このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

俺「僕はイエスマン」まどか「氏ね」織莉子「氏ね」かずみ「氏ね」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:06:44.32 ID:fBfrmIoWo
【注意】
このスレは建てなおされたスレです。

魔法少女まどか☆マギカのSS
外伝あり
主人公が男
「俺」とは名ばかり。実際の俺じゃないから。マジで。

苦手な人は、マジゴメン

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1354288004
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

スイカバー @ 2025/06/16(月) 23:54:53.05 ID:7An/VCwoo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1750085692/

全レスゾーンゼロ @ 2025/06/16(月) 17:23:39.88 ID:/JulHR0so
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750062219/

バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749642779/

秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749484073/

【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/

ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749227436/

【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749139545/

貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749038181/

2 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:08:43.55 ID:fBfrmIoWo
まずは>>2をふみふみ
3 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:11:13.60 ID:fBfrmIoWo
おはようございます。冬の日のいい朝です。
こういう日には半袖で外出するに限ります。
なぜなら寒いから。

申し遅れました、私「俺」ともうします。
何故名前が「俺」かというと
両親が『俺って自分のことを呼ぶ子になったら困らない子になるから』そうしたそうです。
残念ながら自分で自分の名前を呼ぶことを避けて、一人称はもっぱら「私」か「僕」です。
4 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:11:41.36 ID:fBfrmIoWo
僕はいい子です。私が言うから間違いないのです。
そうでしょう?ほら、漂ういい子オーラ。
友達には困ったことありません。
休み時間は毎時間読書にふけっています。

ゴミや布が舞っている日が絶えませんが、読書をするにはうってつけです。
なぜなら

俺「ちーん!!!」

鼻をかむのに困りませんから。
ほら、泣ける話ってあるでしょう。そういうことです。

「ほーら俺、今日はどんなパンツ履いてきたの かなっ!!!」

バサア

女子「きゃあああああああああああ」

バリバリバリ

俺「どうしたの」

「無地パンかよつまんねーな」

俺「邪魔、あっちいって」

「なんだこいつ、なまいき」

ボカスカボカスカ

俺「きもちいマッサージだ」

僕のともだちです。僕に布をくれます。from僕のズボンですが。
僕は友達に困りません。
5 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:15:48.60 ID:fBfrmIoWo
こんな感じで、毎日愉快痛快な僕の人生。
今日も友達が僕を呼びます。人気者。

「よお、ゲーセン寄らね?」

俺「いいよ」

「お前の驕りな」

俺「いいよ」

「おい、カバン持てよ」

俺「いいよ」

5つほどカバンを持たされたので、今日は捨ててきました。
昨日はボットン便所の中身を汲み取るのに使ったら怒られてしまったので趣向を変えました。
川にぽいっと。川がかわいそう。座布団百まい。

多分彼らは気づいていません。これは友達だからこそ出来る悪ふざけというものですよ。
みなさんもよくやるでしょう?
6 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:16:18.61 ID:fBfrmIoWo
俺「ただいま」

母「お帰り。またパンツと半袖下校ですか俺さん」

俺「虐められてるんだ僕」

母「はいはい」

母には嘘をついてます。何故なら私は虐められてなんぞいませんから。
でも母はそんなコトお見通し。人気者の母は幸せです。
7 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 00:17:15.13 ID:fBfrmIoWo
私はイエスマンで通っています。
さっきも見たでしょう。私は信頼されています。
何から何まで、ハイとしかいいませんから。

先公「んじゃこの問題俺解け」

俺「はい」

先公「何だ出来るじゃないか」

俺「はい」

先公「出来ないじゃないか」

俺「はい」

先公「くそったれ、廊下に立て」

俺「はい」

そう言って僕は席に座ります。
返事はしますが実行したくないことはしません。
だからカバンも捨てるのです。いいでしょうやりたい放題。

先公「なめてんのかお前」

俺「はい」

先公「[ピーーー]よお前」

俺「はい」

僕の先生はフィーバー。じゃなくて。
僕の先生はとても面白い方です。

ツンデレでしょうか。
先生の拳が、僕の右頬から左側へ貫通しました。
8 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:18:07.07 ID:fBfrmIoWo
うっわざけんな
>>7はなし。ノーカン。

私はイエスマンで通っています。
さっきも見たでしょう。私は信頼されています。
何から何まで、ハイとしかいいませんから。

先公「んじゃこの問題俺解け」

俺「はい」

先公「何だ出来るじゃないか」

俺「はい」

先公「出来ないじゃないか」

俺「はい」

先公「くそったれ、廊下に立て」

俺「はい」

そう言って僕は席に座ります。
返事はしますが実行したくないことはしません。
だからカバンも捨てるのです。いいでしょうやりたい放題。

先公「なめてんのかお前」

俺「はい」

先公「死ねよお前」

俺「はい」

僕の先生はフィーバー。じゃなくて。
僕の先生はとても面白い方です。

ツンデレでしょうか。
先生の拳が、僕の右頬から左側へ貫通しました。
9 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:18:33.31 ID:fBfrmIoWo
何でも係こと保健係の僕に連れられて僕は保健室に向かいます。


保健室の先生「死ねよお前」

俺「はい」

保健室の先生「包帯無駄になっただろうが。氏ね」

俺「はい」

保健室の先生「終わったぞ死ね」

俺「ありがとうございます」

返事もお礼も忘れません。それがイエスマン。
体面繕ってしたくないことはしなくていい。
そうすればほら、こんなに人気者になれます。
人生の勝ち組ですね。
10 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:19:01.27 ID:fBfrmIoWo
今日も私は人から感謝された。気持ちのいいことです。
無病息災、順風満帆。至極恐悦にござる。
今日も私は半袖パンツで下校します
ブーメランパンツ穿いたら流石に脱がされた時にしかめっ面をされてしまいました。

「いや…さすがにこれはねーわお前。小島よしおじゃねーかよ。」

俺「そうかぁ、んじゃこれ封印するね」

「そうしてくれ。俺も俺もホモじゃないからな。」

俺「ははは、タカシはやっぱり面白いね。」

「だろ?あんま俺のギャグセン舐めんな?」

俺「んじゃまたゲーセンね」

「今日こそ来いよな流石に」

行きません。帰宅します。
途中で他の友だちに持つよう頼まれたカバンを、野良犬に差し上げました。
一つを食い、一つを大便用トイレ、一つを小便用、そしてもうひとつは
おや、オナホ代わりにしたようです。
一つ余ってしまったようなので持ち帰ることにしました。
途中で民家に投げ込みましょう。
11 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:21:44.42 ID:fBfrmIoWo
俺「マンホールが開いてる」

工事中でしょう。カバンを投げ込もうとしましたが
作業中の方に命中して運悪く死んでしまったら洒落になりません。
だからやめました。僕はいい子ですからね。

俺「なんでだろう。すごく惹きこまれる。」

オナ禁二日目ですが、それはとてもとても魅力的な穴でした。
覗かないではいられません。そんな魅力を発していました。
カバンをそのへんの家に放り投げて、穴を覗きこむ私。
いやあ、いい穴だ。






と、その時。
12 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:22:23.09 ID:fBfrmIoWo
俺「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

なんてことだ!!!勢い余って穴に落ちてしまった!!!!!!
てえへんだてえへんだ!!!!かける高さわるに2で三角形の面積だ!!!!!!!
僕はくらーいくらい縦穴の中をどこまでもどこまでも堕ちていく!!
加速がましてきた!!壁に触ったら、指が吹き飛んじまいそうだ!!!

私は僕がしたことを心の底から後悔しました。
ああ、若気の至りとは言えよりにもよって穴に欲情して、その末落下死だなんて。

俺「短い人生だったなあ(棒読み)」

様式美です。僕は死ぬまでいい子なのです。
13 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:22:49.34 ID:fBfrmIoWo
ごめんなさい、神様。
僕があまりにいい子だから、嫉妬してしまったんですね。

ごめんなさい、先生。
僕のせいできっと貴方は一生自分を責めるでしょう。

ごめんなさい、母さん父さん。
ほんとに僕が虐められたと勘違いすることでしょう。

ごめんなさい、タカシ。
最後の最後でキミをホモにしてしまって。

ごめんなさい、妹。
プリンを食べたのは僕です。



穴の終わり、つまり底が見えてきました。明るいです。

……ん?明るい?どういうことだ?
14 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:23:34.61 ID:fBfrmIoWo
スポーンと音を立てんがごとく、私は穴から飛び出しました。
何故か助かったようです。よかった。
さすがにいい子の僕でも死ぬことに対してはイエスマンになれません。
修行が足りないようです。

ドドドカーンとドハデに地面に墜落したので僕は悶えました。
加速が加速だったので勢いも半端ありません。目から火が出ます。
痛みに対してはイエスマンになれます。
いいえマゾではありません。サドでもありませんがね。
15 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:24:04.43 ID:fBfrmIoWo
風呂。
流石に書き写しのみだから寝落ちなんてするわけない










と、思う
16 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:58:18.29 ID:fBfrmIoWo
?「起きなさい」

誰でしょう僕を呼ぶのは。生意気ですよ。誰に口聞いてんですか。

?「おい、起きなさい」

敬語使えよ。じゃなくて、敬語使いなさい。初対面でしょう。

?「しょうがない人ね」

お前俺の敵だわ。何勝手におぶってくれちゃってんの。死ねよ。おい死ね。クソ。クソ。

?「暴れないで。おい、暴れんな。」


僕は誰だかわからないこんちくしょうに負ぶさられてどこかに連れられて行きました。
僕はどうなるのでしょう。
17 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 00:59:34.80 ID:fBfrmIoWo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
僕は目を覚ましましたが、どうにも様子がおかしいのです。

?「目が覚めたかしら。変態。」

体がモコい。服を着せられたようです。
半袖しかあまり着ない僕にとって邪魔で仕方ありません。
好意は嬉しいですがやはり彼女は僕の敵のようです。
脱ぎ捨てます。

?「……喧嘩売ってんの?」

俺「はい」

?「チッ」イラッ

頭イカれてますねこの女。初対面の人間に向かって色々と礼儀がなってません。
いい子の僕を見習うべきでしょう。
……女?にしてはすっとんとんです。色気の欠片もありません。
おっぱい無いとかそれこそ喧嘩売ってんのか。無乳め。

?「起きたならとっとと出ていきなさい。ここは貴方の住む場所じゃない。」

俺「誘拐しといてよく言いますね。見下げた根性です。」

?「そろそろ口を閉じないかしら。ドアタマに風穴空くわよ。」チャキ

なんと。チャカ持ちでしたか。これには私もおったまげです。
無乳低身長の色気ない女の曲して立派なものを。
死にたくはありません。癪ですが出て行きましょう。
いや、固より暮らすつもりなってありませんけどね。

俺「では失礼」

?「……」

見送りでしょうか。ずっと僕の後ろを見ています。
無礼なのか何なのかよくわかりませんねこの女。
18 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:00:05.08 ID:fBfrmIoWo
俺「田舎者にとっちゃこの街はいやにハイカラに見えます」

マンホールに落ちた時点で僕はきっと正気を失ってしまったに違いありません。
空中に浮かぶチューブを走るモノレールなんてものがどこにあるのでしょう。
たとえるならばここは未来都市のような、とても今の日本の技術では実現し得ない代物がたくさんです。
いい子の僕が見るにしては、酷く趣味の悪い夢です。

ヒソヒソ…ヒソヒソ…

田舎者が珍しいのでしょう。都会の人間は教育がなっていませんね。
人を見て指さして内緒話とは苛つかせてくれます。

しかし、右も左もわかりません。このままでは日が暮れて、ゴロツキに喰われるでしょう。
都会とは、そういうものですから。
19 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:00:32.69 ID:fBfrmIoWo
交番があれば良いのですが。
探してもそれらしきものは見当たりません。
見るところビル、ビル、ビル、ビル。
ビルばかりです。渡る世間はビルばかりです。

俺「もし、もし」

通行人A「ヒッ!?」

ウワーハナシカケタ ニゲヨウゼ カワイソー

まっこと、何から何まで身勝手でイラつく人間ばかりです。
タカシを見習えコラ。

俺「ここってどこでしょうか」

通行人A「えっ、えっ。えっと、えっ」

絶望しました。コイツ日本語喋れないのかよ。
仕方ないので誘導で質問します。

俺「ここは都会ですね?」

通行人A「えっ、えっ」

この糞野郎。

俺「はいと言えこのデコスケ野郎!!!!!!!!!!!」

いい子の僕が切れることは滅多にありません。それほどこのゴミクズはこの私を愚弄したのです。
怒り心頭。本当に頭にきました。野郎、ぶっ殺してやろう!!!座布団千枚!!!!!!!!!!!!

俺「この野郎!!!!!本当のことを言え!!!!!!!!どこなんだよここはよォ!!!!!!おらぁ!!!!」

マズイケイサツヨベ ダレカー!!ツヨイヒトー!!!!! アイツシヌゾ

外野も外野で苛つかせてくれます。誰も彼を助けようとはしないのですね。これだから都会は。
20 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:01:16.34 ID:fBfrmIoWo
程なくして警察が来ました。こんな時に出てきやがって。公僕が。
でも助かりました。これで道が聞けます。
通行人を放り投げて警官の元に寄ります。
通行人は情けなくどこかへ逃げて行きました。

俺「助かりました。僕、道に迷ってしまいましt」

警官A「あー、ブーメランパンツの男が接触してきました、どうぞ」

警察無線「武器は」

警官A「所持してない模様。どうぞ」

警察無線「わいせつ物ぶら下げてるか」

警官A「隠してはいますがはみ出そうです、どうぞ」

警察無線「どんな感じだ」

警官A「例えるなら小島よしおです、どうぞ」

警察無線「確保。」

警官B「確保だァー!!!!!」

ガチャガチャガチャ
キャーリアルタイホダー マミッターデツブヤカナキャ ミチャイケマセン

えっ。

えっ。

逮捕ですか。


いい子のこの僕が。



絶望に暮れる僕の両手首に、冷たい鉄の輪がかけられました。
娑婆との接続を断つ、手錠。
21 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:01:42.91 ID:fBfrmIoWo
なんでだ。僕は道を聞こうとしただけなのに。
なんでなんだ。僕が、僕がいい子すぎるから?
いい子罪なんてあるんでしょうか。
都会は非道だ。いい子であるだけで罪に問われてしまう。

私はパトカーに乗せられ…ようとしたその瞬間


?「なにやってるの!!この馬鹿野郎!!!!」

聞き覚えのある声。無乳女の声です。
しかし馬鹿野郎とは言ってくれます。打擲してやる必要がありましょう。

ここで異変に気づきます。
警官が動かない。
警官だけではない。

景色が止まっている。
22 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:02:16.80 ID:fBfrmIoWo
おったまげその2です。こんどこそ僕の腰が抜けます。
恐ろしい。恐ろしいなんてもんじゃない。怖い。
周りの人や、宙に舞うホコリまでもがぴたーっと止まってしまっています。

?「早くこっちへ!」

不意に引っ張られる私。思わず彼女の胸元に倒れこんでしまいます。

フニッ

?「!?」

!?
今なんと!?
なんてことでしょう。この女、いえ、この子無乳じゃありません。着痩せするタイプなんだね。
あぁ、やらかい……やらかいおっぱいだぁ…

?「死ね!!!変態!!!!!」

この子もツンデレなんでしょうか。
彼女の拳が僕の右頬から左側へ貫通しました。
23 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:03:02.68 ID:fBfrmIoWo
同じ所を二度もぶん殴られました。先生についで、この子に。
父さんにも殴られたことないのに。
僕はそれくらいいい子だったのに。
やっぱり初対面の女の子におっぱい揉むのはマナー違反でした。反省。
態度を改めます。

俺「ご無礼を。して、名乗るのを忘れていましたね。」

俺「僕の名前は俺。人偏に夢庵の庵からまだれを引いたものと合体させます。」

?「……」

俺「人称代名詞の俺と全く同じです」

?「はぁ、調子が狂うわね」

どうでしょうこのいい子パワー。あっという間に和解です。
して、名前は。

?「ほむらよ。暁美ほむら。」

ほむら。いい名前だ。やらかいおっぱいに似合うやらかそうな名前です。
きっともちもちな肌なのでしょう。白い肌が素敵です。ああ、可愛らしい。
24 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:04:33.20 ID:fBfrmIoWo
ほむら「しかし、俺だなんて変な名前ね。」

貴様が言うか。炎とか名前負けってレベルじゃねーぞ。なよなよ貧弱もやし。消し炭になって死ね。
人の名前馬鹿にするとか碌な死に方しねーわ。
おっと、口に出そうになった。
いえいえ、貴女に言われては参ります。可愛らしいお嬢さま。

俺「お恥ずかしい。」

ほむら「……家はこの辺じゃないのね」

肝心なことを。そういえば私は家に帰る途中だったのです。
カバンは…ああ、先程のいざこざ、というよりマンホールで失くしてしまったようです。

俺「ほむら、私の家を探して下さい。」

ほむら「そうね、そのほうが面倒事も減るわ。」

お前の口は減らねーけどな。
おっと。僕の悪い癖。
25 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:05:22.09 ID:fBfrmIoWo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
どうやら僕は行方不明児として施設に預けられるわけでもなく
この子の家に居候することになるそうです。

ほむら「男性を家に泊めるのはどうかと思われるでしょうけど、やむを得ないものね。」

優しい子です。

しかしいきなり得体のしれない男が年端もいかぬ女の子の家になんて
彼女の近所の人が見たらいかがと思うことでしょう。
私は生憎いい子ですので、そのことについて思案をめぐらさずには参りません。

俺「差し出がましくも、提案がございます。」

ほむら「貴方、堅いわ。タメでいいのに。」

なんと謙虚なお嬢様。
口は悪いのに。やはりツンデレなのですね。そそります。

俺「いえ、私の癖でございます。」

ほむら「……提案ってなにかしら。」

俺「周囲の人間に、私の人となりを認知していただく必要がございましょう。」

ほむら「誤解を防ぐためかしら」

俺「いかにも」

ほむら「面倒事を増やさないで欲しいのだけれども。わたし、こう見えて忙しいから。」

どうやら距離を置かれていますね。うぅむ、難しい。
他人と関わり合いになりたくない。都会の嫌なところです。義理人情や友人関係。
そういう温かいものに囲まれていないから「火焔」という名前でもって、自らを温めんとしているのでしょうか。

ああ、実にさもしいことです。
日本国総都会化構想など、夢のまた夢でしょうな。
26 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:05:47.44 ID:fBfrmIoWo
ですが、この子はまだマシな方でしょう。
いい子で家なき子のこの私を、泊めてくださるのですから。

俺「では、失礼します。」

今日既に厄介になったばかりの彼女の家に。j本日二度目。

ほむら「……忘れてた。貴方学校はどうするの。」

!!
そうでした。僕はいい子。
学校に行かないなどもっての外です。

俺「…手続きとか出来ますかね」

ほむら「お安いご用よ」

俺「ありがたいです。」

なんというお方。一生ついてゆきたい。
27 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:06:38.95 ID:fBfrmIoWo
寝床すらも提供されました。感激です。
トイレですが。
くんかくんか。うん、この残り香。あの子のものに違いない。
ああ、オナ禁三日目。僕は耐えられませんでした。

俺「……ふぅ」

知らないかわいい女の子の家のトイレでフィニッシュ。オカズは大便の匂い。
いい子である僕にとって、その背徳感もさることながら
「いけないことをしている」感じがなんともたまりません。
悪い子はこうやって増えていくのでしょう。
ですが僕はいい子。落伍者にはなりません。
自責の念は皆無ですが、反省はします。
だって男ですから。僕だって。
28 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:08:05.74 ID:fBfrmIoWo
夜。腕時計を見ると既に深夜の23時を回っていました。
いい子の僕はここで後悔をします。
ああ、何で勉強道具を失くしたのだと。
ああ、二時間も寝る時間が遅くなってしまったと。

今日はいざこざの所為で何も出来ませんでした。
したのはオナニー。なんということだ。

??「やぁ、聞こえるかい?」

俺「……」ピク

??「……驚いた。僕の声が聞こえるんだね。」

途方に暮れていると、不意に聞こえないはずのところから声がしてきました。
きっと僕はいい子的自責のあまり精神を病んだのでしょう。
はたまた行き過ぎた賢者タイムか。今日は手のひら一杯分の精子を出してしまったからその反動か。
僕はオバケやオカルトの類は大嫌いです。怖いし、よくわからないから。
死に通じるところでもあるので、やはりこれに対しても恥ずかしながらイエスマンになることはできなんだ。

??「聞こえているなら、返事をして欲しい。」

俺「……」

??「いいさ、人は未知なるものに恐怖心を抱く。わけがわからないけどね。」

??「だいじょうぶ、受け入れるまでそばに居てあげるよ。」

驚いたことに、この妄想は僕の自制を無視して、僕の意思の及ぶところにないところまで。
僕の恐怖心を理解したところまでずけずけと土足で踏み込んできました。

……僕が僕をいじめている?
妄想に対して恐怖を抱くとはこれはどういう喜劇でしょう。
29 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:08:32.29 ID:fBfrmIoWo
そう思うと、なんだかおかしい気分です。
そうだ、知らないから怖いのだ。
では、知れば良い。

これは、僕が成長する鍵になるのかもしれない。
勇気を出して返事をしてみます。

俺「はい」

??「ほんとうに驚いた。キミは少年であるのに、僕の声が聞こえるんだね。」

そうすると、僕の目の前に白い塊がぼとりと落ちてきました。
僕は恐怖のあまり、またしても射精してしまったのかと勘違いしました。
ですが、もう何も怖くありません。
私はオカルトとオバケに対してイエスマンになれたのです。
そう思うと心が晴れやかになり、12月の寒気がとても心地よい女の子の二の腕の感触にさえ感じられました。

??「……ふむ、ふむ。興味深い。」

俺「なにか面白いことでもありましたか。」

??「キミは全てを喰らう空白だ。同時に紫色だ。いや、数えうる限り全ての色をしている。」

とたんに不愉快になりました。比喩でしかものを語れないのかこのブツは。
30 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:09:01.88 ID:fBfrmIoWo
俺「何が言いたい。」

??「質問をしてもいいかい。」

無論です。

俺「はい」

??「キミはこの世界の住人ではないね」

俺「はい」

??「キミは生きていたいと思っている」

俺「はい」

??「キミの名前は俺だ」

俺「はい」

??「キミはイエスマンだ」

俺「はい」

??「キミは嘘つきだ」

こいつ、できる。
排中律を知っているかどうか試しているのか。
僕がイエスマンであることを知りながら。
僕にはいと言わせないために。
なんて生き物だ。とんでもない。

俺「その質問には答えがありません。」

??「……合格だ」

どうやら僕はイエスマンからは程遠く、まだまだ未熟であるようです。
31 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:09:48.34 ID:fBfrmIoWo
??「しかしキミはまだこの世界に不慣れで、色々と知らなさ過ぎている。」

