文才ないけど小説かく 7

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288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/10(土) 16:37:45.96 ID:PbabV7mPO
ローマ
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2016/09/10(土) 16:40:27.63 ID:IYp52cP30
海外旅行中にテロに巻き込まれる
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/10(土) 18:16:45.16 ID:ZFVsnwuM0
>>283
わけわかんなくってワロタ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 19:10:30.86 ID:74pv6C7xo
お題ください
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 19:13:59.09 ID:Sb3VE6+Bo
パチンコ(ギャンブルじゃない方)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 19:32:25.71 ID:74pv6C7xo
ありがとうございます
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/19(月) 10:55:57.34 ID:nhdnYwj60
BNSKむちゃくちゃ。
3カ月連続の上、このくそ忙しい9月まで。
付き合いきれん。
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 13:34:20.96 ID:RvgugXnzo
忙しいなら参加しなければいいだけだよ〜
自分で考えて行動しよう!
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 18:18:36.65 ID:+wig7e5D0
>>294
過疎で意見を募るのも難しいですし、落としどころとしては前回優勝者に開催月を決めていただくのが妥当かなと判断しました
無茶苦茶やっていると思われてしまったのでしたら、申し訳ございませんでした
いずれにしろ品評会を開く開かぬも日程などに関しても音頭をとる人間が判断して決めないといけないので、
どうしても勝手やっていると思われる方が出てきてしますのはしょうがないと思います
それでも気に入らないというのでしたら主催のほうを変わっていただくということでも私はかまいませんが
日程などもご自身で決められますし、品評会に出品したいけど都合が悪すぎるというのでしたらアナタにとっても悪い話ではないと思いますが
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 18:23:50.73 ID:+wig7e5D0
あ、一応
9月品評会の投稿期間はじまってますー
締め切りは25日、日曜の24:00までですー
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/19(月) 19:23:15.96 ID:eStDcVNqO
>>294 このレスの自分が出てやってる感
つーか、意見募ってたんだからそん時に言えや
後で気に入らねえからってガタガタ抜かすなクズ
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 10:36:41.99 ID:IRlxP7dh0
なんかガラ悪くなったね
ゴタついてるの?
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 01:39:33.35 ID:BCDob0jno
どこも繁忙期だからね
イライラするんだよ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 02:51:19.23 ID:Wl1rWx+VO
誰も投稿しないの?
一人だけ投稿は恥ずかしい
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/24(土) 15:23:54.70 ID:TJhirXIlo
>>300
農繁期って読んで納得しかけたww
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/25(日) 09:59:25.83 ID:DCeg5UYL0
アイデアはあるんだけど時間がこれっぽちもないから無理かなあ
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 00:49:17.25 ID:YlF6CL640
【BNSK】2016年9月品評会
投票期間 9/26(月)0時-10/3(月)0時

No1 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/125/1/

No2 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
http://text-poi.net/vote/125/2/

No3 タマフミ(都宮 京奈)
http://text-poi.net/vote/125/3/

No4 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
http://text-poi.net/vote/125/4/

No5 冴えない一日(古川遥人)
http://text-poi.net/vote/125/5/

全5作品です!
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 00:50:32.43 ID:YlF6CL640

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。

投票は、本スレッドかてきすとぽいのいずれかのみでお願いします。

・本スレッドで投票する場合

 以下のテンプレートに記載し、投票してください。

 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
                ―感想―
       <<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
                ―感想―
 気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
 ********************************************************

・てきすとぽいの場合

 「この作品が最も良いと思った」と思われる作品にのみ5の評価を、
 「投票には至らないけど、気になったor良かった」と思われる作品にのみ4の評価を行ってください。

投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません。

たくさんの方の投票をお待ちしています。

忘れていた・・・
時間外でもいいんだよー
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 00:25:05.73 ID:cQxYBjj9o
No1 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/125/1
 テーマ「道化」を真摯に書いた小説だと感じました。
先生が連れて行ってくれた店のひとつ、高尚なお店を「道化」とすると、屋台が「道化」の反対の場所。
 ……かに思えたが、やはりチェリオ(曲芸集団)に熱狂する「道化」のひとつ。
 先生を称賛している作中内において、「道化」を悪いものととらえるのであれば、その反対は「正義」なのだという話でしょうか。
 しかし、最後には、
>皆道化師なのだから何に気を使う事があるものかと叱咤して頂いたのかも知れません。
と感じています。
 主人公は「道化」にならざるを得ず、そう自分をとらえて生きてくのでしょう。
 だとすれば、先生が頑として譲らなかった「正義」の落としどころはどこへ行ったのでしょう。
 先生から「人類皆道化」を学び、それならば、「なぜその大事な場面で道化を演じなかった?」と主人公は思わなかったのでしょうか。
 それぐらいは主人公は先生のもとに訪れて一言いってやっても良いかもしれません。


No2 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
http://text-poi.net/vote/125/2/
 モキュメンタリーのドキュメンタリーとなかなか手の込んでいる構成です。
読み進めていくにつれて事態が悪化していくのが、モキュメンタリーらしさを醸し出しています。
 ホラーモキュメンタリーにおいて、撮る側が一番生存確率が高いのも、ジャンルならではといえます(テープが切れてしまいますものね)。
 そうすると、
>ルチアーノがカメラを持ち撮影班を撮影するというものだ。
という文から、ルチアーノが最終的には生き残るという物語だといえます。
 しかし、最終場面ではルチアーノを殺害するという内容が書かれます。
 日付を見てみると、2016 1(最後から二場面目)と2016(最終場面)と書かれています。
 これではどちらが先でどちらが後かはわかりません。そのことによってオチをぼかしています。
 モキュメンタリーはオチがボカされるのもよくあること。
 「モキュメンタリー」らしさをとても高いレベルで表現していると感じました。


No3 タマフミ(都宮 京奈)
http://text-poi.net/vote/125/3/
 自作。テーマは「モキュメンタリー」。
 誤字がたくさんあります。
「一行目>▽占い師女子高生ERI→▽占い女子中学生ERI
 八行目>私の鼻孔をくすぐる→揚羽の鼻孔をくすぐる
 下から六行目>気味割るなって→気味悪くなって」
 誤字がこれだけあり、文章もすんなりと読めない部分があることなどを読んでくださった方々にお詫び申し上げます。
 駆け込み投稿で推敲する時間が取れなかったので誤字満載になってしまいました。申し訳ありません。

 書きたいことは書けましたが、そう(プロット通りに)すると余計わからないものになったのが面白かったです。小説って難しいですね。
 読んでくださった方ありがとうございました。


No4 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
http://text-poi.net/vote/125/4/
 サバのドキュメンタリー作品。
 ニシンの例もありますし、「美味だから誇り」とは短絡的なのでは。
 とはいえ、楽しく読ませてもらいました。


No5 冴えない一日(古川遥人)
http://text-poi.net/vote/125/5/
 モキュメンタリーというよりドキュメンタリー。
 登場する主人公が架空の人物(作者)と考えれば、モキュメンタリーになりえるのでしょうか。
 風俗に行って小説の着想を得て、素晴らしい作品を書くことができた。
 私小説好きな小説家が描いた小説が宗教問題、移民問題を絡めたとってもドラマチックな短編、いわゆるノンフィクション作品だったっていうのが好きです。
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/01(土) 00:26:45.57 ID:cQxYBjj9o
 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】:No2 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
      http://text-poi.net/vote/125/2/
                ―感想―
      「モキュメンタリー」という映像作品のジャンルを
      文章で上手に表現していました。
      また、「モキュメンタリー」という作品を
      知っている人ならではのオチが楽しめました。

 気になった作品:No1 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
      http://text-poi.net/vote/125/1
                ―感想―
       作品に時代感を持たせようとする意気込みと、
       テーマについて書こうとする真摯な姿勢がすばらしかったです。
 ********************************************************

