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男「モブの立ち位置なのに主人公なのか?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆5ck3xNWGQw :2012/05/06(日) 19:51:48.24 ID:bYAtYMJl0
2から

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クリスタ「かわいいだけじゃだめですか?」 @ 2025/07/19(土) 08:45:13.17 ID:AK1WfFLxO
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八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part1 @ 2025/07/19(土) 06:35:32.67 ID:BGCulupRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752874532/

【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 @ 2025/07/18(金) 23:44:57.84 ID:Xc8IdKRvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752849897/

どかーんと一発 @ 2025/07/18(金) 21:10:10.35 ID:CEsRuBor0
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冒険者育成学校 @ 2025/07/18(金) 01:36:01.28 ID:PkrtUMnv0
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たてづらい部!! @ 2025/07/17(木) 23:24:46.15 ID:o3A0TqwG0
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ゼンレスゾーン淫夢要素ゼロ @ 2025/07/16(水) 18:57:50.86 ID:RQSyJ1Qxo
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【ギルデッドエネミー】ウルフ「まるでじゃんけんだ」 @ 2025/07/16(水) 01:49:20.03 ID:ryYxoR/vO
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2 : ◆5ck3xNWGQw :2012/05/06(日) 20:06:29.82 ID:bYAtYMJlo
キーンコーンカーン

担任「と、チャイムも鳴ったし連絡もここまでにしとくか」

担任「はい、解散」パン←手を叩く音

この担任は楽だなぁとつくづく思う
廊下はまだ静かで他のクラスはまだHRが終わってないことを知らせてくれる

男「……」

最近こういう遊びにハマってる
頭の中にモノローグを流すとギャルゲーの主人公になった様な気がして…やっぱりしない
……全然ハマってないじゃん
と頭の中で突っ込む

男「……ボー」

男「(俺…痛いな……)」

ガヤガヤ
リア充「帰り○○寄ってこうぜ」

リア充2「あ、悪い今月ピンチなんだよー」

男「(テスト期間なのにDQNは気楽だな…)」←リア充=DQNという考えが定着している

担任「おい、男」

担任「いつまでボーっと座ってる、お前掃除だぞ」

男「すみません、行ってきます」

3 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 20:15:15.47 ID:bYAtYMJlo
男「ただいまー」

幼馴染にもお嬢様にもロリにも友にもツンデレ少女にも会うこと無く帰宅。
友以外は存在すらしていない。

男「……」

家に帰って誰もいないと特別な気分にならないか?
ギャルゲーの主人公ってのは大体親が何らかの事情でいないか家を空けてるもんだ。
うちの場合海外旅行で家を空けてるんだが、何と無くそれっぽい気になるもんだ。

男「飯は…コンビニでいいか」

今日始めての発声はアニメ声優の真似をした気持ち悪い独り言だった。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/05/06(日) 20:33:04.61 ID:hDrDX4x40
fight!
5 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 20:39:07.86 ID:bYAtYMJlo
自転車を走らせて近くのコンビニへ向かう。
カップ麺にするか弁当にするか…
因みに予算の心配はない。
親が事前にそれだけの金を置いて行ってくれた。
飯代を我慢すれば結構遊べるだろうが今はテスト期間。
遊んでる途中に勉強の事がどうしても浮かんでしまう。
そんな気持ちで遊ぶくらいなら食事に金を回した方が得だろう。

男「……しょっと」ガシャン

店員「いらっしゃいませー」

男「……」

何にすっかなー。
カップ麺…ペヤ○グ行っとくか…

店員「ありがとうございましたー」

男「……」チリーン
あ…飲み物買うの忘れてた…
家のお茶でいいか…

ファーーーーーン!
男「……」

だる……

ファァアァアン!!!!!

帰ったら風呂も入れないと……

男「……ぁ」ファァァアン!!!!!

マジかよ……

やば…間違えた…

何やってんですか!!!!!

……あー…こっち来たら俺のとこに呼んでくれ

また希望通りの場所へ送るんですか…?

それしかないだろう… 無責任ですね

もし 好き放題やられたら困るの は

その点もちゃんと考えてな… 私も手伝いましょう
是非頼む 本当無責任ですね


何かたくさん聞こえたが
もうなにも見えないし
きこえなかった

THE ENDガシャーン
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/06(日) 20:44:59.84 ID:AKBWwTL60
がんばれ
7 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 20:52:22.65 ID:bYAtYMJlo

……
………
…………
……………

男「……」

「こちらへどうぞ」

男「……?」

「そのまま真っ直ぐ進んで下さい」

男「……」コツコツ

「いい子ですね。そのまま真っ直ぐ…真っ直ぐ…「なんかムツゴロウさんみた」ドゴッ

「何も気にしないで…そのまま真っ直ぐ進んで……」

白い空間が続いてる

男「……」

「振り返ってはいけません…そう…真っ直ぐに」

何も考えられない

何かを思いだそうとする度に頭の中でエラー音が鳴る

「その扉を開きなさい」

言われた通りにしか、出来ない

ガチャ…

「よく来ましたね」

「ンフハハハハハハ八八/ \!!!!よく来たな!!!我こそは!!」ガスッ



「邪魔が入ってしまい申し訳ありません」




「ようこそ、神の部屋へ」
8 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 20:55:13.16 ID:bYAtYMJlo
なんで既に2レスも応援されてんだ…
しかも片方IDがAKB……
ちょっと更新は遅いかもしれないけどちゃんと話は考えてあるよwwwwwwww
9 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 21:32:49.75 ID:bYAtYMJlo
話しかけた片方は物凄いブロンド…いや銀髪美人か
アホっぽい笑いをして殴られた片方は金髪の美男子

男「……は?」

銀髪「突然で申し訳ありませんが」

金髪「待て待て」

銀髪「はぁ……」

銀髪はイライラしているようだったが、金髪は気にせず喋る。

金髪「俺が話す」

銀髪「…わかりました」

金髪「まあ掛けろよ」

最初から有ったのか無かったのか。
ガラス張り?らしいそれに腰掛ける。

金髪「さて?少年…かな?」

手元の資料を見ながら男が喋る。

金髪「俺の姿。何に見える?」

男「え?」

金髪「率直な感想でいい。そうだな…例えば」

銀髪「アホっぽいバカでも構いませんよ」

笑顔で答える銀髪。金髪の顔が引きつる。

金髪「ふ、ふむ…容姿に触れない点は評価出来るが…」

金髪「表現が美しくないな」

銀髪「当たり前でしょう」

そう言うと銀髪は身を一歩引いた。

金髪「さて、話が逸れたが」

金髪「俺の『姿』どう見える?」

金髪「思ったことをそのまま口に出せ」

男「……」

なんと答えればいいか迷ったが結局オブラートに包むのはやめた。

男「アホそうな…金髪の美男子?」

銀髪が奥で口元を抑えているのが見えた。
10 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 21:47:08.98 ID:bYAtYMJlo
金髪「成る程成る程……アホっぽい金髪ね……」

なんらかのマイナスの反応をするかと思いきや、金髪はあまり気にしていないようだった。

金髪「ちなみにあれ、奥で笑ってるの」

銀髪の方を向いて金髪が言った。

金髪「あれの『姿』は?」

もの扱いするのが気になったがさっきと同じく素直に思ったことを言った。

男「銀髪の美女…ですかね」

金髪「えらく扱いが違うが…まあ君の性別と年頃なら仕方ないか…」

やはり少し落ち込んでいるようだった。

金髪「さっきも言った通り、ここは神の部屋だ」

男「はぁ…」

金髪「おっ!信じてないな?」

何故か嬉しそうだった。

男「いや、その…」

男・金髪「「急に神とか言われても…」」

見事に声がハモった。

男「……」

金髪「こんなんじゃ偶然かもしれないし信用してもらえないよな?」

金髪はもっと『何か』を使いたい様子だった。

男「いえ、信じます」

ので、断った。

金髪「……まあそれならいいんだけどね」

奥でまた銀髪が口元を抑えているのが見えた。
11 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 21:56:41.71 ID:bYAtYMJlo
男「それで…俺は死んだんですか?」

金髪「……まあそれについては後ほど話す」

金髪「まず容姿の事を何故聞いたか教えよう」

男「…はぁ」

金髪「俺の姿だが」

金髪「前の訪問者はダン○ルドア先生に見えたそうだ」

金髪「そして君が銀髪と呼んだこいつ」

金髪「何故か金髪の美女だった」

金髪「…何故だ?」

男「いや、知りませんが」

金髪「ここまで言えばなんとなくわかるだろうが俺たちは」

金髪「訪問者の描いている神のイメージと女神のイメージをそれぞれ反映させるらしい」

神なのに曖昧だなと思ったが口に出すのはやめた。

金髪「因みに君の姿」

金髪「俺からは人魂に見える」

男「……」

金髪「さっきの質問だが」

金髪「その通りだ、君は死んだ」
12 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 22:08:58.14 ID:bYAtYMJlo
なんとなく分かっていたことだがやはり実感が湧かない。

金髪「死んだからには次の手続きをする必要があるわけだが」

銀髪「……何そのまま流そうとしてるんですか」

金髪「……知らない方がいいこともある」

銀髪「彼は知るべきですよ」

金髪「……」

男「あの…」

銀髪が頭を下げる。

銀髪「あなたの死についての件ですが…」

銀髪「こちらの手違いによる死であることをまず謝罪させて下さい」

男「え?」

手違い?どういう事だ?
と質問する気は無かった。
理解出来たからだ。

金髪「……」

銀髪「そこのアホ神が本来死すべき人物と間違えてあなたを死なせてしまったのです」

金髪「すまん!」

すまん!じゃねえよ。

男「それで…俺はこれからどうなるんですか?普通に…生き返らせて貰えるんですか?」

銀髪「あなたが話すべきですよ」

金髪「ああ……」
13 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 22:22:50.65 ID:bYAtYMJlo


金髪「まず、君の世界。元の君の生きていた世界だが……」

金髪「消滅した」

一発殴ってやりたくなった。

金髪「まぁ待て」

金髪「世界の仕組みから説明する」

話を聞くと『俺』の世界は核となる『俺』が死んだ時点で崩壊、消滅するらしい。
つまりもう親も親戚も友も存在しないという訳だ。
…自分で思い出すのがその人達だけというのが結構虚しかった。

金髪「理解したか?」

男「……コク」

金髪「よし、では」

頷くと同時に思いっきり金髪の顔をぶん殴った。

ガタ
金髪「……せ、正常な反応だ」

金髪「本当にすまなかった。しかし俺は神だ」

金髪「恐らくは君が望んでいることを次の人生で反映させる事が出来る」

男「何…?」
14 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 22:34:37.22 ID:bYAtYMJlo
金髪「…その説明の前に俺達の役割について説明する」

