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上条「とある聖衣(クロス)と禁書目録?」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:10:04.72 ID:Yjs4SNqk0
とある×聖闘士星矢のクロスオーバーものです。
キャラ崩壊激しいです。
更新は不定期かも、です。
地の文が入ったり、そうでなかったりとやや安定しないかも…
それでも許せる、という方は是非お願いします。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:39:16.20 ID:qbAcbrETo
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猫饅頭 @ 2025/07/14(月) 19:14:21.34 ID:1knELuPaO
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(安価&コンマ)コードギアス・・・ @ 2025/07/13(日) 22:27:49.60 ID:9f2ER2kw0
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KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
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ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
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今日の疑問手 @ 2025/07/13(日) 19:07:12.02 ID:ZqmtXqZ3o
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旅にでんちう @ 2025/07/13(日) 13:03:56.58 ID:cdEpW45FO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1752379436/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:11:16.89 ID:Yjs4SNqk0
学園都市の暗がり。いつものように上条当麻は追われていた。
上条「ハァハァ、まだ追ってきやがる」
しかし、何時ものようなスキルアウトではなく、能力者や魔術師とさえも違っていた。
「逃がさんぞ」
逃げる上条を追う男の影。
逃げ回る上条であったがとうとう袋小路に追い詰められてしまう。
上条「くそっ、何だってんだよ一体!?」
ハァハァと、息を切らす上条とは対照的に男は全く息が乱れていない。あくまで、悠然と近づいて来る男に底知れない恐怖を覚えた。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:12:37.34 ID:Yjs4SNqk0
「ここまでだな」
にやりと笑う男がすっと右手を差し出すと、その手のひらから発した衝撃が上条に襲い掛かる。が―――
ぱきぃぃん
乾いた音ともに男の放った衝撃が上条の手によって打ち消される。
幻想殺し―
上条の手に宿るあらゆる異能の力を打ち消す力。
「成るほど、たいしたものだ。しかし」
どすっ!
「それ以外はただの人間と変わらんな」
人とは思えない速さで間合いを詰めた男の拳が上条の腹に突き刺さる。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:13:46.04 ID:Yjs4SNqk0
上条「がはっ…!」
小さなうめき声とともに腹を押さえてうずくまる上条。
「そら」
男が無造作に上条のあごを蹴り上げ、彼はそのまま地面に倒れこんでしまう。
上条「な、なんで…」
こんなことを、と言葉をつなげようとするも、さらに男は無慈悲に少年の頭を踏みつける。
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:14:36.63 ID:Yjs4SNqk0
「やれやれ、このような少年に何も気を使わなくても」
ため息ををつきながら男は上条を見下ろす。
「このまま、頭を踏み砕いてやるとするか」
薄ら笑いを浮かべた男の死刑宣告。上条の頭を踏みつける男の力が増し、頭蓋骨がメキメキと嫌な音をたてる。
上条「うわあああああ!!」
男の足と地面とで自分の頭が押し潰されようとしているのが分かる。
ぶんっ、と嫌な音がした時だった。
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:16:40.19 ID:Yjs4SNqk0
「鳳翼天翔―――ッ!!」
誰かが放った怒声とともに、嵐が吹き荒れた。
頭が嫌な圧迫感から解放され、男の体が向こうへと吹っ飛ばされていく。
訳が分からない上条が体を起こし辺りを見渡すと、そこには妙な格好をした男が一人いた。
その妙な格好―まるで、ヒーローものの様な西洋風のプロテクターを身にまとった男は敢然と、吹き飛ばした男に立ちはだかった
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:18:09.06 ID:Yjs4SNqk0
「貴様は?」
吹き飛ばされた男―この男も、全身黒光りのする悪趣味なヨロイ風のスーツに身を包んでいる―が自分を吹き飛ばした男に聞く。
「…フェニックスの一輝。ここからは、この俺が相手をする」
静かに、しかし他を圧倒する威圧感を放ちながら男が言い放つ。
「そうか、と言いたいところだが、今日のところは引いておこう」
そういうと男の姿が闇に消える。
「俺の名は天猛星ワイバーンのラダマンティス。次に会うときはこうは行かんぞ」
そう闇に残しながら。
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:19:27.28 ID:Yjs4SNqk0
翌朝―
ホームルーム前の教室で上条はぐったりとうなだれていた。
上条「はぁ、不幸だ…」
昨日の騒ぎからまだ疲れが取れない。せっかくインデックスがイギリスに帰っているのにおちおち休む暇も無かった。
土御門「なーにしけた顔してるんだにゃー?」
青ピ「そうそう、もっと、しゃきっとせんとー」
バカデルタファオースの二人が声をかけてくるが返す元気も無い。
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:21:41.61 ID:Yjs4SNqk0
青ピ「そういや、なんかステキイベントがあるって、小萌センセーが言ったはったでー」
土御門「にゃー?そいつは気になるぜい」
がやがや騒ぐ級友たち。そうこうしている間にキーンコーンカーンコーンと、余鈴が鳴り響く。
ガラガラと、扉を開けて入ってくる合法ロリ教師。
小萌「はーい、ホームルーム始めますよ?と、今日はその前にビッグニュースです!
」
上条「とか言って、また転入生なんかじゃ…」
小萌「むむっ、上条ちゃんにしては鋭いですねー」
上条「マジかよ」
小萌「それじゃ、入ってきてください〜」
ガラガラと、扉を開けて入ってきたのは―
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:23:24.29 ID:Yjs4SNqk0
上条「げっ」
昨日の変な格好した男だった。
異常に鋭い目つきをした威圧感のある男、そして―、老け顔。
とても上条たちには目の前の転入生が同い年とは思えないくらいに、老け顔だ。
小萌「えーと、それじゃあお名前を…」
一輝「一輝だ」
小萌「あの、出来れば苗字も言ってください?」
一輝「…一応、木戸だ」
青ピ「一応って…」
土御門「また変なのが入ってきたぜよ…」
このとき、この濃い顔の転入生が新たな火種になろうとは、…まぁ大体分かっていた。
つづく。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/04/15(金) 01:30:38.27 ID:Yjs4SNqk0
こんな感じで続きます。
何でか急に始めたのか、理由は自分にも分からない…。
需要は多分無いと思いますが、ポチポチ続けたいと思います。
それでは。
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/15(金) 02:30:30.63 ID:2wRyy+0IO
乙!
まさか聖闘士セイヤとは!
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/04/15(金) 02:54:25.39 ID:ugKFE3ppo
また禁書がイギリスに飛ばされてるのか
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/15(金) 11:42:05.18 ID:p5Q/4/cDO
表現の奇行士(と書いてマザコン)とブラコンとシスコンとストリッパーはでるのかね
出るなら良いだろう、書きなぐりたまえ
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/04/15(金) 14:45:50.95 ID:TScfh8as0
でも☆矢の連中って、大半13歳だよな
一輝がかろうじて、高校生くらいなのか
あと>>バカデルタファオース
これってタイプミス?
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/04/15(金) 18:04:47.66 ID:QEqxIOUfo
禁書星矢クロスは以前書こうとして諦めたな……
是非とも書き上げて俺の無念を晴らしてくれ支援
17 :
1です
:2011/04/17(日) 01:32:52.59 ID:KdNkPVlP0
レスありがとうございます!
感想とか嬉しいです。
それでは投下していきたいと思います。
訂正 デルタファオース→デルタフォース
18 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 01:40:51.55 ID:KdNkPVlP0
放課後―
授業の終わった上条に早速声をかけてきた男が一人。
「おい」
転校生の一輝であった。
19 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 01:43:35.24 ID:KdNkPVlP0
一輝「顔をかせ」
上条「あ、あの、まさか校舎の裏に来いとか系のお誘いなんでしょうか…?」
一輝の風体からしてありうると、びくびくしながら聞く上条。
一輝「…それはもうやった」
青ピ「やった後なんやね…」
一輝「いいから来い」
ぐいっと、強引に上条を連れ出そうとするが、上条も思い切って、
上条「これから上条さんは大切な特売に行くのでせうが…」
と切り出してみる。
20 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 01:51:28.10 ID:KdNkPVlP0
一輝「特売だと…!?」
…なんでそこで、アップになって睨みつけてくるんだろうか?と、思わず心の中でつぶやいてみる。
一輝「…ちなみに、何の特売だ?」
上条「えっ、確か卵1パックお一人様2パック限定で88円…」
一輝「なに?!1パック88円だと…!?」
青ピ「あ、そこに食いつくんや」
21 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 01:53:56.57 ID:KdNkPVlP0
一輝「ならば、急がねばなるまい」
がしっ、と肩をつかまれ
上条「へっ?」
そのまま軽々と肩に担がれる上条
22 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 01:54:54.29 ID:KdNkPVlP0
一輝「行くぞ」
上条を担いだまま教室の窓から飛び出していく一輝。
あっという間の出来事に、クラスメートもどう反応したらいいか分からない。ただ一ついえる事は―
上条「不幸だーーーっ!!!」
と、言うことだ。
23 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 01:55:54.63 ID:KdNkPVlP0
地球の重力とありえない加速を身に感じながらの絶叫。
土御門「…行っちまったぜい」
青ピ「ご愁傷様…」
連れ去られる上条に、級友たちは思わず同情した。
そして、上条が連れてこられたのは―
なぜか喫茶店であった。
24 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:01:12.59 ID:KdNkPVlP0
上条「なんでだあああああ!?」
上条「普通、ここはスーパーの場面でしょうがああああ!?」
「あの、如何されました?」
思わぬ上条の絶叫に、彼の正面に座る美女が、いや美少女が心配そうに尋ねてくる。
上条「いや、余りの急転回にちょっと付いていけなかっただけですよ」
はははっ、と笑い何とか取り繕うとするが、どうにも罰が悪い。
25 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:02:42.84 ID:KdNkPVlP0
「……」
「……」
そしてしばしの沈黙。
「あの、そんなに改まらないでください。もっと、楽にしてください、ね?」
彼の様子を見かねてか、彼女に並んで座るもう一人の美少女がニコッと、優しげに声をかけてくれる。
26 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:05:04.79 ID:KdNkPVlP0
この若草色の髪を持つ少女が全身から優しさを滲み出しているのに対し、隣のおそらく上条よりも随分年上の、最早少女とはいえない年齢の彼女は、腰まである長い薄紫の髪を持ち、凛とした美しさの中に優しさを秘めている。
名門常盤台の制服に身を包んだ、はっきり言って、二人とも上条のストライクど真ん中の美少女。ここだけ見れば、ちょっとだけ役得である。しかし。
「……」
「……」
離れて座っている二人の連れの視線が痛い。本当に痛い、針で刺してるんじゃないかって思うくらいの視線を感じる。
そして、一輝は何故かその中の一人の金髪ともめていた。
上条「何やってんだ…」
そんなつぶやきも気にせず、一輝と金髪はひたすらもめ続けていた。
27 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:06:35.73 ID:KdNkPVlP0
上条「あの、それで、俺に何のようですか?」
と切り出す上条。
「ええ、実はあなたにお願いがあるのです」
長髪の少女が答える。
「是非、あなたの力を貸していただきたいのです―平和のために」
28 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:09:17.86 ID:KdNkPVlP0
彼女は城戸沙織。あの有名な城戸家の一人娘である。そして―彼女は自分を地上の平和を守るために降臨した戦女神アテナだと言ったのだ。
今、地上には未曾有の危機が迫っている。冥王ハーデス率いる冥界軍に侵略されようとしているというのだ。
そのために、自分に力を是非とも貸して欲しい。
彼女はそこまでを息をつかずに一気に言い切った。
29 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:12:25.94 ID:KdNkPVlP0
「……」
二人の間に沈黙が流れる。
無理も無い、と沙織は思った。
こんなこと言われても普通は何のことだか分からないだろう。それどころか変人扱いされるのがせいぜいの落ちである。
