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メイド「好きなんです、こういうの」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 21:54:07.42 ID:bbasHlsG0


メイド「紅茶です」コトッ

王様「うむ」

王様「……良い香りと後味だ、メイドが入れたのか」

メイド「はい、趣味でよく紅茶の味を研究してまして」

王様「ほう…珍しい趣味だな」

メイド「好きなんです、こういうの」ニコッ



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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 21:59:56.23 ID:bbasHlsG0


メイド2「きゃあっ!」ガシャーン

メイド「大丈夫?」

メイド2「先輩…どうしましょう、これ確か高価なんじゃ……」

メイド「任せて?」スッ

< カチャカチャカチャカチャ……

メイド「…これでいいかしら」

メイド2「凄いけどこれっていつかまた粉々になりますよね…」


メイド「でもこういういたずらって楽しいじゃないですか」クスッ

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 22:05:28.95 ID:bbasHlsG0


兵士「メイドさん!」

メイド「はい?」

兵士「また転んでズボン破れちゃいまして…てへへ」

メイド「ああ、少しじっとしててね」スッ

< しゅるっ……するっ

メイド「はい♪」ニコッ

兵士「わぁ……器用ですねメイドさん」


メイド「好きなんです、こういうの」クスッ

兵士(天使だぁー)ほわー
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:06:52.91 ID:eSpV4qgIO
インパクトが無い

だらだらほのぼの日常系?
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 22:11:10.67 ID:bbasHlsG0


メイド「夜分遅く失礼します、大臣様?」ガチャ


大臣「……Zzz」

メイド「…」

< バサァッ

< パサッ


メイド(おやすみなさい)ペコリ

メイド「!」チラッ

書き置き『いつもありがとうの、お主が来てから助かるわい』

メイド(……好きなんです、こういうの)フフッ

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:14:25.53 ID:eSpV4qgIO
無理矢理スレタイの台詞言わせてみましたって感じ?
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 22:16:00.84 ID:bbasHlsG0


< ガチャ

メイド「ふぅ、疲れた……」ばたっ

メイド(んふぅ、ベッドふかふかぁ…♪)


< ガバッ


メイド(でもお風呂入らないと)

メイド(……)うとうと

メイド(やっぱり寝ちゃお)ばたっ

メイド(おやすみなさぁい………)

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:18:00.14 ID:eSpV4qgIO
まさかキャラに萌えさせたいのかな?
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 22:22:43.29 ID:bbasHlsG0


< ドンドンドンドン!!

メイド「!?」ビクッ

< 「先輩! もう遅刻ですよぅ!」


メイド(し、しまった……)

メイド(・・・)

< ゴソッ

メイド「『キメラの翼』を使いますかね」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 22:30:25.57 ID:bbasHlsG0


< シュタァッ!

メイド「っとと、遅刻は免れるかな」


兵士「 」


メイド「……」

メイド「おはようございます」ニコッ

兵士「あ? は、はい」

メイド「今みたのはお気になさらず、空を飛ぶの好きなんです私」

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:40:16.67 ID:eSpV4qgIO
メイド可愛いwwwwww
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:40:43.96 ID:eSpV4qgIO
メイドさん超かっこいいww
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 22:41:33.24 ID:eSpV4qgIO
メイドさんに萌えるwwwwww
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:41:58.88 ID:eSpV4qgIO
乙!ほんわかした気持ちになれた!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:43:07.97 ID:eSpV4qgIO
はよ続きはよ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) :2012/11/12(月) 22:45:28.00 ID:JfPaEj4/o
これ普通に面白いだろ
何で叩かれてるのかわからない
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:47:50.12 ID:eSpV4qgIO
で?って気持ちになる作品だよね
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/11/12(月) 22:57:44.70 ID:+bJuJOWto
eSpV4qgIO
なんだこいつ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 22:58:06.29 ID:bbasHlsG0


< コンコンッ


メイド「おはようございます、姫様」ガチャ

姫「ふぁ……おはよーメイド」

メイド「具合は如何ですか」

姫「うん、今日は調子良いかな」

姫「着替えを早めに済ませたいな、今日晴れてるよね」

メイド「急がなくても彼はちゃんと待ってくれますよ」

姫「なら良いけど……」

メイド「それに、もう着替え終えてますよ」ニコッ

姫「! さすがメイド!」

メイド「好きなんです、姫様を着替えさせるの」

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:58:23.79 ID:eSpV4qgIO
知らないの?マジで!?
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:58:50.68 ID:eSpV4qgIO
だってつまんないじゃんこれ!
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:59:22.89 ID:eSpV4qgIO
ありきたりすぎるし
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 22:59:49.91 ID:eSpV4qgIO
万能メイドとか使い古されたネタだしさー
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:00:15.45 ID:eSpV4qgIO
今ひとつ!なんだよね
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 23:02:54.53 ID:bbasHlsG0


