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ほむら「ミトコンドリア…?」 -
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1 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 01:28:21.60 ID:UV9H2GqX0
幾重にも繰り返した時間遡行の末、私、暁美ほむらは魔法少女も魔女も、魔法もない世界に辿り着いた。
そこに待っていた鹿目まどかとの平穏な日々。別の時間軸で交わした彼女との約束が胸を締め付けたが、孤独な戦いに明け暮れていた私の心がこの幸せな時間にゆっくりと飲
み込まれていくのは当然だった。
しかし私を取り巻く運命は――いえ、因果はそれを許さない。
クリスマス・イヴのニューヨーク。
ワルプルギスの夜をも凌ぐ悪夢が、ここ、カーネギー・ホールで起きる事を、私は知る由も無かった。
※魔法少女まどか☆マギカとパラサイト・イヴのクロスSSです。主役はほむらとアヤです。
色々酷いことになるかもしれないので悪しからず。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1350232101
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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(安価&コンマ)鉄血に狼の男が(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ) part2 @ 2025/06/22(日) 22:47:53.63 ID:xiq+pvxz0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1750600073/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/
2 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 01:29:02.38 ID:UV9H2GqX0
ほむら「冷えるわね…」
まどか「へくちっ!」
ほむら「大丈夫?」
まどか「えへへ、似合わないお洋服着たから少し寒いかも」
ほむら「そんなことないわ。とっても似合ってる」
まどか「ありがとう。ほむらちゃんも凄く綺麗だよ」
さやか「おーい!」
まどか「さやかちゃん!」
さやか「お待たせ。道路が混んでで途中からタクシー降りて走ってきちゃったよ」
ほむら「志筑さんと上条くんは?」
さやか「やっぱりまだ安静にしてなきゃいけないって。で、仁美も恭介と一緒にお留守番だってさ」
まどか「残念だね。せっかくオペラのチケットまで用意してくれたのに」
さやか「いーのいーの。どうせ今頃病室でイチャイチャしてるんだから」
ほむら「それじゃあ、今日は女三人で寂しく聖夜を過ごしましょうか」
さやか「そうそう……ってオイ!」ビシッ!
まどか「フフッ」クスクス
カーネギー・ホール 関係者招待席
さやか「さすが仁美。ただの女子中学生を特別席に座らせるとは」
まどか「なんだか場違いな気もするけどね」
アヤ『お隣、良いかしら?』
ほむら『どうぞ』
さやか「おお、ほむらに負けない美人さんだ」
アヤ「フフッ、ありがとう」
まどか「日本語わかるんですか?」
アヤ「ええ、母が日本人だから少しね。私はアヤ。お名前を聞いていいかしら、日本の可愛いお嬢さんたち」
ほむら「暁美ほむらです」
さやか「アタシは美樹さやか」
まどか「鹿目まどかです」
アヤ「ほむらにさやかにまどかね。ニューヨークのオペラは凄いから、楽しんでね」
3 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 01:31:58.11 ID:UV9H2GqX0
公演中
男優『父上…!エヴァを刑に処すなら、この私も殺してください……!』
女優『エドワード……』
まどか「……」グスッ
さやか「……」ウトウト
ほむら「……」
アヤ「……」
女優『――――』
さやか「うわぁ、綺麗な声……」
まどか「さやかちゃん、ここで起きるんだ」
ほむら「二人とも、静かにしないと怒られ」
―ボアァ!!
ほむら「!」
男優『ぎゃああああああああああ!!!!』ボォオオオ!
まどか「きゃああああああ!!」
さやか「な、なに!?」
キャー!ワーッ!
ほむら(人体発火…!?一体何が)
アヤ「! 前の席に飛んで!」
『うわあああああああ!!』ボォオオ!
まどか「ひっ…!」
ほむら「まどか!」グイッ!
さやか「わああああ!!」
ドシャア! ボォオオ!
アヤ「大丈夫!?」チャキッ!
ほむら「ええ、なんとか」
まどか「うっ……」ガタガタ
さやか「なに、なんなのこれ……」ガタガタ
男『こ、こ、こ、これは……え、演出にしてはお、お、お、大袈裟な……』
アヤ『いいから、早く逃げて!』ドンッ!
男『うっ!』ドサッ!
アヤ「貴方達も早く!ここは危険よ!」
まどか「あっ……」ガタガタ
さやか「だ、ダメ……足が動かない……」ガタガタ
アヤ「それならここに隠れてて。外に逃げた人が警察呼んでいるはずだから、来るまで動いちゃダメよ」タッタッタ!
ほむら「アヤ!?」
カシャン
ほむら「これは……」
4 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 01:33:28.41 ID:UV9H2GqX0
舞台
アヤ『ニューヨーク市警よ!一体何をしたの!?』
女優『フッ…やはりお前達だけは発火しなかったようだ……』
アヤ『え…?』
女優『そう。お前も目覚め始めているはず……』
アヤ『な、何を言っているの!?』
女優『お前の細胞の奥から聞こえるはずだ……目覚めよと呼ぶ声が……』
―バシュ!
アヤ(っ! なっ……レーザービーム!?)
―キィイイ
アヤ『くっ…』
ほむら『アヤ!』
バンッ!
アヤ『ほむら…!?』
女優『もう一人も来たか……』
ほむら『手を上げなさい。次は当てるわよ』
女優『フッ……』
アヤ『か、体が熱い…!』
ほむら『アヤ!大丈夫!?』
シュゥウウ…!
ほむら(! 傷が塞がった…!?)
女優『やはり…な……』
アヤ「これは、一体…?」
女優『共鳴しているのだ。お前の体が…この私、そこにいる新たに目覚める者と…』
アヤ『共鳴…?』
ほむら『目覚める者……?』
女優『その力を使うほど…お前たちは私に近づくのだ……私と同じ…その力を……』
アヤ『同じ力…? 貴女は、一体……』
女優『Eve……』
ほむら『Eve…?』
Eve『お前達はよく知っているはず……この私を…』
アヤ『え…?』
―ドクン
アヤ(な、なに…!?)
ほむら(ここは……)
Eve『フッ…』フワッ
アヤ『ハッ!ま、待ちなさい!』
5 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/10/15(月) 01:36:37.31 ID:UV9H2GqX0
ここまで。書き溜めたらまた今度にでも
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 01:46:57.88 ID:gIx7+us0o
乙。
スレタイでもしかしてパラサイトイヴ(ゲーム版)か?と思ったらマジだった。懐かしいなぁ。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/10/15(月) 02:36:44.17 ID:HcuedmJAO
パラサイト・イヴは予想出来たから前田ガン乱射しながらスレ開いたけど1か……良かった、原作設定だったらどないしょうかと
確定で1人死んでまうからな
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 04:42:06.97 ID:0yBEAsMSO
7周くらいやった思い出のゲーム
これは期待せざるを得ない
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 08:02:06.55 ID:oby1GwhJo
クライスラー登りきれなかった思い出
10 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:13:44.04 ID:ErBqv57K0
ほむら(……本物の銃を持つのは久しぶりね)
まどか「ほむらちゃん!」
さやか「ほむら!」
ほむら「二人とも、もう動けるの?」
まどか「な、なんとか……」
ピーポーピーポー!!
ほむら「警察が到着したみたいね。二人は先に行ってて」
さやか「先って、アンタまさか」
ほむら「いい?警察には落ち着いて状況を説明するのよ」タッ!
まどか「ほむらちゃん!」
舞台裏
アヤ(さっきの子は……まさか……)
スタッ!
アヤ『ほむら?どうしてここに』
ほむら『あの女優は?』
アヤ『え、多分この先に』
ほむら『そう。ならこれ以上被害を出す前に彼女を捕らえないと』
アヤ『確かにそうね。ほむら、さっきは助かったわ。でもこれ以上は危険だから貴女は戻って』
ほむら『平気よ。こういうことには慣れているから』
アヤ『慣れてる?』
ほむら『無駄話は後。行きましょう』スタスタ
アヤ『あ!勝手に行ったら危ないわよ!』
11 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:14:54.05 ID:ErBqv57K0
カーネギー・ホール地下
ほむら『ここは楽屋かしら?』
アヤ『みたいね。でも鍵が掛かって入れないわ』ガチャガチャ
ササッ!
アヤ『!』チャキッ!
ほむら『ネズミ……?』
ネズミ『チ……チィ…グオオオオオオオオオ!!!』グチャメキメキ!!
アヤ『!?』
ほむら『!』
バンッ!バンッ!
ネズミ『キィィ……』ドサッ!
―ドロッ
アヤ(ネズミがあんなになるなんて……これもEveの…?)
ほむら(絶命したと同時に融けた……酷い臭いね)
アヤ『ほむら、大丈夫?』
ほむら『アヤこそ、顔色が悪いわよ』
アヤ『少し驚いただけ。それにしても貴女、一体何者なの? 銃の扱いもその冷静さも、とても日本の子供とは思えない』
ほむら『さっきも言ったように、慣れてるだけよ』
ガチャ
ほむら『ここは開いてるわね』
衣裳部屋
アヤ『うっ…ここにも焼死体が……』
ほむら『……これは楽屋の鍵ね。ごめんなさい、お借りするわ』
アヤ『署に連絡するから、少し待ってて』
ほむら(人体発火……生物の突然変異……魔法も無い世界でこんなことが起きるなんて……)
アヤ『お待たせ。行きましょう』
主演女優楽屋
ほむら(クローゼットから弾が出てきたわ。流石はアメリカね)
アヤ『ほむら。これ見て』
ほむら『日記? メリッサ・ピアス……確か、あの女優の名前も』
アヤ『彼女かなりの病弱みたいね。一番奥の部屋の稽古場の鍵が挟まっていたから、見に行きましょう』
ほむら(この大量に服用している薬は一体……?)
12 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:15:42.95 ID:ErBqv57K0
稽古場
アヤ『……』チャキッ
メリッサ『私は…メリッサ……私は……Eve……』
ほむら『……』カチャッ
メリッサ『あ、熱い…!』
―ドクン
Eve『核の支配は終わった……』
ガシャァアアアアン!!
アヤ『!?』
ほむら(メリッサ……いえ、Eveの体が変化していく…・・・!)
Eve『再び……ミトコンドリアが解放される日がやってきたのだ!』
ほむら「ミトコンドリア……?」
バチバチバチ!
アヤ『ほむら!レーザービームが来るわ!』
ほむら『!』バッ!
バンッ!バンバンッ!!
