本田未央「プロデューサーとのごはん」 その2

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578 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 02:57:16.50 ID:MQmdAlGl0
未央「餃子にハムエッグに野菜炒めに、焼きそばとかもあるんだ。お茶漬けに卵かけごはんにウィンナーに……おでんとか、筑前煮とかも? うーん……これだけあると、迷っちゃうなー」

みく「もう適当に頼んじゃう? もし余ったらPチャンが食べてくれそうにゃ」

P「そういう適当なのやめてくれ。……えーと、今のところ確定なのは、肉じゃがにとん平焼き、それから枝豆か」

みく「枝豆確定なんだ……」

アナスタシア「私、揚げ出し豆腐がほしいです」

P「お、それじゃあ揚げ出し豆腐も確定、っと。他は?」

未央「白ご飯……って、やっぱりいるかな?」

P「俺は欲しい。んー……白ご飯があるならそんなにいっぱい頼む必要もないか?」

みく「かもね。食べきれなかったら困るし……もしまだ何かいりそうだったら、あとで頼めばいいんじゃない?」

P「それもそうだな。じゃ、とりあえずこれで頼むか。いいか?」

アナスタシア「ダー」

みく「みくもいいよ」

未央「うん! ……あ、唐揚げやっぱりほしいかも」

P「了解。それじゃ頼むな。すみませーん!」
579 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 02:57:55.35 ID:MQmdAlGl0

――

P「まずは枝豆、だな」

未央「みんなで適当につまんでもいい?」

P「もちろん」

未央「それじゃ、いただきまーす。……ん、おいしい」

みく「粒がしっかりしてるね」

P「ここのはちょっとかためなんだよな。それで豆の味がしっかり感じられる。これがいいんだよなー」

アナスタシア「ん……おいしいですね。あと、ぽちぽち、楽しいです♪」

未央「枝豆って、こうやって食べるのがいいよねー。なんだか、ずっと手を動かしちゃう」

P「それも醍醐味だよなー。手が止まらなくて、いつの間にかなくなってる」
580 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 02:58:30.14 ID:MQmdAlGl0
みく「……Pチャン、ペースはやくない?」

P「それは謝る。でも、止まらないんだよ……クッ、静まれ、俺の右手……!」

アナスタシア「プロデューサー、どうかしましたか?」

P「……ふざけてただけだから、ちょっと本気目に心配されると困るな」

みく「アーニャンの前でやるからにゃ」

P「みくが冷たい……アーニャ、癒やしてくれ……」

アナスタシア「みく、プロデューサーをいじめちゃ、めっ、ですよ?」

みく「今のみくが悪いの!?」

未央「まあまあ、おふざけはそれくらいにして、そろそろ来そうですよ?」

みく「未央チャンに『おふざけはそれくらいにして』って言われるのは複雑だけど……そうみたいだね」
581 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 02:58:57.38 ID:MQmdAlGl0
P「ん……一気に来たな。どれから食べるか……」

未央「未央ちゃんは唐揚げから! んっ……熱々……でも、おいしい!」

みく「衣は結構薄めだね。噛んだだけでじゅわっと汁が溢れ出てくるにゃ」

アナスタシア「味もしっかり付いてますね? 味は濃いめ?」

P「だな。じゃあ俺は揚げ出し豆腐……あー、うまい。なんで揚げ出し豆腐ってうまいんだろうな……」

みく「みくはとん平焼きー。……うん、おいしいにゃ。たまごはとろとろで、ソースの味もしっかりしてて。みくはとん平焼きはソースが甘めなのが好みなんだよね」

未央「とん平焼きって、たまごと豚バラ肉……だったっけ? それにソースをかけたー、みたいな」

P「だな。って、関西には多いけど、こっちにはそこまで多くないか。未央とアーニャは初めてだったりしたか?」

未央「私は一応食べたことあるかな。アーニャは?」

アナスタシア「私は初めて、ですね。……んん、おいしいです!」
582 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 02:59:24.40 ID:MQmdAlGl0
P「こういうソースの味ってなんでこんなおいしいんだろうな。何と言うか、においだけで食欲が刺激される。あと、とん平焼きってすぐなくなるんだよなー」

みく「とん平焼きにも色々あるけど、具材としてはそこまで多くないからね。お好み焼きよりも『ファーストフード』って感じがあるにゃ」

P「いか焼きみたいなもんか?」

みく「そうかも」

アナスタシア「いか焼き、ですか?」

未央「屋台で売ってる感じの?」

P「あー、そうじゃなくてだな……なんて説明すればいいんだ。粉もんなんだが……」

みく「クレープみたいなのを想像すればいいかな。小麦粉の生地でイカの切り身を包んで、それにソースを塗るの。もちもちしてて、おいしいにゃ」

未央「ほうほう……大阪に行った時にでも食べたいですなー」

アナスタシア「おいしそう、ですね? アーニャ、もちもち、好きです」

P「じゃ、また大阪に行く時にでも食べに行くか。……んー、やっぱりうまいな、とん平焼き。白ご飯で食べるのもまた良い……」
583 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:00:09.32 ID:MQmdAlGl0
未央「それじゃ、そろそろ……今回の大本命、肉じゃがにとりかかりますかー!」

アナスタシア「ダー♪」

みく「牛肉、じゃがいも、玉ねぎ、しらたき、人参……みくの家でつくるのとだいたい同じかも」

P「まあ、そこまで変わらないんじゃないか? しらたきとか人参とかは家によりそうだし、あと、絹さやとかも入れるとこは入れるか」

未央「まあ、それはいいとして……早速、食べてみましょうか!」

P「だな」

アナスタシア「……ンー、フクースナ♪ おいしいです!」

みく「あ、結構じゃがいもがゴロゴロしてるね。お店のって、ほくほくしてるイメージだったかも」

未央「確かに。でも、ゴロゴロしてるけど、味がしっかりと染み込んでて……これ、おいしいね!」

アナスタシア「なんだか、お家の味、みたいですね?」

みく「ん、そう言えば、そんな感じかも。みくの家とは味付けがちょっと違うはずなんだけど……懐かしい味がする」
584 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:00:37.42 ID:MQmdAlGl0
P「そうだな。確かに、家でつくるような肉じゃがだ。それがまた良いんだよ……」

未央「おふくろの味、ってやつ? プロデューサーも女の子の得意料理が肉じゃがだったりしたら嬉しい派?」

P「まあ、よく言うよな。女の子の得意料理が肉じゃがだったら嬉しい、って。個人的には肉じゃがにこだわらなくてもいいな。料理が得意なのもべつに必要ってわけじゃない。もちろん、得意だったら嬉しいが」

未央「ほうほう……つまり、プロデューサーくんは未央ちゃんにメロメロ、ってわけだね!」

P「お前料理そこそこって自分で言ってなかったか?」

未央「ふっふっふ……未央ちゃんも修行しているのですよ。今の私の料理を食べたら、プロデューサーはきっと漫画みたいなリアクションをするね」

P「そこまでか。それは楽しみだな。いつか食べたいところだ」

未央「お、それじゃあまた食べる? プロデューサーは何食べたい?」

P「んー、その時の気分にもよるからな……どうするか」

未央「また考えておいてね。私、頑張るから」

P「ああ。期待してる」

未央「うん。期待していてくれたまえ? プロデューサーくんっ♪」

みく「なんで二人はみくたちの前でいちゃいちゃしてるの?」

アナスタシア「私たちもいちゃいちゃ、しますか?」

みく「なんでそうなるにゃ」
585 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:01:07.96 ID:MQmdAlGl0
P「……さ! それじゃ、肉じゃがを食べ進めるか!」

未央「だね!」

みく「あ、流された。……まあ、いいけど」

アナスタシア「肉じゃがとごはん、合いますね?」

P「そうそう、肉じゃがの牛肉と玉ねぎを乗せて簡易牛丼、みたいにするのが良いんだよな」

未央「あ、それおいしそう。私もやろーっと」

みく「とん平焼き、最後の一切れだけどもらっていい?」

P「俺はいいぞ」

みく「ありがと。それじゃ、もらうね」

未央「私は唐揚げをまたもらおーっと。唐揚げとごはんも合うよね」

P「ごはんはなんにでも合うからな! 厚揚げ豆腐とごはんでもいける」
586 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:01:34.09 ID:MQmdAlGl0
アナスタシア「ンー……♪ ぜんぶ、おいしいです。幸せ、ですね?」

P「そうだな。幸せだ」

未央「こんな美少女たちと一緒にごはんが食べれて?」

P「……まあ、それもある」

未央「私たちも、プロデューサーと一緒にごはんが食べれて幸せだよ」

P「……そう言ってくれると、嬉しいよ」

みく「いい雰囲気のところ悪いけど、アーニャンが肉じゃがどんどん食べ進んじゃってるよ」

P「マジか! アーニャ、アーニャ、俺ちょっとしらたきほしい」

未央「私はお肉!」

アナスタシア「ダー♪ それじゃ、取り分けますね」
587 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:02:29.60 ID:MQmdAlGl0
みく「そう言えば、まだ何か頼むの?」

P「んー……俺はまだいけるが、お前らは?」

未央「まだちょっと入るかも?」

アナスタシア「私もです」

みく「みくも。……まあ、残ったらPチャンが食べるでしょ?」

P「……あんまりいっぱい頼むなよ?」

未央「私、ちょっとカレー食べたいかも!」

みく「あ、みくもちょっとほしいかも」

アナスタシア「私も少しほしいです」

P「また結構大きいのを……ああ、もう、俺も食べたくなってきた。ここのカレーは一日置いたカレーっぽくて、たまにめちゃくちゃ食べたくなるんだよな」

未央「そう言えば、出し巻きたまごもおいしかったんだっけ?」

みく「ちょっとほしいかも」

アナスタシア「ダー」

P「わかった! それも頼むか! ……というか、もう、好きなの頼むか! すみませーん!」





588 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:06:37.10 ID:MQmdAlGl0
これにて今回は終了です。
こういう店、好きなんですよねー。なんか、頼んだらなんでも出してくれそうなくらいなんでもある感じなのに、何を頼んでもおいしいっていう。ずるい。

今回はあんまりいちゃいちゃしてないですね。まあ複数人の時はだいたいこんな感じ? あと、食べているシーンで終わるっていうのは初めてかも。
孤独のグルメも始まって色々とごはんが食べたくなる季節ですね。スープカレーが食べたいです。でも今これ書いてて出てきたの食べたくなってきました。肉じゃがも、考えてみるとあんまり食べる機会ないなー……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
589 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/22(土) 03:11:10.06 ID:MQmdAlGl0
あとSSとは関係ないですが劇場アニメ始まりましたね。
いったいどの回がアニメ化するのか全然読めないです。未央はどの回かなー、とか考えてます。この三人の回とか個人的には好きです。

