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律「マッカナウソ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 01:00:32.53 ID:bB0XQGaJ0
たらたら書く
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 01:02:29.17 ID:bB0XQGaJ0

ある日



唯「みーおちゃん!おはよう!」

澪「・・・あぁ、おはよう」

唯「んー」

澪「どうした?」

唯「澪ちゃん、その腕のむぐっ!?」

律「おっす!唯!だーれだ!?」

唯「むっむんむむー!?(りっちゃんでしょー!?)」

律「おー?聞こえないなー?」

紬「りっちゃん、離してあげて?」

律「おぉ、ムギおはよ」

紬「おはよう」ニコッ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/12(金) 01:03:31.55 ID:PbJw1VTHo
支援
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 01:15:02.83 ID:bB0XQGaJ0

澪「律、そろそろ離してやれって」

律「え?」

唯「」チーン

和「なんか、唯の顔色やばいわよ?」

律「おぉっと。ごめんごめん」パッ

唯「げっほげっほ・・・りっちゃんひどいよー!」

律「和、おはよ」

和「おはよ。今日は早いのね」

唯「無視!?」

紬「朝から唯ちゃんは元気ね」ニコニコ

唯「ねぇねぇ、澪ちゃん」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 01:21:13.92 ID:bB0XQGaJ0

澪「ん?」

唯「その腕・・・どうしたの?怪我?」

澪「・・・」

律「そういえば唯、宿題やってきたか?」

唯「ううん、りっちゃんは?」

律「お前を裏切るような真似するかよ・・・」キリッ

唯「りっちゃん・・・!!」

和「あんた達・・・」

澪「どうしょうもないな」


・・・

・・・

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/12(金) 01:40:33.49 ID:wMb4Vy9wo
ゆら帝?
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 01:48:29.32 ID:bB0XQGaJ0

昼休み



唯「ねぇ」

律「どうした?」

唯「なんで澪ちゃんの腕のこと教えてくれないの?」

律「・・・そんなに気になるなら澪に聞けよ」

紬「私も、実はずっと気になってたの」

澪「・・・」

唯「ねぇ、澪ちゃん」

澪「この能力で、もう・・・誰も傷つけたくないんだ」

唯「」

紬「あ、唯ちゃんのお弁当美味しそうね」

唯「うん、憂が作ってくれたんだー」

澪「無視か」

律「そりゃ今のは無視したくなる」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 01:53:59.42 ID:bB0XQGaJ0

澪「そうか・・・でも、よかった」ボソッ

律「・・・」

唯「ねぇ、りっちゃんも今日はお弁当?」

律「あぁ、なんてったって早起きしたからな!・・・母さんが!」

唯「そうなんだ、珍しいね!」

律「うるせー!」


・・・

・・・
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 02:06:16.13 ID:bB0XQGaJ0

放課後



梓「・・・」ジー

唯「あずにゃん?」

梓「・・・」ハッ

唯「どうしたの?」

梓「え、えっと・・・澪先輩、その腕」

唯「あずにゃんのケーキ食べていい?」

梓「駄目ですよ!いきなりなんてこと言ってるんですか!」

唯「えへへー」

律「お前らイチャつくなよ」

唯「うん、ごめんね」エヘヘ

紬「否定しないんだ」タラー

澪「ムギ、鼻血拭こうな」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 02:14:21.21 ID:bB0XQGaJ0

梓「私は否定させてもらいますけどね」

唯「あずにゃんひどいよ!」

梓「ひどくないです、当然です」

唯「えー」

紬「いいのよ、自分に嘘をつかなくても」ニコニコ

梓「嘘じゃないです!」

澪「なぁ」ボソッ

律「ん?」

澪「あれも?」

律「あれ・・・?」

澪「あぁ、今のムギの・・・」

律「あぁ・・・まさか」ハハッ

澪「・・・律って、よくわかんない」

律「悪かったな」

唯「なんの話してたの?」

律澪「え?」ギクッ
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/12(金) 02:18:13.43 ID:ZlZiGXqSO
ふむ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 02:20:46.69 ID:bB0XQGaJ0

唯「あれ?今なんか話してなかった?」

律「あー、唯と梓はお似合いだなって話してたんだよ」

唯「やっぱりぃー?」

梓「律先輩、唯先輩が調子に乗るんでそういうこと言うのやめてください」

唯「えへへー、どんどん乗ってこー!」ギュー!

梓「あーもう!///」

律「私達に遠慮しなくていいからな?」

唯「うん!」

梓「むしろ私に遠慮してください!・・・っていうか」

唯「ん?」

梓「澪先輩、腕・・・」

唯紬「・・・」ギクッ

梓「怪我ですか?」

澪「・・・」

梓「先輩?」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 02:28:53.90 ID:bB0XQGaJ0

澪「あぁ・・・梓も『見える』側の人間だったんだな・・・」

梓「はい?」

澪「この戒めのことさ。・・・ごめん、わかってたことだよな。この、軽音部に入ったときから」

梓「あの」

澪「梓にも全ての事情を話すときがきたということか・・・」

梓「さ、そろそろ練習しましょう」

紬「それがいいわ!」

澪「・・・いいな、これ」

律「他にもっとやり方はなかったのか」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 02:36:12.29 ID:bB0XQGaJo

澪「誰のせいだと思ってるんだよ」ボソッ

律「・・・ごめん」

澪「別に、いいよ」

律「・・・さてと、練習するか」

唯「りっちゃんまで練習って言うのー?」

律「おー?唯こそ、嫁さんが練習したいって言ってるんだから同意してやれよ」アハハ

唯「嫁!いいね!あずにゃん嫁だね!」

梓「いえ違いますけど」キッパリ

唯「私そろそろ泣いていいかな」


・・・

・・・
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/12(金) 03:54:21.78 ID:PbJw1VTHo
今回はここまでなのかな
次も待ってる
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/08/12(金) 10:57:40.70 ID:UqhkO29Ho
俺「…私は全てを見届ける……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 00:46:22.36 ID:1GNXELC4o

帰り道



律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・ん」スッ

澪「うん・・・」スッ

ギュッ

律「手・・・」

澪「ん?」

律「冷たい」

澪「あぁ、血が足りないせいだよ」

律「え・・・マジ?」

澪「冗談だって」

律「さすがにわかりにくい」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 00:53:58.47 ID:1GNXELC4o

澪「ごめん」

律「いや、謝るのは私の方だし」

澪「そんなこと・・・ない」

律「それに、今日澪に変な嘘つかせちゃったし」

澪「・・・」

律「あの能力がどうとか」

澪「わかってる。頼む、あの話はしないでくれ」

律「もう既に思い出したくない過去か」

澪「あぁ」キッパリ

律「でも、まぁ・・・」

澪「なんだ?」

律「ああ言ったお陰で、明日からは誰もその包帯について聞いてこないだろうな」

澪「あぁ、そう思ってああ言ったんだ」

律「澪ってたまに大胆だよな」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 01:00:35.62 ID:1GNXELC4o

澪「大胆にもなるさ。バレたら・・・きっとお終いだ」

律「・・・」

澪「・・・」

律「ごめん」

澪「さっきも言っただろ、律は悪くないよ」

律「でも・・・!」

澪「ねぇ、りつ」グイッ

律「え?」











澪「・・・」

律「・・・」

澪「私は、後悔してないから」

律「澪、道端でキスはちょっと・・・///」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 01:12:57.67 ID:1GNXELC4o

澪「駄目だったか?」

律「・・・私は、構わないけど」

澪「・・・なら、いいだろ」

律「澪がこんなことするなんて思ってなかったから、ビックリしただけだ」

澪「そうか・・・そうだな。私も自分でビックリしてる」

律「今日は早く寝ろよ」

澪「・・・そうだな、ちょっと疲れてるのかも」

律「・・・それじゃ、また明日な」

澪「あぁ。またな」


・・・

・・・


21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 01:34:03.14 ID:1GNXELC4o

帰って来てから彼是一時間程経っただろうか。
ベッドに横たえた体を起こす気にはまだなれない。

制服が皺になってしまう。
わかってはいるけれども、どうにも体が動かなかった。
仰向けのまま左手を天井に伸ばす。

「……。」

まだ、律の手の温もりが残っているような気がして。
今度は左手から視線が離せなくなる。

「……。」

このところ、帰ってきてからはこんな風に無気力状態が続いている。
正確な原因は私にもわからない。

律のせいか。
答えはバツでもあるし、マルでもある。
少なくともきっかけは律にあると思う、でも全て律が悪いかと言われるとそうでもない。
結局、私はあの日からどこかおかしくなってしまったんだという結論に至る。
だけどおかしくなるまでの過程を考えることができない。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 01:38:20.46 ID:1GNXELC4o

「…面倒だ。」

そう、面倒だった。
私は…私のことを考えるのが億劫になっていた。

「律に逢いたい。」

その言葉は届くわけもなく、私はただ包帯を巻かれた右腕をいとおしげに抱えたまま眠りに就いた。
−あぁ、なんて不恰好なんだろう
眠りに就く直前にはきっとそんな事を考えていた。



・・・

・・・

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 02:01:43.65 ID:1GNXELC4o

ケータイのディスプレイを眺める。
十数秒も経つと暗くなる画面、その都度私は適当なボタンを押してバックライトを灯していた。

「……。」

ディスプレイには私と澪がいて。
このときの私たちはまさかこんなドツボに嵌るなんて想像もしていなかった。
我ながら、屈託のない笑顔だと思う。
今となっては何も知らない馬鹿な女にしか見えないけど。

見ていると苛立すら覚える。
なのに…。
どうしてだろうな、この画面から目が離せないんだ。

「あぁ…なんで…なんでこうなったんだよ…。」

誰が悪い?
そう聞かれれば私は自分だと断言するだろう。

誰を裁く?
そう聞かれればやはり自分をと即答するだろう。

「……。」

全てを壊したのはきっと私で。
それを許したのは澪だった。


・・・

・・・

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 05:20:12.98 ID:OPNz0AUSO
おつー
この二人はただの恋人関係ってわけではないのね
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 07:02:03.63 ID:kWq8XTRPo

続きが気になる
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 09:52:56.99 ID:1GNXELC4o

数日前、休日


律「おっ、来たか」

澪「あぁ。入っていいか?」

律「もっちろん!おかえりなさいませー」

澪「ば、ばかっ」

律「ははっ冗談だよ。あがれあがれ」

澪「お邪魔します」

律「先に部屋に行っててくれ。適当に飲み物とか持ってくから」

澪「あぁ、悪いな」


この日の私たちは浮かれていた。


律「よっ」ガチャ

澪「早かったな」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 09:59:01.75 ID:1GNXELC4o


律「おう。どっち飲む?」

澪「えっと、じゃあそっち」

律「ほいよ」


二人きりの空間。


澪「えっと、どうしようか」

律「とりあえず、宿題でもするか?」

澪「珍しいな、律から宿題だなんて」

律「そうか?私だってたまにはやる気を出すぜ」

澪「そうか、わかった。じゃあ自力でやろうな」

律「そりゃないぜ!」


両親は帰ってこない。


28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 13:46:15.95 ID:1GNXELC4o

澪「・・・」

律「・・・くっそー」

澪「律、まだ?」

律「この問題がわかんないんだよ」

澪「えぇ?それこの間やったところじゃないか」

律「気のせい気のせい」

澪「何言ってるんだ」ペシッ

律「あたっ」


言葉にはしなくても、お互いがわかっていた。


澪「全く・・・それじゃいつまで経っても終わらないぞ?」

律「そう思うなら教えてくれよ」

澪「駄目。自分で解くこと」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 14:06:50.61 ID:1GNXELC4o

律「えぇー?あまりこれに時間掛けてると・・・」

澪「な、なんだよ・・・」

律「言わせるのか?」

澪「いや、その、いい・・・わかる」


セックスをするチャンスだってこと。


律「久々に二人きりなんだし・・・な?」

澪「・・・わ、わかったよ」

律「へへ、やった」

澪「ほら、教えてやるから覚えてくれ」

律「はーい」


なし崩し的に始まったこの関係。


澪「・・・だ。わかったか?」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 14:08:20.37 ID:1GNXELC4o

律「あぁ」キリッ

澪「本当か?」

律「うん、マジマジ」


付き合おうだなんて、口約束はしていない。


澪「全く・・・こんなすんなり理解できるなら」

律「公式見ながらなら出来るんだけどなぁ・・・」

澪「 暗 記 し ろ 」

律「はい」


今思えばあの時も衝動が抑えられなくなって、澪を押し倒したのが始まりだった。


澪「いいな?」

律「わ、わかったよ・・・」

澪「よし、それじゃ宿題は終わりだな」

律「おう!さんきゅ!」


もしかしたら私は少し自制心というものが足りないのかも知れない。

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 18:14:19.07 ID:mtXL81HN0
律澪ktkr
俺も最後まで見届けるぜ
たらたらと言いつつ適度に投下もあっていいなww
そして、ふたりの隠してることってなんだろう
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 19:04:04.16 ID:yT43MEnyo
超期待
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 19:42:04.71 ID:kWq8XTRPo
ただの嘘じゃなくてマッカってのも隠してることに関係してんのかな
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/14(日) 00:38:33.03 ID:o2JdHTaio


澪「・・・」

律「・・・な、なんだよ」

澪「その・・・」

律「なに?」

澪「しない、のか・・・?」

律「・・・それは」

澪「しようよ」

律「・・・!」


お預けを食らって限界だったらしく、この日の澪はいつもよりずっと積極的だった。


澪「っあぁ・・・!りぃ、つ・・・!」

律「・・・」ピタッ


真っ最中に、私はある衝動に駆られたんだ。

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 00:48:17.44 ID:o2JdHTaio

澪「なん、だよ・・・って、ちょ・・・!!いったい!りつぅ・・・!!」

律「・・・」

澪「や、りつ・・・!!やめて!」

律「・・・」

澪「ねぇ、律ってば・・・!それ以上噛まないでよ・・・」

律「・・・ご、ごめん」

澪「どうしちゃったんだよ、急に・・・」

律「・・・血が」

澪「りつ・・・?」

律「いや、ごめん・・・忘れてくれ。続き、いい?」

澪「あ、あぁ・・・」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 01:00:29.58 ID:o2JdHTaio


澪「なぁ、さっきのって・・・」

律「え?何が?」

澪「だから、その・・・血って」

律「・・・」

澪「黙ってたら、わからない」

律「・・・血が、その、少しでもいいから・・・舐めたくて」

澪「・・・!?」

律「おかしいよな・・・私、どうかしてたんだ」

澪「前から、ずっとそう思ってたのか?」

律「・・・」

澪「律、正直に言って」

律「・・・うん」

澪「そっか・・・」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 01:18:15.32 ID:o2JdHTaio

