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あずさ「私、結婚します」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:09:57.35 ID:2NYdGUzE0
P「誰と結婚するんですか?」

あずさ「もちろん、プロデューサーさんとです」

P「ははは、それは光栄ですね」

あずさ「本気にしていませんね?」

P「アイドルとプロデューサーですからね」


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パンティ「ガーターベルト大丈夫かー」ストッキング「血が止まらないわー」 @ 2025/07/26(土) 02:27:49.65 ID:OmgbeFOdO
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うんち @ 2025/07/25(金) 23:18:36.55 ID:tsEvWZe2o
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天龍「イキスギィ!イクイク!ンアーッ!枕がデカすぎる!」加賀「やめなさい」 @ 2025/07/25(金) 19:40:58.85 ID:LGalAgLLo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1753440058/

(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
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ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
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ビーノどっさりパック @ 2025/07/23(水) 20:04:42.82 ID:dVhNYsSZ0
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コナン「博士からメールが来たぞ」 @ 2025/07/23(水) 00:53:42.50 ID:QmEFnDwEO
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4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:11:21.82 ID:2NYdGUzE0
P「それじゃあ営業にいってきます」ガチャ

あずさ「あっ、待ってください、プロデューサーさん……もう」

小鳥「プロデューサーさん、手強いですね」

あずさ「美希ちゃんを見習って積極的になってみましたけど、中々うまくいきませんね」

小鳥「プロデューサーさん、あずささんの気持ちに気づいているのでしょうか?」

あずさ「あの様子だと冗談に扱われているようで少し……辛いです」

美希「ハニーは鈍感なの。ミキがこんなにスキスキビーム出しているのに全然届かないの!」

あずさ「お互い大変よねえ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:15:22.70 ID:2NYdGUzE0
貴音「本当に鈍感……そうなのでしょうか?」

美希「どういうこと、貴音?」

貴音「先ほどプロデューサーは去り際に、アイドルとプロデューサーと言っておりました」

美希「それのどこが、ハニーが鈍感じゃないことに繋がるの?」

貴音「私達は皆、プロデューサーに好意をもっております。隠しているつもりでも、それは自然と態度に出てしまうものです」

小鳥「伊織ちゃんなんてその典型ですよね。本人、あれで隠しているつもりなんでしょうけど」

あずさ「千早ちゃんも隠しているようで、実際はプロデューサーさんのこと好きよねえ」

美希「響もごまかしてるけど、間違いなくハニーのこと好きなの」

貴音「そうです。隠していてもプロデューサーへの想いは溢れて出てしまうものです」

あずさ「プロデューサーさんはそれを察知して、鈍感なふりをしているということかしら?」

貴音「恐らくは……」

美希「でもでも、ハニーがそんな人の気持ちに敏感とは思えないの!」

貴音「プロデューサーは、私達が迷っている時、辛い時……私たちが一番欲しい言葉を与えてくれます。それは、私たちの心を理解しているからこそ」

貴音「皆もプロデューサーとの交わりの中でそれを実感しているでしょう」

あずさ「そう……ねえ……」

貴音「そのような人の気持ちに聡い方が、私たちのプロデューサーへの気持ちにだけ都合よく気づかないとは……おかしな話だと思いませんか?」

小鳥「確かによく考えたら変ね」

貴音「プロデューサーが鈍感に振る舞っているからこそ、私たちはプロデューサーを鈍感だと思うのでしょう」

貴音「アイドルとプロデューサー、その言葉もプロデューサーなりに私たちに釘を刺したのではないでしょうか?」

貴音「私達の気持ちは確かで、そして真摯なもの。だからこそ、プロデューサーは私達の本気を受け止めたうえで流しているのだと思います」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:38:02.45 ID:2NYdGUzE0
美希「そんなのってないの! それじゃあ、ミキとハニーはいつまでたっても結ばれないの!」

貴音「ならば美希、ここで諦めますか?」

美希「それこそ絶対ないの! でも、どうしたらハニーと恋人になれるのかな?」

あずさ「そうよね〜。鈍いフリをしているのなら、どうやっても効果がないわよね」

貴音「そうだとしても私達には思いを伝えることしかできません。今はコツコツとふらぐを立てるしかありません」

あずさ「ふらぐ……旗ってなんのことかしら?」

貴音「亜美と真美が言うには、プロデューサーを手に入れる上では必要不可欠なものらしいです」

美希「じゃあ、そのふらぐがあれば美希とハニーは……」

貴音「そういうことなのでしょう」

美希「大変なの! ミキ、急いで探してくるの!」

あずさ「あっ、美希ちゃん! あらあら、いってしまったわ〜」

貴音「あの行動力は見習うべきです」

あずさ「とりあえず、私達もふらぐを探してみましょうか」

貴音「それが良き選択でしょう」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:52:45.66 ID:XEzLwfIq0
期待
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:57:34.45 ID:2NYdGUzE0
P「ありがとうございます」

P「さてと、今日の営業はこれで終わりかな」

P「しかし、今日は驚いたな。まさか、あずささんまで美希みたいなことを言ってくるなんて……」

P「飲みに行った時に送ってくれと言われた時はタクシーを呼んだり、迷子になった時はなるべく律子に迎えに行かせたし」

P「向こうからしてみれば、鈍い男って思われているんだろうな」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 20:59:29.60 ID:2NYdGUzE0
美希にしろ、あずささんにしろ、誰にしろ765プロのみんなは俺に好意を抱いている。

それ自体は良いことだ。アイドルとプロデューサーとの間に信頼関係が築けているという証拠だ。

でも……恋愛感情はマズイ。確かに恋をすることで、みんなの魅力が引き出されるのは良いことでもある。

問題は俺が誰かの気持ちに応えてしまった場合だ。みんなは、俺にもったいない程にいい子だ。きっと、俺が選んだ子と俺のことを祝福してくれるだろう。

でも、選ばれなかった子たちはどうなる? 間違いなく心に大きな傷ができるだろう。

それが彼女たちの活動に影響がでないなんて誰が保証してくれるんだ?

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 21:06:13.36 ID:2NYdGUzE0
ファンだって根強い人達だけじゃない。

周りがファンだからという理由の一過性の人だっている。そんなファンが傷を負って魅力の失った彼女たちを応援してくれるのか?