Eve『フフッ……』
アヤ『効いてない・・・?』
ほむら『くっ…!』
Eve『お前達には、まだ時間が必要なようだ……我らがミトコンドリアの解放まで……』
アヤ『ミト…コンドリア?』
―ドクン
ほむら(ま、また……ここは一体…)
アヤ(あの子はさっきの……いえ、あれは……)
―コツ―コツ
アヤ(医者……?)
ほむら『………また逃げられたわね』
アヤ『ほむら、貴女にも見えた?』
ほむら『ええ。小さな女の子と白衣を着た男がね』
アヤ『私達の体、一体どうしてしまったのかしら……』
ほむら『その詮索は後にしましょう。今はEveを追うことが先よ』
13 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:20:22.34 ID:ErBqv57K0
下水道
アヤ『ネズミの他にもカエルまで化け物になるなんて』
ほむら『折角のドレスが台無しね』
アヤ『貴女こそ』
ほむら『借り物だから、後で謝らなくちゃ』
アヤ『そういえばほむらはどうしてニューヨークに来たの。観光?』
ほむら『さやかの付き添いよ。腕の手術でアメリカに来た彼女の友人のお見舞いに、私とまどかが付いて来たの』
アヤ『その友人の具合は?』
ほむら『無事手術も成功して今は病院で療養中よ。体調が良ければ今日のオペラにも来れたんだけど、不幸中の幸いだったわね』
アヤ『確かにそうね』
―チャプン
少女『……』
ほむら『!』
少女『……』タッタッタ!
アヤ『待っ……!』
ほむら(今の子……アヤにそっくりだった)
――――
ほむら『あそこにいるのは……』
アヤ『Eve…!』
―ドクン
アヤ(か、体が……)
ほむら(熱い…!)
Eve『たった二人で私を止めようというのか…? もっとも、数が増えたところで燃えるだけ……お前達以外が』
アヤ『なぜ…なぜ私達だけ…?』
Eve『いずれ解る。お前達が解らなくとも、ミトコンドリアは理解している……ずっと前から』
ほむら『ミトコンドリアが…理解?』
Eve『お前達に時間を与えよう。考える時間と、進化する時間を……そして、お前達は目覚めるのだ』
―ドロッ
ほむら『体を解かして鉄格子をすり抜けた……!?』
アヤ『待ちなさい!』
14 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:22:25.36 ID:ErBqv57K0
ブクブク……
ほむら『何かいる!』
―ザバァン!
ワニ『グォオオオ!!』
アヤ『ワニ…!?』
バンッ!バンッ!
ワニ『ォオオオ…』ポロッ
ほむら(弾が貫通しない!?変異したことで皮膚の硬質化してる!)
ブオン! バチィン!
アヤ『きゃあ!』
ほむら『アヤ!』
アヤ『平気よ。ちょっと当たっただけ』
ほむら(銃が効かない。一体どうすれば…!)
―シッポヲネライナサイ
ほむら「え…?」
―シッポヨ
ほむら(この声は…?)
ワニ『グォオオオ!!』
アヤ『ほむら!』
ほむら『っ!』バンッ!
ワニ『グァアアアア!!』
ほむら『効いた……アヤ!尻尾を撃って!』
アヤ『わかった!』
バンッ!バンッ!
ワニ『グァアア…・・・』
―イマヨ。アタマヲウチナサイ
ほむら『―!』
バァンッ!
ワニ『グアッ……ア……』グラッ……バッシャァアン!
アヤ『……何とか倒せたわね』
ほむら『ええ』
アヤ『ほむらのおかげよ。よく急所がわかったわね』
ほむら『私も驚いたわ』
アヤ『え?』
ほむら(あの声を……私は、知っている……?)
アヤ『Eveはもうここにはいないわ。戻りましょう』
15 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:23:14.99 ID:ErBqv57K0
カーネギー・ホール 正面口
ほむら『あれは……』
レポーター『一体中で何が起こったんですか?』
さやか「話したくないって言ってんでしょ!あっち行ってよ!」
まどか「……」ブルブル
レポーター『少しお話を聞くだけですから』
ほむら『止めて下さい。彼女達が困ってます』
レポーター『おお!?貴方達ですね!発火しなかった警官と日本人の少女というのは!』
アヤ『……』
ほむら『話すことはありません。ですからマイクもカメラも向けないで下さい』
レポーター『クリスマス・イヴに起きた怪事件ですよこれは!私は視聴者を代表して貴方達にインタビューして』
バキィッ!
レポーター『うぎゃあ!!』
まどか「!」ビクッ!
?『ふん』パンパン
レポーター『な、何するんだ!警官の前だぞ!』
?『生憎、俺もその警官なんだ』
アヤ『ダニエル……』
ダニエル『すまんなアヤ。遅れちまって』
16 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/15(月) 15:24:00.63 ID:ErBqv57K0
パトカー内
ダニエル『アヤ、大丈夫か。それに日本の嬢ちゃんたちも』
ほむら『大丈夫です。あの、本当に乗ってよかったんですか?』
ダニエル『気にするな。迎えが来れなくなったんだから署に一晩泊まればいいさ。温かいミルクでも用意させとくか?』
アヤ『子ども扱いしないの。そういえば彼は?』
ダニエル『先に駆けつけた警官に聞いたが、腰を抜かしながら逃げてったそうだ。せっかくのデートが台無しだな』
アヤ『そんなんじゃないわ。あんまりしつこいからオペラに付き合ってもらっただけ』
ダニエル『お前がオペラとは珍しいな。どういう風の吹き回しだ?』
アヤ『NYタイムスで広告を見て、ちょっと気になってね……』
ダニエル『まさかこの事件を嗅ぎ付けたのか?ハハ!お前も少しは警官としての勘が身についたかな?』
アヤ『……ダニエルこそ、息子さんと一緒にいてあげなくていいの?クリスマス・イヴじゃない』
ダニエル『……あいつも警官の息子だ、その内わかってくれるさ。しかし現場にいたやつから聞いたがこの事件……』
アヤ(ミトコンドリア……?共鳴……あの子供は……私?)
……すぅ、すぅ
ダニエル『寝ちまったか。無理もない、駆け出しにゃデカイ事件だったな。』
ほむら『………』
ダニエル『お前さんも寝ていいぞ。署についたら起こしてやるから』
ほむら『いえ、私は大丈夫です』
ダニエル『そうか?子供があんまり無理するなよ』
ほむら『………はい』
まどか「うっ……ん……」
さやか「うぅ……うあ……」
ほむら(二人ともうなされている……そうよね、あんなのを見たら当然よね)
―ギュッ
ほむら「大丈夫。必ず、私が守るわ」
平穏を焼き払い訪れた惨劇。しかしこれは始まりに過ぎない。
私とアヤ、そしてEveを中心にニューヨークは十数億年にも及ぶ戦いの渦に飲み込まれる。
ミトコンドリア。
魔法少女としての力を失った私が手にしたのは、最凶の敵の力だった。
17 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/10/15(月) 15:25:58.63 ID:ErBqv57K0
ここまで。ちなみに「」←日本語『』←英語で表記してる
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2012/10/15(月) 16:46:15.32 ID:npZdI6kAO
PEとはなんと懐かしい
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 17:10:18.15 ID:0yBEAsMSO
乙
どこから両作品の話が絡み合うのか楽しみにしてる
発火しない体質を持った仲間がいるのは精神的に遥かに楽なんだろうな
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 17:40:20.72 ID:hi79d12Ro
乙
ほむらはどこから銃を持ってきたのやら
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/10/15(月) 20:27:22.19 ID:HcuedmJAO
>>20
警官からパクったか盾に入れてなかった予備とかだろう
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 20:41:39.97 ID:/T23jDOuo
乙
>>21
盾に入れてなかった云々だともう詰んでね?
魔法少女も魔女も、魔法もない世界みたいだからGS手に入らないし
ほむら自身も人間になって変身とか出来ないものと思ってたが違うのかな
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 20:58:59.71 ID:/T23jDOuo
ごめん、最後の一文読んでなかった
>魔法少女としての力を失った私が手にしたのは、最凶の敵の力だった。
すでに人間か。運動能力の問題はクリアされてるのかね
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage saga]:2012/10/15(月) 20:59:52.85 ID:ENbjRMEN0
>>20-22
銃は
>>3
で拾ったやつじゃないの?
アヤが落としたのか、はたまた近くの誰かが落としたのかは分からんけど。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/15(月) 21:13:47.61 ID:t2wAvpSAO
乙
魔法なしだと運動だけじゃなくて
視力の強化も出来ないね
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/10/15(月) 22:56:43.15 ID:BUeLEkqqo
一時的な魔翌力による強化じゃなくて、
体質そのものを改善したんだったら永続だろう
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)
[sage]:2012/10/15(月) 23:29:19.25 ID:Rb1OnZgjo
期待
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/10/16(火) 01:17:15.64 ID:87cV42/j0
懐かしいな
支援しちゃう!
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/16(火) 10:29:57.71 ID:rVSpX4hPo
シャワーシーンはあるんだろうな?
30 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/16(火) 21:18:30.54 ID:+n7etUeI0
ニューヨーク市警17分署 受付
仁美「暁美さん、用意できましたわ」
ほむら「悪いわね志筑さん、色々と面倒を掛けて」
仁美「これぐらいお安い御用ですわ……ですが、本気ですの?」
ほむら「ええ」
仁美「……わかりました。それでは、お気を付けて」
1F廊下
タッタッタ! ドンッ!
?『わっ!?』
ほむら『大丈夫?』
?『う、うん。ごめんなさいお姉ちゃん』
ダニエル『ベン!』
?『…!』
ダッ!