勇者「おはよう、元気そうだな姫」

姫「まあね」

メイド「おはようございます、勇者さん?」

勇者「お、……その寝癖はまた寝坊か?」

メイド「あはは…好きなんですよ寝るの」

姫「たまに私とお昼寝するもんね」

メイド「しーっ」クスッ

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:04:20.74 ID:eSpV4qgIO
わからん、マジで微妙じゃん

荒らされて可哀想だから擁護レスがつくのはいつものことだけどさ、何処が面白いの?

まさか、真面目にキャラに萌えてるとかじゃないよなお前ら
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:07:04.28 ID:75RYtJZIO
こんなありきたりなキャラ、展開で良いの?安易に音符使って可愛さ表現するようなSSだよ?


28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:07:58.44 ID:75RYtJZIO
お前らこんなの読む暇あるならハヤテ読めって
この糞スレは僕に任せろ!
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:09:52.23 ID:75RYtJZIO
無理矢理スレタイ言わせたせいで不自然な箇所があるんだよなぁ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:10:20.63 ID:75RYtJZIO
変な縛り辞めよう!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:11:34.09 ID:75RYtJZIO
てか人少ないな

みんなようやく糞スレってわかったか!?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 23:13:16.62 ID:bbasHlsG0


< 「疲れた、おんぶして」

< 「はいはい」


メイド「……」

メイド(さてさて仕事仕事、メイドは恋愛するほど暇じゃないのですっと)スタスタ

メイド(確か今日は城に何人かお客様が訪ねて来るみたいですし)

メイド(他のメイド達も忙しい日になりそうですね)

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 23:14:38.81 ID:A6ymCBZto
基地外が居ると聞いて
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:15:02.24 ID:75RYtJZIO
この、わざとらしい女性口調も気持ち悪さに拍車を掛けるね!
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:15:27.37 ID:75RYtJZIO
人が増えたよ!やったね>>1ちゃん!
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 23:21:10.05 ID:d+T06j0IO
恐らくこのSSが終わった後には乙、楽しかった等の好意的なレスが5つは着くだろう

その時で構わないから、何処が面白かったか教えて欲しい。僕にはぜんっっぜん理解できないんだ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/12(月) 23:29:57.52 ID:bbasHlsG0

メイド「メイド3さん、客室とエントランスの掃除お願いします」

メイド3「客室もですか?」

メイド「今回は『メルキド』から男爵が二名いらっしゃるみたいですし、念の為」

メイド3「なるほど、分かりました」

メイド2「メイドさん、私達は植木の手入れでどうですか」

メイド「いいですねそうしましょう!」ウキウキ


メイド2「……なんかウキウキしてません?」

メイド「好きなんです、こういうの」ウキウキ

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/12(月) 23:40:34.79 ID:bbasHlsG0


メイド「一仕事の後は紅茶ですねー」ニコニコ

メイド2「美味しい紅茶ですねこれ、誰が入れたんですか」

メイド「ふふ、私です」

メイド2「へぇー、メイド先輩って何でも出来ちゃうんですね!」

メイド「そんなこと無いですよ? 私より何でも出来ちゃう人はいますから」

メイド2「えっ」


< 「勇者、少し喉が渇いたんだけど」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/12(月) 23:45:42.86 ID:bbasHlsG0


メイド2「……あ、勇者様と姫様です先輩」

メイド「噂をすればってやつかな、隠れよ?」ススッ

メイド2「ぇ、ぇぇ…」

メイド「こういうの好きなんですっ」クスクスッ


< スタスタ

勇者「ん、じゃあ少し待っててくれ」

姫「待つから美味しいのお願い」

勇者「はいはい」シュバァッ

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/12(月) 23:54:23.53 ID:bbasHlsG0