ごもっとも。少なくとも僕の知る都市でないのは確かです。
あまりに、その、なんというか。 ああ、言うこともはばかられる。

浮いてるんですね。僕は田舎者だから。
そしてするべきことは一つでしょう。
僕は生きなければならない。この街で。最悪一人で。

??「飲み込みが早い。キミは優秀だね。」

俺「はい」

だって、僕はいい子ですから。
32 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:10:44.82 ID:fBfrmIoWo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
…きなさい…

……お……

ほむら「起きなさい!俺!!!」

ドアに蹴飛ばされて起床。悪くはない目覚めです。

俺「おはようございます、ほむら」

ほむら「いいからどきなさい!!早く!!!!!」

俺「はい」

ほむら「……ねぇ、お願い。どいてくれないかしら。限界なのよ私も。」

俺「はい」

ほむら「ねえ!!!ねえったら!!!!!!!」

俺「はい」

ほむら「…ッ!!!!」

ほむら「うんちが漏れそうなのよ!!!!!!どいてくれないかしら!!!!!!」

俺「はい」スッ

ほむら「……もうっ!!!!」バタン

俺「……」

その言葉が聞きたかった。イエスマンの役得です。これくらいのことが無くては釣り合いが取れませんよね。
……おぉ、大きな音。さっきの言葉といい、これはいいオカズになりますね。ああ、彼女の肛門からほとばしる……

ほむら「俺っ!!!!さっさと向こうに行きなさい!!!!!!!!」

俺「はい」

ほむら「嫌っ!!!!!なんで居るの!!!!!!!!」

冷静沈着なはずの彼女がここまで絶叫なさる。これは貴重な貴重なシーンに違いありませんでしょう。
ああ、ムクムクと欲望が。
返事はしますが実行はしません。なぜならとてもイイ、イイ、イイオカズだからです。
当然でしょう。
33 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:11:14.49 ID:fBfrmIoWo
おっと、小さい方もしてるのですか。とおもったらもっと大きいのも。おお、おお、ありがたやありがたや。


俺「ほむら、思うのですが」

ほむら「うぅ…何よぉ……」

おや、泣いていらっしゃる。畜生朝っぱらから抜いてしまいそうだ。模範的良い子のこの僕が。朝に、二度も。

俺「おそらく貴女は用便の音を聞かれたくない?」

ほむら「あたりまえでs」

俺「はいと言えこのデコスケ野郎!!!!!!!!!」

ほむら「ヒィッ!?」

なんてマナーの悪い。僕はこの事に関しては譲れません。
質問に、「はい」以外の答えを出せないそんな質問の場合ならともかく
出せる質問を用意してさし上げたのにもかかわらず「はい」以外の言葉で口答え……
ケツアナほじくり回してやろうかこんにゃろ。

ほむら「グスッ……はいぃ……」

いい子です。流石僕のオカズ。

俺「では、何故水を流して音を消さない?」

ほむら「ボットン便所なのよおおおおおおおおおお!!!!!見てなかったの!!!????」

俺「いえ、一晩そこで暮らせばわかりましょうぞ。なんせ、貴女の便の残り香を堪能させていただきましたが故に。」

ほむら「……」

俺「オカズにもさせていただきました。おっと、もしかしたら処理をし忘れたやもしれません。手のひら一杯ほどの…」

ほむら「死ね!!!!!!!!死ね!!!!!!!最低変態男死ね!!!!!!!!」

俺「栗の花の香か、イカの臭がしませんか?それは僕の子だn」

ほむら「くたばっちまえゲス男おおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

とっさに耳をふさがなければ鼓膜をやられたかもしれません。
いやはや。やはり他人の家でオナニーなんぞするものではありませんね。
いい子としたことが、これはとんだマナー違反で且つ大失敗です。
34 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:11:43.80 ID:fBfrmIoWo
その罰でしょうね。
その後私はほむらが登校するまでの間、近隣住民に説明と言う名の尋問を受けなければならなかったのですから。
しかし僕はいい子。あっという間に近隣住民の懐柔に見事成功いたしました。
質問や態度はそれこそ捻り潰して殺してやりたくなるほど下等な連中でしたが
悪いのはこの際一方的に僕なので、全て許してやることにしました。

住民A「ほむらちゃんを食らう糞男」

住民B「警察に通報した」

住民C「これはプレゼントだ!受け取っときな!!!」

生卵に魚の骨に高級そうな香りのする牛乳までも頂いてしまいました。
手渡しでなく投げ渡しなのはきっとツンデレなのでしょう。
なんという事でしょう。都会にここまでの温情が残っていたななんて。
私は嬉しさと感激のあまりに泣いてしまいます。

俺「ありがとうございます!ありがとうございます!このいい子代表こと俺、ますます精進して参ります」

住民A〜G「死ね。いいから死ね。」

俺「はい」

住民ども「おい本当に殺すぞコラ」

俺「はい」

ほむら(後ろから)「いいから下がれよクソ共。殺すぞ」

住民ども「すたこらさっさ」

なんという事か。近隣住民たちの温情をこの子は足蹴に。
僕はただただ呆れるばかりです。
35 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:12:11.17 ID:fBfrmIoWo
ほむら「さっきのことは水に流すわ。トイレは水洗じゃないけど。」

おお、タカシにも劣らぬギャグセン。

ほむら「とりあえず風呂に入りなさい。それじゃあ家が汚れるから。」

俺「はい」

ここは飲み込むわけにはいかないので、話を切りましょう。
実行し得ないことは事前に設問者に問いなおすのがいい子の掟。
たまーに、本当に偶にですが、僕も設問者もそのことを忘れてしまうこともありますが。
ほら、僕だってイエスマンである前に男である前に、一人の人間なのですから。

俺「着替えはないのですよ。その提案は受け入れかねます。」

ほむら「あるわ。女物でもいいならね。」

俺「喜んで。」

ほむら「やっぱり貴方死んで。」

俺「はい」

ほむら「……はぁ、じゃあ私は行くわ。留守番頼んでもいいのよね。」

俺「はい」

俺「して、質問が。」

ほむら「はい」

学習能力もピカ一。素晴らしいお嬢様だ。

俺「何故、私をここまで信用なさる?初対面であるというのに。」

ほむら「は……コホン、完全な信用の裏返しよ。つまり私は貴方を全く信用していない。」

俺「パラドキシカルですね」

ほむら「でも、貴方は何も知らない。だからここに居る以外の選択肢はないの。」

俺「ほう、洞察力も高い。素敵だ。確かに僕はどこにもいけない、穴熊の王将だ。と金や桂馬に責められればひとたまりもない。」

実際は裸玉同然ですが。

さらば残念。私は既にこの近辺を出歩き情報収集に精を出すことに決めていたのです。
トイレで精を出してしまった、その打ち消し罪滅しともいいましょうか。
と言うより、世話になりっぱなしは嫌なのですよ。いい子の僕にしてみればそれはとてもとても耐えられるものではない。
親ならまだしも、まだ年端もいかぬ少女に僕の一切を預けられるほど僕は人間できていないのです。 あ、これはもちろん皮肉的な意味で。

ほむら「そういうこと。精々おとなしくしていることね。」

俺「了解です。お嬢様。」

僕は登校するほむらを見送り、体にまとわりついたプレゼントを惜しくも捨てなければならない事実に涙を流し。
そして、風呂に入りました。
服は叩けばわりかしマシな程には綺麗になりました。
汚いのは嫌です。だってほら、人間ですし。
36 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:12:41.86 ID:fBfrmIoWo
風呂の焚き火を使ったので服はすぐに乾きました。

着替えの調達も済ませなければなりませんし、そうなると生活費も必要でしょう。
ああ、想像以上に大変な準備を強いられそうです。
どこかで融通を利かす必要も出てきましょう。
いい子とはいえ、窮すれば通じてもらわなければ困ります。
綺麗事だけで飯は食えません。

俺「さて、鍵も持ったし。電気は消して、カーテンを閉じましょう。」

普段ほむらが登校しているのとさほど変わらない環境で外出せねば、もしかしたら空き巣が入ります。
僕はいい子ですから念を入れます。
窓、雨戸、クレセント錠で戸締り。よし。いってきます。

合鍵は先程のどさくさに紛れてくすねました。いい子は抜かりがないと相場は決まっているのですよ。
37 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:13:17.52 ID:fBfrmIoWo
ほむらの家、アパートは思ったよりも田舎臭く(褒め言葉)周辺もあまり都会都会していません。
うん、やはり暮らすならほむらの家かこの周辺に留めておきたい気がします。
しかし、中学校はどこでしょう。
あの都市部の中心にあると仮定すればこの幹線道路にそって歩いて行くのでしょう。

郊外というのでしょうか。田舎というよりは、そんな感じがします。
シャープなコンクリート造りの建物も、整えられた緑の中に自重しててもらえれば
そんなに嫌な感じはしないものなのですね。

しかし、バスもタクシーもないのは不便ですね。
なまじ都会に近いが故、半端に遠いと歩くのには遠いかわりにバスやタクシーを利用するのは惜しいということなのでしょう
推察するに、このあたりは昼間人口が少ないでしょうから。
ふむ、田舎よりも便利なだけあって少しもどかしくも思えます。
38 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:14:05.59 ID:fBfrmIoWo
昨日の道とは意図して逆方向を歩いています。
やはりしょっ引かれそうになった、という経験は思いの外僕のトラウマとなっているよう。
でも、まあ、知ってる道を歩くよりはいいでしょう。

ちょっと公園を通り抜けましょう。遠回りよりはマシです。
そうすると。

???「よう、あんた、一人かい?」

俺「はい」

??「この辺じゃあ見ない顔だね」

俺「はい」

ほむらよりも少し背の低い少女と、その少女の腰ほどの背丈しかない幼女が僕の行く手を阻みます。
ほむらと同じような匂い。少し饐えてる気もしますが。
39 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:14:44.78 ID:fBfrmIoWo
ですが私は散策中です。少女とはいえ邪魔なもんは邪魔なのです。

俺「邪魔です。どけ。」

赤い髪の少女の眉が潜めがちに、緑色の髪の幼女は肩を遊ばせています。
挑発でしょうか。性的でないことが残念でなりません。

???「いやだ、と言ったら?」

??「言ったら?」

「はい」では無いにしろ、きちんと返事はできるようです。なにこいつ殴りてえ。
野人のくせに知能があります。ガキはリフレインしか出来ない残念な頭の出来のようですが。
ああ、締りがよさそうだ。じゃなくて。

俺「御暇させて頂きます。」

臭くて汚くてかないません。野人は大人しくウホウホ鳴いて交尾して暮らしてろ。
通りすぎようとしたその時。
40 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:15:12.15 ID:fBfrmIoWo
???「まあまあまあ、待てよ」

赤髪のほうが私の袖を掴みました。洗ったばかりなのに。この野郎離せ!!!!
振りほどきます。

俺「はい」

いい子には余裕があります。でなくてはいい子をやっていられません。

???「あたしらの縄張りに勝手に入って、タダで帰すわけにはいかないんだよなぁ?」

ははっ、こりゃ傑作。まさしく野人よろしく縄張り張って獲物を狩ってるということですか。
そしてその得物が僕。
タカシでももっと上手く集るものです。
ですがまあ、イエスマンですので僕には返事以外の選択肢はありません。
41 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:15:52.99 ID:fBfrmIoWo
俺「はい」

???「へへ、物分かりがいいなアンタ。金よこせ。」

下卑た笑みを浮かべる野人(赤)。歯がきたねえ。キスとかフェラは全力で遠慮したい。

俺「はい」

ごめん、金ないんだわ。
野人は右手をピンキーチョウダイの格好したまま固まっています。

???「……きこえてねーのかお前。金だよ金。」

俺「はい」

???「バカにしてんのか?」

俺「はい。実際バカでしょう。」

???「ンナロォ!!!!!!!」ブゥン

沸点低いn
ゴッ

俺「……!?」

脳が揺れるのがわかりました。頬骨ですが、間違って顎にヒットしたらもう昏倒ものです。
今のパンチは重さと速さがありました。タカシでも負けるだろうレベルです。
只者ではないのでしょう。

そういえばほむらも只者ではなかった。この野人たちも、似たような臭いがします。饐えてますが。
42 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:16:56.55 ID:fBfrmIoWo
まずった。逃げなくては確実にゲームオーバー。そんなレベルです。
しかし、さっききた道を引き返したら家が割れる。ほむらに迷惑をかける訳にはいきません。
公園の出口を探し、突っ切る。
しかし。

???「ざーんねーんでーしたぁ」

俺「!?」

野人(赤)!?なぜだ、さっき私の後ろを…

??「みがわりのじゅつ!」

ガキだと!?何時から入れ替わった!?
僕は呆気無く羽交い絞めにされてしまいました。

あ、ちょっといい匂い。つか、この感触はもしやノーブラ。うほぅ。
テンションあがってきた。

???「おら、大人しく財布だしな」


残念。無いんだ。これは本当。イエスマンで無くとも嘘はつけません。ほい、隙あり。
人差し指と中指で赤い彼女の両目を軽く突きます。

???「ぅぐぁ…っ!!」

??「!!キョーk」

???「名前を言うなっ!!!」

俺「ではこれにてドロン。」

???「あっ、待てっ!!」

俺「はい!!」

拘束を逃れ、僕は公園をあとにしました。
公園の出入り口には「見滝原東門原公園」という看板が立っていました。
見滝原。恐らくこの一帯の地名でしょうね。

しかし、どんどん行動範囲が狭まっていくようです。
43 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:18:26.78 ID:fBfrmIoWo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
公園も出て少しもしませんが、結局僕は元行こうとした道を歩くことにしたのです
少女二人も追いかけてくる気配はありません。

俺「こんにちは」

おばあさん「はいこんにちは〜」

挨拶は基本です。

なだらかな坂に曲がりくねった道。コンクリートでできていなければ、僕の家の近所の獣道そっくりです。
緑の量の急激な変化にまだ戸惑いも覚えますが
元いた世界の、僕の中学校を少し出れば、地元もこんな感じなのだろうか。
軽いホームシックに憂いを感じながら、坂を下っていきます。

突き当りの丁字路でやっと車の通りが出始めました。
そして目を疑います。

俺「車が浮いてますね。」

比喩でもなんでもなく。
昨晩はそんな余裕もありませんでしたが、たしかに往来の光量が多い割には静かだったように思います。
つまりは、こういうことでしたか。
未来都市。未来世界。そんな言葉が似合います。

進展する技術に遅れを取って、宅地の区画整理が欧米諸国のそれに比べ雑多なままなのも
なんだか生々しく感じつつも、日本らしいと思えて少し安堵を覚えます。
僕の地元もこんな感じで「いびつに」進歩していくのでしょうか。
44 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:20:51.24 ID:fBfrmIoWo
音が小さな自動車なので、狭い路地では避けるのに一苦労です。
死角から鳴らされるクラクションほど腹立たしく、また恐ろしいものはありません。
轢かれてもダメージの少なそうなフォルムですが、やはりいい気分はしませんでしょう。
タカシならきっと「轢いても死なねーよ」と宣いつつ歩行者をなぎ倒すでしょう。

しかし僕はいい子。「自分が歩行者なら、歩行者が悪。自分が運転者なら、運転者が悪。」のモットーを忘れません。
運転者に軽く会釈をして道を譲ります。

また少し太い道路に出て、はっきりと歩道と車道が別れた通りに出てきます。
先ほどの公園より、更に広い公園に出てきました。

そしてふと。


グゥゥウウ

お恥ずかしい。腹の虫の音を聞かせてしまうことになろうとは。
失念。私は朝食を頂いておりません。

しかし、食べ物屋もコンビニも見当たりません。
弱りました。
45 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:21:17.96 ID:fBfrmIoWo
イチレツニナランデクダサーイ

嗅ぎ慣れた、昆布だしの匂い。油揚げの香り。ふと家を思い出します。
これはもしや。

「はい、一列に並んでくださいね。」

しめた!炊き出しです。このような時代でも炊き出しはあるものなのですね。
流石は都会。地元のような田舎ではきっと餓死です。犬の小便で潤った野草を食らうしかありません。

しかし、このような進んだ社会でも宿命なのでしょうか。

ワイガヤワイガヤ

ホームレスというものを間近で見たことはありませんが
僕の世界の都会でもこのような光景があったのだと思うと
なんだかフクザツな気分です。
46 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:22:24.47 ID:fBfrmIoWo
最後尾に並んで順番を待ちます。
茶や紺、灰色の背中がゆらゆらと鍋に向かう様は
まるで地獄に落ちた者どもが、煮えたぎる釜に向かわされているように見えてしまいます。

知り合いや仲間なのでしょう、世間話のような会話を交わしながら、時折笑い声をあげています。
その中に、不意に自分の未来の姿を幻視してしまいました。

「生きていればそれでいい。」……本当にそうでしょうか?
便利であればそれでいいという都会人の身勝手な底の知れない欲望の影で
一体どれほどの人間の涙が流れるというのか
僕とて田舎者の中学生で、都会のことなど全く知りませんが
であるからこそそう思わずにはいられません。

そして自分の無知を恥じます。客観的に見れば、この意見こそやはり身勝手ではないのか。
無知は罪でしょう。無知は無力です。
白ブツはこんなところまで見透かしていたのでしょう。
アレに認められたとは到底思えないレベルで、僕は未熟です。
47 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:22:58.69 ID:fBfrmIoWo
彼らの笑い声の中にひときわ大きく甲高く響く声が混じりました。僕のすぐ後ろに並んだようです。
不意に漂う饐えた体臭の中に、微かに香る匂い。
もしかしなくても、そうです。

???「よお、また会ったな。」

かの少女二人と、数時間も経たないうちに再開してしましました。
これは小説でも感動しない再開です。
逃げるわけにも騒ぐわけにも行きません。しかしそれは向こうも同じ事。

彼女はフン、と鼻を鳴らして威圧めに言います。

???「目ェさぁ、痛かったんだよねぇー?」

俺「正当防衛を主張したいと思います。ですが、申し訳ありませんでした。」

???「け。…まぁ、さ。こっちも悪かった。まさか同じ身分の人間とは思わなかったからな。」

??「ごめんね」

俺「目、大丈夫ですか」

???「心配ねえよ。こちとらこんなこと慣れっk」

俺「はいと言って下さい」

???「…? はい」

俺「そうですか。安心しました。」

???「……変な奴」

先ほどの彼女らとは全然別人のようです。まるで借りてきた猫のようです。
人が居るから、手荒な真似はできないということでしょうか。
しかし、私には財布はおろか、着の身着のままでしかモノが無いということをアピールしておかねば、また狙われます。
誇張も交えて無一文であることを伝えます。

俺「気がついたらここに居まして。家も財産もない状況です。」

???「……へぇ、どうやら嘘じゃねーみたいだな。」

鼻を鳴らして僕の肩を嗅いでわかることなのでしょうか。
おお、チューブトップ。ずらしたらノーブラおっぱいがこんにちわしそうな。
おっと、危ない危ない。
48 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:23:31.29 ID:fBfrmIoWo
俺「貴女方はいつもここ周辺で暮らしてらっしゃるのですか?」

???「ああ、こk」

俺「私の質問は全て「はい」で答えて下さい。お願いします」

???「……はい。なんだよお前、感じわりーな」

俺「申し訳ありません。信念ですから」

???「ち。 ここいらに住んでるって言っちゃちげーねーけど、あたしらも実はこの辺は初めてなんだよね」

俺「なのに私を襲ったと?」

???「はい。足も着かねーだろうと思ったのさ。旅の恥はかき捨てだからな」

意味を履き違えてる気もしますが。
49 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:24:27.55 ID:fBfrmIoWo
列が進み、あと八人ほどで私たちの順番です。

俺「昔はどこに住んでたのですか?」

???「……お前さ。その他に聞くべきこととかあるだろーがよ」

俺「何でしょう。」

??「名前とか聞かない?普通」

俺「はい。では名乗って下さい」

ゆま「はい!私は千歳ゆまです」

俺「ゆまちゃん…ゆまさんの方がいいかな?」

ゆま「は、えーっと…」

俺「「はい」は返事だけで構いません。その他の要求があればその後に事付けて下さい。」

ゆま「はい。ちゃんでもさんでも、呼び捨てでもいいですよ」

俺「ではよろしく。ゆま」

ゆま「はい!」

元気な子供は大好きです。

???「あたしは杏子。佐倉杏子だ。よろしく。」

俺「はい。苗字が違うということは、お二人は姉妹ではないのですか」

杏子「はい、と言いたいが。まあ実質キョーダイみたいなものさ。な!」

ゆま「おう!」

複雑な事情でもあるのでしょう。
50 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:25:34.78 ID:fBfrmIoWo
杏子「昔は風見野ってところに住んでたよ。風見鶏の風見に、野原の野って書いて『かざみの』さ」

俺「なるほど。ここから遠いのでしょうか」

杏子「はい、って言うほど遠くもないけどな。……てかお前土地勘ゼロなのか?この辺のことなんにも知らないんだな」

俺「気づいたらここに居たのですから」

杏子「っと、そう言ってたっけ」

んー、と腕を後ろに組む杏子。胸が思い切り強調されます。
ノーブラは刺激が強い。それに寒さも相まって、その、なんというかトップが生地に浮いて見えてしまっています。
それでも杏子はそんなことも意に介さない様子です。
他の男の目線が集まってしまわないか心配してしまいます。

杏子「……本当にこの世界の住人じゃないんだな、お前」

俺「はい。僕はこの世界に馴染めないでいます」

杏子「見るからにな」

俺「そんなに浮いてますかね」

杏子「割と」

ゆま「捕まっても納得の風貌だしね」

子供の本音というものは、どうしてこうも心を抉るのでしょう。
51 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:26:02.54 ID:fBfrmIoWo
俺「でも、拠点をここに移したということは、きっと何か事情があるんですよね」

杏子「はい。 お前は本当、遠慮しねーな」

俺「はい」

ゆま「ゆまたちね、ホテルを追い出されたの」

俺「……事情やどうやって暮らしていたのかは敢えて聞きませんが。やはり不景気なのですかね」

杏子「あたしらには関係ないけどな、ここに居る連中見て『景気が良い』なんてほざく野郎がいたらこいつらからタコ殴り食らうぞ」

尤も。気のせいか、睨みつける視線が二三程向けられた気がします。

杏子「あたしらは無賃宿泊がとうとうごまかせなくなって追い出されたってだけさ」

ゆま「ほーんと、どこでバレたんだろうね」

彼女たちは僕の思っている以上にたくましい子たちのようです。
52 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:26:34.42 ID:fBfrmIoWo
俺「では、何故ここなのでしょう。他にアテはなかったのでしょうか」

杏子「はい。他にアテがないのも本当だし、ここはかつての知り合いが居たところだしな」

もしや、ホムラのことなのでしょうか。

杏子「……本当はその知り合いと気まずいことがあったから、あまりここには来たくなかったんだがよ」

俺「生きるためですものね」

杏子「はい、よくわかってんな」

俺「僕も今ほら、いっぱいいっぱいですから」

前の一人の配膳が終わり、いよいよ僕達の番です。
53 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:27:33.49 ID:fBfrmIoWo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
人参とこんにゃく、大根にじゃがいもまで。
ありがたやありがたや。

