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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/12(土) 17:32:48.20 ID:vvFEyb/AO
VIPは落ちたようなので此方に

前スレ:http://c.2ch.net/test/-/news4vip/1299788266/i

では以後宜しく頼む、フラッグファイター
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:22:39.08 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459358/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/12(土) 17:49:15.56 ID:icrLa6RD0
その>>1を乙とする!
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 22:35:13.35 ID:msCPW2C1o
マジでか
いやっほーう
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 23:18:48.03 ID:rDpeTUIG0
>>1
こちらこそよろしく頼みますよフラッグファイター
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 23:49:47.54 ID:rDpeTUIG0
>>1
こちらこそよろしく頼みますよフラッグファイター
6 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:00:10.66 ID:G9FqsJUAO
再開する、明日以降有害物質を含む雨が降るそうだ。傘を忘れるなフラッグファイター
7 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:06:24.22 ID:G9FqsJUAO
ーMSWAD基地ー

グラハム「済まんなハワード、ダリル。もしもの事があれば……」

ハワード「心配ご無用ですよ中尉。ガンダムさんが現れたら、フラッグでお迎えに上がりますから」

ダリル「しばらく根気つめてましたからね。フラッグは有りませんが、羽を延ばしてきてくださいよ」

グラハム「心遣い傷み入るよ。司令が無理やりに外出許可を押し付けて来なければ、こんな事にもならなんだが」

ハワード「そう言えば……マリーダ少尉もでしたね、外出許可ならぬ外出押し付け」

ダリル「いつも一緒だったからな、少尉殿は。まだ基地にいらっしゃるのだろうか?」

グラハム「……マリーダなら、朝の一番に部屋の前に立っていた」

ハワード「うぇ!?」

グラハム「だがこう毎日一緒だと息抜きの意味にならんからな、お互い単独行動だと伝えて先に向かわせた」

ダリル「心中お察し致します、隊長」

ビリー「愛されてるねえ隊長殿は」

グラハム「! カタギリ」
8 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:10:10.89 ID:G9FqsJUAO
ビリー「そのままデートと洒落込んでしまえば良かったのに、相変わらず君は勿体無い人だよ」

グラハム「年齢が違いすぎる、私を犯罪者に仕立て上げるつもりか?」

カタギリ「愛に年齢は関係ないとエイフマン教授も言っていたよ。」

グラハム「……戯れが過ぎるぞカタギリ、それに私は」

ビリー「色恋沙汰よりガンダム、だろう?そろそろ教授でも杖で殴りつけてくるレベルだよ全く」

グラハム「……出るぞ」

ビリー「いってらっしゃい」

ブロロロォ……

ハワード「ふぅ、中尉のお気持ちも分かるだけに複雑だな」

ダリル「あぁ。他の国ではガンダムと裏で表で戦っているというのに、俺達ガンダム調査隊には機会が巡って来やしない」

ハワード「嫌われたもんだな、ガンダムには」
9 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:15:43.42 ID:G9FqsJUAO
ビリー「何、彼は乙女座だ。グラハム流で言うなら……出逢う運命にあるのさ」

ー街・公園ー

グラハム「…………」

マリーダ「…………」

グラハム「何故こうなった」

マリーダ「は、偶然の一言に尽きるかと」

グラハム「つくづく乙女座の数奇な巡り合わせに振り回される運命にあるようだな、私は」

マリーダ「申し訳、ありません」

キャッキャッ
ワーイ

マリーダ「あれは……」

グラハム「子どもか。見たところ二歳から五歳の集まりと推測する」

グラハム「子どもが活気ある国は将来有望だ。我々フラッグファイターは彼等の未来を……」

マリーダ「……」

グラハム「……マリーダ?」

グラハム(何故、そのような悲哀に満ちた眼差しで子供らを見ている?)

マリーダ「…………」

グラハム「……やれやれ」
10 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:20:13.76 ID:G9FqsJUAO
グラハム「マリーダ・クルス少尉!」

マリーダ「ッ! はっ!」ビシッ

グラハム「行くぞ。公園のベンチに座り込んでいるだけでは、休憩室で珈琲に溺れているのと何ら変わらない」スタスタスタ

マリーダ「は……?」

グラハム「デートをしてやると言っている。付いて来い、少尉!」

マリーダ「はっ! よろしくお願い致します!」スタスタスタ

ーゲームセンターー

グラハム「……デート、か」

グラハム(公園から離れる口実にしては、我ながら甘きに逸した発言だな)

グラハム(だがどうせ行く当てもない休暇だ、楽しませてもらおう!)

バンバンバンバン
ヴォー

マリーダ「中尉、左側の触手は私が」バンバンバンバン

グラハム「その旨を良しとする!」バンバンバンバン

Ω「すげぇ……最高得点だ」
11 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:28:00.23 ID:G9FqsJUAO
【gameover】

グラハム「ふむ。ワンコインで此処まで楽しめるか、なかなかだと言わせてもらおう」

グラハム「しかし、射撃訓練を娯楽所でも行ってしまうとは……つくづく自分の軍人気質を思い知らされる」

マリーダ「職務に忠実なのは、軍人として素晴らしい姿勢であるかと」

パァン!
ヤッターサイコウトクテン

グラハム「ん」

マリーダ「あれは……?」

グラハム「アレかね?アレは拳でミットの部分を叩き、その破壊力を数値化して表示するゲームだ」

グラハム「一時期流行ったものだが、まだ置いてあるものなのだな……」

マリーダ「……」ウズウズ

グラハム「……」フッ

グラハム「やってみるか? 少尉。何事も実践あるのみだ」ピンッ

マリーダ「! はい、ありがとうございますマスター」パシッ

マスター?マスターナンダッテ
ヘー

グラハム「……マスターは止せ、流石に」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 01:29:43.57 ID:G9FqsJUAO
マリーダ「…………」スッ

チャリン
テーレッテー

マリーダ「……スゥ」

マリーダ「ッッ!」

バゴォンッ!!

ピー

グラハム「む?」

マリーダ「あれ……?」

0pt

マリーダ「……」シュン

グラハム「気に病むな、当たりどころが悪かっただけだろう」

グラハム「気晴らしに食事でもするか、腹が減っては休暇もままならん」

マリーダ「はい、マスター」スタスタ

Ω「店員さん、このゲームマシン動かないよ」

0pt

店員「はい申し訳ありません、今調べて……」カチャカチャ

店員「……死んでる(故障的な意味で)……」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 01:34:39.66 ID:G9FqsJUAO
グラハム「済まんな少尉、この程度のもので」

マリーダ「いえ……これは、歩きながら食べるのですか?」

グラハム「ホットドッグは珍しいか? 確かに少尉は基地内でもジャンクフードには手を出さなかったな」

マリーダ「健康の為、食事には気を遣えとホーマー氏に言われておりました」

グラハム「ホーマー氏に?」

グラハム(私生活から彼女に関わっていたのか……やはり彼にも何らかのアプローチをかけるべきだな)

グラハム「目的地の無い観光だ、色々見て回りながらの方が良いだろう」

マリーダ「……」パクッ

マリーダ「あ……」パァッ

グラハム「ふっ、気に入ってもらえたようで何よりだ」

グラハム「さて、何処に行こうか。少尉は何処か目星がつきそうな場所はあるかな?」

マリーダ「……」

グラハム「少尉?」

マリーダ「あれは、どの様な施設なのでしょうか」スッ

グラハム「ん……あぁ、あれは美術館だよ。小さな館だが、色々と珍しい物品が多いと聞く」

マリーダ「…………」

マリーダ(私を、呼んでいる?)
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 01:39:16.63 ID:G9FqsJUAO
グラハム「行くかね?」

マリーダ「宜しいのでしょうか?」

グラハム「君が行きたいと思った場所に行くさ。これはデートなのだから」

マリーダ「……ありがとうございます、マスター」

グラハム「マスターは止せ」パクパク

グラハム(しかし美術館とはな。私は芸術性には疎く、品位というものも理解し難い。俗に言う粗野な人間だ)

グラハム(これを機に変われるなら、ガンダムの構造も僅かながらにでも理解出来ようか?)

グラハム「ふっ、難しいかな」

ー美術館ー
グラハム「大人を二人分頂こう」

マリーダ(何処だ……)

グラハム「む、少尉、何処に行く!」

マリーダ(私を呼ぶ者は何処にいる?)

グラハム「待て少尉ッ……失礼!」ドン

男性「お、おい!」

グラハム「失礼と言った!」

グラハム(いきなりどうしたというのだマリーダ少尉!)

マリーダ(何処に……!)ダッ

グラハム「少尉!」

マリーダ「……あ」ピタッ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/13(日) 01:52:19.57 ID:b97Pus5k0
とうとう見つけたぞ>>1ぃ!
16 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:53:11.02 ID:G9FqsJUAO
グラハム「突然どうした少尉、美術館で息を切らすことになるとは……」ハァハァ

マリーダ「」ボー

グラハム「ん?これは……」

グラハム「タペストリー……貴婦人と角を携えた獣、ユニコーンか」

グラハム(何だ?この不思議な感覚は……まるで、絵から人の感情がにじみ出てくるようだ)

館長「如何なされましたか?何やらお急ぎのご様子でしたが」

グラハム「失礼、連れの者が突然このタペストリーを見たいと言い出しまして」

グラハム(周りの視線が気になるが……美術館自体が小さいからか。不思議と人が集まらないな)

グラハム「ん?」

『A MON SEUL DESIR』

館長「そうでしたか。このタペストリーは寄贈されたものなのでしてな、作者も不明なのですが、不思議とこのタペストリーの前に皆さん足を止めるのです」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/13(日) 01:55:34.65 ID:b97Pus5k0
可能性の獣・・・
18 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 01:56:03.91 ID:G9FqsJUAO
グラハム「でしょうな。人を惹きつける不思議な魅力と、包み込むような温もりを感じる」

グラハム「私は芸術には疎いが……感じるものがある」

館長「そう言って頂けるなら幸いです」

グラハム「あの、文字のような部分には何と?」

館長「あれですかな?えぇと確か」

マリーダ「私の……」

グラハム「!」

マリーダ「私の……たった一つの望み」

館長「あ、あぁ確かそんなような内容でしたね」

グラハム「読めるのか、マリーダ」

マリーダ「可能性の獣……ユニコーン」

グラハム「可能性の、獣?」

マリーダ「……」ポロポロ

グラハム「ッ!?」

館長「おぉ、如何なされた!?」

マリーダ「分からない……分からないんです」

マリーダ「どうして涙が出るのか……分からないんです……」

グラハム「マリーダ……」

館長「ど、どうしたものか……」オロオロ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/13(日) 02:01:11.61 ID:b97Pus5k0
http://www.youtube.com/watch?v=5Nc-fe_2LCo
20 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 02:03:47.87 ID:G9FqsJUAO
ー公園ー

グラハム「元の場所に戻ってきてしまったか。だが、車からも近いし好都合とも言える」スタスタスタ

マリーダ「…………」

グラハム「マリーダ少尉」

マリーダ「! マスター」

グラハム「マスターは止せ。落ち着いたようで何よりだ」

マリーダ「申し訳……ございません」

グラハム「いや、謝るな。芸術に魅入り涙するその感性、感服はすれど嫌悪などせんよ」

マリーダ「……」キュピィィィィン

マリーダ「……ありがとうございます」ニコ

グラハム「ふっ、相変わらず笑顔は年相応に可憐だな」

マリーダ「え?」

グラハム「珈琲だ、落ち着くぞ。缶ではあるが、少なくともMSWAD基地のものよりは味が良いだろう」スッ

マリーダ「は、はい。ありがとうございます」ソッ

グラハム「…………」プシュッ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 02:13:50.96 ID:G9FqsJUAO
グラハム「失礼する」スタッ

マリーダ「はい」

グラハム「……」ズズ……

マリーダ「……」プシュ

グラハム「可能性の獣」

マリーダ「? ユニコーン、ですか」

グラハム「君はそう呼んだな。あのタペストリー、ユニコーンについて何も書かれてはいなかった」

グラハム「知っていたのか?あのタペストリーの事を」

マリーダ「……」ズズズ

マリーダ「いえ、知りませんでした。あの美術館を見たのも、あのタペストリーを見たのも……ユニコーンというものを見たのも」

グラハム「何……?」

マリーダ「自然と感じられ、自然と口にして、自然に感情が溢れてきて……」

マリーダ「不思議です。とても優しい光を秘めた人が作り出した、そう感じられる……」

グラハム「……」

グラハム(私が感じた事よりも深く、より具体的に干渉していると見た)

グラハム(マリーダ本人にある不思議な力……それがホーマー氏の隠している事柄と繋がるのだろうか)

グラハム(いよいよもって乗り込まざるを得なくなってきたな……マリーダを知るためにも)
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 02:18:54.66 ID:G9FqsJUAO
マリーダ「マスター」

グラハム「む?どうした少尉」ズズ

マリーダ「本日はとても楽しい1日になりました。まずは、御礼を言わせてください」

グラハム「そう言ってもらえるなら、エスコートした甲斐があるというものだ」

グラハム「明日は軍上層部から何らかの発表があると聞いた。もしかしなくても、ガンダムに関する事柄である事は間違いあるまい」

グラハム「私の右腕として、活躍を期待しているぞマリーダ」

マリーダ「はっ!」ビシッ

グラハム「では、そろそろ戻るとするか」

マリーダ「あ、あの」

グラハム「?どうした少尉」

マリーダ「よろしければ……またいつか、ご一緒して頂けませんか?」

グラハム「…………」

グラハム「ふっ、考えておこう。近いうちにな」

マリーダ「! ……ありがとう、ございます」ニコ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 02:23:49.56 ID:G9FqsJUAO
ーMSWAD基地ー

ビリー「さてどういう事か説明して貰おうかグラハム」

グラハム「…………」正座

ビリー「バラバラに外出したはずの君達が二人一緒に街中で歩いていた(整備士・24歳男)という目撃情報の後」

ビリー「泣きじゃくるマリーダ少尉を誘導しながら、グラハム中尉が逃げるように道を歩いていた(22歳・オペレーター女)という目撃情報の間を」

ハワード「中尉! 中尉に限ってそんな……あぁ! 俺の口からはとても言えない!」

ダリル「俺は隊長を信じますぜ! 俺は……俺だけでもっ!」グスッ

ビリー「友情がこんな形で終わるなんてね……悲しいよグラハム」

グラハム(本当に、何故こうなった)

ーマリーダ自室ー

マリーダ「……」

マリーダ(あのタペストリーから感じた、とても暖かく優しい光……)

マリーダ「何だったのだろう、あれは」

マリーダ(また、見に行きたいものだ……)

マリーダ(マスター……)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 02:30:02.31 ID:G9FqsJUAO
ー太平洋上空・輸送機内部ー
ハワード『中尉、久しぶりにガンダムに逢えそうですな!』

グラハム「そうでなくては困る。随分と焦らされたからな」

ダリル『しかし、まさかアザディスタンに出兵とは……意外でしたな』

ビリー「軍上層部が議会に働きかけた結果だよ。人革に遅れを取るわけには行かないからね」

グラハム「世界の警察としての立場、最大限に発揮する場と見た」

マリーダ「国連大使、アレハンドロ・コーナー氏の提言もあったとの噂も有りますが……」

ビリー「彼は以前ユニオン軍に在籍していたし、少なからず関わっていたろうね。国連のアザディスタン支援を推進する側として、軍介入は当然とも言える結果だよ」

グラハム「だが……我々を派兵した思惑は一つだ」

グラハム「ガンダムとアザディスタン支援、どちらもこなしてこそだ。当てにさせてもらうぞ、フラッグファイター!」
25 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 03:32:26.70 ID:G9FqsJUAO
以上、今回分投下終了
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 11:09:26.19 ID:0moFBRrXo
>>25
おつおつ、続き楽しみにしてるぜ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 11:27:57.41 ID:KLyoMKkJ0
乙!
このままだと、ハムがユニコーンに乗ることになるのか?
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 12:35:33.97 ID:xedUnnaDO
なぜデート展開になったっんだ?
唐突すぎるぞ、ガンダム!
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 13:14:37.11 ID:hbXC74PAO
>>1

●持ってないから>>1の前スレが見えないのだが、前スレ>>187以降に続きあった?
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 13:21:11.31 ID:8RHS4I5AO
会いたかった…会いたかったぞぉ>>1ィ!!

ハムがユニコーンかハムのパーソナルマークはユニコーンの頭と片翼だからいけんじゃね

期待してる
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 16:10:08.90 ID:tJ16IZWAO
問題はこのアザディスタン編は外伝のあげゃガンダムもちょっと関わってるってとこだな…
絡ませるのか?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 22:44:51.69 ID:HvbfxqOTo
>>29
無い
195超えたあたりで落ちた
33 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 23:01:19.56 ID:G9FqsJUAO
少し顔を出すぞフラッグファイター

フォン・スパークか……迷うところだ
影の存在と考えても少々存在示唆程度に済ませるつもりだ。正直好かん
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 23:28:15.77 ID:jQjvH5gAO
俺もあげゃはあんまり好きじゃないな
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 23:35:54.24 ID:KLyoMKkJ0
俺もどっちかというと嫌いだ
あぎゃと運命のキラ、皆はどっちが嫌い?
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 23:46:09.19 ID:s1pTkph3o
>>35
そういう荒れそうな話題持ってくるのはどうかと・・・
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 23:48:18.65 ID:KLyoMKkJ0
ごめんなさい・・・・・・・・・・・・
38 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/13(日) 23:48:30.93 ID:G9FqsJUAO
嗜好の問題を除いてもグラハムとマリーダがユニオン所属であり、ユニオン嫌いのフォン・スパークが生かして帰してくれそうにないこと、スローネの突発性が無くなるなどの理由からあげゃにはいなくなってもらう。フォン・スパークが好きな方には本当に申し訳無い

特にマリーダのNT能力で見つけられてしまう可能性が一番大きい。汎用性が高すぎるぞ、ニュータイプ!

ではまた、失礼する
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 23:56:16.86 ID:cLixbxeVo
あげゃはおもろいけど癖強すぎるから仕方ない
つーかあいつ無双しすぎなんだよ第二世代ガンダムのくせに
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:18:00.80 ID:3oM/px6AO
>>39
ときたのお気に入りだからな基本外伝は同人のオリキャラクサくて嫌い
41 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 01:54:21.72 ID:WcW8AXpAO
明日から停電が起こるらしい。今のうちに投下しておこう……穏便に頼むぞフラッグファイター
42 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 01:56:43.48 ID:WcW8AXpAO
ーアザディスタンー
アレハンドロ「やれやれ……どうやら私が手をさしのべたら、それを良いことに今度はユニオンへと手を伸ばしたか。アザディスタンの改革派は」

リボンズ「保守派の人間が広範に食い込んでいる現状、彼らは理解していないのでしょう」

アレハンドロ「変な噂もあるが、私はあくまでも監視者だ。その様に軍への干渉を行える立場ではないのというのに……今は、だがね」

リボンズ「アレハンドロ様の立場を知らない者達からすれば、そう見えてもおかしくはありません」

アレハンドロ「イオリア・シュヘンベルクの計画……ソレスタルビーイングの本懐を見守る監視者」

アレハンドロ「歯がゆいが、知られるわけにも行かないな」フッ

リボンズ「ガンダムマイスター達はよくやっていると思われますか?アレハンドロ様」

アレハンドロ「私からは何ともいえないな。監視者は干渉することなく見守るだけ……あくまでも客観的に、な」

アレハンドロ「計画の敵、【ビスト財団】の残党は七年前に消滅した……私の手引きでだ」

リボンズ「存じ上げております」

アレハンドロ「ふふ……その結果得た、他の監視者には無い私だけの切り札。せいぜい有効活用させてもらうさ……二番目の妹よ」
43 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:00:11.65 ID:WcW8AXpAO
ー中東ー

此処に位置する多くの国々は、石油輸出産業で経済を支えていた
しかし太陽光発電システムの開発計画により、その存在価値を失おうとしていた
国連決議による石油輸出規制が採択されると、栄光を失わんとする反対派の国々の一部が武力を行使……戦火は全土に拡大した

ビリー「これが後々20年間続く太陽光発電紛争、というワケさ」

マリーダ「……」

グラハム「石油あっての中東国家、それが必要無くなれば世界の目もそこには向かなくなる」

グラハム「今や此処は世界に見離された、地球の中の離れ小島という事だ」

ダリル「過去の栄光にすがりついた末路って訳か」

マリーダ「……見離された土地……」

マリーダ(重苦しい気配が、纏わりついてくる……息苦しいな)コホ

ビリー「ここ、アザディスタンもその長い内紛で生まれた国なんだけどね」

ビリー「国を建てたのは良かった、しかしそれから国教の考え方に違いが出て、今じゃ真っ二つ。保守派と改革派が一触即発の状態なんだ」

ハワード「へぇ……それで、今回拉致されたっていうナントカ・ラフマデーって人は誰なんです?」
44 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:05:57.23 ID:WcW8AXpAO
マリーダ「マスード・ラフマディ。アザディスタンの高名な宗教的指導者にして保守派の中心的人物だ」

マリーダ「保守派ながら穏健派でもある彼の存在が、一触即発のアザディスタン情勢を保ち続けていたんだ」

ハワード「へぇ……」

マリーダ「だが今回彼が拉致されたとなれば、保守派を止められる者はいなくなる。むしろ残された超保守派は改革派がそれを行ったと考えるだろう」

ダリル「てぇことは……内戦ですかい?」

ビリー「ラフマディ師が死亡していたらね。それは止められなくなるだろう」

マリーダ「ともなれば、これは紛争の火種ともいえるだろう。なれば、奴らが現れない筈がない」

グラハム「……ガンダム!」

ー太陽光発電受信アンテナ施設ー

兵士A「…………」

ドゥルン!ドゥルン!

兵士B「ん?どうし……」

ババババババババババババ!
チュドォォン

兵士A「ッ……この地を荒らす不信仰者共に! 神の雷をォォ!!」
45 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:07:58.28 ID:WcW8AXpAO
ピピピッ

マリーダ「マスター! ポイントDにて交戦を確認!」

グラハム「やはりアンテナを狙うか! 推測はかねがね的中ということだな」

グラハム「アンテナ施設を防衛する! 行くぞフラッグファイター!」

マリーダ・ハワード・ダリル「了解! (マスター)」

ギュゥゥゥン……

グラハム「ッ!?これは……!」

ハワード『ち、中尉!味方同士でやり合ってますぜ!?』

マリーダ「軍の反乱、内部分裂か!」

ダリル『どうします……?』

グラハム「ッ、厄介だな」

グラハム(どちらが裏切り者だ……!)

マリーダ「……ッ!」キュピィィィィン

ザザッ……ザー

グラハム「ぬっ、レーダーが!」

マリーダ(誰かが此方を見ている……何だ? このどす黒い悪意は……!)
46 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:12:24.41 ID:WcW8AXpAO
バシュゥン!
チュドォォン

ハワード『あぁっ!』

バシュゥン!バシュゥン!バシュゥン!
ドドドォォォ……

ダリル『この粒子の光は!』

グラハム「ガンダム……!」

マリーダ(何処だ……何処にいる。悪意の元凶……!)


HARO[ゼンダンメイチュ!ゼンダンメイチュ!]

ロックオン「待機しといて正解だなぁ」

キュピィィィィン

マリーダ「ッ! 見つけた!」

グラハム「マリーダッ!?」

サーシェス「ところがぎっちょんッ!!」

ボボボボシュゥゥゥ……

ロックオン「何!?」

グラハム「ミサイルだと!」
47 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:23:03.57 ID:WcW8AXpAO
マリーダ「間に合えぇぇぇ!!」ガゥンッガゥンッガゥンッ

サーシェス「あぁ!?」

ボゴゴォ……
パシュッヒュルルルルルル

マリーダ(残り二発、間に合わなかったかッ……)

ロックオン「クラスター! だがこの数なら!」

バシュバシュバシュバシュバシュ

ロックオン「狙い撃つぜぇぇぇぇぇ!!」

バシュバシュバシュバシュ
ドドドゴォォォ……!

サーシェス「ちぃッ!ソレスタルなんたらぁ……!!」

マリーダ「……」ホッ

マリーダ(! 何を私は安心しているんだ……ガンダムが近くにいるというのに!)

グラハム「アンテナ施設は守り抜けたか、だがとうとう顔を出したなガンダム!」

グラハム「マリーダ、ミサイル攻撃をした敵を追え!ハワード・ダリルはマリーダの援護を!」

ハワード・ダリル『了解!』

マリーダ「了解!」

グラハム「私はガンダムと対峙するッ!」

48 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:27:27.50 ID:WcW8AXpAO
ロックオン「ふぅ……ユニオンも馬鹿には出来ねえな。助けられちまった」

HARO[フラッグファイター!フラッグファイター!]

ロックオン「っと……前言撤回だな」カチャ

ロックオン「やっぱりガンダム目当てかよ、フラッグ!」

グラハム「ガンダム、押して参るッ!」

ーsideマリーダー

ハワード『くそっ! レーダーが利かなきゃ追うもんも追えないぞ』

ダリル『ガンダムの性能も考えもんだぜ、くそったれ!』

ギュゥゥゥン

ハワード『ん? マリーダ少尉、何処にいくんです! マリーダ少尉!』

マリーダ(悪意が移動している……逃がすものか!)

マリーダ「追える、このカスタムフラッグなら! 追ってみせる!」
49 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:30:59.45 ID:WcW8AXpAO
サーシェス「ちっ、ボーナスは貰い損ねたな。だが……攻撃を受けたという事実が重要なんでねぇ」

サーシェス「猜疑心は国民の心を蝕み、やがて始まる戦争は大枚を俺達の懐に集めてくれる……止めらんねぇよなあ! 戦争屋は!」ゲラゲラゲラ

キィィイィン

サーシェス「……ん?」

ヒュボッ

サーシェス「ッ!」

マリーダ「見つけた、AEUの新型か!」

サーシェス「フラッグだと!?」

サーシェス(何つう速さと勘の良さだ……レーダーも死んでるっつうのに、起伏の激しいこのエリアで捕捉されるか普通!)

マリーダ「落とす!」

サーシェス「しまった、やられる!?」

サーシェス「…………なんてなァ」ニヤァ

ガキンジャキッ

マリーダ「変形……!」

マリーダ(捉えられた!?)

サーシェス「その速度じゃあ正確に狙えねえよなぁ! 落ちろよ蚊蜻蛉ォォ!」

マリーダ「……」キッ
50 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 02:38:11.06 ID:WcW8AXpAO
ロックオン「狙い撃つぜッ!」バシュゥン!

サーシェス「ハッハァ!」ドゥゥン!

グラハム「ふっ……!!」

マリーダ「今だ、このタイミング!」

バシィン ゴォッ……!

グラハム「ぐぉッ……!」

マリーダ「あぅっ!」

スカッ

ロックオン「なっ!」

サーシェス「何だとぉ!?」

グラハム「人呼んで……!」
マリーダ「人呼んで……!」

「「グラハム・スペシャル!」」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 02:40:12.47 ID:WcW8AXpAO
ロックオン「HAROッ!」

HARO[リョーカイ!リョーカイ!シールドテンカイ!]

ロックオン「ちぃっ、二度目はないぜ!」バシュバシュゥン

グラハム「当たらんよ」ヒュンッヒュンッ

ロックオン「俺が外した!? 何だこのパイロット!」

グラハム「敢えて言わせてもらおう……!」

グラハム「 グ ラ ハ ム ・ エ ー カ ー で あ る と ッ !」

ドッゴォォン!

ロックオン「蹴りを入れやがった……!」

グラハム「クロスレンジでのライフルは、まさに無用の長物だなガンダムッ!」シャコンッギィィィィン

ロックオン(ソニックブレイドか!)

ガキィン!!

ロックオン「ッ……俺に剣を使わせるとは……!」

グラハム「身持ちが堅いな、ガンダム!」


ーsideマリーダー

マリーダ「当たれッ!」バシュシュシュシュ

サーシェス「ミサイルなんぞに当たってたまるかぁ!」

サーシェス(全速力から空中変形するフラッグなんざ聞いたことねえ……何者だコイツ!?)

マリーダ(近付いたらますます感じ取れる、こんな悪意の塊のような人間がこの世の中にいるのか!?)

マリーダ(間違い無い、コイツは生かしていてはいけない人間だッ!!)
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 02:42:26.48 ID:WcW8AXpAO
マリーダ「[ピーーー]ぇえ!」シャコンッギィィィィン

キュピィィィィン

サーシェス「あぁ!? てめえ、まさか女か!」

ギュィィン!

マリーダ「ッ!」

マリーダ(避けられた? いや違う、受け流された!)

サーシェス「ずえぇぇいッ!」

ドッゴォォ!

マリーダ「あうっ!!」ガクッガクンッ

マリーダ(蹴り? 今の態勢からどうやって打てると……!)

サーシェス「長居は無用さ、あばよアバズレ!」ギィィィィン……!

マリーダ「待てっ……逃がす訳には!」

『アザディスタン軍基地より、MS部隊多数が移動を開始』

マリーダ「はっ!?」

『目的地は王宮の模様、至急制圧に向かってください』

マリーダ「緊急通信……クーデターが起きたとでもいうのか?」

キィィィィン

ハワード『マリーダ少尉!』

マリーダ「ハワード、ダリルもいるか」

マリーダ「敵機は交戦したが逃げられた。AEUの新型、イナクトだ」

ダリル『イナクト? じゃあこの一件は……!』

マリーダ「憶測で物事を考えるな! 通信は聞いたな?」

ハワード『はっ!』

マリーダ「マスターと合流後鎮圧に当たる! 急ぐぞ!」

ハワードダリル『了解!』

マリーダ「ちっ……運のいい男だ」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 02:45:07.92 ID:WcW8AXpAO
ーsideグラハムー

グラハム「っ……」

ロックオン「クーデターだとよ。どうする、フラッグファイター」

グラハム「ようやくガンダムと巡り会えたというのに……!」

グラハム「口惜しさは残るが、私とて人の子だ!」バシュッギュゥゥゥン

ロックオン「……良い判断だ。さて王留美、ミッションプランは?」

グラハム「マリーダ、ハワード、ダリル! 首都防衛に向かうぞ!」

『了解!』

グラハム「ミサイル攻撃の犯人は?」

マリーダ『申し訳ありません、すんでのところで逃してしまいました……』

ハワード『少尉の機体の腰部に損傷が見られます。よほどの手練れかと……』

グラハム「今日は好敵手に巡り会える日だな、次の機会を待つしかあるまい」

グラハム「まずは被害を最小限に食い止める! 急ぐぞフラッグファイター!」

マリーダ『了解です、マスター』

グラハム「マスターとは呼ぶな!」

ギュゥゥゥン
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 02:48:37.50 ID:WcW8AXpAO
ー一夜明けてー

兵士『増援部隊が、制空権を確保しました!首都防衛は成功したと言えるでしょう』

グラハム「了解した。防衛任務をそちらの部隊に移譲する」

『了解しました、お疲れ様です』

グラハム「……信心深さが暴走すると、このような悲劇を招くというのか」

ハワード『ガンダムもフルで鎮圧してくれたようで、大事には至りませんでしたな』

ダリル『複雑だぜ、全く!』

マリーダ「マスター、どうしますか?」

グラハム「帰投する。こうなってはガンダムもしばらく現れまい」

PiPi

グラハム「こちら対ガンダム調査隊のグラハム・エーカー中尉だ、これから帰投する。マリーダ少尉の機体に少なからず損傷がある、整備班を待機させてくれ」

『了解しました』

ー上空ー

サーシェス「やってくれるぜソレスタルなんたら……お楽しみはこれからだってのによぉ」ニヤリ

サーシェス(あのフラッグのパイロット……どうして俺は女だと思った?)

サーシェス「まぁいい、しばらくはラフマディのジジイを肴に飲むとすっか」

ギュゥゥゥン
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 02:50:18.16 ID:WcW8AXpAO
ー廃墟ー

刹那「……俺は……ガンダムにはなれない……!」ギリッ

ー基地ー

キュピィィィィン

マリーダ「ッ!」

グラハム「動くなマリーダ! 消毒中だ」チョンチョン

マリーダ「あつっ……」

グラハム「打ち身に僅かな切り傷だけで済んだのは、幸いと言えるだろう」

ハワード「カタギリ技術顧問の話だと相当重い一撃だったらしいですぜ、あれ」

ダリル「少尉殿に一撃を加えるなんて、テロリストの中にもとんでもない奴がいるもんだ」

マリーダ「ガンダムを有するソレスタルビーイングもテロリストのようなものだ……つっ」

ハワード「違いない」ハハッ

グラハム「力を持つ者には、その大きさに比例した責任がのし掛かるものだ」ペリペリ

グラハム「国しかり個人しかり、フラッグファイターしかりガンダムしかりだ」ペタッ

マリーダ「……」E:絆創膏

グラハム「顔に傷が残ってしまっては酷だ。しばらくはこのままでいるといい」

マリーダ「ありがとうございます、マスター」

グラハム「その責任……お前達は最後まで負いきれるか? ガンダム」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 02:58:12.31 ID:WcW8AXpAO
ー翌日・送信基地付近ー

ビリー「気を使わなくてもいいんだよグラハム、護衛ならマリーダと基地護衛の戦力だけでも十分過ぎる程なのに」

グラハム「マリーダを出し抜くほどの相手がいたのだ、我々の生命線である技術顧問殿に万が一があっては困る」

グラハム「それに、何やら胸騒ぎもする。退屈しのぎには十分だ」

ビリー「気持ちは嬉しいね。有り難く受け取っておくよグラハム」

ビリー「……マリーダ、顔の絆創膏まだ外さないのかい」

マリーダ「はい、マスターから頂いたものですので」

ビリー「はは……ごちそうさま」

グラハム「そろそろ着くぞカタギリ。準備を始めよう」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 03:05:28.02 ID:WcW8AXpAO
ーミサイル攻撃発射地点ー

刹那「ロックオンからの情報だと……」

パパッ
ウィーン

刹那「残留反応? やはり此処にはMSがいた……」

刹那「何処の機体だ、情報によればカスタム化されたフラッグの追撃をも凌いだというが」

刹那「ッ!」サッ

刹那(あれは……ユニオン。奴等も調査に来たか……)

ビリー「やはりこの周辺に残留反応があるね。間違いなさそうだよ」

グラハム「PMCトラスト側の見解はどうなっている?」

ビリー「モラリアの紛争時に紛失し……」

マリーダ「カタギリ顧問」サッ

ビリー「え?」

グラハム「気付いたか、マリーダ」

マリーダ「はい」チャキッ

グラハム「……立ち聞きは良くないな!」

刹那(ッ!見つかっただと……)

グラハム「出てきたまえ!」

マリーダ「カタギリ顧問は私の後ろへ」ササッ

ビリー「あ、あぁ」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 03:12:31.96 ID:WcW8AXpAO
スタスタスタ……

刹那「あ……」オドオド

ビリー「地元の子かな?」ボソ

グラハム「どうかな」ボソボソ

マリーダ「……?」

マリーダ(あの時……ガンダムと対峙した時の感覚に似ている?)

刹那「あの、僕……この辺りで戦闘があったって聞いて……それで」

ビリー「成る程、そういう事に興味を抱く歳ごろだと分からなくもないけど……この辺りはまだ危険だよ。早く立ち去った方が良い」

刹那「は、はい! そうします。失礼します」

マリーダ「マスター、此処は私が」ボソ

グラハム「待て……私が動く」ボソボソ

スタスタスタ……

グラハム「少年!」

刹那「っ……!」

グラハム「君はこの内紛をどう思う?」

刹那「……え」

ビリー「グラハム……?」

マリーダ「マス、ター?」

グラハム「この国の内紛をどう思うかな? 少年」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 03:15:09.11 ID:9PCjwvWqo
せっさん名演技やな
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 03:18:22.10 ID:WcW8AXpAO
刹那「ぼ、僕は……」

グラハム(もう一押し、かな)

グラハム「客観的には考えられないかね。ならば、君は保守派と改革派、どちらを支持する?」

刹那「し、支持はしません。どちらにも言い分があって……正義があると思うから」

マリーダ「…………」

刹那「でも、この戦いで人は死んでいきます。たくさん……死んでいきます」

グラハム「同感だな」

刹那「ッ、軍人のあなたがそんな……」

グラハム「この国に来た我々ユニオンは、嫌いかな」

刹那「だって……軍人がたくさん来たら、被害が増えるし……」

グラハム「君だって、戦っている」

刹那「えっ」

マリーダ「……」チャキッ

グラハム「後ろに隠しているモノは何かな」

刹那「……!」カチャッ

グラハム「怖い、顔だ」

刹那(まさかこんなところで……どうする……!)

マリーダ「マスター」

グラハム「……ふっ」スッ

マリーダ「え……?」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 03:19:07.29 ID:XW36I9LB0
年齢的には間違ってないしなあ・・・・・・
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 03:21:45.81 ID:XW36I9LB0
マリーダ「マスター」
刹那「え゛……?」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 03:25:20.24 ID:WcW8AXpAO
グラハム「カタギリ、一昨日ここから受信アンテナを攻撃した機体は、AEUの最新鋭機イナクトだったな」

マリーダ「マスター!」

グラハム「もうしばらく待てマリーダ」フッ

刹那(何……?)

ビリー「いきなり何を……」

グラハム「しかもその機体は、モラリアのPMCトラストから奪われたものだったらしい……と」

刹那(PMCトラストから……?!)

グラハム「ふっ……撤収するぞ。もう此処に用は無い」スタスタスタ

マリーダ「はっ」カチャ

刹那(……)スッ

ビリー「グラハム……何故あんなことを」

グラハム「さぁ、何故かな。口が滑ったとしか言いようがない」

ビリー「マリーダ、君は分かっていたのかい?グラハムがこういう行為に及ぶことを」

マリーダ「いいえ、分かりませんでした」

マリーダ「ですが、マスターのなさることにいちいち驚愕していては身が保たない事には気付いております」

グラハム「適応力が上がったなマリーダ」

マリーダ「恐縮であります」

ビリー「……」ハァ


刹那「PMCトラストのイナクト……まさか!」

刹那(あの男が……今になって……!?)

キュピィィィィン

マリーダ「……?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 03:41:14.73 ID:WcW8AXpAO
ー基地ー

グラハム「何だと! それは真実かハワード!」

ハワード『えぇ、公式に軍部へ連絡が来ました。何でも、皇女マリナ・イスマイールが超保守派の刺客に襲撃されたとか』

ビリー「直接だと……!」

グラハム「それで、皇女の容態は?」

ハワード『えぇ、SPの対応が早く刺客を即座に射殺、皇女には傷一つ無いとのことです』

ハワード『ですが王宮は混乱状態、ユニオンへの警備体制強化を要請してきてます』

ビリー「だろうね。内輪の紛争時は誰が敵か分からないのが現実だ」

PiPiPiPi

グラハム「私だ……これは失礼致しました」

グラハム「はい、はい……その旨、確かに承りました。すぐにその様に」

グラハム「はっ!」ガチャン

ビリー「作戦司令部からかい?」

グラハム「皇女マリナ・イスマイール本人にも護衛を付ける必要が出て来た。それも、四六時中張り付ける優秀なSPをな」

ビリー「成る程……確かに彼女なら優秀過ぎる位だよ」

グラハム「戦力を裂かれるのは痛いが……思った以上に状況は混濁している」

グラハム「足元を馴らす。マリーダに連絡を取れ!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 04:03:56.34 ID:WcW8AXpAO
ー王宮ー

マリナ「貴女が、ユニオンから派遣された護衛の方?」

マリーダ「マリーダ・クルス少尉であります。お会いできて光栄です皇女様」

マリナ「そんな、まだ若すぎるじゃ……」

マリーダ「対ガンダム調査隊の一員、ないしはフラッグファイターとして活動しております」

マリーダ「力量に不足無しと自負しております、どうか御信頼を。姫様」

マリナ「姫様って……」

マリナ「……分かりました。身辺の警護をお任せいたします、どうか宜しく」

マリーダ「はっ、ミネ……姫様」ビシッ

マリーダ(この人に姫様と言われると、何となく違和感が有るわね……まるで別人に向けて言っているみたい)
66 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 04:08:24.21 ID:WcW8AXpAO
シーリン「」テキパキテキパキ

マリナ「」テキパキテキパキ

マリーダ「…………」

シーリン「」テキパキテキパキ

マリナ「」テキパキテキパキ

マリーダ「…………」

マリナ「マリーダさん、微動だにしないけども……疲れていないかしら?」

マリーダ「問題ありません。姫様」

マリナ「そ、そう……」

マリーダ「アザディスタンの為に粉骨砕身される姫様のお姿を拝見し、身の引き締まる思いです」

マリーダ「アザディスタンの為……本当にそうなのかしら」

マリーダ「……?」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 04:10:07.24 ID:WcW8AXpAO
しまった、最後の二番目
×マリーダ
○マリナ「アザディスタンの為……」


済まない
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 04:21:34.09 ID:WcW8AXpAO
マリナ「私達改革派が国連の援助を受けたが為に事態は一層悪化してしまったわ……国民は互いに憎しみ合い、友に銃を向け、隣人に刃を突きつける泥沼へとなり果てつつある」

マリーダ「……」

マリナ「私はこの国に……一体何が出来たのかしら」

マリーダ「私は、ユニオン軍及び国連の立場でしか事を申し上げられませんが」

マリーダ「姫様は賢明なご決断を為されたと思います」

マリナ「マリーダさん……」

マリーダ「私には神はおりません。生まれる場所も、生きる場所も、そして死んでいく場所も選べはしないのでしょう」

マリーダ「人は信仰心だけでは生きていけません。いつかは苦汁を飲み、妥協をせねばならないでしょう」

マリーダ「そのいつかを遠回しになさらず、今ご決断したマリナ様を。私は尊敬いたします」

マリナ「……」

マリーダ「……申し訳ありません、国の内情も知らぬ者の戯れ言とお聞き流しください」

マリナ「いいえ、少し気が楽になったわ。ありがとうマリーダ」

バタンッ

シーリン「マリナッ!」

マリナ「どうしたの? シーリン、そんなに急いで……」

シーリン「ソレスタルビーイングから、貴女宛てにメッセージが届けられたのよ」

マリナ「ソレスタル、ビーイングから……!?」

マリーダ「ッ!」ガタンッ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 04:26:01.02 ID:WcW8AXpAO
シーリン「マスード・ラフマディーを保護、王宮を向かう。皇女には早期停戦に向けての会議を望む。以上よ」

マリーダ「ラフマディ師を……!?」

マリナ「……っ」

マリナ「分かりました。至急会談の用意を」

シーリン「分かったわ……」

マリーダ「姫様……よろしいのですか?」

マリナ「私は、彼らの行いに賛同は出来ない。罠という可能性だってあるわ」

マリナ「でも……」

マリナ「それ以上に信じたい、私達が行ってきた事が誤ってないと信じたいのよ」ギュッ

マリーダ「…………」
70 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 04:37:20.01 ID:WcW8AXpAO
ー翌日・王宮前ー

ワーワー
『異教徒は帰れー!』
『ユニオンがいるから国は荒れるんだー!』

ハワード「隊長、ガンダムが王宮に向かっていると言うのは本当ですかね? しかも人質を連れて……」

ダリル「もしそうなったら絶好のチャンスですよ中尉!」

グラハム「世界はこの一瞬を待ち望んでいる……今か今かとな」

グラハム「ふっ……刮目させてもらおうか。ガンダム?」

ー王宮ー

シーリン「……時間ね」

マリナ「えぇ」コクン

ー王宮前ー

市民「ん……お、おい!」
市民「あ、あれは!?」

コォォォォォォ

市民「ガンダム……ガンダムだ!」

グラハム「来たかガンダム!」

スッ……

『ガンダムです!ガンダムが現れました!今王宮前に着地しています』

刹那「……」

グラハム「武装を解いているだと!?」

マリナ「あぁっ……!」

マリーダ(馬鹿か!?非武装で敵地に殴り込んでくるなど……)

マリナ「ガンダムに攻撃はしないで」

マリーダ「ッ!し、しかし!」

マリナ「これは命令です!」

バババババ

マリナ「ッ!?」

市民「約束の地から出ていけー!」

『銃撃です!市民からの銃撃がガンダムに浴びせられています』

マリーダ(当たり前だ、ガンダムなんだぞ!? それをどうして……)

刹那「…………」

ウゥン……ガシン
ガシン

市民「うわぁっ!?」

グラハム「無抵抗……あくまで戦わないつもりかガンダム」

ハワード「中尉!」

グラハム「黙っていろ!」
71 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 04:44:36.91 ID:WcW8AXpAO
刹那 (今度こそ……)

ドンドンドンッ!
ドゴゴォン!

マリナ「あぁっ!」

グラハム「ぬっ!」

マリーダ『マスター、私はどうすれば……!』

グラハム「黙って成り行きを見守れ!」

マリーダ「!」

ガシン
ガシン
ガシン

刹那(俺は今度こそ……)

マリーダ「ッ……!」

グラハム「……」

刹那(ガンダムに……!)

キュピィィィィン

マリーダ(はっ!この気配……!?)

ギュウウウウン

刹那「……」トッ

刹那〔ラフマディ師、足元にお気を付けを〕

ラフマディ「うむ……あまりいい乗り心地ではなかったな、ガンダムとやら」

刹那〔申し訳ありません〕

ラフマディ「……ふっ、礼を言わせてもらう」

刹那〔お早く〕

ラフマディ「……」スタスタスタ

『ラフマディ師です!ソレスタルビーイングの手により、ラフマディ師が今王宮へと返還されました!』

刹那「……」タッ

マリナ「待って!」

マリーダ「姫様! お待ちください!」

マリーダ(今銃を抜けば、ユニオンは世界の物笑いになる……!)

マリーダ「ッ……!」ギリィッ
72 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 04:49:05.44 ID:WcW8AXpAO
マリナ「」

刹那「」

マリーダ(言葉を交わし合っている……だが今の私にはそれを聞きに走る勇気さえない)

マリーダ(……ガンダム……)

コォォォォォォ……

ハワード「中尉、追い掛けましょう!」
ダリル「今ならガンダムを!」

グラハム「出来るものかッ!」

グラハム「そんな事をしてみろ……我々は世界の鼻つまみ者だ」

ハワード「中尉……!?」
ダリル(落ち着いているというのか?あの中尉が……)

グラハム「……ふっ、完敗だな。ガンダム」
73 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 04:59:47.35 ID:WcW8AXpAO
ー基地ー

整備士「中尉!フラッグは全機収納出来ました」

グラハム「あぁ、ご苦労」

ハワード「蜻蛉返りですな隊長」
ダリル「結局骨折り損のくたびれもうけか……」ハァ

グラハム「そう腐るな。機会は必ず巡って来るさ、必ずな」

ハワード「乙女座の勘という奴ですか?」

グラハム「どうかな……こればかりは明言を避けよう」

スタスタスタ

マリーダ「マスター」

グラハム「ん、マリーダか。どうした、浮かない顔をしているな」

マリーダ「……マスターこそ……!」

グラハム「む?」

ハワード「少尉、殿?」
ダリル「まさか……」

マリーダ「マスターこそ、何故平然としておられるのですか!」

マリーダ「我々はガンダムを目の前にしながら、指一本触れられず……指をくわえて見逃さねばならず……!」

マリーダ「歯痒くは、悔しくは、情けなくはないのですかッ!!」

グラハム「……」

ハワード「しょ、少尉が中尉にこんな態度を示すなんて……!」
ダリル「初めてだ……」

グラハム「マリーダ、君はどうだ」

マリーダ「ッ、私は!」

マリーダ「歯痒くて、悔しくて、情けなくて……もう」

マリーダ「もうどうしようも無いくらい……もう……!」ポロポロ

グラハム「……」

ハワード「 」オロオロ
ダリル「 」オロオロ

グラハム「……私もだ」フッ

マリーダ「え……?」
74 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 05:19:57.08 ID:WcW8AXpAO
グラハム「対ガンダム調査隊として赴きながら、ガンダムには出し抜かれ」
グラハム「アザディスタンの平和維持と銘打って乗り込んでおきながら、今やアザディスタンの世論では賊扱い」
グラハム「何がMSWADのエース、何がフラッグファイター……作戦司令部にはぐうの音も出ないくらい叩きのめされた」

マリーダ「……ッ」

ハワード「隊長……」
ダリル「……」グスッ

グラハム「フラッグファイターの矜持さえも、あの瞬間のガンダムには打ち砕かれて消えた」

グラハム「だが、これで終わりでは断じてない!」

グラハム「奴らがソレスタルビーイング、紛争への武力介入を謳う武装組織である限り、必ず我々にその機会は巡る! ガンダム打倒の機会がな!」

マリーダ「マスター……」

グラハム「確かに今回我々は敗北した。完膚無きまでにだ。だがまだだ! まだ終わってはいない!」

グラハム「まだ下を向くには早すぎるぞフラッグファイター。我々の目標は、遥か頭上を行っている」

グラハム「今の我々が通用しなかったなら、未来の我々では通用させる! こんなところで折れていて、ソレスタルビーイングに手が届くと思っているのか!」

マリーダ「……!」
ハワード「隊長……!」
ダリル「中尉殿!」

グラハム「敗北を経験することは、勝利を経験することより遥かに価値のあることだ」

グラハム「成長しろフラッグファイター。背中は任せた」スッ

ハワード「はっ!」
ダリル「はっ!」

マリーダ「あ……」

グラハム「……」スタスタスタ

マリーダ(マスターの眼、真っ赤に腫れていた……)

マリーダ(歯痒くない筈がない、悔しくない筈がない、情けなくない筈がない……)

マリーダ(愚かだな、私は……一人で感情を制御もさせず、爆発させて……)

マリーダ(そうだ、次だ。次こそガンダムから勝利を……)キッ

マリーダ「フラッグに、マスターに勝利を!」
75 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 05:26:50.16 ID:WcW8AXpAO
ビリー「お疲れ様。彼女は大丈夫かな?」

グラハム「あぁ大丈夫さ。強い女性だ」

ビリー(強化人間は投薬と記憶操作の影響で精神が不安定になりがちだと研究結果にはあったが……グラハム、君はどこまで理解しているんだい?)

グラハム「……」

グラハム「昨晩は枕にかじりついて大泣きした。今は、久しぶりにすっきりした気分だよ」

ビリー「君らしいストレス発散法だ」ハハッ

グラハム「ふっ……」

グラハム「待っていろガンダム。フラッグファイターは登り詰めるぞ、極みへな!」
76 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 05:47:15.08 ID:WcW8AXpAO
本日分終了
投下中に続きが消えるというアクシデントに見舞われた為か荒いな……済まないフラッグファイター

次の主人公はアラスカのジョシュアだ!
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/14(月) 05:51:38.73 ID:+6m1/jADO
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 05:52:34.56 ID:N7CG8wFao
お疲れ様でした。
今回いろいろとキーワードが出てきて、
二つの世界がどう絡み合ってゆくのか楽しみです。


にしてもグラハム覚醒しつつある?
79 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 05:59:47.99 ID:WcW8AXpAO
明言は避けたいが、とりあえずマリーダがグラハムをマスターと呼んだ時、刹那は割と本気でドン引きしていたとだけ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 06:01:22.74 ID:XW36I9LB0
まじで>>62の状態だったのかwwww
オツ!
81 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/14(月) 06:17:17.57 ID:WcW8AXpAO
あとグラハムに貼られた絆創膏の位置は右頬だ。勘違いするなよフラッグファイター

停電までしばしの休息だ。もしもしは耐えられるから良い
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 08:52:02.21 ID:lBPxQp8AO


とりあえずもしもしだと大変だろうけど目欄にsagaって入れといた方がいいですぜ
そのままだと死 ね→[ピーーー]とかなるし
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 10:21:43.34 ID:BJ0tabAAO
∀×マリーダ希望
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 11:35:20.15 ID:hzvRGXixo
1乙
おもろい
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 23:41:43.85 ID:3NquQnNAO
このスレの影響受けて武士道とマリーダさんを同じチームにしてしまったのは俺だけじゃないはず
86 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 10:24:44.14 ID:PUwiFIPAO
おはようフラッグファイター諸君(CV:中村正)

夕刻には張り出せるかもしれない。計画停電とは厄介なものだな
Gジェネではブシドーとグラハム別々に使えるのだが、どちらをマスターにしてどちらを隊長にするか迷うな
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/15(火) 11:01:41.58 ID:eNfOuSUAO
マスター・ブシドー
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 12:29:04.67 ID:77x1zwDF0
Gジェネでマリーダさんフラッグに乗せたくなっちまったじゃねーか畜生
何でハワードとダリルスカウト出来ねーんだ畜生
89 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 15:47:11.18 ID:PUwiFIPAO
投下再開だフラッグファイター

今回は三国合同演習手前までだ。そろそろある程度まで質問に答えられる段階になるだろう
関係に関してはちょっと展開が早いが、覚醒に近い為……と無理やり理由付けてみる
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 15:52:23.44 ID:EsC/KRmlo
ブシドーはマスター向きだと思う
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 15:52:44.76 ID:EsC/KRmlo
お、きたた
92 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 15:54:08.94 ID:PUwiFIPAO
ー???ー

ザッパァ……ァン

王留美「ナノマシンの発達により宇宙での生活は問題無く行えるというのに、精神衛生の観点から定期的に地球に降りなければならないなんて……」

スメラギ「まだまだ私たちは未成熟な生き物よ。コロニー外の宇宙空間では、とても生活していけないわ」

ニャァ……ニャァ……

王留美「……スメラギさんは、まだ人類は宇宙に進出すべきでないとお考えで?」

スメラギ「先ほど言った通りよ、私達人類は未熟なの。宇宙で生きていけるとは、とてもとても……」

王留美「……」

王留美(しかし、かつてソレスタルビーイングと袂を分かった彼らは、違った)

ー国連・ホテル内ー

アレハンドロ「そう、【ビスト財団】とイオリア・シュヘンベルグ。この二つは当初一つのチームだったのだよ」

リボンズ「財団とイオリア・シュヘンベルグが?」

アレハンドロ「だが彼等はイオリア・シュヘンベルグの提唱した変革に異を唱え、真っ向から対立した……」

アレハンドロ「早期にでも宇宙に人類は進出し、適応進化による新たな可能性に賭けるべきだとね」

リボンズ「…………」

アレハンドロ「結果、イオリア・シュヘンベルグの手により財団は崩壊した。彼等の唱えた【新たなる人類】の可能性と共にね……」

リボンズ(そして、その残党が立ち上げた計画……【恐るべき妹達計画】……)

アレハンドロ「さぁ、間もなく計画は私の手に落ちる……イオリアも財団も、全て!」
93 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 15:59:49.63 ID:PUwiFIPAO
ーMSWAD基地ー

ウィィイン
ガシャン

マリーダ「ふう……」

グラハム「……ふむ」

ハワード「中尉、少尉、お疲れ様です」
ダリル「どうぞ」サッ

グラハム「あぁ、済まんな」フキフキ

ハワード「しかしお二方のシュミレーション、もはやシュミレーションの域を超えていますな」

マリーダ「私とマスターが争う、本来有り得ない事だ。私はマスターの技術を体感できるが、マスターには肩慣らしにもおなりにならないだろう」フキフキ

グラハム「ふっ、相変わらず謙虚だなマリーダ。君が空中変形を使うなんて、少なくとも私は知らなかった」

ダリル「開始後四十二秒の辺りは、冷や汗をかきましたよ」
ハワード「全くだ、ハリウッドからオファーが来るんじゃないですか?」ハハハ

マリーダ「マスターが受けるなら、考えるさ」フッ

グラハム「すっかりマスター呼ばわりが定着してしまったな……そろそろ直させねば、私の沽券に関わるところだ」

ハワード「食堂のホッグス婆さんにマスターって呼ばれてた時は、流石に珈琲を吹きましたよ」クックック
94 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:04:11.22 ID:PUwiFIPAO
PiPi

グラハム「私だ。カタギリか? どうした」

グラハム「うむ……分かった。すぐにそちらに向かうと司令にお伝えしてくれ」ピッ

マリーダ「マスター、お呼び出しですか?」

グラハム「あぁ。カタギリの声の感覚だと、案外悪くない内容かもしれん」

ハワード「後片付けはしておきますよ、隊長」

グラハム「感謝する。では、また追って報告する」カッカッカッ

プシュゥゥ

マリーダ「……私も部屋で待機するか。ハワード、ダリル。後は任せた」

ダリル「了解!」

マリーダ(巡ってきたか……ガンダム打倒の機会が)

マリーダ(だがソレスタルビーイングに対し様子見の見解が強い今……上層部はどう動くというのだろうか?)
95 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:08:35.56 ID:PUwiFIPAO
ー後日・MSWAD基地ー

ハワード「オーバーフラッグス?」

グラハム「あぁ、対ガンダム調査隊の正式名称として以後そう呼ばれるようになる」

グラハム「公には、MSフラッグのみで編成された、第八独立戦術飛行隊として機能する事になる」

マリーダ「オーバーフラッグス……」

ダリル「パイロットの補充は有るのですか?全機フラッグともなれば……」

グラハム「だからこそ此処に諸君等を呼び出した」スッ

ゴォォォォォォ……

ハワード「ん?」カチャ

キィィィィィイン

マリーダ「っ!」

ダリル「じ、十二機もフラッグが!?」

ハワード「……」カチャ

ハワード「あの機体のマーキング……先頭を飛んでるのは、アラスカのジョシュアか!」

ハワード「ジョージアのランディ、イリノイのステュアートまでいやがる!」

マリーダ「各部隊の精鋭が一堂に集まるとは……!」

グラハム「だが驚くのはまだ早い」
96 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:12:33.13 ID:PUwiFIPAO
グラハム「プロフェッサー・エイフマンの手で、フラッグ全機がカスタム化される予定だ」

マリーダ「プロフェッサー・エイフマンが?」

グラハム「新しい正式武装、更なる加速力を生むプラズマジェット……オーバーフラッグは更なる境地に辿り着く!」

ハワード「本当ですかそれは!?」

グラハム「嘘は言わんよ。調査隊が正規軍となり、十二人ものフラッグファイターが転属……かなり大掛かりな作戦が始まると見た」

グラハム「引き締めろよ! フラッグファイター」

ハワード・ダリル「了解!」

マリーダ「了解、マスター」

グラハム「マリーダ……頼むから彼らフラッグファイターの前ではマスターとは呼ぶな」
97 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:15:03.39 ID:PUwiFIPAO
グラハム「ふう……」

マリーダ「……?」

グラハム「……」

キュピィィィィン

マリーダ「マスター、心中穏やかでは無いようですが……何か懸念でも?」

グラハム「!」

ハワード「え?」
ダリル「少尉殿、突然どうしました」

マリーダ「我々でお力になれることがありましたら……」

グラハム「心配無用」

マリーダ「え?」

グラハム「何も心配はいらない。各部隊の精鋭の上に立つんだ、重責に膝が震えることもある」

グラハム「心配をかけたなマリーダ、だが大丈夫だ」

マリーダ「……」

ハワード「隊長ならやれますよ。私が知る限り最高のフラッグファイターです」
ダリル「それに少尉のおっしゃる通り、我々も出来る限りお手伝い致しますぜ」

グラハム「その忠義、重ねて感謝する」フッ

マリーダ(オーバーフラッグスとしての重責……本当にそうなのだろうか?)

グラハム「……」
98 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:19:09.12 ID:PUwiFIPAO
ー少し遡り、司令室ー

司令「以上が、対ガンダム調査隊改めオーバーフラッグスの全容だ」

グラハム「総勢十六名のフラッグファイターによる独立飛行隊……」

ビリー「壮観だねぇ」

グラハム「承りました司令。ではグラハム・エーカー中尉、失礼させて」

司令「グラハム」

グラハム「はっ……?」
司令「これを、受け取れ。何も言うな、私も中身については知らない。ただ受け取り、目を通し、吟味し、理解しろとのホーマー・カタギリ氏からのお達しだ」スッ

グラハム「書状……?」

ビリー「叔父さんから、ですか?」

ビリー(でも書状が巻物って)

グラハム「……司令殿は全くお伝えされていないので?」

司令「くどい。私とて軍人だ、命令には従うしかあるまい」

グラハム「……失礼します」

ピッ
プシュゥゥ……

グラハム「どう見る、カタギリ」

ビリー「僕が言うまでもなく、君はある程度理解して、予測を立てているんじゃないか?」

グラハム「……」
99 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:23:25.74 ID:PUwiFIPAO
グラハム「恐らく、いや十中八九マリーダの事だろう」

ビリー「やはり、君は僕の考えていた通りの人だね。彼女の素性のことを忘れてはいなかったみたいだ」

グラハム「買い被りすぎだよカタギリ。私は所詮MSWADのフラッグファイター、彼女の事は本当に僅かにしか分からない」フゥ

グラハム「【恐るべき妹達計画】……分かった事と言えばこの内情も知れないプロジェクトの名前くらいのものだ」

ビリー「えっ?」

グラハム「ん? 何だカタギリ、お前はそれさえも知らなかったのか」

ビリー「いや……うん、まぁ、ね」

ビリー(まさかそれしか知らずに彼女とあれだけ接してこれたなんて……つくづく、君という男は計り知れないねグラハム)

グラハム「カタギリ……私に何か隠していないか?」

ビリー「隠していたとしても、全てはその巻物の中にあるんじゃないかいグラハム」

ビリー「まずは開けてみると良いよ……そのパンドラの箱をね」

グラハム「……」

ペラッ

グラハム「っ……!?」
100 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:27:59.38 ID:PUwiFIPAO
『プロジェクトGの後、お前には全ての事を話す』

グラハム「……」

ビリー「一歩前進、といったところかなこれは」

グラハム「プロジェクトG? 成る程、これの為にガンダム調査隊がオーバーフラッグスへと……」

グラハム「生き残れと、そう言うのだなカタギリ」

ビリー「少なくとも、マリーダ・クルスという女性の事は分かるということさ」

グラハム「少なくとも、だと?」

ビリー「含まず言うなら、僕でさえもこの一件の暗部は知らない」

ビリー「もしかしたらユニオンか、それ以上の存在に関わりのあることかもしれない」

ビリー「それを知ってしまえば、ただのMSWADのフラッグファイターではいられなくなる。グラハム、それでも君は……」

グラハム「望むところだと言わせてもらおう」

ビリー「っ、グラハム!」

グラハム「カタギリ、私は知りたいのだ。今私がどの様な世界に生き、そしてどの様に変革していくのかを……」

グラハム「それを知るためなら越えてみせる、MSWADという枠も、ユニオンという枠も……な」

ビリー「グラハム……」
101 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:31:24.95 ID:PUwiFIPAO
ビリー「……君は、本当に予測不可能な男だよグラハム」フッ

グラハム「自覚しているさ。私はしつこく執念深く、諦めの悪い。俗に言う人に嫌われるタイプの人間だ」

グラハム「私を慕ってくれるフラッグファイターの為にも……死んでたまるものではない」

ビリー「ふふ、君は殺しても死にそうにない人だけどね」

ビリー「まあいいさ、もし何か力になれることがあるなら僕にも話をしてくれ。尽力するよ」

グラハム「感謝するカタギリ、我が友よ」フッ

ビリー「水臭いなグラハム、友人ってそういうものだろう」クスッ

ビリー「さて……僕はちょっと出掛けてくるよ。大事な大事な約束があるんだ」ニヘラ

グラハム「女か、カタギリにしては珍しいな」

ビリー「わ、悪いかい!? クジョウと会ってお酒を飲みながらちょっと語り合うのがそんなに悪いかい!」

グラハム「誰も其処まで言っていないぞ、女のことになるとすぐ激昂するなお前は」

ビリー「余計な御世話だよ!」フンッ
102 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:37:02.82 ID:PUwiFIPAO
ビリー「それに、君だってそうだろう。気付いているかどうかは知らないが、デートの一件以来君はマリーダを少尉とは呼ばなくなってるんだよ?」

グラハム「あれはたまたま居合わせただけでな……」

グラハム「ハワードやダリルのそれと同じだと思っているならもう一度つけて呼んでみたまえよ。僕からのささやかな嫌がらせだ」

グラハム「何を……」

ビリー「じゃ、また明日」スタスタスタ

グラハム「……」

ー会議室ー

ジョシュア「……計十二名、オーバーフラッグスへ赴任致しました事を報告します」

司令「確認した。ようこそオーバーフラッグスへ、諸君等を歓迎しよう」

マリーダ(アラスカのジョシュアを筆頭にオキナワのタケイまで……本当にユニオン管轄下の様々な精鋭を集めているな)

マリーダ「そう言えば……イリノイのスチュアートとはお知り合いでしたねマスター」

グラハム「……」ボー

マリーダ「マスター?」

グラハム「!」ハッ
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 16:39:36.05 ID:q4ak58QAO
流石童貞
女に弱いな
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/15(火) 16:41:30.40 ID:PUwiFIPAO
マリーダ「大丈夫ですかマスター? 何処かお身体の具合でも」

グラハム「あぁ、大丈夫だマリーダ……少、うい」

マリーダ「?」

グラハム「気にするな……っ」

グラハム(ぬう……無駄に意識するせいか、言いにくいことかなわんな)

グラハム(こんなところをカタギリに見られたら、それ見たことかと笑われるではないか)

グラハム「とにかく気にするな、私より自分の事を心配しろマリーダ……少尉」

マリーダ「私でありましたら、先日の健康診断の結果でも問題ないと」

グラハム「そう言うことではない!」ガタッ

マリーダ「!」

司令「!」

十二人「!」

ハワード「!」

ダリル「!」

グラハム「あ……」

司令「ならばどういう事なのかな?グラハム・エーカー中尉」

グラハム「……失礼致しました」

司令「グラハム、どうせ形式だろうと甘く見ているのは構わんが、もう少し落ち着きを持って行動するように。いいな?」

グラハム「……申し訳ありません」

ジョシュア「クックック……」

ジョシュア(ざまぁみろグラハム。若い部下といちゃついてるからそうなるんだ)ニヤニヤ

司令「今回の正規部隊編成により階級が上がるのだ、それに恥じぬ働きを期待するぞ」

グラハム「はっ!」

ジョシュア(へ?)
105 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:46:29.88 ID:PUwiFIPAO
司令「諸君等にも伝えておこう。本日を以て、グラハム・エーカーは上級大尉に昇進となった」

司令「と同時にオーバーフラッグスの隊長にも着任することになる。ガンダムと二度渡り合ったその経験、十二分に生かせ」

グラハム「ご期待に沿えるよう尽力いたします、司令」

マリーダ「おめでとうございます、マスター」パチパチパチ

ハワード「おめでとうございます隊長!」パチパチパチ
ダリル「おめでとうございます上級大尉殿!」パチパチパチ

パチパチパチパチパチパチ

グラハム「……」チラッ

司令「うむ」コクリ

グラハム「諸君、私からはあまり長く話すこともない。手短に済ませようと思う」

グラハム「我々フラッグファイターの精鋭が集められた理由、察しの通りだと言わせてもらおう」

グラハム「そう、ソレスタルビーイング、これへの大規模な作戦が近々行われるということだ」

グラハム「相手は世界を相手にする最強のMS……ガンダム!」

グラハム「皆には死地に足を踏み込んでもらわねばならない。だが、敢えて言うぞ」

グラハム「死ぬな! 以上だ」

マリーダ「了解、マスター!」

『了解! マスター!』
『了解! マスター!』
『了解! マスター!』
『了解! マスター!』

グラハム「それと一つ……」

グラハム「マスターとは呼ぶなぁぁッ!」
106 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:51:18.08 ID:PUwiFIPAO
ジョシュア「ちっ……」スタスタスタ

司令「これで儀式の時間はおしまいだな、ゆっくりと羽根を伸ばしてくれフラッグファイター」

グラハム「はっ!」ビシッ

ワイワイガヤガヤ

司令「あぁそうだグラハム、オーバーフラッグスの編成により、ガンダム調査隊に着任するはずの新人の話は取り消しになった」

グラハム「そう……でありますか」

司令「本人の強い要望があったからな……作戦が終わってからまた此方に来れるよう働きかけて見る」

グラハム「お心遣い、感謝いたします」

司令「あぁ、マーセナス氏の嫡男とはいえ、このオーバーフラッグスには……な」

グラハム「リディ・マーセナス曹長、次に逢える機会を楽しみにしています」
107 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 16:56:14.34 ID:PUwiFIPAO
ーMSWAD基地・食堂ー

ワイワイガヤガヤ

ハワード「しかし、十二人も増えると賑やかになるもんだな」

ダリル「どいつもこいつも腕が立つ、故に角も立つ……か」

ハワード「特にジョシュアが問題だな、昨日早々にオキナワのタケイと一触即発だったらしい」

ダリル「そりゃあ日本人がイエローモンキー扱いされて怒らない訳ないぜ」

マリーダ「ハワード、ダリル」

ハワード「おはようございま……少尉、私服と言うことは外出ですか?」ガタン
ダリル「また隊長と一緒に外出押し付け……?」

マリーダ「違うよ。技術者整備士の面々がこれから十四機のフラッグをカスタム化するに当たり、援助物資をとプロフェッサー・エイフマンに頼まれたんだ」

マリーダ「マスターは上級大尉に昇進なされて覚えることが多いと仰っていた、お誘いは難しいと思ってな」

ハワード「そんな……オーバーフラッグスの貴女がそんな事をなさる必要はありませんぜ!」
ダリル「誰か基地の他の奴に押しつけちまえば……」

マリーダ「何、外出の口実づけだと思ってくれて構わないさ」

マリーダ「ではな、フラッグのカスタム化の間くらい羽を伸ばせよ」スタスタスタ

ハワード「はっ!」
ダリル「行ってらっしゃいませ少尉!」

ハワード「……年相応だなぁ」
ダリル「私服姿だけ見ると……本当になぁ」
ハワード「あぁ……」
108 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 17:02:06.21 ID:PUwiFIPAO
ー戦場もといMSドッグー

『アイリス社からの納品が遅れている? じゃあ武器は後回しだ!十二班は間接駆動に取りかかれ!』
『ハワード機のプラズマジェットの接続まだかー!』
『ランディ機の対ビームコーティング用の機材運んでおいてくれ!三番ドッグだぁ!』
『ジョシュア機のマーキングに西川って書いた奴誰だ! ……まぁ良いか』

エイフマン「ふっふっふ、この風、この肌触りこそ戦争よ」

エイフマン(MSWAD……命のやり取りの場にいたら人間味も何も無くなって、抜け殻になってしまうと思っていたのだが……)

エイフマン(グラハムめ、存外上手く接してやれているようだな)フフ……

エイフマン「マリーダめ、うまく外出を使って休めていると良いが」

『プロフェッサー! ダリル機の対ビームコーティング、最終チェックお願いします!』

エイフマン「おぉ、今行くよ」カッカッ
ー美術館ー

マリーダ「 」ボー

マリーダ(また……来てしまったな)

マリーダ(このタペストリーを見ていると、自然と心が洗われるようだ……とても暖かくて、優しくて、眠くなってくる)

マリーダ(……)ウトウト
109 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 17:07:13.79 ID:PUwiFIPAO
ー夜・MSWAD基地ー

ジョシュア「うるせぇな! 司令官殿も言ってたろ、ちょっくら羽を伸ばしてくるだけだよ」ブゥゥゥン

ハワード「それは基地内での話だジョシュア! 馬鹿なことは止めろ!」

ジョシュア「ハッ、あばよ腰巾着! せいぜいマスターグラハムと仲良くな!」

ブロロロロロォ…………

ハワード「待っ……」ゴホッゴホッ

ダリル「畜生、あの野郎腕が立つからってやりたい放題だ!」

ハワード「隊長とは大違いだぜ!」

ダリル「胸糞わりい……行こうぜ。知ったことか!」

ー街・BARー

ジョシュア「全く、くそ寒いアラスカで引きこもらされてた上に、また基地に引きこもれってか? 冗談じゃないぜ」

ジョシュア「どいつもこいつもグラハムグラハム……お前等の目は節穴かっつうの!」グビグビ

ジョシュア「もう一杯だ」

マスター(グラハムでない)「荒れてますねえお客さん」

ジョシュア「余計なお世話だ!」ガァッ
110 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 17:12:57.05 ID:PUwiFIPAO
マスター(グラハムでない)「いえ、あちらの席の……」

ジョシュア「あん?」

『ヒドいわ! 私のこと騙していたのね!』
『うるせぇな、てめえが勝手に信じ込んだのが悪いんだよ!』

ジョシュア「痴話喧嘩か……みっともねえ」チビチビ

マスター(グラハムでない)「申し訳ないですね。酒の席だからたまにこうなるんですよ」

ガチャンッ

『今なんつった! あぁ!?』
『いたっ……離してよ! 甲斐性無し!』

ジョシュア「……見てらんねえな」スッ

マスター(グラハムでない)「ぐ、軍人さん?」

ジョシュア「おい、いくらなんでも女に手をあげるなんてみっともねえと思わねえか?」トントン

男「あぁ!? んだてめえ、軍人が何の用だ!」

ジョシュア「軍人とか大工とか関係ないだろこういう場合……良いからさっさと勘定払って」

ヒュン
バキィッ

ジョシュア「ぐぇっ!?」

『きゃあ!?』
マスター(グラハムでない)「軍人さん!?」

男「すっこんでろよ優男! もっと痛い目見たいかよ!」

ジョシュア「……」ペッ

ジョシュア「やってくれんじゃねえか、女しか相手出来ねえ腰抜けだと思って油断したぜ」スクッ
111 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 17:19:55.27 ID:PUwiFIPAO
男「上等だコラァ!」ダッ

ジョシュア「やってやらぁぁぁ!!」ダッ

ヒュッ
ボゴォッ

男「 」ドサァッ

ジョシュア「は?」

マスター(グラハムでない)「だ、誰だ?いきなり横から割り込んで男を一蹴した……!」

マリーダ「ふう……」ファサッ

ジョシュア「お、お前はグラハム・エーカーの隣にいた……」

マリーダ「急げエドワーズ少尉、赴任早々問題を起こしたとあってはことだ」スタスタスタ

ジョシュア「あっ、おい!?」

『あんたぁぁぁぁぁ!』サメザメ

ジョシュア「……女って訳わかんねえ……」

ー駐車場ー

ジョシュア「あっつう……余計な手出ししやがって、腰巾着!」

マリーダ「目の届かないところでオーバーフラッグスの面汚しになられては困る。私には護るべき尊厳も名誉も無いが、マスターに降りかかる汚名は返上しなくてはならないからな」

ジョシュア「ぬうっ……」

マリーダ「それに迂闊だぞ少尉、あれだけ体格に差があっては経験があってもどうなっていたか分からん」

ジョシュア「だったら泣き寝入りしろってか? そんなの御免だね、俺だってフラッグファイターだ」イテテ……

マリーダ「……やれやれ」

ジョシュア「だが、今回ばかりは格好つかなかったな……女のお前に助けられちまってよ」

マリーダ「そうでもないさ」

ジョシュア「へ?」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 17:24:04.04 ID:CizLUuqn0
ジョシュアにフラッグ…じゃねーやフラグだと……!?
113 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 17:26:56.68 ID:PUwiFIPAO
マリーダ「私は横から割り込んで男を潰しただけだ。それ以上でもそれ以下でもない」

ジョシュア「潰したって……」

マリーダ「だがもし少尉が割り入って止めていなかったら、その頬の一撃は彼女に向いていたかもしれない」

マリーダ「誇れ、その勇気を。最初に踏み込んだお前は、一番に讃えられるべき男だ」

ジョシュア「……」

ジョシュア「あ、当たり前だね!そんな事は最初から分かってんだよ、ハン!」カァァ

ジョシュア(何だよコイツ……ただのグラハムのイロだと思ってたら意外に話せば……)

ジョシュア「……」

マリーダ「? どうしたジョシュア少尉」

ジョシュア「なぁ……お前、これから暇か?」

マリーダ「それは、どういう事……」

ジョシュア「言わせんなよ、野暮なことを……」スッ

マリーダ「あ……」
114 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 17:32:17.11 ID:PUwiFIPAO
済まないフラッグファイター、少し用事が出来た

グラハム・スペシャルで即座に片付けてくる、しばし待て
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 17:49:46.03 ID:q4ak58QAO
やめるんだアラスカノ!
それ以上フラグを立てちゃいけない!
色んな意味で!
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 17:58:53.04 ID:fA4nxPTBo
おつおつ
たのしみ
117 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:02:55.78 ID:PUwiFIPAO
待たせた、フラッグファイター。済まないな
118 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:04:36.18 ID:PUwiFIPAO
ガシッ

ジョシュア「え?」

マリーダ「調子に乗るな、一朝一夕でその様な事に及ぶほど私は軽い女ではない」ギリギリギリギリ

ジョシュア「いだだだだだ!」ギリギリギリギリ

マリーダ「お前はあっちの車だろう。右の頬も殴られる前にさっさと降りろ」ギリギリギリギリギリギリギリ

マリーダ「それとも骨の二、三本をお望みか……?」ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ

ジョシュア「わかっわかったからはなせはなせいたいいたい」ギリギリギリギリ

バタンッ
キッ
ブロロロロロォ…………

ジョシュア「…………」

ジョシュア「帰ろう……」ハァ

119 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:09:47.91 ID:PUwiFIPAO
ーMSWAD基地ー

グラハム「ふむ……カスタムフラッグによる十六機編隊ともなると、フォーメーションもシビアだな」

グラハム(しばらくは私の1トップか、マリーダ……少尉……と組んだ2トップになるかな……)

グラハム「ええぃ、思考にまで割り込んでくるか! 一種の呪術かこれは、怨むぞカタギリ」ブンブン

ハワード「あ、隊長」

グラハム「む……ハワードか」

ハワード「お疲れ様であります。またフォーメーションの件ですか?」

グラハム「あぁ、なかなかに厄介だがやりがいはある。相手がガンダムでなければ、間違い無く世界最強と自負できるだろう」

グラハム「ハワード、ダリル共々活躍を期待しているぞ」

ハワード「はっ! お任せください!」

グラハム「……そういえば、マリーダ、少尉は何処だ?」

ハワード「マリーダ少尉でありますか? エイフマン教授への差し入れの買い出しに出かけていましたから、MSドッグかと」

グラハム「そうか…ご苦労」

『いてて……頭が割れるかと思ったぜ』

グラハム「この声は……」
120 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:14:25.73 ID:PUwiFIPAO
ジョシュア「飲み過ぎたか……? トイレトイレ」ホイホイ

ハワード「ジョシュア貴様……今頃帰ってきやがったか! 無断で外出しおって!」

グラハム「ジョシュア、どうしたその顔は」

ジョシュア「げっ、グラハム・エーカー中尉……」

ハワード「上級大尉殿だ!」

フワッ……

グラハム「ッ!」

グラハム(この匂い……マリーダの?)

グラハム「……ジョシュア……!」ダッ

ジョシュア「あ?」

バキィッ!

ハワード「た、隊長!?」

ジョシュア「あべしっ!!」ドサァッ

ジョシュア(け、結局右頬も殴られた……)

グラハム「上官不敬罪だ……次は許さん」スタスタスタ

ハワード「隊長、どうなされたのです!? 隊長……!」

ジョシュア「厄日だ……」ガクッ

グラハム「ッ……」

グラハム(何だ、この胸の内に渦巻くどす黒い感情は……)

グラハム(ジョシュアに何かされるようなマリーダでは無いことくらい分かっているはずではないか……!)

グラハム「くそっ! 一体どうしたと言うのだ……私は!」
121 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:17:49.11 ID:PUwiFIPAO
ーMSドッグー

マリーダ『諸君、任務ご苦労! 差し入れだ、受け取ってくれ!』

ヒャッホーヤッタゼ
マリーダチャンマジテンシ
ミナギッテキター!

エイフマン「済まんなマリーダ、オーバーフラッグスも出来たばかりだというのに無理を言ってしまって」

マリーダ「いえ、むしろ外出の口実を作っていただき有り難うございましたプロフェッサー」

エイフマン「はっは、気付かれていたか」

エイフマン「……ん、その横の袋は差し入れとは別なのかな?」

マリーダ「あ、これは……」

マリーダ「新部隊編成でお疲れだと思い……マスターに」カァァ

エイフマン「……成る程」

エイフマン「ならば早く行ってやると良い。アイツも大変であろう、ハワード・ダリル共々支えてやれよ」

マリーダ「はい、失礼しますプロフェッサー」

スタスタスタ……

エイフマン「……良い子だよ、全く」

エイフマン「あのような年齢の子まで戦場に出さねばならないとは……神罰は免れようもないな、我々人間は」
122 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:19:59.33 ID:PUwiFIPAO
グラハム「ッ……!」ギリィッ

ハワード「隊長! 隊長ォ!」

マリーダ「マスター……気に入ってもらえるだろうか」ボソッ


TO BE CONTINUED...

一方その頃刹那は

       /
     O ガンダム!!
  __  /V\
 |エクシア| /> ←刹那
123 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/15(火) 18:35:44.61 ID:PUwiFIPAO
以上、本日分は終了だフラッグファイター
グラハムの覚醒レベルはだいたいカツ以下
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/15(火) 20:47:28.22 ID:GSHcrtUG0
乙!!
ジョシュアあわれwwww主役ってそういうことか
そしてフラッグファイター達にマスターが定着しつつあるwwww
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 21:17:53.21 ID:gerPLyRDO
マリーダ、かわいいよマリーダ
126 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:22:58.85 ID:eWMv8DOAO
人類の変革とは何なのだろうなフラッグファイター、投下再開だ

正直二期は00R無双過ぎるからかなり話の筋が変わりそうだ
127 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:28:15.22 ID:eWMv8DOAO
ータクラマカン砂漠ー

ギュゥゥウーン
ギュィーン
ズザザザッ

『双方向通信システム、全予定ポイントに設置完了!』

『ユーロ2より入電! これより浮遊型双方向通信システムを散布する!』

『ユニオン3からの通信網、受信状況オールグリーン!』

『シミュレートプラン、オールクリア』

ー沖縄近海・ユニオン軍空母ー

『オーバーフラッグス隊は、命令あるまで待機です』

グラハム「了解した」

PiPi

グラハム「部隊総数52……参加MS総数832機」

ジョシュア「……」ニヤリ

グラハム「卑怯者と罵られようとも、軍の決定には従わせてもらうぞ! ガンダム!」

マリーダ「……」グッ
128 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:32:33.06 ID:eWMv8DOAO
ー遡り、MSWAD基地ー

ランディ「うぉっ!?」

ジョシュア「」プシュー

グラハム「……どうしたランディ、何を見ている」ギロッ

ランディ「いや、別に何も……」

ランディ「ただ、ちょっとやりすぎじゃねえですかい?上級大尉殿。いくらジョシュアが問題児だからって……」

グラハム「こういう手合いには一回キツくしておかねば分からんのだ。言いたいことはそれだけか」

ハワード「た、隊長……」

ハワード(すっかり頭に血が上ってらっしゃる、一体何が隊長に火をつけたんだ?)

ランディ「……」ピキッ

ランディ「調子に乗るなよ、上官殺しが」ボソッ

スタスタスタ

グラハム「ッッ!!」

ハワード「ッ!? ランディ貴様、言って良いことと悪いことが……!」

グラハム「ハワードッ!」

ハワード「しかし隊長! あんな物言いを許してはッ!」

グラハム「……真実だ……」ギリッ

ハワード「隊長! そんな、まだあの一件を……!」

グラハム「とうの昔に忘れているさ……忘れられるものならな」

スッ

マリーダ「あ……」

グラハム「ッ!マリーダ……」

ハワード「少尉殿!?」

ハワード(聞かれてしまったのか、まさかマリーダ少尉に……!)
129 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:37:21.71 ID:eWMv8DOAO
グラハム「ッ……」

マリーダ「マスター」

マリーダ(こんなマスターの感情は初めて感じる……重い……)

ハワード(何てタイミングだ、マズいぞ……)
マリーダ「マスター、上官殺しとは一体……」

グラハム「マリーダ・クルス少尉」

マリーダ「ッ」

グラハム「何故こんな時間に、こんな所にいる。自分の年齢を考えたまえ」スッ

マリーダ「ま、待ってくださいマスター!」

グラハム「聞こえなかったのか少尉ッ!」

マリーダ「ひっ」ビクゥッ

ハワード「隊長!」

グラハム「早く部屋に戻れ、これは命令だ」

マリーダ「……マスター……」カサッ

グラハム「マリーダ!」

マリーダ「ッ……」

グラハム「私を困らせるな……!」ググッ

マリーダ「……了解、マスター……」

タッタッタ……

グラハム「……ッ!」

ハワード「隊長、今のはいくらなんでも隊長らしくありませんぜ! あのマリーダ少尉を怒鳴りつけるなんて」

グラハム「ハワード……」

ハワード「今の紙袋の中身だって、きっといつものように隊長の為に買ってきたもんでしょうに……!」
130 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:40:30.24 ID:eWMv8DOAO
ハワード「少尉のお気持ちを、隊長は一番理解なさっていると買い被っておりました。失礼します!」ビシッ

スタスタスタ……

グラハム「ハワード!」

グラハム「ッ……最悪だな。私としたことが、つまらないことに固執して心を乱すとは」

グラハム「……」

グラハム「知らないのだハワード……私は、彼女の事を何一つ知らない……」

ーマリーダ自室ー

マリーダ「……」カサッ

マリーダ「あんなに揺らいだマスター……初めて見た……」

マリーダ「……マスター」ギュッ

ー廊下ー

グラハム「マリーダ……」

ジョシュア「えーっと……」オロオロ

ガシッ

ジョシュア「お、おぉ!?」

グラハム「ジョシュア・エドワーズ少尉。マリーダ・クルス少尉と何があった?」

ジョシュア「えっいや、何にもなかった、つうか俺が一方的にふられただけだから! 嘘じゃあない!」アセアセ

グラハム「安心しろ、もう貴様に手はあげん。万が一の誤解も無いよう全てを理解しておきたいだけだ」

グラハム「咎を受けるべきは、私なのだからな」グッ

ジョシュア「っ……」
131 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:45:26.60 ID:eWMv8DOAO
ー空母・海上ー

ダリル「最新鋭のプラズマジェットに、アイリス社製の新型リニアライフル【トライデントストライカー】……壮観だなハワード!」

ハワード「あぁ……」

ダリル「んだよ、ノリ悪いな。何時もなら【これでガンダムもお陀仏だな!】とか意気まくってのに」

ダリル「最近変じゃねえか?マリーダ少尉も隊長とあんまり話さないしよ……肩身が狭いぜ」

ハワード「済まんな、本当に微妙な状況なんだよ」

ダリル「しっかりしてくれよ……プロジェクトGは始まってるんだぜ。付き合いの長い俺達が軋轢を生んでたら……」

ハワード「分かっている!」

ハワード「……分かっているんだ……」ギュッ

ダリル「ハワード……」

ジョシュア(茶化すに茶化せない空気なんだが……どうすっかな)

ジョシュア「しかし消えないな……マーキングの悪戯」フキフキ

ー空母・グラハム自室ー

グラハム「…………」

『上官殺しのトップガンが』
『恩師を殺してまで上にのし上がりたかったのか』

グラハム「……」

『気をつけねばな、私も背中から撃たれるかも知れん』

グラハム「……っ」

『はっ、俺はそんなお前が嫌いだった。今回ブラストの件を受けたのも、わがままで頑固で融通が利かないお前を、叩きのめしてやりたくなったからだ』

グラハム「ッ!」

『俺の後を継ぐのはあの若造しかいない、グラハム・エーカーしかいない……父は、生前いつも言っておりました』

グラハム「スレーチャー少佐……私は昔と何ら変わらない、ただの若造なのだろうか」

グラハム「私はあの雲海で貴方を見失ってから……あの模擬戦から、ずっと……ずっと……」ギュッ

132 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:49:38.89 ID:eWMv8DOAO
ー甲板ー

マリーダ「ハワード、ダリル」

ハワード「少尉!」
ダリル「お疲れ様です」

マリーダ「挨拶は良い、その代わりに……聞きたいことがある」

ハワード「聞きたいこと、ですか?」
ダリル「何でしょうか少尉」

マリーダ「……エドワーズ少尉にもだ、隠れてないで出て来い」

ジョシュア「うぇ!?」コソッ

マリーダ「露骨なんだお前は」

ジョシュア「別に隠れていたつもりは無いんだがよ……」ポリポリ

ハワード「それで、何なんですか?聞きたい事って」

マリーダ「スレッグ・スレーチャー」

ハワード「……!」
ダリル「スレーチャー少佐の……!?」
ジョシュア「……」

マリーダ「そうだ。その様子なら、知っていそうだな」

ハワード「し、しかし何故このタイミングで……」

マリーダ「あれから色々と考えたよ。私はマスターの事を何も知らない、知らなすぎるくらいだ」

マリーダ「だから頼むハワード、ダリル。私にマスターの事を教えてくれ」

マリーダ「私は知りたいんだ……マスターの光も闇も、全てのことを」

ハワード「……」
ダリル「……」

ジョシュア「……」チッ
ジョシュア「フラッグがユニオンの次期主力機に決まる以前の話さ……」

ハワード「ジョシュア! 貴様……!」

ジョシュア「事実は伝えなきゃならんだろう? それとも、マリーダ少尉には綺麗な上級大尉殿しか見せたくないってか」

ジョシュア「ま、聞くってんなら聞かせてやるけど、それなりに覚悟しろよ。グラハム・エーカーが【上官殺し】と呼ばれる所以……根は深いぜ」

マリーダ「上官……殺し」グッ

マリーダ「元より、そのつもりだ……!」

ジョシュア「良い目だ」ニヤッ
ハワード「少尉……」
ダリル「隊長ッ……」
133 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:54:49.18 ID:eWMv8DOAO
ー時はまた戻り、ー

ピピピッ

『演習場であるタクラマカン砂漠に、ガンダムとおぼしき機影を確認!』
『第一種警戒態勢!』

ハワード「やはり来た……!」
ダリル「しかし何故だ? こんなホイホイと、千機近いMSの真っ只中に……」

マリーダ「……」

マリーダ「いるのだろう。ガンダムが目的とするようなテロリストが、あの砂漠の海に」

ザワッ

ハワード「えぇ?!」
ダリル「そんな話聞いてませんぜ! じゃあ合同軍事演習ってのは……」

グラハム「大方、テロリストの狙いはタクラマカン砂漠のウラン埋設地域だろう」

グラハム「ガンダムをおびき寄せるため、三国はわざと泳がせたのだ。旧世紀の遺物を餌にしてな……」ギリッ

ハワード「一歩間違えりゃあ世界は汚染されるぞ……!」

グラハム(此処までやったのだ……失敗だけは避けねばならん!)

グラハム「オーバーフラッグスは別命あるまで待機! 準備をしろ!」
134 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 00:56:32.08 ID:eWMv8DOAO
ー砂漠ー

ロックオン「くそっ! 何て物量だ!」バシュウン!バシュウン!