律「引いた?」

澪「引きはしないけど・・・」

律「ずっと、澪の血・・・飲みたいと思ってた」

澪「え・・・?『舐めたい』じゃなくて『飲みたい』のか・・・?」

律「好きな人のなら、当然だろって思ってたんだ」

澪「いや・・・それは・・・」

律「でも違うんだよな、わかってるよ。この間、梓と話しててさ」

澪「うん」

律「怪我したときによくペロってするだろ?」

澪「あぁ、私も律にされたことあるな」

律「そんな話をしてて、あれじゃ足りないって言ったら、その、ビックリされた」

澪「それは、うん・・・」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 01:32:12.98 ID:o2JdHTaio

律「そのときに初めて思ったんだよ。あれ、この感覚っておかしいのかなって」

澪「・・・」

律「澪はさ」

澪「うん」

律「私の血、舐めたい?」

澪「・・・血は、嫌いだ」

律「わかってるよ。でも、好きな人のだぞ?」

澪「・・・舐めてって言うなら、舐めるけど」

律「やっぱ、そういうもんなのか」

澪「あぁ・・・ごめんな、わかってやれなくて」

律「いや、いいんだ。私がおかしいんだろうし」

澪「・・・」

律「とにかく、それから自分のこの欲求について考えるようになったんだ」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 01:47:11.36 ID:o2JdHTaio

澪「そうだったのか・・・全然知らなかったよ」

律「いいんだよ、私が黙ってたんだから。怖がらせたくなかったし」

澪「・・・」

律「でもな、さっき・・・我慢できなくなって」

澪「そっか・・・」

律「嫌いになったか・・・?」

澪「まさか、ならないよ」

律「よかった・・・」

澪「・・・」

律「・・・みお?」

いっそ拒絶してくれればよかったのに。
それができたら、きっと私はもう二度と澪にこんな話を切り出すことはなかった。
なんて、勝手な考えか。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 01:53:44.05 ID:o2JdHTaio

澪「・・・いいよ」

律「え?」

澪「ちょっとなら・・・」

律「・・・」

澪「ちょっとなら、いいよ」

律「・・・!!?」


ここで遠慮すればよかったんだ。
だけど、私は欲望に勝てなかった。



・・・

・・・

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 02:16:24.52 ID:o2JdHTaio



たった数日前のことなのに、遠い昔のことのようだ。

澪の腕は手首の血管近く、ヤバそうなところを外してカッターを滑らせた。
指にしようかとも思ったけど、演奏に支障が出そうだからと避けた。

加減がわからなくて、最初の一筋はほとんど跡がついただけ。
時間が経つにつれ、少しずつ出血し、結果的に玉のような小さな血の塊がいくつか出来上がって。
それを舌で舐めとったんだ。

「……。」

あのときのことを思い出すと、気分が高翌揚する。
ケータイの画面を見つめる私はこの頃の私とはもう別人だ。

「汚ねぇな、私…。」

今、澪の腕には二本の傷跡がある。
二本目は一本目のすぐ下。

私の欲望が澪を傷つけたんだ。

澪の腕、血、肌を裂く感触、その時のうめき声、隠すように巻かれた包帯。
自己嫌悪に陥りながらも、私はそれらに興奮した。
この不謹慎でどうしょうもない欲求を、誰か止めてくれ。



・・・

・・・
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 03:49:01.67 ID:v4qbqB/SO

二人はどうなってしまうんだ・・・
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/08/14(日) 08:08:17.11 ID:PYQZj/470
期待乙
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:17:47.75 ID:o2JdHTaio

翌日



唯「ねぇ、りっちゃん」

律「ん?どうした?」

唯「澪ちゃんのことだけど・・・」

律「澪?なんの話?」

唯「腕の包帯だよー」

律「・・・!」

唯「あれって・・・」

律「・・・」ドキドキ

唯「ちゅーにびょう?」

律「」ズルッ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:32:44.46 ID:o2JdHTaio

唯「すごいね!私初めてみたよ!」

律「あ、あぁそうか。よかったな」アハハ

唯「うん!・・・で、あれはいつ治るの?」

律「へ?さぁ、それは・・・本人が恥ずかしいこと言ってるって気付くまでじゃないか?」

唯「んー、違くてさぁ」

律「え」

唯「傷の方」

律「・・・!」

唯「あれ、嘘なんでしょ?」

律「なっ・・・!」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:42:57.04 ID:o2JdHTaio

唯「澪ちゃんが急にあんなこと言い出すなんて不自然だもんね」

律「・・・そりぁ、確かに、そうだよな」

唯「傷には気付いてないみたいだけど、ムギちゃんもあずにゃんもきっと不審に思ってるよ」

律「・・・唯は、なんで」


ガチャ


梓「お疲れ様です」

唯「あずにゃーん!」

律「・・・」

梓「律先輩、どうしたんですか?」

律「え?」

梓「なんか怖い顔してたんで」

律「そうか?ちょっと考えごとだよ」

梓「へぇ、律先輩でも考えごとなんてするんですね」

律「中野ぉ!」




・・・

・・・

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:46:09.33 ID:o2JdHTaio

帰り道




律「なぁ」

澪「どうした?」

律「バレてる」

澪「・・・!?」

律「・・・」

澪「誰に?どこまで?」

律「唯に。澪は中二病なんかじゃなくて怪我をしてるってとこまで」

澪「唯!?まさか、あのとき・・・」

律「え?」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:54:06.63 ID:o2JdHTaio

澪「今日、唯に付き添ってパン買ってきただろ?」

律「あぁ、そういえば。唯のやつ、澪を誘って買いにいってたな」

澪「すごい混んでて・・・押し潰されそうになったんだ」

律「そりゃ行ったのが早い時間だったからな。ゴールデンチョコパン狙ってる子達とかち合ったんだろ」

澪「そのときに言われたんだ。腕、大丈夫?って」

律「・・・!」

澪「私、もしかしたら庇うような動きしちゃったかも」

律「・・・そっか」

澪「ごめん・・・」

律「謝るなよ。澪は悪くない」

澪「唯はなんて?」

律「あの怪我はいつ治るの?だってさ」

澪「・・・答えにくい質問だな」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:55:07.71 ID:o2JdHTaio

律「だな・・・。まぁ、他の人に言いふらすような感じじゃなかったし・・・気付かれた原因もわかったし、ほっといても大丈夫そうだな」

澪「それもそうだな。余計なことして墓穴掘るのも嫌だし」

律「そそ。それにしても、あいつ結構鋭いな」

澪「・・・りつ」

律「どした?」

澪「今日、行っていい?」

律「・・・いいのか?」

澪「・・・」コクッ

律「・・・///」

澪「駄目って言っても、行くから」

律「駄目なんて言うわけないだろ」



・・・

・・・
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 13:59:41.28 ID:o2JdHTaio

律の家



律「こんな風にさ」

澪「?」

律「平日ならいない日も結構多いんだけどな」

澪「聡は?」

律「昨日から合宿だよ」

澪「あぁ、そういえばそうだったな」

律「おう。・・・あの、みお?」

澪「どうした?」

律「傷の具合どうだ?」

澪「・・・見る?」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/08/14(日) 18:12:32.99 ID:PYQZj/470
これはいかしてる唯な予感
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 19:58:13.29 ID:+wQMhBWQo
隠しとおせるのか、それともバレちゃうんだろうか
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 23:46:46.58 ID:o2JdHTaio

律「あぁ」


シュル・・・


律「・・・」

澪「一番最初の傷はもう平気だよ」

律「そっか・・・ごめん」

澪「いいって」

律「でも、これ・・・跡残るんじゃないか・・・?」

澪「・・・場所、変えた方がいいのかな」

律「・・・いいよ」

澪「・・・え?」

律「もう、いいんだ。澪・・・本当にごめんな」

澪「どういうこと・・・?」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/14(日) 23:47:14.19 ID:o2JdHTaio

律「私のためにお前が傷付くことはないって言ってんの。この間は・・・ごめん・・・本当に酷いことをした」

澪「りつ・・・」

律「ごめん・・・ごめん・・・」

そう言って私は澪に抱きついた。
背中に程よい負荷がかかる。
これは澪の腕の感触だろう。

例えばあの日、誤って澪を死なせてしまっていたら?
私はもう二度とこの感触を味わえなかったんだ。
大袈裟なんかじゃない、素人が手首を切るなんて危ないに決まってるんだから。
知らず知らずのうちに手放しそうになっていたものの大切さに漸く気付いて、いつの間にか私は泣いていた。



・・・

・・・

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:03:05.48 ID:adFPuZpAo

翌日




律「おいーみぃおー」

澪「んぅ・・・んん・・・?」

律「朝」

澪「あぁ、そっか・・・」

律「学校行かないと」

澪「あぁ・・・そう、だな・・・」

律「寝ぼけてんの?」

澪「寝ぼけてないように見えるか・・・?」

律「・・・」プニッ

澪「!!?///」バッ

律「あっはっはっ、今更胸くらいどうってことないだろ?」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:11:53.29 ID:adFPuZpAo

澪「・・・いきなりは、さすがに・・・生だったし・・・」

律「生で触られるのが嫌なら早く服着ようぜ?遅刻するぞー?」

澪「あぁ・・・うん・・・」ウトウト

律「起きろってば」モミモミ

澪「んぁ・・・こらぁ・・・!」

律「あれ?起きないのか?」アハハ

澪「誰のせいだ、誰の・・・!」

律「・・・」

澪「り、りつ・・・?」

律「なぁ」

澪「何?」

律「えっと・・・」

澪「いや・・・うん、わかるよ」



・・・

・・・

57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:22:15.86 ID:adFPuZpAo

一時間目終了後



律「はよー」ガラッ

唯「りっちゃん!澪ちゃんも!」

紬「どうしたの?具合でも悪いの?」

律「あー、っと・・・まぁ、そんなところかな」アハハ

澪「あぁ。でももう大丈夫だから」

紬「そう・・・無理はしないでね?」

律「おう、心配かけてごめんな」


まさか朝っぱらからセックスしてました、なんて言えない。
罪悪感がちくりと胸を刺した。

昨日のあの誓いからもう既に二度体を重ねていた。
もちろん、その誓いは守られている。

決めたんだ。
もうこれ以上澪を傷つけないと。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:29:32.29 ID:adFPuZpAo

みんなへの挨拶を適当に済ませ、席についた。
そして間もなくチャイムが鳴る。

ノートを開き、教科書を机に置く。
忘れてはいけないのが、真面目な表情。

これだけ用意できたら準備はオーケイ。
あとはこの時間を全て考え事に費やすだけだ。

「……。」

お題は私の欲求の意味について。

だけどそれはとても根の深いもので、
簡単に解決出来るようなものではないのは明白だった。

「……。」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:40:21.40 ID:adFPuZpAo

みんなへの挨拶を適当に済ませ、席についた。
そして間もなくチャイムが鳴る。

ノートを開き、教科書を机に置く。
忘れてはいけないのが、真面目な表情。

これだけ用意できたら準備はオーケイ。
あとはこの時間を全て考え事に費やすだけだ。

「……。」

お題は私の欲求の意味について。

だけどそれはとても根の深いもので、
簡単に解決出来るようなものではないのは明白だった。

「……。」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:40:47.70 ID:adFPuZpAo
なんだよ・・・連投とか・・・
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 00:52:50.08 ID:adFPuZpAo

澪をこれ以上傷つけたくない。
あの傷口を無理矢理に広げてそこから滴る血を口に含みたい。

対極にある感情に揺れ動きながら、視線を横に逸らした。
そこに澪の姿が映る。

「……。」

綺麗だな。
あぁ、くそ。

澪と、
澪の中を流れる血潮にぞくりと想いを馳せながら、
そんなことを考えた。



・・・

・・・


62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 01:27:45.94 ID:adFPuZpAo


放課後、澪の家



澪「律?」

律「ん?」

澪「なんか暗いけど、大丈夫か?」

律「へっ!?暗い?私が?」

澪「あぁ、なんか・・・変だ」

律「そ、そうか?どこが?」

澪「今日の朝から、ずっとだ」

律「・・・気の、せいじゃないか?」

澪「・・・そう、かな」

律「あぁ、きっとそうだ」

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 01:35:06.60 ID:adFPuZpAo

澪「・・・」

律「しようぜ」

澪「りっ・・・!ちょ、ちょっと待って」

律「なんで?」

澪「・・・やっぱり、なんか変だよ」

律「・・・」

澪「ねぇ」

律「何か変?笑わせんな、まともな女は女とこんなことしないだろ」

澪「そ、そういう意味じゃ・・・!」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 01:45:16.82 ID:adFPuZpAo

澪「そ、そういう意味じゃ・・・!」

律「っていうか」

澪「・・・」

律「何か変だったら何?ヤっちゃいけない理由になんの?」

澪「ない、よ・・・」

律「じゃあいいだろ」

澪「あぁ・・・りっ・・・!(そうやってムキになるところが『らしくない』って言ってるんだけどな・・・)」



・・・

・・・
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 01:59:40.79 ID:adFPuZpAo

数週間後



あの約束をした日から、得体の知れない閉塞感が私を襲うことがある。
いや、もしかしたらずっと襲われっぱなしかも。

頭が痛くなることがある。
目の奥が痛くなることがある。
不意に、何かに噛み付きたい衝動に駆られることがある。
そして、鉄っぽい生臭いあの匂いを口の中から感じることがある。
もちろんそれは錯覚で、私の気のせいだけど。

駄目だ駄目だと自分を律する度にそれに縛り付けられていると思い知らされるんだ。
たった一度のことなのに。
何が私をそこまで駆り立てるんだ?