ファンの数はアイドルの価値を表す数字による絶対的なものだ。それは同時に彼女たちのモチベーションに繋がる。

ファンが減れば彼女たちのモチベーションはさがり、活動に悪影響がでる。

結果的にそれでファンが減って、また彼女たちのモチベーションが下がる。

負の連鎖だ……

P「ああ〜、どうしてこんなことになったんだろうな」

P「本当に、アイドルとプロデューサーじゃなきゃ……」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 21:19:05.14 ID:2NYdGUzE0



P「渋滞か……帰りが遅くなりそうだな」

?「ふらぐ〜ふらぐ〜どこにあるのかしら?」

P「あれは……あずささん。何やってるんだ、こんな事務所からかなり離れたところで」

あずさ「あらあら、ここはどこかしら?」キョロキョロ

P「迷子だな。すみません、降ります」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 21:36:31.56 ID:2NYdGUzE0
P「あずささん、あずささん!」

あずさ「あっ、プロデューサーさん。こんばんは」

P「こんばんは……って、違いますよ!」

あずさ「あら、まだこんにちはの時間でしょうか? うーん……」

P「いや、そうじゃなくて……こんな時間に何をやっているんですか?」

あずさ「探し物をしていまして。プロデューサーさん、ふらぐってご存知ですか?」

P「ふらぐ……旗か何かですか?」

あずさ「それが、どうも違うようなんです」

P「それで、そのふらぐを探していたらこんなところまで来てしまったんですね?」

あずさ「はい、そのようです」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 21:45:35.79 ID:2NYdGUzE0
P「それって、そんなに大事な物なんですか?」

あずさ「ええ、とっても。私にとって必要不可欠なものらしいです」

P「らしいって、そんな曖昧な……」

あずさ「あの、プロデューサーさん。もし良かったら、探すのを手伝ってくれませんか?」

P「なあ、今日の仕事は終わりですから。別にいいですけど」

あずさ「本当ですか」

P「ええ、もちろんですよ」

P(ここで放っておいて、また迷子になられても困るしな)
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 21:47:58.19 ID:oRc5BSqQo
なんか既視感
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:03:23.79 ID:+hDodNd1o
ガンバ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:06:40.51 ID:2NYdGUzE0
>>12

元々VIPで落としたやつを書き直してるから
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:11:14.23 ID:2NYdGUzE0
P「それじゃあ、ちょっと事務所に連絡をとりますから」

Prrr……

P「あ、音無さんですか? 俺です、Pです。実は……はい、すいません。俺は直帰するので、事務所の鍵はお願いします」

P「えっ、あずささんですか?」

あずさ「どうしたんですか、プロデューサーさん?」

P「音無さんがあずささんに代わってほしいそうです」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:12:05.41 ID:2NYdGUzE0
あずさ「もしもし、あずさです〜」

小鳥「あずささん、ふらぐ見つかりましたか?」

あずさ「それが、全く見つからなくて困っていたところだったんです。どうしましょう〜」

小鳥「私なりに調べてみたんですけど、どうやら『ふらぐ』とは小さなもののようです」

あずさ「小さなもの……ですか?」

小鳥「はい、小さなふらぐをコツコツと立てることが重要みたいです」

あずさ「そうですか。ありがとうございます〜」

小鳥「気にしないでください。みんなプロデューサーさんのことが好きですから。その為には協力しませんと」

あずさ「そうですね。私の方でも何か分かったことがあったら教えますね」

小鳥「わかりました。それじゃあ、ふらぐ探し頑張ってください」

あずさ「はい、それでは失礼します」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:21:51.85 ID:XEzLwfIq0
小鳥さんがフラグを知らないなんて…!
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:23:23.05 ID:2NYdGUzE0
P「音無さんは何て言っていたんですか?」

あずさ「実は小鳥さんにもふらぐを探すの手伝ってもらっていたんですよ」

P「へえ、そうだったんですか」

あずさ「それで、ふらぐとはどうやら小さなものらしいんです」

P「小さなものですか。そうなると今日はもう暗いし、見つけるのは難しいと思いますけど」

あずさ「えっ……でも、その」

P「どうしたんですか?」

あずさ「小さなものだからと言って、見つかりにくいとは限らないじゃないですか」

P「まあ、小さくても目立つものは目立ちますしね」

あずさ「そうです、そうなんですよ! だから、探してみましょう、プロデューサーさん!」

P「は、はい。そこまで言うならわかりました」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:23:51.25 ID:2NYdGUzE0
あずさ「このショーウインドウに飾っている服は、『ふらぐ』とは関係なさそうですね」

P「そうですね。比較的小さなものですし、ふらぐ……つまり旗ですから、布か何かが関係していると思ったんですけど」

P「……」ジィ

あずさ「プロデューサーさん?」

P「あっ、すみません」

あずさ「服をじっと見てましたけど、プロデューサーさんはこういった服が好きなんですか?」

P「そう……ですね。普段はアイドル達の派手で華やかな衣装を見慣れてしまっている分、こういった服は新鮮味があって好きですね」

あずさ「そうですか〜」

あずさ(値段、いくらかしら)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:24:46.52 ID:2NYdGUzE0
P「小さくて目立つもの……というわけで」

あずさ「宝石ですか?」

P「安直かもしれませんが、服よりは可能性があるような気がして」

あずさ「そうですね。じっくりと探してみましょう、プロデューサーさん」

P「指輪とか目立ちますよね」

あずさ「そうですね。結婚指輪とかあるわけですし」

P「世の中には、それに数億をかける人もいますね」

あずさ「私はあまり気にしませんが……」

P「そうなんですか? 運命の人を見つけるためにアイドルをやっているわけですし、結婚とりわけ結婚指輪についてはかなりこだわりを持っていると思っていたんですが」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:35:35.28 ID:2NYdGUzE0
あずさ「高価なものは確かに素晴らしいと思います。それだけ相手を想えるからこそ、それだけの値段をかけられるわけですし」

P「どうでもいい相手にはお金をかけようとは思いませんしね。765プロにしろ、961プロにしろ、そのアイドルが大事だからお金をかけられるわけですし」

あずさ「はい……でも、高価すぎるからこそ怖いんです」

P「怖い?」

あずさ「まるでこれだけのものを出したから、あなたは私のことをこれだけ愛さなければならないといったものを求められているような気がして」

P「相手の期待に応えることが出来るか……それが怖いんですか?」

あずさ「そういうわけじゃないんです。ただ結婚という2人の間に交わされる永遠の約束が、なんだか事務的に感じてしまって……」

P「そう言われると、あずささんの言うとおり味気なく聞こえますね」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:40:33.85 ID:2NYdGUzE0
P「男にとって高価なものを贈るというのは一つの見栄ですよ。もちろん、それだけじゃあないですけど」

あずさ「どういうことですか?」

P「男としては、相手に綺麗でいてほしいですからね。だからこそ、高価なものを贈るわけですよ」

あずさ「そう言った考えもあるんですね」

P「まあ、贈る相手もいない俺が言っても説得力もなにもありませんが……」

あずさ「そう……ですか」

P(不満……なんだろうなあ)
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 22:42:54.70 ID:2NYdGUzE0
P「結局、見つかりませんでしたね」

あずさ「すみません。付きあってもらっただけじゃなくて、こうして送ってもらうなんて」

P「別にいいですよ。元からそのつもりでしたし」

あずさ(本当に鈍いフリをしているのかしら?)