30 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:13:53.35 ID:KdNkPVlP0
重苦しい空気が流れる。
「あ、あの」
おずおず沙織が口を開いたとき、
「―いいぜ」
と、上条が答えを返した。
31 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:16:19.16 ID:KdNkPVlP0
「へっ?」
思わず沙織は間のぬけた声を出す。
上条「俺でよければ力になりますよ?」
にこっ、と笑い返事をする上条。
「ほ、本当ですか!?」
思わず隣の少女も声を上げる
32 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:23:00.54 ID:KdNkPVlP0
上条「ああ、困っている人の力にならねーほど上条さんは人が出来てませんよ?」
はははっ、と笑いながら言う。
―確かに、にわかには信じられない話ではあった。しかし、昨夜の事件、それにまつわる人々がこの街に現れたということは、何か大きな事件が起こりつつあるのだろう。
これまでも信じられないような事件の数々に巻き込まれてきた身としては、彼女たちの言うことをバカバカしいと否定するような事は一概には出来ない。
それに、何故だか彼女の目は嘘を言っていない気がしたのだ。
33 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:26:20.31 ID:KdNkPVlP0
沙織「ありがとうございます。もし断られたら、どうしようかと思っていたのですよ?」
思わぬ上条の快諾に、ほっとした安堵の表情で笑う沙織に
上条「いやいや」
照れくさそうに頭をかく上条。
と、そこで不意に、
上条「ところで、トイレは大丈夫ですか?」
いきなり、何故かそこに話を振る上条当麻15歳であった。
34 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:30:03.21 ID:KdNkPVlP0
「なっ!?」
沙織「い、いえ、大丈夫ですが…」
突然の質問に、かああっ、と思わず顔を赤くする二人。
何故?と聞き返す沙織に、
上条「いや、さっきからずっとモジモジしてるから…」
確かに二人ともさっきからずっと足を動かして、妙にそわそわしている。
35 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:46:03.74 ID:KdNkPVlP0
「こ、これは、その」
沙織「ふ、普段はあまりこのような丈の短いものは履かないものでして…」
顔を赤くして照れくさそうに答える二人。
ああ、なるほど。ずっと慣れない服で恥ずかしかったのか。
そう思うと、その仕草が妙に可愛らしく見える。
学園都市ではオーソドックスな服の丈ではあるが、外から来たばかりの二人には、随分と短いらしい。
36 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:53:07.85 ID:KdNkPVlP0
…思えば、自分の周りにいるのは逞し過ぎる女性の数々。短パン娘に、開けっぴろげな格好にもまるで動じない痴女、頭突き女に電波、腹ペコ凶暴シスターなどなど。
とても女性らしい可愛らしさを持つような女性は見当たらなかった…。
しかし、今、そんな規格外の女どもではなく、こうしてまともな感性を持った女性に巡りあえたのだ。
そんな普段は意地悪ばかりする神様にも、このときばかりはほんのちょっぴり、いや随分色々感謝した。
37 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:53:57.19 ID:KdNkPVlP0
そんな感動に震える上条に、
「あ、あの、どうしたんですか?」
遠慮がちに聞いてくる彼女。
そんなささいな振る舞いに、彼は思わず萌えた。
38 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 02:59:50.27 ID:KdNkPVlP0
と、そこに
「おい、行くぞ」
がしっ、といきなり首根っこをつかまれる上条。
誰かなー、とおそるおそる振り向いてみるとそこには何故か顔面血だらけの一輝がいた。
そして向こうを見れば、揉めていた金髪がばったりとひれ伏してる。
この短い時間に何があったんだ?と思わず身震いしてしまう。
しかし、この男は委細構わず、
一輝「このままだと、特売に間に合わん!」
と、言い放つ。
39 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 03:04:47.94 ID:KdNkPVlP0
その圧倒的傍若無人には成す術もない。
上条「ちょっ、ちょっと!?」
ぐいっと、つかまれたが最後、二人とのトークタイムは強制打ち切り。上条は再び一輝に連れ去られていく。
席で寛ぎながらその様子を眺めていた長髪の男が一言、
「…不幸な奴だ」
とだけ言った。
続く。
40 :
1です
[sage saga]:2011/04/17(日) 03:08:58.95 ID:KdNkPVlP0
今日は終わりです。
ところで、マザコンとブラコンとシスコンまではわかりますが、ストリッパーは誰なんでしょうか?紫龍かな?
教えてもらえると嬉しいです。
それではおやすみなさい。
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/17(日) 05:59:08.26 ID:vaEI12aDO
>>40
ストリッパーは紫龍しかおるまいて
ハーデス編以外大体脱いでるし
42 :
1です
:2011/04/19(火) 00:52:53.50 ID:xB0PGnuS0
投下します。
43 :
1です
:2011/04/19(火) 00:55:04.51 ID:xB0PGnuS0
学園都市の夕暮れ時、家路を急ぐ学生たちの中に戦利品をかろうじて手に入れた上条と一輝の姿もあった。
上条「いやー、何とか間に合ってよかったな」
一輝「まあな」
と、簡単に答えた一輝であったがその表情は明るい。非常に明るい。鬼の形相で群がる客を掻き分け、残り少ない特売品を手に入れたあのときの表情とはまるで別人だ。
44 :
1です
:2011/04/19(火) 01:01:07.43 ID:xB0PGnuS0
上条「ま、お前がいなけりゃこうして卵を手に入れられなかったんだし」
いつの間にか気安く呼んでいる上条。やはり、特売という戦場を共にした二人には特別な絆が生まれるらしい
一輝「せいぜい感謝しろ」
その言葉にふん、と得意気に鼻をならす一輝。
まぁ、そもそもお前に連れ去られなけりゃー余裕で間に合ったんだけどなどと、口に出すほど上条も子供ではないのだ。それよりも、
上条「これで、今夜の飯は豪華になるよな!!」
一輝「ああ、卵尽くしも悪くあるまい」
ニヤリと笑う一輝。育ち盛りの高校生にしては、やけに寂しい二人の食卓の会話であった。
45 :
1です
:2011/04/19(火) 01:02:51.63 ID:xB0PGnuS0
一輝「ところで、上条」
突然、一輝の目つきが変わる。
上条がどうした、と聞く前に言葉を続ける。
一輝「尾けられてるぞ」
46 :
1です
:2011/04/19(火) 01:05:17.85 ID:xB0PGnuS0
上条「…っ、誰にだ?」
上条がぼそりと小声で聞く。
一輝「分からんがな。とりあえず、冥闘士ではなさそうだが…」
上条「…どうする?」
その呟く様な質問に、
一輝「出来ればやりたくない、が」
ふぅ、と息をつき、
一輝「どうやら、それは無理のようだな」
上条「…」
一輝「囲まれている」
47 :
1です
:2011/04/19(火) 01:08:17.50 ID:xB0PGnuS0
上条「…何時の間に?」
と、驚きを隠せない上条。
一輝「正確には囲まれる手前の状態だがな、このままだとより不利な条件になる」
上条「…」
あまりにも非常な宣告である。
一輝「腹を決めろ」
上条「…不幸だ」
情けない顔で上条は呟いた。
48 :
1です
:2011/04/19(火) 01:09:49.30 ID:xB0PGnuS0
腹を決めた二人である。彼らは追跡者たちを誘導するべく路地へとずれる。少しでも相手より優位を確保したいところだが、
ブン!!!
一輝「なっ!?」
少し歩いたところで、突然前方から投げ飛ばされてくる一台の軽ワゴン。
ふんっ、と気合とともにそれを受け止める一輝。しかし、さらに反対方向から二人を飲み込むほどの熱線。
49 :
1です
:2011/04/19(火) 01:11:43.30 ID:xB0PGnuS0
上条「うわっ!?」
とっさに自身の右手を差し出し熱線を打ち消す。
上条「な、なんだ?」
と驚くと同時に、それに応じるように現れる一つの影。
「あら、今ので終わったと思ったのに意外とやるモンねー」
くすくすと笑う一人の女。
50 :
1です
:2011/04/19(火) 01:16:00.32 ID:xB0PGnuS0
「全くです。私たちのコンビに耐えられるなんてちょっと、超ショックですよ」
ひょいっ、と軽口を叩きながら挟み込むように反対側から現れる一人の小柄な少女。
「でも、これで終わりって訳よっ!」
その声がした途端、バンッ、と音が鳴り響き、二人の上に無数の巨大な瓦礫が降り注ぐ。
がらがらがら
瓦礫の山に押し潰され、二人の姿がもうもうと立ち込める土ぼこりの中に消える。
51 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:17:45.42 ID:xB0PGnuS0
「あーあ、ゲームオーバーか」
リーダー格であろう女がつまらなさそうに言う。
「でも、これって私がやったってことだよね?」
うきうきした声の、この罠を仕掛けた金髪の少女。
「…なんか超釈然としないんですけど」
と、車をブン投げた少女が口を尖らせる。
52 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:18:40.99 ID:xB0PGnuS0
「大丈夫」
「滝壺さん…」
ピンクのジャージを着た、ぼーっとした少女がポンと肩を叩き、
滝壺「わたしはそんなちょっぴり拗ねるきぬはたを応援している」
絹旗「拗ねてませんよ!!」
絹旗と呼ばれた少女が、むきーっと反論。
53 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:21:09.94 ID:xB0PGnuS0
「はいはい、遊ばないの二人とも」
リーダーの女がパンパンと手を鳴らし、
「浜面、死体の処理の連絡を宜しくね」
浜面と呼ばれたチンピラが、おうっと応える。
「そんじゃ、他はかいさーん。ほら、帰るわよー」
リーダーの女が告げるとメンバーもやれやれと、面倒くさそうに腰を上げる。
54 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:25:11.26 ID:xB0PGnuS0
からん…
「……」
絹旗「?どうしたんですか麦野」
麦野「いや、一応念のために、ね!!」
と言うと、彼女は自身の能力―『原始崩し』―で生み出した熱線で積み重なった瓦礫を
一息に焼き砕く。
その瞬間、バンッ!と瓦礫の山を跳ね除け飛び出す影。
55 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:33:06.71 ID:xB0PGnuS0
麦野「へえ、案外しぶといじゃない?」
それを見てにぃっと笑い、仲間たちも怯えるような、まるで気に入ったおもちゃをぐしゃぐしゃに壊す時の子供のように、無邪気な殺意を浮かべる麦野。
と、そこで、
「ちょっ、ちょっと!?それじゃあ、私の撃破ボーナスは無しって訳〜!?」
はっ、とその事実に気づいてしまう。
56 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:35:08.15 ID:xB0PGnuS0
浜面「ま、当然じゃねーか?」
と、役立たすの浜面にまで言われればやるせない。
とほほ、と落ち込む金髪に
滝壺「だいじょうぶ」
と慰めるように声をかけ、
「滝壺…」
と、油断させたところで、
滝壺「だって、フレンダだもん」
上げて落とす滝壺。結構、この娘も容赦がない
57 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:38:08.43 ID:xB0PGnuS0
フレンダ「そこは何かフォローが欲しいって訳よ!?」
正しく、弱り目に祟り目のフレンダであった。
麦野「まあ、それはとにかく」
と、麦野の合図とともに二人を囲み、
絹旗「こいつらをささっと片付けてしまいませんとね」
再び臨戦態勢となる。
58 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:43:22.45 ID:xB0PGnuS0
フレンダ「今度こそ撃破ボーナスいただきって訳よ!!」
滝壺「がんばって、フレンダ」
場違いにきゃいきゃいとはしゃぐ彼女たちを見て、思わず慄然とする。
これから命のやり取りを始めるというのに、それをまるでちょっとした遊びのよな感覚で捉えているかのような、彼女たちの不敵な態度。そうでありながらも必殺の体勢は崩してはいない。
上条「こいつら…」
上条の耳に、自分の飲み込むつばの音が妙にはっきりと響いた。
59 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:54:16.99 ID:xB0PGnuS0
じわりっ、と狭まる間合い。
一歩間合いが詰まる度に、息が苦しくなる。
間合いが後一歩に迫った瞬間、二人を囲んでいた絹旗の真後ろから何かが突然打ち付けられる。
絹旗「ちっ、何ですか!?」
バンッ、とそれを打ち払いその場を飛びのいて体勢を立て直す絹旗。
60 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 01:54:59.29 ID:xB0PGnuS0
絹旗を彼女を守る装甲―窒素を押し固め、それを自在に操る力『窒素装甲』―を激しく打ち付けたのは、煌びやかに光る、美しい鎖であった。
その鎖の持ち主が思わず声を上げる。
「兄さん!!」
上条が見たのは、先ほどの常盤台の制服を着た少女であった。
61 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:02:08.52 ID:xB0PGnuS0
一輝「瞬か」
と、少女を一瞥し、再び襲撃者に目を向ける一輝。
瞬「大丈夫、兄さん?」
心配そうに聞く瞬に、どうともないと、素っ気なく答える。
一輝「それよりも、こいつを連れて下がれ」
瞬「で、でも…」
と、心配そうな瞬。
62 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:04:04.60 ID:xB0PGnuS0
一輝「早く行け」
食い下がろうとする瞬より先にそう告げる一輝。
それを見て、うん、とためらいがちにうなずき、上条の手を引きその場を離れる瞬。
瞬「兄さん」
と、一度振り返り、
瞬「…気をつけて」
短いけれども精一杯の声をかける。
63 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:13:10.50 ID:xB0PGnuS0
ああ、と素っ気無い一輝の返事だが、それを聞く瞬はちょっとだけ微笑み、
瞬「行こうっ」
と、上条に声をかける。
ああっ、と返事を返した上条と共に急いでその場を離れた。
フレンダ「ちょっ、ちょっと!?」
それをみたフレンダは二人のあまりの引きっぷりの良さに慌てるが、だが絹旗は思いのほかにすばやく反応する。
64 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:16:41.58 ID:xB0PGnuS0
絹旗「逃がしませんよ!!」
だんっ!