「……。」

たまに入り込んでくる風が気持ちいい。
ここは保健室。
情けない話だけど、体調不良でこの様だ。
ベッドを占領して申し訳ないけど、あと少しだけこのままでいさせてくれ。
午後には教室に戻るから、さ。


ガラッ


律「・・・?」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 08:03:42.82 ID:7bVqz5Iso
おつおつ
保健室に誰が来たのかな
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/15(月) 10:49:26.78 ID:u9de0pH80
支援
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/15(月) 14:47:26.98 ID:F0T9o+Ib0
支援いらないだろうけど支援
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 22:25:32.13 ID:adFPuZpAo

?「・・・失礼します」

律「・・・えーと、先生ならいないぞ。会議があるだかで今日は帰った」

?「その声、律?」

律「へ?あれ・・・?もしかして、いちご?」

いちご「・・・そうだけど」

律「そっか、どうしたんだ?」

いちご「・・・サボり?」

律「・・・半分当たり」

いちご「全部だと思うけど」

律「うっせー」

いちご「このカーテン、開けていい?」

律「あぁ、どうぞ」


シャッ


律「んで、いちごはどうしたんだよ?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 22:41:17.69 ID:adFPuZpAo

いちご「別に」

律「何もなかったらここにはこないだろ」

いちご「律だって何もなかったでしょう?」

律「うっ・・・私のことはいいんだよ」

いちご「別に、大したことじゃないけど」

律「だから何が・・・って、えっ!?」

いちご「大げさ」

律「大袈裟じゃないし!どうしたんだよ、それ!」

いちご「・・・」

律「あーもー!黙ってちゃわかんねぇ!」

いちご「調理実習で、その・・・」

律「まさか、包丁で?」

いちご「・・・///」プイッ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 22:53:37.25 ID:adFPuZpAo

律「いちごって、料理とか駄目なんだ」

いちご「うるさい。私はこのくらい平気だったんだけど、みんなが行けってうるさくて」

律「いやそんだけ血出てりゃ保健室行かせたくなるっての」

いちご「あっそ」

律「あっそじゃなくて・・・とりあえずさ」

いちご「でも先生いないんでしょ?私、戻る」

律「・・・」

グイッ

いちご「!!?」ボフッ

律「行くなよ」

いちご「は、はぁ・・・?」


咄嗟にいちごを引き止めてしまった。
ベッドに座り込みながらいちごはこちらを睨みつけている。
そりゃ、そうなるよな。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 23:52:32.14 ID:adFPuZpAo

いちご「なっ・・・!」

いちごの肩を掴んだ。
苦しそうなうめき声が聞こえたが、そんなものはお構い無し。

いちご「やっ、りつ・・・!」

律「・・・ごめんな」

いちご「ちょっと、いや・・・!」

いちご「・・・りつ」

毅然とした声が聞こえた。

律「なんだよ」

うん、なかなかふてぶてしい返事だ。

いちご「本当に怒るよ」

その瞳は真っ直ぐに私を見つめていた。
だけど私の口元は笑っていたと思う。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 00:13:43.60 ID:2Ma+Q9ezo

律「はは・・・」

一際強く、いちごの肩を掴んだ。

律「…怒れば?」

そして馬鹿にしたように言い放つ。
いちごは私を睨みつけている。
クラスメートにこんなに睨まれたのは生まれて初めてかもな。

いちご「・・・何をする気?」

律「だーから・・・指、切っちゃったんだろ?」

いちご「・・・そうだけど」

律「私がなんとかしてやるって」

いちご「遠慮する。離して」

律「まぁまぁ」

いちご「ねえ」

律「なんだ?」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 00:29:48.60 ID:2Ma+Q9ezo

いちご「邪魔。退いて」

律「断る。手、もっとちゃんと見せてくれよ」

いちご「・・・」

律「なんだよ、嫌なのか?」

いちご「律・・・いつもの律じゃない」

律「・・・私は私だ。元々こんなんだよ」

いちご「違う・・・!」

律「何?怯えてんの?」

これから何をされるのかなんとなく悟ったのか?

いちご「・・・調子に乗らないで」

律「べっつに調子に乗ってるわけじゃないけど?」

いちご「とにかく、やだ。やめて」

律「いいだろ、減るもんじゃないし」

いちご「減るよ」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 00:56:01.77 ID:2Ma+Q9ezo

律「確かになー・・・」ペロッ

適当に相槌を打ちながら深く切られた指を舐める。

いちご「・・・!?!?」

久方ぶりに口の中に広がる重い液体。
こいつでしか満たせない乾きが私にはあって。
何日も何日も、只これを待っていたんだと体が震える。

律「・・・」

すぐには飲み込まない。
深く切ってるとは言え、出血の量はたかが知れているだろうから。
有限のものとわかっているから大事に味わうのさ。

いちご「なに、してるの・・・?」

律「えー?手当てじゃん?」

飄々と答える。
今ので目の前の女は随分と気を悪くしたようだ。
ふと、もったいぶってこの血を味わうには他にも理由があると気付く。
きっと、私はハイトクカンってヤツにゾクゾクしてるんだな。

律「・・・ははっ」


とんだクズだぜ。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 01:37:09.40 ID:2Ma+Q9ezo

いちご「・・・も、いい加減にして!」

律「え?・・・そんなこというなよ」アハハ

そう言って私はいちごを腰掛けていたベッドに押し倒した。
抵抗する力がほとんどないのは意外だった。

いちご「・・・え?」

律「・・・」

いちご「律・・・冗談でしょ?」

律「さぁ」

いちご「律って澪と・・・」

律「澪がどうかしたか?」

いちご「・・・付き合ってるでしょ」

律「知ってるんだ?」

いちご「あれだけあからさまなら誰だって気付くよ」

律「ふぅん・・・で、何が言いたいの?」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 01:40:30.21 ID:2Ma+Q9ezo

いちご「やめた方がいい。澪も悲しむし」

律「・・・さぁ、そりゃどうだろうな」

いちご「何言って・・・」

律「あぁ、ほら。また垂れてきてるぜ?」ペロ

いちご「・・・!?」

やっばい。
抑えがきかない。
良くないのはわかってる。
今すぐいちごから離れろと頭じゃ身体に指令を出している。
なのにどういうわけか、いちごの手首を掴む力は徐々に強さを増していく。

いちご「・・・後悔するよ」

律「知らねぇよ」



・・・

・・・

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/16(火) 02:01:06.59 ID:nA+GBjz40
律いちごktkr
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 05:06:06.03 ID:bGLXwmeEo
我慢しすぎて逆に欲求不満になっちゃったのか
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 08:41:58.14 ID:2Ma+Q9ezo

教室


律「うっす」

唯「りっちゃん!もう具合はいいの?」

律「あぁ、とりあえずな」

紬「顔色も随分良くなってる・・・よかったぁ」

律「へ?顔?」


おいおい嘘だろ?
人様の血を舐めたら顔色が良くなりましたって、まさに輸血だな。
ついつい鼻で笑ってしまった。


澪「最近ずっと元気なかったからな。ちょっと心配だったんだぞ」

律「あぁ心配かけてごめんな」

唯「午後の授業はどう?大丈夫そう?」

律「へーきへーき。唯、宿題やってきたか?」

唯「それは聞かない約束だよ!」

紬「・・・ノート先着一名様〜♪」サッ

律唯「はぁい!!」

澪「お前ら・・・」


・・・

・・・
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 22:09:55.87 ID:2Ma+Q9ezo

帰り道




澪「今日もうち来るだろ?」

律「・・・うーん、いいや」

澪「え?」

律「いや、たまには一人で勉強しようかなーなんて」

澪「・・・なぁ、りつ」

律「なんだ?」

澪「私とのソレは・・・ストレスが溜まるだろう?」

律「は、はぁ・・・?ソレってなんだy」

澪「セックス。決まってるだろ、馬鹿律」

律「」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 22:39:06.88 ID:2Ma+Q9ezo

澪「・・・」

律「そ、そんなことない、ないない。っていうか道端でセックスとか言うなよ」アハハ

澪「・・・なぁ、なんで保健室から帰ってきたときはあんなに元気だったんだろうな?」

律「・・・そりゃ、休んだかr」

澪「誰かから血をもらってたりしてたら笑っちゃうよな」

律「み、澪・・・?」

澪「あーそういえばいちごが指切って保健室に行ってたなぁ」

律「お、おいちょっ・・・!」

澪「なぁ、りつ」

律「なんだよ・・・」

澪「いちごの血って、やっぱり苺味なのか?」

律「っ・・・!」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/16(火) 22:44:37.07 ID:2Ma+Q9ezo

澪「はは、なんてな。冗談だよ、律」

律「・・・な、なんだよ、ビックリさせるなy」

澪「いちごだって人間なんだから普通に血の味するよな?」

律「」

澪「隠そうとしても無駄だぞ、律」

律「・・・」

澪「とりあえず、うち来い」

律「わかったよ・・・」


・・・

・・・

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 22:51:10.95 ID:2Ma+Q9ezo

澪の家



律「みお・・・」

澪「なんだ?」

律「ごめん・・・」

澪「・・・」

律「もう止めるって言ったのに・・・」

澪「・・・」

律「しかも他の人の・・・」

澪「それだけか?」

律「え?」

澪「律がいちごにしたことだよ」

律「どういう、ことだよ・・・?」

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 23:08:48.35 ID:2Ma+Q9ezo

澪「だから・・・血を舐めただけ、か?」

律「・・・」

澪「黙ってると私の言ったことを肯定することになるけど?」

律「ここで否定しても嘘になるだけだ・・・」

澪「・・・やっぱり」

律「・・・」

澪「どうして?」

律「しょうがないだろ」

澪「・・・何が?」

律「私は・・・澪を傷つけたくなかった」

澪「・・・りつ」

律「なんだよ・・・」

澪「私、今すごい傷ついてる」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 23:15:22.19 ID:2Ma+Q9ezo

律「・・・」

澪「律の言う、『傷つける』って何?」

律「それは・・・澪の体が」

澪「体に傷がつかなければ何をしてもいいのか?」

律「・・・」

澪「律の言いたいことはわかるよ。あのままだと、確かによくなかったと思う」

律「・・・あぁ」

澪「どうなるのか、自分でも怖かったよ」

律「うん・・・」

澪「だけど、そのせいで律が他の人と寝るくらいなら・・・」

そう言うと澪は腰掛けていたベッドからおもむろに立ち上がった。

律「澪・・・?どこ行くんだ?」

意図がわからず静止することもできず、私はただ澪に尋ねた。
澪は私の言葉を無視して、机の上の何かを探している。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 23:21:26.51 ID:2Ma+Q9ezo

澪「・・・」カチャカチャ

律「おい・・・澪?」

澪「・・・」

お目当てのものが見つかったようで、澪の動きがピタリと止まった。
そしてそれを手に持ち、私に向き直す。

律「・・・!!?」

澪「りつは、これが欲しいんだろ?」

澪の手にはカッター。
カチカチと乾いた音を立てて徐々にあらわになるのは刃。
その凶器は夕焼けの太陽の光を鈍く返して怪しげに光っている。

律「おい、澪・・・待てよ」

澪「りつはさ・・・私じゃなくて、これが欲しくてたまらないんだろう?」

そう言って私を見つめたまま、澪は右手首を切った。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 23:44:43.60 ID:2Ma+Q9ezo

律「・・・おい!澪!」

私は慌ててベッドから立ち上げり静止しようとする。

澪「来るなよ!!!」

律「なっ・・・!?」

澪「来るなよ・・・黙って、見てろよ」

律「澪・・・!やめろよ・・・!」

澪「うるさい・・・お前が欲しかったのは、これだろ?」

律「・・・!わ、私は、澪を傷つけたくなくて・・・それで・・・!」

澪「そう思ったならとことん我慢しろよ!!」

律「っ・・・」

澪「お前のしたことは、結局私を傷つけてるんだよ・・・!」

律「ごめん、でも・・・!」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 23:46:02.14 ID:2Ma+Q9ezo

律「・・・おい!澪!」

私は慌ててベッドから立ち上げり静止しようとする。

澪「来るなよ!!!」

律「なっ・・・!?」

澪「来るなよ・・・黙って、見てろよ」

律「澪・・・!やめろよ・・・!」

澪「うるさい・・・お前が欲しかったのは、これだろ?」

律「・・・!わ、私は、澪を傷つけたくなくて・・・それで・・・!」

澪「そう思ったならとことん我慢しろよ!!」

律「っ・・・」

澪「お前のしたことは、結局私を傷つけてるんだよ・・・!」

律「ごめん、でも・・・!」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 00:09:35.66 ID:qASyCx0J0
これはやばい
どうなっちゃうの
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/17(水) 00:57:32.84 ID:OO86Qf4D0
ドキドキドキドキドキドキ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/08/17(水) 07:25:07.15 ID:EXNAfskjo
ヤンデレや!!
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 07:40:48.73 ID:WxHDM9Bzo

澪「近寄るなって言ってるだろ!」

律「なぁ、澪・・・やめろよ・・・!」

どうしてこうなったんだ。
私が悪いのは分かっている。
だけど…。
それにしてもあんまりじゃないか。
どうしたら澪を止められる?
どうしたらまた笑い合える?

私も澪も、お互いが好きなだけだったはずなのに…。
くそっ…。

律「・・・」ゾクッ

澪「・・・」

やめろ、何を考えてるんだ、私は。
これの何がそんなにいいって言うんだよ。
この期に及んでまだこの忌々しい液体に興奮してるっていうのか?
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 07:47:03.61 ID:WxHDM9Bzo

律「・・・」

澪「律・・・どうしたんだよ、黙って私の腕ばかり見つめて」

律「それは・・・」

澪「いいよ、言わなくて」

そう言って澪はベッドに腰掛けていた私の上にそのまま乗った。

澪「・・・抵抗、する?」

律「・・・」

澪「ははっ・・・そうだよな、できるわけないよな?」

澪は自嘲気味に笑った。
そして私の顎を左手を掴んで、上から覗き込みながらこう言った。

澪「ほら。好きなだけ味わえよ」

作ったばかりの傷口を強引に私の唇に押し付ける。
痛いんだろう、平然を装いながらも僅かに顔が歪んでいる。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 07:59:55.63 ID:WxHDM9Bzo

澪「なんだよ、口開けろよ。どうせ飲みたいんだろ?」

律「んん・・・やめっ・・・」

澪「やめ・・・?まさか『やめて』なんて言わないだろうな?」

律「・・・」

どうしたって言うんだよ。
小さい怪我に怯えて耳を塞ぐお前はどこに行っちゃったんだよ。

あの頃の澪も、私たちの関係も。
全てぶっ壊したのは私、なんだよな。

あぁ、もう。
澪の血が口の周りにつき、
鉄っぽい匂いが鼻孔を擽った。
小さな違和感と大きな枯渇感。

考えるのも面倒になって。
そんな中で『どうすれば開放されるのか』、
私が導きだした答えは至ってシンプルなものだった。
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 08:07:19.14 ID:WxHDM9Bzo

律「ん・・・みお・・・」

澪「っつぅ・・・そうだよ、そうだよな・・・りつは、血が・・・大好きだもんな・・・?」

これからの接し方も生き方も、
さっきまでの言い訳も悩みも。
全部放棄するかのように、私は口を開いた。

澪は赤ん坊をあやすように私の頭を撫ぜる。
かなり深く切ってしまったようで、血は止めどなく溢れてくる。
医者に見せたらなんて言われるのか、素人の私には皆目見当がつかないけれども
まぁ死にはしないだろうと楽観視出来る程度ではある、はず。

でも、もしかしたら邪魔をされたくない私の都合のいい考えなのかも知れない。
そんな風に考えている間にも澪の血は私の体に口を通して流れこんでくる。

舌に纏わり付くベタついた体液。
口の中をどろりと巡らせて一周させたら喉を鳴らして飲み込む。
水よりも遥かに重たい感触のそれはまるで鉛のよう。

律「み、お」

澪「ん?なんか言ったか?」

律「・・・いた、い・・・だろ?」

澪「ん・・・別に、へーき」

律「ふぅん・・・」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 08:29:17.08 ID:WxHDM9Bzo