ちょっと話題が遅いですけど、最近はカーナビニュージェネちゃんと一緒にドライブするのが楽しいです。未央が結構喋ってくれる。未央の台詞に台詞を返してさらにこの台詞を言ったらたぶん未央はこう言うだろうなーとかどんどん考えていくのも楽しいです。

改めてありがとうございました。
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/22(土) 05:13:07.64 ID:ZEy/uVg3o
乙、今回も良い話だった
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/22(土) 08:56:13.05 ID:OcKXPpI/o
乙です
592 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:49:30.23 ID:ljJVn8eK0

――外

未央「甘いものが食べたい」

P「ん? なんだ、いきなり」

未央「未央ちゃんは仕事で疲れたのです……疲れた人には甘いものが必要なのです……そうは思いませんかね? プロデューサーくん」

P「ああ、お疲れ様。でも、いつもならもうちょっとガッツリしたものー、とか言わないか? 肉とか」

未央「確かにお肉も好きだけど、今日は甘いものを軽く食べたい気分なの! というか、自分でもそう思わせるような言動をしてきた自覚はあるけど、私も一人のかわいい女の子。そして女の子と言えば甘いもの、でしょ?」

P「自覚あるのかよ。……でも、そうだな、甘いもの、食べに行くか」

未央「お、いいの?」

P「いいよ。いつものことだろ?」
593 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:50:07.42 ID:ljJVn8eK0
未央「えへへ、それはそうだけど……改めて、未央ちゃんのわがままを聞いてくれるプロデューサーは優しいなーって」

P「これくらいのわがままならいくらでも。それで、どこか行きたいところはあるのか?」

未央「うーん……プロデューサーはオススメとか、ある?」

P「オススメ……いくつかは知ってるけど、こういうのは未央の方が知ってるだろ?」

未央「かもね。でも、今日はプロデューサーのオススメのお店に行きたいなー」

P「今日は、って言ってるけど、いつも、じゃないか?」

未央「そうとも言うー」

P「まったく……それじゃ、行くか。未央はもう知ってて、行ったこともあるかもしれないが、俺も食べたくなってきたからな」

未央「ほうほう、それはいったい?」

P「クレープだな。確か、前に美嘉とかがSNSに上げてたような……」

未央「美嘉ねー! それじゃ、私も知ってるかなー。行ったことあるかどうかはわからないけど!」

P「まあ、行ってみないとわからない、か」
594 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:50:37.53 ID:ljJVn8eK0
未央「だね。あ、そう言えば、美嘉ねーが食べた時って、プロデューサーも一緒だったりしたの?」

P「いや? その時は違うな」

未央「じゃあ、プロデューサーは一人で行ったってこと?」

P「一人で、ではないな。あの時は……凛と藍子が一緒だったか」

未央「しぶりんとあーちゃん? ってことは……カフェみたいな? あーちゃんのオススメ、とか?」

P「違う違う。藍子じゃなくて、凛の勧めで行ったんだよ」

未央「しぶりんが? ちょっと珍しいかも。チョコレートじゃないのに」

P「お前の中の凛、チョコレート好き過ぎだろ……凛も美嘉か誰かから聞いた、って口ぶりだったからな。それでちょうど話題に出たから、じゃあ行ってみるか、って流れでな」

未央「それでおいしかった、と」

P「そういうことだ」

未央「ほうほう……なんだか、期待できますなー」

P「期待させて食べたことあったら悪いけど、な。……とりあえず、行くか」

未央「おー♪」
595 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:51:14.29 ID:ljJVn8eK0

――店の前

未央「ここ?」

P「ああ。持ち帰り専門店、だな」

未央「ほうほう……なんだか、雰囲気もいい感じだね。おいしそう」

P「その反応だと、来たことはなかったか」

未央「うん。美嘉ねーが上げていたのを見た記憶はあるけど、それくらいかなー」

P「そうか。それで、未央は何にする?」

未央「んー……色々あるんだね。あと、思っていたよりも高級……」

P「それはそうだな。でも、せっかくだ。高いのでもいいぞ?」
596 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:51:49.51 ID:ljJVn8eK0
未央「高いの……いや、でも、こういうところって、高いのだからっておいしいってわけでもないでしょ? そもそも、いちばん安いのでも高いし……プロデューサーのオススメは?」

P「俺? 俺は……こう言うとなんだが、初めてならいちばんシンプルな、焼きメレンゲと生クリーム、ってやつだな」

未央「ほうほう……じゃあ、私はこれにするね」

P「いいのか? もっと高いのじゃなくても」

未央「ううん、私も、初めてならシンプルなのの方がいいかなー、って思うから。……それに、おいしかったら、また来ればいいでしょ?」

P「また連れてこい、って?」

未央「ダメ?」

P「……いいよ。それじゃ、俺もこれにするか。頼んでくる」

未央「はーい。待ってるね、プロデューサー」
597 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:52:19.50 ID:ljJVn8eK0

――

P「ん、これだ」

未央「ほうほう、これが……なんか、高級感漂う、って感じだね」

P「だな。……食べるか」

未央「うん! それじゃ、まずは一口……」カプッ

未央「……ん!?」

未央(うわっ! うわ、うわ〜っ! すごい、これ、おいしい!)

未央(生地は香ばしくて、でもしっとりとしていて、もう、生地からおいしいんだけど、生クリームもまた良くて、それから、焼きメレンゲ、焼きメレンゲがさくっとした食感で、口の中ですぐに崩れて……すっごくおいしい!)

未央(これ、ちょっと感動的かも……なんだか、昔想像していた『雲を食べてみたい』って夢が叶ったみたいな感じ……それくらい、おいしい)

未央(あー……美嘉ねー、しぶりん、あーちゃん……知っていたなら教えてよ……これ、もっと早く知りたかったかも……!)
598 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:52:46.35 ID:ljJVn8eK0
未央(あー、でも、もし先に知ってたら初めてがプロデューサーと一緒じゃなかったかもしれないわけで……いや、まあ、初めてがプロデューサーと一緒じゃないといけないってわけでもないんだけど、でも、うーん……もういいや! とにかく、もう一口)パクッ

未央「ん〜!」

未央(おいしい! 生地がちょっとカリッと香ばしいのと、焼きメレンゲのさくっとした食感。これがもう楽しくて、そこに生地のしっとりとしたのと生クリームが合わさって……なんだか、天国みたい。夢心地、って感じ)

未央(ここ、知っちゃいけない店だったかもしれない……結構なお値段するのに……か、通っちゃいそう……)

P「どうだ? 未央」

未央「すっごくおいしい! 知っちゃったのちょっと後悔するくらいおいしいし、知らなかったのを後悔するくらいおいしい!」

P「あー……その気持ち、わかるかもしれない。なんだろな、これ。本当にうまくて、すぐなくなる。他のも絶対おいしいんだろうが……」

未央「このシンプルなのがもうめちゃくちゃおいしいってわかってるもんね」

P「そうなんだよ。だから、なかなかなー……」
599 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:53:17.11 ID:ljJVn8eK0
未央「……それじゃあさ、プロデューサー」

P「ん?」

未央「次来る時は……どっちかがこれを頼んで、もう一つは、別のにしない? そうしたら、どっちも食べられる……でしょ?」

P「いいのか?」

未央「もちろん。いつものことでしょ?」

P「まあ、そうなんだが……なんか、一つ食べ切りたくなっちゃいそうなんだよな」

未央「……それはありえそうだけど、我慢してほしいな。ほら、大好きな未央ちゃんの間接キス付きだし?」

P「……それを言われると、素直にうなずけなくなるんだが」

未央「そう? ……でも、嬉しくない?」

P「黙秘する」

未央「あ、ずるーい」

P「大人はずるいもんなんだよ。……さて、もう結構な時間になってきたし、事務所に帰るか」

未央「ん、そうだね。暗くなる時間が遅くなってきたからあんまり感じなかったけど、もうこんな時間か」
600 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:53:49.42 ID:ljJVn8eK0
P「送るか?」

未央「んー……いいや。プロデューサーも、遅くなっちゃうし」

P「俺はべつにいいんだが」

未央「私がよくないの! それとも、私の家に泊まる? 私の部屋に入っちゃう?」

P「泊まらないし入らない。……というか、そんなこと、簡単に言うなよな」

未央「プロデューサーじゃないと言わないよ。信じてるから」

P「……そうか」

未央「……でも、たまにはもうちょっと強引になってくれてもいいんですよ?」

P「っ……そういうことは、言うな」

未央「むらむらしちゃうから?」

P「そういうことは言うな! ったく……」

未央「えへへ、ごめんね、プロデューサー。……でも、本心だから、ね」

P「……わかってる」
601 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:54:28.91 ID:ljJVn8eK0
未央「……えへへ」

P「なんだよ」

未央「なんでもなーい。プロデューサーもえっちだなーって思っただけ」

P「なっ……お前なあ、それを言うなら言わせてもらうけど、お前も結構えっちだからな?」

未央「えっ……そ、それを女の子に言うのはどうかと思うなー!」

P「お前から言っておいて何言ってんだよ。未央のえっち」

未央「だーかーらー! ……うう、これ、思ったより恥ずかしい……」

P「俺もいつもそう思っているんだから、お互い様だ」

未央「……プロデューサーは、私がえっちだったら、嫌?」

P「おっ……お前、ここでそれを言うか」

未央「……どうなの?」

P「……嫌じゃない、けど」

未央「そっか。そうなんだ。……ねぇ、プロデューサー」

P「……なんだ」

未央「……プロデューサーの、えっち」

P「ぐっ……否定できない……」
602 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:55:09.57 ID:ljJVn8eK0
未央「……こ、これでもうお互い様! 終わり! プロデューサー、早く帰ろっ!」

P「そ、そうだな! 帰るか!」

未央「え、えっと……きょ、競争! 駅まで競争しよう!」

P「そ、そうだな! 競争! 競争するか!」

未央「うん! えっと、その……よ、よーい、どん!」

P「あっ! ちょ、未央、そのタイミングずる……はやっ! ちょ、はやい! 未央! 未ー央ー! ちょっと、ちょっと待ってくれ。さすがに現役アイドルに本気出されると勝てないんだが――」




603 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 05:59:00.23 ID:ljJVn8eK0
これにて今回は終了です。
このお店は好きなんですよね! 個人的に初めて食べた時は感動するくらいでした。結構なお値段しますけど、それだけおいしいと思ってます!