勇者「はい、爽やか風味のオレンジジュース」コトッ

姫「ふぅん、どこが爽やかなの」

勇者「飲めば分かる」

姫「……」ごくっごくっ

姫「…まあまあ美味しいかな、でもおかわりある?」

勇者「はいはい」スッ


< 「・・・」


41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 00:04:02.70 ID:BR5DfEXm0


メイド2「な、なな……なんです、今の」

メイド「初めて見た? 勇者さんのアレ」

メイド2「まともに見れたのって残像ばかりで何が何やら……」

メイド「勇者さんは『ロトの勇者』の末裔だからね、更には姫様の無理難題を完璧にこなすあの技術」


メイド「私にもあのくらい出来たらな、って思っちゃうんだよね」

メイド2「……」

メイド「あ、他のメイド達のお手伝いにそろそろ戻りましょうか」ニコッ

メイド2「っ…はい!」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/13(火) 00:05:11.32 ID:BR5DfEXm0

今日はここで
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/13(火) 00:08:48.35 ID:aX1ifee6o
なんか基地外に取り憑かれちゃったね
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/13(火) 00:11:20.67 ID:mK/pX+CIO
何処が面白かったか教えて欲しいのおおおおおおおおお
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/13(火) 00:17:50.73 ID:mK/pX+CIO
>>40
>勇者「はい、爽やか風味のオレンジジュース」コトッ

正直ここだけは面白かった
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/13(火) 00:24:30.60 ID:aX1ifee6o
なんでわざわざ面白く無いって言い続けなければいけないのか教えて欲しいのおおおおお

はい論破^^
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/13(火) 00:32:17.01 ID:mK/pX+CIO
よくわからん煽りが来たんだけどどうしたらいいの?
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 00:48:45.54 ID:rN392KJIO
乙。頑張って
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/11/13(火) 02:47:46.29 ID:jU+PIl0t0
あれのメイドさん視点かな?
期待してます
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 03:19:59.12 ID:i3AffLMt0
球磨川さん見たいな口調だな
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 04:04:22.02 ID:LksvqUNK0
また末尾IOが荒らしてんのかよ

>>1は気にせず頑張れ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/13(火) 06:34:22.07 ID:n2zpte7IO
勇者「はい、爽やか風味のオレンジジュース」コトッ
ここ以外見所無いじゃん。何このネーミングセンスは!しかも描写足りないから何してるかわかんないし
まぁそれは全体的に言えることだけど
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/13(火) 06:36:18.18 ID:n2zpte7IO
みんな応援してあげるのはいいことだけど、何処が面白かったか書いてあげなよ

正直、同情や憐れみからくるレスしかないように思える。
一部僕のファンが居たり?
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/13(火) 07:50:58.33 ID:EGMGqiHHo
早朝から書き込んでくれるとあぼーんが捗る
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:20:55.99 ID:BR5DfEXm0

< 謁見の間 >


王様「……今、なんと?」

男爵「我々『メルキド』の街はラダトーム城に配置するゴーレムを作らない」

男爵「そう言ったのですよ」


大臣「ぶ、無礼な! このアレフガルドを治める王様に対して、なんという…!」

男爵B「我々は何も失礼なことは言っていない、ゴーレム精製は秘法中の秘法なんですから」


王様「……メルキドの男爵よ、今一度この国の為に考え直してはくれまいか」

男爵「なぜ?」

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:24:22.53 ID:BR5DfEXm0


王様「今のラダトームにはメルキド程のモンスター対策は無い」

王様「あると言えば、この城で最強の『勇者』がいることぐらいのもの……」

男爵「勇者? あの、『ロト』ですか」

王様「うむ」


男爵B「……」チラッ

男爵「……」コクン

57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:28:32.62 ID:BR5DfEXm0



男爵「分かりました、辺境伯様にそのようにお伝えした上で再度検討を」

王様「おぉ、有り難い!」

男爵B「次に来る際は、ゴーレム精製の責任者である導師様と辺境伯爵様と共に来ますので」

男爵「……それではこれにて」スタスタ

王様「済まないな、大臣、送ってやれ」

大臣「は、男爵殿をご案内致しましょう」




男爵(…ロトの勇者、か)

58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:30:14.63 ID:BR5DfEXm0

メイド「うーん……」

メイド2「どうかしましたか先輩」

メイド「今度姫様がお誕生日を迎えるので、ケーキのデザインをしてるんです」

メイド3「ケーキのデザインですかぁ……やっぱり可愛いのが良いですよね」

メイド2「でも姫様はどこかさばさばしてますし、シンプルで良いのかも?」


メイド「ウェディングケーキにします」キッパリ


メイド2「……」

メイド3「……」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:33:14.06 ID:BR5DfEXm0


