このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

佐天「……特務支援課?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2011/03/20(日) 11:58:16.06 ID:58MzrMB30
「とある(というか正確には佐天さんオンリー)」と「零の軌跡」のクロス
登場人物のキャラが違っても笑って許して頂きたい
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 11:58:43.63 ID:58MzrMB30
――ケテ

佐天「……ん」


――ミツケテ


佐天「……う、」



――ワタシヲ、ミツケテ



佐天「……っ、なに?」パチパチ

佐天「う、眩しい……光が……」

佐天「……。何だったんだろう、今の声……。夢、にしては引っかかるけど」
3 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:02:47.47 ID:58MzrMB30
佐天「って、今何時? 今日は初春たちとセブンスミストに行く約束してたんじゃん!」

佐天「寝過ごしたかな!? うわ、どーしよ! えーと、とにかく……」

佐天「……うん?」

乗客『……』ジーッ

佐天(あれ……? 寮の部屋じゃない……)

佐天(……窓の外で景色が動いてる……ってことは、これ電車?)

???「あの……大丈夫?」

佐天「え?」

???「とりあえず、腰を下ろしたらどうかな」

佐天「へ……」

乗客『……』ジーッ

佐天「はわっ! す、すみません!」スタッ
4 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:04:30.67 ID:58MzrMB30
お婆さん「ふふ、お嬢さん大丈夫? となりのお兄さんと一緒にうなされてたみたいだけど」

お爺さん「もしかして恋人同士じゃったりするのか? 若いってのはいいもんだのう」

佐天「え、あ、いや」

???「ははは、違うよ。彼女とはたまたま相席になっただもの。ね?」

佐天「あ、はい……。そうですけど……」

お爺さん「む、そうなのか。お二人さん、なかなかお似合いだと思うがのう」

お婆さん「もう、お爺さんたら、あまり若い人をからかうものじゃありませんよ」

お爺さん「ははは、すまんなあ」

佐天「あ、いえ……」
5 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:11:58.44 ID:58MzrMB30
ロイド「これも何かの縁だろうから自己紹介しておくよ。俺はロイド・バニングス。よろしく」

佐天「あ、佐天涙子です……けど」

ロイド「? 俺の顔に何かついてるかな?」

佐天「あ、いえ……」

佐天(聞き覚えはないよね……。外人さん……のわりに言葉は通じるみたいだし……)

ロイド「顔色が悪いみたいだけど、大丈夫?」

佐天「えと、はい……多分」

お婆さん「そうだ、二人とも……凍らせたレモネードがあるんだけど、どうかしら」

ロイド「折角だから頂こうかな」

佐天「あ、私……も頂きます」

お婆さん「はい、どうぞ」
6 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:12:25.35 ID:58MzrMB30
お爺さん「うむ、もうすぐクロスベルじゃな」

ロイド「はは、久しぶりだなあ。ここ数年でえらく街並みが変わったって聞くけど」

お婆さん「ええ、そうね。デパートも改築されたし、導力車もたくさん走るようになったわ」

佐天(クロスベル……? やっぱり学園都市とは別の場所……)

お爺さん「若いの、君はクロスベル出身かね?」

ロイド「うん。三年ぶりに戻ってくることになったんだ」

お爺さん「お嬢さんは?」

佐天「あ、私は……その……」

お婆さん「ふふ、寝起きでまだ頭がはっきりしないのかしら。クロスベルまではあと少しの間だけど、少し休むと良いわ」

佐天「はい、そうさせてもらいます……」
7 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:13:57.26 ID:58MzrMB30
佐天(……いったい、何がどうなってるんだろう……)

佐天(クロスベルってなに? 導力車って、なんなの?)

佐天(この電車も何? どうして私がこれに乗ってるの……)

佐天(何が起こってるの……。初春……、御坂さん……白井さん……助けて……)

ロイド「……」

佐天(わからないよ……。なにがなんなのか……)
8 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:15:18.72 ID:58MzrMB30
《クロスベル/中央通り》

佐天(どうしてか旅券は持ってたけど……荷物はないみたい……)

お爺さん「ふむ、ここまででいいぞ」

ロイド「どうせなら家まで送っていくよ?」

お婆さん「あら、ダメよ。今日が初出勤なんでしょう」

お爺さん「うむ、何事も初めが肝心じゃ」

ロイド「はは、そうだね」

お婆さん「私たちは東通りの外れに住んでいるわ。また何かあったら遠慮なく寄って頂戴ね」

お爺さん「お嬢ちゃんもな」

佐天「あ、ありがとうございます……」

お爺さん「それじゃ、いこうかね」スタスタ
9 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:17:45.52 ID:58MzrMB30
佐天(これからどうしよう……)

ロイド「さてと。それじゃ、行こうか」

佐天「え」

ロイド「……実は、俺は今日から警察官なんだ。だから警察署までは君を送っていける」

佐天「……あ、その…………」

ロイド「何か言えないような秘密とかが?」

佐天「そういうわけじゃないんです……ただ、く、クロスベルに来るのは初めてで」

ロイド「そうか……。クロスベル出身だと思い込んでいたけど、他の国出身だったりするのか……?」

佐天「あ、でもその、右も左もわからないので、警察署まで送って下さるなら是非……」

ロイド「うん、わかった。責任を持って君を警察署まで送り届けるよ」

佐天「……」
10 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:18:27.25 ID:58MzrMB30
《クロスベル警察》

ロイド「さて……場所は変わってないみたいでよかった」

佐天「……」

ロイド「大丈夫かい?」

佐天「あ、はい……」

ロイド「とりあえず受付のあの娘に君のことを話してみるよ。俺は仕事があるから悪いんだけどここまでかな……」

佐天「いえ、ありがとうございました。ここまで親切に……」

ロイド「気にしないでくれ。当然のことをしたまでだから」

佐天「ロイドさん……」

ロイド「それじゃあ、そこのソファでちょっと待っててくれ」

佐天「あ、はい」
11 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:20:04.66 ID:58MzrMB30
佐天(……どうなるんだろう)

???「ん? 見慣れねぇ顔だな」

佐天「へ?」

???「ウチのヒヨッコを迎えに来たが、まさかこの警察に客がいるとはな」

佐天「あ、あの……?」

セルゲイ「ああ、俺はセルゲイ・ロウってんだ。ちょうどそこにいる奴を迎えに上がったわけだ」

佐天「ロイドさんのことですか……」

セルゲイ「ん? お前ら知り合いなのか?」

佐天「あ、はい。少し色々な事情がありまして……」
12 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:23:12.56 ID:58MzrMB30
セルゲイ「ほう? どっこいしょっ、と」

佐天「え?」

セルゲイ「話してみろよ。なにか悩んでんだろ? 聞くだけならタダだしな」

佐天「あ……」

セルゲイ「こう見えても一応は警察だからよ」

佐天「……」

セルゲイ「どうした?」

佐天「…………その、実は」

*佐天はセルゲイに自分の置かれた現状をかいつまんで説明した*

セルゲイ「……気付いたら列車に乗ってた、か」

佐天「そう、ですね……」

セルゲイ「誰かしらに拉致られただの、事件に巻き込まれただの、邪推すりゃキリがねえな」

佐天「ら、拉致……?」

セルゲイ「だが、ふむ……そうだな……。おい、ルイコっつったか」

佐天「は、はい」
13 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:23:38.78 ID:58MzrMB30
セルゲイ「お前……ウチで働いてみねえか」

佐天「ええっ?」

セルゲイ「俺が立ち上げた新部署なんだがな……人手が少ねえんだ。幸い戦術オーブメントの換えはある」

セルゲイ「そこのロイド・バニングスも配属の……予定だし、悪くはねぇと思うが?」

佐天「え、でも……私警察官の柄じゃ……」

セルゲイ「そこらへんの心配はしなくてもいい。柄じゃない奴しか集まってねえからな……ククク」

佐天(一体どんな部署なのよ……)

セルゲイ「働かずに生きていけるわけでもねえし、働き口が見つかる確証もねえ。乗っとくのがトクだとは思うがな」

佐天「……その、考えさせて貰えませんか……」

セルゲイ「っと、俺としたことが喋りすぎたか。ロイドを迎えにいかねえとな。おいルイコ、ついてこい」

佐天「…………ほんと、どうなっちゃうんだろ……」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/20(日) 12:24:07.00 ID:wQL7mZ1DO
俺得スレだ
15 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:33:44.11 ID:58MzrMB30
セルゲイ「おいフラン、そいつは俺が預かる」

フラン「あ、セルゲイ警部。特務支援課って、警部が立ち上げた部署なんですね」

セルゲイ「ま、半年後には予算の都合でなくなってるかもしれんがな」

佐天・ロイド(……一体どんな部署なんだろう……)

セルゲイ「さて、ロイド・バニングス。俺はセルゲイ・ロウ……お前らの上司だ」

ロイド「は。ロイド・バニングス、本日付けで」

セルゲイ「それはまだいい」

ロイド「へ?」

セルゲイ「ま、とりあえずついてこい」
16 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:42:41.02 ID:58MzrMB30
ロイド「って、あれ……君も?」

佐天「あ、あはは……なんかスカウトされたみたいで……」

ロイド「……いったいどんな部署なんだ……」

セルゲイ「おい、とっととしろ」

《会議室》

ガチャ

男「お、おいでなすったか」

女「……あら? 聞いていたよりも多いみたい」

少女「……」

セルゲイ「これで全員揃ったことになるな」

ロイド(え……たったこれだけで? というか、面子が若い……)

佐天(私と同じくらいの子もいる……)
17 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 12:48:36.90 ID:58MzrMB30
セルゲイ「おい、自己紹介」