今回は前回から割りと短いスパン。そのぶん長さも短い? かもです。いつもなら会話シーンも食事シーンももうちょっと長めかな?
次回も割りと早めに書けたらいいなーと思います。次はまた複数人……の予定ですが、未央と二人で今回よりも短いやつになる可能性もありますね。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
604 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 06:03:02.31 ID:ljJVn8eK0
あとSSとは関係ないですがまた東京のオススメのお店とかあったら教えてほしいです。いえ、前に教えてもらったのすら全然行けてないんですけれども。

そろそろまたチェーン店のとか書きたいなーと思いながらもどれを書こうか迷い中ー、みたいな状態です。次はチェーン店ではない……と思いますが。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
605 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/04/26(水) 06:03:29.23 ID:ljJVn8eK0
あ、改めてありがとうございました、でした。どうでもいいですけれども。
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 06:29:25.42 ID:6hF9Up6Vo
乙、こいつらのイチャつき度が上がってる気がして最高だよ
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 09:34:54.93 ID:BPrV5CNJo
乙です
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/26(水) 19:42:04.87 ID:gnERu92qo

中間3位おめでとう
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/01(月) 13:20:15.90 ID:I1WQVmW9O
ご飯というよりおやつだけど、広尾の散歩通りにある「AND THE FRIET」美味かったで
じゃがいもの品種やカット毎に色んな種類を選べて、それを自家製のディップにつけて食べる
ディップもたくさん味があるから何回通っても飽きがこないね
未央というより加蓮が好きそうなとこですがw
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/15(月) 02:24:32.70 ID:+MJ/oSBdo
未央総選挙2位おめでとうございます
やっぱり楓さんは別格で強かったけど…来年こそは!
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/15(月) 07:42:58.97 ID:xgtq4wnUO
ゆーて20万評差だし去年のしまむーほど高い壁でもない
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/22(月) 04:08:40.83 ID:n3zCZvH0O
クレープっていいよね
あまあまでラブラブって感じがあって
とりあえず乙です
613 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 00:57:37.21 ID:wYdz8+Er0
未央「むむ……」

P「どうした? 未央」

未央「あ、プロデューサー……プロデューサーなら、いいかな?」

P「いいかな? って言われてもな。何の話だ?」

未央「プロデューサーくんは、フライドチキンとピザが融合したものを食べたことはあるかな?」

P「フライドチキンとピザ……って、そういうことか。未央なら一人で行くかとも思ったんだが」

未央「いやー。さすがに未央ちゃんでもあれを一人で食べるのはちょっと厳しいと言いますか。女の子だけでー、って言うのも、ちょっと厳しそうだし」

P「まあ、付き合ってくれる子もそんなにいないか」
614 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 00:58:04.13 ID:wYdz8+Er0
未央「そゆことそゆこと。ってわけで、行かない? プロデューサー」

P「ん、行くか。俺も今回のはまだ行ってなかったからな」

未央「今回の……ってことは、前回のは行ったの?」

P「ああ。前のは、思っていたほどはこってりじゃなかった、って感じだったが……今回のは期待できそうだ」

未央「むぅ……私も好きなことは知ってるんだから、連れて行ってくれたらよかったのにー」

P「俺が行ったのは割りとギリギリだったからな。未央はもう行っていたのかと思っていたんだよ」

未央「まあ、今回連れて行ってくれるなら許してしんぜよう」

P「ありがたき幸せ。それじゃ、行くか」

未央「おー♪」
615 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 00:58:31.16 ID:wYdz8+Er0

――店の中

未央「まさか三ツ星フィレサンドなんてものがあるなんて……」

P「まあ、アレを二人でわけるならそれも食べてちょうど、ってなもんじゃないか?」

未央「プロデューサー基準で言わないで……もしお腹いっぱいになったら、またプロデューサーにおんぶでもしてもらおうかなー」

P「アレ、結構疲れるからできればやめてほしいな」

未央「アイドルをおんぶできるなんて、むしろ幸せじゃないかな?」

P「それとこれとはべつだ」

未央「えー……あ、来たよ」
616 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 00:59:28.91 ID:wYdz8+Er0
P「ん……それじゃ、どっちから食べる?」

未央「CHIZZAからで!」

P「そうか。……やっぱり、箱に入っている状態でもうインパクトあるな」

未央「開けよ開けよ」

P「わかった。それじゃ、オープン」

未央「おおー……思ったより、大きくない?」

P「どれくらいの大きさを想像してたんだよ……」

未央「宅配ピザ……みたいな?」

P「そんなもん食いきれるか」

未央「プロデューサーならいけるかなーって」

P「無理だよ……でも、今回のはチキンの上にビーフを乗せるとかいうバカみたいなことをしているからか、さらにインパクトが強いな」

未央「フライドチキンの上にチーズにプルコギ! ……大きさは思っていたほどじゃなかったけど、これはこれは、健康に悪そうな……」

P「でも、だからこそうまそうなんだよな……ザ・ジャンク! って感じで、最高だ」

未央「未央ちゃんもこういうのはこういうので大好きですよ。……とりあえず、一切れもらうね」

P「ああ。俺も一切れ……っと」
617 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 01:00:00.99 ID:wYdz8+Er0
未央(……あれ? 手で持つだけで油でべとべとになるかと思ったけど、それほどでもない……そう言えば、プロデューサー、前回のは思っていたほどこってりじゃなかった、って言ってたっけ)

未央(フライドチキンの部分は油でギトギトって感じじゃなくて、結構あっさりなお肉を使っているのかな? まあ、それでも十分こってりな気はするけど……)

未央(……まあ、食べてみないとわからないってことで、いただきまーす)パクッ

未央「……んー!」

未央(ジャンク! これぞジャンクフード、って感じだ! 一口食べただけでガツン! ってくる。前のはどうだったかわからないけど、これはこってりしてる……でも、それがいい!)

未央(この土台に使われているチキンは……フィレサンドのチキンっぽいかも? チキンだけなら割りとあっさりめだけど、チーズとマヨネーズ、それからプルコギでこってりがどどどーんと上乗せされて、一気に口の中がこってりになるような……なんか、うまい表現が見つからないけど、そんな感じ)

未央(……プルコギも甘辛い味付けでいい感じ。ピザ屋さんのプルコギみたいな……確か、ここのお店の系列にピザ屋さんもあったんだっけ? なら、それと同じか、それに近い感じだったりするのかも。割りとそんな感じするし!)

未央(肉々しくてジューシーで……これはなかなかすごいね。でも、量はさすがに食べられないかなー。手も、最初はあんまり汚れないかな、って思ったけど、気付けば油でギトギトになってるし)
618 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 01:00:30.56 ID:wYdz8+Er0
未央(んー……それじゃ、次は三ツ星フィレサンドにいってみよー。ミツボシと言えば未央ちゃんですからね。これはきちんと食べて確かめなければ!)

未央(えーっと……おお、バンズからちょっと違うんだね。さすが三ツ星。ベーコンと……これ、なんだっけ。ラタトゥイユ? が入ってる。あと、チーズも)

未央(バンズはふわふわ……もちもち? なんだか、このバンズだけでもおいしそうな感じ。さてさて、お味のほどは……)パクッ

未央「……ん!」

未央(あ! これおいしい! チキンフィレサンドは結構食べてるけど、これはこれでいいなー。チキンの旨味はいつも通りなんだけど、そこにベーコンとチーズが合わさって、さらに旨味が強力になっている……的な?)

未央(あと、ラタトゥイユもいい仕事してる気がする。これは……酸味? かな? バンズもいいなー……小麦味、って当然か)

未央(いつものはいつものでいいけど、贅沢なお味。うん、余は満足じゃー……なんちゃって)
619 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 01:00:59.42 ID:wYdz8+Er0

――店の外

P「うまかったな、未央」

未央「うん、おいしかったー……でも、あんまり食べ過ぎるのはダメだね」

P「それはまあ、なんでもな。しかし、個人的には前のよりもガツンと来て良かった。やっぱりこういうのは、やるならバカみたいにこってりしたものにしてほしいよな。何なら、さらにこってりと、油まみれになるみたいなのでも俺はよかったんだが……」

未央「それだと私はキツそうだからやめてほしいかも……私は今回くらいでいいかなー」

P「三ツ星フィレサンドもよかったな。さすが三ツ星」

未央「さすが私」

P「なんでだよ。……そう言えば、未央、大丈夫なのか?」

未央「うん? 何が?」

P「苦しくなってないか、って。おんぶが必要かどうか、だな」

未央「意外と大丈夫だったね。でも、おんぶしてくれるなら頼んじゃおっかなー?」

P「ならしない。自分で歩け」

未央「はーい。あ、ねぇねぇプロデューサー。今度の仕事のことなんだけど……」



620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 01:03:05.50 ID:3wU1/M7zo
乙、久々の更新嬉しい
621 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 01:04:55.97 ID:wYdz8+Er0
これにて今回は終了です。
前のCHIZZAの時書いてなかった……ですよね? なかったはず。書いてたら矛盾が生じちゃいますがスルーして下さい!

あと、そもそもCHIZZAも三ツ星フィレサンドももうやってないかもしれない……やってなかったら書くの遅すぎましたね。すみません。やっているならどっちもおいしかったのでオススメです! 

今回は間空いた割に短め! 書いてる途中のを抜かしてちょっと短めの書いたらささっとできたので、これくらいの長さのをぽんぽん書いた方がいいのかもしれない……。実際できるかどうかはわからないのですが!

