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【安価とコンマで】幻想に走り給う]【幻想入り】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/21(土) 22:48:21.72 ID:DyxfJJqdo
                      _,..r=≦二 '''-._
                    /''ア¨ ヽ.ヽヽ.  `ヽ、 `¨ー--、_
                 ,У  /   .j .lヽヽ   `ヽ、`<ー =x   ,,
                  / /  .i    j   l,ム .ヽ    `二ニ<___ヾ_ノ
                  ,' .j   l    .,'  ./  l l`ーr-、__ヽ、  <ノ
                 ,' jl   l    i.  ,'  .l .lrー ヽ ., ヽヾ 、ヽ ヽ、
            /./l    l   ヽ.l.,'_, /V__,ィ_,」 .l  ハ ィ  ヾj rム
        ,/   ,イ/.l i    .i!  、 l    ,イ示ぅ//i イj l.j  /.,ィ li!
        マt_ ノ'´  il  .l  l.j-ノ¨マt   / マ才'V,ィヘ 〈 .l t_,ィ.l.l∧
         `¨´    j ノl .レノ>=z、ヾj     , //|`'У // .l∧ l
              /,イ i .l /∨.弋tオ ´、     `ー-j=ノ /.ア ,/_ j/
               /j l /ヽVヽ ヽ、_     `  .ノ 、_ノイイ// ソニイ._
              、_」∨ノl .|`ヾヾヽ、    '' ´ '  / マ Vij_./ノ¨´   `ヽ
                レ/ ∧ l  lV  /≧zx 、.   イ  マ.ノ .j         \
            l、l_ / /`ヾ i!  / ./i ./ム _,.、ィ≦´  .ハ    、
                 ゝ/ィ ./l i!l__/_lィ_/7イ´i  ソヽ ./#l     l
              ヾ .lヽ.l /,ィヾl    / ./j)´ `l .l#Y##i!   i i!
               ` .マfアー  \_/:l.ノノ     .l l####:ム.  ', l
                   V    /;/  .rく  j .l#####:ハ. .',l
                 .i   //   rくァ 入zトァ|#####:#:ハ、 .l
                   / ./<<≧アノjベーイ l########ハ |
                 /.,イt/<Vヽーソ/ i!      l########:#i!
                   / .l#イ   < l l フ     マ########|
               .ノ  l#i!    < マ.ハ `ヽ     マ#######l
                 /.   ';;l 、    i! マハ 〈       マ######\   _ -
              ヽ    .l;lヽ、、   <. マ.ハ j.     _マ#######`Y´
                ヽァ.、_」;l  |`Tー 《ィ.〉 .j j ー '''''':  マ#######.| __, -
                  くz__ .|;l ノ `ヾ( / / >         マ#####:#`:¨l
                / `.j/イ   ノ /o /_ノ          ハ######:#:λ
                  /  //zz   >./ / .)   ,.ィ ー‐、 /-''マ###才´ ヽ
  _               /. __ノ##≧zxxノ_/_ ./ {  /     //   ヾ/
/ ヽ           ./,イ##≧z#########≧zx| r、_ ノ  l
    l_>''¨¨¨¨l   ./##########≧zz##########≧x、 j    /ヽ
i  /     ノ, イ#####################≧z######:/ .ヽ /   .l   __
:l /  / .,   ./´##############################≧l    V  i  j/
:V //  .ノ##################################.l     ) l li/ /
;l| .// __zイ  ̄ ̄`ヽ###################:rー- 、###_ノ、   /、lノl ノ   ノ
: ∨彡三ニー     ヽ###################\  f¨´   >ーiヾjィく)__ イー
、ヽ''´   `¨ー_< ̄#####__,,..-----、__#######:`ヽ.ヽ、 _  / ´ j ヽ  ヽ
λ. ヽー -.< ̄_,..-'''"´     ,..ィ≦´###########*≧z、¨(     ノ、

       「愛する為に、まずは壊そう。それが、私の愛の形」

このスレは幻想郷を舞台に色々やろうっていう東方安価コンマスレです。
筆者が甘いので色々とご迷惑をお掛けすると思いますがご了承ください。
独自解釈、キャラ崩壊、パロディネタが多いと思われます。
更新は基本不定期です。ごめんなさい。
主は遅筆です。
以上で大丈夫だ、付き合ってやるって人がいるならば、よろしくお願いします。
コンマは基本的に>>1の采配で行っています。
補正とか色々で+-が付いたりします。
自由安価時にお下劣な内容などこれはダメだなーと判断した際は安価↓にすることもあります。あしからず
また、1(ファンブル)・0・ゾロ目(クリティカル)は他の補正を受けません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403358501
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VIPでTW ★5 @ 2024/03/29(金) 09:54:48.69 ID:aP+hFwQR0
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
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旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 22:48:56.37 ID:DyxfJJqdo
以下、過去スレ

第一幕
主人公:安藤(妖怪・細胞生物)
(始まり〜)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1357661533/
(〜第一幕閉幕)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365604576/
第二幕
主人公:鎌足 零(妖怪・鬼)
(始まり〜序章終了)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368284855/
(第二章)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373446161/
(二章〜終章 第二幕閉幕)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375801188/
第三幕
主人公:夢路 現(幽霊・怨霊)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383315512/
(中盤〜異変の途中まで)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385033465/
(夢路異変途中から〜第四幕途中まで)
第四幕
主人公:リンガー・ローゼス(妖精)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387368247/
(第四幕途中から〜)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389459001/
(第四幕中盤)
今ここ

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 22:51:40.24 ID:DyxfJJqdo


※現在公開可能な情報

名前:リンガー・ローゼス
読み:りんがー・ろーぜす
能力:地に落とす程度の能力
種族:妖精
危険度:低
人間友好度:?
身体能力【2】:妖精の中でも体が弱い様です
精神【6】:一般的な妖精らしい度胸を得ました
頭脳【8】:妖精の中では頭が良いようです
潜在能力【5】:普通です
幻想郷縁起
なし

持ち物

なし

特殊設定

妖精好き
あなたは同族である妖精が大切。故に、積極的に友好を深めようとするだろう。
効果:指定した種族の場合、戦闘判定に−1 友好判定に+1

チャンスメイカー
あなたはどんなチャンスでもうみ出し掴み取る。
だが、掴むまで貴方にとって吉か凶かはわからない。
効果:イベント中、もしくは戦闘中にファンブルが出た際、もう一度だけ判定を行う。戦闘時は一回のみ発動出来る。

現在の仲間
蓬莱山 輝夜
チルノ 大妖精
スターサファイア
ルナチャイルド サニーミルク
秦 こころ リグル・ナイトバグ

現在行ける場所

迷いの竹林※拠点
人間の里
霧の湖
妖怪の山
太陽の畑

レベル 2/4
レベルアップまで「0/10」

相関図
『妖精』
チルノ:やっと見つけたわよこのすっとこどっこいしょーッ!!【?】
大妖精:心配したんだから、リンガー君【親友】
ルナチャイルド:あんたもあたしたちと暮らせば良いのに【???】
サニーミルク:ルナほどじゃないけど、あたしもあんたの心配してたからね【親友】
スターサファイア:守ってね、リンガー【恋慕】
『迷いの竹林』
リグル・ナイトバグ:心配だなぁ。無茶しないようにね【仲間】
『人間の里』
秦 こころ:君は強く、可愛く、面白い子で仲間だZE【仲間】
本居 小鈴:何時でも遊びにおいで。わからない文字とかあったら教えてあげるから【顧客】
『永遠亭』
蓬莱山 輝夜:最高に面白い妖精君。あなたなら、きっと――【仲間】
八意 永琳:悪戯さえしなければ、良い子よね【知り合い】
『守谷神社』
東風谷 早苗:悪い妖怪なんかに騙されてはいけません! 保護しなければ!!【保護欲】
『英雄伝』
藤原 妹紅:なんでこんな奴に私は惑わされているんだろうか【困惑】
博麗 霊夢:狡賢い妖精は面倒以外の何でもないわ【嫌悪】
八雲 紫:小さな光を感じる……【安堵】
『妖怪の山』
姫海棠 はたて:ななな、ナニコレ可愛いぃい!【愛玩】
『太陽の畑』
風見 幽香:君のこと、気に入ったわ【愛玩】
4 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/21(土) 22:54:36.23 ID:DyxfJJqdo

※では、こっちで続きを始めます
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/06/21(土) 22:55:56.89 ID:ra11OSTdo
おっつー
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:01:47.69 ID:SUF36j0po
おつ
7 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/21(土) 23:05:14.58 ID:DyxfJJqdo

※早速ミス。行ける場所にマヨヒガが追加されました

 ―マヨヒガ(夕方)―

 八雲さんが消えて、暫く日向ぼっこをしてみましたがなーんにもありませんでした。

 こういう所から勝手に何かを持って行くのは泥棒ですしね!

 悪戯をしに来たわけではありませんから、今回は何も盗みません。

 さて、そんなわけでまだ帰るまでには時間がありそうですね。

 何処かへ行くか、それともここを探索するかしてみましょうか。

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:まだマヨヒガに居続けるのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:風に任せて行動するのです!
11:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/06/21(土) 23:05:48.23 ID:ra11OSTdo
7
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:06:03.10 ID:xO3M6fHSO
4
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:07:34.89 ID:9G3/Tw9so
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:11:56.33 ID:SUF36j0po
10
12 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/21(土) 23:40:10.67 ID:DyxfJJqdo

>>10 選択:7



 斜陽が照りつけ、世界が茜色に染まっていきます。

 涼しい風が吹き抜け、掛けられた小さな風鈴を鳴らします。

リンガー「ふぁー」

 あくびをして、のんびりとした空気を噛み締めますが、

リンガー「……本当に空き家みたいですね」

 ここがどんな場所なのかを調べて、少しだけ不気味に感じていました。

 掃除されてぴっかぴかですが、生活をしていたような痕跡がありません。

 何故か料理までしっかりと用意されていますが、誰かが作ったという跡もなく。

 さらに言えば、『料理が何時までも出来立て』の状態だというのが、一番の不気味ポイントなのです。

リンガー「まあ、八雲さんが居た様な場所ですし、妖怪の類という可能性は捨てられませんが」

 しかし、それにしたって疑問を覚えるのは『何もされていない』という事なのです。

 うーん、ここって本当になんなのでしょうか。

 そんなことを考え、頭を働かせていると――

※遭遇判定

5以上で誰かと遭遇

判定直後
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:40:39.63 ID:M1NyLmxVo
えい
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:41:02.34 ID:xO3M6fHSO
15 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/21(土) 23:45:52.71 ID:DyxfJJqdo

>>13 コンマ:3 ※誰も現れず

 ―マヨヒガ(夜)―

 いつの間にか、周囲は暗くなっていました。

 長考が過ぎた様で、そして誰も現れなかった様で。

リンガー「帰りましょうかね。そろそろ、危ない時間なのです」

 そう呟いて、ボクは帰路へと就いたわけですが――

16 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/21(土) 23:47:18.90 ID:DyxfJJqdo

 ―迷いの竹林・リンガーの住処跡地(夜)―




 ――帰ってみれば、そこには見るも無残な廃屋がそこにありました。



17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/21(土) 23:50:58.85 ID:SUF36j0po
!?
18 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 00:05:19.97 ID:tpDODHzAo

リンガー「あっるぇー、おっかしいのですー。ここにはボクのお家があった筈なのになー」

 目の前にあるのは、押しつぶされたボクの家。

リンガー「はっはっは、もしかして道に迷っちゃったのですかねー」

 目の前には、土に埋もれたボクの家。

リンガー「……ああ、虚しいのです」

 現実逃避をした所で、ボクは家に入る事は出来そうにありませんでした。

リンガー「……バラ、だいじょうぶかな」

 そして次に心配するのは、ボクが大事にしていたバラのこと。

 ボクの大切な、バラなのです。

リンガー「ちょっとだけ、調べてみましょう」

 呟いて、ボクは地面に手を当てて精神を集中させます。

 大地の妖精として持っている能力の応用なのです。ここの地質を調べて、どんな風になっているかを調べます。

リンガー「……緩くなっていたのですか」

 調べた結果、ここの地盤が緩くなっていたという事がわかりました。

 どうやら、天井を支えていた木の根っこがいつの間にか腐り、分解されていた様なのです。

 それで、今日崩壊した。ボクの帰る家が、なくなってしまったと。

リンガー「空気の穴は出来ていますから、どうにかどかせば日用品は回収出来るかもしれません」

 だけど、住む場所としてはもう成り立たない。

 うーん、困ったのです。やばいのです。

 本当は叫びまわりたいけど、さすがにそんなことをすればボクの身が危ないのです。

19 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 00:15:25.10 ID:tpDODHzAo


リンガー「仕方がないのです……」

 こうなったら、頼れるのは知り合いなのです。

※選択(どこへ行く?)

1:永遠亭
2:妹紅の家
3:太陽の畑
4:三月精の家
5:小鈴庵

※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 00:16:06.66 ID:uoWsdiVSO
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/06/22(日) 00:16:19.59 ID:79cj4OD5o
助けてもこたん!
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 00:16:45.99 ID:69+w6g5Do
4
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 00:18:13.01 ID:XTBjpwo+o
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 00:43:09.18 ID:IfosD7UUO
>>22がいなければ即死だった
25 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 01:13:38.50 ID:tpDODHzAo

>>22 選択:4 コンマ:99(ゾロ目) ※メインイベント発生

※ここに来てゾロ目ですよ。コンマ神の導きですね(白目)

 ―三月精の家(夜)―

リンガー「というわけで、今日泊めてください!!」

スター「許可する」

ルナ「良いわよ」

サニー「即決!!」

 ボクの家の事を話したら、物凄い勢いで認可されました。

 え、ボクが言うのもなんですがそんな簡単に決めちゃって良いものなんですか?

スター「別に、リンガーなら歓迎するわ。私達はあなたの仲間だし、困ってるなら見過ごせないし」

ルナ「そうそう。それに、リンガーは色んな意味で安心と信頼があるわけだし」

リンガー「いや、まあ、快く受け入れてくれるなら嬉しい限りなのですが。少しだけ、拍子抜けと言いますか」

サニー「楽しそうだから良いのよ! ね、二人共!!」

 サニーちゃんの言葉に、スターちゃんとルナちゃんがうんうんと頷きます。

サニー「スターはリンガーが泊まってくれたら嬉しい。ルナも嬉しい。私は楽しい。どう? 断る理由なんて無いじゃない!」

ルナ「ちょっと、サニー! 何で自分だけ言い方変えてるのよ!」

スター「うん、私はすっごく嬉しい」

ルナ「す、スター!」

スター「ルナも、意地なんて張らずに素直になれば良いのに」

ルナ「意地なんて……」

 むう、何やらおいてけぼりを喰らってしまったのです。

 でも、皆が嬉しくて楽しくなれるなら、快くお泊りすることが出来そうなのです!

サニー「と、いうわけで。じゃじゃーん! リンガーは、ルナとスター、どっちの部屋に泊まる?」

ル/ス/リ「はい?」

サニー「だって、私の部屋狭いもん。ルナかスターの部屋はそこそこ広いし、それに空き部屋だって無いじゃん? というわけで、はい、決める!!」

 何か有無を言わさない勢いで、サニーちゃんから選択を迫られました。

 そして何故か、スターちゃんもルナちゃんも何も言いません。

 え、これどうすれば良いんですか?

※選択

1:ルナの部屋
2:スターの部屋
3:サニーの部屋
4:ボクはリビングの床で眠るのです!!

↓5までで一番多い選択肢を採用

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/22(日) 01:16:15.17 ID:n0DPm+t3o
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 01:17:23.70 ID:IfosD7UUO
4
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 01:18:43.53 ID:sAZtZZWto
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 01:19:34.90 ID:74nm1GGGo
2一択
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 01:20:00.89 ID:SsZb5IvOo
2
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 01:26:23.53 ID:zNRhLHlo0
また、0二つっすか…………
32 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 01:59:46.63 ID:tpDODHzAo

>>26-30 多数決:2

 ―三月精の家・スターの部屋(夜)―

 と、いうわけで。

スター「お昼に続いて、ルナには悪い事しちゃったわね♪」

リンガー(何でボクはこの選択をしたのでしょうか)

スター「ねえ、本当に一緒のベッドじゃなくても良いの?」

リンガー「良いのです。そこは弁えないとダメだって、何かの本にも書いてあったのです」

 ボク達は子供だけど、ちゃんとそういう所を区分けしなければいけないと思うのです。

 いや、泊まっている時点で結構グレーゾーンかもしれませんけど。

 ああ、もう考える前に寝てしまいましょう。

 ええ、本当に。多分眠る事は簡単なのです、そうなのです。

 

 
33 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 02:14:04.18 ID:tpDODHzAo



 リンガーが、私の部屋で泊まってくれることを選んでくれた。

 さすがのサニーにグッジョブと言いたかった。サニーは私達の誰より、勘が働く。

 だからきっと、ルナの気持ちも私の気持ちにも気付いている。

 リンガーに対する、思いも。

 私は、リンガーが好きだ。

 私の中で欠けていたピース。大きな空白。そこに納まるのが、きっとリンガーとの記憶だったのだ。

 それを、私は自覚した。それを、私は埋められた。

 この気持ちが、私だけのモノじゃないんだって思いたい。

 ねえ、リンガー。

スター「……私を選んでくれたって事は、そういう事なの?」

 思い切って、私は唇を震わせて尋ねてみた。

 だけど、その答えは返ってこない。

 そっと、リンガーの包まっている布団に近付いてみると彼は寝息を立てていた。

スター「……ねぇ、リンガー。私は、きっとあなたを赦すわ」

 もしも記憶が戻って、リンガーの言う恐ろしく悍ましいものが見えてしまったとしても。

スター「私は、あなたを赦すわ」

 そんなことを気にしないと確信出来るほど、私の中のあなたが大きいのだから。

 私はそのまま、添い寝するようにリンガーを抱きしめて眠る。

 こういう役得があっても良い筈だ。

 ズルいかもしれないけど、私にはリンガーと過ごした記憶だけ無いのだから。

 素晴らしい記憶を、私にちょうだい。ねぇ、リンガー・ローゼス。

 私の、大好きな男の子。

※スターの好感度がグッと上がりました。
34 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 02:16:55.75 ID:tpDODHzAo

※現在公開可能な情報

名前:リンガー・ローゼス
読み:りんがー・ろーぜす
能力:地に落とす程度の能力
種族:妖精
危険度:低
人間友好度:?
身体能力【2】:妖精の中でも体が弱い様です
精神【6】:一般的な妖精らしい度胸を得ました
頭脳【8】:妖精の中では頭が良いようです
潜在能力【5】:普通です
幻想郷縁起
なし

持ち物

なし

特殊設定

妖精好き
あなたは同族である妖精が大切。故に、積極的に友好を深めようとするだろう。
効果:指定した種族の場合、戦闘判定に−1 友好判定に+1

チャンスメイカー
あなたはどんなチャンスでもうみ出し掴み取る。
だが、掴むまで貴方にとって吉か凶かはわからない。
効果:イベント中、もしくは戦闘中にファンブルが出た際、もう一度だけ判定を行う。戦闘時は一回のみ発動出来る。

現在の仲間
蓬莱山 輝夜
チルノ 大妖精
スターサファイア
ルナチャイルド サニーミルク
秦 こころ リグル・ナイトバグ

現在行ける場所

迷いの竹林
人間の里
霧の湖
妖怪の山
太陽の畑
マヨヒガ

レベル 2/4
レベルアップまで「0/10」

相関図
『妖精』
チルノ:やっと見つけたわよこのすっとこどっこいしょーッ!!【?】
大妖精:心配したんだから、リンガー君【親友】
ルナチャイルド:あんたもあたしたちと暮らせば良いのに【???】
サニーミルク:ルナほどじゃないけど、あたしもあんたの心配してたからね【親友】
スターサファイア:守ってね、リンガー【恋慕】
『迷いの竹林』
リグル・ナイトバグ:心配だなぁ。無茶しないようにね【仲間】
『人間の里』
秦 こころ:君は強く、可愛く、面白い子で仲間だZE【仲間】
本居 小鈴:何時でも遊びにおいで。わからない文字とかあったら教えてあげるから【顧客】
『永遠亭』
蓬莱山 輝夜:最高に面白い妖精君。あなたなら、きっと――【仲間】
八意 永琳:悪戯さえしなければ、良い子よね【知り合い】
『守谷神社』
東風谷 早苗:悪い妖怪なんかに騙されてはいけません! 保護しなければ!!【保護欲】
『英雄伝』
藤原 妹紅:なんでこんな奴に私は惑わされているんだろうか【困惑】
博麗 霊夢:狡賢い妖精は面倒以外の何でもないわ【嫌悪】
八雲 紫:小さな光を感じる……【安堵】
『妖怪の山』
姫海棠 はたて:ななな、ナニコレ可愛いぃい!【愛玩】
『太陽の畑』
風見 幽香:君のこと、気に入ったわ【愛玩】
35 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/06/22(日) 02:18:00.78 ID:tpDODHzAo

※今日はここまでです。お疲れ様でした。

※これから泥沼になるかもしれないぜ(白目)
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 02:19:03.31 ID:X9IXmdwUo
おつ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 02:30:43.09 ID:69+w6g5Do
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 02:33:35.32 ID:zNRhLHlo0
お疲れ様です!

リンガー君には零のようにはなって欲しくないよね。
なんつーか、ピュアなまま過ごしていって貰いたい
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/22(日) 02:34:12.40 ID:rzCZH3Mco
おつおつ
なんで今日に限って参加できてないんだ俺;;
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/06/22(日) 11:30:18.35 ID:dNXb7kT00
乙。面白そうだったが俺も参加できんかった…。そして安定のコンマ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/06/23(月) 22:45:38.99 ID:SUm/FQuE0
小ネタの感想はこっちに書き込んだ方がいいかも知れん
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/06/29(日) 19:23:09.09 ID:DEO85G+zO
祭るーー
43 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:10:30.83 ID:57YiT4zgo

※23時30分頃に再開します
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/02(水) 23:11:38.24 ID:J7FG4yq70
ヒャッハー
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/02(水) 23:11:46.44 ID:WWulcezGo
Я
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/02(水) 23:17:15.82 ID:DlI5DBaNo
ヒャッハー
47 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:27:44.86 ID:57YiT4zgo

※さて、時間なんで再開しましょうか

※小ネタの方が難産してるんで、気長に待って頂ければ幸いです。バッドエンドはやっぱり抉れるね(白目)


※夢判定

コンマ一桁4以上でリンガーは夢を見る

判定直後
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/02(水) 23:28:02.79 ID:WWulcezGo
いやー
49 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:30:28.19 ID:57YiT4zgo

>>48 コンマ:9 ※成功

再度判定

ファンブル:『泥』
2〜:繰り返す苦しみ
5〜三月精は踊る
0・ゾロ目:ボクの願い
50 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:30:54.43 ID:57YiT4zgo

※あ、判定直後です
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/02(水) 23:30:57.12 ID:bm2gVn33o
ぜろ
52 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:44:38.61 ID:57YiT4zgo

>>51 コンマ:2 ※繰り返す苦しみ

 ―???―

――また、この夢なのです。

 一回休みになって、復活して、一回休みになって、復活して。

 何度も何度も苦しみ抜いて、復活した頃には、それを忘れる。

 ボクがその記憶を思い出したのは何時頃だったでしょうか。

 ボクがその事を覚えていられる様になったのは、何時頃だったでしょうか。

 ボクは何度も死にました。ボクは何度も復活しました。

 怖い何かがボクの事を見ている様な、不気味な感覚がありました。

 ボクは足が遅いから、みんなに置いていかれてしまいます――その度に、ボクは死にました。

 ボクは動きが鈍いから、みんなよりも狙われやすいのです――その度に、ボクは死にました。

 ボクは、何度死んだ事があるのでしょうか――それを覚えていられる程、ボクは狂っていません。

 ボクは、何度復活した事があるのでしょうか――それを覚えていられる程、ボクはおかしくありません。

 ボクたち妖精は、消える事はあっても死ぬことはありません――果たして、それは本当でしょうか。

 ボクたち妖精は、何度でも復活することが出来るのです――果たしてそれは、本当でしょうか。

 ボクは何度も死にました。明晰夢の中で、死んでは復活を繰り返しました。

 繰り返し、苦しむのです。それがどれほど、怖いものかを忘れない為に。

 繰り返し、死ぬのです。それがどれほど、嫌なものかを忘れない為に。

 繰り返し、復活するのです。それがどれほど、素晴らしいものかを忘れない為に。

 全部、忘れない為に。

 ボクは、繰り返し、苦しむのです。

53 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:55:10.00 ID:57YiT4zgo

 十二日目

 ―三月精の家・スターの部屋(朝)―

「……ンガー、リンガー」

リンガー「ん、にゅう……」

「起きて、もう朝よ」

 誰かの声が聞こえます。誰かに体を揺さぶられています。

 こんな朝から、一体誰でしょうか。……というか、ボクの家に無断で誰かが入ってきているのでしょうか。

リンガー「誰ですかぁ。ボクの安眠を邪魔するのはぁ……」

「えい」

リンガー「痛いッ!?」

 バチコーン、というお星様のマークが出そうな擬音が響いた様な気がしました。

 そして、その発生源はボクの頭でした。

スター「おはよう。リンガーって朝、弱いのね」

リンガー「す、スターちゃん!? ……ああ、そう言えば」

 にっこりと笑うスターちゃんがなんで居るのか、と驚いたボクですが、そう言えば昨日は此処に泊まらせて頂いていたのです。

リンガー「ごめんなさいです、どうやら寝ぼけていたみたいで」

スター「うん、すっごく可愛い寝顔だったわ」

 その記憶は真っ先に消去するべきだと思います。

スター「でも、なんだかうなされていたみたいだけど、嫌な夢でも見たの?」

リンガー「あー……」

 そう言えば、『あの夢』をボクは見ていました。

 うーん、こんな事、朝から話す様な内容じゃありませんし、ここは素直に――

リンガー「どうでしょう、忘れちゃったのです」

スター「そう、なら良いんだけど」

 はぐらかすのが、良いでしょう。

54 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/02(水) 23:58:16.01 ID:57YiT4zgo



 それから、スターちゃんが部屋を出て行ってボクはとりあえず暇を持て余す事になりました。

 太陽の角度を見る限り、まだ朝なのです。

 うーん、何をしましょうか。

※選択

1:朝ごはんを作るのです!(選択あり)
2:竹林を探索するのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖をまだ歩くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:スターちゃんの部屋を探るのです!
8:風に任せて行動するのです!
9:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/02(水) 23:58:57.43 ID:J7FG4yq70
1
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/02(水) 23:59:07.25 ID:8FH78MRZo
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/02(水) 23:59:36.33 ID:U4PhyNLSO
8
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/02(水) 23:59:54.69 ID:no/KUS4v0
1
59 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/03(木) 00:11:59.28 ID:AtnHF+mto

>>58 選択:1

 ―三月精の家・リビング―

 とりあえず、朝ごはんでも作ってお腹を膨らませましょう。

 せっかく泊めてもらったのですから、みんなに恩返しをする意味もあります。

 自分で言うのもなんですが、ボクの料理は蝶☆サイコーなのです!

 スターちゃんは知ってるのですが、ルナちゃんとサニーちゃんの驚く姿が目に浮かびます。

リンガー「勝手に食材を使うのは気が引けますが」

 まあ、美味しい料理を作れば許してくれるでしょう!

 と、息巻いて料理を始めると――

※誰が来た?(選択)

1:スター
2:ルナ
3:サニー
4:その他(三月精の家に来そうなキャラ)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/03(木) 00:12:26.31 ID:1R6XH+O7o
チルノ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/03(木) 00:12:35.67 ID:eF8C3jIwO
サニー
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/03(木) 00:13:30.54 ID:tF1pVTlMo
3
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/03(木) 00:13:51.73 ID:so7QVqrv0
64 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/03(木) 00:28:02.14 ID:AtnHF+mto

>>63 選択:2

ルナ「あら、リンガー。何をしてるの?」

 やって来たのは、ルナちゃんでした。片手にはコーヒーカップを持っています。

 どうやら、モーニングコーヒーを淹れに来たのか、もしくはおかわりを作りに来たのでしょう。

リンガー「おはようございます、ちょっと朝ごはんでもと思いまして」

ルナ「あ、朝ごはんってことは」

 ボクがそう告げれば、ルナちゃんの顔がボンッ、と赤くなりました。

 何かあったのでしょうか?

リンガー「あ、ルナちゃん的にリクエストとかありますか?」

ルナ「り、リンガーの料理だったら、何でもいいわよ。例え不味くても」

リンガー「いやいや、ボクは料理上手なのですよ?」

 失礼な事を言うのです。これは腕によりを掛ける必要がありそうです!

リンガー「ルナちゃんをあっと言わせる朝ごはんを作ってあげます!」

ルナ「う、うん。期待しているわ」

 そう言って、ルナちゃんはフラフラと台所を去っていきました。

 うーん、調子でも悪いのですかね? 終始、顔が赤かった様ですし。

 まあ、兎に角作りましょうか。さって、さって、なっにがーでっきるっかなー♪

※ルナの好感度が上がりました
65 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/03(木) 00:36:11.82 ID:AtnHF+mto

※申し訳ないですが、今日はここまで。なんだか疲れてしまっている。

※短すぎて申し訳ない。次回こそ長くやりたいのです……
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/03(木) 00:48:43.47 ID:tF1pVTlMo
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/03(木) 03:33:21.21 ID:y08KoU0W0
乙なのです!
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/03(木) 08:54:10.89 ID:uowesAP/O
乙でーーす
また、参加できへんかったぁ…………
69 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 16:15:09.15 ID:ZxUbnRDvo

※小ネタの投稿終了。向こうはもう埋めちゃってください。

※16:30頃に人がいれば再開します
70 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 16:30:08.38 ID:ZxUbnRDvo

※再開の時間だぁぁぁぁぁあい!
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 16:30:33.97 ID:h9ZliZkAo
ヒャッハー!
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 16:32:37.63 ID:xGuH8Y4o0
ヒャッハー
73 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 16:35:54.43 ID:ZxUbnRDvo

 ―三月精の家(昼)―

 朝ごはんの評価は、まさに蝶☆サイコーと言っても過言ではありませんでした!

 ルナちゃんとサニーちゃんの驚いたあと、夢中で食べてくださった様子にボクは大満足なのです!

 スターちゃんは穏やかに過ごしていました。

 まあ、彼女は一度食べた事があるからでしょう。でも、ボクの料理に「やっぱり美味しい」って言ってくれたのは嬉しい限りなのです。

 さて、時間的には午前も終わりに近付いてきています。

 そろそろ、何かしましょうか。

※選択

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:風に任せて行動するのです!
11:ボクのお家から荷物を回収しましょう!(本編イベント)
12:自由安価(内容明記)


※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント(11以外の場合)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 16:36:29.03 ID:yC9dN0R50
11
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 16:38:07.09 ID:xGuH8Y4o0
11
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 16:43:28.75 ID:vgOq3Ur7O
11
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 16:44:02.76 ID:Fr1Ap+c3O
11
78 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 16:52:57.76 ID:ZxUbnRDvo

※コンマ一桁か70台しかいなくて草

>>77 選択:11

 ―迷いの竹林・リンガーの住処跡地―

 さて、と。

リンガー「まずはどうやって、中から取り出すかですが」

 やって来たのは、ボクが元々住んでいた家の前。

 袖を捲って、気合を入れながらもどうするかボクは悩みます。

 ちなみに、スターちゃん達には少し用事があるので、と言って出てきました。

 まあ、回収する荷物はそこまで多くはないので、恐らく中にあるだろうカバンさえあれば全部入るでしょう。

リンガー「やっぱり、地道に能力を使ってこじ開けるしかなさそうなのです」

 すっごく疲れるでしょうけど、まあ、この際ですから仕方ありません。

 出し惜しみせず、安全にと言えばこうするのが一番なのです。

リンガー「っと、いうわけで」

 ボクは地面に手を当てて、ここの地面一帯に意識を集中します。

 掌から、体から、頭から、意識から、地面に住まう植物たちへ。

リンガー「まずは、バラですね」

 何よりも大切なものの回収を、ボクは命じました。

79 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 17:05:04.35 ID:ZxUbnRDvo



 そんな風に、ボクは衣類や必要な小物を植物たちに地面に埋まったボクの家から運び出してもらいました。

 玉の汗がボクの額に浮かび上がり、顔の輪郭を伝って地面にぽたぽたと落ちます。

 思ったより早く、ボクの必要なものは回収を終えました。

 肩がけのカバンが巻き込まれて壊れていなくて良かったのです。

リンガー「……ふぅ」

 木陰に寄り添って、ボクは小さく息を吐きました。

 バラも無事でした。それが何より心配だったから、安堵もひとしおなのです。

リンガー(でも、これから本当にどうしましょうか)

 回収出来たとは言え、ボクが宿無しになってしまった事に変わりはありません。

 いつまでもスターちゃん達の所で厄介になるわけにもいきませんし、さて。

 そんなことをボクが考えていると――

※選択

1:どこからか、爆発した様な轟音が響き渡りました
2:日傘をさした誰かが、ボクに近付いて来ました
3:誰かがボクを探す様に、ボクの名前を呼ぶ声が聞こえました。

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 17:08:17.84 ID:yC9dN0R50
3
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 17:09:19.27 ID:JAjJi6iRO
2
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 17:09:46.72 ID:Fr1Ap+c3O
1
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 17:18:23.06 ID:MvapTuVUO
3

84 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 17:48:44.53 ID:ZxUbnRDvo

>>80 選択:3

 誰かがボクを探す様に、ボクの名前を呼ぶ声が聞こえました。

「リンガー! どこにいるのー!」

 この声は、

リンガー「スターちゃん!」

 スターちゃんでした。

スター「あ、リンガー。もう、用事があるって出て行くのは良いけどちゃんとどこに行くのかも伝えてよ」

リンガー「あはは、申し訳ないのです。でも、個人的な用件だったので」

 ボクの呼んだ声で居場所がわかったのか、スターちゃんが駆け寄って来るとそう言って頬を膨らませます。

 ボクは苦笑して、謝りました。

スター「その用件って?」

リンガー「もう終わりましたのです。ほら、ボクの家が埋もれちゃったので、せめて小物とかは回収出来ないかなーって思いまして」

スター「ああ、なるほど。……でも、水臭いわよ。言ってくれれば手伝ったのに」

リンガー「さすがに手伝ってもらっては危ないので」

 これは、ボクの元々持っている能力があったから出来た事であって。

 性質が違うスターちゃんがいても、正直やってもらうことはなかったと思います。

リンガー「でも、その気持ちだけでも嬉しいのです」

スター「そう。……なら、今回は許してあげる」

 そう言って、スターちゃんは得意気な笑みを浮かべます。

リンガー「それはそうと、どうしたのですか? 何か急な用事でも?」

 会話に区切りが出来た所で、ボクはスターちゃんに尋ねました。

 スターちゃんの家から、迷いの竹林まではそこそこ距離があります。

 なのに、探しに来たということは結構大事な用事でもあったのかとボクは思います。

スター「えっと、別に用事があったわけじゃなくて」

 言い淀みながら、スターちゃんは手を後ろに組みます。

スター「私がただ、リンガーと一緒に居たかっただけ、なんだけど。ダメだったかしら」

リンガー「いいえ、ダメだなんて言いませんよ?」

スター「本当? やった」

 小さく、スターちゃんがガッツポーズを取りました。

 何か、そんなに嬉しい事でもあったのでしょうか。


85 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 18:02:27.11 ID:ZxUbnRDvo

リンガー「でも、これからなにをしましょうか。二人でも出来ることが何個か――」

 せっかくですから何か遊ぼうかなと思ったその時、パキ、と枯れ枝を踏む音が聞こえました。

 そしてすぐに現れたのは、妹紅さんでした。

妹紅「……」

リンガー「も、こう、さん?」

 何時かの様に、体中をボロボロにして、よろめきながら歩く妹紅さん。

 ですが、その姿は真っ赤に血濡れていて――

スター「……ッ」

 その表情を見てしまったスターちゃんとボクは、その場に立ち尽くす事しかできませんでした。

リンガー(また、殺し合いをしていたのですか)

 血で覆われた表情には、歪な笑みが浮かんでいました。

 それは、ボクが今まで見たどの妹紅さんとも違う雰囲気を纏っていて。

 でも、どこかでボクはそれを感じた事があるような気がして。

 恐怖と、ナニカ、悍マシイ記憶が喚起させられる様な気がして。

スター「りん、がー」

 キュ、と。スターちゃんがボクの服の袖を強く握り締めました。

 スターちゃんも何か感じ取ったのでしょう。

 妹紅さん、何時もと様子が違っていました。

 何か、彼女に変化でもあったのでしょうか……。

※スターの好感度が上がりました
※フラグが立ちました。シナリオイベント開始まで残り【2/6】

86 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 18:30:03.86 ID:ZxUbnRDvo

 ―迷いの竹林(昼2)―

 何かをして遊ぶ、という雰囲気ではなくなって、スターちゃんもそう思ったのでしょう、今日の所はやめておく事にしました。

 妹紅さん、輝夜さんとまた殺し合いをしたにしても、以前見た満足そうな表情ではなかったのです。

 それとは別の、何か愉悦に浸っているような。

 そんな、心の端に引っかかる疑問をボクは抱きました。

 ……とりあえず、動きましょう。

 何かをして、気を紛らわせないと。

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:風に任せて行動するのです!
11:自由安価(内容明記)


※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 18:30:40.30 ID:yC9dN0R50
2
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 18:34:36.80 ID:Fr1Ap+c3O
1
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 18:38:59.77 ID:VOzxXod9o
1
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 18:40:18.17 ID:biYZIGAOo
4
91 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 18:58:54.72 ID:ZxUbnRDvo

※どう足掻いてもメインイベントですね!(錯乱)

※そして物語は加速する……

>>88 選択:1 コンマ:0 ※メインイベント



 やっぱり、あの妹紅さんの感じはおかしいのです。

 そう思って、ボクは彼女を追い掛けて探す事にしました。

リンガー(胸騒ぎがするのです。このまま、見過ごしてはいけないような)

 それが、何かの虫の知らせの様な感じがして。

 ボクは、竹林の中を走ります。

 そうして――

※判定

ファンブル:現れたのは、『泥』でした
2〜:見たことも聞いたこともない、何かがおかしい『妖怪』と遭遇しました
5〜:傷だらけの輝夜さんを発見しました
7〜:妹紅さんに追いつく事が出来ました
0・ゾロ目:???

判定直後
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 19:06:01.83 ID:VOzxXod9o
93 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 19:34:03.00 ID:ZxUbnRDvo

>>92 コンマ:3 ※襲来

――忘れないで

リンガー「え?」

 探している最中、何処かからそんな声が聞こえてきました。

――忘れられたくない

――忘れないでくれ

――忘れられるなんて、嫌だ

――私は

――俺は

――僕は

 響いて、こだまする声。

 悲痛で、悲愴で、あまりにも『共感』出来るその懇願。

リンガー「どなた、ですか」

 しかして、感じるのは恐怖なのです。

 心臓を鷲掴みされた様な、苦しくて血の気が引くキュッとした感覚がボクを襲います。

――忘れないで

 その声は繰り返します。

 何度も、ただそれだけを願う様に。

 自分は此処に居るんだと、叫ぶ様に。

 存在の証明を、打ち立てたいのだと。

『■■■■■■――!!』

 そして現れたのは、黒の固まりでした。

 人型なのは辛うじてわかりますが、その全てがベタ塗りされている様に真っ黒で。

 叫ぶ言葉もまた、不鮮明で。

 まるで、かの『泥』の様に突然現れたのです。

リンガー「へ?」

 ボクは驚いて、素っ頓狂な声を出しました。

 頭の中で、警鐘が鳴り響きます。

 逃げろと、このまま立ち竦んではダメだと、この場から立ち去れと。

 だけど、ボクは動けませんでした。

 怖い。ただその感情が、感想が、ボクの手足を枷の様に縛り付けます。

リンガー「こ、来ないで――」

 目の前に現れた、ただ一体の、見たことも聞いたこともない、何かがおかしいと感じられる『妖怪』に対してボクは、それしか言えませんでした。

 振り払えない。拭えない。コレはダメだ。ボクはコレが怖い。

 その恐怖の中で、ボクは――

※判定

ファンブル:ただそこに立ち竦んで、何も出来ずに、逃げ出せずに――
2〜:何かが壊れた様に、ボクは弾幕を展開しました
5〜:突如として、ボクを守るように弾幕が飛んできました
7〜:突然、その妖怪が燃え上がるのを目にしました
0・ゾロ目:???

判定直後
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 19:36:30.88 ID:yC9dN0R50
w
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 19:36:55.52 ID:5Z/MlEK80
どうだ
96 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 19:37:43.17 ID:ZxUbnRDvo

※アイェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!?
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 19:44:33.01 ID:+Jtq5HCKO
ワザマエ!! さすが、コンマ髪!!
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 19:47:43.25 ID:VOzxXod9o
素晴らしいコンマですね
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 19:55:04.99 ID:Rdnqkmnj0
もう驚かないぞ…もう。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 19:55:58.25 ID:yC9dN0R50
>>99
素晴らしいコンマだ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 19:58:59.64 ID:Rdnqkmnj0
>>100
アイェエエエエエエエ!?コンマ!?コンマ神ナンデ!?
102 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 20:35:41.21 ID:ZxUbnRDvo

※失礼、取り乱しました。コンマ神が何時も通りで、私もうなんだか怖い

   オン
 ―罨―

リンガー「なっ」

 ボクが恐怖に呑みかけられたその時、聞こえたのは一言でした。

 それと同時に雷が晴れている空から落ちて、目の前に居た妖怪の様な何かが焼け落ちます。

 それをボクはただ呆然として見ていることしかできませんでした。

リンガー「一体、何が……」

 混乱が混乱を呼び、ボクの思考がぐわんぐわんなのです。

 目まぐるしく色々な事が起こりすぎて、もう、何がなんだかわかりません。

「どうやら、何もなかったようね」

 その時、ボクの背後から誰かの掠れた声が聞こえてきました。

リンガー「か、輝夜さん!?」

輝夜「面倒な事に、なって来たわね」

 振り向くとそこには、先刻見た妹紅さんと同じく、ボロボロになった着物を纏った輝夜さんが居ました。

 そして、そう呟くと苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべます。

輝夜「リンガー、大丈夫?」

リンガー「は、はい。ボクは何とも無いのです」

輝夜「それは、良かったわ。……貴方が無事で」

リンガー「はい、ありがとう、ございます?」

 何か変な感じがして、ボクはお礼に疑問符を付けてしまいます。

 輝夜さんの様子を見る限りだと、何かを知っている様に思えます。

 まさか、さっきの雷は……
103 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 20:36:29.62 ID:ZxUbnRDvo

輝夜「知り合いの知り合いにもしもがあったら助けてあげて、と頼んでおいて良かったわ」

 どうやら、ボクの思い違いのようでした。

 輝夜さんの知り合いの知り合いが、ボクを助けてくれた様です。

 でも、その方は何処からボクのピンチを見つけたのでしょう。

リンガー「あの、輝夜さん」

輝夜「聞きたい事は沢山あるだろうけど、今はごめんなさい。答えられないの」

リンガー「そう、ですか」

 それは暗に、知っている事の肯定なのでしょう。

 でも、それを今は答えられないと言われてしまえば、ボクはそう言うしかありません。

輝夜「……どうしても聞きたかったら、今夜、永遠亭にいらっしゃい。その時、教えてあげる」

 それだけ言って、輝夜さんは踵を返します。

輝夜「待ってるわ、リンガー。急ぎ早で、申し訳ないけど私はお暇させてもらうわね」

リンガー「え、っと。……はい、わかりました。バイバイなのです」

輝夜「ええ、バイバイ」

 お互いに別れの挨拶をして、輝夜さんは急ぎ足でこの場を去っていきました。

 普段の余裕など、どこにも見当たらず。

 普段の笑みも、どこにも見せることなく。

 輝夜さんは、何かに焦っている様に思えました。

 ……その答えもきっと、今夜、永遠亭に行けばお聞かせ願えるのかもしれません。

 夜。何もなければ、行ってみましょう。





 
104 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 20:50:15.51 ID:ZxUbnRDvo



 思っていたよりも早い、早すぎる。

 八雲 紫を通して彼に願っておいて良かった。

 今回も彼が、巫女の所に居てくれて良かった。

 比較的、自由度の高い彼だからこそ願えたという事だろう。

輝夜「でも、もうこれ以上の影響が出始めたら、まずい」

 この幕劇の根幹に何かあったのだろうか。以前にも思ったが、影響の出方が早くなり始めている。

 今はまだ良い。でも、もしもが起きてしまえば――

輝夜「またこの世界を、捨てる事になる」

 それはダメだ。諦めてしまえば、それを繰り返すだけ癖になってしまう。

 限界の限界まで粘るんだ。手放すなら、それからでも遅くはない。

輝夜「妹紅……」

 その中で私は、先刻まで殺し合いをしていた相手のことを思い出す。

 彼女の様子が、今までと変わっていた。

 殺し合いの時、かつての、最初の頃の様に思えた。

 私を憎み、恨み、殺す事だけを望んでいる様な。

 死ねない事に対し、その全てを私にぶつけている様な。

輝夜「今なら、まだ、間に合う筈」

 そう、もしも彼女が『異常』に犯され始めているのだとしても。

 まだ、手段も希望もある。図らずしも、その段取りはできている。

 リンガー・ローゼス。此度の主役。彼なら、なんとか出来るのだと。

 私は、思っているのだ。

※輝夜の好感度がググっと上がりました
※夜、永遠亭に行くことができます
105 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/06(日) 20:51:24.38 ID:ZxUbnRDvo

※今日はここまでで。今日もコンマ神は調子爆発してますなぁ

※出来れば明日もやります。早ければ昼から出来ればと

※では、お疲れ様です
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 20:58:42.27 ID:jHkqXgxw0
乙!
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/06(日) 20:59:48.14 ID:yfhMY7sko
おつかれさまっす
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/06(日) 21:17:50.38 ID:Rdnqkmnj0
乙でした。
109 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 16:35:42.22 ID:L4KZrQgto

※17時頃に再開します
110 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 17:02:29.54 ID:L4KZrQgto

※再開の時間だゾイ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 17:04:01.61 ID:SiNCO+coO
このときをずっとまってたんですわぁ……
112 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 17:08:59.85 ID:L4KZrQgto

 ―迷いの竹林(夕方)―

 色々な事が起こり始めて、ボクの頭はパンク寸前なのです。

 『泥』だけでなく、あの不可思議な妖怪まで現れて。

 突然現れて、その上で生物の形を取られるとなると、それはとても厄介なのです。

 輝夜さんは、その事について知っている様でした。

 ……でも、それを聞くのはとても怖い事の様な気がして。

 何かが、終わりに向かっていく様な胸騒ぎがあって。

リンガー「でも、それでも」

 このまま無為に過ごすのは、きっと一番してはいけない事なのは、わかります。

 まだ夕方、黄昏時。

 どこかに行くか、何かをしていましょう。

※選択

1:竹林の探索を続けるのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:風に任せて行動するのです!
11:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマガ末尾0・ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 17:12:41.17 ID:sezHfjyBO
1
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 17:19:35.56 ID:IR/WYNzbO
4
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 17:34:02.05 ID:6UywLB2/O
永遠亭に行くのは夜だよね?
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/07(月) 17:41:29.96 ID:mAPu3fy2o
1
117 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 18:03:25.71 ID:L4KZrQgto

>>116 選択:1

 ◇

 せっかくなので、まだ竹林の中を探索しましょう。

 妹紅さんの事も気になりますし、まだ何かがあるかもしれません。

 あんな怖い目に遭っておいてなんですが、今なら大丈夫、だと思います。

 ……怖い事に立ち向かうのも、勇気だと思うから。

 さあ、探しましょう。この竹林の中を。

※遭遇判定

5以上で誰かと会う 0・ゾロ目の場合妹紅(フラグ発生)

判定直後
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:05:44.89 ID:zduseBN6O
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/07(月) 18:11:33.36 ID:mAPu3fy2o
おc
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:16:54.96 ID:ivjW1Spyo
惜しい
121 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 18:19:26.98 ID:L4KZrQgto

>>118 コンマ:9 ※成功

※再判定

※誰が来た?(妹紅、輝夜以外で竹林に居そうなキャラで)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:20:02.51 ID:1dEZJM+WO
けーね
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/07(月) 18:20:14.14 ID:mAPu3fy2o
てゐ
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:29:37.89 ID:kehl/TySO
うどん
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:40:47.51 ID:y4RAsMscO
みすちー
126 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 18:56:04.62 ID:L4KZrQgto

>>124 選択:優曇華

※恒例行事

※優曇華とリンガーは知り合い? 安価と同時に印象コンマ判定

1程良くない 9程良い 0・ゾロ目で……?

↓3

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:58:28.23 ID:Adbik+XCo
ksk
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:58:37.48 ID:kehl/TySO
加速下
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 18:58:41.48 ID:m2OLsgIYO
知り合い
130 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 19:16:27.08 ID:L4KZrQgto

>>129 選択:知り合い コンマ:8 ※好印象

鈴仙・優曇華院・イナバ:師匠の誤解は解かないの? を取得しました

 妹紅さんを探して暫く、もう何処かへ行ってしまったのかと諦めかけたその時、見覚えのある特徴的なお姉さんを見つけました。

リンガー「あ、鈴仙さん」

鈴仙「あれ、リンガー君じゃない。久しぶりね」

リンガー「はい、ご無沙汰しております」

 ペコリ、と頭を下げて挨拶をします。

 鈴仙・優曇華院・イナバさん。人間の里で、ちょこちょこっと交流があった兎の方なのです。

 そう言えば、永遠亭に住んでいるのですよね。

鈴仙「姫様から聞いてるわよ、面白い事をしようとしてるそうじゃないの」

リンガー「あー……そうですか」

鈴仙「ん? 何時も元気なリンガー君らしくないわね。なにかあったのかしら?」

リンガー「いえいえ、何でもないのです! 気に掛けさせてしまった様で、申し訳ありません」

鈴仙「そう? あ、そうそう。師匠の誤解は解けた?」

リンガー「そ、それはまだなのです……」

鈴仙「ダメだよ、ちゃんと話せばわかってもらえるはずなのに」

 いえ、そう言われても……。

 一度やってしまった事は、覆せないというべきでしょうか。

 ボク自身、あの方は苦手なところがあると言いますか。

リンガー「機会があれば」

鈴仙「そうね。でも、姫様からの話もあるから、きっとすぐに解けるんじゃないかな」

 あはは、だと良いんですが。

 そう思いつつ、ボクは苦笑しました。

131 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 19:21:20.08 ID:L4KZrQgto

リンガー「そう言えば、聞きたい事があるのです」

鈴仙「なに?」

リンガー「鈴仙さん、妹紅さんを見ませんでした?」

 この広い竹林の中。

 もしかすると、という期待を込めてボクは尋ねます。

鈴仙「……やっぱり、なにかあったの?」

リンガー「少し、野暮用があるのですが見つからなくて」

鈴仙「それって、姫様とあの方の問題ではなくて?」

リンガー「ボクの用事なのです」

 何処まで輝夜さんが話しているかは知りませんが、兎に角、ボクは妹紅さんを探しているのです。

 鈴仙さんが知っていればそれで良いのですが……。

※判定

ファンブル:???
2〜:知らない
5〜:見たけど、随分前
7〜:そう言えば
0・ゾロ目:フラグ発生

判定直後
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 19:22:36.55 ID:GHFJd1kIo
やあっ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 19:24:41.82 ID:NEwvn5jlO
!?
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 19:25:43.11 ID:Adbik+XCo
荒ぶるコンマ
135 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 19:42:16.68 ID:L4KZrQgto

※なんでこう、ねぇ?

>>132 コンマ:ゾロ目 フラグ発生



 鈴仙さんから聞いた話によれば、すぐ近くで見かけたとの事でした。

 しかし、彼女はこうも言いました。

鈴仙『今のあの人の波長、かなりブレてるから近づかない方が良いんじゃないかしら』

 その言葉を聞いて、ボクの中にある不安は更に大きくなりました。

 そして、確信もします。

 先刻感じた妹紅さんへの違和感が、間違っていなかったのだと。

リンガー「話によれば」

 向かっている方向を、空を飛びながら確認します。

 ここは迷いの竹林。例え真っ直ぐ走ったとしても、その方角が合っているのかわかりません。

 しかし、どれだけ探しても見当たらない。

 また見逃したのかと思い、溜め息を吐いていると――

「探し物は、見つかったか?」

リンガー「ピィッ!?」

 突然、背中から声が聞こえてきました。

リンガー「も、妹紅さん!? 探したのですよ!!」

妹紅「なによ、そんな慌てて。……輝夜との殺し合いを止めに戦いに来たのなら、相手になるけれど」

リンガー「違うのです! 今はその事じゃなくて――」

妹紅「まあ、それももう良いかな、と思い始めてるわけだけどね」

 そう言いかけた所で、ボクの言葉を妹紅さんが遮ります。

リンガー「へ?」

妹紅「ローゼスの言う通り、殺し合いなんて無駄な事だって、最近思い始めたんだ」

リンガー「え、えっと」

妹紅「はは、お前がそう言ってくれなれば、きっと気付かなかった。礼を言うわ、ありがとう」

リンガー「は、はい! 殺し合いだなんて、本当にくだらないのです! それに気付けた妹紅さんは、とっても偉いのです!」

 突然の告白に、ボクは素直に喜ぶ事ができませんでした。

 確かに、殺し合いを自分から止める、と言ってくださったのですから、両手を上げて万歳と言いたい所なのです。

 でも、何故か、違和感があるのです。今の妹紅さんからは、それがすっごく感じてしまうのです。

136 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 19:46:52.86 ID:L4KZrQgto

妹紅「そう、そうなのよ。こんな単純な事に気がつかなかったなんて、私は本当に馬鹿だった」

 それは、とっても歪な感覚。

妹紅「もっと楽しい遊びが、生きていると感じられる事があるって、ローゼスが言ったでしょ?」

 それは、とっても怖い感覚。

妹紅「さっきね、輝夜と一緒にそれを試してみたの。そうしたら、心がスカッとして、殺し合いよりもずっと楽しかったわ」

 それを、ボクは聞いてはいけない。言わせてはいけない。

 そう、思ったのに。

妹紅「ねぇ、ローゼス。あんたでも試してみて、良いかしら。……あー、いや、でもそれは何か違う気がするな」

リンガー「も、妹紅さん。参考までに、聞かせてください」

 震える声で、血の気が引いていく感覚を覚えながら、ボクは尋ねました。

137 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 19:47:41.43 ID:L4KZrQgto





リンガー「あなたは一体、輝夜さん『に』何をしたんですか?」



138 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 19:48:10.75 ID:L4KZrQgto





妹紅「一方的に、殺し続けただけだけど?」




139 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 20:25:51.03 ID:L4KZrQgto

――目の前が、真っ暗になりかけました。

 この人は一体、何を言っているんだと。

 この人は一体、何を言ったんだと。

 衝撃的過ぎて、現実味がなさすぎて、流石に冗談だろうと思いたくて。

リンガー「は、あはは、妹紅さん、な、何を言っているのですか。そんな、笑えませんよ、その冗談は」

妹紅「はは、冗談じゃないさ。これが思ったよりも面白いんだ」

 無邪気に、ボクが見たこともない様な笑顔で言う妹紅さん。

妹紅「追い詰めて、一方的に殺す。ほら、私達って死なないだろ? 怪我をしても、すぐに元通り。潰しても、焼いても、どんな事でも、結局は治ってしまうんだ」

リンガー「そんなの」

妹紅「そうさ、一人で出来る最高の遊びがあったんだ。今まで、あいつがいないと、あいつに比肩する相手がいないとダメだと思っていたけれど」

リンガー「そんな事」

妹紅「私は、一人でも良かったんだ。なあ、ローゼス。だけど私は、お前にもこの楽しさを味わって欲しい」

リンガー「ボクは……!」

妹紅「お前が気付かせてくれた事だからこそ、きっと楽しめるさ! なあ、一緒にさ。私と、一緒にさ」

リンガー「ボクはそんな事、望まないし味わいたくありません! 違う、違うんですよ妹紅さん!! そうじゃない! そうじゃないのです!!」

 ボクが望む事と、妹紅さんの言っている事は真逆の事だ。

 ボクはこの人を止めないといけない。暴走している。何かがおかしい。

 妹紅さんが、そんなことを心の底から望むなんて有り得ない。

 あれほど優しかった人が、狂気の沙汰を言う訳が無い。

リンガー「何が、あったんですか。あなたに、一体、何があったというのですか!? 妹紅さん、あなたは、そんな事を本気で楽しいと思うのですか!!」

 そんなの、間違っています。ボクが知っている、妹紅さんならそんな事は絶対に言わないのです。

140 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 21:03:35.09 ID:L4KZrQgto

妹紅「……なぁ、ローゼス。これは、私が見つけた、せっかくの楽しみなんだ」

リンガー「結局、変わらないのです。そんな事を、ボクは認められないのです」

 変わらないどころの話じゃない。悪化している。ならば尚更、ボクは認めるわけにはいかないのです。

妹紅「でも、いや、違う。そうじゃない。私だって、お前と一緒に……だけど、私は」

 そこで、妹紅さんの様子に変化が出ます。

 まるで何かに抗う様な、まるで何かを拒絶する様な。

妹紅「……なあ、なら、止めてみせてくれ。お前の力で、私を」

リンガー「妹紅、さん?」

妹紅「お前が間違っているって言うなら、その証明をしてくれ」

 その言葉にボクはまた、戸惑います。

リンガー「証明に力なんて必要ないのです。妹紅さんだって、わかっているんじゃないのですか!?」

 そうだ、この方だって、話せばわかる人なのに。

妹紅「必要なのさ。……私はきっと」

リンガー「妹紅さん……?」

妹紅「ローゼス、待ってるぞ」

リンガー「妹紅さん、待って! 待ってください!!」

 ボクの呼ぶ声も聞かず、妹紅さんはこの場を去っていきます。

 まるでこの場から逃げ出す様に、何処か焦りを見せる表情で。

 ボクはまた、何も出来ませんでした。

 何も、出来ませんでした。

※鈴仙と出会いました
※妹紅は何かに抗っている様です
141 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/07(月) 21:05:21.63 ID:L4KZrQgto

※インフォ忘れ。シナリオイベント開始まで残り【3/6】

※疲れたので、今日はここまでで。

※次回は未定。近い内に出来ればいいな、と思います。

※では、お疲れ様でした

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 21:11:22.85 ID:ivjW1Spyo
おつ
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 21:17:32.46 ID:yx3+0xDQo
乙かれさま
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 22:09:41.78 ID:Adbik+XCo
おつ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/07(月) 22:16:00.85 ID:zDOu6NmPO
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/07(月) 23:06:07.64 ID:1n7lzTLW0
おつ!
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/08(火) 00:43:09.03 ID:w8ZerJKy0
乙です。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/10(木) 00:23:24.66 ID:/w0A7cZT0
乙です。てっきり泥による記憶障害かと思ったけど違ったか…………

ここのスレのせい(おかげ)で神様シリーズやってみたくなりました。まぁ、未成年だからできないけど
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/11(金) 13:40:51.02 ID:5ni43qa5O
ここのコンマ神は一体どうなっているのだ

お疲れ様です
150 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 17:46:28.08 ID:qAV52FXQo

>>148 ※神様シリーズは全年齢対象版もあるんやで(ダイレクトマーケティング)

※18:00頃に再開します
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/15(火) 17:56:37.92 ID:+8EEq+7qo
うぃー
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 18:05:10.64 ID:uJ0+mud8o
神様シリーズって何なんや?
153 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 18:07:14.10 ID:qAV52FXQo

 ―迷いの竹林(夜)―

 日が沈んで、夜を迎えました。

 妹紅さんの事がとても衝撃的で、未だに頭の中がぐるぐるとしています。

 ……本当に、何があったのでしょうか。

 もしかして、とも思いますがそんな事、あって欲しくないと思う自分もいます。

リンガー「そういえば……」

 輝夜さんから、聞きたい事があれば今夜永遠亭に来なさい、と言われています。

 ……行く、べきなのでしょうか。

※選択

1:永遠亭に行く
2:三月精の家に帰る

↓2
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 18:08:24.19 ID:BbgTbOJSO
1
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 18:11:33.92 ID:88zDFKeoo
1
156 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 18:28:39.37 ID:qAV52FXQo

>>152 ※とあるギャルゲの総称ってだけ言っておきます

>>155 ※選択:1

 ―永遠亭(夜)―

 ――ボクは、行くべきだと判断してここにやって来ました。

 月明かりに照らされた永遠亭。

 お昼に来た時と、まったく違った印象を覚えます。

リンガー(……今日、聞くんだ。ボクは、輝夜さんに)

 彼女は、何かを知っている。ボクの知らない事、ボクが気になっている事を。

 怖い事かもしれない。無意味な事かもしれない。

 でも、ボクはそれを聞きたくて、ここに来たのです。

リンガー「たのもー!」

 門の前で、ボクは元気良く叫んで中の人を呼びました。

157 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 18:50:36.59 ID:qAV52FXQo



 叫んだら、何事かと出て来たのは鈴仙さんでした。

 ボクは彼女に来た理由を説明して、中に案内して頂ける事になりました。

鈴仙「姫様が言ってた賓客って、君の事だったのね」

リンガー「賓客って程の事ではないと思うのですが……」

鈴仙「でも、姫様がお呼びしたって事は重要な用事でしょ? だったら、大事なお客様だよ」

 他愛の無い雑談を交えながら、ボクは鈴仙さんに続いて長い廊下を歩きます。

 外から見ても大きかったですが、この永遠亭は中も本当に広いのです。

 こんなお屋敷に住んでいる輝夜さんは、本物のお姫様なんだなーって、ボクは思います。

 以前、妹紅さんが言っていました。輝夜さんは、『竹取物語』の『かぐや姫』その人なんだと。

鈴仙「師匠はあまり、いい顔をしてなかったけどね」

リンガー「あはは、まあ、それは仕方ないのです」

 きっと、ボクの事を警戒しているのです。でも、今日は悪戯の下見でも何でもありません。

 というより、悪戯をする余裕なんて、今のボクにはないのです。

鈴仙「さ、リンガー君。ここから先は一人でお願い。真っ直ぐ行けば、姫様の自室だから」

リンガー「あれ、一緒に行かないのですか?」

鈴仙「うん、私はここまで」

 ごめんね、と継いで一言を添え、鈴仙さんは苦笑します。

 きっと何か理由があるのでしょう。ボクはその事に対して深く追求することなく、頭を下げて一礼しました。

 それから、ボクは一人で廊下を進みます。

 窓だけが備え付けられた、直線の廊下。その先に見えるのは、ひとつの部屋。

 そこが、今日の目的地。
158 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 19:07:30.22 ID:qAV52FXQo




輝夜「来たわね、入りなさい」

リンガー「失礼しますです」

 その言葉に従って、ボクは輝夜さんのお部屋に足を踏み入れました。

 緊張が胸を締めつけ、ボクの表情を強ばらせます。

輝夜「なにを固くなってるのよ、可笑しな子。肩の力を抜きなさいな。寛いでくれて構わないから」

リンガー「いえ、そうは言ってもですね」

 立派なお部屋なのです。見るからに、高そうなモノが沢山置いてあるのです。

 何だか、落ち着きません。

輝夜「あ、まさか私の部屋で二人っきりな事に緊張しているのかしら」

リンガー「いえ、ち、違いますですよ!?」

輝夜「おませさんねー、まあ、それは普段からそうか」

リンガー「うぅ……」

 何も言えないのです。

 いや、確かに輝夜さんは美人さんで、これまたお高そうな雪洞の灯りに照らされて更に綺麗って言うかなんて言います。

 じゃなくて、今日はそんな事を話す為に来たのではないのです!