生返事をしながら私は行為を続ける。
痛そうだな、可哀想だな、悪いことをしたな。
そんな思考、きっとあと少し経ったら私の頭からは吹っ飛んでしまう。
そんなことはわかっている。
だけど、私は澪のことを気にかけることすら出来なくなる自分が怖かった。
まるで別の誰かになってしまうんじゃないだろうかという不安に駆られる。

澪「い、いよ・・・ほら、な・・・?」

そう言って今度は手首を掴んで傷口を広げる。
私ですら痛々しいと思うような光景だった。

澪「なんだよ。・・・いらないのか?」

なのに澪は余裕の表情を浮かべている。

律「・・・いる」

頭のネジが飛んでいったみたいだ。
私の思考は完全に停止した。
目の前に広がる光景のことしか考えられない。
この行為が終わった後のこと、そんなつまらないことは頭の隅っこに全部押しやってしまったよ。



・・・

・・・
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 08:35:38.40 ID:WxHDM9Bzo

律「・・・」パカッ

澪「・・・ん?メール・・・?」

律「いや、何時かなぁと思って」

澪「そっか・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

律「え、なに?」

澪「何時だったんだよ」

律「三時」

澪「明日、学校行けるかな・・・」

律「まぁなんとかなるって」

澪「・・・どうせ私が起こすんだろ?」

律「そうとも言う」

澪「そうとしか言わない」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 08:41:12.06 ID:WxHDM9Bzo

律「・・・ごめん」

澪「え・・・?」

律「その・・・いちごとのこと」

澪「・・・」

律「ムカついた?」

澪「・・・っていうか、殺したくなった」

律「」

澪「なに絶句してるんだよ」

律「いや、その、激しいなぁと思って」

澪「・・・律のせいだろ」

律「そりゃ、まぁ・・・」

澪「今日でもうわかったと思うけど」

律「何?」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 08:46:01.25 ID:WxHDM9Bzo

澪「血、やめるのやめよう」

律「え?」

澪「律の欲求不満がどこで爆発するかわからないから・・・我慢させる方が怖いんだよ・・・」

律「ごめん・・・でも」

澪「なんだよ」

律「もう、しないよ・・・」

澪「そんなこと、信じられないよ」

律「・・・」

澪「わかってるのか?」

律「・・・え?」

澪「お前は私よりもいちごをとったんだ」

律「なっ・・・!それは違う!」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:40:55.97 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:42:15.66 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:42:44.60 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:43:23.79 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:44:03.04 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:46:36.11 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:49:33.70 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:50:11.82 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:51:22.88 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:53:41.76 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:54:47.97 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/17(水) 21:55:34.20 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/17(水) 21:56:09.13 ID:WxHDM9Bzo

澪「違わない。じゃあそこにどんな差があったと思う?」

律「・・・血?」

澪「当たり。誰が〜なんて律には関係ないんだよ、血さえあれば」

律「そ、そんなこと・・・!」

澪「ないって言い切れるか?」

律「・・・」

澪「保健室に行ったのがいちごじゃなくて姫子だったら?唯だったら?どうしてた?」

律「・・・」

澪「答えろよ」

律「・・・してた、かもしれない」

澪「・・・」

律「なんで、黙るんだよ・・・」

澪「そう答えるってわかってたけど・・・やっぱり、ちょっとショックだ」

律「本当に、ごめん・・・」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/17(水) 22:09:18.86 ID:WxHDM9Bzo
なんだこれ・・・今日は調子が悪いみたいだから控える
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 22:43:08.26 ID:saDfueZpo
>>114
どんまいww
書き込み失敗しても書き込めてるってのはけっこう見かけるよ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 23:53:02.85 ID:glQEwnzSO

続き待ってます
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/18(木) 00:09:26.52 ID:qb1zasvgo
>>115
知らなかった・・・
さんきゅ

日付が変わったから再開する
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/18(木) 00:11:34.73 ID:qb1zasvgo

澪「いいや、自分でした質問だし・・・とにかく、律はもう我慢しなくていいから」

律「でも・・・」

澪「なんだよ」

律「・・・澪は」

澪「え?」

律「澪の、理想の・・・私たちって、何?」

澪「・・・何?どういうこと?」

律「いつまでこうしてればいいんだ?」

澪「律、わかりやすく」

律「・・・その言葉の通りだよ。私は、いつまで澪の血液に依存すればいい?」

澪「・・・」

律「澪は、いつまで私をこうやって甘やかしてくれるんだ?その先に何があるんだ?」

澪「・・・律、それは」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/18(木) 00:23:21.27 ID:qb1zasvgo

律「全部、私が悪いよ。わかってる。私が余計なことを言ったせいだ」

澪「・・・」

律「だから、私が終わらせなきゃ、駄目だと思うんだ・・・?」

澪「律・・・」

律「だいたい、血液に興奮するなんてどうかしてる。これはタチの悪い病気だ」

澪「りつってば・・・」

律「治さなくちゃいけないんだ、治さなくちゃ」

澪「律ってば」

律「・・・なに?」

澪「律のそれは、多分治らない」

律「おいおい、そんなのわからないだr」

澪「じゃあ聞くけど、私の体見て興奮するか?」

律「するに決まってんだろ」

澪「じゃあ、それをどうしたらしなくなると思う?」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 00:27:49.84 ID:qb1zasvgo

律「・・・考えたくないけど、澪を嫌いになったり、すれば・・・」

澪「多分、律にとっての血液も同じようなものだよ」

律「え・・・?」

澪「何か、決定的にトラウマになるようなことがないときっと治らないよ」

律「・・・じゃあ」

澪「馬鹿なこと言うなよ?」

律「・・・」

澪「私はさ、律のためなら何だって出来るんだ」

律「澪・・・」

澪「だからさ、律が何を不安に思ってるのか・・・よくわからなくなる」

律「それは、澪の体を傷つけたくなくて・・・!!」

澪「・・・私は律に尽くしたいよ」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 01:01:31.20 ID:qb1zasvgo

律「でも、それは・・・間違ってるだろ」

澪「ふーん、浮気したヤツが言うセリフか」

律「・・・」

澪「・・・」

律「寝るわ・・・」

澪「・・・」

律「・・・無視かよ」


・・・

・・・

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 01:14:01.79 ID:qb1zasvgo

翌日


今日は朝から天気が悪い。
これだけ雨の音がうるさいと逆に静寂に包まれている錯覚に陥る。
五時間目の授業は古文。
訳をノートに落し込むだけのつまらない授業。

昔の人は何を思ってこんな文章を書いたんだろうか。
昔の人の中にも律みたいな人はいたんだろうか。
考えれば考える程、私の思考は授業から脱線していく。

澪「・・・」

ちらりと視線をそらす。
その先にはいちご。

昨日は殺したいなんて言ったけど。
実は私はいちごに感謝しているんだ。
・・・あぁでも殺したいのも本当。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 01:40:05.32 ID:qb1zasvgo

澪「・・・」クスッ

いちごに手を出すなんて、律も思い切ったことをしたものだと感心する。
きっと律は馬鹿なんだな。
そのお陰でこれまで以上に律は私の言うことをきくことになるだろう。
だって律は優しいから。

馬鹿だから間違いを犯して、
優しいから必死でそれを償おうとする。

別に、私はどうでもいいんだよ、律。
私はただ、律が欲しいだけ。
それだけだから。

昨日はあんな風に怒ったけど、謝ってくれて嬉しかったんだよ。
どこにフラついても結局は私のところへ戻ってくるんだって、よーくわかった。

律、これで誰がお前の家か思い知っただろう?
私だよ。もちろん、飼い主も私。
私がハウスと言えばお前はここに戻ってくるしかないんだ。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 01:56:59.53 ID:qb1zasvgo

可愛い律。
ただの浮気も躾のなっていない犬の仕業だと思えば、大したことないさ。

澪「・・・」

依存なんてしていない。
そんな簡単でお手軽な言葉で片付けるなよ。

私たちが共依存者だと言うならそれこそ馬鹿な話だ。

澪「・・・」カタカタ

『共依存者は自己愛・自尊心が低いため、相手から依存されることに無意識のうちに
自己の存在価値を見出し、共依存関係を形成し続けることが多いと言われる。』

ほら、電子辞書だってこう言ってる。

私は私を大切にしているし、律だってそれは同じ。
魂を誰かに支配されるなんて、絶対に有り得ない。
それが例え律だったとしても。

私たちは虚ろな目でボンヤリと生きているわけでもないし、
寄りかかり合った脆い関係に憧れてなんていない。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 02:00:11.17 ID:qb1zasvgo

澪「・・・。」

視界を黒板に戻す。
なんだ、急いで書かないとまずいじゃないか。

とにかく。

互いに依存出来るほど夢見がちじゃないんだ。
いつか終わりがくる関係なら今ここで絶ち切ってやる。

律はこのままだとよくないと思っているみたいだけど、それこそ子供だ。
どうやったらこの関係を続けていけるか、どうせ考えるならそっちに思考を働かせろって。

非現実的なものに興味はない。
律が思っているよりもずっと、独善的で利己的なんだよ、私は。

澪「あっ・・・まだ書いてない・・・」

黒板消しに消されていく文字を見つめながら思わず言葉が出た。



・・・

・・・
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 02:02:32.30 ID:qb1zasvgo
しばらくここには来れない
ほいじゃおやすみ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/18(木) 02:43:59.04 ID:wiSyhm8SO
おやすみー
次の投下も楽しみにしてます
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/18(木) 18:54:52.43 ID:De4+bqzA0
最初は律は吸血鬼みたいだなあって思ってたけど澪の愛も凄まじいな
こいつらすごいカップルだww
続きも期待
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/19(金) 05:05:15.11 ID:m3xSRq+Do
面白い
続き待ってるよ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/08/26(金) 21:51:23.46 ID:xFsNHsHm0
続き期待
131 :sage :2011/09/05(月) 07:17:18.37 ID:7OTOjIqi0
これは面白い
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/13(火) 00:26:51.52 ID:XumMeFsso

放課後



澪「律、帰ろう」

律「ん、そだな」

唯「あーりっちゃんいたー!」

律「へ?どうした?」

唯「和ちゃんが探してたよ?会議だってー」

律「うげっ、そうだっけ?」

澪「お前なぁ・・・」

律「嘘だろー・・・」

唯「和ちゃんが嘘つくわけないじゃん」

律「だよなぁ・・・澪」

澪「あぁ、先に帰ってるよ」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:29:04.89 ID:XumMeFsso

律「悪いな」

澪「それじゃ」

律「おう、またあとで連絡する」

唯「りっちゃん、早くー」

律「あーわかったわかった行くよ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



律「で、なんで部室?」

唯「これでゆっくり二人で話ができるねー?」

律「お前、会議って・・・」

唯「嘘に決まってるじゃん」アハハ

律「・・・嘘じゃないってのが嘘だったのか、くそ」

唯「んー?『和ちゃんは嘘つかない』って言ったんだけどなー」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:32:33.64 ID:XumMeFsso

律「・・・で、何の用だよ」

唯「せっかちさんだねぇ?」

律「そりゃここまでして呼び出されたらどんな用事か気になるだろ?」

唯「言われてみればそうかもね」アハハ

律「あー、わーかったぞー?ダメダメ、私には澪がいるんだから。唯の気持ちには答えられないなぁ」

唯「えー?やだよー!私と付き合ってよー」

律「でも私には澪というものがだなー」

唯「そんなぁ・・・じゃあいいものあげるからさぁ」

律「んー?いいものってなんだー?(いつまで続くんだ、この小芝居)」

唯「血」

律「」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:35:39.58 ID:XumMeFsso

唯「聞こえてるー?」アハハ

律「・・・え?」

唯「・・・冗談だよ。私がりっちゃんのためにそんなことするわけないじゃんっ」

律「いや、それが本気じゃないのはわかるけど・・・え?」

唯「だーめだよ、りっちゃーん」

律「な、なんだよ・・・?」

唯「いくら名前が美味しそうだからってさー」

律「!?おまっ」

唯「りっちゃんさー、わかりやすすぎ」アハハ

律「は、はぁ?どういうことだよ・・・?」

唯「澪ちゃんはあんなだし、りっちゃんといちごちゃんは目合わせてるのに挨拶すらしないし・・・」

律「だからって・・・」

唯「だから私、思ったんだよねー」

律「・・・」

唯「昨日保健室で何かあったんじゃないかって」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:39:04.04 ID:XumMeFsso

律「唯、お前・・・」

唯「ん?」

律「鋭すぎ」

唯「あはは、りっちゃんが馬鹿過ぎるんじゃない?」

律「言ってくれるな・・・って、あれ?」

唯「なに?」

律「なんで、その、血のこと知ってるんだ?」

唯「え?いちごちゃんに聞いたから。直接はもちろん教えてくれなかったけど」

律「無理矢理聞き出したのか」

唯「違うよ、質問の仕方一つで答え方は変わってくるでしょ」

律「よくわかんないけど、ふぅん・・・(唯ぱねぇ)」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:39:36.06 ID:XumMeFsso

唯「でもやっと納得できたよ。澪ちゃんの怪我の謎も解けたし。すっきりしたー」ニコー

律「・・・」

唯「あれ?怖い顔してどうしたの?」

律「・・・探偵ごっこは楽しかったか?」

唯「んー、それなりにね」

律「そうか。で?お前は結局私に何を言いたいんだ?」

唯「え?言いたいこと?うーん、特にないかなぁ」

律「・・・」

唯「そんな目で見ないでよ。ホントホント」

律「じゃあなんでわざわざここに呼び出したんだよ」

唯「んー、なんでだろ」

律「お前なぁ・・・」

唯「あ、今日も澪ちゃんの家に行くの?」

律「・・・お前に関係ないだろ?」

唯「あっれー?大事な大事なバンドメンバーにそういうこと言うの?」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:40:57.53 ID:XumMeFsso

律「・・・」

唯「あはは、冗談だよ。私はね、りっちゃんにどうしても言っておきたいことがあるから呼び出したんだよ」

律「なんだよ」

唯「我慢しなきゃいけないことなんて何もないと思うよ?」

律「・・・何の話だ?」

唯「わかってるくせにー」

律「・・・」

唯「あれ?怒っちゃった?」

律「・・・別に。っていうか唯に言われたくない」

唯「私に言われなかったらずっと『どうやったら抑えたらいいんだろう』とか考えてたくせに」アハハ

律「うるっさいな!お前に何がわかるんだよ!!?」

唯「え?知らないよ、そんなの」

律「」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:42:15.43 ID:XumMeFsso

唯「だーから、生きていけるように生きていけばいいじゃんって言ってるだけじゃん」

律「・・・」

唯「大きい声出さないでよ」

律「言ってる意味がわからん・・・」

唯「んー、わかんないか。でも私もこれ以上上手く言えないや。それじゃね」

律「って、おい。待てよ」

唯「ごめん、今日あずにゃん家に行く予定だから」

律「いやお前がここに呼んだんだろ・・・」

唯「だってりっちゃん分からず屋なんだもぉん」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:42:54.02 ID:XumMeFsso

