装甲で潰された方がいい。
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 14:30:59.05 ID:TRFMomPDO
乙! 相変わらず此処の絹旗は超可愛いな〜
あと3、4年後‥‥涙子アフターですね! 期待! (笑)
858 :>>1 [saga]:2011/06/20(月) 22:32:14.07 ID:kbkY0yaz0
こんばんは。少しだけど投下。
859 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 22:51:38.19 ID:kbkY0yaz0
 ―――とある休日、PM02:30、学園都市第7学区、地下街・・・(神裂side)・・・





固法さんの後を追い、地下街に入った。
まずは手分けしてご機嫌斜めの固法さん探しをと思ったが、麦野さん結標さんの言うとおり……


麦野「ね? 言ったでしょ」クスッ

神裂「ホントだ……」アハハ・・・


大量の1ℓ牛乳パックに囲まれた固法さんが、スーパー近くのベンチに座っていた。
空いたパックを合わせると、計5本。お腹下さないのかなぁ。


固法「……」ジトー・・・

麦野「あらら、こんなに自棄呑みしちゃって」タラー・・・

固法「……ふんっ」ムスー・・・

結標「そんなにヘソ曲げないで欲しいわね。さっきのはジョークでしょ、ジョーク」

神裂「結標さん……えっと、固法さん。先程は悪ふざけが過ぎました。すいません」ペコッ・・・


まぁ私は特に何もしてないけど。


麦野「ほら、機嫌直しなさいよ。何か奢ってあげるから。ね?」

結標「あざーっす」ニコッ

麦野「おま……ざけんな。テメェに金出すなんて言ってねぇだろボケ」ジトー・・・

結標「えー……アンタ金持ちなんでしょ? 私達の分も出しなさいよ」ブーブー!

麦野「バーカ。火織は私より金持ちだっつの。美偉は旦那養ってるから大変なのよ」フンッ!

固法「……」ジトー・・・


麦野さん、油注いでますよ。


麦野「あ……あははは。え、えっと……ほら、美偉ちゃんはアンタと違って可愛いから私貢いじゃうの。そういう事よ!」ダッハッハッ・・・

結標「ぐっ……わたしもー、かわいいよー」ボウヨミー・・・ニコッ!

麦野「うわぁ痛い……」タラー・・・

結標「う、うっさい! 名誉棄損よ! 慰謝料を要求するわ!」フシャー!!

神裂「こ、こらこら……」アワワ・・・

固法「……ハァ。やれやれね」クスッ


漸く笑顔が戻ってきた。折角の休日だ。皆で楽しくいたい。
860 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 22:54:53.51 ID:kbkY0yaz0
麦野「さて、と……そんじゃあ何処行きましょうか」チラッ・・・

固法「神裂さんの好きな場所で良いわよ。地下街来た事無いでしょ?」


確かにそうだが、まるで何があるのか把握出来てないのだ。


結標「んじゃ好きなモノ言いなさい。勝手に案内するから」


それでは…… >>862
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 22:58:17.72 ID:U/UWZ27SO
上条さん宅
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 22:59:24.18 ID:TRFMomPDO
家電売り場!
863 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/20(月) 23:29:44.27 ID:kbkY0yaz0
危ねぇ……心成しかトンデモ無い事を口走りそうになった気がする。


神裂「では……家庭用電化製品を見たいのですが」

固法「え? 家電を?」

麦野「引越しでもするの?」

神裂「あ、いえ……最近色々と興味がありまして」アハハ・・・


実際は女子寮の連中が新しい家電や都市のカタログ持って来いと五月蠅いのです。


固法「電器屋……確か少し歩いた所にあったっけ」

麦野「そんじゃレッツゴーね」テクテク・・・




  ―――一寸後、大型チェーン『カーズ電気』学園都市店……




固法「此処で良いかな? 地下街だと此処が一番大きいわよ」

神裂「お、おおぉ……」キラキラ・・・


凄い……SFの街みたいだ。


麦野「それ言ったらこの街自体SFでしょうが……んで? 何欲しいの?」

結標「はいはいはーい、麦野せんせー! 私新しいドライヤーが欲しいです! テレビ点けててもブレイカー落ち無いヤツ!」

麦野「ブレーカー弱っ!!?」タラー・・・

固法「……結標さん。私のお古で良ければ上げるわよ」タラー・・・

結標「いぃやっほぉーいっ!!」イッエスッ!!


……流石に可哀想だ。


麦野「……って、アンタは如何でも良いのよ。火織は?」チラッ・・・

神裂「えっと、とりあえず店内を歩きたいですね。それからカタログを集めたいので」コクッ・・・

固法「カタログ? どうして?」

神裂「実は……―――」


寮の事を説明する。


麦野「なるへそね。イギリスの……」フムフム・・・

神裂「はい。カタログ見てるだけでお腹いっぱいになる連中が多いので」アハハ・・・

固法「ふふっ。分かるかも」クスッ


という訳で、色々と見て回る事にした。
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/06/21(火) 00:04:12.46 ID:wddjHO0z0
究極生物か・・・
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/06/21(火) 00:05:06.03 ID:wddjHO0z0
究極生物か・・・
866 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/21(火) 00:07:47.91 ID:WGKqLtF00
 @《洗濯機》


神裂「これが最新式……せ、洗剤と水が要らない!?」Oh...

麦野「ああ、それ都市限定のヤツね。静電気と風圧で汚れ取るとか」

固法「全自動で超高速。10分あればスーツでも新品同様だっけか。ホントかしら?」

結標「……電気代跳ね上がるっぽいわね」

麦野「その代わり水道代浮くんでしょ。投資だと思って買ってみたら?」

結標「馬鹿みたい。手洗い、若しくは仮眠室の洗濯機使えば十分よ」エヘンッ!

固法「……仮眠室?」ポカーン・・・

麦野「アンタ、自分家以外なら遠慮しないのね」アゼーン・・・

神裂「ふむ……因みに、此処に置いてあるカタログは幾らでしょうか?」ハテ・・・

固法「タダだから好きなだけ持ってって良いわよ」アハハ・・・

神裂「な、何と……」ワシワシ・・・

麦野「だからっつって同じカタログ取ってっても意味無いでしょうが」ハハハ・・・




 A《炊飯器》


神裂「米砥ぎが……不要ですって!?」ギョッ!?

麦野「てか、都市のお米って殆ど無洗米よ。それ使う人珍しいわ」

固法「それより、コッチの5分で炊ける超音波炊飯ジャーの方が良いわよ」

神裂「……味は?」

麦野「まぁそれなりよ。それの試作品で炊いたの食べたけど普通だった」

結標「使用電圧……あ、これ家じゃ使えない」ウーン・・・

固法「いやいやいや……流石にそこまでバッテリー弱くないでしょ」タラー・・・

結標「だってホットプレート使ってる最中はテレビ点けれないわ」

麦野「テレビ点けなきゃいいでしょうが」

結標「テレビ点けとかないと説教始める人が居んのよ!」ガー!

神裂「……やはり、お米は鍋で炊いた方が」ジー・・・

固法・麦野・結標「「「え」」」ギョッ・・・

神裂「あ、いや……寮の子達の殆どは西洋人なので炊飯器は置いてないから」アハハ・・・

麦野「……お米って炊飯器以外で炊けるの?」

神裂・固法「「え」」タラー・・・

麦野・結標「「え?」」キョトン・・・


 にゃーん・・・・・


麦野・結標「「あ、あはははは! (嘘よね? 炊ける訳無いわ……)」」タラー・・・

神裂・固法「「あ、あはははは……(知らないのかぁ……)」」タラー・・・
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/21(火) 00:35:34.55 ID:YF9KK71p0
なんというジェネレーションギャッ…ゲフンゲフン
868 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/21(火) 00:37:50.39 ID:WGKqLtF00
 B《エアコン》


神裂「エアコンにも種類があるのですか? あまり違いが分からないのですが」ジー・・・

固法「オプションを如何するかで変わるかなぁ。空気洗浄とか湿気予防とかもあるし」

麦野「最近だと置きエアコン人気ね。あ、カーペットタイプも良いかしら」

神裂「か、カーペット?!」What?!

固法「今私達の下にあるヤツよ。値段は張るけど丁度良い温度でしょ」ニコッ

神裂「お、おぅ……これは凄い……」ジー・・・

結標「扇風機コレ最強!」ビシッ!

麦野「あーはいはい。貧弱ブレイカー乙。てか扇風機って夏だけっしょ?」

結標「扇風機嘗めんな! 外回りを厚紙で囲めば超涼しいのよ! 冬は石油ストーブとセットで使えば3分と掛らず部屋中ポカポカよ!」エヘン!

固法「結標さん……そのアイデア、本にして売ったらお金持ちになれるかもよ」アハハ・・・

神裂「ところで、このカーペット。何故風が出るのですか?」

麦野「エアホッケーって知ってる? あの盤上みたいな感じよ」

神裂「エア・ホッケー……ホッケーの空中戦??」ポカーン・・・

固法「後でゲーセン行きましょうねー」アハハ・・・

神裂「ふむ……あ、このスイッチは?」ポチッ・・・

麦野「それ風圧調整だから勝手に弄っちゃってオォイっ!!?」ゲッ!!?



  ふわぁり……



店内の野郎共『お、おおぉっ!! スカートがあああぁっ!!』ガタガタッ!!


固法「きゃ、きゃあああぁっ!!」カアアァ///

結標「止めなさいっての!! 早く止めてええぇっ!!」ウワアアァ///

神裂「」チーン・・・///

麦野「ホットパンツで良かった……」ホッ・・・

結標「ぐぅ……死なば諸共!! 道連れだあぁ!!」ガバッ!!

麦野「な、t、Tシャツ捲んな弩阿呆ぉっ!!」カアアァ///


店内の野郎共『も、桃色レースブラktkr!!』イィヤッホゥイッ!!


結標「あら、案外可愛いのね。黒のスケスケとか来てるのかとぐをっ!!?」バシッ!!

麦野「美偉や火織じゃあるまい、そんなの着ねぇ!! てか死ねえええぇっ!!」////////////////

神裂・固法「「き、着ません!!」」カアアァ///
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/21(火) 00:38:38.64 ID:LvQd/8mxo
>>867
ここにいる奴らみんなバb・・・おっと誰か来たようだ
870 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/21(火) 02:05:19.73 ID:WGKqLtF00
麦野「>>867>>869 ……ブチ戮確。屋上」クイッ・・・



 C《冷蔵庫》


麦野「……私、此処で待ってるわ」ピタッ

神裂「え?」

結標「……悪いけど私も」ピタッ・・・

神裂「結標さんまで?」

麦野「美偉、任せた」チラッ・・・

固法「ええぇ……」ウーン・・・

結標「ほら、今は固法×●●なんてジャンルもあるんだし。それにエンカウントするとは限らないでしょ?」サラッ・・・

固法「モンスターかっ!! てか……そういう事言わないの!! 怒られるわよ!!」アタフタ・・・

結標「大丈夫よ。詳細は言って無いし」アハハ

麦野「※勿論、>>1も絶賛愛読中。応援してます! ……だそうです」ニコッ

固法「……ホント、すいません」タラー・・・


神裂「で……何故この冷蔵庫はこんなに扉が多いのですか? 業務用?」

固法「えっと通常物、冷凍庫、野菜室、造氷、酒蔵、肉類、魚類……沢山みたい」タラー・・・

神裂「こんなに必要無いですよ……あ、この小さいの良いですね」ホェー・・・

固法「ホントだ。しかも冷凍庫もしっかりついてるし、寝室用とかに良いかもね」クスッ



 ―――一方・・・・・



麦野「ぁんでこっち来んだよ、テメェはよぉ!! 普通アッチに出るだろうがぁっ!! 消えろボケナスっ!!」ダアアァッ!!

垣P「喧しい!! アッチは居辛いんだよ!! 手前ぇと豆腐メンタルなら弄り……ゲフンゲフンッ、絡み易いの!!」URYYYYYYYY!!

結標「と、豆腐……豆腐みたいな恰好してんのはアンタでしょ!! この豆腐型ホスト崩れ系男子!!」ガアアァッ!!

垣P「あ、そういう事言う? 俺知ってんだぞ、オマエこの前……第1位に平然と膝枕してたろ? オマエが寝る方な」ニヤッ・・・

結標「なあっ!!?」カアアァ///

麦野「……マジで?」ウワァ・・・

垣P「いやぁ自然(なちゅらる)でしたわぁ。アッチも然も当たり前かの様に、そのまま普通に作業続けてるしー」ニヤニヤ・・・

結標「ち、違っ……あ、アレはアイツがソファの上に居たから知らない内にそうなっただけで……てか何でアンタ知ってんのよ!!」ウギギ///

垣P「KNW(カキネ・ネットワーク)嘗めんな! あとは例の甘ちゃん少年と『わっふるわっふる』しようとぶげにゃっ!!」ドゴォッ!!

麦野「……アンタ、子供に手ぇ出したら犯罪よ」タラー・・・

結標「ぐっ……ああ、そうよ。
    あの時は軽く艶気で懐柔しようと思ったわよ! 私の精一杯の演技とか微妙な期待……じゃなくて軽いドキドキとかてんこもりよ!
    自らの恥ずかしい部分をアンタが見てるとも知らず曝した惨めな私の姿を嘲笑うがいいわ! この結標淡希の羞恥をね!
    どうせアンタまだまだ私の恥ずかしい事知ってんでしょ!! 笑いなさいよ! 笑うが良いわ! 第4位も一緒にね!!
    ほら、あーっはっはっは! って笑いなさいよ!! さぁ笑え! ほら笑え! そら罵倒しろ!!」ウニャアアァッ!!

麦野・垣P「「……うわぁ」」ヒキィ・・・

結標「うんがあああああああっ!! 無言になるなぁっ!! 死ねええぇっ!! 二人とも死んじゃえええっ!!」ダアアアアァッ///


神裂「何やら麦野さん達が賑やかですね」チラッ・・・

固法「あはははは……見なくて良いわよ」タラー・・・
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 02:10:51.03 ID:MvgysABDO
>>870
色々アウトwwww

> あの時は軽く艶気で懐柔しようと思ったわよ! 私の精一杯の演技とか微妙な期待……じゃなくて軽いドキドキとかてんこもりよ!
    自らの恥ずかしい部分をアンタが見てるとも知らず曝した惨めな私の姿を嘲笑うがいいわ! この結標淡希の羞恥をね!
    どうせアンタまだまだ私の恥ずかしい事知ってんでしょ!! 笑いなさいよ! 笑うが良いわ! 第4位も一緒にね!!
    ほら、あーっはっはっは! って笑いなさいよ!!



あれ‥‥あわきん??
872 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/21(火) 02:36:21.01 ID:WGKqLtF00
 D《ゲーム売り場》


結標「」チーン・・・


神裂「結標さん、如何したのですか?」

麦野「放っといていいわ。今触れたら発狂するわよ? 羞恥心で死にそうだからそっとしといてあげなさい」

固法「後でケァしてあげないと……えっと、次はゲーム?」

神裂「ええ。第二王……上司の様な人がゲーム好きなのでカタログ等持って来いと」

麦野「ネットで買えっつーのな。あ、ポケタルモンスターまた新しいの出るんだ」

固法「モンスターバスター6の情報もそろそろね」

神裂「……えっと」キョロキョロ・・・

固法「あれ? 何探してるの?」

神裂「うーん……あ、コレです!」ピッ!

麦野「うわっ、ジーンハザード……絹旗みたいなセンスね」タラー・・・

神裂「あとは……この戦争物ですね。上司、こういうの好きな人なんです」アハハ・・・

麦野「レボリューション・オブ・デューティー? まぁ随分と……それならこっちお勧めよ」スッ

神裂「デッド・スクウェア?」

固法「麦野さん、それグロさで選んでるでしょ……戦略ゲーなら大戦争物語とかを……あ!」チラッ・・・

麦野「な、何よ?」

固法「麻雀戦記シリーズの新作出てる!! ど、どうしよう……」ワナワナ・・・

麦野「……じゃあそれ買ってあげるわ。さっきのお詫びね」パシッ

固法「え、いやいや! そんな高いモノを」アタフタ・・・

麦野「いつも絹旗飯食わせて貰ってるから良いのよ。んじゃ先買って来るわー」

神裂「(麻雀、戦記??)えっと……良かったですね」ニコッ

固法「あはは……何か悪いなぁ」エヘヘ


結標「……私も何か買って欲しーなー」ジトー・・・


神裂「をわっ!!?」ギョッ!?

固法「えっと……後でTシャツ買ってあげるから」アハハ・・・

結標「何でTシャツなのよ」ウー・・・

固法「結標さん、いつもブレザー一丁だし……その、月詠先生にお金の面まで頼れないのは分かるけどせめて……うん」ポリポリ・・・

結標「……悪かったわね。アレが私のファッショナブルなのよ」フンッ!

神裂「冬は寒いのでは? あと殿方が目のやり場に困るかと」ハテ?

結標「ア・ン・タがっ! 言うな!!」ガアァッ!!

神裂「おぅふ……」タラー・・・
873 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/21(火) 03:34:02.64 ID:WGKqLtF00
 E《会計》



結局、ヘッドホンと携帯ゲーム機のケースだけを買った。


店員「―――合計で3,503円になります。(何でこの人カタログいっぱい持ってるんだろう)」

麦野「もっと高いヘッドホンにすれば良かったのに」

神裂「あはは、別に音漏れしなければ何でもいいので」ポリポリ・・・

結標「あら、アンタ音楽聞くのね」

神裂「いえ、ゲームをする時にだけですよ」

麦野「……火織、ミュージックプレイヤー持ってないの?」

神裂「CDラジカセなら持ってますよ」サラッ・・・

固法・麦野・結標「「「……」」」タラー・・・


……あれ?


麦野「今度、私のYpodあげる。近い内、買い替えるから」

固法「神裂さん、音楽あんまり興味無いのかな」アハハ・・・

神裂「いえ、好きですよ。まぁ最近の音楽などは知りませんが」

結標「……もしかして演歌とかクラシック好き?」タラー・・・

神裂「流石に演歌は……ただクラシックや倭楽曲は聞きます。ですが自分で演る方が好きですね」アハハ

固法「神裂さん、何か楽器出来るの?!」オオッ!

神裂「ピアノ・オルガン、琴、三味線、バイオリン、横笛、尺八……まぁ昔から稽古で習わされたので」ポリポリ・・・

結標「わぉ……御嬢様ぁー」ヒュー!

麦野「ほぉほぉ……あ、そうだ! そんじゃ……楽器売り場行きましょう!」ニヤッ・・・


何故に?


麦野「何か弾いてよ。エレクトーンもいけるでしょ?」

神裂「えっと、勝手に弾いても良いんですか? あと電子楽器は……」

固法「問題無いわよ。設定変えればピアノ調に出来るわ。鍵盤は緩めかもしれないけど、オルガンくらいなの選べば大丈夫」ニコッ

神裂「うーん……皆さんは何か楽器出来ないのですか? 私だけでは恥ずかしいと言いますか……」ポリポリ・・・

固法「私は先輩からギター習ったけど、此処に無いから無理。それに下手っぴよ」アハハ・・・

麦野「色々やったけど……人に聞かせられるレベルじゃない」アハハ・・・

結標「音ゲーなら任せろー」ポチポチ!