ほむら『……?』
アヤ『ほむら』
ほむら『アヤ。それにダニエルさん』
ダニエル『息子がすまねぇな。怪我してないか?』
ほむら『今の子が息子さんだったのね。なんだか泣きそうな顔してたけど、何かあったの?』
ダニエル『今夜アイツと別れた妻の三人でコンサートに行く予定だったんだが、昨日の事件で行けなってな。それでだ』
ほむら『そうだったの。残念ね……』
ダニエル『やっぱり、子供には母親が必要なのか……?』
アヤ『そうとは限らないわ。私だって子供の頃、母を事故で失って以来、父が一人で育ててくれた……父には感謝しているわ』
ダニエル『アイツの母親はまだ生きてるんだ……』
―――
ほむら『ダニエルさん、落ち込んでたわね』
アヤ『奥さんと別れて以来、ベンに寂しい思いをさせてると悩んでいたからね。 そういえば、まどかとさやかは?』
ほむら『今迎えが来たからそっちに行ってるわ』
アヤ『それじゃあ、貴女とももうすぐお別れね』
ほむら『そのことなんだけど』
キャシー『アヤ。ベイカー部長が呼んでたわよ』
アヤ『わかったわ。ほむら、また後で』
ほむら『ええ』
キャシー『ほむら、その袋は?』
ほむら『着替えです。キャシーさん、更衣室の場所教えて下さい』
31 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/16(火) 21:20:58.11 ID:+n7etUeI0
部長室
ほむら(ここね……)
コンコン
ほむら『失礼します』ガチャ
アヤ『ほむら?』
ダニエル『どうしたんだほむら。わざわざ着替えたりして』
ベイカー『私が呼んだんだ』
アヤ『ベイカー部長。彼女への事情聴取は済んだはずでは?』
ほむら『違うのアヤ。昨日の事件、私も捜査に協力することになったの』
アヤ『!』
ダニエル『ど、どういうことですか部長!?』
ベイカー『彼女が志願してきたのだ。アヤと同じく発火させられない体、それに銃の扱いも心得もあるから必ず役に立つと』
ニックス『で、ですが彼女は観光客。しかも14歳の少女ですよ!』
ベイカー『わかっている。だからこそこちらからも条件を付けた。アヤ、彼女の捜査協力はキミの判断に任せる』
アヤ『私に……?』
ベイカー『キミがYESと言うなら彼女と共に行動し、NOなら彼女の協力を無しにする』
アヤ『………』
ほむら『アヤ……』
アヤ『私の言うことには絶対に聞くのよ?』
ダニエル『ほ、本気かアヤ!?』
アヤ『昨日の事件で私が無事なのは彼女の協力が大きいわ』
ベイカー『そういうことだダニエル。二人の面倒は、お前に任せたぞ』
ダニエル『勘弁してくださいよ……』
ベイカー『そうと決まれば、これを持って行け』
ほむら『これは……?』
ベイカー『私のサインが書かれた銃の貸し出し書だ。トーレス主任に渡せば、ほむらに合ったものを貸してくれる筈だ。残りの手続きはこちらで済ませておく』
ほむら『ありがとうございます』
武器管理部
トーレス主任『こんなお嬢さんにまで銃を持たせるとは、世の中どうかしておる』
アヤ『トーレス主任』
トーレス『わかっている。ただし覚えておくんだお嬢さん。銃は命を奪うものだ。守るものがあろうと殺すための道具だということを』
ほむら『はい』
トーレス『……これを持って行け。反動は少ないがそこそこの威力はある』
ほむら『お借りします』
ウェイン『化け物が相手なんだから、そんなちんけなもんじゃなくてマシンガンかランチャーでも貸せばいいのに』
トーレス『無駄口を叩いてないでお前は倉庫の整理でもしてこい!!』
ウェイン『わ、わかりましたー!!』
ダニエル『準備出来たな。それじゃさっそく調査に行くぞ』
ほむら『どこへ行くの?』
アヤ『アメリカ自然博物館。ミトコンドリアのことを知る人物に会いに行くのよ』
32 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/16(火) 21:22:28.69 ID:+n7etUeI0
パトカー内
アヤ『まどか達には何て言ってきたの?』
ほむら『ありのままよ。さやかは怒って、まどかには泣かれたわ』
ダニエル『そこまでしてなんで捜査に協力するなんて申し出たんだ?日本に帰れば少なくとも当面は安全だってのに』
ほむら『Eveの目的はきっとニューヨークに留まらず、世界規模で危険なもの。そうなればあの子達にも被害を及ぼす。そんなこと絶対にさせない』
ダニエル『ダチの為にか……全く、相棒にしたいぐらいの勇敢さだな』
アヤ『あら。私じゃ不満?』
ダニエル『そ、そういうわけじゃないけどよ』
ほむら『ところで、今から会いに行く人はどんな人なの?』
ダニエル『名前はハンス・クランプ。ミトコンドリアに関する新説で注目されている研究員だ。博士号を持っているが相当なに人間嫌いらしく、博物館に勤務したのも人との関
わりを少なくする為だそうだ』
アヤ『一筋縄では行きそうにも無いわね』
アメリカ自然博物館
ダニエル『ここが研究室らしい。お、開いてるじゃないか』
ガチャ
クランプ『……』カタカタカタ
ダニエル『いるじゃないか。クランプ博士』
クランプ『……』カタカタカタ
ダニエル『博士!』
クランプ『聞こえているよ。さっきらか騒々しい』
アヤ『NY市警です。お話を伺いたくて……』
クランプ『……』カタカタカタ
アヤ『博士。我々は昨晩起こった事件の手がかりを探しています』
クランプ『一体、何の用だ…… !?』
―ドクン
アヤ(ま、また……)
男―………―
アヤ(この男……私、知ってる…?)
ほむら『アヤ?大丈夫?』
アヤ『え、ええ』
ダニエル『ミトコンドリアについて聞かせて欲しくってな』
クランプ『……NY市警がなぜミトコンドリアなどに興味を?』
アヤ『昨晩起きた事件の犯人が“ミトコンドリアが解放される日”……と言ったのです』
ダニエル『その犯人は周囲の人間を触れずに燃やした。そして化物の様な姿になって逃亡しやがった』
クランプ『……キミたちはミトコンドリアが本当はどういう存在なのか理解していないだろう。ミトコンドリアは生物の体内にいながら独自の遺伝子を持つ存在なのだよ。』
アヤ『別の生物ってことですか?』
ダニエル『寄生虫みたいだな』
クランプ『パラサイト……だと? 随分な言い方だな!!』
33 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/16(火) 21:24:59.05 ID:+n7etUeI0
ほむら(この男……目の色が変わった…?)
クランプ『我々はミトコンドリアなしでは生きていけないのだぞ?ミトコンドリアがエネルギーを生み出してくれるからこそ我々は生きていけるのだ!例えば我々の脳だ。 脳の活動は神経の伝達によって行われているが、伝達そのものは一種の電気の流れだ。その電気すらもミトコンドリアが与えてくれるのだ。計算上、1平方cm辺り20万ボルトの電圧を起こすことが可能だ。電気だけではない、直接熱エネルギーを発生することも可能なのだよ!!』
アヤ『熱…?』
ダニエル『じゃ、夕べの発火は……!』
クランプ『……人が燃え、溶けるには1600度以上の高温を必要とする。細胞の一つ一つにいるミトコンドリアが全身で一斉に活動すれば、有り余るほどのエネルギー生産が可能だろう。人を燃やすくらい容易い事だ』
ほむら(ミトコンドリアが、人間を発火させた…?)
ダニエル『だが所詮、俺達に人間に利用されるだけの存在じゃないか』
クランプ『見解の違いだな。ミトコンドリアは生物の成長や老化も制御している。例えばこの手。生まれる前はもとは肉の塊だったものが細胞が自殺し分裂することで手の形を形成する。その細胞の自殺を決定するシグナルはミトコンドリア内部から発せられている。老化にしてもそうだ。ミトコンドリアは我々の細胞の10倍ものスピードで突然変異を起こす。この変異は機能に障害を持った異常なミトコンドリアを生む。それが増え続けることでとエネルギーの生産率が低下する……それを老化呼ぶ。これでもまだ我々の方が優位と言えるのかね?」
ダニエル『だ、だがミトコンドリアが自ら意思を持ってやっているわじゃないだろ』
クランプ『10倍のスピードで突然変異するということは、10倍のスピードで進化しているとも言える。生物が誕生して10億年もの間、そのスピードで進化してきたのなら、我々の理解を超えた能力を備えていてもなんら不思議ではない』
ダニエル『くっ……』
クランプ『面白い事実を教えてあげよう。様々な人種の人間のミトコンドリアを調べ、人類の祖先はアフリカの一人の女性だと言うことがわかった。人類の祖先はミトコンドリアと共に全世界に広がっていった……そのルーツの呼称は“ミトコンドリア・イブ”。素晴らしいネーミングだと思わんか?』
ほむら『Eve……!?』
アヤ『昨日の犯人もEveと名乗りました!』
クランプ『なに!?名乗った!?』
ダニエル『博士、何か知っているのか?なんでもいい、教えてくれないか!?』
クランプ『……すまないが帰ってくれないか?研究の邪魔になるんでね!』
ダニエル『ど、どういうことだ!急に!』
クランプ『………』カタカタカタ
アヤ『行きましょう』
ダニエル『くっ……』
クランプ『……待て』
アヤ『なんですか?』
クランプ『一つ気になっていたのだが、そこの日本人の少女は何故ここにいる?』
アヤ『彼女は昨晩の事件の協力者です』
クランプ『……名前を聞いてもいいか』
ほむら『暁美ほむらです』
クランプ『暁美……ほむら……』
アヤ『博士、彼女を知っているのですか?』
クランプ『………』
カタカタカタカ
ダニエル『アヤ!ほむら!行くぞ!』
アヤ『行きましょう、ほむら』
ほむら(あの男、何かを隠しているのは間違いなさそうね……)
34 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/10/16(火) 21:30:19.64 ID:+n7etUeI0
ここまで。最初にほむらが使ってた銃はあのボンボンが落としたってことで。
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/16(火) 22:34:17.11 ID:cWFSDRXSO
乙
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/10/16(火) 23:10:41.10 ID:DRt7R+gAO
乙、ほむらにも近接攻撃ってあるのかな……
銃は原作のゲーム基準でおk?
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/10/17(水) 12:24:00.32 ID:25Creyk60
乙
ほむほむは貧nスレンダーだから近接戦闘も得意そうだな
38 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 11:47:02.36 ID:acuqvx/90
パトカー内
プップー!!
ダニエル『なんだあの野朗!?突然怒り出しやがって…ああいう奴はどうも好かねぇぜ』
アヤ『クランプ博士は貴女を知っているようだったけど、覚えある?』
ほむら『いいえ。アヤはどうなの?初め驚かれてたけど』
ダニエル『大方、テレビに映っていたのを観たんだろ。ああいうのはマメにそういうのをチェックしてそうだしな』
プルルルル!
ダニエル『ダニエルだ……なに!?わかったすぐに戻る! 事件に進展があったらしい!』
ほむら『!』
アヤ『何ですって!?』
ダニエル『すぐに署に戻れとの事だ。飛ばすぜアヤ!ほむら!』
ブロロロロロッ!!
ニューヨーク市警17分署 会議室
ベイカー『オペラ歌手のメリッサのソロコンサートが本日行われる予定だった。しかし彼女は昨夜の事件を起こし失踪。主催者側がコンサートの中止告知をうっていたにも関
わらず、会場には多くの観客が集まっている。昨晩のような悲劇だけは絶対に阻止せねばならない!!』
ダンッ!
