八幡「神樹ヶ峰女学園?」

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106 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2016/12/23(金) 14:04:39.05 ID:N4VYi3PbO
>>105
すみません、メンテナンスってなんのメンテナンスですか?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/23(金) 14:41:01.95 ID:ioT6+HQZo
ソシャゲのメンテナンスとか?
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/23(金) 18:08:17.05 ID:tFPAy4Ac0
お前は何を言ってるんだ
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/23(金) 19:39:25.59 ID:dvIi7tg3O
ちょっと頭おかしい人かな?
一回落ち着いてから書き込めば大丈夫だからね
110 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/24(土) 02:35:21.48 ID:sbYUp55o0
番外編「楓の誕生日 前編」

今日はクリスマスイブ。世間のリア充が一番沸き立つ日と言っても過言ではない。カップルはもちろん、彼氏、彼女がいない人も集まり「今年は彼女(彼氏)できなかったわ〜、来年は頑張らないと〜。でも来年までにできなかったらまた集まろうね」とか騒ぎ合う。そういうやつらって、ほとんどが次の年も彼女、彼氏はできないし、もしできたときには他の奴らからの嫉妬がすごいことを知ってる。ほんとこういう時の嫉妬ってすさまじい。まさに「嫉妬ファイヤ〜〜〜」が燃え上がってる状態。

そんな俺はというと、もちろん彼女なんてできるはずもなく、バカ騒ぎする友人も当然いない。むしろ、仕事というプレゼントを学校からもらってる状況である。おかしいなぁ、クリスマスイブにまったく嬉しくないプレゼントもらったぞ?サンタさんちゃんと仕事して?

楓「あら、先生。ごきげんよう」

そんなことを考えていたら千導院に声をかけられた。

八幡「おう、千導院か」

楓「先生の事探していたんですわ。今日、我が家でワタクシの誕生日会が開かれるですが、先生もいらっしゃいませんか?」

八幡「いや、俺まだ仕事あるし…」

楓「それは残念ですわ。先生にもワタクシの誕生日を祝ってもらいたかったんですが…」

悲しそうにうつむきながら千導院は声を絞り出す。いや、そんなに落ち込まれたらすごく話しづらいんですけど。

八幡「…まぁ、会にはいけないが、そのお詫びというか、これ」

楓「これは、もしかしてワタクシへのプレゼントですか?」

八幡「あぁ、まぁ一応な」

事前に千導院へのプレゼントにはどんなのがいいか仲がよさそうな綿木やサドネなんかに聞いておいた。アドバイスは同じだったが、果たして本当にこんなのでよかったのだろうか。

楓「開けてもよろしいですか?」

八幡「あ、あぁ」

楓「では」

千導院は袋を開ける。その中に入ってるものを見て千導院の顔つきが変わる。

楓「先生…」

あ、これはやってしまったやつか。そりゃあんなアドバイスをまともに受けた自分も悪い。こんなものをプレゼントにもらって嬉しくなるやつがいるはずがない。

八幡「あ、いや、なんというか、それは、その」

楓「これは素晴らしいですわ!
111 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/24(土) 02:37:56.63 ID:sbYUp55o0
番外編「楓の誕生日 後編」

楓「ワタクシの大好物のカップ麺!先生、ありがとうございますわ!」

八幡「ど、どういたしまして」

予想の遥か斜め上を行く喜びようだな。カップ麺が好物だなんてほんとにお嬢様なの?

楓「カップ麺は庶民の大発明ですわ。お湯を入れて待つだけでこんなにおいしいものを作れるのですから!」

そういう目線でカップ麵を見てるのね。おいしいことは否定しないし、むしろ大賛成だがここまで感動はしないな。というかできない。

楓「先生、このカップ麺、今すぐ頂いてもよろしいですか?」

八幡「あ、あぁ。どうぞ」

楓「ありがとうございますわ!では早速お湯を!」

千導院が言うが否や、執事がお湯をもって現れた。なんだよこいつ、どこから来たんだよ。忍者?幽霊?

楓「さぁ、お湯を入れて待ちますわよ!」

お湯を入れて、表記された時間になると千導院は一目散に食べ始める。

楓「これは、おいしいですわ!先生、これはどこでお買いになったのですか?」

八幡「これは千葉限定のカップ麺で、俺が好きなラーメン屋のラーメンがもとになったものだ。カップ麺もうまいが、店のラーメンはもっとうまいぞ」

楓「これよりおいしいんですの!?庶民の食文化は奥が深いですわね。では、先生。今度ワタクシをそのラーメン屋に連れてってくださいませんか?」

八幡「え?いや。それは…」

楓「もう決めました。庶民の味を知るために、協力お願いしますわ、先生」

そうやって千導院は笑顔でこっちを見つめてくる。そんな顔されたら断れないよなぁ

八幡「…まぁ、そのうちな」

楓「絶対ですわよ!忘れたら許しませんからね!」

八幡「…わかったよ」

押しが強いところはさすがお嬢様。だが、ま、いくらお金を払っても買えないものを見せてもらったし、今年のクリスマスは案外悪いものではないかもしれない。

楓「ほんとにおいしいですわ!」
112 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2016/12/24(土) 02:40:37.16 ID:sbYUp55o0
以上、楓の誕生日でした。楓、誕生日おめでとう!
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/24(土) 05:45:49.97 ID:goumTjMwo
乙です
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/24(土) 09:10:53.18 ID:iiyA8cRUo
>>107 は帰ってどーぞ。もう来なくていいからね
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/24(土) 10:50:32.26 ID:Jg21jCd50
なるほど、番外編ってこういうのね
いいじゃない
116 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/26(月) 00:06:57.38 ID:T7E6fWLO0
本編1-1

イロウスと戦った翌日。俺は朝早くから神樹ヶ峰女学園にいた。「比企谷先生にもう少しこの学園での生活について説明したいので、早く来てくださいね」と八雲先生に脅され、じゃなかった、言われてしまったためだ。

八幡「おはようございます」

樹「あら、おはようございます。待ってましたよ」

八幡「こんな朝早くから説明するんだったら昨日のうちにやってほしかったですね」

樹「昨日は、ほら、色々あったでしょ、ね?」

八幡「…はぁ」

昨日のチャーハンパーティーの時、星守たちはもちろん、先生たちも盛り上がってしまい、収拾がつかなくなって、そのまま解散になってしまった。なんなら先生たちが一番盛り上がってたまである。

樹「では時間もないので説明を始めたいと思います。比企谷先生にはHRや生徒指導など、担任としての業務を任せたいと思います。でも、それ以外の授業は星守クラスであの子達と同じように、生徒として受けてくださいね」

八幡「それは、どういうことですか?」

樹「つまり比企谷先生には、神樹ヶ峰女学園で、先生と生徒の両方をこなしてもらいます」

八幡「え、いや、そんなのムリですよ…」

樹「決定事項なので変更は受け付けません。今日からよろしくお願いしますね」

先生と生徒の二足の草鞋なんて履けるはずがない。なんなら今まで生徒すらちゃんとやれてない。

八幡「横暴だ…」

樹「何か言いましたか?」

八幡「いえ、何もないです…」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 13:58:58.75 ID:Pnuptpkh0
1位可愛いは正義!だけど可愛いと言われるのは悪夢!
2位もしも八幡が歌い手だったら+12
3位金髪赤目のぼっちな高校生
4位八幡「ゆきのんゲットだぜ」
5位雪ノ下雪乃の半身? 第20話

25日渋の上位5位の結果だが…八結かすりもしてないんですけど…
八結合同企画は
14位のWHITE AZALEA あなたに愛されて幸せ
相変わらず順位に恵まれないな
118 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/26(月) 15:02:06.30 ID:T7E6fWLO0
本編1-2


そうこうしていると朝のHRの時間になってしまった。昨日会っているとはいえ、教室には行きづらい。
今からは先生として振る舞い、授業は一緒に受ける。もう意味が分からない。

八幡「はぁ…」

ため息をつきながら教室のドアを開ける

みき「先生!おはようございます!」

楓「おはようございますわ」

望「おぉ!おはよう先生!」

八幡「あ、あぁ…」

ふぇえ、テンションが高くてついていけないよぉ

八幡「あぁ、みんなに伝えないといけないことがある」

そう切り出してさっき八雲先生に言われたことをかいつまんで説明すると

遥香「先生と生徒を一緒にやるなんて大変ですね」

八幡「あぁ…」

てかそもそも生徒として行くのはダメだから先生になったんじゃないの?設定がグダグダになってない?大丈夫?

あんこ「なら先生は先生じゃないってこと?」

ミシェル「先生が生徒で、生徒が先生?ミミ、わからないよぉ〜」

八幡「簡単に言えば朝と放課後は先生で、授業中は生徒ってことか」

多分そう、ナニコレものすごくめんどくさい。

うらら「なら呼び方も変えなきゃね!先生じゃないなら、あだ名つけなきゃ!一応年上だし、ハチくんとか!」

ひなた「ひなたも八幡くんって呼ぶ!」

昴「は、八幡さん?なんか恥ずかしい…」

八幡「おい、好き勝手に呼ぶな」

なんか恥ずかしいだろ。すごい仲いいみたいじゃないか。

明日葉「そうだぞ。あくまで比企谷さんは先生としてここにいるんだぞ」

蓮華「まぁ、みんな好きにすればいいじゃない、ね、先生?いや、八幡って呼んだ方がいいかしら?」

八幡「からかわないでください…」

花音「そうね、こんなやつ先生なんて呼びたくはないし、好きに呼べばいいんじゃない」

詩穂「私たち高校2年生は同じ学年だしね、花音ちゃん」

こう、どうして星守ってのは人の話を聞かないんだ…

八幡「もう勝手にしてください…」

ゆり「先生!私は先生と呼びますからね!」

桜「はは、面白いことになっておるな。頑張れ八幡」

くるみ「八幡、頑張って」

サドネ「…サドネ、あの人イヤ」

そんなこんなしてたら1時間目のチャイムが鳴り、八雲先生が入ってきた
119 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/26(月) 15:17:33.42 ID:T7E6fWLO0
本編1-3



樹「みんな静かに。もう授業の時間ですよ。早く座ってください比企谷『くん』」

八幡「はい…」

俺を槍玉に挙げないでほしい。ほら、天野とか綿木とかも騒いでるよ?そっちは注意しないの?そういう差別はいけないと思います!

樹「では授業を始めます。今日は武器について授業をしたいと思います」

は?武器?暗殺教室でも始まるの?

樹「イロウスの種類ごとに効果が高い武器、低い武器が存在します」

あぁ、イロウスと戦うための授業ね。なら俺は別に聞かなくてもいいんじゃないか?

樹「『ソード』は扱いやすいベーシックな武器種です」

眠い。朝早く学校来たし、さっきのHRで俺の体力は切れた感がある。

樹「『ソード』はシュム種には効果が高いですが、ドラコ種には効果が低いです。これは…」

もういいや、寝よ
120 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/26(月) 17:23:56.09 ID:WuaUpmf4O
本編1-4


「くん、比企谷くん!」

八幡「ん、誰?」

目を開けると八雲先生が明らかに怒りながら俺の前に立っていた。

樹「比企谷くん、授業中に寝てはいけません!罰として、来週特別テストを行います。合格しなければ、どうなるかわかってますよね?」

八幡「いや、この授業を俺が受ける必要はないんじゃ…」

刹那、拳が左頬をかすめていった

樹「言い忘れてましたが、私は元星守です。現役の時よりは衰えましたが、まだまだ一般人よりは強いと思いますよ。では、もう一度言います。特別テスト受けてくださいね」

八幡「…はい」

こんなの断れるわけないよね!暴力反対!イロウスと戦った時くらいの命の危険を感じたんだが。

ひなた「あはは、八幡くん怒られてるー!」

桜「自業自得じゃな」

サドネ「ジゴウジトク、デスワ」

樹「ひなた、桜、サドネ。あなたたちも寝てたわよね?比企谷くんと一緒に来週特別テストです」

ひなた「えー、八雲先生ひどいよ〜!」

桜「これも、自業自得かのぉ」

サドネ「特別テスト、みんなでやる!」

ひなた「サドネちゃん、テストだから勉強しないといけないんだよ…」

サドネ「え、サドネ、勉強キライ…」

ゆり「授業中に寝ているほうが悪いのだからこれくらいの罰は当たり前だ!」

蓮華「いや〜ん、嫌がるひなたちゃんたちも可愛い〜」

あんこ「蓮華、うるさい…」

樹「はい、静かに。4人とも、来週までにしっかり勉強してきてください。では授業を終わります」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/26(月) 17:56:44.37 ID:/3SRNpFDo
番外編でバトガ勢と八幡の正月お餅つきが見たいです
122 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/27(火) 23:31:35.43 ID:3cMPTcAr0
本編1-5


昼休み、星守たちは机をくっつけ、楽しそうに弁当を食べる中、俺は例のごとく1人で飯を食う。今は教室だが、早くこの学校でのベストプレイスも探しておかなければならない。だって一方では

みき「昨日、ケーキ作ってみたんだけど、ママのよりもおいしく作れなかったよ…」

遥香「みきのケーキは今でも十分おいしいのに。ねぇ昴」

昴「はは…」

という会話がされ、また片方では

うらら「やっぱりアイドルには自己PR力がいると思うの!だからここみ!うららの自己PRの手伝いして!」

心美「そんなことしなくても、うららちゃんは、いつもかわいいよぉ」

うらら「それじゃあダメなの!うららのことをみんなに知ってもらうためには、印象に残るように魅力を伝えられるようにならないといけないの!さ、やるわよここみ!」

心美「ま、待ってようららちゃ〜ん」

など、どこもかしこも女子トークに花が咲いている。こんなところで落ち着いて飯を食うなんて俺にはできない。

ひなた「ねぇ、八幡くん」

八幡「ん?」

南が俺のところへ来て話しかけてきた。

ひなた「テスト勉強どうするー?」

八幡「ん、あぁ。家でなんとかやるつもりだ」

朝早くから放課後まで時間が空いてないため、帰ってから家でやるしかない。幸運にも週末は学校に行かなくていいので、そこで集中してやることができそうだ。

ひなた「えぇー、1人でやるの〜?それじゃつまんないよ!」

八幡「いや、勉強って1人でするものだから…」

1人で努力した分だけきちんと結果になる、そんな勉強を、俺はそこまで嫌いなわけではない。別に、他にすることがないから勉強しているわけではないよ?ホントだよ?