メイド2「な、なんでウェディングケーキ!?」

メイド3「可愛いくてシンプル……ある意味条件は満たしてるけど」

メイド「違う違う、ちょっとやりたくて」

メイド2「何をですか?」


メイド「好きなのかなって、姫様と勇者さん」

メイド「あなた達が城に来る前から見てきたけど、どうもぱっとしないのよね」


メイド2「……つまり、反応が見たいと」

メイド「はい♪ 好きなんです、こういうの」ニコッ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:35:39.12 ID:BR5DfEXm0


< 一方その頃…… >


勇者「くしゅんっ」

姫「はくしゅんっ」


勇者「…同時だったな」

姫「私達をまとめて噂する人なんているのかしら」

勇者「さ、さぁ?」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:36:36.01 ID:BR5DfEXm0


メイド「兵士さんおはようございます」ザッザッ

兵士「おはようメイドさん、掃除?」

メイド「はい、そろそろ掃いた方が良いかなって」ザッザッ

兵士「手伝うよ、箒で掃く位なら出来るし」

メイド「あ、大丈夫ですよ! 兵士さんはそのまま巡回を続けて下さい」ニコッ

兵士「そ、そう? 巡回終わったらまた来るよ」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:41:20.76 ID:BR5DfEXm0


メイド(危ない危ない……この間割った花瓶がやっぱり崩れたから埋めて証拠隠滅してたんだけど)

メイド(なんとか大丈夫みたいね、ふぅ)ホッ

兵長「・・・」

メイド「……あ」

兵長「メイド」

メイド「好きなんです、こういうの♪」


兵長「何が好きなんだ?! ごまかしても無駄だ馬鹿野郎!」

メイド「駄目でしたか」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 20:51:16.21 ID:BR5DfEXm0


兵長「ったく、あの花瓶は模造品だから高価なんかじゃないと言うのに」

メイド「ふーん、それを早く言って下されば証拠隠滅なんてしないで済みましたよ」

兵長「……どうも俺が相手だといつもの可愛い面が消えるな」

メイド「何故でしょうね?」

兵長「さぁな、知りたくもない」

メイド「なんでですか」

兵長「?」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 21:30:30.55 ID:BR5DfEXm0


メイド(……やれやれ)スタスタ

メイド(どうしても『軍人』という人間を見ると突っかかってしまいますね)

メイド「……」スタスタ


勇者「うっす」

姫「メイド! 今暇かな?」


メイド「勇者さん……の上にいる姫様こんにちは」アハハ

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/13(火) 21:46:43.11 ID:BR5DfEXm0


姫「……Zzz」すぅ


勇者「可愛い寝顔だな」

メイド「つ、疲れました…勇者さんはいつも姫様の相手を?」

勇者「まぁそうだな」

メイド「へぇ……」

メイド(聞いてみようか、どうしましょうかね)

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2012/11/14(水) 00:19:39.36 ID:lLYpzeobo
番外編か
楽しみにしてる

前のは大変面白かった
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:13:50.81 ID:6Uj1L8aR0


勇者「メイドはもうすぐ城に来てから2、3年くらいだっけ」

メイド「えっ? そうですっけ」

勇者「そうだよ、ちょうど姫の誕生日ちょっと前とか」

メイド「あー……そうでしたね」

勇者「メイドも姫の誕生日に一緒に祝わないか?」

メイド「私も?」

勇者「ああ、好きだろこういうの」


メイド「……」

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:15:17.04 ID:6Uj1L8aR0


メイド「いえ、私は遠慮しておきます」ニコッ

勇者「好きじゃなかったか」

メイド「好きですよ、でも姫様の誕生日を祝うならキチンと今まで通り祝うべきです」

メイド「私みたいな他人も祝われてしまったら、姫様がっかりしちゃいますよ?」


勇者「はは、かもな……それでも訂正はさせて貰うぞ」

メイド「?」

勇者「姫にとってはメイドも大切な『友達』なんだ、数少ない心を許せる相手だ」

メイド「……」

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:16:09.09 ID:6Uj1L8aR0


勇者「だから他人じゃない、分かったか」

メイド「……くすっ」

勇者「なんだよ」

メイド「いいえ? 何でもないです」ニコッ


メイド(近いうちにでも、一緒に紅茶を飲みたいな……と自然に考えてしまった自分がおかしくて)


勇者「?」

メイド「何でもないです」クスクス

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:17:16.45 ID:6Uj1L8aR0


メイド2「先輩先輩!」

メイド「どうかしましたか?」

メイド2「最近、城下町で流行ってるぬいぐるみをゲットしたんです!」

メイド「大臣か兵長さんに見つからないようにして下さいね」

メイド2「はい! 先輩もほら、むぎゅーってして良いですよぅ♪」サッ


メイド「…」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:19:35.35 ID:6Uj1L8aR0


