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イチローが学園都市にやってくるようです 第二打席 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/24(月) 01:41:03.94 ID:r7U9UJjB0
前スレ
イチローが学園都市にやってくるようです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294974803/


―――注意事項―――

・このSSは全盛期のイチロー×とある魔術の禁書目録のクロスSSです
・原作のストーリーに沿い、一方通行戦まで進める予定です
・全盛期のイチロー伝説について、ある程度知っておくとより楽しめると思います
・皆様が楽しめるよう>>1が頑張ります
・更新は不定期ですが、早め早めを心掛けてます。頑張ります!

――――――――――
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:22:39.08 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459358/

にゃんにゃん❤ @ 2024/03/26(火) 22:21:04.83 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459264/

2 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/24(月) 01:42:03.45 ID:r7U9UJjB0
全盛期のイチロー伝説(一部)

・3打数5安打は当たり前、3打数8安打も
・先頭打者満塁ホームランを頻発
・イチローにとってのホームランは内野安打の打ちそこない
・先頭打者サイクルヒットも日常茶飯
・9回裏100点差、チームメイト全員負傷の状況から1人で逆転
・ワンバウンドも余裕でヒット
・一回のスイングでバットが三本に見える
・バントでホームランが特技
・打席に立つだけで相手投手が泣いて謝った、心臓発作を起こす投手も
・ホームランでも納得いかなければサードベース踏まないで帰ってきてた
・あまりに打ちすぎるから牽制球でもストライク扱い
・その牽制球もヒット
・ピッチャーを一睨みしただけでボールが二遊間に飛んでいく
・試合の無い移動日でも2安打
・バット使わずに手で打ってたことも
・自分のホームランボールを自分でキャッチしてレーザービームで投げ返す
・内野ランニングホームランなんてザラ、2周することも
・一塁でアウトになってからベンチに帰る方が早かった
・ウェイティングサークルでヒット打った
・打球キャッチしようとしたピッチャーと、それを受け止めようとしたセカンド、ショート、センターの選手ともどもスタンドインさせた
・観客の韓国人のヤジに流暢な韓国語で反論しながら背面キャッチ
・グッとガッツポーズしただけで5点くらい入った
・スイングでハリケーンが起きたことは有名
・湾岸戦争が始まったきっかけはイチローの場外ホームラン
・ライトの深い位置から三塁線のスクイズも処理してた
・ボーリングの球を楽々ホームランにしてた
・自分の打球に飛び乗ってスタンドまで行くというファンサービス
3 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/24(月) 01:43:21.54 ID:r7U9UJjB0

・あまりに打つので最初から1塁に立っていた時期も
・フルスイングすると周囲に怪我人が発生するので力をセーブしてた
・イチローの打球に米軍のレーダーが反応してしまうので打席中は警戒されていた
・筋肉番付の打撃版ストラックアウトに出場したがノーミスでパーフェクト達成してしまいテレビ的にNG
・超重量のウエイトを着けながらプレイしていたため試合後脱いだユニフォームを机に投げたら机が真っ二つになった
・名打者はボールが止まって見えるというがイチローはむしろボールの分子運動すら見えた
・フォアボールで三塁まで行けた
・イチローが打ったホームランを観客席で見ていた子供が捕ったらすでにボールにサインがしてあった
・あまりホームラン打つと相手投手が傷付くから打ちたくないという名言
・イチローには「四塁」が見えていたらしい
・イチローを一打席打ち取れればその試合は相手チームの勝ちというルールはもはや伝説
・三振させられれば即相手の優勝決定という破格のルールも達成できたチームはなし
・ハンデとして目を瞑って打席に入るルールも導入されたが全然ハンデにならなかった
・イチローは本気を出した事がない
・一塁からホームスチールできるのはイチローくらい
・イチローがケガしたらMLB中断
・イチローが打つと衛星がずれる
・病気の子供に内野安打を約束
・昔はセンターからピッチャーをしていた
・やめた理由は捕手がイチローの球で骨折したから
・一塁からホームスチールできるのはイチローくらい
・選球眼がよすぎるせいかボールの粒子まで見える
・街でイチローが歩くだけで物価が上がる
・イチローが立てるスレは伸びる
・イチローに盗塁されたことにまだ気づいていないピッチャーも多い
・イチローはHRを打つと落ち込んでトイレに篭ってしまう
・じつはバットにぎってるのは小指だけ
・イチローが打席に立った時点でコールド勝ちでいいだろ
・イチローに2打席連続HRを打たしたピッチャーは褒められる
・2打席連続ホームランは「今日はカレーが食べたい」という暗号
・イチローは落ちてきたりんごをバットで打って万有引力発見したの有名
・フライキャッチ後のレーザービームでイージス艦撃沈したのはあまりにも有名
・イチローは、いつも店先のトランペットを物欲しそうに眺める少年にグローブを買ってあげたことがある
4 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/24(月) 01:45:45.80 ID:r7U9UJjB0
アンサイクロペディアで「イチロー」と検索してみるのも良いと思います!
引き続き頑張っていきたいと思います
では!
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/24(月) 01:59:59.89 ID:g8aSMcCAO
>>1乙!
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) [sage]:2011/10/24(月) 02:01:07.14 ID:qJMmnxCJo
>>1
スレ立て乙
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 02:48:31.45 ID:STOZXR6SO


イチローさん……僕……野球がしたいです……
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/24(月) 11:01:35.41 ID:aI0z+Ltuo
>>1
イチロー - アンサイクロペディア
ttp://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%83%AD%E3%83%BC
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/24(月) 12:23:18.01 ID:09sJz12qo
>>1

つ「ユンケル」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 13:16:07.32 ID:EIYZr2yDO
あ〜、これで冥土返しが使ってる点滴がバレてしまったな
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 15:20:35.35 ID:kpBLWUtDO

もちろん飲ませたのは市販レベルの万能薬もといユンケルだろ?

イチローが飲む為に調整されたユンケルを一般人が飲んだら
テンション上がりすぎてあぼんって聞いたぞ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/24(月) 18:18:10.62 ID:lKcJ6bv6o
おつ
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2177326.jpg
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 21:40:13.81 ID:cUKq2J9IO
>>12
これが真実か・・・
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/24(月) 22:15:31.84 ID:ey3zFFbno
おつ
http://beebee2see.appspot.com/i/azuY6uGABQw.jpg
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/25(火) 03:00:53.04 ID:uornBAP7o
>>12
なんだただの練習風景か
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/26(水) 00:27:24.85 ID:EW53CnQ/0
>>12
どうやって撮影した?
練習中のイチローに近付くと野球少年になっちゃうハズじゃ・・・
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) :2011/10/26(水) 01:46:35.52 ID:vESD56A50
明後日人類滅びるらしいけどやはりイチローさんは生き残るのかな
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 03:01:14.22 ID:8mScufXIO
いや、イチローさんがいる限り人類は滅びないかな
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/26(水) 10:46:42.01 ID:Lsrz1dEAO
宇宙人?新庄の間違いだろ?
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 13:11:38.45 ID:zOTBtNmSO
逆にイチローに打てないor捕れない物って何よ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 13:28:03.64 ID:civoMGEpo
>>20
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/26(水) 14:20:07.06 ID:SWWiQeI5o
>>21
でもハートキャッチしてないかプリキュアみたいなフレーズになっちまったが。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/26(水) 21:34:25.47 ID:raWiK9RAo
今追いついた
ユンケルクソワロタwwww
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 11:41:53.10 ID:fGSsAKgG0
信じてないけど明日どうなるんだろうな
これ読めなくなったりしたら俺は泣くよ
みんなもそうだろ?
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/27(木) 11:44:32.05 ID:yTxf25ino
お前このスレいるんだったら少しは予想つくだろ
イチローがなんとかしてくれるに決まってるじゃないか
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/27(木) 14:27:06.52 ID:xJpJkxb2o
イチローさんを信じれば問題ないだろ?
今季の成績不良はこの日の為だろ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/29(土) 00:17:50.98 ID:A1ptXUl8o
UFO来てたけどイチローが宇宙人を全員野球少年にして送り返したらしい
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/29(土) 01:02:08.21 ID:9lN6p9XAO
隕石といい宇宙人といい数年後の甲子園が楽しみだな
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 01:02:44.68 ID:rWMF+Kygo
ついに火星オクトパスがプロ野球参入か
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/29(土) 01:51:06.09 ID:pwypBDl10
なんら問題はなかったな
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 02:15:20.03 ID:ULJFlefIO
地球滅亡何回目だよ


イチローさんいつもいつもありがとうございます
32 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:00:24.43 ID:5unDBNzj0

まだ小鳥の囀りさえも聞こえない。
朝日も顔を出していない、そんな時間。
学園都市の一角であるホテルの一室で淡々とトレーニングを行う人影が一つ。
内容はこの街に来るようになってからも、来る前からも変わらない。
腕立て、腹筋、背筋、スクワット等、至って基礎的なメニュー。
ただ、こなす回数が一般人からしてみれば異常なのだが。

「……っと、これで四万……かな」

今日は調子が良いので少々強めの負荷をかけてみた。
適度に感じる疲労が心地良い。
本来ならここでベッドを用いてストレッチをするのだが、そのスペースが埋まっているので断念する。
定期的な寝息を立てる二人に微笑みを浮かべながら、汗を流すべくシャワーを浴びた。
火照る身体を冷却し、水滴を粗方拭き取って鏡を眺める。
33 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:00:53.45 ID:5unDBNzj0

さて、今日はどうしようか。
夕べは一頻り話し合った後、結論として「インデックスの話を聞く」ということになった。
では、聞いたあと自分はどうするのか。
もし本当に彼や彼女が困っている、助けを求めているのであれば、それは当然の如く手を差し伸べたい。
しかし自分の身分を考えると目立つ行動は避けるべきなのだろう。
仮初といえど第八位。
その本分は野球選手。
まだ詳しく把握できていない魔術、魔法との抗争なんてことも考えられる。
それはそれでとても面白いのかもしれないが。

カジュアルな服装に着替え、少しだけカーテンを開けた窓際から街を見下ろす。
この街のどこかに、インデックスを狙う魔術師と仲間がいる。
それは間違いない。
再びインデックスが傷ついたり、悲しい思いをする人が増えるのは褒められたことではない。
増して状況を把握しておきながら手を引くというのもいかがなものか。
ぐびり、とユンケルを喉の奥へ流し込む。
一瞬でも体裁なんてものを気にしたのを恥じた。
最初からすることなんて決まっているのだから。
34 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:01:25.21 ID:5unDBNzj0

「ん……んぅ……」

僅かながら顔を出し始めた太陽の光に煽られて、思わず目を覚ます。
長い銀髪が揺れた。
身体をゆっくりと起こし、くしくしと寝ぼけ眼を擦って辺りを見回す。
持ち前の記憶能力を活用してみた結果、このような場所には来たことがない。
そして何故か隣で寝ているこの男の人は知っている。
私にパンをくれた人。
私の歩く教会を壊してしまった人。
私に優しく声を掛けてくれた人。
そして前方に佇むもう一人の男の人。
この人は知らない。
一体誰なのだろう?

35 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:01:54.36 ID:5unDBNzj0

「おや、起こしてしまったかな」

優しい笑みを浮かべながら問いかける彼に対して、本能が判断して警戒心を解く。
何となく分かるものだ。
きっとこの人が私を助けてくれたのだろう、って。

「あ、あのー……」

だがしかし、状況が状況なので少しビクビクしてしまう。
あの時負った傷は無くなっているし、寧ろ調子が良いくらい。
素敵なホテルで安らかに眠り、それなりに良い眼覚めをしたと思ったら隣には男の人が寝ているし。

「あ……ありがとうなんだよ!」

一先ず、お礼を述べて大げさに頭を下げることにした。
その言葉を聞いて彼は軽く手を振る。

「なに、気にすることは無いよ」

まだ寝ていても良いしね、と彼は付け加えて再び外を眺めている。
お言葉に甘えようかと思ったけれど、先ほどまで微睡んでいた意識は既に覚醒してしまった。
36 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:02:20.15 ID:5unDBNzj0

ベッドを飛び下り、パタパタと彼の横まで歩み寄る。
隙間から見える街並みを見下ろした景色を彼と共有した。

「わぁ……」

思わず感嘆の声をあげる。
逃げることに必死であまり考えたことがなかった。
身の回りが分からないものだらけで、知っている人も居なくて、全てが恐ろしいと感じていた。
でも、落ち着いて見れば、結構綺麗で、圧巻だなって思ってみたりする。

「君に――――――」

不意に彼が口を開いた。
見上げた眼に映る彼の顔は未だ外を見つめている。

「君について、君を取り巻く状況について……僕と彼に教えてくれないか?」

37 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:02:54.17 ID:5unDBNzj0

彼の視線と自分の視線がぶつかった。
吸い込まれそうなほどに深い、黒い瞳が訴えかけてくる。
正しく目は口ほどにものを言うという諺のように。
言葉にしなくとも伝わる彼の気持ち。
優しさ、慈悲、熱意、そして―――――――


「……うん。いいんだよ」


首を縦に振った。





あなた達なら、信用できると思うから。





あなた達なら、地獄の底までついてきてくれると思うから。


38 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:03:22.71 ID:5unDBNzj0

話し込む前に、とりあえず朝食を取ることに決めた。
はしゃいで喜ぶインデックスを尻目に未だ眠り続ける上条を見て、イチローが軽くデコピンをした。
悲鳴がホテル全体に木霊したのは言うまでもない。
レストランに移動し、バイキング形式ということもあってかインデックスの興奮は最高潮なようで、トレー一杯に料理を盛っている。
そんな彼女に半ば呆れ気味な上条と、対照的に笑みを浮かべるイチロー。

「元気そうじゃないか、彼女」

イチローは至って率直な感想を述べる。
確かにあの大怪我の翌日とは思えないな、と上条は感じた。
やはりユンケルが凄いのだろうか。
ユンケルってそんな効果があったのだろうか。
本来楽しくあるはずの食事が何だか悩ましいものになってしまい頭を抱えた。

39 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:04:19.72 ID:5unDBNzj0

「……で、イチローさんはこれからどうするんですか?」

上条も至って率直な意見を述べる。
自分としては最早退く気など更々無い。
インデックスに怪我をさせてしまったのは己の所為と言われても何ら間違いではない。
故にその責任を取らなければ気が気でない。
そして何よりもあのステイルと名乗る魔術師を前にして、イチローに促されたからと言えども敵前逃亡してしまったのが悔しかった。
自身の右手とこの身体さえあれば、魔術でも何でも立ち向かえるのだから。


今度こそ―――――――戦いたい。


今度こそ―――――――守りたい。


40 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:04:56.12 ID:5unDBNzj0

「もちろん、僕だってついていくよ」

イチローは上条を見つめる。
双方思うことや考えることの原点は一致しているのだ。

                 『困っている人を見過ごすことなんて出来ない』

究極の御人好しであるこの理論に基づき、困難や傷つくことを恐れず我武者羅に向かっていく。
それで良いじゃないか。
迷う必要なんてなかった。
改めてこの場でイチローは再認識する。

「じゃ、じゃあ……」

「そうだね、しばらくはよろしく頼むよ、上条君」

とにかく彼女から色々聞かないとね、とイチローはまた少し微笑んでコーヒーを啜った。

41 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:06:22.18 ID:5unDBNzj0

その言葉を聞いてホッとしたのか、心強く思えたのか、上条も自然と微笑んだ。
まだまだ分からないことの方が多いけれど、きっと何とかなるんじゃないか。
そう思わせてくれるだけの技量と気持ちをこの人は持ち合わせているのだろう。
何となく迷いの晴れた心で自分のトレーを持って席を立つ。
普段からギリギリの生活をしている分、少々がめついがこの場ではたくさん食べておきたい。
自分ではまず泊まることのない高級ホテルだ。
更にイチロー曰く、食事も宿泊も料金を気にすることはないときている。
非常にありがたい。
早速トングを掴み、ラスト一個のクロワッサンを取ろうとしたところ、虚しくもその動きは空を切り無駄に終わった。

「あ、あれ……?」

「んんー!どれもこれも絶品かもー!おいしいんだよー!」

急に可動の悪くなった首を声の発生源であろう方向に向ける。
そこには正しく山盛りと表現するに適した料理を乗せたトレー。
そしてまた別のトレーに次々と料理を乗せていく、インデックスと名乗った白い悪魔がいた。

42 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2011/10/31(月) 03:07:08.15 ID:5unDBNzj0

「おいいいぃぃぃぃ!インデックス!行儀悪いだろうがぁぁぁ!」

「全部食べきるから問題ないかも!」

「あるから!大有りだから!主に上条さんの胃袋に!」

ギャーギャーと口論をする二人に周りの客やウェイターは困った顔をする。
そんなことは露知らずに喧嘩を続ける上条とインデックスに近寄る人物が一人。

「……上条君、インデックスさん」

その人は明らかに不機嫌そうな声を発する。
それは先ほど上条と話した時の、共に決意し合ったあの声とは程遠く、インデックスに対して話した優しさに満ちたあの声とはかけ離れていた。
溢れる冷や汗を止める手段は無く、上条とインデックスは同時にゆっくりと振り向く。

「あとで僕の部屋でお仕置きだよ?」

自分たちに見せていた、あの屈託のない笑顔で下された死刑宣告。
こんな時の気持ちは何と表現すればいいのだろうか。
答えは一つ。

「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「不幸かもぉぉぉぉぉぉぉ!」
43 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:08:21.36 ID:5unDBNzj0

「複雑な気持ちですか、嘗てあの場所にいたあなたとしては」

青く晴れ渡った空の下、とあるホテルの一室を見渡せる高さがあるビルの屋上。
長い黒髪を後ろで束ねた女性が赤髪の男に問いかける。
その出で立ちは奇抜というのに相応しく、胸部を最低限に覆う程度に絞られた白いTシャツ。
左足の裾を根元から切り捨てたジーンズ。
腰に吊り下げた異様に長い刀。

質問に対し、赤髪の男――――ステイルは鼻で笑った。

「なに、いつものことだろう?」

目を細め、紫煙を吐きながら答えるステイルに対し、女性は口を閉ざす。
若干の暗い雰囲気を感じ取ってか、今度はステイルが話を振った。

44 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:08:49.76 ID:5unDBNzj0

「なぁ、神裂」

神裂と呼ばれた女性が、少し驚いたような顔をしながら返事をする。

「……なんでしょう?」

「……ユンケルって、すごいのか?」

「……は?」

普段の相方からは想像も出来ない変な質問に、思わず素っ頓狂な声をあげてしまう。

「いや、だからユンケルだよ」

「……単なる栄養ドリンク、と私は認識していますが」

「……そうか……」

何とも表現し難い微妙な空気が流れる中、ステイルは手持ちの双眼鏡を覗き込む。
そのレンズが捉えたのは、あの野球選手の監視の元、腕立て伏せをしているあの娘と高校生の姿だった。
45 : ◆I045Kc4ns6 :2011/10/31(月) 03:09:33.53 ID:5unDBNzj0

新しいスレになって初めての投稿です
本当は立てた時に少しするべきだったと思います
すいません;;
また頑張っていこうと思います
先日息抜きとしてVIPで別のSSを書きました
上条さんが風邪を引くありきたりなものですが、気が向いたら読んでください
いやまぁホントはこっちを書き進めるべきなんですけど……ゴニョゴニョ…・・・
では!
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 03:20:36.79 ID:9hxFDFWIO
>>45
乙! 次も楽しみにしてる
よければそのSSのタイトルおせーて
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 03:47:17.96 ID:w6J8bZF3o
さすがはイチローさん
その存在は単なる栄養ドリンクであるはずのユンケルにさえも付加効果を与えるんやな
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/10/31(月) 05:14:35.95 ID:ytpqJcRAO
>「あとで僕の部屋でお仕置きだよ?」

お仕置き内容:イチローの朝のトレーニングメニューと同じものを行う
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 07:43:47.18 ID:nNKYPcISO
イチローのデコピンを受けて悲鳴だけで済むとは……上条やるな
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 09:03:56.35 ID:fC0stsDDO



>お仕置き内容:イチローの朝のトレーニングメニューと同じものを行う

数日後―――
そこにはバントでランニングホームランを決める上条当麻の姿があった
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/31(月) 10:30:20.31 ID:F6xpV3Tfo
>>45
それ読んだわ
面白かった
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/01(火) 01:20:28.75 ID:vF0ZQKaAO
か弱い女の子があんなに食欲旺盛になるなんてさすがユンケルだ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東海) [sage]:2011/11/01(火) 10:52:52.33 ID:b+3lYnuAO
上条「……ゴホッ」ってやつかな?
天使なインデックスは良いものだ

鯖変わったみたいだね
鯖オチローの影響か

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/01(火) 10:59:04.22 ID:HRoM+xqPo
>>53
イチローさんがドイツの衛星を打ち返した影響に決まってるじゃん

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/02(水) 03:51:23.49 ID:7mCnzoSn0
イチローの打撃があたったら樹形図の設計者なんて残骸も残らないだろうな…
やったねあわきん!殴られないで済むよ!
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(空) [sage]:2011/11/06(日) 19:13:37.75 ID:wMJDhyhv0
イチローによって祝福された水が、ただの栄養ドリンク?
上条さん勉強してくれよ
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/07(月) 10:37:15.54 ID:/Ak3l0qt0
>>55
イチローの打撃が当たって残骸が残らない?
んなワケねぇだろ

イチローの打撃が当たった樹形図の設計者は
どうやったらイチローから三振取れるか計算するためだけの機械になるんだよ!

宇宙が滅亡しても答えは出ないがな…
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/09(水) 10:45:37.50 ID:UwXbvITAO
数年後、メジャーのマウンドには抜群の制球力で精密機械と称される樹形図の設計者の姿が!
59 : ◆I045Kc4ns6 :2011/11/12(土) 04:49:03.77 ID:9UTj7g2AO
こんばんは携帯から>>1です
生存報告です
もう少し待ってていただけたらって思います…
頑張ります!
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/12(土) 05:25:45.69 ID:1W9x7on5o
いつも言ってるだろ?イチローが引退するまで待つっつの
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/12(土) 08:34:48.11 ID:b9qZUIGSO
マリナーズがry
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/12(土) 21:36:39.13 ID:EN0A7k6J0
読み返してたら>>1がyoutubeに投稿したエトピリカが6万再生されてて笑った
最初は300くらいだったのになぁww
いつまでも私は待ってるよ!
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/14(月) 17:15:51.05 ID:lerTd4GDO
やっぱイチローファンは優しい奴もとい、野球少年ばかりで感動した
64 : ◆I045Kc4ns6 :2011/11/28(月) 00:53:08.81 ID:XNryXEgN0
前回の更新から約一か月が経ってしまいました
未だ手が付けられそうにないですが>>1は元気です
リアルでもこちらでも頑張ります
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長崎県) [sage]:2011/11/28(月) 01:06:19.99 ID:WirHGBlEo
生存報告キター!
いくらでも待ちますぜ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 01:36:46.46 ID:BneSa0ESO
気長に待つさ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 09:18:10.59 ID:MzDZIBLDo
>>64
ヤター!!!
気長に待つのでプライベート、更新共にがんがってください
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 22:32:59.81 ID:jAxZ+vmyo
生存報告ktkr!
これで今年一杯戦える!!
69 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:43:35.88 ID:PHRgw9j/0

時計に目を向けると既に9時を少し回っていた。
少々お仕置きの度を過ぎてしまったかもしれないと、肩で息をしている少年少女を見てそう思う。
あらかじめ用意しておいたスポーツドリンクを手渡し、彼らの体力が回復するのを待つ。
別段特異なものも無い、至って普通のドリンクなのだが、飲むや否や元気になったようである。

「さて」

椅子を用意して二人に腰かけるように促す。
先日決めたように、インデックスの話を聞くこと。
ここから全てが始まる。
未だ全貌の掴めぬこの状況を打開するためのきっかけ。
魔術というもの。
インデックス自身のこと。
何が何でも全部を分かりきる必要は今のところ無いのかもしれないが、整理出来るのならば自分の中で片をつけたい。
それはきっと、誰もが考えることだろう。

「話してもらおうか、インデックスさん」

70 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:44:03.82 ID:PHRgw9j/0

瞬間、部屋一帯を張り詰める空気が包みこんだ。
突如のことで思わず固唾を飲み込む二人。
インデックスは小さく頷き、少し息を吸い込んだ。
そして訥々と語り始める。



始まりと表現したのは間違いだったのかもしれない。
この人物がいると、この野球選手がいると、『始まる』ものも『始まらない』。
それは既に『始まり』ではなく『決着』へ向かっているのだから。

71 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:44:36.30 ID:PHRgw9j/0

「……」

「……」

「……これで、大体は話したかも」

ふぅ、とインデックスは小さく溜息をする。
ノンストップで長々と魔術の仕組みや自分の特殊な点の解説をするのは中々骨の折れることである。
それを聞いたイチローは自らを思案の海に投じ、上条は拳を握りしめ震えていた。

「必要悪の教会(ネセサリウス)、完全記憶能力、十万三千冊の魔道書……かぁ……」

何気なくイチローは呟いてみた。
ステイルと一戦交えた後であるために、今更魔術というものを否定したりはしない。
目の前の女の子の頭の中には世界の根幹を揺るがすどころか、引きちぎって新しいものに取り換える―――
そんなことが可能になる手段がぎっしりと詰まっている。
これを目的に数多の敵が彼女を狙ったのだろう。
想像するのはそう難しいことではなかった。
分からないことの方が多いのが現状だが、一先ず、彼女は魔術の世界において最も重要な人物であるのは間違いないようだ。

72 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:45:27.38 ID:PHRgw9j/0

「……そんな大事な話!なんで今まで黙ってやがったッ!」

上条の怒号が静寂を切り裂く。
インデックスは思わず首を竦め、イチローは顔を上げた。
確かに話をしていれば状況は異なったかもしれない。
インデックスを安易に部屋から見送ることもしなかった。
インデックスが傷を負うこともなかった。
しかし何れも可能性の話であり、事態は現在進行形で進んでいる。
あの時ああしていれば、と上条は自分の過ちを悔いているのだろう。

「だ……だって、信じてくれると思わなかったし、怖がらせたくなかったし、それに……!!」

懸命に口を開き、震える声でインデックスは理由を連ねていく。
が、突然のことで驚いたのか、緊張の糸が切れたのか、嗚咽がひどくなって言葉に詰まってしまった。

「……それに?」

イチローが軽く肩を叩き、発言を促そうとする。
段々と落ち着きを取り戻したインデックスが少しだけ赤く腫らした目を擦った。

73 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:46:03.24 ID:PHRgw9j/0

「……嫌われたくなかったから……」

本当に小さな、正しく蚊の鳴くような声でインデックスは言った。
この街で知り合いと呼べる知り合いもおらず、見ず知らずの自分を保護してくれた上条に嫌われたくなくて。
上条を巻き込みたくなくて。
この優しさが彼女の強さでもあり、同時に弱さでもあるのかもしれない。
全く想像していなかった回答に上条は少々呆れたような顔をして、インデックスの額を軽く指で弾いた。

「とんでもねぇ話だったし、聞いた今でも信じらんねぇ……」

「けど」と上条が更に続けようとしたところでイチローが口を開く。


74 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:47:12.61 ID:PHRgw9j/0

「見縊っちゃダメだよインデックスさん。僕も、上条君も、そんな些細なことで君を嫌いにならないさ」

「何よりまだ君について知りたいことは沢山あるし、僕たちだって嫌われたくないからね」

そう言ってイチローは微笑んだ。
何だか納得のいっていない表情を浮かべた上条もつられてインデックスに笑いかける。

「……私がシスターなのに、これじゃあなた達が神父さんみたいで、私の立場がないかも!」

外は既に高く昇った太陽の強い日差しが照付ける夏模様。
その太陽に負けないくらいの明るい笑顔で。
まだ涙の潤みが少しだけ残った目をした彼女が言った。

      |     |                         | |
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      |   /'7: : :lV _,.ィf示圷       ィfチ圷、 /Yリ |
      |     |:/Vl / トイ::::jハリ       ト::::ハリ /: :!   |
      |     ' |: |   弋うrzン       弋zン' l: : |  ∧
      l        |: |  /////      、 //// l : :|   |
      l        |: |                   ,':.: :|   |
      |        !: ! ヽ      、--─‐ァ    /l:.l: :|   |
   ____.X       .|: |  j\      ̄ ̄    イ l:.l: :|   l
 //    \    |: |  ト、 `≧   _   .<  ! V:.l: :|  /
/ /     /  ,ィ': :|、  \__ _ 工.._ノ〉 .! /:.: l: :| ./ \
  ヽ       / l: : :| > 、          /  //:.:.:/: :.! |   ∧
  /\     ./ j: : :|    \         / / l:.:.:/: : ,'/  / |
ヽ./  丶 __/ \: : |\     \      / / .|:.:.l: : /    ./  .|
  V         \|  \    \    /  |:.:.| :/、   /   |
  V          \   \    \   /   |:.:.l: | \ / ,-、 ト、
   V           \   \    ヽ/   .|:.:.l: |  V  j‐'.| ! i
75 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:48:23.63 ID:PHRgw9j/0

「そういえば、あなたのこと、よく知らないんだよ……」

ふと、インデックスが思い出したかのように切り出した。
本日の議題となった事柄は大方解決し、暫くの間、他愛もない話で盛り上がっていた最中のことだった。

「言われてみれば、自己紹介もしていなかったね」

あまりに自然に彼女が馴染んできていたので、本来真っ先に行うべきことをしていなかった。
もしかしたらこれも彼女の持ち味であり、魅力の一つだろう。

「僕の名前は鈴木一朗、イチローって呼ばれている野球選手(メジャーリーガー)だよ」

「いちろー……」

「そう、イチロー」

「……なんだかすごくかっこいいんだよ!」

キラキラした瞳で事細かに自分の生業としていることを聞いてくるインデックス。
基本的にあらゆることに興味を持つ彼女と一緒にいれば、「飽き」なんて言葉は無用になるのだろう。
本当にこの街は沢山の刺激であふれているな、と受け答えに集中する頭の片隅で期待を膨らませた。

76 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:49:07.33 ID:PHRgw9j/0

先日の火事の件も既に収まったようであり、連絡先を渡し、上条とインデックスは自宅に帰っていった。
取りあえずは一つの区切りをつけたことになった。
改めてイチローは状況を整理する。
確認としては、上条と一緒にインデックスを守ることが当面の方針である。
彼女がいる限り、ステイルのように狙ってくる者が現れるはずであり、それを追い払う。
いつまで続くかも分からない、本当に行き当たりばったりな計画であるが、別に構わない。
むしろ個人的には歓迎である。