……いや、私も人にか聞かせられるほど上手では無いのだが。


神裂「……期待しないで下さいよ」ハァ・・・


結局、慣れない音質の鍵盤で3曲程弾かされた。
弾き終わる頃には……知らない内に人がゾロゾロと集まっており、えらく辱めを受けた気分になった―――
874 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/21(火) 04:09:20.16 ID:WGKqLtF00
 ―――とある休日、PM03:30、学園都市第7学区、地下街・・・(神裂side)・・・




数分後……私は逃げるようにして店外に出た。
後から3人も追ってくる。何でニヤニヤしてるんですか……


麦野「いやぁ凄かったわねぇ! おヒネリ求めても良かったんじゃない?」キラキラ・・・

固法「最初は『亜麻色』かしら? 次は『アメージング・グレイス』で……最後のは『戦メリ』ね」

神裂「なるべく有名な曲を選んだのですが……分かりましたか」アハハ・・・

結標「え、ええ……知ってる。うん……あめーじーぐれーだかってのと、チャンチャンチャンチャンチャン! ってのは知ってる」タラー・・・

固法「……結標さん」ハァ・・・


まぁ逆に今時の音楽は全然知らないんですけどね。


固法「別に人それぞれよ。知らなくたって問題無いわ」ニコッ

神裂「そう言って貰えると助かります」アハハ・・・

麦野「さて、そんじゃ次は何処の店行く? ゲーセン? 服屋? 本屋? それとも……ポルノショップ?」ニヤッ・・・

固法「私が居る手前、良くそんな事言えるわね……」ハァ・・・

結標「じゃあ漫喫とか虎とかメロンとかメイトとか……冗談よ。そんな目で見ないで」タラー・・・

麦野「一人で行ってろアホ」ジトー・・・

固法「とりあえず地下街なら大抵のモノは有るし、何でも良いわよ」ニコッ


それじゃあ…… >>878
875 :>>1 [saga]:2011/06/21(火) 04:13:29.41 ID:WGKqLtF00
はい。今日は以上。次回は題名通り『家』まで辿り着くよー。
無論、都市にねーちん宅は無いので自ずと本人不在のあの子の家に……妹分二人は如何しようかなw

あと、11話終わり次第ちょっと出張なので結構空けるかも。逆に親戚が帰ってくるって言ってました。(苦笑)

とりあえず、色々書き込んでねー。安価まで書き込みも宜しくー! ノシ”

876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 05:58:29.46 ID:HTsYefONo
おもろいけどニコッ にイラッとくるな
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/21(火) 07:49:06.86 ID:YF9KK71p0
エステ
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 08:06:48.59 ID:3WlYE1lDO
>>1
服屋でねーちんファッションショー
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 09:05:09.42 ID:jMJQpVmIO
浦上がはるちん
あわきんが沙耶で再生されるが間違ってないよな?
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 16:03:51.83 ID:MvgysABDO
>>879
じゃあ香焼が理樹にゃんでメインヒロインですね、分かりますww

五和と浦上は是非出して!
881 :>>1 [saga]:2011/06/22(水) 21:13:56.61 ID:tu6nteyr0
こんばんわー。続きっす。

>>876・・・ちょっと「」後ろの小文字多様し過ぎでしたね、自重します。

>>879-880・・・ナンノコトデスカ?? 敢えて言うならあわきんはゆりっぺですヨ?w


そんじゃボチボチ投下!
882 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/22(水) 21:31:15.58 ID:tu6nteyr0
それでは服屋に行きたい。出来ればジーンズ専門店を所望します。
新しい冬物のパンツとデニムジャケットが欲しいので。


固法「え? 専門店? うーん、古着屋さんなら在ると思うけど」

麦野「却下」

結標「否定早いわね」アハハ・・・


何故に?


麦野「火織さぁ、ジーンズ禁止って言ったでしょ?」ジトー・・・

神裂「私に死ねと言いますか!」カッ!

固法「大袈裟な……」タラー・・・

麦野「だってアンタ、私が指示しなきゃ毎度毎度意味不ジーンズファッションじゃない……そんなんじゃ惚れてる男に呆れられるわよ」

神裂「んなっ!? べ、別にそれとこれとは!」アタフタ・・・

麦野「関係大アリよ。女として魅力無いって見限られるわ」ハンッ

結標「え! アンタ意中の男いんの? 誰々!?」ニヤリッ


余計な事を……


固法「二人とも……えっと、とりあえず専門店じゃなくても色々置いてあるお店にしない? 応用利くと思うし」

麦野「ま、それでいいわ」

結標「あら、アンタがファッション関係で折れる事ってあるのね」

麦野「店選ばなきゃコーディネイト出来ないのは2流以下よ」


ではジーンズ一つで様々な応用が出来る私は超1流ですね。


麦野「……呆れてモノ言えない」ハァ・・・

固法「あははは……とりあえず、移動しましょ」タラー・・・

結標「あ、そんでこのおっぱい星人の惚れてる男って誰なのよー?」

麦野「あん? えっとなぁ」ニヤリ・・・

神裂「わあああぁっ!! わあああぁー!!」アタフタ///

固法「こ、こらっ! 大声出さないの! 麦野さんも勝手に言わない! 結標さん、知りたかったら本人に聞きなさい!」メッ!

神裂・麦野・結標「「「……うぃ」」」


助かった……ナイス、我らがリーダー。
883 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/22(水) 21:52:02.20 ID:tu6nteyr0
 ―――とある休日、PM03:30、学園都市第7学区、地下街、『UNIQLE:学園都市第7学区店』・・・(神裂side)・・・





固法さんの案内で大型の服屋へ移動した。俗にいう全国チェーン店だ。


結標「アンタ、こういう庶民向けの店でも良いの?」チラッ

麦野「最近はこの手の系列も有名デザイナー雇ったり素材で勝負したりブランド指向なのよ。組み合わせはし易いわ」

結標「へー、そーなのねー」

固法「私は案外良く使ったりするけど、結標さんはこういう所で買い物しないの? お手頃価格よ」

結標「来るのメンドイ。通販か小萌に任せてる」ボケー・・・

固法・麦野「「……ダメ女」」ボソッ・・・

結標「酷っ!?」ガーン・・・


流石の私でも物は自分で見て触って選びます。


麦野「いやマジである意味火織以下ね……心底呆れた」ハァ・・・

結標「だ、だって別に通販で済むならそれで良いでしょ! それに都市の人間なんて大抵制服なんだし」ブーブー・・・

固法「え、制、服? ……結標さん、冬場もあの服装でいる気?」タラー・・・

結標「ヒートテックとセーター着れば問題無しよ」

麦野「まったく……アンタ、身近にファッション詳しいの居るんだから聞いたりしなさいよ。女性物もある程度知識ある筈だから」

結標「はぁ?」

麦野「第1位」サラッ

結標「ぇ……アイツに頼りたくない」ウゥー・・・

固法・麦野「「……」」ニヤニヤ・・・

結標「う、うがああああぁー!! その顔止めろー!!」ムキー///


結標さん、店前で大声出さないで下さい。恥ずかしいです。


結標「アンタが言うな! ったくもぅ……」プルプル・・・


ふむふむ、結標さんにも想い人がいるのか。
あ、私の場合は別に恋慕という訳では無く……うん、彼は恩人なのですよ。はい。
884 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/22(水) 22:35:59.55 ID:tu6nteyr0
麦野「さてと……何を如何しようかしら」ウーン・・・

固法「神裂さん、冬物欲しいのよね?」

神裂「基本はそうですが……」


カットしますよ。


麦野「アンタ……この場で切ったら流石に私、キレるからね?」ゴゴゴゴ・・・


色々理由があるからしょうがないでしょう。
ただでさえ制服着ている今、魔力錬れないのに……


神裂「えっと、まぁ寒さには強いので別に何でも大丈夫っちゃ大丈夫ですよ」

麦野「了解。そんじゃあ、どういう系の服にしましょうか……」ウーン・・・

固法「麦野さん、悪ふざけで犯罪紛いの服はダメだからね」ジトー・・・

麦野「分かってるわよー」(・3・)チェッ!


では…… >>886
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/06/22(水) 22:38:08.82 ID:+18jZBGeo
セーラー服
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/06/22(水) 22:40:59.31 ID:H5215pNU0
堕天使エロメイド
887 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/22(水) 23:15:05.18 ID:tu6nteyr0
麦野「えっとー……じゃあゴシック系とか着せてみましょうか!」ニヤッ・・・

神裂「ご、ゴシック……」ヘ?

結標「あ、ねーねー。そんじゃあさぁ…〜〜〜…ってのは?」ゴニョゴニョ・・・フフフ・・・

麦野「ふむふむ……ほほぅ。アンタにしては良い(極悪)発想ね!」


彼女は一体何を言ったのだ?


麦野「ねぇ火織……メイド服とか、興味無い?」ニヤリ・・・

神裂「ぐ、をっ……」ダラダラ・・・


トラウマしかないです。


固法「む、麦野さん。そんなのこの店には売ってないでしょ」タラー・・・

麦野「ゴシック系とレースエプロンで代用可能よ! いや、胸元開いたフリルワンピとピンクエプロンでもOK!」b"

結標「あ! それっぽいカチューシャ見つけたわ! ガキ用だけど丁度良いっしょ!」b"

麦野「うっし! じゃあ決定ね! 探すわよー」テクテク・・・

固法「……ははは」タラー・・・


神は死んだ。




 一寸後・・・・・



麦野・結標「「だはははははっ!!」」ケラケラッ!

固法「え、えっと……これで街歩いたら流石に犯罪ね」アハハ・・・///

神裂「」チーン・・・///


結局、麦野さんがトンデモない服(?)と実用性の無いエプロンを見つけてきた。

※イメージ(  http://item.rakuten.co.jp/only-and-one/k02055/  )


麦野「キヒヒ! こりゃ男喰いつくわー。今度試してみなさいって」ガハハ!

結標「フヒヒ! コレに羽オプションとか付けちゃいましょ!」ダハハ!

神裂「もぅ……服返して下さい……お願いです……」プルプル・・・///

固法「あー、うん。可哀想だから次の行くわよ!」


では次の服装は…… >>889
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/22(水) 23:17:45.60 ID:oofjOC6AO
かそくした
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/22(水) 23:20:08.90 ID:RaAyB1Cw0
ロングスカート系
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 23:20:16.47 ID:k2TxxpFDO
>>887
ねーちんコレ着たらかみヤン一発で墜ちるww犯罪だろwwww

浴衣!
891 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/23(木) 00:44:36.38 ID:pfWAr+1s0
神裂「普通に……落ち着いたのが着たいです……」ウウゥ・・・

麦野「んもー、我儘ねぇ」


貴女がブっ飛び過ぎなんです。


麦野「そんじゃあ美偉選んだげて」チラッ

固法「え、私が?」

麦野「偶にはそういうのも良いんじゃない? 私はコッチをマネキンにしてるから」ニヤッ・・・

結標「……逃げ」スゥ・・・

麦野「逃がさん」ガシッ!

結標「いやああぁ! 犯されるー!!」ジタバタ!


ドンマイ。


固法「えっと、じゃあロンスカとか穿いてみましょう」テクテク・・・

神裂「スカート、ですか……」ムゥ・・・

固法「さっきのよりマシでしょ」アハハ・・・


確かに……ではお任せしよう。


 一寸後・・・・・


固法「うん、じゃあコレね」クスッ

麦野「おー、これはコレでアリね」フフッ

固法「デニム生地にしてみたけど、神裂さん。如何かしら?」


何か……切り裂きたくなります。

※イメージ(  http://item.rakuten.co.jp/knockout/1422756  )


麦野「……天然痴女め」ジトー・・・

神裂「心外です……前から言う様に服をカットしているのは宗教上の理由で」

麦野「あー、はいはい。そーですねー。でも私達といる時はそういうの抜きでしょ」

神裂「……うぃ」ハァ・・・


因みに、結標さんは……


結標「悪意しか感じられないわ……」プルプル・・・///


いつもの服と大差無い気がしますよ?

※イメージ(  http://item.rakuten.co.jp/only-and-one/rd01035pw/  )


麦野「アハハ、つまりアンタも天然痴女って事ね」ケラケラ!

結標「新ジャンルみたいに言わないで! 早く制服返しなさいよ!」ムキー!

固法「でもいつものサラシよりは変じゃないわよ。さて、と……神裂さん、もう一着くらい試着しましょ」


では最後に…… >>893
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage saga]:2011/06/23(木) 00:47:23.98 ID:Unyljo4Y0
森ガール
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 00:52:51.67 ID:9lu1MLzDO
スーツ
894 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/23(木) 01:16:54.40 ID:pfWAr+1s0
麦野「そういえば火織ってスーツ持ってるの?」

神裂「え? 持ってませんが、何故?」

麦野「アンタ、結構重役さんと会ったりする仕事してるって言ってなかった?」


二人には必要悪の教会……主教補佐次席の事は、グローバル展開法人の上役代行をしていると誤魔化して説明してある。


固法「まさか……」タラー・・・

麦野「……アンタ、あの恰好で仕事してんの!?」ギョッ!?

神裂「……ダメですか?」

固法「ダメっていうか、大丈夫なの?」


別段、文句を言われた事は無いが。


固法・麦野「「……」」

神裂「えっと、その……」ポリポリ・・・

結標「まぁ一着でも持っておけば? 同年代とはいえ私達と違って、アンタ社会人なんでしょ?」


ふむ。まぁそう言われてみるとそうだ。


麦野「……適当に持ってくるから此処で着てみんしゃい」テクテク・・・

固法「私も一着持ってくる……」テクテク・・・

神裂「あ、はい。お願いします。(あの恰好で職務遂行するのは変ですかね?)」ムゥ・・・

結標「さぁ。フランクな現場なら良いんじゃない? でもさぁ……アンタ女教皇様とかって言われてんだし、礼装持ってた方が良いって」ボソッ


ふむ……では一着くらい考えよう。


 一寸後・・・・・


神裂「ん……やはり違和感がありますね」モゾモゾ・・・


俗にいうレディーススーツという奴だ。

※イメージ(  http://belluna.jp/ryuryu/01/010201/func_zoom/index.jsp?thumbnail_code=4&catalog_code=NE9A&product_code=00982  )


麦野「……やだ。イケメン」ワォ・・・

固法「ちょっと写真撮って良い?」パアアァ!

結標「ちょっとポニテにして! 高い所で……おぉ! 並の野郎共より絶対モテる!」キャー!


あのー……趣旨が変わってきてませんか?
895 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/23(木) 01:42:02.65 ID:pfWAr+1s0
そんでもって結局……


店員「―――合計で24,315円になります。(何このバラバラチョイス)」


全部買わされた。


神裂「また出費が……」ハァ・・・

麦野「良いじゃない。金持ちなんでしょ」アハハ

固法「大丈夫、スーツとデニムスカートは使えるから」


あの破廉恥衣装は如何しろと?


麦野「ま、試してみるのねー……彼の前で」ニシシ!

神裂「つ、土御門みたいな事言わないで下さい!」

結標「あー、アイツに騙された口かぁ……私もあんなの着なきゃ良かったわ……」アハハ・・・


何故か遠い目をする結標さん。多分、私と同じ土御門によるトンデモ被害仲間なのだろう。


麦野「安心なさい。美偉だったらノリノリで着るから。黒妻くんに頼まれたらだけどね」ニヤッ・・・

固法「の、ノリノリで着ないわよ!! それから先輩にそんな趣味ありません!!」カアアァ///

麦野「でもぉ前にボンテージ物、着たんでしょ?」フフフ・・・

固法「そ、それは、その……マンネリで……」モジモジ・・・///

結標「レベル高っ!? アンタ本当に私と同い年なの!?」///

固法「だって……全然構ってくれない時期があって……」ムゥ・・・///

麦野「はいはい、リア充リア充……って、火織がフリーズしてるからそろそろ出るわよ」ハハハ!


聞いているだけで顔から火が出そうです。
固法さんは相変わらず彼と仲が宜しい様で、微笑ましい……を通り越してますね。


結標「ん! そういえば私Tシャツ買って貰って無い!」

固法「あ……えっと、じゃあ……」ウーン・・・

麦野「これ」サッ!


※イメージ (  http://nijigencospa.com/detail/id/00000037134  )


結標「ぶっはぁっ!!?」What!?


これ何処に置いてたんですか?


麦野「細かい事は良いのよ。美偉、これ買ってあげなさい」ニヤニヤ・・・

結標「ぐ、ぬぬぅ……断れない自分が悔しい……」ウグゥ・・・


えっと……ユニークですよ。 (笑)
896 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 麦野・固法「「イエッスっ!!」」 [saga]:2011/06/23(木) 02:07:24.58 ID:pfWAr+1s0
 ―――とある休日、PM05:00、学園都市第7学区、地下街・・・(神裂side)・・・





店を出た頃、丁度日暮れの時刻になっていた。
さて、そろそろ香焼にメールを送っておかねば……


麦野「美偉、この後如何する?」

固法「もう一件何処か寄ったら最終下校時刻よね。ファミレスか喫茶店行って解散しましょうか」

結標「最終下校時刻って……アンタやっぱマジメね」ハハハ・・・

麦野「今時そんなん順守してる人間レアよ。ま、美偉らしいっちゃらしいけど」クスッ

固法「風紀委員ですからねー。ケジメは大事よ」フフッ


確かにそうだ。


麦野「んー、ゲーセン行ってファミレスでも良いけど……あ、そうだ!」

固法「何処か面白い場所ある?」

麦野「ふふふふふ……こん中の誰かん家ー」ニヤッ・・・

結標「……は?」

麦野「面白そうでしょ」クスクスッ


面白そうではあるが、問題ありというか……


固法「私のアパートちょっと無理ね。狭いし、ルームメイトがちょっと……」アハハ・・・

麦野「黒妻くん家は?」ニヤッ・・・

固法「馬鹿言わないで。結標さん家は……無理ね」

結標「ええ、他人の家だし。居候の身分だもの。アンタん家は如何なのよ……って、あー……」ムリダナー・・・

麦野「無理。人居過ぎ。あと事務所兼任」ムリヨネー


では何処も無理だろう。


麦野「なーに当たり前のように自分の家抜かしてんのよ」ジトー・・・

神裂「え、と……私もこの街に居る際は、ホテルと弟の家を行き来する様な借り宿暮らしなので」アハハ・・・

結標「っ!! お、弟ってか香焼くんの家って確か馬鹿デカイのよね!?」

神裂「え? まぁそれなりに……え??」キョトン・・・


御三方。何、その目は……
897 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/23(木) 02:21:36.08 ID:pfWAr+1s0
麦野「決定」ビシッ!

神裂「ちょ、その、ダメです! 弟の家ですよ! 勝手に友人を連れ込む訳には」アタフタ・・・

結標「大丈夫よ。私が居るわ! 任せなさい!」ドヤッ!


何だその理屈。


神裂「そ、それなら麦野さんの家でも良いのでは!? とても大きいと前に聞いた覚えが!」タラー・・・

麦野「だから職場ってか事務所も兼任してるから無理っつってんじゃん」サラッ

神裂「では、結標さん! きっと友人を連れ帰れば月詠さんが泣いて喜びますよ!」ダラダラ・・・

結標「麦野(コイツ)を小萌に会わせたくないわ」サラッ

神裂「じゃあ固法さん!」チラッ

固法「うーん……百歩譲って、部屋で黙ってられる? 碧美ちょっと風邪気味だから」ポリポリ・・・

麦野・結標「「むりー!」」ニヤニヤ・・・

神裂「んじゃ、彼氏の家!」

固法「それ原因で喧嘩になったら責任取ってくれる?」クスッ・・・ゴゴゴ・・・


ああ、畜生。退路が無い。


神裂「え、えっと……私の家、ですか?」ハァ・・・

固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」ビシッ!


香焼、ごめんなさい。後でお詫びはします……―――
898 :>>1 [saga]:2011/06/23(木) 02:29:56.01 ID:pfWAr+1s0
はい、今回は此処まで。次回は香焼くん宅です。アンケだけど……この後如何なる?


@五和・浦上が朝から居座ってた。香焼帰宅前。

A香焼帰宅済み。五和・浦上帰宅後。

Bどっちもハナから居る。

Cその他(詳細プリーズ)。


協力宜しく! あと、次レスしよう……一回路線切ろうかとも考えてましたが、何か良い案あります?

とりあえず、感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントお願いします。それじゃあ、お休み……ノシ"
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 02:42:27.57 ID:g+DhfScSO
Cそこには香焼に愚痴られてる上条さんが
900 : ◆r4vICyDKLo [saga sage]:2011/06/23(木) 02:47:31.22 ID:qLb6nKzy0
>>870
<●> <●>

特 定 し ま す た


ウソです。自分の駄文を取り上げてもらって光栄です。
自分も毎回楽しみにしてます。

C香焼と、 な ぜ か 絹 旗
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage saga]:2011/06/23(木) 02:57:05.03 ID:Unyljo4Y0
>>899
何それ凄く見たい
でも時間帯としてインデックスを放っておくのも駄目だし、
インデックスの交友関係も広げてあげたいので…
C猫公園組+上条さん&インデックス
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/06/23(木) 02:57:46.37 ID:uAl8HQGAO


香焼だけが在宅→ピンポン→向かう→ドアを開けると神裂→玄関先で(友人が来てると言わず)部屋を使う交渉を→半ば無理やり許可をえるやいなや興味津々で雪崩れ込むその他3人
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 03:18:36.03 ID:9lu1MLzDO
>>1乙!
お前ら五和と浦上忘れんな! 一応準主役(笑)だぞ!