ベイカー『コンサート会場はセントラル・パークの野外音楽堂だ!!』
ダニエル『セントラル・パーク!?』
アヤ『どうしたのダニエル?』
ダニエル『ベンと……ロレーンが行ったコンサートだ!!』ダッ!
ベイカー『ダニエル!まだ会議中だぞ!!』
ダニエル『やかましいベイカー!息子の命が掛かってるんだ!!』
バタンッ!!
ベイカー『ダニエル…………アヤ、ほむら。ダニエルのサポートを頼む…!』
アヤ・ほむら『はい!』
セントラルパーク 入り口
ダニエル『ベーーーン!!!』
アヤ『待ってダニエル!!』
ダニエル『息子が中にいるんだ!!』
ボオォ!!
ダニエル『うお!?』
ほむら『ダニエルさん!!』バサッ!バサッ!
ダニエル『くそう……燃えたってかまうもんか……!!』
アヤ『私たちが行くわ』
ダニエル『俺にはベンしかいないんだ。あいつだけが俺の家族なんだ! ちっくしょう……炎がなんだっていうんだ……!!』
ほむら『貴方にベンが必要なように、ベンにも貴方もあなたが必要なの。ここで死んだら、ベンはどうなるの?』
ダニエル『……すまない。アヤ、ほむら、ベンを…頼む……!!』
アヤ『ロレーンもね!!』
39 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 11:48:57.23 ID:acuqvx/90
野外劇場入口
サル[キィイイ!!]
バンッ!
ほむら『この変異がミトコンドリアによるものだなんて、未だに信じられないわ』
アヤ『クランプ博士から言わせたら、これも進化なのかしらね』
カラス[ギャア!ギャア!]
ヘビ[シャァー!!]
バンッ!バンッ!!
ほむら『……Eveは一体、何故人々を集めたのかしら』
アヤ『え?』
ほむら『ただ殺すだけなら市街に出て手当たり次第に燃やせばいい。わざわざこんな所に集める必要が無い筈よ』
アヤ『このコンサートは宿主であったメリッサの長年の夢だった。それを滅茶苦茶にする事で宿主への報復のつもりなのかもしれないわ』
ほむら『………』
アヤ『……ここね』
野外劇場観客席
アヤ『ニューヨーク市警よ!ここは危険だから早く避難して!!』
観客『……』
ほむら(反応が無い。催眠状態に陥ってる…?)
Eve『ようこそ。我が同胞達』
アヤ『!』
ほむら『Eve…!』
Eve『今宵は我々にとって、この数億年の中でもっとも記念すべき聖夜となる……そう、再び自由になる時が訪れたのだ……』
観客『……』ビクッ…ビクッ…
ほむら(観客達の様子が…!?)
Eve『我々の宿主達は、我々が進化を諦めたと思っていた。だが、今宵から我々ミトコンドリアが宿主であった核を支配するのだ!!』
―ドロッ
アヤ『っ!?』
ほ『観客達が……溶けていく……!』
―ドロッ…グチャ…
アヤ『ひ…ひどい…なぜ、なぜこんな……!!』
ほむら『Eve!観客達に何をしたの!?』カチャ!
Eve『お前達か……だが、遅かったようだな』
スッ
アヤ『ま、待ちなさい!!』
40 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 11:51:06.48 ID:acuqvx/90
野外音楽堂
Eve『フッ……』
ほむら『見つけた!』
アヤ『Eve!!』
ガシャアン!!
ミミズ[―!]
アヤ『これは……ミミズ!?しかも数が多い!』
ほむら『コイツらは私が抑える!アヤはEveを!』
アヤ『一人じゃ危ないわ!』
ほむら『大丈夫!これ以上、ベンとロレーンの様な犠牲者を出す前に早く!!』
アヤ『………無理しないで、危なくなったら逃げるのよ』
ほむら『了解』
タッタッタ!
ミミズ[―!!]
バンッ!バンッ!!
ほむら『お前達の相手は私よ!』
馬乗り場
アヤ『何故あなことを…!』
Eve『まだ理解できぬか……知りたければ馬車に乗るがいい。お前にも聞きたいことがある』
アヤ(……ほむら、無事でいて)
バタン
馬[ヒヒーン!!]ボォオオ!!
ガラガラガラ!!
アヤ『……っ!』
Eve『なぜだ。なぜ人間の側につく?』
アヤ『当然よ。私もほむらも、人間だもの』
Eve『あの娘はともかく、お前はこの私より赤の他人の方に付くと言うのか?』
アヤ『え…?』
41 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 11:52:18.74 ID:acuqvx/90
野外音楽堂
バンッ!バンッ!
ほむら「はぁ…はぁ……!」
ミミズ[―!!]ズオォォ…!!
ほむら「まさか、仲間の死体を食って成長するなんてね……」
シュルシュル!!
ほむら(地中に潜った……次はどこから…)
ガシャア!!
ほむら「そこか!!」
ミミズ[――!!]
ブオン!!
ほむら(体でのなぎ払い!?)
バチィン!!
ほむら「うああああ!!」ドシャア!
ミミズ[―!!]
グアァ!!
ほむら(避けられない…!喰われる…!)
―…パリッ
ほむら「え…?」
―ウチナサイ!ハヤク!
ミミズ[―!!]グアアア!
ほむら「――!!」チャキッ!!
―ドシュウゥウ!!!
ミミズ[!!]
グシャア!!
42 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 11:54:34.28 ID:acuqvx/90
ズドォオオン…!
ほむら(この威力は……)
クランプ【脳の活動は神経の伝達によって行われているが、伝達そのものは一種の電気の流れだ。その電気すらもミトコンドリアが与えてくれるのだ。計算上、1平方cm辺り
20万ボルトの電圧を起こすことが可能だ】
ほむら(ミトコンドリアの発電力で、ハンドガンをレールガン化させた……? それに、またあの声が…)
プルルルル!!
ほむら『もしもし……?』
ダニエル《やっと繋がった!ほむら、ベンは無事だ。どうやら嫌な雰囲気を察して逃げてきたらしい》
ほむら『そうなの……良かった』
ダニエル《けどロレーンはまだ中に……他の観客や、アヤはどうした!?》
ほむら『アヤ…!そうだ、追いかけないと!』
グラッ
ほむら『うっ……!』バタンッ!!
ダニエル《おい、どうした!?》
ほむら(さっきのダメージが……こんな所で……)
ザッ……ザッ……
ダニエル《ほむら、返事しろ!ほむ》
ピッ プーッ、プーッ
?「……」
馬車
―バシュウ!!
アヤ『くっ…!』ガクン
Eve『私の攻撃が避けれないと判り、磁気のバリアを張ったか。そこまで覚醒していながら何故……』
アヤ(……私は)
Eve『わからないと言った顔だな。それなら教えてやろう。言葉ではなく、お前のミトコンドリアに直接……』
アヤ『や、やめ…て…!』
Eve『おまえ自身理解できなくとも、お前のミトコンドリアならば解かる筈……私とお前は、もとは……』
―ドクン!
アヤ『……!!』
馬[ヒヒーン!!]ブチッ!!
アヤ(馬車の紐が…!!)
ギュルン!!ガシャァアン!!
アヤ『きゃあっ!!』ガクッ!
スッ…
アヤ『うっ……』
Eve『……』
43 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 11:56:34.14 ID:acuqvx/90
〜数時間後〜 ニューヨーク市警17分署 部長室
ベイカー『セントラル・パークでの被害者は、劇場での数を遥かに上回る。これ以上市民を巻き添えにする訳にはいかん……市民を全員、マンハッタン島の外に避難させる事に
なった』
ワーナー『我々はどうするんですか?』
ベイカー『勿論、残ってEve包囲網を固める』
ニックス『軍の仕事じゃないんですか?』
ベイカー『そうなる前に何とかするのが、ニューヨーク市警の務めだろう』
バタン!
ダニエル『アヤとほむらからの連絡は!?』
ベイカー『……』フルフル
ダニエル『なしか…二人とも、どこへ消えちまったんだ!!』
ベイカー『ダニエル、お前も市民非難の誘導をするんだ』
ダニエル『今のところ、奴に立ち向かえるのはアヤとほむらしかいないんです!俺は二人を捜します!!』ダッダッダ!!
ニックス『いいんですか、部長……』
ベイカー『アイツもロレーンを失った……アヤとほむらはアイツに任せよう。みんなは市民を誘導してくれ』
B1F廊下
ベン『パパ!』
ダニエル『すまないベン。アヤとほむらがいなくなっちまったんだ』
ベン『あのお姉ちゃん達が?』
ダニエル『ああ、ママをおかしくした奴に立ち向かえるのはあの二人だけなんだ……!! キャシー、すまないがベンを頼む』
キャシー『ベンのことは任せて』
ダッダッダ!!
ベン『パパ!!』
キャシー『さ、一緒に待ちましょう。ベン、犬が好きだったんでしょ?NY一の警察犬を紹介するわ』
犬舎
キャシー『シーバよ』
シーバ[クゥーン]ペロペロ
警官『シーバはキミのことが気に入ったみたいだな』
ベン『あはは!くすぐったいよ』
シーバ[ワン!]
44 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 12:00:51.37 ID:acuqvx/90
―ドクン
アヤ(ここは……)
―ドクン
アヤ(病院…?)