この状況における自分に対するメリットは、端から見ればゼロだろう。
自らの命が危険に曝されると知りながら、ついさっき出会った、ほぼ見ず知らずの人物の為に戦うのだから。
そんなことは百も承知なのに、これを利点だとしているのは、やはり自分が「餓え」を感じていることに起因しているのかもしれない。

「んー……」

まあ、様子見せざるを得ないということになる。
自分たちの方から打って出るのはあまりに現実的ではない。
一先ずホテルから一歩も出てないのは如何なものか感じ、外出することに決めた。

77 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:49:44.56 ID:PHRgw9j/0

日本の夏というものを肌で感じるのは実に久しい。
シアトルの夏は気温も30℃近くまで上がることがあるものの、湿度が低いため割と過ごしやすいのだ。
それに比べると日本は特有のねっとりとした暑さが不快感を生み出していると感じる。
気温に左右されるほど軟な身体でもないわけだが。

「あ、イチローさーん!」

本当につい先ほどまで聞いていた声が遠くから近づいてきた。
その顔は別れ際に見せた笑顔からかけ離れた、とてもやつれた顔であった。

「どうしたんだい、上条君?」

インデックスさんの身に何か問題でも?と続けて問いかける。
上条はそれに対して何とも悲しそうな顔で答えた。

「た……確かに問題といえば問題なんですけど、イチローさんが関わるほどの問題じゃ……上条さんの財産にかかわる問題ですね……」

たはは、と口元を引きつらせる上条を見てイチローはその全容をおおよそ把握した。
恐らくは彼女の食事に関することだろうと。

「確かにあの娘、見た目の割にたくさん食べるしね」

「わ、わかっていただけますか!この上条さんの苦労を!苦痛を!苦悩を!」

先ほど共に決意した矢先の出来事であるにも関わらずこの状況は流石にまずい。
一介の男子高校生が、毎回今朝のバイキングの如く食事をされたのでは一か月の生活費も数日で消えてしまうかもしれない。
今から特売に行くと言う上条に対し、ここは助け舟を出すことにした。
自身の暇つぶしを兼ねているのは秘密である。
78 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:50:18.74 ID:PHRgw9j/0

「いやぁイチローさんと買い出しに行くなんて夢みたいですね……」

しかも代金まで払ってもらっちゃって!と大量の食材の入った袋を両手にぶら下げて
軽く興奮しながら述べる上条に対してイチローは苦笑する。

「何度もこうなるのは僕も勘弁だけどね」

少しだけ口角を釣り上げるイチローに寒気がしたのか、上条は急に縮こまって小さく努力する旨だけ伝えた。



「夢みたい」


そう上条君は言った。
それは自分にもあてはまることである。
超能力という未知の力がある街、魔術という存在、これらを交えた戦闘、そして学生たちとの触れ合い。
少し前までは考えられなかったことをこうして経験することができた。
そしてしばらくは続いていく。
あわよくばもう少し長く、夢のようなこの時間を過ごしていたいものである。

79 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:50:51.31 ID:PHRgw9j/0

バチリとどこかで強い静電気が発生したような音が聞こえた。
バチリ、バチッ、バチッ。
連続で聞こえる弾けた音。
次第に大きくなっていく。
これもこの街に来てからは聞き慣れたものになった。
原因はあの娘しかいないだろう。

「やぁ、美琴さん」

「イチローさん、なんだか久しぶりですね!」

「げ、ビリビリ……」

どうやら反応を見る限り、上条君も知人のようだ。
セミロングの淡い栗色の髪を揺らしながら若干の駆け足で美琴はこちらへ向かってきた。
本来なら和やかな風景となるはずのものが、彼女から発せられる殺気にも似たイラつきがそれを悉く打ち消している。

「話したいことも一杯あるんですけど……なんでアンタがイチローさんと一緒にいんのよぉぉぉぉ!!!」

80 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:51:39.88 ID:PHRgw9j/0

言うや否や美琴は助走の勢いをそのままに雷撃を上条に飛ばす。
対して上条は買い物袋を傷つけないように上手く立ち回り、持ち前の右腕で打ち消した。

「っぶねーな!いきなりやめろよ!こっちは生活がかかってんだぞ!?」

あまりに気迫の籠った上条の叫びに美琴は思わずたじろいだ。
それも当然、上条にとってはこの両手の袋が己の生命線と評しても過言ではないのだ。
幻想殺し(イマジンブレイカー)の実態を目の当たりにし、目を丸くするイチローだったが、思考は停止しない。
美琴と知り合ってからまだまだ日も浅いが、彼女の性格は心得ている。
まして今の上条の置かれている状況も痛いほど分かっているため、この場合はどう見ても美琴に非があることになる。
どうやらこの学生同士、仲が悪いのかもしれない。

「今のは美琴さんが悪いかな……」

例え上条のことを理解していなくても、買い物帰りの高校生に突然攻撃を仕掛ける人物を擁護する者はそんなにいないだろう。
感じたままの意見を述べた。
美琴は少し俯いて口籠り、上条はうんうんと大きく首を縦に振った。

「イチローさんに敵わないのは納得できるけど……アンタのことは全ッ然腑に落ちないのよね……」

81 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:52:11.96 ID:PHRgw9j/0

そう言ってばつが悪そうに頭をぽりぽりと掻く美琴。
先ほどまでの気性の昂りも収まったようである。

「で、この上条さんに謝罪はないのでせうか?」

「はぁ?するわけないじゃない。というか私はイチローさんと話したいんだから早くどっかに行ってくれない?」

「なぁ!?このビリビリ中学生が……!」

「なによ、文句あんの!?」

落ち着きを取り戻しつつあった街頭の一角で再び火花が散り始める。
とはいえ、二人の争いに身を投じる真似はしない。
気分が乗らないというのもあるが、彼らのテンションには少しついていけそうにはない。

「昔は僕もよくやんちゃをしたものだったがね……」

いつの間にか大人になったのだと少し物思いに耽る。
まだまだ幼さの残る学生という身分に対して若干の羨ましさを覚えた。

「じゃ、僕はそろそろ行こうかな」

行くべき場所は決まってはいない。
しかしあてもなくぶらぶらと歩くのもたまには良いかもしれない。

「イチローさん行っちゃうんですか!?お話してないのに……」

上辺だけでなく本当に残念そうな彼女の頭を軽くなで、上条に美琴を任せて背を向ける。
背後ではあれこれ問い詰める美琴の声と、なぜそんなに顔が赤いのかと疑問を口にする上条の声が響き、徐々に聞こえなくなっていった。

82 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:52:49.76 ID:PHRgw9j/0

傾きつつある日差しを浴びながら、先ほど考えたように、あちこちをゆっくり歩き回る。
普段なら入らないような店に立ち寄ってみたり、露店を見てみたり、本屋を覘いてみたり。
時折声を掛けられてはサインなどのサービスに応じる。
こういう何気ない時間が、今後は貴重になるかもしれない。
今のうちに存分に体験しておいた方が良いだろう。
幸い今日は球団の方も移動日ということで試合もないわけだし。
自分にとっての移動日は海上を走る数秒プラス陸を走る数秒ということもあるが。

「……たまには打球に乗って行こうかな」

常人からは突拍子もないようなことを平然と呟く中、不意に違和感を覚えた。
自分は取分け人の多い雑踏の中にいたはずだが、いつの間にか誰一人いない。
気配を探ってみるものの、何も感じ取ることができなかった。
コンクリートジャングルにただ一人だけ残された感じだ。

83 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:53:28.05 ID:PHRgw9j/0

あまりに不可解な出来事のために、周囲を警戒しながら歩きはじめる。
足を進めて数分、ついに人影を見つけた。
幹線道路の交差点、その中央、数は二つ。
直感に急かされて歩みを速めた。
徐々に明らかになるその人影のうち、一つとは本日三回目の顔合わせとなる上条当麻。
引っ掛かれたような外傷が体中に刻まれ、力なく横たわったその姿からは意識が感じられない。
火急的にもう一つの影に目を向ける。
整った顔立ち、すらりと伸びた背丈、ポニーテールで長い黒髪を束ねた、極めて奇怪な服装をした女と視線がぶつかった。

「君は……誰だい?」

率直な疑問を投げかけてみる。
その答えを聞かなくても、既に体は理解していた。
彼女はあの時のステイルと同じく、魔術師なのだと。

「……答えなくとも、どうやら既に分かっているようですね」

異様に長い刀を構え、彼女は行動を以てここが既に戦闘空間であることを主張した。
理由としては十分成立している。
彼女はインデックスを狙う者であり、同時にステイルの敵討ちということになる。
イチローにとっても彼女は上条という仲間を傷つけた敵であり、守るべき対象を守るべく行動する信念がある。


84 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:54:00.60 ID:PHRgw9j/0

「手短に問います。貴方は何者ですか?」

今度は彼女が問いかける。
これに答えなくても、自分と同じく彼女は理解しているように見えたが。
この街に来てから、行うことが増えた自己紹介を今一度する。

「僕はイチロー。鈴木一朗……」

飽きを感じたりする、なんてことはない。
自分が野球が好きなんだと知ってもらえる一番端的な自己紹介だから。

「野球選手(メジャーリーガー)さ」

85 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/05(月) 17:54:40.24 ID:PHRgw9j/0
12月になっちゃいました…
遅れて申し訳なかったです
これから年末年始にかけてはいつも以上に忙しくなりそうで更新は厳しいかなと思います
でも頑張ります
生存報告は適宜行おうと思います
AAズレチャッタ……orz

では!
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 17:59:24.95 ID:LAOtg2Xio
1乙!!
やべぇ涙がでるほど復活うれしいのと相変わらずの素敵クオリティー
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 18:03:45.47 ID:wEpHMSsSO
相変わらず上条さんの空気っぷり

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県) [sage]:2011/12/05(月) 18:16:06.46 ID:mBr1lTfI0
乙。
これしか言えねぇよ。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/05(月) 18:22:59.87 ID:Ruj79Sqjo

この後ねーちんは野球少女になるのか!
ソフトボールのほうかな?
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 23:03:05.12 ID:RNJ+u3JSO
乙乙乙!
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/12/06(火) 00:47:35.54 ID:CIgig9TAO
まぁ上条さんが空気になるのはイチローだから仕方ない…

サンキューイッチ!
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 03:39:41.18 ID:/QE6esGCo
おつ
しかし陸を移動するのに数秒かかるとは、イチローも流石に疲れてんのかな
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/12/06(火) 13:21:22.53 ID:qpkasnbA0
>>92
何いってんだオマエわww
入念にアップしてるだけだろjk
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) [sage]:2011/12/06(火) 18:54:50.18 ID:WHfoGQGAO
>>92
イチローさんが早歩きなんてしたらソニックブームで周りが傷つくだろうが
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/12/06(火) 21:12:56.96 ID:HrB4gXZAO
>>92
迂闊に光速越えてブラックホール発生したらどうする
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 07:49:38.58 ID:h2EbWR3DO
メジャーリーガーとRIKISIが己に枷を填めているのは常識
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 09:04:07.52 ID:YHulKoSuo
>>96
おま、RIKISIって単語だしたら…
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 14:58:59.47 ID:1Mi7XRMwo
???「(聖人を見て)お薬の時間だね(ニッコリ」
99 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 17:30:07.43 ID:ODVCURsAO
こっそり打球に乗ってくとか言ってて吹いた
100 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 18:02:05.74 ID:L+9XyEANo
イチローが打順変更だそうで
101 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 18:06:34.81 ID:jxSYH4r8o
疲れたから少し後ろに下がっただけだな
102 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 00:35:44.45 ID:/vscaCZi0
もう少しでこのSSを読み始めて一年かぁ
早いものだ
イチローも>>1も最高やでぇ・・・
103 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 00:29:13.13 ID:bauT5xPK0
>>96の元へデューク東郷が向かいました。

104 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 02:26:46.37 ID:uXQChLdAO
ゴルゴの後ろにイチローが立つとどうなるの?
105 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 04:41:01.69 ID:dFoBfaQIO
いくらゴルゴでもイチローが気を消したら気づかないよ
気を消さなくても振り向いた時に死んでるのはゴルゴだよ
いやむしろゴルゴも勝てないと悟って振り向かないかもね
106 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 04:59:32.03 ID:8gn5ARqXo
お前らイチローを何だと思ってんだよww
107 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 07:51:53.88 ID:Y91FpOe9o
>>105
お前後ろに立たれた時のゴルゴさんの強さ知らないだろ
これは最強の矛で最強の盾を突くとどうなるの?って問題と一緒だ

つまり宇宙がヤバイが正解
108 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 09:08:58.58 ID:KFaTe3u/o
>>106
メジャーリーガーです(キリッ)
109 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 18:14:55.05 ID:dFoBfaQIO
>>107
ビッグバンの再来か・・・
110 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 03:43:22.42 ID:77eMzzcEo
寧ろビッグクランチだな
111 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 04:28:29.82 ID:mAIbQ2cWo
室伏の回転力のおかげでかろうじて両者の均衡が保たれている
112 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 04:43:05.22 ID:9GY67IDAO
※このスレは川崎とプホルスに監視されています
113 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 18:18:06.05 ID:th+uPwPU0
世界はアスリート達の絶妙なバランスで成り立っていたんだな……
イチローさんたちマジ神
114 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 03:29:01.12 ID:TSTAbjM+o
アスリートに限らなくても、羽生さんみたいに頭の中に宇宙の真理を内包してる人だっているぞ
たぶん一方通行が泣いて謝るレベルの演算力
115 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 06:33:14.53 ID:kB4uHQMIO
>>114
統括理事会の学園都市ができた時点で羽生が能力開発的年齢を過ぎてたことによる落胆がすごかったらしい
116 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/17(土) 18:23:04.51 ID:W5jxKUFj0
いや、あのひとなんか持ってるだろ。
117 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 00:01:25.26 ID:7aXbYtPAO
もうすぐクリスマスだから
>>1の過去作の麦のんのクリスマスSS読んで待ってる
118 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 19:41:02.08 ID:3RefrCev0
>>115
おかげで一方通行とかいう
はた迷惑な奴を作らざるを得ない状況になったって事か。
119 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 00:34:25.34 ID:cyVQjXwho
下らない荒らしを呼び込みかねないのでその手の原作キャラsage行為は慎もうな
というか高位能力者は皆何かしら(ry
120 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:19:28.87 ID:G4cUqulfo
これsage行為になるのか…?
一方さん好きだけど全く気にならんぞ
121 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:49:59.59 ID:cyVQjXwho
>>120
まともな人間ならそれで普通
ただそうでない人間も少なからず居るので危険が危ない
所詮確率の問題だから湧くときは湧くんだけどね

これ以上突っ込まれると心の平穏がマッハなので素振りと言う名の逃走してくる
122 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/20(火) 16:47:52.48 ID:5a5Ts0TE0
アホだww
123 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 17:57:15.84 ID:7K7hyXBSO
>>122
sageろks
124 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/20(火) 19:20:15.73 ID:ezxYUvxAO
( ^ω^)
125 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 19:36:04.76 ID:CKtVlkDIO
さげろって言ったらあげるやつがいるのは昔からのお決まりだろう
いちいち反応しない方がいいよ
126 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 01:02:09.33 ID:d/7mpgJE0
いや、ごめん。ほんとに忘れてた。
127 : ◆I045Kc4ns6 :2011/12/24(土) 17:43:39.26 ID:tHap1iMv0
生存報告です
街はクリスマス一色でイルミネーションも綺麗です
来年こそは……('A`)
皆さんもクリスマスと年末、楽しく過ごしてくださいね
では!
128 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 17:52:48.70 ID:YGOYcfgSO
何を言ってんだ

クリスマスは中止になったじゃねぇか
129 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 22:31:00.16 ID:ERuH+lsUo
>>128
もういい休め
130 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 23:05:36.72 ID:QWo/2rL0o
クリスマスはイチローがキリストに野球を教えた日だろ?
何を恐れる必要があるんだ

感謝のスイングをしろ!
131 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 15:11:47.46 ID:poC7RDvP0
>>130
イチロー「キリストは3イニング後に復活する」
132 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 09:49:59.92 ID:I5gJkD6DO
キリスト「飯終わったら一試合やろうぜ! 対戦相手は……」

ユダ「いいですね(今時野球とか流行んねえよ サッカーだろjk)」

のちの“最後の晩餐”である
133 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/29(木) 23:38:07.27 ID:L7rZXWn+0
支援
134 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 20:19:11.32 ID:KIjnruzDO


また来年
135 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 02:07:59.34 ID:/mK5pXiAO
こうして明けましておめでとうと言えるのは
全てイチローさんのおかげ
今年もたくさんイチローさんの活躍を見るのですよ
136 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/01(日) 02:52:57.26 ID:h6FW3nGH0
あけましておめでとうございます!
本当は年明けの前に一度更新したかったんですけど願い叶わず・・・orz
しばらくは忙しい日々が続くのでまだ少しお時間をいただくと思いますが
がんばっていきたいと思います
申し訳ないです
今後もよろしくお願いします!
137 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 23:34:04.81 ID:logFTDuSO
なあにマリナーズがry
138 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:09:03.93 ID:CVCLAZJf0
テス
139 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:09:29.52 ID:CVCLAZJf0

本来なら多くの人で賑わっている筈の街中の交差点を静寂が包み込む。
この静けさの中にいる人物は三人。
一人は未だ意識を取り戻すことのない、手放したままの幻想殺しの少年、上条当麻。
もう一人は野球選手、もとい学園都市第八位のイチロー
そして残された一人がそっと口を開いた。

「野球選手……貴方がステイルの言っていた人ですか……」

ステイルという人物名が出た時点で、改めてイチローは理解する。
彼女はステイルの仲間であり、自分の敵なのだ、と。

「……その力の強大さも伺っています」

人間を超越した身体能力の持ち主であり、たかが木の棒であるバットを振るうだけで炎を掻き消し、魔女狩りの王を無力化する力。
それを聞かされたであろう彼女からは一片の隙も、油断も見当たらない。
あれだけ大きな刀を持っていながら、その身の熟しは実に洗練されたものだと分かる。

140 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:10:22.56 ID:CVCLAZJf0

「もう一つ問います。貴方の目的は何ですか?」

「インデックスさんと、そこの上条君を助けることさ」

臆せずにイチローは即答する。
約束したのだ。
彼女に襲いかかる脅威から彼女を守ることを。
彼女の笑顔を守ることを。
何があっても破るわけにはいかない。
そう言った瞬間、静寂の中に殺気が生じる。
その発生源は言うまでもなく、眼前の女からだった。

141 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:11:06.26 ID:CVCLAZJf0

「あの子の何が貴方に分かるんですかッッッッ!!!」

刹那、数多の断裂がアスファルトを抉りながらイチローに向かう。
受けるにしても、まだ実態の掴めていない攻撃である為に、回避に転じる。
足に力を籠めた矢先、丁度手前でそれは止まった。

「……次は当てます。そして再び問います。貴方の目的は何ですか?」

若干冷静さを欠いた彼女が問いかける。
あの回答がいけなかったのだろうか。
あの回答の何がいけなかったのだろうか。
それを目の前の魔術師が納得できる答えになるように考えてみる。
しかし、されど、やっぱりと言うべきだろう。
先ほどの回答以上に単純明快なものが浮かばなかったのだ。

「僕の答えは変わらない。あの娘と、あの少年を助けることだよ」

142 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:12:19.19 ID:CVCLAZJf0

「七閃ッ!!」

間髪を入れず、劈く風切り音と共に激しくアスファルトを削る何かがイチローに迫る。
今度こそ止まることのないこの攻撃を見切り、身体を後退させた。

「あまり私を怒らせないでください。魔法名を名乗りたくはないんです」

覆い隠せない怒りを露わにした声は震え、明らかな敵意をイチローにぶつけた。
そのひりつくような視線を浴びつつも、当の本人は依然として態度と考えを改めるつもりはない。

「もしもの話だけど」

舞い上がって肩に付着した砂埃を軽く払いながら、イチローが口を開く。

「目的を変えさせたいのなら、僕を退けたいのなら……」

「この程度じゃあ、足りないな」

143 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/01/12(木) 01:15:29.77 ID:CVCLAZJf0

ここまで思いきりの良い挑発をしたことは数える程度しかない。
一番最近だと、ステイルと対峙した時だが。
挑発を受けてからの彼女の自分に対する敵意と殺意が、膨れ上がっていくのが目に見えて分かった。

「減らず口を叩いてんじゃねぇぇぇぇッ!!!」

まるで感情に比例したかのように、より一層激しくなった七閃が地面に模様を描き、目標へ追随する。
一瞬と呼ばれる間に七度殺す――――故に七閃。
例えこの七閃を潜り抜けたとしても、必殺の抜刀術「唯閃」が彼奴を待ち受ける。
あれほどの攻撃を加えても尚、砂塵の向こうから感じる野球選手の力。
これを前にして、本当に全てを出し切る覚悟もしなければならないかもしれない。
再度決意を固め、前方を見据える。
不敵に微笑んだ男と、神妙な面持ちの女の視線が交錯した。
144 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:16:12.27 ID:CVCLAZJf0

音は住人を失った街の闇に吸い込まれ、煙は星の少ない空へ霧散する。
先ほどから景色は変わらない。
気持ちも、考えも、回答も変わらない。
打開するためには、眼前の敵を倒す。
彼にも彼女にも共通するシンプルな結論を元に、再び両者は立っている。

「……私も名前を名乗っておきます。貴方も知っておいた方が、色々と捗るのでしょう」

いつの間にかユニフォーム姿になっているイチローに対して、機械的に語りかける。
ステイルの時と同じ展開だ。
やはり互いのことはある程度把握しておいた方が、後腐れないというものである。
イチローは軽く屈伸運動をしながら、彼女の言うことに耳を傾けた。

145 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:16:48.31 ID:CVCLAZJf0

「私の名前は神裂火織。魔法名はSalvere000―――救われぬ者に救いの手を、という意味です」

魔術師が魔法名を名乗る。
それ即ち不退転ということであり、相手を必ず倒すという意志表示に他ならない。

「神裂さん。君は何故インデックスさんを狙う?」

「聞き出したければ、私を降伏させてからにしてください。私が白旗を上げてからにしてください」

「最も、そんなつもりはないですが」

そう言って彼女は刀を構え直す。
駄目元で聞いてみたが、やはり駄目なものは駄目なのだ。
結局、双方の意見が違う場合は戦うしかないのだろう。
相手を屈服させるか、自分が妥協するか。
二つに一つの選択で、引けるに引けない状況の中で、選ぶのは唯一つ。

「じゃあ、試合開始といこうか」

イチローの一言で、火蓋が切って落とされた。

146 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:17:55.15 ID:CVCLAZJf0

端から見れば、圧倒しているのは神裂だった。
何十、何百、何千もの斬撃が襲い掛かる。
針の穴のような僅かな隙間を見つけて、イチローは回避に徹する。
否、斬撃ではないことは既に理解していた。
神速の抜刀と納刀による鎌鼬かと思いきや、その正体は鋼糸。
地面を削る尋常ではない強度を誇るそれが直撃した暁には、八つ裂きでは済まない。

「避けるばかりでは埒があきませんよッ!!」

相手が攻撃してこないのを良いことに、つけあがるようなことはせず、更に七閃の激しさが増す。
慢心は隙を生み、隙は相手の好機に転じ、相手の好機は自分の危機へと繋がる。
過去に多くの人間が繰り返してきた史実であり、事実であることを、今ここで重ねるわけにはいかない。


しかし神裂は重要なことを一つ失念している。
相手は魔術師でもなく、それ相応の実力者ではなく、あの野球選手であり、イチローであることを。

147 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:18:35.41 ID:CVCLAZJf0

神裂は焦燥感に駆られていた。
押しているのは分かっている。
流れはこちらにあるのも把握している。
しかし、ここまで相手が動けるものだとは思っていなかった。
いくら身体能力が高かろうが、あの七閃を前にして、臆せず、あまつさえかすり傷も与えられない。

もうこうしてどれほどの時間が経過しただろうか。
そろそろ手応えがほしいところであるのに。
そう考えた矢先、ふっと手元が軽くなった気がした。
気がしたというよりも、それは明らかな消失。
七閃が――――――発動しない。

「ずっと攻撃を続ければ、自分は攻撃されないと思ったかな」

それは違うよ、と言って一歩、また一歩とイチローは歩みを進める。
動揺を隠しきれず、何度も何度も術式の発動を試みた。
が、やはり結果は同じ。
148 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:19:39.55 ID:CVCLAZJf0

「いずれ攻守交代(チェンジ)の時が来るのさ。野球と同じようにね」

動揺は隙を生む。
動揺するな、冷静になれ、そう脳が指令を出しているこの瞬間でさえ、彼にとっては好機足りえるのに。

「何を……一体何をしたんです!?」

破られる筈がないという確信を持っていたことが間違いだったというのか。
やはり驚きを隠すことは出来なくて、思わず彼に投げかけてしまう。

「ワイヤーを打った。ただそれだけだよ」

彼にとっては常識で、彼女にとっては非常識な答え。
いつの間にかイチローが持っているものに目を向ける。
そこには多くの物を容易く切断する能力を有するはずの鋼糸を巻きつけながらにして、傷一つないバットがあった。

149 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:20:28.09 ID:CVCLAZJf0

ステイルの言っていたことを、ようやく身を以て痛感する。
相手を下に見ていたわけではない。
仲間が言っていたことを軽んじていたわけではない。

ただ、何をしてくるのか事前に分かっていたとしても、防ぎようがない。
この人物と我々魔術師の間には、天と地ほどの隔たりが、塞ぐことすら叶わない溝がある。
思わず手放しそうになる七天七刀を何とか握りしめ、最早直視しても程遠い存在になりつつあるイチローを見つめた。

「神裂さん、君の全力はこのワイヤーなのか?その刀は飾りなのか?」

150 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:21:29.17 ID:CVCLAZJf0

バットに巻きつく鋼糸を解きながらイチローは言う。
否、断じて飾りなどではない。
この七天七刀から繰り出される居合、唯閃こそが本領である。
まだ全力ではない。真骨頂ではない。
しかし身体全体が緊急信号を発しているのだ。

『分かっているのなら止めた方が良い』と。

きっとステイルもどこかで感じていたのかもしれない。
仮に全力を出し、何かがきっかけで全力を更に上回る力を発揮したとしても、彼には敵わないと。
例えそれが魔女狩りの王であっても、唯閃であっても。

151 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:22:03.06 ID:CVCLAZJf0



ならばどうする。



ダメだと分かっているから諦めるのが良いのだろうか。



違う。それも違うのである。



ステイルがやったように、私も足掻いてみせよう。



彼女を、あの子を護るのは、私達なのだ。




152 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/01/12(木) 01:22:48.68 ID:CVCLAZJf0

空気が一変した。
彼女を包んでいた暗い雰囲気は、貪欲に勝ちを狙いに行く挑戦者のそれへと変貌する。
まだ勝負は分からない。
例えるなら九回裏ツーアウト、または後半ロスタイム。
最後の最後まで諦めてはいけない。
それがスポーツマンというものであり、人間であり、人生であるのだから。

神裂が構えを取った。
長刀を素早く抜ける、所謂抜刀術の形である。
当たれば一撃必殺であると同時に、外れれば大きな隙が生じる諸刃の剣。
これを見て、何をすれば自分の勝ちになるのか、イチローは考える。
スイングで刀を折るのか。
グローブで受け止めるのか。
それとも―――――


153 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:23:18.42 ID:CVCLAZJf0

「貴方は、それでいいのですか?」

バットも、グローブも持たないイチローを前に、神裂は疑問を述べる。
七閃を断ち切るほどの打撃に、魔女狩りの王を収める守備は正しく脅威。
その両方を持たずしてこの場に臨む、彼の思考が分からなかった。

「抜刀、居合というのは、突き詰めれば相手の隙を突くことにあるだろう?
 だから、神裂さんが僕の隙を突くように、僕も神裂さんの隙を突くのさ」

一呼吸置き、イチローも神裂と同様に、雰囲気を豹変させて、言った。

「この状況、盗塁に似ているから」

154 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:24:18.24 ID:CVCLAZJf0

互いの機を伺い、互いの腹を探る。
いつ仕掛け、どこから攻めるのか。
防御のことなどは考えない。
全ては相手を倒す、その一瞬の為に。

どれほどの時間が経過したのかさえ分からない。
秒にして百か、千か、それとも万、はたまた億。
無限かと勘違いしそうな、この空間の中で神裂は呼吸を整え指先に意識を集中させ、イチローは足に力を溜める。
そして、その瞬間は唐突に来る。
双方が、ここしか無いという、その条件に適った瞬間が。


「唯閃ッッッッッ!!!」


「――――――ッッ!!」


暗く、賑わいもない交差点で雌雄を決した。
勝者は依然変わりなく立ち続け、敗者は倒れ伏すのみ。
決着とは、斯くあるものなのだ。

155 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:25:44.42 ID:CVCLAZJf0

「何となく、こうなるんじゃないかなとは思っていたけどね」

こつこつと足音を立てながら、勝者に近寄る影が一つ。
煙草に火を灯し、大きく吸い込んだ。

「君にはやっぱり敵わないんだね、野球選手君」

紫煙を吐き出しながら、イチローの隣にステイル=マグヌスは立つ。
眼前には、自分と同じく、全てを出し切り、そして負けた神裂火織の姿があった。

「人払いのルーンを抜け、聖人である彼女の全力すら退けるか……」

そう言って、ステイルは神裂を抱きかかえる。
そしてイチローに背を向けて一つ尋ねた。

「彼女はどうだったかな、強かったかい?」

「もちろん」

イチローは自信を持って答える。
彼女の一閃はまさしく目にも止まらぬ速さ。
自分の記憶する中でも上位に食い込む一撃。
あれを躱しての当て身は中々骨が折れた。
それを聞いたステイルは、どこか嬉しそうに、穏やかに笑った、ように見えた。
156 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:26:21.48 ID:CVCLAZJf0

「……僕らはインデックスを諦めるつもりはないよ。何度でもね」

詳しくはそこで寝ている少年から聞くと良い、と言ってステイルは去っていく。
それと同時に、人気の無かった街に活気が戻ってくるのが分かった。
戦いの爪痕は未だに残ったままであり、このままこの場所に残るのは面倒事に繋がる。
イチローは上条を担ぎあげ、インデックスの元へと向かう。

上条が目を覚まさなければ、事は進まない。
治療に関しては、ユンケルを用いることも視野に入れつつ、病院の手配も考える。
一先ずの休息になるのだろうか。
ステイルと神裂がここまでインデックスに固執する理由は魔術書だけではないのではないのか。
様々な予想が飛び交い、既存の知識と照らし合わせては相殺されていく。
157 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:27:10.26 ID:CVCLAZJf0

「……まぁ、多分そういうことなんだろうけど」

誰にも聞かれない、聞かれたとしても分からないようなことを呟く。
イノケンティウスの攻撃を通して感じた、ステイルの心の内側。
インデックスの置かれた本当の状況。
設けられたタイムリミット。

「……」

いずれも確信が持てないものだが、大よそ正しいと思われる。
あの二人を撃退しても、きっとインデックス本人が救われない。
それを心のどこかで感じながら、今日という一日が、また過ぎていった。
158 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/12(木) 01:27:44.86 ID:CVCLAZJf0
また遅くなってしまいましたすみません…orz
もうこのSSを始めて一年になるのに驚きです
そして驚くほどに遅筆で申し訳ないです
しかし途中で投げたりはしないので、気長に待っていただければと思います
頑張ります!
では!
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/01/12(木) 03:04:29.08 ID:w9Yi1s2bo
乙!
さすがイチローさんやでー
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 03:14:16.83 ID:EhkhjErSO
乙!
完結するまで俺はいくらでも待つさ!!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 06:05:20.02 ID:+xFx3/lDO
乙!

