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まどか「誰がために恋をする」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:16:47.54 ID:cmc0a3g80
まどさやの百合です

SS速報に投下するのは初めてなのでなにか間違いをしてしまったら指摘してください

よろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1348831007
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クリスタ「かわいいだけじゃだめですか?」 @ 2025/07/19(土) 08:45:13.17 ID:AK1WfFLxO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752882313/

八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part1 @ 2025/07/19(土) 06:35:32.67 ID:BGCulupRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752874532/

【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 @ 2025/07/18(金) 23:44:57.84 ID:Xc8IdKRvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752849897/

どかーんと一発 @ 2025/07/18(金) 21:10:10.35 ID:CEsRuBor0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752840609/

冒険者育成学校 @ 2025/07/18(金) 01:36:01.28 ID:PkrtUMnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752770160/

たてづらい部!! @ 2025/07/17(木) 23:24:46.15 ID:o3A0TqwG0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752762285/

ゼンレスゾーン淫夢要素ゼロ @ 2025/07/16(水) 18:57:50.86 ID:RQSyJ1Qxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752659870/

【ギルデッドエネミー】ウルフ「まるでじゃんけんだ」 @ 2025/07/16(水) 01:49:20.03 ID:ryYxoR/vO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752598160/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:19:02.66 ID:cmc0a3g80
私が初めてさやかちゃんに会ったのは、小学五年生の時でした

私は転校してきたばっかりで、しかもこんな性格だからクラスにもなかなか馴染めなくて、その日も一人で通学路を歩いていました

その時私は道に躓いて転んでしまって、そして鞄のランドセルの中身が外に散らばってしまいました

他の子供たちもたくさんいたけれど、私を見ても助け起こしてくれるわけじゃなくて……

擦りむいた膝が痛いのと、パパが作ってくれたお弁当を台無しにしちゃったのが悲しいのとで、私は泣きだしそうになりました

そんなとき

さやか「大丈夫?」

さやかちゃんが声をかけてくれました

さやかちゃんだけが私を助けてくれました

そして私は、そんなさやかちゃんのことを、かっこいい王子様みたいって思ったんです
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:22:59.55 ID:cmc0a3g80
さやか「まーどか!」

まどか「きゃっ!?」

さやかちゃんに背中から急に抱きつかれて、ボーっとしていた私はびっくりしてしまいました

さやか「きゃっ!?っだって。相変わらずまどかったらかわいいなあ」

まどか「もう、急にびっくりするよ」

さやか「ボーっとしてたまどかが悪い!」

確かに私も悪いかもしれないけど、でもさやかちゃん絶対びっくりさせようとしてたよね

さやか「何考えてたの?」

さやかちゃんは私に抱きついたまま聞いてきました

背中に感じるさやかちゃんの体温がとても心地よくて、私の心臓の鼓動は勝手に早くなってしまいます
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:27:24.77 ID:cmc0a3g80
まどか「ううん、なんでもないの。それより重いよさやかちゃん」

さやか「な!?女の子に向かって重いだなんて失礼な奴め。そんなこと言うやつにはこうだ!」

まどか「さ、さやかちゃん!やめ、きゃ、きゃははは」

さやかちゃんはそう言って私をしばらくくすぐったあと、私から離れました

本当はもっとくっついていて欲しかったけど、ずっとくっつかれてたら私が大変なことになってしまいそうだからこれくらいが限界です

それでもやっぱり、少し寂しいと思ってしまう私でした

仁美「お二人は相変わらず仲がよろしくてうらやましいですわ」

私たちのやりとりを見ていた仁美ちゃんがそう言いました

仁美ちゃんはかわいいし頭もいいし、しかもとってもいい子で私の自慢の友達です
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:31:34.71 ID:cmc0a3g80
さやか「まあね。まどかはあたしの嫁だから」

まどか「もう、さやかちゃんはまたそんなことばっかり言って」

呆れたような私の口調も気にせず、さやかちゃんは笑います

さやかちゃんはよくこういう事を言います

その度に、私はとてもドキドキしてしまいます

さやかちゃんにとっては冗談だということは分かってるけど

だけど私は、さやかちゃんのその言葉がとても嬉しくて

そして、本当にさやかちゃんのお嫁さんになれればいいのにと、叶わない夢を見てしまうのです
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:34:42.15 ID:cmc0a3g80
まどか「おはよう、ほむらちゃん」

教室に着いた私は、すでに来ていたほむらちゃんに話しかけました

ほむらちゃんは、最近この見滝原中学に転校してきた転校生です

私も転校してきてなかなか馴染めなかった経験があるので、私はほむらちゃんに積極的に話しかけるようにしています

ほむらちゃんが一日でも早く学校に馴染んでほしいし、私がほむらちゃんと友達になりたいなって思っているからです

ほむら「おはよう」

まどか「ほむらちゃん、そろそろ学校には慣れた?」

ほむら「ええ、まあ」

まどか「よかった。でも、困ったことがあったら何でも言ってね?」

ほむら「ありがとう。でも大丈夫よ」

まどか「そ、そっか……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:37:39.84 ID:cmc0a3g80
だけど、ほむらちゃんはまだあまり心を開いてくれていません

慣れない環境で緊張しているほむらちゃんの為に私が話を振らなきゃとは思うのに、私もあんまり自分から話すのは得意じゃなくて

私はそんな自分が嫌になってしまいます

さやか「ちょっと転校生!」

横で見ていたさやかちゃんが口を開きます

口調からはちょっと攻撃的な雰囲気が感じられました

さやか「せっかくまどかが話しかけてあげてるのになんなのあんたのその態度!」

まどか「さ、さやかちゃん」

ほむら「私は別に話しかけてほしいだなんて頼んだ覚えはないけれど」

さやか「はあ!?ホントムカつくやつ。あんたなんかそうやってずっと一人でいればいいよ。行こ、二人とも」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:40:33.31 ID:cmc0a3g80
まどか「さ、さやかちゃん!あっ、またね、ほむらちゃん」

ほむら「……」

怒ったさやかちゃんのあとについて、私もほむらちゃんのもとを離れました

さやかちゃんはほむらちゃんのことがあんまり好きじゃないみたいです

でも私は、出来る事ならみんな仲良くなってくれればいいのにと思わずにはいられません

さやか「あームカつく!まどか、もうあいつに話しかけるのやめなよ」

まどか「でも……やっぱりほむらちゃんとも仲良くなりたいな」

仁美「まどかさんは優しいですね」

まどか「そんなんじゃないよ。私がほむらちゃんと友達になりたいだけなの」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:42:45.50 ID:cmc0a3g80
ほむらちゃんが転校してきた日

ほむらちゃんの事を初めて見たとき、どうしてかとても懐かしい気持ちになりました

まるで、昔からの友達だったかのような、そんな気がして

だから私は、ほむらちゃんと友達になりたいなって、その時なんとなく思ったのでした

さやか「でも聞いたでしょ。転校生自身がああ言ってるだもん。どうしようもないでしょ」

まどか「うん、そうなんだけど……」

だけど私は、どうしてもほむらちゃんのその言葉が信じられませんでした

もしかしたら、私が自分の都合のいいようにそう思っているだけなのかもしれません

でも私には、ほむらちゃんの背中が、とても寂しそうに見えてしまうんです
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:46:01.77 ID:cmc0a3g80
さやか「よっしゃー終わった!」

放課後になりました

授業中は机に突っ伏して寝ていたさやかちゃんが、途端に元気を取り戻します

さやか「今日もいつものとこ寄って行くでしょ?」

まどか「うん」

仁美「お供しますわ」

私たちはたまに帰りに寄り道をしていきます

そこは見滝原中の生徒の行きつけのお店で、安くておいしいって大人気です

それでもお小遣いが限られてるから頻繁にいけるわけではないんだけど、そこで二人とおしゃべりをする時間が私は大好きです
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:48:43.27 ID:cmc0a3g80
私たちは、今日もそのお店に寄って行きました

私がジュースを飲んでいるときにさやかちゃんが笑わせてこようとするのをこらえるのが大変でした

私はさやかちゃんに怒るけど、さやかちゃんは笑っていて全然反省の色が見えません

でも私は、そんなさやかちゃんの笑顔が大好きで、怒るに怒れなくなってしまうのです

仁美「あら、もうこんな時間。お先に失礼しますね」

さやか「今日は何のお稽古?」

仁美「今日は華道ですわ」

まどか「またね、仁美ちゃん」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:51:15.24 ID:cmc0a3g80
仁美ちゃんが帰ってからも、私たちはおしゃべりを続けていました

でもしばらくして、さやかちゃんが言いました

さやか「さてと、今日はそろそろ帰ろうか」

まどか「……うん、そうだね」

いつもなら、まだ帰る時間ではありません

でも、わたしには分かっていました

さやかちゃんが早くに帰る時は、決まって行くところがあるんです

まどか「……今日も上条君の所?」

さやか「へへっ、まあね」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:57:02.35 ID:cmc0a3g8o
上条君

上条恭介君

それがさやかちゃんの好きな人の名前

上条君はさやかちゃんの子供のころからの幼馴染です

私なんかよりもさやかちゃんとの付き合いが長くて、顔立ちも整ってて、そして男の子で

さやかちゃんが上条君の事を好きになるのは当然の事なんだと思います

まどか「上条君、もうすぐ退院なんだよね」

さやか「うん、恭介のやつすっごい喜んでた。最近あいつ前みたいに笑うようになったんだ」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 20:59:09.70 ID:cmc0a3g8o
まどか「よかったね、さやかちゃん」

さやか「……うん、よかった」

だから私は、さやかちゃんが上条君の為に願いを使った時も、驚きませんでした

ああやっぱりって、そう思いました

私はさやかちゃんが好きです

だから私は、さやかちゃんの恋を応援しています

本当はちょっとだけ悔しいけど、それでも私はさやかちゃんには幸せになってほしいんです

そう、自分に言い聞かせているんです
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:01:52.61 ID:cmc0a3g8o
ある日の放課後

私は一人で学校からの帰り道を歩きます

さやかちゃんと仁美ちゃんは二人とも今日は用事があって一緒には帰れません

さやかちゃんと帰れないのはやっぱり寂しいです

でも仕方ないんです

今日は、さやかちゃんにとってとても大事な日だから
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:04:07.60 ID:cmc0a3g8o
ふと前を見ると、私の知ってる後ろ姿が見えました

私はその人に駆け寄って声をかけます

まどか「ほむらちゃーん」

私の声に、ほむらちゃんが振り返りました

まどか「ほむらちゃんも帰るところ?その、一緒に帰ってもいいかな?」

ほむら「……別にかまわないわ」

ほむらちゃんはそれだけ言うとまた歩き始めました

私はそんなほむらちゃんの一歩後ろをついていきます

それから私達は、ぽつぽつと会話をしながら歩きました

私は相変わらず自分から話すのが上手じゃないけれど、それでもこうしてほむらちゃんとお話出来る事を嬉しく思いました
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:07:25.65 ID:cmc0a3g8o
ほむら「……ところで、今日は美樹さやかは一緒じゃないのね」

まどか「うん……。今日はね、さやかちゃんとっても大事な用があるから」

ほむら「ああ、そういえば今日は確か上条京介の退院の日だったわね」

まどか「あれ?ほむらちゃん上条君の事知ってるの?」

ほむら「……噂で聞いたわ。美樹さやかの友達の男の子が入院してるって」

まどか「あ、そうなんだ。うん、そうなの。さやかちゃんったら今日は朝からずっとそわそわしてたんだよ」

ほむら「そう」

まどか「でも、さやかちゃん嬉しそうだった。ホントに良かったよ」

ほむら「そのわりには、あなたは少し元気がないように見えたけど」

まどか「え?」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:10:30.01 ID:cmc0a3g8o
予想外の言葉に私はびっくりしてしまいます

まどか「そんな事ないよ。どうして?」

ほむら「勘違いならごめんなさい。でも今日のあなた、たまに暗い顔をしているような気がしたから」

そんなに暗い顔してたのかな、私

そんなつもり、なかったんだけどな

そんな顔、絶対にしたらいけないのに

さやかちゃんの事、笑って応援してあげなくちゃいけないのに
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:13:19.14 ID:cmc0a3g8o
仁美「私、上条恭介君の事をお慕いしてましたの」

昨日、さやかちゃんに大事な話があるという仁美ちゃんに誘われて、いつものお店に行きました

私は行かない方がいいんじゃないかって思ったんだけど、私にも聞いてほしいという仁美ちゃんの目はとても真剣そうで、それを断ることなんて私には出来ませんでした

さやか「へ、へー。仁美がねー。あいつも隅に置けないなー」

突然の仁美ちゃんの告白に、私もさやかちゃんもとても驚きました

さやかちゃんの声が、少し震えているような気がします

仁美「私は明日、上条君に告白します。あなたはどうしますか?」

さやか「あ、あたしは……」

仁美「どうか後悔なさらないようお願いします」

そう言って仁美ちゃんは席をたちました

そして私は、沈痛な面持ちで黙り込んでいるさやかちゃんに対して、どんな言葉をかけてあげたらいいのかすらわからないのでした
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:18:12.37 ID:cmc0a3g8o
さやか「あたし、どうしたらいいのかな……?」

お店を出てしばらくして、それまでずっと黙って歩いていたさやかちゃんが口を開きました

さやか「仁美は可愛いし、すっごいいい子だし。正直さ、あたしなんかよりよっぽど恭介の事を幸せにしてくれんじゃないかなって思うんだ」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「だからさ、私はこのまま身を引いた方がいいのかな、なんて思ったり……」

もし、仁美ちゃんが上条君と付き合うことになったら、さやかちゃんはどうするんだろ

さやかちゃんは、ちゃんと上条君を諦めることができるのかな

そしたら、もしかしたら私にも……
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:20:54.34 ID:cmc0a3g8o
そんな考えが頭をよぎってしまいました