ここまで読んで下さってありがとうございました。
622 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/06/22(木) 01:10:07.04 ID:wYdz8+Er0
あとSSとは関係ないですがしんげき! さんふらわー! めっちゃ良い……かわいい……。
しんげきいつまでも続いてほしい……さんふらわーCD発売楽しみ……メロディも歌詞も好き……色んな感情があふれる……。

次回は複数人……って前も言ってできなかったしさらにめちゃくちゃ間が空いたりとここに書いたことあんまり実行できてない感あるのでどうなるかわかりません! 早めに更新できたらいいな……とは思います。

改めてありがとうございました。
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 02:08:12.50 ID:KdNAsz6/o
おつおつ
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 14:55:57.22 ID:OtAnKdsFo
乙です
625 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:27:23.24 ID:OOe6VR2K0

――事務所

P「中華を食べたい」

菲菲「ワタシ、作ろうカ?」

未央「お! ふぇいふぇいの中華? 久しぶりに食べたいかも!」

P「あー……そう言われると俺も食べたくなってきたが、そうじゃなく」

のあ「……外食?」

P「だな。……というか、のあ。いたのか」

のあ「……貴方が認識していなかっただけ。でも、そう言われるのは……なかなかに、新鮮ね」

P「確かに、俺ものあに気付かないなんて、自分でも驚いた。ごめんな」

のあ「いいえ……非難しているわけではないわ」

P「そうか?」

のあ「ええ……だから、続きを」

P「ん。まあ、のあの言う通り外食に行きたい……中華を食べに行きたいな、と思ったんだよ」

未央「ほうほう……つまり?」

P「……お前ら、一緒に行かないか?」

菲菲「行くヨー!」

のあ「行くわ」

未央「私はもちろん! それじゃ、行こー!」
626 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:28:55.97 ID:OOe6VR2K0

――外

未央「それで、どこの中華屋さんなの?」

P「んー……そんなに遠くない。歩いて行ける距離だな」

未央「ほうほう。近所の中華屋さん……なんだか、いい感じの響きですなぁ」

P「そうか? ……というか、菲菲にも来てもらったが、口に合うかな。菲菲は香港出身だから……広東料理?」

菲菲「うーん……たぶん、大丈夫ダヨ? 日本のお店は日本人の舌に合うようになっていることも多いし、別物だからネ」

P「まあ、だいたいそういう店だよな。一応、今回行くところは四川料理……と言っているが、まあ、それだけじゃないっぽいからな」

のあ「四川料理……香辛料による刺激……麻と辣ね」

未央「まーとらー?」

P「麻辣味。唐辛子の辛さと花椒の辛さだな。四川料理と言えばコレのイメージが強いな」

未央「ほあじゃお……聞いたことはあるね!」

P「花椒がそこまで使われている料理ってあんまり食べる機会はないからな。でも、言ったことなかったか?」

未央「あったっけ? うーむ……思い出せない」
627 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:29:35.50 ID:OOe6VR2K0
P「今回行くところは……確か、担々麺が人気だな」

菲菲「担々麺……香港にもあるケド」

P「香港式の担々麺は日本式に近いんだっけか。今回行くところは……どうなんだろうな。他のところで食べるのとは違うんだが、本場に行ったことがあるわけじゃないから、四川の感じかどうかはわからない」

のあ「……汁は、どれくらいあったのかしら?」

P「汁……それは、割りと普通だったかな」

のあ「それなら……貴方の言う本場……四川省で食べられているものとは違うかもしれないわ。本場では、汁なしが多いから……」

未央「汁なし担々麺?」

菲菲「コンビニで売られているのを見たことあるネ!」

のあ「そうね……私も、なかなか好きよ」

未央「あれはおいしいよね。……あ、そう言えば、あれに入ってるのって……花椒?」

P「だな。と言うか、未央はまだいいとして、菲菲とのあもコンビニに行ってそういうの買ったりするんだな……」

菲菲「便利だからネ!」

のあ「便利だから」

未央「……未央ちゃんが『まだいい』扱いされたのはちょっと思うところがあるけど、二人の口からそういう言葉を聞くと……なんか、イメージが……」

P「どうしてか、あんまりないよな。でも、よく考えればお前らもコンビニくらい行くよなぁ……」

のあ「……P」

P「ん? なんだ、のあ」

のあ「あそこにあるのが、今日行くところかしら」

P「んー……あ、そうだな。もしかして、行ったことあったか?」

のあ「いえ、ないわ。ただ、話から推測するとここと思ったのよ」

未央「へぇ……たかみー、すごいね。私、全然わからなかったよ」

菲菲「ふぇいふぇいもわからなかったヨ! すごいネ!」

のあ「……言われるほどではないわ」

P「まあ、『担々麺』って思いっきり書いてはあるからな……とりあえず、入るか?」

未央「うん! 入ろー!」
628 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:30:07.96 ID:OOe6VR2K0

――店の中

未央「ほうほう……なんだか、街の中華屋さんー、って雰囲気とはちょっと違うね」

P「かもな。で、何にする?」

菲菲「ワタシは担々麺!」

未央「私もー!」

のあ「私も」

P「俺もだな。あと、麻婆豆腐とか、餃子とかも頼みたいな。それでいいか?」

未央「うん!」

菲菲「麻婆豆腐に、餃子カー……うん、楽しみだネ!」

のあ「どれほどの刺激が得られるのか……期待しているわ」

P「それじゃ、頼むな。すみませーん」
629 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:30:43.64 ID:OOe6VR2K0

――

未央「まずは麻婆豆腐と餃子が来たね。」

菲菲「麻婆豆腐……辛そうダネ」

P「実際、結構辛い。まあ、適当に食べていくか」

のあ「……私は、麻婆豆腐からいただくわ」

未央「じゃあ、私は餃子から!」

菲菲「ふぇいふぇいも餃子からもらうヨ!」

P「ん。じゃ、俺は麻婆豆腐から……いただきます」

菲菲「いただきます」

のあ「いただきます」

未央「いただきまーす」
630 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:31:14.99 ID:OOe6VR2K0
未央(さてさて、この餃子だけど……焼餃子で、結構大きい。大ぶりの餃子だね)

未央(見ているだけじゃわからないし、それじゃあ早速……)パクッ

未央「……あふっ」

未央(んっ、熱っ、噛んだらなんか、すごい、肉汁が……ふぅ。ちょっと落ち着いた)

未央(これ、おいしいなぁ……噛んだ時に溢れ出してきた肉汁にはちょっとびっくりしたけど、お肉と野菜の旨味がいっぱい、って感じの餡に、カリッとした皮。なんだか、小籠包と餃子を組み合わせたみたいな感じ? なかなかに新感覚かも)

未央(うーん、おいしかった。じゃあ次は、麻婆豆腐を……の、前に)

未央「プロデューサープロデューサー」

P「ん、なんだ?」

未央「麻婆豆腐って……その、私が食べられるくらいの辛さ?」

P「うーん……どうだろうな。のあはどう思う?」

のあ「……私より、Pの方がわかっていると思うけれど」

P「それじゃあ、麻婆豆腐の感想で」

のあ「……この刺激は、なかなかのものね。花椒が効いている。ピリッと舌が痺れるような刺激……でも、同時に強烈な旨味もある。……私はこれにさらに山椒を入れるけれど、これなら、食べられるんじゃないかしら」

未央「ほほー……たかみー、ありがとう! 餃子はおいしかったけど、熱いから気を付けてね」

菲菲「本当に、おいしかったけど熱かったヨ……」

P「あ、そういや、注意してなかったな。忘れてた」

未央「もー……まあ、いいや。とりあえず、麻婆豆腐ももらうね」

菲菲「ふぇいふぇいももらうヨ」

P「ん。それじゃ、俺は餃子を……」
631 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:32:19.65 ID:OOe6VR2K0
未央(さてさて、それじゃあ、麻婆豆腐をもらおっかなー。えーと、これを使って食べればいいのかな? ちょっとすくって……)パクッ

未央「ん……? ……んっ」

未央(あっ、これ、結構辛い。ぴりぴりする。これにさらに山椒を入れるって、たかみー……でも、うん、おいしい。たかみーの言う通り、辛さの中にしっかりと旨味もあって、食べやすい)

未央(というか、この刺激が、さらなる一口を求めてしまう……! 花椒が効いていて、でも強すぎるわけじゃなくて……このバランスがそうさせているのかな。あー、もう一口!)パクッ

未央(辛い! でも、おいしい! ……ちょっと、ごはんが欲しくなるかも。って、食べてから考えても遅いんだけど。……次来る時は、ごはん、あったら頼もうかなー)

未央(あ、そう言えば、菲菲は――)

菲菲「……」

未央「……菲菲、辛い?」

菲菲「……ちょっと、辛いネ。でも、おいしいヨ」

のあ「そう。……食べられないのなら、私がもらったのだけれど」

菲菲「……あげないヨ?」

のあ「とらないわ」

未央「……みくにゃんとかにしてるのを見ると、あんまり信じられないんだけど」

のあ「みくはみくだから」

未央「答えになってないのに、なんか納得しちゃう……!」
632 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:32:54.63 ID:OOe6VR2K0
P「まあ、みくとのあのはじゃれ合いみたいなもんだからな。そう他の人には――ちょ、のあ! それ、俺の餃子……!」

のあ「……余計なことを言うから」

P「お前……あー、もう、いいや。担々麺もそろそろ来るみたいだし」

未央「……たかみーがそういうことするの、ちょっと意外かも」

菲菲「……意外ダネ」

P「そうか? ……いや、まあ、確かに、俺も最初はアンドロイドか何かかよってくらいに思ってたからなぁ……」

のあ「私は人間よ」

P「知ってるよ。今はもう」

のあ「……そう。それなら、いいわ」

未央「私たちはアンドロイドだと思っていたわけじゃないんだけど」

菲菲「勝手に巻き込まないでほしいネ」

P「はっはっは。……さて、担々麺が来たな」

未央「流した……」
633 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:33:31.42 ID:OOe6VR2K0
のあ「……ん。この香りは……」

菲菲「おいしそうだネ! 見た目だと……濃厚?」

P「割りと。と言っても、くどいほどじゃない……と思う。まあ、食べてみればわかる」

未央「だね。それじゃ、いただきまーす、っと」

未央(まずは……うん。スープを一口)ズズ……

未央「……ん」

未央(おお、やっぱり濃厚。クリーミーな感じ。辛さはそこまででもないけど、甘さもあって、ゴマの風味も結構あって……でも、うん、プロデューサーの言ってた通り、くどくない)

未央(それじゃ、次は具を混ぜて……あ、思ったよりも麺が多い。ということは、麺が売り、だったりするのかな? とりあえず、食べてみて……)ズズ……

未央「……ん!」

未央(あ! これ、いい! おいしい! 麺自体はつるつるしてるんだけど、スープがスープだから、絡みついてくる。そして、後味に辛さがぴりっと引き締めて……これ、ずるずるいけちゃう!)