―――
パチッ…パチパチッ…
アヤ(火……ここは……)ムクッ
?『……あ、き、気が付きましたか?』
アヤ『貴方は…?』
前田『前田 邦彦。日本から来た科学者です』
ガチャ
ダニエル『そいつがお前とほむらを見つけたんだぜ』
アヤ『ダニエル!ほむら!』
ほむら『アヤ。無事で良かったわ』
アヤ『貴女、その怪我…!』
ほむら『服が破れただけで、大した事無いわ』
ダニエル『外は警官以外、人っ子一人いやしねぇ。あの喧しいニューヨークがまるでゴーストタウンだ』
アヤ『Eveは!?セントラル・パークの人達は!?』
ダニエル『ベンは無事だったが……消えちまったよ、観客全員……』
ほむら『……』
前田『消えた?発火したのではなくて?』
アヤ『スライムのように液状化したのよ。そして一つに溶け合って……』
前田『日本では見られなかった現象だ……』
ほむら『日本?』
前田『数年前。日本でも同じような事件が起きたんです。今回ほどスケールは大きくないですがね』
アヤ『なんですって!?』
ダニエル『おい、詳しく聞かせろ!』
前田『事の発端はある科学者夫人の自動車事故でした。妻を深く愛していた科学者は肝細胞を培養し、彼女を生かし続けようとしたんです。その科学者は細胞に“Eve”と名付けました』
アヤ『Eve…!?』
前田『その肝細胞は増殖し、夫人そのもの、いや、彼女のミトコンドリアが支配する肉体となったのです。科学者の精子を得た彼女は完全なるミトコンドリア生命体を誕生させようとしました』
ほむら『待って。いくらミトコンドリアとはいえ、肝細胞から成形した肉体で出産が出来るの?』
前田『無理でしょうね。事実、彼女は肉体を維持できず死滅しました。ですが夫人が生前に登録した臓器移植バンクを通じ、夫人の腎臓を移植した少女に受精卵を植え付け、代理出産という形で完全体を出産しました』
ダニエル『日本での事件といい、今回の事といい……一体何が起こっていやがるんだ!?』
前田『さぁ…そこまでは私にも……』
アヤ『……』
45 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/18(木) 12:04:05.58 ID:acuqvx/90
ダニエル『アヤ。お前の体は何とも無いのか?』
アヤ『え?ええ……』
ダニエル『倒れてたって聞いたときには驚いたぜ。お前もほむらも、あの化物にやられちまったのかってな』
ほむら『心配掛けてごめんなさい』
ダニエル『まあいいさ。ほむらの方は、勝手に電話を切った前田のせいだからな』
前田『す、すみません……物凄い怒鳴り声だったので……』
アヤ『………Eveに触れたとき、何かが私の中で……』
前田『発火させられそうになったんですね?』
ほむら『いえ、私とアヤは何故か発火させられないの』
前田『何ですって!?……どういう事なんでしょう?』
アヤ『私も……化物かもしれない』
ほむら『!』
ダニエル『な、何てこと言うんだアヤ!?』
アヤ『もしかしたら、私が貴方達を殺してしまうかもしれない……』
ダニエル『発火しないのはほむらも一緒だ。そんなことあるわけ……』
アヤ『ほむらはともかく、Eveは自分より赤の他人に付くのかと私に言った!それって、私と彼女が同じ存在って意味でしょ!?』
ほむら『アヤ、少し落ち着いて』
アヤ『お願い、自分でもわからないの! 私と一緒にいないで……!』
ダニエル『アヤ……』
前田『……わかりました』
ガチャ
ダニエル『お、おい!』
アヤ『お願いダニエル、ほむら……私が化物でも……貴方達を殺したくない……』
ダニエル『……お前は化物なんかじゃない。俺の相棒警官、アヤ・ブレアだ。俺が……保証する』
ザッ…ザッ…
ほむら『……』
アヤ『ほむら……もし私が化物になったら、その時は』
ほむら『それ以上は言わないで。それにアヤが化物なら私も同じよ』
アヤ『違うわ……貴女はもしかしたら、進化した人間かもしれない……』
ほむら『だったら貴女もきっとそうよ。今日はもう、ゆっくり休んで気持ちを落ち着けて』
アヤ『………』
ほむら『さっきの言葉は聞かなかったことにするわ。もう二度と、友人を殺したくないもの』
アヤ『え……?』
ほむら『おやすみ、アヤ』
バタン
アヤ『ほむら……』
―ドクン
アヤ(……あの時、Eveに触れた感じは……マヤ? でも、マヤは母と一緒に事故で……まさか……)
46 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/10/18(木) 12:06:58.73 ID:acuqvx/90
ここまで。誤字脱字、変な所で改行されてるのはミトコンドリアのせいだ()
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/10/18(木) 15:25:14.60 ID:m5ULZj5AO
乙、弐瓶チックな攻撃だと思ったが多分黒猫が元ネタなんだろうなぁ……
しかしほむらなのにビリビリとはまた面白い
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/19(金) 02:05:06.05 ID:bCIBYmW4o
乙。
ほむらが聞こえる声か……ふむ。
パラサイトイヴは銃器カスタマイズが結構楽しかった覚えが。
3点バーストだかがお気に入りだったっけ。
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/10/21(日) 11:54:42.28 ID:obrih4RD0
微妙にストーリーを覚えていないので懐かし楽しい
50 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/21(日) 20:56:43.12 ID:ga6SX+Q80
ザッ…ザッ…
ほむら「………」
ピッ プルルルルル………
まどか《ほむらちゃん!?》
ほむら「こんばんわ。もうマンハッタンからは避難した?」
まどか《ううん、まだなの。上条くんの退院が遅れて……明日には出発出来るんだけど……》
ほむら「そう……でも、無事みたいで何よりだわ」
まどか《ほむらちゃんは怪我とかしてない?》
ほむら「私は大丈夫。さやかと志筑さんにも伝えておいて」
まどか《うん……ねぇ、なにかあったの?》
ほむら「なにもないわ。ただ貴女の声が聞きたかっただけ。こんな遅くにごめんなさい、また連絡するわ」
まどか《待って!》
ほむら「どうしたの……?」
まどか《……ほむらちゃん、帰ってくるよね?》
ほむら「約束したでしょ?必ず帰るって」
まどか《うん……うん》
ほむら「だから泣かないで。全て終わったら、必ず帰るから」
まどか《待ってる……私、ずっと待ってるから……》
ほむら「ありがとう……それじゃ、またね」
〜翌朝〜 ソーホー
アヤ『……』
ガチャ
前田『あ……よく眠れました?』
アヤ『貴方、まさか一晩中そこにいたの…?』
前田『科学者というものは厄介でしてね。科学的根拠のないことはどうも信用できないんですよ……それに』
アヤ『それに?』
前田『い、いや、何でもないです』
プップー! キキーッ!
ダニエル『ガラ空きのニューヨークは渋滞なしで快適だぜ』
アヤ『ダニエル……』
ほむら『そんな顔しないの』
アヤ『ほむら…』
ほむら『みんな貴女のことを信頼して、一緒にいることを選んだのよ』
ダニエル『そうさ。俺が同情するなんてガラじゃないからな』
アヤ『……ありがとう』
ダニエル『さって、手持ちの武器じゃ心もとないだろ? 向こうにガン・ショップがある、物資の補給と洒落込もうぜ!』
アヤ『それって、火事場泥棒ってやつじゃ……』
ダニエル『緊急事態だ。気にするな』
前田『ホ、ホントに警官ですか?』
アヤ『多分ね』
51 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/21(日) 20:59:00.56 ID:ga6SX+Q80
数十分後 パトカー内
ほむら『これだけあればどうにかなるでしょ』ゴチャー
アヤ『前田。ほむらの方こそ本当に日本人なの?』
前田『私に聞かれても…』
ダニエル『さあて、どこにご案内しましょうかお三方?』
ほむら『そうね…Eveの手掛かりも無いし…』
前田『どこか研究設備のある所にお願いできますか? ちょっと試したいことがあるので……』
アヤ『博物館のクランプ博士の研究室はどう? かなりの設備があったみたいだけど』
ダニエル『あの野朗のところか…どうも気が乗らねぇ』
ほむら『博士も避難しているだろうし、大丈夫だと思うわ』
前田『じゃあそこでお願いします』
ダニエル『チップははずんでくれよお客さん!』
博物館 クランプの研究室
ダニエル『で、何がしたいんだ?』
前田『実はアヤさんの服にゲル状のものが付着していました』カチャカチャ
アヤ『まさか…Eveの…?』
前田『ええ、状況から見てEveの細胞に間違いないと思います。アヤさんに聞いたEveとしての力は認められていませんが、細胞レベルなら確認出来ると思いまして』
ピッ!
前田『…っ!』
ダニエル『おい、何してるんだ?』
前田『ちょっと実験してみようと思いまして……ほお、なるほど…これは……』
ほむら『その顕微鏡で何かわかったの?』
前田『思った通りの事がです。覗いてみて下さい』
アヤ『……』
―ドクン
52 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/21(日) 21:00:22.72 ID:ga6SX+Q80
ほむら『これは…』
アヤ『取り込まれてしまったわ……』
前田『私の血とEveの細胞を合わせてみた結果、ミトコンドリア……すなわちEveが私の細胞の核に取り付いて完璧に支配しています。アヤさんとほむらさんを襲った動物達も同様に、ミトコンドリアにコントロールを奪われたのでしょう』
ダニエル『ミトコンドリアに核を支配するなんて能力があるのか?』
前田『そうですね、あえて推測するならば……通常のミトコンドリアはATPというエネルギーを生産するときに酸素を必要とします。その時ミトコンドリアは核に酸素を要求します。核はミトコンドリアからのエネルギー供給がないと活動できません。だから核はミトコンドリアの要求には逆らえないんです。Eveはおそらくその関係を逆転させる能力を進化、あるいは変異で身に付けたのではないでしょうか?』
ダニエル『共生関係を…逆転……?』
前田『これだけの細胞片ですらこのパワーです…Eve本体の力がどれ程になるか……恐らく、日本のEveを遥かに上回る……』
アヤ『……前田』
前田『は、はい?』
アヤ『私のも…試して…』
前田『……』
アヤ『知りたいの……なぜ私は発火しないのか、なぜ私はEveと戦う力があるのか……私とEveの関係が何なのか…!』
ダニエル『アヤ、お前……』
アヤ『お願い…!』
ほむら『それなら私も一緒に試そうかしら』
アヤ『ほむら……』
前田『……わかりました。二人とも、腕を出してもらえますか?』
ピッ!
アヤ『…!』
ほむら『っ……』
カチャカチャ
前田『!』
ほむら『どうしたの…?』
前田『自分達の目で確かめて下さい……』
ほむら『アヤ』
アヤ『……ええ』
―ドクン
アヤ『……!』
ほむら『これって…』
前田『アヤさんとほむらさんのミトコンドリアは細胞の核に更にエネルギーを与えているんです。外敵の……Eveのミトコンドリアから核を守っているかのように…!』
ダニエル『なぜ二人のミトコンドリアだけにそんな能力が…?』
前田『詳しくはわかりません、ただ……リチャード・ドーキンスの提唱した“利己的遺伝子”という説をご存知ありませんか?簡単にいうと“遺伝子は、自分の子孫を多く残すことのみを考える”というものです』
ダニエル『何年か前に見た気がするな……』
前田『Eveは見方によっては自分以外のミトコンドリアを滅ぼそうとしていると言えます。それに対し二人のミトコンドリアは対抗しうる力に目覚めたという考えが出来るかと……』
ダニエル『なぜ二人だけ……そういうことなら、俺達にも同じ力があってもおかしくない筈だぜ』
前田『そこまでは私にも…・・・』
53 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/21(日) 21:03:31.37 ID:ga6SX+Q80
ほむら(力……)
彼女を守れる私になりたい―!!