私はそんな自分の考えに首を振ります

まどか「さやかちゃんはそれでいいの?」

さやかちゃんが幸せになってくれれば、私も幸せです

だから私は、さやかちゃんに向かって言います

まどか「仁美ちゃんに恭介君をとられても、さやかちゃんは後悔しない?」

さやか「それは……」

まどか「私はさやかちゃんに後悔してほしくない。それにね、さやかちゃんだって仁美ちゃんに負けないくらい素敵な女の子だもん。私は、上条君とさやかちゃんはお似合いのカップルだって思うな」

さやか「まどか……」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:24:11.89 ID:cmc0a3g8o
大丈夫だったかな……

私の声、震えたりしてなかったかな……

私はちゃんと、さやかちゃんを後押しする事が、出来てたかな……

さやか「ありがとう、まどか」

ずっと暗い顔をしていたさやかちゃんが、ようやく笑ってくれました

さやか「まどかのおかげで決心がついたよ。私も、恭介にちゃんと告白してくる」

まどか「うん」

さやか「よーし、やるぞー」

まどか「頑張ってさやかちゃん」

さやか「おう!まどかも応援しててね」

まどか「もちろんだよ」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 21:25:54.72 ID:CLb14DrXo
VIPでボロカスに叩かれて逃げた奴じゃん
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:26:51.60 ID:cmc0a3g8o
これでいいんです

こうするしかないんです

私は女の子で

さやかちゃんも女の子で

さやかちゃんは上条君が好きで

まどか「私はさやかちゃんの事、応援するから」

そして私は、嘘つきでした
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:30:15.62 ID:cmc0a3g8o
智久「おかえりまどか」

ほむらちゃんと別れて、家についた私をパパが出迎えてくれました

智久「ちょっとクッキーを焼いてみたんだけど、食べるかい?」

まどか「……ごめんパパ、今はいらない」

パパの作ってくれるお菓子はとても美味しくて大好きです

でも今は、どうしてもそんな気分になれませんでした
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:33:23.08 ID:cmc0a3g8o
いつもとは違う様子の私にパパは心配そうな顔を向けてくれます

そんなパパの目から逃げるように私はすぐに自分の部屋に行き、そして制服も脱がずにベッドに倒れ込みました

まどか「さやかちゃん……」

今頃さやかちゃんはどうしてるかな

もう上条君に告白したのかな

返事はどうだったのかな

そんな事ばかりが頭の中をぐるぐるとまわっています
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:36:07.21 ID:cmc0a3g8o
どれくらいの時間がたったのかわかりません

いつの間にか、窓の外は暗くなっていて

そして私の携帯電話から、着信を知らせる明るい歌が流れはじめました

画面を見なくてもわかります

この着信音はさやかちゃんです

ちょっと前に、さやかちゃんが好きだと教えてくれたラブソング

私は携帯を手に取ります

自分の心臓が、とてもうるさく感じられます
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:39:36.41 ID:cmc0a3g8o
もし、さやかちゃんの告白が成功していたら

その時は、笑っておめでとうを言おう

そして、この恋をちゃんと終わりにしよう

終わりにしなくちゃ、いけないんです

でも、もし……

もし、さやかちゃんの告白が失敗していたら

その時は、私は……

私は震える指を必死に抑えて、携帯の通話ボタンを押しました
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 21:40:35.23 ID:7J8kg4PRo
叩かれて逃げてこようが、向こうのとりあえずシモに走っとけばいいみたいなクソSSより万倍マシ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/09/28(金) 21:41:50.35 ID:mQozJ3bAO
山Pなんて出るのか
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:42:38.79 ID:cmc0a3g8o
次の日の朝

窓から入ってくる光で、私は目を覚ましました

ベッドから出て、大きく伸びをします

空は気持ちのいいくらいに晴れ渡っていました

まどか「おはよう、パパ」

智久「おはよう、まどか」

一階に降りると、すでに起きていたパパは家庭菜園の手入れをしていました

智久「悪いんだけどママのこと起こしてきてくれるかい?」

まどか「はーい」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:45:37.69 ID:cmc0a3g8o
そして私はいつものようにママを起こしに向かいます

いつもお仕事を遅くまで頑張っているせいか、ママは朝がちょっとだけ苦手なんです

タツヤ「ママー、起きてー」

まどか「起きろー!」

絢子「うわあああ!」

ママを起こした後は、顔を洗って、制服に着替えて、パパの作ってくれた朝ご飯をみんなで食べます

今日の朝ご飯は目玉焼きと野菜サラダでした

パパの作ってくれるご飯は美味しいんだけど、そのせいでついつい食べ過ぎちゃうのが少し悩みだったりします
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:48:20.80 ID:cmc0a3g8o
まどか「いってきまーす」

朝食を食べ終え、私は鞄を持って家を出ました

通いなれた通学路を私は歩きます

少し歩いたところで、私に向かって手を振る人影が見えました

私もその人に向かって大きく手を振り返します
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:50:52.05 ID:cmc0a3g8o
まどか「さやかちゃーん」

さやか「おはよう、まどか」

さやかちゃんは照れくさそうに笑っていました

私はそんなさやかちゃんに駆け寄ります

まどか「おはよう。それと」

そして私は、出来る限り満面の笑顔で、こう言いました

まどか「おめでとう、さやかちゃん」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:53:51.07 ID:cmc0a3g8o
さやか「ありがとう、まどか。って、このやりとり昨日電話でもしたような」

まどか「そうだけど、でもやっぱり直接言いたかったから」

さやか「アハハ。な、なんていうか照れるね、やっぱ」

まどか「でも、良かったの?上条君と登校しなくて」

さやか「いいの。あたしはまどか達のことも大事だもん。彼氏が出来た途端に友達をないがしろにするようなさやかちゃんじゃあないよ」

まどか「えー、ホントかなあ?」

さやか「ホントだってば!」

私たちは笑い合いました

恋人が出来ても、やっぱりさやかちゃんはさやかちゃんでした
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:56:29.59 ID:cmc0a3g8o
仁美「お二人共、おはようございます」

私たちがおしゃべりしていると、仁美ちゃんもやってきました

まどか「おはよう、仁美ちゃん」

さやか「お、おはよう」

仁美「それでは行きましょうか」

さやか「あ、あのさ、仁美。あたし……」

仁美「さやかさん」

さやかちゃんの言葉を仁美ちゃんが遮ります
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 21:59:12.67 ID:cmc0a3g8o
仁美「もしかして、謝ろうなんて思ってるわけじゃありませんよね?」

さやか「え!?いや、だって……」

仁美「馬鹿にしないでくださいますか。私はあなたに負けた、ただそれだけです。さやかさんは堂々としていればいいんです」

まとか「仁美ちゃん……」

仁美「それとも私たちの友情は、このくらいで揺らいでしまう程度のものだったのでしょうか?」

さやか「……分かった。仁美の言うとおりだね。あたしは謝らないよ」

仁美「それでいいんです。言っておきますけど、私はまだ完全に諦めたわけではありませんので」

さやか「いいよ。仁美に恭介は渡さないから!」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:01:33.50 ID:cmc0a3g8o
良かった

今回の件で、私たちの関係がギクシャクしてしまうんじゃないかって心配してたけど、どうやら大丈夫だったみたいです

すごいと思いました

さやかちゃんも仁美ちゃんも、とても強くて

二人とも、私の自慢の友達です
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/28(金) 22:02:12.44 ID:adj8+Mih0
俺は小説版のみたいな感じで嫌いじゃないけど
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:03:16.35 ID:cmc0a3g8o
和子「今日は皆さんに重大なお話があります。心して聞くように」

朝のホームルームが始まりました

いつもならそのほとんどが先生ののろけ話なのですが、今日の先生はとても真面目な顔をしています

このパターンは、たぶん……

和子「味噌汁の具は、大根ですか?それともお豆腐ですか?はい、中沢君!」

中沢「え!?えーと、どっちでもいいかと……」

和子「その通り!どっちでもよろしい!」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 22:06:11.24 ID:amjwEKXho
まとめブログがまどかSSを挙って取り上げるようになってからちょっと煽られただけですぐ逃亡する豆腐メンタル作者様が増えたよね

あなたのことですよ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 22:06:18.76 ID:7ZILpMZO0
ま、まぁ一応さやかがほむらに突っかかってたのはまどかがほむらに対して怯えてたからで
元々初期印象は結構好印象だったとかの突っ込みどころは在るけど

まだなんとも言えん量でしょう
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:09:36.35 ID:cmc0a3g8o
やっぱり今回も駄目だったみたいです

和子先生、美人だと思うのにどうして長続きしないのかなあ

先生はこんな男性は駄目だという事を一分くらい熱弁した後、一呼吸をおいて続けます

和子「はい、それともう一つ。今日は嬉しいニュースがあります。入ってきて」

先生が教室の外に向かって声をかけます

それを合図に、教室の入り口から一人の男の子が入ってきました

その男の子は教壇の横に立ち、クラスのみんなに向かって言いました

恭介「上条恭介です。昨日病院を退院して、今日からまた学校に通えることになりました。みんな、またどうかよろしくお願いします」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:13:20.26 ID:cmc0a3g8o
その途端教室から歓声があがりました

口笛を吹いて迎える男の子や、おかえりと声をかける女の子

クラス中のみんなが、上条君の退院をお祝いしていました

私はさやかちゃんの方をちらりと見ます

さやかちゃんは目に涙を湛えながら、それでも笑顔で上条君を見つめていました

顔を戻すと、ほむらちゃんが私の方を見ているのに気がつきました

だけど、すぐにほむらちゃんは正面に向き直ってしまいます

ちょっと気になったけど、それでも今は、私もみんなと一緒に上条君の退院をお祝いするのでした
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:17:21.50 ID:cmc0a3g8o
まどか「ごめん、さやかちゃん。私ちょっと先生に用事があるから、今日は先に帰っててくれるかな?」

放課後、いつものように声をかけてくれたさやかちゃんに私は言います

さやか「そうなの?いいよ、待ってるから」

まどか「でも、どのくらい時間かかるかわからないから。それより、せっかくなんだから今日は上条君と一緒に帰りなよ」

さやか「ええ!い、いいってそんな」

仁美「あら、いいじゃありませんか。今日くらい二人きりで帰ったらどうです?」

まどか「上条くーん!」

さやか「ちょ、まどか!?」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:19:53.94 ID:cmc0a3g8o
私は教室にいる上条君に声をかけました

恭介「なんだい、鹿目さん?」

まどか「私と仁美ちゃん、今日はさやかちゃんと一緒に帰れなくて。上条君、さやかちゃんをお家まで送っていってあげてくれないかな?」

恭介「もちろんいいよ。それじゃ帰ろうか、さやか」

さやか「えっ、でも……」

まどか「私たちの事は気にしなくていいから。ね?」

さやか「そうじゃなくて、あたしは」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:22:56.25 ID:cmc0a3g8o
何かを言いかけたさやかちゃんは、私の方をじっと見つめて

だけど結局、その先を口はしませんでした

さやか「……わかった。じゃあたし達先に帰るから。帰ろ、恭介」

恭介「う、うん。じゃあまた明日、鹿目さん、志筑さん」

そう言って、二人は並んで教室から出ていきました

私たちは二人のことを手を振って見送ります

仁美「それでは私たちも帰りましょうか、まどかさん」

まどか「ごめん、仁美ちゃん。今日は先に帰ってもらってもいい?」

仁美「あら、もしかして本当に先生に用事があるのですか?てっきりさやかさん達を帰らせる口実かと思っていました」

まどか「アハハ、ごめんね」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:25:49.99 ID:cmc0a3g8o
仁美ちゃんも帰った後、私は一人で教室を出ました

行き先は職員室、ではありません

私は階段を上って、屋上のドアを開きます

思った通り、ここには誰もいません

私はフェンスに背中を預けて、なにをするでもなくボーッと空を見上げます

別に、屋上に用があったわけではありまけん

ただ、どこでもいいから、一人になれる場所に来たかったんです
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:29:15.33 ID:cmc0a3g8o
ほむら「先生への用事とやらはもう済んだのかしら」

声のした方に顔を向けると、いつの間にか屋上にほむらちゃんが来ているのに気がつきました

ほむらそのまま歩いてきて私のすぐそばまでやってきます

ほむら「ごめんなさい、あなたが屋上に上がるのが見えたから」

まどか「そっか。えへへ、見つかっちゃった」

私は出来る限りの笑顔でほむらちゃんに答えます
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:31:56.38 ID:cmc0a3g8o
まどか「別になんでもないの。ただ今日はいいお天気だから、屋上で日向ぼっこでもしたいなーって思って」

ほむら「鹿目まどか」

私の言葉を、ほむらちゃんが遮ります

ほむら「お願いだから、無理して笑おうとしないで」

まどか「えっ?」

ほむら「そんなあなた、見ていられないわ」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:34:51.82 ID:cmc0a3g8o
ほむらちゃんはそう言って私の方を心配そうに見つめます

その目は涙で潤んでいて、いつものクールなほむらちゃんとはまるで別人のような雰囲気でした

まどか「ほ、ほむらちゃん何言ってるの?私は別に」

ほむら「あなたはどうして、いつも自分のことをないがしろにするの。誰かの為にって、我慢して、自分に嘘をついて。

    我慢なんてしなくていい。辛かったら辛いって言っていい。泣きたかったら、泣いたっていいのよ」

まどか「ほむら、ちゃん……」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/28(金) 22:37:54.08 ID:cmc0a3g8o
その瞬間