勢いよく地面を蹴り二人を追おうとするが、それを遮り、その前に一輝が立ちはだかる。
一輝「ここから、先へは一歩も通さん」
と、仁王立ちで彼女らの前に泰然と立ちはだかった。
65 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:21:10.42 ID:xB0PGnuS0
麦野「へぇ、あんた一人で私らとやろうってわけ?」
それを見た麦野が、にこやかな殺気を孕んだ笑顔で長い髪を弄びながら嘲う。
一輝「…貴様らなどこの拳一つで十分よ」
拳一つ突き出し敢然と言い放つ一輝。
麦野「へぇ、そこまで舐めてくれちゃってるんだ…」
びきびきびき。
一輝の、余りにもこの学園都市第四位の麦野沈利を舐めきった態度にその端正な顔が見る間に歪んでいく。
麦野「ブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ・ネ」、
66 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:25:23.53 ID:xB0PGnuS0
狂気を込めた宣言。
学園都市最凶の女が放つ死刑宣告。
だが、一輝はどうという事もない涼しい顔で、
一輝「ほう、そっちの方がよりらしい顔じゃないか」
と、せせら笑う。
67 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:32:22.97 ID:xB0PGnuS0
『アイテム』のメンバーがおろおろ心配になるくらいのあからさまな挑発。
そんなものに彼女が堪えられるはずもなく、、
ぷちん
、といとも容易く堪忍袋が切れる。
麦野「はーい、ブチころー♪」
と、なんだがリズミカルな麦野の台詞。
そして、次の瞬間、路地に盛大な爆音が鳴り響いた。
68 :
1です
[sage saga]:2011/04/19(火) 02:33:14.33 ID:xB0PGnuS0
今日は終わりです。
おやすみなさい。
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/19(火) 11:05:43.40 ID:Ryqva7WDO
女装した瞬だと!?
ゴクリ……
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/04/19(火) 14:29:11.64 ID:3dfkaT5qo
男の娘なのか、いやそれは…
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/04/19(火) 18:16:05.32 ID:xZdA+xzbo
一輝兄さん、なんてことを……
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/20(水) 09:02:28.52 ID:+gutiVRQo
一輝兄さんが殴りかかったら人間なんてミンチみたいになるだろ……
73 :
1です
:2011/04/21(木) 01:28:45.97 ID:7RPWZDIL0
投下します。
74 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:31:00.41 ID:7RPWZDIL0
瞬「…兄さん大丈夫かな」
走りながらも、心配そうにつぶやく瞬。
上条「なーに、あいつの事だ。大丈夫だって、きっと」
やや息を切らしながら彼女の心配を払うように励ます。
瞬「そうだと良いんだけど…」
はぁ、と思わずため息をつく。
75 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:31:55.04 ID:7RPWZDIL0
上条「にしても、あいつの妹さんがこんな美人さんだったとは…」
分からないもんだなぁ、と呟く上条。
瞬「へっ?」
と、間抜けな声を出す瞬。
上条「いや、だって、あいつの妹なんだろ?」
と、当然のように聞くと、
瞬「違いますよ!?」
と、あわてて否定する。
76 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:36:40.46 ID:7RPWZDIL0
上条「じゃあ、従兄妹?」
瞬「違いますよ!!」
上条「じゃあ、幼馴染?」
瞬「違いますって!!」
上条「んじゃあ、ひょっとして、彼女さん?」
瞬「もう、だから何でそうなるんですか!?」
ぷんぷんと、なぜか怒り出す彼女にやれやれと息をつく上条さんである。
77 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:40:42.82 ID:7RPWZDIL0
と、二人とも同じタイミングで足を止める。そして、突如伸びてくる光線に上条の右手が反応した。
乾いた音とともに消滅する光線。
「へぇ、やっぱ無理か。聞いてた通りだな、幻想殺し」
まあ関係ねーがな、とにやにや笑いながら姿を現すホスト風の男。
上条「テメーは…」
「俺か?俺は垣根提督。学園都市の第二位って言やあ、分かるだろ?」
へらへら笑いながらも、じりじりと間合いを詰める垣根。
78 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:43:13.54 ID:7RPWZDIL0
垣根「おい、女」
辺りを見回す上条と瞬。
はぁ、ため息をつき。
垣根「お前だよ、お前」
と、瞬を指差す。
垣根「俺が用があんのはそっちのつんつん頭だけだ。関係ねぇヤツまでやんのは柄じゃねぇ。十秒待ってやるからさっさと消えな」
そう告げる垣根に対し、改めて構えを取る瞬。
79 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:50:54.53 ID:7RPWZDIL0
垣根「ハッ、そうかよ。せっかく人がチャンスやってのに、困った嬢ちゃんだ」
イラつきながら吐き捨てる垣根。
瞬「僕は、女じゃないっ」
そう言い切った瞬は、それに応じるように、取り出した武器となる鎖を構える。
垣根「そうかよ。じゃあ、死ねや」
唾を吐き捨てると同時に彼の力が増大していく。
女子供であろうとも、最早彼に慈悲や容赦はない。垣根が天使のように翼を広げるのと同時に、光線が再び放たれた。
80 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 01:55:04.24 ID:7RPWZDIL0
耳を劈くような激しい爆音。それを聞いた一輝は二人の危機を感じ取る。しかし、
麦野「どこ見てやがんだ、この×××がああああ!!!」
幾条もの熱線を立て続けに放つ麦野。
麦野「さっさとアジの開きみーてに綺麗に開いて××に××してやんよおおおお!!」
発狂したように放送禁止用語を連発しながら、鋭く一輝に迫る。
81 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:08:08.13 ID:7RPWZDIL0
しかし、
一輝「はっ!」
気合とともに連発された光線をすべて避けきる。
だが、
絹旗「おりゃ!!」
そこに、矢継ぎ早に襲い掛かる絹旗の連撃。厚いコンクリートでさえ打ち抜く市毛だが、
一輝「くっ!」
その一撃を真正面から受けきる。
82 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:09:57.29 ID:7RPWZDIL0
生身の人間にはありえない、馬鹿げた防御力だ。その光景に、嘘でしょうとやはり目を疑う絹旗。
さらに立て続けに浜面、フレンダが手にした火器をたらふくお見舞いしてやるが、
フレンダ「やっぱり効いてない〜」
浜面「何で出来てやがんだよ、あいつは!?」
煙の中から現れる無傷の男の姿に弱音を吐く二人。
繰り返される埒の明かない展開に流石に麦野も焦りを感じていた。
83 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:17:48.00 ID:7RPWZDIL0
麦野「なんなんだよ、あの××は!!」
イラつきと共に吐き捨てる。
無理もない。レベル5の自分が、暗部の精鋭である『アイテム』がたった一人に翻弄されているのだ。
そのありえては成らない現実に、彼女のストレスがついに噴出する。
麦野「クソ××があああーーー!!!」
絶叫と共に『原始崩し』を撒き散らす。
しかし、だからといって、状況は好転しようもない。
84 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:28:04.58 ID:7RPWZDIL0
滝壺「むぎの」
ここで、一輝の気配を探ることに集中していた滝壺が動く。
滝壺「次、右15度、くるよ」
麦野「ああん!?」
滝壺の不可解なセリフに眉を顰めるが、すぐにそれがなにを意味するのかを理解する。
85 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:30:23.83 ID:7RPWZDIL0
滝壺の不可解なセリフに眉を顰めるが、すぐにそれがなにを意味するのかを理解する。
絹旗が突っかけ体勢を上手く崩さしたところにフレンダが爆弾を、浜面が閃光弾を投げつける。
そして、わずかに反応が遅れる一輝の姿を見て麦野の顔がにやり、と崩れる。
滝壺「いま」
滝壺の声を照準に麦野の必殺の一撃が放たれる。
86 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:40:18.43 ID:7RPWZDIL0
手駒どもが作ったチャンス。一輝の体勢は十分でない。
これは当たる―。
くひっ、といやらしく勝利の笑みを浮かべる麦野。
だが、その必殺の一撃は大きな鏡にでも吸いこまれる様に一輝の手前で消滅する。
87 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:41:12.05 ID:7RPWZDIL0
浜面「んな馬鹿な!?」
流石の浜面も目を剥いた。どう贔屓目にみても直撃コースは避けきれない。だが、実際に
は直撃どころか『原始崩し』自体が途中で消滅してしまったのだ。
信じられない顔の浜面であったが、よく目を凝らせば、一輝の足元にキラリと光る何かが突き刺さっている。
それを目を凝らしてみてみると、何か円形状のものである。その円形状のものが麦野の一撃を防いだのだ。
88 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:45:01.45 ID:7RPWZDIL0
「加勢するぞ、一輝」
ビルの上からふわりと舞い降りた中国風の服を着た腰まである長髪の男が、一輝とアイテムを隔てるように立ちはだかる。
一輝「余計な真似をするな、紫龍」
長髪の男のセリフにありありと不愉快そうな表情を浮かべる一輝。だが、
紫龍「そうもいかん、これはアテナの命令なのだ」
その言葉に、眉をぴくりと動かす一輝。
89 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 02:50:38.36 ID:7RPWZDIL0
紫龍「それに、今、瞬たちが戦っている相手は一筋縄ではいかん相手らしい」
一輝「…並の相手に遅れを取る瞬ではない」
と突っぱねるが、
紫龍「いや、どちらかというと相性の問題なのだ」
一輝「相性、だと?」
一輝が眉を寄せると、
紫龍「ああ、どうやら相手には干渉系のテレパシー使いがいるらしい」
それを聞き、なるほどな、と言うとそのままスッ、と立ち去る。
90 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 03:00:04.94 ID:7RPWZDIL0
麦野「待て、逃げんのかテメエ!?」
麦野の言葉にも耳を貸さず消える。
そのふざけた態度に
麦野「あんの、×××がああああーーー!!!」
麦野のフラストレーションがついに爆発する。
91 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 03:01:21.91 ID:7RPWZDIL0
仲間のでなくとも分かるくらいに麦野の機嫌は最悪である。が、
麦野「そういや、もう一個、そこに新しいおもちゃがあるじゃないかにゃーん?」
嬲る相手を再び見つけた肉食獣のように舌なめずりをする麦野。
紫龍に向かい、怒りとストレスで壊れかかった顔でねちりと、
麦野「テメェによぉ、あいつの分まで遊んでもらうからよォ…」
言い放つ。
92 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 03:04:42.06 ID:7RPWZDIL0
体の前面に力を展開させ、
麦野「生きてんのが嫌になるみてぇによぉ、カエルみてぇに解剖してやるからよおぉぉぉぉ!!!」
たまった感情を一気に吐き出す。
紫龍「…このドラゴン紫龍、逃げも隠れせん」
麦野「ほざけ、この××××がああああ!!!!」
こうして両者の能力が互いに火を吹いた。
93 :
1です
[sage saga]:2011/04/21(木) 03:06:53.73 ID:7RPWZDIL0
今日はこれで終わりです。
近いうちに瞬が何故常盤台に転入したかの話をやりたいと思います。
それでは、おやすみなさい。
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/04/22(金) 00:04:04.28 ID:SO5IrqM90
アイテムは精神系がいないから、鳳凰幻魔拳でイチコロじゃね?