アレルヤ「徹底的な面攻撃……地形効果を利用した遠距離からの曲射砲撃、さらには自爆まで……!」

ロックオン「スメラギさんの予測は当たっちまったな……!」

ロックオン「コイツ等、最初から俺たちが目当てだ!」

ー隠れ家ー

スメラギ「……」

スメラギ(時間からして、そろそろプランB2に移行……)

スメラギ(ヴァーチェ・エクシアの投入、頼んだわよティエリア、刹那)

ータクラマカン砂漠・作戦司令部ー

『ユニオン3、初期攻撃に成功!』

マネキン「遠距離砲撃続行! ガンダムを釘付けにしろ」

『了解、遠距離砲撃続行!』

『キューバ1から有視界反応!TF2123へ部隊の派遣要請!』

ー空母ー

グラハム「恐らく、次に現れるとするならこのTF2123ポイント……」

マリーダ「手薄な場所から、残り二機のガンダムによる退路確保……ですね」

ー人革連基地ー

セルゲイ「だが作戦指揮官はあのカティ・マネキン大佐だ。恐らくは迅速に対応してくるだろう」

セルゲイ「少尉、準備しておけ。羽根付きは今度こそ我々が捕らえる」

ソーマ「はっ!」ビシッ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/17(木) 00:58:52.37 ID:RmSXQ2uxo
お、ようやく親子熊の登場か。
136 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:23:09.60 ID:eWMv8DOAO
ー砂漠・プランB2ー

ティエリア「時間だ。プランB2に移行する」

刹那「了解、ガンダムエクシア起動する」ヴゥンッ

ティエリア「刹那・F・セイエイ! バーストモードのチャージを開始する、時間稼ぎは任せたぞ」

刹那「了解。敵機を駆逐する」

バシュシュシュシュ……

刹那「ッ!?」

ティエリア「迎撃が早いッ……!」

ー作戦司令部ー

オペレーター「ガンダムの高火力ビームにより敵機は退路を形成!」

マネキン「想定内だな……」

マネキン「遠距離砲撃を続行しろ。ガンダムをその場から逃がすな!」

マネキン「それと、セルゲイ・スミルノフ中佐に連絡しろ。ソーマ・ピーリス少尉の出番だとな」

マネキン「弱みは徹底的に突く! さもなくばガンダムには勝てん!」

ーユニオン空母ー

グラハム「現れたか、青いガンダム!」

マリーダ「これでガンダムは四機全てが集まりました」

グラハム「此処からが長丁場だ……耐え抜けるか、ガンダム!」
137 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:28:59.83 ID:eWMv8DOAO
ピキィッ

アレルヤ「ッ!うあぁッ……ああああ!」

ロックオン「どうした! アレルヤ!」

アレルヤ「あぁ、頭が……! 来る、超兵が来るぅ……!」

ロックオン「超兵だと!?」

ギュゥンッ!

ロックオン「ッ!?」

ソーマ「見つけた!」

ーユニオン空母ー

キュピィィィン

マリーダ「ッ!」

マリーダ「何だ? この脳波は……私とは違う、何か別の……」

グラハム「どうした? マリーダ」

マリーダ「いえ……大丈夫です。作戦には支障ありません」

ー数分後、退路ー
ハレルヤ「おらぁっ!!」ギィンッ

ソーマ「貴様ッ……!」ダダダダッ

セルゲイ「深追いするな少尉! 一旦退け!」

ソーマ「くっ……!」キュゥゥン

ハレルヤ「ちっ、逃げられたか。せっかく串刺しにしてやろうと思ったのによぉ」

ハレルヤ「……何だぁ? 知らねえ脳量子波が近くにいるなぁ」

ハレルヤ「まあいいや……こんなつまんねえ戦場はアレルヤに任せるとすっか」

アレルヤ「はっ!?ぼ、僕は一体……っうわぁぁぁぁぁ!」

チュドドドドドォォォン……
138 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:35:38.56 ID:eWMv8DOAO
ーユニオン空母ー

グラハム「作戦開始から五時間以上経過……そろそろだな」

マリーダ「現在3ポイントに分かれガンダムを足止めしているようです」

グラハム「人革連か、超兵とやらもなかなかやる」

マリーダ「……」ピクッ

グラハム「?」

ー砂漠ー

ドゥン ドゥン ドゥン
アレルヤ「いつまで続くんだ……この攻撃は……!」
ズズズズ……

ヒュゥゥゥゥン
ドドドドド……
ロックオン「飯くらい食わせろよ……!」
ガガガガガ

キィィィィィン
ティエリア「ガンダムを渡す訳には……」
刹那「はぁっ……はぁっ……!」

ーユニオン空母ー

グラハム「時間だな。オーバーフラッグス、全機出撃用意!」

『了解!マスター』

グラハム「この際構わん! 行くぞ!」

グラハム「マリーダ」

マリーダ「はっ」スッ

グラハム「約束通りだ。必ずガンダムと決着をつけるぞ」

マリーダ「了解、マスター」
139 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:38:44.28 ID:eWMv8DOAO
ーまた遡り、空母・休憩室ー

グラハム「……」

チャリン

グラハム「!」

ピッ
ガタンッ

マリーダ「どうぞ、マスター」

グラハム「マリーダ……!」

マリーダ「マスター、少々お時間を頂けないでしょう」

グラハム「……良いだろう。私も、君には謝らねばならないと思っていた」

マリーダ「それには及びませんが、それでありましたら一つお願いがございます」チャリン

グラハム「何だ?」

ピッ
ガタンッ

マリーダ「……」

マリーダ「私に、マスターの事をお教え願いたいのです」

グラハム「私のこと、だと?」

マリーダ「はい。マスターの口から、マスターがお伝えしたい事だけを」

グラハム「……それでは、情報の信憑性などたかが知れるぞ。私が都合のいいように脚色するかも知れない」

マリーダ「構いません。マスターがその様にお伝えするならば、その様に受け取ります」

グラハム「マリーダ!」

グラハム「それではまるで、人形ではないか……!」

マリーダ「はい。私は人形です、そうなる為に作られ、そうなるように育てられました」

グラハム「ッ……!」

マリーダ「ですから、マスター」

マリーダ「私の中の貴方を、そして私自身を……貴方の色に染め上げていただきたい」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/17(木) 01:41:12.42 ID:RmSXQ2uxo
>>貴方の色に染め上げていただきたい

おいおいおいwwどこぞのエロゲーだww
ってもう染まりつつあるような・・・


141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 01:42:14.67 ID:3UV5wCkdo
えろいな
142 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:42:44.14 ID:eWMv8DOAO
グラハム「……私の負けだな」

マリーダ「え?」

グラハム「マリーダ、君は私が嘘をつくことを良しとせず、不利と分かりながらもあるがまましか語れない不器用な男であることを知っている」

マリーダ「……はい」

グラハム「だから敢えてその様な言い方をした……それで万が一嘘をつこうものなら、私の立場は完全に無くなるだろうな」

マリーダ「申し訳、有りません」

グラハム「謝るな。謝らねばならないのは元々私だ」

グラハム「それに……マリーダ、今回のミッション終了後に、ホーマー氏からお前のことを全て話してもらう予定だった」

マリーダ「えっ……?」

グラハム「だがマリーダ、君がそれを是としないなら……君にはそれを止める権利がある」

グラハム「マリーダ、君はどうしたい?」

マリーダ「わ、私は……マスターさえ良ければ……」

グラハム「…………」

マリーダ「……いいえ、知ってください。私は、マスターにも私の事を知ってほしい」

マリーダ「ですからマスター……私は、貴方が知りたい」

グラハム「……分かった。ならばこの作戦が終わった後、私も話そう、私の話せる限りの、全てを以て」

マリーダ「……はい」

グラハム「だから死ぬな。必ず生きて帰れ、これは命令だ」

マリーダ「ッ、了解、マスター!」

グラハム「……マスターという呼び方だけは変わってくれぬな」フッ
143 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:48:02.14 ID:eWMv8DOAO
『オーバーフラッグス隊、ミッションタイムクリアー!』

グラハム「了解した。グラハム・エーカー、出るぞ!」

ギュゥゥゥゥン

マリーダ「マリーダ・クルス。出る!」

ギュゥゥゥゥン

ーAEU基地ー

コーラサワー「各機に通達! 俺らの目標は、でかぶつのガンダムだ! 砲撃中止と同時に作戦行動に入る」

コーラサワー「敵さんのビームに、当たんなよ!」

ー上空ー
キュピィィィン

グラハム「お前がな」

ハワード「どうしました?隊長」

グラハム「いや、何となく言葉に発していた……」

ー作戦司令部ー

マネキン「戦闘開始から十五時間が経過……乗っているのが人間なら、疲労困憊といったところだろう」

グラハム『オーバーフラッグス隊、作戦ポイントへの到達を確認した』

オペレーター「大佐!」

マネキン「潮時だな……ガンダム!」

マネキン「砲撃中止!ガンダム捕獲作戦を一斉に開始せよ!」
144 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 01:55:00.16 ID:eWMv8DOAO
セルゲイ「よし、突撃するぞ少尉!」

ソーマ「了解です! 中佐」

ギュゥンッ

アレルヤ「ぐぁあッ!?」

ソーマ「頭を抱えながら砂塵に沈めっ! 出来損ないがぁっ!」

セルゲイ「君に怨みはない……だが軍人としての責務! 果たさせてもらう!」

セルゲイ「誓ったのだ! 妻の墓前にッ!」

ガガガガァンッ

アレルヤ「がはぁっ……!」

ー砂漠・コーラサワー側ー

【割愛】

コーラサワー「でかぶつ確保ぉ! 俺のおかげだな!」

ソーマ「中佐、羽根付きを確保いたしました」

セルゲイ「気をつけろ少尉、以前のように突然動き出すかも知れん」

ータクラマカン砂漠・上空ー

グラハム「コマンダー、目標を視認。作戦行動に入る」

グラハム「オーバーフラッグス! フォーメーションEでミッションを開始する!」

PiPi

マリーダ「分かっているなエドワーズ少尉、左翼は任せた」

ジョシュア「分かってらぁ!」

ギュゥゥゥゥン

パパパパパパパパパ

ロックオン「ッ!? 速い、あれ全部フラッグか! うぉおおおおお!?」

ドドドドドドドドドド

ハワード「ミサイル目標地点に着弾!」

ダリル(フォーメーションE……全機のシュートから二機が左右に陽動として入る)

マリーダ「終わりだ、ガンダム!」ガキィン

ジョシュア「いつまでも自分達だけのものだと思ってェ!」ガキィン

ロックオン「空中変形ッ!?」

ロックオン(挟まれた、だがこの距離なら……!)

グラハム「抱き締めたいなッ、ガンダムゥ!!」

ロックオン「ッ?!」

ハワード(そして真正面からの本命が、対象にアタックする!)

ドッゴォォォォォォ……!

ロックオン「ぐはぁぁぁっ!」

グラハム「まさに眠り姫だ……」グイッ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/17(木) 02:01:22.28 ID:RmSXQ2uxo
ここまでは史実どおり。
さて来るのは?(中身の意味で)
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/03/17(木) 02:01:41.92 ID:eWMv8DOAO
マリーダ「本部へ、こちらオーバーフラッグス隊マリーダ・クルス少尉。ガンダムの捕獲に成功」

ダリル「本当なら、他の編隊機も突撃するフォーメーションなんだがな……流石は隊長、一発で決めてくれたぜ」

グラハム「よくやってくれたジョシュア」

マリーダ「先行して敵に瞬殺されるかと思ったがな……よくぞ生きていた」

ジョシュア「何故だ……誉められたのに嬉しくないぞ」

ー作戦司令部ー

オペレーター「大佐、三機のガンダムを捕獲したと報告がありました!」

マネキン「あと一機……外人部隊からの連絡を待つのみか」

マネキン「当初は何故演習に【アレ】を投入するのか疑問だったが……成る程、最初から想定内というわけか」

マネキン「ゲイリー・ビアッジ少尉、アグリッサで上手くやれよ……!」
147 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [sage]:2011/03/17(木) 02:06:41.26 ID:eWMv8DOAO
ータクラマカン砂漠ー
バヒュンバヒュンバヒュンッ
サーシェス「はははぁっ! アザディスタンでの借りを返させて貰うぜぇ? ガンダムさんよぉ!!」

刹那「お前はッ!?ぁぅ!」

ドゴォ!

バリバリバリバリバリバリ

刹那「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」

サーシェス「どうよ、アグリッサのプラズマフィールドのお味は?」

サーシェス「機体だけ残して消えちまいな! クルジスのガキィ!」

刹那「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!」

刹那(死ぬ……? 俺は死ぬのか……?)

刹那(何も得られないまま……失い続けたまま……)

刹那(何にもなれないまま……このまま……死ぬのか……!)

刹那(ガン……ダム……!)
148 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [sage]:2011/03/17(木) 02:10:54.26 ID:eWMv8DOAO
ー???ー

アレハンドロ「ガンダム……ソレスタルビーイングの計画により、世界は更に変革していく」

?「あたしの出番はまだなのかい? このままじゃまた氷漬けに戻りそうだよ」

アレハンドロ「もうしばらくの辛抱だ、プリマドンナ」

アレハンドロ「君の踊るべき舞台はもう少し先になる……もう少し、な」

アレハンドロ「さぁ、舞台の幕は上がった。現れろ……ガンダムスローネ!」

バヒュンバヒュンッ

サーシェス「何っ……!?」

バヒュンッ
ドゴォ……ォン

刹那「ぁ……?」

サーシェス「何だとぉ!?」

ータクラマカン砂漠・別ポイントー

コーラサワー「全機、フォーメーションを崩すなよぉ! ガンダムをそのまま本部に連行……」

バギュゥゥン!
ズドァァッ

コーラサワー「のわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

ズドァァァァァッ

ドゴゴゴゴォ……ォン

ティエリア「ッ……!?」

『目標ヘリオン部隊大破確認』

『引き続きミッションを続行する』

ータクラマカン砂漠・人革連方面ー

ヒュンヒュンヒュンッ

セルゲイ「何だこの武器は!?」

ソーマ「このプレッシャー、ミサイルじゃない!?」

キィィィィ……

ソーマ「ッ! あれは……ガンダム?!」

『ガンダムスローネ二号機、スローネツヴァイ!』

『ミハイル・トリニティ!エクスターミネートォ!!』

『行けよファングゥ!!』
149 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:14:53.28 ID:eWMv8DOAO
キュピィィィン

マリーダ「ッ?! この殺意は……!」

グラハム「全機編隊を組み直す。ガンダムを運び……」

マリーダ「危ないッマスター!」ガンッ

グラハム「ぐぉっ!?」

ズドァァッ

マリーダ「 」

ドゴォォォォッ!

グラハム「ッッ?!」

ハワード「少尉ィィィ!」

ダリル「マリーダ少尉ィ!」

ズドァァッ

ドゴォォォォ!

ジョシュア「敵襲っ!? マリーダとランディがやられた!」

ハワード「散開だ!このビーム、通常射程からの攻撃じゃないぞ!」

ズドァッズドァァッ

グラハム「マリーダ! 応答しろマリーダ! マリーダァァ!」

ダリル「隊長! コクピットの回収を! 今ならまだ!」

ズドァァッ
ドゴォォォォッ

ジョシュア「くそっ! ヘンリーもやられた!」

グラハム「ッ、全機撤退! 命を無駄にするなッ!」

グラハム(逃げきれるか、このコクピット部分を担いだまま!)

グラハム「えぇい、ままよ!」

ガキンッ

グラハム「ッ!?」

ハワード「隊長!お手伝いします!」

グラハム「ハワード! 済まん」

ハワード「お礼は三人で、生きて帰ってから聞きますよ!」

グラハム「あぁ……そうだな」

グラハム「マリーダ、気をしっかり持てよ……!」

ズドァァ……ッ

グラハム(しかし、他にも機体があったと言うのか……!?)

グラハム(聞いていないぞ、ガンダム!)
150 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:17:08.08 ID:eWMv8DOAO
ータクラマカン砂漠全域ー

『隊長機を落としたかったが……まあいいか。コクピットからずれたのも想定外だな』

『仕方ねえよ兄貴、スローネが凄すぎてまだ馴れてねえんだから』

『そうだな……』

『ネーナ!GN粒子を広域散布しろ、現空域より離脱する』

ネーナ「了解ね!行くよHARO」

HARO〔シャーネーナ!シャーネーナ!〕

ゴォォォォォ……

オペレーター「マ、マネキン大佐! 双方向通信システムの阻害領域が急速に拡大!」

マネキン「何だと!?」

オペレーター「これでは、ガンダムを視認する以外に捕捉する手段がありません!」

マネキン「何故だ……何故このタイミングになって……!」

ータクラマカン砂漠・上空ー

グラハム「こちらオーバーフラッグス、グラハム・エーカー上級大尉だ」

グラハム「ガンダムの捕獲に失敗……負傷者が出た。増援と衛生班の待機を……」

ガガッピー

グラハム「ッ!?」

ハワード「通信が……!」

ダリル「お、おい……あの光……!」

グラハム「何だあれは……!」

ータクラマカン砂漠・退路付近ー

セルゲイ「通信遮断領域の拡大だと……! それが出来るならなぜ今の今までやらなかった!」

セルゲイ「どういうつもりだ、ソレスタルビーイング!」

ソーマ「中佐……」

ソーマ(中佐だけは、何としてでもお守りしなくては!)

セルゲイ(最悪の場合、少尉だけでも逃がさねばな……)

ータクラマカン砂漠・コーラサワー付近ー

【割愛】
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします。 [sage]:2011/03/17(木) 02:18:03.76 ID:GxVYmFEY0
よもやこんな時間に遭遇するとはな…援護する!
152 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:20:32.09 ID:eWMv8DOAO
ーMSWAD基地ー

司令「新たに三機のガンダムだと……!?」

ビリー「そんな……!」

エイフマン(腑に落ちん……何故このタイミングでガンダムを投入してきた? ソレスタルビーイング)

ビリー「それで、オーバーフラッグスの安否は!?」

司令「詳しい話はまだ確認中だが、三機ものオーバーフラッグが撃墜……」

司令「うち一機は……マリーダ・クルス少尉のものらしい」

ビリー「え」

エイフマン「何という……ことだ……」


ーユニオン空母ー

『コクピットハッチ開けろ!ゆっくりだぞ』

グラハム「退け! 退いてくれ!」

ハワード「マリーダ少尉!」
ダリル「少尉!」

バゴンッ
バチ……バチ……

マリーダ「…………」

グラハム「マリーダ……!」グイッ

ジョシュア「大尉!マリーダ少尉は……!?」

グラハム「気を失っているが……まだ息はある!」

グラハム「私が担架に運ぶ。退いてくれ!」スッ

ハワード「マリーダ少尉……」
ダリル「少尉、諦めないでくださいよ!」
ジョシュア「っ!」

グラハム(マリーダ……!)

タッタッタッタッ

衛生班「担架です」

グラハム「……よろしく頼む」ソッ

マリーダ「……」

グラハム「死ぬなよマリーダ。君にはまだ……まだ何も話してはいない……!」
153 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:25:16.97 ID:eWMv8DOAO
あれから数日、三大国はプロジェクトGの失敗により落胆。世界が固唾を飲んで見守った一大作戦は、誰も予想だにしない結果に終わったのだった……


ー後日・ユニオン空母ー

ジョシュア「与えられた任務は失敗の上、オーバーフラッグは三機、戦死者二名ときたもんだ」

ジョシュア「だがこればっかりは……グラハム・エーカー上級大尉のせいには出来んなぁ」

ハワード「仕方有るまい。新型のガンダムが現れるなんて、誰も予想していなかった」

ダリル「そもそも性能差がありすぎるんだ。せめて、ガンダムと同性能の機体があれば……」

ハワード「ダリル! フラッグは我が軍の最新鋭機だぞ」

ダリル「分かっている。しかし……」

ハワード「俺達はフラッグファイターだ。矜持を見せろよ」

ジョシュア「……付き合ってらんないな」スッ

ハワード「ジョシュア! 何処に行くんだ」

ジョシュア「マリーダに会いに行くのさ、ついでに付き添ってる上級大尉殿にもな」

ウィィン

ハワード「少尉……まだ意識は戻らないんだったな」

ダリル「命に別状無いのは、対ビームコーティングと当たりどころが良かったおかげか……エイフマン教授には感謝の言葉も無いぜ」

ハワード「隊長を庇ってだからな……マリーダ少尉……」
154 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:30:10.26 ID:eWMv8DOAO
ー医務室ー

ピッ……ピッ……

医師「奇跡的にも生命に異常はありません。程なくして意識も回復すると思われます」

グラハム「そうですか……部下を助けていただき、感謝します」

医師「……ですが、傷口の一部に再生治療がうまく浸透しない部分があります。もしかしたら……新しいガンダムのビーム粒子には、強い毒性が有るのかも知れません」

医師「一部内臓にも異常が検知されており、どうなるかは現状では……」

グラハム「毒性……!?」

医師「そうとしか考えられません。今まで検知したことのない反応です」

医師「誠に言いにくいのですが……容態が悪化した場合、最悪のことは覚悟をしてください」

グラハム「……分かり……ました……!」ギリッ

ピッ……ピッ……

グラハム「マリーダ……」

グラハム(君が毒に蝕まれているというのに、私は見ていることしか出来ないのか……!)
155 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:34:03.42 ID:eWMv8DOAO
パタンッ

グラハム「…………」

ジョシュア「大尉、どうなんだ? マリーダ少尉の様子は」

グラハム「命に別状は無い、だがもしかしたら容態悪化の危険性もあるとのことだ」

グラハム「隊長失格だな……部下を犠牲にしてしまうとは」

ジョシュア「あんまり根詰めるんじゃねえよ。オーバーフラッグスの隊長は、あんたしかいないんだぜ」

ジョシュア「失敗を引きずると、また誰かが死ぬ。切り替えろよ」

グラハム「……あぁ、そうだな」

PiPi

グラハム「……私だ」

グラハム「……何?大気圏を突入してくる機体がある!?」

ジョシュア「ガンダムか!」

グラハム「で、降下予測ポイントは!」

グラハム「……な、何だと?!」

ーMSWAD基地・開発主任室ー

エイフマン「……」カタカタカタ

エイフマン(私の仮説通り、ガンダムのエネルギー発生機関がトロポジカルディフェクトを利用しているなら、全ての辻褄は合う)
エイフマン(ガンダムの機体数の少ない理由、ソレスタルビーイングが二百年後に現れた理由も……)

エイフマン(ともすればあのエネルギー発生機関は木星で作ることになる……)

エイフマン(ハッ! やはり、ソレスタルビーイングの真の目的とは……!)

ブツッ

エイフマン「ッ!何だ……?」

you have witnessed too much…

エイフマン「何だと……ッ!」

キィィィィィン……

『未確認機接近! ガンダムタイプと思われる機影を確認! 総員警戒態勢!』
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/17(木) 02:38:09.12 ID:rJhXt0Cvo
この場合阿修羅凌駕ってレベルじゃねーぞ
157 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:39:29.60 ID:eWMv8DOAO
ーユニオン空母ー

グラハム「急げ!我々の基地がこのままでは……!」

ジョシュア「まさか昨日の今日で、しかもいきなり軍事施設に喧嘩売ってくるとは……!」

ハワード「くそっ、やりたい放題じゃないかガンダムめ!」

グラハム「くっ……」

グラハム「グラハム・エーカー! 出るぞ!」

ギュゥゥゥゥン

グラハム(カタギリ……エイフマン教授……頼む、間に合ってくれ!)

ーMSWAD基地ー

ヨハン「ネーナ、ドッキングだ」

ヨハン「GNメガランチャーで一挙に目標を殲滅する」

ネーナ『了解ね!』

ヨハン「さらばだプロフェッサー・レイフ・エイフマン」

ヨハン「貴方は知りすぎた……!」

カチッ
ズギャァァァァァァ……!!

ビリー「うわぁぁぁぁ……!」

エイフマン「おおお……!」ジュッ

ゴゴゴゴゴゴ……

ミハエル「ヒャッホー! 流石兄貴、やることがえげつないぜ!」

ヨハン「ミッションクリア、帰投する」

ピピピッ

ヨハン「お? 来たぜ来たぜ……雑魚がわんさかぁ!!」

ギュゥゥゥゥン

ダリル「隊長、三機です!新型が三機!」

グラハム「見れば分かるッ!」

ジョシュア「基地が……壊滅状態だ……!」

グラハム「見れば……分かる……!」

ピピ

ビリー『グラ……ハム……』

グラハム「ッ、カタギリ、無事だったか!」

ビリー『教授が……エイフマン……教授が……』

グラハム「何……だと……!?」
グラハム「……堪忍袋の緒が切れたッ! 許さんぞガンダムッ!!」

ギュゥゥンッ

ミハエル「なぁ兄貴、少しくらい遊んでも良いよなぁ?」

ヨハン『フウ……好きにしろ』

ミハエル「なぁに……すぐ済むさ。破壊して蹂躙して、殲滅してやらぁ!」

ミハエル「行けよファングゥ!!」

バババッ
ヒュンヒュンヒュンッ

グラハム「それがッ! どうしたぁぁ!!」
158 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:45:14.49 ID:eWMv8DOAO
ハワード「ッ……!」ギュゥンッ

ダリル「ハワード!?」
ジョシュア「何先行してやがる! 死にたいのかっ!」

ハワード「見せてやるぞ新型!」ガシャァンッ

ハワード「見せてやるぞガンダム! これがフラッグの力だッ!」ジャキンッヴヴンッ

ミハエル「ッ! 空中……変形ッ!?」ガシャンッ

ギギギィンッ!

ハワード「マリーダの仇ィィィッ!」

グラハム「ハワードッ! 無理をするな!」

ミハエル「くっ、このままではやられる」

ミハエル「……訳ねえだろぉ!?」

シャキンッ
シャキキンッ

ハワード「はっ!?」

ドスドスッ
ドスドスドスッ

ハワード「ぐぁあああああ!」

ダリル「ハワード!?」

グラハム「ハワードォォッ!」

ドスッ……

ハワード「た……隊長……フラッグを……」

グラハム「……!」

ドゴォ……ン

グラハム「ハワードメイスゥゥンッ!!」

ミハエル「ファングなんだよぉ!」

ヨハン『気が済んだか? 撤収するぞ』

ミハエル「あぁ? 兄貴ィ」

ヨハン『また次があるさ。ガンダムマイスターは多忙だからな、幾らでも的は増える。幾らでも、な』

ミハエル「へいへいっ」

ゴォォォォォ……

グラハム「……!」

ダリル「隊長!」
ジョシュア「大尉!」

グラハム「追うなッ!」

グラハム「……無策で追うな……!」ググッ

ダリル「ッ……!」
ジョシュア「くそぉ……っ」

ギュゥゥゥゥン

グラハム「プロフェッサー……ハワード……マリーダ!」

グラハム「私のっ、私の全てを奪うつもりか、ガンダム!」ギリッ
159 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:54:27.17 ID:eWMv8DOAO
マリーダ「…………」シュコー

医師「さて、点滴を交換する時間だな」

ピッ……ピッ……

マリーダ「ハワード……プロフェッサー……」

医師「ん? 寝言か……」

マリーダ「……」ツウ……

医師「泣いて……いるのか?」



グラハム「くそっ……くそぉぉぉぉぉっ!!」

TO BE CONTINUED...

?「なぁアレハンドロ、前座の一人くらい増やしたって、問題はないよね?」

アレハンドロ「ふっ……一体どんな悪巧みを考え付いたのかな? プリマドンナ」

?「なぁに……捨てるだけの廃棄物に、少しばかり働いてもらうのさ」

『EXAMシステム・スタンバイ』
160 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 02:56:59.42 ID:eWMv8DOAO
次回『阿修羅凌駕』

可能性の獣、吼える

投下終了だフラッグファイター。このままでは一回しかオーバーフラッグの活躍が無いので横道に少し逸れるぞ
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/17(木) 03:00:00.70 ID:rJhXt0Cvo
EXAMって劣化NDだっけ?
乙したいなぁ!>>1
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/17(木) 03:02:51.93 ID:RmSXQ2uxo
お疲れ様でした。グラハムの覚醒レベルは少しはあがったかな?
にしても、この世界は段々と強化人間の漂流地に成りつつあるような・・・


さすがにユニコーンはこの世界にこないか。(今来ても無双すぎるしな・・・)

>>161
無差別のね
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 03:06:18.69 ID:hl6ffSEu0
乙!

ちょくちょくハイネが機体にマーキングしに来てないか?w
164 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/17(木) 03:12:25.08 ID:eWMv8DOAO
書きため時点では死んだはずのジョシュアが生き延びてしまった……これも変革か、ガンダム!

強化人間を招き入れているのは故意だと言わせてもらおうフラッグファイター、ちょっとした理由があるのだよ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 03:19:19.96 ID:3UV5wCkdo
今日もいい作品でしたありがとう武士仮面!
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/17(木) 07:45:25.97 ID:CuDFEXjAO
マリーダがラッセ化したら2ndはイノベイター組に入るの決定じゃないですか!ヤダー!
乙!
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/17(木) 10:02:56.57 ID:4j2OmmFP0

青いジムがくるのか…胸が熱いな
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 11:18:21.34 ID:sKhvZrfqo
                   ,r'´:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、
                      , -‐'/⌒_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
                  /:.:.__」_///ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
                  {:.:/, ‐y`" ̄ ̄`丶、:.:.:.:.:.:.:.'
                 _」r彡'ン          \ヽ:.:.:}
              ,  ´‐ '´ ィ‐==-、    -==ぃ:./
             /  r /.个! 气汀トヽ ´斥汀ア l:ム
         _r‐/ / r' r'  い   ̄  l    ̄  ハリ
      _ ィ  [、/   ノ /   ヽi     ,       /ン′
    _f     八_r匕.イ      、   i} r    /´
  / / r'     ̄ ̄ノ           i、  , - - 、 イ
   〈__    _  ´        ,r! \   ̄ / jヽ
       >=≦___       ノ  ̄≫‐rr≪ ̄ {


今日、食堂でミスター・ブシドーの正体の話題で盛り上がった。
全員一致でグラハム・エーカーを予想したらしい。
隅の方で味噌汁を啜っていたリント少佐も頷いていた。
食堂を出ると、ミスター・ブシドーが自販機の間から阿修羅のようなオーラを出してこちらを睨み付けていた。
30過ぎのおっさんが仮面のサムライのコスプレをして自販機の間に挟まっている光景に、吹き出しそうなのを必死に堪えていたのだが、
横でピーリス中尉が耐えられなくなったのかくすくすと笑いだした。
強烈なプレッシャーを感じた俺は、すぐさまその場から逃げ出した。
後ろの方で、ピーリス中尉の「前髪は梳かないでぇ」「着物を着せないでぇ」という断末魔が聞こえた。

次の日、ピーリス中尉が行方不明になった。
そして、ピーリス中尉の補充要員として「ミス・ヒメ」という女性がアロウズに入った。
アロウズの制服の上から着物を羽織り、恥ずかしそうに俯いているその仮面の女性はどうみてもピーリス中尉なのだが、
指摘すると今度は自分が「ミスター・アシガル」だの「ザ・ニンジャ」だのになりそうで、結局何も言えなかった。
この日以来、誰もミスター・ブシドーの正体の話をする者は居なくなった。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/03/17(木) 11:27:55.08 ID:qc1Aq/c2o
ジョシュアが生き残って油断してたらハワードが逝ってしまった…
まぁ原作通りなんだけど予想外にショックだ…
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/17(木) 15:01:11.30 ID:uTKn+bwB0
今回はマリーダと二人で先行したから生き残ったのかジョシュア…
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/03/17(木) 16:23:44.98 ID:QbeoQASb0
EXAM→ALICE→NT-D
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 19:08:07.67 ID:XplMHZ6Po
>>171
EXAM→ALICE→NT-D
ZERO(並列)
スーパーモード(並列)

焙煎はどこに入れればいい?
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/17(木) 19:14:48.02 ID:2etYNTxP0
>>168ワロタ

にしても毎度毎度コーラさんの扱い…しかしそれがコーラクオリティか

あとNT-Dについて
ttp://up3.viploader.net/ippan/src/vlippan194295.jpg
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/17(木) 23:10:28.05 ID:i3HzYFIIO
原作設定のマリーダさんか・・・、幸せになって欲しい( ; ; )
175 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 00:42:33.08 ID:ePK5VgwAO
ビリー「おっと、今はミスター・オチムシャと呼ばれているんだっけ?」
ジョシュア「…………」

投下再開だフラッグファイター。一部ガンダムとは全く違う設定が紛れているのは、済まないとしか言いようがない
176 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 00:46:43.68 ID:ePK5VgwAO
ーAEU・イタリア北東部基地ー

ヨハン「……」カチッカチッ

ドドドド……

ヨハン「……」カチッカチッ

『第三部隊壊滅! 第四部隊被害甚大!』

『本部へ、このままじゃなぶり殺しだ! 至急増援をッ!』

ヨハン「これで、ミッションコンプリート……」カチッ

ズギャァァァァァァ!

『うっうわぁザザッ』

『ザーーーーーーーーーーーーーーーーー』

ヨハン「……」

ミハエル『ヒャッホー! 兄貴ィ、こっちはきれいさっぱり皆殺しにしてやったぜェ!?』

ヨハン「了解した。ミハエル、ネーナ、撤退するぞ」

ネーナ『キャッハハハハハハ! もぉサーイコォ♪』

ゴォォォォォ……

ーAEU・本部ー

マネキン「何だと!? また我が軍の基地がガンダムに壊滅させられたと言うのか!」

『はい。生存者の証言では、またあの新型と思われます』

マネキン「ッ……」ギリッ

マネキン(タクラマカンの一件以来、まるで人が違ったような介入行動を始めるようになったな……ガンダム)

マネキン「ガンダムの逆鱗に触れた、というところか。どちらにせよ、各個に叩かれたのではガンダムには対抗しきれん……」

バタンッ

コーラサワー「大佐ッ!何故です、何故私にも」

マネキン「ノックぐらいしろといっているのだこの愚か者ッ!」

コーラサワー「ひぃっ!?」

マネキン(個別にしか戦えん現状、下手に我が軍のエースを出して殺される訳にはいかん……)

マネキン「まぁ、お前なら殺そうとしても死にそうにないのだが……」

コーラサワー「え? いやだなぁ大佐いきなりほめないでくださいよ」ニヘラ

マネキン(正直、イナクト一機の値段が惜しいのだがな……)
177 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 00:50:16.77 ID:ePK5VgwAO
ー頂武・基地ー

ソーマ「これで七度目……テロリズム牽制の意味合いも強い軍隊の基地を狙うとは、ガンダムは本格的に世界から軍を消すつもりなのでしょうか?」

セルゲイ「奴らの目的が、世界の破滅ならばそうなのかもな」

ソーマ「世界の、破滅……」

セルゲイ「だが以前のガンダムとはまた違った意味で、今回のガンダムには奇妙な点が多い」

ソーマ「奇妙な点ですか?」

セルゲイ「あぁ。新型の奴らには、明確な目的が見られないということだ」

セルゲイ「以前のガンダムは紛争根絶の名の下に、麻薬の消滅、テロリストのアジトの破壊、極端になればアザディスタンのようにマスード・ラフマディ氏の保護など、手段は兎も角綿密に練られた計画の下作戦が行われていた」

セルゲイ「実際モラリアPMCトラストの一件も牽制の意味合いが近い介入行動に留めている」

ソーマ「世論を敵に回さない範囲で立ち回り、意識改革を求めたといった様相でしょうか?」

セルゲイ「うむ。故に我々も世論を気にしながら戦わねばならなかった」

セルゲイ「だが今回の介入行動は基本殲滅、もはや世論配慮も枠組みも無視した意図不明の虐殺だ」

セルゲイ「同じ組織の行動とはとても思えん……奴らは本当にガンダムなのか?」
178 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 00:53:30.23 ID:ePK5VgwAO
セルゲイ「以前のガンダムの作戦は、乗っているパイロットがそれに対する理解や配慮を備えたものが多い。超兵機関のガンダム介入もまた、時期やタイミングからいってパイロットからの提案が無ければ行われなかったものと推測する」

ソーマ「……」ギュッ

セルゲイ「アザディスタンの一件もそうだ。パイロットが完全に作戦の中核、組織の理念の一部として組み込まれているのだ」

セルゲイ「故にあのような大胆かつ繊細な作戦を実行してこれたといえよう。信頼関係と確固たる意志が無ければ……成し遂げられはしまい」

ソーマ「あの超兵も、確固たる意志があるのでしょうか?」

セルゲイ「恐らくはな。しかし今回の新型は、基地に現れては皆殺しにするだけ。もはや殺し屋か鉄砲玉の領域だ」

セルゲイ「だが……その殺し屋集団を止められないのが今の我々か」

ソーマ「一体どうすれば……」

セルゲイ「……何かが必要だ。奴らが現れた為に閉じてしまった時代を、切り開く可能性を秘めた何かが」

ソーマ「可能性……」

セルゲイ「それはガンダムか、我々世界か、それとも……」

ーユニオン・墓地ー

グラハム「…………」

ダリル「隊長、此方です」

グラハム「あぁ」

カサッ

グラハム「ハワード・メイスン……二階級特進により中尉か」

グラハム「マリーダより上にいってしまったな、ハワード」
179 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 00:57:41.42 ID:ePK5VgwAO

ダリル「……奴はマリーダ少尉を、心根では妹のように思っていたと言っておりました」

ダリル「あのような少女が戦わなくても良いように、我々フラッグファイターは戦わねばならないと」

グラハム「いつもマリーダを一番に案じていたのは、ハワードだったな……」

ダリル「はい」

ダリル「そしてそれ以上に……アイツは、誰よりも隊長のことを尊敬しておりました」

ダリル「次期主力MSにフラッグが選ばれたのも、テストパイロットをしていた隊長を御陰だと……」

グラハム「私は、フラッグの性能が一番高いと確信したから、テストパイロットを引き受けたに過ぎんよ」

グラハム「しかも、性能実験中の模擬戦で……私は恩師であるスレーチャー少佐を……」ググッ

ダリル「あれは不幸な事故です、隊長!」

グラハム「……」

ダリル「……」

ダリル「隊長、ハワードは生前こうも言っていました。隊長のお陰で自分もフラッグファイターになれた……これで隊長と共に空を飛べると」

グラハム「……そうか」
グラハム「彼は私以上に、フラッグを愛していたようだな」

スッ

グラハム「ならば、ハワード・メイスンに宣誓しよう。私、グラハム・エーカーは、フラッグを駆ってガンダムを倒すことを」

ダリル「……!」スッ

PiPi

グラハム「私だ」

グラハム「……何! マリーダが意識を取り戻したと!」

ダリル「ほ、本当ですか!」

グラハム「……な……何だと……?」
180 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 01:02:10.35 ID:ePK5VgwAO
ーイリノイ・病院ー
グラハム「こ、これは……!」

ダリル「ひでえ有り様だ……壁に穴が開いてやがる。キングコングでも暴れたのかよ?」

医師「キングコングでは有りませんが、マリーダ少尉のやったことです」

ダリル「えっ!?」

医師「目覚めた瞬間錯乱状態に陥りまして、看護師や近くにいたエドワーズ少尉が宥めに入ったのですが……」

グラハム「……」

ダリル「これが女の子がやったことなのかよ……」

医師「エドワーズ少尉の犠牲もあり、今は鎮静剤と睡眠誘発剤投与で安静にしておりますが、原因が分からない以上は対処のしようもないのが現状です」

グラハム「マリーダ……」

キュッ

ダリル「た、隊長!」

グラハム「いつ出撃があるとも分からん。戻るぞダリル」

ダリル「し、しかし……」

グラハム「今彼女に逢えるとしても、ハワードとプロフェッサーを失った今、どの様な顔をしてそれを伝えればいいのか分からん」

グラハム「だから戻る。私に出来ることは……戦うことしか無いのだから」

ダリル「隊長……」

『相変わらずの堅物だな、グラハム・エーカー中尉』

ダリル「部隊編成の折りに上級大尉に昇進成された! 失礼……な……」

グラハム「あ、あなたは……」

ホーマー「あぁ、そうだったな。これは済まない上級大尉」

グラハム「ホーマー・カタギリ司令!?」
181 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 01:11:32.43 ID:ePK5VgwAO
ダリル「し、失礼致しました!」ビシッ

ホーマー「構わん。間違いを犯したのは私だ」

ホーマー「楽にしたまえフラッグファイター。今回の作戦の件、ご苦労だったな」

ダリル「は……はっ! 恐れ入ります!」

グラハム「司令、何故イリノイに?」

ホーマー「知らなかったのか? アレは養子縁組で戸籍上私の娘となっている」

グラハム「アレ……マリーダがですか?」

ホーマー「そうだ。だが、それだけならば此処には来ない」

ホーマー「……ついて来いグラハム。院長には既に部屋を借りている」スタスタスタ

グラハム「…………」

ダリル「い……いったい何の話をされているのですか? 隊長」

グラハム「ダリル、先に戻っていろ。私は司令と重要な話がある」

グラハム「ジョシュアを拾って帰るのも忘れるなよ。オーバーフラッグスの貴重な戦力だからな」

ダリル「はっ! 隊長、御武運を……!」

グラハム「ついに此処までこぎ着けたか……」

グラハム「お前の暗部、刮目させてもらおう。わが母国、ユニオンよ!」
182 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 01:23:43.65 ID:ePK5VgwAO
『プルプルプルプルプルー!』パタパタパタパタ

グラハム「!」クルッ

シーン

グラハム「……?」

ホーマー「どうした? グラハム」

グラハム「いえ、気のせいだったようです……」

ー応接室ー
ホーマー「ふむ。流石に和室は無かったか」

グラハム「以前お招きいただいた、日本の茶室は良かったですな。狭さの中で神経が研ぎ澄まされるのを感じました」

ホーマー「ふっ……ガンダムの一件が片付き、アレの傷が治ったら、また招くとしよう」

グラハム「お待ちしております、司令」

ホーマー「……さて人払いは済ませた。もう、そろそろ始めるとするか」

グラハム「……」

ホーマー「何から話そうか……そうだな、まずは、一人の少女の話から始めようか」

ホーマー「昔、今から二十年ほど前に……エルピー・プルと言う、十一歳の少女がいた」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/18(金) 01:34:31.89 ID:j+Ht/QfYo
普通にプルなのね
184 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 01:44:31.27 ID:ePK5VgwAO
グラハム「エルピー・プル……」

ホーマー「ユニオン直轄の孤児院に住んでいた彼女は、不思議な力を持っていた。人の意識を感じ取る力、機械などの構造を読み取る力、物事の本質に寄る力」

ホーマー「国は彼女の能力に着目し、彼女を研究するための機関を設立した」

ホーマー「しかし……その研究所が機能することはなかった」

グラハム「何故、です?」

ホーマー「エルピー・プルは輸送中研究所に行くのを嫌がり脱走、途中の道路で交通事故に遭い……事故死したからだ」

グラハム「なっ……!?」

グラハム「そんなことが、二十年前に……」ググッ

ホーマー「……憤っても仕方無い。知っていたとしてもお前は当時何歳だ?」

グラハム「……」

ホーマー「続けるぞ」

ホーマー「無論機関は解体された。その場で研究所も閉鎖になり、全て無に帰すはずだった」

ホーマー「だが……ユニオンの財界の何者かが、それを良しとしなかった」

グラハム「何者か?」

ホーマー「分からん。だが秘密裏に研究所を運営し、当時としては最新鋭の機器を買い入れるだけの資金力はある人物だ」

ホーマー「そしてその人物の手の下、始められたのが【恐るべき妹達計画】……又の名を【プルクローン計画】」

グラハム「恐るべき妹達……計画?」

ホーマー「人革連の超兵計画が【最高の兵士の造り方】を求める計画なら、プルクローン計画は【最高の人間の複製】が目的だった」

ホーマー「もう察しはついているだろう……」

ホーマー「マリーダ・クルス、個体名プル・トゥエルブ。彼女はエルピー・プルの十二番目の複製として産まれた、クローン人間だ」
185 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 01:51:31.58 ID:ePK5VgwAO
グラハム「マリーダが……クローン人間……!?」

ホーマー「そうだ。彼女はエルピー・プルの再来を夢見て生み出された十一人の妹達の末子……そして、計画の犠牲者だ」

グラハム「犠牲、者?」

ホーマー「……」

ホーマー「計画は本来エルピー・プルの再来を目的としたものだ。出資者が何を目的としてそれを望んだかは分からない、ただ計画は彼女等を生み出してから一時停滞することになる」

グラハム「……エルピー・プルには不思議な能力があった。だが」

ホーマー「そうだ。同じ遺伝子であるからと言って、妹達にはその能力が発現しなかった」

ホーマー「そして同時期、彼らはまるで追われるように研究所を移しながら転々と各地を移動しているのだ」

グラハム「計画を何者かに感づかれた?」

ホーマー「知られてはならない者達……恐らくは、ユニオン外部の人間にな」

ホーマー「そして計画は、全く違う方向に動き出す事となる」
186 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 02:11:39.01 ID:ePK5VgwAO
ホーマー「計画を遂行する者達は、プル・クローンが能力を得ない理由の考察に於いて一つの結論に到達した」

グラハム「状況の再現、ですか?」

ホーマー「察しがいい。その通りだ」

ホーマー「元々エルピー・プルは、両親を早くに失い天涯孤独の身だった。孤児院も何度か移り変わっている。幼い子供からすれば、見知らぬ環境を転々と盥回しにされる状況は強いストレスになっただろう」

ホーマー「研究者達は、彼女の能力の発現のキーとして【強い心的ストレス】が原因として、とある行動に出る」

ホーマー「VRシステムの仮想現実を利用した、様々な種類の心的ストレスをクローンへと与え始めたのだ」

グラハム「VRシステム、ですか?」

ホーマー「計画は当初の予定よりかなり軌道修正されていた。当初のエルピー・プルの再来という目的は、いつの間にか彼女の能力の研究という元の目的と、それを利用したエスパー兵士の製造という超兵計画に似た側面を持ち始めるようになった」

ホーマー「薬物とVRシステムによる、強力な仮想現実の刷り込み。同様に、投薬と手術による身体強化、VRシステムによる戦闘訓練」

ホーマー「いつの間にか、年端も行かない少女を、戦争の道具として扱うための計画に変わっていったのだ」

グラハム「何という……事を……!」

スッ

グラハム「……これは?」

ホーマー「VRシステムの簡易装置といったところか」

ホーマー「百聞は一見に如かず……体験して見ろ。これが、マリーダの現実だ」

グラハム「……」カチャッ
187 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 02:28:24.76 ID:ePK5VgwAO
キュィィィィィン

グラハム「 」

ガッシャァンッ
ズシャァッ

グラハム「ぐっ……おぇっ……はぁっ!?」

ホーマー「……ッ」グッ

グラハム「はっ……何なのですか……これは……?」

ダッ
ガシッ

グラハム「いったい何なのだこれはッ!?」

ホーマー「それがマリーダの受けた現実だッ!!」

グラハム「っ……こんな……」

ホーマー「それがマリーダに与えられたVRシステムの心的ストレス……陵辱による尊厳の破壊」

グラハム「こんなことが……っ!」

ホーマー「そして強化手術と投薬により……彼女は本当に子供が産めない身体になった」

グラハム「こんなことがあっていいのか……!?」

ホーマー「……」

ホーマー「……計画が、一定レベルまで進んでから、私はその計画に一瞬だけ関わる機会を得た」

ホーマー「国家予算を使わない外部投資による極秘計画……それに興味があり、何とかして彼等にアポを取った。そして、私はマリーダに出会った」

グラハム「……」ググッ

ホーマー「VRシステムによる心的ストレスと、手術と投薬による肉体的ストレスが限界に来ており、もはやアレは廃人寸前だった」

ホーマー「私は彼女を引き取った、理由など無い。言うなれば良心の呵責とでも言おうか」

ホーマー「心も身体も壊され、ただ生きているだけの彼女の目を見たとき……私は突き放すことが出来なくなってしまったのかも知れない」

ホーマー「程なくして計画は、何らかの理由で潰えた。噂によれば、研究所が襲撃されたとも聞いたが定かではない」

ホーマー「……これが、マリーダ・クルスの過去だ」

グラハム「……」
188 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 02:46:24.35 ID:ePK5VgwAO
グラハム「一つお聞きしたい。今貴方は良心の呵責とおっしゃった、ならば何故再び彼女をこちらの世界に連れてきたのです」

ホーマー「……」

グラハム「お答え願いたい!」

ホーマー「アレがそう望んだ。私はどうしようもなかった」

ホーマー「アレが男と接する事が出来るようになるのに、一年以上を有した。それ以降もビリーら親戚にはあくまで伝えない、妻くらいしか知らない隠し子のような形で私はアレに接した」

ホーマー「十五歳になってからかな……会う度に言われたよ、何とかして軍に編入出来ないものかと」

ホーマー「子を産めない私には、それしか価値が無いのだと。会う度会う度……戦わせてほしいと」

ホーマー「……後は恐らく察しが付いただろう。十八歳、人革連の超兵計画が明るみに出た範囲で、マリーダをお前の部隊に編入させた」

グラハム「……ッ」

ホーマー「アレの意志だ。お前の経歴に興味を持ち、お前の駆るフラッグに魅入られ、私にせがんできた」

ホーマー「……何か、あるか」

グラハム「ありがとうございます」スッ

ホーマー「何……?」

グラハム「彼女の過去を教えていただいた事、そして彼女を救っていただいたことにです」

ホーマー「……」

ホーマー「お前のことだ。私は殴られる覚悟くらいしてきたのだがな」

グラハム「それは八つ当たりです。過去の事は消せません、貴方に全て押しつけて罵倒出来るほど私は子供ではないつもりです」

グラハム「それに……この事はマリーダ本人から、マリーダが伝えたい事のみを聞き、それで全てとします」

ホーマー「真実は受けとめられない、ということか?」

グラハム「いいえ。事実は事実として、マリーダの言葉はマリーダの言葉として、それぞれ受け取ると言っております」

グラハム「彼女を……優秀なフラッグファイターを預かった身として、彼女を支えるのが私の責務と感じ取らせていただいた」

ホーマー「……」

ホーマー「強がりおって」

グラハム「性分です。変えられません」

ホーマー「ふっ……不器用だな。お前は」

グラハム「熟知しております。変える気もございません」
189 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 02:51:19.55 ID:ePK5VgwAO
カタン

ホーマー「実験内容のデータが入っている、これの使い方はお前に任せよう」

グラハム「……」

ホーマー「アレを頼む。七年も関わっていると……嫌でも愛着が湧いてくるものでな」

グラハム「ホーマー司令……」

ホーマー「死ぬなよグラハム。お前は死ぬな」

バタンッ

グラハム「…………」

グラハム「……ッ」グッ

ーイリノイ基地ー

ビリー(マリーダの錯乱状態は、恐らく彼女が強化人間であるが故の不安定さから来るものだろう)

ビリー(むしろ何故今まであれほどに安定していたのか、不思議なくらいだとも言える。超兵機関のそれよりも、あの実験は……)

グラハム「っ、カタギリ! 何をしている!?」

ビリー「! おや、どうしたんだいこんな時間に」

グラハム「おやじゃない! 君は入院しているはず……」

ビリー「僕がいないと、このカスタムフラッグの整備は出来ないよ?」

ビリー「何てったって、エイフマン教授が直々にチューンした機体だからね……ッ」ズキッ

カランカラン……

グラハム「無理をするな。君は今休むべき人間だ」

ビリー「……そうも行かないよ」

グラハム「え?」

ビリー「君に譲れないものが有るように、僕にだって譲れないものはある」

グラハム「……!」

グラハム「ふっ、強情だな。カタギリ」スッ

ビリー「君ほどじゃないさ、グラハム」パシッ
190 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 02:54:52.01 ID:ePK5VgwAO
ビリー「僕はね、今回のMSWAD基地へのガンダム襲撃はエイフマン教授を狙ったものだと推測しているんだ」ピピッピッ

グラハム「エイフマン教授を? 何故だ」

ビリー「あの人はガンダムのエネルギー機関、特殊粒子の本質に迫ろうとしていた」

ビリー「何らかの方法でそれを察知したソレスタルビーイングが、それを阻もうと武力介入に移行した……」

グラハム「ッ、軍の中に内通者がいるということか」

ビリー「いないと考える方が不自然だろう」

グラハム「…………」

グラハム「カタギリ、私は君を生涯の友だと思っている」

ビリー「ど、どうしたんだいグラハム、藪から棒に」

グラハム「その君と私を引き合わせてくれたのも、プロフェッサーだったな」

ビリー「…………」

グラハム「そして私をフラッグに乗せてくれたのも、そのフラッグをガンダム用にチューンしてくれたのも……プロフェッサーだった」

グラハム「マリーダのことだって、あの方は孫のように可愛がってくださっていた」

ビリー「素晴らしい人だったよ……あの人を師匠に持てたのは、僕の人生で一番の幸運だ」

グラハム「……彼女の兄と祖父を、一挙に奪ったか」

グラハム(マリーダの繋がり、この私の誇り。これ以上はやらせん、やらせはせんぞガンダム!)
191 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 02:59:16.98 ID:ePK5VgwAO
ビーッビーッ

グラハム「ッ!」

ビリー「敵襲!?」

『アイオワ上空、3988ポイントにガンダムとおぼしき機影を確認!繰り返す、アイオワ上空……』

ビリー「そのポイントにある施設と言えば……」

グラハム「ッ! アイリス社の軍需工場!」

ビリー「まさか、いくら兵器工場とはいえ、働いてるのは民間人だぞ!」

グラハム「奴らならやりかねん。もはや奴らは、ただの殺し屋集団だ」

グラハム「カタギリ、フラッグを出す。準備をしてくれ」

ビリー「グラハム、まさか……!」

グラハム「……理想さえあれば他者の命を弄んでもいい、そんな思い上がりなど!」

グラハム(ガンダム、私は認めん。貴様の存在を……!)

キィィィィィイン

グラハム「グラハム機、先行する」

ビリー『待ってくれグラハム! 単独出撃なんて無茶だ!』

グラハム「百も承知!」

ビリー『3対1だ! 勝ち目なんか……!』

グラハム「そんな道理……私の無理でこじ開けるッ!!」

ギュゥゥ……ン

ーアイリス社ー

ヨハン「……」カチッカチッ

ドドドォ……ン

ネーナ「ねむーい、さっさと終わらせて帰ろうよぉ兄ィ兄ィズゥ」カチッカチッ

ミハエル「ほらほら、逃げて惑って散らかれよ!」ガガガガガガッ

ピピピッ

ヨハン「ん?レーダーに反応、この機体は……」

ギュゥゥン!

グラハム「やはり新型かぁぁぁ!!」

ミハエル「あのマーキング、あん時のフラッグかよ!」

ヨハン「ミハエル」

ミハエル「分かってるって兄貴ィ……一瞬で切り刻んで、アイリス社に部品を返品してやらぁ!」

キュピィィィィン

グラハム「やれるものならやってみろぉッ!!」
192 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:04:09.06 ID:ePK5VgwAO
ミハエル「行けよ、ファングゥ!!」

ヒュンヒュンッ

グラハム「馬鹿の一つ覚えがッ……!」ガシャンッ

ヒュバッ

グラハム「グラハム・スペシャル!」シャコンッ

ミハエル「空中変形からの接近戦、ワンパターンなんだよぉ!」カチャッ

グラハム「ワンパターンは貴様だぁぁぁ!」ギュンッ

ドゴォォッ

ミハエル「ぐぁぁっ!?」

ヨハン「ミハエル!」

ネーナ「ミハ兄ィ!」

HARO〔ケリイレヤガッタ!ケリイレヤガッタ!〕

グラハム「最初から剣で受けようとすれば、そうなる!」

キュピィィィィン

グラハム「ッ!やらせん!」

ヨハン「GNランチャ……!」

バシュンッ
ドガァンッ

ヨハン「何ッ!?」

グラハム「やらせんといった!」

ヨハン(夜間戦闘で、あの距離からGNランチャーの銃口を狙い撃っただと……?!)

ネーナ「くっ! 兄ィ兄ィズから離れろこの変態!」バシュンバシュンッ

グラハム「ちぃっ!」

ミハエル「てんめぇぇぇぇぇ!」

ネーナ「ちょっミハ兄ィ!」

HARO〔邪魔デウテネェ!邪魔デウテネェ!〕

ミハエル「斬り殺してやらぁぁぁぁ!」ブゥンッ

グラハム「そんな大きな獲物では、当たらんッ!」ヒュッ

ギィンッ

ミハエル「ッ!?」

グラハム「何ッ……!」
ミハエル「ガンダムなんだぜ、斬れるかよそんな剣でぇ!」ブンブンッ

グラハム「つくづく厄介な代物だな……ガンダムッ!」

グラハム「だったらこうするまでだ!!」ボッ
193 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:11:37.92 ID:ePK5VgwAO
ヨハン「この位置なら!」

バババババ!

ヨハン「ッ! 援軍、時間をかけ過ぎたか……!」

グラハム(振り上げに合わせて蹴り上げるッ!)

ガァンッ

ミハエル「はっ!?」

ヨハン「バスターソードが!?まさかあいつ……!」

グラハム「どれだけの性能差があろうとも……」

ガシィッ

グラハム「今の私はッ!」

ブンッ

グラハム「阿 修 羅 す ら 凌 駕 す る 存 在 だ ッ ッ ! !」

ズバァンッ

ミハエル「うわぁぁぁぁぁ!?」

ネーナ「ミハ兄ィィィィ!?」

HARO〔ツヴァイ右腕部損傷!右腕部損傷!〕

ヨハン「ミハエェェル!!」

ヨハン「ネーナ、撤退だ! 急げ!」

ネーナ「う、うん! HARO!」

HARO〔シャーネーナ!シャーネーナ!〕

グラハム「逃がすか……!」

ヒュンヒュンッ

グラハム「ちぃ、まだこの兵器が!」ズバンッ

ミハエル「ぐっ……くそぁっ……!」

ヨハン「俺が殿を勤める! 行くぞミハエル」

ミハエル「覚えてやがれよてめぇぇ……!」

ギュゥゥ……ン

グラハム「ゼェッ……ゼェッ……ハァッ……」

グラハム「ハワード……プロフェッサー……一矢は、報いた……!」

ゴボッ

グラハム「ッ……この程度のGに……身体が耐えられんとは……!」

グラハム「私は死なん……死ぬわけにはいかんのだ……!」
194 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:16:10.90 ID:ePK5VgwAO
ーイリノイ基地ー

ビリー「アイリス社や近辺の基地からの報告は!」

オペレーター「……」フルフル

ビリー(グラハム……頼むから生きていてくれ……!)

ガタッ

ビリー「ん?」

マリーダ「ッ……」フラフラ

ビリー「マ、マリーダ!? 何をしているんだ君は、入院しているんじゃ……」

マリーダ「マスター……マスターは……」

ビリー「グラハムなら今出撃している、とりあえず早くそこの椅子に」

マリーダ「マスター……マスター……」ボロボロ

ビリー「マリーダ……」

ビリー(あの気丈で大人びた雰囲気のマリーダがここまで不安定になるなんて……かなり危険域だ)

ビリー(再調整でもしないと、何をしでかすか……)

ピピッ

オペレーター「後続のジョシュア・エドワーズ少尉から入電! アイリス社に到着した模様!」

ビリー「本当かい!」

マリーダ「……!」

オペレーター「…………」
オペレーター「そ、そんな……!」

ビリー「早く伝えてくれ!何があった!」

オペレーター「……アイリス社は被害甚大、確認出来る中でも五百名以上死傷」

オペレーター「しかし……新型ガンダムは撤退、内一機は中破!」

オペレーター「グラハム・エーカー上級大尉は健在! 健在です!」

ビリー「……勝ったのか……」

オォ……

ビリー「フラッグでガンダムに、勝ったのか!?」
195 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:21:31.41 ID:ePK5VgwAO
ウオオオオオオオ……!!

『やったぞ! ガンダムにとうとうやってやったんだ!』
『グラハム・エーカー万歳! フラッグファイター万歳!』

ビリー「グラハム……君は本当に予測不可能な人だよ……」

マリーダ「マスター……!」

マリーダ「……」

ビリー「!」

ビリー(マリーダの眼に意志が戻った……)

ビリー「マリーダ、行くかい?」

マリーダ「……はい!」

ビリー「じゃあ迎えに行こう。僕らのフラッグファイターを」

ーアイオワ上空ー

ダリル「イャッハー!」ギュゥゥンッ

ジョシュア「ハッハー! はしゃぐんじゃねえよダリル!」キィィン

ダリル「お前もなジョシュア! 今日は人生で最高の1日だ!」ギャンッ

グラハム「ハァ……ハァ……」

ヒィィィィン……

ダリル「!? 隊長、どうしました!」

グラハム「行ってくる」

ジョシュア「行ってくるって、何処に!?」

グラハム「行かねばならんのだ……」

ギュゥゥ……ン

ーイリノイ基地ー

オペレーター「カ、カタギリ顧問!」

ビリー「どうした?」

オペレーター「帰還中、上級大尉が突然進路を変え……ロストしたと」

ビリー「な、何だって!?」

マリーダ「マスター……」

マリーダ「行きましょう、カタギリ顧問」

ビリー「マリーダ……?」

マリーダ「マスターは、彼処にいます」
196 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:28:35.35 ID:ePK5VgwAO
ジョシュア「イリノイ基地から連絡だ! 全機、急ぐぞ!」

ダリル「あぁ!」

ダリル「だがまさか……目的地が彼処とはな」

ジョシュア「……」

ー朝焼け・墓地ー

ポツ……ポツ
サァァァァァ……

ビリー「雨が降ってきたか……夜明け前だってのに、グラハムは何処に」

マリーダ「マスター!」

ダッ

ビリー「あっ、マリーダ!傘も差さずに……!」

キィィン

ビリー「オーバーフラッグス! こっちだダリル! おーい!」

サァァァァァ……

グラハム「……」

マリーダ「はぁ……はぁ……」

マリーダ「マスター……!」

グラハム「……」
197 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:40:11.09 ID:ePK5VgwAO
グラハム「ハワード・メイスンに、ガンダムを退けたことを報告しに来た」

マリーダ「ハワード……」

グラハム「しかし、ガンダムを倒して逆にはっきりと分かってしまった」

グラハム「ハワード・メイスンは……私の隣にいたフラッグファイターは、もういなくなってしまったのだと……」

マリーダ「マスター」

グラハム「何故……何故逝ったハワード……!」

グラハム「っ……うぉぉぉ……!」

マリーダ「……」

ギュッ

マリーダ「マスター、良いんです。今だけは……泣いてください」

グラハム「……おおぉぉぉぉぉぉぉ……!」

サァァァァァ……

TO BE CONTINUED...



ー海上ー

ヨハン「大丈夫かミハエル」

ネーナ「ミハ兄ィかわいそ……」

ミハエル「くそっ……あのフラッグのパイロット、必ずぶっ殺してやる……!」

ギュオッ
バヒュンバヒュンッ!

ヨハン「何だとッ!?」
ネーナ「この粒子ビーム……!」
ミハエル「てめぇッ、何のつもりだぁ!?」

『ガンダムエクシア!』

刹那「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ。ガンダムスローネを紛争幇助の存在と断定、武力介入に移行する」

刹那「ガンダムエクシア……目標を駆逐するッ!」
198 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 03:47:17.54 ID:ePK5VgwAO
投下終了、済まん何かもう色々


とりあえずまとめ
・マリーダは娼婦設定云々無し、かわりに刷り込みを利用した強制的なトラウマ化と不妊症は有り
・グラハムの手元にはGNバスターソードとツヴァイの右腕、壊れたファングが一機残った
・グラハム覚醒

ちなみに多分出て来ないし明記するタイミングが無いだろうから一応書けば、エルピー・プルは事故で能力こそ失ったが生きていたりする
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/18(金) 03:51:20.33 ID:RvF8iGYO0


一番最後の行、エーッ!?
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/18(金) 04:14:56.14 ID:1v4r/W/7o

なん・・・・だと・・・
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/18(金) 05:05:44.46 ID:42NdA2Ueo
お疲れ様でした。
う〜〜ん、マリーダ関連はわかっていたけど重い。

さて戦利品がまた面白いものが手に入ったな・・・
これでGNフラッグ(仮)がどうなることやらww
202 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 05:15:08.79 ID:ePK5VgwAO
プルさん現在31歳だけどね

次回『蒼い死神』

グラハム、自らの過去と対峙する
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/18(金) 05:18:17.94 ID:42NdA2Ueo
>>プルさん現在31歳だけどね
わはははははww
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 05:23:48.14 ID:QWTiJT3DO
プルさんじゅういっさい

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/18(金) 05:34:25.20 ID:OOfGa3qCo
31歳か…こみ上げてくるものがあるな
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/18(金) 05:51:21.10 ID:M/r170sN0
マリーダの記憶に陵辱された過去を刷り込んだってことか?

しかしバスターソード盗られたミハ兄の存在意義ェ…
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/18(金) 07:22:46.37 ID:KMsSiweAO
バスターソードとファングとかをフラッグに搭載しちゃったらマジでミハ兄の立場ないな
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 08:07:27.71 ID:ESBndKbh0
何かこれ読んでると泣けてくるんだが…
ハワードもダリルもビリーもミスターブsグラハムもユニオン時代が
一番輝いてて幸せな時だったんだよなあ…

でもぷるさんじゅういっさいには笑ったww
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/18(金) 10:14:26.02 ID:FamkR5RAO
ミハ兄ぃざまぁww

何気にジョシュアの生存に俺歓喜
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 11:09:40.64 ID:BZu9T5YYo
バスターソード蹴り上げるとかパネェw
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2011/03/18(金) 11:12:51.46 ID:iKtAo+Xjo
フラッグの細腕でバスターソード使うとか胸熱。
ハワードの墓前で泣くグラハムとか、アニメ本編より人間臭さが強調されてて良いな。
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 12:20:44.66 ID:ZzZuldL60
これ、下手したらここでミハ兄エクシアに落とされるんじゃね?
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 16:16:18.89 ID:F7uC8/zco
そしたら歴史が変わるな
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/18(金) 17:48:54.94 ID:xe0CLP7Xo
ツヴァイがエクシアに撃墜される

アリーさんがツヴァイを奪えない

ニールが死なない

やったねライル! 出番が消えたよ!
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2011/03/18(金) 17:54:01.12 ID:iKtAo+Xjo
ツヴァイ撃墜されても、アレハンドロ様かボンズリさんが別機体用意しそうだよね
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/18(金) 18:32:27.38 ID:KMsSiweAO
もしくはヒロシが奪う機体がアインになってニールとまさかの銃撃戦
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 18:54:22.52 ID:F7uC8/zco
そしたらミハにいはどうなるんだ
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 19:42:37.83 ID:j0zHaQQ70
GNフラッグがヤバイ代物になりそうだな……
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/18(金) 20:00:26.35 ID:P3NIwlhAO
あるスレに魔改造フラッグというのがいてだな
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 20:20:18.41 ID:uUdopY+SO
>>219

アレはヤバイwwwwww
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/03/18(金) 21:01:55.35 ID:aNrzPTbU0
ぐえぇぇぇーミハ兄ー!がなくなるのは悲しいんで死んでくれ
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 21:15:38.29 ID:F7uC8/zco
>>219
なんかドラゴンハング無双してたやつっしょ?
あそこはプラモ班がすごかったね
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/18(金) 21:31:55.30 ID:OOfGa3qCo
>>219
kwwsk
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 21:46:43.83 ID:ZzZuldL60
>>223
スレに出てきたオリ機体を手持ちのプラモ改造して再現した猛者達がいたんだよ
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/18(金) 22:21:12.83 ID:KMsSiweAO
別スレでも

禁書「私専用の〇〇なんだよ!」

インさん専用の〇〇作ってみたよ〜


特別にインコム付いた〇〇を使うんだよ!

外見はこんな感じかね?

みたいなノリで魔改造プラモ作ってたな
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/18(金) 22:42:14.09 ID:qf9PBa8vo
ttp://up3.viploader.net/jiko/src/vljiko043855.jpg
これとかな
227 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:05:42.96 ID:ePK5VgwAO
何か凄いことになってる、投下再開だフラッグファイター

この世界のアレハンドロさんはちょっと鈍くさいからGNーXの各国支給が遅いという設定で頼む
228 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:09:34.19 ID:ePK5VgwAO
ーユニオン・イリノイ基地ー

グラハム「カタギリ、どうだ?」

ビリー「素晴らしい拾い物だよグラハム、ガンダムのパーツは今まで殆ど手に入ってないからね」

ビリー「特にこの実体剣と内蔵型のコンデンサー……研究のしがいがあるよ」

グラハム「そこでだカタギリ、頼みがある」

ビリー「何だい? グラハム」

グラハム「これをフラッグに積んでほしい」キラッ

ビリー「無理だね」キラッ

グラハム「カタギリ……」

ビリー「無理な物は無理だよ。少なくともエネルギー動力源が無ければ砲塔端末は使えないし、この巨大な実体剣はフラッグのパワーじゃ扱えやしない」

グラハム「私はこれでガンダムを斬ったのだぞ!? ならば使えるだろう!」

ビリー「データを見る限り重力に任せて振り下ろしただけだろう! もし振れたとしても、こんな重いものを背負って飛べば近づく前に狙い撃ちだよ!」

グラハム「そんな道理! 私の無理でこじ開けるッ!」

ビリー「今度ばかりはNOだね!」

ダリル「まぁたやってるぜあの二人……」

ジョシュア「まぁ、ようやくオーパーツの一部が手に入ったんだ。そりゃはしゃぐのも無理は無いぜ」
229 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:14:43.58 ID:ePK5VgwAO
マリーダ「お二方、口論は程ほどにしてそろそろお食事の方をお取りください」

グラハム「む……マリーダ」

ビリー「……そうだね。腹が減っては戦は出来ぬ、だ」

ダリル「お、少尉が止めたぞ」

ジョシュア「段々あの二人の扱いに馴れてきたな、マリーダも」

ビリー「つまりだ、この巨大実体剣の中にある特殊粒子のコンデンサーを利用して、火力は生めばいいと仮定する」モグモグ

ビリー「ならばこんなに大振りな刃は要らないわけだから、データを取ってから小振りの実体剣に加工し直そうと思うんだ」モグモグ

グラハム「成る程……つまり私のフラッグが運用出来るレベルに作り直すというのだな?」モグモグ

ビリー「あぁ。エイフマン教授が遺した資料を集めてみたんだが、あの蒼いガンダムが実体剣を利用する理由の仮定が乗っているんだ」モグモグ

マリーダ「どうぞ」

ビリー「ありがとうマリーダ」ズズ

グラハム「ほう、興味深いな」

マリーダ「どうぞ、マスター」

グラハム「マスターは止せ」ズズズズ

ビリー「ふう……」

ビリー「あの実体剣は、通常MSではなく、同じガンダムに対する対抗策として用意しているのではないか、という可能性さ」

グラハム「と、いうと?」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/18(金) 23:17:29.07 ID:1v4r/W/7o
さすがプロフェッサー・・・伊達じゃない
231 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:19:42.88 ID:ePK5VgwAO
ビリー「あれだけの貫徹力と切断力を備えなければならない理由……つまり、想定される運用レベルにそれだけ強固な相手が存在するってことさ」

マリーダ「でかぶつや羽根付きの粒子バリア、狙撃の板などが挙げられる中、あの機体だけは確かに異質です」

グラハム「コンセプトがはっきりとした機体群の中、作戦行動を見て一番捕獲されやすかったガンダムが、対ガンダム用の装備を持っているとはな……」

ビリー「運が良いんだねえ、あのガンダムのパイロットは」


刹那「くしゅんっ」



グラハム「ならば私のフラッグに装備される剣ならば……でかぶつや狙撃をも落とせるという訳だな?」モグモグ

ビリー「加工が成功して、かつ使い物になればの話、攻撃力が理論値を越えたとして考えればね」モグモグ

マリーダ「机上の空論という訳ですね……」

グラハム「綱渡りも良いところだ」ズズ

マリーダ「砲塔端末の粒子ビーム発射装置を使えば、射撃も可能なのでは?」

ビリー「それがねぇ……グラハムが叩き落とした瞬間壊しちゃったみたいなんだ」

グラハム「…………」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/03/18(金) 23:30:46.19 ID:jiaoXF5AO
>>230
プロフェッサーはあの段階でトランザムの存在にまでたどり着いてた天才だしな
233 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:32:28.54 ID:ePK5VgwAO
ビリー「しかも、こちらは正直お手上げに近い。何か全く違うタイプの機械端末による半自動操作らしいんだが、それが全く特定出来ない。新しいプログラムでも作らないと、彼等のようにホイホイ扱えないだろう」

ビリー「ものが小さいから、余さずデータにとったら別の使い方を考えてみるよ。運良く噴進機構は生きているから……」

グラハム「やはりカタナ型に作り直してもらった方が……」
マリーダ「それでしたら此方の鉈型でも……」

ビリー「コラ、君達勝手に加工する形状考えるんじゃないよ」

ビリー「やれやれ……五年後くらいにも同じような事をやらされていそうだ」

ビーッ!ビーッ!

グラハム「ッ!」

ビリー「敵襲……?」
『AEUより緊急入電! 大西洋上空の未確認機にAEU所属機が攻撃を受けているとのこと、増援を要請しています!』

ビリー「AEUからの入電……珍しいというか、突拍子も無いというか」

グラハム「カタギリ、私のフラッグの準備を」

ビリー「準備って……行くのかい?」

グラハム「恐らく、というか勘でしかないのだが、この入電の主はマネキン大佐だ」

グラハム「彼女の戦術予報には砂漠の一件で助けられた。戦場での借りは戦場で返さねばならんだろう」

ビリー「そんな、何処にそれを匂わせる内容があるって言うんだい?本当にただの勘じゃないか」

グラハム「ふっ、全くだ。根拠は無いが、何故か確信をもってそう言えるよ」

マリーダ「マスター」

グラハム「お前は休めマリーダ。身体に障る」

グラハム「未確認機……大佐が何故ユニオンに連絡してきたか、その理由になり得るかもな」

ー遡り、海上ー

ヨハン「ガンダムエクシアのパイロット! 何故邪魔をする!?」

刹那「貴様等はガンダムではない! ガンダムである……筈がない!!」

ギィンッ

ミハエル「てんめぇっ!」

ネーナ「ミハ兄ィ!」

バァンバァンッ

ミハエル「ネーナァ……!」

ネーナ「可愛くない子! あたしの兄ィ兄ィズをいじめないで!」

刹那「くっ……!」

ヨハン「錯乱したか、ガンダムのパイロット。ならば致し方ない」

ヨハン「ミハエル、無理はするな! ネーナ、フォーメーションH24で確実に対処する」

ヨハン「向かってくるならば、落とす! ガンダムであろうとな!」
234 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:37:03.23 ID:ePK5VgwAO
ネーナ「了解! HARO、火器管制よろしくぅ!」

HARO〔シャーネーナ! シャーネーナ!〕

ミハエル「畜生……腕がやられてなきゃよ!」

ズギャアアッ!

ネーナ「ッ!?」

ヨハン「何ッ……!」

刹那「この粒子ビーム量……」

コォォォォォォ

ティエリア「ヴァーチェ、目標を破砕する!」

ヨハン「ガンダム……ヴァーチェ!?」

ー島ー

ロックオン「やれやれ、あのきかんぼう共は張り切りすぎだぜ」

HARO〔ロックオン、ウレシソウ!ロックオン、ウレシソウ!〕

ロックオン「ははっ、分かっちゃう? HARO」

ロックオン「スメラギさんの指令は、出来るなら止めろとのことだが……」

ロックオン「まぁ、ぶっちゃけ狙い撃つ気満々だッ! 行くぜ、HARO……」

キュピィィィィン

ロックオン「ッ!?」

ロックオン(何だこの気配は……凄まじい怨念が、物凄い速度で移動している!?)

ロックオン「マズい、刹那!」

HARO〔ガガッピー〕

HARO〔EXAMシステム、スタンバイ〕

ロックオン「HARO! 何を受信した! HARO!」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/18(金) 23:43:08.51 ID:KMsSiweAO
ロックオンは「ミス・スメラギ」と呼ぶぞ
236 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:44:15.96 ID:ePK5VgwAO
ギュゥゥゥンッ

刹那「ッ、レーダーに感!」

ティエリア「何だ……この速度は!?」

ギュオッ

『NT反応非検知。殺意電波確認』

『EXAMシステム、スタンバイ』

ー???ー

?「実質EXAMシステムが乗っけられる機体は限られているからねぇ……下手な機体に乗せれば作戦の支障になるし、既存の機体では性能が足らなすぎてまともに動かせやしない」

リボンズ「だから、君はあの機体を調達させたのかい?」

?「ま、人型の完成度は悲惨だが空戦形態ならEXAMにだって対応しきれるからね……オーバーフラッグの機体が貰えない以上、試験運用にはなるさ」

リボンズ「他の二機は……ティエレンSPタイプとイナクトカスタム……ふっ、サーシェスがふてくされていた理由がよく分かる。半ば無理矢理に取り上げたね? 君は」

?「良いじゃないか。これからは、あんなイナクトじゃ大好きな戦いにもならないんだから」

?「アイツにはもっと良い機体をくれてやる、そうすればもっと働けるようになるさ」

リボンズ「では、舞台に君が立つのかい? プルツー」

プルツー「あぁ。サーシェスには私が付いてやる」

プルツー「例の機体がロールアウトされたらスローネも用済みだ。私とヴァラヌスで綺麗に始末してやるさ」

リボンズ「任せたよ。アレハンドロの強化手術は、まだもう少しかかりそうだからね」

プルツー「可哀想な奴……気付かれない内にいじくり回されてんだから」

リボンズ「君がそれを言うかい? プルクローンシリーズ最高傑作の君が」

プルツー「その話はするな。不愉快になる」

リボンズ「失敬……」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/18(金) 23:50:18.51 ID:Dv2Ib3voo
プルツーだと…!
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/18(金) 23:50:32.52 ID:1v4r/W/7o
おぉ・・・黒幕・・・
239 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/18(金) 23:56:06.95 ID:ePK5VgwAO
>>235
おっと、そうだった。済まない

刹那「該当機体……これは!?」

リボンズ「このシステム機の問題は、ヴェーダとのリンクで動くただの機械という点かな」

プルツー「おまけに敵味方が関係無いというくらいか……所詮は失敗作だ」

リボンズ「失敗作……ね」

『EXAMシステム、スタンバイ』

ティエリア「ユニオンリアルドに近いが……違う! 発展機か!」

ネーナ「ヨハ兄ィ、どうするの!?」

ヨハン「ッ、どちらにせよ部外者にガンダム同士の争いを見られる訳には行かない!」

ヨハン「深追いはするな! 隙を見て離脱する!」

刹那「させないッ」

ギィンッ

ヨハン「くっ、状況が理解できているのかお前は!?」

ティエリア「出来ているとも。スローネに乱入者、どちらも破砕するのみ!」ズゴォォッ

ミハエル「くそっ! 墜ちやがれ!」バシュンッバシュンッ

『殺意電波確認』ピピッ

ヒュボッ

ティエリア「なっ!?」

ミハエル「避けやがった……!」

ババババババァン

ティエリア「くっ、刹那・F・セイエイ、フォーメーションSー32で対処する」

刹那「了解」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 00:00:46.13 ID:NmngcjnUo
>ビリー「ふう……」
抜いたな童帝ビリー
241 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 00:02:36.37 ID:v6T2/zrAO
ヨハン「乱戦か……だが、切り抜けてみせる!」

HARO〔ヤッチマエ!ヤッチマエ!〕

バシュンッバシュンッ
ババババババァン

ティエリア「効きはしない!」ガンッ

ネーナ「GNフィールド!?」

『殺意電波確認』

刹那「今だァッ!」

バッ

刹那「ッ!」

ヒュボッ
スカッ

ティエリア「今の一撃を回避しただと!?」

刹那「ちょこまかと、逃げるなぁ!」

ギィンッ

『右翼部被弾』

ティエリア「スローネ、逃がさん!」ズゴォォッ

ヨハン「ミハエルのツヴァイが健在なら、これしきのこと……!」
242 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 00:20:38.88 ID:v6T2/zrAO
ープトレマイオスー

クリス「ヴァーチェ、エクシア共に未確認機、スローネ三機との交戦を継続!」

フェルト「デュナメス、目標地点到達まで540カウント」

スメラギ「マズいわね……未確認機の所属が分からない以上、これ以上は長引かせられないわ」

スメラギ「ロックオン、頼むわよ……」

ー海上ー

ティエリア「刹那・F・セイエイ、あの未確認機を抑えられるか」

刹那「あぁ……何とかなる」

ティエリア「ならば任せた。一気にスローネを落とす!」

ギュンッ

ヨハン「GNランチャーが損傷しているとはいえ、まだ戦える!」ガチャッ

ネーナ「あたしなんか無傷なんだからね!」ジャキッ

HARO〔イバレネエ!イバレネエ!〕

ティエリア「ナドレ!」

バゴンッ
バゴンッ
バシュゥゥゥ……

ティエリア「トライアルシステム!」

オォ……ン

ヨハン「何だ!?」

ネーナ「システムダウン……!」

ミハエル「訳わかんねえぞ! 何だこり……」

キュゥゥゥン

ネーナ「きゃあああああああ!?」

ヨハン「ッ!!」

ミハエル「こ……こんなんばっかじゃ……!」

ドドドォン
243 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 00:25:38.12 ID:v6T2/zrAO
ティエリア「ヴェーダとリンクした機体を全て制御下に置く……これが、ガンダムナドレの真の能力」

ティエリア「このティエリア・アーデにのみ与えられた、ガンダムマイスターへの切り札【トライアルシステム】」

ウゥゥ……ン

『ガガッ……ピ……』

刹那「! 何だ、未確認機も動きが……」

ティエリア「君達はガンダムマイスターに相応しくない」ジャキンッ

ティエリア「そうだとも! 万死に値する!」

ギュンッ


プルツー「ところがぎっちょん!」

リボンズ「ふふ……」キィィィィン


ヴヴン!

ティエリア「何ッ!?」

ヨハン「ッ!」
ネーナ「動く……!」
ミハエル「おっ!?」

『EXAMシステム、リスタンバイ』

ギュンッ
ザクッ

ティエリア「トライアルシステムが……強制解除された……!?」
244 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 00:34:28.04 ID:v6T2/zrAO
ティエリア「やはりヴェーダは……!」ギリッ

『エネルギー残量、状況確認。撤退』

ギュンッ

刹那「逃げた……だと?」

刹那(停止したということは……今の機体はヴェーダとリンクしていたという事なのか……?)

ヨハン「邪魔者はいなくなったか。ならば、本題に移ろうかガンダムマイスター!」ジャキンッ

ティエリア「ッ!」

バシュウンッ


ネーナ「またガンダム!?」
ヨハン「デュナメスか……!」

ロックオン「これで3VS3だ! フェアプレーの精神で……と言いたいが、あんたら結構ボロボロだなぁ」

ロックオン「まぁそこはお互いプロだからな、恨みっこなしだ!」

ミハエル「次から次へとっ……やってやんよぉ!!」

『ピピッ』


プルツー「! 脳波検知、脳量子波じゃない」

リボンズ「何だって?」

プルツー「ということは、あの場に一人本物がいたって事になるな」

プルツー「トライアルシステムとやらに引っかからなきゃもっと動けて確認出来たってのに……!」チッ

リボンズ「焦ることはない。あの場にいたガンダムマイスターだということは明白なんだ」

リボンズ「すぐに分かるさ……すぐにね」

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/19(土) 00:34:28.99 ID:v9HwGIwlo
プルツーかわええ
246 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 00:40:37.35 ID:v6T2/zrAO
ープトレマイオスー

フェルト「デュナメス、ロックオンから暗号通信です」

ラッセ「結局スローネとは物分かれか……決着をつけておきたかったが」

イアン「正体不明の機体、トライアルシステムへのヴェーダからの干渉……色々厄介なことになってきたなぁ」

スメラギ「……」

スメラギ(今準備しなきゃ、私たちに未来はないわね)

リヒティ「そう言えば、スローネに損害を与えた奴って誰なんすかね?」

ラッセ「さあな。アイツらがヘマしただけと思いたいが……」
247 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 00:51:06.44 ID:v6T2/zrAO
ーそして現在・大西洋上空ー

コーラサワー「ちっくしょう! 何なんだよコイツは、いきなり現れてぇ!」ギュウンッ

『NT反応検知。対象を攻撃目標と認定』ババババババァン

コーラサワー「大佐ぁぁぁぁ!」

マネキン『耐えろ少尉! 今そちらに援軍を送っている!』

マネキン(とはいえ……どちらが速いか……!)

ギュウンッ
バヒュンッバヒュンッ

コーラサワー「のわぁぁぁぁ!」

ーー
ギュゥゥゥンッ

グラハム「連絡があったのはこの海域だが……」

チュドーン

グラハム「!? 遅かったか……!」

『NT反応検知、対象を攻撃目標と認定』

『EXAMシステム、スタンバイ』

グラハム「何者かは知らんが、この動乱の時代に好き勝手出来ると……!」

ギュウンッ

グラハム「……あ……」

コーラサワー「ふぃ〜……助かったぜぇ」

コーラサワー「ん? おいフラッグのパイロット、何止まってやがる! 奴が来るぞぉ!」

グラハム「こ……この機体は……」

グラハム「ユニオンブラスト……!?」

『攻撃開始』

ババババババァン

グラハム「ぐぅっ!?」ヒュンッ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/19(土) 01:00:30.86 ID:v9HwGIwlo
コーラNT認定はじまったな
249 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 01:03:31.28 ID:v6T2/zrAO


プルツー「また検知した!」

リボンズ「……」ピクッ

プルツー「やっぱりEXAMを泳がせて正解だな……いるところにはいるもんだ」

リボンズ「……」

リボンズ「だが未来を作るのは君達ではない。僕らイノベイターだ」

プルツー「言ってろよ。あたしは別にどうだっていいんだ、そんなこと」

リボンズ「俗物め……」チッ

プルツー「男の嫉妬は見苦しいぞ」ククッ

《上官殺しめ》
グラハム「ッ……来るな!」ダダダダダッ

『回避行動』

《恩師を殺した恩知らず》
グラハム「来ないでくれッ……」ダァンッ

『回避行動』

《英雄殺しのトップガンが》
グラハム「来ないでください……少佐……!」ギュウンッ

『追撃態勢』

グラハム「私に……ッ」ガシャンッ

グラハム「貴方を、二度も殺させないでくださいッ!」ジャキンッ

ババババババッ
ドスゥッ

グラハム「ッ……!」

ザッパァン

『ガガッピュィッ』

『ザザッザー』

ドゴォン……

コーラサワー「おぉ……」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 01:11:55.48 ID:/GoxkX5G0
イノベイター組のトップ=リボンズ
ニュータイプ組のトップ=プルツー

ってことか
にしても、この二人意外と仲はともかく相性よさそうだな
初期のC.C.とルルーシュみたいな感じで
251 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 01:14:25.16 ID:v6T2/zrAO
『ガガガガ……』ギギギギ……

グラハム「ッ……」

コーラサワー「あの機体、あんだけやられてんのにまだ……!」

グラハム「……申し訳、ありません……」

ダァンッ
ダァンダァンッ

『 』ブツッ

グラハム「…………」

コーラサワー「止まっ……た?」

グラハム「っ……くそっ……くそぉ……!」

ブクブクブク……

ーAEU基地ー

マネキン「……つまりあれは、以前の次期主力機選定の折フラッグの対抗馬として出されたユニオンブラストだと言うのだな?」

ビリー『はい、その通りです』

ビリー『先ほど確認しましたところ、ベル・ファクトリー社の保管庫の一機が何者かに盗まれたとのことで、被害届が提出されています』

マネキン「…………」

マネキン(嘘だろうな。ベル・ファクトリーめ、どこぞのPMCトラストと同じ様な言い訳をしおってからに)

マネキン「了解した。グラハム・エーカー上級大尉には、カティ・マネキンが礼を言っていたとお伝え願いたい」

ビリー『えぇ、その様に』
252 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 01:26:14.71 ID:v6T2/zrAO
ギュウンッ

ビリー『おっと、噂をすれば……』

マネキン「大尉のフラッグの損傷はどうだろうか? 此方から輸送機を出すと言ったのだが、帰れると言ってそのまま帰還してしまわれたのだが」

ビリー『一瞬見ただけですが、目立った外傷は右腕部の脱落のみですし、大丈夫だと思います』

マネキン「ならいいのだが……様子がおかしかったので、ついな」

ビリー『…………』

ビリー『彼……次期主力機選定の模擬戦で、ユニオンブラストと対峙しているんですよ』

マネキン「ほう?」

マネキン(だから、あれほどまでに対処が早かったのか)

ビリー『その時のパイロットはスレッグ・スレーチャー少佐……ユニオンの伝説的なエースであり、グラハムの恩師でもある人でした』

ビリー『模擬戦の途中、ブラストは体当たりを敢行。グラハムはブラストの主翼を切り難を逃れますが、少佐はそのまま……』

マネキン「スレッグ・スレーチャー少佐……」

ビリー『グラハムはまだ引きずっているんでしょう……少佐の死を』

ビリー『無礼がありましたら申し訳無い。どうかご配慮を』

マネキン「問題は無い、こちらが頼んだ側でありお陰で部下の命も助けられた」

マネキン「重ねて、マネキンが礼を言っていたとお伝え願いたい」
253 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 01:37:37.25 ID:v6T2/zrAO
キィィィィン……

グラハム「…………」

ダリル「隊長!」

ビリー「グラハム」

グラハム「ダリル、カタギリ……」

ダリル「大丈夫ですか隊長、お怪我は……」
ビリー「…………」

グラハム「二人とも……」
グラハム「そんなにしけた顔をするな。私なら大丈夫だ」

ダリル「……はい」
ビリー「あぁ……済まない」

ビリー「直ぐにでも機体を修理するよ。待っていてくれ」

グラハム「あぁ、頼む」

タタッ

マリーダ「マスター!」

グラハム「マリーダ!」

グラハム「……」

マリーダ「マスター、お怪我はありませんか! よくぞご無事で……」

グラハム「……」

マリーダ「……マスター?」

『ガンダムの粒子ビームには強い毒性が……』

グラハム「……人の心配をしている場合ではないというに、全くお前は……」フッ

マリーダ「え……?」

ジョシュア「いたいた! おーい大尉……」ゾロゾロ

グラハム「マリーダ、今夜私の部屋に来い」スタスタ

マリーダ「!」

ジョシュア「 」
ダリル「 」
ビリー「 」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/19(土) 01:41:40.78 ID:v9HwGIwlo
いやらしいなさすがグラハム
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 01:46:35.60 ID:/GoxkX5G0
さらっと誘いやがったけど、マリーダからしたら笑えないかもな
(実体験じゃないとはいえ)トラウマ的な意味で
256 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 01:48:47.55 ID:v6T2/zrAO
グラハム「あの時の約束、今果たそう。私の全てを以てな」スタスタスタ

マリーダ「あ……」

マリーダ「……」ギュッ

マリーダ「はい。マスター」

グラハム「待っているぞ」

ダリル「ハワード……隊長は変わってしまわれた……」
ビリー「グラハムッッ……!」
ーユニオン軍本部ー

ホーマー「……たった一人の軍隊。個別で作戦行動を取り、状況を認識し、対応するワンマンアーミー」

ホーマー「他の陣営が首を縦には振らないと考えていたが……ガンダムを退けたとなれば、実装も可能になるだろう」

ホーマー「ライセンサー……か」ガタッ

ホーマー「グラハム、この免許を生かすも殺すもお前次第だ」

ピピッ

ホーマー「私だ……そうか、AEUは了承したか」

ホーマー「奴にその旨を伝えてくれ。新しいシステムは、今だからこそ必要なのだ」
257 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 01:58:44.97 ID:v6T2/zrAO
TO BE CONTINUED...