@+C
>>900と同じく、後から香焼と絹旗!
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/23(木) 03:46:40.04 ID:zYpgLeZx0
>>1乙〜!!

皆と同じく@とCの
五和と浦上が勝手に四人を上がらせて雑談。
そこに香焼と絹旗(もしくは公園組)が帰宅の流れ希望
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 05:42:47.78 ID:ayifS2uB0
>>904に同意
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 08:12:16.78 ID:d+fArLEDO
>>1


4:帰宅していたこーやぎ。 そして晩御飯を食べるとかで絹旗もいた。
モアイのせいでらっきーすけべ発動。 絹旗にこーやぎがソファーに覆いかぶさる


そこへ、ねーちんs来襲
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 08:49:44.20 ID:7y0wVvsIO
4で香焼となぜか主人公3人が談話
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/23(木) 10:06:48.45 ID:E60YkZSAO
C
香焼、絹旗、公園組+なぜかソギーも
中坊組総出演で!
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 10:42:35.33 ID:3IP5+PvDO


904に猫追加で
910 :>>1 [saga]:2011/06/23(木) 21:47:41.41 ID:JWrx/KkI0
こんばんは。都築です。続きです?


沢山のアンケ回答ありがとうございます! とりあえず最初に……何故おまんら、既存の一二三を選ばん? (苦笑)

えっとまぁ、@とCでしょうかね。
Cについては公園組を出そう、と思いましたが人増え過ぎてカオスるので代表で絹旗だけにします。スマソ。

え? カミやん?

……五和をハッチャけさせられない。つまらなくなるので今回はNG。
というかぶっちゃけ恋愛モノ苦手です。Hぃのなんて以ての外デスヨ。

でも、そのうちカミやんメインの話も書くかもしんないんで、そん時は宜しく。


そんじゃあ投下!
911 :897 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/23(木) 22:14:54.41 ID:JWrx/KkI0
 ―――とある休日、PM05:40、学園都市第7学区、とある公園(いつもんとこ)・・・(香焼side)・・・





太陽が遠くのビルの間に隠れ出した頃、周りで遊んでいた学生達の数は減っていた。
最終下校時刻間近という事で、風紀委員や警備員が下校指導を始めているからだ。

尤もこの最終下校時刻というのはこの学園都市固有の呼び方。俗にいう地域の厚生委員の夜遊び注意に似ている。
ただ、民間厚生委員が動くのではなく公務員たる風紀委員・警備員が働いている。
何という夜警国家(都市)。まぁ子供達ばかりだから仕方ないっちゃ仕方無いが……


絹旗「香焼が頭の中でまた超面倒臭く屁理屈こねてます」ジー・・・

香焼「こねてない、考えてるだ……最愛、いつから読心能力者に」

絹旗「顔見りゃわかりますよ。まーた超無駄な事あーだこーだ考えてるんだなーって」ハハハ


むぅ……顔に出てたか。


佐天「あはは。まぁ良く言えば知的なんだね」クスッ

初春「悪く言えばネチッこく女々しい面倒臭ぇ男ですよ」ニコッ

春上「……初春さん。言葉選ぶべきなの」ハァ


そりゃ悪ぅござんしたね。

因みに初春さんは白井さん、御坂さんと後から合流した。
しかし途中、上条さんが現れた為事態、厄介な事に。上条さんを追い駆けて御坂さんが走り出し、次いで白井さんも走り出した。


初春「さーてと、そろそろ時間ですね」チラッ

香焼「あ、うん。そうだね……初春さんは今から下校指導なの?」

初春「いえいえ、今日は警備員が全範囲指導にあたる日です。二人と帰りますよ」

佐天「あー、でも御坂さんと白井さん大丈夫かなぁ」

初春「ま、勝手に寮へ帰ってるでしょう。いつもの事ですし」

絹旗「アレ、いつもの事なんですか?」

春上「日常茶飯事なの」フフッ


上条さん……頑張ってください。


佐天「そんじゃあ私達は此処でバイバイだね。香焼くん、ちゃんと最愛ちゃんの事送ってってあげるのよー」ニヤッ

初春「あはは。宛ら少年騎士さんですねー」クスッ

絹旗「香焼より私の方が超強いです! 守られる必要なんて超ナッシングです!」ムッ!

春上「まぁまぁ。でも二人仲良く帰るの。私達も三人仲良く帰るからね」フフッ


そうして三人は公園を去った。最愛は笑顔で……でもちょぴっと寂しそうに、猫達と彼女らを見送っていた。
912 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/23(木) 22:41:13.22 ID:JWrx/KkI0
さて、二人きり……と猫の大群。


香焼「……楽しかった?」

絹旗「はい」ニカッ

香焼「そっか。良かった」クスッ


その一言……こんな彼女だからこそ、純粋にそう思う。
数日前の彼女とは違う。ネガティブさが減ってきた。


香焼「最愛、帰りは如何するの? 今日も迎え?」

絹旗「あ、今電話してみます」Pi!


猫(まーらいおん)を頭に乗せたまま、電話をつなぐ。


浜面『絹旗か』Pi!

絹旗「はい、迎えを」

浜面『あー悪ぃ。今出れねぇ』

絹旗「……は?」

浜面『ちょっと厄介な事に―――コラ、ハマヅラクン!ウンテンチュウデンワデナイノ!―――んだよ!』

絹旗「……あんだと?」ポカーン・・・


迎えが来れないのか?


浜面『あー、ちょ固のr―――カシナサイチョット!―――うわっ!!』

絹旗「浜面?!」エ・・・

麦野『あーもしもしー。はろー』

絹旗「え、麦野??」タラー・・・

麦野『うん、私。今私車使っちゃってるから直ぐには行けないわ。バスかタクシー拾っちゃって』

絹旗「え、あ、うん」

麦野『領収書切ってくれば私払うから。後、今日フレンダと滝壺部屋に居ないからどっかで飯喰ってきなさい』

絹旗「え、何で……」

麦野『知らん。フレンダは休み与えた瞬間消えた。滝壺は病院で定期健診だってさ』

絹旗「はぁ。了解です」コクッ

麦野『そんじゃまた明日……あ、そうそう。別に彼氏んちで一泊してきても良いけど、次の日の仕事に「支障」無い様にねー』キヒヒ!

絹旗「っ!!? ちょ、超馬鹿! 変態!!」Pi!


何故か真っ赤だ……何言われたんだろう。気になる。
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/23(木) 22:50:01.08 ID:tWSjk/jl0
>フレンダ

フレメアの所か
914 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/23(木) 23:22:49.68 ID:JWrx/KkI0
香焼「何だって?」

絹旗「……バスかタクシーで帰って来いだそうです」

香焼「そっか。此処から近いの?」

絹旗「うーん……超微妙な距離です。今日のホテルは第8・第9学区との境辺り」


此処から北北西の方か。


香焼「それじゃあ途中まで一緒に行こう。自分は第1学区の方だから途中までは一緒っす」

絹旗「分かった。じゃあ猫達解散させます」チラッ


最愛が一言『ニャー』と鳴く。すると猫達が茂みの方へ散り散りと去って行った。


香焼「あはは……そういえば今日、また猫の数増えてたね」クスッ

絹旗「『だいぶつ』と『しーさー』の事ですか?」

香焼「あ、名前付けたんだ。(また独特なネーミングセンスを……)」

絹旗「佐天とエリーが連れてきました。仲間に入れてあげてーって」

香焼「なるほどね」クスッ


なんとも賑やかな気づかいだ。
だが清掃業者も大変だろう。間違って保健委員が保健所送りにしなければいいが。

とりあえず自分と最愛、それからもあいは公園を出る事にした。


絹旗「……如何して、猫を殺すんでしょうね」

香焼「え? えっと、うーん……野良の動物ってのは『害獣』扱いなんじゃないかな」

絹旗「害、獣ですか?」


街を汚したり、人に噛み付いたり、餌をねだったり、病気を運んだり。


絹旗「でもそれは野良だけじゃないでしょう? 飼い犬だって、人噛んだり病気になったりします」

香焼「それは多分、責任者の有無の違いだよ」

絹旗「責任者……じゃあ私があの猫達の責任者です」ムッ・・・

香焼「ふふっ、今度全員分首輪でも買って行こうか?」クスッ

絹旗「超名案です! Amajonで30個くらい纏め買いしましょう!」

香焼「……あはは」タラー・・・


やはり最愛、偶におバカだ。
915 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/24(金) 00:50:19.10 ID:iZu//s4D0
帰り道……女教皇様からメールが着ている事に気付いた。先に帰っているとの事。大丈夫かなぁ。


絹旗「ねぇ香焼。もし……」ボソッ・・・


ふと、彼女が呟く。


絹旗「害獣がいるなら……害人も、いるんですかね」

香焼「はい?」

絹旗「害ある人。えっと、さっき香焼が言った害獣の定義に当てはまる人間って事です」

香焼「それはまぁ……いるかもしれない」ポリポリ・・・


ステイルはそれを『悪』と称していた。そして自分達は、それに対抗する『必要悪』とも。


絹旗「そいつらは、殺されますか?」

香焼「……今、何て?」

絹旗「……何でもありません。忘れて下さい」

もあい「なーぅ」ジー・・・


忘れろって言っても、聞き捨てられないのだが。
それを認めるって事はつまり『殺人』を容認する事につながる。自分は、それだけは認め得ない。例え甘ちゃんと言われてもだ。

色々言い返したい。だがしかし、今此処で彼女と生命倫理について答弁する気は無い。
多分、最愛は……何処かずれてる。此方が何を言っても、彼女の中には何も残らないだろう。

それより、何か別の話題をしよう。


香焼「……最愛、何時くらいのバスに乗るの?」

絹旗「うーん、超迷ってます」

香焼「迷うって……遅くなり過ぎると補導されちゃうよ?」

絹旗「……じゃあ、家でデリバリー頼む事にします」コクンッ・・・


会話のキャッチボールが出来て無い気がする。何故『デリバリー』なんて言葉が出てきたのだ?


絹旗「今日、ご飯作る人居ないんです。だからファミレスででもと思ったんですが……やっぱりホテルのデリバリー頼む事にします」

香焼「そういう事だったんだ……最愛はそういう日、多いの?」

絹旗「それなりにですね。手料理作れる人、一人だけですし。その人も偶にしかご飯作りませんから」アハハ

香焼「……そっか」フム・・・


自分は、任務で忙しい時以外はなるべく自炊している。
最近は幸か不幸か、五和がご飯を作っているケースが多い。

聞くところによると最愛も親しい仲間は多い様だが……この差は何なのだろう。
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/24(金) 00:54:33.53 ID:F6dXPOPw0
何でこんな投下ペース遅いの?
917 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/24(金) 01:13:34.88 ID:iZu//s4D0
暫時無言。


もあい「にゃーん」プラプラ・・・

絹旗「にゃー」ナデナデ


気がつけば、もあいが最愛の腕の中で頭を撫でられていた。

もう少しで第1学区(我が家)方面のバス停が見える。
最愛とは此処でさよならだが……


香焼「……最愛」チラッ

絹旗「ん?」ホェ?

香焼「ウチで……ご飯食べる?」

絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へっ?!」ドキッ!


自分はいったい、何を口走っているのだ!?


香焼「あ、いや、その……一人でご飯食べるみたいだから、あの……(何か恥ずかしいな)」ポリポリ・・・

絹旗「は、はぃ……(えっと……何ですか、これ!?)」ドキドキ・・・///

香焼「いつもファーストフードじゃ体に悪いし、ファミレスも冷凍食品だろうから、うーんと……」ムゥ・・・

絹旗「そ、うん……で、でも、私なんかがお邪魔したら超迷惑でしょ……(まさか麦野の言ってた事が……って、超馬鹿私!)」モジモジ・・・///

香焼「邪魔じゃないよ! 寧ろ自分の汚い部屋に招待する方が失礼だけど……もし良かったらって」ブンブン!

絹旗「い、いえ! そんなそんな……そぅ……」ナデナデ・・・///

もあい「みぃ」フシフシ


大丈夫……アニー達とご飯食べるのと一緒だ。うん、そうだ。
だから最愛さん、真っ赤にならないで下さい。こっちまで恥ずかしいです。


香焼「あ、えっと、あ、姉も居るんだけど……というか姉が料理作るんだけどさ」アハハ・・・

絹旗「あぅえっ!! そうなんですか!? あ、ははは……(私の超馬鹿莫迦バカばかっ!! 何超妄想してるんですか!!)」カアアァ・・・///

香焼「ご飯(だけ)はプロ並みだよ。変な創作料理しなければだけどね」ポリポリ・・・

絹旗「へ、へぇ……えっと、お姉さん達は、その……」モジモジ・・・


そういえば最愛、人見知りだったっけ。
まぁ五和を暴走させなきゃ当たり障り無いだろう。浦上も何だかんだで空気読めるし、女教皇様は普通にしてればマジ聖女だから。
918 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/24(金) 01:34:13.22 ID:iZu//s4D0
香焼「特に……問題無いと思うよ。(最愛に対してはね)」アハハ・・・


最愛帰った後に、自分への詰問開始は確定事項だろうがな。


絹旗「じゃあ……迷惑じゃないなら、えっと……お邪魔します」///

香焼「うん。どうぞ」ニコッ

絹旗「じゃ、じゃあお菓子か何か持って行かなくても大丈夫でしょうか!」アタフタ・・・

香焼「いやいや、大丈夫だから。心配しないで」クスッ

絹旗「りょ、了解です。(大丈夫。大丈夫。大丈夫……何も無い。何も無い。何も無い! 超変な勘違いするな! 私!)」アハハ・・・

もあい「なぅ?」ジー・・・


根は真面目というか、律義なんだね。

それから数分後、自分達は第1学区行きのバスに乗り込んだ。
家の前のバス停に着くまで終始無言だったが、心成しか、最愛が微笑んでいるように見えた。





 ―――一方その頃、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・





神裂「あ、このマンションです」ピシッ

麦野「だってよ、止めろー」ゲシッ!

浜面「止め、危ねぇだろ! ったく……人の事急に呼び出しといて」ハァ・・・


急遽、麦野さんがアッシー……もとい浜面さんを呼び出し、私達4人を乗せて帰るという事になった。
お休みの所、本当に申し訳ない。


浜面「いえいえ、コイツのこの態度にゃ慣れましたから」ハハハ

麦野「っせぇ黙ってろ!」バシッ!

浜面「あ痛っ」ウガッ!

結標「なんか母親に対する反抗期の中坊みたいね」クスッ

固法「麦野さん、あんまり暴力振るわないの。浜面くん、態々ありがとね」

浜面「あはは……」ポリポリ・・・


やはり昨今は女性が強い世の中になってきたのでしょうかね。
919 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/24(金) 02:15:02.72 ID:iZu//s4D0
 ―――とある日、PM06:15、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・・・




 ごちゃごちゃー・・・・・


浦上「……あ、もう6時過ぎてる」チラッ

五和「あーうん。そだねー」モグモグ・・・

浦上「お姉ぇ、そろそろ片付けしといた方が良いんじゃない? もうすぐ香焼とカオリ姉様帰ってくるよ」

五和「でーじょーぶ、でーじょーぶ。夕飯の準備はしちゃってるしー」モグモグ・・・


本日の献立:挽き肉と野菜のキムチ炒め。ベトナム風春雨スープ。鮭のムニエル(五和特性赤ワインソース添え)。


五和「デザートにフルーツポンチ。完璧っしょ」ヘヘーン!

浦上「まぁ夕飯に関してはマジ惚れ惚れするけど……そっちじゃなくて、恰好とかゴミとかさぁ」ハァ・・・

五和「えー」ブーブー!

浦上「流石に上キャミのみってのは如何かと思うよ。いくら書類仕事終わったとはいえ、Tシャツくらい着たら?」ジトー・・・

五和「んもー。しゃーないわねぇ……そんじゃウラー。着替えて取ってくるからゴミ捨てといてー」ヨイショッ

浦上「ホント良い性格してますネー……今のお姉、上条さんに見せてやりたいですヨー」ジー・・・

五和「あはははは……ムービー撮ってたら締め上げるからね?」ギロッ・・・

浦上「無い無い。はやく行っといでー」ガサゴソ・・・

五和「むぅ。ウラはやりかねんからなぁ」タラー・・・


 ピンポーン・・・・・


五和「あら? もしかしてコウちゃんより先にカオリ姉様、帰ってきたのかな? 珍しい」ヌギヌギ・・・ウンショ!

浦上「お姉ー! 掃除機掛けてるから玄関お願ーい」ヴィイイイイイイン・・・

五和「あいよー。さてさてー、カオリ姉様ー。行った時と服装変わってるかなぁ♪」ニコニコッ

浦上「お姉ー、早く出てあげてー」ヴィイイイン・・・ガシッガシッ・・・

五和「分かってるー。今行くよー」トテトテ・・・


 ガチャッ・・・・・


五和「カオリ姉様ー! お帰りー」バッ!

神裂「ぁ……」タラー・・・

固法・麦野・結標「「「お邪魔しまーす」」」ニコニコッ

五和「なさ、ぃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぇ???」ポカーン・・・
920 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/24(金) 02:34:28.65 ID:iZu//s4D0
五和「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あるぇ?」;・3・))

神裂「ただいま、五和。香焼はまだ帰って無いのですか?」

麦野「あら、火織の妹ちゃん? あんまり似て無いけど……でも美人ちゃんじゃん」ジー・・・

固法「こんばんわ。神裂さんの友人御一行です」アハハ

結標「ハロー。お久ー」フフッ            ※第4話参照。


カオリ姉様の後ろに……3人?


神裂「もし。五和」



 ガチャンッ!!



麦野「ありゃ?」

固法「締め出されちゃった?」

神裂「ちょ、五和!?」エエェッ!!?



 ドタドタドタドタ・・・・・



五和「ウラあああぁっ!!」ワーワー!!

浦上「お姉ぇ。人の名前を大声で奇声っぽく叫ばないでくれませんかネ」ジトー・・・

五和「そ、そそ、外! 外にね、ね、姉様と!!」アタフタ・・・

浦上「御友人がいたとか?」レイセー

五和「何で知ってんの!?」

浦上「メール着たしインターホンカメラで確認したし」

五和「何故それを教えない!!」ウワアアァッ!!

浦上「いやぁ……その方がオモシロそーかなってネ」ニヒヒ!

五和「確かに面白いけど、ビビったわ! あーもう……ちょっと洗面所行ってくる。暫く対応お願い」トボトボ・・・

浦上「あはー。あいよー」クスッ・・・テクテク・・・



 ガチャッ・・・・・



神裂「ただいま、浦上……五和は?」ジトー・・・

浦上「あははは……ちょっとお手洗いに。(怒ってらっしゃるネー)」タラー・・・

麦野「またあんまり似てない妹ちゃんが出てきたわ……美脚ね。若そうなのにスタイルも良いじゃない」

固法「麦野さん、初見でそういう事言わない……こんばんわ、はじめまして。お邪魔しても良いかな?」

浦上「はいはい勿論ですヨ。カオリ姉様の御友人なら大歓迎です! ささ、お上がり下さい」フフフ

神裂「……では、行きましょうか。この子達は中に入ってから紹介します」スッ・・・



 ガヤガヤ・・・・・
921 :>>1 [saga]:2011/06/24(金) 02:44:12.20 ID:iZu//s4D0
すいません。今回は此処まで。次回で11話終わらせたい!


>>913・・・『あまくさっ!』でフレメアを出す予定は無いかなぁ。セイヴェルン姉妹の絡みは書きたいけどね。

>>916・・・すいません。別の作業も並行しながらなのでヌルヌル書いてます。ペースが出るのは毎度01:30以降なのです。申し訳無い。


とりあえず次回は『絹旗、香焼宅へ行く!』です。
一つ屋根の下、男女比率1:7(それ以上)って……それなんてみなみけ? (笑)


それでは例の如く感想質問意見罵倒提案リクエスト等々、コメントお願いします。それじゃあお休み……ノシ"
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 07:04:02.79 ID:n7Lr+mTDO
>>1

>>それなんてみなみけ
そーなると、こーやぎが女装するマコちゃんポジになるって事で……
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/24(金) 09:55:02.98 ID:MvYiNH+P0
これは……、プチ修羅場の予感!!
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 14:11:06.39 ID:n+VEFLNDO
>>922
トウマ‥‥じゃなくてフジオカって言ってやれよww
しかし、絹旗とあわきんが一緒か。熱くなるな!
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 16:04:27.91 ID:Z5QXwibDO
ここぞと言うときの癒し系ワンクッション
もあいも忘れるな
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 18:37:42.18 ID:n7Lr+mTDO
>>924
フジオカじゃつまらんだろう。
こーやぎなら、立派に女装……もといマコちゃんポジをやってくれる!