ロイド「あ……ロイド・バニングスです。クロスベルには三年ぶりに戻ってきました。宜しくお願いします」

佐天「……あ、私もか……。えっと、佐天涙子です。……クロスベル出身ではないです」

ランディ「オレはランディ・オルランド。二人ともよろしくな」

エリィ「エリィ・マクダエルです。よろしくね、ロイドさん、ルイコちゃん」

ティオ「……ティオ・プラトーです」

セルゲイ「よし、ま、こんなとこだろ」

ロイド「……って、ちょっと待ってください課長……自分含めて顔ぶれが若すぎるような気が……」

セルゲイ「ハハハ、出来たばかりの部署だしな。ゼロからのスタートだ」

ランディ「ま、口うるさい上司がいないってのは気楽でいいねぇ」

セルゲイ「……っと、通信か。……はい……うむ、ああ、そうかわかった……後始末は……」

ロイド(導力通信の携帯端末……実用化されていたのか)

佐天(携帯電話……? 街並みは少し古いけど、技術は相応なのかな……)
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/20(日) 13:09:54.91 ID:/37c+D6U0
うわ何これ。
俺得すぐるwwww
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 13:11:26.30 ID:ji/4plHDO
一方さんのが止まってる以上、ここしか俺得は無い
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 13:26:55.24 ID:igd5q5Kyo
これは期待
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 13:43:11.38 ID:zn+Wn5lIO
期待

そしてティオたんペロペロ
22 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:26:33.62 ID:58MzrMB30
セルゲイ「……よし、お前ら。素敵な仕事が回ってきたぞ」

エリィ「え?」

セルゲイ「ついてこい」

ランディ「……はぁ、やれやれ……振り回すねえ」

佐天「……」

《駅前通り・ジオフロント入り口付近》

佐天「……ここは?」

ランディ「さてな……。後始末だとか言ってたが、まさか資材運搬とかじゃないだろうな」

ロイド「流石にそれは……」

ティオ「……」
23 :序章・特務支援課 [saga ]:2011/03/20(日) 15:27:03.21 ID:58MzrMB30
セルゲイ「よし、全員ついてきてるな。ここはクロスベル地下に広がるジオフロント区画の入り口だ」

ロイド・エリィ「!」

佐天「……じおふろんと……?」

セルゲイ「今からお前らにはここに潜ってもらう。総合能力の把握と実戦テストのためにな」

ランディ「へー、面白そうじゃねえか」

セルゲイ「ジオフロント内部にはそれほど強くないが魔獣が徘徊している。ま、それを掃討しながら奥へ辿り着くのが目的ってわけだ」

ティオ「……魔獣ですか」

佐天「ま、魔獣……?」

ロイド「ちょ、ちょっと待ってください! テストはともかくとして……魔獣の徘徊する場所にどうしてわざわざ入り込む必要が?」

ロイド「警備隊ならともかく、捜査官の仕事とは……」

セルゲイ「ま、その通りだな。捜査官の仕事じゃあない。ただし、『普通』の捜査官の仕事、じゃな」
24 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:27:50.14 ID:58MzrMB30
佐天「それって……?」

セルゲイ「詳しい話は後でしてやる。とりあえずこれを受け取れ」

*全員は戦術オーブメントを受け取った*

エリィ「これは……。新型の戦術オーブメント……?」

ランディ「なかなか洒落たデザインしてるじゃねえか」

ティオ「……第五世代戦術オーブメント、通称【ENIGMA】ですね。ようやく実戦配備ですか……」

佐天(え? なんのことなのか全然わからない……。どことなく……携帯電話に見えなくもない、かなあ)

セルゲイ「ルイコを除く各自にあわせて調整してあるからすぐにでも使えるだろう。使い方は……ティオ、お前がレクチャーしてやれ」

ティオ「……了解です。新型用の結晶回路《クオーツ》はありますか」

セルゲイ「ほれ。ここの鍵も渡しておくから、魔獣を適当に退治したら戻ってこい」

ロイド「ちょ、ちょっと」
25 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:28:18.70 ID:58MzrMB30
セルゲイ「おっと、言い忘れてたな……。ロイド、お前がリーダーな」

ロイド「え」

セルゲイ「今のところ、正式な捜査官としての資格を持ってるのはお前だけなんだよ。じゃ、頼んだぞ」

ロイド「あ、ちょっとセルゲイ課長……」

セルゲイ「〜〜」

ロイド「……」


ランディ「はっはっは、押しつけられちまったなあ」

エリィ「でも、捜査官の資格を持っている人がいてくれるなんて心強いです。ロイドさん、宜しくお願いしますね」

ロイド「……ああ、こちらこそ。でも呼び捨てで良いよ。見たところ年も変わらないようだし」

エリィ「あら、そう? 私は18だけど……」

ロイド「それなら同い年だ。よろしく、エリィ」
26 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:29:00.29 ID:58MzrMB30
ランディ「俺は21だが、堅苦しいのは嫌いだからタメで頼むぜ」

ロイド「はは。よろしく、ランディ」

ランディ「んで、残るはそこのお嬢さん二人組だな」

佐天「あ、あはは〜……」

ティオ「……」

ロイド「ティオはいくつなんだ?」

ティオ「14歳ですが、何か問題でも?」

ロイド「いや、そんなことは……ってええっ!? 14じゃまだ日曜学校も卒業してないし、警察学校も16歳……」

ティオ「……お言葉ですが、ルイコさんはどうなるんですか?」

佐天「え?」

ロイド「いやまさか。ルイコ、君も同い年くらいだろう?」

佐天「あ、いや、そ、そのー……じゅ、じゅうさんですけど……」

エリィ「じゅ、13歳!?」

ランディ「おいおい、マジかよ……」
27 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:31:00.34 ID:58MzrMB30
ティオ「とても13歳には思えない発育ぶりですけど……」ジーッ

佐天「あ、あの……あはは……よろしくね、プラトーさん」

ロイド「って、ルイコ! 君はまだ子供じゃないか! それなのにこんな……、くっ、課長に今すぐ――」

佐天「あ、あわわわ、待ってくださいよロイドさん! 多分セルゲイさんは善意で言ってくれたことですから!」

エリィ「でもルイコちゃん、あなたはまだ子供でしょう?」

ランディ「あんまり大人を心配させるもんじゃないぜ?」

佐天「お、お気持ちは嬉しいんですけど……、多分大丈夫ですって。たぶん」

ロイド「だけど……」

ティオ「……私も正式な警察官ではないですから、いいのではないですか」

ランディ「んー、まあ……俺もいろんな事情でここに来てるクチだしな。ある程度はしゃーねぇか」

ロイド「そんな事言ったって」
28 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:31:34.43 ID:58MzrMB30
佐天「ロイドさん、お気持ちは本当に嬉しいんですけど……私なら大丈夫です。きっと。たぶん」

エリィ「……ルイコちゃんがそこまで言うのなら止めはしないけど、危なくなったら私たちに遠慮なく頼ってね」

佐天(……頼り切りになりそうだなあ)

ロイド「……わかった。仕方ない……けど、ルイコ、無理だけはしないでくれよ」

佐天「はい、その点は大丈夫です。ところでその……、これってなんですか?」

*佐天は戦術オーブメントを掲げた*

ティオ「……エプスタイン財団が開発した第五世代の戦術オーブメントです。結晶回路を組み込むことで導力魔法《オーバルアーツ》の使用が可能になります」

ランディ「つーか、知らないでこんな胡散臭い仕事する気だったのか、嬢ちゃん」

佐天「すみません……ちょっと最近のものには疎くて……」

ロイド「そういえばティオ、随分と詳しいみたいだな」

ティオ「ええ。私はエプスタインの方からテスト要員として出向してきていますから」

エリィ「テスト要員?」
29 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:32:03.76 ID:58MzrMB30
ティオ「これです」

*ティオは機械仕掛けの杖を掲げた*

ランディ「なんだぁ? こりゃ」

ティオ「魔導杖――オーバルスタッフといいます。この新装備の実戦テストが、私の目的になります」

ロイド「なるほど……。それじゃ、それぞれの武器を見せてもらおうかな。そうじゃなくちゃ戦闘もやり辛いだろうし」

ロイド「ちなみに俺は……これだ」

*ロイドは柄のついた棍棒のようなものを掲げた*

ランディ「トンファーか……東方で使われる武具だな。殺傷力より防御と制圧力に重点を置いてるらしいな」

エリィ「なるほど、警察官らしい装備ね」

ロイド「色々試したんだけどこれが一番しっくり来てね」

エリィ「それじゃあ、次は私ね」

*エリィは意匠の凝らされた拳銃を取り出した*

ランディ「導力銃か。しかし随分と綺麗な銃だな」

佐天(どんな武器なんだろう……というかよく考えるとみんな物騒だなあ)
30 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:32:34.57 ID:58MzrMB30
エリィ「競技用に特別にカスタムしてもらったの。狙いの正確さは期待してくれても良いと思う」

ランディ「自信満々だねえ。そいじゃ、次は俺だ」

*ランディは刃付きの槍を取り出した*

ロイド「それは……スタンハルバードだったかな? 警備隊で使われていると聞く」

ティオ「……そのようです。導力を衝撃に変換する装置が取り付けられています」

ランディ「そーいうこった。んで、最後はルイコの嬢ちゃんだが」

佐天「武器と呼べそうなものは特に持ってないんですよねー……」

ロイド「まあ、それがいいさ。子供が無闇矢鱈に持つものじゃないしね」

ティオ「……皮肉に聞こえますね」

ロイド「いや、深い意味はないって……。と、とにかく戦闘になったらバランスよく戦えそうだな」

エリィ「そうね。色々な調整は実地で行えばいいでしょう」
31 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 15:33:11.83 ID:58MzrMB30
ランディ「でも、得物を見る限りなかなか纏まってる感じじゃねえか」

エリィ「ひょっとすると、その辺も考えて私たちを集めたのかもしれないわね」

ランディ「ははは、あのオッサン切れ者そうだったしな」

ティオ「……ところで、エニグマの説明はどうしましょうか」

ロイド「あ、頼もうかな。新型になって変わった部分もありそうだし」

ランディ「何よりルイコの嬢ちゃんはわかってなさそうだしな」

佐天「う、耳が痛いです……」

ランディ「冗談だって。本気にしなさんな」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/20(日) 15:42:45.03 ID:wQL7mZ1DO
佐天さんにはリニアハンマーでも持たせておけばおk
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 15:47:13.14 ID:+BwMW5RDO
ふむふむ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 16:34:04.27 ID:M65xqEkDO
期待
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/20(日) 20:37:48.47 ID:/37c+D6U0
>>32
アンチスキルの装備かよwwww
もちろん導力式?
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 21:28:05.33 ID:hRU7IEwEo
お手軽さから考えて、前作でロリが使用してた導力砲とかいいかも。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/20(日) 21:43:33.20 ID:UZXreoYAO
中の人的に考えて幻術とか使ったりして
38 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 21:55:12.56 ID:58MzrMB30
ティオ「……ではルイコさんに向けて説明します」