ほむら(あの時の願いは……こんな形で残ったのね)
ザッ…
ダニエル『!?』チャキッ!
ほむら『!』カチャ!
アヤ『……博士?』
クランプ『……私の研究室で何をしている』
ダニエル『アンタ避難していなかったのか!?』
クランプ『何をしていたと聞いているんだ…』
アヤ『市長からニューヨーク全域に避難命令が出ています。博士も一刻も早く避難した方が……』
クランプ『市民を避難させて、警官がその留守を荒らすとは……世も末だな』
ダニエル『………』
前田『す、すみません…私が無理を言って…』
クランプ『何だねキミは? フン、電子顕微鏡を使っていたのか』
カチャカチャ
クランプ『こ、これは…!キミはこの二つの細胞をどこで手に入れたのだね!?』
前田『そっ、それは……い、言えません!』
クランプ『……アヤ・ブレア…暁美ほむら……!そうか、それでEveの細胞に取り込まれていないのだな。しかもこれは……本人達の体調に異変はないかね?』
前田『ええ…と、それは……』
クランプ『いや、当人達に聞けば済むことだ…アヤくんほむらくん!キミ達の細胞には過剰なエネルギーが供給されている。何か体調に変化はないかね?』
アヤ『私は……』
クランプ『まず熱っぽい筈だ。意識はしっかり保っているのか?』
ダニエル『おい!!』
ほむら『ダニエルさん?』
ダニエル『何だこれは!なぜ俺の息子の名前が!?ベンだけじゃない、ロレーンの名前まである!?なんだこのリストは!!』
カチッ
ダニエル『なにしやがる!』ガッ!
54 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/21(日) 21:06:17.35 ID:ga6SX+Q80
ダニエル『今のリストは何だ!?言え!!』
アヤ『ダニエル!!』
前田『……』
ほむら『……』
クランプ『放したまえ……答える義務は、無い』
ダニエル『なにぃ!?』
アヤ『ダニエル、落ち着いて』
ダニエル『……くっそぉ!』バッ!
プランプ『職務乱用もいいところだ。出て行ってくれ!』
ダニエル『……!!』
バダンッ!!
アヤ『……失礼しました。でも、ニューヨーク全域に避難命令が出ているのは本当です。出来るだけ早く、避難してください』
クランプ『アヤ・ブレアくん。キミは、キミのパートナーについて真剣に考えるべきだよ』
アヤ『……』
前田『失礼しました……』
ほむら『お気を付けて』
タッタッタ
クランプ『あの二人、コソコソと盗み見を……だが、何を知ったところでもはや手遅れだ』
パトカー内
ダニエル『くそぅ!!あの野朗、絶対にシッポを掴んでやる!!』
アヤ『あのリストは…?』
前田『HAL型……臓器移植などの適応を判断するための型の様でしたね』
ダニエル『なんだってそんなもんにベンとロレーンが!?』
前田『HAL型の近い人達のリストみたいでしたが」
ほむら「なんであれ、クランプ博士が何かを隠していることは間違いなさそうね』
ダニエル『署に帰ってあの野朗の素性を洗ってやる!!』
55 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/10/21(日) 21:10:25.23 ID:ga6SX+Q80
ここまで。アヤさんは初期の髪型が一番綺麗だと思う。
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/22(月) 13:49:02.52 ID:E7drlGpH0
人類の明確な敵、か。お偉いさん方だと、戦争の代理行為として利用しようとか考えそうだな
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/23(火) 10:43:53.08 ID:nLaAtuFy0
Eveと遊星からの物体Xってどっちが強いんだろ。後は、ちょっと
違うけど、パラサイトって映画のエイリアン(触手系生物)とか
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/24(水) 11:20:38.12 ID:AYSZPnDo0
アヤ と ほむら 二人の未来に待つものとは……
59 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/26(金) 00:00:22.54 ID:XLdyJBr50
ニューヨーク市警17分署
ダニエル『どうしたんだこりゃ!?』
ほむら『酷い荒れよう…一体何が』
―ドクン
アヤ『Eve…!?』
前田『ここに、いるんですか?』
ほむら『私とアヤで見てくるわ。二人はここにいて』
ダニエル『いや、俺は行くぜ!何もせずに家族を失うのはもうたくさんだ!』ダッ!
アヤ『ダニエル!』
ほむら『私が彼について行くわ。アヤは中の様子をお願い』
2F廊下
シーバ[ウゥ…]タッタッタ!
ベン『シーバ!ダメだったら!そっちに行っちゃ危ないよ!!』
シーバ[ウゥゥ…!]
―ドクン!!
1F廊下
ダニエル『ニックス!しっかりしろ!』
ニックス『うっ……ダニエル、ベンを止めるんだ…! シーバを追って上に行っちまった…』
ほむら『今手当てを…!』
ニックス『大、丈夫だ……早くベンを……』ガクッ
ダニエル『ニックス!くそ……ベーーン!』
ほむら『待ってダニエルさん!』
ニックス『ほむら…ダニエルに、青い犬の化物には気を付けろと……』
ほむら『青い犬…?』
60 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/26(金) 00:02:12.18 ID:XLdyJBr50
武器管理部
ウェイン『うわぁああ…!!』
アヤ『撃たないで!私よ!』
ウェイン『アヤ!青い犬のバケモンが襲ってきやがって……トーレスが……!』
トーレス『アヤ……ハハ、失敗しちまったよ……』
ウェイン『なんで、なんですぐ撃たなかったんだ!?』
トーレス『銃など、しばらく使ってなかったのでな……』
ウェイン『バカ野朗!いくら娘が銃で殺されたからって……』
トーレス『そうだな…銃が悪いのではない……使う人間、次第なんだ…な……』
アヤ『トーレス…!』
ウェイン『うおおおおお!!』
アヤ(Eve……お前は、何人の命を弄べば気が済むの……!)
ウェイン『………アヤ。持ってて欲しいものがあるんだ……』
カチャ
アヤ『この銃は…?』
ウィエン『トーレスのだ……銃の暴発事件で娘さんを亡くしてから使ってなかったが、手入れは怠ってなかった。 これでトーレスの仇を…!』
アヤ『わかった。必ず……!』
書類室
シーバ[ウゥ…!]
ベン『シーバ。だ、大丈夫…?』
ベイカー『ベン!シーバから離れるんだ!!』ガッ!
ベン『離してよ!シーバが苦しんでるんだ!』
ベイカー『…!』チャキッ!
ベン『!? シーバになにするんだよ!』
ベイカー『こいつはもうシーバじゃない!Eveに化物にされたんだ!』
ベン『え…?』
ベイカー『目を瞑ってろ、ベン!』
グチャ……メキメキッ…!!
ベイカー『化物になるくらいなら…私が眠らせてやる……!』
パンッ!パンッ! カチャ、カチャ
ベイカー『クソ!弾切れだと…!?』
ケルベロス[グオオオオオオオオオオ!!!]
ベン『うわぁあー!!』
61 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/26(金) 00:03:03.57 ID:XLdyJBr50
3F倉庫
犬男[ルオオオオオオオ…!]ガンッ!ガンッ!!
ほむら『ニックスさんの言っていた青い犬の化物……!』
ダニエル『死んだやつを痛めつけやがって……この化物が!!』パンッ!パァン!!
犬男[ルオオオオオオ!!]
ブオン! ドンッ!!
ダニエル『ぐあっ!!』
ほむら『ダニエルさん!』
犬男[ルオオオオ!!]
ほむら『!』
ブワッ!!
ほむら(波動…攻撃…!?)ガクッ!
犬男[ルオオオオオオオオオ!!]
ほむら「っ……!」
バチィ……ドシュウッ!!
犬男[ルオ…オオ……]ドサッ
ほむら(今のは…まさか)
アヤ『フゥ……』
ほむら『やっぱり、アヤだったのね』
アヤ『大丈夫ほむら?』
ほむら『私は平気よ。それより、ダニエルさんが…』
ダニエル『うっ……』
アヤ『こっちも大丈夫。気絶してるだけみたい』
ほむら『良かった。それにしても、アヤもあの電撃が撃てたのね』
アヤ『まさか貴女も撃てるの?』
ほむら『ええ、そう……』
[グオオオオオオオオオオ!!!]
『うわぁあー!!』
ほむら『この声は…!』
アヤ『書類室の方だわ!』
62 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/10/26(金) 00:08:20.97 ID:XLdyJBr50
ガチャッ!!
ベイカー『アヤ…ほむら…!』
ベン『アヤ!ほむら!おじちゃんが…!』
ケルベロス[グルルル…!]
アヤ『これが…シーバ…!?』
ベン『シーバじゃない!シーバはもう死んだんだ!! アヤ、ほむら、シーバを眠らせてあげて!』
ほむら『……アヤ』
アヤ『ええ。さあ、あなたの相手はこっちよ!』
ケルベロス[グオオオオオオオ!!]
パンッ! パンッ!!
ケルベロス[グオオオオ!!]
ガチンッ!!
ほむら『っ…!』
アヤ『ほむら!』
ほむら『平気よ。牙が少し掠っただけ』
アヤ『やっぱり、ハンドガンじゃ軽すぎる……!』
ほむら『私に合わせてさっきの電撃を撃って。アレが合わされば確実に倒せる』
アヤ『わかったわ』
―……バチッ!
ほむら『今よ』バッ!
アヤ『ええ!』バッ!
ケルベロス[グオオオオオオオオオ!!] キィィ……バジュゥウウ!!
ほむら(なっ、レーザービーム!? しかもEveよりも大きい!!)
バシュゥウウウウ!!
ほむら「うあああああああああああああ!!」
アヤ『ほむら!』
ほむら「ぐぁ……アヤー!」バッ!
アヤ『!!』バッ!
―ドシュウ!!
ケルベロス[グオオオオオオオオオオオオ!!!]
ドシャアア! グチャ…ドロッ……
アヤ『ほむら!!』
ほむら(熱い……身体が…焼ける……!)
アヤ『しっかりして!ほむら!』
ほむら(まど…か……)
63 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/10/26(金) 00:09:07.11 ID:XLdyJBr50
ここまで。未だにゴキブリが倒せません
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/26(金) 01:19:51.31 ID:9G9vW+4P0
乙
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/26(金) 10:10:10.66 ID:pUZQELe10
ほむらちゃんどうなってまうん?
