貴方「安価で喰種の世界を生き延びる」【東京喰種】【喰種編】【TAKE3】

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574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:02:40.85 ID:me96x/P+o
よっ
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:03:21.31 ID:me96x/P+o
コンマ神www
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:04:19.14 ID:52/qOzkGO
早速ゾロ目じゃねーか!
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:12:28.06 ID:1lERmofho
コンマ神「わりぃ遅れた」
578 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/13(金) 23:25:33.30 ID:J0CCH/ry0
コンマ判定:2(ゾロ目) さよなら兄貴(鼻ホジ)


こちらへと疾走するヤモリ。その動きは、あまりにも単調になっていた。

単調な動きの隙は大きい、いや、大きすぎる。

普通であればまず食らわないはずの膝蹴りをあっさりと顔面に受けてしまった。

「グガァ」

歯が数本へし折れ、口から零れ落ちる。

続けて、アサヤは足を体操座りの要領で抱きかかえ、背中を向ける。

「大サービスだ。有難く受け取んな」

そして、4本もの巨大な鱗赫が、ヤモリの肉を、赫子をすり潰す。

貫いた鱗赫をヤモリの後ろで絡ませ、固定する。

着地を済ませたアサヤは、マトモに動けないヤモリに、赫子を纏った拳でラッシュを叩き込む。

「オラオラオラオラオラァ!」

まるで肉塊をハンマーで叩き潰すかのような、お世辞にも聞き心地の良いとは言えない音だけが響く。

Sレートに指定されるヤモリ、しかし、SSレートのアサヤはそれを歯牙にも掛けなかった。

「…そこまで強くなかったか。じゃあな、ヤモリ」

鱗赫を解き、顔の前に向ける。

「ア…アァ…」

既に虫の息のヤモリの眼に、嘗ての情景が映る。

ああ――。これは俺が――。僕が昔されたことだ――。

ひたすら、CCGの職員に拷問をされる自分。

それは、チャンスを掴んだことで成し遂げた報復によって乗り越えた。

二度と同じ目に遭わないように強くなった――。

家族を理不尽で奪われないために。

また同じ目に遭うのが怖かったから。

そんな自分が惨めだったから。

だけど――。僕はそれでも弱いままだった――。

地獄を見た自分よりも一回り、いや二回り若い少年を見て思う。

――僕にも、君ほどの力があったなら。

おかあさんを護れたのかな――。

「おか…あさん…。ごめん…ね――」

それが、ヤモリの最後の言葉だった。
579 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/13(金) 23:30:05.90 ID:J0CCH/ry0
直下コンマで瓶兄弟の判定をします。3以上で追撃されます。
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:30:48.74 ID:me96x/P+o
はい
581 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/13(金) 23:30:48.77 ID:J0CCH/ry0
逆だ!3以下です!判定は下にずらしてください!
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 23:32:43.19 ID:52/qOzkGO
どうなるか
583 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/13(金) 23:46:26.31 ID:J0CCH/ry0
コンマ判定:9 完 全 勝 利


「チッ…」

ヤモリの顔を貫いた鱗赫の血を拭い、体へと仕舞う。

「…なんでそんな悲しい顔をすんだよ…。クソが」

これじゃ俺たちが悪者じゃねぇか、とアサヤは呟く。

近くにいたはずのオカマ野郎は既に姿を消していた。

「えっと…。僕、すること無かったね」

「寧ろ無くて良かったよ」

カネキにはサポートを任せてはいたが、自分一人で終わらせられるのなら、それが一番良かった。

「さっさと行くぞ。追われてない今がチャンスだ」

「う、うん」

脅威が取り除かれたことに、後続の脱アオギリ組は心から喜んでいた。

その中でただ一人、アサヤだけは心に暗雲が立ち込めていた。

――なぁヤモリ、お前は奪われた側だったのかよ。

だとしたら、お前の怒りはたぶん見当違いだ。

いくら恨んだって、喪った物は帰ってこねぇんだぜ。

だから、割り切って生きてくしかねぇんだ。

過去を変えることなんか出来やしないんだからな――。

それが、アサヤが今までの人生で得た答え。

ヤモリの死が、彼らに与えた影響は――。

因みに、この脱走劇がアオギリ側に判明したのは次の日の早朝だった。
584 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 00:12:20.75 ID:lm7MInEM0
場所は変わって『あんていく』。

店長を務める芳村と、裏方を務める四方、そして『あんていく』の庇護下にいる笛口リョーコが、準備をしていた。

『――本当にいいのですか?』

『はい。いざとなったら切り捨てて構いません』

『それだとヒナミが…』

『――ヒナミには、頼もしい子が付いていますから。トーカちゃんやカネキくん、アサヤくんが』

『だから、きっと私がいなくなっても大丈夫です』

『それに、私たちを救ってくれたアサヤくんに、死ぬ前に何かしてあげたいの』

『――できる限りのカバーはします』

『そこまで言われたら断れませんね』

『…!ありがとうございます…!』

――もしかしたら死ぬかもしれない。

死への恐怖、そして、アサヤの死の危険を想像したことにより呼吸が乱れるリョーコ。

豊かな胸に両手を当てて蹲り、念仏のように同じ言葉を繰り返す。

「大丈夫…。きっと大丈夫…」

あの人なら、きっと――。

呼吸を整え、二階で待つ二人の元に進もうとする。

だが、それはドアのノック音により中断された。

閉店しているのに、わざわざノックをする客がいるのだろうか。

無くはない、が、現実的ではない。

もしや捜査官が――。

と思ったが、この考えが一番あり得ないものだった。

まさか――。

そう思った瞬間、胸の鼓動が高鳴った。

恐る恐るドアに手を掛け、鍵を開ける。

開かれたドアの向こうにいたのは――。

「あー。ただいま戻りました。スタッフのアサヤと」

「スタッフのカネキ…です」

「オマケもいるぞー!」

「あ…あぁ…!」

涙が止まらなかった。

何故なら、ドアの向こうにいたのは。

彼女が夫と同じくらい、いやそれ以上に愛した、愛してしまった男がいたから。

――恋した時点で、女は等しく乙女になる。

恋した乙女はもう、止まらない。

「良かった…!」

涙を流しながら、リョーコはアサヤへと抱き着く。

女性からの抱擁など、産まれてこの方一度も無かったアサヤはひどく狼狽える。

「かっ、カネキっ、どうすればいいっ!?」

「さあ…?」

その後、二階から降りてきた二人からめでたく誤解されましたとさ。
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:13:42.86 ID:CwlrVy2no
改めて考えると罪な男ってレベルじゃないwwww
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:36:17.24 ID:mK96rDTG0
人妻って時点でな……いや、本人にも不幸な話ではあるんだが……
587 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 00:39:49.91 ID:lm7MInEM0
「それで、どうやって戻ってきたんだい?」