未央(んー……おいしい。麺をずるずる啜るのが気持ちいいし、味もおいしい。何よりくどくないからいくらでもいけちゃいそうになる。濃厚なんだけど、ずるずるといっちゃって……)

未央(……ん。ちょっと、口の中が辛くなってきたかも。汗も出てきたし……でも、不快じゃない。むしろこれがいい。お箸が止まらない)

未央(担々麺って、そう言えば、そんなに食べたことなかったような気もするけど……おいしいな)

未央(……また、来たいかも)
634 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:35:55.82 ID:OOe6VR2K0

――店の外

未央「おいしかったね、みんな」

菲菲「お腹いっぱいだけどネ……」

P「麺にスープが絡むからなぁ……見た目より量があるよな」

のあ「……また、一人で来るかもしれないわ」

P「お、のあも気に入ってくれたか」

菲菲「その時はふぇいふぇいも行きたいネ。今日で味も量もわかったから、次は調整するヨ!」

未央「おっとぉ? 他のメニューは気にならないのかな〜?」

菲菲「あっ……確かに、他のメニューも気になるネ。その時は……」

未央「うん。分け合おうとも、ふぇいふぇい。たかみーも、いい?」

のあ「……ええ。その時は、一緒に行かせてもらいましょう」

P「いいのか?」

のあ「一人で来る時は勝手に来るから」

P「ああ、そういう……」

未央「せっかく近くにあるんだし、他の子も連れて来たいよね」

菲菲「そうダネ。確か、辛くないメニューもあったカラ……」

のあ「……私が誘うとしたら……」

P「あー……そろそろ帰るぞ。まだ余裕はあるが、一応な。お前らの予定は、確か……」



635 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:40:18.46 ID:OOe6VR2K0
これにて今回は終了です。
中華のおいしいところが近所にあると嬉しいですよね。いや、中華に限らずおいしいところが近所にあると嬉しいんですけれど。

担々麺ってそんなしょっちゅう食べはしないんですけど、おいしいところで食べると「おいしい……」ってなりますね。なりました。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
636 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/07/22(土) 01:44:20.03 ID:OOe6VR2K0
あとSSとは関係ないですが上位来たり色々ありましたね……。Mobage版にはフリトレがあるからやさしい。
作中でPがのあさんのことを「のあ」呼びにしているのはべつに複雑な設定とかはないです。そう言えば大人組ってあんまり出したことなかった? ような気もしますね。これからもちょくちょく出していきたいような? そもそももうちょっとペース早めたいような。

たぶん次回は結構いちゃいちゃしちゃうんじゃないかなーと思っています。予定ですが。

改めてありがとうございました。
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 02:16:23.92 ID:oXOqOE6To
おつおつ
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 02:31:57.40 ID:bd7nap0yO
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/30(日) 19:08:36.62 ID:Fu61FYVkO
乙乙
担々麺と言えば地獄の担々麺オススメ
トッピングでスープを使ってチーズリゾットにしてくれる
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/30(水) 16:37:42.08 ID:yU/xvVox0
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 06:26:14.99 ID:L7YlF/dno
ほしゅ
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 15:33:41.46 ID:NcKeEHn+O
ほす
643 : ◆Tw7kfjMAJk [sage saga]:2017/10/01(日) 05:17:47.87 ID:xZ+QMvIV0
めちゃくちゃ遅くなりましたが今週中には投稿します。先に報告だけ。
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 12:37:14.82 ID:45nTJ4KZo
期待
645 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:05:50.23 ID:siEDK2Vb0
未央「もう秋だね」

P「ちょっと肌寒くなってきたな。未央も、あんまり身体は冷やさないようにな」

未央「わかって……その、ちょっとお願いしたいことがあるのですが」

P「なんだ? 何かやましいことでもあるような言い方だが」

未央「や、やましいことってわけじゃ……身体を冷やさないように、って言葉とは反対になっちゃうんだけど」

P「反対……冷やすようなこと?」

未央「そう。それを、ちょっと、お願いしたいと言いますか」

P「……冷たいものでも食べたいのか?」

未央「お! それそれ! よくわかったねプロデューサー」

P「本当にそうだったのか……プールに行きたいとかじゃないだけ良かった、か?」

未央「プール……プールかー……プロデューサーが私の水着姿を見たいって言うなら、ついて行ってあげてもいいよ?」

P「行かない行かない。で、冷たいものって言うと、具体的にはどんな?」

未央「ふっふっふ……実はですね、今日は私の方がお店を探して来ているんですよ」

P「探して、か。行きたい店があっただけじゃなく?」

未央「うっ……ま、まあ、それはそれとして、とにかく! その店に行きたいわけなんですよ!」

P「ああ。べつにいいが……どういう店だ? アイス、とか?」

未央「アイス……とは、ちょっと違うかも。ヒントはそろそろ……もしかしたらもうやってないかもしれないってこと」

P「やってない? ってことは、夏だけ……。なんとなく、わかったような気もするな」

未央「そう? それで……いい?」

P「ああ、行こう。未央が連れて行ってくれる店ってのも楽しみだしな」

未央「楽しみにしてくれたまえー。それじゃ、行こっか、プロデューサー! 道は私が案内するから、付いてきて!」

P「ん、わかっ……引っ張るな引っ張るな。そんな急がなくても、店は逃げないって」
646 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:06:47.70 ID:siEDK2Vb0

――店の前

P「ここか」

未央「うん。……さすがにそこまで人は多くないけど、一応、まだ人はいるね」

P「結構待つのか?」

未央「みたい。一人にかかる時間が結構長いんだって」

P「そうなのか。じゃあ、待ってる間に未央は勉強か」

未央「……い、今は、その、そういう時間じゃないから」

P「隙間時間に勉強することが大切……って、誰か言ってなかったか」

未央「い、言ってたけど……やっぱり、しなきゃダメ?」

P「……くっ。ふっ、ふふっ」

未央「何いきなり笑いだして……プロデューサー?」

P「悪い悪い。未央がいつも頑張ってることは知ってるよ。今は息抜きの時間だもんな。そんな時くらい、勉強しなくてもいいよな。俺だって、『勉強しろ』って言えるほど勤勉な学生だったわけでもないし」

未央「もー……でも、プロデューサーの学生時代かー。気になるかも」

P「特に面白いことは何もなかったから気にするな」

未央「そうは言っても、気になっちゃうものは気になっちゃうわけですよ。卒業アルバムとかないの? 学生の頃の写真とか」

P「ぜんぶ実家に置いてあるからない」

未央「それじゃあ今度持ってきてくれない?」

P「断る」

未央「むぅ……これは美嘉ねーやかれんにも言って手伝ってもらうしか……」

P「やめろ。絶対面倒なことになるから」
647 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:07:19.29 ID:siEDK2Vb0
未央「だってプロデューサーは私の制服姿とか知ってるのに、私がプロデューサーの制服姿を知らないのって不公平でしょ?」

P「どこがだ。現役の学生とそれ以外じゃ別だろ。俺だって制服姿を知らない人も結構いるからな」

未央「ちひろさんとか?」

P「ちひろさんは前にコスプレで学生服着てるの見たな」

未央「……そう言えば、私も見たよ。でも、あれってちひろさんが通っていた学校の、なのかな? コスプレ用とかじゃなくて?」

P「どうなんだろうな。でも、学生時代の……って言うと、確かに見てみたいな」

未央「それと一緒で、私もプロデューサーの学生時代の姿を見てみたいわけですよ」

P「それは断るが」

未央「プロデューサーのケチ」

P「ケチ言うな」

未央「むぅ……いいもんいいもん。いつか絶対見せてもらうから」

P「はいはい。……ん、そろそろか。思っていたより早い、か?」

未央「だね。タイミングが良かったのかも」

P「と言っても、ここからまた待つ……ってこともあるんだが」

未央「その時はその時ってことで」

P「だな」
648 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:07:51.63 ID:siEDK2Vb0

――店の中

P「結局、あれからすぐ呼ばれたな」

未央「ちょうどいい時間、だったのかな? それでプロデューサー、何にする?」

P「オススメとかはあるのか?」

未央「うーん……私も、知ってただけで来たことはないから……一番人気なのは、確か、カラメルミルクだったはず」

P「カラメルミルク……未央はそれにするのか?」

未央「そのつもり。プロデューサーは?」

P「……せっかくだから、他のにしようかな。このカカオミルク? にするよ。どういうものが出てくるのか気になる」

未央「ほほー……二人とも定番からは外れたね」

P「そう言えばそうだな。どうする? 俺はべつに他のでもいいが」

未央「ううん。そのままで。ファーストインプレッションは大事にしなきゃダメだよ、プロデューサーくん」

P「なんで横文字……まあ、そう言ってくれるならそうするよ」

未央「そうしたまえ」

P「何キャラだよ」
649 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:08:29.30 ID:siEDK2Vb0

――

P「……来たな」

未央「来たね」

P「……これがかき氷。いや、かき氷なんだが……聞いた話以上だな」

未央「私も思ってた以上だよ。でも、おいしそう」

P「それはそうだな。とりあえず、食べて……なんか、崩れそうでこわいんだが」

未央「山みたい……というか、直方体みたい? だもんね。四角いかき氷」

P「まあ、注意して食べていくか」

未央「そうだね。それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」
650 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:09:15.29 ID:siEDK2Vb0
未央(でも、本当に崩れちゃわないか心配……とりあえず、そーっとスプーンを……お、お? これ、大丈夫そうかも。食べ進め方によってはどうかわからないけど……うん。意外と、いける)

未央(スプーンですくっただけでも、氷がふわふわなことがわかる。カラメルと練乳がたっぷりかかっていて、その重さは感じるけど)

未央(……とりあえず、一口、食べてみよう)パクッ

未央「……ん!」

未央(ミルク! 甘い! からのカラメルの甘さと苦さ……おいしい! 氷に冷やされてなのか、とろっとしているだけじゃなくて、ちょっと固まっている感じのミルクとカラメルがいい感じに口の中で合わさって……おいしい)

未央(かなり甘いんだけれど、それが嫌にならない感じ? カラメルでほのかに苦いのがいいのかなー)

未央(氷はふわふわで……薄い氷の層が、何枚も重なっているような……口の中にいれると、それがふわっとほどけるような? それがミルクとカラメルと一緒になって……新感覚だけど、かき氷というか。不思議な感じ)

未央(んー……おいしい。結構甘いけど、ぱくぱく食べられちゃう。しーあーわーせー……)
651 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:09:42.82 ID:siEDK2Vb0
P「そっちはどうだ? 未央」