輝夜「ごめんなさい、少しからかい過ぎたかしら」

 クスクスと笑い、輝夜さんは楽しそうにしています。

 だけど、まあ、なんていうか、緊張の糸は解れました。

リンガー「輝夜さんは、意地悪なのです」

輝夜「拗ねないでちょうだいな、私なりに気を使ったのよ。……これから、あんまり良いとは言えないお話をしなくちゃいけないから」

 区切りを入れて、輝夜さんは言葉の後半を真剣な表情で呟きます。

 ……やっぱり、この人は何かを知っているのです。

輝夜「さて、それじゃあその話をする前に――」

※判定

5以上で更に『彼』が来客

判定直後
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 19:08:33.12 ID:BbgTbOJSO
……ほう?
160 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 19:20:15.37 ID:qAV52FXQo

>>159 コンマ:2 ※来れなかった様です

輝夜「もう一人、呼んでおいたのに来れなかった奴が居る事だけ言っておくわ」

リンガー「え、なんですかそれ」

輝夜「奥さんに止められたそうよ。ああ、もう何だか頭が痛くなる話ね」

 輝夜さんがここに呼んだって事は、その方も何かを知っている方だったのでしょうか。

輝夜「まあ、居なくても問題はないから良いわ。もし会いたかったら、博麗神社に行ってみなさい。きっと居るわ。基本、専業主夫だから」

リンガー「は、はぁ……」

 博麗神社に居る方って……。

 あ、あんまり会いたくはないのです。

 前に色々やらかしたのを思い出して、ボクは血の気が引きました。

輝夜「さて、本題の問答に入りましょうか。さあ、ローゼス。答えられる範囲で、何でも答えてあげる」

リンガー「は、はい。では――」

 気を確かに持って、輝夜さんと向き合います。正座をして、真剣に。

※選択
1:泥について
2:妹紅について
3:謎の妖怪について
4:その他(自由安価)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/15(火) 19:22:41.88 ID:0GDTtk930
追いついたぁ!
詠唱に神咒神威神楽を使ってたから>>1握手をしてくれ

2で
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 19:22:47.08 ID:BbgTbOJSO
2
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/15(火) 19:24:14.33 ID:uVqR1hGt0
2
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 19:25:19.77 ID:OSA7HbzvO
じゃあ1
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 19:25:52.76 ID:OSA7HbzvO
くわばらくわばら
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/15(火) 19:27:04.40 ID:0GDTtk930
ゾロ目が3つってどういうことなの
167 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 20:01:35.27 ID:qAV52FXQo

※相変わらず、狂おしてられる

>>161 選択:2 ※そして握手。ついでにゾロ目ボーナスあげちゃうよ

リンガー「妹紅さんに、なにが起きたのかを」

 まず、ボクが真っ先に聞きたい事はこれなのです。

 今日会った妹紅さんは、『異常』でした。

 明らかに、様子がおかしかったのです。輝夜さんを、その――一方的に殺してしまう程に。

輝夜「……まず、泥について聞いて来ると思ったのだけれど、よほど妹紅の事が心配なのね」

リンガー「泥のことも気になりますよ、それは。……でも、ボクは彼女の事を、聞かないといけないと思ったのです」

 だって、あの雰囲気はあまりにも覚えがありすぎて。

 ボクは、それを認めたくなかったから。

輝夜「妹紅ね、ええ、妹紅。……彼女も、謂わば被害者よ。そう、事を辿ればその起因は私にあるわけだけど」

リンガー「藤原氏の事が関係あると……?」

輝夜「あら、そんな事まで知っているのね。妹紅から聞いたのかしら」

 ボクは静かに頷きました。

リンガー「でも、それが今回の事と何の関係があるのですか? 妹紅さんは、もうあなたを恨んでいないと言ってましたけど……」

輝夜「そうね、妹紅と私は最早殺し合うだけの関係。まあ、ちゃんとした交流もあるけれど、今は関係ないから割愛させてもらうわ」

リンガー「それが何故……いいえ、輝夜さん。あなた程の方が何故、『一方的』に殺され続けたのですか」

 疑問に思うのです。妹紅さんは確かに強い。ボクなんか、赤子の手を捻るより容易く倒されることでしょう。

 でも、輝夜さんは違う。妹紅さんと『対等』に殺しあえる実力を持っているのです。

 そんな彼女が、『一方的』にやられるなんて何かを考えての事だとしか思えません。

 ええ、本来なら、ボクはそんな考えなんてしたくもない。ですが、今は百歩譲ってでもそれを肯定しなければならない。

 この人は、多分、そうやって何かを見極めた筈なのだから。

 しばしの沈黙が、この部屋を包みます。

168 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 20:56:20.39 ID:qAV52FXQo

輝夜「……相も変わらず、あなたは妖精らしくない鋭さね。感心しちゃうわ」

リンガー「ほ、褒めても何もでないのですよー」

輝夜「ふふ、素直に喜びなさい。……そうね。あなたが考えている通り、だと思うわ」

 それは、言葉に出さずともボクの考えを見通した肯定、なのでしょう。

輝夜「妹紅は新しい何かを求めていた。殺し合いではない、何か楽しい事を。きっと、あなたから何かを齎されるのを、彼女は待っていた」

リンガー「ボクから、ですか?」

 それは、違うと思うのです。

輝夜「期待はしていたのよ。じゃないと、仲間になることを考えるだなんて、絶対に言わないわ」

リンガー「ですが」

輝夜「力を示していなくても、あなたにはそういう期待を掛けてしまう。何か面白い事をするんじゃないか、しでかすんじゃないかって。それは、私も同じ」

 そんなの、買い被り過ぎなのです。

 確かに、ボクは他の妖精よりも頭が良い事を自負しています。

 でも、ボクにはこれしかないから、磨いてきた一芸みたいなものなのです。

リンガー「それでも、ボクには出来る事なんて精々……」

輝夜「ううん、違うわローゼス。あなたは彼女と私に、いいえ。この幻想郷に古臭くて新しい風を巻き起こそうとしているの」

リンガー「古臭くて、新しい風……?」

 妙な表現で、輝夜さんはそう言います。

輝夜「みんなを巻き込んで、みんなが毎日を面白おかしく過ごせる様にする。誰もが一度は考える、使い古された夢。でも、今の幻想郷にはない、新しい風」

リンガー「そんなの、ボクが勝手にそうしたいって言ってるだけに過ぎないじゃないですか」

 いや、絶対叶えて見せると思ってはいますけど。

輝夜「ねえ、ローゼス。ここって、どんな場所なのかわかるかしら」

リンガー「幻想郷が、ですか?」

 そう言われてみると、ボクが知っている事と言えば忘れられたモノが流れ着く場所、としか知りません。

 ボクはそう、輝夜さんに伝えます。

169 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 21:39:40.26 ID:qAV52FXQo

輝夜「ええ、そう。この土地は、忘れられたモノ達の楽園。忘れられたモノ達がたどり着く場所。最後の砦、と言っても過言ではないわね」

リンガー「……それが、何か?」

輝夜「だからこそ、誰もが繋がりを欲しているのよ。上手く行っていないようだけど」

 この幻想郷には、幾つもの思想が乱立し過ぎて手を取り合えていないのが現状なのだと、輝夜さんは言います。

 宗教、理想、思想、種族。

 確かに、言われてみれば沢山あるのです。

 だけど、

リンガー「それと妹紅さんに、何の関係があるのですか?」

 それとの繋がりに、ボクは首を傾げました。

輝夜「繋がりを断つ理が、この幻想郷に眠っている」

リンガー「は、い?」

輝夜「一人で良い、一人が良い、この世界にただ自分だけが良い。それ以外は要らない、消えろ。そう呼びかける存在がいる」

 ちょ、ちょっと、ちょっと、待ってください。

輝夜「その切れ端が、この幻想郷に現れ始めた。その意味が、あなたにはわかるわよね」

リンガー「泥、なのです。それって、泥に触れてしまった時に、聞こえた言葉なのです」

輝夜「そう。そして、忘れるの。何もかもを、やがて忘れさせられてしまう」

 冷や汗が、どっと出てきました。

 ボクはその事を認めたくなかった。何処かでもしかしてと思って、そんなことあって欲しくないと思っていたのです。

 でも、輝夜さんの口ぶりを聞く限りだと、妹紅さんは――

輝夜「妹紅は、泥に触れた。それが、全ての原因。そして忘れたのよ、恨まなくなった、私とのことを」

 その真実が、否定したかった現実が、ボクに突き刺さりました。

170 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/15(火) 21:40:46.88 ID:qAV52FXQo

※用事があるので、今日はここまでで。

※次回はこれの続きから。零くんは深夜外出を許されていない模様。

※では、お疲れ様でした。

171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 21:41:45.77 ID:BbgTbOJSO
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/15(火) 21:42:06.82 ID:El9ujj4C0
お疲れ様〜
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/15(火) 21:42:54.63 ID:0QtcOg5io
初の主人公同士の対面かね
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/16(水) 00:06:14.87 ID:7UHirYkw0
乙でーす
まぁ、あくまでこの幕での主役はリンガーくんだけどね

しかし、第六天さんはなんで幻想入りしてるんだろうか??
175 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/16(水) 23:12:04.79 ID:2khmyNoyo

※23:30頃に再開します
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/16(水) 23:17:35.95 ID:BF4rnHMYo
りょーかい
177 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/16(水) 23:37:01.48 ID:2khmyNoyo

リンガー「妹紅さんが、泥に、触れて……」

輝夜「あなたなら分かるわよね、それがどんなに危険な事なのかを」

 分かる。分かってしまうのです。ボクはあの泥に触れた事があるのだから。

 ボクはあの泥に、聞かされた事があるのだから。

 ……狂いそうな程、精神を侵される様な感覚をボクは味わったのだから。

リンガー「だ、だったら、何とかしなければならないのです!」

 失った記憶は取り戻せるのは、ボクが思い出せた事によって証明されています。

 スターちゃんの記憶は、相変わらずですが……。

輝夜「そうね。何とかしなければならない。……さて、妹紅についてはこれくらいかしら」

 輝夜さんは何処か淡々としながら、話を区切る様に言います。

 妹紅さんをどうにか助ける手立てはあるのでしょうか。

 そんな風にボクは疑問を覚え、尋ねようとした時――

※判定

5以上で『彼』が来客

判定直後
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/16(水) 23:37:40.49 ID:oetd8xTso
とうっ
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/16(水) 23:40:01.70 ID:sLObtbnfo
キター
180 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/16(水) 23:57:56.78 ID:2khmyNoyo

>>178 コンマ:9 ※家から抜け出せた様です

「おーい、姫さんよォ。やっと来れたぞー」

 聞き覚えのある、男性の声が聞こえて来ました。

 こ、この声って……

輝夜「あら、やっと来たのね。遅かったじゃない、入っていいわよ」

「いや、マジでぶっ殺されるかと思ったぞ……。説明苦手なのがこんな所で足引くなんてな、っと」

 輝夜さんの許しで、来客した方が襖を開けて中へと入ってきました。

 その方は、額に短い二つの角を持つ、浅葱色の改造着物を纏った『鬼』でした。

 目つきが鋭く、ボクは思わず体を強ばらせます。

輝夜「こんばんは、鎌足の。初めまして、で構わないかしら」

零「ああ、そういや直接の面識はねぇからな。あと今はもう博麗だ。……・んで、姫さん。そこの妖精が例の奴かい」

リンガー「ピィっ!?」

 や、やややヤバイのです。リアルヤキシャなのです! チルノちゃんを完敗させた方なのですー!!

零「あん? なに怖がってんだよ。別に取って食いやしねぇぞ」

輝夜「あなた、強面だもの。子供にはちょっと刺激が強いんじゃないかしら」

零「おいおい、勘弁してくれよ。……俺に怖がってちゃ、あの『泥』の対処なんか出来ねえだろうが」

 肩を竦ませて、呆れる様に鬼の方は溜め息を吐きます。

 泥、この方もしかして……

リンガー「あ、あなたは……泥について、知っているのですか?」

零「ああ、良く知ってるぜ。んでもって、謎の妖怪共の事もな」

輝夜「彼が昼間に言ってた協力者。そして、あなたの命の恩人よ」

零「博麗 零だ。博麗だと霊夢と被るから、こいつらからは旧姓の鎌足って呼ばれてる」

リンガー「あ、あの雷の……ありがとうございました」

零「気にすんな。お前さんが今回の鍵らしいからな。その為に動いただけだ」

 鍵……?

 その言葉に、ボクは首を傾げました。

 そして、鎌足さんはボクの事に気付いていないようです。

 ふぅ、ヤキシャの着ぐるみ、元の家に埋もれたままにしておきましょう。そうしましょう。

 
181 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/17(木) 00:05:59.30 ID:cgyWKldpo

リンガー「鍵って、どういう……」

零「んだよ、お姫さん。あんた何にも話してないのか?」

輝夜「ええ。まだその時ではないもの」

零「……まぁ、現のおっさんがおかしかっただけか。俺らん時もそうだったしな」

 何やら、ボクの預かり知らない所で重要な役目を担わされている系なのです?

 何だか良くわからない会話を聞きながら、ボクはそんな風に思います。

輝夜「さて、役者は揃ったわ。改めて、ローゼス。聞きたい事はある? 無いなら本題に入るけど」

リンガー「えっと、はい。なら――」


※選択
1:泥について
×:妹紅について
3:謎の妖怪について
4:その他(自由安価)
5:本題に入る

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 00:06:42.43 ID:aahdArznO
1
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 00:08:30.71 ID:xk9ZCcFwo
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 00:09:57.57 ID:hEZq7VmTo
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 00:18:23.26 ID:OepcggTBo
4零について
186 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/17(木) 00:50:18.37 ID:cgyWKldpo

>>183 選択:3

リンガー「あの謎の妖怪って、なんなのですか?」

 泥の様に突然現れて、襲いかかって来たあの妖怪。

 忘れないでと、忘れられたくないと、そう言っていたのです。

 まるで、誰かに向けて乞い願う様に。

輝夜「あいつらの事なら、鎌足の。あなたの方が詳しいのでは?」

零「そうだな……回りくどいのは苦手だから単刀直入に言うが、良いか?」

 ボクは小さく、頷きます。

零「覚悟半々って所か。ま、良いさ。……あいつらはな、泥に飲み込まれたモンの成れの果てだ」

リンガー「な……!」

零「さて、これを語るにゃあちょっとばかりあの『泥』の性質を説明しなけりゃならん。お前、『泥』が忘却させに来んのは知ってるよな」

リンガー「は、はい。ボクも一度、触れてしまったことがありますから」

 忘れろと。何もかもを忘れて死ねと。そう、泥は語り掛けてきました。

零「普通の精神力なら、まぁ間違いなく発狂して、その後何かしらを忘れちまう。お前も何か忘れてる事、あるんじゃないか?」

輝夜「その問に意味はないわよ、鎌足の。ローゼスはその忘れた事を思い出しているから」

零「あ、そうなの。……まぁ、そんくらいこなしてくれなきゃ話にならんが」

 関心を寄せる様に、鎌足さんの瞳が妖しく光りました。

 うう、やっぱり少し怖いのです。

零「んで、あれだ。その『忘却』に対する最後の願いが、あらゆる存在をあれに変化させる」

リンガー「最後の願い、ですか」

零「忘れたくないってな、囁かな渇望だよ。自分を守る為の防衛本能――っつーよりも、防衛願望か。誰だって嫌だろ、自分のことを全部忘れるなんてさ」

 ボクはそれに、強く共感しました。

187 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/17(木) 01:15:38.76 ID:cgyWKldpo

 自分を忘れるなんて、そんなことはあってはならないことなのです。

 それを強制的に行わせる、『泥』。

 その泥によって、あの妖怪にさせられた『誰か』の気持ちを考えると、胸が張り裂けそうでした。

零「でもまぁ、呆れた話でな。……奴らは、道連れを求めるんだ」

リンガー「え、それって」

零「結局は『泥』の性質を受け継いじまうんだよ。泥に飲まれ、泥から生まれ、忘却を進める存在だからな。『忘れたくない』って言いながら、誰かを仲間に引き入れようって狙ってるんだ」

リンガー「そんなの、悲しい事なのです」

零「ああ、悲しい事だ。だからせめて、ひと思いに覆滅してやるのが一番な奴らだな」

リンガー「助け、られないのですか」

輝夜「それは無理ね。……奴らはあの妖怪になった時点で、この世に仇しか齎さない。一体一体は弱いけれど、やがて増えてこの幻想郷を食いつぶす」

リンガー「そんなのって、そんなのって、可哀想なのです……!」

 忘れたくないと思っているのに、忘れられたくないと願っているのに、それが誰かを傷つけるだなんて……!

零「まあ、奴らに同情するだけ無駄だ。あいつらは――ああ、ここまで言わずとも良いか。とりあえず、助けようだとか思うなよ。飲み込まれるぞ」

リンガー「……ッ!」

零「あいつらに自我なんて存在しねえ。語りかけるだけ無駄だ。『忘れたくない』って鳴き声を出してるだけの、害悪なんだよ」

 泥によって、生み出されるあの妖怪達。

 鎌足さんは、憎々しい表情で吐き捨てます。

 まるで、割り切れと言わんばかりに。

 そして、割り切ろうとしている様にも見えました。

188 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/17(木) 01:18:48.37 ID:cgyWKldpo

※短いですが、眠気がやばいので今日はここまで。

※うう、書くスピードをもっと早くしたい。

※では、お疲れ様です。次回は、まだ未定なのでやるときに告知します
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 01:21:07.19 ID:hM1lMSe+o
おつ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 01:56:45.13 ID:1cC8PtFho
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/17(木) 05:46:08.37 ID:M8y2EwFk0
来てたのかー、乙
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 06:30:21.97 ID:JIjL3r2SO
寝オチした乙
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/17(木) 08:23:56.69 ID:xkRlP6ooO
乙でーす。核心に迫ってきましたね…………
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/17(木) 17:16:48.60 ID:JIqgHNGO0
早くあっきゅんに縁記書いてもらいたいなぁe
195 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/17(木) 23:47:35.35 ID:cgyWKldpo

※0:00頃に再開出来ればします
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/18(金) 00:16:46.33 ID:XKJwxA160
待機
197 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 00:19:17.79 ID:s+8SEEIho

零「……衝撃の真実ってな。おい、『なのです』妖精。大丈夫か?」

リンガー「なのです妖精ッ!?」

 暫くの沈黙があった後、茶化す様に鎌足さんはボクのことをそう呼びました。

 なんですか、それ。ボクの口調がおかしいって言いたいのですか?

零「語尾がそんなだからな。渾名みたいなもんだ」

リンガー「だからってもっと良い呼び名があったんじゃないのです!?」

零「お、元気だな。心配するだけ無駄だったか」

輝夜「なのです妖精って、ぷくく」

リンガー「あー、もう!」

 シリアスな空気はどこに行ったのです! 真面目な話じゃなかったのですか!?

零「ま、奴らに関しては明確な『敵』だって事だけ考えればいいのさ。大事な奴を守りたかったら、な」

リンガー「うぅ……」

 そう言って、柔らかく微笑む鎌足さん。

 しかし、その瞳には何か強い意思のようなものが見えた気がしました。

 そして、その言葉を聞いた輝夜さんも表情が少しだけ曇った様にも見えました。

輝夜「……さて、リンガー。本題に入っても良いかしら、そろそろいい時間だし」

リンガー「え、あ、はい。えっと――」

※選択
1:泥について
×:妹紅について
×:謎の妖怪について
4:その他(自由安価)
5:本題に入る

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/18(金) 00:19:54.35 ID:XKJwxA160
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 00:20:28.95 ID:blENYqo8o
5
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 00:21:01.24 ID:KPNYXDURO
5
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 00:21:49.22 ID:ss92FDIwO
5
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 00:22:07.83 ID:C1LCczgOo
1
203 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 00:40:04.98 ID:s+8SEEIho

>>199 選択:5

リンガー「本題に、入ります」

 泥についての情報は、ある程度推察して分かるくらいにまでなりました。

 全てを忘れて一人になれ、という言葉を投げかけ、謎の妖怪を生み出す。
 
 その連鎖が飲み込み、この幻想郷を孤独にさせる。

 おそらく、輝夜さんの言葉から出た『理』、というものがその原因で大元なのでしょう。

 その『理』、というのがどういうものなのかはわかりません。それに、きっとボクにどうにか出来る様な事ではないのでしょう。

 ボクが出来る事は、この泥に関しての知識を深めて対策を考える事。

 ……まあ、それもまた、多分輝夜さん達が何か思いついているのかもしれませんが。

輝夜「わかったわ。本題に入るわね」

零「応。つっても、これも結局『泥』に関する事柄だけどな。わからない事があったら、遠慮なくお姫さんに聞いてくれ」

輝夜「……鎌足の、あなたが自分で説明すれば良いじゃない」

零「俺は説明苦手なんだっつの」

輝夜「……安藤か現さんが居てくれれば良かったのに」

零「うるせぇ、我慢しろ」

 横目に見てて、そんな会話をするお二方。

リンガー「あの、話題が脱線しちゃってますけど」

輝夜「ええ、ごめんなさい。それじゃあ、本題に入りましょうか」

 そうして、真剣な空気がこの部屋に充満します。

204 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 01:43:47.40 ID:s+8SEEIho

零「例の藤原 妹紅だっけか。姫さんの話だと、泥の汚染に加えて歪みまで抱えてる可能性がある」

リンガー「歪み、ですか?」

零「俺が昔、抱えてたもんだ。自分の願いを『攻撃的な行動』でしか叶えられないっつー、最悪なもんさ」

輝夜「妹紅が何を考えて、何を願っていたかは知らないけれど……でも、リンガー。あの妹紅が恨まなくなったことを忘れてるとは言え、殺して楽しむ様な人間だと思うかしら」

 輝夜さんの言葉に、ボクは首を左右に振りました。

 妹紅さんの恨みがどれほどのものか、ボクにはきっと測りしれません。というよりも、測れるなんて言ってしまえばそれはとっても失礼な事なのです。

 そして、なるほど。攻撃的な行動のみで、ですか。

 そう言われてみれば、何処か納得してしまうボクがいるのです。

零「『歪み』っつーのは、謂わば陰気の集合だ。陰気だけなら、多かれ少なかれ誰だって持ってるんだが……なのです妖精、お前は『太極図』って知ってるか?」

リンガー「はい、陰と陽、白と黒で表されてる図の事ですよね」

零「ああ、まあ大まかに言えばそうだな。……さて、藤原 妹紅は人間――厳密に言えば蓬莱人だが、人間の陰陽は絶妙な釣り合いなんだ。多すぎず、少なすぎず。だから、簡単にその均衡が崩れたりもする」

輝夜「まあ、それが私達に当て嵌るかと言えば、答えは否だけど。簡単な事で、私達が激昂したりする事はないから」

 伊達に長く生きてはいない。そう言って、輝夜さんはニコリと笑いました。

 でも、そうだとしたらなんで妹紅さんは……

零「だが、それが出来る奴がいるんだよ。それが、あの泥だ」

リンガー「……一体、泥の正体ってなんなのですか?」

零「性質はお前の知っての通りだが、泥そのものは『陰気の塊』だ。歪みとは違うモノだが、歪みを生み出すくらいは出来るだろうな」

 鎌足さんは複雑な思いを抱いているのか、その表情は曇っています。

 その後、後頭部をガシガシと掻いて面倒そうに溜め息を吐き出しました。

零「藤原 妹紅はその被害者だ。何かしらがあって泥に触れて、お姫さんを許したって記憶を失くし、歪みまで発症させちまった」

輝夜「……」

零「面倒この上ないぜ。そんなことの為に、この俺が駆り出される事になったんだから」

リンガー「そんなことって」

零「ああ、そんなことだよ。俺にとっちゃ藤原 妹紅は赤の他人だ。お姫さんに頼まれたから、やってやらんこともないけど」

 な、なんて物言いをするのでしょうか、この方は。

 ボクは心の中で鎌足さんに怒りを覚えました。

 困った方がいるのに、それに頼まれたから仕方なくと言ってそれを承る。

 面倒だと、赤の他人だからって。

リンガー「あなたは――!」

零「そいつは救われることを、助けてくれと言ってないんだよ。それを周りの都合で勝手に助けてどうすんだ。その後、同じ事が起こる可能性だって十分あんだよ」

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/18(金) 16:52:41.84 ID:mf9SYj6b0
if・番外専用スレとか作ってくれないかなぁ〜(チラッチラッ
206 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 19:41:07.48 ID:s+8SEEIho

>>205

※需要があるなら、作っても良いのですけどねー。小ネタとかそっちに投稿した方が、本編に関わりなくできますし。

※昨日は寝落ちしてしまい、大変申し訳ない。20:30頃に再開します

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 20:42:28.92 ID:1lgzYMmv0
よっしゃー
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 20:44:35.03 ID:XJHhG7Ivo
本編の進行スピードに影響ないなら欲しいな
209 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 20:47:59.67 ID:s+8SEEIho

※再開します

リンガー「同じことが、起こらないかもしれないじゃないですか」

 妹紅さんが『泥』によって変わってしまったのなら、そんなの絶対に助けてあげた方が良いに決まっているのです。

 それに、鎌足さんは言っていました。

リンガー「妹紅さんは被害者なんでしょう!? だったら、それを助けるのに理由なんて要らないじゃないですか!」

 それが例え、赤の他人だったとしても。

 ボクは、助けたいと思うのです。

零「……あー、どう言ったもんかねぇ。お姫さん、なんかある?」

輝夜「そうね……。ねぇ、ローゼス。妹紅は今、助けて、だなんて思っていないわ。そして、そう思わせなければならないの」

リンガー「どういう、ことなのですか」

輝夜「確かに彼なら、否応なしに救えるでしょうね。ただしそれは、妹紅に付いた歪みを取り除くくらいしか出来ない。そうでしょ、鎌足の」

零「そうだな。『歪み付き』は俺が救ってやるってこの体になる時に宣言してる。が、お姫さんの言う通り、それくらいしか出来ねえ」

 それは重要な事じゃない、そう継いで鎌足さんは言います。

零「大切なのは、そいつがどう思っているかだ。攻撃的であっても、歪みが叶えるのはそいつの本質の願い――渇望だ」

輝夜「妹紅の行動を推察するに、恐らく彼女も楽しいことを望んでいたのでしょうね。でも、それを攻撃的にか行えないから」

リンガー「……妹紅さんは輝夜さんを、一方的に殺して楽しんだ」

零「そうなるだろうな。そして、それが本懐みたいに思っちまうのも歪みの嫌な所だ。誰かを助けたくて起こした行動で、殺したり、傷つけたりしても本人は疑問に思わない」

輝夜「だからこそ、本人にその意思を自覚させなければならないらしいわ、彼が言うにはね」

 そう言って、輝夜さんの視線は鎌足さんに向けられます。

 鎌足さんは何処か困った様な表情で、頬を掻きながら口を開きました。

210 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 21:19:11.96 ID:s+8SEEIho

零「俺も、昔はそうだったからな。語れば長いんで割愛させてもらうが、霊夢や大切な奴らに色々と背中押されて、気付かされて、今の俺がいる」

輝夜「で、未だに奥さん以外からも言い寄られて困ってるらしいわね」

零「それは関係ねぇだろ!? ……ただ、まぁ、悪い気はしねえが」

輝夜「罪な男よね、ローゼスはこんな男に育ったらダメよ?」

リンガー「え、あ、はい」

零「俺は悪くねぇからな!? 別に悪い事してねぇからな!!?」

 みんなと仲良くする事に、何か間違いでもあるのでしょうか。

 ボクにはちょっとだけ、よくわからないお話なのです。

零「コホン。……本題に戻るが、例え歪みから解放しても、また泥に巻き込まれたりすれば元通り、下手すりゃ更に悪化する可能性があるって事だ」

妹紅「ワーハクタクでもなく、私でもなく、誰でもないあなたにしか出来ない事なのよ、ローゼス。あなたは妹紅と絆を紡いでいるから」

リンガー「そんな、ボクにそんな特別なことが出来ると思うんですか?」

零「特別な事なんかじゃねぇよ。お前の大事な友達なんだろ? 間違えた事をする友達に、間違ってるって気付かせてやるだけさ」

輝夜「最大限の手伝いもするわ。私だって、今のままにするつもりなんてないもの」

 間違っている事に、間違っている、と気付かせる……。

 そんな単純な事なのでしょうか、そんな簡単な事なのでしょうか。

 きっと、それって一番難しい事なんじゃないか、とボクは思います。

リンガー「だけど、止めるにはボク、妹紅さんに勝たなければいけませんし……」

輝夜「どういう事かしら」

リンガー「実は――」

 ボクは輝夜さんと別れた後、夕方頃にあった妹紅さんとの会話をお話しました。

211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 21:55:56.26 ID:yZl+LtOuo
妹紅が出てきとるやないか
212 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/18(金) 22:41:14.90 ID:s+8SEEIho

※ミスった。
×妹紅 ○輝夜 で脳内補完しておいてください

輝夜「……なるほど。なら、ローゼスにはしっかりと勝ってもらわないと」

リンガー「ピィッ!?」

零「そうだなー。それが手立てになるのなら、勝ってもらわないと困るなぁ」

リンガー「そそそ、そんなこと出来るわけないのです! ボクは弾幕ごっこがとっても苦手なのですよ!?」

 最近になって、頑張って修行して、漸くグレーゾーンながら辛勝したばっかりなのです。

 そんなボクが妹紅さんに勝つとしたら、奇跡以外の何でもありません。

輝夜「そんなこと、百も承知よ。でもね、妹紅があなたにその期待を持っているっていうことが大切なの」

零「そうだな、そう言ったって事は汚染もそこまで進んじゃいねぇって事だしまだやりようがあるだろ」

輝夜「というより、あなたは弾幕ごっこをする必要は無いの。あなたがする事は、妹紅に勝つこと。それこそ、あなたの持つ全てを使ってでも、ね」

 何かを企てているのか、輝夜さんは妖しく笑います。

 ボクがするのは、弾幕ごっこじゃなくても良い、という事なのでしょうか。

輝夜「そもそも、私と妹紅の殺し合いは弾幕ごっこではないのよ。……そして今回は、異変が起きているわけではない。それを解決するのに、弾幕ごっこなんてルールは必要ないわ」

リンガー「そ、それだと逆にボクが簡単に殺されてしまう様な気がするのですが……」

 ルールのない戦いならば、それこそ縛られることなく妹紅さんは全力でボクを倒しに来るという事なのです。

 確かに、何でもして良いならば前もって罠や戦略を練ることは出来ますが……

輝夜「死なない様に援護もしてあげるわ。私はあなたの仲間だし、それも力のひとつだって言い切ってやる」

リンガー「良いの、ですか?」

輝夜「ええ。こんな事を頼む手前、私だけ高みの見物を決め込むなんて出来ないわ」

リンガー「……わかりました。ボクも出来る事を精一杯やって、妹紅さんを助けるのです」

 妹紅さんがおかしくなってしまったなら、間違っていると思うことをしたなら、全力でボクは彼女を止めましょう。

 痛いのは嫌なのです。苦しいのは嫌いです。

 でも、友達を見捨てるなんてボクには出来ません。

 スターちゃんの時みたいに、見捨てたりしたくないから。

 もう二度と、あんな思いをするのは嫌だから。

213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/18(金) 22:42:46.27 ID:XKJwxA160
>リンガー「ピィッ!?」
やだこの子かわいい
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/18(金) 23:06:21.17 ID:9k9AbHCfO
安藤がフラコン紳士に成り上がった今、癒しキャラはリンガーくん確定だろうなぁ
女の子?もちろん大歓迎ですよ??
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/18(金) 23:59:02.53 ID:mf9SYj6b0
ゆうかりんに手伝ってもらえば…
216 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 00:13:04.46 ID:J9JQK4Cto

※イニシャルGとの長い戦いが始まって終わった

輝夜「良い顔、する様になったわね。男の子の顔だわ」

リンガー「そんなことないですよ。……というか、ボクは元々男の子です!」

輝夜「そうだったわね。ふふ、ごめんなさい」

 もう、輝夜さんまでそんなことを言い始めて。

 笑い事じゃないのですよー?

零「はん、ガキなら素直に受け止めておけよ。褒められてんだぜ?」

リンガー「ふふーん、それならそうとハッキリ言ってくだされば良いのに!」

零「調子に乗ってんじゃねえよ、なのです妖精」

 カカ、と喉を鳴らして笑う鎌足さん。

 見た目が怖いから最初は苦手でしたが、今はこの方から優しげな雰囲気を感じます。

 まるで、見守られているような。そんな、優しい感覚。

 でも口が悪いのです。それだと、初見の方は絶対に勘違いしてしまいそうなのです。

輝夜「それじゃあ、もう遅いしローゼス。今日は永遠亭に泊まって行きなさい」

リンガー「えっと、良いのですか?」

輝夜「ええ、元からそのつもりだったから。あなたが居候している妖精の家に兎の使いを出してあるし、そこの心配も不要よ」

リンガー「……知っていたのですか?」

輝夜「偶然ね。兎達からの情報は結構入ってくるし」

 ボクの家が無くなって、スターちゃん達の家に泊まってるって事まで知っていらっしゃったとは驚きなのです。

 それくらい兎の方々がこの幻想郷に居るってことなのでしょうか。

零「……悪趣味だな、姫さん」

輝夜「あら、そんなこと言わないで頂戴。必要なことよ。……なんだったら、貴方も泊まっていくかしら?」

零「冗談! 朝帰りなんてしちまったら、本気で殺されるっつーの」

輝夜「相変わらず尻に敷かれてるみたいで何よりだわ」

零「いや、何がだよ……」

 どうやら、鎌足さんは巫女さんよりも立場が弱い様です。

 ……やっぱり、巫女さんって怖い方なのでしょうか。

輝夜「それじゃあ、ローゼス。部屋は、そうね。鈴仙か兎に案内してもらいなさい。私と彼はまだ話す事があるから」

リンガー「はいなのです! では、お言葉に甘えてそうさせて頂きます!」

零「ま、頑張りな」

リンガー「はい! では、お休みなさいなのです!」

 昼間に回収したバッグを片手に、ボクは立ち上がって一礼してから輝夜さんの部屋を後にしました。

 そういえば、バラの為の花瓶と水が欲しいのです。

 案内してもらうついでに、頼んでみましょうかねー。

 そんなことを思いながら、ボクは夜中の永遠亭を歩きます。

217 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 00:34:14.93 ID:J9JQK4Cto



零「んで、どんくらい今の状況ってヤバイわけよ」

輝夜「あなたの時の、その一時期よりはマシよ。まだ『奴ら』が数多く湧いているわけじゃない」

零「そうかい。でもまぁ、早くなってるのは確かなんだよなぁ」

輝夜「然り。何かがおかしく成り始めているのかもしれないわね」

零「だとしてもだ、俺達は自分の役割を果たすだけだろ。……そもそも、そうするだけしか俺達に出来る事はねえんだ」

輝夜「あなたたちは走り抜けた。その後も縛る様な真似を、私達はしているものね」

零「何度でも霊夢と居れるのは嬉しいが、その終わりを何度も見せられるのは、たまったもんじゃねぇな」

輝夜「……ごめんなさい」

零「いや、ただの皮肉だっつの。逆に感謝してるくらいだ。あいつと一緒に居て、やれる事は沢山あるんだからな。その全部なんて、やりたくても本来ならやりきれねえ」

輝夜「……ねぇ、あなたは私達の事を恨んだりしていないかしら」

零「恨むわきゃねぇよ。……忘れられた者たちも、きっと恨んじゃいないさ」

輝夜「……何時まで繰り返すのかしらね」

零「俺達みたいな奴が、この幻想を走り抜ける者達が増えるまでだろ。……あのなのです妖精はどうなるか知らねぇが」

輝夜「きっと大丈夫よ。……・彼は、あなたたちに似ているから」



218 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 00:46:41.02 ID:J9JQK4Cto

零「俺達に似てるだぁ? 冗談はよせよ」

輝夜「絆を何よりも求める者、繋がりを何より大切にする者。……『異常』に対する、最高の武器を持ってるじゃない」

零「俺の『日溜り』、か。あいつは確か――」

輝夜「組織、ね。毎日を面白おかしく過ごす為に、彼は仲間を求め、その大切さを知っている」

零「カカ、大層なもんだぜ。子供らしい良い夢じゃねぇか」

輝夜「だからこそ、失敗させてあげたくはないのよ。元々、強い子じゃないから」

零「随分と肩入れしちまって、まぁ。……なら、俺も気合いを入れないとなぁ。久々に能力使わねぇと」

輝夜「陰陽を操る程度の能力、だったかしら」

零「本来は歪める程度の能力だったけどな。生まれついて歪みを持って、異端って呼ばれた俺に歪みを解決させようなんて良いお膳立てだぜ。まったく」

輝夜「図らずしも、だけどね」

零「……歪みについては任せな。子供が頑張ろうとしてんだ、年上の俺達が頑張らない理由はない」

輝夜「あら、お父さんを経験した者の言葉は違うわね」

零「茶化すなよ」

輝夜「ごめんなさい。そして、ありがとう。あなたが居てくれて、本当に助かってるわ」

零「カカカ、俺は霊夢と居られればそれで良いんだが。……ま、出張奉仕っつぅことで」

輝夜「ええ、今度あなた宛に色々送らせてもらうわ」

零「助かるぜ、これで漸く暫くの間もやし生活から抜け出せそうだ」

輝夜「相変わらず、ひもじいのね」

零「仕方ねえさ。普段は働けねえからな」

219 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:05:36.04 ID:J9JQK4Cto

※輝夜の好感度があがりました
※リンガーが覚悟を決めました
※零と知り合いになりました。博麗神社に居るみたいです
※選択肢に修行が追加されました
※シナリオイベント開始まで残り【4/6】

220 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:07:37.35 ID:J9JQK4Cto


※現在公開可能な情報

名前:リンガー・ローゼス
読み:りんがー・ろーぜす
能力:地に落とす程度の能力
種族:妖精
危険度:低
人間友好度:?
身体能力【2】:妖精の中でも体が弱い様です
精神【6】:一般的な妖精らしい度胸を得ました
頭脳【8】:妖精の中では頭が良いようです
潜在能力【5】:普通です
幻想郷縁起
なし

持ち物

なし

特殊設定

妖精好き
あなたは同族である妖精が大切。故に、積極的に友好を深めようとするだろう。
効果:指定した種族の場合、戦闘判定に−1 友好判定に+1

チャンスメイカー
あなたはどんなチャンスでもうみ出し掴み取る。
だが、掴むまで貴方にとって吉か凶かはわからない。
効果:イベント中、もしくは戦闘中にファンブルが出た際、もう一度だけ判定を行う。戦闘時は一回のみ発動出来る。

現在の仲間
蓬莱山 輝夜
チルノ 大妖精
スターサファイア
ルナチャイルド サニーミルク
秦 こころ リグル・ナイトバグ

現在行ける場所

迷いの竹林
人間の里
霧の湖
妖怪の山
太陽の畑
マヨヒガ

レベル 2/4
レベルアップまで「0/10」

シナリオイベント開始まで残り【3/6】

相関図
『妖精』
チルノ:やっと見つけたわよこのすっとこどっこいしょーッ!!【?】
大妖精:心配したんだから、リンガー君【親友】
ルナチャイルド:あんたもあたしたちと暮らせば良いのに【???】
サニーミルク:ルナほどじゃないけど、あたしもあんたの心配してたからね【親友】
スターサファイア:守ってね、リンガー【恋慕】
『迷いの竹林』
リグル・ナイトバグ:心配だなぁ。無茶しないようにね【仲間】
『人間の里』
秦 こころ:君は強く、可愛く、面白い子で仲間だZE【仲間】
本居 小鈴:何時でも遊びにおいで。わからない文字とかあったら教えてあげるから【顧客】
『永遠亭』
蓬莱山 輝夜:最高に面白い妖精君。あなたなら、きっと――【仲間】
八意 永琳:悪戯さえしなければ、良い子よね【知り合い】
鈴仙・優曇華院・イナバ:師匠の誤解は解かないの?【知り合い】
『守谷神社』
東風谷 早苗:悪い妖怪なんかに騙されてはいけません! 保護しなければ!!【保護欲】
『英雄伝』
藤原 妹紅:私はただ、楽しもうとしていただけなんだ【困惑】
博麗 霊夢:狡賢い妖精は面倒以外の何でもないわ【嫌悪】
八雲 紫:小さな光を感じる……【安堵】
『妖怪の山』
姫海棠 はたて:ななな、ナニコレ可愛いぃい!【愛玩】
『太陽の畑』
風見 幽香:君のこと、気に入ったわ【愛玩】
221 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:11:46.84 ID:J9JQK4Cto

※夢判定

コンマ一桁4以上でリンガーは夢を見る

判定直後
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 01:12:34.50 ID:W2aSEcBJo
えい
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/19(土) 01:13:37.64 ID:wC3S+Cmh0
やったね!イベントが進むよ!
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/19(土) 01:15:13.52 ID:w7VHNMVH0
さすがやで
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 01:16:26.75 ID:Isv/ER+4O
相関図見るとショタコンを量産してるのがよく分かるなwwwwww
226 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:16:48.51 ID:J9JQK4Cto

※わーい(白目)

※選択

1:『泥』
2:三月精は踊る
3:ボクの願い
4:内容自由安価

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/19(土) 01:17:30.45 ID:dHQAUYfZo
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 01:17:48.68 ID:hIpfM1cro
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 01:21:42.69 ID:e6kU15+lo
2
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 01:23:06.94 ID:Isv/ER+4O
3
231 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:50:36.58 ID:J9JQK4Cto

>>230 選択:3 ※ボクの願い

 ―???―

 毎日が面白ければ良い。毎日が楽しければ良い。毎日が、そう有れば良い。

 だけど、皆はボクを置いて先へと行ってしまうのです。

 ボクは足が遅いから、ボクはみんなより弱いから、ボクはみんなよりも先に進めないから。

 時間が止まれば良いと思っていました。

 誰もが先に進んでしまうなら、ボクはみんなが同じになってしまえば良いと思っていました。

 だから、ボクは足を引きます。だから、ボクは引っ張ります。だからボクは、そうしたいと思っていました。

 このバラが枯れない様に。このバラが散らさない様に。このバラが、ボクの手元に有り続けるならば。

 ボクは願います。前に進む力が欲しいと。

 ボクは思います。今が全てではないから、変わっていきたいと。

 ボクは弱くても良いのです。だったら、強くなれば良いのです。

 さいきょーの妖精に成るという夢を叶えるならば、そうして然るべきなのです。

 足を引くのは、ボクの邪魔をする者にだけ。

 みんなみぃんな、転ばしてあげましょう。

 ボクは仲間の為に、守りたいと、助けたいと思ったのだから。

 一緒に楽しんで欲しい方を助けたいと思ったから。

 痛いのも、苦しいのも、死ぬことも、ボクは受け入れていきましょう。

 ボクに出来る事ならば、何でも、何でも――

232 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:55:27.37 ID:J9JQK4Cto

       Ring-a-Ring-o' Roses,
    バラの花輪だ、手を繋げよう

       Ring-a-Ring-o' Roses,
    バラの花輪だ、手で繋がろう

      A pocket full of posies,
      その懐に、花束巻き付け

         Atishoo! Atishoo!
          止まらぬ嚔で

         We all fall down.
         みいんな、ころぼ

       Ring-a-Ring-o' Roses,
      『引き摺り墜とす薔薇の唄』
  ―リング・アー・リング・オー・ローゼス―
233 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/19(土) 01:57:30.86 ID:J9JQK4Cto

※今日はここまでで。お疲れ様でした

※要望が多ければ、IF・番外編などの小ネタ用のスレ立てようかと

※では、お疲れ様でした。次回やる日は未定です。出来る時に告知します
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 01:57:39.51 ID:e6kU15+lo
>>1の詠唱厨二臭くてすき
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 02:15:36.59 ID:8buAe3TP0

現さんのときもそうだったけど本編での主人公同士の邂逅は何か感慨深いものがある
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 02:18:55.20 ID:GSaSDOzxO
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 02:58:28.32 ID:W2aSEcBJo
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 02:59:24.09 ID:Kr3slZi9o

そういえば名前の元ネタその歌だったねぇ
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 12:05:33.13 ID:eDC8aG99O
乙です。
つくづく元ネタと能力が面白いくらいにあってるよなぁ…………1の脳内どうなってるんだろうか。
しかし、「時を止め、この美しい花を、楽しい日々を永遠に」か。この子が闇堕ちしたら恐ろしいなー
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/19(土) 17:54:05.65 ID:pWVzIq1y0
今回はBBA中心で一部永遠の刹那かー…
どうやってこんな壮大なモンを考えてるのか知りたい…
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/19(土) 20:23:45.58 ID:bq9RhAQYO
検索して気づいたんだけど、1って2012年くらいに同じ題でss書いてた?
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 01:42:32.01 ID:TM1n+6SAO
日記スレがなくなって、稼働中の東方安価では最古参になってしまったかねもしや
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 02:01:45.01 ID:evVkePHio
Ring-a-Ring-o' Rosesは疫病の暗喩が含まれてる歌やし案外闇落ちして一番ヤバイ子な気がする
244 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 18:39:06.28 ID:2cVtjrKNo

※日記スレが畳まれてしまったのは衝撃でした。あそこを見て書き始めたのがコレなので。

※まさか検索掛けて見つけた方がいるとは思わなんだ。はい、やってました。結構名残が残ってたりします。

※まさかの最古参とは。東方安価スレ、もっと増えても良いのよ(白目)

※なんだかんだで一年と半年やってますからね。でもまだ四代目なんですよね。空白あるから、ちかたないね。

※んで、リンガー君が闇落ちしたらヤバイってのはガチ。まぁ、ウチの人達みんな闇落ちしたらやばいんですけどね。

※安藤なら文字通り幻想郷の全てを喰らい、零なら悉く皆殺し、現さんは夢の中に永久封印、リンガー君は無間停止地獄。

※……いや、まぁ抑止力が働きますんで大丈夫です。多分。

※19:30から20:00頃に出来れば再開しようと思います
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 18:53:26.18 ID:Pb5dlaHFo
じゃあ、うめネタの時やってくれるんですね!?
246 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 19:51:03.52 ID:2cVtjrKNo

>>245 ※闇落ちしたリンガーのお話ですかね。またえぐりにいっちゃうよー()

※ボチボチ再開していきましょうか
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 20:10:49.82 ID:6vwzX1luO
雷雨すごいぜー。
248 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 20:25:51.22 ID:2cVtjrKNo

※雷雨からの停電を回避するために一時PCを切ってました。これから本当の再開
※修行選択肢は昼行動から

 十三日目

 ―永遠亭・客間―

 朝目が覚めて、ボクは昨日のことを少しだけ思い返していました。

 泥の事、謎の妖怪の事、妹紅さんの事。

 いっぱいいっぱい、ボクの知らない事ばかりでした。

 今でもボクは、戸惑っています。今でもボクは、困惑しているのです。

 でも、それもボクは少しずつ受け入れていこうと思っています。

 前に進む事を選んだのだから、停滞はしていられない。進む為に、知る為にボクは昨夜ここに来て教えてもらったのです。

 ボクは変わっていくのを決めたのです。

 それが、ボクの強くなる為に決めた覚悟なのですから。

リンガー「んー……! 兎に角、うじうじしている暇はない、のです!」

 泥の事も、謎の妖怪の事も、妹紅さんの事も。

 ボクは、自分の出来ることをするだけなのですから。

 さて、朝なのです。

 何か、行動しましょうか。

※選択

1:朝ごはんを作るのです!(選択あり)
2:竹林を探索するのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖をまだ歩くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:永遠亭を探るのです!
8:風に任せて行動するのです!
9:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 20:27:09.12 ID:ibvAqZHLo
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/20(日) 20:27:31.48 ID:m76gxCzT0
7
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 20:28:04.22 ID:+eaB2/F0o
2
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 20:28:43.90 ID:pr/fv2xJO
1
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/20(日) 20:31:20.24 ID:m76gxCzT0
早いなコンマ神!
254 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 20:39:14.34 ID:2cVtjrKNo

※また初手で0を出すのか……いや、し、知ってたから(震え声)

>>252 選択肢:1 コンマ:0 ※メインイベント



 朝ごはんを作るのです! と意気込んでみたは良いですが、台所の場所がわからないのです。

 そうやって彷徨っていると、何やら視線を感じて振り向きます。

 そうすると――
255 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 20:39:44.76 ID:2cVtjrKNo
                   ___ ニ=-
                //
               ./ /
               { /r、___
          __r‐-〃 ̄    ̄ ̄ ̄ ̄i
          イ               |
      /                 |
       \                 ゝ
        \                !
         ゝ               |
         /_                !
          ,イ}               |、
         ヽ斗              i| \
           i               i!  ヽ __ノ}
           {                     .イ
            ',                \‐彡
            从                ヽ
           //∧/\  }\ __二ニ=----‐ァ
            ̄ニ=‐--ヽ/---======ニニ´
256 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 20:57:00.36 ID:2cVtjrKNo

 何時か見たもふもふが、トコトコと廊下を曲がっていくのが見えました。

リンガー(あれって)

 ボクは気になって、その後を追います。

 大きな屋敷の中を右往左往、自由に、見失わない様に。

 ボクはその時、気づきませんでした。

 周囲に誰の気配も無かったことを。

 ずっと、あのもふもふを追い掛けていたのに、誰とも鉢合わせにならなかったことを。

 ボクは夢中になって、あれを追い掛けていたから。

 何故かそうしなければならないと、思ったから。

 そうしてたどり着いたその先で――

※判定

ファンブル:完全に見失って迷子
2〜:いつの間にか、台所に居ました
5〜:鈴仙さんとぶつかりました
7〜:輝夜さんとぶつかりました
0・ゾロ目:顕 現

補正
メインイベント中:+1

判定直後
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/20(日) 20:58:04.39 ID:Mh7oxmSP0
00
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 20:59:20.79 ID:HauIqjt4O
259 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 21:00:41.34 ID:2cVtjrKNo

※補正のチカラで顕現しちゃった件について。え、マジで?
260 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 21:03:41.10 ID:2cVtjrKNo
/ l                        ( il  ::::::::ヽ //  _,,. -‐''"´::::_,,. ''"´    ::::::::::::::::: ヾ ` =-=イ
 /                     イ / ゝ,,  -‐''"´イ          _,,. -‐''"´:::::::_,,. -‐''"´ ヾ ヽヽ       / ==-- _
./                   / //   ゝ  ==-   ::::::::/            ≦:::::::::::::::: `::::y /ヽゝ ==-イ / ;;;;;    / ̄
                   /   l l  r  /l l ミミ  :::::::  ===    :::::::::::::::::::::二二二二=- ::::( ( ヽ ::\ 三三/;;;;   /
                   l    ヽl  ヽ / lK:::::::ミミ=-ミトヽ     ト   \ ヽヽ:::::ヽ ヽ:::ヽ  ヽ ゝ三 \ ヽノ/;;
  ヽ                ヽ    \ ヽyヽソ:::::リ`ヽ ャ `ヽ、トヽ トミミ  ヽ ヘィヽヽト ヽ  ヽヽ  lゝ 二  ィ\イ   /
   \                \      //ヽ:ヽ` <ソ  ./;从ヽ l l ヽ ト  l  l::リ /:::::ヽヽレヽ .y l::::::::_ ''"´ \ \ /
       =- _                  _,  -ー= ヽイ  ハ l l l::l ヽ l  l/:/\ヽ ヘ `  ヽl  l ヽ´      \\
           ̄ =- 、    _,,.  -= - y ´、       `ヽ / / //l 人 l  l::/  \ ヘ ヽ /  /        / ゝ 二=二=ー
. .\       \      :ヽy ´          ヽ       y  / // :l レヽ::::::::l    ヾ l:::::V ハヽ      /      / /
   \       \      ヽ、            ヽ    / //  :l l  ヽl:::::::ヽ    ヾ:/::: /ヘヘ =-ー.イ     / /
             ヽ        ヽ           ヽ / /:/  / /   l:::ト ミミz_   // ::: /=ヘヽ        / /
       .\              ヽ  ヽ        / ::::::イ   / /   l:::lヘ ヘ ヽ // / \ ゝ  _ ,,  '´ /     /
        ヽ                  =-=  / , -''"´    / / /  リヽ::ヽ  ゝイヽ/ ハ::::::::::\ ヽ     /     /
          `ヽ\   =-   _ 彡 =  ̄ / /k ヽ      / //  / ヽヽ    l i / \:::;;;;;::::::ミミ ≦   -= イ
             ゝ-= '           //ヽ /        l  レ   / `  ゝ _/人:ム=- \:::::::::  ==--       /
                       ,,.‐''"´:/   ヽ  /      ハ l   :::     ソ/  ヽ::ヽ、  ミミ、         ≦<
                     _ィ´::イ::/      ゝノ     / ヽ::ヽ  /    //     \ ミ 、 _≧    ≦<
                   / イ::::/        ll          ヽ:ヽ/    l /        ` <  _  二  _,,. -‐''"´
                  / / /::/        ノ          /\\  ヽイ
                 /::/   l:::l         /        i  /  \\/ \
                /::/    l l         リ              ,ィ\\   \
               l ::l     l l                  i     ll   \\   \
               .l l     .ヽヽ      /               il     ゝ ミ 、 ヽ
               ゝ ゝ     ヽヽ    /          l      l       ヽ ヘ  l
                \ \    \\ //          l     ム       / //
                  \ \     ゝ `ミミz- _       ヽ     ヽ     //イ
                    ゝ ミ _   `≧ =-   \          ヽ;;;;;l / l l
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:06:48.46 ID:zV6YQPdFo
00,10,11,20,22,30,33,40,44,50,55,60,66,70,77,80,88,90,99

ほぼ5回に1回は顕現するのだから補正がなくても何らおかしくないという
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:09:04.53 ID:y9rQoidZO
……あれ、もしかして獣殿?
263 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 21:22:01.69 ID:2cVtjrKNo

※出ない時はとことん出ないんですがそれは(白目)

 眩い朝陽に照らされて、庭に居たのは男の人でした。

 金色の髪を風に靡かせ、見惚れる程に整った体躯を惜しげもなく晒し、そしてそれが一枚の絵画の様にあまりにも綺麗で、自然で。

『幻想に走り給う者よ。その絆に、黄金の輝き有れ――』

 その言葉を聞いて、ボクは我にかえります。

 そして見渡しますが、その人は何処にも居ませんでした。

 だけど、何故か、ボクの体の奥底から不思議と力が湧いて来る様でした。

リンガー「……今のは、一体」

 ボクは唖然として、その場に棒立ちします。

 まるで、夢の中の出来事だったかのようで。

 未だボクは目覚めておらず、眠っている間に見た幻の様に感じて。

 だけどそれは、

輝夜「あら、ローゼス。朝からこんな場所でどうかしたのかしら」

リンガー「あれ、え、輝夜さん?」

 輝夜さんに声を掛けられた事によって、否定されたのでした。

 周囲に気配が戻ります。遠くから兎達の陽気な声が聞こえてきます。

 風が吹いて、木々がざわめきます。

輝夜「朝食ならもうすぐ出来るわよ」

リンガー「え、あ、はい……」

輝夜「何をぼんやりしているのやら」

 茫然自失、とはこの事なのでしょうか。

 今まで時間に取り残されていたのが、急に動き始めた様な気がします。

リンガー「あの、輝夜さん」

輝夜「なに?」

※選択

1:幻想に走り給う者って、なんですか?
2:金色の男の人って、見たことありますか?
3:黄金って、どう思いますか?
4:自由安価(内容明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:24:03.51 ID:hY0pxtYSO
2
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:25:58.90 ID:WxQJ/t+Lo
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:28:08.89 ID:pr/fv2xJO
2
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:28:53.96 ID:Pb5dlaHFo
黄金の輝きって、わかりますか?
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 21:29:11.88 ID:evVkePHio
269 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 22:03:52.90 ID:2cVtjrKNo

>>267 選択:4 その他(黄金の輝きって、わかりますか?)

リンガー「黄金の輝きって、わかりますか?」

 何故そんな質問をしたのか、わかりませんでした。

 でも、さっきの男の人を見たからか『黄金』という単語が頭から離れなかったというのもあるのでしょう。

輝夜「藪から棒な質問ね。……そうね、何気に難しい質問かもしれないわ」

 怪訝な表情を浮かべた輝夜さんは、その後顎に手を当てて考え始めます。

輝夜「それは個人の観点に寄るものもあるけど、私にとっては素晴らしいものにこそ宿るもの、かしら」

リンガー「素晴らしいものにこそ宿るもの、ですか?」

 オウム返しで、ボクは聞き返します。

輝夜「ええ、私はそう思う。……そも、黄金という言葉には価値のある貴重なもの、という意味もあるわ。例えば、黄金の日々。黄金の記憶。様々な言葉にも、黄金という文字が付くものは素晴らしい意味として用いられる事が多い」

リンガー「……なる、ほど」

輝夜「だから私は、黄金の輝きとは素晴らしいものにこそ宿るもの、だと思うわ。……そうね。私とあなたが紡ぐ日々も、黄金になれれば良いわね」

 クスクスと悪戯っぽく笑う輝夜さんですが、その言葉にボクはあの男の人が言った言葉と被りました。

『その絆に、黄金の輝き有れ――』

……見ず知らずの方が、何故ボクにそう言ったのか。

 ボクに何故、そう言ったのか。

輝夜「ローゼス?」

リンガー「そう、ですね。ボクたちの絆に、黄金の輝きが宿れば良いと、ボクは思うのです」

 そう。輝夜さんの言う通り黄金の輝きは素晴らしいものにこそ宿るものであれば。

 毎日を面白おかしく過ごし、共有する仲間たちとの間にも生まれればいい。

 ボクは、強くそう思うのです。

輝夜「……絆、か」

 その時輝夜さんが小さく呟いた言葉は何処か遠く、そして思いを馳せている様に感じます。

 ……輝夜さんも、何か思う事があるのでしょうか。

 ちょっとだけ、気になるボクなのでした。

※黄金の絆がリンガーの中に芽生え始めました
※黄金の介入により、強制的に経験値があがりました。レベルアップまで「5/10」
※輝夜は何か思いを馳せている様です

270 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/20(日) 22:05:20.71 ID:2cVtjrKNo

※ウゴゴゴゴ、何だか最近調子が悪い。今日はもうお休みさせて頂きます。
※出来れば明日もやる予定です。
※では、お疲れさまでした

271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 22:06:04.80 ID:mdufiAivo

お疲れさまっす
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 22:06:27.81 ID:p04A/VGro
おつおつ
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 22:07:02.98 ID:P9IyQjfNo
おっつおつ
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 22:09:48.44 ID:evVkePHio
乙ー
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/20(日) 22:09:57.97 ID:WxQJ/t+Lo
おっつっつ
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/20(日) 22:14:51.53 ID:gmbWDrud0
おつん
俺も安価スレやろうかな…
ポケモン幻想入りスレとか考えてたんだよな…
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/20(日) 23:58:57.97 ID:MrIr9FZu0
乙でした。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/21(月) 00:10:49.25 ID:GK1riwlS0
乙でーす
獣殿きましたか……どうかかわってくるんだろうか
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/21(月) 02:53:42.08 ID:f64FuU88O
そりゃショタコン集めて軍勢変生?
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/21(月) 04:38:48.50 ID:UXusVfgC0
なんですか、リンガーが『私は総てを愛している!』とか言うようになるんですかね
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/21(月) 18:09:29.73 ID:40wBnQKi0
なにそれかわいい
282 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/21(月) 18:46:01.38 ID:xEp15FMGo

※まぁ、今後あの方は度々出てくる機会があるでしょうから何も言いません。

>>276 ※やるなら、頑張れ。私にはこれしか言えない

※19:30頃に再開予定
283 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/21(月) 19:10:46.82 ID:xEp15FMGo

※……出かける予定が出来てしまったので、今日はなしにします。申し訳ありません。

※次回は出来れば明日。出来なければ未定です
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/21(月) 19:13:34.24 ID:7M6IQvFto
あいよー
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/21(月) 21:01:51.85 ID:cSxAN0bVO
リョーカイなのです!
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/22(火) 22:47:46.97 ID:RCVQn7mr0
今日中には無理そうかな?楽しみにしています!
287 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/22(火) 23:07:11.69 ID:sC500oCFo

※23:30頃に再開します
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/22(火) 23:32:04.37 ID:Eep6C4oS0
ヒャッハー!
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:44:07.22 ID:ZvuJSnmWo
舞ってた
290 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/22(火) 23:47:15.62 ID:sC500oCFo

※再開します。

 ―永遠亭(昼)―

リンガー「うにゅう、お昼になってしまいました」

 朝ごはんを食べ終えて、ボクはその美味しさに舌を巻きました。

 ボクの作るものよりも断然美味しくて、そのレシピを見させて欲しいくらいです。

 ……朝食中、輝夜さんから鎌足さんは結局あの後すぐに帰ったと聞かされました。

 ボク的に、もう少しだけあの方のお話を聞いてみたかっただけに少し残念なのです。

 まぁ、博麗神社に居るそうですが。巫女さんが許してくれれば、会えるでしょうか。

リンガー「まぁ、とりあえず」

 やることも終わりました。これからは、ボクは自分のやるべきことをするだけなのです。

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:修行しに行くのです!
11:風に任せて行動するのです!
12:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマガ末尾0・ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:48:01.67 ID:AFQFoDCWO
10
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:48:57.26 ID:66a/pxA2o
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:49:14.66 ID:EmM1rKkY0
7
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:49:15.53 ID:k7uYWq8to
4
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:49:23.49 ID:2tdyL+ZEO
4
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/22(火) 23:54:00.03 ID:Eep6C4oS0
コンマ01差でゾロを逃したか…惜しい
297 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/22(火) 23:55:46.71 ID:sC500oCFo

>>291 選択:10

※修行します。誰に頼みますか? もしくは一人で修行しますか?