俺「いただきます」

杏子「いただきます」

ゆま「いただきます」

はふはふ。うん、最高にうまい。出汁もうまい。具もうまい。脂っこくない。満点です。
ゆまは好き嫌いしない子供のようです。この子もいい子ですね。

俺「これからはあすこの公園で暮らすので?」

杏子「はい、じゃないな。たぶん、放浪だろう」

ゆま「公園は寒いからね」

俺「なるほど……」

困難はあるものです。
54 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:28:00.42 ID:fBfrmIoWo
俺「して、質問しますが。」

杏子「なんだ。なんでも聞けよ」

俺「さっきの不思議現象。いったいどんな種仕掛けを使ったので?」

杏子「ああ、あれな。秘密だ。こればっかりは言えねえ。」

ああ、もはや確定でしょう。白ブツやほむらにも通じる不思議臭。
これは彼女らが何がしかの因縁でつながってなければ嘘です。

俺「ほむら。明美ほむら。」

杏子「……なんでも知ってんな。お前この世界で生きていくには不自由しねえよ。そんなたくましさを持ってる」

俺「はい。僕はなんでも知ってますよ。知ろうとしますから」

俺「ほむらは恩人です。この世界にきて、初めて僕が出会った人間です。彼女に合わなければ僕は死んでいたでしょう」

杏子「そうか。じゃあ、もう魔法少女のことも知ってるんだな。」

はて。今なんと。

俺「はい。」

杏子「自分の住処も明かさなかったのはそういうことだったか。ちっ、あいつもなかなか図太いねえ。イレギュラーの曲してよ」

ゆま「ほむら姉さん、家に男連れ込んでたなんて」

杏子「かーっ、美人は違うねえ!ちくしょー!」

今のところ、この情報の持つ価値はわかりませんが、彼女らの言った言葉は恐らく本当のことです。
魔法少女。どういう存在なのでしょうか。

俺「では、あなた方も魔法少女なんですね」

杏子「ああ、そうだよ。コイツは最近契約したんだ」

契約。契約とは何でしょうか。

ゆま「私はね、いろんな物を『治癒』せるんだ」

俺「すごいですね。感動します」

ゆま「えへへー」

魔法だなんてまやかし、信じたことは愚か聞いたことも見たこともありません。
まさか、こんなに技術の進歩した日本で、こんな夢物語のようなコトが。
55 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:28:48.25 ID:fBfrmIoWo
汁をすすり、惜しむ様に最後の具をつまんで。

俺「ごちそうさまでした」

杏子「ごちそうさまでした」

ゆま「ごちそうさまでした」

箸とポリスチレンの碗を回収ボックスに捨てて、私たちは公園の中を目的もなく歩きまわります。

俺「ほむらと何かあったんですか?トラブルがどうとか、おっしゃってませんでしたっけ」

杏子「ほむらとソイツはちげーよ。ソイツは向こうのとこのでっけーマンションに住んでる」

杏子はここから東のほうに見える、都市部のビル群を指さします。


杏子「アイツは態度もでかけりゃ住んでる家もデケーってな。ほむらはどこに住んでんのかしらねーけどな?」

杏子がしたり顔でそう言います。きっと何かを勘違いしてますね。

杏子「なあ」

俺「はい」

杏子「一晩泊めてくんね?」

俺「はい」

杏子「おい、いいのかよ」

俺「はい」

杏子「やっりー」

ゆま「じゃあ私も!」

俺「はい」

何度も言いますが、彼女らはしたたかです。
56 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:29:33.49 ID:fBfrmIoWo
杏子「んじゃ、六時ぐらいにさっきの公園な」

ゆま「待ってるからね!」

僕は杏子たちと別れ、探索を再開します。
公園の時計はまだ十二時。六時間もあります。

せっかくなので、公園を突っ切って、都市部に近い大通りを歩いてみます。
57 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:30:01.12 ID:fBfrmIoWo
気分も晴れやか。日差しは高く、うららかです。
コンクリートの群れが急に出てきさえしなければ、もっと清々しく探索ができようものですが。
緑と灰色は、どうやったって相容れないのです。
ほむら家周辺のように、せめてグラデーションを付けるくらいはしてほしいものです。

公園を出た瞬間に、昨日警察に捕まりかけた場所が見えてきました。
夜の街灯だらけの都会もなかなか気味が悪いですが
それよりも交通量に似合わぬほどの静けさ。
大型トラックでさえも、地面を揺らさずに走るのです。
あまりにも不気味でかないません。

横断歩道で集団下校と思われる小学生の群れとすれ違いました。
時刻は正午をちょいとばかし過ぎたばかりだというのにです。
58 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:30:28.24 ID:fBfrmIoWo
彼らは馬鹿騒ぎもせず、ふざけもせず、ただただ足元をじっと見つめて
列を崩さないで歩いています

ふと杏子とゆまの顔を思い出します。

列の子供を見ても、到底同じ年代の子供らとは思えません。
恐らく彼女らのほうが歳上であろうというのに、彼らはまるでさっきの浮浪者と変わらない顔つきです。
もしかしたら彼らのほうがまだ、生気があふれていたかもしれません。
59 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:30:55.47 ID:fBfrmIoWo
幹線道路沿いに本屋街が見えます。
ちょうどいい、暇つぶしになるだろうということで、その中の一つでひときわ大きい書店を回ることにしました。

そこで、ほむらは私に近所の中学校に転入することを薦めてきたことを思い出しました。

教科書ガイドの一つや二つ、置いてないわけがないでしょう。
60 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:31:23.26 ID:fBfrmIoWo
───困惑します。
英語社会国語などの科目はほとんど僕の居た世界のものと単元の前後はあれど、ほとんどの違いはありません。



ところが。理科と数学。
僕は中学校二年生なのですが。

……微分積分が必修とは、どういうことなのか。
化学、物理、生物、地学。一分野二分野とは何だったのか?

この二科目に関しては、もしかしたら小学校から遡る必要があるのではないでしょうか。
61 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:32:33.75 ID:fBfrmIoWo
転校したくねー。それが正直なところです。
いい子だから行きますけど。行きますけど。

……うぇー。小4の算数がやっと追いつくレベルです。
理科に至っては小2でやっとです。

俺「……ほむらのお世話になるしか無いのでしょうか」

時には人から教わることも大事です。
予習はきっと間に合わないでしょう。
62 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:32:59.81 ID:fBfrmIoWo
帰路につきます。
転校初日から落ちぶれる僕の姿が目に浮かびます。
ほむら、また貴女に頼ることを許してください。
ああ、本当は自立しなくてはならないのに。

来た道の支流を見失わないよう気を配りながら、私はその後商店街や、デパート街を見まわりました。
服もじきに調達せねばなりませんが、何より先立つモノがなくては話になりません。
この点もまだ解決してはいません。

針は四時。そろそろ公園を目指しましょう。
63 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:33:29.14 ID:fBfrmIoWo
道中に大群馬線なる、空中メトロという電車の駅を見つけました。
昨日の夜、目を疑ったあの空中電車です。
夕方の太陽に照らされて、色あせて見えます。

見滝原駅、と書いてあります。
しかし、ここがかの魔境とうたわれた群馬だとは。
東京はどうなってしまっているのでしょう。
そして我が故郷滋賀は。
64 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:34:10.14 ID:fBfrmIoWo
道は段々細くなり、やがてほむらの家の近所に繰り出します。
そうでした、よってかなければならないところが。

東門原公園。日の傾きかけた公園は更に寂しく感じます。
まだ五時ですが、約束より早くても速すぎるということはありません。
杏子とゆまを待ちます。

そして程なく、僕は本日二度目の幸運を被ることになるのです。
65 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:34:36.02 ID:fBfrmIoWo
がさごそ、と衣擦れの音。その後からじゃばじゃばと水の流れる音。

もしや。

杏子「ほれ、ばんざーいしろー。寒いからすぐ終わらせるぞ」

ゆま「んー……」

夕方からなんという刺激的な光景。
二人の少女が一糸まとわぬ姿で、水道の水で水浴びを。
杏子、おっぱい、意外に。ゆまも、ふくらみかけ、おおぅふ、これはこれは。
駄目です。辛くて居ても立ってもいられません。座っても勃ったままです。
しかし、どんなに注視しても全く気づく気配なんてありません。
魅せつけてんのか。ちくしょう。
言うことを聞かない自分の体を恨めしく思いました。おさまれ。ちくしょう聞かん棒め。
66 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:35:29.01 ID:fBfrmIoWo
前スレ分投下終わり

本屋行った辺からブレてきてるな
最初のキレを取り戻さねば。

向こうに誘導URL張ろう
67 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 01:37:03.77 ID:fBfrmIoWo
うつらうつらしながら投下してた
今日は新しく投下は無理だ

明日は増やそう。絶対に。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 02:57:29.22 ID:SybrSBkDO
前スレと変わってないし真面目にやるために建て直したのに変わらない内容で投下とか意味ないよね明らかに…
お願いだから消えて
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 03:20:25.35 ID:0M2ELZQOo
他人のSSでこれほどひどいと思ったのは初めてだわ
スレタイからして終わってる
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/12/01(土) 03:39:36.52 ID:Iobz2AJAO
酷いってか>>1が痛い、気持ち悪いっていうか
まぁ内容も酷いな
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 09:00:56.80 ID:RM+bMbQE0
また談義スレに悪態つきにきそうだな
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 09:35:57.41 ID:b+kj9N8lo
このSSの良さがわからないなんて、なんて不幸なんだろう
『座っても勃ったままです』とか、こんな含蓄のある表現を使えるなんて
この作者は天才に違いない(IQ3000くらいか?)

したらばで同じ酉を見つけたけど>>1は18歳なのか? マジで中学生かと思ってたわ

5870 : ◆Kanib10EfQ:2012/11/29(木) 00:03:50 ID:vWDcYklM 「ちやほや」の言が気に障ったのなら申し訳ない
あれは貴方に言ったわけでなく、談義スレで管を巻くしか能のない連中に対して毒づいたまでで

あ、因みに俺も浪人っす^^
数えるのを諦めるくらい受験してっけどな
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 10:09:14.49 ID:VTzS88/uo
>>72
やめてやれよ
>>1が泣いちゃうだろ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 10:14:28.76 ID:VTzS88/uo
>>72
つか、何かと思えばセヴァンとかいう痛いまどマギ作者と言い合ってんのか
ゴミ同士惹かれ合うんだなぁ
75 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage saga]:2012/12/01(土) 10:26:20.56 ID:fBfrmIoWo
はいはいすまんかったすまんかった

>>1の注意書きが駄目と言われたからそれだけ直したつもり
中身変えるつもりは更々無い。言ったやん。前スレ見てないのか。


さていくぞ
76 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 11:12:19.46 ID:fBfrmIoWo
しかし、こういう時はお約束で必ず見つかってしまうもの。

ゆまが目線をこちらにやりました。

ゆま「……」

すっげー見てる。前を隠さないのは何故でしょう。

杏子「……」ニヤニヤ

えっ。

杏子「わっ!!」

俺「!!!」

突如後ろから、杏子が大きな声でおどかしてきました。
心臓バクバクです。
膨らんだ股間を隠して抗議します。

俺「魔法少女の力とは、素晴らしいですね」

杏子「キレーに引っかかってやんのな。ホントお前って正直だな」

ゆま「そっちもね」

やかましい
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/12/01(土) 11:43:35.83 ID:Iobz2AJAO
>>75
この悪態ぷりからしてもうね
叩かれる理由も理解してないんだろうな

こんな誰にも需要無いSSによく必死になれるな
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/12/01(土) 11:54:33.86 ID:8E60qeFio
流石に泣いた
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 12:16:39.63 ID:0M2ELZQOo
注意書きがダメなんじゃなくて注意書きもダメなんだけどなぁ
批評スレでの都合の悪いアドバイスは結局聞き流しってことかな
80 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 12:17:59.58 ID:fBfrmIoWo
確かに俺が何で叩かれるのかは全くわからない
それでも俺は書く。
曰く「嫌われてるだけ恵まれている」そうだから、実のところあんま凹んでない
俺を本気で凹ませたく、且つエタらせたいなら金輪際一切レスの類を付けないこった。
そうじゃなくて、「あるだけで邪魔」ってんならすまなんだ。俺には何にもすることが出来ない。

しかしながら今までのレス群から推察するに、俺はこの作品を終わらせるまで構ってもらえるのだろう。
なんだかんだでレスが絶えないしな。ありがとう、みんな。


暇な人間の暇つぶしには見返りがどうしても必要。
無くてもだいじょうぶな奴が偶にいるが、ソイツは聖人君子だから人間にカウントしない。
ある人は動画を作って、コメントを貰うことが
ある人は絵を描いて、反応を眺めることが
そして俺はSSを書いて、反応をもらうことが何よりもの見返り。

その反応がプラスの方面であればあるほど喜ばしいものなのだろうが、いかんせん俺は文章レベルが拙いからね。
「中学生が書いてるかと思った」とか言われた時にゃもうね、泣いた。
そりゃあ名作の数々を読んでる連中には目が滑ることだろうよ。
少しずつだが、彼らを見習って読める文章を書いていくつもりだ。

>>77
需要がなくともメモ帳とここじゃ爽快感が雲泥の差だからね
反応の見込みが少しでもあるココと
まず俺しか覗かないメモ帳だったら
人間なら間違いなく前者を選ぶ。モノホンの変態なら脳みその中で自己完結して1人でニヤニヤできる。
残念ながら俺はそんな人のできた変態ではない。

ナマの人間の反応がとってもうれしいからな。どんな反応であれ。
「内容がひどい」って、それって読んでくれてる奴が少なくとも一人は居るんだから。
「面白い!」「最高!」ってレスが付けばもっともっと嬉しいけどな。木に登るよ。
しかしまぁ、それは贅沢ってもんだ。

「かまってちゃん」の類を全力でぶっ叩く風潮がここにはあるようだが、それって寂しくないかね。
誰だってきっと構ってもらいたいもんだ。違うかい。違うんならあなたはきっと聖人君子。



それと談義スレは、なんだ。うん。許せ。
81 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 12:23:19.49 ID:fBfrmIoWo
>>79
そりゃ俺だって助言の選別はする
都合の悪いと思うものは見なかったことにする。それの何が悪いのか。
全部受け入れたら書きたいものが書けないっすよそりゃ
「エタ前提」は確かにまずいなーとは思ったから>>1を書きなおした。

あとは全部俺の好きなようにやります。はい。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 12:27:29.37 ID:0M2ELZQOo
こうやって外野に一々反応してる時点でもうね
救いようない
83 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 12:29:29.03 ID:fBfrmIoWo
ん、わかった続き書く


さあいくぞ
84 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 12:39:26.37 ID:fBfrmIoWo
俺「僕が来るのを見越してこんなことを?」

杏子「はい。待ち合わせにめちゃくちゃ早く来るイヤミなタイプだと踏んで、だ」

杏子の目線が僕のソコに集中してるのを意識しながら、僕は姿勢を維持します。
時間が余っただけです。流石の僕でも待ち合わせに来ることは無いこともあります。
来ない意思がある場合のみですがね。

僕「ほむらはまだ帰ってきてないと思われます。向かうつもりですか」

ゆま「だめかな?」

僕「はい。流石に家主に許可無く人をあげるのはルール違反です。ほむらもそのことを知りません」

杏子「アイツはあたしらのことを知ってるよ」

僕「泊めることは知らないでしょう」

杏子「かってーこと言ってんなよ。かってーのはおめーのそれだけでいいよ」ニヤニヤ

ゆま「男の子って、正直だよね」ニヤニヤ

僕「男子中学生のここは敏感です。このような悪戯、今後一切無いようにしてください」

杏子「はい。なーんてな。 よく言うよ。マボロシとは言えあたしらの全裸バッチシ見ちゃっておいてさ」

ゆま「悪くは思ってないんでしょ?なんだかんだで」

俺「はい。」

女の子は強い。そう思いました。男が弱くなっていくのもわかります。
85 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 12:44:31.01 ID:fBfrmIoWo
行きの下った坂を、今度は登っていきます。
雑草や木の手入れされていない、昼間でも少し暗いこの通りは、夕方になるとおおよそ不気味な雰囲気になります。
夜と朝はまだ綺麗なのですが。

部屋の鍵を開けて、杏子とゆまをあげます。

俺「どうぞ。散らかすことはないようにしてください」

杏子「はーい」

ゆま「はーい」


ほむら「何のつもりかしら。俺」

修羅場とはこの事を言うのでしょうか。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/12/01(土) 12:51:07.00 ID:ReG2EaNE0
かにさんがここで愛読しているまどマギSSを教えてください
87 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 12:56:36.04 ID:fBfrmIoWo
俺「ほむら。聞いてほしいことがあります」

ほむら「辞世の句かしら。何をひねるか聞いてあげるわ」チャキ

俺「お願いですからその得物をしまってください。誤解を解かなくてはいけません」

ほむら「はい。とは言いかねるわ。一体何を企んでるつもりなの。私には時間も何もないの。あまり私の邪魔になるようなら本気で撃ち殺すわ」

無表情ながら鬼気迫るオーラを感じます。
綺麗なバラには棘がある。命を奪いかねない程に。
僕は諸手を上に挙げ、弁明をします。
88 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 13:02:30.98 ID:fBfrmIoWo
(>>86談義スレ見ろ。)
〜〜〜〜〜
俺「待ってください」

ほむら「はい。なら質問に全て答えて」

俺「はい。喜んで」

ほむら「佐倉杏子と千歳ゆまとはどこで接触した」

俺「すぐそこの東門原公園で」

ほむら「何故家にあげた」

俺「どうやら同じ不思議な力を使う仲間だと踏みまして」

ほむら「……知ったわね。魔法少女を」

俺「はい、僕は知ろうとしませんでしたが。ほむらと杏子が自分からそのワードを発したので、たった今確信に至りました。魔法少女という存在があると」

ほむら「……他言無用。いいわね。」

俺「はい。言ったところで信用されるとは思いませんし、第一言う人間がいません」


ほむら「貴方の転校手続きは済ませた。明日から私と登校するのよ」

俺「嬉しいことです。ありがとうございます」

杏子とゆまが少し扉を開けて、こちらを窺っています。
ニヤニヤすんな。
89 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 13:10:34.26 ID:fBfrmIoWo
制服と学生鞄、教科書のたぐいを渡され、いよいよ明日からここの中学に通うことになるのです。
楽しみであると同時に、不安も拭えません。
しょっぱなからポカやらかすのが目に見えてますから。
しかし、こんな量の荷物を一体どこに隠していたのか。魔法少女というのはどれほどデタラメな種族なのでしょう。

「中二数学Uβ」という広辞苑もあろうかという厚さの教科書を見て、萎えてしまいます。
はぁ。

ほむら「……数学は苦手かしら」

俺「カリキュラムが僕の居た世界とはまったく違いますからね。僕の世界では中学二年生といえばまだ二次関数です」

ほむら「あらあら、追いついてこれるのかしら」

俺「援助お願いできませんか」

ほむら「はい。無論よ。その事なら任せて」

俺「何から何まで本当申し訳ありません」

ほむら「いいのよ。私のじゃまにならなければそれでいい」


杏子「……終わったかー?」
90 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 13:25:03.07 ID:fBfrmIoWo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ほむら「そしてここ見滝原に。タイミングがいいやら悪いやら」

杏子「ああ。教会がガチでぶっ壊されてて噴いたよ。んで知り合いが捕まんねーかと思ったら、僥倖よ」

ほむら「いつまで居るつもり」

杏子「いつまでならいいんだよ」

ほむら「生活費が尽きて、四人諸共死ぬまでよ」

杏子「……早いとこ出てくさ。アンタに借りを作りたくない」

ほむらと杏子は積もる話があるようです。
魔法少女はみんなこのように色々と逼迫しているのでしょうか
不思議パワーが使える限り、困難はないように思えたのですが。

ほむら「あら、働くという選択肢はないのかしら」

杏子「全部断られた」

ほむら「そうでしょうね」

えっ
91 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 13:35:57.57 ID:fBfrmIoWo
俺「そっ、それって、働き口がこの周辺には無いってことですか!?」

柄にも無く声を荒げてしまいます。もちろん、中学生が働くなんてことは僕の時代でも稀な例でしたが
この場合なりふりも構っていられないのが現実で、もちろん杏子も同じような立場に立たされているはずなのです
それなのに、職がない。

ほむら「はい。そうね。そうなるわ」

俺「せ、生活保護とかも無いのですか!?」

杏子「はい。ま、貰えてたら苦労しねーわな」

ほむら「あなた達には戸籍がないのよ。特に俺はこの世界の住人ですら無い。文字通り異世界の住人なの」

背筋に薄ら寒いものが走ります。
92 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 13:40:47.90 ID:fBfrmIoWo
俺「ふ、不思議パワーとかで何とかならないんですか!お金召喚とか!」

言ったところで無駄だとは思いましたが、叫ばずにはいられません。

ゆま「はい。ゆま達魔法少女にとってはね、魔法と命はおんなじ大事なものなの」

杏子「生身でできることを態々魔法使ってやってたらな、やってけなくなるんだよ」

俺「悪戯が出来るのにですか」

杏子「はい。あんなもんは息をするように出来る。金を稼ぐとか、飯を食うとか。そんなもんとはワケがちげーの。わかる?」

魔法ですら、我々の思うとおりにすることが出来ない。
なんだか夢も希望もあったものじゃないなと、そう思います。
93 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/01(土) 13:45:40.26 ID:fBfrmIoWo
ほむら「杏子。貴女まさか」

杏子「……そうだよ。コイツにいたずらした。心配すんな、えっちなことはなんもしてねーから」

ゆま「俺くんはえっちだけどね」

俺「……君等ねえ」

杏子「きゃーおそわれちゃうー(棒)」

ゆま「きゃーおかされちゃうー(棒)」

ほむら「……」

ほむら、僕を睨まないでください。あれは不可抗力だったんですから。

ほむら「ふたりとも、気をつけることね。この男は興奮したら犬のようにところかまわずマーキングするわ。くれぐれも汚されないことね」

杏子「ああ、トイレのアレ、俺のだったか」

ほむら「!?」

俺「!?」

どういうことでしょう。捨てたはずなのでは。
まさか、ほむら。

ゆま「ハコに入ってたね。」



ほむら「……」

俺「ほむら、何故捨てなかったのです」

ほむら「触りたくなかった……」
94 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 13:54:56.68 ID:fBfrmIoWo
ながちょーばになりそーだな だがこーなりゃもー国民的行事
辿り着くまではひたすら気張って取り組む 国民的行事