佐天「面目ないです……」

ティオ「みなさん知っての通り、導力器《オーブメント》は導力エネルギーという神秘のエネルギーを利用して様々な現象を起こすものです」

ロイド「照明、暖房、通信、兵器、乗り物……幅が広く使われているな」

エリィ「私たちの生活には最早欠かせない代物ね」

佐天「……ふむふむ」

ランディ「っておいおい、流石に導力とか導力器くらいはルイコの嬢ちゃんでも知ってんだろ」

ロイド「はは、確かに。ルイコに失礼だったかもしれないな、済まない」

佐天「いえいえお気になさらず」

佐天(だって知るわけないし!)
39 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 21:55:43.26 ID:58MzrMB30
ティオ「折角なので最後まで説明しますが……導力エネルギーは七曜石《セプチウム》から取り出されるエネルギーで、消費しても時間が経てば勝手に充填される性質を持っています」

佐天「……便利ですね」

ティオ「それというのも全ては50年前にエプスタイン博士が研究の末に発明したためなのですが」

佐天「あれ、エプスタイン……って言ったら」

ティオ「はい。私の所属するエプスタイン財団は彼の名から取られています」

佐天「なるほど……」

ティオ「そして、この第五世代戦術オーブメント……エニグマですが、これに七曜石の欠片から作り出した結晶回路を組み込むことで魔法が使えるようになるというわけです」

佐天「え、ということは、私も使えるんですか?」

ティオ「ルイコさんのエニグマには個人用の調整が施されていませんから限定的にはなりますが……、基本は誰でも行使可能です」

佐天「ま、魔法かぁ……ふふっ」

ランディ「嬢ちゃん、嬉しそうじゃねえか」

佐天「そーいうの、ずっと憧れてたんですよね。……あの、例えば高圧の雷みたいなのを出すこととかも出来るんですか?」

ティオ「……上位のアーツになりますが、可能です」
40 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 21:56:25.59 ID:58MzrMB30
佐天(……ってことは、無能力者じゃなくても関係ないって事だよね……)

佐天(なんだか、早く試したくなっちゃったなあ)

佐天(現金だけど、仕方ないよね)

ロイド「……待ってくれ、それだけ聞くと従来の戦術オーブメントと違いはないように思うんだが」

ティオ「ええ。今回エニグマに追加されたメイン機能は別にありますから」

エリィ「別?」

ティオ「今は関係ないですのでお気になさらず」

ロイド(き、気になるけど……)

ロイド「――とりあえず、それぞれ戦術オーブメントの準備をしてからジオフロントに潜ろう」

ランディ「了解、リーダー」
41 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 21:57:11.40 ID:58MzrMB30


佐天「……お、ここを押したら開くのかなっと」

パカッ

佐天「ふむふむ、これに……クオーツっていうのを組み込むのかあ」

ティオ「その通りです」

佐天「うわっ、プラトーさん。え、エニグマの準備は?」

ティオ「済ませました。慣れていますから」

佐天「な、なるほど……。あの、さっき渡してもらったこれを組み込めば良いんですよね?」

ティオ「はい。中央に開いているスロットに組み込んでみてください」

佐天「よし……、えーとこれは確か……」

ティオ「回避力を上げるクオーツですね」

佐天「よし……セット、と」

ティオ「……」

佐天「あの、どうしました?」

ティオ「いえ……、今時導力のことを深く知らない方がいるのが驚きだったものですから」
42 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 21:58:05.69 ID:58MzrMB30
佐天「あはは、そのー……それはまたおいおい……」

ティオ「はい、深く踏み込んで聞くつもりはありません。人にはそれぞれ……事情がありますから」

佐天(……。なんでだろう、プラトーさん、すごく寂しげな目をしてる……)

ティオ「とにかく、準備は終わったようですね?」

佐天「はい、おかげさまで」

ティオ「ではそろそろ行きましょうか」

ロイド「うん、みんな準備は終わったみたいだな? それじゃあ、行こうか」

*ロイドはジオフロントの扉を開けた*
43 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 22:14:41.65 ID:58MzrMB30
《ジオフロント内部》

ロイド「ここがジオフロントか……」

エリィ「話には聞いていたけれど……クロスベルの地下にこんな場所が広がっているなんて……」

佐天(なんだか……ちょっと学園都市風味で親近感が沸くなあ……)

佐天(って、私もしかしてこの状況に慣れちゃってる?)

佐天(うーん……。このままってわけにもいかないよね……、どうしようかなあ……)

ランディ「……おい、ルイコの嬢ちゃん」ボソッ

佐天「えっ? あ、オルランドさん……」

ランディ「堅苦しいから名前を呼び捨てで良いぜ。それに、ルイコの嬢ちゃんも長すぎるし適当なあだ名にすっか……」

佐天「な、何でも良いですけど……どうかしたんですか?」

ランディ「いやな、嬢ちゃんがどーにもこうにも世間知らずな風で俺としては少し気にかかるわけだ」
44 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 22:15:32.62 ID:58MzrMB30
佐天「は、はあ……」

ランディ「将来の美人さんを無下に扱うほど腐っちゃいないからな、ま、何でも相談してくれや」

佐天「あはは……、オルランドさんって、面白い人ですね」

ランディ「おう、よく言われるぜ」

佐天「困ったことがあったら、是非相談させてもらいます」

ランディ「そうしなそうしな。……っと、しかし地下水道でも残ってるのかと思ったが、そうでもねぇみたいだな」

ティオ「……データベースに寄れば少し前の都市計画と同時に建造されたようです」

ロイド「そうか……。けど、ここは中央広場の真下だろう? そんなところを魔獣が歩き回ってるのか……」

ティオ「普段は閉鎖されているので魔獣が外に出てくることはありませんが、たまに作業員の方が襲われて怪我をすることがあるようです」

佐天「あれ? 警察は動かないんですか」

ティオ「……主に遊撃士《ブレイサー》が動くようですね」

佐天(ぶれいさー?)
45 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 22:17:02.36 ID:58MzrMB30
エリィ「ということは、そのための課なのかしら」

ランディ「ま、それならそれでわかりやすくていいけどな」

ロイド「……なるほど、状況はわかった」

ロイド「これが捜査官の仕事か否かであるかはともかく……市民の安全を守るために必要な仕事だ」

エリィ「そうね……」

ロイド「だったら、まずはきっちりと課長のいう通りやり遂げよう」

ランディ「そうだな。ま、それも警察の仕事ってやつだろうしな」

エリィ「ええ、一つ一つ確認しながら着実に行きましょう」

ティオ「異存はありません」

佐天「私も……、せめて足手まといにならない程度は頑張ります」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 22:17:43.28 ID:hRU7IEwEo
これで佐天さんのオーブメントのラインが7本だったら泣ける……
47 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 22:20:37.94 ID:58MzrMB30
ロイド「それじゃ、開けよう。前衛に俺とランディがつくから、エリィとティオ、ルイコは後方援護に徹してくれ」

ランディ「あんまり前に出過ぎんなよ。嫁入り前の嬢ちゃんが怪我しちゃいけねえしな」

エリィ「ふふ、心配ご無用よ。それくらいは覚悟しているもの」

ティオ「私も、防御に関してはそこそこのものと自負しています」

佐天「……」

ロイド「……とりあえず、ルイコを全力で守るのは確定だな」

佐天「ぅぅ……申し訳ないです」

エリィ「大丈夫よ。ルイコちゃんはルイコちゃんの仕事をしてくれれば良いんだから」
48 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/20(日) 22:23:14.15 ID:58MzrMB30
とりあえずここまでで中断(なんどもしてるけど)

展開が無茶苦茶な気もするけど笑って許してくださいすいませんすいません
佐天さんのキャラが違ってたらごめんなさいですね。
いやほら、最初ね、佐天さんとグノーシスが以下略って思いついてただ感情の赴くままにやったわけです

佐天さんの武器どうしよう。のんびり決めるか……
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/03/20(日) 22:27:38.66 ID:tczm4BZGo
かなり俺得なんだが一方さんのみたいに書かないのは無しにしてほしいぜ
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 22:46:22.87 ID:hRU7IEwEo
とんでもないことに気付いてしまった。
佐天さん13歳ってことはティータと同い年だよ、おい。
同い年なのに圧倒的な戦力差(胸的な意味で)が……
リベールの某王太女様にも少しわけてやってほしいくらいだ。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 23:28:09.94 ID:zn+Wn5lIO
可愛いから問題ない
52 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:02:13.61 ID:mG4Ve2PS0
一方さんてのが何のことかわからんな、すまん。
とりあえずぼちぼち投下する
53 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:03:00.14 ID:mG4Ve2PS0
ニードル・ポー「 」

佐天「わ、な、なにあれ……」

ロイド「鼠型の魔獣だ! 俺が引きつけるから、ランディは背後から頼む!」

ランディ「了解! くらいなぁっ!」

ガシュッ

エリィ「援護するわ!」

ティオ「行きます」

佐天(ど、どうすればいいのかな……)

ランディ「これで――終いだ!」

*ニードル・ポーを倒した*

ロイド「よし、終わったな」

エリィ「あまりサポートにはならなかったわね」

ティオ「敵は一体でしたから。数が増えれば私たちの援護が重要になるかと」
54 :序章・特務支援課 [saga ]:2011/03/21(月) 00:03:33.42 ID:mG4Ve2PS0
佐天(迷ってるうちに、何も出来ずに終わっちゃったな……)