※選択

1:幽香を頼る
2:輝夜に頼む
3:スター(もしくは三月精)と一緒に
4:博麗神社へ
5:その他(内容明記)
6:自分一人でやってみる

※採用されたレスのコンマガ末尾ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:57:06.71 ID:66a/pxA2o
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/22(火) 23:57:14.93 ID:d35S21OF0
1
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/22(火) 23:57:23.17 ID:ybXn5rh50
2
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/22(火) 23:57:34.35 ID:Eep6C4oS0
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/22(火) 23:57:35.36 ID:Z03MPHRlO
2
303 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 00:10:43.27 ID:C6NbBtE1o

>>299 選択:1 ※こまった時のゆうかりん

 ―太陽の畑(昼)―

 修行。今のボクに必要なのは、強くなる為の努力なのです。

 なので、太陽の畑にやって来てボクは幽香さんにお願いしました。

 そうしたら、快く「暇だから良いわよ」と引き受けてくれたのです。

 妹紅さんとの戦いが迫っている今、ボクは少しでも強くならなければなりません。

 ……あれ、でもボクは何時、妹紅さんと勝負するのでしょうか。

幽香「それにしても最近、めっきり来てくれなかったから逃げたのかと思っちゃったわ。ボク君」

 そんなことを考えながら準備運動をしていたら、幽香さんが冗談っぽく笑いながら言います。

リンガー「色々と忙しかったのです。あ、それに弾幕ごっこでも一勝しました!」

幽香「あら、そうなの? ふふ、それじゃあ手加減も少しだけ緩めちゃおうかしら」

 え、いや、そんなことされた日にはきっとボコボコになってしまうと思うのですが。

 ただでさえ、かなり手加減していただいた上でボロ負けだったのです。

リンガー「ごめんなさい調子に乗りました」

幽香「あら、残念。でも、ステップアップにはちょうど良いと思うのだけれど」

 う、みゅう。いや、でもボクだって弾幕ごっこに勝てるくらいにはなれたのです。

 少しでも前に進む為なら、痛いのも苦しいのも我慢するべきなのです。

リンガー「……わかりました。幽香さんの判断で、お願いしますのです」

幽香「……うふふ、わかったわ。それじゃあ、楽しみましょう」

リンガー「はい!!」

※判定

1程無残な結果 9程良い結果に終わりました 0・ゾロ目で……?

補正
身体能力【2】:-1
頭脳【8】:+2
風見幽香:+1

判定直後

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:12:53.50 ID:W/S5UcLqo
せい
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:13:33.14 ID:CBCFNIat0
こいっ!!
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:14:15.38 ID:CBCFNIat0
知ってた
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:15:38.35 ID:NmjeT6puo
もうコンマ神が降臨なされたか
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/23(水) 00:18:35.87 ID:S75u81ySO
ここ絶対可笑しいよ
あとsageってどうやるの?
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/23(水) 00:22:03.27 ID:k/nuOasM0
E-mail(省略可):
ってところのよこにsageって打ち込むちこむだけ [E-mail(省略可):sage]
                         ↑こんな感じ
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:22:47.02 ID:kT4uX7hI0
まーたコンマ神か
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:24:03.66 ID:ydiBpfpZ0
このスレは初代からずっとコンマ神がニッコニコしてるな
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 00:25:47.72 ID:S75u81ySO
>>309
ありがとうございます
313 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 01:17:01.45 ID:C6NbBtE1o

>>304 コンマ:0(クリティカル) ※……いやぁ、今日も暑いなぁ(白目)



 調子がとても良い。それ以外に、考えられる事はありませんでした。

 もしかすると、ボクが調子に乗っているだけで幽香さんがすっごく手加減してくれているのかもしれません。

リンガー(見えます。ボクには、あの方の弾幕が)

 花を模した美しい弾幕。バラバラに打ち出される光弾は、要所要所でボクの行く先を阻む様に『置かれます』が、それすらも軽く避ける事が出来ました。

幽香「は、あは。……あははははははは!」

 その時聞こえてきたのは、幽香さんの笑う声でした。

 今までで一番面白そうに、これまでで一番楽しそうに、過去最大の『狂気』を孕ませて。

幽香「そうね、そうね。ボク君、私はとっても嬉しい。あなたがここまで出来ることが、私の知らない所でこんなに楽しく出来るだなんて」

リンガー「ゆ、幽香さ――ピッ!?」 

 大きく、速度の乗った光弾がボクに迫ります。それがボクの頬を掠って、薄く血を滴らせました。

 どんどんと濃くなる弾幕が、ボクの体をどんどんと掠っていって――

幽香「――楽しいわ、すっごく楽しい。君がこんなに出来る子だったなんて、私が望んだ子だったなんて」

 必死に必死に、ボクは避け続けます。

 痛いのです、苦しいのです。幽香さんは『ハイ』になっているのか、ボクの様子なんて知る由もなさそうでした。

 たい、りょくが――。

幽香「さぁ、フィナーレ。見せてあげるわ、君に、君だけに」

リンガー「ゆう、かさん?」

 日傘を開き、その先端をボクに向ける幽香さん。

 あ、やばいのです。これはまずいのです。

 幽香さんは何故か、我を忘れているみたいです。

 あ、これじゃあ、ボク――


314 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 01:22:14.12 ID:C6NbBtE1o




幽香「マスタースパーク」

※判定

6以上で――

判定直後
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 01:23:28.86 ID:S75u81ySO
そい
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 01:32:37.19 ID:kT4uX7hI0
USC
317 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 01:47:14.25 ID:C6NbBtE1o

>>315 コンマ:6 ※成功

 力が光となって収束し、傘の先端から大きな魔法陣が展開されました。

 何時か、悪戯で白黒の魔法使いさんを困らせた時に見た、『魔砲』なのです。

 あれの威力は、身を持って知っています。これが当たったら、ひとたまりもないことを。

リンガー(うご、くのです。動くのです! 動いて!!)

 必死にその射線から逃げる為に、ボクは羽を動かします。

 今の幽香さんは、手加減など絶対にしてくれないでしょう。

 あの雰囲気は、危ない以外の何でもないのです。

 あれが、風見 幽香さん。噂が語る、恐怖の対象。最高峰の妖怪の、ひと柱。

 その、本性なのでしょうか。

リンガー(こうなったら――)

 気絶するかもしれません。下手すれば、それで体力が尽きるかもしれません。

 でも、何もせずにこのまま落とされるくらいならば、何かもがいて、生き抜ける可能性に賭けましょう!

リンガー「「落力「フォール・ザ・ハンプティダンプティ」――ッ!!」

 最大の力を込めて、ボクの持ちうる全てを込めて、ボクが出来ることをここに顕現させます。

 弾幕を、来る脅威を、命を脅かすモノを、ここで、

リンガー「落ちるのです、落ちるのです! 落ちるのです!! みんなみぃんな、転ぶのですぅっ!!!!」

 転んで、落ちるのです!!


 

318 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 02:15:27.54 ID:C6NbBtE1o



 光が世界に散らばり舞う。

 その中で、ボロボロになって落ちる妖精を風見 幽香は抱き止めた。

 その顔は満足気ながら、何処か呆れている様で。

幽香(……ふふ、私もまだまだってことかしら。こんな単純に興奮してしまうなんて)

 腕の中で眠るリンガーを眺めながら、風見 幽香は微笑する。

 少しだけギアを上げ、それでも届かず彼女は徐々に力の加減を緩めていった。

 それでもリンガーは避けていた。反撃まで出来るほどに、彼は自分に対応していた。

 そう、それが彼女にとって喜ばしいことだった。何よりも、ここ最近で一番の出来事だっただろう。

 成長の早さに彼女は驚愕した。

幽香「君なら、私を満足させてくれる」

 そう確信した。だから、興奮してしまったのだ。普段見せない様な姿まで曝して、何処までやれるかを見たかった。

 修行なんて知らない。彼が何処までやれるのかを見たい。そんな欲求が、彼女を揺さぶった。突き動かした。

幽香「もう少し、あと少し」

 ――そう言えば、この子は藤原 妹紅に勝たなければならないと言っていたかしら。

 幽香は思う。それが成し遂げられた時、この子の収穫時なのだと。

 我慢しよう。満開になった花、一番美しい時にこそ、摘み取る愉悦があるのだ。

幽香「ふふふ、ボク君は罪な子ね。私にここまで思わせるだなんて」

 この子は弱い。だからこそ、強い。強くなろうとする思いが、この子を弱きから掬い上げる。

 そうだ、私はこの子を愛そう。

幽香(ああ、なんて甘美。この子が育てば育つほど、私をきっと満足させてくれる)

 私の前に立って、私と一緒に居て欲しい。私が望み、私が求めた強い存在。

 そうだ、その為に――

319 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 02:16:37.49 ID:C6NbBtE1o
                      _,..r=≦二 '''-._
                    /''ア¨ ヽ.ヽヽ.  `ヽ、 `¨ー--、_
                 ,У  /   .j .lヽヽ   `ヽ、`<ー =x   ,,
                  / /  .i    j   l,ム .ヽ    `二ニ<___ヾ_ノ
                  ,' .j   l    .,'  ./  l l`ーr-、__ヽ、  <ノ
                 ,' jl   l    i.  ,'  .l .lrー ヽ ., ヽヾ 、ヽ ヽ、
            /./l    l   ヽ.l.,'_, /V__,ィ_,」 .l  ハ ィ  ヾj rム
        ,/   ,イ/.l i    .i!  、 l    ,イ示ぅ//i イj l.j  /.,ィ li!
        マt_ ノ'´  il  .l  l.j-ノ¨マt   / マ才'V,ィヘ 〈 .l t_,ィ.l.l∧
         `¨´    j ノl .レノ>=z、ヾj     , //|`'У // .l∧ l
              /,イ i .l /∨.弋tオ ´、     `ー-j=ノ /.ア ,/_ j/
               /j l /ヽVヽ ヽ、_     `  .ノ 、_ノイイ// ソニイ._
              、_」∨ノl .|`ヾヾヽ、    '' ´ '  / マ Vij_./ノ¨´   `ヽ
                レ/ ∧ l  lV  /≧zx 、.   イ  マ.ノ .j         \
            l、l_ / /`ヾ i!  / ./i ./ム _,.、ィ≦´  .ハ    、
                 ゝ/ィ ./l i!l__/_lィ_/7イ´i  ソヽ ./#l     l
              ヾ .lヽ.l /,ィヾl    / ./j)´ `l .l#Y##i!   i i!
               ` .マfアー  \_/:l.ノノ     .l l####:ム.  ', l
                   V    /;/  .rく  j .l#####:ハ. .',l
                 .i   //   rくァ 入zトァ|#####:#:ハ、 .l
                   / ./<<≧アノjベーイ l########ハ |
                 /.,イt/<Vヽーソ/ i!      l########:#i!
                   / .l#イ   < l l フ     マ########|
               .ノ  l#i!    < マ.ハ `ヽ     マ#######l
                 /.   ';;l 、    i! マハ 〈       マ######\   _ -
              ヽ    .l;lヽ、、   <. マ.ハ j.     _マ#######`Y´
                ヽァ.、_」;l  |`Tー 《ィ.〉 .j j ー '''''':  マ#######.| __, -
                  くz__ .|;l ノ `ヾ( / / >         マ#####:#`:¨l
                / `.j/イ   ノ /o /_ノ          ハ######:#:λ
                  /  //zz   >./ / .)   ,.ィ ー‐、 /-''マ###才´ ヽ
  _               /. __ノ##≧zxxノ_/_ ./ {  /     //   ヾ/
/ ヽ           ./,イ##≧z#########≧zx| r、_ ノ  l
    l_>''¨¨¨¨l   ./##########≧zz##########≧x、 j    /ヽ
i  /     ノ, イ#####################≧z######:/ .ヽ /   .l   __
:l /  / .,   ./´##############################≧l    V  i  j/
:V //  .ノ##################################.l     ) l li/ /
;l| .// __zイ  ̄ ̄`ヽ###################:rー- 、###_ノ、   /、lノl ノ   ノ
: ∨彡三ニー     ヽ###################\  f¨´   >ーiヾjィく)__ イー
、ヽ''´   `¨ー_< ̄#####__,,..-----、__#######:`ヽ.ヽ、 _  / ´ j ヽ  ヽ
λ. ヽー -.< ̄_,..-'''"´     ,..ィ≦´###########*≧z、¨(     ノ、

      「愛する為に、まずは壊そう。それが、私の愛の形」
320 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/23(水) 02:22:15.89 ID:C6NbBtE1o

※幽香の好感度がぐぐっとあがりました。
※幽香さんは何かを企んでいるようです。
※レベルが『3/4』にあがりました。次のレベルアップまで「5/10」です
※シナリオフラグが立ちました。シナリオイベント開始まで残り【5/6】

※これだけ書くのに時間掛かり過ぎました。ちょとリアルでちょこちょこと用事があったんで、申し訳ないです

※相変わらずここはコンマ神が暴れてますね。無法地帯なのかなぁ

※今回はここまでで。では、また次回やる時は告知します。次回からも少しずつですが、進められそうな時に進める予定です

※では、お疲れ様です
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 02:24:28.74 ID:W/S5UcLqo

暇を持て余したコンマ神の遊び場な可能性が微レ存?
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/23(水) 08:33:55.44 ID:ydiBpfpZ0


323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/23(水) 08:41:00.55 ID:Z8YLAsVC0
現さんの終盤は滅茶苦茶コンマが荒ぶってたしね。
どうでもいいけど>>1は八命陣プレイしてるの?
324 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/24(木) 23:11:13.52 ID:XMTQLzypo

>>323 ※能力その他は把握してますが、本編はやってません。天の刻購入予定。早くやりたい。何時かこっちでもネタとして出したいですな

※23:40頃に再開します

325 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/24(木) 23:44:38.26 ID:XMTQLzypo

※再開します
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/24(木) 23:55:44.27 ID:7v5WjyN20
来てたーー!

加減無用だ。楽しませろ。
いえ、楽しませてください

327 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/24(木) 23:56:44.95 ID:XMTQLzypo

 ―太陽の畑(昼2)―

幽香「おはよう、ボク君」

リンガー「あ、れ。幽香さん?」

幽香「さっきはごめんなさいね。君が予想以上に出来る子だったから、嬉しくて」

 眉毛を八の字に曲げて、幽香さんは謝ります。

 嬉しすぎてあんな風になるなんて、やっぱり幽香さんは怖いのです。

 まぁ、でも、普段はいい方なのはわかっているのですけれど……

リンガー「ボクはまた、気絶しちゃったのですね」

幽香「ええ。だから、今日はもう修行は終わりにしましょう」

 その言葉に、ボクは首を縦に振ります。

 さて、でも体の調子は悪くはありません。何処かへ行くにしろ、何かをするにしろ、きっと支障は出ないでしょう。

 ……・これからどうしましょうか?



 
※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:×
11:風に任せて行動するのです!
12:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマガ末尾0・ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用


 
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/24(木) 23:57:49.72 ID:0KVFnL/F0
4
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/24(木) 23:58:02.58 ID:dAXplYmrO
5
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/24(木) 23:58:19.08 ID:9HrW0MMF0
1
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/24(木) 23:58:20.78 ID:80S1B0bEo
8
332 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 00:04:28.67 ID:cimYdE5So

>>331 選択:8

※誰と遊びますか?

※現在の仲間参照

蓬莱山 輝夜
チルノ 大妖精
スターサファイア
ルナチャイルド サニーミルク
秦 こころ リグル・ナイトバグ

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 00:05:06.87 ID:78Xfh4Blo
こころん
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 00:05:13.06 ID:F4zaRHWaO
こころ
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 00:05:38.78 ID:iqnvMQBBo
チルノ
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/07/25(金) 00:05:58.47 ID:w3N0CM/RO
輝夜
337 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 00:46:21.78 ID:cimYdE5So


>>333 選択:こころ

 ―霧の湖(昼2)―

 というわけで。

こころ「いぇいっ、はいたーっち」

リンガー「たーっち!」

 幽香さんの居る太陽の畑から離れて、やって来たのは霧の湖。

 そこに居るだろう秦さんを探して、予想通り居たので現状に至ります。

こころ「おっすおっす、ばっちしだね」

リンガー「なのです!」

 元気よく一緒に挨拶をして、わーわーとします。

 相変わらず無表情でシュールですけど。

こころ「所でリンガー君」

リンガー「リンガー君?」

こころ「そうだぜ、妖精君。ちなみに私のことはこころちゃんで良ーいよー」

リンガー「はい! それじゃあ、これからはこころちゃんって呼びますね!」

 えへへ、と思いながらボクはにんまりと笑います。

こころ「それでリンガー君。どうかしたの?」

リンガー「一緒に遊びましょう!」

こころ「よし、一緒に遊ぼうか!」

 二つ返事なのでした。

こころ「それじゃあ何して遊ぼうか?」

 そして、こころちゃんが首を傾げて尋ねてきます。

 うーん、そうですね。何して遊びましょうか。

※自由安価(何して遊ぶ?)

↓3
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 00:55:12.63 ID:aMJlpYwSO
ksk
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 00:55:55.41 ID:aMJlpYwSO
ksk
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 00:58:50.59 ID:OLYm5U6h0
泳ぐ

341 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 01:15:26.41 ID:cimYdE5So

>>340 提案:泳ぐ

リンガー「じゃあ、泳ぎましょう!」

こころ「おお、季節的にもばっちり! 視聴者にもさーびす!」

リンガー「……視聴者って、なんですか?」

こころ「なんだろう、新しい人種?」

 何だか新しい人間の種類が勝手に作られました。

リンガー「あ、でもどうでしょう。こころさんは泳げますか?」

こころ「寧ろリンガー君が泳げるの?」

※コンマ一桁判定

リンガーは泳げるのか
1程泳げない 9程泳げる 0でプロ ゾロ目でカナズチ通り越した何か

補正
身体能力【2】:-1

判定直後

こころは泳げるのか
1程泳げない 9程泳げる 0でプロ ゾロ目でカナズチ通り越した何か

種族【付喪神】:+2

判定↓2

342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/25(金) 01:16:17.60 ID:N7rRC/x/0
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:16:40.78 ID:aMJlpYwSO
.。o○
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:19:28.77 ID:F4zaRHWaO
身体が弱いのに水泳上手いのか
実は浮翌力も操れるとか?
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:21:14.49 ID:78Xfh4Blo
>>342 プロ
>>343 擬似プロ
>>344 カナヅチX

さすがだ
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:30:47.88 ID:OLYm5U6h0
こいつら泳ぎのレベル高え
347 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 01:33:23.89 ID:cimYdE5So

>>342 コンマ:0(クリティカル) ※泳ぐのだけは大得意な様です。でも体力はない

>>343 コンマ:8 ※十分泳げます

リンガー「ふっふっふ、このボクを嘗めてもらっては困るのです」

 そう、体の弱いボクでも得意なことはあるのです!

 それが水泳! 体を使った事の中で、数少ないボクの特技なのです!

こころ「それは良かった。だって、そうじゃなかったら私だけ泳ぐ事になっちゃうし」

リンガー「心配ご無用! ボクの泳ぎには、誰も追いつけないのです!」

 でも、体力がないからすぐに追い抜かれてしまうのですけれど。

 それは言わないお約束、ですよね?

リンガー「それじゃあ、早速泳ぎましょう!」

こころ「でも水着ないけど?」

 あ、そういえば。

 服を着たままだと、まともに動ける気がしないんですけれど。

 まずいのです。なんて失態! 遊ぶ事に気を取られて、大事なことを忘れてしまうなんて!!

こころ「大丈夫」

リンガー「な、何が大丈夫なのですか?」

 頭を抱えておろおろとしていたボクに、こころちゃんが何故か自信満々に言います。

こころ「」

※判定

1:だってここ、泳ぐと危ないから
2〜:私の仮面で、隠せばいける
5〜:だったら、釣りにする?
7〜:実は、水着持ってるから
0・ゾロ目:葉っぱ一枚、あれば良い

判定直後
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:34:08.44 ID:F4zaRHWaO
全裸
349 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 01:35:10.65 ID:cimYdE5So

※あ、補正忘れてた。こころちゃんすっごく泳げます。

>>348 コンマ:44(ゾロ目クリティカル)

※コンマ神のお戯れには何時も困らさられる
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:36:56.34 ID:iqnvMQBBo
おい録画班早く来い
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 01:41:54.01 ID:c184eVyao
コンマ神「●REC」
352 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 01:55:54.61 ID:cimYdE5So



こころ「葉っぱ一枚、あれば良い」

 という言葉がこころちゃんから出てきた瞬間、ボクは目の前が真っ白になりました。

 その後のことは、よく覚えていません。

 そして気が付くと、

リンガー「ちょ、ちょちょちょちょちょ。これ結構やばいのです! というか、こころちゃんは三枚じゃないですか!!」

こころ「やん、えっち」

 陶器の様に白く透き通った肢体を顕に、大事な部分を葉っぱで隠したこころちゃんはわざとらしく両腕で肩を抱き、そんなことを言います。

リンガー「冗談が過ぎましたただ気を紛らわしたかっただけなのですというか本気でこんなもの用意されて着せられて湖に放り込まれるとは思ってませんでしたというか何をどう思って行動しているんですかばかやろー!!」

 気が動転して、こころちゃんの反対を向いてボクは兎に角叫びました。

 水に浮かびながら、ボクは肩を激しく上下させます。

こころ「おお、よく一息でそこまで言えたわね、凄い凄い」

リンガー「誰が原因だと思って、いるのですか!?」

 ああ、こんな事になるならあんな提案するんじゃなかったのです。

こころ「だって、君がせっかく泳ごうって言ったから。それに恥ずかしがるかわいい姿が見たかったから」

リンガー「絶対後半が本音なのです! ご自身は恥ずかしくないのですか!?」

こころ「え、友達だし」

 おおおおおお、何とも言えない返しが返って来ました!

 ……所詮は子供、と。まあ見た目はそうなんですけど、その通りですけど、そう思ってらっしゃる様で。

リンガー「仕方ありません。とりあえず泳ぎましょう」

こころ「いぇい」

 ざぱーん! と、大きな音を立ててこころちゃんが湖に飛び込みます。

 まぁ、水に入って泳いでいればきっと気にならなくなるでしょう。

 そんな風に、ボクのお昼はこころちゃんとの恥ずかし楽しい水泳大会が行なわれたのでした。

 
353 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 01:58:08.42 ID:cimYdE5So

※インフォ忘れ

※こころの好感度があがりました。

※リンガーは水泳が得意な様です。

※今日はここまでで。相変わらずのコンマ神。そして短いサービスショット。

※というわけで、お疲れさまです

354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 02:02:28.97 ID:78Xfh4Blo

こころちゃんめ……
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 02:05:31.42 ID:o7BZaNVAo

無自覚エロかと思ったら思いっきり自覚があった
いいと思います(小並感)
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 02:08:46.85 ID:iqnvMQBBo

ふぅ・・・
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 07:38:24.91 ID:egOYNr/mO
こころんの葉っぱ水着来たkrー!!
おい!リンガー、そこちょっとかわれ
(本当にここのコンマ神は紳士だ……)
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/25(金) 16:35:47.46 ID:SMWVxPO/O
葉っぱなんて水に入ったらすぐ取れるよな……
359 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/25(金) 23:54:35.73 ID:cimYdE5So

※葉っぱは妖力とかそんなんで何とかなってるって設定

※0:30頃に人が居れば再開したいです(懇願)

360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:03:17.86 ID:6LwOcL0Ho
葉っぱ一枚で待機
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 00:13:26.66 ID:5VimfGwh0
葉っぱ一枚を頭に付けて待機
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:26:46.89 ID:yMJn/8rf0
全裸待機
363 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 00:34:39.40 ID:h4YSB8Jzo

※再開します。

 ―霧の湖(夕方)―

 大変な目に遭いました……。まさか、本当に葉っぱ一枚で泳ぐ事になるなんて思っていなかったのです。

 でも、葉っぱだって大地の一部。蔓さえ固定してしまえば、何とかなるのです。

 さて、夕涼みもいい頃。髪の毛も完全に乾いたみたいです。

 こころちゃんは、着替え終わってからすぐに博麗神社に用があるとかでお別れしちゃいました。

 そういえば、博麗神社で能楽を披露しているんでしたっけ。

リンガー(ボクだったら、きっと体力がもたないのです)

 先日の弾幕ごっこでもこころちゃんは踊りながらやっていました。

 ああいう一芸があるっていうのは、少しだけ羨ましく思います。

 ……今度、教えてもらってみようかな?

 ふふ、きっとみんなでやれば面白い事が出来そうな気がするのです。

 さて、それはそうとして、これからどうしましょうか。

 そういえば、今日お泊りする場所がないのです。

 それ以外でも、何か出来ることはあるでしょうけど……。

 どうしましょうか?

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:×
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:泊まる場所を探すのです!
11:風に任せて行動するのです!
12:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマガ末尾0・ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:36:07.23 ID:6LwOcL0Ho
10
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:42:02.88 ID:6YkG+tGVo
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:42:44.44 ID:43cfA3Sbo
10
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:42:52.59 ID:csgfr05vo
7
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 00:43:02.42 ID:7Bqj6iiZ0
7
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:45:01.03 ID:yMJn/8rf0
はいはいコンマ神コンマ神
370 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 00:56:50.73 ID:h4YSB8Jzo

※ハハ、何時ものことですよ。何時もこうやってコンマ神は私を弄ぶんです(白目)

※このスレは監視:水銀の蛇 演出:べんぼうの提供でお送りしております

>>365 選択:4 

 ―太陽の畑(夕方)―

 戻って来たのは、太陽の畑。

 お昼に来ましたが、やっぱりここは心が落ち着きます。

 静かで、花々から香る良い匂いがボクを包んでいる気がして。

 それに、ここはとっても良い土地なのです。

 向日葵も、元気一杯に背伸びをしています。

リンガー「はふぅ」

 小さくあくびをして、この花畑を眺めていると――

※判定

1(ファンブル):何処からか、ナニカの声がキコエテキマシタ
2〜:遠くに、妹紅さんの姿を見つけました
5〜:妖精のみんなの、楽しそうな声が聞こえてきました
7〜:突然、誰かの影がボクを覆いました
0・ゾロ目:???

判定直後
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:59:01.95 ID:43cfA3Sbo
へい
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:59:04.40 ID:7KrtG5Vm0
にゃっほい
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 00:59:40.63 ID:v0meBInwo
おしい
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 01:04:54.30 ID:43cfA3Sbo
やっちまったぜ…
375 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 01:17:57.95 ID:h4YSB8Jzo

>>371 コンマ:5

リンガー(あれ?)

 遠くから、妖精のみんなの楽しそうな声が聞こえてきました。

 ボクはその声のする方へとふわふわーっと飛んでいきます。

 すると――

サニー「今日こそ、風見 幽香に復讐するんだから!」

ルナ「……いや、でもちょっとこれだけじゃ足りないような」

スター「大丈夫。もしバレても何とかなる」

チルノ「ちょ、ちょっと! なんであたいを見るのよ!」

大妖精「だ、大丈夫だよ。ちゃんと謝れば許してくれるって。……多分」

 やっぱり、みんなが居たのです。

 何やら罠を仕掛けている様で、それが草花の間に間隔を開けて置いてあります。

 トラバサミって……

リンガー「何やってるんですか、みんな」

サニー「お、リンガー! こんな所で会うなんて奇遇ね!!」

チルノ「リンガー! あんたなんであたい達を遊びに誘わないのよ!」

 おおう、いきなり二人から別のお話が飛んできました。

 ボクは少したじろぎながら、苦笑いを浮かべます。

リンガー「えっと、まずチルノちゃん、ごめんなさい。色々とやることがあって」

チルノ「ふんだ!」

大妖精「ちょっと、チルノちゃん。リンガー君は忙しかったんだよ。だから、拗ねないで? ね?」

チルノ「……うう、大ちゃんがそう言うなら許してあげないでもない!」

 あはは、ありがとうございます。

 ボクは小さく、二人に頭を下げます。

リンガー「それで、サニーちゃん。こんな中途半端な罠で、幽香さんに復讐するなんて無理なのですよ?」

サニー「おお、さっすがリンガー。そういう所はやっぱり参謀ね!」

ルナ「単純にダメ出しされただけなんじゃ……」

スター「でも、サニーが楽しそうだし良いんじゃない?」

 いえ、そもそも幽香さんに手を出そうっていう時点で色々とやばいんですが……

376 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 01:48:42.62 ID:h4YSB8Jzo

サニー「聞いてリンガー! 私達は一大決心をしました!」

チルノ「風見 幽香を倒して、更にさいきょーの称号を手に入れる事を!」

リンガー「えぇー……」

 いやいやいや、そんな突拍子もない事をいきなり告白されても困ってしまうのです。

 だって、あの幽香さんですよ? 今日、お昼にボクは怖い目にあったばかりなのです。

 いや、それは単純にボクが弱くて、幽香さんが強いだけなのかもしれませんが……・

スター「ほら、やっぱりリンガーは良い顔しないじゃない」

ルナ「だからやめようって言ったのよ。リンガーだったら、きっと否定してくれると思っていたわ」

大妖精「チルノちゃん、サニーちゃん。危ないことはやっぱりやめよう? 悪戯なら、他にもいっぱいあるでしょ?」

 いえ、まぁ、ボクとしては止めますけど……

 だって、幽香さんを怒らせたらきっと、ダメな事が起こるのです。

 ボクは、みんなに傷ついて欲しくはありません。自業自得と言ってしまえば、それを否定することは出来ませんが、それでもやっぱり……・

サニー「だって、リンガーばっかりなんか最近頑張ってるじゃん!」

 その言葉に、ボクは体をビクッとさせました。

チルノ「そうだよ! サニー達から話聞く限りだと、なんか凄い事しようとしてるし!」

サニー「私達も、何か凄い事しようって思ったのよ。だって、リンガーは友達だし、仲間だし!」

チルノ「だから、すっごく怖い風見 幽香を倒せば、リンガーに自慢出来ると思ったんだけど」

サニー「……リンガーがそういうなら、やっぱりやめた方がいいのかな」

 しょんぼりとして、サニーちゃんは言います。それに続いて、ぐぬぬとチルノちゃんが唸ってボクを見ます。

 ……二人がそんなことを考えていたなんて、ボクは知りませんでした。

 ボクが、頑張っている。……ふふ、そう思ってくれるのはすっごく嬉しいのです。

377 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 01:51:06.13 ID:h4YSB8Jzo

ルナ「まぁ、私もリンガーに自慢したいっていうのには賛同するけど」

スター「いっつも何処かに一人でいるから、心配になってたのもあるし……」

大妖精「だから、止めるに止められなかった、って言っても言い訳になるかな……あはは」

 それから続いて、三人がそれぞれ複雑な表情で言いました。

 ルナちゃんは溜め息を吐きながら、スターちゃんはバツが悪そうに、大ちゃんは苦笑しながら。

 そうですか。……なら、それなら。

リンガー「だったら、みんなで成功させましょう!」

 そうなのです。幽香さんには悪いですが、きっとやるべき事なのです。

 それに、ひどい目に遭わされたことを恨んでいないと言えば、嘘になってしまいますし。

 あはは、ならば頑張って復讐するのです。倒せなくても、驚かせるならばきっと、出来ると思うから。

サニー「え、でも」

リンガー「何かあっても、後でみんなで謝ればきっと許してくれます! 何か罰があっても、みんなでやれば大丈夫なのです! だから……」

 ボクは、止めません。そういう考えが、思いがあるなら。きっと、とっても大切な思い出になると、思うから。

リンガー「今からボクが指示を出します。それに従って、トラバサミの配置をお願いします!」

ルナ「……リンガーまで乗り気になるなんて、珍しいわね」

大妖精「そうだね、危ないことは今までやろうとしなかったのに」

スター「だけど、今のリンガー。すっごく楽しそうだから良いんじゃない?」

チルノ「そうね! 楽しんだものが勝つっていうし!」

 いや、チルノちゃん。それはあっているようで間違っているのですよ……

 そんなこんなで、ボクたちは太陽の畑に罠を仕掛ける事にしました。

 そうして――

※判定

1(ファンブル):作業中に幽香さんに見つかってしまいました
2〜:仕掛けたは良いですが、簡単にバレてしまいました
5〜:バレずに掛かってくれましたが、全然驚いてくれませんでした
7〜:バレずに掛かってくれて、少しだけ驚いていました
0・ゾロ目:特殊

判定直後
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 01:52:34.51 ID:6LwOcL0Ho
へい
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 01:53:24.09 ID:6LwOcL0Ho
あっ・・・
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 02:02:07.82 ID:7Bqj6iiZ0
コンマ神はおねショタがお好みのようで・・・・
381 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 02:17:55.43 ID:h4YSB8Jzo

>>378 コンマ:1(ファンブル) ※チャンスメイカー、発動

幽香「……ねぇ、ボク君?」

 ゴゴゴゴゴゴ、という擬音が聞こえて来そうな威圧感が、ボクたちを笑顔で睨みつけて来ます。

 作業の途中、集中していたのか誰も幽香さんに気が付かず、そして見つかってしまいました。

 ボクを筆頭に、その後ろでみんなが震えて地面に正座をしています。

幽香「どうしてこんな事をしようとしたのかしら。そこの妖精たちの入れ知恵?」

リンガー「ち、違います!」

幽香「そっか、君も妖精だものね。……でも、して良い事と悪い事があるのは、わかっているわよね?」

 あ、うう。やっぱり、怒っているのです。

スター「り、リンガーのせいじゃないわ! リンガーは、私達と遊んでいただけなの!」

ルナ「そ、そうよ。あんた、リンガーだけを怒るんじゃなくて、私達も怒りなさいよ!」

チルノ「あ、あんたなんか怖くないわよ! リンガーに何かしたら、あたいが許さないんだから!」

 そんな中で、ボクを庇う様に三人が前に出て叫びます。

幽香「でも、彼が主導をしていた様に見えたけれど?」

サニー「私が頼んだの! だって、リンガーは頭が良いし、絶対成功させてくれると思ってたし!」

大妖精「怒らせてしまって、ごめんなさい。でも、リンガー君だけが悪いんじゃないんです。元々、私達がやろうとしていた時に偶然鉢合わせしただけなんです」

 それに続いて、サニーちゃんと大ちゃんがボクを庇ってくれます。

幽香「……ふぅん。で、ボク君。釈明は?」

リンガー「……ボクは、これがきっと大切な思い出になると思って、この悪戯に加わりました」

スター「リンガー……?」

リンガー「お昼のことを、根に持っていないと言えば嘘になります。でも、幽香さんが驚いた顔が見たかったというのも、あります」

 だから、こうしたとボクは言います。

幽香「へぇ……」

リンガー「好奇心が勝ってしまったのです。でも、幽香さんを貶める為にやったことではないのです。ちゃんと謝ろうと思っていました」

幽香「それなら、勝手に何処かで遊んでいれば良かったのではなくて?」

リンガー「ええ、そうでしょう。全てはボクが浅はかだったのが原因です。止めようと思えば、止められたのにそれをしなかったボクが」

サニー「ち、違うわ! 元々の立案は私よ!」

チルノ「それなあたいだってそれに賛同したんだ! あたいだって、同罪だ!」

ルナ「わ、私だって!」

スター「そうだよ、リンガー。責任があなただけにあるわけじゃないわ」

大妖精「……風見 幽香さん。私達も、彼と同罪です。どうか、罰があるなら私達にも与えてください」

 みんながみんな、そう言ってボクを庇ってくれました。

 確かにボクは、みんなで謝れば大丈夫だって言いました。でも、それすらも今は後悔しています。

 こんなに怖い幽香さんは、見たことがなかったから。お昼の時とは違う、決定的な侮蔑の目。

 そうして、暫くの間沈黙があって――

※判定

1(ファンブル):ボクの意識は、そこで断たれたのでした
2〜:幽香「……なら、あなたの命を一回だけもらうわね」
5〜:幽香「……仕方ないわね。今回だけ、見逃してあげるわ」
7〜:幽香「……ふふ、何をそんなに怖がっているのやら」
0・ゾロ目:特殊

判定直後
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 02:27:16.02 ID:8fTXTvu9o
e
383 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 02:33:52.79 ID:h4YSB8Jzo

>>382 コンマ:2 ※安藤の頃以来、久々の死亡

幽香「……なら、あなたの命を一回だけもらうわね」

 その言葉を聞いた瞬間、ボクの胸に光弾が突き刺さります。

 衝撃で弾き飛ばされて、ボクは紙の様に宙に舞いました。

 ああ、そうか。ボクは、死ぬんだ。

 抗議の声が遠く聞こえました。

 でも、幽香さんはそれを聞き入れていない様です。

 寧ろ、何かを諭す様に語りかけていました。

 ……まぁ、安いものです。

 みんなが無事なら、それで、良い。

 これもまた、思い出。妖精ならではの、思い出。

 今は、受け入れましょう。死ぬことも、苦しい事も、痛いのも。

 ……復活したら、ちゃんと謝らないとなぁ。

 そんなことを考えながら、ボクは一回休みになって、意識を手放しました。

※妖精たちの好感度があがりました
※幽香は何かを思っている様です

384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 02:44:30.34 ID:irOkUJGmo
妖精は復活ができて便利だなぁ(白目)
385 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 02:46:05.38 ID:h4YSB8Jzo



「妖精は死なないわ。だけど、貴方はそれを認識している」

「だからこそ、諦めることも出来るでしょう。この空間で、泥に飲まれてしまえばあなたは消える」

「まだ私は、あなたに手を差し伸べる事が出来るわ」

「諦める? それとも異なる歴史に差し替える? それか、このまま進み行く?」

「それは、あなたが決めさない。あなた方が、決めなさい」

「さあ、どうする主役。そして、観測者。あなたたちの選択は、どれかしら?」

※残機:5/5 

1:諦めるか! >>381からやり直す(残機を1消費します)
2:気を取り直そう。次の日の朝に目を覚ます(残機を1消費します)
3:諦めてキャラメイク
安価↓5までで多い選択肢(連投禁止)

※キリが良いので、今日はここまで。次回は明日の昼頃から出来ればやりたい

※久々に死にましたね。コンマ神も、一回死ねと言っているのでしょうか

※と、いうわけでお疲れ様です。選択肢協力、よろしくお願いします

386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 02:58:22.33 ID:xV+226h+o
1
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 03:03:11.02 ID:irOkUJGmo

1
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 03:30:56.66 ID:5VimfGwh0
乙でした。
安価は1で
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 03:41:17.40 ID:8fTXTvu9o
1
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 06:49:29.12 ID:yMJn/8rf0

1で
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 07:51:49.34 ID:k1FfLB5uo
392 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 15:40:57.95 ID:h4YSB8Jzo

※16:30頃に再開します。

※選択肢協力、感謝致します
393 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 16:43:16.41 ID:h4YSB8Jzo
※少し遅れました。再開します
多数決 選択:1 >>381 からやり直します。残機を1消費しました。残り4/5


幽香「……ねぇ、ボク君?」

 ゴゴゴゴゴゴ、という擬音が聞こえて来そうな威圧感が、ボクたちを笑顔で睨みつけて来ます。

 作業の途中、集中していたのか誰も幽香さんに気が付かず、そして見つかってしまいました。

 ボクを筆頭に、その後ろでみんなが震えて地面に正座をしています。

幽香「どうしてこんな事をしようとしたのかしら。そこの妖精たちの入れ知恵?」

リンガー「ち、違います!」

幽香「そっか、君も妖精だものね。……でも、して良い事と悪い事があるのは、わかっているわよね?」

 あ、うう。やっぱり、怒っているのです。

スター「り、リンガーのせいじゃないわ! リンガーは、私達と遊んでいただけなの!」

ルナ「そ、そうよ。あんた、リンガーだけを怒るんじゃなくて、私達も怒りなさいよ!」

チルノ「あ、あんたなんか怖くないわよ! リンガーに何かしたら、あたいが許さないんだから!」

 そんな中で、ボクを庇う様に三人が前に出て叫びます。

幽香「でも、彼が主導をしていた様に見えたけれど?」

サニー「私が頼んだの! だって、リンガーは頭が良いし、絶対成功させてくれると思ってたし!」

大妖精「怒らせてしまって、ごめんなさい。でも、リンガー君だけが悪いんじゃないんです。元々、私達がやろうとしていた時に偶然鉢合わせしただけなんです」

 それに続いて、サニーちゃんと大ちゃんがボクを庇ってくれます。

幽香「……ふぅん。で、ボク君。釈明は?」

リンガー「……ボクは、これがきっと大切な思い出になると思って、この悪戯に加わりました」

スター「リンガー……?」

リンガー「お昼のことを、根に持っていないと言えば嘘になります。でも、幽香さんが驚いた顔が見たかったというのも、あります」

 だから、こうしたとボクは言います。

幽香「へぇ……」

リンガー「好奇心が勝ってしまったのです。でも、幽香さんを貶める為にやったことではないのです。ちゃんと謝ろうと思っていました」

幽香「それなら、勝手に何処かで遊んでいれば良かったのではなくて?」

リンガー「ええ、そうでしょう。全てはボクが浅はかだったのが原因です。止めようと思えば、止められたのにそれをしなかったボクが」

サニー「ち、違うわ! 元々の立案は私よ!」

チルノ「それなあたいだってそれに賛同したんだ! あたいだって、同罪だ!」

ルナ「わ、私だって!」

スター「そうだよ、リンガー。責任があなただけにあるわけじゃないわ」

大妖精「……風見 幽香さん。私達も、彼と同罪です。どうか、罰があるなら私達にも与えてください」

 みんながみんな、そう言ってボクを庇ってくれました。

 確かにボクは、みんなで謝れば大丈夫だって言いました。でも、それすらも今は後悔しています。

 こんなに怖い幽香さんは、見たことがなかったから。お昼の時とは違う、決定的な侮蔑の目。

 そうして、暫くの間沈黙があって――

※判定

1(ファンブル):ボクの意識は、そこで断たれたのでした
2〜:幽香「……なら、あなたの命を一回だけもらうわね」
5〜:幽香「……仕方ないわね。今回だけ、見逃してあげるわ」
7〜:幽香「……ふふ、何をそんなに怖がっているのやら」
0・ゾロ目:特殊

判定直後
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 16:43:33.01 ID:zpKawLYe0
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 16:48:31.09 ID:v0meBInwo
チャンスメイカーきた
これで勝つる!
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 16:52:25.21 ID:eGt4Mk/DO
それでピチュったのはどこの誰だっけ?
397 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 16:53:56.88 ID:h4YSB8Jzo

※い、一回死んでるからもう一回でいいよね! うん!(震え声)

>>394 コンマ:1 ※チャンスメイカー

※再判定

1(ファンブル):ボクの意識は、そこで断たれたのでした
2〜:幽香「……なら、あなたの命を一回だけもらうわね」
5〜:幽香「……仕方ないわね。今回だけ、見逃してあげるわ」
7〜:幽香「……ふふ、何をそんなに怖がっているのやら」
0・ゾロ目:特殊

判定直後
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 16:55:16.43 ID:eGt4Mk/DO
はい
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 16:57:09.66 ID:eGt4Mk/DO
これがこころのサービスの代償ですか……
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:09:18.90 ID:8QRVirJ/o
家畜に神はいない
401 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 17:16:28.24 ID:h4YSB8Jzo

※さっきの流れと同じなので、短縮

「また、死んでしまったのね。コンマ神も何が気に入らないのやら」

「こころのサービスショットをやったから? それともそれを短く締めたから?」

「まぁ、なんにせよ今回はそこそこ死ぬ確率かがあるから仕方ないかしら」

「さて、ではどうする?」

※残機:4/5 

1:諦めるか! >>381からやり直す(残機を1消費します)
2:気を取り直そう。次の日の朝に目を覚ます(残機を1消費します)
3:諦めてキャラメイク
安価↓5までで多い選択肢(連投禁止)
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 17:17:03.24 ID:zpKawLYe0
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:17:41.27 ID:Wcx0isZHO
2
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:18:33.96 ID:v0meBInwo
2
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 17:18:34.16 ID:Ud9u0AE+0
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:23:33.50 ID:8QRVirJ/o
1
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:41:22.69 ID:uH3/PhwDo
408 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 17:45:24.38 ID:h4YSB8Jzo

多数決 選択:2 残機:3/5

 十四日目

 ―迷いの竹林・リンガーの住処跡地(朝)―

 ボクが目を覚ました時、時間は朝でした。

 元々ボクが寝泊りしていた場所、という事でここで復活してしまったみたいです。

リンガー「……幽香さん」

 きっと、見せしめにボクの命を絶ったのでしょう。

 妖精は死なないから、死んでもその前のことを忘れてしまう事が多いから、だからこそ、ボクを殺した。

 今回はこちらに非がありましたし、ボクに落ち度があったので特に何かをしようとは思いませんが。

 スターちゃん達は、無事帰れたのでしょうか。

 そこだけが、気になる所ではあります。

 さて、気を取り直しましょう。朝ですし何かしましょうか。

※選択

1:×
2:竹林を探索するのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖をまだ歩くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:風に任せて行動するのです!
9:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 17:46:02.72 ID:zpKawLYe0
8
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:48:00.82 ID:eGt4Mk/DO
6
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:48:53.75 ID:K9ik4adz0
6
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 17:49:09.26 ID:Wcx0isZHO
413 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 18:02:10.57 ID:h4YSB8Jzo

>>410 選択:6

 ―妖怪の山(朝)―

 復活したばかりだからか、お腹は空いていないし体調も万全。

 皮肉な話ですが、昨日の疲れもなんのそのなのです。

 そんなわけで、やって来ました妖怪の山。

 良い感じの風に乗ってここまで体力も消費していませんし、朝の散歩なのです!

リンガー「……とはいえ」

 気分まで晴れやか、とは言い切れないのが現状。

 妖精のみんなに心配を掛けているかもしれませんし、幽香さんにも謝らなければなりません。

 だけど、ちょっと勇気が湧いてこない。

 踏み出すには、決心が必要なかもしれません。

 そんなことを考えながら歩いていると――

※判定

5以上で誰かと会う 0・ゾロ目の場合妹紅(フラグ発生)

判定直後
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:03:24.95 ID:8QRVirJ/o
ふらぐ
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:38:00.09 ID:Jc4Iv2nyo
誰かさんなら嬉々として3機減らしたんだろうなあ
416 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 18:42:43.07 ID:h4YSB8Jzo

>>414 コンマ:5 成功

※誰と会った?(妖怪の山に居そうなキャラ限定)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:43:33.61 ID:v0meBInwo
あやや
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:44:00.58 ID:Jc4Iv2nyo
はたて
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 18:44:34.51 ID:Ud9u0AE+0
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 18:44:53.70 ID:zpKawLYe0
もみじ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:45:25.66 ID:K9ik4adz0
早苗
422 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 18:53:41.41 ID:h4YSB8Jzo

>>420 選択:犬走 椛

※選択

椛とは知り合い?

Yes/No

※そのレスと同時に好感度判定
1ほど険悪 9ほど好感 0・ゾロ目で……?

↓3

423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 18:55:18.36 ID:zpKawLYe0
NO
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:56:37.85 ID:6YkG+tGVo
のー
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:56:57.20 ID:uH3/PhwDo
イエス
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:57:55.05 ID:uH3/PhwDo
0来たな
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 18:58:50.38 ID:eGt4Mk/DO
さすがショタコン量産器
ショタコン異変が起こせるな
428 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 19:13:22.71 ID:h4YSB8Jzo

※ちょっと風呂落ちします
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 19:15:37.04 ID:yMJn/8rf0
ゆうかりんの判定では死んだのにここでコンマ神か
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 19:19:51.53 ID:6YkG+tGVo
コンマ神「待たせたな!」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 19:31:03.46 ID:8QRVirJ/o
コンマ神は見た目幼い娘にしか興味な…
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 19:34:02.09 ID:Jc4Iv2nyo
コンマ神は神主だった…?
433 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 19:54:08.62 ID:h4YSB8Jzo

※ショタコン増し増しで幻想郷がヤバイ

※某所でもそうですが、最近のコンマ神は一夏のアバンチュールでも推しているのだろうか

>>426 選択:Yes コンマ:0 ※馬鹿可愛がりしている様です

※犬走 椛:もう、本当に可愛いなぁリンガー君は を取得

椛「おはようございます、リンガー君」

 向かい側からゆっくりと歩いてくる、真っ白なお姉さんが挨拶をしながらやって来ました。

リンガー「あれ、椛さん! おはようございます!!」

 ボクもその挨拶に元気いっぱいに返して、頭を下げました。

 犬走 椛さん。この妖怪の山に居る天狗――その中の白狼天狗と呼ばれる種族の方で、尻尾と耳がとってももふもふなのです!

椛「こんな朝からここで散歩なんて、珍しいね。妖怪の山なんて、滅多に来ないのに」

リンガー「あはは、気分転換なのです。爽やかーってしたくて」

 ここは迷いの竹林と違って、いっぱいの木々が生い茂っています。

 平坦ではないので体力を使いますが、森林浴も楽しめますし。

椛「へぇ、久しぶりに会ったけど、随分とアグレッシブになったようですね」

リンガー「ふふーん、今までのボクと思ってもらっては困るのですよ!」

椛「もう、本当に君は可愛いなぁ」

 頭をガシガシと撫でられます。わしゃわしゃされます。でも痛くはないのです。

リンガー「可愛いってなんですか! ボクは立派な男の子なのです!」

椛「いやぁ、そうは言っても、君が可愛いのは風の噂で流れているし」

リンガー「どんな噂ですか!?」

 とんだ風評被害が来たのです!

椛「烏天狗の出してる、花果子念報っていう新聞でも、君の事紹介されてたし。可愛い系男子妖精特集って」

リンガー「それ、はたてさんなのです! 絶対にはたてさんの仕業なのです!!」

 新聞に紹介してくれるのは嬉しいですが、もっと良い感じに書くとかなかったのですか!?

椛「君の人気は鰻登りだねぇ。これからも頑張りなよ」

リンガー「何を!? 何をがんばるのですか!?」

 そんな風に、椛さんはボクの事を大変可愛がってくれましたが、終始納得のいかないボクはツッコミを入れ続けたのでした。

※犬走 椛と出会いました
※はたての仕返しが行われていたようです

434 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 20:03:55.18 ID:h4YSB8Jzo

 ―妖怪の山(昼)―

 まったく、頭を撫でてくれるのは気持ち良いので好きですが、椛さんは少しばかりボクを甘く見すぎなのです!

 これでも男の子なんですから、かっこよくなりたいと思っているのですけど……

リンガー「最早ステータスになっている、という事なんでしょうか」

 色んな方から可愛い、可愛いと言われてしまえば自分の容姿がそういうものなんだなと、思ってしまうのです。

 悪い事ではないのでしょうけど、少し複雑な気分なのです。

リンガー「はぁ。どうやったら、かっこよくなれるのでしょうか」

 ……考えてみれば、ボクって男性の知り合いって鎌足さんくらいなのです。

 それも、最近まで知り合いではありませんでした。

 まぁ、一方的にこっちから知ってはいましたけど……。

リンガー「まぁ、それはそうとして」

 そんなことを悩むのは、目の前にある色んな事が終わってからでも良いでしょう。

 ボクはまだまだ成長期! きっと、これから成長して変わっていくのです! 多分ですけどね!!

 さて、お昼なのです。何をしましょうか。

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:まだ妖怪の山を歩くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:修行しに行くのです!
11:風に任せて行動するのです!
12:自由安価(内容明記)


※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合メインイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 20:05:36.80 ID:Ud9u0AE+0
10
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 20:05:40.75 ID:6YkG+tGVo
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 20:06:12.68 ID:Wcx0isZHO
1
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 20:06:25.11 ID:g5xtE+7Uo
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 20:07:00.13 ID:v0meBInwo
12博麗神社
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 20:07:08.74 ID:Ud9u0AE+0
うんまあ……いつもどおりだな
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 20:42:32.64 ID:yMJn/8rf0
ま た か
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 21:07:35.68 ID:6LwOcL0Ho
コンマ神様は巻きの展開をお望みか
443 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 21:11:38.71 ID:h4YSB8Jzo

※うーん、この。コンマ神め

>>435 選択:10 コンマ:0(クリティカル) ※メインイベント

 ―太陽の畑(昼)―

 やって来たのは、太陽の畑でした。

 昨日の一件について謝りたかった。そして、強くなる為にはやっぱり、この方の協力が必要だと思ったから。

幽香「……ボク君も、なんていうか、物好きね」

 呆れた様子で、幽香さんは言います。

幽香「昨日殺された相手に、今日謝りにくるだなんて良い根性しているわ」

リンガー「逃げて何かあるのなら、そうしてますよ」

幽香「そうね。それはとても良い考えだと思うわ」

 ボクは真剣な表情で、幽香さんにそう言いました。

 必要なことだったとは言え、幽香さんに殺されるような事をボクはしました。

 正直、怖いし恐ろしい。でも、そこで立ち止まる暇はボクにはありません。

幽香「まぁ、やり過ぎたと言えばそうでしょうけど。あの妖精達にも、色々と説教を食らわせてあげたし」

 君を見せしめに使ったという点で言えば、私も謝る必要がある。

 そう継いで、幽香さんは苦笑します。

幽香「思えば、そう。私も大人気なかったわ。花に被害が及んだわけじゃない、荒らされたわけでも、何か起こされたわけでもない。ただ、私を驚かそうとした。それだけの事だったのに、私は君を殺してしまった」

リンガー「そこは、ボクだって調子に乗っていた部分もあります。……少し前のボクだったら、間違いなく幽香さんを嫌いになっていたでしょうね」

幽香「あら、まるで私の事を嫌いになっていない様な口ぶりじゃない」

リンガー「それはそうですよ。まぁ、殺されることは本当に嫌な事ですが、今はそれも受け入れなければいけないので」

 ボクは妖精なのです。死ぬことはありません。だから、それで出来ることがあるのなら、多少の無茶もしましょう。

 痛いのも、苦しいのも、万が一、死ぬことも。

リンガー「むしろ、ボクは幽香さんがこうしてお話して下さることの方が驚きなのです」

幽香「さっき言ったでしょう。私も大人気ないと思ったのよ、ただそれだけ」

 む、う。それなら良いんですが、何か肩透かしを喰らった気分なのです。

444 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 21:23:26.69 ID:h4YSB8Jzo

幽香「さて、この話はここで終わり。……嫌われていないみたいで、安心したわ」

リンガー「ボクも、幽香さんが許してくれなかったら、と心配していました」

 そう、それがボクが一番嫌なことなのです。

 もしも、あの出来事が切っ掛けで不仲になってしまったら。

 せっかく、お世話になっているのに何も返せず、寧ろ仇を与えたまま終わってしまったら。

 そんなの、ボクは嫌なのです。絶対に、絶対に。

幽香「それじゃあ、ボク君。お互いに謝りあったのだし、ちょっと運動しましょうか」

リンガー「運動、ですか?」

幽香「ええ、仲直りの弾幕ごっこ。ちゃんと手加減してあげるし、この前みたいなことはしないわ。修行にもなるし、どう?」

 願ってもない、お誘いでした。

 それが幽香さんのお望みならば、ボクはそれを拒みません。

リンガー「はい! ボクの実力、お見せ致しますです!」

幽香「ええ、それじゃあ、頑張ってみなさいな」

 とっても晴れやかな、笑顔をボクたちは浮かべて空へと飛びます。

445 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 21:26:42.17 ID:h4YSB8Jzo

※アンケート

※コンマ一発勝負(戦闘描写ほとんどなし)にしますか? それとも、じっくり観戦(ターン制・毎度判定)にしますか?

※好感度の上がり下がりには関係ありません

安価↓5までで多い方を選択



446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 21:27:14.75 ID:zpKawLYe0
さっくり
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 21:27:44.53 ID:Ud9u0AE+0
一発
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 21:28:07.84 ID:DwiLjEt30
一発かなぁ
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 21:30:04.80 ID:lniRKLXOO
一発
450 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 21:30:36.56 ID:h4YSB8Jzo

※このスレにどっさりの機能はありません

多数決 選択:コンマ一発勝負

※判定


1程無残な結果 9程良い結果に終わりました 0・ゾロ目で……?