< 「みぎゃあああああああ!!?」


メイド2「ひぃい!?」ビクッ

メイド「こ、こっちに近づけないで……お願いお願いやめて……」ぶるぶる

メイド2「せ…先輩? これはぬいぐるみですよ?」

メイド「『スライム』のじゃないですかぁ!!」

メイド2「……え」


メイド「私、スライムが大の苦手なんですよぉ!!」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:20:30.52 ID:6Uj1L8aR0


メイド2「いやー意外ですねぇ、メイド先輩がスライム苦手なんて……」

メイド「……駄目なんです、こういうの」

メイド2「何か嫌な思い出でも?」

メイド「・・・」


メイド「お水を貯めておく樽って……あるじゃないですか」

メイド2「え? ぁあ、ありますね」

メイド「天気が良いと……綺麗な鏡みたいになりますよね……」

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:21:20.81 ID:6Uj1L8aR0


メイド2「はぁ…まあ、なるかもしれないですね」

メイド「………」

メイド「喉が渇いた時は…お水を飲みますよね」

メイド「……お水を貯めておいた樽とかの、お水を……」

メイド2「・・・」ぞわっ

メイド「あの日も……綺麗な空をお水は写してたんです」


メイド「そう思ったのに、空色のお水は……お水じゃありませんでした」


メイド2「聞いた私が悪かったです! 続きは言わなくて結構ですからぁ!!」ギャアアッ

74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:22:25.03 ID:6Uj1L8aR0


兵士「はわぁ……メイドさん可愛いですよねー……」

兵士2「分かる分かる、あの清楚な感じというかな」

兵士3「良い家の生まれかぁ、恋愛とかしたこと無いんだろーなー」

兵士2「メイド2って新しい子も元気があって可愛いよな」

兵士「この間、見張り塔の兵士Bがフラれてたけどな」

兵士2「マジかよ……」


兵長「何の話しをしてる馬鹿野郎共…?」

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:24:31.27 ID:6Uj1L8aR0


兵長「ラダトームで誰が一番可愛いだと?」

兵士「男子たる者としては間違ってない疑問だと思います!」

兵長「一番は姫様だろうが」

兵士3「兵長……姫様は枠に納めてはいけないとは思いませんか」

兵長「お前は何を言っている?」

兵士2「で、兵長は姫様以外だと誰が一番だとお考えですか!?」


兵長「メイドの一択だろう」


兵士「 」

兵士2「 」

兵士3(兵長アンタ……奥さんいるのに…)

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:26:07.40 ID:6Uj1L8aR0


メイド「??♪」フキフキ

< 「凄い……ピカピカね」

メイド「?」チラッ


姫「やっほー、メイド」

メイド「姫様? 勇者さんはどこに……」

姫「勇者を少し凝らしめる為にかくれんぼ中なの」

メイド「……好きですよ、そういうの」ニコッ

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:43:41.11 ID:6Uj1L8aR0


勇者「あー、メイド……姫を見なかったか」

メイド「姫様ですか? 見てないですよぉ」ニコッ

勇者「……そうか」


勇者「いやー、姫に悪い事しちゃってさぁ? 咳き込んだ時にさすってたらつい……」

< ガバッ!

姫「な、何を言うつもりなのよばかぁぁ!!」

勇者「やっぱりメイドのスカートの中に隠れてたのか」

メイド(見破られた!?)ビクッ

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 21:53:28.24 ID:6Uj1L8aR0


メイド「……」スタスタ

勇者「おっ」

メイド「勇者さん、姫様は?」

勇者「こんな夜中だぞ、もう寝かした」

メイド「ふふ、子供みたい」

勇者「メイドは今から帰るのか」

メイド「夜勤のメイド達に差し入れのクッキーを渡してからね」ニコッ


79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 22:03:01.58 ID:6Uj1L8aR0


勇者「クッキーか、いつも焼いてから?」スタスタ

メイド「はい、たまにブドウなんかを入れたりして工夫したのをあげると喜んでくれるんです」

勇者「そっか」

メイド「好きなんです、こういうの」クスッ


勇者「……」スタスタ

勇者「家まで送って行くよ、メイド」

メイド「良いんですか? ありがとうございます!」ニコッ

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 22:33:40.46 ID:6Uj1L8aR0


< スタスタ・・・


メイド「ありがとう勇者さん、ここでいいです」

勇者「ここか」

メイド「どうして急に送ってくれたりなんか?」

勇者「んー、なんとなく」

メイド「……そうですか」くすっ

勇者「じゃ、おやすみメイド」

メイド「はい♪ おやすみなさい勇者さん」スタスタ


81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 22:55:03.93 ID:6Uj1L8aR0



―――――― ドサッ



メイド(……シャワーも浴びた)