P「あずささん、どうかしたんですか?」

あずさ「い、いえ。なんでもありません。あの、プロデューサーさん……」

P「はい、なんですか?」

あずさ「また明日、ふらぐ探しを手伝ってくれませんか?」

P(……さて、どうするか)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:04:27.81 ID:yBxfJNHyo
支援
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:08:11.21 ID:XEzLwfIq0
C
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:10:32.85 ID:2NYdGUzE0
P(付き合うにしろ断るにしろ、やることは簡単だ。一言いえばいいのだから)

P(付き合えば、あずささんに深入りしてしまいそうだ。それはプロデューサーとして不味い)

P(だが、男としてあずささんの誘いを断るのは酷い話だ……)

あずさ「プロデューサーさん?」

P「すみません。まあ、お互いに機会があったら……また探しましょう」

あずさ「そうですか……」

P(結局、こういう曖昧でヘタレな返ししか出来ないわけで)
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/04(金) 23:18:32.92 ID:2NYdGUzE0
P「それじゃあ、また明日」

あずさ「はい、おやすみなさい……プロデューサーさん」

P(寂しそうな背中……追いかけて抱きしめたい。でも俺はプロデューサーだから、それは出来ない)

P(そのくせ、誘いを断っておいて『また探しましょう』なんて、余計な期待をあずささんに抱かせている)

P「ふふふ……ははは……好かれちゃいけないのに、好かれようとしている」

P「最低な男だな……俺は」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 18:38:09.24 ID:Jq4AUTgH0
支援ついでに皆にちょっと聞きたいんだけど

アイドル達に気絶or眠らされたPが目を覚ますとどこかの部屋のベッドの上で、
拘束されたまま後ろからペニバン付けたアイドル1に突かれて、
Pの息子はアイドル2の中に入れられてて、
その他アイドルsに全身舐められたり触られてたり乳首責められたり噛まれたりと快楽責めされてて、
必死で「止めろ」って叫ぶけど全然止めてもらえなくて、
イキそうになって膣中に出す訳にいかないから必死に抜こうとして暴れるけど押さえ付けられて言葉もベロチューで封殺されて、
そのままイカされるんだけどイク時の叫びまでベロチューで飲み込まれて、
その後も長時間に渡る快楽拷問逆レイプでアヘ顔にされる状況ってエロくね?
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 20:58:02.20 ID:vWvgt4Eb0
>>28
お、おう
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/05(土) 22:46:21.66 ID:kQBotNMqo
>>28
せ、せやな
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 01:47:28.01 ID:tJwBDxUko
>>28
長い
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 11:14:00.21 ID:79bm5DT7o
いや荒らしだから
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:10:48.18 ID:ORRsQHjz0
美希「響、見つかった?」

響「うーん、何にも見当たらないぞ」

響「なあ、美希……本当に美希の探し物って、この公園にあるのか?」

美希「さあ、知らないの」

響「なっ……じゃあ、どうして自分を呼んだんだよ!」

美希「うーん、だって響って動物いっぱい飼っているから鼻とかが効きそうな感じがしたの」

響「自分、動物はいっぱい飼っているけど、自分がイヌになった覚えはないぞ」

響「大体、イヌだって匂いがなければ意味ないぞ!」

美希「細かいことは気にしなくていいの」

響「まったく、なんで自分が……」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:14:14.54 ID:ORRsQHjz0
美希「響〜」

響「なんだ、お腹すいたからコンビニでおにぎり買ってきてなんて言ったら怒るからな」

美希「ううん、そうじゃなくて……」

美希「ハニーのこと、どう思ってるの?」

響「えっ……」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:15:00.00 ID:ORRsQHjz0
響「ぷ、プロデューサーか。そうだな……ちょっと頼りないところもあるけど」

響「自分のことを、とっても大事にしてくれて……その」

美希「つまり、好きってこと?」

響「そ、そんなことはないぞ! プロデューサーって、ああ見えてとっても変態で」

美希「響……ミキ、まじめに聞いてるの」

響「……」

響「うん……好きだぞ、プロデューサーのこと」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:17:50.30 ID:ORRsQHjz0
美希「やっぱりなの……」

響「ええっ!? 美希、知っていたのか!?」

美希「バレバレなの、デコちゃんと一緒で」

響「あっ、やっぱり伊織もプロデューサーのこと好きだったんだな。わかりやすいよな」

美希「……」

響「どうしたんだ、美希?」

美希「ううん、なんでもないの」

美希「ほらほら、響、よく探すの」

響「美希も手を動かすんだぞ、自分だけに探させようとするな!」

美希「あふう、でもミキ少し疲れちゃったの」

響「美希いいい!」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:25:27.16 ID:ORRsQHjz0
翌朝

あずさ「おはようございます」

貴音「おはようございます。あずさ、昨日のふらぐ探しはどうでしたか?」

あずさ「それがまったく見つからなかったわ」

美希「ミキも昨日がんばって探してみたけど全然みつからなかったの」

響「ずっと付き合わされた自分の身になってほしいさー」

美希「いいでしょ、ふらぐを手に入れればハニーのお嫁さんになれるんだから」

響「おおおおお嫁さん!? 自分、プロデューサーのお嫁さんになれるのか!?」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:26:25.45 ID:ORRsQHjz0
美希「いや、お嫁さんになるのは美希だけど」

響「なっ……それじゃあ美希の1人勝ちで意味ないぞ」

貴音「響、ところが事はそう簡単ではないのです」

響「簡単じゃない?」

貴音「実は……」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:28:36.81 ID:ORRsQHjz0



響「要するに、今までのプロデューサーは鈍感なフリをしていたってことか?」

伊織「あいつにそんな器用なことが出来るなんて……意外ね」

亜美「う〜ん、亜美たち見事に騙されてたんだね」

真美「策士ですな、にーちゃん」

やよい「うう〜。プロデューサー、私たちに嘘をついていたんですか?」

千早「そ、そういうことじゃないのよ、高槻さん」

春香「そうだよ、きっとプロデューサーさんにも事情があるんだよ」

雪歩「でも、事情ってなんなのかな?」

真「プロデューサー、あまり自分のことは喋らないからね」

律子「どちらかと言うと、私たちが話を聞いてもらってばっかりだったわよね」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:29:34.04 ID:ORRsQHjz0
貴音「いずれにしろ……プロデューサーを手に入れるためには、ふらぐが必要なのです」

あずさ「ふらぐ……どこにあるのかしら?」

美希「デコちゃん、知らない?」

伊織「デコちゃん言うな。だいたい、それなら亜美と真美に聞きなさいよ」

響「亜美に真美、ふらぐってどこにあるんだ?」

あずさ「小鳥さんが言うには、小さなものらしいけれど」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/06(日) 12:30:08.09 ID:ORRsQHjz0
亜美「んふっふっふ〜、ふらぐっていうのはねえ」

真美「身近にあるものなんだよ」

貴音「身近ですか?」

雪歩「私たちにとっての身近……」

真「それって765プロのことだよね。この事務所のどこかにでもあるのかな?」

やよい「ああっ!?」

千早「どうしたの、高槻さん?」

やよい「私、いつも事務所のお掃除をしていますから……もしかして、ふらぐをゴミと間違えて捨ててしまったかもしれません」

真「ええっ!? それは不味いよ」

春香「私、外いってゴミ袋取り戻してくるね! って、うわわわわ!」ズテーン!