なぁにマリナーズが(ry
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 10:03:40.74 ID:/snjr9Dlo
>>158
幾らでも待つわ!1話のクオリティーの高さにわくわくしてるぜ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/12(木) 12:30:58.15 ID:xgTrSlxdo
乙!
いつも楽しませてもらってるよ!遅筆なんか気にせず自分のペースでやってくれい!
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 21:15:07.03 ID:Ol+HHIlSO
野球選手はやはり違うな

165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 23:49:29.70 ID:Ol+HHIlSO
連投すまないが、投下ペースが遅いのに、一定量の乙が来るスレって珍しいな


流石イチロー
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2012/01/13(金) 00:24:24.31 ID:Gbr45Yf3o
来てたのか!おつ

来シーズンは岩隈が同僚になるかもしれんし友情出演とかー(チラッ
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/13(金) 01:04:44.82 ID:JhjDRgE20
乙 なんか神裂がバキっぽいぞwwww
語尾の「ッッッッ」とかww
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/15(日) 17:05:35.08 ID:r1MuCcvAO
そうかもう一年か・・・
これからも楽しみにしてる
乙!
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/16(月) 22:33:46.07 ID:GghagOUL0
遅ればせながら…
乙です
170 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:18:58.19 ID:WQFojEIX0

「なんでアンタはインデックスを狙うんだ!」

あの時の夜、イチローが来る少し前の、人が消えた繁華街の交差点に上条の声が木霊した。
身体の節々には七閃による痛々しい傷が刻まれて、血が滲んでいた。

「……やりたくてやっているわけじゃないんですよ。同じ組織に所属している、親友だったんですから」

あくまで業務的に答える神裂に対し、上条の感情は更に昂っていく。
インデックスに向けられた理不尽な敵意、これに納得しろというのもどうにかしている。

「だったらどうして……!」

こうして理由を聞かなければやっていられるものではない。
理由を聞いても、それがどんなに理に適うものでも、はいそうですかと見過ごすつもりもない。
それは自分の考えでもあり、共に約束をした、あの人もそう思うに違いない。
だが、しかし。

「そうしなければ、彼女が死んでしまうからですよ。彼女の持つ完全記憶能力によって」

「な……」
171 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:19:41.09 ID:WQFojEIX0

死、という言葉に揺らぐ。
自分の芯が。
考えが。
思考が。
インデックスが死ぬ。
突如言われたことに、こめかみを思いきり殴られたような衝撃が走った。

「彼女は脳の85%を十万三千冊の魔道書の記憶に充て、残りの15%で日常を過ごします」

「一年周期で消さなければ、彼女の脳はパンクしてしまう……あと3日です」

172 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:20:07.98 ID:WQFojEIX0

神裂の言う言葉が耳に入っては、心に多大なダメージを残していく。
その15%は持ち前の能力ですぐに容量がなくなってしまうから、じゃあ消してしまおう。
インデックスには魔道図書館という役目だけを担ってもらえればそれでいい。
だからいらない記憶は、どうでもいい記憶は消そう。
誰かと過ごした、笑った、泣いた、怒った、楽しかった記憶は消してしまおう。

「そんなの……間違ってるだろうが!!!」

「……んなことは分かってんだよこのド素人がぁッッッ!!」

「ッ!?」

「あなたが敵視したステイルが!今あなたが敵視しているこの私が!
どんな気持ちであの子と過ごし、どんな気持ちで記憶を奪っていったのか、あなたなんかに……!」

「あなたなんかに分かるんですかッッ!!」

173 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:20:52.46 ID:WQFojEIX0

跳躍して神裂は上条の側頭部を蹴りつける。
間違っていると、おかしいと。
重々承知しているこの事実を、全くの見ず知らずの人に指摘されるのが許せなかった。

「知ったような口を利くなぁ!!!」

七天七刀を鞘ごと使って上条に攻撃を加える。
何度も何度も何度も何度も。
頬を殴りつけ、水月を突き、大腿を打つ。
それでも上条の瞳から、抵抗の色が褪せることは無かった。
力弱く、現にこうして叩き伏せているこの状況下であっても。

174 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:21:32.97 ID:WQFojEIX0

「……あなただってどうせあの子からは忘れられる運命。いい加減諦めたらどうですか?」

この提案に賛成するということ。
それ即ち、このある種の拷問からの解放ということ。
誰だって痛いことは嫌だろう。
痛みから来る恐怖も嫌だろう。
その全てから解き放たれるという至極幸福な条件を神裂は差し出した。

にも拘らず、上条は首を縦に振らない。
顔を上げることすら精一杯な今でも、皮肉を込めて、声を大にして言った。

175 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:22:04.46 ID:WQFojEIX0

「インデックスは俺らの仲間なんだよ……今までも、これからも……!
 途中で投げ出しちまった、どっかの誰かさんとは違ってなぁ!!!」

「まだ言うのかお前はぁぁぁッ!!!」

今一度七天七刀を持ちあげ、上条の心臓を穿つ勢いで突き立てた。
が、その一撃を彼の手が許さない。
上条は先ほどよりも凶悪になって迫る鞘を掴んで勢いを殺し、見事防いでみせた。

「くっ!?」

ほぼ手加減ゼロで打ち込んだものを一介の高校生が止めた。
唯の突きとはいえ、この少年は侮れない。

176 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:22:54.80 ID:WQFojEIX0

「その力は何のためにあるんだよ!守りたいものを守るための力じゃないのか!?」

神裂の攻撃の手が止まっても、上条の言葉は止まらない。
それまで冷静さと怒りの表情を繰り返し表してきた神裂の表情に、初めて困惑が生まれた。

「その力で守るものはなんだよ……誰だよ!?」

「そんなの火を見るより明らかだろ……インデックスじゃねえのかよ!!?」

神裂は大きく目を見開く。
何が彼をここまで突き動かすのか。
何が、どうして。

「だったら!だったら!なんでこん……な……こ……」

ここまで言いかけて、上条の意識は闇の底に引きずられていった。
上条が神裂に与えたダメージはほぼ無いといっても間違いではない。
だがそれは肉体的に限った場合である。
神裂の精神には少なからず、何かを残すことになった。

177 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:23:51.10 ID:WQFojEIX0

「……」

神裂は無言のまま、上条を一瞥する。
ここで止めを刺すのも悪くはない。
しかし、既に脳内では警鐘が鳴っている。
その原因である人間がもうすぐここにやってくる。
恐らくステイルを退けた張本人。
上条ではなく、彼を打ちのめすことこそが目的達成には不可欠となる。
身構える中で、再び先ほどの言葉が心の中を飛び跳ねまわる。

178 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:24:26.03 ID:WQFojEIX0


その力は何の為に。


誰の為に。


目的の為に。


救われぬ者に救いの手を差し伸べる為に。


ならば何故こんなことを。


「……そんなことは、分かっています。分かっているんです」


ぼそりと囁いて、迫りつつある決戦に備えた。


179 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:25:09.46 ID:WQFojEIX0

とあるホテルの一室。
イチローはいつものようにトレーニングを行い、シャワーを浴びて、景色を眺めて、試合に行って、帰ってきた。
ただいつもと違うのは、身体中傷だらけの包帯だらけの上条がベッドを占領していることくらいである。
そのベッドの隣ではインデックスが上条の手を握りしめていた。
数日前までは全く逆の立ち位置だったのに、おかしなものである。

かれこれ上条が目を覚まさないまま二日が経過した。
神裂に相当やられたのか、それとも別の何かの為なのか。
応急処置(アイシング)をしようとしたところ、インデックスがどうしてもと言って聞かないので病院に連れて行った。
カエルによく似た医者が言うには命に別状はないものの、一時的な昏倒とのことだ。
取りあえずの一安心をすると共に、自分の意識の甘さに苛立つ。

あの時、上条と御坂が諍いを起こしたあの時。
そのまま残っていればこんなことにはならなかった。
かつて上条がしていたように後悔するものの、最早遅い。
刻一刻と現状が変化する中では、前を向いて進むしかない。

180 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:25:49.53 ID:WQFojEIX0

「いちろー、とうまは大丈夫かなー……?」

上条が倒れた時から彼女には何回も同じことを尋ねられた。
だから自分も同じように答える。

「大丈夫さ」

今はそう言うしかないのだろう。
何とも表し難い、暗い雰囲気が一室に立ち込める。
外の快晴とは打って変っての有様だった。

181 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:26:22.95 ID:WQFojEIX0

「……インデックスさん」

呼びかけられたインデックスはふっと顔を向けて首を傾げる。

「な、なにかな?」

「キャッチボールしない?」

この学園都市というビル街の中に、そのようなお誂え向きな場所は中々無い。
しかし、かつて美琴と一騎打ちをしたあの河川敷ならもってこいだと思った。
そして何より、彼女が落ち込んでいるのはとても悲しい。

「やる!」

そう言って、元気よく返事をしてくれたのが嬉しかった。

182 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:26:59.46 ID:WQFojEIX0

「うんうん、そんな感じで……」

「んー……えぃ!」

端から見れば親子と表現しても間違いではないような風景。
外見が本格的すぎる野球選手と、本格的すぎるシスターであることを除けばだが。
拙い投げ方から繰り出される、どこに飛ぶのか予測不能の球をイチローは全て取ってみせた。
頭の遥か上を通過しようとも、時には飛び上がって、時には走って追いつき背面キャッチ。
イチローが投げる際は、きちんと女の子でも取りやすいように緩いスピードで、捕りやすい位置に投げる。
そんなことを繰り返すうちに、インデックスも中々様になってきた。

「そうそう……うまいうまい」

「ふっふーん!」

上条のことで落ち込みがちであった彼女に笑顔が戻った。
それだけでも収穫があったといえた。
土手に座り、まだ蒸し暑さの残る中、沈んでいく夕日を眺める。
軽く汗をかいたインデックスの顔は満ち満ちていた。
183 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:27:27.76 ID:WQFojEIX0

「キャッチボールって楽しいかも!」

「でしょ?」

「うん、またやろうよ!いちろー!今度はとうまと3人で!」

「それは面白そうだ」

お互い顔を見て笑った。
だかイチローのそれは本当の奥底からの笑顔ではない。
このやり取りを通じて真相を知ってしまった後では。

キャッチボールはコミュニケーションの一つであり、心の会話と言っても過言ではない。
ましてそれがイチローならば、己の内側は筒抜けも同然である。

「……」

予想が、曖昧だった情報が確信に変わる。
きっとこれは上条も神裂から既に聞かされていることだろう。
魔道書というものにも少し目を通してみたが、自分にはよく分からないことだらけだった。

184 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:28:13.28 ID:WQFojEIX0

「いちろー?どうしたの?」

「ん……あぁ、別になんでもないよ。帰りにクレープでも買っていこうか」

「ほんと!?」

途端にアクティブになったインデックスに引っ張られながら、河川敷を後にする。
とにかく、悠長にしていられる時間はあまり残されてはいない。
先にも言われたように、彼らはインデックスを諦めたりすることは絶対にないだろう。
それはこちらも同じである。

彼らが何度も越えようと挑戦した壁、それがインデックス。
そしてその壁というものは、出来る人にしか、越えられる可能性のある人の前にしか現れない。
だから、ある種のチャンスだと思う。

インデックスを救い、ステイルを救い、神裂を救い、上条を救い―――――

己を試す、チャンスだと。

185 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/18(水) 01:28:46.90 ID:WQFojEIX0
時間が取れたので投稿です
一年前はこれくらいのペースだったのにorz
早くできるように頑張ります
ではでは……
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 01:39:06.01 ID:dkL1ywWSO
インデックスの頭にある魔導書読んじゃうイチローさん流石です

キャッチボールってやっぱりいいものですね
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/18(水) 01:42:14.08 ID:t4BEAxXAo
魔導書読んでノーダメージとは…
むしろ魔導書が野球に汚染されないか心配だ
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/18(水) 01:51:36.17 ID:WY2F2yA6o
乙!忙しいのは良いことさ!
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 02:47:39.03 ID:gQrOu95ao

魔術書読んで何ともないとは流石イチロー…
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/18(水) 03:21:12.46 ID:UJL0RUyso
むしろインデックスが野球少女への第一歩を踏み出しちまった
一週間後にはソフトボール部に入ってる流れだぞコレ
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 06:36:26.43 ID:WwxMayFj0
この世界のインさんの頭の中には、

『イチロー262のメッセージ』『野村ボヤキ語録』『人生送りバント』

とかの魔導書もあるんだろう、きっと。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 09:38:14.70 ID:5r1VA8mPo
キャッチボールすげぇwwwwww

確かに心のやりとりとは聞くがイチローさんがやるとまさにそのまま真実に心とやり取りができるんだな。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/18(水) 12:02:15.21 ID:+hixZplj0
イチローとのキャッチボールとか羨ましすぎるぞインさん
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 13:45:29.79 ID:tTiiiVeQo
平然と魔術書読んでるイチローさんに噴いたwwwwww

つーか開発してないんだから一応魔術使えるんだよな。

果たして何が足りなくて必要なのか想像出来ないけど。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 13:52:40.20 ID:5r1VA8mPo
>>194
足りないんじゃなくて

イチローさん自信には必要ないんだよきっと。
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/18(水) 17:52:21.17 ID:V5V5LkTo0
いやーここまで安心して見てられるSSも珍しいな。

そういえば人間のDNAには、短編小説100万冊分の情報が入る程の容量があるらしいんだが、イチローさんは何冊入るの?
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 18:13:16.10 ID:wJP7q9jUo
イチローさんなら原作で上条さんが想像した超電磁砲キャッチボールなんかも楽勝でできそうだよなww
まあさすがに竜王の殺息キャッチボールは無理だろうけどwwww
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2012/01/18(水) 19:06:36.47 ID:1TzkMdmAO
>>197
ネタ潰しになりかねないから自重しような
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/19(木) 00:27:13.66 ID:129t5t0AO
この世界の野球が超人野球になってるとしか思えない
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/19(木) 02:12:36.62 ID:Bu2FSiRz0
>>199
いや、野球だけじゃなくてあらゆるスポーツが超人的なんだよ きっと
でも、やっぱりその中でもイチローさんは飛びぬけてるんだ 間違いない
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/19(木) 04:08:34.73 ID:Ts4DCFUso
いやいや、イチローがまわりのレベルに合わせてるんだよ
なんたってメジャーリーガーだからな。観客を楽しませないとだろ?
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/19(木) 09:50:28.55 ID:WpYigTfU0
プロフェッショナルでエンターティナーでメジャーリーガー。
流石っすイチローさん。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/19(木) 21:55:52.99 ID:FSDCAOnAO
乙!
これほどインさん羨ましいと思ったことがあっただろうか・・・

このSSまとめてるサイトって無いよね?
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/01/19(木) 23:36:28.01 ID:+BQUGHPSo
完結してないSSまとめても旨みないだろ……
205 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/23(月) 01:06:33.45 ID:R98phjPx0
こんばんは>>1です
続きは割と早いうちに出来そうです頑張ります
で、昔のを読み直していて明らかに文法おかしかったり色々修正したい部分があったりしたので
何か別のサイトに修正して投稿するかもしれません
直さないように推敲するのが一番なんですけどねorz
結構先になると思いますが…

本当今更ですけど行間とか見やすいですかね?
あと何か希望とかあったら遠慮なくどうぞ!
では…
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/23(月) 03:52:38.15 ID:IY0NK1cPo
割とすんなり読めるから問題ないと思う
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 07:58:35.20 ID:qZp+e/jSO
問題茄子
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/23(月) 08:04:50.38 ID:dxn+hwp40
私は一向に構わんッッ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 10:38:42.02 ID:rveQiqDQo
>>205
修正して投稿したり、別スレ立てるときはこっそり教えて欲しいくらいで
別にそろそろ別のスポーツ業界からゲストを呼んで欲しいとか全然思ってないです!

行間とか文体は凄く読みやすくて楽しんでおります>>1
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/25(水) 03:02:50.58 ID:f5Eky34AO
別キャラって必要かな?
言っても室伏くらいな気もするけど

私は>>1に全てを委ねる!
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 04:19:38.95 ID:TlyqEteSo
数年後のダルビッシュなら・・・
212 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:44:10.60 ID:16WVTgXY0

「い、イチローさん!」

クレープを食べ、満足そうにおなかをさするインデックスと共にイチローは帰室する。
そして部屋に帰るや否や、上条が慌てた様子で身体を起こそうとして、再び倒れた。

「と、とうま!無理しちゃダメなんだよ!!」

「いやでもイチローさんに伝えなきゃいけないことが……!」

ぱたぱたとインデックスは上条の元へ駆け寄り肩を支える。
無理にでも身体を起こそうとする上条をイチローは宥めて、インデックスには別室に行くように促す。
せっかくの対面が妙にあっさり終わってしまったのに納得いかないようで、彼女は少し頬を膨らまして扉を閉めた。

「……で、話っていうのは?」

「……実はインデックスは……」

213 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:44:35.65 ID:16WVTgXY0

上条は語り始める。
完全記憶能力の所為で、年に一度記憶をリセットすること。
しなければ彼女の生命そのものが危機に晒されること。
ステイルと神裂は彼女の同僚であり親友であること。
彼女を保護し、記憶を消去する為、自ら悪役を演じていること。
自分がそれを否定して、神裂と戦ったこと。
そして敗れたこと。

「……」

「……あんまり驚かないんですね」

「少し前に真相を知ってしまったからかな」

「さいですか……」

214 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:45:04.69 ID:16WVTgXY0

何から何までこの人にはどんなことも御見通しだなぁ、と上条は思わず俯く。
対照的に、イチローは事実確認が取れたことに希望を見出していた。
すっくと立ち上がり、イチローは何やらいそいそと準備を始める。

「何をするんです?」

首を傾げながら、至って普通の質問をしてみる上条。

「彼らに会ってくるよ」

スパイクを履き直しながら、至って普通の回答をするイチロー。

「あーそうですか……」

「……」

「へ!?」

215 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:45:31.96 ID:16WVTgXY0

あまりにもナチュラルすぎて気付かなかった。
彼らに会ってくる。
それは敵地に単身乗り込むということになる。
まぁ敵地といっても今のところ二人しかいないし、この人なら大丈夫だとは思うのだが。

「会ってどうするんですか!?」

「とりあえず、疑問の提示と解決かな。あと後々上条君の力も必要になると思うよ」

「はぁ……」

きっとこの人の頭の中では全てが結びついて、万事解決のゴールへの道筋が見えているに違いない。
そしてその道を辿るだけの力量も兼ね備えている。
幻想殺しがこの後に及んで何の役に立つのだろうか。
そんなことを考え始めては、上条の頭上に疑問符が増えていく。

216 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:45:57.98 ID:16WVTgXY0

「じゃ、ちょっと行ってくるよ」

「あ、はい。行ってらっしゃいませ……」

結局そんなこんなで普通に送り出してしまった。
まあなるようになるのだろう。
全てがあの人のシナリオ通りだとしても、インデックスが助かることが、あの人と約束した共通のゴールだから。

「とーま……?」

「おぉインデックス、どうした?」

少しだけ扉を開けて、インデックスはこちらを覗き込んだ。
一先ずはこうして彼女と話せることに安心を覚える。

「……心配したかも!すっごく心配したんだよ!!」

217 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:46:37.95 ID:16WVTgXY0

そう言いながら鬼気迫る勢いで歩み寄る。
思わず萎縮する上条が寝るベッドに小さく腰掛けながら、インデックスは優しく彼の頬をなでた。

「もう……」

「うっ……」

反面、先ほどの言葉の強さとは裏腹にその手は柔らかい。
そして長く艶やかな銀髪が揺れ、ほのかに甘い香りが鼻孔を擽る。
それらが相まって、なんだか妙にドキドキしてしまう。
別にやましい気持ちがあったりするわけじゃない。


……やっぱり微塵も無いといったら少し嘘になるかもしれない。

218 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:47:09.88 ID:16WVTgXY0

「そうだ!あのね、さっきいちろーとキャッチボールしたんだよ!」

「おぉ……そりゃ良いな!」

「でね、今度はとうまも一緒にやるんだよ!」

「あ、それは確定なんですね」

お互い自然と顔が綻んだ。
他愛もない会話が弾む。
ひょんなことから彼女に巻き込まれ、彼女を傷付け、彼女と話して、彼女と笑っている。
そしてこのことも、間もなく彼女は忘れてしまう。
それを許しはしない。
それを許したくはない。
イチローは言った、この幻想殺しが必要になると。
彼女と過ごした日々を、これからの日々を守れるのなら、自分はいくらでも己を削る。
増殖するばかりであった疑問符はいつの間にか消え失せ、聡明になったビジョンを見据えながら、上条は決意を固めた。

219 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:47:41.46 ID:16WVTgXY0

「野球選手君は外出したみたいだよ」

既に街頭は影を落とし、活動している人も疎らになった。
疎らではない方に属す人間であるステイル=マグヌスは暗視スコープを除きながら呟く。

「どうするかね、神裂」

高層ビルの屋上故に風が強く、二人の衣服や髪を激しくたなびかせる。
視線を神裂に向け、今後を検討するよう促す。
鬼の居ぬ間になんとやら、だ。
手負いの高校生が一人いるだけだし、二人で仕掛ければインデックスを連れ去ることは恐らく容易い。
こうしている間にも期限は迫り、インデックスを追い詰める。

「……行きましょう」

「了解だ」

「いや、駄目だね」

「「!?」」

220 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:48:09.72 ID:16WVTgXY0

第三者の声が混じった。
それは最早二人にとっては忘れようもない、現時点で最も恐るべき存在。
鬼の居ぬ間にと思っていたのに、鬼が何故かここにいる。
反射的に振り向いて、ステイルと神裂は戦闘態勢を取った。

「馬鹿な……!!」

苦虫を噛み潰したかのようにステイルは顔を顰める。
どうしてここがばれたのか。
どうしてここまでやってきたのか。
今度こそ、本気で我々魔術師を倒そうというのか。

「そんなに力まないでほしい。僕は話し合いにきたんだ」

221 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:48:55.79 ID:16WVTgXY0

イチローは敵意が無いことを主張する。
両手には何も持っていないし、ポケットにも何も入っていない。
それでも気が付いたらバットやグローブを持っていたりするから恐ろしい。

「……言ってみて下さい」

「なッ!神裂!?」

平静な顔つきで神裂は述べた。
何を思ってそう言ったのか、ステイルは分からなかった。
否、分かっていたけれど分かりたくはなかった。
多分、自分も彼女も、彼と戦って勝てるとは思えないのだろう。

「そう言ってもらえて助かるよ」

イチローは軽く壁に身を預け、神裂とステイルは各々直立不動の姿勢を取る。
三人の合間を風が幾度も通り抜けていった。

222 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:49:31.15 ID:16WVTgXY0

「要件はなんですか?」

端的に神裂は疑問を投げかける。
そしてイチローも端的に答えた。

「インデックスさんを助けるにあたって、確認に来た」

「ッ……」

二人とも無言だった。
彼が何を見出したのか興味はある。
が、きっとそれは無駄に終わるに違いない。
我々だって数多くの手段を用いてきた。
インデックスと共に春を過ごし、夏を過ごし、秋を過ごし、冬を過ごした。
思い出を作り、彼女と喜怒哀楽を共有してきた。
それでも、されども、無駄だったのだ。
自らの手で親友の記憶を奪った。砕いた。潰した。
そうするしかなかったのだから。

223 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:50:03.87 ID:16WVTgXY0

「どうして彼女の記憶を消さなければならないと思う?」

「……それは彼女の脳の85%が魔道書の記憶に充てられ、残りの15%で命を保っているからであり……」

「……そしてその15%を圧迫するほどに記憶してしまうと、生命に支障を来すからだよ」

ステイルと神裂はイチローの質問に暗い口調で答える。
再びあの子にとっては初対面の状態になるとはいえ、自分は知った顔である。
彼女を傷付けることには嫌悪感を覚えずにはいられない。
その時間が近づけば、否応なしに気分は沈む。

「何故?」

「な、何故って……我々の上からの通達ですから……」

224 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:51:08.89 ID:16WVTgXY0

イチローは改めて二人の顔を見据える。
今から口にすることは推論に過ぎないが、自分がインデックスの内側を見たことによる決定的な証拠もある。
そしてその推論は彼らの心に多大なダメージを与えることを重々承知している。
だからこそ言わねばなるまい。
間違いを正し、全てを救うために。

「君たち、騙されているよ。必要悪の教会とやらにね」

「なっ……!?」

大きく目を見開き、突拍子もないことを言うイチローに視線が集まる。
目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ。
彼らの瞳が動揺と狼狽を物語っても尚、更に続けた。

「魔術というものは未だに詳しくはないけれど、彼女の脳内のそれは相当危ないものなのだろう?」

確認の為に二人を交互に見つめる。
何も言わず、どこも動かさず。
肯定と受け取った。

225 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:51:40.53 ID:16WVTgXY0

「彼女が人として外を出歩けば誰かと出会い、誰かと友達になり、誰かと恋をする。組織としては厄介なことこの上ない。
 図書館の役割だけを行えば良いものを、感情がある為に私事で魔術を使われるかもしれない……」

「だったらどうするか。この存在を封殺し黙[ピーーー]るには?」

張り詰めた雰囲気の中、この問いに答える者はいない。
二人の内側では感情が混ざりに混ざって、それどころではないのだろう。
残酷だが、聞かさなければならない事実だ。

「記憶を消さなければ彼女が死ぬという尤もらしい理由を作る、なんていうのは理想的だと思わないか?」

「く……うぅぅ……!!」

「まさか……僕らは……一体……!?」

神裂はがくんと膝を折り項垂れ、ステイルは拳を握り締め天を見上げた。
226 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:52:06.51 ID:16WVTgXY0

「私達は……!私は……わぁぁぁぁぁぁ!!」

神裂は泣いた。
それはもう形振り構わずに泣いた。
友の為なら、彼女の為なら、インデックスの為なら。
そう思って続けてきたことはたった今、全て無に帰した。
無駄だった。
無意味だった。
ただ単に、いたずらに彼女を怖がらせ、痛い思いをさせてきた。
命令とはいえ、実行してきたのは自分たちである。
その悔いはどこまでいっても忘れはしないのだろう。
行き場を失った、ごちゃごちゃになった感情は涙となって外へ溢れ出る。
止める術を神裂は知らなかった。

227 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:52:48.42 ID:16WVTgXY0

ステイルは悔しかった。
何が悔しかったのか。
勅令を鵜呑みにしていたことが、彼女を救えなかったことが、もう彼女の隣に立てないことが。
最早彼女に対するあらゆる事象が。
何の疑いも無く、守るためと行ってきたこと自体が、彼女を最も傷つけていた。
握り拳を激しく壁に叩きつけ、少しでも感情を放出した。
しかし要らない供給ばかりが上回る。
今更ながらの罪悪感に押しつぶされ、膝をつく。
地面に倒れてしまいたかった。

228 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:53:16.70 ID:16WVTgXY0

「諦めるのはまだ早いね」

イチローはそう言いながら、神裂にハンカチを手渡し、ステイルの肩を叩いた。
彼女は無言でそれを受け取り、目元を抑えた。
数分後、どうやらある程度は治まったようである。

「……落ち着いたかな」

「……取り乱しました。すみません……」

「……僕も大丈夫だ」

二人とも目を赤くしながらも、幾分か気持ちの整理は出来たようで、少しすっきりとした顔をしていた。
229 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:53:52.17 ID:16WVTgXY0

それぞれの顔をイチローは見据え、これからのことについて、自身の経験を交えて話を始める。
彼女とキャッチボールをしたこと。
キャッチボールをすれば相手の内側が分かること。
魔道書を少しばかり拝見したこと。
内容はよく分からなかったこと。
もう一度、今度は上条を交えてするのを約束したこと。

彼らは身を以て、イチローの力を体験している。
しかし、それが攻撃と防御に秀でたものだけではなく、心理までも把握するとは。
ステイルは苦笑し、神裂は目を丸めた。
もう疑うことはあるまい。
一方は一度、心中を当てられているのだから。

「で、キャッチボールをしていて気が付いたけど、彼女には魔道書とは明らかにことなる何かが刻まれているんだよ」

何かが何かは僕には分からないけどね、とイチローは付け加える。
もしかしたら、それが先述の『尤もらしい理由』たるのを足らしめるものなのかもしれない。
それを破壊すれば、あるいは。

230 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:54:16.35 ID:16WVTgXY0

「では、我々は……」

「そうだね……。とりあえずはその何かの確認かな」

希望が見えた。
深く暗い闇にいればいるほど、光というのはより明るく、より眩しく見えるものだ。
今、ステイルと神裂に見える光は太陽に勝るといっても過言ではない。

「本来の予定なら、明日の24時だったかな?」

二人は大きく頷き、意思表示をした。
先ほどとは打って変っての態度に、少々驚いたりもする。

「余裕を持って、21時頃に集合の方が良いかな……とにかく、ここに連絡してほしい」

231 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:56:08.29 ID:16WVTgXY0

電話番号を書いた紙を渡しながら言った。
走り書きされた紙をまじまじと見ながら、神裂はイチローに問う。

「……どうして貴方は、どうしてあの高校生は、ここまで出来るのですか?」

まだ全てが解決したわけではない。
しかしこの男とあの学生が関わったことで、事態は大きく好転しようとしている。
だがそうなったところで、彼らには何のメリットもないはずなのだが。