佐天「……はあ」

ランディ「んじゃ、とっとと進むとしようぜ」

ロイド「鼠型の他にもまだ様々なタイプの魔獣がいるはずだ。気を引き締めていこう」

佐天(……まずはみんなの戦い方を見て、それから私も私なりに頑張れば良いんだ。うん、きっとそうだ)

エリィ「ルイコちゃん?」

佐天「あ、すいません。行きます……って、あの、この欠片は何ですか?」

ティオ「あ。どうやら敵がセピスを落としたようですね」

佐天「……七曜石の欠片って奴ですか?」

エリィ「ええ、そうよ。魔獣はセピスを好むからよく飲み込んでいたりするの」

佐天「なるほど……」

ロイド「セピスは換金できたりするから、集めておくにこしたことはないな」

佐天「あ、じゃあ私セピスを集めます。それくらいでしか役に立てないし」

ロイド「そうか……じゃあ頼むよ、ルイコ」

佐天「はい!」
55 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:03:59.88 ID:mG4Ve2PS0
《さらに進んでジオフロント内部》

ティオ「結構魔獣がいますね」

佐天(蚊とか鼠とかスライムみたいなのとか……、魔獣って種類が多いなあ……)

佐天(でも本当、別世界なんだな……。私、役に立てそうにないなあ……)

ランディ「おお? あんな所に梯子があるぜ」

エリィ「本当ね。上からは……光?」

ロイド「マンホールのフタが開いてるのか? でもこの上は中央広場だよな」

ランディ「杜撰な管理だねえ」

ティオ「マークしておいて、後で市庁舎に問い合わせればよいかと」

ロイド「そうだな。覚えておこう」

佐天(……マンホールかあ。小さい子供とかだったら中に入ってみたくなるのかな)
56 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:04:26.10 ID:mG4Ve2PS0
《もっと進んで》

エリィ「ここまで来れば、最奥部まではあと少しかしら」

ロイド「そうだな……。みんな、大丈夫か?」

ランディ「万事問題なしだ。元は警備隊だしな、体力は有り余ってるぜ」

ティオ「こちらも問題なしです」

佐天「私も大丈夫です。……役に立ててませんけど」

ロイド「ルイコは気にしすぎだよ。俺たちは戦闘要員なんだから、俺たちに任せてくれれば良いんだ」

佐天「……でも……」

『うぅ……ひっく……ぐす……』

佐天「!」

ランディ「ん? どうかしたのか、ルイ太」

佐天「いえ……子供の泣き声が聞こえたような……って、何ですかそのあだ名」

ランディ「いや、なんとなくノリで」

ロイド「待ってくれルイコ、子供の泣き声が聞こえたというのは本当か?」
57 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:05:02.47 ID:mG4Ve2PS0
佐天「はい。多分……このダクトの奥からだと……」

エリィ「もし本当に子供がいるとしたら大変よ、ロイド」

ロイド「ああ。魔獣がうろつく中に放っておく訳にはいかない。探してみよう」

ランディ「だな」

タッタッタッ

佐天「って、ああ、みなさん」

ティオ「……ルイコさん、行きましょう。遅れてしまいます」スタスタ

佐天「あ、プラトーさんまで」

佐天「……」

佐天「私の耳が正しいって確証はないのに……どうして……?」
58 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:05:31.95 ID:mG4Ve2PS0
《ダクト内部》

佐天「ふぅ、やっと追いついた……。って、あ」

『うぅ、ふええーん……』

ランディ「ルイ太の言うとおりだな。声が聞こえるぜ」

ロイド「ああ。一刻も早く見つけて保護しないと」

エリィ「ふふ、お手柄ね、ルイコちゃん」

佐天「え、あ、その……ありがとうございます」

ティオ「いました――」

???「うう、どうしよう……」
59 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:06:20.79 ID:mG4Ve2PS0
《ダクト内部》

佐天「ふぅ、やっと追いついた……。って、あ」

『うぅ、ふええーん……』

ランディ「ルイ太の言うとおりだな。声が聞こえるぜ」

ロイド「ああ。一刻も早く見つけて保護しないと」

エリィ「ふふ、お手柄ね、ルイコちゃん」

佐天「え、あ、その……ありがとうございます」

ティオ「いました――」

???「うう、どうしよう……」
60 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:17:11.25 ID:mG4Ve2PS0
ロイド「君、大丈夫か!」

???「えっ、あ……」

エリィ「見たところ怪我とかもないようね」

ランディ「やれやれ、ヒヤッとさせてくれるぜ」

???「うぅ、うわぁぁぁん、ごめんなさい〜」

ティオ「……どうやら気が緩んでまた泣き出してしまったようですね」

ロイド「うーん、参ったな……、話を聞いてくれる状況ではなさそうだ」

佐天「……あの、自分に任せて貰えませんか」

エリィ「え?」

ランディ「ルイ太?」

佐天「……弟がいるので、小さい子の世話は得意なんです」

ロイド「そうか、じゃあ頼むよ」
61 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:22:35.14 ID:mG4Ve2PS0
佐天「……さてと。ボク、もう大丈夫だよ。私たちが助けに来たからね」ポンポン

???「あ……」

佐天「安心して。大丈夫。魔獣は倒してきてるから。ね、落ち着いて」

???「は、はい……」

佐天「うん、良い子だね。君、名前は?」

アンリ「あ、アンリって言います」

佐天「そうなんだ、良い名前だね。ねえアンリ君、君も男の子だから、もう泣かないでいられるよね」

アンリ「あ、は、はい!」

ランディ「へえ、なかなか鮮やかなお手並みだ」

エリィ「ふふ、きっと安心感があるのね」

ロイド「一種の才能ってやつかな」
62 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:23:03.31 ID:mG4Ve2PS0
《ダクト外部》

佐天「それでアンリ君、やっぱり君はあのマンホールの所から?」

アンリ「はい……中央広場で遊んでたら……。! あ、りゅ、リュウが!」

ロイド「!」

ランディ「おい坊主、まさかもう一人迷い込んだのがいるのか!?」

アンリ「友達のリュウがマンホールを見つけて……探険しようって。でもはぐれちゃって……は、早く探しに行かないと」

佐天「大丈夫、大丈夫だから安心してアンリ君。私たちがきっと君の友達も助けてあげるから」

ティオ「……あまりグズグズはしていられませんね。ロイドさん、彼を地上に送り届けてからリュウ君を捜しますか?」

ロイド「……いや、時間がない。アンリも連れてリュウを探しに行こう」

ランディ「おいおい、いいのか?」

ロイド「戦力分散は得策じゃない。それに……ルイコと一緒にいてくれるなら今までと負担は変わらないはずだ」

佐天(やっぱり負担になってるかぁ……)

エリィ「そうと決まれば早く行きましょう」
63 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:23:31.20 ID:mG4Ve2PS0
《もっともっと奥》

ロイド「もう最奥部に近いな……」

ランディ「今までの通り道にいなかったってことは、最奥部にいるのかね」

アンリ「リュウ……」

佐天「大丈夫だよ、安心して。きっと二人とも助けてあげられる」

ティオ「ルイコさん、慣れてますね」

佐天「あはは、そうですか? 少しは役に立ててますかね」

エリィ「十分すぎるくらいよ」

ロイド「……この扉を開けた先が最奥部だ。もしそこにいなければもう一度探し回るつもりだけど、良いかな」

エリィ「もちろん」

ティオ「異存なしです」

ロイド「よし、開けるぞ……」
64 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:24:01.02 ID:mG4Ve2PS0
《ジオフロントA区画・最奥部》

リュウ「やめろ! 来るなよ! 俺は美味しくないぞ!」

ロイド「!」

アンリ「リュウ!」

ランディ「おい、マズいぞ! フロストグミに囲まれてやがる!」

エリィ「早くしないと――!」

ロイド「くっ、背後から急襲する――」

リュウ「うわあ、よるなよ! 来るなあ!」

佐天「――、」ダッ

ロイド「ルイコ!?」

佐天「間に合いません! 私が引きつけますからその間にあの子を!」

ランディ「おい、ルイ太!」
65 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:24:28.26 ID:mG4Ve2PS0
佐天(勢いよく飛び出しちゃったけど……)

佐天(なんとか……なるかな……)

佐天(ううん、違う……何とかするんだ!)

佐天「魔獣たち! 私が相手になってあげるよ!」

フロストグミ「 」

佐天(よし、注意はこっちに向いた……)

佐天(後はロイドさんたちが……)

佐天「いや……」



佐天「――エニグマ、駆動!」



佐天(――! 何だかわからないけど、使える気がする! これが、これが導力魔法――!)

佐天「落ちろぉっ!」

*《スパークル》*

フロストグミ「 」ビリビリ

佐天「やった、麻痺した!」
66 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:24:55.28 ID:mG4Ve2PS0
ランディ「やるじゃん、ルイ太! オラァッ!」

ロイド「はっ! とうっ!」

エリィ「外さない!」

ティオ「行きます――! えいっ!」

佐天「エニグマ駆動! 落ちて、雷!」

リュウ「す、すっげぇ……」

アンリ「すごい……」


*フロストグミを全滅させた*
67 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:25:36.21 ID:mG4Ve2PS0
ランディ「ふう、ま、こんなとこかね」

佐天(すごい……、これがオーブメント……)

エリィ「少し手こずったけれど……」

ティオ「ルイコさんのアーツのお陰で大分楽が出来ましたね」

ロイド「そうだ、ルイコ! 無事か!?」

佐天(私も……能力が……!)