休憩。流石に土曜は神。書きやすさがダンチ。
夜辺りに多分また再開する。


物が集まると群になるけど、群ておもしろい
分解したら性質が消えるんだからさ
それってつまり。
構成要素の外では性質を再現し得ないということ。

だから結局、魂を取り出すなんてことは人類には永劫出来ないコトなんだろうと思う。
キュゥべえはすごいよ。うん。


>>86
すけこ☆マギカで検索すると出てくるよ。おすすめ。エタったけど。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/12/01(土) 16:41:34.80 ID:iCpyXKnAo
クソスレ乙
96 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 18:25:12.64 ID:fBfrmIoWo
dd
「魂は物質だ」とかブチ立てられないかな
トンデモねえけど


休憩の後再開
97 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 20:29:12.24 ID:fBfrmIoWo
二時間休んでたのか俺(驚愕)

さぁいくぞ
98 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/01(土) 21:18:27.59 ID:fBfrmIoWo
うん、駄目だ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 22:38:12.87 ID:ezzxNFCIO
お疲れさん

なんだかんだ言われてるけど、個人的には嫌いじゃないよ

まああれだ、頑張って欲しい
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:49:31.75 ID:FmRHM515o
読んでないし読む気にもならん
とにかく>>1が臭い臭すぎる
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 00:16:23.43 ID:iVKIz/oho
風が語りかけます
臭い!臭すぎる!
十万石饅頭
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 11:57:48.66 ID:iNJJ9q3ao
>>1
クソつまんねーな
4んでくれ
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 16:25:06.33 ID:WctypnkAO
読んでないけど>>1の反応だけでつまんないことがよくわかる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/03(月) 03:33:45.05 ID:6VZgpL4AO
いかにも未来都市チックなのに泥土くっさい臭いが漂ってくる街の描写が何とも言えない

1さんの態度はともかくとして、個人的には嫌いじゃないです
105 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/03(月) 22:31:53.28 ID:enp6OzoAo
昨日はすまんかったね
支援ありがとう、元気が出る

さぁいくぞ
106 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/03(月) 22:40:12.57 ID:enp6OzoAo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夜。四人で雑魚寝と云うスタイルを取るそうです。
僕は真ん中で、ゆまとほむらに挟まれる形になります。
ソワソワしてしまってなかなか寝付けません。
三人とも、実に“すやすやしく”寝ています。
僕のような男一人、警戒するにも足りないということでしょうか。
実に情けないばかりです。
堂々と布団の中でシコってやろうかとも思いましたが、勃ちません。ピクリとも来ません。
……お互い様なのでしょうか。
107 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/03(月) 22:48:47.83 ID:enp6OzoAo
寝付けない僕に、白い塊がボトリとおっこって来ました。白ブツです
弱りました。僕は状況的に声を出せません。

??『声を出したくなければ、そのままでも構わないよ。音に出さず声を出してくれ』

俺『はい』

??『上出来だ』

念話というものでしょうか。もう今更驚くことではありません。
いかなる不思議パワーも、何遍も目の前で繰り広げられてしまうとそのありがたみというものが消えます。

俺『何か用があるのでしょうか』

??『この世界には馴染めたかい?』

俺『はいと言いなさい』

??『……はい。この世界には馴染めたかい?』

俺『はい。しかしながら、生活環境や学習面ではギャップが激しいので戸惑いがあります』
108 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/03(月) 23:04:09.87 ID:enp6OzoAo
??『そろそろ勘付いただろう?ここはキミの想像している異世界ではない』

俺『はい。時代のことを言っているなら、だいたいアタリはついてるつもりです。大体60年後でしょうか』

??『はい。しかし惜しい。キミの時代から一世紀は未来なんだ』

俺『そうでしたか』

??『驚かないのだね』

俺『はい。すべて受け入れるしかありませんから。疑問を抱いて解決するだけです。いつものことです』

??『……少年の精神とは思えないね。キミが少女だったら、是非是非お願いしたいことがあったというのに』
109 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/03(月) 23:05:06.50 ID:enp6OzoAo
俺『なるほど。白ブツと、彼女らにはやはりなにがしかの関わりがあったわけですか』

??『誘導尋問のつもりk『はいと言え』はい。 しかし慣れるのが早いね、キミは』

俺『はい。僕の周りに不思議パワーが使える人といえば、決まって僕をわりかし普通扱いする人間で、その上ほぼ同年代の少女だと』

俺『そういう傾向ができているのですよ。例示できるのは三例しかありませんがね』

??『要領を得ないね。つまり何が言いたいんだい?』

俺『魔法少女。それと白ブツ。つまり貴女と魔法少女の間には見えない絆がある。そう推測しました。あってますか。』

??『はい。訂正するほど間違っては居ないね』

俺『間違いは訂正すべきです。吐きなさい、白ブツ。「いいえ」と答えることも許可します。』

俺『白ブツ、貴女は魔法少女との関係について隠し事をしたがっている』

??『いいえ』

俺『ならば全てを話してください。魔法少女の全てを、今ここで洗いざr』

ほむら『その必要はないわ』
110 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/03(月) 23:14:04.29 ID:enp6OzoAo
読みづらい。台詞の途中で改行ってどないしたらエエのん

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
聞き耳をたてていたのでしょうか。猥談をしなくてよかったです。
ほむらの言葉は聞き捨てなりません。僕は知りたいのです。

ほむら『貴方が知るべきことではないわ。それは了解できるわね』

俺『はい』

ほむららしくない、いやに焦った表情です。
頻りに杏子の方に目配せしています。
杏子やゆまも聞き耳をたてているとでもいうのでしょうか。

ほむら『貴方の考えていることは筒抜けにならなくても
    言語化した途端にそのスケベな脳みそが流れでてくるわ。気をつけなさい』

俺『はい。あいわかりました。ほむっぱいもみもみ』

ほむら『それでいいの』パシーン

痛い。

??『……やれやれ、明美ほむら。起きていたとはね。少年とすら会話をすることも許さないというのかい』

ほむら『貴方に用はないの。彼は私たちが教育するわ。貴女の干渉する隙なんてないの』

??『……もし魔法少女の“そのこと”を知られたくないなら、精々気をつけることさ。
   彼は僕をも誘導尋問でもって、この口をこじ開けようとした。』

あ、やはりこの白ブツもとい子猫ちゃんは女の子だったのですね。
道理で声が可愛らしい。ボクっ娘ケモっ娘。年齢はゆまの次くらいで。最高です。
おっと。こんな時に元気になってしまうとは。

ほむら『重々承知よ。つい先程私達も口を滑らせたのだから……ッ』

おやおや。目線を逸らせないのですかほむら。そんなに見られたらもっと膨らんじゃいますよ。

ほむら『……それをしまいなさい。俺』

無理な相談でしょう。女の子が四人も。うふふ。
111 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/03(月) 23:14:35.94 ID:enp6OzoAo
風呂
112 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/03(月) 23:15:45.13 ID:enp6OzoAo
どうでもいいけど
スレタイ凝視してると

俺「僕はエイズマン」

に見えてくるから困る
113 :以下、名無しに変わりましてVIPがお送りします [hage]:2012/12/03(月) 23:30:36.62 ID:zC9w+/GAO
[アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ][アタタタタタタタタタタタタタタタタタ]
114 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/04(火) 00:00:23.09 ID:3FMHKYqHo
寝る

すまんね
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 00:05:05.11 ID:7pL8L7clo
おつ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 03:47:47.73 ID:MHp4rt2IO
構って欲しくて必死なその態度
好きだよかにさん
117 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/04(火) 21:44:13.04 ID:3FMHKYqHo
キュゥべえはメス
ジュゥべえもメス
フングリッヒプンペもメス
コールなんちゃらプロローグもメス
実はホルガーもゴッツもメス
何から何まで♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀
♀は受け身。しかし強い。でなくては壊れる。
壊れる器はめったに無い。壊れないから器でいられる。


それでも壊れない器をぞんざいに扱うそんざいはない
これが言いたかった。

さぁいくぞ
118 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 21:52:44.03 ID:3FMHKYqHo
俺『魔法少女の真実。実に気になりますね。目的から何から、全く見当もつかない』

ほむら『それでいいの。もともと異世界人で、一般人で、そのうえ男の貴方には全く関係のないこと』

俺『僕は貴女達と関わりました。無関係ではありません。知る義務はなくとも、権利はあります』

ほむら『その権利は知られる側が持つ「知らせない権利」によって失効するわ』

俺『そうですか。でしたら詮索はしませんよ』

ほむら『賢明ね。流石いい子』

俺『はい』

??『……僕はこれで失礼するよ。また会える日まで、俺』

俺『いつでも来てください。可愛らしい子猫ちゃん』

??『そんなことを言われても僕はなんとも思わない』

ふわっふわの尻尾がセクシーでキュート。この子もツンデレですか。いや、クーツン?
子猫ちゃんは夜の闇に消えてゆきました。
119 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 21:59:43.22 ID:3FMHKYqHo
ほむら『……あいつの外見に惑わされては駄目』

おや。ほむらの様子が。
妬いて……くれたらば嬉しいのですが、どうやらそうではない雰囲気です。

俺『内面はよくわかってるつもりです。昨日の夜、トイレで彼女は僕に接触してきましたから』

ほむら『……そんな大事なこと、きっと知ってて隠したのね。あなたってそういう所あるから』

俺『はい。と言いたいですが、確信が持てなかったので。隠していたように思われたならば申し訳ありません』

ほむら『いいのよ。貴方に器用な気遣いができるなんて思ってないから』

俺『はい。手厳しいですね』

ほむら『私はやさしくはないから』

そんな人間が家に他人を泊めたりするでしょうか。
120 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 22:05:26.53 ID:3FMHKYqHo
俺『そろそろ本当に寝なくてはなりません。明日は学校に行くのでしょう』

ほむら『そうね。寝ましょうか』

俺『はい。おやすみなさい』


ほむら『ねえ、俺』

ほむらの念話が急に急かすような口調になりました。

俺『はい』

ほむら『……私には、言ってくれないの?』

俺『はい』

ほむら『ねえ、俺』

俺『はい』

ほむら『……もう知らない。おやすみ』

俺『はい。おやすみなさい』


やっぱり言って欲しかったんですね。かわいいって。
またそういうところがかわいらしい。
左を向くと、ほむらが目をぎゅっと瞑って向こうを向きました。

そして振り返って。

ほむら「……何よ。早く寝なさい」

肉声でそう言って、また向こうを向いてしまいました。
121 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 22:30:01.34 ID:3FMHKYqHo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ピピピピピ……
僕の腕時計の音です。
朝の六時。時代を超えても電波時計は機能するようです。
裏を返せば、その技術だけは進歩していないということになるのでしょう。

杏子「んん……なんだようっせーなぁ……」

俺「おはようございます、杏子」

髪をボサボサとかき回し、眼をこする杏子。無防備な上半身。
寝起きのハスキーボイスが、なんだかエロティックに聞こえてしまいます。

杏子「……まーたおっ立ててんのか。朝っぱらから元気だなお前は」

俺「はい。ですが朝は仕方ありません。そういうものです」

杏子「よけーなモン付いてっと苦労すんだな。女でよかったわ」

俺「女性は月一で苦しむと聞きましたが」
122 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 22:31:49.86 ID:3FMHKYqHo
僕がそう言うと杏子は引きつった顔になり、そしてそのあと不機嫌そうに
杏子「……おめーは鶏かよ。昨日話したことまるまる忘れてんじゃねーぞ」

   「あたしらは魔法少女だ。そんな月一のメンテだかジャムの日だかなんだか知らんが、無縁だね」

俺「なるほど。そんなことまでできてしまうのですか」

杏子「ま……はい。魔法は万能じゃねーし、無茶も利かないけど、ある程度のことは出来る」

   「対象が体から離れれば離れるほど効き目が弱まってくだけだ。あんま魔法みくびんな」

俺「興味深いですね。夢の延長線上みたいなものでしょうか?」

杏子「……はい。いいものの例え方するじゃねーか。そうだな、まるで夢。そうだ、間違っちゃいないかもな」

   「ただ、夢と決定的に違うのは、『自分を支配しているのは精々自分』ってとこだな」

俺「はて。」
123 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 22:36:08.30 ID:3FMHKYqHo
杏子「夢みたいに相手の体まで思い通りにはできない、ってこった」

俺「……だからお金の工面もまるでできなければ、履歴書や文書の類も偽造が出来ないと」

杏子「はい。っつーよりかは、やりたけりゃATMぶっ壊すのが一番手っ取り早いんだな」

   「……あたしはもう、そんな魔法も使えないんだけどな」

俺「なるほど。魔法が使えるようになっても困難はあると」

杏子「なんでもできるビックリ人間じゃないからな。そう思えば魔法少女もまだまだ人間くっせーもんさ」

俺「機械じゃありませんものね」

杏子「そのとおり。 おーい、ほむら、ゆま起きろー」


ほむら「……」

ゆま「んー……」

なんとまぁ、破壊力のたかい光景だ。
124 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/04(火) 22:49:15.15 ID:3FMHKYqHo
何ででしょうね。僕はいろいろと不思議でならないのです。
何故一介の少女たちが、こんな大仰な
言ってしまえば、分不相応な能力を手に入れてしまえるのか。
魔法少女と一般人との違いだって、魔法が使えるかどうか、という点を除いてそうそうないはず。
強いて言うなら、「年頃の少女」「聡明」位のものです。
いかんせん資料が少ないので、そうとしか傾向を取れないのが悲しいところですが。

また、ほむらや子猫ちゃんの言動から見ても
子猫ちゃんが魔法少女に魔法の力を分けていると推測して間違いないでしょう
きっと子猫ちゃんが魔法少女の弱みを握っている。だから「魔法は魔法少女の命である」と言うのか。
あくまで推論の域を出ませんが。

子猫ちゃんは自称する通りに、口が堅そうです。滅多なことでは、きっと口を滑らせません。
本当のことを、きちんと問いただせば全て吐きそうですが、のらりくらりとかわされてしまいます。
ほむらも同じで、子猫ちゃんが全てを喋ろうとすると目に見えて焦っていました。
杏子やゆまは口は軽そうですが、あれ以上のことをきっと知らないでしょう。

そして。
子猫ちゃんが知られて困ることならともかく
魔法少女であるほむらが
何故そこまでして同じ魔法少女である杏子やゆまに魔法少女の秘密を隠そうとするのでしょう。


そして何のために魔法少女になろうとしたのか。
不便だから魔法少女になったわけでもないでしょう。
杏子とゆまがお金に困ってることから見てもそれは明白です。
……生理痛が重いから。それだけの理由で弱みを子猫ちゃんに握らせるでしょうか。


ほむら「……おはよう、俺」

ゆま「……おれにーちゃん、おはよ」

ゆま、僕の本体はそれではありません。もっと上です。上。
125 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/04(火) 22:53:38.70 ID:3FMHKYqHo
がぎぐげご。休憩。風呂。
書いててあれだが、頭がティロティロしそうになった

wikiにまた追加文入れるとするか
126 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/05(水) 00:16:52.43 ID:KjMfX4oQo
気がつけば タカシが消えたよ 法隆寺(字余り)

寝る。

書いたレスが一レス多いとテンション上がる
俺くんに早くセックスさせたい
127 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/05(水) 23:13:45.41 ID:KjMfX4oQo
めでたく前スレが導かれたようだ
管理人さんお疲れ様です


俺は何をしようとしてたんだっけか(健忘)
休憩か風呂入ったら再開
しかし第二話まで遠いなオイ
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:18:23.56 ID:++qOeloRo
頑張れ。待ってるよかにさん
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/05(水) 23:24:16.97 ID:UInvyYjxo
C
130 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/05(水) 23:47:17.09 ID:KjMfX4oQo
支援が有難すぎて上むいて涙をこらえるレベル
何が何でもエタれねーわこりゃ
前スレの1?アイツはもう消えた!!

しかしスレタイの御三方、出る気配今のところ全くナシ
動きがないからね。仕方ない。

さぁいくぞ
131 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/06(木) 00:01:31.87 ID:kOspCxiio
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
シャコシャコシャコ
ほむら「……」
ゆま「……」
杏子「……」

年頃の娘っ子らが、うつろな目で毛の生えた棒を口の中に出し入れしては白い液を吐き出す。
もしかしなくてもそのような想像をしてしまいます。
特にゆまなんかは、ああもう、妄想するのすらもはばかられる。
その幼い口腔に、いけないことなど。断じて。

ゆま『ヘンタイ』

俺『はい』

俺「……」

俺「ぺっ」

口を濯ぎます。
未来の歯磨き粉も、やはり過去と変わらない味のようです。
水を含んだときの不快感が心なしか少ないような気がしました。
132 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/06(木) 00:05:25.35 ID:kOspCxiio
(saga忘れ。)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺「いただきます」

杏子「いただきます」
ゆま「いただきます」

ほむら「いただきます」

白米に味噌汁とほうれん草の胡麻和え。
それと……これは焼いた刺身でしょうか。刺身を焼くとは、贅沢なことをします。

ほむら「消費期限ギリギリだったから焼いたのよ」

俺「そのような対処法が有りましたか。勉強になります」

杏子「まさか捨てたとは言わねーよな」

俺「とんでもない。タマの餌になります」

杏子「……捨ててないなら許してやる」
133 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/06(木) 00:15:26.45 ID:kOspCxiio
俺「杏子とゆまは今日はどうするんですか」

杏子「あたしらにできることをする。稼ぐなんてことはできねーけどな」

ゆま「私達も支えていかなきゃいけないでしょう」

ほむら「無理をされても困るわ。くれぐれもトラブルを起こさないでね」

杏子「そこのヘンタイいい子ちゃんと一緒にしないでくれ な?」

ゆま「な!」

俺「はい」

強い。女の子強い。だがそれがいい。
ほむらの太ももを撫でてみます。
……意外にむちむちです。弾力、手触り、ぬくもり、におい。どれをとっても最高の出来です。
どれ、おしりの方は……

ほむら『……何のつもりかしら』

流石にそこは無抵抗ではいけませんか。残念です。

俺『触り心地が最高です』

杏子『聞こえてんぞおめーら』

手を引っ込めます。

ゆま「……?」
134 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/06(木) 00:23:42.56 ID:kOspCxiio
俺「ごちそうさまでした」

杏子「ごちそうさまでした」
ゆま「ごちそうさまでした」

ほむら「お粗末さまでした」

杏子「いやー、ガチでご馳走だったわ。量といい質といい。何ヶ月ぶりだろうな」

ほむら「それはよかったわ。作った方としてもうれしいわ」

杏子「さて、準備でもするかな。ゆま」

ゆま「了解」


杏子「多分昨日と同じくらい、六時には帰ってきてると思う。」

ほむら「わかったわ。それまでに帰ってきてなかったらそこら辺で時間を潰しててもらえるかしら」

杏子「おう」

杏子とゆまは軽い身支度を整えて家を出ました。


俺「ではほむら、我々もそろそろ」

ほむら「ええ、そうね」
135 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/06(木) 00:24:08.63 ID:kOspCxiio
風呂。
あーここで切りたくねーな
136 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/06(木) 00:51:54.04 ID:kOspCxiio
すまん、寝る
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/06(木) 00:54:03.15 ID:aDkAJNN3o
おつかれ
138 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/06(木) 19:44:57.78 ID:kOspCxiio
僕らもそろそろ身支度をしなくては。
真っ白い制服。僕の時代で言うところの「詰襟」を白く染め上げたかのようです。
……着心地が軽い。着てる気になりませんね。

俺「……似合うでしょうか」

ほむら「はい。 とっても似合ってるわ。これは本当」

俺「そうですか」

正直今すぐにでも脱ぎ捨てたいです。

学生鞄。僕らの時代のものと大して変わりません。
強いて言うなら、中身がものすごく重いことだけでしょうか。
139 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/06(木) 19:49:26.62 ID:kOspCxiio
俺「さあ、行きましょうか」

ほむら「ええ、そうね」

ガチャ

ほむら「朝早めに行かないと、貴方は自己紹介が……」

ほむら「……」

ほむらの様子がおかしいです。


俺「どうかしましたか。ほむら」

ほむら「はい。 どういうことかしらね。本当」


玄関の外には


??「ごきげんよう。暁美ほむらさん?」


金髪ツインドリルの、きょぬーが立っていました。
うお、でけえ。規格外。
140 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/06(木) 19:50:34.62 ID:kOspCxiio
そうそう。昨日はここまで投下したかったんだよ。

やたーやっとあの人が出せたー人が増えた増えたー
休憩。展開が広がっていきそうな予感がプンプンするぞー
141 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/06(木) 23:21:12.88 ID:kOspCxiio
乗らんな


いいとこまではいった
寝る
142 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/07(金) 19:12:20.31 ID:rhk7WGn8o
すまん、今日は休む
143 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/08(土) 23:56:25.51 ID:Or/DEWICo
センターまで三ヶ月もないってマジカ☆マギカ
[ピーーー]浪目突入やな

さぁいくぞ よしいくぞ
144 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/09(日) 00:50:06.90 ID:Tcds6H18o
??「お久しぶりね。昨日振りかしら?」

ほむら「茶化さないで。何しに来たの」

険悪なムードです。空気がいたく張り詰めています。
いい子は空気が読めるので、僕は空気に徹します。

??「あの子たちの気配を感じたから視察しに来た、というところかしらね」

ほむら「言ったはずよ。私達に接触しないで、と」

??「つれないわね。昨日追い払われたのがそこまで癇に障ったの?」
145 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/09(日) 01:00:11.60 ID:Tcds6H18o
??「男を連れ込んでおいて、よくも『一般人を誘導している』なんて言えたものね」

この女はほむらを煽っているのでしょうか。やたら強く出てきます。
そして口ぶりからして同じ魔法少女と見ていいでしょう。
しかし接し方は杏子やゆまがほむらと接する時のそれと全く違います。
魔法少女間でもトラブルはあるのでしょう。
例の不思議パワーでドンパチやられては、堪ったものではないのですが。

ほむら「彼は男よ。男は魔法少女にはなれない。貴女も良くご存知なのではなくて」

??「……」ピク

どうやらビンゴ。彼女も魔法少女です。

ほむら「ご心配には及ばないわ。彼は既に『識って』しまっている。そこからの選択は彼次第よ」

??「そう……お互い分かり合えたらよかったのだけど。そうもいかないみたいね」

ほむら「案外、貴女がそう思っているだけかもしれないわ?」

??「どうかしらね」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 01:04:10.46 ID:zwmKCEnAO
面白いじゃないか
147 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/09(日) 01:18:24.72 ID:Tcds6H18o
僕が割って入るのもおかしい話ですが、家に壊れてもらっても困ります。

俺「あの」

??「……私に何か?」

俺「はい」

ほむら「ダメよ、俺。貴方が会話したら確実に血を見ることになる」

何をバカなことを。そんな事言ったら。

??「……」ピク

??「……私は、どこぞの誰かさんと違って、きちんとわきまえてるつもりなんだけどなぁ……」

俺「何故煽り返したのです、ほむら」

ほむら「ご、誤解よ」

俺「……して、御仁。貴女はほむらと知り合いのようですが、何故険悪なのです」

ほむら(あぁ、終わった)

??「険悪というほd「返事は『はい』だろ。脳みそついてんのかデブ」」

ほむら「俺、いい加減にしなさい」

??「……」プチッ

俺「胸に栄養取られて頭腐ったか?クルクルパーなのか?だから頭からクルクルぶら下げてんのか?」

??「……」プチップチッ

??「……口を慎m「慎むのはおめーだよ返事は『はい』だっつってんだろ、ブタ」」

??「……」クワッ!