未央「おいしいよ。プロデューサーの方は?」

P「おいしい。しかし、これがかき氷か。すごいな」

未央「それじゃ、ちょっとそっちも食べていい? 私のも食べていいから」

P「ああ。じゃあ、一口もらうな」

未央「うん。私もいただきまーす」パクッ

未央「……おー」

未央(チョコ! 思ったよりもチョコチョコしてる! ほうほうこれが……ティラミスっぽいような、違うような……チョコチョコしてるのにミルクの甘さがからまってきて……おいしい。アイスとはまた違うんだけど、アイスみたいな、かき氷みたいな……こっちも不思議な感じ。おいしいけど)

P「ん、こっちもうまいな」

未央「でしょ? プロデューサーのもおいしいね。食べてみたら、思ってたよりチョコチョコしてた」

P「ああ。かき氷に、ってどんなものかと思っていたが……合うな」

未央「合うね。……ね、プロデューサー。もう一口もらってもいい?」

P「ご自由に。その代わり、俺ももう一口こっちもらうな」

未央「どうぞどうぞ。……それじゃあ」パクッ

未央「……んー!」
652 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:10:10.25 ID:siEDK2Vb0

――店の外

未央「おいしかったー!」

P「量も多かったが、食べ切れたな。その代わり、結構腹に来てるが……」

未央「それはそうかも。でも、頭がキーンってならなかったなー……削り方の違い?」

P「なんかそんなことも聞くな。実際そうなのかっていうのは経験するまで知らなかったが。……未央、身体、冷えてないか?」

未央「ちょっとだけ。さすがにあの量の氷を食べるとねー」

P「ならこれでも着とけ。大事な時期に身体を壊しちゃいけないからな」

未央「それはプロデューサーもでしょ? でも、ありがと」

P「どういたしまして。それじゃ、帰るか」

未央「うん。……ね、プロデューサー」

P「ん?」

未央「手、握って? 身体が、あたたまるまで」

P「……ん」ギュッ

未央「……えへへ。なんか、もうあったかくなってきちゃった」

P「……そうか」

未央「……手、はなさないの?」

P「……俺はまだあたたまってないから、もう少し、このままで」

未央「そっか」

P「ああ」

未央「それなら、仕方ないね」

P「ああ」

未央「……」ニギニギ

P「……なんだ? 俺の手が、どうかしたか?」

未央「ううん。ただ、プロデューサーの手だー、って思って」

P「なんか、くすぐったいんだが」

未央「……こちょこちょ」

P「んっ! ちょ、やめろ」

未央「ほほー。プロデューサーの手は敏感ですなー。ほれほれ、こちょこちょー。こちょこちょー」

P「何して……ああ、もう! むずむずするから、やーめーろー!」




653 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:15:26.01 ID:siEDK2Vb0
これにて今回は終了です。
久しぶりの投稿になりました。特別忙しかったというわけでもなくただ遅れました。
私がこのかき氷を食べたのも夏からは少しずれて九月のことだったんですが、さすがに今だとやってないような気もします。でもやっているところはやっているような気もします。

おいしいかき氷ってどういうのだろうなーって思ってたんですけど、おいしいですね。おいしい。おいしいかき氷はおいしい。でも一人ではちょっと行きにくいかもしれない。

今回も結構短めだったような……次回は予定では複数人。長いかどうかはわかりませんができるだけ早めに……。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
654 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/10/06(金) 00:20:43.68 ID:siEDK2Vb0
あとSSとは関係ないですがめっちゃ色々なことありました。直近だと限定卯月の背景とか。久しぶりの三人イラスト? それはともかくめっちゃかわいい。
あとイリュージョニスタとかも。この一年間たのしい……。これからも色々と新展開というか確定していることもありますし、楽しみです。
しんげき、あの劇場とかやってくれないかなー……。

改めてありがとうございました。
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 06:11:14.58 ID:/qYIA/UAo
乙です
656 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:07:37.17 ID:BUv/Zjsp0

――事務所

P「……ソース味のものが食べたい」

ちひろ「ソース味、ですか?」

P「あ、すみません。声に出てましたか」

ちひろ「そうですね。少し、休憩にしますか?」

P「そう……ですね。ちょうど一段落したところだったので」

ちひろ「で、ソース味、でしたか」

P「はい。なんか、たまに食べたくなるんですよね。ソース味のもの」

ちひろ「わかります。……言われると、私もちょっと食べたくなってきちゃいました」

P「お、じゃあ行きます? 予定が合うようなら、誰か他の人も誘って……」

ちひろ「そうですね! でも、いつにしましょうか。もうソースの口になっちゃってるので、できれば早めの方がいいんですが……」

P「俺もそうですね。んー……どうするか……」
657 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:08:48.13 ID:BUv/Zjsp0

ガチャ

未央「プロデューサー! みなみんが、みなみんがー!」

美波「ちょ、ちょっと未央ちゃん? 私はべつに、何もしてないと思うんだけど……」

P「……どうしたんだ? 未央、美波」

ちひろ「確か、未央ちゃんの勉強を美波ちゃんが見てあげていた……んですよね? 未央ちゃんは成績も良かったはずですし、そんな助けを求めるようなことにはならない気が……?」

未央「うぅ。ちひろさんの言う通り、ただ勉強を見てもらっていただけなら、私もこんなこと言わないよ? でも……でも! みなみん、私には厳しいんだもん!」

美波「そ、そんなに厳しいことはないと思うんだけど……」

P「あー……美波? いったい、未央に何をやったんだ?」

美波「え? ……未央ちゃんが思った以上にできる子だったので、私にできることくらいならできるだろうと思って、その、色々と」

P「なんか目が泳いでるんだが」

ちひろ「なんだか、教育ママみたいな発想ですね……」

未央「そう! それ! みなみん、こんな調子じゃお母さんになった時に大変だよ!? いくら未央ちゃんが頭も良くて運動もできるパーフェクトな美少女アイドルだとは言っても、限度ってものがあるんだからね!」

P「自画自賛するな」

ちひろ「……それが間違ってないのがまた、複雑なところですね」

美波「で、でも、実際、未央ちゃんは要領も良いですし、志望校の入試問題の傾向から考えるとこの勉強は必要だと思うんです! だから、ね? 未央ちゃん、私と一緒にもっともっと頑張りましょう?」

未央「ちょ、みなみんこわい! 目がこわいって! 私にも、他の子にやるみたいに優しくしてよー!」

P「……美波も変わったなぁ」

ちひろ「ですねぇ」

未央「そこ! しみじみしてないで、たーすーけーてー!」
658 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:10:10.58 ID:BUv/Zjsp0

――

美波「ソース味ですか? ならお好み焼き――重ね焼きにしませんか?」

未央「重ね焼き?」

P「あー……と言うか、未央と美波も付いて来るってことでいいのか?」

未央「ダメ?」

美波「ダメですか?」

P「いや、問題ないが……ちひろさんもいいですよね?」

ちひろ「はい。それで、重ね焼き、でしたっけ?」

未央「そうそう。重ね焼きって……何?」

P「ああ、その話……大阪では、お好み焼きって混ぜてつくるだろ? 広島では混ぜずに重ねてつくる。だから重ね焼きとも呼ばれている、らしい」

未央「つまり、広島焼きのこと?」

P「……まあ、そうだな。あと、その呼び方は広島の人の中には怒る人もいるから注意な」

未央「え。……み、みなみんって、確か、広島出身じゃ」

美波「うん。私は広島出身だよ」

未央「……ご、ごめんなさい」

美波「大丈夫だよ、未央ちゃん。私も、広島の外ではそう呼ばれてるってことは知ってるし……ですから、Pさんも気にしないで下さいね?」

P「でも、気にする人がいるのは事実だしな……やっぱり、言うなら『広島風お好み焼き』か?」

美波「うーん……そうですね。そっちの方がいいと思います。『お好み焼き』というのが大事だと思うので」

未央「ふむふむ……アイドルになってからもう結構経つけど、こういう勉強も大事なんですなぁ」

美波「勉強……Pさん。私、全国のこういう話を集めて資料にして、事務所のみんなに注意をした方がいいんじゃないでしょうか」

P「やるなら俺とちひろさんの仕事だから美波はしなくていい。……いや、本当にやるなよ? 絶対だからな?」

美波「……たぶん、やりませんよ?」

P「目を逸らさないでほしいんだが」
659 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:10:48.60 ID:BUv/Zjsp0
美波「でも、Pさんやちひろさんの仕事を増やすのも申し訳ないですし……ただでさえ、二人とも仕事が多いのに。私だって、もう大人なんですから――」

P「成人してるって言っても、まだ学生なら子どもだよ。大学も暇じゃないだろうし、ただでさえ二足のわらじだ。本来なら、中高生の勉強も見る必要はないんだが……」

美波「それは仕事じゃなくて『友達』の勉強を見ているだけですから。……でも、わかりました。無理はしません」

P「ああ。そうしてくれ」

美波「……やりたくなっちゃったら、やっちゃうかもしれませんけど、それはもう趣味みたいなものなので見逃して下さいね?」

P「……まあ、そこまでは口を出せないが、本当に無理はしないでくれよ」

美波「はいっ。Pさんこそ、無理はしないで下さいね?」

P「……はい」

美波「ちひろさんも」

ちひろ「えっ。……私もですか?」

美波「もちろんです。ちひろさんも、Pさんに負けず劣らず頑張りすぎですから」

ちひろ「美波ちゃんに言われると複雑なんですが……わかりました」

未央「おおー、さっきまではみなみんが怒られてるっぽかったのに、いつの間にか逆転してる……これが、みなみんの力……!」

P「……はっ。確かに、いつの間にか、逆転してる……だと……?」

ちひろ「美波ちゃん……恐ろしい子……」

美波「ちゃ、茶化さないで下さい、もうっ。……ほら、未央ちゃん。休憩はこれくらいにして、勉強に戻りましょう」

未央「えっ」

美波「それじゃあ、Pさん、ちひろさん、ごはんに行く時間になったら呼んで下さいね」

P「ん」

ちひろ「はーい」

未央「えっ、ちょ、待って。今日はもう終わりじゃないの? ……あの、みなみん? プロデューサー? ちひろさん? え? え? えぇー!」
660 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:11:36.79 ID:BUv/Zjsp0

――事務所の外

未央「つーかーれーたー……おなかへった……ごーはーんー……」

ちひろ「そう言えば、お店は決まってるんですか?」

P「いや、まだですね。どこにするか……」

美波「あ、それなら知っているお店があるので、そこでもいいですか?」

未央「お、みなみんの? なんだか期待できそうですなぁ」

P「美波のオススメは確かに期待できるな。楽しみだ」

ちひろ「美波ちゃん、こういうのもしっかりしてそうですからね。楽しみです」

美波「はいっ。期待していて下さい。きっとお口に合うと思いますよ?」

未央「お、言いますなぁ。これは期待できるかも! それじゃ、みなみんのオススメのお店にレッツゴー!」
661 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:12:13.71 ID:BUv/Zjsp0