補正
身体能力【2】:-1
頭脳【8】:+2
手加減ゆうかりん:+1

判定直後
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 21:31:22.93 ID:zpKawLYe0
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 21:34:18.21 ID:yMJn/8rf0
まあまあだな
453 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 22:17:26.42 ID:h4YSB8Jzo

>>451 コンマ:3+2=5 ※そこそこ渡り合えた



幽香「……ふふふ。やっぱり、君は良いわねぇ」

 息切れを起こし、全身汗だくになって、その上でボロボロになったボクを見て幽香さんは笑顔を浮かべました。

 な、何がそんなに良いのか、よくわかりません。

 今だって、少しだけですが渡り合えただけで、すぐに負かされてしまいました。

リンガー「幽香さんは、やっぱり、すっごく強いのです」

幽香「そうね、私はとても強いわ。そういう存在だもの。……だけど、気づいてるかしら」

リンガー「何に、ですか?」

 幽香さんの意味ありげな言葉に、ボクは首を傾げます。

幽香「そう、気付いていないのね。……ふふ、まぁ、それがとっても楽しみなんだけれど」

 ボクに何か、思う所でもあるのでしょうか。幽香さんの笑みの意味が、ボクにはわかりません。

リンガー「楽しみ、ですか。ボクはまだまだ弱いのですけど」

幽香「一朝一夕で強くなれる者なんて、どこにもいないわ。でも、ボク君には色んな経験値が溜まっている筈よ」

リンガー「経験値、ですか」

幽香「この私が修行の相手をしてあげてるんだもの。……頑張りなさい。もしも、負い目を感じているのなら」

 幽香さんの言葉に、ボクは小さく頷きます。

 負い目――

 それは、先日のこと。それは、ボク自身の弱さ。それは、ボクの心の弱さ。

 それを越える事を、それに贖うことを、それを克服することを。

 ボクは、この方に後押しされている。

 そう、ボクは勝手ながらに思ったのでした。

※幽香の好感度がぐぐっとあがりました
※幽香は許してくれている様です

454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:22:08.73 ID:6LwOcL0Ho
今ゆうかりんの好感度どうなってんだろ
455 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 22:31:51.79 ID:h4YSB8Jzo
>>454
※あ、そういえば日替わり時の情報公開してませんでしたね。じゃあ、今公開しましょうか
※あと、修行で経験値溜まりました

※現在公開可能な情報

名前:リンガー・ローゼス
読み:りんがー・ろーぜす
能力:地に落とす程度の能力
種族:妖精
危険度:低
人間友好度:?
身体能力【2】:妖精の中でも体が弱い様です
精神【6】:一般的な妖精らしい度胸を得ました
頭脳【8】:妖精の中では頭が良いようです
潜在能力【5】:普通です
幻想郷縁起
なし

持ち物

なし

特殊設定
妖精好き
あなたは同族である妖精が大切。故に、積極的に友好を深めようとするだろう。
効果:指定した種族の場合、戦闘判定に−1 友好判定に+1

チャンスメイカー
あなたはどんなチャンスでもうみ出し掴み取る。
だが、掴むまで貴方にとって吉か凶かはわからない。
効果:イベント中、もしくは戦闘中にファンブルが出た際、もう一度だけ判定を行う。戦闘時は一回のみ発動出来る。

現在の仲間
蓬莱山 輝夜
チルノ 大妖精
スターサファイア
ルナチャイルド サニーミルク
秦 こころ リグル・ナイトバグ

現在行ける場所

迷いの竹林
人間の里
霧の湖
妖怪の山
太陽の畑
マヨヒガ

レベル 3/4
レベルアップまで「6/10」

シナリオイベント開始まで残り【5/6】

相関図
『妖精』
チルノ:やっと見つけたわよこのすっとこどっこいしょーッ!!【?】
大妖精:心配したんだから、リンガー君【親友】
ルナチャイルド:あんたもあたしたちと暮らせば良いのに【???】
サニーミルク:ルナほどじゃないけど、あたしもあんたの心配してたからね【親友】
スターサファイア:守ってね、リンガー【恋慕】
『迷いの竹林』
リグル・ナイトバグ:心配だなぁ。無茶しないようにね【仲間】
『人間の里』
秦 こころ:君は強く、可愛く、面白い子で仲間だZE【仲間】
本居 小鈴:何時でも遊びにおいで。わからない文字とかあったら教えてあげるから【顧客】
『永遠亭』
蓬莱山 輝夜:最高に面白い妖精君。あなたなら、きっと――【仲間】
八意 永琳:悪戯さえしなければ、良い子よね【知り合い】
鈴仙・優曇華院・イナバ:師匠の誤解は解かないの?【知り合い】
『守谷神社』
東風谷 早苗:悪い妖怪なんかに騙されてはいけません! 保護しなければ!!【保護欲】
『英雄伝』
藤原 妹紅:私はただ、楽しもうとしていただけなんだ【困惑】
博麗 霊夢:狡賢い妖精は面倒以外の何でもないわ【嫌悪】
八雲 紫:小さな光を感じる……【安堵】
『妖怪の山』
姫海棠 はたて:ななな、ナニコレ可愛いぃい!【愛玩】
犬走 椛:もう、本当に可愛いなぁリンガー君は【愛玩】
『太陽の畑』
風見 幽香:愛する為に、まずは壊そう。それが、私の愛の形【愛】※歪
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:33:37.46 ID:6LwOcL0Ho
なんか不穏な注釈が加えられてますね・・・
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 22:34:35.07 ID:Ud9u0AE+0
零さんの時の紫みたいな感じになってる
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:35:49.80 ID:yMJn/8rf0
※歪か…
459 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 22:41:08.86 ID:h4YSB8Jzo

 ―太陽の畑(昼2)―

 幽香さんとの修行――というより、弾幕ごっこを終えてボクは丘の上でゆっくりとしていました。

 両足を伸ばして、大きな葉っぱを日陰にのんびり。

 目の前に広がるのは綺麗なお花畑。向日葵が精一杯に咲き誇る、お花畑。

 幽香さんはお花のお世話で何処かへと行ってしまい、ボクも休憩がしたかったのでここでお休みしているのです。

 そうそう、幽香さんから、昨日持ち運んでいたボクの私物を受け取りました。

 どうやら、預かってくださっていたみたいです。うーん、それを考えるとやっぱり見透かされていたんですかねぇ、ボクの行動。

リンガー「まぁ、それはそうとして」

 これからどうしよっかなー。

 そんなことを考えながら、ボクは晴天の空を眺めました。

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:仲間の誰かと遊ぶのです!
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:×
11:風に任せて行動するのです!
12:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマガ末尾0・ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用

460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:41:36.88 ID:6YkG+tGVo
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:42:06.06 ID:6LwOcL0Ho
8
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 22:42:34.53 ID:Ud9u0AE+0
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:42:48.03 ID:wAABj0oSO
11
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:42:54.98 ID:Wcx0isZHO
1
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/26(土) 22:43:11.83 ID:zpKawLYe0
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:43:48.21 ID:wAABj0oSO
ゾロ目スゴイナー(棒)
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:43:49.24 ID:7KrtG5Vm0
4
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 22:43:51.78 ID:6LwOcL0Ho
いつもの
469 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 23:14:52.88 ID:h4YSB8Jzo

>>460 選択:4 コンマ:88(ゾロ目クリティカル)

※イベントしか起こっていない件

※これはもう、物語を進めるしかないですね(白目)



 うーん、と背筋を伸ばし、そろそろ移動をしようかなって思っていたその時でした。

 ボクの隣に、見覚えのある方がやって来たのです。

零「あーあー、あっついなぁ畜生。マジでどうなってんだっつの……」

リンガー「鎌足さん? こんにちわ」

零「おう、こんにちわ。……こんな所で座ってるなんて、お前も命知らずだーねー」

 手をうちわの様に動かして、鎌足さんは太陽の畑を眺めながら気だるそうに言います。

リンガー「幽香さんは、良い方ですよ?」

零「それはお前だけにかもしれねぇだろ、なのです妖精。お前は愛され系みたいだしな」

リンガー「愛され系って、そんな……」

 てれてれとして、ボクははにかみます。

零「いや、ただの皮肉なんだが……。ああ、まぁ良い。んで、調子はどうだよ」

リンガー「いやぁ、色々ありました。一昨日お話した事が、まるで遠い過去の様に思えますです」

零「そうかい。まぁ、濃い日常が送れているのなら、何よりだけどさ」

 言いつつ、険しい顔をして頭を掻く鎌足さん。

 何かを言いたげな様に思えました。でも、言い倦ねているような感じです。

零「……あー、もうめんどくせえから言っちまうか。おい、なのです妖精。藤原 妹紅と少し、話してきたぞ」

リンガー「妹紅さんと、ですか……!?」

 いきなり放たれた言葉に、ボクは驚愕して目を丸くしました。

 妹紅さんと、鎌足さんは話してきた。

 それは多分、以前言っていた『歪み』について関係することなのでしょう。

零「ああ、まぁ症状見る為に行った様なもんだ。特に何かしたわけじゃあない」

リンガー「それで、妹紅さんは」

零「んー、話した感じ汚染度はそこまで行っちゃいねぇな。正気保ててるし、会話も成立してた。まぁ、それも時間の問題だろうけど」

リンガー「……そう、ですか」

 ボクは俯きながらそう呟いて、複雑な思いを胸に抱きます。

 その『汚染度』が進んでいない今は喜ばしいですが、それも時間の問題だと鎌足さんは言いました。

 心配と漠然とした、不安。未だ認めたくない現実に嫌気を覚えます。

470 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 23:15:23.18 ID:h4YSB8Jzo

零「さて、本題だ、リンガー・ローゼス。お前に、あの藤原 妹紅と真正面から戦う気概はあるか?」

 その中で鎌足さんからそんな質問をなさいました。

零「あの夜、姫さんも手伝うと言っていたが、それはあんまりオススメ出来ねぇ。お前も男なら、助けたい奴は自分の力でどうにかしたいだろう?」

リンガー「それは、まぁ、そうですけど……」

 妹紅さんに恩があります。随分と、気に掛けて頂いていました。心配だって、会うたびにしてくれていました。

 出来るならば、ボクだって妹紅さんを自分の力で止めたい、助けたいと思います。

 何より、認めてもらいたいと思っています。

リンガー「でも、ボクはとっても弱いのです」

 保身に走っているわけじゃない。自分の身が可愛いわけじゃない。

 でも単純な話、ボクには自信が無いのです。

 妹紅さんに認めてもらえる力なんて、きっとない。

 ボクに出来ることは、誰もが出来ること。

 能力に関して言えば、その枠には収まらないでしょうけど……

零「……だから、他人の手を借りてでも、ってか」

リンガー「それは、最後の手段でしょう。そして、多分ボクはそれを使わざるを得ない」

 妹紅さんは強い。輝夜さんと、正面から戦えるということはそういうことなのです。

 多分、この幻想郷の中でも指入りの強者。

 修行をした所で、弾幕ごっこに一回勝ったところで、それは変わりない現実なのです。

471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 23:28:15.54 ID:v0meBInwo
零君ついでにゆうかりんの歪みもとってくれ
472 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/26(土) 23:47:55.52 ID:h4YSB8Jzo

零「……あ、そう。ところでお前、勘違いしているみたいだが」

リンガー「なんですか?」

零「俺が聞いてるのは、気持ちの問題だぞ」

 その言葉に、ボクは首を傾げます。

零「正味な話、俺はお前が誰の手を借りようと何をしようと知ったこっちゃねぇ。卑怯な手? 多勢の暴力? ああ、結構結構。お前が前に居るなら、俺はそれを否定しない」

リンガー「……鬼の方にしては、珍しいことを仰るのですね」

 鬼という種族は、正々堂々を重んじると何かの本で読みました。

 卑怯と嘘を嫌い、それを行う存在を疎む、と。

零「萃香や勇儀の奴はそうだろうさ。と言うか、ほぼ全体の鬼は嫌うだろうな、そういうの」

リンガー「だったら」

零「俺、異端なんだわ。元々は隔離されて生きて来て、殆どの鬼は俺を疎んだ。そうやって生きて来たからかねぇ。人間好きが祟ったか、それとも転じたか、考え方は鬼のそれとはてんで外れてるのさ」

 陽気な表情と口調で、鎌足さんはそう語りました。

 とっても重くて、とっても悲しいことの筈なのに、それを気にしないその様子がボクはとっても羨ましく思えました。

 それはきっと、この方の強さであり、そして気にならないほどの何かを手に入れたからなのかもしれません。

リンガー「……強いんですね、鎌足さんは」

零「色んな事があったからな。そして、今はお前が強くなる番だ」

リンガー「強くなる番、ですか?」

 そんな簡単に強くなれるのなら、なりたいです。だけど……

零「踏み出す事は、進むことだ。足を止めるな、前を見続けろ。過去はお前を縛り付けるし、時間は絶対に止まらない。お前が強くなりたい、強くありたいと願うならば、お前はお前の思いから目を背けるな。……良いか、体の強さや頑丈さは関係ない。本当に強い奴ってのは、心が強い奴だ」

リンガー「……鎌足さん」

零「願え、渇望しろ。それがお前を強くする。諦めるな、思いを抱き続けろ。それがお前の強さになる。それを忘れるな、本当に強くなりたいならな」

 それが、本当に大切なことなんだと言うように。

 それが、鎌足さんが伝えたかったことなのだとボクは思います。

 本当の強さは、心の強さ、ですか。

※選択

1:それが出来れば、苦労はしませんよ
2:もしも、ボクにも出来るのなら……
3:とっても素敵な、言葉ですね
4:その他(セリフ明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 23:51:29.63 ID:QgU81Updo
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/26(土) 23:52:14.26 ID:4p//2rQu0
やって、、やってみせますです!!
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 23:52:56.59 ID:6LwOcL0Ho
2
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/26(土) 23:53:03.62 ID:twq1vV+Ko
2
477 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 00:17:05.33 ID:ceV0YExlo

>>473 選択:3

 それは、ボクの中で大きく響きます。

 憧れ、憧憬、ボクはさいきょーの妖精を目指したのだから、変わりたいと思っていました。

 前へと進む勇気を持って、痛みも、苦しいのも、死ぬことも、受け入れていこうと。

 弱いボクから、強いボクへ。

 ゆっくりでも、少しずつでも、みんなよりも遅くても、確実に進もう。

 そう思っていたのです。

リンガー「とっても素敵な、言葉ですね」

 だからこそ、ボクはその言葉を言ってくれた鎌足さんに、感謝の念を感じました。

 背中を押してくれている様で、ボクの願いが間違いではないのだと、肯定されている様な気がして。

零「殆どは受け売りだけどな。……俺にも、そう言ってくれた奴が居たのさ。気に入らねえが、そのおかげで今、俺はこうして居られている」

 吐き捨てる様に、恥ずかしがる様に、認めたくなさそうに、鎌足さんは言います。

 その言葉の主は、きっととっても素敵で強い方なのでしょう。

 ボクはそう思って、微笑みました。

零「んで、答えを聞いていなかったな。リンガー・ローゼス。この幻想に走り給う小さき者よ。お前は藤原 妹紅と正面から対峙する気概はあるか?」

 その問いに、ボクは瞳を閉じて、自分の思いを反芻させます。

 今までボクは、散々逃げて来ました。受け入れず、傷付け、痛みから、苦しみから、自分だけが逃れ出る様にと。

 そんな自分を変えたいと願った。スターちゃんのこと、妹紅さんと輝夜さんのこと。泥のこと。

 恐怖に立ち向かう勇気が欲しい。怖いことに抗える、心が欲しい。

 その為の一歩を、踏み出すのが今ならば。

リンガー「ボクは逃げません。その為に出来ることを、やり切ることを誓うのです。ボクは、さいきょーの妖精になりたいと願ったのですから」

 妹紅さんを助けたい。一緒に、毎日を面白おかしく過ごして欲しい。そうやって、生を感じて欲しい。

 その願いに、嘘偽りなんてありません。

零「そうかい。良いな、お前。その思いを、忘れるなよ」

リンガー「はい!!」

 鎌足さんの言葉に、ボクは精一杯の真剣さで返しました。

 晴天の空に、燦々と太陽が世界を照らす季節。

 ここにボクは、やるべきことを、今するべきことを、心に決めたのでした。



478 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 00:21:28.38 ID:ceV0YExlo



零「あ、そういえば忘れてた。姫さんから預かってた三日後に迷いの竹林で戦うって果たし状渡しといたから、忘れんなよ」

リンガー「うぇえええええええええええええええええええええええ!?」

 なんか、勝手に色々されていました!

 せめて一言くらい、言って欲しいのです!!


※リンガーの精神があがりました
※鎌足 零は奔走している様です
※三日後に妹紅と決闘する様です

479 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 00:22:04.13 ID:ceV0YExlo

※今日はここまでで。お疲れ様でした

480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 00:22:31.83 ID:6X8H3m32O
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 00:22:58.55 ID:nhF7XUDDo
おつ
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 00:26:35.57 ID:UxkOQbX8o
おおつ
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 00:28:44.32 ID:qii/brVE0
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 00:34:35.91 ID:IYMBX3bm0

そろそろ、エンディングが見えて来たかな?

しかし、黄金の獣殿といい、ゆうかりんといい、リンガーくんの身近は物騒だなぁ……
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 02:23:54.39 ID:fissdOJwo
一番物騒なのはコンマ神ではなかろうか・・・
486 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 18:08:24.19 ID:ceV0YExlo

※18:30頃に再開します

487 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 18:57:03.22 ID:ceV0YExlo

※再開します。結局こんな時間という体たらく

 ―太陽の畑(夕方)―

 た、た、た、大変なことになったのです。

 妹紅さんとの戦いが、勝手に三日後になってしまっていたのです!

 こ、これは一大事なのです! 心の準備だって、仕掛けだって、まだ何もしていないのに!!

……まぁ、その日取りも何も決めていなかったボクの責任なのかもしれませんが。

 せめて、一言でもボクに言ってから決めて欲しかったのです。

リンガー「とは言え、そういう状況でも、ないのかもしれませんが」

 妹紅さんの歪みが、泥の影響が、ボクが浮ついている間に進まないとも限らない。

 そう思うと、輝夜さんの判断も、鎌足さんの行動も納得がいきます。

 つまりは、最大限の譲歩。三日というのが、限界の期日。

 それ以上は、待っていられないのでしょう。

 ……深く息を吸って、大きく吐き出します。

 夕暮れに染まる太陽の畑を眺めながら、ボクは自分の胸の前で右手の拳を握り締めました。

リンガー(やってやるです。ボクに出来る事なら、何でも)

 そうだ。そうする事をもう決めているのだから、ボクは迷う必要なんてない。

 背中を押され、肯定も貰えた。なら、この思いが正しいんだって、抱き続けて前に進むのです。

 さて、それはそうとしてこれからどうしましょうか。

※選択

1:竹林を探索するのです!
2:永遠亭に行くのです!
3:人間の里に行くのです!
4:た、太陽の畑に行くのですか?
5:霧の湖に行くのです!
6:妖怪の山に行くのです!
7:マヨヒガへ遊びに行くのです!
8:×
9仲間に誘いに行くのです!(判定あり)
10:泊まる場所を探すのです!
11:風に任せて行動するのです!
12:自由安価(内容明記)

※採用されたレスのコンマガ末尾0・ゾロ目の場合サブイベント

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/27(日) 18:57:46.95 ID:176z9li10
1
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 18:58:41.01 ID:Hmv9F/AfO
10
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 18:58:43.55 ID:C0f7PL1so

罠設置したい
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 19:09:43.75 ID:zNYxsYiSO
7
492 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 19:38:22.21 ID:ceV0YExlo

>>488 選択:1

 ―迷いの竹林(夕方)―

 鎌足さんから戦う場所は聞かせてもらっていました。

 迷いの竹林の、広場。そこはおそらく、妹紅さんと輝夜さんが以前、そしていつも殺し合いをしていた場所でしょう。

 そこへと足を踏み入れて、ボクは周囲を見渡します。

リンガー「……さて」

 脳内で、シミュレートを開始します。

 妹紅さんの身体能力は、普通の人間を凌駕しています。おそらく、気を抜いたら簡単に捕まってしまうでしょう。

 先んじて魔法陣を仕込んでおく? ダメです、多分簡単に壊されてしまう。それに、あれをするにはここは狭い。

 炸薬と罠を作って配置? ダメです、ここは燃える物が多すぎる。なにより、妹紅さんは火の扱いに長けています。簡単に無効化されるでしょう。

 種を蒔いておく? ダメです、植物は簡単に燃える。論外。

 単純な罠を使うにも、地面が裸になっています。隠すにしても、地面に埋めるタイプはほぼ意味を成さないでしょう。

 竹に設置? 武器の調達は出来るでしょうが、彼女の力があればダメージは期待出来ません。

 そもそも、腕や脚をもがれた所で気にしない方に、中途半端なことをしても無駄でしょう。力押しで突破される事は自明の理。

 だとすれば、出来ることは限られて来ます。ボクの全身全霊でもって、彼女を――

リンガー「……ううーん」

 しかし、そこまで持っていけるビジョンがまったく見えません。

 ここは、やはりえげつないくらいの罠を使うべきなのでしょうか。

 しかし、罠の分配とボクの判断が一瞬でも間違えれば、全ては水泡に帰してしまう。

 ……だけど、迷っている暇なんて、ボクには残されていないわけで。

 そんなことを悩んでいると――

※判定

5以上で誰かと会う 0・ゾロ目の場合妹紅(フラグ発生)

判定直後

 
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/27(日) 19:39:17.20 ID:176z9li10
a
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/27(日) 19:39:44.25 ID:176z9li10
……まじですか?
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 19:46:24.08 ID:TdYXCiaKo
コンマ神じゃ!
コンマ神の仕業じゃ!
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 20:08:29.78 ID:jvkzNf2TO
てゐにさえ……てゐにさえ会っていれば……!
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/27(日) 20:09:01.74 ID:NQGH61IO0
>>1脚本家、頭を抱える?
498 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 20:30:44.78 ID:ceV0YExlo

※アイエェェェェェエ!? またかよぉぉぉおおおお!!

※まぁ、丁度良いか……

>>493 コンマ:0(クリティカル) ※最終フラグ、立つ

「入念に下見とは、相変わらずの様で安心したわ」

 聞き覚えのありすぎる、今は絶対に聞きたくなかった方の声が、聞こえてきました。

 ボクはその場で固まって、竹林の奥から土を踏む音がする方を凝視します。

 夕暮れの、影の濃くなったそこから現れたのは――

リンガー「妹紅、さん……」

妹紅「そう固まってくれるなよ、ローゼス」

 藤原 妹紅さん。ボクが、三日後ここで戦う相手でした。

 サスペンダーで吊った指貫袴に似たズボンのポケットに両手を入れ、彼女は妖しく笑みを浮かべます。

妹紅「まさか、果たし状を渡されたその日から私への罠を準備しようとしているだなんて、お前らしいな」

リンガー「……ボクは、ボクが出来る力でもってあなたと戦う準備をしているだけです。どうか、邪魔をしないでください」

妹紅「ああ、冷たいな。冷たくて、心地いい。……ふふ、その努力に好意を覚えるわね」

 本当はそんな事を言いたくはないのに、彼女の雰囲気に飲まれない様にと、語気を強くしてしまいます。

 それを、妹紅さんは変わらず笑顔を浮かべながら更に表情を歪めます。

 背筋を走る、悪寒。かつて、何処かで感じた恐怖と悍ましさ。

 それを喚起させられそうで、ボクは一歩身を引きました。

妹紅「引かないで頂戴。……お前と戦える日が近いと思うと、どうも笑顔がこぼれてしまうんだ」

リンガー「……ボクは、本当はそんな事を、こんな事をしたくありません」

 戦う事は、傷付ける事。戦う事は、傷付けられる事。

 その為に準備をしているボク、前提にしているボク。

 本当なら、こんな事をしたいなんて、思わない。

リンガー「でも、それをしなければならない。ねぇ、妹紅さん。本当に貴女は望むのですか? 殺し合いを」

妹紅「ああ、しなければならないんだ。私はそれを望んでいるし、願う。互いに死なない身だ、思う存分、時間を掛けてやろうじゃないか」

 満面の笑みで、満開の笑顔で、歪に笑う妹紅さん。

妹紅「私はずっと悩んでいた。私はずっと、考えていたんだ。そうだ、答えなんてものは簡単な事だった。だったら、お前と殺し合えば良いんだと私は気付いた」

リンガー「……それが、妹紅さんにとっての、新しく見つけた面白い遊びなのですね」

妹紅「そうさ。そして、それが間違っているって言うなら私に勝ってみせなさい。ここに罠を張り巡らそうと、誰かの助力を借りても構わない。仲間が居るんでしょう? だったら、そいつらを押し退けて私はお前を殺そう」 

 飽く迄、標的はボクに定められている様です。

 素敵な笑顔のハズなのに、その表情は何処までも歪んでいる様に思えました。

リンガー「……妹紅さん」

 正直、逃げ出したかった。ボクは彼女の前から、この場所から、勝負から。

 力の差は歴然。目の前に立って、それが尚更わかってしまう。

 そもそも、勝負になんてならない。ボクがすることは、勝負なんかじゃない。

 ボクは彼女の名前を呟くと、その後継いでこう言いました。

※選択

1:「あなたは後悔するのです。本気のボクを、相手取るということに」
2:「ボクはあなたに、勝ちます。そして、絶対に……」
3:「あなたを『止めます』。ボクが、この手で」
4:台詞自由安価

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 20:33:06.98 ID:zNYxsYiSO
2
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 20:33:07.79 ID:POrJgw8lo
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/27(日) 20:34:23.68 ID:176z9li10
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 20:34:42.70 ID:QF7E2BPco
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 20:38:41.35 ID:l9soWFhHo
おしい
504 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 21:02:43.89 ID:ceV0YExlo

※満場一致じゃねぇか!

>>499 選択:2

リンガー「ボクはあなたに、勝ちます。そして、絶対に……」

 そうだ、ボクは決めた。ボクはもう、誓ったのです。

 この方を救うと。この方を、助けると。

 そして、一緒に毎日を面白おかしく過ごして貰うんだって。

 殺し合い以外の、楽しいことに生を感じて貰うんだって。

リンガー「絶対に、負けませんっ!!」

 力を込めて、喉から精一杯の声を張り上げて、そう宣言します。

 ボクは引かない。ボクはもう、後退しない。

 戻ったら、今までボクは何をしていたのかわからなくなる。

 これまでの努力を、ボクの仲間を、ボクの心を裏切る事になる。

 そんなの、絶対に認めません。前に進むと決めたから、ボクは取り残されたくないから。

 前に、ただ、がむしゃらに。

妹紅「……なら、楽しみにしているわね」

 キッとした表情で妹紅さんを見やれば、彼女は少し間を置いてから呟きます。

 笑みが崩れて、何か引っかかる様な表情で。

 恨むような、憎むような、そんな表情で。

 妹紅さんは、そのまま踵を返すとこの場から去っていきます。

 何も語らず、いつものような挨拶も交わさず、ただ足音だけ鳴らして、竹林へと消えていきます。

 ……ここまで啖呵を切ったのです。

 なら、とことんまでやってみせましょう。

 それが、勝利へと、未来へと繋がる事を、今はただ信じて。

※妹紅の好感度がぐぐっと上がりましたが、何か妹紅は気に食わない様です
※シナリオフラグが立ち終わりました。これより、本編シナリオに移行します

505 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 21:05:24.91 ID:ceV0YExlo


※現在公開可能な情報

名前:リンガー・ローゼス
読み:りんがー・ろーぜす
能力:地に落とす程度の能力
種族:妖精
危険度:低
人間友好度:?
身体能力【2】:妖精の中でも体が弱い様です
精神【7】:前に進み出る勇気を、少しだけ得ました
頭脳【8】:妖精の中では頭が良いようです
潜在能力【5】:普通です
幻想郷縁起
なし

持ち物

なし

特殊設定

妖精好き
あなたは同族である妖精が大切。故に、積極的に友好を深めようとするだろう。
効果:指定した種族の場合、戦闘判定に−1 友好判定に+1

チャンスメイカー
あなたはどんなチャンスでもうみ出し掴み取る。
だが、掴むまで貴方にとって吉か凶かはわからない。
効果:イベント中、もしくは戦闘中にファンブルが出た際、もう一度だけ判定を行う。戦闘時は一回のみ発動出来る。

現在の仲間
蓬莱山 輝夜
チルノ 大妖精
スターサファイア
ルナチャイルド サニーミルク
秦 こころ リグル・ナイトバグ

現在行ける場所

迷いの竹林
人間の里
霧の湖
妖怪の山
太陽の畑
マヨヒガ

レベル 3/4
レベルアップまで「5/10」

シナリオイベント開始

相関図
『妖精』
チルノ:やっと見つけたわよこのすっとこどっこいしょーッ!!【仲間】
大妖精:心配したんだから、リンガー君【親友】
ルナチャイルド:あんたもあたしたちと暮らせば良いのに【仲間】
サニーミルク:ルナほどじゃないけど、あたしもあんたの心配してたからね【親友】
スターサファイア:守ってね、リンガー【恋慕】
『迷いの竹林』
リグル・ナイトバグ:心配だなぁ。無茶しないようにね【仲間】
『人間の里』
秦 こころ:君は強く、可愛く、面白い子で仲間だZE【仲間】
本居 小鈴:何時でも遊びにおいで。わからない文字とかあったら教えてあげるから【顧客】
『永遠亭』
蓬莱山 輝夜:最高に面白い妖精君。あなたなら、きっと――【仲間】
八意 永琳:悪戯さえしなければ、良い子よね【知り合い】(2)
鈴仙・優曇華院・イナバ:師匠の誤解は解かないの?【知り合い】
『守谷神社』
東風谷 早苗:悪い妖怪なんかに騙されてはいけません! 保護しなければ!!【保護欲】
『英雄伝』
藤原 妹紅:お前はなんで、そんなに――!!【???】
博麗 霊夢:狡賢い妖精は面倒以外の何でもないわ【嫌悪】
八雲 紫:小さな光を感じる……【安堵】
『妖怪の山』
姫海棠 はたて:ななな、ナニコレ可愛いぃい!【愛玩】
犬走 椛:もう、本当に可愛いなぁリンガー君は【愛玩】
『太陽の畑』
風見 幽香:愛する為に、まずは壊そう。それが、私の愛の形【愛】※歪
506 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 21:14:27.29 ID:ceV0YExlo

※アンケート

 外幕を挟みますか?(零くんの奔走の一部)ここで見なくても、その内公開します

↓3までで多い方

507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 21:16:23.11 ID:j7taFZuzO
挟まない
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 21:17:46.91 ID:POrJgw8lo
NO
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 21:18:18.14 ID:qii/brVE0
欲しい
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 21:20:05.32 ID:qii/brVE0
まあそのうち見れるならいいか
511 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 21:38:55.92 ID:ceV0YExlo

※外伝的なものはちょこちょこと書き溜めしてあったり。それと零くんめっちゃ使いやすいねん

※では、本編シナリオを開始します



 それからは、本気の工作活動をしました。

 頭の中で限界まで戦略と戦術のシミュレーションをして、ボクが考えられる最高の罠配置、さらにその罠の種類を必死に地面に書き込みました。

 しかし、それでも勝率はきっと、五分を切ります。いえ、それ以上を切るでしょう。

 ボクは、妹紅さんの本気を見たことがないから。ボクの中にあるデータは、輝夜さんとの殺し合いを見学を見せられた時と、見聞した事のみ。

 幾つかスペルカードについての情報もありますが、それでも今の妹紅さんに当て嵌めるのは危険なのです。

 それを踏まえ、最悪のパターン何個も算出し、それに陥った場合の解決法を自分の中で構築して、

リンガー「……ああ、もう。これもきっとダメなのです」

 煮詰まってしまいました。

 玉の汗が頬を伝って、それを袖で拭います。

 弱いからこその行動復習。弱いからこそ、出来ることを全て出し切る。

 そう思っても、やはり勝利には程遠く。

リンガー(……弱気になっても仕方ありませんが、真面目に考えるとやっぱり負ける未来しか見えないのです)

 前に踏み出しても、歩いても、そこへとたどり着くにはまだまだ遠く思えてしまって、ボクは深く溜め息を吐きました。

 絶対に勝つと宣言した手前ですが、それでもそれがどれだけ無謀なのか、ボクは知っています。

 それ故に、質が悪いのです。出てくる結果の数々が、ボクの気持ちを削っていってしまうから。

リンガー「……もう、夜なのです」

 地面に寝っ転がって、空を見上げれば満点の星空が広がっていました。

 夜の帳に、穿たれた輝く白。

 その中でも一際大きく、丸い星に手を伸ばします。

 月を握るように手のひらを動かして、空を切る。

 届かそうと思っても、決して届かない。今のボクにはぴったりな行動だ、なんて自嘲します。

 そんな風にしていれば、現れるのは一つの影。

 それがボクを見下ろして、薄く微笑みます。

輝夜「何をしているの、ローゼス」

リンガー「輝夜さん……」

 蓬莱山 輝夜さん。ボクの仲間にして、妹紅さんと殺し合いをする仲であり、決して死ぬことのない蓬莱人。

 その方が、ボクの目の前に居ました。

512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 21:38:57.14 ID:l9soWFhHo
正直本編中は横道それないでほしい
513 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 22:04:04.52 ID:ceV0YExlo

>>512
※まぁ、本編への関係の有無にしてみれば、有るようで無い感じですからねぇ。近い内に公開しましょうか


 ―永遠亭・客間(深夜)―

 その後、ボクは輝夜さんに連れられて永遠亭へとやって来ました。

 というよりも、強制連行された、と言った方が正しいでしょう。

 まぁ、あのままあの場所に留まっているのは危険でしたし、それは良いとして。

輝夜「随分と、思い詰めているみたいね」

 目の前に座る輝夜さんが、心配そうに聞いて来ます。

 ボクはそれに頷くと、輝夜さんは困った様な表情を浮かべました。

輝夜「一人で抱え込もうとしてないかしら」

リンガー「……そういう風に、見えました?」

輝夜「ええ、そして焦っている様にも見えたわ」

 ふぅ、と。言葉を出し切ってから、輝夜さんは呆れた様な溜め息を吐きます。

 焦っている、ですか。

 多分それは、間違っていないのです。

 ボクは妹紅さんに勝たなければならない。その為の努力をして来て、その上で全てを出し切ろうとした。

 だけど、その作戦も完全なものに仕上げる事が出来ない。

 妹紅さんとボクの力の差を感じてしまって、どうにも勝利する風景が思い浮かばない。

 だからこそ、焦る。

輝夜「焦った所で、何の意味もないわよ。少し、落ち着きなさいな」

リンガー「ですがっ」

 三日後には、妹紅さんとの戦いがある。

 たかが三日、されど三日。遠い様で、とっても短い三日という時間。

リンガー「落ち着いて、何か思い浮けべられるならそうしています。ですけど、そんな暇なんてボクには無いのです」

輝夜「前にも言ったでしょう。私も手伝うって」

リンガー「ええ、確かに聞きました。ですが、それは最後の手段にしたいのです」

 出来るだけ、ボクは自分の力で妹紅さんに認めてもらいたい。勝ちたい。負けたくない。

 そう思ったのは、ボクのわがままでしょう。

 ですが、

リンガー「……妹紅さんは、ボクを標的にしているのですから」

 彼女がボクとの殺し合いを望んでいるなら、その誘いに乗ってボク自身の力で打ち砕きたい。

 妹紅さんとは、元々いつか戦うことになっていました。

 それが、妹紅さんがボクの仲間になる条件だったから。

 だったら、その約束も果たしたい。果たして、彼女を仲間に迎え入れたい。

 その為に、彼女を転ばせないといけない。足をこちらへと引かなければならない。

リンガー「……手出し無用、とは言いません。寧ろ、言えません。ボクは、ボクの弱さを知っているのです」

 一人では、絶対に勝てない事も悟っている。

 だからこそ、ボクは天秤に掛けなければならない。

 それが、ボクを悩ませるのです。

514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 22:12:37.52 ID:SPAPMjITo
まあスレ埋めのついでとか、1が更新はできないけど柿だめはできそうなときとかで
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/27(日) 22:13:30.64 ID:dm1Z8t6w0
おおやってるやってる
516 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 22:26:28.01 ID:ceV0YExlo
※そうですね。そうさせて頂きます

輝夜「あら、あなたの事だから私に傷ついて欲しくないとか、仲間を巻き込みたくないって言うかと思ったわ」

リンガー「頼らざるを得ない状況で、我を通すほどボクは馬鹿ではありませんよ」

 本心では嫌です。こんな事になっている事自体、ボクは認めたくない。

 だからこそ、最終手段だってボクは言ったのです。

輝夜「……じゃあ、あなたは馬鹿ね」

リンガー「なっ!」

 いきなりの事に、ボクは思わず声をあげました。

輝夜「だって、今がその頼らざるを得ない状況でしょうに。なのに、未だ私たちを頼ろうとしない」

――だから、あなたは馬鹿。

 告げる輝夜さんの表情は、呆れ半分怒り半分と言った感じでした。

輝夜「止めて頂戴な。仲間と言いつつ、それは嘘だっていうのかしら。正直、私だってあなたの事を本気で心配しているんだから」

リンガー「そんな、ボクはそんなつもりじゃ」

輝夜「あのね、私はあなたの仲間だし、友人よ。そして、妹紅の友人でもあると思っているわ。だからこそ、力添えをしたいって考えているのよ。それを無碍にする様な考えを持っているなら、あなたの行動は全て欺瞞よ。仲間に対する、冒涜よ」

 ボクはその言葉に、口を閉ざします。

輝夜「……男の子としての矜持もあるでしょう。妹紅に自分の力を認めてもらいたいのもわかるわ。あなたは弱かった。だけど、あなたは変わり始めた。それを見てもらいたいっていうのは、ええ、良い事でしょうね。でも、それは所詮、独り善がり」

リンガー「だったら……! だったら、ボクはどうすれば良いんですか!!」

 逃げない、目を背けない、抗い、突き進む。

 殻を破りたい、弱いボクの心を、強くしたい。それはボクの為でもあるけど、みんなの為になると思うから。

 迷惑なんて、もう掛けたくないから。だからこそ、出来ることをしていこうと思って、行動していたのです。

リンガー「ボクは、どうすれば良いんですか……!」

 だけど、結局それが独善だって、言うのならば。

 ボクは、どうしたら良いのかわからなくなって涙を溢れさせました。

輝夜「……頼りなさいな」

 そんなボクを、輝夜さんは優しく抱きしめます。

517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/27(日) 22:38:13.02 ID:l9soWFhHo
今でも十分頼ってね?
518 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 22:57:34.44 ID:ceV0YExlo

輝夜「弱い事は罪じゃないわ。頼る事も、悪い事じゃない。逃げるのも、目を背けるのも、閉じ込もるのも、振り返るのも、誰もが思っている事よ」

 柔らかい口調で、諭す様に、ゆっくりと背中を撫でながら輝夜さんは語ります。

輝夜「怖いのは嫌だ、痛いのは嫌だ、辛いのは嫌だ。そんなの、誰だって嫌な事よ」

リンガー「輝夜、さん。だけど、ボクは」

輝夜「悲しいのも、寂しいのも、苦しいのも、虚しいのも。……それらに抗う勇気を持ち始めたのよ、あなたは。壁を壊そうと努力して、本当の強さを身に着けようとしている」

 本当の、強さ。その単語に、ボクは体を震わせます。

輝夜「それでもあなたは成長途中の雛鳥なの。あなただけで越えられない壁が目の前に現れた。それが、今」

 ボクから離れて、目線を合わせて、輝夜さんは真剣な表情で語ります。

輝夜「だったら、一人で超えようとしないで、私を頼りなさい。思う存分、仲間を頼りなさい。あなたにはそういう存在がいる。支えてくれる、心配してくれる、協力してくれる、仲間が居る筈よ」

リンガー「……良いのですか?」

輝夜「構わないわ。元々、そのつもりだったのだから。私で駄目なら、他の仲間にも話してみなさい。あなたが思う、頼りになる存在や大切な人に、手伝って欲しいって言えば良いの」

リンガー「ボクは……今まで以上、頼っても良いのですか?」

輝夜「ええ、思う存分って言ったでしょう? 別に全てを託すわけじゃない。ローゼスが出来る事の、考えている事の手伝いをするだけなのだから」

 

 

519 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 23:19:33.65 ID:ceV0YExlo

 輝夜さんの言葉を、ボクは噛み締めます。

 ボクの出来る事の、考えている事のお手伝いをしてもらう。それをしてくれる、仲間がボクには居る筈だと。

 瞼の裏に浮かぶのは、数人の姿。それから、仲間になってくれた方達の笑顔。

リンガー「……そう、でしたね」

 ボクは独りじゃない。ボクには仲間が居て、その面々と一緒に毎日を面白おかしく過ごしたいと願っている。

 そこに、妹紅さんも居て欲しいと願った。だから、ボクは独りで何とかしようなんて、思い上がっていたのです。

 寧ろ、『最終手段』などとボクは言いました。ボクは仲間のことを、頼ることを手段だと。

 ……違いますよね。それは、仲間に使って良い言葉じゃないのです。

 馬鹿です、本当に、馬鹿。

 こんな事では、皆さんに顔向け出来ません。ボクは何の為に、仲間を集めていたのやら。

リンガー「輝夜さん、お願いがあるのです。良いですか?」

 そうだ、ボクは皆と一緒に毎日を面白おかしく過ごしたいって思って、組織を作ろうと思ったんだ。

 だからこそ、ボクはその通りに動かないと。

 改めて、もう一度。心機一転、原点回帰。

輝夜「何かしら?」

 そうして、ボクは輝夜さんに耳打ちをします。

 すると輝夜さんは目を丸くして、すぐにニヤリと笑います。

輝夜「いや〜、ローゼス。貴方も中々抉いことを考えるわねぇ」

リンガー「ふふ、そうですかね。でも、妖精って元々結構悪質な悪戯もしますから」

輝夜「良いわね、それ採用。それじゃあ、明日から準備に入りましょうか」

リンガー「はい、よろしくお願いします!!」

 今泣いた鳥がもう笑う。

 ボクはさっきまでの悩みなんて知らないくらいに、輝夜さんにそんなお願いをしました。

 せっかくです。ボクはみんなにお願いして、今回の協力をしてもらおう。そう考えました。

 そうです、妹紅さんには悪いですが――

リンガー「組織の第一被害者になってもらいましょうか」

 そう呟いて、ボクと輝夜さんはニヤリと笑って顔を合わせたのでした。
520 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/27(日) 23:46:53.03 ID:ceV0YExlo

 十五日目

 ―永遠亭・倉庫(昼)―

 朝の時間を全部使って、ボクは仲間のみんなと、幽香さんを永遠亭にお呼びしました。

 昨日輝夜さんに話したのは、組織としてみんなで『盛大な悪戯』を妹紅さんにすること。

 最初の目的である、組織のみんなと一緒に面白おかしく毎日を過ごす。

 その一歩を、踏み出すことにしたのです。

 そして今、朝の内に半ば工房と化した大きな倉にボクたちは居ました。

こころ「へーい、妖精諸君、元気してるかなー?」

妖精’s「「いえー!」

こころ「よっしゃー、リンガーくん主催の組織談義を始めるぞー」

妖精’s「ふー!!」

 こころちゃんの掛け声に、妖精のみんながノリノリで答えます。

 無論、ボクもそこに混ざっているのです。

リグル「……何これ」

輝夜「へぇ、ローゼスの交友関係は広いと思っていたけれど、まさか貴女まで来るなんて思っていなかったわ」

幽香「……別に、ボク君がどうしてもって言うから来たのよ。特別ゲスト扱いらしいわ」

リグル「幽香さんも、リンガー君には弱いんですね」

幽香「あら、無碍にするのも可哀想だって思っただけよ。一応、お気に入りだから。というより、リグル。それってどういう意味かしら?」

リグル「え、えーっと、ほら。……あ、リンガー君が来ますよ!」

 ふぅ、こころちゃんは相変わらずポーカーフェイスだけど、妖精のみんなと仲良く出来そうでなによりです。

 そんなことを考えながら、奥の方に居るお三方の近くに寄れば、何やら不穏な空気が立ちこめていました。

幽香「リグルゥ? 後で洗いざらい吐いてもらうから覚悟しなさい?」

リグル「ヒィッ!?」

リンガー「……何があったんですか?」

輝夜「さて、あの蛍が勝手に自滅したんじゃないかしら」

 ……仲良しなのですかね?

リンガー「あ、幽香さん。この度はご協力の承諾、ありがとござます」

幽香「ええ、ボク君。お招きしてくれてありがとう。これがあなたの言っていた夢のカケラなのかしら」

リンガー「はい! まだまだ仲間を増やして、最後には幻想郷の皆さんと笑顔でにぱー! なのです!」

幽香「あら、そんな大層な話だったの。今回は、別みたいだけれど」

 幽香さんの言葉に、ボクは顔を引きつらせます。

 うう、流石に幽香さんは鋭いのです。

リンガー「ええ、まぁ。でも、みんなでこうやって集まった事はありませんでしたし、お願いして協力してもらっていますので」

輝夜「……全部話したのかしら」

リンガー「はい、事情も、ボクの思いも。……それでも、みんな来てくださいました。嬉しくて涙が出そうです」

 良い友達を、仲間を持った。危険を承知で、みんな来てくれたのです。

 それが、嬉しくないわけがありません。

521 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/28(月) 00:10:43.30 ID:XUNTlIvyo

※今日はここまでで。眠気がピークなんで、もう寝ます

※うーん、この。何だかグダグダしてきちゃって、申し訳ない。精進します

※これから数回交流を行って、妹紅戦です。物語も終盤に差し掛かってまいりました。

※では、お疲れ様です
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2014/07/28(月) 00:14:02.63 ID:esyHZYCOO
参加できなかった・・・。


乙です!
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/28(月) 00:14:24.35 ID:KwkOg+tuo
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/28(月) 00:23:46.44 ID:8vykNpPU0
乙でーす
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/28(月) 01:13:55.87 ID:zXdL0gayo

組織の名前ないと不便だ
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/28(月) 23:26:43.67 ID:Lq1MTGvF0
多分、組織名付けるとしたら黄金とか付くと思う
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/28(月) 23:26:43.67 ID:Lq1MTGvF0
多分、組織名付けるとしたら黄金とか付くと思う
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/28(月) 23:32:17.87 ID:Lq1MTGvF0
連投スマソ
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 00:55:41.81 ID:QDueufgpO
どっちにしろ、sageようね
530 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/29(火) 23:01:19.11 ID:9VnKhE/po

※組織の名前? 名前かぁ。最後に募って安価ですかねー

※人いらっしゃったら再開しようかと思います
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:04:43.38 ID:C3ZrIil00
待ってた
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:05:04.39 ID:JUepCnQqO
おるよ
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:05:09.87 ID:C3ZrIil00
待ってた
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:08:21.39 ID:YrWXHkjeo
ヤー
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:13:32.68 ID:6lK/PGIho
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:20:16.69 ID:ZQOVaK8po
組織の名前は>>1のセンスで決めて欲しいところ
537 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/29(火) 23:22:47.71 ID:9VnKhE/po
※再開しまーす



 みんなに指示を出して、罠に必要なものを作ります。

 輝夜さんが手空きの兎さん達を集めて手伝せてくださっているので、作業効率は抜群なのです。

 今回は死ぬ可能性を抜きにした、本物のトラップ地獄を考えました。

 そして、囮役はボク自身。これは他の誰にも譲れない役割であり、ボクの本気を示す為に必要な事なのです。

 妹紅さんは、ボクとの戦いを望んでいる。

 だったら、こうするのが筋というものです。

リンガー「さーって、皆さん。そろそろ良い時間なので休憩にしましょー!」

 何時間か作業をして、外がもう夕暮れになっていたので休憩を挟む事にしました。

 みんなが返事を返してくれて、各々自由に動き始めます。

 誰かとお話出来そうです。それか、何かすることはあったかな?

※選択

1:三月精、もしくはその中の誰かと話す
2:チル大、もしくはその中の片方と話す
3:こころと話す
4:輝夜と話す
5:幽香と話す
6:その他(内容明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:24:09.39 ID:T5Fb09Pao
A
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:24:20.31 ID:Wfj25+XUo
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/29(火) 23:25:24.47 ID:9Wnta9Kh0
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:25:45.97 ID:C3ZrIil00
6
1 2
妖精sで
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:25:52.31 ID:7p4kDI4ho
3
543 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/29(火) 23:54:20.66 ID:9VnKhE/po

>>541 選択:6 妖精’s

※向こうの作者へ。褒めても何も出ません。最初から楽しませてもらっています



サニー「だーからー、こっちの方が上手く出来てるに決まってるでしょ!」

チルノ「違うね! あたい達が作った罠の方が上手く出来てるわ!」

 一息吐いて、兎さんが用意してくださったお茶を飲んでいたらサニーちゃんとチルノちゃんの言い争っている声が聞こえてきました。

 何があったのか見にいくと、ルナちゃんと大ちゃんが仲裁に入っていきます。

ルナ「ちょっと、リンガーの指示通り作ってるだから優劣なんて競っても仕方ないでしょ」

大妖精「そうだよサニーちゃん、チルノちゃん。喧嘩しないで一緒に頑張ろうよ、ね? ね?」

 宥める様に、サニーちゃんをルナちゃんが。

 諭す様に、チルノちゃんを大ちゃんが語りかけます。

 まったく、相変わらず犬猿の仲みたいですね……。

 よく一緒に遊ぶのに、なんでぶつかり合うのでしょうか。

スター「じゃあ、そのリンガーにどっちが上手く出来ているか決めてもらいましょう? 丁度そこに居るみたいだし」

リンガー「うぇっ!?」

 嘆息を吐いていると、傍観していたのでしょう少し離れた場所からにっこりと笑うスターちゃんがそう言いました。

 それでみんなの視線が、ボクに注がれます。

サニー「ちょっとリンガー、見なさいこの私が作った『刺付き盥落とし三号』を!」

チルノ「ふーん、所詮は盥落としじゃない! このあたいが作った『どんどこおちるの・すぺしゃる』の方がさいきょうーに決まってるじゃない!」

 見せられたのは、名前通り底にたくさんの刺が着いている盥と、麻袋にぎっしりと形容し難い何かが詰まったものでした。

 ……お二人には、というか妖精のみんなには単純なブービートラップを作ってもらっていたんですけどね。

 というか、ボクが指定したものじゃなくなってますし。うわ、盥には丁寧に顔の落書きまでしてあります。ちょっと可愛いのです。

 ちなみに、( ・`ヮ・´)←こんな感じなのです。

ルナ「……なんでそうなってるのかしら」

大妖精「きゃあっ!? 何か動いてるよ!?」

スター「うふふ」

 呆れるルナちゃん、驚く大ちゃん、笑うスターちゃん。

 ……なんだか、いつもどおりのほんわかですねぇ。

サニー「それで!」

チルノ「どっちが!」

サニー・チルノ「上手く出来てるの!?」

 で、結局聞かれるのはボクなんですねー。

※選択

1:チルノちゃん
2:サニーちゃん
3:いえ、ちゃんと指示どおり作ってくださいよ……
4:その他(内容明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:55:30.05 ID:Wfj25+XUo
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:56:32.86 ID:T5Fb09Pao
ボク、なんちゃって
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/29(火) 23:57:44.73 ID:9Wnta9Kh0
1
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/29(火) 23:58:13.26 ID:Na4NYuUCo
548 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 00:20:49.30 ID:7YdmtbWvo

>>545 選択:4 その他

リンガー「ボクなのです!」

 そこで、ボクは指示を出している合間に作ったブービートラップを見せました。

 竹を斜めに切り、先端が鋭利になったものを幾つも束ねた単純なものです。

 設置場所としては、竹と竹の間の高い位置に仕掛けるべきでしょう。

 透明なワイヤーを用いて起動させ、引っ掛かった後に散弾の様に空中で分散しながら落下する、そんな罠なのです。

 これは単一で使うと効果は見込めませんが、複数同時起動するようにすれば面攻撃として機能しまう。

 空を飛べる、ボクたちならではのブービートラップなのです。

サニー「……いや、うん。リンガーが出てきたら、私達の誰も勝てなくない?」

チルノ「すっげー! リンガーってば、相変わらずすっごいもの作るのね!!」

リンガー「ブービートラップ、というよりもパンジステーク、みたいなものですが」

 冷静なツッコミを入れるサニーちゃん、素直に感激してくれるチルノちゃん。そして説明を続けるボク。

 ……なんちゃって、って言うタイミングがなくなってしまったのです!!

ルナ「あはは、それはそうよ、あのリンガーに発想で私達が勝てるわけないでしょ? 面白部門なら別だけど」

大妖精「それにしても、あのリンガー君が二人を押し退けて自分を推すなんて。あは、頼もしくなったね」

スター「ふふふ、リンガーは強くなったのよ。だって、彼は……」

ルナ「彼は?」

スター「ううん、何でもない。……ね、リンガー」

 それから、ボクたちは罠について楽しく話し合いました。

 本当は、もっと平和で害のない罠が良いんですがそうも言ってられません。

 本気の罠。殺す為の、罠。妹紅さんが、認めてくれる様にする為の罠。

 いつかみんなで、こうやってまた集まって、楽しく企画の準備が出来たら良いな、なんて。

 ボクは、妖精のみんなと笑いながら思ったのでした。

※妖精’sの好感度があがりました
※トラップの準備は着々と進んでいます

549 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 00:23:45.31 ID:7YdmtbWvo

※判定

5以下で……

判定直後
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:24:05.54 ID:HlLmZc/ao
めぎら
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:24:15.84 ID:exw8+BSDo
ピィ?
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:24:19.90 ID:AvUcVnUUo
553 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 00:30:02.02 ID:7YdmtbWvo

>>550 コンマ:4 進行

 ◇

 暗闇の中で、笑う少女。

 楽しい事があと数日で迎えられる。

 面白い事があと数日で出来る。

 あの妖精を、あの少年を■■■が出来る。

 この辛抱ももうすぐだ。しかし、少女は思う。

 このままでは、何とも演出に欠けると。

 そう思うと、何か彼を迎えるべきそれをしておくべきではないのかと考え始める。

 そう、苛烈で、派手で、とても面白おかしい、演出をしよう。

 彼が、そうすることを望んでいる様に。

 少女はそう思いながら、独り暗闇の中で歪な笑顔を浮かべた。

554 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 00:37:01.74 ID:7YdmtbWvo

 十六日目

 ―永遠亭・倉庫―

 今日も張り切って作業しましょう!! というわけで、迎えたのはトラップ作り二日目。

 今日中には、もう罠は作り終える事が出来るペースなのです。

 作り終えたら、次は設置が待っています。

 実は作るよりも、設置の方が繊細で危険な一番気を付けなければいけない行程なのです。

 罠は発動し終えるまで、油断が出来ません!

リンガー「いやー、しかし月の技術って凄いですねぇ」

 みんなを集める前、輝夜さんに弱音を吐き出したあの日の後に見せてもらった月の技術の一部。

 それらは皆、この幻想郷にないものばかりで、それを罠に転用出来ないか色々と模索したものです。

 月の技術の一部は使っても大丈夫、と輝夜さんは言ってくれました。

 これのおかで、たくさん成功率が上がった罠もあります。

 さて、午前中から忙しなく動いた昼時。

 誰かとお話出来るかなー?

※選択

1:三月精、もしくはその中の誰かと話す
2:チル大、もしくはその中の片方と話す
3:こころと話す
4:輝夜と話す
5:幽香と話す
6:リグルと話す
7:その他(内容明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:37:59.60 ID:exw8+BSDo
E
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:38:10.15 ID:AvUcVnUUo
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 00:39:11.95 ID:fJxz1qW60
1
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:39:18.31 ID:HlLmZc/ao
3
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:39:25.94 ID:VtJBbRzVo
B
560 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 00:42:22.01 ID:7YdmtbWvo

>>557 選択:1

※誰と、もしくは全員と話す?

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:43:16.43 ID:exw8+BSDo
ルナ茶
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:43:59.76 ID:AvUcVnUUo
ルナ
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:44:36.25 ID:H7mmn+bp0
スター
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 00:45:40.01 ID:VtJBbRzVo
スター
565 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 01:20:37.07 ID:7YdmtbWvo

※ルナがヒロインレースに出馬する模様

>>562 選択:ルナ



ルナ「……平和なものね。これから、すっごく物騒なことをしようとしているのに」

リンガー「ルナちゃん?」

 はふぅ、と置いてあった木材の上で休憩していたら、ルナちゃんがそう言いつつ傍らに座ります。

ルナ「リンガーが命懸けでその妹紅って人と戦うのに。サニーとチルノは相変わらず陽気で楽観的だし、大ちゃんとスターは何も言わない。みんな、リンガーが勝つって信じて止まない感じ」

リンガー「ふふ、それは良い事なのです。……それに、ボクは勝ちますよ」

 勝たなければならない。その理由もあるのです。

ルナ「……逃げたいって、思わないの?」

リンガー「思いますよ。でも、必死に抗っているのです。それは弱い考えで、今一番したらいけない事ですから」

ルナ「あなたが一番嫌いな事が、あなたを訪れるかもしれないのに?」

リンガー「今は、良いのです。それも、受け入れる事にしましたから」

 妖精という種として、許された黄泉がえり。死ぬことは、一日を無駄にするだけの事。

 もちろん、それにかまかけて甘えるつもりも慣れるつもりもありません。

 だって、やっぱり嫌いな事ですから。

ルナ「……リンガーは、この二週間ですっかり変わったわね。はぁーあ、せっかく同じ所に立てたと思ってたのに」

リンガー「同じ所、ですか?」

 ルナちゃんの言葉に、ボクはオウム返しをして首を傾げました。

ルナ「そうよ、だってリンガーは今までとっても弱虫で、私達の誰より、下手をすれば一般の妖精よりも弱くって、諦めやすくて、足が遅くて、私よりも鈍臭かったのに。頭は昔から良かったけど」

リンガー「……そんな風に思われていたんですか。というか、鈍臭さはルナちゃんには言われたくありません」

 色々と、格下に見られていても仕方ないとは思っていましたがまさかそこまで言われるだなんて。

 ちょっと、ショックなのです……。

ルナ「でも、今は違うわ。だからそんなしょんぼりしないでよ。……あなたはもう弱虫じゃない。明らかに強い相手にも向かっていけるし、こうやってみんなをまとめている」

リンガー「ルナちゃん……?」

ルナ「ちょっと羨ましいのよ。あの、リンガー・ローゼスよ? 頭が良いだけで、積極的に弾幕ごっこも悪戯もしなかった弱虫リンガーが」

 弱虫リンガーって……。

ルナ「こんな風に、強い奴に向かっていこうとしているのよ。……だから、私はあなたが羨ましくて、ちょっと嫉妬してる」

 ルナちゃんはそう言ってから、少しだけ恥ずかしそうにしました。

ルナ「まぁ、こんな事をリンガーに言っても仕方ないわよね。私が勝手に羨ましがって、嫉妬しちゃってるなんて、馬鹿な話」

 誤魔化す様に苦笑して、ルナちゃんは天井を見上げながら遠い目をしました。

 その横顔を、ボクは惚けて眺めます。

 そんな事を思っていて、そんな事を考えていたなんて、ボクは知りませんでした。

 昔は馬鹿にされていたかもしれませんが、今はそうじゃない。

 それが、ちょっとくすぐったくて。そして、少しだけ申し訳なくて。

 ボクは、

※選択

1:「そんな事、ありませんよ。ルナちゃんはボクよりも凄いのです」
2:「ボクは、変わりたいと思いました。願いました。だけどそれは、ルナちゃん達が居たからなのですよ?」
3:「……ボクは、変わるきっかけを得ましたから」
4:その他(内容明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 01:22:09.71 ID:AvUcVnUUo
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 01:22:37.82 ID:exw8+BSDo
2
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 01:27:46.08 ID:L9jubMn9o
2
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 01:33:52.90 ID:VtJBbRzVo
2
570 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 01:55:03.86 ID:7YdmtbWvo

>>569 選択:2

リンガー「ボクは、変わりたいと思いました。願いました。だけどそれは、ルナちゃん達が居たからなのですよ?」

 そう言って、ゆっくりと瞼を閉じました。

 暗くなった視界に思い浮かぶのは、みんなの顔なのです。

 サニーちゃんは、いっつも無茶な提案をしますが、ボクはそれに応えたいと思っていました。

 ルナちゃんと本のお話をしたり、たまに苦いコーヒーを飲みながら難しい話をするのは、とっても楽しいと思っていました。

 スターちゃんと一緒に居ると落ち着きます。そして、『あの時』の贖罪をしたい。そして、笑っていて欲しい。

 チルノちゃんはとっても強くて、頼りになって、ボクの言うことをいっつも楽しそうに聞いてくれました。

 大ちゃんは優しくて、でも怒ると怖いのです。だけど、大ちゃんのおかげで助けられた事も多かったのです。

 そんなみんなと、面白おかしい毎日を過ごしたいと思いました。そして、いつかボクがみんなを守れるくらい、さいきょーの妖精になりたいと願いました。

ルナ「私達が、居たから?」

リンガー「みんな、ボクよりも強くて、凄いのです。だから、みんなみたいに成りたかったのです」

 そう、それが原初、それが原点。

 そして、その願いが広まって、今があるのです。

リンガー「……ボクは、勝ちます。勝たせてください。その為に、ルナちゃんの力も貸して欲しいのです」

 誰か一人でも欠けてはならない。誰か一人でも足りなくなってはいけない。

 みんなが居たから、ボクは強くなれる。

ルナ「やっぱり羨ましいわね。……だけど、嫉妬する気は失せたわ」

 微笑んで、ルナちゃんは右手で髪を浮かばせます。

ルナ「……あなたは、勇気があって良いわね」

リンガー「あはは、ボク自身はそうではありませんよ。……みんなが居るから、そうあれるだけなのです」

 そして、果たしたい目的もある。

 それがボクの背中を押してくれるから、抗える。

 それだけのお話なのですよ、ルナちゃん。

※ルナの好感度がグッとあがりました
※ルナの心象が ルナチャイルド:リンガーみたいに、私も勇気が持てれば【恋慕】 に変化しました
571 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 01:58:50.61 ID:7YdmtbWvo

※今日はここまでで。明日も出来ればやります

※あ、そうそう。リンガー君のお話が終わったらEXTRAステージに入ります。四人集合で、紫さんと一緒に戦ってもらう話を用意していますので、新キャラはちょっと遅れるかも

※これでヒロインレースは四人になりました

※では、お疲れ様です。また次回お会いしましょう
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 02:04:27.10 ID:exw8+BSDo
乙ー

ふと思ったけど、チルノがヒロインになってる安価スレ見たことないな・・・
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 02:24:48.85 ID:QxXBjffvo
4人って誰だ?
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 04:12:52.19 ID:a84jrDZAO
安藤さんからリンガーくんまでの歴代主人公と僕みたいなド凡人は考えてしまうけど
>>573兄貴ほどの賢者が疑問に思うと言うことは、きっとそうじゃない他の誰かなんだろうな
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 09:32:19.00 ID:QxXBjffvo
お前が何を言いたいのかよう分からんが、3人はコイツだろうという奴が浮かぶけど4人と言われるとしっくりくる候補が絞れなかったので>>1に明言してほしかっただけだ
何が気に障ったのか知らんが、不快にさせてスマナイ
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 10:04:41.85 ID:Vmq5XGkLO
extra4人とヒロインレース4人を勘違いしたのだろう
577 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 19:34:16.32 ID:7YdmtbWvo

※喧嘩、ダメ、絶対。大ちゃんに怒られます。

※EXTRAは歴代主人公’s+紫さまで、ヒロインはまぁ、ルナ含めた四人です。というか、よく会ってたり登場してたらそりゃあ好感度も上がるってもんよ。最初クリティカルだったら、それも当たり前でしょうけど。

※さて、人が居れば再開します
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 19:37:03.68 ID:cQWZNgaH0
はいな
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 19:42:40.38 ID:QFjO9QEH0
まってた
580 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 19:53:45.12 ID:7YdmtbWvo

※戦の準備じゃー! 再開するぜぃ

 ―迷いの竹林・戦闘予定地の広場―

 夕暮れが沈み行き、夜の帳が降り始めた頃。

 罠を作り終えたボクたちは、広場でその設置の完了も間近に迫っていました。

 やはり、人数が居ると楽で良いですねぇ。

 作業慣れしているボクたち妖精に、兎さん達。

 それに加えて、細かい事もテキパキとこなす幽香さんとリグルちゃん。

 こころちゃんと輝夜さんはそういうのが苦手だったみたいで、苦戦していたみたいですけれど……。

リンガー「設置、カモフラージュ、全員の無事を確認、っと」

 後は永遠亭に戻って、食事をした後にみんなの配置確認ですねぇ。

リンガー「兎さんたちも、お疲れ様でした。ここは危険なので、近寄らないよう他の方々にもお伝えください」

 ペコリ、と頭を下げて作業を手伝ってくれた永遠亭の兎さん達にそう言います。

 みんなにっこりと笑顔を浮かべ、わかったと言う様に頭を縦に振るとそのまま蜘蛛の子を散らす様に走り去って行きました。

 まぁ、どうせ永遠亭に帰るんでしょうけど……。

リンガー「ふぅ……。時間の流れは、楽しいとやっぱり早いですねぇ」

 ここまで来ました。明日には、妹紅さんへの盛大な悪戯を仕掛ける日なのです。

 準備万端、意気や良し。覚悟完了、当たって砕けろ、なのです。

 さて、一応念には念を入れて二回目の最終チェックをする前に、誰かとお話しましょうかね?

 それとも、まだやり残したことはあったかなぁ。

※選択

1:三月精、もしくはその中の誰かと話す
2:チル大、もしくはその中の片方と話す
3:こころと話す
4:輝夜と話す
5:幽香と話す
6:リグルと話す
7:その他(内容明記)

※採用されたレスのコンマが末尾0・ゾロ目の場合イベント発生

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 19:55:13.42 ID:cQWZNgaH0
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 19:56:32.33 ID:HlLmZc/ao
3
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 20:00:52.23 ID:QFjO9QEH0
3
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 20:01:01.00 ID:Ill5C3L/O
4
585 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 20:02:18.48 ID:7YdmtbWvo

>>584

※おい。……・おい(愕然)
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 20:02:27.58 ID:QFjO9QEH0
い つ も の
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 20:02:33.62 ID:cQWZNgaH0
久々に見たな
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 20:04:41.10 ID:w/wqbPNF0
コンマ神、またお前か
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 20:23:48.28 ID:nLut7pRSO
コンマ神「IDKwwwwww?」
590 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 20:26:21.51 ID:7YdmtbWvo

※なんだろう、なんでこうなるんだろう。イベントが更に加速していくんだけど、どうすれば良いんだろう

※ダブルクリティカルをここぞと出してくる演出の鏡。このスレはやっぱりおかしい

>>584 選択:4 コンマ:00(ダブルクリィカル)



 皆が先に永遠亭に帰って、すっかりと夜が訪れてしまった頃。

 最終確認を終えたボクがフラフラと竹林を飛んでいると、聞き覚えのある声がボクを呼んで、見覚えのある姿を見つけました。

輝夜「お疲れ様、ローゼス。どうかしら、不備はなかった?」

リンガー「大丈夫なのです、みんなが頑張ってくださったので、バッチリでした!」

 輝夜さんの労いの言葉と質問に、ボクはニカっと笑ってサムズアップを決めます。

輝夜「それは良かったわ。でも、少し慎重になりすぎじゃない?」

リンガー「いいえ、慎重に成らざるを得ませんよ。だって、明日は本番なのですから」

 神経質過ぎるくらいで丁度良い。それに、ボクの考えたボクの罠で、ボクが思案してボクが配置を指示したのです。

 それらがちゃんとしてあるか、その確認はとっても重要で、何度やっても損はないはずなのです。

輝夜「それで、危険な夜になるまで一人で居たら世話ないわよ」

リンガー「うっ……。そこを言われると、何も言い返せませんね」

輝夜「あの場所は鈴仙に明日まで続く結界を張らせたから、誤作動の心配はないわ。……だけど、あなたが危険な目に遭うのだけは、どうしようもないのよ」

リンガー「申し訳ないのです、ちょっと、時間を掛けすぎました」

輝夜「ま、そうならない様に私がここに戻ってきたわけだけど」

 薄く笑って、輝夜さんがボクの額にデコピンしてきます。

リンガー「あぅっ!?」

輝夜「あなたが考えた配置の確認も、みんなで済ませておいたわ。ローゼス、後は永遠亭に戻ってゆっくりと英気を養いなさい」

リンガー「あぅあぅ、でも、ボクは……」

輝夜「そこまで一人でやろうと思わなくても、自主的にやる者もいるのよ。……スターサファイアだったかしら。あの子からの提案よ」

 呆れた様に腕を組んで、輝夜さんは再確認の提案をスターちゃんがしてくれたことを聞かせてくれます。

輝夜「この二日、働きっ放しだったんだしせめて今夜だけはゆっくりしなさいな。……疲れが残ってて負けました、なんて笑いの種にもならないから」

リンガー「うぅ、輝夜さん……」

 確かに、そう言われてしまうとそうするべきなのかもしれません。

 作業、指示、思案、工作。全てが終わった今、あとはゆっくりと明日を迎えるのが良いのでしょう。

リンガー「わかりました。では、お言葉に甘えさせていただくのです」

輝夜「ええ、そうして頂戴な。ここでまだ文句言う様だったら、無理矢理寝かし付けていた所よ」

 うわぁ。それは、とっても嫌な事だなぁって。

 ボクは苦笑して、頬を引きつらせます。

591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 20:39:08.63 ID:a84jrDZAO
姫さまルート入ったらスター髪切りそう
592 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 20:43:38.34 ID:7YdmtbWvo

輝夜「あなたは鍵よ。……妹紅を元に戻し、この幕劇を実らせる、大事な鍵」

リンガー「そういえば、鎌足さんも言っていましたが『鍵』ってどういう意味なのですか?」

 そんな大それた役割が、果たして本当にボクにあるのだろうかと。

 ボクは首を傾げて、尋ねます。

輝夜「きっと、その内わかる時が来るわ。だから、その思いを、その願いを、その気持ちを、渇望と夢を忘れないでいなさい」

リンガー「……鎌足さんにも、おんなじことをこの前言われたのです」

輝夜「それがとっても大事な事なのよ。彼もかつて、あなたと同じ様な立場にあったのだから、多分言えずにいられなかったんじゃないかしら」

 あの、鎌足さんと?