 ――総評――
 今回はお題がとてもむずかしい。「道化」が書きやすそうだと思いましたが、それはオチが透けて見える(誰が道化なのかを探して読んでしまう)。「モキュメンタリー」はもともと映像手法のことなので文章で表現するのには限界がある。

 No.2はその難しさを巧みに表そうとしていました。なので投票。
 そして、No.3は「道化」を見事、作者自身でテーマを吟味して書き上げた。とても勉強になりました。ですから関心。

 No.5はモキュメンタリーをドキュメンタリーとして書き始めた様子がうかがえました。
 読み物としてはとても面白かったです。お題至上主義ではありませんが、お題がなければ魅力がないのも事実。
 話の流れよりも、途中のコメディがかなり好きでそればかり印象に残ってしまうのが残念。
 作品を包括して語りずらいものになってしまっています。作品としての一貫したテーマが見えませんでした。

 きっとbnskもてきすとぽいもこういうのを求めているのだなぁと感じるのはNo.4。
 パンチのある設定に、短い文章でとても読みやすい。作品全体の概要がすぐわかる。素晴らしい作品だと思います。
 投票に至らなかったのは、作品の完成度を見てみた場合少し低いと感じたからです。
 サバがどんな姿なのか、どんな様子で語っているのか、どんな匂いなのか、どんなしゃべり口調なのか、といった随所に気になる部分が書ける気がします。
 それによって、サバが本来どう思っているのか、どうしてほしいのか、そして人類と魚の共存は今後どうなっていくのかまで幅を持って読者に想像させることができます。インタビューを受けるまで、大変な目にあった、というエピソードを付け加えても後半の「でも、それはある意味誇りであって、私たちが生きていられる根底なんです」に重みを付けられますね。
 ここまで書く必要はないのかもしれません。ですが、これらがなかったので、「よくあるSFチックな短編か」と思い、流し読んでしまいました。

 総評としては、どれも素晴らしい作品だったと感じます。どの作品も3回は読めるほど読み応え抜群でした。5作といえども、随分多い作品量だと感じます。
 企画してくださった方、作品を投稿してくださった方々、そして感想・投票をしてくださった方お疲れさまでした。次回も楽しみにしています。
308 :感想 [sage]:2016/10/02(日) 23:34:48.23 ID:4cPBmF3M0
No1 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/125/1
文章といい時代背景といい内容といい、教科書に載っているようなお話だったなという感想
ふと立ち止まって周りや自分を振り返ったとき、馬鹿馬鹿しいくだらない道化だなあって改めて感じることはいつの時代でもありますよね
そうして特に自分が(主人公が)道化だったと、思い知らされたり打ちのめされたりする話はありがちな気もしますし、自分もよく書いてしまいがちな気もします
この作品に関しては無理のない程度に丁寧にまとめていると思いましたが、先生との食事2回にそのとき目にした人間模様、そして先生の辞職と全体的に薄いというか
強く印象に残ることが起きず、すこし退屈だったかなあと。田舎から都会に上京してきて、周りに圧倒されている小心者という主人公像もあいまって

No2 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
http://text-poi.net/vote/125/2/
>>ルチアーノの人格が撮影者にも侵食していくとか、
結局こういうことなのかな?ちょっとよくわかんない

No3 タマフミ(都宮 京奈)
http://text-poi.net/vote/125/3/
ホラーっぽいよくわからない終わり方だったけど・・・・最後の男?だったり男の子になったりとかそれを示唆する伏線とかはない感じだったですよね?
うん、やっぱりよくわかんねえって感じだった

No4 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
http://text-poi.net/vote/125/4/
わかりやすくておもしろかったです、ただ短い!
もうちょっと鯖にくだらないこと喋らせてもよかったんじゃないですかね?

No5 冴えない一日(古川遥人)
http://text-poi.net/vote/125/5/
作家、古川遥人のモキュメタンリー
こういうのでよかったのかーww そのくだらなさと主人公の矮小さに笑いながら読めました
風俗行ってなんかいい感じの小説書けたよという最後はなんとも安っぽい終わりかただなって思ったけど
モキュメンタリーっぽさってこういうところなんじゃないかなとも思えたり

309 :集計 [sage]:2016/10/03(月) 00:23:24.90 ID:Sj4vNSmY0
■本スレ
投 関
  1  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
1    No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
    No.03 タマフミ(都宮 京奈)
    No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
No.05 冴えない一日(古川遥人)

■てきすとぽい
投 関
2  2  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
4 1  No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
  1  No.03 タマフミ(都宮 京奈)
1  4  No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
1 2 No.05 冴えない一日(古川遥人)

■合計
投 関
2  3  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
5 1  No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
  1  No.03 タマフミ(都宮 京奈)
1  4  No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
1 2 No.05 冴えない一日(古川遥人)

集計けっかあああああ!
【BNSK】2016年9月品評会優勝は No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋氏)です!優勝おめでとうございます!!
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/03(月) 00:24:00.85 ID:Sj4vNSmY0
ずれまくりとかマジ勘弁して・・・
311 :どうだ? [sage]:2016/10/03(月) 00:25:35.56 ID:Sj4vNSmY0
■本スレ
投 関
  1  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
1     No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
    No.03 タマフミ(都宮 京奈)
    No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
No.05 冴えない一日(古川遥人)

■てきすとぽい
投 関
2  2  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
4 1 No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
  1  No.03 タマフミ(都宮 京奈)
1  4  No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
1 2 No.05 冴えない一日(古川遥人)

■合計
投 関
2  3  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
5 1 No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
  1  No.03 タマフミ(都宮 京奈)
1  4  No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
1 2 No.05 冴えない一日(古川遥人)

集計けっかあああああ!
【BNSK】2016年9月品評会優勝は No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋氏)です!優勝おめでとうございます!!
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/03(月) 00:40:02.01 ID:Sj4vNSmY0
■本スレ
投 関
   1  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
1     No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
      No.03 タマフミ(都宮 京奈)
      No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
      No.05 冴えない一日(古川遥人)

■てきすとぽい
投 関
2  2  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
4  2  No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
   1  No.03 タマフミ(都宮 京奈)
1  4  No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
1  2  No.05 冴えない一日(古川遥人)

■合計
投 関
2  3  No.01 英雄(ヒーロー)のいない曲馬団(白取よしひと)
5  2  No.02 ルチアーノ・カヴァルカンディ(茶屋)
   1  No.03 タマフミ(都宮 京奈)
1  4  No.04 鯖道〜mackerel’s load〜 (スイカ(チコ))
1  2  No.05 冴えない一日(古川遥人)



です!!!
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/03(月) 00:49:39.82 ID:Sj4vNSmY0
すいません何度も・・・

次回品評会は11月となり今年最後の開催となります
お題発表のほうはできるだけ早めにスレにて発表はしたいと思いますが
日程のほうにつきましては開催期間もあきますので、できれば中ごろがいい等の要望がございましたらできるだけ反映したいと思います
また今年開催いたしました品評会では投稿期間1週間、投票期間1週間という日程を取っていましたが
こちらのほうも見直してくれ、という要望がございましたらできる限り応えたいと思います

よろしければ意見のほうお聞かせください
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/03(月) 18:56:36.23 ID:w0w5Ggtd0
投稿期間は告知から間取ってるからいいと思うけど
感想少ない感じもするし、投票期間2週でもいいかなあとは思うけど・・・隔月だし日程的にも問題はないよね?
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/07(金) 21:15:02.45 ID:/KI81EzW0
11月品評会のお題発表ありましたー!