普段の視線から察しが付いていた芳村は、すぐに誤解を解いていた。

――その上で、乗ってくるくらいには興味があるみたいだが。

「とりあえず見張りとヤモリを殺して、そのまま流れで」

「流石…としか言えないね…」

アサヤの実力は、SSレートの時点で分かっていた。

本局から派遣された捜査官すらも軽くあしらっていたのだから猶更だ。

しかし、あのアオギリからこうも簡単に抜け出してくるとは。

オマケの人たちも連れて。

流石に、これには芳村も苦笑するしかなかった。

「…うん、元アオギリの方たちはコンテナに移住してもらおうかな」

「…あの」

「なぁに、ちょっと食料が厳しくなるけど、そこは四方くんがどうにかしてくれるさ」

「…もういいです」

ニコニコ顔を絶やさない芳村と、諦めたような顔の四方が対照的だ。

「え…。つまり俺たちはこれで安全なのか…?」

歓声が辺りから出てくるが、深夜に騒がれるのはマズい。

アサヤは冷静に注意をする。

「人様の迷惑になるから…やめような!」

「アッハイ」

「それじゃ四方くん、彼らの誘導は任せたよ」

「…はい」

仕事が増えたからなのか、肩を落としながら歩いていく四方。

これで全て終わった。はずだ。

「んじゃ、俺も帰って毛布のお世話になりますかね」

窓を開けて飛ぼうとしたら、裾が引っ張られた。

「ん?」

そこには、赤面したリョーコの姿が。

眼を潤わせながら、リョーコは言う。

「…今からだとトーカちゃんたちに迷惑だから、アサヤくんの家に泊めてもらえないかしら…?」

「へ?」

アサヤの頭の中は、疑問符で埋め尽くされた。
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:40:18.11 ID:sZvLqGiZo
こうかんど104の ちからって すげー!
589 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 00:42:26.84 ID:lm7MInEM0
さあ、ドキがムネムネな判定の時間ですぞー!直下コンマが5以上で成功やで!

相手は未亡人:-1 突然のお願いで困惑なう:+1 女性耐性/Zero:+1
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:42:59.15 ID:4CsshcDaO
うおおおお
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 00:46:15.79 ID:sZvLqGiZo
ざわ…ざわ…
592 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 00:55:17.10 ID:lm7MInEM0
コンマ判定:6 イッツターイムナーウ


「あ…えーっと…」

アサヤは芳村へと、視線で助け舟を出す。

しかし、芳村はニッコリと笑ってこう返した。

You、ヤっちゃいなYo。

アサヤは心の中で叫ぶ。某何とか太夫のように。

そもそも、止めるべき立場であるはずの人が煽ってくるのはどうなのか。

そんな考えが浮かんでくる。

だが、今の時刻は深夜2:00を過ぎている。

たしかに、彼女だけでは危険だろう。

いや、それでも彼女は未亡人だろう。ダメだ、ダメダメ。

と、理性が何とか抑えようとする。

しかし、それは最後の一撃によって無慈悲に葬られた。

「私、アサヤくんと一緒なら安心するんです」

「もう、一人になるのは嫌なんです…」

抱きしめられて、正常な判断ができなくなっているアサヤは白目を剝きながら肯く。

「…ハイ」

それが、(社会的な)死への片道切符だとも知らずに。
593 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 01:12:23.41 ID:lm7MInEM0
家に戻り、敷布団を二つ用意する。

――因みに、敷布団の片方は来客用(カネキとか兄妹とかの)である。

その間、浴室からはずっとシャワーの音が聞こえてくる。

――落ち着かねぇぇぇぇぇぇぇ!

それがアサヤの胸中だった。

流石にアウトだとは分かっているので、決して一線は越えないし越えさせない。

だが、先ほど一回天に召したクソザコナメクジな理性が保つとは到底思えない。

それに、彼女が精神的なダメージを負っているのも分かっている。

冷やしていたコーヒーを一杯飲み干し、思案する。

どうすれば、このピンチを乗り越えられるのか。

兄貴に頼りたい気持ちでいっぱいだが、絶対に拒否される。

兄貴が解決策をホイホイ出すところを想像したくない、というのもあるのだが。

「ヘブライッ!?」

シャワーの音が止まった。

それから数分が経って、脱衣所の扉が開かれる。

そこには、着替えが無いので仕方なく貸した、ダボダボのパジャマを着たリョーコが立っていた。

マズい。アサヤは確信する。

そう一瞬で確信できるほど、目の前のそれは破壊力が高かった。

湯気が立ち上り、湿って色気を増した肌。

サイズが合わないが故に、大きく開いて少し見えている双丘。

これは俺には刺激が強すぎる、と半ば反射的にアサヤはそっぽを向く。

こういう時こそ、兄貴の精神力が心から羨ましくなる。

あの人なら真顔で、興味が無いので、とか言い出しかねない。

クスリ、と微笑みながら、リョーコはゆっくりと近づいてくる。

ああ、どうか生き延びてくれ。俺の貧弱なる理性くんよ。

その祈りは、届くのか――。
594 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 01:18:53.31 ID:lm7MInEM0
これが(たぶんお泊り編)最後の判定となります。直下コンマ7以上で、その欲望は加速して、遂には危険な領域に突入します。

もうゴールしちゃってもいいよね…?:+2 クソザコナメクジ鋼の理性くん:-1 風呂上りの色気ぱぅわー:+1
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 01:21:06.30 ID:ZmQdjO2w0
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 01:22:22.20 ID:+qz47qdRo
ホラホラホラホラ
597 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 01:28:19.15 ID:lm7MInEM0
コンマ判定:7 そして、アサヤの未来は終焉へと至った…。