私の心の中にあった檻が、音をたてて崩れていくような気がしました

それまで必死に閉じこめていたものが、次から次へと溢れ出しきて

そしてそれは涙になって、私の頬を流れ落ちていきます

まどか「ぅ……ぁ……」

さやかちゃんが幸せになってくれるなら、それでいい

私は今まで、ずっとそう思ってきました

ううん、そう思いこもうとしてきました

だけど、気づいてしまいました
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:41:07.68 ID:cmc0a3g8o
まどか「ぁ……ぁぁぁぁ……」

私は、さやかちゃんの告白が失敗してほしいと願っていました

さやかちゃんと上条君に恋人同士になってほしくありませんでした

さやかちゃんが上条君の事を口にする度に、私は上条君がいなければいいのにと思いました

さやかちゃんの好きな人が、私だったらいいのにと思っていました

さやかちゃんが幸せになった時、その隣にいるのが私であってほしいと、そう思わずにはいられませんでした

まどか「ぁあ……ぁああああ!」

涙が止まりません

ほむらちゃんが目の前にいるのに、私は叫ぶように泣き続けます
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:45:02.56 ID:cmc0a3g8o
ほむら「まどか」

大声で泣きじゃくっている私を、ほむらちゃんはそっと抱きしめます

ほむらちゃんの体温が、私の荒れた心を暖めてくれるようでした

ほむら「私は、卑怯者だわ。こんな状態のあなたを見ても、私は自分の事ばかり考えているの」

ううん、そんなことない

ほむらちゃんは優しいよ

それは、私が一番よく知っている

不思議だね、ほむらちゃんとそんなにお話したわけじゃないのに

だけど、それでも私は知ってるの
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:47:06.60 ID:cmc0a3g8o
ほむら「私は、絶対にあなたを泣かせたりしない。あなたの事は、私が必ず守ってみせるわ。まどか、私はあなたの事が……」

そっか、そうだったんだ

ありがとう、ほむらちゃん

あなたの気持ち、すごく嬉しいです
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:48:44.19 ID:cmc0a3g8o
さやか『まどかをいじめるなー!』

まどか『大丈夫、まどか?』

さやか『安心して。まどかはあたしが守ってあげるから』

さやか『だからまどかも、絶対あたしの側から離れちゃ駄目だよ』

小学生の時

クラスメイトにからかわれていた私を、さやかちゃんが助けてくれたことがありました

きっとさやかちゃんはもう覚えてないだろうけど、それでも私はさやかちゃんのその言葉がとても嬉しかった

そしてその言葉の通り、さやかちゃんはずっと私を守ってくれました
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:50:32.45 ID:cmc0a3g8o
>>56
すいませんミスです

さやか『まどかをいじめるなー!』

さやか『大丈夫、まどか?』

さやか『安心して。まどかはあたしが守ってあげるから』

さやか『だからまどかも、絶対あたしの側から離れちゃ駄目だよ』

小学生の時

クラスメイトにからかわれていた私を、さやかちゃんが助けてくれたことがありました

きっとさやかちゃんはもう覚えてないだろうけど、それでも私はさやかちゃんのその言葉がとても嬉しかった

そしてその言葉の通り、さやかちゃんはずっと私を守ってくれました
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:53:09.64 ID:cmc0a3g8o
ねえ、さやかちゃん

私はやっぱり、あなたの事が大好きです

きっと、すぐに忘ることは出来ないと思います

でも、このままじゃいけないから

さやかちゃんのことを、もう自由にさせてあげなくちゃいけないから

だから私は、ほむらちゃんの事を好きになっていこうと思います

今まで私の事を守ってくれて、本当にありがとう

あなたを好きでいられて、私はとても幸せでした
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/28(金) 22:54:37.95 ID:cmc0a3g8o
きりがいいので今日は終わります

明日は休みだから出来れば明日中に完結させたい

豆腐メンタルでごめんね
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/28(金) 23:31:10.77 ID:pVnI4mJSO
正直、豆腐メンタルな人はSS書くのには向いてないよ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 03:03:50.50 ID:ZqqaRJt/o
VIPのスレ見たけどボロカスに叩かれたなんて程でもないじゃん
純粋に需要がなかっただけだろ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 04:17:33.13 ID:llRUcPXUo
まどさやじゃねぇのかよ
まどほむとか…
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 05:36:05.43 ID:iAoUmmSao
まどほむ厨の俺もこれには苦笑い
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 07:43:09.36 ID:LFt6XbPwo
結局またVIPに同じスレ立ってるんだけど何なのこいつ^^;
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 08:01:25.18 ID:e77eXJfRo
>せっかく書いたし一人でも多くに読んでほしいと思って

こんなこと書いちゃう痛い子だしお察し
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 08:26:56.03 ID:V7EynliWo
html化依頼してやんの
VIPの方も削除依頼でもしたらどうかな(笑)
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 08:27:48.04 ID:e77eXJfRo
結局こっち落とすのかよ
何のために立てたの?
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/09/29(土) 13:09:11.06 ID:PDgdIIIAO
なんで荒れてるの? 続き読みたいんだけど
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 13:11:41.88 ID:iviG9PjCo
このスレhtml依頼出してVIPで続き書いてるから
昨日はVIPで需要無いからってSS速報に来たのに
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/09/29(土) 14:50:32.23 ID:DWHhPa2Ao
VIPのほう落ちてるし何がしたかったんだろこの>>1
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 14:52:04.28 ID:D4TrNGQDO
VIPも落ちた
なにがしたかったのか

荒れてもそのままやるか大人しくここでやればよかったのに
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 16:05:51.97 ID:R2lrrlYDO
ここからどう まどさや になるか期待してただけに
打ち切りは残念だ。
続き書いて欲しいね
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/09/29(土) 22:47:04.52 ID:zskaunp/o
この続きならVIPでちょっとやってたな
胸糞悪くなる展開になりそうだったけど
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/29(土) 23:08:49.30 ID:LHFPiktSO
とりあえずこの作者は時間を大いに無駄にしたってことだな
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/09/29(土) 23:08:55.41 ID:GIiD+Sbco
ホントなんであんなことしたんだ
マルチなんてどこの掲示板でもマナー違反とされる行為だろ
やるにしても初めに一言添えるのが当たり前
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 09:27:37.19 ID:w90q08U5o
恭介振ったさやかがどうやって幸せになるか見たかったんだがな
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) :2012/09/30(日) 12:05:03.11 ID:jyt6gBwO0
途中から見かけたけど経緯があれすぎて中身読む気になれない
こっちに落ちてれば、とも思ったけどダメか
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga sage]:2012/09/30(日) 18:30:03.92 ID:acd2hzuCo
1です
みなさんのお叱りの通り、あっちでたてこっちでたて、あげく終わってないのにHTML化依頼と、ホント自分でも何がしたいのか分かりません
ですがまだHTML化されてないようなので、また批判されるのは承知の上で、完全な自己満足で最後まで投下していきます
最後に、私の行動で不愉快な気分になったすべての人に、申し訳ありませんでした
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:30:58.10 ID:acd2hzuCo
あたしが初めてまどかに会ったのは、小学五年生の時だった

あたしのクラスに転校してきたまどかは、おとなしくて、いつもおどおどしていて、クラスにもあまり馴染めていなかった

ある日、いつも通り学校へ向っている途中、まどかが道に倒れているところに遭遇した

きっと転んだかなにかしたのだろう、あのどんくさそうな転校生ならありそうだって思った

人が転んでいるのに周りの人たちが見て見ぬふりをして素通りしていくの見て、あたしは少しムカついた

だから私は、まどかに声をかけた

まどかは今にも泣き出しそうな顔をしてたけど、私が助けてあげたあとようやく少し笑ってくれた

どうしてかあたしは、そうやって笑っているまどかのことを、すごい可愛いと思った

そしてあたしはその時、そんなまどかのことを、絶対に守ってあげたいって思ったんだ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:31:25.11 ID:acd2hzuCo
さやか「え?」

あたしは自分の耳を疑った

まどかの口から出た言葉が、あまりにも信じられないものだったから

さやか「い、いやーびっくりした。まさかまどかがそういう冗談言うとは思わなかったわ」

まどか「ううん、冗談じゃないの」

真剣なまどかの表情

とても冗談を言っているようには見えない

そしてまどかはもう一度、同じ言葉を口にする

まどか「私ね、ほむらちゃんとお付き合いすることになったんだ」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:32:12.53 ID:acd2hzuCo
さやか「……本気で言ってんの?」

まどか「うん」

さやか「いや、そもそもあんたら二人とも女じゃん」

まどか「うん、ごめんねさやかちゃん。気持ち悪いって思うかもしれないけど、それでもさやかちゃんにはちゃんと言わなきゃって思ったの」

気持ち悪くなんてない

あたしがまどかの事を、気持ち悪いなんて思うわけがない

なのに、あたしの心はすごい動揺していて

あたしは、その動揺をまどかに悟られないようにするのに必死に平静を装う
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 18:33:02.45 ID:acd2hzuCo
さやか「へ、へー。まさかまどかと転校生がねえ。あんた達いつの間にそんなに仲良くなってたのよ」

まどか「さやかちゃん、気持ち悪いって思わないの?」

さやか「ないないそんなこと。そ、そりゃ、びっくりはしたけどさ。あたしはまどかのこと、応援するよ」

まどか「……ありがとう、さやかちゃん」

そうだよ

まどかが勇気を出して言ってくれたんだ

それなのに、親友のあたしが応援してあげなくてどうすんのさ

あたしはなにがあっての、まどかの味方でいてあげなくちゃ

まどかは絶対、あたしが守ってあげるんだから
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:33:39.44 ID:acd2hzuCo
さやか「今日も一日終了!二人とも帰ろうぜ」

学校の授業が終わり、あたしは二人に声をかけた

今日も、あたしは二人と一緒にいつもの店に寄り道して行くつもりだった

そして三人でいつもみたいに楽しくおしゃべりして、それから帰ろうと思っていた

まどか「ごめんさやかちゃん。私、今日はほむらちゃんと帰るね」

だからあたしはまどかのその言葉に驚いた

いや、そりゃ転校生と付き合ってるって話は聞いたけどさ

だけどそれでもまどかは、当然あたしと一緒にいるものだと思ってたから

さやか「え、転校生と帰るの?」

まどか「う、うん。ホントにごめんねさやかちゃん。でもほむらちゃんと約束してたから」

さやか「い、いや別にいいって。まあしょうがないか。あんま公衆の面前でイチャイチャすんなよー」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:34:54.06 ID:acd2hzuCo
まどか「も、もうさやかちゃんったら。しないよそんなこと」

まどかはあたし達にさよならを言うと、教室の入り口で待っていた転校生の所に向かい、二人一緒に帰って行った

残されたあたしと仁美も、すぐに教室をあとにする

仁美「今日はお店に寄って行きますか?」

仁美があたしに聞いてくる

数分前までは、当然そのつもりだったはずなのに

さやか「……ううん、今日はいいや」

いつの間にかあたしの気持ちは、すっかり萎えてしまっていた
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:35:31.45 ID:acd2hzuCo
仁美「それにしても、まさかまどかさんと暁美さんがお付き合いすることになったなんて驚きましたわ」

帰り道、仁美がそう口にする

当然仁美も、まどかが転校生と付き合うという話は聞いていた

さやか「まーね。確かに驚いたよ。でもさ、まあたぶんいろいろ思うことはあるだろうけど、それでも仁美もあの二人を応援してあげてくれないかな」

仁美「当たり前です。まどかさんは私の大切なお友達ですもの。誰がなんと言おうと、私はまどかさん達の味方です」

さやか「ありがとう、仁美」

やっぱり仁美はいい子だなってつくづく思う

恭介のことだってそう

恭介と付き合うことになったあたしに対して、仁美は今までと変わらずに接してくれる

あたしがその立場だったら、どうだっただろうか

きっと、すごい嫉妬して、仁美を憎んで、今まで通りなんてとても無理だったと思う

仁美「ところで、さやかさんの方はその後上条君とはいかがですか?」

さやか「あたし?あたしはまあ、それなりかな」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:36:09.20 ID:acd2hzuCo
仁美「本当ですか?さやかさん、私たちに気をつかってあまり上条君と一緒に帰ろうとなさらないから」

さやか「そんなんじゃないって。別に気なんかつかってないよ」

もちろん、恭介と一緒に帰りたくないと言えば嘘になる

でもあたしは、恭介と同じくらいにまどかも仁美のことも大切で

恋人が出来たからって、その友達をないがしろにするようなことはしたくなかった

ああ、そっか

だからあたしは、まどかが転校生を優先したことに少し驚いたんだ

まあ別に、まどかにあたしの考えをおしつけるつもりはないけどさ

でもなんか、やっぱりほんのちょっとだけ寂しかった
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:36:42.31 ID:acd2hzuCo
次の日の昼休み、あたしは屋上で一人でお弁当を食べていた

この屋上はいつも他に人がいなくて、あたしたちのお気に入りの場所になっている

さやか「つまんないなー」

つい、思ったことが口から出てしまう

お昼を一人で食べるなんて、あたしにとっては滅多にないことだった

仁美は、お昼は委員会の仕事があることが多くて、一緒に食べられないときもある

でも、どんな時でもまどかはいつも一緒だったから
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:37:19.72 ID:acd2hzuCo
さやか「それなのに、恋人が出来た途端にこれだよ」

でも仕方ないのかなあ

恋人が出来て浮かれちゃう気持ちも、まあ分からないでもないし

だけどさあ、それにしたって……

さやか「はあ。こんなことなら恭介でも誘えばよかったよ」

そしてあたしは、また一人で黙々とお弁当を食べ進める

なんだか、あんまりおいしくないなあ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:37:48.75 ID:acd2hzuCo
さやか「じゃあまた明日学校でね、恭介」