佐天「あははははっ! やったあ!」

ランディ「ま、あの調子だと大丈夫みたいだな」

エリィ「少し心配だけどね」

ロイド「……ふう、とにかく、これで二人の子供は守れたわけだ」
68 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:26:05.93 ID:mG4Ve2PS0
リュウ「あー、ヒヤッとしたぜ」

アンリ「リュウ、本当に大丈夫なの?」

リュウ「大丈夫大丈夫。むしろ泣き虫なお前の方が心配だったくらいだぜ」

アンリ「よく言うよ……。大体、リュウがマンホールの所から探険しようなんていわなければ」

リュウ「なんだよ、じおふろんとの話をし始めたのはお前だろ」

佐天「……って、二人とも喧嘩する前に何か言うことあるでしょ」

アンリ「あ」

リュウ「……そうだなー、兄ちゃんたち中々やるじゃん。俺、何だかんだでかすり傷一つないし」

リュウ「新人にしちゃ中々やるんじゃね?」

ロイド「ははは……手厳しいな」

ランディ「ったく、調子のいい……」



リュウ「けどまさか、遊撃士に助けられる日が来るなんてな」

ロイド「え」

リュウ「市民の安全を守るんだよな。流石だぜ」

ロイド「ちょ、ちょっと待ってくれ、何か勘違いをしてないか?」

リュウ「え? 兄ちゃんたち、ギルドの新人じゃねえの?」

佐天(ギルド?)

ランディ「ギルドっつーと、遊撃士協会のことか」

リュウ「その他に何かあるのかよ。……って、その反応は本当に遊撃士じゃないのか」

ロイド「えっと、俺たちは警察に入ったばかりの新人で……」

アンリ「ええっ!?」

エリィ(そ、そんなに驚くことかしら)
69 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:26:34.20 ID:mG4Ve2PS0
リュウ「なんで警察のお巡りがこんなとこまできてんだ?」

ロイド「なんでって……」

リュウ「クロスベルの警察と言えば、腰抜けで有名じゃんか」

ティオ「……なかなか酷な評価ですね」

アンリ「態度が横柄なわりに、何の手助けもしてくれないって……お父さんが」

リュウ「そうそう。いざというときは遊撃士の方がずっと頼りになるって、口癖みたいなもんだぜ」

ロイド「な、あ……」

佐天(……ぜんぜんわからない)

エリィ(やっぱり……)

ランディ「ここも色々あるみたいだな……って、おい、マズいぜ!」

ロイド「っ!?」
70 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:27:47.74 ID:mG4Ve2PS0
エリィ「上よ!」

*何だかでかい魔獣が現われた!*

ティオ「……お、大きいです」

ランディ「おいおい不味いぜ、実力の差が半端じゃねえ!」

ロイド「くっ、出口がふさがれたか……」

エリィ「ロイド、どうするの!?」

ロイド「……仕方ない」バッ

ランディ「おいおい、今の装備じゃまともにやっても勝ち目なんざねぇぞ!」

ロイド「百も承知だ! 俺が何とか引きつける、だからその間にみんなは何とか脱出して――」

佐天「――お供します、ロイドさん!」

ロイド「ルイコ!? ダメだ、君はリュウたちと一緒に……」

佐天「私がいても勝ち目は薄いですけど、アーツの勝手がわかった今なら多少なりともフォローはできるはず……」

ロイド「でもルイコ、足が震えて……」

佐天「だ、大丈夫です!」
71 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:28:32.91 ID:mG4Ve2PS0
エリィ「ルイコちゃん、それなら私が」

佐天「い、いえ、やらせて下さい。ここまで守って貰った分をお返ししないと!」

???「やれやれ――」

ロイド「!」

佐天「声……?」

???「自己犠牲も結構だが……、少々短絡的すぎるな」

佐天「上……。あれは、誰……?」

???「……フッ」

ザザザザザンッ

*何だかでかい魔獣は一撃の下に斬り裂かれた*

ランディ「お、おいおいマジかよ……」

エリィ「し、信じられない……」

ティオ「まったく見えませんでした……」

佐天「に、人間……?」
72 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:29:16.75 ID:mG4Ve2PS0
リュウ「うおーっ! アリオスさん、すっげぇっ! いやあ良いもん見ちゃったなあ!」

アンリ「流石です、アリオスさん!」

アリオス「広場のマンホールに子供が入っていったと知らせを聞いて来てみたが……無茶をする」

アリオス「今回は間に合ったものの、もしものことがあったらどうするつもりだ?」

リュウ「うぐ、そ、それは……」

アンリ「ごめんなさい……」

アリオス「フ……何にせよ無事でよかったとしよう。もう外は夕方だ、そろそろ帰るぞ」

ロイド「……」

エリィ「……」

ティオ「……」

ランディ「……」

佐天「ほぇー……」

アリオス「どうした、お前たちは帰らないのか?」

ロイド「あ、そ、そうですね。一緒に戻らせてもらいます」

アリオス「ならば急ぐことだ。先のことがいつ起こるとも限らない。安易に気は抜かない方が良い」

スタスタ
73 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:29:50.70 ID:mG4Ve2PS0
ランディ「……かーっ、なんつーオッサンだよ。纏ってるオーラが尋常じゃねえっつーか」

ティオ「腕前といい何といい、すごすぎです」

エリィ「……あの人が」

ランディ「知ってるのか、お嬢」

エリィ「名前だけはね。……ところで、そのお嬢というのは何かしら」

ランディ「何となくノリで」

佐天「そればっかですね……」

ロイド「……アリオス・マクレイン」

エリィ「!」

ロイド「クロスベルタイムズで何度か読んだことがある。遊撃士協会、クロスベル支部所属のA級遊撃士」

ロイド「どんな依頼も完璧にこなし、市民から絶大な支持を得ているクロスベルの真の守護神……」


ロイド「――《風の剣聖》、アリオス・マクレインだよ」

佐天(……レベル5あたりにいそうな二つ名だなあ)
74 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:31:27.42 ID:mG4Ve2PS0
《ジオフロント出口》

ランディ「はー、やれやれやっと出てきたぜ」

佐天「日も傾いてますね……」

ロイド「ま、ともかくこれで実戦テストは終了……ん?」

パシャパシャ

???「いやあ、またしてもお手柄でしたねアリオスさん」

???「杜撰な市の施設管理の下、危機に陥ってしまった少年達を鮮やかに救出した手際の良さ!」

???「クロスベルタイムズ最新号にばっちりスクープさせてもらいますから!」

リュウ「すげー、俺たち雑誌に載っちゃうの?」

アンリ「あんまり嬉しくない気がするけど……」

アリオス「グレイス、あまり騒がないでくれ。確かに市の管理に問題もあるが、彼ら自身にも問題はある」

アリオス「偏った記事は感心しないな」
75 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:32:00.57 ID:mG4Ve2PS0
グレイス「いえいえ、あくまでも読者のニーズに応えているだけですから!」

グレイス「それに今回は……面白いゲストもいるみたいですし」

佐天「!」

ランディ(うへえ、こっち来るぜ)

グレイス「いやはや、お疲れ様、特務支援課の諸君!」

グレイス「クロスベル警察の明日を担う若者たちは、奮闘したものの力及ばず、毎度よろしく遊撃士に手柄を奪われるのであった!」

グレイス「ああ、未熟さを痛感したこの若者たちは果たしてこの先にある数多の試練を乗り越えることが出来るのか――」

グレイス「請うご期待っ! て感じかしらね〜」

ロイド「な、なんなんだ……?」

佐天「……さあ」

ティオ「マスコミの人間ですね」

エリィ(クロスベルタイムズの記者かしら……)
76 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:32:38.28 ID:mG4Ve2PS0
アリオス「彼らに関しても決めつけは感心しないな」

アリオス「一応、この子たちを最初に助けたのは彼らだ」

佐天「え……」

アリオス「まあ、詰めが甘かったようだがな」

グレイス「あらら、そうなんだ。まあ、記事で色々書くと思うけど気にしないでね? お姉さんからのエールだと思って、頑張って頂戴」

グレイス「――で、それはそうとアリオスさん、今度独占インタビューをですね」

アリオス「それに関しては何度も断っているはずだが」

グレイス「そこを何とか〜」

アリオス「……行くぞ」

グレイス「ああ、待ってくださいよ〜」
77 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:34:15.35 ID:mG4Ve2PS0
エリィ「な、何なのかしらあの人」

ランディ「俺たちをピエロに仕立てようってハラだな」

ランディ「……今後とも振り回される気がするぜ、やれやれ」

ティオ「……それで、これからどうします?」

ロイド「あ、ああ……とりあえず警察本部に戻ろうか」

ピピピピピ

ティオ「あ。エニグマの新機能ですね。導力通信が入っています」

ロイド「え」

ティオ「そこの赤いボタンで通信モードになります」

ロイド「ここか……」

ロイド「はい、もしもし」



ロイド「え、あれ、受付の……?」
78 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:35:24.99 ID:mG4Ve2PS0
佐天「ふぅ……、何とか終わったみたいですね……」

ランディ「ルイ太、疲れてるな」

佐天「ま、まあ……。でも……、充実はしてました」

ランディ「密度の濃い時間ではあったがな」

ティオ「濃すぎる気もしますが」

佐天「……ですね」

ランディ「そーいやルイ太、お前さん……スカウトされたんだったよな、さっきその場で」

佐天「あ、はい」

ランディ「どーすんだ? やるのか?」

佐天「まだ、わからないですね……。充実していたとはいえ……それなりに危なくもありましたし」

ティオ「……あまり無理はしない方が良いかと」

佐天「あはは。……まだ、全然わかっていないことが多いから……。少し落ち着いた上で考えたいです」

ランディ「そうか、ま、若い内は悩みまくるのが良いだろうな」ワシワシ

佐天「きゃっ、あ、頭をいきなり撫でないでくださいよ」

ティオ「ランディさん、それは一種のセクシャルハラスメントです。自治州法に違反しますよ」

ランディ「ははは、一種の励ましだっての」

ティオ「ちなみに罰金十万ミラ程度でしょうか」

ランディ「おいおい……」

佐天「ふふ……

佐天(ここがどんな場所か、まだまだ全然わからないけど……)

佐天(もしかしたら……)
79 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 00:36:33.19 ID:mG4Ve2PS0
ここで中断
疲れた……、はやくねよう……
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/21(月) 01:01:39.82 ID:m6yprd5uo
>>1
おやすみー
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 03:57:34.37 ID:AiyPQMBIO
おもしろいのう・・・
最強キャラと名高いジンさんは出るんだろうか
82 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:14:30.72 ID:mG4Ve2PS0
ロイド「……」