あと、ここから先はデッドラインだ とかやって欲しかった
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/22(金) 05:28:27.66 ID:X2NYJ09DO
>>94
それを味方側で序盤からやるとつまんないだろ
それより紫龍が脱ぐのを待とうぜ
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2011/04/22(金) 05:44:50.91 ID:6k6VrbsZo
髪の色からしてアニメVerか
97 :
1です
:2011/04/23(土) 01:38:23.87 ID:vKduLt+l0
1です。投下します。
ちょっとだけ番外編です。
ちょっと禁書キャラの出番がなくなりますのでご了承ください。
98 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:43:57.52 ID:vKduLt+l0
数週間前―
城戸邸の瀟洒な応接間で城戸沙織―当世のアテナは一人、物憂げに寛いでいた。
コンコン、とドアを叩く音がする。
どうぞ、と声をかけると、優しげな少女、いや、誰もが花と見間違うような愛くるしい顔つきをした少年が扉を開けて入ってくる。
「あの、お呼びでしょうか?」
と、遠慮がちに、いや何処となく恥ずかしげに部屋に入ってくる。
その様子に彼女はくすりと笑うと、
沙織「何もそんなに緊張することはありませんよ?」
そう言って彼を部屋の中へと誘う。
99 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:44:38.93 ID:vKduLt+l0
そして対面に座った少年に対し、ゆっくりと語り始める。
沙織「瞬、貴方を呼んだのは他でもありません。実は、冥王ハーデスが目覚めようとしているのです」
瞬「ハーデス、ですか?」
瞬もその名を聞いたことがある。二百数十年ごとに光臨しアテナと地上の覇権をかけて争う冥界の王。
現世に降臨したアテナの宿敵である邪神。
恐るべき魔王ハーデスの名を。
100 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:45:20.22 ID:vKduLt+l0
瞬はゴクリ、と唾を飲み込む。
瞬「そのハーデスは何時甦るというのですか?」
と、恐る恐る尋ねるが、沙織は首を横に振り、
沙織「まだ、何処で復活するかの詳細はつかめていないのです」
彼女は不意に立ちあがると、テラスの扉をスッと開く。
101 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:45:56.56 ID:vKduLt+l0
空に瞬く大勢の星。
沙織「見なさい、瞬」
立ち上がった瞬が夜空を見上げると、
瞬「あの星は…?」
空に一際妖しく瞬く一つの星。
沙織「あの星の凶兆がこの世の災いを示しています」
102 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:46:35.13 ID:vKduLt+l0
コツコツ、とアテナの靴音が響く。
瞬「あの星が、ですか?」
そう、と答える沙織。
その危うい星の美しさについ引き込まれそうになる瞬の双眸。
沙織「―実は、ハーデスについて何の情報も無いわけではないのです」
沙織の言葉にハッと気がつく瞬。
その様子に僅かながらに首をかしげる沙織だったが、そのまま言葉を続ける。
103 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:47:31.05 ID:vKduLt+l0
沙織「学園都市、という所は知っていますね?」
学園都市―超能力開発を行う学生だけの街。瞬にとっては憧れの街でもあり、その異様な本質はなんとない恐怖を抱かせる街でもある。
沙織「その街の総括理事、アレイスター・クロウリーという男が我々に接触してきたのです」
瞬「アレイスター・クロウリーって確か…」
沙織「ええ、この国の人間ではありません。その彼が何故この国でここまでの力を持ちえたのかはまだ我々にもつかめていないのです」
グラード財団は世界屈指の財閥である。その財団でさえ全容を掴めていない。
瞬には俄かには信じがたい話であった。
104 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:48:30.66 ID:vKduLt+l0
沙織「その彼が、ハーデスについての情報を提供すると申し出てきたのです」
瞬「…その情報は?」
沙織「いえ、受け取りませんでした」
えっ、と怪訝な顔をする瞬に、
105 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:49:19.11 ID:vKduLt+l0
沙織「…その情報については興味は尽きませんでしたが、それよりも不自然な事があります」
沙織「何故、彼はこのタイミングで、しかも私に聖戦についての情報を提供しようとしたのでしょうか?」
あっ、と瞬が声を上げる。
確かに変だ。何故この時代に聖戦が起こることを知り、何故城戸沙織に情報を提供しようとしたのか。
彼女は普段はあくまで城戸沙織という一人の少女である。彼女が戦神アテナの化身である事は世間では考えも付かないことなのに。
106 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:49:47.91 ID:vKduLt+l0
沙織「そこで、学園都市を探らせたところ」
すっ、と一枚の写真を出し、
沙織「このような者が街のあちこち出現しているようなのです」
それを見た瞬は思わず目を見開く。
瞬「これは…!?」
107 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 01:50:31.37 ID:vKduLt+l0
一見聖闘士の様にも見えたが、どこか違う。そのかもし出す雰囲気、そして身を覆うもの。
それは地の底から現れた悪鬼を具現したものの様に見えた。
沙織「冥闘士。文献に現れる、ハーデスの忠実な配下たちです」
瞬「冥闘士、ですか」
沙織「ええ、その者達が何故か学園都市に姿を現したのです」
夜風がふっと瞬の頬を撫でる。
108 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:06:54.45 ID:vKduLt+l0
沙織「分かりますね?私が貴方を呼んだわけが」
じっ、と少年の大きな瞳を見つめるアテナ。
瞬「分かります。しかし」
瞬「僕は何でこんな格好をしているんですか!?」
そこには花も恥らうお年頃、花もたじろぐような見事な女子中学生と化した瞬の姿があったのであった。
109 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:07:41.74 ID:vKduLt+l0
沙織「似合いますよ?」
ニコニコ笑う沙織に
瞬「嬉しくありませんよ!?」
ばっさり切り捨てる瞬。
110 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:08:57.21 ID:vKduLt+l0
瞬「大体おかしいと思ったんですよっ。お風呂から上がったら持って来た着替えが無いし、その代わりに何でかサイズぴったりな女の子用の制服が置いてあるし!って、このスカート短すぎません!?膝上何センチって話じゃありませんよ!?」
沙織「まあまあ、今時の女子中学生なんてこんなものですよ」
瞬「今はっきりと女子中学生って言いましたよね!?ってか、下からスカートの中を覗き込まないでください!!」
沙織「あらあら」
ぱしゃぱしゃ
瞬「写メも取るな!!」
111 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:14:00.39 ID:vKduLt+l0
沙織「と、言いながらしっかりショーツまで履いているではありませんか?」
瞬「だっ、だって、それしか下着が無かったから…。それに、部屋に帰る暇も無かったし…」
顔を赤くしてもじもじ恥ずかしそうに太ももを寄せる瞬
沙織「そうでしたか」
その姿に至極満足気なアテナである。
112 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:15:08.41 ID:vKduLt+l0
沙織(あとで、呼びにやらしたメイドに特別ボーナスね)
と、このファインプレーの影の功績者心の中でを褒め称える。
瞬「……」イラッ
今はその太陽の様に明るい笑顔が非常にうっとおしく感じる瞬であった。
113 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:24:27.01 ID:vKduLt+l0
瞬「ところで、何でこんな格好させたんですか?何か意味が?」
沙織「意味ならありますよ」
瞬「それは?」
沙織「暇つぶし」
瞬「……」イラッ!