――店の前

P「ここか」

未央「結構外れたところにあるんだね。穴場……的な?」

美波「実は私も教えてもらったところなんです。地元の味が懐かしくなることもあったので……」

ちひろ「ということは、巴ちゃんか留美さんかしら? いえ、巴ちゃんはさすがに知らないでしょうし……留美さん? と言うか、美波ちゃんならアイドル以外にも知り合いは多そうだけど……」

美波「留美さんです。同郷ということで話をしたら、教えてくれて」

ちひろ「へぇ……そう言えば、一人ひとりのオススメのお店ってあんまり知らないかもしれません。みんなで行くお店はだいたい決まってますし……」

P「思っているよりも、みんなこういうお店を知っていたりするのかもしれませんね」

未央「私とかが行くようなお店をプロデューサーが知らないみたいに?」

P「女子高生が、ってなるとちょっと話は違うような気もするが……いや、同じか? どうだろう」

ちひろ「……とりあえず、もう入りませんか?」

未央「ん、そうだね」

P「ですね」

美波「それじゃあ、入りましょうか。満席じゃなかったらいいんですけど……」
662 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:13:06.36 ID:BUv/Zjsp0

――店の中

未央「んー……ソースのにおいと大きな鉄板を見ると、こういうお店に来たって感じするね」

P「だな。えーっと、メニューは……お好み焼きと焼きそばと、あとは鉄板焼きとかか」

ちひろ「やっぱりお好み焼きと……焼きそばは、どうしましょうか?」

未央「広島のはお好み焼きの中に焼きそばが入っているんだっけ? でも、ちょっと違う?」

美波「うん。種類として別物だと思うから……どっちも頼むってことはそこまで珍しくないかな」

P「お、そうなのか。じゃあ個人的にはお好み焼きと焼きそばはどっちも頼みたいな」

未央「鉄板焼きにはとん平焼きとかもあるんだ……前に食べたのおいしかったし、私、これもほしいなー」

ちひろ「あ、枝豆……海鮮ものもおいしそう。美波ちゃん、ここって、量はどれくらい?」

美波「結構多めですね。でも、Pさんにとっては……どうだろう?」

P「美波にとっては多めでも俺にとっては……ってことか。じゃあ、少し多めか、ってくらいは頼んでもいいんじゃないか? たぶん、俺は食べ切れるから」

ちひろ「それなら、海鮮焼きが欲しいですね。それくらい……ですか?」

未央「私はそれで大丈夫だよ」

俺「はい。大丈夫だと思います」

美波「それじゃあ、注文しちゃいますね? あの、すみません――」
663 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:13:39.42 ID:BUv/Zjsp0

――

未央「み、みなみんみなみん、あんなにキャベツを盛ってるけど、大丈夫なのかな?」

美波「ふふっ、大丈夫だよ。見ていると……ほら」

未央「わ。ほんとだ。みるみるうちに小さくなって……すごいね」

P「……確かにすごいな。何度か見たことはあるはずなんだが、今まで見た中でいちばんの圧縮率かもしれない」

ちひろ「うーん、できあがるのが楽しみですね。こんなの見せられると、どんどんお腹が減ってきちゃう……」

P「そういう狙いもあるのかもしれませんね……」
664 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:14:25.16 ID:BUv/Zjsp0

――

未央「来た来たー! もう、めちゃくちゃおいしそう……!」

ちひろ「ソースが弾けて、いいにおいがして……ヘラで食べるんでしたっけ?」

美波「一応そうですけど……食べやすい食べ方でいいと思いますよ?」

P「まあ、とにかく……いただきます」

未央「いただきまーす!」

未央(えーと、ヘラで切り分けて……っと。ん、こういう断面なんだ……そばとキャベツ? あと、他の具材とか。今回は……うん、ヘラを使って、そのまま食べようかな。熱そうだけど……いざ!)パクッ

未央「あふっ……ん、んんー!」

未央(やっぱり熱々だったけど、おいしい! キャベツは甘くて、このそばももちもちで……それにフルーティーなソースの味が加わって、すごくおいしい!)

未央(やっぱり、こうやってはふはふしながら食べるのはいいなぁ……ソースの味も、やっぱりおいしいし。フルーティーで、甘めな感じ? 表面はカリッとしていて、中はふんわりしていて……でも、キャベツとそばもべちゃっとなってたりしてなくて……うん、おいしい。なんだか、ちょっと衝撃的かも)

未央(これが広島のお好み焼きかぁ……こういうのが東京にいても食べられるっていうのはやっぱりいいなぁ。本当、ありがたいことだよねー)
665 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:14:59.88 ID:BUv/Zjsp0
ちひろ「はふっ……ん、おいしい!」

P「うん、うまいな、これ。何回か食べたことあるが、いちばんかもしれない」

美波「ふふっ、お口に合ったみたいで良かったです」

未央「本当においしいよ。こんなにおいしいところ、教えてくれてありがとう、みなみん!」

美波「どういたしまして、未央ちゃん。私も留美さんに教えてもらっただけだから、私が感謝されるのはちょっと違うかもしれないけど……」

P「それじゃ、留美さんにも美波にも感謝ってことで」

ちひろ「ですね」

美波「……ありがとうございます♪」

未央「それじゃ、ちょっと焼きそばとかももらっちゃおっかなー」

P「お、それじゃ俺も」

ちひろ「私は海鮮焼きをいただこうかしら」

美波「私もいただきます。……ふふっ、みんながよろこんでくれたみたいで、本当に良かったです」
666 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:16:38.08 ID:BUv/Zjsp0

――店の外

未央「ふぅ……お腹いっぱいだよー」

P「無理に食べなくても俺が食べたのに」

未央「だって、おいしかったんだもん。おいしいものはいっぱい食べたくなっちゃうでしょ?」

P「まあ、そうかもしれないが……」

ちひろ「でも、おいしかったですよね。こんなお店を紹介されちゃうと……そう言えば、もう美波ちゃんはお酒も飲めるのよね。あんまり一緒には行けてないけれど……」

美波「わ、私は学生ですから。そういうのは、卒業してから、ということで……」

P「あんまり気が乗らない様子だが、何かあったのか?」

ちひろ「あー……美波ちゃん、どちらかと言うと介抱する側ですから」

P「あー……」

未央「……お酒、かぁ。私が飲めるようになるのは、二年以上先だね。今日も、私が飲めたらみんな飲んでた?」

P「んー……俺もそこまで飲む方じゃないからなぁ。美波が酔うところはちょっと見てみたくもあるが」

ちひろ「そう言えば、私も見たことないかも……美波ちゃん、誰かの前で酔うほど飲んだこと、あります?」

美波「……あまり思い出したくありません」

未央「そういうこと言われると見たくなっちゃいますなぁ。でも、酔うってどんな感じなんだろ。一回体験してみたいかも――」

美波「未央ちゃん。お酒は飲んでも飲まれるな、よ」

未央「……何があったの? みなみん」

P「まあ、飲み過ぎはダメってことだな。未央はそういうことを考える前にまず受験な」

未央「うっ。……あ、アイドルもだし」

ちひろ「もちろん、それも頑張ってもらうことにはなると思いますけど……やっぱり、大事なことですからね」

美波「そうだよ? でも、大丈夫。私がしっかり教えてあげるから!」

未央「みなみんに教えられるのがこわいんだけど……いや、ありがたいんだけどね? できれば、もうちょっとハードルを下げてもらいたいなー……って」

美波「未央ちゃん。……一緒に、挑戦しましょう?」

未央「これダメなやつだー!」
667 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:17:12.51 ID:BUv/Zjsp0

P「……受験生、か」

ちひろ「どうしました? プロデューサーさん」

P「いや……初めて会った時は高一だったのに、もう受験生なんだなって思うと、ちょっと」

ちひろ「……そうですね。なんだか、変な感じです」

P「みんな、成長してますもんね……小学生の子が中学生になったり、中学生の子が高校生になったり、高校生の子が大学生になったり、学生だった子が、卒業したり……俺も、どんどんオッサンになってるんですかね」

ちひろ「私もおばさんに?」

P「ちひろさんはまだまだみんなのお姉さん、って感じですけどね。と言うか、自分で言いますか」

ちひろ「……実は、自分で言ってちょっと傷付いています」

P「えぇ……」

ちひろ「……時間の流れって、こわいですね」

P「……ここでその台詞を言われると、なんか違う意味に聞こえるんですが」




668 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:19:22.73 ID:BUv/Zjsp0
これにて今回は終了です。
お好み焼き。おいしいですよねー。大阪のも広島のもどっちも好きです。たまにむしょうに食べたくなるのはなんなんですかね。ソースの魔力?

ここまで読んで下さってありがとうございました。
669 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/11/05(日) 23:24:33.71 ID:BUv/Zjsp0
あとSSとは関係ないですが、内容も全然関係ないですが、おめでとうございます。
……というか、せっかくだからパーティーな回にすればよかったかも? もう遅くはありますが、またやりたいところ。
そう言えば、このSSの中ではもう李衣菜は高校生じゃない……? なんか、変な感じかも……。

改めてありがとうございました。
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 23:55:57.18 ID:YgHKyG8Bo
乙です
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/01(金) 08:09:09.65 ID:UzHimr1u0
ちゃんみお誕生日おめでとう!!!!!
672 : ◆Tw7kfjMAJk [sage saga]:2017/12/01(金) 18:58:56.49 ID:+h7s1ZHc0
P「誕生日おめでとう、未央」

未央「ありがと、プロデューサー。日付が変わった時にもメッセージをくれたから、今日二回目だね」

P「だな。去年や一昨年みたいに盛大に祝う時間はとれないからその代わりに……だと、さすがに小さすぎるか」

未央「うむ、それだと未央ちゃんは満足できませんなー。受験生とは言っても休息は必要なのです。他のみんなは予定があったりして無理だけど……今日一日、プロデューサーは未央ちゃんのもの、だよね?」