プルツー「よし……」カチャカチャッ

リボンズ「次はどこに配置するつもりだい?」

プルツー「とりあえず人革連とAEUに流すさ。出来損ないのユニオンブラストよりは働いてくれるだろうよ」

ティエレンチーツー『EXAMシステム、スタンバイ』

イナクトカスタムS『EXAMシステム、スタンバイ』

プルツー「あはははは……さぁ! 探してこい、私の同類を!」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 02:01:00.49 ID:/GoxkX5G0
「ティエレンタオツー」じゃなかったけ?
間違ってたらゴメン
259 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/19(土) 02:12:54.19 ID:v6T2/zrAO
とりあえず投下終了。ちょっと荒くなりすぎワロエナイ

ユニオンブラストに関しては刹那らでもタイマンならあっさり倒せるレベル。まだグラハムの能力は高くない

AEU、人革連に一回寄ってから本編に戻る感じにしようかなと思っているぞフラッグファイター

グラハムもマリーダも平然とピンク色な発言はするが全くそのつもりがない人間と取ってもらいたい

>>258
ティエレンタオツーの前進であるティエレンチーツーという二人乗りの全領域対応機体が存在するんだフラッグファイター

プルツー(11)はこういう試作機を徴集するのが趣味。ちなみにイナクトカスタムはサーシェスのを分捕った
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/19(土) 02:13:21.32 ID:1WbMUrsS0
>>258
チーツーでググるのだ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2011/03/19(土) 02:15:02.60 ID:uKeraPnu0

EXAMによるNT認定されたのはハムとコーラとロックオンか・・・
こりゃあおもしろくなってきたな
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 02:15:52.91 ID:llGS/24DO
>>258
チーツーはタオツーの前身みたいな機体で電ホビの00PとダムAの00Iに登場してる。
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 02:19:59.63 ID:/GoxkX5G0
>>259
>>260
>>262
ありがとう、俺が勉強不足だった
というかマリーダこれ完全に誤解してないか?
トラウマ再発なんて……無いよな……?

>>1乙!!
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/19(土) 02:21:56.05 ID:fXnJP3slo
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/19(土) 04:13:48.24 ID:TjwRdKR2o
お疲れ様でした。
サーシェスのスローネ奪取は無しになるのかな?
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/19(土) 18:47:02.80 ID:gELUIWXAO
プルツーの「ところがきっちょん!」に激しく萌えた。


>>1乙!
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/20(日) 00:49:01.00 ID:vSI+8esC0
マリーダさん内臓侵食されるとか洒落にならないです…
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/20(日) 03:30:16.35 ID:XAH5WSSAO
時間的に今夜は投下無しか……Gジェネやって寝よう
269 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:43:36.72 ID:IarH8n8AO
本日は1日仕事なので朝の内に……投下再開だフラッグファイター

ぶっちゃけNT的な電波で繋がったと考えてほしい
270 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:44:12.08 ID:IarH8n8AO
ーユニオン・イリノイ基地グラハム自室前ー

オペ子「……」スタスタ

オペ子「!?」

ワラワラ

オペ子(この人達、フラッグファイターだよね……?)

オペ子「あの、大尉の部屋の前で何を……」

ジョシュア「しっ!」
ダリル「重要な任務中だ!」
タケイ「……」
ビリー「グラハム……!」

ーグラハム自室ー

マリーダ「マスター……」

グラハム「アイツらめ、何をしている?」フゥ

グラハム「さて……まずは、伝えねばならないな」

グラハム「先日、ホーマー司令よりお前の過去を全て聞いた」

マリーダ「ッ……」

グラハム「だが、私はそれを知識の一つとして扱うつもりだ。マリーダ、お前が私に言ってくれたように、私もまたお前の言葉を待つよ」

マリーダ「マスター……」

グラハム「辛い記憶だ……故に、私から提言することは無いと誓おう」

グラハム「次は私の番だ。私の過去……とはいえ、あるがままを語るに過ぎんが」

グラハム「私のそのままを、伝えよう」

マリーダ「……はい」

グラハム「今から三年前……」

グラハム「私は、父とさえ呼べる恩師を殺した」
271 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:46:40.87 ID:IarH8n8AO
グラハム「私は孤児だった。生まれてすぐに親を亡くしたのか、それとも棄てられたのか。それは分からない」

グラハム「ただ物心ついた時には私は孤児院の隅にいて、同じ様な境遇の孤児と共に生活をしていた」

マリーダ「孤児、だったのですか」

グラハム「あの頃は子供ながらに、両親はどこか遠い外国で働いていて、とても忙しいから自分を孤児院に預けたのだと本気で信じていたものだ」フッ

グラハム「いつか空の向こうから私を迎えに来て、私の名前を呼んでくれるのだと……」

グラハム「物心が物分かりに変わる頃、段々と気付いてくる。孤児院はそもそもそういう場所じゃないことに、自分には親がいないのだという現実に」

グラハム「もう待っていても、我慢したとしても、私を抱き締めてくれる人はいないのだと」

マリーダ「……」

272 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:50:04.27 ID:IarH8n8AO
グラハム「それから私はパイロットになった。はっきり言って学業に身を投じられるような金銭的余裕など無かったし、私のような境遇の人間は増えはすれど減りはしない。一刻も早く独り立ちする必要性があった」

グラハム「だがそれ以上に、私自身空を飛びたいという強い憧憬があった。MSに乗り空を手に入れたいという夢があった」

マリーダ「だからマスターは、空を愛しているのですね?」

グラハム「自らの力で得た物を、愛さない人はいないさ」

グラハム「そして、ほどなくして私は出逢う。私の心の父でもあった上官、スレッグ・スレーチャー少佐に……」

ー扉前ー

ダリル「畜生、声が小さすぎて聞こえないぞ」
ジョシュア「囁いているのか? 囁いているのか!」
ビリー「こんなこともあろうかと、軍用の集音マイクを借りてきた」

ーマリーダ回想・ユニオン空母甲板陰ー

ハワード「三年前、次期主力機の最終選定は二機のせめぎ合いにもつれ込みました」

ハワード「一方は、グラハム・エーカー上級大尉、当時少尉がテストパイロットを務めた次世代可変MS【SV】シリーズの第一段、ユニオンフラッグ」

ハワード「そしてもう一方は、ユニオンリアルドの開発元でもあるベル・ファクトリー社から出された後継機ユニオンブラスト」

マリーダ「聞いたことがある。空戦形態ならフラッグをも凌駕するMSだったと……」

ジョシュア「そりゃ建て前だ。確かに空戦形態の性能は高かったが、換装が必要である分作戦行動は限定されるし、肝心の人型の性能はフラッグに遠く及ばなかった」

ジョシュア「だが、世間一般の目はユニオンブラストに向けられた」

マリーダ「何故だ?」

ダリル「ユニオンブラストのテストパイロットが、伝説的なエースパイロット、スレッグ・スレーチャー少佐だったからです」

マリーダ「スレッグ・スレーチャー……」

ハワード「三十年のキャリア、8000時間以上のフライト……我々の時代ではもはや生きた伝説でした」

ジョシュア「トップガンといえばスレーチャーだったからなあの時期は、ぶっちゃけ現存するユニオンリアルドの映像でさえも何やってるか分かんねえくらいだわ」
273 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:53:30.62 ID:IarH8n8AO
グラハム「私は訓練基地を出た後に、少佐の下でパイロットのいろはを教わった。当時1対1の模擬戦では46戦46敗。如何に訓練基地での習熟が杓子定規なのかを思い知らされた。彼の技術を学び、盗み……一年足らずの短い間、本当に楽しい時間だったよ」

グラハム「私の操縦技術、グラハム・スペシャルに到るまであの人から教わった技術が元になっている。空の飛び方を教えてくれたのも、空での生き方を教えてくれたのもスレーチャー少佐だった」

グラハム「一度少佐の娘さんとの縁談も持ち上がったのだが……当時の私は、開けた空に魅入られてその話を棒に振ってしまった。それぐらい、あの人が導いてくれた空は魅力的だった……」

グラハム「程なくして少佐が病に倒れ、MSから離れたのを機に私は基地を移動した」

グラハム「次に会ったのは、次期主力MS選定の選考の場だった……」



ダリル「ですが、そのスレーチャー少佐がテストパイロットを引き受けた裏には、複雑な事情がありました」


グラハム「トップガンたる彼が、ユニオンブラストで満足する筈はない。私は選定模擬戦の前に彼と話した」

グラハム「彼はのらりくらりとかわし、うそぶいて逃げてしまったが、後々その真相は明らかになった」



ダリル「スレーチャー少佐は、ベル・ファクトリー社から多額の報奨金でテストパイロットを引き受けていたんです」
274 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 10:56:14.31 ID:IarH8n8AO
マリーダ「報奨金……?」

ハワード「どうやらその当時彼の娘婿が多額の借金を作っており、その返済に当てようとしたのではないかと言われています」

ダリル「少佐は家族思いでも知られていた人物でしたからね……ユニオンブラストが次期主力MSに認定されれば、更なる報酬が払われた事でしょう」


グラハム「私には理解が出来なかったよ。私は自身の為にしか空を飛ばない。だが彼は家族の為に本気で空を飛ぼうとしていたんだ」

グラハム「その後も様々に心理戦を繰り広げたが、結局は模擬戦の結果が決めること。私はフラッグに、彼はブラストに乗り空を飛んだ」

グラハム「そしてそれが……彼との最期の邂逅となった」


ジョシュア「模擬戦は、グラハムの乗るフラッグが優勢に事を進めた」

ジョシュア「だが終盤、突然ユニオンブラストがフラッグに特攻、体当たりを敢行」

ジョシュア「グラハムはとっさに空中変形、プラズマソードで翼を斬り難を逃れたが……そのままブラストは墜落。スレーチャー少佐は、帰らぬ人になった」

ダリル「あのトップガンなら不時着出来たはずだ……当時スレーチャー少佐を知るどの専門家もそう言いました」

ハワード「後々判明した事なのですが、少佐は自らに多額の保険金をかけており、ブラストがフラッグに勝てなかった場合、自身の死で借金を返済出来るように仕組んでいたというのです」
275 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:00:05.23 ID:IarH8n8AO
マリーダ「どの様に転んでも、家族は救えるようにしていたのか」

ハワード「あれからしばらく、隊長の落ち込みようは酷かったもんです」


グラハム「私には家族というものがいない。だからスレーチャー少佐が飛んだ理由は納得がいかなかったが」

グラハム「あの人は最後まで自分の望むがままに飛んだのだ……遺された私の手元には、実感の無い勝利と上官殺しの汚名のみ残った」

グラハム「もしフラッグ同士で戦っていたら勝てただろうか……家族など関わらず、純粋な勝負だったら? 自問自答しても私の中の少佐は答えてはくれない」

グラハム「リベンジの機会さえ与えられない……恨むことも出来ん」

マリーダ「……」

マリーダ(家族を待ち続け、求めても得られず、空しか無かったマスター)

マリーダ(女としての幸せを奪われ、闘いしか残されなかった私)

マリーダ(似ている、のだろうか……?)

マリーダ(お互い、飛び続けなければその存在意義を見いだせず)

グラハム「そして時折、そんな自分が無性に嫌になる」

マリーダ「!」

グラハム「どうやら、当たったようだな」

グラハム「内心、家族という物に憧れていたのかも知れないが」

マリーダ「今更……ですね」

グラハム「あぁ」
276 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:04:25.00 ID:IarH8n8AO
グラハム「分かっていたんだ。あの人は、きっと私だからこそあのテストパイロットの一件を受けて」

グラハム「金で空を汚さないよう、最初から死ぬつもりで……ブラストに乗ったのだろう」

グラハム「私が負い目を感じないよう、貰う予定も無い報奨金を打診し自ら業を背負って……」

グラハム「姑息な人だよ、スレーチャー少佐は。何もかもを手に入れて、一人で逝ってしまわれた」

グラハム「でも、結局私は独りに戻ってしまった……!」

マリーダ「マスター……」

スッ
ギュッ

グラハム「ッ!」

マリーダ「マスター」

マリーダ「私には何も有りません。ホーマー司令の語られた通り、戦う以外に道の無い、作られた存在です」

グラハム「マリーダ……?」

マリーダ「ですからマスター……貴方さえ宜しければ、貴方の孤独を分けてください」

マリーダ「そうすれば私は、空っぽではなくなるから」

グラハム「……」

マリーダ「傷の舐め合いだと、笑いますか?」

グラハム「……」スッ

マリーダ「……ありがとうございます。マスター」

グラハム「……マスターとは呼ぶな。私には、グラハム・エーカーという名前がある」

マリーダ「はい……グラハム」

ー扉前ー

オペレーター「あれ、ここにいたフラッグファイターは?」

オペ子「集音マイクの無断持ち出しがバレて司令に見つかって、今怒られてる最中よ」
277 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:06:34.03 ID:IarH8n8AO
ー翌日・司令室ー

イリノイ司令「……という訳だ。君には、ユニオン軍のみならず三国初【ライセンサー】の免許を渡す」

グラハム「ライセンサー……」

イリノイ司令「君には全ての戦場、全ての作戦への独自介入権、及び独自行動が認められる」

イリノイ司令「無論作戦目標の遂行を前提として、という条件はあるがね」

グラハム「……」ペラッ

グラハム(作戦への参加は独自判断だが、作戦目標の独自設定や作戦そのものの取り消しは不可能ということか……)

イリノイ司令「ガンダムを退けた君の腕、三国に響かせてくれ。期待しているよフラッグファイター」

グラハム「そのご期待に応えられるよう、尽力致します」ズパッ

グラハム(ガンダムに勝ってもガンダム、ガンダムに負けてもガンダム……どうやら、君と私の赤い糸はよほど頑強なものらしいなガンダム)

グラハム(ホーマー司令、貴方がどの様な意図でこれを私に預けたのかは分からない)

グラハム(だが、頂いたからには有効活用させて頂く!)

グラハム「それではグラハム・エーカー上級大尉、任務に戻ります」
278 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:14:08.71 ID:IarH8n8AO
ーイリノイ基地・MSドッグー

ビリー「豪気な話だね、ユニオンのみならずAEU、人革連でまで独自判断が可能な免許とは」

グラハム「試験的なものだ。恐らく、そう易々と事を運べんだろうよ」

グラハム「しかしながら本格的に統合化の兆しが見えてきたな……」

グラハム(ガンダム、これがお前たちの狙いだとでも言うのか?)

ダリル「しかし、三国の軍事力にもガンダムと戦えるパイロットは貴重ですからね」

ジョシュア「ようは猫の手も借りたいって訳だろ? ガンダムさんとやり合うのによ」

グラハム「どちらにしても好都合だ。この際、ガンダムが嫌になるほど付きまとってくれる」

ビリー「同情するよ、ガンダムに」


刹那「!」ゾクッ

ロックオン「!」ゾクッ

アレハレ「!」ゾクッ

ティエリア「!」ゾクッ

ヨハン「!」ゾクッ

ミハエル「!」ゾクッ

ネーナ「にゃっ!」ゾクッ


整備士「大尉、準備出来ました!」

グラハム「了解した」

グラハム「行くぞカタギリ。まずは連絡を取ったAEUからだ」

ビリー「おっと、僕は行かないよグラハム」

グラハム「何?」

ビリー「解析にはまだまだ時間がかかる。僕がついて行けば、君の対ガンダム用装備は完成が先延ばしになってしまうからね」

グラハム「しかしだなカタギリ、このカスタムフラッグは……」

ビリー「そこでだ、エイフマン教授直々に教えを説いた隠し玉をご用意しよう」

グラハム「何……?」
279 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:16:09.37 ID:IarH8n8AO
ビリー「さて、ご登場!」

ジョシュア「つっても想定内だろうけどな」

マリーダ「……」スッ

グラハム「マリーダ!」

マリーダ「生前、プロフェッサーにフラッグに関しては教えを請うておりました」

マリーダ「元々MS工学については学んでいたつもりですが、整備やパーツの取り替え程度なら幾分か可能なはずです」

ダリル「そういや、しばらく差し入れとかやってましたな少尉」

ビリー「学んでいた、というよりは叩き込まれたという方が近い気もするね。この知識量はかなりのものだ」

グラハム(ホーマー司令か……マリーダはそちらの道を選ばなかったようだが)

ビリー「僕からもある程度指示出来るようにはするけど、彼女にはセンスがある。命を任せても大丈夫だと思うよ」

グラハム「うむ……」

マリーダ「…………」

グラハム「プロフェッサーの忘れ形見、という訳か……」

グラハム「あい分かった、ならばその様にしよう」

ビリー「物わかりがいいね。助かるよ」

グラハム「その代わり、任せたぞカタギリ」

ビリー「合点承知。必ず形にしてみせるさ」
280 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:18:48.20 ID:IarH8n8AO
グラハム「行くぞマリーダ」

マリーダ「了解、マスター」

グラハム「マスターとは呼ぶな」

スタスタスタ……

ビリー「まずは新型ガンダムによる軍基地の被害が多いAEUか……マネキン大佐なら、グラハムにも配慮してくれるだろう」

ビリー「頑張れよグラハム、僕のトップガンはいつだって君なんだから」

ダリル「隊長、御武運を!」
ジョシュア「死ぬなよ大尉、俺があんたを超えるまでな」

ーカティ・マネキン自宅ー

マネキン「ガンダムに関する情報は?」

部下『旧四機も新型三機もあれから一向に顔を出しません。流石に撃退されたのが応えたのでしょうか?』

マネキン「奴らがそんなに軟弱なら、今頃タクラマカンで決着していただろうよ」

マネキン「噂のライセンサー一号、グラハム・エーカー上級大尉を招くというのに……土産話も無いのでは申し訳が立たんな」フゥ

マネキン「夜分済まなかったな。休んでくれ」

部下『はっ!』プチッ

マネキン「やれやれ、これであの男も少しは奮い立ってくれればいいが……」

ピンポーン

マネキン「?」
281 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:20:39.33 ID:IarH8n8AO
ガチャッ

コーラサワー「大佐、パトリック・コーラサワー少尉であります!」

マネキン「……何だそれは」

コーラサワー「はっ! 薔薇の花束であります」

マネキン「そうではない、それくらい私にも分かる。夜に私の自宅を訪ねた理由を聞いているのだ」

コーラサワー「はっ、大佐をお食事に誘いたくて……///」

マネキン「…………」

マネキン「少尉、近々ガンダムを単騎で退けたパイロット、ユニオンのフラッグファイター、グラハム・エーカー上級大尉がAEUにライセンサーとして立ち寄ることになっている」

マネキン「お前も幾度となくガンダムと渡り合った男だ。思うところはないのか?」

コーラサワー「はい! ありません!」キリッ

マネキン「…………」ガクッ

マネキン「……放っておけん男だ」フフッ

マネキン「待っていろ、すぐに支度する」バタンッ

コーラサワー「!」

コーラサワー「やったぁ……!」


キュピィィィン

ロックオン「狙い撃ったな……」

刹那「?」
282 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:23:44.79 ID:IarH8n8AO
ーAEU基地ー

マネキン「……」

ギュゥゥ……ゥン
ガタンッ

グラハム「グラハム・エーカー上級大尉、及びマリーダ・クルス少尉であります」ズパッ

マネキン「カティ・マネキン大佐だ。貴公を招くことが出来たのを光栄に思うよ大尉」スッ

グラハム「タクラマカン砂漠での戦術予報、我々ユニオンも大変お世話になりました」

グラハム「そのカティ・マネキン大佐にお会いできましたこと、此方こそ感激の至りです」スッ

マネキン「世辞が上手いな大尉。立ち話も難だ、茶でも飲みながら話そう」

ー隅ー

コーラサワー(あの澄まし顔……大佐と握手しやがって……!)ギリギリ



マリーダ「?」

グラハム「何か強烈な意志を感じるな……何処ぞに強者がいると見た」

マリーダ「流石はAEU、といったところでしょうか」

グラハム「そういうことにしておこう」フッ
283 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:26:36.21 ID:IarH8n8AO
ー基地司令室ー

グラハム「そうですか……ガンダムの陰は見当たらないと」

マネキン「さしずめ大尉が来るから引きこもったのだと思いたいが、何やら仕掛けてきそうで安心できないのも正直な話だ」

女兵士「どうぞ」

グラハム「ありがとう」

マリーダ「……」ペコリ

グラハム「単刀直入にお聞きしたい。これからのガンダムの動向、マネキン大佐はどの様にお考えか」

マネキン「ふ……本当に単刀直入に聞くのだな、貴公は」

グラハム「回りくどいのは、私の分には不相応と認識しております。無礼を詫びさせてください」

マネキン「安心したまえ、そういうのは嫌いではないよ」

マネキン「まぁ……新型と今までのガンダムに連携意識があるとはとても考えにくいだろう」

マネキン「彼らは組織の中でも全く違う、別の派閥から生まれたものではないかと私は推測している」

グラハム「興味深い説です」

マネキン「まず今までのガンダムとは作戦形式が異なりすぎていること、そして今までのガンダムとの連携が無く常に三機で行動している点も見逃せまい」

マネキン「あれ以来今までのガンダムは全く姿を表さない」

グラハム「確かに、彼らはそもそも三機での連携を基本としたコンセプトで開発されたように感じます」

マネキン「特殊粒子の色も違う上に、各地であの粒子の毒性が報告されている」

マリーダ「ッ……」

グラハム「……」

マネキン「謎だらけではあるが、違うという事が分かるだけ新型はまだ親切だよ」
284 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:28:24.43 ID:IarH8n8AO
マネキン「戦ってみた感想としては、どうかな?」

グラハム「今までのガンダムにも共通して言えた事ですが、機体の性能の凄まじさに比べ練度が余り高くないという点が挙げられます」

グラハム「ただ今までのガンダムに感じられた意志のようなもの、あの新型からは感じられませんでした」

マネキン「と言うことは、彼らは雇われた兵士か」

グラハム「もしくは作戦理由などを秘匿され、ただ戦わされている若い兵士か……」

グラハム「戦い方にまだ甘さがありました。やはりガンダムのパイロットは総じて年齢層が低いのかも知れません」

マネキン「少年兵とでも言うのか? にわかには信じがたいが、確かに現在あるデータを見ればそれも頷けるな」

マリーダ「アザディスタンの一件の……ですか」

マリーダ「成人では無かろうな。まぁ超兵もいることだ、不思議ではない」

マネキン「私は、今までのガンダムはしばらく出て来ないと思うのだ。新型が幅を利かせすぎて、今出て行っても彼等が今までやってきたようにはいくまいしな」

グラハム「……」

マネキン「ならば今叩くべきは新型だ。奴らは容赦がない、恐らく機体の修理が終わってから、また即座に行動を開始するだろうよ」

グラハム「その時のために、私がいます」

マネキン「期待させてもらうよ大尉。ライセンサーの実力、私も兵士も楽しみにしている」
285 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:30:26.66 ID:IarH8n8AO
マリーダ「……?」

マネキン「どうした少尉、扉が気になるか」

マリーダ「失礼致します」

ピッ
ウィンッ

コーラサワー「どわっ!?」ドサァッ

グラハム「君は……」

マネキン「パトリック!?」

コーラサワー「いててて……」

マリーダ「…………」

コーラサワー「うぉっ!? なんだお前!」

マリーダ「それは此方の台詞だ少尉」

コーラサワー「俺かい?俺は模擬戦二千勝のスペシャルエース、パトリック・コーラサワーだ!」ビシッ

グラハム「……」ジーッ

グラハム「!」

グラハム「君は最初のガンダムの武力介入で寸断されたイナクトのパイロット!」

コーラサワー「古傷を抉るなぁ!」

マリーダ「……」

コーラサワー「憐れむような眼で見るなっ……!」

マネキン「はぁ……済まんな大尉。これがうちのトップガン、パトリック・コーラサワー少尉だ」

コーラサワー「いやぁそんな……」デレデレ

マネキン「……誉めようとしたが、実際自分でその機会を潰しているのを忘れるなパトリック」

マリーダ「そういえば、AEUのエースと言えば彼は……」

マネキン「奴の話はするなッ!!」

マリーダ「ッ!?」

マネキン「! す、済まない取り乱した。だがあの野獣の話はしないでくれ、頼む少尉」

グラハム「……心中お察しいたします、大佐」

マネキン「済まん」

マネキン(九条……)
286 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:31:41.12 ID:IarH8n8AO
ーAEU基地・MSドッグー

マリーダ「マスター、カスタムフラッグの調整、完了致しました」

グラハム「あぁ……うん……」

マネキン(マスター……)
AEU兵(マスター……)
AEU整備士(マスター……)
パトリック(あー、腹減った)

マネキン「しかしこれがガンダムを退けたMS……流石はユニオンの技術力といったところか」

グラハム「ありがとうございます。フラッグファイターとして、フラッグへの讃辞は最大の名誉として受け取らせて頂きます」

マネキン「うちのイナクトは、何処ぞのエースパイロットが脱出ポッド代わりに廃棄するから在庫が足らなくてな、困ったものだよ」

コーラサワー「いや〜大佐、エースだなんてそんな」デレデレ

AEU兵「つかぬことをお聞きしますが、グラハム・エーカー上級大尉殿は普段どれほどの被弾状況で?」ムッ

マリーダ「マスターは対ガンダム調査隊編成以来、ガンダムに対してはリニアライフル一丁以外の損傷は無い」ムッ

グラハム「数字や記録で評価されるのは本意ではない。私の実力は戦場で、自身の判断で確認してもらいたい」

グラハム「免許に恥じないだけの活躍は、させてもらうつもりだ」

コーラサワー「良い度胸だ……!」

マネキン「自分より上官なのに何故そうも偉そうなのだお前は……?」

キュピィィィン

マリーダ「ッ!」

マリーダ(何かが……近付いてくる?)
287 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/20(日) 11:34:15.08 ID:IarH8n8AO
ー???ー

プルツー「ふう……ヴェーダとの切り離し完了」

リボンズ「これでEXAMは真の力を発揮する、ということかい?」

プルツー「あぁそうだ、制御が利かないから、あのイナクトはもう戻って来なくなるけどな」

リボンズ「随分とユニオンブラストを破壊した生体データに御執心のようだね」

プルツー「気になっちゃったんだ、仕方ないだろう?」

プルツー「それより、例のナノマシン薬の準備頼むぞ」

リボンズ「どういうつもりかは知らないけど、抜かりはないよ」

プルツー「はぁ……疲れた。膝貸せ」

ゴロンッ

リボンズ「またかい? お昼寝の時間が多いようにも感じるけれど」

プルツー「いつ寝ようがあたしの勝手だ」

リボンズ「イノベイターの上位種たる僕を寝具代わりとは……恐れ入るよ」

プルツー「……」スースー

リボンズ「やれやれ、とんだ眠り姫もあったものだね」

TO BE CONTINUED...

セルゲイ「ほう、人革連もライセンサーの受け入れに賛成したか」バサッ

ソーマ「ガンダムを単騎で退けた男、どの様な軍人なのでしょう……」

セルゲイ「いい腕をしているのだろうな。会ってみたいものだ」

セルゲイ「マスター・グラハムという男に」

ソーマ「マスター・グラハム……」
288 :>>1 ◆/yjHQy.odQ :2011/03/20(日) 11:47:49.70 ID:IarH8n8AO
勇み足で済まない、それでは投下終了だ

ちなみにやってない
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 11:52:20.91 ID:KBVj3eW/0
乙!
マスター・グラハムwwww
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 12:11:47.37 ID:Lw0uovrpo
リボンズ…君は僕を本気で起こらせた様だ…
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 12:56:44.39 ID:mufbiRtd0
ホント相性いいな、この黒幕二人
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 13:27:20.93 ID:ji/4plHDO
ミスターブシドーとは言われなくなったが、今度はマスター・グラハムwwwwww
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/20(日) 13:28:10.48 ID:3Tj/D8/Qo
完璧にマスターが呼称になってるwwwwwwwwww
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/20(日) 13:37:34.45 ID:vSI+8esC0
マスターでドン引きされてる理由がイマイチ理解できないんだがどんな意味があるんだ?
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/20(日) 14:22:30.44 ID:XAH5WSSAO
>>294
普通に「主人」じゃね?

仕事場で上司が後輩の女の子に「ご主人様」って呼ばれてると想像してみるといい
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/20(日) 14:45:55.56 ID:fpAatVbSo
お疲れ様でした。
プルツーとリボンズの会話のやり取りが、
リボンズの膝に乗ってしているのかな?
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/20(日) 15:13:22.23 ID:Er5pkP9DO
>>295
最高にナイスな展開じゃないか!
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/20(日) 15:14:11.23 ID:N0aRiBpAO
リボンズ・アルマークぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!

>>1
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/20(日) 15:34:38.27 ID:J9Jznvk4o
乙!
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/20(日) 17:25:58.53 ID:13RizSMW0

レスが金ぴかな奴が数人いるようだなwwwww

にして相変わらずコーラさん見ると和む
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 17:54:49.91 ID:ji/4plHDO
>>295
上司と後輩の女の子のやり取りを見ながら、ニヤニヤしながら仕事している自分がいた。
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 18:44:26.20 ID:1k8nQgPdo
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/20(日) 21:20:05.22 ID:RxtJGCug0

ところでコーラサワー一期では第一話以外ではグラハムと結局会ってないよな
第一話でのあれも会ったというかどうかは置いといて
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 10:43:16.78 ID:Kg//O05SO
そういえばマリーダの名付け親は誰なんだ?

ジンネマンがいない…
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 12:42:20.43 ID:kZvZBLM/0
>>304
引き取った時にホーマーが名付けたのではないかと
306 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 01:41:37.67 ID:U78aSXyAO
投下再開だフラッグファイター

イナクトって凄いね
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします。 [sage]:2011/03/22(火) 01:53:53.29 ID:9MLLsw0j0
マスター・グラハム支援
308 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 01:54:41.45 ID:U78aSXyAO
ーAEU基地・食堂ー

ザワザワ……

グラハム「流石はAEU、食事に関しての並々ならぬ情熱がメニューからも垣間見える」

マリーダ「数多の国々の連合であるAEUだからこそ、という事でしょうか?」

グラハム「我々ユニオンの糧食は些か酷いものがあるからな。経済特区・日本の糧食は美味いと聞くがそれ以外は……」ピッ

マリーダ「コメを使った糧食はホーマー司令の自宅に備蓄してありました」ピッ

グラハム「ほう……流石は日本通で知られる司令だ」

ザッ

グラハム「!」

マネキン「おはよう諸君」

グラハム「マネキン大佐、おはようございます」

マリーダ「おはようございます」

マネキン「おはよう大尉、少尉。昨夜はよく寝られたかな?」

グラハム「御陰様で。突然お邪魔したにも関わらず、素晴らしい部屋をお借りしました」

マネキン「そう言って貰えるなら幸いだよ」ピッ
309 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:06:26.17 ID:U78aSXyAO
マネキン「時に大尉、ユニオンは君以外にライセンスを受領させる予定を立てているのかね?」

グラハム「そのような話はまだ耳にしておりません。ですが、マリーダ少尉ならば或いは……とも考えられます」

マネキン「茶化すか?」

グラハム「いえ、私が知る上では唯一並べる腕を持つフラッグファイターです」

マリーダ「恐縮であります」

マネキン「ふむ……」

マネキン(やはり超兵のような強化人間の類、か。しかし人革連のように件が流出しないところを見ると、計画自体は既に終わっている……?)

マネキン「ユニオンのエースに並ぶ少女か、まるで……」

グラハム「っ」ピクッ

マネキン(とはいえ、あまりかまを掛けるのも良くはない。事情はどうあれ、少女には変わりないのだから)

マネキン「いや、才能というのは恐ろしいものだな。機会があれば少尉の活躍も見てみたいものだよ」

マリーダ「その際は、大佐の戦術予報に従わせていただきます」

マネキン「ふふ、楽しみにしていよう」

コーラサワー「おはようございます大佐ぁー!」

コーラサワー「あっ」ツルッ

ガッシャァン

コーラサワー「あぁー!! 俺の朝飯がぁぁ……!」

マネキン「……」ガクッ
310 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:23:38.28 ID:U78aSXyAO
ーAEU基地・MSドッグー

グラハム「しかし……基地に並ぶイナクトを見ていると、あながちフラッグの焼き増しと揶揄できんものがあるな」

マリーダ「運用性、生産性に関してはやはりイナクトの方が一段上手かと。そもそもAEU領内での需要を考えた、太陽光アンテナシステムによる充電などを考えると方向性が違うようにも感じます」

グラハム「我々ユニオンは世界の警察という立場を取っているからな。他国への軍事介入が多い我が軍では、その様な方式は考えつかなんだ」

マリーダ「……」ピッ

マリーダ「ただし、単純な性能でフラッグが負けているとは思えません」カチャカチャ

グラハム「無論だ。MSによる戦場はパイロットの腕が絶対条件となる、フラッグファイターの駆るフラッグこそという矜持、見せつけねばなるまいよ」

グラハム「これでガンダムが来てくれれば、言うことなしなのだがな」

マリーダ「ガンダムの話をするマスターは、嬉しそうな顔をしますね」

グラハム「む、そうか? そのつもりはなかったのだが……」

ー司令室ー

マネキン「やはりあのフラッグは相当にカスタマイズされた専用機……」

マネキン「もしガンダムが来て、彼を戦術に加えたとしても、それに追随できるパイロットが我が軍にいるだろうか?」

マネキン(ライセンサー……能力は高いが独自判断による作戦行動が可能か。やはり好かんな)
311 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:27:51.54 ID:U78aSXyAO
ーAEU基地ー

ビーッビーッ

マネキン「何だ……!?」

コーラサワー「敵襲! ガンダムかよ!?」

『ポイント7326にて哨戒部隊が未確認機を確認、出撃要請』

グラハム「……」

マリーダ「マスター」

グラハム「あぁ、出撃する」ザッ

ピッ

マネキン『待て大尉!』

グラハム「大佐」

マネキン『敵の情報も無い以上先鋒は危険だ! 偵察からのデータが出次第、貴公には編隊を……』

グラハム「一番槍は戦場の華。それは例え、相手が未確認機であろうと変わらない」
グラハム「少なくとも私は、常にそのつもりで飛んできました」

マネキン『なっ……!?』

グラハム「免許があると言いました、華は頂く!」バッ

キィィィィィン

マネキン「大尉! くっ、思った以上に……!」

マリーダ『マスター、御武運を』

グラハム「そうとも……我々軍人は戦いの中でしか生きられない劣等種だ」

グラハム「ならば道は私が切り開く、後ろに続く者の為にも……!」

ギュォッ

グラハム「グラハム・エーカー、フラッグで出撃する!」
312 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:30:32.37 ID:U78aSXyAO
ー司令部ー

マリーダ「…………」カチャカチャカチャカチャ

マリーダ「マスター、聞こえますか? ポイント7326の未確認機は、真っ直ぐこちらに向かっています」

グラハム『了解した』

マリーダ「マネキン大佐より戦術予報です。敵機は1、恐らくは先日のユニオンブラスト同様特殊なシステムにより動くタイプと推測」

マリーダ「敵機の情報は随時報告、深追いはせず、後続との連携で確実に仕留めるように」

グラハム『了解、大佐には先ほどの非礼を詫びておいてくれ』

マリーダ「だ、そうですが」

マネキン「謝るくらいなら最初からするなとお伝えしろ」ムスッ

マリーダ「マスター、大佐はたいそうお怒りです」

グラハム『帰路に菓子折の一つでも買って帰らねばな』

コーラサワー『大佐! コーラサワー少尉出撃します!』

マネキン「少尉、お前のイナクトは虎の子だ。無理はするな」
マネキン「それに、大尉とお前は戦法的に相性が悪い。合流の後お前は援護に徹しろ、良いな!」

コーラサワー『了解! このパトリック・コーラサワーの活躍、見ていてください大佐ー!』ギュンッ

マネキン「あの馬鹿……絶対に分かってない」ガクッ

マリーダ「心中お察しいたします、大佐」

マリーダ「……コホッコホッ……」
313 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:35:29.49 ID:U78aSXyAO
ー海上ー
グラハム「この破片、哨戒部隊は全滅か……」

ピピッ

グラハム「機影を確認、可変機か!」

ギュバッ

グラハム「ッ…この機体は!?」


マリーダ「データ確認、転送致します」

ピピッ

マネキン「! 馬鹿な、これはイナクトではないか!?」

マネキン(しかしデータでは該当機体無し、アンノウン扱い……やはり中身に何かあるというのか?)



『NT反応検知』

グラハム「まさかAEUに来てイナクトと戦うことになるとはな……!」

グラハム「ガンダムでないのは残念だが、いざ参る!」ガシャンッ

『EXAMシステム』

『スタンバイ』ガシャンッ

グラハム「ッ!?」

ギィンッ!

グラハム「ッ、速い!」

ギギギギギ

グラハム(しかもこのパワー……! 本当にイナクトか!?)

グラハム(此処は距離を離す!)

グラハム「っえぇい!」グンッ

『攻撃確認、迎撃行動』

ガッ
ドガァッ!

グラハム「ぐはぁっ!?」

グラハム(蹴りを足で受けて、更に蹴りに転じた……!?)

グラハム(読まれているのか、この私が!)



オペレーター「大佐! 送られてくるデータの数値が、高すぎます!」

マネキン「何だと?」

オペレーター「恐らくカスタム機なのでしょうが、そこから更に全スペックが二割以上強化されています」

オペレーター「あのイナクトは、オーバーロード一歩手前で動いているようなものです!」

マネキン「更に上をいく性能か……」

マネキン「少尉、増援が到着するまで君のマスターは耐えられるかね?」

マリーダ「無論です」

マネキン「その言葉を信用しよう」
314 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:40:29.58 ID:U78aSXyAO
グラハム「カスタムフラッグの上を行く通常機か……考えたこともなかった」ガシャン

『ブレードライフル、クロスレンジ』ジャキッ

グラハム「だが一番槍、強行したからには!」

ギィンッ!!

グラハム「やられるわけには……」バッ

ガシュッ
ガギィンッ

グラハム「いかんのだよッ!」

『右肩部破損、ブレードライフルを左腕部に移動』

バッ

グラハム「逃がさん!」ダダダダダダッ

『回避行動』ヒュッ

グラハム「ちぃッ!」

グラハム「速度勝負でカスタムフラッグが負けるとは……!」


マネキン「今の動き……どうやった?」

マリーダ「相手の振り下ろされるブレードに一瞬プラズマソードを当て、即座にプラズマを解除し空振りを誘発、ソニックブレイドですれ違いざま肩に追撃を与えました」

マネキン「タイミングを一歩間違えれば真っ二つだぞ……?」

マリーダ「相手が力で勝るからこそ、予測がしやすいかと」

グラハム『ガンダムを相手にしなくてはならんのだ……!』

マリーダ「!」プチッ


グラハム「ガンダムを相手にしなくてはならんのだ……!」

グラハム「イナクト如きに遅れを取れるものかぁぁぁぁ!」

ギギギィンッ



プチッ

グラハム『ぁぁぁ!』

マリーダ「失礼致しました」

マネキン「音声が少し飛んだか、まぁ問題あるまい」

マリーダ(マスター、此処はAEUであることをお忘れなく)
315 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:46:01.63 ID:U78aSXyAO
バシュンッバシュンッ

コーラサワー「おらぁ! ライセンサーだかサイレンサーだか知らねえが、AEUにはAEUのパイロットがいるんだよ!」

グラハム「む、援軍か!」


マリーダ「イナクト四機、イナクト指揮者一機、フラッグ一機の編隊……」

マリーダ(マスターとコーラサワー少尉で抑えつつ当てていけば、勝てるか)

マネキン「各員落ち着いて対処しろ! 見知った機体とはいえ、性能は別物だ!」



コーラサワー「右側が鈍い! 貰ったぜぇ!」

『NT反応検知、回避行動』ヒュボッ

コーラサワー「のわっ!?」

グラハム「ちっ、あの挙動まるで操り人形だな」ダダダダダダッ

イナクト隊「全機一斉射! イナクトを叩き落とせ!」

『回避行動』ヒュババッ

グラハム「今のを避けるかッ……!」

『殲滅』

イナクトA「う、うわぁぁぁぁ!」

バゴンッ
チュドォン

コーラサワー「すれ違いざまに撃ちやがった……!」

グラハム「ちっ!」

グラハム「マリーダ、マネキン大佐にイナクト一般機を下げさせるように伝えてくれ」

グラハム「このままでは無駄死にだ、私と少尉でコイツの相手をする!」

コーラサワー「大佐ぁ! 俺からもよろしくお願いします!」

グラハム「足を引っ張るなよ少尉!」ギュンッ

コーラサワー「そっちこそ! 気張れよトップガン!」グンッ

グラハム「望むところだと言わせてもらおう!」
316 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:48:51.63 ID:U78aSXyAO
マネキン「イナクト隊には撤退命令を!」

オペレーター「大丈夫でしょうか?」

マネキン「恐らく敵の狙いは現場の二人だ。ならば対応しきれるパイロットに任せておけばいい」

マネキン「必要に応じて二人に下がらせ、一番近い基地からの一斉射で潰す。下がらせてくれるならの話だがな」

マリーダ「……私の身体さえ万全ならば……!」ギリッ

マネキン「冷静になれマリーダ少尉。大尉のサポートは君に一任しているのだからな」

マネキン「それにうちのパトリック・コーラサワーも捨てたものではないよ。大尉の隣で戦うくらいは出来るさ」

マリーダ「……はい」

オペレーター「連絡が取れました!」

マネキン「通信繋げ!」

マネキン「やれやれ、ガンダムならばそれこそ数を出せるものを……!」
317 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:55:02.55 ID:U78aSXyAO
ギィンッギャリンッ
ガギィンッ

グラハム「はぁっ……はぁっ……!」

コーラサワー「ぜぇっ……ぜぇっ!」

『NT反応検知、対象を殲滅』ギュォッ

グラハム「ッぬう!」

ギィンッ!


リボンズ「人間にしてはなかなかやるね、この二人は」キィィィィ

プルツー「相手は意思の無いマシーンだ。如何に本物だとて、呼吸も間合いも、恐怖すらも無い人形はやりにくかろうさ」

リボンズ「よく凌いでいるよ、EXAMシステムにより性能が引き上げられたイナクト相手に」

リボンズ「でも……同列の機体で守りは出来ても、攻めきることは不可能だ」

プルツー「これは決まったな、奴らの負けだ」


バキィッ

コーラサワー「あぐっ!?」

グラハム「少尉ッ!」

『殲滅』ダァンダァン!

グラハム「ッ、ディフェンスロッド起動!」チュイン

グラハム「後少し下がれば……!」



マネキン「…………」

マリーダ「マスター! 目標到達ポイントまで600カウントです!」

グラハム『ぐぉっ!?』ガガガガガッ

マリーダ「マスター!」

マネキン「マリーダ少尉、グラハム・エーカー上級大尉に直接繋いでくれ」

マリーダ「大佐……?」

マネキン「このままでは間に合わないかも知れん。だったら、大尉の技術に賭けるしかあるまい」

グラハム『是非とも……お聞かせっ、願いたい!』

マネキン「危険だぞ?」

グラハム『虎穴に入らずんば虎子を得ず……全額乗らせていただく、その賭けに!』

マネキン「いい覚悟だ」
318 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 02:58:58.99 ID:U78aSXyAO
マネキン「……ということだ」

グラハム「了解した大佐、ではそのように!」

マネキン「パトリック! 大尉の援護だ!」

コーラサワー「了解です大佐ッ!」ダダダダダダッ

グラハム「……!」ガキンッ

ギュゥンッ

『敵機上昇、追撃』ガキンッ

グラハム「さぁ付いて来い……!」ギュゥッ

『追撃』ギュバッ

PiPiPiPi


マネキン「敵が乗った……!」

マリーダ「……」カチッ


グラハム「……!」

『追撃』

グラハム「高度……よし、これなら!」

グラハム「貴様の性能が勝つか、大佐の戦術、私の操縦技術の2つが勝つか」

グラハム「……勝負!」

ギュォッ

『敵機急降下、追撃』ボゥッ

グラハム「ッ……!」ガガガッ

『照準』ガクガクッ


マネキン「……」

マリーダ「マスター……!」


マリーダ『今です、マスター!』

グラハム「ッ!」

『発射』PiPi

グラハム「グラハム・スペシャル!!」ブワッ

『敵機ロスト』ダダダダダダッ

『海面接近、回h』

ズボォォォッ
ドッゴォォ……ォン

グラハム「ぬおおおおお!」

ギュンッ
ザザザザザッ……

グラハム「ッ、がはっ!」ゴボッ

グラハム「はっ……はぁっ……はぁっ……!」

『ギガガッピー』ザバァ

ドスッ

コーラサワー「お前は沈んでろ」

『ブツッ』
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/22(火) 03:01:00.15 ID:Zobaa5fNo
高性能な相手にカスタムした機体と自分の腕だけで挑んでいくのって良いな
公式でそういうのやれよ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 03:03:15.12 ID:IPGUTrdAO
コーラがかっこいい…だと…
321 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 03:04:36.41 ID:U78aSXyAO
プルツー「くそっ!」ガタンッ

リボンズ「やられたね。まさか性能差を逆手に取り、あのフラッグでギリギリまで海面に急降下しEXAMイナクトをぶつけるとは」

プルツー「EXAMイナクトには、検知したNT反応を潰すことしか頭に無いからな。自身の速度では、フラッグが曲がれる限界値より手前で回らなきゃならないってことに気付けなかったのが敗因か」

リボンズ「空中変形による急激な減速、それによりEXAMシステムの照準が狂い反応に遅れが生じたのも原因の一つだね」

リボンズ「死の恐怖を持ち、かつそれに打ち勝てる者が勝利を手にするか……まるで英雄譚だ」

プルツー「馬鹿馬鹿しい。強い者が勝つ、それが全てさ」

プルツー「今回は、あいつらの方が強かったってことだよ……今回はな」

リボンズ「プルツー……」
リボンズ「寝癖が酷いよ」

プルツー「うるっさい!」

リボンズ「フフ、だがこれではっきりとしたよ。グラハム・エーカー……行き過ぎた存在は計画にいてはならない」

プルツー「潰すのかい?」

リボンズ「サーシェスとは違う人種だ。ライセンサーという形式はそのままに、彼にだけ消えてもらうことにしよう」

リボンズ「君やリヴァイヴ達を動かすのに、ライセンサーという形は役に立つ」

プルツー「相変わらず抜け目の無い奴だな、お前は」

リボンズ「褒め言葉として受け取っておくよプルツー」
322 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 03:11:03.16 ID:U78aSXyAO
ーAEU基地ー

グラハム「……」

マリーダ「マスター、ご無事で何よりです」

グラハム「マリーダ、フラッグの反応速度が遅い。整備を……」フラッ

マリーダ「マスター!?」

コーラサワー「おっと」ガシッ

グラハム「ッ!」

コーラサワー「男が女の前でフラフラふらつくんじゃねえよ、胸張ってしゃんとしろってトップガン」

グラハム「パトリック少尉」

コーラサワー「あんたアレすごかったな! グラハム・スペシャルだっけ? 俺も必殺技作ろうかな」ケラケラ

グラハム「……」

グラハム「御披露目、期待させていただこう」フッ

コーラサワー「名前からだよなぁまずは……ジェット・ストリーム・コーラサワー! とか、パトリック・フィンガー! とか」

グラハム「……君は何をするつもりなんだ?」

マリーダ「……」コホッ

マリーダ「仲良くなっている……のか?」

マリーダ「パトリック……コーラサワーか」
323 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 03:15:25.96 ID:U78aSXyAO
ーAEU基地付近・街ー

マリーダ「回収したイナクトは、以前PMCトラストから奪取された機体であることが判明しました」

グラハム「お前のフラッグと一戦交えた、あの機体だったのか」

マリーダ「しかし機体性能は全く違いました。恐らくは機体だけにシステムを入れて動かしていたのかと」

マリーダ「ただし内蔵されていたデータ類は、前もって準備されていたと思われる自爆機構により全て破棄されたようです」

グラハム「……やはり、第三者の暗躍があるか」

グラハム「この目に見えない歪み、奴らのせいだとするならば……」

グラハム「ライセンサーとして対峙せねばなるまい。歪みを正す為にもな」

マリーダ「その時は、どうかお側に」

グラハム「背中は任せたぞ、フラッグファイター」

グラハム「……ん?」

マネキン「……」キョロキョロ

マリーダ「あれはマネキン大佐、私服ですね」

グラハム「報告や書類をその日の内に纏めたと言っていた時は感嘆したものだが、やはり何か用事があるようだな」

マリーダ「大人の女性の魅力と風格があります」

グラハム「鉄の女と揶揄されるカティ・マネキンも、やはり一人の女ということだな」フッ……

マリーダ「…………」

グラハム「ん? どうしたマリーダ」

マリーダ「いえ、何も」
グラハム「……?」
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします。 [sage]:2011/03/22(火) 03:16:43.86 ID:9MLLsw0j0
ジェット・ストリーム・コーラサワー・・・攻撃ですらない悪寒
325 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 03:24:58.77 ID:U78aSXyAO
グラハム「せっかくだ、ご挨拶にいこう。今回の戦闘、大佐の戦術が無ければ分からなかった」

マリーダ「はい、マスター」

グラハム「以前グラハムと呼んでくれたのだがな……やはりマスターか」

マリーダ「……ムードというのは、大事かと」

スタスタスタ

グラハム「マネキン大佐!」

マネキン「ッ!?」

マリーダ「夜分、失礼いたします」

マネキン「大尉に少尉、どうしてこんなところに……!」

グラハム「たまたま見かけたもので、ご挨拶にと思いまして」

マネキン「あ、あぁそうか。いやそんなご丁寧に……」ゴニョゴニョ

マリーダ「?」

マネキン(マズい。非常にマズい……この場合の戦術は……プランG8か、いやM33か!)

グラハム「どうか致しましたか?」

マネキン「いや、人と待ち合わせていてな。だから、うむ」

『大佐ー!』

マネキン「」

グラハム「む?」

コーラサワー「遅れて済みません! 部屋から抜け出すのに時間かかっちゃって……」

マリーダ「何……だと……?」

コーラサワー「あれ? トップガンに腰巾着、何でこんなところに」

グラハム「ば、馬鹿な……!」

マネキン「……」ハァ
326 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 03:35:45.31 ID:U78aSXyAO
ーBARー

グラハム「マティーニを」

マネキン「同じものを頂こう」

コーラサワー「スクリュードライバー」

マリーダ「ミルクを」

グラハム「え?」

マリーダ「未成年はこういうところではミルクを頼むと聞いたのですが?」

マネキン「ふふ、何でも頼むと良いよ少尉。いや、プライベートの場ではマリーダと呼んだ方が良いのかな?」

マリーダ「あ……いえ、お好きなようにお呼びください……」カァァ

グラハム「しかし申し訳無い。お二人の邪魔をしてしまったようで」

コーラサワー「気にすんなってトップガン、こうなっちまったもんはしょうがない」

マネキン「それに、君達には今回世話になった。あの後考え直してみたが、君を除いた場合パトリックを含む七機のイナクトが墜ちていたかも知れないからな」

コーラサワー「俺も墜ちているんですか大佐!?」

マリーダ「……たしか、シェリー酒を頼めばいいのだったか?」

マネキン「待て少尉、それだけは駄目だ」
327 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 03:50:39.65 ID:U78aSXyAO
マネキン「聞いたよ。明後日には人革連に行くのだったな」

グラハム「はい。ライセンサーという仕組みが三国で正式に決定された事もあり、あちら側にも顔を出すべきだと考えました」

グラハム「既にセルゲイ・スミルノフ中佐に連絡を頂いており、お世話になるかと」

マネキン「ロシアの荒熊か、それは幸運なことだ。彼は三国でも指折りのベテランだからな」

グラハム「各国でもライセンサーに足る者を選別していると聞きます。いずれは私のような人間も増えるのでしょう」

マネキン「こういうことがいずれは当たり前になるか、悪くない」

マネキン「一週間足らずだったが、なかなか楽しかったよ大尉」

マネキン「今度会うときは対ガンダムの作戦であろうな。その腕、大いに当てにさせてもらう」

グラハム「此方こそ、大佐の戦術予報に賭けさせていただきますよ」

マネキン「マリーダ、次は戦場で戦う君を見てみたいな」

マリーダ「はい、大佐」

マネキン「男になど負けてはおれんよ。いずれはグラハム大尉を抜いて、上り詰めていくといい」

マリーダ「精進させていただきます」

グラハム「追われる立場か、このグラハム・エーカー、そう易々と抜かされんよ」フッ

コーラサワー「エース中のエース、このパトリック・コーラサワーを目指して頑張るんだな若者よ」フッ

マネキン「……階級は同じだぞパトリック」
328 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 04:04:09.85 ID:U78aSXyAO
マネキン「では、我々の出逢いに」

グラハム「ガンダムに」

コーラサワー「大佐に!」

マリーダ「マスターに」

『乾杯』

ー輸送機ー

グラハム「実に有意義な時間だったな、AEUへの訪問は」

マリーダ「はい、マスター。マネキン大佐は素晴らしい指揮官でありました」

グラハム「だが、こればかりは容認出来ん」

マリーダ「え?」

グラハム「マリーダ、次の人革連ではマスターと呼ぶのを禁止する」

マリーダ「ッ! そんな……」

マリーダ「私にマスターと話すなと、そうおっしゃるのですか?」

グラハム「もうお前の中では私の呼び方はマスター一択か」

グラハム「とにかくだ、只でさえ注目を受けやすい現状マスターでは困るのだ」

マリーダ「……」

グラハム「この際グラハムでも大尉殿でもフラッグファイターでも何でも容認しよう、だから人革連ではマスターを禁止する」

マリーダ「……了解しました、マス……」

グラハム「……」

マリーダ「……グラハム」

グラハム「よし。そろそろ着くぞ、準備を始めよう」

マリーダ「了解しました、グラハム」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/22(火) 04:12:17.06 ID:tZXRbtEAO
上官を呼び捨て……イチャついてるようにしか思えないwwwwww
330 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 04:17:11.85 ID:U78aSXyAO
ー人革連基地ー

キキィィィ……

グラハム「さて、行くか」

マリーダ「了解」

グラハム(噂のロシアの荒熊、セルゲイ・スミルノフ中佐)

グラハム(人革連有数の名将の姿、刮目させていただこう!)

バシュン

『マスター・グラハムに敬礼!』
ソーマ「ッ!」ビシッ
兵士「ッ!」ビシッ

グラハム「 」


TO BE CONTINUED...

アレハンドロ「リボンズ、ラグナとの連絡は?」

リボンズ「取れております。GNーXのパーツと疑似太陽炉、各国が賛同し次第配布を開始いたします」

アレハンドロ「リボンズ、君はまさに私のエンジェルだよ」フッ

アレハンドロ「二百年の時を経て世界は変革する。この私の手によって……!」

プルツー「……」ニヤッ

リボンズ「……」クスッ
331 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 04:20:37.76 ID:U78aSXyAO
投下終了だフラッグファイター

ソーマとマリーダが同じ年齢とか詐欺だよね。コーラサワーがグラハムより年上って詐欺だよね
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/22(火) 04:29:18.76 ID:OY/NLPoKo

マリーダもプルツーもかわいいのう
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 04:31:58.91 ID:elAcwy3DO
マスターが万国共通でフイタwwwwww
334 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/22(火) 04:36:32.62 ID:U78aSXyAO
次回『チーツー』

超兵、超人と邂逅する
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/22(火) 05:36:47.04 ID:lHkPyEHeo
お疲れ様でした。
人革連で「マスター」がどの意味で伝わっているんだかww
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/22(火) 08:35:20.80 ID:xFLwrUHSo
コーラがハムより年上ってマジでか
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 11:09:50.18 ID:o9O7eykAO
>>336
コーラって、第一話時点で28歳なんだぜ……?
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 11:46:18.67 ID:sBWLbc0C0
人革連ではもうマスターが当たり前の呼び名かwwww
にしてもリボンズとプルツーのやりとりが可愛らしくて仕方ない
お前らもう結婚しちまえよ……って、プルツーはまだ11歳だった(今年で誕生日としても12歳)
二期まで続くならあるいは……
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 12:25:58.93 ID:LaWRhEeDO
乙だぜぃ。
しかし、先が読めなくなってきたな。
このままだと、「ライセンサー」ってNT候補者に配られて、体よく消されそうな流れになりそう。

マスター・グラハム……
グラハム不敗か……
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/22(火) 13:18:54.97 ID:FBAtFou1o
マスターブシドーだったら違和感ないよなジェダイ的な意味で
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします。 [sage]:2011/03/22(火) 15:11:35.95 ID:9MLLsw0j0
乙!

ところがぎっちょん!マスターは先回りされてしまった!

>>339
お前が欲しいィィィィィーーーー!マリィィィダァァァーーー!!!

・・・違和感ないな
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/22(火) 19:19:45.41 ID:rUggXwOn0
石破っフラッグっ天っ驚けーん!
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 19:50:40.12 ID:d0I8aPUAO
マスターグラハム

それなんてジェダイ?
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 01:41:48.54 ID:9SbnjC4X0
>>338
二期まで続けばプルツーは16歳か
ギリ結婚できるな
345 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:19:04.88 ID:CulPhh+AO
グラ公「考えるな、感じろ!」
↑卑猥に聞こえる、不思議

投下再開だフラッグファイター
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/23(水) 23:19:53.04 ID:veZzF8r7o
待っていたぞガンダム!
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/23(水) 23:22:19.60 ID:xPhi5IJio
リアルタイムに遭遇できたぜ
348 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:25:51.50 ID:CulPhh+AO
ー人革連基地ー

キム「ようこそマスター・グラハム。人革連は君を歓迎しよう」

グラハム「はっ……ありがとうございます」

キム「そちらの女性は……」

マリーダ「マリーダ・クルス少尉であります。マス……グラハム大尉の補佐をしております、よろしくお願い致します」

キム「ほう、君があの……此方こそよろしく、マリーダ少尉」

マリーダ(あの……?)

グラハム「キム司令、一つお聞きしたいのですが」

キム「何かな? マスター」

グラハム「何故私を、マスター・グラハムとお呼びになるのでしょうか? 人革連の兵士達は皆そう呼ぶのですが……」

キム「あぁ、その事かね」

キム「当初人革連側としては、君の能力を疑問視する声が非常に多かったのだよ。ユニオンお得意の情報操作という奴ではないか、とね」

グラハム「その懸念はごもっともであります」

マリーダ「……」ムッ

キム「だがその懸念を払拭する、一つの物証がユニオン側から呈示された」

キム「コレだよ」

ピッ

『それではマスター、よろしくお願い致します』

『此方こそと言わせてもらおう』

グラハム「これは……」

マリーダ「以前私とマス……グラハムが行った最新シミュレーション?」

キム(グラハム……?)
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/23(水) 23:28:42.59 ID:i2AWJaESo
ジェダイの特訓みたいだ
350 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:31:27.79 ID:CulPhh+AO
キム「シミュレーション媒体と共に我々の軍に運び込まれた際、フラッグの性能及び君の能力の高さは誰しもが納得する結果となった」

キム「無論私もその一人だ。42秒辺りの、マリーダ少尉の空中変形からの二刀ソニックブレイドによる突貫、それを無手で凌ぐグラハム大尉の攻防は映画ではないかと思わされたくらいだ」

『ありがとうございましたマスター』

グラハム(これが原因かッ……!)

マリーダ(私は悪くない、私は悪くない)

キム「実際映画かとも思ったが、いざシミュレーションを使うとそうも言ってられなくてな」
キム「映像と本体、一緒に運び込むという方法を考えついたビリー・カタギリ技術顧問とやらにもあってみたかったが……まぁ致し方あるまい」

グラハム(カタギリィィィ!?)

キム「はっきり言ってしまえば、ユニオン側からの便宜も悪くないということで、君らの受け入れ及びライセンサーのシステムへの賛同を決定した訳だ」

マリーダ(確実にそちらが九割を占めているな……)

コンコン

グラハム「む」

マリーダ「……?」

キム「来たな、入りたまえ」

ガチャッ

セルゲイ「セルゲイ・スミルノフ中佐、ソーマ・ピーリス少尉只今到着いたしました」

ソーマ「ッ!」ビシッ

グラハム「!」

グラハム(彼がロシアの荒熊、セルゲイ・スミルノフか!)

マリーダ(何だ……? 彼女から私に似た気配を、二人分感じる……)

セルゲイ(彼がマスター・グラハム……若いな)

ソーマ(彼がマスター・グラハム……中佐より若い)
351 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:36:19.32 ID:CulPhh+AO
キム「紹介しよう……とはいえ、私よりも彼は有名だろうがな」

キム「ロシアの荒熊の異名を持つ人革連のエース、セルゲイ・スミルノフ中佐だ」

キム「セルゲイ中佐、こちらがグラハム・エーカー上級大尉」

キム「噂のマスター・グラハムだ」

グラハム(言い直さなくても……)コホン

グラハム「グラハム・エーカーであります。ロシアの荒熊に名前を知っていただけるとは、光栄の至り」

セルゲイ「此方こそ、三国初のライセンサーと対面出来ると知って心待ちにしていた」

キム「しかし隣のマリーダ少尉……まさかこれほどまでに若いとはな」

セルゲイ「私も驚きました」

グラハム「実力は認識の通り、と言わせていただきましょう」

ソーマ(彼女がマスター・グラハムの相手をしたマリーダ少尉……)

ソーマ(何故か私に近い、そんな空気を感じる)

マリーダ(それにしても私より若い兵士とはな……15、6といったところか)

セルゲイ「……うぅむ」

キム「セルゲイ中佐、ピーリス少尉に施設の案内をさせてもらいたいが構わないかね?」

セルゲイ「願ってもないことです」

キム「そう言ってもらえるなら助かるよ」

キム「それでは、ゆるりとしていってくれマスター・グラハム。非常時には君の活躍を期待させてもらうよ」

グラハム「はっ、失礼致します」

キム「あぁそれと……」
352 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:37:15.25 ID:CulPhh+AO
キム「紹介しよう……とはいえ、私よりも彼は有名だろうがな」

キム「ロシアの荒熊の異名を持つ人革連のエース、セルゲイ・スミルノフ中佐だ」

キム「セルゲイ中佐、こちらがグラハム・エーカー上級大尉」

キム「噂のマスター・グラハムだ」

グラハム(言い直さなくても……)コホン

グラハム「グラハム・エーカーであります。ロシアの荒熊に名前を知っていただけるとは、光栄の至り」

セルゲイ「此方こそ、三国初のライセンサーと対面出来ると知って心待ちにしていた」

キム「しかし隣のマリーダ少尉……まさかこれほどまでに若いとはな」

セルゲイ「私も驚きました」

グラハム「実力は認識の通り、と言わせていただきましょう」

ソーマ(彼女がマスター・グラハムの相手をしたマリーダ少尉……)

ソーマ(何故か私に近い、そんな空気を感じる)

マリーダ(それにしても私より若い兵士とはな……15、6といったところか)

セルゲイ「……うぅむ」

キム「セルゲイ中佐、ピーリス少尉に施設の案内をさせてもらいたいが構わないかね?」

セルゲイ「願ってもないことです」

キム「そう言ってもらえるなら助かるよ」

キム「それでは、ゆるりとしていってくれマスター・グラハム。非常時には君の活躍を期待させてもらうよ」

グラハム「はっ、失礼致します」

キム「あぁそれと……」
353 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:38:55.58 ID:CulPhh+AO
済まない重複した

キム「部屋は相部屋の方がいいのかな?」

グラハム「分けていただきたいッ!」

ー人革連・MSドッグー

マリーダ「ティエレンか……」

マリーダ(無骨だな、フラッグやイナクトに比べると旧式という印象を拭い去れない外見と性能を持ったMSだ)

マリーダ(だが武装は二つのMSでは持ち得ない火力を有している、事実タクラマカン砂漠では彼等の働きは大きかった)

マリーダ「……ん?」

マリーダ(あの色違いのティエレンは……)

グラハム「マリーダ」

マリーダ「! はい、グラハム」

ソーマ(グ、グラハム……?)
セルゲイ(グラハム、か……)
人革兵士(グラハム……)

グラハム「……やはりマスターで構わない」

マリーダ「了解しました、それで如何致しましたかマスター」

グラハム「フラッグの反応速度に関してなのだが、何処まで改善出来た?」

マリーダ「一応カタギリ顧問にも連絡を取り確認したのですが、現状の数値でも限界に近くそこまでの改善が望めないというのが正直なところです」

グラハム「そうか」

グラハム(ここ最近急に遅く感じるな、何故かはよく分からんが……)

マリーダ「カタギリ顧問も、可能な限り考えてみるとのことです」

グラハム「任せた」
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/23(水) 23:46:36.88 ID:47spo3dE0
マリーダさんってこんなに人間味あふれる人でしたっけ?さすがですマスターグラハム!
355 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:47:15.51 ID:CulPhh+AO
マリーダ「あまりご機嫌が宜しくないようですね、マスター」

グラハム「まるで映画のスター扱いだ……私がガンダムと戦いに来たというよりは、慰問のために現れたような受け取り方をしている」グシグシ

グラハム「軍人として、マスコット扱いだけはどうしても癇に障る」

マリーダ「……申し訳ありません」

グラハム「どうした、藪から棒に」

マリーダ「私が勝手にマスターとお呼びしなければこんな事にはなりませんでした」

マリーダ「まさかこうなるとは……」

グラハム「止めろ。それを言い出したらキリがない」

グラハム「あまり悪い方に考えるな、結果としてライセンサーという形式は認められ、我々は人革連の地に足を踏み入れている」

グラハム「我々が虚構の存在ではなく、ガンダムと対峙できる戦力であること……示してやればいいことだ」

マリーダ「マスター……」

グラハム「いつも言っている、私は記録や噂で評価されるのを嫌う、面倒な男だ」

グラハム「フラッグファイターとしての矜持、見せつける機会と見た……!」

セルゲイ「豪気なことだなグラハム・エーカー上級大尉」

グラハム「! スミルノフ中佐」
356 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:52:31.46 ID:CulPhh+AO
セルゲイ「どうやら本国ではマスター・グラハムとは呼ばれていないらしいな大尉」

グラハム「元々彼女だけが呼んでいたあだ名のようなものです。あのシミュレーションが此方に提出された事も私にとっては初耳でした」

セルゲイ「成る程な……ならば私は大尉と呼ばせて頂こう」

グラハム「お心遣い、感謝いたします」

セルゲイ「元々此方が勝手に勘違いしたことだ、そう堅くならないでくれ大尉」

グラハム「は、はい」

マリーダ(マスター……いつもと様子が違うか?)

ソーマ「マリーダ・クルス少尉」

マリーダ「君は……」

ソーマ「ソーマ・ピーリス少尉であります」ビシッ

マリーダ「マリーダ・クルス少尉だ。以後よろしく頼む」

ソーマ「つかぬ事をお聞きいたしますが、マリーダ少尉はマスター・グラハムとはどのようなお関係なのですか?」

マリーダ「え?」

ソーマ「やはり、ガンダム打倒の為に師事なされて……!」

マリーダ「ピーリス少尉、それはマスター違いだ。私がマスターと呼ぶのはもう一つの意味の方なのだよ」

ソーマ「そ、そうなのですか……」

ソーマ「…………」

ソーマ「」ボッ

マリーダ「?」

グラハム「今、私の関わらぬ場所で私の株が又一つ下がった気がする」

セルゲイ「大暴落だな大尉」ハッハッハ
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/23(水) 23:55:59.47 ID:veZzF8r7o
ご主人様か・・・マリーダさんにご主人様と呼ばれるのは良いな・・・
358 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/23(水) 23:56:55.19 ID:CulPhh+AO
グラハム「?」

セルゲイ「あぁ、あれはティエレンタオツーだ。タオツー、桃色そのままの意味だがな」

セルゲイ「ピーリス少尉の専用機であり、ティエレンの次世代機として期待をかけられているMSだ」

グラハム「よろしいのですか? ユニオンの私にそのような事をおっしゃっても」

セルゲイ「最初にシミュレーションを渡してくれたのは君らの方だ。人革連は其処まで礼儀に疎い国ではないよ」

セルゲイ「それに……君はそういう点に関しては不器用だと思うのだが、どうかね」

グラハム「……ご想像の通りかと」フッ

セルゲイ「なに、私もその類の人種でね……」フッ

セルゲイ「ところで大尉、今夜は時間があるかね」

グラハム「と、申しますと?」

セルゲイ「いや何、せっかく人革連に来たのだ。もてなそうにも、基地ではそのようなことは出来んからな」

セルゲイ「一杯どうかと思ってね」

ソーマ「!」

ソーマ(任務に忠実な中佐があんなことを言うなんて……何かあったのだろうか)

グラハム「……」キュピィィィィン

グラハム「分かりました。ご一緒させて頂きましょう」

マリーダ「!」

マリーダ(マスターがガンダム以外に興味を持った……?)

セルゲイ「……済まないな大尉」

グラハム「いえ、私も中佐とは腹を割って話してみたかった」

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/24(木) 00:04:55.99 ID:z/VM+OjC0
原作で疑似太陽炉の粒子に汚染されたのってルイスと刹那だっけか
マリーダさん心配です
360 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:05:57.27 ID:qEJnVljAO
ーその夜ー
コツコツコツ……

ソーマ「?」

ソーマ「娯楽所の電灯が点いている……?」

ーシミュレーションー

マリーダ「……ふう」

ピッ

マリーダ「娯楽所にコレを置くとはな、マスターの言うマスコット扱いも強ち外れてはいないということか」

マリーダ「……チッ」

マリーダ(少し衰えたか、だがもうそろそろ軍務に復帰できても良い頃だな)

マリーダ「……後ろから見守るだけなのは、やはり性に合わん」

ソーマ「其処にいるのは誰かッ!」

マリーダ「!」

ソーマ「あ……マリーダ・クルス少尉」

マリーダ「済まない。リハビリがてら此方に提出されたものを借りていた」

ソーマ「そ、そういう事でありましたら、どうぞお使いください。いきなり声を張り上げてしまい申し訳ありません」

マリーダ「許可無く使った私に非がある。階級も同じだ、そう畏まらないでくれ」

ソーマ「はい!」

ソーマ(いかん……顔が緩む)

ソーマ(同年代の女性とは関わりが薄いとはいえ、これでは笑われてしまう!)

マリーダ「?」

マリーダ「ところで、マスターとスミルノフ中佐は……」

ソーマ「先ほどお出掛けになられました」

マリーダ「そうか……」

マリーダ「……ピーリス少尉は、超兵といったか」

ソーマ「はい、超人機関所属の超兵一号です」ビシッ

ソーマ「超兵としての誇りを胸に、日々軍務に勤しんでおります」

マリーダ「超兵としての……作られた者としての誇り、か」

マリーダ(この言い方、まだ刷り込みが残っているのか? いや、これならば……)

マリーダ「私には無いな。そんなものは」

ソーマ「え……?」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/24(木) 00:06:29.30 ID:CE4DShp3o
ラッセさんもいるよ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/24(木) 00:07:21.29 ID:CE4DShp3o
ラッセさんもいるよ
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/24(木) 00:07:57.28 ID:5Pcg183E0
そういやくぎゅの結婚式やつあたり爆撃はもう起こってんの?
エクシアvsスローネはあったけど
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/24(木) 00:09:33.22 ID:5Pcg183E0
くぎゅの結婚式爆撃はあったの?スルーされたまま刹那vsスローネはいったけど。
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/24(木) 00:10:10.90 ID:xH83jhcto
それっぽいのは書いてあった気がしたな
366 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:16:13.80 ID:qEJnVljAO
//爆撃系は後々描写するが起きている

ー居酒屋ー

ワイワイガヤガヤ

セルゲイ「行き着けで済まんな大尉、だが此処のつまみが実に美味でね」

グラハム「この様な場所には初めて来ましたが……いい空気です」

セルゲイ「そうかね。先ほどからどうにも緊張しているようだったから、少し不安だったのだが」

グラハム「い、いえ……」

グラハム「ただ、自分よりも年を重ねた方にあうと……父を連想してしまいまして、年甲斐もなくあがってしまうのです」

セルゲイ「……ふっ、ははははは! 父か、それは光栄なことだ」

セルゲイ「実子にはもう十年以上まともに会話もしていない私が、そう感じられて良いのかとは思うがね」

グラハム「そう、なのですか?」

セルゲイ「優秀な軍人たらんとする者が、優秀な父であるとは限らないという事さ」

セルゲイ「私は、父にはなれなかった……」

グラハム「……」

セルゲイ「っと、君を愚痴に付き合わせるつもりで呼んだのではないのだった。すまないな」

グラハム「ふ、お心を開いていただけたと認識しています。むしろ有り難い」

セルゲイ「そう言ってもらえるなら気も楽になる」

セルゲイ「飲むかね」

グラハム「頂きます」

グラハム「……ッ」グィッ

グラハム「はぁっ……」

セルゲイ「あまり飲み慣れていないと見える」

グラハム「酒を携えては、空には上がれませんから……お恥ずかしい限りです」

セルゲイ「それは軍人の鑑だ、恥じるべきではないよ大尉」グィッ

セルゲイ「ふう……」

グラハム「はは……」

グラハム「それで、お聞きになりたいのは……マリーダ・クルスに関してのことですね?」

セルゲイ「察しが、いいな」

セルゲイ「彼女もまた、ピーリス少尉と同じ存在なのだろうと思ってな」

グラハム「……遠からず、ですな」

セルゲイ「深追いすべき内容ではなさそう、だな」

グラハム「…………」カラン

グラハム「彼女達が同じ存在ならば、私達は若干立ち位置が違えど同じ立場といえましょう」

グラハム「貴方になら、話してもいいのかも知れません……」
367 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:17:21.00 ID:qEJnVljAO
//爆撃系は後々描写するが起きている

ー居酒屋ー

ワイワイガヤガヤ

セルゲイ「行き着けで済まんな大尉、だが此処のつまみが実に美味でね」

グラハム「この様な場所には初めて来ましたが……いい空気です」

セルゲイ「そうかね。先ほどからどうにも緊張しているようだったから、少し不安だったのだが」

グラハム「い、いえ……」

グラハム「ただ、自分よりも年を重ねた方にあうと……父を連想してしまいまして、年甲斐もなくあがってしまうのです」

セルゲイ「……ふっ、ははははは! 父か、それは光栄なことだ」

セルゲイ「実子にはもう十年以上まともに会話もしていない私が、そう感じられて良いのかとは思うがね」

グラハム「そう、なのですか?」

セルゲイ「優秀な軍人たらんとする者が、優秀な父であるとは限らないという事さ」

セルゲイ「私は、父にはなれなかった……」

グラハム「……」

セルゲイ「っと、君を愚痴に付き合わせるつもりで呼んだのではないのだった。すまないな」

グラハム「ふ、お心を開いていただけたと認識しています。むしろ有り難い」

セルゲイ「そう言ってもらえるなら気も楽になる」

セルゲイ「飲むかね」

グラハム「頂きます」

グラハム「……ッ」グィッ

グラハム「はぁっ……」

セルゲイ「あまり飲み慣れていないと見える」

グラハム「酒を携えては、空には上がれませんから……お恥ずかしい限りです」

セルゲイ「それは軍人の鑑だ、恥じるべきではないよ大尉」グィッ

セルゲイ「ふう……」

グラハム「はは……」

グラハム「それで、お聞きになりたいのは……マリーダ・クルスに関してのことですね?」

セルゲイ「察しが、いいな」

セルゲイ「彼女もまた、ピーリス少尉と同じ存在なのだろうと思ってな」

グラハム「……遠からず、ですな」

セルゲイ「深追いすべき内容ではなさそう、だな」

グラハム「…………」カラン

グラハム「彼女達が同じ存在ならば、私達は若干立ち位置が違えど同じ立場といえましょう」

グラハム「貴方になら、話してもいいのかも知れません……」
368 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:21:49.83 ID:qEJnVljAO
マリーダ「今でも夢に見る……私を機械につなぎ合わせ、淡々と物を見るような目で記録を取る白衣の研究者」

マリーダ「そしてあのおぞましい体験……来る日も来る日も弄ばれ、壊される感覚……」

マリーダ「もし出来るならば、私自らの手で奴らを絞め殺したいくらいだ……!」ギリッ

ソーマ「……っ」ゾク

ソーマ(この人は、本気で出自を憎んでいる……似ているとは感じたが、私とは違うのか?)

マリーダ「……ピーリス少尉、出来るなら超兵などという肩書きは捨て、一人の人間として生きることだ」

マリーダ「君はまだ若い、戦場以外でも、平和な場所で女としての人生を生きられるだろう」

マリーダ「出来るだけ早く、私のように戦う以外に価値が見いだせなくなる身体になる前に……そうすべきだよ」

ソーマ(中佐と同じ事を……)



セルゲイ「……そうか、そんな事があったのか」

グラハム「中佐になら大丈夫であろうと判断した上でお話いたしました、ユニオンでもごく一部しかこの案件は知り得ません」

セルゲイ「まだ1日と立っていないのに、随分と信用されたものだな」

グラハム「勘です、それ以外に説明出来る言葉を私は知りません」

グラハム「敢えて言うなら、ピーリス少尉に向けられたあなたの眼差しは、まさに父親のそれだった」

グラハム「己に葛藤する人間は信頼出来る。貴方は、それに足る人物だ」

セルゲイ「……」

セルゲイ「そう思ってくれた事に、まずは感謝すべきなのかも知れないな」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/24(木) 00:22:02.86 ID:oJu/6QkAO
もしかして>>1つかれてる?
370 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:25:38.62 ID:qEJnVljAO
//何故か多重投稿になるな……済まない

セルゲイ「言われずとも他言無用にするつもりだった。誓って話さんよ」

グラハム「ありがとうございます、中佐」

セルゲイ「しかし完成された人間のクローンを生み出し、兵士にするか……何処の国の人間も、考えつく事は変わらんな」

グラハム「全くです。たとえそれが完全なモノになるとしても、それが世のそれらに取って代わると本気で考えているのでしょうか?」

セルゲイ「NOだな。超兵の研究所は少なくとも、肉体をいじるのが好きなマッドサイエンティストしかいなかった」

セルゲイ「さもなくば、あんな若い乙女を戦場に駆り出すなど……いくら強かろうが、大人のやることではない」

グラハム「……」

セルゲイ「ッ、済まない、熱くなりすぎたようだ。マリーダ少尉の話を聞いたばかりだというのに……」

グラハム「いえ、あなたに話した私の勘に狂いは無かったと再認識させて頂いた」

グラハム「スミルノフ中佐に逢えただけでも、この人革連を訪れた甲斐がありました」

セルゲイ「褒めすぎだ。私は、軍人としても、父親としても中途半端な人間だよ」

グラハム「人の価値は、完璧であることより、完璧たらんと努力することにありますよ」

コトンッ

セルゲイ「おっと来たか、これが旨いのだよ」

グラハム「煮つけのようですね」

グラハム「失礼いたします」パク

グラハム「……美味い」

セルゲイ「だろう?」
371 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:30:26.18 ID:qEJnVljAO
マリーダ「それに私からすれば、超兵の誇りなんていうものを口にする君は滑稽だよ」

ソーマ「ッ! 無礼な!」

マリーダ「神や民族の、人種の誇りなんて実体の無いモノにすがるなんて馬鹿らしい。そんな事を本気で信じている奴がいるとするなら、ソイツは余程の幸せ者か、世間に関わっていないかのどちらかだ。本当の意味で生きてはいない」

ソーマ「貴様ッ……!」

マリーダ「戦う理由を誤認していると言っている。君はもう気付いているはずだ、自身を導いてくれる実体のある光の存在に」

ソーマ「実体のある、光?」

マリーダ「私にとっては、マスターがそれだ。私は、自らの全てをマスターの為に捧げている。あの人の為に戦っている自分に幸福を感じている」

マリーダ「即物的なことは恥ではない、人間らしいということだ。君もまた、人間なのだよピーリス少尉」

ソーマ「私の……光……?」

グッ

ソーマ「……中佐……」

マリーダ「出来れば戦いからは離れてもらいたい。だがそれでもこの道を歩むなら、光からは絶対に離れるな。たかが18年しか生きていない先輩からの、忠告だ」

マリーダ「私達のような存在は、只でさえ空っぽなんだから……」

ソーマ「わ……ッ」

ソーマ「私だって18だ!」

マリーダ「……え?」



グラハム「クシュンッ」

セルゲイ「ぶぇくしょい!」

グラハム「夜風が冷たくなってきましたな」

セルゲイ「全くだ、程ほどにして切り上げよう」
372 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:40:17.33 ID:qEJnVljAO
ー翌日ー

グラハム「…………」

マリーダ「おはようございます、マスター」

ソーマ「おはようございます、マスター・グラハム」

グラハム「二人とも随分距離感が近付いた気がするが、何かあったか?」

マリーダ「いえ、何も」

ソーマ「はい、何も」

グラハム「……?」

プシュゥゥ……

セルゲイ「大尉、ちょっと良いか?」

グラハム「スミルノフ中佐、如何なされました」

セルゲイ「これを見てくれ、今日の0600からゴビ砂漠で多くの反応が移動しているのだよ」

グラハム「…………」

セルゲイ「君は勘が良い。どの様に認識するかな」

グラハム「この辺りは、過去の開発で取り残された近代廃墟が立ち並ぶ場所です。人革連が手を焼く反政府組織の根城も、この砂漠には多数存在すると言われています」

グラハム「ガンダムの存在により隠れてしまったそれらが、これほどまでに反応を示し動くということは……」

グラハム「……恐らく、彼等の隠遁を妨げる何かが近付いた」

セルゲイ「成る程な」

セルゲイ「実は君が此方に来る前に、AEUのマネキン大佐から連絡があってな」

グラハム「マネキン大佐から、ですか?」

セルゲイ「君は一番槍が好きだと言うから、有事の際は計ってやってほしいとな」

グラハム「大佐がそのような御配慮を……」

セルゲイ「行くのかね? フラッグには防塵処理を施して行くと良い」

グラハム「無論です。マリーダ!」

マリーダ「はっ、既に準備しております」
373 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:46:22.03 ID:qEJnVljAO
セルゲイ「それと、砂漠では何が起こるか分からん。私とピーリス少尉も同行させていただく」

ソーマ「宜しくお願い致します、マスター!」

グラハム「分かりました。お二方のエスコート、謹んでお受けさせていただきます」

ー???ー
プルツー「くそっ! 離せ、離せったら!」

リジェネ「駄目駄目、これ以上の勝手は許さないよプルツー」

プルツー「裏切ったなリボンズゥゥ!」

リボンズ「プルツー、君は強情過ぎたんだ。イノベイターの上位種たる僕の隣にいるには相応しくない」

リジェネ「さぁ行こうかプルツー、久しぶりだからね。徹底的にやってあげるよ」

プルツー「誰が行くもんか……!」

リジェネ「そんなに嫌いかい? お風呂が」

プルツー「嫌なものは嫌だね!」プイッ

リジェネ「でも許さない」ヒョイッ

プルツー「わーっ!」

リボンズ「僕の膝を枕に寝ておきながら、風呂嫌いなんて許せやしない。変革して来たまえプルツー」

ウラギリモノー

リボンズ「やれやれ、彼女にも困ったものだよ」

リボンズ「さて……チーツー、計画上ガンダムを倒しうる可能性のあった機体」

リボンズ「どう戦うか見物だね。ライセンサー」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 00:47:11.62 ID:kwYJEnRXo
風呂かよw
375 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 00:54:53.19 ID:qEJnVljAO
ーゴビ砂漠ー

グラハム「……」カチカチッ

ウィンッ
ウィィィンッ

グラハム「反応速度……以前よりはましになったが、まだまだ及第点には程遠いな」

グラハム「参ったな……グラハム・スペシャルを代表とする我がMS操縦技術、一瞬のミスが勝敗を分けるのだが」

グラハム「……馴らしていくしかあるまい。泣き言を言っても空は飛べんのだから」

セルゲイ「少尉、反応はあるか?」

ソーマ「はい、この周辺には確かにMSが存在しました。かなり強い反応です」

グラハム「ふむ……」

セルゲイ「地面にこれだけ反応が多いとなると、可能性が有るMSはやはり……」

ボッ

グラハム「ッ!?」

レジスタンスA「いたぞ! やはり現れたな人革連の犬め!」

ギュゥゥンッ

セルゲイ「コイツ等は……」

ソーマ「ティエレン部隊!?」

グラハム(だが型は古い、どうやら横流し品らしいな)

レジスタンスB「性懲りもなく現れおって……やはり貴様等は悪魔だ!」

セルゲイ「待て、何を言っているか全く分からん。性懲りもなくとはどういう意味だ」

レジスタンスA「とぼけるな!朝方、我々のアジトを一機の新型ティエレンに襲わせただろうッ!」

レジスタンスB「貴様等のせいで我々は焼け出された……報いを受けろ!」

グラハム(一機のティエレン?)

セルゲイ「貴様等、そのロゴは【モンゴル解放戦線】のメンバーか……」

セルゲイ「散々人革連の都市を荒らしたかと思いきや、ガンダムが現れて途端に黙るような情けない一団に報いを受けろとは、笑止」

ソーマ「中佐……」

グラハム「やれやれ、一般機の相手は気が進まんが……」

グラハム「私の道を阻むというなら、容赦はしない」

ビリッ

ソーマ「ッ!」

ソーマ(凄いプレッシャーだ……これがグラハム大尉なのか)
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:05:37.52 ID:8Gfn0PDx0
どす黒い話かと思ったら和まされた、おのれリボンズー
377 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:07:31.32 ID:qEJnVljAO
レジスタンスA「ぬかせぇっ!」ドゥンッドゥンッ

グラハム「遅いッ!」ヒュボッ

レジスタンスA「ッ、速……」

ダダダダダッ

レジスタンスA「うわぁぁぁぁぁ!?」

グラハム「如何に装甲が厚かろうとも、銃創の上からならば真正面でも通る!」

ザクゥッ

レジスタンスA「あああ……!」

チュドォン

グラハム「あと六機」

セルゲイ「少尉、我々は我々で戦う」

ソーマ「了解です、中佐!」

セルゲイ(ガンダムとやり馴れた為か……動きに迷いが無いだけでなく、容赦がない)

セルゲイ(マネキン大佐の言うとおりだな、とんだじゃじゃ馬だ)

グラハム「ふんっ!」

レジスタンスC「飛んだぞ、追え! 逃がすなッ!」

レジスタンスD「ビルの陰に隠れたか、地の利なら我々が……!」ギュンッ

ドスゥッ

レジスタンスC「ぎゃぁぁーッ!?」ドゴォン

レジスタンスD「な……いつの間に……!」

ザンッ
ガシュッ

レジスタンスE「ひ、ひぃ……!」ボゴォンッ

グラハム「三機……」

レジスタンスD「あ……あぁ……!」

グラハム「まだやるかね。正直興が乗らんのだよ」

グラハム「弱い者いじめは、な!」ブンッ

ガスッ

レジスタンスF「も、モニターが!」

バシュンッバシュンッ

レジスタンスF「そんな、馬鹿……!」ドゴォ……

グラハム「……」

グラハム(やはり響くな、死者の最期の叫びが頭の内側を跳ね回るようだ)

グラハム「マリーダも似たような感覚に陥るのだろうか……?」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/24(木) 01:10:31.18 ID:dRpJOqiDo
グラハムはNTとしての自覚があるのか?
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/24(木) 01:11:16.55 ID:IhFszRZUo
EXAMでNT反応でてるからな
380 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:16:27.21 ID:qEJnVljAO
ガシャンッ

セルゲイ「我々で三機、グラハム大尉が四機か」

セルゲイ「被弾を避けるように立ち回ったとはいえ、流石といわざるを得んなあの戦いぶりは」

ソーマ「……凄い……」ゴクリ

グラハム「返してもらう。ソニックナイフ一本も馬鹿にはならんのだ」ズポッ

グラハム「ふう……久しぶりだな。人間との戦いは」

グラハム「こんなに虚無感に襲われるようなものだっただろうか……当たり前のようにこなしてきたことのはずだが、今では肩に重さすら感じてしまう」

グラハム「新型ガンダムとの対峙以来、最近になって身についたこの感覚……私の身に一体何が起こったというのだ?」

グラハム「……考えても始まらんか、私には飛ぶしか能がないのだからな」ギュンッ

ギュォンッ

『EXAMシステム、スタンバイ』

グラハム「ッ!?」

グラハム(この感覚、狙われているというのか!?)

グラハム「中佐、少尉! 退いてください!」

セルゲイ「どうした大尉!」

ソーマ「一体何が……」

キィンッ

ソーマ「ッ!」

ソーマ(何かが近づいて……!)

ヒュッ
ボゴォォォッッッ

グラハム「ッ……!?」

グラハム(やはり反応が鈍……!)

ソーマ「マスターがビルごと……!?」

ガラガラガラッ

セルゲイ「ぬぉっ!」

ソーマ「きゃああああ!」

ズザザザァ……
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/24(木) 01:18:07.39 ID:IhFszRZUo
アムロみたいな状況に陥ってるな
382 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:22:35.29 ID:qEJnVljAO
リボンズ「…………」キィィィ

プルツー「おい! もう始めてしまったのか!?」

リボンズ「ちょうど良いタイミングだったのでね。チーツーとのリンクを切ったんだよ」

プルツー「全く、堪え性の無い!」ゴシゴシ

リボンズ「堪え性が無いのは君の方さ。せめて着替えてから来たまえよ」

プルツー「ショーはリアルタイムで見るから愉しいんだ、お前は膝でも磨いて座ってろ!」

リボンズ「濡れた髪で枕にするのだけは止めてくれよ。僕にだってそれくらいの選択権はある」

リジェネ「プルツー、着替えだよ」

プルツー「……何だこれは!」

リジェネ「アレハンドロが王留美から貰ったやつだよ、可愛いじゃないかチャイナドレス」

プルツー「金ピカじゃないか! 悪趣味を通り越して悪意だこれは!」

プルツー「あの不愉快な変態め……去勢してやる!」

リボンズ「あれが変態だという点には同意だね。何でも金色に塗るんだからたまったものではないよ」

プルツー「それで状況は!」

リボンズ「どうやらチーツーの一撃で、廃墟が崩れ出したようだよ」

プルツー「廃墟?あぁ、300年で増えた砂が過去の都市部を飲み込んだ亡霊都市か」

リボンズ「だがEXAMが搭載されたチーツーはグラハム・エーカーを見逃さない」

リボンズ「最後の時間稼ぎだ、せいぜい楽しんでくれたまえライセンサー」

プルツー「……」ゴシゴシ

リボンズ「それと、例のナノマシン薬を其処に準備しておいたよ」

リボンズ「届けに行ってあげると良い」

プルツー「それを早く言えッ!」ダダダダダッ

リボンズ「ふふ……妹思いだね、プルツーは。正直理解しがたいよ」
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:26:26.80 ID:yi4b4ddo0
ソーマがさりげなくグラハムのことをマスターと呼んでいる件について

>>373
>>382

妹思いのプルツーに萌えた
というかお前らホント仲良いよな
384 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:28:15.92 ID:qEJnVljAO
セルゲイ「ぬ……ぐっ」ガランッ

セルゲイ「崩れた廃墟で見通しが利かんか……だが敵の位置はだいたい掴めたな」パッ

ソーマ「中佐!」

セルゲイ「ピーリス少尉か、無事だったようだな」

セルゲイ「……大尉は、大尉は何処にいる!?」

ソーマ「マスター・グラハム……!?」


グラハム「……くっ」ガララッ

グラハム「私を狙ってきたか、やはり敵はあの特殊機……」

グラハム(フラッグは、右脚を吹き飛ばされたか……くそっ、私ともあろう者が情けない)

『大尉! 応答しろ大尉!』

グラハム「ッ、中佐、私は此処に……」ドロッ

グラハム「……何?」

ドクドクッ……

グラハム「ッ……馬鹿……な!」

グラハム(機器の破片が右脇腹に……先ほどの一撃の破片で何処かが飛んだか……)

グラハム「不味い……出血が……ガフッ」

グラハム「…………」ガクッ


マリーダ「ッ……?」

マリーダ(何だ、最近身体の具合が妙に……まるで内側から鎖で縛りつけられているような感覚だ)

マリーダ「……泣き言は言ってられないな。早く司令室の一角を借りてサポートを」

マリーダ「しなけ……れば……」グラッ

マリーダ「……」ドサッ

人革兵士「ッ! どうしましたかマリーダ少尉!」

マリーダ「……う……?」

人革兵士「誰か医者を呼んでくれー!誰かー!」

マリーダ「マス……タ……?」


プルツー「間に合えよ……そろそろ細胞異常が活発になる頃だからな」

プルツー「プルトゥエルブ……死なせやしないさ、あたしの妹」

TO BE CONTINUED...