??「……精々生き延びなさい。私はもう行くわ」

ほむら「ええ、そうしてくれなければ遅刻してしまうわ」

??「……ふん」スタスタ

女は去って行きました。
148 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/09(日) 01:29:24.34 ID:Tcds6H18o
ほむらは魔法少女のことについて口を噤む以外の選択肢をとりません。
だからこそ、外部魔法少女に話を伺おうとしたのですが……僕が間違っていたようです。

通学路。ほむらについていきます。
朝の風になびくほむらの髪は、まこと良く手入れされていると思います。
でも知っていましたか。彼女はまだイチゴのシャンプーを使っているんですよ。

俺「とんだ礼儀知らずも居たものですね。形は綺麗でも返事ができないんじゃダメダメだ」

ほむら「傍から見れば貴方も十分失礼だったわ」

俺「はい。反省しています。間違っても太った女性にブタは失言でした」

ほむら「彼女は私なんかと違って胸が大きいだけよ。それに制服のサイズが大きいことを悩んでいるの。あんなコト言われたら温厚な彼女でも怒るに決まってるわ」

険悪だった割にやたらフォロー入れてきますね。情報漏洩にそこまで過敏になることもあるでしょうか。
でしたらそのフォローに甘えてしまいましょう。

俺「おやおや、ほむらだって負けてないじゃないですか。着痩せするタイプなんですよ」モミモミ

俺「ほら、手のひらから余るだけあれば日本人女性としてm」

彼女の平手が左から右に貫通するだけに留まらず、往復しました。痛い。
左手首をひねられます。あり得ない方向に曲がっています。ぐゎ、痛い。
149 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/09(日) 01:35:08.50 ID:Tcds6H18o
休憩。
俺くんここまでおっぱい星人でしかない
QMAやったら発狂するんじゃね

しかしまーどんどんテンプレ主人公から遠のいてく
初対面の魔法少女に悪態をつくのはデフォ
聖団とか悪口思いつかないけど


男にはなんて言うんだろう彼
チンコ揉むのかな
「おや、僕より大きいですね」とかお世辞言っちゃうのかな

にしても自己紹介まで遠い遠い
150 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/09(日) 01:45:28.65 ID:Tcds6H18o
へい、再開
さぁいくぞ
151 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/09(日) 01:49:47.40 ID:Tcds6H18o
手首を振ります。よかった、折れてない。

俺「……」

ほむら「これだけは留意して。貴方は口が過激だわ。努々質問はしないようにお願いできないかしら」

俺「はい。ただし実行はしません」

質問はコミュニケーションツールです。手放すわけにはいきません。

ほむら「はぁ……」


ほむら「……ならこれだけは守って」

俺「はい、なんでしょう」

ほむら「胸揉まないで。恥ずかしいから」

俺「気持ちよくありませんでしたか」

ほむら「s……はい。気持ちよくないし、男の子に触られるのは怖いわ。貴方だって、大事なところを私に鷲掴みにされたらどう思う?」

俺「大変喜びます」

ほむら「」

俺「して、気持ちよくありませんでしたか。それならばより一層精進しようと思います」

ほむら(あぁ、もう駄目だ)
152 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/09(日) 01:50:27.77 ID:Tcds6H18o
中断。すまん
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 11:42:48.73 ID:0a5nbkT3o
俺はいいと思う
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/09(日) 21:34:30.82 ID:ptQZoz+oo
乙乙!
155 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/10(月) 00:01:25.43 ID:+5o5g5Odo
夜明けに書く
今少し読み直してるところ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 08:55:53.92 ID:o4zDl49AO
彼の居た時代よりも更に苛烈に虐められそうな予感がするよ俺くん
157 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/10(月) 09:31:45.17 ID:+5o5g5Odo
彼はそれをいじめだと思わないから全く問題ない
ただタカシみたいなハイセンスないじめっ子モドキは居ないと思っていい
その代わり、ほら、オナホールが約30人くらい居るからね。使おうとしないけど。
壊れない器をぞんざいに扱う存在は居ない。

めし食ったらさあいくぞ
158 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/10(月) 13:11:11.67 ID:+5o5g5Odo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
高いビルが目立たなくなり、視界の奥にはものすごく高いランドマークと思われる塔が見えてきました。
僕らの世界の、ブルシュ・ハリーファにとても良く似ています。
改めてこの世界のハイカラっぷりに目を見張ります。

俺「……凄いところですね」

ほむら「そうね。学校も凄いところよ」

俺「まるでアニメの中みたいです」

 「あの塔はまさか『中央集合施設』みたいなものなんですか」
159 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 13:13:22.92 ID:+5o5g5Odo
しかし、あんな高所に住まわされたら、下界のことなんて興味がなくなってしまいそうです。
尤も、住める人たちなんて云えば、元々我々下々の民なぞ、ハナから気にかけていないものなのでしょうがね。

ほむら「はい。そうね、ここ最近完成したばかりだそうだから、今はテナントや居住者を募集してるみたい」

俺「……推測ですが、恐らく居住者など」

ほむら「……ビンゴね。昨日周辺を歩いてきたからわかると思うけども、この近辺は戸建持ち以外の人たちは、みんなあの有様」

まあ、そうでしょうね。
160 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 13:18:10.66 ID:+5o5g5Odo
会話をする私達の傍を、無音バスが通りすぎて行きました。
空気の乱流が私達を追い抜いていきます。

ほむら「戸建持ちですら、みんなカツカツなのよ。況や彼らをや、よ」

    「私の家だってそう。親が居ないの、不思議に思わなかった?」

言われてみれば。挨拶をしようとしていたのを思い出しました。
彼女の両親は何処に居るのでしょう。
161 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 13:21:21.05 ID:+5o5g5Odo
ほむら「私は入院していた。生まれつき心臓が悪くてね。その入院費を稼ぐために、私の両親は東奔西走していたわ」

     「治った私は、この有様。───別に文句が言いたいわけではないの」

     「会えなくなったわ。両親に。積み重なった入院費医療費は、それはそれは重い負債となって私達に覆いかぶさった」

そんな。医療保険が───

ほむら「よく考えて、俺。この国の人口はもう、あなた達の居た頃とは全く違ってしまっている。増えたのよ」

     「総人口は三億人。この数字が意味するところは、貴方にはわかるはずよね」

まさか、そんな。
ホームレスの数や、働き口がないことだって、不景気であるのは見て取れますが。
……保険制度の崩壊?まさか。

     「貴方の居た時代は、少子高齢化の社会だった」

     「この時代もそうなの。しかも、もっとタチの悪い───」






                       多子高齢化社会。
162 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 13:52:03.61 ID:+5o5g5Odo
ほむら「貴方の居た時代はキュ……あの白いのから聞いたわ。2012年。今から大体120年前のこと」

     「そこから五十年、2062年。第三次ベビーブームが到来。これが私たちの時代の“足枷”となっている人たちが生まれた世代」

     「この時代から、昔の医療保険制度がおかしくなり始めた。とうとう底をついたのよ。お金が」



……実に聞きたくないことばかりです。ですが、知るためです。知らなくてはいけません。知らなくては、いけません。
チリひとつ落ちていない、セラミック張りの歩道に足音が反響します。

ほむら「……続けるわね。聞きたくなかったら、耳をふさいでもいいのよ」

俺「はい。しかし、決して実行することはないでしょう。最後まで聞きますよ」

魔法少女と未来社会。まるで似ているようです。
163 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 14:00:41.79 ID:+5o5g5Odo
ほむら「……そして私達の世代。2110年代。第四次ベビーブームの時に生まれた子供が、私や杏子、ゆまたちの世代」

     「この時代の“手枷”になってる世代よ」

     「もう分かるわね。崩れかけた船が、乗員ばかり載せて航海が続けられるわけがないの」

     「医療費、入院費、その他もろもろの費用。一体何処の誰が払う?別段医療に限ったことではない」

     「技術の進歩によって人一人、それこそバラバラになってしまった体を縫合して蘇生してしまうことだって不可能ではなくなった」

     「生き血をありったけ抜かれても、心臓が破れようとも死ぬことなんてない」

息を呑みます。そこまでのことが可能になって居るというのですか。
気味が悪いです。
164 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 14:02:44.36 ID:+5o5g5Odo
ほむら「でも、人は死ぬのが定め。その定めを歪めたら、そこには当然多大なるしっぺ返しが待っている」

     「それを表面、お金『だけ』の問題にとどめたのは、流石よね」

     「……なら、誰がその代償を支払うの?人が生きるために、何の関係もない他人の人生を踏みにじってまで──!!」

俺「それが、従来の保険の制度ですよね」

ほむら「人一人が生きるのに、国民全員が積み立ててきた費用をまるごと投じるの。不自然よね、どう考えたって」

     「『固より一人で贖えない分を借りることが間違っている。』……持つもののいいわけよね。今までのが私達“賤民”の言い訳なら、これだって」

     「蓄えた層は、ご察しの通り摩天楼の、地上より遙か彼方の恵まれた牢獄で一生を過ごす」

     「生まれた瞬間から、逆転不可能な敗北決定のゲームの席につかされる。ボードをひっくり返しても、対戦相手を殺しても、負け」

     「負け、負け、負け負け負け負け負け負け負け負け負け」

目は見開き、血走り。
顔を覆い隠したほむらは、まるで魔女のようでした。
見てられません。
165 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/10(月) 14:06:28.74 ID:+5o5g5Odo
俺「……」

ほむら「……ごめんなさい」

     「言ってしまえば、国民は国民であるだけで罪。上も、無論下も。」

     「国民はその罪を贖うために、一生を費やさなくてはいけない」

     「この時代のこの国は、そういうところよ」

     「私達非生産年齢人口世代だって、いつ切り捨てられてもおかしくないの」

     「お金になるなら、吸い上げられて。お金にならないなら……そうね、お金持ちの慰み者になるんじゃないかしらね」


俺「……非情に重苦しい話です。」

察しが付いていなかったといえば、嘘です。

ほむら「過去の人にひどい未来のざまを見せてしまったわね。でも、これが現実なのよ」

    「これが貴方の知りたがっていた、“現実”であり“事実”よ」

    「……これは私の周辺にまつわることの話だから、すごく偏っているかもしれない。でも、そうなの」

俺「……よくわかりました」

……未来を担う子供達。それすらも、厄介者として。切り捨てたいと思うまで。
そこまで、この国は疲弊してしまったというのでしょうか。
そして、惰性だけでここまで歩んできた。そのしぶとさだけは評価に値しそうです。

便利は、敵でしょうか。人が「生きたい」と思うことは、罪か?
問を投げかけても、返っては来ません。
166 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/10(月) 14:12:54.84 ID:+5o5g5Odo
知ったか知識大こうかい(トリプルミーニング)
矛盾さえなけりゃいいし今更矛盾があったところで……(小声)

以下チラ裏
こんなこと書いたけど
別に今の日本に不満があるわけじゃない
なんだかんだちゃんと生きてけてるし
賃金やっすいけど

だから割と政治家は応援してる方
あいつらしかいない。たのむ。頑張れ。

でもTPPは勘弁して欲しいかな
ほら、くいもんだけは安全なのがいいし
それに地産地消が成り立たなくなったらウチんとこ死ぬんすよね



ってゆーチラ裏でしたっと
そろそろ予備校行く時間だし消える
九時頃には戻ってると思うが多分書かない
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 20:56:06.33 ID:lnGQVfODo
乙乙!
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 21:04:52.74 ID:83K79Wnbo
おつした
169 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/10(月) 23:33:08.28 ID:+5o5g5Odo
やあ(´・ω・`)

どうやら俺が談義スレに書き込むと談義スレが壊れるらしい
いつものノリで書き込んでるだけなのに
愚痴の一つもこぼしてないのに
精神病棟とかあんまりだ

さぁいくぞ
170 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/11(火) 00:17:10.56 ID:u1GDHfJto
二人で隣り合って歩いてるというのに、僕は周りの風景を見てばかりです。
気の利いた言葉さえ、今は浮かんで来ません
何を言っても空を切る意味のない言葉に取られてしまわないか
そう思ってしまいます。

俺「……ほむらは、『今』が嫌いですか」

ほむら「……はい。どういう意味。」

俺「そのままです」

ほむら「そうね、好きではないけど、辛うじて『嫌い』ではないかしら」

俺「どうしてですか」

ほむら「何か一つ、大事なものがあるから……かしら」

俺「そうですか」

ガラス張りの大きな建物が見えてきました。
周りに見中の制服の白が目立ち始めます。
171 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/11(火) 00:18:59.15 ID:u1GDHfJto
ここまで。かな
夜型じゃねーのかなー俺
イマイチ乗らない
172 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/11(火) 22:34:03.06 ID:u1GDHfJto
本日休業

ゆっくり練ってる
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 00:37:14.14 ID:p8OuldxMo
C
174 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 11:43:46.20 ID:OU/szIPjo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
実に落ち着きません。上下はともかく、左右全てがガラス張りの学校です。
何処のクラスがどのような授業をやっているのかまるわかりになってしまっています。

俺「完全によそ者を見る目ですね」

ほむら「仕方ないわ。でもこれはまだマシ。東京はもっとスゴいんだから」

各々が談笑してる中、僕らが通り過ぎると皆白い目線を突き刺してきます。

俺「今朝の彼女は、この中に居るのでしょうか」

ほむら「はい。とは言っても上の階だけれどね」

俺「そうですか」
175 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 11:51:58.83 ID:OU/szIPjo
???「ほむらちゃん!」

ほむら「……! おはよう、まどか。ちょっと後にしてもらえるかしら。彼を控え室に連れていくから」

まどか「うん、わかった!」


俺「はじめまして」

まどか「……はじめまして」

小柄で、幼い印象が残る少女です。どことなく、ゆまを思い起こさせる感じです。
おっぱいも小ぶりです。
関係が悪くなるから質問はやめろ、とほむらから念話が飛んできました。
残念です。

まどか「……転校生さん?」

俺「はい、そうです」

まどか「よろしくね」

俺「はい」

まどか「……」

ほむら「……」


何でしょうかこの空気は。僕は返事以外してませんよ。

ほむら「行きましょうか」

俺「はい」
176 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:04:42.04 ID:OU/szIPjo
俺「すごく明るい友達なんですね」

ほむら「はい。ええ、そうね」

俺「あまり壊したくない関係ですね」

ほむら「はい。……どういう意味かしら」

俺「そのままです。質問ができないのはもどかしいですが」

ほむら「貴方が肯定以外の返事を受け入れない、そのスタンスを変えればいいだけだと思うのだけど」

俺「それだけは譲れません」

ほむら「……そう」

俺「まどかはかわいいですね」

ほむら「はい。……貴方ね」

俺「ご心配なく。おっぱいはもみません」

ほむら「そういう問題じゃないのよ?」
177 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:06:55.62 ID:OU/szIPjo
渡り廊下を歩いて、別棟の事務棟に着きます。
エレベーターのボタンを見て、また仰天します。
ホログラム、でしょうか。空中にボタンが浮いてます。

ほむら「ふふ、珍しそうね」

俺「見たことありませんからね。これはすごい。」

ボタンを押してみます。
おお、色が変わった
これも、これも、おお、これは非常用ボタン…?

ほむら「そのへんにしておきなさい。待合室に何時まで経ってもつかないわよ」

俺「はい」
178 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:12:42.50 ID:OU/szIPjo
ほむら「きっともっと驚くわ。上を御覧なさい」

文字通り仰天。ロープがない。

ほむら「あなたたちの時代って、まだロープを使っていたんでしょう?」

俺「はい、まあ」

ほむら「スカイツリー…だったかしら?あれが一番高い建物だったのよね」

俺「はい」

ほむら「あれを見て」

ほむらの指差す、エレベーターの窓から見える視界の縁。
白く、釣鐘型の馬鹿でかいブツがそびえ立っています。

ほむら「あれが今日本で一番大きい建造物。ソラ-Sora-って言うのよ」

未来の世界は何でもありです。
179 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:17:39.75 ID:OU/szIPjo
待合室階につきました。
ガラス張りの慌ただしい印象とはまた違った、全室カーペット張りのシックな階です。

??「あら、暁美さん」

ほむら「おはようございます、早乙女先生。転校生の彼を連れてきました」

俺「おはようございます。この度見滝原中学校に転校することになりました、俺と申します」

早乙女「俺くん、ね、はい。話は聞いてます。どうぞこちらへ」

俺「はい。失礼します」

ほむら『……貴方の担任になる人よ。絶対に質問は控えて』

俺『はい』
180 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:36:42.51 ID:OU/szIPjo
ほむらは教室に戻りました。

早乙女「どうぞ、かけて」

俺「はい。失礼します」

入って左側に飾られている紫色の花が印象的な、茶色の木目張りで統一された部屋です。
早乙女先生は、さっきまでの外の顔を崩して、睨むように僕を見つめてきます。
しかし綺麗な先生だ。 ……30行くか行かないか? おっぱいはもう百点満点です。

早乙女「単刀直入に聞きます。気分を悪くしたらごめんなさいね」

     「貴方、戸籍がないのよ。どうして?」

俺「……昨日ここに来たばかりでして」

早乙女「脱法児かしら」

俺「……出生した時に届けられていないと、そうおっしゃいたいのですか」

早乙女「その通りよ。でなければ、説明がつかないの」

俺「時を超えてきたんです。2012年から」

早乙女先生は大きなため息を吐いて、腕を組みます。
むにゅん。

早乙女「……そうね、それなら説明がつくわね」

     「……証拠は?」

俺「ありません」

早乙女「……」

     「もうすぐホームルームが始まります。自己紹介の準備をしておいて下さい。」

俺「はい。」

早乙女先生はそう言って、この部屋を後にしました。




ちょ、待って。僕この学校のこと知らないんですけど。
そう言おうとした僕を残して、扉はバタンとしまってしまいました。

……僕も戻ろう。きた道をたどれば何とかなるでしょう。
181 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:39:40.07 ID:OU/szIPjo
ほむら『置いてかれたわね』

俺『ほむらですか。今何処にいるんです』

ほむら『教室よ』

俺『何処の!?』

ほむら『あら、貴方が慌てるなんて珍しい。いい機会だから探検してみたら?』

俺『転校初日に学校で遭難とか洒落になってませんから!いや、さっき先生もうすぐホームルーム始まるって!!』

ほむら『切るわね』

俺『電話かこれは!? ちょ、ちょっとほむら!』

ツーツーツー

俺「……何この学校。すごすぎ」
182 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:42:57.49 ID:OU/szIPjo
渡り廊下を歩いて行けば、確か教室棟だったはずです。
早速行きましょう。
…と。


俺「……なにしてるんですか、杏子、ゆま。」

杏子「あ、俺じゃん。よ」

ゆま「やっほー!」

俺「ここ何処だかわかってます?」

杏子「学校だろ」
183 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:49:32.51 ID:OU/szIPjo
しれっと言ってのける杏子。
返事忘れてますよ。

杏子「はいはい」

俺「何のために来たんです」

杏子「なんとなく来た」

   「そしたらここ売店らしいじゃんかよ、物売れるんじゃね?って思って。今日からあたしたちがてんちょー」

ゆま「かんちょー」

やめなさいゆま。

ゆま「ノリ悪っ」
184 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 12:58:17.10 ID:OU/szIPjo
俺「店長居ないんですか」

杏子「はい。居ない」

俺「……こんなに物が置いてあるのに、誰が仕入れてるんですか」

杏子「よく見ろよ俺。これ二十年くらい前の文房具だぞ。ずっと放置されてたんだろこの売店」

スーパーゲル、ハイパーグリップ……という、多分僕の時代なら珍しいものばかりです。

俺「いや知りませんよ」

杏子「兎に角、ここであたしらは稼ぐからな!いつでも来いよ!お客一号!」
185 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/12(水) 13:02:57.64 ID:OU/szIPjo
俺「……20年放置されて、誰も盗まないようなものなんですよね? 誰かが買うんですか、それ」

杏子「……お前」

俺「はぁ!?」

杏子「いやもう、お前しか居ないだろ」

俺「ええー……お金ないんですよ僕」

杏子「なんとかしろ」

俺「いやいやいや」

   「……それとお気づきかもしれないですけど、ここ人来ませんよね?」

杏子「ああ、だから誰も盗まないと」

   「でも不自然じゃね? 誰も来ないってんなら、何でこんな綺麗なまんまなんだよ。誰か掃除でもしてんだろ」

   「ソイツらに売りたいところだが、多分売れんよ。使わないだろうしな」

俺「……」

杏子「だからお前も来ればいいんだよ」

ゆま「こっちのサービスもするよ?」チュッ

杏子「おっ、反応した」

だからこういうことはするなと。

俺「い、いや、行かないですよ。第一、教室棟にあるとはいえ教室からは遠いんですから」

杏子「……んじゃそっちも何とかするか」

俺「僕もう行きますよ?」

杏子「いってらっしゃい。」

ゆま「いってらっしゃーい」

売店を後にし、エレベーターに乗り込みます。
……何階だったっけな

ほむら『二階』

俺『ありがとうございます』

ほむら『というのは嘘』

俺『……』

ほむら『三階よ。これは本当』

何の仕返しですか、これは。
186 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/12(水) 13:09:20.46 ID:OU/szIPjo
ここまで。
二十年放置されたボールペンとかインク全部黒くなってんだろ
でも2110年製ならきっと大丈夫(この時代は2130年位)

んなわけねーだろ!!!