金髪「死んだ核、つまりは『主人公』だな」

金髪「前世での主人公の生き方によって次世での世界のグレードが決まる」

金髪「その次世界を構築し、主人公の生死を決定、管理するのが俺達神の役目だ」

金髪「そういう仕組みだ」

金髪「しかし残念ながら俺のミスによって死んだ君の次世の構築はまだ始まってすらいない」

男「……」

男「ならば俺の代わりに本来死ぬはずだった人の世界に俺主人公となって行くということですか?」

金髪「……半分正解だ」
15 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 22:42:52.39 ID:bYAtYMJlo
男「……勿体ぶらずに全て教えてください」

金髪「そのつもりだ…」

金髪「君が死んだからといって予定通り死ぬはずだった人物を放置しておく訳にはいかないんだ」

金髪「その人物は、君が死んだ5分後に息を引き取った」

男「じゃあ俺は?」

金髪「こちらに非があるのは仕方ないが話は最後まで聞いてくれ」

男「…すみません」

金髪「予定通り死ぬはずだった人物の次世界設定だが」





金髪「君達が死んだあとに最も望む世界」







金髪「いわゆるアニメ、ギャルゲー、エロゲーの二次元世界だ」
16 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 22:43:44.98 ID:bYAtYMJlo
今日は一応ここまで
また寝る前に更新するかも
17 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/06(日) 22:48:27.14 ID:bYAtYMJlo
14での訂正

俺主人公として←俺が主人公として
18 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 13:30:04.01 ID:HPQj7zKjo
男「は、はぁ?なんだそれ」

銀髪「例え方が下品なのでは?」

金髪「それは申し訳ない」ゴホン

金髪「いわゆる二次元世界といったものだ」

金髪「かといって点と線の世界ではない、きちんとそれに見合った『キャラクター』も存在する」

男「…ようするにゲームの世界の主人公になれるってことですか?」

金髪「…そうだが、なんだ喜ぶと思ったが冷静だな」

男「なんか裏がありそうなので」

銀髪「正解です」

金髪「……お前は下がっててくれ」

銀髪「はい」

男「それで…その裏を教えて下さい」

金髪「わかった、説明する」
19 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 13:43:15.47 ID:HPQj7zKjo
金髪「基本的に世界の核、『主人公』は一人だ」

金髪「その方が世界を回しやすいんだ。消滅したら再利用、また世界を構築といった風にな」

男「あの……」

金髪「なんだ?」

男「ずっと気になっていたんですが、その」

男「俺みたいな『主人公』以外はその…『NPC』なんですか?プログラムされただけの…自分の意思を持っていない…」

金髪「ふむ…」

金髪「君の『NPC』という例えに若干のおかしさを感じるな」

金髪「ゲームに例えるなら自分で操作できるキャラクター以外は『NPC』だろう?」

男「いえ…その」

金髪「わかっている。話している相手がネジ巻き人形だとは誰でも思いたくないものだ」

金髪「簡単にいうと『核』だけが意思を持っている訳ではない」

金髪「『核』になると決まった者が消滅すると世界も消えるという訳だ」

男「……」

金髪「つまりは…だな」

銀髪「NPCにはNPCとしての意思がちゃんと存在します」

銀髪「あくまで『核』にあるのは『世界の心臓』という訳です」

男「……」

銀髪「完璧に理解する必要はありませんよ」

金髪「ありがとう…では続きは俺が」
20 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 13:49:09.21 ID:HPQj7zKjo
金髪「つまりNPCにも意思は存在するという訳だ」

金髪「それを君には身を持って知ってもらう事になるかもしれん」

男「どういうことですか」

金髪「選んで欲しい」

金髪「本来『主人公』か『NPC』かはランダムで決められる」

男「…」

金髪「君の生前の経験値で君が新しい世界の主人公になるか」

金髪「さっき話した人物の世界、『二次元世界』の『NPC』になるか」

男「……俺は」

俺は……



……
………
…………
21 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 13:50:36.34 ID:HPQj7zKjo
結構ここまで急展開&無茶苦茶な設定だと思うんでなんかおかしくね?っていうとこあったら指摘頼む
22 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 14:04:06.27 ID:HPQj7zKjo
男「…選びます」

金髪「どちらだ」

男「………『NPC』としての次世を」



金髪「了解した」



ゴウウウン!!!!
男「!!」

起動音と共に男の周りに柱のようなものが建っていく。

金髪「心配する必要は無い」

金髪「ちょっと大手術するだけだ」

男「おかしいだろ!普通心配するだろ!?」

銀髪「前世の記憶の削除を行います」

男「ちょっ、ちょっと待った!!」

男「『俺』が『俺』で無くなったまま行っても意味が無いだろ!そんなの嫌だ!!」

金髪「…ストップ」

銀髪「了解」

金髪「まあそうなるよな」

金髪は溜息混じりに苦笑した。

男「意地汚いのは分かってるんですが…」

金髪「前世の記憶は削除させてもらう」

男「……」

金髪「だが『ここでの記憶』は残しておこう」

銀髪「……いいんですか?」

金髪「自分のケツを他人に拭いてもらうのは卒業した」

銀髪「……くさい台詞」ボソ

金髪「………そ、それでいいかな?」

男「……」

金髪「君の人物形成に十分役立つと思うが」

金髪「それと一人、かん」

銀髪「サポート役を付けましょう」

銀髪「こちらへ」

そこには何時の間にいたのか



天使が、居た



天使?「……」ペコリ
23 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 14:15:32.38 ID:HPQj7zKjo
男「ど、どうも」

天使?ちゃんは無表情だ。

金髪「よし!!起動!!」

ゴウウウウウウン!!!!!

男「うおおおおおおお!?」

銀髪「前世の記憶の削除を行います」

男「うわぁぁ!!」

金髪「お前は歯医者を嫌がるガキか!!」

金髪「ちょっとチクっとするだけだから!」

男「お前こそ注射時の医者か!!」

金髪「おい○○!!こっちへ!!」

さっきの天使?ちゃんがトコトコ歩いて来た。

金髪「おい!『男』君!!」

初めて名前を呼ばれて驚いた。

男「は、はい!?」

金髪「こいつの顔をよく覚えておくように!」

男「……」

髪は腰まで。顔は幼く…というか全体的にロリだ。
白いシーツのようなワンピースと碧い眼。


薄い胸……。


天使?「……」

金髪「犯罪的な眼だな…」

男「うるせぇ!!」

と怒鳴った瞬間、視界がブラックアウトした。

何処までも落ちていくような感覚の中で、金髪の声が聞こえた。




金髪『それでは男君!!!!』←反響してる




金髪『よき来世を!!!!!!』






何か会話するような音が聞こえたが
もう何も見えないし
聞こえなかった



to be continued……ガシャーン
24 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 14:16:52.96 ID:HPQj7zKjo


前置き長くてすまん
今までがプロローグでこれから本編
まだプロローグっぽいかも
25 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 14:20:59.06 ID:HPQj7zKjo
今日はここまで
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 18:38:23.37 ID:Y8WSFV9IO
>>5
ここ車に轢かれたの?
あと
←◯◯
これいらない
27 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/07(月) 19:58:21.03 ID:HPQj7zKjo
>>26
わかった
あと男はその通り轢死しました

再開
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 20:19:29.92 ID:HPQj7zKjo
チュンチュン……チュンチュン……

男「……」ガバッ

男「なんだここ…ゴミ捨て場?」

不快な臭いと周囲のゴミ袋から判断した。
あとどうやら路地裏にいるらしい。

男「うへぇ…きったねえ」

男「(ていうかなんで一人でブツブツ喋ってんだ俺)」

立ち上がって周囲を見渡すと

天使?「……」

『神の部屋』で会った少女がこちらを見ていた。
路地裏に白い少女というのは中々ホラーなもので少しドキッとした。

天使?「おい……お前」

男「(話かけられた!それに怖っ!)

天使?「『ワシ』の姿…何に見える?」

男「(ここでもまたその質問かよ)」

内心色々思う事があったが先と同じく素直に答えた。

男「えーと…老人口調のロリ少女?」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 20:23:43.82 ID:HPQj7zKjo
答えた瞬間少女の足元のビール瓶ケースが吹っ飛んだ。

天使?「あのクソ神……そういう仕組みじゃったか……」

男「……」

触れるとこちらに被害が及びそうだったので黙っていた。

天使?「おい」

男「はい!」

天使?「名前は」

男「男です!」

天使?「半分はお前のせいでこうなったんじゃ、責任を取って貰いたいところじゃが」

男「はぁ…」

天使?「……先ずは案内が先じゃな」

天使?「ついて来い、不本意ながらお前の部屋に案内する」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 20:35:03.49 ID:HPQj7zKjo
ー神の部屋ー

銀髪「どうするんです」

金髪「何が」

銀髪「普通既に主人公がいる世界に突然現れてゴミ捨て場で眼を覚まし、ロリ少女に絡まれるNPCなんていませんよ」

金髪「そういうシナリオだったの?」

銀髪「先程確認しました」

金髪「仕方、無いでしょ、一応、彼は『主人公』としての寿命が残ってんだから」

金髪が書類にハンコを押しながら答える。

銀髪「既にいる主人公を妨害したらどうするつもりです」

金髪「そうなら無いために一人監視役を付けたでしょ?」

銀髪「……彼女は信頼できません」

金髪「あらあらいいの?天使長様が天使を信頼しないなんて」

銀髪「からかわないで下さい、それに天使長ってセンス悪過ぎですよ」

銀髪「それに」

銀髪「その立場にいる以上、あまりその手の話はやめたほうがよろしいかと」

金髪「はいはい……そういえばさぁ」

金髪「君はその『席』について何年?」

銀髪「19年です」

金髪「若いね、俺は53年」

金髪「いつになったらこの席の代わりが来るのやら」

銀髪「さぁ、わかりません」




銀髪「神は気まぐれですから」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 20:46:25.63 ID:HPQj7zKjo
ゴミ捨て場から随分歩くがまだ目的の地には着かないらしい。
会話も全く無いせいかとても遠く感じる。
そう思った矢先少女が口を開いた。

天使?「嬉しくは無いのか?」

この状況で嬉しいとはとてもじゃないが思えなかったので聞き返す。

男「何が?」

天使?「念願かどうかは知らんが憧れの二次元世界じゃろ?」

男「い、言われてみれば…?」

天使?「まぁ前世の記憶も全く無い状態じゃ仕方ないかの」

言われて初めて目の前の少女がとても美しいロリ少女なことに気付いた。

天使?「おい、お触りは厳禁じゃ」

男「いや、しねえよ!」

天使?「ふっ、どうだかの」

天使?「ま、前世の記憶が無い状態じゃ二次元に執着があった事くらいしか思い出せんじゃろ」

言われてみればそうだった。あの神の部屋での金髪…いや銀髪だったか?に前世の記憶は消されてしまったんだった。

男「……ところでえっと…その」

天使?「名前か」

男「うん、名前を教えほしい」

天使?「無い」

男「え?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 20:58:47.51 ID:HPQj7zKjo
天使?「ワシらにそのようなものは無い」