ひなた「あ、そうだ!せっかく同じテスト受けるんだからみんなで勉強会しようよ!ね、桜ちゃん!」

桜「ん?ならわしの家でやるか?じぃじは来客が好きじゃからのう」

ひなた「さすが桜ちゃん!そしたら週末に桜ちゃんのおうちで勉強会やろう!」

桜「じぃじも喜ぶじゃろうなぁ」

ひなた「ひなた、サドネちゃんも誘ってくる!」

そう言って南はサドネに話を付けに行った。うん、今のうちに俺は断りを入れておこう。

八幡「じゃあ、3人で仲良くやってくれ。俺は自分でやるから」

桜「八幡も参加確定じゃよ」

八幡「いや、お前らと一緒で勉強なんてできねぇよ」

桜「だが、イロウス関係の資料なんてどこにも売っておらんし、わしら星守の体験なども踏まえて学んだ方が確実に知識は定着すると思うぞ?」

八幡「それは、一理あるな…」

桜「じゃろ。ならひなたやサドネの話を聞いて勉強しておくれ」

八幡「おい、藤宮、まさかお前あいつらの世話を俺に押し付ける気じゃないだろうな」

桜「さてな。では週末にな、八幡」

八幡「くそ…」

中一にまんまと言いくるめられてしまった。悔しい…

123 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/29(木) 00:32:19.95 ID:fi5vZfrX0
本編1-6



そうして週末になり、俺らは藤宮の家に行くことに。

ひなた「桜ちゃんの家楽しみ!」

サドネ「サクラのジィジ、どんな人?」

桜「そうじゃのぉ、わしと同じように、ゆっくりまったりしておるのぉ」

サドネ「わぁ…!」

こんな感じでもう駅からかなりの距離を歩いている。周りは田んぼばかりで、のどかな風景が広がる。

八幡「なぁ、いつまで歩くんだよ…」

桜「もう少しの辛抱じゃ」

ひなた「八幡くん体力ないね!」

サドネ「…」

藤宮には励まされ、南にはからかわれ、サドネに至っては口もきいてくれない。なんで俺今日来たんだろう。すごい居心地悪いんだが。

桜「さ、着いたぞ」

ひなた「おぉ!」

サドネ「わぁ」

八幡「ほぉ」

家は古き良き木造日本家屋。庭も広いとは言えないが手入れは行き届いており、縁側も日当りのいい位置にある。確かにあそこで昼寝をするのは気持ちよさそうだ。

桜「さ、荷物を置いたら勉強会じゃ」

ひなた「おぉ!」

サドネ「おぉ」

南は元気よく手を挙げながら返事をし、サドネもそれを真似る。

八幡「はぁ…」

ひなた「ほら、八幡くんも返事して!」

八幡「はいはい」

サドネ「返事はちゃんとしないとダメ、デスワ」

八幡「…はい」

桜「わはは、面白いのぉ。やはり八幡を連れてきてよかったのぉ」

この中一トリオ、俺のことなめすぎだろ…
124 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2016/12/29(木) 00:40:26.72 ID:fi5vZfrX0
何も考えず書いたら1-5と1-6の進み方が似てしまいました。気を付けます
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 09:20:28.54 ID:81ery2qEO
何の問題ですか?(レ)
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 00:05:41.32 ID:1LL6MkXno
乙です
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 11:17:36.73 ID:O6S9dIDjo
これ八幡には給料出るの?
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 13:03:39.90 ID:vOFQwGp9O
2016年12月26日 00:21に投稿された。八色の『恋と選挙とクリスマス!』が閲覧 7239ブックマーク 345

2016年12月24日 08:08に投稿された八雪の『トナカイにお願い』閲覧 6340ブックマーク 256

2016年12月24日 00:24に投稿された八結の『WHITE AZALEA あなたに愛されて幸せ』 閲覧 4036ブックマーク 209

やっと閲覧が4000超えて良かったねww
何か由比ヶ浜叩きを雪乃ファンのせいにしたい人がいるみたいだけどさ
いろはや陽乃かのファンからも普通に嫌われてるからね
実際、今年でるコミケの小説でも由比ヶ浜はハブられてるし需要がなさ過ぎるのよね♪
129 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2016/12/31(土) 03:01:03.88 ID:S00KlwTU0
本編1-7


桜「ただいま。さ、みんな入っておくれ」

藤宮がドアを開けて俺たちを家の中へ入れる。

桜の祖父「おぉ、遠いところをよく来たのぉ。わしは桜のじぃじじゃ。みんな、ゆっくりしていっておくれ」

藤宮の声を聞いたのか、中からおじいさんが出てきた。しかし、ほんとに藤宮はこのおじいさんとしゃべり方が同じなんだな。お互いが入れ替わってもわかんないぞ、これ

ひなた「こんにちは!」

サドネ「ご、ごきげんよう」

八幡「どうも。お邪魔します」

桜「さ、みんなこっちじゃ」

そう言って藤宮は奥の客間へ俺たちを案内する。

サドネ「サクラのじぃじ、優しそうな人だった」

桜「うむ。じぃじはとっても優しいんじゃ」

ひなた「さくらちゃんが70歳くらいになったらあんな感じのおばあちゃんになりそう!」

桜「ふふ、そうじゃな。そうなるかもしれんな」

八幡「とりあえず早く勉強始めないか?時間も多くはないことだし」

早く始めて早く終わらせ早く帰りたいし。

桜「そうじゃな。ではお互いのノートなどを見直しながら勉強をやるとするか。まずはひなたのノートから見るとしよう」

ひなた「うん!」

南が元気よくノートを開くが、ノートはラクガキで覆いつくされていた。

八幡「おい、なんだこのラクガキの山は…」

ひなた「すごいでしょ!これはクワガタ、これはカブトムシ、こっちはカマキリ!」

サドネ「ヒナタ、じょうず」

ひなた「えへへ〜、でしょでしょ!どれも全部捕まえたことあるんだよ!」

八幡「いや、ノートにこんだけ昆虫の絵があったら怖いわ」

地味にうまいから余計生々しくてちょっと気持ち悪い

ひなた「そんなことないよー!ひなた、昆虫採集すると一回でこれくらいは集めるんだよ!」

八幡「まじか…」

昆虫採集なんてアウトドアな趣味を持ってるのねこの子。一日中森の中を駆け回ってそうだなこいつ

桜「うーむ、じゃがこのひなたのノートじゃ勉強できんな。昆虫の絵以外はほとんど何も書いておらんし」

ひなた「う、ごめんなさい…ひなた、ラクガキしてるとき以外はほとんど寝てるから授業のことは何も書いてない…」

八幡「南のノートがダメなら次はサドネのノートか?」

桜「じゃな。サドネ、ノートを見せておくれ」

サドネ「ん」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/31(土) 21:20:58.57 ID:qpek79iHo
番外編で初詣とか見れたら嬉しい
131 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/01(日) 01:33:50.46 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月 @」

今日は正月。冬休み真っ只中で、本来なら初詣兼、小町の合格祈願を終えたあと、家でコタツに入ってぬくぬくするはずだったんだが

みき「先生!今日みんなで餅つき大会やるんで来てください!先生の分のお餅もありますからね!待ってますよ!」

と言われたので、向かうことに。本当は行きたくなかったけど、小町に「せっかく誘われたんだから行く!こたつむりになってちゃダメだよおにいちゃん!」と言われ家から追い出されてしまった。

で、場所は千導院の家。しかし、こいつの家デカすぎるだろ。こんなのを何軒も持ってるとか言ってたな。社会って平等じゃないね…

楓「先生。あけましておめでとうございますわ。もうみんな到着して準備を始めていますわ。さ、こちらへ」

八幡「あぁ」

広い庭に案内されると、星守クラスの子たちが各々楽しそうに会話をしている。うん、見てるだけならいい眺めだな。

サドネ「あ、おにいちゃん!」

昴「先生!来てくれたんですね!」

ミシェル「先生〜あけましておめでとう〜」

みんな俺にすぐ気づいてこっちへやってくる。ちょ、みんな近づきすぎ…新年早々、女子たちのいい匂いに囲まれてすごく居づらい…

八幡「おぉ。おめでとさん」

明日葉「さ、先生も来て全員揃ったから早速餅つきを始めよう」

八幡「ここでつくのか?」

楓「もちろんですわ!皆さんのために、最高級の餅米と最高級の臼と最高級の杵を用意いたしましたの!」

千導院がそう言うと執事と思われる人たちが巨大な臼、たくさんの杵、大量の餅米を運んで来た。

あんこ「これはすごいわ。ブログのネタになること間違いなしね。写真撮らなきゃ」

遥香「これだけあれば食べ放題よね?」

昴「遥香は少し遠慮したほうがいい気が…」

ゆり「よし!それではみんなで餅つきを始めよう!」
132 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/01(日) 01:34:45.05 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月 A」

八幡「おい、この餅米どんだけあるんだよ。多すぎじゃないのか?」

明らかに俺たちだけでは食べきれない量の餅米が臼の中に入っている。このまま餅屋でもできそうな勢い。

ひなた「そんなことないよ!ひなたいっぱい食べるもん!」

遥香「私も沢山食べたいと思ってますし、むしろ足りるかどうか不安ですね」

八幡「あ、そう…」

成海は特に食うからな。それこそ胃にブラックホールでもあるんじゃないかってくらい。あれだけ食べてよくスタイル保ってられるな。

花音「ま、余ったら私と詩穂が仕事に差し入れで持ってくつもりだし、大丈夫よ」

明日葉「私も家の人たちに配りたいと思ってますし、今はひとまず餅つきを楽しみましょう、先生」

八幡「ま、見てるだけだけどな」

別に俺がやらなくてもみんなが杵を持って餅をついてる。俺は出来上がった餅を食べられればそれでいい。

うらら「ここみ!ほら早くこねて!杵下ろすわよ!」

心美「うららちゃ〜ん、早いよぉ〜」

ゆり「くるみ!気合い入れてつきなさい!」

くるみ「そんなに焦らなくても大丈夫よ、ゆり」

桜「みんな、がんばっておくれ。わしは寝てるからの」

昴「桜!起きて!」

サドネ「モチツキ、楽しい!」

みき「先生!ほらこっち来てください!」

八幡「はいはい…」
133 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/01(日) 01:37:46.23 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月 B」

蓮華「はーい、みんな〜、飲み物持って来たわよ〜」

詩穂「少し休憩しましょ?」

望「早い者勝ちだよー!」

屋敷の中から芹沢、国枝、天野が飲み物を持って来た。

あんこ「ワタシ喉乾いたわ、コーラ飲みたい」

明日葉「おい、あんこは全然餅つきしてないだろ」

あんこ「ふふ、そう言ってると、飲み物なくなるわよ明日葉」

ひなた「ひなたオレンジジュース!」

ミシェル「ミミも!」

うらら「うららサイダー!」

桜「温かいお茶はあるかの?」

くるみ「桜さん、私もお茶が飲みたいわ」

みんな飲み物のところへ駆け寄っていくから、3人の手元で人がごった返している。ま、俺は余ったのでいいや。なんでもいいし

昴「あれ、先生、飲まないんですか?」

八幡「いや、あの人ごみには行けないから余ったやつを飲もうと待ってるの」

昴「余ったやつは危険だよ、先生」

八幡「なんでだよ?」

昴「だって…」

みき「先生!」

若葉が言い終わる前に星月とサドネが何か黒い飲み物を持ってこっちへ来た。あ、まさか…

みき「余ってるものにさらにブレンドを加えて先生用のオリジナルドリンクを作りました!どうぞ!」

サドネ「サドネも手伝ったよ、おにいちゃん!」

明らかに飲み物の色をしていない危険な薬品のようなものが入ったコップを俺に差し出してくる。飲みたくはないが、

みき「ほら、先生!早く飲んで!」

サドネ「サドネの作った飲み物、キライ?」

こんなこと言われたら断れないよね?覚悟を決めるしかない。

俺はその薬品もどきを口に入れ、なるべく味わわないようにいへ流し込んだ。それでも口の中におかしな味が広がるし、なんなら胃にもダメージがきてる。何入れればこんな味になるんだ…

八幡「…はぁ」

みき「どうでした?先生!」

サドネ「サドネ、頑張った?」

八幡「あぁ。うん、頑張ったな。飲めなくはなかったぞ…」

サドネ「おにいちゃん!サドネまた持ってくるね!」

八幡「いや、そんなに頑張らなくても大丈夫だ、サドネ。ほら、あっちでみんなと話してこい。星月も」

サドネ「わかった!」

みき「はーい!」

ふう…乗り切った…

昴「お疲れ様、先生…」

八幡「一瞬マジで危なかった…」
134 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/01(日) 01:38:14.69 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月 C」

望「そういえばお餅はできたー?」

楓「いえ、餅米の量が多くてなかなか出来上がらないですわ…」

遥香「早く食べたいのに…」

ひなた「あ、ひなたいいこと思いついたよ!」

明日葉「なんだ、ひなた」

ひなた「星衣に変身してハンマーでつこうよ!そしたらもっと強い力でつけるよ!」

昴「それいいかもね!」

望「じゃあ星衣でハンマーの武器の人がやることにしようよ!」

ひなた「ひなたハンマーだから頑張るよ!」

ゆり「それならくるみにやってもらわないとな!」

くるみ「私もやるんですか」

昴「くるみ先輩、頑張りましょう!」

そうして3人は星衣に変身して各々ハンマーを振り上げる。

八幡「神樹の力の無駄遣いだな」

蓮華「あら、あんな可愛い子たちがハンマーを振るう姿なんて滅多に見られるものじゃないから、れんげ、神樹の力には感謝してるわ」

八幡「感謝するところがおかしい…」

ひなた「じゃあせーのでいくよ!せーの、」

ひなた、昴、くるみ「えーい!」
135 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/01(日) 01:38:44.56 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月 D」

ドッカーーン

3人がハンマーを振り下ろした瞬間、すごい爆発とともに臼が粉々に破壊され、餅も地面に落ちてダメになってしまった。

ひなた「あ」

昴「う…」

くるみ「あら…」

楓「あんまりですわー!せっかく準備したのにー!」

サドネ「あれ、おもちは?」

ミシェル「サドネちゃん。あのおもちは、もう食べられないよ…」

サドネ「え、おしるこは?」

桜「また今度じゃな…」

うらら「えー、うららおもち食べたかったー!」

心美「うららちゃん、そう言ってもどうしようもないよ…」

あんこ「ま、あんだけ力が加われば当然よね」

花音「アンタ、もっと早く指摘しなさいよ。アンタがしっかりしとけばこうならなかったでしょ」

八幡「いや、こんなことになるなんてわかんないだろ…」

明日葉「止められなかったみんなの責任だ。誰が悪いわけでもない」

そうは言っても、無残に落ちている餅を見るとやりきれなくなる。

蓮華「みんな〜、おもちはダメになっちゃったかもしれないけど、そう落ち込まないで〜」

望「そ、そうだよ!中にはアタシと詩穂と蓮華先輩で作った料理もあるから!」

詩穂「みなさんで食べましょ。おもちはまた今度食べればいいわ」

みき「そうですね、ひとまず中で料理食べましょう!」

星月たちの声かけでみんなは屋敷の中に移動する。

楓「皆さん、まずは庭の掃除をしてからですわよ」

全員「ですよね…」
136 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2017/01/01(日) 01:39:57.46 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月 E」

掃除を終えて、俺たちは屋敷の中に移動した。

楓「この部屋で食事ですわ」

ひなた「やっとご飯だー!ひなたお腹すいたよー」

ミシェル「ミミも!」

みき「私も!」

遥香「わ、私も…」

望「お、みんなお腹が空いてるんだね!さ、アタシたちの料理をとくとご覧あれ!」

そう言って天野がドアを開けると、テーブル一面にたくさんのおせち料理か並んでいた。

蓮華「れんげ、腕によりをかけて作ったからたくさん食べてね」

詩穂「いい食材をたくさん使えて楽しかったわ」

明日葉「これは、すごいな」

くるみ「どれも美味しそう」

昴「うわぁ…すごい」

確かにどの料理も綺麗で美味しそうだ。サドネや南なんかはもう皿いっぱいに料理を盛り付けて食べ始めている

137 : ◆JZBU1pVAAI [saga sage]:2017/01/01(日) 01:43:11.86 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月➆」

八幡「俺も食べるか」

まずはこの昆布巻きを…

蓮華「あら〜、先生。その昆布巻き蓮華が作ったんですよ〜」

八幡「そ、そうなんですか…」

おい、話しかけられたら食べづらいだろ。飯食べる時くらい1人で心安らかに食べさせてくれ。

蓮華「それ、蓮華の自信作なんです。どうですか?」

八幡「あぁ、おいしいです…」

蓮華「よかったわ〜、先生に喜んでもらえてれんげ嬉しい〜」

八幡「あ、そうですか…」

顔が、体が近い近い近い、そしていい匂いがする、これはヤバイぞ!ホレてまうやろ!