こーなると帝凍庫が保坂……いや何でも……
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 19:32:54.77 ID:pCJRodeSO
>>924
上条「か…上条さんじゃ不満ということでせうか…」

トウマだとややこしいな
928 :>>1 [saga]:2011/06/25(土) 20:48:12.27 ID:6+GkrLXe0
こんばんわ。続きっす。

>>922‐927・・・皆さんがこんなにもみなみけネタに反応するとは思わなんだw

んじゃボチボチとーかー。
929 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 21:05:18.88 ID:6+GkrLXe0
 ―――とある日、PM06:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・神裂side・・・






浦上「いやぁ、まさか姉様が御友人を連れてくるとは思いませんでしたヨ」ニャハハ


家主(香焼)不在のこの部屋で我が物顔をするのは忍び無いが、とりあえず3人を居間へ招いた。
何故か五和が洗面所から出て来ないので浦上の紹介を済ませる。


神裂「妹……といっても、血の繋がりがあるという訳ではないのですが、浦上――です」

浦上「どもども。学年は一応中3です。狭い部屋ですが、どうぞ我が家だと思って寛いでいって下さい」ペコッ

麦野「ふふっ。出来た妹さんね」

固法「どうも御丁寧に。いきなり押し付けてごめんなさいね」

浦上「いえいえ。姉様の御友人とあれば大歓迎ですヨ。ね?」チラッ


……そう言って貰えると助かる。家主居ないけど。


結標「……」キョロキョロ・・・

神裂「結標さん?」

結標「……香焼くんは?」キョロキョロ・・・

浦上「もう少しで帰ってくる筈ですよ。先程メール着ましたし」ニヤッ・・・


この子、何か企んでるな?


神裂「浦上……香焼には伝えてますか?」ボソッ・・・

浦上「あれ? 姉様が直接伝えていたのでは?」ハテ・・・


拙い……


浦上「……ふつー、私じゃなくて香焼本人に伝えるモンですヨ?」ジトー・・・

神裂「うっ……抜かりました……」タラー・・・


あの子の性格上、怒る事は無いだろうが……しかし呆れられるやもしれぬ。
早めに電話を入れておこう。


浦上「そうして下さい。私は皆さんのお茶入れますから……あ、緑茶で宜しいですかー? それとも紅茶で?」

固法「お任せします」

麦野・結標「「同じく何でも良いー」」

浦上「はいはい。お任せあれー」クスッ


こういう時、この子の柔軟な性格は役に立つ。
さておき……もう一人は如何した?
930 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 21:26:48.14 ID:6+GkrLXe0
そんな事を考えた刹那……


五和「失礼します」ガチャッ・・・


……役者が入ってきた。


神裂「……五和」ジトー・・・

五和「あの、皆さん。先程は失礼しました……まさかカオリ姉様が御友人を連れ帰ってくるとは思いもしなかったので」ペコッ

固法「あ、いえ。此方こそ急にお邪魔しちゃってごめんなさい」

五和「そんなそんな! 謝らないで下さい。それでは此方が無碍にしている様で……気にせず楽にしていって下さい」ニコニコッ

麦野「へぇ。火織、アンタの姉妹ちゃんとしてるわねー。アイテム(ウチ)んとこの糞餓鬼達にも見習わせたいわ」クスッ・・・

五和「いえ、これも姉様の教育の賜物ですので……遅くなりましたが『次女』の五和――、学年は高2です。どうぞ宜しく」フフッ・・・

結標「ははは。面白いわー。教育ですって……って、アンタ同い年なの?!」ゲッ!?

五和「あら、そうでしたか? 姉様とはあまり歳が離れてはいませんが、私はまだまだ若輩者なので……御指示を仰ぐばかりです」

固法「そんなに謙遜しないで。私も同い年だし……もっとフランクにしてちょうだい」クスッ

五和「ふふっ、ありがとうございます。お優しい御友人方ですね」ニコニコッ


うわぁ鳥肌立った。よくもまぁそんな口から出任せ出鱈目をシャアシャアと。


浦上「お姉ー。お茶運ぶの手伝ってー」

五和「あ、はい。今行きます」スッ・・・

神裂「……ハァ」ツカレル・・・

固法「素敵な姉妹ね。血の繋がりは無くてもホントの家族みたいよ」クスッ

神裂「まぁ……長い付き合いですから」ハハハ・・・

麦野「しっかし、あの子もアンタに負けず劣らずのナイスバディね……それに比べて……」チラッ・・・

結標「ぐっ……アンタらが異常なの! 私は普通よ! 82もありゃ上等じゃない!」ウガー!

麦野「ふふふふふ……ぺちゃっぱい」クスクス・・・

結標「う、だあああぁっ!! やるかこの原子炉女!!」ガタッ!!

固法「こらっ! 人様の家よ!」メッ!


ホント、家主にグチグチ言われるので勘弁して下さい。
931 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 21:58:38.80 ID:6+GkrLXe0
それから暫く他愛ない談笑。


麦野「―――あはは! 火織、ウチでもドジっ子なんだー」ハハハ!

浦上「ええ。こう見えてチャーミングですから」クスッ

神裂「麦野さん、『ウチでも』って何ですか……あと浦上、チャーミングとか訳分からん事言わないで下さい」ハァ・・・

結標「ま、人は見掛けに因らないって訳ね」クスクスッ


まぁ確かに……この中の一人を除いては、全員『裏』の顔を持っている。


五和「……あ! いけない!」アチャー・・・

神裂「どうしたました?」

五和「御夕飯、どうしましょう……折角来て頂いたのに……」ウーン・・・

浦上「あー、作っちゃってるからねー。お姉、もうちょい献立増やせる?」

固法「いいよ、そんな気使って貰わなくても」

五和「いえいえ! 客人を手厚く持成せ! これウチの家訓です!」キリッ!

神裂「そんな家訓、設けた覚えないですけど」ジトー・・・

五和「じゃあ今できました! とりあえず冷蔵庫のモノ確認してきます」バッ!


勝手な真似を……


結標「え? 夕飯喰ってって良いの?」チラッ

神裂「別に構いませんが……浦上、何とかなりますか?」

浦上「まぁ、お姉とカオリ姉様の手腕に掛れば献立増やすのなんて朝飯前ですよネ」ハハハ

神裂「物理的に可能であれば構わないのですが……てか、香焼の冷蔵庫を……」ボソッ・・・

浦上「良いの良いの。後で買い溜めしとけば怒らないですヨ」フフフ・・・


後であの子に御駄賃上げないとなぁ。


浦上「そんじゃあ大量に作っちゃいますか。あ、姉様は座ってて良いや。私とお姉で作っちゃいますから」ニコニコッ

神裂「……申し訳ありません」ペコッ

浦上「気にしないで下さいヨ。プライベートなんでしょ? 楽しんで下さい」フフッ

五和「ウラー。何とか間に合いそうだから野菜だけ切って下さーい。ご飯早炊きでもう3合炊いちゃうから」

浦上「はいはーい。(あとはー、香焼も友達連れてくるってからちょい多めに作ってー……)」ニヤニヤ・・・


プライベートとはいえ、教徒を扱き使っている気がして忍びない。後で礼はしよう。
932 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 22:15:55.31 ID:6+GkrLXe0
 ―――とある日、PM07:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・香焼side・・・





バスを乗り継いで数十分……マンション前の停留所に着く。


香焼「此処だよ」スッ・・・

絹旗「……」ポカーン・・・


何故か目をまん丸にしてらっしゃる。


絹旗「……ホントに、此処何ですか?」ポカーン・・・

香焼「うん……あはは、まぁ学校指定でもあったしね」ポリポリ・・・

絹旗「……一人暮らしで? この50階建てくらいの一部屋に?」タラー・・・

香焼「50って……大袈裟っすよ。それに一人暮らしってのは語弊あるかな」アハハ


最近では馬鹿共が事ある度に居座ってるので、一人暮らしとは言い難い生活になっている。


絹旗「でも基本は一人なんでしょう? ……超金持ちじゃないですか!」キラキラ・・・

香焼「あはは……そうでもないよ。奨学金っていうか、何ていうか……自分のお金じゃないし」ポリポリ・・・

絹旗「良いなぁ……一人で高級マンション……麦野みたいです」キラキラ・・・


何かメルヘン状態にトランスしている最愛さん。貴女も大概金持ちでしょうに。


香焼「とりあえず行くよ。もあいもしっかりついてきてね」クスッ

もあい「みー」フシフシ

絹旗「良しっ……いざ城攻めです!」ムンッ!

香焼「何と戦う気なのさ」アハハ・・・


エレベーターに向かう……の前に、一応浦上に連絡しておこう。
勿論部屋片付けてるだろうなって。
933 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 22:35:01.18 ID:6+GkrLXe0
 ―――一方、香焼宅・・・神裂side・・・





麦野「しかし、良いとこ住んでんのね。火織の弟」キョロキョロ・・・

結標「当たり前じゃない! 理事校の学生よ!」エッヘン!


何故貴女が自慢するのですか?


固法「でも此処に一人暮らしって、何だか勿体無いわね。居間24畳の2LDK、あと広いベランダ付きかぁ」キョロキョロ・・・

神裂「一応、五和・浦上(この子)達が頻繁に来ているので寂しいという事は無いかと」ポリポリ・・・

浦上「寧ろ香焼のプラベートくれてやるもんかってくらい邪魔してますからネー」アハハ

五和「う、ウラ……え、えっと、一応香焼の事が心配で来てるんですよ。如何思うかはあの子次第ですけど」タラー・・・


自覚あるなら少しは個人を尊重させてあげなさい。


固法「ふふっ。幸せモノの弟さんね」クスクスッ

神裂「そう思ってくれてると良いんですが……何分、堅い子なので」アハハ・・・

結標「そう? 意外とフランクだったけど」

神裂「ふむ……あの子は結標さんに対して、私達とまた別の母性の様なものを感じているのではないでしょうか」

結標「ぼ、母性……嬉しい様な、悲しい様な……」ムゥ・・・

麦野「……このショタコンが」フフフ・・・

結標「」(^ω^#)”ピキピキ・・・

固法「だから喧嘩しないのっ!」ンモー!


まったく困ったものだ。


浦上「……ふむ、どうしたものか」ポリポリ・・・

五和「どったの? ご飯なら余る程作ったけど」

浦上「うん、ギリギリまで黙ってたけど……香焼もう帰ってくる」

五和「え、まぁ大丈夫じゃないかな? カオリ姉様の友達って言えば帰れなんて言わないだろうし」

浦上「そっちじゃなく……」ウーン・・・


 ガチャッ・・・・・ただいまー。


五和「あ、帰ってきた」チラッ

結標「お!」ガタッ!

浦上「……ま、いっか。面白そうだし」ニシシ!


……浦上が何か隠している。不安だ。
934 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 22:49:18.12 ID:6+GkrLXe0
とりあえず先に私が話をしなければなるまい。


神裂「すいません、少しあの子と話をしてきます。待ってて下さい」スッ・・・

結標「私も行くーうぐぇっ!?」グイッ!

固法「どうぞ行って来て。誰も邪魔しないから」ニコッ・・・

麦野「美偉、えぐい……」タラー・・・


さて、香焼に何と謝ろうか。とりあえず玄関で出迎えを―――


香焼「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・靴、何でこんな多いの?」タラー・・・

絹旗「……香焼」スッ・・・


―――……え?


もあい「にゃー」チラッ


香焼の後ろに……女の子?


香焼「……女教s……カオリ、姉さん?」チラッ・・・

神裂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっと」ダラダラ・・・

絹旗「っ」キュッ・・・

神裂「そ、其方の女の子は?」タラー・・・

香焼「……最愛。自分の姉っす。噛み付いたりしないから大丈夫だよ」ニコッ・・・

絹旗「……」ジー・・・


人見知りなのか、香焼の後ろから出てこようとしない。
……じゃなくて、ちと待て。色々ツッコミが追い付かない。


絹旗「……絹旗、最愛です。お邪魔、します」ボソッ・・・

神裂「あ、はい。どうも御丁寧に……神裂火織です」ペコッ

香焼「うん、よくできました。それで、姉さん……この大量の靴は?」ジトー・・・

神裂「あ、の……そのですね……浦上からは何て?」ダラダラ・・・

香焼「『ご飯作って待ってるヨ』とだけ……如何いう事っすか?」ジトー・・・

神裂「……暫し、御待ちを」ギギギギ・・・


状況整理。そして問題把握。つまりは……


神裂「ああ、成程……」フム・・・


深呼吸し……叫んだ。


神裂「浦上いいいいいいいいいいいいいいいぃっ!!」ガアアァッ!!

絹旗「っ!!」ビクッ・・・ギュッ・・・

香焼「姉さん、叫ばないで!」ジトー・・・


あ、すいません。
935 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 23:03:10.95 ID:6+GkrLXe0
数秒後、浦上が策士笑顔で玄関の方へ歩いてきた。


浦上「あはは。おかえり、香焼」ニヤニヤッ

香焼「……やっぱオマエの所為か」ジトー・・・

浦上「まぁまぁ怒らないの。人数多い方が楽しいじゃん?」フフッ


このお馬鹿、全部掌握していやがった。


浦上「まぁとりあえず説明するから……お嬢さん、少し待っててネ」ナデナデ

絹旗「っ!」ビクッ!



 少女説明(謝罪)中・・・・・



浦上「―――と、いう感じだよ。まぁ姉様に連絡しなかった香焼も悪いし、香焼に連絡忘れた姉様も悪いネ」ハハハ

香焼「おま……他人の所為にしやがって」ジトー・・・

神裂「貴女が双方に連絡すれば問題無かったでしょう! 如何してそういう真似を」ジトー・・・

浦上「まぁまぁ穏便に穏便に。ご飯は足りてますから大丈夫ですヨ」フフッ

香焼「そういう問題じゃ無くて……ハァ。如何しよう……」タラー・・・

神裂「もぅ……香焼、すいません。勝手に友人を上げたりして」ペコッ

香焼「いや、良いんすけど。ただ自分も連れてきちゃって……あの子、極度の人見知りなんす」ムゥ・・・

浦上「ダイジョブダイジョブ。私達なら上手く対応できるヨー」ニカッ!


そっちではない。問題は大人数という事だろう。見知らぬ人間が6人もいたら正直落ち着きまい。


香焼「うーん……最悪、居間は女教皇様達に使って貰って自分達は『自分の部屋』に居るっすよ」ハァ・・・

浦上「ほぅ……私達すら入れた事無い『香焼の部屋』に入れるとは……ふふふ」ニヤリ・・・

香焼「表面積オーバーするくらいナイフ刺すぞ?」ギロッ・・・

浦上「あはは。冗談だって。私達が近くに居るのに不純な真似出来る様な度胸あったらとっくにアニェーゼ達喰われてあ痛っ!」ボコッ!


……そういう事言わないの。
936 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 23:18:56.27 ID:6+GkrLXe0
絹旗「……あの」ガチャッ・・・


部屋の外で話していた私達の下に、絹旗少女が顔を出した。


絹旗「……お邪魔、でしたか?」

香焼「え、いや、大丈夫なんだけど……」ウーン・・・

絹旗「……」ジー・・・

もあい「……なぅ」プラーン・・・

香焼「……えっと」タラー・・・


困った顔をする二人。このままでは彼女は帰ってしまうやもしれない。
折角来てくれたというのに……


神裂「……絹旗さん」ニコッ・・・

絹旗「え、あ、はい」ビクッ・・・

神裂「そんなに怯えなくても大丈夫です。私達は歓迎しますよ」ポンッ・・・

絹旗「あ、ぅ……」モジモジ・・・


目線を合わせ、頭に手を乗せる。
香焼と同じくらい幼い顔立ちの可愛らしい娘だ。彼と同い年かちょっと下くらいだろう。


神裂「ただ、私の友人も来ているのです。御一緒する事になりますが、宜しいですか?」

絹旗「え、と……」チラッ・・・

神裂「大丈夫。皆、優しい方々です。安心して下さい」ナデナデ・・・

絹旗「……は、い」コクンッ・・・


一件落着か。あとは中の3人にも事を伝えなければ。


神裂「では友人達にも伝えてきます。少々御待ちを」

絹旗「……はい」コクッ・・・

浦上「良かったネ、香焼」フフッ

香焼「元はといえばオマエが……ったく。ほら、オマエも中の人達に謝って説明してこい」ジトー・・・

浦上「あいあいさー」クスッ


香焼が悲しむ様な思いはさせたくない。
絹旗少女を受け入れてもらえる様、キチンと説明しよう。
937 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/25(土) 23:56:20.31 ID:6+GkrLXe0
 ―――一香焼宅・・・香焼side・・・




どうしてこうなった……と己が現状を嘆きたいところだが、それは彼女への冒涜となりかねない。
しかし、最愛を苦しい場面へと導いてしまった事は現実である。


香焼「……ごめんね」

絹旗「如何して、謝るんですか?」

香焼「……」

絹旗「香焼の所為じゃないんんでしょ? 別に謝らなくたって良いです」

香焼「だけど、その……」

絹旗「春上や佐天の御蔭で、賑やかなのも慣れました……多分ね」クスッ


強がりを……


絹旗「香焼は超気にし過ぎなんです。私だって、あのお姉さんみたいに優しい人なら臆したりしませんよ」フフッ

香焼「うん……そっか」クスッ・・・


自分の考え過ぎか。


香焼「……ありがと」

絹旗「うーん、感謝される謂れは無いんですけどね……謝られるよりはマシです」フフッ

香焼「あはは、そうだね」

絹旗「こっちこそ……超気使ってくれて、ありがとです。成るべく私も頑張りますから」

もあい「にゃー」フシフシ

絹旗「ふふっ、もあいも一緒ですしね」ニカッ!


いつもこのくらい明るい子なら、きっと最愛の世界は素晴らしいモノである筈なのに……


神裂「……失礼。二人とも、どうぞ」ガチャッ・・・

香焼「はい。最愛、行こ」スッ・・・

絹旗「……はい」クスッ


本当につまらない事に真剣になってしまった。もっとフランクに行こう。
938 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 00:15:56.83 ID:RKUpn8+O0
居間に入った瞬間、予想通り最愛が固まった。ついでに自分も固まった。


結標「やっほー! 来ちゃった!」オーイ!

麦野「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありゃ?」ニヤニヤ・・・

香焼・絹旗「「」」チーン・・・


斜め上を行った後に、更に上空へ駆けあがって行ってしまった予想。何故、結標さんが居る?


結標「途中で貴方のお姉さんと会って、成り行きで来ちゃった!」テヘッ♪

固法「えっと、貴方が香焼くんね。固法美偉です。お邪魔してます。最愛ちゃんは……久しぶりね」ペコッ

結標「あ、香焼くん。この眼鏡が言ったヤクザの奥さんよ」ニヤッ・・・      ※第4話参照。

固法「や、ヤクザ!?」エ?!


ああ、あの銭湯であった刺青さんの……


固法「先輩の事言ってるの? ……ヤクザじゃありません。フリーターです」ジトー・・・

麦野「あはは。まぁウチでバイトさせてるから確かにフリーターっちゃフリーターか」ケラケラ・・・

結標「アンタんとこでバイトしてんなら、やっぱヤクザじゃない」クスクスッ

麦野「……ウチはカタギだっつのボケ。(場所考えて物事言えアホ)」ギロッ・・・


そんでこの大人びた女性が例の……超能力者か。


絹旗「」

麦野「……へぇ」ニヤニヤ・・・

神裂「麦野、さん?」エ・・・

麦野「あ、うん……初めまして、弟くん。麦野沈利よ」ペコッ

香焼「どうも……姉から御二人の事は聞いています。どうぞごゆっくり」ペコッ


しかし何とも女性の多い空間だ……息苦しい。
そして、時に最愛さん。何故未だに固まってらっしゃるの?