男「それじゃあなんて呼べばいいんだ?」

天使?「好きに呼べ」

男らしいのか男らしくないのか分からない返答に困る。

男「……」

男「じゃあ天使ちゃんで」

少女が突然歩くのをやめてこちらを見る。
何を考えているのか分からない表情だった。

天使?「…すまん。何でもいいと言ったが」

天使?「それはやめてほしい」

男「(まあ天使ちゃんって言われたら普通は嫌がるよなぁ)」

再び歩きだした少女について行きながら名前を考えていると、不意に少女が口を開いた。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:01:26.41 ID:HPQj7zKjo
天使?「あれでどうじゃ?」

全く人通りの無い道路の脇に止まっている某運送トラックを指差した。

男「シロネコヤマト?」

天使?「それでいいじゃろ」

男「(女で少女なのにヤマト……中々男らしいというかジジくさいというか)」

天使?「ワシの名前なんてどうでもいいじゃろ」

男「うーむ…それじゃあヤマトで」

ヤマト「あいよ、では向かうか」

男「わかった」

再び歩き始める。

男「ところで一つ質問があるんだけど」

ヤマト「なんじゃ?」

男「なんで人が全然居ないんだ?」

ヤマト「まだ世界が準備中、だからかの」

男「……」

深く考えると面倒なので考えるのはやめた。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:14:33.37 ID:HPQj7zKjo
ヤマト「着いたぞ」

男「ここって」

なにやら洒落たバーのようなところだ。

ヤマト「入るぞ」

男「…わかった」

ヤマト「入ったら一応挨拶はしておけ」

男「何に?」

ヤマト「入ったら分かる」カランコロン

男「お、おじゃましまーす」カランコロン


バーに入るとサングラスをかけたスキンヘッドのいかつい店主がこちらを見ていた。

店主?「……そちらが例の?」

すごく渋い声だった。

ヤマト「ああ、そうだ」

店主?「前世の記憶は無いと聞きましたが」

ヤマト「ワシもそう聞いておるが常識的な『知識』を残したのか植え込んだのか、とにかく話はちゃんと通じる。何回か試した」

店主?「成る程、気が利いておりますな」

ヤマト「そうだな、とワシは疲れた……先に休んでる」

後の事は頼んだぞ、と言いながらヤマトは奥の扉に消えた。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:20:23.70 ID:HPQj7zKjo
店主?「……」

男「あ、あの」

『入ったら一応挨拶はしておけ』

男「(さっきのお邪魔しますでは駄目、なんだよな?)」

男「初めまして、男です」

マスター「こちらこそ初めまして。私のことはマスターとお呼び下さい」

男「(……まぁそんな雰囲気だな)」

マスター「何か飲まれますか?」

男「いえ、お構いなく」

マスター「はは、助かった」

マスター「言ったみたのはいいですが水しかありませんからね」

意外と硬くない人物のようだった。

男「はは……」

しかし乾いた笑いしか出なかった…
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:26:52.37 ID:HPQj7zKjo
マスター「さて、突然ですが男様にはここから学校へ通ってもらいます」

男「え?」

マスター「要約するとここが男様の『家』ですね」

男「家?」

マスター「おや、困りましたな」

マスター「そこから説明が必要ですかな?」

男「い、いえ大丈夫です、ただちょっと混乱してただけで」

マスター「ふむ、それでは話を続けましょう」

マスター「基本的に門限は19時、遅くなる場合は」

コトリ、と新型?らしい携帯電話が置かれた

マスター「要連絡です」

男「はぁ…」

マスター「返事はキチンと」

男「はい」

マスター「それとお小遣いですが……


……
………
…………
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:40:22.90 ID:HPQj7zKjo
マスター「と、ここまで大丈夫ですかな?」

男「はい…」

要するにこの家(と言っていいのか…)でのルールみたいなものを延々と説明してもらった。

マスター「それでは男様の部屋に案内しましょう」

男「お願いします」

正直結構混乱しているが大人しく着いていく事にした。

マスター「二階の三号室です、鍵をお渡ししますね」

バーの奥にある扉に入って階段を上がると二階。
どうやら二階は居住スペースらしい。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:46:18.28 ID:HPQj7zKjo
マスター「他の部屋は一号室が私、二号室が『彼女』。といっても私のガールフレンドというわけではありません」

マスター「男様をここまで連れてきた『彼女』の部屋です」

男「はい」

マスター「そして最後の四号室ですが…」

急に険しい顔になるマスター。
緊張が奔る。

男「(まだ誰か住んでるのか?)」

マスター「空き部屋です」

男「……」

どうやら結構遊び心のある人物らしい。

マスター「必要最低限のものはある筈ですが足りないものがあったら申し出て下さい」

そういうとマスターは下の階に降りていこうとする。

男「え?説明は終了ですか?」

マスターが振り返る。

マスター「まだ頭の整理が出来ていないでしょう?」

マスター「暫く自分の部屋で整理されたらよろしいかと」

微笑むマスターはなんというか、
いかにもマスターらしかった。

マスター「質問なら下に居ますのでいつでも」

マスター「昼食は13:00です。部屋に時計がありますのでゆっくりなさって下さい」

では、とマスターが下の階へ消えた。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:51:42.31 ID:HPQj7zKjo
男「……」

部屋には洋服タンスとベッド、本棚、勉強机が置いてある。
何処かで見たような気もするが…。

男「俺は……」

神の部屋での会話を思い出す。
『恐らくは君の望みを叶える事が出来るだろう!』

男「叶えれてんのかな…今…この世界に来て……」

ベッドに横になった。


現時刻10:23分。
あと2時間は寝れそうだった。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/07(月) 21:52:18.67 ID:HPQj7zKjo
ここまで
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/08(火) 16:32:02.18 ID:rVOwG70Lo
再開
42 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 16:46:11.02 ID:rVOwG70Lo

……
………
男「……」ガバッ

目を覚ましたところで、時刻を確認しようと立ち上がろうとした矢先。
ベッドの下方から声が掛かった。

ヤマト「起きたか」

いつから居たのか自分の膝もと辺りにヤマトが腕と脚をそれぞれ組んで座っていた。

ヤマト「もう午後四時を回る。この時間からよく寝るものじゃな」

こちらを見て呆れ顔で話す老人口調。

ヤマト「頭の整理は当然終わっとるんじゃろ?」

寝る前に整頓したつもりだが、いくつか疑問点がある。

男「質問いいか?」

ヤマト「良い。話せ」
43 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 17:04:27.88 ID:rVOwG70Lo
男「質問というか確認だな。まず俺は…明日から転校生として学校に通う」

ヤマト「ああ、そうじゃ」

男「…ヤマトはその間どうするんだ?」

はぁ?と言った風にこちらを見るヤマト。

ヤマト「…あのなぁ……そんなことより他に聞くことがあるじゃろうが」

他に聞くことが思い浮かばないのは寝起きのせいか。

男「……例えば?」

ヤマト「ワシが何故お前を連れて来たか、とか…そうじゃな、マスターって何者なんだ?とか」

男「そういえば…」

ヤマト「まぁ気にならんのなら良いがの」

ヤマト「一応言っておくとワシは『あれ』にお前の道案内と身柄を頼まれた…保護者みたいなもんじゃ」

男「(『あれ』というのは金髪のことか?)」

男「(それに)」

男「保護者……」

とてもそうは見えないというのは黙っておくことにした。
44 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 17:17:53.90 ID:rVOwG70Lo
ヤマト「それとマスターじゃがまぁ似たようなもんじゃ」

ヤマト「ワシがこんな姿だからの」

ヤマト「お前の身元引受人。保護者という事になる」

随分といかつい父親が出来た。

ヤマト「ここで暮らすにあたってまぁ不自由はないじゃろ」

ヤマト「それと先の質問、お前の在校中じゃが…」

ヤマト「不本意ながらワシも同じ学校に通うことになるらしい」

ヤマト「……お前の妹という役回りでな」

無表情の奥にハリケーンが渦巻いてそうな声だった。

ヤマト「それと神の部屋での出来事じゃが」

はっきりと覚えている。というか以前の記憶がそこにいたことしかない。

男「(確か…手違いで死んでここに来たんだよな…)」

そこで聞いた世界の仕組みと自分がここで主人公でない『NPC』として暮らすことを決めたことも覚えている。
45 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 17:22:46.51 ID:rVOwG70Lo
ヤマト「…まったくやっかいな選択をしてくれたと思わんでもないが……」

男「……」

ヤマト「おい、聞いておるか」

男「あ、いやすまん!なんだった?」

ヤマト「ち…」

露骨に嫌な顔をされているのに何故か嬉しくなるのは目の前の少女がとても可愛いからだろうか。

ヤマト「まぁ良い。とりあえずひとつだけ」

ヤマト「あの部屋のことはなるべく思い出すな、忘れるようにせよ」

男「え?」

ヤマト「世界の仕組みの事など考えるだけで疑心暗鬼になる」

ヤマト「本来なら知る必要の無い事じゃ」

ヤマト「だから忘れろ」

表情からは何も読み取れなかったが多分心配してくれているのだろうとプラスに考える事にした。

男「分かった」

そして頷いておく事にした。
46 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 17:32:15.48 ID:rVOwG70Lo
ヤマト「あそこで会ったことも気にするな」

ヤマト「この世界で、この部屋で会うのが初対面ということじゃ」

ヤマト「妹…として接してこられるのは御免じゃが」

ちょっと残念だった。

ヤマト「ま、何かあったら少しは頼ってもよい」

やはり心配してくれている。ということにしておいた。

ヤマト「さて、マスターが夕飯を準備している筈じゃ」

ヤマト「昼食の詫びも含めて手伝いでもしてこい」

男「ヤマトは?」

ヤマト「少し出てくる」

そう言って立ち上がりドアまで向かったところでこちらを振り向いた。

ヤマト「……」

男「ん?なんだ?」

ヤマト「いや…なんでもない」

ヤマト「じゃあの」バタン

男「……」

男「俺も行くか」
47 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 17:49:10.60 ID:rVOwG70Lo
ー外•路地裏ー

ルルルル…ガチャ
銀髪『もしもし』

ヤマト「この体と口調はどういうことじゃ」

銀髪『…大体想像は付いてると思うんだけど』

ヤマト「……あの小僧からそう見えるだけでもなくマスターからもそう見えているらしい。口調もそのまんまじゃ」

銀髪『その世界でのイメージがそのまま定着しちゃってるのかしら…』

ヤマト「あのドアホウのせいでとんだとばっちりじゃ」

ヤマト「何故ワシが…」

銀髪『「指示者」と「執行者」両方が罰を受ける決まりだからね…ごめんなさい』

銀髪『彼、任期が10年延びるそうよ』

ヤマト「自業自得じゃろ」

銀髪『それと…ごめんなさい…容姿と口調の事だけれどやっぱり分からないわ』

銀髪『恐らく半分はNPC化している為に起こっている現象なのでしょうけど…』

ヤマト「…暫くはこのままというわけか」
48 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 17:57:53.06 ID:rVOwG70Lo
銀髪『監視対象者の様子は?』