雪歩「だ、大丈夫、春香ちゃん?」

律子「もう今朝のゴミはとっくに回収されているわよ」

やよい「うう〜、すみません。私のせいで……」

律子「元気出して、やよい。悔やんでも何も始まらないわよ」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 10:49:03.70 ID:7gcTk2iR0
響「でも、身近か……事務所以外で身近というと」

貴音「やはり、自分の家ということでしょうか?」

美希「でもミキ、自分の家も探してみたけど全然見つからなかったの」

亜美「チチチ……違うんだなあ、ミキミキ」

真美「ふらぐは見つけようとして見つかるものじゃないんだよ」

あずさ「見つけようとして、見つかるものじゃない……なぞなぞかしら?」

響「でも、それならどうすればいいのさ」

亜美「亜美と真美から言えることは、一つだよ」

真美「ふらぐが欲しいなら、兄ちゃんと仲良くすればいーんだよ」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 16:27:12.07 ID:+8SM8u2ao
みんなフラグをたてても折られてることに気づいてないんだなぁ
かわいいなぁ






やよいは天使だなぁ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 18:04:14.01 ID:7gcTk2iR0
美希「おかしいの!」

伊織「キャッ!? い、いきなり大声あげないでよ!」

美希「だって、そうなの。ハニーと仲良くして、ふらぐを手に入れられるならミキはとっくにふらぐを持っているの」

貴音「確かに普段から美希はプロデューサーと親密な関係の様子」

亜美「ミキミキのあれはどうなんだろうね、りっちゃん?」

律子「あれはどう考えても、プロデューサー殿の方が慣れてしまった……という感じよね」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:15:52.30 ID:7gcTk2iR0
伊織「とにかく、あのバカが鈍感なフリをしているならやることは1つよ!」

貴音「1つと申しますと?」

伊織「あのバカをいままで以上に私たちのことを意識させるのよ」

千早「でも、いままではぐらかされてきたのに……大丈夫なのかしら?」

伊織「大丈夫よ、あいつだって男よ。どんなに受け流そうと、はぐらかそうと私たちを意識しないはずがないじゃない」

伊織「きょ……されているわけじゃないんだから」

やよい「伊織ちゃん、なんて言ったんですか?」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:17:03.51 ID:7gcTk2iR0
あずさ「でも、今まで以上に意識させるって具体的に何をすればいいのかしら?」

伊織「決まっているじゃない。そんなの……告白よ!」

貴音「告白……ですか?」

伊織「そうよ……私たちはあいつのことが好き。でも、それを直接伝えたことはないわ」

美希「ミキは伝えたよ?」

千早「美希、想いを口にしても、それは届かなければ何の意味もなさないわ。歌と同じで……」

美希「千早さん……」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:33:04.03 ID:7gcTk2iR0
伊織「これ以上、あいつの鈍感なフリにモヤモヤイライラさせられるのはごめんだわ」

貴音「そう……ですね」

亜美「そろそろ、にーちゃんにも覚悟決めてもらわないとね」

真美「何だかオーディションみたいだね。たった1つの枠をとるために、みんなそれぞれ兄ちゃんにアピールするなんて」

響「なるほど、わかりやすいな。プロデューサーは審査員だな」

真「よーしっ! 僕の可愛さ、しっかりとプロデューサーにアピールしないと」

雪歩「オーディション。でも、それって……ううん、雪歩、考えちゃダメ」

春香「う〜ん、どうすればプロデューサーさんに喜んでもらえるかな?」

やよい「うっうー! 私、一生懸命頑張ります!」

千早「私の想いをプロデューサーに」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/07(月) 21:35:53.24 ID:7gcTk2iR0
律子「……」

あずさ「どうしたんですか、律子さん?」

律子「いえ、オーディションなら……それに向けて準備が必要ですから」

美希「律子……さんも、本気なんだね」

律子「そういうことね」

美希「ミキ的には、このオーディションを見送ってくれると嬉しいんだけど」

律子「このオーディションを逃したら、恐らくもうチャンスはないわ。私も……そして美希、あなたもね」

美希「うん……わかってるの」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 20:51:53.22 ID:6auQPWhy0
支援
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:16:09.34 ID:MQ9fRjEa0
律子「亜美と真美が言うようにプロデューサー殿と仲良くすることで、距離が近づくことでふらぐが手に入るなら……」

律子「これに参加すること自体がある意味、ふらぐを手にすることでもあると思えるし」

美希「つまり、それって……」

律子「条件は、みんな同じ……ということね」

律子「お互いに全力を尽くしましょう」

美希「うん……あっ、でも律子さんってアピールとか大丈夫なの?」

律子「バカにしないでよね。こっちだって、今でも現役でいける自信あるんだから」

美希「ふ〜ん、それは楽しみなの」

小鳥「大穴が勝つかもしれませんよ」

美希&律子「……いたの?]「……いたんですか?」

小鳥「ううっ……酷いです……」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:17:26.26 ID:MQ9fRjEa0
P「おはようございます」

女の子達「おはようござまーす!」

P「なんだ、俺が一番さいごか」

P「女3人寄れば姦しいというけど、みんなで集まってどうしたんだ?」

伊織「あんたには関係ない話よ」

P「ちぇ、俺だけ仲間はずれかよ」

あずさ(プロデューサーさん……)

あずさ(プロデューサーさんは、私たちをはぐらかしている)

あずさ(それは、同じ舞台に立っていないということです)

あずさ(でも、舞台に立とうしないなら舞台に引きずりだしちゃいます。だから……)

あずさ(覚悟していくださいね、プロデューサーさん)

こうして、765プロの女の子たちによる、P獲得オーディションがPの意思とは無関係に勝手に始まった。

彼女たちの目的はただ一つ、オーディションを制しPを手に入れることだ。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:18:13.93 ID:MQ9fRjEa0
一番手、美希

P「今日の営業は終わり……っと」ガチャ

美希「おかえり、ハニー!」ダキッ

P「美希、いつも言っているけど抱きつくなよ」

美希「ハニー以外の男の子にはやってないから大丈夫なの」

P「そういう問題じゃなくてだな」

美希「それに今やっておかないと、お仕事の途中でハニー分が切れちゃうの」

P「なんだよ、ハニー分って?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:19:02.15 ID:MQ9fRjEa0
美希「ミキはね、ハニーに抱きつくことでハニー分を充電してるの」ギュウ