今日はこれで終了です。次回は土曜日(つまり今日)の夜10辺りを予定しています。もし無理だったとしても許し亭許して。

さぁ、盛り上がってまいりました。R-18な描写は流石にキンクリさせてもらいますね…。こ↑こ↓は全年齢板なので…。

遅くまでありがとうございました!お付き合いいただける皆様に只々感謝です!
598 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 01:29:32.37 ID:lm7MInEM0
あ、コンマ判定は0ですね…。展開どないしましょ…。それでは皆さん、おやすみなさいです。
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 01:37:34.12 ID:+qz47qdRo
おつー相変わらずのコンマ神に愛されたスレ
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 01:40:39.02 ID:Ktj7w5/qO
おつおつ
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 01:41:43.12 ID:sZvLqGiZo

ヤモリの兄貴があっさりゾロ目退場してしまっただけでも衝撃的なのに、重ねてリョーコさんも攻略しちゃうとか…
まったくファンタスティックなスレだぜ!!
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 01:46:22.59 ID:81CBg25KO
おつ
相変わらずコンマが荒ぶりまくりで安心したw
R版はみんなの心の中にあるからへーきへーき(暴論)
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 04:29:55.30 ID:mK96rDTG0
604 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/14(土) 22:37:23.40 ID:DPcvGbpz0
お待たせしました!今から再開です!正直展開が全く思いつかない(真顔)
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 22:42:19.79 ID:mK96rDTG0


事後の妙に疲れた顔のアサヤをみて全員あっ(察し)となるかもしれん
606 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/15(日) 00:17:43.85 ID:aSWHpVb+0
毛布を頭から被り、姿を隠すアサヤ。

隣に座ったリョーコはそれをゆっくりと引き剝がす。

アサヤは戦慄する。

今までの彼女が出していた力ではない。

いや、実際には彼女の力はそこまで変化していない。

アサヤの心が気圧されて、力が出なくなっているのだ。

若しくは、心のどこかで期待しているのかもしれない――。

――なんだかんだで他人のことを気にするアサヤがするなどあり得ないのだが。

「…俺はそんなことしませんからね…」

辛うじて残っている理性が拒む。

だが、それは一瞬の抵抗だった。

「ん…」

「んぐぅっ!?」

脳が痺れるような、濃厚なディープキス。

超が付くほどのチェリーボーイのアサヤには、些か刺激が強すぎた。

そして、その時アサヤの中で何かが切れた。

「やんっ!」

「…あなたが誘ってきたからいけないんですよ」

リョーコは蠱惑的な笑みを浮かべ、答える。

「気にしなくていいわ。悪いのは私」

「愛する夫がいながら、娘とさほど変わらない男の子に迫ってしまった私なのよ」

それは、ある種の懺悔。

禁断の行為を為そうとしている、愚かな自分への罰。

だけど、一度火が付いたら止まらないのが乙女なのだ。

「…でも、ここまで来たからにはもう止まれないの」

「あなたは悪くない。だから、ね?」

まるで、子供をあやすような優しい抱擁。

もう、アサヤは拒むことができなかった。

――ごめんな、ヒナミ、兄貴、マシロ。

どうしようもない男だよ、俺は。

ここから、アサヤの記憶は途絶えた。
607 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/15(日) 00:43:27.88 ID:aSWHpVb+0
沈んだ日は、また昇る。

いつものように朝が来た。

だが、年季の入ったアパートの朝はいつものものではなかった。

「死にたい…」

上半身裸で体操座りをするアサヤ。

その隣には、ニコニコと微笑んでいるリョーコが。

そして周りには、10個を超えるほどの丸まったティッシュが。

死にたい、と言っていたアサヤだが、既に瀕死の状態だ。

――股間と心が痛い。

如何なる理由があろうとも、未亡人と寝た事実は変わらない。

どうしようもないクズ喰種として、周囲に認知されるであろう。

一番不憫なのはヒナミだ。

大好きな母親が、嫌っている男と肉体関係を持っているなど、地獄でしかない。

どう対応すればいいのかも分からないだろう。

――もういっそ殺せ。

そんな気持ちでいっぱいになる。

「…だけど、いつもはあんなに強気なアサヤくんがあそこまで甘えてくるなんて…」

「やめろぉぉぉぉぉ!」

無意識に押し込めていた醜態を思い出して絶叫する。

――今までアサヤは甘えてこなかった。

いや、甘えられる相手がいなかった。

兄はいつも忙しそうにしていて、両親は幼い頃に他界。

そんなアサヤが、未亡人の醸し出す母性に抗えるわけがなかった。

――とどのつまり、バブみには勝てなかったよ。

「うぉ〜いアサヤ〜。リョーコさんはいるのか〜?」

「オイオイオイ死んだわ俺」

死の宣告にも聞こえる同僚の声。

対抗策なんてあるはずがない。

グッバイクソッタレワールド。グッバイマイブラザーアンドシスター。

「あら、トーカちゃんじゃない」

いつの間にか、リョーコはドアを開けていた。

乱れたパジャマ姿で。

「…オイアサヤ」

「…ハイ」

「いっぺん死ね」

ああ、この世界は無情なり。
608 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/15(日) 00:48:32.70 ID:aSWHpVb+0
うーん…。何も思い付かねぇ!(ちほー)すみません、朝が早いのでこれで終了です。全然書けてない愚かな私に罰を…(プリン)

次回更新は来週の金曜でしょうか…。状況が変わったら報告に参ります。お疲れ様でした!(土下座)
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 01:10:22.74 ID:EDw0XWxgo
おつおつ
R送りにならないギリギリまで書いてくれるなんて……
取り敢えずアサヤ爆発
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 01:15:27.40 ID:/cql9O6/o
アアアアアアア!!! 乙
そういえばヒナミはアサヤのこと嫌いだったなw
えらいことになってきやがった…!
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 02:37:05.81 ID:g1XoQRe30
乙 
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 03:43:44.38 ID:AulMxIanO

アサヤだけが序盤に引っ越したのはこの日のためだった…?
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 03:47:55.88 ID:x1xKmyIbO
イツキに比べれば9割殺しで済むからセーフでしょ(エトとマシロを横目で見ながら)
614 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 13:54:51.11 ID:oeVhVgRDO
>>609、無い頭で考えたから大変でした(ゲッソリ)

>>610、ちゃんヒナにとっての地獄が始まるゾイ…。カネキチとイツキくんへの依存がマッハ(好感度的に)

>>612、アサヤ超能力者説が浮上してきましたね…(してない)

>>613、イツキくんもほぼ恋愛関係は詰んでる感じが…。エトはまだしもマシロが一番ヤバいですよ。

今週の金曜更新と言ったな、アレは嘘だ。今日の夜に更新できそうなので更新します!

ところで、今回の更新はイツキくんかアサヤァ!のどちらがいいでしょうか?