「……神裂さんの魔法名って、Salvere000(救われぬ者に救いの手を)って意味でしょ?」

「は、はぁ……そうですけど……」

「神裂さん自身が救われてない、そんな君に救われても同じ立ち位置になるだけ。だから僕達が神裂さん達を救うのさ……なんてね」

「な……もう……!」

何故か顔を赤くする神裂を尻目に、ステイルはライターを取り出し冷ややかな視線を送る。

232 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:56:45.09 ID:16WVTgXY0

「まぁ、僕も上条君も、お人好しなだけだよ」

「お人好しという理由だけで身を賭して戦うとはねぇ……」

煙草に火を点けて小さく呟いた。
小さくといっても、神裂とイチローには十分聞こえているだろう。
三人とも、特に神裂とステイルは久しぶりに心を楽にして笑った。

そしてどれくらい時間が経過しただろうか。
徐々に勢いを落とした風の中で、突如イチローはキャップを取って頭を下げた。

「……魔術に関しては僕らの知識は君らに遠く及ばない。どうか協力してほしい」

ただ、そう言った。

「……頭を下げなければならないのは我々の方です。貴方がいなければ、私達はまた過ちを犯していたでしょう……」

「そうだね……あの子が安心できる世界になる可能性を見出させてくれたのは他でもなく君だよ。野球選手君」

この場にあるのは敵意ではない。
互いが互いを想う、敬意。
彼らは同じ目標を目指し、行動を共にする。
インデックスを救うという、悲願のゴールを。

233 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:58:06.92 ID:16WVTgXY0

「全部が全部終わったらさ」

不意にイチローが切り出す。
取りあえずは議題が出しつくされ、各々が帰ろうとした矢先のことだった。

「皆で一杯やろうじゃないか。CMに出演したからか、ビールが届いて有り余っているんだよね」

苦笑いしながらのイチローの提案。
是非とも受けたいと二人は思うのだが、ある問題が存在する。

「わ、私はまだ……未成年ですので……お酒はちょっと……」

「僕も同じく」

「……」

「……」

「……」

「えっ」

今日という一日だけで、事態は大きく前進した。
導き出された道筋の向こう側へ。
彼女の世界が変わるか否か。
全ては明日。
決着は迫っている。

234 : ◆I045Kc4ns6 :2012/01/29(日) 14:58:43.06 ID:16WVTgXY0
早くできそうと言いながら一週間が経過してました
また引き続きやっていきたいと思います・・・
別キャラは最初期は考えていたんですがね……どうも扱いきれる気がしないのですorz
意見を頂きながらも沿えない形になり申し訳ないです
他に何かありましたらよろしくお願いします
では!
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/29(日) 15:05:30.21 ID:n+NBxXCdo
乙!
やはりキリンビールなのかwww
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 15:15:28.57 ID:BDgPV/Uqo

未成年には見えませんよねー
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/29(日) 15:25:13.75 ID:ENDrObYVo
ユンケルで乾杯だな
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 15:27:32.37 ID:DVzLf/QDO


ステイル煙草は吸うのにイチローのビールがダメとは何事……

239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/29(日) 15:38:33.24 ID:ZQVBcrYro

イチローのビールは飲むと力が溢れてくるんだろ?
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 17:10:44.78 ID:8iH0Q+cJo
見た目は立派な成人だけど
14歳と18歳(自称)だったな
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富士山) [sage]:2012/01/29(日) 18:02:33.08 ID:h3B2ZArt0
>>240
一応ステイルの方は二巻で地の文で書かれている。ステイルssでも書かれているから黒歴史じゃない。
ねーちんは不明だが、嘘つく理由が思いつかないから本当だろう・・・・・
そしてアウレオルスとオリアナも同じ18歳・・・・
もうルチア12歳やオルソナ17歳でも驚かねーぞ!
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/29(日) 18:06:10.94 ID:j3IUEnvso
小萌 47歳
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/29(日) 18:06:49.35 ID:Fwqff7FRo
知ってるか?1000歳の吸血鬼でもロリって言っていいんだ
244 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/01/29(日) 18:41:34.04 ID:16WVTgXY0
今更気付いた…
>>225にsagaを入れ忘れました
脳内補完していただけると幸いです
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 02:16:19.79 ID:yTvoLXaSO
流石のイチローも二人の年齢までは見抜けなかったかwwwwwwwwwwww
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/30(月) 02:59:04.43 ID:7To24I1AO
あの風貌見ればそりゃ「えっ」ってなるわwwwwww
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/30(月) 06:27:35.10 ID:phtAWwav0
ロリ教師といい学園都市はイチローを飽きさせないな
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/30(月) 08:21:36.89 ID:hETc7jks0
ちょっとまて

コレ、もしかしてCMの数だけイチローの能力も増えるとかそういう・・・
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/30(月) 10:19:14.10 ID:wsY/XfyK0
イチローの能力が増えるわけないだろ
既にぶっちぎりで全能力MAX、生まれた瞬間から完璧超人

一番苦手なのが野球なんだぞ?ww
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 10:34:24.25 ID:Ft9w4NVBo
知らないのか?イチローがCMに出るたびに野球選手を目指す少年が増えるという感染的な能力があることを
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/30(月) 15:41:28.88 ID:iwDPLbSLo
全ては野球選手としての能力の副産物にすぎないわけだが
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/30(月) 15:55:59.62 ID:7q7Z6pzgo
限界を超えて成長するもんだからこれ以上強くならない事に苦労してるらしい
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/30(月) 17:14:42.51 ID:iS5UWHzAO
>>241

え、オリアナ18才って……え?
そうなの?
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/03(金) 02:28:10.56 ID:hzICTXOWo
えっ
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/03(金) 12:33:23.40 ID:CpJa6HpU0
アレクサンダーカレリンがこっちを見ている・・・
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 04:44:06.15 ID:Pt/LfHDIO
>>241
ルチアなん? アンジェレネではなく
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/04(土) 09:23:29.38 ID:3bSeaEULo
ルチアたん12さい。キレるとつい車輪を投げつけちゃうお年頃
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 12:50:31.77 ID:UtLAU1yB0
まさかのアニョーゼ、アンジェレネ、ルチアは同い年で十二歳とか。
美鈴さんと詩菜さんも見た目詐欺だよ。美鈴さんはどう見ても美琴の姉に見えるし、詩菜さんは高校生の息子が要るように見えないぜ・・・・・
そしてまさかの土御門も実は19(上条の学校に通うために年齢偽装)と年上であったりして・・・・・

イチローって今何歳なんだろう?
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 13:44:03.85 ID:0SFvxI3IO
神は7日で世界を創り、8日目にイチローが現れ、9日目に野球を始めたらしいからな
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/05(日) 14:56:46.23 ID:2DU2/qXro
そして10日目には神も野球を始めたという
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 02:14:01.33 ID:1XEBFi6DO
イチローは神に創られたわけじゃなくて侵略者だったんだな……神も洗脳されてるし
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/06(月) 04:16:13.33 ID:OBReF5Wro
侵略者とか・・・彼は最初から変わらず野球選手だろ?
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 08:43:00.73 ID:gZCKzzuDO
野球やらなイカ?
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/07(火) 00:23:25.89 ID:goWS9uES0
>>263
ウホッ、いいプレーヤーでゲソ
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 00:45:02.52 ID:5fozQIwIO
>>258
つっちー年上なん?
ねーちんよりも上なのにねーとんとか
266 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/08(水) 22:20:17.36 ID:zeF5ffaAO
携帯からの生存報告です
>>1です
諸事情により次が結構先になりそうですorz
なるべく頑張りますので気長に待っててもらえれば幸いです
余談ですが時期が時期なので、一年前に麦野のバレンタインSSを書いたのを思い出します
浜面のホワイトデー編も思案してましたが震災のためおじゃんに…
あれからもう一年という時の早さに本当にびっくりします
これからも生暖かい目で見ていただければなと思います
では!
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/08(水) 22:28:10.65 ID:n8bPG8LL0

俺はゆっくり待ってるから、体には気をつけてね。
ホワイトデー編はいつでも待ってるから・・・・・
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 09:08:09.64 ID:cMKz53ODO
おつー
なぁにマリナーz(ry
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/02/19(日) 17:48:28.52 ID:k8a7ZLLAO
今テレビ見てたらムネリンがすごく楽しそうに
イチローと練習してた
彼のイチロー愛は半端ない
270 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/26(日) 18:20:44.81 ID:ysJsPgxK0

夢を見た。
この時期、一年周期でこれはやってくる。
夢と言っても何か奇天烈なことが起こるわけではなく、どちらかというと走馬灯と表記するのが正しいのかもしれない。
流れては消えていく記憶を幾つか読みとる。
虚ろながらにして男女二人組の魔術師から逃げ、時には別の魔術師から襲われ、また逃げる。
怖い思いばかりで、嬉しいことや楽しいことなど皆無といっても差支えない。
満足に食事を取ることもできずに、逃げることを繰り返して、この学園都市という場所に到達した。
そこで出会った大切な人がいる。
それも二人ほど。

一人は自分で一般の男子高校生と言い張る、上条当麻。
不思議な力で歩く教会という大事で貴重な一張羅を壊してしまった人。
不幸に好かれているなんだか可哀想な人。
どこか飄々とした性格の中には、善悪問わず人を助けたいという信念を有する、少し変わった、優しい人。

もう一人は野球選手、メジャーリーガー、イチロー。
窮地から救ってくれた張本人。
豪華なホテルに泊めてくれて、ご飯もくれる良い人。
常人離れした力で戦う不可思議な人。
キャッチボールの楽しさを教えてくれた、素敵な人。
271 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/26(日) 18:21:11.06 ID:ysJsPgxK0

私は常々感謝している。
この人達に出会えて本当に良かったと。
なんだか恥ずかしくて、言葉にできないから言えないけれど。
それと同時にどこかで申し訳なく思っている。
あの時、私が彼のベランダに引っかからなかったら、私が彼の部屋に忘れ物をしなければ。
上条当麻を傷つけることも、イチローを巻き込むこともなかったのに。
それでも彼らは望むべくして私をこうして守ってくれた。
三途の川の淵を越えて、左右の道の片割れ、地獄へ続くこの道を一緒に辿ると分かっていても。

様々な気持ちが入り乱れ、良く分からなくなって、こめかみの辺りが痛む。
カーテンの隙間からの陽の光も相まって、快適とは言い難い目覚めとなった。
ベッドから身を起こし、両手で頭を軽く押さえる。
この頭痛は記憶に無くても、何故だか身に覚えがある。
なんだか、とても嫌な感じがする頭痛なのだ。
これが治るころには、大事な何かが無くなってしまいそうで。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 18:21:12.79 ID:XFPVlNpA0
キター
273 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/26(日) 18:21:34.79 ID:ysJsPgxK0

「遅いお目覚めですねぇ、インデックスさん」

上条は既に怪我などものともせず、まるで最初から怪我などしていなかったかのように身体を動かしていた。
どこかで見たことあるその動きは、回数こそ劣るものの、毎朝イチローが行っていた筋トレに似ている。

「とうま!?身体は良いの!?」

「よっ……ほっ……」

問いかけすら応じずに己の身体を虐めるのに勤しむ上条に、インデックスは堪らず飛びかかる。
無視されたのも癪だったが、これ以上無理をして欲しくがない為だった。

「とーまぁぁぁ!!」

「おわぁぁぁ!何!?なんかしましたか上条さんは!?」

まるで野良猫同士が縄張りを争うが如く、ドタバタと部屋の中を転げまわる。
放っておけばいつまでも続きそうなこのちょっとした戦争を終わらせたのは、本来のこの部屋の主の帰還だった。

274 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/02/26(日) 18:22:08.52 ID:ysJsPgxK0

「ただいまーっと……」

「あ、いちろーなんだよ!」

あっさりとそれまでの上条に対しての興味を喪失させて、イチローに対して擦り寄るインデックス。
新しいゲームを買ってもらった子供が、今まで夢中だったものからあっさりと乗り換えるような感覚。
上条はその態度の変貌ぶりが何だか腑に落ちず、複雑な表情を浮かべてしまう。
まぁ仕方ないと言ってしまえばそれまでなのだろう。
高校生と野球選手を比べた時に勝るものなんて全く無いといっても過言ではない。
特に自分の場合は。
遭遇する不幸の割合ぐらいは誰にも負けないのかもしれないが。

そんなくだらない考えで脳を満たしていく上条と、元気いっぱいなインデックスをイチローは交互に見た。
二人とも別段いつもと変わりはない。
特にインデックスの変化には注目しているのだが、なんら平気なように見える。
体調を崩すとか、熱も無いように見えるが、油断は出来ない。
魔術という疎いものに対して出来ることも限られるため、何かあった時の為にあの二人には早急に知らさなければいけない。
向こうからの連絡を待つといっても、何時でも不足の事態に備えなければ。

このことを知らずにいるインデックスは今までどのように過ごしてきたのだろうか。
味わってきた苦痛は想像も出来ないし、こうしたささやかな安静も久々だと思う。
彼女を守りたいという気持ちに嘘は無いし、依然考えは変わらない。

275 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/26(日) 18:22:37.35 ID:ysJsPgxK0

「いちろー、どこに行ってたの?」

思考を遮るインデックスの質問にイチローは少なからず動揺した。
万が一のことを考えてしまうと、多少なりとも揺らいでしまう。

「今日も試合だったよ。チームは負けちゃったけどね」

「うぅー。それは残念かも……」

「調子に乗ってダイヤモンドを二周したら一塁でアウトにされてしまってね……」

「良く分からないけどドンマイなんだよ!」

「はは、ありがとう」

こういった会話も彼女は忘れてしまうのだろうか。
かつての友人達と交わしてきた言葉の数々も忘れてきた彼女は。
そして友人となった自分と上条との会話も日々も、その忘却の彼方へ追いやってしまうのだろうか。
上条を看病している時の愛おしそうな顔も。
食事をしている時の嬉しそうな顔も。
キャッチボールをしている時に見せた楽しそうな顔も。
三人で再び、という約束をした時の笑顔も。
276 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/26(日) 18:23:04.24 ID:ysJsPgxK0

「上条君、ちょっと良いかい?」

突然呼ばれた上条がびくりと飛び上がり大げさに反応する。

「は、はい!なんでしょう!?」

「ちょっと……ね」

イチローは上条に今日、これからのことを話すつもりだった。
今夜十二時というリミットが設けられ、それにあたり、神裂、ステイルと共同戦線を組んだこと。
幻想殺しの必要性について。
最後にキャッチボールの約束をしたことについてなどなど。

時計を見れば丁度お昼時ということもあり、残りの十二時間、有効に使いたいところである。
とりあえずは昼食を取ろうかなどと打算していた。
していたのだが。

「う……あ……」

自ら立つ力を失った人間は、重力に引っ張られて倒れる。
その要因は様々だ。
腰が抜けた、足を怪我した、極度の疲労。
上記以外にもあるだろうが、彼女の倒れ方に酷似していたのは、一番認めたくないものだった。

277 : ◆I045Kc4ns6 :2012/02/26(日) 18:23:32.54 ID:ysJsPgxK0
時間が空き大変申し訳ないです
そして短くてすいません
また時間を見つけて投稿していきたいと思います
次回でペンデックス編を終わらせるつもりです
多分…
頑張ります
ではでは・・・
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 18:30:49.23 ID:fnjbVBMDO
やっぱイチローも調子乗っちゃうときもあるよね!

仕方ない仕方ない
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 19:01:06.51 ID:1vh2surSO
そんな調子乗っちゃうから3番になっちゃうんだよ
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 20:51:35.25 ID:5YTn7s7IO
http://i.imgur.com/2eIBd.jpg
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/02/27(月) 07:31:36.87 ID:rIOhEo9AO
イチローさんテンション上がっちゃったから
そんなことに・・・
とにかく乙
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 10:20:41.18 ID:mA5/GC92o
たぶん学園都市の生活に刺激を受け過ぎてハッスルしちゃったんだな。
それにしても3周したのを2週だなんて謙虚なイチローさんだ
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/27(月) 20:14:00.99 ID:EUmgPbaqo
>>282
お前イチロー専用の数え方知らないのか?
あまりにも周り過ぎるから十の位省いてんだよ
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 20:35:35.95 ID:yB90NnWBo
イチローさんを俺たちの基準で数えようというのが
そもそも間違ってるんだよ
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/28(火) 01:24:46.79 ID:TZw78+fO0
>>283
それは日本国技聖戦士(国家機密に当たるので正式名称は伏す)
の繰り出すツッパリを数える為のカメラでカウントした数だろ?
彼等より速いイチローの動きなんか正確に捉えられる訳ねーだろ
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 01:46:01.98 ID:ZDSLI8gh0
イチローの動きは速すぎて審判にもよく見えないため、超高速度カメラが導入されているが
その超高速度カメラでも捉えられない速度のため、カメラの画像を更に超高速度カメラで撮っている
そしてその動きをよく見ると競歩
更にスーパースローカメラで見ると数コマの中でユンケルを飲んでいることはあまりにも有名
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 02:36:58.07 ID:eILK/xoyo
>>286
しかもその後の数コマで飲んだユンケルをスタジアム入り口のゴミ箱に持っていき
瓶と蓋、ラベルまでも分別して捨ててるエピソード忘れんなよ
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/04(日) 01:57:40.80 ID:suSYEj4bo
最近だとときどき一番しぼり飲んでるのが撮れるらしいな
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/04(日) 16:46:00.90 ID:+FFORZNR0
この間なんかカップヌードルにお湯入れてほんの一瞬待って次の瞬間にはもう普通に食ってたぞ
時間の流れすらゆがめるイチローさんすげぇ
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/04(日) 23:10:56.19 ID:EfrxqTgOo
イチローさんがカップ麺食っただと!?
馬鹿野郎!お前それだけしか見なかったのか!
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 09:18:45.81 ID:7JoED4zGo
カップラーメン>>近所を散歩>>カップラーメンを食べる
地球の自転と同じ速度で散歩したから時間がゆがんだんだよ
292 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/09(金) 20:54:22.58 ID:1kY0iFw20
生存報告です
大分暖かくなってきましたね
季節の変わり目で体調を崩しやすいので気を付けてください
ちなみに私は花粉症で大変です
近いうちに投稿できそうなので頑張ります
では!
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 21:02:43.14 ID:GGRFa1JSO
目がかゆくてたまらんよな
頑張れ!
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/10(土) 12:34:49.94 ID:LsdYQ8MAO
契約金があるならイチローを獲得して
花粉を全部キャッチしてほしいくらいだ……
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/10(土) 17:51:27.48 ID:TlrX5nsdo
イチローなら花粉をキャッチしつつ杉をバットで切り倒すことができる
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 18:10:48.37 ID:pcbi9KWIO
花粉で大変?
さてはユンケル飲んでないな
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/10(土) 20:30:11.73 ID:XxOrYj4X0
俺ユンケル飲んでるから花粉全部打ち返せるわ
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/11(日) 00:37:33.93 ID:0ImypeQKo
>>297
何倍希釈?まさか原液なんて命知らずなことはやってないよな?
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/11(日) 01:02:54.53 ID:xFNlbpB0o
イチロー以外には超希釈された物しか販売しないだろう
300 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:03:33.36 ID:oOy1RmfY0

「今はまだ大丈夫ですが……」

そう呟いて神裂はベッドに横たわるインデックスを見下ろす。
インデックスが倒れて数分もしない内に、このホテルの一室へ二人の魔術師は駆け込んできた。
特にこちらから連絡をしたわけでもなく、呼びに行ってもないのだが。

恐らくすぐさま駆けつけられるような場所で部屋を、インデックスを観察していたのだろう。
プライベートが筒抜けだとか、そんなことは別に構わない。
実際、どうすれば良いのか分からないのもあるし、無闇に手は出せない。
彼女のことを一番理解しているのは、ステイルと神裂だ。
例えインデックスが二人を理解するどころか、覚えていなくても。

301 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:04:01.96 ID:oOy1RmfY0

「儀式の日はいつもこんな感じになるのさ」

数多くの辛酸を嘗め尽くしてきたステイルは顔を顰めた。
今までもこの状態になったインデックスを見てきたことが日常と化しているのが嫌になるに違いない。
本来なら喜怒哀楽を共有する友達であり、仲間であるにも関わらず、苦しみしか与えられなかった。
いつからか、そうすることにも疑問を感じることも、涙を零すことも無くなった。
そんな、感情を持たない機械となった、なってしまった。
以前敵対した時とはかけ離れた、暗い表情を浮かべる二人に上条は狼狽する。
そもそも彼らと共に行動することになったのを知らなかったのもあるが、あまりに空気が重い。

「と、とりあえずさ!まだ時間はあるんだろ?作戦を立てようぜ!?」

そう二人に提案するのが精一杯だった。
生気を若干取り戻した面持ちになった彼らに対して、イチローは話しかける。

302 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:04:40.95 ID:oOy1RmfY0

「前に僕が言ったこと、覚えているかな?」

「魔道書とは異なる何かが刻まれている、ということでしたね」

神裂の回答に首を縦に振る。
今はそれを見つけることに努めるべきだろう。
続けて神裂は続ける。

「彼女の身体のどこかにそれがあると思われます。私はその調査をこれから行いますので……」

そうとなれば、今は待つしかあるまい。
イチローは上条とステイルを連れて部屋の外へと出る。
世界的有名人と一般の高校生、長身に外套を身に纏った赤髪の男が廊下に並ぶ光景は、さぞおかしなものだったに違いない。

303 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:05:26.80 ID:oOy1RmfY0

「……」

「……」

「ねぇ上条君」

まず沈黙を破ったのはイチローの声だった。
呼びかけられた上条は、相も変わらず飛び跳ねるように返事をする。

「な、なんでせうか……」

「ステイル君って何歳だと思う?」

「へ……?」

緊迫した現状とはかけ離れた質問に、思わず間の抜けた様な顔をする。
何かの冗談の類だと思った。
ともかく答えなければ失礼に当たると考え、上条は思案に暮れる。

「煙草を吸ってるし、身長もあるし……二十……?」

正解に近付くために必要な材料になりそうな物事を挙げていく。
その最中、この答えを言ったのは、他でもないステイル本人だった。

「……十四だ」

304 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:06:28.65 ID:oOy1RmfY0

仏頂面で、そう答えるステイル。
上条は思わず二度見した。
おいおい大喜利じゃないんだぞ、と。
それこそジョークじゃないのか、と。

「どうしたんだい高校生。唯でさえ間抜けな顔が更に間抜けになっているぞ。直視できないくらいにね」

「か、仮にも年上である上条さんにそんな台詞を……!!」

わなわなと肩を震わせて拳を握りしめる。
それが面白かったのか、ステイルは鼻で笑った。
あからさまに上条の神経を逆撫でするような笑いだった。
今にも飛びかかろうかとする自我をどうにか抑制し、上条はイチローに問う。

「……なんで今それを言うんです?」

「いや僕も見えなかったから、自分の感覚がおかしいのか少し不安だったんだよね」

これを聞いて、今度はステイルが少しバツの悪そうな顔をした。
別に上条に何を言われ様が痛くも痒くもないが、この野球選手に言われては頭が上がらない。

「……別にいいじゃないか、年齢なんて」

そっぽを向いてそう呟く。
しかし二人は気にもせず、彼らの世界で話題を広げていった。

305 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:07:05.99 ID:oOy1RmfY0

「煙草は吸ってるのにお酒は飲めないんだよ、ステイル君」

「へー……なんか変なところが子供っぽいんですね」

「神裂さんにも断られてしまってね……まさか二人とも未成年だとは」

「えっ、神裂もなんですか?」

今度はステイルが肩を震わせる番だ。
主な理由は、自分に対して好き勝手言われていることに対する羞恥からである。
そして別の理由は彼らから見る、神裂の外見についての言葉が何だか面白かったからだ。
もしも聞かれていたら、唯閃が七度飛んでもまだ足りないくらいのお仕置きになるだろう。
最初の重たい空気はどこかへ消え去った廊下に、一室から神裂が入室を促した。

「発見しました。……何故笑っているんです?」

「いや、別になんでも……」

上条は綻んだ表情を引き締め、それでも嵌ったツボから抜け出せないまま部屋に入り、二人も続いた。
余談だが、上条がお仕置きされるのはそう遠くない話であり、また別の話でもある。
306 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:07:52.45 ID:oOy1RmfY0

未だ苦しそうなインデックスの傍らで、神裂は結論から述べる。
それは彼女を解放する為の手立てであると同時に、ステイルと神裂が今まで騙されていたことの証明でもあった。

「彼女の口の中、喉の部分に未確認の術式があります。これがあなたの言っていた『何か』かと」

神妙な顔で、自らの内を覆い隠して説明する。
今の神裂の心は、言い表せないほど揺れ動いているのは容易に推測できた。

「つまり、それが原因だということか……」

ぎりり、と奥歯を噛み締めたステイルが言う。
今にもそれを破壊しようと何やら準備を始めようとするステイルをイチローが制止して、神裂に聞いた。

「その術式を破壊した場合、何が起きるか分かるかな」

「これが必要悪の教会によって施された物と仮定すると、破壊した際には何らかの防衛反応があることが考えられます」

307 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:09:26.25 ID:oOy1RmfY0

即答する神裂の答えを聞いたイチローは今一度思考する。
彼ら魔術師曰く、インデックスの有する知識は核爆弾にも匹敵するのだそうだ。
核爆弾という物が世界中に点在する今、その抑止力にもなっているのもまた、核なのだ。
誰もが使用することを望ましいと思わず、新たに有することも許されない。
一部を除き、そういう認識にあるはずだ。
そして彼女を核と表現するのなら、それを抑え込む術式もまた、同様に危険なものと考えるのが妥当だろう。
現在時刻は十三時になろうかというところで、幸いまだ時間には余裕がある。

「少し時間を貰いたいんだけど良い?」

そう二人に質問した。
そしてどちらもそれを好しとする顔ではなかった。

「我々としては原因の分かった今、一刻でも早く彼女を助けたい。それは貴方とて同じはずです」

「僕も神裂と同じ意見だ。もう彼女をこうして眺めているのも耐え難いんだよ」

イチローの提案を彼らは否定する。
勿論二人が彼女を助けたいのは重々承知している。
しかし何が起こるのか分からないまま、事を進めては近隣に被害が出ることが分かりきっていた。
308 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:09:59.22 ID:oOy1RmfY0

「もしこのまま進めれば、関係の無い人々まで巻き込みかねない。そうなるのは、君達も不本意なはずだ」

「人払いのルーンを刻めば防げることだろう?」

ステイルは淡々と答える。
その声に少しの怒りが見え隠れしていた。
それでもイチローは話を止めなかった。
言わばこれはポーカーのような駆け引き。
相手がベットをするならば、自分はコールで応じるまでだ。

「それ自体が、これから起こる事象に突破されないという保証があるのか?」

「僕の術式が不完全だとでも?」

一触即発の状況で繰り広げられる問答の最中で、むしろ無関係の上条が緊張に冷や汗を流す。
ステイルの発言を受け、イチローはにやりと笑い、確信を持ってのレイズをする。

「現に、僕が証明しただろう?」

「ぐっ……!」

309 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:10:29.05 ID:oOy1RmfY0

「……ステイル、そこまでです」

神裂の声で議論は中止される。
中止というよりは、ステイルのフォールによる敗北のためだ。
今ここで再び彼らが争っても、何の足しにもなりはしないことは分かっていた。

「確かに彼の言うことは尤もです。我々は彼女を救う前に、道理を弁えなければなりません」

神裂の宥めに対し、苦悶に満ちた顔をするステイルは半ば強引に自らを納得させた。
確かに時間はまだ残されているのだから。

「……で、君は一体何をするんだい、野球選手?」

少し間を置いて、冷静さを取り戻したステイルが聞く。
当てがあるからこその、この問答の幕切れである。
何も無ければ、それこそ単なる悪戯、時間潰しと言わざるを得ない。
その問いかけに対し、携帯電話を持ったイチローは笑ってみせた。

「友人に連絡するのさ。この街で出会った、大切な友人にね」

310 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:10:57.68 ID:oOy1RmfY0

「毎日毎日あっついですねぇ白井さーん……私、本当に溶けちゃいますよ……」

「ふざけたこと言ってないで早いところ書類をまとめて下さいな!」

そんなやり取りが先程から飛び交う風紀委員第一七七支部。
初春飾利はキーボードを叩いたり、机に突っ伏したりを繰り返し、白井黒子はそんな初春を叱ったり、書類に目を通していた。

「あー……アイス食べたいです……」

「それには全面的に同意してあげますわ。だから早く終わらせましょう」

「え、奢ってくれるんですか!?」

「なんでそうなるんですの!」

仕事も中々捗らずに会話ばかりが進む中、支部の無機質な電話の音が鳴り響く。
こういう電話は十中八九、面倒な仕事を持ち込むと相場が決まっている。
偶々電話に近かった初春が露骨に嫌そうな顔をして受話器に手を伸ばした。

311 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:11:26.32 ID:oOy1RmfY0

「はいこちら風紀委員第一七七支部で……イチローさん!?」

初春は素っ頓狂な声を出して椅子から飛び上がり、触発されて黒子も同様に立ち上がる。
向こうにいる相手が憧れの人と分かるや否や、とても嬉しそうに初春は応答した。
その緩みに緩みきった顔は、通常の仕事中では決して見ることが出来ないだろう。
黒子は意地でも自分が電話に出れば良かったと今更後悔した。
普段は誇りに思う業務だが、彼と会話する方が何倍も何十倍も楽しく思えるのだから。
恐らく初春もそう考えているはずなのだが、その顔は段々と業務に従事する時の、真剣なものに変貌していた。

「……はい。えぇ。分かりました。なるべく尽力してみます」

そう言って初春は受話器を置き、会話を終了した。
走り書きされたメモを黒子に手渡しながら、その内容を語った。

「……自分のいるホテル含め、半径五百メートルを無人にして欲しいそうです」

「はぁ!?随分な無理難題を仰いますのね、あの殿方は……!」

「何でも、とんでもない爆弾が個人宛に配達されてパニックになる前に、だそうで……」

「……誰が信じろっていうんですの、そんな話」

312 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:11:55.21 ID:oOy1RmfY0

一種の悪戯かとも思って悪態を吐く。
両手を挙げて呆れかえる黒子を見て、初春が目をぱちくりさせた。

「えっ、白井さんは信じないんですか!?」

さも信じることが当然であるかのように反応する初春に、今度は黒子が目を見開く。

「むしろ貴女は、何を根拠にこれを信じるのか不思議で仕方無いですの」

「だって、だって……」

何かを言いたげに初春は口ごもる。
いつもの日常ならば、ここで初春を言い包めてお終いである。
本当にたちの悪い悪戯ということで終止符を打ち、元通りに書類に目を通そうとした。