P「お前は電池か……」

美希「ハニー……ミキはね、ハニー分があるからキラキラと輝けるの」

美希「お仕事で苦しい時もね、ハニーを抱きしめた時のことを思い出すとそれだけで乗り越えられちゃうの」

P「そいつは光栄だな」

美希「ミキね……知ってるよ。ハニーがいつもミキのこと心配してくれているの」

P「ああ……担当アイドルだからな」

美希「担当アイドルだから、お仕事だから……それだけなの?」

P「……」

美希「ハニーに抱きついてるとね。ハニーの優しい気持ちが流れ込んでくるの」

美希「そうするとね、ミキも優しくなれる気がするの。あったかい気持ちになれるの」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:19:44.17 ID:MQ9fRjEa0
P「俺は美希が思っているほどいい男じゃない」

美希「そうだね。いつもミキの気持ちを感じると、スルリと逃げちゃうもんね」

P「……気づいてのか」

美希「うん……でも、気づいたの自体はつい最近だけど」

P「気づいたなら、どうして抱きつくんだ?」

美希「そんなの決まってるの」

P「えっ……」

美希「ミキがハニーのことが大好きだからなの!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/12(土) 13:20:20.57 ID:MQ9fRjEa0
美希「ミキね、難しいことはわからないの。考えたくないし」

美希「ミキにできるのはハニーのことが好きっていう気持ちを伝えることぐらいなの」

P「はた迷惑な奴だな……」

美希「それでも構わないの。ミキのこの気持ちを止めることなんて誰にも出来ないの。ハニーにだってね!」

P「美希……」

美希「う〜ん、充電完了なの。それじゃあ、お仕事行ってくるの」

P「ああ、頑張ってこいよ」

美希「ねえ、ハニー。ミキの恋は押しの一手なの……だから」

P「だから?」

美希「いつかハニーのこと食べちゃうの!」ガチャ

P「……」

P「……」

P「肉食系小悪魔アイドルか……」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 20:39:31.27 ID:B2PF/1Nw0
見てる
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:19:10.86 ID:aXGlPVm/0
二番手 春香

春香「おはようございます、プロデューサーさん……っとと、うわわわ!」

P「……」ガシッ

春香「あ、ありがとうございます。プロデューサーさん」

P「なあ、春香いつも思うんだが聞いていいか?」

春香「はい、なんですか? 私で答えられることなら何でも答えますよ」

P「その、いつも何もない所で転ぶのはわざとなのか?」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:19:40.26 ID:aXGlPVm/0
春香「そんなわけないじゃないですか。ひどいです、プロデューサーさん!」

P「でも、こう毎日だとな。わざとじゃないなら、もうこれは一種の才能だな」

春香「私の話はいいじゃないですか。それよりプロデューサーさん、お腹すいてませんか?」

P「昼を食ってから結構たったからな。小腹がすいてきたな」

春香「それなら私、昨日作ったお菓子を持ってきたので食べませんか?」

P「随分と用意がいいな」

春香「家に残しておくの、もったいないですから」

P(最初から俺に食べさせるつもりだったんだろうな……)
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:20:09.90 ID:aXGlPVm/0
P「……」

春香「どうですか?」

P「相変わらず美味いな、春香の作るお菓子は」

春香「ほ、本当ですか?」

P「このガトーショコラ、店で売っているのと大差ないんじゃないか?」

春香「嘘じゃありませんか?」

P「こんなことで一々嘘なんてつかないよ」

春香「えへへ、喜んでもらって嬉しいです」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:20:45.36 ID:aXGlPVm/0
春香「あの、プロデューサーさん」

P「?」ヒョイ、パクパク

春香「お菓子作りで一番大事なものって何だか知っていますか?」

P「さあ、お菓子なんか作ったことないからな。焼き加減とか材料の分量の対比、それに隠し味とか?」

春香「もちろん、それも大事ですけど……それ以上に大事なものがあるんですよ」

P「何だよ、それは?」

春香「それはですね……」

春香「食べてもらう人への気持ちです」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:23:51.85 ID:aXGlPVm/0
春香「料理は愛情っていいますよね。私、あれ結構信じているんです」

春香「食べてもらう人のことを想って、気持ちを込めてつくればきっとそれは伝わると思うんです」

春香「それはお菓子作りにも同じだと思うんですよ。気持ちを込めれば、きっと相手に届くって……」

P「春香は……いつもどんな気持ちでお菓子を作っていたんだ?」

春香「それはもちろん、プロデューサーさんに褒めてもらえるかなとか、喜んでくれるかなとかです」

春香「でも、いつからだったかな……それだけじゃなくて、もっと強い想いを、好きっていう気持ちをお菓子に込めだしたのは」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:25:30.46 ID:aXGlPVm/0
P「その気持ちは俺に向けてのものなのか? 765プロのみんなじゃなくて」

春香「みんなのことは好きですよ。でも、やっぱりプロデューサーさんが1番です」

P「そうか……でも、俺は春香のお菓子に込められた想いに報いてやってないぞ」

P「いつもこうして、ただ呑気に食っているだけだ」

春香「報いてないはずがないですよ」

春香「だって、プロデューサーさんは私のお菓子を美味しいって言ってくれますから。それだけでも私は嬉しいんです」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 10:26:12.28 ID:aXGlPVm/0
春香「プロデューサーさん。もし、プロデューサーさんが私以外の誰かを選んでも……」

春香「……」

P「……」

春香「私、きっとお菓子を作ってもってくると思うんです。その時は……」

春香「その時は、また美味しいって言って食べてくれますか?」

P「春香が俺への想いをこめて作ってくれるお菓子だ。美味しくないわけがないだろ?」

P「遠慮なくいただくよ」

春香「ありがとうございます。ああ、もちろん、プロデューサーさんのことを諦めたわけじゃないですよ?」

春香「それじゃあ、お菓子も渡せたし今日はこの辺で失礼します」ガチャ

春香「うわっ、うわわわわ!」ガッシャーン!

P「……」ヒョイ、パクッ

P「美味しいな……」

P「お菓子好きな前のめりなアイドルか……」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 02:35:48.34 ID:2jqh6q4co
わた春香さんはやっぱり正妻ですね!
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 21:36:38.75 ID:SJlh6CSe0
三番手 伊織

伊織「ねえ……」

P「伊織か、どうしたんだ?」

伊織「ちょっと付き合いなさいよ」

P「すまない、まだ書類が残っているんだ。もう少し待ってくれないか」

伊織「そんなの後にしなさいよ」

P「そういうわけにはいかないんだよ。今のうちにキッチリと仕上げておきたいし……」

伊織「あんた、この私の誘いよりそんな紙切れの方が大事だっていうの?」

P「わかった……わかったよ」

伊織「最初から素直にそう言えばいいのよ」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 21:37:16.47 ID:SJlh6CSe0
P「それで何の用だ?」

伊織「あんたと話がしたいのよ」

P「それくらいなら別に書類をやりながらでも」

伊織「大事な話なのよ」

P「わかったよ……どこか行くか?」

伊織「そこのボロソファーでいいわよ」

P「ひどい言い様だ……よっと」

伊織「……」

P「どうした、座らないのか?」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 21:38:44.49 ID:SJlh6CSe0
伊織「……」ストン