「冒頭が電車に乗っている場面から始まるストーリー」
文字数制限なし

今年締めくくりに相応しい自由度の高いお題ですね
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/08(土) 13:52:32.69 ID:j6rvqzR+0
冒頭ってことは回想から始めてもいいのかな
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/12(水) 22:33:09.37 ID:IS7WG6n+0
いいんじゃないかな
回想でも電車に乗ってる場面からはじまれば

それにしても意見が全然ないねえ
11月の中頃、投稿期間にしようかなあと思いますね

>>314
こちらの投票期間についてはどうしましょうか
投票期間延ばしても感想や投票が増えるかっていったら微妙そうなところではありますが・・・
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/19(水) 22:54:58.66 ID:hPwfmmvOO
一応の保守
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/22(土) 18:05:51.15 ID:3I1SEggG0
【BNSK】2016年11月品評会

お題『冒頭が電車に乗っている場面から始まるストーリー』
※文字数等の制限はなし

投稿期間:2016/11/01(火)00:00〜2016/11/20(日) 24:00
投票期間:2016/11/21(月)00:00〜2016/11/30(水)24:00

てきすとぽい開催ページ:http://text-poi.net/vote/128/

開催ページ作成しました!
今年度ラストの品評会ですので投稿投票ともに少し期間をあけてあります!
ラスト盛り上がるといいですね!
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 10:30:03.16 ID:hpBsHWO00
楽しみ
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 09:53:17.86 ID:DP9LVpKY0
投稿期間無視でも投稿できるのか
もうなんでもアリだな
いっそ〆切もなしにすりゃいいだろ
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 16:46:33.58 ID:/WZ1hs0l0
【BNSK】2016年11月品評会
投稿期間となりました!
〆切は11/20(日) 24:00までです!
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/02(水) 18:09:18.87 ID:NX0D/iPk0
正直〆切の意味を感じないのはある
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 00:08:30.25 ID:hwdy7Z35o
それとは関係ないけどお題募集
お休み
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 02:53:33.47 ID:Z9PpWpGxO
>>324
サツガイ
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/21(月) 18:16:38.55 ID:TFxIq/26O
品評会中だがお題ちょうだい
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/22(火) 18:28:55.25 ID:OH7zx6760
>>326
ライラック
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 22:30:19.51 ID:1FeQ0uHU0
お題ください
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 14:54:30.09 ID:MYMbiHPp0
>>328
週末
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 15:00:13.81 ID:MYMbiHPp0
【BNSK】2016年11月品評会

ただいま投票期間中です!

投票期間:2016/11/21(月)00:00〜2016/11/30(水)24:00


No.1 花魁扇花−白煙千鳥の如く(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/128/1/

No.2 大都会デビュー( ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.)
http://text-poi.net/vote/128/2/

No.3 とお く のものがたり(茶屋)
http://text-poi.net/vote/128/3/

No.4 夏の残像(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/128/4/

No.5 金色の波を渡る(大沢愛)
http://text-poi.net/vote/128/5/

No.6 たそがれの うみ。(有理数)
http://text-poi.net/vote/128/6/

全6作品です!
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 15:00:34.67 ID:MYMbiHPp0
感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
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 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
                ―感想―
       <<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
                ―感想―
 気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
 ********************************************************

・てきすとぽいの場合

 「この作品が最も良いと思った」と思われる作品にのみ5の評価を、
 「投票には至らないけど、気になったor良かった」と思われる作品にのみ4の評価を行ってください。

投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません。

たくさんの方の投票をお待ちしています。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 20:08:48.63 ID:g9feaQXE0
No.1 花魁扇花−白煙千鳥の如く(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/128/1/
台詞や地の文のあちこちに現代が透けて見えるのが興ざめ。落語の廓話的な語りが全体を重ったるくして、印象が散漫。


No.2 大都会デビュー( ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.)
http://text-poi.net/vote/128/2/
スイカとSuicaについてはアニメ「くまみこ」に出てきた。ただこの軽妙な展開は心地良い。もうひとアイデアあれば。。。

No.3 とお く のものがたり(茶屋)
http://text-poi.net/vote/128/3/
ヤナギダイベントに引っ掛かっているうちに銀河鉄道が出て終わり。これをパロディと見るか無理やりの展開と見るか。

No.4 夏の残像(白取よしひと)
http://text-poi.net/vote/128/4/
雰囲気はある。ただ、この章分けを取っ払って通読すれば、意外にも貧相な世界しか浮かばない。喚起力がいまひとつ。

No.5 金色の波を渡る(大沢愛)
http://text-poi.net/vote/128/5/
暑苦しい。いたたまれない状況に稲をなぎ倒して迫るパトカー。リアルなのか非現実なのか。読み終わって汗をかいていた。

No.6 たそがれの うみ。(有理数)
http://text-poi.net/vote/128/6/
感情移入できるかできないかで真っ二つに割れる。世界があまり広がらないので下手すると悲傷の押しつけになってしまう。



 ***********************【投票用紙】***********************
 【投票】: <<No.5 金色の波を渡る>>◆大沢愛氏
                

 気になった作品:<<No.4 夏の残像>>◆白取よしひと氏
 ********************************************************
333 :集計結果 [sage]:2016/12/07(水) 12:15:15.44 ID:hUTFRGrR0
■本スレ
投 関
      No.01 花魁扇花−白煙千鳥の如く(白取よしひと)
      No.02 大都会デビュー( ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.)
      No.03 とお く のものがたり(茶屋)
   1  No.04 夏の残像(白取よしひと)
1      No.05 金色の波を渡る(大沢愛)
      No.06 たそがれの うみ。(有理数)

■てきすとぽい
投 関
1  2    No.01 花魁扇花−白煙千鳥の如く(白取よしひと)
   2   No.02 大都会デビュー( ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.)
2  2   No.03 とお く のものがたり(茶屋)
       No.04 夏の残像(白取よしひと)
1   1    No.05 金色の波を渡る(大沢愛)
1      No.06 たそがれの うみ。(有理数)