ヤマト「……あまり良くわからん」

ヤマト「お前らが中途半端に記憶を残したせいかまだボーっとしておる」

ヤマト「お目当ての世界に来れたのにそれらしい反応も見せん…ま、前世ありきの来世じゃからの」

ヤマト「奴は未だ宙ぶらりんじゃ」

ヤマト「前世の知識と神の部屋での記憶しか持ってないんじゃからの」

銀髪『この部屋での記憶は完全に消そうと思ったのだけど…』

銀髪『……何故か消せなかったのよ』
49 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 18:00:54.25 ID:rVOwG70Lo
ヤマト「はぁ?あのアホウはなんと?」

銀髪『知らんぷりよ』

銀髪『ほんと慈悲深いのか考え無しなのか…』

ヤマト「後者の『指示者』などいてたまるか」

ヤマト「前者の可能性も無いじゃろ」

ヤマト「単にワシらをからかって面白がっておるだけじゃ」

銀髪『…それこそ駄目なんじゃないかしら』

ヤマト「冗談じゃ、ではまた明日同じ時間にかける」

銀髪『わかりました。引き続き監視をお願いします』

ヤマト「ああ、と待った」

銀髪『はい?』

ヤマト「奴…男は本当に『NPC化』してあるのか?」

銀髪『ええ、その筈よ』

ヤマト「(間髪入れずか、まあそうじゃろうの)」

ヤマト「そうか、では」ガチャ

ヤマト「……どいつもこいつも信用出来んな」
50 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 18:01:32.02 ID:rVOwG70Lo
ここまで
51 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 18:47:28.14 ID:rVOwG70Lo
やっぱりもうちょい
52 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 19:06:09.35 ID:rVOwG70Lo
ガチャ
銀髪「彼女、薄々気付いてますよ」

金髪「まぁ気付くよね……執行者やってて核ばっか狩ってる訳だし」

銀髪「まぁ貴方が何をしたいのかは知りませんが」

金髪「冷たいね。知らない顔じゃないのに」

銀髪「…話は最後まで聞いて下さい」

金髪「ごめんごめん、書類整理ばっかで苛立っててさ」

銀髪「自業自得でしょう?」

金髪「そうとも言えないよ?」

銀髪「また貴方は…」

銀髪「とにかく、あの世界で『核』を二つとも回収すること」

銀髪「それと彼女も無事に回収すること」

金髪「はいはい……」

金髪「でもさ、興味ない?」

銀髪「何が…」

金髪「二人主人公がいる世界がどう進むのか……」

銀髪「崩壊します」

金髪「断言するの?」
53 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 19:15:37.93 ID:rVOwG70Lo
銀髪「…そうとしか思えません」

銀髪「それか片方の核が消えます」

金髪「そうなら無いための彼女でしょ」

銀髪「もし核の消滅なんてしたら事ですよ」

金髪「俺、彼女を結構信頼してるんだよね」

金髪「今の容姿も俺好みだし」

銀髪「……」

金髪「冗談冗談!その顔は怖いよ!」

銀髪「貴方の遊びに付き合うのは気が引けますが…」

銀髪「彼女のため……出来る限り協力しましょう」

金髪「助かる」

金髪「あと遊びじゃないよ」

銀髪「は?」

金髪「仕事だ」
54 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 19:37:34.61 ID:rVOwG70Lo
ー二次元世界ー

あの後夕飯の準備を手伝ったあと三人で食事。
そのあと風呂、睡眠ときて。
チュンチュン…チュンチュン…

男「……」

今に至っている。

マスター「よくお似合いですよ」

男「ちょっ…ちょっと」

鏡の前で明らかにデザイン重視の制服を着た俺は…

男「ていうか派手すぎじゃないですかこれ?……」

どう見てもコスプレイヤーだった。

マスター「学校では皆同じですし恥ずかしがることはありません」

男「は、はぁ…」

男「それでヤマトは?」

マスター「彼女…いや、ヤマト様なら既に登校なされました。」

マスター「きっと制服姿を見せるのを恥ずかしがっているのでしょう」

男「(ヤマトが……)」

ヤマト『ちっ……うぜぇ』

何も言ってないのに見られて凄く嫌そうな顔をするヤマトを思い出した。

男「(ありかな)」

ちょっと興奮した。
55 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 21:22:55.37 ID:rVOwG70Lo
まだ静かな校舎を歩く。
外からは部活の声が聞こえてくる、ということはもうこの世界は始まっているのだろう。

ヤマト「……」

ヤマト「……暇じゃ」

正直学校に通うのは始めてなので聞かれる前に色々回ってしまおうと思ったのだが……

ヤマト「(あんま広く無いんじゃよな、この校舎)」

最初の方こそワクワクしながら回っていたが同じような教室ばかりで見飽きてしまった。

ヤマト「(まだ屋上が残っているか)」

こういうとき屋上は何故か開放されているものだと聞いた。
そして実際に。

ヤマト「……」ギイィ

開いてはいたが先客がいた。

ヤマト「(……チッ)」

一眼見ただけで分かった。

主人公「ん、誰だ?」
56 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 21:33:52.68 ID:rVOwG70Lo
主人公「 よお、登校するにはえらく早いな」

こいつがこの世界の『核』。
この世界の主人公だ。

主人公「部活か?」

ヤマト「……」

主人公「……ん?」

主人公「お前……」

ヤマト「な、なんですか?」

主人公「いや…ちょっと知り合いに顔が似ててさ…」

いきなり顔を近づけられて内心かなり動揺している。
整った顔立ちが近付いて来たからではない。
この世界では主人公の発言が力を持つ。
うかつに近付いてこいつのシナリオに組みあってしまったら困るからだ。

ヤマト「な、ナンパですか?」

主人公「な、なんぱ?俺が?」

ヤマト「…ご、ごめんなさい私……行くとろがあるのを思い出しました」

何故か喋るのに苦労する標準語をたどたどしく使いながらその場を去ろうとするが…

主人公「え、違うよ!ナンパじゃないって!」
57 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 21:40:05.17 ID:rVOwG70Lo
主人公「ちょっと話を…」

ヤマト「(しつこいのう!)」

誤解を解くのに必死なのかこちらに手を伸ばしてくる。

ヤマト「(おいおい、普通ならこいつセクハラで捕まるぞ)」

伸びて来る手をかわそうと体を半身ずらす。

主人公「おわっ!!」

翻ったスカートを躓いて体制を崩した主人公の手が掴む。

ヤマト「(……最悪じゃ)」

心底嫌そうな顔をして舌打ちをする。
もうスカートは腰の位置には無かった。
58 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/08(火) 21:40:37.23 ID:rVOwG70Lo
今日はここまで
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/09(水) 16:44:06.32 ID:W5hJJoeOo
再開
60 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/10(木) 00:08:33.66 ID:So2S+AKMo
ヤマト「……」

主人公「あ、いや、そのこれは……」

羞恥で声が出せない、という訳では無い。
頭はどうすれば今後こいつと関わらずに過ごしていけるかを考えていた。

主人公「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

土下座しながら謝る主人公を見てひとつ思いついた。

ヤマト「先輩」

主人公「はい!」

元気よく顔をあげる主人公。

ヤマト「名前と学年、クラス、席を教えて下さい」

主人公「え?」

何故今ここで聞くのか、とでも一瞬思ったようだがそれから素直に答え始めた。
ちゃんと自分の立場が分かっているらしい。

主人公「名前は主人公、学年は2、クラスはA、席順は18」

ヤマト「成る程、分かりました」
61 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/10(木) 00:19:01.04 ID:So2S+AKMo
主人公「あの…なんでそんなこと聞いたのか教えてくれないかな?」

ヤマト「質問しないでください」

主人公「はい」

ヤマト「それでは」

主人公「あの、せめて名前を……」

ヤマト「……」

思いっきり睨んでやった。

主人公「ごめんなさい」

ヤマト「では」

屋上の扉を開けその場を後にした。

ヤマト「ふう…」

屋上に用があるのか一人の女子生徒が階段を上ってくる。

?「え…貴方」

こちらを見て何やら驚いている。

ヤマト「…何か」

ちょっと不機嫌そうな声で答えた。
こうすれば大抵は引き下がるだろう。

?「い、いえ何でも」

少し悪い事をしてしまったかもしれないが仕方がない。
どうせ主人公を訪ねてきたヒロインだろう。
出来るなら関わりたくない。
視線を感じたがその場を足早に去る事にした。
62 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/10(木) 00:31:54.33 ID:So2S+AKMo
主人公「はぁ……」

?「どしたの?さっき凄く不機嫌そうな子と会ったんだけど」

主人公「幼か……」

幼馴染「幼か…って」

幼馴染「随分どんよりしてるね?なんかあったの?」

主人公「いや…」

幼馴染「さっきの子…」

主人公「……」

幼馴染「言ってもいい?」

主人公「いいよ」

幼馴染「『妹ちゃん』に凄く似てたね」

主人公「……」

幼馴染「ご、ごめん…やっぱり怒った?」

主人公「いや、俺もそう思ってたから」

主人公「なんか柄にも無く声かけて話してみたくなってさ…馬鹿みたいだよな」

主人公「もう『妹』はこの世に居ないのに」

主人公「ナンパと間違えられた挙句に偶然にもセクハラ紛いのことしちゃって」

幼馴染「あー…」
63 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/10(木) 00:39:46.61 ID:So2S+AKMo
主人公「妹が天国で怒ってんのかなぁ」

幼馴染「自業自得でしょ…話しかけたくなる気持ちは分かるけどさ」

幼馴染「セクハラ紛いのことする気持ちは分かんないけど」

主人公「はぁ…」

幼馴染「生徒会長が溜息ばっかりつかない!」

主人公「幼……」

主人公「ん、まぁそうだな…今日転校生も来るみたいだし」

幼馴染「あぁー…升田(ますた)くんだっけ?何でも兄妹で入ってくるらしいけど」

主人公「お前のクラスだから面倒見ろってさ」

幼馴染「はは…主くんにもバラしたんだ…先生…」

主人公「幼も先生から?」

幼馴染「うん…副会長として見かけたら案内でもしてやれって」

主人公「相変わらず変わってるなぁ」

幼馴染「さて、そろそろ行こっか?」

主人公「あ、幼」

主人公「俺、幼に言わなくちゃいけない事があるんだ」

幼馴染「え、え?改まって何!?」

主人公「何そんなに慌ててんだよ」

幼馴染「だ、だってまだ心の準備が」

主人公「俺さ…」



主人公「Mかもしれない…」



幼馴染「……」
64 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/10(木) 01:06:07.24 ID:So2S+AKMo
ヤマト「……」