香焼「最愛? 大丈夫?」

絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぁ。ふぁい」チラッ・・・コクンッ・・・


人見知りで固まっていた様ではないが、如何したのだろう。
939 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 00:30:52.54 ID:RKUpn8+O0
絹旗「……香焼」チラッ・・・

香焼「ん?」

絹旗「……アレとアレ、本当にお姉さんの友達ですか?」ビシッ


麦野さんと結標さんを指差す。


麦野「おま、アレ言うなし」ジトー・・・

結標「どっちかって言うと、私は香焼くんの友達ね」ニヤッ・・・

絹旗「……麦野。これって嫌がらせか何かですか?」ジトー・・・

麦野「私だって驚いたわよ。弟くんのガールフレンドが絹旗だなんて」クスクスッ

香焼・絹旗「「が、ガールフレンドっ!!?」」カアアァ///

結標「」(^ω^#)ピキッ・・・


と驚く前に、疑問が。


香焼「違うっすよ……って、あれ? 最愛、知り合い?」チラッ・・・

絹旗「え、と……その……」タラー・・・

麦野「ふふっ。ま、私の妹分よ。絹旗から友達が出来たって聞いてたけど……火織の弟で安心した」クスッ


……すいません。誰か状況解説お願いします。


浦上「そんじゃ私が」スッ

香焼「何でオマエがすんのさ?」ジトー・・・

浦上「此処で『第4の壁』ブチ壊せるの、私かお姉だけですからネー」ニャハハ!

五和「……ウラ。今はメタい台詞禁止」タラー・・・



 少女説明中・・・・・



浦上「―――はい、全員把握完了ーっと!」ビシッ!


つまり最愛……麦野さんは姉分で、結標さんは『同業者』で、固法さんは彼氏さんが麦野さんの所でバイトしてるから知っているという訳か。


香焼「それなら良かったね、最愛」チラッ・・・

絹旗「……全然、良くないです。姉貴さん以外は」ダラダラ・・・

もあい「にゃーん」トコトコ・・・
940 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 01:38:17.97 ID:RKUpn8+O0
 ―――とある日、PM07:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・神裂side・・・





幸か不幸か、絹旗さんが人見知りになるような面子では無かった様だ。
ただ何となく、気まずそうではあるが……多分大丈夫だろう。


香焼「……ところで」チラッ・・・

結標「ん?」プニプニ・・・

香焼「……何故結標さんは、自分のホッペを突っ突いてるのでしょうか?」ジトー・・・

結標「あら? 嫌だった?」フフッ


嫌というか、恥ずかしそうだ。あと絹旗さんの目が……


絹旗「……」ジトー・・・

麦野「ほら絹旗。アンタも香焼くんに突っ突いて貰ってきなさいよ」ニヤリ・・・

絹旗「で、出来るかボケー!」カアアァ///

麦野「ふふふ、真っ赤になっちゃって。こんな絹旗ちゃんレア中のレアだわー」ニヒヒ!


まぁしかし、此方は此方で仲睦まじい御様子。


神裂「……危惧していた様な事にはならなくて良かったですね」クスッ

固法「危惧?」

神裂「あの子……絹旗さんが人見知りだというので、我々を警戒するかと」

固法「ああ、成程。確かに最愛ちゃんは中々懐かない猫みたいだからね。懐いちゃえばべったりだけど」クスッ

神裂「……香焼は懐かれたと?」

固法「かもね。あの子の心を開かせるのは並じゃ難しいわよ……良い弟さんなのね」フフッ


少々堅物で、甘いが……博愛主義者ですから良い子ではあると思う。


浦上「おぅふ……香焼が面白い事になってるヨ!」ニヤニヤ・・・

五和「コウちゃん! フラグ乱立は今に始まった事じゃないけど、むやみやたらに拡散させると後ろからブスリと刺されるよ!」ジー・・・


コイツらはいつもどおりっと。
941 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 01:54:58.07 ID:RKUpn8+O0
さておき、時間も時間だ。ご飯にしよう。


神裂「五和。テーブルに夕飯を」チラッ・・・

五和「あ、はい。ウラ、ご飯装っちゃって。私オカズ装うから」

固法「私も手伝うわ。何すれば良い?」テクテク・・・

浦上「それじゃあ人数分受け皿とコップをお願いしますネ」ペコッ

五和「あ、コウちゃん。多分メインテーブルだけじゃ足らないから予備テーブル出して頂戴」

香焼「分かったっす……って事で結標さん、離して」ハァ・・・

結標「はいはーい」クスッ


香焼が物置部屋に折り畳み式のテーブルを取りに行く。
彼が消えた刹那……嫌な空気が走った。


絹旗「……」ギロッ・・・

結標「……あら、何かしら?」チラッ・・・

絹旗「オマエ……何でこんなとこに居るんですか?」

結標「そっちの『お姉さん』に聞きなさいな」

絹旗「……」チラッ・・・

麦野「何でも彼の『恩人』なんだって。一緒に寝たとか」ニヤニヤ・・・

絹旗「っ! ……そ、ぅ」エ・・・


あからさまに想い人を奪われた乙女の反応……というか、結標さん。アンタ、ウチの子に何してますの?


結標「……そりゃ語弊よ。別に『情』を交わした訳でも無いから、そこんとこは安心なさい」ニヤッ・・・

絹旗「ぇ、あ、べ、別にショックなんて受けてません! アンタの超勘違いです!」ホッ・・・ギリッ///

結標「あっそ」ニヤニヤ・・・

麦野「あるぇ? 絹旗ちゃーん? 今ホッとしなかったー?」ニヤニヤ・・・

絹旗「む、むきゃあああぁっ!! してませーん!!」フシャー!!

もあい「フシャー!」キッ!


完全にオモチャにされてますね。
942 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 02:15:54.13 ID:RKUpn8+O0
一寸後、小さめのテーブルに香焼と絹旗さんが座り食事が始まった。
献立は……挽き肉と野菜のキムチ炒め。ベトナム風春雨スープ。鮭のムニエル(五和特性赤ワインソース添え)。
追加でナポリタンパスタ(ペンネ)。トーストフレークとシーザーサラダ。

ムニエルは4つ分しかなかったので、全て客人に振る舞う事とした。


固法「おお、豪華! 五和さん。後でレシピを、って……」ア・・・


天草一同、食前の祈中(簡易版)。


麦野「……何か壮大ね」アハハ・・・

結標「そういえば十字教徒なんだっけ」タラー・・・

絹旗「十字、教徒? キリスト教って事ですか?」ハテ・・・

結標「そうなんじゃないの? 私宗教あんま詳しくないから分かんないけど」

固法「広く当てはめればそうでしょう。旧約とか新約、そっから更に派生してるみたいだけど……あまり口出ししないでおきましょ」

麦野「そーね。興味無ぇし」


確かに傍から見れば異様な光景だろう。特に宗教を完全分離させているこの街の人間なら尚更だ。


神裂「―――……すいません。お待たせしました」ペコッ

固法「ううん、大丈夫よ。じゃあ頂きましょう」フフッ

浦上「そんじゃ家主の号令どーぞ」ニヤッ・・・

香焼「え、自分? 上座の姉さんが……」チラッ・・・

神裂「いえ、貴方がすべきでしょう」コクッ


本来であれば貴方が上座に座らなければいけない様な気がするが、それよりも絹旗さんと一緒に食事をした方が良いでしょう。


香焼「はぁ……では、いただきます」コクッ

一同『いただきます』コクンッ

もあい「にゃーぅ」ペコッ


大人数での夕飯が始まった。
943 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 02:33:21.38 ID:RKUpn8+O0
  ・・・香焼side・・・


流石、五和というべきか料理は一同から絶賛された。


麦野「やべぇ! 鮭美味ぇ!!」ムシャムシャ!

絹旗「始まりましたね、麦野の鮭中毒」ハァ・・・

麦野「これ作ったの妹さん? ウチで専属のシェフやらない? 給料弾むわよ!」

五和「ふふふ。御上手ですね、作った甲斐が有ります」

固法「いやいや、ホントに美味しいわよ。教えてもらいたいくらい」フフッ

五和「でも姉様の腕前の方がずっと上ですから」

神裂「いえいえ、最近では貴女の方が腕を振っていますから。きっと既に私を抜いているかもしれませんよ」

浦上「ま、どっちにしたって五十歩百歩ですヨ。美味しい事には変わり無いですから」ハハハ


確かにその点は認めよう。


麦野「まぁでも、これだけウマけりゃ男も困らねぇわな」ハハハ


空気が……割れた。


麦野・五和「「……」」シーン・・・

麦野「……あ、るぇ?」ダラダラ・・・

浦上「あ、え、えっと! き、絹旗ちゃん! ご飯美味しい?」アーアー!

絹旗「もきゅもきゅ……はい。ジャンクフードの超倍美味しいです」ゴックン!

結標「ジャンクと比べてどうすんのよ……てかアンタ、碌な飯喰わせてないの?」チラッ・・・

麦野「え、い、いや……きーぬはぁたちゃん、私の作るご飯美味しいわよねー」チラッ・・・

絹旗「麦野のご飯なんて食べた事ありません」モキュモキュ・・・

麦野「おま、馬鹿正直に答えんな!」ダー!

絹旗「姉貴さんと滝壺さんの料理は超好きですよ」ニカッ!

固法「あら、ありがと」フフッ


良かった。何とか和んだ……
944 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 02:45:33.11 ID:RKUpn8+O0
それから暫く談笑しながら食事は進んだ。ふと、最愛の顔を見る。
自然に……笑いが出ていた。


絹旗「……ん? どうしました?」チラッ・・・

香焼「いや……良かったねって」フフッ

絹旗「んー???」ポカーン・・・

香焼「ははは。楽しいならそれで良いんだよ」クスッ

絹旗「まぁはい。そうですね」クスッ

もあい「みゃー」スリスリ・・・


もあいが『魚くれー』と言わんばかりに最愛に摺り寄ってきている。微笑ましい。


結標「ふむ……ねぇ、香焼くん」チラッ・・・

香焼「はい」

結標「あーん」スッ・・・

香焼「……は?」タラー・・・

絹旗・五和「「なっ!!?」」ギョッ!?


ムニエルの切れ端を此方に差し出してくる結標さん。


香焼「む、結標さん?!」タラー・・・

結標「香焼くん達、お魚食べてないんでしょ。だからどーぞって」フフッ

香焼「べ、別に大丈夫っすよ。自分達は気にせず食べて欲しいっす」アハハ・・・

結標「じゃあ気にしない。だから私の意志で御裾分けー」ニコニコッ

香焼「え、と……」タラー・・・


こんなにも視線が集まる中、そんな真似出来ませんって。


香焼「じゃ、じゃあ、この皿の上に」スッ・・・

結標「あーん」スッ・・・


忘れてた……この人は月詠さんが見てようがお構い無しで、自分を抱き枕代わりにする人だった。
945 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 03:01:43.71 ID:RKUpn8+O0
絹旗「……」ジトー・・・

香焼「結標さん。そんな恥ずかしい真似できませんって」タラー・・・

結標「恥ずかしいの? 何で?」ニヤニヤ・・・


アンタ、今分かって敢えてやってるだろ?


五和「コウちゃん! 姉ちゃんがそれやる時は箸掃うクセに! 他人には優しいのね!」ムキー!

香焼「当たり前だ馬鹿女郎。オマエにやられて喜ぶ男の気がしれない」ジトー・・・

五和「こ、のぅ……これでも姉ちゃん、五中のマドンナって言われてたんだからね!」プンスカ!

香焼「じゃあ実家帰れ」フンッ

五和「うがぁっ!! 生意気な小僧めぇ!! 後で粛清だああぁっ!!」ギニニィ・・・

固法「あれ? 五和さん、こんなキャラだったっけ?」タラー・・・

神裂・浦上「「コレが地です」」アハハ・・・


さておき、未だに『あーん』とか言ってる結標さん。如何したものか。


麦野「……絹旗ちゃーん。アンタもしなさいよー」ニヤニヤ・・・

絹旗「い、嫌じゃボケ!」グヌヌ・・・

麦野「意地張ってるとそこの痴女に香焼ちゃん誘惑されちゃうわよー」ニヤニヤ・・・

絹旗「っ……嫌です」ウー・・・

香焼「そこ! 物事ややこしくしないで下さい!」

五和「あ、じゃあ姉ちゃんも参加! コウちゃん、あーん」スッ!


そのキムチ炒め自分も喰ってる。コッチ寄越す意味が無いだろ。
これは完全に無視っと。


固法「結標さん、五和さん。香焼くん困ってるからその辺にしといてあげなさい。いつまでもご飯片付かないわよ」メッ

結標「香焼くんが食べれば問題無いわ」フフッ

五和「そういう事! コウちゃん口開けないと捻じ込むわよ!」クワッ!


だからそういう問題じゃ無く。オマエらが箸を納めろって事ですよ? 分かりませんか?
946 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 03:19:51.38 ID:RKUpn8+O0
自分が呆れかえって、女教皇様に助けを求めようとした時……最愛が告げた。


絹旗「もあい!」ニャー!

もあい「みゃー!」シュッ!

五和・結標「「あっ!?」」ナ・・・


パクンっと、綺麗に二人の箸先のモノを飲み込んだもあい。ナイス。


五和「もあいに……喰われた」ガーン・・・

結標「むきー! 猫風情がー!」グヌヌ・・・

絹旗「猫嘗めんな超ボケー!」フシャー!

もあい「なー」モグモグ・・・


流石猫の女王(仮)。頼りになる。


香焼「最愛、ありがとね」フフッ

絹旗「いえ、食事は行儀良くするものです。二人が超マナー違反だっただけですから」エッヘン!

麦野「アンタの中で猫使うのは違反じゃないのね」アハハ・・・

絹旗「もあいは友達だから良いんです」ムンッ!


何という超トンデモ理論。


固法「えっと、とりあえず食べ終えちゃいなさい。何時までも片せないでしょ」メッ

麦野「って、オカンが言ってるわ。アンタ達、遊んでないで食べちゃいなさい」

固法「誰がオカンか!」ジトー・・・

絹旗「姉貴さん、次は超オカンになるんですか?」エ?

固法「なりません! いいから食べる!」ハァ・・・


この人は多分、何処居ても世話焼きタイプなんだろうなーと苦労人(同族)臭を感じてしまった。
947 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 04:09:01.31 ID:RKUpn8+O0
 ―――とある日、PM08:10、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・神裂side・・・





一同『ごちそうさまでした』ペコッ


特に大きな事故(?)もなく夕飯終了。
客人にデザートのフルーツポンチを出し、私と五和・浦上、そして例の如く固法さんが食器の片付けをする。


香焼「では一旦、自室に行ってくるっす。直ぐ戻るので宜しくお願いします」テクテク・・・

もあい「なー」トコトコ・・・

結標「あ、私、香焼くんの部屋見てみたーい」スッ・・・

3姉妹『っ!!?』ギョッ・・・

香焼「……ダメっすよ」ニコッ・・・

結標「えー。ちょっとだけ。ね?」フフッ

香焼「駄目っす」ニコニコッ・・・

結標「あれー? もしかして女の子に見せられない様なモノを隠し――」

香焼「だめ」ニッコリ・・・

結標「――うっ……わ、分かったわ」タラー・・・


そしてもあいと共に『自室』へ消えて行く香焼。


麦野「ははは。馬鹿ねー。思春期の男の子がそう簡単に部屋の中入れてくれる訳無いじゃない」クスッ

結標「何かそういうのじゃない気が……ねぇ。香焼くんの部屋って、何かあるの?」チラッ・・・

3姉妹『……』ジー・・・

結標「……え?」タラー・・・


私達も、入った事無い。


麦野「入ろうとした事は有るって事?」

五和「えっと一応……でも……」タラー・・・

浦上「……入れませんヨ」タラー・・・

神裂「まず部屋の戸を見れば厳重さが分かりますって」チラッ・・・


一同、廊下の横……和室部屋の戸を見遣る。


結標「何、あれ? ●イレントヒル4?」エ・・・

絹旗「一体何があるんですか? もあいは普通に入って行きましたよ?」

神裂「分かりません。見た事無いので……」

麦野「ブチ破った事無いの? 非常時どうすんのよ?」

固法「ブチ破るって……麦野さんじゃないんだから」ハァ

麦野「……このぅ」ムニュッ

固法「何処揉んでんの馬鹿!」パシッ!

五和「あはは……破ろうとした事はあるんですが……」タラー・・・

麦野「ほら見ろ! って痛たたっ!」ムニュムニュッ! ゴチンッ!


あの扉、壊せません。
948 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 04:26:09.60 ID:RKUpn8+O0
麦野「え……火織の馬鹿力でも?」

神裂「馬鹿力て……貴方にいわれるのは癪ですが、はい」

固法「試す時点で如何なのよ」タラー・・・

麦野「じゃあ絹旗。アンタやってみなさいよ。純粋な馬鹿力ならこの街でもトップクラスでしょ」チラッ・・・

絹旗「嫌です」キッパリ!

結標「けっ。良い子ちゃんブリやがって」ジトー・・・

絹旗「人が嫌がる事はしない主義なんですよ。超アバズレ」ジトー・・・

結標「あばず……ちょっと、教育なってないわね」チラッ・・・

麦野「あら、教育通りよ?」ニヤリ・・・


そこ、無駄に喧嘩しない。


麦野「あ、じゃあ美偉の能力で中見れないの?」

固法「え? 見れるかもしれないけど……本人の許可無しには出来ないわ」

結標「はいはい。流石風紀委員さまねー」ケッ!

絹旗「超アバズレと超姉貴さんは天と地ほど違うんです。悪の道に誘わないで下さい、超アバズレ」ジトー・・・

結標「アンタさっきから何回アバズレ言う気? ねぇ……超糞餓鬼……」ギリリ・・・

神裂「だから喧嘩するなと……とりあえず、あの子の部屋については禁忌(タブー)でお願いします」


最悪、機嫌損ねるから。


結標「香焼くんも機嫌損ねる事あるんだ」ヘェー

浦上「五和(お姉)みたいな対応されはじめますヨ? 最悪、終始無言で笑顔の暴力ですから」アハハ・・・

五和「うん、コウちゃんの無言笑顔は……」ブルル・・・

絹旗「笑顔の暴力?」ポカーン・・・


まるで赤の他人として接してくるという事だ。


絹旗「うっ……香焼にそれやられるのは……」タラー・・・

結標「嫌ね……」タラー・・・


あのレッサーでさえ涙目モードにさせるのだ。平和でいたいならあの部屋に手を出すべきではない。
949 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 05:02:51.44 ID:RKUpn8+O0
数分後、香焼が戻ってきた。
一同何事も無かったかのように冷静を保っている。


香焼「……何か?」エ?

神裂「いえ、何でも……」アハハ・・・

浦上「あーえっと、そいやぁそろそろ映画の予約しとかなきゃなー」ニャハハ!

五和「あ、うん、そうね。コウちゃん、ハードのメモリ空けていい?」

香焼「どうぞ勝手に。どうせ自分録画機能使わないし」

もあい「なー」コクンッ


映画……そういえばもうそんな時間か。忘れていた。


絹旗「む? 今日の映画なんでしたっけ?」

浦上「『ザ・グルーモ2』だヨ。おっかないぞー」ニシシ!

絹旗「っ!! 急いで浜面に録画予約を頼まねば!」カチカチ・・・

五和「あれ? 絹旗ちゃん、スプラッタ大丈夫なのかな?」

麦野「大好物よ、この子」アハハ・・・

結標「趣味悪ー……」タラー・・・

絹旗「スプラッタが好きなんじゃなくて、超適当なシナリオと超ミスマッチな程迫真な残虐シーンのギャップが超良いんです!」キリッ!