恭介との通話を終えたあたしは、そのままベッドに倒れこむ

付き合い始めてから、あたしと恭介はほぼ毎日こうして電話をしていた

恭介と話すのは楽しいし、ずっと電話してても会話が途切れることはない

学校に行けば顔だって見れるし、そして今度の休日はデートの約束もしている

うん、あたしたちは今、それなりにうまくやっていると思う

それなのに、あたしの心はどこかもやもやしていて

あたしは再び携帯を手に取ると、電話帳からまどかの番号を呼び出して電話をかけた

だけど、受話口からは聞き慣れたまどかの声ではなく、通話中を知らせる音声が聞こえてくる
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:38:21.30 ID:acd2hzuCo
さやか「なんだよ、まどかのやつ」

携帯を閉じて、あたしは独りごちる

あたしは携帯を机の上に乱暴に抛って、部屋の電気を消してふとんをかぶった

大丈夫

あたしは自分にそう言い聞かせる

まどかがあたしのもとから離れるなんて、あるわけない

まどかは、あたしがいないと駄目なんだから
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 18:38:50.14 ID:acd2hzuCo
杏子「あんたさ、なにイライラしてんの?」

魔女との戦いを終え、あたしと杏子とマミさんは帰り道を一緒に歩く

もう太陽も沈んでしまっていて、あたりはすっかり暗くなっていた

さやか「イライラなんてしてない」

杏子「してんじゃん」

さやか「してないったら!」

杏子「おお、こわ」

マミ「まあまあ、落ち着いて美樹さん」

マミさんはあたしと杏子の間に入ってあたしをなだめる

あたしは別にイライラなんてしていない

的外れなことを杏子に言われたから、すこしムカついただけだ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:39:27.33 ID:acd2hzuCo
杏子「そういえば、今日はあいつはどうしたんだよ」

杏子が挑発的な口調であたしに言う

杏子「なんて言ったっけ?あのいっつもあんたにくっついてる金魚の糞みたいなやつ」

さやか「……おい、今何て言った?」

杏子の言葉に、あたしは足を止めて杏子を睨んだ

さやか「まどかの事を言ってんのか!?」

杏子「そうそうまどかだまどか。さやかちゃんさやかちゃんっていつもあんたの後ろにくっついてさ。金魚の糞そっくりじゃねーか」

さやか「あんた!」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:39:58.62 ID:acd2hzuCo
マミ「いい加減にしなさい!」

あたしは今にも杏子に掴みかかろうとしていた

だけど、初めて聞いたマミさんのその怒ったような声に、あたしと杏子は固まってしまう

マミ「佐倉さん、今のはあなたが悪いわ。謝りなさい」

杏子「なんでだよ。今日のさやかの様子がなんか見ててムカついたから、ちょっとからかってやっただけだって」

マミ「謝りなさい」

杏子「……ちっ、わかったよ。悪かった。これでいいだろ」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/30(日) 18:40:12.19 ID:6p5ytVe80
さやか:兄、まどか:三女、ほむら:次女でいこう(なにが?)
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 18:40:31.91 ID:acd2hzuCo
マミ「美樹さんもよ」

マミさんは今度はあたしに向かって言う

マミ「さっきのは確かに佐倉さんが悪かったけど、美樹さんの今日の態度が目に余ったのも事実よ。

   戦いにも集中出来てなかったし、そんなんじゃいつか大怪我することになるわ」

さやか「……すいません」

あたしは下を向いて唇をかみしめる

あたし、なにやってるんだろう

勝手にいらついて、戦いにも集中できず、マミさんにも迷惑かけて

悔しくて涙が出そうになるのを、あたしは必死にこらえる
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:41:08.37 ID:acd2hzuCo
マミさんは、そんなあたしの肩にそっと手をのせた

マミ「私たちだって人間だもの。落ち込んだり、調子が悪かったりする時だってあるわ。だからね美樹さん。

   もしなにか悩みでもあるのなら、なんでも言って。相談にのってあげるくらいなら、私にもできると思うから」

さやか「……別に、悩みってほどじゃあないんですけど」

マミさんの言葉が嬉しかった

そして気付いたら、あたしはマミさんにあたしのもやもやの原因についてを話していた

さやか「最近、まどかとちょっとうまくいってないような気がして」

マミ「あら、そうなの?あなたたち普段はとっても仲良しなのに、喧嘩でもした?」

さやか「いや、喧嘩したとかそういうわけじゃないんです……」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:41:34.81 ID:acd2hzuCo
別にあたしたちは喧嘩をしたわけじゃない

というか、うまくいってないっていうのも、きっとあたしが勝手に思ってるだけなんだと思う

まどかがあたしに対して冷たくなったなんて事はないし、会話だっていつも通り普通にする

ただ、それでもまどかは今までに比べて、あたしと一緒にいる事が少なくなった

そして、その分をあの転校生と過ごすことが多くなっている

あたしは、それがどうしようもなく気に入らなかったんだ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/09/30(日) 18:42:00.86 ID:acd2hzuCo
マミ「そうなの。今日は鹿目さんは?」

さやか「まどかは、たぶん転校生と一緒にいると思います」

杏子「なんだ。つまりさやかがあいつに見捨てられたってことか」

さやか「違う!」

マミ「佐倉さん」

マミさんは杏子を一睨みした後、再び私に向き直る

マミ「そうね。やっぱり美樹さんと鹿目さんでちゃんと話してみるしかないんじゃないかしら」

さやか「話、ですか」

マミ「ええ。美樹さんが思ってる事を、ちゃんと鹿目さんに伝えるの。親友同士のあなた達だもの、それだけできっとすぐに仲直りできるわよ」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:42:32.72 ID:acd2hzuCo
思ってる事を伝える、か

たしかにこのまま黙っていたら、まどかがどんどんあたしから離れていってしまうような気がする

あたしは、それがすごい怖かった

……うん、そうだね

だったらとりあえず、まどかと話をしてみよう

それになにもしないなんて、そんなのあたしらしくない

さやか「ありがとうございます、マミさん」

マミ「うん、頑張ってね」

杏子「次も今日みたいな調子だったらぶっとばすからな」

よーしと、あたしは心の中で気合を入れる

頑張るぞ、あたし!
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:42:59.50 ID:acd2hzuCo
さやか「まどか、今日久しぶりにいつもの店に寄ってかない?」

次の日の放課後、あたしは帰りにまどかを誘う

仁美はお稽古があって今日は先に帰っていた

まどか「ごめんね、さやかちゃん。今日もほむらちゃんと帰る約束をしてて」

やっぱりまどかは転校生と帰るつもりだったらしい

だけど、今日のあたしはそれくらいじゃ引き下がらないよ

さやか「もう、まどか最近ずっとそうじゃん。たまにはあたしに付き合ってくれたっていいんじゃない?」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:43:25.73 ID:acd2hzuCo
まどか「でも……」

まどかは少し迷うような表情を浮かべる

まどか「そうだ。だったらほむらちゃんも一緒にいいかな?」

さやか「えー……」

まどかの提案に、あたしは戸惑ってしまう

出来ることなら、あたしはまどかと二人で話をしたいと思っていた

だけどここであたしが拒否したら、きっとまどかも来てくれないんだろう

ホントは嫌だけど、でもまどかと話をするためにはしょうがない
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 18:43:54.91 ID:acd2hzuCo
さやか「……わかった。転校生も一緒でいいよ」

まどか「ありがとう、さやかちゃん。私ちょっとほむらちゃんに伝えてくるね」

まどかはそう言って転校生のもとへと向かう

まどかと転校生が話しているのを見ながら、あたしは心の中で舌をうつ

まどかは、あの転校生のどこがいいんだろうか

無愛想だし、性格も悪いし、絶対あいつなんかといるよりあたしといた方が楽しいのに

なんでまどかは、あんな奴と付き合ってるんだよ
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:44:21.45 ID:acd2hzuCo
さやか「……」

ほむら「……」

まどか「……あぅ」

いつものお店のいつもの席

あたし達三人はそこに座って、くだらない話に花を咲かせ、てはいなかった

周りはみんな楽しそうにおしゃべりしている中、あたし達の席だけまるで違う世界であるかのようにぴりぴりとした空気が流れている
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:44:47.44 ID:acd2hzuCo
さやか「まどか、これ食べる?」

まどか「あ、ありがとう。あの、出来ればほむらちゃんにも……」

ほむら「まどか、今日は帰りに私の家に寄って行かない?宿題をみてあげるわ」

まどか「う、うん。さ、さやかちゃんも一緒にどうかな?」

さやか「……」

ほむら「……」

まどか「あ、あはは……」

険悪な雰囲気のあたしと転校生のことを、まどかは必死に繋いでくれようとしている

だけどあたしも転校生も、まどかとは会話をするけれど、お互いほとんど口をきかなかった

相変わらずムカつくやつ

そっちがそういう態度なら、あたしだって絶対にあんたとなんか話さない
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:45:14.91 ID:acd2hzuCo
さやか「ねえ、まどか」

あたしは転校生の事を無視して、まどかに話しかける

さやか「最近さ、あたし達一緒にいる事がだんだん少なくなってきてるよね」

まどか「そ、そうかな?」

さやか「そうだよ。前はあたし達いつも一緒にいたのにさ、近頃は休み時間もお昼も転校生と一緒じゃん」

まどか「う、うん……」

さやか「そりゃね、二人は恋人同士だし一緒にいたいって気持ちもわかるけどさ。でも、まどかがあたしからどんどん離れていっちゃうような気がして、やっぱり少し寂しいなあ、なんて」

まどか「さやかちゃん……」

あたし、なんかすごい自分勝手なこと言ってるなー

だってこれって、暗に恋人よりもあたしを優先しろって言ってるのと同じ事だよね

自分でも、何言ってんだって思うけど

でも、これがあたしの正直な気持ちだった

まどかには、転校生よりあたしと一緒にいてほしいんだ

まどか「あのね、さやかちゃん」

あたしの話を聞いたあと、まどかが口を開いた
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:45:40.49 ID:acd2hzuCo
まどか「さやかちゃんの言うとおり、私とさやかちゃんは今までいつも一緒だったよね。さやかちゃんは、いつも私の事を守ってくれてたよね」

まどかはゆっくりと、でもとても強い決意を持って言葉を紡ぐ

まどか「私はずっと、そんなさやかちゃんに頼って過ごしてきたの。私はさやかちゃんがいないとなんにも出来なくて。

    きっとさやかちゃんには、すごい迷惑をかけてきたと思う」

さやか「そんなことないって!」

まどかの言葉を、あたしはすぐに否定する

さやか「まどかを迷惑だと思った事なんて、今まで一回だってないよ!」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:46:06.48 ID:acd2hzuCo
むしろ、あたしは嬉しかったんだ

まどかがあたしを頼ってくれる事が

あたしがまどかを守ってあげられる事が

まどか「ありがとう。やっぱりさやかちゃんは優しいね」

でもね、とまどかは続ける

まどか「さやかちゃんが上条君と付き合うことになって、このままじゃいけないって思ったの。さやかちゃんは優しいから、きっと私の為に上条君との時間を犠牲にしちゃうんじゃないかって」

いいんだよそんなの

あたしは、恭介と同じくらいまどかのことも大切なんだから
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:46:33.34 ID:acd2hzuCo
まどか「だから私は、さやかちゃんに頼るのはやめようって決めたの。さやかちゃんに甘えないで、自分の足で歩けるようにならなくちゃって」

まどか、やめてよ

そんな悲しくなること、言わないで

まどか「だからね、さやかちゃん。もう私は大丈夫だから。私のことは気にしないで、さやかちゃんは上条君と過ごしてもいいんだよ」

さやか「そんなの気にしないでいいったら!」

あたしはつい大きな声を出してしまう

周りに見られているような気がするけど、そんなのどうでもいい
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:47:04.45 ID:acd2hzuCo
さやか「まどかはそんなこと気にしないで、どんどんあたしに頼ってくれていいの!恭介の事なら大丈夫だよ。

    まどかに心配されなくても、あたし達はちゃんとうまくいってるから。だから」

ほむら「あなたって本当に自分勝手ね、美樹さやか」

今まで黙っていた転校生が、突然口を開く

私に向けて、とても冷たい目線を向けてくる

ほむら「まどかがどんな気持ちでその決心をしたのか、あなたにはわからないの?」

さやか「どういう意味だよ」

ほむら「わからないならそれでもいいわ。とにかくまどかは、あなたから離れる事を決めた。あなたに依存している自分から卒業しようと決心したのよ。それを邪魔する権利が、あなたにあるのかしら?」

さやか「っ……!」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:47:56.02 ID:acd2hzuCo
ほむら「行きましょう、まどか。美樹さやかの話はもう済んだみたいだから」

まどか「えっ、ちょっとほむらちゃん!」

転校生はそう言うと、そのまま店から出ていってしまった

まどかはあたし達の間でおろおろしてたけど、すまなそうな顔をしながら席を立つ

まどか「ごめんね、さやかちゃん……。でもね、私は今でもさやかちゃんのことは一番の親友だって思ってるから」

やだよまどか、行かないで

転校生なんか気にしないで、あたしと一緒にいてよ

そう思うのに、あたしはそれを口にすることはできなくて

そうしてまどかは、そのまま転校生の後を追っていった

残されたあたしは、店から出ていくまどかの後ろ姿を、ただ見ていることしかできなかった
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:48:21.93 ID:acd2hzuCo
恭介「あそこのアクションシーンはすごかったね。僕もう見てるだけですごいドキドキしちゃったよ。さやかはどうだった?」

さやか「……」

恭介「さやか?」

さやか「うえ!?な、なに恭介?」

恭介「ごめん、映画つまらなかったかな?」

さやか「ううん、そんなことない!超面白かったって!」

恭介「そう?だったらよかったけど」

今日は恭介とのデートの日

約束した時はすごい楽しみにしてて、今日という日は気合いを入れて臨むつもりだったのに

昨日あんなことがあったせいか、あたしは全然恭介とのデートを楽しむ事が出来ていなかった

さっき見た映画も、正直ほとんど頭に入っていない
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:48:47.87 ID:acd2hzuCo
それでもせっかくのデートを台無しにしたくなくて、それからあたしは精一杯楽しもうと努力した