■合計
投 関
1  2    No.01 花魁扇花−白煙千鳥の如く(白取よしひと)
   2   No.02 大都会デビュー( ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.)
2  2   No.03 とお く のものがたり(茶屋)
   1    No.04 夏の残像(白取よしひと)
2   1    No.05 金色の波を渡る(大沢愛)
1      No.06 たそがれの うみ。(有理数)
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 12:17:04.26 ID:hUTFRGrR0
優勝はNo.03 とお く のものがたり(茶屋)です!!
おめでとうございます!!
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/07(水) 22:31:52.31 ID:87IyrB1do
おめっと
お題下さい
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/08(木) 19:34:24.24 ID:JYSXz6OQ0
>>335
パン屋
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 11:19:31.23 ID:QWGd6zIJ0
なんかもうぐだぐだたったなBNSK。
こっちからの投票が1人だけってのが何とも言えん。
あと発表が投票締め切りの7日後って。
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/09(金) 19:35:48.76 ID:M6WM/Dcq0
ごめんねー
なかなか時間とれなくて、投稿作品に感想かくのも発表遅れてしまいました
一月の予定もどうなるか今のところまだわからないので、一旦私のほうでの開催は見送らせてもらうね
代わりに開催してくれる人いましたらそちらに任せますし、私のほうで余裕ができそうならまた開催するかもしれません
まーでもこっちに人いるのかもわからんし、あえてBNSKで開催するのも意味がないのかもしれませんが・・・
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/19(月) 00:30:46.93 ID:5DG2FiLwo
久しぶりにやってきましたが懐かしいですね
お題ください、今でも感想もらえるんでしょうか
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/19(月) 02:28:55.59 ID:6vlqfdNWO
吉兆
341 :アルバム(お題:吉兆) [sage]:2016/12/23(金) 00:20:53.03 ID:z8i+ik/So
投下しまーす。
342 :アルバム(お題:吉兆) [sage]:2016/12/23(金) 00:21:42.94 ID:z8i+ik/So
「私は昔、優也に殺されかけたことがあるわ」
 そう姉に言われた。僕はちょっとした冗談的な意味合いだと思ったが、姉は本当に殺されかけたのだと言った。
 僕は大学進学に向けての一人暮らしのために、実家の部屋を片付けていた。僕と姉のアルバムが出てきて、興味は移ろい、掃除はたやすく中断された。文庫本サイズの冊子が三冊。市販のインスタントカメラで撮った時代のもので、僕たちが小学生低学年くらいまでの写真が収められてあった。
 澄香姉ちゃんにも見せようかな、とも思ったけれど、姉は昨日の夜から高熱を出していてダウンしていた。お昼時で、なにか作って部屋に持っていこうか、とさっき姉に声をかけたのだけれど、「大丈夫だから」とひとりでリビングに行った。
 少しは良くなったのかな、と思いつつアルバムを持ってリビングに行くと、姉はご飯を食べながらテレビを見ていた。自分で作ったおかゆを食べる動作は、やはりどこかけだるげに見える。
「澄香姉ちゃん、ほんとに大丈夫?」
「うん」
 姉はあやふやにつぶやく。長い髪をまとめ上げて普段より露出している頬が赤らんでいる。大丈夫そうにはあまり見えない。
 僕は姉の向いに座って、アルバムを差し出した。
「昔のアルバムが出てきたよ。僕と澄香姉ちゃんの」
「へえ……」
 姉はスプーンを持った手を止めて、アルバムをぱらぱらとめくりだす。
「懐かしいわね。幼稚園、小学校くらいのとき? もう十年以上も昔なのね。早いというか、なんというか」
「写真の中の澄香姉ちゃんの年齢を追い越した今でも、いつまでも姉は姉なんだなって不思議に思うよ」
「どういう意味?」
「小学生の澄香姉ちゃんを一七歳の僕が見ても、年はとっくに追い越したのに姉って感じる。いつまでも永遠に追いつけない存在だなって」
「ああ、まあ確かに、中学校の時の先輩とかも、実年齢はとっくに追い越してるのに、記憶の中でいつまでも先輩でありつづけるものね」
 しばらく姉はぼんやりした目つきでページをめくっていた。そして姉は言った。
「アルバムなんて持ってくるから、昔話になっちゃうけれど……私は昔、優也に殺されかけたことがあるわ」
「それ、なんのこと?」
343 :アルバム(お題:吉兆) [sage]:2016/12/23(金) 00:23:47.26 ID:z8i+ik/So
「たしかヨーグルトを優也の分を食べてしまって、それで優也がぐずったのよ……そういえば冷蔵庫にヨーグルトあったよね、見てくれない?」
 冷蔵庫を開けた。三つ入りパックのアロエヨーグルトが卵置き場にあったので、僕はその一つを姉に渡した。姉は残りのおかゆをちびちび食べている。
「殺されかけた、って、僕なにかしたっけ。全然覚えてない」
「小学生の時だったかしら。確かその時も私、風邪引いていたんだと思う。私、風邪引いたらヨーグルト食べたくなるのかな、昔から。で、最後の一個を食べちゃって、僕も食べたかったって優也はだだこねて。風邪でしんどかったから面倒くさくって相手にもしなかったわ。そしたら、優也、私が部屋で寝てるときに首を締めにきたのよ」
 殺されかけた、という言葉が首を締める、という行為に結びついて、空恐ろしくなった。
「え、うそ。まじで僕そんなことしたの?」
「刃物持ってこられるよりましね、と思ったわ」
「いやいや、そういう問題じゃなくって……で、なに、喧嘩でもしたの?」
「ううん、静かなものだったわ。私の上にまたがってスッと首に手をかけられて、ああ、首締められるんだな、って私は呑気に思ってた覚えがある。けれど力は入れられなくって、そのまましばらくして、黙って優也出てった」
 姉はおかゆを食べ終えて、そのままスプーンでアロエヨーグルトを口にした。
「夢でも見てたんじゃないの? 熱でうなされた悪夢とか」
「さあね……そう言われればそうかもしれない。でも悪夢だろうとなんだろうと、もとよりもうずっと昔のあやふやな記憶よ。変わりはしないわ」
「僕は僕がそんな怖いことやったとは信じたくないし、そんなことをする人間だと澄香姉ちゃんには思われたくはないよ」
「そう言われてもね……私も記憶の中で、優也は首を締める優也で永遠の存在になっちゃってるから、いまさら言われても変えられないわ」
 冤罪だ、と主張しても無駄なようだった。なんともいやな記憶を呼び覚まさせてしまって、アルバムなんて安易に見せるもんじゃないな、と僕は思う。
「ま、どうであれ、優也はそれだけの存在じゃないから安心しなさい。ちゃんと可愛い面も嫌な面も私は知っているんだから……。幸い、今ならヨーグルトはまだ残っているわよ」
「じゃあ今食べてるの、一口ちょうだい」
「風邪、移すでしょう。冷蔵庫にまだあるでしょって言ってるの」
「平気だよ。僕はちょっとだけでいいんだ」
 僕は姉のヨーグルトを一口食べる。こんなことで昔は泣いていたんだな、と思うと味わい深いような気がする。
 再びアルバムをめくっていた姉が「あれ」と呟いた。
344 :アルバム(お題:吉兆) [sage]:2016/12/23(金) 00:24:30.34 ID:z8i+ik/So
 アルバムに、四葉のクローバーが挟まっている。
「澄香姉ちゃんが入れたの?」
「いいえ、知らない」
「僕も記憶にないな。お母さんとかが挟んだのかな」
「干からびていても、縁起物は縁起物ね。大学進学の門出じゃない? どうする、このアルバム。持ってく?」
「いいよ。家に置いとく。澄香姉ちゃんの風邪が早く治りますように、って願うよ」
「流れ星じゃないんだから。四つ葉のクローバーは、また違うんじゃない? 流れ星ってもっと即物的なものって気がする」
「じゃ、澄香姉ちゃんの健康祈願ってことで。養生してください」
 僕はヨーグルトを姉に返す。
 僕がこの家で姉の首を締めた、なんてまやかしだってことを今更祈ってもしょうがないけれど、そんな縁起の悪い記憶は四つ葉のクローバーと一緒に相殺しとけばいい。
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/23(金) 00:25:00.08 ID:z8i+ik/So
以上です。感想いただけたら嬉しいです。
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 18:59:21.32 ID:D/Z65Bc7o
>>342
読みました。
うまく言えないけどなんだかもやもやした気分になりました…
きょうだいの間にある殺人未遂の過去というマテリアルが重く、口に入れたものをかんでもかんでも飲み込めないような読後感を抱きました
ふわっとした感想で申し訳ない
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 19:04:47.62 ID:D/Z65Bc7o
お題くーださい
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/25(日) 19:25:05.34 ID:mVVKnUMUo
クレヨン
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 14:54:03.75 ID:xT03QXqQO
>>346
感想ありがとうー
350 :家族の距離(お題:クレヨン)0/5 [sage]:2016/12/28(水) 12:07:41.51 ID:K2s4O66Qo
投下しまーす
連投規制とかないと思うけど…
351 :家族の距離(お題:クレヨン)1/5 [sage]:2016/12/28(水) 12:08:30.91 ID:K2s4O66Qo
 僕は6つ年下の妹が大嫌いだ。今年6歳になるにすぎないが、彼女にはあるひどい癖があっ
て、そのことに僕以外は誰も気づいていない。だから僕ばかりがその被害者になる。ついでに言
えば、その醜い意地汚い妹の癖に気づかない僕の両親のことも、やっぱり僕は嫌いだ。
 ある夏の夜に妹がぐずついた。「あたしのアイスがない!」
 地団駄を踏んだり大きな声で泣いたりしたので、母親が心配げに「どうしたの」「なにがあっ
たの」と妹のそばに寄った。
 母と妹はキッチンにいて、僕はリビングでテレビを見ていた。父は会社にいる時間なので、家
にいるのは三人だけだった。
 僕はなんとなく嫌な予感がしていたが、何事もなく過ぎ去るのを祈ってテレビに見入っている
ふりをした。しかし予想通り「ちょっとお兄ちゃんこっち来なさい!」と母が金きり声で呼んだ
ので、祈りはそこで尽きた。
「なに、どうしたの?」
 キッチンでは目を赤くした妹と彼女に寄り添う母が僕を待っていた。考えうる限り最低のシチ
ュエーションだった。
「どうしてあんたはそうなの? 妹にひどいことばっかりして……」
「僕が何かした?」
「サキのアイス食べちゃったでしょ、ねえ?」
 母は妹に訊く。妹はこくんと頷く。
「知らないよ。確かにアイスは食べたけど、サキのものかどうかなんかわからないじゃん」
「自分のことばっかり考えて、あんたそんなんじゃ人に嫌われるよ。社会で生きていけない大人
になるよ。思いやりってものがないの?」
 僕はアイスが誰のだとかなんとかいう小事件から、まさか人に嫌われるとまで非難されるとは
思わなかったので、ひどく頭にきた。
352 :家族の距離(お題:クレヨン)2/5 [sage]:2016/12/28(水) 12:08:59.76 ID:K2s4O66Qo
 実のところ、僕は妹がどうして突然ヒステリックに「自分のアイスを食べられた」と騒ぎ出し
たのか知っている。彼女はしばしば、突然思いついたように出来事をでっちあげて、自分を被害
者にするのだ。そうして周囲の反応を見る。今回は「自分がとっておいたアイスを兄に食べられ
た」というストーリーを作り上げて、母が自分をどんなに味方してくれるかを試したのにちがい
ない。実際僕はファミリーパックのアイスの最後の一つを食べたにすぎないし、妹がそれに名前
を書いたりして自分のものだと主張したわけでもない。
 おそらく最初は、「アイスを食べようと思ったが、予想に反してそれはもうなくなっていた」
というだけだった不満の感情が「兄に食べられた」という物語にすり替えられたのだ。
 なぜこれほど妹の心理が分かるかといえば、妹は常々こんなことを繰り返しているからだ。
「サキのアイスだとは思わなかったんだよ。気づかなかった」
 僕は爆発しそうな怒りの感情を飲み込んで、力なくそう言うしかなかった。それでも母は追い
討ちのようにすかさず言った。
「ごめんなさいは?」
 もう一度煮えくり上がってきた感情を飲み込めもせず、ひたすらな気持ちになって僕は「ごめ
んなさい」と妹に頭を下げた。
 妹は何も言わず、ぼうっとした無表情で僕と母のやりとりを眺めているだけだった。
 自室に帰って僕は布団に潜り込んで少し泣いた。僕の頭はとてもクリアで、論理的で、この事
件において何が起きているのかすべて理解しているつもりだ。けれども、ああして母に理不尽な
言葉をぶつけられると、頭とは別の部分が大きくぐらついて、気がつくと目頭が熱くなってしま
うのだった。
 なぜ母は妹の悪癖に気がつかないのだろう。僕は怒りを伴って疑問を抱いた。つまるところ、
母は僕たち子供のことをちっとも見ていないのだという気がする。彼女の目には「兄」「妹」と
いう関係だけが見えていて、本当のところは何も見ていない。妹は憎たらしくてたまらないし、
母親には怒りを覚える。毎日がその繰り返しだ。
353 :家族の距離(お題:クレヨン)3/5 [sage]:2016/12/28(水) 12:09:26.21 ID:K2s4O66Qo
 その事件からしばらくして、夏休みに家族でプールに泳ぎに行った。とても大きい施設で、流
れるプールとかウォータースライダーとかいったものが一通り揃っているところだ。
 施設の中はひどくごった返していた。空には雲ひとつなくて、太陽光が鋭くさすように肌を焼
いているような気がした。人いきれと蒸発したプールの熱気で僕は到着した時から気分が悪かっ
た。
 僕は小学校の水着を履いて、妹はピンク色の水着にピンク色の浮き輪を肌身離さず持ってい
た。父と母は売店で食べ物と飲み物を買って、パラソルの下に座っている。二人ともプールで遊
ぶ気はないらしい。ついでに言えば僕も泳ぐのは好きじゃないし、妹はほとんどプールに恐怖心
を抱いている。
 誰がプールに行こうなんて言い出したのだろう。確か父だ。彼は、子供ならプールが大好きに
ちがいないと決めつけている。さらに言えば僕が昆虫好きだと思っているし、妹がまだ絵本を読
むと思っている。実際にはそれらは数年前までの僕たちの好みだ。
 僕は不満を言いたかったが、母が僕のことを家族行事に非協力的な子供だと評価するにちがい
ないから、なにも言うことはできなかった。
 僕は妹の後をついて人ごみの中を歩いていた。妹はどのプールに入るでもなく、ピンク色の浮
き輪を腰に持ったまま、うつむきがちにてくてくとあっちへこっちへ歩く。彼女を一人放ってお
くわけにもいかないから、僕はお目付役のつもりでついていった。
 それで行き着いたのがお土産などが売っている売店だった。シュノーケルやらゴーグルやら、
あるいはキーホルダー、置物などがある。妹が関心を寄せたのがクレヨンだった。
 「〜〜プールクレヨン」という、プールの名前が冠されたもので、僕は後ろからそれを見なが
ら、なんでもあるものだと思った。
354 :家族の距離(お題:クレヨン)4/5 [sage]:2016/12/28(水) 12:09:58.81 ID:K2s4O66Qo
 妹はじっとそれを手にとって見ていた。物欲しそうに見ていた。
 するといつの間にかすぐ近くまで来ていた母がそれを後ろからとりあげて「サキちゃん、クレ
ヨンなんかもう持ってるでしょ」と言ってクレヨンを商品棚に戻して、またどこかへ歩き去って
行った。偶然近くに居ただけらしい。
 妹はもう姿も見えなくなった母の去っていった方向をじっと睨みつけた。僕は彼女の、まだ欲
しいとも何とも言っていないのに、という悔しい気持ちが手に取るようにわかった。妹はクレヨ
ンを手にとってじっと葛藤していたのにちがいない。しかし彼女の中にあった感情の揺れ動き
は、母に完全に無視されてしまった。
 ついに妹は退屈そうな表情を崩すことなく、プール施設をうろつくだけだった。父と母は良き
休日を過ごせたという表情で帰り支度を始めた。
 僕は帰り支度の途中一人トイレに向かった。けれどじっとりと湿ったトイレサンダルや、水色
のタイル張りのひんやりした床、異様にスースーする芳香剤の匂いを嗅いで、やめた。ここは最
低な場所だ。
 みんなのところへ戻る前に、僕は売店であのクレヨンを買った。九百円もした。
 帰りの車で父はラーメンを食べて帰ろうと言い、母はそれに反対して言い合いになった。僕と
妹は後部座席でそんな親二人の様子をぼうっと見ていた。
355 :家族の距離(お題:クレヨン)5/5 [sage]:2016/12/28(水) 12:10:32.60 ID:K2s4O66Qo
 僕はしばらくの間クレヨンを妹に渡せずにいた。恩着せがましくするのが嫌だったし、僕と妹
はそんな風に物をあげたりする仲じゃない。きっと妹という名の他人なのだ。母も母という名の
他人で、父も父という名の他人なのだ。僕自身この家のなかで他人だという気がする。
 結局、クレヨンを妹にやるもっともらしい理由でもあればよかったのだがそんなものはなく、
なんでもいいから手渡してやれという気になった。ただし両親にその様子を見られてはダメだ。
僕が優しい兄を演じたことを、彼らは無神経に笑うだろう。あるいは自分たちの教育が正しいの
だと満足に頷いて見せるだろう。それはたまらなく嫌だ。彼らは子供達が真剣に何かを考えたり
必死に取り組んでいたりするなんて思いもしないのだ。だから子供達はいつも軽んじられている
心地がする。それが当事者にとってどれだけ悔しいか、虚しいか、知らないのだ。
「これ、いらないからやるよ」
 と僕はいった。母が夕飯の準備をしている頃合いだった。妹はリビングに寝そべってテレビを
見ていた。妹はクレヨンに気づくとそれを手にとってお腹の下に隠した。母に見られたらまずい
とわかっているらしい。
 僕は何もなかったように妹から離れて子供部屋に戻った。
 別に妹に同情してクレヨンを買ってやったわけじゃない。母への反抗としてやったのだ。
 その後妹からはお礼もお返しもなかった。ただ僕がクレヨンの秘密を握っているためか、いつ
もの悪癖はなりを潜めたようだった。