香焼「相変わらず良く分からないセンスだね」アハハ・・・


私にはスプラッタ物の良さが分からない。よくもまぁあんなグロテスクなモノを見れるものだ。


浦上「姉様が極道モノ(Vシネ)とか多少サイコな時代劇モノ見れるのと同じですヨ」アハハ

固法「あら、Vシネ面白いじゃない」

麦野・結標「「……」」ジトー・・・

固法「な、何よ?」

麦野「極妻……」ボソッ

結標「極妻ね……」ボソッ・・・

固法「まだ言うか、アンタら……」グヌヌ・・・


まぁ彼女達の中にそういうキャラで定着してますからね。
950 :>>1 [saga]:2011/06/26(日) 05:07:40.96 ID:RKUpn8+O0
すんません。思ったより長引いた……今日は寝ます。次回『このりん無双!』ですw

さて問題が生じました。
本来12話まで行うつもりだったのですが、このままだと11話で終わりですね。如何しましょう。


『あまくさっ!』の今後について、御意見お願いします。
個人的には終わりでも仕方ないかなぁと。何せ1クールくらい書いてるし……


とりあえず此処まで! んじゃ! ノシ”
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 05:12:20.41 ID:L1K2ksnDO
>>1
そんな、若い娘(絹旗)がいるのにこのりん無双だなんて……

いいぞもっとやれ!


親戚さんに迷惑かからないんだったら、もっと続けて欲しいかな……
出来るなら比較的ほのぼのちょっぴりエッチな感じで
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 05:33:40.50 ID:jr3GTn3Yo


まあ、>>1が〆るべきと判断したなら仕方ない
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 05:57:58.51 ID:sFcuGXEto


続けられるのなら続けてほしいな
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/26(日) 08:05:56.02 ID:sTmvDT9v0
エロエロをやるまで撤退は許さん
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/26(日) 10:38:46.73 ID:rke6By1No
今後どうするかと聞かれても全力でもっと見たいとしか言いようがない
カルテッ娘と天草が可愛すぎる
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/06/26(日) 17:35:07.97 ID:k7erf9fAO
はいはい待ってる待ってる
957 :>>1 [saga]:2011/06/26(日) 19:52:41.42 ID:RKUpn8+O0
こんばんは。雨は良いね。外出たくないけど。

続きに関してはもう少し悩みます。とりあえず投下。
958 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 20:29:02.23 ID:RKUpn8+O0
 ―――とある日、PM08:30、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・神裂side・・・





現在各々寛ぎ中。
絹旗さんは香焼にルールを教わりながら小テーブルでチェスを。固法さんはキッチンで五和にムニエルのソースのレシピを教わっている。
残りの面子は、大テーブルで駄弁りんぐ。


麦野「しっかしまぁ……恐ろしい程平和な家ね」ボリボリッ

結標「煎餅落ちてるわよ。ま、アンタの『教育』が行き通ってる御蔭かしら?」チラッ・・・

神裂「別に。ドチラかというと私も、この子達に感化された方ですよ」クスッ

浦上「あはは。まぁそれは多分五和(お姉)のマイペースの御蔭でしょーネ。控え目奥手だけど、身内にはアレですから」ハハハ


確かに、私も浦上も香焼も、主体的ではない。
彼女には今後リーダー分として先頭に立って貰わねばという建宮始め前線組の意向の通り、然るべき器に育って欲しい。
多少腹黒い所は有るが、現状では十分と言って差し支えないだろう。


麦野「ふーん。それに……」チラッ・・・

神裂「絹旗さん、ですか?」

麦野「珍しいを通り越して貴重よ。ああいう同年代の子は」ジー・・・

結標「あら……困るかしら? ああいう甘ちゃんに仲良くされるのは」クスクス・・・

麦野「……プライベートなら構わねぇよ」フンッ・・・


プライベート。その一言に、深く、暗く、重い意図を感じる。


結標「プライベートねぇ……(コイツ、香焼くん達の素性知らないのかしら?)」ヘェ・・・

麦野「そういう事。普段はこうでも……もしかしたらアンタ達を『蜂の巣』にしなくちゃいけないかもしんないでしょ」サラッ・・・

神裂「……聞かなかった事にします。馬鹿な事は二度と口走らないで下さい」ギロッ・・・

麦野「ん……あいよ。悪ぃ」ポリポリ・・・

結標「まぁそうならない事を願うわ。アイツ、固法美偉に『同時の弔報』なんか知らせたくないでしょ?」チラッ・・・

神裂・麦野「「……」」

浦上「あ、あははは……(何かこの人達、怖いヨ!!)」タラー・・・


されど、彼女達に『救いの手』が必要とあらば……対峙する覚悟を持っておかねばなるまい。
私は既に覚悟済み。『If』があれば麦野沈利を半殺しにしてでも止めるつもりだ。アチラも撃つ撃たれる覚悟があろう。

だが……


絹旗「―――……うーん、何で取った駒は復活できないんですかね?」ムゥ・・・

香焼「ははは。将棋とは違うからね。リアルなんだよ。やられた兵士はその場で処刑(ドロップアウト)……西洋的だよね」クスッ

絹旗「超効率悪いですね。捕虜を上手く使えなきゃ戦争には勝てませんよ」フムフム・・・

もあい「なー」ジー・・・


彼・彼女達は、どうだろうか。
959 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 20:55:24.60 ID:RKUpn8+O0
神裂「……無粋ですね」フルフル・・・


こんな考えは要らない。最悪を考える事事態が、最悪を招く火種だ。止めておこう。


固法「―――……ふむふむ。よーし! 今度家で試してみるわ」テクテク・・・

五和「ふふっ。是非感想聞かせて下さいね」テクテク・・・


どうやら料理組の講座が終わったようだ。


麦野「おやおや、家庭持ちは努力家ねぇ」ニヤッ・・・

固法「もう、そんなんじゃないってば。純粋な興味よ」プンスカ!

結標「興味ねぇ……私には無理だわ。出来るなら料理出来る召使い欲しいわね」

麦野「私都市来る前、執事付きだったわよ。料理も家でシェフ雇ってたし」サラッ

結標「お黙る! このブルジョア階級め!! そういうリアルな話ぶつけんな!!」ウガー!

五和「麦野さん、凄いですね! 御嬢様なんですか!」オー・・・

麦野「あはは。まぁでも、火織の方が御嬢様なんでしょ? 前に言ってたじゃない」クスッ


私の場合は御嬢様という扱いでは無く、巫女とか聖女とか教皇とか……『産れ付き』のアレコレだ。
自分ではどうしようもない。


結標「……どーせ庶民階級ですよー」ベー・・・

固法「む、結標さん。この街はそういうの関係無いでしょ」モゥ・・・

浦上「能力強度(実力)主義ってヤツですか?」ポカーン・・・

固法「違います。この街は自由の街なの。フリーダムではないけど、リバティの方でね」


フリーダム……完全な自由。リバティ……規約ありき、約束された自由。


麦野「ははは、美偉らしいわね。風紀委員で無能力者の旦那持ち。確かに差別は無ぇし、かといって自由勝手って訳じゃない」ハハハ!

固法「良い考えでしょ? 私は気に入ってるわ」フフッ

浦上「へぇ……(固法さん、女教皇様みたいな事言いますネ)」クスッ

神裂「私も素敵だと思いますよ。(気質なのでしょう。この街では珍しいタイプでしょうがね)」コクン・・・


成程。博愛の精神と規律の心か。彼女らしい。
960 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 21:12:10.95 ID:RKUpn8+O0
五和「……ところで、固法さん」チラッ

固法「何かしら」

五和「さっきから『旦那』とか『極妻』とか言われてましたけど、如何いう意味です?」ハテ?


五和と浦上以外がお茶を吹きかけた。


固法「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・麦野さんと結標さんの所為だからね」ジトー・・・

麦野「だははははっ! 私は嘘言ってねぇもーん!」ケラケラ!

結標「ふひひひ! 私もよー!」アヒャヒャ!

五和「えっと……へ?」チラッ・・・


私を見るな。本人に聞け。


固法「いや、そのね……彼氏の事よ」モゥ・・・///

五和「……お、おぉう。ぼ、ボーイフレンドですか!?」wktk!

固法「ボーイフレンドって……そういう言い方されたのは初めてかな」アハハ・・・

麦野「だから言ってんじゃん。旦那だって。まだ結婚してねぇど」

固法「それは、その……まぁ、結婚(ゴール)まで行けたらいいなぁっては思うけど……そういう呼び方はまだ……」モジモジ・・・///

五和「結婚(ゴール)……ほぇ……」キラキラ・・・

固法「ほ、ほら! 二人とも経済的に自立してないし、都市内で結婚するとなると手続きとかも……だから」

五和「でも学生結婚とか素敵ですよね!!」キラキラ・・・

固法「え、えっと……」タラー・・・チラッ


五和の乙女回路がフル回転している。そろそろ止まりなさい。


絹旗「香焼。学生結婚って何ですか?」

香焼「読んで字の如くだよ。学生の内に結婚する事」

絹旗「ふむ……でも兄貴さんは学生じゃないですよ。超フリーターです」サラッ

香焼「え、えっと、就職できれば良いね」アハハ・・・

もあい「にゃん」フシフシ


向こうで辛辣な事を告げる少女。いい加減誰か雇ってやれよ、と言いたくなる。
961 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 21:50:50.96 ID:RKUpn8+O0
それから五和の質問攻めが始まった。便乗して麦野さんもいつもの悪乗りを仕掛ける。


五和「固法師匠! 質問です!」グイッ!

固法「師匠って……」タラー・・・

麦野「美偉ちゃんシショー!」ニヒヒ!

固法「……麦野さんはいつも通りね」ハァ・・・


確かに。


五和「それでは…… >>963 」

浦上「何質問するかの安価だヨー」フヒヒ!


浦上、メタは止めなさい。
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 21:54:00.22 ID:ZLlSIhDIO
鈍感な男を振り向かせる為の心得とは?
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/06/26(日) 21:57:25.97 ID:0ywPvtIIo
フラグ乱立の男を堕とすには
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/26(日) 22:27:51.70 ID:9hvhrClh0
ほとんど意味同じだな
965 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 22:36:16.71 ID:RKUpn8+O0
五和「そのですね……意図せず多数の女性に好意を寄せられてしまう男性を自分のモノにするには如何すればよいでしょうか!」グイッ!

浦上「わぁお……そうきましたか」ニヤニヤ・・・

麦野「ん? ……火織、アンタも聞いといたら?」ニヤニヤ・・・

結標「メモ準備出来ました!」カッ!

麦野「何でアンタまでマジになってんのよ」タラー・・・


……参考程度にお聞きしましょう。


固法「えっと、ようはモテる男の子をって事かしら?」

五和「モテる……うん、まぁ恰好良いかどうかといわれるとアレですが、男性として魅力的な感じですね」

浦上「あーうん……まぁ正直ルックスは並ですからネ」アハハ・・・

麦野「でもさぁ、それって黒妻くんとはちょっと違うタイプじゃない? 彼一途だし、参考なる?」

固法「……先輩、昔は浮気性っていうか、特定の女性と付き合う様な人じゃ無かったわよ」アハハ・・・

結標「え? 嘘……あんなにイチャラブなのに?」ヘェ・・・

神裂「特定の女性とは、付き合わない?」ポカーン・・・


如何いう意味だ?


固法「えっと、不純な……関係っていうか……うん……」タラー・・・

浦上・麦野「「あー、成程」」アハハ・・・

神裂・五和「「……え?」」


※お察し下さい。


固法「まぁ先輩の昔は良いとして……その彼って女性関係はだらしないの?」

五和「だらしなくはないと思います。うっかりスケベとかは多いみたいですけど……意図して馬鹿な真似はしない筈です」

固法「モテるのに立派ね……」アハハ・・・

麦野「美偉の場合は如何したのよ? 気になるわー」ニヤニヤ・・・

固法「私の場合は……無理矢理更生させたわ。いきなり『抱かせろ』言ってきたから始めに一発ビンタ喰らわせてやったわよ」ニコッ・・・

結標「怖っ!」

麦野「あ、でもその一発で惚れた訳だ」フフフ・・・

固法「まぁそうなのかも。その後も色々あったけどね……とりあえず、相手の予想外の角度から攻め込むのは効果的なんじゃないかな」


予想外の角度?


固法「手としては普通にデート誘ってみるとか。ホントに『普通』のデートよ。イロモノとか無し。単純故に予想外」

神裂「成程……(しかしそれは既に試したやも)」グヌヌ・・・

固法「ただしガードが堅過ぎると相手はヘコむ。『自分はこの人と付き合えるんじゃないか』って期待持たせるのは大事ね」

五和「でも、朴念仁の場合は如何すれば」ムゥ・・・

固法「朴念仁?」ウーン・・・


確かに、それが最大の壁だ。


香焼「へくちっ!」クシュンッ!

絹旗・もあい「「にゃ?」」ビクッ!

3姉妹・結標(……此処にも居る)チラッ・・・
966 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 23:00:54.93 ID:RKUpn8+O0
固法「朴念仁の相手は一番簡単だと思うけど」ウーン・・・

一同『っ!?』ガタッ!

固法「素直に思い伝えた?」


そ、そんな恐ろしい事出来る訳が無い……


固法「例えば……私が普通の男子だったら、此処に居る誰かに告られたら一発OKよ」

麦野「美偉ちゃん、結婚して下さい」サラッ

固法「さようなら」ニコッ・・・

麦野「うぐっ……じょ、冗談よ。冷たくしないでー」タラー・・・

固法「さておき、朴念仁ってのは中々相手の意を汲めない人でしょ。だったら『意志』を明確に表してあげればいいのよ」

五和「で、でも……どうやって」タラー・・・

固法「如何って、『好きです』の一言」

神裂・五和「「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」」ガタガタ・・・

浦上「あはは……二人とも一生無理ですネ」タラー・・・


というか多分、その『好きです』も『付き合って下さい』も彼の中で超解釈されて伝わらないと思う。


結標「あー、ようはこういう事ね……香焼くん」チラッ・・・

香焼「え?」

結標「私、香焼くんの事好きよ」ニコッ

一同『っ!!?』ギョッ・・・


何を言ってんですか?!


香焼「あはは、ありがとうっす。自分も結標さんの事好きっすよ」ニコッ

結標「ほらね」ハハハ・・・

絹旗「なァにが……ほらねじゃ、こンの超アバズレ女ァっ!!」ガアアァッ!!

結標「アンタも言ってみれば分かるわよ」サラッ

絹旗「え」ピタッ・・・カアアァ///


あー、うん。そういう事です。


固法「成程ね……そういうタイプかぁ」タラー・・・

五和「はい……多分、コウちゃん以上に朴念仁です」ハァ・・・


皆、困ってます。


絹旗「こ、こここ、こーやぎ!」カアアァ///

香焼「どうしたのさ」タラー・・・

絹旗「す、すすす、す、好……すき……もあいが! 超好きだって言ってます!」カアアァ///

もあい「……にゃ?」タラー・・・

麦野・結標「「ヘタれ」」アハハ・・・

香焼「え、あ、うん、ありがと。もあいも最愛も好きだよ」ニカッ!

絹旗「あ、ぅ……」ボンッ・・・シュー・・・/////////////////

一同(ああいうの、良いなぁ)ニヤニヤ・・・
967 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/26(日) 23:45:58.91 ID:RKUpn8+O0
固法「まぁでも、今のは真剣に向ってないでしょ」アハハ・・・

五和「でも真剣に向った所で……」ムゥ・・・

固法「……五和さん」ピタッ・・・

五和「え、はい」

固法「本気でその人と付き合いたいって思ってる?」ジー・・・

五和「え……」


真剣。


固法「アプローチを掛けても想いが伝わらない。彼が気持ちを彎曲させる。だから試しても無駄……その考えは逃げよ」

神裂・五和「「……」」コクコクッ・・・

固法「相手が如何こうの前に、自分に負けてちゃ恋なんて出来ないわ。ふられるのが怖い? 理解して貰えないのが怖い?」

神裂・五和「「……それは」」ムゥ・・・


確かに、私達は真剣さに欠けているのやも知れない。


固法「私の後輩にも似た様な娘がいるけど、彼女はアタックだけは頑張るわ。やり方は間違ってるけどね」アハハ・・・

麦野(超電磁砲ェ……)

固法「まずは真剣になる。本気で想いを伝える。その覚悟が無いなら口を紡ぐ。勇気が無いなら私達が応援する……簡単でしょ」フフッ

神裂・五和「「お、おぉ……」」コクコク・・・

浦上(言ってることは当たり前なんだけどネー。この二人はその当たり前が出来ないからナー)アハハ・・・

麦野「……だってよ。アンタも試してみなさい」フフッ

結標「よっしゃー! 香y」

麦野「そっちじゃなくて、第1位の方よ」クスッ

結標「ぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ?」エ・・・

麦野(……今一、コイツの本命が分かんねぇな)ウーン・・・


兎に角、参考になった。助かる。


浦上「……あ、そんじゃあ私が固法のお姉さんにしつもーん!」ハイハーイ!

固法「え? まだ何かあるの?」タラー・・・

浦上「ふふふふ……私は恋愛とかじゃなくてぇ、彼氏さんとの話を聞きたいのですヨ」ムフフ・・・

麦野「あ、私もそれー」ニヤッ・・・

固法「ぁ、えー……」タラー・・・


この子はまたお馬鹿な事を……


浦上「そいじゃあ…… >>970 ……で!」ビシッ!!




※すいません、一旦落ちます。一時〜二時頃に再開予定。
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 23:51:16.04 ID:ZLlSIhDIO
ksk
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/26(日) 23:52:48.96 ID:xkwUYAsfo
ksk
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/26(日) 23:53:31.72 ID:xkwUYAsfo
兄貴との夜の生活について
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/26(日) 23:58:21.57 ID:xkwUYAsfo
あら・・・エラーが出たから書きこめてないと思ってたよ
ほんと申し訳ない
972 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 :2011/06/27(月) 02:07:27.03 ID:mxN3Bjdi0
※再開!



浦上「そいじゃあ……彼氏さんとのムフフ話を聞きたいですネぇ」ニヤッ・・・

固法「は、い?」タラー・・・


このお馬鹿。


固法「え、えっと……それなりよ」アハハ・・・

浦上「私はそんなあいまいな事を聞きたいのでは無いんですヨ? 大体週2,3くらいのニャンニャンで?」フッフッフ・・・

麦野「お! 私も気になるわ。黒妻くんもそっち関係教えてくれないし」ニヤニヤ・・・

絹旗「週2? にゃんにゃん?」ニャー?

香焼「さ、最愛。ちょっとベランダ行こう」アハハ・・・スッ・・・

絹旗「え? あ、わとと」トテトテ・・・


空気を読んだKENZENな少年少女。


結標「アンタらは聞くの?」ニヤッ・・・

神裂・五和「「……ご、後学の為に」」アハハ・・・

麦野「このムッツリ助平姉妹め……そんで、ミーちゃーん?」フフフ・・・

固法「う、ぅ……こんな話、聞いても面白くないでしょ」タラー・・・

浦上「いえいえ、この上なく面白いですヨ。普段聞けない貴重なお話ですからネ」ククク・・・

固法「……黙秘権は」

麦野・結標・浦上「「「ナッシング!」」」ニカッ!


ほれ話せ。やれ話せ。


固法「神裂さんまでノリノリって……この手の話、いっつも真っ赤になってるくせに」ウー・・・

麦野「いいからさっさと話せー。ペースは? 場所は? 好きな[らめぇぇっ!]は?」グヘヘ!

結標「どういう[禁則事項です]? いつも[あぼーん]なの? [ピーーー]死ぬ、どっちが好き?」グヘヘヘ!

固法「こいつら……」プルプル・・・///


今、トンデモ無い言葉が飛びだしたが……事の真意は如何に!
973 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 02:34:01.70 ID:mxN3Bjdi0
浦上「まぁまぁ、とりあえず真面目に知りたいんですヨ。付き合うと実際どういう風に夜の営み続けるのかなぁって」

固法「うーん……とりあえず、私達はそんなにペース早くないわよ。多くて週3。少なくて月1くらいだし」

五和「や、やっぱり週3とかあるんですね」オォ・・・

固法「長期休みで互いに何も無い時とか……ノリで、ね。結構無駄な時間多いし、お勧めしないわよ」アハハ・・・

麦野「とか言いつつー、やってる本人達は超満足してるのよねー」ニヤニヤ・・・

固法「う、五月蠅い! 仕方ないでしょ……」ムゥ・・・///

浦上「でも、月1ってのは? 互いに忙しい時とか?」

固法「そうね。だから互いの休みの日に2日丸々使ってホテルに居るって感じよ」


二日間も持久戦をするのか?!


固法「持久戦って……えっと、ちょっとノロケっぽい言い方だけど……ゆっくりHするの」ポリポリ・・・///

一同『お、おおぉ!』ガタッ!