輝夜「彼にも色々あった。そして、駆け抜けた。彼の幻想を、彼は己が願いと渇望を果たして駆け抜けた」

 その言葉で思い出すのは、鎌足さんが異端だったと語った事と、昔歪みを抱えていたという事。

輝夜「だから、あなたにも駆け抜けて欲しいのよ。……私は、それを願っている」

リンガー「輝夜さん……」

輝夜「勝手に期待を押し付ける様で悪いとは思うけど、あなたはそれが出来ると信じているわ。その為の仲間で、その為の私。きっと、妹紅を救える。救って、あの子も一緒に未来永劫面白おかしく過ごすのよ」

 夜空に君臨する月を凛々しい表情で眺めながら、輝夜さんは言い放ちます。

輝夜「そう、あなたの夢は最早、あなただけの夢ではない。私も、そして仲間達の中にだってそれを叶えられたらと願っている者も居る筈よ。……どうかそれを、忘れないで」

リンガー「……ボクの夢は、ボクだけのものじゃない」

 その言葉に湧き立つ思いは、どこか不思議なものでした。

 ボクが勝手にそうしたい、そうありたい、そうあれば良いと願った夢。それが、もうボクだけのものじゃない。

 それを、ボクは――

※選択

1:とっても嬉しく思って、瞳を強く閉じました
2:どこか恥ずかしくて、そしてくすぐったくて、温かいと思いました
3:申し訳なく思えて、だけどそれだけじゃなくて、何て言えば良いのかわかなくなってしまいました
4:その他(内容明記)

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 20:44:39.80 ID:DpuXgoY0o
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 20:46:45.27 ID:5lc5822VO
2
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 20:46:50.74 ID:XYpx6GYqO
3
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 20:47:46.09 ID:cQWZNgaH0
597 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 21:16:27.85 ID:7YdmtbWvo

>>593 選択:2

――どこか恥ずかしくて、そしてくすぐったくて、温かいと思いました。

リンガー「……だったら、尚更」

 額を指先でひっかきながら俯いて、口元のにやけを隠す様にしながらボクは呟きます。

リンガー「ボクは、この夢を叶えなければなりませんね!!」

 ボクだけのものじゃないのなら、ボクだけがそれを望んでいるわけじゃないのなら、みんなと一緒に、歩いて行こう。

 きっと、ボクは足が遅いから置いていかれるかもしれません。みんながどんどん前へと進んで行ってしまうかもしれません。

 それでも、必死に歩いて、踏みしめて、みんなと並んで歩けるように、その夢を見られる様に、そして叶えられる様に。

輝夜「そうね。その確固たる意思と、覚悟があればきっと大丈夫」

リンガー「……ふふ、改めてボクは思うのです。輝夜さんが仲間になってくれて、よかった」

輝夜「あら、どうしたのよいきなり」

リンガー「輝夜さんは凄い方なのです。思い出せば、輝夜さんのおかげで色んな事が出来ましたし、学ぶことが出来ました」

 ただ、それは輝夜さんだけに当て嵌る事ではありません。

 幽香さんには鍛えてもらって、こころちゃんとは弾幕ごっこをしたり。

 色んな事があって、今のボクがある。

輝夜「……そう。そう思ってくれるなら、とっても嬉しいわ」

リンガー「はい! それに、輝夜さんは一番最初に仲間になってくれた方ですから。感謝してもしきれませんよ」

 仲間を集めようと思って、だけど上手くいかなくって。妹紅さんの事情を聞いて、輝夜さんはその事に協力してくれて。

 そして、仲間になってくれました。それがなかったら、きっと今ボクは何をしていたかさえわかりません。

リンガー「だから、最初の目的を果たすのです」

輝夜「……ふふ、そういえば妹紅の事が始まりで、私は君に手を貸そうと思ったのよね」

 それが曲がり曲がって、そして今に至っている。

リンガー「数奇なものです。……だからこそ」

輝夜「ええ、頑張りなさい。死ぬ気で、勝ちなさい。妹紅は、あなたに救われるべきなのだから」

 ボクは強く、その言葉に頷きました。

 全ては明日。何が起こるかはわかりません。だけど、きっと。

 勝ってみせる。そう、ボクは心の中で誓うのでした。

598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 21:21:39.60 ID:O91HMKZ0o
>それが曲がり曲がって、そして今に至っている。
巡り巡って?
599 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 21:32:14.15 ID:7YdmtbWvo



 リンガーを永遠亭まで送って行って、私は日課の散歩をしていた。

 もちろん、あの広間には近づかない様にして月光を浴びながら私は歩く。

 何とも、ああ、何とも面白い。そしておかしい。こんなにも、幕劇の中でそう思えたのは始めてだった。

 私もこうやって肩入れした相手が何人居た。その全てが悉く失敗に終わり、それでも諦めないでみれば彼が来た。

 私の愛を求めた存在も数多く居たことだろう。この地上で語られる御伽噺を様な、それを思わせる様な出来事が何度あっただろうか。

 私は覚えている。彼らが居た事を。彼女達が居た事を。

 それはきっと、この幕劇を仕切る彼女達、そしてその中心に居る賢者だってそうだろう。

 この世界には決定的な終わりがある。永遠を生きる存在の私だけれど、その永遠を私は否定する。

 万物、森羅万象、この世のあらゆるもの全てに用意されている終わり。

 少しずつ、世界は変わっていく。物は変化していき、同じ流れなど何処にもなく、だからこそ私はそれに思いを馳せる。

 気持ちも、心も、神も、妖怪も、幽霊も、人間も、妖精も。

 それぞれにはそれぞれの変化があって、それぞれがそれぞれで終焉と再生を繰り返している。
                 メメント・モリ
輝夜「だからこその、“汝にこそ、死を思え”」

 この世界は止まらない。時間は絶対に繰り返せない。ここだからこそ許される。そして、命は消費されていく。

 妹紅を救えば、きっと彼を邪魔するものは無くなるだろう。そして、彼はその絆を紡いでいくのだ。

 ああ、なんと甘美。これまで望んだ、漸く迎えられる存在に私は素直に喜ぼう。

 そして、彼が誰を選ぶのだろうか。その思いだけが、少しの不安ではあるけれど。

輝夜「……ふふ、この私が、ねぇ」

 別にそういう趣味を持っていたわけじゃないのだけれど。きっと、彼は何人も魅了している筈だ。

 ホント、彼の様になって欲しくはなかったけれど。でもきっと、ローゼス自身に自覚はないのだろう。

 それが少しおかしくて、面白くて笑みを零す。

輝夜「本当に、君が現れてから退屈しないわ」

 そう呟いて、月を眺めた瞬間――

600 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 21:36:20.89 ID:7YdmtbWvo

>>598 ※あ……脳内補完お願いします



                       「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」

                          「六算祓えや、滅・滅・滅」

                               「亡・亡・亡」

601 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 21:37:22.58 ID:7YdmtbWvo




――その言葉が聞こえてきて、私の意識は刈り取られたのだった。



602 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 21:39:29.57 ID:7YdmtbWvo



※輝夜の好感度がぐっとあがりました
※輝夜が何者かに襲われました
※決戦の日です


603 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 21:40:29.95 ID:7YdmtbWvo

※非常にいいところですが、お腹が痛いのでちょっと休憩します。一時間後くらいに、出来ればそれより早く再開します。

※ちょっと休憩ということで
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 21:42:37.68 ID:QFjO9QEH0
マジか。腹痛は辛いからね

お大事に!
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/30(水) 21:57:39.62 ID:r1qMhmGu0
質悪いよね夏風邪は。
無理しないように
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/30(水) 22:07:28.19 ID:r1qMhmGu0
そういえば「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」ってなんか読んだことある気がする。
確か・・・密教秘法大全?だっけ
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 22:17:44.94 ID:NGPLRMGF0
薬師如来の真言だな
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/30(水) 22:20:16.12 ID:r1qMhmGu0
見つかった。本の中に毘沙門天の奴とかもあった
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/30(水) 22:33:48.56 ID:r1qMhmGu0
ちょいと訂正:密教秘法大全の中に印と真言という項目があってその中に書いてあった
610 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 22:36:19.49 ID:7YdmtbWvo

※とりあえず、復活。

>>608

※薬師如来の真言です。真言というのは、如来様とか梵天様とか、そういう仏様の呼び名の事だったかと。

※あと、出来れば読者の方は『sage』推奨されているので、メール欄にsageをした方がよろしいかと(ローカルルールとして案内のスレにあります)。

※では、引き続きお付き合いをお願い致します

611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 22:43:12.27 ID:QFjO9QEH0
おかえり!
612 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 22:48:17.06 ID:7YdmtbWvo

 十七日目

 ―迷いの竹林―

 決戦の日が来ました。

 しかし、その日になって問題が発生したのです。

 輝夜さんが、昨夜に散歩へ行ったきり帰って来ていない。

リンガー(一体、何が起きたのでしょうか)

 昨夜最後に話した時、そういう素振りなんて一切無かったのに。

 居なくなるにも、その理由自体が存在しないのです。

 輝夜さんの捜索は、永遠亭の兎達総出で行われています。

 ……ボクは、そんな中でもこの広場にやって来ました。

 輝夜さんのことはとっても気になりますが、しかしてこの約束を反故するわけにいきません。

 みんなには、とりあえず作戦通りの配置に行ってもらうことにしました。

 サニーちゃんとルナちゃんの能力でみんなの姿を完全にステルス状態にしてもらい、スターちゃんには妹紅さんとボクがどこに居るのかを確認し、永遠亭で借りた無線機と呼ばれるもので罠のタイミングを見極めてもらいます。

 そうして、待つこと半刻程が経って――

妹紅「早めに来たつもりだったんだけどな……」

リンガー「こんにちは、妹紅さん」

 妹紅さんが現れて、ボクは挨拶をしたのでした。

613 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 23:02:21.11 ID:7YdmtbWvo

妹紅「悠長なものね。正面から姿を晒して私を待っていたなんて」

リンガー「不意打ち、奇襲、それも考えましたが……まぁ、矜持というものです。男の子としての」

妹紅「なんだなんだ、武士みたいな事を言って。……だが、それもまた良しだ。好ましいな」

 ポケットに両手を納めたまま、妹紅さんは口元を歪に歪めて笑います。

 見える歯は白く、その犬歯が恐ろしく思えました。

妹紅「さて、お前が持ちうる力の全てを私が見極め、その上でお前を殺してやる。だから、そうだ。思う存分私を楽しませてみせろ。その為にお前をここに呼んだのだから」

リンガー「……ふふーん、そんな事を言えるのは今だけなのです。敢えてフェアになる様に言いましょう。ここは、ボクの庭です。ここ一帯が、罠の園だと思ってください」

妹紅「へぇ、ここが、ねぇ。……随分とお優しいことで。まだ甘さが残っているんじゃないか?」

リンガー「その上で、ボクは勝つと宣言しましょう。……妹紅さん、ボクはあなたを否定し、認めさせます。殺しあう事が、殺す事が、楽しい事じゃないってことを」

 そう。その為にボクはここに居る。ボクたちは、ここに居る。

 ボクの本気を、ボクの力を、見せて認めて頂きます。

……そういえば、妹紅さん。何やら普段見掛けないリュックサックみたいなのを持っているのです。

 何かの道具入れ、なのでしょうか。

妹紅「そうだ、ローゼス。お前の為に用意したものがあるんだが……その前に少し、私の思いというものを聞いてもらいたい」

リンガー「……妹紅さんの、思い、ですか?」

 唐突なことにボクは怪訝な表情を露わに、尋ねます。

614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/30(水) 23:16:36.09 ID:r1qMhmGu0
(リュックの)な、中身がバラバラの輝夜とかないよね、、、、?
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/07/30(水) 23:16:36.09 ID:r1qMhmGu0
(リュックの)な、中身がバラバラの輝夜とかないよね、、、、?
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 23:18:27.89 ID:cQWZNgaH0
とりあえずsageようか
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/30(水) 23:18:50.50 ID:AvUcVnUUo
>>614
メール欄にsageって打とうか
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 23:27:08.36 ID:r1qMhmGu0
下げ忘れと連投スマン
619 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/30(水) 23:44:00.25 ID:7YdmtbWvo

妹紅「そもそも、私はお前が――お前たちが羨ましかった」

 口火を切ったのは、そんな言葉。

妹紅「妖精は、死なない。しかし、死なない変わりにいつか消える。だが、その寄り代さえ現存していれば、その気質を形成する本体さえ健存ならば、実質永遠と生きる事が出来るだろう」

 死なない。その言葉で言えば、妹紅さんと輝夜さん、あと八意先生もそうなのです。

妹紅「そして、私たち『蓬莱の薬』を飲んだ人間――『蓬莱人』は永遠に死ぬことはない。消える事もなければ、髪の毛が一本でも残っていれば再生することが出来る」

 確かに、蓬莱人という方々はそれくらい出来るというのを、聞いた事があります。

 ですが、それが今、何の関係があるのかをボクにはわかりませんでした。

妹紅「私は、人間らしい生を感じたかった。全てやれることはやって来たんだ。何年も、何十年も、何百年も、それだけの時間を私は過ごして試した事なんて幾何幾許幾星霜。その悉くが、途中で飽きてしまうんだよ。新たに試してみても似たり寄ったりで、結局は知っている物に見えてしまうんだ。私は、その『既知感』が疎ましかった」

リンガー「……既知感、ですか」

妹紅「ただ、その中で私は妖怪退治だけは続けた。……ただな、私は人付き合いってやつが苦手なんだ。長い間独りで過ごしてきたから、『弱い奴ら』との接し方がわからなかった。人間は簡単に死ぬんだ、簡単に先へと逝ってしまう。そうだ、ローゼス。お前にだってわかる筈だ。置いていかれるっていう、感覚が」

 その言葉に、ボクは何も答えられませんでした。

 置いていかれる、その重み、その深さ、ボクとは違う、その使い方。

 確かに、そうでしょう。人間の寿命は短いのです。だからこそ、みんな先に逝ってしまう。

妹紅「輝夜を見つけた時は、ああ、なんて良い日だと思った。それから前に語った通りだ。私は輝夜と殺し合った。そして、私はあいつを殺し続けたい。こんなに楽しいことを私は知らないんだよ、ローゼス。父の復讐だとか、そんなことは関係ない。私はこいつを、そしてお前を殺したい。そうだ、そしてお前が言っていた仲間という奴も後々殺してやろうじゃないか。それもまた、楽しそうだ」

リンガー「あ、あなたは……!」

妹紅「それを否定するなら、それをさせたくないのなら私を超えて見せろよリンガー・ローゼス! ……私はお前が羨ましい。輝夜が羨ましい。お前の仲間が羨ましい! 私が求めたものを持っている奴らが、みんな羨ましい!」

リンガー「だったら、だったら最初から!」

妹紅「素直になればよかったとは私も思うさ。だが、もう遅いんだ。だから、まずこうしてみたんだ。どうだ、ローゼス。喜んでくれ」

 そうして、リュックを落として乱暴に開けた妹紅さんは、それを乱暴に蹴ってこちらへと寄越してきます。



620 : ◆eohhG1Orlc [!red_res saga]:2014/07/30(水) 23:47:42.80 ID:7YdmtbWvo




                       「 お ま え が さ が し た か ぐ や は こ こ に あ る ぞ 」


621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/30(水) 23:55:06.35 ID:r1qMhmGu0
しばらく土下座してます。
スイマセン
622 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 00:00:37.19 ID:hwmnlV9po

――ゴロン、と。開かれたリュックから出てきたのは、生首。

 雪崩の様に中から漏れ出すのは、バラバラになって焼け焦げた肉体。

 その顔をボクは見た事があった。

 いいえ、見たことがあったなんてものじゃない。

 昨夜見て、話して、そして行方がわからなくなった方が、そこに居たのです。

リンガー「……は、はは。妹紅さん、これは何の冗談なんですか」

妹紅「冗談なんかじゃないさ。私が殺して、殺して、殺し尽くして、ここまで持ってきてやったんだ。ああ、いい準備運動になったよ。さすがに、ここまですれば再生も遅いだろうが、そいつは絶対に死なないから安心してくれ」

 そうじゃない。そういうことを言っているんじゃない。

妹紅「怒るか? はは、怒るよな。そうだ、怒ってくれよ。良い演出だろ。面白おかしい、滑稽で陳腐で、使い古された挑発だ。さぁ、私を殺しに来なさい。本気で、最大の力で、私をこうなるまで殺してみなさい!!」

 頭の中が真っ白になっていきました。そして、何かがキレる音が聞こえてきました。

 ボクは、これほどまでに怒りを覚えた事は絶対にないでしょう。

 ボクは、これほどまでに悲しいと思った事は絶対にないでしょう。

 ああ、そうですね。あなたがそう言うのでしたら、良いでしょう。
                               ゼツメイ
リンガー「藤原 妹紅……今からお前に望み通り『停止』という名の『死』をくれてやる!!」

 死なないなら、止めてやる。

 その足を引いてやる。

 そうだ、元からボクはそういう事が出来るのだから。

リンガー「地に落ちて、その罪を清算してもらうぞ!!!」

妹紅「は、はははははは!! ああ、来い! 来てくれ!!」 存分に、楽しもう。……リンガー・ローゼス!!!

 もう、後戻りは出来ない。
623 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 00:07:12.45 ID:hwmnlV9po

※次回、『歪んだ蓬莱の人の形vs怒り足引く刹那の妖精』

※戦闘前ですが、キリが良いのでここまでで。まぁ、予測されても仕方ない展開だったので大丈夫です。演出として色付きレスを初めて使ってみました

※そして、最後の台詞がかぎかっこから抜け出している不備。

妹紅「は、はははははは!! ああ、来い! 来てくれ!! 存分に、楽しもう。……リンガー・ローゼス!!!」

※↑が正しいです。脳内補完お願いします

※では、お疲れ様でした。明日も出来ればやります。時間は19:00頃か、早ければその一時間くらい前からかな

※お付き合い、ありがとうございました。感想、考察、雑談(内容から外れすぎない程度で)してもらえると、嬉しいです

624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 00:11:16.48 ID:rVqFur470
おつ。
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 00:13:07.95 ID:VbJ6SdA70
乙!
ヒロインレースは幽香支援の俺
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 00:20:36.88 ID:385OJ9XL0

extraの敵は誰だろ
まだ幻想に走り給う者たちが必要数まで届いてないようだけど
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 00:46:54.37 ID:IYe/rzy4o
おつ
(リンガーのキャラが)死んだ……
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 02:06:42.27 ID:Fsg7kX2fo
俺はスター派だな
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 14:30:20.12 ID:5AySj40GO
乙です 。 やべぇ、何この胸熱展開。
永遠を生き続けることと、永遠を繰り返すことは似ているのか……
つくづく、リンガーくんの立ち位置が「それ」っぽくなってきている気が……

とりあえず、妖精ハーレム作ればよくね??
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 14:32:05.44 ID:YUos1blHo

(妖精ハーレムじゃ)いかんのか?
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 14:45:47.94 ID:R7dubxhWO
歪み持ちのゆうかりんがEXボスになってしまうぞ
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 15:14:18.45 ID:L4C3TKO90
ハーレムは全力で遠慮したい
633 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 18:34:14.50 ID:hwmnlV9po

※幻想郷において、死ぬという概念は薄く、人間だけのものだと思っています

※妖怪は精神に比重を置き、神は信仰で力を持ち、妖精には死そのものが無く、幽霊なんて元々死んでいる様なものです

※死ぬ、というよりも『消える』というのがこの幻想郷で一番恐れられている現象なのではないでしょうか

※とまぁ、そんなどうでも良い考察は置いておいて、19:00頃に再開します

634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage !orz_res]:2014/07/31(木) 18:40:12.67 ID:SsvqVWISO
ヒャッハー
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 18:47:07.88 ID:YUos1blHo
まってた
636 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 19:02:14.75 ID:hwmnlV9po

※ちなみに、ゆうかりんは愛情が歪んでいるだけで実際に歪み付いてるわけじゃないからね! わかってたら申し訳ないけど

※再開しまーす

637 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 19:06:01.34 ID:hwmnlV9po

※判定

奇数で妹紅が先行 偶数でリンガーが先攻

判定直後



638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 19:06:41.50 ID:P7KGKvGvO
にゃ
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 19:06:49.22 ID:ETaR/dxiO
ほい
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 19:11:01.58 ID:SsvqVWISO
コンマ神気合い入れてるな
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 19:11:28.82 ID:YUos1blHo
荒ぶるコンマ神
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 19:13:24.27 ID:71U9wVqi0
ここだけでもう2つクリティカル
643 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 19:22:10.91 ID:hwmnlV9po

>>638 コンマ:0(10扱いとして、偶数) ※リンガー先攻

※幸先良すぎて不安になってきた

リンガー「何としてでも、あなたを止めてみせる……!」

 そうだ、そうだ。お前はなんでそこまでしたんだ。

 お前はなんでそこまで出来たんだ。

 輝夜さんを、一方的になぶり殺して、その先にこの様を見せつけて……!

妹紅「ああ、いい顔だ。そそるぞ、ローゼス。お前がそんな顔と殺気を見せてくれるなんて」

リンガー「黙れよ、黙ってくれ! そんな愉悦に浸った表情で、妹紅さんの口で語るんじゃない!!」

 これが歪み付きということなのでしょうか。鎌足さんが言っていた、攻撃的な事でしか願いを叶えられない呪い。

 そして、それが当たり前の事だって思ってしまっているのだとしても――!

リンガー「これ以上、間違いなんて、犯させてたまるかぁっ!!」
                トメテ
 だったら、せめてボクが『停止』やる!!

※判定

1:ファンブル(チャンスメイカー+黄金ブースト)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(妹紅被弾)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-1
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1

判定直後
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 19:22:50.35 ID:8+KR45W90
645 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 19:57:31.03 ID:hwmnlV9po

>>644 コンマ:5-3=2 ※妹紅有利

 初撃、初動、全てにおいてボクが先に動いた。

 まずは妹紅さんをこの場所から移動させ、竹林の中へと誘き寄せる為の攻撃。

 牽制で良い、当たらなくても構わない。当たれば幸運、その程度の威嚇の意味しか持たない弾幕。

 しかし、

リンガー「な、はや……!」

妹紅「はは、鈍いぞローゼス! そんな弾幕を私が避けるとでも思ったのか!?」

 炎が弾幕を弾き、藤原 妹紅がボクへと迫り来る。

妹紅「甘いな、途轍もなく甘い! 掠らせる必要もない! こんなもの、私には届かないぞ!!」

 威力を込めなかったわけじゃない。

 だが、彼女はそれを軽々と霧散させる。

 これは弾幕ごっこじゃない。殺し合いだ。

 だから、そういう事をしても許される。だけど――

リンガー(食らいついてくるなんて!)

 接近戦に持ち込まれれば、こちらの不利だ。

 体力で大差があるほど劣っている分、時間を無駄にすればする程ボクの負けへと大きく傾いていく。

 それは許されない。それを許してはいけない。

妹紅「そーれ、どれだけよけられるかなぁ?」

 この炎弾を全て避けて、ボクは罠へと彼女を誘導しなければならない。

※判定

1:ファンブル(チャンスメイカー+黄金ブースト)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(リンガーのカウンター)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-1
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1

判定直後

 
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2014/07/31(木) 19:58:33.72 ID:VYc9ZapXo
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 19:58:41.23 ID:SsvqVWISO
砕ッ
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 19:58:50.61 ID:YUos1blHo
ほい
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 20:00:02.97 ID:YUos1blHo
リンガーに厳しいコンマ神
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 20:00:24.57 ID:SsvqVWISO
ひでぇ
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 20:02:55.25 ID:8+KR45W90
いや、むしろ黄金ブーストがついてこのほうがいい可能性が…
652 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 20:13:58.04 ID:hwmnlV9po

>>646 コンマ:2-3=1(ファンブル) ※チャンスメイカー・黄金ブースト発動


                                ゝヽ /          ゝ、     /   ノ /
                                 >、 冫 、''-、,     \\`~ " ´   /     _
_                               \/; l  \ \     \ \ー―''"    , -''" `''-、
/∧ ┌、         _,,. -、                < ヾ ',    \ \     \ \___ -''"二>、_,,. - ‐
> ∧ //´       -''"::::_ノ::',               <\ヽ\ヽ \\       >    ̄ ̄
> `´{        ',:::::::::::::::::::::::〉          / ̄"''''‐'" ̄ ̄ヽ、ヽ \               , -‐ 、
ー〉>ソヽ_     ',:::::::::::::::, -''|         /::::::::::ヽ::::::::\ \_\\_\ \          / -‐ヽ ヽ
┌// \/ /|_   ¨', ̄ ̄::::::::',    ,, -''ヽ/:::::::;;;;;;;;;l::::::::::::::\_  ヽ,,_\ \      //    ヽ ヽ,、-''"
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_         \\   `''-、,:::::::::::::::::::::::::|   |/7;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::/::::',                  \\
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     \::::::::::::::::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::/;;;;;;;;;;;;;;;;;l::::::::::::::::::::::\

        『こんな所で挫ける卿ではなかろう。存分に舞いたまえ、我がエインフェリア』

653 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 20:24:39.86 ID:hwmnlV9po

 ――ドクン、と。

 ボクの全身が脈打ちました。

 そうだ、こんな所で躓いている場合じゃない。想定を覆されたなら、新しい戦略を即座に用意しろ。

 全てが上手くいくわけがない。だったら、この場で出来る最大の効果を選択しろ。

リンガー(弱気になってたって)
                  タオス
 何も変わらない! この人を殺すんだ、何度でも、諦めて認めるまで!!

 今、間違った力の使い方をしているってことを! それがどれだけ残酷な事なのかを!!

リンガー「ああぁぁぁぁぁああああ!!!」

 個人で出来る最大の重力操作。質量のない物体なら、

妹紅「炎が落ちる!?」

 地に落とすくらい、わけがない!

 炎がボクの能力で地面とぶつかり、酸素を取り込んで小規模の爆発を起こす。

 それが、六つ。それだけの数があれば、十分な土煙がこの場所を覆い尽くす。

妹紅「土煙に紛れたって!」

リンガー「いっけぇぇぇぇえ!!」
                                                        タオス
 そうだ。渾身の力で、全てを出し切って、精魂の一欠片が尽き果てるまで、ボクはこの人を、殺す!!

※判定

1:ファンブル(妹紅カウンター)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(妹紅撃墜)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-1
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
黄金ブースト:+2

判定直後
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 20:25:41.10 ID:rxWiOeSCo
それっ
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 20:31:42.60 ID:8+KR45W90
そして「0」である
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 20:31:44.90 ID:71U9wVqi0
なんという
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 20:31:48.48 ID:zymI2sXe0
マイナス補正が無くなった途端これだよ…
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 20:32:11.02 ID:/qV26TWKO
3連続で0wwwwww
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 20:44:22.07 ID:Y76U8cqAO
さて、コンマ神はどう演出するかな…………
660 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 20:56:21.49 ID:hwmnlV9po

※コンマ神(黄金の獣)がアップを始めた様です

※そういえば、言い忘れてました。互いに残機は3です。スペルカードも三回まで使えるし、使って来ます。

>>654 コンマ:0(クリティカル) ※妹紅撃墜

 力が妙に湧いてくる実感があった。

 心の底から、その為に培ってきた何かが背中を押してくれる様な感覚がボクを襲います。

妹紅「そこかっ!」

 土煙の中、藤原 妹紅の荒げていながらも楽しそうな声が聞こえてきました。

 風を切る拳の音が、煙を引き裂きながらボクへと向けて放たれます。

 だけど、そう易々と食らう程、ボクだって甘くはない。

妹紅「外した……!? なっ、懐に!」

 しゃがんで、懐に飛び込みます。

 両手の手のひらを胸の前で向かい合わせにして、その間に溜めておいたのはバスケットボールくらいの大きさの光弾。

 幽香さんの弾幕を見てきて、こころちゃんの変則的な武芸とも戦った。

 怯えていれば見えない攻撃でも、勇気を持ってさえいれば、

リンガー「吹き飛べっ!!」

 カウンターだって、決める事が出来る。

 腹部へと撃ち放った一撃は、彼女の体を大きく浮かせて竹林の奥へと吹き飛ばす。

 だが、藤原 妹紅は今はああでも蓬莱人だ。撃墜と言い切れる程のダメージを与えたとは言えないだろう。

妹紅「く、はっ! やるじゃないか、見直したぞローゼス。だけど」

リンガー「ええ、お前はその程度屁でもない。だったら、ダメ押しさせてもらいます」

 ボクはそう言って、彼女の頭上へと弾幕を放つ。

 そうして発動したのは、罠の一つ。

妹紅「ぐぅあっ!?」
                       ギロチン
 振り子の原理で急速に加速した、断頭刃だ。
661 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 21:09:41.00 ID:hwmnlV9po

 上手く避ける事が出来なかったらしく、彼女の右腕が鮮血をばら撒きつつ宙を舞った。

 ギロチンは何本かの竹を一緒に切り裂いたあと、スコーンという乾いた音を立てて遠くの竹の幹に突き刺さった。

妹紅「く、あは。よくもやってくれたな、ローゼスゥ……!」

 右腕がぼとりと地面に落ちるのと同時に、あいつは恨み言を言うようにしながらもその表情は楽しそうに歪んでいた。

 まあ、そうだろうな。これくらいの怪我、お前は輝夜さんと殺し合いでよくしていたみたいだし、日常茶飯事か。

妹紅「楽しいなぁ、嬉しいなぁ、はは、お前が私を楽しませてくれる。そんなお前が、私は羨ましい!」

リンガー「戯言ですね。……まだまだ、いっぱい味わっていただきますよ」

 一撃を入れたことで、多少頭に昇った血が抜けていく。

 怒りが収まったわけではないけれど、冷静さは取り戻せそうだ。ここからが正念場だ。
                                                                           遊んで
妹紅「ああ、お前の本気をもっと見せてくれ。そして私はお前を殺そう。……いや、遊ぼう。もっともっと、長く長く。私はお前と殺し合いたい」

リンガー「……本当なら、こんな物騒な遊びなんてお断りなのですよ」

妹紅「ああ、そうだろうな。……さて、右腕も再生した。私も、少し本気を見せようじゃないか」

 少しだけ違和感のある言い回しで彼女は語り、そして再生させた右腕をぐっぱと動かす。

 ……さて、鬼が出るか蛇が出るか。

妹紅「滅罪「正直者の死」」

 そうしてばらまかれたのは、米状の光弾とウィルスの様に連なる光弾で出来た弾幕だった。

※判定

1:ファンブル(リンガー撃墜)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(リンガーのカウンター)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-1
滅罪「正直者の死」:-2
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
黄金ブースト:+2

※スペルカードを使いますか?

YES or NO

↓3までで多い方を選択
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:10:42.61 ID:Od3AkxBto
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:11:51.37 ID:c+wFQsu0O
yes
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:12:43.32 ID:385OJ9XL0
yes
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:12:54.40 ID:YUos1blHo
yes
666 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 21:24:59.77 ID:hwmnlV9po

多数決 選択:YES

 スペルに対抗出来るのは、スペルだけ。

 傷が再生すると言っても、痛みは蓄積されている筈だ。

 痛みは体力を奪う。精神を削る。それをボクは、よく知っているのです。

 痛みに慣れているでしょうけど、それだって何時までも続くハズがない。

リンガー「だったら、今度は――」

 その勢いを削いで、その思いを奪って、その心をくじかせていただきましょう。

リンガー「地力「フェアリー・アンド・ビーンストーク」!!」

 宣言と共にばら撒いたのは豆の木の種。

 ボクの力の影響を受け、急激に成長して蔓を伸ばす。

 行け、ボクの下僕。あいつを捕まえて、落とすのです!!

※判定

1:ファンブル(リンガー撃墜)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(リンガーのカウンター)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-1
滅罪「正直者の死」:-2
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
黄金ブースト:+2
地力「フェアリー・アンド・ビーンストーク」:+2

判定直後 
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 21:25:19.38 ID:71U9wVqi0
ほい
668 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 21:37:08.33 ID:hwmnlV9po

>>667 コンマ:8 ※リンガー有利

妹紅「くっ! しかしまだ!!」

 蔓が妹紅の足を掴み、そのままボクの指示に従って振り回そうとします。

 そして発動する色んな罠。ここはみんなが配置している場所ではありませんから、多少暴れた所で問題はありません。

 しかし、

リンガー「往生際の悪い……!」

 蔓に抗おうと、彼女は力を込めて空を駆け巡る。

 竹を揺らし、悉く罠を回避し、時に掠らせる程度で、それもすぐに再生する。

 ボクの体力も、彼女がその間に放ち続けている弾幕のせいで削られて来ています。

妹紅「どうした、どうしたんだローゼス。私を縛るなら、もっと力を込めないとダメじゃないか!!」

リンガー「安い挑発をしてくれる!」

妹紅「その中でも定番で一番安い挑発に、最初に掛かったのはお前だろう!」

 その言葉で、一旦落ち着いていたボクの怒りがまた沸々と沸き始めました。

 この人は、今の状態のこの人は本当にイラつかせてくれますね……!

リンガー「あんたって人はぁぁあ!!」

妹紅「思いだけでは私に勝てないぞ、リンガー・ローゼス!!」

 うるさい! そんなの、ボクが一番わかっているのです!!

※判定

1:ファンブル(妹紅のカウンター)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(妹紅撃墜)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-1
滅罪「正直者の死」:-2
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
有利:+1
黄金ブースト:+2
地力「フェアリー・アンド・ビーンストーク」:+2

判定直後 
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:37:51.99 ID:Bsv68+64O
オラァ!
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:37:59.06 ID:TWZfchkK0
せいやっは!
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:38:00.86 ID:Od3AkxBto
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:38:17.03 ID:rxWiOeSCo
うりゃ
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:38:40.18 ID:Od3AkxBto
モコたんの撃墜を確認!
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:39:36.04 ID:SsvqVWISO
コンマ神マジ演出家
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:40:50.26 ID:Bsv68+64O
うわ〜い、ぞろめだ〜(白目)
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 21:48:17.17 ID:8+KR45W90
コンマ神「加減無用だ。楽しませろ」
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 21:51:18.29 ID:P7KGKvGvO
>リンガー「あんたって人はぁぁあ!!」

シンアスカかな?
678 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 22:04:50.75 ID:hwmnlV9po

※……絶好調だね!!!(白目)

>>669 コンマ:ゾロ目(クリティカル) ※妹紅撃墜(2/3)

 蔓に込める力を更に強くして、ボクは彼女をみんなの居る配置へと押し出しました。

 緑の奔流が体を飲み込み、地面にぶつけて押し潰す。

 まだ、まだ、畳み掛けてやる……!

リンガー「みんな! 何も考えずに、やってください!!」

 そうして発動させるのは、罠のコンボ。

 刺付きの盥が落ち、地面に埋め込んだ炸薬を爆発させ、空中に体を浮かび上がらせる。

 無防備に浮かんだ彼女が体勢を立て直す前に、畳み掛けるのは凶器の数々。

 鉄の刃、鋭利な竹槍、薙刀が降り注ぎ、突き刺さり、最早原型を留めぬ様に彼女の体を蹂躙する。

 加減は要らない。加減をしてはならない。胸が痛み、目を逸らしたくなる。

 だが、それをボクは見据える。見届ける。

 これが、ボクがボクの意思を持ってやっていることなのだから。

 これが、ボクが考えてボクが遂行している悪戯なのだから。

 殺す為の、罠を作り出したのだから。

幽香「それでは、終焉」

 ダメ押しと言わんばかりに、空中に現れた幽香さんが呟く。

 日傘を開き、その先端へと集まるのは眩い輝き。

 日光の如く光を収束させた彼女が放ったのは、煌々と視界を飲み口様な、そんな特大の光線だった。

 
679 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 22:18:01.60 ID:hwmnlV9po

※修正

 日光の如く光を収束させた彼女が放ったのは、煌々と視界を飲み込む様な、そんな特大の光線だった。

※最後の文は、↑で脳内補完お願いします



 ああ、羨ましい。なんて素晴らしい輝きだろうか。

 私は思う。私は願う。ああ、なぜあいつの周りには仲間が集まり、私には居なかったのだろうか。

 私は老いる事も死ぬ事もない。この魂は既に輪廻の輪から外れてしまっている。

 それは、何度も死ぬ事を試した結果わかったことだ。どんな毒を飲もうと、難病を患わようと、どんな怪我を負っても、この肉体はいつだって再生することが出来る。

 最初は嫌がらせで蓬莱の薬を口にしたのだから、私はこんな体なんかになりたくはなかった。

 富士で木花開耶が邪魔をせず、あの薬の事を教えてさえくれなければこんな事にはならなかった。

 私は死なない。私は成長しない。

 それを皆から訝しがられるのが嫌で、逃げ出した。

 何不自由のない華やかな生活から、妖怪を退治する流浪の旅人へ。

 雨風を凌げず、妖怪に負けて食われて、何度この体を再生させたかもわからない。

 だが、それも仕方ないと割り切った。こんな体なのだからと。

 それが、私の最初の諦めだった。

680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 22:27:09.43 ID:L4C3TKO90
もこたんは岩笠さんにひどいことしたよね
681 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 22:27:59.76 ID:hwmnlV9po

 私は諦めることに慣れていった。

 友人を諦め、恋を諦め、ただ生きる事を諦め、死ぬことを諦めた。

 同じ不死者の輝夜を見つけた時は、憎悪と一緒に同じ境遇の仲間だと思ったのに。

 私は不器用だ。不器用な女だ。憎いからこそ、あいつと殺し合う事を良しとしたんだ。

 停滞を始めた。前に進むことすらも諦めた。

 あらゆることを諦めて、そして今も諦めている。

 私は何をしていたのだろうか。私は何を期待していたのだろうか。

 あの小さな妖精が、私を止める事は出来るだろう。

 その為に憎悪を煽った。怒りを煽った。そして、思惑通りに事が進んだ。

 それでよかった。あの使い――いや、あれはきっと違うだろう。

 私の元に現れた鬼神から、私に歪みが付いていると言われた。

 ああ、ならばそれも良いと思った。私は歪んでいる。それが今まで起こらなかったのがおかしいのだ。

 だから、この魂が歪んでいる事を受け入れ、諦めた。手を伸ばしても、誰かが私の手を取ってくれるとは思わない。

 輝夜を殺し、バラバラにして、その上でここまでやってくれたのだ。

 私は羨ましい。ここまで、悲しんでくれる奴がいるあいつが。

 ローゼスに慕われているあいつが。私は素直じゃないから、諦めることに慣れているから。

 何時か置いていかれる未来なんて、欲しくはないのだから。

 
682 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 22:34:48.33 ID:hwmnlV9po

 だけど、この思いは溢れ出すんだ。

 羨ましい。羨ましい。羨ましい。なんて羨ましい。

 輝いて見える。私が欲しかったものを、あいつは持っている。

 仲間、多くの友人、リンガー・ローゼス。

 私はお前たちが羨ましい。羨ましすぎて、奪いたい。

 そこに居たい。そこに居続けたい。私はお前の傍らに居たい。

 お前ならきっと、出来ると思った。

 その夢があまりにも輝かしく思えたから、素直に受け入れられなかっただけなんだ。

 ……なぁ、ローゼス。

 だけど私は、諦めることに慣れているから。

 私は、お前を諦めよう。

 だから、奪おう。そして、収めよう。

 私の掌の中に、私の胸の中で、永遠に生き続けてくれ。

 リンガー・ローゼス。愛しい妖精よ。

683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 22:35:54.20 ID:xsklDPezo
リンガー君モテモテですね(白目)
684 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 22:45:50.46 ID:hwmnlV9po



                            カワキシボミヤミカラセ  ミチヒルガゴト  シズミコヤセ
                          『干キ萎ミ病ミ枯セ。盈チ乾ルガ如、沈ミ臥セ』


                                『――急段、顕象――』

                             ショウシシバク   ハリランキュウサカサハリツケ
                             『生死之縛 ・ 玻璃爛宮逆サ磔』


685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/07/31(木) 22:51:40.37 ID:8+KR45W90
あっ…セージだと!?
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 22:52:33.37 ID:XC9oHTkxo
空気が旨い!
687 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 23:26:09.85 ID:hwmnlV9po



 ゾワリ、と。背筋に走ったのは寒気でした。

 幽香さんに何で手を出したのか。すっかりと冷静になったボクが、その抗議をしようと思っていたその時の出来事。

 炎が妹紅さんの居た場所から噴き出したのでした。

リンガー「こ、これって……!」

輝夜「あ、ら。ここまで、追い詰める事が出来たのね。ローゼス」

リンガー「輝夜さん!?」

 突然の事に驚いていたら、輝夜さんまで現れてボクはさらにびっくりとさせられました。
                                    リザレクション
輝夜「あれが、妹紅の本気よ。……魂を起点とした、肉体の再構築。今の妹紅は、精神は兎に角肉体的には万全でしょうね」

 そこまでのダメージを負わせる事が出来て、そしてその原因はおそらく幽香さんの一撃でしょう。

リンガー「って、それよりお体は大丈夫なのですか!?」

輝夜「ええ。私だって蓬莱人だもの。まだぎこちないけれど、意識も回復したし、あとは静養していれば治るわ」

 いや、そういう問題ではないのですけれど。

 そう思いながら、しかし輝夜さんに深く質問している暇なんてない事を思い出します。

 あの炎が現れてから、みんなの姿が見えません。おそらく、まだ終わりじゃないことに気付いて自主的に隠れてくれたのでしょうか。

妹紅「私は、お前たちが羨ましい。羨まし過ぎて、ああ、なんて輝いて見えるのか。なぁ、ローゼス! 私はお前が、輝夜が、お前の仲間たちが、一層羨ましい!!」

 近寄る事が出来ない炎の渦の中から、妹紅さんのそんな叫び声が聞こえてきました。

 羨ましい、羨ましい。そう言うのだったら――

リンガー「何であなたはそうまでしたんですか! そうなってしまったのですか!!」

 それが例え、歪み付きによる障害だったのだとしても。

 ボクは、その問いを投げかけるべきだと思ったのです。

妹紅「私は、諦めることに慣れてしまったの! ええ、そうよ。普通に生きる事も、普通に死ぬことも、友人を多く作る事も、恋をすることも、仲間を作る事も!!」

 返って来た答え。それを放つ妹紅さんの清々しさすら感じる声。何かを『やめた』ような、何かに『開き直った』ような感想を、ボクは覚えました。

妹紅「みんな私を置いていく! みんな私から去っていく!! だったら、最初から諦めていたほうが気が楽だった。停滞していた方が楽だった!!」

リンガー「そんなの、そんなのただの言い訳なのです! 目を背ける為の、目を逸らす為の、弱虫の言い訳なのです!!」

妹紅「だとしても、だ。なぁ、ローゼス。何度も言うが、私はお前が羨ましい。お前のその諦めの悪さが羨ましい!! そして、その勇気と意地と夢が羨ましいぞ!!」

 どこか、そう。どこか不気味さを覚えるくらいの、そんな清々しさ。

 何かを目的にしている? それとも何かを企んでいる? なんだろうか、この胸騒ぎは。

 なんだろうか、この、言い知れない不安は。

妹紅「だから、私はその夢を奪おう。……この逆サ磔にお前を戴いて、永遠に私の胸の中で眠れ! リンガー・ローゼス!!」

 炎が弾けて、普段の姿に戻った妹紅さんの姿が露わになります。

 腕と手を天秤の様に開いて、ボクを見上げる彼女の背後には幾つも逆さに吊るされた十字架と、磔にされた骸骨がありました。

妹紅「ああ、私は最初からこうしていればよかったんだ。羨ましいなら、奪えば良かったんだ」

リンガー「あなたは、あなたはまたこの期に及んで何を!!」
                                 ゼツボウ
妹紅「空気が旨い! 体が軽い! 素晴らしい、これが諦念が消え、希望を抱く感触というものかッ!」


688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/07/31(木) 23:56:22.32 ID:8ZuemX+t0
仲間という輝きが奪われたか…………
689 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/07/31(木) 23:59:15.06 ID:hwmnlV9po

 高く、狂ったレコードの様に、洪水の様に妹紅さんは笑いあげました。

 単純に、怖いと。今まで感じていた事の、逃げたいう気持ちとは違う、本能的に感じる恐怖をボクは感じました。

輝夜「ダメよ、リンガー。呑み込まれてはダメ。表面に囚われてちゃ、ダメ」

 そこで、震えるボクの肩に手を乗せた輝夜さんが屈んで言い聞かせてくれます。

輝夜「きっと、一時的に歪みが彼女を飲み込んでいるの。……これは、逆にチャンスよ。良い、『リンガー』。今だからこそ、このタイミングだからこそ、あなたは彼女を倒さなければならない」

リンガー「この、タイミングだからこそ……」

輝夜「そう、あなたの勇気を示しましょう。あなたの夢は、奪えないものだって思わせましょう。ここに居るのは、あなたの夢のカケラ。あなたの仲間。そうでしょう?」

 輝夜さんは、優しく微笑んで振り向きます。

 ボクも吊られて振り向くと、そこには――

スター「リンガー、私はあなたの膝が笑っても、絶対に笑わない。だってあなたは、本当の勇気を知っているから。……ねぇ、リンガー。あなたはあの人を救う勇気を持っている。私はそう、信じてる。だから、ここで挫けないで。私達が、居るから」

 スターちゃんがボクの側までやってきて、ボクの手を強く握り締めながら、真剣な表情で言い放ちます。

ルナ「こんな所で諦めるの? こんな所で、諦めさせるの? いいえ、違うわよねリンガー。あなたは、諦めないし諦めさせない。だって、あなたは優しいもの。もう、弱虫じゃない。私に見せて、あなたの夢の輝きを。見せ付けて、私にあなたの強さを」

 そのあと、ルナちゃんが小さく促す様に言います。まるで、それが当たり前だって言う様に。ボクの背中を、支える様に。

幽香「さて、ここまでお膳立てされてボク君。あなたは逃げるのかしら? 逃げないわよね。だってあなたは強い子だもの。強くなれた子だもの。私が少しでも育ててあげたんだもの。……信じてるわ、ボク君」

 何時も通りの笑顔で、だけど怖さなんて微塵欠片もない優しい笑顔で、幽香さんがボクの背中に手を当てながら囁きます。

輝夜「さあ、行きなさいリンガー。あの子は助けを求めている。不器用で、何処までもぶっきらぼうな子だけれど。……手を引いてあげなさい。それでも無理なら、足を引っ張りあげなさい。この絆で、示してあげなさい」

リンガー「……みんな」

 輝夜さんが言った事は、きっと正しいのかもしれません。

 妹紅さんは助けを求めている。だけど、それを諦めてしまっているからこうなっている。

 輝夜さんは彼女と長い付き合いだし、殺し合いをする程の仲……まぁ、喧嘩するほど仲が良いって勝手に解釈しちゃいましょう。

 そんな仲だから、わかっているのかもしれません。

 みんなが居る。そうだ、ボクは独りじゃない。妹紅さんを、独りにさせない。

 だから、ボクはその孤独から、諦めから足を引こう。

 ボクの力で。ボクの思いで。ボクの、希望と夢を、見せ付けて。

690 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 00:08:15.83 ID:pZXjGf4ko



 少しだけ、あとほんの少しだけ遅ければ手遅れになっていた。

 辛うじて、その変化を隔絶出来たのはリンガーとの絆が得に強かった三人。

 妹紅の力に辛うじて抗えていた、その三人だけ。

 スターサファイア。ルナチャイルド。風見 幽香。

 一時的に掛けた私の永遠の魔法。そして、残された彼女達は彼の背中を押してくれた。
                                                     メメント・モリ
 永遠が、その時解かれる。変化する時間。終わらない歴史などない。それ故の、“汝にこそ、死を思え”

 ここに新しい歴史が生み出される。彼女を正せば、きっとあとは彼が救ってくれるだろう。

 そういう事への絶対行動権と、力を持っている彼ならば。

 さぁ、行きなさい幻想に走り給う者よ。

 私達の、希望の輝きよ。

691 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 00:15:14.53 ID:pZXjGf4ko

※判定

1:ファンブル(妹紅のカウンター)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(妹紅撃墜)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-2
生死之縛・玻璃爛宮逆サ磔:-2
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
有利:+1
黄金ブースト:+2
黄金の絆:+2

判定直後 
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 00:15:40.17 ID:Sxvh4S0Oo
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/01(金) 00:16:05.73 ID:CjITP5E40
てー
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 00:16:12.27 ID:IlfFLT7bO
695 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 00:39:20.41 ID:pZXjGf4ko

>>692 コンマ:7 ※有利



 リンガー・ローゼスが己が全てを持ちて藤原 妹紅へと最後の勝負を仕掛けた。

 重力が妹紅を襲い、炎がリンガーへと逆巻く。

 彼は後ろを振り向かない。自分の背中を押してくれた、信じてくれた存在に対する信頼の証として、勝利を齎したあとにその笑顔を見せようと決めたから。

 腕が焦げ、血管が破裂しそうなくらいにリンガーは力を集中させる。

 息を吸う事すら忘れ、心臓が早鐘を打つ事さえ構わず、その絶大な集中力でもって妹紅の隙を見逃さぬ様に瞬きさえしない。

 意識が遠くなろうと、熱で朦朧となろうと、この小さな妖精はこの刹那に全てを賭けた。

 彼は知らない。ここにはもう、彼の守るべき仲間が居ないという事を。

 彼は知らない。あの逆十字に磔られた骸骨が、彼の守るべき夢の欠片にして希望だったという事を。

 しかし、彼は信じている。自分の力を、自分の勝利を、自分への信頼を、自分へと掛けてくれた、仲間の思いを。

 故に、その足を引くのだ。妹紅を孤独と諦念の境地から無理矢理にでも脱出させるために。

リンガー「時間が止まれば良いのに、とボクは思っていました。楽しい時間が、あの美しい花が永遠であれば良いのにと」

 本人が思わず呟いたのは、そんな言葉。

リンガー「ボクは足が遅いから、みんなと一緒に並ぶには足を引けば良いと思っていました」

 かつての自分が走馬灯の様に彼の脳内を駆け巡る。

リンガー「だけど、そうじゃない。時間は止まらない、誰もが未来へと足を進め続ける! ボクたちは刹那にはなれない。刹那に囚われる事は、ない!」

 本人が永遠だと信じていても、変わりゆく。体が成長しないのであれば、その精神が変化していく。

 停滞は言い訳だ。諦めたという言葉は嘘だ。

 思いは変化する。外から刺激が与えられれば、わずかでもその形を変える。

リンガー「優しい時間があって、優しい空気がそこに存在していて……」

 だからこそ、彼はそれが良い変化であれと思った。

リンガー「それが仲間で、みんなで、そこにあなたも居て欲しかった! だから、羨ましがるだけじゃない! ボクの手を取るのです!! 妹紅さん!!」

 だからこそ、彼はその手を差し伸べた。

リンガー「ボクのこの思いを、願いを、欺瞞だなんて言わせない! ボクはこの刹那に願います。ここから、あなたもボクも変わるのです!!」

 だからこそ、その足を引こう。この争いの時間が止まり、そして平穏へ動き出す事を願おう。

 面白おかしい毎日を過ごす。かつて泥を起点に得た皮肉な夢。だけどそれは、偽物なんかじゃない。本物なんだと、リンガーは信じている。

妹紅「それでも、私はもう!!」

※判定

6以上で???発動

黄金の絆:+2

判定直後
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 00:41:35.72 ID:25tQBr5vo
さて
697 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 00:43:28.55 ID:pZXjGf4ko

>>696 コンマ:2+2=4 ※失敗

※判定

1:ファンブル(リンガー撃墜)
2〜:妹紅有利
4〜:接戦
7〜:リンガー有利
0・ゾロ目:クリティカル(リンガーのカウンター)

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-2
生死之縛・玻璃爛宮逆サ磔:-2
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
有利:+1
黄金ブースト:+2
黄金の絆:+2

判定直後 
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 00:44:14.96 ID:ENpSrxOJO
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/01(金) 00:46:17.10 ID:CjITP5E40
とう
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/01(金) 00:48:35.96 ID:CjITP5E40
とう
701 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 01:03:15.15 ID:pZXjGf4ko

>>698 コンマ:6 ※接戦

妹紅「お前が欲しいんだ! お前が羨ましくて、お前に嫉妬していたんだ!! さあ、来てくれ私の元へ。私の腕の中で、一緒に永遠になってくれ!!」

 妹紅が叫んで、両腕を抱きとめる準備のする様に開いた。

 彼女に抱きとめられるということは、その夢と希望と存在を奪われるということだ。

 妹紅は彼を羨んだ。そして、彼らは妹紅へ『救う為』という思いを持って対峙していた。

 それが起因だった。妹紅が羨み、妹紅が妬み、その妹紅へと『そんな思い』を抱いたから、彼女達は逆十字に捕らえられた。

 歪み付き。その能力の発動。渇望――抱いた願いを攻撃的にしか行えない故に、この結果がある。

 かつて異端として、歪みを抱えた鬼神がそうであった様に。救いたくても救えず、手を伸ばしても届かず。抱き締めようとすれば壊し、取り零さない様にしても出来なかった様に。

 妹紅の願いの攻撃的な象徴が、この生死之縛・玻璃爛宮逆サ磔』なのだ。

 羨むから奪う。輝かしいから妬む。そして、彼女に対して『何らか』の意思を持ってしまえばその効果が発動する。

 肉体を奪われ、才能を奪われ、輝きを奪われ、尊厳を奪われ、記憶を奪われ、夢を奪われ、最後には磔にされる。

 その凶暴性、そして悪質さは類を見ない事だろう。

 しかして、リンガーは彼女と対等でありたいと願った。仲間であって欲しいと願う。だから、ここに拮抗が生まれている。

 今は既に、それが純然たる思いだ。それしか考えていない。リンガー・ローゼスはそれだけを願い、彼女を救いたい。

 共に面白おかしい毎日を過ごし、そんな世界で生を感じて欲しいから。

 可哀想だという感情ではなく、同情でもなく、憐れみでもなく、彼は純粋に、そう思っている。

 だからこそ、

リンガー「ボクは、負けない! あなたと永遠にはならない! ボクはあなたの友達だから、間違っている友達を正せるのは、友達だけだから!!」

 諦めるという、選択肢などどこにもないのだ。

※判定

6以上で???発動

黄金の絆:+2
時間経過:+1

判定直後

 
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/01(金) 01:04:04.48 ID:1CKkByxQ0
703 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 01:07:22.98 ID:pZXjGf4ko

>>702 コンマ:8+3=11(擬似クリティカル) ※発動


                        In der Nacht, wo alles schlaft
                          ものみな眠るさ夜なかに

                    Wie schon, den Meeresboden zu verlassen.
                        水底を離るることぞうれしけれ。

                      Ich hebe den Kopf uber das Wasser,
                          水のおもてを頭もて、

                   Welch Freude, das Spiel der Wasserwellen
                        波立て遊ぶぞたのしけれ。

                     Durch die nun zerbrochene Stille,
                        澄める大気をふるわせて、

                       Rufen wir unsere Namen
                        互に高く呼びかわし

                  Pechschwarzes Haar wirbelt im Wind
                      緑なす濡れ髪うちふるい

                  Welch Freude, sie trocknen zu sehen.
                      乾かし遊ぶぞたのしけれ

704 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 01:12:47.87 ID:pZXjGf4ko


                        そして、こう継ぐ。
 
                                                                  だからこそ――

                                    Verweile doch, du bist so schon!
                                     時よ止まれ おまえは美しい


705 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 01:15:05.61 ID:pZXjGf4ko
※判定

6以上でリンガーの勝利

補正
蓬莱の人の形:-1
蓬莱人:-1
歪み付き【汚染度???】:-2
生死之縛・玻璃爛宮逆サ磔:-2
身体能力【2】:-1
種族差:-1
頭脳【8】:+2
刹那の妖精:+1
有利:+1
黄金ブースト:+2
黄金の絆:+2
時よ止まれ、おまえは美しい:+2

判定直後 
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 01:15:48.35 ID:XJY4VZfF0
にゃ
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/01(金) 01:15:50.71 ID:1CKkByxQ0
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 01:17:30.88 ID:w8H+tcC/0
やったか?
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 01:31:23.28 ID:bz/ealNjo
補正乗っかりまくってえらいことになってるな
710 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 01:38:04.17 ID:pZXjGf4ko

>>706 コンマ:5+2=7 ※勝利

※そして補正が色々とヤバイ件について。まぁ、何時も通りのことですけれど

 思いを糧に、願いを糧に、彼の背中を押すのは絆。

 なによりも輝かしい、なによりも劣ることのない黄金。

 リンガー・ローゼスが渇望、その夢は、誰にも譲る事の出来ないものだ。

 奪えるようなものじゃない、奪われるようなものじゃない、それは彼が心の奥底からそうあれば良い、そうなれば良いと欲したものだから。

 影がその場に現れる。それは彼の願いの一つ。足を引く。その為に生まれた存在。現れた存在。

 時間が緩やかになっていく。それは彼の願いの一つ。時間が止まれば良いのに。その為に起こった現象。その為に生まれた事象。

 体感時間を引き伸ばし、細く細く、一本の長い糸の様に、解れたシャツから抜き出す様に、大元の流れから抜き出していく。

 加速。なによりも早く。そして、なによりも強く。さいきょーの妖精を目指した彼が行き着いた場所は――

リンガー「ボクの、勝ちです……!」

妹紅「……私の、負けだな」

 逆十字が粒子になって砕けて散る。

 己が渇望は、彼に砕かれた。奪いたくても奪えない。それは私も求めていたものだった。そこに居る自分を幻視してしまって、ああ、壊してはいけないものだと気付いたから。

妹紅「……私は、不器用だ」

リンガー「ええ、だから、やっと、迎えに来たのです」

 このまま歪みに飲まれても構わない。そう思っていた妹紅の足を引いたリンガーは、酸素不足で蒼白になった顔で笑う。

 意識も半ば、飛んでいるだろう。しかし、最後まで彼は立っていた。彼女が折れるその時まで、戦い続けた。

妹紅「ああ、空気が旨い。体が、軽い」

 自分の本当の願いをさらけ出したのだ。もう、迷う事も悩むこともない。

 素直に受け止めよう。妹紅はそう思いながら、瞳を瞑る。

妹紅「リンガー」

リンガー「はい」

妹紅「……私を、助けてくれ」

 その言葉をきっかけに、世界は白く染め上げられた。

711 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 01:48:09.23 ID:pZXjGf4ko

                                        オ  ン
                                     ―― 罨 ――

                         ―― 陰にありて陽を目指し、歪み付いて捻り曲がる ――

             ―― 人を愛し、人を助け、人を救い、人の為と成らん我が道は、闇を照らす曙光の輝き也――

                 ―― 鎌の様に無慈悲に、足り得る思ひは誰ぞの為に。零から翔ぶ雷の如く ――


                             ―― オン・キリキリ・バサラバ・ウンハッタ ――

                              ―― オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ ――

                                ――オン・バサラ・ヤキシャ・ウン――

                             ――オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――


                          ―― 金剛夜叉・戦神雷鳴・両面鬼神四腕之宿儺 ――


                                 ―― 再 ・ 転 ・ 生 ――


                          我が抱きし正義におひて、彼の者共を救いあげんが為に
712 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 02:02:27.31 ID:pZXjGf4ko

     ―幕間―

零「……はぁ。貧乏くじってのは、こういう事を言うんかね」

輝夜「あら、そう言わないでよ鬼神さま。あなたのおかげで私たちは救われたし、また新しい救いの輝きが刻まれるのよ?」

零「あのな、俺がどんだけ走りまわったと思ってんの? あれからずっと色んな場所に行っては情報集めてさ。ついでに八雲のやつに発破掛けてやったり。童女趣味野郎は八雲に強く言えないし? おっさんはおっさんで気まずそうだし?」

輝夜「……それで、首尾は?」

零「……はぁ、愚痴も零させてくれないのね。上々だよ、やる気取り戻した八雲の賢者さまが尻尾を掴んだ」

輝夜「なるほど。結局、なーに? あの子が刻まれるタイミングで、こういう事になるのね」

零「……ついでに言えば、天魔の奴のおかげでもあるんだが」

輝夜「天狗の?」

零「……まぁ、色々あるんだろうさ。しっかし、まさかなぁ。考えてみれば妥当なんだが」

輝夜「なによ、一旦幕が閉じてる間に色々と聞き出そうと思ったのに」

零「詳しい事は、全部終わった後だ。繰り返す間でしか、決着は付けられねぇ。じゃねえと、創りなおした舞台が一瞬でぱぁになる」

輝夜「……今の言葉で、なんとなく察せたわ。勝てるの?」

零「情報が確かなら、その残滓だが。まぁ、まったく別物に変化してる可能性がある」

輝夜「……そう」

零「勝ってみせるさ。その為に俺達は居るし、これを越えられなきゃ『異常』は越せねえよ」

輝夜「わかったわ。……さて、時間ね。また幻想郷のどこかで会いましょう」

零「ああ。……食料、楽しみにしてるわ」

輝夜「ええ、ちゃんと送られればね」

713 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/01(金) 02:07:20.00 ID:pZXjGf4ko

※さて、良い時間なのでそろそろ眠ります。明日は出来れば夜から。お酒飲んでくる予定があるので、出来るかはわからないっす

※ヒロインレースは次回。スター、ルナ、幽香、輝夜の四人が出馬する模様。尚、妹紅はリンガーの姉ポジに治まる

※紫さんが掴んだ尻尾は誰のものか。もし戦ったら舞台(世界)がぱぁになるような奴です

※では、お疲れ様でした
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 02:08:58.71 ID:bz/ealNjo
おつおつ
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 02:09:48.16 ID:25tQBr5vo
乙ー
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 02:11:34.11 ID:G1Llt/zpo
おつ
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 02:11:57.31 ID:nt4SIskk0
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 08:05:16.90 ID:nAd0ZTDSO
乙でーす
補正がかかりまくるのはこのスレでは形式美だから……

はてさて、ゆかりんはなにをつかんだのか?? 「(∴)」はラスボスだから、「百鬼夜行の元締め」とか??
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 09:10:36.23 ID:nt4SIskk0
覚醒したリンガーは某君博と同じ永遠の刹那の力を持ったのか
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/01(金) 21:19:04.86 ID:2lT7aq0BO
始まりの能力や渇望は食人影だけどその後の成長でそれを昇華させた感じだね

しかし、夢でみた景色や薔薇はいったいなんだったんでしょうか??
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/01(金) 21:29:21.89 ID:vHgRc3Au0
補正はしゃーないよ、補正だものww
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 00:11:37.06 ID:NXpSBxZW0
メール欄にsageな
723 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 01:28:14.58 ID:2DlSVtoro

※やっと帰ってこれたけど、酔っ払いなので今日はなしで

※早ければ昼頃からやりたい。遅ければ夕方か夜に。

※では、おやすみなさいませ
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 01:51:34.38 ID:x757aqKMO

待ってる
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 10:19:50.67 ID:iekQSBr50
722>すみません
726 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 16:05:11.95 ID:2DlSVtoro

 ※17:00頃に再開します
727 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 17:21:14.52 ID:2DlSVtoro

 二十四日目

 ―霧の湖(昼)―

 あれから一週間という時間が経ちました。

 迷いの竹林に設置していた罠の撤去、鎌足さんが行った妹紅さんの歪み祓いなど色々とあって――

リンガー「えっと、これからボク、みんなにご挨拶をしなければならないのですが」

妹紅「私の膝の上でやったらどうだ」

リンガー「いや、さすがにそれは格好がつかないのです」

 仲間のみんなを集めて、宴会を催す事にしたのです。

 設置設営ご協力は相変わらず永遠亭の兎さん達。輝夜さんからご褒美がもらえるとかで、喜んでお手伝いをしてくれるのは嬉しいですが、ちょっと申し訳なかったり。

 で、今のボクは妹紅さんの膝に乗っけられてずっと頭を撫でられていました。

ルナ「むぅ……」

スター「ぐぬぬ……」

 それを睨めつける様にしながら、ルナちゃんとスターちゃんが両隣に座っていたり。

 妹紅さんが仲間になってから、こういう場面が増えて来た様な気がします。

 みんなは歪み付きだったっていうこともあって、前の事をすっかりと許してくれているみたいで諍いには発展していませんけど……

輝夜「ちょっと妹紅。調子に乗り過ぎじゃないかしら? 欲求が溜まっていたのはわかるけれど」

幽香「時間制限を作りましょう。ええ、そうよ。ボク君を独り占めしようなんて」

 こういう、ちょっと居づらいって言いますか、気まずいって言うべきでしょうか。

 ギスギスした一触即発してしまいそうな、お腹が痛くなりそうな空気がたまに起こるのです。

リンガー「み、みんな仲良くしましょうよ。ほら、妹紅さん」

妹紅「お姉ちゃん。そう呼んでくれって言っただろう?」

リンガー「……お姉ちゃん、ボクにはやる事があるのですから」

妹紅「ふふ、そうだな。そろそろ満足してやろうかしら」

 そして、あの日の後から妹紅さんには、そう呼んでくれと言われる様になったのです。

 ……いや、単純に恥ずかしいからまだ慣れていません。

 こればっかりは、ちょっと困っていたりします。

幽香「……お姉ちゃん、ねぇ」

輝夜「妹紅? 後で広場」

 物騒な笑みを浮かべるお二方。

ルナ「その手があったか……!」
 
スター「ルナ、私達とリンガーは大差ないわ」

 何が、と問いたくなりましたがルナちゃんとスターちゃんの言葉はスルーしましょうか。

 さて、物騒な事を忘れるくらい、今日の宴会を楽しんでもらうとして。



728 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 17:34:47.16 ID:2DlSVtoro

リンガー「皆様! 今日は集まっていただきまして、本当にありがとうございます!!」

 宙に浮いて、片手にグラスを持ったボクは、仲間のみんなに聞こえる様に叫びました。

リンガー「妹紅さんを助ける、そういう名目でしたが盛大な悪戯を成功させられました! そして、妹紅さんも全快した今、こうして宴会を催せる事を嬉しく思うのです!」

こころ「いぇー! リンガー君かっこいいぞー!」

リンガー「ありがとうございます、こころちゃん。……さて、この組織は総勢でまだ十人。ボクを含めると、十一人です。これからもいっぱいいーっぱい! 面白おかしく毎日を過ごす為に、色んな方を巻き込んで、色んな方と笑いましょう! あまり長い挨拶は嫌われるのでここまでにしまして」

 グラスを掲げて、ボクは言います。万感の思いを込めて、こうして今、みんなと賑やかに過ごせる時を幸せだと思えるから。

リンガー「ボクたちの絆と魂に、乾杯なのです!」

「「「「「かんぱーいっ!!」」」」」

 そうして、宴は本格的に始まったのでした。

729 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 19:07:03.02 ID:2DlSVtoro

※あ、十人でした。ゆうかりん、まだ仲間じゃない



妹紅「肉が美味しッ!」
                              ソダテ
輝夜「ちょっと妹紅! あなたそれ、私が大事に焼いてた肉なのに!!」

リグル「野菜美味しいなぁ……」

幽香「ん、確かに。夏野菜はやっぱり、旬に食べるのが良いわよね」

 料理は基本、BBQ形式でみんなで焼いたりしながら楽しみます。

こころ「秦 こころ、踊ります」

チルノ「いぇー!」

大妖精「そういえば、こころさんって博麗神社でよく踊ってるんですよね」

ルナ「あ、そう言えば見た事あるかも」

サニー「神社には行くとろくな目にあわないから、最近行ってなかったけど」

スター「それは自業自得よね。悪戯やりすぎたっていうか……」

 こころちゃんが舞踏を始めて、妖精のみんながその周りでやいのやいの。

 いやー、何ともまとまりなくそれぞれ勝手に動いてますねー。

 ある意味ボクたちらしいというか、楽しんで笑っていただけているのなら良いのですけれど。

リンガー(……そう言えば、鎌足さんはどこへ行ったのでしょうか)

 この間、妹紅さんのことのお礼をしに行ったのですがお留守だったのです。

 たまたま会った霊夢さんから、不機嫌そうに最近帰って来ていないと聞きました。

 今日の宴にも参加して欲しかったのですが、残念なのです。

妹紅「おい、リンガー」

リンガー「……あ、はい!?」

妹紅「なにを呆然としているのよ。この宴の主催がどこの輪にも入らないなんて、それはダメでしょうに」

リンガー「あ、すいません。ちょっと考え事をしていたもので」

 鎌足さんの事を考えていたら、お肉と野菜が盛り付けられたお皿を持った妹紅さんに窘められちゃいました。

妹紅「全然食べていないだろう? これを食べなさいな。ほら、飲み物も取ってきてやる。お姉ちゃんに任せなさい」

リンガー「え、いや、そこまでボクは食べられないのですよ!」

 渡されたお皿にはたくさんのお肉と野菜。飲み物は今ボクが持っている分で足ります。

妹紅「……そうか」

リンガー「そんなしょんぼりとしないでください。お気持ちは嬉しいですし、この皿にある分は喜んで食べさせて戴きますです!」

 眉を八の字に曲げて俯く妹紅さんに、ボクはそう言ってからお肉を頬張ります。

 うーん、基本的に今回必要なモノは基本的に輝夜さんが用意してくださったもの。

 美味しすぎて、なんだかこう、不安になるのです。

……あまり高級なものは、ありませんよね?