P「違うが」

未央「えー。誕生日プレゼント、『プロデューサーのこと一日好きにしていい券』じゃないのー?」

P「そんなことを言った覚えはないんだが……今日は誕生日とか関係なく仕事が入ってるからな。そんな時間はない」

未央「仕事が終わってからだったらいいでしょ? 今日の仕事は……撮影、だったよね?」

P「そうだ。もうちょっとゆっくりしてから行くか? それとも……」

未央「ん、大丈夫。プロデューサーが来るまでに他の子とはちょっと話したし、撮影前の準備もあるでしょ? あんまり早く着いても迷惑かもだけど」

P「わかった。なら行くか」

未央「うん。それじゃ、お仕事頑張ろー!」
673 : ◆Tw7kfjMAJk [sage saga]:2017/12/01(金) 18:59:37.65 ID:+h7s1ZHc0

――

P「お疲れ、未央。良かったよ」

未央「えへへ。ありがと、プロデューサー。今日は未央ちゃんの新境地を見せられたんじゃないかな〜、なんて」

P「もちろん、それが狙いだったからな。とは言っても、俺も驚かされた一人ではあるんだが……」

未央「私もアイドルですからなー。プロデューサーの予想をも超えてゆく……そう、それはまるで、あの星のように……」

P「どの星だよ。あと予想と星関係なくないか?」

未央「それはまあ雰囲気ですよ雰囲気。それよりも、まだ時間、あるよね?」

P「撮影も早めに終わったからな。どこか行くか?」

未央「うん! 今日のプロデューサーは私のものだし?」

P「だからそんなこと一度も……まあ、わかったよ。それで、どこに行く? 誕生日だし、そこそこ高い店でもいいが……」

未央「えっとね。それは――」
674 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/12/01(金) 19:01:00.65 ID:+h7s1ZHc0

――店の前

P「……本当によかったのか?」

未央「うん。遠慮とかしてるわけじゃないよ? 私、今更プロデューサーに遠慮とかしないもん」

P「それはわかってる」

未央「む。そこで『わかってる』って言われるのもなんか複雑な気が……まるで私がプロデューサーに対してわがままばっかり言っているみたい」

P「言ってない気か?」

未央「……言ってるかもしれなしい、言ってないかもしれない。難しい問題ですね」

P「誰だよ。まあ、確かに未央は変なところで遠慮することもあるけどな」

未央「んっ! ……それはあんまり言ってほしくないんだけど」

P「事実だろ? これでも長い付き合いだからな。今更そんなことで恥ずかしがるなって」

未央「……プロデューサーだって、変なところですぐ落ち込むし変なところで面倒くさかったりするし、あと――」

P「ごめんなさい」

未央「ふふん、よろしい。プロデューサーが私の弱みを知っているように私もプロデューサーの弱みを知っていることを忘れないように!」

P「肝に銘じます。……って、こんなことしてないで、さっさと入るか」

未央「そだね」
675 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/12/01(金) 19:01:40.29 ID:+h7s1ZHc0

――店の中

未央「ふぅ……店の中に入るとやっぱりあったかいね」

P「ああ。でも、誕生日にラーメン屋か……」

未央「ラーメンが食べたい気分だったからねー。あと、ラーメン屋さんと言えばプロデューサーと色々と思い出もある場所だし?」

P「ここ連れてくるの初めてだけどな」

未央「ラーメン屋というジャンルの話だからいいのです。最近あんまりラーメン屋さんに連れて行ってもらってなかったし?」

P「確かに結構久しぶりか。未央と来るなら、って考えるとあんまり行ったことのない店に行こうと思うからな……」

未央「あー、やっぱり? それで、ここは何が有名なの?」

P「何が、って言うと難しいが……貝?」

未央「貝のラーメン……あんまり食べたことないかも?」

P「かもしれないな。そこまで珍しいってこともないが、そこそこ珍しいからな」

未央「やってるところはやってる、みたいな?」

P「そうだな。それくらいの表現がちょうどいい。で、注文は?」

未央「プロデューサーと一緒で!」

P「ん。それじゃ、ラーメンとチャーシュー丼だな。……いや、未央には多いか?」

未央「多いかな? でも、チャーシュー丼も気になるし……うん、一緒にする」

P「わかった。じゃ、それで頼むな」

未央「はーい」
676 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/12/01(金) 19:02:48.32 ID:+h7s1ZHc0

――

P「で、来たな」

未央「ほほー……こういうビジュアルですか。なんだか綺麗に盛り付けられてるね」

P「見た目も味に影響するもんだしな。のびたらなんだし、さっさと食べるか」

未央「うん! それじゃ、いただきまーす」

P「いただきます」

未央(でも、本当に綺麗な盛り付けだなー……薄切りのチャーシューがスープを覆うように盛り付けられていて、スープがあんまり見えない。まずはこのチャーシューにどいてもらって……お、このチャーシュー、やわらかくて、しっとりした感じ。レアチャーシュー? って言うんだっけ。これはチャーシューを食べるのも楽しみ……だけど、まずはこの、黄金に輝く透き通ったスープから!)ズズ……

未央「……ん!」

未央(貝! 貝だ! もう、本当『貝―!』って感じ! 口に含んだ瞬間に口の中が海の……えっと、とにかく、貝でいっぱいって感じ! 味は醤油系? でも、醤油の味はそこまで強くないかな。強烈な貝の味と醤油の味、旨味と香りが口いっぱいに広がって……うん、本当に、『広がる』って感じ。余韻も貝〜って感じで……ほんの少し、貝独特の『えぐみ』みたいなものも感じる。でも、どうしてかそれが全然嫌じゃなくて……どうしてなんだろう。それもなんだか『おいしい』って感じる)

未央(……スープを飲んだだけでわかる。このラーメン、めちゃくちゃおいしい。なんでおいしいラーメンってこんなにおいしいんだろう……いや、ラーメンだけじゃないだろうけど)

未央(とりあえず、次は麺を食べよう。ラーメンと言えば麺だからね。それを食べないことにはまだ勝負はわかりませんよ。なんて、料理漫画とかだったら展開が読めるフラグを言っておいて……)ズズ……

未央「……ん」

未央(うん! わかってた! これはおいしい! やっぱりラーメンは麺とスープの相性が大事だよね! しっかりとスープの味が一緒になって、でも歯ごたえは結構しっかりして主張していて……うん、すするのが気持ちいい麺、って感じ。ずるずるすするのが気持ちいい。それが貝の旨味が凝縮された極上のスープと一緒になるんだからもう最高。うーん、これはすごい……)

未央(と、スープと麺を味わったところで、一回チャーシュー丼を食べてみましょう。細かく切り刻まれたチャーシューがいっぱい乗ってて半熟玉子まで付いてるチャーシュー丼。……これもこれでおいしそう。とりあえず、いただきます)パクッ

未央「……うん」

未央(おいしいよね! うん、これはおいしい! ラーメンとはちょっとベクトルの違う味。なんだか『おいしい』っていう直球で来た……みたいな? 肉の旨味で口の中を征服してやるぜー! みたいな。ラーメン屋さんのこういうちっちゃな丼ってなんだかすごくおいしかったりするのはなんでだろうなー)

未央(さてさて、またスープを飲みまして、っと……あー、やっぱりおいしい。麺もすすって、それから具に手を付けていきましょう)

未央(チャーシューとメンマと煮玉子と……チャーシュー丼とラーメンで玉子がかぶってしまったなー。いや、チャーシューもかぶってるんだけど、ラーメンの方はレアチャーシューだし? ちょっと違うってことで)

未央(とりあえず、メンマからー……んー……強烈な何かがあるってわけじゃないけど、落ち着く感じ……コリコリしてて、味もおいしくて……良い感じ……)

未央(それじゃ、次は……この大ぶりのチャーシューをいただきましょうか! 麺と一緒に食べるかどうかは迷うけど……まずは、これ単品で!)パクッ

未央「……んー」

未央(おーいーしーいー……厚みはそんなだけど、結構大ぶりだったから、一気に頬張るとぼりゅーみー……口の中がお肉でいっぱい。しっとり上品で口の中に旨味が広がる感じ……おーいーしーいー……)

未央(はぁー……なんだか気が抜けてしまった……ここは煮玉子パイセンに口の中をキリッとさせてもらいましょう。煮玉子パイセン、カモン!)パクッ

未央「んー……!」

未央(やっぱり煮玉子パイセンは偉大ッスー! とろとろ半熟濃厚煮玉子ー! やっぱりおいしい! そのままスープ! うん! おいしい! 麺! おいしい! しーあーわーせー!)
677 : ◆Tw7kfjMAJk [saga]:2017/12/01(金) 19:04:15.51 ID:+h7s1ZHc0

――

未央「ふぅ……結局スープぜんぶ飲み干しちゃった……」

P「ここのうまいからなー。俺もあんまり飲み干す方じゃないが、ここのは飲み干す。濃すぎることはないし、うますぎるから」

未央「ハッ! まさか、多すぎるんじゃないか、って言うのはこういうこと……?」

P「バレたか……いや、未央も飲み干しとは思ってなかったけどな」

未央「おいしかったからねー。アイドルもラーメンの汁を飲み干すことはあるのですよ」

P「あるか? ……いや、ありそうだな」

未央「あるある。まあ、さすがにちょっと気をつけないと、だけどね」

P「アイドルだもんな」

未央「プロデューサーもだよ? 大人なんだし、私よりも危ないかもよ〜?」

P「……善処します」

未央「それしないやつ。もう、健康診断とかはどうなの?」

P「今のところは大丈夫……の、はずだ」

未央「ハズじゃ安心できませんなー。プロデューサーの身体も大事なんだし、ちゃんと気を付けてよ?」

P「……まあ、うん。少なくとも病気にはならないようには気をつけたいと思います」

未央「よろしい。それじゃ……帰る前に、ちょっと、いい?」

P「ん? 構わないが……なんだ?」

未央「えへへ。ちょっとね。プロデューサーと、行きたい場所があって」

P「行きたい場所……?」

未央「あ、さすがの私でも一八歳になったからそういうところにー、とかじゃないよ? そこは心配しなくてもいいから」

P「最初からしてない。高校生だしアイドルだしな」

未央「でも私の友達に」

P「それは話すな! 女子高生への幻想が壊れる!」

未央「幻想ってわかってるんだ……」

P「夢でしかないとわかっていても夢を見ていたいものなんだよ。アイドルと同じで、な」

未央「アイドルと一緒にされたくないんだけど!?」

P「……そうだな。俺としたことが、取り乱してしまった」

未央「そんなに……? まあ、それはそれとして、連れて行ってくれる? プロデューサー。私が行きたい場所に」

P「……ああ。連れて行くよ。未央が言うならどこにでも、な」

未央「……そういうところでも?」

P「だからそういうことは言うな」
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