映画の後のお昼も、その後のショッピングも、出来る限りの笑顔を作って無理矢理テンションをあげた

だけど

恭介「さやか、今日はもう帰ろうか」

さやか「え、なんでよ?まだ早くない?」

恭介「だってさやか、今日はなんだか無理してるように見えるから」

だけど、やっぱり駄目だった

あたしって、そんなにわかりやすいのかな

この間もマミさんに叱られたばっかりだっていうのに、また同じことを繰り返してる
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:49:13.50 ID:acd2hzuCo
恭介「なにかあったの?」

さやか「……ううん。ごめん、恭介」

恭介「……そっか、わかった。謝らないでいいよ。さやかが元気になったら、また来よう」

恭介はそう言ってくれた

やっぱり恭介は優しい

でも、なんでだろう

恭介の言葉が、あんまりあたしの心に響かなくなっているのは
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:49:39.20 ID:acd2hzuCo
あたし達二人はデートを中断し、帰り道を一緒に歩く

すると前方からも、女の人が二人並んで歩いてくるのに気付いた

一人の女の人の腕にもう一人の女の人が腕を絡めていて、楽しそうにおしゃべりをしている

あたしは、ついその二人のことをじっと目で追ってしまう

恭介「さやか。あんまりじろじろ見たら失礼だよ」

さやか「あ、ごめん」

その二人とすれ違った後、恭介があたしを注意する

あたしは謝りつつも、またちらりと後ろを振り返って見てしまう

あの二人、すごい仲良さそうだった

もしかして、あの二人もそういう仲なんだろうか

ちょっと前までは、女の人同士が仲良さそうにしてたってそんな風に思ったことなんてなかったのに

でも今は、あの二人にまどかと転校生の姿を重ねてしまう

まどかも、転校生とああいう風に腕を組んで歩いたりしてるんだろうか

まどかのそんな姿を想像して、あたしは胸が痛くなった
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:50:05.46 ID:acd2hzuCo
さやか「……恭介はさ、ああいうのどう思う?」

そして、あたしは恭介に質問していた

あの二人が、他の人の目にはどう映るのか気になったから

恭介「え?ああ、うんっと、どうだろう。本人達がいいならいいとは思うけど」

恭介は曖昧に言葉を濁す

さやか「じゃあさ、もし恭介が中沢とかから告白されたらどうする?」

恭介「ええ!?そ、それはちょっと困るかな……」

さやか「どうして?」

恭介「どうしてって……。だって男同士なんておかしいと思うし」

恭介は戸惑いながらもそう口にする
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:50:31.63 ID:acd2hzuCo
うん、やっぱりそうだよね

同性同士で付き合うなんて、普通の人から見ればおかしいし、気持ち悪いと思うものなんだ

別に恭介を悪く言うつもりなんてない

それが普通の意見だし、あたしだってまどかが当事者じゃなかったらどう思ってたか分からない

だけど他の人たちは、まどかのこともそういう風に見るのだろうか

まどかが転校生と付き合っている限り、まどかは奇異の目にさらされ続けるんじゃないか

そう思った時、あたしの頭にふと黒い考えが浮かんだ

そしてその考えは、すぐにあたしの心を支配する

そうだよ

まどかは弱い子だから、そんなの絶対に耐えられない

転校性と付き合ってたら、まどかはきっと辛い目に合い続ける

そんなの、絶対に駄目だ

まどかの為に、あたしがまどかを守ってあげなくちゃ
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:50:57.62 ID:acd2hzuCo
「大事な話がある。放課後屋上で待ってる。一人で来て」

あたしは今日の朝一番に、そう書いた手紙を転校生の下駄箱に入れておいた

メールが出来ればそれの方が確実で手っ取り早いけど、あいつのメアドなんて知らないし

まどかには知られたくなかったから、こんな古典的な方法しか思いつかなかった

そして今、あたしは屋上で転校生が来るのを待っている

ちゃんと来るか少し不安もあったけど、すぐにそれが杞憂だったとわかった

扉を開き、転校生が屋上にやってくる
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:51:27.36 ID:acd2hzuCo
さやか「悪かったね、呼び出したりして」

ほむら「人に手紙を書くときは、差出人の名前くらいちゃんと書きなさい」

さやか「あれ、書かなかったっけ?」

ほむら「まあ、十中八九あなただと思っていたけれど」

さやか「だったらいいじゃん」

ほむら「それで、話ってなんなのかしら。まどかを教室に待たせているから、早く終わらせてほしいのだけど」

さやか「そうだね。だったらまあ、単刀直入に言うけどさ」

あたしは転校生を見据える

そしてはっきりと、転校生に向かってその言葉を口にした

さやか「あんたさ、まどかと別れてくんない?」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:51:54.16 ID:acd2hzuCo
ほむら「……何を言い出すのかと思ったら。嫌よ。話はそれで終わりかしら?」

さやか「あんたと付き合ってたら、まどかはきっと不幸になる。あたしは、それをほっとく訳にはいかないの」

ほむら「意味がわからないわ」

さやか「女同士で付き合うなんておかしいって言ってんの。結婚だって出来ないし、周りの人達からだって祝福なんてされない。むしろ、おかしな奴らだって思われるんだよ」

ほむら「そんなの、そう思いたい人には思わせておけばいい。周りになんと言われようが、私達は気にしないわ」

さやか「あんたはそうでもね、まどかは違う。まどかは、そんなのに耐えられるほど強い子じゃないんだ」

ほむら「……あなたは、まどかのことを何もわかっていないのね。なんでまどかは、こんな人の事を……」

さやか「えっ?」

転校生の声が小さくて、後半はなにを言ったのか分からなかった

だけど転校生は、すぐにまた元通りの口調に戻る

ほむら「まどかは強いわ。少なくとも、あなたなんかよりはずっと」

さやか「なっ!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:52:20.53 ID:acd2hzuCo
ほむら「もっともらしい理由なんて並べてないで、はっきり言ったらどうなの。あなたはただ、私とまどかが付き合ってるのが気に入らないだけでしょう」

さやか「ち、違う!あたしはまどかの為に」

ほむら「まどかの為だなんて言って、あなたはいつまでまどかの保護者面をしてるつもりなの。この際だからはっきり言ってあげるわ。まどかはもう、あなたのことなんか必要としていない」

さやか「そんなわけない!嘘つくな!」

あたしは大声で転校生の言葉を否定する

聞きたくない

こんな奴の言うことなんか信じない
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:52:46.51 ID:acd2hzuCo
さやか「あんたなんかに何が分かるのよ!まどかはね、今までずっとあたしが守ってきたの。あたしがいなきゃ、あの子は何にも出来ないの。

    だからまどかには、あたしが必要なんだよ!」

あたしはそう一気にまくしたてた

もう自分でも何をしゃべっているのか分からない

ただ心のままに言葉を吐き出していた

ほむら「……分からないわね」

転校生はあたしをしばらくじっと見つめた後、おもむろに口を開く

ほむら「私には、何故あなたがそこまでまどかに執着するのか分からない。あなたは上条恭介の事が好きなのではなかったの?」

さやか「は、はあ!?なんでここで恭介の名前が出てくんのよ。関係ないでしょ」

ほむら「……」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:53:16.44 ID:acd2hzuCo
あたしの言葉にほむらは少し沈黙する

さやか「何よ。何とか言いなさいよ」

ほむら「……とにかく、あなたに何を言われようと私からまどかと別れたりなんてしないわ。これ以上は時間の無駄ね」

さやか「ま、待て!」

帰ろうとする転校生の肩をつかんで引き止める

だけど、どうする

きっともう何を言っても、転校生の気持ちは変わる事はないだろう

それなのに転校生を引き止めて、あたしは何を言えばいい
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 18:53:42.41 ID:acd2hzuCo
さやか「えっと、その……。だ、だいたいあんた、気持ち悪いのよ!」

そして、咄嗟にあたしの口から出たのは転校生に対する暴言

もうまどかもなにも関係ない

ただ転校生を貶める為だけの、子供が口にするような悪口だった

さやか「女のくせに女が好きなんて、頭おかしいんじゃないの?まどかはね、あんたと違って普通の子なの。まどかと付き合ってるのだって、どうせあんたがまどかに変なこと言ってたぶらかしたんでしょ!」

ほむら「……」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:54:08.55 ID:acd2hzuCo
転校生が一瞬、とても悲しそうな顔をしたのがわかった

やめて

止まってよ、あたしの口

あたしは別に、こんなことが言いたいわけじゃない

こんなこと、あたしは思っていない

だけど、止まらない

止まってくれない

さやか「純粋なまどかの心につけ込むなんて、最低。あんたがレズで周りにキモがられるのは勝手だけどね、それにまどかを巻き込むな!」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:54:34.31 ID:acd2hzuCo
その時、屋上の扉の開く音が聞こえた

あたしは、その音のする方向に目を向ける

そこに立っていたのは、今絶対ここにいてはいけない人だった

さやか「まどか!?」

ほむら「まどか、あなたどうして」

まどか「……ごめんねほむらちゃん。待っててって言われてたけど、遅かったから様子を見に来ちゃった」

どうしよう

聞かれた?

ヤバイ

何か言わなきゃ
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:55:00.49 ID:acd2hzuCo
さやか「ま、まどか。聞いて、違うの」

まどかはあたしに向かって歩き出す

まどかは下を向いていて、表情はよく見えないけれど

あたしはまどかに、見苦しい言い訳をし続ける

さやか「まどかは騙されてるんだよ。こいつに変なこと吹き込まれて、好きだって勘違いしちゃってるだけ。

    あたしはまどかがそんな子じゃないって分かってる。だからあたしは、そんなまどかを助けたくて。あたしはまどかの為に」

あたしの前に立つまどか

相変わらずその表情は見えない

さやか「まどか?」

そして
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:55:26.90 ID:acd2hzuCo
次の瞬間、あたしの左の頬を衝撃が襲った

その場所が熱い

だけどすぐに、その熱さは痛みで、あたしはまどかにはたかれたのだと理解する

まどか「ひどいよ、さやかちゃん……」

まどかは、泣いていた

まどか「どうしてほむらちゃんにそんなひどいこと言うの?ほむらちゃんは、さやかちゃんが思ってるような子じゃないのに」

守るべきはずのまどかを、あたしが泣かせてしまった

まどか「私ね、さやかちゃんの事が好きだったの。ずっとずっと大好きだったのに……」

突然のまどかの告白に驚く余裕も、今のあたしにはなくなっていて

まどか「こんなさやかちゃん、見たくなかったよ……」

その言葉を最後に、まどかは転校生と一緒に屋上から出ていった
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:55:52.72 ID:acd2hzuCo
他に誰もいなくなった屋上に、あたしは一人ぽつんと立ちつくしていた

こんなつもりじゃなかった

こんなことになるはずじゃなかった

まどかを悲しませるつもりなんて、これっぽっちもなかったのに
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:56:22.27 ID:acd2hzuCo
まどかは、あたしが好きだったと言っていた

ずっと好きだったって言ってくれた

だけどあたしは、そんなまどかに今まで何をしてきただろう

あたしが恭介の事を好きだと知った時

あたしが恭介の事を楽しそうに話していた時

あたしが恭介の事を相談した時

まどかはどんな気持ちだったんだろう

あたしは今まで、知らないうちにずっとまどかの事を苦しめ続けていたんだ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:56:48.71 ID:acd2hzuCo
ごめん、まどか

気付いてあげられなくて、ごめん

そして、今さらになってもう一つ気付く

あたしも、まどかの事が好きだった

まどかの笑った顔が大好きだった

だけど、女のあたしが女のまどかを好きになるなんて、やっぱりおかしい事だから

だからあたしは知らないうちに、自分の気持ちに蓋をしていたんだ

そして、一番身近な男子だった恭介の事を好きだと思いこんだ
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:57:15.83 ID:acd2hzuCo
あたしが魔法少女になったのだってそう

恭介の怪我を治すために、あたしは魔法少女になったんだって思っていたけど

でも本当は違った

初めて魔女の話を聞いた時、あたしは真っ先にまどかの心配をした

そんな化物がいたら、いつかまどかも危ない目にあうんじゃないかって思った

だからあたしは魔法少女になった

願いなんて本当は何でもよかった

あたしはただ、まどかを守れるようになりたかったんだ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:57:42.03 ID:acd2hzuCo
だけど、もう遅かった

あたしが自分の気持ちに気付いたのは、なにもかも終わってしまった後だった

あたしはきっと、まどかに嫌われた

あたしが、まどかを泣かせてしまった

まどかを苦しめているのは、転校生じゃなくてあたしだった

転校生の言うとおり、あたしはもうまどかに必要じゃなくなったんだ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:58:08.59 ID:acd2hzuCo
あたしは地べたに座り込む

あたしの目からは、いつの間にか涙があふれてきていた

その涙は、頬をつたって流れ落ちる

まどかに叩かれた左の頬が、まだちょっと痛くて

だからあたしは、誰もいない屋上で、大声をあげて泣いた
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:58:34.40 ID:acd2hzuCo
携帯に着信を知らせる音楽が流れる

最近のあたしのお気に入りの、J-POPのラブソング

そういえば少し前、まどかと一緒にCDを買いに行ったこともあったっけ

だけど今は、静かな部屋に響き渡るその音楽がとても不快だった

うるさいな、静かにしてよ

もう、放っておいて

その曲はしばらくの間流れ続けた後、諦めたようにようやく鳴りやむ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 18:59:02.98 ID:acd2hzuCo
あれから、何日たったかな