きっと中国はぶっ潰れて、輸入モノの値段も跳ね上がって百均とかそういうのも淘汰されるだろうに違いない。
国産復権の未来。雇用拡大。でも不法滞在の在日外国人に仕事全部取られてるとかだったら笑う。
それで国民を邪魔者扱いとか、やべー。

なんちゃら細胞のお陰で薬がびっくりするくらい安くなって、そのお陰で製薬会社がっぽがっぽ
でも下げ止まり突っ切って破綻して薬屋さん路頭に迷い始めるとか。ないけど。
昨日のNHK見てそういう未来があるんだろうかという極端思考。
うん、面白くなってきやがった。風呂敷たためる気がしない。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 13:15:06.50 ID:N8Q3MZUDO

この世界は2077年に核戦争で滅亡しなかったのか
188 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/12(水) 13:29:06.27 ID:OU/szIPjo
戦争とか言う概念は考慮していない
なぜなら魔法少女が存在してしまっているから

戦争や武力を無視し行使しない状態を続けることが消極的平和なら
積極的平和、言うなら「不公平を感じることのない状態を洗脳的に編み出してしまう」こと
それに成功してる

と思って下さい

核が「動かない破壊者」なら魔法少女は「動く破壊者」
でも魔法少女は外面も元の素材も人間だから、社会の一部として存在するし、社会をまわしてもいる
ある時少数派が過激な意識を持つようになって、それが多数派を脅かす存在になったとしたら?
魔法少女の反乱とかそういう訳じゃないけど
織莉子とかにその辺やらせたい、かな

つーかいつの間にかまどか出てたーやったー
どうあがいてもこの子の口から「氏ね」なんて言葉でてこねーどーしよー
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 14:18:14.29 ID:JwEJbJjG0
仕事もないのに3億人とか何かあったら億単位で減りそうだな
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/12(水) 14:29:07.82 ID:S/vAWuwAO
それでも不気味なくらい大人しいのは日本人だから
さすが日本人なにされても全く怒らない優しい民族
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 02:01:07.54 ID:8W0QMAP0o
乙乙!
192 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/13(木) 22:55:54.39 ID:JqzJ9hElo
思ったんだけどさ

こんなに情勢が変わっていながら
「社会の単元の前後はあれど、我々の時代とそんな変わらない」
っていうのはおかしいよね
つまりこの時代の歴史教育は教科書にではなく別な何かに委ねられているのだろうと
そう思おう。うん。

今日は休むかと思ったがそんなことはなかった
さぁいくぞ
193 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/13(木) 23:02:30.15 ID:JqzJ9hElo
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『脱法児』 恐らく推察するに、戸籍のないまま学校に入学したもののことを言うのでしょうが、随分な言いようです。
僕の時代でも戸籍のない子供が義務教育を受けるケースは稀ながら有りました。
もしかしたらこの時代の中学は義務教育ではないのかも知れませんね。
「普通教育受けさせる義務」なんてものは形骸化してたりするんでしょうか。
それとも、教育そのものが国から切り離されていたりとか。

……国が切りたくなるレベルの子供の数なんですものね。
むしろ放置したほうが強制するよりもむしろ子どもたちは勉強するようになったのかも知れません。
僕のようないい子はデフォなんでしょうか。それとも僕は落ちこぼれの類か。
不安は拭えませんが、まあなるようになるでしょう。案ずるよりなんとやら、です。
194 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/13(木) 23:12:49.22 ID:JqzJ9hElo
三階につきました。ああ、夏でもないのにギラギラと日光がやかましいです。
女子は夏の日のUV対策とかどうしてるんでしょうか
季節問わず夜になったら照明の意味もない気がします。

ほむら『二年XII組よ』

俺『今[組なんですが』

ほむら『もうちょっと管理棟側ね』

俺『はぁ……』

ほむら『まだ大丈夫よ。HRには時間があるから』

俺『はい』

まさか僕が学校の廊下を走ることになろうとは。
195 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/13(木) 23:38:41.17 ID:JqzJ9hElo
模試づかれがヤバい
まっくらくら
休憩 もしかしたらこのまま今日は寝落ちかもしれんな


内容に疑問があったら突っ込んで下さい
自分一人きりだとわからないことがある

>>192のように矛盾が出まくると俺自身書ききれなくなってしまいそうで
わがままだと思うが、協力頼む
196 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 13:22:33.21 ID:nusvQi9Xo
着きました。ここがどうやら十二組のようです。
大して緊張もしません。というか疲れました。手短に済ませてしまいましょう。

早乙女「はい、じゃあ俺くん、入ってきて下さい」

俺「失礼します」

……ザワザワ

「田舎くせーな」

「ね。なんか何考えてるか分かんないし」

「黒髪とか珍しいな」

「真面目そー」

「違法児っぽくね?」

「あーね」

人の口に戸は立てられぬとは言うが。
無礼にも程があります。

ほむら『おさえてね』

俺『無論』
197 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 13:38:22.73 ID:nusvQi9Xo
教室全体を眺めます
綺麗に掃除はされているようではありますが、ところどころにほつれが見られます。
うまく言い表すことはできませんが、なんというのでしょう。
いい子にだけわかる「だらしないオーラ」が出ています。
パンパンに膨らんだカバン。教科書を詰めているだけではここまで丸々と太らないでしょう。

そしていくつか眺めていると、また目を引くものが。
まどかでしょう。桃色の髪の女の子。
こっちを見て微笑んでいます。
きっとほむらが良く言ってくれたのでしょう。感謝です。

机や椅子を見ていると驚くことがあります。
床下収納式。学校の机や椅子がここまで進化しているとは。
そして二十階の文房具屋が廃れた理由もわかります。
筆記や番所のたぐいは、その机備え付けのPCで済ましているのでしょう。
……パソコン使えるかな

俺「滋賀は大津。皇子山中学校から参りました。山田俺ともうします。以後お見知りおきを。」

*「はいはいしつもーん」

制服を着崩した金色ピアスの少年が手をあげています。
いい子センサーが彼を「要注意人物」であると警鐘を鳴らしています。

早乙女「俺くん」

質問に答えよ、と云うところでしょうか。

俺「はい。何でしょう」


ほむら『抑えて。くれぐれも』

俺『はい。しかし遂行されないでしょう。お許し下さい、ほむら』

ほむら『……お願いだからこれ以上私の手を煩わせないで』

俺『如何様にすれば貴女の手を煩わせることになりましょう。心配はしないでいいのですよ、ほむら』

ほむら『……もう止めないわ』

俺『はい』
198 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 13:47:24.13 ID:nusvQi9Xo
*「俺くんs」

俺「最初に断っておきますが、『いいえ』と答えることも諒解して下さい」

*「……おう、いいよ」俺「はい、で答えて下さい」

ほむら「……」

*「はい。んでさ、俺くんて偽名でしょ?」

俺「いいえ。本名です」


「ははっ、マジかよ。親のセンスぶっ飛んでんな」

「違法児だからしゃーねーだろ」

*「うっせ、お前らはだぁってろ」


彼の一喝で教室が静かになります。
影響力が強いのでしょうね。

彼は僕の方に向き直り、言葉を続けます。

*「なるほどね、珍しい名前だね」

俺「はい。なぜ受理されたのかわからない、とよく言われます」


その時。

ヤクショ? ウソダロ? ナンダソレ?

僕はとんでもない過ちを犯したのです。
彼は薄ら笑いを浮かべて、僕を見つめてきます。



ほむら『……バカ俺』
199 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 13:48:04.87 ID:nusvQi9Xo
*「確定だな。おいお前」











*「昔の人間だろ」



俺「はい」
200 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 13:53:03.82 ID:nusvQi9Xo
〜〜〜
痛みが伴うくらい、この国の冬というものは冷える。
透き通り、ぬけるような青空。
その下に、また眼を見張るくらいの白を纏った生き物が独白を続ける。
高い高い塔の上。この世界が一望できるのではないかと言うほどの高層に、その生き物は座っていた。

生き物はこう言った。

??「チェックメイト、と言ったところかな、俺」

??「キミはこの時代に居てはならない人物なんだ」


??「大きすぎる時間移動は因果律に多大な悪影響を及ぼす」

??「キミはこの時代の人間に干渉し過ぎた」

??「最早キミを元の時代に帰すことも叶わない」

??「帰すわけにはいかないんだ。この『エネルギーのるつぼ』を、ぶち壊されでもしたら大損失だからね」




??「だからキミを処分させてもらうよ、俺」

その生き物の目は、血のように赤かった。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/15(土) 14:09:58.17 ID:VbgYo2ez0
豌上ュ
202 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 14:10:27.68 ID:nusvQi9Xo
〜〜〜
ざわざわ。少しうるさいですね。
ほむらが今にも泣きそうな目で僕を見ています。かわいい。

俺『安心して下さい。すぐに僕が受け入れられるような土壌を作るまでです。
  僕が貴女と一緒にいても、全く問題ないような、そんな土壌をです。
  貴女と一緒に帰れない通学路なんて御免ですからね』

ほむら『……きっとよ』

俺『はい。任せてください』

タカシに鍛えられたメンタルを舐めないで下さい。

俺「先生、僕の席は何処ですか」

早乙女「知りません」

俺「そうですか。では適当に座らせてもらいます」

早乙女「駄目です」

俺「それは許可ですね。ありがとうございます」

僕が歩き出すと、足を引っ掛けられました。
踏みます。
くるぶしを踏んでしまいました。悶えていますね。

「おめーの席ねーから!!!」

俺「はい。しかしありますよ。ここに。」

彼の膝に腰を下ろします。ミシ、と椅子か彼の膝かが悲鳴を上げます。
203 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 14:11:38.32 ID:nusvQi9Xo
「……何のつもりだよ違法児」

俺「脱法児です。バカな椅子は黙ってなさい」

「この野郎!!!」

後頭部に一撃。タカシや杏子に殴られたことのある僕にはなんともありません。

俺「急所を殴るとは感心しませんね。では、貴方がこの席から退いてくれませんか?椅子。」

「黙って聞いてりゃキチガイが!!!!」

「ふざけてんじゃねーぞこの野郎!!!」

拳という拳が飛んできます。
時代を超えるだけで、初対面のしかも同い年の人間とはここまでも分かり合えないものなのか。
そう思うと悲しくなってきます。
ここに来てしまったのは間違いか。当然だ。本来なら僕はここに居てはいけないのです。
204 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 14:15:38.83 ID:nusvQi9Xo
誰も止めるものはいません。先生はため息を吐いて何処かへ去って行きました。
女子生徒は怯える子が多く、一部の男子生徒は我関せず、と言った有様です。
見覚えのある景色。この世界に来る前の日のことを思い出しました。
小説を読んでいました。そこでみた景色です。

俺「気持ちいいマッサージだ」

こうつぶやくと、またみんなに会える気がしました。
タカシはいない。僕の先生も、友達も、両親も。
もう居ないのだと思うと、無性に悲しくなってきます。
今更ながら、この「異世界」に来てしまったことを、怖く、辛く実感します
205 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 14:24:27.46 ID:nusvQi9Xo
でも、僕はこの世界で生きる。
だって、死にたくはないから。
死に対して言ってやるんだ、『ノー』って。

これは僕がイエスマンとして、心の底から取り出した
正真正銘の『ノー』です。

天空の塔に棲む天人や、地べたに這いつくばっている餓鬼だって、みんな生きたい
生きたいから生きている。
そんなことは当たり前なんだ。
死にたい奴は、勝手にしろ。もうその時には生き物は死んでるんだ。

どんなことがあっても、生きる。
生きろ。生きろ。
生きてから氏ね。そしてまたその後も生き続けろ。未来永劫。
それが生き物だ。


俺は生きている。

だから俺は生き物だ。

生き物が生き物と名乗って何が悪い。



だから俺は






───生きる!!
206 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 14:25:31.37 ID:nusvQi9Xo
〜〜〜
??「……やれやれ。わけがわからないよ」

青が、シロに 『変わった』

??「キミはイレギュラーだ。とびきりの」

??「すべてを壊すイレギュラー」



??「───キミハ・ブレイク」

??「───ボクハ・クリエイト」



??「やっぱりキミは、特別だ」
207 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/15(土) 14:26:55.19 ID:nusvQi9Xo
〜〜〜
*「おい、新入りに何してくれてんだお前ら」

心に響かない無料マッサージがぴた、と止みます。

彼が僕のもとに歩み寄ってきます。


*「すまなかった。こいつらは俺が後で〆る。」

*「自己紹介がまだだったな」



中澤「俺の名前は中澤だ。よろしく、俺」

俺「はい。よろしくお願いします」

タカシに次ぐ、ソウルパートナーが出来ました。

ほむらに目配せをします。どやっ。


ほむら『……バカ。大馬鹿』
208 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/15(土) 14:39:46.82 ID:nusvQi9Xo
はいここまでー

次回予告は二度としない。
なぜなら次回になるまで大分息が長くなってしまうから
あのセリフやっと出せたーと思ったら何週間経ってんだよって話
支援してくれた方に謝謝
エタらないからね。絶対。何回でも言うエタらないエタらないエタらない


QB(あっ、言っちゃった)は重大な勘違いをしている
なぜなら『俺』がイレギュラーな訳ではないから
『俺』は色を吸うだけ。
じゃあ何故QBは勘違いしたか。
簡単。生き物だから。機械じゃない。

つか機械でもミスはする。操んのが生き物だから。
ミスをするから、じゃあ機械も生き物だよね。
この世には生き物しか居ない(暴論)

一体どれだけ出演させるか迷う
さやかは十二組にいます。教室の隅っこで泣きそうになってます
仁美もいます。教室の隅っこで「面妖な!」って言ってます
恭介は半身麻痺で入院してます……って言うと医療がヤバい事になってる設定と矛盾するから脳みそだけの存在になってます
マミは五階あたりでゲンドウさんのポーズで俺くんリンチの一部始終を念視で眺めながら数学の授業受けてます
キリカはレズマンガ読みながら古文の授業受けてます

あすなろにコネクトさせんの超悩む
適当でいいよね(ブン投げ
ミチルにすべきかミチルかずみ両方出すべきかマジ迷う

織莉子は決まってる。何かのグループ長だよ、うん。それが似合う。

じゃね。また夜か明後日か。日曜は無理なんよ。堪忍ね。
因みに質問募集。わがままだけど、頼む。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/15(土) 23:43:28.91 ID:KEaVwyq2o
エタらないのならいいよ
がんばって
210 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/16(日) 00:26:15.24 ID:p2jWId9No
そんなに痛いか俺の文章
悲しいな
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 13:53:33.24 ID:PD4Lch0co
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 15:01:38.39 ID:4FSl5ziZ0
痛いけど惹き込まれる文章って感じ
本を投げ捨てたくなってるのに続きが読みたい的な

でも書いてる本人が痛々しいからな
同じ文章でも有名な作家が書くのとド素人が書くのじゃ印象が違うわ
仮にこのSSをキュベレイの人辺りが書いてたとしたらまた別の評価を受けていただろう
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 15:07:49.16 ID:AIbRkd0So
>>212
前半は概ね同意できるんだが、後半はな…

キュベレイの人ってのは知らないが、誰が書いたかってので文章を評価するのはどうかと
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 18:48:43.21 ID:XMLctYWAO
未来の描写が好きだから作者の言動とか割とDDE(どうでもいい)

だけども痛いからこそかにさんなんだから
そのまま痛い人で居るべき
痛いことを気に病まず、寧ろ痛さに誇りを持っていてほしい

ただ談義スレには書き込まない方がいいと思う
お互いのために
215 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/16(日) 22:38:42.87 ID:p2jWId9No
作品は作者をも包含する
だから>>212>>214の言うように俺は痛いやつで間違いないんだと思う
自覚はない。むしろどうしたら痛く見えなくなるか試行錯誤している状態。
だから俺の中では、「俺はとても地味で目立たない奴」としてしゃべっているつもり。
喋んなって言わないでね。寂しくておかしくなるから。

でも好印象な感想をありがとう
俺はすげー嬉しいよ


ちなみにみんな選挙いった?俺は行ってきたよ
今日は書けるかな
216 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/16(日) 23:28:16.28 ID:p2jWId9No
どうやってスレタイ御三方に「氏ね」と言われるような存在にしようか
スレタイ当初と性格変わりまくっちゃってなぁ
次スレがあれば、スレタイ思い切って変えてみるのも有りかもしれないね

まどか「未来国民スタンダップ☆マギカ」イエスマン「Soraとハリファと時々おっぱい」
みたいな。うっわ適当。文字数オーバーしてね?


「なんでもハイハイ言ってて信頼最低」みたいな少年が
今じゃ「割とのし上がるタイプ」になっちゃって、ハーレムものになりそうで怖い
ハーレムは無いなって感じだからぶっちゃけどうしようか迷う
「セックス無くてもよくね?」ってなってる
ペッティングくらいは書きたい でも本番は多分無理 お前らのチンコが萎むこと必死。

「主人公は男だから魔法少女関連のことは関われない」という条件は辛くもクリアしているから
それで何かできないか。
そこで俺は無い頭絞って考えた
「『未来社会』と『魔法少女』の二面で世界を描こう」と
多分この発想は上手くいくんじゃないかと睨んでる。

でも俺くんは魔法少女とベッタリ癒着しきっちまった
これはうまく利用できるか?



次回かその次の投下にはきっと視点変更が起きる。
一人称の練習をするべきか田舎もとい否か
wiki編集終わったら書けるかね


投下のたびに文体が変わるこの癖治んねーかなー
ブレまくりで申し訳ない
217 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/16(日) 23:38:00.96 ID:p2jWId9No
「魔法少女」って呼び方がなんだかしっくり来ない

いずれは魔女になるんだから
君たちのことは魔法少女と呼ぶべきだよね



いや魔少女じゃね
どうでもいいか

編集中
218 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/16(日) 23:57:10.85 ID:p2jWId9No
編集おわり

あらすじが肥大化し過ぎて最早あらすじじゃねえワロス

さぁいくぞ
219 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/17(月) 01:08:50.75 ID:A3q2fyUNo
御免、昼だ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 02:43:57.22 ID:QX/SlDwro
乙乙!
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 09:44:15.92 ID:7UJ0+kzOo
氏ね
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/17(月) 13:11:32.46 ID:QX/SlDwro
昼だよ
223 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 13:54:19.37 ID:A3q2fyUNo
(視点変更)

私はこの国の生まれで、恵まれている方の人間だと、よく思う。
議員の娘に生まれたからだ。

人間は、基本的欲求に従順。
科学技術が飽和しきっても、それは変わらない。
生きたいのだ。

だからこそ、この国の現状には目に余るものがある。
貧富の格差を始めとする、様々な『歪み』。
父は政治家だからこそ、そのような問題を解決しようと奔走はするが
正直、どうしようもない袋小路に着いてしまっていると思う。

「上を変えなければ、どうにもならない」
だが、天辺──こういう言い方は好きではないが、あえてこう言おう──を地面にたたき落としたところで
何がどう変わるというのか。
天辺は、その本能を捨てたという点で既に人間ではない。
人間ではない者が、人間を纏め上げているのだ。
最早「纏め上げている」とも言えないかもしれない。
言うなれば「天蓋」。蓋だ。
224 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 13:54:47.77 ID:A3q2fyUNo
人の踏んだ地面は線を成し、面となり、道となる。
道ができてしまえば、それを消すのは時間がかかる。
その『道』を、我々人類は作りすぎてしまった。


『塔の上の雲』
私をそう揶揄する者達がいる。
そのとおりだ。事情を知っていながら、何もすることが出来ないのだから。

それでも、私はこの国が「まだどうにかできる、なんとかできる」と思わずに
否、夢想せずには居られないのだ。

自分は、無力。
自分は、弱い。
225 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 13:55:13.36 ID:A3q2fyUNo
織莉子「……」

私の名前は美国織莉子。白百合女子中学の三年生。


久臣「織莉子、起きていたのかい」

織莉子「おはようございます。お父様」

久臣「……今日も帰りが遅くなる。頼めるかね」

織莉子「はい、お父様」


久臣「……では、行ってくるよ」

織莉子「あの、お父様」

久臣「何かね」

織莉子「どうか、エレベーターを使って下さい。足が悪いのですから、無理なさらないで」

久臣「……あの『落ちる』ような感覚がどうも好きになれない。足元は透き通っているしね」

織莉子「……行ってらっしゃいませ」


塔の朝。今日も氷点下を切っていた。
226 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/17(月) 13:57:51.01 ID:A3q2fyUNo
無理やり織莉子を出した感がヤバい
塔の狭さが出せたか?



俺くん数学でてんやわんやなう
ただ幾何じゃ無双
だって解析特化なんだもん見中って
俺くんパートさぁいくぞ
227 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 14:24:53.37 ID:A3q2fyUNo
(視点変更)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
数学は、嫌いではないのですが。
……しかして、どうしてこうもゴチャゴチャと文字を並べたがるのか
これでも基礎的なことだと言われると、頭がおかしくなります。

なにか、ほんの一つの線を跨ぐだけでも、きっと違うのでしょう
その一線がつかめないから、困っているわけですが。

数学教師「んじゃお前、ここどうよ」

俺「はい」

数学教師「何だ出来るじゃないか」

俺「はい」

数学教師「出来ないじゃないか」

俺「はい」

数学教師「くそったれ、廊下に立て」

俺「はい」

そう言って僕は席に座ります。

数学教師「……おい」

俺「はい」

数学教師「せめて何か言ってくれよ。授業がめちゃめちゃになる」

俺「はい。ですがみんなとても静かなようですが」

数学教師「……続けるぞ」

俺「はい」

流石いい子。成績的には劣等生でも、扱いは優等生のようです。
228 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 14:28:12.97 ID:A3q2fyUNo
席「あのさ、あの時のことは真面目に謝るからもう俺に座んのやめてくんねーかな」

俺「はい」

席「はいじゃねーよ……どけよ……邪魔だよ……」

中澤「我慢しろ」

席「はぁ……」


俺「因みにここ、基本的な幾何で解けると思いませんか」

数学教師「はぁ?」

俺「『三角形において、大きな角に対する辺は、小さな角に対する辺よりも大きい』という命題ですが」

俺「コスとかシンとか、そんなのを使わなくても解けますよ」

数学教師「まあそりゃそうだ。解ける。数学なんてそんなもんだ」

数学教師「でもこれはすぐ使うことなんだよ。解析っていうんだ」

俺「はい。微積とかでしたね」

数学教師「……って言っても、通じてくれねーよなぁ」

俺「はい。そんなもの知りませんから」

数学教師「うん、まあ、聞いててくれや。頼むよ」

俺「はい」
229 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 14:42:30.43 ID:A3q2fyUNo
出来ない人も、優しく包んでくれる。
妙な安心感ですが、何処か薄ら寒い。
これが、未来の都会。
……いや、田舎なのか?