114 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:32:00.88 ID:vKduLt+l0
沙織「…ちょっとしたアメリカンジョークじゃないですか。そんな顔していたら全国のファンが悲しみますよ?」
瞬「別にファンなんていないから、どーでもいいです」
本当に、全力でどうでもよさそうな瞬の態度。だが、
「そんな事あるまい」
115 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:44:07.49 ID:vKduLt+l0
瞬「誰っ!?」
突然の見知らぬ声にとっさに沙織を後ろに隠し身構える瞬。ここら辺は、イラッときていても流石に聖闘士である。
瞬「あなたは…」
瞬は現れた男の顔を見て驚いた。それはポセイドンの海底神殿で戦った海闘士の一人、あの事件を引き起こした男、カノンであった。
116 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:45:24.13 ID:vKduLt+l0
瞬「なぜ貴方が…」
息を整え静かに小宇宙を燃やし始める。
カノン「それほど警戒する必要もあるまい。私は今やアテナをお守りする聖闘士の一人なのだから」
臆面なく言ってのけるカノン。その神経の図太さは兄を超えているらしい。
カノン「…君が警戒するのも無理は無い。それだけの事を私はしたのだから…」
と、打って変わって殊勝な態度をとる。こういうところも今一信用出来ない要素である。
117 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:46:37.07 ID:vKduLt+l0
カノン「しかし、忠誠を誓った以上このカノン、たとえ火の中水の中、必要とあらば女湯の中であろうと忍び込んで見せる!!」
明らかに最後のは余計である。
瞬「…というか、忍び込ませたんですか?」
沙織「…さて、本題に」
瞬「こっちを見てください、ちゃんと目を合わせてください」
と言われても目をつつつー、と背ける沙織。
忍び込ませやがったな、と確信する瞬でった。
118 :
1です
[sage saga]:2011/04/23(土) 02:53:41.01 ID:vKduLt+l0
今日はここで終わりです。
一応この聖闘士たちはアニメ版を元に考えてます。が、その割りに沙織さんが無茶苦茶になってきている…。
もう少し、前日談が続きますのでご了承ください。
それでは、おやすみなさい。
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2011/04/23(土) 09:11:41.82 ID:BeXNktIio
アニメということはスチーーーールセイントが出るのか…胸熱
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/23(土) 09:30:25.47 ID:QyAXqNnc0
なんか懐かしいな。
今はなきAPC読んでる気分になってきた
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/23(土) 16:29:52.15 ID:NK5VKxlK0
聖闘士星矢原作のハーデス編のパラレル設定なのか。
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/23(土) 16:52:33.34 ID:wx60ElRDO
意外と面白い。
ところで冥王神話のネタはいれんのかな
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/04/24(日) 02:38:47.78 ID:bTjPfKj+0
>>1
乙
意外とスチールセイントはアリかもしれない
なんたって科学万能を謳う学園都市だから
あんなパチモンもアリだろう
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2011/04/24(日) 07:55:12.19 ID:+l+5L18Jo
学園都市製の聖衣になるわけか<スチール
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/04/24(日) 09:45:05.29 ID:WdfBqXyho
あれ。
なんかそれ、浜面が着そうな気が……
126 :
1です
:2011/04/25(月) 00:54:09.56 ID:uQZnyqG10
1です。
これから投下します。
127 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:01:36.85 ID:uQZnyqG10
影のよう突然現れたかつての敵、カノン。
瞬「大体何でここにいるんですか?そして何でスーツ姿!?」
カノン「似合うか?」
瞬「似合ってますよっ」
カノン「そうか。お前もよく似あってるぞ」
瞬「だから嬉しくありませんって!!」
128 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:05:35.39 ID:uQZnyqG10
カノン「そうか」
瞬「大体、何で貴方がここにいるんですか!?」
カノン「それはだな」
と、説明しようとしたとき、
沙織「私から話しましょう」
二人の間に割ってはいる沙織。そして、空を見つめながらゆっくり話し出した。。
129 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:09:29.95 ID:uQZnyqG10
沙織「そうあれは数週間前、私がふとプリンを買いに近所のコンビに行ったときのことです」
瞬「沙織さんでもコンビニに行くんですね」
意外そうに言った、ぎりっ、と歯をならし、
沙織「…この間、星の子学園に行った時、美穂さんに、『へぇ〜、コンビ二にお使いも行けないんですか?』プッ、と言われたとき本気であの小娘をくびり殺してやろうかと思いましたよ」
とても地上の神とは思えないセリフを吐きまくる沙織である。
130 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:12:18.45 ID:uQZnyqG10
カノン「アテナ、ご自重を」
沙織「分かっていますっ。それで、あんまりにも悔しいので何度かお使いトレーニングをしたのです」
瞬「どんだけ箱入りなんですか」
沙織「それを何度か繰り返していたところ、不意にプリンを食べたくなりまして」
瞬「わざわざ屋敷を抜け出したんですか?」
沙織「あのね、私がいつもこの屋敷にいるはずが無いでしょうに。貴方も知っているでしょう?」
瞬「いや、一応読んでくれている人向けに」
131 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:15:18.83 ID:uQZnyqG10
沙織「まあ、普段いるマンションの近くのコンビニに買い物に行ったんです。そしたら、そこでレジ打ちをしていたのが」
カノン「私だった、と言うわけだ」
瞬「どんだけグダグダな展開なんですかっ」
突っ込まずにはいられない瞬であった。
132 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:23:07.44 ID:uQZnyqG10
瞬「なんだかとても大事な部分が省略されている感じがするんですが」
と、思う瞬である。
瞬「それに、何でレジ打ちのバイトをやってた人がいきなりここにいるんです?」
当然の疑問を口にした瞬に対し、
カノン「職業に貴賎は無いぞ、少女よ」
と言った途端、
どかっ
彼の頬を掠めて瞬のチェーンが飛んできた。しかも、思いっきり壁にめり込んで。
133 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:27:52.50 ID:uQZnyqG10
瞬「…次に間違えたら、その首飛ばしますからね」
たぶん本気の瞬である。
カノン「わかぅた。注意しよう」
フッと笑うカノン。
瞬「普通注意しなくても分かりますよね?僕は普通に男ですからねっ」
彼はそのセリフに大げさに首を振り天を仰いでこう言った
カノン「…神よ、何故彼は男なのでしょうか?」
沙織「知りませんよ」
と、素っ気無く返す地上の女神。
134 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:33:13.74 ID:uQZnyqG10
訂正「わかぅた」→「わかった」
沙織「ただ言える事は一つ。もし、あと十年、いや、七年でいいから遅く生まれていれば、きっと立派な男の娘になれたでしょう」
カノン「残念です」
本気で残念そうに言うカノン。
瞬「嫌な事言わないでください!!」
そして、本気で嫌がる瞬である。
135 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:55:39.29 ID:uQZnyqG10
沙織「何故です?今や、男の娘なぞ市民権を得ていますのに。あなたにはこの作品のヒロインとしての自覚が無いのですか!?」
瞬「ありませんよ、そんなもの!?何で僕がヒロインなんですか、僕は男でしょうが!?沙織さんの方がよっぽどヒロインじゃないですかっ!」
その瞬の必死の言葉をハッと鼻で笑う沙織。
沙織「お笑いですね!!私がヒロイン?冗談も大概になさいっ。私のヒロインの序列なぞせいぜい4番か5番目、シリーズごとのゲストヒロインが加われば更に下がると言うのに!!」
嘲る様に言う沙織、言ってて悲しくならないんだろうか、と思う瞬である。
136 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 01:59:57.99 ID:uQZnyqG10
瞬「た、確かに原作じゃそうかもしれませんけどっ」
沙織「認めましたね!?」
瞬「でも、アニメ版じゃ立派なヒロインじゃありませんか!?」
沙織「…、確かに初めのうちはそうでした。星矢と堂々イチャつけてましたし、はっきり言ってあの時が華でした…」
瞬「ならっ」
沙織「でも、徐々に無くなっていく出番に星矢たちとの絡み。そしてツンからデレに転じたシャイナ、やたら出張ってきて星矢に絡もうとする魔鈴、そしていつの間にか女性陣よりセクシーな聖衣とスタイルに変わり名実共にヒロインに昇格し貴方という存在…、その前に私がその地位を保ちえたと思えるのですか!?」
ぜーぜーと息を切らしながらまくし立てる女神アテナ13歳。
137 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 02:04:04.87 ID:uQZnyqG10
ふらりと現れる長髪の人影。聞き慣れた声を持つ男だ。
瞬「紫龍!?」
瞬が少年の名を呼ぶと、彼はいぶかしげな表情をした。
138 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 02:10:23.08 ID:uQZnyqG10
>>137訂正
「…言ってて空しく成りませんか?」
ふらりと現れる長髪の人影、聞き慣れた声を持つ男がいる。
瞬「紫龍!?」
瞬が少年の名を呼ぶと、彼はいぶかしげな表情をした。
139 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 02:11:46.78 ID:uQZnyqG10
紫龍「どういう事だ瞬?何故この男がここに居る。この男はこの間までビラ配りのバイトをしていたのではなかったのか!?」
カノン「あれは短期だ」
紫龍「そうか」
簡単に納得する紫龍であった。
瞬「納得しないでよ!?」
泣きそうな声で突っ込む瞬であった。
140 :
1です
[ saga]:2011/04/25(月) 02:16:47.23 ID:uQZnyqG10
今日はここで終わりです。
基本的にこのスレはノリと勢いで出来てますので、細かいところ、というか基本的には随分と無茶苦茶になつくりになっていますので、大目に見ていただければ幸いです。
それでは、おやすみなさい。
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/25(月) 05:31:54.26 ID:vTpzQyWDO
おぉ、人間相手に嫉妬するとは…まさに本来のアテナwwwww
そして、シャイナさんや魔翌鈴さんに戦いを挑むとwwwww
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2011/04/25(月) 05:58:00.17 ID:kUX+dShvo
アニメのほうは『アテナの化身』じゃなくって
『地上代行者』とかわけわからんものだったからなあ
ここのはかわいいからなんでもいいが
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/04/26(火) 01:54:30.15 ID:b5i+82O80
>>1
乙
てか、お話の中の沙織さんはキャクターちゅーよりは
なんかのアイテムみたいな扱いだよね
144 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:20:20.91 ID:bE2ysDkB0
ちょっとだけ投下します。
地の文少なめなのですいません…。
それでは、、どうぞ。
145 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:21:29.05 ID:bE2ysDkB0
沙織「ところで紫龍」
紫龍「なんです?」
沙織「あなたはこの作品のヒロインは誰だと思います?」
紫龍「それはもちろん瞬、でしょう」
瞬「紫龍まで!!」ガーン
紫龍「もっとも、この紫龍のヒロインは春麗のみだがな!!」
瞬「知ってるよ」
146 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:22:19.50 ID:bE2ysDkB0
紫龍「それで何の話です?」
沙織「ええ実は、瞬にもうちょっとヒロインとしての自覚を持ってもらおうと思いまして」
紫龍「なるほど」
瞬「納得しないでよ!?」
147 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:22:58.49 ID:bE2ysDkB0
紫龍「ならば、もう少し髪型にも気を配りませんといけません」
沙織「なるほど」
カノン「流石は天秤座の直弟子よ。目の付け所が違う」
紫龍「ふっ」
瞬「何でそんなに嬉しそうなの!?違うからね、全然そういう話じゃないから!!」
紫龍「なんだ、そうなのか。てっきり瞬・ハーマイオニーとしてデビューするものだと」
瞬「どこの貧乏執事の話!?」
148 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:23:31.22 ID:bE2ysDkB0
沙織「まあ、それはとにかく何でカノンがここにいるかというと」
瞬「ようやくそこに話が戻りましたか…」
紫龍「実にフリーダムなお方だ」
沙織「えーっと、ぶっちゃけて言いますと、居ないんですよ実は、参謀が」
149 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:28:33.48 ID:bE2ysDkB0
瞬「参謀、ですか?」
沙織「ええ、考えても御覧なさい、あの黄金聖闘士たちの脳筋振りを」
瞬「……まあ」
紫龍「アニメ版では何人かいたじゃありませんか」
沙織「揃いもそろって青銅聖闘士5人に歯が立たない役立たずばかりですけれどねっ」
瞬「そんなに怒らなくても…」
沙織「怒りたくも成りますよ、この面子を見ていると」ハァ
カノン「確かに」フッ
150 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:31:46.25 ID:bE2ysDkB0
紫龍「…いや、しかし、老子がおられるではありませんか?」
沙織「だって、老子は五老峰から来てくれないんだもん」
瞬「確かに…」
沙織「それに、老子もあんまり当てにならないし…」クスン
紫龍「……」
瞬「紫龍が苦虫潰したみたいな顔してる…
151 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:33:41.70 ID:bE2ysDkB0
紫龍「だからって、だもんはありえませんがね、お嬢様のキャラで」ピクピク
瞬「ちょっ、紫龍!?」
沙織「…カノン」
カノン「はっ」スッ
カノン「ゴールデントライアングル!!」
紫龍「ぐわあああ!!!」キュイイイ!!