時間の感覚が曖昧で、もうずいぶん長い間外に出てない気がするけど

あたしは携帯を手にとって開く

液晶に表示される日時から、あの日から一週間程たっているのだとわかる

携帯の液晶には日時のほかに、メールや着信が多数あることを知らせる表示が出ていたけど、あたしはそれを無視して再び携帯を閉じた

今の状態が駄目だっていうのはあたしにだって分かってる

こんなことしてたって意味なんかない

それは分かってるのに、あたしにはもうなんのやる気が起きてこない

学校にだって行きたくない

学校に行ったらまどかがいる

もし、そこでまどかに冷たい目線を向けられるようなことがあったら

きっとあたしは耐えられない
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 18:59:32.42 ID:acd2hzuCo
杏子『いるんだろさやか。顔出しな』

突然、あたしの頭の中に声が響く

あたしは驚いてつい周りを見渡すが、ここはあたしの部屋なんだから誰もいるはずがない

あたしは部屋のカーテンを開けて外を見た

そこに、どこから盗ってきたのかわからない林檎を食べながら、足を組んで座っている杏子がいた

杏子『この間は悩んでたと思ったら今度は引きこもりかよ。ホントどうしようもないな』

さやか『……うるさいな。だったら放っておいてよ』

杏子『まあそう連れないこと言うなって。せっかく来たんだから、とりあえずあがらせろよ』

さやか『嫌に決まってんでしょ。帰って』

杏子『ふーん、あっそ。まああたしは別にドアとかぶち破って入ってもいいんだけど』

さやか『はあ!?』
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:00:01.18 ID:acd2hzuCo
杏子がなんでもないような口調で言う

こいつなら本当にやりかねないのが怖い

あたしは仕方なく、杏子を家に招き入れる

杏子「へえ、さやかの部屋にしては意外に片付いてんじゃん」

さやか「……そりゃどーも。てかあんたその林檎」

杏子「なんだよ、勘違いすんな。これはちゃんと金を払って買ったやつだ。

   最近あたしバイト始めたんだよ。いつまでもマミの世話になるわけにはいかないからな」

さやか「へえ……。で、何しに来たの?出来れば早く帰ってほしいんだけど」

杏子「はぁ……。何があったか知んないけどさ、あんたいつまでそうやってるつもりだよ」

さやか「あんたには関係ないでしょ。なに?もしかしてあたしの事が心配で来たの?」

杏子「あたしじゃねえ、マミが心配してんだよ。あんた最近学校にも全然行ってないらしいじゃん。ま、これはあたしが言えたことじゃねーけど」

さやか「……」

杏子「電話も出ねえ、メールも返ってこねえって言ってたぜ?せめてさ、それくらい返してやりなよ」

さやか「……だから、放っておいてったら」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:00:27.73 ID:acd2hzuCo
杏子「……おい、いい加減にしとけよ」

杏子があたしの胸ぐらを掴む

杏子「あたしこの前言ったよな。次に会った時もそんなだったらぶっ飛ばすって」

さやか「……好きにしなよ。殴りたければ殴ればいい。そのかわり、それが終わったら帰って」

杏子「こいつ!」

杏子は左であたしの胸ぐらを掴みながら右手を振りかぶる

あたしは、反射的に目を瞑った

だけど、いつまでたっても杏子の拳はとんでは来なかった
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/09/30(日) 19:00:56.79 ID:acd2hzuCo
杏子「……どうしちまったんだよさやか」

杏子はあたしを掴んでいた手を乱暴に離す

その衝撃にあたしはよろけて尻餅をついてしまう

杏子「そんなの全然さやからしくねーだろ。いつもみたいにあたしに突っかかってこいよ!」

いつも突っかかってくるのはあんたでしょーが

そう言い返してやりたいけど、今のあたしにはそんな気力はなくて

さやか「……ごめん、杏子」

あたしは杏子に謝ることしかできない
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:01:22.68 ID:acd2hzuCo
さやか「心配してくれてありがと。でも、どうしても駄目なの。ちゃんとしなきゃって思うのに、全然体が言うこと聞いてくれないの」

杏子「もしかして、まどかとなんかあったのか?」

あたしは無言で答える

それを肯定だと受け取った杏子は呆れたようにため息をついた

杏子「なんだよまたかよ。だけどそれにしたって落ち込みすぎだろ」

杏子は、あたしとまどかがただ喧嘩したくらいに思っているんだろう

あたしがまどかの事を好きだなんてきっと想像もしてないはずだ

杏子「まああれだ。そういう時はさ、とりあえず彼氏にでも慰めてもらえよ。そしたら少しは元気出るんじゃねーか?」

さやか「……恭介とは別れたよ」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:01:48.99 ID:acd2hzuCo
杏子「はあ!?」

杏子が驚いて声をあげる

あの日の夜、恭介に電話をしてあたしから別れを告げた

最低だよ、あたし

自分から告白したくせに、すぐに別れようなんて

仁美にもなんて言ったらいいか分からない

でも、自分の気持ちに気付いてしまったから

もう恭介と付き合い続けるなんて出来ない

こんな風になるんだったら、自分の気持ちなんて気付かないでいた方が幸せだったよ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:02:15.19 ID:acd2hzuCo
杏子「なんでさ?好きだったんじゃねーのかよ」

さやか「それさ、なんか勘違いだったみたい」

あたしは自嘲気味に笑う

さやか「ねえ、杏子。おかしなこと言ってもいい?」

杏子「なんだよ、言ってみな」

もう、いいか

一人で抱え込むのも疲れちゃった

ここで杏子に吐き出したら、少しは楽になれるかな

気持ち悪いって思われるかもしれないけど、なんかもうどうでもいいや

さやか「あたしね、まどかの事が好きなんだよ」

杏子「はあ?え、なに?好きってまさか」

さやか「そう。友達としてじゃなくて、一人の女の子としてまどかが好きなの」

杏子「……」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:03:18.55 ID:acd2hzuCo
あたしの告白に杏子は言葉をなくしていた

そりゃそうだよね

こんなこと聞かされたら誰だって驚くに決まってる

さやか「ハハ、引いた?」

杏子「……ああ、引いた」

さやか「気持ち悪いっしょ」

杏子「ああ、気持ち悪い」

さやか「……だよね」

覚悟してたつもりだったけど、実際にそう言われるのはやっぱり辛い

でも、これが普通の反応

だったらいっそ、こんな気持ち忘れられたら

思春期によくある勘違いだって思えたら、どれだけいいか

だけど
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:04:21.21 ID:acd2hzuCo
杏子「だけど、それがなんなんだよ」

さやか「え……?」

杏子「まどかのこと、好きなんだろ?だったら、別に周りになんて思われようが関係ねーじゃん」

さやか「杏子……」

そう

周りに気持ち悪いって思われても

まどかが転校性と付き合ってても

あたしがもう、まどかにとって必要のない人間だったとしても
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:05:43.59 ID:acd2hzuCo
杏子「どうなんだよ、さやか。それともあんたの好きってのは、あたしに気持ち悪いって言われたくらいで冷めちまうようなもんなのか?」

さやか「……そんなわけない」

それでもあたしは、まどかのことが大好きなんだ

杏子「だったら、こんなとこでいつまでもウジウジしてんな。さっさとまどかの所に行って告白でもなんでもしてこいよ!」

さやか「それは……無理だよ」

杏子「おい、今更そんなへたれたこと言ってんじゃ」

さやか「そうじゃなくて。まどかね、今転校生と付き合ってるんだよ」

杏子「……あたしは今日何回驚きゃいいんだよ」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:06:53.57 ID:acd2hzuCo
杏子が頭を抱える

杏子「まあいいや。もう一回言うぞ。それがなんなんだよ」

さやか「……あんたあたしの言ってること分かってる?まどかは転校生と付き合ってるって言ってんじゃん」

杏子「まどかとほむらが付き合ってたらなんで告白出来ないんだよ」

さやか「なんでって……。出来るわけないでしょ!まどかにはもう恋人がいるのに!」

杏子「そんなの奪っちまえばいいじゃねーか」

さやか「はあ!?」

杏子はとんでもないことを口にする

人の恋人を奪うなんて、そんなの最低じゃん
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/30(日) 19:09:21.30 ID:6p5ytVe80
さすが杏子ちゃん!俺たちが言えない事を平然とやっていける!
シビれる!あこがれる!
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:09:40.63 ID:acd2hzuCo
さやか「あんたはあたしをどんだけ自分勝手だと思ってんのよ!」

杏子「実際そうじゃん」

さやか「なっ!」

杏子「あたしの知ってるさやかは、馬鹿でうざくて自分勝手で、ホントどうしようもない奴だけど」

杏子が好き放題あたしの悪口を言っている

あたしもさすがにムカついて言い返そうとしたけど、それを遮るように杏子は続けた

杏子「だけど、自分の意見は曲げない、こうと決めたらてこでも動かない。そんな強い意志を持ってる奴だったよ」

さやか「……杏子」

杏子「自分勝手上等じゃないか。なにより大事なのは自分の気持ちだろ。まどかにもう恋人がいるから、たったそんだけの理由であんたはまどかを諦められんのか」

さやか「あたしは……」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:10:46.24 ID:acd2hzuCo
まどかの顔が頭に浮かぶ

あたしは今まで、ずっとまどかを守ってきた

まどかの為に、まどかのことを守ってるつもりだったけど

だけどあたしは気付いた

ああ、そっか

あたし、全然そんなんじゃなかったんだ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:12:04.54 ID:acd2hzuCo
さやか「嫌だ……」

杏子の言うとおりだ

他の人なんて関係ない

さやか「あたしは、まどかのことを諦めたくない」

転校生も、まどかだって関係ない

だってこの恋は、まどかの為のものじゃない

これは、あたしの為の恋なんだ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:13:00.52 ID:acd2hzuCo
さやか「ありがとう、杏子。あんたのおかげで目が覚めたよ」

杏子「ふん。あんま手間かけさせんなよな」

さやか「だから悪かったってば」

杏子「さてと。じゃああたしはそろそろ帰るわ。さやかも、行かなきゃいけないところがあるだろ?」

さやか「うん」

杏子「じゃあな、頑張れよ」

ありがとう、杏子

あたしは心の中、でもう一度強くお礼を言った
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:14:47.58 ID:acd2hzuCo
あたしは部屋で服を着替えた後、急いで家を飛び出した

今の時間なら、まどかはそろそろ家に帰ってきている頃だろうか

あたしは全速力でまどかのもとの走る

まどか

あたし、分かったんだ。

あたしが今までまどかを守ってきた本当の理由

本当はね、全然まどかの為とかじゃなかったんだ

あたしは、あたしがまどかが好きだから、まどかの笑顔が見たいから、だからまどかを守ってきただけだったんだよ

笑っちゃうよね

あれだけまどかの為だって言ってたのに、本当は全部自分の為だったなんて
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:15:31.05 ID:acd2hzuCo
でもね、だからあたしは決めたんだ

あたしは、自分勝手だから

まどかにはあたしが必要ないなんて言われても関係ない

あたしには、まどかが必要だから

まどかと、ずっと一緒にいたいから
だから
さやか「まどか!」
あたしは叫んだ。
あたしの大好きな人の名前を
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:16:48.02 ID:acd2hzuCo
まどか「さやか、ちゃん……」

あたしの前を歩いていたまどかが、あたしの声に振り返る

その横には、やっぱり転校生が一緒にいたけれど

だけどよかった

今回ばっかりは、転校生も一緒じゃないと困るから

まどか「さやかちゃん、あの……」

さやか「二人ともごめん!」

まどかが何か言おうとしたのを遮って、あたしは思いっきり頭を下げた

これは、なによりも最初にしなければいけないと思ってたから
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:18:23.39 ID:acd2hzuCo
さやか「あたし、ほむらに対してすごい酷いことを言った。まどかのことも傷付けた。本当にごめんなさい!」

まどか「……ねえ、さやかちゃん。なんでさやかちゃんは、ほむらちゃんにあんなこと言ったの?」

さやか「……まどかが、ほむらに取られたような気がしたから」

あたしは正直に自分の気持ちを口にする

もう、自分をごまかすことはしたくないから

さやか「あたし、ほむらに嫉妬してたの。まどかがほむらと付き合うようになって、あたしからどんどん離れていって。あたしはそれが許せなかった」

まどかはあたしの話を黙って聞いている

さやか「だからあたしは、ほむらのことを呼び出した。適当な理由を並べて、酷い事を言って、まどかと別れさせようとしたの。

    本当に卑怯なことをしたと思う。ごめん」

まどか「さやかちゃん……」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:19:36.94 ID:acd2hzuCo
ほむら「顔をあげなさい、美樹さやか」

それまで黙っていたほむらが初めて口を開いた。

ほむら「私はあなたの言った事なんて、全く気にしてなんかいなかったわ。むしろ、負け犬の遠吠えみたいで気持ちいいとすら思ってたくらい。

    それなのに、そんな事で謝られても迷惑よ」

ほむらはさもなんでもないような風に言う

こっちがせっかく心から謝ってるのになにその態度!

やっぱり性格悪い奴!