意見がありましたら、お書きください。予定としては、アサヤを少し進めてからイツキくんにジャンプします。
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 14:32:19.73 ID:1934Rcgmo
予定通りでおけー
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 16:06:08.75 ID:bUtBr2W8o
やったー!
予定通りでよいと思いますぞ
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/24(火) 17:43:15.27 ID:w4FzuvIW0
予定通りでどうぞ
618 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 20:31:43.17 ID:PSB4EsaD0
お待たせしました!今から再開します!また、アオギリ対CCGが発生する確率が低くなっております(きっかけになるヤモリ昇天のため)
619 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 20:47:40.87 ID:PSB4EsaD0
言葉の割に、そこまで手痛い攻撃は食らわなかった。

せいぜい、腕が一回吹っ飛んだ程度だ。

「だいぶ手加減したな」

「そりゃ…。そんなやつれた顔見たら躊躇するでしょ…」

トーカの言葉が気になって、鏡を見る。

「…誰これ」

「ほら、自分ですら分からなくなってるくらいだから相当だよ」

やつれたというよりは、もはやミイラである。

「…うふ」

死に掛けのアサヤに対して、つやつや卵肌のリョーコ

「対比が凄くて、アサヤが死人にしか見えない」

「…俺も正直生きてる実感がない」

未だに、アサヤの体には力が入らない。

アレによる股間の痛みと、精神的なストレスによる腹痛、その他諸々でアサヤの体はボロボロだからだ。

――リョーコさんヤバい、ヤバすぎる。

戦ったわけでもないのに、ここまで疲弊させたリョーコは、ある意味最強の喰種であった。

「…そういえばさ」

不意に、トーカが口を開いた。

「ヒナミのこと、どーすんの?」

アサヤの胃痛が加速する。
620 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 21:21:32.84 ID:PSB4EsaD0
「そこなんだよなぁ…」

コーヒーを淹れて、二人に振舞う。

今の三人の関係はドロドロすぎて、ヘドロすら腐ってしまう。

愛する母親は、苦手意識を持つ従業員と不倫関係になっている。

今は気付いていないだろうが、このまま関係が続けばやがて気付かれるだろう。

アサヤとしては、それは避けたい事象だ。

だが、これで関係を終わらせるのも、それはそれでクズでしかない。

『あんていく』でリョーコが言っていた『一人は嫌』という言葉に、嘘は入っていない。

彼女も心細かったのだ。

突然、心の支えだった夫を喪い、娘と二人きりになった。

そして、自らの命の危機を救ったアサヤは、リョーコにとって眩しすぎた。

眩しすぎたが故に、その光に縋ってしまった。

アサヤ自身、リョーコが自分という存在に縋っているのは、一夜の中で理解した。

その上で、リョーコとの関係を終わらせられるほど、アサヤは出来た人間ではない。

――だから、俺は。

「…過ぎたことは、どう悔やんだって変わりはしない」

「なら、俺は受け入れる。どんなにクズと罵られようが構わない」

「今の俺にできることは、リョーコさんを、ヒナミを、皆を守ることだ」

「…それさえできなかったら、俺はクズ以下の何かになっちまうからな」

アサヤの顔を見て、トーカは険しい顔つきになる。

「ヒナミから嫌われても?」

「ああ。どんなに俺が嫌われようが、それが守らない理由にはならないだろ」

力強く言い切るアサヤに、トーカはこれ以上問い詰める気は無かった。

「…じゃあ、守ってあげな」

「…一番辛いのは、きっとヒナミだから」

トーカは、空になったコーヒーカップを流しに置き、外に出る。

「…分かってる」

アサヤの犯した罪は、許されるようなものではないだろう。

それでも、背負っていくしかない。

責任から逃げることは、最低な男がすることだから。

既に人としては最低だとアサヤは思っているが、そこだけは譲れない。

譲ってしまったら、今までの全ても無駄になりそうで。

「あなた…。ヒナミ…。アサヤくん…。ごめん…なさい…」

自分のしたことを思い出し、愚かさに涙を流すリョーコ。

アサヤは、座り込むリョーコの傍に近寄り、抱きしめる。

「リョーコさん一人で背負う必要もないでしょう」

「これからは、俺にも背負わせてもらいますよ」

「ごめん…なさい…!」

リョーコの涙が枯れるまで、アサヤは抱きしめ続けた。
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 21:36:20.26 ID:uVtwCfu+O
ヒナミに好かれれば万事解決!
622 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 21:44:23.58 ID:PSB4EsaD0
『天使』失踪から四週間が経過した。

警備が薄くなったと思ったら、今度は『13区のジェイソン』が死亡した可能性が浮上し、近場のここの警備が再強化された。

行動し難くなったことに、若干の苛立ちを覚えながら、車を出す。

今日の目的は、イトリさんの所への顔出しと、エトの仕事のアシスタントだ。

最近顔を出していなかったので、久し振りに顔を出して情報を入手しよう、という目的だ。

その思惑すら見透かされていそうで、気になるのだが。

今回はマシロには留守番をしてもらっている。

本人も、あまり迷惑は掛けたくないようで、素直に了承してくれた。

相手が女性だと知ったら、特攻をかましてくる可能性が否定できないことに恐怖を覚える。

――もう少し、依存性が和らげばいいんだけどね。

そんな思いが片隅にあるが、マシロが望むことなら受け入れるまでだ。

――俺の存在理由など、それ以外にないのだから。

車を駐車場に停め、いつものようにノックをする。

そしてドアを開けると、ワイン――血酒――が既に開けられていた。

「いらっしゃい、イツキン」

「…今日はもう少し熟成したもので」

「オッケー。まっ、勿体ないからこれも飲んどいて。サービスよん」

言われるがままに、グラスに注がれていたそれを口にする。

「…美味しい」

「それは嬉しい言葉だねぇ」

ニヒヒ、と笑うイトリをよそに思考する。

さて、どんな情報を貰うべきか。
623 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 21:48:18.27 ID:PSB4EsaD0
>>621、そうだよ(便乗)

直下コンマで、情報の量を判定しまっす。

1〜3:残念ながら…(目を伏せる)
4〜6:まあまあの情報
7〜9:あったよ!いい情報が!
0、ぞろ目:ヤバい(確信)情報が
00:???
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 21:55:11.06 ID:uVtwCfu+O
ほい
625 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 21:58:57.31 ID:PSB4EsaD0
コンマ判定:6 まあまあの情報が手に入りました。

あっそうだ(唐突)コンビニで売ってる、ブルガリアの飲むヨーグルト(ブルーベリー&三種のベリー)がめちゃんこ美味しいのでぜひご賞味あれ!