「イチローさんが、あのイチローさんが、私達を頼ってくれているんです!」

313 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:12:21.46 ID:oOy1RmfY0

そうすることを、彼女の叫びが許そうとはしなかった。
思わず黒子は初春を凝視する。
答えた彼女の眼はあまりにも真剣で、決意に満ちていた。
彼女が声を聞き間違えるはずもないだろう。
理由はともかく、きっと彼は本気だ。
そして彼は我々に全幅の信頼を寄せている。
やれやれと、肩を大きく落とす黒子は所存を述べる。

「あの方には助けられてばかりでしたし、ここらで恩を返すことにしましょうかね……」

「……素直じゃないですね、白井さんも」

打って変わってニヤつきながら肘で小突いてくる初春の頭に手刀をいれて、ため息を一つする。
初めて対峙した時も、普段出会う時も、そしてあの時も。
自身が野球選手である片鱗を、人知を超えたその力を見せた彼が助けを求めているのだ。
かつて自分も初春も彼に救われた以上、これに答えねば女が廃るというものである。
本当の理由はいずれ聞かせてもらうとして、早速行動に移った。


314 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:12:50.41 ID:oOy1RmfY0

「初春、貴女は警備員に連絡を。何か問題があっても彼の名を出せば大丈夫ですの」

「はい!」

初春は威勢の良い返事をしてパソコンに向かいつつ電話を取る。
数分前に面倒だと思っていた書類整理が、これが終わったらより面倒なものに進化すること間違いない。
だが、それでも良いと黒子は思う。
今ここで動かなければ彼だけでなく、きっと別の誰かも困ってしまうのだろう。
彼のことだ。
その誰かの為に動いているに違いない。
そんなあの人の姿を、私は追っているのだから。
短い回想を終えて、黒子は夏の熱気が支配する外界へ飛び出した。

315 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/11(日) 14:13:36.71 ID:oOy1RmfY0
ペンデックス編が終わると言ったな、あれは(ry
すいません終わりませんでした
次回には終わると良いなと思います
以前言ったように、所々で初春とかが活躍できるよう織り交ぜていこうかと思います
若干(というか相当)のオリジナルになるかもしれませんが、不自然にならないよう頑張ります
では・・・
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/11(日) 15:33:36.55 ID:x01qlfj+o
がんばれ
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/11(日) 15:51:23.48 ID:gwNof3Ze0
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 22:48:37.67 ID:eyTVVirSO
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/03/11(日) 23:16:22.85 ID:3L9MX84AO


期待が高まる…溢れる…
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 10:08:08.99 ID:P3E7PPDBo

むねあつだな…
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 00:11:45.60 ID:PiRIWvtDo

来月の更新を楽しみにしてる
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 21:23:00.46 ID:D6ZpMAAv0
>>319
おいなんかブロリーがいるぞ・・・

ところでイチローとブロリーが戦ったらどうなるの?
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/14(水) 21:57:50.51 ID:y5zVwUUxo
ブロリー如きがイチローに敵うとでも思ってるのか?
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/15(木) 01:11:27.79 ID:O46OuM+L0
>>322
愛と夢と希望を際限無く撒き散らす伝説の超野球少年が生まれる。

でも所詮野球少年レベル。メジャーリーガーにはなれん。
ユンケルを飲んで花粉を打ち返せるようになったオレみたいにな。
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 14:44:32.85 ID:1zLQewVRo
花粉を打ち返すようならまだまだ、俺なんてユンケル飲んでからはミットを構えるだけで花粉がミットの中に集まってくるぜ
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/23(金) 03:11:32.29 ID:n0xQNI+Ro
とっても期待してまってるよ。乙!
327 : ◆I045Kc4ns6 :2012/03/24(土) 00:18:44.28 ID:EezJ5z520
生存報告です
ユンケルはたまに飲みますが何がいけないのか
ミットに収まるどころかダイレクトに目や鼻に吸収されてしまっているようです
それでも>>1はどうにか元気です
近いうちに出来るよう頑張ります
では・・・
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/24(土) 01:46:22.51 ID:7SCX3VVSO
そりゃ簡単だ
野球選手(メジャーリーガー) の守備圏内(オールキャッチ)が体に作用してる
ただそれだけの話だ


イチローが日本に来るそうだな
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/24(土) 03:12:03.90 ID:fKUVXh7L0
イチローの目の前で野球ボールに唾吐いたらどうなるかな
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/24(土) 03:14:14.67 ID:GIQ0qbR9o
ボールに当たるより早くイチローのスイングの余波でお前の口の中へと唾液が戻る
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/24(土) 10:42:21.61 ID:UtRvonOXo
>>328
オールキャッチじゃないだろ
          エ リ ア 5 1
イチローの公式設定で守備圏内と言う名前が既にある
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/03/24(土) 10:59:36.03 ID:K1keGJjAO
>>331
そりゃそうだけどこのSS内では守備圏内なんだよ
詳しくは前スレを51回読むことを勧めよう
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/26(月) 08:34:18.70 ID:RmExK80IO
最近<<1が川崎なんじゃないかと思えてきた
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/27(火) 01:33:50.05 ID:sRL48hAdo
来日してるから試合しつつペンデックスさんの相手できそうだな
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 09:05:02.80 ID:T5WeAQfuo
>>333
その発想はなかった
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/28(水) 21:40:09.46 ID:rf7RyFTAO
>>329
翌日にはお前も道具を大切に扱う野球少年になってるよ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/28(水) 21:49:24.21 ID:FsAz4byWo
さすがイチローさん
日本開幕だからちょっと本気出してくれてるな!
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/03(火) 13:39:24.48 ID:hn/ebIsAo
乙だ
339 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 02:59:54.55 ID:HNT5DnvO0

街は昼の喧騒とはうって変わり、夕闇の静寂に包まれていた。
街灯が幾つも並ぶ路地は明るく照らされ、周辺の建物の窓からも光が漏れる。
時折、帰路につく仕事終わりの大人達や、柄の悪そうな若者が歩いたりもしていた。
ただこの第七学区の、あるホテルを中心とした場所から大きく円で囲った場所だけは、光も少なく、道行く人も皆無であった。

「本当にありがとう。黒子さん、そして初春さん」

そのホテルの一室で、イチローは電話越しで黒子と初春に頭を下げて感謝を述べる。
彼女達は無茶な頼みにも拘らず見事やってのけた。
既に辺り一帯は、ゴーストタウン同然のように静まり返っていた。

「本当に、こんな頼みはもう二度としないでくださいまし!」

割れ響くような甲高い声でイチローの耳を黒子の声が突く。
そして黒子の隣にいるであろう初春が、再び黒子に横槍を入れる。

340 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:00:38.33 ID:HNT5DnvO0

「そんなこと言って、白井さんだって結構楽しそげぶ!」

皆まで言わなくても、電話の向こうの状況は簡単に想像できる。
きっといつものように、黒子の手刀を受けてしまったのだろう。
どういうわけか、取分け威力の強くなったその一撃を。

「……ともかく、理由はまた、きっちり説明してもらいますの」

「あぁ。いずれね」

「そう言って貴方は……」

黒子は何かを言いかけて、そしてそれは口に出さずに飲み込んだ。
声のトーンを変えて、またイチローへ届くように、別の言葉を紡ぎだそうとする。
とにかくそうしようと思うのだが、中々どうして、上手く言えないまま時間ばかりが過ぎていく。

341 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:01:16.93 ID:HNT5DnvO0

「……事情はまだ分かりませんけれど、イチローさんがその為に頑張って下されば、私達もやった甲斐があるってものですの!」

黒子なりの労いの言葉を受け止めたイチローは笑った。
声に出す笑いではなく、心の温かさから来る笑いだった。

「……本当に助かったよ。じゃあ」

「……えぇ。ではまた……」

通話を終えて、少し肩の力を抜いた。
これから始まるのが、本当の闘いになる。
部屋を見回してみれば、既に壁には魔法陣の描かれた夥しい数のカードが壁を覆い尽くしている。
そして三人の仲間は準備万端といった様子であった。

342 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:01:45.45 ID:HNT5DnvO0

「君も準備は良いかな、野球選手君」

いつもの様に、煙草に火をつけながらステイルはイチローに問う。
彼はそれまで自分が行ってきたことが間違いであったことに対する狼狽も克服し、強い目で見つめていた。
そしてそれは神裂も同様だった。

「私たちはいつでも大丈夫です」

二人の芯の強さには感服せざるを得ない。
そんなことを思いながら、イチローはもう一人の男と顔を合わせる。

「イチローさん、俺、出来るだけ頑張りますから!」

上条は強い決意を言葉に乗せて、右拳を握って突き出した。
その意を汲むようにイチローも拳を出して、軽く触れたのだった。

「では……やろうか」

343 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/04/05(木) 03:02:27.83 ID:HNT5DnvO0

イチローの一声で全員が身構える。
その中で上条が一歩一歩踏み出し、インデックスの傍らまで歩み寄った。
目を閉じ、眠っているように見えるが、刻一刻と彼女を蝕むものが存在している。
片膝をつき、上条はインデックスの少し赤い頬と、長く艶やかな髪を、優しく撫でる。

「辛かったよな、今まで」

自然と、そんな言葉が出てきた。
インデックスが今まで過ごしてきた時間に対してなのか、ステイルと神裂が騙されていたことに対してなのか。
だが、それはあくまで「今」までなのだ。

「これからは、きっとお前も、あいつらも、皆笑って、楽しい時が来るんだ」

右手を構え、目で目標を捉える。
禍々しく光る陣を発見した。
あれが、根源。

「それにキャッチボールの約束もあるだろ?イチローさんと一緒にさ」

ふっと上条は顔の筋肉を少し弛緩させる。
そして再び真剣な面持ちを取戻し、言った。

「だから、その未来を、お前を壊すこいつを……」

「この幻想をぶち殺すッッ!!」

上条の指が、インデックスの口内へ伸びていった。
344 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:03:04.75 ID:HNT5DnvO0

瞬間、上条は大きく弾き飛ばされ派手に尻餅をつき、インデックスは黒い霧を身に纏い、宙に浮かび上がる。
右手が血で彩られているのも気にせずに、気丈に立ち上がった。
眼前では、先ほどまで横たわっていた少女が、まるで見えない糸に引っ張られている、そんな感覚だった。
重力に縛られず、宙を漂う少女の碧眼には赤色の光が宿り、何らかの魔術式を映しだしている。
段々と黒い霧を青色へ様変わりさせていくインデックスは、その灼眼で四人を見た。

直後に遅れてやってきた衝撃が、室内の家具や食器を破壊し、凄惨たる状況へ変貌させる。
これが必要悪の教会が施していた防衛策。
未だその全容が分からないまま、全員がいつでも対応できるよう身体に力を入れる。
そして口を開いたのは他でもない、インデックスであった。

「警告。第三章第二節。第一から第三までの全結界の貫通を確認。再生準備……失敗」

以前のように喜怒哀楽を表現していた声は、まるで本の記述を引用するような機械音声となり、淡々と述べていく。
戸惑う各々の中で、イチローはこれに似た状況を経験していた。
あれは上条とステイルが戦っていた最中の出来事。
重傷を負った彼女を連れだし、応急処置を行った。
その時も、彼女は今と同じような声で自分に何かを言ってきた。
急いでいたことも相まって、口にユンケルを突っ込んでしまったのは今思うと失敗だったかもしれない。
こうして考えている間にも、彼女は口を動かし始める。
345 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:03:46.77 ID:HNT5DnvO0

「自動再生は不可能。現状十万三千冊の書庫の保護の為、侵入者の迎撃を優先します」

侵入者というのは我々のことであり、迎撃されるのも当然、我々らしい。
彼女を救い出すべく行動しているのが、彼女自身に拒絶されるとはなんとも滑稽だとも思う。

「書庫内の十万三千冊により、結界を貫通した魔術の術式を逆算……失敗。該当する魔術は発見できず」

「術式の構成を暴き、対侵入者用のローカルウェポンを組み上げます……。侵入者個人に対して、最も有効な魔術の組み合わせに成功しました」

無機質な表情から放たれるその言葉は、同時に事の重大さを指し示し、彼女の前方の空間には赤い光で構成された魔法陣が生成される。

「これより特定魔術、聖ジョージの聖域を発動。侵入者を破壊します」

ガラスが砕けるような音が響き、魔法陣のある空間がひび割れる。
続いて、インデックスを纏う青い霧はより輝きを増し、目の前の魔法陣から一筋の閃光が上条に向けて、放たれた。

346 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:04:25.46 ID:HNT5DnvO0

「ぐッッ!!」

目一杯広げて掲げた右手に閃光が直撃する。
見た目でも相当の威力を有していると思えるものを、上条は打ち消していた。
今まで対抗してきたどの力よりも、御坂よりも、ステイルよりも、重く強い一撃。
この一撃が、途切れることなく継続的に迫ることが、上条を追い詰めていく。

「これは間違いなく魔術!あの娘はやはり……!」

「そういうことか……!」

何やら合点している神裂とステイルの隣で、イチローは震えていた。
もちろん、恐怖からというわけではなく、武者震い以外の何物でもない。
上条が今目の前で受けている閃光。
こんな状況なのにもかかわらず、自分はあの閃光を、我々を破壊しようとしている攻撃と、戦ってみたいと思っている。

「聖ジョージの聖域は、侵入者に対して効果が見られません。他の術式に切り替え、侵入者の破壊を継続します」

そう彼女が言うと同時に、より一層激しさを増す攻撃が上条を襲う。
どうにか今まで堪えていたが苦痛に顔が歪み、堪らず声をあげる。

347 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:05:20.30 ID:HNT5DnvO0

「がぁぁぁッッ!?」

右手からは今も出血が続き、それもどんどん悪化していく。
とめどなく溢れても尚、上条は立ち向かっていった。
そして、それを止めさせるべく、一人の男が動き始めた。

「上条君、合図をしたら身を引くんだ」

後方からイチローが声をかけた。
この状況で退いてしまえば、閃光は遮るものもなくなり、あらゆる物を貫いていくだろう。
それでも、そうすることを彼が勧めるのなら、上条はそれに従うのだ。
なんと言ったって、彼は野球選手なのだから。

「分かりました!」

「神裂さん、ステイル君。援護を頼む」

呼ばれた二人は大きく頷いた。
彼らがいてくれるのなら、安心して集中することができる。
イチローは右手で白球を握り締めて、神経を研ぎ澄ます。
あれから十年程も経った現在でも、これは自分の代名詞として通じている。

348 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:05:56.68 ID:HNT5DnvO0

「面白い……」

まるでレーザービームだ、と誰かが言った。
そして眼前には、正しく閃光がある。
例えや比喩ではなく、本物だ。
比べたくもなる。

「今!」

イチローが叫ぶと同時に上条は右手を引っ込めて体を翻し、インデックスへ向けて足を進める。
幻想殺しという防壁が無くなり、閃光は本来の勢いをそのままに後方にいたイチローへ向けて襲い掛かった。
同時にイチローは大きく振りかぶり、少し助走をつけて球を放つ。
レーザービームという二つ名を持つその送球は、名前の通りの正確さと速さを兼ね備え、誰の目にも止まらず、映らずに、閃光と激突した。

349 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:06:38.21 ID:HNT5DnvO0

一体、これの何を援護しろというのだろうか。
目の前で繰り広げられている戦いを見て、神裂とステイルは思う。
援護をする、しないの問題ではない。
何をどう援護すれば良いのか分からなかった。
イチローの放った一球は、魔法陣の亀裂から発生する閃光を受け止めるどころか、徐々に押している。
本当にこの野球選手は、一体何者なのだ。
兎にも角にも、現在優勢となっているこの状況で出来ることをしようと二人は努めた。

「イノケンティウス!!」

突如として、必殺の名を有する魔女狩りの王が現れる。
それはイチローの送球を後押しするように、その手を添えた。
更に勢いを得たレーザービームは、力負けすることも無く、その発生源へ迫っていく。

「七閃ッッ!!」

神裂の声と共に、数多くの鋼糸が部屋を蹂躙する。
ベッドを切り裂き、テレビを切り裂き、そして少女の足場を抉った。
バランスを崩したインデックスは閃光を放ちながら、仰向けに倒れていく。
閃光はホテルの廊下を崩し、部屋の天井を容易く破壊しながら、夏の空へと高く吸い込まれた。
そして、相対する物を失ったレーザービームは少女の頭上を掠めて、壁を貫き飛んでいく。
世界のどこかの誰かが、流れ星と勘違いしてしまうかもしれない。
倒れても尚、まだ眩い光に包まれた少女が、夜空とここを繋ぐ光の柱を中心に、ひらひらと、白い鳥の羽が舞う。
350 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/04/05(木) 03:07:35.09 ID:HNT5DnvO0

「何だ、これ……?」

何となく場違いな物の登場に、上条は思わず疑問を口にする。
驚愕で表情が強張った神裂が全員に警告するように、叫んだ。

「これは竜王の殺息(ドラゴンブレス)……!!」

「竜王の殺息?」

イチローも上条と同様に、不思議そうな顔をして羽を眺めた。
神裂はイチローの発言に頷き、さらに続ける。

「伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同義です……!それにたった一枚でも触れてしまえば大変な事に!!」

「え、そうなの?」

何故か素手で羽を摘みあげながら神裂の顔を見るイチローに対して、二人の魔術師は半ば呆れ顔になる。
もう、この人の力に対しては何も言うまい。
このやり取りの最中にもインデックスは体勢を立て直し、再び閃光を走らせた。
狙いは無論、気を取られていた上条当麻。
そして受け止めたのは、グラブをつけたイチローだった。

351 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:08:22.15 ID:HNT5DnvO0

「野球選手!?」

「鈴木イチロー!?」

彼が逸脱した力を持つとはいえ、魔術側から見れば、この竜王の殺息も常軌を超えている。
異能という異能を打ち消す上条にさえ傷をつけたこの術式を防ぐのは、無謀に思えた。

「ごめんね。一度体験してみたかったんだ」

そんな一言で現在の状況を片付けてしまうこの男の底が知れない。
彼の手元では上条の時とは違い、閃光を消すことはなく、蓄積されていくように見えた。

「行けッ!上条君!」

ハッとしたように上条は立ち直り、再び少女に向かって駆け出した。
疲労が蓄積しているのだろうか、この部屋の中でさえも、インデックスまでの距離を長く感じる。
足を前に進めても、目標が一向に近づいてこないような、そんな感覚に陥った。

352 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:09:06.22 ID:HNT5DnvO0

「警告。第六章第十三節。新たな敵兵を確認。戦闘思考を変更。戦場の検索を開始……完了。
 現状最も難易度の高い敵兵、上条当麻の破壊を最優先します」

考える余裕もなく、上条の真横では閃光が更に輝きを増してゆく。
振り返りたくもなったが、ただひたすらに彼を信頼して、駆けた。

「警告。第十六章第二十二節。術式の逆算に失敗。同じく該当の無い物と判別し、最も効果的な魔術の組み合わせを試行します」

「対侵入者迎撃術式再起動。同時に聖ジョージの聖域を第二段階へと移行。Dominus,meus venio (我らの主よ、きたりませ)」

詠唱の終了と共に、閃光はより強大になってイチローを襲う。
それでも彼のグローブは光を抑え続ける。
更に防ぐことに偏るどころか、ここからの反撃の手段すら画策していた。
後はタイミングが重要だ。
それは今では無く、一秒前の自分が考えた未来でもなく、過去でもない。
一秒、コンマ一秒、弾指、刹那の時を見極めた先に、その瞬間はやってくる。

353 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:10:15.71 ID:HNT5DnvO0

「おおぉぉぉぉぉッッ!!」

インデックスから放たれた閃光を圧縮した球を握り締め、イチローは再びレーザービームを放った。
前回の一投でさえ凄まじかったが、それとは比べものにならない速さで閃光に競り勝っていく。
イノケンティウスが後押しせずとも球威を保ったままの送球は、亀裂にでさえ辿り着きそうな勢い。
閃光と閃光が交錯し、光が支配するこの空間。
白くなった視界が再び色彩を取戻し、上条はしっかりと彼女を見つめた。
見えなかった目標が、手の届くところにある。
力の入らない左右の足に無理やり床を蹴りつけるように脳が指令を出した。
一歩、一歩確実に。


彼女の未来を守る為に。



仲間の呪縛を解く為に。




そして、約束を守る為に。




「インデックス―――!!」




力の限り伸ばした右手が、その頭部に触れた。

354 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:10:51.67 ID:HNT5DnvO0

彼女を取り巻いていた光は霧散し、同時にぶつかり合った閃光も消失する。
全ての要因となった彼女は宙を漂い、緩やかに落下を始めていた。

「…警……告……最……終章……第……零……」

途切れ途切れに話すその声は掠れ、聞きづらい。
ひらりひらりと白い羽が舞い散る中で、それでも彼女は無機質な声を響かせる。

「『首輪』……致命的な……破壊……再生……不……」

どさり、と音を立ててインデックスは床に倒れこんだ。
足を進め、上条は優しく抱き起す。
最早彼女を支配していた術式は消失し、解き放たれたことに安堵した。
光の羽が舞い踊る中で。

「危ない!!」

355 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:11:50.10 ID:HNT5DnvO0

神裂は身体を動かせず、声を出して注意を促すしかできなかった。
上条の頭上には何枚もの羽が、今まさに降りようとしている。
顔をあげた上条はそれを凝視し、どうにか右手を掲げようとした。
が、全く身体が言うことを聞いてくれない。
異能を打ち消すこの右手は、結局自分の幸せまでも打ち消してしまうのか。
昔から忌み嫌っていたこの力で、今回のように人を助けることができたなら、またそれも良いのかもしれない。
万事窮す現状で、上条はぎゅっとインデックスを抱きしめ、目を瞑った。

「皆、一歩も動くなよ」

彼の凛とした声が、全員に聞こえた。
あらゆる困難を看破してきた男はそう言って、グローブをはめ直す。

「ここは僕の守備圏内だ」
356 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:12:36.37 ID:HNT5DnvO0

神裂は聖人である。
身体能力は常人よりも極めて優れ、白兵戦闘においても申し分ないし、魔術も十二分に使用できる。
そんな彼女が一度瞬きをした。
それだけで、全てが終わっていたのだ。
彼が喋ってから、本当に極めて短い、0.001秒ほどの時間の中で。
あるはずだった羽が全て消え失せ、未だインデックスを抱きしめ、目を閉じ続ける上条がいる。
そして神裂とステイルの間には、光球をトスしているイチローがいた。

「え……ええ!?」

素っ頓狂な声を出して、彼と球を交互に見た。
信じられないし、何が起きたかも分からない。
そして仮に説明されても、理解も出来ないのだろう。

「何物も取りこぼさないし、何物でも受け止めてみせるよ」

指先でクルクルと球を回し続けるイチローは笑いながらそう言った。
いつまで待っても痛みも衝撃も訪れないことを不思議に思った上条が恐る恐る顔をあげた。
絶望と恐怖の仮面を張り付けた彼の顔は、喜びと驚愕が混同した、何とも不思議な顔へと変化する。

357 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:13:20.40 ID:HNT5DnvO0

「イチローさん!!」

球を夜空へ放り投げ、しっかり消えたのを確認してから、イチローは上条を見る。
右手は真っ赤に染まり、以前手当した場所も赤く滲んでいた。
懐からユンケルを取り出しながら、激励の言葉と共に差し出した。

「上条君、お疲れ様」

「全く君という男は……」

苦笑しながらステイルはそう呟く。
上条との戦闘の最中に現れて、インデックスを連れ去って治して、イノケンティウスを倒して、神裂を倒し、彼女を救った。
彼に振り回されもしたし、苦汁も舐めたし、助けられた。
彼は――――――

358 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:13:53.80 ID:HNT5DnvO0

「……」

言おうとしたのを取り止めて煙草を取り出し、毎度の如く火を点ける。
こうして再び美味いと思えるのも、この男のおかげということになる。

「改めて聞かせてくれないかな」

紫煙を吐き出しながら、ステイルは屈託のない顔でイチローに問いかける。
きっとこの顔が、彼の本来なのだろう。

「君は一体何者だい?」

分かりきった答えを問い質すのも不思議なものだが、何故だか聞きたいと思ったのだ。
イチローもイチローで、胸を張ってステイルの質問に答えるのだった。

359 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:14:24.14 ID:HNT5DnvO0











                      「野球選手(メジャーリーガー)さ」










360 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/05(木) 03:15:03.20 ID:HNT5DnvO0
遅れてすいませんでしたorz
これでペンデックス編は終わりになるのか……な?
多分次回は病院の所や次への導入部分とか、ちょっとまったりしたところを書けたらなと思います
途中インデックスの詠唱を勝手に変えました
イチローの見せ場をもっと増やしたかった為です
ステイルのは犠牲に……
あの詠唱は好きなマンガに出てきた聖句をグーグル先生に翻訳してもらったので正しいのか分かりません←
とにもかくにも、読んでいただきありがとうございます
これからもがんばっていきたいです
では!
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 09:18:59.67 ID:88Ou0W8to
え?ペンデックス編って事はまだまだ>>1はイチローの活躍を楽しませてくれるってことですかヤター!!
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/05(木) 09:48:37.83 ID:sIN+Vlar0
>>1

ステイル…
ヤムチャ(解説役)以下のチャオズ(居るだけ)並な扱いww
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 09:54:43.13 ID:ZQdDrNSIO
レーザービームが頭上を掠めたシスターは大丈夫だったのでしょうか
野球に関する記憶を残して記憶喪失に・・・
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/04/05(木) 10:43:31.76 ID:NR5zsKEio
続き待ってたよ!
イチローさんの野球ボールの材質はなんなんだろうか

お疲れ様
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/05(木) 13:53:20.22 ID:vqADy2hzo

いつも安定して面白いよ
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 15:05:05.87 ID:H1T8xUtSO
流石イチロー

やってくれるぜ


次回も期待だ
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/05(木) 20:55:17.56 ID:H/Vfe5Aho
俺ずっとイチローは羽に触れたせいで去年の打率が3割切ったんだと思ってたわ…

乙!
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/06(金) 00:02:17.36 ID:g2ha5iuE0
>>364
普通の野球ボールと同じだよ。投球の仕方に秘密があるのさ。

それにしてもストーリー進行における不安感がまるで無いなww
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 01:20:19.84 ID:oN2W2hXzo
流石竜王の羽募金に国が傾くレベルの寄付を行ったイチローさんや!