職員室に向かって歩く。
転校して早々事を荒立てるのもどうかと思ったが先の出来事を先生に報告でもすればなんらかの処分が与えて貰えるかもしれないからだ。
最低注意だけに終わっても主人公もこちらに近づくことは無くなるだろう。
それに校内での立場も悪くなり大人しくなる筈だ。

ヤマト「(性格の悪い考え方じゃな…)」

ヤマト「(やはりやめておくか)」

例え自分に何かしらの危害が加えられたとしても無意識にやっているのだ。
自分の保身の為に一人の人生の一時を嫌なものに変えてしまうのは気が引けた。

ふと足を止めた。
見知った顔が向こうから歩いてくるのが見えたからだ。

男「あ、ヤマト!」

ヤマト「なんじゃ、男か」

男「なんで先行くんだよ、一緒に校内見学でもしようと思ったのに!」

ヤマト「そういう事は事前に言っておけ」

男「ご、ごめん」

ヤマト「……ま、幸いワシは既に見学を終えておる」

ヤマト「放課後簡単に案内してやろう」

男「ほ、本当か!」

嬉しそうな顔を見せる男。
主人公に対して悪い事を考えた分、償いがしたいのか、偽善でも誰かの為にし何かしてやりたくなった。

ヤマト「何なら今のうちに少し案内しておくかの?」

男「いや、いいよ!楽しみは最後までとって置くタイプなんだ」

ヤマト「……」

自分と一緒に見て回るのがそんなに嬉しいのか、無邪気に喜ぶ男を見ているとさっきあんなことを考えた自分が恥ずかしくなった。

男「ヤマト?」

ヤマト「いや、何でもない」

ヤマト「ワシらは二人とも職員室じゃろ?」

男「ああ、そうみたいだな」

ヤマト「一緒しよう」

男「おう!」

男「そういえば」

ヤマト「なんじゃ?」

男「制服…その…似合ってる」

不意打ちだった。

ヤマト「…そういうことはモジモジ言うな、はっきり言え」

男「(あれ?あんまり気にしないか嫌がるかと思ったのに)」

ヤマト「ふん…」

男「(やっぱり嫌がってるのかな)」

ヤマト「……ありがとう」

男「え?」

ヤマト「…まるで『主人公』のようじゃな」

ヤマト「何でもない」
65 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/10(木) 01:06:56.37 ID:So2S+AKMo
終わり
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 02:13:18.99 ID:H553w9lMo
ワッフルワッフル!
67 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/12(土) 19:39:26.46 ID:fiCGnDHco
このままだと主人公(男)が凄く安定しないキャラになりそうなので余計な設定省いて再構成してまたスレたてる
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/12(土) 19:43:15.46 ID:mQg1psLlo
依頼出しとけよ
69 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/12(土) 19:51:27.64 ID:fiCGnDHco
やはりそうしてしまうとなんか同じような流れを繰り返してしまいそうだから続けるわ
70 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/12(土) 20:09:25.59 ID:fiCGnDHco
職員室で説明を受けた後ヤマトと分かれる。
今俺が歩いているのは二年生の階、二階の廊下だ。

担任「しかしお前も大変だな、こんな時期に」

男「いえ…」

担任が今大変だと言ったことは恐らく学期も三学期で最初のテストも近づいて来ているからだろう。
学校がどのようなことをする場所なのかは覚えているのに通っていたという記憶だけがない。不思議な感覚だ。

担任「勉強の方は大丈夫なのか?」

なにしろ勉強をしていた記憶すらない。
不安になってきたので微妙ですとだけ答えた。

担任「困った時はクラス委員を頼れ、面倒見のいい奴だ。いろいろ助けてくれだろう」

先生が一人の生徒に負担を掛けるような事を言っていいのか?と疑問に思ったが口には出さない。
ふと一つのクラスの扉の前で担任が立ち止まった。

担任「名前を呼んだら入って来い」

男「はい」

ガラガラと扉をあけ担任が入って行く。
教室はかなりざわついている。
それがクラスに転校生がやってくるからという事なのかは分からなかった。

男「(俺のクラスは…)」
71 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/12(土) 20:11:30.33 ID:fiCGnDHco
扉の上を見上げると、職員室で説明を受けた通りのクラス

『2-A』

という文字が描かれたプレートが目に入った。
72 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:05:40.24 ID:WhPf4J+Lo
それじゃあ升田入って、と自分を呼ぶ担任の声が扉越しに聞こえたた。

男「(ヤバい、緊張してきた)」

今更ながら緊張してくる。
苗字と名前を言ってよろしくお願いしますと言うだけだ。
当然ながら捻りは無し、そんな勇気は無い。
扉を開け、教室に入る。
突き刺さる視線は気にしないようにした。

担任「それじゃあ升田、挨拶どうぞ」

男「はい」
73 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:10:54.20 ID:WhPf4J+Lo
男「今日からこの学校に転校してきました」

男「升田です。よろしくお願いします」

男「(噛まずに言えた!!)」

担任「捻り無しのテンプレ台詞だがこの言葉を聞きたかったやつもいるんじゃないか?」

男「……」

台無しだった。

モブ「せんせー転校生困ってるじゃん」

モブ2「相変わらず空気読めねーのな」

担任「ユーモアだユーモア!」

教室がドッと湧く。
先までの緊張した雰囲気が嘘のようだ。
74 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:28:18.90 ID:WhPf4J+Lo
担任「それじゃあ升田、席に移動してくれ」

教室がまだ笑に溢れてる間に担任が席の移動を指示してくれる。

担任「後ろの窓際でカッコ付けてるやつの隣だ」

?「付けてねぇよ!!」

?「あはは…」

男「はい」

席に移動する際に声を掛けられた。
よろしくな、とか、がんばれよ、とか。
流石に一人一人挨拶する訳にはいかないので軽く会釈しておいた。
自分の席に座ると隣のやつも声を掛けてきた。

主人公「俺は主人公。升田、よろしくな」

男「うん、よろしく」

幼馴染「私は幼馴染。よろしくね」

主人公の後ろの美少女からも挨拶をされた。
若干どもりながら挨拶を返す。

担任「その二人はうちのクラス委員だ」

担任「困ったら俺ではなくそいつらを頼れ!それじゃあHR終わり!」

職務怠慢だーとか言う声がそこらから上がるが担任は軽くあしらって教室から出て行く。
75 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:30:54.06 ID:WhPf4J+Lo

幼馴染「いい先生でしょ?」

男「う、うん」

またどもる。

主人公「まぁちょっと仕事を押し付け気味だけどな」

幼馴染「けどさっき先生も言ったけど困った事があったら何でも言ってね?」

主人公「下のお世話も担当するそうだ」

幼馴染「……」

主人公 「ウッ…」

幼馴染の無言のボディーブローが決まる。かなり痛そうだ。

幼馴染「ご、ごめんね?恥ずかしいところ見せちゃって」

主人公「お、お前…転校生に構い過ぎ…」

主人公「急に、女、にそんな話しかけられたら、困る、っつー、の」

幼馴染「え、そ、そうだったの?」

男「え、…いや」

主人公「はっきり言わないと付きまとわれるぞ」

幼馴染「そんなことしないってば!」

モブ「おいおい主人公嫉妬かー?」

モブ女「男の嫉妬って醜いわねー」

主人公「お前らなぁ…」
76 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:41:32.88 ID:WhPf4J+Lo
主人公が何か言いかけたところでチャイムが鳴る。

主人公「おい解散だ解散!お前ら次教室移動だろ!」

モブ「ちぇー」

モブ2「相変わらず委員長はお堅いなー」

パラパラと他の生徒達が散っていく。

主人公「男も移動だろ?一緒に行こうぜ」

男「うん」

とてもいい気分で主人公とクラスを出た。どうやら俺はこのクラスでやっていけそうだ。

男「(ヤマト…大丈夫かな…)」

………

ヤマト『名前はヤマト、以上』

担任『え…あの、自己紹介は…』

ヤマト『席はどこじゃ』

担任『あ、そこです』

ヤマト『……』

何故か敬語の担任と老人口調で誰も寄せ付けないヤマトの姿を想像した。
77 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:49:41.49 ID:WhPf4J+Lo
男「……」

主人公「男?どうしたんだ?」

男「あ、いや…ちょっと気になる事があって」

男「ヤ…妹の様子が気になって、大丈夫かなって」

主人公「ああ、そういやお前妹と一緒に転校してきたんだっけ?」

男「うん、そのなんていうかさ…うちの妹」

男「……」

ヤマト『チッ……』

ゴミを見るような視線を思い出す。

男「人付き合いが苦手で」

結局その言葉に落ち着いた。

主人公「へぇー…大人しい子なの?」

男「え、まあそうかな」

思わず口から出てしまった。

男「いや、今のは」

主人公「いやいや紹介してくれって訳じゃないんだぜ?」

主人公「今日はもう朝から酷い目に合ってさ…」

幼馴染「主くん!男くんも遅れちゃうよ!」

主人公「おっと、それじゃあ次の休み時間に様子でも見に行くか」

男「うん、お願い」
78 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 01:51:19.74 ID:WhPf4J+Lo
ここまで
話は最後まで考えてある
結構まとまったけど男のキャラがけっこうフラフラするかも
すまん
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/13(日) 11:50:24.22 ID:OiwnboJ3o
おつー
80 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 20:08:16.55 ID:WhPf4J+Lo
今日多めに更新してちょっと間置く
81 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 20:17:00.92 ID:WhPf4J+Lo
授業もトントン拍子に進み四限目。
幸い授業内容は理解できたし、
テスト範囲の授業はもう終わっているのか殆どの先生が基本の復習をしてくれた。

キンコンカンコーン
担当「お、じゃあここまでにしとくか」

担当「主人公、号令」

主人公「起立、礼」

担当「分からないところあったやつは放課後にでも聞きに来い」

授業が終わり、昼食の時間だ。我先にとでも言わんばかり駆け出す生徒もいる。

主人公「男は弁当か?」

ー回想ー

マスター『今日はお弁当を用意出来ませんでしたので学食でお願いします』

マスター『はい、昼食代』

ー……ー

男「いや、学食で済まそうかなと思ってたんだけど」

主人公「じゃあ学食行くか」

男「あ、でもちょっと」

主人公「妹ちゃんか、寄ってから行くか」
82 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 20:24:24.86 ID:WhPf4J+Lo
一年生の廊下を主人公と歩く。
他学年の廊下はなんとなく居心地が悪い。