マネキン「ふう……グラハム大尉はうまくやれているといいのだがな」

PPP

マネキン「私だ」

マネキン「ッ、何だと!? もう一度言え、何かの間違いだろう!」

マネキン「……馬鹿な……」

マネキン「ヤザン・ゲーブルが出所する……だと……!?」
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/24(木) 01:28:59.48 ID:xH83jhcto
ナノマシン薬ってルイスが飲んでたあれか
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/24(木) 01:31:49.91 ID:icY/uih/0
ヤザンだと!?

あれでもΖΖのヤザンさんってコメディ・・・コーラと仲がよさそうだ
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:32:41.68 ID:yi4b4ddo0

まさかの酸素欠乏症の登場!?
ある意味立ち位置的には先代コーラだよなZZでは
388 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:33:36.67 ID:qEJnVljAO
投下終了。ギャンギャン吼えんなよぉ!

・ナノマシン薬はルイス型とは違うDr.モレノ製
・ヤザン・ゲーブル(27)出所、Z製
・グラハム重傷
・ソーマとマリーダ仲良くなる
・セル ゲイとグラハム仲良くなる
・プルツー本気出す
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/24(木) 01:35:00.10 ID:IhFszRZUo

だいたい生死の境から戻ると何かしらの目覚めるものだ
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:37:43.27 ID:yi4b4ddo0
>・ヤザン・ゲーブル(27)出所、Z製

>Z製

え゛!? やばいほうのヤザン!?
391 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:42:57.82 ID:qEJnVljAO
基本的に描写外は基本世界同様だからすっ飛ばしてるけど、何か疑問あれば書いておいてくれ

こっからはもう本筋が変わるからちょっと遅くなる、済まんが耐えてくれフラッグファイター
392 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:47:53.52 ID:qEJnVljAO
次回「恐るべき妹」

手負いの阿修羅を、轟砲が狙い撃つ
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/24(木) 01:47:56.60 ID:5Pcg183E0
健全なZヤザンほど素晴らしいものはない。戦闘好きだが外道じゃない。
とりあえずコーラとジョシュアの金玉がつかまれるのだけは想像できた。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/24(木) 01:48:55.43 ID:dRpJOqiDo
ヒロシに加えてヤザンとか出てきたら手に負えねーよwwwwwwww

それにしても気になるのはプルツーの年齢だ
マリーダさん(18)のお姉さんとなると…プルさん(31)の妹となると……
395 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/24(木) 01:57:14.19 ID:qEJnVljAO
ちなみに人革連に提出されたシミュレーションは>>93のアレ

>>394
プル(31)
プルツー(11)
プルトゥエルブ(18)

プルツーは唯一の成功例としてコールドスリープしていたという設定
解凍したのはアレハンドロ
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:57:45.29 ID:yi4b4ddo0
>>394

>>259で(11)って書いてある
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/24(木) 02:01:40.58 ID:8/GwEqUso
Ζヤザンとかワロエナイ
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/24(木) 02:16:03.28 ID:p4mLrydAO
なるほど!布団の中でプルツー(21)とかだったらどうしようとか思ってたが…
これで安心して寝れるぞ!
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/24(木) 02:17:46.58 ID:icY/uih/0
>>398
プルツー(21)…それはそれでいいじゃないか!
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/24(木) 04:43:28.36 ID:oJu/6QkAO
>>398>>399
プルツー(21)にはロマンが詰まっているよな
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 08:50:15.26 ID:2Bcd1I8C0
21歳が全裸でリボンズの所にいくとか誘ってるようにしか見えません
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/03/24(木) 17:33:24.71 ID:qz7jm4qAO
Zヤザンとか胸熱……

機体は何に乗るんだ、青アグリッサかww
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 19:26:29.34 ID:yi4b4ddo0
>>401
「ニュータイプ」+「イノベイド」でシス・ミッドヴィルみたいな子が産まれたりするんだろうか
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 19:36:50.56 ID:hdnlrlgDO
>>403
もうお前の中では事後かよ。
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/24(木) 21:34:06.45 ID:DBlNyNOA0
やっと追いついた

おもしろすぎるぞガンダム!
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/25(金) 23:14:30.99 ID:W69hPMb+0
今日は来ないかな
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/26(土) 01:14:45.36 ID:9diZclEAO
最後に来たのは一昨日か……私は我慢弱く落ち着きのない男なのだ
408 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:26:26.42 ID:qgFc1iqAO
投下再開だフラッグファイター

500mm多段階加速砲が換装可能になっているがそこは都合上として考えてくれ、済まない
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/26(土) 01:29:36.22 ID:3QQMIkWwo
リアルタイム遭遇とは…乙女座の私はセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/26(土) 01:31:39.74 ID:PaEh4DClo
待ちくたびれたぞマスターグラハム!!
411 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:34:03.19 ID:qgFc1iqAO
ー廃墟都市ー

グラハム「……ッ」ボタボタッ

グラハム「死ぬわけには……いかんッ……!」

グラハム「応急処置、止血すればいいだけのこと……!」

セルゲイ『大尉、何処にいる大尉!』

グラハム「中佐……私は此処です! 少尉は……」

グラハム(悟られるな……これしきの傷で!)

グラハム「……ッッッ!」ブシュッ

グラハム「ハァ……ハァ……ぬぅっ!」シュウウ

セルゲイ「大尉、無事だったか。少尉は私と一緒にいる、動けるか?」

グラハム「無論、です!」バリッ

グラハム(ッ……血を流しすぎたか、視界が霞むな)

キュピィィィィン

グラハム「来るか……ッ!」

ボゴォォォン!

グラハム(ビル群をものともせずに貫通させ撃ち抜いてくるとは……)

グラハム「どれだけの威力を持っているのだ、この兵器は……!」


ソーマ「先ほどの長距離砲……またマスターを狙って!?」

セルゲイ「……」

ギュンッ

ソーマ「ち、中佐! マスターを援護するのでは無いのですか!?」

セルゲイ「長距離砲を相手に固まるなど戦術の愚だ。最初の一撃をも察知した彼ならば、この場合耐え抜けると考えていいだろう」

セルゲイ「我々は敵の大元、長距離射撃の元凶を速やかに叩く。さもなくば大尉のみならず、我々は全滅だ」

ソーマ「ッ……!」

グラハム『スミルノフ中佐の言うとおりだ』
412 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:36:03.22 ID:qgFc1iqAO
ソーマ「マスター・グラハム……!」

グラハム『損傷したフラッグではこの状況を抜けるのは困難だ、ティエレンの陸戦能力に頼るしかあるまい』

グラハム『ピーリス少尉、君の……』

ズゴォォォッ

グラハム『っぬぅ……君の能力とタオツーならば、やれると信じている!』

ソーマ「私とタオツーの力……!」

セルゲイ「……少尉!」

ソーマ「分かりました、やります!」

グラハム『特殊機の弱点は頭部だ、そこを破壊すれば勝てる!』

セルゲイ「センサーは生きている、これで敵の動きを察知し、回避行動を交えつつ移動して叩く!」

ソーマ「了解!」ギュゥンッ

ソーマ「私の脳量子波と空間把握能力ならば……!」

セルゲイ「頼むぞ大尉、我々が間に合わせてみせる……!」

ズズズ……ウン

グラハム『お任せいたしました!』

グラハム「っ……く」グラッ

グラハム「耐えろよグラハム・エーカー、これしきの苦難ッ!」

ギュボッ

グラハム「右……!」

ドッゴォォ……ォン

グラハム「ッ!?」

ボゴォッ

グラハム「建造物を……私を潰すつもりか!」

グラハム「だとしても……!」

ズズズズ……
413 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:42:07.99 ID:qgFc1iqAO
チーツー『……』ウィィィン

ボゥンッ

チーツー『……』ガシャンッ

ボゥンッ


グラハム「ッ……一方的だな、容赦がない」ギュンッ

グラハム(ある意味ではガンダムに通じるところがあるが、やはり感情が見えない敵ほどいやらしいものはない)

グラハム(……む?)

グラハム「攻撃が、止んだ?」

ヒュルルルルル……

グラハム「ッ……違う! 戦い方を変えただけだ!」

グラハム「コイツ、街ごと私を潰すつもり……!」

ボゥッ……

グラハム「 」


ゴゴゴゴ……

セルゲイ「あれは……サーモバリック弾頭!?」

セルゲイ(あんなものまで用意するとは、敵は一体……!)

ソーマ「マスター……」ギュッ

セルゲイ「ピーリス少尉、二手に分かれる! 今の弾頭を使われたら最悪共倒れだ!」

ソーマ「了解!」



グラハム「っぐ……やってくれる……!」

ビキッ

グラハム「ッ……マズいな、軽量化が仇となって機体が限界に近い……!」

グラハム「やはり特殊機だな……私の考えをとことん読み切って弾種を選択してくる……」

グラハム(こうなれば変形し、一気に詰め寄るか?)

グラハム(だが、砲戦主体の機体ならまず拡散弾頭も持っているだろうな……)

グラハム「この状態のフラッグで食らえば……間違い無く死ぬ……」

グラハム(死か、不思議なものだな。ガンダムと対峙している時は微塵も脳裏によぎらぬものだったが)

グラハム「……ハァ……」グラッ
414 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:48:12.00 ID:qgFc1iqAO
ー???ー


リジェネ「理解できないとか言ってたけど、君の方から教えたんだよね? 彼女と同じ計画から生み出された存在のこと……」

リボンズ「そうだったかな、覚えていないよ」

リボンズ「ただ、最初の頃は随分と色々言っていた気もするね」

リジェネ「やれ出来損ないだの、やれ廃棄物だの色々ね」

リジェネ「リボンズがプルトゥエルブとやらを妹だと呼んでからかな?印象が変わったのは」

リボンズ「同じ造られた存在から、血を分けた兄弟に印象が変わったのだろう。それからしきりに妹の事を調べ始めたよ」

リボンズ「どう変わろうが結局は能力の劣る出来損ないじゃないか……僕にはやはり理解しがたいね」

リジェネ「色んな意味で君らしいよ、その考えはね」フッ

リジェネ「……ヴァラヌスの出撃を確認。良いのかい? 直接行かせて」

リボンズ「既に各国へのGNーX配備の打診はした、彼女の機体も友軍機として登録してある」

リジェネ「抜かりなし、か」

リボンズ「それに……人間とやらは良心に抗えないらしいからね。彼女をいきなり撃ったりは出来ないはずさ」

リボンズ「たとえ撃ったとしても……彼女には勝てないよ。それがガンダムであってもね」

リボンズ(そろそろ……彼の出所の時間だ)

リボンズ(プルツーの眼鏡にかなう人材……いかほどかな)
415 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:52:11.26 ID:qgFc1iqAO
ーAEU・バルカン刑務所ー

看守A「よし、朝の点呼を取るぞ! 全員出て来い!」

シーン

看守A「おい、何をふざけている! さっさと出て来いと言っているんだ!」

シーン

看守A「何のつもりだ貴様等……!」

看守B「いや、そのままにしといてやれ」

看守A「何故です!?」

看守B「今日は奴の出所日だからな」

看守A「!」

看守B「この刑務所の問題児がいなくなるんだ、しみったれたセコい犯罪者も、一生豚箱確定の重罪人も、所長でさえも今日ばかりはただ座して神様に敬意を払う」

看守B「あの獣を出してくれてありがとうございますってな」シュボッ

看守A「……」

看守B「ありゃ人間じゃないよ。何処かしら螺子が外れた、違う何かさ。みんなそう思ってる、俺もそう思ってる」

看守A「ヤザン・ゲーブル……」

看守B「……そろそろ船が出た頃だな」

ゾロゾロ

看守B「よし点呼だ、急げよ!」


ー移送船ー

ジャラッ

ヤザン「へっ、人のことを人間の屑、野獣と散々罵っておきながら、結局俺を出さざるを得んとはな」

ヤザン「AEUのお偉方には恥知らずか鉄面皮しかいないのか? あ? 情けない」

AEU議員「黙れヤザン・ゲーブル! 我々だって国連から要請がなければ、貴様など一生あそこから出すつもりなど無かった」

ヤザン「だが出しちまったんだぜ……それがどういう意味か」
416 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:55:22.74 ID:qgFc1iqAO
「教えてやろうか?」

ー対岸ー

サーシェス「……」シュボッ

サーシェス「大将とお嬢ちゃんの話しだと、そろそろなんだがな……」

ザパァッ

サーシェス「お、来た来た」

サーシェス「さぁて……噂の野獣とやらの面、拝んでやるとしますかねぇ」

カタンッ

議員「ひっひぃぃっ!」

サーシェス「あ?」

議員「たすったすけてぇ……!」ズザザァッ

サーシェス「ヤザン……って顔じゃねえよなぁ。二世ボンボン議員かありゃ」

ザッ

ヤザン「よう、あんたが俺のお出迎えかい?」

サーシェス「あぁ?」

サーシェス「…………」ペラッ

サーシェス「老けてんのか若いのかはっきりしねえ顔だな、おい。27って詐欺だろ」

ヤザン「がっはっは! いきなりご挨拶じゃねえかおっさん」

ヤザン「血なまぐさくてたまらねえぜ……これがシャバの空気か?」

サーシェス「ガンダム、ソレスタルなんたらとやらのせいで世界はグダグダでな」

サーシェス「まぁ大方お前が呼ばれたのもそれが理由だろうよ、かくいう俺もそれが理由だ」

ヤザン「ガンダムとナントカビーイングって奴らを潰せばいいんだろう?」

サーシェス「事情は聞かないんだな」

ヤザン「俺は兵士で、兵士は戦争をするもんだ。楽しい戦争が出来りゃあ俺はそれで十分さ」

ヤザン「ガンダムってのは強ぇんだろうなぁ……」ニヤァ

417 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 01:58:02.45 ID:qgFc1iqAO
サーシェス「……似たもん同士みたいだな。仲良くやれそうで何よりだ」クックック

サーシェス「俺はアリー・アル・サーシェス、戦争が好きで好きでたまらない、人間のプリミティブな欲望に準じた最低最悪のろくでなしだ」

ヤザン「俺ぁヤザン・ゲーブル、モットーは【互いの腕を競い合ってのフィジカルな殺し合い】……まぁ仲良くやろうぜ兄弟」

ヤザン「あぁところで、船の中にSPが数人転がってるがどうする?」

サーシェス「残念だが、見ず知らずのSPの再就職先まで探してやれるほど俺達はお暇でないのよ」

サーシェス「車に乗りな、簡単な仕事を終えてから俺達の雇い主に会いに行く」

ヤザン「雇い主だと? あんたが関わるんだ、相当なろくでなしなんだろうな」ククク

サーシェス「怖じ気づいたか?」

ヤザン「いや、愉しくなってきたぜ……!」

バタンッ

サーシェス「ようこそおとぎの国へ……歓迎するぜヤザン・ゲーブル」

ブロロロロォ……
418 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:04:17.22 ID:qgFc1iqAO
ー砂漠ー

ソーマ「レーダーに感! 見つけました大佐!」

セルゲイ「此方からも捕捉した、異様な外見ではあるが……ティエレン型!」

セルゲイ(奴がレジスタンスを襲ったのはやはり、我々をおびき寄せる為……)

セルゲイ「ちい、内情が洩れているとでもいうのか!」

ガコンッ

ソーマ「ッ!」

セルゲイ「馬鹿な、我々が捕捉出来る距離なのだぞ!?」

ソーマ「まだマスターを狙って……!」

セルゲイ「急げ少尉! これ以上はッ!」ギュンッ

ソーマ「やらせないッ!」ギュォッ

チーツー『牽制』ボボボボンッ

ソーマ「くっ!?」

セルゲイ「ぬう!」

セルゲイ(ティエレンの砲でこれほどに的確な射撃を……!)

チーツー『殲滅』

ボゥッ

ヒュルルルルル……

ソーマ「あぁっ!」

セルゲイ「しまっ……!」


グラハム「来るか……」ググッ

グラハム「ッ」ゴフ

グラハム「フフ……これを待っていた……!」ギュンッ

グラハム(敵の弾頭より少しでも上に行ければ……)

グラハム「如何なる爆風……暴風だろうと!」

グラハム「乗りこなしてみせる、私と、フラッグならば!」

ギィィィンッ

ヒュボッ

グラハム「ぬあああああああああああああ!!」

カッ
419 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:10:20.77 ID:qgFc1iqAO
ボゴゴゴゴ……ォォォ

ソーマ「そん……な」

セルゲイ「大尉……!」

キィンッ

ソーマ「ッ!」

ソーマ「中佐、上空です! マスター・グラハムはまだ!」

セルゲイ「なんと……!?」

チーツー『!』

ギュォッ

グラハム「死神の列、振り切らせてもらった……」

グラハム「この角度ならば、自慢の巨砲も使えまい……!」グッ

チーツー『迎撃行動』

ボゥンッボゥンッ

チーツー『ガガッ』

ソーマ「足下ががら空きだ!」

セルゲイ「ピーリス、取り付くぞ! 奴の砲をこれ以上撃たせるな!」

ソーマ「了解ッ!」

チーツー『迎撃』

ソーマ「鈍いぞ鈍亀!」ドゥンッドゥンッ

セルゲイ「往生際の悪い!」ババッ



グラハム「まともに狙って飛ぶことかなわんが……墜ちること位なら出来る」ガシャンッ

グラハム「互いに一撃、勝負……ッ」

ソーマ「えぇいっ!」ガシッ

セルゲイ「取った、左腕!」ガンッ

チーツー『回避行動』ボッ

ギギギギギ……

セルゲイ(何という馬鹿力だ……だがッ!)

ソーマ(意地でも、撃たせないっ!)

グラハム「私の……!」ヒュンッ

ドスゥッ

『ブツッ』

グラハム「私達の、勝ちだ!」
420 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:16:01.26 ID:qgFc1iqAO
ウウウ……ン

グラハム「ハァ……ハァ……」ゴフッ

グラハム「中佐、少尉……」

セルゲイ「喋るな、もう君もフラッグも限界に近い」

ソーマ(こんな機体の状況で飛んだのか……敵の爆風を利用してまで……)

グラハム「……少し休みます」

セルゲイ「休め、私が帰路を送ろう」

グラハム「……」ガクッ

セルゲイ「ピーリス少尉、手伝ってくれ。地点登録は済ませたからな、グラハム大尉を直接回収の後フラッグとこのティエレンを回収する」

ソーマ「了解です、中佐」

セルゲイ「私のコクピットよりは君のタオツーの方が支えやすかろう。頼んだぞ」ガシャンッ

ソーマ「はっ!」ガシャンッ


ピピピ
セルゲイ「私だ」

セルゲイ「……何ッ!? 待て、落ち着いて話すんだ。事態が全く掴めん」

セルゲイ「ふむ……ふむ……」

セルゲイ「何と……それでは、ソレスタルビーイングに内通者が現れたとでもいうのか!」

ソーマ「よっ……」

グラハム「……」

ソーマ「中佐、準備出来ました!」

セルゲイ「あぁ、急ごう」

セルゲイ「これから我々も帰投する、むやみやたらに動くなよ」

ソーマ「どうされましたか? 中佐」

セルゲイ「……ガンダムが基地にいる」

ソーマ「……え?」
421 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:19:21.14 ID:qgFc1iqAO
ー朝方、人革連・病院ー

プルツー「……よし」

マリーダ「……」スヤスヤ

プルツー「これで安定するはずだ、決められた時間にしっかり摂取すれば今回みたいにはならないさ」

医師「は……はぁ」

プルツー「病名不明、原因不明の症例に薬を持ってきた理由が分からないかい?」

プルツー「特秘事項とでも言っておこうか……どちらにせよ、詮索したって何も出やしないさ」

マリーダ「……」ムニャムニャ

プルツー「全く……無茶ばかりする。戦場なんか出ないで、素直に生きてれば良かったんだ」

プルツー「それで? コイツのマスターとやらは何処にいるんだい」

ー朝・基地ー
ギュゥゥゥン

兵士「中佐、ご無事で!」

セルゲイ「まずは担架だ、負傷したグラハム大尉を搬送しろ」

セルゲイ「……あれが、報告にあったそれか」

兵士「はい」

ソーマ「これは……!?」

セルゲイ「確かにガンダムタイプ……背中の赤い特殊粒子は新型のモノか」

兵士「乗ってきたのは、それこそ少尉よりも更に若い少女でして」

ソーマ「少女?」

兵士「彼女はこのガンダムをヴァラヌスと呼び、国連の機体だと……」
422 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:23:42.30 ID:qgFc1iqAO
セルゲイ「国連だと……?」

ソーマ「ヴァラヌス、このガンダムの名前……」

衛生兵「ゆっくり運べ! このまま病院に搬送する!」

グラハム「……」

兵士「現在マリーダ・クルス少尉及びマスター・グラハムとの面会を求め、病院に……」

セルゲイ「病院? マリーダ・クルス少尉に何かあったのか」

兵「廊下で意識を失い、呼吸困難になっているのを発見され、現在病院に……」

ソーマ「そんな、一体何が!」

セルゲイ「……」

ソーマ「中佐!」

セルゲイ「一挙に様々な事が起きすぎて頭が痛いが……ここは一つずつ疑問を潰すしか有るまい」フゥ

セルゲイ「大尉の付き添いも兼ねて、会いに行ってみるか」

セルゲイ「突如として現れた、ガンダムのパイロットにな」



プルツー「……」スースー

プルツー「!」ピクッ

プルツー「来たか……クァ……案の定ボロボロじゃないか」

プルツー「あんまり待たされるから居眠りしちゃったよ。こういう時にリボンズがいると楽なんだけどな」

プルツー「よっと」スタッ

プルツー「うー……寒」

プルツー「さて、マスター・グラハムの顔を拝んだら帰るとするか」キィィン


ヴァラヌス『ヴンッ』

兵士「な、何だ!?」

兵士「ガンダムが勝手に……!」

フワァァァ…
423 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:28:39.02 ID:qgFc1iqAO
ガラガラガラ……

医師「至急輸血だ!その後右脇腹を中心に再生治療に入る!」

グラハム「……」シュコー

プルツー「へえ、アイツがプルトゥエルヴのマスター……」

プルツー「意外に若いけど、如何にもって面してるよ。堅物のつまらなそうな軍人だ」

セルゲイ「君!」

プルツー「ん、何だ? お前」

ソーマ「お前……中佐に何という口の聞き方を!」

セルゲイ「少尉、この際構わんよ」

プルツー(こいつ、人革のセルゲイ・スミルノフか。顔の割に甘そうな奴だ)

プルツー「ロシアの熊さんがあたしに何の用だい」

セルゲイ「赤いパイロットスーツ……やはり君があのガンダムを動かしていた少女か」

プルツー「プルツーだ。少女でも無ければお嬢ちゃんでもない、あたしはプルツーだ」

ソーマ「プルツー……?」

セルゲイ「プルツー、というのか」

セルゲイ(プルツー……たしかマリーダ・クルスはプルトゥエルヴと呼ばれていた筈だ)

セルゲイ(この少女、グラハム大尉の話にあった計画に関わっているのか……?)

プルツー「悪いけど、ライセンサーの特秘事項って奴でね。今は何も話せないよ」

ソーマ「お前がライセンサー……!?」

プルツー「ま、近い内にあたしのヴァラヌスに似たのをあんたらにもくれてやるさ。計画、出自、無駄な詮索をしないで良い子にしてればね」ギロッ

セルゲイ「ッ!」

セルゲイ(今、読んだ……私の考えを読んだというのか?)

プルツー「……」ニヤッ
424 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:33:51.91 ID:qgFc1iqAO
ソーマ「貴様、いい加減に……!」

プルツー「うるさい」

ビリッ

ソーマ「ッ!?」

ソーマ(このプレッシャー……マスター・グラハムのそれに似ているが、重みの桁が違う……!)

ソーマ(言葉が出ない……喉元を万力で掴まれているような……!)

プルツー「ふん、一人しか顔を出せない出来損ないの超兵が……デカい顔するなよ。ひねりたくなる」

ソーマ「やれるものならやってみろ……!」

プルツー「良い提案だよ、でもあたしは動き過ぎちゃいけないってアイツに言われていてさ」

コォォォォ……

プルツー「ここらが潮時、てね」

ソーマ「なっ……!」

セルゲイ「あれは、基地にいたガンダム!? 誰が操縦していると……」

プルツー「じゃあな、マスターとやらにはよろしくいっておいてくれよ」

プルツー「あたしは帰る、妹をよろしくな」

ソーマ(妹……?)

スタスタスタ……



プルツー「よっ……ミッションコンプリート。帰還するよ」

リボンズ『妹とそのマスター、初めての対面。どうだったかな?』

プルツー「ま、こんなもんかって感じだよ」

プルツー「思ったよりマスターとかって奴の成長が早いくらいかな、吹っ切れたのか?」

リボンズ『君達の精神的な変化による成長という要素は分かりにくいね』

プルツー「ところで、チーツーの爆破は?」

リボンズ『抜かりないよ、既に粉々だ』

リボンズ『フラッグは距離が開きすぎて巻き込めなかったね。セルゲイ・スミルノフ……チーツーの自爆を読んでいたのかもしれない』

プルツー「アイツはなかなか優秀な軍人だよ、甘いけどね」

プルツー「ヤザンの回収は?」

リボンズ『サーシェスから連絡が来た』

プルツー「GNーXを今の内に手配してやらなきゃね」

リボンズ『ライセンサーズの件については一任するよ』

プルツー「あんたが考えを読めないあたしに一任するなんてね」

リボンズ『信頼の証だよ』

プルツー「嘘ばっかり」
425 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:42:00.00 ID:qgFc1iqAO
プルツー「じゃあ……例の手筈を頼むよ。あたしは目標地点に向かうからね」

リボンズ『最悪、三体以上が現れる可能性もある。その場合は』

プルツー「直ぐに撤退、だろう? いちいち命令が見え透いてるんだよ」

リボンズ『……』ピクッ

プツッ

プルツー「あいつめ、相変わらず煽られるとすぐふてくされるんだから」フンッ

プルツー「さて、ガンダムがどれほどのものか、確かめさせてもらうよ」

プルツー「出来ればデュナメスかエクシアとやりたいねぇ……ふふふ、あははははは!」

ープトレマイオスー

クリス「! ヴェーダからのミッションプラン!?」

スメラギ「何でこのタイミングで……」

スメラギ「……」グッ

スメラギ「刹那に連絡して、ヴェーダからのミッションプランを無視することは出来ないわ」

ラッセ「良いのか?」

スメラギ「私達はソレスタルビーイング……紛争が起きるというなら介入するのが道理じゃない?」

スメラギ「スローネも黙りっぱなしだし……刹那ならちょちょいのちょいよ」

スメラギ(でもこの程度のミッション……わざわざヴェーダからプランが出されるほどの事なのかしら?)

スメラギ「……刹那には注意して行うようにと伝えて。情勢が情勢だけに、不安だわ」

フェルト「……」

キュピィィィィン

フェルト「ッ……?」

リヒティ「大丈夫スか?フェルト」

フェルト「うん……急に胸騒ぎがしただけだから」
426 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:45:13.23 ID:qgFc1iqAO
…………

ザンッ

テロリスト「ぬわぁぁぁぁ……!」ボゴォンッ

刹那「エクシア、ミッションコンプリート」

刹那(久しぶりの介入、だがこれで世界に変革をもたらせられるというのか?)

刹那「何処にある……世界の、根源の歪みは」

『見つけたよ、ガンダム!』

刹那「ッ!!」

バババゥンッ

刹那「くぅっ!?」ヒュッ

刹那「この粒子ビームは……スローネッ!?」

プルツー「半分正解!」ギュンッ

プルツー「半分外れぇぇぇ!」ブゥン

ギギギギギィンッ

刹那「お前は……何者だ!?」

プルツー「気張りなよガンダム、せいぜいあたしを楽しませな!」

プルツー「つまらない戦い方なんかしたら……落とすよッ!」ジャキンッ

TO BE CONTINUED...

ーその夜ー

『ソーマ、ソーマ』

ソーマ「誰……?」

『お願い応えて、ソーマ・ピーリス』

ソーマ「私を呼ぶのは誰だ……!」

『私はマリー、マリー・パーファシー』

『私は貴女の中にいる……』
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/26(土) 02:48:11.87 ID:eeOCs/hc0

         ヽ `ヽ、                 / /
          ヽ   `ヽ、             // /
            ヽ   \ \         //  /
              ヽ   \ ``Y  ̄ ̄`` </   /
            ヽ    \ |  r‐ 、 冖 rヘ  /
               ヽ     / /   !一 1 ヽ /
              ヽ   / /    |  |  ∨
              |\_/  |  _人__人_|
              |       |二ィエT ̄i〈エT 1
              | 厂 |  ヽ  ー'゛  ト- |
              | \_|   `┐ /ー-ヘ /|
              |        |/  _ _  V|
               ヽ         | /_ヽ | |  お前たちもう寝なさい
                  ト-、    | /   ハ } |/
             ___/   \   |/`ー'  "Y/
  __..   --─‐ ''´         \_ト、    ル`ー-- .._
 |                      \  /          `` ー‐┐
 |\                      \|                /
 | 入                     , -- 、                /
 レ'  \                 /, '⌒ヽヽ            /
 |     \             { {   } }         / |
 |      `丶、          ヽ二二ノ          /   |
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/26(土) 02:50:08.51 ID:PaEh4DClo
なにこのwwktk展開…このまま劇場版までいけば、ELSとはどうなるんだ…
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/26(土) 02:51:20.98 ID:eeOCs/hc0
NTが迫害された理由もわかるわ
430 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 02:52:53.94 ID:qgFc1iqAO
投下終了だフラッグファイター、色々混ぜすぎたごめん

最強の存在は一週間でフラッグ二機をカスタムした倍速の技術班
431 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/26(土) 03:16:31.37 ID:qgFc1iqAO
次回「プルツー」

彼女も又、歪みの犠牲者
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/26(土) 05:25:47.34 ID:3/X/z+NYo
お疲れ様でした。
さて大きくズレ始めたなこの世界は。
どう転がっていくのかホント楽しみだわww
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/26(土) 06:02:10.13 ID:KguCDBZno
班長の名前はアストナージか
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 07:33:41.63 ID:V7zA+8GJ0
>>404

>>403はあくまでA+BでCができるのかと聞いてるんだろう
リボンズとプルツーなら倫理的にも問題だし……

それと>>403、シス・ミッドヴィルは厳密に言うと【ニュータイプ遺伝子+コーディネーター技術+デビルガンダム細胞】だから
イノベイターは入ってない、はず
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/26(土) 10:30:40.28 ID:VWnF9v4DO
>>434
「NT遺伝子+コーディ技術+DG細胞」
なにそのぼくのかんがえたさいきょうのぱいろっと
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/26(土) 11:10:15.47 ID:/3ILUigAO
WORLDでは強化人間だけどな

あと黒歴史の技術を使って造られたノーマ・レギオってのがいるが、コイツはニュータイプとコーディネイターを持ちながら機体が月光蝶を使えるチートキャラだ
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 14:44:32.01 ID:ziTMWiqZo
マークさんはまだいいけど
何そのちーとパイロット
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/03/26(土) 16:15:33.27 ID:LaO5ftLAO
みんな何を言ってるんだ?

最強のパイロットはニキさん一択だろ?

主に可愛さの面で
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/26(土) 18:52:30.43 ID:sH2i269z0
大丈夫だ
どんなチートパイロットでも流派東方不敗ならぶん殴れる
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/26(土) 19:14:03.55 ID:ImjlwwzS0
無敵のキラさまは鍛えれば東方不敗をボコれるそうですよスゴイネー(棒)
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 19:18:13.63 ID:ziTMWiqZo
とりあえず真のイノベと怒れる瞳の二人いればいける
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/26(土) 20:04:43.29 ID:sH2i269z0
>>440
でもそのころには相当の熱血バカになってそうだよな
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/26(土) 23:04:11.79 ID:PaEh4DClo
スクライドのカズマしか思いつかない件
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/26(土) 23:07:18.23 ID:tEPWIbtu0
>>440
原作では腕力はカガリ未満だからなキラさん()は
負債のキラマンセーはウンザリ
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 23:16:30.40 ID:V8KlUd9H0
>>436
ノーマ・レギオェ…
http://simple.s59.xrea.com/jiten/p_detail-025-0001-049.html

ニュータイプとしても強力なばかりではなく、アルティメット細胞と、「オーバーブースト」と呼ばれるSEEDに近い現象を発動させることもできる。
またマシンにはゼロ・システムや月光蝶の応用技術も採用されており、フラッシュシステムが無い以外はガンダムシリーズの総纏めみたいな仕上がりになっている。
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 23:43:33.11 ID:3tKNsMUb0
>>445

なんか九曜みたいな喋り方なんだな
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 23:44:56.50 ID:3tKNsMUb0
>>443
あえて否定はしないが、できればガンダムキャラで頼む
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 23:46:17.67 ID:/rueqSRCo
カナードが丸くなった感じでいいんじゃないか
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2011/03/27(日) 11:26:27.20 ID:6MxDOpIAO
つまりスーパーストライクフリーダムガンダムか
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 16:03:34.54 ID:UMO+wgVC0
>>449
もはやガンダムの文字が霞んで見えるな
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/27(日) 16:16:23.52 ID:JY8M1pBko
まさにフリーダム
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 20:32:59.16 ID:D00ajMSEo
あんまりえぐってやるなよwwwwww
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/28(月) 23:58:31.35 ID:vH21P4Hg0
まだかマギカ
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/29(火) 00:06:54.31 ID:+I7hTPmDO
まどかまだだ
455 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 00:31:17.04 ID:tWs3UVTAO
一瞬スレ間違えたかと思った、私もまだまだ変革には程遠いな
投下再開だフラッグファイター
456 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 00:35:59.54 ID:tWs3UVTAO
ー七年前ー

プルツー「ん……?」

プルツー「真っ暗だ、それに随分と静かになったな」

プルツー「……重力がある、宇宙じゃない。地球に降りたのか?」

プルツー「ん……足元にいるのは、あたし?」

プルツー「んなわけないか、三番目か七番目のどれかだろうさ」

プルツー「……動けないな、お尻がくっついてるみたいだ。これもまたVRシステムか?」

プルツー「しかし、ガラス張りの棺桶なんてロマンチックなもんだな」

プルツー「まるで白雪姫だ」コンコン

『これが検体名プルツー、完全なるクローン体か?』

プルツー「ん? 何だよ……お前誰だ」

『コールドスリープはまだ溶けきってないな、好都合だ。再凍結の後運び出せ』カチャカチャ

『研究所の研究内容は全て破棄しろ。跡形も残すなとアレハンドロ様のお達しだ』

プルツー「お、おい! 聞いてるのか!? それともお前も仮想現実か!」

グイッ

プルツー「うわっ!」

『行け、行け!』

プルツー「こら、人間ごと棺桶運ぶ奴がいるか!」

『バッテリーを切らしてコールドスリープを解かせるなよ! 急げ!』

プルツー「な、何なんだよお前ら! 頼むから答えてくれよ……なぁ……!」

ブツッ
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/29(火) 00:38:19.40 ID:5LP24/JUo
俺も間違えたと思ったわ
458 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 00:50:36.01 ID:tWs3UVTAO
プルツー「……」

『やぁ』

プルツー「……」

『……応えてくれないのかい?』

プルツー「五月蠅いな、お前もどうせ作り物だろう」

プルツー「もう飽きたんだ……ゆっくり眠らせてくれ」

『それは困るな、僕は君を起こすために此処にいるんだから』

プルツー「起こす? はっ、VRも七年立ったら故障するのかい」

プルツー「もう飽きたといったろ……くだらないこと言ってないでさっさと消えろよ」

『どうかな?』

『どうやら七年の間、脳波の意識のみが覚醒したままのようです。現実と虚構の区別が曖昧になっているようです』

『それがコールドスリープの解除を妨害しているというのか?』

『恐らくは』

『ですがお任せくださいアレハンドロ様、僕が彼女の気を引いて見せます』

『ふっ……レディのエスコートの仕方は教えた記憶が無いのだが?』

『独学です、しかし語りかけられるのは僕だけとなれば、やはりやらざるを得ません』

『任せたよ、私のエンジェル』

『お任せくださいアレハンドロ様』

プルツー「……」

『ふう……おべっかを使うのも一苦労だね』

『さて、話の続きと行こうかプルツー』

プルツー「……お前」

『ん?』

プルツー「VRの癖に腹の底が真っ黒だ、気に入ったよ」

プルツー「名前は?」

『……』

『僕の名はリボンズ、リボンズ・アルマークだ』

プルツー「あたしはプルツー、プルツーだ」

プルツー「じゃ……話の続きと行こうか、リボンズ」
459 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 00:55:40.80 ID:tWs3UVTAO
ー現代ー

刹那「くぅっ!」ギギギィンッ

プルツー「あははははは! ほらほら、格闘機体のエクシアで圧されちゃ、ガンダムマイスターの名が泣くぞ!」

ガガッ

刹那「まだ質問に答えていない……っ」

刹那「貴様は、そのガンダムは何者だッ!」ギィンッ

プルツー「おっと」ヒュボッ

ープトレマイオスー

クリス「スメラギさん! エクシアが疑似太陽炉搭載型のMSと交戦!」

スメラギ「何ですって!?」

ラッセ「スローネか!」

フェルト「データ照合……類似点は確認出来ますが、未確認の機影です」

イアン「何なんだよ一体……一体俺らが関わらないガンダムは何機いるんだ!」

スメラギ「至急ロックオン、ティエリアに連絡を! 刹那の援護に向かわせて!」

スメラギ「非常事態に備え第二種警戒態勢! 」

スメラギ(此処に来て事態が加速した……予想はかねがね的中ね)

スメラギ(だとすれば、もう猶予がない……!)



刹那「ッ……貴様がガンダムに敵対すると言うのなら!」

刹那「俺は貴様を、駆逐する!」ババァンッ

プルツー「っと……」ヒュンッ

プルツー「未確認機に堂々と向かってくるなんてね、恐れる心が無いのかい?」

プルツー「まあいいさ、そうこなくちゃ足を運んだ意味がない。 さぁガンダム、あたしに感じさせろ! リアルって奴をさぁ!!」

ビリッ

刹那「ッ!」
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/29(火) 01:00:45.22 ID:yBKEMxVAO
イアンさんの三人称は「ワシら」じゃなかったか?
461 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:04:57.01 ID:tWs3UVTAO
プルツー「ヴァラヌス、サイコミュ起動! あたしの脳波を受け取れ!」

キィィィン

プルツー「実戦で使うのは初めてだね……付いて来なよ、ガンダム!」

ギュォッ

刹那「ッ!?」

刹那(何だこのプレッシャー、まるで別人だ!)

プルツー「墜ちろぉぉぉ!」ブワッ

ー国連ー

リボンズ「ビスト財団が提唱した新人類論……それは財団の消滅後、イオリアが主張した人類の変革よりも早く実例が現れた為に現実味を帯びていった」

リボンズ「イオリアは懸念した。能力が有る者が、進化したということにはなりえないと言うことに気付いていたから」

ピピッ

リボンズ「GN粒子に直接的に介入し操作するサイコミュ的精神波の流れ……オカルト的なこの力をイオリアは恐れ、嫌悪した」

リボンズ「たった一人の手駒が変革の可能性を摘み取りかねない、彼等の無邪気な力を……」

ガチャッ

リボンズ「……」ピッ

アレハンドロ「ふう……」

リボンズ「お帰りなさいませ、アレハンドロ様」

アレハンドロ「あぁリボンズ、例の件、座標は特定出来たかい」

リボンズ「現在大まかな位置は特定出来ました、もう一月もかからないかと」

アレハンドロ「素晴らしい返答だ。世界が変革を迎えるその一線、待ち遠しくて毎日がもどかしいよ」

リボンズ「そのお気持ちに応えるべく、僕も全力で臨む所存です」

リボンズ「ときにアレハンドロ様、変革までの余興としてこのようなものは如何でしょうか?」

アレハンドロ「何かな?」

リボンズ「ガンダムVSガンダム。エクシアとヴァラヌスの一戦です」カチャッ

アレハンドロ「ほぉ……」ニヤリ
462 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:07:49.49 ID:tWs3UVTAO
ギンッギンッギャリンッ

刹那「はぁぁぁッ!」

プルツー「えぇいっ!」

ギィィィィィンッ

刹那「ッ……!」グググッ

プルツー「ちぃっ!」ギギギッ

ギャンッ

刹那「でぇぇぇい!」

ガキン
グンッ

刹那「なっ……!?」

プルツー「おおらぁっ!」

ドッゴォォ!

刹那「ぐぁあ!」ガクンッ

プルツー「ははっ! 悪くないよ、しっかりあたしの頭について来るじゃないか」

刹那「ッ……!」

刹那(エクシアの一撃を受け流して、機体の体勢を崩しながら一撃を見舞う……)

刹那(まるでKPSA時代、あの男がやっていたようなこと)

刹那「このパイロット……場数が違う!」

プルツー「そりゃあそうさ、身体はガキでも頭の中は18なんだ! 伊達に七年も脳みそだけ起きてたわけじゃない!」

プルツー「お前なんかに負けるもんかぁ!」ギュォッ

刹那「それは……俺の台詞だッ!」ジャキンッ

ギギィンッ

プルツー「っ、小振りの実体剣!」

刹那「取り回しが利かないなら、武器を変更し状況に適応する」

刹那「これがガンダムエクシア・セブンソードの真骨頂ッ!」

バチィッ
キィンッ

プルツー「ヴァラヌスに傷を……やるじゃあないか。そうでなくちゃガンダムマイスターである意味がない」

刹那「俺たちは世界を変える。変えなければならない」

刹那「こんなところで躓いてなどいられないッ!!」
463 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:11:44.78 ID:tWs3UVTAO
プルツー「不愉快だね、何も知らず駒扱いされているガンダムのパーツ風情が偉そうに!」

ギュンッ

刹那「パーツではない……俺が、ガンダムだ!」

プルツー「世迷い言をっ!」ジャコンッ

刹那「!」

刹那(ビームライフルか……!)

プルツー「サイコミュによるGN粒子圧縮、圧縮率88、89、92……」

プルツー「何がガンダムだ……気持ち悪いんだよ、消えちゃえ!」ゴォッ

刹那「なっ!?」

ズギャアアアッ

刹那「くぅっ……!」ギュンッ

プルツー「逃げろ逃げろ、逃げて怯えて泣き喚け!」

ゴゴゴゴゴォッ

刹那「ッ……!」

刹那(何だこの威力は、まるでヴァーチェのGNバズーカだ!)

バチチッ

プルツー「ちっ! ビームライフルが耐えられないか……やっぱり無理はするもんじゃないね」シュウン

刹那「ッ、今だ!」

プルツー「見え透いてるんだよ、鬱陶しい!」ジャキッ

刹那「ならばッ!」ブンッ

プルツー「っ、ダガーか!」

バチィッ

刹那「弾かれた!?」

プルツー「数が多けりゃ良いってもんじゃ無いだろうにさ!」

刹那「GNフィールドが発生したようには見えなかった……」

刹那「一体、コイツは……」

プルツー「もういい、潰してやるっ!」ブワッ

プルツー「ビームサーベル最大出力、捌いてやるよガンダム!」

刹那「ガンダムでは……ないのか!?」
464 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:18:23.45 ID:tWs3UVTAO
ギュォッ
バチィンッ

プルツー「きゃあっ!」

刹那「このビーム……ロックオン!」

ロックオン「当たったが弾かれた、奴さん意外に硬ぇな! HARO、GN粒子散布収支、火器にありったけ回せ!」

HARO〔リョーカイ! リョーカイ!〕

ロックオン「この敵のプレッシャー、尋常じゃねえ。一気に狙い撃つ!」ジャキッ

キュピィィィン

プルツー「つう、この気配、本物か! やっぱりガンダムマイスターにも潜り込んでいたのかい……」

プルツー「ヴァーチェに来られたら殊更面倒だ……リボンズの言うこと、たまには聞いてやるか」

ヒュンッ

ロックオン「あ、おい! 散々好き勝手したくせに俺が来たら逃げんのかよ!」

刹那「待て、貴様は何者だ! そのガンダムは……!」

プルツー「ガンダム、光を消す不愉快な存在!」

プルツー「今は見逃してやるよ、でも必ずあたしがお前等をやっつけてやる……覚悟するんだね!」

シュンッ

刹那「……ガンダムが……光を消す存在……?」

ロックオン「ちぃ、意外に速いなあの機体。おい刹那、大丈夫か!」

刹那「違う、絶対に違うッ!!」

ロックオン「せ、刹那……?」

ティエリア「ロックオン・ストラトス、状況は?」

ロックオン「おうティエリア」

ロックオン「ガンダムもどきは逃げちまった、スローネに似てたが謎が多い」

ロックオン「下手に感づかれる前にさっさと引くぞ。その後のことはミス・スメラギに任せよう」

ティエリア「了解した、スローネに関する情報はヴェーダに報告しておく」

ロックオン「……」

ロックオン(一瞬感じた気配、ありゃ若い女だった……)

ロックオン「この感覚、お仲間かねぇ、どうも」ポリポリ
465 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:26:23.88 ID:tWs3UVTAO
ゴボゴボッ
ギュンッ

ーMSドッグ搬入路・海底Cルートー

プルツー「はぁ……」

『良くやったプルツー』

プルツー「アレハンドロ、見ていたのかい」

『あぁ、素晴らしいショーだったよ。やはり君を計画から引き取ったのは正しかった』

プルツー「ライフルとサーベルが一丁ずつおしゃかになっちゃったよ、今度から出力調整は要らないから頑丈なものをくれ」

『手配しよう。今はもう休みたまえ』

プルツー「そうするよ。リボンズは?」

『無論、私の隣だ』

プルツー「……堂々とそういう事を言うの止めた方がいいと思う」

『耳が痛いな』

ガコンッ

プルツー「ヴァラヌス固定確認、今そっちに行く」

ザパァァァ……
ガシュンッ

プルツー「ふぅっ、久しぶりだから腕が鈍るね……んーっ」ノビー

パチパチパチ

アレハンドロ「私の戦乙女のご帰還だ、正規のガンダム相手に良くやったなプルツー」

プルツー「ふぅっ……っと」ピョンッ

スタンッ

プルツー「あんたがあたしを仲間に入れている限り、あんたを勝たせてやるっていったろ?」

プルツー(なぁ、そうだろうリボンズ)

リボンズ「…………」クスッ

アレハンドロ「ふっ、そうだったな」
466 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:34:38.43 ID:tWs3UVTAO
アレハンドロ「では報告を聞こう、君のライセンサーとしての初仕事だったのだからね」

プルツー「あぁ……」

ーーー

アレハンドロ「成る程、やはりあのライセンサーは危険な存在か……」

プルツー「少なくとも、そこらの軍人みたいにホイホイ引き入れられるような奴じゃないね」

プルツー「納得が行かなきゃ、何処へなりとも飛んで行っちゃうような奴だよ、あれは」

アレハンドロ「ふむ……」
リボンズ「アレハンドロ様、彼等に最期の一働きをさせるというのは如何でしょうか?」

アレハンドロ「彼等? あぁ……成る程な」

リボンズ「ソレスタルビーイングに対する希望、ライセンサーを恐れたガンダムが彼を襲えば、最終局面に際し全ては一つにまとまります」

リボンズ「宜しければ私が手配して、ミッションプランを考えますが……」

アレハンドロ「ふむ、煮え湯を呑まされた彼等に報復の機会を与えるのも一興か」

アレハンドロ「良いだろう、旧き時代のトップガンには此処で退場と相成ってもらうとしよう」

リボンズ「では、その様に……」

プルツー「……」

プルツー(リボンズ)

リボンズ(何だい?)

プルツー(お前本気でガンダムに暗殺紛いなことをやらせるつもりかい? ソレスタルビーイングの連中が吹っ切れたら……)

リボンズ(構わないさ。グラハム・エーカーが死のうが死ぬまいが、世界が一つになることが目的なのだから)

リボンズ(だから作戦も曖昧に、かつ簡略化するつもりだよ。彼等もそう何度もしくじりたくはないだろうからね)

プルツー(……)

リボンズ(十二番目が心配かい?)

プルツー(だとしても、邪魔はしないよ)

プルツー(トゥエルヴのマスターがあの大尉なら、あたしのマスターはリボンズなんだから)

リボンズ(理解が早くて助かるよ、プルツー)

プルツー(嘘ばっかり)

アレハンドロ「静かになってしまったな……」

プルツー「お腹空いた」

リボンズ「食事にしましょうか」
467 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:38:46.74 ID:tWs3UVTAO
イアンさんの「ワシ等」ミスだ、申し訳ない

ー人革連・病院ー

マリーダ「……」シャリシャリ

グラハム「……」

アーイーヲーシラーズーユーレールユリーカーゴー

マリーダ「はい、こちらマリーダ・クルス機」

グラハム「まるで無線のような電話の出方だな」

マリーダ「……そうですか、分かりました。マスターもお喜びになるかと」

マリーダ「はい……それでは、また」ピッ

マリーダ「マスター、カスタムフラッグの回収が完了したそうです」

グラハム「そうか! これで胸のつかえが取れたというものだ」ホッ

マリーダ「再生治療も上手く機能して、一週間後に退院出来ると医師から言われています」

グラハム「明日には退院する。準備を頼む」

マリーダ「しかしマスター……」

マリーダ「……いえ、了解致しました。その様に」

グラハム「済まんなマリーダ」

マリーダ「私は構いません。身体も強化されており頑丈です」

マリーダ「でもマスターは違います……ご無理をなさらないでください」

マリーダ「どうか、御自愛を」

グラハム「あぁ……分かっている」

グラハム「世話を、かける」

マリーダ「お側にいられるならば、それだけで」

マリーダ「林檎です、痛まぬ内に」

グラハム「……」シャク
468 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:50:21.87 ID:tWs3UVTAO
マリーダ「マスター、ここ数日様子がおかしいように感じますが」

グラハム「……」

マリーダ「何か、ございましたか?」

グラハム「……いや」

グラハム(あれから、私が撃墜したティエレンのパイロットの思念が頭に焼き付いて離れない)

グラハム(こんな感覚、まるで初めて戦場に出た時のようだ)

グラハム(彼等にも家族や友人、恋人に子供、人生があった……)

グラハム(重い、な)

グラハム「何でもないさ……久しぶりにベッドの上の生活を送ったから、気を抜かれただけだろう」

マリーダ「マスター……?」

グラハム(だがこの力があれば、ガンダムと対峙した場合、彼等の真意を理解できるやもしれん)

グラハム(背負わせてもらうぞレジスタンス。その命……世界の為に)

グラハム「それと、外のお客人を招き入れてくれ。せっかく来ていただいたのにこれではな」

マリーダ「了解しました、マスター」

ガチャッ

セルゲイ「どうやら気付かれていたようだな。具合はどうかね」

ソーマ「お見舞いに伺いました、ご気分は如何でしょうかマスターグラハム」ビシッ

グラハム「お二方でしたか、わざわざ申し訳無い」

マリーダ「ご無沙汰しております」ピッ

セルゲイ「どうやら予後は悪くないようだ。安心したよ大尉」

グラハム「お気をかけていただきありがとうございます。お陰様で明日には退院を」

ソーマ「医師の話では一週間と言っておりました、あまり無理をなさらない方がよろしいのでは」

セルゲイ「そうだぞ大尉。あの状況で特殊ティエレンを撃破しただけでも勲章ものだ」

セルゲイ「少しは休んで鋭気を養いたまえ、君は自らを追い詰めるきらいがあるからな」

グラハム「ハハ……中佐殿にそう言われてしまうと、返す言葉もございませんな」

グラハム「マリーダ、三日後に予定を変更だ」

マリーダ「マスター!」

グラハム「48時間も増やした。妥協点としては十分、でありましょう?」

マリーダ「……ハァ」

セルゲイ「こればかりは病院にいても治らんな」ハッハッハ
469 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 01:56:33.51 ID:tWs3UVTAO
セルゲイ「さて……聞いたかね?例の話を」

グラハム「ソレスタルビーイングからの内通者……ですか?」

セルゲイ「あぁ。何でも、手土産としてGNドライブ搭載型のMSを三十機国連に提供したらしい」

マリーダ「GNドライブ……?」

セルゲイ「ガンダムの性能の秘密でもある、特殊粒子を発生させるエネルギー炉だ。つまり、三十機のガンダムが手に入ったも同然ということ……」

セルゲイ「その名を、GNーXと言うらしい」

マリーダ「GNーX……」

ソーマ「ガンダムに対抗しうる、力!」

セルゲイ「三十機はそれぞれの陣営に十機ずつ配られ、各国のトップガンに与えられるらしい」

セルゲイ「私もGNーXに乗り指揮を執るつもりだ。ユニオン側からは、まず間違い無く君が任命されるだろうな」

マリーダ「マスター……」

グラハム「……」

グラハム「私は、辞退しようと考えています」

マリーダ「…………」

マリーダ(やはり、そう来たか)

セルゲイ「ほう?」

ソーマ「どうして……!? マスター・グラハム!」

470 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:00:10.52 ID:tWs3UVTAO
グラハム「フラッグでガンダムを倒す、私は部下の、最も高潔なフラッグファイターの墓前でそう誓いました」

グラハム「それに、既存のMSでガンダムに通用させられるのは私だけです。私のフラッグとGNーXを合わせれば、三十一機でガンダムと戦える」

ソーマ「そんな……理屈です!」

ソーマ「ご無礼を承知で言わせてもらいます、ガンダム30機に一機フラッグが混じっていたら、性能的にも作戦行動に支障が生じます!」

ソーマ「いかにマスターといえどフラッグで、現行のMSでガンダムの完全打倒は不可能です!」

グラハム「かもしれない。ライセンサーとしてもこの様な我が儘……免許剥奪ものだろう」

グラハム「しかし私は……」

マリーダ「……」

セルゲイ「……ふむ」

セルゲイ「君がそう言うのならば、そうすれば良いのではないか?」

グラハム「え?」

ソーマ「中佐!?」

セルゲイ「確かに普通に考えるなら、君がGNーXに乗ればもはや勝負は決まったも同然だ」

セルゲイ「逆に君が乗らないことで負担が増し、死なずに済む兵士が死ぬかもしれない」

セルゲイ「いや、むしろ君自身が死ぬ可能性だって高くなるだろう」

グラハム「……」

マリーダ「ッ……」ギュッ

セルゲイ「全てを決めるのは大尉自身だ。正直、君ならばGNーX部隊に混じりガンダムと渡り合えるかも知れない」

セルゲイ「だがこれだけは知っておいてほしい。我々軍人は……いや軍人のみならず」

セルゲイ「力を有する者には、相応の責務が課せられるということを」
471 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:07:11.76 ID:tWs3UVTAO
グラハム「……その言葉、深く心に刻み込ませていただきます」スッ

セルゲイ「マリーダ少尉の為にも、君には生きていてもらわねばならない」

セルゲイ「君の命はもう、君だけのモノではないことを覚えておいてくれ」

マリーダ「!」

ソーマ「!」

ソーマ(や、やっぱりそういう関係なのか……!)

マリーダ(中佐は、私の過去を知っている……?)

グラハム「……心得ています」

セルゲイ「ならば良し。君が、君自身が選んだ道ならば私は何も言わないよ」

セルゲイ「では、ゆっくり休みたまえ。君とまた肩を並べて戦える日を心待ちにしているよ」

グラハム「……戦いが終わったら、一杯奢らせてください。スミルノフ中佐」

セルゲイ「馬鹿を言うな、それは年長者の特権だよ」ニヤッ

セルゲイ「私が一杯奢るまで死ぬなよグラハム。では、失礼する」

ソーマ「そ、それでは失礼致します! マスター、マリーダ少尉!」

マリーダ「あぁ、またな少尉」

マリーダ(やけに顔が赤いな……大丈夫か?彼女は)

グラハム(……)

パタンッ

グラハム「難儀なものだなここは……空と違い、気ままには飛べんのだから」

マリーダ「マスター……」

グラハム「……」

グラハム「対ガンダムへの作戦が始まる前に、またガンダムと1対1で立ち会いたいものだな」

マリーダ「ガンダムに、ですか……?」

グラハム「この胸の内の霧を、彼等なら晴らしてくれそうな気がする。知りたいという気持ちには嘘がつけんな……」

マリーダ「まるで、恋をしているようですね」

グラハム「ふっ、妬くか?」

マリーダ「はい」

グラハム「…………」

グラハム「冗談だ」

マリーダ「私は冗談ではありません」

グラハム「私をからかうか?」

マリーダ「はい、からかいました」

グラハム「……」

マリーダ「……」プイッ
472 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:13:45.20 ID:tWs3UVTAO
グラハム「マリーダ、お前はどう思う」

マリーダ「お聞きにならなくてもお分かりになっている。そう感じられます」

グラハム「……」

マリーダ「ですが敢えて言わせてもらうならば、私は、マスターにはGNーXに乗っていただきたいと考えています」

マリーダ「フラッグファイターとしての矜持も勿論あります、ですが……」

マリーダ「……ハワードは、いなくなってしまいました……仲間も沢山、逝ってしまいました……」グッ

グラハム「……」

グラハム(やはりハワードの一件、相応に堪えていたか)

マリーダ「フラッグに拘って、マスターを失うようなことがあれば……悔やんでも悔やみ切れません……!」

グラハム「……済まん」スッ

マリーダ「あ……」

グラハム「私は、こんな生き方しかできない男だ。我ながら不器用で、諦めが悪くて、嫌になる」

グラハム「側にいると、そんな思いばかりするようになる。今ならまだ、間に合うぞ」

マリーダ「……」

マリーダ「もう、手遅れかと」クスッ

グラハム「む……?」

マリーダ「私の気持ちは変わりません。マスター、その時が来るまで……貴方の隣にいさせてください」

グラハム「……器用でないな、お互いに」

マリーダ「性分です。直す気も、ありません」

グラハム「フッ……似た者同士か」
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/29(火) 02:16:55.96 ID:5LP24/JUo
ジョシュアがGNXに乗るのかな
だがフラッグは宇宙でも行動できたっけか?
474 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:20:55.61 ID:tWs3UVTAO
ーそして数日後ー

グラハム「見た目だけは何とか……といったところか」コンコン

グラハム「しかし出力、可変機構、その他諸々は限界に近いな」

マリーダ「申し訳有りません……基幹ユニットの損傷が少ないとは言え、コレほどダメージがあると私には完全な修理は不可能でした」

グラハム「お前はよくやってくれたよ。あとはカタギリに任せよう」

グラハム「実は昨晩、カタギリにも例の件を話してみた。このカスタムフラッグ、これ以上の性能向上は望めんだろうが……」

マリーダ「……」

グラハム「フラッグにガンダムのGNドライブを搭載する事が出来れば、違うのかも知れんとな」

マリーダ「マスター、それは……」

グラハム「カタギリからも苦い顔をされた、だが多少の無理は承知の上だ」

マリーダ「フラッグは可変機構と人型のバランスにより成り立つ機体です。ただでさえ軽量化されたボディにあれだけ大型の動力炉を組み込むとなれば、バランスが……」

グラハム「……覚悟の上さ」

グラハム「私は、自ら顔に泥を塗ってでもハワード・メイスンとの誓いを守りたい。それだけだ」

マリーダ「……」

マリーダ「マスター、私にもGNーXを預けて頂けるでしょうか?」

グラハム「お前は私に次ぐフラッグファイターだ、同然の権利は与えられよう」

グラハム「乗るか?」

マリーダ「……はい」

グラハム「そうか」

マリーダ「GNドライブフラッグの件、ホーマー司令は了承してくださるでしょうか」

グラハム「頭を下げるしかあるまいな……」

マリーダ「……」
475 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:26:02.52 ID:tWs3UVTAO
グラハム「では戻るとするか……我々の祖国、ユニオンへ」

マリーダ「はい、マスター」

グラハム「この国にいるとマスターと呼ばれるのが当たり前に感じてしまうな……危険この上ない」

マリーダ「また来たくなる、そんな国でした」

グラハム「やれやれ……振り出しだな」

グラハム「ルートはロシアを経由してアラスカを通り、補給してから行く。陸路に近い方が何かと面倒も少なかろう」

マリーダ「了解、マスター」

マリーダ「人革連から領内まで護衛を付けるとのお達しが有りましたが」

グラハム「……気が乗らんが、万が一ということもある。今回ばかりはお言葉に甘えよう」

マリーダ「了解」

グラハム(フラッグが万全で無い今、いやでも弱気になる。気をしっかり持たねばな)

グラハム「頼むぞカタギリ……」

ーユニオン・イリノイ基地ー

ジョシュア「…………」チョクリツフドウ

ダリル「…………」ビドウダニセズ

ホーマー「……」

ビリー「どうぞ、叔父さん。本部のコーヒーは負けるでしょうが、MSWADのよりは美味しいと思いますよ」

ホーマー「叔父さんは止めろビリー、お前も軍属だ。公私を綯い交ぜにするな」

ビリー「申し訳ありませんカタギリ司令」クスッ

ホーマー「全く、そんなことだからお前はまだ独り身なんだ」

ビリー「そ、それとこれとは関係無いでしょう!」

ジョシュア「おいダリル」

ダリル「何だ」

ジョシュア「何でホーマー司令が此処にいるんだ?」

ダリル「知らん。あの人が普段何してるのかさえ知らん」

ジョシュア「足がツりそうだ……」プルプル

ダリル「耐えろ!」

ビリー「貴方がわざわざ足を運んだんだ……例の、太陽炉搭載型MSの件ですね」

ホーマー「如何にも」

ホーマー「ユニオンは十機のGNーXをオーバーフラッグスに配備し、そのまま対ガンダム部隊として運用する事を決めた」

ホーマー「無論隊長はグラハム・エーカー少佐」

ビリー「少佐?」

ホーマー「今回のライセンサーの案件、他二国にも快く迎えられた」

ホーマー「AEU・人革連での未確認機の撃墜も加味し、勲章授与の後昇進が決定した」

ビリー「何ともまぁ……」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/03/29(火) 02:27:55.36 ID:lJ2u0LOAO
>>473
オービットパッケージじゃないと無理
477 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:38:21.34 ID:tWs3UVTAO
ホーマー「だが私が危惧しているのは奴の性格だ」

ホーマー「あの馬鹿者、意地でもフラッグを降りんとだだをこねかねんからな……昔からそうだ」

ジョシュア「同感だな……」

ダリル「あぁ、隊長なら十中八九言う」

ホーマー「だから、私直々に釘を刺しに来たのだ」

ビリー「よく分かっていらっしゃる、グラハムなら先ほどこんな提案をメールで送ってきましたよ」ピッ

ホーマー「……これは?」

ビリー「フラッグへのGNドライブ搭載案」

ホーマー「やはりか……」

ビリー「……ッ」

ビリー「司令! この一件、尽力いたします。ですから私からも……!」

ホーマー「ビリー」

ホーマー「私が許可する。あいつに、出来うる限りのことをしてやれ」

ビリー「え……」

ダリル「司令……!」

ジョシュア「おいおい、マジかよ」ボソッ

ホーマー「ああいう奴は止めようとしても止まらん。だから放っておいたら真っ先に死んでしまうだろう」

ホーマー「だからビリー、お前がグラハムを助けてやれ、私に出来るのはその後押しくらいだ」

ビリー「叔父さん、貴方は……」

ホーマー「私も甘くなったものだな。アレを引き取ってからか……丸くなったと友人には笑われっぱなしだ」

ホーマー「……任せたぞ、ビリー。プロフェッサー亡き今、あいつの無理を聞いてやれるのはお前くらいだ」

ビリー「……合点承知です、叔父さん」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:41:36.12 ID:r18qmbDd0
格好いいな、ホーマー…………
479 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:44:17.42 ID:tWs3UVTAO
ーロシア北部・海岸線ー

ネーナ「ヨハ兄ィ、五月蝿いティエレンは全機片付けたよ!」

HARO[ミナゴロシ! ミナゴロシ!]

ネーナ「HARO物騒〜」

ヨハン「了解だネーナ」

ミハエル「兄貴、やっちまっても良いんだよなぁ!?」ブゥンッ

ヨハン「あぁ、構わん」

ヨハン「ライセンサー、グラハム・エーカー上級大尉。貴方を紛争幇助の存在と断定し、武力介入させていただく」

TO BE CONTINUED...

ティエリア「プトレマイオスから指示が届いた。我々はこれから一度宇宙に上がる」

ロックオン「……」

刹那「了解」

ロックオン「悪いティエリア、ミス・スメラギに後から行くって報告しといてくれ」ガタンッ

刹那「ロックオン、何処に行く?」

ロックオン「ちょっと野暮用を思い出したわ」

ロックオン(ちっ、間に合えよ……!)
480 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:47:11.76 ID:tWs3UVTAO
投下終了だフラッグファイター、トレミークルーの人称が曖昧で済まない
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:50:05.14 ID:r18qmbDd0

グラハムVSスローネ三兄妹再びか…………というか、戦えるのか今!?





追伸
今回プルツーの乗っていたヴァラヌスガンダムって、
どの作品の機体でしたっけ?
482 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/29(火) 02:55:46.21 ID:tWs3UVTAO
次回『対話』

相反する者との対話に、阿修羅は何を見いだすか

>>481
スローネ・ヴァラヌスというジンクスの前身
スローネ寄りだがジンクスにも似ているからガンダムと言うには微妙な外見をしている
サイコミュによりプルツー専用と化しているが若干プルツーを持て余し気味
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 03:00:58.59 ID:r18qmbDd0
>>482
ありがとうございます
……ニールもNTなのか……
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/29(火) 03:31:26.88 ID:5LP24/JUo

グラハム&ロックオン兄貴vs三兄弟になんのか?
これは次回が楽しみだな
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/29(火) 08:28:08.12 ID:yBKEMxVAO
グラハムはさらに昇進するのか…
グラハム少佐…で正しいのか?
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2011/03/29(火) 10:12:21.71 ID:qVlpxdBAO
乙乙
ハムとニールのコンビとか胸熱すぎる
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 14:20:30.89 ID:XW49RfI2o
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 01:38:05.03 ID:l9oB38rDO
1乙。gジェネ、00の外伝でてないのな
アバランチやらガスト、フィジカル本編でもだそうと思えば出せたんじゃないかと今にしてみれば思う
テールブースターの代わりにガスト、ナドレのときフィジカルで出ればと
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/30(水) 09:17:16.33 ID:XiaVQlEDO
>>488
どうせなら劇場版OOとUCもブレイヴとかサバーニャとかバンシィとかも出せば良かったのにな
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/30(水) 10:10:56.37 ID:ZwC/gP8AO
>>489
2日連続で巡り会えたかと思ったら……
491 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:07:23.61 ID:iNNXc/VAO
ガンダムUCのサントラ良いね

投下再開だフラッグファイター
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/31(木) 00:11:59.80 ID:AKq4Bedlo
その旨、良しとする!
493 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:13:05.05 ID:iNNXc/VAO
王留美「紅龍、例の物はユニオンに届けてもらえたかしら?」


紅龍「はいお嬢様、抜かりなく」

王留美「そう」

王留美「ビスト財団の遺産、サイコミュと呼ばれる精神感応装置」

王留美「ホーマー・カタギリなら、あれの使い方もすぐに分かるでしょうね」

王留美「世界は自ずと変わっていく……ソレスタルビーイングの導くままに」

王留美「イレギュラーにはイレギュラー同士、潰し合ってもらわなきゃ」


ーロシア北部・海上ー

ヨハン「ラグナからの任務は2つ、ライセンサー・グラハム・エーカー上級大尉への武力介入。そして彼のカスタムフラッグの破壊」

ネーナ「基地ごと狙えとかってミッションプランじゃないんだね、個人ピンポイントって結構珍しいかも」

HARO〔イーノカヨ!?イーノカヨ!?〕

ヨハン「良いも悪いも無いさ。ガンダムマイスターとして、与えられたミッションはこなすのみだ」

ミハエル「あれから、GNバスターソードの新調に時間がかかって顔出せなかったんだぜ……?」

ミハエル「この恨み、晴らさでおくべきかだよなぁ兄貴ィ!」

ヨハン「まずは王留美に感謝せねばな。補給路を確保してもらえたのは幸いだ」

ヨハン「……ミッションタイムクリア。ミハエル、ドッキングだ。仕掛けるぞ」

ミハエル「よっしゃあ!」

ヨハン「ネーナはメガランチャー発射後、高々度から奇襲し護衛のティエレンを攻撃、殲滅しろ」

ネーナ「了解ね!」

ヨハン「油断はするなよ。あのライセンサー、もしかしたらエスパーかもしれん」

ミハエル「エスパー?」

ネーナ「きゃははっ、何それおかし〜」

ヨハン「……いや、こちらの話だ」

ピピッ

ヨハン「来たか、情報通りだな」
494 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:21:29.11 ID:iNNXc/VAO
グラハム「……」

マリーダ「マスター、ロシアを抜けました」

グラハム「そうか、護衛に付いてくれた輸送艦に無線で礼を行ってくれ」

マリーダ「了解」

グラハム「ひとまず何もなかったか……アラスカに到着するまでは、気も抜けんが」

シュウウウウン

グラハム「ッ!?」

マリーダ「この気配……狙われている?!」

マリーダ「マスター、席へ!」

グラハム「敵機か? だがレーダーには何も……!」ガタンッ

ズギャァアアアッ

マリーダ「ッ!」

マリーダ(間に合え……!)グイッ

グゥンッ
ジュォッ

グラハム「ッ……!」

マリーダ「あぅっ!」

ボゥンッ



ヨハン「被弾……しかしあの位置からメガランチャーの直撃を避けるか」

ミハエル「運の良い野郎だぜ!」

ヨハン(本当に運がいいだけなのか……例のエスパーだとするなら、やはり警戒せねばならないが)

ヨハン「行くぞミハエル。ミッション開始だ」

ミハエル「了解だぜ兄貴!」

ヨハン「どうあれ我々は任務を全うするのみだ、ガンダムマイスターとしてな!」
495 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:22:23.75 ID:iNNXc/VAO
グラハム「今の粒子ビーム……エイフマン教授を狙った新型か!」

グラハム「ライセンサーへの武力介入か、はたまた以前の報復か……ともあれなりふり構わなくなってきたな、ガンダム!」

マリーダ「マスター、左翼被弾、バランスが取れません!」

グラハム「まだ飛べるか!?」

マリーダ「やってみせます……!」

グラハム「よし、反転して陸沿いに逃げる! 日本のユニオン部隊にも連絡を取れ!」シュルッ

マリーダ「ッ、マスター何を!?」

グラハム「フラッグで出る。増援が来るまでの足止めにはなるだろう」バッ

マリーダ「無茶です! いつものフラッグであればいざ知らず、あのフラッグでは!」

グラハム「ただ座して死を待つのは本意ではない。それに足を止めるだけだ、心配するな」

キィィィィン

マリーダ「……嘘です!」

グラハム「ッ……」

マリーダ「私なら問題はありません、ですから自ら囮になど……!」

グラハム「……つくづく隠し事が難しくなってきたな。この能力、良いものか悪いものか分からんものだ」

グラハム「だが死ぬつもりも、死なせるつもりも無いのは本意だッ!」ダッ

マリーダ「マスターっ!」

ウィィィィィン

グラハム「主翼にミサイルを搭載……」

グラハム「いざとなればあの手、使うしかあるまい」グッ
496 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:27:17.38 ID:iNNXc/VAO

ヨハン「ネーナはそのまま此方に合流しろ。三機で叩く」

ネーナ『了解ね!』

ヴンッ

ヨハン「ッ!」

ミハエル「来やがったぜ兄貴! 俺のツヴァイを傷つけやがった、忌々しいフラッグだ!」

ギュォッ

グラハム「また会ったな! ガンダムもどきッ!」ジャコンッ

ヨハン「三度目は無いッ!」ジャキンッ

ギギギィンッ

グラハム「はあぁッ!」グンッ

バゴンッ

ヨハン「ぐぁっ!?」

バチッ

グラハム(くっ……!)

ミハエル「てめっ……よくも兄貴の顔面に膝をォ!!」

グラハム「激昂したか、ならばついて来い!」

グラハム「目的は私とフラッグだろう……!」

ギュンッ

ヨハン「……頭を通り越されたのは初めてだッ」ギリッ

ヨハン(逆方向に逃げたということは、輸送機から我々を離すつもりか?)

ネーナ『ヨハ兄ィ、輸送機はどうする?』

ヨハン「……」

ヨハン(もし奴が例の存在ならば、以前のミハエル同様まさかの事態を招くかも知れん)

ヨハン(ミッションは武力介入とフラッグの破壊……となれば輸送機は無視しても構わないか)

ヨハン「放置しろ。我々の標的はあのカスタムフラッグ一機だ!」

ヨハン「追うぞ、何としてもミッションを完遂させる!」

ミハエル「了解!」

ネーナ『了解ね!』
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/03/31(木) 00:32:30.75 ID:6O+tSVgAO
サイコミュ搭載GNフラッグだと?
これは分かり合うということに繋がるのだろうか…
498 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:36:07.70 ID:iNNXc/VAO
マリーダ「敵が引いていく……?」

マリーダ「マスター……っ」

PP

マリーダ「応答願います、此方ユニオン第八独立航空戦術飛行隊所属、マリーダ・クルス少尉……ッ」


セルゲイ「何だと! グラハム大尉の輸送機がガンダムに襲撃された!?」

ソーマ「そんな……まるで殺し屋だ!」

セルゲイ(露骨だなガンダム、一体何をしようとしている?)

セルゲイ「それで、輸送機は?」

兵士「現在マリーダ少尉が日本に向けて移動しているとのことですが、マスター・グラハムに関してはガンダムと交戦中、安否不明とのことです」

セルゲイ「……」

ソーマ「GNーXの組み立てが間に合っていれば……!」

セルゲイ「今我々に出来るのは、無事を祈ることだけか……歯痒いな」


マネキン「以前のテロへの火消しとは全く違う、明らかな報復……」

マネキン「えぇいガンダムめ、GNーXが間に合っていれば!」

コーラサワー「むむむ……」シュゥゥゥゥン

マネキン「パトリック……貴公の運を大尉に分けてやれればいいのだがな」

コーラサワー「そんな必要無いっスよ。トップガンなら自力で何とかしますって」

コーラサワー(まだ生きてるみたいなんだけどなぁ……大丈夫かね本当に)
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/31(木) 00:39:20.23 ID:3b+mpOi30
コーラもNTかwwwwww
500 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:39:39.12 ID:iNNXc/VAO
ヨハン「良いなミハエル、トドメはお前に任せる。だが好きにやっていいのはあの機体を損傷させてからだ」

ミハエル「分かってるって兄貴」

ネーナ「じゃあ、行っくよー!」

バババゥンッ

グラハム「つぅッ!」

グラハム「ッ……まるで腫れ物を扱うような戦い方だな、嫌われたものだ」

グラハム(だが今となっては好都合か、この間に距離を離す!)

ミハエル「うぜぇ! ちょこまか逃げんなよ!」

グラハム「なんのっ……!」

ヨハン「この方向、成る程、アラスカに逃げるつもりか」

ネーナ「あっちにもユニオン軍いるよねヨハ兄ィ」

ミハエル「関係ねえよ! 雑魚が来たって全部スクラップだ!」

ヨハン「だが相手が相手だ、無理をして時間をかけてはガンダムマイスターの資質を疑われる」

ヨハン「増援が来る前に終わらせるぞ……!」ギュンッ

ネーナ「きゃはははっ!」

HARO〔オニゴッコ! オニゴッコ!〕

ミハエル「刻んでやらぁぁぁぁ!」

グラハム「もう少し、もう少しだけ近付かねば……!」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/31(木) 00:39:58.00 ID:2/JnuH390
>>1
やっとめぐりあえたなぁぁぁぁ!!!
502 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:43:38.62 ID:iNNXc/VAO
ヨハン「追い詰めるぞ! 機体性能ではこちらが遥かに優勢だ」

ヨハン「近付けさせなければ負けはしないッ!」

バシュンバシュンッ
ズギャァッ

グラハム「反応がッ……!」

ネーナ「兄ィ兄ィズ、なんかこのフラッグ前より遅くない?」

HARO〔ポンコツ! ポンコツ!〕

ミハエル「だったら好都合だろうがッ! 行けよファングゥ!!」

ヒュババッ

グラハム「ッ!?」

グラハム(いかん、旋回性能の劣化したこの状態では……!)

ザクッ
ザクザクッ

ミハエル「撃てよォ!」

バババゥンッ
ゴォンッ

グラハム「ぐぁあっ!」

ミハエル「ハッハァ! 右腕の借りに左足もおまけしてやったぜ!」

ミハエル「後は俺のバスターソードの借りを返してお仕舞いだぁぁぁぁ!」ギュンッ

グラハム「………ッ」クンッ

ガキンッ

ミハエル「あ?」

ネーナ「抱きついてきた、気持ち悪っ!」

グラハム「済まんフラッグ、我が相棒よ」

グラハム「許せッ……!!」

ガキンッ

ネーナ「下半身が取れた!」

ヨハン「ッ!?」

ヨハン「いかんッ! 逃げろミハエル!」

カッ

ボッゴォォォォ……ォン

ミハエル「ぎゃあああっ?!」

ドッパァァァン

ネーナ「ミハ兄ィ!?」

ヨハン「自爆ッ……サブコクピットであれだけの操縦をこなしたというのか!?」

ヨハン「だが、逃がさんッ!」ガコンッ

グラハム(不味いッ……離脱を……!)

バシュンッ
ドゴォッ

グラハム「 」

ヨハン(海に投げ出されたか、だがまだあれしきでは!)

ヨハン「ちぃッ、何処だ!」
503 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:48:01.69 ID:iNNXc/VAO
HARO〔ガンダムセッキン! ガンダムセッキン!〕

ネーナ「ヨハ兄ィ!」

ヨハン「ッ! ガンダムだと……?」

ピピッ

ヨハン「これは……デュナメス!?」

ギュォッ

ロックオン「一歩遅かったか……だがまだ生きてるっぽいな」

キュピィィィン

ロックオン「あぁ、分かってるってお嬢ちゃん。助けてやるよ、出血大サービスだぜ!」ジャキンッ

ネーナ「ヨハ兄ィ!」

ヨハン「ッ……今一歩のところで」

PPP

ヨハン「! ミッションクリア……だと……?」

ヨハン(近くに監視者がいるのか、しかしフラッグが大破しただけでミッションクリアとはな)

ヨハン「……我々は駒、という事か? ラグナ」

ヨハン「不本意だが離脱する。ミッションを終えた今、デュナメスと一戦交える価値は無い」

ネーナ「了解ね!」

ヨハン「ミハエル! ライセンサーを探してないでさっさと上がってこい」

ザッパァァァン

ミハエル「こん畜生ッ! 一度ならず二度もこけにしくさりやがってェェ!」

ヨハン「所詮苦し紛れの一発だ、そう熱くなるな」

ヨハン「行くぞ」

ネーナ「あーん、帰ったらシャワー浴びたい」

ミハエル「むしゃくしゃが収まらねえッ! くそぉっ!」

ギュゥゥゥン
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/03/31(木) 00:50:47.92 ID:94k0QrYAO
リアルタイム遭遇…

獅子座の私もセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない…っ…
505 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 00:54:40.53 ID:iNNXc/VAO
ロックオン「あいつらさっさと引き上げやがった……最近俺戦わせてもらえねえなぁ」ハァ

ロックオン「……」

ロックオン「ははっ、お兄ちゃんはよせよ、くすぐったい」

HARO[ロックオン、ヒトリゴト? ロックオン、ヒトリゴト?]

ロックオン「おっと、HAROにゃ感じらんねえか」

ロックオン「気にすんなよHARO、とりあえず下半身を拾うとしよう」

ロックオン「それとこっからはヴェーダには報告は無しだ、頼むぜ相棒」

HARO[リョウカイ! リョウカイ!]

ーーー

パチ……パチ……

グラハム「……」

『起きて〜』ペチペチ

グラハム「……ん……」

『起きてよお兄ちゃん!』ペチペチペチペチ

グラハム「誰……だ?」

『寝たら死んじゃうよー! おーいマスター!』ベシベシ

グラハム「グフッ……マリーダ……ッ?」

ロックオン「よぉ、起きたかいライセンサー」

グラハム「ッ!?」ガバッ

パチ……パチ……

グラハム「ここ、は……」

グラハム「私は、生きているのか?」グッ

ズキッ

グラハム「ッ……!」

ロックオン「無理はしない方がいいぜ。最近それなりに怪我が多かったみたいだな、古傷が開いてる」ズズッ

ロックオン「ここはアラスカの端っこにある小屋、あんたは俺が引き上げた。OK?」

グラハム「……君は……?」

ロックオン「ガンダムマイスター」ニッ
506 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:00:55.40 ID:iNNXc/VAO
グラハム「ッ!」ガバッ

グラハム「〜……!」グラッ

ロックオン「ほら言わんこっちゃない、古傷の前にさっきの一戦でも怪我してんだぜアンタ」

グラハム「ガンダムマイスター……ガンダムのパイロットということか」

グラハム「撃墜した私をわざわざ生かして連れてくるとはな……どうするつもりだ、監禁するか、なぶり殺すか?」

ロックオン「どちらでもない、それについでに言うと俺はあいつら三兄妹とは違う」

グラハム「三兄妹……新型か?」

ロックオン「あぁそうか……情報が其処まで行き届いてないのか」

ロックオン「じゃあその辺かいつまんで、捨てちまおう。俺はあんたの話をとある子から聞いていて、故にあんたに会いに来た」

グラハム「? ……??」

ロックオン「ちょっといきなりすぎたな、まぁ気が落ち着くまで待つさ、珈琲でも淹れてやるよ」ガタンッ

グラハム「ッ!」

ロックオン「……忙しいなアンタ、先入観に頼らずもうちょい力使ってみたらどうだ?」

グラハム「なに……?」

ロックオン「……」トントン

キュピィィィン

グラハム「っ!」

ロックオン「こういう事さ、こっちに関してはどうやら俺のが先輩らしい」

ロックオン「敵意が無いことくらいは察してくれたかい、ライセンサー」

グラハム「……」

ロックオン「ハハ、そう感じてもらえるとこっちもやりやすい」
507 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:09:56.93 ID:iNNXc/VAO
ーユニオン・オキナワ基地ー

兵士『お待ちください少尉、夜間飛行で大尉を探し出すなんて無茶です!』

マリーダ「私なら問題ない、マスターの感覚ぐらいフラッグで飛んでいても掴める」ガコンッ

兵士『しかしガンダムがまだあの海域にいるかも知れません!』

マリーダ「関係無いと言っている!」

マリーダ「私は決めたんだ……この身体が焼き尽くされ、罪と汚れが虚無に立ち返るまで、マスターの為に尽くすと」

兵士『ならば我々も同行しますッ! どうかお供に!』

マリーダ「その忠義、マスターの代わりに感謝しよう」

マリーダ「マリーダ機、出るぞ!」

ギュゥゥゥンッ


ーー
パチ……パチ……

グラハム「……」ズズッ

ロックオン「さて……何から話そうかライセンサー」

グラハム「グラハム・エーカーだ」

ロックオン「名前で呼ばれる方がお好みかい? んじゃ俺も自己紹介といこう」

ロックオン「コードネームはロックオン、ロックオン・ストラトスだ。よろしく……といっていいのかは分からないけどな、グラハムさんよ」

グラハム「……」

グラハム「私からは質問が多すぎて選別が間に合わない位だ」

ロックオン「まだ時間はある……とはいえ一晩くらいだが」

ロックオン「何でも良いさ。特に議題を決めるつもりはない」

グラハム「君達の目的は?」

ロックオン「紛争の根絶」
グラハム「ならば何故武力を使う? 矛盾している」

ロックオン「世の中には力でねじ伏せられちまうことが大半なんでな、言っても分からないなら叩くしかない」

グラハム「幼稚だ」

ロックオン「だが確実だ」

グラハム「君達の行いで世は荒れた!」

ロックオン「表面化しただけさ。国が対応しきれない部分、国が諦めた部分、元々裏っ側は真っ黒だ」

ロックオン「それに、報いは受けるさ。全部終わってからな」

グラハム「ならば新型の三機はどう説明するつもりだ!」

ロックオン「ありゃあ俺らとは違う分類のガンダムだ、俺らにだってわからない!」

グラハム「逃げるか、君達の存在が奴らの入り込む余地を生んだ!」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 01:11:04.44 ID:CIilMmIqo
唯一一般人だったロックオンが能力を持つとなんか新鮮だな
509 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:14:59.75 ID:iNNXc/VAO
ロックオン「俺らが生んだ歪みは俺らが正す! あいつらのやってることはソレスタルビーイングの本意じゃない!」

グラハム「本意か否かは関係無いッ! 私はあのガンダムのせいで部下を失い、恩師を亡くし、護るべき者の身体に爪痕を残させてしまった!」

ロックオン「ガンダムが出てくる以前から世界中でそれはあった! お前だけが辛いんじゃねえッ!!」

グラハム「被害者意識で引き金を引くのか君は!」

グラハム「先ほど報いを受けると言ったな、ならばッ! 今それを受けろッ!」ジャキッ

グラハム「ッ!?」

ロックオン「…………」

グラハム「何故……私の腰から銃を抜かなかった?」

ロックオン「あんたが入れてりゃ弾も入ってるだろうな、いじってないからよ」

ロックオン「撃つかい、引き金を引けば弾は出る」

グラハム「ッ……」

ロックオン「悪かったよ、あんただけがなんて知ったような口を利いちまって……」

ロックオン「俺もまだまだガキってことか……あいつらに言える立場じゃないな全く」

グラハム「君は……家族を……?」

ロックオン「自爆テロでな。両親と妹が、さ」

ロックオン「国ではテロは抑えられない。だからソレスタルビーイングに入った、テロを無くすために」

グラハム「……」

ロックオン「グラハムさん、あんたは何故戦うんだ?」
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/03/31(木) 01:18:47.97 ID:eqtFatpXo
なにやらこの組合せで会話とは胸が熱くなるなぁ!
511 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:18:55.34 ID:iNNXc/VAO
グラハム「私は……軍人だ……」

ロックオン「立場で人を殺してたのか?」

グラハム「世界の秩序の為に……!」

ロックオン「自分自身でそう感じた事は無いのか」

グラハム「ッ……私は……!」

ロックオン「……」

ロックオン「いや、いきなり言えっていって答えられる方が不思議だな、悪かった。うちのマイスターだって、いつも命を奪ってるんだって考えてる奴はあまりいない」

ロックオン「見た感じあんたの中にはちゃんとした理由がある。まとめてる間に、俺らの話をしよう」

グラハム「……頼もう」

ロックオン「紛争や戦争が起きる理由は様々ある。主義主張の食い違い、宗教摩擦、革命、保守、土地や資源の奪い合い、そもそもそれでしか食っていけないから……挙げていけばキリがない。兎に角いろいろだ 」

ロックオン「でも、人間ってのはそれらを争いで片付けなきゃいけないような存在なのか?」

ロックオン「ちょっと頭を捻って、ちょっと我慢して、ちょっと赦して……そうやってみんなで隙間を作れば、案外上手く行くもんじゃないのか?」

グラハム「……」

ロックオン「人間は宇宙にだっていけるようになったのに、これじゃあ獣と同じだ。時代がそうさせているのか、争いが慣習になっちまってるのか、遺伝子がそうなってるのか……それは分からねえ」

ロックオン「でもよ……何とかして変えなきゃって思うことは、悪いことかね?」
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/31(木) 01:21:23.88 ID:6c8dPRI/o
グラハムの方が年上だったよな
513 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:22:35.61 ID:iNNXc/VAO
ロックオン「争いで解決できるなんて夢想を抱いた紛争は力づくで止める」

ロックオン「正しい戦争があるなんて思い込んだ革命家は鉛玉叩き込んだって黙らせる」

ロックオン「そうやって、戦う手段を奪って話し合いが当たり前になればよ……最後に俺らが潰されたって、世界は変わるだろう?」

ロックオン「正しいことが人を救うとは限らない。やり方は間違っているかもしれねえが……俺達ソレスタルビーイングは、こうでもしなきゃ世界は微睡んだままだと思って動いた」

ロックオン「ソレスタルビーイングは、ガンダムは……あらがうことさえ出来ない、本当にどうしようもない奴らの最後の光なんだ」

ロックオン「その辺、理解しちゃあくれないかい? グラハム・エーカー」

グラハム「……」

ロックオン「うちの構成員は殆どそういう連中ばっかだ、造られた存在、ガキの頃に仕込まれた兵士、テロに巻き込まれた奴、本当に殆どな」

グラハム「造られた人間……?」

ロックオン「超兵が良い例さ。先日武力介入もした……したがよ……」

ロックオン「……やるせねえんだ……こっちだってよ……!」

グラハム「……」

グラハム(主張の内容以前に、この青年は本気で世界に向き合っている)

グラハム(自らが奪った命を背負い、血塗られた道をただひたすらに……)

ロックオン「……纏まったみたいだな」

ロックオン「アンタの番だフラッグファイター、聞かせてくれ。あんたの理由を」
514 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:28:02.41 ID:iNNXc/VAO
グラハム「私は孤児だった、幼い頃から空に憧れていて、どの様な形でも空を飛びたかった」

グラハム「金銭的にも私が空を飛ぶには軍に入るしかない……人を殺す仕事とか、軍の狗だとか……考える余地もなく私は軍人になった」

ロックオン「……」

グラハム「君の言うとおり、私は立場で人を殺していたのかもしれない」

グラハム「ただそれは最初の頃の話。今の私は自らの意志でそれを背負い此処にいる」

グラハム「やはり秩序の中に人は生きるべきだ、統制や管理という檻ではなく、良心や理性を尊重しそれらが迫害されない為の砦としての秩序の中に」

グラハム「そう、私は秩序を、そしてその中に住む人々を護るために銃を取っている。その決意の下に、引き金を引いている」

グラハム「ソレスタルビーイングの主張、感じ入るものが無いと言えば嘘になろう。むしろ一理あると言うべきであり、その理念はまた一つの世界の在り方なのだろう」

ロックオン「……」

グラハム「私の部下……いや、何といえばいいのだろうか。とかく、本人の意思で私の隣に立つ、造られた存在を私は幾人か知っている」

グラハム「だが彼女等は皆自らの精神を持ち、自らの力で立っている。出自はどうあれ、秩序を壊す為にその力を振るおうとする者は誰もいない」

グラハム「それは、側にいた仲間が、師が、家族として彼女等を導いたからだ」

グラハム「君達だけが彼等の光に成りうると私は思わない。私も、良心を持つ人間なら誰でも! その光に成り得ると確信している」
515 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:33:24.89 ID:iNNXc/VAO
グラハム「私はソレスタルビーイングの存在意義を理解した。君の戦う理由、決意の強さ、そして覚悟を知った」

グラハム「だからこそ私は、君を、ソレスタルビーイングを否定する。秩序を乱し、我を通すことが正道と割り切る君たちは、やはりあってはならない」

グラハム「正しい戦争など無く、正しさで人が救えるとは限らない。君はそう言った」

グラハム「だが私はそれでも、正しさの内にある人の暖かさを以て人の道を示したい。それが私の、フラッグファイター達の意志なのだから」

ロックオン「……そうか」チャキッ

ロックオン「残念だよ」

グラハム「私もだ」ジャキッ

ロックオン「俺からは返す言葉もない。あんたは間違いなく正しく、非があるとすりゃ俺たちだ」

グラハム「だが止まるつもりはない、そう言うのだろう?」

ロックオン「あぁ。悲しいな、分かり合っても戦う運命からは逃れられないらしい」

グラハム「否、運命は切り開くもの。私が切り開く運命の先に君がいた、ただそれだけだ」

ロックオン「出逢い方がちょっと違えば、良い友達になれたかもな」

グラハム「あぁ、仮定の話だ」

グラハム「ただ……」スッ

ロックオン「?」

グラハム「君に命を助けられた今の私に、この場で引き金を引く権利は無いな」フッ

グラハム「撃ちたければ撃ちたまえ、私にはどうすることもできん」

ロックオン「……」

ロックオン「……ハハッ」

ロックオン「あんた、律儀すぎるぜ。頑固だってよく言われんだろ?」スチャッ

グラハム「あぁ、私は俗に言う人に嫌われるタイプの人間だ」

ロックオン「確かに、アザディスタンでのしつこさは半端じゃなかったな。鬱陶しいことこの上なかったぜ、ありゃ」

グラハム「褒め言葉として受け取っておこう。君の射撃の腕も、久しぶりに嫌な汗をかかせてもらった」

ロックオン「……ふっ」

グラハム「くくっ」

ロックオン「ははははははははは……!」

グラハム「はははははははははははははははっ!」
516 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:36:57.96 ID:iNNXc/VAO
ロックオン「了解だライセンサー、この場で物別れが俺達にとって最上らしい」シュッ

グラハム「……?」パシッ

ロックオン「今頃ユニオンが血眼になってあんたを探してるだろう、そいつはフラッグのコクピットから拝借した無線機だ」

ロックオン「これがこの場所の座標だ、俺が出てしばらくしたら使ってくれ、きっとすぐに迎えが来る」スッ

グラハム「……」ピッ

グラハム「この夜の一件、他言無用ということかな?」

ロックオン「命を助けた駄賃だと思ってくれ、なんて押し付けがましいけどな」

ロックオン「少なくとも、グラハム・エーカーという人間を理解出来たのは俺にとっては有意義なことだったということさ」

ロックオン「国の正義に依る奴なんか大嫌いだって考え方だったんだが……少しは変わったよ。ありがとな」

グラハム「そういうことならば、今日の出来事は私の胸の内に仕舞うことにしよう」

グラハム「私のような考え方の人間は軍にも数多いる、もっと素晴らしい意識の人も数限りなくいる」

ロックオン「出来れば、そいつ等からは狙いを外しておきたいな」

グラハム「我々は分かり合っても戦わねばならんが……」

ロックオン「俺らの子供や、その子供の子供までは、そうなってほしくないもんだ」

グラハム「そうならないために我々は戦う」

ロックオン「恨みっこなしだぜライセンサー」

グラハム「次逢うときは戦場だ」

ロックオン「悪いが、今度こそ狙い撃たせてもらうぜ?」

グラハム「当たるわけにはいかんよ。私の命は、私だけのものではないのだから」

ロックオン「……じゃ」

グラハム「待て」
517 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:41:29.51 ID:iNNXc/VAO
ロックオン「ん?」

グラハム「君は誰から私の話を聞いた? 恐らくは、その人物も私達のような力を持っていると推測するが」

ロックオン「あぁ……秘密だ」

グラハム「何?」

ロックオン「そいつはあんたのすぐ側にいる、気付いてくれるまでは黙っていてほしいってお達しなんでな」

グラハム「……?」

ロックオン「なに、あんたならすぐさ」

ロックオン「グラハム」

グラハム「む?」

ロックオン「正しいことが人の救いになるとは限らない……その考え方は変わらない」

ロックオン「だが、それでもと言えるあんたに会えて良かった」

ロックオン「もし戦いが終わってどちらも生きていたら、その時はまた語り合おう」

ロックオン「寝言で呟いてたマリーダってのも一緒にさ」ハハッ

グラハム「ロックオン・ストラトス……」

ロックオン「ニール・ディランディだ。俺の本名」

グラハム「ニール・ディランディか……良い名だ」

ロックオン「へっ、ありがとよ」

ロックオン「生きていたらまた会おうぜ……じゃあな」ザッザッザッ

ウィィィィィン

HARO[ロックオン、スメラギオコッテル]

ロックオン「うへ、マジか! 言い訳考えなきゃな」

ロックオン「……」

ピッ

ロックオン『グラハム!』

グラハム「ッ!」

ロックオン『俺達みたいな力を持った奴を、ソレスタルビーイングではこう呼んでいる!』

ロックオン『新たなる可能性、ニュータイプと!』

グラハム「ニュー……タイプ?」

ロックオン『期待してるぜニュータイプ、お互い変われるといいな!』

コォォォォ……

グラハム「……行ってしまったか」

グラハム「ニュータイプ、か」

グラハム「……」ゾクゾクッ

グラハム「ロックオン・ストラトス、ニール・ディランディ!」

バフッ

グラハム「ははっ! また会おう! 次はもっと暖かな場所でな!」
518 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:46:34.34 ID:iNNXc/VAO
HARO[ロックオン! ロックオン!]