↓1、2に、情報をご記入ください。
626 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/24(火) 23:22:36.30 ID:CaNZr7Bg0
あー…。まあまあの情報といっても、どれくらいがまあまあに入るのか分からないから書きにくいですよね…。

こんな喰種や捜査官がいる!や、近々オークションがあるらしい!といった情報です。
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 23:54:44.79 ID:a0Wsn36so
体のほとんどがクインケでできてるやべー捜査官がいるらしい
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/24(火) 23:58:39.72 ID:bUtBr2W8o
『if』の名を騙ってやりたい放題やってるな喰種が居る
629 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/25(水) 00:05:56.35 ID:uTB8+G/s0
>>627、『アラタ』の実戦投入早すぎやしませんかね…。

『if』を騙るクソ喰種の設定を軽くします。↓1に外見、↓2に性格、↓3に赫子の種類と特徴をお願いします。

このレスのコンマが奇数で女性、偶数で男性となります。戦闘力は直下コンマで判定します。
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 00:18:28.46 ID:4POFKVMBo
陰気なメカクレ
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 00:21:52.64 ID:8rn6XOJjo
腹黒
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 00:41:27.02 ID:GdGNmShSo
甲赫
アゲハ蝶の羽をステンドグラスにしたような見た目で、甲赫にあるまじき脆さを持つ
内側には目に見えないほど細かな繊維が張り巡らされている
砕かれた破片は粉々に自壊しつつ、繊維に沿って絡まった対象を追尾し、
体内に潜り込んだ後体内の管と言う管に残留して死に至らしめる
当然ながら空は飛べない
633 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/25(水) 01:02:24.68 ID:uTB8+G/s0
とりあえず、現在注意するべき情報でも貰っておくべきか。

そう判断し、数万円程度をカウンターの上に置く。

「だから多いんだってばぁ」

そう言いながらもしっかりと枚数を確認し、収納するイトリ。

「今回の情報はこれくらいね。量が少ないのは謝るわ」

手渡されたのは二枚の書類。

片方は、噂を纏めた物なのか、いずれの情報も『らしい』という文末表現になっている。

「…体の殆どがクインケで構成されている捜査官…か」

頭の中で、対象がどういうものなのかを推測する。

最も可能性が高いのは、自分のような身に着ける赫子をそのままクインケ化することだ。

つまり、赫者をクインケにしている、ということになる。

――装着タイプの捜査官は喰種を相手にする、と思った方がよさそうだね。

全身にクインケを装着するのだから、防御力を目的としているわけではないだろう。

いや、防御力の強化も含まれているのだろうが、あくまでそれは副産物。

メインは、身体能力の増強のはずだ。

そうでなければ、貴重な赫者の赫子を、わざわざ装着タイプのクインケに加工したりしない。

「…直接見たと思われる人は全員駆逐されてるの。だから、確定した物言いになっていないのよ」

「でしょうね」

並の喰種では、喰種の動きをする捜査官に対応できるはずもない。

厄介な敵が増えた、と眉を顰めるイツキだった。
634 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/25(水) 01:19:22.22 ID:uTB8+G/s0
もう片方は、『if』を騙って人を殺めている喰種の情報だった。

まだ行動を始めていないが、始める前から評判を悪くするわけにはいかない。

速攻で処理をする必要がある。

赫子は甲赫で、本人自体の実力は低い。

簡単に殺すことはできるはずだ。

居場所は不明だが、昼に顔を出すことはありえないだろう。

あちらも、そしてこちらも、表立って行動するのには多大なリスクが付きまとうのだから。

――そろそろエトの手伝いに行こう。

ここでの用が無くなったので、グラスの残りを飲み干して、店を出る。

しかし、ドアノブに手を掛けたところで、店主の声に制止される。

「頑張っておくれよ。こっちも楽しみにしてるからさ」

「善処します」

短く返し、そのまま店を出た。

誰もいなくなった店内で、イトリは呟く。

「やっぱり、キミとの駆け引きは楽しいねぇ」

――下手な嘘だと一瞬でバレちゃうから、そう簡単には混ぜられない。

――だけど、キミの思考を掻い潜って騙せた時は至上の悦びが感じられる。

――まぁ、そんな瞬間は一生来ないだろうけどね。

クスリ、とイトリは笑い、イツキが口を付けたグラスにワインを注ぎ、それを一息に飲み干す。

――甘いねぇ。これが青春の味なのかねぇ。

その瞳は、楽しそうに嗤っていた。
635 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/25(水) 01:36:19.06 ID:uTB8+G/s0
車を走らせ、渋滞に差し掛かったと同時に電話を掛ける。

一回目の呼び出し音が鳴り終える前に、それは出た。

『ほいほいほい!何か用ですカナ?』

「…相変わらず早いですね」

記憶が正しければ、今までの電話のほぼ全てが一回目の呼び出し音で反応されている。

思考を戻し、話を切り出す。

「…今、そちらの方に向かっています」

『マ!?』

ガタタッ、と電話越しで聞こえるのだから、よっぽど大きな音だったに違いない。

そんなことを考えながら、冷静に返していく。

「はい。今渋滞に引っ掛かってるので、あと20分ほど時間が掛かります」

『オッケーオッケー』

「失礼します」

『ん。まったね〜』

通話が切れると同時に、横を警察車両が通っていく。

スピーカー機能の便利さを改めて感じながら、アクセルを踏む。

少しずつ解消されていくが、未だ続いている渋滞に、僅かながら不満を覚える。

――渋滞さえなければ、気軽に車を出せるんだけどね。

一度家に車を置くべきだった、と後悔しながらイツキはハンドルを切り、左折する。

渋滞を無理矢理脱し、別ルートでのアプローチを試みる。

同じ頃、マンションの近くだけで何故か起きている渋滞に頭を抱えるエトの姿があった。

「こんな時に飛び降り自殺なんて勘弁してクレメンス…」

野次馬が野次馬を呼び、大渋滞となったマンション周りは、マトモに進むのさえ困難だったと、後にイツキは語った。
636 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/25(水) 01:38:41.48 ID:uTB8+G/s0
あまり更新できていませんが、今回はこれで終了です。次回は今日(水曜日)の夜の予定です。

エトと何をするか(どんなイベントが起こるか)の安価を直下に出しておきます。皆さん、お疲れ様でした!
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/25(水) 01:53:07.48 ID:sH5Zv9kgo
おつ!
エトルート…そういうのも、あるのか?