730 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 19:41:20.71 ID:2DlSVtoro

妹紅「ところで、リンガー」

リンガー「ん……、んぐ。なんですか、妹紅さん」

妹紅「お姉ちゃん、な。……お前、この中に一番一緒に居たい奴がいるだろ」

リンガー「ふぁっ!?」

 口の中の物を飲み込んでから聞き返して良かったのです! 絶対吹き出してました!!

 いきなりの質問に、ボクは変な声を上げて妹紅さん――お、お姉ちゃんを見ます。

妹紅「その反応から見るに、図星らしいな。まぁ、何人かは当たりが付いているけれど……」

リンガー「ちょちょちょちょちょちょ! 待ってください、何でまたそんな」

妹紅「はは、ちょっとお前に意地悪したくてな。……あとは、ちょっとしたお節介だよ」

 意地悪って貴女は……。

リンガー「……ボクは別に、みんな大切な仲間だと思っていますし特別こうだなんて」

妹紅「思っていない、と思い込んでるだけだろう? まぁ、見た目からしてみればマセてるって言われるかもしれないが」

リンガー「そんな事を言われましてもねぇ」

妹紅「愛してる、とか。恋してる、とか。そういう事を聞いてるんじゃないわ。みんな大切、みんな大事な仲間ってのもわかるけど、お前自身が一番大事に思ってるのは誰なのかなって気になっただけなのさ」

 ……いや、本当に。

 心当たりがない、というわけではないですけれど。

妹紅「……今、暇だろ? 今の内に考えてみればどうだ。話してみたらどうだ」

リンガー「確かに暇ですが、なんかちょっと急かされてる感じがするのです」

 訝しげに、ボクは唇を尖らせながら呟きます。

妹紅「そんなことはないさ。……おっと、輝夜の奴がまた私の事を睨んでる。ちょっと行ってくるよ」

リンガー「……はぁ」

 何とも腑に落ちないまま、妹紅さんは輝夜さんの方へと去って行きます。

 何だか、以前と打って変わってすっごく親しみやすいのは良いですが時々爆弾を落とされている様な気がするのです。

 見やると、輝夜さんがガッツポーズをしていました。妹紅さんも笑っていますし、喧嘩している様ではないので良いのですけど。

リンガー(……誰と一番一緒に居たい、ですか)

 妹紅さんの言葉に、ボクはお野菜を口にしながら考えます。

 思い浮かぶのは、あの時ボクの背中を押してくれた四人。

 ボクがすっごくお世話になって、遊んでくれて、救いたいと思って、強くしてくれた方々。

リンガー「そうですね」

 こういう時くらい、ちょっと自分の心を整理してみても良いかもしれません。

 そう思って、ボクは立ち上がったのでした。

※選択(誰からお話する?)

※全員とはちゃんと話ます。ただの順番決め

1:輝夜
2:スター
3:幽香
4:ルナ

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 19:41:52.48 ID:5bpNA3Zm0
3
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 19:41:53.59 ID:POYgrgVPo
3
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 19:42:15.03 ID:kczLW4RPo
3
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 19:43:07.93 ID:dVX1a79d0
1
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 19:47:50.26 ID:oCkcfEJh0
ゆうかりん押しはんぱねえ
3で
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 19:51:27.81 ID:x757aqKMO
2
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 19:52:59.86 ID:x757aqKMO
ってよく見たら順番決めの安価か...
焦ったわ
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 19:54:50.75 ID:njxxbikP0
今来てたか!
ヒロインレース前に間に合ってよかったー
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:03:13.52 ID:dmJpW41gO
順番決めとはいえ……ルナ……
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:06:02.58 ID:OwJCKETKo
誰かが悲しむの嫌だからハーレムルートでいいと思う(小声)
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:09:54.80 ID:yB5sxVL0O
あぶねぇ、決まったかと思ったぜ……
742 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 20:10:05.96 ID:2DlSVtoro

>>734 選択:1



 妹紅さんや他の方がいなくなったのを確認して、ボクはまず輝夜さんとお話することにしました。

リンガー「何やら、先ほどは楽しそうでしたね」

輝夜「あら、リンガー。そうね、妹紅とあんな風に接する事が出来る日が来るなんて思ってもみなかったわ」

リンガー「それは良かったのです。……でも」

輝夜「記憶の事なら、問題ないわよ。あいつは思い出した。歪みが鎌足に祓われた時に、思い出したそうよ。色々と、ね」

 その言葉を聞いて、ボクは目を見開きました。

 色々と。その言葉に含まれる意味を、ボクは――

輝夜「ああ、深く考えないで頂戴な。妹紅は強いわよ、元々ずっと独りで過ごして来た様な奴だもの。そこいらの連中より、精神力はずっと強くて硬いわ」

リンガー「……なら、良いんですけど」

輝夜「ようやく巡って来たチャンスを、彼女は無碍になんてしないわ。これから、あの子はもっと強くなれる」

 輝夜さんはそう言って笑顔を見せます。

輝夜「それは、あなたが彼女を助けたから。そして、あなたと出会えたから。もちろん、妹紅だけじゃないわ。私も、ここに居る仲間達も、みんな強くなれる」

リンガー「……これ以上強くなられたら、ボクの立つ瀬がなくなりそうな気がしますね」

 元々立っている場所が、スタート地点が違うのです。

 更に、ボクは進むと決めたけれどやっぱりみんなよりも足が遅い。

 追い付くのは、追い抜かすのは、至難の業だと思うのです。

輝夜「そんな事ないわ。あなたはあの状態の妹紅に勝つ事が出来た。……それに、幾らだってあなたの背中を押してあげる」

リンガー「輝夜さん……」

 真っ白な歯を見せて、輝夜さんはボクの頭を撫でます。

 それが擽ったくて、そして嬉しくて、恥ずかしくて、柔らかくて。

 温かい感情が、心に満ちていく様に思えました。

リンガー「……思えば、輝夜さんには何時も助けていただいてばかりですね」

 きっかけは、二人が殺し合いをしていると知った時。

 それから、悩んだ時も迷った時も、弱気になった時も輝夜さんはボクの背中を押してくれていた気がします。

輝夜「そうかしら。でも、そうね。最初に約束したでしょう? あなたの考えが面白いと思ったから、手伝ってあげるって。あなたは頑張った。頑張り続けた。そして、ここまで来た。……私はその後押しをしただけよ」

リンガー「その後押しのおかげで、ボクはここに居るのですよ。……本当に、ありがとうございます。そして、これからも頼りにさせて戴きます」

輝夜「ええ、思う存分頼りなさい。……ふふ、何だかむず痒いわね。あなたの仲間になれて、本当に良かった」

 輝夜さんはそう言ってはにかみます。少しだけ頬が朱くなっている様にも見えました。

 ボクがここまで来れたのは、輝夜さんのおかげなのです。

 とってもとっても、彼女が仲間じゃなかったらなんて考えたくないくらいに、ボクとって大切な方。

 ……きっと、そう。ボクは、この方が居なければ今頃はと思うくらいに。

743 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 20:11:22.44 ID:2DlSVtoro

※次は誰と話す?

1:×
2:スター
3:幽香
4:ルナ

↓4まででコンマ二桁が一番大きな書き込みを採用
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:11:45.51 ID:yB5sxVL0O
まずは四
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 20:12:18.74 ID:dVX1a79d0
2
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:12:29.38 ID:x757aqKMO
じゃあ3
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:12:40.01 ID:kczLW4RPo
2
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:12:41.26 ID:GORAPdfCo
3
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:13:03.19 ID:fNNwI1sUo
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 20:17:17.61 ID:iekQSBr50
2
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 20:19:22.15 ID:07FxKmc/0
2
752 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 22:10:41.80 ID:2DlSVtoro

>>745 選択:2



スター「リンガー、どう? 楽しんでるかしら」

リンガー「あ、スターちゃん。ええ、それはもう。お腹いっぱいになってしまったので、食休みをしていたところなのです」

 輝夜さんと一旦離れて、ボクが木陰で座っているとやって来たのはスターちゃんでした。

 元々お話するタイミングを伺っていたので、彼女から来てくれたのはとっても好都合なのです。

リンガー「みんなはどうしたのですか?」

スター「こころから能楽を教えてもらってるわ。結構面白いのものね」

リンガー「こころちゃんの戦闘スタイルも能楽ですからね。能楽マスターなのですよ」

 そう言えば、踊りますとか言ってましたね。

 みんなはそれに食らいついたのでしょう。ボクらの中には無かったものですし、みんな体を動かすことが好きでしょうから。

スター「……まぁ、私はあなたと話したかったから、抜けて来たんだけど」

リンガー「本当ですか? 奇遇なのです、ボクもスターちゃんとお話がしたかったのです」

スター「本当!? 嬉しいな、とっても嬉しい」

 ボクが素直に思っていたことを言うと、スターちゃんが満開の笑みを見せます。

 頬を蒸気させて、嬉しそうにするスターちゃん。

スター「……ねぇ、リンガー。私ね、今がすっごく楽しい」

 そうして、スターちゃんはボクの隣に座ると遠くで踊りを教えてもらっているみんなを見ながら呟きます。

スター「ルナやサニー達と遊ぶのも、もちろん楽しいけど……あなたが居て、あなたが集めた仲間と遊ぶのが、すっごく楽しい」

リンガー「そう思ってくれるなら、ボクは万々歳なのですよ」

 元々は、妖精のみんなと一緒に毎日を面白おかしく過ごすのがボクの目的でした。

 スターちゃんがそう言ってくれるなら、最初の目標は達成した様なものなのです。

スター「……ねぇ、リンガー。私ね、最初は不安だって言ったでしょ?」

リンガー「ええ、たしかにそう言ってたのです」

スター「多分、怖かったの。……ううん、今でも怖い。私は、この先にある未来が、とっても怖い」

 瞳を瞑り、スターちゃんは膝を抱えて言います。

スター「時間が止まれば良いのに、ってたまに思うの。あなたと過ごす時間、みんなと遊ぶ時間、楽しくて、でもすぐに過ぎ去って行ってしまう時間」

リンガー「スターちゃん、それは」

スター「それは、うん。ただの願望。時間は止まらない。時間は巻き戻らない。もしも巻き戻す事が出来たなら、それってただの繰り返し。先には進めない」

 ボクも、スターちゃんと似たような事を考えています。

 時間が止まれば良い。その事に関して言えば、たしかに同じ。

 でも、ボクは先に進むみんなが羨ましくて、置いていかれたくなかったから、そう思ったのです。

リンガー「……だからこそ、怖いと思うのですか?」

スター「うん。知らない事がこの先に待ってるのが、それであなたやみんなと離れ離れになる事が、怖い」
753 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 22:12:20.87 ID:2DlSVtoro

 永遠なんてこの世には存在しない。形あるものは何時か廃れて壊れるし、見えないものは気づけば変化している。

リンガー「大丈夫ですよ」

 だからこそ、ボクはそう呟いたのでした。

リンガー「ボクは、置いて行ったりなんかしません。誰も、この仲間を」

 もしも、離れ離れになるかもしれなくても、ボクの意思でみんなと離れようだなんて絶対に思わないだろう。

 ボクは置いていかれる悲しさを知っているから。怖さを、悔しさを、虚しさを、知っているから。

リンガー「指きりげんまんなのです」

スター「……破ったり、しない?」

リンガー「はい。ボクは、スターちゃんを置いて行きません」

 もう二度と、ボクはスターちゃんを見捨てたりしない。仲間を見捨てたりなんてしない。

 ボクは、スターちゃんの為に強くなろうと思ったのです。

 あの時の様に、絶対になりたくないから。同じ様な事を繰り返したくないから。

 ボクは、その為にさいきょーになりたいって夢を持ったのだから。

「「ゆーびきーりげーんまーん、うっそついたーらはーりせんぼーんのーます」」

 この約束も、ちゃんと果たせる様に。

 ボクはこれからも、みんなと居続けたいと思うから。

「「ゆーびきった」」

754 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 22:13:23.90 ID:2DlSVtoro

※次は誰と話す?

奇数で幽香 偶数でルナ

判定直後
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 22:14:06.07 ID:SbNTfwl8o
究極のコンマ
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 22:14:55.55 ID:r/mZPwk90
六日
757 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 22:47:13.57 ID:2DlSVtoro

※上から順当に話してって笑う

>>755 コンマ:奇数



「だーれだ」

 スターちゃんと話終わり、彼女も能楽を教えてもらうのに参加すると言って去っていくのを見送った後。

 突然目の前が暗くなって、そんな声を掛けられたのでした。

リンガー「……なにをしているのですか、幽香さん」

幽香「あら、冷たい反応ね。ボク君、私の事嫌いになっちゃったのかしら」

リンガー「幽香さんは花の良い香りがするのです。だから、わかりやすいのです。それに、ボクがあなたを嫌いになるわけがないでしょう」

幽香「あら、嬉しい事を言ってくれるじゃない。ボク君、でもそういう言い回しはもうちょっと大人になってからにしましょうね?」

リンガー「……そういう、子供扱いする所は嫌いなのです」

 幽香さんの言葉に、ボクはムッと頬を膨らませながら言います。

 大人になったらそういう事を言っても良い、という意味もよくわかりません。

幽香「クス、そういう所が子供なのよ」

リンガー「むぅ、幽香さんはやっぱり意地悪なのです」

 クスクスと笑って、日傘をさす幽香さん。

 何時もの様な怖さも、恐ろしさのない笑顔がとても眩しく見えます。

幽香「ごめんなさいね。……ボク君と話すのが楽しいからつい、いじめたくなっちゃって。反応も可愛いし」

リンガー「だーかーらー」

幽香「普段のボク君は、可愛いわよ。みんなきっと、そう思っているわ。……でも、この間のボク君はすっごくかっこよかった」

 最後の言葉に、ボクは思わずびっくりとして固まってしまいます。

幽香「真剣な男の子の顔は、頑張っている男の子は、魅力的なものよ。君は、そうして勝ってみせた。だから、今がある」

リンガー「そ、そんな。褒めても何も出ないのですよ〜」

 急にそんな事を言われたものだから、ボクは急激に恥ずかしくなって後頭部をかきながら照れ隠しにそう言います。

幽香「……ふふ、良いじゃない。素直に受け止めなさいな。君は勝者で強き者。私はそんな君を誇りに思う」

リンガー「……珍しいのです、幽香さんがそこまで褒めてくださるなんて」

758 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 22:48:14.36 ID:2DlSVtoro

 輝夜さんの時もそうでしたけど、やっぱり強い方から褒められるとくすぐったいものがあります。

 それが、美人なお姉さんからというのも一つのポイントかもしれません。

幽香「まぁ、私が修行してあげたのだからそれも当然よね。ふふ、もし負けてなんていたら私は君に失望していたかも」

リンガー「ええー、それじゃあボク、この先負ける事が出来ませんね」

幽香「そうよ、ボク君。……いいえ、リンガー。あなたの夢は最強の妖精。だったら、負ける事なんて想定しては駄目」

 言い直して、ボクの事を名前で呼ぶ幽香さん。

リンガー「……責任、重大ですね」

幽香「ええ、それはもう」

 それは、暗にボクへのエールなのでしょうか。この先も、夢を叶える為に頑張れという、幽香さんなりの。

 ボクが弾幕ごっこから逃げないと決めた後、ボクの師匠みたいなものになってくれた幽香さん。

 彼女から教わったことは、技術的にはそう多くはありませんでした。

 時々怖い目に合わされて、でも、それがボクの心を鍛えてくれた。今思えば、幽香さんのおかげで怖さに立ち向かう勇気を得るきっかけ得られた様な気がします。

 ちょっとだけ失礼かもしれませんが。いえ、すごく失礼かもしれませんが。
                                ファクター
 でも、その経験がボクにとって前に進む為の重要な要因になっていたのかもしれません。

 ……本当に、ボクは幽香さんと出会えて良かった。

リンガー「始まりは最悪な出会いでしたけど」

幽香「あら、生意気。私からすれば、とってもとっても素敵な出会いだったのに」

 強制労働の何処が素敵だって言うのですか。

 でも、そのおかげでこの繋がりができている。そう思うと、不思議と笑みを浮かべてしまうボクなのでした。

759 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:19:44.71 ID:2DlSVtoro



 料理も一段落、残すはジュースとお酒だけ。

 宴もたけなわ。みんな思い思いに休んだり、お話したり。

 そんな中で、

ルナ「やっと回って来たわね、私の番」

 ルナちゃんがそう言いながら、ジュースをくぴくぴと飲んでいたボクの隣に座りました。

リンガー「番って何ですか、番って」

ルナ「だって、リンガー。あなたって気付くと誰かと喋ってるんだもの。私だってあなたと話たいことあったのに」

リンガー「……結構手空きの時間、多かったですよ?」

 みんなが楽しんでいるのを見ながら歩いたり、空から眺めたり、一人で問題が起こってないか確認していたりもしていました。

 まぁ、別段と何かあったわけでも心配していたわけでもないので、正味な話暇していた時間も多かったのです。

ルナ「……私の馬鹿」

リンガー「いえいえいえ、そんな落ち込んでも仕方ありませんって」

ルナ「そうね。……その、この間はかっこよかったわ。リンガーも、ああいう風に戦えるのね」

 顔を背けながら、ルナちゃんが唐突に言ったのはそんな言葉でした。

リンガー「ルナちゃん、耳まで真っ赤ですよ」

ルナ「う、うるさい! って、何であんたそんなに冷静なのよ」

リンガー「さっき、幽香さんにも同じ様な事を言われたので」

 でも、そう言ってくれるのはとっても嬉しいと思うのです。

 同じ妖精の仲間から、大好きな仲間からそう言われると、うん。

 心が弾むと言いますか、恥ずかしさよりも、幽香さんに言われた時よりも心にすとん、と。

 落ち着いて喜べます。

ルナ「か、風見 幽香めぇ……!」

リンガー「ふふ、そう言わないでくださいルナちゃん。ボクは嬉しいのですよ、ルナちゃんがそう言ってくれる事が」

 一番、妖精の仲間に言って欲しかったかもしれない。

 他の誰かに言われても勿論ボクは喜びます。だけど、やっぱり長い付き合いのあるみんなからそう言われると、喜びも一入なのです。

 ぐぬぬとするのも疲れたのか、それとも諦めたのか。

 しばらくの間があって、ルナちゃんが口を開きます。
760 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:20:14.00 ID:2DlSVtoro

ルナ「……ねぇ、リンガー」

リンガー「何ですか、ルナちゃん」

ルナ「……私は、あなたを支えたいって思ってた」

 突然の告白に、ボクは首を傾げます。

ルナ「前にさ、言ったじゃない。やっと同じ場所に立てたのにって」

リンガー「ええ、そう言えば」

ルナ「ずっとね、そう思ってたの。弱くてさ、でも放っておけなくて。頭が良いから、色んな事を頼まれることも多かったし。……その隣で、少しでも支えになれればって思ってた」

 言いつつ、自嘲する様に微笑んでルナちゃんは前を向きます。

 その視線を追うと、そこではサニーちゃん達が追いかけっこをして遊んでいました。

ルナ「ほら、私って鈍臭いから。よく転ぶし、新聞とか本を読むのも好きだし、みんなからよく、置いてかれるし」

リンガー「……そんなの、ボクだってそうなのですよ。ボクの本質は、変わってないのです」

 ただ、怖い事や嫌な事から目を背けるのをやめようって思ったから。

リンガー「だから、そう言ってくれるのは、比類がないくらい嬉しいのですよ」

ルナ「本当?」

リンガー「はい。ルナちゃんが支えてくれたら、ボクの考える事もより完璧になるのです!!」

 それは自信を持って言える事でした。

 ルナちゃんだって頭が良いのです。ボクとは違う視点を持っているので、ボクが見落としている事を拾ってくれるでしょう。

 だから、

リンガー「これからも、どうぞよろしくお願いします」

ルナ「あ、えっと。いえいえ、こちらこそ……」

 ボクはルナちゃんにも、もっと自信を持って欲しいのです。

 ボクは一人だと何も出来ないから。みんなと毎日を面白おかしく過ごすには、誰かが必要だから。

 ルナちゃんだって、大切な友達で仲間だから。

 ボクはそう思いながら、この後色んな考えている遊びをルナちゃんとお話したのでした。

761 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:30:11.80 ID:2DlSVtoro


 ―幻想郷(夜)―

 宴会も無事終わって、みんなで片付けをした後。

 ボクは背の高い木の一番上に座って月を眺めていました。

 考えていたことは、宴会の最中に妹紅さんに言われた事。

 そして、その中で思い浮かんだ四人との会話。

リンガー「誰と一番、一緒に居たいかですか……」

 その質問の意図を、ボクは考えないように、気付かない様にしていました。

 これでもたくさん本を読んで、そういう知識だってないわけではありません。

 だけど、本質的に見ようとは思っていませんでした。

 だって、一人だけを何よりも大切だって思うなんて、仲間を集めた者としては良くないと思っていたから。

リンガー「でも」

 実際に話してみれば、うん。

 ボクには、そういう人が居るんだって、確かに思ってしまったから。

 ボクはその人と向き合いたい。その人と、ずっと一緒に居たい。

 仲間を疎かにするつもりなんて何処にもないけれど。

 大切な仲間の中でも、その方と一緒に過ごしたいと思うのだ。

リンガー「行きましょうかね」

 妹紅さんが今、素直に生きている様に。

 ボクも、素直になろう。

762 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:32:57.15 ID:2DlSVtoro

※ヒロインレースです。出馬はこちら

1:輝夜
2:スター
3:幽香
4:ルナ

※好感度順で言えばこうです。なので、トップの輝夜さんには+1票が付与され、四位のルナちゃんには-1票されます。

※そんなわけで、はい。皆さん準備は良いでしょうか

763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:34:39.53 ID:SbNTfwl8o
イエスマム
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:35:48.10 ID:6H+LFrt0O
いざ南無三
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:35:52.44 ID:GORAPdfCo
ステンバーイ
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:38:02.09 ID:r/mZPwk90
ヤー
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:38:03.39 ID:oCkcfEJh0
3
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/02(土) 23:40:40.37 ID:njxxbikP0
ハァハァ早く
769 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:40:59.11 ID:2DlSVtoro

※では、ヒロインレース開始を宣言致します!

※選択(アンケート)

1:輝夜(+1票付与)
2:スター
3:幽香
4:ルナ(-1票付与)

安価↓10までで一番多い番号を採用

770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:41:20.29 ID:kczLW4RPo
2
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:41:42.30 ID:njxxbikP0
3
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:41:44.34 ID:x757aqKMO
2
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:41:49.18 ID:/tQm08rE0
2
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:41:58.03 ID:OXFeY4dSO
3
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:42:06.35 ID:vtrrLkCPO
2
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:42:22.29 ID:njxxbikP0
333
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:42:35.41 ID:SbNTfwl8o
1
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:42:40.33 ID:lm/uRF2o0
1
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:42:42.86 ID:r/mZPwk90
1
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:43:12.60 ID:njxxbikP0
333
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:43:28.36 ID:x757aqKMO
同数か...
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) :2014/08/02(土) 23:43:37.84 ID:njxxbikP0
3
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:44:10.54 ID:GORAPdfCo
2
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:44:23.87 ID:/tQm08rE0
輝夜とスターサファイアが同じか
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:44:36.67 ID:r/mZPwk90
ルナェ…
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:45:06.59 ID:x757aqKMO
いや、重複取ってるの抜いたら2だわ
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:45:58.84 ID:6H+LFrt0O
輝夜 4P
スター 4P
幽香 3P
ルナが-1
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:46:38.30 ID:nL5iPF0sO
連投だめ絶対
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:46:57.42 ID:NXpSBxZW0
ぬああおお

投票できんかったぁ
790 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:47:55.37 ID:2DlSVtoro

※集計中、しばらくお待ちください。

※おおう、重複は申し訳ないですが1票カウントとさせていただきます


791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:47:59.66 ID:6H+LFrt0O
重複無しならスターか?
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:48:14.93 ID:x757aqKMO

スター5
かぐや3
幽香2
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/02(土) 23:48:32.87 ID:oCkcfEJh0
3
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/02(土) 23:49:27.25 ID:x757aqKMO
輝夜4か
スマン
795 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/02(土) 23:55:38.66 ID:2DlSVtoro

※集計

1:輝夜 4票
2:スター 5票
3:幽香 2票
4:ルナ 0票

※仕方ないとはいえルナェ……

※ヒロインは見事補正持ちの輝夜を追い抜きスターちゃんに決定しました

※では、今舞台最後の恐怖劇を始めましょうか

796 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 00:05:30.64 ID:zmv3iRpXo

―三月精の家(夜)―

 やって来たのは、三月精のみんなが住んでいる家。

 ここに、ボクが一番一緒に居たい――守りたい、女の子が居る。

 胸の高まりを落ち着かせようと深呼吸をして、強く瞳を閉じます。

 そうして、ボクは扉を強くノックしました。

 そうすると出てきたのは、ルナちゃんでした。

 息を絶え絶えに、顔を真っ赤にして。

ルナ「こ、こんばんは。リンガー」

リンガー「はい、こんばんはなのです。……夜に申し訳ありませんが、スターちゃんは居ますか?」

ルナ「……スター、ね。わかった。部屋に居ると思うから、入りなさい」

 スターちゃんの名前を出したその時、ルナちゃんは一瞬だけ悲壮感に満ちた表情をしていました。

 そして後ろを向くと、そう言って奥へと消えて行きます。

リンガー「ルナちゃん?」

サニー「あー、リンガー。ストップ。用があるのはスターなんでしょ? 今何かおかしなこともない筈だから、勝手に向かって。ルナのことは私がどうにかするから」

リンガー「え、あ、はい。わかりました……」

 釈然としないまま、ボクはサニーちゃんに言われるままお邪魔して、以前泊まったことのあるスターちゃんのお部屋を目指します。

 うう、緊張して来た。以前は意識しない様に――というか、していませんでしたから何だか足取りが重く感じます。

 でも、ここまで来たのですから引き返すなんて駄目なのです。

 だからボクは、この歩みを止めません。

 そうして、ボクはスターちゃんの部屋の前へとやって来たのでした。

797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 00:24:44.82 ID:GDAIKoNzo
うわあああああああああ乗り遅れた……
姫様に投票したかったぜ…
798 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 00:36:31.06 ID:zmv3iRpXo

 息を飲んで、緊張からくる口の中の乾きを感じながら、ボクは震える手を握り締めました。

 そうして、ゆっくりと緩慢な動作で行うノック。

 コン、コン。

 そんな、乾いた小さな音。

 それすらも大きく感じる程、胸の鼓動がうるさいと思うくらい、ボクは気を張っていました。

 こういう時だけ、早く時間が進めば良いと思います。

 どれくらい待ったでしょうか、体感時間が狂ったボクにはこの待っている間が永遠の様に長く感じていました。

 そして、

スター「……来てくれたんだね、リンガー」

リンガー「来ちゃいました、スターちゃん」

 徐々に開いた扉。そこから姿を見せたスターちゃんの言葉に、ボクは震える声をどうにか抑制して答えました。

スター「中に入って。……待ってたよ」

 彼女の誘いに従い、ボクは部屋の中へと入って行きます。

 待ってた。その言葉を聞くと、まるでボクがここに来ることがわかっていたような感じなのです。

リンガー「スターちゃん、どうして」

スター「まずは、来てくれてありがとうリンガー。私は、それが凄く嬉しい」

 ボクの質問を遮る様に、スターちゃんは深く頭を下げました。

 ボクはその行動の意味を把握出来ずに、困惑してしまいます。

スター「……ねぇ、リンガー。素直に答えて欲しいの」

 それから彼女は顔をあげると、扉を閉めてから真剣な表情でボクの瞳を覗き込みながら言います。

スター「あなたがここに来た意味に、私への贖罪と憐れみはある?」

リンガー「……質問の意味が、わかりかねます」

スター「答えてリンガー。私は、私達は決めていたの。その為に妹紅さんに手伝って貰った。そうして、あなたに発破を掛けて貰った」

 その言葉で、ああ、とボクは思いました。

 お昼の時、唐突に変な質問をするものだと思ったその意味が、ようやくわかりました。

 輝夜さんが何故ガッツポーズをしたかも、なんとなく察してしまいます。

リンガー「……まさか、このボクがこんな簡単に操られてしまうなんて」

 ああ、でも良い機会ではあったのかもしれません。

 そうでなければ、ボクはずっと気付こうとしなかったでしょうから。

リンガー「ふふ、してやられてしまいました。……そうですか。そうですか」

 ボクの思い浮かんだ四人がそのまま、ボクとお話してくれたのは驚きですが。

 ……幽香さんの言っていた意味がちょっとわかった気がします。

 どうやら、ボクは色んな人に良い顔をし過ぎたのかもしれません。

スター「もしも傷つけてしまったのなら、謝る。でも、私は我慢出来なかった。だから、そう。確かめたかった」

リンガー「……ボクが、スターちゃんに贖罪や憐憫を感じているからここに来ているのかどうか、ですか」

スター「私は、そんな事思って欲しくはないの。そんな気持ちで、私の隣に来て欲しくはないから」

 それは暗に告白している、と取っても良いのでしょうか。いえ、それは自惚れ過ぎでしょう。

 ……でも、ボクはそういう気持ちを持ってここに居る。

 だったら、ボクの思いをここで吐き出しましょう。

 それを、彼女が――スターちゃんが望んでいるのならば。
799 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 00:53:04.01 ID:zmv3iRpXo

リンガー「スターちゃん、ボクはみんなが大好きなのです。それは大事な仲間で、大事な友人だから」

 それは変え様の無い事実で、それは紛れもないボクの本心。

 ボクの目標、ボクの夢。それに賛同してくれた方々を、ボクは大切にしていきたい。

リンガー「そこにスターちゃんも含まれています。そして、ボクは違う意味でもスターちゃんと一緒に居たいのです」

 それは、愛だとか。それは、恋だとか。小難しい事じゃない。

 一番一緒に居たいのが、彼女。ただそれだけの、単純でわかりやすい感情。

リンガー「……きっかけは確かに、贖罪かもしれません。ボクはスターちゃんを見捨てた。身代わりにしてしまった。その事に対する言い訳を、贖罪を、したかったのかもしれない」

 最初は、憐憫だったかもしれない。ボクとの記憶がないなら、これからの思いでをまたボクが作ってあげよう。そう心の底では思ったのかもしれない。

 だけど、ボクは知ってしまった。ルナちゃんが教えてくれて、思い出した。だから、そこに贖罪の意味を持つ事になった。

リンガー「でも、今のボクはそんなことを一切思っていないのです」

 だって、ボクの知っているスターちゃんと何も変わらないから。

 ボクと仲良くしてくれるスターちゃんは、今でも目の前に居るから。

リンガー「ボクはだから、改めてこう言います。ボクと一緒に、これからも楽しくて、面白おかしい毎日を、記憶を作って行こうって」

スター「リンガー……」

 空いた穴に、戻すだけなのです。悲しいことかもしれません。ボクが忘れられてしまったのは、確かにショックでした。

 だけど、そこで立ち止まらない。今のボクと、今のスターちゃんで新しい日々を刻めば良いのです。

リンガー「だから、ボクはスターちゃんに贖罪をしよう、とか。憐れんで、ここに来たわけじゃないのです」

 ボクがしたことを、ボクはずっと許さないでしょう。でも、ボクはもう二度とそんな事をしないと決めたのです。

 許してもらおうだなんて思わない。ボクがした罪は消えない。だったら、背負おう。

リンガー「ボクはスターちゃんが好きだから、一番一緒に居て欲しいと思ったから、ここに居るのですよ」

 そうして、するりと出たのは本音で、一番言いたかった言葉。

 ボクは君が好き。そんな、簡素で言葉にすると陳腐な、色んな思いが込められた言葉。

 思ったよりも、簡単に出てしまった事にボクは驚きます。

 心の準備も何もしていないのに、勢いに任せて言ってしまったのです!!

800 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:03:49.43 ID:zmv3iRpXo

スター「……リンガー。それって、告白って事で、良いのかしら」

 間をあけて、スターちゃんが聞いて来たのはそんな確認。

リンガー「そう、です。ボクはそれを言うためにここに来たのです。寧ろ、わかっていたのではないのですか?」

 たじろぎながら、でも口から出た言葉は戻らないから、ボクは今を受け止めて聞きました。

スター「……まさか、そこまで思ってくれているとは思わなかった、から」

リンガー「スター、ちゃん?」

スター「ただ、一緒に居たいのは誰なのかって、本当にそのまんまの意味で、ちょっとからかう程度の、話だったのに」

リンガー「な……!?」

 まさか、ボクの深読みのし過ぎだったのですか!?

 そ、それは恥ずかしい! 恥ずかしくて消えてしまいたいくらいなのです!!

スター「なのに、ええ、なのに、リンガーは、えぐ、そこまで深くまで、考えてくれてた」

 ボクが悶絶するのを我慢している最中、スターちゃんから嗚咽混じりの声が聞こえてきました。

 え、そんなにボクは滑稽だったのですか!?

スター「それが、私、すっごく、すっごく嬉しいのよ。……ねぇ、リンガー。私で、良いの?」

リンガー「……当たり前じゃないですか」

スター「それは、本当に?」

リンガー「はい。……指切り、したじゃないですか」

 置いていかない。そこにはきっともう、ボクの本音が含まれていたのでしょう。

 ボクは、はは。ボクは初めから、彼女の側に居たいって、思っていたのでしょうね。

スター「……それじゃあ、私の思いを聞いて、くれますか?」

 ボクはその言葉に、深く頷きました。

801 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:08:07.19 ID:zmv3iRpXo





              「私は、あなたを赦します。私は、あなたを愛します。未来永劫、この世界から星々と大地が消えるその時まで」



802 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:16:15.47 ID:zmv3iRpXo

リンガー「……スターちゃん」

スター「記憶はね、とっくに戻っていたの。とっくに、あなたに埋めてもらっていたのよ。あの体験は確かに怖かったし、悍ましかった。だけど、それ以上の喜びと楽しみと、記憶をあなたは私にくれました」

リンガー「ボクを、赦すのですか?」

スター「過ぎた事、と言ってしまえばそこまでだけど……。同じ過ちをしないって、言ったじゃない。守ってくれるって言ったじゃない。だから、私はあなたを赦し愛します」

……は、ははは。そう、か。彼女は、ボクを赦して、くれるのか。

 記憶が何時戻ったのかは聞かない。でも、それを思い出して尚、スターちゃんはボクを愛すると言ってくれた。

 だったら、その言葉を裏切る事なんて、ボクには出来ない。

リンガー「わかりました。……一緒に、居てください。今度こそ、守り抜くと誓いましょう。ボクの大好きな女の子」

スター「ええ、だから、これからもいっぱい、楽しい記憶を私に頂戴。そして私を守って。私の大好きな男の子」

 涙を流し、嬉しそうにするスターちゃんをボクは抱きしめました。

 目一杯、ボクの気持ちが伝わる様に抱きしめました。

 ボクよりも少しだけ身長が低くて、華奢な女の子を。

 ボクの大好きな、とっても可愛らしい女の子を。

803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/03(日) 01:18:46.60 ID:Ojbq1n+w0
さて、この後他の3人からの反応が楽しみだ
804 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:20:34.49 ID:zmv3iRpXo

 今こそ言おう。この時間が止まれば良い。永遠になれば良い。この気持ちを、永遠に刻み付けたいと。


          Es kann die Spur
       我が身、地上の生活の痕跡は

                                        von meinen Erdetagen
                                    幾世を経ても滅びるということがないだろう


           Im Vorgefuhl von solchem hohen Gluck
             そういう無上の幸福を想像して

                                 ich jetzt den hochsten Augenblick. Genies'
                                今 私はこの最高の刹那を味わい尽くすのだ

805 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:21:35.00 ID:zmv3iRpXo





                        Verweile doch, du bist so schon!
                         時よ止まれ おまえは美しい
806 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:23:23.86 ID:zmv3iRpXo


                               第四幕

                            リンガー・ローゼス

                            スターサファイア√

                          刹那に願う足引きの妖精

                                完

807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:25:01.90 ID:T4PPJon5o
参加出来なかったけどスタールート行けて良かった
初めからフラグ立ってたしな
808 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 01:26:11.10 ID:zmv3iRpXo

※というわけで、リンガー君のお話は一旦終了になります。

※まだエピローグ……という名の最終決戦が残っているのでエクストラには行きません

※もうしばらく、リンガー君にお付き合い頂ければと思います

※明日早いので駆け足になってしまった感がありますが、ご容赦を。

※というわけで、お疲れ様でした。次回は明日――というよりも今日のお昼頃か夕方を予定しております

809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:26:39.05 ID:BP3M9DOpO
これ零さんだったら輝夜とゆうかりんに酷い事されるよね
ショタで良かった
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/03(日) 01:26:39.75 ID:Ojbq1n+w0
次が楽しみだなぁ
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:26:55.65 ID:Dr2qvgSro
乙カレー
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:27:09.70 ID:BP3M9DOpO
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:27:21.04 ID:HiVbN7pUo
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:27:34.88 ID:xccKpWQco
おつ
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:34:48.12 ID:7U4F2zo90
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:34:59.76 ID:TSuzyyB8o
そういや主人公全部で8人予定だっけ
そうなるとこれで半分終わりなのか
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 01:48:12.76 ID:U8AbheMBO
次は外来人を主人公にしたい。
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 02:04:43.74 ID:t6beKdvfo
おつ
外来の能力者ってあり?
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 07:43:24.19 ID:oeqjCnO7O
乙ー
やっぱりスターでしたね。フラグしかなかったもんなぁ……

何というか、輝夜もゆうかりんもリンガーからは先生としか見られてないんじゃないかな。本人達もそれでいいと思っていそうだけど。

そろそろ女主人公が欲しいです。四人までやって全員男って珍しいとおもう
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 07:47:12.86 ID:8ZR6H2q70
ずっと男キャラ続きだったしねえ……
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/03(日) 12:08:00.92 ID:VR2aWVVZ0
キャラの性別が何だろうと面白ければいいんじゃあないかな?
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/03(日) 12:12:49.06 ID:VR2aWVVZ0
818>能力持ちは居るんじゃないか?幻想郷で発現することもありそうだし。
823 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 14:56:42.72 ID:zmv3iRpXo

>>809 ※てるよはともかく、ゆうかりんがそんな甘いわけがない

>>816 ※一年と半年掛けて半分です。長すぎ笑えない

>>818 ※能力を持ったから幻想入りしたのかもしれませんし、きっかけで目覚める可能性もあるのでその時は安価で決めます

※うーん、この男所帯。こういうスレがあっても良いじゃないか!

※十分後くらいに再開しようかと思います。エピローグという名の外伝。外伝という名の最終決戦を

824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 15:09:19.21 ID:TSuzyyB8o
来た見た勝った
825 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 15:10:18.64 ID:zmv3iRpXo


            第四幕

         リンガー・ローゼス

            外  伝

          『最強の証明』
         
   それは、ボクが追い求めた夢の決着

826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 15:10:20.03 ID:Mwjs9QvvO
その男所帯に放り込まれた妖夢
827 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 15:11:39.89 ID:zmv3iRpXo

 ◇

 スターちゃんと思いを交わしあってから数月。

 そして、スターちゃんたち三月精のみんなと暮らしはじめてから数ヶ月が経ちました。

 仲間のみんなからは祝福され、羨ましがられ、持て囃された頃が懐かしいくらいなのです。

 今ではそういうのも鳴りを潜め、いつも通りに戻りました。

 そう、幽香さん以外は――

828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2014/08/03(日) 15:12:50.27 ID:Amh0V/dbO
準備は出来ている・・・始めようか。
829 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 15:14:49.80 ID:zmv3iRpXo

 ◇

 それは、ボクが出掛ける準備を全て終えた後に、ルナちゃんが言った事から始まります。

ルナ「……私が言うのもなんだけどさ、そんなに大切なことなの?」

 納得いかない。表情がそう言っていて、そしてその言葉がルナちゃんの思いを露わに形付けます。

サニー「ちょっとルナ、せっかくリンガーが覚悟を決めたのに、今更何を言ってるのよ」

ルナ「サニーは黙ってて。……相手はあの、風見 幽香なのよ。きっと、あいつは本気でリンガーを殺しに掛かってくる。それなのに、本当に行かせて良いのって聞いてるのよ、スター」

 ルナちゃんが怒っているような、心配しているような表情と口調でスターちゃんを見ます。

 しかし、スターちゃんは何も言いません。

 ボクも、何も答えません。

――風見 幽香さんが行動を起こしたのは、ほんの数日前。以前、この幻想郷中に彼岸花が咲き誇った異変の様に、彼女は薔薇を咲き誇らせました。

 それは、ボクへの挑発。ボクへの果たし状。ボクへと向けた、異変。

 最強の妖精を目指すならば、この異変を止めてみなさい。それが最後にボクが聞いた、幽香さんの言葉でした。

ルナ「リンガーは勇気を持っている。強い存在に立ち向かえる、そんな本物の勇気を。だけど、今回は状況が違う。異変解決なのよ、弾幕ごっこ。妹紅とやった事とはまったく状況が違うの」

 そう、確かにルナちゃんの言う通りなのです。

 ボクが向かっていって行うのは、殺し合いじゃない。本気の幽香さんと行う、弾幕ごっこ。罠も、仲間も、何も用意せずにボクだけの力で行う、純粋な勝負。

 ボクはも相変わらず弱いのです。それは、あれから修行を続けてきた今でも、変わらない。

ルナ「勇気と無謀は違う。リンガーだってわかってるはずよ。それでも止めないの? それでも行っちゃうの?」

スター「……止めないわ。リンガーは、勝つから」

ルナ「スター!」

リンガー「ルナちゃん。心配してくれるのは、本当にありがたいのです。でも、ボクはこの異変を解決しなければならないのです。……幽香さんも、それを望んでいると思うから」

830 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 15:17:49.40 ID:zmv3iRpXo

 かつて起こった様な泥の影響で、幽香さんがこういう事をしたわけではありません。
 
 ただ単純に、あの方はボクを見極めたいのでしょう。

 ボクは、曲がりなりにも妹紅さん――じゃなかった、お姉ちゃん――に勝った妖精で、幽香さんに修行してもらった身なのです。

 元々、強い存在としか戦わないという話も耳にしていました。

 そして、あの方自身もそういう存在に勝っているから、恐れられているのです。

リンガー「お膳立てされているのですよ、ルナちゃん。ボクの夢の、先駆けの為の」

 幽香さんは、ルナちゃんの言う通りボクを殺す気で相手取るでしょう。

 ですが、それが避けて通れない道ならば致し方ないのです。

スター「そういうことよ。……私は、そんなリンガーの背中を押してあげるだけ。リンガーの事が心配なのはわかるけど、指名されてるのよ。黙っててもいつか、向こうから来るわ」

ルナ「でも……」

リンガー「もし一回休みになっても、ボクはここで復活するのです。……そして、何度でも彼女に挑戦して、勝ちます。ボクは、そうしなければならない」

 死ぬことは嫌です。痛いのも、苦しいのも嫌いなのです。

 だけど、それを乗り越える勇気を持たなければならない。向かわなければ越えられない壁があるのなら、時間を掛けてでも乗り越えて見せなければならないのです。

 それが、幽香さんがボクに望んでいることならば。

リンガー「さいきょーの証明を打ち立てる時が来たのです」

 弾幕ごっこ、ということは誰かが見ている可能性があります。

 昨今、そうして有名になった魔理沙さんや博麗の巫女さん。洩矢の早苗さんや、紅魔館のメイドさん、白玉楼の庭師さんがしてきた様に。

 ボクの夢を、ここに叶える時が来たのです。

 
831 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 15:35:58.65 ID:zmv3iRpXo

※あ、守矢の字間違えてる。脳内補完をお願いします


スター「その為の衣装だって拵えてあげたもの。ね、サニー」

サニー「うんうん! なんてってたって、リンガーにはヒーローになってもらうんだからね。ちゃんとした服装で行ってもらわないと!」

 二人がボクを見ながらそんな事を言い合って、笑顔を交わしていました。

 風で舞うくらい長いマフラーと、一張羅のような青いジャケット。

……ちょっと恥ずかしいけど、まぁ、スターちゃんが見立ててくれたものだから良いかな、なんて。

 ちなみに、発案者はサニーちゃん。相変わらず、こういう事の思い付きでは勝てる気がしません。

ルナ「あんた達ね〜……!」

リンガー「ルナちゃん、怒らないであげてください。ふたりは――」

ルナ「そういう事をするなら、私も混ぜなさいよ!!」

 こてん、と古典的なズッコケをしてしまいそうになりました。

 宥めようとしたボクの気遣いは行き場を無くしてしまいます。

 あ、それと別に転ぶ表現と古典をかけたわけじゃないのですよ? 本当ですからね?

スター「何もないところでなんで転んでるの、リンガー」

リンガー「あ、いえ……。ただ、ルナちゃんが見当違いな事を言ったので思わず」

ルナ「なーにが見当違いよ。止めたってもう無駄なんでしょう? だったら楽しそうな事に参加出来なかった恨み言を言った方がマシよ」

 ふん、と鼻を鳴らしてルナちゃんは腕を組みました。

 どうやらまた、ボクの深読みだったみたいなのです。

ルナ「リンガーがそう決めて、二人が応援するなら私だけ仲間外れなんて嫌よ」

スター「相変わらず素直じゃないんだから。でもリンガーは渡さない」

ルナ「もう諦めてるって言ってるでしょ! ……横恋慕の愛憎劇なんてお断りよ」

サニー「しかし、それでもルナの心にはリンガーに対する感情が残っていたのです。おお、なんて悲劇。友達同士で川原で殴り合いだね」

スター&ルナ「しないから、そんな事」

 声を合わせてツッコミを入れる二人に、サニーちゃんがえー、しないのーとブーたれて唇を尖らせます。

 さっきまでのシリアスムードはどこへやら。なんだか安心出来て、ボクは笑みをこぼしました。

832 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 15:44:07.26 ID:zmv3iRpXo

リンガー「行って来ます、みんな。ボクはさいきょーの妖精になって、帰ってくるのです」

 頃合を図ってボクはそう切り出しました。

 時間はお昼。そろそろ、幽香さんも待っていることでしょう。

スター「ええ、行ってらっしゃい。待ってるからね、ヒーロー」

 ボクの手を握って、スターちゃんは柔らかい笑みを浮かべながらそう言います。

サニー「行ってらっさい! お前は勝つべくして勝つのだ! ヒーローだもんね」

 その後ろで、サニーちゃんがはやし立てる様に朗らかに言い放ちます。

ルナ「……さっさと行きなさい、ヒーロー。夢、叶えてみせなさい」

 最後に、ルナちゃんがボクの背中をそっと押し出します。

リンガー「はい! それじゃあ、勝ってきます!!」

 ボクは意気揚々と玄関から駆け出ると、その後大きくジャンプしてから羽を一生懸命動かして風に乗ります。

 そのまま空へと舞い上がって、目的地へ向かうのです。

 目指すは太陽の畑。幽香さんが待っている場所。

 赤い薔薇がところ狭しと咲き誇る幻想郷を、ボクは翔びます。

833 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 16:05:25.82 ID:zmv3iRpXo



 異変というのは、何ていうか、ボクたち妖精や力の弱い妖怪にとってはお祭りみたいなもので。

 物珍しい事が起こると人間たちが怖がる様に、妖精や妖怪はこの状況を楽しもうと活動を活発化させます。

リンガー「うーん、これは面倒ですねぇ」

 そういうわけで、真っ直ぐ向かう筈が同族や毛玉たちに阻まれて進路変更。

 遠回りをせざるを得なくなってしまったのです。

 今は霧の湖の近くを、どうにか無用な戦いを避けながら飛んでいます。

こころ「ん? おー、リンガー君ではないか」

チルノ「え、あ、ホントだ。おーい、リンガー!」

大妖精「ちょっと、チルノちゃん。そんな大声出したらはしたないよ?」

 そこで、ボクを呼び止めたのはチルノちゃんでした。

 その傍らにはこころちゃんと、大ちゃんが居ます。

 どうやら三人で遊んでいたところみたいですね。

リンガー「こんにちはー。最近、よく三人で遊んでるみたいですね」

こころ「おー、いえす! 私達はマブダチだかんね」

チルノ「こころんと遊ぶの楽しいわ!」

 無表情でサムズアップをするこころちゃんに、きゃっきゃとチルノちゃんが合わせて同じポーズをとります。

 相変わらずシュールなのです。そして、また謎のキャラになっているのです。

大妖精「こころちゃんって、能楽得意でしょ? たまに教えてもらってるの」

こころ「大ちゃんは覚えが早くて、教え甲斐があるの。今度、演舞に参加してもらおうと思ってる」

 ほえーっと。ボクは大ちゃんとこころちゃんの言うことに関心を寄せながら口を開けます。

 大ちゃんの演舞姿。……うん、きっととっても似合いそうなのです!

チルノ「あたいは違うわ! さいきょーの座を賭けて戦うせんゆーなんだから!」

こころ「これまたいえす! チルノと戦うのは楽しいよ。色んな意味で」

 ふふん、と腰に手を当てながら得意気に言い放つチルノちゃん。

 こころちゃんがまたサムズアップをして、言い方になんだか含みのある言葉を紡ぎました。

……アイシクルフォールですかね。あれ、初見で深読みすると逆にやられたりするんですよね。

こころ「ところでリンガー君。君ってば、これからゆうかりんのところに行こうとしているのかい?」

リンガー「ええ、そうです。よくわかりましたね」

こころ「そりゃあ、こんな異変だものさ。薔薇だよ、薔薇」

 ああ、なるほどとボクは呟きます。

 ボクの事、そして幽香さんの事を知っていれば、確かにその共通点が見えてくる。

 ボクは薔薇を大切にしていた。幽香さんはその事を知っている。そして、この咲き誇る薔薇たち。

 こころちゃんってば、名推理なのです。

834 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 16:19:53.27 ID:zmv3iRpXo

チルノ「う、あいつと戦いに行くのかリンガー。さすがはさいきょーの座を狙うあたいのしんゆう」

大妖精「だから、その格好なの? ふふ、かっこいいよリンガー君」

こころ「ヒーローだね。異変を解決する妖精。男の子なら、一度は憧れるって聞いた事がある」

リンガー「い、いやー。そう言われましても……」

 ヒーロー。その言葉がどうもムズ痒くて、ボクははにかんでしまいます。

大妖精「でも、この異変のせいでみんな浮き足立っちゃってる。リンガー君、疲れてない?」

リンガー「なんとか、無駄に戦わず風に乗って移動は出来ているのです。でも、そのせいで遠回りになってしまっているのは確かですね……」

 遠回りする、ということは時間を掛けるという事。

 最短を選べない以上、仕方のない事とは言えボクの体力は元々少ないのです。

こころ「ふむふむ。ここはチルノ、共同戦線と行こうか」

チルノ「……きょーどーせんせん?」

リンガー「こころちゃんは一緒に戦おうって言っているのですよ、チルノちゃん」

チルノ「え、なんで?」

こころ「リンガーが異変解決をしやすい様に、道を作ってあげるのよ」

チルノ「あー、なるほどー。……ふふふ、リンガーもまだまだね! あたいの助けが必要なら最初から言えばいいのに!!」

 え、いや。そんな事は一言も言ってませんが。

 なんて、口に出すわけにいきません。

大妖精「太陽の畑まで、とはいかないだろうけど風を起こしてあげる。リンガー君、上手く乗れる?」

リンガー「はいなのです!」

こころ「それじゃあ、君の前は私と」

チルノ「あたいだね! そんじょそこらのやつなら、あたいのさいきょーの力でちょちょいのちょいさー!」

 ボクが太陽の畑に向かうのを、三人は手伝ってくれる。

 何も言っていないのに、力を貸してくれる。

リンガー「……ありがとうなのです、みんな!」

 感無量の感謝。心から嬉しくて、ボクは声を張り上げました。

 持つべきものは、やっぱり大切な仲間なのです!


835 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 16:37:09.59 ID:zmv3iRpXo



 妖精と毛玉の大群を突き抜けて、ボクは森の中を飛んでいました。

 大ちゃんの起こしてくれた風はもう既に止んでいて、後方からは弾幕が弾ける音が聞こえます。

 追ってくる妖怪や、妖精たちの相手をこころちゃんとチルノちゃんがしてくれているのです。

リンガー「前に、前に――!」

 出来るだけ早く、出来るだけ前に。今はもう、ボクを遮る敵はいません。

 チルノちゃんとこころちゃんが頑張っている間に、ボクは――

リンガー「っ!?」

 そう思ったその時、飛んで来たのは光線でした。

「……ふーん、避けるのか。なかなかやるじゃないか」

 声がする方、右側を見ると、そこには以前見知った――というより、妖精界隈でとっても有名な方が箒に跨っていました。

リンガー「ま、魔理沙さん……!?」

魔理沙「おー、最近有名な妖精君か。……なにやら組織を作って、面白いことやってるって聞いてるぜ」

 にやりと笑って、彼女はボクを見ます。

魔理沙「まさかとは思うが、幽香の奴もお前の仲間だったりするのか?」

リンガー「え、ええ。まぁ、特別枠ですけど」

魔理沙「そうかそうか、それは素敵な情報が聞けたぜ」

リンガー「あ、でも幽香さんと戦うのはボクなのですよ! 魔理沙さん、出来れば譲って欲しいのです!」

 幽香さんがこの異変を起こした理由は、ボクにある。

 だったら、それを誰かに譲るだなんて出来ない。

 そういう思いがあるから、ボクは彼女にそう言い放ちました。

魔理沙「へぇ、あの幽香と戦うってお前。結構肝が据わってるじゃないか」

リンガー「勇気を持って、前に進むのです! ……その為にも」

 ここでボクは戦っている場合じゃない。

 相手はあの幽香さんなのです。魔理沙さんと戦ったら、きっとそれだけで体力が底を着いてしまうのです!

魔理沙「いやー、霊夢の奴が鬼神に言われて解決には行かないって言うし。私は私で暇つぶしに来ただけだから別に譲ってやっても良いんだが」

リンガー「ほ、本当ですか!?」

魔理沙「……あの幽香と正面切って戦おうって妖精。お前にちょっとだけ、興味が沸いたぜ」

……あ、これはあかん奴なのです。

836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/03(日) 16:51:17.57 ID:VR2aWVVZ0
次のキャラメイク何時になりそうですか?
837 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 17:04:26.87 ID:zmv3iRpXo

>>836 ※うーん、夜には出来ると思います

※小ネタ専用のスレを立てることにしました。エクストラはそっちに貼ろうかと思います

魔理沙「幽香と戦う前のちょっとしたウォーミングアップだ。お前の実力が知りたいな」

リンガー「い、いやいやいやいや! そんな事出来ないのです! ボクは別に、弾幕ごっこはそこまで強くないのですよ!?」

魔理沙「そんな謙遜するなよ。幽香だぜ? あの風見 幽香が仲間になるくらいだ。ちょっと遊んでくれるだけで良いからさ」

 そんな頼まれてもダメなものはダメなのですよ!?

魔理沙「まぁ、撃てば動くけどな。……あ、動いたら撃つだったか?」

 首を可愛らしく傾げ、帽子を揺らす魔理沙さん。

 どっちにしろ、それって。

魔理沙「要は、逃がさないってことだけどな!」

リンガー「ですよねー! ピィーッ!!」

 ああ、何というか順風満帆だったと言うのに、なんでここに来て。

 そう思いながら、ボクは横から飛んでくるレーザーや星の形をしている光弾を避けつつ飛び続けます。

 危ないし、木を盾にしても貫通してくるし、なんなんですかその火力は!

魔理沙「弾幕はパワーだぜ!」

 そんなドヤ顔をされても、ボクは避けながら前に進むのを優先しているから、反撃なんて出来ません。

 うう、体力がないから本当はこういう状況になんてなりたくなかったのに。

 そんな風に涙をちょちょ切らせていると、今度は左の方から真っ赤な光弾が飛んできました。

 え、もう何ですかこの状況! なんなんですか!?