おわり
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 23:24:14.78 ID:3g+TyLu6o
>>355
終始主人公視点のお話でしたね
妹は妹で腹に一物を抱えてるようで明確に描写されないという、
家族のいびつな距離感を描いていて面白かったです
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 23:44:58.72 ID:dgpZTqMiO
お題プリーズ
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 03:06:12.63 ID:NkVrqz/so
朝焼け
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 13:29:07.03 ID:NvJGeBb9o
このスレももっと活気が出るといいなー
創作系のコミュってどこかあるんだろうか
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 18:04:55.93 ID:ZK4rPj01o
お題くれー
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 21:53:03.87 ID:NvJGeBb9o
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 13:54:49.99 ID:EVe1yNDXo
新年あけましてお題下さいおめでとうございます
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 15:18:32.13 ID:uPEXrrTVO
抱負
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 20:24:24.69 ID:EVe1yNDXo
把握
365 :背負うモノ ◆d9gN98TTJY [sage]:2017/01/01(日) 21:11:04.04 ID:EVe1yNDXo
それでは投下します
366 :背負うモノ 1/3 ◆d9gN98TTJY [sage]:2017/01/01(日) 21:17:23.44 ID:EVe1yNDXo
 冷えたポッキーを咥えながら彼女がそう言った。
「抱負だって言ってんだろ」
「だからよ」
 炬燵に両手を突っ込んで頭と口からのポッキーを付き出しながら
「シンプルで分かり易くて可愛いのがいいでしょ」と言った。
 そういえば蜜柑が置いてあった。
 手は自然と筆を半紙の横に置いてそれに伸びる。
 やや柔らかくなった蜜柑は酸味が抑えられて甘味が際立つ。
 無心で向いた蜜柑の一房を口に運ぼうとして、横からトドの様な動きのモノが
それを咥えて奪って行った。
 彼女である。
 せっかく可愛いというのに動きがもうトドである。
「トドみたいなのはどうかと思う」
「アザラシはトドとは違いますー」
「似たようなもんだろ」
「全然違うよ。鳴き声とか」
 そうですかっとため息をつきながら、俺は次の一房を指でつまむ。
 そしてまた奪われた。
「なにをするか」
「アザラシ」
「アザラシをしているのか」
「そうじゃなくて、抱負のをアザラシにしなよって」
 食べながらでないと提案ができないのかとか、手で持てよとか、指が濡れてるとか
言いたいことはいろいろあったが
「文字通り抱えるものだぞ、アザラシを抱えろと?」という一言を優先した。
367 :背負うモノ 2/3 ◆d9gN98TTJY [sage]:2017/01/01(日) 21:18:19.70 ID:EVe1yNDXo
 だが、優先した事が正しかったかどうかは分からない。
「可愛いからイイよね?」という、首を傾げながらの理屈の見えない問いかけに頭を
抱え、ただ
「可愛くなければ追い出しているところだ」と答えるのが精一杯だった。
 三回目にしてようやく蜜柑を口に出来て、しばし静かな時間を堪能していると、また
トド――いや、アザラシが動いた。
 腕を仕舞った頭ばかりの姿で炬燵布団を持ち上げないようにズリズリと、どういう
体勢だか炬燵の足も通り抜けて横に来ると
「うりゃ」とのたまわって右肩に頭突きを仕掛けてきた。
「なにをするか」
「アザラシ」
「アザラシをしてみたのか?」
「それもあるけど、さっさと抱負のにアザラシって書きなって」
「抱えろと仰るか」
「抱えろと申す」
 こういう意味の分からない会話で、とりとめのないままに時間が過ぎるのも好きではある。
 あるが、こうしている最中にもうりゃうりゃと頭が擦り付けられるのはさすがに困る。
「書けない」
「なんでだよ」
「意味が分からん」
「おバカさんだ、このおバカさん」
「お馬鹿さんで悪かったな」と、うりゃうりゃと追撃を繰り返す頭を腕で跳ね除けた。
368 :背負うモノ 3/3 ◆d9gN98TTJY [sage]:2017/01/01(日) 21:18:48.22 ID:EVe1yNDXo
 あまり表情が変わらないその顔の、瞳が僅かに見開かれる。
「うりゃ」
 一度だけで終わる、その軽いもたれ掛りは止めなかった。
 ただその遠慮がちな接触が、接触後の沈黙が、彼女の気持ちを伝えてくるようで
居た堪れなく感じられた。
「抱負の負が、背負うモノって意味だからって……」
 沈黙を続けていられなくて、適当に口を動かし
「負けるって文字は縁起が悪いから別の文字を考えようっていう前提でだな」
 誤魔化すように彼女の頭をグリグリと押さえつけながら言った。
「なんで、“負う”の代わりにアザラシが入ってくるんだよ!」
 彼女は俺の激しいツッコミも意に介さない様子で言った。
「アザラシの鳴き声が“オゥ”だから」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 21:19:21.06 ID:EVe1yNDXo
以上です