浦上「スローセックスってヤツですかネ?」フフッ

固法「時間を掛けて絶頂っていうよりは、互いの肌に触れ合ってる時間が欲しいかなって……あはは。生々しくてごめん」///

麦野「かあああぁっ!! 中てられる〜!!」アチー!!

結標「コイツが同い年とか絶対ぇ信じないわ……アンタもう20過ぎてるでしょ」フイー!


確かに。これが一つ上を往く女という訳か。


五和「ぜ、絶頂って……互いの肌にって……」カアアァ///

神裂「う、浦上……よくそんな言葉知ってますね」カアアァ///

浦上「にゃはは。伊達に建宮さん達とエロトークこなして無いですよ」ハハハ!

麦野「あ、ちなみにきちんと避妊してんの?」ニヤッ・・・

固法「私はするわよ。最近は都市製の能力緩和剤(ピル)も飲むし……RSPK症候群・乱雑開放(ポルターガイスト)起こすと大変だから」

浦上「でも最近のホテルは簡易のAIMジャマー付いてるんじゃないんですか?」

固法「個人差あるわよ。私の場合は絶頂時に他の部屋まで透視し(覗い)たり、相手の身体の筋肉繊維や骨細胞、透視ちゃうから」アハハ・・・


そういえば能力者は精神が極度の興奮・緊張・不安定状態になると乱雑開放(ポルターガイスト)という現象を起こすらしい。
……幻想殺しを持つ彼相手ならその心配は無いだろう。というか私能力者じゃないし。


浦上(……今、女教皇様とお姉同じ事考えてるネー)フフフ・・・

結標「……あのさ、実際乱雑開放激しいってか酷い女って男に嫌われないかな」ボソッ・・・

固法「え?」Why?


珍しく真面目な表情の結標さん。どうしたのだろうか。
974 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 02:53:59.91 ID:mxN3Bjdi0
固法「人それぞれだと思うけど……ぁ……」ピタッ・・・

結標「……アンタは白井さんから聞いてるでしょ。そういう事よ」ボソッ・・・

麦野「(そいやぁコイツ、補助器付けてねぇと暴走しやすいんだっけ?)……だけど面倒臭いっちゃ面倒臭いかもな」

浦上「友達が破瓜の時に大変だったって言ってましたけど、そうなんですか?」

固法「うん、まぁ最初は仕方ないと思うわよ。女性である限り通らなきゃいけない痛みの筈だから」

結標「いきなり部屋のモノ打っ壊したりしたら……」

固法「結標さん……その程度で貴女をふる様な相手とは付き合うべきじゃないわよ。男子だったらそれぐらい許容できなきゃ」メッ!


成程。良い言葉だ。後で香焼に言って聞かせよう。


浦上「カオリ姉様、アンタ真顔でそういう事言ったら香焼ドン引きですヨ?」タラー・・・

五和「因みに……エッチってどのくらい痛いんですか?」

固法「痛みの感じ方は人それぞれだけど……膣も筋肉よ。要は使ってなかった箇所を無理矢理広げたイメージね」


筋断裂?


固法「筋断裂とはまた違うかもしれないけど、筋肉って使えば柔らかくなるでしょ。慣れれば痛さは減るかな」

麦野「んで? 美偉の場合は?」ニヤッ・・・

固法「私は……痛かったけど、先輩上手だったから」アハハ・・・

麦野「うひゃー! 年上の手慣れた彼氏はそういう点で羨ましいねぇ!」

結標「た、互いに初めての場合は如何すればいいのかしら?」

固法「うーん、如何なんだろう……とりあえず女性がリラックスさせてあげるべきだと思うわ。男の子って変に気張っちゃうから」

浦上「やっぱ男子の方がリードしようとしますからねぇ。女性はムード作りと受け入れ態勢と」フフッ

固法「そうだと思う……って、浦上ちゃん色々詳しいわね」タラー・・・

浦上「いやまぁ、あははは」ポリポリ・・・

五和「……ウラ、やっぱ私達にも何か隠してるわね?」ジトー・・・

浦上「いやいや、私に彼氏が出来たらキチンと二人には報告しますヨ」ニコニコッ


嘘臭ぇ。
975 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 03:30:02.29 ID:mxN3Bjdi0
固法「兎に角、互いに意地張るのは良くないわ。初めてなら特にね」

浦上「あと男子の失敗を許容してあげるのも女子の努めですよネ」

固法「そうね。Hで女性の失敗っていうのはそうそう無いから……基本、男性は女性が自分より先に絶頂したの見ると喜ぶし」アハハ・・・

麦野「ほぉ……つまり美偉は演技名人だと?」ニヤッ・・・

固法「だから私の場合は……先輩が回数こなして来てる人だから、さ。偶に過剰演技もするけど」ポリポリ・・・///

結標「ふむふむ……演技も、手段の一つ、と……」メモメモ・・・

固法「セックスの心持としては3種類なんじゃないかな? 行為自体の快楽。共に在る安堵。それから子作り」

神裂「情交の目的は本来『子を為す』事なのでは?」

固法「そうだけど現状子供を持てる立場じゃないから……今は2番目を大事にしたいかな。宗教(神裂さん達)的には不純かもしれないけど」


別に私はそんなに堅いシキタリを設けるつもりは無い。
昔のように初夜権を領主に渡せだの、婚姻3ヶ月は情交禁止など、老人達の古臭い考えを持ち出す気は無い。
不純な交遊は善しとは言えないが、互いに愛し合ってるのであれば人が口出しできる問題ではない。寧ろ計画的なのは悧巧だろう。

というかぶっちゃけ英国の宗教歴史は『不倫』と侵略の歴史ですしー。私知ったこっちゃなーい。


五和「しかし固法さん……大人ですね」タラー・・・///

神裂「そ、そうですね。驚きます」タラー・・・///

浦上「ふふふ、お二人も少しはオリアナ姐御やベイロープさんと会話してみたりすれば良いのですヨ」ニヒヒ!


ベイロープはまだしも、オリアナ(あの人)は駄目です。思考回路が吹っ飛びます。


固法「とりあえずこのくらいで良いかしら? これ以上の事になるとあんまりベラベラ話せる様な事でもないし」タラー・・・

神裂「そうですね……うん、勉強になりました。ありがとうございます」コホンッ

五和「また機会があればお願いします」ペコッ

固法「そんな大した事教えてないわよ。ま、もし実際に本番あるかもって時だけは、もう少し教えるから」アハハ・・・

麦野「私達は当分無いわねー」ハッハッハ! ハァ・・・

固法「麦野さんは壁厚くて高過ぎるのよ。もっと下げれば良い彼氏出来る筈だってば」クスッ

麦野「……ヤだ」ウーン・・・

結標「アンタも強情ね。脈有るヤツくらいいないの?」

麦野「……うっせぇ」ボソッ・・・

固法「焦る事でもないからゆっくりで良いわよ。結標さんは、キチンと『本命』見極めてね」クスッ

結標「は?」ポカーン・・・

麦野(案外コイツこそ朴念仁なんじゃねぇのか?)ジトー・・・


恋愛とは難しいモノですね。流石世界の第一元素。奥深い。


浦上「固法さん、固法さん……後でこっそり『技術面』でのお話聞かせてネ」ボソボソ・・・ニヤッ・・・

固法「え……えっと、浦上ちゃんも隠してる事教えてくれたら良いわよ」ボソボソ・・・フフッ

浦上「うぃうぃ」ニヤリ・・・


そこ、二人で危険な話しない。
976 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 03:54:30.16 ID:mxN3Bjdi0
 ―――とある日、PM09:15、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・香焼side・・・





中ではかれこれ一刻ほど恋慕話を続けている。御蔭で随分冷え切った。


絹旗「香焼ー、今度は超ゆっくり動いてる星を見つけましたよー。アレは何ですか? 彗星?」ジー・・・

香焼「え、彗星? ……って、あれ人工衛星だよ。よく周回してるヤツ見つけたね。ひこぼしかな?」クスッ

絹旗「おお! 超レアって訳ですね! 流石超天才美少女な私です! 折角ですからもあいにも見せてやりましょう!」スッ・・・

もあい「にゃぅ? (見えんがな)」ポカーン・・・


現在二人で天体観測中。退屈だから直ぐ飽きるかも、と思ったが存外ウケが良かった。
確かに、そうそう真面目に星を観る機会なんて無い。


香焼「それじゃあ……第7学区(アッチ)の方に向けてっと……あ、いた。最愛、覗いてみな」クスッ

絹旗「え? ……うわぁ。超F(バカ)が居ました。なんでこんな時間にビルの上居るんですか?」タラー・・・

香焼「趣味でしょ、軍覇の」ハハハ

絹旗「げっ! アイツ、こっち見えてるんですか? 手ぇ振ってきましたよ!」ウワァ・・・

香焼「あはは、流石スーパーマンだね」フフフ

絹旗「……あ、今度は消えた。街の方降りて行きましたね。また事件でも見つけたんでしょうか」

香焼「軍覇は、正義の味方だからね……」クスッ


羨ましいとも思う。あれだけの力があれば何でも守れる。


絹旗「香焼は……壊す事じゃなくて、守る事を考えるんですか?」

香焼「いけないかな?」

絹旗「ううん。良いと思います……どちらかといえば、私もそっちですね」フフッ

香焼「うん、最愛は優しいからね。力もあるし……実際、守れる能力もあるみたいだから」クスッ

絹旗「……そう、かな」ポリポリ・・・


私利私欲では無く、誰かの為……救われないモノの為に。


絹旗「……そういえば、前に言ってた手品(マジック)。お姉さん達も出来るんですか?」

香焼「あ、えっと、あはは……まぁね。でも内緒にしててよ。ばらしたっての知れたら怒られるから」クスッ

絹旗「えー、どうしよっかなぁ」クスクス・・・


どうやら相当自分の手品……魔術(マジック)が気に入ったらしい。困ったモノだ。
977 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 04:45:11.31 ID:mxN3Bjdi0
絹旗「それじゃあまた手品見せてくれたら黙っておきます」クスッ

香焼「あはは。参ったね」ポリポリ・・・


それじゃあ簡単なモノを見せるか。
近場にある物で……スリッパ、観葉植物の葉、鋼糸(ワイヤー)、豆クラッカー……そして天候晴れ。時刻9時過ぎ。


香焼「ではでは、種と仕掛けしかございません」フフッ

絹旗「ありゃ、超駄目駄目な手品ですね」クスクス・・・

香焼「ふふふ……此処に数枚の葉っぱがあります。これを『ことのは』にしてみせましょう」ニヤッ・・・プチプチッ

絹旗「ことのは、ですか?」ハテ?


要は言葉……言霊(こただま)術式だ。名は体を表する、という簡単な且つ基本的な魔術。
駄洒落やギャグなんかも応用できるが、今から見せるのは基本中の基本。


香焼「葉は、葉っぱ……葉っぱは発破……」スッ・・・

絹旗「え?」ポカーン・・・

香焼「コッチ来て……静かに」パラパラ・・・

絹旗「うん」ドキドキ・・・

もあい「にゃー」ジー・・・


ベランダの下に葉を落とす。そして魔力を流し……


絹旗「……わぁ!」キラキラ・・・

香焼「ふふふ。季節外れの天の川ーってね」クスッ

絹旗「おぉ……超凄いです!」キラキラ・・・

もあい「みー」プラプラ・・・


別に大したことはしてない。
葉っぱを少し燃え易くしただけだ。そこに魔力を流し破裂させる。その際、ついでに魔力を散らせ色を付けた。
実戦では何の役にも立たない御遊び魔術。児戯にも等しいが、子供受けは良い。


香焼「はい、お終い。ちゃんと二人だけの内緒にするっすよ」クスッ

絹旗「はい! また見せて下さいね」ニカッ!

もあい「なー!」フシフシ!


彼女がこんな風に、純粋無垢に喜んでくれるのであれば何時でもしよう。
978 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 05:05:53.20 ID:mxN3Bjdi0
それから直ぐに、浦上が自分達を呼びに来た。そろそろ中へ入って良いよとの事。
まったく、大分待たされてしまった。


麦野「おう、お帰りー。二人でイチャイチャしてたのん?」チラッ

絹旗「するかってんです超ボケ麦野」ジトー・・・

麦野「……帰ったらオシオキ確定ね」ジトー・・・

固法「こら、喧嘩しないの」メッ!


時刻はもう9時半。麦野さんが、じゃあそろそろと立ち上がった。


神裂「御帰りに?」

麦野「ええ、時間も時間だし。休みの日にドライバー待たせんのも可哀想だしね」

固法「それじゃあ私も帰ります。今日は楽しかったわ」

神裂「此方こそ。またいつでも……と、まぁこの子の都合もあるので勝手にとは言えませんが」ハハハ・・・

香焼「事前に連絡さえ頂ければ構わないっす。ただ五和・浦上(コイツら)みたいに毎度毎度図々しく居座られるのは勘弁っすけどね」チラッ・・・

結標「ふふっ、じゃあ偶にお邪魔するわ。今度はちゃんと菓子折り持ってくるから」ポンポンッ

絹旗「っ! 香焼に触んな、超アバズレ女!」シッシッ!

結標「おお、嫉妬嫉妬。怖いわねー」クスクス・・・

絹旗「フシャー!」キッ!

麦野「下んねぇ事してないで帰りの準備しなさい。長居しちゃ迷惑でしょ」ペシッ!

絹旗「叩かないでください。麦野のは防いでも揺れる程強いから気持ち悪いんです」ジトー・・・


どんだけ力あるんだ、このお姉さん。


結標「そんじゃあ私もコイツらの車に無理矢理乗ってくわ。流石に小萌が可哀想だし」

香焼・神裂((マザコン……))ジー・・・

結標「……何よ、その目」タラー・・・

香焼「いえ……月詠さんに宜しく」ハハハ・・・

結標「ったく……まぁ香焼くんも偶に遊びに来なさい。小萌も私も歓迎するわ」クスッ

香焼「ええ、また是非に」コクッ

もあい「みゃん」ジー・・・


もあいも一緒にね。
979 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 05:22:13.78 ID:mxN3Bjdi0
 ―――とある日、PM10:00、学園都市第1学区、マンション『ニューディレクターズ』(香焼宅)・・・香焼side・・・






4人が帰った後、テレビの音がやけに大きく聞こえた。
未だに賑やかな余韻が名残惜しく感じてしまう。

五和と浦上がソファの上で映画に見入っている最中、自分と女教皇様はテーブルでお茶を一服していた。


神裂「……今日は勝手な事をすいませんでした」ペコッ

香焼「いえ、もう良いっすよ。結果的に問題無かったし、最愛も楽しそうでしたから」クスッ

神裂「そう言って貰えると助かります……」フフッ


それに、この方が気楽でいられる空間を提供出来るのであれば教徒として嬉しい事である。
普段は地獄の様な職務についてらっしゃるのだ。少しでもリラックスの場を設けてあげたい。


神裂「教徒として、ですか」

香焼「……弟として、の方が宜しかったっすか?」

神裂「出来れば」クスッ

香焼「……そうっすね。じゃあ姉弟で」フフッ


五和と浦上に感化され過ぎな気もするが……『此処』では、それが正解だな。


香焼「……少し気になった事があります」ボソッ・・・

神裂「ん?」フム・・・

香焼「麦野さんの事っす」ジー・・・

神裂「……何か」ピタッ・・・


麦野さんは、結標さんの『同業者』と言っていた。それはつまり……


神裂「……」

香焼「女教皇様、何か知ってるんすか?」

神裂「……」

香焼「……カオリ姉さん」ジー・・・


暫時無言。そして、女教皇様は立ち上がり……自分の荷物の中から書類を取り出した。
980 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 05:43:48.47 ID:mxN3Bjdi0
神裂「……貴方は前に、結標さんと真摯に対峙すると言いましたね」

香焼「はい。何があっても、引かないと言いました」

神裂「今……私は機密書類を『誤って』テーブルの上に広げてしまいました」ボソッ・・・

香焼「え……」

五和・浦上「「……」」チラッ・・・

神裂「土御門から押し付けられた本来一般教徒に見せる事が出来ない重要書類です……私と麦野さんが一緒に居るのが気に入らない様ですね」


いったい、何を言っているんだ。


神裂「暫し御手洗いに……」スッ・・・

香焼「女教皇様?」

神裂「……」チラッ・・・

五和・浦上「「……」」コクッ・・・


浦上がベランダに、五和がキッチンの方へ消えた。


香焼「書類……」


暗部。第●●期粛清班『アイテム』……代表:麦野沈利。 構成員:滝壺……――――――……ルン。絹旗最愛。 下請け:―――。


香焼「っ……業務……粛清……」


何だ、それ……


香焼「……最愛も……やっぱり、暗部」


バイト。暗部……殺し屋。


香焼「大能力者、窒素装甲……置き去り、被検体……何だ、コレ……」


まるで真っ黒。白い部分が皆無。


神裂「……もう良いですね」スッ・・・

香焼「あ、ぅ……」


何事もなかったかのように書類を戻す女教皇様。そして席に着くと同時に、二人もソファの上に戻ってきた。
981 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 06:08:31.12 ID:mxN3Bjdi0
神裂「正直、彼女らの詳細については私も知りません。これ以上の踏み込みは都市との協定違反です」

香焼「……」

神裂「貴方は賢い子です。色々と察したでしょう……」


察したくない。


神裂「……命令です。此方からの干渉は禁止します」

香焼「なっ!」ガッ!

五和「コウちゃん! 待ちなさい!」ビシッ・・・

香焼「っ……」

五和「……女教皇様はこの件に関して口出しできないの。分かるでしょ? したきゃ土御門さんに直接言わなきゃならないけど」


あの人が、それを許す訳が無い。結標さんの時でさえ深入りを禁じた人だ。


五和「コウちゃんが動きたいってのも分かるけど、『カオリ姉様』だって同じなの……分かんないの?」

香焼「……」スッ・・・

神裂「……悔しいですか。何が悔しい?」

香焼「動けない事」

神裂「動けた所で如何しますか?」

香焼「……」

神裂「如何もできないでしょう。多分、貴方は麦野さんに消し炭にされて終わりですね」

五和「ね、姉様……」

神裂「純粋な武人としての判断です。超能力者は聖人並に化け物でしょう」


だからといって、諦めたくない。


神裂「……プライベートで関わる分には止めません。寧ろその面から彼女らを救うのには大いに賛成です」

香焼「心から変える、という事ですか」

神裂「しかし能力者は強度が上がる程、自分だけの現実……精神的に超人となります。故に自分を曲げ得ない」


自分らの言葉は無駄。


神裂「……それより強い心を持て。そして最低限、五和と互角に戦えるようにならなければ絹旗さんと対峙できないでしょう」

香焼「……」ムゥ・・・

五和「ええっと……修行とか支援が必要なら手伝うからね」ポリポリ・・・

神裂「……貴方は一人では無いのです。最大の武器を忘れぬ様」コクッ


最大の武器?
982 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 06:40:30.90 ID:mxN3Bjdi0
浦上「博愛。甘ちゃん……ですネ」クスッ

香焼「……」チラッ・・・

浦上「交友関係とかコネとかツテも武器なのさーって事ヨ。幸い、香焼は友人に恵まれてるんでしょ?」


友人達に……


浦上「それに、私達魔術師ってのは能力者に対しては有利だよ。コッチは科学(超能力)を知ってるけど、アッチは魔術を知らない」

神裂「……」

浦上「まぁそれでも香焼の力は遠く及ばないでしょうけど、頭を上手く使えば差は埋められる。例え格上相手でもネ」

五和「……この街では『最弱』が『最強』を倒せた例もあります。諦めるのは尚早でしょう」

浦上「あとは土御門も『偶然』起きてしまった事には事後処理しかできませんヨ。結標さんの時みたいにネ」


手はいくらでもある、と。


五和「私はね、この生活が結構好きなんです。仕事は楽とはいえないけど、こうやって本当の姉弟みたいに当たり前な生活出来る日々」

浦上「私も私も」ニャハハ

五和「でもそこに暗い話題が生まれるのは嬉しくない……誰かの友達が『救い』を欲しているなら尚更です」


それこそ我らが目的、か。


五和「私情であっても、それが『救い』を必要とする者なら『手』を伸ばすのが……私達ですよね?」クスッ

神裂「……」クスッ・・・

五和「という訳で……コウちゃんは今まで通りに行動なさい。姉様、命令しちゃダメです」メッ!