羽なんてのなんともないぜ!
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/04/06(金) 02:17:47.79 ID:1S2F48WAO
「それでもイチローならやってくれる」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 05:01:04.73 ID:AmEHquN8o
やっぱり不安感0安定のイチローさんでした。
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/06(金) 09:02:47.26 ID:fkfXgwESo
チャンスもピンチもすべてイチローのために用意された演出
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 14:46:25.05 ID:bcKRx/Tto
さすがイチローさんや
このまま順調に進めば
ヘタ錬金も一方さんも野球少年になるのか
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/04/08(日) 08:28:54.46 ID:JyrDc09AO
乙!
もし上条の記憶が完全に壊れてもイチローとキャッチボールしたら身体がその事を覚えていて記憶が修復されるよな
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/08(日) 11:52:50.47 ID:BbzDxWHBo
記憶回復とキャッチボールによる身体強化でパワプロでいうダイジョーブ博士3回成功分くらいの身体ボーナスがつくらしいな
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 21:48:16.56 ID:j9yIk0Oso
野球がしたいです……
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/04/10(火) 15:54:44.32 ID:tJPcXooAO
>>1はヒラコー好きだったのか…
それにしてもここまでわっふるできるSSは中々無いな
続き待ってるです
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/04/10(火) 16:09:04.08 ID:j5raquYOo
リアルの方でもイチローさんは猛打賞か
やっぱすげえな
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/10(火) 21:21:42.13 ID:lgYQFva90
なおマリナーズは(ry
380 :ダルビッシュ [sage]:2012/04/10(火) 21:52:39.15 ID:ymcROMxL0
イチロー負かしたったwwwwwwうぇwwうぇww
381 :ダルビッシュ [sage]:2012/04/10(火) 22:51:09.26 ID:G9mPHhdG0
すみません打たれてました。
本当に申し訳ありませんでした。
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 08:33:34.02 ID:JREz956DO
>「それにたった一枚でも触れてしまえば大変なことに!」

>「え、そうなの?」

メチャクチャ吹いたww


イチロー・川崎が揃ってダルビッシュから打ちましたね。さすがだ
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 14:20:34.25 ID:uxNKvkZSO
フォローを忘れないイチロー流石です
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) [sage]:2012/04/12(木) 01:07:39.71 ID:jBwOpinfo
ダルもパワプロで再現できない程度にはチートキャラなはずなんだがなぁ・・・
やっぱり格が違ったか
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/04/12(木) 19:17:30.85 ID:e1I3JHpBo
イチローも15年以上前からチートキャラやってるしな
386 : ◆I045Kc4ns6 :2012/04/16(月) 00:51:07.47 ID:vLqVQnS20
生存報告です
アウレオルスどうしようかなって考えながら日々を過ごしております
今週中には少し投稿できそうなので、頑張ります
今更ですが禁書で好きなキャラはインデックスです
だからといって贔屓したりとかしないですが、インなんとかさんって言われない程度に活躍させてあげたいと思います
超電磁砲組もまた然りです
ではまた!
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/04/16(月) 04:38:09.82 ID:J0vkI/GAO
イチデックスズキがなんだって?
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/16(月) 07:45:28.34 ID:Bb14+hKSO
アウレオルス逃げて超逃げて
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/04/16(月) 21:51:51.01 ID:NoupmRjSo
インチロー?
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/16(月) 23:54:02.80 ID:2k1n8NLno
アウレオルスが野球少年になっちまう
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/17(火) 02:17:27.98 ID:P3Z0BgGD0
10万3000種の球種を投げ分けるインデンクス
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/17(火) 09:16:33.67 ID:t8+4+ThEo
アウレオルス(野球種) いやなんでもない…
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/04/22(日) 00:15:23.25 ID:b7jPQuWAO
なんでパワプロのイチローはムード×があるんだろうなぁ
こんなにムードメーカーなのに
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/23(月) 10:16:46.53 ID:85tlcYiRo
それバツじゃなくてX(エックス)なんだよきっと
計測不能と言う意味だと思うな
395 :名無しNIPPER [sage]:2012/04/26(木) 02:12:43.87 ID:O0uiG7VAO
>>394
いや、不定数ってことで、どんなムードにもできるってことだろ
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/27(金) 01:05:06.36 ID:xaYI3RVp0
雰囲気作り(ムードメーカー)
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/28(土) 12:50:49.89 ID:cWT2IeTSO
お前ら天才すぎワロタ
398 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 01:16:53.04 ID:dX3GPm8K0
こんばんは>>1です
今週中と言いながらまったく投稿できずに申し訳ありません
GW中には出来ると思いますので頑張ります超頑張ります!
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 08:35:35.23 ID:T63pMpeSO
期待
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 09:40:06.72 ID:ulERPkXso
テンションが上がってきた
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/02(水) 15:45:29.14 ID:xxgkwuxjo
期待
402 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:18:16.24 ID:QFYo7hZA0

「怪我ってものはそう短期間で治るものではないのだがね?」

あれから一夜明けたとある病院の診察室で、カエル顔をした医者は首を傾げる。
先日処置を施した上条の身体から傷の一切が消えていれば、その反応も無理はない。

「うーむ……」

「いやまぁほら、治っちゃえば別に問題はないですよね!?」

上条は無理に笑顔を作って言った。
医学という学問のスペシャリストに対して、ユンケルを飲んだら治ったなんて言っても信じてもらえないに決まっている。
実際自分も何故治るのかさっぱり分からない。
解剖して分析される、なんてこともあるかもしれない。

「確かにそうなんだけど……とにかく、お大事にね」

腑に落ちない感じで言葉を濁らせる医者は、カルテに色々と記入しながら上条に手を振った。
対する上条もお辞儀をして診察室を後にする。
そして扉が閉まるのと同時に、座席に座っていたインデックスが立ち上がった。
余りに強く跳ね上がって、座席が少しずれたのも気にせずに口を広げる。

403 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:18:49.60 ID:QFYo7hZA0

「とーまぁぁぁ!!」

ここが病院だということを彼女は把握していないのだろうか。
大きな声を出して人の名前を叫んだと思えば、駆け出しその勢いのまま上条に抱きついた。

「ぐぇ!!」

腹部に衝撃が走り、壁に後頭部を強打する。
それでもインデックスが離れないため、のたうち回ることすら出来ない上条は小さく呻くしかなかった。

「とーま怪我は!?何ともない!?平気!?大丈夫!?」

質問をぶつけまくるインデックスに対して何と言ってあげれば良いのか。
怪我は治ったしもう何ともない。
しかし平気かと聞かれればそうではないし、大丈夫でもない。
現在進行形でお腹は痛むし、頭を鈍痛が駆け巡る。
その全ての原因は、他ならぬ彼女だから。

「とりあえず場所が場所だから静かにしようか、インデックスさん」

後方で傍観していたイチローは少し強くインデックスに諭す。
こちらを睨む看護師の視線に彼女も気付いたのか、慌てて平静を取り繕う。
解放された上条は軽く頭を抑えながら、インデックスと向かい合った。

404 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:19:23.86 ID:QFYo7hZA0

「お前は場所ってもんを考えやがれ!」

声を大きくせずに、迫力だけを乗せて喋った。
それだけでもかなり、インデックスには堪えるものになる。

「うう……ごめんなさい」

素直に謝るのを見て上条は一息つき、いつかと同じように、彼女の額を軽く指で弾く。
驚いたインデックスは目をぱちくりさせて上条を見つめた。

「俺は大丈夫だし、全部イチローさんのおかげだよ」

それを聞いた彼女は振り返る。
先ほどから佇まいを変えない、イチローの姿がそこにはあった。
そして彼女の目には彼以外の人物も映り込む。
長髪赤髪で黒い外套を羽織った男。
大胆に片足を露出させ堂々と銃刀法を違反する女。
自分を狙っていた、あの魔術師達だった。

405 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:19:45.10 ID:QFYo7hZA0

「ひっ……!」

小さく悲鳴を上げ、とっさに上条の背後へ回り込む。
仕方がない反応だとも思う。
既に彼女は記憶を消す必要がなくなった。
しかし彼らに関する記憶は、自分を追いかけ、追い詰める敵として残されている。
怯え、混乱し、恐怖を物語るインデックスの瞳。
それを見たステイルと神裂は思わず目を伏せてしまった。
幾度となく見てきたこの目は、やはりきついものがある。
騙されていたことを知って一度折れた自分の心を再び立て直してきたが、今一度崩れそうだった。

「なぁ、前にした約束って何だっけ?」

不意に、上条が首を捻って背中のインデックスに話しかける。
おそるおそる身を出し、上条の顔を見上げてその問いに答えた。

「……キャッチボール?」

406 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:20:16.79 ID:QFYo7hZA0

今そんなことを聞いてどうするのかとインデックスは思う。
目の前には恐ろしい敵がいるのに、上条もイチローも何ら平気そうにしているからだ。
もしかして、最初からグルだったとか、そんなことまで考えてしまう。
悪い方向へとばかりに考えが進み、気持ちが落ち込んでいく。
そんな彼女を見て、イチローは言う。

「今からしないかい、キャッチボールをさ」

インデックスはそれを聞いてパッと顔をあげ、嬉しそうな顔をした。
あんなに楽しかったのは久しぶりだったし、今度は上条も交えてやるのだ。
きっと更に面白くなるに違いない。

「彼らも一緒にね」

その一言で、彼女のテンションは再び急降下を始める。
あげて落とすとは正にこのことであり、これ以上のショックは味わったこともなかった。
何故敵とそんなことをしなければならないのか。
何故彼がそんなことを言うのか。
今は分からないし、これからすれば理解できるのか。
ぐちゃぐちゃになった感情の片隅にわずかばかり残った理性が、首を縦に振らせたのだった。

407 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:20:56.96 ID:QFYo7hZA0

「決まり、だな」

上条がニヤリと笑い、急に歩き出す。
隠れる壁がなくなっては困ると言わんばかりに、インデックスもぴったりと張り付いた。
病院の自動ドアを潜り抜ければ、夏の熱気が押し寄せ、強い日差しがさんさんと降り注ぐ。
それでも構わず足を進め、その後ろをイチローとステイル、神裂が続いた。

「本当に大丈夫なのでしょうか……」

どことなく重い足取りの神裂は呟く。
当然と言えば当然であり、ステイルも言葉にしないだけでそう考えているに違いない。
先ほどから落ち着きがなさそうに、咥えた煙草をピコピコと上下に忙しなく動かしていた。

「丁度良い機会だと思うよ。君らも勘違いされたまま別れるのは嫌だろうし」

「それはそうですが……」


408 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:21:28.09 ID:QFYo7hZA0

若干軽々しく言うイチローに神裂は顔を顰める。
彼女が覚えてなくとも、確かに友達で、親友で、仲間だった。
キャッチボールはしなかったけれど、遊んだり、散歩したりしたこともあった。
思い出を作っては消していくというメビウスの輪から抜け出せなくて、いつからか消すことだけを目的として生きてきた。
しかし、もうそうしなくても良い。
だからこそ、どう接して良いのか分からなかった。

あれこれ考えているうちに、どこかの河原へ辿り着く。
ステイルと神裂以外にとっては、それなりになじみのある場所だった。
イチローは以前の美琴との手合せと、インデックスとのキャッチボールの時に。
上条は通学時やどこぞの電撃娘に追い回されたりした時に。
人工的なこの街に残されたせせらぎが、魔術師達の心境を少しばかり穏やかにしていた。

「さてさて、グローブとボール……」

いつもの様に、どこからか五つのグローブと一つの白球をイチローは取り出した。
どこに収納しているのかは依然不明のままだ。
野球選手というものは常時十個ほど常備しているのだろうか。
各々手渡しされたグローブを装着し、適当に距離を取る。
野球選手とシスター、男子高校生に長身赤髪不良神父と大胆露出のお姉さん。
近くの橋を渡る人の視線を否応にも集めてしまうこの集団のキャッチボールが今、始まる。

409 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:21:54.25 ID:QFYo7hZA0

「それっ」

まずイチローが神裂へ。
受け止めた神裂が待ち構えるインデックスへ身体を向けた。

「い、行きますよ、インデックス!」

神裂からインデックスへぎこちない送球。
そしてそれは力加減を間違えたのか、随分近場の地面に叩きつけられる。

「わ、わわ!」

ボールはインデックスの足元へ転々とバウンドしていく。
腰を落としてグローブを広げ、球を拾い上げた。

「もぉー。球は相手の胸の位置に投げるといいかも!」

以前イチローから教わった言葉をそのまま言って、神裂に向かって指を突き立てる。
そして何やら口籠った。

410 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:22:21.41 ID:QFYo7hZA0

「……えっと、えっと」

インデックスはもじもじと手をこまねき、恥ずかしそうに上条とイチロー、神裂の顔を見る。
その目は助けを求めているようにも見えたし、また別のようにも見えた。
そして何かを決意したように再び神裂に向直って、インデックスは声を大にして言う。

「私の名前はインデックスって言うんだよ!魔法名は『dedicatus545』で『献身的な子羊は強者の知識を守る』って意味なんだよ!」

「あなたの名前、教えてほしいな?」

突然の自己紹介に神裂は大きく目を見開いた。
敵として追いかけられていた者と、こうして遊ぶという異常な状況。
己の素性がこちらへ筒抜けと知らず、それでも自ら改めての情報開示。
きっと彼女は再び、友達になろうとしてくれている。
今彼女が覚えていること以上に、彼女に対しての悪行の数々をこなしてきた私達と。
その小さな拳で振り絞った勇気をかざして。

411 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:23:06.58 ID:QFYo7hZA0

「……私の名前は神裂火織と申します。インデックス、ですか。良い名前ですね」

神裂は少しお堅い感じではにかみながら紹介する。
だがインデックスにとってはそれで充分であった。

「かおりって言うんだね!素敵かも!これからよろしくね!」

インデックスは先ほどまでの暗い雰囲気など無かったかのように、明るい様子で神裂とやり取りを交わす。
二人ともとても嬉しそうに、久しぶりに再会した親友同士のように笑っていた。

そしてそれを見ていたステイルは、何だかとても羨ましそうに眺める。
羨望の眼差しというやつだろう。
どこか落ち着きのない素振りの彼は、これからについて予想する。
きっと神裂と同じように、まずは少々戸惑いながら再びお互い自己紹介。
次には友好の証として握手でもするとしよう。
更には笑いながらキャッチボールできたら最高だ。
少し微笑みながらそんな予見を思い浮かべていたところ、いつの間にかインデックスがボールを構えて睨みを利かせていた。

412 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:24:00.23 ID:QFYo7hZA0

「……あれ?」

随分想像と違った表情を向ける彼女を見て違和感を覚える。
神裂との楽しそうな雰囲気は何処へ行ってしまったのか。
なにやら怪しげな空気が漂いつつあるのを肌で実感した。

「あなたの名前は?」

インデックスは自分なりの威圧感を持たせた言い方で、ステイルに問う。
天真爛漫な彼女からは想像もできないような声の重さに、戸惑いを隠せないステイルは驚きながら答える。

「ス、ステイル=マグヌスだ……」

「……ふーん。すているかぁ」

「……すているは、私を踏もうとしたかも」

413 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:24:49.21 ID:QFYo7hZA0

ぼそりと彼女は呟いた。
ただそれだけでも、破壊力は抜群だった。
その一言だけで、あの時のことがまざまざと蘇る。
神裂が背中を切りつけインデックスを保護しようとしたら、上条当麻が現れて野球選手も現れて、負けた。
確かに自分は彼女を蹴ろうとした。
実際には野球選手に阻止されたのだが、まさか覚えているとは思わなかった。

「完全記憶能力は伊達じゃない、かも!」

ステイルの内心すら読み取り、インデックスは勝ち誇ったように胸を張って述べる。
そしてつかつかと歩み寄り、距離を詰めた。

「そんな悪いすているには、お仕置き!」

可愛らしい笑顔でそう言ってボールを大きく振りかぶる。
フォームは女の子とは思えないほど整っており、美しい。
イチローが首を縦に振って感心していた。

414 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:25:32.19 ID:QFYo7hZA0

「いや、ちょ……」

あたふたしても最早止まらない。
君は私の親の仇だと言わんばかりに、インデックスは目をギラギラと輝かせている。

「実際には踏んでないし神裂なんか切りつけて君だって怪我したのに何で僕だけ!?」

叫んで周りを見回してみても、イチローは楽しそうにこちらを眺めている。
上条はお気の毒にと言いたげな感じで手を合わし、神裂に至っては露骨に視線を逸らしていた。

「かぁんざきぃぃぃ!?」

「私は神の代理人、神罰の地上代行者。私の使命は我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること――――」

どこかの神父が言っていた、とてつもなく物騒な台詞を口ずさむインデックスは、ステイルの目にどう映っただろう。
思いを寄せていたあの小柄な女の子が、女神にも見えた彼女がとてもとても恐ろしい。
あぁどうか夢であってほしかった。
今この場においては、女神は女神でも差し詰め『戦場の女神(ベローナ)』だ。
何故、自分だけがこんな目に?

415 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:26:12.62 ID:QFYo7hZA0

「えぇぇぇい!!!」

威勢の良い掛け声と共に放たれた一球は、ステイルが咄嗟に構えたグローブの淵を弾き、彼の鳩尾に深くめり込んだ。
それはもう、凄い勢いで。

「ぐおぉぉぉぉ!?」

唸り声をあげて倒れ、ピクリとも動かないステイルをインデックスは満足そうに見下ろした。
落ちていたボールを拾い上げ、軽く土埃を払いながら言う。

「これで全部チャラかも!これからよろしくね、すている!」

その声がステイルに届いていたのかは分からない。
が、とにかく仲直りという形にはなったのかもしれない。
二人の魔術師と一人の魔道図書館は、かくして昔のように仲間に、友達に戻ったのだった。

「で、次はとーまかも!」

勢いは先ほどとは程遠いものの、コントロールは中々の物で、上条の元に送球がやってくる。
それをきっちりと受け取った。
416 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:26:52.74 ID:QFYo7hZA0

「ナイスだぞ、インデックスー!」

「ふふん!」

そんなやり取りをして、今度は上条がイチローへ投げる番だ。
一周に随分と時間が掛かってしまったが、万事解決したことだしそれも良いだろう。
欠員が一人出てしまったのもまぁ、別に構わないと思う。

「じゃ、投げますよ!」

「よし、ばっちこーい」

大げさに構えるイチローを見て、上条は回想に耽る。
自分にとって、イチローとの出会いは本当に劇的であった。
噂程度には聞いていた人物が、まさか自分の目の前に現れるとは。
あのメジャーで活躍するイチローが学園都市にやって来て、あまつさえ第八位となった。
そして魔術師であるステイルとの戦闘に介入し、自分とインデックスを助けてくれた。
神裂も退け、最終的にはインデックスを呪縛から解き放った。
全て彼がいたからこそ成し得た現在だ。
もし自分一人だけだったら、今頃インデックスはここにいる全員のことも忘れてしまっているかもしれない。

417 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:27:18.72 ID:QFYo7hZA0

「イチローさん、ありがとうございました!」

不意に、改めてお礼がしたくなった。
一度投げかけた構えを中断して、頭を下げる。
既に何度も言ってきたことだが、この人に対しては感謝してもしきれないぐらいだから。
それを見たイチローは照れ隠しに笑って上条を唆した。

「それはもういいからさ、今はキャッチボール!」

「……はい!」

上条が投げたボールが描く少し小さな放物線が、綺麗にイチローのグローブに収まった。

「上条君も中々上手だね」

そうイチローは言い、顔を上げて空を眺める。
日は未だ高く昇り、一人を除いて全員が元気だ。
インデックスが笑い、神裂は少し目を赤くし、上条は幸福そうで、イチローは楽しそうに、ステイルはうつ伏せで。
まだまだこの時間は続きそうである。

418 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:27:47.50 ID:QFYo7hZA0

『土御門元春』

窓のないビルの一室に、アレイスターの声が響き渡る。
呼ばれた土御門は暗闇から姿を現し、いつもと変わらない奇抜な格好でこの学園の統括理事長の前に立った。

「お呼びですかにゃー?」

サングラスが橙色に光り、上下反対のアレイスターの顔を反射する。
呑気に喋る土御門の態度も気にしない様子でアレイスターは軽く微笑んだ。
どうやら彼の態度は日常茶飯事のようだ。

『少し、不味いことになったのは君も知っているだろう?』

「……吸血殺し(ディープブラッド)」

どこか気の抜けた様子だった土御門の雰囲気は一変し、目を鋭く光らせる。
その単語を聞いたアレイスターは小さく頷いて更に続けた。

『いるかどうかも分からない、とある生物を[ピーーー]能力を有する少女が監禁されている』

『厄介なのは、本来この街に立ち入ってはならない魔術師が関わっていることだ』

「魔術師、ねぇ」

419 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:28:55.73 ID:QFYo7hZA0

興味深そうに土御門は繰り返す。
魔術師がこの学園都市に入り込むのはそう珍しい事ではないことは知っていた。

『魔術師の一人や二人、潰すのは容易いが、問題は我々「科学側」が魔術師を倒してしまう一点に尽きる』

『「魔術側」と「科学側」、お互いがそれぞれの技術を独占しているからこそ、今の世界のバランスがある』

『仮に超能力者を総べる我々が魔術師を倒すと言い張れば、どうなるかは明白だろう?』

土御門は大げさに首を縦に振り、状況を整理する。
つまりは魔術側の人間を処理するのは、同じく魔術側の人間でなければならないということだ。

「今日、何故だか来れないステイルにそれを伝えれば万事解決だな」

それを聞いてアレイスターはニヤリと口角を釣り上げた。
まだ何かあるのかと土御門は疑問に思う。

『それに我々は魔術に対する天敵を保有している』

「上やん……幻想殺しか」

420 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:29:40.28 ID:QFYo7hZA0

苦々しい顔で、聞こえるように舌打ちする。
クラスメイトであり、友人である男が良いように扱われているのは納得もできないことだ。

『あれはレベル0で超能力者でもなく、魔術を再現し理解する能力もない』

「それはそうだが……」

言っていることが最もであるだけに反論もしがたい。
声には出来ない悪態をついているところ、更に意味深なことをアレイスターは言った。

『そして天敵が一つだとは思わないことだ』

「!?」

ハッと顔を上げアレイスターを凝視する。
奴が考えていることは想像もつかないが、いつもいつでも斜め上を通っていく。

『意外そうな顔をしたな、土御門元春。とびきりなのがいるだろう?』

『魔術側でもなく、科学側でもない。言葉で表すならば野球側とでも言うのかね』

「イチローか!?」

421 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:30:14.90 ID:QFYo7hZA0

三打数五安打、調子が良いと三打数八安打。
満塁ホームランで五点入る。
グッとガッツポーズしただけで五点くらい入ったとか、ネットの情報や口コミではそんな風に語られており、どう考えても創作や嘘に思えた。
それでもデータや彼の行動を見てしまうと、どれもこれも本物の武勇伝に見えてしまう。

『おりひめ一号が大破したのを知っているか?』

アレイスターは突然別の話題を切り出した。
おりひめ一号とは人工衛星の一つであり、この衛星のおかげで天気予報は百発百中の予言となった。
他にも色々と機能があるのだが、それはここに記せない。
ともかく、普段必要最小限のことを伝えてきた彼が、そんな他愛も無い話をするとは思えなかった。

「……謎の高熱源体に打ち抜かれたらしいが?」

『あれは竜王の殺吹による被害だと思っていたのだがね、どうやら違うのだよ』

『個人的に調べたが、どうやら横から打ち抜かれている』

「横から……!?」

422 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:31:09.24 ID:QFYo7hZA0

それが意味するものは何なのか。
話の流れから判断するに、原因は一つしかない。

『彼の光速送球(レーザービーム)は本当に素晴らしいな、そう思うだろう、土御門?』

竜王の殺吹すら押し返し、なお勢いを保ったまま宇宙へ進出する送球。
時間すら歪めているようにも勘違いしそうなほど素早く走る脚力。
万物を受け止め、万物を打ち返す守備力と打撃翌力。
それらすべてを内包する野球選手(メジャーリーガー)。

「いつまでも彼を支配できるとは思わないことだな、アレイスター」

精一杯の皮肉を込め、吐き捨てるように土御門は言う。
別段気にしていない様子のアレイスターは微笑み、余裕を持って告げた。

『なに、全ては順調に進むさ。彼がそこにいて、私がここにいる限り』


423 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/02(水) 22:31:56.25 ID:QFYo7hZA0
ど、どうにか投稿出来ました
時間が掛かってすいませんでした
これからは姫神さんと出会ってヘタ錬をどうにかしていきます
どうしようか未だに決まりきらないのが現状です
でもイチローさんだから何やってもいいんじゃないかなって思ったりもしてます
余談ですが先日VIPでまどマギとイチロー達アスリートのSSがありましたね
イチローは愛されてるなぁって痛感しました
早めに出来るよう頑張ります
では!
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/05/02(水) 22:32:55.73 ID:xaviM8Nho

野球サイドのメンバーが気になる
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 22:33:01.98 ID:4EI1qCzf0

二巻は最悪キンクリしていいよ。漫画版ではなかったことになったし・・・・・
426 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/05/02(水) 22:35:39.02 ID:QFYo7hZA0
あぁ>>418にsaga入れ忘れた…orz
脳内補完お願いします
他に何かあったらよろしくです
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/03(木) 00:56:16.69 ID:vX/gbfFSO
超電磁砲の方にはもういかないのかな?
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/05/03(木) 11:06:36.66 ID:/7SCgrrAO
キテター!
乙!
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/05/04(金) 13:55:00.78 ID:wOwC6y/AO
最近ビリビリと佐天さんの出番が少ないから増えないかなぁ(チラッチラッ
面白いから>>1頑張って!
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 10:02:54.15 ID:gW1VmlJ2o
野球サイドって言い方がいいなww
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2012/05/08(火) 15:36:17.95 ID:NjXvijEb0
野球サイドとは斬新だw イチロー以外の日本人メジャーリーガーとかあったりしてw
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/05/09(水) 01:04:43.36 ID:XY6y5ZdAO
全く関係ないけど
マリナーズのCMがイチロー伝説みたいで面白いねwwwwww
http://www.youtube.com/watch?v=cFrnbt3qoqk&sns=em
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/05/09(水) 01:42:51.98 ID:smixbLZx0
その場に居るだけで周りが明るくなる

テンションが上がると分裂する

お笑いのセンスがある

自分の投げた球を自分で打って、最後に自分で取る

ユンケルがあれば誰でも明日を目指せる




全て伝説の書の示す通りである
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/05/11(金) 23:49:20.59 ID:glz4iQVFo
>>431
??「僕の出番ですね。イチローさん待っててください」
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/12(土) 16:21:14.65 ID:BcjYz1kqo
水泳サイドとか…

???「チョー気持ちいい!」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/05/12(土) 20:19:36.89 ID:ji0fw03c0
??「ちょっちゅねー」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 09:24:26.56 ID:SqxZ+5ddo
まとめてスポーツサイドにされちゃうよ!
438 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/16(水) 02:15:15.03 ID:ju2eA7NS0
生存報告です
まだ少し時間が掛かりそうですが>>1は元気です
多分元気です
ユンケル飲んで引き続き頑張りたいと思います
ではでは…
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/05/16(水) 07:16:09.00 ID:J7YjxBRAO
無理するな、何事もマイペースが一番だとスポーツマンシップでも語られるだろ?
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/16(水) 09:19:30.07 ID:QSs+ZZeyo
>>1の投下はユンケルくらい濃度が高いのでマイペースでも問題ないと思うよ
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/05/17(木) 01:28:09.43 ID:sYOvVM+30
>>440
バカ何言ってる。ユンケル並の濃度で書かれたら俺達インデックスになるだろ
定期的に記憶消去なんてやだよオレ
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 09:01:53.77 ID:p2iVzeT/o
>>441
おまえそれ去年も同じこといってなかったか?
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/17(木) 23:00:42.43 ID:KBeJqgMNo
将棋サイドの参謀が加入したら手がつけられない
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/17(木) 23:13:00.64 ID:yLPhTbcIo
ハンマー投げサイドが介入する日も近いな
445 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/05/18(金) 02:11:13.58 ID:zYIHpubV0

何処とも知れぬ片田舎。
太陽がやけに赤く輝いて、家々を朱に染めていく。
時間帯にして夕方であり、陽を浴びながら犬の散歩に行ったり、近所同士で情報交換をしたりするのが普通だろうか。
しかしそういった光景は一切無い。
道には誰も歩いてはいないし、井戸端会議を行っている人もいない。
夕飯までの時間を遊びに費やす子供の姿もいなければ、その夕飯を作る主婦もいない。
仕事に励む男達も、農作業に勤しむお年寄りも、誰も彼もいなかった。

いるのは一人の少女だけ。
巫女服に身を包み、荒ぶ風に長い黒髪を揺らす少女が立っていた。
彼女の周りを囲むのは数多の『人』だった『モノ』。
数はそれほど多くないにしても、百数十人程度が倒れている。
それは間違いなく村の人々であり、全てが少女を渇望するように手を伸ばして灰となっていた。
今は辛うじて人の形を成していても、いずれ崩れて飛んでいってしまうに違いない。
極めて異様なこの中で、少女は感情らしい感情を顔に浮かべずに呟く。

「……私。……私。……また殺したのね」

その言葉は誰の耳にも届かずに、風の音が掻き消していった。

446 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/18(金) 02:12:07.50 ID:zYIHpubV0

「……よしっ」

いつもの河原で美琴は小さく気合を入れて自分を勇気づけ、前を見る。
そこには以前のあの時と変わらない格好をしたイチローが立っていた。

「いつでも良いよ」

そう言ってバッドを握り直し、構える。
その目は相変わらず震えあがりそうなくらい冷静で、同時に燃え尽きるほど情熱的だ。
今度こそ、今度こそと繰り返してきたが、彼のこの面持ちが崩れたことなど一度も無い。
どんな人に対しても、いつでも全力なんだなと美琴は思う。
だから自分も本気を上回る力を発揮できるよう、頑張っている。
彼から空振りを奪えれば、それが証明になるような気がするから。
最早合図などいらない。
コインを弾き、狙いを定める。
出力は安定。
今、ここしかない。

「いっけぇぇぇぇぇぇッッ!!」

手元から放たれた閃光は真っ直ぐにイチローへ向かう。
待ってましたと言わんばかりの動きでタイミングを捉える彼の動きを美琴は見逃さなかった。
指先からあらかじめ走らせておいた電流で磁場を操り、直線的な動きの超電磁砲が地面に引き付けられる。
それは超高速のフォークボールへと変貌し、その落差は半端ではない。

「おおおおおッッ!」

それでもイチローは見極めた。
手首のスナップを利かせ、体幹を捻ってバットに見事当て、コインを打ち返すのだった。

447 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/18(金) 02:13:10.21 ID:zYIHpubV0

「あぁー……また打たれちゃった……」

美琴は空へ伸びていく光を目で追いながら、それが見えなくなったのを確認してがっくりと肩を落とす。
変化を加えるというのは自分でも良い発想だと思った。
今まで速さ頼みで真っ直ぐにしか進まない超電磁砲が、一歩段階が進んだことを実感した。
速さに加えてあれだけの変化をつけても打ち返されてしまっては、完敗なのだが。
そもそも磁場を操作したのは、少しズルいことなのかもしれない。

「いや中々良かったんじゃないかな、今の」

結構ギリギリだったし、とも言って額の汗を拭いながらイチローは言う。
美琴から見てみればいつものように打たれてしまったのに変わりはない。
しかし本人がそう言ってくれるなら、多少なりとも自信に繋がる。

「ほぇぇ……。すっっっっごいなぁ……!!」

土手で座りながら事の成り行きを見届けていた佐天涙子は立ち上がる。
何だかいてもたってもいられなくて、思わず駆け出してイチローの傍までやってきた。

448 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/18(金) 02:14:38.21 ID:zYIHpubV0

「イチローさんってばすっごい!それはもうすっごいです!!」

「はは、ありがとう」

目をキラキラと輝かせながら言い寄る佐天に笑顔で感謝を述べる。
彼女にとってイチローという存在は、美琴や黒子に負けず劣らず特別な存在なのだ。
暴漢に襲われていたところを助けてくれたのがイチローだったこともあり、取分け思い入れの強いことだろう。

「御坂さんの超電磁砲を本当に打っちゃうんだもんなぁ。でも、なんでこんなことを?」

至極当然の質問を佐天はした。
能力者同士の争いなどはそれなりに巻き起こったりする。
しかしイチローという著名人とレベル5の第三位との勝負となれば話は別だ。
それもどうやら何回も行っているらしい。
不思議に思うのは当然だ。

449 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/18(金) 02:15:21.20 ID:zYIHpubV0

「んー、練習かなぁ。これほどの速さはそうそう見れるものじゃないし」

そう答えるイチロー。

「打たれたのが悔しいんだもの!」

かなり苦々しい顔をして言う美琴。
積もり積もった気持ちは相当なもののようである。
元々美琴は負けず嫌いな気質であることは何かと知っていたことのもあり、佐天は納得した。

「ま、立ち話もアレですから、どっか行きましょうよ!」

提案をする佐天に同意するように首を振る美琴も一言添える。

「あ、いいわねそれ!私も色々聞きたいし、その……お話も……」

何やら口籠る美琴と興奮を抑えきれない佐天。
そんな彼女達とは対称的にイチローは少し困った顔をする。
これからこの子らに断りの返事をしなければならないことに対して、少々心が痛んだ。

「ごめんね。実はこの後用事があるんだ」

美琴は本日一度ならず二度までも肩を落とし、佐天は目を潤ませてイチローを見つめた。
涙は女の最大の武器とはよく言ったものだが、どうやら彼には通用しない。
450 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/18(金) 02:15:58.63 ID:zYIHpubV0

「そうですか……じゃ、仕方ないですね。デートはお預けです!」

「さささ、佐天さん!?デートって何を言って……」

あっけらかんと述べて佐天は土手を駆け上がり、美琴は頬を染めながら、一礼をしてそれを追いかけた。
土手の頂上で二人はこちらを見て手を振ったので同じく返す。
彼女達といるのはとても楽しく、有意義な時間だった。
上条達とは違った面白さがあった。
それほど長い間一緒にいたわけではないが、一つ一つの出来事が色濃く思い出せる。
今、正に過去の記憶を辿ろうとしたところへ今回の用事を作り出した人物が現れ、彼に気づいたイチローは声をかけた。

「やぁステイル君。元気?」

「おかげ様でね、野球選手君」

451 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/05/18(金) 02:16:25.14 ID:zYIHpubV0