詩穂「先生、私の作った伊達巻きはいかがですか?」

そうしてると今度は国枝も俺に話しかけてきた

八幡「あ、あぁ。もらおうかな…」

詩穂「せっかくだからこの伊達巻き先生に『あーん』してあげようかしら」

八幡「へ?」

詩穂「ほら先生、口を開けてください」

八幡「ちょ、ちょっと待って…」

詩穂「先生、あーん」

ちょ、ホントヤバイぞこの状況。同じ学年の子、しかもアイドルに『あーん』してもらってるぞ、いいのか俺⁉︎

八幡「あ…」

と、国枝は伊達巻きをひっこめ自分で食べてしまう

詩穂「うふふ、美味しい。あら、先生。どうしてそんなに悲しそうな顔をしてるんですか?」

くそっ、騙された。元から俺をからかうつもりだったのか…

蓮華「あら〜?ほんと。特に目がひどく濁ってるわ」

八幡「目はもともとです…」

すると遠くから天野の声が聞こえてきた

望「先生!アタシの料理も食べてよ!ほらこれ!」

差し出されたのはなぜかビーフシチュー

八幡「なんで正月にビーフシチュー」

望「大丈夫!ビーフシチューはおせちにも勝つから!」

八幡「いや、意味わかんねぇから…」

望「ま、ほらほらとりあえず食べて!」

八幡「あ、あぁ」

差し出されて皿を受け取り一口食べる

八幡「まぁ、うまいな」

望「ホント⁉︎やったー!」

蓮華「先生、れんげの栗きんとんも美味しいですよ」

詩穂「私の黒豆もぜひ食べてください、先生」

みき「先生!スペシャルドリンク改ができましたよ!」

サドネ「おにいちゃん!飲んで!」

八幡「そのドリンクだけはやめてくれ…」

今年の正月は俺らしくもない、騒がしい正月だ。おそらくこいつらと過ごしていくうちはずっとこんな感じなんだろう。ならば今年は少なくとも退屈はしない1年になるだろう。
138 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/01(日) 01:45:41.35 ID:7shk6FJ10
番外編「八幡と星守たちのお正月➇」

みき「あ、そういえば言い忘れてた!みんな!あれ!言うよ!せーーの!」

星守全員「比企谷先生!今年もよろしくお願いします!」

八幡「あ、あぁ。よろしく」
139 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/01(日) 01:47:17.08 ID:7shk6FJ10
以上で番外編「八幡と星守たちのお正月」終了です。

今年もこのSSを読んでくださっている皆さん、よろしくお願いします。
140 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/01(日) 01:56:03.81 ID:7shk6FJ10
お正月は行事が多いですが、これ以上は書けないです。他のシチュエーションを期待してた方すみません
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 06:19:10.56 ID:9Eb5VI+D0
時系列的にはだいぶ馴染んだ後かな?乙
確かゲームでも変身してケーキ作りをしてた人いましたね…
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 06:58:59.72 ID:W5UwVe6DO
あけ乙
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/01(日) 08:54:12.84 ID:PUpPGagRo
あけ乙!
144 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/02(月) 11:40:18.04 ID:z/wUnfrG0
本編1-8


サドネのノートを開くと、そこには古代文字のような怪しい記号が並んでいる。

八幡「これは、なんだ?」

サドネ「ノート」

八幡「いや、ノートなのはわかるが何が書いてあるんだ?」

サドネ「わからない。イツキの授業難しくて何書けばいいかわからない」

桜「まぁ、サドネは最近神樹ヶ峰に来たからのぉ」

八幡「ん、こいつも南やお前と同じ学年だろ?」

ひなた「ひなた達、サドネちゃんがイロウスに襲われてたところを助け出したの。サドネちゃんはその時の傷やショックで記憶がなくなっちゃって…」

桜「じゃが、星守としての素質があったので、わし達と同じ中学1年として神樹ヶ峰の星守クラスに転入することになったわけじゃ」

八幡「…お前、かなりツライ経験してるんだな」

そう言ってサドネのほうに視線を向ける。こんな小さい子があんな得体の知れない生き物に襲われるなんて相当なショックを受けてるんだろう

サドネ「うん」

八幡「うんって…」

サドネ「みんなが助けてくれたから、サドネ平気」

八幡「そうか」

俺は無意識にサドネの頭を撫でていた。少なくとも俺はこんな年のときにイロウスに襲われてサドネのように落ち着いた反応はできてないだろう

サドネ「…」

八幡「あ、悪い、」

おにいちゃんスキルがまたオートで発動しちゃった!年下の子が、しかも小町に声が似ている子が辛い目にあってたら、頭撫でたくなっちゃうよね!

サドネ「うんうん、なんかこのなでなで、イヤじゃない」

八幡「…そうか」

サドネ「うにゅ……ふふ……えへへ……」

なかなか可愛い反応するじゃないかこいつ。撫でがいがあるな。

桜「さて、八幡、そろそろ勉強に戻りたいのじゃが、いいかのぉ?」

突然の声にハッとすると、藤宮が頬を膨らませこっちをジト目で睨んでくる。隣の南も機嫌が悪そうにしている

八幡「あ、あぁ。悪い」
145 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/02(月) 23:25:21.67 ID:z/wUnfrG0
本編1-9


桜「では八幡のノートを見せてもらおうかのう」

八幡「悪いが俺はノートすら作ってない」

ひなた「えー、ちゃんと授業ノート取らなきゃダメだよー!」

八幡「お前に言われたくねぇよ。つか、実際俺自身が戦う訳じゃないし、別にノートはいらないと思って。つか藤宮のノートはどうなってるんだよ」

桜「わしか?わしは授業は全部寝ておるので真っ白じゃ」

八幡「いや、そんなニコニコして言うことではないでしょ」

てか4人が4人とも授業聞いてないってやばくない?八雲先生のことだから特別テストでひどい点数とったらなにされるかわからないぞ。

桜「はぁ。しょうがないのう。ならわしがみんなに講義をしてやろう」

八幡「は?お前授業中寝ててノートも取ってないんだろ?俺たちにどうやって教えるんだよ」

桜「あれくらいの内容、寝ながら聞いても暗記できるわい」

八幡「まじかよ…」

ひなた「桜ちゃんは小学校の時からテストはもちろん、お遊戯会のダンスなんかも全部一発で覚えちゃうんだから!」

サドネ「サクラ、すごい」

桜「まぁ、このくらいはできて当然じゃ」

おいおい、このめんどくさがり屋、実はめちゃくちゃ天才なんじゃないのか?下手したら雪ノ下姉妹を超えるかも。

ひなた「桜ちゃんの説明すごいわかりやすいんだよ!だから、桜ちゃん!よろしく!」

サドネ「よろしく…!」

八幡「じゃ、じゃあ、頼む」

桜「はぁ。しょうがないのう。では始めるとするか」
146 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/03(火) 00:21:50.62 ID:GMXTOfKa0
本編1-10


南の言った通り、藤宮の説明は彼女自身がめんどくさがりということもあるのか、無駄な説明が一切なく、要点を押さえた非常にわかりやすいものだった。それに、俺たちの理解していない箇所を見極め、そこは特に詳しく解説してくれた。ホントこいつ有能だな…

桜「これで大体の説明は終わりかのう。あとはこれを覚えられれば大丈夫じゃろ」

ひなた「ありがとう桜ちゃん!」

サドネ「サクラ、ありがとう」

八幡「助かった」

桜「ま、これっきりにしてもらいたいのう。たくさんの人にものを教えるのは疲れるのじゃ」

八幡「でもお前、説明めちゃくちゃうまかったな」

桜「小学校の時からひなたの勉強を見てきたからのう。ずっとひなたにわかるように教えることを意識してた分、大体の人にはわかりやすい説明になっているわけじゃ」

八幡「なるほど…」

確かに南に勉強を教えるってかなり難しそうだしな。頭じゃなくて体で覚えそうなタイプだし。

桜の祖父「みんな、勉強は進んでおるかの?そろそろ休憩にしてはどうじゃ?お菓子の差し入れじゃ」

桜「おぉ!羊羹じゃ!」

サドネ「チョコもある!」

ひなた「わーい!ひなたいっぱい食べる!」

八幡「ありがとうございます」

桜の祖父「いやいや、さ、食べておくれ」

八幡「えぇ、では」

とテーブルを見るが、さっきまで大量にあったお菓子がなくなっている

八幡「俺のお菓子…」

ひなた「ごめん、八幡くん!ひなた疲れておなかすいちゃって」

サドネ「チョコはサドネのだから」

八幡「あぁ、別にいい。俺は自分で持ってるものでいいわ」

俺はカバンからマイソウルドリンク、マッ缶を取り出して飲み始める。あぁ、疲れた頭にもったりとした殺人的な甘さが染み渡る。

桜「それはなんじゃ八幡」

八幡「これか?これはMAXコーヒーという、千葉に住むものなら誰もが愛する飲み物だ」

ひなた「えー、コーヒー?」

八幡「そうだ。だが、このMAXコーヒーはそこらの甘いコーヒーとは比べ物にならないくらい甘いのだ。人生苦いことばかりだからな。コーヒーくらいは甘くていい」

サドネ「それ、甘いの?サドネ飲んでみたい」

八幡「お、おう。じゃあコップ貸してくれ」

サドネのコップにMAXコーヒーを移して渡す。缶ごと渡すのが手っ取り早いが、間接キスを意識しちゃってそんなこともできないどうも俺です。

八幡「ほれ」

サドネ「ん」

てかこの子さっき大量にチョコ食べてたよね?さらにマッ缶飲むの?いくら甘党の俺でもさすがに厳しい。

サドネ「サドネ、これ好き!」

サドネはコップの中身を飲み干すと笑顔でこっちを向いた

サドネ「ねぇ、もっとほしい」

八幡「いや、もう手持ちにはないんだが…」

そういうとサドネは明らかに落ち込んだ表情をする

八幡「…でも家にはストックあるから、今度学校でやるよ」

サドネ「ほんと?」
147 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/03(火) 00:33:51.54 ID:GMXTOfKa0
本編1-11


そうしてサドネはまた笑顔でこっちを向く。表情の浮き沈みが激しいな。

ひなた「なんか八幡くんとサドネちゃん兄妹みたい!」

桜「そうじゃな。ほほえましい光景じゃ」

サドネ「兄妹?」

ひなた「うん!八幡くんがサドネちゃんのおにいちゃんだね!」

サドネ「おにいちゃん。おにいちゃん…えへへ」

いや、何この状況。確かに頭なでたり飲み物あげたり兄妹っぽいことはしたけども…

サドネ「おにいちゃん!」

八幡「いや、俺はお前の兄じゃないんだが…」

サドネ「サドネにおにいちゃんって呼ばれること、イヤ?」

嫌いではないし、むしろ好きと言うか、大好きまである!なんか気にかけたくなるしこの子

八幡「ま、別に、いやではないが」

サドネ「なら、これからおにいちゃんはサドネのおにいちゃんね!」

八幡「あ、あぁ」

ひなた「よかったねサドネちゃん!」

桜「八幡もよかったのう。サドネと仲良くなれて」

八幡「ま、確かに仲良くはなったが」

サドネ「おにいちゃん!」

サドネはなんだか俺にすごいなついたらしく、これまでよりも明らかに物理的に距離が近くなった

八幡「これはこれで大変だ…」
148 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/03(火) 00:49:30.91 ID:GMXTOfKa0
書き忘れましたが、サドネは単純にイロウスに襲われてたところを星守たちに助けられ、その際の傷やショックで記憶をなくしたことにしてください。ゲーム内でエヴィーナに利用されてたことや、記憶に干渉する機械がある設定は無視しています。
149 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/05(木) 22:57:14.11 ID:Wr2oAFej0
本編1-12



ピリリリ

突然俺たちの通信機が鳴りだした。これが鳴りだすってことはまさか

樹「みんな聞こえる?大変なの!イロウスが比企谷くんたちのいるすぐそばに出現したわ!今すぐ戦う準備を!」

八幡「え、マジですか…」

ひなた「あ!イロウスが見えるよ!」

サドネ「いっぱいいる」

桜「…」

樹「今日は休日で、他の星守たちを呼ぶのには時間がかかるわ。できるだけあなたたちだけで討伐してほしいの」

ひなた「ひなた頑張るよ!」

サドネ「サドネも!ね、おにいちゃん?」

八幡「あ、あぁ」

桜「…」

なぜか藤宮が怖い顔でずっと黙ったままうつむいて返事もしない。

八幡「おい、藤宮、どうした」

桜「わしは…」

八幡「ん?」

桜「わしは、必ずここを守る。この家を、じぃじたちを!」

そういって藤宮は外に飛び出していった。そしてすぐ向こうの方で爆炎が上がり始めた。

八幡「お、おい、藤宮!」

俺の声は当然藤宮には届かない。が、両脇にはもう変身を終えている南とサドネがいた。

ひなた「ひなたたちも行くよ!」

サドネ「おにいちゃんも!早く!」

八幡「…あぁ」

俺は二人に手を引かれ、外に出た。
150 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/06(金) 00:20:50.06 ID:BSAdXQPt0
本編1-13


外に出ると、すでに四方をイロウスに取り囲まれているようだ。幸い、周りには何もないため、被害はまだないが、このイロウスが俺たち目指して集まっていることは間違いない。