ロックオン「不満かHARO、そりゃあ敵と一晩しっぽり話し合ってりゃそうなるだろうな」

ロックオン「でもよ、いくら強がったって、人間ってのは独りじゃ生きらんないんだ。敵味方にあんまり拘りすぎたら、寂しくなっちまうだろ?」

HARO[ロックオン、ヨクワカラナイ!]

ロックオン「ははっ、HAROにゃちょい難しかったか?」

ロックオン「まぁ、追々分かると良いな」ナデナデ

HARO[ファー……ブルスコファー……]

ロックオン「てぃっ」ビシッ

HARO[モルスァ]

ー太平洋ー

兵士『マリーダ少尉、もうこれ以上は……!』

マリーダ「ならばお前達だけでも帰っていい! 私はマスターを探すっ!」

兵士『しかしこれ以上はお身体に障ります!』

マリーダ「私はこの程度ではどうにもならん! 余計なお世話だっ!」

兵士『ッ……』

マリーダ(マスター……応えてください、マスター!)グッ

ピピッ

『アラスカ司令部より入電! グラハム・エーカー上級大尉からの通信が入ったそうです!』

マリーダ「っ!?」

マリーダ「座標は何処だ、直ぐに急行する!」

ギュゥゥゥンッ
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/03/31(木) 01:47:49.61 ID:eqtFatpXo
ハロさんも目覚めたか……
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/31(木) 01:48:34.18 ID:VvSac9Pv0
人はー独りでは生きられないー♪

HAROwwwwwwwwww
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/31(木) 01:48:57.78 ID:3r6V7QCAO
ハロに変な事吹き込んだのは誰だwwww
522 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:50:56.47 ID:iNNXc/VAO
グラハム「ふう……ここはソレスタルビーイングの中継場所だったのか? それにしては物も少ないが……」

グラハム「むッ?」

グラハム「この珈琲、賞味期限切れではないか……なのにMSWADの珈琲より美味い」ズズッ

グラハム「あれは本当に珈琲なのだろうか、今度カタギリに精密検査を依頼しよう」

ギュゥゥ……ゥン

グラハム「来たな、マリーダか」

ドスゥンッ
バタンッ

グラハム「ッ!」ビクゥッ

マリーダ「マスターッ!?」

グラハム「は、速いな……フラッグが降り立ってから私が珈琲を置く間もなかったぞ」

マリーダ「…………」

マリーダ「」ボロボロ

グラハム「ッ!?」

マリーダ「どれだけ……どれだけ心配したことか……!」

マリーダ「良かった……ご無事で……マスター……!」

グラハム「……」

グラハム「心配させてしまったなマリーダ、済まん。だが私は見ての通り大丈夫だ」

グラハム「今度こそ帰ろう、ユニオンへ」ポン

マリーダ「はい……マスター……!」

グラハム(とはいえ此処もアラスカ、ユニオンなのだがな)

グラハム(基地に帰ったら久しぶりにゆっくりと休めそうだ……)
523 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:55:46.47 ID:iNNXc/VAO
ー人革連ー

セルゲイ「そうか、グラハム大尉は無事だったか」

ソーマ「良かった……」ホッ

セルゲイ(正直腑に落ちんところもあるな、ガンダムがわざわざ出向いておきながら完全に任務をこなさなかった理由は何だ?)

セルゲイ「何も無ければいいのだが……」

ーAEUー

マネキン「何も無ければいいのだがな……」

PPP

マネキン「私だ」

マネキン「そうか、遂にGNーXが……」

マネキン「何? 9機しかないだと、そんな馬鹿な……!」

マネキン「くっ、上層部め、私に一任すると言いながら一枠を勝手に……!」

マネキン「それで!? 登録されたパイロットは!」

マネキン「……ヤザン・ゲーブル……ッ?!」

ー???ー

ヤザン「はっはぁ! コイツが俺のガンダムってやつか!」

プルツー「広義に捉えればまぁそうともいえるよ」

プルツー「でもガンダムに対抗する力なんだ、せめてGNーXと呼びな」

ヤザン「ませたガキだ、コイツが本当に俺と同じライセンサーだってのか?」

プルツー「試して見るかい? あんたなんか一瞬で落としてやるよ」ガルル

アレハンドロ「リボンズは何処だ?プルツーが暴れかねん」

アレハンドロ「同僚になる二人なんだ、少しは仲良くやりたまえ」
524 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 01:59:41.62 ID:iNNXc/VAO
アレハンドロ「ヤザン・ゲーブル、特に君はプルツーの口添えで出てこれたようなものだ。彼女には感謝したまえよ」

ヤザン「このガキのおかげだと……?」ギロッ

プルツー「腕は確かだからね。使えるかどうかは直感だけど……」

ヤザン「直感かよ、ガキの思いつきに振り回されちゃたまらねえな」ケッ

プルツー「何だと!?」

アレハンドロ「……今から頭が痛いな」

リボンズ「アレハンドロ様」

アレハンドロ「リボンズか、プルツーを宥めてくれ」

リボンズ「どうどう……と、冗談はその辺にいたしましょう」

リボンズ「トリニティの介入はデュナメスの乱入もあり、完璧には遂行されなかったようです」

アレハンドロ「やはりか……まぁこれでガンダムへの不信感から世界は一つになる。最低限は働いたということか」

リボンズ「ですが思わぬ事態に」ピッ

アレハンドロ「ん……?」

アレハンドロ「これはこれは、天は我々に味方したということか」ニヤッ

アレハンドロ「手配は?」

リボンズ「済ませてあります」

アレハンドロ「トリニティめ、たまには役に立つ。これは撃墜するよりは遥かに価値がある……」
525 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 02:01:41.61 ID:iNNXc/VAO
アレハンドロ「素晴らしいジョーカーを手に入れたものだ……ふふふ、はははははははは!」

TO BE CONTINUED...

ービリー・自室ー

ビリー「叔父さんの口添えでGNーXの太陽炉は一機分譲ってもらえる……」

ビリー「あとは時間との勝負だ、出来うる限り早く、出来うる限り精密に、GNドライブ搭載型フラッグの雛型を作らなきゃ」

ビリー「寝てなんかいられない……僕だってやってやるぞ、グラハム!」

ピピッ

【ジャン・リュック・デュバル様からメールが届きました】

ビリー「誰だよ!?」

ビリー「こんな忙しい時に、間違いメールだなんて……もう!」

ピッ

ビリー「……ん? 外部委託のメール送信……?」

ビリー「それにデータ容量が大きい……」

ビリー「……」ピッ

【To brave 】

ビリー「これは……フラッグの設計図! 名義は、レイフ・エイフマン!?」
526 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/03/31(木) 02:04:59.82 ID:iNNXc/VAO
投下終了

もはやエイフマン無双

次回【クロスロード】

遺された想いが交わり、道を切り開く
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/03/31(木) 02:07:46.98 ID:sA+j2Y8AO
>>518
せつこそれハロちゃうファービーや
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/31(木) 02:08:42.09 ID:uAlUENjWo
乙!
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/31(木) 02:10:56.13 ID:j7V6AhV/0
乙!
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/03/31(木) 02:13:05.43 ID:eqtFatpXo
乙乙

どんな切り札やら
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/31(木) 02:25:28.53 ID:BwSXutuAO
ギリギリ間に合わなかったorz

>>1
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 03:31:09.79 ID:flX4gLiDO
乙!!
まさか、デュバル少佐の名前まででてくるとわww
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 05:58:55.48 ID:oCygzshWo


To Brave だと…
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 06:39:35.36 ID:VFWpwyTWo


グラハムとロックオンかっこよすぎる…ちょっと00一期借りてくる
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/03/31(木) 08:11:42.60 ID:LIdOEx6y0

ヨハンもニュータイプかと思っちまった
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/03/31(木) 08:34:54.50 ID:94k0QrYAO
なんだよ空中分解するのかよ…wwww
俺…デュバルさん好きだから名前だけじゃなく出てくるといいなぁ…
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/31(木) 10:27:14.84 ID:6c8dPRI/o
フラッグに土星エンジンか・・・胸が熱くなるな・・・
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/03/31(木) 10:27:23.56 ID:AKq4Bedlo
539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/31(木) 14:35:52.08 ID:7AppqCkT0

このヤザンは間違いなくZの時のだ
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/31(木) 15:19:47.94 ID:AFGn9CR30

To Brave…劇場版のあれか?
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 16:26:51.29 ID:un69dgHDO
待ってたぜ大将、次も楽しみにしてるよ。

益荒男の可能性もあるな
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 21:26:57.72 ID:sm3GKNOSO
フラッグがゴーストファイターになるのか
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/31(木) 21:45:20.38 ID:CNo3KmqZo
太陽炉搭載用として一から組むなら原作のフラッグより多少は扱いやすくなるかな?
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/01(金) 01:59:07.99 ID:vnKjQObTo
元のフラッグの上半身が吹き飛んだからな、
GNフラッグ以外の可能性が上がってきたな
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/01(金) 19:40:46.00 ID:JGPhXp0s0
>>544
GNフラッグは急造の…言っちゃあなんだけど駄作機だから…
とはいえグラハムがジンクス乗ってたら手がつけられない
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 20:16:05.49 ID:Mtkr/E7q0
そういやサジ出てきて無かったな
どうでもいいけども
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/01(金) 21:35:27.77 ID:AguOhidAO
サジとグラハムは一期の頃は接点なかったから仕方ない
二期になったら刹那と出てくるが

それにしてもブレイヴはどうなるんだ…
あれが一期で出たら無双しちまうだろ
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 21:51:37.17 ID:HkO/+ynFo
ブレイブのあの性能はとても量産機には見えないんだけど俺だけかな?
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/01(金) 22:28:10.18 ID:kJWlqLVDO
>>548
劇場版の変態機動で俺の中の量産機TOP3は
Vガンダム
スモー
ブレイヴ
で固まった
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/01(金) 22:34:35.02 ID:C5WJh1RAO
ブレイヴ6機と母艦(補給用)でガデラーザ1機分の戦力





要するにMS5個小隊分
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/04/01(金) 23:03:05.59 ID:0sQr6QsA0
>>550
MS五機の小隊なのかMS小隊五個分なのか




どちらにしても量産機の性能とは思えない、本気でありえない
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/01(金) 23:03:37.89 ID:0sQr6QsA0
……ごめん、下げ忘れた
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 23:05:50.07 ID:S/WZ8j8jo
sageよりも無駄な改行を気にするべきじゃない?
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/02(土) 00:02:39.57 ID:9uoBVoIDO
要するにGN-XW15機分の戦力か…
555 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 00:41:13.60 ID:QBPtYoLAO
基本的に沙滋はマスターと呼ばないで一期においてモブです

投下再開だフラッグファイター
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/02(土) 00:46:52.69 ID:rnbPSujZo
一期!確かに聞いたぞ!
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/02(土) 00:48:21.33 ID:KYRrxQoR0
一期宣言……言質は確かに採りました!!
558 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 00:56:10.44 ID:QBPtYoLAO
ー極秘通信ー

ラグナ「アレハンドロ、例の一件からトリニティの追及が激しくなった」

ラグナ「どういうつもりだ? 私だって内情を正確には把握していない。奴らの扱いが難しいことくらい……」

アレハンドロ「あぁ、分かっているさ。だがおかげでソレスタルビーイング、ユニオン双方に楔を打ちこむ鍵を手に入れた」

アレハンドロ「貴方のおかげでもある、この見返りは必ずさせていただくよラグナ・ハーヴェイ」

ラグナ「……」

ラグナ「貴様、私に隠れて何を企んでいる? 私がいなければGNーXの太陽炉とパーツは製造も移動も出来なかったのだぞ」

アレハンドロ「分かっているよラグナ、貴方には感謝してもし足りないほどだ」

アレハンドロ「リニアトレイン公社のみならず、後に生まれる統合された世界、その中枢に貴方を席は用意されている」

アレハンドロ「何を不安に思うことがある? 全ては我々の思うがままだ」

ラグナ「……ならば良いのだが、な」

ラグナ「最近アリー・アル・サーシェスのみならず危険な存在を集め始めていると聞いた。その辺はトリニティも含め、私に報告するはずだったな」

アレハンドロ「無論だとも。それでは、これ以上はお互い公務に差し支える」

ラグナ「あぁ」

アレハンドロ「では、我々の世界に」

ピッ

ラグナ「……」

ラグナ「貴様の腹の内など読めているぞアレハンドロ・コーナー」

ラグナ「いざとなればこの記録……」ガタッ

ラグナ「切り札として使わせてもらう」



アレハンドロ「リボンズ、GNーXの輸送は?」

リボンズ「先ほど、滞りなく終わったと」

アレハンドロ「そうか」

アレハンドロ「サーシェスに連絡を取れ、ラグナももう用無しだ」

リボンズ「その様に」

アレハンドロ「ククク……賢しいだけの俗物が、私を止められると思うなよ」
559 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:01:37.67 ID:QBPtYoLAO
PPP

アレハンドロ「私だ」

アレハンドロ「……そうか、国連も動いたか」

アレハンドロ「変化が起きたら連絡してくれ、私はこれから宇宙に上がる。例の物もしっかり仕上げておいてくれ」

ピッ

アレハンドロ「さて、青天の霹靂だなライセンサー。君がどんな顔をするのか、想像するだけで楽しみだよ」

リボンズ(俗物め……)

プルツー(あぁ、くっだらない)

ーユニオン・イリノイ基地ー

ガチャッ

グラハム「カタギリ!」

ビリー「グラハム、無事で本当に良かったよ……!」

グラハム「心配させてしまったな、だがフラッグを失ってしまった」

グラハム「済まんカタギリ……君とエイフマン教授の傑作を、私は自ら捨ててしまった」

ビリー「フラッグはいつでも作り直せるさ、気に病むことはない。でも君そのものは僕らでもどうにもならないんだ」

ビリー「よく帰ってきてくれた、ありがとうグラハム・エーカー。僕は君という友人を誇りに思うよ」

グラハム「カタギリ……」

ビリー「あぁそうそう、君のフラッグ改造案だけど、マリーダのオーバーフラッグの基幹部を軸に追加の発注パーツで組み直す予定だ」

グラハム「通ったのか、あの案が!?」

ビリー「グラハム、君自身が提案したんじゃないか。そんなに驚くなよ」

ビリー「ホーマー・カタギリ司令直々に此処に来てね、お墨付きを頂いたよ。君が突っ走って死なないように、力を貸してやれってさ」

グラハム「ホーマー司令が……?」

ビリー「グラハム、君のフラッグ……まぁ元はマリーダのだけど……僕が君専用の機体にしっかり仕上げてみせる」

ビリー「待っていてくれライセンサー、フラッグファイターの誇りを乗せるに相応しい機体を君に届けるよ」

グラハム「あぁ……頼んだぞ、友よ」
560 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:07:49.51 ID:QBPtYoLAO
『な、なんだお前ら!』
『うわぁっ!?』

グラハム「?」

ビリー「何やら騒がしいね」

ガチャッ
ゾロゾロ


黒服「君がグラハム・エーカー少佐だな?」

グラハム「少佐?」

ビリー「あぁそういえば、君が撃墜されたから辞令が君に行き届かなかったんだね」

グラハム「何とも言えんな、プロパガンダに利用されるのは好ましくない」

黒服「君が気にすることはない。もう階級など意味を為さなくなるのだから」

グラハム「なんだと?」

ガチャン

グラハム「ッ!」

黒服「グラハム・エーカー、ガンダム及びソレスタルビーイングとの内通の容疑で拘束する」

黒服「礼状だ、おい」クイッ

ガシッ

グラハム「ッ……!」

ビリー「ガンダムとの内通って、そんな馬鹿な!?」

ートレミー・部屋ー
ロックオン「いや〜、バレちまってたか」

HARO[ロックオン! ロックオン!]

ロックオン「ま、身から出た錆だ。変に慌てても仕方無い」
ロックオン「裏切った訳じゃないってことは、あいつらなら分かってくれんだろ」

HARO[ロックオン! マイスターヤメル?]

ロックオン「……止めてたまるかよ……」

ートレミー・会議室ー
スメラギ「参ったわね……今一番立て込んでるときなのに、まさかこんな映像がエージェントから提示されるなんて」

ピッ

ティエリア「場所はアラスカと記されている、デュナメスに乗り込むロックオン・ストラトス、そしてそれを見送る一人の男の姿」

刹那「ロックオンと……この男は!?」

アレルヤ「ユニオン軍のトップガン、グラハム・エーカー。過去に二回ロックオンのデュナメスと交戦してる、凄腕のパイロットだ」

刹那「この男がグラハム・エーカー……」
刹那(ならば以前情報を俺に告げたのは、コイツがエージェントだったからか?)

スメラギ「エージェントはこれが内通の可能性を示唆する画像としてヴェーダに提示しているわ」

ラッセ「要は、ロックオンがスパイかってことだよな……」ハァ

イアン「ロックオンがワシ等を裏切ったとは思いたく無いがなぁ」

フェルト「ロックオンはそんな事しないっ!!」

イアン「おぉ!?」

フェルト「ロックオンは……っ」グスッ

クリス「フェルト……」

イアン「……むぅ」グシャグシャ

ティエリア「……」
561 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:10:46.70 ID:QBPtYoLAO
ティエリア「ロックオン・ストラトスの弁解は?」

スメラギ「同じニュータイプに会いに行って話し合った、とね」

リヒティ「またそれっすか?」

ラッセ「俺達にゃ分からん話だからなぁ……イマイチ同意できん」

ティエリア「即刻ロックオン・ストラトスをガンダムマイスターから外し、処罰すべきだ。彼はガンダムマイスターに相応しくない」

フェルト「そんな、いくらなんでも端的すぎるっ!」

ティエリア「彼の行いはガンダムを、ソレスタルビーイングを危機に晒した。意図がどうあれ不安要素は排除すべきだ」

ティエリア「スメラギ・李・ノリエガ、英断を期待する」

スメラギ「……」

刹那「……」

アレルヤ「刹那、居づらいのは分かるよ。僕らも命令違反組だしね」

刹那「アレルヤ……」

アレルヤ「……」スッ

アレルヤ「ロックオンの除名には反対する。もしロックオンがスパイとして考えても、内通するくらいならもっと早い段階に、もっと大物にコンタクトを取るはずだ」

アレルヤ「わざわざ時の人であるライセンサーに、今このタイミングでいきなり会いに行く意義がない。裏切り行為としては不自然だ」

ティエリア「だがしかし!」

アレルヤ「それに、王留美の情報によればグラハム・エーカーもまた国連に拘束されたと聞く。これを加味すれば、彼の言うとおり偶然性の強い対話として考える方が自然だよ」
562 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:14:55.90 ID:QBPtYoLAO
ティエリア「もしもの場合、誰一人として責任の取りようがない事態に発展するッ!」

アレルヤ「そうならないためにも、今結束すべきじゃないかな?」

刹那「そもそも、俺達に関わらない全く別のエージェントからいきなり送られてきた映像だ」

ティエリア「刹那・F・セイエイ、君まで!」

刹那「今まで共に戦ってきたマイスターを疑い、経緯も知らせず画像だけをヴェーダに提示した存在を易々信じる気にはなれない」

ティエリア「ッ……」

アレルヤ「……ティエリア、君自身はどうなんだい?」

ティエリア「僕はッ!」

ティエリア「……僕だって、出来うるならば同じガンダムマイスターに嫌疑を向けたくはないッ」

アレルヤ「……」フッ

ラッセ「決まりだな」

リヒティ「そっすね」

クリス「それじゃあ、スメラギさん!」

スメラギ「えぇ」

スメラギ「詳しい情報がヴェーダに上がるまで処分は保留、ただしトレミーの待機場所を移動させ、ロックオン・ストラトスの外出及び出撃を禁止とします」

スメラギ「主だった動きはエクシアとキュリオスに任せるわ、国連とライセンサーとやらの方も引き続き監視して」

全員『了解』

スメラギ「それじゃあ解散!」
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 01:16:19.00 ID:a7Xm6UF70
ティエリアは「僕」に変わったのはトリニティ以降だったか
ロックオンが怪我した時は「私」になったんだっけ
564 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:17:51.35 ID:QBPtYoLAO
ウィィィンッ

ロックオン「……処分は決まったかい?」

ティエリア「ロックオン・ストラトス。君をガンダムマイスターから除名する」

ティエリア「……と言えたなら、どんなに気が楽なことか」

ロックオン「ヒヤッとさせんなよ、心臓に悪い」

ティエリア「お得意の能力でどうなっていたくらい判っていた癖に……僕は君のそういうところを嫌悪する」

ロックオン「買い被りすぎさ、俺の力はそんな万能なもんじゃない」

ロックオン「とりあえず、まだガンダムから降りずに済みそうなのは理解したよ」

ロックオン(だがまぁ、はっきり言ってあれだけ離れた位置に移動したにも関わらず隠し撮りされたってことは、最初から尾けられていたって事になるな)

ロックオン(おまけに気配が読めない機械か……スローネ三兄妹が退いたのはそれが目的か?)

ロックオン「俺の方は大丈夫らしいが、グラハムの方はどうなっていることやら……」

ティエリア「ロックオン・ストラトス、反省の意思があるのならばその名前を出すのを自重すべきだ」

ロックオン「おっと、悪いな」

ティエリア「全く……わざわざ敵に会いに行くなど……」ブツブツ

ロックオン「妬くなよティエリア、らしくないぜ」

ティエリア「ッッッ……!!」ギリリ

ロックオン「済まん、だから睨まないでくれ。正直怖い」

ロックオン「……」

ティエリア「……ッ」
565 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:23:41.65 ID:QBPtYoLAO
ホーマー「……」ペラッ

ホーマー(グラハム・エーカー少佐はガンダムとの邂逅を偶発的な接触と説明、何も無かったとの姿勢を貫いている)

ホーマー(しかしグラハム少佐が撃墜されたと思われる場所から無線の場所は数百キロ離れており、ガンダムが手助けしたとしか思えない状態にあったと推測され、ガンダムのパイロットと何らかの関連性が無ければおかしいと検察は主張している……か)

ホーマー「ふう……」ピッ

ホーマー「ユニオン上層部は手のひらを返したようにグラハムを切り捨てようとしている……」

ホーマー「何とかせねばな、奴はこれからの秩序に必要な存在だ」

ホーマー「とにかく軍法会議が長くなることだけは避けねばならん。ライセンサーとしてGNーフラッグ改造案までこぎつけて、出撃出来なかったとあっては……奴の立つ瀬が無い」グッ

ーー

グラハム「…………」

グラハム「全く、本当に此処はままならんな。空とは何もかもが……」

グラハム(しかしこれで理解した。国連にはソレスタルビーイングとも我々とも違う何かが蠢いている)

グラハム「ロックオン・ストラトスは大丈夫だろうか……私のように公の立場に無い人間であれば、制裁も並大抵のものではあるまい」

グラハム「カタギリはフラッグ開発を続行出来ているだろうか……ダリルは、ジョシュアはGNーXの受け取りに行っている頃か……」

グラハム「一人というのは、こんなにも寂しいものだっただろうか……」

グラハム「……マリーダ」
566 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:28:09.54 ID:QBPtYoLAO
ー宇宙ー

アレハンドロ「さて、我々のジョーカーは上手く効いているだろうかな?」

プルツー「姑息だね、あたし等に任せておけば全部片付けてやるってのにさ」

アレハンドロ「ニュータイプという存在を足留めしておくことに越したことはない。ことロックオン・ストラトスに関しては群を抜いたNT能力を有している」

アレハンドロ「ロックオン・ストラトスはいざ知らず、ニュータイプではない他のマイスターとの摩擦は疑心暗鬼を生むのは少数精鋭のソレスタルビーイングにとって死活問題だ」

アレハンドロ「ましてや変革を妨げるニュータイプの邂逅……許しておく訳にもいかんよ」

プルツー「ふうん……」

リボンズ「……」ピキィィィン

プルツー「……」シュウウウン

リボンズ「アレハンドロ様、そろそろ目標の座標軸に到達します」

アレハンドロ「おぉ……!」

プルツー「月に何があるってんだい、ただの石ころじゃないか」

アレハンドロ「彼処には我々コーナー家200年の悲願が眠っているのだよ」

アレハンドロ「イオリア・シュヘンベルグ……最後に笑うのはこのアレハンドロ・コーナーだ!」

ーリニアトレイン公社前ー

受付嬢「申し訳ありません、何度も申し上げますがラグナ総帥は現在一切の取材をお受けしておりません」

絹江「お願いします……そこを何とか!」

受付嬢「……誠に申し上げにくいのですが、これ以上の取材申し込みは……」チラリ

警備員「……」

絹江「!」

絹江「分かりました……失礼します」

ウィンッ

絹江「……ハァ……」
567 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 01:49:28.55 ID:QBPtYoLAO
絹江「どうしよう……これじゃあ主任に合わせる顔がないわ」

絹江「ガンダムとイオリア・シュヘンベルグ……そしてビスト財団……」

絹江「大株主が何だってのよ、もう!」

ー総帥室ー

ラグナ「全く、まだいるのかあのJNNのジャーナリストは」

サーシェス「人気者はお辛いですな総帥」

ラグナ「世界の情勢も読めんハイエナ共にくれてやるものはないよ。直ぐに本社に連絡して日本に送り返してやる」

サーシェス「大人気ないのでは? 野良猫一匹、温かい目で見守ってあげればよろしい」

ラグナ「くだらん……」

ラグナ「それで? 貴様の用件は何だ。あまり大っぴらに我々が関わり合うのは……」

サーシェス「あぁ、分かってますよ。ちょっと例のMSの件でお話が……ね」

ートリニティ・秘密基地ー

ネーナ「ヨハ兄ィ、暇ぁ」

ヨハン「我慢しろネーナ。あれ以来全くラグナから連絡が来ていない」

ミハエル「良いんじゃねえの? 暇に越したことはないって」グデー

ネーナ「ミハ兄ィだらけすぎ〜」

ミハエル「俺、そういうの考えるの苦手だしよ」

ミハエル「それに考え始めると、また以前の鬱憤がこう……内臓の奥から沸き上がってよ」

ミハエル「……」イライライライラ

ミハエル「あぁぁぁぁ! あのフラッグファイター、次会ったら刻んでやらぁ!」

ネーナ「あはははっ、ミハ兄ィ単純〜」

HARO〔タンサイボウ! タンサイボウ!〕

ミハエル「あぁ? HAROてめぇ、刻まれてえかこら」

ヨハン「ミハエル、HAROはトリニティにとって大事な戦力だぞ」

ミハエル「冗談だって兄貴ィ」

ピピピッ

ヨハン「む……」
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/02(土) 01:59:23.17 ID:rnbPSujZo
さてこの三馬鹿は今後どう動くのか
569 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 02:01:37.99 ID:QBPtYoLAO
ヨハン「丁度良い、ラグナからミッションプランが送られてきた」

ヨハン「目標は人革連、久しぶりの基地武力介入だ。気を引き締めろ」

ネーナ「了解ねっ!」

ミハエル「うっしゃあ! 鬱憤ぶちまけてすっきりしてやらぁ!」

ヨハン「……」

ヨハン(今更この様な武力介入で世界は変わるというのか……我々は本当にガンダムマイスターとして、働けているのだろうか)

ヨハン(以前のミッションもそうだ、意図の読めないミッション、当て馬のようなスローネの運用プラン)

ヨハン(まるで私兵扱いだ。ラグナは我々をどうするつもりなのか……)

ヨハン「……」

ミハエル「兄貴」

ヨハン「!」

ミハエル「俺小難しいこと分かんねえからよ、命令されたら叩き潰すしか出来ねえ」

ミハエル「でも俺達が武力介入したら、世界から戦争が無くなるんだろう? だったらやるしかねえじゃねえか、そうだろ兄貴」

ヨハン「ミハエル……」

ネーナ「あたし等トリニティの存在意義はガンダムにしかないからねぇ」

HARO〔ヤッチマエ! ヤッチマエ!〕

ミハエル「行こうぜ兄貴、俺は兄貴について行く」

ミハエル「頼むぜヨハン・トリニティ! 長男役なんだからよッ!」バシッ

ヨハン「ッ」

ヨハン「……そう、だな」フッ

ヨハン「行くぞミハエル、ネーナ! 我々はソレスタルビーイングのガンダムとして、武力介入を行う!」

ネーナ「おー!」

ミハエル「了解だッ!」

ヨハン「……」

ヨハン「ラグナ、お前の目的が何であれ、俺たちはガンダムとして戦う」

ヨハン「その道に、我々への救いが無かったとしてもだ……ッ!」
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/02(土) 02:06:19.27 ID:rnbPSujZo
こいつらも哀れではある。が、同情する訳にもいかんのだよねぇ
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/02(土) 02:14:11.42 ID:moFZ9fPpo
道徳と価値観さえしっかり教育してれば……
572 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 02:20:32.36 ID:QBPtYoLAO
ビーッビーッ

『ガンダムと思われる機影を確認! 特務部隊頂武は出撃準備を!』

セルゲイ「来たかガンダム……」

ソーマ「中佐!」

セルゲイ「分かっている」

ザッ

セルゲイ「では行くぞ諸君、ガンダムを一蹴する」

セルゲイ「時代は今、此処で終わるのだ。ガンダムの時代は!」

ー人革連・基地ー

ヨハン「はぁッ!」ズギャァッ

ボゴォンッ

人革兵士「ぐぁあああ!」チュドォン

ミハエル「ファングッ!!」ヒュババッ

ドドドドォ……ォン

オペレーター「大破8機、中破以下半数を超えました! ガンダムの猛攻、止まりません……!」

司令「くっ、悪魔め!」

司令「防衛ラインを崩すな! 何としても、何としても頂武が来るまで耐え抜けッ!」

ババババァンッ

ネーナ「もう、後ろからなんてズルい!」

ヨハン「油断大敵だネーナ!」バシュゥンッ

ボゴォッ

ヨハン「ミッション達成率60%を突破、このまま押し込む!」

ネーナ「了解ねっ!」

ミハエル「うっしゃあ!!」

ヨハン「ドッキングだ! 敵勢力を一気に崩滅させる!」ギュンッ

ヨハン「これで……終わりだ!」
573 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 02:46:24.31 ID:QBPtYoLAO
ギュババッ

ヨハン「何ッ!?」

ネーナ「きゃぁっ!」

ミハエル「このビーム……ガンダムか!?」

ピピピッ

ヨハン「違う……これは!?」

ゴォォォォ……

ヨハン「ガンダム、ではない!」

セルゲイ「頂武の全機に通達。GNーXは虎の子の10機だ、大破はさせるなよ」

セルゲイ「マスター・グラハムの証言を元に作り上げた対ガンダム戦術、通用させてみせるぞ!」

ソーマ「了解!」
頂武兵士「了解!」

セルゲイ「突撃ッ!」

ババババババババババッ

ヨハン「馬鹿な……疑似太陽炉搭載型のMSだと!?」

ミハエル「聞いてねえぞ! 何なんだよこいつら!?」

ネーナ「いやんっ!」

セルゲイ「赤い奴の動きが鈍い……報告通りだなッ!」

ソーマ「中佐、援護を!」

セルゲイ「任せた!」ヴンッ

ネーナ「くぅっ!?」ヴォンッ

ギィンッッ

セルゲイ「何という性能、何という追従性……やはりこの機体、凄い!」

セルゲイ「もはやガンダムなど恐るるに足らんッ!!」

ネーナ「冗談ッ!!」ガコンッ

バシュゥンッ
スカッ

ネーナ「ッ!? 避け……」

セルゲイ「ぬぅあああああッ!!」

ドッゴォンッ

ネーナ「きゃああああぁっ!?」ガシャァ

ヨハン「ネーナァッ!!」
574 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 02:58:16.86 ID:QBPtYoLAO
ソーマ「お前達の相手はこの私だッ!」

ミハエル「鬱陶しいんだよ! 払い落とせファングゥッ!」

ヒュボボボボボッ

ミハエル「なっ……!?」

ヨハン(何という加速性能、あれはまさにガンダムの……!)

ソーマ「私の操縦に機体が付いてくる……これが、ガンダムの性能!」

ソーマ「これが新たなる力!」

バババァンッ
ドドドォンッ

ミハエル「ファングがッ!?」

ヨハン「武装もビーム兵器をずらりと並べてきたか……まさに量産されたガンダムだな」

ヨハン「……」

ヨハン「退くぞ、ミハエル」

ミハエル「兄貴ッ!?」

ヨハン「反論は聞かんッ! 正体不明の機体に囲まれたら我々とガンダムとてひとたまりもない!」

ヨハン「我々は此処で朽ちるわけには行かない……これは命令だ!」

ミハエル「ッ……了、解!」ギリッ

ヨハン「しっかりしろネーナ! 撤退だ、気をしっかり保て!」グイッ

ギュンッ

ソーマ「待て、ガンダムッ! マスターの仇ッ!」

セルゲイ「追うな少尉!」

ソーマ「っ、何故です中佐!」

セルゲイ「眼下の基地を見ろ」

ソーマ「基地……?」

ワァァァァァ……

『やった! ガンダムを追い払ったぞ!』
『人類革新連盟万歳! 万歳!』

ワァァァァァ……

ソーマ「そんな、何故被害が大きいのにこんなに活気に満ちて……?」

セルゲイ「そうか、少尉は初めて味わったのだったな」

ソーマ「え?」

セルゲイ「これが、勝利の美酒というものだ」
575 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 03:16:01.47 ID:QBPtYoLAO
ー海上ー

HARO〔ネーナ! ネーナ!〕

ネーナ「ん……ぅぅ……」

ネーナ「ッ!」ガバッ

ヨハン「起きたか、ネーナ」

ミハエル「ったく、心配かけさせやがって」ホッ

ネーナ「ヨハ兄ィ! ミハ兄ィ!」

ネーナ「ミッションは、さっきの変なMSは!?」

ヨハン「……」

ミハエル「ッ……」

ネーナ「に、兄ィ兄ィズ?」

ヨハン「ミッションは、失敗だ」

ヨハン「世界は我々に反撃してきた……!」

ヨハン(ラグナめ、このことを知っていて我々を動かしたのか?)

ヨハン(だとするならば……我々にも考えがある!)

ーリニアトレイン公社前ー

絹江「ハァ……あれから何も進展無しか。一回警備員呼ばれたせいで離れちゃったし、ラグナが中にいるかさえ分からない」

絹江「……このまま何の進展もないまま終わるのかな……」

絹江「……っ」

絹江「駄目よ絹江! 気弱になっていたら父さんの跡なんか継げないもの!」

絹江「待っててね沙滋……お姉ちゃん、頑張るから」

ガタンッ

絹江「?」
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/04/02(土) 03:23:49.78 ID:iWuQ3bXMo
絹江さんやめてェー!
577 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 03:34:44.64 ID:QBPtYoLAO
ーリニアトレイン公社・裏口ー

絹江「……」コソッ

絹江(搬入路が開いてる……しかもあの無口で厳つい警備員もいないわ)

絹江「何かあった……?」

絹江「……」

ガタンッ

絹江「虎穴に入らずんばスクープを得ず! 行くしかないわ!」

絹江(事実を求め、つなぎ合わせればそこに真実が見える)

絹江(父さん、私も……!)ダッ

ガタンッ

ドチャッ

警備員「 」ドロッ……

ー物資搬入エレベーターー

チーン

絹江「ぷはっ……!」

絹江「此処から高層階は非常階段から行こう……下手に見つけられたら言い訳に困るもの」

絹江「ラグナに直接会って話さなきゃ、手ぶらじゃJNNに帰れないもの」タタッ

ー総帥室ー

サーシェス「ちっ……やってくれるぜラグナめ、トリニティが追い返されてから、予めこうなることを予見してたか」

SPだったもの「 」

サーシェス「へへっ、だがこっからは生きて出さねえ。オッサンと鬼ごっこする趣味は無いんでなぁ?」ジャキンッ

コツ……コツ……

ー非常階段ー

絹江「ヒィ……ハァ……」

絹江「ちょっ……やっぱり……エレベーター……使った方が……良かった……かも……」ヒイヒイ

ガタンッ…タンッ……ンッ…

絹江「!?」ビクッ

絹江「な、何……?」

ズルッ

絹江「ひっ!?」
578 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 03:43:36.02 ID:QBPtYoLAO
ラグナ「ッ……ぐおぉ……」ゴフッ

絹江「ひ、ぁ……あ?」

ラグナ「ッ、お前は……JN、Nの……ぐっ……」

絹江(じ、銃創? 何でリニアトレイン公社の本社でラグナ・ハーヴェイが血まみれに……!?)

ラグナ「くく……私の運も……まだまだ捨てたものではないらしい……!」ガフッ

絹江「ッ!」

絹江「き、救急車! 今救急車を呼びますから……!」ガサゴソ

ガシッ

絹江「きゃっ!?」

ラグナ「ジャーナリストと言ったな……ならばこれを、世間に知らしめろ……!」ギュッ

絹江「USBメモリ……これは…?」

ラグナ「どうせ私は助からんッ……あの男に狙われて、生きていられた奴を……私は知らないッ……」

ラグナ「これにはガンダムの……トリニティと呼ばれる三機のガンダムに関わる……全てが記されている」

ラグナ「やつに、アレハンドロに一泡吹かせてやれぇ……がはっ!」

絹江「あぁ……!」ガクガクッ

ラグナ「行けっ……奴が、サーシェスが来る前にっ……!」

ラグナ「行けぇッ!!」

絹江「!」

ー廊下ー

サーシェス「……其処にいたかい、総帥!」

ダッ
579 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 04:03:25.82 ID:QBPtYoLAO
バタンッ
バシュッバシュッバシュッ

サーシェス「……」

バシュッバシュッバシュッバシュッ

ラグナ「 」ゴトンッ

サーシェス「ふぅ……全く、手間ァかけさせやがるぜ」

サーシェス「まぁ流石はリニアトレイン事業を牛耳った帝王ってところか、なかなかのしぶとさだったぜ」

サーシェス「……」

ラグナ「」

サーシェス「……ッ!」

バッ

サーシェス(右手に長方形サイズの血の枠が出来ている、大きさからしてUSBメモリか?)

ババッ

サーシェス(靴、ポケット、懐……無い!)

サーシェス「ちぃっ! やってくれるぜラグナ・ハーヴェイ! この狸おやじが、最後の最期でとんだ爆弾抱え込んでくれやがってよぉ!」

ー下層・エレベーターー

絹江「はぁっ……はぁっ……!」

絹江「早く、速く、ハヤくはやく!」カチカチカチ

絹江「行かなきゃ……警察、軍隊、何処でもいい、早く逃げなきゃ!」

絹江(さもないと私も殺される……!)ガチガチガチガチ

ヴンッ……
フッ

絹江「え……?」

絹江「停電……そ、んな……!」

ー上層ー

サーシェス「よっと、このビルのセキュリティーは最初から俺の手の内でな」

サーシェス「逃げられるなんて思うなよ、ラグナの犬が……」ジャキンッ

サーシェス「さぁて、どうやって殺してやろうかな……ハハハハハハ!」

TO BE CONTINUED...
580 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/02(土) 04:11:35.65 ID:QBPtYoLAO
投下終了だフラッグファイター、途中でミスって消えたから遅れてしまった、済まない

次回『逃避行』

彼等は逃げる、生き延びる為に
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/02(土) 04:13:59.67 ID:lB3UlgT1o

さーきな臭くなってまいりました
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/04/02(土) 04:43:21.55 ID:iWuQ3bXMo
乙だフラッグファイター
ラグナさんが予想外の活躍をなされてらっしゃる…これが人の革新か

あと絹江さんマジ逃げて逃げてマジで
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 07:42:09.95 ID:9uoBVoIDO
おお…絹江さんが思わぬ活躍を…。
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/02(土) 08:56:14.72 ID:cHrgtrFB0

本格的なIFになってきたな
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/02(土) 09:58:26.68 ID:9YXKbPWNo
ホーマーとイノベイターの繋がりって一期の頃はまだ無かった?
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/02(土) 11:30:20.36 ID:KYRrxQoR0

>>585
無かった様に思えるけど
記憶違いだったらごめん
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/02(土) 11:43:21.33 ID:IaARUkQy0

全く先の展開が読めねぇ…
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 16:27:37.82 ID:SnEgEfcGo
アレルヤがちょっとカッコよく見える・・・だと?
589 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/03(日) 04:30:57.30 ID:7Hj30ceAO
よく見たらTO BE CONTINUED...後の文章が抜けている
済まんなフラッグファイター



TO BE CONTINUED...

ーリニアトレイン公社・本社前ー

?「……」

サッ

?(警備員の息は無い……だがまだ温かいな)

?「間に合えばいいが……」ダッ
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 08:17:11.41 ID:369btTUDo
いきなりの寝落ち?
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/03(日) 08:36:25.20 ID:9MSU+DF/o
最後の1レスでしょ
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/03(日) 11:25:11.12 ID:NmWZHocAO
GN-XってGジェネでもチートなんだよな
地形適性は空・宇・海全部Bだし、量産機なのにHPは一万越えてるし、武器も射程が1〜5までなら穴がないし
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/03(日) 11:44:55.15 ID:9MSU+DF/o
総合的なスペックは各ガンダムと同等ってことだし、30機しかないから所謂「量産機」とはちょっと違うよね
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/03(日) 11:47:48.64 ID:ZQwKL9tTo
陸戦ガンダムだな
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/03(日) 14:52:59.50 ID:p4o8gO2DO
Vガンダムも一応量産機なんだよな…
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/03(日) 15:13:52.56 ID:J5wykn6O0
それ言ったらネーデルガンダムとか…
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 15:35:13.78 ID:Vf/x9lSDO
ガデラーザも量産されたがな

ターンXも量産機らしいが
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/03(日) 15:42:30.09 ID:AK0Ljdwro
ジンクスは枠組みとしては試作機扱いじゃね?
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/03(日) 16:37:56.90 ID:J5wykn6O0
>>598スローネヴァラヌスが一応ジンクスの試作機
そもそもスローネの段階で量産考慮してるからスローネガンダムはソレスタルビーイングのワンオフガンダムとは完全に別物と考えた方がいいかと

種はシラネ
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 17:25:10.76 ID:Vf/x9lSDO
1ガンダムやGNキャノンは一応CBの量産機と言えるんだろうか
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/03(日) 18:36:07.19 ID:pIHx7oaAO
>>597
ガデラーザは別に量産されたわけじゃないぞ

イノベイターとそれに覚醒しなかった人の戦争中に再び開発されて少なくとも2機は造られたってだけ
602 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 18:38:48.52 ID:qIfHG9c10
>>597

ターンAに対抗して作られたのがターンXだっけ
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/03(日) 18:47:19.14 ID:NmWZHocAO
>>602
逆じゃね?
ターンXがお兄さんだろ?
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 19:06:43.02 ID:MTxVvCSXo
>>603
ロランは∀がお兄さんって言ってたぜ
ギンガナムはゴッドがシャイニングのお兄さんとか言う人ですし
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 19:17:14.42 ID:EYwEvvcI0
>>604

つまりギンガナムは兄より優れた弟なんていないって考えか
606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 19:19:39.01 ID:qIfHG9c10
>>605

ギンガナムの中じゃ多分 性能が高い方=兄 なんだろうな
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/03(日) 23:52:58.26 ID:u1gWMjKl0
WIKIではターンXのテクノロジーを参考に∀ガンダムを建造した
ギンガナム曰く「∀のお兄さん」であり「∀の監視役」といった位置づけを持つ機体ってなってた
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/04/04(月) 21:12:53.05 ID:peIg/Yj40
ターンXはもともとNT用の機体で
外宇宙へ旅立ったニュータイプ達が建造した内の一機が地球圏へ流れ着いたという話もある
建造された当時は右腕も普通の間にピューレーターで左右対称の姿をしていたとか
正歴2345年に復活するまでの間に修復に修復が重ねられて原形をとどめない左右非対称に
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/04(月) 21:42:45.17 ID:COPuJqL+0
そもそも誰だよ、そんなやばすぎる量産機にシャイニングフィンガーつけたの
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/04(月) 23:00:46.99 ID:QuoTSG6So
というかそんなヤバすぎる量産機にDG細胞の技術仕込んだのも誰だよ
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/04(月) 23:09:39.45 ID:n9J/vMsAO
そもそも月光蝶システムを考えたの誰だよ
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/04(月) 23:16:57.58 ID:ZAJ/DQGAO
俺だよ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/04(月) 23:19:11.86 ID:KTjxkNCAO
>>612
お前だったのか
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/04(月) 23:22:35.72 ID:kqDwqMfDO
早く>>612を止めないとまた黒歴史が来るぞぉぉぉっ!!
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 23:31:12.60 ID:/EY8UbBSO
>>612は、オレが止めるっ!!
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/05(火) 00:10:28.81 ID:WcAuU6NZ0
ターンAが全てを無に返す…!
http://igp.atura.ws/m/k/86846/img/0018822243.jpg?a=66096401516
617 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:10:22.47 ID:SdkdUJFAO
MARIDA「おはようございますフラッグファイター、戦闘行動を開始します」

再開だフラッグファイター、済まんな遅れてしまった
618 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:14:11.16 ID:SdkdUJFAO
ー少し遡り・リニアトレイン公社本社・総帥室ー

ラグナ「ふむ……とうとう三国がGNーXの運用を開始したか」

ラグナ(私がこれからやれることは多くない……三国が統合の道を歩むなら、むしろ私の存在はアレハンドロの道の妨げになる)

ラグナ(先日もヘマをしたトリニティの後始末に、ユニオンの兵士を抹殺したばかりだ。この変換期、あの強欲な当主は間違い無く仕掛けてくるだろう)

ラグナ「そうはさせんよアレハンドロ……私は私なりに、世界の手綱を握らせてもらう。いかなる手を使ってもな」ニヤッ

ガチャッ

SP「ラグナ様、お車の用意が」

ラグナ「うむ、では……」

フッ

ラグナ「ッ!」

SP「停電……!?」

ラグナ「な、なんだ! 何が起きている!」

バシュッバシュッ

SP「がっ……!」ドサァッ

ラグナ「ッ!」バッ

バシュッガキュンッ

ラグナ「ぬぅっ……!」ビシッ

ラグナ(もう現れたか、アレハンドロの犬め……!)

サーシェス「油断大敵ですな総帥……私を昼に一度招き入れてしまうなんて」

ラグナ「ッ! その声は、サーシェス!?」

サーシェス「うちの大将からの伝言だ……」

サーシェス「【人類の変革に君たちオールドタイプは不必要、時代に取り残されたまま消え去れ俗物】」

サーシェス「だとよ!」チャキッ
619 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:21:56.98 ID:SdkdUJFAO
ーそして現在ー

サーシェス「さて、稼働した記録のあるエレベーターは……と」

サーシェス「これか。流石にあの場面で階段から逃げれば音でバレる、当然といえば当然だが……」

サーシェス「ま、運が悪かったな」カチカチッ

スタスタスタ

ーエレベーターー

絹江「ッ……」グス

絹江「考えるのよ絹江……泣いてなんかいらんないんだから……」

絹江(このタイミングでの停電、ラグナ・ハーヴェイの死……虎の穴かと思ったら、とんだ魔窟に潜り込んじゃったわね……)

絹江「相手も馬鹿じゃない。きっとこのタイミングで停電させるってことは、私の存在にももう気付いているはず……」

絹江(沙滋、ごめん。お姉ちゃんやっぱり父さんの娘ね……)

絹江「……」

絹江「……!」ヴンッ
カチッ
カチャカチャカチャカチャ

絹江「もがいても仕方無い、私に出来ることをするだけよ……!」

絹江(ラグナ総帥は死の間際アレハンドロと言った……人名? だとするなら、このUSBに手掛かりがあるはず)

ヴンッ

絹江「これは……メールの履歴?」カチカチッ

絹江「!」

絹江「っ」ガサガサッ
620 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:27:03.26 ID:SdkdUJFAO
絹江「あった、手帳」

ザッ

絹江「ユニオンMSWAD基地への武力介入……人革連朝鮮司令部に対する三度もの殲滅戦……アイリス社への攻撃……」

絹江(メールの送信日時はこれらの前日、ガンダムの侵入経路、被害の多かった施設と作戦対象、撤退経路)

絹江(メールの内容と全て符合する……!)

カチカチッ

絹江「っ! これ……新型のガンダムのパイロット……!?」

絹江「沙滋と同じくらいの歳じゃない……こんな子供をガンダムに乗せるなんて」カチッ

【ヨハン・トリニティ】
【ガンダムスローネ・アイン】

絹江「ガンダムスローネ……」

【ミハエル・トリニティ】
【ガンダムスローネ・ツヴァイ】
【ネーナ・トリニティ】

絹江「女の子……」

『あぁ、確かに聞いた。あれは若い女の声だった、確かにラグナとそう呼んでいた』

絹江「こんなに若いなんて聞いてないわよ……っ」

カチッ

【ガンダムスローネ・ドライ】

絹江「っ!」

『スペインの保養地を攻撃したのは、新型の赤いガンダムという目撃証言が……』

絹江「……狂ってるわ……」ゾクッ

カチカチッ

絹江「ガンダムの活動拠点、物資の搬入時間、経路……」

絹江「一般貨物に偽装してガンダムへ援助していたのね……」

絹江「死の間際で私しか近くにはいなかったとはいえ、とんでもない情報だらけじゃない……裏帳簿って範囲のものじゃないわ」
621 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:30:34.52 ID:SdkdUJFAO
絹江(まさか新型のガンダムを操っていたのがリニアトレイン公社の総帥だったなんて……世紀の大スキャンダルだわ)

絹江(でもこれが総帥の言っていたアレハンドロにどう繋がるというのかしら……)

絹江「もっと中のデータを調べて見なきゃ……」

絹江「まだ……もう少しだけ時間がかかりそうね」チラッ

ガタンッ
ウィィンッ

絹江「きゃっ!」

ウィィ……ン

絹江「動き……出した? 電力が復旧して……」

ポンッ

絹江(……!)ズザッ

絹江(電力を止めたのがラグナを殺した犯人なら、復旧させたのも犯人のはず)

絹江「だったら、次にく狙われるのは間違い無く私……!」

ウィィ……ン

絹江「っ!」ガンッ

絹江「非常ボタンが利いてない……そんな!?」

ウィィ……ン

絹江「お願い、止まって……何処でもいいからぁ!」

ウィィ……ン

絹江「イヤっ、嫌っ、いやぁぁぁぁぁ!!」ガンッガンッ

チンッ

絹江「」
622 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:34:41.85 ID:SdkdUJFAO
ー中層ー

ウィィ……ン

サーシェス「……」

ウィィ……ン

サーシェス「3……2……1……!」ジャキンッ

ジャキッ

サーシェス「ッ!?」

チンッ

ウィィンッ

ダダダダダダダァンッ

サーシェス「うぉぉっ!?」バッ

絹江「きゃぁぁぁぁぁ!?」バタンッ

ダダダァンッ
ダダダァンッ

サーシェス「くそがぁッ!」

ダァンッダァンッ

?「くっ……!」チュィンッ

ダダダダダダダァンッ
バゥンッバゥンッバゥンッ
ダダダダダダダァンッ

絹江「あぁぁぁぁ……!」ガクガク

サーシェス「ちぃッ、何モンだてめぇ! 警備員や警察じゃねえよなぁ!」バゥンッバゥンッ

?「……」

サーシェス(チラッと見えた感じじゃあアジア系……中国人か?)

サーシェス「ッ!」

絹江「うぅっ……!」カサカサッ

サーシェス「逃がすかこのアマァ!!」ダァンッダァンッ

絹江「ひぃぃっ!?」
バシィンッ

バラバラッ

絹江「ッ……!」ダッ

サーシェス「待てコラァァ!」

ダダダダダダダッ

サーシェス「うぉぉぉ!?」ズザァッ

絹江(搬入用のエレベーターなら……!)

カチカチッ
ガゴンッ

絹江(動いた……!)

ウィィンッ

サーシェス「逃がしたかッ……!」

ザザッ

サーシェス「!」
623 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:38:19.29 ID:SdkdUJFAO
サーシェス「……」

シーン

サーシェス「いなくなりやがった……あの女を追ったか、逆に上がったか?」

サーシェス「何がともあれ厄介な話だぜ……」

ザッ

サーシェス「鞄の中身をぶちまけていきやがったか……さて」ガサッ

サーシェス「ん?」

サーシェス「血まみれのUSB……」

サーシェス「……」

ー市街ー

絹江「ハァッ……ハァッ……!」

絹江「バッグの中身……バラしちゃった……」

絹江「でも、PCは無事だしデータは写し取れてた……」

絹江「……っ」グラッ

絹江「まずは、ホテルに帰らなきゃ……」フラフラッ


ピッ

サーシェス「あったあった、名刺入れ」

サーシェス「絹江……クロスロード」

サーシェス「落とし前はつけてもらわなきゃあなあ……絹江さんよぉ」ギリッ


?「お嬢様、ラグナ・ハーヴェイは既に殺害された後でした」

?「はい……ですが犯人以外に、気になる人物を見かけまして」

?「はい、ラグナ氏から送られてきていたデータによれば……確かJNNのジャーナリストで、絹江・クロスロードと……」

?「……分かりました、直ぐにでもコンタクトを」

ピッ

シュッ

紅龍「ふう……」
624 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:45:27.40 ID:SdkdUJFAO
ーイリノイ基地ー

ビリー「モーラ班はGNコンデンサーとシールド結合の最終チェック! キッド班はアイリス社から届いたパーツを随時基幹部に接続していって!」

ビリー「GNロングブレードの最終チェックは僕がやる! ミカムラ班は二眼カメラや頭部のセンサー類、任せたよ!」

ビリー「メドッソ班はGNドライブと他の主要パーツの移植! 急いでくれよ、形にした上で微調整しなきゃならないんだから!」

『カタギリさん、特注のバインダーユニット届きました!』

ビリー「分かった! 今行くよ!」


マリーダ「プロフェッサーが遺した……設計図ですか?」

ビリー「そもそもGNドライブが正式に発表されるはるか前に、教授が仮定と考察を元に作り上げた想像の産物」

ビリー「GNドライブ搭載型フラッグの、雛型と呼べる代物さ」

マリーダ「GNドライブ搭載型フラッグの雛型!?」

ビリー「ただし新規パーツの整合性、GNドライブに関するデータ、機体バランス、どれも高次元の完成度を誇る。だいたい48%くらいは完成しているといっても過言ではないよ」

マリーダ「48%……」

マリーダ「申し訳ありません、どの程度のものなのでしょうか」

ビリー「人型の完成度はほどほど、可変機構に関しては全くといっても良いくらいに未完成」
625 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:50:31.07 ID:SdkdUJFAO
マリーダ「……」

ビリー「そう気を落とさないでくれよ、一から作り直すのを考えたらこれほど有り難いものはない」

ビリー「とんでもないじゃじゃ馬に、とりあえず鞍と手綱はつけられる。前もって作った装備との相性も悪くはないはずだ」

ビリー「あとは時間との勝負、やってやるさ」

マリーダ「技術顧問……」

ビリー「そんな不安そうな顔をしないでくれよマリーダ、僕らはユニオンのオーバーフラッグスの整備を一手に担うユニオンの整備班なんだ」

ビリー「君達が最強の部隊なら、僕等はそれを支える最強の整備班として自負がある」

ビリー「グラハムの翼は僕等が造る。だから君達はグラハムの戦場を守ってくれ、頼むよ」

マリーダ「……了解!」ピッ

ビリー「良い返事だ」


ビリー「さて……僕等の妹の期待に応えなきゃ、エイフマン教授にも顔向け出来ないね」

ビリー「オットー! 接合を急いでくれ! こっちが終わったら僕もそっちに向かう!」

ビリー「あとは叔父さんから送られてきたこれも……!」

ーマリーダ自室ー

ピピッ

マリーダ「はい、こちらマリーダ」

ホーマー『元気そうだな。何よりだ』

マリーダ「ホーマー司令!」

ホーマー『辞令は受け取ったか』

マリーダ「……はい」
626 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 01:53:45.52 ID:SdkdUJFAO
ホーマー『戦時特例によりマリーダ・クルスを中尉へ昇格、及び暫定的にGNーX部隊の隊長として任命する』

ホーマー『済まんな、私の今の権限では奴を早期に呼び戻すだけの力が無い』

ホーマー『これくらいしか、事態を取り繕えん……』

マリーダ「司令が謝る必要はございません、マスターの冤罪もいずれ晴れましょう」

マリーダ「ですが……GNーXを運用した対ガンダム作戦、やはりマスターのお隣で戦いたいという想いは拭えません」

ホーマー『分かっている……』

マリーダ「オーバーフラッグスのメンバーも皆同じ気持ちです」

マリーダ「司令、引き続き……よろしくお願い致します」

ホーマー『うむ』

ホーマー『しかし、変わったな。お前は』

マリーダ「え?」

ホーマー『挙動の端々に以前とは違う空気を感じるようになった、前は文字通り人形のように無表情だったが、今は人間味を感じる』

マリーダ「意識はしておりませんが……」

ホーマー『グラハムに預けたのも、そうそう悪いことばかりではないということか』

ホーマー『気付かぬ内に周りを自然に染めていく、相変わらずだなあの男は』

マリーダ「?」

ホーマー『……』

ホーマー『……むう……』

マリーダ「司令、如何致しましたか? 表情が厳しくなっていますが」

ホーマー『いや……問題無い』

ホーマー『……複雑だな……』

マリーダ「……?」
627 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:05:31.39 ID:SdkdUJFAO
ホーマー『まあいい……良い知らせを伝えられるなら連絡をする』

マリーダ「お待ちしています、司令」

ホーマー『無理はするなよ、身体を労れ。あと夜更かしはするな、それと』

マリーダ「司令、私も18です。もうその様なことは……」

ホーマー『私は保護者として、お前が何歳になろうともだな』

マリーダ「失礼致します」

ホーマー『』

プチッ

マリーダ「ハァ……相変わらずだ、あの方は七年前と何ら変わらない」

マリーダ「……」クスッ

マリーダ「寝るか、出発の時間まではまだある」ゴロン

ー???ー

グラハム「む……?」

グラハム「此処は……MSWAD基地の格納庫、か」

グラハム(衝突の跡が生々しいフラッグ、そしてがらんとしたMSドッグ)

グラハム「死後の世界というには少々現実味を帯びすぎているな」

グラハム「……」

グラハム「!」

グラハム「理解した、これは夢だな!」

マリーダ「マスター!」

グラハム「む、マリーダ」

グラハム「夢の中でこのシチュエーション……まず現れるとしたらカタギリかプロフェッサーだと思っていたが、存外華があったな」フッ

マリーダ「ッ……」

グラハム「? どうした、マリー……」

タッ
ギュッ……

グラハム「 」
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/05(火) 02:07:14.37 ID:22+m0GQio
こういうことにめっぽう弱そうなグラハムさん
629 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:09:23.47 ID:SdkdUJFAO
マリーダ「っ……」ギュー

グラハム「マ、マリーダ?」

マリーダ「……失礼いたしました、夢の中と仰ったので、実体が無いかと不安になりまして」スッ

グラハム「そ……そうか。だが少々いきなり過ぎたな、さしもの私も戸惑いを隠せん」ドッ

マリーダ「マスター、凄い汗です」

マリーダ「やはり拳で確認した方が宜しかったでしょうか?」グッ

グラハム「一発で夢から醒めかねん、断固辞退する」

グラハム「さて……随分と懐かしい場所での邂逅となったな」

マリーダ「はい、マスター」

グラハム「ガンダムと初めて対峙し、MSWAD基地にて対ガンダム調査隊を発足」

グラハム「そしてマリーダ、お前が着任してきたのだったな」

マリーダ「はい。ガンダム調査隊としての着任は完全な偶然では有りましたが」

グラハム「思えば原点は此処からだった……プロフェッサー・エイフマンによるフラッグのカスタマイズ」

マリーダ「私もこの場でプロフェッサーに嘆願致しました」

グラハム「尻を撫でられていたがな」フッ

マリーダ「っ……」カァァ

グラハム「そしてガンダムに対抗出来るフラッグが生まれ、四人でガンダムと対峙していって……」

グラハム「途中焦らされて、無闇に海を飛び回ったり、外出を押し付けられたりもしたな」

マリーダ「あの説は、お世話になりました」
630 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:18:55.97 ID:SdkdUJFAO
グラハム「いずれあの時の約束も果たす日が来よう」

マリーダ「その日を、心待ちにさせていただきます」

グラハム「そしてアザディスタンでの一件、謎の少年との出会い、そして敗北……」

グラハム「……我々はあれから強くなれたのだろうか?」

マリーダ「少なくとも、前へと進んではいたと理解しています」

グラハム「そうだな……」

グラハム「オーバーフラッグスの結成、ジョシュアを始めとするフラッグファイターの転任はその後だった」

グラハム「そしてタクラマカン砂漠による大規模作戦……」

マリーダ「……」

グラハム「……」

グラハム「間を飛ばしたのは意図的だ」

マリーダ「察しております」

グラハム「そうしてもらえると助かる」

グラハム「大規模作戦を経て、現れた新型のガンダムもどき」

グラハム「……私はハワードとプロフェッサーを失い、お前に傷を負わせてしまった」

マリーダ「マスター、それは」

グラハム「いや、良いんだ。この事は、私が世界と向き合う上で背負わねばならない業として認識している」

グラハム「ハワードの墓前で誓ったガンダム打倒、そしてプロフェッサーが遺したフラッグの想い」

グラハム「どちらも貫き通してこそのフラッグファイターだ」

グラハム「私は……」

マリーダ「……」

ロックオン「……」
631 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:29:28.12 ID:SdkdUJFAO
グラハム「……」

マリーダ「……」

ロックオン「よっ」

グラハム「……ロックオン・ストラトスッ!? 何故君が此処に!」

ロックオン「いやぁ、何となく?」ハハッ

ロックオン「というのは冗談。お前さん達と俺たちの間を繋ぐ、物理的なバイパスのようなもんが現れたんだろうな」

グラハム「バイパス?」

ロックオン「そうだな、サイコミュ兵器とか、地理的にGN粒子に満ちた場所とか色々だ」

ロックオン「たま〜にこういうところに意識だけが潜り込むことが間々あるんだが……」

グラハム「??」

ロックオン「ま、その手の説明はまた後だな」

マリーダ「……」

ピキィィィン

マリーダ「ッ……!」バッ

ロックオン「おっと、夢の中なんだろ? 察してくれたのは助かるが、出来れば身構えないでくれると有り難い」

マリーダ「貴様……ガンダムのッ!」

グラハム「マリーダ、私の友人だ。邪険にしてやるな」

マリーダ「マ、マスター!?」

ロックオン「マスターの言うとおりだぞマリちゃん」

マリーダ「誰がマリちゃんだッ!!」

ロックオン「グラハム、もしかして俺割と嫌われてる?」

グラハム「もしかしなくても割らずとも、ガンダムマイスターだ。嫌われているだろうな」

マリーダ「……マスター……?」

グラハム「案ずるなマリーダ、お前の思うとおり私は裏切ってなどいない」

グラハム「彼とは偶然、何者かの導きにより巡り会ったのだ。丁度良い、お前にも紹介しよう」

グラハム「そして、あの日何が起こったのかもな」
632 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:35:22.17 ID:SdkdUJFAO


マリーダ「その様な事があのアラスカの地で……」

グラハム「ふっ、有意義な体験ながら結果として反逆者扱いなのは身から出た錆と言ったところか」

グラハム「私自身、あまり良からぬ評価を受けている面も多く、スレーチャー少佐の一件以来上層部にもホーマー司令以外の味方は殆どいない」

グラハム「この案件、自らの立場を知らされたという意味では価値があったと言えよう」

マリーダ「……」

ロックオン「成り上がりが嫌われるのは世の常だな」

ロックオン「あんたの方、やっぱりちょっとヤバい空気かい?」

グラハム「このままだと銃殺刑も有り得るな」

ロックオン「ッ、マジかい?」

グラハム「元々軍内部の情報漏洩の指摘はあった、今ではそれを全部押し付けられそうな勢いだ」

グラハム「証拠は不十分だが、何だかんだ難癖をつけて三国が牽制し合っているのが実情だ」

ロックオン「つまり、あらが出たならタダでアンタを返す訳にはいかんと」

グラハム「そうなるな」

ロックオン「敵ながら、相も変わらずといったところか。下らねえ」

マリーダ「誰のせいでこうなったと思っている!」

ロックオン「俺が助けなきゃ、今頃マスターは海の藻屑だったんだがなぁ?」

マリーダ「ぐっ!」

グラハム(肩身が狭い……)
633 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:44:06.88 ID:SdkdUJFAO
グラハム「ときにロックオン」

ロックオン「ん?」

グラハム「何時からいた」

ロックオン「…………」

ロックオン「野暮なこと聞くんじゃねえよ」フッ

グラハム「最初からか貴様ッ!」

マリーダ「無駄なタイミングまで狙い撃ちおって……!」

ロックオン「そりゃあ俺はロックオン・ストラトスだからな」ニヤニヤ

マリーダ「くッ……そんな目で見るな!」

ロックオン「それにしても、あんたと戦場で逢えないのは残念なのか幸運なのか……」

グラハム「私にとっては不運だ」

ロックオン「そうなるか」

マリーダ「……マスター、その点に疑問があるのですが」

グラハム「質問を許可しよう」

ロックオン「ん、どうしたマリちゃん」

マリーダ「マスターはこのガンダムマイスターを友人とお呼びになりました」

ロックオン(無視かよ……)

マリーダ「マスターは、友人と殺し合うことを是となさるのですか……?」

グラハム「む……」

ロックオン「おっと、こりゃ痛いところを狙い撃たれたな」

グラハム「良いはずはない。出来るならば争いは避けたいし、平和を望む意志は彼らとて変わらない」

グラハム「だが、目指す場所が同じでも通る道が違えば世界の結末は大きく変化してしまう」
634 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:57:40.43 ID:SdkdUJFAO
ロックオン「つまりは俺の望む世界、ソレスタルビーイングの望む世界を目指すやり方と……」

グラハム「私の望む世界、我々が関わってきた三国の人間が望む世界を目指すやり方は違うと言うことだ」

グラハム「目的は同じか近しいものでも、過程が違うならやはりそれは別の目的なのだ」

ロックオン「そして話しても絶対に交わらない平行線なら、やっぱり戦うしか無いんだよ。人間ってのは」

グラハム「哀れな話ではあるが……お互い恨みっこ無しのフェアなやり方ではある」

マリーダ「……」

ロックオン「あんまり理解されてなさそうだな」

グラハム「致し方ない。男の世界と言うものだ、マリーダのみならず納得出来る者はそういるまいよ」

マリーダ「申し訳ありません、私にはどうにも……」

グラハム「なに、それが正常な見方とも言える。謝る必要はどこにも無い」

ロックオン「そういうこった、戦場であったら俺はあんたを容赦なく狙い撃つ」

ロックオン「あんたらは狙い撃たれても文句は言えないし、俺を撃っても気に病む必要なんか何処にも無い。そこんところOK?マリちゃん」

マリーダ「……貴様だけは真っ先に宇宙の藻屑に変えてやる」

ロックオン「その意気だ、宜しく頼むぜ」
635 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 02:59:42.81 ID:SdkdUJFAO
ロックオン「ん?」ザザッ

グラハム「ッ、どうしたロックオン!」

ロックオン「どうやら、繋ぎが無くなるみたいだな。此処にいられなくなるみたいだ」

ロックオン「じゃあなグラハム、出来れば決着は戦場で着けたいもんだ」

グラハム「あぁ、私もそれを望んでいるよ」

ロックオン「またなマリちゃん、あんたのマスター無理しがちだから、しっかり助けてやりな」

マリーダ「お前などに言われずとも、そうしてきた!」

ロックオン「へいへい、お熱いこって」

グラハム「ロックオン、いやニール」

グラハム「必ず、戦場で逢おう」

ロックオン「おう、必ずだ」

ロックオン「あばよ……グラハム」

…………

グラハム「……」

マリーダ「マスター」

グラハム「不可抗力とはいえ、最も警戒すべき男に出会ってしまったな」

グラハム「彼ならば、一連の会話でGNーXのことに気付いただろうが……」

マリーダ「だとしても、彼は喋らないと」

グラハム「あぁ」

グラハム「彼の方は、大事には至っていないようだな。有る意味では有り難いことだが、敵の結束力が強いことを喜んではいられないのも事実だ」

グラハム「マリーダ、GNーXはその性能こそガンダムに匹敵すると言われているが、やはり量産機。皆の気をあまり逸らせるなよ」

マリーダ「了解」
636 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 03:17:43.04 ID:SdkdUJFAO
グラハム「特にダリルとジョシュアだ、義理堅く人情に厚いダリル、腕は私に並ぶがあまり物事を考えたがらないジョシュア、この二人はガンダムの得意とする土壌で戦いかねん」

グラハム「我々はいつの戦場でも、自らのやり方にガンダムを引き込んで戦っていた。GNーXの性能に溺れ、無闇な突貫を繰り返していたら勝てるものも勝てなくなる」

グラハム「青い奴は近づけるな、離れろ。緑は何とかして近づけ、だが近距離砲には注意しろ。デカブツは常に位置を把握し一撃に備えろ、羽根つきはやたらに追うな、落ち着いて複数で迎撃しろ」

グラハム「我々が空を飛んでいた時の基本を忘れるなと、オーバーフラッグスには伝えてくれ」

グラハム「私も必ず追い付いてみせる、その間フラッグファイター達を頼むぞマリーダ」

マリーダ「了解、マスター」

グラハム「……」ザザッ

グラハム「漸く、といったところか」

マリーダ「マスター!」

グラハム「案ずるなマリーダ、カタギリにも待っていてくれと伝えてほしい」

グラハム「アイツはいつもは軟派に見える醸しれんが、根は男の中の男だ……絶対に私のフラッグを造り上げてくれる」

グラハム「だったら私も挫ける訳にはいかん。耐え抜いてみせるさ」

マリーダ「え……?」

グラハム「 」ザザッ……ザー

マリーダ「マスター、マスター!?」

ーマリーダ自室ー

マリーダ「ッ……!」ガバッ

マリーダ「あ……ぐ……!?」

マリーダ(例の発作……薬を……!)

ザラザラッ
ガリッ

マリーダ「ッ……」ゴクッ

マリーダ「ハァー……ハァー……」

マリーダ「マスター……」
637 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 03:20:51.52 ID:SdkdUJFAO


グラハム「ぐ……っ」

グラハム(他の二人は寝ていたのだろうか……睡眠と気絶の境界線は曖昧ということだな)

グラハム(二人に比べ、能力に劣る私が彼処にたどり着けたのは、むしろ意識が生への執着に寄っていたからかもしれんが……)

グラハム「さて、せめて上着位は着たいものだな。この季節、流石に堪える……ッ」

グラハム「何のこれしき、自白などしてたまるものかよ……!」

ーホテルー

絹江「それじゃあ……」

紅龍「絹江さん、本当に宜しいのですか?」

絹江「えぇ、決めたことです」

紅龍「失礼ながらあなたの過去に関しては調査させていただきました」

紅龍「お父上に濡れ衣を着せ、獄中死させた公安権力への不信感は理解できます」

絹江「……」

紅龍「ですから、我々がご家族共々保護すればと……!」

絹江「再三その件はお断りさせていただきました」

紅龍「しかし!」

絹江「紅龍さん、でしたっけ」

絹江「貴方にラグナ氏のデータを複製し手渡したのは、私なりのけじめです」

絹江「確かに、私にはこのデータを世間に公表することが出来るし、あなた方のお世話になって隠れることも出来ます」

絹江「でもそれは……私が思う世界の在り方」
638 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 03:27:33.76 ID:SdkdUJFAO
紅龍「絹江さん……」

絹江「沙滋には、弟には世界の裏側になんて回ってほしくない。当たり前の生活をして、当たり前の人生を生きてほしい」

絹江「私のせいであの子の道をねじ曲げたりなんか、出来ませんよ」

絹江「それに……私はジャーナリストです。これを公表すれば、一躍世界的なジャーナリストとして名が広まるでしょう」

絹江「正直に言えば、一晩ずっと悩みました……私だってこの世界に生きてましたから、そういうのに憧れてた面もあります」

絹江「でもそれは私の思うジャーナリストの在り方じゃないって、思い出せたんです。世界を混乱に陥れて、何人もの人間を不幸にさせてまで、私はジャーナリストとして成り上がりたくはないって」

絹江「だから……貴方に託しました。直感だけど、きっと貴方達なら正しくこのデータを扱ってくれると信じて」

紅龍「……」

絹江「……宜しくお願いします」

絹江「父のようなジャーナリストになる……そのためにこの世界に入ったのに、結局私も末路まで同じ道を歩んでしまった」

絹江「これは罰なのかもしれませんね……」

紅龍「……」

絹江「……時間ですね。もう、行きます」
639 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 03:40:44.43 ID:SdkdUJFAO
紅龍「考え直すことは出来ませんか……?」

絹江「決めたことです」

紅龍「……ッ」

絹江「ごめんなさい……」スッ

ウィィンッ

紅龍「……」

ピッ

紅龍「お嬢様、例のデータを入手いたしました」

紅龍「いえ、その件は物別れに……はい」

紅龍「……」

紅龍「絹江・クロスロードは、自身の死を以てこの一件を留めると」

ー路地裏ー

絹江「……此処なら、誰かが巻き込まれたりはしないわよね」

絹江「父さんみたいに、独りで突っ走って死んじゃうようなジャーナリストにはならないって決めた筈なのに……」

絹江「……」

絹江(強大な国家権力には、個人の力なんて通用しない)

絹江(私や沙滋が無事でも、JNNの仲間や、沙滋のクラスメート……追及の可能性は何処まででも広がる)

絹江(それに、例え彼らが保護してくれたとしても完全に安全とはいかない)

絹江(何処までも何処までも……報復の可能性はついて回る)

絹江(沙滋、ごめんね。でもあなたにまで彼らの手は及ばせないから)

絹江「これが私の、けじめよ」

キキィッ
ジャキンッ

絹江「……」




沙滋「!」

沙滋「姉……さん……?」

TO BE CONTINUED...

王留美「では、早急に此方に戻ってきなさい。えぇ、ではまた」

ピッ

PPP

王留美「!」

ヴンッ

王留美「あら、お耳が早いこと……フフッ」
王留美「変革から爪弾きにされた者はいずれ宇宙に居場所を求める」

王留美「【RGM】……これはその際の牙となるモノ」

王留美「いささか変革を見つめるのも飽きてきた、私もこの舞台に上がらせてもらうとしましょうか」

王留美「そのためには不可欠なのよ……【箱】という存在が」
640 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/05(火) 03:46:00.16 ID:SdkdUJFAO
投下終了だフラッグファイター


次回『変革』

野獣と妹の牙、ガンダムに迫る
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/05(火) 06:41:48.68 ID:22+m0GQio
サジの幸薄っぷりは以上
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/05(火) 06:42:32.16 ID:jD7GmjPn0

沙磁は姉を止められるか……?
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 09:13:05.82 ID:nDrRG4Vvo

この沙慈はオーライザーに乗ることになるのか否か・・・
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/05(火) 09:18:35.67 ID:Nr7rtbTHo
【RGM】・・・ジェガン?
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/05(火) 11:49:46.06 ID:03JKUtsAO
青運命じゃないか?
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/05(火) 16:10:56.56 ID:V2QW195lo
>>642
いや、原作通り普通に殺されていて、

>沙滋「!」

は虫の知らせでしょ
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/05(火) 16:47:11.05 ID:oCmi1gIfo
RGM最後の機体でフリーダムかな …?
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 18:02:44.31 ID:oEni9WSDO
ところでロックオンはグラハムに顔をみせてるのか?
顔を見せたとしてジンクス戦前のティエリアが知ったら射殺しかねないと思うが

マイスターで顔を知られたのは刹那だけだっけ?
649 :>>642 [sage]:2011/04/05(火) 18:44:14.07 ID:jD7GmjPn0
沙磁 ×
沙滋 ○

…………orz
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/05(火) 19:07:26.42 ID:V2QW195lo
GNフラッグの変形機構はいっそ排除しちゃった方が安定するような…
グラハムは嫌がるだろうけど
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/04/05(火) 21:29:57.88 ID:8uIrGbvM0
>>617
アヌビスかと思ったぞフラッグファイター
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 21:57:57.32 ID:Vnv6L1K+o
>>651
いや、普通にANUBISパロだろ
ADAは俺を新しい境地へと引き上げてくれた存在だ

後、sageようぜ
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 23:31:45.85 ID:xBvCKK2DO
>>647
種の馬面かと思ったら違った
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 04:57:45.48 ID:GbdpKliDO
話しは全く変わるんだがマリーダさんが元々OOのキャラに思えてきた
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/06(水) 19:05:58.09 ID:8fXg2LSso
GNフラッグはブレイブから可変を抜いた試作機的な機体になるのだろうか
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 22:24:00.32 ID:tMA9M4mc0
節子それはマスラオかスサノオや
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/06(水) 22:42:53.88 ID:ZI3qrV1AO
可変せず、バスターソード持った黒いブレイブか…?
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/06(水) 23:00:26.17 ID:9f3zZHvAO
>>657
バスターブレイドはビリーが削るって書いてあった
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/06(水) 23:03:36.27 ID:8fXg2LSso
それってホンマにスサノオやん…
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/06(水) 23:05:54.73 ID:U8SdKjDAO
>>658
てかGN粒子に質量軽減効果あるから削る意味ないよな
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 23:18:13.11 ID:tMA9M4mc0
>>660
グラハム「カタギリなぜ剣を小さくした?」

ビリー「そのほうがカッコいいからさ」
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/06(水) 23:24:00.48 ID:9f3zZHvAO
>>660
そう言われたらそうやな
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/06(水) 23:24:29.47 ID:9f3zZHvAO
>>660
そう言われたらそうやな
664 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/06(水) 23:55:56.73 ID:3sPkzVhAO
そもそもカスタムフラッグで使用する前提だったから積み込みにくいし、特殊粒子って何?な段階だったから加工による軽量化と研究が必要だったとビリーが言い訳している

ロックオンは「顔見せしているが映像には映っていないしロックオンもその辺は黙っている」というズルい感じ

では投下再開だフラッグファイター
665 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/06(水) 23:59:39.92 ID:3sPkzVhAO
ー高軌道ステーションー

ウィィンッ

マネキン「来たか、オーバーフラッグス」

ザッ

マリーダ「マリーダ・クルス中尉以下九名、本日を以て本作戦に合流します」スッ

ダリル「……」ビシッ

ジョシュア「……」ビシッ

マネキン「歓迎しようオーバーフラッグス」

マネキン「それにマリーダ中尉、君が来るのを心待ちにしていた」

マリーダ「ご期待に添えるよう、尽力致します」

マネキン「助かる」

マネキン「……グラハム大尉の件は、まだ収拾がつかないのか?」

マリーダ「はい、槍玉に上げられているのが現状で……」

マネキン「そう、か」

マネキン「彼か君になら、AEU側のGNーX部隊の前線指揮も任せられたのだがな」フゥ

マリーダ「……?」

マリーダ「今作戦にはパトリック・コーラサワー少尉も参加すると思っていましたが、彼はいらっしゃらないので?」

マネキン「いや、パトリックはいるさ。だがアイツは今回隊長ではない」

マリーダ「え……?」

マネキン「戦時特例にて、AEU側から選定された新しいライセンサー……ヤザン・ゲーブル大尉が着任したからだ」

マリーダ「ヤザン・ゲーブル大尉……パトリック・コーラサワー少尉以上の腕の持ち主、ということですか」

マネキン「どちらが上かは正直分からん。だが、恐ろしく腕が立つことは確かだ」

マネキン「ただそれだけ、だがな」
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/07(木) 00:00:18.84 ID:nCKZLVrAO
>>664

リアルタイム遭遇キタwwww

さあ…今日も頼むぜぇぇきょうだいぃぃいっ!!
667 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:07:40.95 ID:Nf4fEEaAO
ウィィンッ

ヤザン「お言葉ですなぁ大佐殿! ただ強いだけとは、まるでケダモノ扱いだ」

マリーダ「ッ!?」

マネキン「ヤザン……!」

ザワザワ……

ヤザン「ほぉ、流石はユニオンのエースを集めたオーバーフラッグス。うちの軟弱共とは顔つきが違う」

マリーダ(コイツがヤザン・ゲーブル……!?)ピキィィィン

マリーダ(まるで闘争本能の塊だ、ケダモノというより野獣のそれに近い)

マリーダ(だが強い……それだけは確かだ)

マネキン「ヤザン! 貴様には別室で待機と命じていたはずだぞ!」

ヤザン「おいおい、あんたは俺のおふくろさんか? 下らねえことまで命令すんじゃねえよ」

ヤザン「それにこっちにゃライセンスがある、気に入らなきゃ命令に従わなくても良いってお墨付きがな」

マネキン「ッ……!」

ヤザン「へっ、理解していただけたようで何よりだ」

マリーダ「……」

マリーダ「ライセンスとは、当人の戦闘技術、判断力、戦術的理解力を評価し独自判断を認められた免許だ」

ヤザン「あぁ?」

マリーダ「命令を無視するため、好き勝手に戦うためのものではないはずだ。慎んでもらおう!」

ヤザン「てめぇは……マリーダ・クルスとかいう女兵士か」

ヤザン「はっ、グラハム・エーカーのお妾は黙ってろよ。女が戦場にいるってだけでも鬱陶しいのに、おまけにガキじゃねえか」ペッ

マリーダ「……」

マネキン「ヤザンッ!!」
668 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:12:04.98 ID:Nf4fEEaAO
ダリル「ッ、貴様中尉を侮辱するか!!」ズイッ

ジョシュア「いくら大尉さんだからってよ、言って良いことと悪いことがあるぜ……!」ズイッ

ヤザン「女の尻に敷かれて満足してる腰抜けが、ギャンギャン吼えんなよぉ!」

マリーダ「止めろダリル、ジョシュア」

ダリル「中尉、これだけは勘弁出来ませんぜ!!」

ジョシュア「おうよ、グラハム大尉だってこんな暴言許しはしねえ!」

マリーダ「下らん讒言に惑わされるな。我々の相手はガンダムだ!」

マリーダ「マスターの汚名を返上するために我々は此処にいる、そう誓っただろう!」

ダリル「し、しかし……!」

ジョシュア「ッ……」

マリーダ「……」キッ

ダリル「……了解、しました」

ヤザン「フン」

ヤザン(無駄にすかしやがるな、気に入らねえ)

ヤザン(少し鎌掛けてみるか…)

ヤザン「へぇ、やっぱりユニオンのトップガンは今回の作戦にゃ参加しないのか」

ヤザン「そりゃそうだよな、ソレスタルビーイングのスパイなんぞと肩並べて戦える筈もない。お偉方にしちゃ冷静な判断だ」

マリーダ「!」

マネキン「ヤザン、いい加減にせんか!」

ヤザン「臆病者を臆病者と罵って何が悪い? いくらガンダムを退けたからって、内通してりゃ世話無いぜ」

ヤザン「いや、むしろわざとか? 八百長はユニオンのお家芸だからな……ガンダムと示し合わせて、一芝居って可能性も考えられる」

マリーダ「ーー!」ビキビキッ
669 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:23:22.49 ID:Nf4fEEaAO
ダァンッ

マリーダ「ッ!?」

ヤザン「うぉッ!」

マネキン「いい加減にしろといった、私に銃を抜かせるなこの馬鹿者共が」

マリーダ「大佐……」

ヤザン「……」ニヤッ

マネキン「ヤザン、自室に戻って謹慎していろ。さもなくばマリーダ中尉が撃つ前に私が撃つぞ」

ヤザン「了解だ。あんたにそのくらいの気概があって嬉しいぜ」

マリーダ「ヤザン・ゲーブル……」

マリーダ「マスターへの暴言、忘れんぞ……!」

ヤザン「せいぜい背後に気をつけるさ、楽しみにしてるぜマリーダ中尉」クックック

ウィィンッ

マリーダ「……」

ダリル「くそっ!」

ジョシュア「胸糞悪い……」

マネキン「……済まんな、フラッグファイター。私がもっと奴の手綱を握っていればこの様なことには……」

マリーダ「あの男、大佐が選んだメンバーでは無いということですか?」

マネキン「……」

マネキン「上層部から選定された新しいライセンサー、その実命令系統も複雑でな」

マネキン「私が選ぶ前からGNーXを与えられていた……恐らくは違う派閥の息がかかった者だ」

マリーダ「心中お察しします、大佐」

マネキン「君に対してもあの反応だ、人革連のピーリス少尉に対しても気を付けねばいかんな……」

マネキン「重ねて言おう、本当に済まない」
670 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:26:59.99 ID:Nf4fEEaAO
しまった、>>668>>669の間にこれを入れてくれ


ダリル「き、貴様という奴はぁぁぁぁ!!」

ヤザン「はっ! 来いよ腰抜けェ!」

ドンッ

ダリル「うぉっ!?」ドサッ

ガッ

マリーダ「……」ギロッ

ヤザン「ッ!?」

ダリル「!」

マネキン「マ、マリーダ……」

ギリギリギリッ

ヤザン「ぐっ……!」

ヤザン(何だこの力、女のそれじゃねえぞ!!)

マリーダ「私への侮辱は幾らでも耐えよう。女であり若くもある、ヤザン大尉の懸念は最もと言える」

グィッ

ヤザン「この女ァ……!」

マリーダ「だがマスターを愚弄するというなら……私は貴様を背中からでも撃つぞ」

マリーダ「訂正しろ、今すぐにだッ!!」

ジョシュア「お、落ち着けマリーダ!」

ダリル(マズい、隊長も司令もいないとなると中尉を止められる人が!)