瞬「紫龍!?」
152 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:35:24.94 ID:bE2ysDkB0
沙織「安心なさい、瞬。そんなに遠くには飛ばしていません。屋敷の女風呂に落ちてせいぜい明日からせいぜい変態ロン毛と呼ばれるがいい」
瞬「陰険だなぁ…」
沙織「ところで、まあ、知っての通り居ないんですよ。頭脳労働者が」
瞬「はぁ」
沙織「言っとき来ますけど、私もそういうの苦手ですからね」
瞬「確かに、沙織さんも大抵考えなしに突っ込みますもんね」
153 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:36:36.74 ID:bE2ysDkB0
沙織「黙りなさい。そこで、聖域全体を支える頭脳が必要なのです」
カノン「そこで、私が選ばれたというわけだ」
瞬「でも、本当に役に立つんですかこの人?」
カノン「失礼な。私は海皇軍の実質的な指揮官だった男だぞ」
154 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:37:52.96 ID:bE2ysDkB0
沙織「実際、あの海底の廃墟の中から軍団を組織し、海将軍を育成し、地上制覇を叶えようとした男です。その実務能力は全聖闘士中最高だと言っても過言ではないでしょう」
カノン「そして、これが私のそのときの経験を纏めた本だ」サッ
瞬「完全海底支配マニュアル…?」パラパラ
カノン「一冊800円だ」
瞬「売れたんですか?」
カノン「シリーズ累計30万部だ」
瞬「誰が買ったんだろう…」
155 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:39:24.80 ID:bE2ysDkB0
カノン「そして、これが次なる企画だ」バーン!
瞬「…一体誰をアイドルにするつもりなんですか?」パラパラ
カノン「それはもちろんき「サンダーウェイブ!!」ドガッ!
カノン「…思ったより短気だな君は」
瞬「時と場合によりますよ!!」
156 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:40:16.41 ID:bE2ysDkB0
瞬「大体、トリオもしくはカルテットと誰を当てる気なんですか?」」
カノン「それは、絵梨衣と」
瞬「絵梨衣って?」
沙織「何を言ってるんですか?学園の絵梨衣ですよ」
瞬「そんな二十年以上前の劇場版のヒロインの名前を出さないでくださいっ」
カノン「それに星華」
157 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:41:12.78 ID:bE2ysDkB0
瞬「星華って、まさか!?」
沙織「そう、星矢のお姉さんです」
瞬「って、何で星矢のお姉さん!?」
カノン「それには深いわけがあってだな」
カノン「あれは、何時の日だったか、私が聖域を訪れたときの事だ…」
158 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:42:56.79 ID:bE2ysDkB0
カノン「実は、アテナが学園都市に留学される際、共学か女子校かを黄金聖闘士に意見を取るようにとアテナに指示を受けたときの事だ」
瞬「いきなりその話題ですか!?」
「全く、話題に整合性が無さ過ぎるな」
159 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:43:37.87 ID:bE2ysDkB0
瞬「紫龍!無事だったんだね!!ってか、何で上半身裸なの!?」
紫龍「ああ、これは落ちた場所が風呂場じゃなくて女子トイレの中だったもんでな」
瞬「全然説明になってないよ!!一体どんな姿勢で落ちたの!?」
紫龍「聞くな。そして、アテナの身に何かあってはと思い着るものも着ずここに駆けつけた訳だ」
160 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:45:09.04 ID:bE2ysDkB0
瞬「上着くらい着てから来てよ。ほら、このサマーセーター貸してあげるから」
紫龍「すまんな」スッ
びりっ
瞬「あっ」
紫龍「すまん、破けた」
沙織「やはり、瞬のサイズでは並みの体格には小さすぎるのですね…」ホゥ
カノン「勉強になります」フッ
瞬「何に感心しているんですか!?」
161 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:46:19.60 ID:bE2ysDkB0
カノン「それでだ」
紫龍「強引に話を戻しに行ったな」
沙織「いい事です」
瞬「もうどうでもいいから早く終わって下さい…」
カノン「私が、アテナの希望に沿って共学への留学を打診したところ」
瞬「したところ?」
カノン「有無を言わさずぶっ飛ばされた…」
瞬「うわぁ」
162 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:47:44.00 ID:bE2ysDkB0
カノン「黄金聖闘士の技の数々を喰らいながらアンケートを取りまとめた結果、女子校への留学に決まったわけなんだが」
瞬「…」ポカーン
紫龍「まあ、妥当なところだな」
瞬「それで済ましちゃう!?」
カノン「その際食らったアテナ・エクステンションのせいで付近の村までぶっ飛ばされたところを彼女に助けてもらったというわけだ」
瞬「なんか色々突っ込みどこら満載なんですけど!?」
163 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:51:59.40 ID:bE2ysDkB0
紫龍「うろたえるな、瞬。うろたえれば負けだ」
瞬「って、言うけどね紫龍、今、これからとんでもない事言われる気がしてならないんだけど!?」
カノン「鋭い」
沙織「そう―貴方の女子校への留学は聖域全体の意志でもあるのです!!」
瞬「だから、何でいきなり話がそこに飛ぶんですか!?」
164 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:53:05.59 ID:bE2ysDkB0
沙織「あら、聞こえませんでしたか?聖域は私の共学ライフをにべも無く、なんのてらいも無く、余りにも残酷に、無残にも木っ端微塵に打ち砕いたと」
瞬「そこまで言ってないような気が」
沙織「黙りなさい。であるからにしては、当然学内での私の護衛が必要なわけでして」
瞬「はあ」
カノン「そこで君に護衛の任が下ったという訳だ」
瞬「えっ?」
165 :
1です
[ saga]:2011/04/27(水) 02:59:48.45 ID:bE2ysDkB0
今日はここで終わりです。
番外編は次でとりあえず終わりになります。
いつもスレを下さる方、読んでいただいてる方、ありがとうございます。
それでは、おやすみなさい。
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/04/27(水) 03:44:18.33 ID:BK5lJAqF0
あれ、一輝兄ちゃんどーなったけ?
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2011/04/27(水) 06:08:15.43 ID:GJ2FQdJro
あー、エリスかーいたなー
顔よく思い出せんけどww
168 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:38:51.83 ID:33vBymrV0
レスありがとうございます。
これから投下します。
169 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:42:12.16 ID:33vBymrV0
瞬「えっ?」
瞬「あの、僕の聞き間違えじゃありませんよね?」
カノン「無論」
瞬「なんで、僕が女の子の制服を着て沙織さんを護衛しなきゃならないんです!?」
紫龍「似合うぞ、その制服」
瞬「だから、それはもういいって!!」
170 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:47:35.25 ID:33vBymrV0
カノン「考えても見たまえ、女の聖闘士は素顔を見せればその相手を殺すか、若しくは愛するしかない」
瞬「はぁ、確かに」
カノン「だとすると、何人か女子の聖闘士はいるが、例えば彼女たちが護衛に付くとなると、当然彼女たちはマスクを外さねばならない。となると、顔を生徒たちに見られた彼女たちは学内全員を愛するハードコアなレズビアンになるか、学内を生徒の血で染め上げる殺戮者になるかの二択しかない」
沙織「流石に、普通の学校で一日中仮面を被らせっぱなしと言うわけにはいきませんしね」
紫龍「確かに、目立ちすぎますね」
171 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:48:51.64 ID:33vBymrV0
沙織「というわけで、女の子にしか見えない貴方を私の護衛にする事を聖域全域の投票で決定したのですよ」
瞬「何が、というわけですか!?本人のいない所で勝手に決めないで下さい!!ってか聖域全体でなにやってるんですか!?」
カノン「聖域は娯楽に飢えてるからな」
瞬「人の不幸で遊ばないで下さいっ」
172 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:49:55.24 ID:33vBymrV0
紫龍「しかし、ここまで瞬が嫌がってるのです。何とかしてやれませんか?」
カノン「ほう、ならば貴様が身代わりになると?」
紫龍「…それも、悪くあるまい」
瞬「あ、ありがとう紫龍。でも、悪くあるまいって…」
紫龍「ふっ」
瞬「何で、そこで誇らしげに笑うの!?」
173 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:50:56.29 ID:33vBymrV0
沙織「確かに、貴方を竜子ちゃんとして送り込むプランもありましたが、それは中止されたのです」
紫龍「何故です」
沙織「だって、貴方、脱ぎ癖があるから…」
紫龍「…ならば仕方ありません」
瞬「それで引き下がっちゃうの!?」
174 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:52:39.85 ID:33vBymrV0
瞬「なら、せめて男の制服でっ」
沙織「それなら、目立つでしょう」
瞬「でっ、でも!!」
沙織「それに女の子用の制服の方が、需要があると思いません?」
瞬「思いませんよ!?」
175 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:56:06.37 ID:33vBymrV0
カノン「とは言うが、君のブロマイドは聖域では大ヒットなのだぞ?」
瞬「だから、人の居ないところで何やってるんですか!?」
カノン「これがその見本なのだが」サッ
瞬「あっ、これって、この間のお遊戯会の時の写真じゃないですか!?何かやたら女の子役を押し付けてくると思ったらこういう裏があったんですね!?」
カノン「これなんかよく取れている思うのだが」
紫龍「ほう、流石だ」
沙織「いい仕事です」
カノン「光栄です」
瞬「だからなんて写真とってるんですかーーー!!!」
176 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:58:08.21 ID:33vBymrV0
紫龍「なかなか見事なへそチラだな」
カノン「だろう?」
沙織「こちらのパンチラのたいしたものです」
カノン「お褒めに預かり恐縮です」
瞬「だから見るなーーー!!」
177 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 01:59:58.77 ID:33vBymrV0
紫龍「と言うか瞬。何故女物の下着を着けてるんだ、この写真?」
沙織「それは、パンツも衣装の一つだと、わたしが強引に言いくるめたからに決まってるじゃありませんか」フンスッ
カノン「流石です」
178 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:25:43.42 ID:33vBymrV0
瞬「うう〜、こんな事なら二度とお遊戯会に出ませんからねっ」
沙織「それなら、いたしかたありません」
カノン「アテナ?」
沙織「けれど、貴方を待っている子供たちはどうするのです?身寄りも無く寂しい子供たちはどう思うでしょうかね!?」
瞬「あう〜…」
紫龍「鬼だ…」
沙織「いえ、悪魔と呼んでください」
179 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:26:44.42 ID:33vBymrV0
「そこまでだ!」バーン!