サドネ「おにいちゃん、どうしよう」

ひなた「ここは攻撃あるのみかな!?」

八幡「待て、このまま個人個人が勝手に行動して、イロウスを取り逃がしたら俺や、この家が危険にさらされる。藤宮も含め、集団で戦わないとやられるぞ」

ひなた「でも、どうするの?」

八幡「…俺に考えがある。まずは藤宮を呼んできてくれ。話はそれからだ」

サドネ、ひなた「わかった!」

2人は走って藤宮を呼びに行った。

さて、まずはこの状況を藤宮の祖父に伝えなければならないだろう。

八幡「あの、」

桜の祖父「おぉ。君か」

八幡「実は、とても大切なことをお伝えしたいんですが…」

桜の祖父「イロウスがこの家目指して集まってきておるんじゃろ?」

八幡「どうしてそれを…」

桜の祖父「なに、桜が突然外へ飛び出し、かつすぐに轟音が聞こえてきておれば、大体の予想はつく。で、君は桜たちとともに戦おうとしておるんじゃろ?」

八幡「戦うのは彼女たちであって、俺はただ作戦のようなものを伝えるだけのつもりですが」

桜の祖父「それも、戦うことじゃ。わしももう年なもんで、体がいうことをきかない。じゃが、孫やその友人たちが戦うとなれば、わしも協力したい」

すごいな、このおじいさん。頭は切れるし、この状況でも他人を気遣っている。こういう人に育てられたから、藤宮もああいう子に育ったのだろうか。

八幡「その申し入れはありがたいのですが、イロウスを倒すことは俺たちの役目です。おじいさんには、この家を最後まで守っていてもらいたいんです。藤宮のためにも、どうかお願いします」

桜の祖父「…君も、あの子に負けず優しい子じゃのう」

八幡「え?」

何かおじいさんが言葉を発したが、よく聞き取れなかった。

桜の祖父「うん、君の考えはわかった。わしはここでこの家を守りながら、桜たちが帰ってくることを待っておるよ」

八幡「…よろしくお願いします」

桜の祖父「それはわしの言葉じゃ。どうか、桜たちをよろしく頼む」

八幡「…わかりました」

俺はまた外へ走っていった。
151 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/10(火) 12:45:08.91 ID:9VOFo2T4O
本編1-14

ひなた「八幡くん、桜ちゃん連れてきたよ!」

外に出ると、すぐ南が声をかけてきた。藤宮も南に腕を捕まえられている。すでに藤宮は息も絶え絶えで、無理をして戦っていたことがわかる。

八幡「おぉ、すまない」

桜「なんじゃ、八幡。わしはここを守るためにこんなところで怠けているヒマはないぞ」

八幡「この家を守るためにお前を呼んだんだ。こういう時こそ少し冷静にならなきゃならんだろ」

桜「じゃが…」

サドネ「サクラ、焦ってる。いつものサクラと違う」

ひなた「そうだよ、桜ちゃん!いつもの落ちついた桜ちゃんになって!」

桜「じゃがこうしてる間にもイロウスはわしらを襲おうとしておる。早く倒さなきゃいかん!」

八幡「藤宮。お前、頑張ることを間違えてるぞ。早く倒そうとするあまり、頭を使わないのはお前が嫌う非効率なことじゃないのか?」

桜「…」

八幡「今の状況は確かにかなり緊迫している。だが、だからこそ全員が持てる力を発揮できなければ勝機は見えてこない」

桜「…ハハ、ヌハハ!」

八幡「何がおかしいんだよ」

桜「わしがひなたや、サドネ、さらにはお主にまで心配されるとはな。まだまだわしは子どもじゃなぁ」

八幡「当たり前だ、お前はまだ中1だ。年相応に子どもだよ」

桜「そうじゃな。では、ここは少し大人の八幡の考えを聞くとするかの。策があるからわしを呼んだのじゃろ?」

そう言う藤宮の顔にはもう焦りの感情はなく、でもその目は確かに決意を固めている。

八幡「あぁ。3人とも、よく聞いてくれ」
152 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/10(火) 12:46:26.36 ID:9VOFo2T4O
すいません、バトガの協力バトルや、リアルが忙しかったので更新が遅れました。これからまた頑張ります
153 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/10(火) 17:38:20.22 ID:9VOFo2T4O
本編1-15


八幡「3人にはこの家の3方に分かれてもらい、それぞれ家の前でイロウスを待ち構えてほしい。そして、自分の目の前にきたイロウスを殲滅してくれ」

ひなた「なんでこっちからイロウスを倒しに行かないの?」

桜「もしわしらがこの家から離れてしまえば、お互いにイロウスに注意を払わなければならない範囲が広がることになってしまい、戦いに集中しにくくなるからじゃ。それに、もしイロウスを取り逃がしたらこの家も危ないしのお。逆に家の前で待っておれば向こうから固まってくれるから動かなくても一斉に倒しやすいじゃろ。こういう考えでよいか、八幡?」

八幡「あぁ。そして、周りのイロウスをあらかた倒し終わったら、こちらから大型イロウスを倒しに行く」

サドネ「そしたらサドネたちはまずどうすればいいの?」

八幡「家の周りに3方に散らばってくれ。俺が屋根の上からイロウスの方向を通信機に指示する。それに従って順次位置を変えながらイロウス殲滅に動いてくれ」

ひなた「つ、つまりどういうこと?」

桜「ひなたは、八幡のいう方向をむいて、目の前のイロウスを一匹残らず倒せばいいんじゃ」

ひなた「なるほど!わかりやすいね!」

藤宮は俺の作戦を少し聞いただけで理解するし、その上で南に最低限の必要な役目を伝えている。こいつホントかしこいな。
154 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/10(火) 17:39:03.14 ID:9VOFo2T4O
本編1-16


そうやって藤宮と南を見ていたらサドネが俺の方へ寄ってきた。

サドネ「おにいちゃん!サドネ、頑張るからね!」

八幡「あ、あぁ。頼む」

サドネ「…もっと、励ましてほしい」

そう言ってサドネは上目遣いにこちらを見上げる。いや、そんな顔されても困るんだが。

八幡「…頑張れよ」

頭を撫でながらなんとか言葉を絞り出す。

サドネ「うにゅ、ありがと、おにいちゃん。頑張るね!」

ひなた「あぁー!ひなたにもやってほしい!」

桜「わしもしてもらおうかのお」

八幡「え、お前らはいいだろ…」

ひなた「サドネちゃんだけはズルイ!」

桜「先生が生徒を不公平に扱ってはいかんのお」

八幡「わかったよ…南、藤宮。お前も頑張ってこい」

そう言って2人の頭を撫でる。もうすでに八幡のHPは0だよぉ

ひなた「えへへ、頑張るね、八幡くん!」

桜「くすぐったいが、悪い気はせんのう」

八幡「ほ、ほら、もうそこまでイロウスは来てるぞ」

そうごまかして撫でるのをやめた。いや、さすがに恥ずかしいしね?状況も状況だからね?

桜「焦るな、八幡。わしらの力を信じておれ」

ひなた「絶対イロウス倒すから、見ててね!」

サドネ「イロウス倒したらまたなでなでしてね、おにいちゃん」

八幡「…あぁ」

俺はそれしか言えなかったが3人はそれで満足なのか、お互いに笑いあって散っていった。さて、俺もやりますか

八幡「まず、この屋根に登らなきゃ…」
155 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/12(木) 00:59:57.03 ID:z+T06vHw0
本編1-17


なんとか屋根に登って周りを見渡すと、南たち3人はすでに家を中心にする三角形の頂点に立っている。

八幡「3人とも、もう準備はいいか」

ひなた「八幡くん遅いよ!」

サドネ「サドネたち、もう戦えるよ」

桜「さ、八幡。指示をくれ」

八幡「あぁ。まずはみんな、目の前のイロウスを集中して倒してくれ。特に藤宮の方向には多くのイロウスがいる。気をつけてくれ」

ひなた、桜、サドネ「了解」

南とサドネは遠くのイロウスを攻撃するためガンやロッドを使うが、その攻撃はイロウスにガードされてしまう。

ひなた「あれー、なんで?」

サドネ「攻撃が通じない」

通信機ごしに南とサドネの声が聞こえる。ガンやロッドが通じないということは、

八幡「あれはドグー種か…」

桜「そうじゃ。近距離攻撃の武器でないと攻撃は通らんぞ」

八幡「そうだな。聞こえたか、南、サドネ。ドグー種には遠距離攻撃は通りにくい。近距離攻撃の武器に変えろ」

サドネ「わかった」

サドネは俺の声にすぐ反応してハンマーを出す。だが、南は何故かアタフタしている。

ひなた「わーん!どうすればいいのぉー!」

八幡「おい、さっき藤宮に教えてもらったろ。まずはメインの武器種を変えて…」

桜「ひなた、落ち着け。まずは武器種をぶんぶん振り回して斬っていくスピアにせい」

ひなた「う、うん!」

桜「変えたら後はどんどんイロウスを斬ればいいだけじゃ」

ひなた「そっか!ありがとう、桜ちゃん!やあぁー!」

藤宮の指示で武器を変更した南はイロウスを次々に倒していく。

八幡「藤宮、やっぱお前すごいな」

桜「ひなたは出来ないわけではない。ただ、頭で論理として理解させるより、わかりやすい言葉で体で理解させるほうが早いだけじゃ」

八幡「なるほど…」

そうして俺が感心してると、イロウスの集団がさらに遠くから数を増やして押し寄せてきた。

八幡「マズイ…さらにたくさんのイロウスが全方向からやってくる…」

ひなた「大丈夫だよ、八幡くん!ひなたのスキルで倒しちゃうから!」

そう言って南はスピアを上にかざす。

ひなた「風鈴りんりん波!」

南が叫んだ瞬間、何故か大きな風鈴が南の頭上に出現し、そこから衝撃波が放たれる。その衝撃波によって周りのイロウスが半分近く消えた。

八幡「おぉ…」

サドネ「おにいちゃん!サドネもやるよ!プルクラ・カエルム!」

サドネが飛び上がると地中から花火が放たれイロウスの集団を攻撃していく。

サドネ「どうどう、おにいちゃん!」

八幡「すごいな…これでかなりの数のイロウスを倒せたぞ」
156 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/12(木) 17:26:54.74 ID:z+T06vHw0
本編1-18


八幡「南とサドネのおかげで大型イロウスがようやく見えたぞ」

大きな球のような顔から腕が生え、足と言っていいかよくわからない何か溶け出したもので立っているのが大型イロウスだろう。

桜「わしがいく。大型イロウスはわしに倒させてくれ」

八幡「1人で大丈夫か?」

桜「ひなたとサドネには、まだこの家を守って欲しい。2人は大型イロウスの攻撃を避けながら戦うより、ここでスキルを使ってたほうがいいじゃろ」

八幡「…ま、確かにそうか。じゃあ、藤宮。お前に任せる。方向はお前の真正面だ」

桜「うむ。ではいってくる」

八幡「あぁ。南、サドネ、お前たちは藤宮が大型イロウスとの戦いに集中できるよう、2人でこの家を守ってくれるか」

ひなた「任せて!」

サドネ「うん!」

桜「2人とも、ありがとう」

ひなた「ほら、桜ちゃん!早く行かないと!」

サドネ「サクラ、頑張って」

桜「うむ」

2人の励ましを聞いてから、藤宮は大型イロウスに向かって走っていった。

八幡「…さ、俺たちはここで藤宮を待つぞ」

サドネ「おにいちゃん、ホントはサクラのこと心配なんじゃないの?」

八幡「べ、別にそんなことはない。あいつは1人でもできるはずだ。それに自分でも1人で大丈夫と言ってたしな。あいつはできないことは言わないだろうよ」

ひなた「八幡くん、行きたいなら桜ちゃんのところへ行ってよ!ここはひなたたちで大丈夫だから!」

八幡「…だが、俺がここを離れると今度はお前らを見捨てることになる」

桜の祖父「ならばここはわしが彼女たちの面倒を見るとしようかのお」

声の方向を見るといつの間にか藤宮のおじいさんが外に出ていた。

桜の祖父「比企谷くん、わしがお主の代わりにひなたくんやサドネくんに指示を出す。だからお主は桜のもとへ行ってくれ」

八幡「…ですが」

桜の祖父「もともとこの家はわしの家じゃ。少しは協力したい。とは言ってもここで彼女たちに動いてもらうのを見るだけだがのお。だから、お主にはわしらのぶんまで桜の助けになってほしいのじゃ」

八幡「…わかりました。よろしくお願いします」

桜の祖父「こちらこそ、孫を頼む」

八幡「はい」

俺は屋根から降りて藤宮と大型イロウスのほうへ走った。
157 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/12(木) 17:27:55.26 ID:z+T06vHw0
本編1-19


八幡「藤宮!」

桜「八幡…!どうしてここにおるのじゃ」

八幡「お前のおじいさんが南とサドネに指示を出してくれている。だから、俺はお前のとこへ来たんだ」

桜「はぁ、わしは1人でも大丈夫じゃというのに、過保護じゃのお」

八幡「そんなんじゃねぇよ。お前のことだけ誰も見てないってのは不公平だしな…まあ、いいから早く倒そうぜ」

桜「そうじゃな。じゃが厄介なことに、大型イロウスが2匹おってのお。どうにも決定打が打てんのじゃ」

八幡「2匹か…なぁ藤宮。1匹相手ならどれくらいで倒せる?」

桜「1匹ならスキルを使う余裕が持てるから10秒くらいで倒せると思うが、なぜじゃ?」

八幡「10秒か…なら、俺が1匹の注意を引きつける。その間にお前はもう1匹を倒して、すぐ俺を助けてくれ」

桜「…はは、ぬはは!なんじゃその作戦は。自分を助けてほしいなんてそんな真剣に言われたのは初めてじゃ!」

八幡「…しょうがないだろ。俺には何もできないんだから」

桜「じゃが、今この状況でこれ以上の手段はないか…」

八幡「あぁ。だから藤宮、俺が死なないようになるべく早く助けに来てくれ」

桜「はは、助けにきたと思ったら、助けを求めてくるなんて情けない先生じゃのお」

八幡「う…」

確かに我ながら情けないことこの上ないことは重々承知だ。だが、戦える星守が藤宮1人である以上、俺ができることは囮くらいのものだ。

桜「じゃが、わしに任せておれ。すぐ助けに行く」

そう言う藤宮の顔に迷いはない。俺は思わずそんな顔をぼーっと見てしまっていた

桜「なんじゃ?顔に何かついておるか?」

八幡「い、いや、別に何もないぞ、何も。うん」

桜「なんじゃ、変なやつじゃのお。まぁ、そろそろ行くとするかの」

八幡「…あぁ」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/13(金) 08:48:37.17 ID:x/3qHhRm0
じぃじイケメン
159 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/15(日) 22:48:03.91 ID:zoUmH6390
本編1-20


さて、この大型イロウス相手に俺ができることと言えば

八幡「ひたすら逃げるか…」

向こうでは藤宮が攻撃を避けながら反撃の機会を伺っている。あいつ、あんなに上手く戦えるんだな。

そんなことを思っていると、イロウスが腕を振り回して攻撃してくる。

八幡「うおっ。危ねえ」

背後に回って視界から消えようと思っても、こいつは体をグルンと回してすぐ俺のことを捕捉してくる。なんかグニョングニョンしてて動き方も気持ち悪い…

八幡「もうイヤ…」

すると突然、イロウスの頭の突起から液体のようなものが噴射され、その液体が俺に向かって降ってきた。

八幡「なんだよこれ…」

もう全力で逃げるしかない。こんなはずじゃなかったぞ、この前のイロウスと全然違うじゃねぇか…

それにこの液体、逃げても俺を追跡してきてないか…?

バッシャーン!

八幡「おあっ」

一発目は避けられた。二発目もなんとか避けれたが…

バッシャーン!