ヤザン「ッ……はッ、すかした顔しながらちゃんと内側があるじゃねえか、面白い」

マリーダ「何……?」

ガシッ

マリーダ「ッ!」

ヤザン「マスターマスターって、随分とご執心じゃねえか? ガンダムより熱心に見えるがねぇ……」ギリギリギリ

マリーダ「貴様ッ!」ギリギリギリ

ヤザン「はっ、グラハムとやらも男って訳だ。夜のグラハム・スペシャルでも決められたか?」

マリーダ「 」ブチッ

ヤザン「へっ……図星かよ女……!」

マリーダ「堪忍袋の緒が切れたというのは、こういう事らしいな……!」

マリーダ「このゲスがぁぁ!!」ジャキッ

ヤザン「後ろから撃つとかいったなぁ! やれるもんならやってみやがれェェ!!」ジャキッ
671 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:30:34.94 ID:Nf4fEEaAO
マリーダ「マスターの為です……味方であるならば、共に戦うことも是としましょう」ギュッ

マリーダ(マスターのいない今……私がやらなければならないのだから)

マネキン「……」

ーAEU側控え室ー

ヤザン「へっ、面白くなってきたぜ。これが今の戦場か」

ヤザン「ラムサスとダンケルを呼べなかったのは口惜しいが、せいぜい楽しませてもらうとしようか」

バタンッ

コーラサワー「大尉、珈琲買ってきましたぁ!」

ヤザン「おうパトリック、ご苦労」

コーラサワー「どうぞぉ……」

コーラサワー(くそぅ、何で模擬戦無敗でスクランブル2000回の俺がパシリなんかさせられてんだ)

コーラサワー(どうせパシられるなら大佐にパシられたいぜ……ッ!)クゥッ

コーラサワー(でもAEUのGNーXメンバーはみんなヤザン大尉派に付いちまったし……大佐派の俺は肩身が狭いったらないよ)

コーラサワー「トップガン、大丈夫かなぁ」

ヤザン「あぁ?」

コーラサワー「!」

ヤザン「おうパトリック」

ガシッ

ヤザン「そいつの話、詳しく聞かせてもらおうかーー?」

コーラサワー「 」

ーヴェーダー

アレハンドロ「リボンズ、状況はどうだ?」

リボンズ「現在LEVEL4をクリア」カチカチッ

リボンズ「LEVEL5を掌握中です」

アレハンドロ「そうか、まだまだかかりそうだな……」

アレハンドロ「プルツーはどうした?」

リボンズ「プルツーはあまりにも騒ぐので、他の任務を任せました。彼女ほど我慢弱い存在も珍しいかと……」フゥ

(言ってくれるじゃあないか、全く)

リボンズ(アレハンドロを騙すにはこれが一番手っ取り早いのさ)
672 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:42:27.87 ID:Nf4fEEaAO
ートレミー・ブリッジー

スメラギ「トリニティを退けた国連軍のMSのデータは?」

クリス「今転送しています」

クリス「でも良いんですか? ヴェーダから、再三トレミーからのデータ開示を求める警告が出されてますけど」

スメラギ「いつも通りシャットアウト。よろしくね」

クリス「はぁい」

スメラギ(情報漏洩していると思われる以上、下手に此方からヴェーダへの送信は出来ない)

スメラギ(最悪の事態に近付いている今だからこそ……備えと警戒は怠れないわ)

ピピッ

刹那「!」

アレルヤ「これは……!」

スメラギ「やっぱりね、疑似太陽炉搭載型MS……」

ティエリア「やはりヴェーダの情報が漏れているというのか……」

刹那「……」

刹那(新たなる火種ーー俺達は、ガンダムはどうすればいい?)

スメラギ「……」

スメラギ「フェルト、ロックオンを部屋から出してきてくれない」

フェルト「あ、はい」

スメラギ「みんな作戦会議を始めるわ。会議室に一回集合して」
673 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:46:03.88 ID:Nf4fEEaAO
ートレミー・会議室ー

スメラギ「事態は一刻を争うわ」

スメラギ「既にラッセとイアンさんにはGNアームズの受け取りに出てもらっているけど、それが間に合うかは分からない」

スメラギ「国連の疑似太陽炉搭載型MSは恐らく既に宇宙にも上がってきているはず、ガンダムマイスターは警戒を怠らないで」

刹那「了解」
ティエリア「了解」
アレルヤ「了解」

ロックオン「了解だ」

スメラギ「そして本日を以てロックオンの謹慎を解き、平常同様のシフトに直します」

スメラギ「緊急時ということも加味した判断になります、よろしくねロックオン」

ロックオン「悪いなミス・スメラギ、信頼には応えるさ」

スメラギ「刹那、アレルヤ。二人のガンダムに追加した武装は、同性能かつ多勢の相手に対する奇襲の意味合いが強いわ」

スメラギ「相当癖のある作りになってるのは、以前使用した作戦でも分かっていると思う。でも、まともにぶつかってたら戦いにならないのも事実なの」

スメラギ「負担を強いることになるけど……耐えてちょうだい。ごめんなさいね」

アレルヤ「……」フッ

アレルヤ「策が通用しないなら奇策で通用させる、今まで通りです。そんなにかしこまらないでくださいよ」

アレルヤ「刹那とは何度も話し合ってタイミングも考えてます。キュリオスガスト、使いこなして見せますよ」

刹那「アヴァランチエクシアダッシュ、戦果は挙げてみせる」

スメラギ「……ありがとう。二人とも」
674 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 00:57:23.90 ID:Nf4fEEaAO
スメラギ「ヴァーチェフィジカルに関しては緊急時の予備枠として保持しておきます。でも火力から考えたら現状維持が理想……無理はしないでね」

ティエリア「貴女に言われなくともそのつもりです。ヴァーチェは今までも、そしてこれからも任務遂行の為に戦うのみ」

スメラギ「そう言ってもらえるなら安心できるわ」

スメラギ「恐らく、敵は数を頼みにした制圧戦を仕掛けてくるはず。後列の火砲支援で足止めし、前列の遊撃部隊で決定打を生むつもり」

スメラギ「エクシアとキュリオスでこれらを攪乱させ、デュナメス・ヴァーチェで隙を狙い確実に戦力を削る。敵もまたこちらに確実なダメージを与えようとしてくるはず、出来る限り消耗は抑えてね」

スメラギ「ロックオン、HAROとサイコミュを連動させておいたわ。タイミングは一任します」

ロックオン「!」

ロックオン「いいのかいミス・スメラギ、ありゃあ確かヴェーダから使用制限が……」

スメラギ「今が緊急時よ。使える戦力、技術、知識、総てをつぎ込んで戦わなきゃならない」

スメラギ「出し惜しみなんかしたら戦いにすらならない。もしもの場合、責任は私が取ります」

スメラギ「責任さえ取れなくなるような事態は御免だものね」

ロックオン「……OK」

ロックオン「そんだけ覚悟されたら、俺もあんまり悠長には出来ねえな」

ロックオン「いつにも増して、狙い撃たせてもらうとすっか!」
675 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:07:47.98 ID:Nf4fEEaAO
スメラギ「リヒティは警戒を強化、フェルトとクリスはバックアップデータの再構成を引き続きお願い」

スメラギ「ガンダムマイスターはそれを前提とした訓練プランを組んだわ、時間が許す限り一通りこなしておいてね」

ティエリア(ヴェーダの支援抜きで、同性能多数の機体と戦うには負担が強すぎる)

ティエリア(だとしても、現状のヴェーダを考えると……)

スメラギ「……」

スメラギ「それでは……解散!」

刹那「……」ダッ

アレルヤ「刹那ッ! 僕も行くよ!」ダッ

ロックオン「あーらら……」

リヒティ「二人とも、あんなに急いじゃって」

ティエリア「全く、はしゃぎすぎだ」

ロックオン「まぁ気持ちも分かるさ。俺がちょい情けないからか、アレルヤは最近頑張ってくれているし、刹那も割と大人しい」

ティエリア「ロックオン、そんな矮小な台詞、自分で言っているからこそ情けなくなる」

ティエリア「刹那・F・セイエイを抑えられるのは君だけなんだ。自覚してほしいものだ」スッ

ウィィンッ

ロックオン「おっ……」

ロックオン「全く、あのツンデレめ」

ウィィンッ

ティエリア「……ッッ」

ロックオン「俺が悪かった、だから睨むな。お願いします」

ロックオン(……皆の心は一つになっていく。だが、嫌な予感がする。何か恐ろしいモノが近付いている感覚)

ロックオン(グラハムじゃあなさそうだが、どうにも鼻につくな。何事も無ければいいんだが)
676 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:11:23.33 ID:Nf4fEEaAO
ートリニティ拠点付近ー

頂武兵士「中佐、まもなく目標ポイントに到着致します」

セルゲイ「了解した」

セルゲイ「頂武GNーX部隊、これよりガンダムの基地への攻撃を開始する」

セルゲイ「全機、抜かるなよ!」

ギュゥゥゥゥン

ソーマ「再び勝利の美酒を、我々の手に……!」

ピキィィィンッ

ソーマ「ッ!」

ソーマ「中佐! 前方に膨大な熱源反応!」

セルゲイ「何だとッ!?」

ズギャァァァァッ

頂武兵士「 」チュドォン

セルゲイ「此方の侵攻を予測していたというのか……!」

ピピッ

ソーマ「熱源反応多数! 待ち伏せです!」

セルゲイ「ッ……!」

ートリニティ拠点ー

ネーナ「きゃははっ! 一機撃墜ーっ!」

ミハエル「ハイメガランチャーで一機だけかよ、みみっちい」

ヨハン「だが虎の子の十機、貴重な前進といえる」

『トリニティ各機、我々が足止めをする。敵部隊の中央を突破し次の支援隊に合流されたし』

ヨハン「了解した。支援に感謝する」

ヨハン(傭兵による支援……本来ならば不本意極まりないが……)

ー先日、トリニティ拠点ー

ネーナ「ヨハ兄ィ、どうするのよこれから!」

ミハエル「あの新型の話、ラグナから聞いてないぜ!?」

ヨハン「……」

ミハエル「兄貴!」
677 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:17:05.76 ID:Nf4fEEaAO
HARO[ダマッテンナヨ! ダマッテンナヨ!]

ネーナ「HARO! ヨハ兄ィに何て口聞くのよ!」

ミハエル「刻むぞHARO!」

HARO[…………]

ヨハン「……」

ピピピッ

ヨハン「!」

ヨハン「ラグナからの暗号通信だ」

ネーナ「ようやく!?」

ミハエル「何て言ってきたんだよ!」

ヨハン「……」ピッ

ヨハン「ッ……馬鹿な……」

ヨハン「ラグナが殺された……だと!?」

ネーナ「はぁ!?」

ミハエル「ちょっ、何だそりゃあ?!」

ヨハン「ラグナの悪ふざけか? ならばこの秘匿暗号通信は……」

『お聞きの通りでしてよ』

ヨハン「! 王留美……!」

ミハエル「ってことはまさかこの女がラグナを……」

『下手な邪推や勘ぐりはお互いの利益にならなくてよ』

ネーナ「じゃあ何なのさっ!」

『何故この通信が使えるかというのは説明が長くなりますから省略いたします』

『重要な案件として伝えるとするならば、我々はラグナ氏の意志を継ぎあなた方をサポートするということだけ……』

ヨハン「……」

『まず、ラグナ氏が緊急時に雇っていた傭兵団を指定のポイントに向かわせました』

『ラグナ氏との繋がりも深い、裏の実働部隊です。信頼に足る存在ですわ』

ヨハン「くっ……」
678 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:22:15.15 ID:Nf4fEEaAO
ヨハン「今は生き延びる事を考えろ、ということですか」

『武力介入すべき相手に助けられる屈辱にまみれても、ですわ』

ネーナ「何よそれ! 気に入らない!」

ミハエル「兄貴、どうすんだ?」

ヨハン「……」

ヨハン(ラグナが殺されたということは、ラグナより力のある存在がバックにいるということ……)

ヨハン(そして我々は、その存在に用無しと判断された迷子というわけか)

ヨハン(我々を殺したいだけなら、例の新型に追い回させておけば済む。王留美がわざわざコンタクトを取る意味も無い)

ヨハン「……分かりました。貴女の指示に従いましょう」

ヨハン(彼女はまだ信用出来る……今の内はな)

ネーナ「ヨハ兄ィ……!」

ミハエル「……兄貴がそう言うなら、従うぜ」

『分かりました。賢明な判断、賞賛に値しますわ』

ヨハン「世辞よりまず実益を頂けると助かりますな」

『はい、勿論そうさせていただきます』

『それと、早速ですが其方にGNーX部隊が向かっていますわ』

ヨハン「ッ!」

『傭兵団の配置が一手早いはずですので、後は現場の判断を……それでは失礼』

ピッ

ヨハン「ネーナ、ミハエル!」

ネーナ「もー! そっちを先に言えっつうの!」

ミハエル「くそっ、無駄に忙しい!」
679 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:28:05.06 ID:Nf4fEEaAO
ヨハン「ラグナを抹殺した奴が何者かは分からない……」

ヨハン「だが我々を消そうとするならば、そいつは我々の敵だ!」

ートリニティ拠点付近ー

セルゲイ「慌てるな! 眼下の敵機は確実に狙え!」

セルゲイ「あくまで我々の目標はガンダムだ! 八番機から十番機は地上の制圧に回り、残りは私とガンダムを押さえにいく!」

ソーマ「了解!」

頂武兵士『了解!』

セルゲイ「来るぞォッ!」

ヨハン「退けェェェェ!!」

ー王留美専用小型機ー

王留美「さて、これでトリニティに関しては手を打ったわ」

王留美「それで? 貴方から提案なんて珍しいこともあるものね紅龍」

紅龍「……」

王留美「私の言うことをハイハイ聞いているだけかとも思っていたけども、少しは見直したわ」

王留美「まぁまだ内容は聞いてないのだけれども……」

王留美「何かしら? 聞くだけ聞いてあげる」

紅龍「ソレスタルビーイングと国連、双方にこの情報をちらつかせラグナ氏のポストをそのままかすめ取る……というやり方です」

王留美「……プッ」

王留美「くくっ、ふふふ」

紅龍「……」

王留美「あっはははははははははははははははははははは……!!」

紅龍「お嬢様……」
680 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:29:47.04 ID:Nf4fEEaAO
王留美「あ、あなたのような人から……ははは、そんな言葉が聞けるなんて、どんな風の吹き回しかしら?」ヒーヒー

紅龍「……正しい使い方というならば、明確な情報により統合を誘発させることがソレスタルビーイングの理念にも近いかと」

王留美「……ふうん……」

紅龍「……」

王留美「良いわ、もとよりこの情報をネタに舞台に顔を出すつもりだったもの」

王留美「変革した世界での薔薇色の生活、そのためにやれることは全てやり尽くしてみせる」

王留美「ふふふ……まさにこのデータは神様からの贈り物ね」チャッ

紅龍「……」

紅龍(絹江さん、私には本当にコレで良かったのかは分からない)

紅龍(人々の意識が変わらないこの様なやり方では、変革に導くなど夢の又夢のようにさえ感じる)

紅龍(絹江さん、あなたの覚悟に我々ソレスタルビーイングが報いるには……)

ー人革連・保安局ー

局員「それでは、ご遺体の確認を」

ジィィー……

沙滋「ッ……!」

沙滋「姉さん……姉さ……」

沙滋「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

局員「……お悔やみを……」

スッ

沙滋「ぁぁぁ……ぁぁぁぁぁぁ……!!」
681 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:39:58.59 ID:Nf4fEEaAO
ー空路・輸送機ー

サーシェス「あぁ、例の女は俺がしっかり始末を付けたよ。安心しな」

『そうかい、ならいいよ。下手に裏事情がバレたら計画にも差し支えるからね』

サーシェス「ところでプルツー、お前俺のイナクトかっぱらったんだ……そろそろ代替機を準備してもらわなきゃ割に合わないぜ?」

『分かっている……とびきり上等なのを捕まえてやるさ』

サーシェス「あん? 何だそりゃ、野生のガンダムがいるみたいな言い方しやがって」

『有る意味野生さ……ところでサーシェス』


数字の1、2、3……どれが好きだい?』

ー高軌道ステーションー

マネキン「全員集まったな? これから諸君等には、捕捉したガンダムの運用艦にGNーXで奇襲をかけてもらう」

マネキン「味方部隊は十九機のGNーX、敵は四機とはいえ世界を相手に戦ってきたガンダムだ」

マネキン「油断はするな、深追いもだ。地上の新型ガンダムを追撃する頂武GNーX部隊と合流し次第、完全な殲滅戦へと移行する」

マネキン「敵機中破の時点で撤退するくらいの気構えで構わん、引き際を見誤るなよ!」

『了解!』

マネキン「ユニオンGNーX部隊の指揮はマリーダ・クルス中尉に、AEUGNーX部隊の指揮はヤザン・ゲーブル大尉に一任する」

マネキン「一時だけでも禍根は忘れろ、戦場での諍いは即死に繋がる」

マネキン「いいなッ!」
682 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:42:55.29 ID:Nf4fEEaAO
マリーダ「はっ!」

ヤザン「了解だ、頼んだぜ中尉」ヘッ

マリーダ「私の邪魔だけはするな、それだけだ」

コーラサワー(うわっ一触即発……)

マネキン「……」

マネキン(さんざんこき下ろしてはいたものの、ヤザン・ゲーブルは凶暴ではあっても無謀ではない)

マネキン(今作戦の趣旨も確実に理解し、兵の被害を抑えてくれるだろう)

マネキン(奴が命令違反をするのも、要は切迫した状況などの様子見を嫌う性格からくるもの……それさえ気を付ければ牙は剥かれまい)

マネキン(部下としては扱いにくいことこの上ないが、使いこなせればこれほどまでに有り難い人材も珍しい)

マネキン(使いこなしてみせるさ……野獣の手綱も、珍獣の手綱もな)

コーラサワー(今大佐が俺のことを見ていた……!)

ヤザン「パトリック、ご機嫌だな」

コーラサワー「へ?」

グワシッ!!

コーラサワー「 」

ヤザン「だが縮んどるぞぉ! まだ作戦前だ、しっかりせんか!」

ヤザン「はっはっはぁ!」

ジョシュア(じゃあアイツ、作戦行動中はビンビンにおっ立てながら戦ってんのかよ……)ゾッ

マリーダ「行くぞオーバーフラッグス」

マネキン(問題は、むしろマリーダの方にあるか……)

マネキン(グラハム大尉の状況もある、深追いや無理をしてでも戦果が欲しかろうな……)

マネキン「マリーダ」

マリーダ「!」

マネキン「無理はするな。君に何かあれば、グラハム大尉に申し訳が立たん」

マリーダ「お言葉ですが大佐……私もフラッグファイターです」

マリーダ「軍人としての責務を果たす、それだけです」

マネキン「……そうか、いやそうだな」

マネキン「分かった、往ってこい」

マリーダ「はっ!」ビシッ
683 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 01:53:01.15 ID:Nf4fEEaAO
マリーダ(マネキン大佐はああおっしゃっていたが……やはりオーバーフラッグスとしてはガンダムを打倒したという結果が欲しい)

マリーダ(それさえあればマスターへの汚名も返上出来よう……)

マリーダ「GNーXに乗って戦果が無くては、フラッグを降りた甲斐も、マスターに会わせる顔も無くなる」

マリーダ「やはり、やらねばならないのだ……!」

ー宇宙ー

ヤザン「お前ら、命令通り無理はすんなよ。数が多い方が最後の最後楽なんだからよ!」

『了解!』

ヤザン「俺は俺で楽しむがな……さて、どう出るガンダム?」

コーラサワー「よっしゃあ! ガンダムぶっ潰して、大佐のキッスは頂きだぁぁぁ!」

ヤザン「ちっ、約一名全く話を聞いていやしない」

ヤザン「まあいいさ……この程度で死ぬようならその程度って事だ」

ヤザン「ヤザン・ゲーブル、GNーXで出るぞぉ!」ギュンッ

マリーダ(必ず戦果を上げる、そしてマスターの戦場を守る!)

マリーダ「マリーダ・クルス、GNーX出撃する!」ギュォッ

ジョシュア「よっしゃダリル! ガンダムを蹴散らすぜ、ついて来い!」

ダリル「おうさッ!」

キィィィィィン……
684 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 02:01:46.92 ID:Nf4fEEaAO
ークルジス?ー

ヒュウウウ

刹那「……」

刹那「ここは……?」

『刹那』

刹那「!」バッ

マリナ「……」ニコッ

刹那「マリナ・イスマイール、どうしてここに……?」

マリナ「見て刹那」

刹那「……?」

マリナ「こんな荒れた土地にも花は芽吹き、大地は息づいている」

マリナ「いずれこの場所にもまた人が戻り、活気を取り戻していくわ」

刹那「この土地に……また……?」

マリナ「だからね、もう戦わなくてもいいのよソラン」

刹那「ッ……!」

マリナ「いいのよ、ソラン……」

ガチャンッ

『刹那ッ!!』

ーMSドッグ・控え室ー

刹那「!!」

刹那「今、誰が俺を呼んだ……?」

刹那「それよりも、何故マリナ・イスマイールが……」

刹那「俺は……止めたがっているのか……戦いを……」

刹那「俺は……」

ートレミー・ブリッジー

シュンッ

スメラギ「……」

クリス「スー……スー……」

フェルト「zzz……」

スメラギ「二人とも、お疲れ様」クスッ

PiPi

スメラギ「!」

スメラギ(Eセンサーに反応、これほどまでに近付かれたということは……!)

スメラギ「起きて二人とも! ノーマルスーツに着替えて!」

クリス「ふにゃっ!?」

フェルト「……ふがっ……?」

スメラギ『総員、敵襲よ。第一種警戒態勢、敵は例の疑似太陽炉搭載型十九機と断定』

スメラギ『ガンダムは緊急時としてコンテナから直接展開して。頼むわよ!』
685 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 02:14:24.62 ID:Nf4fEEaAO
ロックオン「あいつ等め、こっちのお株を奪いやがって……!」

ティエリア「嘆いても始まらない。兎に角、彼等を迎撃することが出来れば問題無いのだから」

ロックオン「お前さんにしちゃ楽観的な発言だな。だが心強い」

ティエリア「まずは考えすぎずにやってみせる……君と刹那・F・セイエイに教えられたことだ」

ロックオン「!」

アレルヤ「キュリオスガスト、先行発進する!」

刹那「アヴァランチエクシアダッシュ、加速する!」

キィィィィィン
ギャンッ

ロックオン「ったく、どいつもこいつもたくましくなりやがって!」

ピキィィィン

ロックオン「ッ!?」

ロックオン「この感覚、マリちゃんか! あとNTはかなり強いのが一人……やっぱりグラハムじゃあない」

ロックオン「それと妙な気配の男……こっちのも警戒しなきゃな」

HARO[ロックオン! ロックオン!]

ロックオン「おう、狙い撃つぜHARO!」

ロックオン「デュナメス、発進する!!」

ー宙域ー

ヤザン「もうMSの姿が確認出来るな、敵の戦術予報士もなかなかやる」

ヤザン「目標を視認した! 全機、展開しろぉ!」

マリーダ(やはりあの男もいるのだろうか……ロックオン・ストラトス)

マリーダ「いや、いたとしても叩くのみ! ガンダム!」

ピキィィィン

マリーダ「ッ! 全機散開! 何かが来るぞ!」

ジョシュア「何ッ!」

ダリル「馬鹿な、敵との相対距離はまだかなり……!」

アレルヤ「元々大気圏内運用のパーツだったとしても、やれるだけはやってみせるさ!」

刹那「エクシア、目標に突撃する!」
686 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 02:35:43.83 ID:Nf4fEEaAO
ズバァァァッ

マリーダ「ちぃっ!」ヒュンッ

アレルヤ「避けられたか、でも編隊は崩す!」

マリーダ「羽根付きにこれだけの火力があるとは……!」

ギュンッ

ヤザン「来たなガンダム! 楽しませろよ!」ヴンッ

刹那「でやぁぁぁぁぁ!」ジャコンッ

マリーダ「! ヤザン大尉、ソイツは近接戦闘に強い! 距離を取って……!」

ガキィンッ

ーーその時、ユニットにより加速したエクシアの一撃を、ヤザンは受け止めた

刹那「何ッ!?」

ヤザン「へっ……」

加速した一撃は、例え受け止めたとしても重みで機体を弾かれかねない
それを理解していたのか、はたまたただの勘か。GNーXの一撃の方向をエクシアの腕の一点にのみ向け、GNーXの全身で無理やり相殺して見せたのだった

刹那「くッ!」

刹那の反応は早かった。左脚部GNクローを展開しての蹴撃、的確に側面を狙って一撃を見舞う
しかし宇宙に弧を描いた蹴りは虚空を舞い、敵には当たらない

刹那「馬鹿な……ッ」

ヤザン「はっはっはぁ!」

上に離脱したGNーXからビームライフルが浴びせられる。デタラメに撃つように見えて、粒子ビームの軌跡は的確にアヴァランチユニットを穿っていった
高速ユニットによる攪乱というスメラギの作戦は、開始十分足らず、たった一人の男の手により無に帰したのだった


スメラギ「……!」

ロックオン「こいつか……違和感の原因は……!」

刹那「コイツは……何者だ!」

ヤザン「こんなもんじゃねえだろうガンダム……」

ヤザン「往くぜェェエ!!」ギュォッ

現在、戦況は圧倒的不利

TO BE CONTINUED...


グラハム「……」

ガチャンッ

グラハム「……今日は、何時もより早いな?」

黒服「それどころではない、さっさと出ろ」

グラハム「……?」

黒服「外部からの情報でお前の嫌疑が晴れたんだ。釈放だとよ、ライセンサー」
687 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/07(木) 02:38:32.84 ID:Nf4fEEaAO
投下終了だフラッグファイター

ヤザンのバトル総集見る

何でコイツ呼んだんだっけ……

次回『真』

超兵、野獣の牙を砕けるか
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 02:51:43.68 ID:e1AhXSQc0

ヤザンやっぱり凄いな
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/07(木) 03:03:22.29 ID:wHhtaqPQo
乙 マリーダがダリルフラグ建てたの...?
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 03:06:30.73 ID:pp5c8XcDO
ようやくガンダムの追加装備だ待ちわびたぜ

サーシェスを何にのせるのか期待してるよ大将
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/07(木) 08:46:11.44 ID:OJ4vMyFio
サーシェスもNTだっけ?
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/07(木) 11:03:17.15 ID:ogg2D67no
シェリ・・・いや絹江間に合わなかったか・・・
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/07(木) 12:42:43.04 ID:zYfr+QmAO
アレルヤ格好良いのに、二期の電池っぷりを考えると…
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/07(木) 15:16:52.02 ID:/MbjQFwo0
トリニティが活き活きしてると思ったらもう死亡フラグが…

ハレルヤはいつ出てくるんだ?
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/07(木) 23:33:53.92 ID:2n2jMsma0
今一番俺の中で熱いスレ。応援してます!

しかしマリーダさんは何故こんなかわいいのか。あと炭酸。
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 19:48:57.06 ID:Fbx7/be/0
>数字の1、2、3

GP01ゼフィランサス・GP02サイサリス・GP03デンドロビウムを連想したんだが……まさか、な
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/08(金) 20:37:55.94 ID:1xCuJf0AO
>>696

だったら4まであるだろ?
見た目ガンダムじゃないけど、ジンクスだってそうだし…
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 21:16:19.19 ID:lgvnFB+to
BDも確か3まであるべ
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/08(金) 21:54:35.69 ID:8dx06TeJo
>>696
スローネじゃないのか?
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/08(金) 23:11:30.30 ID:hZhV/sbDO
一期と二期のソレスタガンダム四機の追加装備形態の名前ってどんなんだっけ
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/08(金) 23:29:00.64 ID:h2qtrA6qo
GNHW
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 23:36:08.06 ID:lgvnFB+to
読み方はGNハイウエポン
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 23:36:23.50 ID:Fbx7/be/0
>>699
…………どのスローネが欲しいかって事か?
それってつまり…………逃げてー!トリニティ超逃げてー!!
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 23:37:01.21 ID:tF/z6ebw0
とりあえず一番インパクトがあるのはセラヴィーの追加装備だと思う
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/08(金) 23:57:13.71 ID:h2qtrA6qo
SE3だとセラフィムは全部新規作画なんだよな
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/09(土) 00:03:48.02 ID:rp21v0YKo
アリオスアスカロンもインパクトでけぇよ…なんだあれ絶対飛べないだろ
それと比べて、ケルディムサーガは恰好良いと思う
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/09(土) 00:07:49.48 ID:Ho8cJNHTo
00セブンソード/Gが最高
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 00:10:26.77 ID:Dy/yyfUy0
>>702
「ジーエヌヘビーウェポン」じゃなかったっけ?
709 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:24:38.64 ID:gQ2ZiI0AO
プラート博士「さぁサーシェス、1・2・3、好きなのを選べ」

サーシェス「 」

投下再開だフラッグファイター
710 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:30:28.28 ID:gQ2ZiI0AO
ー車内ー

ホーマー「出せ」

運転手「了解しました」

ブゥゥゥン……

ホーマー「また手酷くやられたな」

グラハム「何のこれしき、この程度カスタムフラッグの全速旋回にかかる12Gにも程遠いダメージです」

ホーマー「腫れ上がった顔で強がられても、何の慰めにもならんよ」

グラハム「ホーマー氏を慰めようとは思っておりません」

グラハム「ですが、私が健在で無ければ悲しむ者がいます。そのためになら幾らでも強がってみせましょう」

ホーマー「……」

グラハム「私は、少々彼女を泣かせすぎました」

ホーマー「何……?」ピクッ

ホーマー「貴様、もう一度尋問を一通り受けさせてやろうか」

グラハム「それは勘弁願いたい」

ホーマー「乙女座といえど、貴様の怖いもの知らずも大概にしてもらわねば困るな」

グラハム(やれやれ、この方の印象も随分と変わったものだ)

グラハム「それで、現状は?」

ホーマー「……」

ホーマー「現在AEU・ユニオン双方のGNーXがソレスタルビーイングに攻撃を開始した」

ホーマー「まだ連絡は来ていないが、恐らくは激戦が予想されるだろう」

グラハム「……」

グラハム「私のフラッグは、完成しましたか?」

ホーマー「まだだ。カタギリ曰わく、やはりGNドライブ自体に基幹ユニットが馴染まないと問題点が多すぎるそうだ」

ホーマー「毎日毎日微調整と修正の日々だ……むしろ彼処まで仕上げられたのは驚嘆に値するだろう」
711 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:35:43.67 ID:gQ2ZiI0AO
グラハム「カタギリならば、最終戦に必ずや間に合わせてくれるでしょう」

ホーマー「うむ、そうでなくては私が出向いた意味も無くなる」

グラハム「……申し訳無いのですが、一つお願いがあります」

ホーマー「何だ?」

グラハム「あそこから出られたなら、まず最初にホットドッグを食べようと決めておりまして」

グラハム「どこでもいいので、店を見つけたならば止まっていただけると助かります」

ホーマー「ふん、ジャンクフードに毒された生活をしていたら早死にするぞ」

グラハム「かもしれません、しかし夢を見てから思い出してしまい、どうにもこうにも」

ホーマー「何の話やらな……見つけたら止まってやれ」

運転手「了解しました」

ホーマー「グラハム、お前にはユニオンのトップガンとして働いてもらわねばならんのだ」

ホーマー「食にも気を使え、マリーダを見ていれば分かるはずだ」

グラハム「ご忠告、感謝いたします」

グラハム「戦いが終わってから、また日本の旨いリョウテイに連れて行ってください」

ホーマー「……良いだろう」

運転手「見つけました。脇に止めます」

グラハム「かたじけない」

グラハム「司令もお一つ如何ですか?」

ホーマー「要らん」

バタンッ

グラハム「つれないお方だ」フッ

グラハム「……」

グラハム(マリーダ、死ぬなよ。お前には生きていてもらわねばならんのだ)

ザッ

グラハム「む?」

紅龍「……」
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/09(土) 00:36:08.22 ID:CuLyAQoAO
きたかフラッグフャイター
713 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:41:47.96 ID:gQ2ZiI0AO
ー宇宙ー
コーラサワー「おっしゃああ! 機体性能が同じなら、模擬戦全勝の俺に分があるんだよぉぉ!」ダダダァンッ

ティエリア「GNフィールド!」ガンガンッ

ピキィィィン

コーラサワー「だったら、この辺かぁ!?」チキチキ
ババババァンッ
バシィンッ

ティエリア「ぐっ、粒子圧縮率が読まれただと!?」

マリーダ「このプレッシャー……あのガンダムかッ!」

ロックオン「ようマリちゃん、早速お出ましとは仕事熱心なこって!」ジャコンッ

マリーダ「オリジナルのニュータイプだとしても、貴様は落とす!」

ロックオン「こんな力にオリジナルも紛い物もあるかよッ!」バシュゥンッ

ヒュボッ

ロックオン「ッ!? 速いッ!」

バシュゥンッバシュゥンッ
ギュォッ

マリーダ「やはり凄まじい機動力だ……私の反応速度に確実に追随してくる」

マリーダ「これさえあれば、ガンダムも!」ババババァンッ

ロックオン「ちぃっ!」ガガンッ

マリーダ「後列、直接砲撃開始!」ビュンッ

ババババババババァッッ

ロックオン「ぬぉぉ!?」

HARO[回避ポイントナシ! 回避ポイントナシ!]

ロックオン「流石に手強い……!」

ギュゥゥゥゥン

ロックオン「!」

アレルヤ「やらせない!」ズバァァァッ

ロックオン「アレルヤ!」

ダリル「突っ込んでくるぞ! 回避だッ!」

ババッ

アレルヤ「まだまだ!」ガガガガッ

ギュォッ

アレルヤ「かすりもしないのか……ッ」

アレルヤ(やっぱりアヴァランチエクシアダッシュの方が攪乱としての役割が強い……だったら!)
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 00:42:51.99 ID:Bay1WrIj0
乙だフラッグファイター

なんかこの構図だと紅龍がホットドック屋の店員みたいな感じがするな
715 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:48:09.19 ID:gQ2ZiI0AO
刹那「でぇぇいッ!」

ブンッ

ヤザン「まだ子供の間合いだな! そんなんじゃ当たりゃしない」ギュォッ

ババババッ

刹那「くぅッ!」ギンッキュィンッ

ヤザン「サーシェスの言っていたクルジスのガキとやらも大したことないな、所詮性能に頼ったおままごとか」

ヤザン「死になガンダム! そいつは俺が頂くぜ!」

刹那「まだだッ!」

ギギィンッ

ヤザン「根性だけは一人前かぁ! 面白くなってきたぜ!」

刹那(接触回線!?)

刹那「お前は、戦いを楽しんでいるというのか!」

ヤザン「野暮なことを! 軍人は戦うためにいるんだぜ、戦いが好きになって何が悪い!」

ヤザン「ありがたいぜガンダム、お前等のお陰で豚箱生活から戦場に舞い戻れた……たっぷり戦争を楽しめるってモンだぁ!」

ガッ

刹那「アリー・アル・サーシェスと同じ人種だというのか……!」

ヤザン「あぁ、まあ似たようなもんだな」

刹那「貴様等という存在を、俺は認めない!!」

ヤザン「てめえなんぞの認可がいるのかよぉ! ガンダムゥ!」

ズバァァァッ

ヤザン「ッ!?」

アレルヤ「やらせない!」

刹那「アレルヤか!」

アレルヤ「刹那、君は攪乱のミッションプランをこなしてくれ! キュリオスガストじゃ小回りが利かない」

アレルヤ「この男は僕が相手をするッ!」ジャコンッ

ヤザン「人型になった……?」

ヤザン「お前が羽根付きか! 良いぜぇ、相手をしてやるよ、ガンダム!」

アレルヤ「はぁぁぁぁっ!!」

ガギィンッ

アレルヤ「くっ……!」

アレルヤ(ガストの取り回しが利かない部分を執拗に狙ってくる……!)

ヤザン「聞いたぜ、お前人革連に身体いじくり回された超兵なんだってな」

アレルヤ「ッ!」

ヤザン「お人形と楽しむ趣味は無いが、ガンダムなら話は別だよな」

ヤザン「さっきのガキよりは動いて見せろよ作り物ぉ!」ガガァンッ

アレルヤ「僕達は人形なんかじゃない……!」

アレルヤ「僕達はソレスタルビーイングの、ガンダムマイスターだぁぁ!!」
716 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:53:00.46 ID:gQ2ZiI0AO
ロックオン「あのパイロット、腕前が尋常じゃねえ! ティエリア、フォーメーションH24!」

ティエリア「了解!」

ロックオン「趣味じゃねえんだがな、目標を乱れ撃……」

ドゴォッ

ロックオン「ぐぁぁっ!?」

ティエリア「ロックオン!」

マリーダ「やらせるかぁぁぁ!」

ティエリア「くっ!」ガコンッ

ババババッ

ティエリア「ぐぅぅぅっ……!」

マリーダ「マスターの道を阻む男ッ!」

ロックオン「マリーダッ!」

マリーダ「ようやく私の名前をまともに呼んだな、ロックオン・ストラトス!」

マリーダ「そうとも……私は十二番目の妹などではない」

マリーダ「マリーダ・クルスという名前を与えられた、無二の存在だッ!」

ロックオン「ちぃっ!」ババァンッ

マリーダ「足掻くなガンダム!」チュィンッ

ロックオン「ディフェンスロッドの扱いまでグラハムに似やがって、こんにゃろう!」

ロックオン「それにな……潔くなんてなれてりゃ、ガンダムには乗ってねえ!」

マリーダ「もっともだな、ならば追い散らされた羽虫のように死ね!」

ロックオン「冗談ッ!」ガパッ

マリーダ「!」

マリーダ(ミサイルか!)

バシュシュッ

マリーダ「こんなもの当たるか!」ヒュッ

ロックオン「そりゃあな、狙いが違う」

マリーダ「何?」

チュドォン

ユニオン兵士「ぎゃぁぁぁ!?」

マリーダ「ッ! ギルボアッ!」

ヤザン「何だと!?」

ロックオン「言っただろう、俺はロックオン・ストラトスだってよ!」ジャコンッ

マリーダ「ッ……」

マリーダ「やはり貴様は、マスターの障害と成りうる存在か……!」

ロックオン「むしろあんたが俺とマスターの仲を阻んでんだけどな」

マリーダ「……!」ギリッ
717 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 00:57:00.86 ID:gQ2ZiI0AO
ティエリア「ようやく一体……!」ガシャンッ

ティエリア「ヴァーチェ、目標を破壊する!」

コーラサワー「行くぜ野郎共! デカブツを叩く!」

刹那「くっ……!」

ジョシュア「撃ちまくれ! 近づけさせんなよ!」

ダリル「うぉおおお!」

ババババァッ

刹那「こんなところで!」ギュッ

ダリル「ちぃっ!」ヴンッ

ギギィンッ

アレルヤ「負けてなんかいられな……!」

ドスゥッ
ボゴォンッ

アレルヤ「うわぁっ!?」

ヤザン「邪魔な脚は貰った……!」

ヤザン「トドメェ!」

アレルヤ「まだッ……死ねない!」ババババッ

ヤザン「足掻きやがって!」キンッキンッ

ヤザン「だがそうでなくちゃあ楽しみがいがねぇ、そうだろうガンダムッ!」

ロックオン「HARO! あれを使うぜ、起動準備!」

HARO[リョウカイ! リョウカイ!]

マリーダ「例えこの身を業火に投じても、貴様だけは倒すッ!」

ロックオン「お前のマスターと決着を着けるんだ、そうは行かねえッ!」

バチッ

ロックオン「ッ!?」

ゥ……ゥン

ロックオン「何だ……HARO!」

HARO[システムエラー! システムエラー!]

マリーダ「な、何?」

ガクンッ

刹那「何故だ、何故動かない! ガンダム!」

ートレミーー

クリス「スメラギさん! ガンダムに対するヴェーダからのサポート、止まりました!」

スメラギ「やっぱりね……」

スメラギ「予定通り代替のバックアッププログラムを起動させて! 今すぐによ!」

クリス「り、了解!」

フェルト「了解!」

ピキィィィン

フェルト「!」

フェルト(ロックオン……?)
718 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:02:39.13 ID:gQ2ZiI0AO
アレルヤ「そんな、今動かなかったら……」

ヤザン「あぁん?」

アレルヤ「ッ……!」

アレルヤ「僕等は、裁きを受けようとしているのか……?」

コーラサワー「な、何か動かねえぞ?」

ティエリア「僕は……ヴェーダに見捨てられたというのか……」

ダリル「罠か、もしくは……」

ジョシュア「不気味、だな」

マリーダ「……」

ロックオン(マズい……意識を悟られて、ただのアクシデントと知られたら……!)

刹那「……」

刹那「同じだ……あの時と……」

刹那(エクシアに乗っているのに……ガンダムにもなれず……ッ)

刹那(俺は……!)

ーヴェーダー

リボンズ「良いのですか? アレハンドロ様」

アレハンドロ「世界統一のために国連軍の勝利は必須事項……彼等は敗北し消滅しなくてはならない」

アレハンドロ「GNドライブさえ残れば、いつでもソレスタルビーイングは復活出来る。彼等の存在まで残す必要は無い」

アレハンドロ「私は欲深い男でね。地球とソレスタルビーイング、どちらも手中にしなくては気が済まないのだよ」

ー宇宙ー

刹那「此処までなのか……俺達は……ガンダムは……」

『もう、良いのよ……ソラン』

刹那「!」

『もう……いいの』

刹那(俺は……俺達は……)

刹那「ッ……違う、違う!」

刹那「俺たちは生きている、生きているんだ!」

刹那「動け、エクシア!動いてくれ!」

刹那「ガンダァァァァァム!!」
719 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:08:01.57 ID:gQ2ZiI0AO
マリーダ「心の声が消えた……何のつもりだ、ロックオン・ストラトス」

ロックオン「くっ……」

マリーダ「立ち上がれ、銃を構えろ、狙いを定めて引き金を引け!」

マリーダ「私にただの人殺しをさせるなッ! ガンダムと戦い、倒したという栄光をフラッグファイターに寄越せ!」

ロックオン「マリーダ……?」

マリーダ「私はただの人形じゃない、空っぽじゃない!」

マリーダ「殺人兵器でも無ければエスパー兵士でもない、ましてや男共の玩具でもっ……!」

ズキッ

ロックオン「ぐっ!?」

ロックオン「サイコミュがあるからか……マリーダの感情と思考が流れ込んで来やがる」

ロックオン(重いッ……だが!)

マリーダ「私はフラッグファイターだッ! マスターと共に立つ、ユニオンのフラッグファイターなんだ!」

マリーダ「ガンダムのパイロットとして死ね、ロックオン! フラッグファイターとしての私に殺されろ、ガンダムッ!」ガチャッ

ロックオン「あぁ……前半には同意させて貰うぜマリーダ・クルス」

マリーダ「!」

ロックオン「俺達はガンダムマイスターとして生き、ガンダムマイスターとして死ぬ……だが俺達はな、何も変わらない内に殺される訳にはいかねえ」

ロックオン「久しぶりに本気で行くぜ……フラッグファイター!」

ビリッ

マリーダ「ッ!?」

マリーダ(凄まじいプレッシャーだ……!)
マリーダ(ロックオン・ストラトス、コイツは一体!?)
720 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:15:45.45 ID:gQ2ZiI0AO
キュィィィィン

HARO[システム復旧! システム復旧!]
HARO[サイコミュ起動! 脳波パルス接続開始!]

ロックオン「ロックオン・ストラトス! 全目標を狙い撃つッ!」

マリーダ「貴様という奴はぁぁッ!」

アレルヤ「……」

キィィィィン

ヤザン「ちっ、つまらねえ結末だな。さっさと死にやがれ、ガンダム!」ジャコンッ

ハレルヤ「……あぁ? 寝言こいてんじゃねえぞ雑魚Aが」

ヤザン「何……?」

ハレルヤ「さっさと死ぬのはてめぇだぁぁ!」ジャキンッ

ヤザン「ッ!」

ギィンッ

ヤザン「盾が鋏に変わっただと……!?」ギギギギ

ハレルヤ「はっはぁ! バラしてやんよ、量産型風情がぁ!」シュュゥン

ヤザン「ほざけッ!」

ドガンッ!

ハレルヤ「ぐっ!」

ヤザン「くっ!」ギュィンッ

ヤザン(離れんのが一歩遅ければ串刺しになっていたかもしれん)

ヤザン(明らかに別人の動きだ、コイツは一体!)

ハレルヤ「いてえなぁ……蹴ってんじゃねえぞコラァァァ!」

ヤザン「はっ! 考えてても仕方ねえってことかぁ!?」
ヤザン「来いよガンダムゥゥ!」

ガガガッ
ギギギギギィンッ

ロックオン「!」

ティエリア「……」ボー

ロックオン「ティエリア、どうした! ヴァーチェは動かねえのか!」

マリーダ「!」

ピキィィィン

ロックオン(感づかれた……ッ!)

マリーダ「まだ敵の復旧は完全じゃない! 今の内に叩くッ!」

ロックオン「刹那、アヴァランチユニットでティエリアの援護を!」

刹那「了解!」

ジョシュア「デカブツはまだ鈍いらしい! 青いのを押し留める!」
ダリル「援護なぞやらせるかよ、ガンダム!」

ババババババババッ

刹那「ッ!?」ビュンッ

ガガガァンッ

刹那「邪魔をッ! するなァッ!」

ザンッ

ジョシュア「うぉっ!?」
721 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:23:59.20 ID:gQ2ZiI0AO
ーホットドッグ店前・ベンチー

店員「アッシター」

スッ

グラハム「……」

紅龍「いえ、結構です」

グラハム「つれないな」

紅龍「申し訳有りませんライセンサー、直ぐにでもお休みしたいであろうタイミングで呼び止めてしまい」

グラハム「構わんよ、君が何処かの陣営の者であるかも、さして興味は無い」

グラハム「ただ、使命感に近いものを君の視線から感じた。だから今話を聞いている」ハグッ

紅龍「……察しがいいですね」

グラハム「……」モグモグ

紅龍「信じてもらえるかは分かりません。ですが真実です」

紅龍「貴方を釈放に導いた外部からの情報……それは我々の手により行われました」

グラハム「……」ゴクン

紅龍「それは秘密裏に世界の裏側で取り引きされた情報……ガンダムに関わる案件でした」

紅龍「我々でさえ掴むことが出来なかった情報、それは、民間のジャーナリストによりもたらされたもの」

紅龍「そしてその情報を我々に託したとあるジャーナリストは……」

紅龍「……殺害されました」

グラハム「……」ピクッ

紅龍「貴方にどれだけの情報が届いているかは分かりません。ですがその情報は国家を揺るがすレベルのスキャンダルで、彼女はそれを手にした」

紅龍「発表すれば一躍有名だったろうに……そうしたら世界を混乱に陥れかねないとして、彼女は我々に情報を託し、覚悟を以て逝きました」

グラハム「…………」ハグッ

紅龍「だからグラハムさん……貴方は知る必要がある」

紅龍「彼女の託した情報と、世界を想った彼女の意志を」
722 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:28:02.20 ID:gQ2ZiI0AO
ピッ

グラハム「……USBか」

グラハム「良いのかね、私にこんなものを渡せば、彼女が危惧した混乱とやらを招くかも知れない」

紅龍「彼等がそれをさせはしないでしょう。そんなことをしようとすれば、アナタは間違いなく殺されます」

グラハム「彼等……?」

紅龍「世界の中枢、世を動かし、また世を手に入れようとする存在」

紅龍「貴方になら見えるはずです……世を乱す歪みの存在を」スッ

グラハム「歪み……だと……?」

紅龍「彼女の名前は、絹江・クロスロード」

紅龍「覚えてあげてください。意図せずして貴方を救った女性の名前を」

グラハム「待て、君は……!」

ホーマー「グラハム!」

グラハム「!」

ホーマー「急がんか、私も暇ではない!」

グラハム「失礼致しました、今すぐにでも!」

バッ

グラハム「……」

グラハム「もういない、か」

グラハム「絹江……絹江・クロスロード」

グラハム「……」スッ

バタンッ

ホーマー「全く、不敬も此処までくれば清々しい」

グラハム「申し訳ありません、司令」

ホーマー「……今、何故祈っていた?」

グラハム「何故でしょう。顔も知らない他人の死を、悼む気持ちになったと言うべきか」

ホーマー「?」

グラハム「ええ、私にもよく分からないのです」

グラハム「私にも……」
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 01:29:14.98 ID:3eaYNMlK0
グラハムマジ主人公
724 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:33:31.50 ID:gQ2ZiI0AO
ートレミーー

フェルト「スメラギさん! ヴァーチェのバックアッププログラムだけが正常に作動しません!」

スメラギ「何ですって?!」

クリス「そんな、プログラミングは完璧なのに!」カチャカチャッ

スメラギ「お願い、間に合って……!」

ー宇宙ー

ロックオン(エクシアに二機、アレルヤが厄介な一機、後列八機……残りはマリーダを含めた七機か!)

ロックオン「足止めくらいやってやるぜ!」ジャコンッ

ババババッ

マリーダ「弾幕の量が倍増した……!」

ヤザン「パトリック! デカブツが隙だらけだ、小隊を任せる! しとめてこい!」

コーラサワー「言われなくともぉッ!」

ギュォッ

ロックオン「ちっ!」

ロックオン(集中しろ……スナイパーライフルに圧縮粒子をチャージ!)

ロックオン「メガスナイプ、狙い撃つッ!」

バギャァッ

コーラサワー「うぉっ!?」

ユニオン兵士「ぐぁぁっ!?」

チュドォン

コーラサワー「よくもやりやがったなぁ!」バババァンッ

ズドォッ

ロックオン「ぐぁっ!」

ロックオン(あの位置からギリ回避した上に、ライフルを的確に狙って来やがった……!)

マリーダ「急げ少尉っ!」バババァンッ

ロックオン「ぐぅっ!」

マリーダ「よそ見していられるほど……私は弱くはないぞガンダム!」

ロックオン「あぁ、分かってるよ!」

ロックオン「フラッグファイターがどんなに厄介かは、お前のマスターが嫌と言うほど教えてくれた!」
725 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:39:52.38 ID:gQ2ZiI0AO
ロックオン「……!」

マリーダ(一か八か、突貫して道を切り開くッ!)

ジョシュア「ッ! マリーダ、出過ぎだ! 戻れ!」

ダリル「中尉ィ!」

ギュンッ

コーラサワー「積年の恨みィィィ!」

ティエリア「……僕は……」

ロックオン「……ッ……!!」

ハレルヤ「ちぃっ!? 何やってんだあのガキィ!」

ヤザン「余所見してんなよ羽根つきぃ!」

ズガッ

ハレルヤ「ぐっ……」

ハレルヤ(この野郎、俺の反応速度について来やがるだと!?)

ヤザン「単調だな、動きが良くなっても直線的じゃあ意味がない」ギュンッ

ハレルヤ「!」

ハレルヤ(デブリに隠れやがった……どっちから来やがる!)

ビュッ

ハレルヤ「右か!」ガガガァンッ

チュドォン

ハレルヤ「!」

ハレルヤ「違う、ビームサーベ……」

ヤザン「お前、頭が勘に追いついてないみたいだな、ガンダム」ビュンッ

ハレルヤ「ッ!?」

ヤザン「それじゃあ場数を踏んだ奴には勝てねえ……所詮作り物ってわけだな」ガシッ

ハレルヤ(俺が背中を取られた……!)

ヤザン「貰ったぜ!」ヴンッ

ハレルヤ(俺が……俺達が……死……!?)

ロックオン「……」

ロックオン「選ぶ余地なんか、ねえよな」

HARO[ビームピストル、圧縮粒子チャージ完了!]

ロックオン「狙い、撃つ!」ジャコンッ

マリーダ「!」

ズバァンッ
ズバァンッ

コーラサワー「ぬわぁぁぁっ!?」チュドォン

ヤザン「ぐぁッ!」バゴォンッ
726 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:47:37.81 ID:gQ2ZiI0AO
ズガァッ

ロックオン「がぁぁぁぁ!?」バリンッ

ティエリア「はっ……?」

ハレルヤ「なっ、何やってんだてめぇ!?」

マリーダ「自分を省みず仲間を助けた……だと……?」

マリーダ「馬鹿な……そんな、そんなことが……!」

HARO[ロックオン! ロックオン!]

ティエリア「ロックオン……僕のせいで……!」

ヤザン「ちぃ!」

ヤザン「腕は二本あるんだよぉ!」ギラッ

ハレルヤ「往生際が悪いんだよクソ野郎ぁぁぁぁ!」

ズガァッ
ボゴォンッ

ヤザン「ぬぁぁっ!?」

ハレルヤ「! 遠距離砲撃……!」

ヤザン「新手かぁ!」



ラッセ「何とか間に合ったらしいな……」

ラッセ「残量粒子を全弾くれてやる! GNアームズ、行けよッ!」

ズガァッ

マリーダ「くぅっ!」

マリーダ「何だあれは……ソレスタルビーイングのMAとでも言うのか!?」

ラッセ「捉えた!」

ズバァンッ

マリーダ「きゃあッ!?」ガァンッ

ヤザン「全機撤退だ! 目的は果たした、これ以上は意味がねえ!」

マリーダ「まだ……まだガンダムを……!」

ヤザン「だだこねてんじゃねえぞ女ァ! 引き際を見誤ってどうする!」

ヤザン「次があるっつってんだ、黙って引きやがれ!」

マリーダ「ッ……!」ギリッ

マリーダ(マスターの汚名も晴らせずに……私は……ッ)
727 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:55:02.04 ID:gQ2ZiI0AO
ジョシュア「ちっ、致し方ねえか……」

ダリル「一旦退くしかないのかよ、畜生!」

ギュィンッ

コーラサワー「大佐のキッスが……」

ジョシュア「動けるか、マリーダ」

マリーダ「くそっ……くそぉっ……!」ガンッ

ジョシュア「!」

ダリル「中尉……」

ジョシュア「行くぞダリル。そっとしといてやれ」

ダリル「……おう」

ギュゥゥゥゥン

ヤザン「片手を吹っ飛ばされたのは久しぶりだぜ……やはり面白いな、ガンダムとやらは」

ヤザン「次は首を持って帰るぜ……必ずな!」

ビュンッ

刹那「退いた、か」

ラッセ「みんな無事か!」

刹那「こっちは、何とかな」

HARO[デュナメス、損傷! デュナメス、損傷!]

ラッセ「何!?」

HARO[ロックオン、負傷!ロックオン、負傷!]

刹那「ロックオンが!?」

ハレルヤ「……余計な事しやがって……!」ググッ

ティエリア「そん……な……」

ピピッ

スメラギ『全機デュナメスとヴァーチェを回収し直ぐに帰投して!』

アレルヤ「ぐっ……スメラギさん……?」

スメラギ『早くッ! 一刻の猶予も無いのよ!』

アレルヤ「ッ、了解!」

刹那「了解!」

刹那「死ぬなよロックオン……!」

HARO[ロックオン! ロックオン!]

ーヴェーダー

アレハンドロ「やってくれるなスメラギ・李・ノリエガ」

アレハンドロ「我々の介入を読んでの予備システム構築、的確な戦術予測は流石だと言わせて貰おう」

(最近露骨なデータ改ざんが目立ったからね。正直そう来るとは思ってたよ)

リボンズ(確かに、トライアルシステムにまで強制介入したんだ。レベルから言ってもバックアップの解除は予測の範囲だろう)

リボンズ(だが襲撃に備え追加ユニットまで用意していたとは……ヤザンにマリーダまで加えて戦果が芳しくないのは、致し方ないとも言える)

(だてに生き延びてた訳じゃないってか)
728 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 01:59:41.65 ID:gQ2ZiI0AO
(あぁそれと、宇宙に例の奴らが上がったのを確認したよ。お前に言われたから見逃したけど、あれ使えるのかい?)

リボンズ(以前手に入れたデータを元に、情報操作と裏取引を重ねた結果さ)

リボンズ(そちらの方は気にしなくてもいいよプルツー、サーシェスと狩りを存分に楽しんでくれ)

(了解、サーシェスと合流次第作戦を開始するよ。じゃあね)

リボンズ「……」

リボンズ「アレハンドロ様、LEVEL6をクリア致しました」

アレハンドロ「もうすぐ、もうすぐだ」

アレハンドロ「世界は私の手の中に収まる!」

リボンズ(来るべき世界……其処に英雄の存在は必要なくなるのさ)

ートレミーー

ウィンッ

ラッセ「ふう……」

イアン「ようラッセ、ご苦労さん。初陣であれだけ戦えるとは、砲手の面目躍如だな」

ラッセ「しばらく何もやることがなかったからな、お役に立てて光栄だ」

ラッセ「それとおやっさん、ロックオンの容態は?」

イアン「幸い命に別状は無いんだが、利き目にダメージを負っちまっててな」

イアン「今はモレノが集中治療室で様子を見ているが……恐らくはカプセル入りだろうな」

ラッセ「そうか……」

ラッセ「GNアームズで戦力アップと思いきや、まさかロックオンがな」

イアン「ワシ等も、つくづく運に見放されとるな」
729 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 02:10:54.31 ID:gQ2ZiI0AO
刹那「エクシアの状態は?」

イアン「おぉ刹那」

イアン「見ての通り急ピッチで修理している、だがアヴァランチユニットの状態は芳しくないな」

イアン「繋ぎ目を狙ってビームライフルを喰らっとる、出せたとしても次の一戦が良いところだな」

刹那「……」

イアン「まぁアヴァランチユニットのおかげでエクシアの損傷は皆無に等しいし、ヴァーチェもGNフィールドのおかげか直ぐに直せる……問題はキュリオスガストとデュナメスだな」

刹那「やはり損傷が?」

イアン「激しいな。デュナメスはコクピットが丸々駄目になっとる、ちまちま直したって仕方がない」

イアン「ラボに戻ってユニットごと取り替えた方が手っ取り早いが……そんな時間もない」

イアン「キュリオスはガストが完全に使い物にならん。テールブースターもあるから困りはしないが……わざわざ作ったもんをスクラップにされると、いい気分はせんなぁ」

刹那「アレルヤは健闘した。敵が強すぎたんだ」

イアン「分かっとるよ……デュナメスとキュリオスを倒した奴ら、ありゃあ別格だ」

イアン「気を付けろよ刹那、ああいう手合いはしつこい。お前等は必ず生きて帰るんだぞ」

刹那「分かっている」

HARO[ハロハロ]

HARO[アムロ、ゲンキカ]

HARO[テキ、テキ、ウタナキャ]

イアン「よし、こっちは何とかして直してやる。お前さんはロックオンの容態でも見てきてやれ」

刹那「了解」バッ

イアン「……」

イアン「ワシ等は若い命を使いつぶして戦っておる……天罰は免れんのかもなぁ」

イアン「願わくば、咎はワシ等大人だけに与えてくれ……神様よ」
730 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 02:20:35.53 ID:gQ2ZiI0AO
刹那「ロックオン……」

シュィィィンッ

ーユニオン・イリノイ基地ー

ホーマー「グラハム、後は任せたぞ」

グラハム「はっ! ありがとうございました司令」

ホーマー「司令か……呼び方が変わらなければいいがな」

グラハム「?」

ブゥゥゥン……

グラハム「最近司令から殺気を感じるな……心眼が尋問で鈍っているのか?」

グラハム「まあいい、まずはカタギリに会いに行こう。話はそれからだ」

ザワザワ……

グラハム「?」

『医者だー! 医者を呼んでくれー!』

グラハム「一大事か……!」バッ

ーMSドッグー

整備士「カタギリ顧問、しっかりしてください! カタギリ顧問!」

ビリー「…………」グッタリ

グラハム「!」

グラハム「カタギリッ!」

バッ

グラハム「カタギリ、しっかりしろカタギリ!」

ビリー「グ……グラハ……ム……」

グラハム「何があったカタギリ! 気をしっかり保て!」

ビリー「……」ガクッ

グラハム「カタギリーーッ!!」

TO BE CONTINUED...

王留美「えぇ、目標のポイントにて貴方がたを宇宙に上げる準備をしておきますわ」

王留美「はい……はい、それでは」

ピッ

王留美「これで宜しかったのですか? 可愛らしいライセンサーさん」

プルツー「プルツーだ、余計な世辞を入れないでほしいね」

プルツー「さて……往くよサーシェス、お前のガンダムを捕りにね!」
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 02:24:01.05 ID:VPxdRh1DO
乙、やっぱり鳥は射たれるのが宿命なのか……。
732 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/09(土) 02:25:09.45 ID:gQ2ZiI0AO
投下終了だフラッグファイター

次回『トランザム』

窮鼠、猫を噛む
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/09(土) 02:29:06.22 ID:Yc4OLlu6o
乙やな
ビリーの生死気になる気になる
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/04/09(土) 02:43:32.92 ID:tAroaqu4o
ビリーは単に頑張り過ぎてぶっ倒れただけじゃね?

しかしトリニティは死ぬ運命なのか…絹江さんと言い、辛いな
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/09(土) 03:00:43.56 ID:W688otyDO
乙でした
コーラサワーですらあれだけ動けるんだし、
ヤザンがニュータイプだったらどうなるのやら
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/09(土) 03:05:16.33 ID:gQ2ZiI0AO
>>735
ヤザンはレコアさん捕まえた回で一回ニュータイプになりかけたが拒否してなりそこなったりしてる
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/09(土) 11:34:41.30 ID:YH1LUf1AO
ラッセ「俺の残量粒子を全弾くれてやる! イけよッ!」

ダリル「アッー!」

ついつい妄想が…
738 :木原くン [sage]:2011/04/09(土) 15:13:02.55 ID:lcAsJYeAO
スローネは確かロシア語でドライが3、ツヴァイ2、アインが1だった気がする
アインはアインスとも読んだ気がする
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 15:25:13.37 ID:3eaYNMlK0
>>738
ドイツ語じゃなかった?
ロシア語の1・2・3はアジーン・ドワー・トリーだぞ
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/09(土) 17:29:27.46 ID:q7EcxT9no
ドイツ語だな、Wのゼクスとノインと同じく
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 19:07:16.45 ID:inNeLmbSO
ガンダムって全体的にドイツ語多いよね

シュツルムとかケンプファーとか
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/09(土) 19:14:54.39 ID:mZhhcctgo
ジオンの公用語がドイツ語だっけ?
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 19:25:23.10 ID:G8xx8/Fno
そうなん?
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/09(土) 19:31:42.73 ID:aj3PYvxD0

最強のOTヤザン・ゲーブル…
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 19:59:27.54 ID:3eaYNMlK0
>>742
それ本当か?始めて知った
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/09(土) 20:14:40.11 ID:t2IrNJlI0
>>742
最初はそんな設定無かったはず。
ガミラスとか悪の帝国と言えばナチス風っていう風潮は有ったけど。
本格的にドイツ軍っぽくなったのは多分0080の出渕センセのせいww
軍服は国防軍っぽいし単語もザクとかゲルググ、みたいな造語じゃなくてドイツ語になった。
良くも悪くも今のジオン≒ナチスドイツ、のイメージはあの人が作ってる。
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 20:29:17.22 ID:9S7ja7Coo
ヒトラーの尻尾
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/09(土) 20:55:20.35 ID:JfgzY/3uo
U.C.って一応、英語が公用語じゃないの?国連基準で考えると、仏語・西語も公用語になってそうだが
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/09(土) 21:03:27.21 ID:X7fjIp+DO
ジオン系のMSよりC.E世界のMSや兵装に対する名前の付け方の方が訳が分からん…
ザスタバ・スティグマトってなんだよヴォワチュールリュミエールって何なんだ
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/09(土) 21:06:35.66 ID:TABZvo+Qo
>>749
中二力で決められてるし
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/09(土) 21:07:14.53 ID:q7EcxT9no
>>749
かっこよさげって理由だけでつけてるから訳が分からないのは当然
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/09(土) 21:13:38.92 ID:x3mouOMl0
アヴァランチもガストもフィジカルもいると言うことはスローネアイントゥルブレンツさんも…出ないか
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 23:24:04.25 ID:067udtwDO
アクウオスはむりだろうな

デュナメスのサイコミュはドライヴの機能なのかね だとしたらイオリアが仕組んだろうけど

それ以外だとすればMS部分を作ったイアンはニールがニュータイプだと知ってるかな
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/09(土) 23:33:17.95 ID:EsJhlCey0
やっぱりビームサーベルは囮に使うのが強OTの間での常識なのか?
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/09(土) 23:41:06.87 ID:mZhhcctgo
二期ではヤザンに部下が二人つくかな?
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 00:07:24.94 ID:rHA0NwUDO
劇場版キャラの一期二期での活躍みれないかなタケイは出たけど

二年の空白の期間はどうすんだろ
そうゆうのも含めて楽しみにしてる
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/10(日) 00:18:57.82 ID:vesYELpAO
二期はミスターじゃなくてマスターになるのか…

はたまたミスター&ミセスになるのか…
個人的には夫婦仮面を推したい
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/10(日) 00:33:46.83 ID:9iscCbqHo
この話はグラハムが主人公だから、二期はブシドーに……
なんだろう…主人公が変な仮面つけてるなんて新しいな…
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 00:37:39.12 ID:uZMkqPVKo
>>758
結城丈二「………」
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/10(日) 01:33:35.63 ID:Vxm0Enw20
>>759
風見志郎「主人公じゃあ...ないだろう?」
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/10(日) 02:07:28.95 ID:gvN1gBvRo
>>758
仮面ライダーではよくあること
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/10(日) 02:26:35.37 ID:WxBKriDAO
>>758
Z-ONE「私を呼んだかな?」
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/10(日) 04:14:32.41 ID:mgykOvdAO
>>762
呼んでもないし上げるなよ……2日連続で投下来たと思って舞い上がってたらこのザマだよ
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 19:36:56.55 ID:6CQTMY0w0
>>755>>758

二期で酸素欠乏症にならない事を願うよ
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 19:54:47.93 ID:YEOmQMQDO
このグラハムは歪まない気がする
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/10(日) 23:46:52.81 ID:6gVQyhx80
俺ブシドー好きじゃないんだよな。浮世離れしすぎてて。マスラオも込みでギャグだろアレ。しかもほとんど空気だったし。
まぁ作者さんの思う通りに書いていってください。
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/10(日) 23:47:26.83 ID:6gVQyhx80
俺ブシドー好きじゃないんだよな。浮世離れしすぎてて。マスラオも込みでギャグだろアレ。しかもほとんど空気だったし。
まぁ作者さんの思う通りに書いていってください。
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/10(日) 23:51:01.93 ID:QAEaL+MIo
二回書き込みほどそれを主張したいのかks
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/10(日) 23:55:34.64 ID:iSALscAdo
専用ブラウザ使おうぜ?
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/10(日) 23:59:44.26 ID:6gVQyhx80
連投すいませんでした
771 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:24:16.94 ID:M496SxXAO
私はただ書き、貼るのみの存在

投下再開だフラッグファイター

セルゲイ「何だろう、胸がキュンキュンする!」
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 00:27:33.92 ID:wnhLDWKh0
待ちわびたぞ、フラッグファイター!
773 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:29:25.65 ID:M496SxXAO
ーイリノイ基地・グラハム自室ー

ピッ

グラハム「……」

グラハム(ラグナ・ハーヴェイを介し新型ガンダムを操り、自らの欲のままに動きし存在。アレハンドロ・コーナー)

グラハム(肝心な部分こそ抜けているが、彼は恐らくソレスタルビーイングにも関わる存在……)

グラハム(となればやはりこの戦いは……)

グラハム「……私は、どうすればいい。歪みに従い当面の敵を排除するか、はたまた巨悪に自ら刃を振りかざし戦いを挑むか」

グラハム「私は……ッ」

グラハム「……」

グラハム「考えても仕方無いか……とりあえずは彼の様子を見に行こう」ガタンッ

ーユニオン・イリノイ基地・休憩室ー

ビリー「いや〜、実際のところ危なかったね。生死の境をさまよったよ」ムシャムシャムシャ

グラハム「睡眠不足と栄養失調で倒れるとは……原因が私にあるだけに怒るに怒れん」

ビリー「気にしないでくれグラハム、1日寝たらすっかり元通りだ」

ビリー「しかしおかしいな……食事ならサンドイッチを少し食べたはずなんだが」

グラハム「テーブルの上に推定三日前には存在したであろう長方形の物体ならあったな」

ビリー「そう? まぁいっか」モグモグ

グラハム「……」

グラハム「先程連絡があった。宇宙のガンダムとの第一次攻撃は、GNーX二機大破、中破以下九機、ガンダム一機を大破、三機を小破という結果に終わった」

グラハム「ギルボアとジーンが殉職……だそうだ」

ビリー「ギルボアとジーン……お調子者だけどやるときはやる彼等が、逝ったのか」

グラハム「……」

グラハム「GNフラッグの状況は?」

ビリー「現在細かい調整に入ってる。武装とサイコミュの連結が思ったより厄介でね、でもこれでフラッグは君の反応速度にも確実に追随してくれるはずだよ」

グラハム「サイコミュ?」

ビリー「特殊な脳波を読み取りダイレクトに機器へ干渉するアンテナみたいなものさ」

ビリー「グラハム、君はエスパーとして認められたということになるのかな」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/11(月) 00:32:01.70 ID:sPQDzXPY0
フルサイコフレームフラッグ…
775 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:35:39.48 ID:M496SxXAO
グラハム「エスパー……」

グラハム「ニュータイプ、ということか」

ビリー「! なんだ、叔父さんから話を聞いていたのかい? そういえばガンダムの掃討が終わってから、正式に国連主導でニュータイプの研究に乗り出すそうだよ」

グラハム「ニュータイプの研究?」

ビリー「あぁ、君やマリーダ、AEUのパトリック・コーラサワー、エース級のパイロットには、この適性が存在する確率が高いと言われているらしくてね」

ビリー「この研究を下に、新たなエースの発掘に役立てようと言う流れがあるらしい」

グラハム「……」

グラハム「成る程な」

ビリー「?」

ビリー「どうかしたのかい? あまり好印象じゃないけど」

グラハム「この能力、戦うためだけにあるのではないということさ」

グラハム「あまりにも短絡的過ぎるよ……その決定は」

ビリー「……」

ビリー「変わったね、グラハム」

グラハム「む?」

ビリー「あ、別に悪い意味じゃあないんだ」

ビリー「ただ以前の君ならまず間違いなく、自らの兵士としての矜持を示していただろうって思ってさ」

グラハム「そう、か?」

ビリー「君が空やフラッグ、ガンダムから離れた考え方をするなんてね……個人的には、新たな一面ということで歓迎したいところだけど」
776 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:42:09.96 ID:M496SxXAO
グラハム「新たな一面か……」

グラハム「私もまた、変革を迎えようとしているということなのかもしれん」

ビリー「君は昔から予測出来ない人だからねぇ……」

グラハム「……」

グラハム「カタギリ」

ビリー「ん? 何だいグラハム」

グラハム「もしもの話だ。もしも私が変わってしまって、今まで培ってきた全てを否定したとしたら」

グラハム「いや……否定したとしても、にしよう」

グラハム「それでも君は、私の盟友でいてくれるか?」

ビリー「……」

ビリー「突拍子もない上に不明瞭かつ曖昧模糊、君らしいのは突拍子もないという点くらいかな?」

グラハム「整合性が無い質問なのは理解しているさ」

グラハム「だが、何となく気になってな……君のように友人と呼べる人間は、私にはとても少ない」

ビリー「……面と向かって言われると、なかなかいいえとは言えなくなるね」

ビリー「ま、言うつもりもないよ。グラハム、君ほど面白く、頼もしい友人はなかなかいないんだから」

グラハム「そうか……済まんな」

ビリー「こういう時は、謝るより感謝する方が喜ばれるよ?」

グラハム「フッ……ありがとう、カタギリ」

ビリー「此方こそ、グラハム」
777 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:46:59.11 ID:M496SxXAO
ビリー「よし、僕は調整の続きといこう。君が早めに出て来てくれたから、パイロットと一緒に微調整が出来る」

グラハム「無論協力しようカタギリ、私のフラッグだ」

ビリー「頑張ってくれよ。これが完成すれば、GNーXにも総合的な能力でだいぶ近付くことができる」

グラハム「近付くだけなのか」

ビリー「流石に、ね。でもクロスコンバットなら負けないよ、このGNフラッグは完全にそっち寄りに造ったんだから」

グラハム「期待しているぞ、カタギリ」

ビリー「此方こそ。これがガンダムに勝てるかどうかは、パイロット次第なんだから」

グラハム(待っていろフラッグファイター、今私も宇宙に上がる!)

ートレミーー

ウィンッ

スメラギ「刹那!」

刹那「Dr.モレノ、ロックオンの容態は?」

モレノ「幸い怪我は分散していて深くはない、だが利き目をやられている」

モレノ「カプセルに入れば三週間は出てこれん……どうするかは、任せる」

スメラギ「お願いします。今ロックオンを失うわけにはいきませんから」

モレノ「了解だ」

スメラギ「他のみんなはドッグに戻り修理を。ロックオンを欠いての戦いになるわ、せめて万全な状態で臨まないと」

刹那「了解」

刹那「アレルヤ達は?」

スメラギ「そういえば見ないわね……部屋かしら?」
778 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 00:52:54.55 ID:M496SxXAO
ロックオン『勝手に決めなさんな……』

スメラギ「ロックオン……!」

ロックオン『治療は無しだDr.。いつ敵さんが来てもおかしくない状況で、おちおち寝てなんかいらんねえ』

スメラギ「そんな、利き目をやられているのよ? 精密射撃なんか出来ないわ!」

ロックオン『俺とHAROのコンビを甘く見るなよ? やってやるさ、そんくらい』

HARO[]

ロックオン『それによ……あんたも分かってんだろ。あの強化人間と渡り合えんのは俺くらいだ』

モレノ「強化人間……まさか、旧財団の遺物か!?」

スメラギ「……」

ロックオン『刹那かアレルヤにあの獣野郎を任せるにしても、やっぱり俺がいなきゃオールラウンドに立ち回れる奴がいない』

ロックオン『無理にでも出るぜ、ミス・スメラギ……あんたに逆らってもな』

スメラギ「ハァ……」

スメラギ「了解、でも無理だけはしないでね」

スメラギ「この船にいるニュータイプ適性者は貴方とフェルトだけ、いざという時は貴方しかいないんだから」

ロックオン『分かってるよ、無理言っちまって済まないね』

スメラギ「あなたが元気なら、ティエリアも少しは気を持ち上げてくれるかしらね」

ロックオン『……どうかな』

ロックオン『あいつは強がっていても、繊細で脆いから』
779 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:05:58.15 ID:M496SxXAO
ートレミー・一室ー

ティエリア「……」

ティエリア(僕がヴェーダに固執したばかりに……ロックオンは……)

ティエリア(僕がもっと……自律していれば……!)ジワッ

ー同刻・アレルヤ自室ー

アレルヤ「ハレルヤ……?」

『……』

アレルヤ「こんなに静かだなんて君らしくもない」

『……』

アレルヤ「……」

アレルヤ「応えてくれなくてもいいよ、だからそのまま聞いてくれ」

アレルヤ「あのパイロットは強い、恐らく僕らが戦ってきた敵の中で最強の部類に入る」

アレルヤ「ロックオンが負傷した以上、やはり誰かが奴を押さえなきゃならない」

『……』

アレルヤ「でも僕では歯が立たない、君でさえも追いつけない」

アレルヤ「だから……だからハレルヤ」

『……』

アレルヤ「貸してくれ、君の力を……代わりに貸そう、僕の力を」

アレルヤ「僕は……みんなの力になりたい。こんなところでは死ねないんだ」

アレルヤ「だからハレルヤ……戦おう。今再び、超兵として」

『……』

『……チッ』

ーユニオン・イリノイ基地ー

《我々は遂にガンダムに対抗しうる新型MSの開発に成功、国連主導のもとガンダム掃討作戦を展開します》

《作戦名は、ブリティッシュ作戦!》

780 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:07:51.06 ID:M496SxXAO
ビリー「やれやれ、まるで自分達が開発したような口振りだね」

グラハム「ブリティッシュ……かつて栄華を極めた大英帝国が、植民地を失い没落した事を指すというが」

ビリー「この場合、ガンダムという優位性を失った彼等には、そのまま沈んで貰うしかないといったところか」

ミカムラ「カタギリ顧問! サイドバインダーにGNーXのバーニアを移植したぞ!」

ビリー「了解! すぐ確認にいく!」

ビリー「それじゃグラハム、頼むよ」

グラハム「望むところだカタギリ、調整は任せたぞ」

ビリー「合点承知!」バッ

グラハム「さて……始めようかフラッグ。お前のマスターは既に宇宙に上がっている」

グラハム「一緒に頑張ろう。お前の主の隣に、もう一度立たねばならないのだから」コンッ

PPP

兵士「グラハム大尉! お電話です!」

グラハム「!」

ー人革連・頂武基地ー

キィィィィィン

セルゲイ「やぁ大尉、久しぶりだな」

グラハム『スミルノフ中佐!』

セルゲイ「ッ、また随分と可愛がられたな。いい男が台無しだぞ」

グラハム『はは、お戯れを。むしろ箔が付いた位ですよ』

グラハム『戦いによってついた傷では無いのが何とも言い難いですが……すぐに消えましょう』

セルゲイ「私のように顔に傷を作ると、後々面倒だぞ。特に子供には近寄ってもらえなくなる」

グラハム『それは……』

セルゲイ「どうだ、困るだろう」
781 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:15:52.36 ID:M496SxXAO
セルゲイ「さて、君の目指した道の話はマリーダ少尉から、っと今は中尉だったな……とにかく聞いたよ」

セルゲイ「間に合いそうかね? 宇宙のガンダムは追加武装まで導入して抵抗しているらしい、やはり中尉一人では戦線も支えにくかろう」

グラハム『話には聞き及んでいます。マネキン大佐率いる部隊でさえ苦戦するとは……侮りがたし、ガンダム』

グラハム『あと一歩、というところまで来ております。もう少々お待ちを』

セルゲイ「うむ、君の力はやはり必要になってくるだろう。待っているぞ」

グラハム『中佐こそ、地上のガンダムもどきへの掃討作戦に従事なさっているはずでは?』

セルゲイ「あぁ、これから作戦を開始する予定だ。だが戦ってみて分かるが、あれをフラッグで撃破する君の身体はどうなっているのやら」

セルゲイ「GNーX九機でようやく互角以上、まだ一機も潰せてはいない。これでは示しが付かんな」

グラハム『大佐の目的は、敵を疲弊させての消耗戦と見受けられます』

グラハム『私のカミカゼと同じになさるのは、少々心苦しく感じますな』

セルゲイ「おっと、済まんな。誉めも過ぎれば嫌みに聞こえる、私としたことが久しぶりの君との邂逅に浮かれているようだな」

セルゲイ「そろそろ作戦の時間だ。君とまた戦場で逢えることを祈っているよ」

グラハム『ご武運を、中佐』
782 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:16:42.18 ID:M496SxXAO
セルゲイ「あぁ、ではまたな」

ピッ

ソーマ「中佐、お時間です!」

セルゲイ「うむ、今行く」ザッ

ソーマ「失礼致しました、お電話中でしたか」

セルゲイ「マスター・グラハムと少し話していた」

ソーマ「!」

ソーマ「それならば私もお呼びしていただければ……!」

セルゲイ「ははは、済まん済まん。次の機会には必ずな」

ウィンッ

整備士「中佐、全GNドライブの圧縮空間、臨界して安定しました」

セルゲイ「火を入れろ!」ウィーン

整備士「了解!」

ボッ
キィィィィィン

セルゲイ「ふむ……」ガシャンッ

ソーマ「……」ガシャンッ

セルゲイ「GNーX全機起動!」

ヴンッ
ピピピッキュンッ


セルゲイ「これよりガンダム掃討作戦を再開する、GNーX部隊全機出撃!」

ソーマ「今度こそ逃がさない、ガンダム……!」
783 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:29:18.16 ID:M496SxXAO
『作戦名は、ブリティッシュ作戦!』

ラッセ「優雅な名前付けやがって、遊んでんのか国連の連中は」

クリス「でもガンダムありきのソレスタルビーイング、これからどうなるのかなぁ」

リヒティ「……そういえば、フェルトは?」

クリス「気になっちゃう年頃なのよ……」ハァ

ラッセ「だなぁ」フゥ

リヒティ「何が?」

クリス「はぁ、これだから鈍感は嫌ね」

ラッセ「だなぁ」フゥ

リヒティ(何でラッセさんは分かるんだそこ……)

ー廊下ー

フェルト「……」ウィーン

ロックオン『よう、何時までそうやってるつもりだい』

フェルト「!」

ティエリア『ロックオン……』

フェルト「……」コソッ

フェルト(ロックオンとティエリア……)

ロックオン「お前あん時言ってただろ、今自分がやるべきことをやるって」

ロックオン「それがお前のやるべきことか? そうは見えないがな」

ティエリア「……」

ティエリア「僕はガンダムマイスターとしての矜持も、資格も失ってしまった」

ティエリア「ヴェーダとの直接リンクの能力……それがない僕など、マイスターである意味を持たない」

ティエリア「僕は……ガンダムマイスターに相応しくない」

ロックオン「相応しくない、か。別にいいじゃねえか、そんなもん」

ティエリア「え……」

ロックオン「俺や刹那は散々言われてたことだしな、相応しくないとか」
784 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:31:18.19 ID:M496SxXAO
ロックオン「大事なのはやるかやらないか、如何に素晴らしい構想を練れても実行しなきゃ意味がない」

ロックオン「俺たちは実行するための存在、ガンダムマイスターだ」

ティエリア「しかしヴェーダが無ければ作戦の成功率は……!」

ロックオン「四の五の言うなよティエリア、俺達から学んだんじゃないのか?」

ロックオン「あのガンダム馬鹿みたいに、やりゃあいいんだ。結果は自ずとついてくる」

ロックオン「成功率は低いかもしれないが……やらないで0%よりはだいぶマシだろ?」

ティエリア「ロックオン……」

ロックオン「じゃ、俺は寝る。お前も身体休めとけよ」バイバイ

ティエリア「ロックオン」

ロックオン「ん?」

ティエリア「……済まなかった……」

ロックオン「なぁに、気にすんなよ」ウィンッ

ロックオン「人間なんだからな……失敗くらい誰でもするさ」

ウィーン

フェルト(……)

フェルト(二人って……やっぱりそうなのかな)

ー野営地ー

ミハエル「ったくよぉ! ラグナの用意した傭兵共はことごとく先回りされて潰されてるし、補給も無いし、何なんだよこりゃあ!」ガンッ

ネーナ「カンヅメ飽きたぁー! スイーツ食べたーい!」

ヨハン「えぇ……それでは」

ピッ

ヨハン「これで少しは先行きが明るくなるか……」

ピピピッ

ヨハン「!」
785 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:38:09.08 ID:M496SxXAO
ヨハン「緊急暗号通信……此方が捕捉されていたというのか!」

ヨハン「ミハエル、ネーナ! スローネを起動させる、急げ!」

ヨハン(逃げ延びてみせる、何としてでも……!)



ソーマ「中佐、ガンダムを捕捉しました! ポイントは、E8590!」

セルゲイ「了解した」

セルゲイ「各機へ、敵は追い詰められた鼠だ、何をしでかすか分からん。油断はするな」

セルゲイ「迎撃フォーメーション、此処をガンダムの墓場に変えてやれ!」

全機『了解!』

キィィィィ……ィン

ヨハン「ドライブの粒子発生率が低下している……やはり補給無しでは不安が残るか」

ヨハン「ミハエル、ネーナ!」

ミハエル「無駄遣いはするな、だろ?」

ネーナ「了解ね!」

ヨハン「フッ……その通りだ」

ヨハン「残り三割を切ったか、だが此方とてガンダム……!」ジャコンッ

バババババァンッ

ヨハン「量産機などにッ!」

セルゲイ「散開!」

ババッ

ミハエル「兄貴には悪いが、俺ぁ出し惜しみなんかしねえぞ!」ガコンッ

ミハエル「いけよファングゥ!!」

ヒュンヒュンッ

セルゲイ「密集形態!」

ギュゥゥゥンッ

ヨハン「!」

ネーナ「何あれ!?」

バババババァンッ
ガンッ
ボシュゥン

ミハエル「ファングが……ッ!」
786 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:42:16.14 ID:M496SxXAO
ヨハン「密集することでファングのオールレンジ攻撃の利点を無くし、更に防御の隙も無くしたか……!」

ヨハン「だがそれではランチャーは受けられまい!」ガチャンッ

頂武兵士「中佐!」

セルゲイ「散開!」

ババッ

ヨハン「何ッ!?」

ソーマ「貴様等の行動パターンなどお見通しだ!」

セルゲイ「その程度とはな、片腹痛いぞガンダム!」

ガガガガガッ

ヨハン「くぅっ!」バシュンッ

ミハエル「畜生!」ガンッガンッ

ー軌道エレベーター・巨大モニター前ー

ザワザワ……

マリーダ「ジョシュア、ダリル」タンッ


ジョシュア「おう、マリーダ」

ダリル「ご苦労様です中尉」

マリーダ「地上部隊がガンダムと交戦しているというのは本当か?」

ダリル「えぇ、流石はロシアの荒熊セルゲイ・スミルノフ中佐の部隊です。ガンダムに一歩も譲っちゃいませんぜ」

ジョシュア「何だかんだあっちのガンダムの方が鈍そうだけどな。それを差し引いてもすげえ動きだぜ」

マリーダ「スミルノフ中佐の部隊か……ならばピーリス少尉もいるだろうか」

マリーダ「……」グッ

ーヤザン自室ー

ヤザン「ほう、やはり別格の統率力だな。ロシアの荒熊、セルゲイ・スミルノフ」

ヤザン「もうロートルかと思っていたが、こりゃあ肴には最高だぜ、はっはっは!」グビグビ
787 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:47:07.44 ID:M496SxXAO
ヨハン「おおおおおっ!」バババババッ

ソーマ「くっ!」

セルゲイ「無駄な足掻きを……!」

ミハエル「兄貴!」

ヨハン「撤退準備だミハエルッ! 殿は私がやる!」

ミハエル「そんなにバラまいたら粒子の残りが!」

ヨハン「猶予がない……出し惜しみしてはいられんのだ!」

ネーナ「くぅっ!」ギュンッ

ミハエル「ネーナ!」

ヨハン「落ち着けネーナ! 出過ぎては……!」

ネーナ「数が多いからってぇぇ!」バンバンッ

ヒュンッ

ソーマ「そんな稚拙な攻撃がッ!」

ネーナ「あたしが外した……!!」

ソーマ「当たるものかァッ!」

ズバンッ
ドゴォンッ

ネーナ「つぁっ……!」

ソーマ「中佐の頂武こそがッ! 覚悟ォッ!」

ヒュォッ

ミハエル「そうは行くかよ!」

ドガンッ

ソーマ「ちぃっ……!」

ミハエル「兄貴!」

ヨハン「スモークを撃つ、撤退準備だ!」

バババババン
ボンッボボボンッ

セルゲイ「煙幕か……!」

ヨハン「今だ、離脱する。ミハエル、殿は任せた」

ミハエル「了解だ!」

ネーナ「あたし達ガンダムなのに……!」

ヨハン「っ……今だけの辛抱だ、急ぐぞ!」

キィィ……ィン

ソーマ「逃がさない!」ガチャッ

ガクンッ

ソーマ「!」

セルゲイ「追わんでいい、目標は達成した」

ソーマ「中佐、しかし!」

セルゲイ「奴らのアジトは叩いた。いずれは粒子発生率が低下し活動限界に陥る」

セルゲイ「其処を叩くなり勧告して捕らえれば済む話だ。無理に敵と戦ってやる必要は何処にもない」

ソーマ「……」

セルゲイ「よくやった少尉、帰還するぞ」
788 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:52:51.83 ID:M496SxXAO
ーヴェーダー

アレハンドロ「トリニティはそろそろ限界のようだな」

リボンズ「まさか自らを助けるエージェントが裏切っているとは知らず……哀れなものです」

アレハンドロ「王留美か、ラグナの離反を事前に止めた挙げ句私にその情報をちらつかせ、リニア公社を奪い取るとは全くもって……」

アレハンドロ「したたかな女だ、滅茶苦茶にしてやりたくなる」ククク

リボンズ「……」

リボンズ(強化の反動がそろそろ出やすくなる頃か。エゴの強化によりNT能力は相応に上がったが、これではね)

リボンズ(プルツーは危険だから離したが、僕もそろそろ危ないな。例の機体のこともある……すぐに終わらせなければ)

リボンズ「トリニティの始末、必ずやプルツーが成し遂げてくれましょう」

アレハンドロ「そうだな、最期の余興を楽しむとしよう」

ートレミーー

イアン「とうとう、ブリティッシュ作戦が本格的に始まったな」

スメラギ「ガンダムの掃討という名目に、世界は集まり一つになろうとしている……」

アレルヤ「やはり僕らは、滅び行く為の存在……統一の為のスケープゴートなのか」

ティエリア「ヴェーダの、イオリアの計画に……僕らは消されなければならないのか……」

ロックオン「……」

刹那「だとすれば、ガンダムは何のためにある……」
789 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 01:58:53.57 ID:M496SxXAO
スメラギ「刹那」

刹那「戦争根絶がソレスタルビーイングの理念、ガンダムの存在意義」

刹那「だがトリニティは戦渦を拡大させ、国連軍にまでガンダムが現れ……もはや境界線は無くなりつつある」

刹那「これがガンダムなのか……これが、ガンダムの在り方なのか」ギュッ

ロックオン「……」

ロックオン「刹那、国連軍によるトリニティへの攻撃は、いわばガンダム同士の紛争だ」

ロックオン「武力介入を行う必要があると思わないか?」

刹那「え……」

イアン「おいおい、藪から棒に何を言う」

アレルヤ「無茶だよロックオン!僕等には十分な戦力も、制宙権さえも無い」

アレルヤ「只でさえ敵の部隊は化け物揃いなんだ、それは君が一番……!」

ロックオン「ソレスタルビーイングが今沈黙したらッ!!」

アレルヤ「ッ」ビクッ

ロックオン「……俺達が忌み嫌ったテロリスト共と本当に同じになっちまう」

ロックオン「俺達は、絶対に立ち止まっちゃいけないんだ」

刹那「……」

スメラギ「ロックオン……」

イアン「……」ボリボリ

イアン「アヴァランチユニットは外しておくぞ。宇宙用のダッシュじゃ肩部固定が必要な地上で戦えんし、途中敵に捕捉された場合もあるしな」

刹那「イアン」

イアン「お前みたいなきかんぼう、放っておいたら犬死にしちまう」

イアン「死ぬなよ刹那、お前等若い命が明日を作るんだ」
790 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:04:06.46 ID:M496SxXAO
アレルヤ「イアンさんまで……宇宙に戻ってこれなくなる可能性だってあるのに!」

刹那「俺一人でも行く。俺はもう一度トリニティと対峙して確かめたい」

刹那「ガンダムの存在意義を、何のためにガンダムがあるのかを」

ロックオン「俺も付き合うぜ、地球の重力は好かんが、気になることが山積みでな」

ウィンッ

ラッセ「馬鹿言うなロックオン、今のお前が行ったら真っ先に蜂の巣だ」

ロックオン「ラッセ!」

ラッセ「鏡見てこいよ、凄まじい顔だぞお前」

ロックオン「……マジで?」

ラッセ「マジマジ、大マジだ」

ラッセ「刹那のお守りには俺が行く。強襲用コンテナには大気圏離脱能力がある、ついでにGNアームズの性能実験もしてくるさ」

アレルヤ「ラッセまでそんな! 今戦力を分断したら……!」

スメラギ「……」スッ

スメラギ「刹那、ミッションプランよ。不確定要素が多すぎてあまり当てにはならないけれど」

アレルヤ「スメラギさん!」

スメラギ「此処で駄目だといっても、この子は抜け出したって戦いに行くわ」

スメラギ「だったら、面倒みてあげなきゃね」

イアン「そういうこった」

イアン「強襲用コンテナ用に、加速ブースターも外付けしてやる。さっさと帰って来いよラッセ」

ラッセ「おやっさん……!」

イアン「言っとくがシェリリン手製、一回限りの試作品だ、帰りに大事に使えよ」
791 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:06:31.06 ID:M496SxXAO
アレルヤ「……」

アレルヤ「其処まで言うなら、僕からは何も言えないじゃないですか」ハァ

刹那「済まない……アレルヤ」

アレルヤ「謝るくらいなら、答えを見つけてからにしてほしいな」

アレルヤ「行きたいのは僕も山々さ……頼んだよ刹那」

スメラギ「答えが見つかると良いわね」

刹那「みんな……」

ロックオン「……ふっ」スッ

ティエリア「……」

ロックオン「ティエリア、刹那が心配なら」

ティエリア「ロックオン」

ロックオン「ん?」

ティエリア「貴方は愚かだ」プイッ

ロックオン「おぉ?」

アレルヤ「……クスッ」

ー大西洋・孤島ー

ヨハン「王留美は何処だ……?」

ミハエル「もう約束の時間になっちまうぜ兄貴!」

ネーナ「あー! あたしのドライがぁ!」

ヨハン「……」

ヨハン(まさか、たばかられたか?)