そう答えたステイルは早速懐から煙草を取り出し点火する。
立ち上る煙と吐き出された紫煙は風に流され空へ消えていく。
余りにも様になっているから、誰もが彼の本当の年齢を知らなければ、突っ込みもしないだろう。

「それで、用件ってのは?」

今日ここに呼び出されたのはその用件の為だ。
わざわざ手紙が届いたかと思えば、日時が書いてあるだけで読み終えたら手紙は爆発してしまった。
いささか不機嫌になったものの、その程度で投げ出したりはしない。

「……上条当麻には既に伝えたのだがね」

勿体ぶって話始めるステイルに多少のじれったさを感じるが、恐らくは相当に重大なことなのは何となく分かっていた。
大きく息を吸い込んで、短くなった煙草を携帯灰皿に入れて真剣な顔でステイルは問いかける。

「吸血殺しって知っているかい?」

唐突に聞かされた知らない単語に首を傾げ、それを見たステイルは訥々と状況を説明するのだった。
452 : ◆I045Kc4ns6 :2012/05/18(金) 02:17:36.49 ID:zYIHpubV0
少々短いですが投稿です
というか今までが長かったん(ry
続きはまた頑張っていきます
余談ですが、他のアスリート達は多分出さないと思います
別のSSで既に活躍していたし、あくまでスレタイ通りに行こうと考えてます
何より以前も言った気がしますが扱いきれる気がしませんorz
でも外伝としてやるのは面白いかもしれないですね
あ、でも幻想御手もあるんだった
何年先になるか分からない・・・
こんな>>1とSSですが、引き続きよろしくお願いします
ではでは……
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 02:35:47.63 ID:jo9YTgDSO
何年も楽しませてくれるのか
実に楽しみだ
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 02:54:29.85 ID:Z07k8Q1io
イチローが三沢塾にだと?
野球塾になってしまうぞ…
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/05/18(金) 08:59:03.24 ID:lXdrATgAO
イチローの野球塾とか俺も行きたいんだけど
ともかく乙
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 09:27:58.50 ID:dgEy8kU1o
>>452
つ「ユンケル」

もうスレの更新が投下が楽しみでしかたありません
何年だっておつきあいするレベル
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/18(金) 09:51:51.91 ID:+xdDNudl0
聖歌隊で野球チーム何個作れるんだろう…ww
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2012/05/18(金) 23:26:26.19 ID:YIHpubVDO
グレゴリオの応援団…ゴメン、なんでもない
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/05/19(土) 04:37:24.93 ID:uB7P0ODAO
光球に表裏
期待せざるを得ない
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 22:09:23.08 ID:vrIs+H3ao
野球少年少女を育成するための塾になるのか
胸厚だな
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 22:15:11.55 ID:voJ/OpmIO
三沢光晴塾
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/23(水) 21:57:30.28 ID:k8dVMeAko
イチローさんこの前の試合で
またダルから打ったらしいな
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/24(木) 08:59:13.87 ID:TTewmGKHo
ヨガの力程度じゃなぁイチローさんが止まるわけがない
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/05/25(金) 10:03:16.28 ID:SEGobNIK0
ヨガを体得してできること

1、手足が伸びる  2、炎を噴ける
3、テレポート   4、高速掴み打撃


メジャーリーガーになったら出来ること

1、戦争抑止
2、救世
3、RIKISIの制御
4、江頭2:50と握手
          etc・・・
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2012/05/29(火) 15:35:03.44 ID:/lws9D3a0
幻想御手?
佐天さんには必要ないな
だって佐天さんは野球選手になるんだし
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 16:18:26.35 ID:INQFaa8DO
科学の能力者と違って野球選手って老若男女問わず誰でもなれるのが凄いよな
能力でいう所のレベル0なんてのは存在しないし、細かくランク分け
してみようものならイチローさんに怒られる
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/31(木) 20:48:24.26 ID:6xRNzI5Z0
なんかイチローが休んだ試合でマリナーズが21得点して勝ったらしいぞ…
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/31(木) 20:49:40.94 ID:ia4eIJhfo
フォローに徹したイチローの本気威圧感だな
出てないからってやりすぎ
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 09:29:37.32 ID:Ahe9ddfwo
バット握れないからって威圧しすぎ
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/01(金) 11:37:41.72 ID:jUQyRtbfo
イチローが選手操作してたからな
リアルパワプロ状態やで
471 : ◆I045Kc4ns6 :2012/06/02(土) 00:11:13.72 ID:C1zIDcoD0
生存報告です
もう6月になりましたね
更に暑くなって湿度も増して嫌になりそうですが日々を頑張っています
SSも頑張ってます
イチローも頑張ってると思います
近々出来るよう努めます
ではでは・・・
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 19:16:21.68 ID:B1oM5oBSO
我らMYM(マリナーズが優勝するまで待つ)はいつまでも待つさ
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/06/02(土) 20:16:55.09 ID:UYej99Oj0
MYM! MYM!
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/06/03(日) 16:18:37.39 ID:u7qQi/vAO
イチローさんこないだ出れなかった鬱憤からか
二打席連続HR打っちゃったよ

MYM!
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 12:13:01.83 ID:GFK6jfbDO
いや2打席HRなんてよっぽど調子が悪いんだろう
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/04(月) 14:59:57.87 ID:IXFvwMXzo
イチローのHRなんて内野ゴロの打ちそこないだろ
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/12(火) 20:58:38.68 ID:Vpl8lDS50
サッカー引き分けだったけどイチローさんがサッカーやるとどうなるの?
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/06/12(火) 22:47:12.73 ID:VJBafKWn0
>>477
「不得意分野じゃないから、野球やるよりサッカーやる方が強い。
 だけど野球の方が段違いに好きだから、サッカーやるより野球やった方が強い」


という絶対的矛盾がイチロー内部で発露。それに伴いイチローを中心として周囲の空間に物理法則の矛盾が発生(矛盾発生の対象を仮に重力とするならば、上に物体を持ち上げる力が重力に対して作用し、重力が消滅する)

この現象は、イチローが矛盾を克服した場合(やっぱり僕は野球だなとイチローが思考した時)のみ解消されるが、そうなると矛盾を克服した瞬間にイチローが発散する清々しさと開放感、いわゆるパッションにより、地球上に存在するありとあらゆる野球ボールの力が開放され、宇宙は滅び、マリナーズは優勝する。



尚、イチローが野球ではなくサッカーを選んでしまった場合、世界各国のサッカー会場のド真ん中に貞子が出現してチアガール姿で踊りまくるらしいとの事だが、この現象の有無については公式の記録は無い。






『松平健手記録』の1995年8月26日より抜粋。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/06/13(水) 01:50:53.85 ID:duQEZdEco
イチローがサッカーやったらワンサイドゲームになりすぎて面白くないだろ
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/16(土) 12:18:02.10 ID:b73aMIEIO
>>478
マリナーズは優勝するのくだりは面白かったけどあとゴミ
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/06/18(月) 15:32:58.92 ID:sFBiMp1AO
1ヶ月くらいどうということはない!
482 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/06/25(月) 21:38:09.83 ID:XqJXFr/AO
わぁぁぁぁ!!
もうちょっと待っててください
最早見てる人いるかわからないけど頑張ります!
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/25(月) 21:40:25.05 ID:DYh811qAo
MYM
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 23:18:01.63 ID:+JFNu5pIO
見てる人?そんな人はいないだろ
魅せられた奴ならここにいるがな!ドン!
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 09:09:12.38 ID:rXBCSns2o
見てないよ!すげぇ楽しみにしてて、毎日確認してるけどな!(どんっ)
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/26(火) 18:49:28.01 ID:eGJZ6nlio
別に自分のためであって >>1のために毎日見てるんじゃないんだからね!!!
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/06/27(水) 00:48:45.22 ID:d2kt0XEAO
私だってイチローが好きなだけで>>1のために読んでるんじゃないんだから!!(どどんっ)
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/06/27(水) 13:55:23.66 ID:miEssz1a0
寒い物書いちゃうくらい期待してるわけないんだからね!(ドッギャーン)
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/27(水) 23:19:16.24 ID:n961XBgR0
>>1が!
書ききるまで!
見るのをやめないッ!

バァァ――――z_____ンッ!!
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/30(土) 04:27:40.29 ID:I6mIfyS6o
期待してる
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/01(日) 12:19:06.80 ID:XgiM5/wF0
今日初めて観て面白かったから全部読んじゃっただけで…                                              べっ別に>>1の為に観てるんじゃないからねっ!!勘違いしないでよねっ!!
492 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 00:56:05.59 ID:VIT1fNy60

「三沢塾に女の子が監禁されていてさ」

ステイルの話すことを要約するとこうなる。
世界で驚異のシェアを有し、CMや街頭などではよく宣伝されていた三沢塾という進学予備校。
これが支店として学園都市には置かれており、どういう訳か科学崇拝を軸としたカルト的な宗教と変貌したらしい。
更にこれまたどういう訳か魔術師に三沢塾が乗っ取られたのだという。
偽物や似非などではなく、正真正銘の魔術師に。

「正確に言うならば、チューリッヒ学派の錬金術師にね」

再び自分には疎い単語を用いてくることは一先ず置いといて、監禁やら乗っ取りという物騒な言葉は聞き捨てならない。
そしてこの用件に対して、ステイルや上条や自分がどう動くのか、イチローは薄々気づいていた。

493 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/07/06(金) 00:56:38.56 ID:VIT1fNy60

「錬金術師の名前はアウレオルス=イザード。三年間行方不明だった奴が三沢塾に現れたのさ」

「その監禁されている子が目的って感じかな?」

「ご名答」

話が早いと言わんばかりの様子で満足げに頷くステイルは彼女の詳細を説明する。
彼女を奪還するのが我々の使命であること。
囚われている女の子の名前は姫神秋沙(ひめがみあいさ)であること。
その能力こそが吸血殺し(ディープブラッド)であること。
正確には能力ではなく原石であるが、あまり関係は無いこと。
吸血殺しの持っている力は、とある生物を灰に返すこと。

「彼女の能力はね、そのとある生物……所謂吸血鬼をおびき寄せて殺すものらしい」

「……それって本当にいるの?」

494 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 00:57:12.43 ID:VIT1fNy60

イチローはごく普通に思ったことを口にした。
映画や小説、漫画などではポピュラーな存在である吸血鬼、バンパイア、ドラキュラ。
読んで字の如く人の血を吸い、吸われた人は同じく吸血鬼になったり、はたまた喰屍鬼(グール)となったりするとかしないとか。
そんなモノが存在すること自体誰も信じてはいないだろう。
あくまで架空の、空想上の生き物だとイチローは思っていた。
しかしそれはつい先日まで、魔術を空想だとしていた自分にそっくりそのまま帰ってくる。
ステイルの目を見るに、どうやら本当のことのようである。

「まぁ、疑いたくなるのは無理もないね。僕も聞いた話だし」

そう言って懐から取り出した封筒をイチローに手渡し、身体を翻らせる。
背中を向けたままステイルは片腕を上げて去っていった。

495 : ◆I045Kc4ns6 [saga]:2012/07/06(金) 00:57:54.08 ID:VIT1fNy60

「また爆発とかしないだろうか……」

以前のこともあり、少々慎重に封を破る。
中には姫神と思われる少女の写真と、ステイルからの集合日時が書かれていた。

『明日の午後五時にこの場所で』

ごく短い短文が書かれたその紙が突如消滅しないのを確認し、封筒に戻して今度は写真を眺める。
黒く長い髪に整った顔立ち、巫女服という中々古風な出で立ちの彼女は美しいと思った。
とてもじゃないが、この少女が吸血鬼とやらを殺すような物騒な存在には見えない。
だが外見では何も判断はできやしないのだ。
普通の女子中学生が電撃を飛ばしたり、瞬間移動したりするこの学園都市では。
写真も同様に封筒に戻そうとし、土手沿いを歩きはじめる。
これからもう一つ、大切な用事があった。
それは自分が野球選手であるが故の本来の業務。

「さてさて、行くとするかな」

そう言って彼は一筋の閃光を残して消えた。

496 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 00:58:30.07 ID:VIT1fNy60

「とうまーとうまー、テレビつけてもいいかなー?」

「いいけどカナミンはやってねーからなー」

夏独特の気怠さの中で、上条とインデックスは学生マンションの一室で他愛も無いやり取りをする。
たどたどしい手つきでリモコンを操作し、自らの興味を引きそうな画面が映るまで切り替えていく。
そして彼女は小さく、あっと声を出してその手を止めた。

「とうま!とうま!とうまぁぁぁ!」

よく響く声でインデックスは上条を呼びつける。
その声は居候の所為で食費も洗い物も増えた為に一人流し台でジャブジャブと皿を濯ぐ上条の神経を逆撫でするのに十分だった。

「なんなんですかインデックスさんは!ていうかテレビ見てる暇があったら上条さんの手伝いをしやがれ!」

「それはまた今度やるかも!だからこっち!」

497 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 00:59:03.03 ID:VIT1fNy60

彼女の言うまた今度とは、多分未来永劫来ないに違いない。
洗い物はしないのにわざわざ立ち上がって、上条の手を引っ張りリビングまで連れていく。
どうせ行けもしない高級レストランや旅館の特集だろうと考え、嫌々ながら座り込んだ。
上条が胡坐をかいたところにちょこんとインデックスが腰掛け、目を輝かせてテレビに釘付けになっている。
否が応でも耳に入ってくる音声から判断するに、どうやら先ほど思った番組ではないらしい。
彼女がカナミンのようなアニメや、食事以外に興味を示すのは珍しいと思う。

とにかく今はそんな彼女が意地でも見せたがる映像を見ることにしようと上条は注視した。
そこに映されているのはとあるスポーツの実況中継。
正確に言えば野球であり、もっと厳密に突き詰めればイチローが打者として打席に立った場面だった。

「……イチローさんじゃないですか!?」

「やっぱりいちろーなんだよ!野球やってるかも!」

498 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 00:59:46.10 ID:VIT1fNy60

あまりにも有名な人と、あまりにも行動を共にした所為か、彼がテレビに映っている理由を理解するのに少し時間を要した。
身近にいることで物事の本質を見失ってしまうのは多々ある。
彼は紛れも無く野球選手であり、今この瞬間、チームやファンの為に、なにより自分の為に戦っているのだ。
カウントが進む度に見慣れたあの動作を行い、ボールを見極め、時にはカットする。
固唾を飲んで見つめる中、遂に彼のバットは白球を真芯で捉え、大きなアーチを描いた。

「すごーい!ほーむらんってやつだよね、とうま!」

「そうそうホームランな。やっぱりイチローさんってすげえなぁ……ところでインデックスさん」

「なぁに?」

「何で上条さんの膝の上に座っているのでせうか?」

499 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:00:25.18 ID:VIT1fNy60

いつ聞こうかと先ほどから思っていたことをようやく口にする。
流れで自然にこの場に収まってきたインデックスには何か考えがあるのだろうか。

「……本当に分からない?」

分からないからこうして聞いているのだが、どうにもインデックスは教えてくれそうにない。
それどころか何やら顔を顰め、頬を膨らませ、機嫌がよろしくないようである。
耳をトマトのように赤くし、小刻みに震える身体を縮こまらせたインデックスはぶつぶつと呟く。
鈍感なことに定評のある上条には、決してそれは聞こえていたり、まして彼女の気持ちに気付いたりすることはないだろう。

「こうしてとうまと一緒に座れて嬉しいのにそのままちょっと手を回したりしてくれればいいのにどうしてこうも……」

「あ、あれ?上条さんはもしかして地雷を踏んでしまった感じ……?」

「とうまのばかー!!」

500 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:00:55.76 ID:VIT1fNy60

その小さな身体ごと素早く振り向き、対面したかと思えば大きく口を開けて上条の頭にインデックスはかぶりつく。
頭部を走る激痛に襲われながら、また一つ生傷を増やすことになった上条は悲鳴を上げた。
躓いて倒れ伏しても尚、背中に乗ったインデックスは気の止むまできっと噛みついたり、叩いたりするに違いない。
だんだんと今の痛みに耐性がついてきた中で、上条は先ほど訪れたステイルとの会話を思い出す。

三沢塾に錬金術師アウレオルス=イザード、吸血殺し、そして吸血鬼と言っただろうか。
いずれも自分には関わりのない、関わることの無い単語ばかりであるが、ステイルが持ちかけてきた以上関わらざるを得ない。
そうでなければインデックスが再びこの手を離れてしまうから。
現在インデックスは一応自分が保護しているということになっている。
しかし時が至ればステイル達が連れ戻すかもしれないというのだ。

501 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:01:28.77 ID:VIT1fNy60

『わたしと一緒に地獄の底までついてきてくれる?』

初めてインデックスと出会った時に言われた台詞が脳裏を過る。
冗談か何かだと思っていたそれは、決して冗談なんて生ぬるい物ではなかった。
記憶消去という呪いに縛られ続けていた彼女の願いも気付かなかった。
今度こそ戦うと決意した自分は、衣食住を自由気ままに享受するこの厄介な居候でさえも、絶対に守りたい。

「で、そろそろ許してはくれないでせうか、インデックス様……」

「ダメっ!!」

ごく短い会話の中で、暫くはこの一方的な八つ当たりが長引くことを理解する。
固めた決意も考えも、気持ちもやはり撤回してしまおうか。
そんなことを思いながら、期日の時間が近づいていく。

502 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:02:09.37 ID:VIT1fNy60

時を同じくして、第十七学区にそびえ立つビルの一室。
一人の少女が、インデックスと同様にテレビを眺めていた。
番組もまた、同様であった。

「唖然。そなたがそのようなものに関心を示すか」

後方より声がかかり、少女は少し顔を向ける。
そこには長身で容姿の整った、緑髪でオールバックの人物、アウレオルス=イザードが立っていた。

「私だって。人並みに興味は。ある」

顔には表さないが、少しムッとした声色で応答する。
巫女服に身を包んだ少女は再び食い入るように画面を見つめた。
その中で躍動する男の活躍をまとめたハイライトが流れ、誰もが知っている代名詞の送球では歓声があがる。

「釈然。彼の功績は広く知れ渡っている」

納得したように頷くアウレオルスは少しだけ画面を覘いた後、背を向け部屋を去ろうとした。

503 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:03:01.51 ID:VIT1fNy60

「ねぇ。知ってる?」

不意に問われた質問に若干驚き、アウレオルスは振り返る。
テレビの電源を消して立ち上がった少女、姫神秋沙と顔を合わせた。

「あの人。この街に。来ている」

あの人とは先ほどまで話題にしていた野球選手のことである。
だからどうした、どうするというのを姫神は口にしなかった。
ただそれだけを述べた。

「漠然。小耳に挟む程度でなら」

別段深く考えずに答える。
所謂米国の野球で活躍する日本人の選手という程度の知識でしかないが、特に問題は無いとアウレオルスは思う。
504 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:03:33.12 ID:VIT1fNy60

「そう。ならいい」

踵を返して姫神は、暑さが増していく夏の日差しに照らされる街を冷房の効く室内から眺めた。
最早これ以上の会話が無いと踏んだアウレオルスは部屋を出ていく。
一人残された姫神は、かつて見た、あの人のことを思い出す。
塾の先生達と河原沿いを歩いていた時に見た、あの人のことを。
凄まじいスピードで迫る閃光を打ち返したあの人のことを。
そしてそのあの人は、先ほどテレビで活躍していた。
見間違えるはずがない。
彼、アウレオルスも言っていたのだから。

「イチローって。すごい」

再び街に出かければ、彼を見ることが、あわよくば話せるだろうか。
そんな彼女にとって一抹な願いは、意外な形で果たされることになる。
505 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/06(金) 01:04:11.25 ID:VIT1fNy60
びっくりするぐらい遅れました
申し訳ないですorz
そしてSS自体もストーリーが進んでいません
はたして終わるのでしょうか・・・
こんなに間が空いてしまったのに見てくれている人がいるので大変ありがたいです
また頑張ります
ではでは……
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 03:15:12.53 ID:ppYt2O5IO
イチローがホームランを打つなんて
吸血鬼が気になって集中を乱してしまったとでもいうのか
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/06(金) 09:08:20.05 ID:KiWS6ajSO
最近のイチローはどうした
4試合連続無安打なんて
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/06(金) 09:42:28.80 ID:Yh4NXa2V0
また聞きだけど大飯原発の耐震補強に有志で参加してたのと
ヒッグス粒子を背面キャッチ
パンダの出産で子パンダ取り上げたらしいよ
珍しく宇宙規模じゃない些末事に掛り切りだったみたい
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/07/06(金) 11:40:53.35 ID:rFc9VCnV0
スタメンの皆を遠隔操作した事について罪悪感を感じているらしいな
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/06(金) 11:53:30.81 ID:OeDY3dsAO
>>1

やっぱりこのSSでもヘタ錬はヘタ錬になるのだろうか
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/08(日) 00:27:17.98 ID:icY95WR+0
23打席連続無安打らしいぞ大丈夫かイチローさん
このSSの如く活躍してくれよ
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 07:28:14.22 ID:uQYvcGBjo
>>507
やはりイチローも老いには勝てないんだろう
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/07/08(日) 08:11:25.00 ID:NAORRvQ70
もう10億38歳だからな。仕方ない
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 22:21:21.17 ID:iFEfOf+8o
ここからどうしてくれるかが楽しみ
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/08(日) 23:36:24.29 ID:q46YTlN2o
しっかり風呂敷たたんでくれよ。乙。
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/12(木) 14:12:55.70 ID:wKN9EBSAO
イチローのスイングで雨雲掻き消してくれないかなぁ
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/07/13(金) 00:50:14.21 ID:gD4mxfos0
>>516
出所はイチ(r
518 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/18(水) 22:08:26.47 ID:pF6H0FO60
生存報告です
夏本番と言った感じで毎日暑いですが>>1は元気です
近いうちに出来るように、風呂敷も畳めるように頑張ります
ではでは・・・
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/18(水) 22:11:03.96 ID:NZ+KVM6SO
はいはいMYMMYM
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/19(木) 00:15:33.84 ID:n3XS+Ugoo
野球見ながら待ってる
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/07/20(金) 02:08:18.03 ID:cCCXE1vq0
いつまでもー待つわー
522 :名無しNIPPER [sage]:2012/07/20(金) 07:10:21.05 ID:DexEWrjAO
MYM!MYM!




ところでイチローがキックベースやるとどうなるの?
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/20(金) 09:14:24.85 ID:+hltnTT8o
もうベースがヤバイ。野球用じゃないからまず耐えられない
イチローが踏んだ瞬間にベースが消し飛びボールを蹴った瞬間に
コールド勝ち
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/22(日) 14:21:33.13 ID:AVpHqcL10
イチローがエラーしちゃったらしいな
ttp://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=23227589
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/22(日) 22:05:31.44 ID:mLRgozCTo
もう38歳だしな
やはりイチローでも老いには勝てないんだろう
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/07/22(日) 22:15:17.99 ID:zdurGOYKo
1兆と38歳だもんな
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 09:32:27.76 ID:S3e9Z90Qo
偶にエラーしないと敵から恨まれるからな
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 07:33:15.16 ID:SCwq3oSSO
イチローがヤンキースに移籍だと
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 07:38:06.77 ID:e+iKnoZIO
ニュース速報見て来ました
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]:2012/07/24(火) 07:53:28.10 ID:p14rUG5Vo
ホモリン逝ったあああああああああ
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 09:00:25.19 ID:LT+V7s7SO
ニュースみて飛んできた
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/07/24(火) 10:03:31.02 ID:dyLlAVgA0
まぁ・・・マリナーズの監督って正直言って監督(笑)だし、あんなのの下で腐ってくよりはな断然いいわな
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/07/24(火) 10:15:18.81 ID:fR5/YukCo
「マリナーズが優勝するまで待つ」が「ヤンキースが〜」になる日が来るとはww
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/07/24(火) 11:11:11.47 ID:RfFJY7lvo
背番号も51から31へ変えたのか
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 12:42:55.57 ID:LT+V7s7SO
>11年半をともに過ごしたシアトルのファンは試合前、イチローがグラウンドに登場すると拍手と歓声で出迎え。1回の守備で右飛をキャッチした際には、拍手とともにブーイングも起こった。3回の第1打席では、多くのファンがスタンディングオベーションで迎えた。
アメリカのお前らwwwwwwwwwwww
泣かせるじゃねぇか……
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/07/24(火) 17:52:42.51 ID:eTBgDOj1o
イチローさんは球界の天秤だからな
メジャーのバランスを保つためには移籍も仕方がない
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/24(火) 17:59:17.35 ID:nDb4khqAO
>>533
YMM!YMM!

でもヤンキースなら優勝する可能性は十二分にあるよね
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 18:32:33.01 ID:GUmBI292o
イチローさん移籍と聞いてやってきた
このスレのイチローさんには影響しないのだろうか
539 : ◆I045Kc4ns6 :2012/07/24(火) 18:50:42.97 ID:nkxy90iy0
びっくりして椅子から転げ落ちた>>1です
ずっとマリナーズだとばかり思っていたけれど、イチローなりの決断なんでしょうね
動画を見てグッとくるものがありました
背番号も変わっていたのが取分け印象強いです
新天地でぜひ頑張ってほしいです
サンキューイッチ
でもHMRNどうなるんだろう……黒田が謎の失踪とかしないですよね、よね?

SSに関してはあまり変わらないと思います
明確に実在する球団名等を挙げていない……気がするので←
背番号くらいでしょうかね……
もし何かおかしな部分があったなら、皆さんの好きな方で脳内補完をして頂けると嬉しいです
私自身もその辺の表現を使うのは上手くはぐらかしたいと思います
もしくは現在進行形でネタにしてしまおうか……

兎にも角にもまだ少し先になりそうなので、形だけ答えておきたいと思った次第です
>>1は皆さんに楽しんでもらえるよう頑張ります
ではでは…
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 18:58:31.14 ID:GV2vEDJDO
イチロー移籍とか…
血迷ったなマリナーズ
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 19:03:38.82 ID:mqn+MhBvo
このタイミングでの移籍は色々と憶測を呼んではいるが、イチローには頑張って欲しい物ですな
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 19:33:25.25 ID:GUmBI292o
イチローさんも頑張って欲しいが…
それよりムネリンの今後が気になる
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/07/25(水) 02:21:44.95 ID:gKGUtONAO
お!>>1乙ゥー!
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/25(水) 09:22:07.33 ID:5pWBK3yd0
ヤンキースが優勝するまで待ってるヨ、>>1
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/07/25(水) 10:15:06.59 ID:v8/JnrVbo
エリア31じゃなんか締まらないよな
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/25(水) 20:52:35.48 ID:h0BEELhso
再来週あたりにはマリナーズはもう息してないだろうな・・・
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/26(木) 00:31:23.24 ID:M8khZ6Vwo
イチローが外野からICHI-METERの人とやりとりしてたのは胸にくるものがったわ
548 :名無しNIPPER [sage]:2012/08/01(水) 01:10:59.87 ID:nB+AUlgAO
イチローがオリンピック出るとどうなるだろうか
メダル総なめかな
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/08/01(水) 01:15:19.12 ID:51R8kyEGo
まあ海外にもイチローのような古代種が数人いるからな
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/01(水) 01:42:20.66 ID:tC3++yfr0
競泳の自由形なら水の上走れるから金メダルだな!
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 09:23:03.71 ID:YEnJe1L1o
流石に走ったらダメだろww
自由すぎるwwww

そこは今不調の北島さんがいるよ
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/03(金) 23:22:28.72 ID:M1kcWgYa0
イチローがレフト守備なんて中々ないな
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/08/04(土) 01:49:51.55 ID:QIqvWJsf0
北島さん敗退しちゃったな
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/08/04(土) 13:47:53.91 ID:azgj05eAO
ムロフ神に期待
日本頑張れ!
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 14:43:28.17 ID:lPabKscWo
競泳のピークは20代前半までだからな
北島もフェルプスも老いには勝てないってこと
イチローだって1日1安打がやっとだし
やっぱり彼らも人類だったんだな
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 11:46:25.99 ID:X67R1YwIO
いくら衰えたといっても下位打線にいるイチローの威圧感半端ないよな
衰えたといっても一日一本は割と安定して打つし足は速いし守備はまだまだ健在とか相手チーム嫌すぎるだろ
557 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/08/09(木) 02:08:58.48 ID:4yYu7H/h0
どうにも一か月以上空いてしまうのがデフォになってしまった>>1です
申し訳ないです;;
8月中にはどうにかできたらなと思います
ではでは・・・
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/08/09(木) 04:07:16.54 ID:d5YyY/Vso
ヤンキースが優勝するまで待つ
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/08/09(木) 04:54:41.07 ID:ZtRPWfeE0
YYM
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/08/09(木) 15:38:02.91 ID:R0HNcPne0
結構現実的にヤンキースは優勝する可能性があるわけだが
その時我々が待てなくなるという可能性が微レ存する…?
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/09(木) 15:45:29.12 ID:hJH7w6KGo
ヤンキース優勝はありそうだから
イチローが引退するまで待つ
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/09(木) 16:48:10.16 ID:SPt8hVfWo
川崎がイチロークラスになるまで待つ
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2012/08/09(木) 17:58:25.18 ID:6ZWD0K+ro
ホモリンがジーター追い出してヤンキースのショート守るまで待てる
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/11(土) 09:44:38.57 ID:+EK8N2s70
ホモリンがイチローのためにバット職人になるまで待てる
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/08/11(土) 14:30:19.15 ID:LMlmmXEAO
>>562
>>563
>>564
???「分かりました頑張ります、イチローさんのために」
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/15(水) 19:51:44.30 ID:/6bKe9zIO
この作品内で川崎がどうなってるか想像しながら待ってる
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/18(土) 00:27:44.53 ID:j/Y0ABpD0
??「ここがイチローさんが来ている学園都市かぁ……」