八幡「くっ」

三発目に当たってしまった。すごく痛いし、吹き飛ばされたが、まだなんとか動ける。

八幡「なんか体が重い…」

だがさっきの液体を被ったためか、体がとても重い感じがする。普段よりも体を早く動かせない。そうした時に、イロウスはまた俺めがけて腕を振り回そうとしている。

八幡「今からじゃ避けきれない…」

さすがにアレに直撃すれば命も危ないだろう。だがもう避ける手段が思いつかない。せめて中学時代にイメージトレーニングで鍛えたダメージ軽減術を使うしかない。なんだよ、それ。効き目ないだろ。いや、こんなこと考えてる場合じゃない、もう身構えるしかない。
160 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/15(日) 22:49:24.46 ID:zoUmH6390
本編1-21


しかし次の瞬間、何故かイロウスの上に温泉まんじゅうが降りそそぎ、イロウスは消滅した。

桜「八幡、なんじゃその情けない姿は」

声のするほうを見るとさっきイロウスがいた方角から藤宮がこっちへ向かって歩いてきた。

八幡「これは、その、イロウスの攻撃を受け流そうと身構えてただけで…」

桜「わしにそのような言い訳は通じんぞ?」

八幡「まぁ、はい…攻撃を避けきれなかったんで、身構えてただけです…」

もうこの子雪ノ下並みに心読んでくる。怖い。あと怖い。

桜「まぁ、わしが間に合ってよかったの。間一髪じゃ」

八幡「それは、感謝してる…てかさっきの温泉まんじゅうはなんだよアレ」

桜「アレはわしのスキルじゃ。あのスキルを使うとわしの攻撃力が一時的に上昇するんじゃ。だからさっきのイロウスをほぼ一撃で倒せたのじゃ」

八幡「温泉まんじゅうすげぇな…」

桜「何故かわしらのスキルは戦いに関係ないものがよく出現するんじゃ。なんでなのかのお」

八幡「そこは、ほら、俺らが考えることではないと思うぞ…」

例えばコロフ◯ラの社員とかね!…伏字になっていないかこれじゃあ。

桜「??まぁよくわからんが、ひとまず帰るとするかのお」

八幡「そうだな。多分、向こうでおじいさんたちが待ってるはずだしな」

桜「おぉ、そうじゃ。じぃじは大丈夫かのお」

藤宮は少し慌てたように俺に聞いてくる。

八幡「無事だと思うぞ。なんせお前のおじいさんだからな」

桜「いや、ひなたやサドネに付き合わされて、今頃疲れ切ってるかもしれん…」

八幡「あぁ、なるほど…じゃあ早く帰ってやらないとな」

桜「そうじゃな!」

俺たちは笑ってこう言い合いながら家に戻って行った。
161 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/16(月) 14:50:59.47 ID:RWifosddO
本編1-22


藤宮の家周辺に出現したイロウスを倒した数日後、八雲先生に課された特別テストも無事終わり、やっと一息つけるようになった。

八幡「ふぅ、疲れた」

そんな俺は放課後の教室で書類作り。ナニコレ、教師って放課後はすぐ退勤できるんじゃないの?違うの?朝早いし、帰るの遅いしマジブラックな職場。絶対働きたくない。やはり将来は専業主夫になるしかない。

桜「おぉ、八幡。ここにおったのか、探したぞ」

俺が専業主夫への決意を新たにしていると、藤宮が教室のドアを開けて入ってきた。

八幡「ん、なにか用か?」

桜「うむ。八幡のテストが気になっておっての。合格できたか?」

八幡「当たり前だろ。俺は基本高スペックだからな、大抵のことはやればできる」

桜「…そうじゃな。八幡はやればできる子じゃな」

…あれ?そうやって素直に褒められるとは思ってなかったんだが?

八幡「な、なんだよいきなり。何か変なものでも食べたか?」

桜「失礼じゃな。わしは八幡のことを認めておるし、感謝もしてる。…八幡がいなければじぃじも、家も守れなかったじゃろう」

八幡「何言ってんだ。お前や南やサドネが頑張ったんだろ。俺は何もしてない」

むしろ足引っ張ったまである。あの時は足が動かなかったんだが。あの液体、許さん。

桜「そうやって自分のことを過小評価するのはもったいないと思うがのお」

八幡「やめてくれ。イロウスを倒せたのはお前らの功績だ。俺に恩を感じる必要はない」
162 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/16(月) 14:51:51.65 ID:RWifosddO
本編1-23


桜「むぅ、、そうじゃ。イロウスを倒せたのがわしらのおかげなら、八幡はわしらにご褒美をくれなきゃいかんのお」

八幡「あ?いや、ご褒美とかそんなの無理なんだが…」

桜「問題ない。ご褒美と言ってもわしの頭を撫でてほしいだけじゃ。それくらいならしてくれるじゃろ?」

八幡「…まぁ、そのくらいなら」

桜「そうかそうか。なら、早速お願いしようかのお」

八幡「今?」

桜「うむ」

そうして藤宮が俺のすぐ隣に椅子を持ってきて座りながら頭をこっちに傾けてきた。

桜「ほら、早くせい」

八幡「あ、あぁ」

ゆっくり藤宮の頭に手を置き、撫で始める。

桜「…なんだか大事にされてるようで、心があたたかくなるのお」

こうして撫でられている藤宮の、普段とは違う、むしろ幼いとも言えるような姿にこっちまで心があたたかくなるような感じがする。

桜「そうしてくれるの、待っておったぞ…」

八幡「そうか…」

若干、藤宮の俺にかける重みが増えた感じがする。だが、なぜかそれも悪くない。
163 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/16(月) 15:46:02.72 ID:7j29BHav0
本編1-24


サドネ「おにいちゃん!サドネ、イツキのテストで100点取ったよ!」

サドネが教室に入るなり声をかけてきた。そして、今の俺たちの状況を見て顔色が変わっていく。

サドネ「おにいちゃん、なんでサクラの頭撫でてるの?サドネのことは撫でてくれないのに?」

八幡「いや、これは、その…」

サドネ「おにいちゃん、サドネのこと、さみしくさせたら許さないからね」

サドネは目のハイライトを消しながら俺に迫ってくる。マジで怖いから、それやめて…

八幡「別に、サドネのことを軽く見ているわけではないし、うん、ちゃんと見てるから、大丈夫だから…」

サドネ「ホント?なら、サドネのことも撫でて?」

八幡「う…」

俺が躊躇していると、教室の外から大きな足音が聞こえてきた。

ひなた「八幡くーん!桜ちゃーん!サドネちゃん!ひなた、テストダメだったよぉー!また再テストだって!」

八幡「あ、あぁ、そうか…」

ひなた「合格するまでずっとテストだって!だからまたみんなで勉強会しよ?」

桜「はぁ、仕方ないのお」

サドネ「サドネ、みんなで勉強会やるの好きだからまたやりたい」

ひなた「そしたら今度はひなたの家でやろうよ!ひなたのオムライスご馳走しちゃうよ!」

サドネ「美味しそう!」

桜「久しぶりに食べるのも悪くないのお」

どうやら今度は南の家で勉強会をするつもりらしい。これ以上休日を侵食されるわけにはいかない。ここは前もって自分から断っておくに限る。そうすることでぼっちの面目も保たれるし、あいつらも余計な気を使わなくて済む。WIN-WINだね!

八幡「そしたらお前ら、頑張ってくれ」

ひなた「え?八幡くんも来るんだよ?」

桜「そうじゃな。逃げられんぞ、八幡」

サドネ「おにいちゃん、サドネたちと一緒にいなきゃダメ」

八幡「いや、俺にも予定が…」

桜「家でゴロゴロするのを予定とは言わんぞ」

サドネ「サドネ、この前のおにいちゃんのコーヒーまた飲みたいから持ってきてね」

ひなた「じゃあみんなで今週末に勉強会だね!」

3人はまた楽しそうに話し始める。いつの間にかサドネも南も俺の周りに椅子を置いて、予定を話し合っている。

八幡「はぁ…」

まぁ、もう少しこいつらの面倒を見てやるか。なんせ、「おにいちゃん」だしな。
164 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/16(月) 15:51:41.31 ID:7j29BHav0
以上で本編第一章終了です。戦いの状況がわかりにくいかもしれませんが、なんとか脳内補完してもらえると助かります。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/16(月) 17:42:56.38 ID:9BhU65mzO
おつおつ
ゲームネタがうまく使われてていいね
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/16(月) 19:06:11.99 ID:C95ZjC7ro
乙です
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/16(月) 20:35:14.57 ID:Fhmz7l6DO
乙です。

どこかで拗ねイベントを入れてほしいなーなんて。
168 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/16(月) 23:09:21.46 ID:7j29BHav0
>>167
拗ねイベントとは例えばどんな感じですか?自分だとイメージしにくくて
169 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/18(水) 18:36:57.44 ID:1zhkurzx0
番外編「明日葉の誕生日前編」


今日は1月18日、楠さんの誕生日である。星守クラスのみんなは楠さんを驚かせるために教室を飾り付けしたり、プレゼントの準備をしたりと朝早くから元気に動いていた。俺も準備に駆り出され、馬車馬のごとく働かされた。そのほとんどが芹沢さんが用意した大量のプレゼントを運ぶためだったのだが…あの人、どんだけプレゼントに力入れてるんだ。気合の入れようが尋常じゃなくて軽く引くレベル。

そして、放課後、俺はそんな教室の後片づけをさせられていた。てか、なんで誰も手伝ってくれないの?俺の事便利屋か万事屋かなんかだと思ってるの?死んだ魚の目をしてるとこくらいしか共通項ないよ?いや、けっこう大きいぞこの共通項…

明日葉「あ、先生、ここにいらしたんですね」

そうやって文句を心の中で垂れ流していると、今日の主役だった楠さんが教室に入ってきた。

八幡「楠さん。なんか用ですか?」

明日葉「はい、ちょっと生徒会室に来てほしいんですが、お忙しいですか?」

八幡「いや、今片付けも終わったんで大丈夫ですよ」

明日葉「そうですか。では行きましょう」

そうして俺たち二人は教室を出て生徒会室へ歩き出した。

八幡「あのー、生徒会室で何やるんですか?」

明日葉「ふふふ、着いてからのお楽しみです」

ん?年上の生徒会長と放課後の生徒会室でお楽しみ!?しかも楠さんは今日が誕生日。これは、つまり、そういうことですか、ごくり。

明日葉「さ、着きましたね。入ってください」

八幡「は、はい、失礼します」

そうしてドアを開けた向こうに待っていたのは。

八幡「…書道?」

明日葉「はい、ぜひ先生と一緒にやりたいと思いまして。ダメでしょうか?」

八幡「い、いえ、全然大丈夫ですよ」

俺の俗世にまみれた考えとは真逆の、心を落ち着かせることでした!いや、そりゃ楠さんがいかがわしいことを、しかも学校内でやるわけないでしょ。でもちょっとは期待しちゃうよね、だって男の子だもん!

明日葉「よかったです!では早速始めましょうか」

八幡「でも俺、書道なんて学校の授業でしかやったことなくて、うまく書けないんですけど」

明日葉「書はうまい、ヘタではなく、自分の心、気持ちをいかに文字に乗せるかです。その心によって相手の感情を揺さぶる、それが書道だと私は思っています」

八幡「なるほど」

そう言われると書けそうな気がしてきた。だが

八幡「何を書いたらいいんだろうか…」

明日葉「そうですね、少し日にちも経ってしまいましたが年も改まったので、目標を書いてみるのはどうでしょうか」

八幡「目標か…」

目標と言われたら、書くものはひとつだ。俺は筆を持ち、心を入れて文字を書いていった。
170 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/18(水) 18:38:38.31 ID:1zhkurzx0
番外編「明日葉の誕生日後編」


明日葉「先生、書けましたか?」

八幡「えぇ、なんとか書けました。楠さんはどうですか?」

明日葉「私も書けましたよ。これです」

そういって見せられた紙には、達筆すぎる文字で「日進月歩」とあった

八幡「うますぎる…」

明日葉「いえ、そんなことは。書も、星守としても、それ以外でも日進月歩で成長していきたいと思っているんです」

真面目だなぁ。とてもまっすぐにモノを考えていることが、この書にも表れているように思える。

明日葉「では先生の書も見せて頂いてもよろしいですか?」

八幡「えぇ、これです」

楠さんは俺の書いた書をじっと見て、それから目を伏せてしまった。

明日葉「先生、この書の説明をしてもらえませんか?」

八幡「楠さん、この言葉の意味がわからないんですか?」

明日葉「いえ、知っていますが、私が聞きたいのはどうしてこの文字を書いたか、ということです」

八幡「それは『専業主夫』こそが俺の信念だからですよ」

そう、俺が書いた文字は『専業主夫』。新年だけに、信念を書いてみました!

明日葉「…専業主夫が、ですか」

八幡「えぇ。古人曰く、働いたら負けですからね。だからより少ないリスクで最大のリターンを得るためには、働かずに家庭に入る、つまり専業主夫になることが最もいい方法だと思うんです。それに、現代は女性も男性も平等ですからね。外で仕事をする女性がいるならば、家庭で家事をする男性がいてもなんらおかしくはありません」

どうだ、この見事な論理は。一部の好きもない完璧なロジック。

明日葉「うーむ、確かに、そう言われると、そういう関係もありなのかもしれないと思えてきました…」

八幡「そうでしょう?」

明日葉「それに、私が仕事をしたとして、家に旦那さんがいるというのも悪くないかもしれない。そ、それが、先生のような方だったらもう言うことなしかな…い、いけない、何を考えてるんだ私は」

八幡「ん、何か言いましたか?」

明日葉「い、いえ、何も言ってないですよ!あ、もう下校時刻になりますね、早く片付けないといけませんね!」

なぜか楠さんは突然慌てふためいて、そそくさと書道道具をしまって帰り支度をしはじめた。

明日葉「さ、もう出ましょうか」

八幡「そうですね」

俺たちは生徒会室を出て、昇降口まで歩いていく。

明日葉「私は帰りますが、先生は帰られますか?」

八幡「いや、俺はまだやらなきゃいけないことが残ってるんです」

明日葉「そうですか…ではここでお別れですね」

そういって楠さんは靴を履き替え昇降口を出ようとする。さ、俺もさっさと書類片付けますか…

明日葉「先生!」

不意に楠さんに呼び止められた。

八幡「なんですか?」

明日葉「先生の目標、悪くはないと思いますけど、この学校で私たちとこうして接しているときの方が、ずっと輝いて見えますよ!今日は、ありがとうございました!」

そう言い残して楠さんは夕日のほうへ駆け出していった。意表を突かれた俺はしばらく立ち尽くすほかになかった。

後に残るのは、まだうっすら鼻の奥に残る墨の香りと、吹き抜ける冷たい風。でも不思議と寒くはなくむしろ顔は火照っている。その原因は明らかだが、思いだすのも恥ずかしい。だから落ち着くまでもうしばらくここで夕日を眺めていよう。
171 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/18(水) 18:39:46.40 ID:1zhkurzx0
以上で番外編「明日葉の誕生日」終了です。明日葉お誕生日おめでとう!
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/18(水) 20:55:29.04 ID:X3B72VwDO
乙です。