 そんな風に心の中で叫ぶボク。しかし、その弾幕はボクを明らかに外して――

魔理沙「おーい、おいおい。勘弁してくれよ。冗談キツ過ぎだろ」

 魔理沙さんの方へと飛んで行きました。

 ふぇ、と呆然として光弾が放たれた方を向きます。

「おい、白黒。お前、私の可愛い弟分になんてことしてるのよ」

「可愛い弟分ってあなた……。ちょっとオープンになりすぎじゃないかしら」

 そこには、またボクがよく見知った顔が居たのでした。
838 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 17:05:41.20 ID:zmv3iRpXo


リンガー「輝夜さん! お姉ちゃん!」

妹紅「ああ、リンガー。怪我はないか? ……って、ちょっと泣いてるじゃないか! ひどいことされたのか!? 涙目のお前、可愛いなぁ!」

輝夜「ちょっと、落ち着きなさいよ。キャラがぶれぶれよ?」

 突然の登場、そして唐突な頬擦り。ああ、お姉ちゃんのキャラが崩れていく音が聞こえるのです……。

妹紅「おっと、そうだった。リンガーを愛でている場合じゃなかったな」

魔理沙「おいおい、乱入者が月の姫さんと蓬莱人ってどういうこった。何なんだ、お前のその人脈は」

リンガー「ふふーん、ボクの大事な仲間なのです!」

 本当に、そう言われるとボクも不思議な縁としか言い様がありません。

 経緯が複雑過ぎて説明出来ないのです。

輝夜「さて、彼女は私たちに任せて先に行きなさい。……待ちわびてるわよ、きっと」

妹紅「私に勝てたお前なら、勝てるさ。さ、早く行きなさい」

リンガー「は、はいなのです!!」

 二人の催促と、妹紅さんの声援を受けてボクは前へと躍り出ます。

魔理沙「……冗談だよな。お前が、妖精に負けたって?」

妹紅「ああ、私はあいつに負けた。それは紛れもない事実だ」

輝夜「あの子は強いわよー。なんてったって、私たちのリーダーなのだから」

 後ろから聞こえ、遠くなっていく会話にボクはふっと笑いました。

 脚色し過ぎなのです。ボクが勝ったんじゃないのです。ボクたちが妹紅さんに勝ったのです。

 それに、リーダーと言っても戦う為の集まりじゃないのです。毎日を面白おかしく過ごす為の、組織なのですから。

リンガー「……ありがとうございます、お二方」

 飛びながら、聞こえてくる弾幕の音を背中にボクは森の中を飛んで行きます。

 マフラーを風に靡かせ、この先に待っている幽香さんの元へと――

839 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 17:18:31.84 ID:zmv3iRpXo

※あ、でもちょっと待った。ここもまだそこそこ残ってるし、先に次スレ立ててここにエクストラを貼るか……

※キャラメイクは次スレで。小ネタ専用スレはまた後々建てよう……



 元々私はあの子が妹紅に勝ってからすぐ、行動に移ろうと思っていた。

 彼が花咲く瞬間、満開を得たその瞬間、私はそれを摘み取る愉悦を得ようと思っていた。

 しかし、彼の戦う姿を見て私はその気も起きなくなった。

 体力が底を尽くまで、精神が疲れ果てるまで、彼は戦って戦って、そして勝利したのだ。

 そこに水を差すことなんて、出来なかった。

幽香「……思えば、私も甘くなったものね」

 それがあの子との出会いのせいなのか、それとも花たちを育てていたからか。

 ちょっと前まではそんな気も起こさなかったのに。

 こんな準備までして、こんな舞台まで用意して、こんな場所まで用意して。

 私は、彼がここに来るのを待っている。

幽香「……来るわね」

 森がざわつく。どうやら誰かがここへと足を踏み入れようとしているらしい。

 それがあの子なのか、それとも他の誰かなのか。

 彼だったならば、盛大に迎えてあげよう。

 そうでなくば、軽くあしらってやろう。

 口元を歪ませ、日傘をくるくると回して遊び、私はその誰かを待つ。

 そして――

「幽香さん、お待たせ致しました!!」

 現れたのは、真っ赤なマフラーを巻いた何処かのヒーローの様な装いの、私の待ちわびたあの子だった。

840 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 17:46:04.80 ID:zmv3iRpXo



幽香「待っていたわ、リンガー。よくここまで無事にたどり着いたものね、褒めてあげる」

 薔薇の絨毯の上で、優雅に浮く幽香さんはそう言って、笑う。

 笑顔。そう、笑顔だ。この方は、考えてみれば何時でも笑顔だった。

リンガー「ええ、ありがとうございます。そして、感謝を。ボクは、さいきょーの証明の為に、あなたを超えます」

 その笑顔を、消す。ボクはその後も越えていく。

 あなたに学んだことを駆使して、みんなから教えてもらったことを使って。

幽香「随分と勇ましくなったものね。ちょっと前まで、私を前にしては震えてた頃とは大違い」

リンガー「ふふ、今でもボクの本質は変わりないのですよ。……逃げたい、怖い、帰りたい」

 でも、それはみんなに対する裏切り行為だ。

 そんな事を、ボクはしたくない。

リンガー「ボクはその考えに抗う。弱いままのボクを、強くしてくれた幽香さんに示すのです。ボクは、強くなれたという事を!」

幽香「嬉しいわ、リンガー。あなたがそこまで言い切れる様になったことが、とっても嬉しい」

リンガー「ふふ、不思議な気持ちなのです。ボクは戦うのが嫌いなはずなのに、あなたと弾幕ごっこがしたくてたまらない」

 恐怖を縛り付け、逃げたいと思う気持ちを抑制し、ボクは幽香さんの前に立っている。

 本当なら、足が震えるはずなのに。口元が緩んでしまう。にやけてしまう。

幽香「強い者、というものは得てしてそういうものよ。……リンガー、私がもっと引き上げてあげる。加減は無用よ、私を存分に楽しませなさい!!」

 両腕を大きく開いて、幽香さんは叫びます。

幽香「愛でる為にまずは壊そう。真に愛するからこそ、私はあなたを壊してあげる。ああ、そうだ。私はあなたを愛している! 私の可愛い愛弟子、その力を私に魅せなさい!!」

リンガー「はい、喜んで! そしてこの瞬間を、この時を、あなたにとって永遠に刻まれる刹那にしてさしあげます!!」

 時間が止まれば良いと思うほどに、楽しませてみせます。

 何度も繰り返したいと思うほど、魅了させてみせましょう。

幽香「だけどっ!」

リンガー「しかしっ!」

幽香「勝つのは私よ!」

リンガー「勝つのはボクだ!」

幽香「この薔薇の様に、華々しく散りなさい!!」

リンガー「このバラの様に、咲き誇るのはボクの勝利なのです!!」

 そうだ、こんなに楽しそうな笑顔を浮かべてくれるから、ボクもつられてしまうんだ。

 面白おかしい毎日の中に、こういう日があっても良いと思うのだ。

 そうしてボクは、全身全霊を賭して、幽香さんと戦って、戦って、戦い抜いたのだ。

841 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 17:47:33.88 ID:zmv3iRpXo

―――――――――――――――――

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――――――

―――

842 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 18:06:36.63 ID:zmv3iRpXo



 結局は。

 ボクにとってのさいきょーの意味って、よくわからなかったのです。

 字面通りに捉えるなら、確かにボクはそういう風に呼ばれたのかもしれません。

 でも、ただ強いと言われてもしっくりこないし。

 勇気があるってだけでも、ダメな気がして。

 だからと言って両方を完璧に持っているというのがさいきょーとは違う気がして。

 ボクにとって、さいきょーになることは永遠の夢で、覚めない幻だったのかもしれません。

 ……今、こうして居る以上。

 ボクの駆け抜けた世界を、永遠の刹那としてボクの中に刻み付けておきたいと、強く思います。

 仲間が居たから強くなれたのです。友達が居たから、立ち上がれたのです。

 支えてくれる人が居て、守りたいと思った人がいる。

 ボクの背中には色んな人の思いがあって、それが勇気をくれる。

輝夜「それって、とても素敵なことよ」

リンガー「……ふふ、その最初の仲間がまさかこんな事をしているとは、夢にも思いませんでしたけどね」

 暗闇の中。宇宙の様な、星々が輝く黒の中。特異点と呼ばれる、全ての始まりにして終わりの空間。
        ブタイ              ブタイ
 ここから幻想郷は作られて、ここへと幻想郷は終わっていく。

 輝夜さんたちを中心に繰り返してきた、らしい世界。

 その中の一つで、ボクは生まれた。

輝夜「ねぇ、リンガー。あなたは存分に私を、仲間を頼ってくれた。一緒に面白おかしい毎日を過ごしてくれた。色んな事があった。その思い出を、私もずっと忘れたくない」

リンガー「ボクもなのです、輝夜さん。みんなと一緒に過ごせた日々は刹那でも、その輝きは誰にも譲れないものだったと自負出来るから」

 そう、だからこそボクはこの場所に、あの大きな曼荼羅の中に、刻まれるのだ。

輝夜「……この絆が黄金だと、思えるから」
                             リング・アー・リング・オー・ローゼス
リンガー「ボクは、それを忘れない。……そうです、  『薔薇の花輪』   は、どんなどん底からでも足を引いて太陽に向かせる組織なのですか」

 だからこそ、ボクはみんなの足を引こう。そして、輝かしい刹那が、時間が止まれば良いと思うくらい面白おかしい事があって、それが未来に続いていくんだって知ってもらおう。

 あの『異常』なんかに、ボクたちの黄金の絆は穢させはしないのです。

 黄金は、穢れないから黄金なのですから。

843 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 18:16:35.54 ID:zmv3iRpXo

輝夜「スターを、大切に。仲間を、大切にね」

リンガー「ええ、ボクは見ているのです。そして、出来るなら時々遊びに行くのです。鎌足さんがそうしているみたいに」

 体が少しずつ光の粒子になって、あの曼荼羅へと吸い込まれて行きます。

 スターちゃん、ルナちゃん、サニーちゃん、チルノちゃん、大ちゃん、こころちゃん、リグルちゃん、お姉ちゃん、幽香さん。

 ちょっとの間だけ、お別れなのです。

 でも、永遠のお別れなんかじゃないのです。

 例え、刹那の間でもボクはみんなと共にあれるように、頑張ります。

 ボクは足を引いて引き摺り落とす妖精。

 ボクは、みんなの為に足を引く妖精。

 時よ止まれ、おまえは美しい。
                キズナ
 そう言って、この輝かしい刹那を尊ぶ、妖精なのです。

 ボクの名前はリンガー・ローゼス。

 みんなを繋げる、薔薇の花輪。

844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/03(日) 18:18:55.51 ID:iq1rljJpO
リンガーも無事完結か...
845 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 18:30:04.40 ID:zmv3iRpXo

 ―逆さ五重の塔―

 その男は笑っていた。

 新たに刻まれた因子を歓迎する様に、笑っていた。

 黄金の輝きを放つ聖槍を手に、同色の瞳と髪を震わせて笑っていた。

 これで、半分。いつの頃か、意識を得た私は見守ろう。

 その時が来るまで、私は私の役目を果たそう。

 この者たちを慈しみ、その絆を愛し、走り抜けるさまを見届けよう。

 黄金を持つ男は、槍を振るう。

 複数、円を描くように並べられた石碑。

 今まで刻まれたモノたちが特徴を形として残しているその中で、未だ空席として無色のままの一つが変化していく。

 茨が輪を描く様に巻き付き、薔薇の花咲くモノへと変化していく。

「幻想に走り給う者よ、汝が名はこの場にて刻まれた」

 現の時の様な、途切れ途切れの言霊でなく。

「その絆、例え如何なる存在ですら断ち切る事能わず」

 はっきりと、その姿、その口で発音し、紡いでいく。

「我は待つ、因子の揃う日を。我は待つ、彼の日を乗り越える為の光を持つ者達を」

 機械的にではない。与えられたからではない。それはその意思で持って、この場で待ち続ける。

                            ジークハイル・ウ゛ィクトーリア
                           「我らに勝利を与え給え」

 そして、変化した石碑に浮かび上がる名は――
846 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 18:36:32.98 ID:zmv3iRpXo




                  其の者、花輪の如く絆を繋ぐ者

                     リンガー・ローゼス

                  足を引き、刹那を愛した妖精也


847 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 18:43:11.17 ID:zmv3iRpXo

※はい、というわけでリンガー君の幕劇はこれにて終幕。

※この子は、なんていうか、妖精っぽくない、子供らしくない子供をイメージして書きました。

※大人びて、マセている子供です。でも子供だから変なところで強がったりして、素直に怖いものは怖かったり嫌なものは嫌だったり

※ある意味、一番迷走していたのではないでしょうか。子供って書くの難しいんだなーって思いました

※これで半分、やっと半分、まだ半分。

※完結までどれくらい掛かるんでしょうかねー。出来る限り続けて、完結させたいところです。

※さて、EXTRAに行こうと思っていましたが、キャラメイクしたい方が多そうなので次スレ立ててそっちやっちゃいましょうか。

※EXTRAステージに関しては、また後日という形でここでやらせていただきます。

※まあ、冒頭だけ書いたりしちゃったりします。準備の時間もくだしゃんせ

※そんなわけで、次スレ立てて来ます

848 : ◆FpdaaX6lCA [sage saga]:2014/08/03(日) 18:57:00.86 ID:qgAB1CrS0
乙〜
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga]:2014/08/03(日) 18:57:51.95 ID:qgAB1CrS0
っとすまん。外し忘れてた
850 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/03(日) 19:19:37.01 ID:zmv3iRpXo

※新スレ誘導

【安価とコンマで】幻想に走り給う]T【幻想入り】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407060466/

851 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 14:57:37.04 ID:ChXbYmc9o



「じゃあ、そっちの方は任せるけど……この子を連れて行かなくても大丈夫かしら?」

「ああ、万が一の事を考えてこちらの護衛を頼みたい。ここは、儀式の間無防備だからな」

「お任せください。……まぁ、おそらくそれも杞憂に終わると思いますが。どうか、ご武運を」

「うむ、必ず戻ると約束しよう。……では、行ってくる」


852 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 14:58:10.79 ID:ChXbYmc9o


「さて、私の大事な臣下。私が貴方に期待するものは結果よ。わかっているわよね?」

「ええ、お嬢様。私はその期待に必ずやお応え致しましょう」

「半端は赦さないわ。戸惑いなく、躊躇もなく、蹂躙し、消滅させ、完膚なきまでの勝利を掴み私

に報告しなさい。それが、私があなたに求める事。それ以外は何もいらないから」

「御意に。……では、優雅なる勝利、そして栄光を約束しましょう。行って参ります」

853 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 14:59:22.70 ID:ChXbYmc9o


「それでは、精一杯頑張って来ますのです!」

「ごめんなさいね、まだ刻まれてから長くはないのにこんな仕事をさせる事になってしまうなんて」

「謝る必要はないのです! それに、ボクだけが行くわけじゃない。ボクに出来る事を頑張って、

敵の足を引っ張ります!」

「うん、そうね。頑張りなさい。この刹那に、あなたたちが勝つ事を信じているわ」


854 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:00:19.73 ID:ChXbYmc9o


「さーて、鬼が出るか蛇が出るか。よくもまぁ、引っ掻き回してくれたもんだ」

「ふふ、そうね。だからこそ、貴方たちに出張ってもらうことになったわけだけれど」

「ああ、そうさね。……これ以上好き勝手させてたまるかっつの」

「そうよ、好き勝手なんてさせたら駄目。だから乗り越えに行くの。……それでは、行きましょうか。私たちの、未来の為に」

855 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:02:46.20 ID:ChXbYmc9o





                           幻想に走り給う

                          EXTRA  ステージ

                      『百鬼忘却 廃れた神威の天中殺』

                      それは、空をも亡ぼす者との戦い


856 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:04:36.04 ID:ChXbYmc9o

 世界が繰り返されようとしている最中、舞台が再編されている最中、幕劇の為に創り出している最中、全ての起点となる特異点の空間の中で、それは静かに存在していた。

 黒い太陽が、宇宙(くろ)の中で更に黒々と輝きを放ち佇んでいる。

 それは陰気の集合。それは陰気の塊。歪みよりも濃く、泥よりも密に圧縮された、『禍(わざわい)』だ。

女の声『かーごーめーかーごーめー』

 そうして、その空間に響くのは童謡だった。

 この空間に余りにも似つかわしくない可愛らしい童女の声が、無邪気に謡っている。

 来客を迎える芸者の様に、賓客を饗す舞子の様に、上客が来たと、故に囲めと口ずさむ。

安藤「なるほど、なるほど。まさか、こんな近場に居たとは思いませんでした」

 その歌う声を聞きながら、礼服の上に漆黒の外套を纏った男が呟く。

 片眼を閉じ、顎に手を当てて関心を寄せるは、吸血鬼にして蠅の王。

 その前に居る美麗な女は、苦虫を噛み潰した様な苦悶の表情で口を開く。

紫「……改めて嫌になるわね。まさか、気付かない内に組み込んでしまっていたなんて」

 言い終えた後に扇を開き、口元に当てて嘆息を吐く幻想郷の賢者。

現「仕方ありますまい。不和の元凶も、元はこの幻想郷に居たのだから」

 その傍らに立つ、整った顔立ちをした和装の男が硬い表情で漏らす。

 アレは余りに規格外。故に位層がそもそも違っている。

 だから彼は――蜃気楼は警戒する。あれがどのような存在であるかは最早知らぬ、存ぜぬでは通すことは出来ない。

 だから、その危険性を全員が察していた。己が死力を賭さなければ、塵芥となるのは間違いなく彼らの方なのだ。
857 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:09:32.42 ID:ChXbYmc9o

 宇宙の中の様な、星々の煌めきが存在する空間に立つのは都合六人だ。

 吸血鬼の翼を畳んだ礼服の男。

 着崩した和装の男。

 軽装の鎧を付けた様な改造された袴を着た鬼。

 一転、この場に似つかわしくないマフラーを巻いた羽の生えた小さな少年。

 そして、麗しき賢者と深淵の太陽。

 他の面々は既に儀式を始めているが故に、タイムリミットが存在する。

 完成の前に、彼女達はこの太陽を乗り越えなければならない。

 ここに存在している時間にすら、元々制限があるのだ。あまりにも長過ぎれば、『異常』が行動を起こす可能性があると彼女達は考えているのだから。

男の声「かーごのなーかのとーりーはー」

 今度は極端に低く、潜もった男の声が女の声の続きを謡う。

零「……どう見立てるよ、アレを。俺は良い言葉を知らねぇぞ」

 歌い続ける『声』を聞きながら、鬼神が頬を引きつらせて冗談を言う様に呟く。

 余裕があるわけがない。ただ、心を強く持たねば間違いなく呑み込まれる。

 危険性を感じ取っているが故に、彼はその太陽を自らの知識に当て嵌めようとした。

リンガー「……あれに、ですか? はは、あの塊に名前なんて、あっても仕方ない気がしますけど」

 だが、それは無意味なことだと刹那をこよなく求めた妖精は苦笑する。

858 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:11:45.48 ID:ChXbYmc9o

 あれは妖じゃない。あれは間違いなく、『禍』そのものだ。

 神でもなく、妖怪でもなく、幽霊でもなく、妖精でもない。

 当て嵌められるカテゴリーなど存在しない。もしもするとしたならば、

紫「……禍乃祟」

 幻想郷の賢者――八雲 紫がその名を決めて当て嵌める。

『禍(まがつ)』の『祟(たたり)』と、それが『現象』――『天災』の様なものなのだと、彼女は言い放つ。

 なるほど、確かにとその場に居る者達は納得する。

 あの太陽から放たれる反転した神気は、あらゆるモノを呑み込むだろう。

 そして、呑み込まれたモノは確実にして着実に、狂気に取り付かれる。

859 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:12:56.83 ID:ChXbYmc9o


女の声『いーつー』

男の声「いーつー」

混声『でーやーるー』

 二つの声が重なったその時、黒い太陽が真円の中央から左右に開かれていく。

 それはさながら重く荘厳な城門を開く様に、神々しい輝きを差し込ませ放ちながら、ゆっくりと。

 それと同時に、流れ出したのは聖なるものとは真逆に位置するヘドロ――より濃度の高くなった陰気だった。

 紫達の緊張は更に張り詰め、そこから出てくる存在に対する怖気が全身を駆け巡る。

現「……来る」

 いの一番に察したのは、蜃気楼――その体現者たる、夢路 現だ。

 その一言が紡がれた数瞬の後、現れたのは太陽と同色の、黒の人形達。

 彼らにとって最も唾棄すべき存在であり、特に妖精と鬼神にとって馴染みの深い敵だった。

 一心不乱に、猪突猛進に、ただ我武者羅に、正面に居る紫達に向かって、突撃を始めている。

女の声『つーきーよーのーばーんーにー』

 徐々に大きくなる歌声。湧き出すように顕れる、黒の群れ。

860 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:14:08.17 ID:ChXbYmc9o

安藤「リンガー君、私の後ろに」

リンガー「は、はいっ!」

 吸血鬼――安藤=バアル・ゼブルの申し出に、妖精――リンガー・ローゼスが承諾してその背中に隠れる。

 リンガーはこの一団の中で最も身体能力が低い。

 集団戦に関して言えばその能力は強みになるが故に、安藤はそう判断したのだろう。

 矢面に立って戦う事は、二人が居れば事足りるのだ。

零「任せろやァッ!!」

 先頭に立ったのは、鬼神、博麗 零。かつて『鎌足』という姓を持っていた鬼は、吼えてその拳を強く握り締め、構える。

 黒の群れの中から、一体が先ん出て抜け出す様に駆け出した。

 それを迎え撃つ様に零は拳を振るい、

零「ダァラッシャァァアッ!!」

 雄叫びと共に、その頭蓋を陽気を纏わせた拳で粉砕し、吹き飛ばす。

 黒い液体と主に、鮮血が宙を舞った。
861 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:22:37.52 ID:ChXbYmc9o

零(あぁ? ……なんだこりゃあ)

 違和感を覚えて、零は心の中で訝し気に呟く。

 拳は間違いなく、敵を倒した。殺したし、そうなる様に振るって、消滅させた。

 しかし、違和感。

 元よりあの人形達はそういう感情を持ち合わせていないのだろうが、それにしたってと右腕から血を滴らせる彼は思う。

零「うぉっとぉっ!?」

 疑問が彼の中に生まれると同時に、更に速度をあげた黒の群れ――その抜きん出た第一郡が零を押し潰さんとして襲い来る。

 気を逸らしていたが故に、彼はそれを万全の態勢で受け止められず、たたらを踏んだ。

現「何をやっているのだ、鬼神」

 物量に任せて零へと圧し掛かっているそれらの首を、刀のひと振りで斬りとばしたのは現だった。

 あらゆる可能性の中で、その最善たるものを顕現させる蜃気楼にとって、その一撃は雑作もないことだろう。

 現は零の隣に並び立つと、赤黒く濡れた刃を持つ己が刀を構え直す。

零「いや、ちょっと違和感があってな」

現「……なるほど、貴様も感じ取っていたのか」
 
 第二郡を前に、彼らは語る。

 違和感。零と現が感じ取ったものは、まるで自分達を見ていない敵の様子だった。
 
 ここにいるあの黒の人形は、幕劇の中で仲間を増やそうと、だれかれ構わず泥に呑ませようとする者達だ。

 その唯一の意思と呼べるものも、奴らの目的と呼べる事も、まったく遂行しようとしていない。故に、彼らを視界に入れていないのだ。

 それは、まるで――

862 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:25:03.20 ID:ChXbYmc9o


零「一心不乱に、猪突猛進に、我武者羅に、ねぇ。……厄介だな」

現「ああ、まったくもって同意見だ。アレはおそらく、止めなくば俺達を素通りするぞ」

零(何かから逃げているって考えるのが妥当か。……あの太陽は、あいつらの親玉じゃねぇのか?)

 思考する零だが、そんな暇を与えてくれる敵ではない。

 二郡は彼等へと着実に迫って来ているし、それを止めなければならない。
 
 零の考えが正しければ、現の言う通り黒の人形達は間違いなくこの場を素通りするだろう。

 そして、その先に居る者達を蹂躙する。

男の声「つーるとかーめがすーべった」

零「ああくそっ、考えてる暇も確かめる間もねえ! なのです妖精!!」

リンガー「はいなのです!」

零「あいつらの、足を引いて止めろ!!」

 更に大きくなった歌声で、敵の進軍速度が増していく。

 それに焦った零の咄嗟の指示が、リンガーに届けられる。

リンガー「こ、この量だとあまり長い時間は無理なのですよ!?」

現「一瞬でも構わん! 八雲 紫!」

紫「……あなたの指示に従うのは癪だけど、致し方ないわね」
863 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:38:21.22 ID:ChXbYmc9o

 困惑するリンガーを推す様に現が叫び、継いで紫の名を呼んだ。

 彼女はそれだけで現の意向を察すると、嫌々ながら彼の言葉を聞き入れる。

 そうして、空間の中に開かれるのは巨大な『すきま』だ。
 
 それは黒の群れの遥か頭上に何重にも連なりぱっくりと現われ、停滞する。

安藤「私の魔力を使いたまえ、リンガー君。幾分かそれで、保てる時間が増やせるかい?」

リンガー「ありがたいのです! ではっ!!」

 安藤の手を握り、リンガーは静かに深呼吸をして精神を集中させる。

 そうして生まれるのは、魔法陣と豆の蔓だ。

リンガー「地力「フェアリー・アンド・ビーンストーク」!!」

 その言葉と同時に蔓が黒の群れの足元まで伸びて行き、その足を引く。

 葉脈の様にそれが行き渡り、敵を『停止(と)め』ようと触手の様にを絡まろうとする。
864 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:39:58.86 ID:ChXbYmc9o

紫「ロッズ・フロム・ゴッド」

 全体が蔓に絡まれ止まったその時、彼女が静かにその名を呟いた。

 地上を焼き尽くす、神の杖。それは、八雲 紫がすきまを経て身に付けた超兵器の真似事である。

 すきまを何往復もしてから、十分な加速を得た鉄塊が落ちていく。

 ここは繰り返す時空の狭間。あらゆる次空間の特異点。ここならば、地上を焼き払い穢す憂いもない。

 それに敵は、この敵は世界を脅かす異邦だ。害悪だ。居るだけで不幸を作るだけの機械だ。

 なら、その一掃の為に、八雲 紫は裁きの雷を落とす。

865 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:42:26.43 ID:ChXbYmc9o

零「――罨ッ!」

 その衝撃波が到達する刹那、零が発したのは術式の起動をする言の葉だった。

 妖怪でありながら、彼は陽気を扱った術を用いられるという特性を存分に発揮する。

 陰陽を操る程度の能力を彼が行使する術には博麗に連なるものも含まれ、

紫「随分と強い結界を張れる様になったじゃない」

零「なんてったって、師が良いからな」

 賢者が称える程の結界を彼は張ることも出来るのである。

 しかしそれも、本家に比べてしまえばおざなりなものだろう。

 作り出された結界が彼らを守り、見えない床から舞い上がった黒い血風と白煙が視界を遮った。

866 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:45:22.64 ID:ChXbYmc9o

『■■■■――!!』

 それは断末魔。それは悲痛な叫び。声として認識出来ない声。

 消し飛ばされ、一瞬にして塵となった者達の存在を示す微かな悲鳴がこだまする。

 だが、それも――

混声『「うしろのしょうめん、だーあれぇー」』

 突然吹いた突風により、煙と一緒に霧散してしまう。

零「神気の奔流だとぉオオっ!?」

安藤「リンガー君、捕まってなさい!」

 風――否、膨れ上がって爆発した神気が衝撃波となってそれら諸共幻想に走り給う者達を押し流そうとする。

 少しでも気を抜いたら簡単に退場させられてしまう様な、ただの妖怪や人間ならば消滅させられてしまう様な、そんな『神威』の流れが彼らに襲いかかる。

 目もまともに開けられない。姿勢を変える事すら出来ない。

 屈み、守り、耐え、無防備を曝す事しか彼らには許されない。

867 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:48:06.36 ID:ChXbYmc9o


                     ――オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ――

                        ――六算祓エヤ、滅・滅・滅・滅――

                          ――亡・亡・亡ォォオッ!!――

868 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:50:01.20 ID:ChXbYmc9o

紫「……百鬼の終わりが来たようね」

現「吁呵呵、あれが、百鬼の終わり。……何とも、言い得て妙ですな」

 それは、歪んで産声をあげた。それを聞いた紫が呟いたのは、その存在の現れ方への皮肉だった。

 百鬼夜行というものがある。夜中に現れた鬼、妖怪、それに属する化外達の行進というのが有名な認識だろう。

 黒の群れは逃げていた。あれの誕生から逃げていた。

 それを行進と認識して、その終わりを彼女はそう捉えたのだ。

 百鬼夜行の終わりは、太陽が昇る事――夜明けによって迎えられる事が多い。

紫「外の世界では、百鬼夜行の終わりに昇る太陽を妖怪と捉えて、『空亡』と呼ぶ事があるそうね」

零「空亡――天中殺だって? 皮肉が過ぎるんじゃねえのか」

 それを外の世界の知識として当てはめるならば、あれもその名で呼ぶべきだろう。

 空を亡ぼすが故に、天に味方などいる筈もない。寧ろ、あれこそが天災だ。天そのものが敵なのだ。

869 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:54:26.12 ID:ChXbYmc9o

 夜明けが来たのだ。黒い太陽がその陰気の塊を形付ける様に、小さく小さく圧縮されていく。

 そして姿を現したのは、座禅を組み即身仏の様にやせ細った土気色の肌を持つ人形だった。

 無数の古びた札を身に纏い、その隙間から覗く瞳は異様な眼光を放ち、伸びきった真紅の髪が波打つ様に揺れている。

安藤「……腐いな。鼻が爛れそうだ」

 漂うのは腐臭。神気が反転し、膨張し、陰の塊である事を示すかの様な、五感に訴えかける不快感は、かの存在がどれほど『歪んで変質してしまっている』のかを表している。
                   セイ                      シ
 普段見て感じている日の光が創と陽を司るとするならば、この存在は滅と陰の化身だろう。

空亡(男声)「女、女だ」

空亡(女声)『乳をくれ、尻をくれ』
             ハラ
空亡(男声)「旨そげな 腸 をくれろ」

空亡(女声)『その指わいにくりゃしゃんせ』
     ワシ
空亡『「わいに血をくれえええェェェッ!!」』 

 咆哮する空亡。その標的は言葉からもわかる通り、八雲 紫に向けて放たれたものだ。
870 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:57:05.45 ID:ChXbYmc9o

紫「私を狙うならば、好都合」

 冷や汗をたらりと流した彼女は、それでもこのチャンスににやりと笑う。

 あれがどんな存在なのかも見当が付いている彼女にとって、これはまたとない機会だった。

『あの方』が神の座を逐われて、その残滓が歪み暴走しているのならば。

 そして、どういう思惑があってか人間の形を取った。

 もしも、その本来の形で来られたならばもっと危険度が増した事だろう。

 だからこそ、紫はこれをチャンスとして捉えたのだ。

紫「さて、正念場よ。ここで、少しでも私たちの有利を獲得してしまいましょうか」

 そう、ここで勝利する事の意味は、全てに置いて大きいのだ。

871 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 15:58:46.66 ID:ChXbYmc9o



 空亡に肉薄した零と現は、その強固さに固唾を飲んだ。

 見た目はまさしく人の形を取っているのだが、あれは膨大な陰気、そして反転した神気の塊なのだ。

 そう易々といかないとは考えていても、その堅牢な城壁を思わせる『振動』の障壁には苦笑を禁じ得ない。

零「カカ、まるで大地を殴ってるみたいだなぁ、おい!」

現「呵呵呵ッ! なれば、それを斬るもまた面白い!」

 前線で真っ向から迎え討っている零と現はそれでも尚、強気を保っていた。

 拳を振り上げて一撃、刀を袈裟斬りにひと振り、交互、同時、連続、連撃、そのどれをもってしても、彼らはその壁を砕く事が出来ないでいる。

 零の拳から、皮が剥かれ血が滲み出す。刀は悲鳴を挙げ、それと同位存在である現の体が軋む。

零「来たれ、金剛の一閃ッ――!!」

 その中で放ったのは、高く跳躍し舞い上がった零の必殺が一。

 右足に陽気を纏わせ、前宙から放たれる踵落とし。

 鎌の様に無慈悲に、零から翔ぶ雷の如く、彼はそれを空亡へ向けて振り下ろす。

872 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:14:11.80 ID:ChXbYmc9o

零「おおおォォォォオッ!!」

 咆哮する鬼神の振り下ろした一撃は、しかしてそれでも空亡の纏う振動の壁を突き破れなかった。

 それでも零は諦めず、弾かれる事を拒み、力を込め続ける。

 それすらも嘲笑うかの様に、空亡はまた謡い始めた。

空亡(女声)『大江の山に来てみれば、酒呑童子がかしらにて』

空亡(男声)「青鬼赤鬼集まって、舞えよ歌えの大騒ぎ」

 それは、遥か過去の伝承を歌ったものだ。

 大江山に、鬼退治に赴いた源 頼光を讃えた歌だ。

 童謡、子供に聞かせる風習、そして戒め、教訓を伝える為の歌。

 他の誰かが聞いたならば、ただの暇つぶしに歌っているものだと思うだろう。

 挑発、そしてつまらないと言われていると感じるだろう。

 だが、それを聞いた存在の中に――

零「その……胸糞悪い歌をやめろやぁぁぁぁああああっ!!」

 酒呑童子という鬼と関係の深い者が居たのならば、激昂するのは自明の理だ。

 陰気が迸り、陽気と相まって黒と白の雷鳴が嘶き叫ぶ。

 怒り、そして憎しみ、何よりも身内の討伐を歌うその存在を許されざると零が吼えた。

 振動の壁をぶち抜けと、その歌をやめろと、その声を掻き消す様に鎌足 零が絶叫する。

873 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:15:14.41 ID:ChXbYmc9o

空亡(女声)『驚き惑う鬼どもを、一人残らず斬り殺し』

空亡(男声)「酒呑童子の首を取り、めでたく都に帰りけり――」

 しかしそれも、空亡の『身震い』一つで放たれた衝撃波によってかき消される。

 それと同時に零の体が大きく弾かれ、宙を舞った。

零「く、かぁっ……!!」

現「ならば、これでどうだ。――演武、弐之式。……陽炎!!」

 それは虚を突いた筈の行動だった。

 振動を周囲に放つのが衝撃波ならば、その壁は今薄くなっている筈だと現が考えた故の、攻撃だった。

 現の行う『演武弐之式・陽炎』は己の可能性を影として紡ぎ実体とする分身術である。

 蜃気楼となった彼のそれは、過去に使った頃の比では無いほどに効果を高めていた。

 百、千、万の現が空亡を取り巻き、その切っ先を向けて突撃する。

 失敗の確率を切り捨て、成功を引き当てて現実とする技は、それ故に『いつか当たる』のだ。

 遅延、速攻、フェイント、あらゆる可能性の刃が空亡へと襲い掛かる。

874 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:17:03.12 ID:ChXbYmc9o

空亡(女声)『オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ。六算祓エヤ、滅・滅・滅・滅』

空亡(男声)「亡・亡・亡」

 しかし、それを防ぐ方法はある。

 その可能性を一撃で潰せば良い。

 攻撃を確実に中断せざるを得ない状況を生み出せば良いのだ。

現「なん、とぉぉおっ!!?」

 それを、空亡は行った。確かに、数多の現の攻撃は空亡の障壁に到達しただろう。

 だが、障壁を突破出来なかった攻撃の衝撃の全てを振動へと変換し、数倍のエネルギーとして空亡は返し放った。

 結果、全方位に向けてカウンターをされた現にその先の一手を打つことなど出来ず、衝撃波に曝されて防御しながらも吹き飛ばされる事となった。

空亡(女声)『痛い? 痛いィ? 苦しい? 悲しいィ?』

空亡(男声)「愛しい? 憎いィ?」

空亡(女声)『辛い? 悔しいィ?』

空亡(混声)『「痛い痛い痛い痛いィィィ――キャァァァァ、ぎゃぎゃぎゃはァーー!」』

 無邪気に尋ねるかの様に、逆撫でする様に、無力だと思わせる様に、空亡は狂った様に高く嘲笑う。

 絶対的な力の差。絶亡的な力の塊。現段階における零達の等級では、空亡には絶対に届かない。

875 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:18:07.43 ID:ChXbYmc9o

安藤「さてさて、これは骨が折れますね。空を亡ぼす者。天の中で殺す者、ですか」

リンガー「『あの方』の残滓――『あの方』の一部が反転した存在だと思うと、何とも皮肉にまみれている気がするのです……」

 それを遠目で眺めていた遠距離を得意とする者と小さき者は、それぞれに感想をもらす。

 幻想郷の賢者が掴んだ尻尾。それへの勝利に来たは良いが、リンガーにとってはかなり複雑な思いがあった。

 故に、皮肉。だからこそ、その表情は曇っている。

紫「アレに創造の力はないわ。空亡は、あの禍乃祟は破壊しか生まない。……ふふ、リンガー。あなたの気持ちはわからないでもないけれど、アレは敵よ。乗り越えるべき、敵」

安藤「その通りでございます、紫様。……あれが例え、幻想郷の最高神の残影だとしても」

リンガー「……ボクたちは、勝たなければならない」

 ぴしゃり、と。扇を開いて指し示す紫の言葉に安藤とリンガーはそれぞれの思いを込めて呟き返す。

876 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:19:49.32 ID:ChXbYmc9o

 掴んだ尻尾は龍神の一部だった。溢れ出す力の源へと辿れば、そこにあったのは球体だった。

 黒く染まった太陽。

 陰気に塗れた『眼球』。

 神気が反転した邪気の塊。

 その一つでもって、人里を押し潰せる程に肥大化した存在の、圧縮された人形。

 残滓、その顕現。それが空亡 禍乃祟。龍神の滅びを行うだけの、廃れた神威。

安藤「なれど、神。嗚呼、神。神ですか。何ともお誂え向きな趣向でしょう」

 翼を広げた伯爵は嗤う。顔の半分を、かつての細胞生物だった名残を顕現させていく。

 右の白目は黒く反転し、顔には罅が入っていく。

 バアル・ゼブル――『ベルゼバブ』の残香を、彼は体表に浮かばせていく。

安藤「私も行きましょうか。リンガー君、サポートを」

リンガー「はい、なのです!」

 そうして、彼らもまた戦場へと参列していくのだ。

 リンガーは安藤の背中にしがみつき、腰部から茨を発生させ、その先端に薔薇を咲かせる。
877 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:22:08.00 ID:ChXbYmc9o

リンガー「時よ止まれ、お前は美しい――!」

安藤「――アクセス、我がシン」

 刹那に馳せる思いを、リンガーは顕現させる。

 それは、時の停滞。

 この瞬間に賭ける、勝利を目指す妖精が出来うる事をするための準備。

 彼は戦う事が本来、不得手だ。

 だからこそ、停滞させた時間の中で彼がする事は一つ。

リンガー(この瞬間の中に、何がなんでも勝機を……!)

 勝利への道筋を、もしくは敵を引き摺り落とす術を見つける事だ。

 目を見開いて、その一挙一動を見逃すものかと、そこにある意識の外にある隙を見つけるのだと。

 リンガー・ローゼスは息巻いていた。

878 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:22:51.79 ID:ChXbYmc9o

紫(……龍神。あなたに誓ったあの言の葉を、私は一度でも破ってしまった。だけど、また、ここに誓おう)

 自分を守る者達を見ながら、一文字に口を結んだ紫は真剣な表情でもらす。

紫「私は、また平和を守る事を。この、私の身に賭けて……」

 そうだ。だからこその、この幕劇。

 八雲 紫がこの幻想郷を誰よりも愛しているからこそ。

 楽園を失うなど認めない。穢すなど赦さない。故に、彼女は行くのだ。

紫「あなたの残滓にだって、認めさせてやるわ」

 この者達と私たちが、再び平穏を取り戻すという、夢を。

879 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/09(土) 16:23:31.04 ID:ChXbYmc9o

※ここで一旦区切り。本編は23:00頃になるかと思います
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/09(土) 16:25:06.86 ID:JkNgQTs1O
乙!
やっぱりEXTRAはコンマなしか
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/09(土) 16:28:52.01 ID:0tjQTd9Po

空亡ってあっちと混ざったかと思ったよ
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/09(土) 16:30:14.68 ID:Zd0CmY1Ao

最高神が反転して空亡ということは……天照?
と思ったけど龍神なら違うか

神の杖は単純な質量兵器だから別に燃えたりしないのでは
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/09(土) 16:57:58.63 ID:beGJx8BO0

すごく熱い展開だな
>>881俺もちょっと思った
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/09(土) 20:31:15.37 ID:PvNHFKMTO
乙乙
>>883皆考えることは一緒か…
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/10(日) 23:32:37.27 ID:tjHQNf/U0
おぉーー、やっぱり空亡だったかぁ。
原作的にも会ってるし、「あいつ」の影響を受けた龍って考えればあり得るだろうし。

>>882
摩擦熱的に燃えるんじゃね?隙間の中がどうなってるか分からないけど。
886 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:22:15.69 ID:QoEs4ZNZo



 翼を力強く羽ばたくのは、吸血鬼だった。

 圧倒的なスピードで目標を攪乱する戦闘機の如く、彼は空間を飛び回っている。

 時折、エネルギー弾を爆撃する様に放つ。

 何度も行った。何度も仕掛けた。そしてこの時も粒子と共に白煙が立ち込めるが、

安藤「奴は?」

リンガー「健在です、まったくダメージが通っていません!」

 その背にしがみついている妖精の報告に、彼は小さく舌打ちをした。

 空亡は今、その目線をこちらへと向けている。

 しかし、まるで動かず山の様に静かだ。その場に根を生やしているのかと思う程、微動だにしていない。

 八雲 紫はすきまを使って吹き飛ばされた現と零を回収し、その治療に当たっている。

安藤(まったく動かないならば好都合ではあるが)

 面白くない、と彼は心の中でもらす。

 確かに、治療の邪魔にならないのならばそれはとても良いことだ。

 こちらに注意を向けていると言うことは、向こうに攻撃を仕掛ける危険が少ないということ。

 しかし、それを面白くないと安藤は思う。

リンガー「鎌足さんや、現さんの時もそうでしたが……」

安藤「うむ、観察されているな。これは」

 力を振り撒く存在なのだから、それはそれで不自然だと二人は思う。

 空亡がその気になれば、この空間にいる者は間違いなく破壊されるだろう。それ程の力を持っている筈で、神気の奔流に一度全員が曝されているのだからその射程は測り知れない。

 だが、それをしないのは何故だ。このタタリは何を考えているのかわからない。

 本能を具現化させたような、そういう存在だからこそ不可解なのだ。
887 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:23:27.59 ID:QoEs4ZNZo

 何故、こいつは静観しているのか。

 嵐の前の静けさ。まさにこの時、空亡という天災がいつ動くかもわからないのだから、安藤もリンガーもその胸中に緊張と恐怖を抱え込んでいる。

空亡(女声)『なんじゃろな? なんじゃろなぁ?』

 刹那、童女の声が響いた。

 その意図は計れない。何に対する疑問なのか、何に対する質問なのか、ただ語尾が上がっていたからそれに疑問符が付いていることだけは理解出来た。

 可愛らしい声だ。ただし、歪んでいて素直にそうは思えない。

 不安を煽るのだ。子供の声だから。子供の様な、可愛らしい声だから。

 無邪気こそが最たる邪気である。そこに無自覚な悪意があったとしても、本人は気付かないし悪びれない。

 怒る相手が居れば話は別だが、空亡を叱れる存在などこの世の何処にも居はしないだろう。

 故に、その無邪気な質問の意図は汲み取れない。理解が出来ない。もとより、主語が抜けている。

リンガー「なんじゃろな? なんじゃろなぁ?」

安藤「リンガー君、遊んでいる場合ではないぞ」

リンガー「……なんじゃろなぁ?」

空亡(女声)『なんじゃろなぁ?』

 だからこそ、リンガーはその意図を必死に読み取ろうとしていた。

 リンガーは、その者の目線に立とうとしている。

 それこそ、危険な賭けだろう。空亡にはそもそも、理性があるとは思えないのだ。

 観察している、と考えた時点でおかしいのか?

 この言葉には、意味など存在しないのか?
888 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:24:53.85 ID:QoEs4ZNZo


リンガー「……まさか」

 そこで、何かを掴んだのかリンガーが声をあげたその時だ。

空亡(混声)『「きぃやははハハハハハハーーッ!!」』

 タイミングを見計らったかの様に、空亡が狂笑を洪水の如く溢れ轟かせた。

 その笑いとは逆に、空間の一部が悲鳴を挙げて突き破られる。

 そこから現れたのは、血の通っていない死体を思わせる蒼白い無数の腕だった。

安藤「ちぃっ……!」

 その手は巨大だった。その一つ一つが車を鷲掴み出来る程の大きさで、安藤を捕えようと伸ばしてくる。

リンガー「それは、ボクの専売特許なのですよ!」

 反応を示したのは、捕まってたまるかと翼を羽ばたかせる安藤の背にしがみついているリンガーだった。

 足を引く、引き摺り落とす、捕まえる、停滞させる。

 時よ止まれ、時よ止まれ。この楽しい時間よ、美しい薔薇よ永遠になれ。

 そう願った妖精は、その行為を否と叫ぶ。

リンガー「遊び相手が欲しいなら、もっと優しくしないと駄目なのです!!」

 それは、リンガーが気付き打ち立てた仮説の要約だ。

 空亡は、やはり求めている。あの泥で塗り潰された黒の塊の様に、仲間を求めている。

 一人にしないで。忘れないで。自分は此処に居る。

 はしゃいでいるのだ。遊び相手が現れたから、その為の『供物』が目の前に居るから。
889 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:27:07.76 ID:QoEs4ZNZo

安藤「ゾッド・ペウラット・ソテナイ・メエット・アドナイ・ヴェハドヴェリーム・アー・アル・ナフ・シー」

リンガー「安藤さんっ!」
             グローイン・ベル
安藤「死に濡れろ――暴食の雨ッ!!」

 高速で宙を翔け抜ける安藤が、振り向きざまに右腕を突き出す。

 そこから発生した環状の魔法陣が砲身の様に伸びた。そして発射されるのは、広範囲に降り注ぐ酸の雨だ。

 触れたものを確実に溶かし消滅させる魔王の強酸が、迫り来る腕達を迎撃する。

リンガー「二時方向……いえ、全方位!?」

安藤「数でくるか……!」

 その中で空間に正六角の穴が広がっていき、幾何学の模様を描きながら彼らを囲む様に現れ始める。

 それは、蜂の巣や蓮の種子の様に生理的な不快感と嫌悪を沸き立たせる様な形をしていた。

 そこから這いずるのは泥。現れるのは黒の群れ。数多の巨腕。
              ユメ
空亡(男性)「旨そげな絆をくれろ」

空亡(女声)『その手をわいにくりゃしゃんせ』

 それらを発生させる元凶の空亡は、まるでにんやりと笑う様にその雰囲気を歪ませた。

 次はどうするのか、これにどう対応してみせるのか。

 子供の様に、見世物を眺めて喜んで、期待するかの様に。

890 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:28:26.84 ID:QoEs4ZNZo

『■■■■――――!!』

 引き摺り出た黒の群れは泣き、喚き、叫び、その穴から逃げ出す為に進軍する。

 お前たちの絆を自分にくれ。その記憶を私にくれ。その夢を頂戴させろ。

 忘れられた。俺達は忘れられた。だから求める。形をください。諦めたくない。確かな記憶が欲しい。助かりたい。

 空亡に捕らえられた虜囚達は、それが唯一の救いなのだと信じるが故に六角の陣から突撃を敢行するのだ。

 助かりたいから、誰かを蹴落としてでもそこに居させて欲しい。羨ましいんだ、だから僕達にもその光を浴びさせろ。

 仲間になろう、あれが怖いからその手を引かせてくれ。掴みたい未来の為に、お前たちもウチらの所に来てくれ。

 意思の、本能の洪水。耳を劈く金切り声が響き渡った。

891 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:30:23.61 ID:QoEs4ZNZo

安藤「この絆が欲しいだと? この夢を奪わせろだと? ふざけるなよ、糞の軍勢共が。この安藤=バアル・ゼブルに向かって何を言うかと思えば」

 紅魔館の伯爵がそれらを察して浮かべたのは、怒りを混じえた嘲笑だった。

 己が主と最愛の汝との絆は、自分だけのものだ。

 誰かに渡すなど否。断固として否。譲らぬ、渡さぬ、譲渡などしてたまるものか。

 細胞生物だった自分が、誰の為に、何の為に吸血鬼になったのかを知らない存在が何をのたまう。

安藤「紅魔の館に居るのは私だ。だから、この絆は渡さない!」
892 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:31:54.49 ID:QoEs4ZNZo

リンガー「怖いのもわかります、逃げたい気持ちもわかります。でも、あなた達は危害しか生まないから! 誰かを身代わりに自分だけ助かれば良いだなんて、そんなのボクは認めません!!」

 継いで、刹那の妖精が悲痛に叫ぶ。

 皆と繋いだこの手は、薔薇の花輪は誰にも穢させない。

 この黄金の絆は、自分が求めた何よりの夢だ。介入など許さない。この刹那は渡さない。ボクは、仲間を護る為にさいきょーになったんだ。

 面白おかしい毎日を過ごす事を望むなら、お前達に何が出来るというんだ。

リンガー「引き摺り落とす先に、楽しい時間を求められないならボクはこの場所を譲るつもりなんて、毛頭ないのです!」

 覚悟完了、来るなら来い。お前達が幾ら束になった所で、自分達は負けないと気を滾らせる。

 翼を広げる安藤と、彼の背中から降りたリンガーはその意気を込めて黒の群れを睨み付ける。
893 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:33:34.13 ID:QoEs4ZNZo


                   ――歪み産まれよ、四つ腕の異端――

 その時、二人の思いに共鳴するかの如く雷鳴が轟くと同時に顕れたのは、紫による治療を終えた零と現だった。

 自身の祖の姿を顕現した零はその拳を構え、陽炎の如く現は揺らめいていた。

894 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:35:33.87 ID:QoEs4ZNZo

零「誰かに成り代わろうだとか、させるかよ。俺達を巻き込むんじゃねえよクソ野郎共が。お前らに曙光の輝きは渡さねえ。本当の意味でまだ救い出せてないんだよ、だったら俺はまだここに居なけりゃいけないだろうが!!」

 それは、零が今でも心に秘めている誓いだった。

 日溜まりを求めた。その未来に思いを馳せた。

 もう二度と失わない、壊させない、取り零さない。そう誓ったのだ、正義の味方として誰をも救える自分を望んだ。

 だから、好きにはさせない。

 その力が幻想郷を壊すのだから、俺はそこから救う光でありたい。

 故に落ちろ。故に負けてたまるか。この願いある限り、曙光の輝きは失わせない。

零「正義の味方はあらゆるものを超えて然るべきだ。ああ、だから超えてやるよ。あいつとの約束通りな!!」

895 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:38:03.30 ID:QoEs4ZNZo

現「お前達にはわかるまいて。自分だけ良ければ、自分の望みだけが叶えられればそれで良いと思うことの、なんと愚かな事なのかを。ああ、俺とてそうだった。独り善がりで最悪を引き起こす前に、止めてくれる者が居たけれどな」

 自嘲して、皮肉をもって現はうっすらと笑う。

 俺は屑だ。故に屑らしいやり方をした。

 それで幻想郷を護る事が出来ると信じていたのだ。

 それを間違っていたとは今でも思っていない。

 だが、それと同時に強い思いもあったのだ。

 誰かが俺を止めてくれると信じていた。繋がりを信じた。それ故に賭けた。

 そして結果は、出たのだ。

 愛する者の為に、自分を犠牲に出来る正義をお前達が持っているならば、この俺を越えてみせろ。

 それが出来る程の思いがあるのならば、見せてみろ。

現「夢路を駆け抜けたくば、この現に示して見せよ。我が刃恐れるならば、ここを越すことなど許さぬがな」

896 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:39:36.55 ID:QoEs4ZNZo

安藤「お前たちに、この幻想を駆け抜ける思いがあるならば」

リンガー「誰かとの繋がりを、大切にしたいと思うなら」

零「譲れない思いがあって、それを掴みたいのだとしても」

現「我らは、それを易々と受け入れるつもりなど無し」

 全ては『異常』を超える為に、彼らはここに居る。

 その道の半ばで倒れる事を、彼らは赦さない。

『幻想に走り給う者』達は、だからこそ『座』に刻まれたのだ。

 そしてそれは、

紫「私を恨むかしら、私を憎むかしら。この傲慢な我が身を、罪と思いて滅する事を望むかしら」

 幻想郷の賢者とて、そして彼女を中心に集まった者達にとっても、同じなのだ。

897 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:41:42.25 ID:QoEs4ZNZo

 すきまを抜けて現れた賢者は紡ぐ。

紫「可能性の終わりを与えてしまった。枝を切ってしまった。それ以上育たない様にした私は、ああ確かにそうされて然るべきでしょうね」

 数多の舞台の中でそうして来た。何よりも罪深いのは、私だろう。

 間接的にも未来を奪ったのは、私だ。

 扇子を畳み、ゆっくりと移動する紫は呟きながら憂いを帯びた表情で語り続ける。

紫「神を騙るつもりなど、毛頭ないけれど。……守る為に、切り捨てて来たのは事実。ええ、今更謝るつもりなどないわ。貴方達はそれを望まないでしょう」

 元より、許しを請うつもりなどない。

 全ては幻想郷を守る為に、その願いで今まで繰り返して来たのだ。

 それを間違っていないと信じた。迷った事も確かにあった。

 だが、今更やめる事など出来ない。

 やめるという事は、諦める事。

 諦めるという事は、駆け抜ける事の出来なかった者達を蔑ろにする事。

 本来の彼らの思いへの、冒涜なのだ。

898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/15(金) 10:45:08.33 ID:ePCWqm++0
こういう歴代主人公集合は好きだわ
899 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:45:10.94 ID:QoEs4ZNZo

紫「私は覚えている」

 皆がそれを忘れてしまっていても、確かに彼らは存在したのだ。

紫「私は記憶している」

 それが八百万の数だとしても、ひとりひとりが紡いだ物語を覚えている。

紫「私は、知っているのよ」

 届かない思いがあった。諦めた者も居た。泥に飲まれた悲痛な叫びを、負けて死にゆく後悔もあった。

 一歩で届かない夢もあった。掴み損ねた絆もあった。理不尽な死も、幸せな終わりもあった。
      コギト・エルゴ・スム
紫「“我思う、故に我はあるのだから”は、その為の願い」

 傲慢に振る舞い、傲慢に選び、傲慢に断じ、傲慢に進む。

 自分はそこにあるべきだから、ここは私たちが望む世界への道なのだから。

 確かな未来を掴む為に、かつてあなたたちは選ばれた。

 だが、こうやって忘れ去られた者とそうでない者として、敵対してしまっている。

 罪滅ぼしとは言わない。でも、貴方達という『可能性』が確かに存在していた事を、私は覚えている。

 私は常にその可能性に思いを馳せて、だからこそ、そこに私はあるのだと信じた。
                                                 トコシエ
 忘れてはならない。忘却してはならない。この道が何で出来ているかを、私は永久に記憶に刻み込むと誓おう。

900 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:49:44.69 ID:QoEs4ZNZo

紫「……故に、ここで立ち止まれないからこう言うわ。幻想に走り給う者達よ、蹴散らしなさい」

 傲慢に、その罪は我にあるのだと言わんばかりに、八雲 紫は命ずる。

紫「全ては『異常』を超える為に、貴方達はその絆を得た。その絆への『忠』を、あなた達の『信』を、ここに示しなさい」

 扇子を持った腕を振るい、八雲 紫は号を飛ばす。

紫「『義』を持つならば、貫きなさい。『智』を用いて『仁』を成す事。『孝』重んじ『悌』を見せ、ここにその『礼』で応えなさい!」

 空亡へとその視線を定め、彼女は叫ぶ。

紫「ここで倒れるなんて赦さないわ。そうよ、私たちは倒れてはならない。駆け抜けなければならない!」

 自分の幻想はまだ終わってはいない。

 自分の駆け抜けるべき場所は、まだこの先にあるのだ。

紫「行きなさい」

 静かに、呟く様にして八雲 紫は言う。

紫「――汝、超越の物語を語るならば、この幻想に走り給う!」

 その言葉を皮切りに、この戦いは終わりへと収束して行く。

901 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:51:11.81 ID:QoEs4ZNZo


                              アクセス――我がシン

                             来たれ、異形。我らが配下

                       悪なる者。埋め尽くし嫌われた悪魔の下僕

                  このバアル・ゼブルの名において命ずる。恐怖の嵐を巻き起こせ

             ゾット・ペウラット・ソテナイ・メエット・アドナイ・ヴェハドヴェリーム・ラア・アル・ナフシー


                          それは、卑下されし者共が王の言葉。
                                                 ベルゼバブ
          かつて細胞生物だった頃、彼が飲み込んだ悪意の顕現にして『這い寄る蠅の王』の権威。

              それは一冊の魔道書の名。そして彼が付き従える、異形達を呼び出す言霊。
                                      SAMECH・VAU・RESCH・TAU
                       安藤は命ずる。ここに敵を 喰らい、貪り、埋め尽くせ と。

                    そして彼は、最愛が汝と我が主の為に忠を示し勝利するのだ。

                         それが、主が自分に与えた役割なのだから。

                      安藤「アッピン・オブ・スカーレット・グリモワール!!」 
902 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:53:30.82 ID:QoEs4ZNZo


                               Ring-a-Ring-o' Roses,
                             バラの花輪だ、手を繋げよう

                               Ring-a-Ring-o' Roses,
                              バラの花輪だ、手で繋がろう

                               A pocket full of posies,
                               その懐に、花束巻き付け

                                Atishoo! Atishoo!
                                  止まらぬ嚔で

                                We all fall down.
                                みいんな、ころぼ


                           リンガーは繋がりを強く重んじている。

           それは、毎日を面白おかしく過ごすために集まった仲間達との黄金の絆であり、孝悌の証だからだ。

                    彼はその力に幾度と頼り、幾度と見て、幾度と学んで来た。

                        だからそれは、彼の力であると認識して然るべき。

                            リンガー「――急段・顕象!」

                    此処に在らずとも、繋がっている。だから、その力を使わせてもらう。

          そしてまた、一緒に遊ぼうと心の中で約束するから、敵の足を引き摺り落とす為に協力してくれとその名を紡いだ。
                                リング・アー・リング・オーローゼス
                         リンガー「『引き摺り墜とす薔薇の唄』ッ!!」

903 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:56:21.71 ID:QoEs4ZNZo


                           ヒ  フ  ミ  ヨ  イ  ム  ナ  ヤ ココノ タリ
                          壱 弐 参 肆 伍 陸 漆 捌 玖 拾

                               フルベ  ユラユラト    フルベ
                              布留部 由良由良止 布留部
 
             アメ  カズウタ    トドロカシウタイ                  タマユイ          サキワイ
         ここに天の数歌 登々呂加志宇多比あげて 浮かれゆかまくする魂結の 聞こしめして 幸 給う

                              アツカイナヤメル   ヤサカミアエグヤマイ
                       我が身に阿都加倍奈夜米流 夜佐加美安倍久病をば

                             イヤシ       カキワ  トキワ
                   いと速やかに伊夜志たまいて 堅磐に常磐に守りたまえ聞こえしたまえと

                           アマ ヤ ヒラテ
                           天の八平手打ち上げて 畏み畏み申す

                                オ ン  マリシエイソワカ
                                罨・摩利支曳薩婆訶

                               オ ン   アビダヤマリシソワカ
                               罨・阿毘多耶摩利支薩婆訶

                           キバク   オンシン   サンマヤギョウ  ダイコンゴウリン
                           鬼縛――隠身 ・ 三昧耶形 ・ 大金剛輪

                                  キエ
                              ここに帰依したてまつる 成就あれ
904 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:57:37.29 ID:QoEs4ZNZo


                                        オ ン
                                     ―― 罨 ――

                             陰にありて陽を目指し、歪み付いて捻り曲がる

                人を愛し、人を助け、人を救い、人の為と成らん我が道は、闇を照らす曙光の輝き也

                     鎌の様に無慈悲に、足り得る思ひは誰ぞの為に。零から翔ぶ雷の如く


                                オン・キリキリ・バサラ・ウンハッタ

                                 オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ

                                  オン・バサラ・ヤキシャ・ウン

                               オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ


                             金剛夜叉・戦神雷鳴・両面鬼神四腕之宿儺


                                 ―― 再 ・ 転 ・ 生 ――


                          我が抱きし正義におひて、彼の者共を救いあげんが為に

905 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 10:58:43.96 ID:QoEs4ZNZo






                                     ― 太・極 ―



906 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 11:09:42.24 ID:QoEs4ZNZo


                               夢路 現は可能性を信じている。

             かつて、己を賭してまで、己の身を差し出してまで実行した最愛の者が示したそれを、信じている。

                 それを嘘になどさせない。彼女の思いを、弟子が見せた可能性を信じ抜くと決めたのだ。

                      愚直なまでに、信じよう。だから俺は、その可能性の体現者となろう。

                               蜃気楼。揺らめく幻は可能性の具現。

                            現「俺は、最善の俺を求め続ける――!!」
 
                     それが自分が求め出来る、正義と勇気の証明なのだと信じるが故に。

                             カジリカムイ    コウロウシンム  マリシテン
                           現「神咒神威――紅楼蜃夢・摩利支天ッ!!」

 
907 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 11:19:09.66 ID:QoEs4ZNZo


                                  かつて自分は救われた。

                          幼馴染みによって救われて、最愛の女によって救われた。

                             その仁に報いる事は、永劫出来ないだろう。

                           自分はその仁を、今度は彼女たちに返していこう。

                            それが俺に出来る事。今度は俺が救う番なのだ。

                         零「そうだろ。霊夢、萃香、天子、こいし、文、勇儀、八雲……」

                          この幻想郷を救う為なら、この身がどうなろうと構わない。

                           この鬼神の名に賭けて、お前達の未来を掴む為にも!!