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/10/26(金) 21:08:22.96 ID:KEVapDLdo
乙乙!
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/27(土) 13:27:37.42 ID:T/hmqwfT0
サイキックって色々あって便利よね〜
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/10/27(土) 16:35:29.60 ID:o2Sd9gcao
電撃ショットはエナジーショット相当かな?
アヤとほむらのダブル リバレートとかやって欲しい。
69 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/11/02(金) 20:46:09.21 ID:zyDXWLU80
―ドクン
ほむら(ここは……病院の……手術室…?)
―ドクン
ほむら(前に見たのと違う……でも、私はここを知っている……)
―ドクン
ほむら(あの人は……)
検死室
ほむら「……んっ」
アヤ『ほむら!』
ダニエル『意識が戻ったか!』
ほむら『アヤ……ダニエルさん……』
アヤ『良かった……本当に良かった』ギュゥウ
ほむら『アヤ…苦しいわ……』
アヤ『ご、ごめんなさい』
前田『ほむらさん、貴女は身体の大半に大火傷を負い心臓も止まっていました。常人ならまず助からない状態でしたが、これもミトコンドリアの力でしょうか……僅か一時間
でここまで回復するとは……』
ダニエル『なんにせよ、死ななくて良かったぜ』
ほむら『……署はどうなったの?』
アヤ『殆どの同僚が死んだわ……武器管理部のトーレス主任も……』
ほむら『………』
ダニエル『しかし、Eveはなぜここを襲ったんだ?』
アヤ『私たちを始末するため……?』
ほむら『本当にそうかしら。私達が目障りなら、わざわざ動物を操るなんて回りくどい事をしなくても発火させれば簡単に済む筈よ』
アヤ『確かに…Eveの気配は私達が署に入ってすぐに消えたわ……』
ほむら『始末が目的じゃないとしたら、一体……』
前田『撹乱じゃないですかね?』
70 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/11/02(金) 20:48:52.88 ID:zyDXWLU80
ダニエル『撹乱?なんの為に』
前田『……この辺りで、人工授精をしている病院かなにかありますか?』
ダニエル『人工授精?』
前田『Eveの体はそれほどもたない筈です。今の体でいる限り、ミトコンドリアは寄生…パラサイトしているに過ぎない』
ほむら『まさか、日本の時のように完全体を誕生させる為に時間稼ぎを……』
前田『おそらくは』
ダニエル『よし。それさえ阻止すればEveは自滅するって訳だな。人工授精なら、確か聖フランシス病院に専門の医者がいたな』
アヤ『行ってみましょう、前田』
ほむら『待って、私も』
アヤ『ダメよ。貴女はここで休んでなさい』
ほむら『もう平気よ』
アヤ『私の言うことは絶対に聞くって約束でしょ?』
ほむら『うっ…』
アヤ『ダニエル、ほむらをお願いね』
ダニエル『俺も残るのか!?』
アヤ『部長代理が署を離れてどうするの』
ダニエル『チッ、仕方ねぇな……』
パトカー内
アヤ『どうしたの?大人しいわね』
前田『あ、い、いや……し、しかしあのダニエルさんがよく付いて来ませんでしたね』
アヤ『クランプ博士を洗うって言ってたわ。それに、ベンの傍にいてあげたいのよ』
前田『そうですね!』
アヤ『……前田』
前田『は、はい!』
アヤ『日本で生まれた…その完全体はどうなったの?』
前田『……死にました。父親である科学者と共に……』
アヤ『そんな怪物が、なぜ?』
前田『完全体の中で父から継承したミトコンドリアと、Eveから継承したミトコンドリアの間で反発が生じたらしいのです。科学者は、身体が崩壊しかけた完全体を抱きしめ……共に亡くなったそうです』
アヤ『………怪物でも、自分の子ってわけね……』
キキーッ ガチャ
アヤ『ここね』
前田『! アヤさん、あれを!』
仁美「うっ……」
アヤ『どうしたの!?しっかりして!』
前田『アヤさん!こっちにも少年が!』
仁美「さ……さやか、さん……ば…け……もの……」
アヤ(まさか……Eveに…!)
71 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/11/02(金) 20:50:35.47 ID:zyDXWLU80
〜数時間前〜 聖フランシス病院
まどか「仁美ちゃん……遅いね……」
恭介「ごめん…僕の退院が遅れたから……」
さやか「恭介のせいじゃないよ。せっかく治ったのに無理させるわけにいかないんだから」
ブロロロロッ! キキーッ!
仁美「お待たせしました!」
さやか「やっと来た!」
仁美「空港に着き次第、直ぐに日本に飛び立ちます。急ぎましょう」
―ザワッ!
まどか「!」
さやか「うそ……アイツ…あの時の……!」
Eve『………』
―ドクン
恭介「ぐぁ…ああああああああああああああ!!」
仁美「ぁあっ…あああああああああああああ!!」
Eve『燃えろ……』
さやか「恭介!仁美!」
まどか「いや…やめてぇえええええええええええ!!」
パァアア!
仁美「か、身体が……」
恭介「熱くない……?」
Eve『やはりな……目覚めてたのは、お前達二人も同じか』
まどか「え……?」
Eve『しかし今はあの小娘のようになられては困る』グワァ!
まどか「きゃあ!は、離して!」
さやか「まどか!!」
Eve『実に惜しいが、ここで死んでもらおう』
まどか「いや…助けて……ほむらちゃん……」
さやか「まどかを離せぇー!」
Eve『フン…』スッ
―ザシュッ!!
さやか「あっ…」ポタッ
仁美「ひっ…ああ……」
恭介「さやか!!」
まどか「さやかちゃん……いやぁあああ!!」
72 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/11/02(金) 20:55:28.35 ID:zyDXWLU80
ニューヨーク市警17分署 更衣室
シャァアアア
ほむら「ふぅ……」
キュッ
ほむら(携帯が壊れて連絡が取れない……まどか達、大丈夫かしら……)
分室
ダニエル『見かけないと思ったら着替えてたのか』
ほむら『キャシーさんが用意してくれたので、せっかくだからシャワーも一緒に。ダニエル……部長って呼んだほうがいいかしら?』
ダニエル『やめてくれ。あくまでベイカーが戻ってくるまでの代理なんだからそんな堅苦しいのはごめんだ』
ほむら『そうね』クスクス
プルルル!
ダニエル『こちらニューヨーク市警……なんだ前田か。 なに!?わかった、すぐに行く!』
ほむら『何かあったの?』
ダニエル『病院にEveがいたようだ。しかも、お前さんの友達が襲われたらしい!』
ほむら『なんですって!?』
ダニエル『すぐに病院に向かうぞ!』
ほむら(そんな……まどか…!)
聖フランシス病院 13F精子バンク
パラッ
アヤ(HAL型適合者リスト……ママとマヤ、メリッサの記録……そして、人工精子開発スタッフの一人であるハンス・クランプ……この全てが、Eveに繋がっている……)
パラッ
アヤ(このページ……他のに比べて新しいわ。それに日本語で書かれている……患者の名前は……)
パラッ
アヤ『トモエ……巴マミ…?』
73 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/11/02(金) 20:56:50.12 ID:zyDXWLU80
ここまで。悲しいけど、杏子ちゃん出せそうにない
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/02(金) 23:09:40.92 ID:rfY7AsUqo
乙。
ここに来てマミか、ほう。
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/03(土) 10:56:30.48 ID:M3/buZYr0
乙
まどっち達は結局無事では済まない訳ね
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/11/03(土) 21:52:44.70 ID:DGhOTbtjo
乙乙
77 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga ]:2012/11/17(土) 01:45:34.09 ID:oNautnPk0
病院入り口
キキィィー!!
ダニエル『着いたぜ!』
前田『ほむらさん!ダニエルさん!』
ほむら『まどかは……私の友人は!?』
前田『病院前で倒れていた二人はパトカーで休ませてます。ただ、アヤさんによればまどかさんとさやかさんはEveに連れた去られたかと……』
―ヒュゥゥォオオオ!!
ダニエル『な、なんだ!?』
ほむら『戦闘機……!?』
ダニエル『遂に軍まで動いたか!』
ほむら『まどか…!』ダッ!
ダニエル『待てほむら!』
前田『いけませんダニエルさん!それ以上近づくと発火してしまいます!』
ダニエル『くそ!』
13F精子バンク
アヤ(この診断書、翻訳文があるわね……)
パラッ
アヤ(2010年。トラックとの衝突事故で見滝原総合病院に搬送。一時間に及ぶ蘇生活動を行うも、腹部からの大量出血により失血死。腎臓バンクに登録していた彼女の心臓は見滝原総合病院にて心臓病を患っていた……)
パラッ
アヤ『嘘、これって……!』
―ドォン!!
78 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga ]:2012/11/17(土) 01:46:40.34 ID:oNautnPk0
13F 研究室
ほむら(今の揺れ……屋上からね。急がないとまどかが…)
ザッ
さやか「……」
ほむら「さやか!? 良かった…無事だったのね」
さやか「……」
ほむら「ここは危険よ。早く逃げ…」
―サガッテ!
ほむら「え?」
ピッ!
ほむら「……!」ブシュッ!
さやか「避けたか…」
ほむら「さやか…!?」
さやか「残念だがこの身体の主人格はもういない。私の名は……Eve」
メキメキメキ!!
ほむら「そん…な……」
さやかEve「我々の邪魔はさせない。暁美ほむら、貴様には死んでもらう」
屋上
―ズドォン!! ガラガラガラ!!
蜘蛛女[キィアアアァァァァァ………!]
アヤ『はぁ……はぁ……』
Eve『知恵を使ったな。床を崩すとは』
まどか『うっ……』
アヤ『その子を離しなさい!!』チャキ!
Eve『随分と進化したようだな。どうやら、お前もようやく私に近づいてきたようだ』
アヤ『……人工精子を使って、完全体を産むつもりね』
Eve『その通り。遠く東の国で起きた最初のミトコンドリアの反乱。だがその反乱は失敗に終わっている。私はその段階より更に進化している……失敗は繰り返さない。お前が覚醒し、私の行動を理解すれば計画はより完璧なものとなる……』
―ドクン
アヤ『……貴女は…まさか私の』
Eve『ようやく気付いたようだな』
―ヒュゥォオオ!!
Eve『人間とは愚かな生物だ。文明と進化を同一視している』
アヤ『やめて!』
79 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga ]:2012/11/17(土) 01:49:20.02 ID:oNautnPk0
13F 研究室
ドンッ!