>>168
数日構わないでいたらきつく詰め寄られて疑問符を浮かべるひっきーみたいな?
すみません、言っといてなんですがこっちもうまくイメージできてないので難しいようならいいです。

あと席替えや特訓で稀によくあるボッチ飯とか面白いんじゃないかなーとか性懲りもなく言ってみる。
173 : ◆JZBU1pVAAI [saga ]:2017/01/19(木) 17:23:20.07 ID:8EpGdnVB0
本編2-1


藤宮の家での勉強会、イロウス討伐から数週間。未だ南は八雲先生のテストに合格できていないらしいが、俺はここの生活にも慣れてきて、いかに早くこの交流を終わらせられるかについて考えていた。

まず何をもってして交流が終わるのかがわからない。ゴールが見えない以上、こっちが交流不能の状態になるしかない。突然不治の病にかかったり?それは俺が死ぬからヤダな。全治何ヶ月かのケガは?でもそれも日常生活に支障をきたすな。やはりサボるしかないのか…

などと、無理難題を考えながら歩いていると、廊下の角でフードに大きな耳がついた白いパーカーと、大きな薄紫のリボンが揺れているのが見えた。あんな特徴がある人物はあいつらしかいないだろうが、なんであんなところでコソコソ人目を気にして隠れてるのだろうか。ま、俺には関係ないし、さっさと帰ることにしよう。

何か外をじっと見ている2人の横を通ろうとした時、両腕を掴まれてしまった。

八幡「なんだよ」

ミシェル「今外に出ちゃダメだよ!」

楓「そうですわ。慎重に行動しないと見つかってしまいますわ」

八幡「は?何、かくれんぼでもしてるの?」

楓「当たらずとも遠からず、ですわね」

ミシェル「楓ちゃんの執事さんたちに見つからないように学校から出ようとしてるの!」

八幡「なんだそれ…」

ミシェル「あのね、今日楓ちゃんと帰り道に寄り道をして行きたいの」

八幡「あ?別に好きにすればいいだろ、それくらい」

下校途中に寄り道。いかにも青春じゃないか。俺の中2の頃なんて、寄り道してくれる相手なんかいなかったから、いつも家に直帰して、コスプレしたり、ノートに色々書いたりして中二病全開だったぞ。いや、寄り道もしてたな。だが、そうは言っても1人で異界との扉を探してたくらいだな。うん、あの頃は若かった…

楓「いえ、そうは行きませんの。ワタクシは学校が終わるとすぐ家のものが迎えに来て、そのまま帰らされてしまいますの。ほら、現にそこでワタクシを探している人がいますわ」

千導院が指差す先には黒いスーツを着た人たちが「お嬢様ー!」と叫びながら歩いているのが見える。

楓「ですからワタクシ、彼らに見つからないようにここを出なければなりませんの」

ミシェル「だから先生も協力して?」

八幡「いやなんで俺が…」

ミシェル「だってミミたちの先生なんだから、助けてくれるよね?」

楓「もしここでワタクシたちを助けなかったら、どうなるかわかっていますか?」

怖、千導院が言うと冗談じゃすまなくなる。最悪戸籍を消されて聞いたこともない孤島に流されかねない。

まぁそんなことはないにしろ、自分の生徒が困ってることには違いない。少しくらいなら手助けしてもいいかな。ホントに俺は年下の女の子のお願いにつくづく甘い。

八幡「…わかった。で、何をすればいいんだ?」

楓「うふふ、ワタクシにとっておきの作戦がありますの!」
174 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/19(木) 17:29:19.10 ID:8EpGdnVB0
本編2-2



八幡「で、これがとっておきの策なの?」

楓「もちろんですわ!この前見たドラマでやってましたもの!」

ミシェル「ミミたちぬいぐるみさんになったみた〜い!」

八幡「…」

何をしてるかというと、大きなダンボールの中に、綿木と千導院が縮こまって入っている。そのダンボールを俺が運ぶ、というべタな隠蔽工作である。

八幡「おい、これじゃ多分すぐバレるぞ」

ミシェル「大丈夫だよ〜、ミミたちじっとしてるから!」

楓「そうですわ!さ、先生、早くワタクシたちを外に出してください」

これは絶対バレる。なんならバレて俺だけ怒られる場面まで想像できる。なんで俺はあの時協力すると言ってしまったんだ…

ミシェル「じゃあミミたち隠れるからよろしくね、先生!」

そう言って2人はダンボールの中に入ってしまった。マジかよ…いやもうこうなったら運ぶしかないよな。もうどうなってもしらん!と俺は半ばやけくそになって2人が入ったダンボールが載った台車を押していく。

黒スーツ「あの、すみません」

八幡「ひゃ、ひゃい」

突然ガタイのいい黒スーツの人に声をかけられ、思わず声が裏返ってしまった。

黒スーツ「わたしたち、楓お嬢様を探しているのですが、あなたどこかで見ませんでしたか?」

八幡「い、いえ、別に俺は何も見てないですけど」

黒スーツ「…失礼ですが、あなたはどのような人物ですか?この学園に男性はいないはずですが」

八幡「お、俺は、その、他の学校から連れてこられたといいますか、そう、交流です、交流」

黒スーツ「怪しいですね、お嬢様のおられる学校にこのような人物がいるのは少々危険ですね…」

八幡「いえ、別に俺はそんな人間じゃないですよ?あ、ほら、俺星守クラスにいますから、千導院のことも知ってますし」

黒スーツ「…ますます怪しいですね。もしや、この学校を探るスパイなのでは?そのダンボールの中にも何か危険なものが入っているのでしょう?」

八幡「いや、そんなことないですよ…?別にこの中にも何もやましいものは入ってません…?」

黒スーツ「それなら私にも見せられるでしょう。さ、開けてください」

やばいやばいやばい。これで中にいる綿木と千導院が見つかったら一巻の終わりだ。

すると中から何か声が聞こえてきた。

楓「ミミ、もうワタクシ、我慢が…」

ミシェル「楓ちゃん、もう少し頑張って…」

黒スーツ「あ!お嬢様の声が聞こえます!お嬢様!今お開けします!」

楓「ハクション!」

黒スーツがダンボールに手をかけた瞬間、千導院が箱から飛び出しくしゃみをした。そして黒スーツは顎に千導院の頭がクリーンヒットしたらしくとても痛がっている。

楓「もう、ミミのフードが鼻をずっとくすぐって…」

ミシェル「ごめんね楓ちゃん」

楓「いえ、ミミのせいではないですわ。我慢できなかったワタクシのせいですわ…」

八幡「…お前ら、いいのか?」

ミシェル「何が〜?」

八幡「いや、もう取り囲まれてるぞ…」

見渡すとすでに黒スーツ部隊が360度隙間なく俺たちを包囲している。もちろんどこにも逃げ道はない。

楓「はっ、いつの間に!」

八幡「当たり前だろ…」

黒スーツ「いたた…さ、お嬢様、帰りますよ」

こうして俺たちはすぐ捕まり、迷惑をかけたとして八雲先生に叱られた後、すぐ帰るよう言われて解散させられた。
175 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/19(木) 17:38:09.55 ID:8EpGdnVB0
>>172
なるほど。書けるかどうかわかりませんが、少し考えてみようと思います。ありがとうございます。
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/19(木) 22:21:03.73 ID:a6HAct2Po
乙です
177 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/20(金) 07:57:27.59 ID:cfBjYOVgO
本編2-3


その翌日、朝から俺は綿木と千導院に問い詰められていた。

ミシェル「むみぃ、先生!先生がもう少し早くミミたちを運んでたらあんなことにはならなかったよ!」

八幡「そんなこと言われてもあの状況じゃ無理だろ…」

楓「作戦はカンペキでしたのに…」

八幡「いや、穴だらけだろあの作戦は」

そもそも作戦と言えるのか?作戦ってのは戦車同士が戦う時に「こっつん作戦」とか「もくもく作戦」とかで使うんだろ?

楓「では、ワタクシたちはどうすればよかったのですか?」

八幡「そうだな…だいたい、寄り道しようとするのが行けないんだろ?じゃあ休みの日に出かけるんじゃダメなのか?」

ミシェル「そっか!お休みの日にお出かけすれば寄り道にもならないね!」

楓「なるほど、盲点でしたわ!さすが先生!」

あれぇ〜?そんなことにも気づかないなんてこの子たちちょっとアホな子?

ミシェル「じゃあじゃあ、明日は学校もないからお出かけしようよ!」

楓「そうですわね、休日ですから1日中いろんなところへ行けますわね」

ミシェル「むみぃ、楽しみ!あ、先生はどこか行きたいとこある?」

八幡「あ?俺も行くの?」

なんで?休日は休む日でしょ?休むために俺は明日は一歩も外へ出ない覚悟だったんだが。

楓「せっかくですから先生のよく行く場所へ連れてってもらいたいですわ」

八幡「は?なんで?」

ミシェル「楓ちゃん、気分転換に街歩きするのが好きなの!それでミミもよく付き合うんだけど、ミミたちだけだと行けるところも少ないから、先生に来て欲しいなって」

楓「ぜひ先生に庶民の遊び場を教えていただきたいですわ!」

八幡「ムリだって…」

ミシェル「むみぃ…」

楓「しょうがないですわね、では明日の朝、先生の家に昨日の人たちを行かせて強引に連れて来るしかありませんわ」

何それやめて!家まで来られたらどうしようもないから!それに昨日の人に会ったら俺何されるかわからない…

八幡「わかった。行くよ…」

ミシェル「わぁ〜!やった〜!」

楓「ありがとうございますわ、先生!」

八幡「はは…」
178 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/20(金) 13:58:14.56 ID:rfqYe2OJO
本編2-4


そうして迎えた週末。俺と言えば千葉。千葉と言えば俺、にはならないが俺が人を案内できるとしたらもうそれは千葉以外にはありえない。
そして、これから行くところは俺たち3人が行きたいところに1つずつ行くことになっている。

いやね、いくら千葉とは言え、中2の女の子が行きたがるところなんて俺がわかるわけないから無理だと言ったんだが、2人は聞き入れてくれなかった。おかげで小町にアドバイスを貰わざるを得なかった。くそ、あの時の小町の俺を小馬鹿にした笑顔、許さん。いや、可愛かったから許すか。

そんなこんなで、時間より10分ほど前に待ち合わせ場所の千葉駅に着くと、すでに綿木が到着していた。学校の外ではさすがにあのうさ耳パーカーは着ないのね。よかった…

ミシェル「あ、先生!」

八幡「おう、早いな」

ミシェル「えへへ〜、今日が楽しみだったから早く来ちゃった!」

八幡「そ、そうか。で、千導院はまだか?」

ミシェル「楓ちゃんももう来るはずだよ〜」

八幡「ほぉ」

そして少し経つと、見たこともないような黒塗りの高級車が俺たちの前に止まって、中から千導院が出てきた。いかにもお嬢様らしい登場だ。

楓「ミミ、先生、ごきげんよう。お待たせして申し訳ありませんわ」

ミシェル「大丈夫だよ!ミミたちが早かっただけだから!」

八幡「ま、そうだな。まだ時間よりかは前だし」

楓「そうですか。では早いですが揃ったので行きましょうか」

八幡「行くのはいいが、まずはどこにいくんだ?」

ミシェル「まずはミミが行きたいところに行きたい!」

八幡「どこだ、それは?」

ミシェル「むみぃ、それはね…」
179 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/21(土) 23:39:19.30 ID:j4sK55xQ0
本編2-5


綿木の提案により俺たちが向かったのはゲームセンターだった。入ってみると午前中とはいえ、週末のためかそこそこ人がいて賑わいを見せている。

ミシェル「ミミ、ゲームセンター来てみたかったんだ!」

楓「すごいですわね、とても騒がしいところですわ」

八幡「まぁ、こんだけゲームがあればそうだよな」

楓「これ全部遊べるんですの?」

八幡「お金入れればな」

ミシェル「ミミ、今日はパパからおこづかいもらったからたくさん遊べるよ!」

楓「それなら、ミミ、先生。わたくしこれがやってみたいですわ!」

千導院は近くにあったよくあるカーレースゲームの椅子に座り、ハンドルを持ってうずうずしている。

ミシェル「うん!やろやろ!ほら、先生も!」

八幡「え…」

楓「ほら、これ周りの人と対戦できるのだそうですよ!3人でやりましょう!」

あぁ、もう今日はこの2人に従うしかないか…グッバイ俺のおこづかい。

八幡「はぁ、わかった。だが、やる以上手加減しない」

楓「もちろんですわ!」

ミシェル「負けないよ!」

結果は俺が1位、綿木が2位、千導院が3位だった。順位以上に俺が圧勝を収め、綿木と千導院はわーわーきゃーきゃー言いながら壮絶なビリ争いを繰り広げていた。

ミシェル「やった〜、楓ちゃんに勝った!」

楓「うぅ、先生にもミミにも負けましたわ…」

八幡「初めてなら仕方ないだろ」

楓「いえ、それでも悔しいですわ!さぁ、もう一度対戦しますわよ!」

ミシェル「むみっ、次は先生にも負けないんだから!」

八幡「はいはい…」

それから何回か対戦したのち、次はこれまたゲームセンターの定番、太鼓の達人をやることになった。

楓「ゲームセンターでは太鼓をたたくこともできるのですか?」

八幡「まぁ、曲に合わせて叩いていくだけで本物の太鼓を演奏するわけではないがな」

ミシェル「ミミ、これやってみたかったんだ〜楓ちゃんもやろ?」

楓「えぇ、これも面白そうですわ」

だが2人ともうまくたたくことが出来ず、ほとんどコンボが続かない。

ミシェル「むみぃ、これ難しい…」

楓「それにかなり疲れますわ」

八幡「こういうのは慣れだからな。何回かやればそれなりにできるようになる」

ミシェル「じゃあじゃあ、先生もやってみてよ!」

楓「そうですわね、ぜひ拝見したいですわ!」

やったことがないわけではないが、自慢できるほどうまいわけでもない。俺がゲーセンでやるのはクイズゲーか上海か脱衣麻雀だからな。

八幡「一回だけな…」

だが、一回で終わるはずもなく、俺がやり終わるとまた2人がやり始め、終わりには3人で交代しながら遊んでしまった。これは明日両腕筋肉痛確定だな…
180 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/22(日) 01:44:26.38 ID:bWCoVSzG0
>>1は千葉には住んでいないので地元の店舗までは書けません。原作だとムー大とかシネプレックス幕張とか出てきますが、よくわからないので普通のゲーセンを想像してます。これから先、千葉関係のことが出てきても基本原作に出てきた地名、店舗を使おうと思ってるので地理的矛盾があっても気にしないでください。
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/22(日) 10:50:26.24 ID:S0mIQTAjo
乙です
182 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/24(火) 23:10:19.82 ID:j8CTTqre0
本編2-6