P「なぜ俺の膝に座る?」

伊織「別にいいじゃない。座りたいところに座っているだけよ」

P「俺は椅子じゃない。だいたい大事な話っていうのにこれはどうなんだ?」

伊織「私は気にしないわよ」

P「言うだけ無駄だな……」

伊織「わかってるじゃないの、ニヒヒ!」

P「それで、話って……」

伊織「ねえ、あんた……いままで本当に鈍感なフリをしてたわけ?」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 22:14:40.03 ID:SJlh6CSe0
P「誰から聞いたんだ?」

P(美希も似たようなことを言ってたな)

伊織「言えるわけないでしょ」

P「そうか……」

P(紳士協定ならぬ乙女協定というやつか。そうなると、この間の朝の集まりは……)

伊織「……」

P「なあ、伊織おりてくれないか?」

伊織「どうしてよ……」

P「大事な話なんだろ? それなら、ちゃんとお互いの顔を見て話そう。これじゃあ、伊織の顔もろくに見れない」

伊織「だったら、こうすればいいでしょ」

P「なるほどな。確かにこれならお互いの顔は見れる」

P(対面座位……自分がどれだけ恥ずかしい姿勢をしているのかわかっているのか?)
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 22:22:47.46 ID:SJlh6CSe0
伊織「ねえ、どうして鈍感なフリなんて面倒なことしたの?」

P「それが正しいとおもったからさ」

伊織「じゃあ、みんなの気持ちを知った上でそれを弄んだの!?」

P「そういうつもりは……いや、あったな。俺自身の中で俺のことを好きでいてくれているみんなの気持ちを利用していた部分はあったな」

伊織「……」

P「恋をすることでみんなのアイドルとしての、女としての魅力が引き出される。みんなをより高いステージへ連れて行ける。それは同時に俺のプロデューサーとしての実績に繋がる」

P「誰でもよかったのかもな。トップアイドルを1人生み出せば、俺の肩書は『あのトップアイドルを生み出した敏腕プロデューサー』になる」

P「竜宮小町がトップに立ったとしても『トップアイドルを生み出した765プロのプロデューサー』という肩書だ。まあ、仕事はとりやすくなるだろうさ」

P「そう打算的に考える自分が確かにいたよ」

伊織「……」

P「伊織、ここはぶつなり殴るなりして、軽蔑するシーンだぞ?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/15(火) 22:46:25.44 ID:SJlh6CSe0
伊織「……ない」

P「伊織?」

伊織「そんなこと出来るわけないじゃない……」

伊織「私にだって、そういう部分あったから」

P「伊織にもか?」

伊織「私が竜宮小町に入った理由って、私自身が売れてなかったからなのよ」

伊織「売れていなかった私は、竜宮小町として活動すれば売れるって考えた」

伊織「亜美とあずさを使うことで、自分の人気をあげようとしたのよ」

P「でも、伊織は親を見返すためにこの世界に足を踏み入れたんだろ? なら、その時の伊織の選択は何も間違っていない、むしろ当然じゃないか」

P「事実、竜宮小町の人気はすごいんだから」

伊織「そうよ、必要なことだったのよ。律子にこの話を持ちかけられたとき、チャンスだと思ったわ。律子も結果を出したかったわけだし、利害は一致していた」

伊織「そうやって打算的に考えてしまった自分が嫌になるのよ」

P「竜宮小町にはいったこと後悔しているのか?」

伊織「ううん、それ自体はいいの。ただね、時折……ああ、私一人の力では何も出来ないんだな。亜美にあずさ、それに律子を利用しなきゃ今の舞台にいないんだなって考えちゃうのよ」

P「……」

伊織「ねえ、ここは抱きしめるなりキスするなりして慰めるシーンよ?」

伊織「それとも、いつもアイドル達にやっているように魔法の言葉で私を立ち直らせてくれる……『プロデューサー』」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:17:35.23 ID:kuHhw4XT0
P「正直、俺は伊織に何を言ってやればいいかわからない」

伊織「あら、あんたでもそんな事があるのね」

P「俺はどうやったって伊織になれないから……伊織の気持ち全部を汲み取ってやることは出来ない」

P「でも、伊織の言う通り……」ギュ

伊織「あっ……」

P「慰めてやることは出来そうだ」

伊織「ううっ……ば…かぁ……ウっ、ウっ、ヒック…ヒック……」

伊織「ほん…とに……あんたは人の心…弄んで…ヒック……」

P「すまない……」

伊織「あやまるんじゃ……ないわよ……ううっ」

P「そうだな。伊織、話してくれてありがとう」

伊織「うああああんっ!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:18:37.81 ID:kuHhw4XT0
伊織「プロデューサー、さっきのことは……」

P「わかってる。あの伊織ちゃんが事務所で声をあげて泣いていたんて話がバレたら……怖い怖い」

伊織「〜〜っ! あんたに伊織ちゃんなんて言われたくないわよ!」

P「ハイハイ……それで帰るんだろ? 俺は書類が残ってるけど」

伊織「わかってるわよ……ねえ」

P「なんだ、まだ泣き足りないなら別にいいぞ?」

伊織「違うわよ! 私が言いたいのは……その……」

伊織「私はワガママなの。欲しいものは絶対に手に入れなきゃ気が済まないの」

伊織「だから、首を洗って待ってなさいよ!」バタンッ!

P「ワガママ系アイドルか。女の涙は男の勲章……なんてな」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:22:32.15 ID:kuHhw4XT0
四番手 響

―帰宅中―
P「今日は色々とあったな。美希、春香、伊織」

P「好意に気づいてはいたが、ああいう風に真っ正面からぶつけられるとはな」

P「鈍感なふりをしてることが、みんなの思いを蔑ろにしてきたこともバレてる」

P「恐らくこれから他の女の子たちも行動を起こすんだろうな」

響「プロデューサー、何やってるんだ?」

P「……」

響「どうしたんだ、固まって?」

P「響か……いや、悪い予感(?)って随分と的中するものだなって」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:23:00.54 ID:kuHhw4XT0
P「響はこんな夜に何してるんだ」

響「見てわからないか?」ガサッ

P「夕飯の買い出しか」

響「プロデューサーは夕飯どうするんだ?」

P「作るの面倒だからコンビニで済ますつもりだが」

響「駄目だぞ! プロデューサー、そんなのじゃなくてもっとしっかりしたもの食べなきゃ」

P「コンビニの弁当もしっかりとした飯だよ」

響「む〜。そうだ、プロデューサー」

P「なんだよ」

響「どうせお金を払ってコンビニのご飯を食べるくらいなら、タダでご飯が食べられる場所があるぞ!」

P「へぇ、それは魅力的な提案だ」

響「そうだろ。それじゃあ一緒にいくさ」

P「わかったよ……」

P(行き先は多分……まあ、ちょうどいい機会なのかもしれないな)
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:24:10.84 ID:kuHhw4XT0
響「プロデューサー、入っていいぞ。汚い所かもしれないけど上がってよ」