安価下で
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/26(木) 23:36:16.91 ID:arRh4kZ7o
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/26(木) 23:39:58.09 ID:UVZxFAWLo
ラキスケ
おう
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/26(木) 23:40:24.83 ID:UVZxFAWLo
641 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/27(金) 17:43:51.40 ID:IMg1lSh3O
前回は更新できなくてすみませんでした!今日は夜9時頃から再開します!
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 20:18:22.06 ID:J8MQCT5jo
了解
643 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/27(金) 22:34:26.83 ID:50XUogJb0
あかん遅れてもうた…。今から再開です!
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/27(金) 23:03:37.20 ID:huwghpBHo
イエッサー!
645 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/27(金) 23:29:44.48 ID:MCRdgIqz0
「…飛び降り自殺か。お悔やみ申し上げます」

遺体を中心としたドーナツ状に広がる野次馬。

そして、道路まで広がった野次馬のせいで、渋滞が発生している。

イツキはそんな惨状を尻目に、別ルートから駐車場に停車、マンション内を目指す。

その間に野次馬の数は更に膨れ上がり、マンションへ入るのが困難になった。

「…マンションの構造は…。見取り図でも見ておくべきだったかな」

外から見て得た情報で、移動ルートを構築していく。

しかし、跳躍などを使わずに辿り着くのは不可能だった。

「…しょうがない。無理矢理押し通るしかないね」

前傾姿勢になり、人波の隙間を無理矢理進んでいく。

が、どうにも人が少なくならない。

周りを見ると、スマートフォンを片手に持った女性たちが。

イケメンに惹かれたのか、その白髪が気になったのか、はたまたその両方か。

考えるのも面倒なので、イツキは歩くスピードを速め、マンション内に突っ込む。

「…通路を塞がないでよ。迷惑じゃないか」

悪態をつき、エレベーターのボタンを押す。

降りてきたエレベーターの扉が開く。

中には、エトがスルメを食べながら立っていた。

「…何食べてるんですか」

「スルメ。まっずいけどね」

「…当たり前です。俺たちの体が受け付けないんですから」

喰種が満足に食せるのは、コーヒー(淹れた方がいい)、人肉(というより人体なら大丈夫)の二つだけだ。

それ以外は、体そのものが拒絶してしまい、万一体内に残留している場合は、激しい吐き気に襲われ、著しく身体能力が低下する。

また、途轍もなく不味く感じてしまうため、喰種であることを隠すためにも、普通に食べるスキルは人間社会で生きるなら必須だ。

同種である喰種も捕食自体は可能だが、他の食べ物と同じく不味く感じる。

だが、身体能力の向上が見込まれ、赫子の強化や赫者化することもある。

「だけど、人間のように振舞うのもネタになっていいぞよ」

「…変なお方だ」

「よく言われるさ。それよりも、ほれ」

投げ渡されたのは、一つの鍵。

「合鍵だよ。好きな時に来てどうぞ」

「…軽率すぎでしょう。そう軽々しく渡していい物じゃありません」

イツキの言葉を聞いたエトは、腹を抱えて笑う。

「あっははは!かったいねぇイツキくんは」

「私が君を信頼してるだけだ。だから渡した。それでいいじゃないか」

「まったく…」

手招きをするエトを追い、エレベーターの中に入る。
646 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/28(土) 00:06:23.49 ID:n+eIZhDC0
扉を開いてまず目に入ったものは、夥しい数のゴミ。

「これはひどい」

無意識のうちに口から出た言葉は、分かりやすくその地獄のような光景を表していた。

「…まずは掃除ですね。これじゃ捗るものも捗りませんよ」

「いや、そうでもないけどね」

欠伸をするエトを尻目に、イツキはゴミを整理していく。

ゴミの中から飛び出ている、一本の黒い紐が気になった。

「なんだろコレ…」

「ん?ちょ待っ」

何かに気付いたのか、走って制止してくるエトだがそれも遅く、その何かが引きずり出される。

「………」

何かはブラジャーだった。

ブラジャーを見たイツキは真顔でエトを見る。

「マニアワナカッタ…ホアッ!?」

止められなかったエトは、間に合わなかったことを悲しそうに口にし、足元のレジ袋で滑る。

「大丈b…あっ」

こけるエトを助けに行こうとするイツキだが、近づいた瞬間に悟る。

――これは、フラグだ。

その悟りは正しく、カーリングよろしく滑って来たレジ袋に足を滑らせ、イツキもこける。

仰向けにこけるイツキの上に、うつ伏せでこけるエト。

そこから導き出される結論は一つ。

「………」

「ナイスクッションだよイツ…キ…くん…」

そう、ラッキースケベ、通称ラキスケだ。

かの大英雄であるリト兄貴や、主人公の座を奪われたシンちゃんなど、様々な主人公が習得している基礎技術である。

今の状況は仰向けに倒れているイツキの上、もっと言うなら、イツキの顔面にエトの胸が押し付けられている。

「…下着付けてないですよね」

「アッハイ」

イツキが先ほど手にしたブラジャーは、エトが邪魔で脱ぎ捨てたものだ。

つまり、両者を隔てるものはシャツ一枚。

「…いくら自宅とはいえ、下着はちゃんと着けましょうね」

だが、合理化モンスターのイツキの心は動じない。

「…はい」

全く動じないイツキを見て、女のプライドが傷ついたエトだった。
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/28(土) 00:11:13.03 ID:JO1f7xSmo
汚部屋見られた時点でプライドは……いや、よそう。俺の勝手な(ry
648 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/28(土) 00:49:22.25 ID:n+eIZhDC0
プライドが傷ついてヤムチャしてるエトをよそに、掃除を済ませるイツキ。