ひとしきりゲーセンを楽しんだ後、次に俺たちが向かったのは千導院の希望によりボウリングである。

楓「本当はワタクシ、カラオケに行きたかったのですが、ミミがせっかくだからやったことのないことをしようと言うので、ボウリングにしましたわ」

歩きながらそんな文句らしきことを言う千導院を見て、綿木が俺に耳打ちをしてくる。

ミシェル「むみぃ、実は楓ちゃん、歌があんまり上手じゃないの…カラオケ行ったらずっと楓ちゃんの歌聴かないといけないから、なんとかやりたいことを変えてもらったの…」

八幡「なるほど…」

綿木がここまでして千導院とカラオケに行きたくないということは、そうとう千導院の歌が酷いのだろう。うん、聴かなくてよかった。綿木グッジョブ。

そうして俺たちはボウリング場に着き、受付を済ませ、靴を履き替え、指定されたレーンに荷物を置いた。

それから俺は2人に球の選び方や、投げ方について簡単にレクチャーした。途中周りの目線が痛かったが、別に俺は悪いことはしていない、はず…ただ中2の女の子2人と遊んでるだけ!うん、字面だけ見たらマジ犯罪。

楓「なるほど!大体わかりましたわ!早速ワタクシからやってみますわ!」

そう言って千導院が放ったボールは少し曲がりながら転がり、ピンを5本倒した。

ミシェル「楓ちゃんすご〜い!」

楓「やりましたわ!」

八幡「ほら、もう一投あるぞ」

楓「えぇ、さらに倒しますわよ!」

しかし二投目はピンをわずかに外れてしまい、虚しくボールは奥に消えていった。

楓「うぅ、外れてしまいましたわ…」

八幡「惜しかったな」

楓「次こそは全部のピンを倒してみせますわ!」

そうして千導院はあーでもないこーでもないとぶつぶつ呟きながらイメージトレーニングを始めた。どんだけやる気なんだよこいつ…

ミシェル「次はミミの番だね!」

そう言って綿木は重そうにボールを持ち上げ、よたよた歩きながらレーンに向かう。そのまま綿木はボールを投げるというより落とすが、すぐボールはガーターに落ちてしまう。

ミシェル「むみぃ、難しいよ〜」

楓「ミミ、もう少しこうするといいですわ」

そう言って千導院は綿木の手を取り腰を取りフォームの指導を始める。美少女2人が密着しながら練習し、時にじゃれ合っている姿、微笑ましいことこの上ない。眼福眼福。

ミシェル「ありがとう、楓ちゃん!もう一度やってみる!」

そうしてボールはかなり曲がりながらもかろうじて1本のピンを倒した。

ミシェル「むみぃ、1本だけかぁ」

楓「でも先ほどよりもかなりよくなりましたわ!」

ミシェル「ありがとう!じゃあ次は先生だね!」

八幡「あぁ」

仕方ない、ピンに愛されている男の実力を見せるしかないか。愛されすぎていつもピンで行動してるし。それは愛されているとは言わないか。

八幡「そらっ」

俺の投げたボールは軽やかにレーンを滑り、見事9本のピンを倒した。

ミシェル「すごーい!」

楓「さすが先生ですわ!」

八幡「このくらいお前らも少ししたらできるようになるって」

本当は9本も倒すことはあまりないが、褒められ慣れてないためについカッコつけてしまった。

でもこうして女の子に褒められるのも悪くはない。妹よりも年下の子たちにだが…

楓「ゲームセンターでは負けましたが、ボウリングではもう負けませんわ!」

ミシェル「うん!ミミも頑張るよ!」

そんな2人に気を取られ集中を切らした俺は二投目にガーターを決めてしまい、盛大に笑われてしまった。
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 08:40:51.01 ID:7EpUAcVx0
そういえば歌が下手な設定あったね…
アイドルやってるけど
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/01/25(水) 21:21:29.94 ID:frB6j7IDO
>>183
イベントでもその辺の下りが何故か無かったよな。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 22:32:48.06 ID:AJxMqaVYO
まぁ影で猛特訓したんやろ…きっと…

ふふ〜ん、ふ〜ん♪からのギ〜、ギギ〜ギ〜ッ♪はほんま謎
186 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/25(水) 23:51:07.07 ID:jVwZULjU0
番外編「星守センバツ試験@」


この神樹ヶ峰女学園星守クラスには特別な試験が存在する。それが「星守センバツ試験」である。これは3人1チームでの対決型試験であり、それぞれのチームのイロウス撃破数、タイムを数値化し競い合うものだ。星守ではない俺はどのチームにも入らないということだったから、俺は試験に苦労する星守たちを対岸の火事として見ていることができる。いやー。よかった、俺先生で。

などと朝のHR中他人事のように思っていると、試験の説明をしていた御剣先生が突然俺に話しかけてきた。

風蘭「比企谷、今回アンタも試験に参加してもらうぞ」

八幡「はい?」

なぜ?なんで?意味がまったくわからない。

風蘭「当たり前だろ。アンタは星守クラスの担任なんだから」

八幡「いや、俺は戦えないんで無理じゃないですか?」

風蘭「別に戦えとは言っていない。彼女たちのサポートをしてもらいたいんだ。」

八幡「サポートですか…」

まぁ、そのくらいならいいか。てっきり俺も武器を持たされ戦えと言われるのかと思った。

風蘭「だが、ただサポートするだけではいかんな。比企谷は先生だから、特別ルールを設けたいと思う」

八幡「特別ルール?」

風蘭「あぁ。比企谷には全チームの試験にサポートで参加してもらう。そして各チームの合計点がアタシが設定した基準点をクリアしてほしい」

八幡「なんなんですか、そのルール…」

風蘭「せっかく縁があってこの学校に来たんだ。どうせなら楽しんでもらいたいからな。あ、基準点をクリアできたら何か賞品をあげようと思うが、逆に下回ったら罰ゲームがあるぞ」

八幡「横暴だ…」

風蘭「心外だな。比企谷のために考えたんだぞ」

みき「御剣先生!その賞品や罰ゲームは比企谷くんだけにやるんですか?」

風蘭「今のところそのつもりだが、」

みき「なら、私も比企谷くんと一緒の条件で試験を受けます!比企谷くんだけそんなルールがあるのはかわいそうです!」

サドネ「おにいちゃんと一緒に頑張る」

ミシェル「ミミも賞品欲しい〜!」

あんこ「そうね、賞品があるなら燃えるわ。絶対基準点をクリアしてみせるわ」

明日葉「では、私たちも先生と一緒の条件で試験に臨む、ということでいいかな」

楠の言葉にクラスのみんなは一様に頷く。そんな光景を見て御剣先生も楽しそうに笑い、

風蘭「ほぉ、面白くなってきたな。では、今回は全員これまでよりもさらに努力して、賞品を勝ち取ってくれ」

星守「おぉー!」

星守たちはやる気に満ち溢れた返事をして、にわかに教室中が活気づいてくる。

八幡「…あれ、俺の意志は?」

風蘭「アンタの参加は決定事項だ。ではみんな、お待ちかねのチームの発表だ」
187 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/25(水) 23:55:17.01 ID:jVwZULjU0
せっかくセンバツ試験が開催されているのでぞれに便乗してみました。ゲーム本来の「先生同士の点数対決」はできないので、名前だけ同じのオリジナル試験だと思ってください。

あと、これから忙しくなるので更新が遅くなります。すみません。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/26(木) 00:48:10.83 ID:F4Ldpv5uo
乙です
189 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/26(木) 09:17:38.59 ID:U5gAMuuHO
番外編「星守センバツ試験A」

風蘭「発表と言っても、チームはこれから決める」

八幡「どういうことですか?」

風蘭「だから今から決めるんだよ。これでな」

そう言って御剣先生は箱を取り出す。

風蘭「この中にアンタたちの名前が書いてある紙が入ってる。これからその紙を3枚ずつ引あて、その紙に書いてある名前の3人がチームだ」

望「面白いね!」

うらら「うららは誰が一緒でも1番輝くんだから!」

ひなた「桜ちゃん、大変だよ!ほら起きて!」

桜「zzz」

風蘭「では始めるぞ〜」

御剣先生が箱に手を入れると教室中が静かになってその行方を見守る。俺もなんだか緊張してきた…

風蘭「よし引けた。まず最初のチームは、蓮華、みき、ゆり、この3人だ」

蓮華「あら〜、2人ともよろしくね〜」

みき「よろしくお願いします!」

ゆり「1番目指して頑張りましょう!」

風蘭「どんどん行くぞ。次のチームは、詩穂、心美、望だ」

心美「私、大丈夫かな…」

詩穂「3人で頑張れば大丈夫よ、朝比奈さん」

望「そうそう!望ちゃんにお任せあれ!」

風蘭「よーし、次だー。えーと、次は、桜、楓、昴!」

桜「おぉ。2人がいれば安心じゃ。わしは寝る」

楓「桜も戦うのですわよ!」

昴「罰ゲームだけは避けたい…」

風蘭「はいはい次引くぞ。ふむ、明日葉、あんこ、サドネか」

明日葉「やるぞ、あんこ、サドネ」

あんこ「賞品があって、点数もつくなら負けられないわ」

サドネ「負けられない、ですわ」

風蘭「大分決まってきたな。では次は、花音、うらら、ミシェル」

花音「やるからには1位目指すわよ」

うらら「当然よ!ね、ミミっち?」

ミシェル「うん、うん!」

風蘭「さ、そして最後のチームはひなた、遥香、くるみ」

ひなた「ひなた頑張っちゃうよー!ね、遥香先輩!くるみ先輩!」

遥香「うふふ、そうね」

くるみ「えぇ、頑張りましょう」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/26(木) 12:24:15.03 ID:C9wv+W9pO
何がクロスだよくっだらねえ
どうして八幡豚と京豚って他所様にも手を出すわけ?自分とこの女キャラじゃ満足できねーのか?
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/26(木) 12:27:31.72 ID:sXGkXRDMO

今回もツイバレで御剣先生角ハメしたんねん
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/26(木) 13:43:37.81 ID:3ixsRYqs0
おつ
>>1もセンバツ頑張ってるかい?Sランカーだと踏んでるけど
193 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/26(木) 16:41:01.80 ID:usvBj6cjO
番外編「星守センバツ試験B」


風蘭「さて、チームも決まったところでステージの発表だ。今回のステージはHPもMPも1の状態でバトルをスタートしてもらう特別ステージだ」

ゆり「かなり厳しい条件ですね」

蓮華「ゆりちゃんなら大丈夫よ〜、蓮華もサポートするから」

おいおい、HPもMPも1ってのはとんだ縛りプレイだな。気合入れすぎだろ御剣先生。

風蘭「その代わり、イロウスは全武器種で相性が得意になるように設定されている。まぁ体力はかなり多くしてしまったが」

遥香「そうなるとどのような戦法でいけばいいのかしら」

くるみ「そういうことは先生とも一緒に考えればいいと思うわ」

八幡「え?」

おい、いきなりこっちに話を振るな。反応に困っちゃうだろうが。特に常磐の声は雪ノ下にそっくりだから余計にビビるんだよ。

風蘭「えー、それから武器は全員どれを使ってもいい。だがスキルはチームメートのスキルは自由に使っていいが、他のチームのスキルは使ってはダメだ」

花音「なら私は詩穂のスキルを使えない訳ね」

詩穂「花音ちゃんが私のスキルを使って大活躍するところ見たかったわ」

相変わらずあそこは百合百合してますねぇ。国枝の愛が重いのが時々怖いけど。うっかりブチ切れたら白い髪に赤い目なんかに変身しそう。

風蘭「では説明はこのくらいにして、早速試験を始めるぞ。まずは蓮華、みき、ゆり。試験会場に移動するから付いて来てくれ」

みき「緊張しますね」

ゆり「普段の実力を出せば必ず勝てるぞ、みき!」

蓮華「れんげも普段通り、2人の可愛い姿を観察してるわ〜」

みき「蓮華先輩も戦ってください!」

…大丈夫なのか、このチーム。いやこのチームだけじゃなくて全部のチームに言えることなんだが、急造チームで倒せるのだろうか。まぁそれも御剣先生の狙いなんだろう。

風蘭「ほら、後もあるから早く行くぞ。比企谷、何してる。アンタも来るんだよ」

そう言って御剣先生は俺の襟を掴んで強引に引っ張っていく。

八幡「わ、わかりました、わかりましたから引っ張らないで」

風蘭「 わかったならいい。さ、行くぞ」
194 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/26(木) 16:43:29.07 ID:usvBj6cjO
>>192
一応今の順位はSクラスですけど、多分残れないと思います。復活花音持ってないので、今回取り上げた「総合試験異界」のタイムが削れないんです。
195 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/01/26(木) 16:51:11.07 ID:usvBj6cjO
それと、これから先のスコアは>>1が実際に手持ちのカードでやってみた結果です。チームによっては酷い点数にもなりますが温かく見守ってください。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/26(木) 23:41:57.11 ID:F4Ldpv5uo
乙です
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/27(金) 09:14:21.26 ID:ySgH3zAX0
面白い試みだね
198 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/28(土) 18:30:34.47 ID:1xaMF35t0
番外編「星守センバツ試験C」


俺たちは御剣先生に連れられ、バーチャル空間に移動していた。

八幡「相変わらずすごいなここ」

VRなんか目じゃないほどのリアルさ。まるでSAOの世界の感じ。でもこのままログアウトできないで、アインクラッド編が始まるとかは勘弁してほしい。まずはじめに死ぬのは多分俺だし。

風蘭「ふふ、アタシの自信作だからな。さぁ、試験を始めるとしようか」

ゆり「まずは戦略を立てなければな!」

蓮華「そうねぇ、HPもSPもないとなると、まずはそれをどう確保するか考えないと。ね、先生?」

八幡「…えぇ。タイムを縮めるためにはスキルを使うことが必須ですからね」

みき「小型ゲルを倒せばSPを回復できるんじゃないんですか?」

蓮華「うーん、でもそれだけだとどうしても足りなくなるわ。他のやり方も考えないと」

ゆり「SPを回復するにはイロウスを攻撃するしかないですよね!」

みき「そうですね!ならどんどん攻撃しちゃいましょう!」

八幡「あぁ、それがいいと思う。っつーかそれしかない」

蓮華「でもただ攻撃するだけじゃダメよね?」

八幡「そこはあれです、SP回復効率を高めればいいんです」

ゆり「どうやるんだ?」

八幡「手は色々ある。嵐や雷なんかで攻撃の手数を増やす。武器にSP回復の効率がよくなるものをセットする、とかな」

蓮華「それとSPの使用量自体を減らせるようにしておくことも大事かしら」

みき「なるほど!だんだん方向性が見えてきましたね!」

八幡「あとはそうだな…メインとなるスキルを決める必要がある」

ゆり「今の私たちにできるスキルから考えると、1番威力の高いのは蓮華先輩のスキルですかね」

みき「ガンからレーザー出すやつですよね!」

八幡「あれは確かに強力だな。ならそのスキルを軸にしていこう。芹沢さんがメインにスキルを使ってイロウスに攻撃、星月と火向井はその補助ってとこか」

蓮華「いいと思うわ〜」

ゆり「燃えてきました!」

みき「頑張ります!」

風蘭「お、決まったか。ではイロウスを出現させるぞ」

八幡「ちょっと待ってください。その前にクリアしなきゃいけない基準点を教えてほしいんですけど」

風蘭「ん?それはすべてのチームの試験が終わってから発表する。だからお前らは各々の全力を出して試験に臨んでほしい」

みき、ゆり、蓮華「はい!」

……なんかうまく煙に巻かれたような気がするが、御剣先生がそう言う以上、目の前の試験に集中するしかないだろう。ま、俺にできることはここまでだし、あとは彼女たちに任せるしかない。