終業のベルがなりました。

数学教師「はい、ここまで。キリよく終わったな。特Aと上Sの人たちにはプリントが用意してあるから、後で来いな。じゃ」

俺「起立、礼」

全員「「「ありがとうございました」」」

終業の礼は、僕が持ち込んだ文化です。
受け入れていただけて何よりです。
230 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 14:54:28.23 ID:A3q2fyUNo
帰りのHRまでの空き時間。先生は質問の返答で忙しそうです。
少し、お話をしたかったのですが又の機会になりそうです。

俺「上Sとか特Aってなんですか?」

中澤「平たく言うとこのクラスに数人程はいる数学の変態」

俺「あいわかりました」

タカシみたいな人のことですね。わかります。


俺「クラスの中でクラス分けがあるんですか?」

中澤「はい。先生ってのは飾りみたいなもんだ。実際は俺らが教えあったりして上を目指している」


中澤「その中でもできるヤツできないヤツのような格差ができちまうのは、しょうがないことなんだけどな」

少し、中澤の目が曇ったような気がしました。


中澤「それでもみんなお前を引き上げようと、頑張ってくれてるよ」

中澤「幸いお前は、出来ないほうじゃない。だからだろうな。正直うらやましいところもある」

俺「はい。ありがたいことだと思います。」

中澤「席のやつは上Sだ。困ったらアイツに聞くとある程度答えが帰ってくる」

俺「彼、席が本名なんですか」

席「『関』な。関東の『関』。つーか名前席固定にすんじゃねえ!!!!」

俺「はい(苦笑い)」

関「ザワぁ!!!」

中澤「抑えろ、抑えろ」

中澤は笑っています。
231 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 14:55:07.24 ID:A3q2fyUNo
中澤「そしてあの先生は珍しい方だ。見中の中じゃ青い方──まあ生徒寄りの人だからな」

俺「青いとは」

中澤「黒の反対。要は完全に金稼ぎに来てるのか、生徒にモノ教えに来てるのかっていう先生方の呼び分けさ」

俺「早乙女先生みたいな感じですか」

中澤「はい。HRとかでも解ったと思うがアイツ真っ黒だろ」

俺「なるほど」


中澤「管理棟の八階が青組の職員室だ。何かあったらそこの場所は役に立つ。何人か友達にしとくといいぞ」

俺「はい」

中澤「管理棟の一階は黒組だ。一部青の人が混ざっているようだけど、あまり近づかない方がいい」

俺「僕が脱法児だからですね」

中澤「そうだ。気をつけろ」
232 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 14:59:16.83 ID:A3q2fyUNo
先生は戻ってゆかれました。
ほむら達に話しかけます。

俺「終わりましたね」

ほむら「今日の一日で、大体学年3つ分は進めたわね。大したものだと思うわ」

俺「はい。いい子ですから」

ほむら「何処かの誰かと違ってね」

そう言ってほむらは隣の少女に目線を移します。
その青髪の少女がむっとした表情です。

???「それはあたしのことを言ってるのかー!?」

ほむら「ええ、さやかはバカだから」

さやか「バカって言うな!!!」

まどか「まぁまぁ、さやかちゃん抑えて」

元気な少女です。おっぱいも元気に弾みます。
……ハリが満点。ブラをしていないかのようなハリです。
思わず乳首浮きを探してしまいます。

そして不意にまどかに耳打ちをされます。


まどか「女の子って、そういう目線はすぐ気づくんだよ」

俺「……はい。気をつけます」

まさか、今までのは全て。

まどか「もちろん、ほむらちゃんも私も気づいてたよ」

俺「ごめんなさい」

まどか「気をつけてね」

ほむらは目を瞑ってうなづいています。
233 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 15:00:28.62 ID:A3q2fyUNo
さやかが続けます。

さやか「でも、俺のお陰で助かったよ……あたし、数学できなかったからさ。でも遡ってなんて、恥ずかしくてさ……」

さやか「わかんないのを、そのままにしちゃうとこだった。 俺が居なかったら多分今頃は……ううん、想像したくない」

俺「僕のお陰ですか」

さやか「はい! ほんと、ありがとね」

僕のあしらい方を知っている。この子は。
……ドヤ顔のほむらと、目が合いました。

ほむら『学習能力はピカイチ。貴方の言うとおりだと思わない?』

女の子は強い。やっぱりそう思いました。





教室の外で、金髪ロールの女がこちらを睨んでいました

さやか「あっ、マミさん!」

さやかは彼女のもとに駆けてゆきました。


ほむら「……」

まどか「……?」

まどかは訳がわからない、という風に首を傾げていました。

なんだかまた一波乱ありそうです。
234 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/17(月) 15:10:29.21 ID:A3q2fyUNo
中澤はいいやつ。原作じゃあんな出番の少なさだったけど、いいやつオーラ出てた
クラスのボスでも不思議じゃない
そういう器


学校つか国がこんな有様だから、クラスはギスギスどころか割とアットホーム
狭いところほど安心して安定するのは日本人だから?

困難から脱するには識ること学ぶこと反省すること
政府、国から手放されガシガシでボロボロとはいえ腐っても鯛
先生も一部ヒデエのもいるし
一部の科目の教科書も正しいとは限らないと来たら
紛いなりにもこれらのことが出来る土壌の整っている学校で学ぶことが
生き延びるための近道だって多分みんな本能的に知ってるんですね
だから知らないことは恥でも、恥にならないんだと思うけど

ほらさやかて空気読み過ぎて空気よめないから
恥ずかしがりだから


早乙女先生好きはごめんね
クラスメートはあったかかった
気持ちいいマッサージだ


マミや織莉子や里美に「バレてるよ?」って言われるのはダメージそこそこだけど
まどかとかかずみとかに言われたら縮み上がる震え上がる寿命縮む土下寝する
パイチラブラチラおっぱいを盗み見る それって以外にバレてるもんだよ
「深淵を覗く時深淵もお前を覗いてるのだ」じゃないけど


うん、多分また明日か、それとも夜か。
テンションに依る。書ける、かも知れない
でも最近夜に書いてないからな
書かないかもしれんな
235 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/17(月) 15:19:25.02 ID:A3q2fyUNo
うーわあげちゃったごめん
236 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/17(月) 22:58:41.36 ID:A3q2fyUNo
やっぱ俺は迫力あるものは書けん
静的(not性的)でデカいものくらいしか書けないな

性的でデカいものも書きたい


今日は行けるか?

明日は都合で書けない
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/18(火) 08:03:50.30 ID:IcYY8ec4o
乙乙!

>>1なんだから上げてもいいと思うけど
238 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/18(火) 23:15:16.67 ID:IWjRoZVXo
やあ

なんか書けそうだから行けるところまで行ってみるよ
投下後にかにさんからメッセージがあります
お読みください(Wikipedia風)

さぁいくぞ
239 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/18(火) 23:19:59.51 ID:IWjRoZVXo
さやか「紹介するよ俺! この人、三年生の巴マミさん!」

そしてマミの方に向き直り

さやか「こちら、私のクラスの二人目の転校生、俺くんです!」

愉快に僕を彼女に紹介したのでした。
ほむらが聞こえないようにため息を吐いて、頭を抱えています。

俺「マミというのですね。いい名前ですね」

名は体を表す。いやぁ、マミマミなお乳d


まどか「」ダンッ!!

まどかは僕の足の甲を踏みつけてきました。

俺「いっ……!!」

ほむら「……」グッ

まどか「……」グッ

まどか「どうしたの?俺くん」ニコニコ

俺「な、なんでもありません……」

目が笑ってません。


マミ「……話を始めてもいいかしら?」

さやか「どうぞどうぞ!」
240 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/18(火) 23:28:20.63 ID:IWjRoZVXo
俺「今朝は申し訳ありませんでした。先輩だとは知らず、あのような振る舞いを」

マミ「それ以前の問題だったと思うのだけど……まあいいわ」

俺「して、二年生の教室に来たのは、僕に用事があっての?」

パルス的な頭痛。
たとえるならば思考のノイズでしょうか。

ほむら『今マミに貴女の扱い方を軽く説明しておいたわ』

何故それを今朝やらない。

マミ『思念での会話は続けるのが困難な上に周りに不審がられる。そろそろいいかしら?』

俺『はい、どうぞ』


さやか「……あれ、あれれ? もしかしてお二方お知り合モゴ」

まどか「はーいさやかちゃんちょっと席外そうねー」

まどかはさやかを引きずっていきます。
241 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/18(火) 23:32:36.06 ID:IWjRoZVXo
マミ「そうね、用事といえば、そうかしら」

マミ「さっきの二人にも用事があったのだけれど……それは後回しでもいいわ」

マミ「単刀直入に言うわ。貴方キュゥべえが見えるのでしょう?」

はて、キュゥべえとは。

ほむら「あの白い『子猫ちゃん』のことよ」


べえ。



……べえ?

俺「え、あれオスなんですか」

マミ「いいえ、メスよ」

俺「ですよね、安心しました」


俺「確認したんですか」

マミ「はい」

キマシ。



ほむら「いいから本題移りなさいよ」
242 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:22:28.67 ID:XzRWuCz/o
ごめん寝かけた。リアル机びっくんを自宅で経験するとは。
マジすまん。

〜〜〜〜

マミ「ごめんなさい、そうね」


マミ「貴方、どういう人?」

俺「えっ」

マミ「キュゥべえが見える人は、通常魔法少女となる素質を有している人間だけなの」

マミ「でも、貴方は男よね」

俺「はい、ついてますよ。見ますか」

マミ「っ 結構、よ」

ほむら、目線が痛いです。
243 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:23:17.16 ID:XzRWuCz/o
……やはり彼女もまた魔法少女であったようです。
しかして今朝の張り詰めぶりは、一体何だったのでしょう。
「あの子達」というのは杏子とゆまではなく、まどかとさやかだったのですか。


マミ「それで興味があって、訪ねてきた次第よ」

俺「キュゥべえは今居ないのですか」

マミ「はい。いつも学校に来るときは居ないわ」

俺「そうですか、そうですよね」

少し残念です。
244 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:25:08.38 ID:XzRWuCz/o

ほむらが割って入ります。
我慢できず、会話の割れ目を狙っていたかのようです。
後ろではクラスメートたちが帰り支度を整えています。

ほむら「粘り強いのね。私だけでは不安だと言いたいのかしら」

珍しくほむらの語気が荒いです。

マミ「いいえ、素質を事実上有している以上無関係ではありえないと言いたいだけよ」

ほむら「そのことと彼ら───彼女らの意思の有無とは無関係ではない、とも?」

意思? 意思とは。

マミ「もちろん最終決定権は彼女らに委ねられているわ。もちろん彼にも」

マミ「だからこそ、『知ってもらう』ことは必ずしも無益、少なくとも有害にはならないはずよ」

ほむら「いいえ、言い過ぎだわ。知らなくてもいいことはある」

ほむら「平和に暮らしている彼女らにとってむしろ知らないでいたほうがいいと、身近に居る私はそう思っている」
245 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:31:33.47 ID:XzRWuCz/o
平和。魔法の飛び交う世界に飛び込むことは、なるほど危険を伴うでしょう。
不思議パワーを身を以って体感した僕が言うのです。間違いありません。
それ相応の、覚悟を持ってなくてはなりません。そう想像します。

なにか言いかけたマミをほむらは牽制して続けます。

ほむら「無論魔法少女体験ツアーに、今後も彼女らをつれていくのは大反対よ」

マミの眼の色が変わります

マミ「それほど『分前が減る』のが嫌なのかしら?」

分前。また新しい言葉です。

ほむら「余計なことを彼の前で言わないでもらえないかしら──それに論点のすり替えもいいところよ」

マミ「……そうね、そうだったわ」

マミ「キュゥべえにも釘を刺されてたの。『尋ねるのはいいけど、あまリ魔法少女のことについて喋るな』ってね」

ほむら「相当喋ったわね」

マミ「誰のせい?」

ほむら「さあ?」
246 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:39:40.33 ID:XzRWuCz/o
それは裏を返せば僕にとって好都合。
質問が二、三個は出来ましたよ。

まどかとさやかは魔法少女ではない。
魔法少女は素質と意思、ふたつを持っている人間が『なれる』。
……これは間違いなく子猫ちゃん、キュゥべえが絡んでいるのでしょう。
それと、何かの"報酬”でしょうか、それの獲得をめぐっての魔法少女間で諍いがある。
そう推測しました。

俺「ちょっと待ってください。まどかとさやかは魔法少女でないということですか」

ほむら「来たわよ、質問フェーズ」

マミ「はい。そうね、彼女たちは魔法少女じゃないわ」
247 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:51:26.72 ID:XzRWuCz/o
……しかし、素質の意味がわからない。
魔法少女は誰にでもなれる、僕はそう思えてならないのです。

でも、ならない者も居る。むしろそのほうが多い。
ここまで知り合いのサンプルが集まって、共通点は『キュゥべえが見える』『年頃の少女』『聡明』位です
素質が関わる、というのも否定出来ないのも事実です。
ですが、僕という例外も居る。『キュゥべえが見える』というのは、少女にしかないことと、マミはそう言っています。

メリットが大きいにもかかわらず、なり手が居ない。
リスクを知ってか、それとも魔法少女そのものを知らないか。

それは口ぶりからして、魔法少女は誰もが知っていることでも無い、と云う線が濃厚でしょう。
触れてないだけで、もしかしたら知ってる人だらけなのかもしれませんが……うう、大きくでれない。

質問はしないでおきましょう。思考が垂れ流されてないことを願うばかりですが。

俺「……そうですか。わかりました」

ほむら「何を考えてたの。質問があるなら言って。気持ち悪いわ」

俺「そう思うなら、思考を盗み見なさい」

ほむら「……」

なるほど、思考盗聴はブラフでしたか。
248 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 00:59:10.27 ID:XzRWuCz/o
俺「分前、というのは魔法少女であることの"報酬”でしょうか?」

一見、組織じみたものがないのに、『報酬』という存在は不自然です。
たとえば──万万が一にでもあり得ませんが──魔法少女はごっこ遊びのような土台のない
そういうコミュニティだったとして、そのような報酬が出る、出て分前を争うようなことはないと思うのです。
何故ならば、その報酬には『結びつきのある』価値がないから。

そしてそれが示唆するのは、『魔法少女が魔法少女でなくなる』という選択肢が存在しないことです。
分前を争うことを避けるためには、ライバルを減らすことと、そもそも魔法少女であることを辞めてしまえばいいのですから。
ですが、その選択肢を二人共提示しませんでした。

これならほむらがまどかとさやかを頑なに魔法少女にしたがらないことと辻褄が合います。
死地に赴いて、以降娑婆に戻れないとなれば。
まともな人間なら止めるでしょう。


しかし、そうするとマミの動機が不自然極まりないです。
仲間(とする)なら、ほむらが居るというのに。


そしてもっと不自然なのが

彼女らが進んで死地に飛び込んでいった、ということ。
予想するにデメリットの多い魔法少女に、わざわざ。
249 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 01:03:41.75 ID:XzRWuCz/o
さてその不自然さを見越して、彼女らはうまく僕の質問をかいくぐれるでしょうか。


マミ「はい。そうね、でも、報酬というより命綱かしr」

ほむら「バカっ!!!!」


はっ、とマミは口を塞ぎました。

ふむ。なるほど。
250 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 01:06:36.22 ID:XzRWuCz/o
隠し通すためには、ポーカーフェイスであればよかったんですけどね。
聡明とはいえ、いささかの感情のブレまでは制御できない。そういうきらいがあるのでしょうか。
いえ、瑣末でしょう。僕だって逆上はします。動揺もします。
隠そうと思えば、隠せますけどね。


俺「ほむら、先輩ですよ。バカはいけません」

ほむら「……」

僕はいい子ですので、ほむらをたしなめます。

マミ「……」

ほむら「……」

俺「御二人とも顔が怖いですよ。僕を睨まないで下さい」

俺「お綺麗な顔ですのに、台無しになってしまいますよ」

俺「さぁ、笑って下さいな」

マミは唇を噛み、ほむらは目をつむりかぶりを振ります。
251 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 01:07:05.61 ID:XzRWuCz/o
中澤「そろそろホームルーム始まんぞ、俺、暁美」

俺「今すぐに。さあ、ほむら」

俺「では先輩、失礼しました」

マミ「……今朝はごめんなさいね」

俺「いえいえ、慣れましたから」

マミ「……そう」


マミを見送り、僕は席に着きます。


関「……俺のやつが、この俺をスルー……だと…………?」

中澤「どっちがどっちだかわかんねーよ」

関「俺が俺をスルーした」

中澤「だからわかんねーってば」
252 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 01:16:47.69 ID:XzRWuCz/o
〜〜〜
白い生き物。塔の上。
空は雲が動き、青と白が明滅している。

QB「……割いて来た。白が色を、割いて来た」

QB「染まることのない“黒”い『白』が、割いてくる」

QB「どうやら僕たちは、とんでもないイレギュラーを引いてしまったようだよ」

QB「……いや、これは使える」

QB「……いや、使えない」

QB「はて、どっちだろうか」

天のもっと奥、星の彼方に信号を飛ばす。
返事が帰ってこない。

QB「……百年というちっぽけな時間が分厚くなるくらいには、人間という生き物はナマイキになったようだね」

QB「それが彼になにがしかのモノを与えているのか」


QB「エネルギーをベットだ。いいだろう、俺。受けて立つよ」

QB「肯定と否定、生と死。それらの行く末に何を─観─感─勘─看─ずるか」

QB「これは問だ」


未確認未定義の信号を、自分の内部に捉えた。

QB「……おや、これは」

QB「……これはきっと『面白い』と云う感情なのだろうね」

QB「何処か久しぶりな、そういう信号だ」


灰色の空が、低く低く降りてきた。
天と地は、いつでも居る。
253 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/19(水) 01:29:38.90 ID:XzRWuCz/o
とまあここで見せかけの区切り。ぶちっ。
キュゥべえは勘違いしまくってるとおもう。なにこいつ厨二かよ。

俺自身が一番続きが楽しみとか謎の現象が起きてる件について誰か解説しろください
とりあえずもう話は膨らみそうになくてよかった。
254 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/19(水) 01:31:05.71 ID:XzRWuCz/o
そして連絡重要事項

知っての通り、自分ことかにさんはサボり魔浪人生です
ただいま冬季講習期間中で、珍しくサボらずにとうこう(ダブルミーニング)してるんですよ

今日までの期間は午後だけ授業だったんだけど
明日からセンターまでのほぼ一ヶ月、講習たんまり詰めてて一日中家にいない日が続くんです

言いたいことわかりますよね。
つまり「今日から一ヶ月の間、投稿できない穴あきの期間が増える」ということです

もちろん今日のようにスキマ時間を縫って、我慢できなくなって投稿することもあるでしょう
しかし、時期が時期、年齢も年齢ということもありましてそうは言ってられないかもしれないのです
どうかご了承していただきたく存じます。

またセンターが終わった後の、二次試験までの期間、つまり2月以降のことになりますが
同じく講習が詰まっていまして、もしかしたら更に更新頻度が落ちるやも知れません。
二ヶ月のデッドラインにメガヒッツしてるんですよ。

最悪の場合、二ヶ月書き込まないこともありえてしまいます。それはなんとか回避しますが。

要は「二ヶ月かそれ以上の期間、書き込み頻度が落ちます」と言いたかった。楽しみにしてくれてる人マジゴメン。
SSと受験、どっち取るんだって言われたらギリで受験です。
255 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2012/12/19(水) 01:36:58.13 ID:XzRWuCz/o
◇◇◇「krici zirpu kusru makfa」

だから私は操らなくてはならない。

◇◇◇「ma'o ki valisi a'kirin'」

これはしてはいけない。

だからこれが終わったら、私は戻る。
あるべき姿に。




◇◇◇「Enda Enda lo Enda」

ごめんなさい。でも、死ななくてよかった。

どうか、許してね。
256 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/19(水) 01:40:47.81 ID:XzRWuCz/o
以上は今日のに入れたかった話。

きゃーそれっぽーい(棒)
この言葉には元ネタがあるけど操るのに複雑すぎて適当に並べちった。
一部単語もオリジナル。

わくわくが止まらない。
だからこんなに期間空いても、エタるワケがないだろ。これ。
俺がエタりたくない。

んじゃ、近いうちに会おう。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/19(水) 03:03:13.30 ID:pJKiabHjo
乙乙!
258 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/21(金) 00:54:40.68 ID:gwANM4Yho
生存報告

あれよ、レス付けてもいいのよ


じゃなくて付けて下さいお願いします
259 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2012/12/23(日) 12:11:27.56 ID:0iUw8548o
生存報告のかにかにたーらばがーに
インターバル開けるとネタと空気が褪色して勘を戻すのに苦労するね

書けたら書く、と思う
当てにせえへんでな
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 13:52:38.33 ID:2mZv54mTo
早よかけ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 19:21:12.18 ID:q1pSmH0AO
あー、楽しみにしてたんだけど


一応乙
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/23(日) 20:31:30.22 ID:Je71OfLKo
無いのか

まぁ受験ならしゃーなし
263 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/01/03(木) 00:19:34.70 ID:JUbrtduio
数学教師♂「先生のベクトルの垂直条件はπとπではさみうちです」
〜〜〜〜〜〜

数学教師「ほらぁ…先生のxに、あなたのその棒グラフを代入してごらんなさい?」

俺「先生…ここ…こんなになっちゃって、もう最大公約数ですよぉ…」

数学教師「ホント・・・見かけによらずデカルトね、脈を打って微分微分してるわ」

俺「そ…それじゃあ…」

数学教師「いいわよ、先生に乗法しなさい…ほら、πも触っていいのよ…?」

俺「これが女の人のπの感触…オイラーの予想と全然違う…!」



生存報告
264 :かにさん ◆Kanib10EfQ :2013/01/04(金) 20:52:27.80 ID:hoA/KdJMo
せい☆ぞん
あげないと沈むのか
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/11(金) 00:54:05.70 ID:ss3ojWBeo
乙乙?
266 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/01/12(土) 17:04:20.33 ID:dy/A0tGPo
>>20見て思う
百年あまり経ってるのにもかかわらず、なぜ彼が一介の警官に名前を覚えられているのか

答えは単純明快
小島よしおが歴史に名を残す大偉業を成し遂げたから。



いや、なんつうかすまんかった
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 12:35:25.96 ID:KOrWn/KRo
>>266
いいんじゃない別に
268 :かにさん ◆Kanib10EfQ :2013/01/25(金) 22:58:54.52 ID:UIiDCIM7o
粗という粗が見つかりまくってなんつーかウボァー


談義スレ「まず>>1が気に入らない」

……
じゃあどーすりゃええんじゃ!