エリィ「ロイド、誰からの通信?」

ロイド「ああ、いや……何でも副局長が俺たちを呼んでいるみたいだ」

ランディ「……副局長? 穏やかじゃねえな」

ティオ「……嫌な予感がしますね」

佐天「……」

《クロスベル警察署》

ピエール副局長「――まったく! 一体何のつもりだね!?」

ピエール「任務に関係ないことに首を突っ込んだ挙げ句……あの、あのアリオス・マクレインに手柄を持って行かれて……!」

ピエール「しかもそれをあのクロスベルタイムズにすっぱ抜かれてしまうとは……っ!」

ロイド「で、ですが副局長……」

ピエール「うるさい! 言い訳無用だ!」

ピエール「まったく、だから私は新部署設立など反対だったのに!」

ピエール「あの忌々しいセルゲイの奴が交換条件を持ち出さなければこんな事には……!」

エリィ「あの、それはどういう……」

ピエール「ええい、君たちには関係な――……いや、そ、そうだな……」
83 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:14:59.90 ID:mG4Ve2PS0
ピエール(部下がいなくなれば、あの疫病神だって動きようが……)

佐天「あのー、大丈夫ですか? 起こりすぎて脳内血管が破裂とか……」

ピエール「いや、心配には及ばない。それより君たち……特務支援課への配属を一両日中に辞退したまえ」

全員「!」

ピエール「どうせ半年も持たない部署だ、絶対に出世の役には立たないぞ」

ピエール「それどころか問題に巻き込まれて経歴を汚す可能性もある」

ピエール「馬鹿馬鹿しいとは思わないかね」

ロイド「っ」

ピエール「ロイド君は捜査官志望だったか。ならば捜査課のどこかへ回そう」

ピエール「それに……飛び入りのルイコ君、君にも受付嬢辺りの仕事なら回せるはずだ」

ピエール「当然、他の面子にもそれぞれに見合った部署を見繕うつもりだ」

ピエール「悪いようにはしない、一晩じっくり考えてみたまえ」
84 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:22:59.98 ID:mG4Ve2PS0
ロイド「……」

ランディ「やれやれ、面倒なことになったな」

エリィ「……警察内部にも色々あるみたいね。噂には聞いていたけれど」

ティオ「……これでは約束が違います」

佐天「約束?」

ティオ「こちらの話なのでお気になさらず」

エリィ「……そういえば、セルゲイ課長はどうしたのかしら」

ランディ「課題を出しておいて出迎えどころか連絡の一つもねえってのはな」

佐天「……代わりに、あの副局長に色々言われちゃいましたしね」

ランディ「全くだ」

ロイド「……」
85 :序章・特務支援課 [saga ]:2011/03/21(月) 12:23:35.69 ID:mG4Ve2PS0
ランディ「どうしたよロイド、さっきから元気ねえじゃねえか」

エリィ「配属を辞退しろって話が、そんなにショックだった?」

ロイド「……ああ、いや。なんだか……思っていた場所とは随分と違うなって」

ランディ「ま、確かにな……」

???「よお、大変だったみてえだな、新人共」

ロイド「……あなた方は?」

ドノバン「俺はドノバン、捜査二課に所属してる」

レイモンド「同じく二課のレイモンドだよ、よろしくね〜」

ロイド「あ、ロイド・バニングスです」

ランディ「ランディ・オルランド、よろしくっス」

エリィ「エリィ・マクダエルです、宜しくお願いしますね」

ティオ「……ティオ・プラトーです」

佐天「あー……ルイコ・サテンです、どうも」
86 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:24:20.90 ID:mG4Ve2PS0
レイモンド「噂には聞いていたけど中々粒ぞろいだねえ。うんうん」

佐天「……?」

レイモンド「特に飛び入りだって言うルイコちゃん、近くに美味しいお店見つけてるんだけど、よかったら一緒にどう?」

佐天「あ、え、えっと……」

ドノバン「バカ野郎、どさくさに何言ってやがる」

ティオ(……外見に騙されてますね、レイモンドさん)

ランディ(……だな)

エリィ(とても13歳には見えないものね)

佐天「あの、全部聞こえてるんですけど……」
87 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:25:16.46 ID:mG4Ve2PS0
ドノバン「しかし、セルゲイの奴も無茶をするな」

ロイド「無茶、ですか」

ドノバン「新人共を集めて市民の人気取りとはよ」

佐天「……え?」

ロイド「な、ど、どういうことですか?」

ドノバン「なんだ、まだ話を聞いていないのか。不味い事言ったかもしれんな」

レイモンド「僕だったら辞退しちゃうなあ……。疲れそうだし」

ドノバン「お前は気合いが足らなさすぎるんだよ」

レイモンド「あ、それよりルイコちゃんがダメならエリィちゃんはどう?」

エリィ「お断りしますね」

ドノバン「レイモンド……お前は……」

レイモンド「うわーっ、冗談ですって警部!」

ドノバン「ま、お前ら……大変だとは思うがセルゲイに付き合うかどうか一応考えてやってくれ」
88 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:26:06.46 ID:mG4Ve2PS0
ドノバン「いざとなったら全員纏めて二課で引き取っても良いからよ」

レイモンド「ルイコちゃんとエリィちゃんだったら今からでも大歓迎だよ」

ドノバン「お前は少し懲りることを知れ!」

ロイド「はは、ありがとうございます……」

佐天「……な、なんだかなあ」

エリィ「……何はともあれ、セルゲイ課長に話を聞かないと始まらないわね」

ピピピピピ

ティオ「……通信です。おそらく課長からかと」

ロイド「はい、もしもし……」

ロイド「あ、課長、あのですね……」

ロイド「はい、ええ、はい……」

ロイド「寮に? わかりました、向かいます……」

ガチャ

エリィ「話は終わった?」

ロイド「……ああ、課長は俺たちの寮で待ってるらしい」

*ロイドはセルゲイとの会話の内容を皆に伝えた*
89 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:28:48.89 ID:mG4Ve2PS0
《特務支援課・分室ビル前》

佐天「わざわざ署外に部屋を……」

ティオ「築三十年、取り壊し間際って感じです」

ランディ「周りの建物と比べると見劣りするねえ」

エリィ「ここが本当に特務支援課の分室なのかしら」

ロイド「……課長との話ではそうだったけど」

ガチャ

セルゲイ「よう、遅かったなルーキー共」

ロイド「課長……」

セルゲイ「わかってるわかってる、お前らの疑問に全部すっきりきっちりかっきり答えてやっからよ」
90 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:29:30.92 ID:mG4Ve2PS0


ロイド「市民の安全を第一に考え、様々な要望に応える部署……」

セルゲイ「そうだ、それが新たに設立された特務支援課の行動方針だ」

セルゲイ「市民の生活に密着できるよう、こんな街中の雑居ビルだって用意されたって訳だ」

セルゲイ「合理的だろう?」

ロイド「で、ですがそれって……」

エリィ「話だけ聞くと、遊撃士協会の真似事というか……」

ティオ「有り体に言うと、パクリですね」

ランディ「だよなあ」

セルゲイ「知っているかもしれんが、ここクロスベルにおいて遊撃士協会の評価はすこぶる高い」

セルゲイ「しかも、所属する面子のレベルも高いレベルで纏まっていやがる」

佐天「……アリオスさん、でしたっけ?」

セルゲイ「ほう、知ってるのかルイコ」

佐天「ええ、まあ」
91 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:30:09.99 ID:mG4Ve2PS0
セルゲイ「ま、ともかくエリート揃いの遊撃士協会クロスベル支部なんだが、その存在が警察のお偉方にとって何を意味するかわかるか?」

ロイド「それは……」

エリィ「警察とギルドとの比較評価と、組織としての問題点の指摘――」

エリィ「結果それが自治州政府への批判に繋がっているんですね……」

ランディ「なぁるほどな。そういうことかよ」

佐天「オルランドさん?」

ランディ「要はギルドのお株を奪って人気回復……って考えなわけだ」

ティオ「……ぶっちゃけすぎです」

セルゲイ「ま、その通り、その認識は間違っちゃいねえよ」

セルゲイ「だが本来警察の基本理念は治安維持と自治州法の遵守だ。市民サービスてのは本来二の次なんだが」

セルゲイ「それ故に警察内部でもこの人気取りを快く思わない輩は多くてな」

セルゲイ「便利屋だのニセ遊撃士だの、挙げ句猿回しの猿だの散々な陰口を叩かれてるわけだ」

ロイド「……(パクパク)」

佐天(聞けば聞くほど酷いところにスカウトされてる……)

ティオ「色々想定外です」

ランディ「合点はいったが、いやはや厳しいねえ」
92 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:30:48.44 ID:mG4Ve2PS0
セルゲイ「……だが、配属を辞退することは可能だ」

ロイド「えっ……」

セルゲイ「正式に配属された場合、やってもらう仕事はかなり幅広い。魔獣退治や紛失物探し、本部の手伝いや細かい雑用とかな」

セルゲイ「その気のない人間には到底務まるもんじゃねえ」

セルゲイ「一晩考える時間をやる。配属を辞退しても別の部署に回されるが、今ならデメリットはねえ」

セルゲイ「全てはお前たち次第だ。ま、じっくり考えろ」

*ロイドたちはそれぞれ様々な事を考えながら、部屋を後にした*

セルゲイ「と、ルイコ、お前は残れ」

佐天「え、あ……はい」

セルゲイ「……今日一日、どうだった」

佐天「えーと……なんだか、すごいところにスカウトされた感じです」

セルゲイ「まあな。お前は俺が無理矢理組み込んだ形になるが、当然配属の辞退は可能だ」

佐天「はあ……」

セルゲイ「上にも適当に売り込んでおいてから、受付嬢辺りの仕事を回されるんじゃねえか?」

佐天(副局長も言ってたな……)