神裂「ハァ……何ともなぁ」ハハハ・・・

浦上「ただし素直に忠告は聞く。それを判断するのは香焼自身だヨ。OK?」チラッ・・・


……まさかコイツらにマトモな事を言われるとは思わなんだ。


五和「マトモっていうか当たり前の事言ったまでよ。此処では『家族』。教皇教徒は関係無しって約束でしょ」フフッ

浦上「一人の悩みは家族の悩みーってネ。まぁ勿論、教えや上からの命令に反する訳じゃないし」

神裂「私が上ですよ」クスッ

五和「此処ではフラット、でしょ」ニカッ!

もあい「なーぉ」ペチペチッ


建宮さん達が聞いたら呆れかえるだろう。だが……此処では女教皇様でさえ、神裂火織なのだ。
自分勝手と怒られようが、そのルールを存分に利用してやる。
983 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 07:10:02.75 ID:mxN3Bjdi0
香焼「……姉さん」

神裂「……」

香焼「言われた通り、自分からガッツリ行く様な事はしません」

神裂「……はい」

香焼「だけど……現行を目撃したり、彼女の口からそれを示唆する言葉が飛び出たら……」グッ・・・

神裂「止めなさい……と言っても無駄なのでしょうね」ハァ・・・


救いの為なら、教皇の命令すら反する。


神裂「そんな狂信者紛いな事言わなくても、その場合は止めませんよ。私だって動きます」クスッ

五和「助けが必要とあらば私達もね」フフッ

浦上「あー、あと何だかんだ言ってステイル神父も助けてくれるんじゃない? 香焼に対してツンデレだし」

香焼「気持ち悪い事言うなって」タラー・・・

五和「あ、それから削板くんもいるじゃない。意外と都市内だけでも何とかなるって」クスッ

浦上「まぁ最悪時には『英雄』がやってくるもんだしねー」チラッ・・・ニヤッ・・・

神裂・五和「「ぐっ……極力関わらせない方向で」」タラー・・・


確かにそうかもしれない。力強い味方はいる。


香焼「……ははは」クスッ

3姉妹『え』キョトン・・・

香焼「……ありがと」フフッ

神裂「実際貴方が自己解決したようですが……どういたしまして」クスッ

五和「コウちゃんが……」ジーン・・・

浦上「……デレた」オォ!


喧しいわ。


香焼「あーもう……風呂入って寝る! 難しい事考え過ぎたっす!」フワァ!

浦上「お姉ー、一緒に入ってきなよー」ニヤッ・・・

五和「しょうがないわねー。今日だけ特べぶべらっ!」ゴチンッ!

香焼「……自重しろ」ゴゴゴゴ・・・


少し甘やかすとこうだ。まったく気を抜けやしない。
984 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 07:31:47.99 ID:mxN3Bjdi0
五和「そいじゃあとりあえずコウちゃん御風呂入ってる間に布団敷いとくねー」

香焼「はいは……って、オマエらまた泊まる気なの?」タラー・・・

浦上「いやだってもうこんな時間だしー。女の子が夜道帰るのは危険でしょ」


並の暴漢ならフルボッコにできるだろ、オマエら。


神裂「ふむ、では御言葉に甘えましょう」コクッ

香焼「いやいやいや、自分何も言って無いんすけど」

五和「細けぇ事は良いのよ! 兎に角、今日は朝までトークコースなの!」

浦上「勿論香焼も今日は居間で就寝ねー」ニヤッ・・・


勘弁してくれ。


神裂「……個人的には浦上に色々と聞きたい事があるのですが」チラッ・・・

五和「あ、私も! ウラ、アンタ私達に隠し事多過ぎじゃない?」ジトー・・・

浦上「ソンナコトナイヨ!」

五和「嘘臭ぇ……そっちがその気なら尋問マッサージコースよ!」コンニャロー!

浦上「うぎゃああぁっ!! やめれー!」キャー!

神裂「ふむ、では私が足ツボを」ニヤッ・・・

浦上「た、タンマタンマ!! 私の事より香焼がベランダで絹旗ちゃんと何してたかが気になるのですヨ!」アタフタ・・・

神裂・五和「「……」」チラッ・・・


真面目に天体観測してただけです。


神裂「……やっぱり足ツボですね」キュッ・・・

浦上「みぃぎゃあああぁっ!! 助けて香焼いいぃっ!!」ウガアアァ!!

香焼「あはははは。良かったね」ニカッ!

浦上「満面の笑み!?」ジタバタッ!


ホント……退屈はしないな。


五和「ふっふっふ……じゃあ姉さんが買ってきたこのエロエロメイド服をウラに着せて……―――」ニヒヒ!

神裂「では明日それで街中を闊歩して貰いましょうか……―――」フフフ・・・

浦上「うにゃあああぁっ!! サディスティックぅー!! 香焼マジで助けろおおぉ……―――」ウワアアァ!!

香焼「はいはい」クスクスッ


そんな、毎日。


もあい「にゃーん」ノシノシ”
985 :第11話――神裂「え、えっと・・・私の家、ですか?」 固法・麦野・結標「「「イエッスっ!!」」」 [saga]:2011/06/27(月) 07:48:53.26 ID:mxN3Bjdi0
 <おまけっ!>



  ブロロロォ・・・・・


絹旗「ふんふふ、ふんふふ、ふんふーふ〜ん♪」ニコニコッ

麦野「上機嫌ね」クスッ

絹旗「え? そうですか」

麦野「誰が見てもそう見えるわよ」フフッ

絹旗「ありゃりゃ。そりゃ拙いですね。超クールビューティー絹旗ちゃんが名折れしてしまいます」

浜面「何がクールビューティーだっつの」クスッ

絹旗「超黙れってんです。ゲンコツ入れますよ?」ガシガシッ

浜面「あー、悪かったからシート蹴んな。事故ったら如何すんだ」ッタク・・・

絹旗「ふんっ、超反省してください」

麦野「……ねぇ。絹旗」ボソッ・・・

絹旗「はい?」

麦野「……学校、行ってみたい?」チラッ・・・

絹旗「え……はぁ?!」ギョッ・・・

浜面「オマエいきなり何言ってんだよ」タラー・・・

麦野「……何でも無い」ハハハ・・・

絹旗・浜面「「ん???」」ポカーン・・・

麦野(拙い拙い。あの家で少し日和過ぎちゃったかなぁ……ありゃ確かに毒ね。暗部(こっち)の気が持たないわ……)ポリポリ・・・

浜面「……やれやれ」クスッ

麦野「……何か?」

浜面「いえいえ、何でもございませんよ」クスッ

麦野「……」ガンッ!!

浜面「っ!!? おま、シート蹴んなっつってんだろ!!」ビクッ!!

麦野「人の顔見てニヤニヤしてんじゃねぇよボケが」ケッ!

浜面「オマエの顔がニヤニヤしてたから珍しいなと思って笑っちまったんだろうが!」ダアアァッ!!

麦野「っ〜〜〜ッッ!! うっせぇ! 滝壺とフレンダに話したら殺すかんな!!」ギロッ・・・///

浜面「コイツ面倒臭ぇなぁ……ってだから蹴んなっ!!」ンモー・・・


絹旗(ふふふ……季節外れの天の川ー、二人だけの内緒ーっと。また見せてもらいましょー)ニコニコッ
986 :>>1 [saga]:2011/06/27(月) 08:12:17.81 ID:mxN3Bjdi0
はい、お疲れさまでした。約1クール御付き合い頂き誠に恐悦至極でございます。
次回があるかどうかは分かりませんが、また何処かで御会いできたら光栄です。

ただ今後の方針として考えているのは……



・あまくさっ!!(Undシーズン。23巻以前・新約以降関係無し)


・絹旗「ちょ、超学校ですか!?」 滝壺「きぬはた落ち着いて。中学校だよ」
(絹旗や同年代の香焼、ステイル、カルテッ娘達を学校に通わせよう。新約以降)


・禁書「天使の赤ちゃん!」 上条・風斬「「……」」
(ボツ案。幻想猛獣の残留思念をインデックスが拾ったら、という話。時系列無視)



……とか妄想してました。後は『MAR(Multi Active Rescue)先進状況救助隊第二課』みたいなパトレイバーのパクリとか、
思いっきり厨二要素全開の吸血鬼モノで姫神主役にするとか。誰か主役にしてラグーン商会みたいな危ないシノギ書くとか。

まぁ全部妄想なんすけどねー。

とりあえず自分なりの『年相応』少年少女達を書けて楽しかったです。
最後も質問意見感想罵倒リクエスト等々、よろしくお願いします。約3ヶ月間、ありがとうございました! ノシ”
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 08:58:00.15 ID:byONLr980
ノシ
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/06/27(月) 09:52:47.38 ID:Ea8hK7yH0
乙でした!!
所々スパイスはあったけど基本ほのぼのとして最高でした!
出来ればこのままの空気(それ以上のほのぼのでも可)で学校ネタをぜひ!
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 14:46:34.46 ID:PUlLEBRDO
乙! 新約以降の話が見たいけど‥‥とりあえず、親戚さんが色々書き終えるのを待つぜぃ。
ただこっちであわきんアフターとかレッサーアフター見たい気も。エロ無しのねw

そんじゃまた投下してくれる日を楽しみにしてるぜぃ! ノシ
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:42:51.67 ID:/TRMYHk70

Undシーズンがいいけど
とりあえず親戚さんの手伝いが完了したらってことで待ってますぜよ
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/06/27(月) 20:29:43.71 ID:+JbGczFAO
お疲れ様でした

次スレの予定があるならこのスレで誘導して欲しいっす

992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/27(月) 22:13:33.62 ID:CT5yd1910
乙です。楽しませてもらいました。
次回作があるなら、第二期てお願いします。
993 :>>1 [saga]:2011/06/27(月) 22:57:15.18 ID:mxN3Bjdi0
こんばんわ。残り少ないんですが、予告だけ。

当分一応親戚の手伝いをメインに置きます。具体的なプランとして……


@アンジェレネ・アフター

A10月8日の話――テッラ戦後、クーデター前日。天草式は学園都市に移動。カミやんは入院中なので香焼自由日として絹旗と二人きり。

B10月9日の話――クーデター。???

C10月某日の話――アックア戦。???

D10月17日の話――英国革命&絹旗奮起戦。???

E○○・アフター ←―― 今の所あわきんかレッサー、佐天さん、サーシャ。 


……ってな流れです。アチラの一応主役が何も関わらないので、WWVは触れません。
絹旗とか結標、舞夏守る為に動くってのも考えたけど、長ったらしいのでこれ以上はパス。

Eが終わり次第、香焼・絹旗達の『If.学校編』か『あまくさっ!? (Und Season)』に入ります。
『あまくさっ!』続編はネタ次第。『学校編』をする場合は中学校と高校どっちが良いのか悩んでます。どうしよう?


っつーわけで、今から少しだけ『学校編』の妄想を書きます。3レスくらいで終わらせるから宜しく。
そん後HTML化願い出すよ!
994 :>>1 [saga]:2011/06/27(月) 23:35:49.32 ID:mxN3Bjdi0
 案<絹旗「ちょ、超学校ですか!!?」  滝壺「きぬはた落ち着いて。中学校(若しくは高校)だよ」>


・始まりっ!



絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」タラー・・・

滝壺「学校。きぬはたが」

絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で? に、任務か何かですか?」タラー・・・

麦野「いや、アンタまともに学校行った事ないでしょ。そろそろ通わせろって美偉と火織に怒られたのよ」

絹旗「む……無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理です! 超無理っ!!」ガクガクブルブル・・・

滝壺「きぬはた。学校きっと楽しいよ。頑張ってお友達作っておいで」フフッ

絹旗「わ、私勉強修士レベルで超終えましたし今更学校なんて行く超必要ありませんって!」アワワワ・・・

麦野「誰が普通教育真面目に学んで来いっつったのよ。てかアンタ一般教養とか文系科目、保健体育とかマトモに学んでないでしょ?」

浜面「そりゃテメェもだろ?」ハァ・・・

滝壺「……ごめん、私もだよ」ムゥ・・・

浜面「た、滝壺は常識あるし家庭的だしその他諸々完璧だから大丈夫だゾルドゥアッチっ!!」ゴンッ!!

麦野「っせぇ黙ってろ! ったく……兎に角、アンタはまだ若いんだからキチンと学校行きなさい」

滝壺「そうだよ。折角『表』に出たんだから、それを満喫しなきゃ。一からスタートだよ。普通の女の子しておいで」

浜面「……てか麦野と滝壺は学校良いの?」

滝壺「私達はこの歳(高卒年齢)だし今更だよ。でもきぬはたは、ね」

絹旗「で、でも……私一人じゃ……その……」シュン・・・

麦野「大丈夫。火織が何とかするって言ってた。安心なさい」ニヤッ・・・

絹旗「……はい?」ポカーン・・・




 ―――一方・・・・・



神裂「―――……という訳です。香焼、すいませんが普通学校へ編入(もしくは入学)してもらえませんか」ペコッ

香焼「……少し考えさせて欲しいっす」

神裂「急かす様で申し訳無いのですが、返事はなるべく早めにお願いします。先方への根回しもあるので」

香焼「最愛と、同じクラスっすか。人見知りを直す為とはいえ……大変そうっすね」ポリポリ・・・

浦上「んな事言って香焼、本当は絹旗ちゃんと同じ学校通えるの嬉しいんだよネー」ニヤニヤ・・・

五和「コウちゃん! 姉ちゃんは貴方を幼馴染イベント無碍にするような子に育てた覚えはありませんからね!」

香焼「……」(#^ω^)ピキピキ・・・ダマッテロ・・・


ローラ「フフフフ……面白い事を聞きにけりよー……ステイルちゃーん! 貴方確か今年1○歳になりけりよねー」ニヤリ・・・
995 :>>1 [saga]:2011/06/27(月) 23:55:27.67 ID:mxN3Bjdi0
 ・ともだちっ!



ステイル「あの糞魔女(ババア)……勝手に転校手続きなんてもんを……しかも都市の学校だと!?」グヌヌ・・・

香焼「あはは。同級生だね」クスッ

ステイル「仮に転入(入学)するとして、僕は君より一つ上だったろ! どうして同じ学年になるんだ!」クソゥ・・・


アニェーゼ「……良いですね」ジー・・・

アンジェレネ「あははは……まぁ私達は自分の仕事がありますから」クスッ・・・

オルソラ「……シスター・ルチア。ほら、言ってあげるのでございますよ」フフッ

ルチア「ハァ……貴女達も学校、行きたいですか……」ジー・・・

アニー・アン「「……えっ!?」」ギョッ!?


ワシリーサ「サーシャちゃーん! 引っ越し準備しなさーい!」ニヤリ・・・

サーシャ「は? 何を唐突に……第一の質問ですがまさか危ない薬にでも手ぇ出しました?」ジトー・・・

ワシリーサ「酷っ!? せめて『長期任務でしょうか?』とかマジレスなさいよ……違うわ。学務研修よ。真っ当なね」フフッ


レッサー「ってな訳で! 私も日本行ってきまーす!」フッハッハッ!

ランシス「……レッサーったら、誰も何も言ってないのに勝手に準備しちゃった」ハハハ・・・

フロリス「リーダー、どーすんのー?」チラッ・・・

ベイロープ「ハァ……勝手にしろ。ただし行くからには真面目に勉強してきなさい。何も学んで来ませんでしたなんて言ったら殺すからね」


削板「よしっ! 番長なりに学校行ってくる!」ズンッ!

原石達『軍覇兄ちゃんかっけー!』ワーワー!

山崎「……良いんですか? 監督責任者不在ですよ」ハァ・・・

神「好きにさせろ。何か得てくるやもしれん。まぁいつもでもダチの一人いねぇってのは寂しい野郎だからな」ククク・・・


初春「佐天さん! この学級色んな国からの留学生来るそうですよ! ぐろーばるin初春ですっ!」ドヤッ!

佐天「『in』の位置逆だってば……春上さんも枝先さん達と同じクラスなれて良かったわね」クスッ

春上「うん。とっても嬉しいの! また皆一緒のクラスなの! 勿論佐天さんと初春さんも一緒で、もっともーっと嬉しいの!」ニコニコッ


絹旗「ど、どうしましょう……人が、超いっぱい、います……これが、超学校……」フルフル・・・

もあい「なー」プラプラ・・・
996 :>>1 [saga]:2011/06/28(火) 00:19:24.84 ID:c/LQCeP20
 <最初のHR!>



木山「―――……という訳で、このクラスを受け持つ木山だ。新任だが、宜しく頼むよ」

手塩「副担の、手塩だ。私も、現場復帰は久しいが、宜しく」

木山「じゃあ自己紹介を……の前に、まだ来てないのが数名か」


アニェーゼ「コーヤギ。サイアイは?」

香焼「……え?」タラー・・・

削板「アイツ、自己紹介ビビって逃げたな」アハハ・・・

佐天「せ、先生! ちょっと探してきます! 行くよ、香焼くん!」バッ!

木山「ふむ……あとは黒夜くんとショチトルくん、鉄網くん、それからイン―――……休みかな?」

手塩「鉄網と、ショチトルは、病院からなので、少し遅れる。黒夜と、インデ―――……は、分からん」

ステイル「インデック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ!!? 何だって!?」ガタッ・・・

レッサー「ヒューッ! ローラと神裂の根回しですかねぇ。良かったじゃないですか」ニヤニヤ・・・

ステイル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ダラダラ・・・

アンジェレネ「……」チラッ・・・





 <自己紹介っ!>



木山「―――……うん、よろしく。次は絹旗くんだね」チラッ・・・

絹旗「は、はひっ!!」ガタガタブルブル・・・

春上「絹旗ちゃん、ファイトなの!」

香焼「あんまり気張らずに、ね」タラー・・・

絹旗「スゥー……き、きにゅはた……」ピタッ・・・

一同(……噛んだ!?)ギョッ・・・

絹旗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プルプル・・・ダッ!!

サーシャ「第一の実況ですが、また逃げましたね」タラー・・・

佐天「先生行ってきますっ!!」ガシッ!! ビュンッ!!

香焼「佐天さん、態々腕引っ張らないでええぇっ!!」ギャー!!

佐天「香焼くん以外、最愛ちゃんの場所分からないでしょ!!」タッタッタッタッ!


木山「う、うーん……絹旗最愛くんかぁ」タラー・・・

手塩「大能力者で、天才ではあるが……精神は、小学校の、子供並という事か。苦労しそうだね、春生」クスッ

木山「まぁ……大丈夫だろう。周りが良い子ばかりだよ。友達の大切さを学んで欲しいね」

手塩「他の子も、皆、『過去』持ちの様だ……だけど、『普通の子供』として、学ばせよう。自分達は、『道具』じゃないってね」
997 :>>1 [saga]:2011/06/28(火) 00:20:02.31 ID:c/LQCeP20
はい。以上です。そんじゃまたいつか何所かでお会いしましょう! ノシ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/06/28(火) 00:22:59.29 ID:pNCqjq0J0
超乙
次回作にも期待しているぜ
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 00:24:54.86 ID:UvD999DDO
乙! >>1000なら絹旗アフター2!
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/28(火) 00:25:56.85 ID:o0HLcBqAO
1000なら俺が神
1001 :1001 :Over 1000 Thread
   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|
   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi. _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     |    |  /    |   丿 _/  /     丿
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こじはまるなのAKBSKENMBHKTスレ @ 2011/06/28(火) 00:07:35.25 ID:AOAjxDiIO
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男「手に口が出来た」2 @ 2011/06/27(月) 23:58:26.78 ID:vkSZQChho
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酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった4 @ 2011/06/27(月) 23:43:46.52 ID:NfuzTD0E0
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男「いいのか?これで」女「かまへんwwかまへんwww」 @ 2011/06/27(月) 23:27:53.67 ID:o2N4Eyg/0
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上条「安価で物語進める」 7 @ 2011/06/27(月) 23:24:46.09 ID:G/X8yhzy0
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糞板クソすぎワロタ @ 2011/06/27(月) 23:16:53.45 ID:i/B0S62qo
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ポケモンダイパプHGSSBW000 完全に忘れてた @ 2011/06/27(月) 23:11:21.22 ID:8xm9kaOwo
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【佳子】ムスコと愉快なパー速民【天使】 @ 2011/06/27(月) 22:28:46.95 ID:bjFDk2cB0
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