沙織「その声は?」
瞬「来てくれたんだね、兄さん!!」
紫龍「何時の間に、というか、今まで何処にいたんだ?」
一輝「聞くな!!」
180 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:29:09.55 ID:33vBymrV0
一輝「幾らアテナと言え、この弟に対する仕打ちは許せん!!と、言うか一枚くれ!!」
カノン「一組800円だ」
一輝「高い!!三組くれ!!!」
瞬「買っちゃうの!?」
一輝「無論!!」
カノン「毎度あり」
紫龍「同じ穴の狢だな」
瞬「兄さん…」
181 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:31:29.81 ID:33vBymrV0
沙織「のこのこ地獄の底から這い出てきましたね、一輝」
一輝「この一輝、既に地獄を見た男。あの程度では死なん!!」ゴゴゴ
沙織「ならば、もう一度その地獄へと押し戻してあげましょうっ」ゴゴゴ
瞬「なんなの、このノリ!?」
182 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:47:17.46 ID:33vBymrV0
一輝「行くぞ!!」サッ
カノン「させるか!!」サッ
瞬「急にバトルもののノリだ…」
紫龍「何でもありだな最早」
183 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:47:52.79 ID:33vBymrV0
カノン「食らえ、ゴールデントライアングル!!」ゴゴゴ
一輝「ぐわああああ!!!」
カノン「ほうら、次元の底まで落ちていくがいい、勉強部屋という地獄へな!!」
一輝「うわああああああっ!!」
瞬「兄さーーーん!!!勉強部屋ってなんなのさーーーー!!!?」
一輝「あああ、カンヅメはもう嫌ああああああ!!!」
184 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:49:27.93 ID:33vBymrV0
・・・・・・・・
瞬「あ、あっという間だった…」
紫龍「なんだったんだ、一体…?」
沙織「成績不良という魔物が彼を地獄へと落としたのですよ…」
瞬「答えになっていませんよ。と言うか、そんなに兄さんの成績って…」
沙織「後日お話します」
瞬「聞きたくないなぁ…」
185 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:50:27.87 ID:33vBymrV0
カノン「随分と話が横にそれましたね」
沙織「それでは元に戻しますか」
瞬「また強引に…」
沙織「黙りなさい。さて、このブロマイドの他にも、ちゃく歌もヒットしているのですよ」
186 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:52:10.94 ID:33vBymrV0
紫龍「本当ですか?」
沙織「ええ、シリーズ総計100万ダウンロード突破です」
カノン「素晴らしい」
紫龍「と言うか、何時の間にそんなもんとったんだ?」
瞬「あっ、もしかして、この間朝から晩までスタジオに篭らせていたと思ったら」
沙織「ええ、このためだったのですよ」ニッコリ
瞬「そろそろ泣きますよ本気で!?」
187 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:55:37.33 ID:33vBymrV0
紫龍「でも、もし違法コピーされてしまったらどうするんです?」
沙織「呪います」
瞬「へっ?」
沙織「穴が開くほど、呪います」ニッコリ
瞬「うわぁ…」
紫龍「蜘蛛にされそうな笑顔だな…」
沙織「にこにこ」
188 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:57:07.45 ID:33vBymrV0
紫龍「しかし、まあ、決まってしまったものは仕方ない。瞬、沙織さんを宜しく頼むぞ」
瞬「何のために来たの紫龍!?って言うか、そろそろ上着着てよ恥ずかしい!」
紫龍「ふっ、そうだな。しかし、この方が調子がいい」キラリ
瞬「なんで、そこで格好つけるの!?」
189 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 02:57:53.85 ID:33vBymrV0
カノン「それでは、早速手続きを」
沙織「頼みます」
瞬「結局僕がやらなきゃならないのか…」ハァ
紫龍「そう落ち込むな瞬。よく似合ってるぞ」ニコッ
瞬「だからしつこいよ!!!」
こうして、瞬の女子中学生化計画が始まるのだが、そこに至るにはまだまだ多くの苦難を乗り越えねば成らないことをまだ知るよしも無かったのである。
続く
瞬「続かなくていいから!!?」
190 :
1です
[ saga]:2011/04/29(金) 03:09:08.68 ID:33vBymrV0
それでは、ここでどうしてもやりたかった番外編は一応終わりです。次回からは本編と成ります。
しかし、また突然番外編になってしまったらわらって許してもらえればと思います。
ちなみに、絵利衣は初代星矢劇場版のヒロインで氷河を好きな女の子です。そのあと邪神エリスに体を乗っ取られたりする女の子で、最後は氷河に抱かれてた、二十四、五年前の子です。こうしてみると、氷河も割かし女の子とえんがあるような…。マザコンのくせに。
それでは、おやすみなさい。
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2011/04/29(金) 14:17:22.08 ID:jGVp6+Qro
このノリ好きじゃあぁぁぁ!
支援
192 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 01:28:26.66 ID:KPuEzg/w0
上条たちの戦いも激しさを増していた。
未元物質に包まれる垣根の体を瞬の鎖が打つ。
瞬の持つ力の一端、それは伸縮自在の強固な鎖を自在に操ることだ。
自在に伸びる未知の力を帯びた鎖が鞭のように、あるいは電撃のように姿を変え垣根を襲う。
193 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 01:37:24.86 ID:KPuEzg/w0
―この戦いの間、瞬と上条は幾つかの約束事を交わしていた。
一つは上条と瞬の役割をはっきりとさせる事。
そして、もう一つが垣根の意識を直接の攻防のみに向けさせるように操作する事だった。
正直に言って垣根の能力は白銀聖闘士が束になってもかなうような相手ではない。ましてや、彼がその本領を発揮すれば自分など一たまりもないと瞬は自覚していた。
しかし、彼には対等以上の相手との経験が不足していると聞いた。
なら、戦いようによっては十分に勝ち目があると踏んだ。
そして、いまその読み通りに彼を圧倒しつつあった。
194 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 01:40:41.69 ID:KPuEzg/w0
理根「くそっ」
垣根が鎖を払う一瞬の隙に、
上条「うおおお!!」
未元物質の壁をぶち破り垣根の腹に、顔にと幻想殺しの一撃を次々と見舞う。
どうっ、と意外にも鋭い一撃の連打に垣根の体が悲鳴を上げる。
195 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 01:44:46.76 ID:KPuEzg/w0
垣根「かはっ」
堪りかねた衝撃に、思わず息を吐き出す。
横隔膜を貫くような一撃。流石の垣根も膝をつく。
しかし、まだ意地にも倒れず再びビームを連射する。
だが、それを無情にも右手で事も無く掻き消す上条。
196 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 01:54:29.93 ID:KPuEzg/w0
相変わらずの絶望的な状況。全ての異能を打ち消すと言う幻想殺しの力と自由自在に飛び、
息つく間もなく襲い掛かるチェーン。
何度となく繰り返されてきた展開に流石の第二位も危機感を覚える。しかし、打つ手がない。
本来ならば精々レベル4いくかいかないかの少女と、レベル0にカテゴライズされる程度の連中に手も足も出ない現実。その事実が彼の、学園都市第二位のプライドを痛く傷つけた。
畜生、と思わず唇を噛む。
「あら、随分と苦戦してるじゃない?」
息が荒くなる垣根の反対側から少女の声がした。
197 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:01:45.18 ID:KPuEzg/w0
瞬とは対照的に、赤いドレスに身を包み蟲惑的な魅力を醸し出そうとしている。
垣根「うるせえよ」
少女の冷やかしにふんっ、と鼻を鳴らす垣根。口からの血をぬぐいゆっくりと立ち上がる。
「あら、意外と元気じゃない?」
くすっ、と笑う少女に、
垣根「はっ、俺を誰だと思ってやがる?」
「学園都市の第二位でしょ?」
198 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:03:16.57 ID:KPuEzg/w0
彼女と軽口を叩くたびに調子が戻る。
垣根「そう、勝負はまだついちゃいねぇって事だ」
そして、あの絶望が嘘のように晴れていく。
彼の甦る姿を満足気に見る少女。それに新たな緊張感をもつ上条達。
そして、垣根と少女に挟まれる形になった二人。上条は垣根に、瞬は少女に立ち向かう。
199 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:12:19.90 ID:KPuEzg/w0
チェーンを構える瞬に対し、いかにも無防備な少女は大胆にもまるで友人にでも語りかけるように瞬に言葉を放つ。
「随分と強いのね、あなた」
ふふっ、と背格好のわりに大人びた笑みを浮かべる。
その余りの自信に満ちた不適さに、違和感のとも恐怖ともいえる感情を覚える瞬。
「でも、これなどうかしら?」
その蟲惑的な笑みと共に、チェーンを構える瞬を彼女の視線が射抜いた。
200 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:18:39.98 ID:KPuEzg/w0
どくんっ。
その瞬間、瞬は何か妙な違和感を覚える。
何かが変だ。頭の中に靄がかかる。頭が痛い!
上条「お。おい、どうした瞬!?」
突然膝を着つきうなだれる瞬。チェーンすらもまるで動かさず、ぐったりとして動かない。その以上に気づき、とっさに彼女を庇うように立つ上条。だが、
上条「うわっ!?」
突然、瞬が上条の右手に取りすがる。
201 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:26:50.59 ID:KPuEzg/w0
上条「ど、どうしたんだよ、一体!?」
あまりの事にどぎまぎとして慌てふためくが、
瞬「ご、ごめん。でも、こうしていないと…」
苦しげな表情で目に涙を溜め、はあはあと荒い息で上目遣いに上条を見上げる瞬。その苦しげの表情を浮かべる妖しい美しさに状況も忘れてドキリと胸を鳴らす。
「へぇ、随分と面白い反応をするのね、貴女」
瞬の異変をみてくすくすと楽しげに笑う。
202 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:31:40.21 ID:KPuEzg/w0
上条「テメエの仕業か!?」
ぎりぎりと歯を鳴らす上条の様子を満足気にみて、
「そうよ」
と彼女は不適な笑みを浮かべた。
「私の能力は『心理定規』、心の距離を調整することが出来るの。でも、そこの娘みたいな反応は初めてだけど」
上条の腕に取りすがり、がたがたと震える瞬の姿をまるで実験動物でも観察するように言う。
203 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:34:27.46 ID:KPuEzg/w0
上条「テメエ!!」
くすくすと笑う彼女に、怒気をぶつける上条だが、
「あら、そんなことしてていいの?ちゃんと前を向いておかないと」
彼女の言葉に反応して視線を戻す。そして、その先には―
垣根「まっ、チェックメイトってやつだ」
いつの間にか翼を展開させ光線を放つ体勢に入っている垣根がいた。これまでの中で最大の熱量を放出しようとしている。
204 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 02:37:38.46 ID:KPuEzg/w0
垣根「あばよ」
垣根の放つ無慈悲な一言。瞬に取りすがられたままの右手を差し出す間はない。
上条「…ちくしょう」
せめて、彼女の体を庇う上条。
だが、その行為も空しく、光が二人を飲み込んだ。
205 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 03:02:05.35 ID:KPuEzg/w0
光の舞い上げた埃がおさまった後には二人の姿はなかった。おそらく塵となって消滅したのだろう。
垣根「…あっけねーの」
あれほど自分を苦しめた二人にしては随分とお粗末な結末だ。何か余韻を感じる気すら起こらない。
心理「そうね」
垣根「まぁ、そんなもんか」
と自嘲気味に哂う。
心理「そうね」
206 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 03:02:46.15 ID:KPuEzg/w0
垣根「もう少し楽しんでも良かったかもな」
と、頭を掻きながらぼやく。
心理「そうね」
垣根「あの嬢ちゃんもめっちゃ可愛いかったしなぁ」
惜しい事したよなぁ、と残念そうに呟く。
心理「そうね」
207 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 03:03:31.75 ID:KPuEzg/w0
垣根「あっ、そういや、あいつ幻想殺しって言ってたよな」
と、今更ながら思い出す。
心理「そうね」
垣根「だったら俺があのクソ一位よりもうえってことじゃねーか!?」
心理「そうね」
垣根「…おい、なんだお前。それしか言えねーのかよ」
心理「そうね」
ちっ、とつまらなさそうに舌を打ち、
208 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 03:04:39.71 ID:KPuEzg/w0
垣根「まあいい、とっとと帰るぞ」
心理「そうね」
垣根「オイ、テメエいい加減に…」
そこまで言って言葉を飲み込んだ。
心理「でも、何処に帰るの?」
生気の無い虚ろな瞳。
心理「わたしは何処にも帰れないと言うのに」
答えた彼女の顔面は、右側がすっぽりと抉りと取られていた。
209 :
1です
[ saga]:2011/05/02(月) 03:05:53.13 ID:KPuEzg/w0
今日はここで終わりです。
開始のレスするの忘れていててすみません。
それではまた。
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/02(月) 11:31:46.05 ID:7+ndu0PDO
ていとくんはもうダメだ、奴の術中にハマってる
というわけで乙!