ピピッ

HARO〔熱源接近! 熱源接近!〕

ヨハン「!」

HARO〔デケーゾ! デケーゾ!〕

ミハエル「兄貴!」

ヨハン「どっちだ……敵か、味方か!」

ゴゴゴゴ……

ヨハン「スローネを起動させる、万が一に備えろ!」

ミハエル「了解!」

ネーナ「うぅ……OK」


ヴンッ
ギュォォッ

ヨハン「さて……鬼が出るか、蛇が出るか」

ヨハン「我々の運命は……!」
792 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:10:02.44 ID:M496SxXAO
ゴゴゴゴ……

ヨハン「大型の輸送機か」

ピピッ
ピピッピピッ

ネーナ「ヨハ兄ィ、光通信!」

ミハエル「遅かったじゃねえか……」

ヨハン「はぁ……」

ヨハン「これでようやく」

ズギャァァァッ
ドゴォォォッ

ヨハン「あ……」

ミハエル「なっ……!?」

ネーナ「嘘っ!?」

ズズズズ

ヨハン「ば、馬鹿な……輸送機が……」

ミハエル「この粒子ビーム、まさか国連軍の!?」

『あっははははははははははは!!』

ネーナ「!」

ヨハン「子供の声、ガンダムに通じる通信だと!?」

ギュバッ

プルツー「ようこそトリニティ……よくもまぁ此処まで這いつくばって来れたもんだね」

プルツー「でも此処が終着点、お前等の役割は終わりなのさ」

プルツー「一人残らず大西洋に沈め、ガンダム!!」

ヨハン「仕組まれていたとでもいうのか……王留美!」

ダダダダダダダダダッ

ヨハン「くうっ!」ヒュバッ

ミハエル「ちぃ!」ギュンッ

ネーナ「きゃぁっ!」ガガガンッ

ミハエル「ネーナァァ!」

キィィィィィン

ミハエル「ッ!」

プルツー「サイコミュ制御、ヴァラヌス最大出力」

プルツー「悪いねスローネツヴァイ、サーシェスが二番を選んじゃったんだ」

プルツー「いい死に方は、させてあげられないよ……!」
793 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:21:28.18 ID:M496SxXAO
ツヴァイ『』

ドスゥゥ……ゥン

ヨハン「コクピットごと……潰したというのか……!」

ネーナ「ミハ兄ィ……」

ネーナ「ミハ兄ィィィィィィィ!!」

プルツー「……」

プルツー「サーシェス、出て来な」

ギュンッ

サーシェス「おいおい……俺が乗るガンダムなんだろう? いきなりひでえ扱いだな」

プルツー「ユニットの交換さえすれば問題はないし、コクピット部分なら容易に切り替えられる」

プルツー「回収は任せたよ。あたしは残りを……始末する」

ビリッ

ヨハン「ッ……!」

ヨハン(馬鹿な、これほどのプレッシャー、あのような子供が放つというのか!)

ヨハン(操縦技術、勘、全てにおいて我々よりも上だと……!)

プルツー「それとも投降するかい? 残りのスローネと引き替えになら、この孤島に置き去りにしておしまいにしてやれるかもね」

ヨハン「貴様ッ……よくもいけしゃあしゃあとッ!!」ガコンッ

プルツー「あぁ、もちろん戯れ言さ。全員しっかり始末してやるよ」

ズギャァッ
ギュンッ

ヨハン「何故だ、何故私達は!」

プルツー「道具は使えなくなれば捨てられる、ただそれだけさ!」

ギギギッ
ギィンッ

ヨハン「そんな馬鹿なことがッ!」

プルツー「まぁあたしも人のこと言えない扱いだからさ、同情するよ。泣いてあげようか?」

ヨハン「私達は……ガンダムマイスターだッ!」

バヒュウンッバヒュウンッ
バヒュウンッバヒュウンッバヒュウンッ

プルツー「……」

ヨハン「この世界を変え……世界に変革をもたらす為にィィ!」

バヒュウンッバヒュウンッバヒュウンッバヒュウンッ
794 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:26:08.52 ID:M496SxXAO
>>792>>793の間にこれを入れてくれ、済まない

ミハエル「ほざいてろガキがぁ!」ジャキッ

ギギィンッ
ガンッ
ギャリリッ

ミハエル「ぬぐっ……!」

ヨハン「ミハエル!」

ミハエル「ツヴァイでクロスレンジ……二度も負けるわけにはッ!」ガガァンッ

プルツー「なかなか頑張るじゃないかミハエル・トリニティ! 仮初めで出来損ないの次男坊にしては悪くない」ヒュンッ

ミハエル「今の距離だぞ!? 避けられるはず……!」

ギィンッ

ミハエル「ぐぁっ!?」

ネーナ「み、ミハ兄ィ……っ」ガクガクッ

HARO〔コクピットスレスレ、アブネェ!〕

プルツー「はぁぁあっ!」

ミハエル「ッ……」

ミハエル「確かに俺は兄貴みたいに頭も良くないし、ネーナみたいに可愛くもねえ」

プルツー「ん?」

ミハエル「でもよ、こんな俺でもガンダムマイスターなんだ」

ミハエル「戦争根絶するまで……俺達を認めさせるまで……!」

ミハエル「こんなところでッ死ねるかよぉぉぉぉぉぉ!!」

ギュンッ

プルツー「……はっ」

ゴチャッ

ヨハン「……な……」

ネーナ「え……?」

プルツー「つッ……」

プルツー「何のためにコクピットの外装を傷つけたと思ってるんだい……」
795 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:31:53.68 ID:M496SxXAO
ウゥ……ン

ヨハン「はっ……?」

プルツー「……だから捨てられるのさ、お前等は」

プルツー「熱くなりすぎてドライブの粒子発生量も確認してなかったのかい? 馬鹿みたいにランチャー撃ち尽くしてさ……これじゃあ弟も浮かばれないよ」

ヨハン「馬鹿な……私達は、マイスターになるために生み出され……」

プルツー「これで、二体目」

ヨハン「そのために……生きて……!」

ヒュゥゥゥゥ……
ズドォォォ……ォン

プルツー「運が良いねサーシェス、アインもおまけについてきたよ」

サーシェス『マジか! へへっ、こりゃあラッキーだな。どっちも俺のモンなんだろプルツー!』

プルツー「さてね……それは三体目を片付けてから」

ネーナ「よくも兄ィ兄ィズをぉぉぉぉぉ!!」

プルツー「考えるよォッ!」ボッ

バゴォンッ

ネーナ「きゃぁああ!」
ズズゥゥゥン

プルツー「ヨハンより先に死にたいかい、甲斐甲斐しいねえ妹役!」

プルツー「じゃあさっさと……消えちゃいな!」

ネーナ「……っ」

ピキィィィン

プルツー「!」

ドッゴォォォンッ

プルツー「わぁぁぁっ!?」

ネーナ「あ……?」

サーシェス『何だぁ!?』

796 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 02:42:45.65 ID:M496SxXAO
ギュォッ

ラッセ『くそっ、間に合わなかったか!』

ラッセ『構うことはねえ刹那、やっちまえ!』

プルツー「くっ……!」

刹那「はぁぁぁぁ!」ビュォッ

プルツー「刹那・F・セイエイッ!」

ギィンッ

プルツー「全く、事態も掴めずのこのこと現れるかい!」

刹那「貴様、性懲りもなく!」

プルツー「だからガキだって言うのさ!」

刹那「貴様はガンダムではない!」

プルツー「今度はリミッターも無い、倒させて貰うよ!」

刹那「俺はお前を否定する!」

プルツー「……人の話を」グッ

刹那「……人の話を」ギリッ

プルツー・刹那「「聞けぇぇぇぇぇ!!」」

ギャンッ
ズガァァァァッ

ーヴェーダー

リボンズ「アレハンドロ様、LEVEL7をクリア。ヴェーダを完全に掌握しました」

アレハンドロ「おぉ……遂にやったか!」

ウウウ……ウン

リボンズ「!」

イオリア「」

アレハンドロ「やはり……眠りについていたか。イオリア・シュヘンベルク」

アレハンドロ「目覚める保証も無いコールドスリープに、ヴェーダの中枢で入るとは。流石はソレスタルビーイング創始者、ふてぶてしいことこの上ない」

アレハンドロ「しかし、貴方は目覚めることなく涅槃に旅立つことになるのだ」ジャキン
797 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 03:01:29.03 ID:M496SxXAO
アレハンドロ「貴方が求めた紛争根絶の理想、それを為す力、ガンダム!」

アレハンドロ「それら全てはこの私、アレハンドロ・コーナーが引き継がせていただくよ……」

アレハンドロ「そうとも、世界は私のものだっ!」

バァンッ
バァンッバァンッバァンッ

アレハンドロ「ふっふっふっふっ……」

アレハンドロ「はっはっはっはっは、はーっはっはっはっはっは……!」

バチッ
ジジジジッ

リボンズ「何……?」

アレハンドロ「ッ!?」

アレハンドロ「リボンズ、何だこれは!」

ズゥゥゥゥン

アレハンドロ「うっ!」

イオリア『……』

アレハンドロ「イオリア・シュヘンベルク……!」

イオリア『この場所に、悪意を以て現れたということは、残念ながら私の求めていた世界にはならなかったようだ』

リボンズ「システムトラップ……まさかイオリアは、此処まで予測して……!」

イオリア『人間は未だに魂を重力に縛られ、地球から離れられず、くすぶった火種を消し止められずにいる』



プルツー「そのガンダムの弱点ぐらい見切ってるさ! 射撃武器が無いその機体でライフルとチェインガン、受けきれるかい!」バババババッ

刹那「ぐぅっ!」

刹那「何故だ、何故貴様のような歪んだ者がいる!」

プルツー「戦うために生まれた私も、お前からすれば歪みかい」

プルツー「笑わせるよ! お前も所詮は私と同じじゃないか!」
798 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 03:06:54.38 ID:M496SxXAO
プルツー「力も示せないで、滑稽なんだよぉ!」ズガァッ

刹那「あぐっ!」

プルツー「ほらほら、どうした!」

ラッセ『刹那ぁ!』

プルツー「雑魚は黙ってな!」ガシャンッ

ババババババババババッッ

ラッセ『くぅっ!』

ラッセ『何つう弾幕だ、近寄れねえ!』



イオリア『世界は……』



プルツー「所詮MSは力さ。戦争を、戦いをする道具でしかない」

プルツー「お前のガンダムだってそのための存在なんだっ!」

刹那「違うッ!」

ガキィンッ



イオリア『人類は……』



刹那「絶対に違う!」

ギィンッ

刹那「俺のガンダムはッ……!」

バキィンッ

プルツー「丸腰で強がられても怖くないんだよ!」

プルツー「バイバイ……ガンダムマイスター!」ヴンッ

刹那「……!」



イオリア『変わらなければならないのだから』



キィィィィン

ヒュゥンッ

プルツー「はっ……!?」

ギュンッ

プルツー「馬鹿な、何処に消えた!?」

ビュンッ

プルツー「!」

プルツー「くっ!」バァンッバァンッ

プルツー「当たらない……いきなり何だと言うんだ!」

ギュォッ

プルツー「ッ!?」

ガァンッ

プルツー「きゃぁぁっ!?」
799 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 03:07:41.84 ID:M496SxXAO
ドガァァ……ァッ

プルツー「ッ……!」

サーシェス「何だありゃあ!」

ラッセ『エクシアのボディが赤く……?』

刹那「このガンダムは……一体?」

イオリア『GNドライブを有する者達よ』

刹那「!」

刹那「イオリア・シュヘンベルク……」

イオリア『君達が、私の意思を継ぐ者なのかは解らない』

イオリア『だが、私はパンドラの箱の底に眠るもの、GNドライブの全能力を君達に託したいと思う』

イオリア『君達が真の平和を勝ち取る為、戦争根絶の為に戦い続けることを祈る』

イオリア『ソレスタルビーイングの為ではなく、君達の意志で、ガンダムと共に……』

刹那「ガンダム……」

刹那「……ッ」キッ

プルツー「くぅっ! あたしが負けるはずないんだ、あたしとヴァラヌスがっ!」ギュォッ

刹那「遅いッ!」

ザンッ

プルツー「あぅっ!?」

刹那「はぁぁぁっ!」

ズバァッ
ザンッ
ドスゥッ

プルツー「っ……あたしがっ……ぁ!」バチチッ

刹那「終わりだ、ヴァラヌスッ!」

ギュォッ

プルツー「うわぁぁぁぁあ!」ブワッ

バヂィッ

刹那「!?」

ギュンッ

プルツー「ッ……!」

刹那「……」

刹那(ビームサーベルが弾かれた……今の炎のようなオーラは一体)
800 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 03:10:25.13 ID:M496SxXAO
プルツー「サーシェス、一旦退く!」

サーシェス「お、おう!」

プルツー「……ガンダム……!」

ギュンッ

刹那「トランザムシステム……これが、イオリアの残した力」

刹那「トランザム……!」

TO BE CONTINUED...

ヴンッ

『緊急用GNコンデンサー、起動します』

ヨハン「…………」

ヨハン「私は……」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 03:20:43.81 ID:bc321XRDO
乙。
802 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/11(月) 03:22:34.80 ID:M496SxXAO
投下終了だフラッグファイター

期始め故に投下速度が段々と遅くなるかもしれない。容赦してくれ

次回『悪夢』

マリーダ、その慟哭は彼に届くのか
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/11(月) 03:24:13.45 ID:diSfVb3AO
乙乙
ヨハン兄生存ルートか
ネーナも少しは救われそうだな
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/11(月) 05:41:20.79 ID:7Fb84H1eo
貴重なnmkwが…
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 10:40:28.99 ID:RVnSm2cAO
ヨハンは生き残ったが、ミハエルの死に方がえげつねぇ…
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/11(月) 10:53:42.63 ID:F7FJDzjLo
乙なんだぜ
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/11(月) 11:14:12.91 ID:Cl2U3WlXo
>>805
ミンチよりひでぇよ
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/11(月) 11:45:39.07 ID:jthpKFEB0

あれ?スローネツヴァイ放ったらかしで撤退?
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/11(月) 11:56:06.73 ID:6bfBlt9Co
>>808
ツヴァイはサーシェスが回収してるんじゃね?
描写が無いからよく分からないけど、輸送機が近くに待機してると思われ
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/11(月) 15:18:03.71 ID:LSAabrWso
アインはどうなるんだ…ラストではガンダム同士で共闘するんだろうか
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/11(月) 16:00:49.16 ID:Ew6Z+xWAO
バイオフィールドキター
あと本編でも思ったんだけど>>791の「あたしのドライがぁ!」の時のドライってどうなってたの?
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/11(月) 17:12:26.52 ID:fLsBsBVyo
ヨハン兄ちゃん地味に好きだから俺得過ぎる展開だな
指令出してたのアレな人であって、マイスターとしての誇りを持ってた希ガス
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 19:26:43.08 ID:D42sAI9+0
>>803
二期でネーナがサーシェスに襲われた時、顔に一発かましそうだな
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/11(月) 20:09:41.16 ID:LSAabrWso
>>811
ドライが動かなくなるからさっさと来いってことじゃね?
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/11(月) 20:15:19.34 ID:M496SxXAO
ネーナ「あたしのドライがぁ!」

は、ソーマに肩のパーツ切られて傷ついたからだぜ
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/04/12(火) 03:21:22.42 ID:LBZwDq4S0
おぉアイン大好きだから嬉しい展開
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 04:01:30.00 ID:3d/FQBODO
ミハ兄は犠牲になったのだ…
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 21:33:04.32 ID:+k8/x3x9o
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1523421.jpg

ミハ兄ィ―――!!
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 21:47:21.53 ID:4YB0bYWx0
>>818
元ネタ何だコレwwww
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/12(火) 22:07:00.50 ID:NrMvByuJo
トレミー学園かよww
821 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:06:03.74 ID:uCVaL05AO
ハム「くっ……逃げるためとはいえ上半身を分離して自爆してしまった、前が見えない」

ネーナ「馬鹿だ! ミハ兄ィより馬鹿だ!」

ハムネタかマリーダネタか迷った、投下再開だフラッグファイター
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/13(水) 00:07:36.39 ID:Y0XpGFyGo
待ちかねたぞ!
823 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:10:18.63 ID:uCVaL05AO
バヂィッ

プルツー「っ……!」

プルツー「あたしにバリアまで使わせるなんて……ガンダム……!」ギュォッ

プルツー「サーシェス、一旦引く!」

サーシェス「お、おう!」

刹那「ッ!」

ピピッ

刹那「アリー・アル・サーシェス……!?」

ザバァッ
キィィィィン

ラッセ『何だありゃあ、新型の輸送機か!?』

プルツー「ガランシェールのハッチを!」



ガコンッ
ガシャン

プルツー「スローネツヴァイの搬入は!」

サーシェス「完了してるよ。だがアインにゃまだ手も触れてない」

プルツー「ドライは!」

サーシェス「アイン抱えてさっき逃げた。大方例の王留美が言ってた【手筈通り】ってヤツだろ?」

サーシェス「あのクルジスのガキの始末はどうすんだ」

プルツー「……」

プルツー「ひとまずは退く。あの訳の分からないガンダムのシステム……詳しいことが分かるまでは、相手に出来ない」

プルツー「帰投する、ヴァラヌスが損傷したのを考えると、ツヴァイを投入することも考えなきゃ」

サーシェス「あいよ」グンッ

サーシェス「俺個人としては大歓迎だがな……こんなたぎる戦争は久しぶりだからよぉ」

プルツー「野蛮だね。でもリボンズが気に入るのもよく分かる気がするよ」

プルツー「……」グスッ

サーシェス「けっ、何しょげてんだよ。シラケるぜ」

プルツー「リボンズの命令をこなせなかったんだ……平気な顔してた方がおかしいだろ」

サーシェス「まだまだお子様だな」

プルツー「何だと!?」

サーシェス「右に曲がります、と」

プルツー「うわぁっ!?」

ギュゥゥン
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:15:23.76 ID:+lheq66j0
一応任務失敗はしてないと思うが……
それにしても、やっぱりリボンズ大好きじゃねえかプルツー
こいつら本当に可愛いな
825 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:16:22.83 ID:uCVaL05AO
ラッセ『速いなあの輸送機……大気圏内でのMS運用前提って感じだな』

刹那「……あんなものを用意する準備がある程の敵……」

刹那「!」



ガコンッ

ネーナ「ヨハ兄ィ……ミハ兄ィが、ミハ兄ィが……」グスッ

ネーナ「エネルギー半分分けたからさ……いこ、ヨハ兄ィ……」

ヨハン「……」

ヨハン「ミハエル……」ツゥ……

ギュンッ

ラッセ『……刹那』

刹那「ラッセ、必要ならばスローネを破棄させパイロットだけを其方に預けることになるかもしれない」

ラッセ『何!』

刹那「彼等のアジトはもう無い、放置すれば紛争が起こりスローネは奪われる」

刹那「この紛争を終わらせるには、それしかない」

ラッセ『……了解だ刹那』

刹那「エクシア、目標に再接近する」

王留美『その必要は有りませんわ』

刹那「!」

ラッセ『通信、王留美からか!』

王留美『ごきげんようマイスター、それに砲手さんも』

ラッセ『……』

王留美『彼等は私達エージェントが責任を以て保護します、あなた方はすぐに宇宙へ』

刹那「しかし……」

王留美『先ほど人革連のGNーX部隊がエレベーターにより宇宙に上がりました』

王留美『まもなく、ブリティッシュ作戦の総力を以てプトレマイオスを攻撃するでしょう』

ラッセ『何だと!?』

刹那「……!」

王留美『此方は私達に任せ、早くプトレマイオスの援護に』

王留美『スローネと宇宙の仲間、自ずと重要性は違ってくる筈では?』

刹那「ッ……」
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/13(水) 00:20:34.77 ID:RDbvo1zR0
ガランシェールだと…
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/04/13(水) 00:21:31.57 ID:aMIhMoyx0
まさかリアルタイム遭遇できるとは…
何たる行幸、生き恥を晒したかいがあったというものだ!
828 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:22:16.87 ID:uCVaL05AO
刹那「……」

ラッセ『刹那!』

刹那「ラッセ、強襲用コンテナとのドッキングを。直ぐに宇宙に上がる!」

ラッセ『了解だ! シェリリンのブースターもある、一気に上がれるぜ!』

王留美『素晴らしい判断ですわ刹那・F・セイエイ』

刹那「此処は危険だ、すぐに撤退を」

王留美『無論ですわ』

刹那「俺達の代わりにスローネの調査、及びマイスターに関する報告書を直接トレミーに頼む」

王留美『えぇ、必ず』

王留美(あなた方が生きていたらの話ですが……)

ラッセ(何か企んでいやがるか……いや、今はトレミーに!)

ラッセ『間に合ってくれよ、みんな』

刹那(ティエリア……アレルヤ……ロックオン)

刹那(待っていてくれ、直ぐに戻る!)

ーラグランジュ1・資源衛星群ー

スメラギ「トランザムシステム……機体に蓄積された高濃度圧縮粒子を全面開放することにより、スペックの三倍に相当する出力を得る……」

アレルヤ「オリジナルの太陽炉にのみ許された、ガンダムの切り札……」

ロックオン「……」

ロックオン(このヴァラヌスの周りに張られたバリア……かなり高位のNTが乗ってるって訳か)

ロックオン(つまりはサイコミュが存在する機体、てことになる)

ロックオン(トランザムシステムの存在を加味しても、やっぱり安心は出来ないって訳か)

ロックオン「……結構なことじゃないか。イオリアの爺さんも大層な置きみやげ残してくれたもんだ」
829 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:28:58.20 ID:uCVaL05AO
スメラギ「でも、トランザムが切れた後は機体性能が著しく低下するわ。Eカーボンの強度も、機動力も……」

ロックオン「そのためのあんただろう? タイミングも含め、期待してるぜ戦術予報」

スメラギ「もう、おだてないで頂戴。事態は切迫してるのよ」

アレルヤ「その割には、顔が弛んでますけど?」

スメラギ「あらやだ、年かしら」

ロックオン「ははははは!」

スメラギ「ふふっ」

アレルヤ「あははは……」

ロックオン「……ふっ」

ロックオン(悪いなアレルヤ、気を使わせちまって)

アレルヤ(ロックオンは何か別のことに気付いたみたいだ。こんな時だからこそ、下手に緊張しない空気を作らなきゃ……)

ティエリア「……フッ」

ピピッ

スメラギ「!」

スメラギ「刹那からの暗号通信だわ」

ロックオン「あいつ、ちゃんと帰ってこれんのか?」

ティエリア「強襲用コンテナの追加ブースターの出力なら、早い帰還が望めるが……」

スメラギ「開いて」

ウィンッ

刹那『エクシア、トレミーへの帰投命令を受領。報告用件あり』

刹那『地上にいた、疑似太陽炉搭載型MSが全機宇宙に上がった』

刹那『王留美の情報によれば、人革連のセルゲイ・スミルノフ率いる部隊』

アレルヤ「!」

スメラギ「やはり来たわね……超兵」

アレルヤ「……」
830 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:35:28.03 ID:uCVaL05AO
刹那『そして、ガンダムスローネの一機が敵に奪取された』

ティエリア「何ッ!?」

刹那『スローネを奪取したのは、ヴァラヌスと呼ばれたガンダム』

アレルヤ「ということは国連軍か」

刹那『パイロットは以前不明、だが、随伴していた輸送機にアリー・アル・サーシェスの姿を確認した』

刹那『これから宇宙に上がる。報告を終了する』ピッ

ロックオン「ッ!?」

ロックオン「アリー・アル・サーシェス……あの野郎が関わっているのか」

アレルヤ「誰なんだい?」

ティエリア「傭兵だと聞いた。刹那の話では、相当腕が立つとか」

ロックオン「どこまでも人をコケにしやがって……!」ギリッ

スメラギ「……」

スメラギ「圧倒的な戦力差に拍車がかかったわね……酷な話だわ」

スメラギ(刹那が来るまでの間、耐えられればまだやりようもある)

スメラギ(問題は、耐えられるかということ……そして、刹那達がいたとしても勝機は薄いということ……)

スメラギ「お願いエミリオ……私に力を貸して」

ー国連軍・バージニア級大型輸送艦ー

マネキン「……」

マネキン「【ロシアの荒熊】セルゲイ・スミルノフ中佐を軸に、【エーカーの麗鷹】マリーダ・クルス、【グリプスの野獣】ヤザン・ゲーブル、【不死身】パトリック・コーラサワー、【超兵】ソーマ・ピーリス」

マリーダ「世間の子供達に『君が最強の部隊を作るとしたら誰を選ぶ?』という質問をして作り上げたような部隊だな」

コーラサワー「不死身……やはり素晴らしい響きだぜ」ジーン

マネキン「皮肉を真に受けて喜ぶな少尉」
831 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:42:10.43 ID:uCVaL05AO
コーラサワー「大佐、マリーダの異名ってなんすかこれ」

マネキン「ライセンサー・【マスター】グラハム上級大尉の副官にして、アザディスタンのクーデター時には反乱軍のMSを各地で多数撃破し鎮圧に尽力、ミサイルによる受信施設の攻撃を未然に防止」

マネキン「グラハム大尉の隣に連れ添うように飛ぶ様から、彼女のフラッグを鷹になぞらえそう呼ばれたらしい」

コーラサワー「完全にマスター・グラハムなんすね、あのトップガン……」

マネキン「彼が聞いたら、しかめっ面を浮かべながら呻くことだろうよ」

マネキン「先程彼から連絡があった、ユニオンのトップガンが作戦に合流するぞ」

コーラサワー「!」ガタンッ

マネキン「だが予定上途中からの参加となるだろう……その前に我々は、ソレスタルビーイングの母艦に先制攻撃を仕掛ける」

マネキン「グラハムが来るのをわざわざ待つ必要はない! 戦果を期待するぞパトリック!」

コーラサワー「了解です、大佐!」

ー輸送艦ー

マリーダ「……」

ポンッ

マリーダ「!」

セルゲイ「マリーダ中尉、久しぶりだな」

マリーダ「スミルノフ中佐! それに……」

ソーマ「お久しぶりです、マリーダ中尉」

マリーダ「ピーリス少尉も」

ソーマ「ガンダムを中破させたとお聞きしました、流石はマスター・グラハムの懐刀!」

マリーダ「その呼ばれ方、嫌いではないがこそばゆいな……」

セルゲイ「はっはっは、相変わらずだな君も」

セルゲイ「顔がこわばっていたぞ、君ほどの兵士でもやはりガンダム戦は緊張するか」

マリーダ「いえ……そんなことは」

セルゲイ「……」フッ

マリーダ「……!」
832 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 00:52:18.88 ID:uCVaL05AO
マリーダ「中佐はずるいお人です、全て見透かしながらお聞きになられる」

セルゲイ「大人をたばかろうとしても無駄だよ中尉」

セルゲイ「やはり……緊張するようだな」

マリーダ「……はい、まだ馴れません。手に握る汗を止めるのにも必死です」

セルゲイ「そうか、だが君の技量なら落ち着いて戦えば問題あるまい」

マリーダ「中佐にそう言っていただけると心強いです」

セルゲイ「私は事実を述べたまでさ」

セルゲイ「お互い、地球に生きて帰ろう。頼りにしているぞフラッグファイター」

マリーダ「はっ!」ビシッ

マリーダ「スミルノフ中佐……ありがとうございます」

セルゲイ「礼ならグラハムに言うのだな」

マリーダ「え?」

セルゲイ「私が宇宙に上がる前に連絡してきてな、一歩遅れて宇宙に上がるとの報告を受けた」

マリーダ「!」

セルゲイ「加えて、自分がそちらに着くまで中尉を頼むと言付けも受けてな」

セルゲイ「だが……この様子なら大丈夫そうだな」

ソーマ「戦果を期待させて頂きます中尉、及ばずながら私も尽力致します」

マリーダ「……」

マリーダ「ありがとうございます中佐、少尉。今の私にとって、マスターの言葉は何よりの励みです」

セルゲイ「ふふ、だろうな」

ソーマ「……」クスッ

マリーダ「それでは……」

ピキィィィン

マリーダ「ッ!」

バッ

マリーダ(この感覚、アザディスタンの時の……!?)

マリーダ「馬鹿な、あの男がこの船に……!?」

セルゲイ「どうしたマリーダ中尉?」

ソーマ「何か……?」

ー輸送艦・MSドッグ横待機室ー

サーシェス「流石に換装も速いな、もう間に合わせてくるとは」

サーシェス「スローネツヴァイ……俺好みのガンダムだぜ全く」

サーシェス「しかしまぁ、最初からあのやり方で捕まえるつもりだったのか……プルツー、末恐ろしいガキだ」

ウィンッ

サーシェス「ん?」
833 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 01:00:10.79 ID:uCVaL05AO
マリーダ「!」

マリーダ(間違いない、コイツはあの時のイナクトのパイロット……!)

マリーダ「貴様……ッ!」

サーシェス「!」

サーシェス(コイツ、あの時のフラッグファイター……)

サーシェス「おや、ユニオンの麗鷹が何かご用ですかな?」

マリーダ「とぼけるな! 貴様、何故この艦にいる!」

マリーダ「薄汚いテロリストが、ガンダムなぞ抱え込んで……!」

サーシェス「お言葉ですなぁ中尉殿。自分はフランス第四独立外人騎兵連隊所属のゲイリー・ビアッジ少尉でありますが」

サーシェス「薄汚いテロリストとやら、誰かは知りませんが誤認なされているのでは? マリーダ・クルス中尉」

サーシェス「いや……プルトゥエルヴと言った方が良いかいお嬢ちゃん」

マリーダ「ッ!?」

サーシェス「いや何、あんたの話は色々と知っていてね……」

スッ

マリーダ「ッ、触るなぁ!」バシンッ

サーシェス「おっと……へへ、気が強いのは姉貴譲りってわけか」

サーシェス「そういう女は嫌いじゃあないぜ、マリーダちゃんよ」

マリーダ「な、何者なんだ貴様は……!」

サーシェス「すっかり怯えた顔しちまって、やっぱりガキだねぇ」ククク

サーシェス「お前のお姉ちゃんから言付けだ」

サーシェス「俺の事柄、俺に関係する事柄、下手にバラそうとしたら」

サーシェス「【再調整】するぞ……だってよ」ボソッ

マリーダ「ひっ……」ビクッ
834 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 01:05:27.12 ID:uCVaL05AO
ドスンッ

マリーダ「あ……!」

サーシェス「おやおや、尻餅ついちゃって可哀想に。そんなに嫌なもんかい【再調整】ってのは」

サーシェス「ま、流石に今更になって自分の頭の中いじくり回されんのは嫌だよな。要はそういうことさ」

サーシェス「仲良くしようや、精々此処にいる間くらいはな」

マリーダ「っ……」グッ

サーシェス「はっはっはっはっは!」

ウィンッ

マリーダ「ぅっ……」ガクッ

マリーダ「姉さん……あの計画の生き残りがいるというのか……?」

マリーダ「……【再調整】……」ゾクッ

マリーダ「……それだけは嫌だっ!」

マリーダ「忘れたくない……忘れたくないんだ……!」

ー廊下ー

サーシェス「プルツーのガキと違って、成長した方は悪くねえなぁ」クックック

サーシェス「だが大将に釘刺されてっから手は出せねえ……下手に逆らってアレハンドロみたく脳みそ改造されちゃたまらねえからな」

サーシェス「それにどうせこの艦は沈む……あの作戦が始まると同時にな。それまでの間、精々楽しませてもらうとするか、ガンダム」

ヤザン「サーシェス!」

サーシェス「お……」

ヤザン「てめぇガンダムに乗って来やがるとはな、全く抜け目のない親父だぜ!」バシンッ

サーシェス「おめぇみたいに新型与えられて抜け駆けかます奴が言うかよ兄弟!」バシンッ

ヤザン「ハッハッハ! まだ根に持ってやがんのかてめぇ!」

サーシェス「冗談だよ、そのことはおいおい話すとしてだ」

サーシェス「……どうだった? ガンダムの味は」

ヤザン「あぁ、どいつもこいつも青臭いが活きはいい、喰いごたえがあるぜ」

サーシェス「だろうよ、そうでなきゃガンダム担いで宇宙に上がった意味が無い」
835 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 01:10:40.06 ID:uCVaL05AO
ヤザン「それで、てめえが来たってことはやっぱり……」

サーシェス「あぁ、例の作戦が始まるぜ」

サーシェス「手はず通りに行くなら、この作戦が最後のお楽しみになるだろうな」

ヤザン「ちっ……つまらねえ作戦を採用しやがったもんだ」

サーシェス「お前は良いよな正式な軍属だから、いつでもライセンス掲げて戦争が出来る」

サーシェス「気ままにやるには、ちと住み辛い世の中になって来ちまったからなぁ……今回はちっとばかし暴れさせて貰うぜ」

ヤザン「好きにしやがれ」

サーシェス「……シッ」

ヤザン「!」

ウィンッ

ー大西洋上空・輸送機ー

王留美「申し訳ありません……ミハエルさんを助けられなくて」

ヨハン「…………」

ネーナ「ぅっ……ひっく……ひっく」

王留美「あなた方だけでも生き延びられたのは幸いでしたわ。でももう、スローネの優位性は此処には無い」

ネーナ「!」

ヨハン「……」

王留美「ほとぼりが冷めるまでは私の下でゆっくりしていってくださいな……ネーナさん、ヨハンさん」

ネーナ「ミハ兄ィ……うわぁぁぁぁん……」グスッグスッ

紅龍「……」

紅龍(わざと無人の輸送機をプルツーとやらに落とさせたのは、あくまで留美自身は彼等に関わっていないというデモンストレーション……)

紅龍(あわよくば漁夫の利を、という今回の足運びは無駄にはならなかったか)

紅龍「お嬢様、これからどちらに向かいましょうか?」

王留美「屋敷に向かって。ひとまず彼女には落ち着ける場所が必要よ」

王留美(そう……彼女らの力を利用出来るまでの、鳥籠にね)

ヨハン「それについてですが」

王留美「え?」

ヨハン「寄っていただきたいところがあります。そこで私だけを降ろしてください」

ネーナ「ヨハ兄ィ!?」

ヨハン「ネーナ、ドライの全エネルギーをアインに」

ヨハン「ミハエルの仇を討つ……あの新型でな」
836 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 01:23:33.07 ID:uCVaL05AO
ウィンッ

ヤザン「む?」

サーシェス「ん……」

セルゲイ「マリーダ中尉は何処にいったのだ?」

ソーマ「見当たりませんね……」

セルゲイ「む?」

サーシェス「……」ビシッ

ヤザン「……」ビシッ

セルゲイ「君は確か、ガンダムのパイロット……」

ソーマ「……」ビシッ

ソーマ(何だ、この不愉快な感覚……私の中の何かがこの二人を嫌っている)

セルゲイ「頂武特務部隊所属、セルゲイ・スミルノフ中佐だ。以後よろしく頼む」スッ

ヤザン「ほう、あんたがロシアの荒熊」

サーシェス「直々のご挨拶とは恐縮ですな」

サーシェス「AEU、フランス第四独立外人騎兵連隊所属、ゲイリー・ビアッジ少尉であります」ビシッ

ヤザン「同じくAEU所属、ライセンサー、ヤザン・ゲーブル大尉であります。以後よろしく」

セルゲイ「!」
ソーマ「!」

セルゲイ「ライセンサー……!?」

ソーマ「マスター・グラハム以外にもライセンサーが!」

ヤザン「一応、そういうことになってますなぁ。戦ってみれば、資格があるかどうかは分かるんじゃあないですかい」

ソーマ(中佐の前での不遜な態度……気に入らん)ムッ

セルゲイ「ヤザン・ゲーブル……ヤザン……」

セルゲイ「……まさか、【グリプスの野獣】か!?」

サーシェス「ほう」

ヤザン「荒熊に覚えて頂けていたとは、光栄で」

ソーマ「中佐、知っているのですか?」
837 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 01:34:41.10 ID:uCVaL05AO
セルゲイ「……以前人革連がAEUの軍事基地を占領した際、AEUは当時天才ともてはやされた二人の戦術予報士を作戦に参加させた」

セルゲイ「その上官は、二人の天才を競わせる形で双方の優劣を確かめようと考え、二人にそれぞれ部隊を与えた」

サーシェス「部隊は二人の予報ミスにより同士討ち……基地の名前を取り、後に語り継がれるグリプス事件として記録された」

サーシェス「その時片方の部隊にいて、もう片方のヘリオン部隊を全滅させたのが、このヤザン・ゲーブルです」

ヤザン「戦術予報士がミスっちまってんだ。俺がとやかく言われる筋合いもあるまいよ」

サーシェス「言うなれば彼が強すぎただけ……そうでしょうスミルノフ中佐」

セルゲイ「……」

セルゲイ「過去のことをとやかく言うつもりもないよ、戦場での活躍を期待している」

ヤザン「はっ!」ビシッ

サーシェス「はっ!」ビシッ

ソーマ「……」

セルゲイ「最後に、ゲイリー・ビアッジ少尉」

サーシェス「何でありましょうか?」

セルゲイ「聞かせてほしいものだな、どうやってガンダムをろかくしたのかを」

サーシェス「……そいつぁ、企業秘密ということで」ニヤッ

セルゲイ「そうか」クルッ

ソーマ「あっ……中佐!」

セルゲイ「行くぞ少尉、マリーダを探さねばならん」

ソーマ「は、はい!」
838 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 01:40:37.97 ID:uCVaL05AO
セルゲイ「……」

ソーマ「グリプスの野獣……あれがヤザン・ゲーブル」

セルゲイ「あの場では言わなかったが」

ソーマ「?」

セルゲイ「例の一件、同士討ちが早い段階から発覚し、通信で作戦の中止が発せられていたそうだ」

セルゲイ「だがそうまでしても三十分以上戦闘は継続され……結果として悲劇を生み出した」

ソーマ「どういうこと……ですか?」

セルゲイ「目撃証言によれば、作戦の前日、ヤザン・ゲーブルが付いた戦術予報士の側と、もう片方の戦術予報士の側で取っ組み合いに近い激しいトラブルがあったそうだ」

セルゲイ「故に、ヤザン・ゲーブルは混乱に乗じて味方を暗殺したのでは、という疑惑が浮上した」

ソーマ「!」

セルゲイ「軍法会議にも発展したが証拠不十分で当時は無罪……結局その後ヤザンは別件の罪で刑務所に送られた」

セルゲイ「当時ヤザン・ゲーブルに指示を出していたのはカティ・マネキン。たしか対抗馬はリーサ・クジョウといったか……」

ソーマ「マネキン大佐が……?」

セルゲイ「……」

セルゲイ「グリプス……大鷲と獅子の半身を併せ持つ怪物の名。奴はまさしく、グリプス事件を境に生まれた野獣なのかもしれんな」

セルゲイ「奴が呼び寄せられたのはマネキン大佐の意思ではあるまい。荒れなければいいがな……」
839 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 02:04:58.04 ID:uCVaL05AO
ー宇宙ー

ラッセ『追加ブースターの切り離しを確認、強襲用コンテナ、ラグランジュ1に急行する』

刹那「了解」

ラッセ『刹那、答えは出たのか?』

刹那「……分からない」

刹那「だが俺は、俺達は託された。イオリア・シュヘンベルグに、ガンダムを」

刹那「ならば俺は戦う。俺自身の意志で、紛争根絶のために、ガンダムと共に……」

ラッセ『……』

ラッセ『刹那、バタフライエフェクトって知ってるか』

刹那「え?」

ラッセ『俺も詳しくは知らねえんだがな、要は蝶々が羽ばたいて起こした風が、地球の反対側で台風になるっつう話だ』

刹那「……」

ラッセ『これは、どんな些細な現象差でも、未来では大きな大きな差となるという意味を分かり易く喩えたもんだ』

ラッセ『……正直俺は、紛争根絶が出来るなんて思っちゃいねえ』

ラッセ『だが俺たちのバカげた行いは、良きにしろ悪しきにしろ人々の心に刻まれた』

ラッセ『俺らの行いが蝶々の羽ばたきとは言わねえ……だが、今になって思う』

ラッセ『ソレスタルビーイングは、ガンダムは、存在することにいぎがあるんじゃねえかってな』

刹那「存在すること……」

ラッセ『人は経験したことでしか本当に理解しないってことさ』

ラッセ『今は無理でもよ……いつかはこの行いが報われるかもしれねえ。だからこそ、俺達は羽ばたき続けなきゃならないんだ。少しでも理想に近づくためにもよ』
刹那「……」
840 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 02:10:03.52 ID:uCVaL05AO
ーユニオン・軌道エレベーターー

グラハム「……」

GNフラッグ『……』

グラハム「遂に完成した我が愛機、マリーダのフラッグを元に作り直したGNドライブ搭載型MS」

グラハム「……」

『忘れたくない……』

グラハム「分かっている」

『忘れたくないんだ……!』

グラハム「分かっている!」

グラハム「そのために私は宇宙に上がるッ!」

《グラハム大尉、準備が整いました!》

グラハム「早いな、助かるぞタケイ」

グラハム「今行くぞガンダム……決着をつけよう!」

ーバージニア級・MSドッグー

『有視界戦闘領域まで2000、総員第一種戦闘配置』

マリーダ「……」ズーン

コーラサワー「おい。どうしたマリーダ」

マリーダ「……何でもない。気にするな」

コーラサワー「何でもないったってよぉ」

コーラサワー(察しちまうんだよなぁこっちは……どう対応していいものやら)

コーラサワー(変に気を引くようなこと言って大佐に誤解されたくないし、トップガンに殺されたくないし……)アーアー

ソーマ「中佐」

セルゲイ「見るな少尉、あのような軽い男に関わったら馬鹿を見るぞ」

ソーマ「はい中佐」

セルゲイ「私の許可無くして少尉には近付くなよ諸君……頂武特務部隊の鉄の掟、AEUユニオン問わず守って貰う」

ジョシュア(こえー……保護者かよ)

マリーダ「……」

マリーダ(再調整は嫌だ、再調整は嫌だ)

マリーダ(再調整だけは嫌だ!)ギュッ

コーラサワー「……」

ソーマ「……」

セルゲイ「……」

ダリル「……」

ジョシュア「……」

サーシェス「あーりゃりゃ、だいぶ参っちまってるみたいだなありゃ」ボソッ

ヤザン「あんた変なこと吹き込んだんじゃあるまいな、あれじゃあ使い物になるかどうか」

サーシェス「別に、何とかなんだろ」

サーシェス「それにな、戦いを楽しむ上で邪魔なのは少ない方がいいだろ」
841 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 02:14:27.97 ID:uCVaL05AO
コーラサワー「……あーもー面倒くせ」

マリーダ「え?」

コーラサワー「おらァッ! しっかりしやがれマリーダ・クルスゥ!」

バッシィン!

マリーダ「い゙っ……!?」

サーシェス「あん?」

ソーマ「!」

セルゲイ「ほう……」

マリーダ「っ、パトリック少尉、貴様何を!」

コーラサワー「お前トップガンに部隊任されて来たんだろ? あのナルシストはそんなちんけな顔してフラッグに乗んのかよ」

マリーダ「!」

コーラサワー「何悩んでんのか知らねーし興味も無いが、どうしてもと言うならこのパトリック・コーラサワーに相談してみろよ。ズバッと答えてやるぜ?」

コーラサワー(本当はだいたい察知しちゃってんだけど……)

コーラサワー「たかが18年生きただけの小娘に、独自解決なんかムリムリ! 少しは大人を頼れっつうの!」

マリーダ「あ……」

セルゲイ「彼に頼るのが正しい判断かは分からんが、言っていることは間違いないな」

コーラサワー「うっ」グサッ

マリーダ「スミルノフ中佐……」

セルゲイ「君のマスターの代わりにはなれんが、私も君やグラハムよりは長く生きている」

セルゲイ「遠慮なく頼ってくれ中尉、君は独りではないのだ」

マリーダ「……」

ソーマ「私もいます中尉」

マリーダ「ピーリス」

ソーマ「でも、私は至らない存在です。とても中佐やパトリック少尉のようにはいきません」

ソーマ「だから、頼らせてください。代わりに、頼って下さい」

ソーマ「私には歳の近い同志がマリーダ中尉しかおりません。宜しければ、もっと親密になりたいのです」

マリーダ「っ……」
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/13(水) 02:15:52.98 ID:k8s7EH32o
コーラはいい奴だなー
843 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 02:18:31.19 ID:uCVaL05AO
ピピッ

マリーダ「!」

マネキン『中尉、私の存在も忘れないでほしいものだな』

マリーダ「大佐……」

マネキン『私はかつて過ちを犯した、友人を失う取り返しのつかない過ちだ』

ヤザン「……」

マネキン『だが、過ちから学ぶこともある。過ちを他の者に伝え、道を踏み外さぬよう教えることが出来る』

マネキン『マリーダ、この戦いが終わったらまた話をしよう。私の過ちから学び、より良い道を生きてくれ』

マリーダ「……はい……!」

マネキン『……総員、MSに乗り込め! ガンダムは恐らく此方の動きも予測しているだろう』

マネキン『先手を打つ! 此処で全て終わりにするぞ!』

セルゲイ「よし、全機発進準備だ」

バタバタバタ……
ガシャンッ

マリーダ「……」

バシンッ
バシンッ

マリーダ「ッ!?」

ジョシュア「勿論俺らも忘れちゃいないよなマリーダ」

ダリル「隊長の次に付き合い長いんだ、水臭い話は無しですぜ中尉」

マリーダ「ダリル、ジョシュア!」

ジョシュア「行こうぜマリーダ、今度こそだ」

ジョシュア「今度こそガンダムをやっちまおう、そうすりゃグラハム大尉の面目躍如だ」

ダリル「やっちまいましょう中尉! 俺達で、オーバーフラッグスで、フラッグファイターで!」

マリーダ「……」

マリーダ「あぁ、やろう。今度こそやってやろう」

マリーダ「行くぞフラッグファイター」
844 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 02:24:50.29 ID:uCVaL05AO
マリーダ「……」スッ

マリーダ「マスター、いつの間にか私の周りには、こんなにも人が集まっていました」

マリーダ「マスター、貴方のお陰です。私はあなたの隣にいて本当に良かった」

マリーダ「……」

PiPi

マリーダ「オーバーフラッグス全機に通達する」

マリーダ「我々の目標はソレスタルビーイング、ガンダム!」

マリーダ「GNーX総数26、ガンダム一機。これで勝てなければ次は無い!」

マリーダ「此処を奴らの墓場にし、世界の安寧を手に入れる! 決死の覚悟で臨め!」

『了解!』

マリーダ「オーバーフラッグス……全機出撃!」

マリーダ「今行くぞ、ガンダム!!」


ートレミーー

ロックオン「あぁ……」

ロックオン「来いよ、フラッグファイター!!」

TO BE CONTINUED...

グラハム「……」

『大尉、緊急用の高速リニア、発進態勢に入りました』

グラハム「その旨を良しとしよう」

ビリー『グラハム、後は任せたよ』

グラハム「あぁカタギリ、行ってくる」

グラハム「……」グッ

グラハム「今行くぞ……フラッグファイター!」

バシュンッ

ドゴォッ!

グラハム「ぐぅぅッ!?」

《粒子ビーム!?》

ビリー「あ……あれは……!?」

グラハム「どうしたカタギリ!!」

ビリー「ガン……ダム……!?」

グラハム「ッ……!」

コォォォ……

リボンズ「君を宇宙に上げる訳には行かないんだよグラハム・エーカー」

リボンズ「ガンダムアストレア……目標を駆逐する」
845 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/13(水) 02:35:16.74 ID:uCVaL05AO
投下終了だフラッグファイター

初めてのSS故に色々ぶれてくると思う、迷惑をかける

次回『ロックオン』

それは、果たせない約束
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/04/13(水) 07:35:08.40 ID:0uhVj44AO
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 07:59:57.80 ID:+lheq66j0
乙!
まさかのアストレア……!そしてコーラはやっぱりいい奴だな
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 08:00:44.08 ID:WygaNahgo

アストレア持ち出すのかw
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/13(水) 09:04:33.76 ID:ulktAtnAO
あげゃが出てこない代わりに出てきたか

余談だが最初のサーシェスとプルツー見て普通にサーシェスがプルツーの父ちゃんに見えた
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/13(水) 10:38:11.76 ID:5x3BAjHAO
これはトゥルブレンツ?も出るかな?
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/13(水) 18:08:55.99 ID:+lw3CUH+o
>>850
ヨハ兄が生存すればあるいは…
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/13(水) 18:53:46.84 ID:pxsCqz1Ho

リボンズさん、わざわざフルボッコされに来るなんて律儀だな……
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 19:14:50.96 ID:+lheq66j0
>>852
間違いなく二の足を踏むだろうな
後でプルツーと慰め合うんだろう
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/13(水) 19:33:07.51 ID:Np/llVxA0
やっと追いついた!
あえて言わせてもらおう
乙であると!
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 21:41:44.85 ID:OAjxf3oDO
Fに出てきたリボンズ製コピーアストレアじゃないのか?
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 21:56:38.33 ID:u91efofno
リボンズさんのパイロット能力がイマイチわからないんだよなぁ
滅茶苦茶強いはずなのにあんまり強いイメージがないというか・・・
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/13(水) 22:10:43.19 ID:pxsCqz1Ho
ヴェーダのバックアップが無くても二期刹那と渡り合える程度には腕があるはず。
あと何より昔はマイスターだったし。

……うん、まぁ、これだけあってもヘタレのイメージが拭えないが。
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/13(水) 22:10:57.05 ID:nRj7TyKJ0
乙だ
コピーアストレアってことは擬似太陽炉か
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 23:10:40.54 ID:+lheq66j0
>>857
刹那が昔見たOガンダムに乗ってたんだっけ?
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/13(水) 23:40:46.20 ID:Y0XpGFyGo
そそ
当時のガンダムマイスターね。
その戦場にいる人間を皆殺しにするミッションだったけど、刹那が0ガンダム(自分)を神のように見上げているのを見て
「そっか、自分は人類に奉仕するために作られたイノベイドじゃなくて、人類を導くイノベイターなんだ!」って思っちゃった。
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 23:42:59.58 ID:u91efofno
>>859
そうそう、そんな設定のはず
ファングで満身創痍だったとはいえ超兵モードのアレハレ瞬殺出来るくらいだし、
実際二期までなら最強クラスのはずなんだよなぁ・・・ボイスも最強クラスのはずなのに何故ヘタレのイメージがついたし
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/14(木) 03:40:43.00 ID:bIAmU+kBo
>>861
言動がものすごい小物だからなぁ
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 05:34:50.25 ID:zBIGsthDO
リボンズがアストレアででたのはテストとか遊びなのかね

1ガンというアストレアの後継機の後継機があるんだし
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/14(木) 23:20:28.39 ID:gjXfJXKSO
まぁ、リボンズは八つ当たりで王留美殴っちゃった人だからなwwwwwww
865 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:15:48.15 ID:2aD4coTAO
投下再開、といきたいがまず注意点を

戦闘シーンに地の文を混ぜた形式でちょっとやってみようと思う。馴れてないのでかなり実験的な感じになる

迷惑をかける、済まないなフラッグファイター

では投下再開だ
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/15(金) 00:21:30.72 ID:5W07h4buo
了解したぞフラッグファイター
失敗を恐れては進歩はないんだ、気にせずやってくれ
867 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:23:12.04 ID:2aD4coTAO
ーラグランジュ1ー

後退するトレミー、追うバージニア艦
資源衛星群の中で二つの勢力は対峙した
横から衛星の隙間を縫うように飛び出し現れたのは、武力介入を行い、今帰還したばかりの強襲用コンテナとガンダムエクシアだった

ギュンッ

刹那「エクシア、トレミーに合流、引き続き作戦行動に入る」

ラッセ『間に合ったな! 初速が出るとやっぱり違うぜ』

スメラギ「良かった……二人とも」

モニターに映し出された二機の映像に、スメラギは安堵した
敵は26機の疑似太陽炉搭載型MS、そして国連軍の手に堕ちたガンダム
少しでも味方の数が欲しいと思うのは当然のことだった

スメラギ「ヴァーチェ、キュリオスは発進、エクシアはそのままGNアームズと連携して作戦を続行」

スメラギ「三方向での同時防衛戦展開、デュナメスは待機」

ラッセ『了解だ』

刹那『了解』

二機は少し距離を置きながらも、送られてきたデータの通りに移動を開始する
行き過ぎれば敵の集中放火を受ける。単独行動が目立っていた刹那も、慣れたようにエクシアを動かしていった

ラッセ『しかし壮観だな……ガンダムと同じ性能のMSが27機か』

ラッセ『……』

刹那「ラッセ、気負うなよ」

ラッセ『!』

刹那「あんたは強い。落ち着いてやれば死にはしない」

ラッセ『……』

ラッセ『悪いな刹那、気を遣わせちまって』

刹那「問題はない」

後方からヴァーチェとキュリオスが出撃。ミッションプランに従い展開を始める
27対4、絶望的な戦いが始まろうとしていた
868 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:27:14.86 ID:2aD4coTAO
ー軌道エレベーターー

宇宙で死闘が始まろうとしていた頃……
煙を上げ、今にも爆発しそうなリニアを見下ろす、疑似太陽炉搭載型の黒いMS
モニターに映るその頭部こそ違うものの、ビリー・カタギリの眼はその程度のカモフラージュではごまかせなかった

ビリー「ガンダム……!」

武装、胸部などのシルエット、間接部の類似点
それは、アザディスタンでラフマディ師を救ったあのガンダムに当てはまるものであった

リボンズ「複製機、それも疑似太陽炉搭載型に変更した割には悪くない動きだ」

周囲の空気などどこ吹く風か、コクピットのリボンズは満足そうに操作レバーを引き、機体の具合を確かめる
リボンズ自身、本当は別の機体を動かすつもりだった
しかしエクシアに類似したこのブラックアストレアの方が、情報操作をするにも後々都合がいい
そうプルツーに押し付けられ、ついつい乗ってきてしまった経緯があった

リボンズ「雛型のデータをくれたのはフェレシュテといったかな、感謝を言うべきだろう。第三世代機の技術による第二世代機の強化……」

リボンズ「……十分だ」

機体の動作を確認し終えたのか、再びGNランチャーをリニアに向けるアストレア
上位種たるこの僕が戦闘を楽しむなんて……そんなささやかな後悔も、高揚の前にすぐに消え去った

リボンズ「彼を葬るには十分な性能だ」
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 00:28:10.92 ID:6G5OyDHX0
アストレア・リペア2ってところか
870 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:34:41.68 ID:2aD4coTAO
レールが破壊され、身動き取れないリニアの辿る運命は、誰の目にも明らかであった

リボンズ「さようならライセンサー、プルツーから伝言だ」

リボンズ「今まで妹が世話になった、ありがとう……とね」

通信の繋がらない相手に、嘲るように言葉を投げかける
リボンズの微笑と共にブラックアストレアが引き金を引く。GNランチャーから放たれた粒子ビームは、一直線にリニアを穿つ

ビリー『グラハァァァム!!』

迸る閃光、吹き出す爆炎。破片は辺りの建造物を抉り、甚大な被害をもたらしていく
その様子を、リボンズは変わらぬ表情で見下して……

『ご挨拶だな……ならばその流儀に従おう』

リボンズ「……何!?」

その時だった
リニアのあった位置から疾る、巨大な真紅の刃
それは爆風を計算し離れていたブラックアストレアにまで届く、あまりにも長大な一撃

リボンズ「ッ……!」

辛うじて機体をそらし、下がることで回避するリボンズ
しかしGNランチャーは逃れきれず、寸断され爆散。衝撃にリボンズの眉が歪んだ

『成る程、バイオセンサーとやらの性能、予想以上のものだと言わせて貰おう』

何が起きた、リボンズが情報を整理する間もなく、傍受した通信がコクピットに響く

『カタギリ、君を友に持てたこと……自らが乙女座であったことをこれほど嬉しく思ったことはない』

それは戦いの最中にも関わらず歓喜を露わにする、阿修羅の声であった

リボンズ「グラハム……エーカー!」

グラハム「敢えて名乗る必要は無いらしい……だがこれだけは言わせて貰おう」

グラハム「初めましてだなぁ、ガンダム!」
871 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:43:23.39 ID:2aD4coTAO
残骸の中から現れた、漆黒のフラッグ。パーツの形状、見慣れぬサイドバインダー、二眼式に変わった頭部のカメラアイ、どれもリボンズの想定していた攻撃目標の形とはかけ離れたものだった
何より右手に装備された籠手に近い形状のシールド、左手に握る実体剣の堂々さたるや、ランチャーを潰された怒りを忘れ魅入ってしまうほどであった

リボンズ「何だこのMSは……フラッグではないのか?」

グラハム「否、これぞフラッグ!」

リボンズ「!」

リボンズ(僕の心を感じ取ったのか……!)

グラハム「これぞ疑似太陽炉搭載型にリファインしたフラッグ、GNフラッグだ!」

グラハムからすれば、やはり「相手がそう言った気がした独り言」に過ぎないのだが、リボンズからすればこの上なく不愉快なことで
古来の武士が名乗りを上げるように、GNロングソードを突きつけるフラッグ
先程の一撃はこの実体剣にサイコミュを干渉させたのか?
疑念は尽きない

リボンズ「……」

GNソードを展開し、ゆっくりと構えるアストレア
その気配を感じたのか、フラッグもまたロングソードを構える
リボンズの心から動の感情は消え、代わりに機械的な感覚のみが満ちていく
彼が何者で、あの機体が何なのかは分からない
そうだ……殺してからゆっくりと考えよう、ゆっくりとね



ビリー「グラハム……!」

目の前で繰り広げられる近接戦闘、火花を散らし刃を交える二機のMS
互いに一歩も譲らず切り結ぶ様は、まさに圧巻の一言
ビリー・カタギリの肥えた目にも、その一戦は過去類を見ないレベルの戦いであった
872 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:48:59.08 ID:2aD4coTAO
タケイ「なんてレベルの戦いだ……」

隣でタケイ准尉が呟くように漏らす
だがしかし、ビリーにはそれを差し置いてもやはりグラハムの異様さが目についた

ビリー「GNフラッグのバイオセンサーは元々、粒子制御を必要としないGNフラッグの武装に合わせ姿勢制御の目的にのみ接続していたんだ……」

ビリー「あんな、ロングソードに粒子を纏わせ肥大化するような使い方は最初から想定していないし出来やしない」

タケイ「え……?」

ビリー「ハイパーGNビームサーベルとでも言うのかな……君は、本当に予測出来ない人だよグラハム」

師・エイフマンが遺し、自分達が威信を掛けて作り上げたGNフラッグ。それを彼は想定されない能力まで生み出し使いこなしている
かつて彼が初めてフラッグに乗った時、想定されない空中変形をあっさりとこなしていたのが、自然と脳裏に思い出された
懐かしさ故か、ビリー・カタギリは笑みを零していた



既に三十数合、ガンダムと刃を交えている
一気呵成に攻撃を繰り返した為か、双方息を整えるように睨み合っている
高みの力を手にした愛機フラッグでさえ、このガンダムを圧倒しきれてはいない。グラハムの額に汗が滲む

「私を愚弄するか……ガンダム!」

グラハムは刃を交えれば敵の力量を推し量れる、故にその推量と結果の不一致に苛立ちさえ感じた
敵は本気で戦ってはいない。感覚的なものだが、こちらの力を推し量っているようにさえ感じる
舐められたものだ……心の中で舌打ちをした
873 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 00:54:36.15 ID:2aD4coTAO
グラハム「はぁぁぁッ!」

リボンズ「小癪なッ!」

アストレアのソードと、フラッグのロングソードが交差しGN粒子と火花を発する
相手は攻め倦ねている、グラハムは操縦桿を握りながら手応えを感じていた

グラハム「左利き相手はやりにくかろう、ガンダム!」

リボンズ「僕がそんな下らない差異に!」

グラハム「僅かな差が戦場では命取りとなる!」

リボンズ「ならば君と僕の差は絶望的、君に未来は無いよ!」

グラハム「その差、私の覇気で埋め尽くすッ!」

リボンズ「気に入らないね、その物言いッ!」

四合刃を交える、押し切られそうになるのを必死で堪えペダルを踏み込む
じれたアストレアが、力任せに押してフラッグを退けようとする。フラッグは力に逆らうことなく弾かれると、相手の腕が伸びきったタイミングで一気に前に出ようと構えた

リボンズ「甘い!」

グラハム「ッ!」

しかしアストレアは即座に左手にビームライフルを構え、迎撃に移る
フラッグは右手のシールドにフィールドを発生させ、粒子ビームを受けながら距離を取る
再び睨み合いと相成った両者、しかし流れは段々とリボンズの方に傾き始めていた

グラハム(強いな……射撃は正確無比、近接戦闘も私に引けを取らん。おまけにどうやらニュータイプとしての能力もあるらしい)

リボンズ(いやしい人間風情が僕に張り合うなどと……)

グラハム(だがマリーダが宇宙で待っている……!)

リボンズ(でもね、プルツーにあれだけ押し通した手前……)

グラハム「私は……負けられないのだッ!」

リボンズ「……負けてなどいられない!」
874 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:03:19.09 ID:2aD4coTAO
グラハムは手に汗をかいていた
目の前の敵、黒いガンダムのパイロットは明らかにエースとしての技量、気迫を備えている
否、恐らく今まで戦ってきた中で最強……一歩間違えれば死、そんな気配が背後から忍び寄ってくるようだ


グラハム「……だからどうした」

グラハム「私は君を倒す、このフラッグで、ハワード・メイスンの誓いの下に!」

だからと言って退くわけには行かない。フラッグの上体が僅かに前に傾く、アストレアもまたGNソードをゆっくりを上げる
そうだ、私は負けるわけには行かない。自分の為、世界の為……

グラハム「そして他でもない、彼女の為に!」

リボンズ「人間同士の馴れ合いに僕を巻き込むなッ!」

グラハム「そうだ、この感情ッ……」

リボンズ「……?」

グラハム「まさしく愛だッッッ!!!」

リボンズ「愛ぃ!?」



しまった、素っ頓狂な声を上げながらリボンズは心の中で舌打ちする
アストレアの加速力ならフラッグより速く出ることが可能だった、しかし結果としてタイミングを半歩逃し、同じタイミングで出てしまった
二機のMSは同時に前進、同時に刃を、もう片方の機体の刃に叩きつける
重さ故に、機体性能故に、GNフラッグのロングソードはアストレアのGNソードに切り上げられ、宙を舞った

リボンズ「ぐぅっ!?」

しかし直後、アストレアの機体は大きく揺さぶられる

グラハム「おおぉぉぉぉぉ!!」

フラッグの右手、シールドがそのままの勢いで突き出され、アストレアの頭部を強かに殴りつける
前進を止めず、三度続く殴打。アストレアの左のカメラアイが砕けて割れた
875 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:11:04.77 ID:2aD4coTAO
リボンズ「よくもこの僕を殴ったね……!」

怒りを露わにするリボンズ、体勢を立て直し反撃を試みる
しかし目の前にフラッグはいない

リボンズ「!」

フラッグは一気にスラスターの出力を上げ上昇、弾かれ飛んだGNロングソードの柄を掴む
フラッグのGNロングソードが、また最初のような赤い光を生み出していく
鋭い殺意が心臓を突き刺す感触、リボンズは僅かにたじろぐ

リボンズ「僕が出し抜かれた……!?」

ライフルを抜いても恐らく間に合わない。居合いにも似たあの豪快な一撃を受ければ、GNソードやビームサーベルでも耐えられるかどうか……
リボンズの脳裏にもまた、死のイメージがよぎる
だが打つのかそれを、賭になるそれを、打つ覚悟が君にあるのか

リボンズ「……良いだろう、分かっていないならば打つがいいさ」

グラハム「今再び凌駕させてもらおう……阿修羅よッ!」

リボンズ「勝つのはこの僕、リボンズ・アルマークだッ!!」

グラハム「切り捨てッ!御免ッ!」

決着の為、再び発せられる強力なハイパーGNビームサーベル
だが

グラハム「ッ!?」

リボンズ「くっ!」

突然、その二人の間を巨大な粒子ビームが貫いていく
とっさの一撃にグラハムは身を退き、ロングソードの粒子は霧散してしまう

リボンズ「プルツー……!」

フラッグもアストレアも無傷、元々当てるつもりのない一撃だったのだろう
唯一、その一撃の主を判別出来たのはリボンズだけであった
876 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:15:09.38 ID:2aD4coTAO
リボンズ「退くしかないか……屈辱だよ、これは」

リボンズ「だが、分の悪い賭けは程ほどにするんだねライセンサー……イレギュラーなんだよ、君は」

プルツーのヴァラヌスは、形式上国連軍に位置する機体だ。アストレアの援護は勿論、通信さえもままならない
アストレアはそのまま身を翻し、大空の向こうへと全速力で退いていった




グラハム「……」

ピピッ

プルツー『悪いね、ガンダムを狙ったんだけど結果的に邪魔しちゃったみたいだ』

グラハム「!?」

グラハム(少女……ピーリス少尉よりさらに若いではないか)

グラハム「君は、一体……?」

プルツー『プルツー……といえば分かるかい』

グラハム「!」

プルツー『あんたはそのまま宇宙に上がる準備でもしていなよ、あのガンダムはあたしが追跡する』

プルツー『さっきの技、粒子を恐ろしく食う筈だよ。乱用は避けた方が良いね』

グラハム「む……」

グラハム(確かに、二発分でもう七割近い消費量か。とっさに繰り出したのはいいが、まさに諸刃の刃と言うわけだな)

グラハム「お心遣い傷み入る、そちらは任せた」シュゥゥゥン

プルツー『……ふん』

ギュォッ

グラハム「あの気配、マリーダにそっくりだった」

グラハム「おまけにプルツー……二番目ということか」

グラハム(記録上最高傑作と呼ばれた存在……彼女がそうなのか?)

ビリー『グラハム!』

グラハム「カタギリ、無事か」
877 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:17:23.86 ID:2aD4coTAO
グラハム「ぬっ!?」ガクンッ

グラハム「機体バランスが……まさかバイオセンサーに異常が発生したというのか?」

ビリー『君が違う使い方をしたからね、内部で何らかの異常を示していてもおかしくはないよ』

グラハム「違う使い方? 何の話だカタギリ」

ビリー『……いや、いいよ』

ビリー『とにかく直ぐにMSドッグにGNフラッグを! 出発までに整備する!』

グラハム「あぁ、任せたぞカタギリ」

グラハム「結果として足止めを喰らってしまったか……ガンダム」ギリッ

グラハム「……間に合うか……!?」

ー海上ー

リボンズ「……」

(危なかったじゃないか、お前ほどの奴が珍しい)

リボンズ(初めて彼という人間に接した故の戸惑いが、ガンダムの操縦を鈍らせたのかもしれないね)

リボンズ(あんな変わった人間は初めてだ。矛盾している)

(だろうね。本人が居ないのにいきなり告白する奴はそうざらにいないだろうさ)クスクス

リボンズ(だが二度目はもう無い。あの機体も彼も、限界ギリギリだったろう)

リボンズ(追従性に関してはやはりガンダムに勝る機体は無い、再認識出来たよ)

(なら良いさ、頼むから馬鹿なヘマして死なないでくれよ、マスター?)

リボンズ(マスターね……悪い冗談だ……)
878 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:23:59.78 ID:2aD4coTAO
リボンズ(……僕は少し傲慢が過ぎていたようだ。今日の一件で学んだような気がするよ)

(お前からそんな言葉が聞けるなんて……明日は金属生命体でも降ってくるかもね)

リボンズ(茶化すな)

リボンズ「認めようライセンサー、君は強い。だが僕も計画の為、退くわけには行かないんだよ」

ー軌道エレベーター・MS搬入ドッグー

ビリー「……」

ビリー「やはり左腕の回路が焼き切れる寸前にまで損耗している……機体に負荷がかかりすぎたんだ」

ビリー「あの時、ハイパーGNビームサーベルを放っていたら……行き場を失った粒子が膨れ上がり、GNフラッグが爆散していたかもしれない」

ビリー「二発目は賭けになる……ハイパービームサーベル、安全に放てるのは一発が限度ということか……」

ビリー「キッド、粒子供給用のエネルギーケーブルを出しておいてくれ。GNロングソードと接続する」

キッド「あいよっ」

ビリー「……これで代用すれば、とりあえず戦闘には支障はない」

ビリー「間接部の負担は思ったよりは少ないし、グラハムにも十分追随出来ているようだ。ガンダムにも引けを取らない力が有るのは、今の戦闘でしっかり証明してみせた」

ビリー「万全な状態で宇宙に上げてみせるさ……!」

ートイレー

グラハム「ゲホッ……ゲホッ」ゴボッ

グラハム「はぁ……はぁ……ケホッ」
879 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:32:33.59 ID:2aD4coTAO
グラハム「性能の代償は大きいな……戦闘能力でガンダムに並んだとはいえ、安全性、運用性、色々なものを置いてきてしまった」

ボタボタッ

グラハム「鼻血は初めてだな……どれだけの負担が身体にかかっているやら」ゴシゴシ

グラハム「だが保たせてみせるさ、この位どうという事はない」

グラハム「私のプリマドンナが宇宙で待っているのだ、男として、レディを待たせるなど出来はしない」グイッ

ピピッ

『グラハム大尉、アキラ・タケイ准尉であります。MS搬入の準備が整いました』

グラハム「了解した」

グラハム「リニアの復興は?」

『別の路線を緊急で貸し切りました、直ぐにでも!』

グラハム「素晴らしい判断だ、助かる」

『それと、カタギリ顧問も同行するとのことです』

グラハム「了解だ、直ぐに準備する」

グラハム「……」

グラハム「間に合えばいいがな……胸騒ぎが収まらん」

グラハム「ロックオン、私が行くまで死ぬなよ。君との決着は、私が着ける」

ザッ

ジワッ

グラハム「ッ……?」

グラハム(視界が……ぼやける)グシグシ

グラハム(……)

グラハム「問題は、無い!」ザッ
880 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/15(金) 01:39:16.87 ID:2aD4coTAO
と、此処で書きため終了だ。スパロボ発売日と言うこともあり、次までに続きを仕上げておくことを誓おう

一応GNフラッグ(次期主力機試作型フラッグ)の設定投下

【GNフラッグ(エイフマン)】

エイフマンの遺した次期フラッグ推論の設計基本データをビリーが流用したGNフラッグ
新しく組まれたパーツにより最低限のバランスと高レベルの機動力、高い追従性は獲得したものの、やはりフラッグ規格のため脆く可変機能はオミットされている
装備はGNバスターソードを加工したGNロングソード、右腕に装着するGNシールドのみ。
GNロングソードは実体剣であり、粒子を纏い対フィールド性能を有する。コンデンサーが無いためビームサーベルの粒子発振機を内蔵し代用している
GNシールドは幅広の籠手に近く、コンデンサーによりGNフィールドに近い効果を生み出す。コンデンサー内蔵でロングソードとの左右バランスを担う
総合性能ではGNーXに劣るものの、機動力と近接格闘に特化している
なお安全性は全く考慮されていない
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/15(金) 02:36:46.37 ID:wF7XEGXco
どこのエピオンだ
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/15(金) 03:51:14.57 ID:5Ra5iQbr0
面白かった乙
最後GNエイフマンに見えた…
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/15(金) 04:00:30.08 ID:qX5tUgAAO
>>881
的を射すぎててワロタ

誰かこのGNフラッグの参考画像作ってくれ……フラッグに篭手がイメージできないorz
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 05:55:16.00 ID:AKOYt5mDO
スサノオの籠手で良いんじゃない?

アストレアはF2かな
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 08:07:56.42 ID:6G5OyDHX0
乙!
何かこの二人似た物を感じるな
あと、>>874のアレは告白という事でおk?
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/15(金) 08:31:15.47 ID:v46tMVNAO
「愛と恋は別物よ」って梢江様が言ってた
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/15(金) 08:53:36.25 ID:Ah5/qf+AO
三度も殴った…アムロだって二度しかぶたれてないのに!
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 23:08:50.96 ID:4Ma21/7SO
このGNフラッグはエクシアより強いだろwwwwwwwwwwww
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/16(土) 03:00:41.51 ID:+lsgDGFCo
元のGNフラッグより更にピーキーにした解釈でいいのかな?
前のでも吹き飛ぶようなものでも無かったし
890 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [sage]:2011/04/16(土) 04:01:59.05 ID:hVVokN0AO
だいたい総合性能は

CBガンダム≧GN-X≧GNフラッグェ

ただバイオセンサーをグラハムが勝手に違う使い方にしているので近接格闘と速度ならGN-X以上、その代わりビリーが想定していた安全性が損なわれており、パイロット殺しになっている

ビリーが安全面を直せないのは、グラハムがサイコミュを使ってる間だけそうなる為データに残らないのと、グラハム必死のやせ我慢で一応誤魔化せているから

命削って漸くリボンズの攻撃に耐えられるレベル
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/16(土) 13:21:40.46 ID:kW3x2UbAO
グラハムは道理を無理でこじ開けてんのか
ただ機体と体が耐えられそうにないから、まさに諸刃の刃だが
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 02:15:19.84 ID:JKyliPGDO
乙 整備陣の豪華さに何故突っ込まないww
リボーンズよ、滅多打ちにされるのはいいがそろそろどこかで株を取り戻さないと小物のまま終わるぞww
ともあれワクワクしたよ〜楽しみにしてます
893 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/17(日) 23:54:57.39 ID:gEEGE/aAO
ビリー「グラハム、借金が出来た」

グラハム「いくらだカタギリ」

ビリー「99万G」

投下再開だフラッグファイター
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/18(月) 00:00:56.21 ID:TlEyePLAO
スパロボネタかwwww
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/18(月) 00:01:40.60 ID:iF4AARs50
乙です マスター
896 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 00:05:43.37 ID:t6Sf/FQAO
ーラグランジュ1ー

クリス「スメラギさん、予定通り三方向での防衛戦展開完了しました!」

フェルト「エクシア、敵MSを一機撃墜。ヴァーチェ、二機撃墜。キュリオス一機撃墜」

スメラギ「残り22機にスローネ一機……」

スメラギ「予想以上に善戦はしてるけど、間もなく全機が劣勢に陥るわ」

リヒティ「マジっすか……!?」

スメラギ「相手のエースは甘くないってことよ……」

スメラギ「直ぐにでも撤退命令が下せるように準備しておいて」

クリス「了解です!」

ピピッ

イアン『ブリッジ、聞こえるか! 大変だ!』

スメラギ「え……?」

ーラグランジュ1・刹那ー

サーシェス「はっはぁ! 行けよファング!!」

刹那「ちぃっ!」

スローネツヴァイから放たれた砲塔端末機、ファングがエクシアを包み込むように追いすがる
エクシアの隣には、スラスターや武装を傷つけられた強襲用コンテナ
最高速を出すことも出来ず、危機的な状況に陥りつつあった

サーシェス「てめぇ独りで守れるか、やってみろよクルジスのガキィ!」
サーシェスの甲高い笑い声がエクシアのコクピットに割れんばかりに響き渡る
強襲用コンテナの損傷は、先刻ラッセがGNアーマーを分離し、ドッキングしようとした瞬間のスローネツヴァイの奇襲によるものだった
サーシェスのバトルセンスもさることながら、GN-Xの性能と数の不利が刹那達を追い詰めていた
ファングはエクシアとコンテナとの距離を決して縮めたりはしない

刹那「ッ……!」

ラッセ『くそっ! 嘗めくさりやがって!』
897 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 00:22:15.54 ID:t6Sf/FQAO
防げるビームはエクシアが受け、後はラッセが何とかして避ける

コーラサワー「そこォッ!」

刹那「あぐっ!!」

しかし、既に周囲には七機のGNーXが展開している
一斉に放たれた粒子ビームを全て回避することは出来ない、敵は更に距離を詰め二機を追い詰めていく

サーシェス(アイツが紅く光ったら全速力で退く……アレが何なのかは知らねえが、いきなり使ってこないってこたぁ、そう長くは保たねえ代物らしい)

サーシェス「ま、他のGNーXにゃクルジスのガキへの当て馬になってもらうとすっか……」ボソッ

コーラサワー(なーんか不穏な空気……)

刹那「ッ……!」

降り注ぐ粒子を受けながら、刹那はスローネツヴァイを睨みつける
サーシェスはトランザムを知っている、にもかかわらずGNーXの大半を此方にぶつけ自身は後方からファングを飛ばすのみ
味方を盾にトランザムを誘う……思惑は目に見えていた

刹那「……ッ」ギリッ

刹那「良いだろう、だったら使ってやる」

刹那「お前の思惑を真っ向から断ち切ってやるッ! そのための、ガンダムだ!」

サーシェス「来てみろや、ソレスタル……!!」

サーシェス「ッ……!?」

刹那「トランザムッ!」

刹那の叫びに呼応するかのように、エクシアのボディが深紅に染まる
しかし、サーシェスの眼はエクシアから外れ、遥か虚空を睨んでいた

           ・
                         ・
                         ・
898 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 00:35:14.55 ID:t6Sf/FQAO
ーラグランジュ1・アレルヤー

被弾したテール・ブースターを切り離し、身を翻しつつソーマのビームサーベルを受け止めるキュリオス

ソーマ「被験体・Eー57!」

アレルヤ「ソーマ・ピーリス!」

ソーマ「!」

キュリオスのブースターを活かし、機体を回しながらGNーXを弾き飛ばす。その動きにいつもの乱れは存在しない、いつものアレルヤの精密な動きであった

ソーマ「貴様……脳量子波を遮断して……!?」

アレルヤ「僕だって、いつまでも足手まといじゃ居られない!」

セルゲイ「少尉、離れろ! 奴が来る!」

ソーマ「!」

セルゲイがビームライフルを放ちながら叫ぶ。ソーマはその一言で察し、キュリオスから距離を取る

アレルヤ「来るよ、ハレルヤ。奴が来る!」

粒子ビームをシールドで受け止め、感じる殺意に身を震わせながらアレルヤもまた叫ぶ
あの野獣がまた来る、本能が警鐘を鳴らしていた

ハレルヤ「あぁ……分かってらぁ」

しかし、もう迷わない。決めたのだ、生きるために、自分の意志で引き金を引くと
髪を指でかき上げ、モニターのアラームに不敵な笑みを向ける
まっすぐに突っ込んでくるGNーXは、間違いなくあの男の、ヤザン・ゲーブルの機体

ハレルヤ「見せてやろうぜアレルヤ……出来損ないの女に、あの獣野郎に!」

ハレルヤ「真の超兵の実力って奴をなぁぁ!!」
899 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 00:40:27.57 ID:t6Sf/FQAO
ヤザン「貰ったぜ羽根付きぃ!」

最大戦速からのビームサーベルの刺突が、キュリオス目掛けて繰り出される

アレルヤ「直撃コース」

アレルヤ「身体の軸をずらし」

アレルヤ「シールドを展開し、カウンターを!」

ハレルヤ「ぶち込むッッ!!」

しかし、キュリオスはその軌道を読み切ったように半身機体をずらす
ビームサーベルの赤い切っ先は肩先をほんの僅か掠るが、同時に展開したシールドニードルが、延びきったGN-Xの左腕をサーベルごとむしり取る

ヤザン「何だとッ!?」

アレルヤ「後方より二機、攻撃まであと三秒」

アレルヤ「蹴りと同時に照準……!」

ハレルヤ「やってやらぁ!」

身を翻したキュリオスの蹴り、反動で二機はその場から大きく離れ、粒子ビームが虚空を掠める
ガンダムを見失うGN-X、しかしキュリオスのGNサブマシンガンは後方から現れた二機に既に照準を合わせている
だが、ヤザンもまた既にビームライフルを構えて追撃を始めていた

ヤザン「嘗めるなガキがぁ!」

アレルヤ「! 予想よりも速い……!」

ハレルヤ「ちっ、やっぱりあの野郎がネックか」

ハレルヤ「だがなぁ、今までのようにはいかねぇ!」

アレルヤ「そうだろ、ハレルヤ!」

ハレルヤ「だったら叩き込んでやろうぜアレルヤァ、とっておきの! ダメオシって奴をなぁ!」

アレハレ「トランザムッ!」
900 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 01:08:10.24 ID:t6Sf/FQAO
キュリオスの機体が深紅に彩られ、更なる追撃を圧倒的な速度で回避する

ヤザン「!」

セルゲイ「何だあの速度は!?」

セルゲイ(まだ隠し種があるとでもいうのか、ガンダム!)

ソーマ「馬鹿な……!」

ソーマ(出来損ないの超兵の動きじゃ、ない!)

アレハレ「そのX字の目ん玉見開いて、よぉく焼き付けるんだな国連のタマナシ共!」

アレハレ「僕達こそが超兵であり、ソレスタルビーイングの……ガンダムマイスターだッ!」

−ラグランジュ1・中央部ー

マリーダ率いる八機のGNーXが、ヴァーチェを追随している
元より機動性に劣るガンダムだけに、その背には雨霰と粒子ビームが浴びせられていく
しかし、ヴァーチェの強固なGNフィールドはそれら全てを受け止めつつ、全く意に介さず移動を続けていく

ダリル「何つう堅さだ、全く歯が立たねえ!」

ジョシュア「畜生が……ッ!」

焦るダリル、苛立つジョシュア。その最中、マリーダは静かに成り行きを見ていた

ティエリア「ヴァーチェ、目標を破砕する!」

マリーダ「来るぞ、回避運動!」

ヴァーチェのフィールドが解けた瞬間、GNキャノンが強力な粒子を撃ち放つ。全機が広がるように回避する中、マリーダ機だけは前へと突貫を始める

ティエリア「!」

マリーダ「粒子バリアは左右の足、肩の砲台から出している……」

マリーダ「そのタイミング、狙わせてもらう!」

ティエリア「やらせない!」

衛星の密集した宙域に隠れるマリーダ機目掛け、GNバズーカが構えられた
迸る圧縮粒子は大小関わらず衛星を粉砕し、宙域を飲み込んでいく
当たれば、塵も残るまい

マリーダ「ッ!」

その光の柱を、身を翻し紙一重に横へとすり抜ける
即座に構えたロングライフル、狙いは二つ

マリーダ(見える……!)
901 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 01:39:43.17 ID:t6Sf/FQAO
ティエリア「ぐぁぁっ!?」

左肩部キャノンと左足、ヴァーチェの粒子発生装置二カ所を粒子ビームが貫く
追撃に備え即座にGNフィールドを再展開するが、やはり粒子の発生量は半減していた

マリーダ「今だフラッグファイター! 」

ジョシュア「おぉっ!」

ダリル「やってやらぁぁ!」

再び豪雨となって襲い掛かるGNーX部隊。フィールドは意味を為さず、次第に外装が抉れ少しずつ脱落していく
これで一機撃墜すれば勝ちは決まる、そう信じてマリーダも追撃に当たる

ティエリア「ッ……!」

ティエリア「今しかない……!」

激しく揺さぶられるコクピットで、ティエリアはモニターのボタンに手を伸ばした

マリーダ「ッ!?」ゾクッ

直後襲い来る猛烈な寒気。何かが来る、マリーダが口を開く前にヴァーチェのボディは赤く発光を始めていた

ティエリア「トランザム……!」

再び頑強に生まれ変わるGNフィールドに、ビームライフルが妨げられる。
コクピット越しに、部隊の動揺が伝わってくるように感じられた

ティエリア「バーストモード……!!」

構えられたGNバズーカが白色の光を放ち始める
あれはまずい! マリーダの勘が悲鳴にも似た警鐘を鳴らす

マリーダ(何なのだガンダム……貴様は何を隠している!?)

マリーダ「全機……ッ!」
902 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 01:43:58.61 ID:t6Sf/FQAO
マリーダの声が届く前に、極大の閃光がフラッグファイター達を襲う
同じ武装から放たれたとは思えない膨大な熱量の奔流は、次々に部下を飲み込んでいった
逃げ損ねた一機が塵芥に変わり、逃げ遅れた一機が下半身部を飲まれ、隕石に隠れた一機は、砕け散る隕石ごと為す術無く消滅していく
たったの一撃で、瞬く間に部隊の三割を消失した

マリーダ「あ……」

戦友の命が消えていく感触が、取り返しのつかない喪失感と共にマリーダの身体を通り抜けていく

マリーダ「奪うな……!」

マリーダ「私から仲間を、光を奪うなッ! ガンダム!」

ティエリア「!」

なまじ救われてしまった心には、より重く戦友の死がのしかかったのだろうか
マリーダはビームサーベルを抜き放ち、ヴァーチェに無謀な特攻をかける
真紅の刃は淡く光るGNフィールドに遮られ、それ以上は先に進めない

ティエリア「ッ……!」

ティエリア(トランザムの限界時間が近づいている……このままでは……!)

マリーダ「はぁぁぁぁ!」

ティエリア「くっ!」

限界時間に迫る中、マリーダの一手は貫手
GNフィールドを纏うGN-Xの指が、少しずつヴァーチェのGNフィールドを侵食し進んでいく
あわやヴァーチェを貫かんとした、その時

ロックオン「狙い撃つッ!」

マリーダ「ッ!?」

マリーダ機目掛けて放たれる粒子ビーム。即座に離れたが、貫手も離れヴァーチェを後一歩で逃す

ロックオン「何とか間に合ったらしいな……」

あの男だった
903 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 01:46:53.28 ID:t6Sf/FQAO
突然だった。先の戦いで損傷したガンダムが、追加武装を装着し戦線に現れたのだ
続く二射、ロックオンが利き目をやられていながら狙撃出来たのは、マリーダの能力を感じ取っていた為だろう
スナイパーライフルの一撃は当たらずとも、的確に距離を離させる

マリーダ「貴様ッ……!」

ロックオン「悪いなマリーダ、お前さんの相手をしてる暇はないんだ」

ロックオン「圧倒させてもらうぜ!」

HARO[砲撃開始、砲撃開始]

呆気に取られたGN-X部隊に降り注ぐ、大量の粒子ミサイル
圧倒的な数の弾幕に、彼等は飲み込まれ次々に爆散していく

ジョシュア「くっ……!」

ダリル「ぬぉぉっ!?」

離れた位置のマリーダ機以外全機に命中、ジョシュア機とダリル機以外は悉く爆散していった

ジョシュア「がふッ……!」

ダリル「ジョシュアッ!?」

ジョシュア「ッ……」

ジョシュア「誰にもの言ってんだダリル……俺はまだ……!」

マリーダ「くっ……!」

両機共にGNシールドにより左腕部を破壊されていたが、ジョシュア機のダメージは肩から胴体部にまで広がっていた

マリーダ「ダリルッ!」

ダリル「り、了解……!」

マリーダの一言で即座に理解した。戦闘続行不可能、撤退だと
ジョシュア機を抱えるようにしてガンダムから離れるダリル機
マリーダ機は何度も、何度も振り返る

マリーダ「まだ……ッ」

マリーダ「まだ私は負けていない……ッ!」
904 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 01:51:43.64 ID:t6Sf/FQAO
ヴァーチェを牽制しつつマリーダ機もまたガンダム達から離れていく
ロックオンは敢えてその背中を見送った
彼の脳裏には、間に合わなかった友人の顔が浮かんでいた
殺し合う約束をしておきながら今更何を……ロックオンは自身を笑った

ロックオン「俺も甘いな……今更情にほだされるなんて」

ロックオン「……対艦攻撃に移行する。HARO!」

HARO[艦隊捕捉、艦隊捕捉]

ティエリア「ロックオン・ストラトスッ!」

ロックオン「よう、さっきはご挨拶だったな。ドア、壊しちまったんで直しておいてくれ」

ティエリア「そんな身体で……!」

ロックオン「すぐ戻る」

ティエリア「っ」

ロックオン「だから先に戻ってろ、今は戦う」



刹那「でやぁぁぁぁッ!」

コーラサワー「大佐ぁぁぁぁぁ……!」

エクシアのGNサーベルに頭部を貫かれ、GN-Xが明後日の方向に飛んでいく
サブコントロールシステムを失い上手く制御出来ないのか……このまま行けば外宇宙に消えていくだろう

刹那「……」

彼を除いて撃破出来たのは四機。スローネツヴァイは狙ったものの、何かに導かれるように撤退し追撃は出来なかった
隊長を失った二機のGN-Xは蜘蛛の子を散らすように退いていく。追うにも粒子残量の無いエクシアでは、強襲用コンテナの護衛さえままならない

ラッセ『済まん刹那……足手まといになっちまった』

刹那「いや、スローネツヴァイの奇襲の狙いが俺だったなら立場は逆だった」

刹那「ドッキングのタイミングを狙ってくるとは……やはり一筋縄では……」グッ
905 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 01:58:56.97 ID:t6Sf/FQAO
ピピッ

刹那「!」

刹那「ロックオンが対艦攻撃を……?!」

ラッセ『どうする刹那、お前に任せるぜ』

刹那「……」

粒子残量は少ない。追撃も断念した。しかし、彼処に仲間がいるというなら話は別だ

刹那「ラッセ、GNアーマーにドッキングを。最大戦速でロックオンの援護に向かう!」

ラッセ『そうこなくっちゃな!』

嫌な胸騒ぎがした。サーシェスを取り逃がしたこと、ロックオンの怪我……
数少ない粒子を頼みに、刹那も敵地に踏み込んでいった



マネキン大佐の下には、矢継ぎ早に情報が送られてくる
ガンダムが赤く発光、凄まじい性能を発揮したという情報
パトリック・コーラサワー機ロスト、及び四機のGN-X大破
ヤザン・ゲーブル機中破及び撤退、セルゲイ・スミルノフ機中破、ソーマ・ピーリス機小破

マネキン「ッ……!」

マネキン(フラッグファイターの部隊からは全く連絡が来ない……まさか全滅してしまったのか?)