主人公「去年までここで過ごしてたのなぁ」

男「俺はここで過ごしてた訳じゃないけど分かるよ」

主人公「なんというか……完全にアウェーだよな」

喋りながら歩く。
心なしか主人公がキョロキョロと誰かを探しているように見えたので質問した。

主人公「ん?あぁ……知り合いというか何というか……」

煮え切らない様子の主人公。

男「気になる子でもいるの?」

初日からどうかと思ったが軽い冗談のつもりで言った。

主人公「うーむ……気になっている……といえば気になってる……」

男「え、そうなんだ……と、着いた」

核心?を着いてしまって会話に詰まりそうな所でヤマトの教室に着いた。
扉の上には
『1-C』
のプレート。
83 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 20:37:42.53 ID:WhPf4J+Lo
主人公「転校してきたばっかで一年の教室はキツいだろ」

主人公「俺聞いてくるよ。名前は?」

男「ヤマト」

主人公「オーケー分かった、ちょっと待ってろ」

男「ごめんね、よろしく」

了解、と言ったあと1-Cの教室内に入っていく主人公。
残された俺は当然廊下を通る一年生の視線に晒される事になる。

男「……」

男「(なんか前にもこんな事が……)」

おい、男!ちょっと一年生の教室まで着いてきてくれよ!
……先週も行かなかったか?
悪い悪い!
朝出る前にチェックでもしとけよ……
作って貰ってるのにそれも悪いじゃねえか

……
………
主人公「おい!男!」

男「あ!何?」

主人公「何じゃねえよ」

主人公「一年の廊下でイキ顔晒してんじゃねえ」

男「……俺そんな顔してた?」

主人公「……」

主人公「それより妹ちゃんだけど」

スルーされた。

主人公「クラスメイトと学食に向かったってさ」
84 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 20:56:17.14 ID:WhPf4J+Lo
安心した。少なくともハブられてるという訳では無いらしい。

主人公「クラスでも大人しめの子数人と向かったらしい」

急に不安になった。

男「俺たちも行こうか」

主人公「おう」

……
………
ー食堂ー

男「混んでるねー」

かなりの席が埋まっている。
座れる席が見たところ無い。

主人公「実は美味いと評判だからな……」

主人公「知り合いの席でも空いてりゃいいんだが」

主人公「お」

見つけた数人のグループへ向かう主人公。

主人公「悪い。ここ空いてるか?」

会計「主人公くんじゃないか、珍しいな」

主人公「ちょっと今日はな……」

会計「ああ、転校生ね」
85 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 20:59:05.05 ID:WhPf4J+Lo
会計「俺は会計。よろしく」

男「男です。」

他に座っていた人とも軽く会釈し合う。

会計「それで…席は悪いんだけど」

バツの悪そうな顔で言う会計。
ちょうど向こうからそれと思しき二人がトレイをもって歩いてくる。

主人公「いや、いいよ」

会計「男くんもごめん」

男「いやいや」

主人公「行こうぜ」
86 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 21:05:48.71 ID:WhPf4J+Lo
主人公「空いてねーなぁ」

どこも彼処も埋まっている。
広い食堂を少し歩くと何故か奥に白い幕が掛かっているのが見えた。

主人公「見ての通り利用人数が多いからな」

主人公「来月には終わるらしい」

食堂の拡張工事というわけらしい。
と、その幕の手間のテーブルで食事を摂っている女子生徒に気が付いた。

男「あ」

主人公「ん?」

男「ヤマトだ」
87 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 21:26:29.43 ID:WhPf4J+Lo
楽しそう会話しながら二人の生徒と向かいあって食事を摂っている。
普段は見ない笑顔に少しドキリとした。

男「ちょっと頼んでみようかな」

六人掛けの机だ。あと三席余っている。

主人公「ああ、じゃあ頼む」

主人公「俺はここで待ってるから」

男「ちょっと行ってくるよ」

とは言ったものの一人で女子生徒の机に行くのは少し怖い。
少し離れた位置でジェスチャーを送る。

書記「〜でね、その占いが…」

ヤマト「うんうん」

後輩「ヤマトちゃん…ちょっと…」

後輩「あれ…知り合い…?」

男がこちらに向かって無表情で手を振っている。不気味だ。

ヤマト「…ご、ごめん…ちょっと行ってくるね」

後輩「行って…らっしゃい」

書記「それでねー?ってあれ、ヤマトちゃんは?」

後輩「……」

書記「貴様かー!」

書記「こらー!ヤマトちゃんを何処へやったー!」ユサユサ

後輩「……ふぅ」ユサユサ
88 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 21:35:02.71 ID:WhPf4J+Lo
男「お、気付いてくれたか?」

こちらに笑顔のまま駆け足で向かってくるヤマト。
その姿も合まってさながら天使のようだ。
…近づいてくるにつれその笑顔が若干引きつっていることに気付いた。

ヤマト「…兄さん?」

男「に、兄さん!?」

俺に電撃走る!

男「もう一度お願いします!」

睨まれた。

ヤマト「何の用ですか?」

笑顔が怖い…。なんで老人口調じゃないの?と質問しかけたがやめておいた。

男「食堂の席が全部埋まっててさ」

男「よかったら友達の分と二席用意してもらいたいんだけど…」

ヤマト「はぁ…待っておれ」

若干素の口調を出しながら向こうに戻っていくヤマト。

男「(無理に喋ってんのかな?)」

未だに口調の事は謎だ。
89 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 21:44:48.26 ID:WhPf4J+Lo
書記「あ!ヤマトちゃん」

後輩「…どうだった」ユサユサ

肩を揺さぶられながら言う後輩。

書記「なんのこと?」

ヤマト「その、ちょっと…みんなに頼みたい事が…」

書記「いいよ!私に任せなさい!」

即答である。

後輩「話を聞け…」ユサユサ

書記「あうちっ」

肩を揺さぶられながらぽこんと書記を小突く後輩。この二人は仲がいい。

ヤマト「…ごめんね。うちのお、兄さんが席が無くて困ってるみたいで」

後輩「ふむ…」

後輩「私はいい…」

書記「私も良いよー!ヤマトちゃんのお兄ちゃんなら大丈夫!」

ヤマト「ごめんなさい…友達も一人いるみたいで」

書記「おーう…」

後輩「まぁ…軟派な人じゃないならオーケー…」

ヤマト「あの、硬派か軟派かそこらへんはまだ分からなくて…」

後輩「…ヤマト…以外と天然…」

書記「後輩がいいなら私もいい!調子いいぜオラー!!」

後輩「……」ユサユサ

ヤマト「みんなありがとう、じゃあ伝えてくるね」
90 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 21:51:05.49 ID:WhPf4J+Lo
再びこちらにヤマトが戻ってくる。

ヤマト「いいですよ」

男「やった!ありがとう!」

ヤマト「但し、余計な事を言ったら」

男「分かりました!静かにしてます!」

ヤマト「それじゃあ食事を頼んできてください」

ヤマト「私達は先に食べてますから」

男「ありがとう、ヤマト」

ヤマト「…いえ」

早速主人公に伝えなければ、と食券売り場に向かう。

主人公「お、来たか」

そこには既に食券を手にした主人公の姿があった。

主人公「悪い、売り切れそうだったからな」

主人公「エビフライ定食二枚。先に買って置いたぜ」

主人公「それでどうだった?」

男「オーケー!」

主人公「でかした」

パン、手を叩きあう。

主人公「早く並ぼう」

男「うん」
91 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 21:59:05.83 ID:WhPf4J+Lo
トレイを持ってヤマト達のテーブルに向かう前に料金を払っていないことに気付いた。

主人公「いいよ、今日はお前の転校祝いだ」

男「そんな、悪いよ」

主人公「それに女の子達のテーブルに座れるなんて久しぶりだしな」

男「あ、そのことだけど…」

主人公がヤマト達のテーブルの前に着いた途端足を止める。

男「主人公?どうしたの?」

主人公「……」

固まっている……。

男「ごめんヤマト、いいかな?」

既に食事を始めていたヤマト達がこちらを見る。

書記「どうぞ!ヤマトちゃんのお兄さん!って?」

後輩「…あれ、生徒会長」

ヤマト「どうぞ、……」

ヤマト「……」

主人公を見て一瞬驚いた後怪訝な顔をするヤマト。

男「どうしたの?二人とも?」

主人公「……」

ヤマト「……」

ヤマト「先輩達。どうぞ座ってください」

再び笑顔に戻るがその顔は若干強張っているように見えた。

主人公「お、お邪魔します」

男「お邪魔します」
92 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 22:12:56.84 ID:WhPf4J+Lo
余った席に座った後独特の緊張感が一人を除く全員を包む。

ヤマト「……」パクパク

後輩「……」パクパク

書記「うめえうめえ!!!」バクバク

男「……」バクバク

主人公「……」パクパク

書記「会長ー?えらく箸が進んでませんね?」

書記「食べないんだったらエビフライ頂き!ま!す!」

ガチ、という音と共に後輩の箸が会計の箸を掴む。

書記「やる気か!後輩ちゃん!」

後輩「…空気読め…」

書記「そんなもん知るかぁあ!」

テーブルの上で始まるチョップスティックバトル。
そんな二人を見ていたヤマトがやれやれと溜め息を吐く。

ヤマト「はぁ……」

男「ヤマト……」

ヤマト「ごめんなさい…ちょっと先輩達の前なので緊張していたみたいです」

二人のお陰か緊張状態から解放される。

主人公「その……」

ヤマト「私はヤマトです、これから兄がお世話になります。どうぞよろしくお願いします。生徒会長。」

ペコリと頭を下げたあとトレイを持って立つヤマト。
何時の間にか食べ終わっていた。二人も続く。

書記「会長は知ってると思うけどお兄さんの為に!」

書記「書記です!よろしく!」

かなり元気な挨拶だ。

後輩「…後輩…です…」

対象的だ!
93 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 22:14:27.67 ID:WhPf4J+Lo
何時の間にか食べ終わっていた。二人も続く。→何時の間にか食べ終わっていた二人も続く。
94 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 22:29:01.97 ID:WhPf4J+Lo
5分後食事を終え食堂を出た。

男「ヤマトと知り合いだったの?」

主人公「あぁ…ちょっと今朝な…」

男「ごめんね…ちょっと人付き合いがその…」

男「苦手な子で」

主人公「いや、悪いのはお前の妹じゃないよ」

主人公「俺が悪いんだ……」

どんよりする主人公。

男「(何があったのか話そうとしないんだもんなぁ)」

主人公「…悪いな初日から」

男「俺は気にしてないよ」

主人公「…ふぅ、ダメだな…」

男「(帰ったらヤマトに聞くか)」

主人公「悪い、あったことは話せない」

主人公「帰ってヤマトちゃん…妹ちゃんに聞いてくれ」

男「そのつもりだよ」

気にはなったが色々世話になっているし、何があったのか分からないのに怒る気にはならなかった。

主人公「悪い、ちょっと保健室行ってくる」

男「え?どこか調子悪いの?」

主人公「ちょっとな、悪い」

男「付き添いは…要らないみたいだね」

目の前に保健室があった。
午後の授業中、主人公は出席しなかった。
95 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 22:29:28.95 ID:WhPf4J+Lo
ここまで
更新の割に話が進んでいない……
96 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/13(日) 22:31:39.68 ID:WhPf4J+Lo
授業中っておかしいな
授業中→授業で
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/16(水) 23:33:00.41 ID:AW/oIhcmo
キーンコーン