大量に積まれた原稿(試作品)にチェックを入れていく。

「これは…喰種のことが露骨すぎてNG。こっちは…ただのゲームの感想だ。何やってるんだ…」

チェックを入れていくが、その全てがどこかがおかしい。

どこかというか、根本的に。

「…大丈夫なんですか、これ。このままじゃ締め切りに…」

心配するイツキを見て、エトは口を開く。

「既に新作は渡したよ。締め切りは当分ないからダイジョブ…」

それならよかった、とイツキは安堵する。

「あ、そーいやさ」

「はい?」

「どういう活動をしてるの?『if』」

イツキはその言葉を聞いて、数秒間思考に耽り、答える。

「…今は休止中です。安全なアジトを揃えるまでは、組織全体で動くわけにはいかないですから」

「とりあえず、今は俺単独で色々しています。今後の活動に備えた資金準備とか、懸念材料の処理とか、です」

帰る場所が約束されていない以上、組織を動かすのは多大なリスクが生じてしまう。

故に、リスクが小さいイツキ単独での活動に頼るしかないのだ。

「大変だねぇ…」

いつの間にか手にしていた缶コーヒーを飲みながら呟く。

「それでも、やると言った以上はします」

「そっか。命は落とさないようにね」

「…こんな命、目的達成のためなら喜んで捨てますよ」

――それが一番効率がいいし、確実だから。

そんな思いを胸に秘めながらイツキは言う。

エトは、イツキの胸中に気付かない。

イツキの本質を知っている人は、イツキ以外にはいないのだから。
649 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/28(土) 01:35:30.71 ID:n+eIZhDC0
野次馬は興味を失い、マンション付近は普段の静寂を取り戻した。

それを見たイツキは、外出の準備をする。

「およ、もう帰るのかい?」

「ちょっとした仕事がありますから」

エトの後ろのテレビには、全身から紫色の光を放つΖガンダムが。

ほとぼりが冷めるまで、エトと対戦をしていたのだが結果は完勝。

格闘しか振らないグフカスタムでは、勝てるはずもなかった。

もっとヒートロッドは上手く扱いましょう。

「…せっかく優秀なメインがあるのに勿体ないですよ」

「うぐ」

「失礼しました」

「ん。今日は楽しかったよ。バーイ」

扉を閉め、外を見る。

既に夜の帳が降りているので、視界が悪い。

好機と見たイツキは、すぐさま車目掛けて飛翔する。

あまりに速いそれを、常人が認識することなど不可能。

ものの数秒で、駐車場へと辿り着いた。

エンジンを掛け、車を出す。

目的地は特にないが、目的はある。

『if』を騙る不届き者をこの手で始末するのだ。

『長槍』の標的になったそれは、果たしてこの先生き残れるか。
650 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/28(土) 01:39:14.25 ID:n+eIZhDC0
直下に移動する区をお願いします。コンマが5以上で発見、奇襲をオートで行います。
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/28(土) 01:53:50.60 ID:08MUhJtso
10
652 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/28(土) 03:22:49.10 ID:SVGRRO1m0
10区に入って、駐車場に車を停める。

11、12、13、14区を軽く回ってみたが、怪しい人はいなかった。

「…まぁ、そう簡単には…」

気配を感じた。

視線の先、路地裏に続く通りに、ぼさぼさな髪をして猫背な女性と、ホームレスか、みすぼらしい服装の男性が入っていく。

手元の書類を見直すと、女性の方は件のものに酷似している。

「…尾行(つ)けるか」

相手の姿が見えなくなったことを確認して、イツキは近くの建物の天井に飛び乗る。

後を追い、路地裏の行き止まりに到着すると、男性は周りを見渡す。

「あれ、俺と同じような人がいるって…」

その言葉を聞いた瞬間、女性の顔が歪む。

「ごめんなさぁい。全部嘘なの」

「あなたはここで死んで、私の餌になるのよ」

「共存を目指す『if』?馬鹿馬鹿しいわ。どうせ人間なんか食料でしかないのに」

イツキは冷静に話を聞く。

これで条件は整った。

そう思ったイツキは、一本の尾赫を出す。

「『ピエロ』にいきなり声を掛けられた時は死ぬかと思ったけど、いい奴じゃなっ」

そして、一瞬で女性の頭を切り裂いた。

「へ?」

男性は、何が起こったのか理解できずに呆然としている。

仕事を終えたイツキは、すぐ車に戻り、10区を離れる。

「…別に、怒ったわけじゃないさ」

「邪魔したから消したまで、だよ」

車の中でそう吐き捨て、家へと戻る。

まだ、表立った活動をしていない『if』の名前を知っていたことに対する疑問が、イツキの中に残っていた。
653 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/28(土) 03:28:18.46 ID:SVGRRO1m0
本日の更新はこれで終了です。頭がボーっとする…。次回更新はたぶん月曜日になるかと思います。お疲れ様でした!
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/28(土) 03:55:26.50 ID:JO1f7xSmo
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/28(土) 06:50:39.38 ID:d7ITQVdpO
乙乙
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/28(土) 12:55:33.95 ID:08MUhJtso
乙乙乙
657 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/30(月) 23:11:45.34 ID:L24C77BR0
だいぶ遅くなってしまった…。今から再開します!
658 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/30(月) 23:13:35.22 ID:L24C77BR0
そろそろ原作ではアオギリ戦が起きる頃なので、直下コンマがゾロ目or0で、(このスレ内での)次週で戦闘が発生します。
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/30(月) 23:14:38.08 ID:/eSlaqvqo
ほい
660 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/30(月) 23:19:58.62 ID:L24C77BR0
コンマ判定:8 今週は起きないようですね。アオギリ戦が発生するか否かの判定はあと二回行う予定です。少々お待ちください…。
661 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/30(月) 23:59:35.16 ID:L24C77BR0
テレビでは、10区で女喰種が殺害されたというニュースが流れている。

「…昨日の今日でニュースになるのか。変なところで優秀だね」

「お兄さんがやったんですよね」

「…まぁ、色々あってね」

何をしているかを隠さないといけないイツキは、ありきたりな返答で流そうとする。

マシロも、そんな兄の思いを汲み取って追及しない。

イツキは、今の組織の現状をもう一度確認する。

現在拠点にしている廃工場は、月一程度だが捜査官が近寄り、未だにマークが続いている。

安全地帯…アジトにする予定の場所は17区にあり、移動するのなら何らかの騒動に乗じた方がいい。

喰種の悩みを聞いてくれるカウンセラーの情報を所持しており、必要に応じて利用することができる。

草野財閥の令嬢のエリカ、ジン、付き人のヨウハを波羅勝橋のたもとのプレハブ小屋で匿っている。

財産はそちらに預けており、必要ならば裏社会での取引材料として活用できる。

コーヒーカップを手に持ち、窓から外を眺める。

捜査官の姿が無い、いい朝だ。

「まだ組織としての活動をするべきではない…。分かってるけど…」

イツキは、大きなため息を吐く。

「アオギリとかがいる都合上、存在を知らしめたいんだよね…」

最低でも、我々が普通の喰種と違うと認識させなければ、共存など夢のまた夢だ。

CCG側との交渉は、あくまで優位に立ってから。

まずは、組織として認識されて、基盤を固めていかなければ、どうにもならないことを理解している。

理解しているからこそ、ため息が止まらない。

「…手詰まりなのが一番腹が立つよ」

悩みの種が残っているのが何よりも腹立たしいイツキだった。
662 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/31(火) 00:00:31.68 ID:kdnJ2e3Q0
直下に朝の行動をお願いします。(制限は特に)ないです。
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 00:01:10.46 ID:FVltBVhho
ましろこみゅ
664 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/31(火) 00:34:33.83 ID:kdnJ2e3Q0
ふと、電子音が鳴り始めたので後ろを向く。