マネキン(ガンダムの謎の機能、知らなかったでは済まされん。このままでは散っていった将兵達に何と言えば……!)

オペレーター「大佐! ガンダムと思われる機影が艦隊に接近してきます!」

マネキン「!」

マネキン(三方向の防衛戦は囮……真の狙いは対艦攻撃か!?)

マネキン「リニアキャノンで応戦しろ! 全機に撤退命令!」

マネキン大佐の指示通り、三隻の輸送艦はリニアキャノンを放ちガンダムに抵抗する
しかし艦隊からすればMSは天敵にも等しい存在、接近を許した時点で選択肢は殆ど残されていないことをマネキンは分かっていた

ロックオン「まずは一隻……!」

二門の大型ライフルの砲火が、右側の輸送艦を撃ち抜く
大型輸送艦が爆ぜながら粉々に崩れ去っていく、彼女はその威力に目を疑った

マネキン「ッ、怯むな!」

苦し紛れの艦砲射撃、当たればガンダムといえどただでは済まないが、当たらなければ意味も無い
無情にもそれらをすり抜けるようにガンダムは再接近する
906 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:01:48.39 ID:t6Sf/FQAO
ロックオンの駆るGNアーマーが放つ粒子ビームが、二隻目の輸送艦を貫き破壊する

マネキン「ッ……!」

深追いしてまでの対艦攻撃、即座に終わらせなければ、ロックオンは引き返してきた敵機に囲まれる
猶予はなかった

ロックオン「悪いな、これで最後だ……!」

マネキン大佐が走馬灯を垣間見る中……ロックオンは引き金に手をかけ、狙いを定める

ロックオン「墜ちろッ!」

「させるかぁぁッ!!」

ロックオン「ッ!?」

大型ライフルが火を噴く前に、アーマー背部に浴びせられる粒子ビーム
怯んだ瞬間、リニアキャノンの一射が右上部のキャノン砲を食いちぎる

ロックオン「ッ……!」

デュナメスは即座に分離し離脱したものの、主を失ったGNアーマーは艦砲射撃により粉砕される
背後からの射撃、誰かは分かっていた。

ロックオン「マリーダ・クルス……!」

マリーダ「ロックオン・ストラトスッ!」

単騎で猛追してきたのだろうか、あれだけの攻防戦を繰り広げながらも彼女のGN-Xだけは無傷に等しい
しかしあれだけの激戦を支えたマリーダに、体力がまだ残っているというのだろうか

マリーダ「まだだッ! まだフラッグファイターは終わっていない!」

ロックオン「しつけえんだよ……!!」

自然と言葉が荒くなる。フラッグファイター伝統ともいえる粘り強さと執拗さ、最悪のタイミングで発揮されている
ロングライフルを左手、サーベルを右手に構え突貫してくるGN-Xに対し、右手にスナイパーライフル、左手にビームサーベルを構え迎え撃つ
907 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:05:40.57 ID:t6Sf/FQAO
GN-Xのロングライフルをフルシールドで受けながら、スナイパーライフルで撃ち返す。互いに射撃の名手だけに、それらはいずれも機体を掠め、シールドの隙間を徹底して狙う精密射撃の応酬
マリーダはもはや気力だけで戦っている、ロックオンはそれを理解しつつ尚真っ向からぶつかっていく

マリーダ「貴様等はいつもそうだ! 好きなだけ壊し、直すこともせずに去っていく!」

ロックオン「血塗られた手で直せるなんて自惚れちゃいないさ!」

次第に距離が縮まり、戦いはビームサーベル同士の応酬に変わる
至近距離からのライフルを織り交ぜた激しい攻防、粒子がデュナメスのアンテナを掠め、GN-Xの頭部を削る

マリーダ「戦争さえなければ良いという安易な考えで、どれだけの人間が死んだと思っているッ!」

ロックオン「安易かも知れねえな、だがよ!」

マリーダの意地が、デュナメスの頭部にロングライフルを突きつける

ロックオン「戦争が無い世界が悪い世界であるはず……ねえだろうがッ!!」

マリーダ「ッ!」

ロックオンの叫びとほぼ同時、デュナメスはスナイパーライフルを放し即座にビームサーベルを抜き放つ
引き金を引くよりも速く、二本目の刃に左足と左手を同時に切り裂かれ、マリーダ機が火花を吐く

マリーダ「ぁッ……!」

更に左手にピストルを構えたデュナメス、敵機の頭部を撃ち抜く

ロックオン「……」

また脳裏に浮かぶ、友の顔
照準はコクピットに合わさっている
引き金を引けば彼女は死ぬ
殺さなければいずれ自身の命が危ない
やらねばならない
908 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:07:33.38 ID:t6Sf/FQAO
ロックオン(何を躊躇しているんだ俺は……撃てよ、いつもそうしてきただろうが!)

時間にしてみればほんの二、三秒。短い葛藤だった
ただし、それを狙う猛禽が側にはいた

『お優しいなぁ、ガンダムさんよぉ!』

ロックオン「ッ!」

突然飛び込む通信。一斉に襲い来る牙の群れ達
避けきれない……マリーダ機が近くにいたのも加味され回避運動の方向性は限られていた
硬いフルシールドでさえファングは突き刺さり、粒子ビームを撃ち込んでいく

ロックオン「ぐぁああああああッ!!」

フルシールドが砕け散り、左腕部が脱落する。その様子を見て、衛星群から紅い機影が姿を現した
スローネツヴァイだ

サーシェス「はははははははは……いい格好だなぁガンダム!」

ロックオン「その機体……アリー・アル・サーシェスか!?」

サーシェス「マリーダちゃんとのデートは楽しかったかい? ニュータイプさんよ」

ロックオン「ッ! まさかてめぇ……」

ロックオン「マリーダがやられるまでわざと傍観してやがったのか……!」

サーシェス「やったのはてめえだろ! 紛争根絶を掲げるテロリストさんよぉ!」

ファングを回収し、バスターソードを構え急接近するスローネツヴァイ
デュナメスもまたビームサーベルを抜き、受け止めつつも前に出る
この際、サーシェスがニュータイプの概念を知っていることへの疑念などどうでもよかった
負の感情がロックオンの意識を暗く染めていった
909 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:10:39.93 ID:t6Sf/FQAO
ロックオン「てめえみたいな奴に生きてる価値なんざねぇ……!」

サーシェス「マリーダちゃんにも言われたよ、同じことをな!」

サーシェス「だが所詮同じ穴の狢だろうが! 所詮身体改造されて闘うことしか出来ねえ女の泣き言と、夢見がちのテロリストの戯れ言だ!」

ロックオン「ッ」ブチッ

幾度も繰り出される刃をひたすら受け止める、サーシェスから僅かな焦りを感じ取った
十合目、更に踏み込み刃を合わせる

ロックオン「人のことを分かろうともしねえ奴が、俺達を語るんじゃねえッッ!」

HARO[サイコミュ起動! サイコミュ起動!]

ロックオンの怒りに呼応しビームサーベルが出力を上げる、バスターソードとの接触面が激しく火花を散らした
不意を突かれ驚くサーシェス、身を引いた瞬間デュナメスの左腰部ミサイルが展開、全弾スローネツヴァイの右腕に叩き込まれ、爆発した

サーシェス「ちぃっ!?」

ロックオン「てめぇだけは今! 此処で殺すっ!」

片腕とバスターソードを失ったスローネ目掛けサーベルを振り上げる
此処でコイツを倒さねば、自分のような犠牲者が生まれる……!

ロックオン「サーシェスッッ!」

『駄目だ、ロックオン!』

ロックオン「!」

マリーダの声が、頭の中に響く。気付けば、スローネツヴァイのファングコンテナは空になっている

サーシェス「あばよ、ガンダム!」

ロックオン「……!」

一斉に放たれたファングがデュナメス目掛け飛んでいく。一瞬早く気付けた為、急速後退しつつサーベルで切り落とす
しかし、間に合わない
910 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:13:31.68 ID:t6Sf/FQAO
デュナメスの顔面、脚部に突き刺さり、そのまま自爆に近い爆発で粉砕する

ロックオン「ッッ……!」
サーシェス「はっははははははは!!」

爆散しGN粒子の煙が辺りに立ち込める
四肢損傷、頭部ガンカメラ損壊、全武装使用不可
損害甚大、戦闘続行不可能

HAROがいつもの調子で、しかし何処か必死さを感じさせる何かを孕む言葉を発していた

ロックオン「……」ゴフッ

体を起こす。骨が何本かイカレたようで、全身に激痛が走る。吐いた血がメットを半分ほど濡らし、視界を遮る
それでも止まれない。デュナメスの残った航行能力で機体を衛星群の影に隠す
サーシェスが気付くのは時間の問題だ……ならば、仕掛けるなら今しかない

ロックオン「HARO……デュナメスをトレミーに戻せ」

HARO[ロックオン、ロックオン]

ロックオン「俺ぁアイツと決着を付けてくる」

HARO[ロックオン、ロックオン]

ロックオン「なぁに、必ず生きて帰るさ。心配すんな」

HARO[……]

ロックオン「じゃあな……相棒」

HARO[ロックオン、ロックオン]

スコープシステムを取り外し、未練を振り切るようにデュナメスのコクピットを蹴ると宇宙空間に飛び出していく
HAROはいつまでもいつまでも、自分の名前を呼んでいる
今まで一番、デュナメスのロックオンの側にいた存在……ロックオンは心の中で、言葉に出来ない感謝を告げていた
911 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:23:54.42 ID:t6Sf/FQAO
目指すはGNアームズのGNキャノン砲、破壊されながらも残った骸の残り

上部に取り付き、狙撃用のスコープシステムをキャノン砲のシステムに繋ぐ。粒子残量は、一発分。十分だ

ロックオン「ハァ……ハァ……」

ロックオン(アイツ、間に合わなかったなぁ……マリーダ、頑張ってたんだぞ)

ロックオン(お前が誉めてやらなきゃ誰が誉めるんだよ……マスターはお前だろう、グラハム)

ロックオン「……クッ……」

ピピッ

ロックオン「悪いな……決着……ふいにしちまって……」

ロックオン「父さん……母さん……エイミー……」

ロックオン「見てたか……俺にもまだ……ニールって呼んでくれるダチ……いるんだぜ……?」

ロックオン「でもよ……コイツを倒さなきゃ……俺は、俺の魂は過去の重力に引っ張られたままだ……」

ロックオン「だからさ……!」



サーシェス「ッ! 生体反応!」

サーシェス「そこかぁぁぁぁぁ!」



GN粒子の紅い光が此方に真っ直ぐ向かってくる。何かを叫んでいるようにも感じられたが、そんな余裕もロックオンには残されてはいない

ロックオン「……狙い撃つぜ」

静かにスコープシステムの引き金を引く。放出された最期の一撃が真っ直ぐ宇宙空間を繋げ、スローネツヴァイに向かっていく
完全な不意打ち、スローネツヴァイは半身を光に飲まれ、生きながらに灼かれていった
912 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:29:00.05 ID:t6Sf/FQAO
強烈な思念がロックオンの脳髄を叩く。アリー・アル・サーシェスという男の断末魔が、宇宙に響き渡っていくようだった
半身を灼かれながら、スローネツヴァイがハンドガンを構え粒子ビームを放つ
苦し紛れの一撃、しかしそれはロックオンの乗る残骸を的確に撃ち貫く

ロックオン「流石にやりやがる……」

苦々しげに呟く、悔しいがこれまでらしい
爆発した残骸、爆風に吹き飛ばされ宇宙空間に身を投げ出す
朦朧とした意識の中、眼下に見えた、青く美しい星
ロックオンにはそれが、酷く汚れて見えていた

ロックオン「分かってる……こんなことしても、何も変わらないなんてこと……」

ロックオン「分かってるよ……」

ロックオン「でも……これからは……ライルの生きる明日は……」

手を伸ばそうとして、諦める。代わりに拳銃の形を作り、構えてみせる
GNアーマーがゆっくりと近付いてくるのを感じ取る……そういえば刹那から答えを聞いていない

答えは見つかったかよ……?

絞り出した一言は、彼に届いただろうか

ロックオン「よう……お前ら、こんな世界で満足かよ……」

ロックオン「俺は……嫌だね……!」
913 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:51:21.08 ID:t6Sf/FQAO
再び、残骸が火花を吹き上げ爆発する
その様子は、刹那からもはっきりと見えていた

刹那「ッ……!」

ラッセ「……ッ」

HARO[ロックオン、ロックオン]

トレミーに帰還したHAROは、ただひたすらに相棒の名を呼び続けていた
それを聴きクルー達は確信する。もう彼は、ロックオン・ストラトスはいないのだと

刹那「ロックオン……ストラトス……っ」

唯一発見できたスコープシステムを抱え、刹那はトレミーへの帰路につく
お前は変われ、そうロックオンに言われた気がした

刹那「っ……」

刹那「うわぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

自ら望んだ道、避けられぬ別れに、少年はただ叫ぶように泣いた

ー軌道エレベーターー

グラハム「……間に合わなかったか……!」

整備を終え、GNフラッグの中で出撃を待つ最中、それは稲妻のようにグラハムの脳髄に飛び込んだ
ロックオン・ストラトスの死……失われた悲しみは確信と共に心を貫く
奇妙な話だ、殺し合う約束をしていながら死を悼むなど
だが、僅かな時間でも二人は分かり合えていた。友人として確かな絆を感じていた

グラハム「……」

泣くわけにはいかない。彼は笑って逝ったのだから
その直後に感じられた巨大な悪意の存在が、グラハムの意識を現実に引き戻したのもあった

グラハム「あれが……歪みか」

ロックオンが教えてくれているようにも感じられた
あれを倒せと、倒してくれと
追撃するように、宇宙空間に飛び出すGNフラッグ
彼には見えていた、敵が誰なのか

グラハム「……」

グラハム「グラハム・エーカー、出るぞッ!」

静かな予感が余韻のように心に響く
これが、最後の戦いになると

TO BE CONTINUED...

オペレーター「一番艦MSドッグ被弾! リニアキャノン破損、機能停止!」

オペレーター「このままでは、本艦は撃沈されますッ!」

マネキン「馬鹿な……血迷ったとでもいうのか!?」

マネキン「アレハンドロ・コーナー……!!」

アレハンドロ「クックックックッ……」

アレハンドロ「さぁ……私の新世界の人柱となれ、哀れな生け贄共!!」
914 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/18(月) 02:53:17.24 ID:t6Sf/FQAO
投下終了だフラッグファイター

次回『フラッグファイター』

矜持を見せるのは、今
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/18(月) 03:02:27.65 ID:QQCdpjOI0

ついに大使が…
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 06:48:17.50 ID:3YPpa6e8o
何でロックオン死んでしまうん?
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/18(月) 08:14:38.07 ID:TlEyePLAO

これはGNフラッグ対アルバか?
刹那に見せ場はあるのか…
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/18(月) 12:06:55.88 ID:S7rxPfVf0

ファーストシーズンはこのスレで終わりそうだな
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 12:33:36.61 ID:jM8eZZzDO
ユニコーンは2期か。
このグラハムとマリーダさんには死んでほしくないな
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 21:55:50.11 ID:nIqZdo1p0

次回はスローネアイン出るか?
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/04/20(水) 22:13:31.37 ID:5Y2tQBzno
お疲れさまでした。
>>次回はスローネアイン出るか?
出たとしてもアルヴァアロンの餌食だろうな・・・・・
EXTREME VSにリボンズ出ないかな・・・・・
922 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 00:43:26.20 ID:7lGXf3KAO
グラハム「カタギリ、この十字架のような武器は……」

ビリー「あぁ、スサノオに積む武装だよ」

投下再開だフラッグファイター
923 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 00:50:17.08 ID:7lGXf3KAO
ーバージニア艦ー

マリーダ「……」スッ

セルゲイ「君が祈りを捧げているとは、意外だな」

マリーダ「! スミルノフ中佐」

マリーダ「先ほどは有り難うございました」ビシッ

セルゲイ「そうカタくなるな、戦友の救出など軍人として当たり前の事だ」

セルゲイ「……君が神に祈るとは思えん。失った仲間への祈りか」

マリーダ「はい、せめて安らかに眠ってくれと……友に」

セルゲイ「そうか……」
セルゲイ「……」スッ

マリーダ「……」

セルゲイ「……祈っても死者は蘇らず、夢は叶わない」

セルゲイ「だが人は、祈らずにはいられない。技術革新が進み、エネルギー問題を解決し、宇宙にその領域を広げているにも関わらず……奇跡を信じ天を仰ぐ」

マリーダ「……」

セルゲイ「せめてこの作戦の成否だけは、亡くした戦友達に祈らせて貰おう……」

マリーダ「……はい」

『補給艦と合流、各員は負傷兵の送迎と物資の搬入急げ!』

セルゲイ「私はブリッジに戻る。これがブリティッシュ作戦最後の戦いになるだろう」

セルゲイ「……有視界戦闘領域に入るのはまだ先だ。今の内にしっかりと休んでくれ」

マリーダ「了解」

セルゲイ「……グラハムもきっと間に合うさ、きっとな」

マリーダ「お心遣い、有り難うございます中佐……」

924 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 00:56:35.57 ID:7lGXf3KAO
ーブリッジー

マネキン「……」

マネキン(二十七機のMS部隊で四機のガンダムと交戦、十四機大破、内ガンダム含む。敵の損害はガンダム一機の大破のみ、これは敗北に近い結末だな)

マネキン「単純に計算しても、GN-Xがあと六十機あってようやくソレスタルビーイングを殲滅出来る戦力に到達する……」

マネキン「おまけにジョシュア・エドワーズ少尉は重傷で戦線離脱、ヤザン・ゲーブルも同様……現在運用出来るのは十一機のGN-Xのみ……」

マネキン(ヤザン・ゲーブルに関しては、あれしきの損傷で怪我をするとは思えんが……)

ウィィンッ

マネキン「!」

セルゲイ「マネキン大佐、マリーダ機の回収を完了した」

マネキン「ご苦労様です、中佐」

マネキン「マリーダの様子は……どうでしょうか?」

セルゲイ「奇跡的にも軽傷で済んでいる。酷く疲弊しているようだが、本人は作戦行動も可能だと言っていた」

マネキン「そう……ですか」

セルゲイ「グラハムは、間に合わなかったか」

マネキン「その事ですが中佐……」

セルゲイ「?」

マネキン「新たなガンダムが一機、軌道エレベーターに現れグラハムを襲撃したと」

セルゲイ「何だと……!?」
925 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 01:01:55.11 ID:7lGXf3KAO
マネキン「幸い、グラハムのフラッグカスタムUと国連軍のライセンサーが対抗し追い払ったそうですが、結果として相当な遅れに繋がったと」

セルゲイ「むぅ……」

マネキン「スミルノフ中佐、忌憚ない意見をお願いします」

セルゲイ「うむ」

セルゲイ「大佐、私はこの宙域からの撤退を進言する」

セルゲイ「グラハムには悪いが、彼に一機任せたとして、二機のガンダムを十一機のGN-Xで抑えられるとは言い難い」

セルゲイ「紅く発光してからの驚異的な性能を発揮する能力、ガンダムに装着されたMAタイプの追加武装」

セルゲイ「このままでは、いたずらに兵を失うだけだ」

マネキン「えぇ、私も同意見です」

マネキン「口惜しいのは同じですが……二時間後の後続補給艦と合流し次第、撤退を開始しましょう」

ピピッ

オペレーター「大佐、こちらに接近する友軍機を確認しました」

マネキン「何?」

セルゲイ「生き残りがいたのか」

オペレーター「識別番号を確認……AEU所属、パトリック・コーラサワー少尉です」

ヴンッ

コーラサワー『大佐ぁ、済みません。やられちゃいましたぁ』

セルゲイ「ほう……サブコントロールを破壊されながらよく動かせたものだ」

マネキン「馬鹿者が、心配させおって……」フッ

セルゲイ「!」

セルゲイ「ふふ、成る程な……」
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/21(木) 01:09:31.81 ID:GKWvg0Opo
さすが異能生存体、もはや貫禄である
927 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 01:14:04.65 ID:7lGXf3KAO
ーバージニア・MSドッグー

コーラサワー「パトリック・コーラサワー、ただいま帰還したぜぇ!」

整備士「あいつまた生きて帰りやがった……!」

Ω「不死身や、彼奴は不死身やで!」

マリーダ「パトリック少尉!」タンッ

コーラサワー「おぉマリーダ、お前も生きてたか」

マリーダ「機体はバラバラにされたがな……多少の打撲と切り傷で事なきは得た」

コーラサワー「そうか」

コーラサワー「……グラハム、間に合わなかったな」

マリーダ「先ほど入った連絡によれば、マスターをガンダムが襲撃したらしい」

コーラサワー「はぁ!? 新型の生き残りか?」

マリーダ「分からん。話に聞く限りでは全くの別物かもしれない」

マリーダ「……もしかしたら、マスターが来ても部隊は撤退かもしれんな」

ピピッ

『後続の補給艦が見えたぞ! 全員準備しろ!』

ー医務室ー

ジョシュア「クソッ……情けねえ、アラスカのジョシュアがこんな事でリタイアとはよ」

ダリル「無理して喋んな。骨が砕けてんだ、肩が上がらなくなるぞ」

ジョシュア「逝っちまった仲間に……ハワードに……何て言えばいいんだ……ッ」

ダリル「……」

ダリル「安心しろ。お前の分まで中尉は御守りしてやる」

ダリル「お前は体を治せジョシュア、フラッグファイターの矜持、見せてやるさ」

ジョシュア「……ゴホッ」

ジョシュア「無理すんなよダリル……ハワードだってよ……」

ダリル「あぁ……分かってるさ」
928 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 01:27:37.69 ID:7lGXf3KAO
           ・
                         ・
                         ・

コーラサワー「へぇ……ソレスタルビーイングにもニュータイプ、か」

マリーダ「マスターとあのガンダムマイスターは、その力で分かり合っていた」ヒュッ

コーラサワー「さんきゅ」パシッ

マリーダ「私は思うんだ……みんなこの能力があれば、人は争わずに生きていけるんじゃないかと」

コーラサワー「……」ズズ……

コーラサワー「プハッ、無理だなそりゃ」

マリーダ「無理……か?」

コーラサワー「幾ら能力を与えられたからって、見えたものが真実とは限らないし、見えた真実に対する行動なんて人それぞれだろ?」

コーラサワー「俺思うんだわ、ニュータイプとか、人類の変革とか……そんなもんに人間が全員なったって、結局人間が人間である限り戦争は起こる」

コーラサワー「それこそ機械か神様にならない限り戦争は終わらない……そしてニュータイプは機械でも神様でもない。つまりはそういうこった」

マリーダ「……」

マリーダ「少尉の能力は私やマスター、ガンダムマイスターとは違う位置にあるようだな」

コーラサワー「あぁ、そりゃ薄々感じてたなぁ」

マリーダ「少尉は……戦争根絶など夢のまた夢だと思うか?」
929 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 01:48:05.87 ID:7lGXf3KAO
コーラサワー「まあ、いくら色んなモノが見えたって、俺はAEUのエースとして戦うことしか出来ないしな」

コーラサワー「だから俺は大佐の言葉を信じているのさ」

マリーダ「マネキン大佐を?」

コーラサワー「あぁ、最初こそ一目惚れだが、後々聞いてみたらあの人の考えは現実的かつ俺でも出来ることだ。俺があれこれ変に考えるより、あの人について行けば間違いは無いってそん時思ったね」

コーラサワー「すげー未来が見えても、実現させんのは結局未来に歩いた人間だけさ。俺なんかより、ずっとあの人の方がニュータイプだ」

ゴゥンゴゥンゴゥン

『頭部の接続完了! サブコントロールの調整急げよ!』

マリーダ「……」フッ

マリーダ「パトリック少尉にとっては、マネキン大佐がマスターなのだな」

コーラサワー「おう、大佐は俺のマスターだ!」

マリーダ「ガンダムを倒し、マスターからキスを貰えるといいな少尉」タンッ

コーラサワー「なっ!? 何故その話を……ッ」

マリーダ「あれだけ大きな声で叫べば、な」

コーラサワー「お前だってそんくらい頼めよ、ガンダムに手傷負わせたり艦助けたんだから」

マリーダ「は?」

コーラサワー「頑張れ青春! ってな、じゃあな」

ウィンッ

マリーダ「私も……?」

マリーダ「……」

マリーダ「ッ、私は一体何を考えている……こんなこと!」

マリーダ「ッ……」

マリーダ「…………」ポワワ

マリーダ「〜〜!」ブンブンッ

ー廊下ー

キュピィィィン

コーラサワー「全く、ちょっとからかったらこれだもんな。可愛い奴」
930 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 01:57:26.97 ID:7lGXf3KAO
ーバージニア・廊下ー

ソーマ「……」

ソーマ(あの時の羽根付きの動き、あれは明らかに別人のような動きだった)

ソーマ(中佐や私達が完全に読まれ、ヤザン・ゲーブル大尉でさえ持て余した凄まじい判断力と反射神経)

ソーマ(奴は言った、本当に出来損ないなのは私の方だと)

ソーマ(私は……)

ズキッ

ソーマ「ッ!」

ソーマ「……お前は誰なんだ、マリー、何故私の頭の中で……!」

ーバージニア・ブリッジー

マネキン「どういう事ですか、撤退を認めてもらえないとは!」

『補給艦と一緒に新型機を増援に回した。それらと合同で作戦行動を続行されたし』

マネキン「増援……?」

セルゲイ「まだGN-Xがあるというのか?」

『データを送る。戦術予報に応用されたし』

ピッ

マネキン「……」

セルゲイ「見たことがない通信士だった、デヴァインと名乗っていたか」

マネキン「我々の知らない国連機関が動いている、というのでしょうか?」

セルゲイ「現時点では何とも言えんな」

オペレーター「データが転送されてきました!」

マネキン「モニターに表示してくれ」

カタカタカタッ
ヴンッ

【RGM】

マネキン「ッ!?」

セルゲイ「ご、五十機のMSだと!」

マネキン「何故今更になってこれほどの数を……!」
931 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 01:59:47.57 ID:7lGXf3KAO
マネキン「詳細データの方をモニターへ!」

オペレーター「了解しました」

ヴンッ

マネキン「……」

セルゲイ「……これは……」

セルゲイ「どう見る大佐」

マネキン「私は技術者では無いので分かりませんが、このRGMというMSは、疑似太陽炉を搭載せず機体に蓄積した粒子だけで戦うようです」

マネキン「機動力や装甲、機体性能に関しては三国のMSの平均値を少し上げた程度の性能。正直GN-Xほどは期待出来ません」

マネキン「しかし武装にはGNビームライフル、バズーカ大型のGNシールド、GNサーベル……GN-Xの武装と比べても引けを取らない火力を誇る」

セルゲイ「つまり……」

マネキン「これならば、数の暴力でガンダムにも十分対抗しうるかと私は考えます」

マネキン「ただし、トップガンを集めた精鋭三十機で駄目だったのを考えると……」

セルゲイ「数の暴力が何処まで通用するか……だな」

ピピッ

マネキン「!」

セルゲイ「あれがRGMを搭載する輸送艦か」

マネキン「コロンブスtypeと資料には有りますね」

セルゲイ「大きいな、輸送艦というよりは補給艦に近い」

セルゲイ「……む?」

マネキン「あの……金色の光は……?」

ゴォォォォ……

ーアルヴァトーレー

アレハンドロ「…………」

アレハンドロ「ふふ……ふはははは……」
932 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:06:52.38 ID:7lGXf3KAO
ートレミーー

パァンッ

ティエリア「……ッ!」

スメラギ「今は揉めている時じゃないの、敵はすぐ側に来ているのよ!」

スメラギ「マイスターは自室で待機! これは命令よ!」

ティエリア「……了解」

ウィンッ

スメラギ「……」

スメラギ「……まさか、貴方が此処に来るなんてね。ヨハン・トリニティ」

ヨハン「……」

ヨハン「私の着艦を許可していただき有り難うございます。ミス・スメラギ」

スメラギ「あなた達と同じと思われるのは癪だけど……刹那が武力介入した手前、断る訳には行かないわ」

スメラギ「ティエリアにはああ言ったけど……私も認めてはいないわ。あなた達を」

ヨハン「……申し訳ありません」

スメラギ「と言うのは建て前、王留美から予め貴方の意志は聞いていたんだけど」

スメラギ「私達があなた達トリニティを快く思っていないと知っていながら此処に来て……」

スメラギ「それでも……闘うのね。彼等と」

ヨハン「今となっては、全てあなた方の言うとおりです。私は、我々はガンダムマイスターと言う肩書きに踊らされた愚かな存在」

ヨハン「ですが、我々もガンダムマイスターとしての誇りを持って戦ってきたつもりです……」

ヨハン「ただ一人の欲望の為に利用され散るなど……ッ!」

スメラギ「……」

ヨハン「……済みません、独りよがりに話しすぎました」
933 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:15:41.87 ID:7lGXf3KAO
スメラギ「いえ……貴方も、一人の人間ってことね」

スメラギ「貴方から手渡されたデータには目を通したわ。まさか、監視者の一人がヴェーダを乗っ取るまでの計画を立てていたなんて……」

ヨハン「アレハンドロ・コーナー。私達を生み出し利用するだけ利用した張本人です」

ヨハン「私は彼に一矢報いると、弟妹に誓いました」

スメラギ「……」

スメラギ「だから、私達を頼ったと言うわけね?」

ヨハン「勘違いをしないでいただきたい」

スメラギ「え?」

ヨハン「あなた達にこの情報を差し出したのは、同じガンダムマイスターとして生き延びてもらう為です。敵が誰か分かれば、私のように罠に嵌る危険性も薄れる」

ヨハン「あなた方は直ぐにこの宙域から撤退を。私が戦うことで謀らずとも時間稼ぎにはなるでしょう」

ヨハン「この艦での私の仕事は終わりました。失礼致します」

スメラギ「待って!」

ヨハン「情報によればアレハンドロはもうすぐ此処に来る。プトレマイオスに寄ったのはそのついでに過ぎません」

スメラギ「敵のGN-Xはまだ十機以上残っているわ! 死ぬつもり!?」

ヨハン「死んだとしてもです! 我々はせめてガンダムマイスターとしての証を立てねばならない!」

スメラギ「そんな……」

スメラギ「犬死にをするために貴方は往くというの……!?」
934 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:17:33.29 ID:7lGXf3KAO
ヨハン「……」

ヨハン「私は、ソレスタルビーイングのガンダムマイスターは、その手で数多くの命を奪ってきました」

ヨハン「自らの命が危機に晒されたからといって背中を向けるようなことがあれば、我々にはただ血に濡れた手が残るだけです」

スメラギ「ヨハン……」

ヨハン「何も残らないよりは、せめて志だけでも護りたい。私が奪ってきた命に出来る贖罪があるとするならば、それはやはり戦争根絶に他ならないのだから」

ヨハン「それでは、失礼致します……」

スメラギ「……」

ウィンッ

ヨハン「!」

刹那「……」

ヨハン「刹那・F・セイエイ……!」

スメラギ「刹那……」

刹那「お前のスローネは、ガンダムではない」

ヨハン「……」

スメラギ「刹那!」

刹那「だが」

刹那「お前は、ガンダムマイスターだ」

ヨハン「何……?」

刹那「力を貸してくれ、歪みを正すために」

刹那「スローネの力ではなく、ガンダムマイスター、ヨハン・トリニティの力を」スッ

ヨハン「……良いのか? ティエリア・アーデも言っていた。我々トリニティが居なければ、スローネツヴァイは奴らの手には……」

刹那「ロックオンは言った、ソレスタルビーイングに後退は無いと」

刹那「だったら、過去のことでトリニティを責めることは後退に値する……俺は前だけを見る」
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/21(木) 02:17:42.40 ID:GKWvg0Opo
ヨハ兄ィ……
936 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:21:03.63 ID:7lGXf3KAO
ヨハン(真っ直ぐで歪み一つ無い澄んだ眼差し……)

ヨハン(以前見たときは気付かなかった……成る程、ネーナが惹かれた理由もよく分かる)

ヨハン「一つ聞かせてくれ、刹那・F・セイエイ」

ヨハン「君はガンダムで何を為す?」

刹那「戦争根絶」

ヨハン「今退かねば君は死ぬかもしれない。それでも往くか?」

刹那「死ぬつもりはない。死の果てに神はいない」

刹那「必ず生きて理想を成し遂げて見せる。ロックオンの為にも……必ず」

ヨハン「……ガンダムに乗って、か」

刹那「そうだ、俺がガンダムだ」

ヨハン「ガ、ガンダムか………」

刹那「あぁ、ガンダムだ」

ヨハン「……」

ヨハン「……ミス・スメラギ、作戦に関しては貴方に一任いたします。私はトゥルブレンツ・ユニットの最終チェックをしていますので、そちらに御連絡を」

スメラギ「ヨ、ヨハン君?」

ヨハン「情にほだされた訳ではありませんよ、ただ」

ヨハン「……ただ、賭けてみたくなったのです。刹那・F・セイエイというガンダムマイスターに」フッ

ウィンッ

アレルヤ「あ……」

ヨハン「盗み聞きは感心しないが、そう言える立場に私はいない」

ヨハン「頼りにさせてもらうよ超兵、いや……キュリオスのガンダムマイスター」

タンッ

アレルヤ「……」

アレルヤ「で、どうするんです? スメラギさん」

スメラギ「どうもこうもねぇ……刹那が説得に成功したってことで良いんじゃないかしら」

ハレルヤ「けっ、甘ったりぃ」

スメラギ「え?」
937 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:22:54.64 ID:7lGXf3KAO
アレルヤ「あ、いえ……何でもないです」

スメラギ「そ、そう……」

刹那「……」

ウィィンッ

イアン『刹那達はいるか?』

刹那「イアン」

スメラギ「イアンさん、整備状況は?」

イアン『ヴァーチェのユニットはフィジカルに切り替えた。だが勝手が違うからな、ティエリア次第ってところか』

イアン『キュリオスは飛行ユニットを切り離せば動かせる。それにしても、手酷くやられたもんだ』

アレルヤ「ヤザン・ゲーブル……奴はまた来るのだろうか?」

スメラギ「もし来たら、任せるわよアレルヤ」

ハレルヤ「お願いしますだろ? 胸だけじゃなく態度もでけえなお姉ちゃんよ」

スメラギ「ちょっ……!?」バッ

アレルヤ「違うんですスメラギさん! 違うんですっ!」

刹那「アレルヤが歪んでいく……」

イアン『何だぁ? やたら楽しそうにしおってからに……』

ースローネアイン・コクピットー

スタッ

ヨハン「ミハエル……結果的とはいえ、一度袂を分かった彼等と行動する私を愚かだと笑うか?」

ヨハン「それとも、いつものように『兄貴がそう言うなら』と認めてくれるか……?」

ヨハン「……きっと、後者なのだろうな」フッ

ヴンッ

ヨハン「待っていろミハエル、私もすぐにそちらに向かうことになる」

ヨハン「アレハンドロ・コーナー……差し違えてでも貴様は倒す……!!」ギリッ
938 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:24:34.04 ID:7lGXf3KAO
           ・
                         ・
                         ・


ートレミー・休憩室ー

アレルヤ「ッ……」ズキズキ

ハレルヤ「ようアレルヤ」

アレルヤ「! ハレルヤ」

ハレルヤ「二人格の同時覚醒による超人的反射能力と思考の融合……そりゃ弄くられた脳みそだって許容範囲を脱して、オーバーヒートもするわな」

アレルヤ「……」

ハレルヤ「キツいかアレルヤ、どうせなら俺が代わってやってもいいんだぜ? これからずっとな」

アレルヤ「全く……スメラギさんに弁明するのにどれだけ苦労したか知ってて言うんだから……」

アレルヤ「お言葉に甘えて……とはいかないよハレルヤ」

アレルヤ「君には苦しいことばかり押し付けてきた……今更女々しくはなれない。君こそゆっくりしていてくれ、必ず頼ることになる」

ハレルヤ「ちっ……いっちょ前に気取りやがって」

ウィンッ

ティエリア「……」

アレルヤ「ティエリア」

ティエリア「延々独り言を呟いているからな、気をやったのかと思って入るのを躊躇った」

ハレルヤ「あぁ? ご挨拶じゃねえか男女が、その綺麗なお顔をドロドロにしてやろうか」

ティエリア「冗談だ。その品性が微塵も感じられない発言、君がハレルヤか」

ティエリア「ヴェーダの内容にもあった超兵の研究、その終着点……」

ハレルヤ「……よく調べてやがるじゃねえか」
939 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:27:08.56 ID:7lGXf3KAO
アレルヤ「……しかし驚いたよ。君が刹那を焚き付けてヨハン・トリニティの作戦への参加を促させた時はね」

ティエリア「我々が国連軍を撃退できれば、世界にソレスタルビーイングの力を誇示しつつ計画を続行出来る」

ティエリア「ヴェーダ無き今私が出来るのは、唯一完全な状態で残ったヴァーチェ・フィジカルを使い戦うことだけ……ヨハン・トリニティはその為に利用しているだけだ」

アレルヤ「……」

アレルヤ(全く、素直じゃないんだから……)

アレルヤ「君が言うなら、そういうことにしようかな」

アレルヤ「ん……?」

フェルト「……」スーッ

アレルヤ「フェルト……あっちはMSドッグのはずだけど……」

ティエリア「先ほど、亡き両親とロックオンに手紙を書いたといっていた」

アレルヤ「遺書かい?」

ティエリア「違う。まだ其方には行けないという決別の手紙だそうだ」

アレルヤ「……」

ティエリア「彼女に嘘をつかせたくはない。アレルヤ、ハレルヤ。この戦い、必ず勝つぞ」

アレルヤ「あぁ……勿論だよ」

アレルヤ「でもティエリア、あまり熱くならないようにね。フィジカルタイプのヴァーチェには慣れていないのだろう?」

ティエリア「そうも言っていられないさ」

アレルヤ「……ふふっ」

『Eセンサーに反応あり、国連軍による第二次攻撃が始まったものと思われるわ』

アレルヤ「!」

ティエリア「来た……!」

『ガンダムマイスターは至急ガンダムで出撃を! 総員、警戒態勢!』

アレルヤ「行こうティエリア」

ティエリア「あぁ……!」
940 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 02:46:29.90 ID:7lGXf3KAO
ー宇宙・アステロイド付近ー

マネキン「やはり粒子の移動はデコイだったか……方向からして奇妙だとは思っていたが」

セルゲイ『マネキン大佐、GNーX隊全機出撃用意が出来た』

マネキン「分かりました、敵は恐らくアステロイドの陰に隠れて撤退を試みるでしょう」

マネキン「部隊は当初の予定通り、アルヴァトーレと合同でコロンブスの護衛、予定宙域に到着後RGMを使い六十二機のMS部隊による包囲殲滅を」

セルゲイ『了解した』

マネキン「よろしくお願いします」

マネキン「……MS部隊、発進!」

オペレーター「ね、熱源反応! 本艦の背後ですッ!」

マネキン「え……?」

ズズゥゥン……

マネキン「うぁっ!?」

ーMSドッグー

マリーダ「ッ……!」

ダリル「うぉぉぉ!?」

出撃準備を整え、コクピットの中で待機している最中の激しい揺れ
艦が攻撃を受けたのは間違いなかった、しかしガンダムの攻撃と言うにはあまりにも距離が離れている

マリーダ「大丈夫かダリルッ!」

ダリル「此方は問題ありません!」

ダリルはすぐに平静を取り戻し命令を待っている
流石はMSWAD隊の一員だ、マリーダはモニターの頼もしい部下に微笑みを向けた

マリーダ「よし……ハッチをぶち抜け! 直ぐに艦の外に出る!」

ダリル「了解!」ジャコンッ

異常が発生し開かないハッチを、無理やりビームライフルで破壊しこじ開けようと試みる
容易にバージニアのハッチは砕け、大きな穴の向こうは星の海が広がっている

マリーダ(一体何が起きているというのだ……!)

ダリルはすかさず発進、マリーダも続いて艦の外に飛び出していく
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 02:52:47.27 ID:H9wKHTRIO
なんというアインの販促SS、日が明けたらお店に行けと言うのか
942 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 03:01:12.93 ID:7lGXf3KAO
マリーダ「!」

外から見たバージニア艦は、MSドッグの一部を完全に削られ力無く回る棺桶のようであった
辺りにはMSドッグごと破壊されたと思われるGNーXの破片が浮かんでいる、凄惨な光景にダリルが呻くのを耳に感じた

マリーダ「確かあの位置には……」

あの位置はAEUのエース、パトリック・コーラサワー少尉と人革連の残りの兵士がいたはずだ
辺りにはもう片方のドッグから出たと思われるセルゲイ機とソーマ機が浮いている

マリーダ「……」

マリーダ(少尉……まさか……)

ダリル「中尉ッ! 上ですッ!」

マリーダ「はっ!?」

忍び寄る不安をかき消すようにダリルの叫びが響く
マリーダが機体を即座に下がらせる、頭上から粒子を伴う砲弾がすれすれの位置をすんでのところで通り抜けていった

マリーダ「なっ……!?」
マリーダ「馬鹿な、これは……!」

考える間もなく降り注ぐバズーカ弾の嵐、マリーダは機体を加速させそれらを巧みに避けていく
機体を反転させロングライフルを構える、レーダーは敵機を捕捉、この位置ならば当てられる

マリーダ「ッ……!」
943 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 03:27:09.07 ID:7lGXf3KAO
放たれた粒子ビームが敵機に着弾する
しかし爆発は起きない……直前で赤い粒子が弾かれて真空にかき消えたようにも見えた

マリーダ「馬鹿な……!」

粒子ビームを防いだ盾の横から、再びバズーカ弾が放たれる
避けることは動作もないが、退いてしまうわけにはいかないのも事実だった
傷ついたバージニア艦を背に、敵を散らさせるようにとビームライフルを放っていく

ダリル「ち、中尉!」

マリーダ「呆けるなダリル! 撃ち返せ?」

ダリル「くそ……何だってんだ一体!」

ダリルは夢でも見ているのかと叫びながらビームライフルを上に撃ち続けている
マリーダからしても、現実に見ていながら半信半疑であった
今自身を撃ち、自身が撃ったMS、それはあろうことか自分達を援護しに来たMS
RGMそのものだったからだ

マリーダ「まずはバージニアを守る! とにかく撃ちまくれ!」

ダリル「了解ッ!」

見える範囲でも十機以上のRGMがこちらを捕捉し攻撃を開始している。バージニアを挟んだ反対側では、既にスミルノフ中佐が二人で別のRGMと交戦しているのが見えた

マリーダ「RGMが此方に戦闘を仕掛けてくるなんて……」

マリーダ(裏切ったというのか……一体何故!)

粒子ビームを回避しながら辺りを見回し、コロンブス艦を探す
ガンダムの方を目指し、一直線に前進している

マリーダ「……いない……!」

マリーダ「あの金色の機体が……何処にもいない!」
944 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 03:41:45.18 ID:7lGXf3KAO
目映いばかりの光が、バージニア艦の損壊したMSドッグからマリーダ目掛けほとばしる
全二十二射の粒子ビームの嵐が、壊れて歪んだバージニア艦のコンテナを砕きながら襲いかかる

マリーダ「ッ!?」

機体を回転させ、編み目のような粒子の合間をすり抜けるように避けていく
何かの思念が今此方を見ていた、故に回避も間に合った

マリーダ「誰だ……!」

バージニア艦から剥がれるように姿を現す、金色の疑似太陽炉搭載型MA
マリーダは理解した。最初の一撃は、コイツがバージニア艦に突っ込んだ為に出来たのだと

アレハンドロ「ふはははは……はーっはっはっはっはっはっは!!」

高笑いが星の海を揺らし、MAがGNフィールドの殻に自らを包み込む
二十二門のビームライフル発射口が口を開け、残りのGNーXに狙いを定める

アレハンドロ「さて……誰から殺してやろうか、羽虫共!」

アレハンドロ「私の新世界に不必要なのだよ……貴様等不穏分子はなぁぁぁ!」
945 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/21(木) 03:44:50.45 ID:7lGXf3KAO
本日はこれまで……済まないなフラッグファイター

次スレを立てる場合VIP時代の前スレも貼るべきなのだろうか?

それにしてもZUのグラハムの変態っぷりは異常。少し時期がずれていたらマリーダさん押し倒されてたかもNE

……NE
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 07:31:25.70 ID:PUd3gv1DO
乙、このジムってどのジムだい? ジェガンかい?
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/21(木) 07:40:38.86 ID:XVFp00iIo
乙なんだぜ!
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/04/21(木) 09:10:35.05 ID:Tyuj74gAO


ヨハンの覚悟は立派ではあるんだがネーナが無関係な民間人を攻撃しても止めなかった人間が何をと思ってしまうな
あれだけは紛争根絶とは何も関係ないし

そういやネーナはいないのな
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/21(木) 09:19:16.19 ID:aqM+tNU50
コーラ・・・カッコいいこといってもう離脱かよ・・・

投下乙でした。あと2話ぐらいかな?
VIP時代の再投下っていうのはダメですか?

950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/21(木) 09:25:45.13 ID:FrVACHRVo
あれは「話の展開の都合で殺させました」って感じだったからな
たまたま通りすがりの民間人を無意味に殺したのは全話通しても一際違和感がある
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/21(木) 09:40:18.05 ID:GWjLIlBAO
投下乙!


2次Zはジョシュアがあまりにもあっさり死にすぎて泣いた
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/21(木) 16:33:57.18 ID:x7LISnp1o
00は最近通しで見ただけだからあんまりしらないけどスメラギさんは一期の頃ハレルヤの事知らないんだったっけ?
スパロボでは何か知ってたけど
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/21(木) 17:53:56.62 ID:ksSMXZIWo
ここのトリニティは綺麗すぎる…スパロボやったらトリニティUZEEEEEE!!!と思ったし
954 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [sage]:2011/04/21(木) 17:57:49.42 ID:7lGXf3KAO
スメラギさんはアレハレ知ってるけど面と向かって見たのは初めて、的な感じ

【RGM】
見た目としてはジムカスタムに近い。色はジム同様
武装はGNビームガン、GNビームサーベル、NGNバズーカ、GNシールド
機体と武装の全てがGNコンデンサーに貯蔵された粒子によって賄われている、故に稼働時間は短く大気圏内の飛行は可能ではあるが、初期型では考慮されてない
ただし生産性が高く、疑似太陽炉さえあればコロンブス艦などが無くとも運用が出来る
最悪GNーXが一機いれば問題無く部隊レベルで動かせる(GNーXの補給を考えなければGNーXが止まるが)
性能は一般的な全領域型でも三国のMSを少し上回る程度、GNーXには火力を除くあらゆる面で劣る

【コロンブス艦】

疑似太陽炉搭載型の輸送艦。RGM運用艦として大量の電力と粒子を蓄えることに特化した艦であり、武装は無く、表面はGN複合装甲とシールド技術と同様のフィールドで守られている
コロンブス内の十基の疑似太陽炉で、五十機以上のRGMタイプを問題無く一定期間運用出来る
UCの補給艦としての運用は殆ど出来ない上、生活スペースなどが本来必要なレベルに到達していない等問題点も多い
アレハンドロ御一行はブリング・デヴァインと同様の遺伝子配列のイノベイド兵に強化措置を施し乗せている為コロンブス艦だけの運用が可能
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 18:05:02.60 ID:oU8AcaDDO
超兵機関襲撃の時、もうひとりのあなたの意見は?という台詞が確かあった

RGMは武装にGNコンデンサ搭載してるのかな、動力源はバッテリー、それとも核?
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/21(木) 18:23:28.79 ID:ksSMXZIWo
今更だが、コーラがXのニュータイプっぽいことに気付いた

RGMってイノベイドが乗ってんのかな?
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 18:35:27.03 ID:aLEebJexo
とりあえず刹那のガンダム発言にはヨハンもドン引きしてるのなw
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/04/21(木) 20:57:45.45 ID:xEyWBfKPo
>>RGMは武装にGNコンデンサ搭載してるのかな、動力源はバッテリー、それとも核?

>>機体と武装の全てがGNコンデンサーに貯蔵された粒子によって賄われている
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 21:16:25.17 ID:oU8AcaDDO
すまないリロードせずに書き込んで直前のレスを読んでなかった


コンデンサだけというと中途半端な機体だな

機体性能はドライヴ搭載機に負け、火力ならコンデンサ搭載武器を旧世代機に装備させればいいと思うが
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/21(木) 21:49:30.59 ID:GKWvg0Opo
仮にこういう機体が主流になれば、
・擬似GNドライブの管理を徹底
→機体が反乱分子に横流しされてもろくに動かせない、粒子が尽きたら終わり。
・ドライブ搭載機より低コスト
→大量生産で数の暴力ウマー。工場も大喜び。

という事になるのかな?
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 21:57:47.03 ID:DQQ1YzRbo
ガンダム二期よりえげつねぇ…
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/21(木) 22:40:43.23 ID:ksSMXZIWo
00Nってのにクアンタエルスの全体が載ってるらしいから、ちょっと調べてみたが…
なんか思ってたのと違う………結構キモいな
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/21(木) 22:56:38.36 ID:GKWvg0Opo
雑誌掲載の事ならあれはまだ監修途中だぜ
単行本に収録の際に改修したのが載るそうな
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/04/22(金) 00:13:33.45 ID:bQ70SQxAO
>>刹那「アレルヤが歪んでいく……」

くそ笑ったww
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/04/23(土) 03:24:04.86 ID:vY805b0No
>>949
vipのはコレでみればいい
http://mirrorhenkan.g.ribbon.to/
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 22:36:28.45 ID:WMzG8XRDO
ガンダム速報にVIPのやつはまとめられてる
967 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/25(月) 23:56:56.96 ID:dbKAfPCAO
リント「やぁってやるぜ!」

マネキン「ッ!?」

リント「失礼、昔の癖でつい」


投下再開だフラッグファイター、遅れて済まない
968 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:04:27.84 ID:I3Xn7PpAO
ー???ー

リボンズ「アレハンドロは解き放たれたか、ようやく肩の重荷が下りた気分だよ」

プルツー「……ZZZ」スピー

リボンズ「君の妹に対する潜在意識的な非攻撃対象設定は植え付けた……安心して眠るといい、プルツー」

ウィンッ

リジェネ「君は怖い人だリボンズ」

リボンズ「! リジェネか」

リジェネ「あのアステロイド宙域は、さながら君の準備したフラスコの中……」

リジェネ「強化人間、RGM、GNーX、ニュータイプ……果てはイノベイターに至るまで、あの混沌の坩堝でひたすらに殺し合う」

リジェネ「得られるデータが今から楽しみだよ」

リボンズ「……」フッ

リジェネ「RGMまで送り込んだときは、僕も些か真意を図りかねたけどね。現状、三国の機体をカスタム化した方が強いんじゃないかい? オーバーフラッグとか」

リボンズ「三国のMSには先が無いよ。でもRGMにはある、GN粒子の技術が進めば進むほど、その性能を高めることが出来る」

リボンズ「ガンダムやトップガンとの戦闘から得られる戦術データの価値は計り知れない。その為にもRGMの乱入は必須だったのさ」

リジェネ「……」

リジェネ「本当に、そう思ってる?」

リボンズ「……あぁ、無論だよ」

リジェネ「そう、ならいいけれど」

リジェネ(曖昧だねリボンズ、君は彼等を生かしたいのか殺したいのか……)

プルツー「……ん……」モゾッ

リジェネ「っと、これ以上のお喋りはお嬢さんを起こしかねないね」

リボンズ「君の口からお嬢さんと聞くと、無性にむず痒くなるね」

リジェネ「?」

リボンズ「なに、こちらの話さ」
969 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:09:25.21 ID:I3Xn7PpAO
リジェネ「でも、国連軍までアレハンドロの攻撃対象にしなくてもよかったんじゃないかい?」

リジェネ「彼等は人間ながら優秀な戦力だ、おまけに別々の三大国の人間でありながら連帯感もある。計画の第二段階にはうってつけの人間だと思うけどね……」

リボンズ「だからこそ、いなくなってもらわねば困る」

リボンズ「もはや彼等は三大国の軍事力を語る上で欠かせない顔……統合する上で角を落とすのは当然のことさ」

リボンズ「これからの時代、必要なのは一人の英雄ではなく……百人を効率良く動かすシステムだ。オーバーフラッグス、頂武特務部隊……余計な色は塗りつぶすに限る」

リジェネ「その為のRGM、だものね」

リボンズ「……」フッ

リボンズ「無論、自律的に動ける優秀な駒は必要だけど……ね」ナデナデ

プルツー「……ZZZ」

ウィンッ

王留美「それは免許を持った者達が為す役割ということ、ですわね」

リジェネ「!」

リボンズ「……そういうことです」

リボンズ「遅かったですね、王留美」

王留美「あら、これでも最後の瞬間に立ち会えると聞いて飛ばしてきた方なのですよ?」

リボンズ「大丈夫、まだ舞台は始まったばかりだ」

リボンズ「リニアトレイン公社の新総帥を急がせるだけの価値はあると思っていますよ、僕自身は……ね」

王留美「ふふ、楽しみにしていますわ」

リボンズ「いつも一緒にいる男性は……」

王留美「ネーナ・トリニティを見張らせていますわ。兄のヨハンの方は、妙なプロ意識を持ち始めたので切り捨てましたが」

リボンズ「さて、彼の存在が一石を投じることになるのか……」

王留美「見届けましょう。我々が、この青き時代の終わりと変換の始まりを」
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 00:10:09.56 ID:Tb2srYqDO
僥倖だな、まさかリアルタイムで遭遇すると事になるとはな!!
971 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:10:29.52 ID:I3Xn7PpAO
           ・
                         ・
                         ・

アルヴァトーレの二十二の砲口が、周囲のGNーXを確認するかのように別々に動く
狙いを定めようとアレハンドロが意識を集中しようとする中、通信が飛び込んでくる
バージニア艦のマネキン大佐からだった

マネキン『何を考えているのですかアレハンドロ氏! 国連軍を裏切りガンダムの側に付くおつもりか!?』

アレハンドロ「……」

マネキン『答えろ、アレハンドロッ!』

アレハンドロ「事の重大さに気付かぬ駒が……騒々しい」

マネキン『何……!?』

アレハンドロ「世界はもはや私の手中にある。取捨選択の権利は私にあり、君らはその選択にあぶれて落ちた。それだけなのだよ」

マネキン『ばっ……!?』

アレハンドロ「馬鹿を言うな、かね?」

マネキン『!』

アレハンドロ「ならば理由を作ってやろう。そうだな……」

アレハンドロ「君は先ほど私を呼び捨てにした、だから始末する。」

アレハンドロ「これで良かろう、カティ・マネキン!」

もはやまともな会話すら成り立たない。マネキンが絶句する顔をモニター越しに見つめ、アレハンドロは笑みを浮かべた
972 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:11:21.73 ID:I3Xn7PpAO
マリーダ「ふざけるなッ!!」

アレハンドロ「!」

その余韻を打ち消すように、アルヴァトーレのGNフィールドに粒子ビームが撃ち込まれる
機体は些かも揺るぎはしないが、GNフィールドを解除するタイミングを失いバージニア艦を逃してしまう

アレハンドロ「恐るべき妹達の生き残りか……」

マリーダ「違うッ! 私はマリーダ、マリーダ・クルスだ!」

ダリル「俺達はてめえの玩具じゃねえッ! 死ねと言われてはいそうですかと死ねるかよ!」

RGMの猛攻の合間をかいくぐり、アルヴァトーレの周囲を回るように一撃を放っていくGNーX
次第に加速するその輪に、次々と機体が加わっていく

ソーマ「中佐の前に立ちはだかるというなら……私が倒す!」

セルゲイ「マネキン大佐! もはや彼には言葉は通用しない!」

マネキン『ッ……!』

セルゲイ「緊急事態だ、即時撤退を進言する!」

セルゲイ「我々が此奴等を食い止めている隙に艦を安全な位置へ!」

セルゲイの叫びに、困惑の色がマネキンの顔からすっと抜けていく
不測の事態にはもう慣れているではないか、そう自身に言い聞かせ彼女は帽子の位置を直し前に向き直る
973 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:17:07.27 ID:I3Xn7PpAO
アレハンドロ「鬱陶しい小蝿め……」

しかし、周囲を圧するプレッシャーがアルヴァトーレより放たれれば、今にも噛みつかんとしていた国連軍のGNーXも黙して引き金から手を離す
人間性、コミュニケーション能力、人間としての必須機能を手離した代わりに得た力は絶大なもので、アレハンドロを嫌うリボンズでさえ認めた程である

マリーダ「ッ!?」

アレハンドロ「力の差を見せつけてやらねば、ささやかな希望も手放せないと見える」

数多の砲身が、まるで別々の生き物のようにGNーX各機を追随していく
サイコミュによる端末機操作と同様のシステム、その精神波にマリーダも反応を示す

アレハンドロ「おののけ、これがアレハンドロ・コーナーの駆りしアルヴァトーレの力だッ!」

マリーダ「全機、来るぞッ!」

一斉に放たれる粒子ビーム、一門一門が違う機体を狙い、正確に目標を狙い撃つ
一発一発が精密射撃に匹敵する狙撃の域にあった

マリーダ「くぅっ!?」

ソーマ「ッ!」

マリーダ機とソーマ機は辛うじて回避するが、セルゲイ機は左足を貫かれ、ダリル機は数発の粒子がかすり機体の節々から火花を散らしてしまう
そして、残存した八機の内半数にあたる残りの頂武GNーX四機は、跳ね上げられた上に粒子ビームを十数発叩き込まれ、全機無惨に破壊されていった

マリーダ「……おのれッ……!」

ダリル「くそっ! 化け物かよあのMA!」

セルゲイ「圧倒的ではないか……!」

紅いGN粒子の爆炎の中、アルヴァトーレは悠然と佇んでいく
棘のような恐怖が、対峙する精鋭の心に刺さる

アレハンドロ「ふひゃははははは! 一撫でしただけで半壊とはな、国連軍とて私とアルヴァトーレの敵ではなぁぁい!」
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 00:17:10.62 ID:kw9CQv3DO
可能性の獣くるか?
975 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:20:55.23 ID:I3Xn7PpAO
反転するアルヴァトーレ、虫の息の国連軍を無視するかのようにコロンブスを追う

マリーダ「……!?」

アレハンドロ「飽きた。やはりガンダムこそが我がアルヴァトーレと世界に捧げる生け贄に相応しい」

アレハンドロ「お前たちの始末はその量産型に任せるとしよう。さらばだ……旧時代の落とし子共」

アルヴァトーレが退いたことで再び周囲を取り囲むRGM、その数は十五機
破損した四機対無傷の十五機、性能差と技量で逃げ切れる範囲を超えた、まさに多勢に無勢の状況にあった

ソーマ「中佐……!」

セルゲイ「慌てるな少尉、無傷の君と中尉だけが今は頼りだ」

ソーマ「は、はいっ!」

マリーダ「ダリル、大丈夫か?」

ダリル「直撃は避けましたぜ! 五体満足、まだやれます!」

ダリル「耐えましょうぜ中尉、あの人はきっと来てくれます!」

マリーダ「その意気だ……!」

セルゲイ(あのMAのパイロット、アレハンドロといったか……)

セルゲイ(感情にムラがありすぎる、不安定といっても過言ではない)

セルゲイ(まさかとは思うが……)

セルゲイ「ぬぅっ!?」

RGMの一機が、方向転換を始めたバージニア艦目掛けビームガンを見舞う
セルゲイは射線上に割って入り、シールドで弾き返しバージニアを守り抜く
一機の攻撃を皮切りに、粒子と砲弾が四方八方から降り注ぐ
GNーX一機辺り、単純に倍の攻撃が集中する。逃げ場など、何処にも無い
976 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:23:04.46 ID:I3Xn7PpAO
マネキン「本艦の損傷はッ!?」

オペレーター「第二ブロック被害甚大、第四出力部のエネルギー供給がストップしています!」

オペレーター「速度は77パーセント低下! 右前部リニアキャノン停止! 被害甚大! 被害甚大!」

マネキン「ッ……」ギリッ

マネキン「第二ブロックへ人を回せ! 第四出力部のエネルギーは第二、第三から回して航行速度の安定を第一に!」

状況は最悪と言って良かった
ものの五分でバージニアは甚大な被害を被り、戦力は三分の一にまで削り落とされた
おまけに敵には包囲され、残りの戦力も損傷しており万全ではない
アルヴァトーレがいなくなった現状でさえ、事態は好転する素振りさえ見せない

マネキン「ッ……!」

砲弾が左舷すれすれで爆発、艦を大きく揺らす
マネキンの脳裏にもまた、死の予感が忍び寄っていた

ーバージニア・MSドッグ(半壊)ー

整備士「こりゃひでえ……!」

別のブロックから様子を見に来た整備士は、アルヴァトーレの突貫により破砕されたMSドッグに言葉を失う
強力な万力でねじられたように変形したGNーXがそこかしこで火花を散らし、その場にいた整備士達の遺体も宇宙に投げ出されたのか、血の一滴さえも其処には存在しない

整備士「ッ……」

彼等もプロだった。亡くなった同僚の為にも、今は使える武器や機体を探そうと辺りを見回していく

整備士「ん?」

整備士(今、奥の方で音がした? いや宇宙空間だぞ……?)

ガタンッ

『いてて……何なんだよこの有り様は、敵襲かぁ?』

整備士「ひぃ!?」

コーラサワー「お? どうしたよお前ら……」

整備士「パ、パトリック少尉!?」

整備士「……何で生きてるんですかこの惨状の中で!?」

コーラサワー「知らねえよ! 生きてて悪かったみたいな言い方すんなっ!」

コーラサワー「まあいい、GNーXはまだあるか!」

整備士「え……?」

コーラサワー「え……じゃねえよ! AEUのエースはこの俺、パトリック・コーラサワーだ!

コーラサワー「俺がやらなきゃ誰がやる! 出撃するったらするんだッ!」
977 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:25:15.69 ID:I3Xn7PpAO
ートレミーー

スメラギ「国連軍同士が交戦している……?」

フェルト「はい、熱源は此方から確認出来るだけでも二十以上あります」

リヒティ「仲間割れ……っすかね?」

ラッセ『どうする、スメラギさんよ』

スメラギ「……」

ピッ

スメラギ「この通信を聞く、全ガンダムマイスターに問うわ」

刹那『……』

アレルヤ『スメラギさん……?』

ティエリア『……』

ヨハン『……?』

スメラギ「国連軍同士か、はたまた第三者が加わったのかは現時点では不明」

スメラギ「でも、現に私達の目の前で国家戦力がぶつかり、戦闘行為を繰り広げている……」

スメラギ「これは、紛争と見なすことが出来ないかしら?」

刹那『!』

ハレルヤ『ほぉ、言うようになりやがった』

ティエリア『無論だな』

ヨハン『フッ……』

リヒティ「行くんすね?」

ラッセ『よっしゃ!』パシンッ

フェルト「ソレスタルビーイングに……沈黙は許されない」

クリス「スメラギさん!」

スメラギ「決定、みたいね」クスッ

スメラギ「これよりプトレマイオスは前進、前方の国連軍の戦闘行為を紛争と断定、武力介入を行います」

スメラギ「ガンダムは全機出撃! プランB2にて対応を!」

刹那『了解!』

ラッセ『行くぜ刹那ァ!』

アレルヤ『了解!』

ティエリア『了解』

ヨハン『……了解』

ヨハン『偵察のためスローネは先行する、ミス・スメラギ、許可を』

スメラギ「許可するわ。ただし、攻撃にはこちらの許可を申請するように」

ヨハン『了解、スローネアイン・トゥルブレンツ、先行する!』
978 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:30:42.10 ID:I3Xn7PpAO
ダリル「畜生! 何て数だ!」

マリーダ「えぇいッ!」

ロングライフルの砲身をパージ、構えたビームライフルとバルカンでひたすらに弾幕を張る
それでも敵機の粒子ビームはバージニアの装甲を焼き、艦の至るところから警告音が発せられていく

マネキン『スミルノフ中佐、小型艇で何とか乗員を脱出させます! 小型艇の援護をしつつ撤退を!』

セルゲイ「バージニア艦を放棄するおつもりか!?」

マネキン『出力も安定しないこの艦では荷物同然です。このまま皆で宇宙の藻屑となるよりはよろしいでしょう……!』

マネキン『本艦はそのままルートを変え囮になります。中佐、後はよろしくお願いします……!』

モニターに映るマネキンは、覚悟を決めたように笑っている
恐らくは艦と運命を共にするつもりなのだろう
バージニア艦が守りきれない以上何処かで放棄するしかない、それはセルゲイにも痛いほど分かっていた
セルゲイは、彼女を直視できずに俯く

ソーマ「まだ諦めないでください、大佐ッ!」

ダリル「俺達だけでもやってやりまさぁ!」

ソーマ機は持ち前の反射神経で火線を押し上げ、敵を下げようと試みる
ダリルは、速度の上がらない機体を上手く扱い何とかして防衛の役割を果たそうとしている
バージニアの傍らで、四機は必死に艦を守り防戦していく
しかし、これ以上は保たない
撃ち込まれた粒子ビームをシールドで受け、マリーダ機が激しく揺れる

マリーダ「つぅっ!」

マリーダ自身、このままではいずれ死ぬ。それもよく分かっていた
だからこそ、無傷の自機が切り開かねばならない。覚悟は、とうに出来ている
979 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:34:14.86 ID:I3Xn7PpAO
マリーダ「ダリル、艦は任せる!」

ダリル「中尉ッ何を!?」

バルカンで牽制しながら、RGMの集団の真っ只中に飛び込んでいくマリーダ
NGNバズーカを構える一機に急接近し、ビームサーベルを抜き放つ

マリーダ「墜ちろォッ!」

シールドでバルカンを受けるRGM、バルカンが命中し赤熱した部分に勢い良く刺突を繰り出す
融解し突き抜けた刃はRGMの胸部まで到達、装甲を切り裂き内部コンデンサーを炸裂させ背部から血のような粒子を噴き出した

マリーダ「はあぁッ!」

ビームサーベルから手を離し、RGMの喉元を掴み引き寄せる
とっさに左方向に向き直ると、RGMを盾代わりに粒子ビームを受け止め、そのまま別の敵機に猛接近
捕まえたままの機体を敵機目掛け投げつけた

マリーダ「二つ目だッ!」

RGMの爆発に怯んだ別の一機、そのシールドの緩んだ隙間をビームライフルで即座に撃ち抜く
まだ十三機いるとはいえ、包囲するように展開するRGMはこれにより片側の攻撃の密度を薄めることになる
それを見逃すカティ・マネキンではない

マリーダ「大佐!」

マネキン『ッ……!』

マネキン『艦を十時の方向に向けろ! 包囲から抜け出すッ』

セルゲイ「ピーリス少尉、バージニアの腹を守れ! 頂武特務部隊の意地を見せろッ!」

ソーマ「了解!」

セルゲイ「無茶をするなよダッジ准尉! 殿は私が務める!」


980 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:39:55.64 ID:I3Xn7PpAO
元々マリーダの認識に自身の存在価値など存在しない。故に無理のある突撃を、何度も何度もこなしていく
四機目のRGMが、胸に風穴を開けられ爆散し消える中、レーダーが高速で飛来する敵機を捕捉する

マリーダ「ッ!?」

マリーダ機の背後から猛追するRGM、そのカラーリングは緑。
背部には他のRGMには無い筒状のプロペラントタンクが四基、そしてGNーXにも劣らぬ速度を見せるスラスターが一際目に付く
指揮官機用にカスタマイズされた特別機、武装も他とは違う


マリーダ「司令塔か……!」

マリーダ(此奴を墜とせば、指揮も乱れる!)

ダリル「中尉、援護します!」

マリーダ「不要だ! バージニアを守れダリル、これは命令だ!」

マリーダ(大佐達を、私の大切な人々を死なせるわけにはいかない!)

マリーダ「私が相手だッ!」ヴンッ

ビームサーベルを抜くGNーX。RGMカスタムもまた、右手に握る高出力のビームジャベリンに粒子の刃を形成させる
向かってくる深緑の影に、自らも操縦桿をきつく握りしめた

ドクンッ

マリーダ「っ!?」

その時だった。心臓が歪むように鼓動を放ち、幾千の針が締め付けるような圧迫感が肺を襲う

マリーダ「かふっ……!」

マリーダ(こんな時に……!)

以前、スローネアインの砲撃により植え付けられた忌々しいGN粒子の毒。不定期に訪れる発作が今になって現れてしまった
呼吸をしようにも、釘で打ちつけられたように横隔膜は動かない
全身の汗腺が開き、汗が噴き出す。GNーXの動きが、止まる
981 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:45:05.53 ID:I3Xn7PpAO
マリーダ「あぅっ!?」

RGMカスタムのジャベリンの刃がGNーXの右腕を叩き斬る
マリーダは激しく揺さぶられながらも、薬を取り出し無造作に口へと放り込む
即効性故に、呼吸を阻害する釘は直ぐに引き抜かれ、空気が肺を満たす

ダリル「中尉ィッ!」

しかし敵機へと向き直る前に、ビームライフルの猛攻で左腕と右足が落とされる
意図して急所を外したような戦い方に、マリーダは為す術を失っていく

マリーダ「う……っ」

薬の効力が出た頃には、頭部を砕かれ全ての武装を失ってしまう
至近距離、サブカメラにはRGMの顔が大々的に映し出されている

ダリル「やらせるかよッ!!」

ソーマ「ッ……!」

二機が援護に向かおうとした瞬間、他のRGMが二機を遮るようにビームガンを乱射する
ダリル「退けぇぇぇぇ!」

ソーマ「中尉ッ、マリーダ中尉ィィィ!」
982 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:47:23.45 ID:I3Xn7PpAO
マリーダ「……」

ダリルとソーマが叫んでいる、しかしそれも段々と遠退いていくように感じた
死を覚悟し、瞼を閉じる
軍属である以上、そしてガンダムと戦う以上、それは避けられない事である
無双の古強者でも死ぬときは死ぬ
自身など、生き延びてこれたのが不思議なくらいだ
死ぬときは造作もなく死ぬ。戦いとは、兵士とはそういうものだ

マリーダ「……」

でも

でもやはり、最期くらいはと思ってしまう

最期だけでもと、願ってしまう

死の間際ならば尚更のこと、逢いたかった

マリーダ「申し訳ありません……マスター……」

何一つ守れなかった後悔から視界が歪み、涙が粒となって辺りに漂う
RGMの指がコクピットに当てられ、ミシリと不吉な音を立て始める
このまま押しつぶそうというのだろうか
983 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:49:21.07 ID:I3Xn7PpAO
潤む眼が、モニターに割って入る影を写し出す

マリーダ「……え」

RGMカスタムが、横合いから突き出された拳に殴られ視界から消える
代わりに現れたのは、漆黒のボディに浮かび上がる、ユニコーンと翼のマーキング

マリーダ「あ……!」

見紛う筈も無い。自身が憧れた、あのマーキングを
見紛う筈が無い。自身が誇りとした、このMSを

マリーダ「フラッグ……!」

『待たせたな、フラッグファイター』

接触回線により通信が飛び込んでくる。あの夢以来待ち望んでいた、主の声が鼓膜をくすぐった

           ・
                         ・
                         ・

グラハム「無事か、マリーダ」

マリーダ「……はい……!」

グラハム「何とか間に合ったようだな、我等フラッグファイターを繋ぐ赤い糸は、まだ切れてはいないらしい」

グラハム「……」

マリーダ機から少し離れ、バージニア艦とRGM達を見下ろすグラハム
一次戦闘が終わり、半数以上の味方を失ったというのは聞いていた
その無念を晴らすことも出来ず、裏切りによって命を散らせた仲間の悲痛な叫びを彼は感じ取っていた

グラハム「よくもやってくれたものだ……アレハンドロ・コーナー……!」

先ほど殴り飛ばしたRGMカスタムがジャベリンを構え突貫してくる
恐らくは最大戦速、その速度は他機の比ではない
984 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 00:58:28.24 ID:I3Xn7PpAO
交差する機影。RGMカスタムのジャベリンはGNフラッグを捉えることなく虚空を掠め、通り過ぎていく
すれ違いざまに胴を払われ、下半身のみを僅かに遅らせながら暫く走らせたものの、そのまま爆発し宇宙の塵となる

グラハム「……許さん……!」

グラハム「許さんぞッ! 貴様等ァァァァァァァ!!!」

バイオシートが怒りに呼応、GNフラッグは一瞬で加速しRGMの集団に飛び込んでいく
反応しきれぬ一機が、盾ごとその身を真っ二つに斬り捨てられた

グラハム「まだだぁぁぁぁぁ!!」

急停止からの再加速、乱れた陣形に自らの身を投げ込む
ビームガンの一撃をGNシールドで防ぎ、カタギリがシールドに追加した鉤爪状のアタックスパイクを懐にねじ込む

グラハム「はぁぁぁッッ!!」

そのまま加速、食い込むスパイクがオイルの血に濡れ火花で燃える
別のRGMに押しつけるように体当たりをかまし、ロングソードを振るい諸共に両断する
背後からその隙を狙うかのように、ビームサーベルを抜いたRGMが襲い来る

グラハム「温い!」

サーベルの切っ先がフラッグに突き刺さる前に、振り向きざまの一閃がサーベルを握る腕を斬り飛ばす
刃を握ったままの腕が宇宙空間に舞う

グラハム「剣とは……!」

グラハム「こうして使うものだッ!」

舞ったビームサーベルを腕ごと掴み、上から叩きつけるようにRGMに突き刺す
火花を噴き出す機体を蹴り飛ばし、爆風を背にバージニアの方へと移動する
ダリルがマリーダ機を回収する間、バージニアと敵機の合間を埋めねばならないからだ

グラハム「中佐ッ!」

セルゲイ「グラハム、間に合ったか……!」

グラハム「遅れて申し訳ありません! アレハンドロ・コーナーは!?」

セルゲイ「奴を知っているのか!」

セルゲイ「だがまずはバージニアの安全確保だ、頼らせてもらう!」

グラハム「そのご期待に沿いましょう! ピーリス少尉、残りを一挙に殲滅する! ついて来い!」

ソーマ「了解、グラハム大尉!」
985 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 01:01:12.85 ID:I3Xn7PpAO
           ・
                         ・
                         ・

ピピッ

ヨハン『ミス・スメラギ、巨大な熱源を二つ此方で確認した』

スメラギ「二つ? まさかGNーXを展開せずに輸送艦で接近しているというの……?」

ヨハン『そちらに映像を転送する』カチカチッ

ヴンッ

スメラギ「!」

クリス「この光……疑似太陽炉を搭載した新型艦?」

リヒティ「白い方、箱みたいっすね。やたらとデカいっつうか」

スメラギ「輸送艦だとするなら……中身はやはり国連軍のMS?」

スメラギ「もう一つの機体……これは護衛の戦闘艦……いえ、疑似太陽炉搭載型のMA?」

ヨハン『ミス・スメラギ、有効射程内に入った。攻撃の許可を』

スメラギ「……」

スメラギ(敵の出方が分からない以上、先手は撃っておきたい……)

スメラギ「許可します。先制攻撃を!」

ヨハン『了解、スローネアイン・トゥルブレンツ、目標を攻撃する』

クリス「スメラギさんッ! 敵MAから高エネルギー反応!」

スメラギ「この距離からッ!?」

ーアステロイド宙域ー

ヨハン「馬鹿なッ!?」

スローネアインの横を、凄まじい熱量の激流が走る。方角からして、狙われたのはプトレマイオス
通信の状況を鑑みるに、かなりの損害を被ったようだ

ヨハン「……ッ!」

アレハンドロ「出てきたらどうかね、死に損ないの羽虫!」

ヨハン「!」

金色のMAからの通信、モニターに映し出されたのは怨敵とも言える憎い男、アレハンドロ・コーナー
ただしその顔は、投薬と手術により肥大化した神経と血管が浮き出た醜悪なものになり果てていた
986 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 01:06:51.30 ID:I3Xn7PpAO
ヨハン「アレハンドロ・コーナァァァァァ!!」

隕石の陰から躍り出て、GNブラスターを乱射するスローネアイン。しかし粒子に守られたアルヴァトーレには傷一つつかない

ヨハン「ちっ、厄介な装備を……!」

アレハンドロ「てっきりプルツーとサーシェスに始末されていると思ったが、まだ生きていたとはな」

アレハンドロ「まあいい、私が直々に貴様を冥府に送りつけてやろう。このアルヴァトーレでな……!」

ヨハン「ミハエルの仇、取らせてもらう!」

アレハンドロ「はぁ?」

アレハンドロ「やれるわきゃねえだろぉがぁぁぁぁッ!?」

ヨハン「ッな……」

本人を知る人間からすれば到底吐きようがない罵声、同時にスローネアインのレーダーに追加される三十五の熱源体

ヨハン「新型の量産機!?」

三十一機のRGM、四機のRGMカスタムにより構成される大部隊は、大きく二手に分かれプトレマイオスを目指し移動を開始する
コロンブス艦でさえも前進する中、小さな熱源がヨハンを取り囲む

ヨハン「ッ!」
987 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 01:15:56.59 ID:I3Xn7PpAO
違和感に身を任せての上方向回避、粒子ビームがスローネアインをすり抜ける

ヨハン「ファングだと……?」

アレハンドロ「その通りッ! このアルヴァトーレには、貴様等ガンダムに搭載された全ての機能が搭載されているのだよぉ!!」

ヨハン「ちっ!」

数多のビームライフルの掃射を、飛行形態に変形し回避していく
隕石群を物ともせずに打ち砕く火力に、ヨハンもまた芽生える恐怖にたじろいだ

アレハンドロ「ふはぁはははははッ! 素晴らしい、素晴らしいぞアルヴァトーレッ!」

アレハンドロ「さぁ来いガンダムッ! 貴様等の太陽炉を手に入れ、私が世界を統べるのだッ!」

ヨハン「笑わせてくれるな、アレハンドロ・コーナー」

アレハンドロ「……何だと……ッ?」

ヨハン「如何にそのMAが強かろうと、乗っているのが貴様では話にならん」

ヨハン「世界を変革に導けるのは、貴様や我々ではない……」

ヨハン「そう、それが為し得るのはソレスタルビーイングと……ガンダムマイスターのみ!」

アレハンドロ「貴様ァァァァァ!」

ヨハン「貴様も私も、この世界には不必要な存在だ……」

ヨハン「トリニティの生みし業は私が背負うッ……貴様を倒して私も死のうッ!! アレハンドロ・コーナー!!」
988 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 01:34:48.21 ID:I3Xn7PpAO
ーバージニアー

マネキン「……」

オペレーター「信じられない……」

マネキン「私もだよ」

マネキン「まさかあの絶望的な状況から、たった一機の戦力で此方の消耗も無く敵部隊を全滅させられるとは……」

オペレーター「……」

オペレーター「出力部、エネルギー供給安定しました」

オペレーター「このまま撤退するのですか?」

マネキン「……」

マネキン「グラハム大尉は?」

オペレーター「まだMSドッグの方かと」

マネキン「繋いでもらえるか?」

オペレーター「了解しました」

マネキン「……」グッ

ーMSドッグー

グラハム「ガハッ……!」

先刻手渡されたタオルにこみ上げた鮮血を吐き出し、MSドッグの陰の壁に力無く寄りかかる
暴力的とも言えるユニオンフラッグカスタムU、GNフラッグの加速力に内臓はボロボロにされているのだろう
RGM七機を撃墜したその戦闘力も、命を削った故の力であった

グラハム「……」

グラハム(マネキン大佐は、そろそろ決心する頃だろうな……)

グラハム「……」スッ

グラハム「ハワード、決着の時は近いぞ。お前との誓い、必ずや果たしてみせよう」

グラハム「私と、マリーダのフラッグでな」
989 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 01:46:14.81 ID:I3Xn7PpAO
整備士「グラハム大尉! マネキン大佐より通信が入っています、至急……!」

グラハム「了解した、ブリッジには直ぐに向かうとお伝えしてくれ」

整備士「へ? あ、は、はい!」

ーブリッジー


グラハム「……」

マネキン「来たか、グラハム」

セルゲイ「……」フッ

ソーマ「マスター・グラハム!」パァッ

グラハム「グラハム・エーカー上級大尉、只今ブリティッシュ作戦に合流致しました」ビシッ

マネキン「うむ、先ほどは助かった。緊急時故に挨拶はこれくらいにしよう」

グラハム「……」

ダリル「隊長」

グラハム「ダリル、私のいない間よくぞ戦場を支えてくれた」

グラハム「この礼、言葉では言い尽くせん。感謝するぞフラッグファイター」

ダリル「いえ、俺達は隊長が来てくださると信じておりました。一足先に撤退したジョシュアや、散っていった仲間達も報われます」

グラハム「……」

ダリル「隊長……俺は……俺は……ッ!」グスッ

セルゲイ「准尉……」

グラハム「ダリル……済まなかった」

マネキン「……」

グラハム「大佐、作戦は?」

マネキン「まだ私は何も言っていないぞ?」フッ

グラハム「お顔に書いてありますよ。ガンダムとの決着を着けに往く、最後の作戦を行うとね」

マネキン「……やれやれ」
990 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 01:56:56.13 ID:I3Xn7PpAO
マネキン「悔しいがその通りだグラハム。だが、参加を拒否する自由は全員にある」

マネキン「我々はこれより、GNーX四機とGNフラッグ一機のみでRGM三十五機、アルヴァトーレ一機、ガンダム三機のいる戦場に飛び込もうというのだ」

ソーマ「……」

ダリル「……」

セルゲイ「……」

グラハム「……」

グラハム「あと一機は、マリーダですか?」

マネキン「いや、残念ながら彼女は出られん。GNーXが大破してしまったのと、例の発作が確認されたからな」

グラハム「!」

マネキン「かなり食い下がりはしたが、修正して思いとどまらせた。済まないグラハム、君の部下に手を上げた」

グラハム「いえ、彼女はそうでもしなければ止まれないでしょう。汚れ役を引き受けていただき、ありがとうございます」

マネキン「何、気にするな」

マネキン「代わりの人員は、君の良く知る男だ」

グラハム「と、言いますと……」

『大佐ァーッ! このパトリック・コーラサワー、いつでも出撃出来ますよー!』

グラハム「!」

グラハム「パトリック・コーラサワー少尉! 生きていたのか!」

コーラサワー『ようトップガン、俺様が出撃するからには、タイタニックに乗ったつもりでいていいぜ!』

セルゲイ「それでは沈んでしまうではないか……」

グラハム「……」

グラハム「あぁ、頼りにさせてもらおう。頼んだぞ少尉」

コーラサワー『おう! 任せとけって!』ドンッ
991 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 02:09:12.10 ID:I3Xn7PpAO
グラハム「マネキン大佐」

マネキン「やるのだな、グラハム」

グラハム「……」コクン

グラハム「我々はガンダムとの決着のために今まで戦い続けてきました」

グラハム「にもかかわらず、最後の最期、裏切り者の手により幕が下りてしまったら……私は部下の墓前に立つことさえ出来なくなる」

セルゲイ「……」

ソーマ「中佐……」

グラハム「命を賭けて彼等とぶつかってきた我々こそが、ガンダムと雌雄を決するべきです」

グラハム「大佐、ミッションプランを授けていただきたい。戦術予報師としての貴女を、全面的に信頼させていただきます」

マネキン「……」スッ

マネキン「頼む。必ず、全員生きて帰ってきてくれ」

グラハム「……はい、大佐」

セルゲイ「行くぞ少尉、准尉。準備をする」

ソーマ「はい、中佐」

ダリル「了解!」

グラハム「ダリル?」

ダリル「出撃前に、中尉に会っていってくださいよ隊長」

ダリル「あの人が頑張ってくれなきゃ、俺達は全滅してたかもしれませんからね。褒めてやってください」

グラハム「……上官だぞ? ダリル」フッ

ダリル「おっといけねぇ……聞かなかったことにしてください」

ダリル「じゃ、先行ってますぜ」
992 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 02:26:36.19 ID:I3Xn7PpAO
グラハム「……」

グラハム「部屋にはいないな……となれば、やはり彼処か」タンッ

ーMSドッグー

マリーダ「……」

グラハム「マリーダ」

マリーダ「!」

グラハム「お前なら、見送りに来てくれると思っていたよ」

マリーダ「マスター……」

グラハム「……」チラッ

ソーマ「!」

ソーマ「……!」ウィンッ

コーラサワー「〜♪」ウィンッ

グラハム「全く、余計な気を遣う……」フゥ

マリーダ「マスター」

グラハム「む?」

マリーダ「申し訳ありません……最後の戦場にマスターが間に合って下さったにも関わらず、私は……」

グラハム「謝る必要など何処にもない。お前はフラッグファイターとしての責務を果たした、私はそれを誇りに思うよ」

マリーダ「!」

グラハム「お前の想い、そして散っていった全てのフラッグファイターの想い……我が剣に乗せ、必ずやガンダムとの闘いに終止符を打ってみせよう」

グラハム「それがこの私、グラハム・エーカーが為すべき事……」

グラハム「だから待っていてくれマリーダ、必ず生きて帰る」

マリーダ「……了解、マスター」

グラハム「マスターとは呼ぶな!」

マリーダ「っ!?」

グラハム「……」

マリーダ「……っ」

マリーダ「……待っています、グラハム」

グラハム「それでいい」フッ
993 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [sage]:2011/04/26(火) 02:51:01.77 ID:I3Xn7PpAO
グラハム「……」スッ

マリーダ「っ……」





『ミッションタイムまで残り五分、パイロットは準備を始めてください』





グラハム「……」

マリーダ「……」

グラハム「行ってくる」

マリーダ「ご武運を……マスター」

グラハム「あぁ」

ウィンッ

グラハム「……」

ピッピッ

グラハム「粒子は何とか八割方回復したか……」

コーラサワー「良いのかいトップガン」

グラハム「ん?」

コーラサワー「あんた、生きて帰れるって思ってないだろう? だのにあんな……」

グラハム「勝手な男だと笑うか?」

コーラサワー「……いや、あそこで何もしなきゃそれこそ男の名折れだわな」

グラハム「だが、折れてでもあそこは我慢すべきだったのかもしれんがな……」

コーラサワー「我慢弱いくせに強がんなっての」

グラハム「……耳が痛いな」

コーラサワー「……」

コーラサワー「死ぬなよトップガン、あのMAが滅茶苦茶強いのは聞いたし、そのフラッグがやべえのは何となくわかってらぁ」

コーラサワー「だからこそだ、絶対死ぬんじゃねえぞ」

グラハム「……」

グラハム「とうとう君にまでレディの扱いに口を挟まれるとはな……」

コーラサワー「おいおい、女を口説かせたら俺はAEU1、いや世界一だぜ?」

グラハム「生きて帰ったら、酒の肴にしよう」

コーラサワー「おう、一杯奢るぜ!」

グラハム「ふっ……」

グラハム「グラハム・エーカー、フラッグ! 出撃するッ!」

TO BE CONTINUED...

ソーマ「」←見ていた人
994 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 02:56:20.80 ID:I3Xn7PpAO
投下終了だフラッグファイター

とうとう次スレになってしもうた……
最近忙しさにかまけ気味だが、もっと投下速度を上げられるようにしていく。とりあえず頑張る


次回『union』

時代の変革の波、男は変われるのか、それとも……
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/26(火) 03:06:31.12 ID:0RUTzlHf0
乙でした マスター。 じっくり頑張ってください!
それにしてもタイタニックwww
996 :>>1 ◆/yjHQy.odQ [saga]:2011/04/26(火) 04:07:58.73 ID:I3Xn7PpAO
次スレ

http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1303758409/l20
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/26(火) 08:53:18.99 ID:ZkSjrqOAO

大佐の修正でワロタww
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 09:39:51.78 ID:v3xJlP6IO
マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」二機目
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303758409/

携帯板出されてもねぇ
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/04/26(火) 10:02:08.74 ID:Mw47eknWo
俺を踏み台にしたぁ!?乙
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/26(火) 10:38:35.21 ID:f9hSzLlg0
               〃 /  /     .      ヽ   、 \
              / /  /    . /        ',    ヽ ヽ
               / /  :/l/  , . : :l /: /       l |     ゙,: l
                 ' /r‐、' .   :/: /:// : l: . :     ヽ い:ヽ : .  、|
             j ry /゙Y : . : l : lフヘ: : l: :、ヽ:    !: トミ、ヽ: .  、ヽ
             //./ / __l: : : l:ト、l_≧=ヽl、: :い:   l: /ヽl: : :l: 、:ヽ: ヾ=‐
           ー'y' / / / } l : N《 ̄芥心ミヽヽl: : /:/=―ヽ j: :| : l | |
                / / / / ,'ハ:、:l `、{几rリ`ヽ ゙l : ルクfjT_lイ: / 〃j/
            / / / / ,'/ <ヽ ミ-  ̄ ̄   ノ ィ 弋rリィノ':ノ/ ´
             , ' ,/ / / ,'∧ -ヽ             l   ̄孑 "´
         / ´ ´   ,'∧ `¬1            ,     /
          /       { ぃ: :八         ` '゙    /
          /      ,' l  i从!_>┐   , -‐‐-,   ' __
        ,        ,' /'゙´ ̄   |:::::::|、   `¨二 ´ / l:::ト、_
       ,'        /       |:::::::| \     .イ___j:::|  |
        l       //      |:::::::|、 ` ─‐ ´ !   |:::|  |
.       丿    _ //       '|:::::::|` ー- 、_,. -‐ヤ   |:::|  |
    r‐く二二、  トム       |:::::::|    ハ   ,   |:::|  |
r≦三7  ` ‐、_ ` くノ \      |:::::::|   /: : :',  '、 |:::|  |
.  ∨      ` ≪i\   \     |:::::::|  rf´ : : : ゙、   ヽ|:::| 〈‐-、_
1001 :1001 :Over 1000 Thread
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | アパム!アパム!次スレ建てて来い!アパーーム!
       \_____  ________________
                ∨
                      / ̄ ̄ \
      /\     _. /  ̄ ̄\  |_____.|     / ̄\
     /| ̄ ̄|\/_ ヽ |____ |∩(・∀・;||┘  | ̄ ̄| ̄ ̄|
   / ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|  (´д`; ||┘ _ユ_II___ | ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
   / ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|( ” つつ[三≡_[----─゚   ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
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えるぼっちと仲良くしよう! @ 2011/04/26(火) 09:04:02.94 ID:YzGhj9YXo
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マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」二機目 @ 2011/04/26(火) 04:06:49.06 ID:I3Xn7PpAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303758409/

GANTZ滋賀チームにありがちなこと @ 2011/04/26(火) 03:35:46.81 ID:fsEQbrjUo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1303756546/

キョン「なぁ古泉、相談があるんだが」 @ 2011/04/26(火) 02:46:33.65 ID:FeMjd8wAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303753593/

リア充勇者「もう魔王なんてよくねwwwwww」 @ 2011/04/26(火) 02:26:28.42 ID:RXJTS14co
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303752388/

◆AZUMAz2DBkを巡ってホモたちが争っててワロタ @ 2011/04/26(火) 02:04:23.83 ID:fC5M07fho
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【雑談】酒の肴は蛇とぬことAA 今日もココでフリーダムに♪VOL.137【旅好き】 @ 2011/04/26(火) 01:53:30.59 ID:USKpa0ODO
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