律「だからもっとわかりやすく言ってくれって」

プルルルル・・・

唯「ん」ピッ

唯「あ、うん。今ガッコ出るところ」テクテク

唯「ごめんね、もうちょっと待ってて?」ガチャ

律「え、ちょ、おい」

唯「うん、それじゃね」ピッ

律「唯?」

唯「それじゃ、また明日ねー」バタンッ

律「・・・」

律「マジかよ」


・・・

・・・
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:43:58.28 ID:XumMeFsso

その日の夜



律「で、どうしたんだ?」

澪『ううん、今日うちに来るのかな−と思ってたから。何もないならいいんだ、ちょっと心配しただけ』

律「そっか、ごめんな。普段入り浸ってるんだし、行かないなら行かないで連絡した方がよかったよな」

澪『いや、いいって。私の方こそごめんな』

律「おいおい、澪が謝るなよ。・・・あ、そういえば放課後だけど」

澪『・・・あ、今日の会議?』

律「え・・・?あ、あぁ・・・そうそう」

澪『気をつけろよ?あまりやり過ぎるとさすがの和も怒るぞ?』

律「あ、あぁ、そうだな。ごめんごめん」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:44:29.35 ID:XumMeFsso

澪『で?』

律「え?」

澪『いや、会議の内容』

律「・・・」

澪『律?』

律「・・・いや、大した内容じゃなかったよ。これなら私行かなくてもよかったんじゃないかと思うくらい」

澪『こらっ』

律「あっはっは、冗談だってー」

澪『全く、仮にも部長だろ?』

律「へーへー、わーかってるって」

澪『・・・りつ』

律「ん?」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/13(火) 00:46:54.53 ID:XumMeFsso

澪『あのさ・・・』

律「え?」

澪『おやすみ』

律「へ?今なにか言いかけなかったか?」

澪『それじゃ、また明日な』ピッ


ツー・・・ツー・・・


律「・・・なんだよ、澪まで」



・・・

・・・

144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 03:24:01.78 ID:xy1JRvWko

待ってたよー
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 05:19:10.86 ID:iLP0T5SDO
おつー

なんだかイラっとする唯だな
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/09/14(水) 12:41:15.30 ID:wUHkgL+A0

おかえり
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 12:35:27.70 ID:I7MPxohq0
wwktk
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/09/26(月) 20:14:28.17 ID:sVOl7NuEo
のんびり待ってます。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/17(月) 23:10:38.99 ID:0NBfMq9Jo

数日後



和「そんな風に泣かれても困るわ?」

女「だ、って・・・!」

和「それじゃ私帰宅するね」

女「私は、本気でした・・・!!」

和「そう。で?」

女「でって・・・そんな・・・」

和「あなたが勝手に本気になっただけでしょう」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/17(月) 23:16:35.66 ID:0NBfMq9Jo

女「・・・!!」

和「はぁ、もういいかしら。それじゃ」


パシーン!!


和「・・・」

女「・・・最っ低です!」

和「ふぅん・・・」

女「それじゃあ失礼します」ガチャバタン!

和「『最低』ね・・・そこまで褒めてくれなくてもいいのに」

和「・・・なんてね」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:21:51.43 ID:0NBfMq9Jo

屋上



私は風にさらされていた。
今日もこれから澪の家に行くことになっている。
やることは決まっている。だから、きっと私は今日も澪を傷付ける。

あー、ばっかでー。

頭の中で留めておくつもりが、つい声に出してしまった。

一瞬気恥ずかしさを感じるも、そもそもここには私以外誰もいない。

律「・・・」

恥ずかしいと感じたことすら恥ずかしい。

律「・・・」

ここから飛び降りたら楽になれるんだろうか。
なんて、出来もしないことを考えてみる。

時折吹く突風に髪の毛をもみくちゃにされてまでここを離れない理由はわかってる。
澪を傷付けに行きたくないんだ。

律「ホント、ばっかでー・・・」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:23:15.03 ID:0NBfMq9Jo

また突風が吹く。
びゅーっと、煙草の匂いを含んだ風が。
私は慌てて匂いのする方へ顔を向けた。

和「ねぇ、誰がばかなの?」

律「」

和「りつー?」スパー

律「和!?い、いつから居たんだよ!?」

和「いつからって・・・一回目の『ばっかでー』あたりから」

律「ばっかでー」バシン!

和「いたっ」

律「居たんなら声かけろっ」

和「かけたわよ、心の中で」

律「それかかってないから」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:32:54.36 ID:0NBfMq9Jo

和「それにしても律、なんか悩み事?」

律「・・・あっ、っていうか!」

和「何よ、どうしたの」

律「おまっ煙草・・・!」

和「あぁ、これ?確かにこれは煙草だけどどうかした?」

律「生徒会長だろ・・・」

和「あら、責めるの?」

律「まさか。ただちょっとびっくりしただけだよ」

和「そう」

律「もう長いのか?」

和「そんなことないわよ。ここ半年くらい」

律「へぇ。なんで?」

和「うるっさいわね。カッコつけてんの」

律「・・・よくわからん」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:33:21.43 ID:0NBfMq9Jo

和「私の問題なんだから私がわかればいいのよ」

律「それもそうだな」

和「えぇ」

律「・・・」

和「・・・」スパー

律「和」

和「何よ」

律「カッコつけてんだろ?」

和「そうよ」

律「結構カッコいいぜ」

和「そりゃどうも」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:33:55.45 ID:0NBfMq9Jo

律「吸わないとキツいのか?」

和「うーん、どうかしら」

律「そっか」

和「でも、こんなものに依存するつもりもないの」

律「え?」

和「やめようと思えばいつでも止めれるって話よ」

律「吸う奴の半数はそう言うんだ」

和「あら、律の周りには悪い友達が多いのね」

律「安心しろ、同学年の悪い友達はお前だけだ」

和「あらそう」

律「それ、美味しいのか?」

和「何度も同じことを言わせないで。カッコつけてるの、味なんて関係ないわ」

律「そっか」

和「吸ってみる?」

律「!いいのか?」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:34:43.79 ID:0NBfMq9Jo

和「えぇ、はい」スッ

律「えと、いただきます・・・?」

和「はい、召し上がれ」クスッ

律「・・・」カチッ・・・カチッ・・・

和「あら」

律「なんだよ」

和「火の付け方、知らないと思ってたのに」

律「見よう見まねだ」フー

和「・・・確かに見よう見まね、ね」

律「え?」

和「まぁ、フカしてるだけっていうのも律らしくていいわね」

律「お前いま馬鹿にしたろ」

和「ふふ、さぁ?」

律「くっそー」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:40:37.29 ID:0NBfMq9Jo

和「ところで澪は?」

律「職員室に用事だとさ。私はどうもあそこは好きじゃないんだ」

和「律が職員室好きって言ったらびっくりだわ」

律「だろー?・・・って、和?」

和「なに?」

律「叩かれたのか?頬赤いぞ」

和「あぁこれ?そうよ」

律「なんで・・・」

和「カッコいいでしょ?」

律「何言ってんだお前」



・・・

・・・
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:42:22.85 ID:0NBfMq9Jo

同時刻、部室



梓「・・・はぁ」

唯「あずにゃん、どうしたの?」

梓「なんで、こうなるかなぁって・・・」

唯「まぁ、それはほら、私たち若いし」

梓「これじゃ猿です」

唯「猿はギター弾かないよ」

梓「先輩たちが帰ってからギターなんて弾いてないじゃないですか」

唯「あっれー?そうだっけー?」

梓「記憶力まで猿レベルになったんですね」

唯「あー、あずにゃんそれひどいー」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:42:49.64 ID:0NBfMq9Jo

梓「あんなひどいとぼけ方する方が悪いんですよ」

唯「ちぇー」

梓「そろそろ帰りましょうよ」

唯「うん。・・・あのさ」

梓「なんですか?」

唯「前にりっちゃんの血の話、教えてくれたでしょ?」

梓「血・・・?あ、あぁ、あれですか。はい、しましたね」

唯「あれって、なんて言ってたの?」

梓「えー・・・?えーと、確か『好きな人の血なら舐めたい、むしろ飲みたい』って感じだったかと」

唯「うっわぁ・・・」

梓「あれ?引いちゃいました?」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:43:42.66 ID:0NBfMq9Jo

唯「えー・・・?いや、人それぞれだと思うよ?うん」

梓「そうですか、ちなみに私はドン引きしました」

唯「あずにゃんって結構ひどいよね」

梓「ありがとうございます」

唯「うん、今のは褒め言葉」

梓「でも、その話がどうしたんですか?」

唯「うーん?なんでもないよ、ちょっと気になっただけ」

梓「そうですか??」

唯「・・・ふーん。『好きな人』、か」

梓「?」

唯「さってと。帰ろっか?」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:53:38.29 ID:0NBfMq9Jo

唯「和ちゃーん!」タッタッタッ

和「あら、唯じゃない。今日は遅いのね」

唯「うん、ちょっと残って練習してたんだー」

和「家でも出来るでしょうに。あんたって子は・・・あ、梓ちゃんに教えてもらってたの?」

唯「あったりぃー。今もそこまで一緒に帰ってきたんだぁ」エヘヘ

和「・・・ギターなんて弾かなかったんじゃないの?本当は」

唯「さぁねー」

和「全く・・・」

唯「和ちゃんこそ」

和「何よ」

唯「ほっぺたに手の跡がうっすら見えるんだけど?」

和「終わりにしましょうって言ったらひっぱたかれたの」

唯「あちゃー。なんて子?」

和「さぁ?覚えてないわ」

唯「終わりって言うか・・・まだ始まってすらないじゃん」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:54:30.42 ID:0NBfMq9Jo

和「そうね」

唯「っていうかそこまで度が過ぎるとさすがの憂も怒るよ」

和「そうかしら?私と憂は終わったわ」

唯「妹の肩持つわけじゃないけど、この件に関しては和ちゃんが大人気ないと思うよ」

和「あら、言ってくれるじゃない」

唯「事実だよ」

和「・・・憂は真面目だものね」

唯「そうだよ。・・・でもね」

和「何?」

唯「待ってるよ、和ちゃんのこと」

和「・・・知ってるわよ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:55:01.80 ID:0NBfMq9Jo

律「あー、疲れた」

澪「大して練習してないくせによく言うよ」

律「へへ、まーなー」

澪「鞄ここに置くぞ?」ボフッ

律「あぁ、適当にしてくれ」

澪「・・・はぁ」

律「どうした?」

澪「いや、ちょっと・・・その、なんでもない」

律「・・・なんでもあるだろ」

澪「・・・」

律「言えよ」

澪「・・・腕、痛い」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:55:28.64 ID:0NBfMq9Jo

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・ごめん」

澪「ううん」

律「ホント最低だよな、私」

澪「はぁ・・・こうなるから言いたくなかったんだ」

律「うっ・・・えっと、包帯換えようか」

澪「律がしてくれるのか?」

律「当たり前だろ」

澪「・・・へへ」

律「ほら、見せてみ?」

澪「ん」スッ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/17(月) 23:56:06.09 ID:YFEzu/1SO
来たのはいいが、終わる時は一言残してから終わってくれ
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:56:16.26 ID:0NBfMq9Jo

律「・・・うわぁ」

澪「え?・・・あっ!」

律「血、滲んでるな」

澪「気付かなかった・・・もうちょっとガーゼ厚めに当てといた方がよかったのかな」

律「だーからケチるなって言ったのに」

澪「だってあまり残ってなかったし・・・」

律「嘘だよ、ごめん。とりあえず換えちゃうな」

澪「あぁ、ありがと」

律「・・・」スルスル・・・

澪「・・・っ」

律「痛かった?」

澪「ちょっと・・・いや、平気」

律「・・・うそつき」

澪「え?」
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:56:57.95 ID:0NBfMq9Jo
>>165
ほいよー
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:57:56.32 ID:0NBfMq9Jo

律「こんなになってるのに・・・平気なわけない」

澪「・・・私のことは心配するなって」

律「・・・」

澪「ほら、そんな顔するなって」

律「・・・はい、終わったよ」

澪「あぁ、ありがと」

律「・・・」

澪「舐めなくてよかったのか?」

律「え?」

澪「今、絶対舐められると思った」

律「・・・そんな気分じゃない」

澪「律?」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 23:58:25.33 ID:0NBfMq9Jo

律「・・・なんだろう」

澪「おい、大丈夫か?」

律「・・・なぁ」

澪「なんだよ」

律「この間、言いかけたことあるだろ」

澪「この間・・・?」

律「寝る前、電話で」

澪「・・・あぁ」

律「思い出したか?」

澪「あぁ、あったな」

律「・・・」

澪「・・・」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 00:02:23.08 ID:GZnPeRhUo

律「本当は・・・澪は、もうこんなことしたくないんだろ?」

澪「・・・え?」

律「言い出せなかったんだろ?わかるよ」

澪「・・・」ハァ

律「なんでため息つくんだよっ」

澪「逆」

律「え?」

澪「逆だよ」

律「・・・え?」

澪「このままでいようって、言おうとした。でも、やめた」

律「なんで・・・」

澪「余計なこと言って、流れっていうのかな、それを変えたくなかったから」

律「・・・」

澪「この間、話し合ったよな?」

律「あぁ」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 00:03:01.09 ID:GZnPeRhUo

澪「でも、まだ引け目を感じてるだろ?だから改めて言おうと思ったんだよ」

律「・・・あぁ」

澪「私は律が欲しいって言ってくれたらそれでいいんだ」

律「・・・」

澪「だから、戸惑わないで欲しい」

律「澪・・・」

澪「道徳の授業じゃないんだ、もっと自分たちに合った生き方を現実的に考えて行こうよ」

律「・・・でも」

澪「大丈夫、これくらいじゃ死なない。それは律もわかるだろ?」

律「・・・」

澪「律?」

律「私な、自分でもビックリしてるんだ」

澪「え?」

律「さっき、傷の手当しただろ?」

澪「あぁ」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 00:03:48.59 ID:GZnPeRhUo

律「血を見てもそういう気分にならなかった」

澪「・・・」

律「しかも、澪のなのに」

澪「・・・飽きたのか?」

律「それは違う!」

澪「!?」

律「あ、ごめ・・・」

澪「・・・びっくりした、いきなり大きい声出すから」

律「悪かった」

澪「ううん。じゃあ、なんで?」

律「澪が心配だったんだよ」

澪「そりゃ、まぁ、怪我してるから心配なのはわかるけど・・・」

律「血とかそういう欲求よりも大事なものが私にもまだあるんだって、自分で感心した」

澪「ははっ」

律「笑うなよっ」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 00:04:19.83 ID:GZnPeRhUo