佐天「って、どうして私にそんな親切にしてくれるんですか? 自分で言うのもアレですけど……身元不明出自も不明、怪しいところしかないのに」

セルゲイ「おいおい、特務支援課の理念を忘れたのか」

佐天「へ」

セルゲイ「困ってる奴を助けるのは支援課の仕事だ。ましてそれが、思い詰めた顔をしてるガキならなおさらだぜ」

佐天「あ……」

セルゲイ「だが……朝方見かけたときよか随分マシな面構えになってるな。ククク、まあ、一晩考えてみろや」

佐天「……はい、失礼します」
93 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:31:27.50 ID:mG4Ve2PS0
《303号室》

佐天「……今日は、よくわからない間に色々なことが起こったな……」

佐天「学園都市も、何もが全て遠い場所へ消えていって……」

佐天「……それで、新しい何かが手元にある……」

佐天「結局……私はここでずっと暮らしていく他はないのかな……」

佐天(でも……それも悪くはないのかも知れない……なんて)

佐天「考えちゃうのは……なんでなんだろう」

佐天「…………」


――今日始めて出会ったばかりなのに、なんだかとても安心感があって、

――何だかとても、充実していたメンバーだったと……、


佐天「……風、浴びようかな」
94 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:32:05.18 ID:mG4Ve2PS0
ティオ「あ」

佐天「あ、プラトーさん」

ティオ「……、……」

佐天「プラトーさん?」

ティオ「……歳は近いので、あまり礼儀正しくされると正直困ります」

佐天「あ、あはは」

ティオ「……ルイコさんが悩むのも無理はないと思います。今日、急にスカウトされたという話でしたね」

佐天「あ、はい」

ティオ「……ただ個人的なことを言わせてもらうと」

佐天「?」

ティオ「その……。…………、……ぁ、……ぅ」

佐天「プラトーさん?」

ティオ「それです。……もし正式に同僚になったら、名前で呼んでもらいます」

佐天「え、あの」

ティオ「……お休みなさい」

ガチャ、バタン

佐天「あのー、プラトーさん……?」
95 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:32:38.72 ID:mG4Ve2PS0
佐天「……」

佐天「プラトーさんなりの、励ましなのかな」

佐天「……ふふっ」

《特務支援課・正面出口》

佐天「……あれ」


ロイド「君たちは……さっきの」

リュウ「よお兄ちゃん、探したぜ。それに、姉ちゃんも」

ロイド「……ルイコ」

佐天「あ、ロイドさんに、君たちは……」

アンリ「こんばんは、ルイコさん」
96 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:33:13.00 ID:mG4Ve2PS0
佐天「二人ともこんな遅くにどうしたの、親御さんが心配して」

リュウ「ああ、そうじゃなくてさ、とにかく姉ちゃんたちを探してたわけ」

ロイド「それはどういう……」

アンリ「あの、僕たちまともなお礼を言っていないと思って」

リュウ「そーゆーこと」

アンリ「最後はアリオスさんが助けてくれましたけど、でも、お兄さんたちが来てくれなかったら僕たちは大怪我ですまなかったと思います」

佐天「あ……」

ロイド「そんな……」

リュウ「だからよ、ありがとな!」

佐天「二人とも……わざわざ……」

リュウ「姉ちゃん結構格好良かったぜ。ま、アリオスさんに比べりゃまだまだだけどな。兄ちゃんも、もう少し精進すれば追いつけるんじゃね?」

アンリ「りゅ、リュウ、えらそうだよ」

ロイド「ははは、こんな遅くにありがとうな、二人とも。実力不足は、これから精進して補うよ」
97 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:36:39.13 ID:mG4Ve2PS0
ロイド「二人とも、どこに住んでるんだ? もう遅いから送っていくけど」

リュウ「俺は西通りのすぐ側だし、アンリも住宅街のとこだからヘーキヘーキ」

アンリ「はい、大丈夫です」

ロイド「そうか」

佐天「でも、気をつけるんだよ?」

リュウ「おう。他の三人にもよろしく言っといてくれよ。じゃーな」

ロイド「気をつけて帰るんだぞ」

アンリ「それでは、失礼します」
98 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:37:06.11 ID:mG4Ve2PS0
ロイド「……はは、俺も単純だな」

佐天「お礼一つで、気分がすっきり晴れたって事ですか?」

ロイド「ルイコ……どうしてわかったんだ?」

佐天「……私もだからです」

ロイド「……そっか」

佐天「たとえ場所がどこであれ、全ては自分次第……。そこで自分が満足いく生き方を出来るなら……」

佐天「そこに後悔は残らない。きっと、そういうことなんですね……」

ロイド「ルイコ……」

佐天「私、今までは守られることがずっとずっと続いていて……、時々そんな自分が歯痒かった」

佐天「でも今は……ここでなら……このクロスベルでなら、私は……」

佐天「……きっと誰かの力になれる。誰かを助けられる。それって……すごく素敵なことですよね」

ロイド「ああ、きっと」

佐天「……それじゃあ、私は部屋に戻りますね」

ロイド「わかった。おやすみ、ルイコ」

佐天「はい。おやすみなさい、ロイドさん」
99 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:37:35.79 ID:mG4Ve2PS0
《翌朝》

セルゲイ「さて、返事を聞かせてもらうとするか」

ランディ「……俺はこのまま厄介になるぜ。つーか俺をここに引き込んだのはアンタでしょうが」

佐天(ランディさんもスカウトされたクチなのかな)

セルゲイ「ククク、何なら一課辺りに推薦してやっても良いんだぜ?」

ランディ「こっちの方が気楽でいいっスよ、マジで」

セルゲイ「エリィはどうだ?」

エリィ「このままお世話になります」

セルゲイ「ま、色々予想外だがいいだろう。お偉方は安全な雑用係だと思ってお前を回したんだろうが」

佐天(……どういうことだろう)

セルゲイ「当然、そんな甘い物じゃないことは理解してるよな」

エリィ「ええ、それはもう。今から楽しみにさせてもらいます」

セルゲイ「ふ……」
100 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:38:40.41 ID:mG4Ve2PS0
セルゲイ「ティオは……聞くまでもないか」

ティオ「はい。初めからそういう約束ですから」

ティオ「そういえば午後から導力ケーブルの工事がありますが……、端末のセッティングは任せてもらっても?」

セルゲイ「元からそのつもりだ、頼むぜ」

ティオ「了解です」

セルゲイ「さて……、問題は残る二人組だ。まずはどっちから聞かせてもらおうか?」

ロイド「……」

佐天「……」

セルゲイ「ま、どっちでも良いんだけどよ」
101 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:39:29.46 ID:mG4Ve2PS0
ロイド「色々迷った上で決めました」

佐天「私もです」

ロイド・佐天「――課長、これからお世話になります」

ランディ「ほう」

エリィ「あら……」

ティオ「……」

ロイド「昨日の実戦テストや、アリオスさんとの邂逅、副局長との会話の中で、クロスベルが抱える問題点……要は壁が見えてきた」

ロイド「壁は高い。一人じゃ決して乗り越えることは出来ないだろう」

ロイド「けど、昨日出会ったばかりのこのメンバーで、あれだけ上手く動くことが出来たんだ」

ロイド「このメンバーならきっと、クロスベルの抱える《壁》を乗り越えていくことが出来るはずだ」

ロイド「だから俺は、この特務支援課で精一杯のベストを尽くす」

佐天「あはは……ロイドさん、それって……」

ランディ「くくっ……」

エリィ「ふふ」

ティオ「…………クサすぎですね」

セルゲイ「ククク、ハハハ、ハハハハハハハ!」
102 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:41:08.22 ID:mG4Ve2PS0
セルゲイ「悪くねえな、ロイド。ククク」

セルゲイ「今日一日は休暇をやる。地獄のように忙しくなる前の最後の休暇だと思えよ」

セルゲイ「……じゃ、改めて」

セルゲイ「――ロイド・バニングス」

ロイド「はい!」

セルゲイ「エリィ・マクダエル」

エリィ「はい」

セルゲイ「ランディ・オルランド」

ランディ「うっス」

セルゲイ「ティオ・プラトー」

ティオ「……はい」

セルゲイ「ルイコ・サテン」

佐天「はいっ」

セルゲイ「本日09:00をもって、以上五名の配属を承認する」


セルゲイ「――ようこそ、特務支援課へ」

セルゲイ「バラエティ豊かな仕事を嫌と言うほど回してやる。楽しみにしとけよ」



序章・特務支援課――前編 了
103 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 12:45:41.84 ID:mG4Ve2PS0
ネクストゥコナンズヒントゥ!

『旧市街』


               __, , ,,-- --、_      ハ
           , -' ´::::::::::::::::::::::::::::::`'‐、  /::::::ヽ
     _______ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`y:::::::/
 r'ニ二----、ン::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ン
  _/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<
  / :::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
 / :::;イ/:::::::::::;イゝ;::::ヽ、:::r、_::ヽ、,ハ、ィヽr、::::::::::::::::::i
 l ://///:::::/i:l:ハ`ヽ::::ヽヽ、ヽ__>==--ヽ、i::::::::::::l
 l::{ {{ {:ト;:::::lr'リr、_L__ヽ、_ヽ_f´ ;rr''´j`t-、 }ミ:r‐‐ゝ
 レ' リ リ ヽ::f´"「{``トト、 }`‐{ ッ'゙{ ゝ辷ソ ノ レ'/こi`}
       t-iヽ{ ゞ;;;ソ l ̄ゝ,  ー‐ '´ ノ (_,ノ ノ
       ヽゝ、`ー'"、_   `ー ---‐'´r'´ _,/
         `弋‐‐'´  _,-‐‐‐-、 /⌒゙i弋;ゝ特務支援課最初で最後の休日(?)
           ヽ、  ヽ,   ノ f    !____    佐天は旧市街へ繰り出すぞ!
             `ニ=、_____,,∠_{   }___:::ヾヽ
             ゙、:::::::r:::r'´::::::「` ノ/ `、__::゙ヽ
            r‐'´}:::::::ト-ヘ;;;;;;;;;ト 、_/      `}::{
             ノi:/`フ´ _ン‐‐‐く  /   /   ゙‐}
           ,イ:<_::;ィ/ r'´     〈  ,ィ'  / ./
           f::::r‐'´〈 廴_,,,-‐''ー‐‐辷、_,ィ'´ _,ノ
         /:::::/ヽ、::::V/::/::::::::::::::::::::::` ´`フ
        /::::;;;〈:::::::ヽ;///:::::::::::::::::::::::::::/
         〈 ィ'´_;;;〉::::::r':::/::::::::::::::::::::::::::::K
        i::::ィ::;;゙ヽ;::::{::〈○:::::::::::::::::::::::::::ノノ
        V::::::::::;ン'{:::::ヽ::::::::::::::::::::::::::ノ:ヽ
         ヽ:::::ノ:::ゝ::ゝヾ::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 14:43:07.24 ID:XerTTh1IO
よくよく考えたらロイドと上条さん似た者同志だな
建築士的な意味で
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 14:57:01.77 ID:n6qoVXKDO
サクサク進むね
支援
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/21(月) 16:54:51.33 ID:Qt3TSAQ4o
最終章の途中で2ヶ月放置してたことを思い出した・・・
さてクリアするか・・・
107 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 17:33:57.87 ID:mG4Ve2PS0
Inevitable Struggleを聞いてるとやっぱテンション上がる
夜辺りに投下再開する。