生存報告。
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/26(土) 00:14:06.78 ID:izHHPSJIO
談義スレ見て来いって事?
お前の目論見通り注目されてんだからいいじゃん。これからも頑張れよ
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/27(日) 01:28:45.64 ID:mMSIKE5f0
まぁ静かになったのは評価する
>>1もあんまりウザくなくなったし
相変わらずつまらんけど
271 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/01/27(日) 14:01:42.74 ID:intLPsg8o
となるとつまらんのが一番の問題さね

何でつまらんのか、俺にはわからんけど
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/27(日) 14:08:38.44 ID:03Eyc6+m0
ウザイとか嫌いとかの前にさっさと続き投下しろ
273 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/01/27(日) 14:26:02.24 ID:intLPsg8o
うん、だから今必死に読み返してる所
カンを完全に失っちまった。座布団百枚。
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/27(日) 14:40:19.02 ID:hM6pdA3AO
イエスマン気づいたろう
僕らが丁寧に
切り取ったその絵の名前は思い出
275 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/01/27(日) 18:03:58.59 ID:intLPsg8o
強く手を振ってあの日の背中に


今日はまだ駄目だな
276 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 00:18:35.88 ID:v/+miO0Ao
追いついた。



お前らまたせたな。
さあいくぞ。
277 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 00:20:44.52 ID:v/+miO0Ao
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
学校の帰り道。の前の、ちょっとした校舎内の掛け合い。
小学校のころの、グループで下校するあの雰囲気に似たものを感じます。
透き通る階段の、下る時の感覚がまるで慣れません。
ステップの毎に足を踏み外しているかのような錯覚を覚えます。

ほむらは俯き加減に僕らの後ろをついてきます。
まどかが口を開きました。

まどか「俺くんてさ」

俺「はい」

まどか「魔法少女候補なの?」

さやかが口に含んだお茶を吹き出しました。
液体が放物線を描いて床に散ります。
あっやべ、啜りてえ。

ほむら「……」ゴッ

ほむら、背中超痛い。
278 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 00:43:16.76 ID:v/+miO0Ao
むせたさやかの背中を擦ります。大丈夫ですか。

俺「大丈夫ですか。」

さやか「はい。 盛大に気管に入っちゃったよ」


さやか「……まどか何言ってんのさ。俺は男だよ?」

さやかが驚きの男の娘宣言。ではなくて。

さやか「男の魔法少女なんて、聞いたことないよ……」

まどか「そうだよねー」


と、その時。

杏子「よ、みんなおそろいじゃん」

ゆま「やっほー俺にいちゃん!」

俺「何故先に帰らなかった」

ほむら(バカばっか……)


俺『二人共制服は何処で手に入れたんです』

杏子『作った』

うん、でしょうね。
279 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 00:57:36.65 ID:v/+miO0Ao
さやか「……知り合い?」

まどか「……みたいだね」


ほむら「どうしてここに居るのよ…」

杏子「こんなバカでけえ校舎じゃん、なんか働き口ねーかなと思ってよ」

   「で、ここの売店ってトコに目をつけたわけさ」

   「で、俺とほむら。お前ら今から帰りか?」

俺「はい。」

ゆま「じゃあ一緒にかえろー!」

俺「はい。」

杏子「手繋ぐぞーほむら!」

ほむら「働くとかそういうのじゃなくて杏子貴女ね」

杏子「なんだよ」

パルス頭痛。またしても念話か。
その後に、少し杏子の表情がこわばりました。
280 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 01:36:08.98 ID:v/+miO0Ao
酒抜いてきた。すまん。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
まどか「きゃー俺くんモテモテーっいいなーいいなー」

さやか「え?嘘?俺とほむらと…赤い子と緑の子、同棲してんの!?」

俺「はい。」

さやか(マジだった)

    「えっ、どういう関係?」

俺「前にも言いましたが、僕はこの時代の人間じゃありませんからね」

  「ほむらの家に少々厄介になってる次第です」

杏子「あたしらも同じようなもんだ。尤もタイムトラベラーじゃないけどな」

ゆま「な!」
281 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 01:39:52.96 ID:v/+miO0Ao
さやか「なーんか怪しいぞ……」

杏子「心配ねーよ。こいつは変態だが、一応は紳士だ。手なんかだされてねーよ。」

ゆま「いっつもぼっきしてるもんね!!」

杏子「おい」

してねーよ。

ゆま「俺にーちゃんのせーしすっごい臭いんだもん!アレだけ出したら、女の子の裸見たって反応できnむぐ」

杏子「ゆまお前マジ黙ってろ」


ザワザワ ザワザワ オイキイタカヨ ジューニクミキメーナ ウーワヒクワ サスガダッポージ シナネーカナ


さやか「うわ、また来たよあいつら…」

まどか「気にしない気にしない。行くよ、俺くん」




まどか「……俺くん?」
282 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 01:58:41.47 ID:v/+miO0Ao
俺「影でコソコソと無礼ですね。直接僕に言いなさい。彼女らは無関係だ。」




「おめえ調子のんなよ」

俺「はい。ですから立ち去れ。」

「……ぜってー殺す」

俺「はい」


クラス外の僕の評価は、まだまだのようです。
実際に接している人間とそうでない人間ではやはり致し方のない温度差というものがありますね。
十二組のみんなが、こういう憂き目に遭ってないことを祈るばかりです。
いい子は心が痛みます。

知っているか、知らないか。

この状況に、魔法少女とそうでない少女の境目のようなものを重ね見てしまいます。
仮面と素顔。その間に、決して越えることのない溝が横たわっているのでしょうか。
自分の外を超えた世界には、決して踏み入ることは出来ない。

……いけないいけない。ネガティブはいけません。肯定です、肯定。僕はイエスマンですから。
283 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 01:59:28.03 ID:v/+miO0Ao
俺「お騒がせしましたね。行きましょうか。」

さやか「……」

まどか「……」

杏子「……っち」

ほむら「……」

ほらこの空気。お葬式ですかっての。
284 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/02(土) 02:04:25.19 ID:v/+miO0Ao
切れ目にすべきか迷ったがここで切るか

識ってると識らないでは雲泥の差。少なくとも知識の「無」から「有」は生まれ得ない。
「想像もできない事」というのはそういうこと。
だから魔法少女とそうでない連中
金持ちとそうでない連中
未来と過去
極端には、死んだ奴とそうでない連中の間の溝は絶対に埋まらない。



すまん離れすぎてた
リハビリにしちゃいいほうだと思う
思考ペースが取り戻せるかどうかだな
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/03(日) 14:29:19.56 ID:ofGeOQqjo
乙乙!
286 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/05(火) 19:24:02.71 ID:Gf70UYebo
この時間帯に家に居るというのが奇跡的状況な件
来週から私大入試ラッシュ


飯食ったらさぁいくぞ
287 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 22:03:23.45 ID:Gf70UYebo
ゆま「ごめんなさい……」

ゆまは杏子に打擲され、すっかり意気消沈のムードです。
ゆまと杏子以外の他の三人もすこぶる居心地が悪そうです。

僕らが丁度二階の教室の前を横切ったところでしょうか。
まずほむらが歩みを止めました。

次に僕が気づきました。

まどか「……二人共、どうしたの?」

さやか「トイレ?」

ゆま「あっ、じゃあ私もトイレ行ってくるー!」

ゆまはトイレに駆けて行きました。



杏子はその後姿を見送って、こちらを振り返った時

その人物の存在に気づいて、顔をしかめました。

杏子「げっ……マジかよ」
288 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 22:05:30.62 ID:Gf70UYebo
ほむら「……先輩のお出ましのようよ」

タイミングのいいやら悪いやら。

さやか「あっマミさーん!!」

さやかはマミの元へ駆けて行きました

マミ「あら、あなた達……と、見慣れない方が一人。いらっしゃってるようね」

また、今朝と同じ空気。
杏子はばつの悪そうに額に手を当てています。
……あの公園で言っていた、「何から何までデカい」人。
僕の早とちりでなければ、恐らくマミと杏子は不仲なのでしょう。

ほむら「ええ、貴女は『知らない』ようだけど」

杏子「おい、あんま余計なこと言うなよ」

ほむら「無論、何も言うことはないわ」

ほむらはそれを知っているのでしょうか。
マミと杏子の不仲を。

でもそれは。
289 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 22:12:37.95 ID:Gf70UYebo
俺「あの、まどかが居づらそうなんでそういう揉め事って後で出来ませんかね」

マミ「……」

ほむら「……」

杏子「……」


俺「……返事しろよ。『はい』って言えよ」

マミ「……」

ほむら「……」

杏子「……」


俺「おい。」

まどか「やめて、俺くん」

俺「はい。」

まどか「私は大丈夫だから」

俺「そうですか」

でもこの空気。居心地の悪いなんてものじゃありません。
辛うじて学校だったからこそ不思議パワーでドンパチやらかさないだけいいものの
これがほむらの家の近所だったらと思うと。
290 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 22:22:28.95 ID:Gf70UYebo
俺「僕の与り知ることは無いでしょうが、少なくともここでそういうことはやめていただきたいのです」

  「僕は三人のプライベートなことに足を踏み入れることはしません」

  「ですからあなた方も私情を持ち込むことが無いようお願いします」

いい子として物事を円滑に進めるためには周りの環境を整えることが先決です。
幸いにも、今のところ僕をまともな扱いをしてくれる人がたくさんいるおかげで僕は荒だったことをしなくて済んでいます
ひとえに皆さんの親御さんのおかげでしょう。いい子のためにいい子を育ててくれてありがとうございます。

ですが、いくら良い人いい子だからといって人の諍いを身近に置かれていい気分がするわけがありません。
僕のかつてのクラスメイトのような少し頭のおかしい人間が居たときのように
そうなれば「違法的いい子」にならざるを得ません。
悪い子に対するいい子のポジショニングは困難を極めるということです。

彼女らのいがみ合いが継続することはすなわち僕を「相対的悪い子」にすることを意味するわけです。
違法的いい子は接頭辞の通り「違法」なのですから。
僕はいい子。いい子はいい子であり続けなければなりません。
ですから争いはよくありません。争いをしている子たちも悪い子にしてしまうのです。
あくまで「持ち込むな」とは言いましたが、これは解決してもらわなければなりません。
ほむらと杏子とゆまは、今は家族なのですから。

マミ「……」

杏子「……」

ほむら「……」

俺「返事をしないならばおっぱいを揉みますよ」

マミ「はい」
杏子「はい」
ほむら「はい」


さやか「ほらほら、ゆまちゃんこっちだよー!」

ゆま「さやかおねーちゃん待ってよー…って」

その時です。

ゆま「あー!!!あの時キョーコをいじめた人だー!!」

マミ「……」

誰か。誰か僕を助けてください。
291 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 22:50:40.13 ID:Gf70UYebo
俺「ゆま、しー。学校の中ですよ」

ゆま「あっ…はい。ごめんなさい」

俺「いい子です」

杏子『ナイス』

俺『それよりもこの状況を何とかしましょうよ』

杏子『たー言ってもねぇ…・・』

俺『揉めたというのはほむらではなくマミだったのですね』

杏子『あぁ…・・』


ほむら「思念会話やめてもらえないかしら」

マミ「同感ね。気分が悪いわ」

ほむら「あわわ、二人共落ち着いてよ。何があったのさっ」

俺「はい。申し訳ありません」

失敗です。さっきまであんな偉そうなこと言っておきながら。

俺「こんなところでいつまでも立ち止まってるのはアレですし、そろそろ家路につきませんか」

まどか「俺くんに賛せーい」

さやか「そ、それもそうだね!うん!帰ろう帰ろう!」
292 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 23:03:12.23 ID:Gf70UYebo
マミ「ちょっと待って。」

俺「……僕ですか?」

マミ「はい。ちょっと彼を借りて行っても?」

ほむら「手短に済ませてくれるとありがたいわ」

マミ「失礼するわね」


そういうとマミは僕の制服の袖をひっつかみ、足早に奥階段の方へ僕を引っ張ってゆきました。
やがて人気の薄い場所、掃除用具入れのようなものが並んでいる殺風景な場所に至りました。

ここだけ、いやに僕の時代のもの──にしても相当珍しいですが──のような、この時代的には「古い」ものが揃っていました。
ほむらの家付近の灰色と緑色の喧嘩を思い出します。

マミが口を開きました。

マミ「……貴方、なんでここに呼ばれたのかわかる?」

俺「はい。さしずめ先輩が後輩を『可愛がる』ようなことをするのではないかと、そう推察しますが」

マミ「残念ながら不正解ね。貴方の態度は今更問題ではないの」

マミ「別件よ。お願いがあるの」

俺「……はい?」

マミ「簡単なこと。その……」
293 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/05(火) 23:08:09.29 ID:Gf70UYebo
マミ「あの子たちと、仲直り……したくて」

俺「そんなことですか。それで態々こんな誰も人のこないような所で……何事かと思いましたよ」

マミ「ごめんなさい…」

俺「具体的には何をすれば」

マミ「あの子たちと私が居るときに、一緒にいてくれるだけでいいわ。ね?簡単なことでしょ?」


呆れた。それで仲直りが出来るとでも。

俺「……ただ喧嘩をしたくないだけじゃないですか、それって」

マミ「き、気持ちの問題なのよ!」

俺「はぁ……」

ですが、一応は「仲良くしたい」という意志を持っているようで安心しました。
……にしてはこの人やたらほむらに突っかかってたよなぁ。
ほむらの方はほとんど意に介さず、むしろマミを気遣っているようでしたが。
マミは不器用なのでしょうか。不器用な先輩。おっぱいの大きい不器用な人。
なんとも官能的で淫靡な響きです。ああ、ポイント高いです。
おっと。このシチュエーションで勃起はまずい。好感度を落とします。

僕は体制を変え、正面をマミに見られないように振り向きながら口を開きます。
チンポジの修正も忘れません。ズボンから出てしまうとカッコ悪いでしょう。

俺「魔法少女の仲間を増やしたいのも、そういうことですか?」

マミ「それは関係ないわね…というか、その話は今しなきゃダメ?」

俺「はい。丁度ふたりきりですし、尋ねるいい機会かと思いまして」

マミ「ダメよ。ダメダメ。キュゥべえに釘を刺されたんだから…ただでさえ、貴方はいろいろ聞き出してくるでしょ?」

俺「はい。僕は知りたがりですから」

マミ「一人っきりだったら、きっと全部喋っちゃうわ。だから言わないの。言わないって決めたの。」

なるほど、弱りましたね。


〜〜〜〜〜〜〜
一旦切る。今日中もしくは明日中に書けるかどうかは不明。
一時回っても再開がなかったら明後日の夜にまた続きを投下する。
重くてかなわん。
294 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/07(木) 20:33:03.94 ID:IOB9J22Ho
超酔ってる

さぁいくぞ

上手く行けば中沢出てきて
物語の次の大事なところにいけるかもしれない
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/07(木) 21:43:28.00 ID:IOB9J22H0
ソーリー超酔ってる
ちょいまち
296 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/07(木) 23:04:28.36 ID:IOB9J22Ho
俺「……きっと何か知られては不都合なことがあるのでしょう?」

マミ「ノーコメントよ。返事もしないわ。」

マミ、貴女という人は。

俺「おやおや。貴方は自分の立場をわかってらっしゃらない。」

  「僕は先程の約束、お願いをフイにだって出来るのですよ?」

マミ「……」ピク

俺「いいじゃないですか少しくらい。僕にだってその、魔法少女の素質というものがあるのでしょう?」

  「教室で貴女がおっしゃったとおりに、僕に知られて困ることは貴女方には本来一つもないはずなんです」

  「でも貴女はひたすらに隠しますよね」

  「なんででしょうね?」

マミ「……1つだけ答えるわ。」

俺「ケチですねえ。実にケチです。」

これだから都会は。
297 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/07(木) 23:20:42.71 ID:IOB9J22Ho
まあ、1つだけ知れるとしたらこれだけでしょうね。

俺「では単刀直入に。魔法少女とはなんなのです?」

マミ「…っ」

マミは最小限の情報しか出さないために、何を言えばいいかと考えている様子でした。
目線を僕から逸らして、何とか誤魔化そうと必死です。嘘を考えているのでしょうか。
隠されると余計に暴きたくなるのは何でなんでしょうかねえ。
さっきまであんなに喋りたがっていたくせに。

ならば、一応牽制しておきますか。

俺「嘘は直ぐにバレますよ。ある程度の情報は先程教室で得ましたからね。」

  「“報酬”の取り合い魔法少女間の諍い。それは命綱。」

  「もしかしたら魔法少女は一生辞められない職業」

マミ「……」ピク

俺「……なるほど。ほむらがまどかとさやかを魔法少女にしたくないわけですね」

ほほ、マミはわかりやすくて助かります。まるで感度の良いテスターですね。
きっとアッチの感度も最高に違いありません。

俺「で、何なんです。魔法少女って。」

マミ「……」

何も言いません。黙秘権の行使でしょうか。
298 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/07(木) 23:25:30.49 ID:IOB9J22Ho
俺「……埒が明きません。話を変えましょう。質問は保留にしといて、別件です。」

マミ「……いいわね」

俺「そうですね、魔法少女の存在する意味でしょうか。そのことについて僕の考えを。疑問を。」

マミ「質問は受け付けないわよ。」

俺「クドいですね。保留って言ったでしょう頭スカスカなのかお前は。」

マミ「……」ムスッ

俺「はいと言……失礼。頭に血が上りました。」

ほむらの居ない所で揉めたら僕は死ぬでしょう。
相手が味方でない不思議パワーの使い手であることをすっかり失念していました。


俺「魔法少女の存在する意味が僕にはわかりません。そのような超存在が何故この社会に溶け込めているのか。」

  「他人の受け売りですが、なんでも『夢の延長線上』のようじゃないですか、魔法って。」

俺「確かにその魅力たるや、人間だったら誰でも飛びつきたくなるものです。僕だってそうでしょうね」

  「だから絶対に聞かなければなりません。知らなければなりません。」


          「何処から来るのです?その力は、便利は、生は、魔法は」




          「────奇跡は。」



マミ「……」
299 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/07(木) 23:41:05.17 ID:IOB9J22Ho
俺「…僕はこの社会のことを知りませんでした。」

  「マミ、貴女には僕からは話してなかったかもしれませんが、僕はこの時代の人間ではないのですよ」

マミ「……え」

俺「きっと僕が言わなければこのことに誰も気づかなかったでしょうね」

  「本当の意味で知っているのはきっとキュゥべえ、ほむら、マミ位のものでしょう」

マミ「……クラスメイトは知らないのかしら」

俺「はい。少なくとも真に受けている風ではありませんでしたね。彼らとの個人的な関わりはまだまだごく薄いものですから。」


俺「キュゥべえの話によれば一世紀も離れているそうですよ」

  「そしてほむらから聞きました。この時代の日本社会は最早僕の時代と比較して目を覆いたくなるほどにひどい状態だと」

  「より一層、魔法少女のことが気になる。僕がそう思うのも時間の問題だったわけです。」

  「そんな便利な存在が居ながら、この体たらくはあまりにも不自然である。そう思いましたね。」



俺「そしてこれは予想。僕の予想ですが。」


俺「魔法少女は誰にでもなれる。キュゥべえの意思次第だから、それが実質“素質”というフィルターになっているに過ぎない」

マミ「……『だれにでもなれる』という点だけは否定しておくわ」

俺「他はどうなんです」

マミ「他は……よくわからないわ。考えたこともなかったもの。」




マミ「社会のためになんて、魔法少女になってみんなを助けることくらいしか頭になかったから……」




マミ「もっと大きな、それこそ現代社会のためになんてだいそれた事……うん、思いもしなかった。」

俺「……」

みんなを助ける。

マミは無意識に吐いたようですが、これは何か重要なキーワードに違いありません。

俺「……なるほど」
300 :かにさん ◆Kanib10EfQ [saga]:2013/02/07(木) 23:45:24.62 ID:IOB9J22Ho
一旦区切り。

対象がデカいか小さいか
ここに織莉子と上手く絡められないか。
レイヴンのパクリ臭漂いそうだからなんとか回避していこうとは思うが

つかかずみ出せねーな本当


あとひどい言い方、サル山のボスも総理大臣も変わらん?
まあそんなわきゃないわな

気分次第で明日の午前一時か午後八時。どっちかから始める。
読んでくれた人ありがとう。ツッコミガシガシ入れていいんやで。
301 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/09(土) 22:12:54.16 ID:ncwqK1lZo
気付きゃ300か

思考思案の繋がりが最近細切れになりすぎて
ついこないだ更新したものにすらも曖昧な違和感を感じだすレベル
非常にまずい状態。やはり即興派は定期更新に限るということか。さもなくば書き溜めろと。
なんとも辛い状態からのスタート。

もしかしたら行けないかもしれない。

さぁいくぞ
302 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/09(土) 22:40:33.20 ID:ncwqK1lZo
あかんかった。


寝る。
303 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/16(土) 15:37:36.90 ID:211vbz7eo
人工の増加が減少に転じた瞬間
ハンパな僻地はがらんどうになってコンクリート砂漠となるに違いない
そんな妄想を繰り返している

今日は書けない。
304 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/23(土) 01:03:17.45 ID:g8Jo3GwXo
ここ最近テンションというテンションの最低状態が続く

何とか生きてはいる
305 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/02/26(火) 23:16:45.67 ID:t9elA75Uo
サイコパス観てんだけど世界観というか技術がモロにイエスマン界で興奮してる

今日か明日には書けるはずだ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/03(日) 17:56:52.81 ID:CglTZ+Tz0
書けてないよ
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 18:40:57.66 ID:WCHAhf4rP
誰も見てないし見たくもないだろうからエタっても叩かれないと思うよ
だから安心してエタれ
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/03(日) 19:01:24.69 ID:qtbc7rpF0
少しは偲んでもらえるかも
309 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/03/24(日) 20:11:50.56 ID:BwuyJkpio
桜咲いたらどーでも良くなっちまってまずいな
マミポとレーヴン、すけこにキュベレーとみらいもとい未来描写の勉強をしているが今ひとつしっくりきやしない
あすなろ組を出したい。織莉子出したい。キリカ出したい。
310 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/03/24(日) 20:34:29.51 ID:BwuyJkpio
連中はTwitterやってると聞いた。今某所のログを見て知った。
俺もやろう。
311 :かにさん ◆Kanib10EfQ [sage]:2013/04/20(土) 01:23:45.87 ID:WLtjPihwo
蕾→花→散る
で、今。
このスレを廃することも考えてる。
なんにも進まなくてまずい。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/14(火) 00:16:37.49 ID:AGXkBFD6O
こいつも寂しいんだな
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/14(火) 00:20:44.84 ID:Tth9B0ADO
これはひどい



これはひどい
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/05/14(火) 00:40:23.30 ID:88FSqToio
>>312
死ね
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/14(火) 08:21:21.46 ID:sMgE8vvoO
恥ずかしい奴だな
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/15(水) 14:53:50.57 ID:ZgETe26U0
     _
              //.|
             //./|
           //./| |
          //./ /|. |
        //./|/::/| |          _______________
        □/ / // | |.          |
        | |/.;;;;//.  | ||.         | じゃあ、>>1は死刑という事で・・・。
        | | ;;;;;;//   | |||         |_
        | |.;;;//    | |.||     ∧ ∧  |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        | |//..    | | ||.    ( ・∀・)
        | |/.     | |. ||    (    )           ワイワイ  ガヤガヤ
 ______.| |___//| ||__ / | | |__
        | |   //  |. ̄∠/(__(__) /.|          ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧.
..∧_∧   (| |⌒/. ∧ ∧⊃イヤァァァ.     //|         (´-`;)(@・ )(;´∀)(
( ・∀・).(⌒| |//(;´Д`) ←>>1   //  |        ∧∧ ∧ ∧  ∧_∧. ∧∧
(    )  ̄| |/ (⊃ /  ⊂.⊃.   //   |       (∀・ )( ´,_ゝ)(   )(´∀`
| | |.   | |    /   └─┘ //   /.      ∧_∧ ∧ ∧ ∧ ∧. ∧_∧
(__)_)   | |  /         //   /       <_`  )(´・ω)(д゚` )(
        | |/         //   /.       ∧_∧ ∧ ∧ ∧_∧. ∧_∧ ∧
        ~~         //   /        (   )( ゚∀゚)(`   )(   )(゚д
.                //   /        ∧_∧ ∧_∧  ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
.               //   /         (д- )(   )( ´,_ゝ)(TдT)(∀` )
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/15(水) 15:07:10.93 ID:ruqm3hpzo
上げんな落とせ
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/29(水) 22:37:33.72 ID:sbS+xJC9o
期待してたのに
181.58 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)