澪「だって、あははは」

律「おいー」

澪「ホントだよな。浮気したくせに」

律「うっ・・・」

澪「こっち見ろー?」

律「はい・・・」オズオズ

澪「・・・うん」

律「?」

澪「私はすごく気分がいいぞ」

律「うん、よさそうだ」

澪「なんでいいか、わかるか?」

律「なんとなく」

澪「・・・」シュルッ

律「あ!せっかく包帯巻いたのに!」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 00:05:01.84 ID:GZnPeRhUo

澪「少し緩かったからさ」

律「言えよー直すよ」

澪「・・・直す前にすること、あるだろ?」

律「・・・え?」

澪「言わないとわからないか?」

律「・・・わかる」

澪「はい、どうぞ」

律「・・・なんかムードがない」

澪「はい、じゃあこの腕はしまっちゃいましょうねぇ」

律「あぁ!待って!!うそうそ!」

澪「あはは。・・・そういう気分になってきた?」

律「澪がさせたんだろ?」

澪「そうかもな」アハハ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 00:06:19.76 ID:GZnPeRhUo
寝る寝るね
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 00:15:09.04 ID:HkIO7y2do
おつおつお
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 06:13:22.04 ID:8uOqzNLBo

和の方もいろいろ修羅場ってるなww
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 07:24:50.47 ID:ZHgspj/SO
続き来てたー
乙です!
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 22:35:44.39 ID:GZnPeRhUo


律「で、結局しちゃうんだもんなぁ・・・」

澪「いいんだよ、私が誘ったんだから」ナデナデ

律「うー・・・うん・・・」

澪「ちょっと私、包帯持ってくる」

律「いいよ、私が行く。よっと・・・」

澪「ありがと」

律「・・ほいよ。んじゃ腕出して」

澪「ん」すっ

律「・・・」マキマキ

澪「律はさ」

律「なんだー?」

澪「ホント、犬みたいだよな」

律「へ?」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 22:39:41.84 ID:GZnPeRhUo

澪「ふらふらしてると通りがかりの人は中途半端に構ったりするからいけない」

律「え?」

澪「いちごのときもそうだった」

律「なんの話だよ・・・」

澪「今日は誰とどこで何をしてたんだ?」

律「え?」

澪「お前まさか気付いてないのか?」

律「・・・?」

澪「気付いてないんだな・・・」ハァ・・・

律「呆れるなよっ」

澪「いいか、律。お前はさっきから煙草くさいんだ」

律「あ゛」

澪「やっと気付いたか・・・」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 22:42:48.28 ID:GZnPeRhUo

律「でもこれは浮気じゃないぞ!?」

澪「わかってるよ。もし浮気だったら私のこと馬鹿にしてるとしか思えない」

律「・・・」デスヨネー

澪「誰の煙草だ?姫子?」

律「いんや、和」

澪「なんだ和か。・・・って、和ぁ!?」

律「びっくりした?」

澪「うん・・・」

律「事情はわかんないけど、あいつも色々あるみたいだな」

澪「へぇー・・・あの和が・・・」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 22:43:21.78 ID:GZnPeRhUo

律「みんなワケありに見えてくるよな」

澪「私たちも?」

律「・・・それ、本気で言ってるのか?」

澪「まさか」ハハハ

律「だよなぁ・・・」



・・・

・・・
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 22:56:19.28 ID:GZnPeRhUo

次の日


和「・・・」ボー

唯「和ちゃん、どうしたの?珍しくぼーっとしちゃって」

和「・・・」

唯「和ちゃーん」

和「憂に呼び出し食らったの・・・」

唯「あちゃー」

和「はぁ」

唯「和ちゃんカッコ悪ぅー」

和「え?何言ってるのよ、私はカッコいいわ」

唯「和ちゃんこそ何言ってるの」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:06:48.90 ID:GZnPeRhUo

唯「ううん、まともに自分から仲直りも出来ないんだね?」

和「これってやっぱりそういうことなのかしら」

唯「じゃない?」

和「・・・」

唯「カッコ悪ぅー」アハハ

和「そうね・・・」

唯「いい加減仲直りしてよ、私が気まずいよ」

和「わかってるわよ。それに関しては悪いと思っているわ」

唯「じゃあ憂の言うこと聞いて?」

和「・・・考えておくわ」

唯「前向きにね」



・・・

・・・
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:35:57.03 ID:GZnPeRhUo

数日後



梓「いっつ」

澪「どうした?」

梓「あ、いえ、なんでもないです」

唯「ん?あずにゃん?」

律「どうしたんだ?」

梓「え、えっと・・・」サッ

唯「あー・・・切っちゃったね」

梓「はい、紙で切ると結構治り遅いから嫌なんですよね・・・」

唯「ふわふわ時間の楽譜って凶器だったんだね・・・!」コワイ!

梓「なに言ってるんですか」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:37:00.14 ID:GZnPeRhUo

澪「・・・」

梓「あ、澪先輩は見ないでください!こういうの嫌ですよn」

澪「ムギ、絆創膏あるか?」

紬「うん、はいどうぞ」ニコッ

梓「・・・って、あれ?」

澪「どうした?」

梓「いや、えっと、あれ・・・?」

澪「?」

唯「はい、あずにゃん傷口隠しましょーねー♪」

梓「隠すってなんですか。いいです、絆創膏くらい自分でできます」

唯「えー?遠慮しないでよー」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:39:58.06 ID:GZnPeRhUo

梓「してません」

紬「ここは間をとって私が」

律「いやいや私が」

唯「ううん、やっぱり私が」

律紬「どうぞどうぞ」ササッ

唯「やったね!」

梓「認めない」

唯「・・・」シュン

澪「何やってるんだお前ら」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:47:08.90 ID:GZnPeRhUo

梓「ホントですよ」

澪「ほら、指出して?」ペリッ

梓「ありがとうございます・・・」

唯「澪ちゃんにいいところ取られた」

紬「いいわ、もっともったいぶるように」REC

唯「さらにムギちゃんに撮られた」モウイヤ

律「梓、ギター弾けるか?」

梓「ん、まぁ平気ですよ。とちったらごめんなさい」

唯「いいんだよ、今日の練習はおやすみだね?」クルッ

紬澪「んなわけねぇだろ」

唯「だよね、わかってた」テヘッ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:48:35.33 ID:GZnPeRhUo

律「あんまり無茶するなよ?」

唯「さっきから気になってたんだけどさー」

律澪「ん?」

唯「りっちゃん、平気なんだ?」

律「・・・!?」

唯「びっくりしすぎだよー」アハハ

澪「唯、それどういう・・・」

唯「え?」チラッ

律「平気に決まってんだろ?っていうかなんの話だよ」

唯「言わなきゃわからない?」

律「・・・はい、休憩おわりー。練習しようぜ」

紬「・・・?」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:51:30.35 ID:GZnPeRhUo

律「どうした?」

紬「りっちゃんって自分でそういう話振るくせに、実は血とか苦手だったり?」

律「・・・!」

唯「・・・」クスッ

律「・・・あぁ、あんまり好きじゃないかもな」

澪(よく言うよ)

唯「よく言うよ」ボソッ

紬(よくわかんないよ)

梓「あ、そうなんですか。ごめんなさい・・・」

律「いや、いいって」

梓「・・・」

律「うっし、とりあえずなんの曲やろっか」

梓「あれ、おかしい」

澪「え?」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/18(火) 23:54:03.80 ID:V/pyoiODO

待ってた
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/18(火) 23:59:18.46 ID:GZnPeRhUo

梓「前に律先輩、血好きって言ってましたよね?」

律澪「」

唯「・・・」プッ

梓「あれ?えーと・・・」

律「梓の血は好きじゃないってことだよ」

梓「別に好かれても困るだけなのに、ちょっとムカついた」

澪「梓、残念だったなっ」ルンッ♪

梓「どうしてあなたはそんなに嬉しそうなんですか」

紬「私は梓ちゃんのことが好きよ。でもそれって血を含めてって意味じゃなかった、つまり」ブツブツ・・・

梓「あまり深く考えないで下さい」

紬「梓ちゃんの血を好きじゃなかった私は梓ちゃんの友達、仲のいい先輩として認められないかもしれないわ・・・でも」ブツブツ・・・

梓「あまり重く考えないで下さい」

唯「あずにゃんツッコミに忙しそうだね」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:01:22.42 ID:IqGFn465o

ガチャ


和「ちょっといい?」

唯「あれ?和ちゃん!」

律「和じゃん、どしたー?」

和「先生は・・・いないのね」

唯「うん、今日はまだ来てないよ」

和「そう・・・わかった、他をあたってみるわ」

澪「あぁ。・・・あ、そういえば」

和「どうしたの?」

澪「そういえば、この間は律がごめんな」

律「・・・!」

澪「ほら、律も黙ってないで謝るんだ」

律「え、えっと・・・」チラッ
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:01:50.06 ID:IqGFn465o

唯「どうしたの?私の顔見て。部長会議に出なかったこと、私は一緒に謝ってあげないよ?」

和「・・・いいのよ。この間は大した会議じゃなかったし、時間をとらせて悪かったと思ってるくらいよ」

律「!?」

澪「そう言ってもらえるとt」

律「えっと、ごめんな!今度から気をつけるよ!」

和「えぇ。それじゃ、私行くね」

唯「ねーねー、一緒に帰ろうよー」

和「・・・そうね、仕事急いで片付けちゃうわ」

唯「よろしくー!」

和「ふふ、全く」クスクス



・・・

・・・
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:03:44.23 ID:IqGFn465o

帰り道



唯「あずにゃん今日は早く家に帰ってなきゃいけないんだってさー」

和「・・・」

唯「ちぇー」

和「・・・」

唯「・・・」

和「・・・で?」

唯「え?」

和「とぼけないの。さっきの部長会議って、なんのこと?」

唯「あー、あれね。話し合わせてくれてありがと」

和「どういたしまして」

唯「ちょっとりっちゃんだけ呼び出したくて適当に言っちゃったんだー」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:04:24.06 ID:IqGFn465o

和「適当じゃないでしょう」

唯「えー?」

和「唯のことだもの、私ならあとで口裏合わせてくれると思って言ったんでしょう?」

唯「あはは、バレた?」

和「まったく・・・」ヤレヤレ

唯「いやぁ、私達、息ぴったりだねー!」

和「それで?律となんの話をしたの?」

唯「りっちゃんが思いつめてるみたいだからちょっとあどばいすしてあげたんだよっ♪」

和「アドバイスって・・・まぁ、最近の律は確かに元気ないものね」

唯「でしょー?だからちょっとねー」

和「ちょっとじゃわからないわ、律に何があったの?」

唯「何もないよ。ただちょっとりっちゃんが変わってるだけ」

和「・・・?」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:05:15.24 ID:IqGFn465o

唯「例えば和ちゃんが私を叩く癖があって、私もまんざらじゃなかったとして・・・何か問題あるかなぁ」

和「私は唯のこと叩かないわよ」ペシッ

唯「あたっ」

和「・・・何も問題ないように見えるけど?」

唯「でも叩くって世間的によくないよぉー」

和「ちょっと誰の真似よ、それ」

唯「向こうにも悪いしぃー」

和「・・・でも、二人の間で成立してるならいいじゃない」

唯「でっしょー?」

和「とりあえず、今の律がそんな感じなのね?」

唯「うん。最初は黙って見てたんだけど、ずっとうじうじしてるからちょっと、ね」

和「見ててイライラしたのね」

唯「そこまで言ってない」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:05:51.01 ID:IqGFn465o

和「じゃあ違うの?」

唯「大正解だよ」

和「よね」

唯「どうなるんだろ」

和「さぁ?私は事情がわからないからなんとも。律にSM趣味でもあるの?」

唯「それは知らないよー」

和「そうなの。でもさっき叩いたらって」

唯「例えばって言ったでしょー?」

和「そうだったわね。えーと・・・」

唯「和ちゃんはさー」

和「えぇ」

唯「憂が包丁で手切っちゃったら、どうする?」

和「・・・心配するかしら」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 00:06:25.95 ID:IqGFn465o

唯「うん」

和「それで・・・多分、手当するわ」

唯「うんうん。普通そうだよね」

和「なんで急に話変わったのよ」

唯「和ちゃんはさー」

和「ねぇちょっと私の話聞いてる?」

唯「血って好き?」

和「・・・」

唯「答えてよ」

和「・・・え、まさか」

唯「うん?」

和「・・・別に好きとか嫌いとか、特別な感情はないわよ」

唯「そっか」

和「・・・律、めんどくさい趣味があるみたいね」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/19(水) 00:09:04.94 ID:IqGFn465o

唯「んー、みたいだよー?」

和「まぁ、澪がいいんなら・・・って、うそ・・・」

唯「え?」

和「もしかして、澪が最近ずっと包帯してるのって・・・」

唯「・・・あはは。りっちゃーん、私は直接は何も言ってないからねー」

和「ホントいい性格してるわ、あんた」

唯「えへへ」

和「・・・そっか、そうなのね」

唯「切るところ間違えなきゃいいけどね」アハハ

和「・・・リストカットのサイト見てみようかしら」

唯「え?」

和「それで参考になりそうなページをプリントアウトして渡してあげるの」

唯「怖いよ」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/19(水) 00:09:40.82 ID:IqGFn465o

和「だって、一歩間違えたら・・・色々と参考にね」

唯「んー、そうだけど・・・」

和「一時的なものというか、いつか収まったりしないのかしら」

唯「それはないっぽいよ。だからこそりっちゃんも悩んでたみたいだし」

和「・・・ホント、人の趣味ってよくわからないものね」

唯「うんうん、そーだね」

和「梓ちゃんとどうにかなってる唯に言われたくないでしょうね」

唯「憂とどうにかなってる和ちゃんにそんなこと言われたくないかなー」

和「それもそうね」

唯「私の周りこんな人ばっか」

和「あんたも含めてね」

唯「さーて。おうち着いたーー♪」

和「そうね。それじゃ」

唯「うん!あ、そうそう」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/19(水) 00:11:25.50 ID:IqGFn465o

和「何?」

唯「家に帰ったら憂、いると思う?」

和「いないと思う」

唯「どこに行ってると思う?」

和「私の部屋にいると思う」

唯「私、晩ご飯どうしたらいいと思う?」

和「我慢したらいいと思う」

唯「和ちゃんのバカっ!」



・・・

・・・
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/19(水) 00:13:24.68 ID:IqGFn465o
あげ続けてるの途中まで気付かなかった・・・
もう寝る・・・
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 00:17:56.68 ID:CfCe7ckDO
乙っす
みんなワケありな感じだな
続き待ってます
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2011/10/19(水) 00:33:19.62 ID:jsMMzmEp0
追いついた

原作が日常系だからダークなSSはギャップが面白い

続き待ってます
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/19(水) 23:59:15.26 ID:IqGFn465o