しかしこれ佐天さんの方がフラグメーカーに近い気もしなくもない
108 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:53:51.39 ID:mG4Ve2PS0
インターミッション――《ワジ》

《303号室》

佐天「休日……とはいっても……」

佐天「なにすればいいのかなー……」

佐天「…………クロスベル、かぁ」

佐天「警察官になるんだよね、私」

佐天「……なーんか、初春よりも更に上の立場になった感じかな。あはは」

佐天「……、街のこと、少しくらいは知っておく必要があるよね……」

佐天「出来れば街の歴史くらいは知っておきたいし……」

佐天「よっし、そうと決まれば出かけてみますか!」
109 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:54:31.19 ID:mG4Ve2PS0
《中央広場》

佐天「……ここが中央広場で、クロスベルの中心になるのか……」

佐天「こっちが確かジオフロントの方角、向こうに警察署……で、こっちは……」

《東通り》

佐天「あ、何か親近感……。東方風でちょっと落ち着くなあ」

佐天「……」

佐天「釣公師団……? 隣は……遊撃士協会」

佐天「……そういえば、遊撃士って何なんだろう」

佐天「入って聞いてみようかな」
110 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:55:13.10 ID:mG4Ve2PS0
《遊撃士協会》

佐天「失礼しまーす……」

ミシェル「あら、お客さん?」

佐天「あ……」

ミシェル「よく来てくれたわね。何か依頼でもあるのかしら」

佐天「あ、いえ、その」

ミシェル「大きな声では言えないこと? フフ、アタシで良ければ力になるわよ」

佐天「あ、そういうことじゃなくて。遊撃士について話を聞きたいんです」

ミシェル「あら……遊撃士志望なのかしら。それとも私たちのファン?」

佐天「え、えーと……」

佐天(何なのこの人ぉ……)
111 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:55:39.44 ID:mG4Ve2PS0
???「――ミシェル、客人が困っているぞ」

佐天「あ……」

ミシェル「あら、アリオス」

アリオス「……昨日も出会ったな。名前は……」

佐天「ルイコ・サテンです。……クロスベル警察特務支援課に配属されました」

アリオス「そうか、覚えておこう」

ミシェル「あら、あの噂のねえ。フフ、敵状視察という事かしら」

佐天「そ、そんな……」

ミシェル「冗談よぉ。フフフ、良いわねえ。アタシ、あなたのこと少し気に入っちゃったわ」

佐天「は、はあ……」

アリオス「ミシェル、結局困らせているぞ」
112 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:56:20.87 ID:mG4Ve2PS0


ミシェル「はい。お茶よ」

佐天「あ、ありがとうございます……」

アリオス「……それで、確か遊撃士について尋ねたいのだったか」

佐天「は、はい。あの……実は世事に疎くて……」

ミシェル「いくら世事に疎くても遊撃士くらいは知っていてもおかしくないと思うけど」

佐天「そ、それはそのぅ」

アリオス「フ……、遊撃士協会は民間人の安全と地域の平和を守ることを目的とする遊撃士たちの集まりだ」

佐天「というと、ボランティア……に近い感じですか」

ミシェル「有り体にいえばね。けれど、そんな生やさしいものじゃないのよ」

アリオス「だがやり甲斐はある。……お前たちも、我々と同じようなことをするのだろう?」

佐天「あ、はい……。そちら側からすれば、やっぱりいい気持ちはしませんか?」
113 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:57:19.58 ID:mG4Ve2PS0
ミシェル「いいえ、願ってもない事よ」

佐天「へ」

ミシェル「クロスベル支部にはエースが揃ってるけど、それでも全ての案件に対処するのは本当に骨が折れるのよ」

ミシェル「その点アナタたちが頑張ってくれればこちらの負担が減るでしょう?」

佐天「それじゃあ、仲良くできるんですか?」

ミシェル「ええ、もちろん。……ただし、アナタたちが使い物になればね」

佐天「う……」

ミシェル「……遊撃士の仕事は生半可な覚悟でやり遂げることが出来るものではないの」

ミシェル「もし遊び半分のつもりなら、今すぐにでも辞表を突き出すべきよ」

佐天「……あ、遊びのつもりはありません」

アリオス「……」
114 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:58:17.67 ID:mG4Ve2PS0
佐天「私は……自分で考えて、特務支援課に所属することにしました」

佐天「な、何が何でもやり遂げて見せます」

アリオス「……良い気概だ」

ミシェル「あら……フフ、ごめんなさいね、少し虐めちゃったかしら」

佐天「あ、いえあの」

ミシェル「やっぱりアナタのことは気に入っちゃったわ。いつでも遊びに来て良いわよ。歓迎してア・ゲ・ル」

佐天「あは、ははは……」

佐天(やっぱりちょっと怖いこの人)
115 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 19:58:54.11 ID:mG4Ve2PS0
佐天(お土産にってクオーツ貰っちゃったし……)

佐天(EP1、かあ。回避のクオーツと入れ替えておくべきかな……)

佐天「うん、ちょっと替えておこう」

*佐天はクオーツを入れ替えた*

佐天「東通りはもういいかな……。あっちの陸橋の先は何なんだろう」

佐天「行ってみよう」
116 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 20:00:02.92 ID:mG4Ve2PS0
《旧市街》

佐天「……うわ」

佐天「……ここ、ほんとにクロスベル?」

佐天「なんだかここだけ取り残されてる感じだな……」

佐天「ちょっと薄暗いし、ここにはあんまり来ない方が良いかも……」

佐天「って、でもそういうところをパトロールするのも警察官の仕事かあ」

佐天「……迷うなあ」

???「あれェ? 見ねェ顔だなオイ」

佐天「えっ」
117 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 20:00:47.17 ID:mG4Ve2PS0
不良「ハァ! ケッコー可愛いじゃねえかよ!」

佐天「え、あの」

不良「ノコノコ迷い込んだのかァ? 俺たちと遊ぼうぜェ」

佐天(こ、これって学園都市にもいるスキルアウトみたいな……)

不良「俺たちサーベルバイパーが可愛がってやっからよォ!」

ドンッ

佐天「……っ」

Sバイパー「こっち来たからには相応の覚悟がアンだろォ?」

Sバイパー「へへへ、悪いようにはしねぇよ」

佐天「わ、私は警察ですよ!」
118 :序章・特務支援課 [saga sage]:2011/03/21(月) 20:01:25.13 ID:mG4Ve2PS0
Sバイパー「ハァ!? おもしれぇ冗談だぜ!」

佐天「信じてない……なら」

佐天「エニグマ駆動……!」

佐天「って、あれ……? スパークル……出せない!?」

Sバイパー「ヒャヒャヒャ! 嫌がるのも全部フリなんだろォ?」

Sバイパー「大人しく観念して楽しもうぜェ」

佐天「……っ、く……」ジリジリ

Sバイパー「ひゃひゃひゃ!」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/21(月) 23:00:33.92 ID:Qt3TSAQ4o
クリアした3ヶ月ぶりにやったら面白かった
戦闘だけだったけど
2週目はこのスレと同時進行でやろう
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/22(火) 00:28:01.88 ID:Ues+lcp0o
キーアくぎゅうの声に癒される
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/23(水) 23:29:26.25 ID:/88R5XHgo
おもしろいー
ゲームやったことないけど
今度やってみるか・・・
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 23:44:23.24 ID:a/M0Zs/IO
ssでの佐天さんの絡まれ率は異常
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/24(木) 16:13:52.46 ID:qzELaB+q0
続きめっちゃ気になる
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 22:09:42.68 ID:YxGwgH6to
碧の軌跡も出ることだしこのSSも続きを楽しみにしています!
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 22:19:51.16 ID:M+mQV7HIO
ティオたんペロペロ
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/24(木) 23:26:07.01 ID:exhkFZtDO
>>50
ティータの年齢は
FCで13 SCで14
零はSCの後だからつまり…
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/25(金) 00:03:44.73 ID:sjYIaHHDO
>>126
アガットとイチャイチャしててもおかしくない年齢だな
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage]:2011/03/25(金) 01:56:19.84 ID:YlAHSoFAO
たしか3がSCの半年後
零はその一年後だからティータは16歳だな
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/26(土) 22:28:18.44 ID:/Xxc9lVDO
まだかよ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/27(日) 10:34:37.15 ID:95Dk/9E80
>>127
ロリコンダイブの人乙
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 21:21:05.72 ID:05u1yLZIO
まだかよ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/30(水) 16:29:03.23 ID:p8NhKkRDO
まだかよ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/30(水) 16:50:51.52 ID:LV2FdyMDO
佐天さんとロイドのコンビクラフトってどんなんだろうな
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 17:26:51.98 ID:foMwq5z5o
これは期待
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/04/07(木) 08:20:12.70 ID:FTkv5v4go
まだー
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/04/19(火) 20:16:23.15 ID:pAOAVvgfo
生存報告でもいいからたのむぜ
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) :2011/06/22(水) 02:35:52.28 ID:7ImvJqfCo
あげ
76.08 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)