P「それが部屋につくなり、掃除するからと言って俺を外に待たせた奴の言うことか?」

響「ははは、なんくるないさー!」

P「俺はなんくるなくない。夜は冷えるんだぞ」

響「適当にかけててよ。すぐに出来上がるから」

P「わかった」

響「〜♪」

P「……まるで夫婦か何かだな」

響「ぷぷぷプロデューサー、何いってるんだ!?」

P「夫婦みたいだなって言ったんだよ」

響「だから、そうじゃなくて。もぅ、変なこと言い出すんじゃないぞ」

P「悪かったよ」

響「全く本当にプロデューサーは……」

響「〜♪〜♪」

P(機嫌よくなってる……そんなに夫婦って言葉は乙女心を刺激するのものなのか?)
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:24:54.88 ID:kuHhw4XT0
響「そら、自分の得意料理ゴーヤチャンプル」

P「さすが沖縄県民」

響「ははは、誉めろ誉めろ!」

P「うん、確かに美味しいな」

響「そうだろ、そうだろ。自分、完璧だからな」

P「なぁ、響……聞いていいか?」

響「なんだ、プロデューサー?」

P「どうして俺を自分の部屋に連れてきたんだ」

響「……」

ハム蔵「……」トテトテ

イヌ美「……」スッ

その他「……」ゾロゾロ

響「あっ、ハム蔵、イヌ美、みんな……」

P「どうやら気を利かせてもらったみたいだな」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:26:07.32 ID:kuHhw4XT0
P「響、別に俺は責めているわけじゃない。ただ、若い女が男を家に連れ込むのはどうかと思っただけだ」

P「ましてや響はアイドルだ。そういうのには特に敏感にならなきゃいけないと思う」

響「……」

P「まあ、誘いに乗った俺が意見するのもおかしな話だけどな」

響「……プロデューサーのせいだぞ」

P「俺のせい?」

響「プロデューサーが鈍感なふりなんてするから」

P「そんなに嫌だったか?」

響「例えふりだったとしても、気づいてもらえないのは辛いんだぞ」

P「ふりをする側も辛いんだぞ」

響「そうなのか?」

P「それはそうだろ。自分のことを思ってくれてる相手の気持ちを裏切るようなもんだろ」

P「響は上の方針とかじゃなくて自分の意志で、自分のファンを裏切ったりすること出来るか?」

響「それは……」

P「おまけに自分がその人達に悪い感情を持っているわけじゃないから尚更だ」

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:27:30.29 ID:kuHhw4XT0
響「プロデューサー」ギュ

P「響……」

響「プロデューサー、辛かったんだな。自分達がプロデューサー1人のことで辛かったのに」

響「プロデューサーは自分達、全員分苦しんでたんだな」

P「人の数だけ、想いはあるからな。でも、数の問題じゃない……」

P「基はと言えば、俺の招いたものだ」

P(いっそ、俺に明確な好みがあれば楽だったんだろうな)
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:30:28.67 ID:kuHhw4XT0
P「響は暖かいな。沖縄育ちだからかな」

響「よくわからないぞ」

P「多分、響の暖かい心が体を通して出てるんだよ」

響「なんだそれ?」

P「さあな……」

響「プロデューサー、辛いんだよね? 顔、見えないから泣いていいぞ」

P「年下の前で泣けるかよ。でも……今はもう少しこうさせてくれ」

響「うん……」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/01/28(月) 00:32:29.09 ID:kuHhw4XT0
P「それじゃあ、そろそろお暇させてもらうか。また、ゴーヤチャンプル作ってくれ」

響「プロデューサー。自分、沖縄料理以外も普通に作れるぞ」

P「そうなのか」

響「当たり前さ。何度も言ってるけど自分、完璧だからな!」

P「だったら今度は肉じゃがでも作ってくれ」

響「任せてよ!」

P「じゃあな」ガチャ

P「後は帰って、風呂と寝るだけか」スタスタ

響「プロデューサー!」

P(……響か。ベランダからどうしたんだ?)

響「……」スゥ

響「かなさんどー!」

P「……」スッ

響「!」

P「……」ヒラヒラ

響「///」

P「……なんくるないさ」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/03(日) 17:04:34.24 ID:Oi6cnVhro
支援
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/05(火) 12:26:08.58 ID:dOPFwjsb0
五番手、千早

P「千早、新曲の収録お疲れさま」

千早「お疲れさまです、プロデューサー」

P「俺は見てるだけだけどな」

千早「いえ、プロデューサーが見ている。それだけでも力が入ります」

P「緊張するのか?」

千早「確かに緊張はするんですけど、悪い意味では無いんです。その……」

P「高揚感?」

千早「はい、それに近いと思います」

P「そんなに存在感あるか、俺?」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/05(火) 12:27:17.09 ID:dOPFwjsb0
千早「他の人のことはわかりません。でも、少なくとも私にとってプロデューサーは大きな存在ですよ」

千早「私のワガママでしかないのに、今日だってこうして歌の仕事を優先してとってきてくれます」

P「適材適所ってやつだ。歌がずば抜けて上手い千早を活かすために歌の仕事を持ってくるのは当然だろ?」

千早「私が自分の歌に納得のいかない時はいつまでも付き合ってくれます」

P「千早の歌を最高の仕上がりにしたいのは何も千早だけじゃない、俺も……って話だ」

千早「歌が歌えなくなった時、私を支えてくれたのはプロデューサーでした」

P「俺は何もしていないさ。立ち上がったのは千早自身だ」

千早「私はプロデューサーの支えがあったから立ち上がれました。そして、また歌が歌えました」

千早「そんなプロデューサーに私は……」

P「千早……でも、それは」

千早「わかっています。自分の抱いた気持ちが許されるものではないということは」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/05(火) 12:28:17.49 ID:dOPFwjsb0
P「だったら後はそれを押し殺してしまえばいい」

P「俺はみんなに対する気持ちが出てきてしまう度にそうしてきたから」

P(同時にそんな自分に反吐が出たけど)

千早「そんなに……そんなにいけないことなんですか? この感情は」

P「……」

千早「初めてこの人に認められたいと思った。初めてこの人に誉められたいと思った。初めてこの人のそばにいたいと思った」

千早「初めて……初めて、一緒に歩いていきたいって思った」

千早「そんな気持ちを押し殺すなんて……私にはできません」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/05(火) 12:28:58.07 ID:dOPFwjsb0
P「俺は色々な千早の初めてをもらっていたんだな」

千早「そうですよ。初恋だってプロデューサーです」

P「ありがとうな。こんな俺を好きでいてくれてさ」

千早「プロデューサー。私はたとえプロデューサーに選ばれなくてもそれでいいんです」

千早「それはプロデューサーが必死になって考えたことだから、私がそれに口だしをすることなんて出来ません」

千早「それに初恋は叶わないって言いますし」

P「……」

千早「でも、プロデューサー。もし、そうなったとしても私のプロデューサーを降りないでくれますか」

P「自分を振った男が近くに付きまとうんだぞ。辛くないのか?」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/05(火) 12:29:44.80 ID:dOPFwjsb0
千早「では、私を選ばなかったらと言って、プロデューサーは私を見捨てたりしますか?」