ってか嘘つけ!泣きそうな顔してたくせに!
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:20:51.70 ID:acd2hzuCo
ほむら「だからまどか」

ほむらの口調が、あたしが相手の時とは違う、優しいものに変わったのがわかる

ほむら「私は気にしてはいないから、さやかの事を許してあげてくれないかしら。さやかも、ただあなたの事が大事だっただけなのよ」

さやか「ほむら……」

なんで……

ほむらの言葉が、あたしは信じられなかった

あたしは、ほむらにあんなに酷い事を言ったのに

普通なら、あたしの事を怒ってたって当然なのに

それなのに、どうしてあんたはあたしを庇うような事を言えるのよ
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:21:37.47 ID:acd2hzuCo
まどか「……うん。私も、さやかちゃんに謝らなくちゃ」

まどかはそう言って、あたしに向かって頭をさげる

まどか「私も、さやかちゃんのこと叩いちゃってごめんなさい」

さやか「な、なんでまどかが謝るのよ!あたしが、叩かれて当然の事をしたんだから!」

まどか「うん。でも、さやかちゃん、次の日から学校に来なくなっちゃって……」

まどかの声がどんどん小さく、そして涙声になっていく

あたしはあたふたしながらまどかを止めるけど、まどかは首を振って話を続ける
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:23:01.15 ID:acd2hzuCo
まどか「私、すごい後悔して……。さやかちゃんに、嫌われちゃったって思って……。

    謝りたいって思ってたけど、私怖くて、さやかちゃんに電話をかけることも出来なかったの……」

さやか「あたしがまどかを嫌いになるなんてあるわけないよ!あたしこそ、まどかに嫌われたと思って、学校に行くのが怖くて、ずっと家に引きこもってたの。

    本当にごめん!」

まどかにつられて、あたしの瞳からも涙があふれてくる

それから少しの間、あたし達は顔を涙でボロボロにしながら、互いにごめんなさいを言い合っていた
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:24:07.20 ID:acd2hzuCo
ほむら「二人とも落ち着いたかしら」

まどか「う、うん」

さやか「な、なんか冷静になってくるとちょっと恥ずかしいね」

まどか「でも、私達これで仲直りだね」

まどかがまたあたしに笑いかけてくれる

本当に良かったと、心から思う

あたしは、このまどかの笑顔を一生見れなくしてしまうところだった

まどか「じゃあ、仲直りの記念にこれから三人でどこかに寄ってかない?」

ほむら「待ってまどか。さやか、あなたまだまどかに何か言いたいことがあるんじゃないの?」

ほむらがあたしにそう聞いてくる

ほむらには、あたしが何を言おうとしてるのかもう分かってるみたい
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:25:38.62 ID:acd2hzuCo
そう
あたしは、まだまどかに伝えてないことがある

それはとても身勝手で、仲直りしたばかりのこの関係を壊しかねない言葉だけど

でも、それでもあたしは絶対言うと決めていた

あたしは最後まで、自分勝手な自分を貫き通す

だけど……

なんであんたは、それが分かっていながらあたしを促すようなことを言うのよ、ほむら

それじゃあ、まるであんたは……
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:27:17.41 ID:acd2hzuCo
まどか「そうなの?さやかちゃん」

……余計な事をかんがえるのはやめよう
ほむらがどんな考えでも関係ない

あたしは、あたしがまどかとずっと一緒にいたいから

あたしはまどかに伝えるんだ

さやか「うん。でもまどかだけじゃなくて、ほむらにも聞いていてほしいんだ」

例えどんな結果になったとしても。

さやか「まどか、あたしね」

それでも、あたしは

さやか「まどかの事が、好きなんだ。あたしと、付き合ってほしい」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:28:39.23 ID:acd2hzuCo
見滝原の空一帯を、灰色の雲が覆う

風は強く、空には雷鳴が轟き、まるで世界の終わりであるかのよう雰囲気がただよっている

避難誘導をしている車の音声が、遠くからかすかに聞こえてくる

まどかは、もう避難できたかしら

あの子は優しいから、放っておくとまた私を助けようとここへ来かねないけど

でも、きっと大丈夫

そこは、さやかに任せておいたから

さやかなら、きっとまどかのことをを守ってくれるわ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:29:35.16 ID:acd2hzuCo
私は遠くの空を見つめる

また、この日がきた

ワルプルギスの夜

すべてを破壊しつくす、最悪の魔女

今まで、なんど戦っても勝てなくて

その度に何度も、私は時間を繰り返した
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:31:08.20 ID:acd2hzuCo
だけど、それももう終わり。
私は今回、一つ心に決めたことがある
それは、もうこのループを終わらせること

もし私が負けたとしても、もう時間を巻き戻すことはしないと

この世界では、まどかは魔法少女になっていない

そして何より、まどかにはさやかがいる

ここで街が破壊されることになったとしても、生きてさえいれば二人なら手を取り合って幸せになってくれるだろう

そのまどかの幸せを、あたしがなくしてしまうことなんで出来ない

まどか

あなたは、さやかと幸せになりなさい

私は、大丈夫だから

あなたが幸せでいてくれるなら、私もそれだけで十分だから
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:34:34.42 ID:acd2hzuCo
まどか「な、なにいってるの、さやかちゃん……?」

あの日、さやかに告白されたまどかは動揺しながらそう聞き返した

まどか「も、もう。さやかちゃんったら冗談ばっかりなんだから……」

さやか「ううん、冗談じゃないよ。あたしは本当にまどかの事が好きなの」

まどか「そ、そんなの嘘だよ。だってさやかちゃんは、上条君と付き合ってるんだから。だから、私は……」

さやか「恭介とは別れたよ」

まどか「……え?」

さやか「あたし、本当はずっとまどかの事が好きだったんだ。だけど、今までずっと自分でその気持ちに気付かないようにしてたの。

    馬鹿だよねあたし。まどかもずっとあたしの事を好きでいてくれてたってのに」
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/30(日) 19:35:04.89 ID:6p5ytVe80
死なないで…まだほむらちゃんの世界は狭いままなんだよ……
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:35:34.57 ID:acd2hzuCo
さやかの真剣な気持ちが、となりにいる私にも伝わってくる

さやか「でも、やっと自分の気持ちに気付けたの。まどかが今ほむらと付き合ってるのは分かってるけど、それでもあたしは、まどかにあたしを選んでほしい」

さやかは、私にも聞いてほしいと言っていた

まどかへのこの告白を

そしてそのうえで、まどかに自分を選べと言ってるんだ

本当に自分勝手な人

でも、だからこそ

あなたになら、まどかを任せてもいいと思ってしまう
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:37:33.00 ID:acd2hzuCo
まどか「……もう、遅いよ」

だけどまどかは、震える声でそう口にする

まどか「ずるいよ、さやかちゃん……。今更そんなこと言うなんて……。私……、私は……」

まどかはそこまで言った後、さやかから逃げるように走り出した

さやか「まどか!」

さやかがまどかを追おうとするのを、私は手を伸ばして制止する

ほむら「私が行くわ。あなたはここで待ってなさい」

さやか「でも!」

ほむら「今あなたが行っても、まどかが余計に動揺するだけよ。安心しなさい、私が必ずまどかを連れてくるわ」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:38:44.16 ID:acd2hzuCo
さやか「ほむら!なんでよ!」

私が走り出そうとした時、背後からさやかが叫んだ

その声に、私は動かしていた足を止める

さやか「あんた、まどかのことが好きなんじゃないの!?それなのに、なんであたしを助けるような事をするのよ!

    分かってるの?あたしはあんたからまどかを取ろうとしてるんだよ!」

ほむら「さやか」

私はさやかの問いには答えずに、逆にさやかに問いかけた

ほむら「約束できるかしら?これから先、なにがあっても絶対にまどかを守るって。まどかの事を、必ず幸せにするって」

さやか「ほむら……」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:40:19.72 ID:acd2hzuCo
私の言葉にさやかは一瞬驚いた顔をする

だけどすぐに、さやかはあたしの目を見てはっきりと答えた。

さやか「約束するよ。絶対にまどかのことはあたしが守る。まどかのこと、幸せにしてみせる」

ほむら「そう」

それが聞ければ十分よ

ほむら「まどかのこと、頼んだわよ。さやか」

私はそう言い残して、再びまどかを追って走り出した
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:42:32.07 ID:acd2hzuCo
ほむら「まどか」

見滝原を流れる川沿いの大きな公園

私たちの通学路を少し外れたところにそれはある

普段はこの時間、この公園は散歩中の人や子供連れの親子など、それなりに人がいることが多いのだけど

だけど今日は珍しく、周りには人の気配はほとんどない

まどか「ほむらちゃん……」

その公園のベンチに、まどかは力なく座っていた

私はまどかの隣に腰を落とす

ほむら「こんなところにいたのね。探したわ」

まどか「ごめんね、急に逃げ出しちゃって」

ほむら「私は大丈夫よ。でも、きっと今頃さやかは心配しているわね」

まどか「……うん」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:43:44.64 ID:acd2hzuCo
そしてまどかはそのまま黙り込む

私は少し時間をおいてから、まどかに話を切り出した

ほむら「まどか、さっきのさやかの告白の件なのだけど」

一瞬、まどかの体がビクッと震える

ほむら「あなたは、どうするつもりなの?」

まどか「……そんなの決まってるよ」

まどかはほんの少し沈黙した後、うつむけていた顔を上げる

まどか「私の恋人はほむらちゃんだもん。私は、ほむらちゃんのことが好きだから。だから、さやかちゃんとは付き合えないよ」

まどかはそう言って私に笑顔を向ける

だけど私には、その笑顔がとても痛々しいものに見えた
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:46:04.17 ID:acd2hzuCo
私は、まどかが大好きだった

あの時、まどかに助けられてからずっと

まどかを救うために、今まで何度も時間を繰り返したりもしてきた

私のこの気持ちが報われるなんて思っていなかったけれど、別にそれでもかまわなかった

だけどこの時間軸で、私はなんとまどかと付き合うことができた

とても嬉しかった

さやかの代わりなんだと分かっていたけど、それでもいつか、いつかまどかがさやかの事を忘れるくらい私の事を好きになって欲しいと思っていた
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:47:09.49 ID:acd2hzuCo
だけど、まどかと付き合っているうちに私は思い知らされた

まどかがどれほど、さやかの事を想っているのかということを

私たちは今まで、いろいろな会話を交わしてきたけれど

さやかの事を話す時のまどかは、それはとても楽しそうな顔をしていた

まるで自分の自慢話をするようにさやかの事を語るまどかを見るたびに、私の心は締め付けられるように苦しかった

だけど、それでも

まどかの恋は、叶わないものだと思っていたから
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:48:38.47 ID:acd2hzuCo
でも、さやかに屋上に呼び出された日

さやかは必死になって、私とまどかを別れさせようとしてきた

私はさやかの言い分にはイライラしたし、まどかのことを全然分かってないって思った

だけど、そのさやかの必死な姿を見て

口ではさやかのことを否定しながらも、心の中では思っていた

思ってしまった

ああ、なんだ

まどかとさやかの間には、私の入る隙間なんて最初からなかったんだって
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:49:55.31 ID:acd2hzuCo
結局私は、まどかの心を変えることは出来なかった

まどかの心は、今でもさやかのところにある

それなのに、まどかはさやかと付き合わないと言っている

まどかは、とても優しい子だから

私と付き合っているのに、さやかの想いに応えることは出来ないと思っているのだろう
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:50:54.17 ID:acd2hzuCo
もし、私がここで何も言わなかったら

きっとまどかは、本当にさやかと付き合うことはしないんだと思う

そして私とそのまま付き合ううちに、もしかしたら本当に私の事を好きになってくれることがあるかもしれない

私とまどかがいつまでも一緒に、そんな未来があるのかもしれない

だけどね、まどか

私は、まどかのことが好きだから

世界で一番大好きな人だから

ほむら「ねえ、まどか」

私はあなたに、こう言わなきゃいけないの

ほむら「私達、別れましょう]
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:52:03.80 ID:acd2hzuCo
まどか「嫌だよ!」

私の言葉を、まどかはすぐに拒否した

まどか「なんでそんなこと言うの!?私ほむらちゃんに何か嫌われるようなことしちゃったかな?だったら謝るから……。だから、そんな事言わないで……」

ほむら「まどか、本当はあなただって分かっているんでしょ?あなたが、本当に好きな人は誰なのか」

まどか「わかんないよ!私が好きなのはほむらちゃんだけだもん!」

まどかは叫ぶように必死に否定する

まるで、自分にそう言い聞かせるように
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:56:26.87 ID:acd2hzuCo
ほむら「まどか」

私はさらにまどかに言う

ほむら「私は、あなたの事が好きよ。だからお願い、あなたの本当の気持ちを聞かせて。あなたが私の為に自分を犠牲にするのは、すごく辛い……」

まどか「ほむら、ちゃん……」

私の言葉にまたまどかは少し沈黙する

そして
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:57:38.33 ID:acd2hzuCo
まどか「……嘘じゃないよ」

まどかがゆっくりと口を開く

まどか「私、ほむらちゃんの事大好きだよ。それは本当に本当なの。でも……」

まどかの本心が私の心に伝わってくる

まどか「私、さやかちゃんの事全然忘れられなくて……。ほむらちゃんの事だけ好きにならなくちゃって思うのに出来なくて……」

ほむら「……うん」

まどか「私、嫌な子なの……。ほむらちゃんが好きなのに、さやかちゃんに告白されて、本当はすごい嬉しかったの……。

    一瞬、さやかちゃんと笑い合ってる自分を想像しちゃったの……」

ほむら「……うん」

まどか「私、ほむらちゃんの事好きだけど……。だけど、ごめん……。ごめんなさい……」

ほむら「いいのよまどか。それでいいの」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 19:59:15.83 ID:acd2hzuCo
私はまどかの事を抱きしめる

私の腕の中で、まどかはその小さな体を震わせていた

ほむら「さやかはいい子よ。あなたを大事に思うあまり、少し暴走してしまったりするけれど。

    だけど絶対、あなたの事を大切にしてくれるわ」

まどかは私の胸に顔を埋めて、声をあげて泣いている

私はそんなまどかを抱きしめながら、まどかに気づかれないよう、声をあげずに泣いていた
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:00:15.96 ID:acd2hzuCo
ほむら「まどか」