八幡「じゃあ3人とも、頼んだ」

蓮華「え〜先生、もう少し気持ちを込めて応援してくれないとれんげたち頑張れないかなぁ」

何言ってくれてるんだこの人。俺のピュアっぷりを弄んでやがる。顔もニヤついてるし…

八幡「あー、星月、火向井、芹沢さん、頑張ってきてください…」

みき「もちろん!」

ゆり「必ず高得点を取ってくる!」

蓮華「行ってきま〜す」

3人はそう言い残すと俺のもとから離れていった。はぁ、恥ずかしかった…さて、俺はしばらく見学しときますかね。
199 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/29(日) 02:06:45.13 ID:LFpSOtI/0
番外編「星守センバツ試験D」

数十分した後、3人が戻って来た。かなり激しい戦いだったのか、全員かなり疲れ切った顔をしている。

八幡「お疲れ様」

みき「つ、疲れた…」

ゆり「私の力が及ばなかったばかりに蓮華先輩にはご迷惑を…」

蓮華「あら、そんなことないわ。2人が頑張ってフォローしてくれたから倒せたのよ」

八幡「イロウス、倒せたんですね」

ゆり「あぁ、だがほぼ時間いっぱいかかってしまった」

みき「想像以上にイロウスがしぶとかったよ…」

風蘭「ははは、かなり苦戦していたな、お前ら」

御剣先生が得意げになりながらこちらへ歩いてくる。

ゆり「御剣先生!今回の試験は難しいですよ!」

風蘭「当たり前だ。簡単に倒されたら試験にならんしな」

蓮華「れんげたちが苦しむところ見たかったんですか〜?」

風蘭「別にそんな趣味はないが…とにかく、これを機にもう一度特訓を見直して、さらなるレベルアップに励んでくれ」

みき「はい!」

八幡「そういえば、点数はどうだったんですか」

風蘭「おぉ、そうだな。では発表しよう。みき、ゆり、蓮華のチームの得点は」

みき、ゆり「ごくり…」

風蘭「…1887点だ」

八幡「それは、、、いいんですか?」

なにせトップバッターだから、この点がいいのか悪いのか判断できない。星月や火向井を見ても腑に落ちない顔してるし。

蓮華「うーん、正直あまりいい点数とは言えないわね。制限時間内とはいえ撃破までかなり時間がかかってしまったし」

風蘭「まぁ、そうだな。他のチームを見てないから何とも言えないがそこそこ低いスコアではある」

ゆり「くっ、私がもっと素早くイロウスを攻撃できていたらもっと早く撃破できたのに」

蓮華「終わったことを言っても仕方ないわ。ひとまずれんげたちのできることはやったんだし、イロウスは撃破できてるわけだから落ち込むことはないはずよ」

みき「蓮華先輩…」

さすが最上級生、後輩が落ち込んでるのを見てすぐフォローの言葉をかけている。

蓮華「それに、みきちゃんもゆりちゃんも笑ってた方がずっとかわいいんだから、もっとれんげの前で笑って〜」

前言撤回、この人はただ可愛い子の笑顔が見たいだけでしたね。思考回路はエロオヤジ並だなマジで。

八幡「ま、芹沢さんの言う通り、倒せたんだからひとまずいいんじゃないか。急造チームだし、スキルにも制限があったわけだし」

みき「比企谷くん…ありがとう!」

ゆり「あぁ、でも私は自分の力不足が許せない!今からもう一度鍛え直してくる!」

蓮華「うふふ、先生も言うようになったわね」

八幡「…とにかく、もう試験は終わったんだ。3人はゆっくり休んでくれ」

みき「はい!」

蓮華「じゃあじゃあ、疲れをとるために3人でシャワー浴びにいきましょうよ!」

ゆり「い、いいですけど、変なところは触らないでくださいね…」

蓮華「え〜、それなら見るだけにするわ〜」

みき「それもどうかと思いますけど…」

そんなことを言いながら3人はバーチャル空間を後にしていく。それにしても星月と火向井と芹沢さんでシャワーか。絶対よからぬことが起きる気がする。主に芹沢さんが暴走しそう。つか、ここバーチャル空間なんだからそもそも体汚くなってなくない?あの人絶対わかってて誘ったよね。手口が巧妙で恐ろしい…
200 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/30(月) 21:26:53.32 ID:A1P4zIiW0
番外編「星守センバツ試験E」



星月たちが退出してからしばらくして、次のチーム、国枝、朝比奈、天野が入ってきた。

望「お、八幡お疲れー!」

朝比奈「よ、よろしくお願いします…」

詩穂「緊張しますね」

八幡「おう。じゃあ早速作戦立てるか」

望「ふふーん、今回のアタシたちの作戦はもう決まってるのだ!」

八幡「そうなのか?」

朝比奈「は、はい。さっきまで3人で話してたんです」

八幡「ほぉ」

望「その名も、『1に詩穂、2に詩穂、3.4に詩穂で、5にも詩穂!』どう八幡?」

…天野が何を言ってるのかわからない。とりあえず国枝のことを言ってるのだけは伝わるが、それ以上は意味不明だ。権藤権藤雨権藤的な?

詩穂「つまり、私のスキルを中心にして戦うということです」

俺が理解していないことを察したのか、国枝が俺に苦笑しながら説明してくれる。

八幡「なんだよ、それならそうとちゃんと言ってくれなきゃわからん」

望「え〜、八幡になら伝わると思ったのに」

天野は口をとんがらせて不満げにしている。

八幡「わかるか…」

心美「それで先生、作戦の方はどうですか?」

八幡「それについては反対する理由はない。国枝のスキルはかなり強力だったしな」

詩穂「ふふ、ありがとうございます、先生」

八幡「と、とにかくそれでやってみよう。今回のイロウスは体力がめちゃくちゃある。国枝のスキルで毒にできれば、好スコアが期待できるんじゃないか」

しまった、国枝の不意の笑顔に動揺して少し口ごもってしまった。

心美「先生、顔赤いですよ?」

八幡「いや、なんでもない、なんでもないぞ朝比奈。さ、話は終わったろ。試験行ってこい」

望「八幡〜、もっと気持ちを込めて言ってくれないとアタシたち頑張れないなぁ」

八幡「…お前、それ誰に習った」

心美「さっき蓮華先輩に…」

この場にいなくても俺のメンタル削ってく芹沢さんマジ悪魔。期待に満ちた目をされても困るんだが、特に朝比奈…

八幡「…天野、朝比奈、国枝。頑張ってこい」

望「んーじゃ、行ってくるよー!」

心美「が、頑張ってきます!」

詩穂「すぐに終わらせます」

3人は笑顔でそう言うと試験に向かっていった。うん、こういうのはホント、メンタルにくるからやめてほしい。ぼっちに人を励ます言葉をかけさせないでほしい。慣れてないんだから…
201 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/01/30(月) 21:28:05.44 ID:A1P4zIiW0
番外編「星守センバツ試験F」


程なくして試験から3人が戻ってきた。

心美「ふぅ…」

望「疲れたね〜!」

詩穂「大変だったわね」

八幡「おぉ、お疲れ」

心美「先生、詩穂先輩のスキル凄かったんですよ」

望「さすが詩穂だよね!」

詩穂「いえ、お2人が助けてくれなければイロウスを倒せなかったわ、天野さん、朝比奈さん、ありがとう」

望「詩穂!」

心美「詩穂先輩…」

そうして3人はひしっと抱き合う。うん、どことは言わないけどものすごい盛り上がってますねぇ、いい感じにたわわですねぇ。どことは言わないけど。

風蘭「比企谷、見るなとは言わんが顔には気をつけたほうがいいぞ…」

気がつくと隣に御剣先生が立っていて、俺に呆れながらつぶやいていた。

八幡「…すみません」

くっ、気づかれていたか。ステルス機能には定評のある(八幡調べ)俺が他人に気持ち悪い顔を見られるとは…不覚だ。

詩穂「あら、御剣先生」

3人も御剣先生に気づいたのかお互いに離れてしまう。

風蘭「3人ともお疲れ様」

望「点数の発表ですか?」

風蘭「あぁ。時間もないからな、さっさと発表するぞ」

心美「点数が悪かったらどうしよう…」

八幡「さっき国枝のスキルがすごかったって言ってたじゃねぇか」

心美「すごいのはすごいんですけど、でも点数がいいかは自信がないです」

風蘭「大丈夫だ心美。アンタたちの点数は3887点。そこそこいい点数だぞ」

心美「ほ、ほんとですか?」

八幡「やるじゃん、お前ら」

望「やったね!」

詩穂「悪い点数じゃなくてよかったわ」

八幡「さっきよりもかなり点数が高いですけど、やっぱり国枝のスキルがよかったんですか?」

風蘭「そうだな。あの威力と毒の効果でかなり早くイロウスを倒せていたな。そういう点では詩穂のスキルはかなり有効だったろう」

詩穂「そうやって面と向かって褒められると照れますね」

心美「はぁ、安心した」

望「よかったね、心美」

風蘭「さ、次の試験もそろそろやらないといけないから、3人は次のチームを呼んできてくれ」

詩穂、望、心美「はい!」

そうして3人はバーチャル空間を後にしていった。
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/31(火) 06:36:01.03 ID:SC/0o99Ko
元ネタわからなかったからとりあえずバトガ始めてみた
203 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/02/01(水) 14:00:54.04 ID:LWoZdRAE0
番外編「星守センバツ試験G」



次に入ってきたのは千導院、藤宮、若葉だった。

八幡「おう、来たか」

桜「やっとわしらの番か。退屈で眠くなってしまったぞ」

楓「桜はいつも寝てるじゃありませんの…」

昴「と、とにかくこれから3人で協力して頑張ろう!先生、アタシたちはどうすればいいですか?」

八幡「そうだな。まずは攻撃のメインを決めなきゃいかんのだが、」

桜「今のメンバーなら楓か昴かのお」

八幡「おい、ナチュラルに自分を抜かすな」

桜「わしはレベルも高くないし、スキルも強くないからのお。今回はサポートに徹するかな」

八幡「お、おう」

楓「そうは言われてもワタクシも昴先輩も強力なスキルは持ってないのですけど…」

昴「そうだよね、どうしようか…」

八幡「ひとつ、手がある」

昴「なんですか?」

八幡「ひたすらv-ハンマーで殴る、だ」

楓「ハンマーのチャージ攻撃で、ですか?」

八幡「そうだ。あれなら一回の攻撃力も高いし、SPも必要ない。時間はかかるがやってみる価値はあると思う」

桜「うむ、わしも八幡の意見に賛成じゃ。今のわしらにできる最大の攻撃手段はv-ハンマーじゃろ」

楓「すると、ハンマーのレベルが1番高い昴先輩にやっていただきたいところですわね」

昴「え、アタシ?」

桜「じゃな。昴頼む」

昴「桜まで⁉︎うぅ、せ、先生はどう思う?」

なんで俺に話振るの?もう2人が答え出してるじゃん。俺の意見なんて別に必要ないだろ…

八幡「ん?ま、俺も若葉が妥当だと思うぞ」

昴「そっか…」

楓「あら、昴先輩顔が赤くありませんか?」

昴「そ。そんなことないよ」

桜「ふふ、昴、よかったのお」

昴「桜うるさい!ほら、2人とも行くよ!」

若葉は俺からプイと顔を背けてしまい、そのまま千導院と藤宮を引っ張って試験に向かってしまった。いや、聞いたら少しは反応してくれないとちょっと傷つくなぁ…嫌なら俺に聞かなければ良かったのに…
204 : ◆JZBU1pVAAI [sage]:2017/02/01(水) 14:29:23.19 ID:LWoZdRAE0
ゲームでのセンバツは終わりましたが、こちらはまだ続きます。もう少しお付き合いお願いします。
205 : ◆JZBU1pVAAI [saga]:2017/02/01(水) 18:12:50.67 ID:LWoZdRAE0
番外編「星守センバツ試験H」


しばらくして3人が戻って来た。千導院と藤宮はそうでもないが、若葉はかなり疲労しているように見える。

八幡「おぉ、お疲れさん」

桜「厳しい戦いじゃった…」

楓「ワタクシの攻撃も桜の攻撃もほとんど通じませんでした…」

昴「あはは、仕方ないよ。アタシのサポートに回ってたんだから。おかげでハンマー攻撃はそこそこ効いてたし」

八幡「でも若葉、お前かなり疲れてないか?」

昴「そりゃああんだけハンマー振り回せば疲れるよ。アタシいつもはフットサルやってるからこんなに重いもの持たないもん…」

八幡「まあそうか」

楓「でも昴先輩のハンマーさばきは素晴らしかったですわ!」

桜「そうじゃな、かっこよかったぞ昴」

昴「かっこいいって褒められてもなんか素直に喜べない感じがする…」

八幡「ま、なんだ、星守として考えればそうやって後輩から褒めてもらえるのは悪くないんじゃないか」

昴「先生は、ハンマーをかっこよく振り回せる女の子はどう思いますか?」

八幡「あ?いや、まぁ単純にすごいな、と思うが」

昴「き、キライになったりしませんか!?」

八幡「なるわけねえだろ…」

昴「…それならよかった」

おい、最後声が小さくて全然聞こえねえよ。いつもみたいにもっとはっきり話せよ。

楓「昴先輩、また顔が赤いですわよ?」

桜「そういう反応をする所はかわいらしいな昴」

昴「もう!からかわないでよ!」

すまん、若葉。俺も少し女の子らしいな、と思ってしまった。

風蘭「さ、みんな、そろそろ結果発表するぞ」

そう言いながら御剣先生がこちらへやって来た。

楓「いよいよですわね」

桜「どんな点数でも受け入れるぞ」

昴「何点なんだろ」

風蘭「お前らの点数は、2194点だ」

昴「それは良いんですか!?」

八幡「今までのチームの中では2番目だな」

楓「微妙ですわね」

桜「まぁそんなもんじゃろ」

風蘭「ハンマーを使うのは悪くなかったが、やはりそれだとタイムが縮まらなかったな」

昴「そうですか…」

八幡「しょうがないだろ。よく頑張ったと思うぞ」

昴「先生…いえ、もっとアタシは強くならないと!これから特別特訓をしてきます!ほら2人もやるよ!」

楓「い、今からですか?」

昴「そうだよ!もっと強くなって先生に今度こそいいところ見せるんだから…」

桜「今日は勘弁してほしいぞ…」

昴「ダメ。桜も行くよ!ほら急いで!」

そういって強引に若葉は2人を連れて特訓へ向かっていった。さっきまで疲れてたのにこれから特訓なんて、すごいな。千導院と藤宮はかわいそうだがな…
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