梓「・・・」


ピーンピーン


梓「・・・」イソイソ


カチャ


梓「・・・」


ギュイィィィン


梓「・・・」


ピロリロピロリロ


純「ねぇ」

梓「・・・」


ジャンジャカジャカジャカキュイーンキュイーン
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/20(木) 00:00:46.86 ID:CSrDp20Bo

純「ちょっと!!」

梓「ん?あぁ、なに?」

純「友達が来てるんだからさー、もてなしたりしないの?」

梓「え!?嘘!?友達が来てた!?あーそれは悪いことしたなぁ」キョロキョロ

純「何探してるの?」

梓「友達」

純「そろそろ泣くよ」

梓「純が勝手に来たんじゃん」

純「まぁね」

梓「・・・」


ジャジャッジャー


純「ごめんって!」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/20(木) 00:02:36.16 ID:CSrDp20Bo

梓「何しに来たの?」

純「何しにって・・・」

梓「あぁ、ナニしに来たんだ?」

純「そういう言い方やめて。っていうかそんな関係じゃないでしょ、私たち」

梓「じゃあ何しにきたの?」

純「梓の元気がないから遊びに来たんだよ」

梓「そっか」


ジャカジャカ


純「ギターしまって!?」

梓「・・・ちっ」イソイソ

純「舌打ちしないよ」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/20(木) 00:07:33.62 ID:CSrDp20Bo

梓「別に、元気なくないし」

純「あんまり嘘ついてると叩くよ」

梓「やり返すよ」

純「理不尽!」

梓「・・・唯先輩やだ」

純「え?」

梓「唯先輩って何考えてるのかわかんない」

純「え?あの人って何も考えてないんじゃないの?」

梓「痛いとこ突くね」

純「普段の振る舞い見ててそう感じるだけだよ」

梓「確かにそういうところあるけど、純だけには言われたくないと思う」

純「死にたい」

梓「止めない」

純「止めてよ」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:11:12.99 ID:CSrDp20Bo

梓「・・・なんていうか、結構裏表?みたいのがある人なんだよ」

純「え?」

梓「いや、裏表って言うのもなんか違うなぁ・・・バカっぽく見えて実はすごい考えてるっていうか、鋭いっていうか」

純「そうなの?」

梓「多分」

純「どっちだよ」

梓「だからそういう何考えてるのかわかんないところが嫌だって言ってるんじゃん」

純「じゃあ別れなよ」

梓「純、もう帰っていいよ」

純「なんで!?」

梓「それはしたくないから悩んでるんじゃん」

純「じゃあ『何考えてるんですか?』って聞けばいいじゃん」

梓「純ってホント何も考えないで生きてるよね。羨ましい」

純「いま確実に馬鹿にしたよね」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:12:43.78 ID:CSrDp20Bo

梓「唯先輩、律先輩となんかあったっぽい」

純「え?」

梓「・・・」

純「浮気ってこと?だって律先輩って澪先輩と・・・」

梓「いや、浮気ではないけど・・・なんか今日ちょっと変だったし」

純「そうなんだ・・・」

梓「・・・(なんて言って、ホントは浮気だったらどうしよ)」

純「梓?」

梓「あ、えっと、それでなんか嫌だったから一人で早めに帰って来ちゃった」

純「別に気にしなければいいのに」

梓「あーあ、純みたいになりたい」

純「また馬鹿にされた」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:15:36.14 ID:CSrDp20Bo

梓「・・・こんなことで悩んでる自分が一番イヤ」

純「だろうね」

梓「純、プロレスごっこしよ?」

純「ひどいよ」

梓「律先輩と澪先輩もおかしな感じだし・・・」

純「そうだ」

梓「え?」

純「今日帰り際に噂で聞いたんだけど・・・澪先輩の腕・・・」

梓「うん。ずっと厨二病なんだ」

純「え?今なんて?」

梓「ちゅーにびょー」

純「・・・よし、この話おしまい♪」

梓「そうだね♪」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:19:25.15 ID:CSrDp20Bo

純「・・・」

梓「・・・澪先輩の腕ね、あれ実は」

純「ってするのかい!」

梓「この間、うっすらと血が滲んでたんだよね」

純「・・・それ、厨二病じゃなくてリストカットなんじゃ・・・」

梓「うん・・・意味なく包帯巻いてる風じゃなかった」

純「カッコつけでわざわざ包帯を赤く塗ったりは・・・」

梓「しないよね、多分。純じゃないんだから」

純「うん・・・って、おい」

梓「それに」

純「ん?」

梓「ベース弾いてるとき、たまに痛そうにしてたんだよね」

純「・・・ガチじゃん」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:20:29.20 ID:CSrDp20Bo

梓「・・・不自然なのはさ」

純「うん」

梓「律先輩が心配したりしないところなんだよ」

純「それは、律先輩は厨二病だって思ってるからなんじゃないの?」

梓「でも律先輩だよ?澪先輩が痛そうにしてたら、その嘘にも気付けそうじゃない?」

純「あ・・・」

梓「あれは本当に怪我してるようにしか見えないんだよね・・・」

純「・・・」

梓「でも律先輩が心配した素振りを見せないようにしてるってことは、何か裏があるんじゃ・・・」

純「・・・」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:21:17.27 ID:CSrDp20Bo

梓「律先輩、澪先輩が怪我してるの、知ってるんじゃ・・・?」

純「うーん」

梓「なに?」

純「梓、考えすぎじゃない?」

梓「純に相談した私が馬鹿だった。世界一の大馬鹿だった」

純「またひどいこと言われたよ」

梓「純、サンドバックごっこしなよ」

純「重ね重ねこれだもん」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:21:55.10 ID:CSrDp20Bo

梓「私のこと心配してるわりに全然まともに話聞いてくれないんだもん」

純「だってー・・・全部梓の考えすぎにしか思えなくてさ」

梓「・・・はぁ」

純「でも話したら少しか楽になったでしょ?」

梓「・・・悔しいけど、その通りだよ」

純「へっへーん」

梓「んじゃそろそろ帰って」

純「お腹減った」

梓「そんなの知らない」



・・・

・・・

217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:22:58.69 ID:CSrDp20Bo
寝る!
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/20(木) 19:10:49.41 ID:8wDwsBnao
おつ!
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/08(火) 15:29:49.83 ID:39lRtSwDO
マダー
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 14:47:18.07 ID:UPQfaamn0
マーダー
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/05(月) 23:37:35.01 ID:uR528kVAo

次の日



紬「梓ちゃん、どうしたの?」

梓「あの・・・」

紬「唯ちゃんのこと?」

梓「いえ・・・あ、はい」

紬「?・・・別件?」

梓「えーと、唯先輩のことでちょっと悩んでるのは確かなんですが・・・」

紬「そうなの・・・私でよかったらなんでも相談して?」

梓「はい・・・それよりも・・・律先輩達のことで」

紬「・・・あら、そっちね」

梓「そっちって?」

紬「梓ちゃんも気付いちゃった?」

梓「はい・・・」

紬「そう、あの二人・・・実は付き合ってるの」

梓「そうなんですか・・・って、それはとっくの昔から知ってます!」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/05(月) 23:38:02.33 ID:uR528kVAo

紬「あらあら、じゃあどうしたの?」ウフフ

梓「いえ・・・澪先輩の包帯の件で」

紬「あれは・・・触れちゃ駄目よ。早ければきっと数カ月後に澪ちゃんは激しく後悔するものだから・・・」

梓「あ、はい・・・」

紬「・・・と、言いたいところだけど」

梓「・・・!?」

紬「私もちょっと気になってるのよね」

梓「ムギ先輩もですか・・・!?」

紬「えぇ、詳しい事情はわからないけど・・・澪ちゃんがいきなりあんなこと言い出すなんて有り得ないもの」

梓「やっぱり普通そう思いますよね・・・」

紬「でも、澪ちゃんがあんな嘘つくのはもっと有り得ないから・・・」

梓「はい・・・」

紬「あのときは「そういうものに憧れがあるんだ」って信じちゃったけど・・・」

梓「・・・」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/05(月) 23:38:58.36 ID:uR528kVAo

紬「なーんか最近、唯ちゃんとりっちゃんの様子もおかしいし・・・どうなってるのかしら」

梓「わからないです・・・」

紬「梓ちゃんはどうしたいの?」

梓「え?」

紬「りっちゃん達のこと、知りたい?」

梓「・・・はい。唯先輩の様子がおかしいのも、それに関連してると思いますし」

紬「様子がおかしい・・・?」

梓「おかしいっていうか、律先輩となんかあったのかなって」

紬「そうだね・・・そこは私もちょっと引っかかってたり」

梓「そうだったんですか!?」

紬「えぇ。・・・私の方から聞くとしてもどうやって聞いたらいいか、悩んでたところだったの」

梓「・・・そうだったんですか」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/05(月) 23:39:29.70 ID:uR528kVAo

紬「どちらかを呼び出して話を聞けば何かわかるような気もするけど・・・」

梓「・・・」

紬「そこまで踏み込んでいいのかしら」

梓「関係ないですよ」

紬「え?」

梓「私は、あくまで唯先輩の様子がおかしいのが嫌なんです」

紬「・・・梓ちゃんは、本当に唯ちゃんのことが好きね」

梓「・・・どーもです」

紬「可愛い彼女にこんな心配させちゃって、唯ちゃんったら・・・」

梓「律先輩のことっていうと、やっぱり澪先輩のことと関係ありますよね?」

紬「うーん、多分」

梓「はぁ・・・」

紬「どうしたの?」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/05(月) 23:40:46.76 ID:uR528kVAo

梓「・・・いえ、なんていうか、一筋縄ではいかなさそうだなぁと思って・・・」

紬「そうねぇ・・・でも友達としてやっぱり気になるわ」

梓「それは、はい、わかります」

紬「また何か気になることがあったら教えて?私も相談するようにするね」

梓「え?///」

紬「えぇ。・・・いや?」

梓「いいい、いやじゃないです!」

紬「そう」ウフフ

梓「私は、唯先輩のことを一番に解決したいです」

紬「えぇ、わかるわ」

梓「でもそれには律先輩が絡んでて、澪先輩も・・・」

紬「・・・考えすぎは体を壊すわよ?」

梓「・・・はい。純にも言われました」

紬「あの子は少し考えた方がいいわ」

梓「ムギ先輩!?」

紬「って、りっちゃんが言ってたわ」

梓「言ってないですよね!?」アクドイ!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北陸地方) :2011/12/05(月) 23:49:53.14 ID:Ob49Bc0AO
きたー(・ω・)
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:17:17.99 ID:BejPoqLbo

数時間後



唯「あーずにゃん」

梓「なんですか」

唯「みんな帰っちゃったね」

梓「って言っても、さっきまでムギ先輩がいただけで律先輩と澪先輩はいなかったですけどね」

唯「そうだねー。二人で仲良くお休みなんてねー」

梓「・・・」

唯「ま、そんなのいいじゃん。ね?」スルッ

梓「いくないですっ」パシン!

唯「!?」

梓「先輩は・・・何を隠してるんですか・・・?」

唯「・・・え?」

梓「先輩、最近私に隠し事してますよね?」

唯「・・・!」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:17:58.62 ID:BejPoqLbo

梓「・・・」

唯「鋭いね。もしかしてりっちゃんのこと?」

梓「律先輩もやっぱり何か関係あるんですか」

唯「え?」

梓「先輩は一つ勘違いをしています。私は鋭くなんてないです」

唯「・・・」

梓「私は・・・ただ、先輩のことをずっと見ているだけです」

唯「・・・!」

梓「誰かがついた嘘に気付けないことだってザラですよ」

唯「あ、あず・・・」

梓「でも、唯先輩の嘘にはイヤでも気付いちゃうんですよ」

唯「あずにゃん」

梓「律先輩のことは、こんな言い方は悪いですけど、そのついでですよ」

唯「そっか・・・」

梓「先輩、教えてください」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:18:36.34 ID:BejPoqLbo

唯「・・・」

梓「こんなはずじゃなかったって顔してますね」

唯「それは・・・」

梓「私が何も気付かないって思ってたってことですよね。心外です」

唯「・・・」

梓「手のひらで転がされるのはもううんざりですよ」

唯「ごめん・・・」

梓「言えないようなことなんですか」

唯「・・・ううん、私はあずにゃんに知られて困ることなんて一つもないよ」

梓「じゃあ・・・!!」

唯「でもね、これは私一人の問題じゃないから」

梓「・・・律先輩、ですか」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:19:03.08 ID:BejPoqLbo

唯「・・・当たり、よくわかったね」

梓「さっき自分で律先輩の名前出したじゃないですか」

唯「あれ?そうだっけ?」

梓「・・・」

唯「冗談だよ。とりあえず、そういうわけだから言えないよ」

梓「でも・・・」

唯「少なくとも、今は・・・ね」

梓「・・・え?」

唯「あずにゃん、私のこと好き?」

梓「・・・今更何言ってるんですか」

唯「答えて?」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:19:38.73 ID:BejPoqLbo

梓「好きに、決まってるじゃないですか」

唯「じゃあ、私のこと・・・信じて」

梓「・・・」

唯「落ち着いたら、絶対にちゃんと説明する。だから」

梓「今は黙って抱かれてろ、ですか」

唯「そんな言い方しないでよ・・・」

梓「・・・事実じゃないですか」

唯「・・・」

梓「・・・」

唯「・・・」

梓「・・・わかりましたよ」

唯「・・・!」

梓「信じます。ただ、これだけは言わせてください」

唯「うん」

梓「私は唯先輩のこと、信じろだなんて言われる前からずっと信じてましたよ」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:20:09.95 ID:BejPoqLbo

唯「うん・・・」

梓「最近の先輩の態度や振る舞いを見て、不信感が募ったんです」

唯「そっか・・・」

梓「好きだから信じてって言いますけど、信じられなくなるような行動とってたのは唯先輩です」

唯「・・・」

梓「でも、これからも信じます」

唯「あずにゃん・・・」

梓「なんだかんだ言って、好きですから。惚れた弱みですよ」

唯「自分でそこまで言っちゃうあずにゃんが好きだよ」

梓「・・・」

唯「・・・ごめんね」

梓「謝るくらいならとっとと問題片付けてくださいよ」

唯「はぁい」エヘヘ



・・・

・・・
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:20:52.99 ID:BejPoqLbo

律の家



律「おい、これ・・・」

澪「・・・っつぅ」

律「なぁ、これ、なんで・・・!」

澪「いいよ、気にするn」

律「無理に決まってるだろ!なんだよこれ!」

澪「・・・」

律「今日、ずっと様子が変だと思ってたんだ・・・」

澪「・・・」

律「なんで途中で保健室なり病院なり行かなかったんだよ・・・!」

澪「時間が経つにつれて酷くなったんだよ・・・朝はこんな風になってなかった」

律「・・・!!」グイッ

澪「いたっ、律!どこへ行くんだよ!」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:21:21.59 ID:BejPoqLbo