主人公「……」

5限目の終了を知らせるチャイムが鳴る。

保健医「生徒会長がサボリかい?」

主人公「サボりじゃないですよ…ただ」

保健医「ただ?」

主人公「胃が痛くて」

保健医「…若造が何言ってんだ、さっさと行きな」

主人公「はいはい…」ガラガラ

主人公「確か…1-Cだったよな?」

授業が終わったら速攻で幼達がやって来るだろう。
そうなる前に事を終わらせたかった。
98 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/16(水) 23:43:38.47 ID:AW/oIhcmo
1-Cの教室を覗く。幸いにもヤマトはまだ教室に居た。

主人公「(トイレにでも行かれたら面倒臭いしな)」

思い立ったら即行動。俺のポリシーだ。

主人公「(会計!会計!)」

ジェスチャーで会計を呼ぶ。三人で楽しそうに談笑しているところを見るともう大分仲良くなったのだろう。親友どうし達のそれに見えた。

会計「あ、会長だ」

後輩「呼んでる…」

ヤマト「……」

会計「行こう!」

後輩「お前だけ行け…」

ヤマト「ごめんなさい…私はちょっと」

会計「んじゃ行ってくる!」ダッ

後輩「……」

ヤマト「会計さん、嬉しそうですね」

後輩「会長のこと好きだからね…」

ヤマト「!」

後輩「内緒…」シー

ヤマト「…はい」

微笑みながら頷いたが内心は複雑だった。
99 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/16(水) 23:51:17.30 ID:AW/oIhcmo
会計「どしたの?会長」

トコトコと走ってきて首を傾げる会計の姿は仔犬を彷彿とさせる。

主人公「ああ…実は」

主人公「ちょっとヤマトちゃんに用があって」

会計「ぶー」

会計は不機嫌そうだ。

主人公「な、何だよ?もしかしてヤマトちゃんの事嫌いなのか?」

会計「ふー…これだから会長は…」

やれやれと言った感じのアメリカンなオーバーリアクションをとる会計。

主人公「時間も無いし頼む、今度ジュース奢るから」

会計「……駅前のクレープが食べたい」

主人公「…いいだろう」

会計「っしゃあ!おーいヤマトちゃーん」
100 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 00:01:49.56 ID:mY6u8UXMo
1-Cの前では目立つのを避けられない。
会計に言った通り2-Aの手前で待っているとヤマトがこちらにやってくるのが見えた。

ヤマト「何か用ですか?」

顔に笑顔をまさに貼り付けたと言った感じだ。警戒しているのを隠そうともしていない様子。正直かなり怖い。

主人公「男の事で話があるんだ」

一瞬だが表情が変わった。…気がする。

主人公「ここじゃなんだから…」

主人公「屋上までいいか」

ヤマト「…はい」

主人公「悪いな、転校初日に」

主人公「でも必ず話しておきたいんだ」

ヤマト「……」
101 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 00:35:00.13 ID:mY6u8UXMo
ギィと音を立てて屋上の扉が開く。

主人公「さて…」

主人公「まずこの間の事、謝らせてくれ」

主人公「すまなかった」

会釈では無い。謝罪の意味を込めたお辞儀だ。

ヤマト「先輩、そのことではもう私は怒ってませんよ」

ヤマト「顔を上げて下さい」

主人公「ああ…」

ヤマト「それで兄さんの話とは?」

本当にどうとも思ってないのだろう。
すぐに話の続きを促してきた。

主人公「男さ」

ヤマト「……」

主人公「良い奴だよな」

主人公「今日会って話して思った」

ヤマト「……」

沈黙。

ヤマト「それだけですか?」
102 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 00:45:13.11 ID:mY6u8UXMo
主人公「それだけ」

ヤマト「…それを聞いて私にどうしろと」

まさか同性愛者だとでも言うつもりなのだろうか。

主人公「君は俺が嫌いだろ?」

ヤマト「……微妙ですね」

少なくとも好きではない。

主人公「男は?」

ヤマト「は?」

一瞬何を言っているのか分からなかった。

主人公「だからこう…家族しては好きだろ?」

ヤマト「え、ええ…そうですね、どちらかと言えば」

主人公「だから…なんというか」

主人公「俺はさ…」

主人公「君にあんまり嫌われたく無いんだよ」

ヤマト「……」

ヤマト「(こいつ…天然か?)」

急に告白紛いの事をしてくる主人公。当然心は揺れ動かない。

ヤマト「先輩とは付き合えません」

とりあえず冷たく断っておいた。
103 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 01:00:13.69 ID:mY6u8UXMo
主人公「振られた!?え?いや!そうじゃなくて!」

ヤマト「……」

察するに地で言ったのだろう。天然ジ○ロを標準装備しているらしい。

主人公「男と友達になったら当然君と会う機会も増えるだろう?」

ヤマト「…そうですかね?」

いつも自分が男の側にいるとでも思っているのだろうか…。

主人公「だからさ…」

ヤマト「…わかりました」

ヤマト「もう面倒臭いので勝手にどうぞ」

断ろうがどちらにせよ面倒臭かった。
どうあってもこの世界は自分を主人公のシナリオに組み込みたいらしい。

主人公「本当か!」

何がそんなに嬉しいのか主人公は嬉しそうだ。

ヤマト「それでは」ギィ

主人公「おう」

ヤマト「……」

階段を下る。主人公は追ってこない。

ヤマト「……はぁ」

これからの事を考えると気が重い。
そしてなにより。

ヤマト「面倒くさいのぉ……」

本当に面倒だった。
104 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 01:01:49.07 ID:mY6u8UXMo
今日のぶん終わり
105 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 20:04:59.51 ID:mY6u8UXMo
男「(結局戻って来なかったな…)」

今日最後の授業も残り5分。
斜め後ろに目をやると幼馴染が教室の扉をチラチラと見ている。
五限目が終わり次第速攻で保健室に向かったのだが主人公の姿は無かった。
仕方なく戻って来たのだが幼馴染は心配で堪らないようだ。

担当「〜であるからして……」

キーンコーン

担当「…ここまで、号令」

幼馴染「……」

主人公がいないので幼馴染が代理で号令。
の筈だが本人はボーッとして気付いていない。

男「(幼馴染さん!号令!)」

幼馴染「!」

幼馴染「起立、礼」

一瞬変な間が出来てしまったが事なきを得た。
106 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 20:17:41.70 ID:mY6u8UXMo
授業が終わると教室は途端に騒がしくなった。
終わったー!と叫ぶ男子生徒。早速群れる女子生徒。

モブ「おーい!男!」

教科書類を片付けていると突然背後から肩を叩かれた。
確か……名前が出てこない。
クラスメイトだったことは覚えているのだが。

モブ「さっき幼馴染さんと何話してたんだ?」

男「ああ、先生の声に気付いて無いみたいだったからさ」

途端にニヤニヤするクラスメイト。

モブ「転校初日からよく見てるもんだなぁ?」

男「いや、そんなんじゃ」

モブ「分かるっ!分かるぞその気持ち!」

無視して急に語り出すクラスメイト。

モブ「男なら誰しも一度は好きになると噂の幼馴染さんだ、仕方が無い」

モブ「因みにその告白数…知りたいか?」

男「いや別に、モブ2「いいだろう!」

何時の間にか増えていた。

モブ2「その数およそ50!」

男「50!?」

常識的な数字では無い。

モブ「因みに本人は否定している」

男「否定してるんだ……」

恐らく噂だろう…と思ったが、
107 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/17(木) 20:40:32.11 ID:mY6u8UXMo
男「でも可愛いよね、幼馴染さん」

つい口に出してしまった。
しまった、と思った時には遅かった。
ガシ、と目の前のクラスメイトが肩を掴む。

モブ「分かってくれるか!」

モブ2「これは最早運命だ!そうとしか思えん!」

モブ3「さぁ!この用紙に記入を!!」

何時の間にか三人に囲まれて謎のA4用紙を差し出されていた。
半ば押し付けられる形で紙を受け取る。

男「何だこれ……入部届?」

ザッと通して見ると一部だけ油性ペンで記入されている。

男「『新聞部』?」

確かに新聞部と書かれている。

モブ「さぁ記入を!」

肩を掴まれる。

モブ2「記入を!」

シャーペンを持たせられる。

モブ3「記入を!」

記入させられる。

モブ3「活動内容は追って説明する!では!」

どうやら一人は他のクラスだったらしい。

男「さっきの会話と新聞部って関係あるの?」

モブ「ふむ、知りたいか?しかしここでは場所が悪い」

モブ2「放課後気が向いたら部室の方までどうぞ」

男「は、はぁ」

その時担任が席に着けと言いながら入ってきた。

担任「帰りのHRを始める。号令」

シーン

担任「ん?」

担任「号令」

シーン

担任「幼馴染は早退したのか?」

何時の間にか幼馴染さんは教室から消えていた。
108 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/18(金) 22:54:32.66 ID:5kmAfEdwo
……
………
キーンコーン

担任「はい、お終い」

担任「えーと、号令は……」

担任「男、代理!」

男「え!俺!?」

転校初日から号令。
今日はなんか転校初日から〜…が多い気がする。

担任「ほれほれ!早く早く!」

モブ「先生鬼畜〜」

担任「うっせえ!ほら男!」

男「き、起立」ガタ

男「礼!」

再び散る生徒達。そして先程やって来た新聞部の一人がこちらにやってくる。

部員「流石俺が見込んだだけの男だ!初日から号令とは!」

男「単にクラスに馴染ませようとしてるだけだと思うけど……」

実際にこうして馴染んでいる訳だし。

部員「それで早速来てくれるか!?」

男「(押しが強い人だなぁ)」

正直強引に書かされて入った部活だし何をすれば良いのかも分からない。
それに……

男「ごめん、今日はちょっと放課後用事があるんだ」

放課後案内するというヤマトとの約束もあったので断った。

部員「そうか……」

部員「強引に入部させたことは悪かったと思っている…しかし我々にはもう時間が無いのだ」

男「(変なロールプレイでもしてるのか?)」

適当に相槌を打っておいた。
109 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/18(金) 23:17:00.95 ID:5kmAfEdwo
新聞部員は気が向いたら来てくれと言ってから教室を出て行った。どうやら部員としての活動を俺に期待している訳ではなさそうだ。

男「ふう…」

疲れた。

男「(迎えに行けばいいのかな?)」

1-C。ヤマトの教室に向かう。

男「……」

男「(入りにくいなぁ……)」

どうしたものかと入口付近でウロウロしていると

会計「あれ?ヤマトちゃんのお兄さん?」

男「長いから男でいいよ」

会計「はい!男先輩!」

男「(元気のいい子だなぁ)」

いつも不機嫌そうなヤマトとは対象的だ。
……いや、悪口じゃないよ?