初ボケの出ができて満足です
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 00:04:32.30 ID:0IfAcPqdo
>>369
読みました
時期的に、男女のだらっとした新年の書き初めの風景を描きたかったのだろうなと理解しました
しかし、かろうじて、です
どういう状況を書いてあるのか把握するのに苦労しました
つまり、何が書いてあるのかがわかりにくいのです

例えば書き出しでいきなり「彼女はそう言った」とありますが、何故書き出しで「そう」などという指示語がでてくるのか
そうした点含め、つっかえつっかえ読んだ感じでした
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 00:31:38.43 ID:x/2uiOGso
あ、一行目「アザラシで良くない?」が抜けてた……
どうもです
372 :孤独の味(お題:酒)0/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:34:41.62 ID:eqTV8GGAo
投下します
373 :孤独の味(お題:酒)1/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:35:15.98 ID:eqTV8GGAo
 大学四年生のときに、私は彼と知り合った。
 仮に彼のことをサイトウと呼ぶことにする。
 四年のゼミの配属先が私とサイトウは同じだった。専攻が同じだったにもかかわらず、私と彼はそれまで一度
も顔を合わせたことがなかった。必修の科目でも私と彼は常に別のクラスを選び続け、一度も平行線が交わるこ
とがなかったということだ。ゆえに、最初の授業の日、少し早めにゼミの教室に入って彼を目にした時、別の専
攻の人か、留年生かと思った。
 ゼミの教室はあまり広くない。「口」の形にテーブルが並べられた、十五人程度しか収容できない小会議室の
ような部屋だった。
 部屋にはサイトウしかおらず、私はサイトウと対面する位置の席に着いた。
 講義の開始まで十分ほどあった。部屋の中は嫌に静かで、彼が読書か何かでもしてくれていればよかったが、
サイトウはぼんやりと椅子に深く座っているだけだったので、無視するということもし難かった。
 私は最初になんと声をかけただろうか。「どうも」とか「今日は寒いね」とか、そんなことだったと思う。サ
イトウはそれに答えて「僕はサイトウ。君は?」と言った。
 彼の声は見た目に反して低く響くようだった。どちらかといえば線が細く童顔だったので、そんなことを意外
に思ったのを覚えている。
 以上のようにつつがなくファーストコンタクトを終えた私たちだったが、しかしその後しばらく彼とはとくに
会話もしなかったし、仲を深めるようなことは何もなかった。四年のゼミは卒論を書くわけで、講義も毎週ある
わけではなかったのだ。月一程度の頻度で中間発表を行い、それ以外に教授に質問がある時や相談事がある場合
には、個々人が研究室を訪れたり、メールでやりとりする。中間発表の時も、私はゼミにいた他の友人と食事に
いく場合がほとんどで、サイトウとは一緒にならなかった。ゼミの飲み会に彼を誘った時もあったが、彼は参加
することが一度もなかった。ゼミの友人たちにもサイトウと深い仲を築いている人はいないように見えた。彼は
いつも静かな存在であり、彼が注目を集めることはなかった。
・・・・・
374 :孤独の味(お題:酒)2/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:35:47.95 ID:eqTV8GGAo
 その年の夏休み私は卒論の準備が順調だったため、実家に帰ることにした。ありがちなことではあるが、一人
暮らしのうちに身につけた私の価値観と両親の価値観とにズレが生じており、ほんの三日生活を共にしただけで
険悪な雰囲気が家族の間に生まれてしまった。そういうわけで私は帰省を後悔しながら東京の下宿に戻り、する
こともないので大学で研究資料を集めることにした。
 その時偶然出会ったのがサイトウだった。彼は私と同様に下宿にとどまり(私は一度は帰ったわけだが)、図
書館に通って勉強を続けていたという。
 彼と図書館で時間を過ごし、休憩がてらに二人で自販機のコーヒーを飲みながら世間話をした。両親との喧嘩
のために孤独な気分に追いやられていた私は、たいして仲が良いわけでもない彼に遭遇したことをやけに嬉しく
思った。それから初めて彼と夕飯を共にすることになった。
 私は彼と大学近くの有名なカレー屋に行き、それから食後にどこかへ行こうという段になり彼が酒は飲めない
と判明したので、カフェでコーヒーを飲むことにした。