(アカン)
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/08/18(土) 00:31:26.16 ID:buAbcV81o
??「イチさんはNYからここまで泳いでるんでしたっけ」
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/08/18(土) 00:53:35.25 ID:dHEjPaNAO
??「あ、走って行ってるんでしたね。今度から僕もいきますよ(ニッコリ)」
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/18(土) 01:40:31.92 ID:iDdZAv2zo
一郎追跡
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/19(日) 15:05:26.43 ID:vBIi7yJo0
>>567
行っても通行許可書がないから入れん・・・愛の強行突破か
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/19(日) 23:38:15.96 ID:dLBbrirFo
ついでに岩隈もちゃっかりついてくるんですね(ry
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/08/20(月) 13:57:37.52 ID:QlBr809A0
イチローがまた2打席連続でHR打ってるし・・・wwww
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/20(月) 22:52:36.41 ID:m+vKfFpDo
「(2打席連続でヒットを打ち損じるなんて)もう恥ずかしかったです」って言ってたな
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/08/23(木) 19:09:37.73 ID:IzxBwb+l0
なんでイチローを味方につけておきながらマリナーズは優勝出来なかったの?
馬鹿なの?死ぬの?野球嫌いなの?
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/08/23(木) 20:09:48.71 ID:4T6VudOyo
セーフコとかいう呪われた本拠地にチームがあるからね、仕方ないね
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/08/29(水) 01:38:12.97 ID:Gc1biBDAO
??「イチさんと>>1さんに早く会いたいなぁ…」
578 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/08/30(木) 22:11:25.30 ID:whWmq8gH0
>>1です
もうちょっと待ってていただけたら幸いです
頑張ります!
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/08/30(木) 23:43:11.85 ID:h5O4RAAGo
このSSは面白いからずっと待ってるよ
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/08/31(金) 11:52:30.77 ID:77IoCw9b0
>>1からの伝言を聞き、セガールがアップをやめました
581 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:23:32.12 ID:TUftz39s0

アルレオルスは机に肘をつき、改めて考えていた。
姫神秋沙という存在が自分に対して、自分の願望に対していかなる存在なのかを。
そもそも事の発端となったのは自分がある人物に出会ったことである。
その人物は、彼女は天真爛漫という言葉を体現するかのような人だった。
かつてローマ正教に属し、隠秘記録官(カンセラリウス)として働いていた自分の元にやってきた彼女。
いつしか教鞭を取る立場となり、彼女とふれあう機会も多くなった。
仕事の傍ら、彼女と過ごした日々、思いはもう感じることができないのだろう。

そう、幸せだった。

自分の日常は彼女によって満たされていたのを知った。
そして、唐突に失われてしまった。
一年周期でやってくる記憶消去という呪縛に囚われた彼女を、インデックスを、救うことは出来なかった。
忘れたくない。
この思い出を無くしたくない。
そう言って笑った彼女の顔が瞼の裏に焼き付いている。
三年間、ただ行方を晦ましていただけではない。
彼女を救う手だてを、手段を、方法を、力を手に入れた。
そのための姫神愛沙であり、そのための錬金術。
今度こそ、インデックスを。
静かに燃え上がる意志を秘め、アウレオルスは満を持して立ち上がったのだった。

582 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:24:11.30 ID:TUftz39s0

翌日、イチローに対し指定された時間の少し前。
徐々に陽が傾き、それでも尚けだるい暑さの中、ステイルは上条宅の前でやって来ていた。
目的としては第一に、今行っているようにインデックスの護衛としてイノケンティウスを設置するためにルーンを張り付けること。
第二に上条と共にイチローを迎えに行き、目的地までの道中に大まかだった物事の顛末の詳細を説明すること。
第三は……。

「お前、何してんだ?」

「あっ、すているなんだよ!」

玄関の扉が開き住人の二人が身を乗り出した。
上条はともかく、インデックスがこうして声をかけてくるのは完全に予想外だったために、動揺してしまう。
彼女がルーンに気付かないように、身体を使って大げさに死角を作った。
583 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:24:44.29 ID:TUftz39s0

「あぁいや、これはこれは……」

「ほらインデックスは留守番してろって!スフィンクスと!」

スフィンクスという単語と、インデックスが今抱いている猫から察するに、この猫の名前だろう。
一体いつ拾ってきたのかは見当もつかないが、彼女の嬉しそうな顔を見ることができたから良いとしよう。
頭の上に乗せたスフィンクスを両手で支えながら、インデックスは不満を漏らすことも無く二つ返事で快諾する。

「うん!いってらっしゃい、とうま!すている!」

そう言って扉も閉めずに部屋に戻っていくインデックス。
そっと上条が扉を押し、彼女がスフィンクスを愛でる声は徐々に小さくなっていった。

584 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:25:33.03 ID:TUftz39s0

「……で、何でここに?」

本来の議題を呼び戻した上条の言葉にハッとし、冷静を装うステイル。
危うく中途半端にルーンを張ったまま、次の段階に進むところだった。

「ん……彼女を護る為にイノケンティウスを置いて行こうと思ってね。僕らが出かけている間に、魔術師に狙われないという保証は無いからさ」

全く世話が焼ける、と加えて言う割には嫌がる素振りを見せず、むしろ微笑んでみせた。
何となしに、違和感を覚えた上条は一言突っ込んでみる。

「お前……インデックスが好きなの?」

突然放たれた自らの内側に迫る言葉に、ステイルは思わず煙草を口から落とした。
誰にも言ってないし、言っていない。
バレたことは一度だけあったが。

「な、何を言い出すんだ!あ、あれは保護すべき対象であり、けして恋愛対象には……だから、その……」

585 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:26:11.59 ID:TUftz39s0

柄にもなく頬を赤らめる大男を見て上条も笑った。
初対面の時は気に食わない奴だと思っていたが、どうやら彼も年相応の人間であることには変わりはないらしい。
対するステイルは恨めしそうに上条を見る。
どうにも色恋沙汰に鈍感そうに見えるこの男に、自分の恋愛観について指摘されたのが癪だった。
何か一言言い返そう。
そう思い己の中の辞書を引き、罵倒の言葉の数々を並べ立てていたその時、人影が近づいてくるのが分かった。

「それ以上踏み込むのは野暮ってものだよ、上条君」

振り返らずとも誰だか分かるその声と、振り返れば誰でも知っているその姿。
定めた時間まではまだ随分あるのにもかかわらず、あの男がここに立っていた。

「野球選手!?」

「やぁ、どうも」

586 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:26:47.60 ID:TUftz39s0

イチローはさも指定されていた場所が初めから上条宅であったかのように振る舞う。
アメリカから直接来たのだろうか、服装は動きやすそうなジャージに身を包んでいた。

「海を走って渡ってくる途中で嵐に見舞われてユニフォームがびしょ濡れになっちゃって」

相変わらずおかしなことを言っているが、彼にとって事実であるに違いない。
ただ単に未だ理解しがたいだけなのだ。
やれやれと言わんばかりの表情でステイルはイチローを迎えた。

「イチローさん待ちきれなくて来ちゃったんですか?」

「指定されてたけどやっぱり初めから合流しとこうと思ってね。場所の見当はついていたし」

上条の問いに対し、興味深そうにルーンを見ながらイチローは言う。
かつて二度ほど見たことがあるはずだが、その眼差しは鋭かった。

587 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:28:12.90 ID:TUftz39s0

「イノケンティウスを置いて行くの?」

「あ、あぁ。インデックスの護衛だよ」

「……どうせなら連れて行かない?インデックスさん」

「えぇ!?」

上条は大げさに声を出し、表情には表さないステイルも額に汗を滲ませる。
何気なく言い出すものだからその分驚きも大きくなる。
何が起こるか分からない現場に様々な意味で重要な人物を連れていくのは危険ではないだろうか。

「イノケンティウスは強力だと思うけど、彼女が勝手に出かけたりしたらどうする?」

「むっ……」

言われてみると確かにそれは盲点だった。
彼女の性格と行動力を考慮すると、イノケンティウスの護衛範囲を超えてしまう可能性は十分ある。

588 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:28:52.99 ID:TUftz39s0

「イノケンティウスよりも強力な敵が来たり、対処法を知っていたらどうする?」

「むむむっ……」

「……何がむむむだよ」

ぼそりと呟く上条を無視し、引き続きステイルは思考する。
この魔術よりも強力な外敵などそうそういるとは思わないし、思いつくものではない。
しかしイチローのように一般人に見えて恐ろしい力を持つ人がいないとは言い切れない。
力技でイノケンティウスを掻き消したり、速さにモノを言わせてルーンを剥ぎ取る輩が。
そう考えると、彼の言い分は一理ある。

「わかった、連れて行こう」

「よし。上条君、インデックスさんを連れてきてくれるかな」

「はい!」

しぶしぶという具合ではなく、ステイルも自分の中できちんと納得してその解答をしていた。
その瞳はこれから行う任務へ向けての決意と、インデックスを護るという使命感を滾らせている。
イチローもこれから自分が再び戦いに身を置くことを意識し、気持ちを切り替えた。

589 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:29:51.47 ID:TUftz39s0

「あれ、今度はいちろーもいるんだよ!もしかしてまたキャッチボール?」

そんな緊迫した雰囲気をインデックスは一気に弛緩させていく。
彼女に悪気など一片も無く、これが素の反応なのだ。
生憎キャッチボールではないという旨を上条が伝えると、露骨にしょんぼりした表情を見せた。
イチローがこのお出かけが終わったらと伝えると、途端に笑顔になった。
スフィンクスは置いていてと再び上条が言うと、今度は涙を浮かべる。
彼女の喜怒哀楽を眺めているだけで、あっという間に一日が過ぎてしまいそうに思えた。

「じゃ、道案内頼むぜステイル」

「はいはい」

「はいは一回なんだよ、すている!」

「……はい」

魔法分野に限れば、上条とイチローの双方どちらよりも長けているため必然と中心的存在になるのはステイルだった。
しかし十万三千冊の魔道書を有し、意中の人が加われば話は違ってくる。
この場で誰よりも長身だったステイルが、小柄なインデックスよりも少し小さく見えたのは気のせいではないだろう。

590 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:30:46.54 ID:TUftz39s0

太陽は顔色を変え、日差しがビル街を朱に染めていく。
一行が目指すその建物もまた同様に染まり、窓が光を反射させていた。
学園都市で暮らす上条も、アメリカで過ごすイチローも良く見る、日常と化した光景だった。

「大きな建物だね、いちろー!」

「そうだね……これが三沢塾か」

科学崇拝を主軸にした似非宗教というものだから変に身構えていたが、至って普通のビルであった。
学生が出入りし談笑したりしているその姿は、本来の三沢塾という予備校としての体を為している。

「別に怪しくないと上条さんは思う訳ですが……」

「確かに怪しくは見えないけどね」

「……建物そのものが結界になってるかも。それもかなり強力なんだよ」

突如うきうきとした面持ちだったインデックスの目つきが変わる。
その瞳はどこか自動書記を彷彿とさせた。
それ程に彼女と魔術の因果関係は強く結びついているのかもしれない。

591 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:31:35.23 ID:TUftz39s0

「ま、そういうことだよ。その中心にいるのが錬金術師アウレオルス=イザード。パラケルススの末裔なのさ」

「ちなみにパラケルススっていうのはルネサンス初期のスイスの医者なんだよ!ホムンクルスを作ったりとか……」

簡潔に事実を述べるステイルに対して、インデックスは大よそ常人にはすぐさま理解できないことをつらつら述べていく。
こればかりはお手上げといわんばかりに上条は止めに入った。
途中で遮られて不機嫌そうなインデックスをイチローが宥め、上条が質問をする。

「と、とりあえず錬金術ってのはアレだよな?鉛を金に変えたりとか……」

「あと賢者の石というのも聞いたことあるな」

二人は魔術に関しては一般人ということで、知っていることだけを述べる。
それに対してステイルは少し頷き、解説を進めた。

「大体そんなところだが錬金術師には本来、究極的な目的が存在するんだ」

「……それは世界の全てをシミュレートすることかも」

小さく述べたインデックスのその言葉が、今後の事態の大きさを加速させた。
それは一体どういうことだというのか。

592 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:32:27.30 ID:TUftz39s0

「もし、もしも頭の中に思い描いたものを現実世界に引っ張り出せたら……どうなると思うかな」

彼女の言い方からするに、錬金術師は空想を現実にする力を身に着けているらしい。
本当にそれが出来たなら、金銀財宝も無限に生み出せるということだろうか。
人の考えることも分かるということだろうか。
生命を生み出すことができるのだろうか。
またはその逆。
生命を奪うこともできるのだとしたら。

「中々手強そうじゃないか、錬金術師って」

不敵にイチローが笑い、

「そうさ。手強そうじゃなくて、手強いんだ。君はお留守番でもしてるかい?」

ステイルが冗談を飛ばし、

「なぁっ!?上条さんだって頑張りますよ!」

上条が拳を固め、

「いちろー、とうま、すている、……無茶しないでね」

インデックスが祈り願った。

593 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:33:06.49 ID:TUftz39s0

「ところで」

いざ突入しようとしたところで、イチローが三人に、特にステイルに対して質問をした。

「この結界や錬金術ってかなり手強いって言ってたけど、どれくらい?」

唐突な質問に対してステイルは首を傾げる。
また何か突拍子もないことをこの野球選手はしようとしているのが手に取るように分かったが、あえて止めはしなかった。
彼がその何かを行えば、未だ全貌が掴めないアウレオルスの力が発覚するかもしれない。

「……竜王の殺息と同等か、あるいはそれ以上か」

それはイチローが目撃した最大の魔術の一つであり、ある種魔術に対しての物差しになるとステイルは思った。
常に最悪を想定しておくことは作戦において何も間違いではない。
現実などその遥か上を行くのだから。

594 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:34:06.23 ID:TUftz39s0

「アレと同様ね。ありがとう」

そう言ってイチローはいつもの様にバットを取り出す。
戦うべき相手も打つものも存在しないこの場で何故バットが必要なのだろうか。

「ま、まさかイチローさん……」

「ちょっと離れててくれる?」

慌てふためく上条に注意を喚起し、ステイルは人払いのルーンを刻む。
インデックスは物珍しそうに眺め、イチローはあの構えをビルの前でしてみせた。
辺りが静まり返り、ステイルは考える。
イノケンティウスを消してしまうほどのスイングをここで行ったとしたらどうなるか。
きっとただでは済まないに違いない。
窓ガラスだって何枚も割れるだろう。
だがしかし、前提が間違っていたとしたらどうなるか。



もしも、自分の前で見せたあのスイングが未だ全力でないとしたら?


595 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:34:56.69 ID:TUftz39s0

「おおおおおぉぉぉぉぉぉッッ!!」

その解答に辿り着いたとき、既にイチローは雄叫びを挙げながらバットを振りぬいていた。
思わず三人は目を瞑り、辺りが静まり返った後、恐る恐る目を開けた。
目に飛び込んできたその景色は先ほどと変わらなかった。
イチローがいて、ビル街があって。
ただ一つ違うのは、我々の目の前にあった建物の高さが半分になっていた。
ただそれだけだった。

「え、えええええええ!!?」

上条が素っ頓狂な声を出し、インデックスが口をパクパクと開けている。
そしてステイルは呆然とし、本来ビルがあったところを眺めた。
そして真っ先に異変に気付いたのもステイルだった。

「これは……っっ!」
596 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:35:46.91 ID:TUftz39s0

「ちょっとやりすぎちゃったかな?」

自らの打撃に若干の罪悪感とそれ以上の満足感にイチローは浸る。
打ち応えは確かに竜王の殺息並。
実際に打ってはいないのだが感覚で分かった。
本来あった部分は、今頃太陽にでも届いているかもしれない。
一切合財解決した訳ではないが、敵の本拠地を叩いたということで良いのだろう。

「……あれ?姫神さんってビル内にいるんだっけ」

突如生じた疑問に対して自分では答えを出せず、三人が待つ場所に歩みを進める。
ひょっとしたら取り返しのつかないことをした気もするが、恐らく相手の錬金術師は――――
パリッっという電撃音が背後で鳴った。
振り返ってみれば吹っ飛ばしたビルの部分がまるで映像の巻き戻しのように再現されていく。

これが錬金術。
これがアウレオルス=イザードの持つ力。

「やっぱり、手強そうだ……」

この異常な景色を眺めても、再びイチローは笑うのだった。
597 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/02(日) 02:36:19.40 ID:TUftz39s0
約二か月ぶりの投稿となってしまいました>>1です
せめて一か月以内にしたかったんですが何かと忙しくて;;
イチローの移籍など色々ありましたが
引き続き頑張りたいと思います
読んで下さる方々には本当に感謝です
こんな拙いSSですが改めてよろしくお願いします
誤字脱字等ありましたら脳内補完しておいてくださいorz
ではでは……
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/09/02(日) 03:05:18.70 ID:p2OeRwaao
乙!
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 05:39:23.84 ID:R7n22lXIO
太陽が砕けてしまう
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 14:06:57.43 ID:x7m9Wufb0
イチローさんパネェっすwwwwwwwwwwwwwwww

しかしこれは全力の何割だろうか

イチローが全力だしたら宇宙がヤバイ気がするが…
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 14:42:00.34 ID:NvzmCszI0
>>1乙!!
気にしないで自分のペースで書きなよ?こっちは気長に待ってるから

やっぱりイチローさんぱねぇwwwwwwwwww
なんでアベ○ジャーズに出演してないのか・・・
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 16:10:15.56 ID:M/Al8j8IO
>>601
強すぎるから
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 21:27:07.41 ID:x7m9Wufb0
>>602
それは正しくない
理由はただ一つ

彼が野球選手(メジャーリーガー)だからさ
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/09/02(日) 22:48:08.34 ID:TdJkeGI+o
イチローの全力スイングは宇宙の膨張速度を超えるらしい
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/09/02(日) 22:49:31.11 ID:k6Q3zxqCo
そんなイチローさんにとって川崎とはどういう存在なんでしょうか
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/09/03(月) 02:59:53.93 ID:27fJBTnAO
イチローが全力スイングすると
あまりの強さに地球が軌道から外れるから
今回のスイングですら序の口である

>>1乙ゥー!
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/03(月) 21:25:55.99 ID:JEcqNy+7o
ヘタ錬金は野球青年になる未来が見える
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 09:06:30.50 ID:x9Wlqom1o
錬金術を生かして敷地に野球場をだな…
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/09/04(火) 21:09:37.24 ID:GQgXS1qr0
野球塾設立予定地はここですか?
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/06(木) 22:55:27.51 ID:E5XzzZu7o
いやあ待ってた。これからも頼むぜ乙
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/10(月) 14:39:57.24 ID:5YGCSjNN0
ヤンキースが勝てないのは『イチローの呪い』のせいだって?
HAHAHA、一体なにを言ってるんだい?
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/09/14(金) 22:11:05.07 ID:xO+Wsgb8o
そうだよな、どう考えても呪ってるのはマリナーズのk、ん?こんな時間に来客か
613 : ◆I045Kc4ns6 :2012/09/17(月) 22:54:57.51 ID:iA2ZXqPe0
生存報告です
ヤンキースとオリオールズの首位争いが熱い日々ですね
9月半ばなのにまだ日差しも強くて困ります;
今月中に続きが出来ると思うので頑張ります
イチローも18日から16連戦らしいので頑張ってほしいです
ではでは・・・
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/09/17(月) 23:49:04.98 ID:UAq/mcDlo
待ってます
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/17(月) 23:49:09.70 ID:/68iZf1c0
待つさ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/09/18(火) 17:39:28.55 ID:iB3ZdjkAO
??「僕もイチさん…あっ>>1さんを待ってます」
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/18(火) 20:10:13.88 ID:GNTiSVE9o
特定した
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/18(火) 20:26:21.55 ID:+wsIEwoCo
栄光の背番号『51』はきっと全球団永久欠番だな
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/09/20(木) 12:17:26.35 ID:xQ1wrVEyo
ダブルヘッダーで7安打4盗塁とは流石イチローさんだ
620 :名無しNIPPER [sage]:2012/09/20(木) 17:44:23.56 ID:JezKru8AO
SEAイチロー 打率.261(402-105) 4本 15盗塁 出塁率.288 長打率.353 OPS.652
NYYイチロー 打率.317(164-*52) 3本 10盗塁 出塁率.337 長打率.439 OPS.776

セーフコはやはり呪われていた…?
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/09/22(土) 14:57:00.22 ID:RzXe6ZL6o
恐らく上からの指示なんだろうけど今までと違うプレースタイルになったよな
盗塁死を気にせずにポンポン走るし、0or1死でランナー2塁にいたらほぼ100%セーフティバントしてる
ランナー無しで2死なら長打狙い。シアトル時代はその場面でも普通に打ってた。それでもちゃんと結果出してるあたりさすがだよな。
元々ヤンキースは守備と走塁要員として取ったつもりだったのに打撃まで復活したんだから美味しすぎる買い物だな
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/09/22(土) 20:47:18.29 ID:9UZ15Djso
今日のミラクルヒットでまた伝説に1ページ
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/09/23(日) 00:06:25.42 ID:Ogma7vTS0
あれはユニフォームの中にボールを転送したんだろ?
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/09/23(日) 00:16:00.40 ID:Xwob4jw2o
今まではセーフコという強力な封力結界の中でプレイしてたから
まだ力の加減が出来ないんだな
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/09/23(日) 08:25:33.81 ID:xjn3YJP6o
今日もイチローさんすごすぎだろどうしちゃったの…?
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/23(日) 11:16:42.89 ID:wMp2/30E0
9/20 1左 4打数3安打0打点2得点 右安 左安 三振 左2
9/20 8左 4打数4安打1打点0得点 中安 右2 右安 左安
9/21 8左 4打数2安打3打点2得点 右本 右2 二ゴ 三振
9/22 8左 3打数2安打0打点0得点 投安 左安 左直
9/23 2中 5打数3安打1打数3得点 右本 右安 四球 犠打 二ゴ 三振 遊安 敬遠

5試合
.700(20-14) 出塁率.727 長打率1.150 OPS1.877
これは神ローですわ
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/09/23(日) 11:20:27.81 ID:v7/vkHVvo
>>626
敬遠クッソワロタwwwwwww
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/09/23(日) 13:42:15.06 ID:Y/4qOf7F0
しかも敬遠はA-RODの前だからな
わけわからんことやっとる
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 14:28:25.21 ID:wroAhCnu0
>>626
おかしなことやっとる

一日に7安打4盗塁は史上4人だけ
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 14:49:39.42 ID:ux/uGnhDO
イチローさんがチートすぎてテンション上がる
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/09/23(日) 16:35:35.65 ID:tAyCFO3O0
テンション上がる
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 23:45:49.69 ID:yjFtxsQs0
やはりお前らは安定してやがる
安心した
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 22:26:54.33 ID:klQNJCz6o
テンション上がるな
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 12:06:23.71 ID:Y/CzMZ+Uo
むしろイチロー大活躍過ぎる
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/09/25(火) 14:43:17.34 ID:iFBZ359qo
週間MVPおめでとうございます
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 15:14:42.68 ID:Y/CzMZ+Uo
同じチームで試合するのは飽きてたんだな…
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 16:27:06.32 ID:nd2ylqGfo
シアトルではヒットを打つという『作業』をこなしていた
しかし今ニューヨークでは『野球』を楽しんでいる
ただそれだけのこと
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/09/25(火) 19:35:05.27 ID:1depOHgH0
流石というかやはりというか…
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/27(木) 23:59:06.15 ID:RfWEbA0k0
背番号61「流石僕のイチローさんです・・・//」
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 02:39:45.14 ID:tpiiZpyP0
ヤンキースに移籍したという事はNYから大陸横断して海走って来てるのか、
もしくは大西洋→インド洋経由のコースで来てるのか・・・

あと投げたバット(又はレーザービーム)に乗って来てる可能性も。
まぁ出来て当たり前なんだろうが
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/03(水) 02:07:37.89 ID:0Jd12T1b0
イチローってプレーオフ11年ぶりなのか
とにもかくにもおめでとう!
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/04(木) 11:43:23.28 ID:GZPXP13Wo
??「僕のイチローさん優勝おめでとうございます!・・・//」
??「来年は僕もそっちにいきますので・・・//」
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 19:18:59.97 ID:y/mcxG9IO
イチさん!
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/04(木) 22:08:31.27 ID:SJ6K3H+40
イチローはもちろんカッコイイけどジーターの兄貴も最高だな!
「これで練習試合は終わりだ」ってさ・・・ヒューッ!!
一番兄貴・二番イチローは来年も固定だね

だから>>642、お前の居場所はないよ
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/04(木) 22:59:03.63 ID:W9zLtPbao
やばいぞ・・・
これからYYM(ヤンキースが優勝するまで待つよ)連中が暴れだすぞ!
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/05(金) 09:25:52.26 ID:Vi+6X3p0o
YYMなんてしらねーよほんとだよ!
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/10/05(金) 12:15:49.37 ID:4hHxk9150
>>644
??「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
648 : ◆I045Kc4ns6 [sage]:2012/10/07(日) 02:25:35.18 ID:KMmPsg2U0
9月中に出来ると言ったな。あれは(ry
すいませんできませんでした;;
ヤンキースが優勝しましたね
めでたいです!
今季限りですっぱりとイチローが引退なんて可能性も無きにしも非ずなので
出来る限り早めに頑張りたいですorz
ではでは…
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/10/07(日) 13:30:21.13 ID:PvC1Z1JAO
サンキューイッチ
サンキュー>>1
フォーエバーイッチ
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/10/09(火) 13:14:49.31 ID:60xQSrWIo
伝説がまた増えたね
あのNINJA走塁での連続避けはすごすぎるwwwwww
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/09(火) 18:23:43.95 ID:Uu4tTU6/o
ついつい本気の1/100ほど出した走塁しちゃったねwwwwww
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/09(火) 18:41:45.48 ID:IKVSfSzo0
イチローはninjaだからね 仕方ないね
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/09(火) 20:26:04.47 ID:r0hGq/VHo
あの走塁見てて改めて痛感したけどボディバランス異常すぎっぞwww
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/10/10(水) 22:17:13.38 ID:SvzAZYfDo
やはりイチローは神ローですわ
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/11(木) 23:43:39.62 ID:3UAMChiY0
イバニェスとかいう神
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/16(火) 20:35:27.02 ID:AlXyHNEw0
61「マイブラザー・ジーターが怪我、手術の可能性も・・・か・・・。やっぱりイチローさんの隣に立てるのはボクだけ・・・フフフフフ・・・」
657 :名無しNIPPER [sage]:2012/10/17(水) 19:20:55.34 ID:8GhEDJ/50
ヤンクス三連敗か…
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/10/17(水) 23:13:45.73 ID:HbP/L3bTo
タイガースがリーグ優勝するまで待つわ
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 23:03:27.07 ID:LNC0b8z/0
イチローが雨雲を呼んだか・・・まぁ天候を操るくらいわけないな
てかA・ロッドェ・・・
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/10/19(金) 11:48:41.12 ID:a8ucSiMAO
負けちゃったなぁ…
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/31(水) 20:10:48.17 ID:rkPYSMdT0
とりあえず、続きを期待して保守
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/01(木) 02:21:04.64 ID:1fiSCd3o0
イチローがFA枠だと・・・?NY首脳陣は分かってないな。まぁホモリン解雇は妥当。
663 : ◆I045Kc4ns6 :2012/11/02(金) 01:25:03.77 ID:XIlldcUb0
生存報告です
二カ月経ってしまいましたが未だ投稿できず申し訳ないです
イチローの行く末など色々と気になるところですが
なるばくなるべく早くできるよう頑張ります
ではでは・・・
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/11/02(金) 01:45:16.45 ID:QvJACCS2o
無論、待ってる
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/11/02(金) 10:49:38.62 ID:k22voQKs0
それは、紛れも無く、待つさ
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 12:45:33.70 ID:nV+Nu+pN0
太陽(イチロー)が天に輝く限り、待つさ
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/11/02(金) 13:04:15.96 ID:6P1090Kio
イチローがリング手に入れるまで待ってる
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/11/02(金) 13:04:59.68 ID:QiDt7xsUo
正直そろそろ待つのも飽きた
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/02(金) 14:39:35.16 ID:74msGsFIO
ならば迎えに行こうじゃないか
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/09(金) 03:49:19.61 ID:fDZuPmos0
イチローがNYを満喫しているそうだwwNBA観に行ったらしいが・・・まさかバスケに・・・!?
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/11/12(月) 01:12:23.59 ID:wBV/ueyl0
とうとう野球より得意な競技に手を出しはじめたか。
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/23(金) 10:06:42.78 ID:VmyXgYtOo
年内更新は無理そうかな
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/24(土) 17:32:48.87 ID:6llJVZd50
マリナーズからのファンにサイン入りバットにスパイク、直筆の手紙プレゼントだと・・・
さすがイチロー!そこに痺れる、憧れるぅッ!!
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/11/27(火) 17:28:50.61 ID:ruK629OAO
http://www.youtube.com/watch?v=EbS-moB-DwY&sns=em

CGじゃないんだってよ
これはユンケルやってますね…
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 20:30:25.12 ID:iWRlOpzIO
>>674
馬鹿それCGだぞ

本物がユンケル飲んだらあんなもんじゃすまない事くらいこのスレにいるお前らなら分かるだろ
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 04:48:51.60 ID:iRvEhN9c0
ユンケルイチローなら空間を裂くくらい余裕
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/07(金) 18:34:39.65 ID:bmUiPfzn0
イチローさんマジで海上での投球練習やめて下さいよ…
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 13:25:16.58 ID:Soi1DNuH0
イチローさんがヤンキース以外の球団からも注目・・・こうなったら分身するしかないな

そして背番号61は来年もメジャー挑戦か・・・
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/08(土) 14:06:58.31 ID:/etu2lDCo
ユンケルの新CMで分身を披露してたな
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 15:08:51.72 ID:bRH7cpxIO
どうやらまだヤンキースでプレーするようだな
やばいイチローがガッツポーズするぞ
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 18:45:08.07 ID:iw7YtX42o
あの歳で2年契約で更に好条件の他球団が獲得争いしてたとか
やっぱすげえな
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 16:14:06.37 ID:ypHJM7A2o
???「わかりました!ニューヨークですね!」
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/20(木) 09:00:57.43 ID:iKIU2TBRo
イチロー二年契約で残留だってな
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/28(金) 03:39:44.96 ID:Aaqun/0M0
マツイ引退か・・・
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 00:32:51.80 ID:2brr9uJK0
松井…さみC
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/29(土) 09:25:52.86 ID:zpacrSzGo
松井はこれから学園都市にいくんだろ。もう普通じゃ満足できないんだよ
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 01:19:03.76 ID:9D5P9tW4o
プロフェッショナル見てしんみりしてしまった
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [ sage saga]:2012/12/30(日) 09:37:32.38 ID:cXNCD0+ko
いっきゅう可愛かったな
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/30(日) 12:47:04.56 ID:5Pps7kdbo
イチローやっぱりだいぶ老けたよな……
昔の動画とか見返すと差がヤバイ
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 13:03:13.95 ID:JiizpX/00
もう今年も終わるけど>>1は元気だろうか…
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/31(月) 13:47:46.39 ID:m3iEqWTMo
>>1は年末年始も休み取れない仕事なんだろうか
生存報告無いと心配になる
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