男「ヤマト、いる?」

会計「今日はヤマトちゃんへを訪ねてくる人が多いですねー」

男「どういうこと?」

会計「先輩を入れて今日で三人目です!」

会計「会長と…さっき副会長が来ました!」

男「副会長……幼馴染さん?」

会計「はい!さっきいらっしゃいましたよー!」

後輩「おい……入口塞ぐな……」

後輩「あ……どうも…先輩…」
110 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/18(金) 23:23:34.97 ID:5kmAfEdwo
男「あ…ごめんね」

つい入口付近で話してしまった。

男「ヤマト…どこ行ったか分かる?」

会計「ん〜…ごめんなさい、分からないです…」

シュンとする会計。

男「あぁ、いやいや責めてる訳じゃないよ」

後輩「急ぎですか……?」

男「いや、放課後…」

なんとなく恥ずかしくなったので言わないことにした。

男「なんでもない、ごめんねいきなり訪ねたりして」

後輩「……私図書委員なので…」

後輩「何か用があったら…どうぞ…」

男「ありがとう、それじゃ」

その場を後にする。
111 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/18(金) 23:46:48.32 ID:5kmAfEdwo
会計「行ったね〜」

後輩「行ったな……」

会計「……」ニヤニヤ

後輩「…何笑ってる……」ギュ

会計「いひゃいいひゃい!」

後輩「……」パッ

会計「ら…らっへ後輩ちゃんが男の人に力になるなんて言うなんて言うとは思わなかったら」

会計「ごめんなひゃい…」

後輩「……いいよ…」

会計「でも本当なんであんなこと言ったの?以外だ!」

後輩「……なんとなく?」

会計「さてはひとめいひゃいいひゃい!」

後輩「お前生徒会だろ…早く行け……」
112 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/18(金) 23:48:52.58 ID:5kmAfEdwo
男「うーむ」

このまま帰るかヤマトを探すか一瞬迷ったが……。

男「(帰るっていう選択肢は無いな!)」

探索することにした。
113 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/19(土) 00:09:39.51 ID:MKnebFEko
校舎を探すところ三十分。

男「…居ないなぁ」

そもそも校舎自体があまり大きくないので行くところがあまり無い。まだ行ってない所と言えば……

男「あ、屋上があったか」

屋上に向かう事にした。

同時刻ー屋上ー

幼馴染「ヤマトちゃん…だったよね?」

ヤマト「はい、そうです」

二人は対峙している。
対峙という表現に相応しい空気が二人の間を包んでいる。

幼馴染「主人公くん、ヤマトちゃんの方に来なかった?」

ヤマト「来ませんでしたよ」

幼馴染「そっか」

幼馴染「それなら良いんだ、ごめんね急にこんな所に連れて来て」

そう言いながらも幼馴染はその場を動こうとしない、ヤマトも動かない。

幼馴染「……」

ヤマト「……」

幼馴染「嘘吐いてるよね」

ヤマト「(ち……やはり気付いておったか)」

嘘を見抜かれたのではない。
恐らく最初から知っていたのだ。
大方会計か後輩にメールでもして聞いたのだろう。

幼馴染「私、今朝のこと気になっててね」

幼馴染「主人公くんが落ち込んでたの知ってるからあなたが何かしたんじゃないかと思ってね?」

幼馴染とヤマトは今朝階段ですれ違ったきりだ。実際ヤマトも会うまで忘れていた。
何らかの手段でヤマトの顔と名前を手に入れたのだろう。

幼馴染「これ」

携帯のメールボックスを見せる幼馴染。
視力のいいヤマトにはハッキリ見える。
宛先は主人公。
文章には具合が悪いので早退すると書かれている。時間は5限目の授業中だ。
ページ送りをする幼馴染。
次の宛先は会計。主人公がヤマトを訪ねてきた事が書かれている。

幼馴染「なんで嘘つくの?」

ヤマト「(面倒臭い女じゃの)」

明らかに行動がおかしい。突っかかりすぎだ。
114 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/19(土) 00:40:14.91 ID:MKnebFEko
ヤマト「それは…ちょっと用事が」

幼馴染「その用事って何?」

ヤマト「先輩に聞いて下さい」

これで折れなければおかしいだろう、と思ったのだが、

幼馴染「聞くけどヤマトちゃんの口からも聞きたいの」

折れない。

ヤマト「……何故ですか?」

幼馴染「主人公くんはすっごく優しいんだよ?」

幼馴染「きっと嫌な事されても隠すに決まってる」

ヤマト「(おかしい…)」

おかしい。こいつは誰彼構わずこんな事をしているのか?主人公を盲信しているからといってもやりすぎだ。
初対面の人間にするような事ではない。

ヤマト「……」

ただ状況を長引かせるのは良くないように思えた。
焦らせば焦らすほど気になるのが人間の性だろう。
幼馴染がこちらにゆっくり近づいてくる。

ヤマト「……」

それに合わせるように反射的に後ずさる。

幼馴染「ね?」

幼馴染「教えて?」

ヤマト「……」

素直に教えても信じないだろうし、それより気になる事があった。

ヤマト「…失礼します」

幼馴染の方向を向いたまま出入り口まで走り出す。背後を見せるのは何となくやめておいた。
その瞬間、

幼馴染「……」ヒュッ

幼馴染がこちらに何かを投げる
当たりはしなかったが思わず声が零れた。

ヤマト「な…」

製図用のシャープペンシルだ。明らかに刺さる勢いで投げてきた。

ヤマト「危ないですね……」

幼馴染「当てるつもりはなかったよ?」

幼馴染「次はわかんないけど」
115 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/19(土) 00:47:23.26 ID:MKnebFEko
ふと一つの方法を思いついた。
自分の身体能力なら成功する確立は十分にある。

ヤマト「分かりました、答えます」

幼馴染「最初からそう言ってくれれば良かったのに」

ヤマト「その前に手に持ってるそれを捨てて下さい」

勿論シャープペンシルの事だ。

幼馴染「んー…どうしよっかなぁ」

ヤマト「…お願いします」

幼馴染「はいはい」

ヤマト「後ろに投げ捨ててください」

幼馴染「ふふ、なんだか映画のワンシーンみたいだね?」

笑えない冗談だ。
幼馴染がシャープペンシルを後ろに投げて捨てる。その瞬間飛び込んで先程の製図用シャープペンシルを拾いノックの方を先にして幼馴染に投げつける。

幼馴染「痛っ…」

シャープペンシルは幼馴染の脛に当たった。
かなりの勢いで投げつけたが当然刺さりはしない。
その隙に屋上を駆け扉を開ける。

男「うわっ!っとヤマト!?」

ヤマト「来い!」

恐らく自分を探しに来たのだろう、男の手を掴むと一気に階段を駆けた。

男「ど、どうしたの!?急に!ていうか速!速い!」

下駄箱まで来たところでやっとヤマトが止まる。
116 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/19(土) 00:55:26.91 ID:MKnebFEko
男「な、何なの…どうしたの…」

男「ていうか…ちょっと休ませて…」

周囲を確認するヤマト。
皆帰宅しているか部活の時間なのだろう。

ヤマト「…すまんが急いで帰るぞ」

男「どうしたの?」

ヤマト「いきなりじゃが…お前にももしかしたら関係があるかもしれん…大事な用じゃ」

意味深な事を言うヤマト。

男「…うーん?……まぁ…それなら仕方ないね」

男「いいよ、帰ろう」

ヤマト「……すまんな、案内はまた後日じゃ」

男「気にしないで」

明日、と言わない辺りが気になった。
117 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/19(土) 01:05:22.36 ID:MKnebFEko
会計と書記間違えてたおっおっおっwwwwwwww
すんません……>>109以降全部
会計→書記です……
118 : ◆5ck3xNWGQw [sage]:2012/05/19(土) 01:06:12.08 ID:MKnebFEko
>>98以降からでした……
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/19(土) 09:19:14.67 ID:5SRnBG6IO
読んでて違和感無かった
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/20(日) 14:11:32.73 ID:r4YKM/cao
帰り道。

男「……〜でね、いきなり新聞の部員だって人が」

ヤマト「あぁ…」

ヤマトはどこか上の空というか完全に上の空だ。

男「そんな訳で俺は今日童貞を卒業したんだ」

ヤマト「そうか……」

男「……」

男「(これ本当に上の空なのか?俺の事どうでもいいからとかそんなんじゃないよな?」

ヤマト「男」

男「はい!」

ヤマト「悪いが、先に帰っていてはくれぬか?」

男「ごめんごめんさっきのは冗談だよ!俺はまだ真っ赤なさくらん少年さ!」

ヤマト「…はぁ?」

男「(来た!蔑みの視線!じゃなくて!)」

ヤマト「少しこれから用があってな…というより電話をかけなければならんのじゃ」

男「俺別に待ってるよ?」

ヤマト「しつこい男は嫌われるぞ」

男「それじゃ!」

その間およそ2秒。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/05/20(日) 14:24:14.41 ID:r4YKM/cao
ヤマト「……悪い事をしたかの」プルルル

金髪『はいはーい、こちら』ガチャ

ルルルル……ガチャ

金髪『いきなり切るなんて酷くない!?』

ヤマト「ワシなりの挨拶じゃ」

金髪『…それで要件はぁ?』

電話越しに欠伸しているのが聞こえる。

ヤマト「単刀直入に言う」

ヤマト「今日、襲撃を受けた」

金髪『……へぇ』

ヤマト「そちらでも把握していると思ったが?」

金髪『最近立て込んでてね、そっちの確認はあいつがやってるのさ』

ヤマト「立て込んでる原因は主にお前じゃろ?」

金髪『はいはいそうですよーっと』

金髪『それで、俺はどうすればいいの?』

ヤマト「明らかに様子のおかしい奴に攻撃されたからな」

ヤマト「そいつのデータを確認したい」

ヤマト「データ検索の許可が欲しい」

金髪『うーん…少し待っててね』

……
………

金髪『ほい、許可したよ』

金髪『マスターに頼んで検索してもらいな』

ヤマト「助かる」

金髪『……』

ヤマト「なんじゃ?」

金髪『彼とはよろしくやってる?』ガチャ

金髪「切られちゃった」

銀髪「…また何かしたんですか?」

金髪「何にも!それよりほら仕事仕事!」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/05/29(火) 14:13:49.87 ID:teurpbf2o
変な奴に依頼出されてるけどどうしたの?
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/05/29(火) 17:47:04.53 ID:teurpbf2o
あの酉もお前のかよ
てか、辞めるならこのスレで言った方がいいよ
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