「今更言うのもなんだけど」サイトウはブラックコーヒーの水面を見ながら言った。「昼間図書館で会った時、
ずいぶん顔色が悪かったね」
「そうかな? まあ、確かにいい気分ではなかったけど。勉強なんか大嫌いだからね俺は」
 彼は微笑んでコーヒーを一口飲んだ。
 彼が口を閉じてしまったので一瞬沈黙が流れる。私はつい、何か話そうとして口を開いた。
「実は実家に帰って親と言い合いになってね。早く自立しないといけないと強く実感したよ」
「言い合い?」
375 :孤独の味(お題:酒)3/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:36:23.87 ID:eqTV8GGAo
「そう。いや、ちょっとしたことでね。こっちで就活進めてたのに、今更地元に戻ってこいなんて言い出して
さ。実際、まだ本格的に動き出してないから強く言い返すこともできなかった。俺自身、なんで東京で就職した
いかと言われれば、特に理由もないんだ」
 私はそう話してからすぐ、余計なことを言ったな、と思った。しかし同時に、それほど親しい相手ではないか
らこそ、好きなだけ話したって構うものかという気になった。その日は酒の席でもないのに、私は妙に饒舌にな
っていた。
「だけど、自立したい気持ちがあり、親とのズレを感じている」
 サイトウは低く響く声で言う。私は頷いて続けて言った。
「そう。東京で働きたいという積極的な気持ちはない。けど、地元に戻りたくないという積極的な気持ちがある
わけだ。なんというか、母親と一緒にいるとあの話を思い出すんだ。『今昔物語』霊鬼についての話」
「母親が鬼になって子を食べようとする話」
「そう、それ。千年くらい前の話のくせに、よくできてるぜ。年をとった母親は子を食おうとする。手元に置い
て、ああしろこうしろって自由を奪うんだ。家にいると、自分が食われようとしてるのがわかる」
「それは怒り? 不安?」
「さあね。……まあ、どっちもだろうな。現実問題として学費を払ってもらってたり、世話してくれたのをありが
たく思う気持ちもある。だからそれを後ろ盾にされると反論もできない。それは不快な気分だよ。がんじがらめ
だ。向こうが正しい。でも、こっちは息苦しい。早く経済的に自立して、親に金を返して、独りになりたい」
 私のコーヒーは冷めていた。私自身は熱くなっていた。彼に話していると、実家にいた時の荒れた感情がむく
むくと蘇ってくるようだった。サイトウはそれを聞きながら頷き、ときに相槌を打ち、表情をほんの少しずつ変
えてみせた。
 結局その日、二時間近くカフェで話し込んでしまった。サイトウは寄るところがあると言って、カフェの前で
別れを告げ、駅とは反対方向に歩き去って行った。彼は夜の雑踏の中にあっというまに消えてしまった。
 私は独りで乗った電車の中でようやっと気がついた。彼のことは何一つわからなかったということに。一方で
私のことは何もかも話してしまったようなきがする。大学での交友関係や様々な思い出、考え方、思想、家の位
置まで。
 普段私は聞き役に回ることの方が多いというのに、奇妙な経験だった。サイトウは相当な聞き上手だ。自らの
沈黙を守る才能、そして相手から聞き出す才能、それらを隠す才能を持った男なのだ。
 その会合を境に彼への見方がすっかり変わった。
 それから私は度々彼と食事に行ったり、買い物に行ったりした。それでも彼は常にヴェールの内側に身を隠
し、何も明かすことはなかった。
・・・・・
376 :孤独の味(お題:酒)4/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:36:49.51 ID:eqTV8GGAo
 秋が去り、冬の季節に差し掛かった頃のこと。私は結局東京で就職先を見つけ、親との軋轢を残したまま自ら
の進路を決めていた。人生を生きて行くうちに、いくつか不和を抱えることになるのは、仕方のないことだ。そ
んな悟りを開き、卒論の仕上げに集中していた。
 十二月の最後のゼミの時、私はサイトウの異変に気がついた。
 いつもポーカーフェイスで、自らを隠している彼が、すっかり弱りきって見えたのだ。
 頬はこけ、青ざめ、目は落ち窪んでいる。いつでも決して目立たない彼なのに、ゼミの皆がチラチラと彼に視
線をやり、困惑していた。そんなことにも気がつかないのか、彼は背中を丸めて全くの無表情のまま、机の上に
視線を落としていた。
 発表が始まってからも、私は彼のことばかり気にかかって上の空だった。前回の発表のあと彼と食事に行き、
それから今日まではたしかに一度も会っていない。その間に、何があったのだろう。
 卒論はほぼ全員最後のまとめに差し掛かっており、発表の中で問題が発覚した者はそこを修正しなければなら
ない。冬休み図書館が開いている期間は短いので、作業を急ぐように、と教授がゼミを締めて解散となった。
 卒論が問題なく進んでいる連中で飲みに行くかという提案があったが、私は辞退し、幽霊のように教室から消
え去ったサイトウの後を追った。
 彼はいつもエレベーターではなく階段で下に降りるので、すぐに追いつけた。
「よう。体調が悪そうだな?」
 サイトウはちらとこちらを向いて、いつも通り微笑した。
「いや、そんなことはないよ」
 確かに実際話してみるとそれほど異常をきたしている風にも思えなかったので、少し安心した。
「夕飯でも食べないか?いつものカレー屋がいいか」
「いいや、酒が飲みたい気分だ」
 私は意外に思った。彼が酒を飲むなんて。
「僕もたまには飲むんだよ、実は」
 サイトウが隠していることを明かすのを見るのは、それが初めてだったかもしれない。
377 :孤独の味(お題:酒)5/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:37:16.56 ID:eqTV8GGAo
 私は店の選択を彼に任せ、電車に乗り、地下鉄を乗り継いで、銀座に行った。
 歌舞伎座の前を通り過ぎ、細い通りに入っていく。そんな通りにも立派な店が軒を連ね、いかにも高級そうな
服装の年寄りが行き来している。こんなところに、大学生二人で入る店があるのかと、私は不安に思った。
 サイトウは、さらに細い道に入った。路地裏のような通りだ。街灯もなく、壁にはスプレーで落書きがされて
いる。下水道の穴から白い煙が上っている。
 なぜこれほど奥まったところまで行くのか不思議だった。しかし、サイトウは文字通り隠れ家に私を連れて行
こうとしているのだろうと思った。
 戦後間もない頃に建てられたような古い建物にネオンの看板。入り口を開いたらそこは階段で、地下に続いて
いた。私は彼の後について階段を降りて行った。私はもうここがどこなのかわかっていなかった。
 木製の薄いドアを開けるとガランガランとちゃちな鈴が鳴る。
「いらっしゃいませ」
 中は薄暗いバーで、カウンターに立っている男性が声をかけた。六十歳か、それ以上の年寄りに見えた。背は
高くひょろ長い。総白髪のオールバックで、芝居に出てきそうな風格があった。
 空いていたので、私とサイトウはテーブル席に座った。同じくらい年配の女性がメニューを持ってきて、愛想
よく「ご注文がお決まりになったら」と去って行った。
「おい、なんだかスゴイ店を知ってるな。銀座のバーなんて」
「僕だって行きつけってわけじゃないよ。買いかぶられちゃ困るけど、店はここしか知らないよ」
 私はカクテルはよく分からないので、彼に任せた。
 年配のウェイトレスが私の前にモスコミュールを、サイトウの前にアイリッシュコーヒーを置いた。
 モスコミュールは透明な液体で、ライムが飾ってある。アイリッシュコーヒーは見た目はコーヒーそのものの
ように見えた。真っ黒なコーヒーと真っ白なクリームがきっぱりとした境界線を描いている。
「やっと一休みできるな。卒論はまだ残ってるけど、だいたい完成してるし、就職も決まったし……いや、ゼミの
連中はどうなんだろうな」
「ハナヤマとイケタニはまだ決まってないみたいだね」
 とサイトウは言った。私は思わず「えっ」と声を出した。それはゼミの仲間の名前だった。
378 :孤独の味(お題:酒)6/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:37:51.72 ID:eqTV8GGAo
「あいつらと仲よかったっけ」
「いいや、仲がいいってほどじゃないけど、何度か話したことがあったからね」
 訊くと、サイトウはゼミのほぼ全員と交友があるということだった。それも、いつも一対一で話す関係を作っ
ている。しかし複数人で遊んだことは一度もないという。
「ゼミに限らない。僕は、あんまり大勢で行動するのが億劫だから、一対一で話せるときだけ誘ったり誘いを受
けたりするんだ。大学一年の頃から……いや、もっとずっと前からかもしれないけどね」
 私は彼が交友関係の少ない人間だと勝手に思い込んでいたので、少なからず驚いた。
「僕は人の話を聞くのが好きなんだ。人の表層的な部分はどうでもいいんだ。人の話にはその人の人生の一部分
が姿を現していて、それは無価値なものじゃない。それを一つ一つ聞いて、頭の中にしまっておくのは良いこと
だ。……でも本当はそうじゃないのかもしれないと、つい最近になって思い始めた」
 バーの暗い照明の下で、彼は瞳に悲しい光を宿らせていることに私は気がついた。彼は今、ヴェールの外に出
ている。
「つまりこういうことなんだ。人生には形も色もない。ただ何もせずとも時間は流れすぎていく。人々はその中
で様々な体験をする。『体験』それ自体は中立的に存在しないんだ。それは自らが綴る物語の形をとって個々人
の人生に内包される。わかるだろ? 君は君のパースペクティブでしか物事を経験できない。もちろん僕も」
 彼はアイリッシュコーヒーを飲んだ。私は続きを促した。
「人間は時間を、体験を切り取って生きているんだよ。無数の、おびただしい数の物語を書いてみんな暮らして
いる。それは、無意識のうちに行われる。その中の一部は物語と言わず『思い出』と言い換えることもできるだ
ろう。大切な思い出、辛い思い出……」
 私は、彼がもう酔ってしまったのではないかと疑った。これほど自分の考えを話すのを見るのは初めてだった
し、それは彼らしくない。彼らしい行為ではないと思った。
「話が下手ごめん。話すのは苦手なんだ。実は就職も決まってない。面接で不利だろう。話す練習をしておくん
だったよ。なんだっけ、そう、物語だ。原稿用紙を想像してみてくれ。君はある出来事についての物語を書く。
そしてファイリングする。しかし中には、ファイリングしたくないものがある。君はその原稿用紙をどうすれば
いいだろう。そうだ、丸めて、捨ててしまえば良い」
379 :孤独の味(お題:酒)7/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:39:00.21 ID:eqTV8GGAo
 私はモスコミュールを飲む。きつい、強い口当たりだ。苦く、しかし後味を残さずに抜けていく。
「僕は思うんだよ。この僕は、丸めた原稿用紙を捨てるためのゴミ箱なんじゃないか」
「それは、違うよ」
 私は言った。しかし、言葉は彼に届く前に消滅してしまったような気がした。
「違わないかな。それは愚痴を言うのとは異なる行為なんだ。原稿用紙を放って、放ったことも忘れてしまうと
いうことが重要だ。誰も彼も僕に話したことを忘れるのさ」
 私は、親しくない者にこそ話せない話をしてしまうものだと知っている。
 よく言われることだ。同じ客船に乗って旅をした者たちが、目的地について別れた後、互いに会おうとしなく
なる。船の中でつい不用意に話したことが気まずくて、会えなくなるからだ。
 サイトウはいつも客船の上で人と出会い、話を聞く。しかし彼らは、船を降りた後で彼に会おうとは思わな
い。彼の役目はそこで終わっている。
 何かが間違っているように私には思えた。彼自身が悪いのか、それとも皆間違っているのか。
 サイトウのアイリッシュコーヒーはクリームとコーヒーの境界が崩れ、混じり合い、泥のような色に混濁して
いる。
「問題は僕の中にあるんだよ。なぜなら、こんな物語を作ったのは僕だから。……今日は話を聞いてくれてありが
とう」サイトウは言った。疲れた声音だった。「僕の話は、誰も聞いてくれなかったんだ」
 二人とも次のカクテルを注文しないで、席を立った。
 相変わらず彼は用があるからといって駅と反対に去って行った。冬の夜風はひどく寒く身体を貫いた。