ほむら「かはっ…!」
さやかEve「友の身体は傷つけられなのか? 優しいものだな」
ほむら「だま…れ…」
さやかEve「まあいい。その方がこちらも手間が省ける」ガッ!
ほむら「うぐ……っ!」ミシミシ
さやかEve「死ね」
ほむら「……!」カチャッ!
さやかEve「……撃つのか」
ほむら「……」
さやかEve「頭を狙え。今の段階ならそれで私を殺せる」
ほむら「なんで、そんな事を…」
さやかEve「どちらにせよお前は苦しむ。今ここで友を殺すか、友を助けられずに死ぬか」
ほむら「…!」
さやかEve「どうした。撃たないのか?」
ほむら「っ……」
さやかEve「時間をやろう。10数え終わった時、お前の首を握り潰す」
ほむら「……」
さやかEve「10」
さやか【アタシは美樹さやか。よろしくね暁美さん】
9
さやか【暁美さんもアタシの嫁にしてやろうかー!】
8…7
さやか【ほむらって呼んでいい? アタシもさやかでいいからさ】
6…5…4
さやか【ほむらー、まどかー。こっちこっちー!】
3……2
ほむら(私には……撃てない)
さやかEve「………一つ教えてやろう。あのまどかという娘は、我らが“娘”の子を産む為に生かしてある」
ほむら「!!」
さやかEve「ミトコンドリア繁栄の為、我らが子孫を産み続けてもらう」
ほむら「させない……そんなこと、絶対にさせない!!」
さやかEve「ではどうする。この身体を、お前の友を殺すか?お前にそれができるのか?」
ほむら「……」
さやかEve「1―!!」
パァン!!
80 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga sage]:2012/11/17(土) 01:50:53.68 ID:oNautnPk0
グレネード撃ったときの重量感ある音が好き
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/11/17(土) 02:06:18.23 ID:Y8qslpb8o
乙
さやかちゃん……
魔法少女システムのない時間軸だからマミさんは助からなかった代わりに
この時間軸のほむらに心臓を託したわけか
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/17(土) 11:45:04.02 ID:2lSNRhek0
Eveとかまどマギの怪物より魔女してるわ
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/11/17(土) 14:44:29.04 ID:fbihi09AO
乙
ってことは杏子はどうなってんのかなぁ
まぁ出ないっぽいけど……PE3は教会あったっけ
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/17(土) 16:51:18.98 ID:zRSedaFuo
乙です。
マミのミトコンドリアがもともと進化したタイプで、心臓移植でそれがほむらに受け継がれて、ってことかな。
となると、ほむらに時々アドバイスしていた謎の声(聞き覚えあり)は……。
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/11/19(月) 14:22:01.59 ID:UBFjGR1O0
それなら、ただ消えるよりは何倍も良いな
86 :
homura
[saga]:2012/12/01(土) 22:17:18.77 ID:L8IdptYZ0
屋上
Eve『解らぬか?自らの進化を文明によって妨げているという事が……』
アヤ『お願いやめて!もうこれ以上……!』
Eve『断ると言ったら……?』
アヤ『……』
Eve『お前とは、理解しあえなくて残念だった……』フワッ
―ヒュォオオオオ!!
アヤ(!! 戦闘機が…こっちに墜ちて……!)
まどか「さやか……ちゃん……」
13F 研究室
ドサッ!
ほむら「かはっ! けほっ!」
さやかEve「撃ったか……フフッ、いいぞ……」
ほむら「黙れ……」
さやかEve「私の役目は所詮は足止め……」
ほむら「うるさい…」
さやかEve「だが首を握りつぶそうとも、心臓を抉り出そうとも、我々の力さえあれば細胞の修復など容易いこと……肉体を殺したところで、意味などない……」
ほむら「うるさい!!」
さやかEve「貴様はこれから先、友を殺したことを永遠に悔いるがいい…それはいつしか我らが“娘”と対峙した時に、貴様の命を奪う傷になる筈だ」
ほむら「うるさい!!早くその子の中から消えろ!!」
さやかEve「フフ…フハハハハハ……!」ドロッ
―ドクン
87 :
◆9AuJCD5Ft6
[saga]:2012/12/01(土) 22:18:28.49 ID:L8IdptYZ0
病院沿い道路
アヤ『ふぅ……』
ダニエル『前田!こっちだ!』
前田『アヤさん!』
ダニエル『心配したぞ!屋上に戦闘機が突っ込んだ時にはどうなったかと……』
アヤ『ギリギリでゴンドラに乗り込んでどうにかなったわ』
前田『Eveの方はどうなりましたか?』
アヤ『間に合わなかった……Eveは既に人工精子を手に入れてた。まどかも連れ去られてしまったわ』
ダニエル『そうか……そういや、ほむらには会わなかったか?』
アヤ『ダニエル!まさかほむらを連れてきたの!?』
ダニエル『そ、そうだが…』
アヤ『あの子は病み上がりなのよ!』
ダニエル『だ、だってよ…』
アヤ『探しに行かないと!』
ほむら『その必要はないわ』
ニューヨーク市警17分署 部長室
ワーナー『以前、あの病院の医者が患者のリストを横流しして解雇されてるのがわかった。それと、博物館を深夜メリッサが訪れていたのが何回か目撃されている』
ダニエル『くそっ!あの野郎やっぱり絡んでいやがったか!全員分かれてNY内を捜索だ!Eveとクランプが交わるのは時間の問題だぞ!』
前田『急ぎましょう!完全体が誕生してからでは遅い!』
ダニエル『連絡が取れるようにトランシーバーを持ってきた。Eveらしき痕跡を見つけたら連絡しろよ』
ほむら『わかったわ』
アヤ『ほむら、貴女は』
ほむら『悪いけど、じっとしているつもりはないの』
バタン
前田『ほむらさん、なにかあったんでしょうか。何だか態度が冷たいような……』
アヤ『ほむら……』
88 :
◆ZbV3TMNKJw
[saga sage]:2012/12/01(土) 22:19:58.18 ID:L8IdptYZ0
名前欄の記入ミスった……次からこれで書きます。後短くてすいません
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/02(日) 09:54:41.18 ID:rDD5J73u0
さやかちゃんは結局乙るのでした。っと
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/04(火) 15:58:48.26 ID:YdpSDVcL0
ほむらちゃん……
91 :
◆ZbV3TMNKJw
[saga]:2012/12/05(水) 20:49:12.19 ID:ZLKfjvCh0
チャイナタウン
前田『アヤさん、ここです』
アヤ『これは…』
前田『何かの腐った肉のように見えますが……』
アヤ『降りてみるわ。ダニエルとほむらにも連絡して』
前田『わかりました……あの、アヤさん』
アヤ『どうしたの?』
前田『あくまで私の推測なんですが……もしかしたら、ほむらさんは友人を手にかけてしまったのかもしれません』
アヤ『どういうこと……!?』
前田『病院で彼女の友人を助けた時、うなされながら“化物”と口にしたのを覚えていますか?』
アヤ『……まさか』
前田『行方不明の美樹さやかさん。もしかしたら、Eveとの接触で彼女のミトコンドリアが目覚め、病院内でほむらさんと対峙したとしたら……』
アヤ『………』
前田『す、すいません……これはあくまで私の推測ですので……』
アヤ『……とにかく、下水道の中を捜索してくるわ』
第三埠頭倉庫
ほむら(……Eveの存在を感じない……ここにいないようね)
前田《みなさん。聞こえますか? Eveがいた痕跡を見つけました。場所はチャイナタウンの下水道。先にアヤさんが調査に向かっています》
ほむら《わかりました。私もすぐにそっちに向かいます》
ダニエル《待てほむら》
ほむら『何ですか?』
ダニエル《お前の友人たちが目を覚ました。お前は一度署に戻って》
ほむら《そのまま彼女たちを空港までお願いします。一刻も早く日本に帰らせてください》
ガシャァン!!
ほむら『では、敵が出たので切ります』
ダニエル《お、おい》
プツッ
蟹[ゴボボボボ!!]ブクブクブク!!
ほむら「……」スッ
カシャン ズドォン!!
92 :
◆ZbV3TMNKJw
[saga]:2012/12/05(水) 20:50:50.12 ID:ZLKfjvCh0
下水道 ポンプステーション
ドロドロドロ
アヤ(あのスライム……観客たち……こんな所で一体何を…?)
ガチャ
アヤ(この制御室でポンプを操作したら、貯水池の水ごと何とかできそうね)カチッ カチッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!! ザァアアアアアア!!
アヤ(よし。下水に押し出されたわ)
グニャァア……ガシャアアアン!!
アヤ(なっ……!)
ドロドロドロ
アヤ(やられた……トンネルを崩壊させて足止めするなんて……)
ガチャ
アヤ(この先は確か地下鉄に繋がってる筈……遠回りだけど、上から追いかけるしかないわね)
チャイナタウン
猫[フシャアアア!!]
前田「うわあああ!」
ズドォン!!
ほむら「大丈夫ですか?」
前田「た、助かりました……」
ほむら「今のNYで丸腰でいるのはどうかと思いますけど」
前田「一応銃は持ってるんですけどね……」
ブロロロッ……キキーッ
ダニエル『待たせたな前田。ほむらも一緒か』
前田「ちょうどいいです。ほむらさんも一緒に来て下さい」
ほむら「アヤはこの先にいるんじゃ……」
前田「アメリカ自然博物館です。クランプ博士について確認したいことがあるんです」
ブルックリン橋
アヤ『あの観客達が消えた方向にあるのは……博物館……!?』
93 :
◆ZbV3TMNKJw
[saga]:2012/12/05(水) 21:03:59.64 ID:ZLKfjvCh0
???
―ゴポッ
まどか(わ…た……し……)
―ゴポッ
?『いいのかEve。せっかくの出産所をこの娘の拘束に使って』
Eve『構わない。ヤツとあの娘が来るまでまだ時間はある。それまでに、コイツには“娘”の子を産めるようになってもらわないと』
?『しかし、あの二人を相手にあれらがどこまで時間を稼げるか』
Eve『お前には感謝しているが、余計な口出しは無用だ』
?『……そうか』
Eve『ああ、愛しき我が“娘”……ミトコンドリアの悲願はお前に掛かっているのだ……早くその姿を、私に夢をみさせてくれ』
?『………』
まどか(助けて……ほむら…ちゃん……)
94 :
◆ZbV3TMNKJw
[saga sage]:2012/12/05(水) 21:05:11.02 ID:ZLKfjvCh0
ここまでー時間内から小出ししかできないごめんなさい
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/12/07(金) 15:21:27.63 ID:htlQSRvr0
誰なんでそねー
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