メイド(明日やることも確認した)

メイド(・・・)もぞもぞ


メイド(おやすみなさい……)すぅ



――――――――――――

―――――――――

――――――

―――

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/14(水) 23:01:58.74 ID:6Uj1L8aR0



―――――― 寒い。


―――――― 寒くて、何も見えない。

―――――― ・・・それが、この『ロンダルキア』の冬だった。


「お父さん……お母さん……」


「寒いよ……寒いよ……」


―――――― もはやこの世には存在しない両親の名前を呼ぶしかない、絶望。

―――――― 幼い日に『私』が体験した初めての恐怖と絶望の全てがほんの数分間の吹雪に込められていた。

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/15(木) 01:36:48.78 ID:4Cqn5cWM0


―――――― 暖かい所に、行きたかった。


―――――― 誰でも良いから抱き締めて欲しかった。


「『ムーンブルク』……?」

「その通り、ここは魔法を研究している国なんだよ」

「あなたはだれ…?」


―――――― だから『私』は嬉しくて堪らなかった。

―――――― あの吹雪の悪夢から解放されたのと同時に、大切な人ができたから。


―――――― そして、辛い恐怖や絶望に立ち向かえるだけの『力』も得られたから。


84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/15(木) 01:37:23.75 ID:4Cqn5cWM0
おやすみなさい
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 18:59:49.36 ID:sKocZzvP0


―――――― ・・・もぞっ



メイド「・・・」

ぶるるっ

メイド(寒い……どうして?)

メイド(………)むくっ


< ザァアアア・・・


メイド「…雨か」

メイド「よかった」ニコッ

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:00:32.77 ID:sKocZzvP0


メイド2「おはようございます先輩!」

メイド「おはよう、今日は各客室の浴場を清掃していきますよ」

メイド3「うひゃぁ……大変ですね」

メイド2「他のメイド達を含めてやっても午後までかかっちゃいそうです……」

メイド「大丈夫ですよ、楽しんでやれば苦にはなりません」

メイド2「かっこいいなー、そう普通に言えるって」


メイド「みんなで掃除するのって好きなんです」クスッ

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:01:17.09 ID:sKocZzvP0


メイド2「??」ゴシゴシ

メイド3「?っ!」ズルッ


メイド(うーん? ここのカビが凄い、この客室を使った人って頻繁にシャワーを使ってたのかしら)

< バシュンッ!! ブシャァァアアア


「きゃぁああああっ!?」


メイド「!?」

メイド2「隣の客室です!」

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:02:09.28 ID:sKocZzvP0


メイド4「うぅぅ……メイドさーん」ビチャァ

メイド「メイド4ちゃん…これ、何があったの」

メイド4「水道管が破裂したみたいですぅぅ」

メイド2「あーぁ、配管工呼ばなきゃ」


勇者「今の音なんだ?」ひょこっ

姫「……」ちょこん

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:02:53.45 ID:sKocZzvP0


メイド「おはようございます勇者さん」ニコッ

勇者「お、おう……大丈夫かこれ」

メイド「駄目ですね、直接溶接してしまうか新しいのに取り替えないと」

勇者「大変だな」

メイド「姫様、勇者さんを少しお借りしますね」

姫「いいわよ、ね? 勇者」


勇者「……はいはい」

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:03:44.02 ID:sKocZzvP0


メイド「『メラ』」ボゥッ

勇者「そいっ」カーンッ


< 「メイド先輩、魔法使えたんですねぇ!」

< 「かっこいい……」


姫「メイドに怪我させないようにね」

勇者「はいはいっと」カーンッ

メイド「『メラ』……一応私、ホイミも使えるので大丈夫ですよ」ニコッ

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:04:57.22 ID:sKocZzvP0


メイド「修理完了、ありがとうございました勇者さん」

勇者「いやどうせ暇だったしいいよ」

姫「……暇?」

勇者「泣くな泣くな、後で好きなデザート作ってやるから」

姫「泣いてないわよばーか!」


メイド「……くすっ」

メイド2「何がおかしいんです?」

メイド「うん、好きなの」


メイド(姫様の幸せそうな顔が、ね)クスッ

メイド2(め、メイド先輩……レズっこだったんですか!?)