owari
380 :孤独の味(お題:酒)8/7 [sage]:2017/01/08(日) 16:40:01.54 ID:eqTV8GGAo
以上です。ちょっと長いかもしれませんが読んでみてください。
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 14:17:12.74 ID:LlhH2MeL0
お題ください
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 15:53:06.42 ID:hCI0HmU0o
パンツ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/11(水) 15:33:25.69 ID:QN9qM8330
>>373-379
1/7で気になったとこ
説明がくどいかな。
・サイトウと出会った時のこと。
・ファーストコンタクト後もさして親交はなかったこと。
これについてくどくど説明されてる感が強い。
「 彼の声は見た目に反して低く響くようだった。どちらかといえば線が細く童顔だったので、そんなことを意外
に思ったのを覚えている。」
ここの雰囲気は少しいい。でも文法が少し奇妙。
主人公の主観なのだから「彼の声は見た目に反して低く響いた。」
「どちらかといえば線が細く童顔だったので、意外に思った。」
に直したくなる。

3/7で気になったとこ
「それから私は度々彼と食事に行ったり、買い物に行ったりした。」
自分のこと棚にあげるけど、こういう書き方すると書き手の薄さが透ける。
逆にここの転機のシーンを一味工夫して掛けばかなりこなれた感じになると思う。

4/7で気になったとこ
「人生を生きて行くうちに」…???なんか不思議な表現だな。
いや、意味は分かるんだけどなんか気持ち悪いわ。

読み終えた。最後サイトウが一気に独白するシーンは結構面白かった。
主人公の例え話(客船の話)はサイトウにさせた方が良かったかな?
もう少し手を加えればいいショートショートになると思った。
改めてタイトルを見ると陳腐だと思った。もったいない。
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/14(土) 04:06:29.98 ID:I4M4E9Iko
>>383
丁寧に読んでくれてありがとう
全体の構成から細部までブラッシュアップできそうだ
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/20(金) 23:31:47.55 ID:BFacefv20
お題くだそーい
386 :ななしのラムネ様(お題:ななし・ラムネ) 10/9 [saga]:2017/01/21(土) 00:22:18.81 ID:SIWRtDI4o
堕天使
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/21(土) 00:23:19.78 ID:SIWRtDI4o
ずいぶん前の名前欄が残ってた、失敬
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