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/05/02(月) 22:16:52.88 ID:sOaY/f5Co
あーあ、兄さんの逆鱗に触れたか……
乙
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/05/02(月) 23:38:36.79 ID:/QY5f/Zq0
乙 あーあ デッドライン越えちまったかぁ…
213 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:23:36.84 ID:/M0HQJmg0
投下します。
214 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:28:13.71 ID:/M0HQJmg0
の激しい爆音は『アイテム』と戦う紫龍の耳にも聞こえた。
何かあったのかもしれない。この連中を早く撒くか倒すかしての仲間の元に駆けつけたい。紫龍は焦りを募らせた。
絹旗「超チャンスです、麦野」
その様子を見た絹旗が麦野に耳打ちする。
麦野「何が」
一向に打開できない状況にイラつきながら答える麦野。
絹旗「今ならここから離脱できるかもしれません」
その打算的だが極めて合理的な判断に麦野は不快気に鼻を鳴らした。
215 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:33:50.21 ID:/M0HQJmg0
麦野「はぁ!?先にブチ殺されたいのかテメーはぁぁァァアアアア!!?」
最早、最上位能力者としての威厳はなく、ただ何となくイラつく街の安いチンピラのように返す麦野。
何時もならそこで退く絹旗であるが、今日は違う。
絹旗「お言葉ですがね、このままやりあっても勝ち目はありませんよ。何せ、『窒素装甲』がそろそろ超限界ですし、滝壺さんも」
限界です、という絹旗の正面切って反論に麦野が喉の奥から唸り声をあげる。
216 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:36:33.95 ID:/M0HQJmg0
野「逃げるだぁ?ありえねーえんだよ、そんなことはぁぁああああっっっ!!」
吐き散らした麦野にフレンダはひっと怯え、絹旗はふっー、とため息を漏らす。
確かに、逃げるという選択肢は、通常ならばありえない。暗部という組織の性質上、目標はおろか目撃者も可能な限り消却しなければならない。
暗殺などの機密性の高い任務のために、しくじれば自分たちがこの都市から追われる身になるだろう。そのことは絹旗も重々承知の上での判断だった。
217 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:40:09.73 ID:/M0HQJmg0
はっきり言って、目の前の男は規格が違いすぎる。もしかして、レベル5を凌駕する力を持っているかもしれない。それに、彼の様子からしてまだ力を隠しているだろう。
比べて、こちらはそろそろ限界である。麦野が幾ら強がっても彼女の力も限界に近い。自分もそうだ、自慢の、無敵の『窒素装甲』はそろそろ限界である。それにましてまずいのは滝壺の方だ。
彼女の持つ『AIMストーカー』は能力者の発する力の残滓−AIM力場と呼ばれるものを宇宙の果てであろうとたどり続けられる力だが、そのためには。まず力を不安定なままで爆発させる「体昌」と呼ばれるもの服用しなければならず、その反動も大きい。
ましてや、今回は通常の能力者ではない。肝心のAIM力場が発生していない。代わりに生じている不可思議な力をかろうじて追跡できているに過ぎない。いつも以上に無理をしている滝壺の疲労は濃い。彼女の顔には冷たい汗が随分と流れていた。
218 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:41:53.54 ID:/M0HQJmg0
後で上から何を言われるか分からない。しかし、このような怪物とは最早戦い続けられないというのが彼女の判断だ。
しかし、麦野にはそのような考えは毛頭ない。彼女は許せないのだ。この目の前の男の理不尽な強さが。
強者である自分に与えられた、弱者に対する生殺与奪の権利を侵食されたことが。
そして、もっとも単純にして根源的な理由。それは―
ム カ ツ ク
四文字のシンプルな感情が彼女のすべてを支配していた。
219 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:45:10.70 ID:/M0HQJmg0
絹旗「仕方ありませんね」
絹旗は呟き、
絹旗「これからわたしがアイツに突っ込んでチャンスをもう一度だけ超作ります。そのときを狙って麦野の『原始崩し』で超決めてください」
決意を込めた顔で言う絹旗。超私らしくありませんねと、思いながら。
220 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:47:50.19 ID:/M0HQJmg0
麦野「きーぬーはーたー?」
その差し出がましい意見に怒りを露にする麦野。だが、
絹旗「お小言なら後で超たっぷり貰いますんで」
と軽くあしらう。
絹旗「どの道、これが超最後になるんですから…」
自分だけにしか聞こえない声でぼそりと呟く。
絹旗「浜面、フレンダ、支援を超お願いしますっ」
言うや否や、一気に紫龍に向けて駆け出した。
221 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:55:10.79 ID:/M0HQJmg0
フレンダ「ちょっ、ちょっと!?」
浜面「ちっ、やるしかねーか!!」
フレンダ「う、うん!」
浜面に促され絹旗の支援を開始するフレンダ。
浜面「絹旗ァ1!無理すんじゃねーぞォ!!」
その励ましの声に、ああ、やっぱり浜面はバカ面ですね、と思ってしまう。これじゃ超死亡フラグじゃないですか、と笑いながら。
222 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 01:56:50.75 ID:/M0HQJmg0
その声が聞こえたかどうかは分からないが、兎にも角にも絹旗を支援する浜面。
浜面「おりゃ!!」
浜面は手にしていた閃光弾を投げつけ、
フレンダ「ほいっ!!」
フレンダは目のくらんだ紫龍に向けて爆弾の入ったぬいぐるみを投げつける。
思わぬ二つの爆発に紫龍はとっさに身をねじって避ける。しかしそこに、
絹旗「うりゃああああ!!!」
獏縁をカーテンにして、絹旗が窒素を押し固めた一撃を振るう。
223 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:00:40.88 ID:/M0HQJmg0
紫龍「むぅっ!?」
意外な連携攻撃に、身をよじり不自然な体勢のまま飛びのく紫龍。だが、そこには―
滝壺「右斜め上、約30度」
滝壺に誘導された麦野の必殺の一撃が待ち構えていた。
麦野「死にやがれえええええ!!!」
酷く歪な麦野の歓声が爆煙とともに辺りに響き渡った。
224 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:13:04.81 ID:/M0HQJmg0
巻き上がる粉塵。炸裂した一撃が紫龍の存在をかき消した。
筈だった。が―
麦野「…なんなんだよそれ」
忌々しげなセリフが麦野の口から漏れる。
立ち込めた粉塵を撒き飛ばし、かき消した筈の男が姿を現す。
妙な鎧のようなものを身にまとって。
225 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:15:35.01 ID:/M0HQJmg0
紫龍「…どうやら君たちの力を甘く見ていたようだな」
紫龍が厳かな口調で彼らに語りかける。
麦野「…おい、なんだそりゃ」
紫龍はすうっと息を吸い、
紫龍「ドラゴンの聖衣をまとった以上、この紫龍、全力でかからねばなるまい」
と、静かに言い放つ。
226 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:19:03.95 ID:/M0HQJmg0
麦野「質問に答えやがれ、この×××が!!」
麦野の喚きたてるような質問に答えるよう、紫龍は深呼吸をするように息を吐く。
紫龍「…この聖衣は八十八星座の一つを模し、アテナより正義と平和を守るためにもたらされた物。そして、この世の邪悪を打ち破るために遣わされたもの」
紫龍の言葉と共に彼の力が徐々に高まり空気を振るわせる。
227 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:19:42.67 ID:/M0HQJmg0
浜面「おい、やばいって!!」
フレンダ「に、逃げた方が良いんじゃない!?」
その様子に気づいた二人が口々に言い立てるが、
麦野「ビビんじゃねぇ!!」
それを一蹴し、怯える二人を一括する麦野。
228 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:23:04.51 ID:/M0HQJmg0
紫龍「ならば、受けるがいい、このドラゴン最大の奥義」
紫龍の長い髪が逆立ち、それと共に体から立ち上る闘気が一気に収束されていく。
紫龍「廬山昇龍覇――――!!!!」
紫龍の闘気が龍の形をなし、その闘気をまとった拳が麦野の体を一直線に貫く。
麦野「あ」
避ける暇も、迎え撃つ時間もなかった。あっという間に体を打ち抜かれた。
229 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:24:28.40 ID:/M0HQJmg0
と、思ったが、
絹旗「麦野!?」
とっさに、絹旗が飛んだ。
反射的に飛んだ絹旗は自分の体を二人の間に挟みこむ。
ドォン!!
頑丈なコンクリート壁をぶったたいた時のような鈍い衝撃音が響き渡った。
230 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:25:21.51 ID:/M0HQJmg0
麦野「がっ!?」
飛ばされた絹旗の体をもろに喰らい、その衝撃で吹っ飛ばされる。
麦野「絹旗、テメエ!?」
とっさに怒鳴りつける麦野だが、返事はない。
ゴロリと転がった絹旗は目を見開いたまま、小さく血を吐いた。
231 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:26:13.31 ID:/M0HQJmg0
滝壺「きぬはた!?」
滝壺が悲鳴を上げる。
浜面「やべぇ、引くぞ!!」
浜面が手にした煙幕弾を投げつけながら叫ぶ。
麦野「ああっ!?ふざけんじゃ―」
ぱぁんっ
乾いた音が響いた。
232 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:28:41.03 ID:/M0HQJmg0
麦野の頬を叩いたのは浜面だった。
麦野「テメエ、ブチ殺され―」
ぱぁんっ
言い終わる前に、再び麦野の頬を叩く。
浜面「いい加減にしろよ!?このまんまじゃ、全員やられちまうだろうが!?」
二度も叩かれ怒鳴りつけられ、麦野は思わず足を止め呆然と立ち尽くしてしまった。
233 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:29:57.67 ID:/M0HQJmg0
浜面「フレンダ、絹旗を頼む」
フレンダ「わっ、分かったけど、あとどうするの…?」
恐る恐る尋ねるフレンダに、
浜面「仕方ねぇ。俺がやる」
簡単にだが、浜面は決意を込めて言った。
234 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:30:40.12 ID:/M0HQJmg0
滝壺「はまづら…」
心配そうに見上げる滝壺に、
浜面「大丈夫だって、何とかするからよ」
心配すんなって、と笑う。
235 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:32:26.93 ID:/M0HQJmg0
浜面「麦野、滝壺を頼む」
「う、うん」と呟き、ふらふらした足取りで滝壺を担ぎ上げる麦野。
少し行けば車が置いてある。一分、いや、三十秒でも稼ぎさえすればいい。それだけ稼げれば、みんなを逃がすことが出来る。
浜面「死んだな、こいつは」
と、口の端だけで笑う。
まぁ、死に方としては最高の部類に入る。
しゃーねーな、と浜面は笑った。
236 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:36:27.93 ID:/M0HQJmg0
浜面「とっと行け、グズグズすんな!!」
数少ない閃光弾を投げつけながら浜面が叫ぶ。
フレンダ「行くよ、麦野!?」
フレンダに促されようやく走り出す麦野。
もう後ろは振り返れなかった。
二人が駆け出してからすぐ、すさまじい衝撃音が鳴り響いた。
237 :
1です
[ saga]:2011/05/04(水) 02:40:19.48 ID:/M0HQJmg0
今回はここで終わりです。そして、一応アイテム編は終わりとなります。
ちょっと場面展開に課題がありますね…。もうちょっと意識して行きたいと思います。
レスを下さった方、読んでくださった方ありがとうございます。
それではおやすみなさい。
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/04(水) 09:25:07.50 ID:Hf/oi8BSo
浜面爆発……じゃなかった、浜面△
乙
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/04(水) 17:05:33.71 ID:5KiDhRHDO
すごパンとセロリしかまともに戦えないなこりゃ
原始崩しも効かないし
未元物質はヤられるフラグ成立したし
御坂じゃ聖闘士の動きに着いていけないし
心理掌握もシャカに勝てる気がしない
黒子はムウ相手だと難しいが、あわきんとコンビならある程度戦えそうだが
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/05/06(金) 20:48:24.11 ID:A8lZZ6a9o
打ち切り・・・だと・・・!?
何故こっちでちゃんと告知してくれないんだ
>>1
HTML化スレみなきゃわからなかったじゃないか・・・
84.52 KB
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