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:05:44.29 ID:sKocZzvP0


メイド「んーっ、みんなお疲れ様」

メイド3「今日はもう大した仕事は残ってませんよねー!」

メイド「うん、今日はみんなそれぞれ自由行動で良いわよ」

メイド4「お疲れ様でした!」


メイド「……」ふぅ

メイド2「先輩、一緒に談話室でお茶しませんか?」

メイド「私はしばらくここにいるわ」

メイド2「?」

メイド「…好きなんです、満月を見るの」ニコッ

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:07:21.27 ID:sKocZzvP0


メイド(・・・)

メイド(あと三時間もしたら月が夜空に昇るかな)

メイド(夜が更けていけばいくほど、満月は美しさを増す……)

メイド(・・・)


メイド(裏門の鍵を開けておかなきゃね、『お客様』が来るんだから)


メイド(……本当に、久しぶりの満月の集まりね)

94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 19:08:08.15 ID:sKocZzvP0



< 深夜・ラダトーム最上バルコニー >



メイド「………」

< 「お久しぶりです、メイド様」

メイド「……来たのは四人だけ?」

< 「如何にも」

< 「本日は貴女様に伝える事があっただけですゆえ」


メイド「何かしら」

槍兵「『団長』が遂に動くおつもりのようでして」

メイド「……まさか」

槍兵B「はい、『ラダトーム王女』を連れて来い……との事」

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/11/16(金) 19:09:21.77 ID:sKocZzvP0
また後で来る
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 20:18:14.08 ID:sKocZzvP0


メイド「何故今さら? 数年間も放置していたのに?」

槍兵「いいえ違います、この数年間は貴女様から送られていた『報告書』を基に分析していたに過ぎません」

槍兵「そしてその反対では『団長』様が例の物について研究をし続けていた……」

メイド「・・・っ」


槍兵「期は熟したのですよ、『副団長』…今こそ我々ムーンブルクが世界を変えるのです!」


メイド「……」

メイド(……………)


97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/16(金) 20:28:37.99 ID:sKocZzvP0


< 「・・・を、ください」


槍兵B「は?」

メイド「時間を下さい、ラダトーム王女にはあの勇者がいるのは知っているでしょ?」

メイド「今から3日で勇者を王女から遠ざけるようにします、その時間を下さい」

槍兵B「・・・」チラッ

槍兵C「……」コクン

槍兵(構わない、『団長』様からも副団長様の命令には従うよう言われている)コクン


槍兵B「分かりました、では3日後我々は再び訪れますので……」

メイド「えぇ……」

98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/17(土) 09:36:19.03 ID:Xbqy3sXMo
超展開の予感
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:40:23.98 ID:sHvO5ujX0


< 夜勤用メイド室 >


メイド(……)フラフラ

メイド(私の役目も、いよいよ終わりでしょうかね)

メイド(三日後に私は勇者さんを騙して姫様から遠ざけ、そして姫様をつれて国へ帰る)