P「それは絶対にない」

千早「プロデューサーは、私の翼です。私が大空へと羽ばたくためにはプロデューサーの力が必要なんです」

P「自分の目的のために力を貸せということか?」

千早「はい……」

P「俺は……千早のように何かに全てを捧げるような崇高なことができる人間じゃない」

P「千早に対してどれだけ自分を捧げることが出来るかは分からない」

P「それでも……」

P「俺は千早のトップシンガーになる夢を叶える。そのための翼になることを約束する、絶対にだ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/05(火) 12:31:19.94 ID:dOPFwjsb0
千早「ありがとうございます、プロデューサー」

P「ずるい男だよ、俺は。自分の気持ちが固まってないくせに、千早に期待を抱かせてしまっている」

千早「それでも、プロデューサーは約束をしてくれました。プロデューサーは約束を守ってくれる人ですから」

千早「それにいま話したのはあくまで可能性の話です。プロデューサーが私を選ばなかった時の……」

千早「もし、プロデューサーが私を選んだ……その時は」

P「その時は?」

千早「二人で一緒に考えましょう。プロデューサーと私が手を取り合い羽ばたく未来を」

P「千早……」

千早「きょ、今日は事務所まで送ってもらわなくて結構です……それでは」

P(耳まで真っ赤にして……)

P「……」

P「歌に全て捧げたアイドルか」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/12(火) 23:00:13.78 ID:NWLCi5Uro
途中までwktkだったけどもげてほしくなってきた
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 12:42:57.27 ID:28GWyCaZ0
六番手 律子

P「今日の活動は中々だったな。千早も帰ったし、俺も事務所に戻るか」

律子「プロデューサー殿」

P「おっ……律子じゃないか。どうしたんだ、こんな所で?」

律子「私は仕事を取っていた所ですよ」

P「そうなのか。俺はこれから事務所に帰るところだけどそっちは?」

律子「私もですよ。プロデューサー殿はタクシーですか?」

P「そうだけど……そういう律子は」

律子「私は車で来ました。良かったら乗って行きますか?」

P「いいのか?」

律子「どうせ行き先は同じ事務所なんですから構いませんよ。それに……」

律子「タクシー代でも経費は経費ですからね。削減できるものは削減しませんと」

P「これは手厳しい……」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 12:43:33.48 ID:28GWyCaZ0
P「俺が運転するよ」

律子「いいんですか? 仕事を終えて、お疲れのようですけど」

P「それ、そっくり返すよ。安心してくれ、免許証なら財布に入ってる」

律子「いや、私はそういうことを言ってるんじゃなくて」

P「まぁまぁ、そう言わないでくれ。鍵、貸してくれ」

律子「……よろしくお願いします」スッ
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 12:44:35.51 ID:28GWyCaZ0
P「しかし、律子は熱心だな」

律子「熱心……ですか?」

P「そうだろう。竜宮小町ほどの人気ユニットなら、わざわざ営業をかけなくても向こうから仕事がやってくるだろ」

律子「そうかもしれませんが、そういう慢心はいけないと思うんですよね」

律子「やってくる仕事だって竜宮小町にあっているものばかりではありません」

律子「私は竜宮小町のプロデューサーです。彼女達の持ち味を最大限に引き出せる仕事を選別するのも仕事だと考えています」

律子「そのためには人気に溺れず、自分から行動しなければいけない部分があると思うんです」

P「なるほどな」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 12:49:41.96 ID:28GWyCaZ0
P「律子は凄いな。尊敬するよ」

律子「私は、プロデューサー殿の方がよっぽど凄いと思いますけどね」

P「そうか?」

律子「無自覚って怖いですね」

P「はあ、無自覚?」

律子「プロデューサー殿、あなたの担当アイドルを言ってみて下さい」

P「そりゃあ……」

P「春香、千早、雪歩、真、真美、やよい、美希、響、貴音の9人だ」

律子「私は伊織、亜美、あずささんの3人です。とは言っても竜宮小町というユニットで活動しているわけですから、実質管理するのは一人分みたいなものです」

律子「つまり、プロデューサー殿は私の9倍の負担がある……ということです」

P「おいおい、それは極論だろ。俺だって、アイドル達にいつも一緒にいるってわけじゃない」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 12:53:10.53 ID:28GWyCaZ0
律子「プロデューサー殿は、9人ものアイドルを抱えています。常識的に考えて、そんな大人数は難しい……いえ、無理だと思います。人間どう足掻いても体は1つしかありませんから」

P「そうだな。あちらを立てれば、こちらが立たず……だな」

律子「そういうリスクを避けるために私はユニットという形でのプロデュースを始めました」

P「まとめることで、ひとりひとりの管理を軽くして……それに使う分を他の部分に注力する。律子らしい効率的な考えだな」

律子「でも、プロデューサー殿はそういったことをせずに彼女達を個々で管理し、その上でしっかりと仕事をこなしています」

律子「もしプロデューサー殿が1人のアイドルにだけ注力すれば恐らく1年……」

律子「いや、それ以上に早くそのアイドルをトップアイドルにすることが出来ると思います」

P「買い被りすぎだ。俺はそこまで優秀じゃない」

律子「私にはそう思えません。ですから、私はそういうプロデューサー殿の技術を盗んでいきたいですね」

P「技術って呼ばれるほど大したことはしてないと思うけどな」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 12:55:26.14 ID:28GWyCaZ0
律子「でも、本当に辛い時は遠慮なく言ってくださいね」

律子「私はプロデューサーですから……プロデューサー殿のプロデューサーとしての悩みや辛さを一番理解してあげられると自負しています」

律子「そして、それが私の他のアイドル達には持っていない絶対的なアドバンテージです」

律子「私は、それを上手に使ってプロデューサー殿を手に入れてみせますよ」

P「律子……それ、本人の目の前で言うか?」

律子「ちゃんと言わなければ伝わらない。それは、プロデューサー殿が私に教えてくれたことですよ」

律子「もっともプロデューサー殿は、私の気持ちに気づいていたようですが」

P「……」

律子「でも、よかったです。プロデューサー殿のその反応を見る限り、私の言葉は無駄ではなかったみたいですね」

P「……さあな」

律子「くすっ、わかりやすい人……鈍感なフリで騙されていたなんて信じられないくらいに」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2013/02/16(土) 13:07:58.12 ID:28GWyCaZ0
P「律子、着いたぞ」

律子「はい、ありがとうございます」

P「律子……」

律子「なんですか?」

P「今度、飯でも食べながら色々と愚痴らせてくれ」

律子「ええ……楽しみにしていますよ」
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