律「病院に決まってるだろ!」

澪「行かない!」

律「はぁ!?」

澪「行かないって言ってるんだ!」

律「行かないじゃないだr」

澪「うるっさい!!!!!!!!」

律「!!?」ビクッ

澪「律。静かにしろ」

律「・・・いや、でも」

澪「おすわり」

律「・・・はい」ストン
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:21:52.83 ID:BejPoqLbo

澪「律、冷静になれ。こんなことで病院に行ったらどうなる?」

律「澪の腕の治療ができる」

澪「大丈夫だ、自分で治せる」

律「お前人間じゃねぇな」

澪「茶化すな」ポカッ

律「はい」

澪「わかるだろ?大事にしたくないんだ・・・」

律「澪の言いたいことはわかるけど」

澪「わかるなら話はおしまいだ」

律「駄目だ。これ、もっと酷くなったらどうするんだ」

澪「傷口が炎症起こしてるだけだ。清潔にしておけば平気」

律「そこからさらに感染症になったら?どうするんだ?」

澪「え?」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:22:24.85 ID:BejPoqLbo

律「それもそうだし、朝から酷くなってるんだろ?まだこれからどんどん悪化していくんじゃないか?」

澪「うっ・・・」

律「・・・澪」

澪「なんだ?」

律「・・・病院行こうぜ」

澪「嫌だってば」

律「」

澪「さっき言っただろ?」

律「で、でも、怖いだろ?今のうちに治療しておけば」

澪「怖いけど怖くない」

律「・・・」

澪「このことがバレたら・・・私達はどうなる?」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:23:01.67 ID:BejPoqLbo

律「どうなるって・・・とりあえずこっぴどく親に怒られるんだろうな」

澪「多分、マ、お母さんは律に会わせたがらないだろうな」

律「別にママって言っていいよ」

澪「うっ///」

律「・・・でも、そうだろうな。退学は・・・まぁなんとかなるかな」

澪「場合によってはそれも危ういぞ」

律「だよなー・・・よし」

澪「わかってくれたか」

律「病院行こうぜ」

澪「なんだこいつ」



・・・

・・・
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:23:55.39 ID:BejPoqLbo

和「憂」

憂「なぁに?さっきから何してるの?」

和「なんでもないわ」

憂「それ私のパソコンだからね?あとで履歴見るからね」

和「消しておくわ」

憂「私にそんな小細工通用すると思う?」

和「・・・」カチカチ

憂「もしかしてえっちなサイト見てるの?」

和「違うわよ」カタカタ

憂「だよねー和ちゃんはモテるんだからそんなの見るくらいなら女の子とするよねー」

和「・・・」

憂「・・・なに?」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:24:27.89 ID:BejPoqLbo

和「プリンター借りていい?」

憂「プリンターは貸してあげるけど紙は一枚1000円ね」

和「あら、商売上手ね。羨ましい」カチッ

憂「そんなぁ、床上手の和ちゃんの方が羨ましいよぉ///」


…シャコンシャコンシャコン


和「ホントあんたいい性格してるわ」

憂「和ちゃんに私のこととやかく言う権利ないよね?」

和「確かにそうね。灰皿ある?」

憂「あったらそれで和ちゃんの頭殴ってるよ」

和「憂ってなんでそんな火サスが似合うのかしら」


シャコンシャコンシャコン…


憂「結構な枚数プリントアウトしてるね?さっきも言ったけど一枚1000円だからね」

和「ケチくさいわね、火サス系女子」

憂「そのカテゴライズやめて」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:24:54.15 ID:BejPoqLbo

和「お金はないから体で払おうかしら、なんちゃって」

憂「和ちゃんがなんちゃってって言っても可愛くないよ」

和「あら、それは残念だわ」

憂「だって和ちゃんって全部なんちゃってなんだもん」

和「何が言いたいのよ」

憂「なんちゃって会長だし」

和「現に会長よ」

憂「なんちゃって不良だし」

和「それは否定出来ないわ」

憂「なんちゃって愛してるだし」

和「何よそれ」

憂「自分の胸に手を当てて聞いてみたら?」

和「・・・何も聞こえないわよ」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:26:00.11 ID:BejPoqLbo

憂「だろうね」

和「・・・」

憂「用事終わったの?」

和「えぇ。それじゃこれから行くところあるから」

憂「え?」

和「何?構って欲しかったの?」

憂「さーてと、晩ご飯でも作ろーっと」

和「あら、随分と可愛いリアクションじゃない」




・・・

・・・


242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:26:25.40 ID:BejPoqLbo


律「澪ってば」

澪「平気だって」

律「でも・・・」

澪「わかったよ、わかった」

律「え?」

澪「三日様子を見る。それでダメだったら病院に行くよ」

律「却下。明日には病院に行くぞ」

澪「さっきも言ったと思うけど、そんなことしたら」

律「わかってる。でも澪のことが心配だから。そのあとのことはそのとき考える」

澪「お前はいつもそうやって・・・」

律「嫌いか?こういうとこ」

澪「・・・まさか」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:27:19.68 ID:BejPoqLbo

律「だろ?」

澪「律、変わったな」

律「へ?」

澪「前の律ならそんなこと、きっと聞かなかった」

律「・・・」

澪「知らない間に随分ずるくなったんだな」

律「ずるい?」

澪「自覚ないのか?その質問、いじわるだ」

律「・・・それだけ澪のことが心配なんだよ」

澪「別に、ずるくたっていい。責めてない」

律「・・・」

澪「むしろ喜ばしいよ。私たちには、そういう種類の強さがもっと必要だ」

律「・・・意味わかんね」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:27:47.60 ID:BejPoqLbo

澪「・・・そっか」

律「とりあえず、明日には」

澪「それとこれとは話が別。三日」

律「いいや、明日だ」

澪「い や だ」

律「・・・もういい。わかった」

澪「そうか」

律「・・・」ゴソゴソ

澪「律、何探してるんだ?」

律「澪が私の言うことを聞かないならもういい」サッ

澪「おい、何してるんだ」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:34:16.38 ID:BejPoqLbo

律「・・・」カチカチ

澪「なんだ?それで私を脅すつもりか?」

律「はは、まさか」

澪「じゃあなんだ?」

律「澪が病院に行かないなら私も澪と同じようになる」

澪「・・・!」

律「澪は馬鹿だなぁ。私が澪を斬りつける訳無いだろ」

澪「りつ!やめろ!」

律「やめて欲しかったら明日中に病院に行くって約束してくれ」

澪「・・・!!」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:43:43.81 ID:BejPoqLbo

律「・・・大丈夫、とりあえず厨二病のフリすりゃいいんだよな」スッ

澪「律!やめっ・・・!!」


ピーンポーン


律「・・・ちっ」

澪「律、行ってこいよ」

律「行ってきてくれ」

澪「お前の家だろ、私が出るのは変だ」

律「・・・」

澪「カッターは置いていけよ」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:44:27.87 ID:BejPoqLbo

律「・・・」カチカチ

澪「よし」

律「・・・」スッ

澪「おい、ポケットに」

律「別にいいだろ。澪に渡したらそのまま没収されそうだし」

澪「・・・」


ピーンポーン


律「はいはーい!」タッタッタッ



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/06(火) 00:45:03.44 ID:BejPoqLbo


律「でー・・・こんな時間にどうしたんだ?」

和「え?」

澪「え?じゃなくて」

和「えーと、これを渡しに来たの」

澪「なんだ?この封筒」

律「あ」

和「どうしたの?」

律「もしかして提出する書類・・・?だよな・・・?」

和「ふふ、開けてからのお楽しみよ」

律「楽しくねぇー・・・」

和「ところで、澪」

澪「どうした?」

和「その腕」

澪「え?」ギクッ
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/06(火) 00:45:44.62 ID:BejPoqLbo

律「あちゃー・・・」

和「多分その程度なら平気よ。熱が出たりはしてない?」

澪「熱?出てないと思うけど・・・」

和「そう、ならきっと大丈夫。こまめに包帯を取り替えて常に清潔にして」

澪「あ、あぁ」

和「消毒液はある?」

律「あるけど・・・」

和「そう、それはあまり使わないようにね。睡眠をたくさんとって、体力を低下させないように」

律「え?消毒しなくていいのか?しないと」

和「大丈夫、消毒液はタンパク質を破壊して消毒するの」

律「お、おう・・・?」

和「細菌のタンパク質と人体のタンパク質を区別しているわけじゃないの」

澪「へぇ・・・?」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/06(火) 00:46:22.13 ID:BejPoqLbo

和「人体と細菌のタンパク質、どちらが強いか。答えは細菌のタンパク質よ」

律「・・・」

和「つまり、逆効果になりうるということよ」

澪「・・・」

和「なに?」

律「いや、詳しいなと思って・・・」

和「えぇ。あと入浴は普通にしても平気よ。むしろするべきだわ」

澪「あ、あぁ。わかった」

和「その傷口の様子なら・・・そうね、ガーゼを直接当てるようなことはしないで」

律「・・・お、おう」

和「とにかく、もう手首を切るような真似はしないでね」

澪「その約束はできない。えっと・・・和は、この傷を見ても何も聞かないのか・・・?」

和「?えぇ、事情は察しているつもりよ」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/06(火) 00:47:50.46 ID:BejPoqLbo

律「どういうことだ・・・?」

和「その言葉の通りよ。それじゃ、私はそろそろ帰るわね」

澪「あ、あぁ。ありがとう・・・?」

和「ふふ、それじゃ。明日学校でね」

律「・・・」

澪「・・・」

律澪「・・・?」



・・・

・・・
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:48:15.93 ID:BejPoqLbo

唯「うーいー」

憂「なぁに?」

唯「なんだか上の空だよ?大丈夫?」

憂「え?そ、そうかな」

唯「どうしたの??」

憂「和ちゃんが・・・」

唯「和ちゃん?」

憂「うん、今日うちに来たの」

唯「え?そうなんだ。なんか変なことされた?」

憂「それはいいんだけど」

唯「あ、されたんだ」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:48:51.95 ID:BejPoqLbo

憂「和ちゃん、面倒なことを抱えてるんじゃ・・・」

唯「面倒なこと??なに?」

憂「・・・例えば、和ちゃんに遊ばれた女の子がショックでリストカットしたり・・・」

唯「・・・」ギクッ

憂「まさかとは思うけど・・・でも・・・」

唯「え、えっと、和ちゃんが何か言ってたの?」

憂「ううん。でもね、パソコン貸してって言って・・・そういうサイトたくさん調べてたの」

唯「そ、そうなんだー」アハハ・・・

憂「しかもプリントアウトして封筒に入れて持っていったの」

唯「ふぅん、へぇー・・・(冗談かと思ったのに、ホントにやったんだ・・・)」

憂「どうしたんだろう・・・」

唯「しかも人のうちのパソコンで」ボソッ
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:51:37.16 ID:BejPoqLbo

憂「え?」

唯「いや、なんでもないよ!まぁ、あまり気にしなくていいんじゃない?いんがおーほーだよ!」

憂「お姉ちゃん!因果応報なんてどこで覚えたの!?」

唯「えへへーすごいでしょー?」

憂「うんうん!お姉ちゃん天才!」



・・・

・・・
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:52:13.63 ID:BejPoqLbo


律「でー、だ」

澪「あぁ・・・」

律「和が持ってきてくれた書類・・・」

澪「これ、私たちのこと、バレてるよな?」

律「あぁ、確実に」

澪「・・・」

律「・・・あいつか」

澪「唯?」

律「以外考えられない」

澪「唯・・・頼むって・・・もう・・・」ハァ

律「あぁんのやろー」

澪「・・・って、おい待て」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 00:52:47.41 ID:BejPoqLbo

律「え?」

澪「なんで唯がここまで知ってるんだ?」

律「・・・〜♪」ピューピュー

澪「口笛で誤魔化せると思うか?」ニコッ

律「いいえ・・・」

澪「・・・ったく」

律「唯にはバレてたんです、ごめんなさい」

澪「りぃつぅー!」

律「ごめんって!でもまさか和に言うとは思わなかったぜ」

澪「まぁ、和なら口が堅いだろうし、協力的(?)っぽいし・・・」

律「唯のやつ、何考えてるんだか・・・」

澪「はぁ・・・」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/06(火) 00:55:33.33 ID:BejPoqLbo

律「とりあえず、和が持ってきてくれた書類にあること、実践してみようぜ?」

澪「そうだな・・・」

律「傷を落ち着かせてからまた考えよう。うん、それがいい、それがいいんだ・・・」

澪「その間律はどうするんだ?」

律「え?」

澪「だから、血」

律「別に、我慢できるし・・・」

澪「私そろそろ生理だけど・・・」

律「のーさんきゅー!」

澪「遠慮するな?」

律「経穴ぅーなんーていーらなーいーよー♪」

澪「律かわいい///」



・・・

・・・
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/06(火) 00:57:41.79 ID:BejPoqLbo
寝る

できれば年内に終わらせたいと思ってる
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/12/06(火) 02:41:33.50 ID:kMIUuFjeo
来てたwwwwwwwwwwwwwwww

>>1乙!
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 11:13:04.83 ID:up+afmODO
おつおつ
長々と続けてもいいのよ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/07(水) 22:00:37.46 ID:VkU8hoNg0
追いついた!>>1乙!

いやぁ、面白いぞ

頑張ってくれよなbb
262 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 08:08:14.51 ID:GG9MMSQuo
なんかキャラがコロコロ変わるSSだな
263 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage saga]:2011/12/08(木) 23:22:11.70 ID:YKdLCNCSO
特殊設定なSSばっかりだな

普通にやっても受けないのが現状だから仕方ないけど
264 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:24:47.14 ID:BlrcorSOo
このsage sagaのソフトバンクまだこんなことやってたんだ
文句レスだけだしつまんなかったら読まなきゃいいのに
265 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage saga]:2011/12/08(木) 23:28:50.01 ID:YKdLCNCSO
>>264
ストーカーすんなよ

ほんとのこと言っただけだ
粘着はお前だクズ
266 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:33:17.35 ID:BlrcorSOo
ストーカーも粘着もしてないよ
おまえがキモすぎて目立つだけ
ホント頭悪いのな
267 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage saga]:2011/12/08(木) 23:35:30.62 ID:YKdLCNCSO
けいおんSS支持者はキモいのばっかだ

廃れて清々するわ
268 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:50:37.86 ID:V++LMueAO
このSOってどうしたんだろう
ママの愛情が足りなかったのかな
269 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 09:04:30.16 ID:BW5CtOtAO
>>1
アンチは気にせずとっとと続きよこしやがれ下さい
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/28(水) 22:14:30.54 ID:7AthaR0o0
まだかい
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/06(金) 20:31:01.61 ID:JpxEzarAO
楽しみにしてます!
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/02/20(月) 17:51:58.85 ID:lnnMpi3AO
>>1はもう書いてくれないのか・・・
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