メイド(……それで、それで、全部おわり…)ずるっ


100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:41:56.68 ID:sHvO5ujX0



――― トサッ


メイド「あーぁ……」

メイド「好きだったのに、ここでの生活……」


――――――

――――

―――

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:43:48.59 ID:sHvO5ujX0


――――― 古くから強力な魔物が蠢き、冬になれば極寒の吹雪に閉ざされる。


――――― ・・・それが『私』の生まれた村が位置する地、『ロンダルキア』だった。



『大丈夫かい、怖い思いをしたねぇ』

『君があの洞窟を抜けた子供か、本当なのか?』


「………」



――――― 幼い『私』はどうやったのか、そのロンダルキアから脱していた。


――――― 微かに覚えていたのは極寒のロンダルキアに対する恐怖のみ。


――――― そして、『私』を背負った一人の少年だけだった。


102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:45:04.44 ID:sHvO5ujX0



――――― 『私』の両親は覚えている限りでは物心つく前からいない。


――――― ロンダルキアに生息するモンスターを考えれば、間違いなく両親は死んでいたのだろう。


――――― 故に、まるで思い出の無い……幼い『私』にとっては『ムーンブルク』に辿り着いてから地獄だった。



「……さむいよ」

「……っ…!」ブルブル


「やだ……やだ………」ブルブル



――――― 毎晩のように見る氷雪に閉ざされた夢……。


――――― 夢から覚めても拭えない、粘りつく雪の感触……。


103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:47:17.60 ID:sHvO5ujX0



「………」



――――― 伸ばした手は誰にも触れられず、『私』は氷雪の夢に飲まれていくしかない。



――――― そう思っていたのに……それしかないと諦めていたのに……



『大丈夫? 寒いなら僕の毛布あげる』

「…!」



――――― 彼は、『私』を雪から掘り出してくれた。


――――― ……その時を含めて、二度も。


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:51:18.18 ID:sHvO5ujX0



少年『もう大丈夫だよ、寒かったねぇ』

少年『僕の事おぼえてるかな、君をロンダルキアで見つけたんだけど』

少年『あはは、今日まで来れなくてごめんね? 僕もロンダルキアの洞窟を往復した時に瀕死だったんだ』


少年『……くしゅんっ、今日は寒いねぇ』

少年『え、入れてくれるの? ……ありがとー』ニコッ




――――― 彼はいつも笑顔で、温かかった。


――――― いつも彼は得意の紅茶を入れてくれて、暇さえあれば一緒にいてくれた。


――――― ・・・まるで女の子や、侍女(メイド)みたいな趣味や特技までよく見せてくれた。


――――― 多分、ベタな記憶喪失に『私 』がなってる事がない限りは……


105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:52:30.39 ID:sHvO5ujX0









―――――― 彼が、最初に出来た家族だった。







106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:53:33.58 ID:sHvO5ujX0



メイド「……」ブルルッ

メイド(寒い……あれ、どうして…)

メイド(外は晴れてるのに)むくっ


勇者「おはよーさん」


メイド「!?」ビクッ

勇者「?」

107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:55:25.66 ID:sHvO5ujX0


メイド「ゆ、勇者さん……どうしてここに」

勇者「来てみたらメイドが寒そうにしてたんで、毛布持ってきた」

メイド「え? ……あっ」


メイド(ここ、メイド室じゃないですか…)

勇者「珍しいな、家に帰るの忘れてこんな所で寝るなんて」

メイド「あははっ」


メイド「ちょっと疲れちゃったみたいです、私」ニコッ

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 20:59:00.59 ID:sHvO5ujX0


メイド「くひゅんっ」

メイド2「風邪ですか、先輩……その毛布は?」

メイド「メイド室の床で寝ちゃったみたいで勇者さんがくれました……」

メイド2「大丈夫ですかー、お薬持ってきますよ」

メイド「平気よ、自分で調合したのがあるから」


メイド2「さっ……さすが先輩」

メイド「好きなんです、こういう…ぁくしゅん!」

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 21:17:44.22 ID:sHvO5ujX0


メイド「ほら姫様、早く着替えないと勇者さんが来ちゃいますよー」

姫「んぅー……別にいいもーん」むにゃむにゃ

メイド「ダメです、いくら勇者さんが姫様だけの教育係でも姫様は女の子ですよー」ヌギヌギ

姫「……勇者は男?」

メイド「ふふ、狼さんですよどちらかと言えば」クスッ


< 扉の外 >

勇者「……お前に何がわかる」ズーン


110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 21:26:13.52 ID:sHvO5ujX0


姫「おはよー勇者、お腹すいたから早く作ってよ」

勇者「主語が無いぞ」

姫「良いから早く作ってよ!」

勇者「はいはい」なでなで



メイド「……」

メイド(好き……なのにな、こういうの…)

メイド(……)

111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 21:41:40.29 ID:sHvO5ujX0


メイド2「あれ、今日の予定表に誰か休み入れた?」

メイド3「え?」

メイド4「メイド先輩が入れてます、具合が悪いとか何とか」

メイド3「せ、先輩が!?」

メイド4「どんな超人も体調崩すんですねー」


メイド2(後で塗る風邪薬してあげようかな)

112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/11/22(木) 21:52:47.42 ID:sHvO5ujX0


姫「♪」

勇者「?」


メイド(……)じー


姫「メイドもやる?」

メイド「はい?」

姫「ポーカー!」

メイド「えーと、あはは?」チラッ

勇者(たのむ)コクン


113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/22(火) 21:45:12.04 ID:5WsCpjx/0


メイド(・・・)



勇者「……?」

姫「……!」

勇者「・・・」ヤレヤレ



メイド(・・・楽しそう、だなぁ)

メイド(姫様も勇者さんも……)

114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/22(火) 22:08:35.09 ID:5WsCpjx/0


< 夕方 >


勇者「こんな時間まで悪かった、今日は姫の調子が良かったみたいだ」

メイド「みたいですね?」

勇者「メイドには何か礼をしないとな」

メイド「お礼なんて……好きなんです、こういうの」

勇者「そうか、なら尚更だよ」

メイド「?」


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