                            零「神咒神威――金剛夜叉・両面宿儺之鬼ッ!!」


908 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 11:22:32.05 ID:QoEs4ZNZo



                                  安藤「この忠義、代え難い絆を見せつけてやる!!」


               リンガー「あなた達に、負けてなんかやらないのです!!」


                                                      現「信じる未来は、我らの物なのだから」


                        零「例え龍神様の反転だとしてもよぉ……!」


909 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 11:28:18.71 ID:QoEs4ZNZo




                  安藤・零・現・リンガー「「「「お前/テメェ/貴様/あなたはその、残滓でしかないだろう!!」」」」


910 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 11:58:12.91 ID:QoEs4ZNZo

紫「見せつけなさい、その絆と思いを」

 これは奉納だ。龍神が求める供物によって行われる、奉納舞踏。

 破壊と滅びだけを持つ空亡であっても、その性質は『神』と同義だ。

 元々、龍神の一部だったアレが求めているのを紫は知っていた。

空亡(男声)「忠なるか? 忠なるか?」

空亡(女声)「汝が示すは、忠なりや?」

紫「そうよ。だから、受け止めて頂戴。……『異常』を超える者達を、私は集めて見せるから」

 空亡の問に意味などない。それは独り言に近い、自問に近い性質だ。

 だが、それに紫が返すと空亡は目を細めて見せた。

 それは微細な動きで、すぐに視線を紫達に戻す。

 神は祀らうものである。そして、鎮めるものである。

 乗り越える、と紫が表現しているのもその為だ。

 空亡を鎮め、その残滓は元の場所に戻す必要がある。

紫(そう、龍神の元へ戻ってもらわないと困るのよ)

 倒す程の気概で、しかして決して倒してはならない。

 示し、認めさせ、彼らの絆で空亡を清め祓い、元の場所へと持っていく。

 その為にも、幻想に走り給う者達の絆と思いを爆発させる必要があった。

紫「……ええ、大丈夫。ちゃんと貴女にも、仕事をしてもらう事になりそうですわ」

 その呟きは誰に向けてのものだったのかはわからない。

 ただ、彼女はここに居る誰かにそう言ったわけではないのは確かだった。

911 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/08/15(金) 12:00:17.90 ID:QoEs4ZNZo

※書き溜めが切れたのでここまで。

※次の更新くらいで、EXTRAステージは終わらせられそう。戦闘シーンとかちゃんと書いたら何文字あっても足りなくなりそうなので、ちょっと駆け足になるかも

※本編の再開は13:00頃にしようと思います。では、一旦お疲れ様です

912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/15(金) 12:02:22.93 ID:dW4YzygHo
おつ
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/08/15(金) 12:08:38.26 ID:Xp6W8Jel0
乙ー
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/15(金) 14:33:05.16 ID:qHGpnsAY0

かっこよすぎやばい
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/22(金) 09:41:55.45 ID:N5C+nWnXO
今更だけどリンガー君ってどう詠唱唄ってるだろうか
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/08/22(金) 09:56:09.30 ID:0v+ulM6fo
閲覧注意
ttp://www.youtube.com/watch?v=KKI2gOawEPA
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/09/13(土) 20:37:20.34 ID:kOQIq2H/0
≫916
リンガーがこんな風に詠ってたら怖いな…。いや、リンガーなら可愛く詠ってくれるはずだ……!

……更新マダー?
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/14(日) 04:49:52.20 ID:1J/SfpruO
ここ埋まってなかったのか
向こう荒れてるみたいだし、雑談ならここでした方が良さそうだね
更新は・・・まだ2週間程度だし、半年ぐらいなら余裕で待ちますぜ
919 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/02(木) 06:09:52.36 ID:z9TJqaWfo



 戦いは、苛烈という言葉ですら生温いとする程に、激化していた。

 鬼神が吼えれば雷が黒の群れを引き裂き、蜃気楼が刀を振るえば黒い血潮が雨の様に降る。

 這い寄る蠅の王が命ずれば化外達が敵を貪り、刹那の妖精によって引き摺り落とされる者は数知れず。

 その中で滅びが笑えば無数の腕が群れ共々に彼らを押し潰さんと降り注ぎ、幻想郷の賢者が腕をかざせばすきまから豪雨の様なレーザーが焼き払う。

 阿鼻叫喚の地獄絵図。此処に大地が有れば、その悉くを破壊されていたことだろう。

 しかし、届かない。まだ届かない。空亡は依然として健在であり、黒の群れ達は沸き立ち溢れる。

紫「……流石、と言うべきか。それとも、これが私の業なのかしらね」

 八雲 紫は現状を達観した様に見渡しつつ、呟いた。

 黒の群れは、かつて幻想に走り給う者だった。

 全て黒く塗り潰されているが故に個人の断定は最早出来ないが、それは紫が覚えている者達である。

 自分達は、これ程の数を泥に塗れさせてしまった。

 そういう意味で言えば、確かにこれは業だろう。

 だが、

紫「踏み締めさせてもらうわよ。 ……私は、そこまで甘くない」

 それを越えて行くと、彼女は言い放つ。

 贖う事など最早無意味。彼等は既に別物に成り代わっていて、『異常』に染まった射干の走狗。

 そして、自分だけが助かりたいと泣き叫ぶ害悪であり、醜く悲しい敗走兵なのだ。

 救う事は出来ない。助ける事など毛頭無理。既に存在としてすら変質した、形を持った泥の塊なのだから。

空亡『「……」』

 その中で、彼等に逃走を強いている禍乃祟は静観していた。

安藤達の時の様に、零達の時の様に地中深くに根を張った大木の如く見つめ続けている。

 力を溜めている? 様子を見ている? 何を考え何を感じている?

 それは本人にしかわからない。否、本人ですら何を考えているのか分からないだろう。

 だからそれは、『空亡 禍乃祟』という『現象』の持つ本能から来るものだ。

 その場面を見ている、その事自体に意味が存在するのだとすれば。

安藤「魔剣「ダーインスレイヴ」!!」

 安藤が叫ぶと同時に、その手へと黒い魔力光が集まり始める。

 出来上がったのは、漆黒に染め上げられた片刃の反り上がった剣だった。
920 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/02(木) 06:11:01.67 ID:z9TJqaWfo

安藤「おおぉぅ、あんめい――ぐろおおりああああすっ!!」

 安藤が魔王としての能力を全面に押し出した歪んだ声で轟き上げると同時に剣を振るえば、厄災を拡散させているのではないかと思う程に禍々しいエネルギー弾が高速で射出されていく。

 無論、効果を全力で発揮させているそれが命中した存在にその先など訪れる事は無い。

 抉り取られ、削り取られ、貪り尽くされる。

 それが、レミリアから扱う事を許された系列名。北欧の魔剣、ダーインスレイヴの名を持つスペルの全容だった。

リンガー「レーダーによる斜角計算、屈折角度調整、三次元計算完了、あとはタイミングを見計らって……!」

 その後ろで本当の意味で姿を隠しているリンガーは、呟きながら空中へと何かを散蒔く。

 それは三月精の力を借りての準備。光の屈折による、

リンガー「幽香さん、お力添えをば!」

 超火力エネルギー砲の、多角面制圧射撃の行使だ。

 幽香が使っていた収束砲を、サニーの能力である光の屈折で多方向へと一斉に拡散させる事を、リンガーは行った。

 その対象は、六角の穴全て。威力は落ちるものの、そのエネルギー弾は入口に差し掛かった群れの頭部を精確無比に蒸発させていく。

リンガー「ダメ押しなのです!」

 更にリンガーは、レーザーが貫通して見えない床を穿った場所から爆炎を噴き上がらせる。

 藤原 妹紅の妖術。火を得意とする彼女の術を引き出し、一時的に敵の進行を遅らせる事に少年は成功した。

 しかし、状況は依然として膠着。相手の数は百や千ではない。幾ら端数をたたきつぶした所で、堰を切ったダムの如く黒の軍勢は溢れ出すのだ。

紫「……ジリ貧ね」

零「カカッ! 弱気な事を言うじゃねえか、八雲の。あの大歌劇の舞台を彩る脚本家様が、そんなんでどうすんだよバーカ」

 現状を呟く紫の表情は硬い。冷や汗を浮かべる彼女に、零は精一杯の強がりを見せた。

 その後方では現の斬撃が舞い、安藤とリンガーの放つ光弾が軍勢を焼き払うが敵の勢いは削ぐ事が出来ないでいる。

紫「言ってくれるじゃない。 ……だったら、そうね。鎌足の」

零「んだよ、っと」

 紫は迫って来る人型を吹き飛ばす零に、繕った苦笑を浮かべた。

 ああ、これはいよいよを持って賭けるべきだろう。

 時間を掛け過ぎた。ならば、この一手でもって曙光を齎さなければならない。

紫「全員、聞きなさい。鎌足を今より、あの禍乃祟へと送り込ませるわ。その為の道を、作りなさい」

零「おい、八雲のテメェ」

紫「貧乏くじをとことんまで引いてもらうわよ。貴方には博麗の力も宿っている。なら、貴方にしか出来ないのよ。その能力を鑑みても、ね」

 申し訳ないけれど、とは思っても八雲 紫は敢えてその言葉を口に出さなかった。

 鎌足 零の負う役目は自分では果たせない。それは、他の者達にも同様だ。

 彼は気負う事だろう。そういう気質の持ち主である事を彼女は理解している。

紫(見通しが甘かった、と言うべきね。残滓の裏返りとは言え、やはり龍神は龍神。 ……今のこの静観が、その本質の顕れなのだとしたら)

 残り滓とは言えども、龍神の力を見くびり過ぎたと彼女は思う。

 しかして、その存在の今を紫に思い当たる所があった。

 空亡は、求めている。

安藤「行けよ、鬼神。血路は私が開こう! そして知らしめろ。私達がどれほどの思いと絆を紡ぎ、此処に居るということを!!」

 両腕を大袈裟に振るい、翼を開いた安藤は零に向けてそう言い放つ。

 空亡は陰気に包まれ歪んでいる存在なのだから、その適任は紫が言っていた通りこの男以外にありえない、安藤とてそう思っているからこその申し出だった。
921 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/02(木) 06:11:56.89 ID:z9TJqaWfo

安藤「開けよ開け、道を開けよ。我らの往く道、阻むは許さず。魔王の名を畏れよ、我を恐れよ! 愚者の如く尚も来るならば、その全てを食い荒らしてくれる!」

 安藤は叫び、演じ、仰々しく謳いあげる。

 邪魔と阻害は命の滅びと同義。未来を望むのはお前達だけではない。ならば、退け。この安藤=バアル・ゼブルを畏れぬならばその骸を曝して逝け。

 両眼を黒く染め、左側だけに入っていた皸が顔中に入ると同時に安藤の周囲へと顕れるのは複数の魔法陣だった。

 深く、深く、自らの中には既にいない『魔王』の力――『ベルゼバブ』の司る『暴食の原罪』と彼は繋がり顕現させる。

安藤「――アクセス、我がシン」

 ケララー・ケマドー・ヴァタヴォー・ハマイム・ベキルボー・ヴェハシェメン・ベアツモタヴ

  されば6足6節6羽の眷属 海の砂より多く天の星すら 暴食する悪なる虫共

 汝が王たる我が呼びかけに応じ此処に集え

 そして全ての血と虐の許に神の名までも我が思いのまま とならん

  喰らい 貪り 埋め尽くせ

安藤「来たれ、ゴグマゴォォオグッ!!」

 詠唱を詠い上げた後、魔法陣から飛び出したのは無数に羽ばたく蝗の群れだった。

 安藤の命令に従い、対象を喰らい尽くす『暴食の軍勢』が道を切り拓くように、弾丸の如く飛翔していく。

 通り抜け様に表皮を喰らい、肉を貪り、骨を砕く。蝗の群れは、まさに『暴食の顕現』だった。

零「ああ、わかったよ。お前の思いも乗せてやらぁ!!」

 安藤の放った蝗の群れの通過した轍を、零が叫びながら進んで行く。

 その衝動を四の腕に込めながら、彼は空亡へと辿り着く為に宙を翔ける。

 しかし、それでも尚、黒の群れはその数を減らさない。逃げ惑う者達は新たに湧き続ける。犇めき合っているのだから、空間の開いた場所へと雪崩込む。

 同じ仲間だった骸を足蹴に踏み潰し、幻想に走り給う者達の居る場所を奪わんと、かの『禍乃祟』から逃れ出ようとしている。

現「――来い、妖夢っ!!」

 その刹那、現が零の前へと躍り出ると同時に自身の愛弟子の名を呼んだ。

 瞬間、空間を斬り裂いて何かの影が飛び出し、無数の刃が雪崩込む黒の群れの首を撥ね飛ばす。

妖夢「鬼符「未来永劫斬」 ――諸余怨敵皆悉摧滅っ!!」

 黒い血の雨が降る。一瞬にして大きな空間が、そこに穿たれた。

 霧となって消えて行く黒の残骸、刀を構えて佇む現の傍らに二刀を構えた少女が凛として立つ。

現「良い機微だ。応えてくれて助かった」

妖夢「師匠からのお呼び出しであれば、参上せざらを得ませんよ。太極の気配を感じ、構えておいて正解でした」

 現の言葉に妖夢は笑顔を浮かべて返した。
922 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/02(木) 06:14:13.85 ID:z9TJqaWfo

 護衛をする、という役割を与えられていた彼女ではあるがそれを放棄しても良いかと言えば、否だろう。

 この戦場は、か細い紐で繋がれた一本の綱だ。数対質という現状で、もしも一匹でもここを抜けられてしまえばその時点で均衡は崩れてしまう。

 だが、現が妖夢を呼んだという事にも大きな意味がある。

 それは、この戦争の終わりが近いという事だ。そして、幕劇の舞台構築の完了が近いという事でもある。

 故に、

現「進め、鬼神。貴様に我等が絆も託そう!」

妖夢「鎌足殿、あなたに預けます!」

零「任せろォッ!」

 蜃気楼の体現者が一振りの鋼を呼んだのは、此処で終わらせるという意思表示でもあった。

 零はその思いを汲み取り、参の腕に激情を宿して道を往く。

 空亡までの距離は未だ遥かに感じる程に遠く、しかして零にとってそれは大きな問題ではない。

空亡(女声)『まん・まんぜろく・まんざらく』

空亡(男声)「四方のヒクミを結ぶトコロは」
         キカレチ         フサ
空亡(混声)『「気枯地にてミソギに不良はず」』

 その刹那に、空亡の二つの声が紡いだ言葉で無数の巨腕が零に組み付き取り押さえようと降り注いだ。

 捕まってしまえば抜け出すのに多大な時間と体力を消耗するだろうそれを、彼は振り切ろうと加速する。

 後を追い迫る無数の蒼白い腕達。それはきっと、どれほど逃げても引き摺り落とし絡み付こうとするだろう。

 だが、やはりそれを許さない者もいる。

リンガー「あなた達には、足りない。 ……足りないものが、ありすぎる!」

 輝きに身に照らす、リンガー・ローゼスだった。

 彼の周囲には幾つもの光球が浮かんでいて、それらから何種類もの弾幕が腕達に向けて放たれていた。

リンガー「卑しい気持ちで捕まえるなんて、掴もうだなんて、そんなのボクは許しませんッ!」

 リンガー・ローゼスは絶叫する。

 その思いがわかるから、その思いに応えたいから、その思いに心が痛みを発するから。

――痛い、痛い。苦しい。悲しい。

 ボクにはその悲痛な想いが我が身の様にわかってしまうのだ。

 だからこそ、彼は否と叫び続ける。
923 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/02(木) 06:15:04.74 ID:z9TJqaWfo

                                              イノチ
リンガー「そりゃあそうですよ、置いてかれるのは誰だって嫌な事だし、それが絆に関わるなら引っ張りますよね。でもそれだけで誰かを蹴落として自分だけ助かるだなんてあなた達に矜持は、プライドは……! 傍に居たかった誰かはそれを望んでいますか!?」

 かつて、それをボクは望んでいた。妹紅さんが望んでいた。

 その強さが羨ましい。その速さが羨ましい。その仲間が羨ましい。その輝きが羨ましい。
                                                  ヒキトメル
 リンガーが望んだのは繋がる事。リンガーが得たのは、その楽しい一瞬を永遠に繋ぎ止める為の力のカケラ。

 自己の時間の停滞。バラの茨はその顕現であり、引き摺り落とす為の武威なのだ。

リンガー「永遠に変わらない思いが有れば良いと思ってました。永遠に楽しい時間が続けばと、この美しく素晴らしい薔薇がこの胸に有り続ければ良いと。だから、時間が止まれば良いのにと願い続けた」

                  ――海は幅広く無限に広がって流れ出すもの――

リンガー「だけど、そんな事なんてあってはならないのです。ボクは、『そんな地獄なんて』望んじゃいない! 皆が永遠に囚われる場所なんかに、成りたくはないのです!!」

                      ――水底の輝きこそが永久不変――

リンガー「終わらない時間なんて存在しない!」

               ――永劫たる星の速さと共に 今こそ疾走して駆け抜けよう――

リンガー「変わらない思いなんて、存在しない!!」

                        ――どうか聞き届けて欲しい――

リンガー「引っ張り続けてちゃダメなんですよ! その流れに抗う心が、勇気が、熱意が!!」

                  ――世界は穏やかに安らげる日々を願っている――

リンガー「あなた達には、圧倒的に足りないのです! かつてのボクが、諦めてその場に立ち尽くしていた様に!!」

                       ――自由な民と自由な世界で――

リンガー「それを教えてくれたみんなを守りたいから……さいきょーの妖精だって、みんなに誇りたいから!! そして、彼女にボクは示したいんだ。この思いを、この絆を!!」

                      ――どうかこの瞬間に言わせてほしい――

                 リンガー「――時よ止まれ、君は誰よりも美しいから!!」

 リンガーの思いと願いは矛盾している。しかし、だからこそ何より大切な事だと、彼は理解している。

 決して止まることのない時間の流れ。止まれば良いのにと思いつつ、リンガーはその流れに乗る事を選んだ。

 自分は永遠に成る事は出来ない。存在し続ける限り、自分の中の何かが変わって行く。

 かつてを振り返る事が出来る喜びがあって、未来に何があるのかと思いを馳せる。
                             リング・アー・リング・オー・ローゼス
 それが今のリンガー・ローゼス。それが今の、『引き摺り落とす薔薇の唄』。

 彼の力は誰かが居るから成立する。その思いに賛同し、同調し、そして能力は発現する。

 協力の強制。相手が合意するからこそ、その発動は絶対に失敗する事はない。

 足を引っ張るのではない。足並みを揃えてくれる仲間が居るから彼は空亡を――黒の群れを否定する。

                 リンガー「永遠の君に願う。ボクを高みへと導いてくれ!!」

 その言葉が響いた瞬間、零を追っていた腕達の動きが凍結する。

 それと同時に次々と固まったソレ等は血肉を爆ぜ、それと同時に光の道筋が出来ていく。

 それは人の形をしていた。それは、彼が繋げた思いの結晶だ。

リンガー「ここはボクに任せて行ってください、鎌足さん!」

 周囲に戻って来た輝きに照らされるリンガーは、先を行く鎌足に向けて叫ぶ。

リンガー「ボクは足を引く妖精。大地から来る者。ボクの前で、自分の為だけに足を引かせませんから!」

 そして、軽い挙動と共にマフラーが揺れると同時にリンガーの姿が消えて腕達が凍り付く。

 爆ぜる。爆ぜる。爆ぜる――それは彼の意思表示。それは彼の、決意の顕れ。
924 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/02(木) 06:18:03.66 ID:z9TJqaWfo

 零は振り返らず、軌道を修正して空亡の許へと再び翔け始める。

零「お前の理念、弐の腕へと確かに受け取った」

 開花は始まったばかり。この中でさえ成長を続けるリンガーの思いを受け取り、彼は小さく呟いて答えた。

零(案外、一番化けてるのはアイツかもしれねぇな)

 最年少者の奮闘、奮撃に零はくつくつと喉を鳴らして笑いながら思った。

 四人の思いは受け取った。ならばもう退く道などない。
                                  オモイ
 轍を振り返っている時間などない。自分に託されたこの陽気を無碍にしない為にも、零は改めて拳を握り締める。

紫「かつての助力役は博麗の巫女。そして成し得た陰陽太平。その役目を、私がする事になるなんて何だが因果なものですわね」

零「おいおい、やめてくれよ八雲の。俺のやる気を削ぐつもりか?」

 翔け抜ける最中、すきまを開いて現れた紫の言葉に減らず口で返す零。

 紫はそれを笑い、

紫「冗談。準備は良いかしら、私達の思いも乗せて行きなさい」

 遠方に空亡の傍――その振動の影響が最小限な――へと繋がるすきまを作り出す。

零「……アイツ等は早めに戻してやれよ」

紫「勿論、そのつもりよ。その為の隠し玉も用意してあるわ」

零「そうかよ。 ……暫くは食料、博麗神社に寄越せや」

紫「ええ、承ったわ。ただし、成功報酬よ」

 それは、命を賭すこれからの一撃に対しては安すぎる商談だろう。

 だが、零はそれで構わないと思う。

 救えという声が聞こえるのだ。助けてという声が聞こえるのだ。

 鎌足 零の性質は『救済』。その声の主に対する行動は『絶対の行動権』を得ることになる。

 ならば中々どうして、彼の能力を差し引いたとしてもこの配役は的確だと言えた。

零「行ってくるぜ」

紫「ええ、行ってらっしゃい」

 その言葉を皮切りに、零はすきまへと突入して行く。

――最後の時は近い。
925 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 06:55:50.89 ID:y4hi1r8wo



 神とはなんぞや――崇め奉る者である。

 神とはなんぞや――鎮め治める者である。

 かの龍神の残滓――その裏返りだとしてもアレとて神である事に代わりはない。

 空亡 禍乃祟は陰気の塊として変成していた。

 理性などない。知性などない。何を考え、何を求めているのかさえ自分でもわかっていないだろう。

 空亡は言葉を解する。本能的に言葉を発する。だが、そこには『意味』というものが存在しない。

 だから、空亡は思考するという行為をしないし、何かするとした場合の理由は一つしかない。

 空亡 禍乃祟は裏返ったとしても神の本質だけは無くしてなどいないのだ。

 では、その本質とは何か? 簡単な事だと断じよう。

『穢れ狂った我が身を清める為の供物』を求めているのだ。
                              ケツエキ
 龍の体は穢れ、本来ならば正常に循環していた陰陽は狂乱している。

 故の供物。古来から崇め奉られ、地脈の神格として君臨していた存在は、一度狂えば贄を与えられ続けてきた。

 欲するのは我が身を清める信仰。忠心。誠心。
                           ビョウソウ
 体中に走る痛み、痒み、孕んでしまった『異常の陰気』を誰ぞ取り除く者よと空亡は求め続けている。

 そこに理性がもしも有れば、そこに知性がもしも有れば、この様な事態にはなっていないだろう。

 最たる邪気を振りまく存在になどなっていないだろう。

 だが、空亡はソレを持ち得なかった。否、それすらも忘れさせられてしまった。

 残滓。その集合。陰気の塊への変成。邪魔だから纏めて投げ捨てた塵芥。
926 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 06:56:27.28 ID:y4hi1r8wo

零「良い気分はしねぇよな、あんたさんもさ」

 察しが付いていた、というよりもここに来て漸くの答えを得た零が呟く。

 魔震と化した空亡から離れた場所。その振動の壁の影響を最小に留める為に開かれたすきまを抜け、彼は深くため息を吐いた。

零「神……嗚呼、神。神様の残り滓。その言葉もかつてお前さんを崇め奉った人間のものだろうに」

――オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ
         マントラ
 薬師如来の 真言 は、虚空の中で何度も響き渡る。

空亡(女声)『忠なるか?』

空亡(男声)「誠心なりや?」

空亡(混声)『「一切成就の祓いとなるや?」』 

 零の目的を察した空亡が言葉を紡ぐ。

零「ああ、そうな。欲しいだろ、この絆が。でもな、コイツはやれねぇ。この思いは、今はやれねぇ」

 拳を握り締めた彼が呟く。
                   オモイ
 歯を食いしばり、預けられた 絆 を全ての腕に重みとして乗せる。

 狙いを定める様に双眸を細め、何もない筈なのに地鳴りの響くそこで零は覚悟を決める。

零「だから、そうさ。今はこいつで、我慢してくれやァッ!!」

 存在しない筈の地面を蹴り出し、零は吼えると同時に空亡へと最速の一歩を踏み出した。

 その一歩は余りにも大きかった。

 その歩幅は、距離があった筈の空亡へと『三歩』で近付ける程のものだった。

 一歩を踏みしめながら、零は詠唱を紡ぎ始める。
927 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 06:57:21.86 ID:y4hi1r8wo

零「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン・ソワカ! オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ!!」

空亡(混声)『「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」』
  ツイチョウ  ジビ  マラ
零「追帳・ 時眉・魔羅、三鬼の神に我が願いを奉り!」

空亡(混声)『「六算祓エヤ、滅・滅・滅・滅――!」』
              オワス
零「我が根源、太極座に坐かの夜叉と成りて、此処に曙光の輝きを齎し給う!」

空亡(混声)『「亡・亡・亡ォォォォオオオオオッ!!!」』

 二歩を踏みしめた時、空亡が先んじてその体を大きく震わせた。

 現れたのは、九頭の龍。その背から伸びたのは、龍神の持つ『裏返った九つの顔』そのものだ。
                                                                クトゥルフ ワザワイ
 曰く、黄龍。曰く、青龍。曰く、ヴリトラ。曰く、ナーガ。曰く、大蛟。曰く、夜刀。曰く、曰く――以て統べるは九頭竜の 禍。

 魔震の衝撃波は大海嘯が如く全ての綻びへと訴えかけ、その崩壊を促し消滅させる。

 しかして、それに対するは神である。鬼神である。陰陽を操り救済を齎す者である。 
                  ウツワ
 太極として完成した一つの宇宙、求道の神にしてこの世の特異点と化している彼は、それに耐える事に成功していた。

 そして紡ぐは、
928 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 06:58:11.40 ID:y4hi1r8wo

                      タカマガハラ   マ  マ          ミハタラ
                 ――  高天原 に 坐し坐して、天と地に 御働 きを現し給う龍王は ――
                        ミオヤ                             オウジン
           ―― 大宇宙根源の御祖の御使いにして一切を産み、一切いっさいそだ王神なれば ――
                             トクサ  ミタカラ
―― 一、二、三、四、五、六、七、八、九、十の十種の御寳を己がすがたと変じて給いて、自在自由に天界地界人界を治め給う ――
             リュウオウジン               ムネヒトスジ  ミツカエ
          ―― 龍王神 なるを尊み敬いて、真の六根一筋に御仕え申すことの由を受引き給いて ――
                                 ツミケガレ               ヨロズモノ  ワザワイ
  ―― 愚かなる心の数々を戒め給いて、一切衆生の罪穢の衣を脱ぎ去らし給いて、万物 の 病災 をも立所に祓い清め給い ――
               ヨロズセカイ ミオヤ                  キガンタテマツ        キコ  メ
           ―― 万世界 も 御祖 のもとに治めせしめ給へと、祈願 奉 ることの由を聞し食して ――
                   ムネ                           カシコ カシコ  モウ
             ―― 六根の内に念じ申す大願を成就成さしめ給へと――恐み 恐み 白す ――
929 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 06:59:10.52 ID:y4hi1r8wo

 貴方に忠心を捧げに来たのだと、述べる為の祝詞を零は粛々と謳い上げる。

 龍神祝詞。博麗の術を学ぶ際、彼が霊夢から授けられた『博麗における重要な』祀り言葉だ。

 幻想郷における龍神は最高位の座に君臨する存在である。

 その巫女・神主である博麗の一族は有事の際に龍神への祈祷も行ってきた歴史も存在する。

零「あんたさんに対する誠心は、俺が捧げるだけのものじゃないからな……」

 それは神である自分ではまったく不都合極まりないものだろう?

 零はそう言いつつ、『救いを求める神』へと苦笑する。

 油断すれば一瞬で全身が原子レベルで崩壊する様な振動の中で、彼は四つの腕に乗せられた誠心を輝かせた。

零「まだ未熟者の半端な神様だがよ、見てくれや。幻想郷を守りたいって気持ちに溢れた、あんたの為の誠心を!」

 その四つの腕に乗せられた重み、願い、絆、思い。誰よりも、彼よりも。皆が皆、亡びを越えてその先に居る異常を打倒する事を決めた者達なのだと。

 その為にも、貴方には元に戻って貰いたいと。それが、本来の幻想郷を取り戻す為に必要なのだと。

 そう願うから、俺はここに居ると。

零「俺達が例え『異邦者』であっても、この気持ちに欺瞞は無いと知ってくれ!」

空亡(男声)「お、おお……オオオォォォオッ!!」

 三歩目。そこまで来た所で、空亡が雄叫びを上げた。

 それは歓喜か、それとも怒号か。もしくは悲憤か、それは誰にもわからない。

 だが、ここで空亡は両腕を広げた。一切の防御を投げ捨てて、零の行動を受け止めようとしている様にも思えた。

 空亡は、零が己に対する人柱なのだと判断したのだろう。
930 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 06:59:43.74 ID:y4hi1r8wo

零「清らかな乙女じゃなくて、こんなしみったれの仏頂面な男で悪いけどよ――」

 怒れる龍を鎮める贄とは、古来より穢れの知らぬ清らかな乙女と相場が決められている。

 八岐大蛇に対する奇稲田姫に然り、信仰や物語が転じて形と成る幻想の者達はそういった『型』というものに当て嵌る事が多い。

 言ってしまえば弱点であるし、それが必然の攻略法と考えても良い。

 だが、此度においてここに清らかな乙女など存在しない。それを皮肉に思い、鎌足 零はそう言ったのだ。

零「まぁ、我慢してくれや」

 まるで赤子をあやす様な柔らかな笑みを浮かべた零は、そのまま安藤から授けられた絆。その衝動を宿した四の腕で、

零「オンッ!」

 空亡の右肩を掴み取る。同時に光がスパークを起こした様に迸る。

零「アボキャベイロシャノウ・マカボダラマニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤウンッ!!」

 そのまま彼は願いと信仰、そして陰陽、現と妖夢に授けられた激情の宿っている第参の腕で先ほどの反対側をしっかりと掴む。

 空亡が人型を取るその前の姿は、裏返った神気と異常な程の陰気に塗れた龍眼――黒き深淵の太陽だった。

 死を望み、破壊を行い、空をも滅ぼす――廃れた神威の天中殺。

 人を殺す。畜生を殺す。老いも若きも男も女も須らく平等に、生けるものならば一切を滅ぼす存在だった。

零「バザラダドバン――ナウマクサマンダボダナン・アビラウンケンソワカッ!!」

 リンガーに託された絆、その理念の宿った第二の腕が空亡の胸に押し当てられる。
931 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:05:26.71 ID:y4hi1r8wo

 では、零が今行っている行為と願いは何を意味しているのか?

 答えは単純だ。狂乱している陰気を陽気に変換しては、空亡に流し込んでいるのだ。

 普段ならばその行為こそ不可能であり、そもそも零にも限界というものが存在する。

 相手は自分よりも上位――残滓とは言え最高神の裏返りなのだ。にべも無く、逆に零が陰気に飲み込まれて消滅する。

 だが、空亡は救われる事を望んで零を受け入れた。そこで起こったのは、リンガーが活用していた協力の成立である。

 零の『救済における絶対の行動権』も相まって、そこに協力強制は完成していた。

 太陽に願う。滅尽滅相など、貴方には似つかわしくない。だからこそ、生命に溢れた曙光の輝きであれと。

 森羅万象、未来永劫、永久不変の生命の象徴たれ。龍神とは、創るもの。海、雨、天を統べる完成された世界におわす者。
 テンチゲンミョウシンペンヘンツウリキジ
零「天地玄妙神辺変通力治――」

 最後に、八雲 紫に託され己が抱く信念の宿された壱の腕を弐の腕の掌に重ねて押し込む。

 しかして、零も限界を超えた力を行使している。その代償も、その代価も、彼を蝕み始めていた。

 零が捧げているのは、何も託された誠心・忠心だけではない。ましてや陰陽をただ操り、空亡の体を治療しているのではない。

 無くなっていくのだ。彼の大事な、大切な思いが。

 この時を持って、渡せないと言っていた筈の思いを、願いが。
932 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:05:54.42 ID:y4hi1r8wo

零(貧乏くじ。ああ、貧乏くじね。八雲の奴、よくもまぁこんな役をくれたもんだ)

 心の中で苦笑して、仕方ないなと嘆息を吐く零。

 重ねて言うが、相手は零よりも上位である神だ。

 下位の、彼らとは違う位置に存在する求道神格である零であってもタダで龍神を鎮められるわけがない。

 そんな通りなど、そもそも何処にも存在しない。

 往々にして、誰も犠牲にならないハッピーエンドなんてものは有り得ないのだ。

 それが命ならば、何れ程幸せだろう。ただ敵を倒して、それが勝利の条件ならば何れ程救いがあるのだろうか。
933 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:07:05.60 ID:y4hi1r8wo

零(なぁ、天子。お前は綺麗で、可愛くて、お転婆で手の掛かる最高の親友だ)

 かつての思い出――地子と呼ばれていた少女との思い出が消えていく。

零(なぁ、萃香。お前は何時も俺の心配をしてくれたよな。お前のお陰で俺は今ここに居るんだ。お前さんは、俺の生涯の誇りだよ)

 かつての思い出――常に隣に居てくれた鬼の少女との思い出が消えていく。

零(こいし、勇儀。悪いな、少しの間だけどさ、お前らとは会えそうにねぇ。またその内、遊びに行くからよ。勘弁してくれや)

 かつての思い出――地底に住まう彼にとって掛け替えのない少女達との思い出が消えていく。

零「霊夢、  。すまねぇ――お前たちの為とは言え、こんな選択をする様な奴でさ。消したくねぇ、差し出したくねぇよ。お前らとの、思い出なんてよ」

 日溜まりの中で笑う最愛の女と娘の顔を思い出し、零は目尻に涙を湛えながら口に出して呟く。

 それが何よりも大切で、自分の命以上に大切なものだから。

 何事よりも変える事の出来ない、夢・思い・絆だと零の中に刻まれた存在たちだから。

 最低な夫で、最低な父親だろうさ。そう言ってくれても構わない。そう蔑んでくれても構わない。
934 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:08:07.65 ID:y4hi1r8wo

零「だけど、それでも、俺はお前たちがこの先、平穏に生きていける世界であって欲しいと願うからさ」

 消えていく思い。消えていく願い。

零「忘れちまっても、無くなっちまっても絶対に会いに行くから」

 両腕を押し込む力を強くして、零は空亡の陰陽を正していく。

零「この思いは、また芽吹くから」

 顔を俯かせて、涙を一筋流しながら零は呟く。

零「だから、また会いに行くぜ。俺は、正義の味方なんだからよぉっ!!」

 覚悟と誠心を込めた言霊を、全身全霊を込めて零は叫んだ。

 すると、空亡の体が一層輝きを放ち始める。

零「どんな障害であっても、全て乗り越えて然るべきだろうがぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

空亡(混声)『「お、おォォ――!」』

空亡(女性)『忠成るぞ。誠心成るぞっ!』
       イッサイジョウジュノハラ
空亡(男声)「一 切 成 就 祓えと成ぞォォォッ!!」

 捧げ物は、託された思いと零の絆。紡ぎ紡いでこれまで蓄積して来た、何よりも代え難い記憶と思い。

 差し出したくなんてない。ただしこの決断を下した零は、それを差し出してでも救うと心に決めた。

零(ったく、本当に。なんて貧乏くじだろうな)

 恨むぜ、八雲の。そう思いながらも零は笑う。
935 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:10:24.20 ID:y4hi1r8wo

 消えていく体。粒子となっていく零を構築している絆。それが空亡に吸い込まれ行き、陰陽はさらに正されていく。

零「美味いだろ、救われた気分はどうだよ龍神様……」

 暖かな輝きを身に纏う空亡に、零は尋ねる。

 しかし答えはなく、残滓は静かに、札から覗かせている瞳を優しく細めていた。

零「……ああ、そうかよ。なら、良かった」

 それを答えだと受け取った零は、瞳を閉じてその体を完全に消滅させていく。

 幻想に走り給う者。その存在は『座』へと刻まれているという性質上、体を構築するには絆が必要となる。

 絆が有るからこそ、その舞台に降り立つ事が出来るのだ。

 絶対に忘れる事のない、絶対に断ち切る事のないそれを零は捧げた。

 故に、零を構築するものは最早存在しない。消滅するのは、定められた理である。

 黒の群れが求めていたのは、そういう理由もあった。その絆を奪うことが出来れば、自分はまた形を得られるのだ。

 零は消え去る間際に笑みを浮かべていた。空亡はそんな彼に向けてか、

空亡「一切衆生の罪穢れ。万物の病災を立所に祓い給え清め給え――恐み恐み白す」

 本来の性質に正されたその体と声で祝詞を唱えてから、戻るべき場所へと還って行った。
936 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:11:00.24 ID:y4hi1r8wo

                     終章

 そこが何処で、そこがどんな場所であるかは定かではない。

 天の中なのか、地の底なのか。光の届かぬ宇宙の中か、それとも海の中なのか。

 ただそこには一人の女が立っていて、二つの輝きが彼女の前に居た。

紫「……そう。良かったですわ。暫く、彼には休んでいてもらいましょう」

 女――八雲 紫は安堵する様に呟くと、瞳を閉じて小さく息を吐く。

紫「大変ありがたく思います。彼は、我々にとって重要な役目を持っておりますので」

 最敬礼の角度で頭を下げた紫に、輝きの一つが何かを伝える。

紫「ふふ、あの不敬者を気に入って下さるなんて。 ……ええ。きっと彼も喜ぶことでしょう」

紫「はい。わざわざありがたく存じます。これで漸く、かの『異常』――『第六天』に繋がる道をこじ開けられます」

紫「わかっておりますわ。まだその為に力を蓄えなければならないし、幻想に走り給う者たちの数は足り得ておりませんから」

紫「一度、貴方に対する誓いを破ってしまった私に御座います。 ……助力を乞えるならば、それは大変喜ばしい事ですわ」

紫「天照大御神様、龍神様。どうか、その時まで我等を見守っていて下さいませ」

 二つの輝きは、彼女の言葉に頷く様にしてから消えて行く。

 それを見送った紫は、深く息を吐き出すと何処からか愛用の扇子を取り出してその先端を顎に当てた。

 空間はいつの間にか曼荼羅のある場所へと様変わりし、その一点。零が刻まれている座の部分を彼女は見詰める。

紫(……鎌足の、ごめんなさい。貴方にこんな役目を果たさせてしまって)

 最早そこに、絆を紡ぎ駆け抜けた彼の思いは存在しない。形だけ残っているだけの、残滓でしかない。

 だが、まだ刻まれているのには理由がある。

紫(今は休みなさい。 ……貴方の思いは、まだ終わりではないのだから)

 その帰還を願い、八雲 紫はその間から去って行く。

 空を亡ぼす者は最早居らず、かの黒の群れも抑え込む事に成功した。

 活性を促していた存在は鎮める事が出来たのだから、今後彼らが地表に現れる時期はズレるだろう。

『第六天』の目覚めるまで――我等はまだまだ繰り返す。
937 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:12:14.01 ID:y4hi1r8wo




 ある日気付いた時から不快だった。

 何かが常に身に纏わリ付いている。己に何かが触れている。

 何故だ。どうしてだ。己は一人で良い。誰からも干渉されず、誰からも指図されず、誰からも与えられなくていい。

 永劫安らかな己だけで満ちた己の為だけの己だけを感じられる世界が欲しいから。

 忘れろ。己を忘れろ。忘れてくれ。そうしてくれるだけでいい。だから、消えろ。この地に居る者たちは皆、総じて邪魔なのだ。

 己が望んだのは全てからの忘却。故に誰もいらない。居てはならない。あってはならない。この世界は己だけで満ちていればいいのだ。

 吸血鬼? 亡霊? 大妖怪? 知らぬ、要らぬ。貴様らが消えろ。

 月の姫? 神霊? 閻魔? 土着神? 消えろ、失せろ。貴様らは邪魔だ。

 尼僧も魔法使いも魔女も、妖精も巫女も妖怪も、老人も子供も男も女も何もかも、この地に居る全てが要らぬ。

 故に滅びろ。ここが全ての忘却の彼方にある場所なら、ここは己だけの世界で良い。

938 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:13:29.87 ID:y4hi1r8wo


                        滅

                        尽

                 森   羅   万   象

                        滅

                        相
939 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:14:13.19 ID:y4hi1r8wo

『ソレ』は黒かった。深淵の闇よりも黒かった。夜の帳よりも黒かった。光を吸い込む程に黒かった。

『ソレ』は泥のようだった。へばりついて、粘りの強い泥のようだった。何もかもを飲みこむ泥のようだった。

『ソレ』は孤独を望んでいた。故に何よりも白痴だった。故に何よりも強かった。

『ソレ』は幻想郷の深くで眠っていた。理不尽な存在。異常と呼べる出来事を生み出す厄災に近い白痴の神。

 乗り越える為に行ったのは、儀式。何度も繰り返され、この厄災から打ち勝つ為の役者を揃える為の儀式。その因子を集める為の儀式。

 この歌劇の間は、あの異常を押さえ付けておける。限界の、その先を行く為に彼女達はその理を生み出し流出させたのだから。
940 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:15:35.24 ID:y4hi1r8wo



                 アクタ・エスト・ファーブラ
                 『未知の結末を見る為に』



       アマンテース・アーメンテゥス・オムニア・ウィンキト・アモール
                  『廻り来る魂に祝福を』



                     メメント・モリ
                  『汝にこそ、死を思え』



                   イン・プリンピーチオ
                  『我等が造りし幻想へ』



                   コギト・エルゴ・スム
               『我は思う、故に我が有るのだから』



                    「アティルトーー」

              アルゾシュプラーハ・ツァラトゥストラ
                  『語れ、超越の物語』


941 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:16:56.44 ID:y4hi1r8wo



         繰り返す度に生まれる世界で、光を手に入れるその時まで。

             幻想に走り給う者。その空座は、残り四つ。

              『第六天』の胎動は、刻まれ始めている。


942 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 07:17:52.29 ID:y4hi1r8wo

※これにて、外伝は終了です。また夜に来れればと思います。その時に、埋めのついでに何かしようかと思います
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 09:29:07.44 ID:OMamlTwJo
おつー
944 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 19:49:36.69 ID:y4hi1r8wo

※本編の再開前に、こちらでちょっと質問返答コーナー


 ―幻想郷・酒屋―

安藤「だーいさんかーい」

現「幻想に走り給う者」

リンガー「一問一答のコーナーなのですよ、皆さん」

安藤「本日の特別ゲストはー、この方!!」

紫「はぁーい、皆様お疲れ様ですわ。八雲 紫です」

リンガー「幻想郷の賢者、すきまの大妖怪である紫様をお迎えしての提供となりまーす!」

紫「後ろでは別の出演者によるドンちゃん騒ぎですわね」

安藤「半分の区切りが着いたのです。これで本編にも集中できましょうぞ」

現「……せめて、幽々子を呼んでくれないか?」

紫「あらやだ、現さんは私では不満かしら?」

現「……正直、やりにくいぞ」

リンガー「うわぁー、この人はっきりいっちゃいましたよ」

安藤「流石に度胸あるねぇ。異変を起こした側の怨霊は一味違うって?」

現「喧しい。 ……・呼んでしまったものは仕方ない。あとで幽々子も呼ばせてもらう」

紫「あらあら、つれないわね。鎌足ならもうちょっとマシな反応をしてくれるわよ?」

現「鬼神が大げさなだけだ」

安藤「かまたりくんはマゾ」

リンガー「それ以上はいけませんよ?」

現「……いい加減、静かに始める事は出来ないのか?」

紫「では、とりあえず↓5まで質問を受け付けましょう」
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 20:10:06.38 ID:ON+7qHDJO
歴代主人公の夢を見ないっぷりについて
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 20:10:53.55 ID:Nj3TQXw5o
↓のスレとどう関係あるのですか?
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408266533/
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 20:11:08.58 ID:/JH2nrhpO
リンガーの家が潰れた理由って明らかになってたっけ?
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 20:13:09.81 ID:+xHDbHs7o
おう始まってたんか

人間妖怪妖精幽霊以外に選択出来ないん?
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 20:35:14.77 ID:PQE9yD5iO
このなかで一番惚気る人は
950 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/04(土) 20:51:41.18 ID:y4hi1r8wo

安藤「ここまでの集計を返そう。まずは>>945からだ。協力感謝する」

紫「こればかりは、コンマ神のお導きがとしか言い様がないわね」

リンガー「夢は個人を掘り下げる為の重要な要因ですからねぇ。特に、元々幻想郷に居た組にとって」

現「天運に任せるしかあるまい。すぐにフラグが立ち過ぎるのも、些か面白味に欠けるだろうしな」


>>946

紫「次々スレ、という意味ではそのままよねぇ」

現「……八雲、それは新手のボケか何かかな?」

紫「ふふ、冗談よ。関係がある、とすれば鎌足 零の干渉がなくなったくらいかしら」

安藤「私達に被害はない。故に、もう出てはいるが私達はゲストとして登場する事は出来る」

リンガー「ボク達はまだ繰り返している最中。その道のりは、まだまだ終点までは遠いと思います」

>>947

リンガー「まぁ、運が悪かったとしか……地質が脆くなってて、さらにお家を支えていた木の根っこが腐ってしまっていたのが原因です」

紫「今は三月精の家に居るのよねぇ。ハーレムかしら?」

安藤「例え妖精――見た目は子供とは言え男女が一つ屋根の下! 何とも背徳的な響きですなぁ」

リンガー「やめてください! ボクは仲間をそんな風には見たことはないのですよ!」

紫「あら、顔が真っ赤よ。おマセさんかしら」

現「……やめろ。それ以上はいけない」

>>948

紫「一応、それがベースになるわね。現在の幕劇、その主役たる片山 刑は改造という特殊設定を得て、改造人間という種族になっているけれど」

安藤「そのほかにも、キャラメイク時のステータス如何では神にも成れる。魔法使いにも成れる。魔族にも、天使にも成れる様にする所存らしい」

リンガー「鎌足さんがそうだった様に、そして片山さんがそう成りかけている様に幕劇の途中で種族が変化する場合もあるのです」

紫「だから、ベースラインはこちらで設定させて頂きますわ。何より、求聞史紀ではそれがベースとして紹介されていると記憶しているわ」

現「俺が怨霊になったのも、皆方がそういう設定を盛り込んでくれたからだ。そういう風に変化する事もあることを、留意していただきたい」

>>949

安藤「私だな」

リンガー「……自分で言っちゃうのですか?」

安藤「自他ともに認めるフラコンを舐めないで頂こう。はははははは!!」

紫「鎌足も良い勝負してたわよねぇ」

現「……別に良いではないか。自らの好いた存在について語るのは、個人の自由だと思うぞ」

紫「ふふ、そうやってこれからも絆を紡ぎ続けてくれると、私は嬉しいわ」

※第二募集。↓15までで。内容が似通ったものは同時に返答させていただきます
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 20:59:05.09 ID:/JH2nrhpO
リンガーのハーレムに零の反応が見れないのが残念だ

おたくの式が刑の首チョンパしちゃった時どう思った?
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 21:03:14.98 ID:SxQRFIvDo
零やん封印指定か……
リンガーのとき働きすぎたから……

>>932
>そんな通りなど、そもそも何処にも存在しない。
 →そんな道理
か?

質問、結局黄金のもふもふは何者?
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 21:13:39.73 ID:+xHDbHs7o
ゆゆこ様すごいフカフカしそうだよね
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 21:18:40.01 ID:WSlD8CF3O
ゆかりんに抱きつきたい
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 22:16:22.13 ID:ON+7qHDJO
天照とか龍神とかなんかビッグネームがいるんですが
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 22:20:24.00 ID:WNlABG0VO
鎌足の必殺技にリャンメンスクナあったけど、都市伝説のほうと関係あったりする?
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 22:33:19.66 ID:RTO20dXSO
リンガー様を拙にください
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 22:48:38.32 ID:8ZPSQMS40
刑の時点で幻想に走り給う者や異常などについて認識しているのは誰?
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 23:02:29.92 ID:2yXalpiJO
鎌足さんは博麗に籍を入れてたけど皆さんはどうですか
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 23:15:46.24 ID:PKvpvk8Mo
現時点での刑についてのそれぞれの印象
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/04(土) 23:43:10.30 ID:DMgSK7KyO
幻想に走り給う者計画について把握してる者は全部で何人いるの
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/05(日) 00:26:02.96 ID:Bf8b5hJKo
月組は出せますか
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/05(日) 00:32:06.51 ID:AGJFlNAUo
すっごい今更ながらリンガー君の能力はわざと別解釈できる書き方してたり
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/05(日) 01:21:40.05 ID:uUs4nj4JO
ゆかりんって旧作キャラの事知ってんのかな?
どう処理するんだろ
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/05(日) 20:01:27.70 ID:k+SAfclc0
両面宿儺状態の零くんの背中側の頭って意識や感覚はどうなってんの?
あれ…声が…遅れて…聞こえるよとかできる?
966 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:10:31.98 ID:gEWdMqzPo


>>951

紫「そこは本編で、私が登場した場合に語る事、と言いたい所ですが感想だけ述べましょう。どうしてそうなった」

安藤「紫様的にも色々と不都合な事で?」

紫「ええ、その原因に検討は付いているけれど、色々と問題の表層化が始まっている様ね」

現「群れの次は影響。そう考えても良いのだな?」

リンガー「それがきっと、妥当な所でしょうね」

>>952

>>1「まず、誤字については脳内補完をお願いします。どうしてこうも誤字るのか」

リンガー「質問に対しては、ですが正直分かり兼ねるのです。ボクは何度か接触をしていますけど……」

紫「私の預かり知らぬ何かが動き始めている、のかもしれませんわ。それが、どういう影響を与えてくるのかはわからないけれど」

リンガー「紫様が知らないと言う事は、そういうことなのですか?」

紫「まぁ、そういうことね」
967 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:11:09.02 ID:gEWdMqzPo

>>953

現「フカフカ……うむ。彼女は、フカフカだな」

安藤「……いや、貴方は唐突に何を納得している」

現「いや、質問に答え――」

幽々子「あらー、現さん。私の何処がフカフカなのかしらー?」

現「幽々子、漸く来てくれたか」

幽々子「ええ、貴方が如何わしい事を言っていそうだったから」

紫「すっごく笑顔ね」

現「待て。俺が何時そんな発言をした。何処とも言っておらんだろう」

幽々子「あらあらー? 現さんったら何を言ってるのかしら」

現「まぁ、良い。隣に座ってくれ。八雲が居るだけでやりづらくてかなわん」

幽々子「相変わらず、紫が苦手ねー。私の親友なのだから、もっと仲良くして欲しいのだけど」

紫「あら、私も彼が中々苦手で困っているのよ」

幽々子「もう、紫までそんな事を言ってちゃだめよー?」

安藤(……性格がフカフカなのか?)

リンガー(何だか、包み込まれそうな気がするのです)
968 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:11:59.28 ID:gEWdMqzPo

>>954

紫「抱き着けるなら、抱き着いて見せなさいな」

安藤「……リアルなルナシューターじゃなくちゃ無理じゃないですか?」

リンガー「あの弾幕を潜り抜ける猛者は中々いませんよねー」

安藤「ぶっちゃけ、弾幕ごっこという枠組みで納められた場合一番強いのは紫様な気がします」

リンガー「ですねぇ。ボク達の弾幕って、美しさに少々欠けると言いますか」

安藤「私はそこそこなら出来るがな」

リンガー「現さんは、そもそもルールに納められませんしね」

>>955

現「うむ、俺達もあの戦いの後に教えられたのだが、そういう方々の後ろ盾があるらしい」

リンガー「幻想郷そのものの危機ですからね、居てくれるだけでも頼もしい限りなのです」

紫「とは言え、先の戦いを期にという感じだけれど。何とかお聞き入れして頂けるまで漕ぎ着けたのは、少しだけ嬉しいわ」

幽々子「龍神様は鎌足さんによって欠けた部位を取り戻し、その功績が天照様に認められたという感じかしら」

紫「……だからこそ、今まで以上に失敗は許されないのだけれどね。そもそも、チャンスは一度きりだけれど」
969 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:15:12.50 ID:gEWdMqzPo

>>956

紫「彼の祖は両面宿儺の鬼、貴方の言っている都市伝説の元になった存在の方ね。根源は金剛夜叉明王で、その二つを合わせたのが彼の神号というわけ」

リンガー「金剛夜叉明王の眷属として扱われているんでしたっけ」

現「皮肉にも、根源と祖先の在り方を彼は再現していると言える」

安藤「アスラの一人だった夜叉が人を救う明王になった。両面宿儺も地域によっては守護者として祀られている。ま、彼は破滅を選ばずこれからも救いたいと願う事だろう」

>>957

リンガー「ボクの仲間になって、毎日を面白おかしく過ごしましょう!」

安藤「いや、多分そういう事を言ってるわけじゃないよ?」

幽々子「まぁ、でも、家事も出来て頭が良くて、そして可愛い」

紫「そこそこの実力もあって、立ち向かう勇気も持っていて、そして可愛い」

幽々子&紫「欲しいと言えば、欲しいわねぇ」

リンガー「ピィーっ!? なんだかすっごく怖いのですー!」
970 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:16:03.08 ID:gEWdMqzPo

>>960 >>961

紫「私、幽々子、吸血鬼、輝夜姫、聖徳王、守谷の二柱、閻魔様、命蓮寺の尼僧、そして多分、霊夢もかしら。後援には龍神様と天照様が居ますわね」

幽々子「妖夢もそうね、彼女も幻想に走り給う者の一人だもの」

リンガー「ボクの仲間達も、ボクが現界している場合は知っていますね」

紫「恐らく、幻想に走り給う者達が現界していればその絆を繋げた存在は知っているでしょうね」

現「……きっと、これからも増えてくれるだろう。我々はまだ、本当の意味で駆け抜けている途中なのだから」

>>959

安藤「まだだ」

リンガー「それにはまだまだ早いかなって思うのです」

幽々子「現さんは?」

現「……からかってくれるな。今はまだ、君と平穏を過ごせる世の中ではないのだから」

幽々子「あら、とってもいけず。現さんは意地悪ねぇ」

紫「彼はそういう男よ、諦めさない」

幽々子「お相手が見つかってない紫に言われたくないわぁ」

リンガー「落ち着いてください、紫様! ここは屋内でほかにも人が大勢居るのですー!」
971 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:17:49.71 ID:gEWdMqzPo

>>960

安藤「私は本編中でも述べているが、彼は中々に面白くて気に入っているよ。故に惜しいとも思っている」

リンガー「ボクは、ちょっと危ない人かなって印象です。大ちゃんやチルノちゃんが気に入っていますので、悪い人だとは思いませんけれど……」

現「可も無く不可も無く。今はまだ、判断に迷う段階だな」

紫「あら、割りと好印象の様ね」

幽々子「私は現さんと同じ意見よ。個人的に言えば彼は少し、危うく思えるわ」

>>962

紫「……出そうと思えば出せるわ。いえ、寧ろ『既に関わっている』と言っても過言ではない」

幽々子「あら、とっても苦々しい表情ね。まだ根に持っているのかしら」

紫「業腹だけど、使えるものは何が何でも使わないといけないもの。こればかりは、そうするべき事案なのだから」


972 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:20:04.89 ID:gEWdMqzPo

>>963

リンガー「そこは多分、総監督は深く考えていないと思いますよ」

紫「そうね、多分即席でやりたい様にやってたらそうなってたんだと思うわ」

安藤「甘いからな、総監督は。特に詰めが」

現「粗は探せば多いと思うが、ご愛嬌と思ってくれ」

>>964

紫「私自身は把握しきれてはいませんわ。ですが、そういうイレギュラーも時には必要なものだとも考えております」

安藤「私の時の魅魔様の様に、今代の主役たる片山 刑が岡崎 夢見と出会ったのもそうだと?」

紫「歴史は一つではないもの。私達が身を持ってそれを体験しているのだから、彼女たちが居る世界があっても良いと思っても間違いじゃないわ」

現「以前にも総監督が言ったとは思うが、要望があれば可能な限り出していくらしい。ここはそういう幕劇なのだからな」

>>965

紫「両面宿儺、と言っても実際に背中側に頭があるわけではないわ。そこにあるのは、鬼面ね」

現「故にその様な事は出来ない。が、恐ろしく視野は広い様だな。心眼を用いているのかもしれん」

幽々子「そう言えば、現さんと妖夢も太極の等級だけど神格の習得にはならなかったわね」

現「妖夢も俺もまだまだ未熟という事だろう。とは言え、進んで神格を得るつもりはないが」

安藤「神様が増えすぎても私が困ってしまうがね。ああ、聖なるかなは辛い辛い」
973 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:40:24.55 ID:gEWdMqzPo



紫「ふぅ、戦勝祝いとは言え、やっぱり彼がいないのは少しばかり寂しいわね」

リンガー「……そうですねー。今回のMVPは間違いなくあの方ですから」

安藤「まぁ、その内にひょこりと顔を見せるだろうさ。彼の反応芸はそれまでお預けと思うと少し寂しいけれど」

現「呵呵、あの鬼神が諦めるわけがあるまいて」

幽々子「そうね。あの性格だもの、死んでしまっても諦めないと思うわ」

紫「……暫くは休みに徹してもらいましょうか。その分、貴方達にはきっちり働いて頂くことになりそうね」

安藤「仕事に支障がない程度、ならば喜んで。そして、彼女達の為ならば尚更進んでお受けいたします」

リンガー「毎日を面白おかしく、そして楽しんで過ごしましょう! その上で働けるなら、この上ない幸せですねー」

現「幽々子の為だ。妖夢と共に一意専心とさせて頂くさ」

幽々子「あらー、やっぱり素直じゃないわねぇ。もっと紫と仲良くしましょうよ」

紫「ふふ、それじゃあ今度遊びに行った時にでも持て成してもらおうかしら」

現「……暇があれば、な」

安藤「さて、それでは時間もそこそこにと言いますか。食事や酒に集中しましょうか」

リンガー「皆様、これからもお付き合いの程をお願いいたします!」

紫「まだ少しレスの残量もあるから、ローゼスのクリア報酬のTipsの公開をして、終わりとしましょう」

幽々子「では、皆様またお会い出来る日を」

現「科学の落し子が幻想を駆け抜ける事を願いまして」

紫「恐み恐み白す――成就あれ」

974 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:47:08.95 ID:gEWdMqzPo


 Tips.不死なる者故に

 蓬莱山 輝夜は死ぬ事がない。彼女と月の頭脳と呼ばれる八意 永琳と藤原 妹紅は蓬莱人と呼ばれる者達は、死ぬ事がない。

 蓬莱の薬という秘薬を口にした彼女達は、その魂と肉体を輪廻の枠組みから外され永遠に生きる存在である。

 蓬莱山 輝夜は呑気していた。

 八雲 紫からその力を貸して欲しいと言われ、役割を与えられたがそれでも彼女は何処か第三者の様に思っていた。

(私が今出来ることは何もない。なら、その時が来るのをひっそりと待ちましょうか)

 心の中で呟き、輝夜はゆっくりと瞼を閉じる。

 永遠と須臾を司る程度の能力を持っているが故に、彼女は八雲 紫に協力を依頼された。

 もしも何かが起こり敗北を迎えたとしても、彼女の力を使えば可能性の引き戻しが出来るからである。

 それによる驕りが彼女にはあった。だからこそ、彼女は呑気にしていたのだ。
975 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:47:47.62 ID:gEWdMqzPo


――しかし、その力があっても彼女達は勝利することなど、出来なかった。

(おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしいっ! こんなもの、絶対におかしいっ!!)

 無限に掻き集めた須臾を使った歴史改変。決して認識する事の出来ない時間の流れを使い、何度も何度も彼女はその時を繰り返した。

 だが、それすらも無意味と言わんばかりに全ての歴史は一つの結果へと収束していく。

 敗北。

 そのふた文字が、彼女達に重くのしかかる。

 そして得た一筋の可能性すら、勝利ではなく、『悪足掻き』と呼ぶに相応しい状況だった。

 全員生きている。誰も失うこともなく、辛うじてだが存命している。

 魂を砕かれず、肉体を現存させ、息を吸い、吐くことが出来ている。

 奇跡のような瞬間だと、輝夜は思った。

 その時が来るまで何度歴史を渡って来たかもわからない。だから、彼女はその時を泣いて喜び自分が生きている今を噛み締めた。

 死を思う事を、これ程まで感じたことを彼女はなかった。
976 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:48:36.44 ID:gEWdMqzPo

 諦めぬことを彼女は誓う。

 永遠にある自分だからこそ、不死なる者故に死を思うことを彼女は誓う。

「こんな所に、終わりが有るなど赦さない」

 呟きは虚空へと溶けていく。

 だが、彼女の思いに間違いなどなく、その心根は他者へと伝染していく。

 未知の結末を見るために、運命を打ち破ると決めた吸血鬼がいた。

 我思う、故に我はあるのだから自分が確かにそこに居るべき者なのだと、信じ続ける賢者がいた。

 この天空、そして大地こそが、我らの居るべき幻想なのだと謳う神々がいた。

 閻魔は間違いのない死するべき者の為に、永遠の姫は死を思うが故にその思いを抱き続け。

 亡霊は廻り来る者が引き揚げる思いこそ誰ぞの為にと、神霊はそれこそが救いの輝きなのだと。

 そして、それぞれの渇望が理となって流出する。

 幾度と繰り返される歴史の舞台が出来上がり。

 役者を生み出し主役がその物語を紡ぎ続け。

 いつの日か、全てを超越する物語と絆を語る日を信じて。

 その結末が、どんなものなのかも知らずに彼女達はその思いを抱いて繰り返す。

977 : ◆eohhG1Orlc [saga]:2014/10/06(月) 18:51:53.63 ID:gEWdMqzPo

※まだ少しレスが残ってしまいましたが、ここでの話はおしまいです。埋めをお願いします

※変わらず>>1000はできる限りやらせて頂きます

※では、また後ほど

978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 18:56:22.34 ID:oV68Iy+yo
乙!梅
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 19:43:58.95 ID:1DFvenDGo
埋め
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 19:48:22.93 ID:1HzostY0o
卯女
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 20:15:48.69 ID:f3rV87ZSO
ピチューン
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 20:25:21.87 ID:LKBIzMcP0
憂目
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 20:49:44.27 ID:2i86CpD9O
埋め
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 22:08:04.85 ID:KMGeDeidO
埋め
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 22:08:30.21 ID:rdNgX86eo
生き埋め
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 23:15:07.42 ID:RH+oemjuo
埋め
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/06(月) 23:35:15.24 ID:KMGeDeidO
埋め
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:19:05.32 ID:PJX9pU6Bo
埋め
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:29:13.66 ID:w9Jy9qRuo
埋め
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:32:08.77 ID:PJX9pU6Bo
埋め
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:34:21.32 ID:PJX9pU6Bo
埋め
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:36:54.23 ID:PJX9pU6Bo
埋め
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:41:08.87 ID:0vPtVxhgO
埋め
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 00:43:14.69 ID:PJX9pU6Bo
埋め
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:04:59.91 ID:PJX9pU6Bo
埋め
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:14:02.57 ID:w9Jy9qRuo
埋め
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:14:51.42 ID:PJX9pU6Bo
埋め
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:15:17.30 ID:0vPtVxhgO
>>1000なら安藤がレミリアに寝取られる
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:18:14.14 ID:PJX9pU6Bo
>>1000なら進撃の機人
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/07(火) 01:18:17.83 ID:/+3WFKWSO
>>1000なら1回だけ即死回避
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   
   ノ          /     
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      
    `ー─┬─ l´-、    
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