まどか「……なに、ほむらちゃん」

ほむら「最後に一つだけ、私のわがままを聞いてもらえないからしら」

まどか「いいよ、私に出来ることなら何でも言って」

ほむら「一度だけ、たった一回だけでいいから。お願い、最後に私にキスをして」

まどか「……うん、わかった。じゃあ、目を閉じて。ほむらちゃん」

ほむら「ありがとう、まどか」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:00:54.32 ID:acd2hzuCo
遠くの空に、ワルプルギスの夜がその姿を現す

その巨体を逆さまにし、不快な笑い声を響かせながら、徐々にこちらへ近づいてくる

ついに来た

こいつは私が絶対に止めてみせる

例え、この命に代えてでも
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:01:33.15 ID:acd2hzuCo
自分の唇にそっと指を触れる

きっと私は、この戦いで命を落とす
だけど、もう怖くない

あなたは私に、最高の思い出をくれたから

それだけで私は、どれだけだって戦える
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:02:15.46 ID:acd2hzuCo
?「なーに一人でたそがれてんのよあんた」

その声に、私は驚いて振り返る

なんで……

どうしてあなたがここにいるのよ……

ほむら「さやか!」

さやか「よっ!ほむら」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:03:04.42 ID:acd2hzuCo
ほむら「あなた、こんなところで何してるのよ!」

さやか「そんなの、あいつを倒しに来たに決まってんじゃん。あんなのがいたら、安心してまどかとイチャイチャすることも出来ないよ」

ほむら「あなたは、どうしてそんなに馬鹿なの……」

最悪だ

どうして分かってくれないの

ほむら「あなたが死んだら、誰がまどかを守るのよ!」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:03:50.23 ID:acd2hzuCo
さやか「死なないよ」

だけどさやかは、とてもはっきりと、力強く断言する

さやか「二人であいつを倒して、あたしもあんたも、生きてまどかの所に帰るの。当たり前でしょ」

ほむら「さやか……」

?「おいおい、あんな上物の獲物、あんたら二人だけに渡すかよ」

?「そうよ、私たちがいるのも忘れないでほしいわね」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:04:55.72 ID:acd2hzuCo
ほむら「佐倉杏子!?巴マミも!」

杏子「それにしてもでっけーなー。ありゃ相当すごいグリーフシード落とすぜきっと」

マミ「この見滝原を、めちゃくちゃになんてさせないわ。暁美さんもお願い、力を貸してくれないかしら」

ほむら「あなたたち……」

みんな馬鹿よ

私一人でよかったのに、こんなにぞろぞろ集まって

この人数で戦ったって、勝てる保証なんてない

それなのに
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:05:52.11 ID:acd2hzuCo
さやか「どう、ほむら」

さやかは笑顔を私に向ける

さやか「なんだか、だんだんいけそうな気がしてきたでしょ?」

ほむら「……ええ、そうね」

私も笑顔をさやかに返す

どこにも勝てる保証なんてない

それなのに、私はもう、全然負ける気がしなくなっていた

馬鹿だなんて、私も人のこと言えないわね
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:07:28.41 ID:acd2hzuCo
さやか「みんな、準備はいい?」

杏子「頼むから足は引っ張んないでくれよさやか」

さやか「何を言うのさ!このさやかちゃんがそんなことするわけないでしょ!」

マミ「もう、こんな時まで喧嘩しないの」

ほむら「さあ、行きましょう。今度こそ、絶対に倒してみせるわ」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:08:45.91 ID:acd2hzuCo
今私たちがいる避難所には、とてもたくさんの人が避難してきていました。

みんなとても不安そうな顔をしながら、嵐がおさまるのを待っています

でも、私は知っていました

これは嵐なんかじゃなくって、とても強い魔女の仕業なんだっていうことを

そして、さやかちゃんやほむらちゃんは、今その魔女と必死に戦ってくれています
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:09:51.60 ID:acd2hzuCo
本当は、私も行きたかった

キュゥべえと契約して、私もみんなと一緒に戦いたかった

でもそれは、ほむらちゃんやさやかちゃんの気持ちを裏切ることになるから

だから私はここに残りました

私は、みんなの役に立つことは出来ないけれど

それでもただ、私は必死に祈り続けました

神様、お願いします。

どうかみんなが、無事に帰ってきますように
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:10:36.74 ID:acd2hzuCo
どれくらいの時間がたったかは分かりません

いつの間にか、雲の隙間から光が溢れだし始めた頃

『……か』

声が

私の頭の中に、微かな声が聞こえました

『……どか』

私は立ちあがって走りだします

後ろからママの呼ぶ声が聞こえたけど、ごめんなさいママ

私は足を止めることなく、そのまま避難所の出口に向かいました
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:11:15.15 ID:acd2hzuCo
避難所の扉を開けて外に出ます

そこで私は気付きました

道のずっと向こうに、四つの人影が見えるのを

見間違えるはずがありません

それは間違いなく、私の大好きな人達の姿でした
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:12:08.46 ID:acd2hzuCo
まどか「さやかちゃん!ほむらちゃん!」

私はみんなの所へ駆け出しました

そしてその勢いのまま、私はさやかちゃんとほむらちゃんの二人同時に抱きつきます

ほむら「ま、まどか!?」

さやか「うぐっ!ちょ、まどか苦しいって!それにあたしら怪我してるんだからもうちょっと優しく!」

ううん、嫌

私は絶対に、この手を緩めてなんてあげません

杏子「……あたしらもいるんだけどなー」

マミ「……完全に空気ね私達」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:12:49.60 ID:acd2hzuCo
さやか「もうまどかったら。そんなに心配してたの?」
当たり前だよ

死ぬほど心配してたんだから

ほむら「ごめんなさいまどか。でももう大丈夫よ。心配してくれてありがとう」

うん、よかった

二人が無事で、本当によかったよ

私はさらに強く二人を抱きしめながら、言いました

まどか「お帰りなさい、二人とも」

さやか「うん、ただいま」

ほむら「ただいま、まどか」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:14:56.55 ID:acd2hzuCo
こうして私にとっての波乱の日々は終わり、私たちは今まで通りの日常に戻りました

さやかちゃんたちの活躍のおかげで魔女の被害も最小限で済み、壊された建物など修理もすぐに始められるらしいです

仁美ちゃんには、私たちの事を話しました

仁美ちゃんはさやかちゃんにちょっと怒ってたみたいだけど、それでも私たちのことを応援するって言ってくれました

そしてその少し後、仁美ちゃんと上条君は付き合うことになりました

マミさんはこの間の戦いで新しい必殺技のヒントを見つけたらしく、必死に修行中だそうです

杏子ちゃんは最近アルバイトを一生懸命頑張っています

和子先生にはまた新しい恋人が出来たみたいです

そして、私たちは……
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:15:31.90 ID:acd2hzuCo
さやか「まどか……」
まどか「さやかちゃん……」

ここは私の部屋

私とさやかちゃんはベッドに並んで腰かけて、お互いの顔を見つめ合います

私たちはそのまま顔を近づけ、唇同士を触れあわせました

さやか「……しちゃったね、キス」

まどか「……うん」

さやか「あたしのファーストキスだよ。まどかもそうだよね?」

まどか「え?あ、いや、その……」

さやかちゃんの質問に、私はつい口ごもってしまいます
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:16:28.67 ID:acd2hzuCo
さやか「な、何そのリアクション。え!?嘘、マジで?」

まどか「あぅ……。ごめんねさやかちゃん」

さやか「ほ、ほむらのやつー!」

さやかちゃんは少し怒ったようなそぶりをしたけど

さやか「はぁ。ま、しょうがないか」

すぐにそう言って、また私にキスをしました

まどか「んっ……」

さやか「だけど、これからはもう駄目だかんね。まどかの唇は、この先ずっとあたしが予約済みだから」

もう一度、私たちは唇を重ねます
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:17:30.23 ID:acd2hzuCo
まどか「大丈夫だよ。私は、さやかちゃんだけのものだから」

さやか「うん。今回のことで分かったんだけどさ、実はあたしってすごい独占欲強いみたい」

さやかちゃんは私を抱きしめて

そのまま、私達はゆっくりとベッドに横になります

さやか「まどか、いい……?」

まどか「……うん。優しくしてね、さやかちゃん」

私の心臓は、うるさいくらいに激しく鼓動していました

さやかちゃんが、私に向かって手を伸ばします

私の洋服の裾に手をかけて、そして
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:18:12.47 ID:acd2hzuCo
ほむら「まどか!」

さやか「うわっ!」

まどか「きゃっ!」

突然私の部屋の扉が開いて、ほむらちゃんが入ってきました

私たちはすごいびっくりして、反射的に体を離します

ほむら「……あなた達、いったい何をしようとしてたのかしら」

さやか「ななな、何でもないわよ!てか、なんであんたがここにいるのよ!不法侵入か!」

ほむら「失礼なこと言わないで。ちゃんとまどかのお母さんに言ってから入ったわよ」

まどか「い、いらっしゃい、ほむらちゃん……」

ほむら「ええ、お邪魔するわね。まどか」

さやか「……ホントにお邪魔なんですけど」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:19:04.88 ID:acd2hzuCo
ほむら「それにしても。まったく少し目を離したらこれよ。油断も隙もないわ」

やっぱりほむらちゃんにはさっき何をしようとしてたか気付かれてたみたいです

私の顔は恥ずかしさで真っ赤になってしまいます

さやか「な、なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないのよ!あたしとまどかは恋人同士なんだから、その……。べ、別にそういうことしたっていいでしょうが!」

ほむら「駄目に決まってるでしょう。というより、あなたがまどかの恋人だなんて認めないわ」

さやか「はあ!?あんたはもうまどかのことは諦めたんでしょうが!」

ほむら「気が変わったの。やっぱりまどかはあなたなんかに渡さないわ」

さやか「なっ!」

まどか「ええ!?」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:20:02.41 ID:acd2hzuCo
なんだか大変なことになってきました

さやかちゃんとほむらちゃんの口げんかは更にヒートアップしていきます

ほむら「言っておくけど、まどかのファーストキスの相手は私よ。あなたは永遠に二番なの。わかるかしら」

さやか「なに自慢げに言ってるのよキスの一回くらい。あたしなんてもう三回もしたし、これから先もいっぱいまどかとキスするんだから」

ただでさえ熱い顔がなんだかさらに顔が熱くなってきました

ほむらちゃんもさやかちゃんもあんまり変なこと言わないでほしいです
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:20:42.75 ID:acd2hzuCo
さやか「ていうか、あんたが勝手に何言おうがね、まどかはあたしのことが好きなのよ。ね、まどか?」

わ、私に振るの!?

ほむらちゃんの方を見ると、ほむらちゃんはとても悲しそうな顔で私を見つめました

ほむら「まどかは、私のこと嫌いかしら……?」

まどか「そ、そんなことないよ!私はほむらちゃんのこと大好きだよ!」

さやか「まどか!?」

ほむら「聞いたかしらさやか。まどかは私のことが大好きだそうよ」

さやか「あんたが言わせたんでしょうが!」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:21:38.97 ID:acd2hzuCo
さやか「まどか!浮気なんて絶対許さないからね!」

ほむら「さやかのことなんか気にしないで、二人で遊びましょ。まどか」

さやか「まどかにくっつくな離れろー!」

まどか「ふ、二人とも仲良くしようよ、ね?」

二人はまた喧嘩を始めてしまいました

間に挟まれてしまった私は、おろおろしながら二人の仲裁に入ります
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [saga]:2012/09/30(日) 20:22:50.77 ID:acd2hzuCo
だけど

私はいつの間にか、つい笑顔になってしまっていました

二人が、前みたいに本気でいがみ合ってるわけじゃないっていうのが分かるから

私はそれが、すごく嬉しいんです

私と、さやかちゃんと、ほむらちゃん

このままこんな感じで、ずっと三人一緒にいられたらいいなって

そう、思ってしまうのでした

終わり
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 20:24:30.64 ID:w90q08U5o


一方的に上条振ったさやかがクズ過ぎだなコレ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/30(日) 22:02:05.54 ID:sTTGYgxio

ハッピーエンドで良かった

>>208
好きでもないのに付き合い続けるクズよりマシじゃね?
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/30(日) 22:06:06.61 ID:w90q08U5o
>>209
まぁそうなんだけど、さやか側から一切フォローがなかったのが気になったので
取ってつけたように「仁美と付き合いました」って…
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/09/30(日) 22:19:30.54 ID:fDu6b/TAO


まどほむや恭さや展開を入れず最初からまどさやだけ書いていればここまで気持ち悪くならなかったと思う
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/01(月) 00:14:24.66 ID:NkDq6eWDO
荒れてたから最初はどうなるかと思ったけど、良かったよ。面白かった
カプがあっちこっち行ってたけど、その理由もなんとなく納得できるし、最後の締めもあったし、ありだと思う。
最後まで投下乙
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/01(月) 00:26:48.76 ID:q4LrE6W6o
結局さやかが好き勝手して人間関係をひっちゃかめっちゃかして周りの人間が懐の大きい人間だったってことだな
さやかと違って上条はさやかの事が好きだったわけだし可愛そうに・・・
浮気なんて絶対許さないからね!とかさやかが言えた口かって
ってか杏子ちゃんずいぶんと酷いことを言うなww


214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/10/02(火) 18:19:08.81 ID:yIdbgPl5o
面白かった
ただまどか視点で私は私はと私連呼してたのが気になったのと上条の報われなさすぎ感がやばい
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 21:42:16.94 ID:C2PhbDUSO


だがマルチ行為は控えた方がいいぞ
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/10/03(水) 01:28:13.99 ID:1j3ru65Xo
どういう層を狙ったSSなのか最後までよくわからなかった
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/10/03(水) 14:19:08.24 ID:l8SFprB5o
叩かれやすい傾向にあるけど俺は好きだぞ
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