そこには、某暗殺海賊ゲームをしているマシロが。

「むむむ…。戦列艦に何回も追われるのは苛立ちますね…」

開始早々、敵に追われるマシロだが、あっさりと無力化し、直接プレイヤーだけ乗り込ませて暴れ回っていた。

見張り台の狙撃兵を後ろからShooooo!して、上から銃が届く範囲を狙撃していく。

甲板に落ちた狙撃兵は、手足が変な方向を向いて痙攣していた。

それから殲滅した後、ゲームのディスクを入れ替える。

次はFPSゲームだった。

「このステージはSR…。いや、逆にSGやアキンボで荒らすのもアリですね…」

装備はstrikerとFMG9。

特に、strikerは拡張マガジンとサイレンサーを装着しており、PERKはブラインドアイとアサシン、シットレップ。

パッケージはスカベンジャーとスライハンド、ステディエイムだ。

分からん殺しする気満々で恐ろしい。

ガチ勢であることを知っているイツキはそう思い、マシロの横に座る。

「好きだよね。サイレンサー装備で奇襲したりするの」

「慌てふためく姿が面白いですから」

その後、マシロはノーデス30キルを成し遂げるが、VCからブーイングされて、渋々退室した。

「冗談じゃないですよぅ。あっちは談合試合してたのに…」

ブーイングしていた人たちとの戦闘をリプレイで見るが、VCをしていた人は決まって一つの場所に集まっていた。

そこに、アサシン装備で認識されづらいマシロが侵入、敵側を全滅させてマシロは別のエリアに移動。

そんな行動が繰り返されていた。

「…あちらも稼ぎたかったんだろうね。もっとも、通報されたら即アウトの無謀な行為なわけだけど」

悪くないはずの自分が退席する羽目になったからか、マシロは頬を膨らませている。

「あーもうむしゃくしゃします!異世界攻略してやりますからねー!」

そう言って、今度はPS2を起動させる。

「…交代交代でやるかい?」

イツキが問うと、マシロは満面の笑みで答える。

「はい!3回ずつやって、一番深くまで進めた方の言うことを聞く、というルールでしましょう!

笑顔のマシロを見て、イツキも微笑む。

――いつものように過ごせるっていいなぁ。
665 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/31(火) 00:39:02.18 ID:kdnJ2e3Q0
↓1コンマがイツキの到達階層、↓2コンマがマシロの到達階層です。勝った方から、負けた方に向けて安価を出します。

準廃人の知慧:↓2コンマ+↓1コンマの下一桁
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 00:41:51.26 ID:ZQnQjMJwo
ほい
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 00:44:11.21 ID:FVltBVhho
にゃ
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 00:46:45.92 ID:uyCenbTwO
669 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/31(火) 00:50:10.45 ID:kdnJ2e3Q0
結果:イツキ 26階で力尽きた マシロ 27階で力尽きた

準廃人のマシロと天才(天災)のイツキですら1/4程度しか進めないとは…。異世界怖い。
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 00:56:47.94 ID:ZQnQjMJwo
異世界ってすげー
671 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/31(火) 01:16:27.53 ID:kdnJ2e3Q0
それぞれが攻略を始めるが、なんと、最初の二回は一階で倒れてしまった。

「…冗談じゃないよ。三匹もスライムが近くにいたら死ぬじゃないか」

「開幕が地獄すぎましたね…」

ラストチャンスに望みを懸け、イツキは慎重に進めていく。

「10階…。モンハウ発見、トンネル…よし!世界樹も取れた!」

「あっこれヤバい」

焦るマシロを無視して、レベル上げと食料入手をしながら、進んでいく。

「…最初の大部屋は金縛りで越えられる。大丈夫だ…」

50分掛け、26階へと到達した。

マップでは、遠くにモンスターが一匹だけが確認できる。

「…待って。足元にアイテムとか嫌な予感しかしないんだけど」

恐る恐る一歩進むと、画面外から壷が投げられてきた。

「「あっ」」

世界樹?なにそれおいしいの?

何があろうと強制死亡、最凶最悪の攻撃『閉じ込め投げ』である。

「…流石にこれは」

「最悪すぎますね…」

イツキは、これを攻略した人が心の底から恐ろしく感じた。

「私が同じ目に遭うことは無いはずです…」

余計なフラグを建てたマシロだが、思いの外スイスイ進んでいく。

イツキが昇天した26階も、神階段ですぐ次に進んだ。

「負けたかぁ…」

「このまま先に…!」

しかし、現実は非情である。

「開幕モンハウゥゥゥゥ!?」

残念ながら、対応できるアイテムは、既に使い切っている。

一か八か、足元のルーラ草を使うが、まさかの祝福。

あっちに行って、こっちに行って。

結局モンハウに戻ってきて、嬲り殺しにされて終了した。

「…ま、まあ、一応私の勝ちですし…」

「…異世界って、理不尽すぎるよね」

「はい…」

落ち込むマシロの肩を叩き、慰める。

多少は効果があったのか、マシロは顔を上げる。

「命令をどうぞ。お嬢様」
672 : ◆BOjnShBY1I [saga]:2017/10/31(火) 01:21:49.67 ID:kdnJ2e3Q0
直下に、マシロからのお願いをお書きください。朝が早いので、申し訳ないですがこれで終了にさせていただきます。

全然更新できてなくてすみません…。次回は金曜日にできると思います。…夜勤ドゥーエさえなければ。皆さん、お疲れ様でした!
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/31(火) 01:23:55.15 ID:uyCenbTwO
ずっと一緒にいてください
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